札幌市議会 > 2012-02-29 >
平成24年第一部予算特別委員会−02月29日-02号
平成24年第二部予算特別委員会−02月29日-02号

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  1. 札幌市議会 2012-02-29
    平成24年第一部予算特別委員会−02月29日-02号


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    平成24年第一部予算特別委員会−02月29日-02号平成24年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第2号)               平成24年(2012年)2月29日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  こんどう 和雄      副委員長   小 倉 菜穂子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  細 川 正 人     委   員  よこやま 峰子      委   員  宗 形 雅 俊     委   員  飯 島 弘 之      委   員  北 村 光一郎     委   員  阿部 ひであき      委   員  西 村 茂 樹     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  林家とんでん平      委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  阿知良 寛 美      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  芦 原   進      委   員  國 安 政 典
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 形 香 織      委   員  石 川 佐和子     委   員  堀 川 素 人      委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○こんどう和雄 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、鈴木委員からは高橋委員と、こじま委員からは飯島委員と、本郷委員からは阿知良委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、審査日程の変更についてお諮りいたします。  昨日の本会議におきまして、陳情第26号から第28号 「保育料10%値上げ」に関する陳情、陳情第29号 「保育料値上げ」に関する陳情、陳情第30号及び第31号 保育料の引き上げ等に反対する陳情、陳情第32号 保育料の引き上げ等に関する陳情、陳情第33号及び第34号 保育所の保育料の引上げ等に反対する陳情、陳情第35号及び第36号 「保育料平均10%改定」に関する陳情の11件が本委員会に付託されました。  つきましては、各位のお手元に配付の原案のとおり、審査日程を変更することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○こんどう和雄 委員長  異議なしと認め、審査日程は、原案のとおり変更されました。  次に、質疑に先立ち、審査方法についてですが、質疑者及び答弁者は起立して発言を行うこと、答弁者は冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言を行うこと、なお、同一委員への答弁が継続する場合は最初だけでよいこととします。また、質疑及び答弁は、簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の重複等も避けながら、終了時刻は午後5時をめどとし、審査日程を予定どおり消化できるようご協力をお願いいたします。  それでは、議案第1号 平成24年度札幌市一般会計予算中関係分ほか、付託議案15件、札幌市公契約条例案に関する陳情1件並びに児童クラブ利用料及び保育料等に関する陳情16件を議題といたします。  初めに、陳情第20号 公契約条例の早期制定を求める陳情につきまして、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時3分       再 開 午後1時13分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、平成24年度札幌市一般会計予算中、歳入のうち一般財源、第2款 総務費 第1項 総務管理費中会計室及び財政局関係分、第3項 税務費、第10款 公債費 第1項 公債費、第11款 諸支出金 第1項 財産取得費、第2項 他会計繰出金財政局関係分、第13款 予備費 第1項 予備費、議案第8号 平成24年度札幌市基金会計予算、議案第9号 平成24年度札幌市公債会計予算、議案第27号 札幌市公契約条例案、陳情第20号 公契約条例の早期制定を求める陳情について、一括して質疑を行います。 ◆飯島弘之 委員  私からは、公契約条例案につきましてお伺いいたします。  今ほどの陳情にもございましたが、本市も、本市公契約によって官製ワーキングプアが生み出されているという問題意識等のもと、今定例会に公契約条例が上程されました。  しかしながら、これまで、我が会派は、行き過ぎた落札価格の低下はさまざまな弊害を生むことを早くから指摘をし、そして、入札制度の見直し、特に、最低制限価格を引き上げることによって適正な利潤を事業者にもたらし、もって、品質の保持、労働環境の整備並びに適正な価格、条件のもとでの取引先などとの取引を成立させることによって、本市経済の基盤である企業経営安定を目指すことが重要であるという考えで主張してまいりました。  私は、このように評価に値をしない条例を市が今定例会に提案せざるを得なくなったこと自体、市のこれまでの経済政策の失敗、入札制度全般に関しての無策、必要な施策を実施してこなかった不作為がもたらした結果であると、まず申し上げたいと思います。  そして、その失態のツケを、懸命に、この厳しい環境下、本市の経済、雇用を維持している企業側に押しつけるということは決して許されることではなく、そして、経済界が一致して反対の姿勢を鮮明にしている中で、無理強いして本条例案を制定しようとする市側の姿勢は大変問題であり、したがって、条例案には、到底、賛成できるものではありません。まず、冒頭にその点を申し上げたいと思います。  そこで、私からは、きょうは、本条例案の理念、目的、そして、その実効性の確保についてという観点で質問をさせていただきたいと思います。  きょうは市長もおいででありますけれども、市長は、これまで、この条例案に関する質疑の中で、条例の実効性の確保の問題については一番重要だという認識を明らかにされております。当然、市が条例を制定する意味、そして、その重さというものは大変大きなものであります。したがって、その条例の目的とすることに対する実効性の確保というのは当然重要でありますし、市長のそのご見解は私も当然であろうかと同意をするものであります。そして、その点について、これまで、時間をかけて他都市の事例の研究や調査も含めて検討が実施され、今回の上程に至ったのだろうと理解しております。  私は、本市の起案した条例案に関しては、そもそも実効性の確保、つまり、履行確認の方法やチェック体制、さらに、2次、3次、その下の下請まで実効性が、法的に問題なく、かつ、実態的に担保し得るか否かということも当然問題であるというふうに思いますが、同時に、この条例自体がその目的と照らし合わせて整合性があるのか。条例制定の理念、これは市から示されておりますけれども、その理念に対して、公契約条例というものの実効性が、私は、今問題ではないのかというふうに、これは、これまで議会で議論をし、そして、先行都市の事例を調査すればするほど、その問題意識が強まってくるわけであります。  これまで、我が会派におきましては、先行都市の3都市、野田市、そして川崎市、多摩市を調査してまいりました。そして、法的に違法性が強いという判断も含めて、この公契約条例案を否決した兵庫県尼崎市についても調査をしてまいりました。そこで明らかになったことは、それぞれの都市で条例制定に至った経緯、そして、その市を取り巻く環境、そして理念、目的がさまざまであって、札幌市の、現状、示されている理念、目的とは実態として大きくかけ離れている場合が多いということであります。  以下、その調査事項も踏まえながら、結果も踏まえながら、細かに質問をしてまいりたいと思います。  まず、今の陳情にもございましたが、官製ワーキングプアの本市における実態と、そして、ワーキングプアを解消するのが目的だということについて、本条例案との整合性、実効性についてお伺いさせていただきたいと思います。  まず、今回のワーキングプアの実態について確認させていただきたいと思います。  低賃金で雇用されているという実態についての調査結果を、先日、原局からいただきました。これまで市が言っている労務単価支払い賃金の比較でありますが、委託業務に関しては、特に、総じて最低賃金付近で働いている労働者が多いと市は答弁されております。この点について、先ほど申し上げました、いただいた調査結果を見てみますと、例えば、建物清掃においては、全体の89%が建築保全労務単価の90%が支払われており、そして、建物警備、これは警備員Cと言いますが、こちらにおいては労務単価90%以上が65%、そして、建築設備運転、監視業務に関しては80%未満が55%――これは、この数字だけを見ると厳しいようにも思います。ただ、これはもとの労務単価が1万2,200円ということでありまして、これは他の業務のほぼ倍額ということでありますので、その点を考慮すべきであり、そして、工事においては、2省単価以上の賃金が支払われている労働者が全体の約4割、全体の86%が90%以上の支払いがされているということが結果として明らかになっているところであります。  そこで、質問でありますが、この調査結果から、市のこれまで言ってきている、総じて最低賃金付近でぎりぎり働いているということは、素直にそのまま受けとめられるとは言えず、企業側が低い落札率で受注しているという現実を考えれば、工事、業務委託ともに、すなわち、自社内部留保を取り崩したりだとか、または、役員報酬を削る、減じたりだとか、もしくは、取引先のいわゆる取引価格を引き下げる、一般経費の削減等、努力をしているあらわれから、私は、これだけの労賃が、ある意味、厳しい落札価格にもかかわらず、払われているのではないかという明らかな証左なのではないかと思いますけれども、その点についての市側のご見解をお伺いいたします。 ◎上野 管財部長  賃金の低下の実態についてどうとらえているかということでございます。  まず、工事につきましては、ここ10年来、2省単価が大幅に下落していることは、委員もご承知のとおりだと思っております。また、いわゆる委託業務に関しましては、今、委員が示されたように、労務単価を基準にした場合、仮に、清掃業務のデータでございますが、労務単価未満の労働者が全体で7割を占めている状況にございます。  例えば、清掃員Cの場合におきましては1日当たり6,400円、これは平成23年度の設計単価でございますが、それを時給換算しますと800円になりますから、7割が800円未満ということになります。しかし、このいわゆる労務単価には通勤費相当額を含んでおりますことを考慮いたしますと、実質的には750円を下回ることになろうかと思います。  したがって、最低賃金付近で、この当時の6,400円は、最賃は昨年10月に705円に上がりましたが、それ以前は691円でございまして、その付近で働く方々が多い、このように理解しているところであります。 ◆飯島弘之 委員  2省単価の下落というのは、これは、何も企業側の責任ではないわけでありまして、冒頭で申し上げましたけれども、市が不作為に何もしてこなかった、下落に歯どめをかけるような、最低制限価格を上げるとか、そういう施策を行ってこなかった、なすがままに業者側に競争入札をさせていたから、結果、前年のそういったものが反映されて単価が下がっていくわけであります。ですから、結果的に、これを公契約条例で企業側に責任を押しつけることについては、私は大変問題だと思います。  そして、今、一例が示されましたけれども、時給は690円と750円、これがぎりぎりか、ぎりぎりではないかというのはさまざま議論があるかというふうに思います。ただ、市が今まで言ってきた、総じてほとんどの人がぎりぎりで働いているのだとは言えないということは、これは明らかになっているというふうに思うのです。やはり、こういう情報を的確にしっかりと市民側に、業界側に、そして労働者側にも示さなければ、前提が間違っているというか、余りにもアバウトな状況のもとで議論をすると結果を見誤るのではないかなという意味で、私は、この件について改めてお伺いしました。  私はいただいておりますが、委員の皆さん方も、きょう、人件費の調査結果がお手元にあるかどうかはわかりませんけれども、私は、今のこの競争環境のもと、非常に厳しい落札金額で企業が経営をしている中で、むしろしっかりと最低賃金というものをクリアしているわけであります。ですから、雇用を確保する、最低賃金をしっかりと確保しながら雇用を守って頑張っていただいているというふうに評価するのが公平だし、妥当だというふうに思いますので、この点について改めて意見を申し上げたいと思います。  次に移りますが、今申し上げましたように、現実は、企業側こそぎりぎりの状況で経営をしております。そして、ぎりぎりだからこそ、現に倒産や廃業が相次いでいる、そういう状況でもあります。  そこで、本条例によって一時的に市が目指す賃金が上がること、これが果たして中長期的に安定的な雇用に結びつくのかどうかということ、これは非常に大きな問題点だというふうに私は思っております。反対している業界側にお伺いいたしますと、この公契約条例が制定に至った場合、結果的には直接人件費が増加する、それに伴って、当然、福利厚生費も増加することによって大幅に経営が圧迫される。会社がつぶれては元も子もありません。当然、労働者の雇用も失われるわけでありますから、そうしないために、結果的には正規雇用から非正規へと。  そして、今、清掃やそういった現場はご高齢の方々も多く一生懸命働いているというふうにお伺いします。しかし、結果的に、賃金を高く払わなければならない、効率を上げなければ利益がストックできない、よって、会社の経営は成り立っていかない、借金も返せない、そういう状況になった場合には、どうしたって、やはりご高齢の方々にはリタイヤしていただいて、そして、馬力のある、同時間の中で効率よく働ける若年層にシフトしていかなければならない、そういったことも起きますよということが言われているわけであります。  そしてまた、労働者の時間を削減するとか、いわゆるワークシェアをするような形で人件費を抑えていく、そういうような対策をしなければ、今のこの現状では業界側としては存続できないというふうに言われているわけであります。  この点について、先日、私どもの会派が視察で野田市にお伺いした際に、野田市の担当の方にお伺いさせていただきましたので、ご紹介させていただきます。  利益が一定程度見込め得る大きな金額の業務でなければ、人件費の上乗せを求める条例を適用することは結果的に企業経営を圧迫することになるため、すべての業務には公契約はなじまないというふうにはっきりとおっしゃっておられました。あくまで、公契約の一部、つまり、一定の利益が上がる――私も昨年の決特で申し上げましたが、やはり、大きな金額の物件、一般的なこういった大きな物件の方が利益は上がりやすいですから。工事で言えばおよそ億単位、業務であれば1千万円以上の大型物件でなければ実効が難しい施策ですねというお話をされておりました。  実際、先行事例の各都市を見ても、大型の物件を公契約条例の対象としております。今回の札幌市もそうであります。札幌市は、今後、対象を広げていくようなことも検討するようなことを条例制定を求める会派からの質問に答弁されておりますが、私は、現実は難しいというふうに思います。  また、野田市は、工事の落札率はおおむね92.3%、業務は84%という落札率で、今、入札が行われているということであります。大変高い数字だと私は思います。札幌市とはおよそ10ポイントぐらい違うのではないでしょうか。そういった入札実績の中での公契約条例でありまして、その点は十分に参考にして議論をすべきであろうかというふうに私は思います。つまり、野田市は非常に高い落札率の中で入札が行われている。しかも、その中で利益の出る大型の物件に限定してやっている。そういう状況での公契約条例なのであります。  そこで、質問でありますが、本市の現状において、本条例案の手法をもってして賃金を上げることについては、結果、中長期的には労働者の方々にとって雇用を失わせることにつながり、雇用がなくなれば、確かにワーキングプアという現象もなくなるのかもしれませんが、私は、現実的には労使ともにメリットがないのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。  そして、この野田市の見解について、私は、札幌市の皆さん方に確認してくださいというふうに事前にお願いをしております。そして、この点は、先ほども申し上げましたように、私は昨年の決算特別委員会でもお尋ねしておりますが、金額によっては一定の限界があるのだ、すべての金額の範囲で網羅するべき条例ではないと。市は、よく、物理的にチェックが困難だからまずは大きなところからやりますというふうに言っておりますけれども、私は、そもそも大きな金額の物件以外にこの条例を適用することは、企業を非常に危険な状況に追い込んでしまう極めて不完全な条例だ、そういう性格を有している条例だと思いますがいかがか、見解をお伺いいたします。 ◎上野 管財部長  まず、条例が雇用の悪化につながらないかということでございますが、条例は、受注者に対して一定水準以上の賃金支払いを義務づけますことから、最低制限価格の引き上げによって適正価格での入札を促進したい、このように思っております。その結果、適正な労務費の確保と経営安定化を促すことが必要だと考えてもおります。したがいまして、条例は、そうした意味で経済循環にももちろん寄与するというふうに考えておりますから、必ずしも雇用の悪化につながるものというふうには考えてございません。  次に、適用範囲のことでございますが、私どもは、今、条例案として提出しているものは、委員ご指摘のとおり、工事で言えば5億円、プラントが2億円、業務が1,000万円でございます。私どもは、まず、この対象範囲のものを実施させていただいて、そして、実施の中であらゆる面から検証して、その上で範囲については検討したい、このように思っております。その中で検討されることがあるだろうと。まずは、条例の定着に全力を挙げてまいりたい、このように考えております。  それから、もう一つは落札率でございます。確かに、野田市の業務の落札率は84%ということでございますが、私どもも低い方では70%の最低制限価格を設けておりまして、低いものについては70%に近いところで落札していますが、すべてその率だということではございませんでした。また、この1月に、4月以降の業務に対して最低制限を上げているところでもございまして、それによりますと、理論値ではございますが、84%は最低制限価格として考えられる、理論値として84%以上になるというふうに考えているところでございます。 ◆飯島弘之 委員  84%というのは工事の話ですか、業務の話ですか。(「業務です」と呼ぶ者あり)  業務の話ですね。ありがとうございます。  せんだっての代表質問でもお話をさせていただいておりますけれども、市は、これまで、公契約条例最低制限価格というのは、一応、切り離して考えているというふうに話をしているのです。ただ、せんだっての代表質問で、我々は、表向きはそう言っているけれども、実態としては、それを上げるから、その分で労働賃金を埋め合わせられるでしょうから、のんでくださいねというような言い方をされて業界の方と話をしているという実態があるが、これはいかがなものかという質問をさせていただいております。私は、最低制限価格を上げることと公契約条例の問題というのは、あくまでも別物だろうというふうに思っております。市は、オフィシャルにはそういったことで議論をしていくということを言っているわけでありますから、都合のいいときだけ、こういう場において、最低制限価格を上げるのだからその分で埋め合わせできるでしょうというようなことを言うのは、私は、どうも、せんだっても代表質問小須田議員が言っていますが、市民を侮辱しているのではないかと。お金で人の心をつろうというような姿勢というのはいかがなものかというお話をもう何度も言っているのですが、同じことをおっしゃるということについては、私は、改めて問題だというふうに申し上げたいと思います。  次の質問に移りたいと思います。  市は、この条例の理念として、今ほど来の陳情の方のお話にもございましたが、労働者の賃金の増加によって経済活性化を図るのだと。私は、この実効性にも問題があるなというふうに思っておりまして、この点についてお伺いさせていただきたいと思います。  これだけ多くの市民や、そして対象とされる業界、経済界が一致して反対される中で、我々市民の貴重な税金を投じて実施するという条例であれば、私は、当然、市民が納得する経済的効果というものが見込まれないといけないというふうに思います。また、市も、その条例の目的に、今ほど来申し上げましたように、目的としているわけでありますから、それをきちんと示すということが、もういよいよ大詰めの正式な条例案が提示されているわけでありますから、私は示すことが必要なのではないかというふうに思います。  これは、前の定例会で、私ども自民党から、地方自治法第2条第14項ということで、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないということについていかがかというお問いをさせていただいておりますけれども、改めて、私は、この効果が示されないからには、この条例は地方自治法のこの条文に抵触するのではないか、そのおそれがあるのではないかという思いもございます。  そこで、この点についても、昨年の決算特別委員会においてお尋ねしましたけれども、その際に、市の方からは、公共事業の品質が図れるということで条例が法律に抵触する問題はないと。つまり、品質がよくなることで市民にも利益があるのだから、効果があるのですよという答弁をされてご説明をいただきました。私は、このことも、後ほどお聞きしますけれども、いま一つ、ぱっと理解ができません。やはり、先ほど申し上げましたとおり、この段においては、明確な数字をもって、これだけの、1人増員でしたか、800万円だかの予算を組むと。そのほかにも発注部局においてさまざまな人がかかわってくるでしょうから、もっと経費がかかるでしょう。そういったものも含めてどれぐらいの経済効果が上がるのか、ビー・バイ・シーはどれぐらいになるのかということを改めてお聞かせいただきたいというふうに思います。  これは、市の方でも経費がかかるでしょうけれども、業者の方も、賃金台帳を整備して、その辺をきちんと整えて現場に提示するとか、そういったさまざまな経費がかかってくるわけでありますから、当然、市民の側も業者の側も納得できるだけの効果が上がらなければいけないというふうに私は思っております。  改めてお聞きしますが、札幌市の経済活性化、経済効果について具体的な数字をお示しいただきたいと思います。  また、札幌市は、これまで、公契約によって賃金が上がり、それがほかの契約にも波及することによって市内経済が活性化するきっかけになる、そういうことをもくろんでいるともおっしゃっております。今ほど来の陳情をされた方の陳情の理由の中にも、働く人の生活を保障する賃金水準の向上など内需拡大なくして日本経済の再生はなく、賃上げの底上げを図る公契約条例はその一助になるに違いないというおっしゃり方をされております。  私は、一般的に、このような考え方、言い方がされていることは承知しております。しかし、私は、このロジックにはかねがね疑問を持っておりました。また、これも先例都市の野田市の調査で明らかになっているところでありますが、実際にそのような効果があるのですかというふうにお伺いしましたところ、そのようなことはそもそも想定していないというお答えを返されたところでもあります。  そこで、お尋ねいたしますが、札幌市は、事前の先行都市の調査でそのような効果を確認されておられるのでしょうか。また、その点も盛り込んでの経済効果ということなのかどうか、お示しいただきたいと思います。 ◎上野 管財部長  経済効果についてということでございます。  条例の執行による経済効果については、いわゆる下限報酬額を定めてその支払いを義務づけるものですから、賃金による経済効果につきましては、その下限報酬額が決まっていない段階では、具体的にどの程度の効果があるかは現時点では具体的にお示しできませんけれども……(発言する者あり)したがって、現在、一定の条件のもとで試算の作業を行っているところであります。  また、この賃金とは別に……(発言する者あり) ○こんどう和雄 委員長  答弁中です。 ◎上野 管財部長  (続)いわゆる条例は、適正賃金、適正受注というものを促すことから、もちろん最低制限価格を引き上げることによって受注金額が増加するということでございますので、これが地域に還元されることによって経済効果があるという蓋然性は言えるというふうに思っております。 ◆飯島弘之 委員  せんだって、この件については、数字を示していただいた上でこの委員会で議論をさせていただきたいということでお願いをしております。何でも、市の方は、審議会が決める数字によって――審議会は条例が制定されてから設置されるわけですから、当然、数字は出ないのでしょうけれども、何かその90%ぐらいである程度試算をしているやに聞いております。その辺をもとに、ある程度の数字は出ないのですか、お伺いいたします。 ◎新谷 財政局理事  経済効果の具体的な検証につきましては、さまざまな要件といいますか、仮説の条件の設定が必要でございます。現在、いろいろなパターンで試算をしているところでございますので、いま少し時間をいただきたいというふうに思っております。(発言する者あり) ◆飯島弘之 委員  我が会派は、これまで、だから時期尚早だというふうに申し上げてきたのですね。その辺のところを、きちんと、市民が納得できる、そういう条件をきちんと出していただきながら議論していきましょうというお話を何度もお願いしているにもかかわらず、いよいよこの条例案が上程されているこの現時点においても、いろいろなパターンというような話は、これは、やはり、地方自治法に基づく違法性というものがますます高まってくるのではないでしょうか。そういったものが試算されていない。されてはいるのでしょうけれども、我々納税者に示していただくことができないような状況でのこの条例案というものは、私は、非常に問題があるというよりは、いいかげんというふうに、大変失礼な言い方かもしれませんが、申し上げざるを得ません。  次に移りますが、昨年11月に私どもの会派で実施いたしました多摩市の視察からであります。  多摩市では、条例の実効性を担保する目的で台帳の提出を求めております。この点は、この条例案の中身を読ませていただきますと本市も同様でありますが、この多摩市の台帳には、労働者の氏名、従事する職種、従事した時間、賃金が支払われる日の記載が求められております。しかしながら、支払われた賃金を記載する欄はないということであります。  私は不思議に思いまして、これによっていわゆる条例の実効性を担保することが可能なのですかとお伺いしましたところ、多摩市の担当の方からは明確なお答えをいただくことはできませんでした。何でも、我がまち札幌と同じで、市長が旗振り役で公契約条例の制定に走ってきた経緯があるそうでありますが、そうであれば、市長さんは、この金額を記載されないことについて何とおっしゃっているのですか、実効性が担保されないからちゃんと書いてもらえというふうにおっしゃいませんでしたかという問いに対しましても、いや、これにおいて、こういうやり方で、市長も市役所内部も関係される方々も了解をしているというお話でありました。  ただ、私は、このお話をお聞きしまして、賃金を記載しないということは一定の合理性があるのではないかというふうに考えるものでもありました。例えば、公契約条例の網がかかっている現場で高い賃金を払ったとしても、企業でありますからいろいろな仕事をやっているわけであります。当然、公契約条例の網にかからない公契約もされているでありましょうし、また、民間のお仕事もさまざまされているというふうに思います。そういった意味では、労働者一個人としてのトータルの収入というのはそこで調整されるわけですね。一方で高い金額を払っていれば、当然、一方で安くしなければバランスがとれなくなってくるわけでありますから、すべて公契約の金額に収れんしていったら、それはもう企業はつぶれてしまうわけでありますから、私は、そこは一定の合理性があるのだろうと。書かせないということは、ある意味、企業を守ることであり、公契約の理念を守るという意味においては、一種の妥協点として合理性があるのではないかというふうに私はその場では理解して戻ってまいりました。  本市も、事前調査において、これは、私も、多摩市ではこういう状況ですが、お調べくださいというふうに事前にお話をして、お調べいただいておりますけれども、この点について、先行事例の都市のこういうやり方についての見解をお伺いさせていただきたいと思います。 ◎上野 管財部長  今、多摩市の事例についてお話がありましたが、確かに、多摩市はいわゆる下限報酬額が具体的に支払われているかどうかということについては、受注者が確認するということで運用しているというふうに聞いております。  ただ、私どもは、やはり、私どもが指定する様式に基づいて、具体的に労働者の氏名、職種、労働時間、そして作業報酬額などを記載していただきたいというふうに考えておりまして、もちろん、受注者におきましては下請業者の労働者を含めて書いていただきたいというふうに考えております。基本的には、川崎市のように月給で比べるところもありますし、相模原市、そして、私どもも基本的には1時間当たりの賃金が最終的にわかるような様式にして、それを提出していただきたい、このように考えております。 ◆飯島弘之 委員  ほかのまちのことでありますから、余り我々が内政に干渉する話ではないと思いますので、それはそういうところもあるのだという受けとめ方で十分だと思います。ただ、市民の皆様方も、市の皆様方も、我々委員も、冒頭申し上げましたけれども、いろいろな考え方の中でこの公契約をやっているのだということを私はご理解いただきたいということで、この事例をあえてここで申し上げたところであります。  次の質問に移りますが、事業の品質の向上の実効性という問題について、私はお伺いさせていただきたいと思います。  この条例では、至るところに、この条例を制定することによって、いわゆるこの公契約によってもたらされる、産出される成果品、成果物の品質の向上を図ることができるのだということが記載されております。ただ、私は、このロジックも、にわかにすとんと落ちるものではないものですから、改めてお聞きしたいのであります。  きょうは、どなたでも結構ですが、工事管理室長もおいででありますので、もしよければ直接お答えいただいても結構であります。  まず、前提としてお聞きいたしたいのですが、今回のこの条例において対象としている事業において、過去、品質上、問題となったような事例、例えば、納品時検定等で不合格になった事例等がこれまであったのかどうか、まずお伺いさせていただきます。  また、札幌市は、このような低価格受注が続くと、今後、品質の低下のおそれがあるから、この条例を適用して、制定させて品質の向上を図るのだ、よくそういうことをおっしゃいますけれども、既に何年にもわたって低価格受注が慢性化しているような状況でありますが、近年の公契約の落札価格低下に伴い、管理する市の立場として、市の仕事をされている業者の質、そして、それに携わっている技術者のレベルの低下、もって、納品される、納入される品質の劣化について、ずっと慢性化してこういう入札の環境が続いている中で、年々落ちていっているな、レベルが落ちていっているな、危険な状況になってきているなという感覚をお持ちなのかどうか、お答えをいただきたいと思います。 ◎本多 工事管理室長  ただいまの品質低下の実態でございますけれども、市の発注工事におきましては、所定の検査を実施しておりまして、仕様書等に基づき、品質の確認を行っております。今のところ、品質が損なわれているという事例はございません。 ◆飯島弘之 委員  年々こういう低価格の環境が続いていて、感覚として、皆様方は、いわゆる検査をされる立場として、前と比べて技術者のレベルが少し落ちてきているな、品質の成果が、合格のレベルには達しているけれども、やはり以前よりは悪くなっているなという印象、感覚はございますか。その点を改めてお伺いさせてください。 ◎本多 工事管理室長  全体を見てどうかというお話でしょうけれども、私どもは、たまたま単年度、単年度で比べて見ている関係上、そういう事例はほとんどございません。技術が極端に低下したというようなことはございません。  ただ、その中には、私ども市の職員、監督員がきちっとした中で、その都度、指示、指導をしてやっておりますので、極端に下がったとか、よくなったとかという事例は、今のところ、私どもはつかんでおりません。 ◆飯島弘之 委員  市長がよくおっしゃられますけれども、札幌市も、今、全国的な政令市の中でも非常に少ない人数で仕事を回されているということでもあります。そういった中で、本当に頑張っていただいているのだということが改めてわかりました。また、企業の方も、今、大変厳しい環境のもと、市民に使っていただくいわゆる公共物のレベルを劣化させないように懸命な努力をしているということを改めて理解させていただきまして、大変ありがとうございました。  ただ、言えることは、今、こういう厳しい状況になったからといって、決して品質は劣化していないし、私は、そういう意味では、ここで給料を上げることによって品質が上向くというようなことにはならないのだろうなというふうに考えるのでありますけれども、その辺は、それぞれ皆さんもまたお考えがあると思いますので、これ以上は申しませんが、私はそのように思います。  続いて、公契約条例を制定することによって、技能や経験を有する人材の確保、そして、技術の継承がなされていく、図られていくということも、いただいているこの条例の理念の中に示されております。そして、市は、本条例制定の目的、理由として、加えて、低賃金になれば労働者の離職が進んで、よって、企業は人材確保が困難になるというような答弁もされております。  今、札幌市の失業率、有効求人倍率は、決していい数字ではありません。きのう、確認させていただきましたところ、直近の数字で、23年度末で有効求人倍率は0.42倍、失業率は4.4%、全国の中でも厳しい数字であるという経済局のお答えでありました。全国的に非常に厳しい、いわゆる職がない、雇用不安の状態が慢性化しているというのが正しい見方だというふうに思います。また、これは報道にもよくありますが、建設業、建設関連業界は大変厳しい状況にあるが、依然、業者の数等については事業規模の縮小に比例して減ってはいない、依然、従業員、関連している方々の就業数は多いというお話も報道等を通じて耳にしているところでもあります。  そこで、質問でありますが、そもそも、今、賃金が低いということが原因で人材の確保が困難な状況にあるという現実があるのか、その点についての札幌市のご認識をお伺いさせていただきたいと思います。 ◎上野 管財部長  条例が人材確保や技術継承につながるかということでございますが、例えば、建設産業におきましては、昨年6月に国交省で取りまとめました「建設産業の再生と発展のための方策2011」というものがございます。その中に、技術労働者の雇用環境の悪化による若年の新規入職者の減少がそこで指摘されておりますほか、技術者の高齢化による技術継承も大きな課題というふうに挙げられております。また、若手の建設技能労働者が入職しない原因として、収入の低さが理由の第1となっているところでございまして、こうしたことからも、適正な賃金の確保がされることによって、人材確保や技術継承につながっていくものだと、このように考えております。
