委 員 井 上 ひさ子 委 員 坂 本 恭 子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 松 浦 忠
委 員 金子 やすゆき
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
○
三宅由美 委員長 ただいまから、第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第5号 平成23年度札幌市
軌道事業会計補正予算(第1号)の質疑を行います。
◆松浦忠 委員 私は、議案書の1ページから2ページにあります議案第5号の
債務負担行為の補正であります。
9,700万円が計上されていますが、本会議でも質問いたしましたけれども、札幌市の市電の車両の製作は、戦後、さまざまな形で地元でも車両をつくってきました。今あるこの台車というのは、地元の会社が製作した台車であります。私は、できるだけこういったような修繕、業務は地元の会社に発注をして、いざ、何かあったときには地元の力でできるだけ短時間で修復させる、やっぱりこれが大事なことでないかというふうに思うわけです。
本会議でそういうことも含めてということでありましたけれども、
交通事業管理者にお尋ねしますが、その後、具体的に、この10台の台車をどう発注しようとしているのか、お尋ねをいたします。これが1点であります。
委員長にちょっとお断りしておきたいのですが、平成22年度の
軌道事業会計の
予算繰越計算書というのがあります。これは地下鉄だとか電車の車両の運行上の安全にかかわる問題ですから、本会議で質疑するとなったら、細部にわたることもあるので、なかなか時間の制約もあって本会議では質問しませんでした。この
繰り越しの関係で、この部分をちょっと質問させてもらいます。
ここで、
車両空調制御部品ほか
車両修繕材料購入439万8,000円、これが……
○
三宅由美 委員長
松浦委員、ちょっと失礼します。
申し上げたいことがございます。
軌道事業会計の
報告案件につきましては、本委員会に付託されておりませんので、質疑はできません。
◆松浦忠 委員 (続)わかっているんです。委員長、その前に委員長に言っておく。だから、委員長に断ってありますよ、私は。そういう質疑の場所がないから、ここでちょっと質疑をしますよと。
では、どこでこれは質疑するんですか。
○
三宅由美 委員長 それで、ご遠慮願いたいということです。
◆松浦忠 委員 (続)いやいや、ご遠慮って、そんなかた苦しくやらないでね……
○
三宅由美 委員長
付託議案に沿った質疑をお願いいたします。
◆松浦忠 委員 (続)安全に関することだから私は言っているんですよ。では、どこでやるかということですよ、これは。そういうことについて、だから、あなた方は、両委員長が私と
堀川議員のところに、我が会派に尋ねてきたときに、私は言ったでしょう、大事なことだけはきちっと通告してしますからと。そのぐらいのことは、それが随分長時間を要するということなら別だけれども、そうではない限り、そのぐらいの質疑はということで話してあるでしょう、事前に。したがって、これは、私は、安全にかかわることでなかったら言いませんよ、安全にかかわることでなかったら。
○
三宅由美 委員長 予算あるいは決算の委員会か、
常任委員会でお願いいたします。
◆松浦忠 委員 (続)そこまで待てないから聞いているの。待てない話だから聞いているんですよ、安全にかかわることを。決算といったら、いいですか、決算といったら9月でしょう。
○
三宅由美 委員長 認められませんので、質疑に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)決算といったら9月でしょう。そうしたら、9月までどうするの、これは。安全にかかわる問題。(発言する者あり)何を言っているの、あんた。事務局に聞くのではなくて、安全にかかわることについて聞く。
それでは、いいですよ。それでは、
繰り越しではなくて、台車の関係で聞くわ。
では、一体、この台車の関係で、いいですか、台車に制輪子などがついています。いいですか。台車に制輪子などもついています、部品として。そういう制輪子など、一体、今、予備は幾ら持っているのか。3月現在で幾らあるのか。この2点についてお尋ねする。
○
三宅由美 委員長
下村交通事業管理者、議案にかかわるところだけでご答弁をお願いいたします。
◎下村
交通事業管理者 まず、委員のお尋ねのどう地元に発注させようとしているのかということでございますけれども、今回、腐食によって穴のあいた車両の製作に当たりましては、
鉄道車両及び部品の製造での
本市登録業者であること、また、台車枠を製造するために必要な能力を備えていることが要件になりますが、市内の業者を含めて入札に付す予定でございます。
◆松浦忠 委員 そこで、今、私が制輪子などを含めて予備は何ぼあるのかと。これは関係することなんですよ、全部。それじゃ、台車だけつくるのか、制輪子だとか、そういうものは全く問題がないのかどうか。
それからもう一つ、台車の点検、改めて聞くけれども、点検はどういう方法でやっているのか。それはなぜかといったら、代表質問でも質問したけれども、20年に点検をした。そのときは穴があいていなかった。そして、ことしの春に点検したら穴があいていた。厚さ9ミリのものが3年間で腐食して穴があくのかどうか。どういう
点検方法でやっているのか。
◎富澤
技術担当部長 まず、台車枠に関連しまして、
制輪子等が問題ないのかということでございますが、今回、台車に腐食で穴があいてつくり直そうとしている部分は、いわゆる台車枠という部分で台車の本体のみでございます。そのほか、車輪、それから、今言われました制輪子、そういった附属の部品については、今回は問題ございません。
次に、台車の検査をどのようにしてきたのかということでございます。
路面電車の台車につきましては、3年ごとに実施してまいりました車両のいわゆる重要部、
全般検査、この際に分解、
点検整備を行ってございます。今回、穴があいた部位につきましては、法令等に基づいて定めた
検査基準に従いまして
目視検査によって異常の有無を点検してまいったところでございます。これらの検査におきましては、腐食していたことは確認してございましたが、過去の
台車整備の経験等から走行に支障するものではないという判断で継続使用してまいったところでございますが、約50年間使用したその期間に応じた
経年劣化で穴あきに至ったものということで、特に整備上の問題があったということではないというふうに考えてございます。
しかしながら、今回の事例を参考にいたしまして、老朽化した台車の
定期検査の際には、超
音波測定器により板の厚さを測定するなど、
腐食状況を確認するよう
整備方法の見直しを行ったところでございます。
◆松浦忠 委員 率直に言うと、交通局の検査の仕方に欠陥があったということですよ、これは。少なくとも、厚さ9ミリのものが3年前にどれだけに薄くなっているかというのは、
ハンマーでたたけば、鉄はその厚さによって出る音が違うんですよ。そのために、
貨物自動車でも、あるいは列車でも、点検の人が
ハンマーを持ってやっているのは、例えば、ボルトが緩んでいるか、緩んでいないか、
ハンマーでたたけば返る音が違うんですよ、発生する。したがって、きちっとした当たり前の検査をやっていないからこういうことになっているんですよ。
それでは、この台車について、穴はあいたけれども、あと残りの部分の厚さを計測して、そして、残りの部分できちっとお客さんを乗せた荷重で耐えられるかどうかという確認はしたのですか、計算して、計測して。これをお尋ねします。
◎富澤
技術担当部長 今回、穴のあいた台車でその強度が安全であることを確認したのかというお尋ねでございます。
今回、腐食により穴のあいた部位につきましては、荷重が集中する部分ではない、それからまた、穴のあいた付近にひびや変形といった破壊につながる兆候も見られないこと、また、車両の重量を直接支える部分の板の厚さを計測した結果、比較的健全であるということから、当面は営業に使用することについては安全上の問題はないというふうに考えてございます。
しかしながら、50年以上も使ってきているということでございます。今後、腐食の進展次第では
安全運行に支障が出ることも想定されますので、台車枠の更新が終了するまでの間につきましては、
点検頻度を上げて定期的かつ慎重な監視を行うことで安全を確認してまいりたいと考えてございます。
◆松浦忠 委員 今の答弁は、経産省の原子力安全・保安院の答弁と同じなんですよ。
いいかい、3月11日の午後2時まではそんなことを言っていたんですよ。その後、起きてからどう言いましたか。間違っていましたと。今の話だって、荷重のかからぬ部分でもそれだけの穴があいて、その付近を含めて、なぜこういう腐食が起きたのか。50年たったから起きたのではないんですよ、これは。それは何かといったら、以前の一般における酸化による鉄のさびと、それから、塩化カリウムを融雪剤としてまいている。いわゆる塩分濃度の高いものをまいて、それがそこの部分に付着して腐食を進ませている、こういうことでしょう。したがって、そういうことで起きた穴、そうしたら、物理的にきちっと計測して、そして、ちゃんと
荷重計算をして、その上でこうだから安全だと言うなら、私もわかったよと言うよ。3月11日の午後2時までの
経済産業省の原子力安全・保安院みたいなことを言ったってだめだって、そんなこと。それ以降は、あなた、ちゃんと当たり前のことをきちっと言わなかったら。
そうしたら、あなたは、安全を確認するということも、どういう方法でそこが安全か、何を基準にして安全かということを示せるのですか。示してください。
◎富澤
技術担当部長 台車枠の
保守整備を行っていく上で、一般には、
経年劣化に伴う強度の変化をいわゆる
強度試験で測定するというようなことは通常は行われてございません。
車両重量などの負荷を負担する部分が健全であれば、台車としての全体の強度はもっているというふうに考えてございます。また、破損の直接原因となるひび等が実際にそこに発生してくれば、そこから破損、破壊につながることになりますけれども、現在のところ、そういった情報もないということで、我々としては、すぐに台車の破損に至ることはないというふうに判断しているところでございます。
◆松浦忠 委員 管理者、今の話は、3月11日までの
経済産業省の原子力安全・保安院の国民に対する安心しろという話と同じさ。目に見えるものではないんだから、これは。物理的なものは何もないわけですよ。物理的に保障するものは何もないんですよ。垂直の荷重はいいさ。しかし、カーブやなんかで、あの支えている部分にカーブのところでは力がかかるわけですよ、ねじれも生じるし。そうしたら、あそこの部分のきちっとしたあれがわかった段階で、ちゃんと物理的な検査をしなかったらだめなんですよ、これは。私に言わせたら、今までが全く原子力と同じようなことをやっていた。
これは、今で言う
国土交通省の方の基準がそうなっているんですか。それとも、札幌市にいわゆる電車の検修の基準というのは任されているんですか。どっちなんですか。
◎富澤
技術担当部長 検査の方法につきましては、国の法律に基づき、私どもで定めまして、これを運輸局に届け出てございます。その内容については、運輸局の方で確認していただいております。
◆松浦忠 委員 そうすると、これは国の方には責任はないんですよ。国の方の法律は、札幌市交通局で電車の点検の基準を定めなさいと。そうしたら、札幌市交通局が、きちっと電車のそれぞれの、特に台車、これなんかは大事な部分ですから、そういったものの
点検方法、それから、3年に1回の
解体検査であれば、特に強度をどういう形で検査するかということはちゃんとしていなければならぬことでしょう。そういうことがされていないわけですよ。9ミリの鋼型、いわゆる
チャンネル鋼というもの、片仮名のコの字型の溝型鋼を二つ合わせて角材にして使っている、9ミリの厚さのものを。当然、年数とともに普通でも酸化で腐っていくわけですよ。そうしたら、当然、これは、上と下をやすりでこすって地金までを出して、ノギスで測定をすれば何ミリ腐食をしているかは一般的にわかるわけですよ、そんな難しい
