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平成23年(常任)厚生委員会−12月26日-記録

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  1. 札幌市議会 2011-12-26
    平成23年(常任)厚生委員会−12月26日-記録


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    平成23年(常任)厚生委員会−12月26日-記録平成23年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成23年12月26日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○飯島弘之 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、札幌市地域福祉社会計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎渡辺 総務部長  私から、札幌市地域福祉社会計画(案)につきましてご説明させていただきます。  まず、お手元の資料1をごらんいただきたいと思います。  札幌市では、平成7年に札幌市地域福祉社会計画を策定し、平成15年に現計画への改定を行ったところでございます。この間、地区福祉まち推進センターでの見守り、安否確認活動や、判断能力の低下した認知症高齢者などに対する日常生活自立支援事業の実施、さらに、高齢者・障がい者生活あんしん支援センターの設置などの取り組みを進めてきたところでございます。  しかし、本市の高齢化率も現計画策定時から8年で5%近く伸び、来年には21%に達する超高齢社会へと突入いたします。また、65歳以上の単身高齢世帯も5年間で約2万世帯増加しておりまして、このような状況を背景として孤立死問題の深刻化とか虐待問題の表面化など、福祉課題が年々多様化・複雑化してきているところでございます。これらの諸課題に関し、これまでの公的サービスでは受けられるサービスが不足し、よりきめ細やかなサービスを必要とする方、あるいは、公的サービスの利用にみずからつながることができていない方への対応が、今後、重要となってまいります。このような地域福祉を取り巻く環境の変化に対応するため、当初、平成24年度までとしておりました現計画の期間を1年前倒しして改定を行うこととし、昨年度から策定を進めてきたものでございます。  そこで、新しい計画では、各事業の一層の推進とつながりを強化することにより、これまでの取り組みでつくり上げた枠組みのさらなる質の向上を目指していくこととしておりまして、個々の団体やサービスを漏れなく、切れ目なく、すき間なくつなぎ、公的サービスだけでは対応できないような多様化したニーズにも対応していくことができる体制をつくっていくことを目標としております。  また、新たな取り組みといたしまして、さまざまな地域資源をつなぐネットワークの推進、さらに、災害時に備えた体制の整備とか、地域福祉に関する情報の共有化についての内容も盛り込んでおります。あわせまして、もう一段、向上を目指していくものとして福祉・保健・医療に関する情報の集約、活用と相談機能体制の整備並びに福祉ニーズを適切に把握できる体制の整備も盛り込んでおります。  次に、右側の計画策定のスケジュールでございます。  計画の策定に当たりましては、昨年10月に地域福祉活動にかかわる団体の代表者、学識経験者市民公募委員等で構成する計画策定委員会を設置いたしまして、これまで6回にわたって検討を重ねるとともに、その間、市内10地区で開催いたしました地域福祉に関する地区意見交換会などを通じて幅広い市民の意見を聞き取りしながら11月に計画(案)を取りまとめたところでございます。その後、本案は、先週の12月20日の市長・副市長会議までの庁内検討を経た上で年明けにはパブリックコメントを実施し、来年3月に計画を策定、公表する予定となっております。  次に、右下は、保健福祉局で、現在、策定・改定作業を行っております六つの計画の関係を整理した図でございます。  各計画の相互の関係について、市民の年齢と支援の必要度を軸といたしまして整理しており、各計画では、重なり合う部分を意識しながら、それぞれの分野で事業計画を展開していくこととなります。この中で、地域福祉社会計画は、ニーズや支援の必要度、年齢層にかかわらず、幅広く地域の住民を対象としており、地域住民による見守り活動を実施することでさまざまな問題を抱えている人を地域の中で発見し、関係機関、あるいは個別計画に基づく事業へとつないでいくという各個別計画を下支えする役割を担っております。  また、今回、同時に策定・改定作業を行います各計画は、計画期間を3年または6年で設定しておりますことから、本計画についても計画期間を6年間に設定し、今後も同じ時期に見直しを行うことで計画間の横のつながり、連携をより深め、一体として各種計画を推進してまいりたいと考えております。
     次に、資料1の2枚目をごらんいただきたいと思います。  具体的な計画内容でございます。  先ほどご説明いたしましたとおり、地域福祉を取り巻く環境は大きく変化してきておりますけれども、これに適切に対応するためには、現計画においても重要ポイントに置いております地域での支え合い活動のより一層の推進が必要と考えております。そこで、現計画の基本理念であります安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会の実現につきましては、新しい計画においてもそのまま踏襲することといたしました。  計画の体系については、計画目標を三つ、その下に基本目標を二つずつ、合計六つとなります。さらに、その下に基本施策を二つずつ、合計12の施策を設定しております。各施策につきましては、基本施策ごとに主なものを二つずつ掲げております。  一つ目の計画目標は、市民の支え合いによる地域福祉社会の推進といたしました。  改定の視点として、個人の福祉に対する意識啓発を出発点に、各種団体活動を促進し、ネットワークの強化を進めるという流れを意識しております。また、これまでも地域福祉の中心的な担い手として民生委員、児童委員、地区福祉まち推進センター活動者ボランティア団体NPO法人などが、見守り活動やサロン活動、地域での交流会活動など幅広い活動を実施しておりますけれども、改めて、地域福祉の中核的な活動である見守り活動の重要性をしっかりと位置づけるとともに、地域の居場所である地域サロンについても今後の役割やあり方を検討し、市民による支え合いをより一層推進していくこととしております。  二つ目の計画目標は、地域で「もれなく、きれめなく、すきまなく」福祉サービスが利用できる仕組みづくりといたしました。  現在も、福祉、保健、医療の関係機関が区や地区などの各段階で状況に応じて連携しながら情報提供や相談に対応しておりますけれども、今後は、この体制をより一層充実させ、これまで以上に分野を超えた関係機関の連携協力体制を強化し、多様化・複雑化するニーズにも対応できるよう情報提供や相談体制づくりを進めていく必要があると考えております。また、地域には単身の高齢者や子育て家庭を初めとしてさまざまな問題を抱えた方がふえてきておりますことから、地域での見守り活動などを通じて福祉などに関するニーズのある市民を漏れなく把握し、ボランティア団体NPO法人などのサービスを組み合わせながら、地域のさまざまな機関が協働して問題解決につなげていく体制づくりも推進していくこととしております。さらに、一人一人が自分に最も適切なサービスを選択できるよう、サービスに関する情報公開や苦情相談などの利用援助、また、判断能力が低下した高齢者や障がい者などに対する権利擁護関係についても充実を図っていくこととしております。  三つ目の計画目標は、地域で安全・安心に生活できる環境の整備といたしました。  建築物などのバリアフリー化ユニバーサルデザインにつきましては、今後とも一層推進していく必要がございます。また、災害発生時における地域での支え合いにつきましては、自力では避難が難しい高齢者や障がい者など、災害時の要援護者を地域が主体となって支援する体制の整備を進めることとあわせまして、避難所のあり方の検討とか災害時のボランティア受け入れ体制の整備についても推進していくこととしております。また、今後、高齢者が増加するといたしましても、すべての高齢者が支援を必要とするわけではございません。自分の経験や能力を地域で発揮できる元気な高齢者もますますふえることが想定されますことから、このような方々に地域活動に参加してもらう仕組みづくりを始め、地域活動の新たな担い手の発掘、育成を推進していくこととしております。  最後に、右側の目指すべき地域の支援ネットワーク図をごらんいただきたいと思います。  中心よりもやや下にある、支援を必要とする市民を地域でどうネットワークを組んで支えていくかを図式化したものでございます。支援を必要とする市民を囲んでいる濃い網かけの部分が地区の領域を、さらに、もう一つ外側を囲んでいる薄い網かけの部分が区の領域を示しております。この中で一番下の民生委員・児童委員や地区福祉まち推進センター、さらに町内会、自治会など、地域組織が基盤となる見守り活動を行っております。そして、これらの地域組織ボランティア団体NPO法人などをつなぐコーディネーターとしての役割をまちづくりセンターが果たすこととしております。また、新聞販売店などの地域企業でも、企業活動の傍ら、見守り活動を行うところがふえてきており、これらもその輪の中に加えております。一方で、専門的な立場から市民を支援しておりますのが上の地域包括支援センターや障がい者相談支援事業所など、地域にある公的機関、相談窓口と福祉施設や医療機関を初めとした各種サービスの提供者でございます。また、児童相談所消費者センターなどの専門機関は全市レベルで設置されているものが多いため、少し離れて左上に位置づけておりますけれども、主に地域の公的機関やサービス提供者とのネットワークを通して市民に支援を行っております。  このようにかなり複雑ではありますけれども、さまざまな機関が相互に連携することで、支援を必要とする市民に必要なサービスが行き届く仕組みをこれまで以上にしっかりと構築していく必要がございます。その際には、区役所や区社会福祉協議会がしっかりとしたコーディネーター役となり、支援を必要とする市民の情報を集約し、サービス提供者や専門機関への適切な橋渡し役を担うネットワークを構築していきたいと考えております。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  地域の福祉活動に関する市民意識調査を見ておりましたら、近所とのおつき合いはあいさつをする程度という人が50%ですね。お互いに家を行き来したり相談し合えるようなつき合いがあるという人はそれぞれ5.4%、5.8%で、合わせて11.2%です。このように、困ったときに相談するというような近所つき合いがあるという人は約11%にすぎないという調査結果であります。  私の事務所の町内会は澄川第7町内会と言うのですが、例えば、うちの隣の隣にあるスーパーの東光ストアに買い物に来るおばあちゃんは、ちょっと食料品を買うともう持って帰れないのですね。ですから、タクシーを呼んでいるのです。タクシーを呼んで家までどのくらいかといったら、おばあちゃんの家まで200〜300メートルですね。それでもちょっと重いものを買うと持って帰れない、そういう状況を何度か目にしております。また、私は町内会の顧問でして、若いお母さん方から、何軒か向こうの若いお母さんが今悩んでいるのだ、だれにも相談できないでひとりで困っている、そんなお話をたまたま聞きます。高齢化や核家族化が進行する中で、日常生活に関するさまざまな課題を抱えて思い悩み、どうすればいいのかという解決方法を見出せない市民の方がますますふえているような感じがいたします。また、近所でお互い助け合うという昔の風潮がだんだん薄くなってきているのではないかな、そういうふうに思うわけであります。  そのような中で、1年前倒しして地域福祉社会計画を改定し、安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会の実現に向けて、市民・事業者・行政の一体化を進めるという新たな視点で地域福祉施策を推進することは、私も大変いいことだと思っております。  そこで、1点目の質問ですが、新しい計画では、現計画に基づいてつくり上げてきた地域福祉の枠組みを基本として、地域福祉の質の向上を目指すとしておりますけれども、特にどのようなところに重点を置いて取り組むこととしているのか、具体的にお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  地域福祉社会計画の重点項目でございますが、3点掲げてございます。  まず、1点目は、地域の福祉活動の中で見守り活動のより一層の推進に重点を置いております。見守り活動は、これまでも福祉のまち推進センターを中心に展開されてまいりましたけれども、残念ながら、まだ全地区で実施するまでには至っていないことから、改めましてこの活動の重要性を強調し、すべての地区福祉まち推進センター民生委員、児童委員や町内会、自治会などと連携して実施できるよう進めていくこととしております。  2点目は、見守り活動を通じて発見した支援を必要とする方に対しまして必要なサービスを提供できるよう、地域で相談、コーディネートできる仕組みの構築を進めていくことであります。そこでまず、区役所のコーディネート機能の強化とか、地域組織コーディネーター役としてまちづくりセンターを位置づけるとともに、地域包括支援センター、障がい者相談支援事業所など、身近な地域でも相談できる体制を推進することで相談機能の充実や地域からの情報を横断的に活用する仕組みづくりを進めていくこととしております。  3点目といたしましては、地域での生活を守る仕組みとして、社会福祉協議会における成年後見制度の体制整備を進め、権利擁護に関する事業を推進することや、災害時における要援護者の避難支援の推進など災害時に備えた体制の整備を進めていくこととしているところでございます。 ◆小須田悟士 委員  重点項目が3点ということでありますが、私からは、見守り活動についてちょっとお伺いいたします。  私は、今回の保健福祉局の各計画改定のかなめは、地域における見守り・安否確認活動を通じて地域で生活するための支援を必要とする方を地域で支える体制を推進するために、単位町内会レベルで見守り活動を実施し、網の目を細かくしていくことではないかと考えております。先般、14日の厚生委員会で審議した次期高齢者保健福祉計画介護保険事業計画の中でも重点的に取り組む事柄として、地域包括ケアの実現を視野に入れ、特に医療と介護の連携推進やひとり暮らしの高齢者などへの見守り・安否確認活動といった地域での支え合い活動がさらに広がるよう、関係団体のネットワークづくりを進めていきたいという答弁がありました。  私も、あるきっかけから、ごみ拾いおじさんと言われるほど、朝、ごみを拾って歩いています。というのは、毎朝、ある高齢者の方が5時からごみを拾っていたのに、突然、体調を崩して拾わなくなったのですよ。それで、町内会長から、小須田さん、ごみ拾いを手伝ってくれないかと言われて、それがきっかけでごみ拾いおじさんになりました。そして、南区安全パトロールと防犯の帽子をいただきました。そうすると、子どもたちの見守りもやってくれということになりまして、ずっと4年数カ月間、朝からやっております。冬場は砂まきで、夏場はごみ拾いおじさんということですが、そうすると、子どもたちの見守りにもなりますし、町内の美化にもなりまして、それがちょっとずつ広がっているのですね。あの小須田がやっているのだったら、おれもやってみようかということで、ちょっと広がっています。例えば、あるおばあちゃんが公園だけを掃除するとか、私はごみステーションを三つ受け持ちますよとか、防犯問題にしても、美化運動にしても、見守りにしても、そういうことでちょっとずつつながってきているのかなというふうに思っております。目的を持って地域を歩くことで、皆さんもさほど負担なく地域活動、見守り活動ができているのではないかというふうに思います。  長くなりましたが、そこで、質問であります。  見守り活動の網の目を細かくしていくためには、例えば、地域で取り組んでいる福祉以外のさまざまな活動と見守り活動との連動を進めるなど、町内会や自治会で行われている地域活動全体に浸透させていくような仕組みづくりを推進していくことが重要ではないかと考えますが、その点はいかがか、お伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  地域における見守り活動の推進ということでございます。  