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  1. 札幌市議会 2011-12-12
    平成23年(常任)厚生委員会−12月12日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成23年(常任)厚生委員会−12月12日-記録平成23年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成23年12月12日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時1分 ○飯島弘之 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、陳情第16号 乳幼児健診について集団健診の維持と充実を求める陳情及び陳情第18号 乳幼児健診を民間委託せず、現状の集団健診を維持することを求める陳情の2件を一括議題といたします。  陳情2件は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時2分       再 開 午後1時12分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  委員会を再開いたします。  陳情2件を一括して質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  陳情者の皆さん、本当にご苦労さまでございました。  このたびの乳幼児健診の委託化問題については、私にも、地元南区の保育園の先生方から、また、多くの関係の皆さん方から反対の意見が寄せられておりました。これまで、札幌市が、子どもが健やかに伸び育っていく環境を目指していろいろと整備事業をしてきたことについては、私も一定の評価をしたいと思いますが、聞くところによりますと、昨年度に、保健所を中心とした関係職員により、乳幼児健診の委託化も視野に入れた母子保健事業のあり方について内部で検討したということでありました。そして、昨年の今ごろ、医師会の要請を受けて、職員による内部検討の経過を札幌市医師会の関係者に説明したところ、小児科の先生に、札幌市はもう既に委託化を決めてしまっているかのような誤解を与えてしまったということであります。ことしの6月、小児科医会から委託化に反対する要望書が出され、我が会派の方にも勉強会的なことで説明があり、いろいろとお話を聞きました。それが、後日、新聞報道になりまして、市民の皆さんに大変不安を与える、そういう状況が生まれてきたようであります。  札幌市は、乳幼児健診の委託化の問題だけでなく、母子保健事業全体を見直したいという意向のようでありますが、母子保健事業の中でも大変重要な柱となっている乳幼児健診を今後どのようにしていくのかについて、その後、札幌市としての方向性がどうもはっきりしていない。そのため、きょうのように、各種団体から陳情や要望が出されてきていることにつながっているのではないかと感じております。  そこで、質問でありますが、札幌市として、乳幼児健診の委託化をすることは、既に何が何でもやる、絶対にやるのだという方針なのか、まず、それが1点です。
     そして、もう1点、母子保健事業あり方検討委員会においては、乳幼児健診の委託化を検討してもらうおつもりなのか、まず、この2点をお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  まず、1点目の、乳幼児健診の委託化が札幌市の方針として決定しているのかというご質問、それから、2点目の検討委員会での検討は乳幼児健診の委託化が前提となっているのかというご質問、これは関係がありますので、まとめてお答えしたいと思います。  札幌市では、本年の10月から、有識者によります母子保健事業あり方検討委員会というものを設置いたしまして、その検討委員会では、地域保健地域医療の推進を図るとともに、生まれる前から18歳に至るまで切れ目のない母子保健事業を実施するという幅広い観点から、今後の母子保健事業のあり方についてご検討をいただいているところでございます。検討委員会では、乳幼児健診の委託化を目的、あるいは、前提とした検討ではなくて、乳幼児健診についても、今述べました観点から議論が行われるというふうになります。  これらの検討結果は、最終的には提言書という形でまとめられ、提出されることになっておりまして、これを踏まえまして、札幌市として今後の施策方針を決定することにしているところでございます。 ◆小須田悟士 委員  今、現時点では委託化が方針として決まっていないということでありますし、また、検討委員会では、委託化を前提にした議論はしていないということであります。しかし、このような状況では、どんな形かは別としても、いずれ乳幼児健診を委託するのか、しないのか、市として結論を出さなくてはならないことははっきりしていると思います。  そこで、もう2点質問ですが、方針だけで委託化ができるものではなく、委託化をする、しないを決めるためには条件があると思われますけれども、それはどのようなことなのか。  そして、札幌市として乳幼児健診を委託する、しないを決定するとすれば、その時期は早くていつごろになるのか、この2点をお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  1点目の乳幼児健診を委託するかどうかを決める条件とは何かということについてであります。  札幌市がまだ乳幼児健診の委託を方針として決めていない段階で、その状況についてお答えすることは非常に難しいものがございます。ただ、一般論として、委託をするかどうかにつきましては、サービスを利用する市民にとってのメリットサービス提供者側メリット、あるいは、需要と供給のバランス、費用対効果など、多方面からの検討が必要であるというふうに考えております。  次に、2点目の乳幼児健診を委託するかどうかを決定する時期についてでございますけれども、先ほどお答えいたしましたとおり、検討委員会から提言書をいただいた後に、札幌市として現在の母子保健事業を再構築する全体像を描きながら検討することになりますので、その時期につきましてもお答えすることは難しいものがございます。現在の検討委員会の状況を見ますと、各委員の皆様方には熱心にご議論をいただいておりますので、提言書をいただいた後、札幌市の方針が固まるまでには、当初、考えておりましたよりもかなり時間を要するのではないかというふうに思っております。  ただ、方針が決まりました際には、議会におきましても、その方針につきまして十分にご議論いただくというふうに考えているところでございます。 ◆小須田悟士 委員  かなり長く時間がかかるということでありますが、母子保健をめぐるさまざまな課題がある中で、行政が優先的に取り組むべきことは何かという視点に加え、今後とも、十分に市民のご意見や関係者の意向を踏まえながら慎重に検討していただきたいということを要望し、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私も、質の維持と今後の検討について伺わせていただきます。  9月の第3回定例議会の代表質問におきまして、私は、今後の母子保健事業のあり方についての質問をさせていただきまして、その際、副市長から、個々の事業はそれぞれに確立されており、一定の成果を上げているが、つながりや連続性にやや欠けており、3歳児健診以降の事業体系や個別の支援も十分とは言えない状況であること、それらの課題を踏まえて、今後の母子保健事業の方針を策定するに当たり、検討委員会を設置し、現在、行っている母子保健事業の分析と課題の整理、問題解決の方向性などを議論していくとの答弁をいただきました。  私も、これまで2回開催されました母子保健事業あり方検討委員会を傍聴させていただいております。委員会では、札幌市の母子保健及び育児支援施策をめぐる課題と市民要望も踏まえ、時代の変化に対応した今後の母子保健のあり方について、市長への提言に向けた検討を行うことが目標とされています。委員会では、大変活発で熱心な議論が行われておりまして、議論の公開についてとか、議決の方法に始まりまして、市民ニーズ調査については、森会長と5人の委員たちから成るワーキンググループまで設けられ、進めていくことになり、乳幼児健診の委託化が前提に議論されているものではないこと、また、各委員も、よりよい母子保健事業を構築したいという強い思いを抱いていらっしゃることが感じられます。  乳幼児健診については、11月29日の第2回検討委員会の中で、現行の体制や実績、未受診者対策などについて市からの説明があり、個別通知による健診案内から始まりまして、未受診者対策までかなりシステマチックに取り組んでいらっしゃることが理解できました。乳幼児健診が今後も高い質やサービスを維持し、児童虐待や発達障がいなど、心身の発達を阻害する要因の早期発見早期対応につながるということは、健診の実施方法が直営、委託にかかわらず、大変大きな課題であると思います。参加されている委員の中からは、札幌市の乳幼児健診は、受診率も高く、すばらしいシステムであるとの感想がありまして、このたびの陳情においても、乳幼児健診の受診率が高いことが評価されておりまして、この受診率を維持していくことも課題の一つであると考えます。  そこで、質問ですが、現在、乳幼児健診の受診率はどのように算出されているのか。また、受診率は健診のどのような評価指標となるのでしょうか。さらに、受診率の向上を目指す目的はどこにあるのでしょうか。また、11月の第2回検討委員会において、委員の中から、札幌市の乳幼児健診はすばらしいシステムであるとのお声がありまして、このたびも、それぞれの陳情者は現在の健診を高く評価されていますが、それはどこに要因があると認識されているのか、伺います。 ◎矢野 保健所長  乳幼児健診の質の維持と今後の検討についてお答えいたします。  1点目の健診受診率について、算出方法や健診のどのような評価指標となるのか、また、受診率向上を目指す目的についてでございますが、まず、受診率は、国の定義のとおり、健診対象者に対する受診者実数の割合を算出し、パーセントであらわしております。平成22年度は、4カ月児健診が98.9%、1歳6カ月児健診が96.1%、3歳児健診が92.2%と、政令指定都市の中でも高い数値となっております。4カ月児健診の受診率が高い要因の一つとして、生後6カ月までに受けなければならないBCG予防接種を同時に受けることができることが要因の一つとして考えられます。このように、健診受診率の高さは、多くの市民が受診している実態をあらわしておりますが、必ずしも健診の質の評価指標となるものではないと考えております。  また、受診率の向上を目指す目的についてでございますが、札幌市は、すべての乳幼児が乳幼児健診を受けることで、健康の保持・増進を図り、疾病や障がいの早期発見、育児不安への対応や、虐待予防などに対応することを目的としております。今後とも、未受診者をなくすことを目指し、受診率の向上につなげてまいりたいと考えております。  2点目の現在の健診が高く評価されている要因の認識についてでございますが、1点目としては、受診率が高いことが高い評価の要因の一つではあると思います。また、健診体制として、対象者全員個別案内を行い、健診事前アンケートを活用し、医師、保健師、栄養士などの専門職が効率よく受診者に対応しております。特に、育児支援を必要とする親子を健診アンケートで把握した場合には、個別に相談を行っております。このように、健診マニュアルを整備することにより、全市統一のシステムとして機能させていることが評価の要因と認識しております。  しかしながら、利用者からは、健診日が指定されていて受診しにくい、流れ作業的であるなどの意見も聞かれており、高い評価を得ているとは言いがたい状況もございます。 ◆しのだ江里子 委員  受診率については、質の評価ではなくて、量的な評価の一つであるということがわかります。そして、高い評価の要因としては、実際にこの受診率が高いこと、また、個別案内をしてアンケートをし、まさに保健センターの中ではワンストップサービスをしていただいていることによって今のこの評価があると思います。しかし、市民からのいろいろな要望は多々あるようです。  このたびの陳情に共通しているのは、民間への委託によって、現在の健診の質が低下し、発達障がいなどの早期発見ができなくなるのではというご心配であると思います。このようなさまざまな不安とか心配は、障がいのあるお子さんを育てていらっしゃる保護者から私も直接伺っておりますし、私自身も自分の子どもを育てた親の一人として十分理解もできます。  そこで、再質問ですが、乳幼児健診を民間医療機関へ委託すると、発達障がいが見逃される、親子の見守り相談ができる場がなくなるなど、市民はさまざまな不安を訴えていますけれども、この点について札幌市はどのように受けとめていらっしゃるのか、伺います。 ◎渡辺 総務部長  乳幼児健診の委託に関します市民の方々の不安に対する認識ということでお答えいたします。  現時点で札幌市が乳幼児健診の委託化を方針として決定していないにもかかわらず、市民の皆様方からこのような不安の声が寄せられておりますことは、真摯に受けとめなければならないというふうに考えております。  市民の皆様の関心も深いことから、札幌市の今後の母子保健事業のあり方を考えていただく検討委員会では、検討結果を提言書にまとめていただく上で、市民アンケート調査などを実施し、広く市民の皆様方からのご意見やご要望をお聞きして提言書の中に反映させていくことを予定しているところでございます。市民の皆様には、これからの検討委員会の議論を注視していただきたいというふうに考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市としては、方針を決めているわけではないけれども、これほど大変関心が高いということは、やはり、この乳幼児健診について、それぞれの皆様の思いがそれほど強いのだと思います。確かに、現行の乳幼児健診について、市民の満足度もかなり高いと思われますが、そのような乳幼児健診のあり方を変える必要性が果たしてあるのか、ないのかについては、民間委託が前提ではないにしても、今後、検討委員会で議論されていくと思います。  そこで、再々質問ですけれども、今後、検討委員会における議論はどのように進められていく予定なのか、伺います。 ◎渡辺 総務部長  検討委員会におけます今後の議論の進め方についてお答えいたします。  10月に検討委員会を設置してからこれまでに2回の検討委員会を開催し、現在のところ、母子保健の指標とか現行の事業につきまして、札幌市からその内容や問題点などの説明を行っているところでございます。今後、課題の抽出と整理を行いまして、これら課題の解決に向けて検討を進め、最終的に母子保健事業の再構築に向けた提言書を取りまとめていただくことにしております。  なお、検討に当たりましては、市民のニーズや意見などを把握する必要がありますため、検討委員会としてアンケート調査を実施することとなりました。検討委員6名によるワーキンググループを立ち上げ、調査項目などの検討を開始したところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今後、課題の抽出をしていただいて、そして、最終的には提言をいただくということで、6人の委員でワーキンググループをつくられています。本当に、皆さん、お忙しい先生たちで、この検討委員会にご出席になられるだけでもお忙しいと思われますけれども、ワーキンググループという形でメーリングリストをつくり、その中で闊達な意見を出していただけるということで、そういった意味では、私は本当にすばらしいこの検討委員会のあり方だと思います。  2008年、平成20年に、周産期救急医療体制の充実に向けて、1年間かけて行われた産婦人科救急医療対策協議会の提言により、産婦人科救急医療体制が確立したことによりまして、札幌市の妊産婦はどれだけ安心して子どもを産むことができるようになったか、はかり知れないと思います。今回も陳情や要望書が市民から多く出され、市民がまさに自分のこととして見守っています。母子保健事業の中には、もちろん児童虐待とか発達障がいにかかわることはありますが、若年層の性感染症感染率については15歳から19歳では全国平均に比べて3.6倍であることとか、人工妊娠中絶率全国平均の1.8倍と高く、札幌が抱えている問題は本当に山積しており、それぞれ解決していかなければならないと思います。そのような中で、札幌市において、安心して子どもを産み育てられるよう支援する糸口として、乳幼児健診が果たす役割はますます大きくなると思います。  今後も、乳幼児健診においては、高い受診率に見合うさらなる質の向上とサービスを目指して、よりよい母子保健体制の構築を検討していただくことを強く求め、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  先ほどの陳情、また、ただいままでの質問を受けまして、私からも何点か質問させていただきたいと思います。  乳幼児健診につきましては、母子保健法第12条及び第13条で規定されており、この法的な根拠に基づきまして、地域の親と子の関係を守ることを目的として、日本全国いずれの地域でもほぼ同じシステムサービスが受けられる制度として定着しております。地域のすべての子どもを対象としてスタートしたこの乳幼児健診は、かつては、疾病の早期発見を主眼に置いたスクリーニングの意義が大変大きく、子どもの健康を守るために、子どもの成長・発達に悪影響を及ぼす疾病を早期に発見し、適切に処置を講じることが目的でございました。その後、時代の趨勢とともに、子どもの健康に関する考え方も変化し、健康を守るという消極的なとらえ方から、積極的に健康を高めるという健康増進への方向転換がなされまして、単に子どもに疾病や成長・発達の異常がないかというだけではなく、子どもが健全に育つための生育環境を調えることが重要な課題として求められるようになったところでございます。その結果、乳幼児健診の目的も大きく変化してきておりまして、子育てに伴うストレスの軽減や、子育てそのもののサポートを中心としたものにもなってきております。そうした意味において、最近では、急増している虐待の予防、先ほど話がありました性感染症など、その早期の発見の場として期待されるところも大きくなっているところでございます。  この健診は、さきにも述べたように、母子保健法に基づき、市町村により実施されていますが、健診の時期や実施方法などはそれぞれの自治体によって異なる現状と聞いております。  そこで、質問ですが、政令市における乳幼児健診の実施体制として、健診時期や、例えば、集団、個別、直営、委託などの実施方法について、まず確認いたしたいと思います。  また、2点目として、委託している場合の具体的な内容についてお伺いいたします。 ◎矢野 保健所長  乳幼児健診の委託についてお答えいたします。  各政令指定都市における乳幼児健診の実施体制等についてでありますが、まず、月齢別の健診体制といたしましては、4カ月児健診では、札幌市を除く全18政令指定都市のうち、直営で集団健診として実施している市が11市で、委託による個別健診として実施しているのは7市であります。1歳6カ月児健診は、直営が14市で委託は3市であり、1市は内科的診察のみ委託医療機関で実施しております。3歳児健診は、直営が15市で、委託は2市、内科的診察のみ委託医療機関で実施しているのが1市となっております。  次に、委託している場合の委託先と具体的な内容についてでございますが、委託している場合に、委託先は市の医師会などとなっております。  具体的な健診内容につきましては、問診、身体計測、診察、育児上のアドバイス、予防接種の指導などとなっております。健診後の支援体制としましては、必要時に専門医療機関へ紹介して、公費負担による精密健康診査につなげたり、保健師等が健診医から連絡を受け、家庭訪問指導などを実施しております。委託健診であっても、健診結果は保健センターの方へ集約され、データ分析を行うとともに、各月齢・年齢別に乳幼児の保健指導を行う体制をとっております。さらに、健診後のフォローアップ及び集団の中での子どもの観察、親同士の交流、育児不安の解消などを目的とした集団指導及び個別相談により、発達障がいなどを早期に発見し、支援につなげております。 ◆丸山秀樹 委員  次に、この数カ月間、特に、10月31日に母子保健事業あり方検討委員会の初会合が開催され、その翌日の11月1日からの新聞報道で、例えば、会議名の頭に、札幌市が検討を進めている乳幼児健診の民間委託の是非を考える有識者会議などと、私の知っているところだけでも4度にわたってこうした表現がなされておりました。あたかも、札幌市が乳幼児健診を外部委託する方針を決定しているかのような、また、さきに述べたように、健診の外部委託の是非を論議するために検討委員会が行われているかのような、そうした報道がなされています。今までの委員の質問、また、答弁をお聞きしたところだと、乳幼児健診の委託化は明らかな方針としては決定していない、また、全体像を提言としてまとめるなどというお話も出てきまして、こうしたことから、この検討委員会では健診の委託化を前提として議論しているものではないということは、私も今のお話を聞いて理解したところでございます。  この検討委員会は、公開制でオープンな議論が行われており、先ほど参加された方もいらっしゃると聞きました。  そこで、再質問になりますが、これまで2回の検討委員会が開かれておりますけれども、市民への周知方法はどのように行っているのか、また、傍聴者は何人ぐらい来ているものなのか、伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  検討委員会周知方法並びに検討委員会傍聴者数についてお答えいたします。  検討委員会の開催に当たりまして、周知といたしましては、委員会開催の約10日前に、札幌市の公式ホームページに開催日時、場所を記載するとともに、会議の終了した後には議事録や配付資料などについても掲載をしているところでございます。  なお、ホームページを開設いたしましてから本日までに約530件のアクセスがございました。  また、検討委員会の方には、第1回、第2回を合わせまして、延べ37名の方が傍聴にいらしていただいております。 ◆丸山秀樹 委員  健診の目的の変化については私も冒頭で述べさせていただきましたけれども、この問題については、子どもを育てる保護者にとっては非常に関心の高い問題であるというふうに感じます。検討委員会は公開制で行っておりますけれども、上辺だけのきれいごとの議論に終始するのではなく、やはり、さまざまな社会的な問題等も含めて掘り下げた議論が必要になってくるものと考えます。