発生段階といたしましては、現在は2009年の
新型が既に
季節性インフルエンザとなっておりますので、一番左側の未
発生期が
現時点でございます。裏面の上の部分に未
発生期から
右側の
小康期までございますけれども、現在は未
発生期となっております。
右側に進むにつれまして
段階が上がりますが、
海外で
新型インフルエンザが
発生いたしますと
海外発生期、
国内で
患者が
発生いたしますと
国内発生早期、
市内で
患者が
発生いたしますと
市内発生早期、
市内で
患者が増加する
市内感染期、
流行が一段落いたします
小康期と、六つの
発生段階を設定しており、それぞれの
発生段階ごとに
対策方針と
個別対策のうち主な
対策を記載しております。
この
資料の左側の列の
中段の
対策のところに
実施体制というところがございますが、その右の
二つ目の列、
海外発生期のところでございますけれども、そこのところから
感染症対策本部会議を開催いたしまして、
対策本部事務局を
設置することとしております。従前の
行動計画では、
国内発生早期の
段階で
対策本部会議を開催することとしておりましたが、
平成21年の
新型インフルエンザ発生の際には、
海外発生期から
会議を開催いたしまして
対策本部を立ち上げておりましたことから、この
平成21年度の実績を反映したものにしております。
また、下から3段目の
医療体制のところでございますが、
二つ右の列にあります
海外発生期におきましては、
帰国者・
接触者外来、
帰国者・
接触者相談センターを
設置することとしております。
一番下の段の
社会・
経済機能維持につきましては、
事業者の
事業継続計画につきまして、
発生段階に応じて策定を支援し、
事業継続の準備、
取り組みの
開始等を要請することにしております。さらに、
市内感染期におきましては、
社会的弱者への支援につきましても
対策を講じてまいる予定でございます。
次に、
行動計画の本文の中から
ポイントを何点かご説明させていただきます。
冊子の方にお移りいただいて、
資料1の6ページの表をごらんください。
被害想定について記載しております。
従来は、国の
被害想定から
人口比で算出しておりましたが、今回は、
国立感染症研究所の
協力を得まして、
札幌市独自に推計しております。推計に当たりましては、
人口密度が高い、あるいは、
交通機関が発達しているなどの大都市の
特殊性などを加味した結果、
推計値は、重度の場合ですと、一番
右側の列に重度と書いてありますが、そこにありますように
入院患者数が延べ数で約18万人、
死亡者数も約9,800人となっております。
次に、11ページをごらんください。
11ページの
発生段階についてご説明いたします。
今回の
改定によりまして、従来のWHOのフェーズによる区分をやめまして、未
発生期、
海外発生期、
国内発生早期、
国内感染期、
小康期の日本独自の5
段階分類をベースとしております。国の
行動計画では、
国内発生早期、
国内感染期の
発生段階は
地域ごとに異なることを前提に、
地域ごとに
発生段階を設定することができることとしておりまして、これを踏まえて
札幌市独自に
市内発生早期を追加し、6
段階の
発生段階に整理をしております。
次に、39ページをごらんください。
これは、
海外発生期の
医療体制につきましてご説明しているところでございます。
海外発生期には、
帰国者・
接触者外来を
市立札幌病院及び
区保健福祉部に
設置するとともに、
公的医療機関に対し
設置の
協力を要請することといたしております。
区保健福祉部への
設置につきましては、
各区保健センター庁舎などを活用した
帰国者・
接触者外来を想定しております。
次に、42ページをごらんください。
これにつきましては、
国内発生早期の
対策をここに書いてございます。
国内発生早期における
対策方針の6)、42ページのところでございますが、これにつきましては、
発生段階の柔軟な
対応について記載しております。これは、
国内発生早期におきましてもさまざまな
状況が想定され、例えば、
札幌市
近郊の
市町村において
新型インフルエンザ患者が
発生した場合には、
市内発生ではないとする一律の
対応をとるべきではなく、
状況によっては
札幌市として早目の
対策を講じまして、
市民に対する呼びかけなどを行うために、
市内発生早期の
対策を前倒しして行うことを可能とするものでございます。
主な
改定の
ポイントは、以上でございます。
なお、今後のスケジュールでございますが、今回、
委員の
皆様にご
報告の上、1月23日から2月21日までの日程で
パブリックコメントを行い、
市民の