委員のご指摘のとおり、町内会、自治会が取り組んでいるさまざまな事業活動と見守り活動との連携を図ることは非常に重要でありまして、日常活動や生活の中で、少し切り口を変えて、目的を持つことで見守り活動のすそ野の広がりが期待できるのではないかというふうに考えております。  そこで、昨年ですが、札幌市と社会福祉協議会が共同で、福祉のまち推進センター単位町内会レベルの活動でございます福祉推進委員会の開設方法や活動内容に関しまして、切り口を変えた視点を盛り込み、解説いたしました福まち活動者の手引を作成しました。これを、すべての単位町内会を初め、連合町内会地区福祉まち推進センターなどへ配付しているところでございます。さらに、見守り活動のスタートを目指す町内会などに対しまして、直接、出前講座などを通じまして、既に実践している地区のノウハウとか、委員が取り組んでおられるような具体的な活動についても紹介し、支援を行っております。また、社会福祉協議会で平成22年度から実施しております地域見守りサポーター養成講座では、日常のさまざまな生活場面で何げなく、さりげなく高齢者などを見守り、異変に気づいた際には民生委員などに連絡するボランティアを養成しておりまして、現時点でおおむね2,400人の市民の方がサポーターとして巣立っている状況になっております。  今後とも、町内会活動との連動にも十分に配慮しながら、見守り・安否確認活動単位町内会における実働部隊とも言えます福祉推進委員会の設置の拡大と、幅広い市民の参加による地域見守りサポーターの養成を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小須田悟士 委員  つるつる道路になってから、ある高齢者の方が荷物を持ってよろよろしているものですから、私が荷物を持ってお家まで送っていったのですよ。そうすると、玄関がごみの山なのですね。おばあちゃん、これを片づけますかと言いましたら、私が自分でやりますからと言ってはいたものの、ちょっと気になりまして、町内会長にそれを報告しましたら、早速、民生委員の方々がおばあちゃんのところに行って、きれいにしてきましたということでした。おばあちゃん、きれいにしていいですかと言っても、我々男性ではだめなのですね。でも、女性の民生委員の方がそういうことをしてくれたということで、私も安心しました。  今後、単身高齢者の増加に伴い、札幌市でもますます見守り・安否確認活動は重要になっていくと思います。地域が主体となって進めていく活動なので無理強いはできないと思いますが、可能な限り早く、全地域での見守り・安否確認活動が実施できるように支援していただきたいし、その活動実態をきちんと把握して、市民が求める福祉ニーズに的確に対応できる体制を整備していただきたいということを要望して、終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、現在の計画には記載されていなくて、今回の改定で初めて記載されているまちづくりセンターの役割と位置づけについて質問させていただきます。  2003年、平成15年3月に策定されました現在の計画では、市民の支え合いによる地域福祉社会の実現に向けた施策の中で、活動の活性化に向け、地区福祉まち推進センターを中心として多様な地域福祉の資源がネットワークを形成し、地域の生活課題に地域で自主的に取り組むことができる体制の実現を目指すとされていました。しかし、福祉のまち推進センター事業は、市内全区で展開はされていますが、低い認知度や地区の生活環境や住民意識が大きく異なっておりまして、活動内容の差異が大きくなっている現状があります。  一方、まちづくりセンターは、2004年、平成16年4月にそれまでの連絡所を改編して設置されたものであり、それまで実施していた地区内の住民組織の振興や住民票などの各種証明書取り次ぎ事務などに加えて、地域のまちづくり活動に関する相談や支援などを行う拠点として位置づけられたもので、その果たすべき役割はますます重要になっていると考えます。今回の改定計画の中では、まちづくりセンター地域組織コーディネーター役として、また、地域資源の情報共有化の拠点の一つとして位置づけています。  そこで、今回の計画におけるまちづくりセンターの役割について質問させていただきます。  1点目として、まちづくりセンターコーディネーターとしての役割とは具体的にどのような内容を想定されているのか、そしてまた、2点目としては、コーディネーターとしての役割を担うためには福祉に関する一定程度の知識とか情報が求められると思うのですがいかがか、あわせて伺います。 ◎渡辺 総務部長  まず、1点目のコーディネーターとしてのまちづくりセンターの役割についてでございます。  これまでも、まちづくりセンターは、支援を必要としている高齢者などに対しまして見守り活動を基本としながらさまざまな支援活動を実施しております地区福祉まち推進センター民生委員、児童委員、町内会、自治会、各種ボランティア団体などの地域組織を地域の中で結びつける役割を担ってきたところでございます。その上で、これまでの役割を基盤としながら、まちづくりセンター、区役所、区社会福祉協議会などが連携いたしまして、地域の関係機関や団体が提供しておりますさまざまなサービス情報の共有化を進めるとともに、地域組織を積極的につなぐ役割の強化に努めてまいりたい、このように考えております。  2点目のコーディネート役として求められる福祉に関する知識や情報の提供についてでございます。  平成20年9月に、各まちづくりセンターに対しまして、まちづくりセンター業務参考資料を作成いたしまして配付してございます。この冊子の中に、地域福祉を初め、健康づくり子育て関係事業など、地域住民などが主体となって活動を行う事業を支援する上で参考となる事業の概要とか要綱、あるいはパンフレットなどを掲載しておりまして、これらの情報につきましては、年1回、整理、更新をしているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  まちづくりセンターは、今までも見守りの基本としてあって、今後もまさにいろいろな団体を結びつける役割ということでさまざまなサービスの共有化を図っていくことになり、まちづくりセンターの役割は大変大きなものになっていくと思います。また、この役割を担うための知識や情報に関しては、今までも参考資料を送っていらっしゃるということでした。  今、多くのまちづくりセンターでは、課長職の所長がお1人と非常勤の地区連絡員がお2人という標準の職員体制で運営されていまして、非常勤の職員は所長の補助であって、実質的には所長がお1人で地域の課題やニーズにこたえる業務をこなすことになっていると思います。ただ、地域課題は、福祉ばかりではなくて、環境や子育て、教育、防犯、防災など、本当にさまざまな分野に広がっていまして、まちづくりセンターの所長には実務的な業務のほかに、まさにまちづくりの企画力や実践力、情報収集能力などがより必要になってくると思います。福祉とか保健に関する業務に従事したことのある職員ならばある程度理解できるかもしれないのですが、技術系の職員など、経験のない職員が所長になることも当然あるわけで、単なる情報提供だけでは地域課題やニーズにこたえるということは甚だ困難ではないかと私は思います。  また、まちづくりセンターが地域の主体的なまちづくり活動の支援を積極的に行うことで、連合町内会などを核とするまちづくり協議会などのネットワーク組織が中心となった地域の主体的なまちづくり活動が活発化し、その内容も、地域みずからが地域のさまざまな課題を地域の実情に沿って解決するための活動へと多様化し、また高度化していると思います。地域によっては、より住みよいまちづくりを目指して、地域のことを最もよく知る地域の方々にまちづくりセンターの運営を任せる地域自主運営化も、2010年には8カ所となっておりまして、今月策定されました第3次札幌新まちづくり計画の中では、2014年、平成26年には18カ所を目標としています。  そこで、質問ですけれども、まちづくりセンターコーディネート機能の向上に向けて、より一層積極的に取り組んでいくことが必要と思うのですが、いかがか。そしてまた、自主運営のまちづくりセンターもふえてきていることから、自主運営のまちづくりセンターに対してもしっかりと支援していく必要があると考えるのですがいかがか、あわせて伺います。 ◎渡辺 総務部長  まちづくりセンターコーディネート機能向上の取り組みについてでございますけれども、現在、実施しておりますまちづくりセンター所長研修というものがございますが、この中にはこれまで福祉に関するカリキュラムがなかったことから、先ほど答弁いたしました資料の配付にとどまらず、今後、市民まちづくり局とも協議して、地域福祉に関する基礎的な研修を実施できる機会を設け、自主運営のまちづくりセンターの所長に対してもあわせて支援を行ってまいりたいと考えております。  また、これまでまちづくりセンターの機能や活動につきましては、地域住民の自治活動に対する支援に力点を置いておりましたので、これまでは区の市民部が中心となってセンターの取り組みを支援してまいりました。しかし、今後は地域福祉活動に対する支援にも同様に取り組んでいくことが求められますことから、今後は、区保健福祉部も一体となってまちづくりセンターを支援していく体制をつくってまいりたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  今、研修に向けてのお話を伺いました。  まちづくりセンターへの支援については、所長の負担を軽減し、幅広い分野の地域のまちづくり活動を積極的に支援するために、希望に応じてまちづくりの専門家や有識者であるまちセンアドバイザーを派遣したり、地域のまちづくりサポーターとしてNPOを派遣するなど、所長の活動を支援するということは今までもされてきたと聞いています。  地域福祉におけるコーディネーターとしての役割は、本当にすぐにできるものではないと思います。まちづくりセンターの所長の中にはまさに福祉関係の職場が未経験な方や技術職をなさっていた職員の方がいたり、また、自主運営をしているまちづくりセンターが本当にふえていることにも配慮しますと、例えば、区の内部会議でありますまちづくりセンター所長会議において、今も、福祉関係の方が入っていなかったというご答弁がありましたが、区の保健福祉部の職員が参加するなどして実効性のある会議や研修を行っていただきたいと思います。今回の計画案を読んでいて、まちづくりセンターの位置づけがまだまだあいまいだと思いました。計画案の52ページまでの中には、まちづくりセンターということが2カ所しか出てこないのですね。それほど、まだまだだという感じがしました。コーディネーターとなるのであれば、もっときちんとした位置づけが必要だと思います。  この計画に対して地区意見交換会で出された意見が後ろに載っていましたが、この中にも、まちづくりセンターの機能を強化し、連携するとともに、もっと積極的に地域にPRしてほしいとか、地域にどんな社会資源があるのか、総合的に情報集約をして分野を超えた広いネットワークをつくっていくことが必要で、顔の見える関係づくりをしたいという意見がありました。  今もお話がありましたが、区の市民部と保健福祉部、そしてまた、本庁においては市民まちづくり局と保健福祉局のより一層の連携を図っていただいて、安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会の構築に力を尽くしていただくことを強く求めて、終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、現行計画の達成状況とその課題の認識についてから伺いたいと思います。  まず、平成15年に策定した現在の地域福祉社会計画に基づいて、その基本理念である安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会の実現を目指して、これまでの間、福祉のまち推進事業を初めとするさまざまな事業に取り組まれてきたことと思われます。この間の取り組みの進捗状況をどのように評価しているのか、まず初めにお伺いさせていただきたいと思います。  あわせまして、その中で取り組むべき課題をどのように認識されたのかということを伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  現在の計画の達成状況と課題をどのように認識しているのかというご質問でございますが、計画目標ごとに整理してお答えしたいと思います。  まず、一つ目の計画目標であります市民の支え合いによる地域福祉社会の実現についてでございますけれども、これまで地区福祉まち推進センター活動の活性化とボランティアセンターの機能充実に努めてきたところでございます。その結果、見守り・安否確認活動を実施する福祉のまち推進センターは平成15年度の67地区から平成22年度には75地区にふえておりまして、社会福祉協議会ボランティア登録者の数も約2万9,600人から約4万3,900人へとふえております。しかしながら、地域にあるさまざまな組織を結びつけ、地域資源のネットワーク化を進めるという点につきましては、まだまだ不十分であるというふうに認識しております。  次に、二つ目の計画目標であります地域で適切な福祉サービスを利用するための仕組みづくりについてでありますけれども、平成15年度から福祉、保健、介護等に関する相談担当の部署を設けまして区の相談体制の充実を図ってきたところでありますが、その結果、窓口での相談件数は平成15年度の6万3,000件から平成22年度には12万6,000件へとふえております。また、平成20年10月には市社会福祉協議会に高齢者、障がい者に対する各種相談業務と権利擁護業務に一体的に対応する高齢者・障がい者生活あんしん支援センターを設置いたしまして、相談体制の充実については一定程度進められてきているものと考えております。しかし、公的サービスだけでは不足している方や、みずからサービスにつながることが困難な方が地域にはまだ存在すると考えておりまして、また、医療分野での情報提供や関係機関との連携についてはなかなか進んでいない状況にあると考えております。  三つ目の計画目標であります快適な地域福祉社会をはぐくむ環境の創設についてでありますけれども、公共施設や公共交通機関のバリアフリー化に関しましては、例えば地下鉄全駅にエレベーターが設置されるなど、順次、進められております。また、冬期間の除雪対策の一環として実施しております福祉除雪事業の対象世帯数は平成15年度の約3,500世帯から平成22年度には約4,150世帯へと伸びております。しかし、災害時における高齢者などの要援護者避難支援事業は、昨年度にモデル事業を終えまして、これから全市における展開が望まれるという段階であり、また、災害時のボランティア受け入れ体制の整備についても札幌市災害ボランティア設置運営マニュアルを作成した段階にとどまっておりまして、これらが実際に役立つものとしていくためには、訓練などの実施とか研修の実施を進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  今、さまざまな取り組みのお話がございました。また、その中で、今回、目指すべき地域の支援ネットワーク図というものも新たに出てきましたが、実は、この中に警察と交番が入っていないのですね。また、今回、市民アンケートをとった中で、犯罪の起きにくい地域環境を整備することが37.6%という非常に高い数字になっていることもあろうかと思います。  地域の生活の中で、交番のお巡りさんとの連携が非常に大切ではないかというふうに私は感じております。判断能力が低下している人の中には、おれおれ詐欺にだまされてしまう方もいらっしゃいますし、また、徘回して保護される方、物が盗まれたと訴える方もいらっしゃる状況もあります。それから、交通安全の問題について言うと、これまで青信号の時間に横断できた方も、冬になって足元がさらに悪くなると、手押し信号を押したとしても渡り切れない方も中におります。交通にかかわるこういう問題は、地元を通して、再三再四、いろいろな形で警察に要望しておりますが、警察からの回答は大体いつも同じパターンでございます。一つ目は、道に予算がないと言われます。二つ目は、必要性は認識しているが、緊急性はないという言い方をされます。三つ目は、優先順位の高いものからやっているので、いつ設置できるか明言できないと、いつもこう回答されて帰されます。要望書を地域でまとめて持っていったり、300人ぐらいの署名を持っていって、初めて信号ができる、実はそのような状態になっていて、実際に優先順位が何番目かを教えてもらったこともなく、どのくらいの位置にあるものなのかということもわかっていない。議員は、皆さん、そういう問題に直面しているのではないかと思います。地元でも、再三再四、警察に対して訴えていますし、もっと言うと、地域からだけではなくて、区役所を通じて、区役所からもやっています。しかし、それでも達成していない部分もあります。