引き続き、この検討委員会において十分な議論が行われることを要望して、私の質問といたします。 ◆坂本恭子 委員  私からも質問いたしたいのですが、先ほど、新聞報道のことなどについても触れられましたけれども、この間、乳幼児健診についてはずっと民間委託をしていくという前提で何か世論が動いてきているのかなというふうに思います。そういう中で、きょう、陳情を提出していらっしゃる二つのところは、新聞報道等で乳幼児健診の民間委託外部委託ということを知って、その上で、今の集団健診の維持、拡充を求めるというお話でした。具体的な不安の声などもお聞きしましたけれども、先ほどから、担当部局として民間委託ありきではないのです、これから十分に議論、検討していきながら全体像をつかんでいく、そういう時間を費やす中で将来的なものが決まっていくのだというお話がありました。  しかし、積極的に民間委託を考えているわけではないのですよと言いながらも、昨年、内部検討というものが行われていたわけですね。そのことについて、私も、共産党として特別委員会などでも質疑を行ってきましたが、生まれる前から、そして思春期を迎える子ども、それから親御さん、母子保健というものを一体的に見ていくというのが今回のあり方検討委員会であり、その中の一つに乳幼児健診があるのだよというふうに言っているわけです。しかし、内部検討としては、乳幼児健診の民間委託ということについても、医師会を通して、相談というか、いろいろな話も行われていたと思いますし、職員の中でそれぞれの専門部会で内部検討が進められてきたという実態はあるわけですね。  そこで、改めて伺いたいのですけれども、民間委託はやらないのですと、今の制度を維持、拡充していくというか、いろいろ不十分なと、謙遜しながらというところもあるだろうと思って聞いていたのですが、もっともっと利用される方の満足度も上げていかなければならないということでした。それでは、何のために内部検討を行ってきているのか、そこでどういうことが検討されてきたのか、どういう視点で検討してきたのか、また、検討の結果として何かしらの評価をされてきたと思うものですから、その点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  昨年行いました職員による内部検討の目的、検討の視点並びに検討結果についてお答えいたします。  札幌市は、これまでも、母子保健事業の充実を図るために、平成15年度には、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業というものを開始し、平成18年度には乳幼児健診の実施体制を充実させるなど、さまざまな検討や取り組みを行ってまいりました。しかしながら、従来の性感染症罹患率あるいは人工妊娠中絶率全国平均よりも依然として高く推移していることとか、この5年の間に児童虐待相談件数が急激に増加するなど、母子保健上の課題が山積している現状にございます。このような現状を踏まえまして、時代や環境の変化に合わせた中長期的な母子保健事業全体のあり方につきまして検討を行う必要があるというふうに判断し、まず、昨年度、区保健センターの職員などによる内部検討を行ったということでございます。  検討に当たりましては、健康さっぽろ21における母子保健の推進と、行政評価や行財政改革プランに基づき、効果的・効率的な事業を行うという視点から議論を行ったところでございます。その結果、今後の母子保健事業は、育児不安などを抱える親子に対する支援を充実し、児童虐待予防を強化し、思春期保健対策を推進することが求められると認識をしたところでございます。また、検討の中で、現行の乳幼児健診の診察部分を委託すると想定した場合の問題点とか、あるいは、母子保健事業全体を再構築した場合のイメージとか、さらには、医師職、保健師職、栄養士などの専門職の役割について大まかな考え方を整理した段階にとどまっているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  今のお話ですが、健康さっぽろ21など、いろいろな健康に対する指標を掲げてやっていらっしゃいます。そういう中で、例えば、妊娠中絶率が高い、それから、性感染症の問題、さらには児童虐待、これは若い保護者というところにもかかってくるわけですけれども、そういうところから問題意識が始まって、中長期的なあり方を検討していかなければならないと。その中で行き着いたのが育児不安であり、それを払拭していくためにどういう体制をしいていったらいいのかという中の一つに、診察を外部に委託したらどうなのかという議論が出てきた、そしてまた、より専門性を細分化し、そこをより濃密なものに、しっかりとしたものにしていくためにどうしていくのかという議論だった、内部検討はそうだったというお話ですね。  そこで、今、母子保健のあり方、システムというものについて、本当に幾層にも重なって計画というのが立てられようとしている中の一つに、あり方検討委員会というものがあって、外部の有識者の方、もちろん医務監を含めて入っていらっしゃって、そういう中で議論を進めているということですが、特段、この乳幼児健診の外部委託ということについて多くの市民の皆さんが不安に感じていらっしゃるという点について、改めてお聞きしたいのですけれども、先ほど、矢野保健所長から、質と量の問題と両方があるのだというお話がありました。健診受診率が高いからといって、必ずしも、いい集団健診が行われているというふうには理解していないとおっしゃいました。  ただ、私は、今回の陳情の中にありますように、虐待の問題、それから、発達障がいの早期発見、早期に療育に結びつけていく、こういうところでは本当に大きな役割を果たしているだろうというふうに思います。4カ月健診から始まって、発達障がいなど、虐待もそうですが、捕捉率というのは札幌市は非常に高いというふうに思いますし、それは、他都市から比べても非常に誇るべきものだというふうに思っております。そういう意味では、これまで集団健診をずっと直営で維持してきたこと、そして、さらにこれを拡充してほしいということは、市としてもっと率直に受けとめていただいていいのではないかなというふうに思っているところです。これから検討委員会で議論されていくわけですから、改めて、民間委託ありきではないということを市民に対して十分に説明していかなければならないというふうにも思います。  そこで、改めて、今、市民の皆さんから出されている、民間委託にはしないでほしい、集団健診を維持、拡充してほしいという声について、率直にどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点について伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  先ほども答弁いたしましたとおり、本市でこの民間委託を決定しているということが非常に誤解されて伝わっている状況でございます。その辺は、私どもは真摯に受けとめていかなければならないというふうに思っております。その上で、これから、検討委員会というものの中で委員の方々にしっかり議論していただいて、今後の札幌市の母子保健事業がどうあるのが一番望ましいのかということについて、しっかりした提言にまとめていただき、我々はそれを受けとめて、よりよい母子保健事業を進めていきたい、このように考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  やはり繰り返しの答弁ということで非常に残念ですけれども、今回の事態については真摯に受けとめるというお話が改めてありました。それは、本当にしっかりと受けとめていただきたい。  私は、やはり、行政が恣意的にこういう問題を誘導していくということはあってはならないと思いますし、幾らそれはないと言っても、市民に対してそういう誤解を与えてしまったことについては、本当にきちんと、これからどういうふうに議論していくのかという根本のところで考えていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  それから、もう1点ですけれども、両方の陳情に共通している問題として、発達障がい、そして、発達障がいの早期発見・早期療育ということをどういうふうに考えているのかという問題です。集団の健診の中で、ほかの子どもを保護者みずからが見る、そして、自分の子どもと発達の状況がどうなのだろうということを客観的に見ることができる、あるいは、集団健診の場にいらっしゃるお医者様、それから保健師、こういった方たちが、その子どものささいな行動の中から、発達障がいを、本当にささいなものを発見していく、そういうことは大変重要な観点だというふうに思っております。そして、今回の陳情の中でもありましたが、もしこういう発達障がいが発見されたとしても、すぐにほかの機関につなぐことができる、密接に他の機関とつながりながら、早期にこれに対応していくことができる、そういう利点なども非常に強調されて述べられたというふうに思います。  やはり、私は、健診を民間委託してしまうことになると、軽度な発達障がいを見逃してしまうおそれは非常に高いというふうに思います。その危惧が現に指摘されておりますが、今、集団健診が担っている発達障がいの分野の早期発見・早期療育、ここについて果たしている役割をどういうふうにお考えなのか。そして、私は、やはり、民間委託ということではなくて、集団健診の中で発達障がいというものも見据えていく必要があるだろうというふうに思うのですけれども、この点についてはいかがお考えになっているか、伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  発達障がいの早期発見・早期療育をどのように考えているのかということについてでございます。  集団健診か、あるいは個別健診なのかと、その手段、方法にかかわらず、発達障がい児の早期発見や親子への支援につきましては、保健センターが医療機関と連携を深めるとともに、地域における交流の場などを活用いたしまして、支援を必要とする親子の把握に努め、ライフステージに応じたきめ細かな支援体制を整備することが重要な課題であるというふうに認識しているところでございます。今後とも、市民の皆様に不安を与えることがないように、母子保健事業あり方検討委員会において事業全体を検討する中で、発達障がい児などの早期発見についても考えていただく予定になっているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  発達障がいというのは、今、本当に若い親御さんの間の関心事だと思うのですね。先ほど陳情の趣旨説明の中でもお話がありましたが、核家族化になって、地域の教育力という言葉であらわしていいのかなというふうに思ったのですけれども、なかなか地域の中で親御さん同士あるいは子ども同士が密接につながり合う機会が少なくなっています。そういう中で、自分の育児に対する不安、それから、本当にささいな行動から、発達障がいではないかという過度な不安を抱えたりだとか、ストレスを持ったりだとか、あるいは、逆に、障がいを発見できずに、その子が大人になっていく上でそれが大きなリスクになっていくと。そういうところを改善するためにも、払拭するためにも、私は、集団健診というのは本当に重要なものだというふうに思っています。  内容をさらに充実してほしいという声がありました。具体的には、待ち時間のお話が趣旨説明の中でございましたね。いろいろなことで改善しながら、内容を充実して、そして、1時間、2時間待つのが当たり前というような状況も改善しながら、本当にいい乳幼児健診にしていってほしいと。私は、これが、市民の皆さん、そして、きょう、陳情の趣旨説明をなさった皆さんの特段の声だというふうに思っています。そういう意味では、こういう声をしっかりと受けとめていただきたいというふうに思っています。  今後、検討委員会の中で議論されていくべきものだと、それから、全体像を推しはかりながら、また、さらに行政の中でもんでいくというお話がございました。そこで、改めて確認ということで伺いたいのですが、検討委員会の中で、やはり、これは民間委託ではだめだ、外部の診察についても民間の医療機関に任せているのではだめだ、もっと総合的に、集団健診、それから、行政が積極的にかかわっていくべきだという提言が出たとしたならば、私は、それをしっかりと重く受けとめて具体的な施策展開につなげていくべきだというふうに思うのですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。 ◎渡辺 総務部長  母子保健事業あり方検討委員会におきまして、現行制度を維持すべき、堅持すべきという提言が出た場合の施策展開をどうするのかというご質問でございます。  実は、第1回目の検討委員会におきましても、委員のお1人の方から、議論のまとめ方についてということでご質問がございました。その際に、札幌市の方から、検討委員会では、委員会として何か一つの方向性を決めていただくものではなくて、さまざまなご意見を含めて、今後の方向性というものを提言書としてまとめていただくことになるというふうにご説明しているところでございます。  札幌市といたしましては、基本的には、検討委員会から提出されました提言書を踏まえまして、その内容をしっかり酌み取った上で判断することになるものというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  最後になります。  検討委員会の中では、一つの方向性を確定的に決めていく、そういう提言を出す性質のものではないというお話を冒頭にしたということでした。  きょう、陳情が2件出ていますけれども、私は、これは本当に大きな市民の声だと思うのですね。やはり、これまで子どもが助けられてきた、うちの子どももそうですが、そういう中で健やかに成長することができた、発達を保障された、そういう集団健診に対する親御さんの思いというものがあると思います。一方では、医療機関の側からも、ぜひ、これは公的な中でやってほしいのだという声もあったと思います。そういう中で、きょう、厚生委員会でいろいろ議論されたわけですけれども、議会において、民間委託はしないでほしいと、そこに対する反対の陳情があったこと、そして、きょうの厚生委員会で議論があったことを、事務局として、担当部局として検討委員会にぜひしっかりと伝えていっていただきたい。今、ワーキンググループも含めて議論をされていて、医務監などはそこに参加して具体的に議論をつくっていく役割をなさっていらっしゃると思いますけれども、検討委員会の中では、広く公正に中立にさまざまな皆さんの声をしっかりと受けとめながら議論が充実していくように、ぜひ、きょうの厚生委員会の中身、それから、陳情があったことについても報告して、検討委員会の中の判断材料の一つにしていっていただきたいということを申し上げたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私からも、質問させていただきます。  私は、札幌市の乳幼児健診の現状について、何点か伺っていきたいと思います。  市民ネットワークとしましては、ことし、2011年の第1定の代表質問で、札幌市が行っている集団乳幼児健診の重要性ということで市の認識について取り上げてきた経緯があります。陳情者のお話にもありましたように、歯科健診や栄養相談までワンストップでできるよさであるとか、近年、特に発達障がいの早期発見、そしてまた、虐待への対応といった点で大変重要であるというふうに考えています。先ほど来の質疑で、この間、言われており、そして、陳情者の方も心配されております民間委託をするのか、しないのかといったことについての議論があって、現在のところ、そんな議論をしている状況にはないということではありましたけれども、繰り返しますが、陳情者の方々の不安と懸念されている声があるのも事実だというふうに思っております。  そんな中、先ほどの議論の中で、札幌市はこれからアンケート調査なども実施するということでありました。そういった中で、乳幼児健診についても、保護者の方々の声をしっかりといただくことが何よりも重要だというふうに思っているところです。今回、こうした場があり、陳情者の方々の声があるという中で、また、乳幼児健診に関して全国的に実態調査をしたものなど、私なりに幾つか目を通していたところですけれども、そうした中で、当事者の満足度調査、先ほどから少しずつ出ていますが、満足度調査を実施している自治体は、私が見たところでは約33%といった現状が報告されておりました。私としては、こうした調査がしっかりと行われて確実にそれを生かしていける、保護者の方のニーズをしっかりと把握する、そうした健診のありようというのが大変重要だというふうに思っているところです。  そこで、質問ですけれども、札幌市において、過去に乳幼児健診に関する市民の意識調査などを実施したというふうにお聞きしております。どういった内容で行って、その結果、どうなったのかということ、そしてまた、その結果をもとにしまして、市民の方々の要望への対応であるとか、また、改善などにどのように取り組んでこられているのか、その点について重立ったところを伺えればと思います。 ◎矢野 保健所長  乳幼児健診の現状についてお答えいたします。  1点目の乳幼児健診に関する市民意識調査の質問項目とその結果についてであります。  乳幼児健診に関する調査は、平成13年度と平成18年度に母子保健に関する市民意識調査として実施しております。これらは、札幌市の健康づくり基本計画でもあります健康さっぽろ21の母子保健領域の計画策定のために実施したもので、4カ月、10カ月、1歳6カ月、3歳児の保護者を対象といたしました。質問項目は、妊娠中の健康や子育て、乳幼児健診に関することなどで、平成18年度に実施いたしました調査結果により把握された内容のうち、乳幼児健診の満足度につきましては、満足と答えられた方が22%であり、ほぼ満足と答えられた方が57%でありました。一方、何らかの改善を望まれた保護者の方は76%となっております。改善要望といたしましては、待ち時間の短縮、開設回数や開設日をふやす、受け付け時間の延長などでございました。  2点目の調査結果に基づく市民要望等への対応状況についてでございます。  調査結果で把握いたしましたこれらの市民要望にこたえるために、呼び出し人数の調整や、居住区以外の区の保健センターでの乳幼児健診の受診、兄弟が同時に乳幼児健診を受診することも可能にしたり、個別相談のほかに集団指導を取り入れて効率化を図るなどの改善に努めてまいりました。  しかしながら、先ほどもしのだ委員にお答えいたしましたように、現状の集団健診方式には時間的、物理的、人的な制限がございまして、流れ作業的である、あるいは、相談したいことがゆっくり話せないなどという声が保健センターの方に届いております。 ◆小倉菜穂子 委員  平成13年度、18年度に実施してこられているということでした。そして、今、一つ一つ丁寧にお話しいただいたのですが、さまざまな声が寄せられていることもわかりました。先ほど、陳情者の方も、待ち時間がもう少し短くなるといいですというようなお話もあったとおり、そういった調査から今現在の取り組み、改善されている項目というのは実際にわかりましたが、そういった調査から明らかになる要望に今後も確実にこたえていっていただきたいというふうに思います。また、人的な制限なども今あるようなことをおっしゃっていましたけれども、そのあたりも、札幌市としてぜひ強化してしっかり取り組んでいただきたい。そして、乳幼児健診の質を高める一層の取り組み、その充実に力を入れていただいて、より満足度の高いものにしていただきたいと、その点は強く思っています。逆に言うと、それぐらい改善点が明らかになっているわけですから、そこのところは、保護者のお気持ちに立ってしっかりと取り組んでいくのは当然のことだと思いますので、ぜひ、そこのところをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  そうした中で、先ほどもお話がありました、近年、特に発達障がい等に関する見きわめとか早期の発見が乳幼児健診に強く求められている、そして、大きな役割になっているというふうに思っています。そのために、乳幼児健診のときには、言葉のおくれであるとか、落ちつきのなさとか、対人面の問題などに関する心理相談がより重要になってきているというふうに私は思っているところです。  そこで、私は、子どもの心理に関する医師や心理士の育成ということが、札幌市、そして全国的にもこれから大変重要な課題になってくると思っていますし、そのように言われているというふうに思いますけれども、札幌市の乳幼児健診における心理相談の体制、そして、職員の配置状況といったようなところの現状についてどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎矢野 保健所長  心理相談等の実施体制についてお答えいたします。  1歳6カ月児健診と3歳児健診では、健診事前アンケートや診察結果から、心の発達に心配があるお子さんに対して第1段階として心理相談を行っております。発達障がいや知的障がいなどの疑いのある場合は、日を改めて、第2段階として臨床心理判定員によるより専門的な心理発達検査や相談を行う乳幼児精神発達相談につなげております。  平成21年度の心理相談の相談者数は、1歳6カ月児健診で2,465人、健診受診者の17.5%を占めております。3歳児健診では1,262人で、健診受診者の9.5%となっております。健診と同時に心理相談を開催しておりますので、相談者が集中し、待ち時間が長くなるという現状がございます。また、乳幼児精神発達相談の平成21年度の相談者数は1,370人であり、健診から引き継がれたお子さんのほか、保護者からの相談や保健師からの勧めにより予約制で相談に来られています。相談の結果、療育の必要なお子さんには早期に専門療育機関に紹介しております。各区の臨床心理判定員などは非常勤職員であり、1回の健診に1名から2名が従事しておりますが、人材確保に苦慮している現状があり、安定的な人材確保が課題となっております。 ◆小倉菜穂子 委員  心理相談というのは本当に大事だと思っていて、今、第1段階、第2段階というのがあるというふうなお話しでした。そしてまた、人数の方も1歳6カ月のお子さんが2,465人ということで、非常に人数も多いのだなと思っています。そのためにまた待ち時間が長くなるのですというようなお話もあったのですが、その中で、臨床心理判定員という方の人数はやはり少ないなというふうに私は思っています。そのあたりも、今、確保が難しいというようなお話しでしたけれども、充足していくことで待ち時間の方も解決していく方向にあるのではないかと思っています。  私が心理士の方のことで気になってこれまで伺ってきた中でも、先ほど非常勤というお話がありましたけれども、1年ごとの契約だというようなことを伺ったこともあります。私は、そうした形でお仕事をする方ばかりではなく、本当にこうした大事なところを担っておられる方が、しっかりと責任を持ち、もちろん今も責任を持っておられると思いますけれども、しっかりと仕事を担っていただける体制をつくっていただきたいと思いますし、そうしたことを進めていくことで、例えば、待ち時間が長くなるといったお話でも、私は、現実的な対応が生まれてくるのだろうというふうに思っています。  そこのところは、繰り返しますけれども、今、子どもたちの精神の発達の状況というところでは、いろいろな親御さんの声とか、子どもたちの育ちというところに関心が集まっています。なかなか確保が難しいということを再三伺っていまして、その点については、人を育てるというところに話が広がりますけれども、そこのところも含めて、私は、心理士の方々の、確実な確保という言い方がいいかどうかわかりませんが、札幌市の中でしっかり働いていただけるような取り組みを強く求めていきたいというふうに思っています。  さらに、もう一つの重要な課題として、虐待の早期発見とか、それに至らないための取り組みとしても、たくさんの職員の方、専門職の方がかかわるこの集団の乳幼児健診の果たす役割は大きいというふうに言われておりますし、私もそう思っています。