皆様からのご意見を踏まえて、3月末までに
改定を終えたいと考えております。
○
飯島弘之 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
小須田悟士 委員 私からは、まず、
対策物資の
備蓄状況についてお伺いいたします。
思い出すのは、
平成21年ですか、
新型インフルエンザが大
流行したとき、私どもが
マスクを買いに近くの薬局に行っても全くないということでありました。本当に、あれほど
マスクがなくなったなんていうのは珍しくて、うちの娘が東京の方にいたのですが、こっちの方にも送ってくれという電話もあったほどでありました。
インフルエンザが
流行するので、
マスクが不足しそうだということでみんな買い占めたのか、店頭から
マスクが消えてしまったということが思い出されます。
札幌市は、
対策物資として
タミフルや抗
インフルエンザウイルス薬を購入し、
備蓄していると聞いておりますが、
平成21年の
新型インフルエンザ対策として抗
インフルエンザウイルス薬、
サージカルマスク等の
備蓄状況はどうなっていたのか、まず、お伺いしたいと思います。
◎
矢野 保健所長 対策物資の
備蓄状況についてお答えいたします。
北海道が、
治療薬として、現在、
札幌市民を含めた道民の約4割分の抗
インフルエンザウイルス薬を
備蓄していることを踏まえまして、
札幌市では、
平成21年度に、
新型インフルエンザ対策物資といたしまして抗
インフルエンザウイルス薬、
サージカルマスク、
感染防護具の
備蓄を行っております。それぞれの
備蓄量と用途でございますが、抗
インフルエンザウイルス薬は
タミフルが約9,000人分、
リレンザが約3,500人分の
合計1万2,500人分を、主に
患者と接触した
濃厚接触者や
ライフライン関係者への
予防薬として
備蓄をしております。
サージカルマスクにつきましては12万枚を、
患者と接触した
濃厚接触者や
ライフライン関係者用として
備蓄しております。また、ガウンや手袋などの
感染防護具は約9,600セットを、主に
発生早期の
帰国者・
接触者外来を
設置した
医療機関の
従事者用として
備蓄しております。これら
備蓄物資の購入につきましては、
平成21年第2回
臨時会補正予算によって
対応したところでございます。
また、これとは別に、
北海道の
備蓄物資のうち、
本市の預かり分といたしまして
医療従事者用の
感染防護具が2,300セットございます。
◆
小須田悟士 委員 抗
インフルエンザウイルス薬として、今も
タミフルと
リレンザの2
種類が
備蓄されているということであります。
平成21年に
流行した
新型インフルエンザでは、一部、
タミフル耐性の
ウイルスが確認されていたようでありますが、そんな
状況の中で、最近では新たな抗
インフルエンザウイルス薬も承認され、また、販売までされていると聞いております。
そこで、何点か
質問ですが、現在、
備蓄している2
種類の抗
インフルエンザウイルス薬に加えて、新たな抗
インフルエンザウイルス薬を
備蓄する予定はあるのかどうなのか、また、
札幌市として抗
インフルエンザウイルス薬の
備蓄量をふやしていく必要があるのではないかと私は思うのですけれども、その点についてはどうなのでしょうか。さらに、新たに
市民用の
備蓄物資を整備する考えはないのでしょうか。
3点になると思いますが、これらを伺って、私の
質問を終わりにいたします。
◎
矢野 保健所長 それでは、3点のうち、まず、1点目の抗
インフルエンザウイルス薬等の
備蓄についてお答えいたします。
現在、我が国で承認されております抗
インフルエンザウイルス薬といたしましては、
タミフル、
リレンザに加えましてラピアクタと
イナビルの2
種類がございます。この2
種類の薬は、
現時点では
治療薬であり、
予防薬の承認はされていない
状況でございます。今後、これらの薬が
予防薬として承認された場合には
備蓄を
検討してまいりたいと考えております。
2点目の抗
インフルエンザウイルス薬の
備蓄量をふやすことについてでございますが、
備蓄量につきましては、
平成21年度の購入時には対象となる
ライフライン関係者の
職員数などを
もとに算出しておりました。しかし、現在、国におきまして、
新型インフルエンザ対策のための
特別措置法など
法的枠組みについて
検討が行われており、この中で対象となる
ライフライン関係者の範囲などが新たに拡大され、
必要量の増加が想定されますことから、
本市における
備蓄量を再
検討してまいりたいと考えております。
3点目の
市民用の
備蓄物資についてでございますが、