    飯島弘之 委員  国土交通省の調べも結構でありますが、やはり、現実に我がまちのいわゆる実態というものを把握された上で施策を打っていくのが、私は、札幌市の皆さんのやるべきことなのではないかというふうに思います。現実に、この質問をする前にこの業界の方々にお聞きをしましたけれども、低賃金で人が集まらないで、仕事をすることに支障が出ている現状にはないというお答えをいただいているところであります。そういった意味で、私は、今の市のお答えというのは、現実の札幌市の実態とはかけ離れた、どこか東京の景気のいいところのお話ではないのかなというふうに思うのであります。先ほども数字をお示しいたしましたけれども、非常に厳しい経済環境、雇用環境であるということを念頭にこの施策を講じていただきたいというふうに思います。  それから、技術の継承というお話でありますけれども、私は、これもちょっと腑に落ちないところがございます。私は、賃金を上げることが技術の継承にはならないのではないかというふうに思います。確かに、技術のノウハウ、そういったものは労働者本人に付与されるのだろう、身につくのだろうということは否定しません。ただ、私は、技術の伝承に一番必要なのは、企業並びに労働者の方々が仕事をきちんと継続して行っていただく、そういう環境をつくることが一番、技術継承に資するのだろうと思います。例えば、我々が病気になったらどこの病院に行ったらいいのだろうというとき、市内の雑誌でも症例やオペの数が多い病院のランキングが出ていますけれども、やっぱり、常日ごろ仕事をしている人は技術が劣化しない、技術が高まるということがあるのだというふうに思います。例えば、公契約に関しても、やはり、こういう工種というものを一定程度きちんと継続して発注していかなければだめなのですよ。技術者が育ちませんし、技術が途絶えてしまうわけです。  何で瀬戸大橋をあんなにいっぱいつくっているのか。これは、必要性もあるでしょうけれども、一種、日本の土木技術、橋梁技術というものをしっかり伝えていく、維持していくという目的があるやにも聞いております。新幹線もそうであります。(発言する者あり)  いや、これが全部ということではありません。そういう意味合いもあるでしょうと。つまり、私は何が言いたいかというと、継続してきちんと計画的に事業を発注する、私は、それが技術の継承に何よりもなくてはならないことであって、今、そこが非常に危機に瀕しているわけでありますから、まずそこを優先してやらなければならないのではないかなというふうに思うのであります。  そこで、質問でありますが、現状において技術の継承が困難になって、市の発注する工事、業務に影響が出ているということであるのであれば、事例をお示しいただきたいというふうに思います。  また、改めて、賃金に関して、賃金を上げるということが技術の向上、継承にどの程度役立つものなのか、わかりやすくお示しいただきたいというふうに思います。 ◎上野 管財部長  技術の継承がされなくて発注が困難になった、そういうものがあるかということでございますが、それについては承知をしておりません。  ただ、私どもが申し上げたいのは、やはり、技術の継承というのは、つなぐ人と受ける人がそこにあって初めて継承が成り立つと考えております。したがいまして、そのためには、若年の労働者がその業界内に入っていく、そういうことが必要だというふうに思っているところでございまして、そういう魅力ある職場をつくっていくためには、やはり、低賃金のままではいけないのだろうと思っておりまして、そのためにこの条例をぜひ施行させていただきたい、このように考えているところでございます。 ◆飯島弘之 委員  今のお話はよくわかるのでありますが、そうであれば、そもそも何でここの業界に限って我々の税金を投じて上げていくのだと。もっとほかにも同様の趣旨で人材を育てていかなければならないところがいっぱいあるでしょう、何であえてここなのですかというそもそも論になりますけれども、この点については、もう一定程度時間がたっているので結構であります。  最後に、同じ政令市の川崎市について事例をご紹介申し上げたいと思います。  先日の代表質問における他会派の質問において、自民党も賛成をして先行都市では条例が制定されているという旨のお話がございました。この件についてあえて申し上げたいと思うのであります。  直接、川崎市に行ってまいりました。川崎市に赴いて、直接、自民党の議員にお聞きしましたところ、予定価格の大きな金額の工事、業務においては、川崎市の場合は、近隣の東京都及びお隣の横浜市の業者が落札することが頻発しているのだそうであります。結果、地元業者の経営が成り立たないような状況になっている、そういう現状があるのだそうであります。これは、川崎市に限らず、今回の公契約条例というのは、見て思うのですが、不思議と、みんな首都圏の市がこの条例制定に走っているのですね。これはどうしてかというと、東京というのは、東京本社がその周辺のまちに行って仕事をとってしまうわけです。ですから、まずそういう状況があるのですよということをご指導いただきました。  そして、川崎市のその議員によれば、公契約条例が受注者の経営を圧迫すること、そして、さまざまな弊害を生むということは承知している、ただ、その影響は、川崎市の場合は市外業者がその影響を負うことになるということでありまして、賛成したのはそういう背景がありますということでありました。これは同じ自民党同士の議員の仲間内の話であります。  私は、ここには、一定の地元の利益、地元の税金で食べている我々でありますから、地元の議会の議員としての判断としては一定の合理性があるのだろうというふうに思うのです。その意味で、公契約条例は決して業者のためになるのではないということを、川崎市に赴いて実際に議論した議員からお話を聞いて、改めて、なるほどなというふうに思ったところであります。  お聞きしますと、札幌市の場合、工事が大型物件の場合、市外業者が一定程度落札をしているということであります。しかし、業務の方は、市内業者がほとんど受注をしているというふうにきのうお聞きさせていただきました。そうであると、私は、やはり、この条例というものは、札幌市経済、市民にとっては非常に危険なメリットのない条例であるというふうに言わざるを得ません。  また、ちょっと大きな話になりますが、2月9日の日本経済新聞によりますと、中国政府、お隣のチャイナでありますが、2月8日に2015年までに最低賃金を毎年13%引き上げるのだという政策を発表されたということであります。かつて、この日本も、1960年代に、池田勇人内閣が所得倍増計画ということで国民の所得を増大させるという計画を立てて、実際にそれを成功させました。私は、中国も最低賃金を上げていくという政策はきっと成功するのだろうというふうに思います。なぜならば、池田内閣当時の高度成長期と、今、中国の背景にある経済成長は全く類似しているからであります。  では、今のこの日本、そして、本市の経済状況は一体どうなのか。私が今さら言うまでもないと思います。所得を増加させるという政策は、必ず経済がよくなっていくという背景がなければ成立しないのだろうと思います。私は、これは歴史が明らかにしていることではないかというふうに思います。  この公契約条例で、ヨーロッパやアメリカのリビングウェッジ条例ということが事例でよく出されます。調べましたが、新潟県弁護士会の公契約条例の制定を求める意見書というものが出されているようでありまして、その一文を例に挙げますが、アメリカ・ロサンゼルス当局のリビングウェッジ条例に関する財政を圧迫することになるよということに対する反論のコメントとして、労働者の生活水準が上がり、その分だけ福祉的な支出が減るという意味で納税者にもメリットがあるのだというふうに、当時、ロサンゼルス当局の役人の方が答弁をされたと。そして、ロサンゼルス市民からも目立った反論はなかったという報告があるというふうになっております。  しかしながら、今、アメリカの財政、ロサンゼルスを含めたカリフォルニア州の財政はどうなっているのか。私が言わなくてもおわかりだと思います。カリフォルニア州も同様の条例が制定されております。福祉ばらまき政策によって、今、カリフォルニアは財政危機を迎えて、カリフォルニア州職員の20万人からの職員の給与を最低賃金である時給7ドル25セント、今の円とドルの換算レートを適用すると、時給580円にまで削減をしなければ、もうカリフォルニア州の財政が成り立っていかないということで、時のシュワルツェネッガーさんですか、映画俳優の方ですが、その方が決断されてそのような施策を講じたということであります。  ご承知のとおり、今、ヨーロッパもそうであります。福祉施策をばらまいて、ギリシャは破綻の危機です。どれだけヨーロッパのほかの各国が支援をしていいかわからない。1,300億ユーロですか、それでは足りないのではないかと。フィナンシャル・タイムズは、2,600億ユーロでないともう成り立たないのではないかというような報道もされているようなことであります。  私は、こういう証左からしても、まずは経済をきちんと立て直すこと、そして、雇用をきちんと維持すること、これが大事であって、そして、公契約条例というのはそれにはそぐわないと。市長もいらっしゃいますけれども、私は、この公契約条例については速やかに撤回されることを求めて、私の質問を終わります。 ◆宝本英明 委員  私からは、臨時財政対策債、いわゆる臨財債について伺いたいと思います。  平成24年度予算を見てみますと、地方交付税が979億円、臨財債が569億円、合わせて1,548億円となっております。この二つを合わせた総額は、前年度当初予算と比較いたしまして118億円の増となっておりますが、増加しているのは臨財債でありまして、現金部分である地方交付税は減少した予算となっております。その一方で、国の24年度地方財政計画におきましては、地方交付税が17.5兆円で前年度比0.8兆円の微増、臨財債が6.1兆円で前年度比0.3兆円の減となっております。地方財政計画は、全国自治体の歳入歳出見込みの合計でありまして、当然でありますが、各自治体における予算は、大まかにはこの地方財政計画と同じトレンドで推移するものと考えますけれども、札幌市におきましては、特に、臨財債について計画と大きく異なる予算となっていることに疑問を持つところであります。  そこで、各団体が発行する臨財債の限度額はどのようにして決定されているのか、また、地方財政計画上、その総額が減となっているにもかかわらず、札幌市においては大幅に増加しているのはなぜか、そのことを伺いたいと思います。 ◎村山 財政部長  臨時財政対策債についてのご質問でございます。  臨時財政対策債は、人口に単位費用、単価と言ってもいいと思いますけれども、こちらを乗じて計算する人口基礎方式と、それから、交付税算定における基準財政需要額と基準財政収入額の差額に財政力に応じた係数を掛けて計算する財源不足額基礎方式、この二つの方式の合計によって決定いたします。後者の財源不足額基礎方式につきましては、財政力の弱い地方公共団体に配慮いたしまして、平成22年度の算定から一部導入されましたけれども、23年度から3年間で段階を踏んで財源不足額基礎方式に完全移行する予定となっております。  平成24年度の配分方法の具体的な内容というのはまだ示されていないところでありますけれども、財源不足額を基礎としまして、指定都市や財政力の高い団体への配分を大きくする財源不足額基礎方式の割合が前年度から大幅に増加することが想定されております。そのため、指定都市であり、かつ財政力が比較的高い札幌市の臨時財政対策債につきましては、全国総額が減になるものの、前年度発行可能額と比べますと10.4%、額にして54億円でございますが、増加するものと見込んだところであります。 ◆宝本英明 委員  今、臨財債の算定方法と地方財政計画との動きの違いについてお話がありましたが、今の答弁によれば、平成25年度にすべて財源不足額基礎方式に移行することになるということでありますので、再来年度、25年度には臨財債の額はさらにふえることが見込まれると思います。これだけ臨財債の発行額がふえてきますと、当然、臨財債の市債残高もどんどんふえていく、そういったことになると思います。臨財債は、交付税の財源不足を補うため、自治体が一時的に負担するといった性格のものでありますから、後に全額を交付税措置されるとはいえ、市債残高が膨らむことに不安を抱かざるを得ません。  そこで、現状のように、地方財政計画ベースでは財源不足が縮小しているにもかかわらず、札幌市においては、近年、大幅に増加している臨財債について、財政当局はどのような認識を持っておられるのか、伺いたいと思います。 ◎村山 財政部長  臨時財政対策債が大幅に増加していることに対する認識というご質問かと思います。  今お話がありましたように、地方財政につきましては、毎年度、財源不足が生じておりまして、その不足額をこの臨時財政対策債で補っているという状況が常態化しているところであります。そうした中、交付税の財源確保のため、臨時財政対策債の積算に財源不足額基礎方式が導入されて発行可能額が指定都市に多く配分されるといったことは、やはり、指定都市の起債能力というものを考慮すると、ある程度やむを得ないというふうに認識をしております。  臨時財政対策債は、もちろん地方交付税の振りかわりでございますし、また、償還時にはその全額が基準財政需要額に算入されますけれども、市債という意味では、大量の発行、それから残高の増加ということにはもちろんつながりますので、地方全体ということになりますが、負担の先送りといった側面があることは認識をしております。 ◆宝本英明 委員  確かに、地方交付税の振りかわりという臨財債の性格上、自治体が発行額をコントロールすることや発行を抑制していくことは困難だということは理解をするところであります。ただ、その一方で、市有施設の大量更新、そして、少子高齢化に対応したまちづくりなど、将来のサービス水準を維持するためには、建設事業に充てる市債、いわゆる建設債を財源の年度間調整、そして、将来世代の負担の公平といった観点から有効に活用していく必要があると思います。  そこで、最後に質問して終わりたいと思うのですが、平成22年度末現在で臨財債の残高が2,260億円、建設債が7,376億円となっておりまして、およそ1対3の割合でありますけれども、臨財債が25年度もふえる見込みであることに加えまして、今後、建設債も一定の発行額が必要になると考えた場合、札幌市では、それぞれの残高がどのようになっていくと見込んでいるのか、また、その状況を札幌市はどういうふうに受けとめているのか、伺いたいと思います。 ◎村山 財政部長  今後の臨財債の残高の動向、それから、それに対する受けとめということでございます。  一定の仮定のもとでの試算となりますけれども、仮に、財源不足額基礎方式に完全移行後、今後の臨時財政対策債の発行額を同額として、平成25年度以降の建設債については、これも仮ですが、24年度発行額と同額とした場合に、平成30年度ころには臨時財政対策債の残高が建設債の残高を上回ることが見込まれるわけであります。ご承知のとおり、臨時財政対策債は、地方債制度においては、本来、例外的、また臨時的なものでありますので、建設債と異なって資産形成を伴わない市債でございます。その残高が全体の半分以上を占めるという状況は、決して健全なものとは言えないというふうに考えております。  したがいまして、臨時財政対策債による負担の先送りということではなくて、やはり、地方交付税の法定率の引き上げによって地方の財源不足を抜本的に解決すべきであると思います。そうしたことで、引き続き、指定都市市長会と連携して国に対して要請していくとともに、毎年度の地方財政計画の動きを注視していかなければならない、そういうふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、大きく分けて、入札制度に向かってと、それから、公契約条例についての2点をご質問させていただきます。  きょうは、市長にお越しいただいておりますが、入札制度が5点ありますので、それが終わってからちょっとお願いいたします。  それでは、入札制度についてですが、まず、1点目は、同一日開札の受注制限についてであります。  この質問は、昨年の予算・決算特別委員会で質問をしておりますから、今回で3回目の質問となります。いただいた測量と生活道路のくじ引きの状況と、同一開札日における複数落札状況の資料を見ますと、例えば、測量、これはA、B、Cのクラスがございます。生活道路はA2、B、Cクラスです。測量から申しますと、Aクラスは、入札件数が51件、そのうち最低制限価格と同価格での落札が42件、率にすると86.27%、同一日開札で、同一業者が複数落札したもの2件、約4%、測量のBクラスは、124件中114件が最低制限価格と同額で落札しております。構成比は94.35%です。124件のうち24件が同一日で同一業者が落札している。Cクラスは、82件のうち72件が最低制限価格と同価格でくじ引きとなって、その率は89%、同一業者のとったもの、複数落札が29件です。次に、生活道路です。これは、A2が20件の入札件数に対して10件が最低制限価格と同じです。Bクラスは、145件のうち82件が62.07%、これが同一価格でございました。そのうち、複数落札が8件です。Cクラスですと、9件中5件が最低制限価格と同額抽せん、55%です。この状況から明らかなように、生活道路では174件の入札件数のうち97件、60.34%、測量に至っては、257件の入札件数のうち228件が円単位まで全く同じ、最低制限価格と同額の入札となっております。また、同一開札日で同一業者が複数落札した件数は、測量で257件中55件、21.4%となっております。  このことは、企業の積算能力の高さはもちろんでございましょうけれども、最低制限価格で応札しなければ、くじ引きの土俵にも上がれないと、こんな状況というのが明白でもございますし、また、くじ運がよければ複数の受注が可能だということだというふうに思います。  当時、最低制限価格は予定価格の70%に設定されました。私は、このような状況が、果たして一般競争入札で争わせることが本当に妥当かどうか、甚だ疑問でございますし、むしろ、一般競争入札にはなじまない。答えが、皆、同じなのですから、あとはくじ引きの運を競わせるのかと、僕はこんな状況だというふうに思います。  そこで、質問でありますが、先ほど指摘したように、同額による応札が多い工事や業務において、受注機会の確保の観点から、同一開札日で同一業者が複数落札することを制限するお考えはないのか、まず、1点お伺いいたします。  次に、総合評価方式による入札についてお伺いいたします。  これも、資料をいただきました。総合評価方式には、成績重視型、地域貢献型がございます。全部を言ってしまうと大変長くなりますから、例えば、土木のA1、成績重視型、これは、昨年、平成23年度ですが、4月26日を皮切りに9月6日まで6本発注されております。そのうち、延べで13社が応札しておりますが、例えば、1社が6件のうち4件受注しているのです。1社で6件の物件に対して4件の物件を受注している。それから、こちらの土木のA2、地域貢献型、これは、23年度は、5月17日を皮切りに8月23日まで10件発注されております。例えば、応札状況を見てみますと、全部で延べ26件の業者が参加しておるわけでありますが、5月17日には11社が入札に参加しております。6月14日は13件、6月21日は9件、同じく6月21日8件、6月28日12件、7月12日6件、7月12日1件、8月2日2件、8月2日4件、8月23日5件、要するに、だんだん応募する方が減ってくるわけです。  なぜかというと、幾ら挑戦したとしても、持ち点数が低かったら、あそこの業者にはかなわないと、もう入札の参加意欲がなえてしまっているのですね。だから、もちろん7月、8月ですから繁忙期ということもあって、もう既に仕事があるという条件も確かにあるかもしれません。しかし、持ち点でかなわないという状況から、こんな参加の状況になっている。  そういう面では、今の状況ですと、成績重視型に地域貢献度を評価に加え、価格と合わせた総合評価点を競うわけでありまして、これが総合評価方式でありますけれども、価格によらないわけでありますから、これを進めるべきだというというふうに思います。しかし、指摘したとおり、ある程度の点数がないと、参加の意欲も起こらなくなることから、参加業者や落札者の固定化が見られるわけであります。  このことから、例えば、開発局が試行で行っている施工中であるか否かで加点をする、こういう方法ができないか、お伺いいたします。 ◎上野 管財部長  まず、同一落札日、同一業者の複数受注の制限のお話でございます。  委員ご指摘のとおり、近年、一般競争入札の導入や厳しい経済情勢の中で入札における競争性がより高まっていることとともに、積算単価等の公表、それから設計図書の開示などによって事業者の積算の精度が非常に向上した結果、最低制限価格付近での入札によるくじ引きが増加しているところでございます。  中でも、ご指摘のとおり、測量業務におきましては、くじ引き入札が、これは平成23年度でございますが、1月末現在で91.05%と高い割合で発生しておりまして、また、同一開札日において同一業者によるいわゆる複数落札も発生している状況にあります。これらの状況等を踏まえまして、くじ引き入札の発生割合が、先ほど委員から生活道路も高いというふうにご指摘がありましたが、とりわけ高い測量業務につきましては、品質確保や受注機会の確保を図る観点から、同一開札日においてくじによる落札件数を1件までとする入札を平成24年4月から試行実施してまいりたい、このように考えております。  次に、総合評価落札方式についてのお尋ねですが、この総合評価落札方式につきましては、これまでも、入札価格が調査基準価格を下回る入札者の総合評価点の算出方法の変更だとか、あるいは、技術評価重視型における企業の施工実績及び配置技術者の能力の配点の引き上げといったことなどの改正を行ってきたところでございますけれども、どうしても参加業者が固定されるという傾向にあることは、私どもも認識をしているところでございます。しかしながら、手持ち工事の状況等を評価の対象にすることにつきましては、評価における公平性を損なうことにつながりかねないということもありますことから、慎重に対応しなければならない、このように現在は考えております。  ただ、委員ご指摘のとおり、この総合評価落札方式については、評価項目や評価基準等についてさまざまな意見があることも承知しておりまして、また、参加業者が少ないことにつきましては、私どもも一つの課題だというふうに考えておりますことから、国の動向はもちろんのこと、他の自治体での手法の情報収集、さらには、業界の皆さんからの意見聴取も含めて幅広く検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  3回目ですから、ようやく答弁をいただいたわけでありますけれども、続けることが大事だということだと思います。  地域貢献というか、貢献型で1件が総合評価です。1件しか応じないで、この1件が通ると。常日ごろ、公正・公平な入札制度と言っている割には、どういうふうになっているのか、疑問が残るところです。これは、この委員会でも、たしか、私の記憶では、松浦議員が固定化されるという質問をされて、そのとおりになっているのだろうというふうに思いますので、ぜひこれは検討していただきたい、このように思います。  3点目の質問といたしまして、この質問も以前から何回もしておりまして、市内業者への受注機会の確保の観点から特定共同企業体の代表者を市内業者と限定すべき、こういった指摘をしたわけでありますが、昨年の4定で、民主党の質問に、できるところから実施する、こういった答弁をされておりました。  質問としては、代表者要件を市内業者に限るという条件を具体的にどう取り組んでいくのか、3点目にお伺いします。  それから、4点目といたしまして、公契約条例の対象外となっております業務委託についてですが、これは、代表質問でも取り上げさせていただきましたけれども、最低制限価格を設けるべきと考えるがいかがか、お伺いいたします。  また、ワーキングプア解消に向けた取り組みについて、代表質問でも質問させていただきましたが、労働集約型で落札率が著しく低いものについて、低入札価格調査の対象とし、労働者の賃金実態の把握に取り組む、こう答弁をされておられました。  しかし、これまで調査対象となっても契約をしなかったもの、これはないというふうに思います。今、低価格で受注したしわ寄せが労働者に来ているということが問われているわけでありますから、どのような調査を行うのか、お答えを願います。 ◎上野 管財部長  まず、市内業者のJVの代表者要件についてでございますが、特定共同企業体の代表者を市内事業者に限定した入札につきましては、地域経済の活性化や市内事業者の育成を一層図るという観点から取り組まなければならない、このように考えております。  そこで、具体的には、競争性が確保されることを前提としながら、過去において、市内事業者が特定共同企業体の代表者となって行った工事と同種同規模程度の案件とか、市内事業者を参加要件とした単体企業、そして、特定共同企業体によるいわゆる混合入札案件などについて、施工担当部とも協議しながら実施してまいりたい、このように考えております。  次に、公契約条例対象業務以外にも最低制限価格を設定すべきではないかというご質問でございます。  札幌市におきましては、平成14年の地方自治法施行令の一部改正によって、最低制限価格制度の対象契約の範囲が拡大したことに伴い、翌15年、すぐという意味ですが、平成15年から、低落札傾向にありました建物の清掃及び警備の委託業務につきまして、最低制限価格制度を導入、適用したところでございます。また、ことし1月からは、建物のボイラー等設備運転監視業務につきましても、低落札傾向にありますことから、ダンピング防止を目的に、これも最低制限価格制度を適用することとしたところでございます。  最低制限価格制度は、事業の品質確保のほか、下請業者や労働者へのしわ寄せを防止する観点から必要な施策の一つではありますけれども、一方では、入札による経済性を損なう一面がありまして、地方自治法においても限定的な取り扱いといふうに位置づけられているところでございます。したがいまして、最低制限価格制度の適用範囲の拡大につきましては、まずは、必要に応じて低入札価格調査制度の適用範囲を拡大し、今回、電話について拡大したわけですが、その中で、低落札がもたらすさまざまな弊害の調査、そして、積算方法の検討なども行うとともに、その必要性について十分検討してまいりたい、このように考えております。  次に、低入札価格調査の方法や内容についてでございますが、札幌市では、これまで低入札価格調査制度につきましては、いわゆるWTO案件、政府調達協定適用があります建物の清掃業務に適用してきたところでございます。しかし、先ほど少し申し上げましたが、今回、区役所発注の電話交換業務につきまして、やはり、近年、一部の案件に低落札が認められることから、ことしの2月より電話交換業務について低入札価格調査制度を適用することとしたところでございます。  その具体的な調査方法といたしましては、調査基準価格を下回って入札をした調査対象者に対しまして、その価格で入札した理由、従事する労働者の状況、経営状況などについての調査票、そして、入札金額に対応した積算内訳書、また、その企業の決算書、こういった書類を提出していただいて、提出されたこれらの書類に基づいて詳細なヒアリングを行い、特に労働者の賃金や社会保険加入などの労働環境に関して法令遵守がなされているかどうかを確認した上で、落札する場合としない場合があるでしょうけれども、落札を決定することとしているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  小さな金額で最大の効果というのは、聞こえはいいけれども、必ずどこかにしわ寄せが行くわけですよ。今、例えば、調査すると言って、法定というか、労賃で最低賃金法以上だったら、多分、いいと言うのでしょう、恐らく今の答弁だと。だけど、先ほどから議論されている公契約条例というのは、それではだめなのだと。何でこれがよくて、そっちがだめなのか。答弁で必ず出てくるのは、例えば2省単価だとか、それから、広く使われている単価でなかったら、市独自の単価ではだめなのだと、そういう答弁を必ずします。だけど、2省単価以外を使っている自治体だってありますよ。それは、国からの補助金、こういったものを利用するのだったら、これはなかなか難しいかもしれない。けれども、単費で発注するのだったら、何も2省単価でなくたって、何十年もそういう作業をやっているわけですから――若いところは、全部自分たちでつくって積算できるのですよ。私は、そういった努力を惜しむべきではないし、ましてや、そういった今の公契約条例に合うように、例えばそういう考えがあるのだったらやっぱり整合性を保つべきだ、これは一つ注文をしておきますよ。  それから、5点目の入札制度でございます。  これは、建物の清掃、警備等の業務における複数年契約についてお伺いいたします。  現在、単年度契約となっておりますこれらの業務について、業界から複数年契約を望む要望が来ております。ご承知のとおりだと思います。複数年契約では、経営の安定、さらには継続的な雇用、さらには現場状況の変化に即応した質の高いサービスの提供を受ける、これは発注者側にも大きなメリットがございます。  例えば、今から3年前になりますが、中沼の雑がみ選別、これは有料化がスタートしたときです。有料化になったときからスタートしてやっておりますけれども、それから、ペットボトルの選別、これがあります。これは、今まで単年度契約でございます。しかし、毎年、次の年も受注できるかどうかの保障がない。やっぱり、低入札といいますか、最低制限がありませんから、安い金額で、何億円のお金が、その50数%ぐらいで受注するわけです。そうすると、そこで、前年度に雇っていた人たちは、例えばその会社がとれなかったとすると、新しくとった受注業者は、あなたたち、これだけの労賃、金額ですけれども、続けられますかと、こう問われるわけですよ。前よりも安い賃金です。そういう意味では、先ほどの話ではないけれども、最低制限価格というのはやっぱり必要だろうと思います。  私はここで何を言いたいかといいますと、その雑がみ、さらにはペットボトルの選別は、今、3年契約になっております。僕が2年前に質問して、やるべきではないかと。それは、先ほど言ったように、こちら側にもメリットがある。そこで働いていた人は、少なくとも3年間働く、こんな喜びの声もありました。一方、発注者側の本市にとっても、複数年契約というのは、例えば選別作業でありますけれども、習熟度が非常に高くなる。例えば、ペットボトルは残渣がどれだけあるか、これによって、札幌市に資金拠出金が入ってきますが、これが違うのですね。今、2年目ですけれども、毎年、年を重ねることによって、上質な選別ができる、リサイクルするものを出すことができるということです。これは、複数年契約になることによって――札幌市に入ってくる資金拠出金は億単位で入ってくるのですよ。だから、決して、受注者、もしくはそこで働いている人たちのメリットばかりではない、発注者側にもこういったメリットがあるという例だと思います。  そこで、質問でありますが、建物の清掃、警備等の業務における複数年契約についてはどのように考えておられるか、お伺いいたします。 ◎上野 管財部長  建物の清掃、警備に関する複数年契約についてということでございます。  