     また、保健と医療との連携ということが、札幌市においても今後の大きなテーマで、今、医療といろいろなところが連携していこうということがテーマになっています。そして、それを先取りする形で、本市では、2003年ですか、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業を実施しておられます。虐待だけではありませんけれども、そうしたところへの取り組みについて、私は、同時にこちらの方にも期待をするところなのです。非常に残念ですが、虐待の問題というのは、相変わらずなかなか減少することもなく、特に月齢の小さな子どもたちが犠牲になっているといった現状の中では、そうした仕組みもぜひ充実していただきたいというふうに思っているところです。  最後に、この間、本市は、乳幼児健診においてお子さんの虐待に関する状況をどの程度キャッチしているのか、その点について伺いたいと思います。  また、今、申し上げました保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業の現状と課題、そして、それと乳幼児健診がどんなふうに連携を図っているのか、それが十分にできているのか、課題はないのか、その点について伺いたいと思います。 ◎矢野 保健所長  1点目の乳幼児健診でどの程度の虐待に関する状況を把握できるのかという質問についてお答えいたします。  これまでに虐待と判断した事例につきましては、保健センターから児童相談所へ通告しております。このうち、乳幼児健診で把握した事例につきましては、平成22年度の乳幼児健診の総受診者数約5万6,000人のうち、4件を虐待と判断して児童相談所の方に通告しております。  2点目の保健と医療が連携した育児支援ネットワークの現状と課題についてお答えいたします。  このネットワーク事業は、産婦人科や小児科などの医療機関から保健センターへ、育児支援が必要な親子の情報を連絡票を用いて提供していただき、保健センターの保健師が家庭訪問を行い、支援する事業で、平成15年から開始しております。連絡票受理件数の年次推移を見ますと、開始年度以降、増加しており、平成18年度からは横ばいで、平成22年度は444件でございました。その内訳は、産婦人科からが313件であるのに対し、小児科からは131件にとどまっております。  子どもの成長の過程は、さまざまな育児困難を抱える時期があるため、市内の小児科医療機関に対しまして、さらにこの事業の周知を図ることが課題であると考えております。また、虐待予防などのためには、より多くの医療機関と連携し、地域のネットワークを充実することが望まれておりますことから、対象となる診療科に精神科などを加えることも検討課題であると認識しております。  次に、乳幼児健診との連携についてでございますが、育児支援ネットワーク事業で行った家庭訪問の結果は乳幼児健診カルテに記載し、健診従事者がそのお子さんの支援計画を把握できるように努めております。しかし、定期の健診受診時にそのお子さんの保護者に面接することが可能であるため、例えば、新生児の場合では、初回訪問から4カ月児健診までの4カ月の間に継続訪問が余りできていないという傾向があるなどの問題点がございます。 ◆小倉菜穂子 委員  虐待の件数などをお示しいただきまして、虐待を受けている、そのことというよりは、保護者の育児不安などを適切に察知する場に乳幼児健診の場がなっているというふうに思いますし、未受診の方々へのアプローチというのが大切だというふうに私は思っていますので、そこにも一層の力を注いでいただきたいというふうに思っています。  ネットワーク事業のことですけれども、去年444件の連絡票ですか、そのうち小児科の割合が131件にとどまっているということで、単純に全体のお医者様の数を考えるとまだまだ数が少ないなというふうに思っていたりしているわけです。多分、ネットワーク事業についても、医師の方のお仕事として、例えば、負担増があるとか、また、責任の問題などといった課題もあるのではないかなというふうに思っています。ぜひ、そうした課題を解決していただきまして、小児科医の方々のご理解、そしてご協力をいただきながら、こちらの事業もしっかりと生かしながら、安心して子どもたちが成長することを支えていっていただきたいなというふうに思っています。  そして、今、3点について伺ってきたところですが、私は、まずは現在の健診における課題をしっかりと受けとめて、札幌市として責任を持って保護者の方々の思いにこたえる乳幼児健診へと改善していくことが、当然ですけれども、大切だというふうに思っています。そして、集団乳幼児健診の質を高めることが重要だというふうに思いますし、陳情者の方が心配されていました民間委託についてですが、例えば、心理士の確保、そうした場がまだまだ少ない状況を考えても、また、今、直前に申し上げた医療機関との連携というところでもまだまだ課題が多いなというふうに感じています。  そうしたことを考え合わせますと、いわゆる委託という考え方というか、概念というのは、今回だけでなくて、市民サービスの向上であるとか、サービスという言い方はあれですけれども、それがよくなるのだということ、それを目的とするものでありますから、質の向上ということはもちろん、サービスの向上がしっかりと明確に示されて、そして、共通の市民理解がない限り、拙速に、そして安易にそうした委託は行えないのだということを、今、強く感じております。ぜひ、このことを、今、私は三つのお話を伺っただけですけれども、さまざまな課題がまだまだあるかと思います。そうしたことを一つ一つ解決していくことが、まず、今やらなければならないことかなというふうに思っていますので、その視点を大切にしていただいて、これから取り組みを進めていただくことを強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  それでは、陳情第16号及び第18号の2件の取り扱いにつきましてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしましょうか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  それでは、陳情2件を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  異議なしと認め、陳情2件は、継続審査とすることと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時18分       再 開 午後2時21分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第2号 平成23年度札幌市一般会計補正予算(第6号)中関係分、公の施設の指定管理者の指定に係る議案第14号及び第15号の3件を一括議題といたします。  理事者から、補足説明を受けます。 ◎天田 障がい福祉担当部長  私から、議案第2号 平成23年度札幌市一般会計補正予算関係分と議案第14号及び議案第15号 公の施設の指定管理者の指定の件につきまして補足説明をさせていただきます。  お手元にお配りしております資料1をごらんください。  まず、上段の議案第2号でございます。  貸付金の追加でございます。  本年11月、財団法人さっぽろシュリーから、札幌市に対し、財政支援の緊急要請がございました。当財団に対しましては従来から事業運営のため貸し付けを行っておりますが、このたびの緊急要請を受け、札幌市といたしましても、当財団の事業の安定的な運営を確保し、障がい者の雇用を今後も維持することが必要であると判断し、当財団あて1,200万円の追加貸し付けを行うため、所要の予算を計上するものでございます。  なお、財政支援に当たりましては、当財団が人件費の見直しなど経営全般の見直しを行うことを踏まえ、実施するものでございます。  次に、議案第14号及び議案第15号 公の施設の指定管理者の指定の件についてでございます。  資料の下段をごらんいただきたいと思います。  保健福祉局が所管する公の施設のうち、地域生活支援センターさっぽろ及び札幌市身体障害者福祉センターの二つの施設につきまして、現在の指定期間が平成23年度末で満了となることから、平成24年度以降の指定管理者を指定するものでございます。  なお、指定管理者の選定方法につきましては、地域生活支援センターさっぽろは、障がいのある方に対する相談支援という業務の性質から、精神障がいを中心とする施設利用者との信頼関係を保ちながら継続した支援が必要とされることなど、また、札幌市身体障害者福祉センターにつきましては、身体の障がいの部位ごとに活動する各障がい者団体との強く密接な連携により効率的な施設の運営管理を行うことが可能であることなどから、両施設ともに非公募として現行の指定管理者に申し込みを求め、各選定委員会における審議を経て選定を行ったものでございます。  また、これに関連いたしまして、一般会計補正予算において債務負担行為の設定を行うものであります。これは、この二つの施設につきまして、本年度中に施設の運営管理業務に係る協定を締結するため、債務負担行為を設定するものであり、指定期間を平成24年度から平成27年度までの4年間、両施設の限度額の合計は約5億5,000万円としております。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  財団法人さっぽろシュリー運営費貸付金追加についてお伺いいたします。  障がい者を雇用して、靴の修理、合いかぎ製作等々を行うということであちこちにシュリーという店があったのですけれども、このごろは何か少なくなってきているようです。そのシュリーの主力店舗の移転で売り上げが急激に減ったということで、札幌市に対して緊急支援の要請があり、市では、この要請を受けて、事業の安定的な運営を確保し、そこで働く障がい者の雇用を守るため、運営費貸付金の追加を行うという予算内容であります。  障がいのある方が働く場として、一般企業等での就労と福祉的就労があります。福祉的就労というのは、働くことに必要な訓練や支援を行いながら就労や生活活動の場を提供するというものですが、どちらも障がいのある方にとっては雇用の場として大変重要であると私は認識しております。その中でも、さっぽろシュリーは、作業能力を有しながらも職場の設備等により一般企業に雇用されることが困難な障がいのある方が、先ほど言いましたように、靴や傘の修理、合いかぎ製作等の作業所や店舗を運営してきた歴史のある法人であります。一般企業就労と福祉的就労の両方の要素を兼ね備え持った法人ではないかと理解しております。  そこで、質問でありますが、この法人の状況については、11月9日に提出されている運営改善計画書にも記載されており、また詳しい説明も受けておりますが、再度、確認の意味で、まず、2点お伺いいたします。  1点目は、財団法人さっぽろシュリーの設立の経緯や事業内容、そして、そこに雇用されている障がい者の人数についてです。  2点目は、さっぽろシュリーに対して、これまで札幌市はどのような財政支援を行ってきたのか、確認の意味で、あわせてこの2点をお伺いいたします。 ◎天田 障がい福祉担当部長  財団法人さっぽろシュリーの概要とこれまでの札幌市の財政支援についてであります。  まず、1点目のさっぽろシュリーの設立経緯、事業内容、就労している障がい者数であります。  さっぽろシュリーは、障がい者で作業能力を有しながらも職場の設備等により一般企業に雇用されることの困難な方に職場を確保し、職業的な自立を目的といたしまして、昭和51年2月に財団法人札幌福祉作業所として設立された公益法人でございます。  なお、平成13年2月に現在の名称に変更されております。  この法人が設立された背景といたしましては、昭和50年に、札幌市が当時の厚生省から身体障害者福祉モデル都市の指定を受けたことを契機といたしまして、身体障がい者の働く福祉工場の設立構想が浮上しまして、身体障がい者が働く職場であること、札幌市を産業基盤とすること、企業的に採算のとれることの3点を基本的な考え方といたしまして、関係有識者が検討、協議した結果、靴修理業を行う法人を設立することとなったものでございます。法人の設立に当たりましては、必要な基本金300万円のうち、札幌市が約16.7%に当たる50万円を出資しております。  次に、さっぽろシュリーの事業内容についてでありますが、障がい者が働く作業所及び店舗の運営を行うことが基本的な事業となりますけれども、具体的には靴、傘、かばんなどの修理、靴のクリーニング、合いかぎの製作等を行っており、市内には、本部作業所を初め、17店舗を設置しております。  次に、就労している障がい者の状況についてでありますが、本年11月1日現在、全職員40名のうち、37名が障がいのある方となっております。  2点目のさっぽろシュリーに対するこれまでの札幌市の財政支援についてでありますが、事業開始当初から補助金の交付を行っております。補助金額につきましては、当初、100万円台から600万円台まで推移しておりましたが、靴修理事業の減少等による経営悪化等を踏まえて、平成12年度に2,500万円に増額しております。また、平成17年度からは2,255万円となり、現在に至っております。また、平成12年度に1,500万円の貸し付けを行っております。毎年度150万円ずつ償還する契約となっておりまして、現在の貸し付け残高は300万円となっております。 ◆小須田悟士 委員  従業員の方はほとんどが障がい者であるということですが、障がい者雇用に関しては、札幌市とともに先駆け的な役割を果たしてきたことを改めて認識いたしました。このように多くの障がい者を雇用し、札幌市ともかかわりが深い法人でありますが、このたび1,200万円の貸付金の増額が必要となったということですけれども、さっぽろシュリーにおいて借り入れが必要となった理由、そして、貸し付けを行う札幌市の考え方を確認しなければならないと考えます。  そこで、質問ですが、貸付金増額が必要となった理由と、札幌市がどのような考えで財政支援を行おうとしているのか、お伺いいたします。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーへの貸付金増額が必要となった理由と、札幌市の財政支援の考え方についてであります。  さっぽろシュリーにおいては、本年度は大幅な収支の悪化となっておりますが、その原因としましては、一番収入を上げているJR札幌駅パセオ店における収入の落ち込みで、具体的には、店舗の移転改装による一時閉店、移転後の来客数の大幅な減少が主な原因でございまして、法人の自助努力の範囲を超えた側面があると考えております。このまま推移いたしますと、事業のための運転資金が枯渇し、従業員の給与や賞与の支払いにも影響を与え、さらには、当該法人で就労している障がい者の雇用にも大きな影響を与えることが見込まれ、法人による自助努力によってもなお不足する額について、人件費の見直しや不採算店舗の廃止を含む経営改善計画の策定など、法人として経営全般の見直しが行われることになったものであります。これらを踏まえまして、札幌市として緊急に貸付金を増額する必要があると判断したものでございます。 ◆小須田悟士 委員  障がいのある方の雇用を守るということは、本当に大変なことだなと改めて認識いたしました。今回の措置はやむを得ないと考えますが、やはり、札幌市としても何らかの責任があるのではないかと思います。  財団法人さっぽろシュリーは、札幌市から補助金や貸付金の交付を受けてきただけではなく、基本金の出資を受け、理事には保健福祉局長、監事には障がい福祉担当部長が就任し、本部の職員には札幌市の元職員2名が就職しているということも聞いております。このような状況であることから、札幌市としては、基本金を出資する立場以外に役員としての立場もあるわけですから、主力店舗の移転に伴う営業悪化という側面は十分理解できますが、札幌市としても一定の責任があるものと感じております。  そこで、さっぽろシュリーの理事であります加藤局長にお伺いいたします。  このたびの貸付金の増額に際して、札幌市としてどのように責任を認識しておられるか、お伺いいたします。 ◎加藤 保健福祉局長  今、小須田委員からお話がございましたとおり、出資している出資者としての責任、さらには、日常的に私どもが補助金を出し、貸付金を出している部分での事業執行に当たっての責任、そして、逆に、理事会を構成する理事として法人の内部の経営問題についてきちんとした判断をしてこなかったという意味での責任、この三つの責任がございます。いずれも、私として、これを十分に果たしてこなかったということについては、深く反省をしているところでございます。  改めまして、この場で、市民の皆様方、それから議会の皆様方におわび申し上げたいと思います。  どうも失礼いたしました。  今後につきましてですが、私どもは、このたびの反省を踏まえまして、法人と積極的に今後の経営改善計画を話し合ってまいりました。そして、この経営改善計画が着実に実施できるように、今まで以上に法人に対する関与を深めていきたい、このように考えているところでございます。 ◆小須田悟士 委員  局長から反省の言葉をいただきまして、改善計画にのっとってこれからやっていくということであります。  札幌市は、今後も、出資者、補助金や貸付金の交付等を行う立場としてしっかりとした対応を行うことを要望いたしますし、何よりも、保健福祉局としては障がいのある方の雇用の拡大に向けた取り組みを強化することが重要な使命でありますので、今後とも積極的に取り組むよう要望し、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、財団法人さっぽろシュリーの経営改善計画について伺います。  さっぽろシュリーの経営悪化に際し、法人の自助努力によってもなお不足する額について追加貸し付けを行うという提案でありまして、このような自助努力は当然必要であると考えますが、雇用されている障がいのある方に大きな影響を及ぼすことは避けなくてはならないと考えます。  そこで、質問ですが、財団法人さっぽろシュリーにおいてこのたび経営改善計画を策定したということですけれども、その内容はどのようなものになっているのか、まず伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーの経営改善計画の概要についてでございます。  事業収入が長期的な下降傾向にある中で、今後、直ちに大幅な増収を見込むことが困難であり、また、過去の貸し付けについての償還状況を踏まえた結果、改善計画の期間を10年としてございます。具体的には、平成24年度から平成26年度までの3年間を集中取り組み期間、27年度から33年度までの7年間を改革推進期間と定め、早期の経営改善、経営基盤の安定化を図ることとしております。  この決定に際しましては、従業員に対してさっぽろシュリーの経営環境が非常に厳しいことについて説明を行いまして、従業員の理解をいただいている旨をお聞きしております。  特に、今年度につきましては、当面の運転資金の確保のため、緊急的な措置として、従業員については12月及び3月の賞与の10%削減、管理職については12月の賞与の50%削減及び11月から3月までの給与の25%削減、靴修理料金の改定などを行うことが決定されております。また、平成24年度から26年度までにつきましては、不採算店舗の廃止や定期昇給の見直し、27年度以降については、事務局体制の見直しを行うなどの計画となっております。 ◆しのだ江里子 委員  計画期間を10年間として、来年度から3年間は集中取り組み期間、それ以降の27年度からは改革推進期間として早期の経営改善、経営基盤の安定化を図るということで、早速、従業員の皆さんの理解はいただいている、そして、賞与や給与の削減をする、また、不採算店舗はなくし、値上げもするということでございました。まさに、経営改善計画が確実に実行されていかなければならないと考えます。  再質問ですが、この経営改善計画の実施を前提に今回の貸し付けを決定したものと考えますけれども、経営改善計画の実効性を札幌市はどのように認識されているのか、伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーの経営改善計画の実効性をどのように認識しているかについてであります。  厳しい経営環境を踏まえて、今後の事業収入については、事業開始から今までの中で一番収入が落ち込んでいる今年度の決算見込み額を基礎額といたしまして、ほぼ同額の1億2,000万円を維持することと見込んでおります。このように、これまで一番低く見積もった収入に対して、支出については、平成22年度決算と比べますと、経営改善計画の最終年度の平成33年度においては約2,000万円の削減を行い、収入均衡を図ることとしております。さらに、販売促進活動の強化や民間企業との連携による新事業の展開といったさまざまな増収策をあわせて行うこととしております。これらの取り組みの結果、貸付金についても返済が可能な実効性のある経営改善計画であると判断したところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今年度の事業収入は1億2,000万円を見込むということですが、かつて、さっぽろシュリーは3億円まで売り上げたことがあると聞いております。