まず、
法改正面の主なものとしましては、これまで、
縦覧書類に不備があった際には、一
たん申請を取り下げる場合もありましたけれども、今後は、軽微な不備につきましては補正が可能になったこと、それから、
NPO法人の内部の
意思決定手続を簡素化するために、
社員総会の決議の省略、いわゆるみなし総会決議いうものができるようになったことなどが挙げられます。また、条例で認証の
審査期間を短縮することが可能になりましたけれども、札幌市におきましては、
申請状況等を考慮して、団体のニーズも把握しながら、今後、必要に応じて検討をしてまいりたいと思っております。
それから、札幌市が所轄庁になるに当たりまして、
JR札幌駅北口にあります
市民活動サポートセンターと市役所の2カ所に
相談窓口を設置するとともに、
センターでの書類の取り次ぎも行うなど、来られた方の利便性の向上を図ることとしております。今後も、さまざまな機会をとらえまして、
NPO法人の方と
意見交換等を行いながら、さらなる
利便性向上の方策を検討してまいりたいというふうに考えております。
それから、3点目の今後の体制と
準備状況についてでございますが、札幌市に移管される認証・
認定事務につきましては、本年、10月に一般職を1名ふやしまして、現在、
担当係長と2名で
準備作業を行っているところでございまして、来年4月からの
事務執行を円滑に進めるために、
認証事務の現在の所轄庁であります北海道にこの2名が出向きまして、現場に入って実務の習得なども行っているところでございます。また、
認定事務に関しましては、内閣府の
研修会等に参加するとともに、現行の所轄庁である国税局からの
情報収集を行うなど、事務の掌握に努めているところでございます。いずれにいたしましても、今後も、現所轄庁との連携を密にしまして、事務の引き継ぎに遺漏のないよう万全を期したいと考えております。
なお、来年4月からの事務の
執行体制につきましては、事務が混乱して停滞を招くことのないように、現在、配置されている2名に加えまして、必要な
配置人員について
関係部局と協議を重ねているところでございます。
◆
宗形雅俊 委員 次に、今、通常の法人と
認定法人の違いということで、8要件があって認定ということで、その中で税の優遇というお話がございました。もしデータとか資料があればお答えをしていただきたいのですけれども、現在、
札幌市内の
NPO法人が税として払っている額なのか、総額でも結構ですが、それがもしあれば教えていただきたいというのが1点です。
それから、事務量がふえるということで、当然、国に続いて、今度、道から札幌市が所轄庁になるわけですから、その辺の
財源措置ですね、いわゆる事務量に対する。これが、今現在、札幌市におりてきたけれども、経費等々含めて、そういったものの
財源措置がきちっとなされているのか、これも伺いたいと思います。
それから、
NPO法人が、今現在、全国的にも、また札幌市もふえていると思いますし、法改正後、来年4月以後、札幌市が所轄になって認証等もどんどんふえていくということですけれども、過去も、いろいろ
NPO法人で、これはすべての
NPO法人を言っているわけではないのですが、一部、そういった代表者が問題を起こしたとか、いろいろなことも考えられるわけです。その辺の審査の見方等々も大変必要だと思うのですが、前回もここで陳情がありまして、そういった
NPO法人に対する信頼性という文言も入っていましたけれども、そういうような
NPO法人の信頼性の向上についてどのように取り組んでいくのか、この点についても質問したいと思います。
◎高野
市民自治推進室長 税控除につきましては、金額的なことはちょっとデータがないので捕捉しておりませんけれども、もともと
札幌市内の
NPO法人は、
事業規模が小さくて、収益を上げて
法人税割を課税されているようなところはほとんどないところです。また、
収益事業をしていない
NPO法人の
均等割分についても、大抵は減免を受けて納税していないため、たとえ、今後、
認定法人なんかがふえたとしても
市税収入には余り影響しないというふうに考えております。
それから、2点目の今回の法改正に伴う
財政措置についてでございますけれども、まず、
指定都市市長会の方で、今回の
NPO法改正に伴い、新たに必要となる経費について、
財源措置に関する意見書というものをことし6月に内閣府に提出したところでございまして、それを受けて内閣府では所要の
地方財政措置を総務省の方に要望しているところでございます。来年度予算の方でどのような
財政措置が講じられるかはわかりませんけれども、今後もあらゆる機会を通じて国等に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
それから、3点目の
NPO法人の信頼性の向上についてでございますけれども、
NPO法は、
法人運営の自主性を尊重し、
情報公開を通じた市民による緩やかな
チェックを前提とした制度になっております。また、
チェックに基づいて法人の
自浄作用による改善、発展を期待している制度ということもありますことから、行政の関与を、極力、抑制しているのが特徴でございます。
しかしながら、委員もご指摘のとおり、
法令違反等、一部の
NPO法人の行いによって全体の
NPO法人の信頼を損ねることのないように、札幌市としては万全を期す必要があると考えております。そこで、市としては、新所轄庁としまして、
認証審査の際に、
申請団体や団体の役員につきまして、
北海道警察とも連携しながら、全件を
チェックする方向で検討しているところでございます。また、より透明性を確保するため、
インターネットの活用等によりまして、
NPO法人から提出された
関係書類を広く公開して、市民等からの
チェックも期待しているところでございまして、こうした
取り組みによって
NPO法人全体の信頼性の向上につなげてまいりたい、このように考えております。
◆
宗形雅俊 委員 質問はこれまでとして、要望等、意見を含めて述べて終わりたいと思います。
今、市長会で
財政措置を要望しているということですが、ただ事務だけ押しつけられてお金の補てんがないということがないように、ぜひ、その辺は、ここだけの話ではないですけれども、やっていただきたいなと思っているところでございます。
それから、
NPO法人の所轄というところをちょっと超えるかもしれませんけれども、今、札幌市も、
NPO法人に向けて、雇用も含めて、いろいろなことで発注も
随意契約しているところでございまして、当然、持つ活動の意味の中で受けてもらうところもあると思うのです。しかし、
先ほど優遇税制の話をしましたが、力のある
NPO法人、全国的になりますと、税の涵養というのですか、そういったものもある程度していかないとだめだと思うのです。そういう意味では、発注するときに、当然、持つ活動の意義にかなったところでやっていくところ、それから、
NPO法人、通常の
民間事業も含めて、そういうことをできるところにはやっぱり門戸を広げながら、すべてにわたってそういう活動がいいのだということを否定するものではないですけれども、片方ではやっぱり税の涵養、税で戻してもらうことも必要ですから、そんなところをきちっと見きわめながら、今後も、これは、
市民まちづくり局だけではなく、全体にわたりますが、ぜひ、局長、その辺を踏まえて取り組んでいただくようお願い申し上げて、終わりたいと思います。
◆宝本英明 委員 私からも、
NPO法の改正に伴って、今後の具体的な
取り組みについて端的に質問させていただきたいと思います。
今回の
NPO法は、平成10年の法制定から12年が経過いたしまして、これまでの施行を踏まえて、手続の簡素化、新たな
認定制度の創設、所轄庁の変更など、大きく改正されたところであります。この改正によって、新しい公共の重要な担い手と期待されております
NPO法人との協働は、今後ますます重要になっていくのではないかと思っているところであります。
現在、北海道には約1,700の
NPO法人がありまして、この4割強に当たります、先ほど763という数字がありましたが、750を超える法人が来年4月から札幌市に移管されるところであります。この数は、
全国政令市の中で大阪市、横浜市に次いで3番目に多い数字でありまして、札幌市の
まちづくり活動が活発化していることを示している数字ではないかと思います。所轄庁がより身近な札幌市になるということで、今後、札幌市の
NPO法人数はますます増加していくのではないかと思っているところでありまして、
改正NPO法の趣旨もかんがみますと、
まちづくり活動がさらに活性化するような
取り組みが必要になっていくのではないかと思うところであります。
先日の
代表質問でも、我が会派から、新所轄庁として今後どのように取り組んでいくのかといった質問をしたところ、市長からは、札幌市が新しい所轄庁になることによって、相談や申請の手続を通じて多くの
NPO法人の声を直接聞くことができ、より現場に即した対応や支援策を講じていくことが可能になること、そして、市のさまざまな施策にその声を反映させ、新しい公共の担い手であります
NPO法人とより連携を深めていって、多様化する
地域課題に積極的に取り組んでいくという答弁がございました。
そこで、質問ですが、今後の
取り組みに関して、現時点で考えられるより具体的な内容を伺いたいと思います。
◎高野
市民自治推進室長 NPO法の改正に伴う今後の
具体的取り組みについてお答えいたします。
今後の
具体的取り組みにつきましては、大きく3点ございまして、1点目は、情報の透明化と
相談機能の充実を図る
取り組みでございます。
まず、情報の透明化に関してでございますけれども、法の改正によりまして、
NPO法人が提出する書類の公開については、これまでの縦覧及び閲覧に加えまして、新たに謄写が可能となったので、これらにつきましては、利便性の観点も踏まえて土・日・祝日も開設している
市民活動サポートセンターで行うことを予定しております。また、そのほか、団体の各年度の
事業実績報告とか
収支報告等の情報を
インターネット上で公開することとしております。こうした
取り組みによりまして、
NPO法人に関する
情報公開を充実して透明化を図ってまいりたいというふうに考えております。
それから、
相談機能の充実につきましては、法人化に向けたきめ細かな
事前相談への対応など、
サポートセンターでの
相談体制や機能を強化する予定でございます。この
サポートセンターは、
市民活動を支援する
総合拠点でございまして、
NPO法人のさまざまな情報も集約されておりますので、札幌市と
情報共有しながら双方で課題を共有、把握して、蓄積した情報をしっかりと分析した上で今後の札幌市の
支援施策に反映してまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目としましては、
NPO法人の
財政基盤の安定化に向けた
取り組みでございます。
現在、
NPO法人等の
資金調達に関するアンケートを実施しておりまして、その現状と課題等を分析しているところでございますけれども、今後は、この結果を踏まえて、
サポートセンターとも連携しながら、新
認定制度等の活用を促進するとともに、
NPO法人みずからが寄附金を募りやすい環境を整え、
財政基盤の安定化が図られるよう支援してまいりたいと考えております。
最後に、3点目としまして、
NPO法人の信頼性の向上に向けた
取り組みでございます。
先ほどのご答弁でも申し上げましたが、市の
ホームページ等も活用して広く
NPO法人の
情報提供を行うとともに、
北海道警察等と連携し、
情報共有と調査を徹底することにより法に基づく健全な運営を実現するなど、こうした
取り組みを通じて