非破壊検査なんかしなくたって。本来、職人さんがちゃんとしなければならぬこと――職人さんということはその検査のプロですよ。そういう人がしなければならぬことが交通局の中で行われていなかったということなんですよ、これは。これで事故が起きても、国には全く責任はないんですよ。その
検査方法を定める札幌市交通局にあるんですよ。
札幌市長にあるんですよ、これは。そんないいかげんな答弁をして、安全に関する問題、それでは全くだめですよ。
したがって、これについて、即刻、穴のあいている車両、台車、まずそれを外して、そして、きちっとした
強度試験、肉厚の測定、こういうことをして、安全であるかどうかという確認をした上で、やっぱり検査の基準もきちっとつくり直さなきゃだめですよ。そう思うわけだけれども、小澤副市長、私の言っていることについて、それは無理があるなと思うか、まあ、そんなもんかなと思うか、ちょっと答えてみて。
◎小澤 副市長 基本は、利用いただく市民の方々の安全を守るということですから、しかも、今回、穴があいたということがあったわけでございますので、交通局の方で適切な判断をして、今後、そういうことがないように努力をしていただけるというふうに思っています。
◆松浦忠 委員 交通局に適切と言っても、責任ある
担当部長が今のような答えなんですよ。私は、やっぱり、穴があいたやつは、今、早急に電車をとめて、外して、そして、きちっとした腐食の度合いの調査、それから、電車のカーブなどを含めて、満員で乗ったときに所定のスピードで走って遠心力が働いたときのあのひずみや何かにきちっと耐えられるかどうか、その試験をして、そして、どうぞ、市民の皆さん、安心してお乗りくださいと、これが
事業執行者としての責任だと私は思うんですよ。やっぱり、このことをやらなきゃだめなんですよ。
このことをやるか、やらないか、
下村管理者、答えてください。
◎下村
交通事業管理者 このたびの検査で腐食で穴があいた部分が見つかった台車については、やはり相当な劣化が進んでいるということで、私どもは、早急に新しいものにつくりかえるべく、今回の2定に議案としてお諮りをしたものでございます。ただ、これを直ちに外して検査をするというのは、今、穴のあいた部分は、先ほど部長から説明があったように、ここは大きな力がかかるところではないことと、この穴が原因、または腐食が原因で破壊につながる前には亀裂等の兆候が出てまいりますので、それについては検査の頻度と精度を上げて対応してまいりたいと思います。
ただ、今後、
路面電車の古い台車も大事に長く使っていくという面では、ほかにも腐食している同じ型の台車がまだありますので、それについては、今後、どういう状況かということを詳しく検査して、安全を確保してまいりたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 これは、いわゆる物理的な、やればできる証明もしないで、市民の皆さん、安全であるから乗ってくださいと言ったって、それはだれも信用なんかしないよ。なぜ、しないの。するのが当たり前でしょう。事故が起きたら、市長が責任をとったって、その補償まで、全部、
市長個人がするかい。しないでしょう。札幌市の市民が全部補償するのでしょう。事故が起きたときに、市長と担当する副市長と
下村管理者、交通局の職員の皆さんで全部補償するんですか。それをすると言うならば、私は納得できぬけれども、あなた方の思うようにやればいい。
それをするのか、しないのか、副市長、答えてください。
◎小澤 副市長 私は担当副市長ではありませんけれども、なすべきことをして、不幸にしてもそういうことがあった場合には、市長、副市長が補償するということについてはいろいろ法的には問題があるのかなというのが直感でございます。
◆松浦忠 委員 尼崎のあの
車両事故、あれについては、結局、最初は不問に付されたけれども、その後、遺族なんかから強い
経営責任を問われて、
管理責任を問われて、社長が起訴されているんですよ。今、裁判中ですよ。社長もそれを認めて反省しているんですよ、悪かったということで。
いいですか。こういうものを市長はどういうふうにとらえているのか。ここなんですよ。全く物理的な根拠も示さぬ中で、安全だから乗ってください、
目視検査だから、そんなことはだれも信用しませんよ。私は、事故が起きたときに、少なくとも、尼崎の、今裁判にかかっている、あの当時のJR西日本の社長は罪を認めて反省の声明も出している。こういう事例があった後にこういうことが起きていれば、当然、今、私が指摘したようなことは言われなくたってやっていなければならぬことなんですよ。それについて、今ここで私が指摘をして、外して検査をしたらどうだと言ったら、根拠なくまだ営業するなんて、それはちょっと違う。これはちょっと、理事会を開いてもらってもいいから、緊急に市長に出席してもらわなきゃだめだ。そういう大事な問題ですよ、これは。いまだに起きていないことなら、そう言われても、そうかなと、意見の違いだぐらいで終わるけれども、
尼崎事故だって、ああいうふうにして会社の社長までが責任をとられる。当たり前のことなんだから、これは。そうしたら、その後にこうやって起きてですよ、今みたいな答弁でそれでよしとしてやらせるなんていうことにはいかない。
○
三宅由美 委員長
松浦委員、質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)副市長のさっきのあの答弁でも全くだめだ、これは。
したがって、これは副市長で答弁できないんだから、委員長、市長を呼んでくださいよ。これは質問を保留にします、私は。
○
三宅由美 委員長 前もって……
◆松浦忠 委員 (続)前もってじゃないですよ。
○
三宅由美 委員長 市長の
出席要請がありませんでしたので……
◆松浦忠 委員 (続)委員長、違うんだよ。普通、委員会はどうやっていますか。市長のかわりに副市長が出てきて、それで市長の代理で出てくるからきちっとできるということになっているけれども、担当の副市長でもない、代理の代理が出てきているんですよ、ふだん所管していない副市長が。そうしておいて、所管していない者がわかるわけがないじゃないですか、あなた。
○
三宅由美 委員長 事前の
出席要請が必要です。
◆松浦忠 委員 (続)事前の
出席要請じゃないですよ。それじゃ、事前に副市長から担当の副市長ではない副市長が出てくるという通告は委員会にあったんですか。私は報告を受けていませんよ。どうなんですか、これは、委員長。
ないのなら、きちっとあなたの責任で担当の副市長をここへ呼んでください。それまで質問は保留ですよ。(「
議事進行」と呼ぶ者あり)
議事進行じゃないよ、これは。
○
三宅由美 委員長 早く質問をしてください。
◆松浦忠 委員 (続)質問じゃないっていうの。質問したって答えられないから、責任ある副市長が出てこいと私は言っているんだ。何を言っているんだ。
○
三宅由美 委員長 ルールにのっとってください、
松浦委員。
◆松浦忠 委員 (続)ルールはそっちだっていうの。
ちょっと待て、委員長、
議事進行だ。
ルールをあなたがわからないで進行をやっているんだよ。いいかい。
○
三宅由美 委員長 事前に理事会を開いております。(発言する者あり)
答弁に入ります。
◎下村
交通事業管理者 補足の答弁をさせていただきます。
私どもも、穴があいた台車枠をこのまま今までどおり運行することについてはやっぱり
安全対策上問題だということで、先ほどの答弁と重複しますが、老朽化しているところの状況を、超
音波測定器などによって板の厚さの変化を頻繁に検査したり、また、
腐食状況を目視で詳しく確認したり、こういうふうに検査の頻度を上げて慎重に使ってまいりたいというふうにご答弁しておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◆松浦忠 委員 委員長に一言申し上げておくけれども、委員会というのは、いいですか、市長が出席しないということは、所管の副市長が出てくるというのが原則だから、あらかじめ所管の副市長が出てこないということをあなたは聞いていたんですか。
○
三宅由美 委員長 はい。
◆松浦忠 委員 (続)では、なぜ、我々に伝えなかったの。伝えていないよ、これは。
○
三宅由美 委員長 質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)いや、伝えていないよ、委員長。どうして伝えなかったの。(発言する者あり)どうして伝えなかったのというの、聞いておいて。
○
三宅由美 委員長 質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)私は、質問じゃないっていうの。委員長が聞いていたら、当然、我々委員に対して、きょうは所管ではない副市長が出てきますと事前にあれば、当然、そうしたら市長の出席を求めるんですよ。だから、私は求めなかったの、これは。
したがって、委員長、これはあなたの
委員会運営の重大な失敗だ、はっきり言うと。失策だ、これは。こんなことで委員会を運営されたら困りますよ。これだけは厳重に注意しておく、あなたに。
○
三宅由美 委員長 はい。
◆松浦忠 委員 (続)そこで、
下村管理者、いいですか。少なくとも、さびている場所はきちっと
さび落としをして、その上で目視で亀裂が入るか、入らぬかということを見なかったら、ずっと上の方にさびが連なってあって――亀裂というのはさびに入るのではないんですよ。亀裂はいわゆる鉄の本体の部分に最初に入ってくるんですよ。したがって、そこを見るには、きちっとその付近を全部研磨して、その上でそれを目視で見ていかなかったらわからないんですよ、これは。そういう基本的なことを全くわからぬ人たちがやっているから、今みたいな状況になっても、それで安心だ、安全だなんていうことを言っているんですよ。だから、私は、台車を外して、もう一回、きちっと検査をしてやれと言うの。なぜ物理的に証明できないの。あなたの言っていることは、安全だという証明にはならぬでしょう。言の葉だけでしょう。したがって、物理的にきちっと証明してくださいよ。
◎下村
交通事業管理者 交通局の電車事業所におきましては、これまでも長きにわたってこのような古い台車の修繕をしながら、点検をしながら今日まで運行してきたわけでございますので、今、電車事業所の整備担当、それから、私ども技術担当部の方からの説明で慎重な運行は可能だというふうに私は判断しております。専門的な内容をもって述べよと言われますと、私は技術担当ではございませんので、技術面に疎いので、
技術担当部長の方から答弁をさせていただきたいと思います。
◎富澤
技術担当部長 先ほど、亀裂の検査はさびを落としてきちんとやっているのかというご指摘がございました。
この件につきましては、今回のさびは台車枠の筒状になっている部分の内側から進んでいるものでございますが、表面につきましては、これを分解しまして、表面の方を磨いて塗装を落とし、そこでいわゆるカラーチェック、浸透探傷検査と呼んでおりますけれども、こういったものを使って微細な亀裂もないことを確認してございます。そういうことで、今のところは、そこから直ちに破壊に至るようなものは見られないという判断をしているところでございます。
◆松浦忠 委員 私は言わないでおこうと思ったけれども、あなた方がそこまでそうやって言うのなら、私は言う。あなたと管理者と、最初に私のところへ写真を持って説明に来た。その次に、あなたと電車の検修担当の課長が来た。そのときに、私が、本当にこういうことについて安全だと思ったの、以前にどうしてやらなかったのと聞いたら、車両課長はそのときに何て答えたか。全く、こんなことが起きるとは知らなかったみたいな答えなんだよ。知らなかったと。知らなかったと答えたから、私は、あのときに、いいですか、過去十数年間の検査記録を持っておいでと言って、持ってきたよね。全部説明してもらおうと思ったけれども、正直に答えたから、では、いいと、きちっとやってちょうだいと言って帰したのですよ、あのときは。
今、管理者は長年やっていると答えたけれども、それでは、検修をやっている人、電車の検修は、何歳の人で何十年やっている人ですか。
◎富澤
技術担当部長 今、手元に年齢構成等の資料がございませんので、お答えしかねます。