答弁をお聞きしておりまして、ぜひとも、障がいのある方の雇用を守りながら事業の安定化を進めていただくことを求めます。  かつては、福祉サービスを必要とする人を健常者が支えるといった、どちらかというと一方的な関係による社会が続いていましたが、今は、少子高齢化が進む中で、だれもが福祉サービスを必要としていますし、ともに支え合う社会に変わってきていると思います。このような状況において、福祉サービスを利用する人も、いかに社会に貢献できるかという主体性も求められるようになってきていると思います。また、事業開始から35年が経過しまして、価格の安い靴とかバッグ、傘が簡単に手に入る時代ですので、修理しながら大切に使うことを事業の根幹にしてきたさっぽろシュリーを取り巻く経営環境は、今後もますます厳しい状況が続く可能性があります。そうした中で、財団法人という公益法人であっても、経営に明るい職員が求められ、今後の事業展開の方向として、これまで余りかかわりがなかった民間企業への働きかけを強めるような取り組みも必要だと考えます。  そこで、再々質問ですが、さっぽろシュリーが民間企業のノウハウを活用したり協働して取り組みを進めることはもちろんですけれども、札幌市としても、事業収入の安定化のために積極的に側面的な支援を行っていく必要があると考えますがいかがか、伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーの今後のさらなる事業展開についてであります。  経営改善を進める上で民間企業の協力は必要不可欠であり、経営改善計画の中でも、平成24年度以降、民間企業との連携による経営体制の強化及び新事業の展開を検討することとなっておりまして、札幌市からはこのことに対する支援が必要というふうに考えております。また、民間企業との連携についてでございますが、例えば、さっぽろシュリーの存在を知っていただくため、客層が類似しております他の事業所との協働企画の実施、あるいは、社会貢献活動の一環としての事業支援や寄附の実施、さらには、民間企業からも寄附金の出資や理事、監事、職員の派遣、共同店舗の設置といった経営の参画など、さまざまな手法が考えられると思っております。  札幌市におきましては、まちづくりという幅広い観点から、現在、さっぽろまちづくりパートナー協定を八つの企業グループと締結しております。中には、障がいのある方への自立支援や就労支援、環境問題に取り組む協定を結んでいる企業もございます。このような民間企業を含めまして、さっぽろシュリーに協力いただける企業の発掘など、札幌市としましてもできるだけの支援を行っていきたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  事業収入の安定化のために、側面的にいろいろと積極的な支援をしていただきたいと思います。環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞し、ことし9月に亡くなったワンガリ・マータイさんが来日の際に感銘を受けた日本語が、もったいないという言葉でした。それ以来、世界じゅうで、もったいないという言葉が本当に日常語として使われるようになったのは周知のことです。もったいないという言葉は、限りある資源を有効に活用するということを一言であらわすもので、靴とかバッグ、傘を修理するさっぽろシュリーの事業は、まさにもったいないと思う心を大切にし、具現化するものだと思います。  札幌市は、2008年6月に環境首都・札幌を宣言し、市民一人一人がこれまで以上に地球環境保全に取り組む決意を表明して、具体的な行動指針の中には「手入れや修理をしながらものを大切に使い、再利用にも努めます。」という項目があります。  先ほど、さっぽろシュリーの経営環境は厳しい状況が続く可能性があると言いましたが、今はリペアショップが非常にふえています。安いものはたくさん出ていますが、やはり、それでもいいものを大切に使っていこうと思う人もたくさんいるわけで、そういった意味からビジネスチャンスではないかとも思うのです。ぜひとも、さっぽろシュリーが民間企業と積極的に連携を進めるなどの改善計画を実施していただくことはもちろんですが、行政においても、障がい福祉と環境都市推進の担当部局が連携した取り組みを進めるなど、札幌市民がさっぽろシュリーの応援団となってもらえるよう、さらなる支援を行っていただくことを求めます。  私もいつもシュリーを使わせていただいており、きのうもたまたま店に行ってきました。実際に私も預けて、その15分間、作業をしている方とちょっとお話をしましたが、やはり、預けられる方もたくさんいるということで、ぜひとも、さっぽろシュリーがこれまで以上に札幌市の大切な福祉を担う作業所として続けていただけるように、みんなで頑張っていきたいと思います。 ◆丸山秀樹 委員  今、大分お話がありましたけれども、私からも、経営悪化の背景と今後の運営のあり方について質問させていただきたいと思います。  まず、さっぽろシュリーの役員につきまして、今回のような追加貸し付けが必要となった背景を考えると、理事、監事に職員が就任してきた、札幌市が関与してきた部分は大きいということで、改めて、その責任は指摘しておきたいと思います。  本部の職員につきましては、札幌市を退職した職員が2名いること、そして、先ほどから出ていますように、理事には保健福祉局長、また監事に障がい福祉担当部長が就任しているということもわかりましたけれども、札幌市関係者以外はどのような役員構成になっているか、まず確認しておきたいと思います。  一つ目は、財団法人さっぽろシュリーの理事、監事、評議員について、どのような役員構成になっているか、お伺いします。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーの役員についてでございますが、理事8人、監事2人、評議員8人となっております。このうち、理事は、NPO法人や社会福祉法人の役員、企業関係者、障がい者団体の代表、札幌市職員等でございます。監事につきましては、他の財団法人の職員及び札幌市職員である私が務めさせていただいております。また、評議員につきましては、社会福祉法人や消費者団体の役員、障がい者団体や他の財団法人の職員、そして企業の関係者などで構成されております。 ◆丸山秀樹 委員  今の答弁をお聞きいたしますと、事業上の性質もあると思うのですが、福祉事業やその周辺の関係者が中心となっていることはある程度理解できますけれども、今回のような経営悪化を踏まえると、今後もそうした構成でいいのかという疑問も感じるところです。今日のように社会経済が大変厳しい状況にあっては、経営感覚や専門知識を有する役員が業務に対して適切に意見を述べ、また、運営面などについても厳しく対応していくような状況が必要なのではないかというふうに思います。  そこで、再質問になりますけれども、今後の経営改善を積極的に進めるために、経営感覚にすぐれた役員の配置などを含む財団の運営体制のあり方も検討が必要かと思われますがいかがか、お考えをお聞かせください。 ◎天田 障がい福祉担当部長  さっぽろシュリーの運営体制のあり方の検討についてでございます。
     障がい者と雇用契約を締結して事業を行うという形態も踏まえながら、共同企画の実施、事業の支援、経営への参画など、民間企業へ提案を行い、民間企業のノウハウを活用した協力関係を構築できるような取り組みが、今後、事業展開で必要不可欠と考えております。このような取り組みを積極的に進めるには、社会福祉やその周辺領域に加え、経営にも精通している役職員の存在が重要であると考えております。  そういった面から、私も監事をお引き受けしておりますが、今回の経営の状況につきましては、十分に役割を果たしていなかったのではないかというふうな反省もございます。改めて、おわび申し上げます。  このような環境の変化に対応するためには、法人の役員構成や事務局体制を含め、法人全体の運営体制のあり方について検討が必要であると考えておりますし、民間企業を含めて、さっぽろシュリーに協力いただける企業の発掘等、札幌市としてもできる限りの支援を行っていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  要望になります。  今の答弁にもございましたように、事業開始の当初と現在のシュリーを取り巻く環境は大きく変化しているというふうに思います。経営改善計画を進めるためには、やはり、経営感覚にすぐれた役員を配置して再スタートを切ることが必要と考えます。  札幌市としては、財団の運営体制のあり方を、財団とともにぜひとも検討していただきたいというふうに思います。  また、事業につきましても、待ちの姿勢ではやっぱり非常に厳しいのではないかというふうに思います。ご用聞きとか、集配システムというか、そうしたことなども考えてみてはどうか、検討してはどうかというふうにも考えます。事業内容を含め、運営体制のあり方を検討するということは、結果として障がい者雇用の安定的な確保につながり、そうした体制が築かれることが35年前に目指した所期の目的の達成につながるものというふうに考えます。このことを指摘させていただきまして、私の質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私からも、議案第2号 一般会計補正予算の貸付金の追加、シュリーへの出資、貸し付けについて質問したいと思います。  最初を聞き逃していて、重複していたら恐縮ですが、冒頭に、加藤保健福祉局長は理事の一員であること、天田障がい福祉担当部長は監事ということで、三つの立場からの責任ということでおわびの話がありました。  局長も部長も無報酬の役員と理解しておりますが、私がいただいたことしの4月1日現在のさっぽろシュリーの役員名簿の中に、市の元所長や、先ほどお話のあった企業関係の方、福祉にご精通されている方などがおりますけれども、この中で有償の役員はいらっしゃるのでしょうか。 ◎天田 障がい福祉担当部長  理事構成のうち、1名の常務理事につきましては有給でございます。この常務理事が札幌市のOBでございます。 ◆坂本恭子 委員  そういうことも含めて、この間、ずっと反省の弁などもあり、また、経営改善に札幌市が今後どういうふうにかかわっていくのかというお話があったかと思います。事前に伺いましたら、常務理事であります方は課長職のOBということで、年間約380万円の報酬をもらっている。今回、経営改善計画の中では、この方の報酬も含めて、相当の削減を行うことがのせられているというふうに理解しております。それから、もうお一方、係長職のOBの方が有償でお仕事をされているということで、ここに人的な札幌市の関与があったという理解でよろしいですね。  私は、経営改善計画も見せていただきました。今、局長が起立なさって、頭を下げ、謝罪の言葉を出したことは、この間のことについても非常に重く受けとめているのだろうというふうに思います。その上に立って、何点か伺いたいと思います。  先ほど説明の中で基本金300万円のうち、札幌市の出資が50万円だったということがございました。さかのぼれば1975年のことだと思うのですが、基本金300万円のうち、50万円が札幌市ということですけれども、それ以外の基本金は、どういう方がどういう形で出資したものなのか、まず、そこを明らかにしていただきたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  基本金300万円のうち、50万円を札幌市が出資しておりますが、残りの250万円につきましては、特定の団体からの出捐ではなくて、市民の浄財によりまして財団が設立されたというふうに伺っております。 ◆坂本恭子 委員  今あったように、特定の個人や団体ということではなくて、市民の浄財によって設立されたのがさっぽろシュリーということですね。事業を開始したのは1975年ですから、35年、営業を続けてきたということです。私は、まず、当時の市民の善意によって設立されたという理念ということ、それから、この35年はいろいろと山坂があったと思うのですけれども、何とか持ちこたえてきた、それは、市民の支援であったり愛着というものだと思います。先ほど、局長も、もちろん部長も謝罪されておりましたけれども、私は、謝罪するのであれば、まず、こういうところに出資してくれた市民に対して、支援を長く続けてきた地域の皆さんに対して行うべきだと思います。これは、あえて指摘ということにさせていただきたいと思います。  経営改善計画について先ほどもいろいろとお話がありましたが、底を打っていた今年度の事業収入をベースにして、これをかたい見込みとして持っているということでしたね。事業収入以外のものについても、ほとんど横ばいでこれから集中取り組み期間以降に進んでいくというふうに思います。販売努力や増収策なども講じながら取り組んでいくのだ、さまざまな手法で民間ノウハウも活用しながら何とかやっていきたいということでありました。  しかし、私は、同じ轍を踏まないということだと思うのです。本当にここまで支えてきてくれた市民の皆さんにどういうふうに恩返しをしていくのかということ、それから、ここをよりどころに仕事をしてきた方たち、とりわけ障がいを持っている方たちに対してどういうふうに対応していくのかということがまさに問われているというふうに思います。一たん、貸し付けをしたにもかかわらず、結局、資金ショートをさせるような状況になったことについて、私は、改めて深く反省していかなければならないというふうに思います。そういう意味で、今回の改善計画が妥当なものなのか、これから先はもちろん見ていかなければならないと思うけれども、集中取り組み期間、改革推進期間の前期、後期という3区分の中でこれから先を見ていこうとしているわけです。  そこで、その節目節目もそうですが、単年度ごとの収支のバランスをきちんと見返していきながら、次に、どういう増収策、営業をしていくのか、どういう民間企業のノウハウをもらうのか、支援をしてもらうのかということを丁寧にやっていかなければいけないと思うものですから、そこのところはどういうふうに取り組んでいくおつもりなのか、改めて伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  先ほどの答弁とも一部重複するところがあって大変恐縮ですが、私ども札幌市といたしましては、貸し付けをしている団体、補助をしている団体、もう一つ、役員として職員を派遣している団体、この三つの役割を持っております。その中で、特に助成金を交付しているという立場からまいりますと、経理関係については、毎年度、補助金の執行が適切に行われているかという観点では当然見てまいりました。また、役員としましても、理事会への参加、また、決算審査等については、私は監事の立場で入らせていただいております。そういった面では、適切な運営がされているか、それから、コンプライアンスの面で適法な運営がされているか、適法な経理がされているかという観点で見てまいりました。しかしながら、長期的な視点といった面がやはり薄かったのかなというところで大きな反省がございます。  今後とも、札幌市としては、当然、財政援助団体としての立場の中で経理関係について監督させていただくこともございますけれども、それだけではなくて、随時、経営状況についてのご相談や、我々の持っている知恵、また、就労支援関係につきましてはいろいろな団体からもご支援をいただいておりますし、連携も強めておりますので、そういった情報も提供させていただきながら、一つでも二つでも、経営改善につながるもの、増収につながるものについて、そして、市民の方にシュリーをわかっていただくという面で、トータルで障がい者の雇用が守られるような取り組みを今後ともぜひ綿密に進めていきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  しっかりやっていただきたいというふうに思います。  そこで、今、部長はきっと雇用の全体的な環境ということでお話をされたと思いますが、現在、シュリーは17店舗ありますけれども、不採算店舗については削減していくと聞いております。1店舗1人という形態で営業されていると思います。そういう意味では、自分の店という感覚で、非常に愛着を持って、また、さきにもありましたけれども、来てくれるなじみのお客さんと会話をしながら、また冬靴を出す季節になったねというようなことも含めて、お互いが支え合うような環境もシュリーという店を核にしながらつくられてきたのかと思います。そういう意味では、不採算店舗だからといって切り捨てていくのは、経営改善計画の中ではどうなのかという思いは一方でいたしますけれども、少なくとも今働いている従業員の雇用は守られていかなければならないと思います。  そういう意味では、3店舗が削られていくわけです。人件費の削減ということも全体の計画の中ではのってきています。障がいを持った方が、こういう経営について、今の厳しい状況について納得しながら、そして、これからの自分の勤務の条件、処遇についても納得する、合意を得ながら進めていくことが非常に重要なことだというふうに私は思っておりますし、そこを丁寧にやっていただかなければならないと思います。  そこで、この間、経営健全計画を策定していく中で、障がいを持って働いている方たちに対してどのような説明をしながら具体的に理解、納得を得るようなことを行ってきたのか、そして、本当に理解や納得は得られているのかというところを確認したいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  財団法人さっぽろシュリーのお店については17店舗ございますが、この店舗については、1名以上の職員を配置して、当然、営業の状況に応じまして職員の手厚い配置、または代替職員の配置という形でそれぞれ支えてきてございます。従業員につきましては、定期的な運営会議がございまして、その中に参画していただきまして、運営状況については、1年間の計画を踏まえて、財団法人本部で定期的にご説明をしていただいております。そのほか、本部職員が巡回して店舗の状況も見てございます。  今回の経営改善の一つの手法といたしまして価格の改定もございますが、これにつきましては、店舗の代表者にも入っていただいた上で、どういった形でどこを手直ししていけば利用者の増につながるか、あわせて、経営にも資するものになるのか、そういった面については、現場の方のご意見も伺いながら、そのご意見を踏まえてまとめさせていただいております。  全般的な経営については非常に厳しいというお話をさせていただいておりますが、そういった状況につきましても運営会議等でご説明をしていただいております。今回の非常に厳しい経営改善計画につきましては、緊急的な要請もございますが、職員の方にも十分にご説明していただいた上で、中には賞与のカットもございますけれども、雇用を守るという立場でご理解をいただいたというふうに伺っております。 ◆坂本恭子 委員  経済全体が大変厳しい状況になっている中で、一般障がい者の皆さんが仕事につくことが厳しい状況になっています。今回、このような形でシュリーが新聞紙上に出て、障がい者の方が中心になってやっておられるこういうお店があるということも、市民の皆さんの中でも改めて認知がさらに広がったのかなと思います。そういう意味では、本当に働いている方が本当に報われるように、一生懸命に働いていることが目に見えて成果となってあらわれてくるような、そういう状況を一日も早くつくっていっていただきたいと思います。  35年間営業してきた大変大きな意義を踏まえながら、この間、やはり、札幌市は放漫だと言わざるを得ない経営を野放しにしてきたことについて、私は、そういう指摘は免れないと思います。そのことをしっかりと胸に持った上で、障がい者の雇用を守る上でも、これからもシュリーの店の経営健全のために支援をしていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私からも、さっぽろシュリーの関係で質問いたします。  これまで、札幌市がシュリーという障がいのある方が中心となって働く場を支援してきたことについては、私は、意義があることだと思っていますし、当然、今後は経営改善計画にしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  この間、10年以上前に経営が悪化して、補助金も一挙に2,500万円に大幅に増額し、また新たに貸付金1,500万円を交付したことが資料でわかりました。今回の経営悪化によって再び1,200万円の貸し付けをするとしておりますけれども、これまで補助金や貸付金を交付してきた札幌市としては、シュリーから提出があった事業計画や報告、予算、決算などについて、先ほどの答弁ではそこにもしっかりと目を向けてきたのだといったようなお話がありましたが、これまで丁寧に助言や指導を行ってきたのであれば、今年度当初予算としても2,255万円の補助と300万円の貸し付けを行っているわけですから、こういった形で補正予算を組むといった緊急的な支援の要請には至らなかったのではないかと私は感じております。事業の実績をしっかり把握していれば、今回の事態になる前に工夫できるところもあったのではないかと感じているところです。今後は、そうしたことを繰り返すことがないように、適切な助言、時には指導も行っていただきたいと思っております。  そこで、質問ですけれども、札幌市は、補助金または貸付金の交付先であるさっぽろシュリーに対して、これまでの対応についての認識と、今後どのように対応していこうとされているのか、この点について伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  先ほどの坂本委員からのご質問の答弁とも重複するかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。  札幌市としての対応の認識と、今後はどう対応していくのかという2点であろうかと思います。  札幌市につきましては、補助金、貸付金を交付する立場、もう一つは役員を派遣している立場の中で、必要に応じて助言・指導を行って事業の適切な運営に資するという立場で努力してきたつもりではございます。しかし、このたびの経営悪化に際しましては、パセオ店の移転による売り上げの減少の側面があるといたしましても、長期的な経営の観点から札幌市とシュリーが十分に議論を重ねていれば、それを続けていれば、経営悪化に対する効果的な対応も可能だったのではないかなという反省は本当にしてございます。  