市民用の
物資につきましては、
市民の
皆様に対して、
新型インフルエンザの
発生に備えまして、
災害対策用の水や
食料品などの
備蓄用品に加えて、
マスクや体温計などの
物資も
備蓄していただくよう周知・啓発してまいりたいと考えております。
◆しのだ
江里子 委員 私からは、
市民、
事業者への
情報提供についてと、
札幌市
近郊の
市町村や
北海道との
連携について、2点を伺います。
新型インフルエンザは、毎年、
流行を繰り返してきた
インフルエンザウイルスとは
ウイルスの
抗体性が大きく異なる
新型の
ウイルスが出現することにより、おおよそ10年から40年の周期で
発生しておりまして、ほとんどの人が
新型の
ウイルスに対する免疫を獲得していないために、世界的な大
流行、いわゆるパンデミックスとなる
可能性があると言われています。そして、2011年、
平成23年9月20日に
内閣総理大臣の主催となる
新型インフルエンザ対策閣僚会議を開催し、2年前の2009年に
発生した
新型インフルエンザ対策の経験などを踏まえて、
病原性感染力の程度などに応じて実施すべき
対策を
新型インフルエンザ対策行動計画として
改定したことによりまして、このたび、
札幌市は6年
ぶりに全面的に見直しを行ったということです。
そこで、
質問ですが、
新型インフルエンザの
発生、
流行に備え、国とか
政府一体となった
取り組みを進めることはもちろんのことですけれども、自治体や
事業者、さらには国民一人一人が正しい知識を持ち、必要な準備を進め、実際に
新型インフルエンザが
発生した際に適切に
対応することが大切だと考えます。そうなりますと、
札幌市においても、
新型インフルエンザ発生時には、
市民及び
事業者に正確な
情報を迅速に
提供することが何より重要だと考えます。このための
市民及び
事業者への具体的な
情報提供の
方法についてはどのようにされるのか、お教えください。
◎
矢野 保健所長 市民、
事業者への
情報提供についてお答えいたします。
市民及び
事業者への
情報提供につきましては、
海外発生期から
対策本部事務局内に
情報広報班を設けまして、
情報収集と
情報提供を一元的に行うこととし、迅速な
対応に努めてまいりたいと考えております。
情報提供の
方法につきましては、各
報道機関による
報道、
ホームページ、
コールセンター及び
リーフレットなどを活用してまいります。特に、多くの
市民への広範な
情報提供が可能な
報道機関につきましては、
発生段階や
流行状況に応じまして、
保健所長などが
広報担当者として
市内の
状況や
各種対策などについて周知してまいります。
なお、
事業者につきましては、
平成21年の
新型インフルエンザ発生時には、国、
北海道、
札幌市のそれぞれから
情報提供があったために
対応に苦慮したとの意見をいただいておりますので、その点も踏まえまして、
情報提供の
方法や内容について
北海道などと
連携して
対応してまいりたいと考えております。
◆しのだ
江里子 委員 海外発生時から
情報広報班を設けられ、そして、
情報収集と
提供を一元的に行っていただけるということ、また、
方法も、
報道とか
ホームページ、
コールセンター、
リーフレットなどを活用されるということでした。
私は、
コールセンターの利用というのは、
市民にとりまして非常に身近な
対応だと考えます。
情報ということでは、確かにテレビとかラジオ、新聞などのマスメディアの
役割は大変大きいと思いますが、あくまでも一方向のものだと思います。受け手の
市民とか
事業者にとっては、本当に不安がつきまとうものだと思います。
高齢者など、特に
インターネット環境に遠い
市民もたくさんいらっしゃいますので、
情報を受けた
市民がどのようにとらえているのかとか、そしてまた、その
情報によって不安をあおられていないかなどの反応の把握もぜひ行っていただきたいと思います。
質問の2点目は、
札幌市
近郊の
市町村や
北海道との
連携についてです。
厚生労働省の
ホームページを拝見しますと、毎週の
インフルエンザの
発生状況を見ることができます。直近でも、千歳市で
季節性の
インフルエンザの警報が年末から発令されているなど、
地域での
流行状況は大きく異なっていまして、
新型インフルエンザ発生時にも同様に
地域で
流行が異なるということは当然想定されると思います。
そこで、
先ほども
情報提供方法とか内容については
北海道と
連携されるという
答弁もありましたが、
周辺市町村や
北海道との
連携が大変重要になると思いますけれども、どのような
対応を考えていらっしゃるのか、伺います。
◎
