また、事業の頭に白丸をつけておりますが、これは
概要版で掲載している事業でございまして、ついていない事業につきましては本体版の方にも詳しく説明しております。
次に、36ページをお開きください。
36ページは、
東日本大震災を踏まえた札幌市の
災害対策ということでまとめております。
市有建築物の
耐震化に関する主な
取り組みといたしまして、緊急5カ年計画以降で、
耐震化が必要な学校のうち、
改築予定校を除いた99校すべての
耐震補強を完了するとともに、改築についても新たに12校に着手することとしてございます。その結果、
市有建築物全体では、
耐震対象の218施設に対しまして194施設の
耐震化に着手することになります。これに加えまして、その他の欄にいろいろ載せておりますけれども、
企業会計で所管する施設につきましても、
緊急貯水槽の整備、下水道の
汚泥圧送管の
ループ化、橋梁の
耐震補強あるいは地下鉄駅の
耐震補強などを行ってまいります。
おめくりいただきまして、37ページには、
耐震化以外の災害に備えた
取り組みを載せております。
避難場所の
環境整備でございますとか、札幌市
防災センターのリニューアル、あるいは、真ん中より下の方でございますが、
地域防災計画の修正、震災時における
消防体制の強化、そういったものを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
次に、38ページから39ページにかけまして、主な施設、
サービス水準ということで、
計画事業に盛り込んだ施設や
サービス水準のうち主なものを表としてまとめたものでございます。
最後になりますけれども、計画の推進に当たりましては、行政の役割として、職員一人一人が厳しい
財政状況を認識し、
既存事業の見直しや再構築を行って最大限の
効率化を図りながら着実に
計画事業を推進していきたいと考えているところでございます。また、各
計画事業の実施に当たりましても、積極的に
情報提供を行い、市民や企業、町内会、NPOなどの皆さんの
まちづくりへの参加や協力を得ながら、ともに進めていけるような
環境づくりにも努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○よ
こやま峰子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
阿部ひであき 委員 ただいまの説明で、第3次札幌新
まちづくり計画については、将来の展望を描くことが非常に難しい、こうした困難な時代を迎えているという
時代認識のもとで策定したという説明があったところであります。私も、その
時代認識はまさにそのとおりではないのかなと考えるところであります。
そんな中、現在のように、先行きが不透明であって、厳しい経済・
雇用状況の中でこのような計画を進める場合には、例えば、世界的な経済・
雇用情勢の変動、あるいは、東日本の大震災に見られるような大災害の発生など、現実の
社会経済情勢が大幅に変わり得ることが考えられると思います。また、そのために、計画と
社会経済情勢との間に大きな乖離が生まれる可能性があることも指摘しておかなければならないのではないかなというふうに感じております。
この
計画書では、そのような大きな乖離が生じた場合にどのように対応していくつもりであるのか、いま一つ明確になっていないというふうに思います。私は、そういった場合、計画は計画として、
社会経済情勢の変化に
臨機応変に対応していくことが不可欠と思っていますが、今後、そうした大きな乖離が認められた場合に、行政としてどのように計画の実行を判断していくのか、説明いただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 将来、
社会経済情勢と計画とに大きな乖離が認められた場合に、どのように計画を実行していくかということでございます。
第3次新
まちづくり計画に計画化した事業は、具体的には毎年の
予算編成を経て実行に移されるものでございます。この計画は、
計画期間内に特に重点的、優先的に推進すべき事業を定めた計画でございますので、今後、
計画事業の実現に向けて全力で取り組んでまいりますけれども、
社会経済情勢や
市民ニーズの変化などにより大きな乖離が認められた場合には、毎年の
予算編成において
臨機応変に対応していきたい、そういうふうに考えているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員
臨機応変に対応していただくということで、後ほど、要望も含めて申し上げたいと思います。
また、それぞれの
計画事業の実施についてでありますけれども、この
計画書では、それぞれの
事業ごとに
事業概要や
達成目標といったものが示されていますが、その詳細については示されてはいないところであります。
事業の詳細は、今後それぞれの
事業ごとに明らかになっていくものと思いますけれども、
計画どおりに実施することにこだわる余り、
社会経済情勢あるいは
市民ニーズに合わない、内容が不足していたり、あるいは必要性が低下した事業の実施、そういうことになってしまわないかということがちょっと懸念されるところであります。
そこで、質問ですが、それぞれの
事業実施の前に、議会による
