○よ
こやま峰子 委員長 異議なしと認め、議案第1号中
関係分及び議案第12号の2件は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時59分
再 開 午後2時
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第3次札幌新
まちづくり計画(案)についてを議題とし、
理事者から説明を受けます。
◎可児
政策企画部長 私から、第3次札幌新
まちづくり計画(案)の
パブリックコメントにつきまして、皆様のお手元に配付してございます資料、第3次札幌新
まちづくり計画(案)における
パブリックコメントの概要に基づきましてご説明させていただきます。
まず、1ページ目をごらんいただきたいと思います。
意見募集の期間についてでございます。
第3次札幌新
まちづくり計画の案を平成23年10月11日に公表いたしまして、同日から11月9日までの30日間、
意見募集を実施いたしました。
次に、3番目の
周知方法についてでございますが、
パブリックコメントの実施につきましては、10月の広報さっぽろでの
計画案の
概要紹介でございますとか、
市長記者会見での公表、あわせて
意見募集のお知らせをしたほか、
本庁舎や各
区役所及び
まちづくりセンターでの
計画案の配布でございますとか、
ホームページへの掲載、本市の
広報番組、あるいは、札幌駅
前地下広場の
大型映像装置を活用するなどにより意見の募集について周知をしたところでございます。
次に、4番目の
キッズコメントの実施についてでございますが、計画の策定に当たりまして、
子どもたちからの意見も参考にしたいと考えまして、
計画案の内容を
子どもたちにもわかりやすいように、第3次新まちに掲載した事業のうち、
政策目標ごとに主な事業をピックアップした
子ども向けの冊子を作成いたしまして、市内の全
小・中学校に配付して、
小学校5・6年生と
中学生から
パブリックコメントと同時期に意見を広く募集いたしました。
次に、5番目の今後の予定についてでございますが、
意見募集期間に寄せられました意見につきまして、この後ご説明させていただきますけれども、
パブリックコメントにつきましては、計画に反映できるものにつきましては反映するとともに、その他の意見とあわせまして、
計画書や
ホームページで、寄せられた意見の概要と意見に対する市の
考え方につきまして12月中旬をめどに
計画書等で公表する予定でございます。また、
キッズコメントにつきましても、計画に反映できるものにつきましては反映するとともに、
計画書や
ホームページにおきまして主な意見の概要と札幌市の
考え方につきまして掲載する予定でございます。
次に、6番目の
パブリックコメント期間中に寄せられた
意見数についてでございます。
パブリックコメントによる
意見数は、13団体を含む132人から300件の意見が寄せられました。
提出方法別に見ますと、郵送が2割、
ファクスが3割、
メールを含むインターネットが3割強などとなってございます。
また、
計画案の
内容別に意見を分類いたしますと、全体300件のうち
計画全般に関する意見が16件、
計画事業に関する意見が281件となってございまして、個別の施策でございますとか事業についての意見が約9割を占めるような状況になってございます。
キッズコメントによる
意見数につきましては、429人から823件の意見が寄せられました。こちらは、学校の授業で取り上げていただくなどしたことから、大変多くの意見が寄せられたところでございます。
内容別に見ますと、
計画全般に関する意見が21件、計画、事業に関する意見が785件となってございまして、その中でも
環境関連施策でございますとか、
子ども関連施策への意見が多くなっているところでございます。
次に、1枚おめくりいただきまして、2ページ目の
計画案からの
変更点についてでございます。
意見募集期間中に寄せられました意見のうち、計画に反映すべきとして反映させたものといたしまして全部で10件ございました。個々の意見の紹介は省略させていただきますけれども、例えば、上から
三つ目の
幼児絵本ネットワークセンター事業につきましては、
市立幼稚園だけではなく
私立幼稚園も対象に含めるべきではないかというご意見に対しまして、
意見内容が計画に盛り込まれていることがわかるように
事業内容の記載を変更いたしました。また、一番下の
除排雪体制の確保と冬の
市民生活ルールの確立についてでございますが、札幌市の
取り組みが
事業者の現状を踏まえて行うということを明確にするため、施策の
説明文を変更させていただきました。
1枚おめくりいただきまして、3ページ目の一番上でございますが、札幌市経済の成長を牽引する
重点分野の振興につきましても、今後、成長が見込まれる環境、
福祉分野における新たな産業の創出に向けた
取り組みを進めることを明確にするために施策の
説明文を変更させていただきました。また、上から
三つ目の生
ごみ資源化システムの
実証実験につきましても、
対象世帯がわかるように書いてほしいという意見を
子どもからいただきましたので、
対象世帯がわかるような記述を追加いたしました。一番下の東区の食材を活用した
まちづくり推進事業につきましては、事業の目的をよりはっきりさせるために
達成目標を変更してはどうかという意見をいただきましたので、ご意見をもとに
達成目標を修正するなどの変更を行ったところでございます。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、4ページ目の
内容別主な意見の概要と市の
考え方についてでございます。
こちらは、
パブリックコメントや
キッズコメントにより寄せられた意見のうち、主なものについて記載をさせていただいております。
こちらも主な意見をご紹介いたしますと、まず、
計画全般に関する意見に関しまして、第3次札幌新
まちづくり計画と、
基本構想や
まちづくり戦略ビジョンとの
関連性についての意見が寄せられております。
次に、
政策目標1
子どもの笑顔があふれる街に関しまして、
保育所整備事業について、将来を見据えて事業を進めるべきという
子どもの意見でございますとか、
私立幼稚園預かり
保育運営支援事業について、
幼稚園でも保育できる環境を整備してほしいなどの意見が寄せられております。
次に、2枚おめくりいただきまして、6ページ目の
政策目標2 安心して暮らせるぬくもりの街についてでございます。
高齢者等の弱者が被災したときの
避難方法や
避難場所のPRなどについての
防災対策でありますとか、一番下の
雇用施策の充実については、
就職紹介窓口を拡大しても働き口がふえなければ意味がないという
子どもからの厳しい意見も寄せられております。
続いて、1枚おめくりいただきまして、7ページ目の
政策目標3 活力みなぎる元気な街に関しましては、
三つ目の(仮称)
市民交流複合施設の整備や、1枚おめくりいただきまして、8ページの
路面電車延伸推進事業あるいは総合的な駐
輪対策の推進に対して、
賛否双方の意見が寄せられているところでございます。
次に、その下の
政策目標4 みんなで行動する環境の街に関しましては、
子どもからは、
学校施設太陽光パネル設置事業について、設置に当たってはお金がかからない工夫をすべきという意見が寄せられましたほか、1枚おめくりいただきまして、9ページのみどり豊かな
街づくり支援事業につきましては、多くの学校で花を植える
ボランティアをしてはどうかという意見が寄せられてございます。
最後に、1枚おめくりいただきまして、10ページの
政策目標5 市民が創る自治と文化の街に関しましては、
町内会活動や
活動拠点の整備に対して、活動できる
環境づくりや
地域活動を行う場所の充実についての意見や、
子どもからは、一番下でございますが、
文化施設の設置について
賛否双方の意見をいただいているところでございます。
○よ
こやま峰子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
阿部ひであき 委員 今後4年間の新しい
まちづくりプランとして取りまとめられました第3次札幌新
まちづくり計画(案)について、市民から意見を広く募集したということでありますけれども、今回の
パブリックコメントでは個人119人、団体13団体で計300件ということであります。この300件が多かったか少なかったかというのは、人それぞれあるかと思いますが、私としては、もうちょっと積極的な
取り組みがなされるべきではなかったのかなとちょっと感じております。
そこで、質問でありますが、今回の
パブリックコメントは、件数的にもちょっと少なく感じておりますけれども、今後の
パブリックコメントの
提出方法について、
取り組みに対する検証が行われているのかどうか、伺いたいと思います。
◎可児
政策企画部長 パブリックコメントの
提出方法の検証についてお答えさせていただきます。
パブリックコメントの
提出方法といたしましては、先ほどもご説明させていただきましたが、郵送でございますとか、
ファクス、
Eメール、
ホームページ上の
意見募集フォームからの送信あるいは
本庁舎への持参と五つの
提出方法がございました。この中では
ファクスによる提出が一番多かったわけでございますが、そのほかの
提出方法につきましてもほぼ満遍なく利用されておりますことから、
提出方法についての
取り組みについては適切であったのではないかというふうに考えているところでございます。
しかし、現状に満足することなく、さらに多くの方々から意見が寄せられるように工夫を重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 団体については、いろいろとあるかと思いますが、もっと行政とつながりのある各