矢野 保健所長 札幌市
近郊の
市町村や
北海道との
連携についてお答えいたします。
対策全般につきましては、
北海道において
新型インフルエンザ対策に関する
連絡会議を
設置しておりますことから、この
会議において
情報共有や
対策の
検討を行ってまいります。また、
周辺市町村との
連携につきましては、
対策の重点となります
医療体制は2次
医療圏単位で取り組むこととされておりますことから、
札幌市では、
近郊の8
市町村で構成いたします
札幌医療圏の
連絡会議などを通じまして、
北海道の
対策方針を踏まえた
情報共有や
連携について
検討を行ってまいります。さらには、
北海道との
連携を図るために、
札幌市
感染症対策本部内に設けました
新型インフルエンザ対策有識者会議の
委員といたしまして、
北海道の
医療参事を加えております。
◆しのだ
江里子 委員 医療体制においては、全般については
北海道と周辺8
市町村との中で2次
医療圏単位ということでの
連絡会議をつくられ、そしてまた、
有識者会議の中には
北海道の
医療参事も参加されるということで、大変心強いものだと思います。
先ほどもご
答弁でありましたが、2009年の
新型インフルエンザ発生時に、国とか
北海道、
札幌市のそれぞれの
情報が微妙に異なっていることによって
事業者が判断に困る事例があったとも聞いています。そのような反省も踏まえて
連携を密にしていただかなければならないし、そしてまた、
実効性をさらに高めるシミュレーション、訓練なども行うべきと私は考えます。
政府は、17日、
新型インフルエンザの
流行に備えて、
通常国会に提出を予定している
新型インフルエンザ特別措置法の
たたき台案を公表しました。
都道府県知事が
不要不急の外出の自粛を要請したり、
集会中止の要請とか指示を行うことなどが柱となって、違反をした場合には罰則を設けることも
検討するとしています。
病原性が高く
感染力が強い
新型インフルエンザの
発生、
流行というのは、多数の国民の生命とか健康に甚大な被害を及ぼし、全国的な
社会経済活動の縮小、停滞を招くことが危惧されます。国家の
危機管理の問題として取り組む必要もあると思います。
自然災害には
災害対策基本法などがあるなど、多くの
危機管理に関する法律がありますが、
新型インフルエンザ対策は、今まで、あくまでも
行動計画であって、
強制力がないために、例えば2009年の際も
保育所の休園などについてはなかなか
市民理解が得られづらかったという話も伺っています。私たちは、
実効性をさらに一層高めるための
早期の
新型インフルエンザ特別措置法の策定をしっかりと求めていきたいと思います。
札幌市においても、この
対応についてしっかりとお願いしたいと思います。
◆
坂本恭子 委員 私からも、4点ほど
質問したいと思います。
資料をいただいてずっと読んでおりましたが、まず、
海外から
発生するということが想定の大前提にあるということですけれども、
検疫体制について改めて伺いたいと思います。やはり、水際でどういうふうに侵入を食いとめるのかというようなことが非常に重要だと思います。
いただいた
資料の31ページにも、
水際対策ということが書かれており、この中でも
検疫の
強化ということが書いてあります。
検疫所、
北海道その他
関係機関との
協力・
連携について
検討していく、これは
保健所の
役割というふうに記載されておりますけれども、実際に、2009年の
発生のときには、例えば
検疫官が非常に少ないというようなことで、飛行機の中に立ち入っての
検疫、あるいは、船に立ち入っての
検疫というようなところの
対応がなかなか十分にできていなかったという話も聞いております。
札幌市ということで限りますと、空港とか港ということで
海外から直接入ってくる方は極めて少ないと思うのですけれども、国や
北海道との
連携体制というところに関してはどういうふうになっているのか。特段、いただいた1枚物の
資料で、
海外発生期における予防、
蔓延防止というところで
検疫所、
北海道との
連携強化ということが書かれていて、
札幌市は
協力するという書かれ方になっております。
この点について、どのような
連携体制を図っていくのか。国や道、
札幌市、
保健所がある都市は
都道府県と同等の
対応が求められるわけですから、
すみ分けはきちんとできるようになっているのか、そのことによってさまざまな混乱といったものが
市民の中に生じないのか、その点について確認したいと思います。
◎
矢野 保健所長 検疫体制についてお答えいたします。
検疫体制につきましては、一義的には、国において整備、
強化するものと認識しております。しかしながら、新