チェックが働くように議論できる時間をしっかり確保するなど、そうした
取り組みチェックの時間を十分に確保していただけるのかどうか、その辺についていかがか、お聞かせいただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 それぞれの
事業実施の前に
議会議論のできる時間をしっかり確保すべきだということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、新
まちづくりは4年間の計画でございますけれども、具体的には、毎年の
予算編成の中で、
社会経済情勢を踏まえ、微調整しながら、議会でのご議論を経た上で実施していきたい、そういうふうに考えているところでございます。また、
計画事業の中には、
市民議論や
関係機関との協議も必要とするものであるとか、さらに具体的に内容を詰める必要がある事業もございます。議会に対しまして、適宜、
情報提供を行うとともに、しっかりと議論をしながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 わかりました。
ところで、今回の計画に、新たにさっぽろ“
えがお”指標という名称で指標が立てられていると思いますが、その中で、例えば、
保育所待機児童数を平成27年にはゼロにしようとか、具体的に数字にあらわすような、
社会成果指標といいますか、そういったものは理解できます。
しかし、
市民意識・
行動指標の
あり方です。特に、表現としては、何々と思う市民の割合とか、そういった指標というのは、いまいち、ちょっと疑問に感じるところであります。なぜなら、そうした市民の思いというのはそれぞれでありますし、行政にかかわる、かかわらないに関するところも出てくるのではないのかなと。191万人の大都市である札幌市において、そうした指標に
目標値を定めるということが、この後、どんな作業が待っているのかというのは容易に想像できますし、さらに言わせていただくならば、どんな意味があるのか、ちょっと疑問に感じるところであります。そもそも市民の思いといったものは本当にたくさんあるわけですから、それを指標に立てる意味というところは、ちょっと今、表現的にはなかなか難しいところがあります。
そこで、質問ですけれども、要は、行政が
市民サービスの
あり方に目標を定めるということであれば、具体的に、やはり、
社会成果指標といったものを立てるだけで事が足りるのではないのかなと私は感じています。それで十分ではないかというふうに思うのですけれども、なぜ
市民意識・
行動指標を設けたのかなというところでご見解を聞かせていただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 成果指標の設置に当たりまして
市民意識・
行動指標を設定するということでございますが、第3次新
まちづくり計画のような
行政計画を策定し、その評価を行うに当たりましては、市民の
価値判断でございますとか、満足度、あるいは、市民の行動がどのように変化したか、これを
アウトカムというふうに言っておりますけれども、この
アウトカムを重視するという考え方が国や他の
地方公共団体においても一般的なものとなってきているところでございます。特に、近年は
アウトカム指標を重視する傾向が強くなってきているというふうに思っているところでございます。
そのため、第3次新
まちづくり計画におきましては、統計など具体的な数値としてあらわれる、ご指摘の
社会成果指標に加えまして、市民の
価値判断や満足度である
市民意識・
行動指標についても計画の成果をはかる重要な指標と認識いたしまして計画に取り込んだところでございます。これによって、第3次新
まちづくり計画を実行することで、市民の
価値判断であるとか満足度を含めて、社会全体がどのように変化していくか、そして、どのようなまちを目指していくのか、それを表現することが可能になるのではないかというふうに考えているところでございます。
委員の、今後どのようなことが想定されるかということの中に、恐らく、これはアンケート調査とかをやっていきますけれども、やはり、アンケート調査の仕方といいましょうか、やり方次第で結果が大きく変わってくるといったことも考えられますので、今後、アンケート調査を実施するに当たっては、そのやり方を十分検討した上で行ってまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
◆
阿部ひであき 委員 計画というのはあくまでも計画でありますので、
取り組み方によっては、目的を見失ってしまったり、内容が異なってしまったりということが危惧されるところであります。先ほども触れましたように、この計画の実行に当たっては、やはり、
社会経済情勢の変化に
臨機応変に対応していただきたいというふうに思います。また、その
事業実施については、議会で議論する時間を確保するなど、しっかりと取り組んでいかなければならないのではないのかというところをお願いいたします。
また、さっぽろ“
えがお”指標について、
市民意識・
行動指標の
あり方、あるいは