ボランティア団体にもう少し積極的に働きかけることが必要であるかというふうに思っております。
町内会のみならず、青少年の
育成委員あるいは
民生委員など多くの
ボランティア団体があるわけですから、こうした
人たちの経験から、やはり生きた現場の声といったものを少しでも多く集める工夫は、これからも常に行うべきではないのかなというふうに思います。
また、
ファクスが多いということであります。その中でも、一方、パソコンになじまないお年寄りの方もたくさんいらっしゃいます。そうした人方のためにも、郵送、持参のほかに、
本庁舎ということでなく、各
区役所にそういった窓口を設けるなど、もう少し広く
取り組みを遂行する視野を持っていただきたいなというふうに思いまして、その点を指摘させていただきたいというふうに思います。
さて、今回の
パブリックコメントの概要に
一つ一つ目を通させていただきまして、第3次札幌新
まちづくり計画(案)からの
変更点や
内容別の主な意見の概要と市の
考え方といったものに
いろいろ目を通しますと、全体的に、
変更点あるいは市の
考え方についても、ちょっとありきたりな文章や意見に終始しているのではないかと。
余り市民意見が反映されていると言えないというふうに感じるのですけれども、この点について、市の見解を伺いたいと思います。
◎可児
政策企画部長 市民意見につきましてきちんと反映されているのかということについてでございます。
計画案の修正につきましては、
パブリックコメントの精査の結果、
事業内容がわかりづらいといった指摘でございますとか、
除排雪体制の維持や
産業振興策について札幌市の
取り組み姿勢を明確にすることなど、
計画策定に当たって反映すべきと判断したものについては反映したところでございます。また、計画の修正までは必要がないと判断した意見も含めまして、すべての意見に対して、札幌市がどのように考えているかについて、事業の
必要性や事業の検討に当たっての経過、本文中では記載し切れなかった事業の内容、そういったものについてできる限りわかりやすく説明に努めたところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 本当に多くの
市民意見が寄せられたということですが、その中で市の回答というのを見ると、正直、市民の意見に対して余り生かし切れていないな、余りかわりばえしないなというような印象を持っております。
意見募集の目的がどこにあるのか、ちょっとぴんとこないところもありますし、現時点でそう言わざるを得ないなと。意見に対する集約の作業が大変なことは理解しておりますけれども、せっかく集めた市民の声の
取り扱い方として、市の回答というのはもう一つ、もっと言えば
一つ一つについてしっかり検討されるべきではないのかなというふうに私は思いました。
一方、
市民目線に立ったときに、市の考えや回答というものが最初から固まっているような内容もありますね。そういうことに対して、市の考えや回答が固まっているのであれば、あえてテーマということに設定して市民に意見を募集する必要があるのかなというふうにも思うのですよ。別の視点から見れば、
反対意見でも説明する必要があるから、あえて意見が必要であるという見方もありますけれども、言い回し的に見ても、今回の市の
考え方における回答は、そうした
反対意見に対するわかりやすい説明とは残念ながら感じられないところであります。結局は、
行政主導という形で終始した結果ではないのかなと、率直に感想を持つところであります。
せっかく提出いただいた市民の声でありますので、その意見の扱い方を、いま一度、当市としてしっかりと検証するべきではないかということをあえて指摘して、私の質問を終わります。
◆
林清治 委員 私からは、第3次札幌新
まちづくり計画策定において、初めての試みとして
キッズコメントを実施したことに対して質問していきたいと思っております。
まず、今回の
計画案について、
子ども向けの
説明冊子を作成し、
小学校5年生と6年生及び
中学生全学年を対象に市内の全
小・中学校に配付した、そして、
パブリックコメントと同時期に意見を募集したとのことでした。そして、
キッズコメントの実施に当たって、
教育委員会の協力や、授業で取り上げていただいた学校もあるなど、さまざまな協力をいただいたこともあり、先ほどあったように429人の
子どもたちから823件の意見をいただいたということであります。非常に多くの
子どもたちから意見をいただいたということは、
子どもたちに市政に関心を持ってもらう上では大変有意義な
取り組みであったと高く評価しているものであります。
そこで、1点目の質問ですが、今回の
キッズコメントの
取り組みに対して、
市長政策室としてはどのように評価しているのか、お伺いしたいと思います。
◎可児
政策企画部長 キッズコメントに対します評価についてでございます。
キッズコメントの実施に当たりましては、
子どもたちから第3次札幌新
まちづくり計画の事業についてどう考えるのかについて意見をいただくことはもとより、市政に関心を持っていただくための一つの方策ということも実施の大きな目的でございました。そうした点を踏まえますと、学校の
先生方にも授業で取り上げてもらうなどの協力をいただき、お話にありましたとおり429人の
子どもたちから800件以上の意見をいただけたということは、多くの
子どもたちに市政に関心を持ってもらうという点におきましても効果があったものと考えているところでございます。
◆
林清治 委員 ただいま、
市長政策室としても、今回の
取り組みは効果があった、有意義なものであったというふうに考えているとの答弁でしたが、今後のことも少し考えながら、提言を交えた質問をさせていただきたいと思います。
今回、実施した
キッズコメントは
小・中学生が対象であり、
パブリックコメントは大人が対象だということで、対象には
高校生と
大学生がなかなか含まれてこない、絡んでこないような状況になっております。
高校生と
大学生については、
大人向けの
パブリックコメントで意見をもらえばいいというような考えもあると思うし、そう言われるかもしれませんが、
計画策定方針の公表に当たって実施した
子ども出前講座では高校にも出向いて説明をしているということもあります。そうだとすれば、
高校生に対しても何らかの配慮があってもよかったのではないかなというふうに考えております。
また、本市では、地域の
まちづくりに
大学生の協力をもらうなどの活動も行っているところであります。加えて、第3次札幌新
まちづくり計画の
表紙デザインについては
札幌市立大学にお願いしたと聞いております。表紙の
デザインだけでなく、計画の中身についても、もっと
高校生や
大学生の意見を聞いてもよかったのではないかなと思っておりますがいかがお考えか、お聞きしたいと思います。
◎可児
政策企画部長 高校生や
大学生からも意見を聴取すべきではなかったかということについてでございますが、委員のご質問にもございましたけれども、
高校生や
大学生につきましては、
大人向けの
パブリックコメントでご意見をいただくことを想定していたわけでございます。しかし、残念ながら、
高校生あるいは
大学生と思われる年齢の方からのご意見はございませんでした。
キッズコメントで対象とした
小・中学生はもとより、
高校生や
大学生などの世代の皆さんに市政に関心を持ってもらうことも大変重要なことだと考えておりますことから、例えば、
意見聴取に当たって
計画書案を高校や大学に配付するなど、関心を持っていただくための効果的な方法について今後検討したいと考えているところでございます。
また、今回の完成した
計画書につきましては、高校、大学を含めまして各学校に配付するなど、市政に関心を持っていただけるような方策についてもあわせて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
◆
林清治 委員 ただいまの回答の中でも、今後、
高校生、
大学生に向けてもさまざまな形を検討していきたいということをいただいております。ぜひとも、前向きに検討していただければありがたいなと思います。
最後の質問になりますけれども、今回、
キッズコメントを出してくれた
子どもたちへの今後の対応についてお伺いします。
今回、
子どもたちから寄せられた意見については、個別の回答はしないと
説明冊子にも記載してありますけれども、せっかく
子どもたちが市政に関心を持ち、
自分たちが住む札幌市に対して考える
きっかけとなるよい機会であることから、この後、何らかの対応をすべきではないかと考えております。
そこで、質問ですが、意見を寄せてくれた
子どもたちに対しての何らかのフォローをすべきであると考えますけれども、
市長政策室としてはどのように考えているか、お聞きしたいと思います。
◎可児
政策企画部長 意見を寄せられた
子どもたちに対する今後の対応についてでございます。
今回の
キッズコメントの
取り組みは、次の世代を担う
子どもたちに市政に関心を持ってもらうよい
きっかけになったのではないかと考えているところでございますが、今回、この
取り組みに参加した
子どもたちには、これからも市政に対する関心を持ち続けていただきたいというふうに考えているところでございます。そのため、
ホームページにおきまして、計画についての
子ども向けのページを作成いたしまして、計画の趣旨や代表的な事業について紹介するとともに、
子どもたちからの意見のうち主なものと、それに対する市の
考え方、そういったものについて掲載するなどの
取り組みを行いたいというふうに考えてございます。
◆
林清治 委員 ただいま回答をいただいて、
子ども向けの
ホームページで市の
考え方等を含めて載せていくということでございます。できるだけわかりやすく、