NPO法人全体の信頼性の向上につなげてまいりたいというふうに考えております。
◆宝本英明 委員 今、具体的な
取り組みに関して3点ほど答弁いただいたところですが、2点目の新
認定制度と仮
認定制度の普及については、
NPO法人の持続した活動を可能とするため、土台となるべき
財政基盤の構築を支援するという視点からは大いに賛成するところだと思います。
一方で、札幌市には、市民の皆さんからの寄附金を原資に
NPO法人等の活動に助成するさぽーとほっと基金という制度があります。そこでなのですが、この基金と新たな
認定制度とは、どのように役割を分担して連携するのか、その点を伺いたいと思います。
◎高野
市民自治推進室長 さぽーとほっと基金との
役割分担についてでございますけれども、さぽーとほっと基金への寄附と、
認定NPO法人や仮
認定NPO法人への寄附は、税控除の方法に差はあるものの、寄附者に税制上の
優遇措置がある点では同じでございます。
ただし、寄附金の使途に関しましては、さぽーとほっと基金では、ボランティアへの謝礼や
会場使用料等、
助成対象が決まっているのに対しまして、
認定NPO法人等への寄附は、寄附金の使途が限定されない点で異なっております。また、さぽーとほっと基金は、団体を指定した寄附のほか、さまざまな
活動分野への寄附も可能でございまして、法人格を持たない
まちづくり団体も対象としているところでありまして、その点でも
認定制度とは異なっているところでございます。
認定制度は、市民や企業に、直接、
NPO法人への寄附を促す仕組みでございまして、
NPO法人にも税制上の
優遇措置があるため、より多くの
NPO法人がこの制度を活用して、その自立に向けた
財政基盤の安定化を進めていくことが大事だというふうに考えております。
そのため、札幌市としましては、まずは新しい
認定制度の普及に力を入れたいと考えておりますけれども、今後は、両制度それぞれの利点を生かしながら、より効果的な連携を模索し、
寄附文化のさらなる醸成はもとより、新しい公共の担い手である
NPO法人の育成に努めてまいりたい、このように考えております。
◆宝本英明 委員 近年、地域の抱える課題というのは、
公共的ニーズも含めて、複雑、さらには多様化している一方でありまして、
行政単独で解決していくことは本当に困難な状況になってきております。これは、札幌市も例外ではないと思います。
NPO法人との協働は、
NPO法人の持つ多種多様な特性から、これらの課題やニーズに対して今までにない枠組みで新しい解決策の提示を可能にして、行政では手の届かないところ、地域に密着したきめ細やかなサービスができるのではないかと思っております。そういった期待ができると思います。
我が会派が掲げる新しい公共とは、NPOと市民・企業・行政の協働で実現していくものでありまして、そのためにも
NPO法の改正による効果をぜひとも最大限に引き出していただきたいと思います。今後、地域の特性を生かしていただいて、自治体の裁量を発揮した
取り組みについてもぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますので、そのことを要望して、質問を終わりたいと思います。
◆松浦忠 議員 一つは、NPOの実態です。私も、随分、相談を受けるのですよ。
NPO法人をつくりたい、ついては、札幌市の仕事が何かないだろうかと。NPOの大方の内容を見ていると、最初に、国会でNPOをつくろうと言って、
国会議員の有志が法案をつくったと、そういうことと今の実態はかなりかけ離れている。
例えば、わかりやすく、札幌市が
刑事告発した事例をちょっと皆さんに申し上げましょう。白石区に、ある
社会福祉法人がありました。
社会福祉法人をつくるに当たって、幼稚園、保育園を建てるお金が要る。それを、どういうことをしたかといったら、理事で園長になった人が、
NPO法人に、自分が借金をして4,000万円の金を貸し付けた。その
NPO法人は、その
社会福祉法人に4,000万円寄附をした途端に解散した。その後のもろもろはあるけれども、最後に結果はどうなったかといったら、
保健福祉局の
監査指導室、前任の
伊藤まち子さんが室長のときに、私と
堀川議員が2人でこの問題を調査して、議会で取り上げて、
札幌市長としてその園長を私
文書偽造で
刑事告発をすることに至って、もちろん法人の理事もやめるし、理事も市の指導のもとで入れかえになったと。これは
社会福祉法人の方ですよ。そういうようなわかりやすい事例が一つ、つい3年ほど前の話であります。
したがって、NPOに何か行政の役割の一端を担ってもらうなんてことを安易に考えてやっている今のやり方は、私は、これはちょっと違っているなと思うのです。そういうことを、もう一回、きちっとどのように検証したのか。今までのことを検証しているのか。札幌市では、
上田市長になってから、一体、幾つの団体に総額で幾らの補助金を出したか、これがわかっていれば示してください。これが一つ。
二つ目は、平成22年度は、何団体に
総額幾ら補助金を出したか。補助金というよりも、
委託契約を含めて、仕事を出したか。
上田市長になってから今までと、それから平成22年度と、この二つを答えてください。
◎高野
市民自治推進室長 今、手元にデータがないものですから詳しい数字は言えませんけれども、
委託契約という意味では、平成22年度の実績でほぼ9億円ぐらいでしたので、ここ3〜4年でトータルでは大体2倍か3倍ぐらいの金額が
委託契約なんかに予算として措置されていると思います。ただ、ここ3〜4年間では、大体、全市における
契約総体の2%にも満たないような数字がNPOの方に行っている、そういう数字はございます。
◆松浦忠 議員 平成22年度の9億円、その9億円の具体的な事業の成果というものをきちっと検証しているのか。
◎高野
市民自治推進室長 私どもの方では、
市民まちづくり局のことはある程度把握しております。ただ、市全体のこととなりますと、それは全市的な調査をしなければわからないのですが、先日、陳情なんかもあった中では、その内訳として、例えば、緊急雇用に使われているものとか、それから
指定管理者制度によるものとか、そういったものがございます。
◆松浦忠 議員 今、二つしか出てこない。
私は、一番の問題は、きちっとした――これは税金ですから。したがって、委託した仕事が、どういうふうに金が使われて、どう成果が上がっているのかということをきちっと検証した上でないと、9億円のお金といったら、どれだけ――例えば、
生活道路だったら9キロできるのですよ。およそメートル10万円ですからね。したがって、例えば、9億円なら9キロの
生活道路の改善費用で、B級だとかC級の登録業者がやるわけですよ。契約に至るまで、どれぐらい厳しい審査をして入札に至っているかということですよ。そこのところをきちっと、公平性ということからいったら、ちゃんと、やっぱり、仕事の出す中身もそうだし、終わった後の検証もして、そして、以降、それをどういうふうにするかということをしないと、2%の
契約金額、いわゆる
外部発注金額の2%に至っているとか至っていないとかの話でなくて、9億円もの金が、これといった何の検証もなしにこういう形で発注されている。そして、今回、法律が変わって、道から札幌市に
許認可権限が出てくる。当然、基本的には、以前の道が管轄していたまでの法律でいったら、決算なんかは届け出だけで終わるのですよ。札幌市は、それを踏み込んで、場合によってはきちっと
決算監査もする、いわゆる指導もすると、こういうことまで考えておるのかどうか、これについてもお尋ねします。
◎高野
市民自治推進室長 市民まちづくり局の例でいきますと、私どもの方は、ほとんどが
公募型プロポーザル方式によってやっておりますので、まずは、当然、事前に
書類審査、あるいは、それ以外の審査もございまして、委員が適正に審査をやっております。それから、その
執行状況につきましても、適宜、それを検証しておりますので、私どもとしては、そういったことについてはきちんとやっていると思っております。
ただ、ほかの所管局の場合は、そこまで把握しておりませんけれども、少なくとも、例えば、
指定管理者による
随意契約などの場合は、それぞれ地域との運営委員会も立ち上げて実施状況なんかを見きわめていると思いますので、それぞれの部局ではそれぞれ対応しているとは思っております。
◆松浦忠 議員 あなたの局の所管でないけれども、3.11の震災の後に、市の方で、急遽、避難者支援の事業をNPOに委託しました。そのとき、私はそれについて指摘もしたのですが、そのNPOというのは、直前になって結成して、そして届け出て、認可されたのかどうか知らぬけれども、そういう極めて怪しげな団体に――個人は別ですよ。団体そのものは極めて怪しげなものに委託して、私は指摘した経緯があるのです。
今の答弁を聞いていても、大体、検証はきちっとされていない、金の使い道も、成果も。こういう中で、ただ単に許認可権だけが都道府県から政令市に移ってきたということだけでは、私は不十分だと思うのですよ。この際、きちっと、届け出だけでなくて、決算の疑わしきものについては監査をする、こういうことについて、するという考え方があるかないか、ちょっとお聞かせください。
◎高野
市民自治推進室長 今おっしゃった監査も含めて、今後、前向きに検討させていただきたいと思います。
◆松浦忠 議員 これは、たとえNPOであろうと何であろうと、札幌市の予算を支出して、そこで決算をされていって、市長は決算報告を私らにするわけですよ。当然、議会としていわゆる決算審査しますから、その段階で、議会としては、それについて疑義があったら、当然、その資料を提出してもらって議会として審査の対象になってくるのですよ。こういうふうに私は理解しているのだけれども、皆さんの方は、私の理解が違っていたら違ったというふうに指摘してください。そのことをお尋ねします。
◎高野
市民自治推進室長 今のは、松浦議員の言っていることが正しいかとか、そういうことでございますか。
◆松浦忠 議員 私の言っていることは、正しいか、正しくないか。
◎橋本
市民まちづくり局長 本日、松浦議員がおっしゃる前に、各委員の皆さんからいろいろご質問ありまして、その中で、NPOの中で信頼性の確保をどうしていくのかとかいろいろな質問がありました。私どもとして、まず、
北海道警察との連携を密にしていく、もう一つは、いろいろな書類を
インターネットで全部公開していく、そして、市民の監視のもとで、しっかりとしたNPOの健全な育成をしていくというふうに答弁させていただいていますが、今後も、しっかりと内部審査、そして、市民の監査というものをやっていきたいと思っています。
◆松浦忠 議員 私の質問に答えていないですよ。予算の議決は議会がします。それを市長が執行します。執行する中に、NPOに平成22年度でいったら9億円のお金が委託されております。我々が決算審査するときには、市長が予算を組んで執行したものがすべて対象でありますから、したがって、NPOに委託して執行したものについても決算の審査対象だというふうに私は理解しておるのだけれども、この私の理解が違っているかどうか、答えてくださいと言ったのです。
○
三宅由美 委員長 全体ではなく、そこの部分で、監査・指導とか、そういうことですね。
◆松浦忠 議員 (続)はい。
◎高野
市民自治推進室長 それは、当然、松浦議員のおっしゃるとおりだと思います。
◆松浦忠 議員 これは、私は地方自治法をちゃんと読み返してここに来ているのですよ。したがって、法律がそうであって、税金を執行する、それを審査するのは、国会も、都道府県議会も、政令市等の市議会も審査する対象でしょう。その審査をきちっと受ける立場の皆さんは、きちっと、それを事前に、そういうことを受けても何どきでも答えられるように常日ごろからしておかなければならぬ、こういうことなのです。