業務委託における複数年契約の導入についてですが、複数年契約は、本市にとっては、先ほどご指摘があったとおり、業務の精通による品質向上が見込まれますし、また、受注者及び労働者にとっては雇用の安定化につながるほか、お互いに事務の効率化が図られる利点があるというふうに基本的には認識してございます。  しかし、その一方で、新規参入者の参加機会を狭めるほか、例えば、先ほど委員から清掃、警備ということでございましたが、いわゆるWTOの適用を受ける建物の清掃委託業務におきましては、複数年契約によりその適用対象案件が増加する、3年にすることによってWTOの適用になるものが可能性としてふえるということでございます。そのことにより、WTO案件になりますと、最低制限価格制度が適用できないだとか、それから、入札参加者のいわゆる地域要件も設けられないといったことが生ずるなど、かえって過度な競争を招くおそれがあることも考えられます。  したがいまして、複数年契約の導入につきましては、関係団体からの意見聴取を行って、そして、メリットやデメリットを十分に検証しながら検討を進めていくべき課題だ、このように認識しております。 ◆阿知良寛美 委員  検討をよろしくお願いいたします。  それでは、公契約条例についてお伺いします。  これまで、市としても、長い間、公契約条例の検討をされてきたというふうに思います。市長の1期目の公約でありますので、途中、なかなか「笛吹けど踊らず」と言ったら怒られるかもしれませんが、そんな状況も多分あったのだろうというふうに思います。それを加えても、8年、9年たっているわけですね。そんな計算になります。  この間の検討状況や市長の公契約条例制定の思いは、昨年の決算特別委員会における私の質問に対する答弁や――例の2期目になぜ外したのですかという質問をしましたね。1月26日、反貧困ネット北海道主催の「なくそう!官製ワーキングプア公契約条例学習集会講演録」の中に詳しく載ってございました。拝見をさせていただきました。  一方、これまで、条例制定にどのくらい時間をかけ、議論をしてきたか。その一つの例を挙げてみますと、例えば、自治基本条例の検討経過は、実は平成12年に既に公募市民も含めた審議会が発足します。これは、上田市長の前の桂市長の時代であります。平成13年から14年、まず、市民、職員の意識醸成ということで、職員の研修、さらには市民セミナーの実施、平成15年には、市民自治を考える市民会議発足、委員が16名、うち公募8名、この会議は全部で29回開催されています。16年には、「札幌の市民参加はこうしよう!」という提言をされております。そして、18年1月に、常任委員会の総務委員会でございますが、市民意見の募集についての報告をされ、その後、常任委員会の財政市民委員会、そして、9月に初めて自治基本条例案を提案しています。そして、10月3日に条例案が議会で可決されています。この間、6年を超える歳月といいますか、月日がかけられているわけであります。  そこで、今回提案された公契約条例は、先ほどお話ししたとおり、市役所内部でも、その実効性、こういったものが担保されるかどうかという議論があって、8年、9年かかっているわけであります。しかし、それを受ける側の経営者の皆さん、この方々は、いつ聞いたかと言いますと、昨年の7月以降になって、初めて公契約条例というものの説明を具体的に受けたわけであります。業界に対して、余りにも拙速です。これまでの条例制定は、さまざまな条例がございますけれども、子どもの権利条例でしたか、ちょっと名前は違いますね。あれは変えましたね。施行期日をかえてつくったわけですから。私は、こういったことで、業界に対して余りにも拙速と考えますが、市長のお考えをお聞かせ願います。  次に、公契約条例の理念についてお伺いいたします。  発注者と受注者の関係性、これは対等な立場であるということを基本とし、その上で、対象労働者、受注者、市民の3者それぞれの視点が条例案に反映されているべきであり、ゆえに、条例の内容に偏りがあってはいけない、こう思います。なぜなら、即市民の生活に大きな影響があるからであります。発注者も受注者も、お互いの立場を理解し、尊重し、市民生活の向上に連動していかなければならないものであり、そのためには、企業経営の健全化、安定化があって初めて、働く人と経営者、企業でありますけれども、車の両輪のごとく前進するというふうに思います。  しかしながら、本条例案の理念には、企業経営への配慮が不足していると思います。  公契約条例では、企業経営に関し、どのように位置づけているのか、お尋ねいたします。 ◎上田 市長  ご質問、ありがとうございます。  拙速ではないかというお尋ねでございますけれども、いろいろな問題状況といいますか、そういうことにつきまして、今、ワーキングプアというか、あるいは賃金の下落傾向、さらには、公共事業というのが非常に少なくなってきたというふうなことと、それから、2省単価もどんどん下がってくると。こういう状況の中で、競争が激化し、勢い、しわ寄せといいますか、連動して労働者の賃金が低く抑えられる、こういうふうな状況の中にあります。そういう状況は、全国的な問題としても、また、北海道、あるいは札幌というふうに考えても、いろいろなところからお話をちょうだいするわけであります。その状況というのは非常に深刻なものがあるというふうに私は考えておりますし、このままの状況で行ってどうなるのだろうかということをおもんぱかる皆さん方が多かったのではないか、こんなふうに思っています。  それは、決して労働者だけの問題ではなくて、経営される方々についても大変厳しい経営環境にあるということについての認識を我々は聞くわけでありまして、そのような状況をどうやったら解決していくことができるのかということについて、私たちのできること、自治体ができること、税金をちょうだいして、そして我々がそれを予算執行していくという状況の中で、我々ができることは何かということの選択肢の中に、この公契約条例といったものを位置づけたいというふうに考えているところであります。  先ほど飯島委員からも、立法事実としての具体的な数字があるのかというふうなお話がございました。これは、なかなか示すことは難しい状況にございます。例えば、経験を積んでいくということについて、今、現実に困っているかどうかというようなことについては、ぎりぎりに抑えられていて非常に困難な状況で働いておられていても、やはり、その仕事をせざるを得ないという状況の中で大変な思いをされている方がたくさんいらっしゃるというふうに私は思っております。また、今の技術レベルが保てるかどうかということについても、これも、今は何とか市のさまざまな監査をしながらやっているというようなことの中で、多分、この品質を守るということができたにしても、これが一たん途切れたら、まちづくりにこれまで本当に多くの先人が頑張って頑張ってここまで大きなまちにし、質の高い、ハイクオリティーなまちをつくってきたという、その土台部分が崩れていくということを私たちは心配をしなければならない。そして、私たちの時代でできることをしっかりやりたいというのが基本でございます。  そんな意味で、問題状況については決して新しい問題ではないということ、そして、年を重ねるたびにどんどん厳しい状況になっていく。それは、経営者も厳しく、かつ労働者も厳しい状況に陥っていっている。そういう思いの中で、1期目の私の公約にもさせていただいたわけでありますが、それを具体的にどうするかということについて、なかなか各論のところで難しい問題があるということで、この間、時間を経過してしまいましたけれども、ある意味では、既に市民の皆さん方に、公契約条例と、札幌市が発注する仕事について、賃金を確保するというようなことについての問題提起は、9年前にさせていただいているように思います。  そういう中で、具体的には昨年の7月に事業者の皆さん方にも問題提起をさせていただいたということでございますし、また、パブリックコメントということも、11月、12月にさせていただいたというような経過もございます。そして、まだまだご理解いただけない部分については、さらに各論にわたって、この公契約条例は、いわゆる労働者の賃金を確保するというふうな側面と、先ほど来お話がございます入札制度の改革、これも、日々、その時代時代の要請だとか、あるいは、時代状況の変化といったことに対応した適切な制度に改革していくことをやっていかなければならない、こんなふうに思っております。  これが完璧な完成体の入札制度というのはなかなか見出しがたいところであることは、他の自治体の実践例、あるいは、我々札幌市のこれまでの入札制度に関する諸問題、諸課題についてさまざまな改革、変更を重ねながらやってきたという歴史を見れば明らかでございまして、自治法の最少価格で最大効果を上げるという理念はあるものの、それにどう現実をマッチングさせるかというふうなことについては、非常に困難な問題があるという状況の中で、今、私は、札幌における官製ワーキングプアというふうに言われている部分を、私たちのできるところで何とか解決する糸口をつかんでいくことが必要な時期に来ているのだ、こんなふうに考えているところでございます。  したがいまして、公契約条例についてご指摘がございましたが、企業の成り立ちの存亡にかかわる条例になってはならないというご指摘は、まさに、私どもは、当然、企業をつぶしてはならないわけであります。雇用の確保はもちろん、各事業者の皆さん方がまちづくりの中でしっかりとした役割を今日まで果たしていただいてきているわけでありますので、その皆様方の経営意欲をそぐことがない、意欲的な仕事ができるというような状況にしていくために、私どもは、労働者も経営者も喜んでいただける制度にするために、賃金の保障ということばかりではなく、全体的に契約環境といったものを整えていく、その一部だというふうにお考えいただきたい、こんなふうに考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  実は、昨年の11月28日、私は、北区にありますサンプラザで、公契約条例を学ぼうということで、今回の反貧困ネットワークにも入っています北海学園大学経済学部准教授の川村さんに――きょう出席しています國安委員と一緒に学園に行きましていろいろお話を聞き、そして、ただ公契約条例と言われても私もよくわかりませんので、学ぼうということで講師に招いて勉強会、意見交換会をいたしました。そうしましたところ、おまえは賛成するのかと。いろいろな業界が来ましたから。設備屋も水道屋も建築屋も土木屋も電気屋も設計屋も、それから、全建連、労組の方も来ていました。そういう中で聞いたのですが、企業の方々は、そうは言うけれども、今まで、最低制限価格、例えば委託業務についても70%と設定した、大変苦労してきた、やっぱり苦しみがありましたよと、そう言われても、何でこのことを、まず最初に制度を変えないでということを私も盛んに言われました。  そして、今回の条例の中身を見ても、なぜ、経営者の方々が、業界の皆さん方が賛成しないのか。私が個人的に思うのは、この条例案には、発注者側の役所の権限、労働者の権利、そして、受注者については責務しか書いていないのですよ。中身を見ますと、この公契約条例は、そういった条例に賛成した者が受注に参加するわけですから、言いかえれば。そうしたら、例えば、それが履行されなかったと。発表されまして、通知されて、現場に張られる。公契約条例の現場ですよ、賃金はこれこれでこれですよと。僕はそんなにもらっていませんと、こうなるわけですね。そういうことはやっているのですけれども、人を雇うということを見ても、やっぱり、会社が安定しなかったら人は雇えないのです。安定させるために、今、一生懸命、企業の方も努力をしていますよ。そういったことが、やはりなかなか説明しても理解できない。ここに、例えば、そういった企業の安定に関するようなことがあってもいいのではないかなと私は思うのですけれども、これは、私の勝手な思いですが、そういったことが原因ではないかなと。  いずれにしても、私は、もっと時間をかけてやるべきではないかなというふうに思います。
     次の質問でありますが、これは、市長の記者会見、2月13日ですね。個々の契約でどれだけ得をするかというふうなことよりは、今の社会全体が、減速、そして負のスパイラルに落ち込んでいくという状況をどこかでとめなければならないということに、私は、多くのご理解を共有することができるのではないか、そんなふうに思っているところでありますと、記者の質問に対して市長はこう答えております。  先ほどもちょっと話しましたけれども、経営者というのは目先の利益にとらわれるなと言ったって、今は非常に大変な状況であります。前にも紹介したことがあると思いますけれども、年金を受給することになって、その年金で生活されている、自分の給料は従業員の雇用を継続させるために使っている、こういう方もたくさんいます。  また、市長と同じ目線で考えるということは、確かに公共工事をやっているわけですから社会的な責任も大きい、間違いなくそう思いますよ。ただ、会社の経営者というのは、従業員だけではなくて、その後ろには家族もいらっしゃいます。その家族の生活ということがずっと来ているわけですから、その意味では、今、一生懸命努力をされているわけで、市長が、幾ら高い、そういう思いであったとしても、一緒の目線でやれるかといったら、なかなかそうはいかないのではないかと思いますけれども、市長はどういう思いで発言されたのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎上田 市長  経営環境が厳しいということについては、公共事業が、本当に、平成11年がトップだったと思いますが、その半分以下になってきているというふうなことから言いましても、世の中全体が高度成長していくというまちづくりをどんどんやっていくと、ハードの面でインフラを整えていくというような状況から、そうではなくて、既に成熟期に入っているという状況、保全をし、あわよくば建てかえをしていくというふうな状況では、需要が全然違うという状況の中で、我々が、業界ともども、経済といったものをどう考えていくべきかということについて、やっぱり発想の転換を迫られているというのは客観的事実としてあるというふうに思います。  そういう中で、今、私が、過当な競争になっているということが、この問題を深刻化させていることにつながっているのだというふうなお話をさせていただいております。これは、やはり、ご苦労をされながら――我々が出している予定価格というものがあるわけでありますから、それは、労務単価もきちんと定めて予定額を決めるわけであります。それに、どのようにさらに最低の人件費を考えるかということについては、当然のことながら、経営者の皆さん方にも参加していただく、労働者の皆さん方にも参加していただく、有識者の皆さん方にも参加していただくという形で、適正な賃金というものを定めていこうということで、審議会をつくらせていただくということが条例の中で定められているわけであります。そういうことによって、私は、ご理解をいただける、経営者の皆さん方の苦しさも、労働者の皆さん方の苦しさも、そういったものを含めてしっかり議論していただいて、決して、これができたことによって会社が倒産することにならないようにするための努力をしていかなければならないだろう、そんなふうに考えているところであります。  逆に言えば、こういう言い方をして挑戦的な発言に聞こえてしまうととても心外ではありますけれども、このままでいいのかと。我々は、自治体で行政執行をする際に、適正な税金の使い方において、その仕事をお願いする際に、それが、実際に働いておられる方は市民の皆さん方ですから、その皆さん方の賃金に余りに乖離がある、そういうことでお願いをしていいのかという問題について、座して現状を追認するというのはいささかご批判を受けることになるのではないかと。そんなふうな考え方から、さまざまな業界の皆様方とじっくりお話をしなければなりませんけれども、しかし、そうそう長いこと時間をかけることもなかなかできない状況ではないかと、私はそういうふうにいただいているところでございます。  なかなか時間が限られた中でのお話ではございますけれども、ぜひ、ご理解いただけるように最大限の努力をしていきたい、こんなふうに考えているところであります。 ◆阿知良寛美 委員  次から、何点か、具体的にお聞きいたします。  札幌建設業協会や札幌商工会議所など関係団体から、最低制限価格の引き上げについて要望、要請がございます。先ほど来、質問も出ているとおりでありますが、ちょっとここでお聞きしたいのですけれども、工事の最低制限価格は、具体的にいつ、どの程度引き上げる予定なのか、お答えできますか。 ◎上野 管財部長  最低制限のお話でございますが、公契約条例は、受注者に対して一定水準の賃金支払いを義務づけることから、適正な労務費を反映した適正金額により受注することが前提となります。そこで、これを促すために最低制限価格の引き上げが必要である、このように考えております。  これまで、国及び北海道の設定基準や落札率の推移などを踏まえて引き上げ幅についての検討を進めてまいりました結果、平成24年、今年度ですが、4月1日以降に入札告示をする工事から北海道と同様の水準に引き上げたい、このように考えております。具体的には、現行基準に対しまして、現場管理費を5%加算して85%に、一般管理費を25%加算して65%にそれぞれ引き上げを行うものであり、その結果、最低制限価格の平均は、おおむね90%程度になるということでございます。 ◆阿知良寛美 委員  現場管理費85%、一般管理費25%アップの65%ですが、これは、一般管理費の中身、項目はいろいろあると思いますけれども、どの部分を見たのですか。そこまでお答えできますか。 ◎上野 管財部長  一般管理費のうち、どこを見たかということでございますが、これは、一つの考え方というか、国交省が示しているものに準拠して考えますと、いわゆる企業が設備投資を可能にする試験研究費――ある一定の費目の中にありますから、どれに該当させるかということでございますけれども、いわゆる試験研究費だとか、それから事務用品費だとか、あとは開発費償却だとか、そういったものを総合して25%引き上げるということにしております。 ◆阿知良寛美 委員  僕も設計をやっていましたから、中身はよくわかります。ほとんど忘れていますけれどもね。ただ、役所のパーセントを上げるというのは、数字ありきで、中身のどれを見よう、これを見ようというのではなくて、数字をつくるためにチェックするわけですから、これはもう少し考えるべきではないかなというふうに思います。  例えば福利厚生だとか、会社で雇用していると、実際にそういういろいろなものが出ますよ。保険だとか、失業保険ももちろんそうですね。こういったことをどの程度見られているのかということは、やっぱり、経営者にとっては、この経費ですが、今度は90%が妥当なのかどうなのかという議論になるわけですから、これは、ぜひ、今後明らかにしていただければなというふうに思います。  今、90%、道並みにということで答弁がございました。ただ、最低制限価格を上げるというのは――僕が質問したときに、市長は、公契約条例最低制限価格はセットだと、こういうお話を以前もされたかと思います。私もよく覚えています。しかし、最低制限価格を上げるということは、みんなが元請だったらいいのですよ。直接契約するのが上がるわけですから、3ポイントか4ポイントぐらいですか、このパーセントですと。けれども、建設業界なんていうのは、ほとんどが多重構造です。先ほど飯島委員がおっしゃっていましたけれども、多重なのですよ。元請がいて、下請がいて、そして2次、3次と行くわけですね。  僕は、いつだったか、2週間ぐらいたちますか、午前中、ずっと何軒かの企業を回ってきました。元請をやるところもあるし、下請ばかりのところもある。建設業法では、例えば、元請から下請になる場合に、きちっと契約書を結びなさい、細かい契約書を結びなさいとなっている。しかし、現実はどうやっているのかと聞きますと、細かく書いたらみんな削られると。一つ一つの単価は安いわけですから、これもいいだろう、これはとり過ぎだろうと、こうやって削られてしまって、結局は一式で契約した方が下がらないのです、こうおっしゃっていました。5社に行きましたけれども、5社ともそうやって言っていました。現実は、そういうような契約をされているのが多いのだろうというふうに僕は思います。もちろん、大きなゼネコンですと細かく契約をするのだろうと思います。  そうすると、例えば、最低制限価格を90%に上げたと。3ポイント4ポイント上げるわけですけれども、それが果たして元請から下請に行くかどうか、これが非常に大事です。今の契約の方法だとほとんど一式工事ですから、これから2省単価の何%と決められる、果たしてその単価は込みの契約なのかどうかということは、私はなかなか難しいような気がします。そこは、役所においても、実際に民民間の契約ですから、そこまで手を入れるということはなかなか難しいのだろうと思いますから、そこで、実効性の担保、本当に、企業も、受けた側も、きちっと上がった、この2省単価に準じたというか、何割か知りませんけれども、そういうものを払えるかどうかということの確認が非常に難しい。さらには、そのしわ寄せが、例えば資材業者、僕はこういったところからまだそういう声を聞きませんけれども、必ず行くのではないかというふうに思います。  この辺はどういうお考えか、部長、ちょっと声を聞かせてください。 ◎上野 管財部長  下請業者への支払いについてのご質問であります。  委員ご指摘のとおり、元請業者に対しましては、建設業法の義務などもありますことから、建設業法、そして公契約条例の趣旨を十分にお伝えし、ご理解いただいて、下請契約においても、賃金の支払いができる適正な価格による契約が締結されるよう周知徹底を図るとともに、また、公契約に従事する対象労働者の賃金が確実に支払われたかどうかも公契約条例ではチェックすることになりますので、そういったことも通じて確認を行ってまいりたいというふうに思います。  また、最低制限価格がそのまま下請に行くのかということでございますが、労賃以外のものにしわ寄せが及ばないよう、適正金額で受注されるように、私どもとしても施工体制台帳等を活用しながら努めてまいりたい、このように考えております。 ◆阿知良寛美 委員  やはり、今の元請から下請という契約の流れが多いのだろうというふうに思いますけれども、それが、工種ごとに、例えば道路の整備だと縁石一式何ぼ、幾らと、こういう契約をするのですよ。舗装なら何立米とか何平米とか、こうやるわけです。そこに人工なんていうのは多分出てこないだろうと思います。今後、成立しても例えばそういうことが見えないから、皆さんは疑問に思うというか、不安なのだと思うのです。  では、次の質問です。  条例は、良質な人材の確保という話を受けています。この条例の理念の中にも出ています。ただ、札幌市内で、公契約といいますか、札幌市の仕事ばかりしている企業は、そうは多くないと思います。民間の仕事だっていっぱいしている企業がたくさんあります。こういう公契約条例をもし成立したら、例えば、今おっしゃるとおり賃金が保障されるわけですから、そうすると、私は、民間で小さければ小さいほど人材の確保というのは難しくなるだろうと思います。なぜなら、水は高いところから下に流れるごとく、人も、やっぱり、どうせ同じ仕事をするのだったら高い賃金のところに行きますよ。そうすると、新たなワーキングプア、こういったものが生まれてしまうのではないかな、こんな心配もするところですが、これは先ほど飯島委員がお話ししていましたので、質問はいたしません。  次に、今後、対象範囲を拡大していくとすれば、その分だけ財政負担がふえるのではないかと。今回、5億円、2億円以上のプラント、1,000万円と出ていますけれども、例えば、今、盛んにやっています除雪は5億円から6億円の契約工事があります。これは、今回、除外をしています。しかし、ここは将来的に拡大したとすれば、公契約の条例理念からすれば、例えば、ダンプ1台運んで幾らですよ。待機していても、札幌市はこの単価というのは見ていません。そうすると、公契約条例で、少なくともこういった待機だとか――待っているわけですから。けれども、雪が降らなかった、運ばなかった、ゴーサインが出なかったから仕事にならなかった。では、手ぶらで帰ってください、こうなるわけです。僕は、これに手当てをしないわけにはなかなかいかないだろうと思います。そうすると、人件費だけでも相当な金額がかかるだろうと思うのですね。  財政としては、今回のこれが将来的に拡大した場合に、財政負担が非常に多くなるだろうというふうに思いますけれども、その辺の計算、または考えはどういうふうに思っていますか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎上野 管財部長  適用範囲拡大に伴う今後の財政負担ということでございます。  まず、条例の適用範囲につきましては、条例施行後、まず定着を優先しながらさまざまな観点から検証を行っていく中で検討することにはなりますけれども、例えば、適用範囲を拡大したとして、合わせて当該業務に係る落札率が上昇するということで、適正な労賃を前提としますから、いわゆる落札率も上がると思いますから、そういうことで財政負担額が増加するということは十分考えられると思います。しかしながら、こうした費用増については、適正な労務費の確保や、あるいはまた、地域の経済循環を実現するという政策目的のために必要なものであるというふうに考えております。  なお、将来にわたる負担の試算ということにつきましては、適用範囲の拡大はこれから検討すべき事柄であるため、現在、具体的にはお示しすることはできません。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、今回、ビルメンテナンス協会から、条例によって、対象業務と対象外業務について企業内で労働者の賃金格差が生ずる、これは、労務管理上、大変だというお話をよく聞きます。例えば、札幌市役所でいけば、財政局に勤務しているときは給料がいい、水道局に行ったら安くなると。そうすると、みんなは財政に行きたがるわけですね。具体的には、そうなのですよ。これは、なかなか労務管理が難しいだろうと思いますけれども、この辺をどうお考えになるか、お聞かせ願います。 ◎上野 管財部長  企業内で労働者の賃金格差が生ずることについてどう思うかということでございますが、二つのケースがあろうかと思います。  まず、札幌市が発注する工事や役務について、条例適用の対象となる工事で従事する方と、条例対象外のいわゆる札幌市の発注する工事で働く方々との違いがあるかということに関しては、適用対象であろうと適用対象外であろうと、予定価格の基礎となる積算方法や、いわゆる最低制限価格といった制度の適用については差異がありませんことから、適用対象外のものについても一定の労働環境の改善が進むというふうに考えておりまして、これについては直ちに賃金格差が生ずることにはならないというふうに考えております。  次に、民間契約との関係の格差ということにつきましては、市発注業務と民間発注業務とで賃金格差が生ずる場合のことでございますが、税金を原資といたします市の事業は、公共サービスに係る事業の品質確保を図ることができる金額で発注を行っております一方、民間施設におきましては、おのおのの施設維持水準に応じた発注をしておりますものですから、その受注金額に含まれるいわゆる労働水準に差異が生ずるとしても、これについてはやむを得ないものというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望で終わらせていただきますけれども、やっぱり企業で吸収しなさいという今のお話だったように思います。代表質問でも、我が会派の意見として取り上げてお話しさせていただきましたが、仮にも――仮にもという言い方はおかしいですね。本市の最高規範である条例を制定するのであれば、やはり、多くの関係する方々に、議会はもとより、多くの方が賛成することが望ましい、このことを申し上げて、私の質問といたします。 ○こんどう和雄 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時25分       再 開 午後3時45分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  それでは、委員会を再開いたします。  休憩前に引き続きまして、質疑を行います。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、公契約について質問したいと思います。  先ほどの陳情の趣旨は、公共サービスの質を保証して、官製ワーキングプアを克服する一助となる公契約条例の早期制定を行ってください、市長が提案されているものにも見直す点とか改善点はあるけれども、税金を使っての公共事業でワーキングプアをつくり出す事態を早期に是正することを優先して公契約条例を制定してください、こういう趣旨だったというふうに思います。  この間も、何人もの方から話がありましたが、清掃労働者の実態調査を行っている川村先生の調査を私も見せていただきました。非正規の6割が年収200万円未満になっている、低賃金のため、アルバイトをしている人が多数いる、妻と2人暮らし、給料が安過ぎて、子どもが欲しいが、生活が苦しくて無理、せめて本市が契約する事業について賃金の引き上げを行って、人間らしく生活できることが求められています。給料が安くて安定して生活ができない、物は売れない、結婚もできない、子どももつくれないということに今なっているのです。私は、労働者が置かれているこのワーキングプアの状況を是正しなければ、札幌の将来はないと思います。これは、多くの市民と共通の認識になっているというふうに思います。  また、市長が、反貧困フォーラムで札幌市の労働者の実態を報告されていました。私もそれに参加いたしておりましたが、平成22年度の2省単価と支払い賃金の比較、札幌市の集計、これは先ほどちょっと議論になりました。私はこれとは重複しませんが、2省単価を割り込んだ労賃が札幌市の中で蔓延している、こういう中身でありました。国が定めた価格どおり、そのとおりに働いている人は40%、しかし、残りの60%はそれ以下で働いているということです。そして、8割未満の方々は14%おられますね。私は、8割だと相当深刻な状況になっているというふうに思います。  私どもは、この間、そのことを何度も取り上げてきていますが、2省単価そのものが年々低下してきている。こうした状況の是正が求められて、最低賃金としてのこの2省単価が用いられるかについて、今の条例のご審議の中にもありましたけれども、地域の経済状況や労働実態を勘案して有識者に別途定めてもらう、こういう中身になっております。  そこで、公契約条例に公正なルールができるわけですから、悪質な業者は排除されていきますでしょう。私は、労働者の待遇改善策になるというふうに思います。また、民間にもよい影響を与えると思いますが、いかがですか。このことによって低賃金に歯どめがかかり、効果が出るというふうに思いますが、改めて認識を伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  公契約条例は、税金を原資とする札幌市の工事や業務委託に従事する方に一定水準の労賃を確保するものでありますが、このことは、最低賃金ぎりぎりで働くほかの労働者にとっても待遇改善のきっかけになるものと考えております。また、労働者に行き渡った労賃は、地域の経済循環、域内循環に役立ち、札幌市の経済の活性化に寄与するという観点からも、広く労働者の待遇改善につながるというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  広く労働者の待遇改善につながっていくというふうなご答弁だったと思います。  今、北海道の最低賃金は705円であります。本当に生活保護以下のこういう水準の中で、暮らせないというのが実態になっているというふうに思うのです。私は、そういう面で、今、この札幌市においてはこの条例が本当に求められているのかなというふうに思います。  そこで、いろいろな議論がありました。業界の懸念や要望も出されています。私ども日本共産党は、代表質問で、市長みずからが業界に出向いて熱く語り、そして理解を得るべきだと求めたのですが、市長がもう戻られましたので、行かれたのかどうか。やはり積極的に議論を深めていくべきだというふうに思うものですから、いつ行かれるのか、伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  これまでも、この条例については、関係業界の皆様方に機会をとらえて条例の趣旨だとか必要性を直接説明してきたことにつきましては、先日の代表質問において、市長から直接答弁をされているところでございます。  今後の予定についてでございますが、私ども事務レベルでは、3月上旬にそれぞれの関係団体の皆さん方と入札制度のあり方について協議を行うこととしておりますけれども、市長もまた、あらゆる機会をとらえて、業界団体や関係団体の方々に直接お話を聞いていただきたい、そういう意向を持っていることは承知しているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  やっぱり市長が出向いて理解を得ていくべきだというふうに思いますので、ぜひ、そのことを求めておきたいと思います。  先ほど、この条例が業界のためにならないという発言をされた方もおられます。私は、業界についてもメリットがあるのかなというふうにこの条例を見ました。公契約条例の目的に、作業に従事する者の適正な労働条件を確保して、それを通して事業の質の向上を図るとともに、市民が安心して働き、暮らすことができる地域社会を実現して、あわせて、税の地域内循環を図ることによって地域経済を活性化することを目的にしている。業界のダンピング防止と適正な労働環境は、表裏一体の関係だというふうに思うのです。賃金の安さを企業の競争にしていかない、私は、それが本当に大事だというふうに思います。  そして、この条例は、中小業者にとっても、人材の確保などに、また事業を継続して安定的に進めていく、こういうふうに受けとめられております。