札幌市議会 2011-10-25
平成23年第二部決算特別委員会−10月25日-06号
平成23年第二部
決算特別委員会−10月25日-06号平成23年第二部
決算特別委員会
札幌市議会第二部
決算特別委員会記録(第6号)
平成23年(2011年)10月25日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人
委 員 長 芦 原 進 副委員長 小須田 悟 士
委 員 勝 木 勇 人 委 員 高 橋 克 朋
委 員 村 松 正 海 委 員 長 内 直 也
委 員 村 山 秀 哉 委 員 佐々木 みつこ
委 員 飯 島 弘 之 委 員 川田 ただひさ
委 員 北 村 光一郎 委 員 伴 良 隆
委 員 伊与部 年 男 委 員 川口谷 正
委 員 福 士 勝 委 員 小 野 正 美
委 員 大 嶋 薫 委 員 恩 村 一 郎
委 員 桑 原 透 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 しのだ 江里子 委 員 山 口 かずさ
委 員 中 村 たけし 委 員 植 松 ひろこ
委 員 涌 井 国 夫 委 員 阿知良 寛 美
委 員 福 田 浩太郎 委 員 丸 山 秀 樹
委 員 井 上 ひさ子 委 員 坂 本 恭 子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 松 浦 忠
委 員 金子 やすゆき
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開 議 午前10時
○芦原進 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、小竹委員からは北村委員と交代する旨、届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第1項 土木総務費、第2項
道路橋りょう費及び
駐車場会計決算のうち関係分について、一括して質疑を行います。
◆坂本恭子 委員 私は、駐輪場の整備について質問したいと思います。
地下鉄駅やJR駅の周辺では、路上駐車、放置されている自転車は大変深刻な状況がありまして、駐輪場の整備が早急に求められているというふうに思います。駅周辺の自転車の
乗り入れ状況について、直近の数字を調べましたら、2009年度は5万9,084台、それに対して路上放置の台数が9,895台でした。今、自転車の利用は大変にふえております。それに伴って、歩道に自転車をとめる路上駐車の台数も非常にふえております。
私は、早急に駐輪場の整備を進めるべきだというふうに思っておりますけれども、現状に対するご認識、それから、今後の整備の基本的な考え方について伺いたいと思います。
◎木村 総務部長 駐輪場の整備につきましてお答えいたします。
ことし5月に
自転車利用総合計画を策定いたしまして、この計画では、総合的な駐輪対策を早期に取り組む施策の一つに位置づけております。駐輪場の整備につきましては、適地の確保になかなか苦慮しておりまして、需要に供給が追いつかないのが現状となっておりますことから、今後は、既存用地を活用した駐輪場の整備など、さまざまな手法を活用して施設容量の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 総合的な整備を早期に実現するために、計画の中で位置づけしているということでありました。
地下鉄やJRの駅というのは、交通の大変重要な結節点になりまして、乗り継ぎの利便性が図られなければならないと思っております。私がよく利用するのは地下鉄で言うと北24条駅とか麻生駅になりますが、地下鉄駅周辺の駐輪場は、一応整備されていますし、それから、整理員の方が歩道上の自転車を整理しているようなことがありますけれども、実際にはあふれ返っている状態になっています。通行の障害になっておりますし、それから、車いすやベビーカーが通ることができない、走っている自転車とすれ違えないということで、歩行者も非常に危険な思いをしております。また、歩道上の
点字ブロックの上に自転車が置かれていて、目の不自由な方が通れない、こういうような状況は本当に至るところで目にするのではないかというふうに思います。
今申し上げましたように、自転車の整理をするために、歩道の確保をするために人員を配置してやっておりますが、いつまでもこのような形で対処するわけにはやはりいかない、駐輪場を確保していかないとこの問題は解消されないというふうに思います。
改めて、さまざまな手法で整備をしていくというふうにおっしゃいましたけれども、具体的に考えていることがあればお聞かせいただきたいと思います。
◎木村 総務部長 駐輪場の整備につきまして、先ほどさまざまな手法でということでお答えさせていただきましたけれども、このたびの計画の中でも、例えば既存駐車場の転用とか未利用地の活用などが盛り込まれておりますので、そういった手法を活用しながらこれから取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
◆坂本恭子 委員 今、駐輪場の整備について、例えば、平面で利用されているところについては2層式にするようなことも行われておりますね。実際に、手稲の駅では、立体というか、2層式の整備がされております。私は、既存の施設でもこういうものの活用というようなことも今後は考えていかなければならないと思います。先ほど部長からお話があったように、適地の確保が難しいというのは従前から言われていたことですから、私は、今ある駐輪場の整備として立体利用していくようなことも含めてすべきだというふうに思うのです。
例えば、今お話ししました麻生駅、北24条駅については、北24条駅で言いますと、市営住宅の建てかえに伴って、以前使われていた駐輪場が暫定利用ということで規模が縮小しているようなこともございます。そういう意味では、歩道から駐輪場にきちんと誘導していくことも必要だと思いますし、今言った2層式の導入もあり得る手法なのかなというふうに思うものですから、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
◎木村 総務部長 今ご質問にございました地下鉄北24条駅につきましては、現在行われている市営住宅の建てかえで生じる余剰地を活用いたしまして、既存の暫定駐輪場の規模を拡大して、平成24年度に本格的な整備を予定しているところでございます。
また、先ほど2層化のご質問もございましたけれども、地下鉄麻生駅におきましては、既存の駐輪場の
土地利用効率をさらに向上させるために、今、2階建ての駐輪場を再整備し、使い勝手を損なわない範囲で駐車台数をふやしていきたいというふうに考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 今、麻生駅で2層式を導入するというお話がありました。使い勝手も考えてということでありましたが、実際に2層式を利用している方からお話を聞きましたら、上に上げるのが物すごく大変なのだそうですね。朝夕、特段、朝でしょうか、整理の方がいらして、上げるのを手伝ってくださったり、上げてくださったりということがあるようですけれども、それ以外の時間帯で2層式を利用しようとすると、ひとりで持ち上げることがなかなか難しい、若い方でもちょっと大変だという話も聞いております。
そういう意味では、私は人の配置が必要になってくるのかなと思うのですが、現状をどういうふうに把握されているのか、利用実態なども含めて実態を把握しているのか、それから、忙しい時間帯だけではなくて、人を常時配置するようなことも必要なのかなというふうに思うのですけれども、そこについてのお考えを改めてお聞かせいただきたいと思います。
◎木村 総務部長 駐輪場の誘導整理の関係でございますけれども、利用の状況といたしましては、やはり、どうしても朝夕が中心になりますものですから、朝と夕方に整理員をつけて整理をしているのが一般的でございます。2層式につきまして、確かにスロープはございますけれども、なるべく上がりにくくないというか、急な傾斜をつけない形での整備も進めてございます。それから、利用状況にもよりますが、下の部分に関しては普通にフラットに入れるような形になろうかと思いますので、そういった活用の使い分け等も考えていきながら対応していきたいというふうに考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 ぜひ、現在2層式を利用されている方も含めて、さまざまな声を聞き取りながら使い勝手のいいものを整備していっていただきたいというふうに思います。
次に、都心部の駐輪場の整備の話をしたいと思いますが、大通公園の中に駐輪場が整備されました。ことしの8月10日から供用が開始されて、大通西5丁目から6丁目の南側に無料で整備されております。利用実態の調査が10月3日から14日まで行われて、その結果、収容台数159台に対して利用の状況が178台と、利用率111%となっていました。
当初、随分PRをしていたようですけれども、実態は利用が多かったということで、今は積極的なPRをしていないというふうにも聞いております。しかし、そういう実態から見ても、やはり、大通周辺の駐輪場はまだまだ足りない状況にあるのが明らかだというふうに思います。
そこで、今後の大通地区の駐輪場の整備、都心部での駐輪場の整備についてどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
◎木村 総務部長 大通の駐輪場の状況でございますけれども、今ご質問にありましたとおり、8月10日に供用を開始いたしまして、利用率は100%を超えているような実態にございます。今後につきましては、
駐輪場利用者のマナーとか利用台数の推移を見きわめながら、都心部における駐輪場確保のあり方を整理する中で、他の箇所への拡大について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 ぜひ、都心部、とりわけ大通地区での駐輪場の整備を進めていっていただきたいというふうに思います。
今は、大通公園の南側に159台整備をしたということです。北側は樹木などもあるものですからスペースの関係などもあろうかと思いますけれども、ぜひ、北側部分の活用を、それから、5丁目、6丁目だけではなくて、7丁目から11丁目に至るところも線として駐輪場の確保ができるのではないかなと。また、
オフィスビルなども多いですから、そこら辺の駐輪場の整備をぜひ具体的に検討をしていっていただきたいというふうに思います。
あわせて、都心部の建物については、店舗とか遊技場などの商業施設に関しては、条例で駐輪場の附置義務が課せられていると思います。私は、店舗や遊技施設に限定をせずに、今、通勤で自転車を使っているケースが大変ふえておりますから、
オフィスビルなどにも附置義務を拡大すべきだというふうに思うのですけれども、どうでしょうか。
それからまた、店舗、遊技施設などの駐輪場の確保についても、別のビルに通勤する方のために駐輪場の整備をしていくというような新たな視点、観点を持って、附置義務の拡大を図っていくべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
それから、先ほどお話し申し上げました北24条駅、麻生駅などもそうですが、郊外部で地域の中心核となる地下鉄やJRの駅がございます。そういうところでの附置義務は都心部よりも若干緩いものになっていると思いますが、都心部と同様に附置義務の強化をしていくべきだというふうに思うのですけれども、今後、条例の見直しなどのお考えはないのか、伺いたいと思います。
◎木村 総務部長 札幌市では、今ご質問にございましたとおり、平成14年度から
附置義務条例を制定しておりまして、一定の需要が見込まれる小売業、銀行、遊技場に対して駐輪場の附置義務を課しているところでございます。
しかしながら、現在の条例につきましては、平成10年の調査実績に基づき制定しておりますので、自転車利用の状況が当時と比べてかなり大きく変化をしてきております。このことから、ことし5月に策定いたしました
自転車利用総合計画でも、附置義務の見直しを検討することとしておりまして、今ご指摘のございました
オフィス系ビルへの対象、用途の拡大などについても検討してまいりたいというふうに考えております。
なお、これらの見直しにはどうしても
施設所有者等の負担が求められますことから、十分な調査検討が必要であると考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 所有者との話し合いなども大切にしながら進めていっていただきたいというふうには思いますけれども、ぜひ、早く実現させていただきたいと思います。
そこで、もう1点、札幌駅周辺の駐輪場については、既に有料化が導入されております。私どもは、当初から有料化には反対してきた経過がありますけれども、随時利用の場合、1回利用すれば100円かかることになっています。それと別枠で定期利用もありますが、随時利用については、駅を取り巻くように東側、西側、北側と3カ所あると理解しておりますけれども、整理のための職員が配置されておりますね。例えば、東側の駐輪場にとめます。そして、隣の大きな
テナントビルに子ども連れで行くとしましょうか。子ども用のお洋服を買います。今度は、西側の駐輪場のあるところに大きな本屋がありますから、子どもを連れて絵本を買おうと。子どもと一緒に行きたい。荷物を持っている、子どももいる、自転車も一緒に持っていきたい。それで、その駐輪場に入れると、また100円かかることになりますね。そこでお買い物をして、今度は、エルプラザに行って環境の問題について子どもと一緒に体験してこようかとなると、また北側に自転車を持っていって100円かかる、こういうような状況が生まれます。
私は、せっかく整理のための職員がいらっしゃるわけですし、発券機で券が出るというふうに聞いておりますので、こういう場合には、どこか1カ所で100円を払い、その券は例えば東で100円払ってきたとわかれば、西でもそのまま無料でとめられ、北側に行っても無料でとめられる、そういうような一日券にしてはどうかと思います。実際に、自転車を利用される方は、近くて便利な場所に自転車をとめたいという心理がありますね。そういう意味で、路上駐車もふえてしまわざるを得ないということです。本を買うちょっとの時間だから書店の店先にとめておいていいやということでは、やっぱり
放置禁止区域を設定して有料化をしたという意味がないと思います。せっかく有料にしてしまったのですから、利用する側にとって使い勝手のいいものにしていくべきではないかなというふうに思うのですけれども、こういう考え方はいかがでしょうか。
◎木村 総務部長 一日券のご提案でございますけれども、現在、札幌駅の駐輪場に関しましては、札幌駅の北口広場の前と北6西1、北5西1、北5西5の4カ所が有人の駐輪場となっております。この4カ所はかなり近接しておりまして、その間も歩行導線などがかなり整っておりますので、今の段階で一日券の導入については考えておりません。
しかし、将来、都心部で
放置禁止区域が拡大されまして、当日利用できる駐輪場がある程度の距離に分散された場合には、効果があると考えておりますので、今後の検討課題にしたいと思っております。
◆坂本恭子 委員
放置禁止区域の拡大を視野に入れながら、一日券の可能性も検討していくということでした。
しかし、北口で有料駐輪場が導入された経過というのは、路上駐輪が非常に多くて撤去せざるを得ない状況が続くという中で、
放置禁止区域をつくり、そして撤去をしていくと。ところが、禁止区域をつくったら、その外にまた違法駐輪、路上放置されるというようなことだったわけですね。実際に、駐輪場の整備がおくれたために放置がふえるというような状況が
イタチごっことして続いてきているというふうに私は思います。
放置禁止区域を拡大したからといって、必ずしも路上駐輪、違法駐輪、放置自転車がなくなるというふうには思いません。根本的には、駐輪場をきちんと整備していくこと、そして、自転車に乗っている方がマナーを守ってそこに駐輪する、そういう誘導策を札幌市がとっていかなければならないというふうに思っております。
一日券というのは一つの考え方ですけれども、そういうことも含めて、自転車を利用される方がマナーをしっかりと守って、そして、歩行者あるいは車との共存をまちの中で図っていく、そういうことを計画の中でしっかりと位置づけて実現していっていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
◆小倉菜穂子 委員 私は、歩道の
バリアフリー化について伺います。
高齢になっても住みなれた地域で暮らしたい、また、障がいのある方が自分らしく社会参加できる共生の社会が強く求められております。そうした中で、どこでも、だれでも、自由に使いやすくという
ユニバーサルデザインの考え方に基づいたハード・ソフト両面からの移動環境の整備、また、その改善が急務だというふうに思っています。そのため、本市は、2008年度に、
バリアフリー新法に基づいて新・札幌市
バリアフリー基本構想を策定し、2009年度から、市内53カ所の
重点整備地区を定め、現在、計画的に歩道の
バリアフリー化を進めているところです。
こうした中で、ことし3月に発生しました
東日本大震災により被災された方々の中には、私たちもそうした場面を見ることが多かったのですけれども、高齢者の方や障がいのある方もおられて、福祉避難所が十分に整わない中で不自由な生活を送られたことというふうに思っています。施設自体の
バリアフリー化はもちろんですけれども、避難生活が長引く中で、施設周辺の歩道の
バリアフリー化の重要性を私は改めて感じました。また、本構想策定時にも、
パブリックコメントで避難所までの経路を
生活関連経路にしてほしいといった要望が寄せられておりまして、そのとき、市は、現地の道路状況の確認を行った上で、
重点整備地区内に存在する避難所を
生活関連施設に位置づけて、そこまでの経路を
生活関連経路として、今後、追加していくと回答しております。今回の震災を受けまして、被災者が生活する
避難所周辺の
バリアフリー化を早急に進めるべきというふうに私は考えます。
そこで、質問ですが、避難所といいましても、地域の公園のような一時避難場所とか、学校、地区会館といったような
収容避難場所がありますけれども、現在、本市が
生活関連施設として位置づけようとしているのは、そういった中でどういった場所を想定しておられるのか、そして、その理由についてもあわせてお伺いいたします。
◎浦田 土木部長
歩道バリアフリー化整備における避難所の取り扱いについてお答えいたします。
新・札幌市
バリアフリー基本構想では、主に高齢者、障がいをお持ちの方などが日常生活または社会生活において利用する福祉施設等を
生活関連施設に位置づけておりますが、避難場所についてはその対象としておりませんでした。これに関しては、今、委員のご質問にありましたとおり、
パブリックコメントで避難場所も
生活関連施設に位置づけるべきとのご要望をいただいていたところでございます。避難場所の種類につきましては、一時避難場所、
広域避難場所、
収容避難場所の三つがございます。このうち、
収容避難場所を
生活関連施設に位置づける方向で、現在、
市民まちづくり局が中心となり、関係部局と協議をしながら基本構想の見直しを進めているところでございます。
収容避難場所を
生活関連施設に位置づける理由でございますが、
収容避難場所は、冬の災害や長い時間の避難が必要なときに被災者の身体や生命を守ることが目的であり、被災後の長期間にわたる生活の場となるため、医療施設等の他の
生活関連施設と経路で結ぶメリットが大きいと判断したところでございます。
◆小倉菜穂子 委員
収容避難場所を計画の中に新たに追加するということかと思います。
この構想の策定を進めるに当たって、私もよく担当の方とお話をするときに、当時は、もちろん震災の前ですけれども、
収容避難施設になるのはやっぱり学校が多いなという印象を持っておりまして、そうした学校などが新・札幌市
バリアフリー基本構想の中で盛り込まれないのはどうしてかというようなお話をさせていただいたことがあります。そのときは、法律の中で指定されているところにそういった
収容避難場所はないのですと伺って、とても残念というか、おかしいというか、そんな思いがありました。そうした中で、
パブリックコメントで出された市民の方の声が今の形に少しずつなってくるということについては、私は大変意義があることだなと思っているところです。
札幌市においても、今回のような大きな災害が起こらないとはもちろん限らないわけです。また、札幌市ではなくて、周辺の自治体でそうしたことがあったときには、周辺の自治体の皆さんの避難場所として生活をしていただく、そうしたことも想定する必要があるかなというふうに思っております。
そして、この間、ずっと考えていく中で、札幌は本当に雪が多いので、雪に覆われるころはほかの施策も当然必要になってくるのだと、そういうことも改めて考える必要があることにも気づかされながら、今回、お話しさせていただいています。札幌は、真夏以外は、戸外で生活をするようなことは困難でありますから、本市においては、たとえ短期間であっても、やはり屋内でしっかりと生活できる環境を整える、そのためには、今おっしゃいました
収容避難所へ
生活関連経路を伸ばしていただくことは当然かというふうに思っています。そのためにも、私は、ぜひ、十分な数の
収容避難所を
生活関連施設と位置づけることが必要だというふうに思っております。
そこで、質問ですが、53カ所の
重点整備地区内にはどれくらいの
収容避難所があるのでしょうか。そしてまた、それらすべてを
生活関連施設に位置づけることが望ましいというふうに私は思うのですけれども、その点についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
◎浦田 土木部長
重点整備地区内の
収容避難場所の数及び
生活関連施設への位置づけについてお答えいたします。
構想策定時において、
収容避難場所は53カ所の
重点整備地区内に210カ所ございます。このうち43地区につきましては、区体育館や
区民センターなどのように、既に基本構想で
生活関連施設に位置づけられている施設や、小・中学校のように、
生活関連施設ではございませんが、既に基本構想で指定された
生活関連経路に面して立地している施設が合わせて110カ所ございます。委員のご質問のとおり、残りの100カ所すべてを
生活関連施設に位置づけることが理想ではございますが、効果的なネットワークを早期に構築する上では、優先的につなぐべき施設を絞り込む必要があるというふうに考えています。
このような観点から、53カ所の各
重点整備地区において、少なくとも1カ所以上の
収容避難場所を
生活関連施設に位置づけるべく検討を行っているところでございます。現在のところ、残りの10地区について、10カ所程度の
収容避難場所を
生活関連施設に位置づける予定としております。
◆小倉菜穂子 委員 53カ所の
重点整備地区について、最低1カ所以上の
収容避難場所を
生活関連施設に位置づけるということでよろしいでしょうか。
1カ所も
収容施設周辺の歩道が
バリアフリー化されていないことよりはもちろん望ましいと思うのですが、53カ所の
重点整備地区というのは、
バリアフリー化に関する事業を重点的に、そして一体的に実施することを目指すために定めた地区だということでありますので、そこにおいては、今、まず1カ所ずつやりますということではありましたけれども、私としては、これからも被災時に備えて十分な
バリアフリー化を実施していただきたいというふうに思っています。そして、今おっしゃったように、必ず1カ所はつないでいくのだという市の考え、その説明はわかりましたけれども、当然ですが、災害というのはいつ起こるかわかりませんし、早期に避難場所までの経路を着実に整備していただくことが大変重要だというふうに考えております。
そこで、質問ですけれども、新たに追加される
生活関連経路の延長、その距離はどのくらいなのか、そして、それはいつから整備を始めようというふうに考えておられるのか、その点について伺いたいと思います。
◎浦田 土木部長 新たに追加されます
生活関連経路の延長及び整備開始時期についてお答えいたします。
先ほどご説明いたしました10カ所の
重点整備地区において新たに追加する
生活関連経路の延長は、今のところ、合計で約2キロメートル前後となる予定でございます。また、基本構想の見直しが年内で完了した場合、整備につきましては、平成25年度以降、順次、実施していきたいというふうに考えております。
◆小倉菜穂子 委員 距離としては2キロぐらいだということです。この構想の全体の計画の距離というのは、ページを見るところによって、重点地区のとらえ方というのですか、その範囲というのが、距離が変わったりするので、数字が合っているのかわかりませんけれど、私が見たところでは226キロ、200キロ以上と拝見しております。その中で2キロぐらいというのは、そんなに大きな距離ではないというふうに思っています。また、平成25年春からということでありましたが、ほかの場所の工事との兼ね合いもあるかと思いますけれども、ぜひ早急に取り組んでいただきたいと思っています。それから、53カ所のうち10カ所を除いたほかの地域においても、
収容避難場所周辺の
バリアフリー化の優先順位についても、ぜひ、今後検討していただけないかなというふうに思っています。
最後に、要望になりますけれども、避難所生活が長期にわたらないことが本当に望ましいことは当然だと思っています。ただ、仮にそういったことになった場合は、さまざまなストレスがございますので、不便を感じることなく生活できるということが重要だというふうに思っております。また、先ほどもお話ししましたけれども、
重点整備地区内には今回追加指定する以外の避難所がまだ多く存在しますので、今後はぜひ拡充していただきたい。さらに、
重点整備地区以外にもまだたくさんの避難所がありますので、今後はそういったところをどういうふうに考えていくのか。また、学校の避難所機能についても、今、その重要性が指摘されております。今後、それらの動向も注視しながら取り組みを進めていただきたいというふうに思っています。
今回、
避難所周辺の
バリアフリー化という視点からお話を申し上げましたけれども、こうした取り組みは災害時だけのことではありません。災害時だけ利用することに限らず、例えば、障がいのあるお子さんたちが地域の学校に通うなど、日常的にも大変大切な取り組みだというふうに私は考えています。そうしたことからも、ぜひ、こうした歩道の
バリアフリー化についてこれからも積極的に取り組みを進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆松浦忠 委員 きょうは、関連質問ということで、豊平区長とみどりの施設担当部長に出席をしていただいておりますので、これにかかわる質問を順次行って、終わりましたら、公務があるそうですので、ご退席をしていただいて結構でございます。
それではまず、4点あります。道路管理用地に関係する質問、国土調査法にかかわる質問、除排雪にかかわる質問、それから、土木センターの業務にかかわる質問です。
最初に、道路管理用地にかかわる問題で、2点あります。
一つは、市民の方から寄せられた素朴な疑問であります。それは何かといったら、白石区の区の花はバラであります。豊平区のシンボルはリンゴであります。環状通にリンゴの木が植栽されて大切に管理をされ、毎年、たわわに実が実ります。私もよく通るのですが、盗難にも遭うことなく、毎年、区で収穫されているわけでありますけれども、先日、市民の方から、私のところに、あのリンゴはどこに行っているのかという素朴な質問がありましたので、まず、豊平区長にこの点についてお尋ねいたします。
◎三日市 豊平区長 ただいま、松浦委員から、あのリンゴはどこへ行っているのかという質問でございます。
環状通のリンゴ並木でございますが、昭和49年に、街路樹のかわりというか、街路樹に実のなる木を植えてまち並みに彩りを添えたいという考えから、ちょうど区役所から国道36号線の区間の約1.1キロ、幅6メートルのところに約80本を植えてございます。当時、平岸を中心にリンゴがあったので、それをしのぶということで豊平区のシンボルとしてございます。また、せっかくとれたものは、地域資源として地元に還元しようということでお配りをしてございます。主に配っているところでございますが、区内の町内会等の地域での配布、区内の福祉施設、あるいは、区民の方に一般配布しているほか、コンサドーレあるいは日本ハムファイターズに一部をお配りしてございます。
参考までに全体の量を申し上げますと、ことしは量もかなり少なくて全体収穫量が約6,160個でございました。地域への配布は、町内会あるいは子育てサロンを中心に4,240個、福祉施設に280個、一般配布に760個、あるいは、区の啓発活動や健康フェアでリンゴ料理などに使っているのが480個です。また、プロスポーツチームの日本ハムファイターズとコンサドーレには合わせて約250個というような配布をしてございます。