子どもたちが見やすい形の中で回答するような対策をしていただければありがたいなと思います。
最後、要望になりますけれども、今、都市部に住む若い世代は、本当に政治や自分の
ふるさとや住むまちに対して無関心な若者がふえている状況が強くなっているのかなというふうに思います。一方、地方のまちでは、自分の
ふるさと、住むまちを活性化しようと努力する
若者たちも多数あらわれてきております。
本市においても、今後、
人口減少時代を迎えるに当たり、
子どものころから市政や自分の住むまちに関心を持ち、考えることを植えつけていく、そして、将来の
まちづくりを若い世代がしっかりと考えていく、そうした
状況づくりというのがこれから必要になってくる、有意義になってくると思います。本市は、
自治基本条例を制定し、
市民力アップというものを進めていることもあり、しっかりと
子どものころから、そして、
高校生や
大学生になっても市政に対して関心を持ち意見を出していく、そうした
まちづくり、そういった形をつくっていくことも大事だと思うし、大人になっても自分のまちや市政に対して関心を持ち興味を持っていく、そうした
取り組みもしっかりとやっていくことが大事だというふうに思っております。
そこで、今回の
キッズコメントのような
取り組みについては、今回限りとすることなく、
教育委員会と連携した上で、また、他の部局にもしっかりと実施を働きかけるなど、今後、積極的に取り組んでいくことを要望して、質問を終わらせていただきます。
◆宮川潤 委員 今回の
パブリックコメントは、大人の方からの意見が132人で300件、
キッズコメントは429人で823件ということですが、私は、大人も
子どもも非常に多くの意見が寄せられた、従前の例に比べますと大変多い意見が寄せられたというふうに思います。
まず、大人の方ですけれども、周知の方法として広報さっぽろや市長の
記者会見などもされたそうですが、一方、意見の
提出方法で一番多いのが
ファクス、次が
ホームページ、郵送という順になっているそうです。私は、
ファクスとか郵送という
電子的媒体でないものが意外と多いなと思いました。こういったことも踏まえながら、
パブリックコメントが寄せられたのが多かったということについてどういう分析をされているのか。内容が重要なことなので多いのが当然と言えば当然と言えるのかもしれませんけれども、周知の方法や手だてで効果的だったのは何だったというふうに考えていらっしゃるのか、まず、この点を伺いたいと思います。
◎可児
政策企画部長 パブリックコメントの市民への
周知方法ということでございますが、第2次の新
まちづくり計画のときと同様な部分もございますけれども、10月の広報さっぽろに掲載したということと、あとは、
市長記者会見にて
報道機関への周知も行った、あるいは、その際に
テレビや
新聞等で取り上げてもらっているということもございます。また、本計画では、より一層、市民の方へ周知をするということで、札幌駅の
地下歩行空間にある
地下広場の
大型映像装置での放映でございますとか、
テレビの
広報番組、
ふるさと再発見という番組の活用、あるいは、
計画期間中においてマスコミに対する
パブリシティー活動も行っておりまして、その結果、
北海道新聞の記事で取り上げてもらうことができました。このような
取り組みを複合的、総合的に行った結果、前回より1.5倍の意見が集まったのではないかというふうに考えているところでございます。
◆宮川潤 委員 こういう周知の方法、それから、マスコミなども取り上げてくれたというようなこともあるようなので、今後、ぜひ参考にして――私は、これまでのさまざまな
パブリックコメントで、毎回、意外と少ないなと思うことが多いのです。内容が市民の関心にかみ合っているかどうかということが一番だと思うのですけれども、手法も、こういった手法で次に生かしていくというようなことをぜひ検討していただきたいなと思います。
それから、
キッズコメントの方ですけれども、寄せられた意見が大人よりもはるかに多いということで、大変いい
取り組みだと思います。今回は、
小学校の5年生、6年生と中学校の1年生から3年生まで、各学年に数部ずつ配付して、学校が希望した場合には生徒数分を配付したということであります。
今後、こういう
取り組みをぜひ広げていっていただきたいと思うのですけれども、まず、
子ども方から
キッズコメントとして寄せられた意見に対する市の回答ですが、先ほど
ホームページで
子ども向けのページもつくりたいということでありまして、それはそれで結構です。ただ、
ホームページをつくっただけではなくて、学校の情報関係の授業、パソコンを使った授業がありますね。そこでそのページが紹介されるとか、そのページを使った授業にするとか、そういった生かし方をすると、より身近になるのではないのかと思うのです。
自分たちが出した意見がこういう形で反映されたという点では非常にいいと思うので、まず、
ホームページにただ載せたというだけではなくて、もっと
子どもたちに近づけていく、授業で紹介するようなことをぜひ検討していただきたいと思います。
また、
ホームページだけではなくて、学校にしっかり返していく。授業も忙しいのだと思いますけれども、市内の学校からこんなような意見が出されて、それに対してこういうような回答があったということが
先生方から紹介されるとか、あるいは、一人一人に紙で配られるのが一番いいと思うのですが、それが大変であれば、学校でそういう結果を大きな紙に書いて張り出すとか、そんな工夫もしながら、
子どもたちが意見を出したら、市がそれに答えてくれている、出しっ放しではないと。答えてくれたことが、自分の要望をかなえてくれる回答だったら一番うれしいでしょうし、そうではなくても、これには、これこれ、こういう事情があるから、あなたの言ったことはわかるけれども、そうはならないのだよということもあれば、それはそれで勉強になると思うのですね。ですから、私は、回答がきちっと伝わるようにするということが大事だと思います。
そしてまた、その回答を読んだ
子どもがどういうふうに思うのかということです。自分の言ったことが伝わったのだということを実感してみたり、自分が考えてもいないことやいろいろな条件があるのだという感想を持ったりする、それを引き出すということも大事だと思うのですね。ですから、市の回答を見た
子どもたちの感想というのも、
教育委員会の協力を得てある程度集約する、その感想を聞いてみるということも私はぜひやっていただきたいなと思います。
それから、今回の
キッズコメントは、5年生、6年生と中学校の全学年を対象に、全生徒に行ったところと、数部だけ送ったところとあるそうです。しかし、できれば、もっと広がりをつくるために、今言ったような感想、市が
子どもたちに答えたことに対する感想、あるいは、市がちゃんと答えている、それに対してどう思ったのかというようなことについて、今回、全面的にはやらず、5部ですか、何部か渡しただけだったところに今回の
取り組みの経過をお知らせする。そういうことは、今後の
取り組みを広げていくためにとてもいい
取り組みではないかなと思うものですから、それもぜひ検討していただきたいと思います。
それから、今回、
キッズコメントをやったのですけれども、他の部局が他のテーマで同じようにパブコメを実施するときに、こういう
キッズコメントを取り入れることで寄せられる意見もふえるし、寄せられる意見の幅も広がるし、
子どもたちにとっても、学校と家庭だけではなくてこの社会で生きているということを実感できるいい
取り組みだと思います。そこで、他の部局も今回の
取り組みを採用するような働きかけを行ってはどうかと思いますけれども、いかがか。いろいろ言いまして、申しわけありません。
◎可児
政策企画部長 まず、
キッズコメントの実施に当たって意見を寄せた
子どもたちに対するいろいろな対応でございます。
先ほど林委員に対して、
ホームページをつくって
子どもたち向けに情報提供していこうということをお答えさせていただきました。宮川委員からも同じようなご指摘をいただいておりますので、
ホームページに記載することのみならず、
ホームページから印刷物として出力できるような工夫を加えて、学校の授業などで活用していただくようなことを検討していきたいというふうに思ってございます。
それから、
子どもたちの感想を聞くべきではないかというお話でございました。さらには、余り活発でなかった学校にも
取り組みの経過を伝えてはどうかということでございます。これらの
取り組みについても極めて重要なことかなと思いますので、具体的にどのようにしていこうかということにつきましては、今後、
教育委員会などと相談いたしまして、どのような方法がとれるか、検討していきたいというふうに考えてございます。
それから、他の部局がやるときにも採用するように働きかけてはどうかというようなことでございます。これらについても、今回の
取り組みは
子どもたちに市政に関心を持っていただくという点において大変有意義な
取り組みだったと我々も考えているところでございますので、この
取り組みにつきましては、今後、他部局などにもご紹介するとともに、今回培ったノウハウがございますので、そういったことを伝えていきたいというふうに思っているところでございます。
◆宮川潤 委員 今回の
キッズコメントと
パブリックコメントで寄せられた件数の分類が
政策目標ごとにありますけれども、私が関心を持ったのが、
政策目標でいうところのみんなで行動する環境の街のところで、大人の
パブリックコメント32件、
子どもの
キッズコメントが257件と非常に大きな差がついたことについて興味深く思ったのです。環境問題たるもの、大人が鈍くて
子どもが関心深いというようなことがあるのか、あるいは、この