したがって、そういうことができるように、条例でも何でも、当然のことですけれども、逆に言えば、法律をも満たしていない条例だということなのです、はっきり言って。そういうことが書かれていないということは。法律でやらなければならぬことも条例につくって書いてないということなのです。だから、逆に言えば、そんな条例は要らぬということだ。ただ一つ、法律でもって都道府県がやることを、認可だとか何かをするようになったわけですから。それは法律に基づいてやればいいことであって、そういうこと。
○
三宅由美 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第18号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 異議なしと認め、議案第18号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時38分
再 開 午後1時39分
――――――――――――――
○
三宅由美 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第2号 平成23年度札幌市一般会計補正予算(第6号)中関係分を議題とし、理事者から
補足説明を受けます。
◎村山 財政部長 まず、私から、議案第2号 平成23年度札幌市一般会計補正予算(第6号)のうち、財政局関係分について
補足説明させていただきます。
今回の補正予算につきましては、台風12号などの被害に係る復旧に要する経費や、年度内に新たに予算措置の必要が生じたものにつきまして、総額2億4,893万3,000円の補正を行うものであります。またあわせて、年度内に執行が困難と予想される事業に関する繰越明許の補正及び本年度中に契約を締結する必要がある事業に関する債務負担行為の補正を行うものであります。
財政局関係分でございますが、歳入歳出予算のうち、歳入につきましては、補正に必要な財源のうち、特定財源8,295万8,000円を除く1億6,597万5,000円について、21款 繰越金の補正を行うものであります。
なお、繰越金につきましては、平成22年度決算に基づく純剰余金でございます。
○
三宅由美 委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第2号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 異議なしと認め、議案第2号中関係分は可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第24号 平成24年度当せん金付証票の発売限度額を定める件を議題とし、理事者から
補足説明を受けます。
◎村山 財政部長 議案第24号 平成24年度当せん金付証票の発売限度額を定める件について
補足説明させていただきます。
本件につきましては、当せん金付証票法の規定によりまして、平成24年度に札幌市が発売する当せん金付証票の発売限度額を183億円と定めるものであります。
○
三宅由美 委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います
議案第24号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 異議なしと認め、議案第24号は、可決すべきものと決定いたしました。
最後に、(仮称)札幌市債権管理条例素案の概要についてを議題とし、理事者から説明を受けます。
◎金崎 財政局長 債権管理条例の制定につきましては、さきの第3回の定例会の委員会おいて、その策定に向けて検討を進めていきたい旨のご答弁をさせていただきましたが、この間、札幌弁護士会の協力を得ながら、庁内に検討会を設けまして、現在、検討を進めているところでございます。さきの
代表質問でも、市長の方からご答弁申し上げたとおり、条例の提案時期につきましては、平成24年の第1回定例会でのご提案を目指しておりますけれども、本日は、その条例に盛り込む内容、そして、その制定の背景、必要性等につきましてご説明をさせていただきたいというふうに思ってございます。
具体的な内容につきましては、財政部長から説明をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
◎村山 財政部長 それでは、お手元の資料に沿って、(仮称)札幌市債権管理条例制定の背景と必要性などについてご説明させていただきます。
長引く景気低迷や、国、地方を通じた財政悪化という状況のもと、札幌市でも、市税や地方交付税などの基礎となる収入が伸びない一方で、扶助費などの社会保障費が大幅に増加している状況にありまして、今後も大幅な収支不足が見込まれるところであります。こうした中、札幌市行財政改革推進プランでは、将来にわたって質の高い行政サービスを継続していくために、歳出・歳入を一体的に見直す
取り組みを盛り込んでおりますけれども、市税などの自主財源を確保する
取り組みの一つとして、予定される収入について、収入額及び収納率を向上させることを位置づけております。
次に、2の問題点の方に参りたいと思います。
札幌市の平成22年度歳入の状況は、一般会計で約8,339億円、特別会計で約3,076億円の収入でありますけれども、収入未済も多額に上っておりまして、一般会計で約189億円、特別会計で約137億円となっております。こうした収入未済は、財政悪化の一因である一方、負担の公平性が損なわれる要因にもなっております。
おめくりいただいて、2ページでございます。
地方自治法上、金銭の給付を目的とする権利を債権というふうに呼んでおりますけれども、市が保有する債権は、その性質に応じまして公債権と私債権に分類することができます。また、公債権は、さらに、地方税法や国税徴収法の規定により、自力執行権がある債権とない債権に分類されます。この表では、債権の性質に応じて収納率に差があることがごらんいただけると思いますが、このような収納率のばらつきの原因といたしましては、強制徴収権の有無と時効制度の違いがまず挙げられます。強制徴収権とは、裁判所の手をかりずに、みずから差し押さえなどでお金を取りに行くことができる権利ということであります。市税や保育所保育料などがこうした性質でありまして、こうしたものは他の債権に比べて収納率が高くなっているということでございます。もう一つは、時効制度の違いでございますけれども、地方自治法上、債権は時効により5年で基本的に消滅いたします。しかし、民法などの私法が適用となる債権については、時効による債権の消滅を主張する意思表示である援用が必要になります。時効の援用がなければ債権が残り続けることになりますので、債権の管理に労力がかかる一方で、調定額が減らないことから収納率も上がらないといったことになるわけであります。また、このほかにも、徴収の専門組織の有無とかノウハウといった収納体制の違いも収納状況のばらつきの原因となっているところであります。
なお、この表の一番下の件数でございますけれども、基本的に、一つの納期限で1件と数えております。
また、市税と国民健康保険料は、件数が膨大であることから、集計から除いているところであります。
平成22年度における未納件数の内訳でございますけれども、強制徴収債権は38万2,000件となっておりまして、そのうち、介護保険料が約15万件ということでございます。それから、非強制徴収公債権は4万6,000件ということになっておりまして、そのうち、生活保護返還金が約2万5,000件を占めております。また、私債権の方は56万2,000件となっておりますが、水道料金が約49万件とほとんどを占めている状況でございます。
債権の性質などによる問題を解決し、適切な債権管理を実現するためには、市として、各債権に統一して適用できる仕組みづくりが重要というふうに考えております。すなわち、横ぐしを通すような
取り組みをすることによりまして、収納について各債権間のばらつきを少なくして、負担の公平性と収入額の増加を図っていきたいというふうに考えているところであります。その手段といたしまして、債権管理条例を制定したいというふうに考えておりますが、その中で主に三つの仕組みづくりを行いたいと思っております。
2ページの中ほどの3をごらんいただきたいと思います。
まず、一つ目は、債権管理手続の適正化ということでございます。
地方自治法などに規定されている督促や強制執行など、債権管理の規定は多岐にわたっていて適用関係がわかりづらいものであることから、中心となる手続を総覧できるように整理いたしまして条例を定めたいというふうに考えております。また、市として、これらの手続を実施する責務があることを明確に定めることとしております。それから、このことによりまして、職員にとっては債権管理手続の全体像を把握しやすくなるとともに、債権管理事務の適正化、効率化に資するものというふうに期待されますし、市民にとっても納付意識の向上に寄与する効果が期待されるところであります。
二つ目は、滞納者情報の一部利用ということでございます。
これは、滞納者との折衝機会の増大と、債権管理事務の効率化を目的としております。現状では、強制徴収債権以外は財産調査などに関する権限は限られておりますので、転居などによって滞納者の連絡先が不明となった場合には、追跡調査が困難というふうになっています。また、金融機関などに対する財産調査権がございませんので、滞納者の資力の把握には聞き取り調査しか方法がなく、納付能力の把握に時間を要するなどの問題が生じております。
このような問題を解決するため、滞納債権を保有する部署が、ほかの債権に係る滞納者に関する連絡先や、未納額などの情報について利用できるようにしたいというふうに考えているところであります。他の部署が保有する滞納者に関する情報の一部が活用できれば、連絡先の調査や納付能力の把握についての事務手続が軽減され、それから、滞納者との折衝機会が拡大するとともに、徴収方針も早期に定めることが可能となります。こうしたことにより、効果的で効率的な債権管理事務につながるものと考えております。
それから、三つ目は、債権の放棄ということでございます。
3ページに参っておりますが、こちらも、先ほども述べさせていただいたとおり、市の債権のうち、特に私債権につきましては、時効期間が経過しても、債務者の時効の援用がない限り債権は消滅しませんので、回収困難な債権が長期にわたって残存するケースが多くあります。債権の放棄には、地方自治法の規定に基づき、1件ずつ議会の議決を受けなければならないわけでありますが、回収が困難となっている債権については、件数が膨大な数に上っております。また、市の債権は毎年大量に発生するものが多いことから、回収が困難な債権についても、今後、累増していくことが見込まれます。こうしたことから、的確な債権管理を進める一環といたしまして、事実上、徴収が不可能と客観的に判断されるものについては、市長において債権放棄をできるようにしたいというふうに考えております。
現時点で想定し得る債権放棄の事由を囲みの中に記載をしております。
1からでございますが、まずは、破産などによる債務者の免責ということで、免責の決定によりまして債務者は支払う義務がなくなるということでございます。
二つ目は、相続における限定承認ということでございます。ご承知と思いますけれども、限定承認がなされますと、債務者は相続財産以上に支払う義務がなくなるということでございます。