◆松浦忠 委員 実は、寄せられた意見の中に、日本ハムに配られたということを新聞で見た方から電話が来まして、せっかく公有財産の中でつくられたリンゴだから、もっと活用の仕方を考えた方がいいのではないかと。具体的にはどんな話があったかというと、市内に親を亡くされたお子さんだとか、あるいは、親が子どもを養育することができないという家庭事情のお子さんが収容されている施設、児童養護施設が5カ所あって定員が368名いらっしゃいます。こういう施設や、あるいは福祉施設などを中心に配ってはどうか、こういうような意見でありました。
私もいろいろ考えてみて、何でこんな質問をここでするかといったら、これだけを聞くのだったら電話で済む話なのです。市長にも出席いただいてこの話をするということは、職員の皆さんが、慈しみの心、いわゆる慈悲の心、こういうものを、常日ごろ、どんなふうに持っておられるのかなと。やっぱり、こういうものができたときに、恵まれない人たちに少しでもみんなの気持ちとして届ける、私はそういう心が大事だなと。入れ物だけをつくって、そこに入ってもらえば事足りるものではないと私は思っているのですよ。そういう点で、やっぱりリンゴなんかはぜひそういう活用をしていただきたいということで、私は、きょう、わざわざおいでいただきました。
なぜ、建設局でこういうことを言うかといったら、建設局の、特に道路行政というのは、市民が生活する上で、自分の敷地から一歩出るには道路が必要なのです。市民が社会活動に参加するにも、生活する上でも、道路が一番大切であり、その道路を管理している、あるいは、全体的に建設している、そういう職種の皆さんに一番大事なことは、今、国の法律に基づいて、国の補助金も受けて、盛んに歩道の
バリアフリー化などの工事もしておりますけれども、こういう肩書のものではなくて、中身がなければならぬ、こういうことで私は申し上げているのです。
例えば、今、
バリアフリー化の工事の中で、個人商店街が連檐してある。そして、建物の中に、1軒の建物で3間または4間というように区切って店を借りて営んでいます。そして、その前には、地主は、3メートルあるいは4メートル程度の道路から真っすぐ入って駐車できるような用地、駐車の場所を確保して、そして貸している。そうしたら、そこの
バリアフリー化の工事の中では、今、車道と歩道を分ける縁石は実態として大体5センチから7センチぐらいの高さしかない。今度は、これを20センチで区分けする。そうしたら、市長が定めた基準で最大で8メートルまで、大型トラックが入るところで12メートルと、切り下げが。実際は、今度、それぞれの店の出入りに支障するところが出てくる。これらについても、やっぱり、それとは全く関係なく、定めた内規でこうなっているからということだけで施工している。ある場所では、それは全面的にまたやり直しをした、こういうこともあります。
したがって、私が申し上げているのは、やっぱり、そういうような道路を使って、あるいは道路用地を使って何かができたときに、リンゴができたときにどうするか、それから、そういったようなバリアフリーの工事をやるときに切り下げをどうするか、そういうような心遣いがはっきり言って欠けている、建設局の職員には。だから、あえて、きょうは区長に来ていただいて、リンゴを一例にとって私は申し上げているのです。
したがって、私は、これについては、今後、恵まれない施設などを中心にして配るようにしていただきたいと思うのですけれども、区長、いかがでしょうか。
◎三日市 豊平区長 先ほどの日本ハムファイターズなどに配ったリンゴについて、養護施設に配ってはどうかということでございますが、私どもも、地域のさまざまな世代がお互いに助け合う、触れ合う、そういった環境づくりを大切にするということで、区のビジョンにもなっております。そういった形でことしも進めているわけで、決してほかの施設に配らないということではございません。ただ、先ほども言いましたように、数に限りがあるというか、気候とか、また、虫食い状況にもなりまして、収穫には大なり小なりがあるということで、今後、その部分については収穫数を見ながら考えていきたいというふうに思います。
◆松浦忠 委員 町内会でそれを期待して待っている方がいらっしゃるかもしれないけれども、しかし、やっぱり、公有財産でつくるものですから、ぜひ、そういう点を十分に考えた上で来年度以降はやっていただきたいということを求めて、区長、ありがとうございました。
続いて、文書質問で出しました中に、道路の未処理用地、それから、支障する実態についてということで質問いたしましたら、未処理用地は出てまいりました。支障箇所は表記されておりません。これを見ますと、札幌市内に、道路として使っている土地で、底地が個人のもの、あるいは法人のもの、民間のものですね。これが実に4,333カ所あります。今、だれもがおやっと思うところが中心部に1カ所あります。これはどこかといったら、南4条西13丁目であります。南4条通をずっと西に向かっていくと、4条側、左側に、ある日突然として、車道の中に一部入った、ちょうど1車線近く、半車線ぐらい入ったところに遮断機がつきました。そこは駐車場であります。その出入り用の自動の遮断機がつきました。そして、市の方では、そこに迂回するようにという表示物を置きまして、そして、そこは1車線になっております。幹線道路であります。
これは、なぜこういうふうになったのか。この点について、まず1点目。
それから、2点目は、私は、かねがね、こういう未処理用地、とりわけ、歩道にかかっている、認定なり、あるいは指定道路なりの、通常の通行区域にかかっている支障物、特に認定道路の区域にかかっているものについて、きちっと用地の処理をする、場合によっては買い取る、こういう処理をすべきだということを申し上げてきたのですが、ほとんど買い取りなどは行わないがために解決ができてきませんでした。これらについて、こういう解決のできていない、道路区域内にあって歩行に支障する箇所は何カ所あるのか、この2点について。
◎木村 総務部長 まず、1点目の南4条西13丁目の未処理用地の件でございますけれども、多分、委員ご指摘のお話は、今、駐車場として利用されているところではないかと思いますが、ここに関しましては、これまで、寄附の同意が得られず、所有権を取得できなくて道路整備ができていなかったところでございます。
続いて、買い取りによってでも整備を進めていくべきではないかというお話でございますけれども、これまでも、生活道路につきましては、認定されることによって道路整備が進み、生活環境整備が進みますので、それによって、当然、沿道の皆様に利益があることから、古くは大正時代から寄附を基本に整備を続けてきております。そういった中で、なかなか寄附のご同意を得られず、整備が進んでいない部分がたくさんございますけれども、生活道路につきましては、やっぱり、これまでの考え方を踏まえながら、いろいろな機会をとらえて寄附のお願いを続けていきながら用地確保に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
市内の、通行に支障のある箇所についてということでございますけれども、市道用地、既に私どもが市道として用地を取得しておりますものにつきましては、認定段階で支障物件があれば撤去の確約書という形で整理をしておりますけれども……
○芦原進 委員長 ちょっと質問と違う答弁になっているので、駐車場の入り口のところに遮断機がある、なぜこうなったのかと、そういう質問でしたね。
◎木村 総務部長 (続)それは、冒頭に申し上げましたけれども、そこに対しては、所有権をまだ得られていない土地でございまして、今現在、そこに関しては道路の方の事業でもって整備を進めるように努めているところでございます。
◆松浦忠 委員 私が事前に聞いているのでは、寄附してくださいということで随分頼んでおったけれども、寄附してくれなかった、それで、向こう側は買えと言う、南4条西13丁目は。それで、地主の方は、役所を相手に押し問答をやったってしょうがないから、じゃ、私の方は、ちゃんと私の所有権を主張するよということで、区域にそういう所有権を主張したというふうに私は聞いております。所有権を主張されてから、遮断機がついてから、泡を食って、市の方は、今度は事業の何だかの名目をつくってこの用地を買い取る、こういうことをやっているわけですよ。
したがって、私は、ここで何を指摘をするのかといったら、きちんと、どうしても通行に支障のあるようなものについては、幹線道路だったら幹線道路、あるいは準幹線道路などを含めて、そういうものを買い取りなら買い取りということで、年度計画を決めてきちんと処理していかなきゃだめでないですかということを以前から私は言っているのですよ。今回、南4条という、いわゆる4車線、対向4車線道路ですね、2車線、2車線の。20メートル道路ですよ。幹線道路ですよ、これは。この道路がこういう事態になるということは、いわゆる道路管理者として適切な対処を怠っていたということなのですよ。何ぼ指摘してもそういうことをやらないで、そして、所有者が当然の権利主張をして、自分の区域をきちっと定めた。これで、初めて、それでは何か事業名目をつけて事業化していくか、そして買い取るかと。役所の典型的なところで、役人の悪いところだ、これは。こういうことでは、私はだめだと思うのですよ。
例えば、白石だって、もう20年ぐらい前からかな、北郷5条3丁目に建設会社の社屋が建っている、プレハブの。階段がちょうど歩道いっぱいにかかっている。なぜ、そうなっているのかと調べたら、昔々は道路だった。そして、地主は、あなたにここを貸すよと言って貸した。その後、しばらくたってから札幌市が道路区域の確定測量をしたら、実はそこは道路区域だった、ちょうど階段部分がですね、3尺が。そこで、札幌市は、ここだと言って、そのプレハブの社屋の前後までは舗装してちゃんと歩道にしたのですよ。その辺は学校の通学路にもなっています。両側に歩道がありますけれどもね。これなんかも、もう20年ぐらい前から、買い取りなり何なりして、1メートル50センチの両側の歩道ですから、ダンプも行き交う、言ってみればここは迂回幹線道路ですよ。したがって、子どもも年寄も危ないからと言っていても、いまだに何もしない。
だから、道路幅員の広い、狭いに関係なく、車種、通行量などを調べて、やっぱり、歩く人たちに危険が及ぶような箇所についてはちゃんとお金を出して買ってでも処理をしていく、こうしなかったらだめじゃないですか。今回のことなんか、私は、つくづくあきれたのは、何だかかんだかという事業をわざわざ当てはめて、そして、その事業の中で買収をすると。私らから考えたら、済みません、売ってください、今度はお金出しますと言って買って区域確定測量をすれば簡単に終わるものが、何か事業を立ててやるものだから、また、それが完結するまでに複数年かかる。こういうような仕事の仕方をしているのですね。これでは、市民は甚だ迷惑だ、むだなお金をかけて。
これについて、その事業内容と、いつ終わるのか、明らかにしてください。
◎浦田 土木部長 ご質問のございました南4条の市道の事業についてお答えいたします。
基本的には、生活道路――委員は幹線道路とおっしゃられておりましたが、確かに4車線ある道路ではございますけれども、都市計画法上の位置づけも特にしていない、一応、ネットワーク上は幹線とは位置づけられていない道路ということで、先ほどの木村部長の答弁にもありましたとおり、寄附でお願いしてきたというのが実態でございます。それが、実際のところ、駐車場のゲートができて、歩道が占用されて歩行者が車道にまではみ出していかないと通れなくなったという状況については、委員ご指摘のとおりでございます。これについて、基本は、あくまでも生活道路については寄附でございますが、そういうふうに歩行者の安全が図られないということで、今現在、交通安全事業のどれかを適用できないかと考えているところでございます。
今、測量に入っておりまして、その測量が終了次第、地権者の方との用地買収の交渉に入りたいというふうに考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 南4条通というのは、札幌市の中心部ですよ。ちょうど中央区役所と保健センターの間の道路で、ずっと創成川のところから通っている道路ですよ。ある意味では、今みたいに膨張する前の札幌市の中の20メートル道路といったら、幹線道路ですよ、あの道路をつくった当時は。それが、都市計画法上の位置づけがあるとか、ないとかなんて、そういう、何て言うのかな、一つ物差しが与えられたら、もう未来永劫にその物差しをもってそれしか当てていかないという発想ですね。グラムを規定する国際基準が、この間、新聞、テレビで報道されましたね。フランスに原器が保存されているもの。あれも、やっぱり磨いたら減るからということで、今度、何年かかけてちゃんと科学的なものに変えていくということで、100数十年ぶりに変わるそうです。そういうものでもそう変わるという時代に、大体、あの道路は20メートルあってバス路線であり、区役所の駐車場もあれだけ狭くて、あそこの前にずっと1列、一番多いときは次の交差点を超えてもまだ車が並んでいます、中央区役所に入るのにね。そして、交通の阻害、朝なんかは特にあります。そういうところが、都市計画法上、幹線道路でないからと言って放置して、遮断機がついたら、今度は交通安全だと。当然、遮断機がつかなくたって、権利者が権利主張をして私は寄附しませんと言ったら、札幌市長には強制的にそれを取り上げる、いわゆる市に移管をするという権限はなく、憲法第29条の上からいったらできないんですよ。そんなことは、皆さん、百も承知だと思うのですよ。
したがって、あれやこれや難しい理由をつけるのではなくて、きちんと、札幌市が単費なら単費でそういうものをやるのだったら、まず基準をつくって、例えば、私がさっき言ったように、北郷5条3丁目のその路線なんかは、8メートルの道路であったって、ダンプが行き交って、泥炭地ですから夏は大変だということで、朝は5時ごろから行き交うということで、3年かかって地域の署名を集めて、今から数年前に時間帯を区切った大型車の通行禁止を公安委員会に申請して認めてもらいましたよ。そういうところだってあるんですよ。
したがって、交通量によってそういうことをきちっと掌握して、実態に合わせて基準をつくって――金には限度がありますからね。順次やっていくというのなら私はわかるけれども、いまだにそんなことをやっているのではだめで、一体、いつにあそこを終わらせるのか、その終わらせる予定を聞かせてください。
◎浦田 土木部長 先ほど答弁でお話ししたとおり、現在、測量に入っているところでございます。ただ、非常に古い地域で、その道路に面している土地だけではなくて、地域ブロックごと、今、ちょっと修正を図らないとその用地境界を確定できないという状況になってございますが、ただ、できれば、ここ1〜2年の間に必要な部分、周辺地域も含めて測量を終わらせて、それが終わり次第、用地買収にかかりたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 今、いわゆる地籍のずれがあるという話をされたけれども、これはもう、板垣さんの市長時代、神戸さんが担当助役のときに、いわゆる中心部のところがかなりずれているということで、私の記憶では、たしか裁判になったのが、大和田弁護士のビルとホンダか何かの隣の境界をめぐって裁判があったりして、その後に、市の方で、中央だけ、市が金をかけて、当時、いわゆる地籍のずれを直したのですよ。そのころ、昭和63年から、地図混乱だとか、とにかく地籍のずれをきちっと直していくという事業に札幌市も取り組んでいるのだし、あれは、ずうっと前からああいう状況にあったわけですから。
したがって、そういうことは、やっぱりちゃんとやっていなきゃならぬ話です。ですから、できるだけ早くあの問題を解決するように、これは求めておきます。
あと、それ以外の箇所について、権原未処理で、通行上、支障している箇所は一体何カ所あるのか、これを答えていないのだけれども、答えてください。
◎木村 総務部長 市道上に支障物件があるものにつきまして、あくまでも寄附で行っている生活道路部分でございますけれども、その支障物件に関しましては、一定の基準をもって市道認定をしておりますので、その基準におさまっている部分については大きな支障はないという判断をしております。ただ、その支障物に関しましては、ことし4月のデータでございますけれども、各土木部の方で確約書を取り交わしておりまして、その合計は、正確ではないですが、1,050件弱ございます。
◆松浦忠 委員 今、私が言っているのは支障物件の話をしているのではないのだよ。もちろん、それも求めているよ、文書質問でね。それはそれでいいよ。それはそれで答えてもらって、求めているのだから、今、答えていただきました。
ただ、今、私が求めているのは、先ほど、一つの事例として北郷5条3丁目の路線を出しました。測量の結果、それは、昔のいわゆる測量の精度がその程度でいいよといって許された時代、地主も札幌市もそんなことでやっていた時代、それを札幌市がちょっと正確に測量して区域を決定したらそういう支障が出てきた。そういうことになって、今は、そうやって、その路線は夜から早朝にかけてダンプなどの通行で安眠が妨げられる、健康に被害があるということで、ダンプの通行禁止も時間を区切って公安委員会に指定してもらった。そういう路線の1メートル50センチの歩道のところで、その建物のところだけ片側はまるっきり階段がかかっている。
こういうような歩行に非常に危険な場所をきちんと調べて、交通量なども調べて、そして、それをきちんと年次計画でやるとしたらおおよそどのぐらい金がかかっていくかということを決めて、年次計画できちっと解決をしていかなかったら、今の皆さんの答弁のように、今までやってきたようなことをやると、全く何もやらないでずっとそういうような危険にさらされていくという状況が続いていくわけですよ。
一方では、国は、高齢者あるいは障がいのある方が歩行に大変だからといって、公共交通の乗り場所だとか集合場所を中心にして、歩道の水平、いわゆる勾配を直す、
点字ブロックを張る、わざわざこういうようなこともやっているわけですよ。だから、札幌市としても、国の法律に基づいて、国の補助金をもらってそういうこともやる。
しかし、法律はなくても、交通安全、市道については市長にそれを――自己責任と最小限の交通安全ですね。そうすると、自己責任以外のこと、これは、いわゆる施設の管理者としての責任分担の中でやらなきゃならぬことなのですよ、市長が。そこのところを怠らないでくださいよと言ってもいつまでも怠っている。私は、これについて年次計画を立ててきちっとやってくださいということを求めているのですよ。いかがですか。
◎木村 総務部長 今、委員ご指摘の件につきましては、恐らく北郷5条でしょうか、ここに関しましては、先ほども申し上げましたが、移設に関する確約書をいただいて処理をしているところでございます。
それで、冒頭に申し上げましたとおり、生活道路に関しましては、寄附を前提とした整備を行っておりますので、そういった中で、こういった物件に関しては、いろいろな機会をとらえながら、指導も行い、用地が未確定な部分については取得に努め、良好な道路整備をしていくということで努力をしているところでございます。
◆松浦忠 委員 総務部長、あなたが所管されている道路認定課というのがありますね。土地の所有者が寄附を申し出て札幌市が新しく認定する、この段階のときに、例えば、幅員の1割以内は支障物があっても、その道路としての全体の機能に余り影響を与えないという判断の中で、1割なら1割はあってもいいと。今度、建てかえなり塀をつくりかえるときに下がってくださいという念書なり、確約書をもらって、それは認定しているわけですよ。
例えば、私が一つの例として出した北郷5条3丁目のそこの建設会社も、もう20年前から、私が地域の人から相談を受けて――当時の土木事業所ですよ。話をして、そして、20年前から――向こうは言い分があるのですよ。何の言い分があるかといったら、もともと農地だったところに道路ができた、そして、その道路は市に移管になったと。同じ地主から、ここは道路にかからないからあなたに貸すよと言われて、私は金を払って借りていたと。そうしたら、それは、市が優先するものでもなければ、どっちが優先かといったら、私が借りて建物を建てた当時は道路はそこまでなかったのだから、後から寄附があって市が道路を拡げた、その段階にそうなったことであって、私の方が一方的に悪いなんていうことではありませんよと、こういうことなのですよ、当時、話をしたら。そして、市が文書を出せと言えば、建てかえのときには下がりますよという文書は出しますと。だから、それが出ているのにすぎないのですよ。何の問題の解決にもならないのです。どこもそうだと思います、支障物件は。
したがって、私が言っているのは、通行量からして歩行者が危険だと、そういう危ないような箇所は、用地の買い取りも含めて、計画を立ててきちっとやるべきだというふうに私は思うのですよ。そうでないと、市がそういう対処をしない中で、そこで事故でも起きたらどうなるのですか。そんなことからいったら、私は、これはすべきだと思うのです。
これについて、局長、あなたは、都市計画も長くやっていたから、どう思いますか、今のこの実態を聞いて。最初の前段のことも含めて。私は今すぐやるべきだと思うのだけれども、あなたはどう考えるか。
◎宮浦 建設局長 ただいまのお話のとおり、札幌市の市街地は140年余りたっていますが、新しいのか、古いのかといいますと、いわば個別の道路に絡む土地の問題につきましては、やはり、長い年月の間、問題になっている部分も確かにございます。今、委員がおっしゃられましたとおり、歴史的な経過の中で、支障物件があるもの、用地が未処理なもの、あるいは、その上で支障物件がついているもの、さまざまございます。先ほど4,000件、あるいは1,000件というようなお話がありましたが、これについても、そういう問題があるのは事実でございます。計画を持って解決すべきではないかという委員のお話ですが、恐らく、長い年月の間、解決されているものももちろんありますし、されていないものもございますが、解決の仕方についてはやっぱり個別の事情によるのだろう思います。特に土地が絡む問題につきましては非常に複雑な問題が絡んでおりますので、一概に、計画的に年間何十件をこうやって端から整理していくということはなかなか難しいのが現状でございます。
ゆえに、我々としては、一件一件、個別の問題の中身を十分吟味しながら解決に向けて努力させていただきたいと思います。何年計画でどのぐらいやっていくというような自動的な形ではなく、私どもとしましては、誠心誠意、解決に向けて努力をさせていただきたい、そういうふうに思います。
◆松浦忠 委員 局長、今の答弁の中で端から順番にみたいな言い方をしたけれども、私はそんなことを言っていないですよ。実態、交通量を調べて、そして、危険な箇所についてきちっと位置づけをして、順次、やっていかなければだめでないですかということを言っているのですよ。今までの札幌市のやり方というのは、私が指摘してからおよそ20年ぐらいに、20年以上になりますね。今までは、今の答弁をずっと繰り返してきているのですよ。これでは解決しないでしょう。
たまたま南4条については、ああやって遮断機がついて1車線閉鎖する、こういう状況になって交通に支障が出ているから、あなた方は、何か自分たちの今までやってきことに正当性を持たせようとして交通安全事業だとかなんとかと。そんなことは、地主に寄附してくれと言って、寄附しないと言った段階で、買ってくれと言った段階で、あの幹線道路について、4車線道路について言えば、当然、地主がちゃんと権利所有を主張すればそういう事態が起こることはだれだってわかるはずなのですよ、これ。
○芦原進 委員長 松浦委員、済みませんが、繰り返しになっております。
◆松浦忠 委員 (続)だから、それでやらなかったということに私は問題があると言っているのですよ。
そこで、市長、私は、こういう問題について、やっぱり、先ほど私が指摘しているように、きちっとそういう実態調査をして、そして、歩行者の安全が確保されないような箇所については、市費をもってしてでも土地を買収し、そして、支障物の移転などをしてきちっと解決を図っていくということをしなければだめじゃないですか。このことは、今回の南4条で、いみじくも、20数年来、私が言ってきたことが、やらざるを得なくなってやったということで実証されているわけですよ。いかがでしょうか、市長。
◎上田 市長 支障物件という概念が、南4条の――今、私は初めてお聞きしましたけれども、また、現認もしておりませんのでわかりませんけれども、支障が現在化としたといいますか、顕在化したという状況だというふうに思います。ほかにもいろいろな、今4,000件ほどのデータを文書回答ということで出させていただきましたが、すべてが未処理といいますか、そういう状況なわけでありまして、その中に、具体的な支障があるものと、まだ潜在化しているもの、この2種類があると思います。顕在化しているものについては、当然、住民の皆さん方から、交通の用に供するために非常に支障になる、危険だというふうなことが情報として上がってくるわけでありますので、それは、やはり優先的にやらなければならないことなのだろう、私もそんなふうに思います。
フラットに4,000件というわけではなく、そのうち優先的にやらなければならないものは何なのかということは、やはり、調査の上、地域の皆さん方のご意思も聞きながら、どういう解決があり得るのかと。生活道路の場合は寄附が前提だという方針はそれとして、それがどの程度時間をかければできるのか、ご納得いただけるものなのかどうなのかというようなことも含めて、できる可能性のあるものについては早く処理をするということ、計画を立てることは前向きに検討させていただきたい、このように思います。
◆松浦忠 委員 ぜひひとつ、進めていただきたいと思います。
続きまして、国土調査法にかかわる質問であります。
国土調査法は、ご存じのように昭和26年につくられて、その後、昭和37年に国土調査促進特別措置法がつくられました。これは、広い意味でいろいろありますけれども、その中の一つを言えば、やはり、戦後、地方自治体、市町村に固有の徴税権と財源をもたらす固定資産税、これの課税客体を確定するという意味合いもその中に含まれております。そんなことからしたら、札幌市がこれを始めたのは、私が提起をして昭和63年から始めたのが始まりであります。私は、そういう中で、優先的には、税金をいただくところからやっていくというのが優先順位としては当然だと思うのです。
そこで、この間、契約になりまして、今、こばやし峠のトンネルの工事が施工されております。そして、トンネルの取りつけ道路などを含めて、買収する用地の中に宗教法人北海道神宮の所有する土地があります。これは、私が神宮から聞く限りでは、基本的には工事に同意してくれているけれども、この土地の買収条件についての合意にはまだ至っておりません。神宮側は、これについて市側にいろいろ要請しているようでありますけれども、神宮は、このトンネル用地をめぐってどういうような条件を札幌市に求めてきているのか、この点をまず明らかにしてください。
◎浦田 土木部長 委員のご質問にありましたように、今現在、こばやし峠トンネルに関連して北海道神宮が所有している土地を我々の方で買収したいという申し入れをいたしまして、鋭意、協議を行っているところでございます。北海道神宮の方は、このこばやし峠以外に、その用地、土地に関する案件というか、札幌市と解決をしたい課題というものを幾つか提示されております。それは、建設局だけで解決できる事柄ではございませんので、今現在、そういった課題を所掌しております環境局、観光文化局等の部局と連携を図りながら、鋭意、早期に用地を買収できるよう協議を進めているところでございます。
◆松浦忠 委員 それでは、中身については後でまたちょっと触れることにして、きょうは、みどりの施設担当部長の北原さんにご出席いただいておりますから、北原部長にお尋ねしますけれども、いわゆる札幌市が所有する円山公園の敷地で、神宮の土地を一部借りているところがあります。これは、いつ、どういう形で札幌市がわかったのか。いつ、札幌市が借りているということがわかったのか。
それから、借りるに当たっては、普通、口頭契約だとか文書契約だとかいろいろあると思うのですが、そういう貸借関係の方法はどうなっているのか、この2点についてお尋ねします。
◎北原 環境局みどりの施設担当部長 円山公園と神宮の間の土地の問題についてのご質問に私からお答えいたします。
円山公園と神宮の間の土地の貸し借りについてですが、これは、どのような段階で私どもが知ったかということですけれども、先ほどのやりとりの中で出ましたこばやし峠の道路事業、こちらで神宮との間の土地のやりとりが必要ということで、過去の経緯をいろいろ調べる中で、古い契約書等が出てきて私どもの知るところになったもので、私どもは詳細を把握していなかった事柄でございます。昨年度の出来事で、昨年度、私どもが知ることになったものでございます。