千歳空港は、中国、韓国などの
東アジア、タイ、シンガポールなどの
東南アジア諸国から来る多くの
観光客が利用しておりまして、
新型インフルエンザが持ち込まれる
危険性が高いものですから、
札幌市といたしましても、国に対して
検疫体制の
強化について要望を行っているところでございます。
また、国や
北海道との
連携につきましては、
北海道において、
札幌市、旭川市、函館市、小樽市の
保健所設置市と、新
千歳空港を所管します
小樽検疫所を含めた、
新型インフルエンザ対策に関する
連絡会議を開催しております。
札幌市といたしましても、この
会議におきまして
連絡を密にして
情報交換を行っているところでございます。
◆
坂本恭子 委員 今ご
答弁にもありましたけれども、やはり、
東アジアで、
鳥インフルエンザを起因とする
新型インフルエンザ発生の
危険性が極めて高いというご認識もありました。
連絡会議を
設置して密に
連携をとっていきたいということでしたが、そこら辺はしっかりと――これは、国が第一義的にやっていくべきものだというお話もありました。しかし、
先ほど申し上げた
検疫官、
検疫体制の問題などを含めて、国でも法整備されていくわけですから、ここら辺での国の
予算化というのでしょうか、きちんとした
対応をとっていくということについて、
札幌市としても、
北海道とともにより強力に要望していっていただきたいなというふうに思います。
それから、
検疫体制の
連携強化、
協力ということとあわせて、
医療の分野では、
札幌市として、
帰国者・
接触者外来の
設置、
診断開始あるいは
相談センターの
設置ということが
先ほどの
報告の中でもございました。
海外で
発生したということを受けて、
帰国者あるいは
接触者に対する
相談窓口を開いて、そしてまた、診療も実際に行っていくということです。もちろん、この時点では
ワクチンというものは存在しないわけですから、今回の
行動計画にも書かれております
プレパンデミックワクチンというものがまず必要になってくるのだというふうに思います。
プレパンデミックワクチンについては、
医療従事者、それから
社会機能の
維持にかかわる方たちに接種するということが25ページから書かれており、ここでも、国が
パンデミックワクチン原液の製造、
備蓄を進めているという描写になっております。実際に、全国的にかなりの数が一気に必要になってくるのかなというふうに思います。そういう意味では、国でしっかりと
体制をとっていくことが大事だろうというふうには思うのですけれども、
札幌市として、
プレパンデミックワクチンの接種の
体制あるいは
方法というのでしょうか、こういうものについてはどんな形で実施することになるのか、まず、今の時点でのお考えを伺いたいと思います。
◎
矢野 保健所長 プレパンデミックワクチンのことについて
答弁させていただきます。
先ほど坂本
委員からもお話がございましたけれども、
新型インフルエンザ対策に係る
ワクチンには、
新型インフルエンザが
発生する前の
段階で
新型インフルエンザに変異する
可能性の高い鳥
インフルエンザウイルスを
もとに製造される
プレパンデミックワクチンと、
新型インフルエンザが
発生した
段階で出現した
新型インフルエンザウイルスを
もとに製造されるパンデミック
ワクチンの2
種類があるわけでございます。
プレパンデミックワクチンにつきましては、
新型インフルエンザの
発生に備えまして国が製造、
備蓄しているものでありまして、国の決定に基づいて、
新型インフルエンザが
発生した
海外発生期以降パンデミック
ワクチンが供給されるまでの間、
医療従事者や
社会機能維持にかかわる者に対して接種を行うものとしております。
◆
坂本恭子 委員 具体的には、どれぐらい
備蓄をするのか、そもそも国の方で必要な分の
備蓄をされるのか。
札幌市としては、例えば一定量しか来ない場合には優先順位をつけたりだとか、そういうようなことがきっとあるのだろうなというふうに思うものですから、これから具体的な
対応マニュアルが作成されるということですので、その中で具体化していくのかなというふうにも思うのですけれども、もと
もと新型インフルエンザとは異なる亜型でつくられる
プレパンデミックワクチンですから、直接、感染者あるいは
濃厚接触者に対して治療とか診療をするときに、お医者様だとか
報道機関だとか物流だとか、
社会機能を
維持するためにいろいろあるのだと思いますが、その方たち、それから、実際に感染をした、きちんとした型が合うパンデミック
ワクチンができるまでの間、それを接種するわけですから、そこについて、接種計画、