こういった厳しい状況に至ったことにつきましては、本当に効果的な対応を十分に果たすことができなかったという結果責任があると思っておりますが、札幌市といたしましては、経営改善計画の着実な遂行に向けまして、今まで以上に事業の実施状況を的確に把握することとあわせまして、シュリーとも十分にコミュニケーションを重ねながら適切な助言・指導を行っていくというふうに考えております。 ○飯島弘之 委員長  小倉委員を初め、委員の皆様にお願い申し上げます。  先ほどの質疑から質問内容がかなり重複している傾向が見受けられます。委員会もかなり長時間になっておりますので、重複を避けて質問していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。 ◆小倉菜穂子 委員  当然ですが、補助金や貸付金を交付したらそれで終わりということではなくて、市民の大切な税金でありますから、障がいのある方たちの就労をより有効に支援していくように使われているのかどうか、今、交付している間も、随時、報告を受けて、必要に応じて助言・指導というお話がありましたけれども、年度末には補助金や貸付金が適切で効果的だったのかどうかをきちんと検証しながら事業を進めていただくことを改めて求めたいというふうに思います。  支援することは必要だと思いますけれども、シュリー自体は既に長く経営を続けている実績もあるわけですから、経営が思うように行かない状況については理解するところですけれども、こうしたことが実際に起きることについては残念だなと思っています。シュリーの経営のあり方について、ぜひ、財団の主体性や自立性がしっかりと確立されるようなことを目指して、きっちり考えながら取り組みを進めていただきたいと思っています。  そして、現実問題として、今後の経営についても、先ほど来、民間企業を含めてさっぽろシュリーに協力をいただける企業がないかとか、札幌市としてできる限りの支援を行っていきたいといったお話がございました。今、17店舗というお話を伺いましたが、シュリーの設立の概要について一番初めに説明がありましたけれども、営業を開始した当時、35年前くらいには、本部を中心として、市内では取次店などから靴を集めてもらって作業所で集約して修理されてきて、そうした後に、移動店舗で営業したり、お店の数をふやしていったという経緯があると伺っています。私は、皆さんが働いていらっしゃる様子をたくさんの市民の方が身近に知るとか、先ほどもありましたように、対面でやりとりをするのは大事だと思っているのですが、一方で、店舗を持つということは経営面では大変負担が大きいということも強く感じています。  私ごとですけれども、私は足がとても小さいものですから、本当に気に入った靴は修理をしながら使わせていただいています。いつも、通勤途中なんかに持ってきたりしますが、そういったところでも、大切なものだからちゃんと持って行ったり来たりすればいいのですけれども、面倒だったり、また、市民の皆さんもお仕事で忙しかったりします。例えば、私は宅配で食料品とかを購入する機会がありますけれども、そういった場を生かしながら――ちょっと細かな話になりますが、お店を持たなくても、靴とか傘などいろいろあるかと思いますけれども、そういったものがうまくやりとりできる、市民に対して利用しやすい、そんな形の展開も考えていけないかなというふうに思っています。  これからさまざまお考えになるところかと思いますけれども、そうした一つの事業展開の中で、出張店舗とか、先ほど申し上げた取次店を利用しながらとか、宅配業者の方々にお手伝いいただきながら、本部の作業所を拠点としながら、市民が利用しやすい環境をつくっていくことも営業上の一つの工夫ではないかなと思いますし、私は、これはきっとできるなというふうに思うのです。ぜひ、こうしたことについて、札幌市としてもこれからさまざま考えていくところかと思いますが、そういったことについてもお考えいただけないかというふうに思いますけれども、今のところ、具体的な検討が何かございましたらお示しいただきたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  シュリーを利用していただきやすくするような営業上の工夫についてというご質問でございます。  これまでの営業所といたしましては、障がいのある方が働く店舗を中心に運営するという性質上、固定店舗での営業が中心となってまいりました。しかしながら、実は、他の事業者からの委託事業もいただいております。具体的な例といたしましては、靴の販売店から新品の靴への滑りどめの取りつけ依頼とか、クリーニング店からの靴のクリーニングの依頼、かばんの専門店からのかばんの修理の依頼などをいただいてございます。このような業務につきましては、取次店契約のような継続的な代理店契約ではございませんが、その都度、依頼を受けさせていただいているという形態でございます。  今後の展開といたしましては、取次店契約を初めとしまして、訪問営業や各種イベントへの出店など、さまざまな営業上の工夫によりまして顧客の利便性を高め、事業収入の増大を図っていくことも可能ではないかというふうに考えております。また、これを実施していくことが非常に有効であると思っております。このように、シュリーが民間企業との連携を深めていく意味で、その分野で強みを持つ民間企業のご協力が得られるように、札幌市としてもできる限りの支援を行っていきたいというふうに考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  ぜひ、さまざまなアイデアを出し合って、時代に合わせた、そして、利用者にとって利便性の高い事業展開を検討していただきたいと思います。今、既に受託しているところもあるというお話も伺いましたので、そうしたところもさらに広げていくように取り組んでください。また、そうしたことがシュリーで働く方々を実質的に支えることになるわけですから、その点についてはしっかり取り組んでいただきたいというふうに思っています。  また、今もあるのかもしれませんけれども、従業員の方々にもぜひいろいろなご意見をいただく、私はそういった空気が広がることも大変重要だと思っていますので、このことについてもぜひお願いしておきたいと思っております。  将来的には、どんどん補助金がふえることがなくても、こうした事業が自立していくことをぜひ目指す、その方向性を持っていただいて、しっかりとした事業展開を図っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆堀川素人 議員  今たくさんの質問がありましたので、できるだけ重ならないようにやっていきたいと思います。  まず、一つ、僕の意見を言いますと、このシュリーの店は、まさに札幌市の団体の一つである、こう思っているのです。ある意味では、全く自立性がない。  どういうふうに自立性がないかといえば、お金は出資金として一部出していますから、ここにも関与している。それから、補助金として毎年2,250万円、お金が足りなくなったからといって、今回貸付金として1,200万円を出す。その前の平成15年は1,500万円出す。足りなくなりました、10年で計画どおり行きませんでしたと。2年前には、ここでもってパンクします、年が越せません、そして、札幌市に緊急援助をお願いする。札幌市はそれに対して出そうとする。こうやって、お金の面では全面的におんぶにだっこですよ。  次に、人的関与です。  先ほどから出ていますように、常務理事は札幌市のOBである。次長も札幌市OBである。今回だけの問題ではないのです。ほぼ歴代の――この2人は有給の札幌市のOB、この人方は札幌市から天下りをしている。なぜ天下りと言えるかといったら、歴代がそうなっているからなのです。この人が適材であるという証明は何もない。こういう状態がずっと続いていることなのです。これでもって、札幌市とは関係ない、要するに自立した団体だと言えると思いますか。そのことについて見解を伺いたい。  それから、2番目として、お金を借りるときに銀行に貸してほしいという相談をしたのかどうか。  次に、ほかの団体、ほかの福祉団体にこういうふうに出資をする、それから、補助金を出す、そして、足りないからといって貸し付けをする、札幌市がそういう援助をしている福祉団体はシュリーの店のほかにありますか。このことなのです。  次に、再建策のことについて言います。  事業内容が時代に合っているのかどうか、この点検をなさいましたか。そのほかに、再建策の中で、今年度の売り上げが最低であろうと、これを裏づける根拠がありますかということです。そして、理事会はどうなっているのですか。  ここの人的な関与についても、先ほどは有給の人間、給料をもらっている人間、札幌市のOBで。ところが、無給であっても――8人の理事で理事会を構成しています。そのうち、札幌市と関係がある人が4人もいます。現在で言うならば、常務理事の山本 正、理事の加藤敏彦、理事の坂野英昭、渡辺信英の4人がいます。そして、監事に天田部長がいます。つまり、監事も入れますと10人のうち5人が札幌市の関係者です。まさに、理事会の半分を占めていて、歴代はこういうふうにしてやっていたなら、ほかの理事はなかなか口を出せない。あなた方が意思を統一さえすれば決まっていく話です。理事会の議事録も見ました。全員が出て8名なのに、8名出ることがほとんどないとするならば、今の4人がどれほどの割合を占めるのか。このことがはっきりしてくるということですよ。  もう、これは、市民に対して極めて申しわけないこと。この団体ができてもう35年がたっている。これだけ長い間、札幌市がこれにかかわっていて、何たることですか。これは、天下りした人が悪いということではないです。これのすべては札幌市の責任だ。そして、今、12月8日がボーナスの時期だったらしい。平均給与が340万円だと聞く。そういう中でボーナスを心待ちにしている家族がたくさんいる。今ここでこういう議論をするような話か。これについて、先ほど頭を下げた加藤局長、そんなもので足りないよ。真剣にやらなければ、今のこの体質というのは、僕は札幌市のあらゆるところにあると思う。たまたま今回パンクしそう――パンクということは、資金ショートを起こす。だから問題になってここで議論した。これが、ことしではなくて、来年だったら、ことし、こんな話にはならぬ。でも、すぐれた経営をする人間は、いいときに次の悪いことを考える。こうでなければならぬと言う。何たることだ。  これについての厳しい反省はどうなっているのか、もう一回、聞きたい。 ◎加藤 保健福祉局長  先ほど冒頭で反省をしたつもりでございますけれども、厳しく反省しているところでございます。  ただ、一つ、今の議員からのご質問の中で自立性の問題ということがございました。まず、団体の自立性をどうとらえるかということが一つございますが、今の議員のお話の中にもありましたが、職員が300何万円の給料をもらって生活しているということでございます。障がい者の方々にとっては、その給料において自活した生活をそれぞれなさっているわけで、この会社があって、本当に自立した生活がなされているということでは、私は、団体の自立性という部分が、役所の言いなりになるのかとか、団体の思ったことができるのかとか、そういう意味ではなくて、団体の存立目的に沿った事業計画がなされて、その中で収入が上げられ、そして、そこで働いている職員が生活しているという面で言えば、この団体設立の目的がある程度達成されているのではないかというふうに考えているところでございます。  また、2番目のご質問で、銀行に相談したかということがございました。  これは、私どもに直接お話があったのが9月初めでございました。この理由が、新たにオープンいたしましたパセオ店、これは、今までは毎年1,200万円ほどの黒字を出していたところでございます。そうしますと、その1,200万円がほかの店舗の赤字をほぼ埋めて事業を展開していた、そういう状況の中で7月、8月の売れ行きが極端に落ちたということで、今年度は大幅な赤字が予想される、それについてどうしたらいいだろうかというご相談を受けました。  我々は、9月1日にその相談を受けまして、すぐ職員等を派遣いたしまして業務内容を精査させたところでございます。ただ、私どもが業務内容を精査しただけでは、私どもの見解だけではどうしてもきちんとしたことができないということで、本当に緊急的ではありましたが、公認会計士の方々に業務内容を調べていただくこともやってございました。そういった中で、今お話があった銀行等の借り入れ、他の金融機関の借り入れ等についても法人等で検討された部分はございます。ただ、金融機関からの借り入れに当たっては、新規の貸し付けとなると2カ月、3カ月の期間が要るということで、先ほど議員からお話がございましたように、ボーナスも支給できない状況の中で、我々としてそこら辺は緊急的にやらなければならないということもあって、今回、こういう事態になったところでございます。  それから、事業内容が今の時代に合っているかというご質問がございました。  事業内容等について、使い捨ての時代であるとか、物を粗末にするとか、そういう中にあって、この事業の存続意義というのはまた別の意味であるわけではないかと、先ほどしのだ委員からもご指摘を受けたところでございます。私どもも、物を大切にする心をどうやって育てていくのだといった面でもこの事業は非常に必要な事業ではないかなと思ってございまして、補助金を出している理由も多少はそういうところにも一つ新たな意義が出てきているのではないかと考えているところでございます。  それから、今年度が最低の売り上げになっている理由はなぜかということでございますが、先ほどから申し上げましたとおり、パセオ店が2カ月間閉鎖されまして、場所が変わったということで今年度が最低になったということでございます。 ○飯島弘之 委員長  局長、ちょっと質問の内容が違います。今回がボトムであるという裏づけは何か、根拠は何かという質問です。なぜ今年度が最低かという質問ではないということです。堀川議員、よろしいですね。(「そのとおりです」と呼ぶ者あり) ◎加藤 保健福祉局長  先ほどもちょっとご説明を申し上げましたが、パセオ店が今まで1,200万円の黒字を出していましたが、そのパセオ店が場所を変えたことによりまして来客数が非常に少なくなって売り上げが落ちました。それから、店舗を閉鎖していたという部分で、売り上げが落ちた部分をもとに今年度が最低になると。基幹店でありますパセオ店の売り上げが一番落ちたということをもって最低というふうに判断したところでございます。 ◎天田 障がい福祉担当部長  幾つか、補足してご質問にお答えさせていただきます。  まず、銀行融資の相談が先にあったのかということにつきましては、法人としてはそういう努力をしていただいたということは経過としてございます。(「済みませんが、もう一度」と呼ぶ者あり)  銀行融資の相談があったのかというご質問につきましては、財団から報告を受けておりますのは、その前に金融機関に融資のご相談をした、しかしながら、今回は難しかったというふうに私どもは聞いております。  それから、2点目ですが、札幌市が関与している出資団体で、補助金も交付し、なおかつ貸付金を行っているところはあるかというご質問であったかと思います。  私ども障がい福祉関係が所管している団体の中では、さっぽろシュリーのほかにはございません。  それから、時代に合っているかということにつきまして、私からもお答えをさせていただきたいと思います。  実は、身体障がい者の方の就労支援の科目、昔は授産科目と言いましたが、訓練をして職業的に自立を図るための科目といたしましては、靴修理というのは過去において花形の時代がございました。そういった時代にシュリーが設立されているという経緯がございます。しかしながら、今、この時代に即しているのかといいますと、そこは非常に厳しい現実もあろうかと思います。一方では、シュリー以外にも、民間の団体といいますか、複数の会社が札幌市内にも店舗を構えています。こういう現実を考えていきますと、必ずしも斜陽ということにはならないというふうに思っています。そして、非常にご高齢の方が多い団体でもございますので、そういった面では、新たな科目に挑戦するという方法もありますけれども、今の段階では、培った技術を生かしていくためには、やはり靴の修理を続けていくという考え方になるのではないかというふうに思っております。  最後に、理事会としての機能を果たしていたのかということであろうと思いますが、改めて、私からも反省の答弁をさせていただきたいと思います。  やはり、職責として、十分な役割を果たしてきたかといいますと、そうはなっていなかったというふうに反省しております。私も3月まで障がい福祉課長をしておりまして、役員ではございませんが、この事業執行の面では責任がある立場にありました。そういった中で十分にそうした機能を果たしていなかったことについては、私も非常に深い反省がございます。現在は、役員として監事の役割も担っておりますので、引き続き、シュリーの法人の方とできるだけ連携を密にしまして、運営の改善に向けて私たちも努力していきたいというふうに思っております。 ◆堀川素人 議員  まずは、札幌市の団体であると。これは、札幌市そのものではないけれども、札幌市が完全に支配している団体である、普通はこう考えて当たり前なわけですよ。理事会の半分が札幌市のOBまたは現職がいるという状態です。補助金を年間2,250万円出している団体で、ほかにはそういう補助金を出すような団体はないわけですよ。唯一、札幌市が補助金を出している。困れば貸付金も出すということで、これはもう札幌市の団体ですよ。まず、そう考えなければだめだ。再建するとしても、札幌市がきちんと頭の中を切りかえてやらなければできることではない。そうするならば、これは理事会の抜本的な組みかえが必要ではないですか。このことを明らかにして再建計画だと言わなければ、再建計画にならないですよ。  それから、銀行に相談したのか。相談して借りられなかったと。札幌市が自立のことを考えるならば、札幌市が、直接、貸すのではなくて、銀行から借りさせる、そのために札幌市は何をすればいいのか。きょう聞いている中では、札幌市が保証に立つならば無利子で貸してもいいのではないかというところまであるのですよ。今、1.6%の金利を会社が払わなければならないということは大変厳しいですよ。そうするならば、札幌市がその努力を一緒にしてあげて、極端に言えば無利子で貸してくれるというところも、きょうの話の中では、100%確定ではないですけれども、そういうところがあるという。努力をしてみなさいよ。こういうようなことの中で、このお金がもしだめになったら、だれが負担するのですか。あなた方が負担するというならばいいよ。市民の負担ですよ。市民が負担をすることに対して、あなた方は、自分の懐を痛めないからといって、はい、貸しますよという話はないのではないか、こう思うのです。  それについての見解を聞きたい。 ◎天田 障がい福祉担当部長  銀行からの融資の前に、経済局所管の中小企業支援センターもございますので、そういうセンターも活用していただいて、いろいろな民間の融資、公的融資を含めてご相談していただいておりました。しかしながら、残念ながら、融資までは至らなかったというふうに聞いてございます。 ◎加藤 保健福祉局長  議員のおっしゃるとおり、市民の浄財でこのお金が賄われるわけでございますので、私どもは、決してそういうことにならないように厳しくやっていきたいということが一つございますが、今まで1,500万円を貸し付けてございまして、ことしの初めまでに1,200万円の返還をいただいてございます。残り300万円になってきたわけでございますが、その段階において資金ショートのおそれがあるということで、今回、急に貸し付けをしたところでございます。  この資金ショートのおそれがあるということは、財団自身での経営努力としては、もういかんともしがたい状況になったということで、資料にも載ってございますけれども、私どもは、1.4%の利率を――私は零%でもよかったのかと思ったのですが、貸し付け利率については厳しく1.4%となってございます。その辺も含めて、市民のご理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。 ◆堀川素人 議員  今のやりとりだって、たとえ1.4%であろうが、1.6%であろうが、札幌市が直接貸すわけではないわけだ。どこかからまた資金調達をして貸すわけだ。例えば、持ち金があって、それを貸す。でも、全体からいったら、そういうお金は、札幌市として、全体として、銀行からも借金しながら、金利を払いながらやっているわけだ。今のものを直接貸しても、そのしわ寄せは回り回って札幌市の金利になるのですよ。その金利を取るということでしょう。困っているところから金利を取らないで、ただで貸せるようなところがないのかどうか。  我々も、中小企業支援センターによく行きますよ。役所の人にだけ頼んでいたらなかなか借りられないのです。そうしたら、何年か前から、あそこに各銀行のOBの人がいて、その人方にきちんと説明をして、何とか貸してあげられるような方法はないだろうかと頼んだら、できないというものができることもたくさんある。そうするならば、札幌市は個人から見たら非常に信用が高いわけだ。そこが、今回、どうだと、こういうことの中でお願いをしたならば、札幌市が保証するならば貸してもいいですよという直前まで今行っているのですよ。もしあれだったら、それは後で僕の方で教えますよ。(笑い声あり)最後の詰めをやるならばやって、つまり、一生懸命やりなさいということ。笑い事ではないんだって。(「事前に教えてやれよ」と呼ぶ者あり)今の今まで詰めてきたって、それはあなた方に答える必要はないか。  そこで、次に、ことしの売り上げが最低だという根拠はどこにあるのですかと僕は言った。この売り上げの経緯を見てください。どんどん下がっているではないですか。黒字になっているところが、去年まではまだあった。その前はまだ多かった。去年になったら4店舗しか黒字店舗がない。ことしは、黒字になるか、今は途中経過だからわからないけれども、その流れからいったら、まだ売り上げは落ちるであろう。そのほかにパセオ店が一気に落ちた。これからもまだまだ落ちていく可能性を見ながら考えなければならないのに、簡単に、根拠もなしに、ことしが最低の売り上げだとしたならば、将来はまた簡単に行き詰るのですよ。バックデータをきちんと確認してやらなければ、交通局の再建策みたく、何回も何回もでたらめな数字が並ぶことになる。これは、今まで札幌市がいろいろなところで繰り返している現実ですよ。 ○飯島弘之 委員長  堀川議員に申し上げます。質問をまとめていただけますか。 ◆堀川素人 議員  (続)そういうことの中で、皆さんは、しっかりと現実を見て、市民が出しているお金を、あなた方が使うことを本当は任せたくないぐらいだということで、今回、とにかく今困っている人方もいる。どうすればいいか。銀行から貸すことも可能だと、今、僕は思っていますよ。そうするならば、それをしっかり早く追いかけて、どっちが本当にできるのかどうか、これをしなければならぬのではないですか。そういう怒りを込めまして、終わりにします。 ◆木村彰男 議員  私は、担当の課長にご紹介いただきまして、土曜日にシュリーに行ってまいりまして、先ほど出ておりました課長職のOBの方、係長職のOBの方とお話ししてまいりました。  いろいろと見ていましたが、今、堀川議員もお話しされていましたように、やはり売り上げはずっと下がっています。唯一、売り上げが伸びるのはこの冬の時期なのですね。冬の時期に何をしているかというと、大手の三越などから靴を仕入れて、それに裏打ちして滑らないような工作をするのですね。その費用が非常に大きな売り上げになっていることもわかります。  ところが、全体的に見ると、先ほどお話しになったように、障がい者の方々のスキル、もちろん私も買っているのですけれども、やはり違うビジネスをしていくか――私は民間の会社で営業をやっていたものですから、修理だけではなくて、物販といいますか、例えば、来たお客さんに対して靴を売るとか、靴に類似する商品を売る、かばんに類似する商品を売ると。やはり、障がい者の方もそこでスキルを磨いてやっていくというふうに、そういう努力もしていかなければ、先ほど堀川議員がおっしゃったように、これは行き詰っていく業種ではないかというふうにまず思いました。  そこで、申しわけありませんけれども、この課長職、係長職のOBの方は、武士の商法といいますか、営業の私から見るとやはり発想がずれているのです。児玉さんもそうですけれども、お金を差し上げてでもマネジメントをきちんとできる、営業がきちんとできる、そういう方々を上に据えて障がい者の方々を引っ張っていっていただく。そうしないと、この方々には家族もいて、生活もありますが、守れません。そのように思いました。  そこで、質問ですけれども、今回、貸し付けをすることについて、前の貸し付けの金銭消費貸借表、A4判のぺらっとしたものですが、私は住宅の営業をやっていたものですから、何回も金消契約には立ち会いました。銀行にも行っています。この金消契約が、唯一、違うところは連帯保証人の欄がない。保証人がいないのですよ。保証人がいなければ民間の会社が貸してくれるわけがないのですよ。だとすれば、私が知っている社長、例えば中小企業の社長、零細の社長は自分が会社の個人保証をします。自分で会社の個人保証をできなければ、AさんならAさんという友達を呼んできて個人保証をお願いする。そして、借り入れをする。先ほどの質問で出ていたかどうかはわかりませんけれども、そういう努力をやられておったのかどうか。つまり、個人保証を求められたことがあるのか。これをちょっとお聞かせ願いたいのです。 ◎天田 障がい福祉担当部長  ご質問は二つあったかと思います。  一つは、店舗での売り上げ増のための工夫についてです。これにつきましては、先ほど答弁させていただいておりますが、やはり、事務局体制、役員を含めた法人の体質も含めて、財団の今後のあり方について、経営の観点も十分に入れて改善していく必要があるのではないかというふうに反省してございます。この点につきましては、財団の理事会を含めて意見反映していきたいというふうに思っております。