◆松浦忠 委員 もうちょっと安全に対してきちっと責任を持つ態度でなければだめだ。全く無責任だ。あなた方が何ぼ言葉でどう言おうと、目で見て現物があるもの、いろいろな試験ができるもの、当然、物理的に試験をして数字的に安全だということを証明しなければならぬことでしょう。
市長はこれにどう責任をとれるのかということなんですよ。上田市長は、小泉問題だって、組織的な問題ではないから、おれの責任はないで、責任をとっていないでしょう。そうしたら、今回のこういう見落とし、薄くなっていた、3年前の平成20年の検査のときには薄くなっていた。当然、こういうものはきちっとした検査をやっていればわかるはずなんだよ。
これについて、
下村管理者、組織的な欠陥だったのか、それを見られなかったということは組織的欠陥なのか、それとも個人的な技量の問題だったのか、どっちですか。
◎下村
交通事業管理者 法定の検査をそのとおりやっておりますので、そのどちらでもないというふうに私は思います。
◆松浦忠 委員 どちらでもないということはないでしょう、あなた。札幌市の交通局が定めた検査の基準そのものに問題があったわけだから。だから、今回直したわけでしょう。今回、直した、直したのは直したでいい。しかし、今、これに穴があいていることをわかっていて、
目視検査で大丈夫だということでやっていって事故が起きたときには、これは個人の責任になるのか、組織の責任になるのか、それをお答えください。
◎下村
交通事業管理者 それは、組織の責任になると思います。
◆松浦忠 委員 小澤副市長、これは組織の責任ですから、したがって、万が一、これで事故が起きたら市長の責任は100%免れないということだけ、きちっと市長に申し伝えてください。そして、後日、また機会をとらえてできるだけ早急に市長との間で質疑をする方法を私の方も考えるから、これは申し上げておきます。
そして、きょうの質疑を市長に伝えて――私は、台車を外して、物理的な試験をきちっとして、補強するものはそこのところに当て板などを含めて補強して安全な形で運行する、物理的に証明される、それがしなければならない市長の責務だと考えています。そのことについて、市長と相談をして、後刻、その返事を私にください。
○
三宅由美 委員長 以上で、
軌道事業会計の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時39分
再 開 午後1時42分
――――――――――――――
○
三宅由美 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆丸山秀樹 委員 私からは、新規事業であります雇用推進関連の職業能力開発サポート事業及び企業向け若年層雇用安定助成金事業について伺います。
雇用対策については、さきの代表質問において、5万人の雇用へ向けた取り組みについて我が会派の谷沢議員が質問したところでございますが、全庁を挙げて取り組んでいくとの力強い意思表明があり、心強く感じているところでございます。
札幌圏の4月末の有効求人倍率も0.34倍と低迷するなど厳しい雇用情勢が続き、東日本大震災の影響も懸念されており、さらなる雇用対策が求められている中で、今後の札幌市の産業を牽引する分野として、産業振興ビジョンで設定した重点分野である観光、食、環境、そして健康・福祉への就業支援対策として、職業能力開発サポート事業並びに企業向け若年層雇用安定助成金事業が新規事業として提案されていることは、今後の雇用拡大につながるものとして、当会派としても期待をしているところでございます。
そこでまず、職業能力開発サポート事業について質問いたします。
この事業は、資格の取得を通して求職者の就職の機会を拡大していこうという取り組みかと思いますが、当然のこととして、取得する資格がより雇用につながるものでなければならないと考えるところです。つきましては、これらの資格がどのようなものを想定しているのか、そして、それはどういう職業につながるものなのかを伺いたいと思います。
また、この事業では、資格取得だけではなく、職場実習も取り入れるとのことですが、経験のない職に足を踏み入れる不安を取り除き、就職に当たり不足する経験を補う有効な制度と考えますけれども、この実習期間はどの程度を想定しているのか、また、実習期間の事故などについてはどのように補償されるのか、お伺いいたします。
次に、企業向け若年層雇用安定助成金事業について伺います。
これは、中小企業が若年求職者を雇用した場合に助成をするとのことですが、雇用については、労働基準法において、労働契約上で有期労働契約と期間の定めのない労働契約がございます。期間の定めのない労働契約でも短時間もあるわけで、助成金の対象とするのであれば長期に生活の安定につながる雇用形態でなければならないと考えますが、対象となる雇用とはどのような雇用を考えているのか、お伺いいたします。
◎入江 雇用推進部長 1点目の職業能力開発サポート事業についてでありますが、取得する資格は、例えば、福祉施設での就職のためにホームヘルパー2級と福祉有償運送運転者の資格を取得したり、小売店舗での就職のために中国語検定と販売士の資格を取得するなど、重点分野への就職に有利で1カ月から3カ月程度で取得できる資格やスキルを想定しております。
具体的には、日々、求職者や事業者と接しております企業からプロポーザルによって提案を受けて決定いたしたいと考えております。また、実習期間につきましては、最長で10日程度を考えております。期間中は、札幌市の負担で損害保険と傷害保険に加入することによって、万一の事故に備えたいと考えております。
次に、2点目の企業向け若年層雇用安定助成金事業についてでありますが、助成金の対象となる方の雇用形態につきましては、雇用期間の定めのないフルタイムの正規雇用の場合のみを支給対象とすることを考えております。
◆丸山秀樹 委員 まず、職業能力開発サポート事業についてですが、職場実習においてせっかく相応の期間、職場で実習するわけですから、できればそのまま実習先に雇用していただければ成果が上がるのではないかと考えますけれども、そういったことも想定されているのか、伺います。
次に、企業向け若年層雇用安定助成金事業について伺います。
こちらも、正規に就職した人たちも定着していただいて、安定的に勤め続けていかなければ事業の意味がないと考えるところです。そこで、雇い入れられた方々のその後の勤務状況の確認やフォロー体制をどのように考えているのか、伺います。
◎入江 雇用推進部長 1点目の職業能力開発サポート事業の実習先への雇用についてでありますが、求職者の安心と早期就労の点で望ましいことと考えておりますので、求人意欲のある企業を中心に実習先を選定してまいりたいと考えております。
2点目の企業向け若年層雇用安定助成金事業のフォロー体制についてでありますが、助成金の活用によって雇用された若年者については、雇用から1カ月後をめどに専門職員が勤務状況の把握を行い、その後、必要に応じてカウンセリングを行うことによって採用後の定着支援を行ってまいりたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 厳しい雇用情勢が続いており、失業の長期化も問題となっております。こういった中でも、求人と求職者の意向のずれや、資格や経験がないために新しい求人に応募できない方々もいます。そういった求職者への支援として、この能力開発サポート事業は非常に有効であると考えます。具体的な資格の種類については、これから事業者の提案を受けて決めていくようですけれども、ぜひ、官民の英知を結集して、より実効性のある資格を取り入れていただきたいと考えております。
また、職場実習につきましては、お聞きしたところ、実習期間中の賃金の支払いは行わないと伺っておりますが、働きに出るだけでも交通費や食事代もかかることから、少なくとも賃金の最低保障がなされることを切に要望するものです。
また、若年層の新規雇用拡大への取り組みについては重要なことでもありますので、一人でも多くの方が、この雇用安定助成金を活用し、就業に結びつけていただくよう努めていただくとともに、就業後のフォロー体制についてもぜひ充実を図っていただくことを要望させていただいて、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私からも、引き続きまして、企業向け若年層雇用安定助成金事業に4,710万円が計上されておりますので、これについて質問いたしたいと思います。
これは、中小企業に対して、1人20万円、200人を上限にして直接助成をするものです。今、概略についてのお話がございました。そこで、私からは、企業への直接助成という観点から、ことしの1月に実施されました新卒未就職者雇用助成金事業を踏まえながら質問させていただきたいと思います。
この未就職者支援事業についてですけれども、これは、私ども日本共産党も繰り返し求めていたものでありまして、この施策が実現したものでございます。1人80万円、50人を上限に企業へ直接助成をするというものでした。これについては3月まで募集をしておりますので、結果の資料をちょうだいいたしました。3月に行われた未就職者に対するマッチングイベントも含めての求人というのは、企業が58社、求人件数は69件、そして求人数は194人ということで、当初、50人の募集ということでしたから、企業にしては相当採用意欲を持って臨んでくれたのかなという実感を持っておりました。
実際に80万円という金額は、1人当たりの金額としては全国でもかなり大きく高いものでした。ですから、年末を挟んで新年度まで新しい卒業者を待って求人をしようかというような時期だったにもかかわらず、これだけの求人数というふうになったわけで、企業の受けとめというものも、札幌市が期待したとおりというか、それよりも大きなものだったのかなというふうにも思います。
そこで、直接助成、とりわけ80万円という枠の中で、企業の皆さんは求人に対して実際にどういう意欲を持ったのか、お考え、受けとめをしたのか、これについてお聞かせいただきたいと思います。
◎入江 雇用推進部長 ただいまのご質問ですが、企業側の受けとめはどうだったかということでございます。
この事業期間中、相当数の問い合わせがございました。また、合同面接会に参加した企業に対して行いましたアンケートにおいても、半数の企業から助成金制度があれば来年も参加したいという回答がございました。こういうことから、一定の評価をいただいたものと考えてございます。
◆坂本恭子 委員 相当数の問い合わせもあり、こういう制度があるのだったら、ぜひ来年も参加したいというアンケート調査があったというお話でございました。本当に大事な施策だというふうに思っています。これは全国でも随分と取り組まれている施策ですから、これを発展させていく必要があるなというふうに思っております。
そこで、今回出されております企業向け若年層雇用安定助成金事業ということになるわけですが、事前にいただいた資料でも、産業振興ビジョンの重点分野、先ほどもお話がありました観光、食、環境、そして健康・福祉という四つの分野を重点的にやっていこうということで、これを対象に掲げております。
今回、194人という3月までの未就職者に対する求人数がございました。そういう意味では企業からの採用意欲というものは確かにあったというふうに思うのですけれども、実は未就職者の場合はこの50人の枠のところになかなか到達しなかったという現実もあります。就活をしている皆さんの希望に企業の側の条件が必ずしも合致しなかったのかなと、ミスマッチという言葉は余り使いたくない言葉ではありますけれども、やはりそういうことが実際にあるのかなというふうに思っております。就活をされている方の希望をお聞きしますと、事務系、それから、今、販売業というものも非常に人気が高い。そして、やっぱり若い人ですから、お洋服、ブティックなどのアパレル関係、そういうところへの就職希望が大変大きいというふうに思っていまして、そういう統計上の分析は市の皆さんもきっとやっていらっしゃると思います。