三つ目は、強制執行などの法的手続をしてもなお未納額があって、生活困窮状態にある場合でございます。法的手段を尽くしてもなお回収できない場合で、資力の回復の見込みがない場合には、今後も回収できないと判断されるためでございます。
四つ目は、徴収停止の措置後、相当の期間を経過しても生活困窮状態にある場合でございます。法人が事業を休止し、事業再開の見込みがないなどを理由として徴収停止の措置を行い、相当の期間を経過しても、なお資力の回復の見込みがない場合には、今後も回収できないというふうに判断されるためでございます。
それから、五つ目は、時効期間の満了ということでございます。時効期間が満了した場合、債務者が時効の利益を放棄することは通常考えられませんので、消滅時効が成立したものとして取り扱うためでございます。
おめくりいただいて、4ページ目でございます。
以上、述べたことに関して対応するために、囲みの中に掲げたように、1の目的から市の責務、債権管理に係る手続、債権の放棄、5番目に滞納者情報の利用とございますけれども、それらを内容とする条例の制定をさせていただきたいというふうに考えております。
なお、5ページ目は、札幌市の収納状況と各会計の収入未済額の内訳の資料となっておりますので、後ほどご確認をいただきたいと思います。
○
三宅由美 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
宗形雅俊 委員 何点か、質問させていただきます。
来年の1定でこの条例を上げていくということで、考え方などを示されたと思うのです。
そこで、確認ですけれども、市税、国保とか介護とか、それぞれの部局が管轄するいろいろな滞納があると思うのですけれども、各滞納者に対する徴収体制というのはどうなっているか、きっと個々でやられていると思うのですが、改めて聞きたいと思います。
それから、資料の5ページで、保育料とか生活保護の返還金とか、それぞれ総額を書いてございますけれども、一個人というのですか、一世帯というのですか、1件当たりの滞納している金額、例えば、100万円以上は何件、50万円から100万円までは何件とか、そういったものがあれば簡単にお示し願いたいなと思ってございます。
それから、3点目は、この条例の債権放棄の想定事由の中の3番、4番、生活困窮状態にあるというくだりがありますけれども、これは、どの時点でというか、どういう基準をもって生活困窮の判断をするのか、この3点をまずお示し願いたいと思います。
◎村山 財政部長 三つのご質問ということで、まず、徴収体制ということであります。
現在、市税や国保や市営住宅、水道料といった規模が大きい債権ですが、総体でということになりますけれども、そういった債権を管理している部署は専任の職員を配置して、督促状の送付や電話かけなどの滞納整理事務に当たっております。しかし、それ以外の多くの債権につきましては、ほかの事務と兼任で滞納整理事務を行っているということで、集中的な滞納整理とかノウハウの集積といった面では、今後、よりスキルを高めていかなければならないような状況にあると考えております。
それから、二つ目は、1件というか、1人当たりというか、個人というか、そういったことのデータということであります。
まず、手元にあるデータといたしましては市税がございますけれども、こちらは4段階に分けて数字を持っておりまして、その段階というのは、金額の面で、まず、20万円未満が9万2,800人ほど、これは税額が57億円ほどになります。それから、20万円以上50万円未満の方が1万2,300人ほどで、こちらは税額としては37億円弱であります。それから、50万円以上100万円未満としましては2,400人ほどで、税額といたしましては16億4,000万円ほど、それから、100万円以上ということでは、1,100人ほどで、39億7,000万円ほどでございます。トータルいたしますと、市税におきましては10万9,000人弱、税額としては150億円ということになります。1人当たりということになりますと、トータルベースですと13万8,000円ほどになりますけれども、これは平均の額というふうにご理解いただければと思います。
また、市税を除く、一般会計ベースの数字ですけれども、金額等々は押さえていないのですが、件数はおよその概算でわかりますので、ご報告いたします。
まず、全体を申しますと、強制、非強制、私債権を合わせまして9万7,600件ほどありますが、そのうちの100万円未満が9万6,900件ほどということで、ほとんどでございます。それ以上は、例えば100万円以上だと、その差ということになりますが、ちなみに1,000万円以上の件数は10件となります。件数しか申し上げられなくて申しわけないのですが、二つ目は以上でございます。
それから、三つ目は、生活困窮ということの定義と申しますか、その考え方でございます。
自治法上で申し上げますと、無資力、またはこれに近い状態ということで、履行延期の特約の規定が地方自治法施行令の171条の6にありますけれども、そういったことで一たんは定義づけられております。もう少し具体的に言いますと、今後、検討していくということになりますけれども、今回の条例上は、生活保護を受給しているかどうかが一つの目安となるというふうに考えております。
◆
宗形雅俊 委員 ちょっと細々聞いたのですが、実は、私は、議員になって1年目か2年目だと思うのですけれども、浜松市に行きました。ここは、市に債権条例というのがございまして、詳細は違うと思うのですが、基本的には、今、札幌市が制定しようとするこのような条例の勉強をしてまいりました。そのときに、議会で表立った話はしませんでしたけれども、当時の担当の方と、税という観点からいくと、札幌市もこういう条例を検討したらどうだというようなことは内々にはご提案していたところでもございます。
そういう中で、向こうは、債権のトータル、いわゆる市税だとか国保とか全部入れまして、ある一定額以上になりますと専門の部門がありまして徴収に当てているという体制をとってございました。1件ごとのものをトータルすると、中には法的な問題等々がいろいろあるのでしょうけれども、やはり、効率的・効果的なものになっていくのではないかというようなことがあって、今、トータルしますと相当な額がありますから、そういった体制をとったらどうかなと思っているのです。
そこで、もう一つお聞きしたいのは、この中に、滞納者情報の一部利用ということで、各部局が持つ滞納者の情報の共有という話がありました。今、部長の方から、一応、住所だとか等々がありましたけれども、もうちょっと深めていくと。いろいろ課題もあるかと思いますが、私なんかは、やはり、資力等々まで、情報があれば、これに限っては共有していくようなことまで踏み込んでもいいのではないのかなという気がするのです。この範囲というのは、なかなか法律的な問題もあって、これから検討されるのでしょうけれども、そういったところまで踏み込んでいけるのか。さっき住所とかありましたが、今の段階というのは、ぎりぎりどこまで具体的なことに踏み込んでいけるのか、改めて、ちょっとお答えを願いたいなと思っているところでございます。
それから、もう一つは、先ほど浜松の例で言いました体制の問題でございます。今、債権の大きいものは専門がいるけれども、債権の額の小さいものは兼務でやっているということですね。人数とすれば額の少ないところが多いけれども、合わせると相当大きな額になると思うのですね。そこで、やはり、部署ではなくて、私は、公債も私債もある意味で一つにした中で、例えば、ある一定額の大きいところについては、先ほどの
情報共有の問題もありますが、専門部署といいますか、これはなかったら一番いいわけですけれども、現実的に相当な滞納があるわけですね。そして、放棄する場合の理由もありますけれども、取れる人、能力ある人からはきちっと取らなければいけない。そんなことからも、そういう体制整備、いわゆる部局ではなくて、それを超えた、専門性を持たせて、スキルを持った人たちが対応していく、そういう体制づくりをこの条例に伴ってすべきではないか思うのですけれども、この条例もそうですが、それに当たっての体制づくりをどう考えているか、この点についてもお聞かせ願いたいなと思います。
◎村山 財政部長 今、大きく2点ご質問があったと思います。
まず、滞納者情報の一部利用ということで、この条例では、住所、氏名、年齢など、滞納者本人の確認に必要な情報や連絡先情報のほか、未納額や処分状況など、滞納者の市に対する負債の状態が確認できる情報、こういったものも利用できるようにする予定でございます。
ただ、資産というお話もあったかと思いますけれども、預金などの資産情報とか勤務先の情報といったものにつきましては、各債権における固有の職権でしか調査できない重要な情報というような解釈がなされておりまして、ほかの債権の所管部にまでこうした情報を提供するのは好ましくないというふうになっておりますので、本条例をもって
情報共有の対象にすることは難しいところがあるかなと思っております。
というのは、地方税法などで調査権というのが定められておりますけれども、地方税法の中の調査権に基づく調査で得られた情報というのは、ほかに使えないというような規定もあるものですから、そういった法令と我々の条例をしっかりと適合させなければならない、そごがあってはいけない、そういうことがございます。
それから、2点目の条例制定後の体制ということでございますけれども、やはり、現状では、収納体制の違いということで、収納状況のばらつきの原因というふうになっていると思いますので、まずは、新しく定める条例に沿って、それぞれの部署におきまして債権管理手続の徹底を図ることが重要だというふうに考えています。条例に定める規定やその他の収納対策を活用することによって、全体的な滞納整理のスキルの向上に努める、そして、収入額とか収納率の底上げを図りたいというふうに考えております。
昨年度は、市の債権管理の適正化と収納率の向上を図るということで、ちょっと長目の名前ですが、庁内に札幌市債権管理・収納率向上検討委員会を設置しまして、これまで条例の検討などを進めておりました。今後は、条例に盛り込む予定の滞納者情報の一部利用ということを活用しながら、市として、異なる部署が債権管理に協力しながら対応していくということで、情報の一部利用、共有というか、そういうことは体制的な整備の前段階としてその前にやらせていただく、そういう考え方であります。
また、体制そのものの一元化ということにつきましては、私どもも非常に重要な課題というふうに認識しておりますので、条例制定を契機とした
取り組みを一定期間検証させていただいた上で、今、委員からもお話がございましたけれども、浜松市とか、他都市のそういった
取り組み事例などを参考にしながら、どのような収納体制が収入額及び収納率の向上に資するかということを検討してまいりたいというふうに考えています。
◆
宗形雅俊 委員 以上、質問は終了して、ちょっと指摘と要望をしたいと思います。
今の体制の問題ですけれども、やはり、課題はいろいろあると私も承知しています。ただ、例えば、Aさんというところにいろいろ重複した滞納があったときに、市の担当者が3人も行くのはやはり非効率ですよね。これは、当然、皆さんはわかると思うのです。ただ、今はいろいろな問題があるからそうせざるを得ないということですけれども、やはり、そういった効率化という中で、いろいろな課題もありますが、ぜひ、その辺の課題を解決しながら効率化を図っていくと。また、逆に、今、例えば、市税なら市税は、外に漏らせないけれども、その方にそっちの方を取り込んで委託してやっていくということも一つの体制としてあるのではないかなと。いわゆる