政策目標が持っている範囲というか、それが
子どもに近いものだったのか、その分析というか、何かあればお聞かせいただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 今回の
キッズコメントにおきまして環境分野への意見が多かったということで、我々もある意味で驚いているわけでございます。委員ご指摘のとおり、みんなで行動する環境の街のところへの意見が257件ということで全体の3割強を占めておりまして、
子どもたちの環境への意識の高さがうかがわれるわけです。中身を分析してみますと、委員のお話にありましたように、
子どもに関心が高いという観点から、身近な遊び場である公園の整備でございますとか、あるいは、
子どもが大好きな円山動物園の整備に関する意見も当然ながら多かったところでございます。それ以外にも、太陽光パネルなど再生可能エネルギーの普及促進でございますとか、緑の保全、創出、ごみの減量・リサイクル、これらに関する意見も非常に多かったところです。これは、学校での給食等のリサイクルの
取り組みでありますとか、太陽光パネルを設置している、さまざまな環境教育の効果があらわれた結果ではないかなというふうに思っているところでございます。
◆伊藤牧子 委員 私からも、質問させていただきます。
この数カ月、
パブリックコメントがいろいろなところでされておりまして、札幌市総合交通計画とか、
まちづくり戦略ビジョンとか、シティプロモートとか、これからもさまざまなパブコメによる
意見募集が非常に多い中で、今回、
まちづくり計画のパブコメということで、先ほどもいろいろとお話がありましたけれども、非常に多くの意見が出されたということで、それだけ
まちづくりへの市民の関心も高いし、また、先ほどのようにいろいろな工夫をされていると思います。私も、市民や
子どもたちへの出前講座とか、
まちづくりのトークとか、地道な活動が行われてきた成果だなと思っています。
パブコメの概要を見ますと、先ほどもお話しされていましたが、10項目ほど修正され、反映されてきたということで、さまざまな意見を精査した中で、結果としてこれらのことを修正し、反映したと思います。しかし一方、これらの修正を行った意見のほかにも、事業そのものの中止や賛否両論の意見など、事業の進め方に対しての厳しい意見もたくさんあったと思うのですけれども、
計画案というのは、審議会とか市民会議等でかなり議論されて、かなりのレベルでまとまっている段階で市民に提案されているので、否定とか、ネガティブな意見はなかなか反映されないのだと思います。
そこで、質問ですけれども、そのようなネガティブな、なかなか事業と同じように進まない意見に対して、市はどのように受けとめて、今後その意見を事業の中にどのように反映させていくおつもりか、ちょっと伺いたいと思います。
◎可児
政策企画部長 パブリックコメントの意見、特にネガティブな意見について、市はどのように受けとめ、どのように反映していくかということでございます。
委員ご指摘のとおり、今回いただいた意見の中には、賛成意見のほかに、見直しを前提とした検討をすべきでないか、あるいは、むだな支出は減らすべきではないかとったご意見もいただいているところでございます。私どもといたしましては、そういった賛否を含めた意見も市民からの貴重な意見ということで真摯に受けとめてございまして、いただいた意見はすべての関係部局に送付するとともに、事業の実施に当たりましては、寄せられた意見も十分に参考にしながら制度設計などの検討を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
◆伊藤牧子 委員 パブコメというのは、本当に市民が確実に自分も意思決定過程に参加できるということで、出した意見も必ず回答がもらえるという重要な制度だと思いますので、ネガティブな意見も含めて丁寧に返していただくということと、本当に必要な事業かどうかというのも精査しながら進めていってほしいなと思います。
次に、
キッズコメントについて伺いたいと思います。
私も、将来の
まちづくりの担い手となる
子どもたちのこういう場への参加、意思表明の機会は大変重要だということは、前もいろいろなところでお伺いしてきました。今回823件の意見が寄せられたということです。期待された
キッズコメントを見ますと、本当に厳しい意見もあり、
子どもたちも
自分たちの住む
まちづくりを真剣に考えてくれているのだと本当に頼もしく思っています。
パンフレットには、今回は第3次札幌新
まちづくり計画とあわせて、行財政改革推進プランについても紹介しています。このプランの中には、お金の使い方とか集め方を考えますという記述があり、
キッズコメントの趣旨の一つが札幌のまちを
子どもたちに引き継いでいくために、札幌市政やお金の使い方をしっかりと考えてもらいたいということだと思います。
私は、もう少し、このパンフレットの中に、札幌市のお財布はどうなっているのか、記載した事業にどのぐらい税金がかかっているのか、札幌市のわかりやすい財政状況を記述するとか、それぞれの事業の中にどのぐらいのお金がかかるかということを
子どもたちに正しく認識してもらうべきだと思っているのです。今回、そういうところはないのですけれども、今後どのように取り組んでいくか、お伺いいたしたいと思います。
◎可児
政策企画部長 キッズコメントを実施するに当たって、事業費でございますとか、札幌市の財政状況といった、いわゆる札幌のお財布の事情も記載して判断をしてもらうべきではなかったのかということでございます。
今回の
キッズコメントの実施に当たりましては、
子どもたちに興味を持ってもらうことを最優先に行ってきたということで、できるだけわかりやすくすることに心がけたところでございまして、事業費などについても、
子どもたちの生活感覚からは極めて大きい金額であることから、実感として認識しづらいのではないかなというふうに、大人の配慮で記載しなかったというようなことがございます。しかしながら、返ってきた答えを見ますと、大人顔負けの意見だとかがたくさん寄せられてございます。そういったことからも、委員ご指摘のとおり、
子どもたちには事業全体像を理解してもらう、あるいは、札幌市全体の予算がどうなっているかといったことについても理解していただくことは非常に重要なことだというふうに思います。
今後、先ほど各委員にもご答弁させていただきました
子ども向けの
ホームページをつくる予定にしてございますので、そういった中で、事業費でありますとか予算といったものについて掲載を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
◆伊藤牧子 委員 札幌市の財政状況の見通しも大変厳しいので、
子どもたちの未来というのは、
自分たちが今しっかりと考えてもらえる材料としても、情報を正しくきっちりと知らせていくことが必要だと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
今、いろいろなパブコメをしております。
まちづくり計画に対してはすごく多かったのですけれども、ほかのところだと40件とか50件とか、少ない意見もたくさんあります。市民にとっては本当にいろいろなパブコメがあるので、どれにどのようにというのを取捨選択するのがなかなか難しいのではないかなと思います。先ほどいろいろ意見があったように、対象を絞るとか、また、
子どもたちにも広げていくとか、ぜひパブコメの取り方というものも工夫しながら進めていただきたいと思います。
○よ
こやま峰子 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○よ
こやま峰子 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
最後に、魅力都市さっぽろシティプロモート戦略(案)についてを議題とし、
理事者から説明を受けます。
◎西野 プロジェクト担当部長 それでは、魅力都市さっぽろシティプロモート戦略(案)についてご説明をさせていただきたいと思います。
お手元に配付させていただきました資料のうち、冊子の概要をこのようにA3判の表裏1枚にまとめてございますので、このA3判、表裏1枚の方を使いましてご説明させていただきたいと思います。
まず、表の左上でございますけれども、シティプロモートの目的と役割ということでございます。
シティプロモートの
考え方のところに世界経済の多極化等を挙げてございます。そもそもシティプロモートの機運が全国的に高まった経緯というのは、中国市場の急拡大というところにございました。そのほか、さらにマレーシア、インドネシア、ブラジルなどの台頭といった世界経済の多極化とか流動化といった状況がございました。また、国内を見ますと、長期的に人口減少社会に突入している状況でございます。このような都市経営環境の大きな変化の認識のもとに戦略の検討を行ってまいったところでございます。
その上で、1の3でございますが、シティプロモート戦略の位置付けというところで、戦略をつくることの意味合いといたしましては、ここの図にありますように、観光とか産業、文化といった各事業を、それぞれ違う時期に、それぞれ違う向きに、違うターゲットに向けて、プロモーションをばらばらに行うのではなくて、右側の三角の図になりますけれども、戦略に基づきまして、同じゴールに向かって、より効果的に経営資源を押し出していこうという趣旨を書かせていただいているところでございます。