体制というものをもうちょっと具体的に持つ必要があるだろうというふうに思います。
札幌市で
対応マニュアルを決めていく中で、国に対しても、どれだけの
プレパンデミックワクチンが必要なのかというような積算にもなってくるだろうというふうに思いますので、私は、そこをしっかりとやっていただきたいなというふうに思います。それは申し上げておきます。
あわせて、実際に
新型インフルエンザが蔓延したときに、その型に合った
ワクチン、いわゆるパンデミック
ワクチンというものですが、相当、研究を急いでも、一朝一夕にというか、短期間で大量生産というふうにはならないと思います。世界的な
流行ということになれば、日本
国内にもなかなか入ってきづらいようなことがあるかもしれません。そういう意味では、強毒、弱毒にかかわらず、全
市民分を用意する必要があるだろうというふうに思うのですけれども、パンデミック
ワクチンの確保の点について、今現在、どういうふうに考えていらっしゃるのか。
それからまた、2009年の
流行のときには弱毒性ということもありました。3,600円というお金を払って
ワクチンを接種するというようなことがあって、最終的には弱毒でしたから、予防していたこともあるのでしょうけれども、
ワクチン自体が余ってしまう、供給過多に陥ってしまうようなこともありました。例えばこれが無料であったらとか、いろいろ考えているわけですけれども、ここら辺は、その場合に応じて、学童期、それから
高齢者を含めて、広範な
市民に接種を促さなければならないということも想定されますので、接種の費用などについても今現在どういうふうにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
◎
矢野 保健所長 まず、1点目のパンデミック
ワクチンが全
市民分を確保できるのかどうかということについてお答えします。
パンデミック
ワクチンの供給量につきましては、国が決定するものでございますけれども、国の
行動計画におきましては、全国民への
ワクチン接種を基本としておりますので、最終的には、全国民分、
札幌市におきましては全
札幌市民分が供給されるものと考えております。
また、パンデミック
ワクチンの接種費用についてでございますが、今回、
改定されました国の
行動計画におきまして、
新型インフルエンザの
病原性が高く
感染力が強い場合には、公費での集団的な接種を基本としております。
◆
坂本恭子 委員 パンデミック
ワクチンについては、最終的には国の指示によって全国民分が用意されるだろう、確保されるだろうというお話でした。
しかし、相当短期間に一気に蔓延する、そこに
対応していかなければならないものです。そして、実質的には2カ月、3カ月で収束していくだろうという
行動計画の見通しもあるわけですね。そういう中で、遅きに失することはあってはならないことだと思います。ですから、もちろん
プレパンデミックワクチンも、希望する
医療従事者、
関係機関の方たちには必要な分を遅滞なく接種できるようにしていただきたいと思いますし、パンデミック
ワクチンについても、予断を持つことなく、すべての
市民に滞りなく接種の機会を確保できるように、これは国との関係になると思いますが、
対応していっていただきたい。
市民へ無用な混乱をもたらすようなことがないように、
先ほど情報提供という話もありましたけれども、これは
対応していただきたいなというふうに思っています。
続いて、二つまとめて
質問したいのですが、感染症指定
医療機関の病床数ということで伺いたいと思います。
感染症法第19条に基づく入院勧告を行った際の収容病床、いわゆる感染症病床というものが、
札幌市では
市立札幌病院の8床しかないということです。2009年のときにも、いわゆる封じ込めということで、
帰国者あるいは
濃厚接触者に限られましたが、ここの感染症病床が活用されたというふうにも聞いております。
実際に、今回の
行動計画の
もとで、大変大きな規模で、しかも強毒で
発生することになりますと、封じ込めと言っても、私は8床だけではとても間に合わないのではないかと。これは素人考えではありますけれども、そう思います。罹患率25%でいきますと、1日最大新規
入院患者数は中等度でも約400人、重度になりますと約2,020人というふうになっています。封じ込めということに限定したいというお考えだろうとは思うのだけれども、8床を超えて感染症病床に入院させる、いわゆる強制的に隔離をしなければならない
状況も考えられると思うのですが、これが不足した場合にはどのように
対応するのか。
あわせて、今お話をしましたが、ピーク時における新規