情報共有ではなくて、人という面でも、そんなことも、逆に、出せないのなら出せないところに委託するというような考え方もあってもいいのではないのかなと思っていますので、これらは詳細にわたって検討されていくのでしょうから、ひとつ、その体制ということもぜひお願いしたいなと思っています。
それから、私債権の方では、水道料金とかというのは、ある程度、一回やった結果論で徴収されない、滞納になっているということがありますけれども、貸付金みたいのがありますよね。ああいうところにいきますと、いろいろ、いわゆる結果的に滞納になってしまうと。銀行の金融関係、与信の問題ですね、これが大口になると、銀行あたりはいろいろと問題になるわけですね。責任もとらなければならない。ところが、札幌市のこういうものというのは、責任の所在がどこにあるのよと、こんな問題もあると思うのです。ですから、物によっては、やはり、責任体制をどうするのかといったことも、これは、条例として位置づけるのか、また附則として位置づけるのか、やっぱり、そういったものもきちっとやっていかないと、貸した相手が悪かったのだ、おれたちは悪くないのだということにもならない部分もあると思うのですね。物によってはですよ。だから、そういったものもきちっと盛り込んだ中でつくっていただきたいし、今度、1定でどんな条文が出てくるかわかりませんけれども、そういった精神のもとでぜひやっていただきたいなと思っています。
特に、情報の共有の中で、いろいろあるでしょうけれども、公契約条例みたく、我々は抵触しているのではないかと思っても、いろいろな解釈があって大丈夫ですと、いろいろ議論もあるところです。ということは、逆に、もっと研究すれば、これも、今おっしゃっている答弁でなくて、超えられるものがあるのかもしれないということもありますから、その後、さまざまいろいろ検討していただきたいと望んで、私の質問を終わりたいと思います。
◆宝本英明 委員 私からも、債権管理条例について伺わせていただきたいと思います。
債権管理条例については、我が会派から、第3回定例会の
代表質問、それから決算特別委員会、そして、今定例会の
代表質問でも取り上げさせていただいておりまして、先ほど部長のお話にありましたが、札幌市の収入未済額が非常に多額になっていることを踏まえて、公平性の確保や財政健全化の観点から、基本的に条例制定は必要と認識しているところであります。
本日、改めて検討中の内容について説明がございましたが、事の性質上、内容が難しい条例となることが想定されますので、この場で何点か伺わせていただきたいと思います。
まず、条例の基本的な性格についてですが、収納率を上げるという説明がございました。収納率は収入額を調定額で割った数字でありまして、分母の調定額を債権放棄によって落としていくことによっても、収入額を上げることによっても上がっていくというふうになると思います。この債権管理条例が、収入を上げることなのか、それとも債権を放棄することなのか、どちらを重視しているのか、まず伺わせていただきたいと思います。
◎村山 財政部長 地方財政法第4条というのがございますけれども、この中で、「地方公共団体の収入は、適実且つ厳正に、これを確保しなければならない。」というふうに定められておりまして、この条例は、この法の趣旨に沿って市の債権の管理に関する必要な事項を定めることによりまして、収入額及び収納率を向上させることを目的としております。したがって、まず、地方自治法にある督促や強制執行などといった手続を市の条例に改めて位置づけた上で、法令などに規定している債権管理手続をしっかりと行うことによりまして、収入額を増加し、もって収納率を向上させていただきたいというふうに考えております。
ただ、どれだけ徴収労力をかけても、債務者の生活困窮や行方不明といったことなどによって、事実上、徴収困難な債権が一定程度発生することはやはり避けられないということがありまして、特に時効援用なしでは時効消滅しない私債権につきましては、今後また累増することが見込まれます。こうした債権は、時間がたつにつれまして、収納の可能性が低くなる一方で、連絡先や資力の確認などが欠かせず、債権管理に係る労力が増す一方というふうになると思います。こうしたことから、客観的に徴収が不可能と判断されるものにつきましては、一定の事由を定めた上で市長が債権の放棄をできるようにするということであります。ご指摘のとおり、債権放棄を行っても収納率は上がることにはなりますけれども、あくまでもめり張りをきかせた収納を行うために、債権放棄というのは的確な債権管理の一環として行うものでありまして、やはり収入額を上げるということがまずは我々の考えているところでございます。
◆宝本英明 委員 公平性の確保という点からも、また、財政の健全化というところも含めて、今、言われた収入をぜひとも上げていっていただきたいと思います。
次に、債権放棄についてですが、債権放棄は地方自治法第96条第1項の第10号により議決事件となっており、今、それを市長限りでできるようにするということは、見方によっては手続の透明性が失われるというふうに映る可能性もあると思います。件数が膨大という説明がございましたが、具体的にはどのようなことが支障になるのか、伺いたいと思います。
◎村山 財政部長 債権放棄についてということでございますが、現在、時効による消滅に援用が必要となる債権で、時効期間が過ぎてしまって、事実上、回収が困難になっているものの件数は、決算上で約4万件以上に上っております。仮に、これを1件ずつ議会にお諮りするということになった場合には、まずは、議案を作成する市側の労力といいますか、手前どものことを先に申しますが、そういうことがあることとか、それから、何よりも増して、議会審議に膨大な時間を要するのではないかということが見込まれるわけであります。また、債権が、事実上、徴収不能となる事由につきましては、ある程度類型化が可能でありますけれども、今後、そうした事由に該当する債権が多く発生することが見込まれますので、お示しした事由に該当し、客観的に見ても徴収が不可能と判断される債権については、市長において債権放棄をさせていただきたいということで、そうした意味では、客観的ということでございますので、透明性の確保という意味でも特段の問題はないかなというふうに考えているところであります。
◆宝本英明 委員 債権管理条例につきましては、平成18年に東京都江戸川区が私債権に限った債権管理条例を制定したことを初めとして、今日までの間、政令指定都市の4市を含む多くの地方公共団体で制定されてきている、そのように承知しているところであります。先行して制定しておりますほかの団体において、条例制定による効果がどういったふうにあらわれているのか、把握している範囲で伺いたいと思います。
それから、札幌で今検討している条例において、他の団体と比べて独自の内容は予定をしているのか、伺わせていただきたいと思います。
◎村山 財政部長 他団体の条例制定の効果と独自の部分ということのご質問でございます。
まず、1点目でございますけれども、条例の制定をしている主要都市に制定効果のアンケートをとらせていただいたのですが、職員の債権回収に対する意識の向上とか、それから、回収不能債権の処理による事務の効率化など、定性的な効果は報告されております。ただ一方、各市とも、制定されて年月がまだそれほどたっておりませんので、具体的な金額での効果額の検証はこれから行うといった市が多かったわけでございます。
なお、全国に先駆けて債権管理条例を制定いたしました江戸川区でございますけれども、平成19年度から平成22年度までの4年間で、こちらは約13億円の効果があったというふうに議会の方に報告しております。内訳で言いますと、訴訟を提起したことによる回収は約3億円、和解による回収が約1億円、それから、債権放棄自体をしたことで約9億円ということで、それも含めての約13億円と伺っております。
それから、札幌市の条例においての独自の内容ということでございますけれども、先ほど説明いたしましたが、滞納者情報の一部利用について条例で定めるということであります。これは、他都市の条例でこのことを定めているところはほとんどないと思いますので、特に政令市では初めてということははっきりしておりまして、それが独自の
取り組みというふうにご理解をいただければと思います。法令等に基づく調査権がない債権についても、滞納者の連絡先とか未納情報、そういった一定の状況を確認できるようにしており、効果的な債権管理事務を進めることができるということで期待しているところであります。
◆宝本英明 委員 債権管理条例については、先ほども申し上げましたが、公平性の確保などの観点から必要と認識をしているところでありますけれども、先ほど宗形委員からもありましたように、制定された場合の運用面などで問題点も幾つかあるのだろうと思います。
一つは、情報の共有化についてです。収納率向上のためには滞納者の情報を共有して効果的な収納対策を行う必要がある、そういったことは理解をするところでありますが、個人情報保護の観点からしますと、共有化する情報の範囲、それから共有化の手続など慎重な取り扱いが必要になるのではないかと思います。その点、しっかりやっていただきたいということと、二つ目は、徴収体制について、条例を定めても、収納率を向上させる体制の強化がなければ実効性が上がっていかないので、徴収体制の一元化を含めて何らかの
取り組みをしていく必要があるのではないかと思います。
また、今回の条例は、札幌弁護士会の協力を得て検討を進めていると伺っておりますが、先ほどの江戸川区の例では弁護士に債権整理を委託して行っているといったことでありまして、これは札幌市においても非常に参考になると思いますので、今後、ぜひ検討をしていただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
◆小形香織 委員 私からも、質問させていただきます。
この10月に札幌市行財政改革推進プラン(案)というものが示されていて、その中には、保育所保育料だとか子育てに関すること、あるいは、高齢者のさまざまな優待、減免の関係だとか、市営住宅の減免などについて、暮らし全般で新たな市民負担をふやす計画を進めようという案が出されています。その改革プラン案の中でも、収納率の向上だということがうたわれていて、それと一体となって出てきているのが今回の債権管理条例の制定への動きなのではないかなというふうにも考えるわけなのです。
私が心配しているのは、所得の低い方、払いたくても払えない貧困層にある方々に対するこの条例の影響ということなのです。税や保育料など、払わなければいけない、払いたいけれども、働いても収入が低くて払えないという市民に対して、この条例をつくることで強権的な徴収が進められはしないか、そういう印象が免れないなという感じがしています。市民所得が減って貧困層がふえている中で、働いても働いても保育料、国保料、市住家賃などを払うことが困難な人たちを、この債権管理条例によって脅かすようなことがあってはならないなというふうに思うのですけれども、それについての認識はどう思っているか、お考えをお尋ねしたいと思います。
それから、もう一つ、既に、国民健康保険の窓口では、国保料が払えずに困っている人が市役所、区役所の窓口に納付の相談に行っても、今までの滞納分を全部支払わないと相談に応じませんというふうに窓口で冷たく追い返されている事例があります。そのことは、私たちは市議会の中でも取り上げてきていまして、滞納処分だという形で子どもの学資保険も差し押さえていることも明らかにしてきました。この債権管理条例をつくることによって、先ほどの答弁でも、ほかの都市のアンケートでは、職員の債権回収に対する意識が向上したという例があるのだというふうに言っていますが、本市でこの条例ができたときに、窓口での市の職員の対応が、より機械的、強権的な形で市民に接することになるのではないかと、そういうおそれがあるのですけれども、その点いかがなのか、まず、2点聞きたいと思います。