ちなみに、私ども札幌市が北海道神宮から無償でお借りしている土地の契約書がございまして、これも、その昨年度の調査の中で発見したものでございます。昭和29年8月1日の契約で、当時の札幌市の高田市長と神宮の宮司の間での契約になっております。場所といたしましては、市道円山線沿いで、円山球場がございますが、そちらの方との間の道路寄りの土地、約5,000平米余り、これを札幌市が無償で借りているという契約書が昨年度出てきたところでございます。
◆松浦忠 委員 私は、この契約書の写しをもらったのですが、高田市長と当時札幌神社の石井昌胤宮司さんとの間で交わされた契約書であります。これには、地番も、坪数も1,722坪3合8尺ということできちんと入っております。
そこで、もう一つ、今度は、札幌市の所有地をずっと神宮が使っている。どこかといったら、球場に行くところ、動物園に行くところの道路の右側に神宮の駐車場があります。ちょうどその駐車場になっている敷地の道路側に面したところ、私が行って神宮側から聞いたのでは、入り口側は、全部、札幌市の土地なのですね。この土地について、札幌市はそういう土地が神宮に無断で使われていることについて、いつ認識されたか、お答えいただきたいと思います。
○芦原進 委員長 建設局と何かかわりがありますか。(「あります」と呼ぶ者あり)
あるそうです。
◎北原 環境局みどりの施設担当部長 神宮の東側の駐車場についてですけれども、この土地の底地は、これは後ほど調べた結果ですが、札幌市の公園用地と道路でお持ちの土地の両方にまたがっているようだということがわかったのは、昨年度のことでございます。
◆松浦忠 委員 そこで、私がこの現地調査をしたときに神宮側に立ち会ってもらいました。私は、神宮側に聞いたのですよ。この土地が札幌市の土地だということをずっと前からわかっていたかと聞いたら、もう引き継ぎも受けて、神宮側は前からわかっていましたと、こう言うのです。神宮側はわかっていたと言うのですよ、入り口は。
そこで、ここは、札幌市の公園にしても、あるいは、宗教法人の神宮の土地にしても、いわゆる固定資産税の課税対象外のところですから、調査は後回しになるというのは、それはそれで合理性があるなと私は思っているのです。ただ、この問題は、こばやし峠の用地買収に絡んで折衝したときに、神宮側から既にもう最初から出ている話なのですよ。
私がここでなぜ取り上げたかといったら、民であれ官であれ、法に基づく権利関係だけはお互いにはっきりしておいた方がいいなと思って取り上げたのです。一つは、最初の契約書のあるものについては、どちらからも何もなければ、ずっと10年ごとに更新して延長して引き継ぎますよと、こういう内容になっていますから、いまだにこれが生きているから、これは、札幌市がこの土地を神宮側から借りていることについて、神宮は、所有権はずっと継続して時効喪失にならない。札幌市も時効取得ができない。ところが、神宮の使っている土地については、札幌市は去年わかったのですね。神宮はわかって使っていたと言うのですよ。わかって使っていたということは、民法上、やがて、法の定めるところによって請求して、法的に措置をとって無償で取得しますよという意思表示をしたら、それはそうなっていくものなのですよ。
したがって、今後、この土地の取り扱いについて、市側がそういう認識の上に立って神宮側ときちんと話し合いをしていくべきだと私は思うのですけれども、北原部長、いかがですか。
◎北原 環境局みどりの施設担当部長 今お話があった件ですが、円山公園自体、公園として開設してもう102年を迎える古い公園です。もともと開拓使が設けた養樹園という土地を、払い下げを受けて札幌市の公園になってきた経過がございます。そんな中で、神宮との間でいろいろな用地の未整理の問題があることがはっきりしてまいりましたので、私どもは、神宮との間では、そういった課題があるという共通認識のもとでお話し合いをしているところでございます。引き続き、建設局とも協議をしながら、解決に向けて真摯に対応してまいりたいと考えております。
◆松浦忠 委員 これは、市長は法律家ですからよくおわかりだと思うのですが、実は、この問題は、盤渓地区の水道問題、バス問題で私と堀川議員がかかわって、もう5年来、何とか解決しようとやっております。その中で、その水道を入れるのに、神宮の土地の中に道路がある、それを何とかという話の中からこういう話が出てきたのです。私は、実は、この話は、トンネル工事にも盤渓の会館が支障するから、何とか、来年の3月までに支障移転してほしいということで、移転補償費も市との間で決まった、それから、
市民まちづくり局の方では建てかえの補助金も決まった。こういう中で、たまたま幌見峠から通っている市道は底地が未処理だと。その道路の横に会館を新しく建てるとなったら、会館に管理人がいるものですから、水道が入らなかったら移転しても管理人が移ることができないということからいまだに移転の建物を建てられないでいる、こういう状況です。
私は、何とかその問題だけはひとつと言ったのですが、それもこれも含めてだ、こう言うのです。神宮は、基本的に何を希望しているのかといったら、こばやし峠のトンネルのところの用地なども含めて、今の本殿のところの土地の境界がはっきりしない、そこの中で整理するときに、それもこれも含めて等価交換でできないかなということを一番先に私に言っていたのですよ。それは市と話してみなさいと。市側は何と答えたかといったら、それについては、そっちとこっちは等価交換できない、こう答えたというのです。
そこで、用地担当部の方に質問します。
こばやし峠のトンネルのところの買収しようとするその土地と、神宮のところの今整理を進めようとしている市側の公園用地と等価交換ができるのか、できないのか、この点についてお答えください。
◎浦田 土木部長 今ご質問のございましたこばやし峠の土地と神宮本殿の駐車場の用地を等価交換できないかというお話でございますが、私どもとしては、あくまで、こばやし峠の土地については買収をさせていただきたいと。平米数としては1,500平米ほど、今の時価で換算して600万円ぐらいの土地でございます。実際に、その駐車場の土地については、今これから測量を行いますので、正確な面積というのは出ませんが、単価も相当違いますし、面積も相当違うということで、単純に等価で交換するのは今のところは難しいかなと。
ただ、神宮と札幌市の間でその土地に関連していろいろ課題があるということは、先ほどの北原部長の答弁にもございましたが、結果的には今回の件であぶり出されたという部分もございますので、これについては、きちんと整理していきたい、その上でこばやし峠に関連する土地は買収させていただきたいというのが基本的なスタンスでございます。
◆松浦忠 委員 私は、用地担当部長に聞いているのですよ。等価交換ができるのか、できないのかと聞いているのですよ。
なぜ、私がこの質問をしているのかといったら、制度が変わる前は、国の方で、きちっと、公共用地を取得する場合の等価交換も、土地の値段がこのぐらいの範囲までのものだとか、あるいは、市街化区域は市街化区域同士だとか、そういう一定の基準があったのですよ。それが、今、変わりましたね、公共用地の補償をどこでどういうふうに決めているのか。そこのところから、変わったことを含めて示してください。できるのか、できないのか。
◎山内 用地担当部長 今、松浦委員からお話がありましたことについては、価格の問題、等価交換ということがなかなか困難だということで私どもの方でお答えしたのですけれども、一定の価格差というのがございまして、個別の案件は、私は詳しく承知しておりませんが、報告を受けている中身によりますと、その基準には合致しない、それぐらい開きがあるというふうに聞いております。
◆松浦忠 委員 私が聞いているのは、どこでそういう基準を決めているのかと。法律では決まっていないのですから、政令も省令もないのですから、そういう公共用地のいわゆる等価交換だとか買収、そういったものの補償、そういったものの基準はどこで、どこで、どういうふうに、何に基づいて決められているのか、明らかにしてくださいと言っているのですよ。
◎山内 用地担当部長 補償の関係につきましては、用対連の補償基準ということで決めております。あと、交換の関係につきましては、たしか条例、規則で、規則だったと思いますけれども、具体的なその規定がございます。それについては、交換の対応する価格に一定以上の開きがある場合についてはなかなか難しいということで、私どもで判断しているところでございます。
◆松浦忠 委員 用対連というのは、私も用対連という言葉だけを聞いて、それがどういう団体なのか、どういうことを意味するのか、用対連という言葉だけでは私はちょっと判断できない。用対連というのは、どういう団体で、どういう構成をしていて、法的にどういう根拠がある団体なのか、明らかにしてください。
◎山内 用地担当部長 用地対策連絡協議会と申しまして、用地買収に関係しております各団体、公共機関が中心ですけれども、用地買収に関する損失補償基準等をそこで協議し、連絡調整する機関であります。そこで決められた基準が一般的な基準ということになってございます。
◆松浦忠 委員 私が聞いているのは、構成団体はどういう団体ですかと聞いているのですよ。具体的に固有名詞を挙げて言ってください。
◎山内 用地担当部長 北海道の用地対策連絡協議会は、開発局、道、札幌市、あるいは関係の市町村でございます。
◆松浦忠 委員 私が調べているのでは、例えば北電なんかもその中に入るのですね、民間では。したがって、それは、別に法的拘束力のあるものでも何でもありません。憲法第29条で認められている個人の財産保有権、これを売ってもらうということになったら、国であれ、都道府県であれ、市町村であれ、それは、買う側が相手の条件を十分に聞いて折り合いをつけていく、その折り合いのつかなかったものについて、公共的なものについては土地収用法で収用委員会にかけて諮っていく。こういうことであって、個別の案件で相手が求めたときに、価格の差が余り開いていたらなぜだめなのですか。その理由を示してください。
◎山内 用地担当部長 価格差につきましては、今ちょっと手元に資料がないのでわからないのですけれども、具体的な基準が一応ありまして、これについては後ほどご説明に上がりたいと思います。
◆松浦忠 委員 私がここで何を言うかといったら、いわゆる任意で――いいですか、あくまでもこれは任意なのですよ。北海道におけるそれぞれのブロック別に、全国のですよ、幾つかのブロックに分けて、ブロック別に、いわゆる官公庁、それに公共的な仕事をしている団体、こういうものが集まって申し合わせをしているにすぎないのですよ、これは。したがってですね、あくまでも、そういうように相手から土地の権利を譲り渡していただくというときには、やはり、相手からできるだけのことを聞いて、その中で合意していく、これが当たり前のことなのですよ。
したがって、価格差があってなんていうのは全く話にならない。等面積交換で、面積、例えば1坪と1,000坪ぐらいだって、ここ1坪と交換といっても、ここだけ1坪上げるというのも合理性がないからという話なら、相手との話で納得してもらえばいいし、そうでなければ、価格差の問題というのは、相手がそれで求めたらそれに応じなければだめなのですよ。
そういうようなことなので、その点について、今、持ち合わせていないということですから、これは、後ほどまた具体的に話を詰めたいと思いますけれども、そのことは指摘しておきます。
○芦原進 委員長 今のことは指摘で結構ですか。
◆松浦忠 委員 (続)はい。
最後に、私は、再三ですけれども、いいですか、特に神宮が使っている駐車場用地については、神宮の方には去年までずっと意識があったけれども、札幌市の方にはないわけです。したがって、民事裁判を起こされたら、神宮側が、うちはある時期が来たら法的に争ってでも神宮のものにしようとずっと思っていたと、こう言って訴訟を起こされたら、100%、神宮のものになるのです。したがって、そういうことをきちっと認識した上で、礼を失しないように、そして、特に相手の意見について十二分に聞く中でこの問題に対処することを私は求めておきます。それが当たり前のことですから。これは、求めておきます。
次に、除雪の関係であります。
まず、一つ確認したいのは、ことしの1月からの雪で、幹線道路、バス路線、これがいわゆる1.5車線除排雪ということで相当バスがおくれました、朝の通勤のバス。これについては、1定のときに、私はこの4車線、幹線道路については除排雪を強く求めたら、市長の方では、バスがおくれないようにそういう方法で対応するという答弁をされたわけですけれども、ことし迎える冬のバス路線について、4車線は完全に除排雪をして、バスのおくれがないように、定期運行ができるように対応するのかどうか、改めて確認しますので、お答えいただきたいと思います。
次に、市が貸与しているタイヤショベルあるいはロータリー、こういった機械の活用についてであります。
この機械については、実際に貸与期間中の稼働時間というのは極めて短いです。そこで、私は2定のときにもこれを指摘しましたし、1定でも指摘しましたが、除雪センターには苦情処理で事務所に配置になっている会社の方々がいらっしゃいますけれども、天気が続くと苦情の電話は極めて少ないです。そういうことから、ここにロータリーなり、あるいはタイヤショベルを運転できる人たちを配置して、そういうときには、交差点除雪だとか、あるいは、生活道路の1車線のところは一定間隔で交差できるような拡幅などを行うようにすべきだと求めていたのですが、これについて今冬はどう対応されるのか、お尋ねします。
それから、3点目は、雪たい積場です。
雪たい積場は、去年も不足でした。そこで、箇所数は、去年は何カ所で、ことしは去年と比べてそれよりもふえたのか、減ったのか、この点について。とりわけ、その中で、白石区はたい積場所がなくて大変困っているけれども、その問題はどういうふうに解消しようとしているのか、お尋ねします。
それから、民間の空き地の活用ということを市長は雪対策の方針で言われておりますけれども、実態として、民間の小規模空き地の活用というのは余り行われていません。
そこで、民間の土地を活用するに当たって、だれが借りる交渉をするのか。今までは、そういう交渉を具体的に行って、何カ所か何十カ所かわかりませんけれども、平成22年度で借りたところがあったか、ないか。例えば、私は有朋高校の跡なんかを指摘して、道と話して、理事者側に話してやってもらったこともあったけれども、そういうことについてだれがどうやってするのか。この点について、去年までは具体的にはやっていません、これは。そこで、ことし、その取り組みを方針として出すのかどうか、これについてお尋ねします。
それから次に、市の認可私立保育園、文書質問でも出しましたけれども、これが4カ所ありまして、道路が8メートル以下で除排雪がされておりません。保育園ですから、この4カ所については、ぜひ今冬から除排雪をしていただきたいということを求めたいのですが、以上について、除雪の関係でお答えください。
◎高松 雪対策室長 ただいま5点の質問があったかと思います。
まず、1点目のバス路線の関係でございます。
委員ご承知のように、札幌市では、幹線道路の排雪量の抑制というふうな取り組みを行っているところでございますけれども、片側2車線の道路につきましては、従来と同様、片側2車線の幅員で排雪を行っているところでございます。ただ、冬期間、札幌市は6メートルの降雪がありまして、常に夏と同様の幅員を確保することは困難であるというふうに考えておりまして、冬のみちづくりプランでも4車線道路につきましては一番狭くなっても3車線以上は確保するのだという目標を立ててございます。したがいまして、排雪後に降雪があって狭くなった場合は3車線を確保するということでございますけれども、そのようなものは、拡幅作業などを行いながら、バスの定時性等を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
それから、2点目の除雪センター職員の有効活用についてお答えさせていただきます。
これは、7月にも委員から調査依頼がございまして、調査を行ってまいりました。その結果、昨年度は32地区のマルチゾーンがございましたが、5地区で当番者が状況によって日中に作業を行っております。また、大型特殊自動車免許を取得している者を当番として配置していないセンターにおきましては、パトロールに基づき、日中必要となる作業を実施しておりまして、特段の支障は出ていないというふうに判断しているところでございます。
このように、日中の作業については各企業体ごとで状況が異なるようなところでございますけれども、現在実施している5地区の対応、それから、それ以外の地区の実情についても今後とも継続的に調査を行いまして、より効果的な対応になるよう検討してまいりたいというふうに考えております。
続きまして、たい積場の話でございます。
雪たい積場につきましては、平成23年度におきましても、例年並みの箇所数、処理量を確保していきたいというふうに考えているところでございます。具体的な箇所数でございますが、昨年度、22年度は、当初計画で67カ所、その後、雪が多かったということで緊急開設をしておりまして、これが4カ所、都合71カ所となったところでございます。今年度につきましては、当初計画で71カ所でございます。
なお、白石区の雪たい積場でございますが、5カ所ということで計画しているところでございます。
次に、民間の空地の関係でございます。
だれが交渉するのかということでございます。我々としても、民間の空地、これは公共も合わせてですが、その土地を活用することは大変重要だというふうに考えております。ただ、現実には、我々だけでその土地を探し当てるということもなかなか困難でございまして、いろいろな情報をもとに、空地があるということになりますと、区土木部が中心になって現地調査をし、必要に応じて交渉を行うというふうな段取りとしているところでございます。
それから、民間保育園の前面道路の未除雪ということでございます。
これは、私道路に限ってということでございますけれども、私道に関しましては、建築基準法第42条で、道の位置の指定を受けた私道、いわゆる指定道路の維持管理につきまして、その指定条件として、道の位置の指定を受けた土地の維持管理は申請者及び関係権利者において行うことというふうになっているところでございます。
しかしながら、地域からの要望があること、かつ、不特定多数の往来があって、その通行に著しく支障を来す場合で、かきわけた雪をたい積するスペースがあれば臨機な対応も可能であるというふうに考えておりますので、各区土木部で現地の状況などを確認して判断していきたい、このように考えているところでございます。
○芦原進 委員長 松浦委員に委員長からのお願いですが、1時間15分を過ぎました。できるだけスピードアップしてご質問をいただきたいと思います。お願いします。
◆松浦忠 委員 そこで、ことしの1定だとか、あるいは2定のときに私が申し上げて、市長は、4車線についてはそういう方向でという答弁のはずなのですよ。今聞いたら、やっぱり1.5車線なのですよ。私は、バス路線の通勤・通学の定時運行は――バスも冬ダイヤにするわけですから。したがって、これをできるだけ確保するということは、やっぱり道路管理者として必要なことなのですね。
最初、札幌市が除雪を始めて、だんだんとやってきた中で、4車線をきちっと確保するということをやっていたのですよ。結局、何でバス路線が3車線だなんていうことになってきたかといったら、どうやってお金をかけないで、お金を減らしていくかと、お金との中でこういうことが出てきたのですよ。しかし、私は、お金との中でだったら、この4車線をあけることについて、確保することについて幾らかかるのか、そのぐらいの金はこういうところでという話もしたいですが、今、委員長が手短にということですから、それはしませんけれども、これは、やっぱり、ぜひやってください。それは、みんな、労働時間もそれだけむだになるし、さらに、バスのディーゼル車、有害ガスを発生するディーゼル車、こういうバスなどが多くて、天然ガスなんていうのは少ないわけですから、そうすると環境にも悪いと。こういうことから、これは、ぜひ4車線をきちんとあけてもらうようにやっていただくことを、ここは、後ほどまたすることにして、求めておきます。
それから、たい積場を少なくする、経費を節減する、運搬するものを少なくするという大命題のもとに流雪溝が多くつくられたのですけれども、かなりのお金をかけて。例えば、白石なんかは北13条通に約20億円のお金をかけてつくったけれども、つくって以来この方、もう10数年になるけれども、ただの一回も、まともに流雪溝に雪を投げて4車線があいたことがないのです。ピアノのけん盤の白黒のような状態になっているのです。これはなぜかといったら、その町内会の協議会が対応し切れませんということなのですよ、はっきり言うと。対応し切れないものに20億円もかけて、一方で、一冬に1回除雪して500万円だと言うのですよ。2回排雪しても1,000万円ですよ、これ。そしたら、20億円の金をかけたら何ぼできるかと。当然、こういう計算もした上でやったと思うのだけれども、やっぱり、こういうところは、白石ばかりではなくて、高齢化とともにほかにもあると思うのですよ。白石は最初からですから。なぜかといったら、つくったときに、事前に全く町内会に相談なく、市長が決めてやった。そこからこの問題がずっとあって、今は年齢的なこともあって、これはもう完全実施は不可能と、こういう状況に至っているわけですよ。
こういう問題について、市として、ピアノのけん盤状況を今冬はどういうふうに対処しようと考えているのか。ほかにもあると思うのですけれども、それについてお答えください。
◎高松 雪対策室長 流雪溝についてお答えいたします。
流雪溝につきましては、降雪の都度、雪を処理していただくと良好な状態になるわけでございますけれども、例えば、降雪後、1度、2度と処理を放置しますと、雪がかたく凍った塊となって処理が難しくなるというふうな状況になります。このため、これまで流雪溝の利用促進に向けた啓発活動をやってきたのですけれども、今年度は、市が雪山を崩してそれを住民が投雪する、例えば、名づけて除雪の日というものを設けまして、住民と市との協働による取り組みを行うことも考えていきたいというふうに考えております。
今後も、このような協働による取り組みを進めるとともに、多くの住民の皆さんの参加を促すための方策について、例えば、委員がおっしゃっている北郷流雪溝、それから、その他の流雪溝には必ず管理運営協議会というものがございますので、そちらとの連携を密にしながら取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 これは、今、室長はそういうことを言われたのだけれども、北郷通というのは、ご存じのように4車線ですね。幹線道路です。私もずっとこの1月、2月、3月を毎日のように巡回してみたのですよ。雪が降ったら、道路に面した家があって、そこに住んでいる人はかなりの人が出てやってくれているのです。ところが、人が住んでいない空き家があるのです。それから、会社があるのです。こういうところは全くできないわけですよ。協議会では、みんながお金を出し合って、あるところに委託して、日中にその委託された人がぼちぼちとやっているのだけれども、問題は朝のバスや自動車が走る通勤のときに間に合わないわけですよ。ずっと放置されているのです、本当にずうっとと言っていいぐらいの間で。去年は、見るに見かねて、白石区土木センターの係長たちが総出で、何回かスコップやママさんダンプを持って行って雪投げしました、見ていたら。そういうことは年に何回かはできるかもしれないけれども、やっぱり、一冬を通してとなったらそうはいきません。例えば、市の方で除雪業者と契約して、降ったらこの流雪溝の中に入れるような方法をとるとか、何かそういう根本的なことをしなかったらこれは解決できないと思うので、ぜひ、その方向で現地と相談して取り組んでいただきたいということを求めておきます。
最後に、土木センターにかかわる問題ですけれども、民間から借り上げたものを含めて、それぞれ10区の土木センターに公用車が配置されております。3台配置されています。それらの公用車を運転するのに、運転職として臨時職員がそれぞれ配置されております。どういう実態が起きているかといったら、この臨時職員が休暇をとる、あるいは病欠をするといったときに公用車が動かないのです、運転する人がいないから。そういうことについて、10区でどういう実態が生じているか、掌握されていたら、その実態を示していただきたいと思います。
◎木村 総務部長 今お話のございました臨時職員の件でございますけれども、詳細には掌握しておりませんけれども、臨時職員が休暇をとっていることについては把握をしております。
◆松浦忠 委員 私はここで何を申し上げるかといったら、以前からも指摘しているのですが、水道局は、石原弘之さんが管理者のときに、現業職を全部廃止するということで、そのときに、あわせて、職員以外のいわゆる運転職あるいは臨時職員による車の運転ということをやめて、必要な職員みずからが車を運転していくことにしたのですよ。したがって、私は、土木センターについても、必要な職員が車を運転して業務に当たるということは当然のことだと思うので、それを求めているのだけれども、それは、どのように検討し、いつから実施しようと考えているのか、あるいは、そんなことは検討してないのか、お答えください。
◎木村 総務部長 今ご指摘がございましたとおり、土木センターにおきましても、公用車の職員運転に関して検討していくことが必要な課題だと考えておりますので、今後、進めてまいりたいと思っております。
◆松浦忠 委員 当然、労働条件の変更になりますから、今、労働組合と交渉しているのですか、していないのですか。
◎木村 総務部長 今後、検討していくということでございます。(「いや、交渉しているのか、いないのか」と呼ぶ者あり)
正式には、そういう交渉等は行っておりません。
◆松浦忠 委員 これは、私は少なくとも新年度から実施すべきだと思うのですよ。この程度のことを、金がない、金がないと市長はいろいろなところを削減していくということでやっている。それはそれで私はいいと思うのだけれども、一方では、こうやって、土木センターでは車の運転は運転手が専門だ、そして、その運転手が休んだら民間から借り入れしているその公用車が動かない。こういう実態にありながら、一方では、金がないからあれもやめた、これもやめた、これも値上げする、あれも値上げすると、私はこんな話にはなっていかないと思うのですよ。
これについては、市長、もう既に水道局でやっているわけですからね、10数年前に。したがって、来春から、この土木センターについても、通常、職員が1人で運転していってきちっと果たしてこられる業務内容については、職員が運転していくように勤務条件を変更すべきだというふうに思いますけれども、市長、いかがでしょう。
◎上田 市長 いろいろな場合があるというふうに思いますが、最も効率的にやる、あるいは、経費的にも効率化を図ることは非常に大事なことだというふうに思います。何人かを乗せて現場にどんどんと落としていくといいますか、そういう場合には必要なこともあるでしょう。本当に、1人で行って用が済む、しかも、駐車場は用意されているという場所の場合には、自分で運転した方がよろしいかというふうにも思います。いろいろな場合を考え合わせて最も合理的な方法を、経費節減、市民の税金を使って仕事をさせていただいているわけでありますから、それは我々理事者としても十分に考えなければならないことだ、こんなふうに考えます。
◆松浦忠 委員 市長、やっぱり、基本的に運転して業務に当たると。そして、今、市長の言われたことは私もわかるのですよ。当然、駐車禁止のところに行けば、その場合は運転者がついていくということはわかるのです。その場合、土木センターも、職員は3人や5人でありませんから、かなりの人数がいるわけですから、そうすると、それぞれ業務の予定を立てて、そういう中で職員が運転に当たるものは当たるとか、いろいろやりくりをしながらできるものだと私は思っているのですよ。
それから、もう一つは、当初、現業の人を各区平均10名で100名ぐらい、除排雪、それから夏の補修を民間委託したときに現業職を100名前後残したのですよ。若干、欠員が出て、再任用枠もありますけれども、現在、それはそれで埋まっています。そういうような現業職の人たちの活用などによって、私は、それは十分にカバーできていくと思うのです。パトロール車は、毎日毎日、道路をパトロールしていますけれども、それは毎日でなくても、そういうときにはパトロールをやめてそういう任に当たるとか、いろいろ運用はあると思うのです。
ぜひ、新年度からそれがきちっと当たり前にやれるように、水道局と同じように、土木センターの職員の皆さんも運転業務に当たるのが原則というふうに変えていただくことを市長に求めて、終わります。