入院患者数は、中等度でも約400人、重度になりますと約2,020人ということになります。1日最大の
入院患者数は、中等度でも約2,960人、重度になりますと約1万4,840人と、1万8,000人近い方が入院を余儀なくされることになります。
行動計画の中には、公共施設の利用なども考えていくようなことも書かれておりますけれども、こういう記載ですと、一体どういうふうになるのだろうと
市民の不安が広がっていきかねないというふうに思います。私は、こういう
状況になったときにも、
医療機関と
連携しながら、安心して治療に専念できる環境を整備していかなければならないというふうに思うのですけれども、この点についてどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
◎
矢野 保健所長 まず、1点目の感染症指定
医療機関の病床数についてお答えいたします。
いわゆる、感染症法第19条に基づきます入院勧告措置は、
市内発生早期に感染拡大の防止と封じ込めを目的として実施するものであります。感染が拡大し、
市内感染期となった場合には、国の方針に基づきまして、感染症病棟への入院勧告措置は行わずに、通常の
医療体制に移行することになります。したがいまして、
市内発生早期においては、
市立札幌病院の感染症病棟の8床で不足する事態にはならないものと考えております。しかしながら、万一、不足する事態が
発生した場合には、
北海道とも協議しながら
対応してまいりたいと考えております。
2点目の病床の確保についてでございますけれども、
札幌市内の入院病床数は約4万床でありまして、病床利用率を考慮いたしますと、中等度の推計における1日最大
入院患者数の約3,000人につきましては、
市内の
医療機関との
連携協力によりまして一定の
対応が可能であると考えております。しかしながら、重度の推計の場合には、
市内医療機関の病床数では
対応が困難であることが予想されますので、
行動計画にもありますとおり、公共施設などを利用した臨時の
医療提供施設の
設置も
検討して病床の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆
坂本恭子 委員 発生早期については、感染症病床が8床でも足りるのではないか、それ以上になったときには
連携をしてふやしていくのだというお話もありました。
日本
国内、まして
札幌市でいきますと、2009年もそうですけれども、私は想定よりも小さく済んだという実感があるのですよ。あれの何倍、何十倍というような規模で、あるいは、何百倍かもしれません。本当にあってはならないことだと思いますけれども、短期間での急激な蔓延ということで、
死亡者数もそれなりに見込まれるということもベースにした
行動計画になっています。そういう意味では、
発生当初から、あるいは、
先ほど検疫体制の話もしましたが、水際封じ込め、ここのところで
体制をしっかりと厚くして
対応していくことが必要だと思います。それと同時に、万が一、予想を上回って広がっていったときにどうやって
対応していくのかと。これは、後手後手に回っては絶対ならないというふうに思いますので、
発生早期には何とかなると思います、中等度であれば何とかなると思いますということではなくて、本当に最悪の事態を想定をしながら、
対策はしっかりととっていく必要があるというふうに思います。いたずらに不安をあおるという意味ではなくて、これは、行政としてまずやっていかなければならない大変大きな
役割だというふうに思います。
先ほど、
情報提供のところで、
リーフレットなども作成しながらやっていくのだと。これは、多分、そうなったときに慌てて
リーフレットを配るということではなくて、事前に、こういうことが想定される、こうなったときにはこういう行動をとってもらいたいと、
市民に対する事前のPRなのかなと思いましたけれども、まず、そういうこともやっていかなければならないというふうに思います。
これから、
パブリックコメントもとりながら、
対応マニュアルの中で具体化されていく中身だろうというふうには思いますけれども、いつ起きてもおかしくない
状況はやはりあると思いますので、そこにきっちりと
対応できるようにやっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
○
飯島弘之 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
飯島弘之 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後1時45分...