取り組み方法などは、再度、慎重にご検討いただかなければならないのではないかなというふうに思うのですね。その事業に全くかかわらない人でも、結局、アンケートのとり方によっては、そう思うと答えてしまえば、それが一つの行政の判断になるのかというところなのですよ。それはまた、行政のサービスを受けないで、また、知らない中で、とり方によってはそうなる可能性もありますよね。やっぱり、そういったところは慎重に判断していかなければなりません。そういったアンケートの
あり方、とり方というのは、本来、行政の必要とする指標の中身とかけ離れてしまうということも危惧されるところでありますから、取り組むのであるならば、やはり、慎重かつ冷静な判断というのは非常に必要とされるのではないのかなというふうに思います。
行政にとってむだのない方向で成果、目標をしっかり立てていただきたいということを要望して、私の質疑を終わります。
◆林清治 委員 私からも、第3次札幌新
まちづくり計画策定に当たっての理念であるとか考え方について、若干、お伺いしたいなと思っております。
先日、9月28日の我が会派の代表質問においても、しのだ議員から、第3次札幌新
まちづくり計画について、どのようなことに重点を置いた計画にするのか、お伺いしたところでございます。それに対して、市長からは、
市民自治の
取り組みをさらに確かなものにするとともに、札幌の持つ魅力を磨き、高め、世界へ発信することで、新しい価値を創造し、安心で活力あるまちを実現する、そして、そのための事業を重点的に盛り込む計画としたという答弁をいただいたところでございます。
その部分は、今ご説明いただいた
概要版2ページの目指すべきまちの姿のところに、
まちづくりの
基本理念、そして、
市民自治の推進と
創造都市の推進の二つが記載され、さらに、札幌の目指すべきまちの姿として、安心で活力あふれるまちの実現についての記載があります。この部分について、市長のお考えを答弁いただいたのかなというふうに思っているところでございます。札幌の目指すべきまちの姿として、札幌の持つ資源を生かし、人や企業の多面的な交流により新しい価値を創造し、安心で活力あふれるまちを実現するとあり、各世代が支え合う優しさとぬくもりあふれるまち、そういう4点が記載されております。
そこで、質問でございますが、安心で活力あふれるまちとは具体的にどのようなまちであるのか、ご説明いただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 安心で活力あふれるまちとは、具体的にどのようなまちかということでございます。
安心で活力あふれるまちの、安心とは、やっぱり、
子どもから高齢者まで、その地域で暮らす各世代がそれぞれの出番と居場所を持って、お互いに助け合って支え合いながら、地域のさまざまな課題の解決に知恵を絞り合う、そういったことで安心感を持って暮らしていけるまちだと考えているところでございます。具体的には、身近なところで買い物ができる、あるいは、保育所や
子育てサロンなどが身近にあり、地域の中で子育てができるといったまちを目指すというものでございます。
次に、活力あふれるの部分でございますが、企業や市民がさまざまな創意工夫を重ねていくことで、新しい文化や新しい産業が生まれるまちであり、札幌の持つ都市機能や豊かな自然の魅力をさらに磨き、高めて、その魅力を国内外に発信していく、そういうことによって新しい産業が生まれ、経済が活性化する、そういったことを目指すというものでございます。
いずれにいたしましても、この4年間ですべて実現するものではございませんが、今、述べましたまちの姿の実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆林清治 委員 ただいまの答弁で、どのようなまちを目指していくのか、概念的なところの答弁がありました。
そこで、再質問ですが、目指すべきまちの実現のためにどのような事業を計画に盛り込んだのか、お示しいただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 具体的な事業についてでございます。
安心で活力あふれるまちの、安心という観点からは、保育所の定員の拡大でございますとか、地域子育て支援拠点事業などによって身近な地域での子育てを進めるとともに、地域の方々が集い、新しい活動が生まれることを目指して、
まちづくりセンターや
地区会館などの建てかえあるいは改修を進めていきたいというふうに考えてございます。また、商店街の再生事業におきましても、商店街の空き店舗を活用いたしましてコミュニティカフェやサロンを設置することなどに対して補助を行うことで、商店街が
地域コミュニティーの核となるように振興してまいりたいというふうに考えているところでございます。
次に、活力という観点からは、
国際芸術展を新たに開催するほか、サッポロ・シティ・ジャズや雪まつりなどの
既存事業についても拡充を図ることで、創造性に富んだ札幌の魅力を国内外に発信すること、そのほか、札幌市産業振興ビジョンの四つの重点分野についてさらに付加価値を加えることを目指して6次産業活性化推進補助事業といったものを実施していくことや、札幌圏みらいづくり産業立地促進事業などとして近隣自治体と連携して
技術革新分野の企業を誘致するなど、札幌の強みを生かせる産業を振興してまいりたいというふうに考えているところでございます。
このほかにもさまざまな事業を計画化してございますが、これらの事業を通して安心で活力あふれるまちの実現を目指していくものでございます。