○芦原進 委員長 ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後0時2分
再 開 午後1時5分
――――――――――――――
○芦原進 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆伴良隆 委員 私は、北区の屯田町と東茨戸を結ぶ延長約4.5キロメートルの道路を新たに整備する事業に関連して質問いたします。
屯田・茨戸通は、第4次札幌市長期総合計画において札幌圏連携道路として位置づけられている主要道道札幌北広島環状線の一区間でありまして、道央都市圏の都市交通マスタープランに沿った2高速3連携2環状13放射道路のうちの札幌圏連携道路の最後の未整備区間の一つであります。南は西区、手稲区より始まり、北に港湾と工業地帯を抱える石狩、東に江別、南に北広島、恵庭、千歳を結ぶ高速道を囲む骨格道路網であります。住宅地の幹線道路の安全性や、都心部の乗り入れ混雑を緩和する重要な役割を担うことが期待される道路でもございます。さらに、北海道の中核都市である札幌が隣接都市と一体的にバランスのとれた発展をしていくためには欠かせない連携道路になると考えられています。
そこで、まず伺いますが、現在の事業の進捗事業についてご説明いただきたいと思います。
◎浦田 土木部長 屯田・茨戸通の整備の進捗状況についてお答えいたします。
屯田・茨戸通は、延長が約4.5キロと比較的長いことから、全体を西茨戸、屯田東、屯田西の三つの区間に分けて事業を進めてまいりたいと考えております。平成22年度には、事業全体の概要やその進め方について地元説明会を開催し、一定のご理解が得られたことから、同年に調査測量に着手いたしました。当初は、平成22年度から24年度までの3年間で全区間の調査測量を行う予定でありましたが、地元の方々のご協力もあり、当初の予定より1年早く今年度中に全区間の調査測量を完了する予定となっております。これを受けまして、三つの区間のうち最も東側の西茨戸区間において、今年度、調査測量の次の段階となる道路予備設計に着手したところでございます。
◆伴良隆 委員 状況はわかりました。
しかし、納得しているわけではございません。本事業の環境影響評価は平成18年3月27日の公告であり、都市計画決定は平成18年3月31日でございました。平成18年以降、それ以前にも我が会派の大先輩である小谷俵藏前市議のご苦労はもとより、何度かにわたり、地元住民団体から早期整備を望む陳情書や要望が、上田市長を初め、札幌市担当部局に出されています。ところが、調査測量は平成22年度から始まっておりまして、実質、4年間の空白期間を置いている、つまりおくれてしまっている現状であります。
本市まちづくりの基本となる第4次札幌市長期総合計画の計画期間は、平成12年度から平成31年度とございます。いわゆる4次長総の目標年次が平成32年とありますから、本事業の道路工事終了は平成31年度には完了されているべきであります。ところが、本事業の想定スケジュールでは、最終工区の工事終了年度が平成37年度となっています。そもそもここに矛盾がありまして、本来の目標年度である平成31年に目標を据えるべきであるということは言うまでもないことであります。
またさらに、コスト削減、工期短縮はもとより、環境保全や長寿命化を考えた最適な対策工を柔軟に選択していかなければなりません。今がまさに本格的な整備に向けた準備段階だからこそ、今のうちにさまざまな懸案事項を挙げて、本事業のあり方を見出しておかなければなりません。
そこで、伺いますが、今後は当該事業をどのように進めていくのか、改めて確認したいのでご説明いただきたいと思います。
◎浦田 土木部長 整備事業の今後の予定についてお答えいたします。
来年度早々に都市計画事業としての事業認可を受け、用地確定測量を実施する段階から国費を投入してまいりたいというふうに考えております。その後、用地買収や埋蔵文化財調査などを経て道路工事へと、各段階それぞれで2年から3年程度の期間を見込みながら整備に向けて本格的に事業を進めていく予定でございます。さらに、三つの区間の各段階の事業期間を重複させながら全体の事業期間の短縮を図るべく、連続的かつ効率的に進めてまいりたいと考えております。
事業の具体的な進め方といたしましては、起点部が市街地に位置し、国道231号と整備済みの都市計画道路である新琴似通に接続する西茨戸区間から順次整備を進めることで、早期に事業効果を発現してまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 今、部長から重複という言葉がございました。非常に大事な言葉なのです。重複ということの概念をしっかりと精査していただきたいと思います。
今のご答弁は、あくまでも計画ということでございますから、本来、あるべき目標年度を念頭に、今の計画は本来どうあるべきなのか、よく確かめていただきたいと思います。来年から国費の投入ということでありますれば、より一層、慎重かつ効率的に事業を進めていただきたいと思います。
ところで、環境影響評価実施は、平成15年度から平成17年度の3年間をかけてじっくりと行われています。この路線は、市街地や畑あるいは防風林など、さまざまな土地利用のある地域を横断する路線であります。路線の延長が長いため、各区間の周辺環境はさまざまなので、環境影響評価のとおり、道路の存在が人と環境に優しい実施設計が必要であります。ハード面でのバリアフリー、つまり、段差の解消、勾配の改善、信号機のあり方など、安全性、利便性について今のうちにしっかりと検討されたいと思います。今後の高齢者の生活にとって、地域コミュニティーはとても大切になってきており、住民同士が行き来しやすい道づくりはその最たるものであります。さらに、騒音対策はもとより、景観を考えたまちづくりの一環として、地域環境に十分に配慮した道路としてその役割を遺憾なく発揮してほしいと思います。四方を川と林に囲まれた水や緑が豊かなこのまちを、いかに生かし、住みやすいまちにしていくか、このことが地元のまちづくりの大きなテーマの一つであります。そのためにも、設計段階で地域住民の要望を的確に把握し、住民が公共の利益という名のもとに公共の犠牲にならないようにお願いしたいと思います。
そこで、伺いますが、平成17年度に環境影響評価を実施し、その中で、道路交通騒音や動植物保護等の課題が出されていますけれども、これから行う検討作業によって事業全体のスケジュールがおくれることはないのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎浦田 土木部長 環境影響評価の検討作業と事業スケジュールの関連についてお答えいたします。
本整備事業は、札幌市が行う公共事業として、初めて札幌市環境影響評価条例の対象となった事業でございます。この環境影響評価におきましては、工事の実施時及び供用後に周辺環境へ及ぼす影響として、委員ご指摘のとおり、住宅地における道路交通騒音や、防風林近傍における動植物保護等、幾つかの課題について審議をされております。今後は、その結果に基づいて具体的な検討を行っていくこととなります。このうち、道路交通騒音に対しましては、これから行う道路詳細設計の中で検討を行い、早期にその工法を決定してまいりたいと考えております。動植物保護の対策につきましては、環境影響評価から時間が経っておりますので、工事の着手前にもう一度調査を行った上で、その結果を踏まえて対応していく所存でございます。
事業全体のスケジュールに影響を及ぼさないようにするためにも、以上のような対策の検討は、来年度から測量や設計といった作業と並行して効率的に進めてまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 効率的というお言葉をいただきました。本当にありがとうございます。ご答弁のとおりでありましたら、当該の環境影響評価への対策づくりが本事業をおくらせることはないと確認することができました。
では、次に、同じく本事業をおくらせる要素を私から指摘したいと思います。
古来から、河川や海の近くは、人が住み、生活をする場所として成り立ちやすい場所であります。屯田・茨戸通の近くにある発寒川遊水地の造成の際には、埋蔵文化財の調査に長い時間を要した模様であります。屯田・茨戸通は、発寒川に沿ってその計画が行われており、埋蔵文化財調査はかなり大がかりになると見られています。これから出土してくる文化財を念頭に、当時の北方圏の文化を伝承する基地として地域一帯が成り立つことに対して、北区ヴィジョン21で提案され、小谷前市議の平成11年3定での質問以降、本市で検討された当時の開墾の森構想もありましたので、地域住民としては非常に興味があるところであります。さらには、周囲に広がるグリーンベルトや豊かな自然環境を守るために、平地に広がる貴重な森の一帯を自然公園とすることを提案したいと思います。よって、市で検討されている次世代型自然博物館をつくる計画は、まさに、この道路がつくるまちづくりの一環として行われることを私は期待したいと思います。
ところが、当該事業における埋蔵文化財調査によって、道路工事着手にはかなりの遅延が見込まれると言っていいと思います。現時点では、既に屯田東、屯田西工区でそれぞれ埋蔵文化財包蔵地が見つかっています。であれば、西茨戸工区を含めた3工区で、埋蔵文化財調査による遅延を見据えた一番効率的な作業順序を検討されるべきではないかと考えております。これ以上、完成時期をおくらせることはあってはならず、むしろ6年前倒しして完成されるのが当初の計画でありましたので、当然、何らかの工夫が必要になります。
そこで、伺いますが、屯田・茨戸通の予定地には埋蔵文化財の包蔵地が分布していますけれども、埋蔵文化財の調査はどのような手順となりますか。また、埋蔵文化財の調査には、長い時間を要すると思いますが、屯田・茨戸通の事業を順調に進めていくためにはどのような工夫があるのか、早期完成へのご配慮のほどをお聞かせ願いたいと思います。
◎浦田 土木部長 埋蔵文化財の調査についてお答えいたします。
埋蔵文化財の調査の手順についてでございますが、文化財保護を所管している観光文化局と協議を行って調査方法を決めることとなりますけれども、一般的には、深さ2メートル程度の試掘溝を掘って埋蔵文化財の有無等を確認するため試掘調査をまず実施いたします。この調査の結果、埋蔵文化財が確認された場合は、本格的に発掘調査を実施することとなります。発掘調査を行うに至った場合には、委員のご質問にもございましたが、長い時間を要することが想定されます。実際に、他の道路整備におきましても、埋蔵文化財の発掘調査のために、数年間、事業がおくれた事例もございます。したがって、私有地の埋蔵文化財包蔵地など、埋蔵文化財が確認される可能性の極めて高い箇所については、可能な限り、早期に用地買収を行った上で早目に調査を進めるなどして、できるだけ全体工程に影響がないよう配慮してまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 ありがとうございます。重複という言葉もありましたし、この事業は柔軟に対応していただきたいというふうに思います。この3工区は、1区が進められているというだけではなくて、それぞれ今ご答弁があったとおり、柔軟に対応していただきたい、このように思っております。
最後に、要望でありますが、まず、4次長総の交通体系整備目標の平成32年こそが、その計画に基づいた札幌北広島環状線整備事業の完成目標であったときちんと認識していただきたいと思います。住民は、皆、高齢者で、体調もよくなく、残された余生を考えると、この道路計画のことが心配で、いても立ってもいられないという状況だそうであります。立ち退き対象になる予定の方々は、皆、ご老体ですが、道路ができても、やはりこのふるさとの土の上に住んでいたいという思いが大変強いということであります。だからこそ、計画の検討段階である今のうちに地域住民の皆さん方と意思疎通を図り、住民との調和が後手にならないようにお願いしたいと思います。地権者や立ち退きになる方々を含め、皆、今後の市の動向を注視しており、僣越ながら、この私に期待して、私がその方々の代弁者となっている現実がございます。どうか、早期に工事が完了し、また、安心して住める環境を早く実現してほしいのであります。
さらに、地元住民として、この道路が、運搬、流通という役割だけでなく、ほかの公共事業と連携し、札幌市の高次都市機能拠点を発展させることにもぜひ貢献してほしいとの願いがございます。よって、オープンスペースとして、自然公園と郷土自然博物館を建立し、この道路がそのネットワークとして活躍することを皆さんとともに考えたいと思っております。このご時勢でありますが、維持管理ばかりが土木部の皆さんの仕事ではありません。土木部の皆さんの技術というものは、札幌市の夢づくりに必要であります。この私も、最長の完成予定が平成37年では、もう落選してしまってこの場にはいないかもしれません。だからこそ、今やっておかなければならないことがあるのです。私の声は地域の声だと思って、しっかり聞いて、しっかり検討していただきたいとあえて申し上げまして、私の質問を終えます。
◆中村たけし 委員 私から、雪対策関係について、大きく2点、冬の市民生活ルールの遵守と今年度の道路維持、除雪業務の発注についてお伺いさせていただきたいと思います。
改めて申し上げるまでもございませんが、札幌市は、多雪寒冷地でありまして、年間平均降雪量が5メートル以上にもなります。そして、昨年度の札幌市の除雪費の決算額は159億1,081万7,172円にも及んでいるところでございます。
まず、1点目に、冬の市民生活ルールの遵守についてお伺いさせていただきます。
今年度も間もなく雪のシーズンを迎えるところでありまして、各家庭や企業において、雪に備えたさまざまな準備を始めているところではないかなと思うところでございます。そうした中で、札幌市では、町内会などを対象としまして、地域と創る冬みち事業を展開しており、ことしの冬の雪対策について話し合う地域懇談会が町内会などで今盛んに開催されているところでございます。
この懇談会では、地域内の冬期間の道路状況に関して問題がある箇所などをマップに落として、それをもとに意見交換を行っておりますが、必ずと言ってよいほど話題に上るのが迷惑駐車の問題であるとお聞きしています。冬期間の迷惑駐車は、除雪の障害となり、苦情につながるだけではなく、夏場のように十分な道路幅員が確保できない状況におきまして、交通安全の面から危険であることは言うまでもないことでございます。
さらに、駐車場の雪などを道路に出して積み上げる行為、いわゆる雪出しの横行も、同様な理由で見過ごせない問題でございます。このため、札幌市では、さまざまな広報媒体を用いまして迷惑駐車や道路への雪出しをしないように啓発活動を展開しているほか、地域においても、町内会や警察と合同で違法駐車車両にステッカーを張るなどの取り組みを行っていることは承知しているところでございます。多雪寒冷な大都市であるここ札幌において、これらは最低限守らなければならない冬の市民生活ルールだと考えています。
そこで、質問ですが、冬の市民生活ルールの遵守に向けた取り組みについて、現時点でどのようになっているのか、お伺いさせていただきます。
◎高松 雪対策室長 冬の市民生活ルールの遵守に向けた取り組みの現状についてお答えいたします。
迷惑駐車や道路への雪出し防止の取り組みといたしましては、まず、地域に根づいたものといたしまして、地域と創る冬みち事業の一環で行っている地域と警察等との合同パトロールでございます。平成18年度の本格実施以来、冬みち事業の実施町内会の増加に伴いまして、合同パトロールに取り組む町内会数も着実にふえているところであります。昨シーズンにおきましては、冬のみちづくりプランで掲げた目標数を上回る222町内会に参画していただいたところでございます。また、広く市民一般への啓発といたしまして、ゆきだるマンというキャラクターを用いたプロジェクトを広報さっぽろやホームページ等とも組み合わせながら展開しておりまして、ルール遵守について、市民が親しみやすく、そして、わかりやすい広報活動を行っているところでございます。
市民への浸透の度合いについてでございますけれども、今年度、第1回の市民アンケートにおきまして、「冬の暮らしに関する広報で聞いたことがあるものは何ですか」というような問いに対しまして、迷惑駐車と道路への雪出しの項目への回答がともに9割となっておりまして、着実に市民にも浸透しているのではないかというふうに考えているところでございます。
◆中村たけし 委員 ただいま、迷惑駐車や道路への雪出しの防止の取り組みについて啓発活動も強化されており、市民に浸透しているというご答弁をいただきました。
しかしながら、結果として最終的に求められるのは実際の路上駐車台数や雪出し件数が減少することでございまして、このことによって地域の冬期道路環境が改善するということが結果として出てくるものでございます。地域から寄せられる声としまして、活動に無関心な常習者は何をやっても効果がないであるとか、ルールを守らない住民には強硬な手段も必要であるという声も少なくないのが現状でございます。
我が会派は、かねてより、市民一人一人が冬の暮らしにおけるルールを守り、マナーを向上させるために、市民・企業・行政の役割分担などを明確にした条例を制定するべきであると提案してきたところでございます。既に、1994年度、札幌市における良好な交通環境を確保するための違法駐車等の防止等に関する条例に、冬期において自動車等を道路上に駐車させるときは除雪作業の支障とならないよう努めなければならない旨が規定されているということは承知していますが、道内や本州において10もの市町で雪に関する条例を既に制定しており、特に、道内の倶知安町の条例には、違反者に対する行政による指導が規定されているところでございます。今後、より一層の取り組みの推進を図るためには、このような条例の制定も有効なのではないかと考えるところです。
そこで、質問ですが、条例の制定も含め、今後、冬の市民生活ルールの遵守の取り組みをどのように進めていくのか、お伺いします。
◎高松 雪対策室長 条例の制定を含めた冬の市民生活ルールの遵守に向けた今後の取り組みについてでありますが、平成21年度に実施した全市的な実態調査によりますと、迷惑駐車は約1万6,000台、道路への雪出しは約4,100カ所あったことが確認されております。そこで、今冬におきましても、同様の実態調査を実施したいというふうに考えておりまして、その結果を地域ごとに比較検討するなど、これまで取り組んできた合同パトロール、それから各種啓発活動の効果について検証してまいりたいというふうに考えております。
したがいまして、今後は、条例の制定につきましても引き続き検討しながら、迷惑駐車や道路への雪出しの減少に向け、より実効性のある強化策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆中村たけし 委員 冬の市民生活ルールの遵守に向けた今後の取り組みについては、現在進めているさまざまな取り組みを検証して、その方向性を条例の制定も含めて決めていくとのことでございました。冬の市民生活ルールの遵守については、私たち市民一人一人の意識を高めていくことが重要と考えています。他都市の条例とその有効性の実態についても、参考として検討を進めていただきたいと思います。
大きな2点目としまして、道路維持除雪業務の発注についてお伺いさせていただきます。
今年度の道路維持除雪業務については、夏冬一体の試行発注を10区23地区で展開するとのことであり、既に入札を終え、業務に着手しているところです。夏場の道路維持と冬の除雪を一体発注する道路維持除雪業務については、安定的な除雪体制の確保に向けた取り組みの一つであり、昨年度の5区での試行や今年度の全地区での試行の状況についてさまざまな角度から検証され、今後も発注形態の見直しが図られていくものだと期待しているところです。
このように安定的な除雪体制の確保に向けた取り組みが進んでいる中、今年度も、適正な履行の確保に向けた主な変更点が雪対策室のホームページで公表されているところです。これらは、一つ目としまして、各地区ごとの入札参加条件については、最低必要機械台数をより実態に即した台数に設定し、必要機種の規格を新たな条件として設定するとともに、入札時の審査と施工時の指導を強化すること、二つ目として、最低制限価格の積算について見直しを図ること、三つ目として、大雪や企業倒産など不測の事態により市民生活への影響が想定される場合については、他の地区や未参入業者からの応援体制を整えるなど、状況に応じた対策を進めることといった取り組みが掲げられています。
そこで、2点お伺いします。
1点目は、最低制限価格の見直しについてです。
ことしの7月1日に、災害・雪対策調査特別委員会がありました。この調査特別委員会の中で、我が会派のふじわら委員が最低制限価格の見直しについて取り上げましたが、おおむね85%前後の水準になる見込みであるとの答弁がございました。今年度の見直しにより、各地区の最低制限価格率は何%程度になったのか、まずお伺いします。
2点目は、大雪時などの応援体制についてです。
昨年度、北区や東区で局地的な大雪があり、市民生活が混乱したことは記憶に新しいところでございますが、この非常事態の対応として、比較的雪の少なかった他の区から応援をいただきました。夏場のゲリラ豪雨が各地で頻発するといったような気象状況を踏まえますと、昨年度のような局地的な大雪については今後も発生する可能性が高いと考えておりまして、それに備えた対策を整えておくことが非常に重要であると考えております。
そこで、大雪時など市民生活への影響が想定される場合、応援体制についてどのような対策を考えているのか、お伺いします。
◎高松 雪対策室長 1点目の最低制限価格率についてでありますけれども、これまで、最低制限価格率を70%の定率として最低制限価格を求めておりましたが、適正な履行の確保を目的とし、本市発注の工事を参考に、各マルチゾーンごとの直接業務費、現場管理費などを積み上げる方式へと見直したところでございます。この際、最低制限価格率につきましては、計算値の小数第1位を切り捨て、整数値とすることとしており、この結果、今年度の最低制限価格率につきましては、86%となったのが5地区、87%となったのが18地区であり、市内全地区を平均いたしますと86.7%となったところであります。
2点目の大雪時などの応援体制についてでありますが、昨年度のような局地的な大雪などの際には、市民生活への影響を最小限にとどめるため、より速やかな対応が重要であるというふうに考えております。このことから、今年度は、道路維持除雪業務の契約約款を見直しまして、局地的な大雪などの非常事態において札幌市が発注者として必要と判断した場合には第三者による応援を可能としたところであります。
また、現在、速やかに応援を導入するため、雪の少ない地区のマルチ企業体や、マルチに参加していない道路維持除雪業の登録業者を活用することについて、関係部局と検討を進めているところでございます。
◆中村たけし 委員 次に、道路維持除雪業務の発注に関して、再度、お伺いします。
今年度の発注に関する主な変更点では、適正な履行確保をしていくためには、入札時の審査のみならず、施工時の指導を強化することがうたわれています。入札参加時に条件を満たしたとしても、実際に施工する際、条件と異なる除雪機械の規格や台数で施工するといったような不適格な業者が落札することも想定され、その際、地域の方々に多大な迷惑をかけることとなりますので、施工段階での厳格なチェックが非常に重要であると考えています。
そこで、質問ですが、適正な履行の確保に必要な除雪機械の規格や台数などについて、施工段階での確認、指導はどのような内容をお考えになっているのか、お伺いします。
◎高松 雪対策室長 施工段階の除雪機械の規格と台数の確認、指導についてでありますが、冬の市民生活を守る上では、入札時の書類上の審査のほか、施工時、施工段階における現場での確認、指導が大変重要であるというふうに考えております。このため、各区で、適宜、現場を確認し、作業のおくれなどの支障が生じているような場合には、速やかに受託者と協議を行いまして、状況に応じて除雪機械の規格や台数について変更の指導を行うなど、これまで以上に適正な履行の確保に向け、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員 現場での指導を充実させるというご答弁でした。臨機応変な対応をしっかりして指導していただきたい、そのように思います。
最初に申し上げましたが、昨年度の札幌市の除雪費の決算額は159億1,081万7,172円にも及んでいます。毎年、多くのお金を除雪に費やしているわけでございますが、除雪に対する市民要望は非常に多くございまして、札幌市の市政世論調査の力を入れてほしいと思うものでは、1978年以来、2009年度を除くと、除雪に関することがすべての年で1位となっているところでございます。札幌市の財政事情は、言うまでもありませんが、厳しいところで、これ以上の財政出動による除雪全体のレベルアップはなかなか困難であることは承知しています。市民の皆さんに札幌市の除雪事業について理解を深めていただくこと、また、冬の市民生活ルールを遵守してもらうことが必要でございます。しかし、札幌市もさまざまな工夫を凝らし、いろいろな手法を用いて市民ニーズにこたえるべく、除雪のあり方を向上させていくことに努めることを求めまして、質問を終わらせていただきます。
◆丸山秀樹 委員 私からは、LED街路灯の推進についてと地域の雪処理についての2点について、分けてお伺いいたします。
初めに、LED街路灯について質問いたします。
このたびの大震災、福島第一原発による放射能漏れなどにより、人々のライフスタイルにも大変に大きな影響が出ているところであります。特に、震災などの影響を受けて多くの地域で電力不足が生じたことに伴い、国民一人一人の節電意識が高まりました。一部の地域では、節電のために多くの街路灯が消灯されていたところもあり、行き過ぎた間引きの点灯が行われたことにより、安全を損なうおそれが生じたとの指摘も聞いております。ご存じのとおり、街路灯は、夜間の通行に際し、見通しを確保することにより安全性を高めるという重要な役割がございます。特に、日の入りが早まっているこの時期、北国では、公園などで遊ぶ児童や部活動を終えた生徒の帰宅時間となる16時過ぎに点灯されるということで、防犯対策からも重要な役割を果たしているところであります。このことについては、以前、平成20年の3定で我が会派の福田議員も指摘したところでございます。
さて、市内には、現在、15万基の街路灯が設置されており、そのうち、札幌市が管理している街路灯は約12万基ございます。これに係る電気料は、平成23年度予算で9億3,000万円と、財政上、多額の出費となっております。我が党は、従来から、地球温暖化防止の有効な対策、手段として、街路灯のLED化に着目し、省エネ化を図るよう求めてまいりました。札幌市では、平成21年度にLED街路灯導入実証実験を行い、その検証結果をもとに、昨年度からLED街路灯の設置を本格的に始めております。
そこで、質問ですが、平成22年度におけるLED街路灯の整備状況と、整備したことに伴う省エネ効果についてお尋ねします。
◎藤野 維持担当部長 私から、ご質問のLED街路灯の整備状況と省エネ効果についてお答えいたします。
札幌市が管理する約12万基の街路灯のうち、生活道路には電柱共架式の街路灯が約6万基設置されております。そのうち、水銀灯は約1万2,000基ございますが、これについては、平成22年度から4カ年かけてLED街路灯へ交換することとしてございます。昨年度につきましては、3,273基を交換、設置したところでございます。
続きまして、省エネ効果についてでございます。
ことし4月から9月までの半年間で、CO2は約170トンの削減、電気料は459万円の削減となっております。今回設置したLEDの寿命は4万時間から6万時間と言われており、今までの水銀灯などと比べますと3倍から5倍程度の長寿命となりますので、修繕費につきましても今後は減少していくものと考えております。
なお、1万2,000基すべての交換が完了した時点では、CO2は年間1,200トンの削減、毎年の電気料は約3,300万円の削減効果が出るものと見込んでございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの説明によりますと、LEDは、省エネ効果に加え、長寿命であるとのことですから、従来よりもランプ切れが少なくなるということで、通行者により安心を与えるというメリットがあると考えられます。このようなことから、今後ともLED化をより一層推進していくべきであると考えるところです。
先日公表された第3次札幌新まちづくり計画案の中で、街路灯のLED化については、平成26年度まで、生活道路の水銀灯を中心に1万5,000基を整備するとの計画になっておりました。先ほどの説明では、生活道路における水銀灯約1万2,000基のLED化を平成22年度から4年かけて平成25年度まで行うということでした。これで、生活道路にある札幌市管理の水銀灯は、すべてLED化されるものと考えます。