その下の2 札幌のポジショニングというところでございますが、1の札幌の姿及び2の札幌の見え方という部分で札幌のポジション等を確認した上で、札幌がもともと持っているさまざまな魅力の要素を棚卸しいたしました。その結果、その魅力を再発見し、魅力の資源を掛け合わせる相乗効果を持って再発信していくことが重要であろうというところに気づいているところでございます。ここでは、結論としては、札幌らしいライフスタイル、この言葉に代表されておりますが、特に住んでみてわかる札幌の魅力、そこが非常に重要な意味を持っているものと考えてございます。
そのことを踏まえまして、右側の方のゴールというところに行くわけでございますが、この戦略のゴールのイメージといたしましては、笑顔、スマイルといったものを掲げさせていただいてございます。「そうか!笑顔だ!」というふうに書かせていただいておりますが、観光客を笑顔でお迎えする、おもてなしをするというような意味とか、おいしいものを食べて、豊かな自然で笑顔になってもらおう、そういう意味合いを持たせております。笑顔は世界共通でありまして、言葉が通じなくてもビジュアルで伝えることができるため、プロモーションに有効であるものと考えているところでございます。さらに、真ん中の中段になりますが、笑顔による具体的なプロモーション、それから笑顔の持つメッセージ性、これらの例を示させていただいているところでございます。
それでは、具体的にどのような事業展開をしていくかというところでございますが、裏面をごらんいただきたいと思います。
まず、4では、基本方針といたしまして三つの基本方針をゴールへ最短でたどり着くための行動指針ということで掲げさせていただいております。
その一つ目は、魅力を再発見するということでございます。ご承知のとおり、札幌市民へのアンケートでは、実に95%以上の市民が札幌を好きと答えております。この住んでみてわかるライフスタイル、これに根差します、いわば本物の魅力を伝えていこうという指針でございます。
二つ目は、魅力を味わい発信すると。ここでは、北海道の魅力はブランド力に支えられている実態を踏まえまして、札幌市民が道産品を消費し、道内観光を楽しむことで道内の経済循環を高めていくこと、それから、札幌が北海道のショーケースとなってその魅力を市民から発信していこうというものでございます。
三つ目の魅力を創造するでは、札幌市の豊かな魅力に慢心することなく新たな挑戦をしていこうというもので、ニューツーリズムなどの産学官民の連携によります新たな魅力産業への
取り組みとか、ホスピタリティーや創造力豊かな人材の育成などを指針として掲げておるところでございます。
その上で、右側に移りますが、5のシティプロモートの展開のところで具体的な事業を掲載させていただいてございます。
ここでは、実現性を担保する形で、第3次札幌新
まちづくり計画の事業と連動いたしましてシティプロモート関連事業について、先ほど申し上げました三つの基本方針に沿った形で整理をさせていただきました。その上で、これらの事業というのは、非常にさまざまな分野にわたりましてたくさんの事業があるわけでございますから、その中でも、3.重要取組分野というところになりますけれども、他都市との差別化を図って札幌らしさを出していく必要がありますことから、五つの特徴づけを行っております。資料では星の図が描かれているところになりますが、五つとは、MICE、映画・コンテンツ、食、滞在期間の拡大、創造的な活動による都心活性化、この五つでございます。特に、国際会議の誘致を通じて札幌のPRができるMICE、あるいは、国際短編映画祭や、今、コンテンツ特区などの動きがございます映画・コンテンツなどは、今後、重要性を増していく分野となっているのではないかと考えてございます。
最後に、6 シティプロモートの推進で、今後の進め方のイメージを示させていただいておりますが、産学官民が役割分担をしながら進めていくことの重要性や、特に、札幌を愛する方々、いわゆる札幌市の応援団と言われる方々をコミュニティ化するなど、さまざまなアイデアをいただいていけるような機会を設けてまいりたいと考えているところでございます。
○よ
こやま峰子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
阿部ひであき 委員 魅力都市さっぽろシティプロモート戦略ということで、幾つか質問させていただきたいというふうに思います。
シティプロモートの展開については、シティプロモートの展開として書かれている部分があります。個別戦略事業の中でもどういう展開がなされるのかが書かれているところではありますけれども、以前、シティプロモートについて説明を受けたときの資料と、若干、異なった点について、結局、我々が説明を受けた後で中身を変えたということで、それに対して、今、変えた資料の中身についてやるということで、まず、よろしいのでしょうか。
◎西野 プロジェクト担当部長 若干わかりにくいところとか、間違いのご指摘等がございましたところもいろいろあるものですから、部分的に修正させていただいているところがあることを事前に説明しなかったことをおわび申し上げます。
その上で、今お手元にある資料に基づきまして説明させていただきましたので、それに基づいてご質問なりをいただければありがたいと思います。
◆
阿部ひであき 委員 前回の資料では、シティプロモートの展開、特に個別戦略事業については、中央区という一つの区によって行われるような戦略が随分出ていて、それについて、札幌市全体における
取り組みを視野に展開されるべきではないかということを指摘したところでもありましたけれども、今後の展開の観点から、私は、幅広い視点に立った
取り組みの検討が必要であると考えるところであります。それは、新しい内容の資料に基づいていけば幅広い内容になったのかどうかということと、そしてまた、中央区に偏らないで、札幌市全般としての視野を持った資料の直し方になったということで理解していいのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
◎西野 プロジェクト担当部長 まず、修正の部分ですけれども、先ほども申し上げましたとおり、語句の修正とか部分的な修正でございまして、大きな内容の変更等については行っていない状況でございます。
今ご質問のございました、札幌市全体における幅広い視点に立ったものになっているかどうかということでございますが、委員ご指摘のとおり、シティプロモートにおきましては、どうしてもまちの顔である都心の
取り組み事業が多くなっているのはご指摘のとおりでございます。ただ、ご承知のとおり、札幌が持ちます魅力資源の一つであります豊かな自然というのは周辺にこそ多く展開してございますし、自然だけではなく、札幌ドーム、藻岩山、円山動物園、モエレ沼公園、芸術の森など、高い集客性を誇る施設も多く展開しているところでございます。したがいまして、シティプロモートの推進に当たりましては、これら周辺の魅力と都心の魅力をどのようにつなげていくかについて、例えば、モデルコースの提案とか、あるいは、アート、スポーツなどを組み合わせましたニューツーリズム、そのような展開も含めまして十分に検討してまいりたいと考えてございます。
なお、重点
取り組み分野の星のところに示しておりますMICEとか、映画・コンテンツなど、これにおきましては、例えば、大倉山でのスキーイベントとか、定山渓での映画撮影など、まさに全市に広く展開していくことを意識しながら進めていかれるものでございますので、そういったところには十分に意を配って進めてまいりたいと考えてございます。
◆
阿部ひであき 委員 事業展開等々については理解するところではあります。ただ、このシティプロモートという
取り組み自体、内容的にいっても、何を目指していくのか、不透明でわかりづらいという印象を率直に持っております。何よりも、笑顔がふえることイコール行政の
取り組みというのが、どう考えてもつじつまが合わないのではないかなと。さらに言わせていただくと、例えば効果のポジティブフィードバックというところがありましたけれども、その中心は、私は、笑顔がふえるというよりは、むしろ市の
デザインが中心となるべきではないのかなと考えます。
デザインというのは、問題解決のために思考概念の組み立てを行って、それをさまざまな媒体に応じて表現することでありますし、行政の
取り組みの観点から言えば、例えば元気だとか活力だとか、行動に結びつくような表現が妥当な表現と考えるところであります。また、何よりも、GNHあるいはQOLといったものは国民の価値観によるものでありますし、笑顔イコール幸福度ということではなくて生活に対する満足度ではないかと。この価値観を変えるために、札幌市から世界と市民に向かって発信していくというのであるならば、よりコンパクトな表現が必要であり、笑顔では魅力の再発見や創造との関係とは直接結びつく言葉ではないのではないかと考えますがいかがか、伺いたいと思います。
◎西野 プロジェクト担当部長 笑顔では、魅力の再発見や創造に直接結びつかないのではないかというご質問でございます。
ご承知のとおり、札幌市民に対して行ったアンケートでは、毎回、9割を超える市民が札幌が好きと答えておりますし、これは、まさに札幌の持つ暮らしやすさ、生活満足度をあらわしているものと考えてございます。シティプロモート戦略では、こうした市民の生活の中から導き出されますライフスタイル、そこに根差した札幌本来の魅力を再発見して伝えてまいりたい、そういったことを先ほども申し上げたところでございます。その一つの象徴として、札幌の人が笑顔で暮らすまち、そして観光に来ても笑顔になれるまち、安くておいしい食べ物や雪の中で思い切り遊ぶ体験、そして、日本一魅力ある都市としてのブランドを端的にあらわす象徴的なイメージとして笑顔というコンセプトを選択させていただいたところでございます。
ちなみに、この中には、元気とか活力といった要素も包含しているものと考えているところでございます。
今後、新たな魅力をつくり出していく際にも、例えば、自分が笑顔になれるか、あるいは相手が笑顔になれるかというようなことを