また、昔は歩道の段差をまたげた方が、市営住宅でもそうですが、斜度があるとその高さをまたぎ切れない方がいて、一回、そこに腰かけてから立ち上がる人も中にはいらっしゃるのですね。そういう状況もあって、環境が大分変わってきている状況もあろうかと思っておりますけれども、やはり、そうした面で警察との連携が非常に不足しているように感じます。  そこで、質問ですけれども、今回の計画の中では、警察や交番との連携については残念ながら触れられておりません。こうしたことも含めて、市としては警察、交番との連携をどのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  警察、交番との連携についてでございます。  現在の計画では、交番も地域の社会資源の一つとして盛り込んでおりまして、計画のネットワーク図の中に記載しておりました。しかし、具体的な連携のあり方につきましては現計画では言及しておりませんでした。もちろん、これまでも、町内会を通じまして、地域住民に対する防犯や振り込め詐欺防止といった啓発などについて、警察署や交番とまちづくりセンターが連携を図りながら取り組んできているところでございます。  したがいまして、委員のご指摘のとおり、高齢者の方々が地域の中でこれからますますふえることに伴いまして、地域福祉の観点から警察や交番の役割が非常に重要になってくると考えますことから、その役割や連携のあり方につきまして改めて検討した上でこの計画の中に記載することにしたいと考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  非常に前向きなご答弁をいただいて、大変ありがたいと思います。  警察、交番は確かに道の所管ということもございまして、なかなか調整が難しいことも私はわかっているつもりです。しかし、地域支援ネットワークの中でも警察行政は大変重要な役割を占めてくるところがあろうかと思っております。この点について、ぜひとも調整を図っていただき、また、十分な配慮を今後ともよろしくお願いしたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私からも、何点か質問したいと思います。  まず、地域福祉社会計画をずっと読ませていただきましたが、最初の印象は、この中からは明確な役割分担というものをなかなか読み取ることができませんでした。先ほど部長からもご説明がありましたが、地域福祉社会計画をベースにして、それぞれ高齢者だったり、障がい者だったり、あるいは子どもだったり、個別の計画が出てくるというのは理解しているつもりですけれども、この計画自体、そもそも、幅広い市民の主体的な参加と、事業者、行政などの協働のもとに、地域福祉関連施策の推進、仕組みづくりを通して安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会を実現することを目的とすると載っております。  今までそれぞれの委員からもお話がありましたが、市民の主体的な参加、事業者、行政の協働を非常に大きな位置づけとして掲げていると思うのですけれども、私自身、この中でのそれぞれの役割分担についての認識が深まらなかったものですから、まず、この点について改めて伺いたいというふうに思います。  それからまた、地域福祉、社会福祉ということですから、これは、行政が一定程度の公的な役割、責任というものを全うしていかなければならない分野だというふうに思います。そういう意味では、幅広い市民の主体的な参加、あるいは、事業者との協働がメーンになって出てきていて、先ほどからも町内会であるとか、まちづくりセンターであるとか、こういう議論がされてきたわけですけれども、こういうものと引きかえに公の責任が後退していっているのではないのかなという印象を持つものですから、そこについての考え方、認識について伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  市民・事業者・行政の役割分担について、そして、行政の責任が後退しているのではないかという視点でのご質問だというふうに思います。  今回の計画では、地域住民の方々や新聞配売店などの事業者の方々の役割といたしまして、何よりも、日ごろの地域における見守りや声かけ、あいさつなどを通じて、これらが近所づき合いを深めていくことになると思いますけれども、まず、それをやっていただくことが大事であろうと思います。その上で、もしも自分たちで支え切れないような、支援を必要とする方が見つかった場合には、民生委員や福祉のまち推進センターの活動者の方々につないでいただいて、それらの方々につきましては今度はその情報を公的な機関につないでいただく、そのような役割分担を考えているところでございます。また、これらの活動を実践する地域組織コーディネート役として、今回の計画からまちづくりセンターを明確に位置づけたということでございます。  その上で、行政の責任という部分になりますけれども、これまでも、行政といたしましては、市民の方々の生命、身体、財産を守るためにさまざまな福祉サービス事業などを実施してきておりますが、今後は支援を必要とする方々のニーズの広がりや複雑化に適切に対応する必要があると考えております。そのために、区役所、区の社会福祉協議会地域包括支援センターや障がい者相談支援事業所など、これら地域における公的機関の相談窓口と連携しながら相談の充実に努めていきたいというふうに考えているところでございます。  あわせて、区役所や区社会福祉協議会コーディネーター役となりまして、各種事業者、サービス提供機関や専門機関などと協働しながら、支援を必要とする市民の方一人一人のニーズに合った適切な支援、サービスを提供できるように取り組んでいくことを考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  日ごろの見守り、声かけだと。もちろん、地域での人間関係をつくっていく、コミュニティーをつくっていくことは非常に大事なことで、その間での支え合いはあると思います。そういうことが、やはり、計画策定に当たってというところで、安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会を目指していくのだという考え方については私も全く異論がないところです。  しかし、今のお話にもありましたけれども、公的サービスを受けることができない、つながることができない、困っていることがある人が地域の中にいたら、それはお隣同士、ご近所同士で探してみましょう、ぜひ見つけてくださいと。そして、見つかった場合には、民生委員やさまざまなところに、また、必要であればそこからさらに行政機関につなげていくと。そういうふうに幾重にも役割があって、そこに、コーディネート機能として、今回はまちセンというお話もありましたが、区役所だったり社会福祉協議会などが入っていくというわけですね。まず、ネットワークとしてそういうものがある、つくっていきたいということも理解いたします。  そうすると、地域の中で、例えば高齢者ということにしますと、サービスを受けたいけれども、受けることができない、あるいは、情報がスムーズに入ってこない人がいる。その人を、先ほど来ずっと言っているように、周りの高齢者の方が見るわけですね。そうすると、福祉を必要としている人に対して、一定程度、元気で活発な高齢者、地域住民が出てくるわけですね。超高齢社会になっていって、高齢者の中でも、人の助けを必要としない、自活できる、自立できる高齢者もいれば、そうではない高齢者もいる。そこで、元気な高齢者の方たちには地域で一生懸命仕事をしてもらおうということがまず基本にあるという理解でいいわけですね。そうなると、例えば、老人クラブとか町内会などに依拠しながら、お互いに見守りをしていってくださいと。ボランティアなどをやりながら、そこでもなお足りないところは公的な支援ができるかどうか考えていきましょうということになるのだろうと思うのです。  今回、行財政改革推進プランが第3次新まちづくり計画とあわせて策定されまして、財政が厳しいこと、高齢者がふえていくということがあります。しかし、私どもは、やはり、高齢者がふえることによって、高齢者みずからが経済的な負担もしていきなさい、そして、今回の地域福祉社会計画の中でも元気な高齢者がちょっと元気ではない高齢者をお互いに見ていこうというようなところでは、行政がやらなければならないことを高齢者の中に凝縮して、コーディネートという言葉をお使いになるけれども、そこで回していこうという感じが物すごくするのです。  そういうシステムができていくということであれば、それはいいことなのかもしれないし、そこで生きがいを見つけるようにやっていただけるのだったら、意欲のある方にはやっていただきたいと思います。しかし、行革プランでは、例えば敬老パスだったものが敬老カードになりましたね。利用上限額が設けられて、自己負担がふえていく中で、これはさらに事業費がふえていきますから、またこれを見直していこうということになります。元気で外に出かけていく、老人クラブの活動や町内会の活動、あるいは福まちの活動をやっていらっしゃる方にとって、敬老カードがますます使い勝手の悪いものになっていく、そういう逆の連関がつくられてきているのだろうと思うのです。  地域福祉社会計画ができていって、それが本当にオーソライズされて社会の中に根づいていくことはいいことかもしれません。しかし、行財政改革推進プランで、高齢者の皆さん、パークゴルフ代も上がりますよ、プール代、体育館の利用料も値上げしていきますよ、だけど、地域で頑張って活動してくださいと。これでは高齢者に対して間尺の合わない計画ではないかというふうに私は思うのですけれども、ここら辺についてはいかがお考えになりますか。 ◎渡辺 総務部長  札幌市行財政改革推進プランとのかかわりということでございます。  行財政改革推進プランは、時代に対応した市民自治をより確かなものにする行政運営の実現ということとあわせまして、持続可能な財政構造の確立を目指すことになっております。この観点からは、確かに、高齢者向けの施策につきましても、行政サービスの水準とか受益者負担の見直しを検討しようというふうにされております。ただ、今回の地域福祉社会計画の中で掲げております元気な高齢者の地域活動参加とか、地域サロンを初めとする地域のコミュニティづくりというものは、超高齢化社会の進行に伴い、地域で生活する高齢者の方々がますますふえていくことを想定した中で、新たな支援の形というのでしょうか、支援の考え方として今回の計画の中に盛り込んでいるものでございます。  この考え方は、高齢者の方々にも、本当に支援が必要になるまで、できる限り地域社会に参加していただき、元気でいていただき、その上で地域社会全体の活性化を維持・継続していこうという考え方に立つものでございます。これは、確かに行財政改革推進プランの方向性とは違う部分はありますが、その方向性を踏まえながら別の道筋を提示しているというふうに考えていただければいいのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  行財政改革推進プランの方向性を踏まえながら別の道筋を模索していくと。非常に苦しいというか、難しいというか、果たして両立できるのかと、改めて思いますね。  全体的な計画ですから、どうしても理念先行型になるのだろうというふうには思います。ですから、今、部長がお話しになったようなことも含めて、別の道筋を模索していくと、では、その具体化はどういうところで図られていくのかということが一つあると思うのですね。  アンケートもとりながら、委員会などもやりながらこれを取りまとめてきておりますけれども、なかなか具体的な施策に結びついてこないということがあります。私たち厚生委員会の中で、この間、いろいろな計画について議論してきましたけれども、面的にそれを並べていくと、理念としてはここに行き着くということですね。具体的なものはそれぞれの計画の中で反映されてくるというのはわかりますけれども、では、市民の皆さん、とりわけ、これを支えていくのは高齢者の方が多いわけですが、そうすると、これをパブコメに出し、これが具体化されていく中で、実際に参加される市民の皆さんには、一体どこまでの方に理解を得られるのかというと、私は極めてわかりづらいものになっていると思うのです。  例えば、安心して住み続けられるぬくもりのある地域ということを言っています。それでは、それはどういう地域を想定しているのか、そのためにどういうものが地域の中にそろっていなければならないのか、こういう視点は、私はないと思います。今、高齢者の住宅は非常に重要な課題になっていると思いますし、安心して地域で住み続けることができるという前提にはやはり住居、住環境というものがあるわけですが、そのことについてここで触れられているのかというと、それを読み取ることはなかなか難しいですね。それでは、都市局が出している住宅マスタープランを見なければいけないのか。だったら、この理念についてはこういう個別計画があるから、ぜひそこを見て全体的な意見をくださいと言うのだったらわかるけれども、多分、パブコメはそういう方向にはなっていかないのだろうと思います。そういう意味では、非常にわかりにくいものだというふうに思います。これは、まず指摘をしておきたいと思います。  それから、もう一つ、具体的なことがわからないものとして、この地域福祉社会計画と連携するものに、さっぽろ市民福祉活動計画というものがあるというふうに説明を受けています。これは、社会福祉協議会が来年3月末までに策定する計画だということです。理念計画である地域福祉社会計画に合わせて、行動計画としてのさっぽろ市民福祉活動計画が出てくるわけですね。ところが、私たち議会の中には、社会福祉協議会で議論されている市民福祉活動計画は報告されておりません。今、協議の途上だということではありますが、これが組み合わされて初めて具体的な計画に入っていくのかなと思うのです。  そこで、社協がつくっているこの計画、それから、今、私どもの議会に提案、報告されております地域福祉社会計画、この関係性、それから、今後、議会に対して、あるいは市民に対して、社協でつくっている計画の提示、公表、あるいは、もんでいく作業はどういう形でなされていくのか、その点についてお聞かせください。 ◎渡辺 総務部長  札幌市社会福祉協議会が策定いたしますさっぽろ市民福祉活動計画についてでございます。  この計画は、まさに、地域福祉社会計画の中で社会福祉協議会が果たすべき役割を具体的な活動計画として示すものでございます。したがいまして、策定に際しましては札幌市保健福祉局も参加しておりまして、そうすることによって地域福祉社会計画と歩調を合わせた連携を図ることとしております。また、社会福祉協議会におきましても、策定に当たって市民の方々から意見を聞く機会を設けることとしておりますし、最終的には、さまざまな分野の代表者などで構成されます社会福祉協議会の理事会や評議員会での審議を経た上で計画が決定されることになっているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  歩調を合わせてやっていきたいということで、これから市民の声も聞きながらさまざまな立場の方も入って議論を尽くしていくのだということでありました。  しかし、私は、やはり全体を見ていかないと、これから6年という長い期間を、しかも、ここをベースにしていろいろな個別の計画が立てられているわけです。これは社会福祉協議会の活動計画だということですけれども、肝は、やはり地域の中で、区でもいいですが、区役所あるいは区の社会福祉協議会がどう連携していくのかと。それが地域におりていって、そこに住んでいる地域住民が、高齢者というくくりだけではないと思うのですが、それぞれの立場でお互いにできることをして、そして、支え合いをしていこう、助け合いをしていこうということが貫かれている計画ですよね。私は、そこのところは、もっと丁寧に、市民にもそうですけれども、これは議会に対しても報告すべきだということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。  市民が、地域住民が何かをしたいという思いは確かにあります。市民アンケートをとった中で、地域活動をやっていきたいという方や、これから取り組んでいきたいという声もたくさんありました。一方では、地域活動のリーダーやまとめ役の養成が必要ですという方が3割以上いらっしゃいます。あるいは、活動費などへの助成金の充実が必要であるという方も3割近くいらっしゃいます。また、活動の場をふやしてほしいというような声も出てきています。こういうところを本当に丁寧に探っていかなければいけないと思うのです。コーディネート役に徹して、地域で必要な情報はまず地域で集めてください、そして、そこで得られなかったものについては行政が提供しますという待ちの姿勢では、私はいけないと思うのです。行政に限界はあるかもしれないけれども、そこは、皆さんお一人お一人がきちんと地域の中に入って、自分たちも現状を把握するし、漏れがないように、どういう状況になっているのか、きちんと見ていかなければいけないというふうに思います。具体的な把握がなかなかできないのだということも言われておりますけれども、具体的な把握に努めるための努力は、まず皆さんが行政の立場でしっかりとやらなければならないと思います。そして、私たちは、議会の立場でそれぞれ地域の中でやっていきたいと思います。  善意を束ねるということは非常にいいことだと思います。お互いが支え合っていく環境をつくっていくことはいいと思います。しかし、それを地域福祉社会だということで無理強いすることは、あってはならないことだというふうに思います。また、地域によっては、現状の福まちもそうですけれども、頑張っているところと頑張れていないところが実際にあるのですね。そういう意味では、先ほどのアンケートではありませんけれども、リーダーとかまとめ役の人たちをしっかりとつくっていくことも必要でしょう。先ほど研修というようなお話もありましたが、専門的な知識を持たせていくことも重要だと思います。  そういう意味では、ここの地域に住んでいる人はいい、こちらの地域に住んでいる人はまとめ役がなかなかいないから公的サービスが行き届かなくてごめんなさいねと、そういうようなことがあってはならないことだと思います。そこは、札幌市民としてひとしく必要な福祉サービスを受けられるような状況をつくっていかなければならないというふうに思います。6年間という長い計画ですから、ほかの計画との整合性を持たせながら、立ちどまるところではきちんと立ちどまって、総括をしながら新たな課題の洗い出しをして、それからまた進んでいく、そういうことの繰り返しをやっていただかなければならないというふうに思います。  何より、パブリックコメントに当たっては、市民にとって、とりわけ高齢の方などにわかりやすい意見募集の仕方をぜひ検討していただきたい。このことを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私からも、質問します。