◆林清治 委員 最後になりますが、全体で300事業、また、
事業費総額が5,800億円と大変大きな事業であり、今後、個別・具体的な施策実施については、都度、議会でも論議されることになるのかなというふうに思っております。
また、先ほど来の説明にもあったとおり、今後、市民意見も真摯に受けとめ、第3次札幌新
まちづくり計画がしっかりと策定されて、安心で活力あふれるまちの実現に向けて今後の論議を進められることを私としても要望しまして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
◆谷沢俊一 委員 私からも、最初に、
時代認識の関係でございます。
超高齢社会、
人口減少というかつて経験したことのない時代というのが1番目に来て、これは、これから一番大きな課題を抱える非常に大事なところだと僕自身も認識しております。全道的には、比較的小さな市町村で先に人口が減っていって、その後、周辺から高齢者が一たんは都市に集まるというふうに言われています。そして、ある意味では落差というか、乖離、タイムラグがあって札幌市も減っていくということが言われております。そういうことで、こうした超高齢社会というのは実際にどういう人口構造が想定されるのか。いわゆる現役世代というか、生産年齢の比率が落ちていく、そういう中で、当然ですけれども、税収も落ちる、こういうことが想定されます。そういう意味では、この計画は平成23年度から4年間ではございますけれども、やはり、10年、20年という長期的なスパンの中でこの新まち計画が策定されなければならないというふうに考えております。
そういう中で、一つだけ具体的なお話をいたしますけれども、
特別養護老人ホームに関して言うと、この4年間で約1,000人収容の枠を整備するとなっております。この1,000床という数字でございますが、前段、申し上げました超高齢社会の、今後ふえるであろういわゆる介護認定数等々を含めて、そういうトレンドというのか、指標を把握した上でこの4年間で1,000床と決めたのか、あるいは、単に市長が公約で1,000というふうに言ったので、この1,000という数を出してきたのか。そういう事業の
達成目標の設定の仕方ですけれども、この点について、まず、1,000床という一つの事例ですが、この数字の根拠というか、この辺の設定についてどのように考えて行ったのか、伺いたいと思います。
◎可児
政策企画部長 特別養護老人ホームの1,000床の増についてでございます。
こういう形で大規模な増をしたという背景には、やはり、かつてない超
高齢化社会でありますとか
人口減少時代を迎えるといったことを
時代認識の上でしっかりと踏まえた上で、長期的な展望に立ってこういった計画の数字を出してきているわけでございます。具体的には、在宅等から特養への入所、つまり緊急度の高い高齢者の今後の伸び率などを踏まえて推計した数字でございます。今年度、策定予定の札幌市高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の検討の中でも整備必要数として判断している数字をここでも使っている、そういったものでございます。
◆谷沢俊一 委員 介護については、今年度、いわゆる分野別の新たな計画を策定中であり、その中でさまざまな検討をされるということでございます。
感覚的な話ですけれども、今、6,000人を超える待機者ということを考えますと、本当にこの4年間で1,000というのが適正なのかと。要するに、整備数としては、我々はもう少しふやすべきではないかなというふうに考えております。しかしながら、特養については、事業者もいらっしゃるし、あるいは、介護保険料にどう反映していくかという問題ももちろんありますので、数だけ云々ということにはならないかもわかりません。いずれにしても、特養に待機されている入居者の実態を考えたときに、もう少しふやしてもよかったのかなというふうに、これは印象としてお話をしておきたいと思います。
次に、財源の関係ですが、今回の代表質問でも、我が会派の國安議員から、
まちづくり計画の財源についてどのように確保するのかということを伺いました。この質問に対して、市長は、
行財政改革推進プランを策定し、事務的経費の削減あるいは公有財産、基金の活用、こういった内部努力を進めた上で公共施設の
あり方や受益者負担の適正化についても検討し、新
まちづくり計画の必要な財源を確保する、こういう答弁をされております。
受益者負担のありようについては、これから種々論議をしなければならないと思いますが、財源を確保するための行財政改革については、これまで、札幌市においては、市役所改革
プラン、あるいは従来の行財政改革
プランに基づいて、ある意味ではこれまでも相当にぎりぎりまで切り詰めてきているというふうに見えるのですね。そういう意味では、これまでぎりぎり詰めて見直しを進めてきた中で、果たしてさらなる財源を予定どおり見出せるのかと、ある意味では非常に心配をしているわけでございます。
行財政改革推進プランを見ると、総額520億円の財政効果を生み出すというふうに記載してありますけれども、この520億円の中で、第3次札幌新