取り組みの中で目指していくというのは、市民にも観光客にも直感的でわかりやすい
取り組みになるものと考えているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 質問すると切りがないところもありますので、端的に言わせていただきますが、少し厳しい言葉かもしれませんけれども、
取り組みとしても、市民にとって、何をやりたいのかとか、市民に何を投げかけるのかというのが非常に不透明であり、正直、
取り組み全体の中途半端感がぬぐえないところであります。市民にわかりやすくどう訴えるのかということを考えたときに、この
取り組みの掲示だけでは市民に理解してもらうにはやはり非常に厳しいのではないかと考えます。
また、札幌市は、先ほど第3次札幌新
まちづくり計画がありましたけれども、あるいは、行財政改革推進プランだとか、
まちづくり戦略ビジョンだとか、数多くの
取り組みを掲げながら、それら
一つ一つの
取り組みについてしっかりと検証が固まっていない中で、今度はシティプロモート戦略を掲げて、ただ次から次へと
取り組みを示せばいいといった問題ではないのではないかと感じるところであります。
今後の展開としては、
取り組みに対して柔軟な対応が求められることは当然のことながら、今、最も必要なことは、今の札幌市における現状の閉塞感に満ちあふれた状態を札幌市がしっかりと検証しつつ、現状態からいかに市民をわかりやすく導いていくかといった視点を持って
取り組みを行うべきではないのかというところにあるかと思います。
一つ一つの
取り組みについて十分に市民の理解が得られていない中で、次々と
取り組みを発表したところで、市民は決してついてこないと思います。何か、
一つ一つの
取り組みに対する札幌市における腰の軽さ、事業の腰の軽さというものを感じてしまうし、また、市民という言葉をたくさん用いる割には、余り市民のことを考えていないなという印象を率直に受けております。新しい
取り組みについては、しっかりとそうした市民の目線に立って、わかりやすく行政の
取り組みに導く努力が必要であると思いますし、既に取り組んでいる事業
一つ一つについても、ただやればいいといった問題ではないはずです。事業を進めながら、本当にしっかり市民の側に立って検証されているのか、甚だ疑問であります。こうした視点をしっかり持って、再度、今回のシティプロモート戦略に取り組む姿勢を確認しなければならないということを強く指摘して、私の質問を終わります。
◆
林清治 委員 私からも、ただいま説明を受けましたシティプロモート戦略について、若干、質問させていただきたいと思います。
時代が大きく変わろうとする今現在、必要不可欠な戦略になると私は考えております。札幌市は、今までも魅力度ランキングで1位にランクされていたり、観光意欲度においても1位にランクされる状況にありました。しかし、東日本大震災以降の札幌市の観光客数は減少しており、早急な対策も検討しなければいけないし、実施しなければならない状況にもあります。また、この後、日本全体が人口減少社会を迎え、札幌市も同様に数年後をピークに人口減少になるとの予想もあります。このような状況により、市内経済の伸び悩みを解消し、さらに魅力アップの対策を講じる必要がある、単に観光に訪れるだけでなく、移住する人、札幌に住む人もふやしていかなければいけない、そういうような状況でございます。そして、当然、他都市も同じように考え、政策をいろいろ検討し、実施してきています。今まで、特に大きな対策を必要としなかった人気のある都市においても、今、こういうシティプロモートを検討し、実行に移しているという状況でございます。
このような状況の中で、シティプロモート戦略のゴールと三つの柱について、今、論議もありましたが、笑顔ということはやはり大事な一つの要素になるのかなというふうに思っております。この厳しい時代であるからこそ、住む人も訪れる方も笑顔にあふれる、そうした魅力ある札幌づくりが大変大事になってくるのかなというふうに思っております。そういう意味では、笑顔をつくるという部分を一つの目的として取り組んでいく施策というのも大変重要になってくるかなと私は思うところであります。しかし、戦略をつくるだけでは効果がないということで、どのように実行に移していくかがこれから大事になってくるのかなというふうに思います。
資料を見る中では、シティプロモートの推進力となるキーパーソンをコーディネートして「SAPPORO(サッポロスマイル)コミュニティ」を設けるとありますが、具体的な推進体制はどのように考えているのか。特に、行政だけで進めるものではなくて、企業連携はもちろん、大学や市民、そのような形での連携をどのように構築していくのか、お聞きしたいと思います。
◎西野 プロジェクト担当部長 戦略を進めていくための推進体制ということでございますが、まず、庁内のところを言わせていただきますと、庁内的には、縦割りになりませんように積極的に取り組んでいく必要がありますことから、市長をトップとするシティプロモート推進本部をベースにいたしまして、各分野の課長ワーキングなどを通じて柔軟にきめ細かく取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
また、産学官民の連携によりまして、いろいろな立場の方からアイデアをいただいたり、また、担い手として活躍してもらうことが非常に重要なことでございますので、この資料にもローマ字で「SAPPORO(サッポロスマイル)コミュニティ」と書かせていただいておりますが、例えば、インターネット上の電子会議室のようなものとか、あるいは実際に集まっていただいて議論ができるような機会を設けていけないかと考えているところでございます。そこには、市民とか、札幌好きの観光客はもちろん、これまで戦略づくりにかかわっていただきました戦略会議の有識者の方々、それから、首都圏にたくさんいらっしゃいます応援団的な方々にも加わっていただけるよう検討してまいりたいと考えてございます。
◆
林清治 委員 シティプロモートの推進体制について、今、お答えいただいたところでありますが、おおよその形であり、細かいところはまだこれからというふうに思っているところですけれども、やはり、しっかり考えなければいけない、重要に扱っていかなければいけないのは産学官民の連携という部分だと思います。市全体で札幌の魅力アップに取り組む体制をつくることがまず大事になってくるかなというふうに思います。
次に、シティプロモートの実施事業でありますが、資料を見せていただくと、今のところ新しい目玉となる事業もなく、第3次札幌新
まちづくり計画に盛り込まれている内容や既に事業化されている内容が多いという状況でございます。当然、この後、戦略ができて、来年度、また次年度ということで、戦略策定以降は経済環境や情勢変化等を受けながら対応する新事業の
考え方というのも出てくるのかなというふうに思っております。そういう部分の今後の
取り組みについてどういうふうに考えているのか、お聞きしたいと思います。
◎西野 プロジェクト担当部長 新事業など、今後の
取り組みについての
考え方ということでございますが、シティプロモート戦略は、あくまでも各関係部局が取り組む事業の方向性を示しているものでございますので、新
まちづくり計画の事業以外にも、既存の事業をより戦略に沿った形で展開していくことで成果を上げていくといったものもございます。また、今後、策定していく予定であります観光振興プランとか、札幌型ものづくり振興戦略など、これら部門別計画の中で状況に応じて企画されていく事業がこれに加わっていくものというように考えてございます。
また、委員から指摘がございました産学官民ということでございますけれども、必ずしも札幌市が実施することにはならないかもしれませんが、産学官民によります議論の中で出されました事業アイデアの中からも特徴的な
取り組みが生まれてくるように取り組んでまいりたい、かように考えているところでございます。
◆
林清治 委員 今お答えいただきまして、この計画の部分で、やはり状況変化というのが本当に目まぐるしく出てきます。そうした中で、年度途中も含めて、いかに柔軟に対応して取り組んでいくか、そして、その
取り組みを切らさない、しっかりとこのシティプロモートを継続した扱いにしていくか、そのことが一番大事なのかなというふうに思っております。先ほど来、体制の中でも縦割りにならない形をつくっていくというお言葉がありましたので、そのことをしっかりと実行に移していただきたいなというふうに思っております。
そして、先ほど回答のあった体制の中のコミュニティーの部分についても、本当に多くのいろいろな意見を集めて、それをできる限り実行に移していく、そういうことが大事だと思うのです。本当に細かい意見でも、それが効果のあるものというのがあると思うのですね。私も、議員になる前の仕事を含めて、札幌市内のホテルに泊まったことも複数ありますし、道外、また他都市へ行ったときにもいろいろ経験がありますけれども、例えば、ホテルにチェックインして
テレビをつけた段階で、ホテルの案内のほかに観光案内も流していただくとか、そういうような形だけでも泊まった方に対しての印象も随分変わってくる、そういう細かい事例がいっぱいあると思うのですね。それをいかに取り組んでいくか。それは、本当に行政だけではできない。産学官民、市民全体で取り組んでいく体制をいかにつくるか、そのことが大事になってくるのかなというふうに思っております。
そして、先ほども言ったように、他都市もシティプロモートに本当に力を入れてくる状況になってきております。札幌も、過去の実績、本当に人気のあるまちだからということで甘んじることなく、しっかりとこの後の強力な展開が必要であります。そうした意味で、何度も言うようですが、産学官民連携の協力でアイデアを生かして取り組んでいただきたい。そして、その中で民間の営業などにかかわっているようなエキスパートの方々の意見もぜひとも参考に取り入れていただければ、すばらしい推進体制ができるのかなというふうに思っております。