今回、この四つの分野を対象に助成金事業を行おうとしておりますけれども、私は、先ほども一人でも多くのというお話がありまして、本当にこの200名という人数をしっかりやっていくのであれば、やはり、分野ではなくて職種に注目をした募集が大切なのではないかなというふうに思います。若い方たちがイメージしやすい、そして身近に感じられる、こういうような形で募集対象をつくっていくべきではないかなというふうに思っているのですが、四つの重点分野の中で、そういう職種についてもいろいろとアピールしていくのだろうというふうには思いますけれども、ここについてどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
それから、企業の動機づけとなる助成金額の問題ですけれども、1月から行われた直接助成金というのは80万円です。これは、金額も非常に高いですから、ぜひ来年も参加したいという企業の皆さんの声があったのはうなずけるところだと思います。ところが、これに対して、今回は1人20万円ということになっております。前回は、80万円の助成金で、1企業は2名までの募集、採用、そして、全体では50名ということになっていました。今回は、200名ということで広く薄くということもお考えになったのかなと、あるいは、企業の側でよりよい人材をたくさん確保したい、複数人確保したい、そういう要望も大変強いと思いますので、こういう企業の側のメリットも考慮しての助成金額の設定なのかなというふうにも思うものですから、20万円という設定の理由も含めてお話を聞かせていただきたいと思います。
◎入江 雇用推進部長 1点目の助成金対象の分野に関するご質問ですが、今回助成対象としている分野は、これからの札幌市経済の成長を牽引する産業として産業振興ビジョンで定めた重点分野でございます。関連する分野のすそ野も広く、これから雇用の拡大が期待できる分野と考えておりますことから、これらの分野へ求職者を誘導していくということも考えて設定したところでございます。また、各分野の中には事務、販売などの職種がございますことから、十分に希望に沿った対応が可能であると考えております。
次に、助成金20万円につきましては、1社で複数の雇用を可能にするためということではなく、前回同様、1企業当たり2名までという想定でございます。1人当たりの助成額は少なくなりますが、より多くの企業により多くの若者を雇用していただきたいという趣旨でございます。
◆坂本恭子 委員 助成金額についてですが、何らかの配慮が働いて20万円という額になったのかなと思ったのですけれども、1企業は2名までの採用枠は変わらないということでした。多くの企業に参加をしてもらいたいということですね。200名が対象になっているわけですから、最低でも100社がそこに参加することができる。そういう意味では、ぜひ活用していただきながら、これを広げていっていただきたいなというふうに思います。
ただ、やはり、助成金80万円という1月から行われていた制度は、全国的に見ても高い水準の金額でした。それが1企業の雇用枠は2名で変わらないということですから、制度があったら来年も参加したいとアンケートに記載された企業の方は残念がっているのではないかなと思います。これが20万円になってしまったら、やっぱり、雇用したい、若い人、有能な方を雇いたいと思っていても、その企業の採用意欲がそがれてしまう、引き出すことができなくなってしまうのではないかなというふうに思うものですから、改めて、この点について伺いたいと思います。
◎入江 雇用推進部長 20万円という金額についてでございますが、今回、金額的な魅力は低下いたしますけれども、対象の年齢について、昨年の高校新卒とかえまして25歳から34歳という枠に拡大しております。したがいまして、企業のニーズに合う豊富な人材の中から採用することができ、また、申請の期間も長く設定しておりますことから、企業にとって十分なインセンティブが働くのではないかと考えてございます。
◆坂本恭子 委員 重点分野についても、すそ野の広い期待できる分野だということで、今回、産業振興ビジョンにも位置づけられていますから、そういう意味でも取り上げて対象にしている、そして、その中での職種についても若い方に十分対応できる内容になるのではないかということが先ほどの答弁の中でもありました。金額については、率直に、魅力は低下するかもしれないけれどもというお話がありました。もちろん年齢は拡大していくということですが、ただ一方では、未就職者への支援ということもしっかり対応していただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
企業のニーズにも合う豊富な人材を確保していただく、多くの企業に参加をしていただける、そういうチャンスとして一方ではプラスのとらえ方はもちろんあると思います。80万円が妥当だったのか、20万円で行くのかということについては、改めて十分に検証もしていただきながら、今、この補正予算が成立すると準備なども含めて大体8月、9月くらいから企業に対する募集が始まっていくのだろうと思いますが、そういう意味では、25歳から34歳というのはこれからの社会をしっかり担っていく将来を持った若者たちですから、ここの就職問題は本当にしっかりと本腰を据えてやっていっていただきたいというふうに思っております。
ところで、この助成金事業についてですが、単年度の事業内容になっているというお話がございます。厳しい不況が続く中で、よい人材を確保したい企業には、とりわけ今回は中小企業が対象になっているわけですから、こういう助成金制度というものが正規職員の雇用、若年層の雇用に結びつく大変大きな役割を果たすし、それから、中小企業が一つステップアップしていくようなことにもつながっていくと思いますので、私は、これはぜひ継続をして取り組んでいくべきだというふうに思っております。とりわけ不況が厳しいですから、その中では続けていくべきだと思っておりまして、そういう継続的な取り組みに対するお考えがございましたらぜひ前向きなご答弁をちょうだいしたいと思うのですけれども、お聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
◎入江 雇用推進部長 来年度以降の制度の継続についてでございますが、今後、各年度において、雇用情勢を踏まえて検討していきたいと考えております。
◆松浦忠 委員 私は、予算書の22ページ、労働費のうち、雇用推進費1億10万円が計上されていますが、ここで説明を受けた中の一つに職業観育成事業というのがございます。これは、高校生を対象にして、職業観育成のために、学校の通常の教育課程の科目以外に特別授業として行うということで、雇用推進費の中で教育委員会に500万円の委託が組まれております。それについてお尋ねしたいと思います。
この内容は、新川高校の1年生10クラス全員を対象に職業観育成事業を行う、こういうことであります。きょうは、教育委員会にも出席をいただいております。
そこで、まず最初に、もらいましたこのパンフレットを見ますと、これを実施する会社はウィル・シードという会社でありますけれども、この会社は、文部科学省とどういうかかわりがある会社なのか、お尋ねいたします。
◎入江 雇用推進部長 ウィル・シードという会社についてでございますが、この会社の行うトレーディングゲームでございますけれども、平成14年度から18年度にかけて、
経済産業省の委託を受け、起業家教育促進事業ということで、全国で約5万人の子どもに実施した実績を持つものというふうに承知しております。
文部科学省との関係については承知しておりません。
◆松浦忠 委員 この会社の代表者のお名前と、どういう経歴の方がこの事業をされているか、お調べになっていると思うのですが、それをお示しください。
◎入江 雇用推進部長 申しわけありません。手元に資料を持ってございません。
◆松浦忠 委員 私は、資料をもらってから調べました。この代表は船橋 力さんという方で、私の記憶では、今から10数年前に、いっとき、本屋に行きますとこの方の本がばっと平積みしてあって、何冊かベストセラーになって出た方なのです。どういう方かといったら、この方は伊藤忠商事に勤めていたのです。6年勤めてやめて、この仕事を起こして、そして、わかりやすく言うと、どちらかというと政府関係につながりを持っていったということなのです。
ここで、私の調べた資料ではなくて皆さんからいただいたこのパンフレットからいくと、平成14年度に小学校12校、中学12校とあります。そして、平成17年は小学校88校、中学49校、高校22校ですが、平成18年は小学校45校、中学34校、高校17校、公募2校というふうに減ってきているのです。受講者数で言うと、1万3,563名が8,854名に減ってきているのです。なぜ減ってきているか、この辺について調べましたか。
◎入江 雇用推進部長 年を追ってといいますか、17年度より18年度の方が少ない理由ということについて調べてはおりません。
◆松浦忠 委員 それから、昨年、産業振興部の方で札幌市産業振興ビジョンという全97ページの立派な本をつくりましたね。これは、審議会をつくってつくりました。私に審議会の委員の方から、この本には、どの程度反映したかは別にして、我々のいろいろな意見を十分反映させてつくった、その本に審議会の委員の名前を載せていないのはどういうことなのかなと。これを見たら、市長一人で部下を指揮してつくったというふうにとるのだけれども、何か意味合いがあるのかという私に対する問い合わせが一つありました。これに答えてください。これが一つ。
続いて、二つ目は、教育委員会です。この産業振興ビジョンは、当時の審議委員のメンバーから、中学校なり小学校なり総合学習の時間にこれを活用して仕事に対する考え方を少しでも持たせていってほしい、そういう意見が出て指導室長のところにこれを200部配付しているそうであります。どのようにこれを活用されているか、これについて。これは今の500万円と深く関係がありますから私は聞くのですよ。
指導室長がおいでになっていますか。教育委員会のどなたでも結構ですから、おいでになっている方、お答えください。
◎本間 産業振興部長 この産業振興ビジョンの中に中小企業振興審議会委員の方の名簿がついていないのはなぜかというご質問でありましたけれども、このビジョンは、審議会に諮問をして答申をいただくという手続を経ないでつくったものでございます。実際には、審議会の皆様に、何回も、その時々の進捗状況、検討の状況をご報告しながら内容をご議論いただいておりますが、手続的にはそのような形をとらない中でつくったものでございますので、名簿は載せていなかったと。
ただ、このビジョンの一番最初のページの末尾には、本ビジョンの策定に当たり、熱心にご議論いただいた札幌市中小企業振興審議会の委員の皆様を初め、ご協力をいただいた方に心からお礼を申し上げますというくだりは記載してございます。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 札幌市産業振興ビジョンについてお答えしたいと思います。
教育委員会といたしましては、このビジョンの概要版を昨年2月に市立中学校すべてに2部ずつ送付させていただいております。この中身は、例えば、社会科の地理的分野におきまして身近な地域の調査、あるいは、公民的分野におきまして民主政治と政治参加などで、札幌の子どもたちが札幌を教材とした学びに意欲を持って活用できるものとして各学校に配付したところでございます。
この活用に当たりましては、昨年の2月に配付してございますので、実質的には、先ほど申し上げました社会科等におきまして、今年度、それぞれ活用しているものと考えております。
◆松浦忠 委員 これは、最初から、いわゆる審議会の取りまとめなどを含めた中でこの本をつくっていくというようなことは、審議委員に委嘱する最初のときから――今、部長の答えたのは、いわゆる審議の終結的な最後の取りまとめについて議論いただいて、審議委員の皆さんが取りまとめたものを尊重してつくっていくような趣旨のもとに審議委員に委嘱をしたということではないのですね。その辺は明確にしたのですか、しないのですか。
◎本間 産業振興部長 先ほどご答弁いたしましたように、産業振興ビジョンにつきましては、諮問するという手続を踏んでおりませんので、今、ご質問にありましたように、最終的に審議会で取りまとめをするということは予定してございませんでした。