     ここまでは、計画の全体的なところでの質疑がありましたが、先ほど、今回の改定で重点を置く取り組みとして3点挙げられた中の一つである相談機能の充実について、少し詳しく伺いたいと思います。  これまでも、見守り活動の中で支援を必要とする方を発見した際に、その方に必要なサービスを提供できるように、地域での相談役、コーディネートの仕組みをつくっていくのだということが何回か出てきました。そういうことかなと思うのですけれども、今お話があった点と絡むのかもしれませんが、私は、12月16日の北海道新聞で、札幌市社会福祉協議会、在宅福祉サービス協会、福祉事業団の3団体が統合の検討を進めていて、現在、各団体がそれぞれ行っている相談業務のノウハウを共有して相談体制の充実を図るといった記事を目にいたしました。そのときに、これがこれからの相談機能の充実として札幌市が求めている大きな取り組みになるのだと思っていました。そのほかにも、この間のお話では、区役所の機能強化であるとか、コーディネート役としてのまちづくりセンターの位置づけを進めるということも話がありました。  そこで、私は、全体像がなかなか把握できないのですけれども、この3団体の再編・統合による相談業務の充実が一つあるのが大きいと思っていまして、それも含めて、この計画で全体として相談機能をどんなふうに充実させていこうとしているのか、少し具体的にお示しください。 ◎渡辺 総務部長  今回の計画でどのように相談機能を充実させていくこととしているのかというご質問でございます。  大きく三つの事例を想定してそれぞれの機能を充実させていくこととしております。  まず、一つ目に、公的なサービスの範疇に入らない日常的な生活課題に関する相談につきましては、民生委員、児童委員、地区福祉まち推進センター区社会福祉協議会などが主体となって、町内会、自治会の力もおかりしながら問題解決に当たるという体制を整備したいというふうに考えております。また、みずからの力で相談することが困難な方につきましては、町内会レベルでの見守り活動の中で発見し、その情報を民生委員まちづくりセンターに連絡していただき、そこから区役所に通報していただくことで、公的なサービスによる解決も含めまして問題に対処していくことを想定しております。今後は、この道筋を明確にしていきたいというふうに考えております。  次に、二つ目といたしましては、介護保険事業などの公的サービスの対象になると考えられる方につきましては、地域の中にある地域包括支援センターや障がい者相談支援事業所などの専門的な相談機関が相談に対応できるようになっております。しかしながら、市民にはこれらの機関がまだ十分に知られていない状況にありますことから、まずは、地区福祉まち推進センターの活動者の方々や民生委員ボランティア関係者に対しまして、各種会議や研修会などを通じてこれら相談機関の周知を図っていきたいというふうに考えております。  そして、三つ目といたしましては、福祉、保健、医療などに関する詳しい情報を区役所に集積して、その情報を活用しながら適切なサービスにつながるよう、市民にとってわかりやすい、利用しやすい相談体制を区役所内に構築していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  三つの相談の流れについて、今、お話をいただきました。  この間も、相談がすごく大事だということをいろいろな場面でお話ししてきています。今、その流れについてはわかったのですけれども、私としては、これまでもそうですが、総合的な相談窓口の設置みたいなことが大事なのだろうといつも思っていました。今おっしゃったような一つ一つの流れが、うまいぐあいに流れていくことが確実に行われなければならないというふうに思っております。しかし、その先に、例えば、区役所であれば、さまざまな情報の蓄積ということで区役所の機能を充実していこうとしていることはわかりますが、区役所にたくさんの情報があっても、相談に来た方が情報を単純に得るだけではなく、求め過ぎかもしれませんけれども、ぜひ、課題解決に向けたワンストップのような機能がそこにあることがこれからはとても重要なのだろうと思っています。  皆さんの持っている課題が本当に複雑化してきていますので、例えば、そこにたくさんの情報があるからといって相談に行っても、結局、その情報の一つ一つに沿ってあちらの部署とか、こちらの部署とか、この図にありますように、自分でこうした専門機関に行ったり来たりしなければならないと思います。しかし、相談される方はすごく困って相談されますし、それぞれの相談者の状況もありますね。ですから、私は、これから、区役所というところを、情報を集めたりするということで見直していこうということも、今の流れの中で、最終的な、公的な相談というところでは区役所ががっちりやっていくのだということにするのであれば、ぜひ、ワンストップ機能を持った相談窓口の設置といいますか、そうしたところについても今後は検討していただきたいというふうに思っているのですけれども、その点についてはいかがか、伺います。 ◎渡辺 総務部長  ワンストップ機能を持った相談窓口の設置についてでございます。  複数の問題を抱えて区役所に来庁された市民の方に対しまして、1カ所の相談窓口ですべての問題を解決できる、解消できるようにすることはなかなか困難であるというふうに考えております。例えば、高齢者が抱えている問題には、ごみ出しや買い物といった日常生活上の問題を初めといたしまして、保健、医療、介護、年金、あるいはおれおれ詐欺などの消費者問題に関することなど、本当に広範囲かつ多様でございます。これらの問題は、例えば、ごみ出しなどのボランティアが必要だということにつきましては区の社会福祉協議会が対応しており、あるいは、保健や介護については区役所の保健福祉課あるいは地域包括支援センターなどが対応しています。そして、消費者問題については消費者センターなど、それぞれの専門機関が中心となって対応しているところであります。このため、区役所に相談に訪れた方に適切に対応するためには、どこの部署、あるいはどこのセンターに行けば問題が解決し、適切で必要と思われるサービスを受けることができるのかということにつきまして、1カ所の窓口で相談を受けて、その解決の道筋をわかりやすく示すことができる、そのようにしていくことが必要ではないか、そのような窓口が適切ではないかというふうに考えているところでございます。  そこで、今後は、区役所内部に必要な情報の集積化を図りますとともに、横断的な情報の活用を実行するための相談窓口の統合を進めるなど、適切なサービス利用につなげていくことができるように、市民にとりましてわかりやすく利用しやすい区役所組織のあり方について検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  日常生活のごみ出しなどは、おっしゃるとおり、本当に地域の中でお手伝いできる方がされていけばいいと思います。今は、それこそ完全なワンストップということはなかなか難しいというお話でした。それで、区役所のそれぞれの課の統合などの検討を進めていかれるということですので、まずはそういうところから始まるのかなと思いますけれども、私は、将来的にきっとできるのではないかと思っているのは、札幌市の社会福祉協議会が、2009年度のセミナーの中で、千葉県の問題解決型の相談支援機能づくりについて学んでおられたり、また、首都圏の自治体では職員の方がNPOを立ち上げてワンストップ機能の相談窓口を設置するというような、本当に数えたらもっとあると思いますが、全国でもさまざまなチャレンジをされております。そういうことを見まして、札幌市としても、申し上げたように、相談に来て、こことこことここがその後の解決の場所ですということをお示しして、それがそうだなと思ってできる方ばかりではないと思いますから、そこで、その方の状況によってはチームをつくったり、また、寄り添った形での相談に行くときの支援とか、そういったこともあっていいのかと思いますので、私はぜひ検討していただきたいというふうに思っています。  最後に、伺いたいと思います。  先ほどから単身高齢者の方がふえているといったお話もありますが、これも新聞報道ですけれども、最近では、家族と暮らしている高齢者の中にもひどく孤立感を持っておられる方がいらっしゃることが明らかになっているなど、これまで、どちらかというと支援を必要としているとは外から見ているとなかなか思われないような、そうした方のところに課題があることが明らかだと思いますし、そうしたことが、これからの、そして、現代の特徴なのかと思っています。そうした中、地域には対応困難な方がますますふえてくることも想定されますから、区役所の相談機能とあわせて、見守り活動を行っている民生委員や児童委員、またボランティアの方々を含めて、地域で実際に福祉にかかわっている方々が、相談、また支援に関して、力と言うと変ですけれども、そうしたものを向上させることを目指すことも重要ではないかなと考えております。  この間、ケースワーカーとして実践を重ねてきた方々の何人かにお話を伺う機会がありましたが、相談や支援のあり方について、私はケースワーカーの勉強をしたことがなかったものですから、その原則の重要性を知らされました。もちろん、秘密の保持などは当然ですが、受容することとか、相談者の自己決定を促すといったように、相談者との関係性や信頼関係の構築が改めて重要なのだなというふうに思っております。  そこで、福祉にかかわるすべての方を対象として、支援を必要とする方の意思を尊重し、自分で決めていただくということが大事だというふうに思います。自己決定を促すことを大切にすることや、また、コーディネート能力の向上などを目指すことができるような研修などを行いまして、地域の中でも、気軽に、そして安心して相談できる人材を育成していく必要があるというふうに考えますけれども、その点についていかがか、伺います。 ◎渡辺 総務部長  地域の中で気軽に相談できる人材の育成についてでございますけれども、市の社会福祉協議会と区役所では、これまでも、民生委員、児童委員に対しまして経験年数に応じた研修とか、民生委員全員を対象とした研修を実施してきたところでありますが、今後もこの内容を充実しながら続けてまいりたいと考えております。  また、今年度、地区福祉まち推進センター事業補助金の見直しを行いましたけれども、この基本活動費の中に研修事業の実施を盛り込んでおりまして、地域での研修活動に対する支援も行っております。さらに、ボランティア研修センターでは、福祉のまち推進センター活動者ボランティア活動者を対象といたします地域デビューの基礎講座というものを開催しております。この中で、地域活動の仕組みに関する啓発の研修とか、先駆的活動をされている地区活動者の方々を講師にお迎えいたしまして、実践的な研修を実施し、人材の養成を図っているところでございます。  今後も、これらの研修を継続的に実施いたしまして、地域で福祉活動にかかわる人材のすそ野の拡大に努めますとともに、委員からお話のありました活動されている方々の資質向上に寄与するような研修につきましても実施してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  これまでもさまざまに研修されてきたメニューなどを拝見したこともありますし、皆さんは本当に今もすごく一生懸命に取り組みをされていることもよく存じ上げているので、またそれ以上にということは申しわけないような気もします。しかし、これからは、相談し合える関係性が私たち市民の中にあることは、将来的なお互いさまという社会づくりに向けて――本当は、相手を受容するとか尊重するということはすべての市民にとってとても大事なことだと思っております。私は、ボランティアの皆さんということでお話ししましたが、特に市民の生活課題に直面する――私は、こうしたケースワークの七つの原則というものを今回勉強することがありましたが、すべての市職員にとって、本当に大事な観点だというふうに思っていて、ぜひ、福祉にかかわっている職員の方だけではなく、そうしたことをすべての職員の方が学ぶ機会をしっかりとつくっていただきたいと思っていますので、この点を求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆伊与部年男 委員  きょうは発言しないつもりでいましたけれども、今まで5人の委員の方々からさまざまなご質問、指摘がございまして、その中で、私は、だれかが指摘して、だれかがしゃべってくれると期待していたのですけれども、私の期待に沿うような発言がなかったものですから、質問させていただきます。  一つは、今回の厚生委員会に提出されている計画案ですが、これと関連する計画を含めて6項目ありますね。一つ目は、きょう出されました地域福祉社会計画、二つ目は、高齢者保健福祉計画、三つ目は、介護保険事業計画、四つ目は、さっぽろ障がい者プラン、プランの中でも二つの項目がありますからこれは4点目と5点目、そして、六つ目には、さっぽろ医療計画、この六つが厚生委員会に出されているのですよ。  その中で特徴的なものは、高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画です。これが平成24年度から26年度までの3年計画なのですよ。ほかの4項目は、24年度から29年度までの6年計画なのですね。これは、どうしてもわからない。何で高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画が3年間で、あとは6年計画なのか。  これは単純な質問ですけれども、こういう単純なものをしっかりと受けとめて我々は厚生委員として議論を進めないと、なかなかかみ合わないと思うのですね。だから、明確に、単純にお答えしていただきたいと思います。  二つ目は、先ほど渡辺部長が、この計画は、平成24年3月31日までに計画の案並びに素案がなくなり、正式に決定するという説明をしていました。そこで、質問したいのは、平成24年度の予算は、市長査定なり財政の査定は1月に決定してしまうわけでしょう。2月に我々の予算議会が始まるわけですよ。予算議会が始まって、24年度の当初予算が決定してから計画案が正式に決定する。これは、財政でだめですよとやられたら、一部の計画は計画ではなくなってしまうのですね。全部とは言いませんよ。この整合性をどう説明していただくのか。理解したらいいのか。これが二つ目です。  三つ目は、それと同時に、平成29年度までの六つの総体予算がどのくらいあるのか、単年度計画でどのくらいあるのかということも含めて、財政問題をしっかりとつかんでおかないと、計画でぺらぺらとあれをやります、これをやります、地域はこうだ、どうだと言っても、金が伴わなかったら計画は一歩も前進しませんよ。一歩も進まない。だから、そういうことも含めて、我々は素人ですから、しっかりとわかるような説明を願いたいと思います。それが三つ目です。  四つ目は、新まちづくり計画です。この期間は平成23年度から26年度までですよ。