まちづくり計画に必要な額というのは、経常的な事業もありますから、特に第3次新まちに位置づけた事業額というのはどの程度を見込んでいるのか、お知らせいただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 行財政改革
プランで520億円と見込んでいる財政効果のうち、新
まちづくり計画での必要な額ということでございます。
なかなか説明が難しいですけれども、わかりやすく説明いたしますと、中期財政見通しにおきまして、平成24年から26年までの3年間の財源不足額というのは337億円というふうに見込んでおります。今、
行財政改革推進プランで520億円ということでございますので、520億円から337億円を差し引いた180億円、これが第3次新
まちづくり計画を実施するために必要な財源になるものでございます。180億円ということでございます。
◆谷沢俊一 委員 大体180億円ぐらいであるということで、今回の計画の中で、従来は位置づけていなかった、いわゆる古くなった建物の建設費あるいは更新等も計画に盛り込んだということで、規模については相当膨らんでいるようになっております。
代表質問のときも答弁がありましたが、この財源確保に当たっては基金を活用するのだと、主に土地開発基金と
まちづくり推進基金、この二つの基金を切り崩していくという答弁だったと思います。基金というのは、単に、4年間、市政が持続すればいいということではもちろんないわけでございまして、市民の財産であり、持続可能な市政運営を想定した上での基金の支消というものが必要というか、十分慎重に切り崩していかなければならないと思います。
そういう意味では、
行財政改革推進プランの中で財源捻出が順調に進まないような場合に、この計画を実施するために基金をさらに崩していくのかどうか、この辺の考え方についてお伺いしたいと思います。
◎可児
政策企画部長 第3次新
まちづくり計画の
事業実施に当たって、さらに基金を取り崩す可能性があるかということでございますが、現在、
行財政改革推進プランでは、財政効果として、基金の有効活用によって生み出そうとしているのが212億円となってございまして、このうち210億円、ほとんどですけれども、210億円が土地開発基金などの取り崩しによるものでございます。
第3次新
まちづくり計画は、重点的に進めるべき優先順位の高い事業を厳選して計画化しているものでございますので、着実に実施していくように努めてまいりたいというふうに考えておりますけれども、その財源につきましては、
行財政改革推進プランに沿った
取り組みを進めるほか、毎年の
予算編成においても、そのときの
財政状況に応じ、札幌市全体の事業における優先順位の明確化であるとか、事業手法の工夫、そういったものを行いつつ確保していきたいと。基金についても、他の財源確保策とのバランスを勘案した上で、取り崩しが過大にならないように留意しながら活用していきたいというふうに考えてございます。
◆谷沢俊一 委員 要望でございますけれども、ある意味では、5,800億円の
事業費がコンクリートされているわけではなくて、一定の効果というより、目標の効果が出るのであれば、
事業費も落とすことも可能だと。それは毎年毎年の予算査定で検討していくということですから、従来の行財政改革そのもので捻出する額と、それから、今、計上されている予算そのものがこのまま執行されるというか、もっと見直すところがあるのかもわからない。1回目の査定みたいなものですから、そういうような努力をされて、今言ったような、基金も含めて、長期的で持続可能な札幌市の市政運営ということ、やっぱりここに一番配慮して実施しなければならないと思うものですから、この点をよろしくお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
◆宮川潤 委員 今後、4年間の計画ということでありますから、今までの第2次新
まちづくり計画を踏まえて、それを引き継いでという計画になると思います。ですから、私は、今後の4年間の計画をつくるに当たって、まず第一は、今までの第2次新まちを振り返って、それでどうだったのかという総括があって、それを踏まえて、それを生かして新しい計画を策定すべきだというふうに思います。第2次新まちで不十分だったこと、あるいは、第2次新まちでやったけれども、計画化したのだけれども、事業にできなかった、あるいは、社会の進展の仕方が第2次新まちをつくった時点での進展の仕方とは違ったというようなものがあるならば、まずこれをはっきりさせるべきだと思うのです。この4年間を振り返って、札幌市政でおくれを来したというようなこと、第2次新まちに照らしてそれはどうだったのかということだと思うのです。
例えば、私が今ちょっと思いつくのは、まず、保育所です。第2次新まちを見ますと、この中では、2006年度の保育所の定員数1万6,730人のものを2010年度には1万7,750人分ということですから、4年間かかって1,020人ふやすという計画だったわけです。今から思ったら、私は4年前でもそれは相当甘い見方だったなというふうに思いますし、現実もこれでは全然間に合わないということでありました。例えば、こういうようなものを踏まえて次の計画をつくらなくてはいけないと思います。
そこで、第2次新まちを振り返って、不十分だったこと、おくれを来したもの、あるいは、今後、第2次新まちでは想定していないもの、例えば防災なんていうのはこれからの大きな課題になるのかなというふうに思いますから、今後の4年間で第2次新まちと違って