先ほど阿知良委員の質疑の中でもありましたが、公契約条例に先行して最低制限価格が引き上げられていくというお話でした。これも、業界の要望に沿うものなのかなというふうに思います。  公契約条例は、本来、働く方々だけではなくて、私は、業界にとっても、危険なものではなくて、喜ばれていくものではないかというふうに思うものですから、改めて見解を伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  公契約条例の制定によりまして、つまりは、労働者に一定額以上の賃金が支払われることを前提とした入札が行われることになりますことから、価格一辺倒のこれまでの状況から抜け出し、そして、より適正な価格による入札が期待できるところでございます。また、労働者の適正な労働環境が確保されますことで、先ほど来申し上げておりますが、人材確保や技術を継承していく面において業界にもメリットがありますし、ひいては関係業界の健全な発展につながっていくもの、このように考えております。 ◆井上ひさ子 委員  幾つかの自治体が条例を制定してきております。先ほどの飯島委員の質疑の中でも、川崎市では自民党も賛成したということで改めて話がありました。私は、やはり、公共事業や市民サービスにおいて、札幌では皆さんは本当に堅実に頑張ってやっていますけれども、大きな事故が幾つも起きてきているのですね。そしてまた、労働者の皆さんが生活できない官製ワーキングプアが広がってきている。ですから、いろいろなことがあっても、野田市でもこれが実現しているわけです。ですから、本市の労働者の実態から見ても、私はワーキングプアを解消するときに来ているというふうに思います。そして、先ほどの陳情者の方も話していましたが、これを根絶していく第一歩につなげていく、そういう方向でこの議論が本当に深まってこの条例が制定されますことを強く求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、地方債協議制度の見直しについてと予算編成プロセスの公開について、大きく2点お伺いいたしたいと思います。  地方債制度は、1999年に成立した地方分権一括法において、地方財政法等の関係法律が改正され、財政構造改革との関係等から、2006年に従前の許可制から協議制へと移行しております。この地方債協議制度は、2011年8月の第2次一括法の公布に伴って、地方自治体の自主性・自立性を高める観点から地方財政法の一部が改正され、見直しが行われたというふうに聞いておるところでございます。そうしたことから、2012年度におきましては、自治体が民間資金債を発行しようとする場合、一定の基準を満たす団体について、届け出のみで発行が可能になるというふうに聞いております。  そこで、質問ですが、この地方債協議制度がどのように見直されたのか、その内容と、札幌市も適用を受けて届け出のみで民間資金債が発行可能となるのか、あわせて伺います。 ◎村山 財政部長  地方債協議制度の見直しについてということでございます。  まず、制度の見直しの内容でございますけれども、今回の制度の見直しは、地方財政の健全性、地方債全体の信用維持ということを前提にしつつ、自治体の自主性・自立性を高めるという観点から、財政状況が良好な団体が民間資金債を発行する場合には、原則として協議を不要としまして、事前届け出制に移行するものでございます。協議が不要となる対象団体は、実質公債費比率は16%未満、平成24年度は経過措置で14%未満というふうになっております。かつ、実質赤字額及び連結実質赤字額がなくて、将来負担比率は、これは都道府県、指定都市の場合でございますが、300%を超えないということに加えまして、当該年度の地方債発行予定額が当該団体の標準財政規模などを考慮した協議不要基準額を超えないことが要件となっております。  なお、札幌市の場合は、実質公債費比率を初めとした健全化判断比率の要件をクリアしておりますし、それから、平成24年度の当初予算においては、地方債発行予定額が、先ほど触れました協議不要基準額を超えないということになっておりますので、協議が不要、すなわち事前の届け出のみで足りる見込みでございます。 ◆石川佐和子 委員  今の答弁ですと、今回の見直しでは、財政状況が良好な自治体が民間資金債を発行する場合には、協議が不要であり、事前の届け出だけで足りるというふうにお聞きしました。そして、札幌市の場合は、健全化判断比率をクリアしており、財政指標が判定の基準値以内にあることから、届け出制に該当するということを今お聞きしました。  そこで、質問ですけれども、札幌市においては、地方債協議制度の移行に伴って、事前届け出制の適用を受けることでどのようなメリットがあるのか、お伺いいたします。 ◎村山 財政部長  制度の移行に伴って届け出制が適用される自治体のメリットということでございますが、制度の見直しのメリットとしては、もちろん地方債発行の自由度が拡大するということでございます。それから、事務手続の負担軽減ということが挙げられ、この二つになると思います。  もう少し具体的に申しますと、届け出団体は、届け出後、総務大臣との協議を前提とする同意を待つことなく直ちに地方債を発行することができるようになりますので、金利状況を含めた市場動向に応じまして機動的に資金調達が可能となるとともに、年間を通じて発行量の平準化を行いやすくなるために、金利リスクの分散が期待できるということでございます。  それから、事務手続の面でございますが、まだ詳細が示されていないところでありますけれども、これまで、協議が必要な団体においては、自治体から総務大臣等への同意予定額の申請、そして、総務大臣等から自治体等への同意予定額の通知、それから、自治体から総務大臣等への協議、そして、総務大臣等から自治体等への同意の通知ということで、言ってみますと2往復の手続を行う必要がありました。しかし、届け出団体は、届け出のみで足りるようになり、かなり簡便になる見込みでございます。 ◆石川佐和子 委員  今、届け出制になることでのメリットについて答弁をいただきましたが、地方債の発行の自由度が拡大されること、また、市場の動向に合わせることで金利リスクが分散されること、また、事務手続の軽減ということを今お伺いしました。  しかし、手続上、民間資金の起債が、国のチェックもなく、ほぼ自由に発行できるようになるわけですから、予算編成とその執行、さらに決算などについて、札幌市の財政運営全般における私たち議会のチェック機能としての役割がさらに重要になるのではないかというふうに改めて認識もしているところです。  最後に、この点についての要望となりますけれども、札幌市の2012年度の歳入における臨時財政対策債は32%伸びて569億円であり、市債発行額は18.3%増の919億円というふうになっています。一般会計の市債残高は、こうした臨時財政対策債の発行の増によって、昨年に引き続き増加しているということです。  先ほども残額の問題が取り上げられておりましたけれども、次世代に過大な負担を残さないために、市債の発行額が過大にならないように、節度ある財政運営や債権管理をしっかり行うことと、また、こうした情報も丁寧に市民に説明していくことを強く求めたいと思います。  引き続いて、予算編成プロセスの公開について伺います。  予算編成プロセスの公開については、札幌市では、2004年度から、各部局から提出された予算要求の概要を公開して、市民意見を求める取り組みが行われております。昨年度、2011年度の予算編成におきましては、予算要求の概要の冊子とは別に、子ども用にチラシを作成して中学校全校に配布することとあわせて、子ども議会に内容を説明して、子どもたちからも意見を募ったということを聞いております。  今年度、2012年度の予算編成におきましては、その方針の中で、子どもを含めた多くの市民に対し、予算編成プロセスをより一層わかりやすく発信することを掲げられ、市長も、先日の議案提案の中で、編成過程をできるだけオープンにしながら進めたというふうに述べられておりました。  市民ネットワーク北海道は、市民自治を構築し、市民主体のまちづくりを進めるためには、予算編成プロセスを公開し、透明性を確保するとともに、市民への説明責任を果たすことが重要であることから、これまでも予算編成プロセスへの市民参加の充実を求め、昨年の3定の決算特別委員会において公開の拡充を求めてきたところです。  そこで、質問ですが、2012年度予算編成プロセスの公開についてどのような充実を図られたのか、伺います。 ◎村山 財政部長  プロセスの公開について、その充実の内容はどのようなことかということでございます。  市民に対する説明責任を果たして、予算編成に対する市民の信頼の確保ということを進めるためにも、まず、要求段階にあっては、予算要求の概要を、これまでの局単位のものから、全市的な観点からの政策目標単位でまとめたものといたしまして、また、記載内容の充実を図るということで、市民にとってよりわかりやすくなるものとしたところでございます。また、市民意見の募集については、11月25日から12月26日ということで昨年は実施いたしました。さらに、編成過程における査定結果の透明化を図るということで、これまで要求時と市長査定後に公開しておりましたけれども、新たに、財政局の概定後に主要事業について概定の内容や論点について公表することといたしました。  また、予算編成により興味を持っていただくための取り組みといたしまして、子ども議会に予算要求の概要を説明したほか、ことしから新たに中学校で出前講座を行うなど、将来を担う子どもたちにもわかりやすい情報の発信に努めたところであります。 ◆石川佐和子 委員  今年度の予算編成の公開として、要求段階だけではなくて、政策目標など、査定の内容や論点を明らかにした、また、財政局の概定、査定を加えて、そうした段階もふやすということ、それから、中学校での出前講座も新たに行ったということを、今、伺いました。今現在、チラシやホームページで公開されておりますけれども、予算編成に関する説明責任を果たすために、新たな取り組みとして、このように、直接、出向いて説明していくのは大変重要なことだというふうに思っておりますし、実際に出前講座を受講された中学生にとっても、札幌市民として市政に参加する機会になったのではないかというふうに考えているところです。  そこで、中学校の出前講座について、参加した生徒数、実際に実施された内容、そして、そのとき中学生の皆さんから具体的にどのような意見が出されたのか、伺います。  それから、それらを踏まえて、今後、予算編成への市民参加を拡充するためにどのように取り組むおつもりか、あわせて伺います。 ◎村山 財政部長  お話にありました中学校への出前講座につきましては、昨年の10月19日、向陵中学校の協力をいただきながら、3年生の2クラスにおいて実施いたしまして、約80人の方に参加していただきました。予算編成や札幌市の財政状況等を説明させていただいた後、グループに分かれて、事前に用意した討議項目に沿いまして意見を取りまとめていただいて、最後に各グループから発表してもらったところであります。具体的な意見としては、学校に係る予算について、施設改修の促進、それから、光熱水費の節約について意見がございましたし、あと、景気対策のため、保育所を整備することにより就労をふやすことや、中小企業支援に予算を多く配分すべきといった多くの建設的な意見をいただいたところであります。  こうしたことを踏まえて、平成25年度の予算編成におきましても、さらに多くの市民に市政への関心を持っていただこうということで、これまでの取り組み内容の成果を踏まえまして一層の充実を検討してまいりたいと思っております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望になりますけれども、今年度の予算編成のプロセスの公開については、段階を追った情報公開とか、また、中学生への出前講座などを通して、子どもも含めた市政への市民参加の充実に向けた取り組みを評価しているところであります。  しかし、今回は中学校1校の取り組みでありました。こうしたことを踏まえて、政策形成過程への市民参加をさらにふやしていくためにも、例えば高校や大学などに対象を拡大するなど、さらに充実に向けた取り組みをぜひ進めていただきたいということを求めて、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、札幌市の納税強化策と公契約条例についてお伺いします。  札幌市の財政は、今、非常に厳しい状況でございまして、予算案にも保育料等の値上げ等をうたっていらっしゃるところでございます。私は、財政の確保、徴税の強化というものは大変大切なものだというふうに考えておりまして、さきの債権管理条例の成立の際にも、そのような徴収業務の充実ということをうたっていたところでございます。納めている人とそうでない人がおるというようなことについては、解消されなければならないというふうに考えております。  そこで、何点かご質問させていただきます。  札幌市は、納税の強化の一環としまして、事務所機能を区役所から分離する形で一元化して体制強化を図っておるところでございますけれども、時間がたちまして、その効果、徴収の実はどのような形で上がっておるのでしょうか。何ポイントほど上昇したのか、また、それは、現下の経済状況とどのような関係があるのか、お聞かせください。 ◎本間 税政部長  ただいまの質問につきまして、一昨年10月に市税事務所をつくったところでございますけれども、市税事務所の創設に伴いまして、いわゆるスケールメリットを生かした徴収について、機能分担制度という部分の導入を図ってきたところでございます。そのほかに、民間委託による納税お知らせセンターの開設、あるいは、平成23年度からは、固定資産税や都市計画税、市・道民税においても、コンビニエンスストアの納付を拡大するなど、効率的あるいは効果的な対策を講じてきたところでございます。  その結果といたしまして、1月末の収入率の状況でございますけれども、前年同月比を0.73ポイント上回った状況というふうになっております。 ◆木村彰男 委員  現下の経済状況とどのように関連があるかということについてはいかがでございますか。 ◎本間 税政部長  現在の経済状況、いわゆる道内の経済状況というのは、非常に厳しい状況でございます。そのような中でも、今言ったような種々の取り組みを講じた中で0.73ポイント上げたということは、一定の効果があらわれているものというふうに思っております。 ◆木村彰男 委員  次に、私は、昨年、東京事務所を視察する機会を得まして、東京事務所における徴税、特に固定資産税関係でございますけれども、実績が上がっているということで伺ってまいったところでございます。ここにおいては、例えば、人員の増強であるとか、人の配置とかということをもって、さらに徴税の強化というようなことが得られる、そのようにも思ったのでございますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。 ◎本間 税政部長  東京事務所の人員の関係でございますけれども、現在、東京事務所には、担当係長1名と一般職1名、計2名の配置をさせていただいているところでございます。それぞれの中で、東京事務所につきましては、東京事務所の持っている案件数、あるいは滞納額についても、全市の平均と大差がないというような状況でございますので、現状の中でいろいろ効率的な部分を取り入れながら対応させていただきたいというふうに思っております。
    ◆木村彰男 委員  私は、道税の方の徴収活動、例えば料飲税だとか自動車税なども一生懸命に道の方も徴収活動に入っておるのですけれども、やはり、2人で組になってそういう債務者のところに出かけていくような人海戦術が大変効果を上げているというふうにも聞いておるのです。そのような人海戦術、人員とかということについては、これ以上、増強するようなことについては考えておらないのでございましょうか。 ◎本間 税政部長  職員の増強というお話でございますけれども、人員を手厚く配置すれば収入率も収入額も向上を図れる部分もあろうかとは思いますが、札幌市全体の職員数の関係もございますので、まずは、現行の中でより効果的・効率的な徴収の取り組みを優先して行っていきたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  人員をふやさないで徴収の効能を上げていくということは、具体的にどういうことをおっしゃっておるのでございましょうか。 ◎本間 税政部長  先ほども申し述べましたとおり、平成23年度からコンビニエンスストアの納付の拡大ということもございましたし、それから、24年度からは、今、納税お知らせセンターというものをやっておりますけれども、その中で、1年間、年間を通してお知らせセンターの稼働というものも実施しようというふうに考えております。そういうような中で、税収の効果というものを上げていきたいなというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  私は、やはり、人間がやることでございますので、人間のスキルアップということをやっていかなければならないということを考えておるのでございますけれども、そういうようなスキルアップの具体的な方策というか、方法等についてはどうでございましょうか。 ◎本間 税政部長  スキルアップの件でございますけれども、これにつきましては、従来から研修という形でいろいろとやっている部分もございますし、また、平成24年度からは、各職員の習熟度別に応じた研修というものを充実させていきたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  ぜひ、人間の方も力を入れてやっていただければというふうに思っております。  次に、公契約条例についてお尋ねします。  私は、さきの代表質問でも質問させていただいておりますけれども、上田市長が講演されましたところの反貧困ネット北海道主催のセミナーに出席させていただきましてお話を伺うことができました。そこでは、先ほどから出ております北海学園大学の川村准教授が来ておられまして、シンポジウムでも発言されておるのですけれども、盛んに官製ワーキングプアという言葉を使われるわけですね。その官製ワーキングプアの張本人といいますか、根本的な原因が指定管理者制度にあるというようなことを発言している。新聞の論調でもそのようなことをいろいろな方との対談でおっしゃっているのです。  このことでご質問なのですけれども、札幌市は、私は、上田市長が官製ワーキングプアという言葉を使っているのは聞いたことがあるのですが、どこかの文章だとか、いろいろな評価物の中で官製ワーキングプアという言葉を使っているということがありますでしょうか。もし使用しているとすれば、どのような意味、脈絡において使っていらっしゃるのか、お尋ねします。 ◎上野 管財部長  私ども管財部としては、もちろん官製ワーキングプアという言葉については使っておりませんし、私の知る限り、いわゆる公共の印刷物で私どもの市役所の中でそれが使われているという記憶はございません。 ◆木村彰男 委員  次に、川村准教授が主張されておりますように、もし指定管理者制度がまさにその川村さんがおっしゃるところの官製ワーキングプアの原因だとすれば、例えば、公共施設の管理に当たって今までやっておりました、人件費の削減であるとか経費の節約ということを目指してつくり上げられました指定管理者制度というものと、公契約条例が、私は矛盾するのではないかというふうにも考えるのでございますけれども、それについては、いかがお考えでございましょうか。 ◎上野 管財部長  指定管理者制度は、公の施設について、やはり民間ノウハウを生かした施設の運営の仕方を求めた制度だと。もちろん、経費の節減ということも一つの目的であったというふうに私も理解しているところでございます。  しかしながら、公契約条例は、いわゆるそこで働く方々の最低限の賃金といいますか、適正な賃金をお支払いしていただくということでございますので、全体についてのいわゆる費用圧縮と最低限の労賃を支払ってくださいよということについては、必ずしもバッティングするものではない、このように考えております。 ◆木村彰男 委員  矛盾しないという答弁だと思います。  次に、私は、代表質問の中でもお尋ねしましたけれども、公契約条例が既に実施されている野田市などの例で言いますと、実際に賃金が上がった方は、最低賃金近くに張りついておったところの清掃労働者に一部上がったところが見られる、評価されているというようなことで伺っておるのでございます。そういうことは、結局、清掃の契約金額が上昇することにつながっていくというふうに私自身は考えておるのでございます。しかし、市は、私の質問に対しては、先ほどもお話がございましたが、2省単価を軸にして委員の方々が賃金を決めていくのであるから予算アップにはつながらないのだというような旨の発言をされているのかと思うのですけれども、そのような認識ということで、変わっていないということでよろしいのでございましょうか。 ◎上野 管財部長  いわゆる工事につきましては、2省単価をもとに積算しておりますので、したがって、予算額そのものについては変更がないということでございます。実効額については変更があるかもわかりません。やってみないとわからないということです。  しかしながら、業務については、もちろん落札率が上がれば、当然、それは費用増にはなるものではありますけれども、総じて言えば、予算額上、明らかにこれだけ上がるということには反映されないということを申し上げておきたいと思います。 ◆木村彰男 委員  野田市の場合は、2省単価の8割を確保することを義務づけることを前提にしているというふうに伺っておりますけれども、受注業者の経営ですね。先ほどから何回も出てきておりますが、それを圧迫しないように、人件費の増加額を見込んで、見込んでですよ、契約の予算に措置をしているというようなことも言っておるのです。こういう措置をするということは、札幌市から見れば、そういうものを足し増しして予算化するようにも聞こえるのですけれども、そういうことにはならないのでございましょうか。 ◎上野 管財部長  適正賃金、適正受注金額ということを、私どもは、今、目指しているところでございますから、そのために最低制限価格の引き上げを行ったところでございまして、そういう意味では、トータルの受注額は増加するというふうに私どもも理解しております。 ◆木村彰男 委員  私は、条例で賃金が今より高く設定されますと、経営者の経営は圧迫されると考えるのですけれども、市は、企業側の経営安定や労働者の賃金引き上げのために最低制限価格を引き上げるという改善策を業界の団体の方にされておるわけです。それは、建物の清掃業務をおやりになる業界であるとか警備業務などを担当されるような業者に対して、積み上げ方式という形で改善をしていくような形の改善策といいますか、それを提案されているかと思うのです。  それに対して、札幌商工会議所が要望しておりますところの、最低制限価格を段階的に引き上げて95%以上にしてほしいというようなことを要望書で私の方は受けているのですけれども、この間の代表質問の後、市長は、胸襟を開いて高向会頭とも会い、そして、大好きな友人というようなこともおっしゃっていましたから、説得するというふうに私は思っておったのですね。そうしましたら、先ほど出ていましたように、じっくり話したいと言っていた割には、新谷理事が行かれているのですね。そして、非公開で商工会議所の方々、首脳とお会いになっていると思うのですけれども、これらの要望についてどのようにお答えになったのか、お聞かせください。 ◎上野 管財部長  過日、札幌商工会議所を訪問した理由についてでございますが、私どもは、2月14日に正式に公契約条例案を議会に提出させていただきました。そこで、条例案について、改めてご説明いたしますとともに、よく事業者の方々から、ご質問といいますか、内容の問い合わせがある、いわゆる具体的な実務的な取り扱いについて、今、私どもがお示しできる最大限のものをご説明させていただいたということでございます。 ◆木村彰男 委員  私は、札幌商工会議所の要望する最低制限価格及び低入札調査基準価格を段階的に引き上げるという要望、これとWTO物件の矛盾についてお伺いします。  さきに私が代表質問したときに、こばやし峠の案件もたしかWTOだったと思うのですが、これは、上の二つがそこに入って、あと、全部落ちていたのですが、このような案件について、清掃業務、警備業務に提案した先ほどの積み上げ方式のような改正案が建設業協会にはまだ出されていないかと私は思っているのですけれども、それは、このWTO物件の問題と何か関連があるのでしょうか、お聞きしたいと思います。 ◎上野 管財部長  こばやし峠がWTO案件だったということと、今回の最低制限価格の引き上げに関する議論とは、直接につながらないものだと考えております。 ◆木村彰男 委員  私が申し上げているのは、札幌建設業協会等に、そのような積み上げ方式的な、何というのでしょうか、改正案といいますか、改正の方式といいますか、それがまだ行っていないというふうに私は思っていたのですけれども、それは、特に、WTO案件と矛盾するから出していないわけではないということでよろしいのでしょうかということです。それでよろしいですか。  それでは、具体的に札幌建設業協会等に入札制度の改善の案というものは、いつごろ出されるおつもりなのでございますか。 ◎上野 管財部長  まず、工事と業務に分けてお話ししたいと思いますが、業務、いわゆる清掃、警備、それから機械運転監視、これにつきましては、既に1月に最低制限価格を上げておりまして、この内容については業界にもご連絡をさせていただいておりますし、ホームページ上でもアップしております。  工事につきましては、先ほど阿知良委員にお答え申し上げた内容でございますが、私どもは、実は、来週早々に札幌建設業協会と入札制度のあり方について協議をする予定になっておりますので、その中でまた改めてお知らせしていきますし、また、公式的には何らかの通知だとかホームページのアップをしてまいりたい、このように考えております。 ◆木村彰男 委員  本条例に反対している業界団体から、条例に先んじて要望の出ている内容の中で、複数年契約というようなことが先ほども出ておりまして、これは経営の安定化に資するものだと私も評価しておるのでございますけれども、この複数年契約が実現する一つの条件として、公契約条例が成立しなければ複数年契約はできないのでございましょうか。これについてお答えをお願いします。 ◎上野 管財部長  端的にお答え申し上げますが、複数年契約と公契約条例とは別なものと考えております。どちらも条件にはしておりません。 ◆木村彰男 委員  現在、いろいろな要望が出ております。業界からも出ております。そして、必ずしもすべての業界がこの条例について賛成しているわけではございません。先ほどからも出ておりますように、いろいろな危惧、それから心配が出ております。この問題につきましては、私どもも、やはり慎重に対処すべきだということを最後に申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。 ◆山田一仁 委員  私は、まず、市長の平成24年度の予算について、それから行財政改革推進プラン、そして、先ほどもちょっとありましたけれども、予算編成のプロセス、また新まちづくりの予算、最後に雪の予算に関して、市長にお伺いしたいと思います。  18階から16階を行ったり来たり、ご苦労さまでございます。  市長も、先ほども公契約の中でいろいろお話をされておりました。本当に、経済が非常に疲弊してしまう。だから、その中にこの低賃金が出てきて、こういうふうになってきて大変な今の状況だということで、市長は、こういう形で公契約を提案されてきた。その話は先ほどありましたから、私は、公契約についてではありませんが、今言われるように、残念ながら、やっぱり札幌市の経済というのは大変厳しい、先ほども市長が言われましたけれども、こういう経済の中に今いるわけであります。  私は、この予算議会で、昨年も市長に言わせていただきましたが、我々としては、本当に、最後にもお話ししますけれども、もっともっと積極財政をして経済をよくすれば、この公契約の問題だって、賃金が少しでも上がるような社会にしておけばいいわけでありますから、我々としてはもっと積極財政をすべきだということを1年前の予算議会でも市長に提案させていただきました。残念ながら、私どもと市長とは予算の考え方に多少違いがあるということでありましたから、私どもとしては願望がかないませんけれども、それも含めて、もう一度、今回の予算というもの、平成24年度予算について、まず、市長に2点ほどお伺いさせていただきたいと思います。  まず、さきの市長の所信表明で、予算への特徴として市長が述べられていますが、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変えると表明されました。ここに予算の概要、予算書がありますけれども、この中で、私もちょっとわからないのですが、これはどこに特徴があるのでしょうか。思い切って変えたもの、何を思い切って変えたのかな、この内容について、歳入・歳出を別にして具体的に説明してほしいのが1点でございます。  それから、平成24年度予算は、一般会計、企業会計、特別会計を合わせると約1兆4,000億円ぐらいになります。平成20年度でいくと札幌市内の総生産6兆2,600億円ぐらい、この中でいわゆる1兆4,000億円ですから、大体約23%です。札幌市の経済の中に大きなウエートを占めているわけでありますけれども、この24年度予算は札幌市内の総生産額のこれだけのパーセンテージだから、やっぱり影響しているということです。  そこで、札幌市は市内総生産にどのような影響、効果を与えているとお考えか、まず、この2点をお伺いしたいと思います。 ◎上田 市長  1期目から、変えるべきものは思い切って変えるというようなことも申し上げましたし、伸ばすべきものは伸ばすのだというようなことを言いながら、もちろん思ったとおりのことができる環境でもありません。限界のある財政の状況の中で、将来の次世代、次々世代等に、極力、負担を少なくすることを旨としながら、今できることをしっかりやりましょう、こういうふうな理解の中で、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変えるのだ、こういう意気込みを示させていただいたところでございます。  高度成長の状況の中で、お金がどんどんという将来が見込めるような状況の中であれば、必ず10年後には借金をしても返せるぞというふうな見込みが立つ状況の中であれば、たくさんの財政投資をすることも許されるかというふうに思います。しかし、日本全体の状況をごらんになっても、あるいは、世界的な経済の減速状況といったものを見ても、それがかなわないということは多くの方にご理解いただけるのではないかな、そんなふうに思っております。  山田委員からは、この予算委員会で何度もお話をちょうだいしまして、札幌の経済対策が弱いということをご指摘いただきました。その中でも、十分でないということは私もそう思いますし、もちろん、お金があればやろうという気持ちはありますが、今申し上げたような限界の中で一生懸命させていただいているということでございます。  今期の予算に当たりましても、そういう意味では、建設事業費は全体を通じまして1,175億円ほどの額が計上されているところでございます。これは、不十分だと言われればある意味では不十分かもしれませんが、前年度というくくりで比較させていただければ、やはりそれなりの伸びをさせていただいているわけでありまして、そういう意味では少し頑張ったというふうにご理解いただければ大変ありがたいと思います。  その財源をどうするのかというようなことになれば、これは、もちろん、内部努力によって倹約できるものは倹約してみましょうと。人件費なり、あるいは遊休資産を売却するなり、そして、遊休資産を売却するということは、まさに民間に売り渡すわけでありますから固定資産税の徴収にもつながってくるというようなことで、財源を確保するためには二重の意味合いで非常に有効な手だてであるので、これはしっかりやっていきましょうというようなことを盛り込ませていいただいているところでもあります。また、基金の活用についても、将来のさまざまなまちづくりの計画に支障がない限度でしっかり活用させていただくというようなことも、歳入面ではあるわけであります。  先ほど木村委員からもお話がございましたけれども、市税の徴収についても、それなりに本当に努力をし、そして少しずつ実績を上げさせていただいているところでもございます。そういう意味でも、最大限の努力をさせていただきながら、新まち計画というものを立てさせていただいております。総額で言えば、この4年間で5,800億円ぐらいの新まち計画の事業費ということになります。これは、先ほど市内の総生産が6兆2,000億円というお話でございましたけれども、1年で割っても決して少ない額ではないというふうに思います。  そういう中で、新まち計画に盛り込んでいるものは、短期的な経済効果を発生するものと、持続的に発生するものも含まれているわけでありまして、特徴としては、やはり、これからの少子高齢社会における産業のあり方、人の暮らしのあり方に伴った産業のあり方、それは、子育てを含めて、福祉であったり、あるいは健康であったり、環境であったりというようなことに対して重点的にさまざまな施策を立てさせていただいているということでございます。そして、多くの場合、投下した資本というのは、まちじゅうでお金が回っていく、地域内経済循環というものを可能にする、そういうお金の使い方でなければいけないというのが基本でございます。そのため、この委員会でも何度もご質問がございます公契約条例についても、そういう視点も盛り込んで、投下した税金を市内で働く労働者の皆さん方にお使いいただけるような、そして、建設業に従事されている方々も、また清掃等に従事をされている方も、お金を使うことによってまちじゅうのさまざまな商業者の皆さん方の活性化につながってくる、そういうまちづくりをしたいという考え方でお願いをして、ご説明させていただいているということでございます。  