そこで、質問ですが、第3次札幌新まちづくり計画案に記載されている1万5,000基との差、3,000基について、どのような種類の街路灯をLED化しようと考えているのか、お尋ねいたします。
◎藤野 維持担当部長 先ほど述べましたとおり、生活道路には、電柱共架式の水銀灯が約1万2,000基ございますが、そのほかに、電柱共架式の75キロワット以下のナトリウム灯が約5万基設置されております。これらのナトリウム灯をLED化した場合につきましても、水銀灯を交換した場合と同程度の省エネ効果が見込まれることから、平成26年度につきましては、ナトリウム灯のLED化を計画案に盛り込んだものでございます。ただいま申し上げました電柱共架式のナトリウム灯の中には、設置から30年以上経過しているものも数多くありますことから、老朽化が著しいナトリウム灯につきましてLED化を考えているところでございます。
◆丸山秀樹 委員 今の説明で、平成26年度から、生活道路のナトリウム灯についても古いものから交換していくということがわかりました。今後も、LED化の推進について期待いたしたいと思います。
一方で、幹線道路につきましても多数の街路灯が設置されているところですが、こういった道路照明については、国が定めた道路照明施設設置基準に基づき、整備を行っていると聞いております。以前、平成21年の3定で我が会派の阿知良議員が質問したときには、この基準を満たそうとした場合、LED街路灯の製品がまだ開発の途上であり、ナトリウム灯から交換しても必ずしも省エネにはならないということでありましたが、その後、日進月歩のごとく、各メーカーにおいて製品の性能向上が図られていると聞いております。
また、国土交通省におきましても、各メーカーからの製品を公募して実証実験を行い、その結果に基づき、幹線道路等にLEDを設置する際のガイドライン案を本年9月に公表しているとのことです。この中では、LED街路灯の採択する基準やLED街路灯の具体的な仕様についても示されておりますので、今後、国においては、本格的にLED街路灯の設置が行われるとともに、各地方自治体においても交付金等を活用して、より一層、LEDの設置が進むものと思われます。
そこで、質問ですが、札幌市が管理する幹線道路に設置されている街路灯のLED化についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
◎藤野 維持担当部長 ただいまご指摘のとおり、ここ最近、LEDの性能向上が著しいことから、道路照明施設設置基準に基づき設置されている幹線道路のナトリウム灯をLED街路灯に交換した場合でも、一定程度の省エネ効果が得られるというふうになってきております。一方で、平成21年度から22年度にかけて実施された、北海道開発局による積雪寒冷地におけるLED照明現地試験では、LED街路灯は、灯部への着雪、つららが多い傾向にあるために、適切なメンテナンス、維持管理が必要との結果が出ております。
これらのことを踏まえますと、本市のような積雪寒冷地におきましては、特に、着雪、つらら対策について十分考慮しながら、幹線道路のLED化を検討していく必要があるものと考えております。
◆丸山秀樹 委員 幹線道路につきましても、着雪等に非常に警戒していただきながら、順次、進めていただきたいことをお願いしたいと思います。
次に、町内会などが管理している私設街路灯のLED化についてお尋ねします。
本市では、町内会などが管理している私設街路灯のうち、毎年1,500基程度を引き継いでいるようですが、それでも、今もなお町内会管理の街路灯が3万1,000基ほどあり、その大半が水銀灯であると聞いております。地球温暖化防止という観点からすると、町内会管理の私設街路灯についても、札幌市がしっかりと設置費の補助を行うなど、積極的にLED化を推進していくべきではないかと考えます。
町内会の方々からすると、補助金を申請する場合、書類が難しく、多くの項目を記入しなければならないのではないかといった抵抗感があったり、小さな規模の町内会では、設置基数が少ないため、規模が大きい町内会が大量に設置する場合の設置価格と比べ、割高になっているという不公平感もあるように聞いております。市としても、補助金制度を積極的に活用してもらうためには、手続に対する心理的な抵抗などについても減じていくような配慮が必要ではないかと考えます。
そこで、私設街路灯のうち大半を占める水銀灯について、どのようにLED化を推し進めていこうと考えているのか、その具体的な対策についてお尋ねいたします。
◎藤野 維持担当部長 ご指摘のとおり、地球温暖化を防止する観点から、町内会等が管理する街路灯につきましてもLED化を進めることは有意義であるというふうに考えております。このことから、本市では、ことし4月に札幌市私設街路灯補助基準を改正いたしまして、従来のナトリウム灯に加え、LED街路灯についても補助の対象としたところでございます。今年度、9月末までの半年間の町内会等に対する設置費補助金の実績を見ますと、4月から6月では、793基設置したうち、LED街路灯は158基と約20%でありましたけれども、7月から9月では、318基のうち、50%以上の164基がLED街路灯となっております。これは、各町内会等に対し、制度についての周知が進んだことにより、一定程度、促進効果があらわれてきているものと考えております。
今後につきましては、ご指摘のありました補助申請手続の簡素化について引き続き検討を行っていくとともに、既にLED街路灯に交換した町内会の設置基数やその費用について情報提供を行うなど、補助金制度をより利用しやすくするよう検討を行っていくことで着実にLED化を進めてまいりたい、このように考えております。
◆丸山秀樹 委員 町内会管理におけます私設街路灯のLED化について答弁をいただきましたが、町内会の方々にとって、街路灯の維持管理というのは大きな負担となっており、私設街路灯もLED化していこうというのであれば、設置費の補助金について、ぜひとも上積みしていただくことも検討していただきたいと思います。
また、繰り返しになりますが、街路灯は、夜間の安全性を向上するのに重要な役割を果たすものであります。地球温暖化対策、原油価格の動向による電気料の高騰など財政上の問題や、震災後の社会情勢の大きな変化などにより、省エネの必要性は高まる一方でございます。LEDなどの技術改革の成果を最大限に活用し、省エネの実現と市民の安全・安心の確保に向けて努めていただきたいことを要望させていただきます。
次に、地域の雪処理法として、公園を利用した地域内雪処理推進について伺います。
札幌市では、公共の排雪や市民みずからが行う排雪の需要に対処するために多くの雪たい積場を確保しておりますが、年々、その確保が難しくなってきており、郊外化が進んでおります。
我が会派では、このような雪たい積場の現状に対処するために、これまでも、地域の雪は地域で処理することを掲げ、雪たい積場の負荷を軽減するべく、さまざまな提案を行ってまいりました。その基本的な考えは、冬のみちづくりプランにも反映されているところであり、排雪量を抑制する取り組みの一つとして、地域と行政が協働し、既存の公共用地や民有地を雪置き場として利用することにより、地域内雪処理を推進することとなっております。市内には、街区公園と近隣公園に限っても、それぞれ2,340カ所、144カ所、合わせて2,500近くもの公園があり、仮にこれらのすべてを地域内雪置き場として活用するならば、雪たい積場の確保問題に大きく寄与できるだけでなく、郊外の雪たい積場まで運搬する際の排出ガスを抑えることができ、環境にとっても大きな利点になるものであり、ぜひとも公園の利用を考えていくべきであると考えます。
そこで、質問ですが、地域の雪置き場として公園を利用した地域内雪処理の現状と今後の見込みについて伺います。
◎高松 雪対策室長 地域の雪置き場として公園を利用した地域内雪処理の現状と今後の見込みについてでありますが、公園を地域の雪置き場として活用する取り組みは、地域と創る冬みち事業において、市民との協働による取り組みの一つとして、平成18年度から本格的に始まったものであります。この背景としては、冬みち事業の懇談会参加者から、近年、地域内の雪置き場が減少しているなどの多くの意見があったことから、その解決策として、雪解け後の公園利用に支障とならない箇所から、順次、広がりを見せてきたものであります。
そこで、これまでの利用実績についてでありますが、街区公園と近隣公園を合わせ、平成22年度末における冬のみちづくりプランの目標値、約600カ所を上回る約640カ所、全体の26%に上っております。今後の見込みといたしましては、市民からも一定の評価を得ていることや、札幌市としても、交差点の見通し確保など生活道路の冬期道路環境の改善につながる施策でありますことから、引き続き公園の利用拡大に努め、冬のみちづくりプランにおける平成30年度末の目標値1,000カ所を目指してまいりたいというふうに考えております。
◆丸山秀樹 委員 平成22年度において640カ所、26%ということで予定を超えたというお話を今いただきました。地域の雪置き場として公園を利用した地域内雪処理の現状と今後の見込みについては、理解をすることができました。
そもそも公園は、過去、遊具や樹木を保護するために、雪置き場としての利用は認めておりませんでした。しかしながら、冬期間の遊休地となる公園を有効利用することは、地域にとっても利便性や道路環境の改善につながることから、今後もこの取り組みのさらなる進展に向けて努力をしていただきたいと考えております。一方で、公園を利用した場合には、外さくや遊具、樹木など公園内の施設を破損してしまうおそれもあります。また、春先の利用がおくれるなどの課題もあります。
そこで、質問ですが、公園を利用した取り組みを拡大する上での課題と対応策について伺います。
◎高松 雪対策室長 公園を利用した取り組みを拡大する上での課題と対応策についてでありますが、公園に無秩序に雪を搬入すると、遊具を破損したり、樹木を傷めたりするなどの事態が懸念されるところであります。この対応策として、公園の利用に当たり、あらかじめ、町内会などの地域の方々と、遊具周辺には雪を置かないこと、搬入の際には人力での除雪用具を使用すること、あるいは、春先に地域で雪割りや清掃を行うことなど、一定のルールを定めた上で利用していただくこととしております。また、一部の公園では、雪の搬入に支障とならないよう、外さくの撤去や遊具などの移設を行っており、地域とのルールづくりとあわせて、公園施設の破損防止に努めているところであります。
これらの対応策を施しながら、今後とも公園利用の拡大を図ってまいりたい、このように考えております。
◆丸山秀樹 委員 これまでの答弁をお聞きし、公園を利用した地域内雪処理については、地域に広がりを見せていることがわかりましたし、遊具などが破損しないよう、今お話がありましたように、地域と行政がルールを定め、取り組まれているということで、一応の安心をしたところであります。冬期間に遊休地となる公園を利用することは、夏冬を通じて地域が公園にかかわる機会がふえることにより、地域の公園に対する愛着が生まれ、結果として、その公園の利用に対するマナーの向上にもつながるという副次的な効果も見込まれると考えております。今後は、地域と創る冬みち事業により、まちづくり活動の場やさまざまな機会を利用して情報発信を行い、町内会や各種まちづくり団体と連携し、公園、小学校グラウンド、雨水貯留地など公共用地の利用の事例紹介や普及に向けた啓発活動を強化するなど、さらなる取り組み拡大を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆植松ひろこ 委員 私からは、北1条西1丁目にある札幌市北一条駐車場についてお伺いします。
北一条駐車場は、都心部における交通渋滞の緩和や駐車需要に対応することを目的としまして、2006年から指定管理者制度を導入し、管理運営を行っております。2010年からの指定管理者の更新時には、当該駐車場が北1西1地区市街地再開発事業地内に含まれておりますので、再開発事業の着手時期に合わせまして2012年3月までの2年間としておりました。
しかし、本年、10月3日の市長記者会見におきまして公表されました第3次札幌新まちづくり計画案では、市民交流複合施設が2014年に着工することとなっております。そうなりますと、来年の4月以降の2年間は、当該土地の活用については空白となることになります。この空白期間における土地の活用を検討するためには、まずは、駐車場としての利用状況を把握する必要があると私は考えます。
そこで、確認の意味も含めまして、2010年度における駐車場の利用状況と2011年度の見込みについてお伺いいたします。
また、この現状を踏まえた上で、来年から2014年3月までの2年間、当該土地の活用をどのように考えていらっしゃるのか、あわせてお伺いいたします。
◎藤野 維持担当部長 まず、平成22年度における利用状況、それから、23年度の見込みについてお答えいたしたいと思います。
まず、22年度の延べ利用台数は24万8,795台、駐車場の使用料収入は1億4,230万円、札幌市への歳入は9,436万円となっております。平成23年度につきましては、
東日本大震災などの影響によりまして、4月から9月までの6カ月間、延べ利用台数並びに駐車場使用料収入とも減少しており、駐車場使用料収入は、昨年の同時期に比べ、約14%の減となっております。今後、震災による影響は徐々に少なくなると思われますことから、今年度の駐車場使用料収入や札幌市への歳入につきましては大きな減収にはならないというふうに見込んでおります。
次に、平成26年3月までの土地の活用についてでございます。
ただいま述べましたとおり、現状においても安定した収入は見込まれておりますので、これまでどおり、指定管理者制度を導入した駐車場としての利用を考えております。
◆植松ひろこ 委員 ただいまの説明によりますと、来年4月から2014年3月までの2年間につきましても、引き続き、指定管理者制度を導入して駐車場事業を行っていきたいとのことでした。
この駐車場における指定管理者制度の導入は、初年度の2006年は4年間でありましたが、2010年の更新時には、再開発事業計画に合わせまして2年間としております。また、本年5月からは、11カ月間という短い期間内での指定管理者を選考しておりますが、このケースは、指定管理者が持ち株会社に移行したことに伴い、再指定しなければならないということでした。さらに、今回は、再開発事業の開始時期までの2年間を駐車場として活用するため、指定管理者を募集、選考を行うことになります。
そうしますと、札幌市は、わずか2年間で今回も含めて3回の指定管理者の選考を行うこととなります。応募者の立場に立った場合、標準的な4年間の指定期間であれば、事業への設備投資や人材育成費などは4年間で回収することになりますが、指定期間がわずか2年間となりますと、応募者はその期間内で回収できる事業計画を考えなければなりません。そのためには、人件費や人材育成費、委託費を抑制したりするほか、従事者の給与や雇用条件などにも影響が出てくるのではないかと懸念しております。
我が会派では、このようなことを重視しておりまして、昨年6月8日の建設委員会におきましても、我が会派の山口委員が、指定管理者の選考に当たっては単に経費の削減を追求するだけではなく、応募団体が職員の労働条件を確保するために妥当な人件費の提案をしているかということについて質疑を行ったところであります。私といたしましても、指定管理者の募集及び選考に当たりましては、これら従業員の雇用状況などにも配慮した対応が必要であると考えております。
そこで、お伺いいたしますが、今回の募集内容について、そして選考スケジュールについてあわせてお伺いいたします。
◎藤野 維持担当部長 まず、募集内容についてでありますけれども、募集要項の中では、事業の経営状況、事業収益、従業員の雇用状況、障がいがある方の雇用促進などの審査項目と、これに係る審査基準点を定めることとなっております。前回の募集要項では、他の項目と比べますと事業の経営状況や事業収益の配分点が高くなっておりました。しかし、このたびの震災を契機に、企業に対しましても社会的責任がより一層求められていること、さらには、ただいま委員ご指摘の事柄も勘案した上で、従業員の雇用状況、障がいがある方の雇用促進を含めた配分点のバランスについて見直しを行いたいと考えております。
次に、選考スケジュールについてでございますが、11月上旬の選定委員会開催後、速やかにホームページなどで募集の告知を行い、11月中旬からは募集要項を配布いたします。その後、1月中旬には公募者の選定を行った上、平成24年第1回定例市議会の方に上程してまいりたい、このように考えております。
◆植松ひろこ 委員 北一駐車場の指定管理者を選考するに当たりまして、従業員の雇用状況、障がいがある方の雇用促進も含めた配分点のバランスについて見直しを行っていくとのことでした。さきの
東日本大震災を契機といたしまして、個人や企業においてもボランティア活動などを通じた社会貢献に関心が高まっております。さらに、夏場の電力不足が発生いたしましたことを契機に、省エネについても注目されております。
札幌市におきましても、環境首都・札幌宣言を行い、太陽光パネルや次世代自動車の導入促進などに積極的に取り組んでいるところであります。その中で、建設局におきましては、省エネ効果が高いLED街路灯の推進にも取り組んでいるところであります。このことからも、事業提案に当たりましては、さきの従業員の雇用状況、障がいがある方の雇用促進のほか、駐車場での福祉施策、省エネ対策などにつきましても十分配慮して選考が行われることが必要ではないかと考えます。この点についても十分検討することを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からも、駐輪場整備について、とりわけ都心部に絞ってご質問させていただきたいと思います。
市内には駅周辺に18地区の自転車等
放置禁止区域が設定され、自転車対策として、年間約1億4,000万円を投入しておりますが、放置自転車は一向に減らず、やむなく強制撤去をするも、残念ながら、市民と行政との溝を深めていることもあります。札幌市は魅力ある都市でありますが、都心の歩道上にあふれた自転車は、都心の空間を圧迫し、景観を悪化させ、札幌の魅力を間違いなく落としております。市民にとっても不快な要素であり、とりわけ高齢者や障がいのある方には危険な状況であり、都心部の
放置禁止区域に駐輪しなくて済むように、必要な駐輪場を整備することは喫緊の課題であるというふうに思います。
札幌市
自転車利用総合計画には、都心部における駐輪場不足として約4,400台と指摘されております。エリア別に見てみますと、札幌駅周辺エリアでは、供給量が約700台上回り、供給過多なのに対しまして、大通エリアでは、北側が約2,000台、南側が約3,100台足りないということで、合計約5,100台も駐輪場の供給量が足りないという現状であります。
そこで、質問ですけれども、先ほどもありましたが、都心部における今後の駐輪対策についてどのようにしっかりと進めていくのか、重複しない点があればお答えいただきたいと思います。
◎木村 総務部長 都心部における今後の駐輪対策の考え方についてでございますが、都心部のうち、札幌駅周辺につきましては公共駐輪場の容量が確保されていることから、札幌市自転車等の放置の防止に関する条例に基づきまして、
放置禁止区域を指定し、即時撤去などの対策を行っております。しかし、大通地区につきましては、ご指摘のとおり、十分な駐輪容量が確保されていない現状にございます。
今後につきましては、札幌市
自転車利用総合計画に基づき、自転車利用の適正化を図るため、大通から南側の
放置禁止区域の拡大に向けた公共駐輪場の整備の検討や、官民協働手法による駐輪容量の確保を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 大通南エリアの
放置禁止区域の拡大、また、民間とも協力してやっていくということでございます。しかし、これまでにわたる対策、ご努力を見てきていますが、いま一歩、本当かな、できるのかなという不安もございますので、私は、もう一歩、絞って深くお聞きしていきたいと思います。
さきの
自転車利用総合計画では、利用率の低い駐輪場の存在が指摘されております。その理由としては、料金を負担したくない、また、目的地から離れているなどの理由がありますが、私は、いつも近くで駐輪でき、便利さがあれば、利用者は多少の利用料金を負担してもとめたいと判断をされる方も多いというふうに思います。しかし、都心には何といいましても土地がないのでありまして、利便性の高い箇所に整備する場合、地下ということも考えられますが、他都市で見られる大規模な地下駐輪場を整備する場合、多額の初期投資や結構な維持費がかかってしまうことになります。
そこで、再質問ですが、自転車対策のうち、都心部における路上放置自転車対策にはどの程度の費用がかかっているのか。また、一つの例として、札幌駅には大規模な北口地下駐車場、車の駐車場でありますけれども、そこを駐輪場として利用した場合、どの程度、自転車を収容できるのか、また、北口地下駐車場の建設費と毎年の維持費はどの程度かかっているのか、お尋ねいたします。
◎木村 総務部長 まず、1点目の都心部の路上放置自転車対策についてでございますけれども、都心部では、
放置禁止区域内の放置自転車の撤去作業、並びに、
放置禁止区域外についてはすぐに自転車を撤去することはできませんが、乱雑に自転車が置かれ、歩行者の通行が妨げられないように、整理員を巡回させ、自転車の整理整とん業務を行っております。これらの業務に年間約7,000万円の費用を要しているところでございます。
続きまして、2点目の北口駐車場の建設費、維持費、仮に自転車駐輪場とした場合の台数についてでございますけれども、札幌駅北口駐車場につきましては、北口広場の建設に合わせて設置いたしまして、平成10年から供用を開始しており、230台、施設面積で1万1,760平米ございます。建設費は約51億円で、維持費は年間約3,600万円でございまして、仮に駐車スペース及び車両の通路を駐輪場とした場合、最大で約7,000台程度の駐輪が可能と思われます。
◆福田浩太郎 委員 今のご答弁で、何も残らないとまでは言いませんけれども、ただ使うだけとも言える路上放置対策整理等について約7,000万円かかっているということでございました。また、今のご答弁から計算いたしましたところ、北口駐車場を駐輪場とした場合、1台当たりに割り返すとおよそ70万円の建設費となり、地下駐輪場の設置には大きな初期投資がかかり、維持費も1台当たり約5万円の計算となります。
私は、昨年、他都市で、機械式立体駐輪場、サイクルツリーを視察してまいりました。その建設費は、地下式でも1台当たり約50万円ということでありまして、上屋式では30万円から50万円、年間の維持費は、定期点検を含め、1台当たり約5,000円、また、交換の必要な部品代なども、まだはっきりした寿命はわかりませんけれども、今のところ、予定されている寿命は20年間で、1台当たり約3,000円ということで、地下駐輪場に比べた場合ですが、意外と費用がかからないものであるというふうに思います。
また、そのサイクルツリーは、直径約7メートルの円筒型、高さが16メートルで252台をとめられます。小さい面積で多くの自転車が収容できるものであり、また、地中を利用すれば、土地の確保がさらに容易となります。また、車の立体駐車場とは大違いでありまして、とてもスピーディーであります。入庫の際には、入り口に自転車をセットし、ボタンを押すと予約が完了します。これで終わりです。時間にして約5秒であります。出庫のときも、磁気カードを通すだけで約20秒から30秒ほどで自転車が出てまいります。楽で早く、何分もかけてとめる場所へ行き、かぎをかけたり、先ほどありましたが、重い思いをして上段に上げる必要もありません。さらに、盗難の心配もないわけであります。管理運営も無人でできます。利用者全員が最良の場所で利用できるわけでありまして、駅の駐輪場で整理員の制止を振り切って無理に駅入り口に近い場所にとめる方がいらっしゃいますが、時間がかかるのであれば駐輪場の利用価値が低いということは理解できるわけであります。
そこで、再度、最後の質問であります。
都心部における駐輪場整備のため、利用者ニーズの高い都心中心部に機械式立体駐輪場を設置するべきと思いますが、いかがでしょうか。
こういう予算のかかることは、原局では答えづらいと思いますし、まちづくりの観点もありますので、ここは、生島副市長にお答えいただきたいと思います。
◎生島 副市長 今、福田委員から提案がございました機械式立体駐輪場については、私もテレビのニュースで見たことがあります。初期投資が抑えられて、かつ、少ないスペースで多くの自転車を収容できる、そういう意味では非常に興味深いシステムだというふうに思っております。
前段でいろいろお話がございましたように、公共の駐輪場を本当にやる気があるのかというお話もありましたけれども、まさしく今、札幌市の置かれている大きな課題でございますので、都心部における駐輪場の整備は必ずやらなければならないというふうに私は思っております。
そこで、どういうふうにやるのかということでございますけれども、委員提案の形式も含めまして、自走式、その他の駐輪場形式などいろいろございます。私は、建設局担当であるとともに、財政局担当の副市長でもありますので、一番コストパフォーマンスのいい、それから、やっぱりある程度の時間というものも見なければならない。というのは、機械式駐輪場ということですから非常にたくさん動く場所があるわけですね。そうしますと、機械ですから耐用年数というような問題も出てまいりましょう。そういうようなことを比較しながら、課題を整理して検討してまいりたいというふうに思っております。
◆福田浩太郎 委員 決意を聞かせていただきまして、少し安心いたしました。また、冷静なご答弁であったかなというふうに思います。
最後に、要望でありますけれども、札幌市は、約5カ月間は冬であるということで、これまで思い切った駐輪場整備ができないと考えがちであったというふうに私は思います。しかし、先ほども言わせていただきましたが、予算をかけ続けてきて、市民ニーズにこたえられず、苦情処理に追われているのでは進歩がありません。ここは、PFIなども検討していただいて、思い切った駐輪場整備をしていくべきであろうと思います。先ほどのサイクルツリーについては、私のイメージでは、例えばガラス外装を使ったクリスタルサイクルツリーというように札幌らしい斬新なものを検討してもいいのではないかと思います。ここが一番言いたいところでありますけれども、官民が協力して何としても都心部の駐輪場を確保するということであれば、まずは札幌市が範を示すべく機械式立体駐輪場を設置すべきであると強く要望して、終わります。
◆しのだ江里子 委員 私は、札幌駅前通地下歩行空間における安全対策について質問させていただきます。
まず、火災、地震、水害対策について伺います。
地下歩行空間は、四季を通じて安全で快適な歩行空間を確保することや、広場、憩いの空間の多様な活用により、訪れる人々が憩い、楽しめる空間を創出し、都心全体の魅力と活力の向上を目的として整備されたものです。この施設が完成したことで、ご高齢の方や車いすを利用されている方など障がいのある方を含むだれもが、季節や天候の影響を受けることなく安全、快適に移動できるバリアフリーな歩行空間として、連日、多くの方が利用されております。
9月14日の報道によりますと、地上、地下の歩行者の総通行量は平日平均で7万2,000人、地上が1万3,000人、地下は5万9,000人、そのうち約9割の方が地下を利用、そして、通行量は、開通前に比べますと倍増していると報道されました。いよいよ11月、冬の季節、雪の季節が始まります。この6カ月間、積雪寒冷地に住んでいることを本当に実感するのですが、ことしはどれほどの方が地下歩行空間を通行利用されるのかは本当に想像を超えるものと思います。私は、この地下歩行空間を活用することで、回遊性を高め、都心部を活性化するための一助となっていることを大変喜ばしく思うとともに、今後、さらなるにぎわいを大いに期待しているところです。一方、にぎわいにより、利用者が多く集まると、災害が起きた場合は大惨事となることが予想されます。
そこで、3月12日に供用を開始した札幌駅前通地下歩行空間の安全対策について、幾つか質問させていただきます。
地下歩行空間の供用開始を翌日に控えた3月11日には、東北地方を中心に大地震、これに伴う津波、そして原発の放射能漏れなどの災害が発生し、多くの方々が亡くなられ、長期間避難を余儀なくされているなど、いまだかつてない大変な事態となっております。また、9月6日には、台風12号の接近により北海道各地で大雨が降り、札幌でも豊平川が増水し、河川敷が水没するなど、56台風と呼ばれた1981年、昭和56年以来の災害になるのではないかとまで心配されたところです。加えて、全国各地でゲリラ豪雨が発生し、被害が生じていることも記憶に新しく、これらのことから、私を含め、多くの市民は安全対策、防災への関心を高めていることと思います。