◆松浦忠 委員 その辺のところは明確にしていたのですか。ということは、審議委員になった一部の皆さんは、私に意見をくれた人は、我々は随分熱心にやったのに大事なところが落ちているなと言う人もいる。だから、少なくとも、やっぱり審議委員の皆さんに審議をいただいたら、当然、大事なことはきちっと載せていかなければいかぬし、それから、メンバーを載せるのは一般的ではないですか。そのことだけは指摘しておきます。
そこで、学校ではまだ何も聞いていない、こういうことでありますが、実は、この審議委員のメンバーでもあり、教育委員でもある会社の社長がおります。この審議委員のメンバーでもあり、教育委員でもあり、会社も経営している社長がいるのです。中小企業ですね。この方に、私は、今回のことについて話をして、いかがですかという問いかけをいたしました。そうしましたら、この方は私にこう言いました。今、一番、学校でしてもらわなければならないことは、あいさつを元気よくきちんと、元気よくということは、はっきりとした声できちんとあいさつをする、最低限、学校でそのことをきちっと教えて卒業させてほしい、これができていない、会社はここから始めなければいけないから大変だ、その次の段階のことは会社の中に入ってきて仕事をしながら覚えていくことだ、こう言うのですよ。ここのところを、教育委員会の皆さんは、どういうふうに、この金を、委託を受けるときに、当然、このウィル・シードという会社の中身は教育委員会はわかって受けていると思うのですよ。これをやる前に、そういう基本のことを、いいですか、教育委員会のメンバーの委員ですよ。事務方ではないですよ。委員会のメンバーに、今の委員が任命されてから、そういうことについて話題になって、事務方もこういうことにしっかり取り組んでほしいということが話題になったことがあるか、ないか、教えてください。
◎入江 雇用推進部長 私から、一言、お答えいたします。
今回、この職業観育成事業につきましては、経済局で行うものであって、教育委員会に委託をするという予定にはなってございません。
◆松浦忠 委員 お金で委託をするか、何であるかは別にして、私が事前に説明を受けたのでは、授業の時間の中でやるというふうに聞いたのですが、これは授業時間ではないのですか。いわゆる任意参加型でやるのですか。どっちなんですか、教育委員会。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 この事業につきましては、主に総合的な学習の時間と言われる学校の時間の中で行われるもので、札幌市立高校におきまして進路探究学習というものを推進しておりますので、その一環として行うプログラムとして考えております。
◆松浦忠 委員 一つ確認するけれども、お金で委託して教育委員会がここに発注してやるのか、それとも、雇用推進部の方でここと契約して、そして、いわゆる教育委員会が年間授業計画を持っている総合学習時間の中で何時間を割いてやろうとしているのか、そのどっちなんですか。
◎入江 雇用推進部長 この事業につきましては、経済局が契約をいたしまして、実際にやる場所は高校ですし、対象者は生徒ですので、教育委員会と学校のご協力をいただいて実施するということでございます。
◆松浦忠 委員 これは、教育委員会の年間の授業計画の中でやるわけでしょう。そうすると、少なくとも、教育委員が6人いますね。この教育委員の皆さんに――これは実質的に産業振興部からの委託事業ですよ、はっきり言うと。委託事業としてこれをやりますよということについて、議題としてきちっとかけたかどうか、お尋ねします。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 本事業につきましては、教育長の専決決裁ということで対応させていただいておりました。
◆松浦忠 委員 事務分掌がどうであれ、これは少なくとも産業教育にかかわる問題です。ということは、今までやっている教育委員会の授業が、総合学習の授業が、十分にというよりも、役立っていない。だから、雇用推進部の方は、会社から、どうも高校を卒業して入ってきてもだめだ、基本ができていない、それでは、こういうことをやってくれないかということでこういうものが行ったわけですよ。そうしたら、これは教育長の専決事項ではなくて、当然、委員会に諮って、そして、今まで事務方でつくってやっていたこういうような教科内容でいいかどうか、こういうことについて検討する。大事なことなんですよ。本来の6名の教育委員の役割の問題なんですよ、これは。そのことがきちっとされていないから、組織がきちっと機能していないということに帰結するんですよ。
そこで、市長、実は、名前も1人しかいませんから言いますと、物産協会の会長もやっておられる、教育委員もやっておられる池田製菓の池田社長です。私は、この社長と話をしました。そうしたら、社長は、そんなことより何よりもしてほしいことは、きちっと語尾明瞭にして、相手が聞き取れる声で、おはよう、こんにちは、こういうあいさつをきちっと指導してほしい、500万円のこの事業の前にそれだと言っているんですよ。こういうことについて、市長、予算査定で説明を受けたときに、実際に教育委員もされている、物産協会の会長もしているという方のそういう声が――この産業振興ビジョンのところにもそういう大事なことが書かれていないんですね、教育委員会に配ったのはいいけれども。こういうことについて、細かなこの内容が、この会社の内容を含めて、市長の耳まで届いていたかどうか。
私が雇用推進部の方からいただいたこのパンフレットを見て思ったことは、17年度から18年度にかけて学校が減っている。およそ4,700〜4,800名の受講が減っている。ということは、やった結果を調べれば余り効果がないなということで減っていったのではないか、こう推測するわけです。私もそれぞれの学校の検証はしていませんから、一般的にはそう推測するわけですよ。
そんなことを含めて、市長の方に、この事業について、特に事業実施会社、この会社のことなどについて予算査定のときに説明があったかどうか。こういうことは少なくとも私の記憶では初めてではないかという気がするのです、高校の教育なり中学の教育も含めてね。
したがって、市長、この会社の内容も含めて説明があったかどうか、そこを示していただきたいと思います。
◎上田 市長 まず、ご質問の数については、これは国の予算との関係で、数が減ったというのは、多分、当初からの国の予算の範囲でやったものだろうというふうに私は思います。それが感想です。
それから、この事業自体について、私は相談を受けたことはございません。ただ、池田さんに限らず、産業界の方々が一般に子どもたちに期待しているものということでは、教育委員ばかりではなく、まず、優秀か、優秀ではないかということではなくて、委員がおっしゃるように、あいさつ、それから、コミュニケーション能力と言われておりますけれども、人との対話能力を持った人を採用したいと。そのコミュニケーションの最も大きなきっかけとなるのはあいさつでありますので、つづめて言えばあいさつができる人というふうになるのかもわかりません。そういう意味では、その教育は、当然のことながら、職業教育ばかりではなく、人間が豊かに生活する文化を吸収する能力だとか、いろいろな意味で一番大事なところだろうというふうに思います。
そういう意味において、私も、毎年、教育委員会との懇談会を設けておりますが、その際には、特にそういう意見は私からも申し上げて、ぜひ、学校教育の中では、産業界でも当然のことながらそういうことが要求されている、コミュニケーション能力と意欲だというふうに言っていまして、そういうことを念頭に置いた教育をしていただきたいということでございます。
この事業について、私の感想から言えば、一つのきっかけというふうに考えて差し支えないのではないか、これは学校の裁量でやっていいことではないか、そんなふうに考えています。ゲームということ自体からは、実務との間にどれだけの乖離があるかわかりません。しかし、いろいろな興味を持つ年ごろの子どもたちに、職業という概念からさまざまな人がどういう協力関係を結びながら一つの仕事を達成していくのかと、ゲーム感覚でもいいから、とにかくそういうものを磨く材料としてこれはそれなりのプログラムだろうと私は考えます。ですから、学校でこれにしっかり取り組んでいただいて、そしてまたそれを検証して、教育委員会の事業にするのか、経済局からの事業にするのか等々についてはこれから検討させていただければと、こんなふうに考えているところであります。
◆松浦忠 委員 私は、特に教育委員会の皆さんに申し上げたいのだけれども、今、テレビドラマになっている「高校生レストラン」というドラマがあります。これは、三重県多気町の県立高校の調理クラブの生徒に、イセエビを使った料理などを全部やらせているのです。この先生というのが社会人枠で教員の免許を取った調理のプロの人で、実際に営業をやって、仕入れから収支まで全部やらせているわけですね。これがすばらしいということで、ドラマになっていて、今、進行中です。
それから、明治維新以降、日本で最初に銀行をつくった人は渋沢栄一さんですね。この人のひ孫に当たる人が今何をやっているかといったら、聞き書き甲子園というのをやっているのです。これは、高校生を対象に、例えば、人間国宝だとか、あるいは、厚生労働省が指定して表彰しているようなすぐれた職人がいますね。ああいう人に寄り添って、その人がどんな考えでどんな仕事をしているかということを、一定の期間の中で寝食をともにして記録にまとめるわけです。それを渋沢さんのひ孫が副理事長をやっているNPO法人で採点をして返す。その結果がどうなっているかといったら、それらを受けた人たちは、間違いなく、もうそれまでと生き方が変わってきている。その中で5〜6人は職人になった人もいるけれども、みんな、そのことによって生き方がちゃんと変わってきている。こういうことが言われております。実際に今進行中のことです。
そこの渋沢さんのところは、ことしは何をやるかといったら、ことしは、あの三陸の方の大被災に遭ったところに入れて、被災に遭った人たちに聞き取り調査をして、それをどうきちっとまとめるかということをテーマにしてやるとその団体は言っています。
私は、お金をかけなくても、本来、教育委員会は――教員の皆さんはプロ、プロと言うけれども、教えることについては教育大学でも勉強して確かにプロでしょう。免許ももらっているからプロです。しかし、企業が必要としている人、あるいは、社会の中で何が大切かということなどについては、それぞれの仕事についている人は、それぞれの仕事で精いっぱいで、なかなかよそまで目を向ける時間的余裕はないと思います。そんなことからすれば、私は、やはり、教育委員のメンバー6人、この方のそれぞれの意見を聞く、あるいは、足りなければ、それぞれ専門の方々の意見なども聞いて、そして、きちっと時間の中でできる教育、そして、講師について言えば、先生方にはそういう体験がないわけですから、そうすると、そういうような中小企業の社長などに特別講師をお願いして、話をしてもらったり、あるいは、場合によっては実際に職場に行って、一日でもいいから体験研修をするとか、そういうように役立つことは今のいわゆる教育委員会の枠の中で何ぼでもできるんですよ、法律を読んでみたら。それをやっていない。
だから、私は、きょう、教育委員会の部長にもあえて出席いただいた。市長も出席いただいた、予算の総括責任者だから。そういう意味で、私は、安易にこういうことを受けるということは、端的に言うと、教育委員会として恥ずべきことだ。恥ずかしいことだ。恥ずかしいことですよ。本来やらなければならぬ、ちゃんと枠の中でやれることなのだから、それをやっていなくて、唯々諾々と受けること自体、私から言わせれば恥ずかしいことだなと。
したがって、今後、私が求めたいのは、これを受けないで、きょうの質疑を通じてわかったこともあるはずですから、私が示唆したこともありますから、こういうことを調べて、そしてきちっと取り入れて、そして、これを実施する前にはもっとこのことを研究して、その前段のいわゆる知識を、受ける生徒たちがこれを受けて身にできていくような前作業を教育として十分やる。その上でこれを受けていくならば、そして、これを受けた結果――これは、500万円、1クラス50万円ですよ。それだけかけてやって、その結果がどうなったかということも教育委員会としてきちっと報告をいただかないと、この予算についてそうですかとはね。そして、この金は、聞けば、国からのひもつき補助金かと思ったら、そうではないと。市長の裁量権の中にある金だと言うんですよ。500万円あったらいろいろなことに使えるよ。