重点化しなければならない分野、こういったものがあれば示していただきたいと思います。
◎可児
政策企画部長 委員がおっしゃるとおり、子育て支援に関しては、確かに前回の第2次新まちでは1,000人ぐらいの規模でございました。そのときには、待機児童はそれで何とかなるというふうに踏んだわけですけれども、やはり、時代の趨勢とか、いろいろなことがあって、今計画では4,000人ということで前回の4倍の児童数に対応するものにしたいということでございます。また、例えば高齢者対策についても、先ほどお話ししましたように、
特別養護老人ホームについても今回は1,018人という規模でふやします。そういった意味で、
子どもあるいは高齢者の双方にいろいろと手厚く考えた計画にしています。
さらに、お話がありましたように、今回、新たに第3次新まちに入れたものとして保全関係の経費がございます。全体で114億円という形で入れてございますけれども、これは第2次新まちでは入れていない
計画事業でございます。やはり、オリンピック以降、政令市になってから、かなり急激にふやしていった市有施設の関係の保全が今後の重要な課題となります。これでもまだ全部にきれいに対応できるような計画になっているわけではありませんが、次の4年間では、できる限り最大限の予算というか、内容を計画化したものになっているところでございます。
◆宮川潤 委員 保育に対しての見方は、やっぱり前の計画では不十分であったので、今回、取り戻さなければならないという認識では一致できるのではないかなというふうに思います。
ただ、保育に関して言いますと、前の4年間、私どもは毎回出してきましたよ、保育所不足、待機児童問題は。だから、保育所不足を解決するための要保育率の見込みという技術的な問題もありますけれども、それだけではないと思いますね。議会で指摘されてきたにもかかわらず、途中で見直したり前進へ持ち込むという意思が足りなかったなというふうに思っています。
それから、介護ですけれども、今回1,018人ということで、引き上げるということです。前回から見たら引き上げだと言うのは、私もそうかもしれないと思いますけれども、問題は、何との関係で目標をつくるかというと、需要との関係だと思います。ですから、需要との関係で供給量を見るとするならば、前回の目標から見るのではなくて、今の待機者の数です。昨年の時点でもう6,100人を超えていますから、それでは6,100人という全体像を4年後にはどうするのか、私は、そこに大きな計画を持たなければならないのではないかと思っています。
例えば、その6,100人に対して、特養に入っていただくのは1,018人だと、では、残りの方はどうするのかということですよ。例えば、在宅をうんと強めることで特養への待機者、入所申し込みは減るかもしれません。在宅の安心感があれば、在宅で暮らしていけるというようなことがあれば、そこで6,100人のうち何人をのみ込めるのか。あるいは、別の施設、例えば、在宅介護と組み合わせを持った高齢者専用住宅などをつくる計画があるというのであれば、それで特養の申し込みを何人ぐらいのみ込めるだろうか。そういうように、私は、6,100人の全体像に対して、それが4年後にはどんなふうになっていくのかというものをつくって、その上で、その一部分として特養1,018人にならなければならないというふうに思うのですけれども、その点はどうお考えでしょうか。
◎可児
政策企画部長 さすがに私は保健福祉局の専門部隊ではないものですから詳しい数字などは手元にありませんが、先ほど谷沢委員がおっしゃられたように、基本的に、高齢者をすべて
特別養護老人ホームなどの施設系に入れるということになれば、介護保険料だとか、そういったものをトータルでいろいろ考えていかなければならないと。要するに、施設系の需要がふえて、さらに保険料のアップを市民として共有できるとするならば、それはそういう選択肢も出てくるのだろうなと思います。大ざっぱに言うと、やはり、それも必要だし、基本的には在宅で過ごしていただくと、大きな流れとしてはそちらの方なのだろうなというふうに考えてございます。
その辺は、やっぱり高齢者の住宅問題というものなどにつながっていくのだろうなというふうに思います。住宅問題など、いわゆる今後の高齢者の関係につきましては、先ほどもお話ししましたように、札幌市の高齢者保健福祉計画でありますとか、介護保険事業計画を今検討しておりますので、そういった中で基本的なものが決まっていくのだろうなというふうに考えているところでございます。
◆宮川潤 委員 高齢者保健福祉計画の中でつくられていくということは、私は否定しませんけれども、高齢者が介護を受けながら暮らしていくというのはとても大きな課題で、4年後の札幌をどうつくっていくのかという全体像の中では無視できない大きな位置を占める問題です。しかも、それは、今後ますます深刻になっていく、そういう問題だと思うのですね。ですから、札幌市全体の経済も含めて、全体像をつくっていく計画の中で、深刻になる高齢者の住まいの問題を大きくきちっと位置づけないのでは、今後ますます大変になるばかりだろうと思います。