事業者の皆さんたちが本当に厳しい状況であることは重々わかりながら、これを一つの切り口にしていくことが、我々のできる経済対策、あるいは予算の使い方というふうに考えているところでありますので、ご理解をいただきたい、このように考えるところであります。 ◆山田一仁 委員  確かに厳しいですから、やっぱりもうちょっと、せっかく市長が所信表明で伸ばすべきは伸ばすと言うならば、市民の皆さんに、もう少しこういうことをやりましたよと。私も、全部、満足なことを言えとは言いませんが、もうちょっと具体的に市民の方にわかりやすく言ってくれないと、今聞いていると、わからんでもないが、何なのかなという気持ちにもなるわけです。そういう面では、もう少しわかりやすい物の言い方で市民の皆さんに言っていかないと、本当に中身が漠然としてしまって、ここまで伸ばすと言ったのだから何かということぐらいは一つあってもいいのではないかなと思いますが、その辺はこれでいいといたします。  今、言うように、確かに札幌市の予算の1兆何千億円は、それでも足らぬと言えば足りませんけれども、本当に札幌市の経済に大きな影響を与えているわけです。この効果というのは、今、市長はそうおっしゃるけれども、やっぱり、何らかの効果をどれだけ与えているのか、財政局として何らかの把握をしていなかったら、ただ漠然と1兆円予算を組みましたよと。今まで、そんな形でずっとやりますよと、それだけで経済云々というわけではないでしょうから、財政局として、その辺は、どのくらいなのか、何か把握されているのですか。どういう思いでいるのか。いろいろな金額的なもので、効果がこれだけありますよ、こういうものが出ていますよということがあるのか、ないのか、もう1点、財政局の方にお聞きしたいと思います。  それから、これは、最初に市長とこんな話をしてしまうとあれですけれども、経済の話がずっと出ましたが、我々としては、今、本当に大変だと。だから、公契約の話もそうやって言われる。そっちの話をぶり返すわけにはいきませんから、本当にこれをもう少し活性化しようと。私もどんどんやれと言っているわけではないのです。もうちょっとでもいいからやってくださいと。確かに、建設の関係は、今回、学校耐震化なんかでは少し伸ばしていただきましたから、それはそれで本当にやっていただいたなと思いますが、我々としては、やっぱり、札幌のまちは、先ほど市長が阿知良委員の答弁のときにも、経済が悪い、しかし、日本の社会というのはもう成熟してしまった、だから、もうそういうところの金ではなく、違った形で、今、少子高齢化になってきたのだよということをおっしゃる。確かに、そう言われれば、ヨーロッパもある一面では成熟してしまって、これからの時代は変わっていくやり方をしなければならぬ。どんどん伸びるのは、今、確かに中国とかインドになるかもしれません。  ある一面では、日本はそうかもしれません。しかし、日本の中の札幌と見たときに、果たして札幌は成熟したまちになったでしょうか。それは、東京、大阪、名古屋、あの辺は全部違いますよ。本当に、ある一面ではそういう面で成熟してしまった。だから、まちのあり方も変えていかなければならない。しかし、札幌はまだそこまで行っていない。そういうまちになったのならば、産業構造もそうなっているならば、やっぱり札幌もある程度変わっていかなければならない。なったのならば、それはそれで、東京とか、向こうのような形にならなければならない。しかし、北海道、札幌はまだまだ向こうの域に行っていないのですから、我々は、ある程度、積極財政をして、もっと東京並み、あるいは大阪並み、名古屋並みになったときに、改めてそういう市長の考え方に行かれるのは僕は正しいと思うのですが、残念ながら、私どもはなっていないから、もっと積極財政をしたらいかがかということを市長にお訴えしているわけです。  そういう中で、平成24年度予算、これは、本当に、我々にすればもう少しやってもらいたいということなのですが、今後、我々の願望として、景気動向を見ながら、市長、いま少し積極的な財政出動ということは頭の中に考えておられるのでしょうか。ひとつ、その辺のご見解を最初にお伺いしたいと思います。 ◎上田 市長  何をもって積極的と言うかというところも一つございまして、ハードのものづくりというふうなところに投下するお金と、それは非常に見えやすいといいますか、すぐ経済効果が派生するということもあります。こういう意味では、例えば新幹線の札幌延伸などということは、札幌にとって非常に明るい材料でありますし、それに伴った経済活動が展開されるだろうというふうに考えます。それに伴いまして、まちづくりにも、駅前のゾーンをどうしていくのかというようなことは、当然、展望されなければならないことだというふうに思います。道路だって、アクセス道路をどうするのか、高速道路との関係をどうするのかというようなことももちろん頭の中には置きながら、今、優先順位としてやるべきことをまずやらせていただいた上で、景気がよければと言ってしまうと、物の言い方にちょっと気をつけなければなりませんが、もちろん、財政が許せば、あるいはいい好循環が出てくれば、もっともっと積極的な対策というのはできるだろう、そんなふうに思います。  ただ、今、私たちは、余りお金をかけなくても効果が高いと見込まれる新しい政策をどう組み立てたらいいか、そういうことについて悩みを持ちながら進めさせていただいているということもご理解いただきたいと思います。例えば、創造都市だとか、あるいはフィルムコミッションが発展いたしまして、札幌コンテンツ特区というような、これは、本当に、日本で唯一、映像文化というものを育てていこう、新しい産業をつくっていこうということで、経産省あたりからも大変ご理解をいただいております。今まで、ここまでつくってきた札幌の都市機能を映像に撮りたいと思ってもらえる方はたくさんいるはずだ、そして、我々札幌の背後には北海道というすばらしいシーンがあるのだと。それを十分に活用していくことが今は大事なのだ、そして、お金も、そこで新しい経済活動が生まれるのだというふうな予測を立てながら、そのような活動にも積極的に、なるべくお金をかけないでやれるようにと。あるいは、フード・コンプレックスもその一環でありますけれども、より高付加価値なものづくりといったことを目指して頑張っていきたい、こんなふうに考えておりますので、これをもって景気がよくなればもっといろいろなことができるだろうというふうに考えているところでございます。 ◆山田一仁 委員  部長、できたら答弁してください。 ◎村山 財政部長  先ほど、効果はどれくらいということで、はっきりあらわせないかというお話でございます。  昨年の委員会のときにもちょっとお話をしましたけれども、事業費に対して大体1.5倍から1.6倍の経済波及効果ということが言われておりますので、そういった意味では、今回の普通建設事業につきましては800億円弱と昨年度よりかなりふやしております。それを換算すると、仮にですが、単純に計算すると1,200億円ほどの波及効果があると。そのほかにも、貸付金など、平成23年度に比べて額は減らしましたが、その中でも、札幌みらい資金についていろいろ条件を緩和したりとかということがあります。そういったことで経済波及効果を乗数ではかれない部分もありますので、そうした意味では、先ほど言いました普通建設事業の1.5倍以上のいろいろな効果があると思っております。  それから、数字でなかなかあらわせられていないので、どこに力を入れているのかわからないということです。  しかし、例えば、今の建設事業で言いますと、一般会計では当初予算比で6.9%ほど伸ばしております。これも、地方財政計画、国全体の地方の計画でございますが、それでいくと投資の単独事業については三角の3.8%でございますので、地方全体として減となる中、うちは、事業費を積ませていただいて、それで地域の経済の発展ということにも貢献したいというか、寄与させていただければというふうに考えております。そういった予算の枠組みだということもご理解いただければありがたいと思います。 ◆山田一仁 委員  部長の方は、そういう乗数ばかりではなくて、前も乗数の話をさせてもらいましたけれども、そうではなくて、この1兆4,000億円というものは札幌市の中にどういう重みを感じているかと、数字プラスいろいろな形の中で、財政局はもっと持った方がいいのではないか。あるいは、もしできないのだったら、こういうのは専門家に頼んでどういうものかということをはかられながらやった方が、1兆4,000億円の予算を組むときの効果というものが市民にわかるわけですから、そういうことをやったらいかがかということで、それは申し述べさせていただきます。  市長が今おっしゃられたとおり、本当にわかります。お金はできるだけ使わない。これは、トップとして、会社経営でも何でも同じです。そういうふうになれば理想なのですが、やっぱりなかなかそうはならないから、ここのところは何としてでも積極財政をということで、今回、市長にあえてしつこくこうやってお伺いしているわけです。その中に、新まちの問題がありますよ、行革の問題がありますよということでありますから、それも、その中でこれから順番にお聞きしようと思います。  次に、行財政改革推進プランについてちょっとお伺いさせていただきます。  昨年12月に策定されました行財政改革推進プランは、平成23年度から平成26年度の4年間において実施、いわゆる財政効果額は520億円を見込んでいる。言うなれば520億円、これはどうなのですか、節約するとか、内部努力でできるプランだと思いますが、この520億円の内訳の中で、歳出構造の改革で177億円、財政基盤の強化で342億円が計上されているところであります。  そこでまず、1点質問させていただきます。  行財政改革推進プランの財政効果のうち、財政基盤の強化の342億円の約80%、272億円は財産等の有効活用と行革推進プランの中に書いてありますね。そうなっている。この有効活用というのはどういうことを言っているのですか。単なる、いわゆる公共用地、土地を売ってしまいますよと。売り切りだけなのか。この中身をちょっと具体的に示していただきたいと思います。  また、財政基盤強化のうち、内部努力として税の収納率の向上以外に、歳入の確保に対する努力というのが、何というのですか、見えてこないということになろうと思いますけれども、さらなる税の確保策や、いわゆる税源の涵養策、課税自主権の活用等に対する取り組みはないのか、以上、この2点についてまずお伺いしたいと思います。 ◎村山 財政部長  まず、行財政改革推進プランの中の財産等の有効活用ということでございます。  財産等の有効活用は、プランにおきましては、平成24年度から26年度までの3年間で272億円というふうに効果額を計上しております。内訳につきましては、土地開発基金などの基金の有効活用で210億円、それから、市としての利用が見込まれない土地の売却で60億円というふうな想定でございます。  また、24年度予算における効果額39億円の内訳でございますが、土地開発基金の活用で30億円、それから、土地の売却等で8億円を見込んでございます。基金につきましては、他の財源とのバランスや後年次の財政需要を勘案した上で、取り崩しが過大にならないようにということに留意しながら活用するという想定でございます。また、土地の売却につきましては、切り売りというお話もありましたけれども、直接的な売却益はもちろん市の歳入になりますが、民間が取得していただけるということになりますと、固定資産税等の収入増の効果も見込まれますことから、税源涵養という意味でも積極的に取り組んでいるところであります。  それから、収納率の向上以外の歳入確保策というふうなことだと思いますけれども、今回のプランにおきましては、財政基盤の強化の観点から、札幌市が自力で取り組むことができる市税を中心とした財源の確保が特に重要と考えまして、新たにベンチマークとして自主財源の確保というものを掲げております。具体的には、債権管理条例に基づく取り組み等を着実に進めまして、税外の債権についても収納率の向上を図ることはもとより、新まちづくり計画に位置づけられた事業を着実に予算化して、その事業化による税源の涵養、税収の増加を図っていきたいということであります。  委員のお話の中に、ご指摘のように法定外税とか超過課税ということだと思いますが、課税自主権のお話がございました。こちらは、歳入確保の手段としては非常に有効なものだというふうに認識はしておりますが、その使途となる行政サービスの充実とか、あとは、法定外税ということになりますと、やはり新たに税金がかかる方がいらっしゃるわけでありますので、そうした市民の方々の理解とか、そうした意味では慎重な検討が必要だというふうに考えておりますが、今後とも、国や他の自治体の動向なども注視してまいりたいというふうに考えております。 ◆山田一仁 委員  市長の答弁をいただくのはあれなのですが、本当に財政基盤の強化というのは、私どもがその答弁を聞いていると、本当に受け身の内容ということしかちょっと考えられない。今言うように課税自主権の問題、そういう問題でもそうなのですが、今回も、中期財政見通し、これは今回も行財政改革推進プランの中にまた載っておりますけれども、かつて、前回の中期財政見通しの議論は去年もやらせていただきました。これをつくったときの平成14年の一つの考え方、どこかにありましたが、その考え方の中にそういうものが組み込まれて、ずっと中期財政見通しをしながら今日までこうやってきた。  今回は、改めて、この行財政改革推進プランの中からこういう中期財政見通しというものを新たにつくってきたということであります。今まで、そういう面では、平成14年のそういう考え方、今言う自主課税権は、いろいろなことを想定したけれども、現実に難しかった。雪税なんかもありましたね。確かにそういうものもありました。いろいろなものがあったけれども、なかなか難しい。しかし、やっぱり、雪税は難しいかもしれないけれども、これからそういうものをいろいろ継続しながら、そういうものを考えながら、この中期財政をつくっていかなければ、また、ただただお金が足りません、足りませんとなろうと思うのです。  今回は、去年、1年前に中期財政でちょっとお話をさせていただいたから、少し組み方が変わってきましたね。今までは、大体100億円から300億円足りませんよ、2年目以降はこうなりますよと。また戻ってきたら、いつの間にか40〜50億円になって、そしてまた翌年は100億円足りませんよ、来年になったらその年はまた10億円と、こういう組み立てで、本当にあれと同じように組むのであれば、私がつくってあげようかと。どうせあれならば、同じようにつくれますよ。ただ、今回は少し中期財政の見通しも変わってきたわけでありますけれども、そういう面で、この中において、まず、1点質問させていただきます。  いわゆる平成14年に作成した中期財政見通しと今後の財政運営の考え方を踏襲した新たな財政運営の考え方、これを作成することはちょっと考えられないのか。そして、税源の涵養策、課税自主権の活用というものをもう一遍考えてもいいと思うのです。市税の確保策なども考えて真剣に取り組む体制をつくっていただきたいと思うが、その考え方に対してご見解をちょっと述べていただきたいと思います。 ◎村山 財政部長  ただいま、中期財政見通しと、それから、今後の財政の考え方ということでお話がございました。中期財政見通しにつきましては、ある意味、仮定計算というか、客観的なものということで、例えば、今お話のありました税につきましては、国の中期財政フレームというのがありまして、その中では、今後3年間にわたり一般財源の減はなし、大体、同水準を保つ、そういったことを主眼に置いて、我々の中期財政見通しについても、地方交付税、税収を含めて一定のその額に置かせていただいているということであります。今、委員がおっしゃられた目的外の税をもし設けるということになりますと、それは、行財政改革推進プランの方にのってくる。つまり、中期財政見通しで出ている仮定計算のマイナス、赤というものを行財政改革推進プランで増収のところで改革していく、そういう動きになると思います。ただ、それを考えたときに、我々としては、先ほど委員からもお話がありましたけれども、雪のことも、例えばホテル税とかといったこともいろいろ検討して、費用対効果でなかなか難しいといったこともありましたが、そういったものを検討したという経緯があって、今の中期財政見通しなり行財政改革推進プランをつくっているということでご理解いただければいいと思います。  今後のお話でございますが、今の中期財政見通しについては、先ほど委員からお話がありましたように、従前は5年間にしておりましたものを4年間にして、計画に合わせてずらしていくというふうにしておりますけれども、そういったことで私どもとしては一定の見込みが何もなしにはいけないと。長期とは言いませんけれども、少なくとも中期的なものは市民にお示しできた方がいいというふうに考えておりますので、こういった形はとらせていただきたい。ただ、いろいろな委員会で、ご提案というか、アドバイスを委員からもいただきますので、そうした面をいろいろ反映させながら、よりよきものにしていきたいというふうに考えております。 ◆山田一仁 委員  確かに、いろいろ検討するのは難しいことなのですよ。先ほど市長が言うように、何とか考えなければだめなのです。ないから、それで終わりじゃ、これはだめですから。やっぱり、こういうものも確かに物すごく難しかったですね。実際、雪税なんかは、我々もちょっと議論がありました。しかし、現実はどうやってやるのだ、本当に通ったらちゃんとできるのかとか、いろいろな問題があるし、ホテル税も東京がやったから札幌もまねするとはなかなかならぬかもしれないけれども、やっぱり、こういうものもこれから考えていかなければ、今のまま行ったら本当にどうにもならなくなるばかりです。それなら、経済ががばっとよくなって、税収がどっと来るまで待つかということになってしまいますから、今の日本全体から考えたらそれはなかなか厳しいのが事実です。そうすると、やっぱりそういうものも――中期財政、せっかく、今後この4年間、これからも新たな行財政改革で今までの平成14年から少し見直したやり方をするのであれば、来年度もまた中期をやるのでしょうから、そういうものを含めてきちんと検討していったらいかがか。やっぱり、できるだけ正しく出してもらわなければ、今回のものを見ていると前回より大分違いますので、おどしみたいにがばっと足りませんよと書いていないから、その辺は少し変わったのかなと思いながら、これから財政局の頑張りに期待したいと思います。  そこで、次に、今度は予算編成プロセスについてです。  先ほど石川委員がプロセスの話をしていただきました。私も、質問はちょっと違いますけれども、プロセスは何ですかと我々が聞いていると、なかなかちょっとわからなかった。ただ、今回のプロセスの中にも、公開資料をわかりやすく充実すると。市民のみならず、中学生にも知ってもらうということで、何か中学校の方に行かれた。これは大変いいのですが、中学といっても1校だけしか行っていないですね。市民にどれだけ周知したのかなと。これはちょっと嫌みになってしまいますから、それは別にしておいて、今回、予算編成における論点を公表するということになっております。この論点とは、だれの論点を言うのか、そして、これはどんな論点があって、どのように公表をしているのか、論点の具体例について説明していただきたいと思います。  それから、もう1点は、財政当局が行う概定です。今までは査定と言ったのですが、いつの間にか概定になってしまった。そうですか、僕もちょっと気がつきませんでした。確かにこの言葉がありますよということで説明を聞いたのですが、この概定という定義、目的というか、これもひとつお伺いしたいと思います。  それから、今回の予算編成プロセスの公開を見ますと、原局からの予算要求、要するに財政局において概定をして公表する、こういうふうになっているのですが、私からするならば、財政局の今までのやり方というのは――財政局ではなくて市長政策室と言っていいのですか、どちらかというと市長政策室が入ってきた方がいいのではないかと。言うなれば、財政局というのは歳入をやるべきだ。しかし、歳出は、本当からいったら――今回の査定を見ていてもずっと同じですけれども、財政が歳出査定と、ずっと財政局が予算書の中でずんずんやりますね。この歳出というのは、本来は財政局がやるべきではないのではないか。今のやり方を見ていますと、原局は大変だといいますね。係長査定、課長査定、部長査定、次に局長査定、最後に市長査定だ。物すごい労力をかけてやっているわけです。これは、原局にある程度任せてもいいのではないですか。ただ、原局に任せると、どなたかが、そんなことを言ったら、原局は勝手わがままに幾らでも数字を伸ばしてくる、こうおっしゃる。しかし、札幌市の原局の現場にはそれほど無能な人はいらっしゃいませんよ。きちっと出してきますよ。ただ、やっぱりだれかが中心に入るとするならば、市長政策室がその中に入って、歳出の問題をやるべきなのではないか、こう思います。この考え、これは、部長でもいいし、局長でも、この辺は財政局の全般になるからどなたでもいいのだけれども、ご答弁願いたいと思います。 ◎村山 財政部長  まず、論点のお話でございますけれども、やはり、予算編成プロセスを公開して透明化を図るという意味は、市としての意思形成過程、そういったものを市民にご理解いただくという意味で極めて重要なことだというふうに考えております。そうした観点から、平成24年度は、財政局段階での概定内容を新たに公表して、その中で判断を行う際に議論した主なポイントを論点として示したところであります。具体的な事例としましては、例えば、児童会館子育てサロン運営のほか、私立幼稚園預かり保育、それから、認可外保育施設に係る運営支援事業です。ページで言いますと、今もしお持ちであれば予算の概要になりますけれども、10ページ、11ページ、12ページぐらいまでになりますでしょうか。例えば11ページでは、査定の考え方の財政局概定のところで、待機児童が多い地区での優先実施を基本的考えとした園数の見直しとか、そういうふうに何を優先するのかと。やはり要求する原局と我々財政局での論点ということになりますけれども、そういったことが議論になったということでご理解いただければと思います。  それから、査定と概定の定義ということでございますが、実は、我々も結構混同しておりまして、財政局長のところで査定と言ったりいろいろしております。ただ、今回、考えるには、やはり市長のところは査定であろうと。しっかり精査をして、もう最終予算として定めさせていただくということでございます。概定という意味は、おおよそという意味がございまして、局長段階では、ある意味、経営層による高度な政策的な判断までまだ行き着いていないということでございますので、概定という表現がよかろうというふうに考えているところでございます。  それから、歳入の査定を財政局がやって、市長政策室で歳出をやればいいのではないかということでございます。  ご承知のとおり、市長政策室は、政策的な事業について新まちづくり計画を策定したりということで、市としての大きな方向性を定めて、各局がその方向性に沿って政策判断をして実行するというようにそれぞれ役割を担っているわけであります。一方、財政局は、年度内の事業について、あらかじめその全容を市民に示して、かつ最少の経費で最大の効果を上げる、そういう予算の本来の目的を果たすために予算を編成するということで我々を存在させていただいているというふうに思っております。具体的に言いますと、事業数としては1,000以上ございますけれども、個々に事業内容、事業費の妥当性の検証を行って、原局との調整を経て、確保可能な歳入の範囲内で歳出、すなわち個別の事業費の査定案を一体的に整理することになるということで、極めて重要な作業をさせていただいているというふうに思っております。  市長政策室におきましても、機構で言うと、政策室にお任せするとかなりの部分の業務が移行することになる、そういう意味合いになると思います。それから、今、委員がおっしゃられた効率化を図るという意味では、我々も同じように考えております。査定の効率化ですね。そして、局マネジメント枠というのをつくっているのですけれども、それぞれの原局でマネジメントをして、その一定の中では、経常事業であっても臨時事業であってもいろいろ行き来をさせてもいい、そして、総枠の中で自分たちでいろいろ決めてくださいと。ということは、やりくり、工夫をして、これはもう時代に合わない事業ではないかといったものを見直して、新たにやりたい事業に充てる、そういったことができるわけですね。そういった局マネジメントということをやって、その効果についても自分たちで考えて、我々財政局に来たときには、全くフリーとは申しませんけれども、ある意味、原局の意向を尊重するというふうな枠づくりをしておりまして、年々、そういったことも考えて改善して査定を進めさせていただいている、そういうことでございます。 ◆山田一仁 委員  今、部長の方で長々と言われたけれども、やっぱり、これは少しずつ変えていかなければならない。だからといって、財政局が全部悪いとは私は申しませんが、一つ、真ん中に置くならば歳入がいいのではないですか、それだけの方がいいのではないですか。ということは、今回の査定云々と言ったって、現実的に、今回、予算の概定経過の中身を今日までずっと見せてもらいましたが、これをやってきて、原局からの全額要求に対して、単純に言ったら全体マイナス2、そうですよね。マイナス2だ。そして、いわゆる市長査定で今度は0.4、全体で2.4、もうでき上がってずっとなっているじゃないですか。部長の我々がという気持ちもわからないでもないから、絶対だめだなどと言うつもりはないが、これは、やっぱり原局、現場にもう少し任せて、直接、市長、あるいは、そういう中でやっていく方が――確かに合理的にいろいろな面もこれからやりますとは言ってくれるけれども、私は、これから少しずつ検討されて、もちろん一遍にやれとは申しませんが、そういう方向にと思っております。  その辺は、また次の機会にさせていただきたいと思いますが、財政局長、どう思いますか。このあり方について、突然で申しわけないけれども、局長に考え方をちょっとだけ。 ◎金崎 財政局長  委員からいろいろご議論ありましたとおり、今、財政構造が変わってきておりまして、かつて税収が伸びて予算が伸びてきた時代から、だんだん予算の伸びというものがなくなって、今の事業を見直しながら新しい事業をやっていかなければいけない、そういう時代になってまいりました。そうなると、やはり、実際に事業をやっているところが判断をしていくのが一番合理的で効率的であるというのは、ご指摘のとおりだというふうに思いますし、今後、おのずとそのようになっていくのだろうと思います。  予算という意味では、行政はやはり予算によって動きますので、一つの予算編成作業というものを通じて1年間の行政サービス水準というものをきちっと議論する。そういう中で、財政局と各局の議論が必要だとは思いますけれども、今後、そういう効率化とか、そして透明化みたいなことを図りながら、予算の編成のあり方についても工夫を重ねていきたいと思います。 ◆山田一仁 委員  その辺も、やっぱりこれからは変えていくと。スピードアップということでも、先ほど言うように係長から順にやっていると時間もかかってしまう、こういう問題をスピードアップするためにも、その辺も一つ一つ検討していただきたいなということを求めておきます。  次に、今度は新まちです。先ほど市長からも新まち計画と、この財源内訳について新まちの中でお聞きしたいと思います。  第3次札幌新まちづくり計画は、2011年から2014年までの4年間、総額5,800億円の事業を計画しているわけであります。実態から言うとこれから3年間しかないですから、3年を平均すると約1,900億円なのですが、この事業の財源内容についてお伺いしたいのです。  一般財源が約12%、670億円、国、道等の支出金が9%、500億円、これは極めて少ない。一方、その他特定財源67%で3,900億円、これは突出しているのです。これは、やっぱり特定財源がなければ新まち計画ができないということになろうと思いますが、いわゆる特定財源というのは何を言うのか、まず、この特定財源についてお伺いしたいと思います。  次に、税源涵養について、新まちの計画関連の事業を積極的に盛り込んだということで、第3次新まちづくり計画の予算への反映についてお伺いしたいと思います。  平成24年度予算における新まちづくりの関連事業は、前年度と比較して35億円増しの1,259億円を計上しているということでありますけれども、この中で金額の大きな事業、まずこれをお伺いしたいと思います。まず、この2点をお願いします。 ◎村山 財政部長  まず、1点目でございますけれども、その他の特定財源の内訳ということでございますが、その他の特定財源は、今ほどおっしゃっていただいた国や道の支出金を除きますと3,895億円ほどあると思います。そのうちの3,786億円が貸付金の返還金収入でございます。残りの主なものといたしましては、企業会計における収入や、それから、他都市との共同事業における各都市の負担金などが挙げられます。  それから、新まち関連事業での主な事業ということでございますが、平成24年度における新まちの事業としましては、金額の大きな順に挙げますと、中小企業金融対策資金が825億円ほどでございます。それから、学校施設の改築事業が77億円ほど、それから、札幌みらい資金が59億円ほどでございます。