したがって、私は、今からでも遅くないから、むしろ、これを執行するのは少なくとも3学期ぐらいまで待っていて、その前に、2学期ぐらいまでにきちっとどの程度のことをどうやるかとやって、その結果、これをやって成果が上げられるなと、教育長だけの判断ではなくて、教育委員会として結論を出してやるならばそれはそれで結構でしょう。やっぱり、そういう手順を踏んでやるべきだと私は思うけれども、部長は私の質問に対していかがお答えいただけるかな。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 ただいまのご質問についてでございますが、教育委員会といたしましては、子どもたちの社会自立に当たりましては、本当に雇用、労働、経済など産業界のさまざまな方々のご支援のもとで、それぞれの専門性を発揮していただきながら、教育として何ができるかを一緒に考えていくことが極めて重要だと考えております。そういう観点から、今後も教育委員会の施策を進めるに当たりましては、十分検討しながら進めてまいりたいと思います。
◆松浦忠 委員 そこで、市長、私が今るる話したように、やっぱり、500万円をかけるなら、かける成果を得られるような段取りをきちっとしてやるべきだと思うんですよ。私は、事前にこの説明を受けたら、教育委員会も雇用推進部も、この会社の内容だとか、この代表がどんな経歴だったか、全く知らない。これでは、市長が部下を信じて500万円の金を出すには市長は余りにも危険を冒し過ぎると思うのです。したがって、私は、12月ぐらい、2学期が終わるぐらいまできちっとその段取りをして、そして、3学期になって、この予算を執行してこういう事業をやっても成果が見られるのではないかというような段階で執行すべきだと思いますが、市長、いかがでしょうか。
◎入江 雇用推進部長 このゲームにつきましては、先ほど申し上げました平成14年度から18年度の全国の実績のほかに、札幌市でも、北海道経済産業局の支援によりまして平成20年度と21年度の2カ年にわたって教育委員会のプログラムの一部として行われた実績がございます。このゲームを体験した生徒も教師もいらっしゃって、大変好評でした。そういう意味で、実効あるものという判断をしたところでございます。
◆松浦忠 委員 それでは、どういう成果があったか、やる前とやった後にきちっと意向調査でもしましたか。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 ただいまお話がありましたとおり、市立高校が実施いたします進路探究学習推進事業のインターンシップ等のプログラムの一つとしてこのプログラムを実施した実績がございます。参加した生徒からは、社会人として生きていくためには、チームで働く力、あるいは、考え抜く力、前に踏み出す力などが必要であることが実感できたとの感想がございまして、このプログラムは、子どもたちに職業観、勤労観を育成する上で有効なものの一つであるというふうに考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 こういういわゆる学校の教育は、小学校、中学校、高等学校、それぞれの教育課程では、最低、どういうものを何時間しなさい、こういうことが文部科学省から示されていますね。しかし、地方の教育委員会にも裁量権はある。では、過去にやったことについて私がさっき尋ねたら答えにならなかった。教育委員会の皆さんに、きちっと委員会にかけてこのことについて審議をしていただいたのか、いただかないのか、成果があったという過去にやったこと、それぞれ、終わったことを委員会にかけて審議したかどうか。それから、今回は審議していないと言っている。そうしたら、過去に審議されたかどうか。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 教育委員会では、教育委員会の事務点検評価の中で、事務局として実施いたしました事柄につきまして教育委員の皆様にいろいろ評価、改善を受けているところでございます。その中でご報告はしております。
◆松浦忠 委員 少なくとも、教育委員会の年間予算の中で必要なことは、教育委員会の予算の中できちっと措置をしていなければいかんのですよ。初めてというなら私もまだわかるよ。過去にもやっているわけでしょう。そして、これが必要だと言うのだったら、なぜ、教育委員会できちっと予算措置をして、年度計画の中に入れてやらないのか。どうしてやらなかったのか。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 先ほども若干触れさせていただきましたが、こういう事業を実施するに当たりましては、専門家である企業の方々の支援を受けることが大変重要な意味合いを持ちますので、今回、正式な形でスタートするに当たりましては、雇用推進とか、あるいは経済活動の観点から、こういうプログラムを学校にどのように導入すべきかのノウハウをお持ちの経済局のご協力のもとで、より効果を上げる学習として取り組みたいという考えから、共同で一緒に事業を実施させていただきたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 ちゃんと答えてくださいよ。そうしたら、すぐに終わるのだから。
私が聞いているのは、平成20年度も21年度もこれと同じようなことをやったというわけでしょう。これは同じ会社でやったのか。別な会社なのか。20年度はどの会社でやったの。21年度はどの会社でやったの。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 市立高校の生徒がこのプログラムを実施するに当たりましては、北海道経済産業局の支援のもとで実施したところでございます。(「どの会社でやったかだよ」と呼ぶ者あり)
同じプログラムで実施しております。
◆松浦忠 委員 こうやって、平成20年度、21年度は北海道経済産業局の金でやりました、23年は札幌市の単費でやります、市長の裁量権のあるお金でやりますと。2年間やってそんなに成果のあるものだったら、きちっと500万円の予算要求をしてやればいいでしょう。
20年度、21年度はどこの学校でやったのですか。
◎池上 教育委員会指導
担当部長 この事業につきましては、20年度は旭丘高校、藻岩高校、新川高校、平岸高校、清田高校、開成高校の生徒延べ36名の参加のもと、21年度につきましては清田高校と開成高校、40名が参加して実施いたしました。
◆松浦忠 委員 何か、やっていることがね、今回は1年全部だと。金があるから、そこの会社に継続して仕事を発注しなければいかぬから発注しているみたいに感じられるんですよ、私は。本当に教育効果があるのだったら、きちっと教育委員会として決定して、市長に、こういう予算についてぜひ措置してほしいという要請をするのが普通だと私は思うのですよ。去年、おととしは経産省だ。ことしは市長の単費だ。船橋さんに何か義理でもあるの。そう疑わざるを得ないですよ、これは。
この方の経歴を見れば、やめてから政府関係のいろいろなところにつながりを深めています。深めれば深めるほど、この会社の受注額が広がって、事務所も広いところに移って、祝賀会もいろいろやっているようです、経歴を見ると。どうも、特定のひもつき事業、私は、調べれば調べるほどそう思えてならないのです。このようなひもつき事業、学校の授業もそうだし、事の業、雇用促進、そっちの方で、市長の裁量権、多くない裁量権の金を500万円もこんなひもつき事業に使うなんて、これはちょっと私はどうも納得がいかないな。市長も詳しくは聞いていないと。それはそうですよ。市長が一つ一つやっていたら、市長はほかのことをできない。皆さんを信じてやっているんですから。
したがって、私は、こういうひもつき事業はやっぱりやめるべきだと。そして、これは、やっぱり、教育委員会は、池田教育委員が言っておられるように、まず、きちっと元気よくあいさつできる、こういうようなことがちゃんとできる、総合学習の時間でも何の時間でもいいですから、学校で常にそれをやるということから出発ではないですか。市長が教育委員を選んだ目的というのは、恐らく、池田さんを選んだ目的は、現職の会社の社長である、したがって、いろいろなことを教育委員会の学習の中に反映させてくれるのではないか、こういう期待を込めて市長は選んでいると私は思うんですよ。ところが、今聞くと、教育委員会の事務方の皆さんは報告にとどめている。大事なことなんですよ、これは。
したがって、きょうは教育委員会の審議の場ではないですからこのぐらいにしておきますが、私は、経済局長に申し上げておきますけれども、これは、2学期が終わるまできちっと地ならしをして、そして、1学年やるわけですから、全生徒がこれをやって成果が出るような前段作業がきちっとできているという判断ができた段階でこの予算を執行することを求めておきます。決算議会もありますから、それまでにどのぐらいいったか、学校にも行って調査してみようと思っています。そういうようなことで、安易に――だれが見ても国のひもつきだ。国の補助金で指名してきて市長ではどうにもできないというならこれはまた別な話だけれども、市の単独予算まで使って、市長裁量予算まで使ってやるなんていうのは、これはちょっと許しがたきことだ、このことを申し上げて、終わります。
○
三宅由美 委員長 以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。
次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分の質疑を行います。
◆しのだ江里子 委員 私からは、6次産業活性化推進補助事業について質問させていただきます。
食に関連する産業は、農林、漁業などの第1次産業、食料品加工業などの第2次産業、さらに、卸売、小売業や飲食、宿泊業などの第3次産業といったさまざまな業種、分野にわたっており、経済波及効果が極めて高い産業と言えます。この中でも特に重要な役割を占めるのは、やはり、食材に付加価値をつけるという食料品加工業などの第2次産業の役割だと考えます。
北海道は、我が国最大の食料基地として食料自給率200%を優に超え、生産量日本一を誇り、だれもが安全・安心でおいしいと認める農水畜産資源が数多くある一方、博多の辛子明太子や伊勢の赤福餅などで例えられますように、北海道産の良質な1次産品が使われていますが、原料や素材に手を加えて新しいものをつくる製品の2次加工は道外の企業に大きく依存しており、道産食品の付加価値向上が以前より大きなテーマとなっています。そのような動きの中、2010年5月には、北海道経済連合会を中心に食クラスター連携協議体が設立され、オール北海道体制での食の高付加価値化に向けた取り組みが始まっています。一方、札幌市は、北海道の人口の3分の1を占める道内最大の消費地であるとともに、1次産品の付加価値を高めることのできる食料品製造業が多く存在し、札幌市中央卸売市場には道内全域から農水産品が集まるなど、北海道の食の一大集積地となっています。
そこで、質問ですが、札幌市では、新たに6次産業活性化推進補助事業を実施するとのことですけれども、まず、そのねらいについて伺います。
◎本間 産業振興部長 6次産業活性化推進補助事業のねらいでありますけれども、ただいま委員のご質問にもありましたように、札幌は、北海道最大の消費地であり、また、すぐれた技術を持つ食品製造業者が多数存在しております。こうした長所や特徴を最大限生かしまして、北海道のすぐれた1次産品をさらに魅力ある商品にいたしまして、付加価値を高め、道産食品の消費拡大を図ることが、札幌経済のみならず、北海道経済全体の活性化につながるものと考えまして本事業を実施するものでございます。