     その中で、商品の販売等については、従業員の方にも入っていただいた経営改善のプロジェクトの中でも意見を出していただいて、本当に小さな商品ですが、それも一緒に販売させていただくようなこともしております。ただ、これが経営の改善につながっていくかとなりますと非常に厳しい現実があります。この点については、やはり、もう少し抜本的な運営のあり方について考えていく必要があるだろうというふうに思っております。  それから、貸し付けの契約の関係でございます。これにつきましては、連帯保証人を設定しないという形で現在の貸し付けを行ってございます。この貸し付けについてはまだ継続してございますので、今回は追加貸し付けというふうに考えておりますが、これまで、札幌市からの貸し付けにつきましては、元金の償還がきちんと定時に行われてきた実績もございますし、財団法人という公益法人に対する貸し付けであるということから、今後も確実に返済ができるように、経営改善計画も私どもが十分に協議しながら進めていきたいと思っておりまして、そういった面で、今回につきましても連帯保証人の設定を求めないで貸し付けを行いたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 議員  財団法人である必要があるかどうかということも含めて、やはり、組織体の見直しをきちんとやっていかなければならないということをはっきりと申し上げて、私の質問にかえさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案3件を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  異議なしと認め、議案3件は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時52分       再 開 午後4時10分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第20号 札幌市児童心療センター条例案を議題といたします。  理事者から、補足説明を受けます。 ◎天田 障がい福祉担当部長  私から、議案第20号 札幌市児童心療センター条例案について補足説明させていただきます。  お手元にお配りしております資料2をごらんいただきたいと思います。  この条例案は、市立札幌病院静療院の成人部門を本院へ移転するとともに、児童部門の所管を病院局から保健福祉局へ移管することに伴いまして、発達の障がいや心理的障がいのある児童の発達を支援する等のための施設として札幌市児童心療センターを設置し、その管理運営について必要な事項を定めるものでございます。  条例案の主な内容でございますが、現在静療院児童部門が行っている診療等の業務をそのまま引き続き行えるよう規定の整備を行うほか、病院局における職員の処遇を保健福祉局においてもそのまま引き継ぐため、附則において札幌市職員給与条例等の改正をあわせて行うものでございます。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  私から、児童心療センター条例案に関して、この施設の今後予定されている整備計画についてお伺いいたします。  先日、厚生委員会皆さん方とともに視察に行ってまいりました。大変寒い中でありましたが、移転集約される予定のひまわり整肢園、かしわ学園、第二かしわ学園、そして集約先である静療院の視察でした。この整備計画については、厚生委員会でもたびたび取り上げられており、我が会派としてもおおむね計画には賛成でありますが、実際、現地に行ってこうやって見ますと、大変老朽化しており、本当にこれでいいのかなと、そういうことをちょっと考えるところが、ちょっとではなく、本当にたくさんありました。改修のみで本当に対応できるのかどうか。これは、本当に新築等も視野に入れた整備がよいのではないかと、我々会派の中でも、また、隣の伊与部委員もそう言っておりました。この点については、我が会派の小竹議員がさきの代表質問でも質問しておりまして、当初の施設改修のみを行う計画から、一部について増築等も施設改修とあわせて行うこととして、さらに検討を進めてまいりますとの答弁でありました。  そこで、お伺いいたしますが、現在進められている計画について、計画の策定段階でどのような検討が行われたのか、全面新築等を含めた検討は過去にされているのか、検討内容はどのようなものであったのか、まずはお伺いしたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  児童心療センターの計画策定段階での検討内容等についてでございます。  この整備計画は、本年2月の市長・副市長会議で方針決定を行っているものでございますが、その際には、全面新築した場合、成人病棟に相当する建物を新築した場合、かしわ学園等の障がい児・者施設の移転集約を行わず、発達医療センターと知的障害者更生相談所のみを移転集約させた場合の三つのパターン案について比較検討いたしました。まず、全面新築する場合でございますが、最低でも約70億円を要することや、静療院内にあるのぞみ学園の改修を昨年度に行っていること、次に、成人病棟に相当する建物を新築する場合は、約27億円の費用を要することや、児童心療センターを稼働させながら成人病棟を解体することが困難であること、また、発達医療センターと知的障害者更生相談所のみを移転集約する場合は、改修費用といたしましては、1階と2階のみの改修に要する費用として約10億円となりますけれども、将来的に障がい児・者施設の改築費用がさらに10億円かかる見込みであること、さらに、3階以上の部分の有効活用を図ることができないなどが課題となりました。これらの各パターンで想定される課題を判断材料としながら、現計画のもととなりました成人病棟の大規模改修を行い、発達医療センター、知的障害者更生相談所、そして三つの障がい児・者施設を移転集約する当初の計画となったものでございます。  なお、現在、計画を進めております想定工事費につきまして改めてご説明させていただきますと、設計費の予算査定時には約14億円程度と整理いたしましたが、新たに一部増築等が必要と判断したところでございまして、一定程度の上積みが必要な状況となっております。 ◆小須田悟士 委員  全面新築した場合は約70億円ですか。3案の中で、私は、本当は70億円かかってもやってもらいたいなと思うのですが、でも、今までずっと総合的に判断した結果が現在の計画になったと思われます。  静療院も昭和48年建築ということでありまして、建ってから既にもう38年が経過しております。大規模な改修をしたとしても、法定耐用年数60年ということを考えますと、あと20年程度しか使えないという状況になります。長期的な視点に立つと、くどいようですが、将来的には全面新築も必要と考えますけれども、現在の計画を検討するに当たり、そういった長期的な視点に基づく検討もされているのか、お伺いいたします。 ◎天田 障がい福祉担当部長  長期的な視点に立った施設整備計画の検討についてでございますが、静療院につきましては、委員ご指摘のとおり、築後既に38年が経過しておりますので、今後、保全計画に基づき、計画的に必要となる補修等を行いながら、できる限り長期にわたって使用したいと考えております。今後、長期的には躯体の劣化も進むことが想定されますので、全面的な建てかえも検討しなければならない時期が来るものと想定しております。 ◆小須田悟士 委員  現段階では全面建てかえは困難ということでありますが、将来的に建てかえを検討されていることはよくわかりました。少なくても20年から30年は使う施設でありますので、安心・安全に利用できる施設であることはもちろんでありますが、障がい者、障がいのある子どもたちが元気で明るい雰囲気となる施設にしていただきたい、そういうふうに思います。  また、繰り返しますが、小竹議員が代表質問でも触れておりましたけれども、札幌市全体の育児、療育体制の向上のため、この施設の職員が区役所等と人事交流をぜひ行っていただきたい。のぞみ学園の加齢児対策として、平成17年ですか、札幌市自閉症者自立支援センター、東区のゆいの整備を行いましたけれども、私もあそこを見てまいりましたが、ゆいに移ることができずに、依然としてのぞみ学園に残っている方々のような最重度の障がい者について、今後、どのように支援していくのか、市全体としての支援体制のあり方も長期的な視点に立って検討していただきたいということを要望して、終わります。 ◆しのだ江里子 委員  この条例案につきましては、先ほどのご説明でよくわかりました。この静療院施設については、来年度から行う大規模改修により、こども未来局などが所管するさまざまな機能を移転集約し、札幌市の障がい児・者の医療と福祉の中核的役割を担う施設となる計画だと見ています。  そこで、質問ですが、この条例案について、各施設の移転集約後はどのような形となるのでしょうか。  また、代表質問ですとか、ただいま小須田委員からの質問もありましたけれども、大規模改修計画について、計画を一部見直し、スケジュールも予定よりおくれていると聞いていますが、計画見直しの具体的な内容と今後のスケジュールについてどのようになっているのか、あわせて伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  まず、1点目の各施設の移転集約後の条例案の内容についてでございます。  この児童心療センターにつきましては、来年度以降に行う大規模改修等を経て、発達医療センターなどの機能を移転集約する予定としております。その際には、条例の名称、施設の設置目的及びこの施設に集約する事業等について、必要な改正を行うことを想定しております。  2点目の大規模改修計画の見直しの内容についてでありますが、当初、5階建ての成人病棟のみ大規模改修を行い、発達医療センター、かしわ学園、ひまわり整肢園、第二かしわ学園、知的障害者更生相談所を移転集約する計画でございましたけれども、施設利用者説明会等で寄せられました意見やご要望を踏まえまして、安全で使いやすい施設とするために、成人病棟横の体育館を解体いたしまして一部について増築等を行う計画に変更いたしております。  今後のスケジュールについてでありますが、この変更後の計画を反映した形で来月中に設計業務を開始するとともに、事業者説明会を随時開催いたしまして、さらに利用者のご意見やご要望を取り入れながら設計業務を進めまして、来年10月ごろまでに設計を終えたいと考えております。その後、体育館の解体工事につきまして、先行して着手いたしまして、本体工事につきましては議会承認案件となりますことから、平成25年第1回定例市議会においてご承認をいただいた後の平成25年3月ごろに着手いたしまして、平成26年3月ごろの完成を目指したいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  当初、2013年9月ごろの完成予定と聞いておりまして、半年ほど完成がおくれるということですけれども、今後も利用者等の意見に丁寧に対応しながら、よりよい施設にしていかなければならないと思います。  先ほど、新たに増築等を行う計画に見直しをしたと答弁がありましたが、どの程度の規模でどのような内容の増築等を予定されているのか、また、その増築を行うことによって、どのような問題が解決され、利用者にとってどのようなメリットがあるのか、あわせて伺います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  増築の規模等についてでありますが、今のところ、総床面積で1,000から1,500平方メートル程度の増を想定しております。具体的な増築等の内容といたしましては、障がい児通園施設を1階にワンフロアで設置するための増築のほか、発達医療センターの現在の機能保持のため、天井の高さが必要となる部分の増築、これは感覚統合訓練室でございます。また、当初、高層階への設置を想定しておりました第二かしわ学園の低層階への設置のための増築等を行う予定としております。また、これらの増築を行う場所を確保するために、現在の体育館を解体、撤去いたしまして、体育館を主に利用する児童心療センター側に小規模な代替の体育館の増築を行うなども予定しております。  これらの増築等を行うことによりまして、障がい児・者が毎日通う施設は、基本的には1階及び2階の低層部分に配置することが可能となり、安全性や利便性が確保されること、また、各施設の持つ現行の機能を維持しつつ連携を図りやすい施設の配置が可能となるほか、施設間の利用者の動線を分離することも可能になると考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  先日の厚生委員会視察で静療院とかしわ学園、第二かしわ学園、ひまわり整肢園がある施設など、現地を拝見させていただきまして、病院局からのお話も伺ってきました。先ほど小須田委員からもありましたように、静療院の建物が本当に老朽化しておりまして、なおかつ、複雑な構造の建物である印象を受けました。また、かしわ学園やひまわり整肢園、第二かしわ学園が入っている施設に至っては、増床を繰り返したことで非常にいびつな建物になっていまして、市長が本当に子どもを産み育てやすいまちを目指すには余りにもお粗末な現状を見てきました。一刻も早く、安心して療育していただける場所をつくっていかなければならないと思います。今回は、ぜひ、かけるべきところにはしっかりお金をかけて改修などを行っていただきたいと考えます。  また、改修等では、さまざまな制約もある中で、障がいのある子どもたちにとって使いやすい理想的な施設にすることはなかなか難しい部分もあるかと思います。そして、改修後もこの施設を利用していく中で、新たな要望とか課題も生じてくるのではないかと思います。先ほどもありましたが、今後、このようなこともあわせて解決できるよう、少なくとも法定耐用年数に達する15年から20年後には全面的に建てかえを行っていただける計画を検討されることを強く求め、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からも、児童心療センター条例案に関連いたしまして、この施設の今後予定されている整備計画についてお伺いいたします。  私は、さきの決算特別委員会においても、静療院成人部門跡施設の改修事業につきまして、利用者説明会の意見の反映や、また、今後の開設のスケジュール等について質問したところでしたが、その後、重度知的障がい者を対象とした生活介護型通所施設である第二かしわ学園を、当初の5階の計画から新たに低層で新築することとなったことに対して、利用者の意見も反映していただいたものと一定の評価をするところでございます。  ところが、私も先日の厚生委員会の視察において静療院をこの目でじかに見てみますと、先ほどから話があるように、平成8年建設の小児病棟は開放的で明るい雰囲気でしたが、静療院本体の施設は老朽化も著しく、構造的にも利用者にとって大変複雑で迷路化しており、閉鎖的な建物という印象を受けました。大規模改修等を行うといっても、結局は基本的な構造を変えることは不可能だと思われ、先ほどからありますように、日常的に使用する上での動線も非常に悪く、閉鎖的でわかりづらい施設にしかならないのではないかというように感じます。そのような施設について、改修等を行った後、15年から20年程度、障がいのある子どもたちに利用させるのかということについては大変疑問があるところでございます。  また、特に、災害が起きたとき、この複雑な施設から障がいのある方が安全に避難できるのか、大変に大きな不安を感じました。この施設の整備計画につきましては、現在の静療院児童部門である児童心療センター、発達医療センター、障がい児・者施設等の複合施設となる計画になっておりますけれども、災害時の避難の指揮命令系統に不安を覚えますし、利用する障がいのある方の障がいの特性から考えると、円滑に避難を行うのは難しい方も大勢いるというように思います。  そこで、2点ほどお伺いいたします。  1点目としまして、改修等を行うことにより、複雑かつ閉鎖的な静療院の本体施設について、わかりやすい開放的な施設となるのかどうなのか、お伺いいたします。  2点目といたしまして、障がいの特性に配慮した災害時の対応ということは考慮されているのか、このことについて、利用者や現地で働くスタッフなどからどのような声が寄せられ、どのように対応していくおつもりなのか、お聞かせください。 ◎天田 障がい福祉担当部長  1点目の改修等を行うことによる静療院本体施設の改善についてであります。  建物の構造上、一定の制約はございますが、主に障がいのあるお子さんが使用する施設となりますので、内装、外装も明るく温かみのある雰囲気のものとすることや、場所によっては、開放感を出すために、取り壊し可能な間仕切りの撤去や、ドアを両開きの引き戸にすることなどを検討していきたいと考えております。また、障がいにも配慮して子どもでもわかりやすい案内サインを設置するなど、わかりやすい施設にもなるようにさまざまな工夫をしていきたいと考えております。  2点目の施設整備における災害時の安全対策等についてであります。  先ほどお答えしました事項と重複する部分があるかと思いますが、特に単独での避難が困難な障がいのあるお子様が毎日利用するかしわ学園、ひまわり整肢園といった障がい児通園施設につきましては、施設を利用するお子様の保護者のほか、各施設スタッフからの強い要望もあり、1階にすべてを配置することとしております。また、第二かしわ学園につきましても、当初、高層階への設置を検討していたところでございますが、利用者の障がい特性を踏まえますと、低層階への設置が望ましいと考えまして、1階あるいは2階建ての建物とすることとしております。さらに、発達医療センターと知的障害者更生相談所につきましては、避難用の滑り台を設置することなどを検討しており、現行の利用形態と変わらない静療院児童部門について、全体的な改修計画を進める中で必要な安全対策があれば取り入れていきたいと考えております。  また、利用者や現地で働くスタッフからの要望とその対応についてでありますが、特に、利用者や保護者からのご要望に対しましては丁寧に対応することが必要と考えております。ただいまご説明させていただきました安全対策につきましても、利用者やスタッフの要望にこたえる形で整理を行っていきたいと考えております。今後とも、利用者への説明会などを通じまして、寄せられたご意見やご要望に丁寧に対応してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  要望になりますけれども、先日、静療院視察の際に、施設の安全対策について、現地のスタッフの方からも不安であるといったような声も寄せられました。また、ぜひ、利用者や現地で働くスタッフの声も反映させ、できるだけ安全・安心な施設としていただきたいと思います。また、建物の構造の複雑性に考慮した緊急時の指揮命令系統の整備をしっかり行っていただくことや、施設完成後は、施設全体の避難訓練、仮想訓練等も含める形になると思いますけれども、そうした実施も必要だと考えておりますので、ぜひ、実施していただきたいということをお願いしたいと思います。  