    ◆山田一仁 委員  今お聞きすると、そうなのですよね。5,800億円、新まちは、本当にいよいよまたすごいお金を投入し、これを4年間でやってくれるのだな。これで3回目になりましょうか。今回、また期待はしましたが、同じように言うならば、半分以上はお金貸しなのです。実態は、市中に回るのはほんの何ぼになるのですか。5,800億円の3,000何ぼで、たしか大まかで2,000億円ぐらいが市中に出る。せっかく5,800億円と期待をしているものが、実態を見ると、残念ながら本当に回らない。新まちのこれをつくって、こういうふうに立派な冊子で、概要版で持ってきました。私どもは今回はと思っていたのですが、目指すべきまちの姿、あるいは計画の特徴とあるのですが、そこには、金を貸すとか、金の話はどこにも出ていない。毎度のことですけれども、何か、これだけを見ると、5,800億円がみんなこういうふうに使われるのではないか、やっぱり市民が見たら期待をしてしまいますね。しかし、中身の方は、残念ながらそういうような状況になってしまっている。  ですから、これを5,800億円と言っても、実態はそうであります。それでも5,800億円となるとするならば――2,000億円でもいい。札幌市として、今回、5,800億円と見るか、2,000億円という実質の真水で見るのか、これは本当にわからないです。どっちがあれだかわからないけれども、こういう金を出すことによって――経済局が今までもこれを言っています。ところが、やってくれないのですが、言うならば、こういう経済状況、こういうようなところにこれを出しますよということになると、何といいますか、これに対する経済効果、これは本当にどれぐらいあるのか。乗数でいくと、さっき言った1.5だから、2,000億円だから1.5と。乗数だけで言ったらそうなりますわね。そうではなくて、これがどのくらいあるのかということを一つお伺いしたい。  それから、今回の経済状況を認識した上で、こういう経済状況で、市長がさっきあれだけ言ってくれた、だから大変なのだと言っている。しかし、この金額なのだけれども、こういう何か経済対策、このほかに、あるいは税源の涵養に資する事業がこの新まちの中にあるのか、そういう事業をしっかり入れたのか、その辺を2点お伺いしたいと思います。 ◎村山 財政部長  経済状況の認識、それから、税源の涵養に資するどのような事業に力を入れたのかというお話だと思います。  やはり、日本の経済が震災からの復興需要などによって緩やかに回復が見込まれているということはありますけれども、札幌市内の経済状況については、依然として厳しい状況であるというふうに認識しております。そのためにも、今年度の予算につきましては、経済・雇用対策を最重要課題というふうに考えて、編成でも重きを置いたということになります。  先ほど、新まち計画のトータルの事業費のお話もございましたけれども、確かに貸付金の占める割合がかなり多うございます。ただ、貸付金も中小企業を中心にお貸ししていて、お金をめぐらせる、回らせるという意味では非常に有意義なことだと思っております。また、貸付金でない新まちの事業もありますけれども、それは、前回の新まち計画と比べて、前計画の2次新まちでは1,170億円ほどで、今回は2,000億円ほどになっております。そういった意味では、新まちづくり計画は、子どもの笑顔があふれる街など、そういったいろいろなことに重点を置いて策定して、それに基づいた予算を今回もつくらせていただいたというふうに認識しております。  それから、税源の涵養策ということでございますが、例えば、民間の再開発への支援事業として、琴似の4・2地区とか、手稲本町の1・3地区でございますけれども、これは7億円弱になります。それから、路面電車の推進事業費は5億円弱、大通交流拠点のまちづくりの推進費ということでは4,000万円弱でございます。また、新産業や企業誘致等に資するものとして企業立地促進では1億9,000万円ほど、さらに、HFCと言っておりますが、北海道フード・コンプレックスの特区関係では1億8,000万円ほど、そういったものについては、こういったことに基づいて、すぐに税がとは申しませんけれども、効果を上げてくれるものというふうに期待しております。 ◆山田一仁 委員  今回の新まちは、今言ったようなことなのですが、本当に、2,000億円、果たしてそれがどこまであるのか。今言うように、税源の涵養策も一部はそういうような、本来からいったら、もっと全般的にいってこれだけの効果がありますよと。最初に言ったことと同じなのですが、そういうものも財政局がしっかりつくるべきだ。私は、お金を貸すのは全くむだだということを言っているつもりはありません。これだって、どれだけの効果があるのか。そういう全体を、最初に言ったことと同じように、今回の新まちのあり方も、私は、そういうものを出して、これだけあるのですよ、だからこうなのですよということを市民に出してくれなければ、ただこうやって出してきた、形だけ出てきた、中身はわからなくなってしまうということになるのです。そういう面では、最初も聞いているからあれだけれども、ひとつ、今後とも、そういう面を含めて検討してもらいたいなと思います。今回、これで、4年間行かなければならないのでしょうけれども、この4年間に、もしそういうものができるものならば、こういう効果になりますよということを来年でも出してくれれば、それはそれでいいと思いますので、それを検討してもらいたいと思います。  最後に、除雪の問題、1点だけ、さっと質問させていただきたい。さっと言ったらだめですかね。さっとにはならないかもしれないですが、さっとします。  除雪予算は、去年も、ことしも、この雪、本当に雪というのは、毎度、同じことを言いますけれども、思ったように降ってくれません。我々が勘定するような降り方をしてくれるわけではないし、雪対策ができるようにうまいこと降ってくれるわけではない。本当に、雪というのはどんなになってくるかわからない中で、毎年、予算をつくっているわけであります。  今回は、この中において14億円の補正を組んだところであります。今、補正予算が出てきましたけれども、この補正によって、少しでも――ことしの雪は極端ですね。特に北区と、東区もまあまあ前年並み程度ですが、我々の方は割と多い。豊平区とかこっちの方は少ない。本当に場所によって本当に違うのですが、こういう問題は補正を組んですっとやってくださいよということで補正が出てきているわけです。足りなくなったから補正を組むことは、決して悪いことではないのですが、そういうふうになっているのが今までのやり方なのです。  そういう中で、過去10年間の除雪予算、平成14年度から平成23年度を見てくると、当初予算どおりで済んだ年というのはゼロです。当初予算で不用額を出したのが2年あって平成14年度と平成15年度、補正あるいは流用して使い切った年が2年あって平成16年度と平成19年度、補正した結果、不用額を出したのが2年あって平成17年度と平成22年度です。間違っていたら後で言ってください。こういうふうになろうと思います。要するに、今言うようにこういう形で行くと、雪というのは本当に常に毎年違う。来年もまた補正を組まなければいけないかもしれないし、雪が降らないかもしれない、そういうものであります。  その中で、補正を組んで不用額を出している年に注目いたしますと、平成17年度で33億7,000万円の補正で13億円の不用額を出してしまっている。平成22年度は19億円を補正して7億円を不用としている。せっかく補正を組んだのに、不用額を出してしまっている。何でこんなになってしまったのだろう。その原因というのは、一つには、補正をつくるためにどうしても時間がかかってしまう。そういう面では、3月が来ると雪が変わってきて暖かくなって時期が変わってくる。当然、変わってきます。今から組んだとしても、きょうなんてもう暖かくなって、あした、3月1日、どんと暖かくなったら、やっと組んだものが要らなくなる、そういう可能性もあるわけです。だからといって、僕は補正が悪いと言っているのではないのですよ。ただ、補正のつくり方をそこのところでこうやっている。  そこで、本当に雪というのはわかりません。ことしの岩見沢のように、大雪で、もう異常な雪です。札幌も、平成7年でしたか、皆さんも覚えている物すごい雪の年もありました。来年がどうなるかわからないけれども、やっぱり、そういう面ではこれから敏速に対応していくというのが雪対策だと私は思います。市長、雪に金をかけるのはもったいないという気持ちは確かに私どもも昔はありました。しかし、やっぱり、札幌に雪がある以上、これは何とかせにゃならぬ。 ○こんどう和雄 委員長  山田委員、まとめてください。 ◆山田一仁 委員  (続)そういうことで、除雪体制に対して、1点だけ質問させてもらいます。  雪というのは、やっぱり降ったときに敏速にさっとやらなければならないということでありますから、雪対策予算枠に予備的な除雪費枠を当初から計上しておいて、雪の多いときは予備費を充てて敏速に対応する。もし少ない年で不用額となったら予備費にストックする。財政局長、これはどうなるか、本当にやれるのかわからないけれども、こういう考え方はどうでしょうか。これから検討する。あしたからやるなんて言ったって難しいのはわかるけれども、これを最後にお聞きして、終わりにします。 ◎村山 財政部長  雪対策予算における予備費的な除雪の枠ということのご提案でございます。  そもそも、予備費は、ご承知のとおり5億円は確保してあります。もしこれに除雪枠ということで予備費を加えて5億円を10億円とすることになると、当初予算に5億円の一般財源が必要になるということになります。そうなると、雪のことですからきっと年度末まで引っ張りますので、もし使わなかったときに、この5億円はずっと使わないで不用になるコストになり、一般財源というか、5億円がそれで出るわけですね。そうしたことがいいのかどうかということも、やはり頭に入れてやらなければいけないと。  それから、幸いなことに、今、山田委員がおっしゃられた趣旨にもそんなに遠くないと思いますけれども、備荒資金がございまして、そちらの方に貯金というのがあります。雪だけではないのですが、災害のことに使えるそういうお金があって、20億円ほどですか……(発言する者あり)超過納付金というところはかなり自由に使える部分がありますので、そういった部分を雪に使うことは全然問題がございません。そうしたことも踏まえると、せっかくのご提案ではございますが、今のところは予備費ということにならないかと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、大きく3項目、一つは、請負工事成績評定の受注者自己評価の実施について、二つ目は、既存の入札制度の改善について、三つ目は、公契約条例について、それぞれ質問いたします。  最初に、請負工事成績評定の受注者自己評価制度の件でございます。  昨年の決算議会で取り上げましたが、本多工事管理室長の答弁としては、受注者の技術力の向上が図られ、品質の向上と透明性の確保につながると想定されます、したがいまして、札幌市においても、受注者の自己評価制度の導入に向けた検討を進めてまいりたいということでございます。  そこで、この検討状況についてどのようになっているのか、具体的に伺いたいと思うわけであります。  まず、1番目には、自己評価制度の目的と評定の方法について、そしてまた、二つ目には、対象となる工事の範囲及び件数について、どのように考えておられるのか、この2件について、まず伺います。 ◎本多 工事管理室長  ただいまご質問のありました請負工事成績評定の受注者自己評価制度についてお答えしたいと思います。  委員のご質問にもございましたけれども、まず、目的については、受注者について、工事成績表の仕組みを十分理解していただくと。つまり、検査においてどのようなところに着目してチェックをしているのか、そういうところを把握していただくことで、工事のプロセスの確実な実施につなげることを目的としてございます。結果として、それが企業の技術力の向上につながり、公共工事のさらなる品質向上と透明性の確保が図られると考えてございます。  評定方法についてですけれども、札幌市が実際の評定に使っております請負工事成績採点表に基づき、評価を行うこととしております。それから、対象となる工事、そして範囲及び件数でございますけれども、各工事部局が発注する500万円以上の工事で、受注者の同意が得られた工事を対象に、当初は札幌市全体で200件程度を見込んでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  次に、こうした対象となる工事、あるいは件数が示されたわけでありますけれども、評定者並びに評定結果の活用方法についてどのように考えておられるのか、伺います。  あわせて、再質問の2点目は、試行という取り組みだと思いますけれども、試行期間をどのくらい見込んでおられるのか、また、対象となる受注者にはどのような協力要請、周知を図っていく予定なのか、この2点についてお伺いをいたします。 ◎本多 工事管理室長  ご質問の評定を行う者につきましては、基本的に受注者の現場代理人を考えてございます。そして、評定結果でございますけれども、工事管理室において分析をいたしまして、年度末にその内容についてホームページで公表するなどの情報提供を行って、さらなる品質向上に向けた取り組みにつなげてまいりたいと考えております。  続いて、試行期間と協力要請についてでございますけれども、平成24年度より試行を実施いたしますが、期間については、ある程度のデータを収集した上で分析を行う必要があることから、現段階では、特に期限を定めず、スタートさせていただきたいと思っております。また、試行することをホームページでお知らせするとともに、対象となる受注者に対して、工事契約後、発注部局から受注者へ内容の説明を行い、協力を求めて実施したいと思っております。 ◆ふじわら広昭 委員  検査のときにさまざまな指摘をすると減点の対象になるという、現行の制度というか、ルールになっているようでありますけれども、個人的には、竣工検査のときに、指導ではなくて、ぜひ、お互いに点数をつけて、その場で、こういうところはもう少し頑張ってもらえればとか、ここはよかったなというようなものになれるようにしていただきたいと思います。また、件数についても、試行を積み重ねながら拡大をして、技術の向上、品質の確保に向けて取り組んでいただきたいということを要望申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。  大きな2項目めは、既存の入札制度の関係でありますけれども、何点か分けて質問させていただきたいと思います。  先ほども、ほかの委員からも、本市における総合評価落札方式についての質問がありました。ご承知のとおり、札幌市におきましては、簡易型と、特別簡易型は2種類ありまして、技術評価重視型と地域貢献重視型があります。この参加事業者数を調べてみますと、A1を対象とする物件におきましては1けた台の参加状況となっております。札幌市では、最低でも20社程度の対象企業が見込まれなければ入札の対象にしないということでありますけれども、技術評価重視型では、平均5.63件、最高で13社から最低では2社という場合もあるわけであります。件数的には、年間で約18件か19件というような状況ですが、やはり、こういう状況の中ではさまざまな課題があると思うわけでありまして、昨年も、技術評価重視型の配点を見直しているわけでありますけれども、やはり、こうした配点項目のさらなる見直しをして、多くの対象企業が参加する意欲がわくような内容に配点を見直していくべきだというふうに思います。  また、二つ目としては、総合評価方式は、例えば、国や北海道では標準型、高度技術提案型や簡易型という三つのパターンをとっておりまして、札幌市におきましては先ほど申し上げたような状況となっているわけであります。公共工事の予算や件数が減少傾向にありますけれども、このような中で、ある時期を設定して、工事を落札した業者、まだ受注していない業者に、減点、加点をして受注機会のチャンスを与えていく制度を導入していくことも、今後、必要ではないかというふうに考えるわけであります。  3点目につきましては、本市では、5億円以上の工事案件につきまして失格判断基準の適用がされております。公契約制度を導入するに当たり、さらに同制度の実効を高めるのであれば、例えば、最低制限価格1本だけに設定して、これを下回った場合には失格、または、現行の低入札調査基準価格が設定されており、さらに、その基準の中で、この価格が失格判断基準価格の中におさまっているのか調査して最終判断をしているわけでありますので、この二つの価格を引き上げるなど、さまざまな見直し方法があると思いますけれども、こうしたことも検討すべきだと思うわけであります。  また、四つ目には、成績重視型の入札の点数というのは、各年度によって、最低でも入札参加の20社を確保しなければならない、そうした意味合いから、A1、A2などにおきましても年度によって点数が上下しているわけであります。やはり、業界の内部におきましても、A1であれば少なくとも何年間は何点以上、A2であれば何点以上というようなものがなければ、やはり、目標となる成績重視型のそうした目安というか、努力というものがなかなか設定できないということもあります。あわせて、こうした工事成績の対象期間は5年間と定めておりますが、いろいろ調べてみますと、こうした総合評価なども含めた対象期間というのは、5年もあったり、3年というのもありますので、こうしたものも含めて、今日的な状況からいけば、5年ではなくて、3年に統一をしていくようなことも検討すべきではないかと思うわけでありますけれども、まず、こうしたことについてどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、入札制度全般につきましては、その時々の経済情勢や入札の状況などさまざまな環境を踏まえ、必要に応じて適宜・適切に改善を行っていかなければならないもの、このように考えております。  ただいま委員からご指摘がありました総合評価落札方式については、先ほど阿知良委員へのお答えでも申し上げたとおり、参加者が少ないということは一つの課題だというふうにも認識しているところでございます。また、一般競争入札において、今回、工事については最低制限価格を上げますから、5億円以上のいわゆる低入札調査基準価格も同じく上げたいと考えておりまして、それに伴って失格判断基準についても上げてまいりたい、このように考えておりますけれども、まだ成案は得ておりません。  それから、成績重視型についても、委員ご指摘のことは十分理解できる部分もございますので、確かに、そういうことについてさらに詳しく検討してまいりたいと思いますし、その際には、関係業界の方々からも意見をちょうだいしながら検討してまいりたい、そのように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  これから、経済状況などを見きわめながら、業界の皆さんとの意見交換などを通じて改善に向けて努力をしていただきたいことと同時に、この公契約の制定と同時に、平成24年度、新年度を札幌市の入札制度の改善元年としてしっかり取り組んでいただきたいというふうに考えております。  既存の入札制度の関係でありますけれども、3点質問したいと思います。  質問の1点目は、先ほども出ておりましたが、WTO案件の関係であります。WTO案件の工事の額については、国から、2年に一度、見直しがされるわけでありますけれども、平成24年度からのWTO案件に関する公共工事、業務委託、契約の金額は国からどのように示されているのか、伺いたいと思います。  質問の2点目は、業務委託契約に関しては、業界からも特に複数年契約の要望が出ておりますけれども、後ほどお答えいただく新年度からの業務委託のWTO案件にいたしますと、1年間に直しますと、例えば3年契約でお答えをいただけるとすれば、1年の契約はどのくらいの額からそうしたWTO案件の対象になっていくのか、わかりやすく説明していただきたいと思います。  3点目は、今回の業務委託における最低制限価格の引き上げの影響は、新年度予算ではどのくらいの額を見込んでいるのかということでございます。  業務委託契約は、切れ目のない業務を行ってもらうために、毎年2月、3月にかけて業務委託契約の入札が行われておりますけれども、そうした状況の中で、今回の新年度に向けての業務委託は、最低制限額の引き上げによってどのくらいの額を確保しているのか、改めてお伺いしたい、この3点について伺います。 ◎上野 管財部長  まず、1点目のいわゆるWTO案件の平成24年度の工事における対象金額についてでございますが、これは、せんだって、平成24年総務省告示第14号により適用基準額が変更されたところであります。新たな適用基準額は、平成24年4月1日から、先ほど委員もおっしゃっていました2年間、平成26年3月31日までの間に締結される工事調達契約については19億4,000万円となったところでございます。  次に、清掃業務のWTOが適用された場合、具体的にはどのようになるのかと。複数年契約された場合ですね。これについてでございますが、同じく、清掃業務に関する適用基準額は、今回の改正で2,500万円になったところでございます。それで、複数年契約、契約期間が12カ月を超える場合には、基本的には、毎月の、1カ月の予定金額を48倍したものが先ほど申し上げた2,500万円より超えれば、複数年契約においてこれはWTO案件になりますと、そういう計算をいたします。具体的には、例えば3年間の複数年契約を考えた場合に、先ほど申し上げました2,500万円を基準としまして、48カ月で割ってみることが必要になります。その場合、月換算しまして52万円強になります。この52万円強を、1年、12カ月分で計算しますと625万円になります。したがって、例えば3年で複数年契約を実施した場合、1年単位で考えれば625万円の予定金額を超えれば、これはすべてWTO案件になるということでございます。  それから、三つ目の業務委託の最低制限価格の引き上げによる影響を、予算上、どう見込んでいるかということでございますが、先ほど来申し上げているように、建物清掃や警備、設備運転監視業務の委託契約における最低制限価格を1月に引き上げて、4月1日からの業務に実際に反映されることになります。2月、3月の現在、まさに入札途中でございます。これによって契約金額の上昇が見込まれる部分について私どもが所要額を計算しましたところ、その総額は約1億3,000万円となっておりまして、その金額について予算計上しているということでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  WTOの関係で、例えば、清掃関係では、625万円以上の1年間の物件を複数年契約にした場合にはその対象になるということでございます。以前、原局の方から、平成22年度の業務委託の実績で1,000万円以上の清掃は51件、全体では169件の物件があって、1,000万円以上の割合は67%だという資料がありました。今、上野部長の答弁では、625万円以上となりますと、推測ではありますけれども、80%あるいは90%近くの物件がWTO案件となって、複数年にはなりますが、それぞれメリット・デメリットが出てくるのかなというふうに思うわけであります。  私ども民主党としても、別にこれに対してこうあるべきだというものはありませんけれども、やはり、こうした状況の中で、業界の皆さんのさまざまなご意見もあると思いますので、十分にそうした意向を踏まえながら、議会にもそうした業界の考え方などについても報告していただきたいというふうに考えているわけであります。  次に、最後の公契約条例について質問したいと思います。  この間も申し上げてきましたけれども、特に建設業関係では、戦後というよりも戦前から、元請と下請という重層的な関係の中で、明確な賃金体系が確立されず、仕事量の変動が施工単価や労務費の引き上げに直接つながって、会社はもとより、そこに働く従事者の生活が左右されてきたと思うわけであります。こうした状況の中、2009年に公共サービス基本法というものが制定されてきたわけであります。  先ほど、冒頭の陳情の趣旨説明の中でも、こうした公契約条例を求めるさまざまな動きが報告されておりますけれども、私ども民主党も調べた中では、地方議会から、国に対して、あるいは当該自治体に対して、公契約法とか条例を定める意見書などの数は、昨年2月時点で約813議会に及んできているわけであります。  そこで、先ほど来いろいろな質問がありましたので、はしょって具体的な質問に入りたいと思います。  1点目は、報酬下限額についてであります。  公共工事では、国の2省単価に基づいて、本市として51の職種の下限額を設定することになると理解をしておりますが、一方、業務委託契約では、例えば、清掃業務、警備業務などがあり、この二つの業務で申し上げますと、国の示す労務単価は、清掃員のA、B、Cと警備員のA、B、Cがあるわけであります。当然、Aから順番に、Aが高くてB、Cと低くなっていくわけであります。本市としては、今後、この条例が制定された場合に、作業部会、専門の審議会の中でこれらのあり方を審議していきますけれども、本市としての考え方は、例えば、清掃員あるいは警備員のA、B、Cすべての下限額を設定しようとしているのか、どこに標準を置いて設定しようとしているのか、まず、この点について伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  業務委託における作業報酬下限額につきましては、対象業務であります清掃、警備、そして運転監視業務の3職種を定めることにしておりまして、国土交通省が定める建築保全業務労務単価を基準として、生活保護基準、その他の事情を勘案しながら、設置される審議会の意見を踏まえて設定することとしております。  どこに標準を置くかということでありますけれども、私どもは、職種ごとに一つの作業報酬下限額を定めることとしており、今、委員がおっしゃった中では、警備員C、それから清掃員Cと、下限額を定める観点から最も低い者を基準として決定してまいりたい、このように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  わかりました。  2点目の質問は、先ほど申し上げましたように公共サービス基本法が成立をしておりますけれども、札幌市は、この公共サービス基本法についてどのように認識されているのか、また、同法と公契約条例との関係についてどのように考えておられるのか、これは新谷理事にお伺いしたいと思います。  私ども民主党は、札幌市の市長が提案をされております公契約条例というものは、公契約条例には第何条というさまざまな項目がありますけれども、そうした趣旨から踏まえていきますと、やはり、公共サービス基本法を地方自治体に具体化していく施策の一つであると。この基本法の第4条あるいは第5条の中に国の責務とか地方公共団体の責務が定められておりますけれども、そうした観点から、改めて、公契約条例と公共サービス基本法に対する札幌市の考え方について伺いたいと思います。 ◎新谷 財政局理事  公共サービス基本法は、公共サービスに関する基本理念を定めるとともに、今お話にもございましたように、国や地方公共団体の責務などを定めていること、また、公共サービスの実施に当たっては、公共サービスが適正かつ確実に実施されるよう、公共サービスの従事者の労働環境等の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めることというようなことがはっきりと明記されたということで、大変意義深い法律であるというふうに認識をしているところでございます。  一方、ただいまご提案中の札幌市の公契約条例も、本市発注の工事あるいは業務委託について、これらに従事する方々の適正な労働環境の確保を図り、事業の品質を確保するということを目的としているということでございますので、趣旨としては、この法律と合致しているというふうに認識をしているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私ども民主党としても、先ほど、各委員の皆様からのご指摘、また、この間、関係業界の皆さんからも貴重なご意見等を賜りました。きょうの発言の中にもとても貴重な指摘、ご意見というものがそれぞれたくさんありました。  私ども民主党としては、この公契約条例をいい意味で早く制定した方がいいと思うわけであります。まず、制定の意義としては、公契約条例を制定することによりまして、本市のさまざまな公共工事や業務委託に従事する皆さんが、今でも労働意欲はしっかりあるわけでありますが、さらにそうした意欲を高めて、質の向上、そうしたものが総体的に札幌市の社会や市民生活にも結びついてくるものだというふうに考えるわけであります。  また、制定時期につきましても、現在の経済状況の中では、こうした状況が急に好転することが見込まれない中で、労働者、従業員の環境の悪化を解消することは、一自治体においても大きな課題であると思います。そういう意味では、この条例を制定する時期を逃してしまいますと、やはり、さまざまな課題が先送りされていくわけであります。業界紙などによりますと、例えば、先ほどのやりとりにもありましたが、全国ベースでありますけれども、清掃員の単価が約9%も下がっているという状況の中では、やはり、本市としても、将来の少子高齢化や、従事する皆さん、人材を確保する意味でも、しっかりと時期を逃すことなく対応していくべきだと思うわけであります。  また、賃金格差におきましては、現状は、官公庁物件や民間の物件についてもあると思うわけであります。私ども民主党も、さまざまな皆さんに可能な限り状況をお聞きしてきまして、官庁物件の中でも、例えば、清掃業務のAとB、Cの人がいらっしゃると思いますが、その会社におきましても、同じAでも少し高目な方とちょっと低目の方、Cは、北海道の最低賃金が時間当たり705円ですから、それを下回らないものは確保していても、Cにおいてもちょっと高目の人、あるいは、Bにおいても同じような人というふうに、企業としての自主性を持って能力などを含めた総合的な判断をしているというお話も伺ってきたわけであります。  そのような意味からしますと、この入札制度の趣旨を極力理解いただいて、業界としてもこうしたものにご協力をいただく必要があるわけであります。やはり、こうした格差というものは現状としてもあるわけで、その格差の幅はどの程度までが許容範囲となるということはありますが、現状の中でこうした問題を解決していくためには、許される範囲の中であればやむを得ない課題でもあるけれども、しかし、それをしっかりとカバーしていくようなセーフティネットも確保していかなければならないと思います。  また、罰則規定も本市の中にありますけれども、やはり、条例の中には、ある意味でペナルティーがない条例は抑止力が薄れて形骸化していくおそれがある場合もあるわけであります。  しかし、この公契約条例におきましては、条例違反を起こしたくて起こす人は余りいないと思うのです。ただ、制度を導入するに当たって、十分に理解していないために、さまざまな事務的なミスや、そうしたものが出てくるかと思います。そうしたことによるものは、単にペナルティーをかけるというだけではなくて、この間の市のさまざまな説明でも、しっかりと説明をして指導していくということであります。こうしたことでいきなりペナルティーをかけていきますと、元請はもとより、下請の会社や従業員にも大きな影響が出てきますから、ぜひとも、その周知や是正についてはしっかりと取り組みながら進めていくようにした方がいいのではないかというふうに思うわけであります。  最後の質問でありますけれども、代表質問の中でも、また、先ほどのやりとりにもありましたが、今月の23日に札幌商工会議所と協議をしてきたということであります。そこで、その後、あるいは今後、札幌商工会議所、または関係団体と、既存の入札制度の改善や公契約条例についてどのような協議、調整を進めていこうとしているのか、この点について伺いたいと思います。 ◎上野 管財部長  公契約条例に対しましては、関係業界におきましてもさまざまな不安や、あるいは懸念がありますことは、私どもとしても十分承知しているところでございます。このことから、今、委員のお話にもありましたとおり、去る2月23日に、札幌商工会議所に対して、条例案に加えまして、賃金額の確認方法など具体的な実務に関し、説明させていただいたところでございます。  また、北海道ビルメンテナンス協会、北海道警備業協会、札幌建設業協会とは、今週、来週にかけて入札制度のあり方に関する協議を行うこととしておりまして、具体的には、各団体からちょうだいしている要望項目について、まずはじっくりと意見交換したいというふうに考えております。  その後におきましても、継続的に協議を重ねることにより、入札制度に関する課題をさらに整理し、その中で、条例に対する不安を解消し、理解を深めていただけるよう最大限の努力を重ねてまいりたい、このように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私も、関係団体の皆さんから私どもの会派に申し入れというか、要請があった後に、関係団体が札幌市に要請をした改善要望事項なども拝見させていただきました。その中では、余りお金をかけなくても、あるいは、多少お金をかければ改善ができるようなものも幾つかあるように見受けられますけれども、やはり、申し入れのあった業界の皆さんの思いはどの辺のレベルなのかなということは、実際に行政と業界がやりとりしなければわからないことであります。今、部長が、3月に入ってから、関係団体と、既存の入札制度の改善、そして公契約条例についてのいろいろな細部の説明などを進めていくということでありますので、ぜひ、信頼関係がしっかり結べるような対応をしていただきたいと思うわけであります。  また、先ほど来の質問の中には、例えば、今回の公契約条例を導入して最低制限価格を上げることによって、本市における経済波及効果というか、そうしたものがどういうふうになっているのだと、また、そうしたものを常に求めているけれども、まだ明らかになっていないということも指摘されました。また、部長の答弁では、今後、業界としっかりと協議を積み重ねていきたいということが出されましたし、それ以外の委員からも、さまざまな形で、要望というか、取り組みについてのご指摘などが出たと思うわけであります。  そこで、きょうの財政局の議論だけではなくて、会期中に、市が今試算をしている経済効果や業界とのさまざまな協議の経過をもう一度報告していただきまして、そこでの質疑や考え方というものを示していただかなければならないと思うわけであります。そうした取り組みについて、これは、生島副市長にお聞きしたいのですが、議会が求めた場合にはそうしたことに十分対応できるのか、財政局を担当する副市長としてお考えをお伺いしたいと思います。 ◎生島 副市長  この委員会におきましていろいろな課題をいただきましたので、私どもといたしましては、報告、説明の機会を与えていただければ大変ありがたく思いますので、改めて正副委員長にもご相談をさせていただければというふうに思っております。(「それだったら、きょうの審査の意味がないだろう、そもそもが」と呼ぶ者あり) ◆ふじわら広昭 委員  委員長に要望を申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。  確かに、さまざまな資料とか課題についてそれぞれの会派からご指摘をいただいているのかもしれませんけれども、先ほど申し上げたような状況の中で、まだまだ公契約条例に対する課題、または議論というのが十分なされていないというふうに思うわけであります。そういう意味では、しっかりとした審議を進めて判断をしていかなければいけないと思いますので、どうか、この取り扱いについては、副市長の方も、ぜひそうしたものを早目に取りまとめて報告する機会を与えていただきたいということでございますので、理事制をとっておりますけれども、委員長に対して、改めて正副委員長の中でご相談をして、再び、会期中に財政局の公契約条例に関する報告、また質疑ができるようなご判断を要請申し上げまして、私の質問を終わります。 ○こんどう和雄 委員長  ただいま、ふじわら委員から、再度、委員会で報告をしてほしいとの発言がございました。  理事者からそのような申し入れがあった際には、理事会で協議をして対応させていただきたいと思っております。委員長からは、そのとおりお願いしたいと思っております。  ここで、およそ30分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後6時4分       再 開 午後6時35分     ―――――――――――――― ○こんどう和雄 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆國安政典 委員  私からは、行財政改革推進プランで設定されましたベンチマークの達成状況について、また、その認識について、簡潔に質問させていただきます。  昨年12月に策定されました札幌市行財政改革推進プランにおきましては、中長期的な視点で、財政規律を守りつつ、計画的な財政運営を行うための指針としてベンチマークが設定されております。このうち、将来負担のベンチマークとして二つの事柄が掲げられておりまして、一つは、市債残高を札幌市全体で縮減、二つ目は、財政調整基金を100億円程度で維持というふうになっているわけであります。市債残高と財政調整基金、つまり、市の負債と資産というものをどのレベルにするのかということでありまして、本市の財政状況がますます不透明さを増す中、これらの指標が平成24年度予算においてどのような状況になっているのか、注視をしなければならない重要な事柄であると考えております。  そこで、まず最初に伺いますけれども、行財政改革推進プランにおける市債残高と財政調整基金に関するベンチマークの設定の考え方について、改めて伺います。  さらに、これらのベンチマークについて、平成24年度予算における達成状況はどのようになっているのか、伺います。 ◎村山 財政部長  ベンチマークに対する考え方と、それから、平成24年度予算における状況ということでございます。  まず、市債についてでございますけれども、一般会計の市債残高は、公共施設の大量更新などへの対応や、それから、臨時財政対策債の動向により増加することが想定されますが、残高が過大にならないように、引き続き適切な管理が必要だということで認識しております。そのため、真に必要な分野につきましては市債を積極的に活用するなど、市全体でめり張りをつけることが肝要と考えており、行財政改革推進プランでは、全会計ベースの市債残高を指標として、平成26年度末時点の残高を22年度末と比較して縮減させることを目標として掲げてございます。  平成24年度の一般会計予算におきましては、臨時財政対策債の大幅な増によりまして、24年度末の一般会計市債残高は増加する見込みでございます。一方で、企業会計におきましては、企業債の償還が進むということで、24年度末の全会計市債残高は22年度末残高を下回る1兆7,843億円を見込んでおりまして、ベンチマークの達成に向けては、まずは順調な滑り出しというふうに言っていいかと思います。  それから、財政調整基金についてでございますけれども、近年、予算上で20億円から50億円前後の取り崩しを計上しております。過去に金額が大きいところでは、平成4年度に80億円、こちらは決算も80億円ということでございました。それから、平成10年度に73億円、こちらは決算で32億円の取り崩しということで、こうした計上の経過もございます。このような状況を勘案いたしまして、将来の予算編成上、生じ得る財源不足等への備えということで、平成26年度末の残高については、100億円程度を維持することを目標としたということでございます。  平成24年度の予算におきましては、23年度末残高見込み112億円ということになりますけれども、そのうちの26億円を支消するということで計上しておりまして、24年度末で86億円の残高となる見込みでございます。