◎村山 財政部長 今、2点ご質問がありましたけれども、まず、徴収が厳しくなるのではないかということでございます。
この条例は、債権管理に関する一般的な基準や、その他の必要な事項を定めることによって、債権管理の適正化を図りながら収入額及び収納率を向上させることを主な目的とするということでございます。支払い能力のある滞納者に対しましては、強制執行を含む強力な手段で債権回収を行うべきというふうに私は考えておりますけれども、支払いたくても支払えないといったような、今、委員がおっしゃったような滞納者の方に対しては、引き続き、法令等に沿ってということはもちろんありますが、事情を十分考慮しながら対応することがやはり基本であるというふうに私は思っております。例えば、債務者の方が生活困窮の状態にある場合、一度に支払えないけれども、資産状況によっては将来は支払えそうだとか、そういった場合には、今、やっておりますが、納期限の延長の特約である履行延期とか、そういったことを行うことももちろん可能であります。それから、最終的に徴収困難というふうに判断できる場合には債権放棄ということなどもありまして、債務者の状況に応じた対応が可能になると思っております。条例制定後でございますけれども、制定された暁には、
財政基盤の強化ということは、もちろん、今、委員の中にございましたけれども、負担の公平性の実現とバランスを図りながらということで、また、今申し上げた債務者の個々の状況といったものを十分考えながら、適正に債権管理というものを進めていく、そういう基本的な考え方でございます。
それから、今、窓口などの対応ということでお話をいただいたのが2点目だと思います。
やはり、自治法上に定める督促や強制執行といった債権管理を市の責務として定めようとしておりますので、市の職員に新たな義務を加えるようなものではございません。これまで手続的に必ずしも十分でなかった場合がもしあるとすれば、先ほども触れましたけれども、ノウハウを蓄積することなどによって収納率の底上げを図る、そういった意味合いで考えているところでございます。したがって、お話にあったような、一律に厳しい、いわゆる取り立てとかというようなことを推奨するような内容ではないというふうに考えていますし、あくまでも債権管理の適正化ということで、それを主な目的としているということでございます。
先ほどと重複しますけれども、滞納者の状況に応じた履行延期などの柔軟な対応ということでは、引き続き、十分な配慮を法令等に基づいてやっていくということでございますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。
◆小形香織 委員 この間、適正化と言いながら、市民が泣いているという事例があるということで、何度も議会で取り上げていますけれども、今、答弁された生活困窮者の払えない事情がある方には十分考慮するというところは、非常に大事なポイントだと思います。けれども、今回の素案では、それをどういうふうに判断するのかというのは余り示されていない中で、やはり、生活弱者を守っていくという基本的な姿勢をどういう形かで明らかにしていっていただきたいなと、今のご答弁を聞いて思いました。
それから、市の職員の方はまじめなので、こういう条例ができたら、やっぱり、それに基づいた要領だとか細則だとかが決まって、これに基づいてしっかりやらなければならないというふうになって、その結果が窓口での冷たい対応になっている。これは国保に限って言っていますが、そういうことがあるという事実はよく認識された上で、こうしたものをつくっていかなければならないのではないかというふうに思います。
そこで、再質問ですけれども、通常、こうした市民に影響するような条例というのは、一定程度、パブリックコメントだとか、こういう条例をつくりますよというふうに市民説明をし、一定の理解を得ながら条例化していくものなのではないかというふうに思います。しかし、今回は唐突に出されてきているという印象があるのですが、このようなやり方をよしとしているのかどうか、ここの見解を伺いたいと思います。
◎村山 財政部長 この条例につきましては、第3回の定例会での
代表質問、それから決算特別委員会で取り上げられているところでありまして、今定例会の
代表質問においても1定の市議会に条例案を提出するということで答弁させていただきました。今の状況を見ますと、既に政令市4市を含む多くの都市で先行事例があるということで、他都市の例を見ますと、条文としては10条前後の余り膨大な内容ではないのですけれども、本市でも、他都市の例というのも非常に参考にできることなどを勘案して、速やかに進めたいなというふうに思っているところであります。今回のご説明も、そういったことから制定の背景や必要性についてご説明をしたいという趣旨でございました。
パブリックコメントとか、市民のご意見ということだと思いますけれども、条例をお示ししておりませんが、札幌市の債権管理に関する内部手続を定めたというふうなことでありまして、市政に関する基本的な制度や方針といったことで、直接、市民を対象とするものではないですし、また、市民への義務の賦課とか権利制限ということについて定めるものではありませんので、この条例については、パブリックコメント等は特に要しないものというふうに考えているところでございます。
◆小形香織 委員 今のご答弁で、そうすると、パブリックコメントは考えていないということなのだろうと思うのですけれども、議員には第3回定例市議会で説明したということですが、私が具体的に聞いたのは約1カ月ぐらい前ですよ。その間で、中身を見ると私はもろ刃の剣かなという感じもしまして、検討するのにかなり慎重にしなければならない中身だとも思うので、やっぱり、提案されてから決めようとされるまでの時期が半年もないという形では非常に短いのではないかということで、ここは指摘させていただきたいというふうに思います。
それから、全体で見ると、確かに法に基づいたやり方なのだということだと思うのですけれども、やはり、最初に言った行財政改革推進プラン(案)と一体となって出てきているというところで、私は、どうしても取り立て、徴収強化というふうに印象を持つのです。だから、こういう点では、決して市民に納得のできる中身になってないのではないかという危惧があるので、ぜひ市民理解を得られるように丁寧に進めていっていただきたいということを求めまして、質問を終わりにしたいと思います。
◆木村彰男 委員 私は、債権の回収方法、それから、債権回収の目標の数値化、債権放棄に関して、それから信用情報の把握についてご質問させていただきます。
私は、民間の会社に約20年ぐらい勤めていまして、債権の回収もやってきました。そして、1件のトラブル、未収もありませんでした。これはなぜかというと、それをやらなければ私の給与が当たらないという明確な問題意識があったからであります。その意識が市役所の方にないとはもちろん申しませんけれども、今回、条例によって徹底した債権の回収を図るという意図は十分わかるのですが、債権を回収するというのは、さっき言ったように、やっぱりノウハウが必要なのですね。一般の方がやるといっても、なかなか容易なことではない。
そこで、いろいろな債権の回収方法について模索されているとも聞いておるのですけれども、一つは、やっぱり、債権回収について、民間の企業なんかに委託して、さっき宝本委員から弁護士の話が出ましたように、そういう専門家のチーム、私は、債権回収したいという隊をつくればいいというふうに言っていたのですが、そういうような別部隊の回収、取り立てという意味ではなくて、そういうようなお考えがあるかどうか、まず、1点お聞きしたい。
それから、実効を伴う回収をしていくためには目標数値が必要なのですね。目標数値というのは何かというと、幾ら増収を得るのかとか、それから、回収収納率を幾らにするかとか、そういうものを立てた上で回収主体が進んでいかないとだめだと思うのです。これについてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
◎村山 財政部長 まず、債権回収に係る民間への委託というお話だと思いますけれども、催告書の送付とか電話かけといったことなどにつきまして、民間委託により効率性や効果の増加が期待できるというふうに認識しております。したがって、今後は、現在既に実施しているコール
センターとかサービサーへの委託というような実績を踏まえて、個別の債権ごとに費用対効果を検証した上で、民間委託の拡大ということについても前向きに検討していきたいというふうに考えております。
それから、二つ目の収納率の目標設定ということでございますけれども、収納率向上に向けた
取り組みにつきましては、現在、策定中の行財政改革推進プランにおきましても、歳入の確保や負担の公平性の観点から、収納率の目標数値を示した上でその効果額を算出したところであります。
今回のプランにおきましては、収納率の向上に係る効果額は17億円ほどというふうに見まして、市税と国民健康保険については、前回、前々回のプランに引き続いて目標収納率を設定しております。例えば、市税は、平成26年度目標でありますが、94.8、それから、国保については89.0でございます。滞納整理の強化とか課税客体の捕捉などということで収納対策はさらに進めていく方向でございます。また、市営住宅の使用料とか夜間急病
センター使用料といったその他の歳入につきましても、統一的なマニュアルの整備とか適正な債権管理手続などの徹底を通じて、全体として収納率を上げたいというふうに考えております。今回のプラン案では新たに目標収納率を定めておりますけれども、もし条例が制定されると、それに沿った
取り組み状況があると思いますので、そういったものを見据えて、その目標数値がどういうものであった方がいいかということは、適宜、検証してまいりたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 次に、この条例案に盛り込まれている債権放棄の件ですけれども、こちらにも書いてございますが、債権放棄には消滅時効がございまして、公債権で5年、私債権は10年ということになっております。その消滅時効を阻止するために、一つは、時効の中断というものをやる。時効の中断というのは、民法上の権利として認められておりまして、請求、督促をするわけですね。この督促をやっておっても、また時効が始まります。そこで、裁判上の訴訟を打って強制的に入って執行する。さっきおっしゃったように、江戸川区では訴訟提起によって回収ということをやる。要するに、私に言わせれば、この裁判上の請求に至るようなきちっとした債権管理をやっておれば時効が満了になることはないわけですよ。そうですよね。つまり、私が言っているように、回収の意欲を失っているか、回収しようとする意思がないかしか、時効の満了のケースというのは僕の考えではないのですよ。
そこで、質問なのですけれども、請求なり強制執行をやっていくことを前提にした上で、時効の満了になるケースというのはどういうケースなのでございましょうか。
◎村山 財政部長 時効を迎える場合はどんな場合かということですが、滞納してきた場合には、自治法等に基づきまして、督促や強制執行とか、それから履行延期の特約といったものをしますけけれども、時効完成を中断させられるさまざまな手段を通じてもなお時効期限を迎えてしまった場合というのはやはりあるわけでございます。債務者が居所不明の場合は、放棄事由のうち、徴収停止の措置後、相当期間経過のときには該当するというふうに考えられます。例えば、市税につきましても、徴収停止をかけた以後、3年間ほどですか、相当期間というふうになっていますけれども、そのときにどうしても資力が復活しないというか、そういった場合には、時効というか、それは徴収をしないということになります。(「時効の満了のことを聞いているのですよ、私は。請求したり、時効満了にならぬでしょう」と呼ぶ者あり)