さらに、先ほどから他の委員の方も指摘しておりますけれども、現段階で建てかえが困難なことや、将来的には建てかえを検討されていることはわかりましたが、耐用年数に達する20年後ではなく、なるべく前倒しすることにより、明るい雰囲気の安全・安心な施設としていただきたいということを要望いたしまして、終わりたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私からも、この条例案について質問したいと思います。  各委員からそれぞれお話がありまして、私自身も全く同じ感想を持っているところです。  まず、今後の施設整備計画についてですが、先月の22日、厚生委員会が行われました。その場では、重症心身障がい児・者の支援の陳情についてということでの議論がありましたけれども、そのときにも、私は、静療院成人部門跡施設について、どういうふうに活用していくのかということで、大規模改修の計画について、ぜひ重症心身障がい児・者の支援施策の充実も計画として盛り込むべきだというお話をしたと思います。そのとき、加藤保健福祉局長からは、障がいの重度化、重複化にどういうふうに対応していったらいいのか、切れ目のない支援体制というものを実現するために、総合的な機能を持っていなければならない、そういう施設として静療院跡施設について総合的なセンターを目指していきたいというご答弁があったというふうに理解しているところです。  そういう意味で、以前からも議論されているところではありますが、静療院の跡施設にさまざまな施設を移転集約するということで、今もいろいろお話がありました。非常に苦労をしながら、合築に向けて施設建設、整備計画を立てようとしているのかなというふうに思っているのですけれども、具体的にメリットがどのようなところにあるのか。先日、加藤保健福祉局長が答弁された総合的なセンターの実現ということによって、利用者、市民の皆さんにとって、親御さんなども含めて、具体的にどのようなメリットがあるのかということについて、まず伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  複合施設とする具体的なメリットについてでございますが、各施設の集約後は、児童心療センターが持つ子どもの心の病や発達障がいへの診療機能と、発達医療センターが持つ体の発達への診療機能、さらには、障がい児への通園による療育機能などをあわせ持つ複合施設となります。考えられる具体的なメリットといたしましては、複数の診療科による治療が必要なお子さんや、医療と福祉の双方向からの支援が必要なお子さんに対して、同じ場所で専門的な支援の提供を行うことが可能となるほか、それぞれの機能が持つ専門的な支援技術について、この施設内、あるいは他の施設や関係機関ともお互いに連携を図り、相乗効果による機能の向上も目指していきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  理念としてといいますか、考えている中身については、私はすばらしいと思いますし、まさにそういう役割を担っていく、一つの集積されたところにそういうものができていくのはすばらしいことなのだろうなというふうに思います。  しかし、今、それぞれの委員からも指摘がありましたが、三つの施設が移転集約される予定の施設についてですけれども、静療院については、建物自体も大変古いし、複雑な構造になっていること、それからまた、立地条件というところで言いましても、地下鉄駅からはかなり距離があります。急勾配の坂を上っていく、しかも霊園の周辺というような環境もあり、さまざまな問題があると感じているところです。  そこで、改めて確認をしたいのですが、今回、条例として提案された中身は、ペーパーでまとめていただいておりまして、児童心療センターの設置ということ、職員の処遇に関することが出ておりますけれども、この条例案の内容については、施設の整備計画とは直接の関係はないものというふうに理解していいのか、まず、この点を伺いたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  条例案の内容とこれまでに議論をいただいております施設整備計画との関係についてでございますが、この条例案につきましては、静療院児童部門について、来年4月から保健福祉局所管の病院とするためのものでございまして、施設整備計画とは直接に関係はございません。 ◆坂本恭子 委員  施設整備計画と児童心療センター条例案というのは直接かかわらないということが明確になりました。  前段もちょっとお話し申し上げましたけれども、非常に立地条件が悪いということ、それから、さまざまな機能が集積されることについての利便性が一方であるものの、一方では盛りだくさんになってしまうという懸念があると思います。実際に、私たちは、この間、厚生委員会で視察をしたときにも、非常に立派な屋内体育館があるということで中を見せていただいたら、実はそこを壊して別の施設をつくるのですと。そして、体育館はどこに行くのですかと聞いたら、テニスコートぐらいの体育館ができるのでしょうかという説明でした。やはり、多くの委員も感じたと思いますけれども、成人部門が移転するからといって、それだけ体育館が狭くなっていいのかという問題はあると思います。いろいろな意味で、身体機能を高めるだとか、精神的なストレス、いろいろなものを発散するだとか、例えば、チームプレーなどによって人とのかかわりをつくっていったりとか、いろいろな活用の仕方があるのだろうというふうに思ったものですから、私は、改めて、今回のこのセンター条例案を見たときに、整備計画については、前の委員会で局長がおっしゃったような、機能をすべて兼ね備えられるようなものには必ずしもなっていかないのではないかと。こういう懸念を改めて持つものですから、今、全体像が明らかでない中では、今後の整備計画についての判断をしかねるというのが今の率直な思いです。  いろいろとお話がありました。例えば、毎日通う施設については1・2階の部分に集約をしているのだということ、機能訓練などを行う施設については高い天井が必要だということ、あるいは、さまざまな施設が入るわけですから動線が重ならないようにしなければならないこと、課題も含めて整備計画の方向性についてのお話はいろいろありました。しかし、やはり、この際だから全部入れてしまおうというような感じがするのです。  先ほど、全面建てかえをしたら70億円かかりますという検討をされたというお話がございました。一方で、70億円という財政上の問題があるとともに、のぞみ学園を改修したのが、昨年、2010年だったからというのも一つの理由になっています。それであるならば、発達医療センターが児童相談所と機能分離をしようという話が出ているのも昨年のことですね。昨年、一昨年ぐらいからのことだと思います。そういう中にあって、のぞみ学園の部分は解消しましたと。そして、児相の構想の中で、複数館構想にするのか、それとも発達医療センターと機能分化をさせていくのかというようなところで議論がまさに始まっていた。そのときに、私は、これは一緒に考えていくべきだったのではないのかなというふうに、改めてですが、思うのですね。そういう意味では、成人部門が出るので、そこにセンター的な役割をということで集約化を図ったという思いがいたします。  そういう意味では、改めて、施設整備計画について、これからのスケジュールのことでも、先ほど部長答弁がありましたが、厚生委員会なり議会の中で議論をしていく、そういう場を設ける必要があるというふうに思うのです。そのことについては、先ほどスケジュールの中では一端のご説明がありましたけれども、確実にそこをやっていくという担保というか、確認をしたいのです。 ◎加藤 保健福祉局長  先日、11月30日に皆さん方に見ていただいた施設の内容につきまして、これから施設の整備計画を本格的に立てていくわけでございますが、皆様方から施設見学を終わった後にさまざまなご意見を伺ったところでございます。また、この夏には、移転を予定している施設の利用者の方々から、移転するのであればこういう施設にしてほしいというご意見もございました。我々は、それらのご意見をまとめた上で、今、新たな施設整備の計画を作成しようとしているところでございます。あらあらの案がまとまった段階で、皆様方にどういう形でご説明をしたらいいのかはこれから検討していきたいと思いますけれども、改めて、予算議会の前に、皆様方に私どもの案を詳細にご説明する機会を設けさせていただきたいなというふうに考えてございます。形として委員会を開くのか、それとも別な形になるか、これから調整させていただきますが、どちらにしましても、皆様方にご説明をし、ご意見を伺う機会を設けたいなと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。 ◆坂本恭子 委員  障がい児を抱えているご家族、実際に障がいを持ちながら通所している方々、それから、先ほどの乳幼児健診の話とも若干重複しますけれども、本当に、発達障がいということで、身体機能も含めて学校から発達医療センターに訓練に通っている子どもたちがいらっしゃいます。すべてを同じところ一つのところで見ていくというのは、192万人になろうとしている大きな都市ですから大変難しいものだろうというふうに思います。ですから、施設の整備計画については、機能面からも、それから、利用する側の皆さんの声もこれからしっかりと受けとめながら、私たちは、今後もきっちりと議論をさせていただきたいというふうに思います。  最後に、私は、確認させていただいて質問を終わりたいと思うのですけれども、指定管理者制度です。  今、第二かしわ学園は、北海道社会福祉事業団が指定管理者の指定を受けているということですが、ひまわり整肢園、かしわ学園については直営で経営を行っていると思います。今回の移転にひまわり整肢園とかしわ学園が入っておりますが、移転に合わせて指定管理者制度を導入するということは、私はすべきではないと思うのですけれども、この点についての考え方を伺わせていただいて、終わりたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  移転を機とした障がい児通園施設の指定管理者制度の導入の是非についてのご質問でございます。  まず、成人施設であります第二かしわ学園につきましては、昨年度から指定管理者制度を導入いたしまして、利用者や保護者からも、直営時よりも支援サービスが向上したとおおむね好評をいただいているところでございます。  今後、移転を計画しております児童福祉施設のひまわり整肢園とかしわ学園につきましても、引き続き導入の是非について検討を進めていきたいと考えておりますが、施設の移転集約時の導入につきましては、移転によるハード的な環境の変化と、スタッフの交代によるソフト的な環境の変化を考え合わせますと、通われておられます障がいのあるお子様への影響も大きいと判断しております。そういったことから、移転時の指定管理者制度の導入につきましては難しいものと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  私から、児童心療センター条例案に関連して、その中で利用者の年齢の関係について質問したいと思います。  この条例案については、改正についてというふうにまとめていただいた資料の中にもありますように、現在の静療院児童部門が行っている診療等をそのまま継続して行えるよう必要な規定の整備を行っているというふうに伺っています。現在の静療院児童部門は、乳幼児、小学生、そして中学生の診察を行っていて、高校生以上は現在の静療院の成人部門で診察を行っています。そして、今までは静療院において年齢を問わずに発達障がいのある方を診療できていましたけれども、今回の再編に伴って、成人部門については、移転後は、そちらの方では主に身体合併症を持った患者に対して診療を行うと聞いておりますので、成人部門が移転する来年4月以降、高校生以上の発達障がいのある方への診療体制というのはどのようになるのか、気にかけておられる方々も多いというふうに聞いております。  そこで、質問ですけれども、高校生以上の発達障がいのある方について、今後、新しくなりますこの児童心療センターで診療を行うといったお考えはあるのかどうか、検討状況についてお伺いしたいと思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  高校生以上の発達障がいのある方への対応についてでございます。  現在の静療院児童部門は、原則として、新規患者については中学生以下の診察を対象としておりますが、関係団体の要望内容としても、診察対象年齢の拡大をしてほしいという声も寄せられております。さらに、市内において発達障がいを診察できる医療機関の数が不足しております。また、今後、統合する予定の発達医療センターも診療対象年齢を18歳未満としていることなどを踏まえまして、発達医療センターの統合までには18歳未満まで引き上げたいと検討を進めているところでございます。現在までの検討状況でございますが、静療院児童部門が持つ中学生以下への専門的な機能を損なうことなく、診察対象年齢を引き上げるための課題の整理を行っているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  18歳未満の発達障がいのある児童について、センターの方で診療するといった方向で検討が進められているということです。  ことしの第1回定例会の代表質問のときに、私たちもその中にこのことを盛り込ませていただいたのですが、当時、はっきりとそこに触れたような答弁がまだなされなかったなというふうに思っています。今、その状況について伺ったところですが、この前も皆さんと視察に伺った際にそういった話が出たかと思うのですけれども、現状では大分改善されたとはいっても、診療までに3カ月ぐらい待たされている方がおられる状況というふうに伺っております。また、現場の医師の方から、高校生という多感な年齢の方の診療に当たってはさらに専門性が必要ということも伺っているところです。  先ほど、課題を整理するという答弁がありました。その中に、恐らく医師の数の拡充ということなども当然入ってくるかと思いますけれども、そこのところは本当に不可欠だというふうに思っています。また、医療の専門家である現場の医師のご意見をしっかりと伺うことが何よりも重要だというふうに考えますので、丁寧に、そして、4月というのはすぐやってきます。そこが確実に行われなければ、結局のところ、当事者がまた大変困難な状況に陥ってしまうということは容易に想定されますので、私は、課題解決ということは、そう簡単なものではないなというふうに思っております。  そんな中で、私もそのことについては大変気になって、一昨日ですか、当事者の家族会の方などにお話を伺ってみようと思いましてお尋ねしましたけれども、やはり、保護者として、ご家族としては、児童心療センターで子どもたちが診療を受けられることを求めているのだというふうにおっしゃっておりました。さらに、札幌市以外から通っておられる方もいらっしゃるというのも、この前、お話を伺ったところです。こうした遠くから、もちろん、なかなかそういう場所がないからいらっしゃるのですけれども、そういった通院に困難な方が身近なところで治療を受けられるように適切な医療機関を紹介したり、継続してセンターがバックアップしていくような体制も重要だというふうに、そのときにまた改めてお話しいただきました。  改めて、児童部門として期待される機能のあり方については、慎重に検討していく必要があるということを私は痛感しております。今の答弁で市の検討の方向性というのはわかりましたが、決して利用者にとって不都合が生じることのないように、そしてまた、今回、いろいろ考えていて、病院局の方々との連携というのもここで切れてしまうわけでは当然ないというふうに思いますので、そこもしっかりやっていただきたいです。また、発達障がいということでは、教育委員会の方にも、私たちもいろいろな場面でお話しすることがありますが、そういったところとの連携をしっかりとって、市として、責任を持って確実に、今、課題解決とおっしゃいましたので、ぜひ課題がまとまったら教えていただきたいなと思いますけれども、そのことを強く求めておきたいというふうに思います。  そして、もう1点、この間、先ほども利用者の方のお話を伺ったということを申し上げましたが、利用者の方、また関係団体の方は、これまで議会での議論の中にもいろいろあったというふうに思いますけれども、今回の施設整備、また移転についての関心を大変強く持っておられます。8月に1回目の説明会が開催されて以降、何の連絡や報告もないと。私が伺ったときはもう11月だったのですけれども、説明会で市に対していろいろ意見を述べたのに、それが受けとめられているのかどうかもわからないというようなお声もいただいております。これまでの質疑を聞いていますと、さまざまな困難がある中を調整されながらここまでに至っているというのはわかるのですけれども、そういった方々の要望や意見を出してもらうというよりは、やはり、やりとりをしながらつくっていくという視点が本当に大切なのだなということを改めて私も思っております。お話を聞いて、こうなりましたというのではなくて、こうしようと思うが、どうだろうかといった観点が必要ではないかなというふうに思っているところです。  そこで、先ほどの答弁の中で、今後、説明会などの開催、そしてまた、議会にも計画について報告されるということがありました。計画が確定するまでの節目節目で、その都度、説明会を開催するなどして利用者や関係団体の意見を計画に反映していく必要があるというふうに思うのですけれども、今後の説明会など、どんなスケジュールで考えておられて、また、どのようなタイミングで説明会を行う予定なのかについてお伺いしたいというふうに思います。 ◎天田 障がい福祉担当部長  8月に利用者説明会を開催いたしまして、その後、札幌市としての考え方について、今、検討を継続しておりますが、その内容をまだご説明ができていないことにつきましては、本当に申しわけなく思っております。まずは、来年1月中までには、8月に開催して意見をいただきました内容、要望も含めて、札幌市の考え方や、増築等も含めた各施設の配置プラン、これらをまとめまして説明したいと考えております。利用者の方とか関係団体からもさらにご意見やご要望をいただきまして、それをまたプランの中に反映していきたいと考えております。
     今後の予定といたしましては、年度内を目途に、各部屋の配置や広さなど平面プランの案を示しての説明会を開催しまして、さらに、新年度早々には平面プランの確定案や、この施設で行うソフト事業の充実化に向けた検討案の提示などを考えております。それ以降も必要に応じて検討状況や進捗状況を説明しまして、引き続きご意見やご要望をお伺いする場を設けていきたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  1月中までにはというお話がありました。各タイミングでしっかりと伝えていただきたいというふうに思います。一緒に進めていきたい、そういった気持ちを大変強くお持ちだという印象はこの間もずっと感じてきましたので、しっかりと取り組みを進めてください。  そして、今回というのですか、本当に、ここに至るまで、夏までにいろいろなことがあった中で、説明不足だとか情報発信が不足したことについて、上田市長はいつも当事者参加をとても大事にしてこられたではないかというようなことをおっしゃられて、やっぱり、そこに逆行するようなことがあってはならないといったご指摘もありました。私は、特にこの点はずっと気にかけながらやってきましたので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、先ほど来、この施設のハードの部分でお話がありました。今後は70億円ぐらいかけてでも新しくつくりかえる方向性もあるやに伺いました。今後、本市の財政の状況を考えると、何とも、こう言っては何ですが、困難そうだな、厳しそうだなというふうに思います。しかし、ぜひ、今後、そちらについても、これをしっかりと見据えた形で実効性のある計画を策定していっていただきたいというふうに思います。  児童心療センターには、完璧なハードの部分、完璧で機能的なソフトな部分、そういうものを完全につくり上げるまでに本当にまだまだ課題があるなと思います。私はこの間もそういうことを考えながらおりますけれども、行政として、本当に当事者の立場に立って、何が求められているのか、ニーズにしっかりこたえるにはどうしたらいいのかということを常に明らかにしながら、ぜひ、しっかりとした取り組みを進めていただきたい、このことを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第20号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  異議なしと認め、議案第20号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時       再 開 午後5時1分     ―――――――――――――― ○飯島弘之 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第21号 札幌市子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  理事者から、補足説明を受けます。 ◎川上 保険医療部長  私からは、議案第21号 札幌市子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案について説明させていただきます。  お手元にございます資料3をごらんいただきたいと思います。  子ども医療費助成事業ですが、保護者の医療費負担の軽減によりまして、子どもを産み育てやすい環境づくり、そして、子どもの健康の保持・増進に重要な役割を果たしているところでございます。  このたびの条例改正は、現在、小学生の入院及び指定訪問看護に係る医療費を助成対象としているものを、新たにその対象を中学生まで拡大するものであります。また、実施時期でございますが、小学生から中学生に切れ目なく助成が行われるよう、平成24年4月1日からを予定しております。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了します。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、討論を終了します。  それでは、採決を行います。  議案第21号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  異議なしと認め、議案第21号は、可決すべきものと決定いたしました。  