いろいろおっしゃいましたね。在宅が大きな流れになると。私は、それならそれで、今、在宅で暮らせないとか、あるいは、特養に入ることが必要だと思っている6,100人を超える人たちの中で、何人が在宅で介護を受けることで――今の在宅では十分ではないと思っているから特養の待機数になっているわけですよ。では、そこで、何人が在宅で満足できるのか、在宅介護をどれほど強めていけばいいのかというようなことがあって、その6,100人がどこかここかにおさまるような大きな枠組み、見通しを持ってこそ、今後の札幌の
あり方になるのではないかなというふうに思うのです。それが、全部施設だったら、全部を特養に入れたら保険料にはね返るとか、在宅が流れだとかと言うのであれば、話が大ざっぱ過ぎる。4年後の計画であれば、もう少し具体的に、その6,100をちゃんと見据えた数をつくっていくべきだ。確かにここは高齢者保健福祉計画ではないけれども、老後の介護をどうするのかというのは、今後ますます大きくなります。例えば、今、特養の申し込みをしていなくても、もうじき申し込みをするという予備軍はたくさん控えていますよ。
それから、私たちも議会で何度も取り上げてきましたけれども、階段の市営住宅の4階、5階には、足の不自由な、一人では外に出られない人がたくさんいますよ。住みかえを希望しても住みかえができないのですよ。申し込みはするけれども、なかなか移れない。では、その人たちはどうするのか。今、市営住宅が一斉に老朽化していますでしょう。中に入っている人も一緒に高齢化している。その人たちの数たるや、結構なものですよ。それをどうするのか。それは、特養の待機者とはまた別に考えていかなければならないけれども、後々のおさまり方は、きっと、特養待機者がどうやって地域で暮らしていくのか――特養に入ってもいいのですが、介護があれば在宅でもいいのです。そうやって、在宅での生活を支えられる仕組みをつくっていかなければ、私は、市営住宅の住みかえ問題も解決できないと思います。
デンマークでは、昔は特養ホームのようなところをついの住みかと言っていたのですけれども、最近はちょっと変わったようで、間に合わなくならないうちに住めるような環境に早く住みかえるということで進み始めたようです。
私は、何でも外国のまねをすればいいとは思わない。札幌は札幌独自のスタイルがあればいいと思う。しかし、今後、増大する高齢者の問題、住まいの問題については、今回出された計画の中では
重点化しているとは思えない。大きな問題としてやってきますよ。だから、私は、ここはぜひ見直して
重点化しなくてはならないと思います。これは申し上げておきたいと思います。私は、今の問題に一番大きな問題意識を持っています。
それからもう一つは、雇用問題については、この中でも触れられていますけれども、間に合わないという状況だと思います。若い人たちの働き方が変わって、札幌市の指定管理者でも多くが非正規雇用ですね。労働者派遣法が規制緩和になって、派遣労働が一般化して、若い人たちがいつまで働き続けられるのかわからないというような状況の中で、低賃金だし、将来の自分を見通せない、そういう状況に置かれています。ですから、当然、それで消費もふえない、地域経済もよくならない、何より若者が生き生きと生きがいを持って生きていくことができない、この状況は加速しています。
本当は国の問題だと思います。国で解決しなければならない問題だけれども、雇用推進部を持っている札幌市としても、ここに有効な手だてを打つべきだというふうに思います。その点では、この
まちづくり計画の中ではどのように位置づけられていますか。
◎可児
政策企画部長 今回の第3次
まちづくり計画につきまして、雇用対策というのはかなり力を入れているところの一つでございます。例えば、
政策目標の2の安心して暮らせるぬくもりの街というところにおいては、市長の公約でもございますように、5万人の雇用創出ということを掲げてございます。特に、若者に着目した就業支援の
取り組みも推進しております。
具体的には、企業向けの若年層雇用安定助成事業ということで、
中小企業において若者求職者の
採用意欲を高めるような
助成制度の創設をするほか、職場に定着していただかなければならないということで、そのためのカウンセリングなども実施することとしております。また、若年層の就業促進事業ということで、35歳未満のフリーターとか未就職者などの若者を対象にして、社会人としての基礎力を身につける研修を行う就職支援プログラムなども実施するなど、若年層の就業支援に積極的に取り組んでいきたいというものでございます。
◆宮川潤 委員 何を書いてあるかと言われたら、たくさん答えられますよね。要するに、5万人やるだけの裏づけがあるかということなのですよ。代表質問でも伺いましたけれども、余り具体的ではない答弁でしたので、それをぜひ進めていっていただきたいと思うのです。
主要には、公共ではなくて民間で雇用されていくことを進めていかなければ5万人はできません。ですから、民間に対して強いインセンティブを働かせる、そういう仕組みづくりをきちっとできるかどうか、そこが問題だと思っています。高齢者の住まいの問題を
重点化しなければならないという問題を指摘しましたが、雇用問題についても、私は、今のままではなかなか難しいと思っていますよ。
それから、もう一つ、あえて言えば温暖化対策です。CO2は減らすという計画の中でもふやしているというのが実態ですから、これももっと位置づけを強めなければ、少なくとも第2次新まちではうまくいかなかった、進まなかった課題ですから、新たな方法を取り入れなければならない。