すべてではないのですけれども、場合によってはございます。(発言する者あり)
○
三宅由美 委員長 よろしいですか。次の質問を。
◆木村彰男 委員 それでは、裁判上の請求ができないようなときに、さっきもちょっと出ていますけれども、行方不明になってしまうとか、追及できないときは、例えば、公示送達とかいろいろな裁判上の手段がありますでしょう。時効中断するときのこういうもの、それはどうなのですか。時効中断ですよ。
◎芝井 財政課長 どういうケースが時効満了を迎えるかというようなご質問だと思うのですけれども、自治法にのっとる督促は、初回限り時効の中断の効力を持っているのですね。したがいまして、例えば、1年に1回以上督促をやったとして、2回目以上は時効中断の効力はないので、毎年送り続けました、でも時効期間は経過してしまいましたということはあり得ると思います。
◆木村彰男 委員 実際に裁判上の強制執行に至るような訴訟を提起するというときに、本人がいなければ、当然、提起しても裁判所には出てこないわけです。そのためには、私は、基本的には、そこに至るまで、さっき言ったリスケジュールだとか、履行の延長のお話し合いなんかがそこでされている場合、そのときには、やはり、信用情報といいますか、あなた、間違いなく払ってくれるのですねという意味で、信用情報の同意書といいますか、提供の同意書、つまり、払える実力があるかどうかのですよ。全部ではないですよ。そういう問題について、そういう同意書を求めた上でリスケジュールもしくは延長というようなことをやった上でそれを担保するというか、そういうことも必要なのではないかというふうに私は思うのですね。そうしなければ、ここで逃げられるわけです。
ですから、信用情報をそういったところにおいて確保する、情報を獲得する、こういうようなことについてはいかがでございますか。
◎村山 財政部長 委員のおっしゃるとおり、各原局ということになりますけれども、もちろん債務者の状況にもよると思いますが、そういったものも把握しながら、そうした適正な手続をしていくことは必要だというふうに考えてございます。
◆木村彰男 委員 最後に、債権を放棄する際、さっき宝本委員からも出ましたけれども、地方自治法96条1項の10に、条例のように特別の場合があるときに放棄できるという規定がある。今回のものは、まさにこれに当たるわけですね。これをやるということは、議会の承認なくして、市長が白紙委任の形で債権を切れる、こういうふうに読めますね。だとすれば、今後、議会の承認を受けて貸し付けをするような大型債権のような場合であったとしても、それは、一度は議会の承認を得ながら、債権を放棄するときは市長一任で切れるということになった場合、これは何のために同意を求めておったのか、こういうことになるわけですね。
これについては、いかがお考えでございますか。
◎村山 財政部長 債権管理条例におきまして対象とする債権は、原則として、金銭の給付を目的とする札幌市の権利一切ということでございますけれども、市税債権につきましては、別途、地方税などの規定が整備されているので滞納整理に関する規定を適用しないとか、債権の種類によって条項ごとに適用除外となることも想定をしております。
お尋ねの債権放棄でございますけれども、条例のつくり自体からすると、市税債権など強制徴収権のある債権を除き、事実上、徴収が困難となる放棄事由に該当するものは基本的にすべてが対象になります。ただし、条例の具体的な運用方針については、今後、検討してまいりますけれども、債権放棄の遂行に当たっては慎重な判断が必要でございますので、おのおのの債権の、今、言われました政策的な位置づけというのでしょうか、そういったものは、それまでの議会議論の経過といったものを勘案しながら、放棄に関して議会の関与のしていただき方、そういったものについては検討してもらいたいと思っております。(発言する者あり)
○
三宅由美 委員長 静かにお願いします。
◆木村彰男 委員 基本的には、今、私が申し上げましたように、議会同意案件については、やはり、基本的に、すべて議会に諮って、放棄をすべきか、そうでないかということを確認する必要があると思うのです。それについて、全く、今見せられた条例案については書いていない。つまり、白紙委任としか読めないように。
今、答弁されたように、一つ一つの問題について――私は、本当はここでいろいろな貸し付けについて聞きたかったのですよ。ところが、ここは聞く場所でないというのでそれは言わないですけれども、各個別の問題になったときに、そういう過去における大型物件の貸し付けがあって、それが返されていないとか、もしくは、減資とかによってなくなっているものもあるのですね。そういうものについては、やはり、厳しい形で進めていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問とさせていただきます。
◆阿知良寛美 議員 私からも、何点か質問させていただきます。
債権管理条例を調べてみますと、近年、この条例を制定している自治体が相当ふえてきております。道内にもあります。それは、先ほど説明があったように、長引く景気の低迷によって大変厳しい財政運営を強いられていることも一因だろうというふうに思います。札幌市もこの流れに乗って制定を目指しているのだろうというふうに思いますが、一方で、こういった条例を制定せずに、組織の一元化をもって進めているところもございます。先ほど、宗形委員のお話にもありました。
私も、岡山市に行ってまいりました。組織の一元化をやっておりますということで、こういった債権データの一元管理、また、組織を一元化することによって、先ほど説明があった公債権、もしくは私債権、こういったものを同一人物に――例えば、
情報共有化の議論がありましたが、首長が任命することによって同じ人が徴収するのですから、当然、そういった情報も入るわけですね。そうやっているところもございます。
また、先ほど、円グラフでどれだけの数があるかという説明を受けたわけでありますが、払っている人、払っていない人の公平性を担保するということは非常に大事なことですけれども、ただ、先ほど、小形委員からもありましたように、払いたくても払えない、そんな方々も実は大勢いらっしゃるのだろうというふうに思います。それは、景気低迷ということもあるのだろうと思います。そういう中で、先ほど説明があったように、弁護士会と協議してというお話もありました。確かに弁護士会は仕事がふえるかもしれないけれども、ただ、払っていない対象の市民にとっては、この債権は弁護士が来るのか、委託を受けた債権の専門の方が来るのかわかりませんが、取り立てをされる、こんなイメージを持ってそういった危惧をされている方もいるのではないかなと思います。こうした経済的な状況で払いたくても払えない方――そういう意味では、僕は、収納対策を強化するだけではなくて、やっぱり、社会的な弱者への配慮、または景気対策、これをセットにしないと、債権放棄になっても、実質的な収納といいますか、そういったことはなかなかできないのではないか、上がらないのではないだろうかと。
そういう意味では、札幌市の施策というか、今、私がお話ししたことに関してどう考えているのか、まずお話を伺いたいと思います。
◎村山 財政部長 今、議員からお話がございましたけれども、やはり、多額の収入未済が発生している中の一因には、現在の厳しい経済情勢ということがあるというふうに認識しております。こうしたことも踏まえて、条例と同時期に実質的にスタートいたします第3次札幌新まちづくり計画(案)でございますけれども、その中では、新産業の創出とか企業誘致等ということで5万人の雇用創出、それから、市の中心部の民間再開発の促進などというものを計画して、地域経済の活性化を図るという
取り組みを積極的に進める予定でございます。また、生活困窮などによって支払いが滞るといった場合には、履行延期などの猶予措置を含む適切な対応を適宜行っていくことなど、これまでと同様に、今後も社会的な弱者に配慮しつつ適正な債権管理を進めていくというふうに考えております。
◆阿知良寛美 議員 やっぱり、滞納される方は、一つのものだけに――例えば、介護保険の滞納率は物すごい数ですよ。介護保険だけ滞納しているかというと、決して――僕は少ないだろうと思う。ほかも、やっぱりいろいろな理由――考え方もあると思いますよ。わざと入らないという方もいらっしゃるかもしれない。だけど、大体、複数になっているのだろうと思うのですよ。そういう方が多いだろうと思うのです。だから、組織を一元化することによって効果を上げている都市もあるのだというふうに思うのです。その意味では、ぜひ、条例ができるかどうかは今後ですけれども、そちらでつくるのだろうと思いますが、その受け皿となる組織、こういったこともしっかり考えていただきたいなというふうに思います。
次に、債権放棄についてお伺いいたします。
先ほど説明がありましたけれども、例えば、10年後、援用という形で期限が来ました、それを行使しますと、こう手を挙げなければずっと続くわけで、債権がいつまでも残る、それを整理したいという話です。しかし、そこまでに至る経緯、経過といいますか、どれだけ徴収努力を行ってきたか、徴収するためにさまざまな手だてを行ってきたか。これは、時効になったからもう回収しませんとか、しなくてもよくなりましたではなくて、当然、市民の税金を原資として貸し付けたものも中にはあるわけですから、その意味では、徴収努力を怠ったまま時効になりましたということで、それで終わりという形になってはならないだろうと思うのです。その意味では、債権放棄をする場合においても、それまでの徴収努力をきちんと検証できるようにしておく必要があるというふうに思います。
その点、どういうふうなお考えをしているか、お聞かせ願います。
◎村山 財政部長 この条例では、督促や強制執行など適正な債権管理手続をとっても徴収ができなくて、もはや客観的に徴収が不可能と判断されるものについては、一定の事由を定めた上で市長が債権の放棄をできるようにするというふうに考えております。債権放棄は地方自治法上の権利の放棄でございますので、その手続は、お話にもありましたように、最大限の徴収努力をした上で、やむを得ない場合に行うべきものだというふうに考えております。
今後、その具体的な手続については検討してまいりますけれども、各部署において債権放棄の意思決定を行う際には、やはり、滞納者との折衝を十分に行ったことを前提として、条例所管部署と協議をしてもらうなど、徴収努力をしっかり検証できるような進め方をしてまいりたいというふうに考えております。また、現在、条例の検討に札幌弁護士会の協力をいただいておりますけれども、制定後の運用面においても、必要に応じてそうした専門家の
チェックとか支援が得られるように協議をしてまいりたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美 議員 最後に、要望を言って終わりますけれども、先ほどの説明がありました債権の数ですね。特に私債権については、水道料金が非常に多いということで49万件と。だから、これは、督促を出したり、それから、いなくなったものについてはどうしようもないというか、不明になっていて現住所がわからないわけです。そういう部分では、徴収努力と言っても、これだけの数を定期的にという話では、住所がわかったものについてはやるとしてもなかなか大変だろうというふうに思います。