最後に、議案第22号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  理事者から、補足説明を受けます。 ◎川上 保険医療部長  私から、続きまして、議案第22号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案について補足説明いたします。  お手元にあります資料4をごらんいただきたいと思います。  今回の条例改正は、国民健康保険料について、所得割の負担が大きくなっております中間所得層の負担を緩和するために、賦課総額に対する所得割の割合を引き下げるものでございます。  まず、1番目の条例改正案の内容でございますが、保険料の賦課割合のうち、賦課総額に占めます応能割、すなわち所得割の割合を55%から50%に引き下げる一方、応益割のうち、世帯に平等に賦課されます平等割の割合を22.5%から27.5%に引き上げるものでございます。  なお、応益割には、平等割のほかに世帯人数に応じて均等割も賦課されておりますが、多人数世帯の負担増を考慮いたしまして、均等割の割合は変更せず、平等割の割合のみを引き上げることとしたものでございます。  また、これらの改正につきましては、平成24年度分の保険料から適用したいと考えてございます。  続きまして、2番目の条例改正の背景でございます。  まず、1の国保料の所得割料率の上昇ですが、札幌市国保の一般世帯の平均所得は、平成12年度では140万9,000円でしたが、平成23年度では96万円となり、32%の大幅な減少となっております。所得割の料率につきましては、所得割として集めなければならない金額、現在は賦課総額の55%相当分ですが、これを全加入世帯の所得で割り返して算定しておりまして、分母に相当する平均所得が減少いたしますと所得割料率の上昇につながることになります。そこで、この所得割料率の上昇を抑えるために、これまで平成15年度と平成18年度に賦課方式を変更いたしまして、所得割を負担していただく層を拡大してまいりましたが、その抑制効果を上回る平均所得の減少が続いてきたのが現状でございます。その結果、平成23年度の医療分と支援金を合わせました所得割料率は、札幌市と同じ賦課方式をとります12の政令指定都市の中で最も高くなりまして、所得割が賦課される世帯では他都市と比べて極めて高い保険料負担となっております。また、賦課限度額の引き上げにつきましても、限度額到達世帯の減少により、所得割の抑制効果が薄れてきているところでございます。  さらに、もう一つの要素といたしまして、次の2ですが、厚生労働省では、将来的に国保の運営主体を都道府県単位化する方針を示してございまして、それに向けて賦課割合につきましても道内市町村とのバランスをとっていく必要があるという背景もございます。  次に、3番目の賦課割合見直しによるメリットとデメリットでございます。  まず、メリットとしては、3点整理をしておりますが、その中で最も大きなものとして、保険料の負担感が特に強いと思われます給与収入で年間200万円から400万円くらいの中間層の負担が軽減されるところでございます。一方、デメリットにつきましては、メリットの裏返しになりますが、応能割を負担していない世帯の負担がふえるということでございます。  最後に、4番目の保険料のイメージ図でございます。  この図は、横軸に所得を、縦軸の上に向かって応益割を、下に向かって応能割の保険料を示し、今回の見直しによって、応益割、応能割それぞれの負担の増減が所得水準によってどのように変化するかをイメージとしてあらわしたものでございます。  まず、応益割につきましては、すべての世帯で負担増となりますが、低所得世帯に対しましては、7割、5割、2割という法律で定められました減額制度があることから、負担増となる金額もその減額割合に応じて減少しております。一方、応能割につきましては、応益割で増額になった分が減額となります。減額の幅は、図に示していますように、所得に応じて保険料が上がることから、負担減となる金額も所得に応じて増加いたしまして、賦課限度額に達しますと一定の額というふうになってございます。  説明は、以上でございますが、今回の賦課割合の見直しにつきましては、札幌市の国民健康保険運営協議会でご議論いただいた結果、見直しが適当との意見をいただいておりますことをつけ加えさせていただきます。 ○飯島弘之 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。 ◆しのだ江里子 委員  国民健康保険料の賦課割合の見直しについて伺います。  札幌市の国民健康保険料が高いという話は、本当にさまざまなところで耳にしておりますし、私たちも実感をしております。第3回定例議会決算特別委員会でも、私どもからほかの政令市と比較した保険料について質問させていただきましたが、所得階層によっては政令市で一番高い保険料であるとの答弁がありました。これは、大変ゆゆしきことでもあり、また、危機的な状況であると思います。  その中で、負担感が特に強いと思われる中間層の負担軽減を図るために、今回の賦課割合見直しが提案されたと思います。ただいまもご説明がありましたが、今回の見直しで応益割という全世帯にかかる保険料が増額となり、応能割という所得に応じてかかる保険料が減額になります。これは、保険料総額は変えず、その配分割合を変えるということであります。ここで一番問題になってくるのは、すべての加入世帯が応益割の増額と応能割の減額という両方を受けるわけではなく、応能割の減額が受けられない世帯があるということです。それはどのような世帯かといいますと、所得が33万円以下の世帯、仮に給与所得で言うと98万円以下の世帯などであり、こうした世帯にはこれまでも応能割がかかっていなかったために、今回の見直しによる応能割の減額効果はなく、応益割の増額だけを受けてしまうことになります。  そこで、質問ですが、現在、応能割を負担していないこうした世帯は、全体のうちどのぐらいの割合になるのか、伺います。 ◎川上 保険医療部長  応能割を負担していない世帯の割合についてのご質問でございます。  平成23年度の料率算定時の数字で申し上げたいと思います。国保加入世帯全世帯で30万2,820世帯のうち、応能割、すなわち所得割が賦課されていない世帯は15万417世帯でございまして、率にいたしますと49.7%が応能割が賦課されていない世帯になってございます。 ◆しのだ江里子 委員  平成23年度において30万2,000世帯の中で約15万世帯が応能割を負担していない世帯であって、まさに、49.7%、ほぼ50%であるということです。これだけ多数の世帯で保険料が増額になるということは大変大きな問題だと思います。一方で、現在、応能割が保険料の55%ですから、逆に考えますと、保険料の半分以上を残り50%の世帯で負担しているということにもなりまして、応能割を負担している世帯に着目しますと、大きな負担を強いられているということも考えられます。  保険料として集めなければならない総額が決まっている以上、ある一方の層の負担を減らせば、他の層の負担がふえることになるのは理解できます。しかし、幾ら負担感が強い中間層とはいいましても、応能割のかからない世帯と比べて、一般的には所得が多いわけであり、中間層の負担を軽減するために低所得者層の負担をふやすということは、負担の公平性という観点から考えましてもどうなのかなという思いもあり、非常に難しい課題として、十分な検討が必要と考えます。  そこで、再質問ですが、中間層と応能割を負担していない世帯を比較いたしまして、保険料の負担感は中間層が重いと判断するのはどうしてなのか、伺います。 ◎川上 保険医療部長  応能割を負担していない世帯と中間層の負担感の比較についてでございます。  私どもといたしましては、今回、次の三つの点から負担感の比較を行ったところでございます。  まず、1点目は、過去10年間の保険料の比較でございます。  札幌市では、加入者の平均所得が年々低下している中で、同じ収入でも10年前に比べまして保険料が上がっている世帯が多くなってございます。例えば、2人世帯で給与収入が年間200万円のモデルで、医療分と支援金分の保険料を計算した場合、平成13年度の保険料が年間11万4,750円であったものが、平成23年度では年間19万8,540円と、約1.7倍に増加している状況がございます。これに対しまして、応能割がかからない世帯につきましては、保険料が下がっておりまして、2人世帯で給与収入が年間98万円以下の場合で申し上げますと、平成13年度の保険料が年間2万6,010円であったものが、平成23年度では年間2万4,200円と、約1,800円ほど下がっている状況でございます。  2点目は、収納段階別の保険料収納率の比較でございます。  保険料の収納率は収入段階によって大きく差が生じるわけでございますけれども、給与収入で年間200万円から400万円といった中間層の収納率は、他の階層と比較してかなり低くなっているのに対しまして、年収98万円以下の応能割がかからない世帯の収納率につきましてはそれほど低くなっていないところでございます。収納率は保険料の負担感あるいは負担能力を一定程度反映しているものと考えられますことから、中間層の方が負担感が強いものと考えているところでございます。  最後に、3点目は、政令指定都市の中での保険料比較でございます。  札幌市と同じ賦課方式を採用しております12の政令指定都市につきまして、給与収入の2人世帯で医療分と支援金分の平成23年度保険料を計算いたしますと、札幌市の場合、所得割のかかる世帯の保険料が極めて高くありまして、特に、年収が350万円以上のクラスでは最も高い保険料となってございます。一方、年収98万円以下の応能割のかからない世帯につきましては、12市の中で高い方から9番目と、比較的低い保険料水準になっているところでございます。  以上のことから、私どもといたしましては、応能割がかからない世帯に比べまして、年収200万円から400万円程度の中間層の負担感が強いものと判断したところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今、三つの点、10年間の保険料、収納率について、そして、政令市の中での比較という中から、中間層、特に年収200万円から400万円の世帯の負担感が相対的に重たいことをご説明いただきました。  確かに、これに関しては理解もいたしますし、何らかの対策をしていかなければならない必要も十分わかります。しかし、そうは申しましても、応能割のかからない世帯というのはもともと収入がかなり低い方がほとんどですから、少しの負担であっても生活に与える影響は小さくないと思います。また、来年度については、国保料だけではなく、介護保険料とか後期高齢者医療制度の保険料など、ほかの公的保険料の値上げも予想されておりまして、生活は一層苦しくなることが予想されます。  再々質問になりますが、応能割を負担していない世帯の負担増はどのように認識されているのか、伺います。 ◎川上 保険医療部長  応能割を負担していない世帯の負担増についてどのように考えているかというご質問でございます。  応能割を負担していない世帯の保険料負担がふえることに対しましては、いろいろと議論があるかと思いますけれども、私どもといたしましては、すべての加入世帯が相互に支え合い、広く公平に負担していただくという社会保険制度の中では、やむを得ない必要最小限の負担増ではないかというふうに考えてございます。  今回の見直しによりまして、給与収入で年収98万円以下の2人世帯の場合で、医療分と支援金分の保険料がどのように変化するかを試算したところ、今年度に比べまして2,400円増の年間2万6,600円となりまして、この金額は、先ほどご説明いたしました同じケースの10年前、平成13年度の保険料の2万6,010円とほぼ同じ水準になる見込みでございます。一方、国保加入者の1人当たりの医療費につきましては、平成12年度が27万5,383円であったものが、平成22年度では33万4,237円と、やはり、この10年間で約21%の大きな伸びとなってございます。  以上のことから、一定の負担増につきましてはご理解をいただきたいというふうに考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  いろいろな議論はあるけれども、相互に支え合う社会保険制度であるということで、やむを得ない負担増ではないかというご答弁でした。金額としては10年前と同じ水準であるということ、医療費が本当にふえているということは私たちも本当に目にするところです。また、確かに、応能割がかからない世帯については収納率がそれほど低くないという先ほどのご答弁もありました。  しかし、収納率が低くないからといって、決して生活が楽なわけではなく、中には、確かに保険料の対象とならない収入とか、資産をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には生活は大変厳しいものと考えられます。一つの指標として収納率を見ていくことも大切ですけれども、それだけではなくて、やはり、お一人お一人の被保険者の声にじっくりと耳を傾けて、保険料の負担のあり方がどうあるべきか、今後も検討を続けていただきたいと思います。  また、今回の見直しは保険料の配分を変えただけで、そもそも保険料の総額が高いという根本的な課題は何も解決されていません。しかし、この課題は札幌市だけで解決できるものではありませんので、その点については、国保制度の抜本的な改革も含めて、財政基盤の充実強化について国などへの要望を続けていただくことを求めます。 ◆坂本恭子 委員  私からも、議案第22号に対して質問いたします。  今のやりとりの中で、なぜ国保料を値上げするのか、正当な理由と、それを妥当だとするやりとりがありました。  そこで、国保料は、何だかんだ言って払いたくても払えない方たちは現にいらっしゃるわけですね。収納率を上げようとしていろいろな方策もおとりになろうとしているようですけれども、まず、払いたくても払えないという実態をどういうふうに認識されていらっしゃるのか、改めて伺います。 ◎川上 保険医療部長  払いたくても払えない実態についてどのように認識しているかというご質問でございます。  私どもといたしましても、国民健康保険料の負担感が強いということは十分認識しているところでございます。しかし、その一方で、国保事業の健全運営を図り、制度を安定的に維持していくためには、加入世帯の皆様に一定の保険料の負担をしていただく必要がございます。こうしたことから、先ほどから申し上げておりますが、特に負担感が強いというふうに思われます、給与収入で年収200万円から400万円程度の中間層の負担を軽減するために、このたび条例改正を提案させていただいたところでございます。 ◆坂本恭子 委員  先ほどのやりとりを伺っていて、質問なさった方は納得したようですけれども、私は納得しておりません。最後におっしゃいましたけれども、負担感の強さを何によって推しはかるのかというところで三つの指標が出てまいりました。そのうちの一つですが、収納率が中間所得層のところでぐっと低くなっているからということが一つありました。私は、さっきご指摘あったように、収納率が高いからといって負担感を感じていない、負担感がないというのは全くの間違いだと思います。  それから、冒頭、部長が説明をされていた中身で、皆さんもため息をつきながら聞いていたと思いますけれども、一般世帯の平均所得が32%も下がっていて、2000年には140万円あったものが、2011年には96万円に下がっている。まさに、これが実態ですよね。それで、平均所得もさることながら、今回、応益負担のところで2割から7割を軽減されている低所得者の方たちもまた本当に大変な思いをしているということです。  政令市比較の中で、応能割、応益割をいじることによって、高い保険料の部分をちょっと政令市並みに戻すことができているのだという説明がありました。一方で、保険料の世帯別の負担というところで、札幌市は、低所得になるほど、他の政令市よりも、負担というか、保険料が低くなっているという数字が示されていましたけれども、このことについても、私は全く意味がないというふうに思います。それは、今回、私どもは、第4回定例会の代表質問でも国保の問題を取り上げてまいりました。収入が他の政令市と同じものであれば、私は負担感、負担の割合が一つの指標となって出てくることはあり得るかと思うのだけれども、やはり、今、札幌市では本当に国保に加入している世帯の所得が低い。とりわけ、実態として、応能割が賦課されていない世帯が49.7%ですね。そういうところからいって、収入から見て払えない、だから、そこの割合が低くなっているという見方を本来はすべきなのだろうというふうに思うのですよ。  そこで、資料で出してきている中に、応益割と応能割の比率が国保法施行令の基本原則に一致したというのがメリットとして出てきているというところに、私は、今の札幌市政の国保行政の冷たさがあらわれているように思えて仕方がありません。本市の国保の加入世帯の所得の低さというものがバックボーンにあるわけだから、私は、そこに配慮していくべきだというふうに思うのです。  中間所得層の保険料負担が一定程度引き下げになりますということについて、私たちは悪いことだとは思っていません。全体的に国保料の負担感を引き下げていくこと、保険料自体を引き下げていくことについては、全く異議はありません。しかし、中間所得層が引き下がる、そのかわりに、今まで応能負担をしておらず、応益割、平等割のところで7割軽減にもなっている方たちに対して2,400円もの保険料負担を強いることに対して痛みを感じないのかどうかということなのですよ。  そこで、収納率の話になっていましたからあえて伺いたいと思うのですけれども、札幌市の資格証明書の発行がとまりません。私たちは、受診抑制につながる資格証明書の発行をやめるべきだということを申し上げておりました。そして、資格証明書の発行によって、いわゆる手おくれ死と言われるものが現に札幌でも起きているという実態もお示ししながら、国保行政、札幌市の行政としてこのことについて調査すべきだということを求めましたけれども、これについてもやらないというふうにおっしゃったのが札幌市ですよ。私は、庶民の本当に厳しい生活の実態を全く見ていないというふうに言わざるを得ないと思うのだけれども、これでもなお、負担感が強い中間所得層については保険料の引き下げを行うが、一定の負担割合、安定的に制度を維持していくために保険料の負担はお願いしたいと言って7割軽減のところにまで値上げが及ぶような今回の見直しを行っていくおつもりでしょうか。 ◎川上 保険医療部長  今、坂本委員からは、いわゆる7割軽減のところに負担をしわ寄せしてまでも中間層の負担軽減をするのはどうかというご質問だったと思います。  先ほどからご説明しておりますとおり、私どもとしましては、やはり、国保加入者の方に広く公平に負担をしていただくことが国保制度を維持していくために一番必要な考え方だというふうに思ってございます。そういった中で、先ほど申し上げましたここ10年間の保険料負担の推移とか、収納率の状況、そういったことを考えますと、やはり、200万円から400万円の中間世帯層の負担が非常に強くなってきているということは、これは見過ごせない状況でございます。そういった中で、私ども保険者としてやれるものは何があるのかということでございますけれども、今回、賦課総額に占める応能割の割合について55%を50%に減らすことによりまして、少しでも中間所得層の方の負担を軽減してまいりたいというふうに考えてございます。確かに、7割軽減の方の負担増はふえますけれども、先ほどから申し上げていますとおり、みんなで広く負担をしていただくという中でご理解をいただきたいというふうに思ってございます。
    ◆坂本恭子 委員  先ほど、医療費の比較もなさいましたね。10年前に27万5,000円だったものが33万4,000円になっているということもあると。これは、多分、保険制度を安定的に維持していくというのは、医療費の高騰分も加味しながら保険料もいじっていくのだということだと思うのです。私は、この医療費を上げていったのは、軽減を受けている低所得者層ではないというふうに思うのですよ。だから、全体で支え合いをしながら保険制度を維持していくのだと言いながら、中間所得層、ここのところの負担軽減を図っていくのはいいです。しかし、それを低所得のところに、軽減を受けている方のところにつけ回しをするということは絶対に認められないということを改めて申し上げたいと思います。  先ほども委員がお話しされておりました、根本的には国の制度の問題だということを。私は、自治体の役割というものが本当に問われているというふうに思います。地方自治体、地方自治法では、住民の福祉と健康を増進するのが自治体の役割だというふうに明記をされているわけじゃないですか。今、TPPの参加交渉などをめぐって国民皆保険の問題が崩壊するぞということが議論されているわけですけれども、私は、国保行政を担っている札幌市が、低所得者に対しての負担増、こういうものを求めていく限り、資格証明書を発行して手おくれ死というような実態を生み出す限り、本当に国民皆保険制度というのは守っていけないというふうに思います。  私は、この議案について全く容認できない。反対の立場です。 ○飯島弘之 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。 ◆坂本恭子 委員  私は、日本共産党を代表いたしまして、議案第22号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案に反対いたします。  このたびの提案は、総収入98万円、所得で33万円、7割減免の世帯に2,410円の国保料値上げを行うものです。やっと暮らしている方々にこのような値上げを行うべきではありません。国民健康保険料が高くて払えない、資格証明書の交付による保険証の取り上げによって本市において手おくれ死が起きています。だれもが病気になったときに安心して病院にかかれるよう、市民の生命と健康を守るべきが札幌市の役割ではないでしょうか。とりわけ、低所得者層への負担は行うべきではありません。  よって、本議案には反対です。  以上で、討論を終わります。 ○飯島弘之 委員長  ほかに討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第22号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○飯島弘之 委員長  賛成多数です。  よって、議案第22号は、可決すべきものと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉会 午後5時33分...