地下歩行空間は、地上部の道路とは異なり、閉ざされた空間であることから、この中で災害が起きた場合の対応をしっかりしていかなければ大惨事になることが予想されます。長崎大学工学部社会開発工学科地盤環境研究室の資料によりますと、地下街、地下通路における災害状況は、火災が55%と最も高く、地下歩行空間で火災が発生しますと、閉ざされた空間のため、煙の充満が早く、避難が著しく困難になるとのことです。つい先日も、もと西武百貨店跡地の地下4階から発煙し、週末の札幌駅前が煙に包まれる事故がありました。幸い、地下歩行空間と接続していなかったことで影響はありませんでしたが、もしものことを考えますと安閑とはしていられない気持ちになりました。
そこで、質問ですが、このように地下街、地下通路で火災が起きた場合、また、市民が一番関心があると思われます、2009年、平成21年3月作成の札幌市地震防災マップに示されているような最大震度6弱程度の地震が起きた場合、さらに、2005年、平成17年7月作成の札幌市洪水ハザードマップに示されているような水害が起きた場合には、地下歩行空間ではそれぞれどのような状況が想定されるのか、また、どのような対策をお考えなのか、あわせて伺います。
◎藤野 維持担当部長 まず、火災対策についてでございますが、歩行者専用道路と憩いの空間から成る札幌駅前通地下歩行空間は、道路法の適用を受けることとなっております。これは、オーロラタウン、ポールタウンの地下街とか
オフィスビルなどとは違いまして、消防法で定める防災設備を設置する義務とはなっておりません。しかし、接続ビル、地下鉄コンコース、北一条駐車場などと接続しており、不特定多数の市民が日常的に利用しておりますことから、利用者の安全性を確保するため、不燃性の建材を使用しているほか、火災感知器、非常用照明などの防災設備を備えた施設にしております。さらに、火災を未然に防ぐため、火気厳禁、禁煙、危険物持ち込み禁止などのルールも独自に定めております。利用者へは各出入り口付近の案内板などにより、イベント開催者へは札幌駅前通まちづくり会社を通じ、その周知に努めているところであります。
なお、地下歩行空間の天井は、これをふさがない形状であるルーバー天井となっておりまして、万が一、火災が発生した場合には天井裏に煙がたまる構造としております。さらに、天井裏にたまった煙の降下を抑制するため、地上部からの明かりを取り入れるスルーホールからの自然排煙を行います。
避難につきましては、11カ所の出入り口並びに地下鉄コンコースから地上部へと誘導いたします。
なお、接続ビルは、地下歩行空間との接続時間がまちまちであるため、避難経路とはしてございません。
次に、地震対策についてでございます。
地下歩行空間の躯体の構造は、阪神・淡路大震災程度の揺れに耐えられるようになっております。さらに、地下歩行空間と接続するビルとの間には、新たな技術を取り入れた免震ジョイントにより安全性を高めております。また、利用者に対し、大規模地震が来る前にいち早く揺れに備えてもらうため、緊急地震速報端末装置を設置しております。震度4以上のときには、自動的に地震の発生予測情報が放送されるとともに、各出入り口付近に設置している黒色の案内板で、通常は時計表示となっている光誘導装置つき情報板に同じ情報が表示されることとなります。さらに、地震発生後にパニックが起こらないよう、防災センター係員が地下や地上の状況を確認しながら避難誘導を行うこととしております。
次に、水害対策についてでございます。
平成17年7月に作成された札幌市洪水ハザードマップでは、都心部での浸水の深さは50センチ未満とされております。このため、地上出入り口に設置するための水を防ぐ板、防潮板と言っておりますけれども、これを備えつけております。札幌市長による避難勧告が出された段階で、防災センターの係員などが防潮板を設置することとなります。これにより、地上道路からの浸水を防ぐことで地下歩行空間からの避難ルートの確保を行い、地上部へ誘導を行うこととしております。
◆しのだ江里子 委員 火災に関しましては、これは道路適用であるから本来ならば消防法の義務はないけれども、きちんとした対策がされていて独自のルールで行われていると。そして、私たちが天井を見ますと、まさにルーバー天井で、これは単に天井が低いから高く見せるためにこういった形にされているのかなと思っておりましたが、そういったことだけではなくて、やはり、煙が出た場合にはきちんと煙をためる効果があり、また、その煙をスルーホールから排出するということもわかりました。そして、地震に関しましても、緊急放送が自動的に流れる、そして、時計になっていて私たちが常に時間を見るところが自動的に誘導の情報板になっていくというようなこととか、また、水害に関しても、50センチ未満であろうということから、防潮板の設置ということで係員の方たちに対応していただけるというご答弁でした。
私は、一昨年でしたか、地域防災セミナーの中で洪水ハザードマップに基づく動画を拝見したことがあります。内容は、豊平川が決壊したとの想定で地下街とか地下鉄に水が入っていく様子を見ました。ついこの間、台風12号においても、名古屋の地下鉄の一部で浸水しておりまして、このようなことがいつ起きないとも限らないわけです。
そこで、次に、災害時要援護者、いわゆる災害弱者対策について伺います。
今、水害、地震、火災などの災害に対する設備が備わっているということは十分わかりました。先ほども申しましたように、地下歩行空間はバリアフリーの施設ということもありまして、車いすを利用されている方とか、視覚障がい者、そしてご高齢の方も多く利用されている様子をよく見かけます。このように障がいのある方とかご高齢の方たちは、災害時要援護者、これは防災行政上の言い方で災害時要援護者と言うのですが、私たちは一般に災害弱者という言い方をします。こうした災害時要援護者というのは、自分の身に危険が差し迫ったとき、それを察知する能力がない、または困難な人、そして、自分の身に危険が差し迫ったとき、それを察知しても適切な行動をとることができない、または困難な人、危険を知らせる情報を受け取ることができない、または困難者、危険を知らせる情報を受け取ることができても、それに対して適切な行動をとることができない、または困難な人ということで、具体的には、障がい者、傷病者、高齢者、乳幼児、子ども、日本語がわからない外国人の方、また、自分ひとり身ではない妊婦、そして、この場所の地理に疎い旅行者などが想定されています。一たん災害が発生しますと、このように、障がいのある方とかご高齢の方たちは、まさに災害時要援護者となりかねません。そして、このような方々は、健常者と比べて速やかに避難することが困難になります。
そこで、質問ですが、災害時要援護者、いわゆる災害弱者への対策としてはどのような取り組みがなされているのか、お聞きします。
◎藤野 維持担当部長 災害時要援護者対策についてでございます。
災害発生時には、すべての利用者に迅速かつ安全に避難していただくことが重要であると考えてございます。これら利用者のうち、体の不自由な方、特に視覚に障がいのある方は、非常用放送によりまして災害の発生を認識していただくことになります。また、聴覚に障がいのある方は、光誘導装置つき情報板の災害表示で認識していただくことにしてございます。その上で、これらの災害時要援護者につきましては、防災センター係員による介助、さらには、利用者にその協力を求めながら安全な場所に避難していただくことにしてございます。
◆しのだ江里子 委員 今、災害時要援護者に対する対応をお聞きしました。この中でも、防災センターの係員のことが出てまいりました。地下歩行空間では、供用時間中、防災センターには係員が5名程度従事していると聞いておりますが、この5名の方たちはどのような役割になっていらっしゃるのでしょうか、お示しください。
また、一たん災害が発生しますと、これだけの大きな施設ですから、多くの市民を安全に避難させることは非常に難しいのではないかと不安もありますが、この防災センター係員の人数で地下歩行空間の利用者をスムーズに避難させることができるかどうかは、日ごろからの訓練が重要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、地下歩行空間は、供用開始後、既に7カ月がたちましたが、これまでにどのような訓練を行ったのか、また、今後どのように訓練を行っていく予定であるのか、伺います。
◎藤野 維持担当部長 まず、防災センター係員についてでございます。
地下歩行空間の供用時間中、防災センターの中には、最低要員といたしまして、防災カメラの監視に1名、巡回警備に2名、設備の運転管理に2名の計5名が配置されております。これらの方が、携帯電話などによりまして連絡体制、連携協力を図りながら、事故等がないよう適切に対応しているところでございます。
次に、訓練についてでございます。
災害による被害を最小限とするためにも、常日ごろの訓練は大切であると認識してございます。このため、供用開始前の3月10日の日中でございますけれども、中央消防署の立ち会いのもと、我々建設局が主体となりまして、開発局、札幌駅前通まちづくり会社、警備業務、清掃業務、設備保守業務を受託している業者の社員などが参加しまして合同の防災訓練を行っております。その内容といたしましては、北2条にある憩いの空間において火災が発生したとの想定で、火災発見の通報、火災現場確認、消防署への通報、初期消火活動、被災者の救護、市民の避難誘導までの一連の動作をこの中で確認しております。
次に、今後の訓練についてでございます。
日中は利用者やイベントの開催が多い現状を踏まえまして、訓練の時間帯は夜間などに行う予定で考えてございます。また、接続ビルにも参加を呼びかけながら早期に実施してまいりたい、このように考えております。さらに、訓練の内容を充実させるため、消防、警察などの関係機関、北一条地下駐車場や地下鉄の管理者及び接続ビルの防火管理者と情報共有する場を設けるとともに、地震や水害に対する訓練の実施についても検討してまいりたい、このように考えております。
◆しのだ江里子 委員 先ほど伺いました防災センターの5名の方は、1名の方がカメラの監視をされ、そして、2名の方が巡回され、また、2名の方が機械の運転にかかわっていらっしゃるということでした。そしてまた、この3月10日に行われました合同訓練に関しては、それぞれその場にいらした方たちがなさったということで、今後、夜間を想定した訓練を計画され、接続ビル、それから、消防署、警察、地下鉄等の協力も得るということでした。
果たして5名でいいのかどうかということに関しては、これからまた検証をしていかなければならない部分もあるかと思います。先ほど話のありました3月10日の訓練ですが、消防も含めた合同訓練であったということですし、今後も訓練を検討していると伺いましたが、いずれも関係者のみが参加するような形態を想定しているのではないかと思われます。確かに、日中の利用が多い中で訓練をすることは非常に難しい課題もあると思いますが、市民の方々に防災訓練に参加していただく、また、見ていただくことによって、より一層の安心感を持っていただけるのではないか、そして、参加していただくことによって、万が一の災害に遭遇したときなどは、訓練の経験を生かし、円滑に避難することができるのではないかと考えます。このようなことから、私は、防災訓練を行う場合には、利用される方も見学もしくは参加ができるような形で実施されることを求めます。
また、この施設は、道路管理者として札幌市と開発局がおりまして、地下歩行空間の両側は広場管理者とその指定管理者であります札幌駅前通まちづくり株式会社が管理運営を行っています。場所ごとに管理者が異なる中で、施設全体を総括的かつ安全に維持管理することに対するご苦労はお察しいたします。そのような中で、道路管理者が考えていたにぎわいと広場管理者が考えるにぎわいの考え方には、7カ月たちますと、少しずれが生じているのではないかと思うところがあります。お聞きしますと、例えば、大きな冷蔵庫とか工作物を人が利用するエレベーターに入れて搬入することでエレベーターの中に傷がついてしまうなど、問題も多々起きていると聞いております。
ぜひ、いま一度、安全を前提にした多様なにぎわいを創出していただけるよう、関係者との連携ですとか協力によりまして地下歩行空間の活用がより円滑に行われることを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆川口谷正 委員 めったに発言しないのでありますが、建設局の論議にふさわしい建設的なことを申し上げますので、いい答えをお願いしたいと思います。
その前に、委員長、空席が目立つのですよ。これは、理事会でこういうことのないようにきちっと取り締まってください。
○小須田悟士 副委員長 はい、理事会で協議いたします。
◆川口谷正 委員 (続)自転車政策について質問いたします。
まず、自転車の政策の簡単な札幌市の歴史について最初に申し上げておきたいと思います。
1973年に、国の自転車安全利用モデル都市に選定されておりまして、そのときに利用推進協議会を設立して、1974年には自転車安全利用計画をつくっております。これは、レク向け自転車道整備を構想したものであります。その後、2000年には自転車等駐車対策マスタープランが策定されております。また、2008年6月には、道路交通法の一部が改正になりまして、70歳以上、13歳未満、あるいは障がい者の方は歩道を走ってもいいというような改正が行われましたけれども、原則は車道の左を走るのが自転車だということは変わっていないわけであります。
このたび、札幌市
自転車利用総合計画というものができまして、その中で、走行環境、駐輪環境、ルール、マナー、この三つを柱とした計画が策定されたわけであります。これは、皆さんもご存じのとおりであります。
そこで、やりとりをわかりやすくするために、自転車道には2種類の区分けがあって、A種、B種というふうに分けられています。A種というのは、交通の安全と円滑を主目的に日常の自転車交通を対象としている考え方です。B種というのは、スポーツとかレクリエーションを対象とした自転車道のことです。私がこれから申し上げるのは、A種のことについてであります。
第3次札幌新まちづくり計画案を拝見いたしますと、どういうわけか、駐車場の増設とか、マナー、ルールの徹底ということは掲げてありますけれども、なぜか、最初に掲げるべき走行環境というテーマが欠落しているわけですね。非常に不思議です。やはり、自転車政策というのは、「揺りかごから墓場まで」ではございませんが、ドア・ツー・ドアで、やはり、家を出て道路を走る、そして駐輪するというところまで整っていないと政策ではないのではないかなというふうに思います。
前置きはそのくらいにしまして、順次、シンプルに質問していきます。
最初に、3年前に行われた厚別区でのモデル事業、これは、国の政策もあって試行されたわけでありますけれども、この評価について最初にお伺いしたいと思います。
◎木村 総務部長 ただいまお話のございました新札幌地区におけるモデル事業につきましては、札幌市のほか、北海道開発局と北海道警察本部が事業主体となりまして、広幅員の歩道を活用して歩行者と自転車の通行を分離したものでございます。具体的な整備の方法といたしましては、国道12号線では、さくなどにより歩行者と自転車を物理的に分離し、札幌市道の3路線では、物理分離はせず、カラー舗装により視覚的に自転車通行位置を明示したものでございます。
その効果検証として、北海道開発局におきまして、通行状況調査並びにアンケート調査を実施しております。通行状況につきましては、物理的に分離した国道12号では9割以上、視覚的に明示した札幌市道においても8割以上の自転車がルールを守って通行し、自転車と歩行者の錯綜が大きく減少する結果でございました。また、あわせて行ったアンケート調査においては、周辺住民の約7割、整備道路の利用者のうち、国道12号利用者の約9割、札幌市道の利用者の約7割が安全性、快適性の向上を実感しているなど、一定の効果があったものと考えているところでございます。
◆川口谷正 委員 事業を実施する前に想定されていた効果が得られたのではないかなと。そういう意味では、私は評価をするわけであります。ただ、これはこれっきりで終わっておりまして、それ以外に発展する可能性がないのが非常に残念であります。道路条件もありますのでどこでもやれることではないですけれども、今後、歩道を再配分して自転車通行帯を確保することについても、当然、検討いただきたいと思います。
2点目の質問でありますけれども、通行帯の整備についてであります。
これは、私のきょうの質問の一番のねらいといいますか、重点に考えている質問でして、よく聞いていただきたいと思います。
この
自転車利用総合計画の中のアクションプログラムで自転車通行帯を具体化していくのではないかなというふうに私はとらえておりますが、この計画で、走行空間の明確化を行うという表現もされているわけでありまして、今年度内、つまり来年3月までにアクションプログラムをつくるようでありますけれども、一体どういうふうに取り組んでいこうと考えておられるのか、お伺いします。
◎木村 総務部長 早期に、かつ効率的に自転車走行空間を整備するためには、道路構造を大きく変えずに、自転車走行空間を明示できる道路から整備を進めていくことが必要であるというふうに考えております。具体的な整備手法といたしましては、路肩における走行空間の明示や歩道における走行空間の明示などがあり、道路ごとの特性に応じて効果的な方法を選択していくことになりますが、この点について検討しながらアクションプログラムをまとめていきたいというふうに考えているところでございます。
◆川口谷正 委員 普通、計画といいますと、かなり具体的に箇所づけされている場合が多いわけですね。そういう意味で言うと、今回の計画は、いわば基本方針みたいなものでありまして、計画というにはふさわしくないのではないかなというふうに思います。むしろ、アクションプログラムの方が計画ではないのかというふうに思うのですが、それは、一つの批判として申し上げておきます。
そこで、実は、西区の川添通で、この10月に新しく自転車通行帯を明示される事業をやられました。なかなかいい試みだと思います。委員各位にもある程度イメージしていただくためにわざわざ写真を撮ってきたのですが、ざっとこんな図であります。歩道の縁石からセンターラインに向けて、右側を路肩と言いますが、路肩の一部にグリーンの線を引いて、そして、自転車はここを走ってくださいという手法であります。
なぜいいかといいますと、今、部長の答えにありましたように、道路構造を余り変えないということで、つまり、それはコストがかからないということにもつながります。もう一つは、川添通のネーミングが自転車走行指導帯と、ちょっと珍しいネーミングなのです。私も、最初、指導帯というのは何かなと思っていろいろ調べてみたのですが、これは、金沢市であるとか盛岡市で3〜4年前から既に行われておりまして、この事業は非常に順調に展開されているというふうに私の調べでは確認されています、恐らく、建設局も他市の例などをかなり参考にされたと思います。
これは、とりあえず1カ所ですが、これまでやってきた手法とは違って、指導帯をつくったねらいとか運用の考え方というのは一体どういうことなのか、この点についてお答えください。
◎木村 総務部長 川添通の整備のねらいや運用等についてでございますが、道路交通法からの規定から考えますと、自転車は車道を走行することが原則でございますが、自転車の歩道通行が日常化しているという現象もございます。そこで、今回、車道の路肩に緑色のカラー舗装を設置し、車道走行の原則を道路上に明示することを目的として整備を行ったものでございます。
これがねらいでございまして、今、効果検証も順次進めておりますけれども、一方、このような路肩における走行空間の明示につきましては、関係機関や地域の方などから、車道走行に伴う自動車との接触事故や路上駐車による走行性の悪化、あと、車道幅員の減少による交通渋滞の発生などの懸念が示されているところでもございます。
◆川口谷正 委員 今、関係機関や地元との調整という話でありますけれども、それは当然でありまして、とりわけ、この場合、関係機関というのは、恐らく、最大の相手は警察だと思うのです。警察の方は、安全をつかさどり、そして違反を取り締まるというみずからの任務に照らして、自転車道の整備についてはかなりネガティブな対応が多いのですよ。それはそれでわかるのです。
これは古い話で恐縮ですけれども、今から30年ほど前に、札幌が車粉に覆われていた時期がありまして、そのときは、スパイクタイヤが当たり前だったのですが、私は、スパイクをやめようという話を提起して、審議会にも参加してちょうちょうはっしとやったのです。そのときの最大の抵抗勢力は警察なのですよ。警察と北大の先生、学者ですね。そのことを思い出したのです。
今回も、これをやろうとするに当たって、伺うところによると、警察との調整に非常に時間を要したというようなことを聞いているのですけれども、地元あるいは警察との関係で一体どういうような困難があったのか、もう少し具体的に何かあったら示してもらいたいと思います。
◎木村 総務部長 先ほども申し上げましたとおり、自転車は基本的に車道の左側を通行するということになっておりますけれども、そこに、今回のような形の指導帯というか、そういったものを設けて誘導していくということに当たりまして、いろいろと安全面なり、それによって車線が少し狭まるということで渋滞の懸念とか、そういったことが課題となっていたものでございます。
◆川口谷正 委員 私の考えは、最初にこの指導帯の評価を申し上げましたけれど、これはなかなかいいです。それから、盛岡は既に経験しておられる。また、金沢は、これをメーンにして、自転車都市金沢というものを形成しているわけですね。これは、札幌でやれないことはないというふうに思います。
それから、これは、国土交通省国土技術政策総合研究所というところが2年前にやった社会実験でありますけれども、やはり、この手法をやりまして、全国でも9,900キロぐらいの条件がありますというようなことを国交省自身が言っているのですよ。ですから、これはぜひ進めてもらいたいと思うのです。
その場合に、さっき言いましたが、最大の抵抗勢力は警察なのですよ。ただ、指導帯をつくったとしても、これは警察の規制は受けない道路だと思うのですが、その点、いかがですか。
◎木村 総務部長 道交法上の自転車道路という形ではありませんけれども、当然、整備に当たっては協議が必要ということになっております。
◆川口谷正 委員 そこが非常に大事なところで、道路の路肩にペインティングして自転車指導帯とすることに関しては、道交法上の規制を受けないということなのですよ。そうしますと、残りは、安全管理、違反の取り締まりをやる警察サイドの仕事がふえるか、ふえないかというところがかなりな抵抗の主な理由だと思うのです。ただ、法律的には、このペインティング、ソフト分離というふうに呼ぶ人もおりますが、このソフト分離のやり方というのは、こっちもお金がかからないし、自転車に乗る人間にとってはわかりやすいし、それから、自動車から見ても非常に鮮明ですよ。非常に安全なのです。過去のいろいろな実績を調べてみましたけれども、事故が減っているのですよ。スパイクタイヤのときは、これは事故が多発して大変だと当時言われていました。やってみたところ、どうですか。がたっと事故が減ったのですよね。同じように、この指導帯をつくることによって、事故が減るのです。過去の金沢、盛岡での実績がそのことを証明しております。冒頭、1973年以来、いろいろ自転車政策の変遷があると言いましたけれども、自転車道というのは、いまだにできていないのです。今回初めてなのですよ、この指導帯というのは。そういう意味では、私は、非常に評価をしておりますし、この際、一点突破、全面展開ではございませんけれども、どんどん施策を進めていただきたいと思いますけれども、お考えはいかがですか。
◎木村 総務部長 川添通につきましては、札幌市で初めて車道の路肩における走行空間の明示を行ったものございまして、現在、その効果検証として、自転車や歩行者の通行状況が整備前後でどのように変化したかを調査するとともに、利用者のアンケート調査を行っておりまして、既に1,000件を超える回答をいただいております。今後、これらの調査結果を整理した上で、地域の方々とその効果を検証し、改善点について意見交換の場を設ける予定となっております。この自転車走行空間の整備につきましては、さらなるそういう調査検討が必要であると考えているところでございます。
◆川口谷正 委員 なかなか期待どおりの答えがありません。
別の写真をちょっと見ていただきたいのです。これは、自分も指導帯に車を乗り入れして前にとまっている車を写したのですが、前の車は右折車を避けて路肩に寄りまして直進しようとしております。私も直進したかったから、この車に追随したのです。こういうふうに自動車が乗り入れしても何の違反にもならないわけですよ。ルール違反でも何でもない。もちろん法律違反でもない。つまり、これだけフレキシブルな道路なのですよ。お互いに認め合いながら、前車が詰まったときは左に寄せて直進しようということもオーケーだし、この場合、ドライバーは、当然、自転車がいるかいないか、オートバイがいるかいないか、左方を確認して寄せますけれども、こんなことはドライバーとして当たり前のことです。また、自転車は自転車で、それを受け入れなければいけないという道路なのですよ。非常にフレキシブルで、私は、自転車の安全とか利用促進という方策としては非常にすぐれているというふうに思います。先ほどのとおり、これは非常にいいということで国土交通省も推奨しております。
申し上げることはたくさんあって、かつ、事故が減ったという事実に照らせば、これは、積極的に進めるべきだというふうに思うのです。しかし、あに図らんや、
自転車利用総合計画の中には、三つの柱の1番目の柱が欠落しているというのは本当に残念です。だとすると、アクションプログラムの中にも入ってこないのではないかというふうに私は非常に悲観的でありますけれども、そういうことにならないように考えを改めていただきたい。反省していただいて、ぜひこれを展開していただきたいと思うのですが、これは、だれに聞きましょうか。局長、お願いします。
◎宮浦 建設局長 私は、今の仕事について半年なのですが、今のお話にありましたとおり、自転車への対応というのは、まさに身にしみて感じているところでございます。一方で、利用者から、あるいは、自転車と接する機会のある市民の方々から、自転車の遊園性の向上、あるいは、それに伴う危険性の指摘、双方からの声をいただいておりまして非常に悩ましい、ただ、解決に向けて頑張らなければいけない課題の一つだと。恐らく、雪に匹敵するような内容の仕事ではないかというふうに思っております。
改めて、ここ2年ぐらいの間に、路肩における走行区間の確保の事業、それから、先ほどの例ですが、歩道における分離の事業と両方の事業をやってきましたが、やっとそれぞれ一つずつの実績をつくったところでございます。これにつきましては、本当に全市的にも展開したいところでありまして、それに伴う基礎的な調査、例えば、市はやっていないのかと言われますと、基本的にどこでそんなことが可能かというような基礎的な資料の整理も準備して進めているところでございます。ただ、やはり具体な協議の段階で、実現可能性といったところでは、現時点におきまして、まだ実質協議する相手もいることでございますし、これにつきましては、じっくりと、根気よく粘り強く取り組みながら具体的な展開に向けてつなげていきたい。その上で、1カ所ずつですが、2カ所の先行事例による検証調査につきましては、じっくり踏まえた上で、また、市民的な議論もしながらこの事業を進めてまいりたい、そんなふうに思っております。
◆川口谷正 委員 また、じっくり10年ぐらいかかるのだろうなと思っています。中国の言葉に、「百年河清を待つ」という言葉がありますよね。黄河の水が澄むまでには、人間の寿命、100年あっても足りないという意味ですよ。札幌市の自転車政策、これを待っていたら100年たっても追いつかないのじゃないかなと。私はもう100年生きられませんから、私の目の黒いうちに何とかしていただきたいなというふうに思います。