そういう意味では、そうならないように情報をしっかり一元化して、ぜひ徴収の比率をアップしていただきたいということと、それから、やはり、払いたくても払えない方々がいらっしゃるわけですから、例えば組織を一元化することによって、そういった方々の
相談体制もしっかりできるはずだろうというふうに思いますので、今後、その辺もぜひ考慮していただきたいということを要望して、終わります。
◆松浦忠 議員 まず最初に、札幌市で収納対策室というものを設置したことがあるのですが、何年から何年まで設置して、当時、何件でどのぐらい、何%の未収金を回収したかということについてお尋ねします。
また、これについて、きちっと成果と問題点を検証されてこういう条例案をつくられたどうか、まず最初にお尋ねします。
◎村山 財政部長 収納対策室という意味では、データ的なものは把握しておりません。
◆松浦忠 議員 実は、私が1983年に初めて議席を得て、この未収金問題に対して、私が提起して、当時の板垣市長が収納対策室を設置して取り組んで一定の成果を上げたのです。私は、その当時からずっと言っていたのは、いわゆる市が徴収すべきものは一元化してやりなさいと言っていたけれども、そこまでは踏み出さなかったのですよ。少なくとも、今回、この条例をつくるに当たって、その検証をきちっとしていないというのは、全く、私にしたら行政の継続性というのはどこに行ったのだと。これは、もう、何をもとにこんなことをつくったのかなと。まず、これが一つ、これは指摘にしておきます。
それから、二つ目は、これは局長にちょっとお尋ねするのですけれども、いわゆる地方自治法で時効ということですが、税金というのは、富の再配分で、税制度をもととしている国家の根幹をなすものなのですよ。そこで、なぜ、時効で落としていくという条項が法律に設けられたか、ここのところをちょっと示してください。
◎金崎 財政局長 税金の場合には、地方税法で5年の強制的な消滅時効が定められておりまして、そのほかの債権につきましては、地方自治法に基づいて、あるいは、それぞれの個別法に基づいて債権の時効期間が定められております。これは、専ら法的な関係性を安定させるという意味で、長期にわたってそういう債権債務関係を継続することが――法的安定性という意味では、要はとれないものをずっと抱えておくということになりますので、例えば、税の場合ですと5年で、そこで、一回、関係をきちっと整理するという考え方でそれぞれ定められているということでございます。
◆松浦忠 議員 私は、東京大学に行っていないけれども、私なりに歴史を調べたら、いわゆるローマ帝国時代に税制度がしかれて、そして、払えない者は奴隷にされるという制度があったのです。それで、大多数の市民が税金の滞納で奴隷になった。しかし、一人の人が、これはおかしいと言って市民に呼びかけて奴隷解放運動をやって、結果的に時効という制度をつくらせたと。これが、私が調べた限りのいわゆる時効制度の始まりなのですよ。奴隷解放なのですよ。そういうことから、明治維新のときに、ヨーロッパを中心にした法体制をつくると。基本はフランスになったのですが、そういう中でこういうものが民法の中にも取り入れられてきたという制度があるのですよ。
したがって、時効を中断するとかしないとかという前に、大事なことは、最初に、1年たって、猶予期間を含めて納期が終わりますね。そうしたら、残された3年数カ月の中で、最大限、札幌市として、その人の資産を調べて、いろいろな状況、収入状況なども調べて、納税できるかできないかの判断をしなければならないのですよ。そして、弁護士というのは、基本的に訴訟、裁判における一つの代理人です。法律の代理人の資格を得て務めるということ、これが本業ですから、もちろん民事の争いでも代理人になるけれども、税金の取り立ての代理人になるなんていうことは、明治以降に弁護士制度がつくられたときにだれも想定していない。
それから、もう一つ、先ほどの説明をいろいろ聞いていると、何か法的なことについて弁護士会の協力なんて言うけれども、少なくとも、税の取り立てなどについて、弁護士以上に皆さんは、どこにでも――法律的にですよ。例えば、
札幌市長は金融機関だとかいろいろなところに全部調査権を持っているわけですよ、法律で保障されて。したがって、そんなものは、弁護士に一々相談しなくたって、皆さんがちゃんと法律を読んで、そして、法律の範囲の中において仕事をちゃんとやれば、何も弁護士に相談する必要も何もないのですよ。字さえ読めたらちゃんと理解できるのですよ。わからなければ所管の中央省庁に聞けばちゃんと教えてくれますから、総務省に聞けば、あなたの出身のところに聞けば。
したがって、こういうような、今、終わりの方から黙って皆さんの議論をずっと聞いていましたけれども、そんな議論の話ではないのですよ。もともとの時効というのは何なのだと。奴隷解放から来ている。いつまでも借金で苦しんでいる払えぬ人を開放してあげるのだと、いわゆる人権思想に基づく法律なんですよ。そして、憲法のもとで、最大、可能な限り法律の運用をできるのは皆さんなのですよ。したがって、こんな条例をつくるなんて、出してくること自体が――今の市長の組織運営権限の中で何ぼでも部の設置や課の設置はできるわけですよ。したがって、そういうことをどういうふうに検討して、なぜ、この条例をつくらなかったら私が今指摘したようなことをできないという隘路はどこにあるのか、それをお尋ねします。
◎金崎 財政局長 先ほどの阿知良議員の議論の中にもありましたように、他都市においては、現にこの条例をつくらずに、あるいは、今、議員がおっしゃったように、過去において組織的な対応でもって収納対策をやっているところもありますし、札幌市も過去にそういうふうにやってきた経緯もあるかと思います。私どもも、この条例をつくることのみが収納対策であるというふうには考えておりません。やはり、この条例に基づいて、今、いろいろばらつきがある手続というものを我々市役所がしっかりやっていく、あるいは、それをきちっと市の責務として市民の方にも議会にもお約束をする、そして、その手続をきちっと明確にするということで、それも一つの
取り組みの方策である、それに基づいて、どういう体制をつくっていくか、あるいは、どういうノウハウを共有していくか、そういったことを市の中でしっかりつくっていくことによって総合的に収納対策をやっていかなければいけない、その
取り組みの一つでこういう条例をつくらせていただきたいというふうに思ってございます。
◆松浦忠 議員 あなたは、中央省庁からおいでになっているからすべてわかっていると思うけれども、いわゆる条例というのは法律の域を超えるわけにはいかぬわけですね。したがって、地方自治体も、国も含めて、行政機関はすべて法律の中で仕事をしておるわけですよ。その法律を補完するものは何だといったら、それは、はっきり言うと、市長が執行指針の中できちっと定めて、今、札幌市では内規だとか申し合わせだとかをたくさんつくっていますね。そのたぐいのもので、市長が、市政執行指針の中で、きちっとこういう方針で、市が徴税すべきそれぞれのものは一つの場所に集めて一つで徴税しますよとか、やれば何ぼでもできることなのですよ。いたずらに条例をつくったり何かして、それで規程化して外部委託する。端的に言うと、こんなことは言いたくないけれども、同業者救済のために市長はこういう条例を提案しているのかと。いやいや、あなたは手を振るけれども、私はそう思っているのですよ、私は。あなたが手を振ったって、だれが考えたって、これを説明したら、そう思う人はかなりいると思う。今、現実に、弁護士はいろんなことをやらしてくれ、やらしてくれと議会にも陳情に来ています。
したがって、本来、札幌市として法律のもとでやれる権限を市長は持たされているわけですから、議会も必要なものはきちっと承認するわけですから、予算もつけるわけですから、したがって、この条例の前にそういうことをなぜやらないのか。
それから、もう一つ、私は、先ほどの木村委員のご質問の中で、これは私も思ったことですが、指摘しましたからあえて言いますと、いわゆる多額の貸し付けをする、議会は予算を承認する、そして、債権放棄は市長ということになると、何が生じてくるかといったら、債権放棄に絡んで――債権放棄というのはいわゆる放棄される側には物すごい利益があるわけですよ。その利益を得るために、いろいろな方策を講じて、法のすき間を講じていろいろなことをやる。そしてまた、債権放棄をしてもらえるように市長の側にいろいろな働きかけをする、そこに事件が発生するというのが、大体、今までの、バブルを含めて、過去のいろいろな債権、国のいわゆる法律的なすき間の事件になったことがたくさんあります。住専から含めてね。これは、条例をつくることによって、そういう事件を発生させる要素をここに生じさせる、そういうことを私は指摘せざるを得ないのですよ。
したがって、そういう要素を発生させる条例などは制定すべきでないし、この条例をつくるときに、そういう要素について、可能性があるということを検討をしたかどうか、債権放棄。
◎金崎 財政局長 まず、前段の体制その他、我々のそのほかの努力の部分についてはご指摘のとおりだというふうに思いますので、当然、この条例を制定するとともに、その体制的な問題、そして、そのノウハウ、情報をどうやって共有していくかという問題については、我々は内部的にも同時にきちっと検討を進めていきたいというふうに思っています。
2点目の債権放棄についてですけれども、今回お示しをしておりますように、債権放棄の想定事由というものを五つ、条例でもって限定列挙させていただく予定にしております。例えば、破産とか限定承認とか、その理由に該当するときのみ放棄するということを、もう、これは条例で縛っていただくことを考えておりまして、この五つの事由に該当する場合には市長の方で放棄させていただくということを、条例上、書かせていただこうと思っております。そういう場合については、今、議員ご指摘のようなおそれはないものと考えて、こういう形で提案させていただいている次第です。
◆松浦忠 議員 いわゆる時効という根本の、事の発祥の法の根本、大体、これをどうとらえているのか。
私は、やっぱり、十分調べて、少なくとも5年たった時点で本人の調査をして、5年の時効が来る、そして、決算議会のときに時効消滅を提出すると。それをするには大体7月ごろには資料をつくるだろうから、3カ月ぐらい、だから、ずっと調査をしておったら、そういうものというのは――これから先ですよ。この人を引き続き継続させて、消滅を中断して継続させて、取れるか、取れないかという判断はできるのですよ。だから、基本的には、やっぱり5年でどうするかという判断をきちっとする。取れないという見込みになったら、一たんすると。これをしなかったら、いつまでもそういう税金で本人をずっと苦しめていくわけですよ。それは、一つの精神的奴隷ですから、肉体的奴隷ばかりではないですからね。そういうことも含めて、こういうような制度がつくられているという趣旨の理解を、少なくとも
上田市長はしなければだめだ。
そういうものも含めて、きちっと提案理由で説明されて、それで初めて、こういった時効中断というようなことについて我々が議論するのであって、提案で全くそういうこともされない、聞いたらその程度の答えが返ってくるというようなことでは、これは、時効をいじるということには全くお粗末過ぎるな。お粗末というよりも、人権を無視しておる、こう厳しく指摘せざるを得ないね。
きょうは、この程度にしておく。
しっかり、局長、もうちょっと勉強して、中央省庁からここに来ているのだから、頼むよ。
○
三宅由美 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉会 午後3時8分...