今の点を要望として、私の質問を終わらせていただきます。
◆本郷俊史 委員 先ほど、部長から笑顔についての答弁がありましたけれども、やはり、なかなかわかりにくいですね。皆さんは1年かけてこの計画をずっとつくってきているから、笑顔なのだということになっていると思うのですけれども、非常にわかりにくい。私たちがわかりにくいということは、市民の方にもすんなり入るのかしらと。シティプロモートのゴールが笑顔をふやすことと。先ほど、そのゴールに最短でたどり着くために三つの基本方針がありますという説明がありましたけれども、私は、笑顔というのはむしろキーワードでないかなというふうに思うのです。もしやるとしたら、例えば、特に窓口の職員、いつもさわやかな笑顔で市民に応対する、いつも笑顔で市民の依怙依託になる札幌市役所になっていきましょうみたいなことではないかと思うのですけれども、秋元室長、どうですか。
まず、職員が窓口に来た方に――そのことが、ひいては先ほどの話ですね。札幌の市役所はほかの市役所と違うなと、これ一つだけでも、前に私が提案している政策観光ということに結びついていく。宇都宮なんかも、市の職員の提案でやっているのだけれども、市役所でそういう
取り組みをやっているのですよ。そして、市民からの市役所の好感度がかなり上がっているのですね。
ちょっと、この辺がわかりにくい。
◎秋元
市長政策室長 今ご指摘のあったように、札幌のシティプロモート、いわゆる札幌の魅力を高めていくということでありますので、これは、単に観光の政策だけではなくて、住みよい
まちづくりであったり、おもてなしの気持ちであったりという意味で、いろいろな分野にかかわってきて、本当に札幌っていいまちだなと思う人、市民もそうでありますし、観光に来られた方、それから会議で来られた方にもそう思っていただけるような、これをトータルすることがシティプロモート、ブランド力を高めていくことなのだろうと思います。
そういう意味で、一つのキャッチコピー的な形で笑顔のあるまちにしていきましょうということを目的に、笑顔を目的というよりは、そういうまちを目指していくことが一つの目標だろうということです。笑顔ということは、言葉を超えて世界じゅうの
人たちにもつながっていくことで、ひとつこういうことがあふれるまちを目指しましょうという
まちづくりの精神ということなのかなというふうに思っています。
そういう意味で、手段についてはいろいろなことがあって、今のお話の、本当に市役所自体も気持ちよく市民の方をお迎えする、あるいは、転入された方々をお迎えする、それが札幌の魅力、まちのポテンシャルを上げていくことにつながっていくことだなというふうに思っていますので、必ずしも観光のことだけにかかわらず、いろいろな分野でこのことをみんなが目指していこうという気持ちを共有化していきたいという思いであります。
ご指摘のとおりだと思います。
◆本郷俊史 委員 言わんとしていることはわかりますけれども、それが目標となると、どこまでいったら目標を達成できるのだということもあるので、この辺はもう少しもむことが必要なのかなと思います。
具体的に質問いたします。
基本方針の3番目の行動指針(1)「新興市場に向けた」云々とあって、「波及効果の大きな産業への大胆な投資」とございます。
今、何といっても雇用対策、笑顔ということを考えても、やはり、きちっと仕事があって家庭が安定していなければ笑顔といってもなかなか難しいわけです。特に、大学の新卒の就職内定率が6割を切ったと大きく報じられている現状で、札幌はさらに厳しい現状があるわけです。
ですから、先ほどの第3次札幌新
まちづくり計画の
キッズコメントでも、
子どものコメントが結構鋭いですね。要するに、就業支援を何ぼやっても産業がなければどうもならないでしょうと、本当にそのとおりですね。ですから、シティプロモートは、この下に具体的な計画ができてくるのだけれども、やっぱり大事なことで、ここで言っている波及効果の大きな産業というのは具体的にはどういったことをイメージしていらっしゃるのか。
それから、大胆な投資、集中と選択ということが言われます。やっぱり、市が財政を投ずることによって雇用が生まれる、こういう
取り組みでなければならないと思うのですが、それだけの大胆な投資と、あえて大胆と入れているわけですから、通常の予算ではないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎西野 プロジェクト担当部長 波及効果の大きな産業といったところのご指摘でございますが、具体的には、5のシティプロモートの展開、先ほど来、重点取組分野ということで、星が出ているところでございますけれども、この中にございますMICEとか映画・コンテンツ、ここの分野がその一例に当たるものというふうに考えているところでございます。当然に既にご承知のことと思いますけれども、例えば、国際コンベンションでありましたら、札幌を訪れた方が札幌の魅力を体験して母国に帰っていただいて評判を広めていただいたり、リピーターになってくださるということで観光客がふえるといったようなこともございます。また、国際的なイベント誘致に成功すれば、集客だけでなくて札幌のブランドを世界に広めることも可能となります。また、コンテンツに関しましては、今、国に特区申請をしているところでございますが、例えば、映画の撮影誘致によりまして、あこがれの地としての札幌を訪れていただけることはもちろんでございますけれども、撮影時のスタッフの宿泊ですとか、消費などの直接な効果、これらも得られるのではということで、この分野が非常に重要ではないかと。このように、効果が単発に終わるものではなくて、結果として札幌の独自性が際立ってくる分野を中心に取り組んでまいりたいというのが波及効果の大きな産業ということに対する基本的な
考え方でございます。
大胆な投資というところでございますが、基本的には、表の方に戻りましてシティプロモート戦略の位置付け、1の3のところになりますけれども、従来、丸が四方に散っているものから三角というような形で、三角で一方向にという絵をかかせていただいてございます。集中と分散でございますが、従来のものを効率的に一元的に進めていく、そういった中で、今までばらばらにやっていたものを効率的にすることを大胆な投資というような形で言わせていただていておりますけれども、なかなか厳しいところもあろうかと思います。
◆本郷俊史 委員 今、部長の答弁でMICEだとかコンテンツだとかがありましたけれども、それを広く言えばやっぱり観光産業だと思うのですよ。だから、産業振興ビジョンの四つのエンジンの一つに観光と入れているわけですね。
そう考えると、第3次札幌新
まちづくり計画で札幌の年間来客数をあえて低くしている、1,400万人と。一番最初、そもそもは、上田市長が当選された平成15年には2,000万人という目標でした。ですから、そのときに私が言ったのは、まず、1,500万人も超えていないのにいきなり2,000万人ということはないのではないですか、まず1,500万人ではないですかというお話をさせていただいたら、いや、目標は高い方がいいのだと、そして、15、16、17年かけて3年間、三つのプロジェクトをやりました。確かに、平成18年に1,410万人と過去最高になったわけです。しかし、4年後、1,500万人に目標を下げた。そして、今、こういうふうにせっかくシティプロモート戦略をつくったのに――そして、MICEだとかコンテンツだとか、やっぱり来札してもらうと。1人の単価が1泊約3万円、2万円何ぼから3万円ちょっとの間、交通、宿泊、飲食、お土産ですね。100万人減らすということは、直接投資で300億円、実際には波及効果があるから、連泊の人もいるでしょうし、やっぱり400億円、500億円と100万人の違いというのは大きいです。そして、先ほど言いましたように、雇用とかを考えれば、ITとかそういう分野では雇用は抱えられないのですね。やっぱり、すそ野の広い産業、建設業だったり観光関連産業ということを考えると――なおかつ、気に食わないのは、現状値が1,260万人だから第3次新まちで1,400万人にするということになっているのですよ。ところが、これは、たまたまリーマンショックがあったり、ことしで言えば震災があったりした。ですから、ここをベンチマークにして、だから1,400万人なのだと、こうではないと思うのです。やっぱり、統計学的には過去10年ぐらいを平均して、それに対して、ここまで来ているのだからこう持っていきましょうというのが私は本来の目標だと思うのですね。
せっかく、このことと、先ほどの新まちと、こういうことで本当にいいのかと。だから、最初に戻りますけれども、笑顔というのはやっぱりゴールではない。そのことにしてしまって、肝心のここがそういうふうになっているというのは私は問題があると思うのですが、どうでしょうか。
◎西野 プロジェクト担当部長 観光集客の目標数値のことに関してでございますが……(発言する者あり)
集客ということに言い直しまして、中長期的に申し上げますと、人口減少の影響というのが、観光だけでなくいろいろな産業への影響といったものが当然出てこようかと思います。先ほど委員からのご指摘もありましたが、震災もございましたし、最近では急激な円高というような非常に大きな逆風が吹いている状況に現状があるのではないかと考えているところでございます。
こういった大変厳しい状況の中でも、何とかいろいろな形で札幌に来ていただく方を維持し、また少しでも高めていく、そういうことのためには、やはり、着実に魅力の再発見と再発信といったことで、今、ある意味で体力をきちっと固めていく時期ではないか、かように考えておるところでございます。