これは、理屈を立てれば、自転車道に関しては、理事者はよくわかっていると思いますけれども、こういう法律になっているのですよ。自転車道の整備等に関する法律の第4条で、政令に従い、交通量、それから、事故発生状況を考慮し、「自転車道整備事業を実施するよう努めなければならない。」、こういうふうに書いてあるのですよ。道路構造令では、やはり、第10条で、自動車、自転車の交通量が多い道路には、「自転車道路を道路の各側に設けるものとする。」と。「やむを得ない場合においては、この限りではない。」というただし書きはありますけれども、基本的に自転車道をつくれという法律であり、構造令なのですから、それを今まで一本もないというのは、これは本当にサボタージュ以外の何でもないと思うのですよ。あるいは、車中心の発想であって、認識が足りないと思います。くれぐれも、来年3月いっぱいにつくるアクションプログラム、この自転車道に必ず取り組むように申し上げておきます。
次に、3点目の駐輪場のことについて申し上げたいと思います。
先ほど来、駐輪場の質問が多くありました。私も、実は、20年間、自転車で通勤しているのですよ。私の場合は、信号は守る、左側を走る、歩道は徐行する、夜はライトをつける、逆走はしない、そして、飲酒運転はしないということを目指してふだん乗っているわけであります。
それで、20年の経験を踏まえて言うのですが、やはり、ふだん利用していない方はなかなかぴんとこないのです。たかが自転車ですよ。だけど、私にすれば、されど自転車です。市議会議員は交通費が当たっていません。私は、ウィズユーカードを1万円買うと、大体1年間、それで済みます。雨降り、雪が降ったときはバスですけれども、それ以外は、全部、自転車です。それから、市内を移動するときですが、よくホテルで会合があって移動していった場合にホテルに駐輪場がほとんどない。それで、ホテルの玄関横に置いておきますと、体裁が悪いというのか、出てきたら、ないので盗まれたかなと思ったら、ずっととんでもない方に置かれている。ホテルによってまちまちです。ボーイが出てきて厳かに預かってくれるホテルもあります。
つまり、
附置義務条例といいますか、設置条例はホテルなどは入っていないように私は思いますけれども、その整備はもちろんやっていただかなければいけないというふうに思いますが、今、市が考えておられる駐輪場対策は非常に高コストです。いつかも新聞でちょっと批判されていましたが、1台当たり10万円もすると。それは批判されて当たり前だと思うのですが、そんなに大げさなものを考えない方がいいのではないかというふうに思います。
というわけで、私は、またこの近所をずっと写真に撮って歩いたのです。これは、歩道が4メートルで、大体2メートル半の歩道部分をとれば、残り1メートル半は駐輪場として十分に使えるスペースがあります。そういう手法を用いてもっともっと駐輪場を展開すべきだと思うのですよ。丸井の南東側のジュンク堂の横あたりは余裕があるので駐輪場を確保しております。ちょっと乱雑で行儀は悪いですけれども、ああいう手法をもっと随所でやるべきですよ。先ほど駐輪ビルの話もありました。それは、つくる場所はかなり制約されますけれども、自転車の最大の利点はどこへでも自由に移動できるということです。したがって、行った先で、植樹ますと植樹ますの間にスペースがよく見られますけれども、例えば、そこに斜めの線を引いて、ここにとめてくださいというようなやり方があってもいいのではないかなと思うのですよ。とりわけ都心部、駅周辺について。私の考えはいかがでしょうか。
◎木村 総務部長 札幌市では、駐輪場の不足に対処するため、平成2年度から、比較的幅員に余裕がある歩道に路上駐輪場を設置して暫定的には整備してきております。路上駐輪場を整備する際には、歩行者の通行量に応じて一定以上の歩道幅員が必要であるほか、駐輪マナーが悪い場合、一般の歩行者はもとより、障がいを持つ方の支障となるなど、さらには、景観を悪化させるといった課題も指摘されております。
このような課題に対して、大通地区では、札幌大通まちづくり会社のコーディネートのもと、商業者が協力して、都心部駐輪対策アクションプランを策定し、さまざまな放置自転車対策に取り組んでおり、まちづくり会社の構成員でもある二番街商店街の協力を得まして西2丁目線に路上駐輪場の増設も検討中でございます。今後も、幅員に比較的余裕のある歩道につきまして、地先との協力や関係機関との協議を行い、路上駐輪場の整備について検討していきたいと考えております。
◆川口谷正 委員 路上駐輪場というのは、車道上も含めた意味での答弁になりましょうか。
◎木村 総務部長 今は、歩道上の駐輪場を想定しているところであります。
◆川口谷正 委員 そこで、提案ですけれども、私は、車道上にもつくるべきだというふうに思います。
それは、やはり警察の所管で、コインパーキングというのが市内中心部の随所に見られますね。白いペインティングで囲って、300円払って1時間です。聞きましたら、あれは、道路占用料はもらっていないらしいですね。収入は全部警察に行っているらしいのですね。そこは変だなと思いますけれど、それはきょうのテーマではありませんから横に置くとして、ならば、自動車がいいのであれば、自転車だってスペースをとって自転車の駐輪場にしたらいいのではないですか。この考え方はいかがですか。
◎木村 総務部長 要するに、車道の通行をとめて、そこに駐輪場整備をすることだと思いますけれども、関係機関等との調整なり、通行量の問題なり、いろいろと課題があろうかというふうに考えております。
◆川口谷正 委員 また、関係機関が出てきたわけでありますけれども、警察は、自分がやるときはオーケーで、札幌市がやるときはいろいろその調整が必要なのですか。それはおかしいのではないですか。道路管理者は札幌市なのですから。しかも、道路交通上、支障のないところにそれを設置をするわけです。あるいは、警察にコインパーキングはもうやめてください、これは札幌市の自転車の駐輪場に使わせてくださいというふうに言ってください。なかなか、うんと言えないと思うのですけれどもね。やっぱり警察は怖いですから、逆らうとよくないと思うのです。警察と税務署とは、けんかしない方がいいと言われているからね。
その答えはいいです。ただ、ぜひ、アイデアとして検討課題にのせてください。
それから、市役所の駐輪場です。おかげさまで、私も20年間使わせていただいておりまして、これは無料です。庁舎西側のピロティーにあるところですが、ざっと200平米ぐらいありますか。カウントしたら200台とまっています。一方、その西側、道新との間にあるこの駐車場ですが、これも写真を撮ってきたのですが、駐車場の片隅にわずかに自転車を置く場所がありまして、カウントしたら大体50台ぐらいですね。それで、自動車の数ですが、これは何台とまっていると思います。僕が一台一台勘定したら60台です。広さは、西側ピロティーのおよそ200平米に対して駐車場は2,000平米ぐらいあるのじゃないかなと。これは、住宅地図の寸法をはかって1,500倍した広さなのですけれども、当たっていないかもしれませんが、大体いい線いっているかなと思います。10倍の広さにたった60台ですよ。60人分の場所を確保するために2,000平米使っているわけですよ。公共用地の有効活用という観点から見れば、これは非常にパフォーマンスがよくない。この際、あそこには市議会議員は入れないと。それから、本当に緊急な事例のケースしか駐車場に入れないというぐらいのことをやって、あの半分は駐輪場にするというぐらいの考えを持たないと問題の解決にはなりません。考え方はいかがでしょうか。
◎木村 総務部長 駐車場に関しましては、結構、自動車利用もございますのでなかなか難しいかと思いますけれども、庁舎西側のピロティー部分の収容台数を増すことについては、庁舎管理上の課題の整理も必要でございますが、関係部局と協議をしながらその整備の可能性について検討してまいりたいと考えております。
◆川口谷正 委員 もう、やめます。木村部長も、かなり一生懸命努力して答弁していると思うのですが、何せ、やっぱり建設局全体、あるいは札幌市全体が、事、自転車政策に関しては警察と一緒で抵抗勢力ですよ、これは。さっき、私が確認の意味で言った法律、構造令に照らしたって、何もやっていないじゃないですか。だから、川添通の指導帯、これは、小さな一歩ですけれども、自転車利用者にとっては大きな一歩です。これを大事に育てて、アクションプログラムに、さらに、他の区においても展開するということが当然盛り込まれると思いますので、このことを申し上げて、終わります。
○小須田悟士 副委員長 以上で、第1項 土木総務費等の質疑を終了いたします。
ここで、おおよそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時16分
再 開 午後3時40分
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○芦原進 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第3項 河川費及び議案第7号 平成22年度札幌市下水道事業会計決算認定の件について、一括して質疑を行います。
◆松浦忠 委員 まず、決算書の16ページの流動資産のところで未収金32億9,377万7,871円とありますけれども、この内訳を示してください。そして、この中に、私の推定では、今までの過去の記憶でいくと、恐らく、3月の年度越しの使用料金が含まれていて、さらに、使用料金の未収分、それから水洗化貸付金の未収分、これらが含まれていると思われるのですが、それぞれの内訳、そして、この決算では、平成17年度分の不納欠損として処理したものが幾らあったのか、これらについて、それぞれ内訳を示してください。これが1点であります。
それから、2点目は、企業債の償還です。いわゆる減価償却費以内に企業債の償還がおさまる見通しの年度は何年度ぐらいと考えているのか、これが2点目であります。
それから次に、3点目は、人件費のところで、退職給与金8億8,183万2,688円というのが、これは含まれていないとあるのですけれども、経費に係る人件費の割合が10.6%と示されておりますが、退職金が人件費の26%ぐらいを占めているのですね。そうすると、そこのところの数字も大分変わってくるので、なぜ退職金をここに含めないのか、この点についてお尋ねをいたします。
それから、もう一つは、平成14年は、いわゆる包括外部監査の始まりの年だったのです。そのとき、包括外部監査人の山崎 駿先生が平成15年3月に出された報告書の下水道の部分の中を私は見て、桂さんが市長のときでしたけれども、本当に市役所として帳簿を整理しているというには余りにもお粗末過ぎるなと、こう指摘したことが記憶によみがえってくるのですが、この指摘の中で、いまだに整理がされていないことがあります。それは、退職給与引当金をこの企業会計の中で積み立てていくことについて、いまだに行われていないのですが、なぜ行わないのか。
それから、企業債の未払い利息についてもこのとき指摘されております。これは、支出後に結果として計上するのではなくて、当初から見込めるわけだから見込むべきではないか、計上するべきではないかと。当時、こういうことが指摘されているのですが、これがいまだにそうなっていないのですけれども、その理由は何かと。
それから、もう一つは、職員費です。この資産への計上方法として工事費に比例して案分しているが、これは、実際にかかったものをきちっとそれぞれ計上するべきではないかと、こういうことなどが指摘されているわけですけれども、これらについて、なぜそれが実施されていないのか、これについてお尋ねします。
それから次に、下水道普及率は人口の99.8%と、もう残りわずかになっています。それで、合併浄化槽の補助金もだんだん上がってきているのですが、やっぱり、下水道会計の中で合併浄化槽をきちっと設置し、そして、日常の維持管理も下水道会計の中で行っていく、私はこれがあるべき姿だと思うのです。札幌市内に住んでいて、どこにいても下水の処理はきちっとできる、方法は浄化槽であれ、管路であれですね。したがって、それについてそろそろ実施するべきだと思うけれども、いかがかということであります。まずはそこまで。
○芦原進 委員長 松浦委員に確認ですが、未収金の内訳について、平成17年度決算というお話がありましたが、よろしいのですか。
◆松浦忠 委員 (続)いわゆる不納欠損で落としてありますから、今年度、22年度で不納欠損で落としたものは、平成17年度のものを落としたのかということです。
○芦原進 委員長 わかりました。
では、答弁を求めます。
◎阿部 下水道河川部長 私から、未収金、その他の点についてご説明申し上げます。
平成22年度決算の未収金ですが、お尋ねになられた内容がすべて手元にあるわけではございませんので、今、手元にある範囲でご説明させていただきたいと思います。
22年度の未収金は32億9,300万円という総額になっております。その内容でございますけれども、当年度発生分が30億4,700万円、過年度分が2億4,600万円となっております。それから、17年度の不納欠損額でございますけれども、3,570万円という金額になっているところでございます。
それから、起債の償還がほぼ見通しのつく時期というお尋ねでございましたけれども、今のところの試算では平成28年ぐらいになるのかなという見込みを立てておりますが、流動的な要素もあるという状況でございます。
それから、人件費、そして、退職給与引当金等々のお尋ねでございます。未払い利息の問題も同一の理由でございますけれども、確かに、包括外部監査の意見の中で計上が望ましいというご指摘があったわけでございます。しかし、それを計上することによりまして、計上した当該年度の経費、会計が非常に苦しくなるという状況があって、これまでその時期等について検討を行ってきたところでございますけれども、平成26年度をめどに公営企業会計の仕組みがかなり大きく変わるという方向が出されております。現在、国会の方で審議中というふうに伺っております。まだ、その全体の内容が見えておりませんけれども、公営企業会計の仕組みが変わるということで、会計システムを含めて、相当大幅に、長時間、多額の経費による改修をしていかなければならないということが想定されております。そこで、今のところ、その平成26年をめどに、ご指摘のあった点につきましてきちんと退職給与引当金等を計上して、公営企業会計の新しい制度にかなった内容に整理をしたいというふうに考えております。
◎坂倉 計画担当部長 私から、合併浄化槽を下水道会計で行うべきでないかということにつきましてお答えさせていただきます。
今現在、環境局で実施しております浄化槽の設置補助制度でございますけれども、この制度につきましては、設置する市民の皆様の負担軽減を図るということで、平成19年に補助金の増額を行いまして、大体、設置費の7割方を補助するという制度になっておりまして、全国的にも水準の高い制度となってございます。この枠組みにつきましては、このようなことから、札幌市の実情に照らし合わせてみましても、十分な合理性を有しているものと考えております。そのようなことで、現状では、合併浄化槽に対しまして下水道会計でその費用を負担していくことにつきましては、困難と考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 まず、平成26年の会計年度だということであります。それはそれで了としますけれども、私からしたら、平成14年に指摘されていて、26年に会計年度を変えるという話は昨今の話なのですね。ずっとそのままこうやって変えないできたのは何なのかなと。ことしの収入決算を見ると、415億6,831万591円、これに対して、一般会計の繰出金がいろいろなものを入れて216億833万4,264円で、実に52%なのですよ。したがって、私は、こういうものを入れてやったとしても――いずれにしたって、今、収支の均衡がとれているというのは、一般会計からの雨水処理だとかなんかのその単価設定が、収支がみんなとれるような形で設定されているから、あれやこれやを含めて収支がとれるような仕組みに設定されているからこういうふうになっているのであって、逆に言えば、企業会計ですから、会計上で必要なものは必要な処理をきちっとしていって、そして、その中で、例えば一般会計の繰り入れが必要だったら必要だと。逆に言えば、そうやって積み立てた金を資金ベースで使っていくということになれば、それは投資の方の金に回してもいいわけです。ですから、私は、そういうふうに、やっぱり、法律で定められている企業会計という体制に移ったら移ったようなことをきちっとやるということがあるべき姿だと思うのですよ。その中でどう努力をしていくか、こういうことだと思うのです。
これについては、答えを求めても、もう平成26年は目前ですから、それは求めずに指摘だけをしておきます。そういうことであります。
それから、もう一つは、監査委員にちょっとお尋ねしたいのですけれども、今のこの決算報告書です。僕が決算審査をするときには、この決算報告書と、それから監査委員が出された札幌市公営企業会計決算審査意見書、我々にはこれしか調べる手だてがないのですよ。いわゆる書類によって審査をするということは。そうしたら、実は、今の未収金の関係について、私は、この意見書の中に何か書かれているのかなと、今言ったような内訳が書かれているかなと思って何回か読んでみたけれども、読み取れないのですよ。こういうことについて、私は、これは、議会にも出して審査を求めると同時に市民にも公開されるわけですから、したがって、だれが見てもこの書類を見たら――これは専門家が見てもわからぬと思うのですよ、私は。公認会計士が見ても、これだけを見たら、未収金の内訳なんかはね。やっぱり、もっとわかりやすい決算書、あるいは監査意見書などを書いていただくと。ほかのところは大体よくわかるのですよ。けれども、肝心のところはこういうことが抜けていると。
そこで、時間の制約もありますから、ちょっと細かいことがいろいろありますけれども、それはやめます。伊与部委員がやめろと言っているから、やめます。
これについて、私はそうあるべきだと思うのですけれども、監査委員のご意見、見解をお伺いしたいし、ぜひ、今後そういうふうに直してくれたらありがたいなと思うのだけれども、見解はいかが。
◎窪田 監査委員 ただいまの報告書等の内容についてお答えいたしますが、私ども監査委員も、可能な限り、一般の市民の方も含めて理解していただけるような内容に努めたいと、そのための努力はしております。ただ、対象範囲が非常に広範でもございますし、どういう資料をどの内容まで添付したり開示したりするのかということにつきましては、その問題、あるいはそのテーマによりまして、あるときは、場合によっては省略するようなこともございます。しかし、今ご指摘いただいたように、なるべくわかりやすい内容に努めるということは大切なことだと思いますので、今後もそういうふうに努力していきたいと思います。
◆松浦忠 委員 最後に、理事者側にも、監査委員の皆さんにも一つ指摘をし、改めていただきたいと思うのです。
やっぱり、流動資産で未収金32億9,377万7,871円という数字だけを見ても、随分あるな、何だろう、これはと、だれもわからぬと思うのですよ。したがって、私の言うのは、ほかのことは求めていないのですよ。こういうことについて、これを見てわかるような決算報告書を理事者側はきちっとつくってほしいし、それから、そういうことが書かれていなければ、ぜひ、監査意見書の中でそういうことを指摘して書いておいてほしかったなというのが私の注文であります。
以上、来年はしっかりやってください。終わり。
◆中村たけし 委員 私から、下水道施設の地震対策と下水道事業における地球温暖化対策の二つのテーマについて質問させていただきます。
まず、下水道の地震対策についてお伺いします。
東日本大震災から7カ月が過ぎまして、今、国全体で総力を挙げて復興に取り組んでいるところでございます。本市におきましても、今後の教訓として生かしていかなければいけないものと考えているところでございます。下水道施設は、公衆衛生の確保、浸水防除といった役割を果たしており、また、一たび被害が起こりますと、回復までに長時間と多大な費用を要することから、災害時における下水道の基本的な機能を維持することが極めて重要であると考えています。
このような考えのもとに、今回の大震災に関連し、代表質問におきまして、我が会派の林議員から下水道施設の地震対策について札幌市の取り組みや考え方などを質問したところでございます。その中で、下水道事業中期経営プランの主要事業はほぼ計画どおり進捗しており、引き続き、積極的に取り組むという答弁があったところです。今回の積極的な取り組みに大いに期待しておりまして、今回の大震災を踏まえると、一日も早い耐震化が望まれるところでございます。
そこで、代表質問に関連して質問させていただきます。
下水道事業中期経営プランには、マンホールの耐震補強、汚泥圧送管の2条化、ループ化、水再生プラザ管理棟の耐震診断率の三つの指標が記載されており、代表質問におきまして現計画期間内においてほぼ予定どおりに進捗しているという回答がございました。現プランは今年度で終了するということでございまして、この三つの指標の今後の見通しについて、まずお伺いします。
◎坂倉 計画担当部長 地震対策に関します三つの指標の今後の見通しにつきましてお答えいたします。
まず、水再生プラザにつきましては、運転操作の中枢を担う管理棟を優先して耐震化を実施しており、今年度中に、耐震診断だけではなく、耐震補強工事も終了させる予定でございます。
次に、マンホールの耐震補強についてでありますが、水再生プラザに直結する下水道の幹線や緊急輸送路にある大型のマンホールを対象として実施しており、次期中期経営プランの中で詳細な診断が残っております200カ所ほどのマンホールの診断を終了させまして、順次、必要な補強を実施していく予定でございます。
次に、水再生プラザをつなぐ汚泥圧送管の2条化、ループ化についてでございますけれども、現在残っている茨戸−拓北間、それから豊平−厚別間の二つの区間につきまして、来年度から工事に着手いたしまして早期の完了を目指してまいりたいと考えているところでございます。
◆中村たけし 委員 地震はいつ起こるかわからないところなのですが、今回の大震災を教訓としまして、地震発生後においても、ライフラインとして下水道の基本的な機能の維持に向けた対策にスピード感を持って引き続き積極的に取り組んでいただくことを、まず、要望させていただきます。
引き続き、下水道事業における地球温暖化対策についてお伺いします。
地球温暖化対策は、環境首都・札幌として取り組まなければいけない喫緊の課題であることは言うまでもございませんが、ことし3月に策定されました札幌市温暖化対策推進ビジョンの中で、中期的な目標として、2020年に札幌市全体で排出される温室効果ガス排出量を、市民・事業者・札幌市、各主体の行動によりまして1990年度比で25%を削減することを目指しております。特に、下水道事業は、水処理及び汚泥処理などの過程で多くのエネルギーを使用するために、温室効果ガス排出量は自治体の事業活動の中で大きな割合を占めており、温室効果ガス削減に積極的に取り組むべきものと考えます。
そこで、下水道事業の地球温暖化対策として、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、今後どのように取り組みを行うつもりなのか、お伺いします。
◎坂倉 計画担当部長 地球温暖化対策の取り組みにつきましてお答えいたします。
まず、これまでの取り組みについてですが、施設の更新時期に合わせた省エネルギー設備の導入や、運転方法の工夫などによるエネルギー使用量の削減などに取り組んできたところです。
次に、今後の取り組みですが、現在策定中の次期中期経営プランに合わせまして、今年度中に下水道における地球温暖化対策推進計画を策定することとしており、新たな数値目標を定め、現在の取り組みに加えまして、さらなる温室効果ガスの削減の手法を検討するなど、具体的な取り組み内容を盛り込んでいくこととしております。
◆中村たけし 委員 下水道事業におきましては、温室効果ガスの削減に向けて、これまでも省エネルギー対策などさまざまな努力を行ってきましたが、今後のプランでも、目標を定めた上で新たな手法を検討するなど、対策に取り組むという答弁でございました。
下水道は、バイオマスエネルギーや下水熱、水力など豊富なエネルギー資源を有しています。これらを積極的に利活用することが大変重要であると考えているところでございます。その中でも、とりわけ下水汚泥からのメタンガスを利用したバイオマス発電や、下水処理水を利用した小水力発電など新エネルギーの発電設備の導入が有用だと考えるところでございます。札幌市におきましては、下水汚泥の処理過程において、消化処理という処理を行っておらず、メタンガスを発生させる施設がないために、バイオガスを利用した発電というものは難しいものであることは承知しています。
この発電以外にも、下水道資源が有するバイオマスエネルギーの活用方法があると考えているのですが、国土交通省が、地球温暖化対策を推進するとして、下水汚泥のエネルギー資源としての活用などを検討するために設けた資源のみち委員会の試算によりますと、これは2005年度の数字ですけれども、発生する下水汚泥の有機物全量から回収されるエネルギー量は原油換算で104万キロリットルにも相当するものでございます。また、固形燃料化された下水汚泥は、低品位の石炭並みの発熱量を持っていることが示されています。東京都の江東区にある砂町水再生センターでは、従来、焼却埋め立て処分していた下水汚泥を炭化処理しまして、バイオマス燃料とするスラッジプラント汚泥炭化施設が2007年11月から稼働しているところです。この燃料を福島県いわき市にある常磐共同火力の勿来発電所へ供給しまして、石炭に1%程度混合して燃焼しているという現状があります。
また、水再生プラザでの処理水を利用した小水力発電も考えられるところです。放流落差や水量にもよるところですが、水を扱う下水道事業ならではの発電を行えるのではないかと考えるところです。全国的にも、東京都、京都市、神戸市において下水処理場での小水力発電が行われております。
そこで、
東日本大震災後のエネルギー事情もあわせて考えた場合、これら下水道資源を活用した新エネルギーを積極的に導入すべきものと考えますが、導入の可能性についてどのようにお考えなっているのか、お伺いします。
◎坂倉 計画担当部長 下水道資源を活用しました新エネルギー導入の可能性についてお答えいたします。
まず、バイオマスエネルギーにつきましては、ことしの3月に、国の方からも、案ですけれども、下水汚泥エネルギー化技術ガイドラインというものが示されているところです。本市におきましても、下水汚泥の固形燃料化など、さまざまなエネルギー化の手法につきましてこの国のガイドラインを参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
また、小水力発電についてでありますが、委員のお話にありましたように、下水道施設においては落差が小さくて不利な面もございますけれども、導入している事例もございますことから、可能性につきまして、今後、調査研究してまいりたいと考えております。
◆中村たけし 委員 バイオマスエネルギー、あわせて、小水力発電を積極的に検討していただくことを要望します。
地球温暖化対策はもとより、原発事故の影響を受けまして、今、日本国中で節電がうたわれております。下水道の有するエネルギーを活用することは、地球温暖化問題とエネルギー問題の一つの解決策となるものでございます。下水道が持つ豊富なエネルギー資源の有効利用の可能性について検討して、積極的に活用して新エネルギーの創出に寄与することを要望しまして、質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、河川の維持管理について質問いたしたいと思います。
初めに、台風12号による被害についてであります。
近年は、局地的な豪雨や台風など、各地で浸水被害が相次ぎ、ことしも、8月30日から9月6日にかけて四国から東北地方を横断した台風12号関係では、全国的に大きな被害をもたらしたところであります。この台風では、西日本から北日本にかけて広い範囲で記録的な大雨となり、特に、紀伊半島では総降雨量が1,800ミリを超え、奈良県、和歌山県において、大規模な土砂崩れにより道路の寸断や土砂ダムが発生するなど、紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらし、死者73名、行方不明者19名のほかにも大きな被害を出したところであります。
札幌市におきましても、台風12号については、過去に大きな被害をもたらした昭和56年の水害以上の降雨が予想されておりましたが、結果としては、幸いにも9月5日から6日にかけての総降雨量は市内では少なかったものの、南区の小金湯で約200ミリの降雨があったと聞いております。今回は、特に豊平川上流域での降雨が多かったことから、豊平川の雁来観測所では避難判断水位を超える8.43メートルの高い水位となり、昭和56年災害以来の危険な状況であったことが報道されたところであります。
そこで、最初の質問ですが、予報されたほどの雨量とはならず、札幌市では大きな被害が出なかったというふうに聞いておりますが、状況はどうだったのか、初めにお伺いいたします。
◎坂倉 計画担当部長 台風12号におきます被害状況についてお答えいたします。