事業の内容といたしましては、道内の1次産業者と札幌市内の2次・3次産業者とのマッチングを行った上で、それぞれの事業者が連携して行います商品開発の取り組みに対して助成をするものであります。また、この事業で開発されました商品につきましては、顧客動向の調査などを目的といたしますテストマーケットの場を設け、本格販売を行う前に販売戦略やパッケージングなどの評価を行い、最終的に多くの消費者に支持される商品となるような支援をしたいと考えてございます。
◆しのだ江里子 委員 これまでの札幌市の施策は札幌市内の事業者のみを対象としていたと思いますが、今回、1次産業者について北海道全域を対象としたということは大変意義があるものと思います。ぜひ、この事業については力を入れて取り組んでいただきたいと思います。
ところで、国におきまして、2011年3月からいわゆる6次産業法が全面的に施行され、農林水産省が6次産業化を進めるためのさまざまな事業などを行うと聞いております。一方、
経済産業省では、農商工連携と言われる取り組みも以前から行われております。
そこで、質問ですが、今回、札幌市が取り組む6次産業化とは、国が取り組むものとどのような違いがあるのでしょうか。また、北海道全域の1次産品を生産する1次産業者を考慮しますと、これまで以上に北海道と深くかかわりを持つ必要があると考えますが、どのように連携を図られるのか、あわせて伺います。
◎本間 産業振興部長 1点目の国の取り組みとの違いでございますが、農林水産省の6次産業化事業は、主に1次産業者の取り組みに重きが置かれているものでございます。また、
経済産業省が行っております農商工連携の補助金は、2次・3次産業者が主体の比較的事業規模が大きい案件を対象としてございます。これらに対しまして、札幌市の事業は、1次産業者と2次・3次産業者それぞれの立場で主体的に取り組みますそれほど規模の大きくない案件を対象といたしまして、先ほど申し上げましたように、マッチングから商品開発、テストマーケットまでを総合的に支援するものでございます。
2点目の北海道との連携についてございますが、北海道は、農業改良普及センターや道立総合研究機構などを通じまして、特に1次産業者の現状に精通をしております。一方、札幌市は、市内の食品製造業者についての情報を多く持っておりますので、それらについて互いに情報交換を行うとともに、北海道にはこの事業の1次産業者への周知についてご協力をいただくなど、これまで以上に連携を深めてまいります。こうした取り組みによりまして、より多くの事業者が本事業へ参加することを期待しているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 農林水産省が進める6次産業化事業は、主に1次産業者が対象の中心でありまして、また、
経済産業省が行っている農商工連携の補助金は、2次・3次産業主体の比較的規模が大きいものを対象としているとのことでした。札幌市が進めようとしている6次産業化事業というのは、まさに両者のすき間を埋めるもので、マッチング、そして開発、補助金、テストマーケットを組み合わせ、支援を行うというもので、さまざまな連携が期待されると思います。
最初に申しましたように、食産業は、農業はもちろんのこと、札幌市に集積する食品加工業、IT産業、卸売・小売業、運輸業、飲食業、さらには広告関連サービス業など非常に幅広い産業に関連していると思います。そして、札幌市は、総生産額とか民営事業所数、従業員数において北海道の3分の1を占めており、北海道経済の拠点となり、また、下支えをしているとも言えると思います。ことし1月に出され、2020年まで札幌市が目指す札幌市産業振興ビジョンでは、北海道経済の中心都市としての機能、役割の発揮として、札幌市に集積しているこれらの産業や札幌市が持っている都市機能を道内の他市町村にも最大限に活用していただくことが北海道経済全体の活性化につながるものとありまして、まさに、道都札幌市が果たす役割だと考えます。
インターネットの食品お取り寄せサイトには、全国のお取り寄せグルメのランキングが並び、家庭にいながらも手に入り、また、ギフトにすることもできます。このランキングに札幌発の食品が並ぶことも夢ではありません。この事業により、1次産業と2次・3次産業それぞれの振興につながるよう、ぜひ積極的かつ効果的に進めていただくことを求め、私の質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、ソーシャルビジネス育成事業についてお伺いいたしたいと思います。
最近の経済情勢を見ますと、東日本大震災の影響もあると思いますが、雇用情勢が一向に改善せず、また、日本は高齢化が世界トップクラスのスピードで進んでおり、経済構造、雇用環境の変化は急速に進んでいくものと思われます。これらの動きがアジア各国においてもやがて広がっていくのは間違いないものと思われ、高齢化社会に対応した経済社会をつくることが、札幌のみならず、日本全体、ひいては広くアジア圏全体に貢献できることになると考えるところであります。
これから目指すべき経済社会のあり方としては、ハードからソフトへ、一律からきめ細やかに、利益第一から利益と社会貢献の両立へ、規模拡大からニーズ対応へという理想を追求するという観点を重視しつつ、継続的に行うためにビジネスとして成り立たせていくことができるかどうかということが課題であろうというふうに思われます。そのような意味で、雇用を創出しながら、埋もれていた担い手のいない社会的な困り事をビジネス、仕事の手法で解決するソーシャルビジネスを育成していくべきだと考えており、今回の事業は非常に重要だと思っているところであります。
ここで、ソーシャルビジネスの例といたしまして、北海道釧路市にあるコミュニティハウス冬月荘をご紹介したいと思います。
この冬月荘は、昨年10月、我が党の社会保障トータルビジョン検討会の貧困と格差チームと、党厚生労働部会が訪問調査を行っておりますし、NHKの放送でも取り上げられるなど、注目をされている取り組みであります。冬月荘は、複合的な施設で、さまざまな活動の拠点となっており、例えば、生活保護世帯の中学生に対する高校入試の勉強会を支援している様子を私もNHKの番組で拝見いたしましたが、中学生が生き生きとしている姿を見て、感動したところであります。この冬月荘は、NPO法人地域生活支援ネットワークサロンが運営主体で行っているものでありますが、事業としては、子育て支援、就労支援、障がい者支援等、さまざまな支援をしており、よくぞこのような事業ができているなと、感動とともに驚きさえ感じたところであります。
釧路市は、人口は約18万人余りで札幌市の10分の1弱ですが、冬月荘同様の拠点が釧路市内に21カ所もあり、職員が150人もいるそうであります。NPO法人の理事、顧問をされております日置さんによりますと、冬月荘を初めとしたたまり場をつくることによって地域ニーズを掘り出すことが大切であるとのことであります。企業は、市場ニーズを調査して売れる製品をつくり出しますが、市民ニーズ、地域ニーズは必ずしも商売には結びつきませんし、そのようなニーズは、行政側からすると聞きたくないニーズでもあることと思われます。血縁、地縁のつながりが弱まった現代社会においては、助けを求める地域ニーズはたくさんありますが、現状の社会保障制度ではカバーし切れない部分がかなりあるのも事実であります。それをわざわざ掘り出して、ソーシャルビジネスといった事業として継続していくことは大変な苦労だと思いますが、先ほど言った日置さんによりますと、できないとは考えないそうであります。事業継続のためには、しっかりとしたメーンの事業があれば新規事業もカバーできるとのことですし、どうしてそんな苦労をするのかとの問いに対しては、そこに困っている人がいるから、また、新しい事業により、新規の雇用、就労が生まれるからとのことであります。
今掲げた釧路市の例のほか、札幌でも、地域に密着したカーシェアリングを事業化したウインド・カーや、パソコンを通じて障がい者の自立支援を行う札幌チャレンジドなど、環境問題や福祉的な課題を解決する取り組みをビジネスの手法を活用して行うことに成功している例があります。しかしながら、ソーシャルビジネスはまだ十分に認知されているとは言いがたいと思いますし、成功例ばかりではなく、大変にご苦労され続けていらっしゃる事業もあるというふうに思います。
そこで、質問ですが、今後、ソーシャルビジネスを振興していく上で、担い手の皆さんが抱える課題としてどのようなことが考えられるのか、お伺いいたします。
◎本間 産業振興部長 ソーシャルビジネスを振興する上での課題についてお答えいたします。
ソーシャルビジネスの担い手といたしましては、企業のほか、NPOなど市民活動団体がありますので、課題解決への強い使命感を持って事業に取り組んでいらっしゃる一方、その事業の継続を図る上で資金の確保、人材の育成などさまざまな課題があるのではないかと認識しているところでございます。
しかしながら、札幌におけるソーシャルビジネスの実態につきましては十分に把握できておりませんので、本事業では、アンケートやヒアリング調査を通して課題の抽出などを行う予定としており、この調査結果を踏まえ、施策づくりに反映させてまいりたいと考えているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 今回、そのためにこういった事業を行うということでありますし、今ご答弁があったように、ぜひ、ソーシャルビジネスを進めていく上での課題を把握した上で、しっかりとした推進方策の具体化をしていただくように期待いたしたいと思います。
しかしながら、ソーシャルビジネスについては、社会的課題を解決することを主眼としていることから、必ずしもすべてがビジネス的にうまくいっているわけではないと思いますし、また、ビジネス的な観点に重きを置いていない取り組みもあるのではないかと思います。
そこで、質問でありますけれども、社会的課題の解決を主眼とした取り組みであるソーシャルビジネスについて、産業振興を担う経済局が取り組む意義がどのあたりにあるのか、このことについては経済局長にお答えをいただきたいと思います。
◎渡邊 経済局長 社会的課題解決を主眼とするコミュニティビジネスの養成に何で経済局が取り組むのかというご質問であります。
委員のお話の中にもございましたけれども、ソーシャルビジネスは、社会的課題の解決だけではなく、新しい経済の活性化であるとか雇用の創出、そんな面が期待されているところでございます。実際にソーシャルビジネスの対象といたします社会的課題というのは、多分、経済局が所管する以外の部局の課題の方が多いかと思います。しかしながら、共通するのはビジネスの手法をもって解決するという部分でございますので、その観点から、産業振興を担う経済局の方でまずは今回の調査を実施しようというところでございます。その結果、個別の課題に応じて関係する部局と連携・調整をしながら、ソーシャルビジネスの育成について実効ある支援策に取り組んでまいりたい、そんなふうに考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 今、歯切れのいいご答弁をいただきました。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
我が党では、昨年の暮れに新しい福祉社会ビジョン中間取りまとめを発表いたしました。このビジョンは、これまでの社会保障ではほころびが出てきていることから、新しい社会保障の仕組みをトータルで模索しているものであります。その中には、雇用なくては福祉は成り立たないとの前提に立ち、ソーシャルインクルージョンという考えのもと、言いかえますと、すべての人々が安心して社会参加を続けることを可能とする社会の包容力向上が必要との認識から、雇用に関しての中長期の課題としてソーシャルビジネスの推進も盛り込んでいるところであります。
新しい福祉社会の構築のためには、これまでの公助では救うことのできなかった課題に対して、共助の拡大が必要不可欠であろうと思います。しかしながら、その一つの手法であるソーシャルビジネスは、事業として成り立ちにくいという現実がございます。ぜひ、経済局のノウハウと関係機関のネットワーク力を活用して、ソーシャルビジネスの支援をお願いしたいと思います。