この新まちづくり計画の事業費は5,800億円ですね。5,800億円の新まちづくり計画の中で保健福祉局にかかわる事業をやりますと書いてあるのだから。これは23年度から26年度までやるというのだ。それと、今回出されている計画案と、どういう整合性があるのかということをしっかり説明してもらわないと、財政と行政が進める、財政は後からついていく。しかも、財政局がチェックして、これは見直ししてくださいなんて言われたらとんでもないことになるので、むだな議論になりますから、その辺をしっかり説明していただきたいと思います。  再質問はしませんから、わかりやすく説明してください。 ◎渡辺 総務部長  まず、1点目の高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画が3年間の計画というのはなぜかという質問だったかと思います。  実は、介護保険につきましては、国が3年間で介護保険料の積算を行うということもあると思いますけれども、介護保険事業がどのくらいの規模で予算が必要になるかということを踏まえて計画をつくらなければならないこと、そして、その上で高齢者保健福祉計画もそれに乗った計画でございますので、それで3年間になっているとご理解をいただければというふうに思っております。  それから、2点目の平成24年度予算との関係がしっかり説明されていないぞというご指摘というか、ご質問でございます。  今回は、確かに、新しい計画は24年度からスタートするということで策定しておりますけれども、これまでも、福祉のまち推進事業や社会福祉協議会に対するさまざまな補助といいますか、数値でこの計画を進めてきたところでありますが、その予算につきましては、平成24年度予算につきましても確保しておりますので、その予算を使いまして新しい計画を実施していくことになります。ただ、もちろん、新しい項目などにつきましては、今後はまた次の年度にどういうふうに具体的にやっていくかを検討した上で、新しい年度において予算化していきたいというふうに考えているところでございます。  それから、3点目は、平成29年度までに財政的にどのくらいのお金を使うのかということで、お金が伴わないとこの計画はできないだろうというご質問でございます。  地域福祉社会計画は、例えば24年度で実際にどのくらい予算化されていくかといいますと、一般会計で言いますと約20億円ですが、そのうち新規事業分といたしましては約900万円ぐらいでございます。それから、介護保険事業計画の中にも地域福祉社会計画につながる部分がありまして、その中には約13億円が入っているところであります。これが、今後、年を経るごとに29年度までどのくらい膨らんでいくかということは、今後の社会状況の変化によってまた変わってくると思います。ですから、具体的に想定するのは難しいと思いますけれども、このぐらいの規模のお金が毎年必要になってくるといいますか、使われていくということが言えるかと思います。  その上で、4点目は、新まちづくり計画の話も出てまいりまして、その中で地域福祉社会計画がどのくらいお金を使っているのか、どういう整合性を持っているかということでございますが、新まちづくり計画の事業費の中では、地域福祉社会計画につきましては約9億円の予算規模ということで計画の中に盛り込んでおります。 ◎加藤 保健福祉局長  ただいま、予算と計画の関係という大きなお話がございました。私どもでも、この計画を策定するに当たって、財政とも、市長政策室の計画部門とも十分に議論を重ねてまいっているところでございます。また、今は来年度予算の作成中でございますけれども、この計画の柱立てとなっている部分から導き出される具体的な施策につきましては、これから、具体的な事業量や、予算額も含めて、次の予算議会までは皆様方にご説明できるようになっているかと思います。  いずれにいたしましても、来年度予算は、これらの計画をもとにつくりました予算案というふうにご理解いただきたいなと思っているところでございます。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時29分       再 開 午後2時31分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  委員会を再開いたします。  次に、札幌市障がい者プラン(札幌市障がい者保健福祉計画及び第3期札幌市障がい福祉計画)(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎天田 障がい福祉担当部長  それでは、お手元にご用意させていただきました資料3及び4に基づきまして、札幌市障がい者プランにつきましてご説明させていただきたいと思います。  本編資料は134ページと非常に長いものになっておりますので、要約しました資料3に基づきましてご説明をさせていただきます。  まず、計画改定の概要でございます。  私ども障がい福祉担当部におきましては、障害者基本法に基づきまして、福祉、医療、教育、雇用など、障がいのある方々の自立や社会参加のための支援につきまして、その基本的な施策を定める障害者保健福祉計画、もう一つは、障害者自立支援法に基づきまして、ホームヘルプなどの訪問系サービス、就労支援事業などの日中活動系サービス、グループホームなどの居住系サービスなど、障がい福祉サービスに係る提供体制の確保に関しまして、サービスごとの必要な見込み量などについて定めます第2期障がい福祉計画、この二つの計画を策定しております。  このたび、障害者自立支援法に基づきます障がい福祉計画、これは国の指針に基づきまして3年と定められておりますが、この計画の終期が到来しますことから、第3期計画を策定するものでございます。また、これにあわせまして、障害者基本法に基づきます障害者保健福祉計画、これは平成15年から24年度までの計画となっておりますが、この計画を1年前倒しいたしまして、両者を一体的な計画とし、名称をさっぽろ障がい者プランとして、今回、素案を提案させていただくものでございます。  これまでの検討経過といたしましては、市の附属機関であります障がい者施策推進協議会や、障がい当事者、保護者、事業者等で構成します計画策定会議を編成いたしまして議論をさせていただいておりますが、そのほか、市民意見交換会や出前講座などを通じまして幅広くご意見を伺う機会を設けまして、今回の計画素案をまとめたものでございます。  計画期間でございますが、新計画のところをごらんいただきたいと思います。  障がい者保健福祉計画につきましては、24年度から29年度までの6年間、障がい福祉計画につきましては、国の指針で定めております期間が3年となっておりますので、平成24年度から26年度までの3年間といたしまして、3年ごとに見直しを図っていきたいと考えております。  次に、障がい者福祉を取り巻く課題でございますが、その下の2をごらんいただきたいと思います。  まず、1点目といたしまして、ニーズの高度化・多様化でございます。個々の障がいの程度や状況に応じたきめ細かな支援、出生から学齢期、成人に至るまで、ライフステージに応じた切れ目のない支援、また、重度障がいの方に対する支援の充実など、ニーズが非常に多様化しております。2点目といたしましては、障がい者施策の動向でございます。現在、国において進められております障がい者制度改革の動きの中で、本年、障害者虐待防止法の成立に加え、障害者基本法の改正が行われております。さらに、今後、障害者自立支援法にかわる新たな総合的な福祉法が平成25年の夏ごろまでに施行される予定になっておりまして、制度改革の動きが本格化しております。これら一連の法改正などを契機といたしまして、地域生活への移行推進、一般就労への移行推進、地域生活を支えるサービス提供基盤の一層の充実など、関係部局におけるさまざまな取り組みについて、3点目にございます市民自治の推進の観点から地域福祉力も活用しながら全庁的に進めていく必要があると考えております。  次に、障がい者保健福祉計画についてご説明させていただきます。  右上の3の障がい者保健福祉計画の部をごらんいただきたいと思います。  この計画は、市の障がい者施策全般について定めるものでございますことから、さまざまな部局の施策が位置づけられ、全庁的な施策展開を定めるものとなります。まず、基本理念を共生社会の実現とし、基本理念の実現に向けて計画目標を四つに絞って設定しております。一つ目は障がいのある人に対する理解促進、二つ目は施設、病院から地域への移行推進、三つ目はサービス提供基盤の一層の充実、四つ目は地域福祉力の向上としております。さらに、これらの計画目標を、国が定めております障がい者プランと同様に、分野1の理解促進から分野8のスポーツ・文化まで八つの分野に分けまして施策展開を図ることとしております。また、各分野には一つから四つの基本施策を立てまして、その下に関連する重点取り組みを位置づけまして施策の体系を整理することとしております。  なお、各分野ごとの趣旨につきましては、大変恐縮ですが、時間の関係で割愛させていただきます。  次に、障がい福祉計画の部を説明させていただきます。  資料は、次のページをごらんいただきたいと思います。  ここでは、障害者基本法に基づきまして、平成26年度までの障がい福祉サービスに係る数値目標や各サービスの利用人数などの見込み量を国及び北海道が示す策定指針等に基づきまして設定するものでございます。  なお、国の指針につきましては、近日中に示されると聞いておりますので、現段階では指針の案をもとにしまして一たんの数値を設定しております。  まず、目標の一つ目は、施設入所者の地域生活への移行でございます。  これは、施設に入所されている方が地域生活に移行することを目標とするものでございまして、平成17年10月から26年度末まで760人の移行を目指すことといたします。これまでの移行状況につきましては、平成22年9月までに373人の方が地域生活に移行されておられます。また、この数値目標には施設入所者数を450人に縮減するという副次的な目標がございますが、平成22年度末の縮減数は215人となっております。これは、施設入所者の待機者がいるためでございまして、全国的にも同様の傾向にあります。  この数値目標に関する取り組みの方向性でありますが、相談支援体制やサービス提供基盤の一層の充実、重度の障がいのある方に対する支援の充実、住まいの場の確保など、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、目標の二つ目の精神障がい者の地域生活への移行でございます。  現計画におきましては、退院可能な精神障がい者400人の地域生活への移行を目標としておりますが、次期計画におきましては、どのような指標を用いるかなどにつきまして、現在、国において検討中となっております。したがいまして、本計画案にはこの項目を一たん除いておりますが、今後、国の指針等を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。  次に、目標の三つ目の福祉施設から一般就労への移行でございます。  これは、就労支援施設を利用されておられる方が一般就労に移行することを目標とするものでございます。平成26年度の1年間に200人が一般就労へ移行することを目指したいと考えております。平成22年度の実績といたしましては、182人となっております。順調に推移しておりますが、目標を達成することはもちろんのこと、より多くの方が一般就労へ移行できるように取り組みを進めていく必要があると考えております。今後の方向性といたしましては、国の雇用推進施策と連携した就労相談支援体制の充実、就労や職場定着のための支援の充実を図りたいと考えております。  資料の右上のサービス見込み量をごらんいただきたいと思います。  各障がい福祉サービスにつきまして、国で示す策定指針に基づきまして利用人数などの必要な見込み量を定めるものでございますが、先ほどご説明いたしましたとおり、現段階におきましては国の策定指針がまだ示されていない段階でございますので、一たんの集計値として掲示させていただいております。  なお、過去の利用実績につきましては、訪問系サービス、日中活動系サービス、居住系サービスとも年々伸びている状況であり、次期計画におきましても相当程度の伸びを想定し、サービス提供基盤の一層の充実を図りたいと思います。  本編資料につきましては、各サービスごとの実績及び目標値を年度別に掲示してございますので、参考までにごらんいただきたいと思います。  なお、各サービスごとの数値目標とサービス見込み量につきましては、繰り返しになりますが、国からの策定指針が示された段階で改めて整理することといたします。今後、計画の確定段階で補強させていただくことをご了承願いたいと思います。  最後に、資料の左下のスケジュールをごらんいただきたいと思います。  先ほど総務部長から地域福祉社会計画の説明をさせていただいておりますが、この地域福祉社会計画と同様の日程で作業を進めることとしております。年明けにはパブリックコメントを実施し、3月には計画を取りまとめて公表したいと考えております。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、障がい者プランの策定に係る検討経過について伺います。  さっぽろ障がい者プランの策定に当たっては、障がい当事者、ご家族、福祉関係者、有識者など、関係するさまざまな方の意見を踏まえて検討されるべきであるということは本当に言うまでもありません。障害者基本法では、障がい者計画の策定に当たっては障がい者施策推進協議会の意見を聞くこととされていますが、札幌市でも同協議会のほか、地域自立支援協議会、社会福祉審議会などの外部の機関に諮られ、策定作業が進められたと聞いています。さらに、これらの関係機関のほかに、障がい当事者、ご家族、障がい者団体の方、福祉関係者、医療関係者、有識者で構成される障がい福祉施策に係る計画策定会議がこれまで5回にわたり開催され、検討作業が進められてきたと聞いています。また、2010年度には障がいのある方を対象としたアンケート調査が実施されたほか、本年9月までに、市民や障がい者団体の方との意見交換会を5回、地域の関係機関などへの出前講座が13回開催され、さまざまな意見を伺ったと聞いています。  そこで、質問ですが、この間の意見交換会や出前講座では主にどのような意見が寄せられたのか、また、寄せられたご意見が施策にどのように反映されているのか、伺います。  さらに、現計画と今回の計画において、主な施策の変更点はどのようなところにあるのか、あわせて伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  計画の策定に係る検討経過についてでございます。  計画の策定に当たりましては、意見交換会や出前講座などを開催いたしましてさまざまなご意見を伺ってまいりました。多く寄せられた意見としましては、障がいのある方に対する理解促進、公共施設等のバリアフリー化、災害時における避難支援の充実を求める意見のほか、障がいのある方が地域で安心して生活していくことができるよう、グループホーム等の住まいの場を充実してほしいといったサービス提供基盤の整備に関する要望が主なものでございます。いただいた意見につきましては、可能な限り計画に反映させておりますが、反映が難しいものにつきましては、今後の検討課題として整理させていただいております。  なお、意見に対する札幌市の考え方につきましては、市のホームページ上で公表しております。  次に、現計画と新計画との主な変更点についてであります。  計画の基本理念等につきましては、共生社会の実現を掲げるものでございまして、大きな変更はございませんが、現在、国におきましては、障がいのある方の権利擁護や福祉サービスの充実などを基調とした障がい者制度改革の動きが本格化しております。そのような中で、障がいのある方が地域で安心して生活していくことができるよう、地域生活支援や就労支援、住まいの場などの一層の充実が求められております。  これらを踏まえ、新計画におきましては、新たに発達障がい者への支援、障がいのある方への虐待防止に関する取り組み、就労に関する札幌市独自の取り組み、災害時における要援護者避難支援に係る取り組みや、福祉サービスの提供基盤のより一層の充実を図るための施策を盛り込んでおります。また、多様かつ高度化するニーズへの対応といたしましては、公的サービスだけでは必ずしも十分に対応ができない場合もございますことから、市民自治推進の観点から、地域の福祉力を活用し、障がいのある方を地域全体で支え合う体制の充実を図るための施策も盛り込んでおります。 ◆しのだ江里子 委員  障がいに対する理解促進であったり、バリアフリー、災害時における対応、また住まいのことやサービスにかかわることなど、多くのご意見が寄せられたとお聞きしました。また、それに関して可能な限り反映していただいているということで、私も、以前、移動支援についての質問をさせていただき、それが具体的な形になるということを実感しておりますので、これは、本当にできる限りやっていかなければならないと思います。今回の施策の変更点としては、本当に、多様、また高度化する内容に関してのさらなる支援ということになると思います。  次に、計画の重点的な施策の一つであります施設入所者の地域生活への移行に関する取り組みについて伺います。  計画の基本理念である共生社会の実現のため、施設、病院から地域生活への移行促進を計画目標の一つに掲げ、施策展開に当たっては、障がいのある方が自分で住む場所を選び、必要な障がい福祉サービスの支援を選ぶという自己決定、自己選択を尊重し、個々のニーズに対応した支援体制の整備とサービス提供基盤の一層の充実を、行政はもちろん、地域の福祉力も活用しながら推進していくこととされています。これまでの各サービスの利用実績を拝見しますと、居宅介護などの訪問系サービス、就労支援などの日中活動サービス、グループホームなどの居住系サービスとも着実に伸びてはいますが、今後においても、障がいのある方が地域で安心して生活していくことができるよう、サービス基盤を確実に整備していく必要があると考えます。  施設入所者の地域生活への移行に関しては、その実現に向け、数値目標が設定されており、これは、国で示す計画の策定指針に基づき、各自治体の状況を踏まえて策定されるとのことですが、このたびの第3期障がい福祉計画においては、身体障がい者と知的障がい者の施設入所者の地域生活への移行者数として、2005年、平成17年10月から2014年度、平成26年度末までに760人を移行するとされています。  そこで、質問ですが、第2期障がい福祉計画においては、2005年、平成17年10月から今年度、2011年度末までに480人を地域移行することとして数値目標が設定されていますけれども、現段階での進捗状況はどのような形になっているのか、また、施設を退所された方はどのようなお住まいで生活をされているのか、伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  施設入所者の地域生活への移行に係る第2期計画の進捗状況と退所後の住まいの状況についてであります。  まず、進捗状況でありますが、平成17年10月から22年9月までの地域生活への移行者数の実績は373人であります。目標値の480人に対しまして、進捗率は1年半を残して80%まで達しております。第2期計画における数値目標に対する進捗は、おおむね順調に推移しているものと考えております。