    ◆國安政典 委員  それでは、各ベンチマークの状況に対する現状の認識について質問していきたいと思います。  まず、市債残高については、ベンチマークとしては、全会計の残高は減る見込みであるものの、臨時財政対策債の増もあって一般会計ではふえる見込みとなっているという答弁でありました。このように、上田市長は、就任以来、一貫して市債残高を減らしてきましたが、国の影響が大きいとはいえ、方針転換を余儀なくされているのが現状であります。札幌市は、政令指定都市への移行や札幌オリンピックの開催に合わせて建設した公共施設が築後40年を迎えるなど、臨時財政対策債だけではなく、建設債の需要も増してきている状況にあります。市債発行額がふえるということは、償還のための公債費負担がふえるということを意味します。しかし、こうした公共施設の更新などへの対応も含めて、今後も市債の活用はある程度必要だと考えます。  そこで、質問ですが、今後の公債費の見込みと、それを踏まえた市債発行額に対する考え方を伺います。 ◎村山 財政部長  今後のベンチマークの状況に対する認識ということでございますが、市債につきましては、一般会計の公債費につきましては、経済情勢により、調達金利、すなわち利子ということになりますけれども、こういったものが変わるため、今後の見込みを正確に算定することは困難であります。しかし、発行額が増加基調である場合には、将来の公債費は、当然、増加するということになります。臨時財政対策債を除く建設債等については、平成24年度予算で1.2%増の350億円ということで、3年連続で増加している状況でございます。  全会計市債残高の縮減をベンチマークとして掲げまして、一般会計の発行規模が過度なものにならないよう管理する方針であるものの、公共施設の更新などさまざまな行政課題にしっかりと対応するためには、やはり積極的に市債を活用していかなければならない、そういうふうに考えております。 ◆國安政典 委員  もう一方の財政調整基金について伺いますけれども、財政調整基金は、毎年度の予算編成における財源不足を補う機能を担っているものでありますので、そういう意味では、これを活用して予算を編成することに基本的には異論のないところであります。  しかし、昨日、補正予算を可決し、今年度の支消を取りやめることができたものの、これを加味しても、平成24年度末の残高が86億円になってしまう、これは、やはり一抹の不安が残るところであります。札幌市の財政調整基金は、政令指定都市への移行後、昭和50年代中ごろから平成に入るぐらいまでの間、200億円以上の残高がありましたけれども、バブル崩壊などによって、一時、平成10年度末には75億円にまで減りました。その後、徐々に回復し、平成18年度末には近年のピークである162億円となるなど、これまで一定程度の残高が維持されてきたところであります。  そこで、伺いますけれども、平成24年度末の残高が、ベンチマークとしては100億円を下回る86億円となることに対してどのように認識しているのか、伺います。 ◎村山 財政部長  財政調整基金の残高が100億円を下回ることについての認識ということでございます。  やはり、86億円という残高につきましては、今後、不安が全くないというふうに言い切れるものではないと認識しております。そうしたことから、将来に向けての財源という観点からも、引き続き、平成24年度も同様でございますが、予算の執行段階における経費の節減の努力はもちろんのこと、行財政改革の取り組みを着実に進めることによりまして少しでも取り崩し額を抑制する、そういった考え方で進めていきたいと思っております。 ◆國安政典 委員  厳しい財政状況の中でも、今後も、老朽化した施設の更新や修繕など安全・安心な社会基盤を再構築していくためには、残高等に留意しながらも、市債については一定程度活用していくといったことが必要であると思います。また、不透明な財政状況を考えますと、行財政改革推進プランのベンチマークにあるように、財政調整基金については、少なくとも100億円程度の残高が必要であると考えておりますので、今後も、負債と資産のバランスに配慮しながら財政運営を行っていただきますよう期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、行財政改革推進プランについて、とりわけ市民負担増にかかわって、何点か、順次、質問していきたいと思います。  行政が市民生活を直視するということは、当たり前のことであります。貧困と格差の拡大というものが大変重要な社会課題として、最近、議論されてきているところです。私ども日本共産党は、代表質問で、この問題についても市長にただしたところです。市長は、答弁の中で、格差や貧困という問題が深刻化してきている、極めて社会的に大きな課題だと認識している、こういうふうに答弁をしております。貧困から市民を救い出すことが求められている中で行われる行財政改革推進プランということです。そこにあるのは市民負担増、全く容認できるものではないというふうに考えます。貧困の拡大によって、市民生活は疲弊をしている。行財政改革推進プランでさらに負担を強いようとしているものは、高齢者、子育て世代に集中しているというふうに思っております。  この行革推進プランが、さらに市民負担を強化し、過度な負担を市民に押しつけることにはならないのか、貧困がさらに広がっていくというふうにはお考えにならないのか、この点、改めて伺いたいと思います。 ◎村山 財政部長  代表質問でもお答えしましたとおり、厳しい社会経済状況の中、非正規雇用が増加するなど格差や貧困という問題が深刻化しているということは、私どもも大きな課題として認識しているところでありまして、これまでもさまざまな低所得者対策を講じてきたところであります。  一方で、将来の市民にも充実した行政サービスを提供できるよう、持続可能な財政構造を確立するために、行財政改革推進プランの中に盛り込んでいるとおり、人件費の見直しなどの内部努力や、財産などの活用を優先して進めた上で、受益者負担についても一定程度の見直しを行うことは必要であるというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  市役所改革、行革をまずやってから、市民に対しては一定程度の受益者負担も求めていく、見直しをしていくというお話でした。  行財政改革推進プランの中には、基金の活用ということも書かれてございます。その中で、3年間で210億円の取り崩しということです。土地開発基金、まちづくり推進基金、その他特定目的基金、これを210億円取り崩していくということがプランの中にはのっております。  しかし、新年度については、土地開発基金の30億円のみということになっています。3年間で210億円ということですから、通常でいけば年間70億円支消できるというふうに思うわけですけれども、これは、どうして70億円ではなくて30億円になったのか、使わなかったのか、この点についてお聞かせください。 ◎村山 財政部長  お話にありましたとおり、210億円を3で割ると70億円になるわけであります。土地開発基金についてのお尋ねですけれども、この基金は、平成20年度に定額基金化した趣旨を踏まえまして、想定される必要額を上回る部分の取り崩しを進めることとして、行財政改革推進プランでは、平成26年度までに210億円の内のりというふうになりますけれども、約130億円の活用を見込んだところであります。申すまでもなく、基金は限りある貴重な財源でありまして、とりわけ、土地開発基金については今ほど申しましたように定額基金でありますから、取り崩してしまえば、今後、増額の予定のない基金ということになりますので、取り崩しが過大にならないように、平成24年度予算においては30億円にとどめたところであります。  なお、土地開発基金における残高の見込みは、今のところ、総額で649億円でありますが、現金部分としては246億円ということで、今回の行財政改革推進プランの策定のときには、現金部分のおよそ半分ということで計上しておりますけれども、これは、まちづくり計画の平成26年度までということでございますので、27年度以降のまちづくりは、引き続き進めていかなければならないというふうに思っておりますので、そうした意味では、なるべくというか、できる限り貴重な財源である基金を残していきたい、取り崩しを抑制していきたい、そういう考えに基づく30億円でございます。 ◆坂本恭子 委員  取り崩しが過大にならないように留意した、まちづくり計画については、平成27年度以降のものもあるので、そこについての将来を見据えて抑制的な支消にとどめるのだということですね。  今後の基金の活用をどのように考えているのかということも改めて伺いたいと思うのですけれども、今回、行財政改革推進プランで市民負担増を求めているものは、効果額として計上されているだけで3年間で53億円ということになります。この基金を活用していけば、私は、市民負担はせずに済むのではないかというふうに思います。しかし、将来を見据えて消極的な基金の活用にとどまるということで、結局、社会的弱者のところにしわ寄せが回ってくるようなことになるというふうに思うのですが、この点について、いかがお考えでしょうか、今後の基金の活用についてもあわせてお願いします。 ◎村山 財政部長  土地開発基金、それからまちづくり推進基金とか、その他特定の目的の基金もございますが、プランで掲げたとおり、札幌市の厳しい財政状況を踏まえて、まずは有効に活用させていただくという考え方は変わっておりませんけれども、当然、基金でございますので、その性質上、財政的な効果というものは一時的なものにとどまります。したがって、持続可能な財政構造を実現できるまでのつなぎ的なものにならざるを得ないというふうに認識しておりまして、そうした意味では、サービスを持続的にしていくということから考えると、取り崩しに関しましては、やはり、なるべく過大にならないように留意しながら、かつ有効に活用していく、そういった考え方で進めていきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  厳しい財政状況だからと、それからまた、持続可能な制度あるいはサービスを継続していくというお話がございました。  土地開発公社は、2014年に廃止になっていきますね。この点についての質問をしたいと思います。  2006年に、公社の改革プランということで、廃止に向けてつくられておりますので、この2006年以降のもので構いません。先行取得したものを開発公社から買い戻しをしているわけですが、この買い戻しの状況についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎上野 管財部長  公社改革プラン後、平成22年度末までに公社から買い戻した土地につきましては、22件、面積にして約52.2ヘクタール、買い戻し額は約217億円でございます。このうち、事業化目的で買い戻したものは10件、約36.7ヘクタール、約120億円、それから、学校断念など事業化の見込みがなくなったものについて買い戻したものは12件、約15.5ヘクタール、約97億円でございます。この12件のうち、民間等に売却したものは5件、約5.1ヘクタール、金額にして約28億円となっているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  今お話がありました。民間へ売却したものは5.1ヘクタール、28億円ということですが、これは売却したということですから、売却額は幾らになりますか。 ◎上野 管財部長  民間等に売却したものについては、約28億円となります。 ○こんどう和雄 委員長  さっき回答したわけですね、28億円と。  坂本委員、もう一度。 ◆坂本恭子 委員  公社から買い戻した5件について、5.1ヘクタールを28億円で公社から買い戻したと。(「違う」と呼ぶ者あり)  私がいただいた資料ではそうなっているのです。そして、民間に売却した額、これは言っていただこうと思ったのですけれども、13億5,000万円で売却していませんか。 ◎上野 管財部長  失礼しました。訂正させていただきます。  売却したものの金額は約13億円でございます。申しわけございません。 ◆坂本恭子 委員  事前に資料をいただいていたものですから。  28億円で5件、5.1ヘクタールと。簿価とプラス管理費などを合わせて28億円で札幌市が買い戻した、そして、それを民間に売却したときにおよそ13億5,000万円だったということですから、差し引き14億5,000万円ですね。これは、結局、マイナスということになるわけですね。大変な金額ではないですか。先行取得をすると。学校用地は断念地があったというお話も先ほどありました。市有施設をつくるために先行取得をしている、こういう中で、これだけの金額、損害が発生しているということですね。私は、これまでの過度な膨張政策のツケというものがここにあると思います。  今、基金の話を財政部長に伺いました。将来に対して、将来を見据えて、そして、今ある制度、サービスを持続可能なものにするために、受益者負担も含めて一定程度の見直しをしていくのだ、基金の取り崩しにも慎重になるのだ、こういうお話でした。結局、人口推計の過大見積もり、少子化対策への怠慢、あるいは、先ほどからも出ております景気や雇用対策、この無策、こういうことの失政のあらわれというものが私はここに出ているのだ、そういうふうに思います。  持続可能な制度にするからと言って、それで、市民負担増、3年間で53億円、それ以上に、まだ効果額が出ていない見直しされる項目も出されています。このことについて、これまでの札幌市の財政状況、損を出しながら、そして今、財政状況が厳しいのです、市民の皆さん、だからご理解くださいと、そんなことで話が通るのでしょうか。私は、到底、市民は納得しないというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◎上野 管財部長  委員ご指摘のとおり、買い戻し額と売却額との差額は約15億円となっております。  しかしながら、土地開発公社の土地につきましては、行政目的で使用するために、札幌市の依頼によって先行取得したものでございまして、その後、さまざまな事情により事業化に至らなかった未利用地について、現在、売却を進めているものであります。そうした過程の中で、地価の下落などにより、いわゆる売却損といいますか、売却価格との差額が生じる状況になっておりますけれども、資産の有効活用を図ることとしている行財政改革推進プランを、今、確実に、着実に進めることで歳入の確保を図っている途中でございます、そうご理解いただきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  言うのは簡単だと思いますよ。けれども、今、私はちょっと優しい気持ちで14億5,000万円と言ったのだけれども、15億円と部長がおっしゃったから、15億円というお金を捻出するのは、皆さんだってご苦労されているでしょう。それを、今、財政が厳しいからと、それだけの損を出しておいて、そして、今、財政が厳しいからと。みんなの生活だって厳しいのですよ。  冒頭に、何で私が貧困と格差の拡大のことを言ったか。これは、代表質問の中でももちろん取り上げていますけれども、市民生活がそれだけ厳しくなっているという現実を直視するのは、行政として当たり前のことだというふうに私は冒頭に申し上げました。このことについて深い反省を持って、ぜひ、よって立っていただきたいというふうに思います。市民が納得するというふうには、到底、私は思えません。行財政改革推進プラン、とりわけ市民負担増というものについては、私は撤回すべきだというふうに思いますし、それでは、それ以外に何か捻出できるところはないのかという問題も出てまいります。  私どもは、自衛隊基地を抱えている自治体に対して交付されるいわゆる基地交付金、それから、法人市民税の超過課税は、今、14.5%になっておりますけれども、これを0.2%引き上げて14.7%にしたらどうかということをずっと提案しております。改めて、この基地交付金、それから法人市民税の超過課税、これは、新年度見込みで構いません。それぞれ、もしやるとすれば幾らか――ごめんなさいね、基地交付金については、固定資産税相当分というふうになっていますけれども、実際に入ってくる金額は乖離がある、差額があると思います。この差額について、それから、超過課税については14.7%で課税したときにどういうふうになるのか、その金額をお示しください。 ◎本間 税政部長  基地交付金の額でございますけれども、平成24年度の札幌市の予算額は、一応、8,100万円を見込んでいるところでございます。ただ、平成24年度の基地交付金の最終的な交付額が未定でございますので、23年度の差額分でいきますと3,968万円、いわゆる基地交付金の台帳価格に固定資産税の税率を掛けると3,968万円の差額が出てくることになります。  それから、法人市民税の超過課税につきましては、昨年の第3定において14.5%で5年間継続するという議決をいただいたところでございますけれども、これを仮に0.2%ふやすことによって14.7%で課税いたしますと、2億800万円の増という形になります。 ◆坂本恭子 委員  今お話がありましたように、基地交付金の差額で約4,000万円、それから、法人市民税の超過課税で約2億円ということです。決してというか、少なくない金額ですね。例えば、今、児童クラブの時間が延長されて利用料が取られようとしております。延長保育の減免世帯の減免が見直される。市営住宅の家賃の減免も値上げになる。これが大体2億数千万円から3億円ということです。  基地交付金は、国に対して徹底的に求めて、私は、差額がないようにきちんともらうべきものはもらうということをやらなければいけないと思います。それからまた、超過課税についても2億円というお話でした。基本的には、資本金1億円以上、法人税額が1,000万円以上のところに超過課税がかかってくるということです。お金のないところから取ろうと言っているわけではないのですから、私は、これはすぐにでも14.7%に見直すべきだ、そういうふうに思いますよ。これをどうしてやらないのか。昨年、議会の議決があったから、5年ごとに見直していくことについては理解をしておりますけれども、これは、札幌市が変えようと思えばすぐにでも変えられることですよ。  市民に対して負担を求めるのであれば、私は、こういうところにこそ、しっかりと目を向けて、取れるお金として取るべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◎本間 税政部長  まず、超過課税の部分につきましては、今、委員の言ったとおり、昨年の3定で議決をいただいたところでございます。その際に、平成24年度から5年間は14.5%という形で議決をいただいたところでございますけれども、ことしの部分から14.5%の課税という形なので、経済状況等の浮き沈みということでは、北海道内はまだ経済の状況が回復していない状況の中で、今すぐ14.7%に見直すことはできないものかと思っております。 ◆坂本恭子 委員  企業には優しいのですね。経済状況の浮き沈みがあって、今すぐには税率を上げることはできないというお話があります。  市民生活のところで、先ほどお話を伺いました。村山部長、代表質問の答弁と変わらないと思いますが、厳しい社会経済状況の中で、ワーキングプア、不安定雇用などが拡大をしていて、貧困と格差が拡大をしてきているということについての認識はありました。市民生活も大変厳しいというご認識ですね。企業も厳しい、だから取れない、市民は厳しい、だけど取る、こういう理論というのは成立するのですかね。  私は、非常に印象的に思っている市長の代表質問での答弁です。白石区で起きた孤立死事件について、私どもの伊藤理智子議員が代表質問で、再質問、再々質問と行ったわけですけれども、これにかかわって、市長は、職員の感性の問題だ、こういうふうに言ったのですよ。どれだけ制度があっても、そのすき間を埋めていくのは職員の感性なのだというふうに言いました。市民の前にしっかりと向き合っていく、そういう気持ちが大事なのだという趣旨で、そういう感覚を自分の仕事の中に持つということが非常に大事なのだということを上田市長はおっしゃったのですよ。今の市民の暮らしは厳しいのだと、答弁の中で、言葉としてそういうことは言えるかもしれない。けれども、結局、皆さん自身が問われているんですよ、この感性ということが。最高責任者である上田市長がそういう答弁を代表質問の中でやっているわけですから。私は、厳しい生活実態の中にある市民に対して、これ以上の負担増をすべきではないというふうに思います。  白石区の孤立死事件については、本当に痛ましい事件だったというふうに思います。改めて、姉妹に対してのお悔やみの気持ちをあらわしたいと思いますけれども、今回のこの事件は、札幌市での貧困拡大の大きな警鐘、こういうふうに私は受け取っていますし、皆さんも受け取るべきだというふうに思います。  本来の自治体の役割は、住民の福祉、健康、生命を守ること、これにしっかりと依拠していくということがまさに問われているのではないでしょうか。その点について、答弁を求めても、どなたか、答弁できる方はいらっしゃいますか。  私は、財政というフィルターの中で市民の生活を見ていったときに、やっぱり大変だというところが見えていないと思うのですよ。だから、一定程度の受益者負担の見直しはしていきたい、持続可能な制度にするため、サービスを維持するため、そういう言葉が出てくるのだと思うのですよ。やはり、そこを変えていただかなければいけないと思います。行財政改革推進プランの中での市民負担増、これについては、改めて撤回すべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◎村山 財政部長  今、段々のお話がありましたけれども、もちろん弱者の方々への対策というか、対応というのは非常に重要なことだと思っております。  しかし、地方自治体として、行財政を含めて運営をしていくに当たっては、経済が循環して、それによってまちが発展して、それで、例えば企業なりにお勤めの方も暮らしを豊かにしていくといったことも必要なわけでありまして、そういった経済面、それから弱者への配慮、そういったことをともに進めていかなければならないのが我々の立場だと思っております。一方で、弱者の、もちろん、だけと言いませんけれども、どちらが欠けてもだめだということだと思っておりますので、そうした意味では、我々の役割というのは非常に重いというふうに思っております。  また、前の話題に戻りますが、先ほど少しありました先行取得の件につきましては、今、地価の下落とか、それから、例えば人口の推計の問題もありましょうけれども、例えば、人口がどんどんふえてきた場合に学校をつくるに当たって、地価の上がっているときには、上がる前に早目に土地を先行取得してその上に学校をつくるといったこともこれまであったと思います。ですから、土地の先行取得自体をトータル的に見ていただかなければ、なかなか一重に論じることはできないのではないかというふうに思っております。 ◆坂本恭子 委員  先行取得の話を蒸し返されてしまったのですけれども、全く反省していないですよ。15億円の損失を出しているのですよ、現に。そのことを踏まえて、どうしていくのかという話ですからね。そのことについて申し上げておきます。  先ほども申し上げましたけれども、結局、そういう膨張政策、そういう政策のつけ回しというものを市民に回している。札幌市の財政が厳しい、それから、制度を持続可能なものにしていくということは再三言われているところですけれども、そういうことを言いながら、市民負担ということであります。私は、今やるべきことは貧困対策、これをしっかりと強化して、そして、財政再建はもとよりやっていくということですよ。これが重要だというふうに思いますけれども、低所得者、非課税世帯などへの集中的な負担増というものは行うべきではないということを改めて申し上げて、終わりたいと思います。 ◆宗形雅俊 委員  私からは、2項目、入札についてと、先ほど飯島委員もやりましたけれども、公契約条例について、時間も時間ですので、端的にいきたいと思います。  まず、入札に関してでありますけれども、本市の入札は、平成22年度以前につきましては入札に関して事前公表をしておりました。その間、議会からもさまざまな課題ということで、平成22年4月に事後公表になったわけでございますけれども、公表が、事前、そして今は事後になったわけですが、その効果はどのようにあらわれているのか、また、逆に違った課題が出てきているのか、その認識を1点目にお伺いいたします。  また、これとは別に、事後、事前ということではなくて、昨年来から、私が知る入札に参加する業者から、入札の延期もしくは中止の件数が結構多いのではないかというお話も聞いております。また、目立った工種もあると聞いておりますけれども、延期や中止になった件数とか、目立った工種も教えていただきたいですし、その原因の主な理由もお示しいただきたいと思います。  この2点をお願いします。 ◎上野 管財部長  まず、予定価格の事後公表の評価及び課題についてということでございます。  工事の予定価格事後公表は、無積算業者の排除やくじ引き対策として一定の効果が期待されるものとして、委員がおっしゃるとおり、平成22年4月から全工事において実施したところでございます。事後公表の評価についてでございますが、実施以降、無積算による入札は事実上、不可能となり、これにより工事におけるくじ引き発生率については、事前公表であった平成21年度の30.01%に対しまして、事後公表実施後の平成22年度は8.01%、今年度の12月末現在では17.01%となり、いずれも事前公表時よりも下回っている状況にありますことから、適正な競争環境の確保に一定の効果が出ているものと考えております。  また、事後公表に係る課題についてでございますが、これは、何と申しましても情報管理の徹底が求められますことから、これについては引き続き十分な注意を払ってまいりたい、こういうふうに認識しているところでございます。 ◎本多 工事管理室長  私からは、事後公表後の入札延期、中止の件数並びに特に目立った工種とその原因の主な理由についてお答えしたいと思います。  まず、事後公表となった平成22年度におきましては、市長部局の年間発注本数1,567件中120件の延期、中止が発生しております。平成23年度については、2月15日現在で1,556件中81件が発生しております。  その中でも、誤りの件数が多かったのは、平成23年度の測量業務でございました。  その理由でございますけれども、平成23年度から、国の基準に合わせて設計金額の単位処理を1,000円単位から万単位に変更したことや、測量業務を行う上での安全費の算出方法等を変更し、通知しましたが、一部の設計担当者がそれを見落としたまま設計書を作成したために、誤りが一部の部局に集中し、多数発生したことが原因でございます。 ◆宗形雅俊 委員  事後になった公表ということで、いろいろ改善につながっているという評価でございました。そして、要は情報の管理ということでございますので、引き続きお願いしたいと思います。また、先ほど阿知良委員からも、くじ引きとか、一日での複数の受注ということで、改善の余地もいろいろあるのではないかということだと思います。  そこで、入札の延期、中止のところですが、ちょっと基礎的なことをお聞きしたいのです。当然、きっと積算が上がって、入札するまで、いわゆる担当者が積算し、その間に決裁権者がいて本来であればいくということだと思うのですけれども、ちょっと基本的なことを聞いて申しわけないのですが、どのような方法で積算しているかということと、そして、入札が公示されるまでの過程のチェック、これを改めてお伺いしたいと思います。  続けていきますが、もう一つ、今、件数を聞きました。平成22年度、23年度、120件、80件と、今回は市長部局の発注件数をお聞きしました。大体、年間1,500件から1,600件あるということですから、率にすると平成22年度で約5%から8%ぐらいを占めていると。この数字は、許容範囲とするものかどうか、その見解をお聞きしたいと思います。  それから、僕は、やはり一人のミスというものはあり得ると思うのです。先ほど、質問しましたけれども、チェック機能がいかに働くかということも大事であろうということだと思います。そういう意味では、平成22年度で120件が中止、延期ということで、その後、それを防ぐ方策といったものはどのようにしているのか、これもあわせて質問します。 ◎本多 工事管理室長  ご質問のうち、まず、積算方法についてでございますけれども、設計図面等から数量を算出して、積算基準及び工事単価等が組み込まれております積算システムにより積算をしてございます。  設計書の検算、審査方法でございますけれども、従前は、設計者本人が記載漏れや誤りがないかを確認して、審査担当の職員により審査を行っておりましたが、現在は複数によるチェックを行ってございます。  また、入札延期や中止の件数の評価でございますけれども、決して少ない数字ではないと認識してございます。そのため、再発防止策といたしまして、先ほども申し上げましたが、平成23年度から、各発注部局におきまして、工事特性に応じたチェックリストを作成し、これをもとに設計者本人と検算者、審査担当者がそれぞれ確認を行うなど、設計業務のチェック機能の強化を図ってございます。さらに、万が一、誤りが発生した場合には、工事管理室に詳細な内容について報告していただき、その都度、それを施工部局に周知し、設計担当者全員が設計誤りの情報を共有できる環境を整備いたしました。  その結果、設計の誤りによる件数も減り、同じ内容の繰り返しによる間違いは今のところ起こっておりませんことから、一定の効果があらわれていると考えてございます。  今後も、引き続き同様な取り組みを継続することと、ミスの内容の分析をした上で、少しでも誤りをなくすよう、さらなる防止策について発注部局とともに検討していきたいと思ってございます。 ◆宗形雅俊 委員  この件に関しての質問はこれで終わりますけれども、私は、以前、技術者の技術継承という質問もさせていただきました。ちょうど我々ぐらいの年代の方々というのは、現場も知っていて、積算も今みたいなシステムではなくて、昔は鉛筆をなめなめ、いろいろやったのではないかと思う次第でございます。ところが、最近は、積算ソフトみたいなものがあって、数字さえ入れればぽんと出てくるということで、逆に、若い方、そして、次に行くチェックの方も、いわゆるミスをミスと気づかないでずっと来ているのではないかなと思っているところです。  そういう意味で、再発の防止にいろいろ取り組んでいるということでございますけれども、特にもう一つ、技術とか、以前はたたき上げの先輩たちがいらっしゃいまして、今は再任用制度もあるわけですから、そういう方々の活用も含めて、また、若い方にそういったことをいろいろ伝授していくと。特に、この後にやる公契約条例も、市内の登録業者には大変いろいろ議論があるところですけれども、やはり、落とそうとして積算をし、いろいろなことに頭を悩ませながら参加している、そして、参加しようとしたら市のミスで中止です、延期ですと。そこにも労力がかかっているわけですね。そういうところで、公契約条例という話もこれからしますけれども、やはり、皆さんも律した形の中でやっていただきたい。そんなことも思いながら、この件については、終わりたいと思います。  続きまして、公契約条例についてお尋ねいたします。  先ほどの我が会派の飯島委員も、昨年来、非常にこの研究をしました。私も、一緒に野田市に行ってまいりました。行ったときに、野田市の市長は、国交省出身で、本来、これは国がやるべきだということで、国交省ですから言い続けてきた、ところが、なかなか実現しないので、ある意味、ハレーションを起こすために制定したと。これは、現場に行って聞かないと、なかなか本音のところは聞けないところでございますが、そんなような形であります。  そして、私どもが財政市民委員会でこの議論をしていたときに、どうも、やはりこういった条例というのは、今、まちづくりのえがお指標というのが出ていますけれども、みんなが笑顔になるような条例でなければだめだと思っています。もちろん、市民の方、そこで働く方々、そしてここにある経営の方々、この方々がみんな笑顔になる条例、これであれば、我々ももろ手を上げて賛成していきたい。  しかしながら、その笑顔が――もちろん、我々は、働く方に低い賃金で抑えろとか、そんな意味合いでは言っておりません。ただ、今まで理事者からのこれに対する答弁を聞いていますと、先日も、上田市長から、いわゆる今の入札制度は最低制限価格付近で過当な競争がある、ダンピングが起きる、そして、そこで利益がとれないから不当に安く使われている、これを防ぎたいのだ、そして、こういった条例のもとにやりたいのだということなのですね。そして、この条文を見ても、何か、先ほども阿知良委員からありましたけれども、労働者の視点、いわゆる企業の視点というのですか、企業も一緒に守りましょうという視点が見えてこないのです。条例ができても、なぜか、発注してこれを守ってくださいよということで責務があります。しかし、いろいろ見ても、では、そこに、受注した企業側に対して、一緒に守りましょうと、こういうものが、当然、きっと、詰めたら、そういうことではなくて、それも考えていますと言われるかもしれないけれども、やはり、ずっと経緯の中でいくとそれが見えてこないわけですね。先ほど坂本委員が、困っている市民から取っていく、そして、困っている企業は取らないと言いますけれども、これは逆になっているということでございます。  そういうことで、こういったおそれがあるということですけれども、まず、1点目の質問ですが、以前ももらいました。北海道の労務単価が下がっています、それから、清掃が下がっていますというような資料をもらって、当然、下がっていますと。工事系の積算については、2省単価で積算をして、そこで計算して入札してもらっていますということでしょうけれども、いま一度、そういう受注者側の経営のいわゆる分析、受注して、利益構造、そして労働分配率がどうなのか、こういったことを、きちっと、業種ごと、また、いろいろな面で検証をきちっとされたのか、改めてお伺いしたいと思います。  それともう1件、先ほど、飯島委員が経済効果のお尋ねをいたしました。そして、この条文の第3条の中に、最初はちょっと割愛しますが、適正な労働環境の確保及び公契約に係る事業の質の向上並びに地域経済の発展に資するよう公契約に係る施策を実施しなければならないと、目的に書いています。当然、この条文があるから、飯島委員は、地域経済に対する経済効果はどうだろうかと。これは、半年前に質問したものです。半年前ですよ。そうすると、先ほど聞いたら、まだ検討中ですと。新谷理事から、いろいろな視点があるから、今、検討中ですと。  では、いつまで出してくれるか、この場でお答えください。  それから、先ほどふじわら委員から、さまざまなことで、次の機会というのですか、検討する機会と。私は要らないと思います。この場がそうなのですから。そして、それが答弁できない、出してこないということは、今、市長がおりますけれども、自治基本条例も守っていないということですよ。第26条、まちづくり推進の中でいくと、市民に情報を積極的に出しなさいというような意味のことを書いていますよ。我々も、議員の責務として調査をしていろいろなことをやっていく、こういうもとでやっています。こういう自治基本条例のことも考えると、これは、正直に言って怠慢だと思います。  ですから、先ほど飯島委員が言った経済効果は、検討するではなくて、これは、いつまで出してくれるか、それも答えてください。 ◎上野 管財部長  まず、現実の企業経営の内容を調査したかということでございますが、私どもは、さまざまな書物というか、報道によって、確かに利益率が1.2%なり1.6%になっている、そういう厳しい状況にあるということはもちろん承知しております。しかし、具体的に、それ以上、私どもが個別の企業に入って調査をしたかということであるならば、それはございません。  ただ、そういう利益率が低いということについては十分認識しておりますので、先ほど来、話題にもなっております最低制限価格の引き上げ、それから、ほかの入札制度の改革によって企業の安定経営に寄与してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◎新谷 財政局理事  先ほどの飯島委員のご質問にございました経済効果の提出についてでございますけれども、現在作業を急いで進めているところでございますが、正副委員長にご相談をさせていただき、改めて説明の機会がもし設けられましたならば、その際に報告できるように作業を進めてまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  理事、それは、正副委員長、理事会で協議していただきますが、まだ決まってないわけですよ。私は、それは必要ないと思っています。  だから、それはそれでいいですけれども、もしその場がなくなったらどうするのですか。だから、それは、10日後にやりますよとか、少なくともこの公契約の一つの判断になるかもしれません。となると、おのずとどのぐらいということもわかってくると思うのですれども、改めて、ちょっと。 ◎新谷 財政局理事  この会期中のできるだけ早い時期にご提出をさせていただきたいというふうに思っております。 ◆宗形雅俊 委員  もう一度言いたいのですが、先ほど言いましたように、半年前にした質問です。今回は、これは、もう本当に、まさに条文ができて、いわゆる賛否を問おうかという議会の場ですね。そして、先ほど聞いたら、まだ検討中だということで、失礼な言葉ですが、ある意味、不誠実だと思います。いろいろ言いたいこともありますが、それはそれです。