この台風では、記録的な大雨となるおそれがあったことから、全市的に警戒態勢をとり、情報収集やパトロール強化など被害の発生に備えたところでございます。幸い札幌市で大きな被害はなかったものの、南区などの山間部で降水量が多かったことから、市の管理河川の一部で、小規模ではありますが、川岸が崩れたりするなどの被害が発生しております。現在、これらの被害箇所につきまして復旧対応を行っているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 今ご答弁をいただきまして、大きな災害がなかったということは、昭和56年以降、着実に河川整備を進めてきて市内の治水安全度が高まった成果だというふうに言えると思います。このことについては、評価をさせていただきたいと思います。
しかし、集中豪雨が頻発しておりますので、減災の観点から、今後もしっかりと整備をお願いしたいというふうに思います。
続いて、環境整備等の維持管理についてお伺いしてまいりたいと思います。
河川につきましては、治水対策はもちろん重要でありますが、貴重な公共空間であることから、日常は市民にとって親しみのある空間として利用されさておりまして、良好な河川環境を維持していくことも大事であると考えております。
国におきましては、平成9年に河川法を改正いたしました。これまでの治水、利水に加え、河川環境の整備と保全を追加いたしました。さらには、平成18年には、多自然川づくり基本指針が出されております。札幌市でも、こうした国の制度を活用して、まず、北区の安春川でふるさとの川モデル事業として環境整備をしたのを初め、私の地元である手稲区においても、旧中の川や手稲土功川など、これまで市内の29河川で河川環境に配慮した整備が行われてきたとお聞きいたしました。
しかしながら、環境整備から時間が経過するとともに、河川内に植物が繁茂し、河岸におりられないとか、また、草刈りが十分ではないため散策路が通れないという声が地元の方から寄せられております。せっかく環境整備を行った河川でありますから、この良好な環境を守り続けてゆくために、適切な維持管理が重要であると思うところであります。
そこで、質問ですが、これまで環境整備を行ってきた河川についてはどのような維持管理を行っているのか、お伺いいたします。
◎坂倉 計画担当部長 環境整備を行ってきました河川の維持管理についてお答えいたします。
札幌市が管理している河川の維持管理ですが、主な管理のうち、草刈りは年1回を基本として実施しており、環境整備を行った河川についても同様としておりますけれども、現地の状況や地域の声を踏まえ、限られた財源の中ではありますが、実情に即した対応をしているところでございます。今後も、良好な河川環境の維持に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 今、地域の実情に即して対応している、それは、年1回の草刈りをやっているというようなお話でありました。良好な河川環境の維持に精いっぱい努めていただいていることは理解をいたすところであります。
市において管理している河川は、420河川で、総延長581キロメートルもあるとのことであります。すべての管理河川を同じレベルで維持管理していくことは、限られた予算の中では難しく、環境整備をした河川など、河川ごとにめり張りのある対応が必要であると思います。ことしの5月に、国から、河川の維持管理に関して、洪水などに対する安全性の確保や河川環境の保全など、河川維持管理の技術的な項目と基準などを定めた河川砂防技術基準の維持管理編が示されたところであります。本市においても、このような基準を参考に、維持管理の項目や管理水準などを定める必要があると考えております。
そこで、質問でありますが、めり張りをつけた維持管理を行うためにも、札幌市の河川の維持管理計画を策定すべきと考えますが、お伺いいたします。
◎坂倉 計画担当部長 河川の維持管理計画についてお答えいたします。
維持管理計画につきましては、札幌市もその必要性を認識しておりまして、現在、策定準備を進めていたところでございます。今年度は、現地調査や資料収集に取り組んでおりまして、重要度の高い河川については、平成25年度をめどに計画を策定したいと考えております。
なお、河川砂防技術基準の維持管理編が示されまして、札幌市も参加しています全国的な技術会議の中で維持管理に関する状況や基準作成に向けての課題など検討を進めておりまして、この成果も反映させていきたいと考えております。
◆福田浩太郎 委員 維持管理計画の策定をしていくということであります。
最後に、要望でありますけれども、ぜひ、良好な河川環境が守られるような計画にしていただきたいというふうに思います。
そこで、計画の策定に向けましては、札幌市では、平成5年度に河川環境モニター制度をスタートしておりまして、現在、24河川でモニターの声を維持管理に役立てていると伺っております。また、地域の方々が地域の環境を守る取り組みとして、道路などではアダプト制度を取り入れ、かなりの団体が活動をしているとも聞き及んでおります。河川の管理についても、こうした市民等の力を活用することが大切であると思います。良好な河川環境を守るためには、行政だけでなく、地域の方々との連携した取り組みが不可欠であると考えております。ぜひ、維持管理計画の策定の際には、市民の皆様の意見を十分に聞いていただいて、また、その意見を盛り込んでいただくことを求めて、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私は、集中豪雨や台風による浸水対策について、下水道の分野にかかわって質問をしたいと思います。
先ほど来、集中豪雨、台風による被害の問題ということで、市民の皆さんが大変不安に思っており、その上で整備をどういうふうにしていくのか、こういう議論が行われてまいりました。下水道の分野で申し上げますと、1978年から、5年確率だったものを10年確率、降水の確率年を10年、1時間当たり35ミリに上げることで、浸水に対する安全性を高めるアクアレインボー計画というものが始まりました。現在の進捗状況は86.8%と伺っているところですけれども、まず、今後の整備の見通しを具体的にお示しいただきたいというふうに思います。
それから、今、浸水被害が甚大かどうかという想定は十分にできますから、重点的に進めるべきところは進めるというような整備計画、一律35ミリというような計画ではなくて、重点的な整備が求められているのかなというふうに思うものですから、この点についてのお考えを伺いたいと思います。
◎坂倉 計画担当部長 まず、アクアレインボー計画におきます具体的な今後の整備についてお答えいたします。
アクアレインボー計画は、委員のお話にありましたように、達成率86.8%となって一定の整備水準に至っておりますけれども、いまだに増強が必要な地区といたしまして、地下鉄駅周辺とか、あるいは、これまでにたびたび浸水被害が起きている白石地区とか、そういった地区がございます。現在、その地区につきましては、具体的に言いますと、地下鉄駅周辺であれば麻生地区、菊水地区、そして、白石地区については豊平川の雨水貯留管の整備を今やっておりまして、こちらの整備については平成26年ぐらいまでかかるような予定となっております。
それから、これから重点的に行っていく部分、めり張りをつけて雨水整備をということでございますけれども、これについては、今、お話ししましたように、地下鉄駅周辺のように多くの方々が集まって人命にかかわるような場所とか、それから、都心の大きな資産が集まっている場所とか、そういった場所について地域の状況に応じて重点的に効果的・効率的に整備していきたい、このように考えております。
◆坂本恭子 委員 最後に、地域の状況に応じて効果的・効率的に整備を進めていきたいというご答弁があったかと思います。
アクアレインボー計画は、冒頭にも申し上げましたが、1978年から始まっている計画ですから、かなりの年月を費やしています。もちろん、財源的にもかなりの金額が投資されているというふうに思います。そういう中で、本当に大きな被害がなかったというのは不幸中の幸いですけれども、ことしに入ってからも、4回、大変大きなまとまった量の雨が降るようなことがございました。9月5日、6日は、南区を中心にという先ほどのお話もありましたが、1時間で換算すると32.5ミリの雨が降っているわけですから、今のアクアレインボー計画に基づいて整備を行っていっても、やっとそこで受けとめられるというようなことです。たまたまこのときは総雨量が115ミリということでしたが、これが、3時間ではなくて、半日、1日、2日というようにずっと同じ地域で降り続いていたらどんな状態になっていたのかと思うと、やはり重点的な整備、地域の状況に応じたというお話でしたけれども、これはしっかりと対応していただきたい、そういうふうに思います。
下水道河川部で出しておりますパンフレットでは浸水対策事業ということでアクアレインボーが出てきますが、施設の拡充というのは、今お話がありました管路の整備とかポンプ場の整備を行っていくということです。それからもう一つは、雨水流出抑制型下水道ということで、これは、拡充管などを使って、直接、処理場に下水を運ぶのではなくて、一定程度は地下水にも浸透させていく仕組みの下水道だと理解しておりますけれども、この拡大、整備ということが重要なのかなというふうに思っています。
といいますのも、これも昨年の第3回定例会の代表質問で私どもが取り上げている問題ですが、雨水流出抑制ということが大きな課題なのかなというふうに思っております。まず、降ってきた雨を地面で受けとめるときに、それをちゃんと地面に吸い込ませることが大事だというふうに思っています。そういう意味では、このパンフレットにも載っております雨水流出抑制型下水道というものは、雨水を地下に浸透させる機能をあわせ持っているものですから、私は、地下水の涵養という側面からも大変重要なものだというふうに思っております。
そこで、改めて、この雨水流出抑制型下水道の整備についての基本的な考えについて伺いたいと思います。
それから、今、本来であれば、直接、地面から雨水が浸透していくはずのものが、都市化によって建物がどんどん建設される、あるいは、路面も敷地内も舗装するというように舗装の面積などがふえて、雨水が地中に浸透しにくい状態になっております。降った雨のうち下水道に流れる割合、これは流出係数とお聞きしておりますが、以前は30%台だったものが、今では60%と短期間に倍増しているということで、雨水の流出量の抑制が必要だということを昨年の第3回定例会の代表質問でも取り上げてまいりました。そして、大規模な施設については、その敷地の中での雨水浸透ということでいろいろな手法を検討していきたいというお話がございました。
そこで、ことしの4月から、3,000平米以上の土地に施設を設置する場合は雨水流出抑制をお願いしますということで、浸透ます、それから、雨水を一たんためる貯留槽の設置のお願いというのでしょうか、そういうことを始めました。これは、ことしの4月から始まったもので、都市局などに建築確認あるいは相談に行ったときに、ぜひこういう施設をつくっていただきたいというお願いをした結果だと思いますが、9月現在、市内の3,000平米以上の施設で6カ所が雨水流出抑制の施設をつくるということで、今、建設に向けて設計、計画などを立てているというふうに聞いております。
このように大規模施設を建設する事業者に対してこれを積極的にPRして設置を促していくことは大変重要だというふうに思いますけれども、一方、3,000平米未満の施設についてはどうするのか、ここは、やはりこれから大きな課題になってくるのかなと思います。3,000平米でいきますと福祉施設、それから、5,000平米弱で病院施設、それから1万平米を超える商業施設や事業所、共同住宅などがありますが、これよりも小さい規模の、しかし、一定程度まとまった面積を使うような小規模住宅であるとか、そういうような中小規模の施設に対しては、私は、指導して、ぜひ設置してくださいというお願いだけではなくて、やはり、一定の補助制度、貸付金制度、あるいは、雨水を地中に浸透させていくわけですから、その分の下水道料金の減免という形で誘導していくような策が必要なのではないかというふうに考えているところです。
大規模施設については始まったばかりということもありますが、今後の課題として、3,000平米未満のものについてもぜひご検討いただきたいと思うのですけれども、そこら辺のお考えについて伺いたいと思います。
◎坂倉 計画担当部長 ことしの4月から始まりました雨水流出抑制の制度でございますが、その制度の基本的な考え方につきまして、まず、お答えさせていただきます。
委員のお話がありましたように、3,000平米以上の開発とか、そういった大規模な開発をされる場合には、モデル地区でこれをいろいろ検討しますと、件数で言えば全体の3分の1ぐらいの件数ですけれども、面積では3分の2ぐらいの面積になります。そのため、3,000平米以上の施設で雨水流出抑制をしていただくことで、具体的には、委員のお話にありました雨水流出係数ですが、降った雨が全部流れる量を1としますと、降った雨の6割が流れれば流出係数が0.6となりますけれども、6割くらいまで流出を抑えられると。そういうことで、件数は少ないけれども、面積が多いので効果が高いということで、3,000平米以上の方にお願いすることで導入いたしました。
それから、もう一つの3,000平米未満の施設に対して助成なりをしてさらに小さな規模のところに拡大を図るべきではないかということでございます。私どもがこの制度を導入した背景でございますが、行政の雨水整備だけですと、限界があるというか、なかなか追いつかない面もございます。そういうようなことから、市民の皆様、企業の皆様と協働で雨水対策をしていくという考えでございます。そのような協働という考え方なものですから、直ちに助成制度とか下水道料金などを減免するということはちょっと難しいのかなと、そう考えているところでございます。
また、3,000平米未満の部分に規模拡大ということでございますけれども、この制度はスタートさせたばかりでございまして、今の段階では、まずは、一番効果の大きな対象として3,000平米以上というところで制度を進めていきたい、このように考えているところでございます。(発言する者あり)
○芦原進 委員長 もう一度、坂本委員。
◆坂本恭子 委員 雨水抑制型下水道の整備について
○芦原進 委員長 もう一度、質問をしてください。お願いします。
◆坂本恭子 委員 (続)大規模の施設については、始まったばかりということもありますから、これから、できるだけというか、協力をいただきながら、該当する3,000平米以上のすべての施設については、浸透ます、貯留槽の設置に積極的に取り組んでいただくようにぜひ誘導していただきたいというふうに思います。
これが、関係するところに出しているチラシですね。ここに、大規模施設を設置するときは雨水流出抑制をお願いします、雨水は地中へ、そしてゆっくりということで、これは、貯留槽に雨水をためて、そこから下水道に少しずつ流していくことと、地下水涵養のためにも雨水を地中に戻していこうということですね。それから、企業にもお願いしながら、行政だけではできないのでというお話がありましたけれども、市民・企業・行政の協働による雨に強いまちづくりを目指してというもう一つのチラシがあります。これは、できるだけ下水道に水を流さないようにということで、ここには、ビルでは緑化の推進、駐車場では雨水浸透ます、そして雨水の貯留施設を設置してくださいということ、それからまた、各家庭ではということで載っておりますね。ここでも、やはり、家の周りを緑化しながら雨水貯留施設というような印象のイラストが載っております。
私は、一定規模の施設、大規模はもちろん、中小もそうですけれども、個人住宅の部分についても、ぜひ助成制度などを活用していただきたいな、札幌市として取り組んでいただきたいなというふうに思います。先ほど、部長はそういう制度については考えていないというお話でありました。私は、建設委員だったときに、横浜の方に視察に参りました。このときには、個人のお宅、あるいは、本当に小さなアパートなどについて1件当たり最大4万円の助成を行う、新築、改築の排水設備の改修時に雨水浸透ますの設置をした場合にこの助成をするというものでした。私は、ぜひ、札幌市でもこういうものを導入していただきたいというふうに思います。地元業者の仕事もふえますし、雨水の流出抑制にもつながるということですから、こういうものも積極的に検討を行うべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
なぜこういうことを言うかというと、先ほど来お話をしておりますように、地下水の涵養につながるということなのですね。ただの浸水対策あるいは集中豪雨対策で浸水被害を回避するだけの問題意識ではなくて、地下水をどのように涵養していくのかというところに大変重要な課題があるのではないかなというふうに私は思っております。
そこで、さっき改めてお聞きしたかったのは、雨水流出抑制型下水道というものがございます。これは、浸透式の下水道で、単に処理場に雨水を運ぶだけではなくて、その管から直接地面に雨水を浸透させることができる機能も持っているものですから、私は、これをもっと整備していってもいいのではないかなというふうに思い、ここについての整備率をお聞きしたかったので、お願いします。
◎坂倉 計画担当部長 今、整備率ということでお話がありましたけれども、札幌市でも、公共下水道の整備の中で浸透式下水道の整備を行ってきております。これまで整備した部分でございますけれども、公共下水道ですから道路の部分に整備しておりますが、浸透ますですと約900カ所、あとは、浸透トレンチ、有孔管と言いまして、周りに水が抜けるような管を入れまして、その周りを砕石で埋め戻していますけれども、そのようにパイプ自体で地中に浸透させる施設を約14キロ整備しております。そして、地区としては全体で12地区において整備しております。
それから、横浜などでは個人の住宅での雨水の浸透ますに助成しているということで、札幌市でもそういったことに対して制度として助成してはいかがかというお話ですが、これについては、北海道は積雪寒冷地でありますのでいろいろな課題がありまして、現時点では、この導入はちょっと難しいかなと思っております。実際に、個人の住宅での雨水浸透ですとか、あと、雨水タンクというためるタンクなどがありますが、そういったものへの助成については、やはり寒冷地でないところでの助成がほとんどでございます。具体的な難しさの点としては、北海道は積雪寒冷地ですから住宅構造も違っている部分がありまして、例えば、雨どいがなかったりとか、本州の方と違ってそういう雨水とか屋根の水を集めることが難しいのかなと、そういうような課題があると思っております。
◆坂本恭子 委員 ぜひ、積極的にやっていただきたいと思います。特段、個人住宅などについては、積雪寒冷ということもあって難しいし、雨水の集め方も本州とは方式が違うのでというお話がありました。しかし、雨水の集め方もそうですし、雪に強い、冬に強い設備を研究開発するという努力をぜひするべきだというふうに思います。
今、これだけ経済が疲弊している中で、私は、本当に積雪寒冷地でどういうものが必要なのかという研究開発のところについても、札幌市が積極的に関与していく必要があるだろうというふうに思っています。例えば、こういう雨水の浸透ますなどについても、本州だからできる、札幌は雪国だからできないというような線引きではなくて、経済界や研究機関などとも協力・連携しながら、これについては開発していくというような意気込みも持って、積極的に導入について検討をしていただきたいと思います。
◆阿知良寛美 委員 下水道施設の老朽対策についてお伺いいたします。
これまでの札幌のまちづくりは、昭和30年代から昭和50年代初頭にかけて急激な人口増加が進行する中で、将来を見据えた都市基盤整備の充実を図ってきました。その結果、年間降雪量が6メートルになんなんとする、そういった積雪寒冷地にもかかわらず、190万人の人口を抱えるまでに大きく発展してまいりました。この190万人の市民生活、経済活動を支えている都市基盤施設でありますが、昭和47年の冬季札幌オリンピック開催を契機に、短期間に、しかも集中的に整備が進められたわけでありますけれども、その結果、老朽した施設の改築・更新も短期間に集中するという課題があります。オリンピックから40年が経過しようとする現在においても、都市基盤施設については老朽化が目立つ状況となっており、さきに発表された第3次札幌新まちづくり計画案においても、今後、一斉にこれらの施設が更新時期を迎えることから、適切な長寿命化など、計画的な取り組みを進める必要性についてうたわれているところであります。
このことは、下水道施設についても同じで、人口増加に対応するため、現在、10カ所の水再生プラザ、さらには、ポンプ場も17カ所、管路延長も8,000キロを超えると伺っております。もちろん、言うまでもなく、下水道は一刻たりとも休むわけにはいかない大事な大事な施設でもございます。この処理場やポンプ場の機械・電気設備については、通常は目に見えるということで定常業務で点検または整備が行われているところでありますが、構造物より寿命が短いために、既に大規模な改築・更新の時期に来ており、決算等の説明の中でも、建設事業費の約半分が改築・更新の費用になっていると説明を受けております。
そこで、質問でありますが、機械・電気設備の改築・更新をどのように進めてきているのか、お伺いいたします。
◎宮田 下水道施設部長 処理場やポンプ場における機械・電気設備の改築・更新の進め方についてお答えいたします。
機械・電気設備の改築・更新に当たりましては、まずは、日常の適切な維持管理におきまして設備の延命化を図ることが重要と考えております。このため、目視や異常音の確認などによる日常点検のほか、設備ごとに点検項目や点検周期を定めまして経年的な変化を把握することで故障の予知に努め、計画的な修繕を行ってきているところでございます。このように、国の標準耐用年数にかかわらず、より設備の延命化を図った上で効率的に機械・電気設備の改築・更新を行ってきているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 上の方にあるわけですから、当然、職員が目視による点検を行ってそういった定常業務でやっているということですから、そういう部分では、今後も維持管理または改築・更新に取り組んでいただきたいというふうに思います。
一方、処理場が10カ所ありまして、そういった躯体や下水道の管路などのコンクリート構造物の耐用年数は、一般的には約50年というふうに言われておりますが、機械・電気設備と比較してかなり長いものとなっております。これらの改築・更新については、機械・電気設備に比べれば、今後、時差を持っておくれて顕在化していくと思います。本格的に取り組んでいかなければならない大きな課題であろうというふうに思います。
特に、下水道管路につきましては、地中に埋設されており、目に見えない施設であるとともに、道路下に整備されておりますから、適切な維持管理を怠ると道路陥没などの重大な事故を起こしかねないわけであります。
お聞きしましたところ、取りつけ管などが主だというふうに聞いておりますが、この下水管が原因とされる道路陥没は、歩道等で年間約200カ所程度というふうに聞いております。陥没の原因というのは、物理的には、輪荷重、車の重量や、それから土圧とか摩耗といったもので壊れる。化学的には、扱っている物が物ですから硫化水素によって腐食をする。また、生物的には、樹木の根っこが水を求めてコンクリートを突き破って穴をあけてしまう。こんなことが原因で陥没が起こるわけでありますけれども、このことから、今後、下水道管路の大規模な更新時代を迎えるに当たって、まずは、現状の下水道管路の劣化状況を適切に把握することが重要だというふうに思います。
そこで、質問でありますが、管路の老朽化の状況はどのように調査し、また、その調査結果はどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎宮田 下水道施設部長 管路施設の老朽化の調査とその結果についてでございます。
管路の調査につきましては、すべての管路を対象といたしまして、6年に1回の頻度でマンホールから目視点検等を実施しておりまして、損傷や浸入水などの異常箇所、そして老朽化の状況を確認しているところでございます。異常箇所が判明した場合につきましては、管内にテレビカメラを入れましてより詳細な調査を実施しております。この10年間に、テレビカメラによる調査延長は200キロになっております。
また、この調査における老朽化の状況でございますが、本市の場合、管路の9割が整備後まだ40年未満であることから、著しい老朽化が進行している状況にはございません。しかしながら、昭和初期に整備した管路で、整備後、経過年数が長い管路につきましては、老朽化による鉄筋や骨材の露出などの発生頻度が高くなっておりまして、これらについては修繕などの必要な措置を講じているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 経過年数が長くなれば、コンクリートの腐食ということもあって鉄筋や骨材の露出が目立つ、こんなお話でありました。
これまで、下水道管路の整備実績を調べてみますと、今後、加速度的に老朽管が増加していき、10年後からは、年間200キロを超える延長を整備してきた下水道管路が、一般的なコンクリートの耐用年数と言われる50年を迎えることになります。これらの下水道管路については、一斉に改築・更新することは財政的にも工事量的にも不可能でありますが、10年先と考えずに今から何らかの手を打たなければ、これはもう大事な施設でありますから、市民生活に影響を及ぼす、こういったことを苦慮するところであります。したがって、第3次新まちづくり計画案にもうたわれていたように、アセットマネジメント的な考え方を導入した効率的な改築・更新の手法を検討して、計画的に実施していかなければならないと考えるわけであります。
そこで、質問でありますが、今後、加速度的に老朽管路がふえていく状況において、下水道管路の維持管理、改築・更新をどのように進めていくつもりか、お聞きいたします。
◎宮田 下水道施設部長 今後の下水道管路の維持管理、改築・更新の進め方についてです。
老朽化した管路が急速に増加していく状況におきましては、委員ご指摘のとおり、今から準備、検討を進めていくことが必要と考えております。そこで、現在策定中の中期経営プランにおきまして、下水道管路のテレビカメラ調査範囲の拡大、また、その結果に基づく修繕対応の充実、下水道管路の維持管理強化をして延命化に努めていきたいというふうに考えております。その上で、このような延命化対策とあわせまして、ライフサイクルコストを考慮しながら計画的、効率的な改築・更新を実施する、いわゆるアセットマネジメントの考え方を導入いたしまして、下水道管路の機能を維持してまいりたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美 委員 最後に、要望で終わります。
公共下水道の建設には、当然、国から補助金が出るわけであります。その補助金も非常に多い。しかし、その反面、建設費の償還に苦しむ自治体が非常に多いことも事実であります。札幌市も例外ではなく、ピークを過ぎたとはいえ、先ほどの質問にもありましたように、平成22年度決算で3,079億円余の起債残高があります。これは今後も徐々に減っていくとはいえ、相当残っているわけであります。また、将来、さらに税収に苦しむ多くの自治体は、これは、少子高齢化の時代もありますし、人口減少、さらには経済的な状況もあると思いますが、下水道の改築や補修費等の負担に苦しむことは明確であります。その意味では、建設時だけではなくて、こうした改築とか更新についても国の負担を求めていく、僕はこういうことも非常に大事だというふうに思います。
今後、急速な少子高齢化の進展、さらには人口減少など、社会が非常に変化していく中で、人とか金、物、こういった限られた資源をどこに使うか、どのように活用していくかが問われる時代だろうというふうに思います。下水道の管路だけでなく、処理場やポンプ場のコンクリート構造物についても、先ほどお話ししたとおり、短期的、集中的に整備していることから、これら大型構造物を含めた大更新時期において、市民生活、さらには経済活動へ影響を及ぼさないよう、計画的かつ効率的な改築・更新に向けた取り組みを行っていただくことを要望して、質問を終わります。
○芦原進 委員長 以上で、第3項 河川費及び下水道事業会計の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、明後日、27日木曜日午後1時から、農業委員会及び経済局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時53分...