そういった意味で、先ほども申し上げました三つの基本方針といったものに基づいていろいろな事業を方向づけまして
取り組みを重ねていきますといいますか、その方向性に力を合わせていくというようなことで取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
◆伊藤牧子 委員 シティプロモートの
考え方に、パラダイムが変わる、今こそ価値観の転換が必要というふうに書かれておりまして、今、まさしくそのとおりだと思います。
私は、3月11日の東日本大震災の前後で本当に大きく価値観が変わったのではないかと思っています。多くの市民は、これまでの浪費社会から節度ある経済社会へと転換を望んでおり、また、お金や物よりは地域社会の大切さや人と人とのかかわりを非常に大事に思ってきているのではないかと思っています。また、福島原発事故により原発の安全神話は崩れ、一度事故が起きると、放射能汚染により、住む家も、また、
ふるさとも失われる、
子どもたちも放射線の内部被曝という将来にわたっての健康被害が本当に心配されておりますし、食の安全も脅かされています。
こうした中、市長は、脱原発依存を宣言し、脱原発社会を目指し、自然エネルギー社会を推進するとしています。安心なまち、安全な食、豊かな自然環境は、市民の求めるところです。脱原発社会の実現というのは、私は、より鮮明に札幌の魅力を発信する大きな戦略になると思います。そのことにより、札幌市民はもとより、国内外の観光客に自信を持って誇れるまちになるのではないかと思っています。
そこで、質問ですが、魅力都市さっぽろシティプロモート戦略の
考え方の部分に、震災後の新たな価値観として、市長が掲げています脱原発依存ということを明記すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎西野 プロジェクト担当部長 脱原発依存ということを明記すべきというご指摘でございます。
冒頭のところでシティプロモートの
考え方を示させていただいておりますが、その中では、右肩上がりの時代から人口減少社会という非常に長い時間を見据えた時代変化とか、先ほど来、申し上げておりますグローバルな視点での国際環境の変化など、従来のシティプロモートのあり方をより大きな視点から見直そうということを示したところでございます。そうは申し上げましても、震災以降のさまざまな価値観の変化というのは、シティプロモートのあり方に少なからず影響を及ぼすものと考えられますので、その取り扱いにつきましては検討させていただきたいと思います。
◆伊藤牧子 委員 グローバルな社会と、今、大きく世界が揺れていますけれども、私たちは、やはり持続可能な社会というのが一番大事だと思いますので、そういう視点に立って、脱原発依存、原発に頼らない暮らし方も含めてぜひ検討していただければと思います。
今、先行きが本当に見えない不安の中で、札幌市民みずからが札幌のまちについて自信を持って語れる、好きになる、笑顔になるというコンセプトは非常に大事だと思っています。先ほどもおっしゃられたように、魅力度ランキング1位、そして、札幌市民の95%が札幌のまちを好きだと答えているということは、本当に魅力的なまちだとは皆さんも思っていると思います。
しかし一方、昨年の市民アンケートの報告書では、札幌市が観光都市であると思っている市民は約8割、その中の7割の方は、これといった観光名所がないと答えており、市民と観光客とか、いろいろなところとのギャップがあるのではないかなと思います。また、昨今の厳しい経済、雇用、社会状況において、本当に
自分たちの暮らしが笑顔になれるか、そこのギャップを埋めることがとても重要ではないかと思います。
そこで、質問ですが、この戦略のゴールが笑顔になれるまち札幌と、この笑顔という抽象的なものをどのように評価するのか。また、新
まちづくり計画のさっぽろ“えがお”指標の位置づけと整合性を持たせることが重要だと思いますが、どのように取り組んでいくのか。また、現在、
まちづくり戦略ビジョン、産業振興ビジョン、観光振興プランなど、いろいろなものが策定されていますが、その中でシティプロモート戦略の位置づけをはっきりさせるべきだと思うのですけれども、どのよう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎西野 プロジェクト担当部長 まず、笑顔の評価と“えがお”指標についてですけれども、笑顔について先ほど来いろいろご議論いただいておりますが、目指すべき状態といったものをあらわしたものでございまして、笑顔になるための三つの行動指針を示すことでその方向づけを行っているところです。
なお、第3次札幌新
まちづくり計画は、今後4年間で特に重点的、優先的に推進すべき施策、事業を定めた計画でありますが、その成果指標は、より親しみやすいものとなるように、市民の幸福度を高め、笑顔を広げていくことをイメージして、さっぽろ“えがお”指標と呼んでございます。これは、このシティプロモートの
考え方に沿ったものでございます。
また、
まちづくり戦略ビジョンなど、各種計画との位置づけについてでございます。
まず、長期計画としての
まちづくり戦略ビジョン、また、分野別にビジョンを掲げたものとして産業振興ビジョン、それからシティプロモート戦略がございます。そして、これらのビジョンに沿った形で各部局が実行計画として策定するのが部門別計画である観光振興プランとか、札幌型ものづくり振興戦略という構造になります。したがいまして、シティプロモート戦略は、
まちづくり全体のシティプロモートに係る分野を総括したものであるとともに、今後、観光や産業とした分野の部門別計画の方向性を規定するものとなってございます。
◆伊藤牧子 委員 このシティプロモート戦略が非常に方向性を決めるということで、これから策定されるいろいろなビジョンの中では非常に重要なものだということは理解しました。本当に、これが策定される中で、実際にどのように成果を出していくというか、その進捗を管理して、また、成果を検証していくというプロセスが私はとても重要だと思うのです。いわゆるPDCAというのですか、そういう仕組みづくりをどのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎西野 プロジェクト担当部長 戦略のPDCAサイクルをどう回していくかということについてでございます。
戦略の計画、実施、検証、改善、PDCAを回していく主体としましては、先ほども申し上げましたが、市長をトップに全庁横断的な検討組織としてシティプロモート推進本部を立ち上げてございます。ここにおきまして、事業の進捗状況の報告、課題の検証、対応策の協議を行っていくこととしてございます。この推進本部の体制は、局長以上から成る本部と部長職による幹事会、それから課長職による部門別ワーキングといった組織になってございますので、推進本部を約四半期ごとに開催しながら着実に推進してまいりたい、かように考えてございます。
◆伊藤牧子 委員 笑顔というところでは、進捗管理も含めて、どういうふうにしていくというのは非常に難しいと思うのですけれども、本当に実行性のある
市長政策室であってほしいなと思います。
そこで、最後に要望ですけれども、この戦略の中に、東日本大震災に向けた
取り組みについて、札幌市の被災地支援、被災者支援、また、市内に避難してきた方々への支援の
取り組みが記載されています。
私は、NPOの方々のお話を聞きますと、被災地の支援に行ったり、また、札幌に避難された方々に対する札幌市民やNPOの活動というのは非常にきめ細かく、いろいろなところで評価されているということは、やはり、札幌の市民自体が成熟というか、すごく豊かな思いというのも含めて、いろいろなものを持っているのだなと思います。今後の支援については記載されていませんが、札幌で安心して暮らしていくためには、これから精神的なケアとか、生活支援というのがますます重要になりますので、これからも長い支援をぜひ継続して行っていただきたいなと思います。
それからもう一つ、指摘ですが、
パブリックコメントも今回出ますけれども、15ページに、札幌市シティプロモート戦略会議というところの意見が出されています。これは意見としてですからいいのですけれども、札幌のイメージというところに、札幌は生まれながらにして美人のお嬢様、恵まれた環境で化粧の仕方も知らずに育ったが、年をとり始めて困っている状況、人口、経済、観光、いろいろなものが落ち始めており、札幌は化粧が必要になってきている、こういう斬新な物の表現というのも――斬新と言ったらおかしいですが、こういう表現があります。でも、私としては、雑誌として載せるとか、ほかのところにはいいですけれども、札幌市のコメントにこのような表現を載せるのはいかがなものかなと思うのですね。
私も札幌で生まれ育ったのですけれども、小さいころは、家の中も寒くて、本当に冬というのが嫌だなとか、厳しい状況の中で、そして、今、みんなが豊かになっているというのは、これまでの
人たちのいろいろな苦労があって今の札幌の魅力が出てきたと思います。昔は、札幌に転勤といったら左遷と言われた時代もあったと思うのですね。そういう中で、こういうふうにさらっと表面的に載せる、シティプロモート戦略会議がこういうものをつくった中でこういう表現を載せるというのはすごく違和感があるものですから、指摘をさせていただきます。
○よ
こやま峰子 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○よ
こやま峰子 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時38分...