     また、施設を退所して地域生活へ移行された方の住まいの状況といたしましては、北海道が実施した調査によりますと、全道平均で約8割の方がグループホーム、ケアホームに移行しております。その他の方は、主に家庭復帰となっております。 ◆しのだ江里子 委員  目標の8割の方が地域生活へ移行しているということです。しかし、今後の3年間で2014年度末の目標を達成するためには、札幌市による積極的な取り組みが大変重要になってくると考えます。また、お住まいも、8割の方たちがグループホームであったりケアホームであったりということで、こういった住宅の整備に関してもさらにやっていかなければならないと思います。  札幌市では、これまでも、パーソナルアシスタンス事業の制度化やグループホームなどの設置促進など、地域生活を支えるサービス提供基盤の充実という観点から地域移行を促進する施策を展開してきたことと思います。今後においては、サービス提供基盤の整備のほか、地域移行される方に寄り添って、それぞれの方のニーズや状況に応じたきめ細かな相談支援体制が構築されることが望まれると思います。  そこで、再々質問ですが、第3期障がい福祉計画においては、施設入所者の地域生活への移行についてどのような取り組みによって実現されていくのか、伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  第3期計画における取り組みについてでございます。  入所施設からの地域移行を推進するためには、入所中から退所後の生活が安定するまで間、地域生活に係る情報提供や福祉サービスの利用援助などを継続して受けられる相談支援の充実と、障がい福祉サービスを初めとするサービス提供基盤の充実という両面から取り組んでいくことが必要と考えております。まず、相談支援の充実につきましては、障害者自立支援法の改正により、入所中から住居確保の相談やサービス事業所への同行支援などを行う地域移行支援、それから、退所後の不安や困りごとに対する相談・連絡体制を確保する地域定着支援が来年4月から創設されます。札幌市におきましても、引き続き、相談支援事業所の増設などの体制整備に取り組み、地域移行に向けたきめ細やかな相談支援を推進したいと考えております。また、サービス提供基盤の充実につきましては、住まいの場である居住サービスの確保はもとより、社会参加や生きがいづくりの場である日中活動サービスの利用促進が重要であることから、グループホーム、ケアホームの整備補助や生活介護事業所への看護師配置補助などを実施しまして、受け入れ体制の整備を図ることとしております。このほか、地域のサービス提供事業所での支援の質を向上させる観点から、個々のニーズに対応した個別支援計画を策定するための研修を実施しておりますが、今後とも引き続き実施することとしたいと考えております。  これらの取り組みを通じまして、入所施設から地域生活への移行者数の目標の達成に努めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  情報提供とかサービス提供基盤の充実を図っていただけるということで、来年4月からは地域移行支援、地域定着支援をしっかりなされるということは本当に安心できることだと思います。  また、身体障がい者と知的障がい者についての目標は数値化されているのですけれども、先ほどもご説明がありましたが、精神障がい者に関する目標は、国の基本指針や北海道の施策方針も未定であり、札幌市における目標も検討中のままであるということでした。ぜひとも、このプランの最終案には数字が盛り込まれることを求めたいと思います。  そしてまた、障がいのある方が地域で安心して生活していくことができるためには、すべての障がいのある方に対する障がい福祉サービスの提供基盤の整備はもちろん、支援の質の向上も求められるところです。また、質の高いサービスが提供されるためには、サービス提供を支える人材の育成や確保が重要となってまいりますので、この点についてもさらなる充実が図られるよう、必要な取り組みをされることを期待して、終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、今回の資料3の4  障がい福祉計画の部の3にある福祉施設から一般就労への移行者数を通しまして、ちょっとお話を伺いたいと思います。  福祉施設から一般就労への移行に関する取り組みにつきましては、現障がい福祉計画においては、計画目標の一つとして福祉施設からの一般就労への移行を掲げ、さまざまな施策が位置づけられているところでございます。障害者自立支援法に規定する就労支援サービスのほか、札幌市独自の取り組みとして、就労相談支援体制の充実、就労の場の拡充など、国の障害者雇用施策とも連携いたしまして施策の展開が図られているところです。  今回、さっぽろ障がい者プランにおいて、福祉施設から一般就労への移行に関する数値目標が出されました。平成26年度の1年間で200人を移行するようにされています。平成22年度の実績として180人を超える方が一般就労に移行したとのことであり、障害者雇用促進法に基づく障がい者の雇用の促進、就業、生活支援の相談事業所や就労移行支援事業所におけるかなり熱心な取り組みが着実に実を結んでいることが推測されます。  しかしながら、道内の経済や雇用情勢というのは、先行きが明るいものとは言えないと思われます。私も、きょう、午前中にジョブカフェなどにも行って話を伺ってきたところですけれども、雇用情勢はかなり厳しい状態で、進学するよりも就職する方が難しいというような話を担当官から聞いたりもしてまいりました。まさに、障がい者の雇用については、そうした不安の一面を否定できないような社会情勢にあるのではないかというふうに思われます。そうすると、200人というこの数値目標を達成するためには、さらに取り組みの充実が求められると思います。  そこで、質問ですけれども、障がいのある方の就労の場を福祉施設での就労から一般就労へ移行させるに当たってどのような支援が必要であると考えるのか、また、障がい者プランにおける福祉施設での就労から一般就労への移行促進のための施策として、どのような仕組みを重点的に推進していくのか、伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  福祉施設での就労から一般就労への移行に関する取り組みについてでありますが、企業等における障がい者雇用への関心や障がいのある方の就労意欲をそれぞれ高めるとともに、職場定着を図るための個別支援を充実させる必要があると考えております。具体的な取り組みといたしまして、本年12月から開始いたしました障がい者元気スキルアップ事業では、就業・生活相談支援事業所、ハローワーク等と連携しまして、障がい者雇用を検討する企業を対象に障がいを理解するためのセミナーを実施しております。これを通じて、就労体験の受け入れ要請なども行っております。また、就労移行支援事業所等を対象としまして、企業側の視点を理解するための就職セミナーを行っております。一方、障がいのある方に対しては、言葉遣いや話し方などを内容とする就職支援セミナーを開催いたしまして、就労に必要な技能や意欲の向上の支援を行っております。また、本年10月から、就業・生活相談支援事業所にジョブサポーターを1名配置いたしまして、障がいのある方と事業主の間に立って就労の場面や通院、服薬といった生活面にも配慮しながら職場定着の支援を進めております。  新計画では、これらの事業を本格化させることによりまして、福祉施設での就労から一般就労への移行者数について現行計画の年間100人からその2倍の200人という高い目標数値を掲げておりますので、この達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  障がい者プランに掲げる200人の一般就労への移行については、ぜひ実現してもらいたいというふうに思っております。また、我が会派もよく言っておりますジョブサポーターの増員です。まさに、アフターケアが非常に大事だろうというふうに思います。職場に定着してもらうことも非常に大事なことでございますので、関係機関とも協議し、また連携していただきながら、少しでも多くの方が一般就労できるよう取り組みを進めていただきたいと思います。  次に、この計画書の中にもあります情報バリアフリーへの配慮について、ここで言うところの3の分野7の情報・コミュニケーションの中にも情報バリアフリー化の推進ということが掲げられておりますが、この中でも、障がいのある方への情報提供の充実として、さまざまな手法や媒体を活用して障がいの特性に応じた配慮を行うこととされているところです。障がい者プランは、今後の障がい者福祉の方向性を定める重要な計画であることはもちろんですけれども、広く市民の方々にも周知されること、そしてまた、障がいのある方にも読みやすいものである必要性があるというふうに思います。  我が会派は、ことし10月の3定の決算特別委員会で、障がいのある方に対する情報提供の充実について質問させていただいたところでありまして、情報のユニバーサルデザインの考え方に基づいて情報提供の充実を図る旨の答弁をいただいたところでした。  そこで、質問ですけれども、障がい者プランの冊子の作成に当たって、視覚障がい、また知的障がいなど、個々の障がいの特性に応じて読みやすくする必要があると考えますが、どのような配慮を行うのか、伺います。  また、今後策定が予定されている他の計画においても同様の配慮が必要というふうに考えますがいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  計画書の作成における情報バリアフリーへの配慮についてであります。  障がい者プランの冊子の作成に当たりましては、まずはわかりやすい表現に努めるとともに、なるべく大き目のゴシック体の文字を使用しまして、漢字には振り仮名を振り、活字情報を音声化するための2次元コード、SPコードと言いますが、これを印刷することとしております。現在の計画の右下の方にございますのがSPコードでございます。その横に二つの切れ込みがあります。これが視覚障がい者にとってわかりやすい位置であること、また、この隣に2次元コードがあることを表示するものでございます。これらの配慮をしていきたいと考えております。また、この障がい者プランのほか、このたび、同時期に改定いたします局内の地域福祉社会計画を初め、今月14日の厚生委員会においてご審議いただきました保健福祉局所管の計画におきましても、その概要版について同様の取り組みを行う予定でございます。  今後におきましては、今年度、支給対象者の範囲を拡大いたしました視覚障がい者用の点字ディスプレーへのデータの取り込みにも対応できるように、計画書をテキストデータ化しまして、ホームページの媒体などから提供することも検討しております。また、他局で所管する計画につきましても、可能な限り情報バリアフリー思想の取り組みがなされるよう働きかけてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  本年8月に改正されました障害者基本法におきましても、情報提供やコミュニケーションの支援について重要な施策と位置づけられているところです。このたび公表されました第3次札幌新まちづくり計画の冊子を見ますと、障がい者施策は30ページあたりに出てくるのですが、障がい特性に配慮した情報バリアフリー化の対応については、正直に言って、必ずしも十分な中身にはなっていないというふうに思います。今後におきましても、保健福祉局のみならず、全庁的な取り組みとして情報バリアフリー化をさらに推進されることを期待して、質問を終わりたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私からも、何点か質問いたします。  きょう配られました資料の23ページになりますが、障がい児・者支援施策の再整理・一元化ということが掲げられております。これまでも、障がい児・者に対する一貫した支援の重要性ということについては議論してきたというふうに思います。とりわけ、児童心療センターが静療院成人部門跡施設に設置され、機能が拡充されていくという中にあって、この施設自体が障がい児・者を切れ目なく支援していく複合的な支援センターという大変大きな役割を担っていくこと、それから、機構再編ということで、これから先、子ども未来局にあったものが保健福祉局に移行してくるということで、今回、障がい者プランの位置づけの中で、平成25年をめどとして保健福祉局に統合して切れ目のない支援の実現を目指していくということが掲げられています。  さまざまな議論をしてきましたけれども、今回、改めて、障がい者プランにこれが盛り込まれているということですから、確認の意味も含めて、今後どういう形でこの実現を目指していくのか、スケジュールあるいは考え方などについて伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  障がい児・者の施策の一元化について、具体的にどのような体制を目指すのかというご質問でございます。  これまでの厚生委員会でもご説明させていただいていることの繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、現在は、保健福祉局と子ども未来局の両局で障がい児を支援する施策を所管しており、両局では現在も協力・連携しながら障がいのある子どもの支援体制の充実に努めておりますけれども、多様化するニーズに対してどちらの局が所管するのかといったところが逆にあいまいになっている部分もございます。このため、平成26年度に向けまして、子ども未来局が所管します児童療育施策を保健福祉局に移管して一元化を図ることで、障がいのあるお子さんの福祉施策の充実に努めていく、これに保健福祉局が責任を持って当たるようにしたいと考えております。また、お子さんが成長した後の生活支援や就労支援施策等については現在も保健福祉局で所管しておりますので、そういった意味からも、切れ目のない一元的な施策の展開を検討できる体制になるものと考えております。  また、静療院成人部門の跡施設を活用した施策といたしまして、医療、教育、福祉の連携の支援体制ということを考えておりますが、現在進めております施設整備計画でもこのような考え方で進めているところでございます。