     それで、先ほど部長が、報道によるとか、いわゆる推察されたような、いわゆる経営の、なかなかできませんと。ところが、例えば工事です。市の工事、これは、監査か何かを含めて、協力会社も含めて、いわゆる工事をピックアップして、そういったもの、労賃とか、いろいろやっていませんか、監査を。(発言する者あり) ◎上野 管財部長  多分、低入札調査対象工事については、賃金の確認だとか、そういうことはしております。 ◆宗形雅俊 委員  結局、監査だから、そういういろいろな資料は、やろうと思えばできるわけでしょう。(発言する者あり)  私が質問しているから、黙っていてください。  もっともっと、ロジックをやらなければいけないと思うのです。報道だとか――前回、私も財政市民委員会で言いましたけれども、ダンピングをして落ちている、そして、労賃が下がっている、当然、状況証拠としてはそうなるのかもしれないけれども、ある意味、短絡的な考え方になってしまうのですね。やっぱり、受注して、実態として、仮に言うと払わざるを得ない。労働分配率ですね。では、逆に言うと、集中した企業、そこの社長なりが内部留保をたくさんして、いわゆる役員だけが給料をもらって安く使っているのかといったら、そうでもないと思うのですね。  ですから、それぞれ企業がありますけれども、いろいろなところで協力を求めて、先ほど言いました、みんなが幸福になれるような条例にしましょうと、やるのだったら。そうしたら、やはり、そこで働く人たちも労賃が上がる。そして、受注する方々も適正なマージンをとっていける。ですから、そこの受注する企業たちを守るようなものも含めて、条例にしなければいけない。でも、その構図として、労賃を保障しなさいと。これは当然わかりますけれども、では、受注された方々のいろいろな工種の中で、やっぱり、しっかり利益構造なりを実態に合わせて検証する、ところが、なかなかできない。いろいろなバーはあるかもしれないけれども、逆に言うと、それをやろうとしたのかどうか、それをちょっとお聞きします。 ◎上野 管財部長  まず、先ほど新聞報道と申し上げましたけれども、その新聞報道のもとは、業界で取りまとめたデータを私どもは承知しているという意味でございます。  あと、例えば、工事については、具体的に調査をしておりませんけれども、例えば、私どもは、業務委託については、契約金額に対する直接人件費の割合だとか、それから、契約金額に占める一般管理費の割合等については調査をしているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  今の答弁を聞いていて、やはり、その検証というのはまだまだ甘いなと。結果、労賃を上げることをしようとしても、やはり、私がさっきから言っていますけれども、企業側の持ついろいろな利益構造等々、それは業種があっていろいろ違うでしょう。また、元請と請負の方も違うでしょう。ですから、そういったものも、現実に入っていって、きちっと検証して、そして、その労賃を守るためにどうやっていくのか。もちろん、先ほど阿知良委員の質問で、4月から工事も北海道並みに最低制限を上げると言っていますけれども、これだけではないと私は思うのですね。ただこれだけ上げればいいとは――やっぱり、入札制度のいろいろな課題がありますから。ですから、それは、受注するいろいろな業種のところの経営の分析等々もやっぱり一緒にやっていかなければならない。ところが、なかなかそれが出てこないのですね、我々がやっていて。労務の実態がこうだと、それはわかります。だけど、出したくても、いろいろなことで、それは、やっぱり働く人への労働分配率をきちっと上げたいけど、それだと経営自体が立ち行かないとか、経営者は経営者でそういう悩みを持っていると思います。  ですから、そういったことも含めて、きちっと我々に示していく。そして、その上で、これも改善する、そういう経営分析の中でこういうところに手をつけていき、企業ができるようなものにしていきます、ひいては、労賃も上がっていくように、作業賃金の審議会の下限額で、これでやっていくと。そうすると、そういったものがいくと、私が言っているみんなが笑顔になるのではないかということでいきますと、その点が、今まで議論している中で欠けていると思います。(発言する者あり)まだまだ。  そこで、ぜひ、先ほど拙速過ぎるという話もありましたし、その辺のところを改めてお聞きしたいのと、それから、先ほど4月1日から工事関係を上げますということですから、これは、条例がなる、ならないは別として、そのままいくのかどうか、改めて確認したいと思います。  それから、もう一つ、例えば、今、先ほどから言っています公共工事にかかわって働く方々が、業種によって大変低い賃金で働いている、ですから、この条例をつくっていくのだということですけれども、ある意味、札幌市の公共事業のみならず、道の公共事業、それから国の公共事業、そして、札幌市内に住んでいる方々が、同じくそれに携わる方、もちろん、市の登録業者、道の登録業者もいらっしゃるでしょう。そうしますと、札幌市がそういう考えを持つのであれば、では、同じく、道にも国にも働きかけていきましょうと、こんなことがされたかどうか。  そして、それはなぜそういう質問をするかというと、私が先ほど言ったように、自治基本条例の第30条ですね。市は、まちづくりの課題について、必要に応じ、北海道、国等と連携協力するとともに、関係する制度の整備等の提案を行うものとするというふうに書いてございます。そうすれば、札幌市のみならず、みんなでやりましょうということの方が、広くハレーションになっていくと思いますけれども、そういった対応といいますか、道だとか国等についてもこういう連携を図るようなことをされたのか。  これは、昨年11月も同じような質問をしたと思いますけれども、改めてお聞きいたします。 ◎上野 管財部長  まず、経営の実態についてどう考えるかということが1点目にあったと思います。  先ほど来、申し上げているとおり、いわゆる2省単価は、この10年、下がり続けておりますし、いわゆる業務委託において国交省が示している建築保全業務労務単価についても下がっていたり、また低位にある状況にあります。したがって、私どもは、いわゆる適正な賃金が支払われるように、今、条例を提案しているところでございますが、一方、経営に関しては、札幌建設業協会からは、まずは90%に上げてほしいと。そして、札幌商工会議所からは、95%だけど、それは段階的に上げてほしいという要望をちょうだいしています。そうした経営に携わっている方々から、このぐらいあれば経営が成り立つよというお示しでございますので、それに対して、私どもが90%に上げたということは、一つ、経営側がそういう要求をしていることに対応することが経営にも配慮しているということになるというふうに私は思います。  二つ目は、条例と最低制限価格制度の関係でございますが、いわゆる最低制限価格につきましては、4月1日から上げる予定でございます。  それから、三つ目の他の自治体、近隣市町村、国、道に声をかけたかということでございますが、これについては、ございません。 ◆宗形雅俊 委員  これでやめますけれども、業界からいろいろ要望が来て、それがあって、確かにおっしゃるとおりです。我々のところにも、公契約条例に対して、商工会議所、また業界の方々からいろいろな要望が来た中でまとまったものが来たと思うのですね。だけれども、私は、あれがすべてではないと思うのですね。市がこれをやろうとすると、やっぱり重いわけですね、賛成、反対する中で。ですから、最低限のものであろうと思います。  ですから、私は、今、この中にもそういった建設関係に携わっている方もいらっしゃると思います。また、経営者の方もいらっしゃると思いますけれども、やはり、そこでは大変な思いをしているといったことですのでね。それと、先ほどから言いますけれども、今までずっと来て、働く方々の保障、これはもちろんオーケーです。やっぱり、企業、受注者に対して、やはり、それも一緒に守っていく、担保するのだよといったものが本当に見えていないのですね。先ほどの責務も、市は、今回、最低制限価格を上げました。もちろん、業務はもう4月1日付の発注については発注費用が上がったということも知っておりますけれども、ただ、それのみならず、やっぱりやっていく。  それから、もう一つ、市の責務、先ほど言いましたけれども、公契約に係る施策を実施しなければならない。これは、ただ、あやふやな言い方ですね。これにはいろいろついて回るのでしょうけれども、やはり、そういったものもきっと完全に示していって、初めてみんなが幸福になれるような条例になっていくだろうということを考えれば、まだまだ、今の段階であれば、私どもはこの条例に賛成しかねるということを申し添えて、終わりたいと思います。 ◆高橋克朋 委員  遅くになりましたけれども、市長、出席していただきまして、ありがとうございました。  私からは、簡潔に1点だけお伺いしたいと思います。  きょうは、初日の財政局の質疑ということで、大変格調の高いお話ばかりでございますが、私は、本当に小さくて小さくて小さい話なものですから、恐縮しております。  平成22年に、私は、Yahoo!のニュースを見ておりました。これは、産経新聞ですが、広島県庁、うはうは、入札制度導入で自販機設置料242倍にと、こういう記事が出ておりました。いわゆる庁舎内にある自動販売機の話なのですね。私は、これを見て、ぜひ広島県に直接行ってお話を聞きたいということを2年前に思いましたが、改選期等々がございまして、なかなかそういう機会がございませんでした。  しかし、先般、広島県と、同じく一般競争入札を自動販売機でやっております広島市の両方に行ってまいりました。まず、広島県は、今まで4万9,630円、いわゆる福利厚生団体に委託して使用料をもらっていたのが、平成22年度のときは、1,198万円、1,200万円になった、こういうことでございます。そして、平成23年度、広島県は、自販機300数台の一般公募をして、結果的に今1億5,000万円の収入を予定しているのだ、こういうことでございました。広島市の場合は、104台を一般公募いたしまして、これは年間3,840万円になったと。今までは、目的外使用料だけで福利厚生団体が管理してやっていたそうなのですが、93万円の収入だったのが41倍の3,840万円になったということでございます。1台当たりの最高落札額は、広島市の場合は283万5,000円ですよ。  札幌市はどうなっているのかということを事前に管財部に聞こうかと思ったのですが、余り聞くと逆に質問されるので、あえて私は聞いておりませんでした。そんなことで、質問させていただきたいと思いますが、電話等で聞けばいい部分もあるかもしれません。  そこでまず、札幌市は、今現在、市有施設に一体どれぐらいの自動販売機を有しているのか。現在、有償の部分のところと、あるいはそれを免除している自動販売機があると思うのですが、それについての台数はどういうふうになっているのか、あるいは、有償、無償、有償を免除するところについて、どういう考え方でそういったことをされているのか。さらに、その使用料を免除している団体について、主なる団体、そして、その理由についてお伺いしたいと思います。 ◎上野 管財部長  まず、市全体の自動販売機は、たばこを除いて飲料の部分だけで申し上げますと、ことし2月1日現在の設置台数は1,194台になっております。このうち、使用料をいただいている有償のものが674台、それから、免除のものが520台となっております。  続きまして、免除の根拠でございますが、私どもは、基本的には、自動販売機については行政財産の目的外使用ということで、1台当たり月額1,500円を徴収しておりますけれども、減免できる場合といたしましては、札幌市財産条例に基づきましてその理由が列挙されております。一つは、国や他の公共団体が公用または公共用に供するとき、二つ目は、本市の事務事業を補佐または代行する団体がその事務事業のために使用するとき、三つ目といたしましては、災害その他緊急やむを得ない事態の発生により応急施設として、短期間、その用に供するとき、最後に、いわゆる使用する団体等の性格、使用の目的、使用の態様などにより市長が免除の必要があると認めたとき、この四つがいわゆる免除の理由となっております。  そこで、具体的に免除している主な団体でございますが、主な団体といたしましては、札幌市母子寡婦福祉連合会、札幌市身体障害者福祉協会、札幌市福祉事業団といった福祉関係団体と、それから、財団法人札幌市職員福利厚生会ということになっております。 ◆高橋克朋 委員  先ほど私がお話ししましたけれども、広島県も、今までいわゆる福利団体に委託して使用料をもらっていた、こういう状況だと思うのです。札幌市も、私が調べたところ、福利厚生会は免除しているのが258台あるのだと思うのです。職員部の話なのですが、福利厚生会は、自動販売機業者から手数料をもらっていますね。私は、先ほどもお話ししましたが、自動販売機というのは、将来、一般公募入札をするべきだという思いがあるのですよ。安定的な財政というか、財産収入の関係も含めて、そうあるべきだと思うのですが、そうなると、やはり、今言ったように1,194台すべて、売り上げも含めて、どれぐらいあるかということ、そして、この台を入札するだとか、そういう区別をするためにも、入札金額も含めて、管財部で調査していかなければならないと思うのです。  ですから、今、福利厚生会について申し上げるならば、この258台について、福利厚生会が自動販売機業者からどれだけ手数料をもらっているか、部長はこれをご存じですか。ご存じであればお示しいただきたいと思いますし、知らないなら知らないで結構でございます。 ◎上野 管財部長  福利厚生会が自動販売機に関して手数料をどのぐらい徴しているかということでございますが、例えば、一つ象徴的な例として、本庁舎の1階に3台ありますけれども、それは約80万円弱ということでございます。そのほかのものについては、わかるものとわからないものがございます。 ◆高橋克朋 委員  それでは、一般競争入札にはなかなか至らないと思うのですよ。やはり、管財部として、1,194台をすべて把握して、そして、この団体についてはそこは免除しましょうだとか、あるいは、この団体については一般競争入札で公平・透明性を図っていこうだとか、私はそういうことを管財部としてやるべきだというように思っております。  実は、平成21年に財政局長名で通知がなされておりますね。それは、何かといいますと、平成21年10月6日付で、当時の財政局長から、自動販売機設置に伴う目的外使用料等の取り扱いについてということで関係局長に通知が行っているのですね。これはご存じだと思うのですけれども、いわゆる使用料の減免制度はやめますよと、こういうことだと思うのです。その中に、幾つかの免除する団体、あるいはその理由について書いているのですが、ここに、経過措置として、例えば札幌市職員福利厚生会なんかは、減免を廃止した場合、採算性の低い外郭職場などは設置機の撤退が予想されるためにある程度の暫定措置を置くというようなことを書いてあるのですね。ここには、一般競争入札による調達への移行を検討しているということもうたっております。さらに、その他のところでも、同じように、安定した歳入確保の観点から、平成19年3月に施行された地方自治法の一部改正に基づき、公募による自動販売機の調達に移行している都市がふえているので、本市においても採用するべく検討しております、ついては、今後、関係部と、順次、協議をしていくとうたってあるのです。  私は、幾つかのところに聞いたのだけれども、これは平成21年に関係局長に配っているが、実際は何もないと言うのですよ。だから、管財部として、これは管財部管財課財産管理係ですから、現在の時点までどれぐらい会議をやって、どういう状況にあったのか、そのことをお答えください。 ◎上野 管財部長  まず、私どもが申し上げたいのは、今、高橋委員は、全部の自動販売機について、いわゆる入札というか、公募をすべきだというご意見ですけれども……(発言する者あり)違いますか。調べるということですね。そのときに、私どもは、いわゆる自動販売機ごとにどのぐらいの売り上げがあるのかということは調査してございます。そういう中で、いわゆる公募に適した場所というか、そういうものはある程度絞り込まなければならないなということで、そういう中では、関係部局と協議した経過は認められます。  そこで、例えば、先ほども申し上げましたように、福利厚生会に貸しているから、それがすべて公募に適しているというふうには、私どもは、今のところ考えておりません。例えば、本当に不便なところの職場においては必要なものもあるだろうということで、それについても関係部局とは協議をしているところでございます。  いずれにしても、高橋委員が言わんとする、やっぱり、この財政難の折に、公募にかけて財政収入を上げるということについては、私どももそのとおりだと思っておりますので、まず、有力なといいますか、公募にかけて十分応募があるようなものについて、今、検討しているところでございますが、一つ申し上げれば、本庁の1階にあるものについては、今はまだ契約期間中でございまして、来年の3月31日に終了するものですから、そこをめどに検討を早めていきたいな、このように思っております。 ◆高橋克朋 委員  私は、全然、検討していないに等しいのではないかなと。私は、ここ数日間で福利厚生の職員部にも聞いたけれども、すぐ資料をいただきましたよ。売り上げだとか、手数料は幾らだとか、福利厚生会は1,000万円もらっていると。こういうものは、照会をかけたらすぐに全部出ますよ、こんなものは。私は、やる気があれば幾らでもできると思う。ですから、先ほど、平成21年に、財政局長名で、関係部局と協議をしてこのことを将来やりますということを言っているのだけれども、ただ絵にかいたもちというのか、私は全然進んでないと思う。  大阪市の橋下市長ですが、いいか悪いかは別として、この間のニュースでこれが出ていました。大阪市は、自動販売機について一般公募をやっているのですね。母子寡婦連合会も含めて、競争原理を働かせるべきではないかということを橋下さんは言っておりました。私は、それがすべていいとは思いません。特に、広島市の場合は、入札をしたのは800数台を管理している中の104台だけです。ですから、札幌市だって1,194台あるうち、例えば半分ぐらい、500台でもし入札制度をやって1台当たり30万円の年間収入があったら1億5,000万円を得ることになるのですよ。私は、今の1,500円の目的外使用料が決していいとは思わないし、それでいくと1台で年間1万8,000円ですからね。  それから、私は、今、関係部局と協議していると言ったけれども、それほどやっているとは思えません。私は、ここは市長がリーダーシップをとって、市長の判断で、やっぱり公有財産としては大事な収入だ、収入をふやすという意味では、たかが自動販売機かもしれないけれども、私は、されど自動販売機だと思っておりますので、市長の考え方をお聞かせください。 ◎上田 市長  税源が非常に限られている自治体において、財源を確保するということは非常に大事な視点だというふうに考えます。先ほど上野管財部長からいろいろな条件があるということはるる申し上げてまいりましたが、競争入札に適するものについては早急に検討させていただいて、しっかり財源を確保できるように努力したいということをお約束申し上げたいと思います。ありがとうございました。 ○こんどう和雄 委員長  以上で、歳入のうち、一般財源等の質疑を終了いたします。  次に、第1款 議会費 第1項 議会費及び第2款 総務費 第4項 選挙費の質疑を行いますが、いずれも通告がございませんので、質疑を終了いたします。  次に、第2款 総務費 第5項 人事委員会費の質疑を行います。 ◆堀川素人 委員  私から、人事委員会の今年度の答申ですが、0.41%の民間較差があって札幌市職員の給与が高い、だから、これを是正しなければならぬと、人事委員会の方からこういうような答申がなされております。ただ、これを聞いた人は、えっ、たったの0.41%かと、これが率直な市民の感想ですよ。今、るるいろいろな話がありました。経営者として経営も厳しい、それから、一般市民も大変厳しい状態にある。特に低所得者に至っては、より一層厳しい状況にあると。こういう中で、0.41%下げることによって官民較差が埋まるかといったら、私は、埋まらない、こう思っております。それで、私は、長い間、このことについて、役所の方にも、その実態を明らかにしてほしい、どういう調査をして、どの数字をいじって、例えばことしなら0.41%という答えに至ったのか、方程式があれば、方程式を教えていただきたい、こういうお願いをしているのです。今までは、国がこれを調査する、我々も国と一緒にやっている、道も一緒にやっていると。この基礎資料をとるには、企業から大事な情報を得るので、一切明らかにしないという条件のもとにその企業に関する資料をいただいているので、これは出せないのだと、こういうような話であります。  しかし、では、法律的に国と一緒にやらなければならぬという根拠はどこにあるのですか。札幌市が、ある意味では、今まで国のやり方を知っていて、それで、自分方でもって集める資料を国に送って、国からまた戻ってきた数値を使ってやるのだと。どこで操作されて0.41%になったのか、これが全くわからぬ。市民は、我々もそうですけれども、0.41というのはどういう数字をいじって0.41になったのかと。企業が大事な情報を出すのですから、企業としての秘密が守られれば、企業にきちっと協力を要請するならば、企業は出してくれるはずですよ。  今回も、149社が国から言われて調査をしました。そのうち、調査には応じられないといって断ったのが13社ある。初めから、企業でもって何のメリットもないのだから、大変労力がかかって嫌だ、面倒だ、だから断りますよと言ったのが13社あった。企業の秘密が守られるという状態であるならば、149社が協力したのですよ。そうしたならば、それをできるだけ市民に公開する、求められたら、こういう方程式でやりました、企業名は明らかにできませんと。こういう中で、求めたら、国がどうだとか、北海道がどうだとか、札幌市で独自にやれるならば、札幌市民に可能な限りの説明責任を果たすのが行政の態度である。  ところが、やみに包まれているものだから、札幌市は今までどうであったか。例えば、ラスパイレス指数といって、国家公務員との比較、この比較の中で、平成何年だろうか、平成9年が一番高くて、国家公務員との給料でいったら4.7%高い状態であった。これはもうずっと3.5%から4.7%まで、そこで、このころに僕は下げるべきだと。国はどう言っていたかといったら、国も下げるべきだと。札幌に勧告までしている。それなのに、じわじわと下げて、ようやく下げてきた。初めて国家公務員と同じになったのはおよそ平成17年ですよ。今また、2〜3年、国家公務員とほぼ同じになって、また少しずつ上がりつつあるな、目をしっかり見開いて見ておかなければだめだぞ、こう思っています。  そこで、聞きたいのですけれども、僕は事前に聞きましたが、まず、もう一度改めて、皆さんの前で、札幌市が独自にこの調査をするということはできないのか、できるのか、これについてお答え願いたい。 ◎榊 人事委員会事務局次長  今、私どもで行っております職種別民間調査につきまして、札幌市が独自でできるのかということでございますが、これにつきましては、私ども政令指定都市以外の部分も含め、国が定める要綱に基づきまして、全国の統一のルールのもとにこれまで実施してきているところでございます。そのルールに基づいて調査を実施していることから、私どもとしては、現在の手法については妥当であるという評価をしているところでございます。 ◆堀川素人 委員  僕は、妥当であるかどうかということを聞いたのではないのです。できるか、できないか、法律的にできるか、できないかということを聞いたのです。 ◎榊 人事委員会事務局次長  この調査につきましては、法律に基づくものではなくて、国の定める要綱に基づいて実施しているものでございますから、法律でできるとかできないとかという定めにはなってはございません。 ◆堀川素人 委員  そうするならば、札幌が独自にやったら違法ですか、違法ではないのですか。 ◎榊 人事委員会事務局次長  法律はございませんので、違法とか違法でないとか、そういう判断はできないかと思います。 ◆堀川素人 委員  そうするならば、やろうとするならばできるということだと思いますけれども、先ほど部長もいて、課長もいて、それはできるという結論で帰ったと思いますが、その前言は翻すわけですか。 ◎榊 人事委員会事務局次長  先ほどのことは皆さんはご存じないので、なかなか説明が難しいのですけれども、我々は、先ほど申し上げましたように、法律的には何も制約がない、それで、現状は国の実施要綱に基づいてやっていますということなので、やろうと思えばできると、そういう可能性、もしくは想定をお話ししただけです。 ◆堀川素人 委員  これだけ、市民に本当にどうなっているのだと。勧告どおりにやったら、長い間かかって、国家公務員とほぼ同じレベルに移行しなければならないはずですよ、同じ方程式でやっていたなら。それが、先ほども言ったように、数字として4.7%上回る。当時のこれは、平成9年で言うならば、僕は、この当時、既に計算をしているのですけれども、およそ1%20億円ですよ。4.7%というのは、100億円にならんかなと思うぐらいの数字なんですよ、1年間に。今、大変財政が厳しい。道庁は7.5%の給与を既にカットしている。国も、今、8%、公務員の給与を減らさなければならぬという議論になっている。  札幌市がこれをこのままほうっておいて、それで市民が納得すると思いますか。このことについてどう思うか、お尋ねいたします。 ◎榊 人事委員会事務局次長  私どもは、先ほど申し上げましたように、全国の統一のルールに基づいて民間との給与を比較検討して、今年度は月例給で申し上げますと民間よりも私どもの給与が0.41%高かったということで、勧告したところでございます。したがって、この勧告が実施された場合には民間と均衡がとれる、そういう判断をしております。 ◆堀川素人 委員  きょうは、人事委員会との話で、人事委員会は今までのやり方でやってきて、それについては、ある部分では仕方がない、今まではね。でも、ここで、札幌市が独自にできるとするならば、そして、市民が不信に思っている、これに対して説明責任を果たさなければならぬとするならば、制度として、仕組みとして変えることだって検討してもいいではないですか。つまり、国が変えるというのは、もう人事院の勧告というのは国民、市民の理解を得られないということで政策的に給与を下げなければならぬ、ギャップが大きくなって下げなければならぬということで、今、国が動こうとしている。道も、財政の厳しさもあって、それで既に7.5%、管理職では9.何%と言っていました。これを先行してやっている。札幌市もやるか、やらないかという政策的な部分は、人事委員会に言っても――これは、今までのやり方、あとは制度として変えるか、変えないかという判断であって、要するに、政策として市長がやるか、やらないかということですから、きょうは、この辺で質問はやめておきます。  ただ、今までのように、国家が、国がやったから、国から言われているからといってこういうようなやり方であるならば、地方自治というのは発展できないのです、国の言うとおりにするというのは。今、札幌市がやろうとするならば、できると。そうするならば、お金が多少多くかかろうが、札幌市にある官民の比較の中で、とても信用できない、こう思っている不信を払拭することは極めて大事である、こう思います。  なお、例えば人事委員会の委員長ですが、これは、全部と言っていいほど――この1年だけですよ、民間の人が委員長になっているのは。それまでは、すべてを札幌市のOBが占めています。事務局長も札幌市の現職です。次長である榊さんも札幌市の現職であります。「李下に冠を正さず」という言葉があります。つまり、人に誤解を受けるような仕組みをつくったならば、だれも信用しないということです。そういう面で、人事のあり方から変えるべきである。人事委員会が独自に――やはり行政委員会ですから。あなた方がそういうふうに疑われていたりするならば、それがないようにすべきであるということを私は人事委員会に申し上げて、きょうは、質問を終わります。  給与の問題については、これからまたいろいろ関係するところでもって、あさっては総務局もありますから、そういう中で改めてしっかりとやってまいりたいと思います。 ○こんどう和雄 委員長  以上で、第5項 人事委員会費の質疑を終了いたします。  最後に、第2款 総務費 第6項 監査委員費の質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月2日午後1時から、市長政策室及び総務局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  夜も更けてまいりました。8時17分を過ぎました。お気をつけてお帰りください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後8時18分...