これらについて、私は、今回の第3次新まちを、もう一度、ぜひ見直し、補強をする中で対策を強めていただきたいということを申し上げて、終わります。
◆伊藤牧子 委員 私からは、市民意見の反映についてお伺いいたします。
第3次札幌新
まちづくり計画の
基本理念として、
市民自治の推進と
創造都市の推進を掲げています。
市民自治の推進については、2007年、札幌市
自治基本条例が制定されてから、この間、本市は、条例をもとに、
市民自治や市民が主役の
まちづくりを施策の目標に据え、市民と行政の情報共有、市政への市民参加や身近な地域の
まちづくりへの市民参加などの
取り組みを進めています。
一方、昨年8月に行った
市民自治に関する
市民意識調査では、市民の市政への参加の意欲はあるが76%、市政への参加の機会が少ないが69%、また、意見の反映について、反映しているが36.2%と、必ずしも市政への市民の意識は高いものではなく、
まちづくりへの参加という実感がまだまだ感じられないのではないかと思っております。こうしたことからも、第3次札幌新
まちづくり計画の策定において、これまで以上に市政への市民参加の拡充が重要であると考えます。
そこで、質問ですが、第3次札幌新
まちづくり計画案では、
自治基本条例の理念にのっとり、
計画策定過程の各段階においてその内容を市民に公表し、市民意見を募集し、
市民意向を把握したとしていますが、地域の課題も多様化している中で、具体的にはどのような方法で、また、どこに力点を置いて
意見募集、市民の
意向把握を行ったのか、件数も含めてお伺いいたします。
また、超高齢社会、
人口減少時代において、多様な人が支え合う
まちづくりには、障がいのある人も一緒に計画の策定に参加する機会を設けることも重要と思いますが、障がいのある人の意見反映の機会を持つようなことが何か行われたのか、あわせて伺います。
◎可児
政策企画部長 何点かご質問がありましたが、まず、市民意見の募集方法であるとか件数についてでございます。
まず、第3次新
まちづくり計画の策定に当たりましては、
計画策定過程の各段階において、その内容を市民に公表しながら、パンフレットやインターネットなどで広く
意見募集を行ったところでございます。これに対しまして、35人の方から53件の意見をいただきました。また、
子どもを対象とした出前講座を小・中・高の計7校で実施しておりまして、
子どもに対する
意見募集にも重点を置いて取り組んだところでございます。これによって、425人の児童生徒から1,031件の意見をいただいたところでございます。さらに、
まちづくりに関するシンポジウムでございますとか、
まちづくり戦略ビジョンの策定に当たって設置した市民会議などを活用して、市政や
まちづくりへの理解を深めていただいた上で
意見募集を行いまして、シンポジウムの方では52人から57件の意見、市民会議の方では25人の方から89件の意見をそれぞれいただいたところでございます。
把握した市民意見につきましては、日ごろ寄せられる市民意見や要望とあわせて、できる限り計画への反映に努めたところでございます。
次に、今回、市民意見の
意向把握に当たって、重視したといいますか、力を入れた点についてでございますが、今回は、
子どもの最善の利益を実現するという権利条例、いわゆる
子どもの権利条例が制定されたことも踏まえまして、
子どもの意見把握に意を用いたところでございます。
次に、障がい者に対する
意見募集についてでございますが、私ども市長政策室としては、直接的に障がい者を対象とした
意見募集は行ってございません。しかしながら、各局が
計画事業を検討する際には、障がい者の皆さんから日ごろいただいている意見を十分踏まえて検討を行っているものと認識しているところでございます。
◆伊藤牧子 委員 障がいのある人の意見をとるというところでは、いろいろな場を設けたということだと思います。これから、障がいのある方の政策がかなり進められる中で、やはり、障がいのある人もきっちりと
計画策定過程に位置づけられてその意見を反映する場というものが必要ではないかと思いますので、そういう機会がありましたらぜひ設けていただきたいなと思います。
また、今回、いろいろな人に聞きますと、
まちづくり戦略ビジョンと重なり、市民にとっては意見を反映する場としてなかなかわかりづらかったということも聞いております。そういう中で、特に、出前講座で丁寧に
子どもの意見を聞き取り、おっしゃられたように、
子どもからの意見が1,031件と一番多く寄せられたということでした。これは、
子どもの権利条例が制定されたことや、また、小学生向けに2009年から
子どもまちづくり手引書というものを作成して社会科の授業の中で取り入れるなど、日ごろから
まちづくりへの
子どもの参加、意見表明の機会が保障される地道な
取り組みを進められた成果だと思っています。今後、
子どもの権利条例のもと、
子どもの視点に立った
まちづくりを進めるためには、本当に
子どもの貴重な意見を計画に生かすことが大変大事だと思っております。
そこで、質問ですが、
計画案を策定するに当たって、具体的に
子どもや市民の意見を反映した項目はあるのか、伺います。