具体的には、その施設が担う機能として検討を進めておりますのは、静療院児童部門と発達医療センターが持つ専門的な知識や経験を教育機関や福祉機関にも広めるために、これらの専門スタッフに研修を行うこと、将来的にはこのセンターが中心となりまして、市内の障がい児の療育機関が連携協力し合えるようなネットワークづくりを目指す必要があると考えております。このような観点からの充実を進めたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  最後の方でお話がありました医療、福祉、教育との連携ということ、ここが非常に重要なところなのかなというふうに思っています。  子ども未来局から保健福祉局に移行してくる。しかし、教育委員会との関係で、療育と教育というところでの連携がまだまだ足りないということはあると思います。実際に、今回のプランの中にも、特別支援教育の充実というところで早期教育・早期療育というようなこともあります。とりわけ、国の方の法律でも今回から発達障がいが盛り込まれる、対象になるということもありますので、発達障がいという観点からも大変重要だろうというふうに思います。今後とも、教育委員会、それから、移行してくるまではまだ子ども未来局の所管があります。そういう意味では、どちらの局が所管するのかあいまいになっている部分もあったという反省もあるわけですから、ぜひ、そこのところをしっかりと教訓化して、一元化、切れ目のない支援体制を確立していくというところでは、スムーズに移行できるような取り組みをなお一層進めていただきたいなと思っております。  そこで、障がい児を対象にした施設のことですけれども、今回の法改正の中で、基本的には自立支援法で行きますということがありながらも、児と者をしっかりと分けて施設の中での処遇の問題を考えていくということで、児童福祉法に規定されたものがあります。児童発達支援という観点になるのでしょうか。例えば、児童デイサービス、知的障がい児、肢体不自由児などの通園については、児童発達支援のところに回って児童福祉法を適用していくということになるのでしょうか。  また、入所施設についてはまたちょっと違うというようなことで、これは、国の方でも方向性を一たん出したけれども、まだ具体化されていないということもあって、とりわけ、障がい児は、今申し上げたように教育とのかかわりが非常に大事な中で、今回、また新たな整備というふうになっていきますので、児童発達支援には児童福祉施設として定義をされている児童発達支援センターとそれ以外の児童発達支援事業という二つの類型があるという国の方向性になっています。とりわけ、札幌市で言えば児童発達支援センターは、国の動向ということがもちろんおありだと思うのですが、今後どういう形で展開していくのか。現場ではこれがなかなか難しいというか、先が見えないというような話も聞いていますので、そこら辺はどういうふうに対応していくのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  このたびの児童施設事業の一元化につきましては、基本的な考え方といたしまして、障がい施策を一元的に一つの法律で運用していくのか、提供していくのか、一方では、障がい児である前に子どもであるはずだ、子どもとしての児童支援施策が必ずしも十分に提供されていないのではないか、この二つのご議論があった上で、後者を選択したというのが私どもの理解でございます。  その中で、今回、来年4月から大きな事業体系の見直しがございまして、今、委員ご指摘のとおり、通園系につきましては障がい児通所支援として市町村が実施責任を負う、さらに、児童の施設につきましては養護事情が非常に強いものがあるということで、この支援に当たってはより専門性が高いことから引き続き都道府県、指定都市が担うという形の整理がされております。この中で、通園施設につきましては、現在の自立支援法の児童デイサービス、これは札幌市内100カ所を超える事業所になりますが、一つ一つは非常に小さな事業体になります。もう一つは、市内にございます肢体不自由児通園施設、知的障がい児通園施設、これらの施設についてはやはり一定程度の基準を満たす施設として運用されております。そういった面では、職種の多様化、専門性が非常に高いということでございますので、これを一本で行くのかということになりますと、これは、必ずしも来年4月から直ちに一元化できるということにはならないというふうに思います。  そういった面では、現在のそれぞれの事業所が来年4月以降も安心して事業を運営できるように、そういった観点から、基本的には現行の基準をそのまま新しい基準に乗せかえるといいますか、移行するような基準の設定になるというふうに聞いております。しかしながら、現時点で、基準の案につきましては示されておりますが、我々としてこれが見えない部分があります。もう一つは、事業者報酬がまだ示されておりません。こういった中で、私ども札幌市も、事業者も、先の見通しをなかなか立てづらいというのが現状でございます。そういったことから、現時点では、障がい児通園施設を含めて、札幌市内に公私両方の施設がございますので、その施設及び相談支援事業所ともいろいろと情報交換、意見交換をしながら、今後の実施体制をどうしていくかを検討している段階でございます。  なお、児童発達支援センターには、その機能といたしまして、職種の専門性が高いものがありますので、その機能を地域支援として保育所等訪問支援、いわゆる保育所や幼稚園などに支援の幅を広げる、それから、相談支援について障がい児に対しても適用していく、このような役割が定められております。ただ、これも、来年4月には法律として施行されますが、3年間の経過措置がございます。そういった面では、平成27年3月までは経過措置が適用されますので、27年度からの実施に向けて準備を進めていきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  経過措置もあって、2015年度までにというお話もありましたが、要するに、現行は変わらないけれども、よって立つ法律が変わるので、名称とか、また、新たな機能をつけたり、細分化していったりというようなことになっていくのですね。  事業者に対する報酬等も決まっていないということで、現場は本当にどうなるのだろうと思っていらっしゃいますね。先ほど部長もお話ししていました児童デイサービスは、今、120カ所ぐらいありますし、1回目に質問しましたが、児から者への切れ目ない支援、医療、福祉、教育の連携というところで、児童デイの事業者というのは本当に苦労されていらっしゃるというのは実態としてあると思います。  また、それが児童福祉法にのっとって児童発達支援センターに変わっていくと。児童デイもあれば、通所、入所もあって、そこでまた変わっていく。それから、医療機関のある、なしによってもまた振り分けられていく。さらには、今おっしゃったように、保育所の訪問支援とか放課後デイサービスということで、いろいろな方向がまだ見えない中で、しかし、選択していかなければいけないというところでいくと、しっかりと行政としてフォローしていっていただきたい、支援をしていっていただきたいというふうに思います。3年間の経過措置がありつつも、市の所管が子ども未来局から保健福祉局に移行していく中で、またさらにこういう問題が起きていくわけですから、そこら辺は、不安を抱えていらっしゃる事業者はもちろんそうですし、通わせている親御さんも今は本当に不安の中にいらっしゃると思いますので、そこの手当てをしっかりやっていただきたいと思っています。  今、例えば、療育の相談とか判定というのは児童相談所で行っていて、これがまた、発達医療センターが今の児相の建物から移行してくることによって、では、療育の窓口はどうなるのかと。相談は発達医療センターということになるのでしょうけれども、療育手帳を発行するとか、判定をしていくようなことについては児相でまたやっていくのか、そこら辺もまたいろいろと難しいものがあるだろうというふうに思うのです。  知的障がいの方は、療育手帳をずっとお持ちになっていくわけだから、基本的には18歳を過ぎても療育手帳を持つことになるわけですね。そうなると、必要なサービス量を決定したりとか、いろいろな申請について、区の窓口に行くのか、児相にまた行くのかと。相談所のまあちも静療院跡施設に来るというふうに今なっていますけれども、そこら辺も、保健福祉局に統合されていく、しかし、では、機能は児相のままなのか、区の相談が担うのかと。では、その後の人の手当てはどうなるのかなど、いろいろと副次的な問題などもついてくるというふうに思うのです。  そこら辺も含めて、今回、障がい児・者支援施策の再整理・一元化という端的な文章になっておりますが、そういうことも含めて将来像を描いているのだろうと思うのですけれども、そこら辺について、いま一度、お考えを伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  知的障がいに係る療育手帳につきましては、交付事務は現在も児・者を問わず区の保健福祉課が担っております。ただし、判定につきましては、それぞれの分野で、児童については児童相談所、18歳以上については知的障害者福祉法に基づく更生相談所である知的障害者更生相談所、いわゆる札幌市のまあちですが、このように判定機関が二つに分かれているという現状にございます。そういったことから、一たんは手帳の相談について各区で受けた上で、現在もそれぞれの年齢によりましてそれぞれの判定機関に判定依頼を送りまして判定をし、その結果をもとにして交付するという形になっております。基本的には、この手続の流れは変わりません。  ただ一方、児童の入所施設については、先ほどご説明いたしましたように、私どもとして施策の一元化を図りたいと考えておりますが、児童福祉法の中で都道府県、指定都市、指定都市は大都市特例になりますけれども、その権能は残り、それは児童相談所が行うという前提の仕組みになっています。これは、結果として残さざるを得ない。  それから、通園施設につきましては、現在、児童相談所が措置または利用の決定をしておりますが、利用の決定については来年4月から区の保健福祉課に移管するという方向で、今、準備作業を進めております。この利用に当たりましては受給者証を発行する手続がどうしてもあるものですから、これは避けて通れないと。逆に言いますと、ここで、また一つ、また裂きになるというのが我々として非常に悩ましいところです。  そこで、今考えておりますのは、すべての相談を一元的に1カ所で行うことが果たしてできるかどうかということになりますと、ここは難しいというふうに思いますので、やっぱり、児童相談所が専門的な判定機能、相談機能を当然に維持することになりますので、できるだけ身近な地域である区単位でのご相談ができる上で、さらに専門的な相談、場合によっては虐待対応を含めた高度な支援を必要とする世帯については、児童相談所の力をかりながら、役割分担をしながら支援していく、こういう体制になっていくのだろうなというふうに思います。  今の段階ではまだ構想ということになりますが、基本的にはそのような形で、やっぱり区への相談窓口をできるだけ一元化していくことが必要だろうと思います。 ◆坂本恭子 委員  おっしゃるとおりで、一元化と簡単に言うけれども、法律にのっとったり、いろいろとやっていくと、できないという行政の限界があるのだと思うのです。今、区の窓口の方で何とか対応していきたいということがありました。ぜひ、そういう方向でしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。本当に、国のあれやこれやで決まらずに、現場が非常に混乱するということ、また、実際に障がいを持ったお子さん、その親御さん、家族というふうになると、もっともっと不安というものが強まっていきますので、まずは行政の側でしっかりと対応していっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、あと1点だけ、確認といいますか、改めてお聞きしたいのですが、先ほどもちょっと出ておりました精神障がい者の部分です。  先ほど、具体的な数値目標などは、国の指針が出ていないのでまだ掲載できないということでしたけれども、地域移行であるとか、雇用、就労の問題、それから相談体制というようなところも、ほかの障がい者よりもきめ細かく対応していかなければならないというふうに思います。今回、発達障がい者も盛り込まれてきましたけれども、精神障がいについて、そもそも3障がい一元化という発想自体、本当にごく最近出てきたというか、法的にも位置づけられたような中で、例えば、障がい者の交通費助成についても、札幌市でも、一応、3障がいという位置づけにはなりましたけれども、精神障がいを持った方が就労につながるような、社会参加につながるようなものにはまだまだなっていないというふうに思いますので、交通費助成の見直しもまた改めて考えていただきたいというふうに思います。とりわけ、JRなどの福祉運賃割引制度についても精神障がいは除外されているということもあって、こういうことについても、より一層、国に対して要望していっていただきたいというふうに思っています。  今、本当に、地域移行するということで、先ほど病院からどこにというお話もありましたけれども、例えば、精神障がいの方が家を借りたいと言っても、管理会社のところで入居を拒まれる、あるいは、大家さんのところまでいくと既往歴を全部明らかにしないと入居させられないというようなことがあって、民間の共同住宅に入れないという事例なども随分聞いています。病院から出ても、実際には病院の近くのグループホームで暮らさざるを得ない、そして、就労などということはとてもかなわない、そういう状況があります。  一方で、今、医療相談、救急相談体制なども充実してきていますね。そういう中で、本当に、基本理念の中にも、障がいのある、なしにかかわらず、すべての人が共生していける社会の実現という言葉がありましたが、3障がいの中でも精神障がいというところにしっかりと光を当てていかなければならないというふうに思っています。無理解だとか、いろいろなものがあると思うのですけれども、そこを乗り越えて行政が主導的に対応していかなければいけないというふうに思うものですから、改めて、精神障がい者にかかわって、これからどういう取り組みをしていくのかということを伺わせていただきたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  精神障がい者の支援について、今後どう取り組んでいくのかというご質問かと思います。  障害者保健福祉計画、現計画を策定したのは平成15年でございます。さらに、障がい者福祉計画を策定いたしましたのは障害者自立支援法がスタートしました平成18年です。平成15年、18年、それから平成23年と考えますと、精神障がいの方に係る地域での支援体制というのはこの10年間で非常に変わってきたというふうに思います。その一つが、今の障害者保健福祉計画の中に位置づけしまして、施設から地域へという軸の中で、精神障がいの方についても在宅支援を強めていこうというふうにしたものでございます。さらに、自立支援法がスタートしてすべてのサービスについて拡大しておりますけれども、やはり、その多くは精神障がいの方に係る利用がふえていることも実態でございまして、これは非常に喜ばしいことというふうに考えています。  しかしながら、制度を一元化しても、これが障がいの状況に応じてすべて一律になっているかといったら、そうではないというふうに思います。そういった面では、制度は一元化したとしても、支援は個々の状況に応じてということについては今後とも変わらないものだと思います。  一つは、大家さんの理解がなかなか得られないというお話がございます。これは、全国的な傾向としては確かにそのとおりで、そういった面では札幌市もこれからさらに市民理解を深めていくための取り組みをしなければならないと思います。今、居住サポート事業というものですべての委託相談支援事業所で住宅の入居に係る支援をしておりますが、これについては今後とも充実をしていきたいと思います。  もう一つは、本題の交通費助成制度についてですけれども、これにつきましては、約2年間かけてご議論をいただきまして、昨年4月に新しい制度に移行いたしましたが、基本的には3障がい共通のサービスにしていきたいということから、拡充したというふうに考えております。  一方で、民間事業者、交通事業者、市営交通も含まれますが、精神障がい者に係る運賃割引がまだ適用されていないということも現実でございます。これにつきましては、北海道とも連携しまして、バス協会に足を運びまして要望活動もしておりますし、国の課長会議等を通じて、拡大に向けた取り組みを要望してございます。特に、標準運送約款を早く改定してほしいというのが精神障がいの当事者団体からの要望でもございますので、これについては、今後とも、機会をとらえまして運賃割引の実現に向けた要望の一環として取り組みをしていきたいというふうに考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  私からも、質問します。  この間の障害者基本法の改正や今後の総合福祉法の方向性などを見たときに、今回のプランは、札幌市の取り組みがきっと充実していくのだろうというふうに当事者、また支援者の方が大変関心を持っておられることかなと思っています。先ほど来、質疑がありまして、精神障がいのある方の地域移行についてとコミュニケーション支援について、答弁の中でわかった部分もありますので、それぞれ一つずつ確認のような形で質問したいと思います。  精神障がいのある方の地域移行ということで、先ほどから障がいのある方の地域移行の話もあって、今、精神障がいの方のお話も出ました。現在の計画においても、基本理念の中で、これまでなかなか支援が行き届かなかった精神障がい者に対するサービスの充実を図るとされておりまして、今お話があったように、この間、取り組んできておられるというふうに思います。その中でも、脱施設ということで、そちらは進みが感じられるかなと思うのですけれども、特に社会的入院と言われる状況にある方々については、国が2002年に資料を出していますが、そのときは全国にはおよそ7万2,000人の方がいらっしゃるということでした。その後、10年でそれを解消していくのだという方向性でしたけれども、私たちは実感としてそれが大きく進んでいるようには感じられないところです。  そしてまた、社会的入院ということではありませんけれども、北海道の中でも、在院者の関係の資料を見ますと、2008年には1万9,000人余りの方が入院されているという状況があって、資料の中でも高齢化が見る見る進んでいるという現状があるのもわかります。一朝一夕というか、時間をかけつつというか、なかなかそう簡単に取り組みが進むものではないというふうには感じておりますけれども、私は、やはり、一人でも多くの方が必要な支援を受けながら地域で自分らしく生活していただくのが本来であろうというふうに思います。  そこで、繰り返しになりますが、今、このプランの中では検討中となっている項目かと思いますけれども、確認の意味から、この点について1点だけ質問させていただきます。  現計画においては、精神科病院入院患者の方の地域生活への移行が立ちおくれているという課題認識のもとで取り組みを進めてきておられると思います。数字はこれからということですが、その現状と検証についてはできると思いますので、そのことについてお尋ねしたい。  そして、それをもとに、本市として、もちろん国の方向性は大きいとは思いますが、どのように進めていこうと考えているのか、現段階でのお考えを伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  精神障がい者の地域生活への移行支援の取り組みについてでございます。  これは、現在の第2期障がい福祉計画の中の重点事項として数値目標も掲げているものでございます。この事業の特徴としましては、地域移行推進員が、入院中における退院の準備段階から退院までの一定期間、支援をする、さらに、地域の関係機関との連携につなげていくためのコーディネーター、そして関係機関との連携会議、この三つの柱立てで進めてきております。この中で、実績といたしましては現在まで実人員41名の方に対して支援を実施、継続しております。  事業開始当時につきましては、これは行政としての取り組みでありますが、従前から精神科病院でも個別に支援を行っている経過がございましたので、各医療機関の取り組みとの整合性が必要ということもございまして、当初は事業展開が非常に難しい状況にございました。その後、病院と地域の関係づくりを重ねていく作業をしてまいりまして、また、支援としては外出・外泊時の食事や買い物支援、役所での手続などを生活体験という形で実施しておりますし、障がい特性に応じて当事者の個々のペースに合わせて支援を進める、実はこういった事業の特徴を持ってございます。これらが徐々に理解されてきまして、この事業を利用していただく病院が徐々にふえてきております。実質的には平成21年度から個別の支援を開始しておりまして、その当時は五つの病院から推薦がございましたが、現在では14の医療機関と、市内には病床のある精神科病院が37ありますので、かなりの医療機関にご理解をいただいてきたのかというふうに思います。  また、長期間の入院によりまして生活能力が低下していくことから結果的に退院が難しいというふうにこれまで考えられてきましたけれども、この事業の支援を通じまして、実際に退院して地域で生活をしているという実例を目にすることによりまして、病院職員の方々の意識もだんだんと変化してきていると思っております。また、現在では、病院から支援対象者の継続的な推薦もいただいておりますので、以前と比べますと連携、連絡がかなりとれてきており、徐々にではありますけれども、本事業の効果については見えてきているというふうに思っております。  次に、今後の展開でございます。  これは北海道の在院患者調査から拾われた数字でございますけれども、現在、400人の方が退院可能精神障がい者とされ、先ほどのご説明とも重複しますが、事業開始以降、精神科病院を初めとする関係機関との連携を重点的に行いまして支援システムを構築してきました。さらに、来年4月からは、障害者自立支援法の改正によりまして相談支援が強化され、その中に地域移行支援、地域定着支援が位置づけられ、個別計画化されることになっておりますので、そういった面では、支援体制については大きな枠組みの変更が予定されております。  現在の計画では、冒頭のご説明のとおり、精神障がい者の地域移行に関する事項につきましては検討中とさせていただいておりますが、今後に見込まれます地域移行の対象者、退院希望者の増加に対応するためには、やはり地域の受け皿づくりが必要であります。そのために、中核となります地域体制整備コーディネーター、もう一つはピアサポーター、これは精神障がい当事者の方が実体験をもとにその他の精神障がいの方に対していろいろなアドバイスをするものになりますが、こういった人材養成などを行ってまいりましたけれども、札幌市が行ってきましたこれらの事業体制を継続して支援していく必要があるのではないかと考えております。今後におきましても、退院可能な精神障がいの方が一人でも多く地域での生活に移行できるように、そういった生活を実現できるように、相談支援などのサービス提供基盤を充実させていく形で取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  以前、同じようなお話をお伺いしたことがあったなと思っております。そのころは、病院の関係者のご協力、ご理解がなかなか難しいのだということがあったというふうに思います。そんな中、病院職員の意識の変化もあるのだということで、これから国がどんな方向性を出してくるのかということによるかと思いますけれども、今、しっかりとおっしゃっていただきましたように、また、今の計画でも札幌市が地域で の受け皿をきちんとつくっていこうということが図になってあらわれております。さらに、各区の地域自立支援協議会などにも精神障がいの方々を身近な地域で支えるという方々も加わっておられると聞いていますので、そうした方々の声もいただきながら、ぜひしっかりと受けとめていただきたいと思います。精神障がい当事者の方に地域に出ていくことに対しての大きな不安があるということが難しい点の一つでもあるといつも伺っていますので、地域で暮らすことが本当に安心だと思えるような取り組みを、しっかりと決意を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。  それから、もう1点だけですが、コミュニケーションの支援についてです。  今月、改正障害者基本法のわかりやすい版というものが出ていますが、恐らく、当事者の方々に本当にわかりやすく書いてあるので、皆さんは関心を持って見ておられるのだというふうに思います。これは、国の障がい者制度改革推進会議の方で一人でも多くの方に見ていただきたいという思いでつくったと思いますが、このわかりやすい版の冒頭にも情報バリアフリーや情報支援の大切さが明記されたページがあります。  札幌市においても、コミュニケーションの支援については、これまで、1974年からは手話通訳者の派遣事業であるとか、86年には要約筆記の奉仕員の派遣事業、そして、2002年には盲ろう者通訳・介助員派遣事業などを既に展開しているというふうに伺っております。コミュニケーション支援は、どなたが考えても大変重要な施策であると考えておりますので、一層の支援の充実を図るべきだというふうに思っています。  一方、この間も障害者基本法をいろいろと見てきましたけれども、衆議院と参議院の附帯決議が8項目ぐらいあると思いますが、その中に情報やコミュニケーション支援について三つぐらい盛り込まれているということもあって、私は、本当にこのことを大きくとらえているのだと思っています。そして、そこでは、情報コミュニケーションに関する制度について検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずることが必要だということが明記されていまして、そちらの検討ももちろん急がれるというふうに思っています。今後、こうした法改正や今回の計画の改定などを契機として、札幌市として、これまで以上にその支援体制の整備、人材の育成や研修体制の充実にも取り組んでいくことが求められていると思うのです。これまでも、長い間、当事者団体の方、また支援者の方々が、本当に障がいのある方の地域生活、社会参加を保障するための運動をずっと展開されてきましたし、また、今後もコミュニケーション支援に関する運動の拡大を目指しているというふうにも聞いております。ぜひ、市としても、また、多くの市民がそれを支援していくことが大変重要だと思っています。  コミュニケーション支援の関係では、先ほど丸山委員からもお話がありましたので、重なるところは避けたいと思いますが、今申し上げた国の方の動きです。私は、今回の改正法は本当に大事だと受けとめているのですけれども、先ほど申し上げましたような附帯決議などもありますので、その具体的な施策の展開に向けた新たな法律や制度づくりなどが大変重要だというふうに思っています。そこで、国に対して、今後、この部分については札幌市としても積極的に働きかけるべきだと思うのですけれども、その点について伺いたいと思います。  そしてまた、当然、国に働きかけることは大事ですが、私は、市として今すぐできることをぜひ探していただいて実施すべきであるとも考えています。財政的、財源的な裏づけが必要なことはもちろん承知しておりますけれども、コミュニケーションのところは何としても大事にしていきたいと思っています。例えを一つ出すと、コミュニケーションの困難な方に対する支援として、市が主催している集会や講演会など、保健福祉局に限らず、広く積極的に手話通訳者や要約筆記の奉仕員を派遣したりするなど、ぜひ、コミュニケーション手段を確保するためにさまざまな方向性を持って取り組むべきではないかと思います。  そこで、今後、保健福祉局はもとより、ほかの部局も――例えば、消防局の方とお話をしたときに、大阪の消防局では手話サークルみたいなものをつくって、そこで勉強しているというお話を伺ったことがあります。でも、札幌市に伺ったときに、それもそうかなと思わされたのですが、急な場で手話でどこまでできるかというと、かえって危ないとも言われたのです。しかし、別に現場だけではないですね。そういうことを求めたことがあったのですけれども、そうしたことも、少しずつ始めましょうということにはならない状況がありました。多分、そちらだけではないと思いますが、そういうことがあります。  そうしたこともあって、保健福祉局はもちろん、ほかの部局が主催する集会や講演会などにおいても、恐らくほかの手段もあるのだと思いますが、積極的に手話通訳者や要約筆記の方を派遣するなどコミュニケーションの確保が困難な方に対する支援がますます必要だと思いますけれども、保健福祉局として今後はどんなふうに取り組んでいくのか、その考え方について伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  まず、コミュニケーション支援体制の整備に係る新計画への反映についてというご質問であろうかと思いますが、違いますか。 ○飯島弘之 委員長  国に対する働きかけをどのように行っていくのかということです。 ◎天田 障がい福祉担当部長  (続)まず、コミュニケーション支援の充実に向けましては、これは、個別給付ではなくて、いわゆる地域生活支援事業という裁量的経費の中で運営されていることもありまして、全国的には伸ばしたくてもなかなか伸ばせない分野であります。しかし、札幌市としては、手話通訳の派遣等については全国でも高い評価をいただいておりますし、それから、視聴覚障がい者情報センターも全国に数カ所しかないのですが、これも設置いたしまして、視覚障がい者に係る支援なども行っております。当然そういった充実は図っていくことになりますが、国における動きとしましては、障害者基本法の中で、今回、手話が言語として位置づけられまして、これは非常に大きな展開であろうと思います。さらに、当事者団体としましては、手話言語法の制定に向けた取り組みを国に働きかけているというふうに聞いております。  こういった展開につきましては、折しも、国レベルで障がいのある方の権利性を高める方向での法制度の見直しが検討されている状況でもございますので、札幌市としましては、国の議論の動向を踏まえて対応を検討していくことになるのかなと思います。あわせて、予算措置についても十分行うように要望しておりますが、引き続き、それについても要望していきたいと思います。  それから、2点目は、他の部局が主催する講演会等への手話通訳の派遣を保健福祉局としてどう考えるかというご質問であったかと思います。  現在、私どもでは、公的な研修会や講演会がございます際は、障がい者個人からの申し込みもございますけれども、庁内の他部局が実施するものは、部局から依頼がございましたら手話通訳等については派遣しております。やはり、コミュニケーションの確保が困難な方の情報保障という観点から、聴覚障がいのある方には、特に一つの例として手話通訳になると思いますが、そうした手話通訳、または要約筆記などの派遣につきましては可能な限り対応していきたいと考えておりますし、今後とも庁内の各部局に派遣制度を有効に活用してもらえますよう働きかけをしていきたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  国が法律などを整えることについては、もちろん、当事者の方や私たち市民もあわせて力強く求めていきたいと思っています。国に求めると言うと、いつごろ実現するのかなということがありますけれども、改正法の流れがずっとありますね。これは平成23年度内に、あれは24年度内に決めていくという流れもありますので、そこをにらみながら、ぜひ強力に国に声を届けていただきたいと思っています。  それから、今後の他部局への働きかけについては、今でも依頼があればそういったことはしているということではありました。もちろん、当たり前ですが、私は、特に防災や医療など、命にかかわるようなことについては、何としても確実に情報の共有を急ぐべきだし、完全に、完璧にやっていくべきだろうと思っています。  コミュニケーションについては、この間、障がいのある人の権利に関する条約などの中では具体的に定義されていたり、諸外国では例えば手話についても法律できちんと決められていることがわかりました。今回の改正法はやっと手話が言語として認知されたという段階であって、繰り返しになりますが、本当に取り組みを確実にするための法律や制度の成立を急がなければなりませんし、同時に、本市としても積極的に取り組むことを求めたいというふうに思います。  そして、私は、本来であれば、コミュニケーションの確保が困難な人が参加しているとか、していないにかかわらず、行政が主催するものについては、さまざまな情報共有の手段が確保できていることが当たり前だろうと思っています。日本の中ではこれまでそういったことがどんどん後回しになってきたので、今、たまりにたまって、たくさんのことをやらなければならないと思います。本当に、この人がいるからつけなければならないということではなくて、どこにでも、どんな人でも、いらっしゃるのが当り前な社会にしていくことが大事だと思います。もちろん一遍には進まないと思いますが、ぜひ、その言葉どおりでなくていいですけれども、そういったことを目指す考えを持って、このプランの中にもそうした方向性を持ち、その考え方をしっかりと位置づけて取り組んでいただくことを求めて、私の質問を終わります。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。
     以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時56分...