また、今国会におきまして、寄附優遇税制の拡充を盛り込んだ法律が22日に成立いたしました。個人がNPOに寄附をすると、金額の半分を所得税と住民税から差し引く制度でございます。また一方で、15日には、優遇税制拡充の対象となる認定NPOの要件や手続を緩和いたしました改正NPO法も成立しているところであります。
先ほどのご答弁にもありましたが、NPOは市民まちづくり局、また福祉政策は保健福祉局と非常にまたがっておりますので、ぜひとも部局の垣根を越え、協力して支え合う社会の実現に向けてご尽力いただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
◆小倉菜穂子 委員 私からも、ソーシャルビジネス育成事業費について伺います。
市民ネットでは、2007年3定の代表質問におきまして、社会的経済の果たす役割についてということで伺ったことがございます。そのときは、営利を目的としないNPO、市民団体などにおけるコミュニティビジネスを積極的に支援するといったようなご答弁がありました。最近では、先ほど来、福田委員からもさまざまお話がありましたように、新しい公共推進の中で、ソーシャルビジネスという社会課題解決へ向けての新たな手法に期待が寄せられる中、その育成に本市が取り組むということです。
しかしながら、ソーシャルビジネスに関する一人一人の持つイメージというのはなかなか描きにくいものがあるなというふうに思っておりまして、だれにとってもなかなかわかりやすいとは言えないというふうに感じるのが実感です。
そこで、先ほど福田委員のところでも大分お話が出てきましたが、ソーシャルビジネスの定義であるとか、目的などについてお伺いしたいと思っておりましたけれども、そのあたりは、社会的課題、また、雇用創出に向けての動きが大きいのだというようなご答弁がありました。そうしたことから、私からは、ソーシャルビジネスを進めるに当たりましてこれまで本市はどのような取り組みをされてきたのか、この点についてまず伺いたいと思います。
◎本間 産業振興部長 ソーシャルビジネスに関しますこれまでの取り組みについてお答えいたします。
経済局では、これまで一般的な創業支援事業、人材育成、経営相談事業などでの対応を行ってきておりまして、一方、市民まちづくり局では、残念ながらNPO支援を中心とした対応にとどまってきてございます。そういった意味で、ソーシャルビジネスに直接的にターゲットを絞った事業はこれまで行ってきていないということになります。したがいまして、まずはソーシャルビジネスに取り組む事業者等の実態の把握が必要であると考えまして、今回、この調査事業を実施したいと考えているところでございます。
◆小倉菜穂子 委員 先ほども出てきたことですけれども、経済局が推進するということから、企業、NPOによる新たな産業、そして、雇用を創出し、地域及び社会経済全体の活性化を担う主体として期待されます。障がい者の就労や子育て支援、ホームレスの自立支援、また、カーシェアリング、風力発電事業など、各省のホームページであるとか、また、北海道が公表しているものを見せていただきますと、既に札幌市内でも主体的に事業展開されているのだなということがわかります。しかし、市民みずからが当事者意識を持って事業性を確保するまでのその道筋というのは、なかなかわかりにくい、そして困難なものがあるというふうに思っております。
経済産業省の2008年の市民意識調査によりますと、ソーシャルビジネスの具体的事例に関する認知度は約16%と極めて低く、このことは、ビジネスの振興を図る上で大きなネックであると私は考えています。市民に、同じサービスや商品であればソーシャルビジネスのものを選択し、支えようという循環、既存のものとどちらを選択するか悩んでもらえる状況をつくり出さなければならないというふうに思います。幾ら事業者が事業を起こしても、それを利用する人、また、支える人がふえない限り、事業が継続するということは大変難しいというふうに思っています。
そこで、質問ですが、今回、基礎調査を行うことを先ほどから伺っておりますが、どのような目的で、どのような方をどれくらい対象に想定して行うのか、そして、私は、その対象ととしてぜひ市民にも調査を行っていただきたいというふうに思うのですけれども、その必要性について伺いたいと思います。
さらに、ソーシャルビジネスが新たな産業として成立するためには、ソーシャルビジネスの社会性に着目しつつ事業活動の継続性に結びつけていくことや、社会の共感を得るための信頼性に向けた取り組みが不可欠であり、事業者自身のアイデアや努力に加え、その成長に向けて社会全体で効果的にサポートする仕組みが求められます。
そこで、質問ですが、ソーシャルビジネスの振興に当たっては、継続性、信頼性といったものを向上させる仕組みが必要と考えますけれどもいかがか、あわせて伺います。
◎本間 産業振興部長 今年度行います調査事業の内容、それから、市民ニーズの把握、継続性、信頼性を向上させる仕組みといったことについてのご質問だったと思います。
今回の調査におきましては、ソーシャルビジネスを担う事業者等が抱えます課題を抽出いたしますことを目的に、市内NPOのほか、福祉、介護サービスなど社会性がある事業を営む企業など合わせて3,000程度の事業者に対しまして、ソーシャルビジネス実践の有無、事業を始めた理由、あるいはできない理由、さらに、事業展開上の課題などを把握するアンケート調査を行いたいと考えてございます。そのほか、先進事例などの情報を収集いたしますとともに、研究所等へのヒアリングも実施する予定でございます。
まずは、こうした実態調査を実施することを優先したいと考えておりまして、この結果が出そろい、施策展開の具体的な形というものを見据える段階におきまして、市民など利用者へのニーズ把握調査、継続性、信頼性を向上するための仕組みづくりにつきましても検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆小倉菜穂子 委員 ソーシャルビジネスについての認知度が低いと言われておりますから、ぜひ、その基礎調査を通じても皆さんに知っていただく、また、同時に、今おっしゃいました課題なども含めて実態をしっかり把握していただきたいいというふうに思っています。
市民対象の調査についてですが、ニーズ調査はその後にされるというようなことを今伺いましたけれども、実際にソーシャルビジネスを知っているのか、そして、利用したことがあるのか、利用していないのだったらその理由は何かなど、そうした市民側の実態といいますか、ソーシャルビジネスに対する感覚も私はぜひ知る必要があるなというふうに強く思っています。
また、私は、先ほど、これからの継続性といいますか、そして信頼性についても、その実態把握に基づいて取り組まれるということで、しっかりその取り組みを進めていただきたいというふうに思っておりますが、経営状況もなかなか厳しいというふうに聞いていますので、金融機関による援助であるとか、行政との連携による認証制度とか、そのほか、既存のビジネスフェアなどがありますから、そんなところにソーシャルビジネスの事業者が参加できるような取り組みもあったらいいなと思っています。また、経営アドバイスをする中間支援の機能など、少し年配の方などがもう一回大学に行ってソーシャルビジネスを学ぶような教育環境の整備もあったらいいなというふうに考えております。そうしたこともぜひ参考にしてといいますか、さまざまな意見が出てくると思いますので、そうしたことも含めてご検討いただきたいというふうに思います。
そして、先ほど、本市としてこれから市民周知を進めていくということでありますけれども、そのことでちょっと伺いたいのですが、市民周知、そして普及活動をこれから進めていこうとされている、その具体的な取り組みについて伺いたいと思います。
また、ソーシャルビジネスは、既存の市場原理では対応できない課題を解決するビジネスであり、かといって、税金ですべて賄うのではなかなか効果的に対応できない課題を解決するビジネスでもあって、事業化するには大変多くの関係者の協力が不可欠だと思っています。そのため、本市の社会的課題を共有する行政、企業、経済団体、市民、大学、金融機関の方などによる協議会をつくることが大変重要だろうというふうに考えております。
そこで、質問ですけれども、ソーシャルビジネス振興への具体的方策を導き出すためには、多様な主体、また、他部局との連携が不可欠ですが、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、この点について伺います。
◎本間 産業振興部長 2点ご質問をいただきましたが、まず、市民周知・普及活動についてでございます。
繰り返しになりますが、本事業に基づきまして私どもが今年度に予定しておりますのが調査事業でありますけれども、それに加えて、ビジネスの担い手を育成するための普及啓発事業も予定してございます。この中で、北海道経済産業局など関係機関と連携いたしまして、企業、NPO、さらに女性、団塊の世代など創業希望者への理解促進を図るほか、大学とも連携の上、若年層を対象とした講座、セミナーの開設も検討していきたいと考えてございます。
それから、具体的な今後の支援策についてでございますけれども、学識経験者、中小企業経営者、金融機関、公的機関関係者、公募委員等で構成いたします札幌市中小企業振興審議会に今回の調査結果を報告し、ご意見をいただく予定をしておりますほか、NPOへの実践的な支援を行っております市民まちづくり局など関連部局とも密接に連携をとった上で、実効性のある事業展開を検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆小倉菜穂子 委員 これから始まる、これからしっかり進めていくところかと思いますけれども、これまでの市民まちづくり局で行ってきたことなどもしっかり生かしながら、取り組みを進めていただきたいというふうに思っています。
この事業は、振興するということですね。振興するということは、例えば、学術であるとか産業を盛んにする、そこまで含めて言うのだと思いますから、継続性や信頼性の確保について具体的に考える必要は大きいというふうに思っています。何が解決すべき問題なのかを明確に特定して、提供するサービス、そして、商品の価格、コストなども含め、社会的な問題の解決に向けた具体的なプランを立てることが大変重要であることはもちろんです。厳しい社会状況が続く中、新たな雇用であるとか、また、新たなお金の循環を生み出す可能性がありますので、有意義な基礎調査を実施していただき、ソーシャルビジネスが市民にとって有効な事業となるよう、そして、各事業、また、そこで働く方々にとっても、とっても安心して働ける、生きがいのある、そうした働く場となることをぜひ支援していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○芦原進 副委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時18分
再 開 午後3時40分
――――――――――――――
○
三宅由美 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆小竹知子 委員 私からは、被災地支援商店街独自商品券発行事業について質問いたします。
私は、地元月寒の商店街に生まれ育ち、現在も、家業として札幌市商店街振興組合連合会の会員でもある小売店を営んでおります。ここでは、一商業者としての立場でもこの事業について質問させていただきます。
昨今の札幌市の商店街を取り巻く環境につきましては、長引く景気の低迷、消費者ニーズの多様化、大型量販店の進出などに加え、大震災による消費マインドの低下により大変厳しい状況が続いております。札幌市は、これまでにも、商店街のにぎわいづくりや、空き店舗活用事業に対する支援や、商店街での消費拡大を図るため、クーポンつきPR誌や独自商品券を発行する事業に対しても支援を行い、私どももこの事業に参加しまして、地域商店街の活性化につながるその成果を実感しているところでございます。また、これらの事業に魅力を感じた商店主が、集客効果もあり、地域とのつながりもできるということで、商店街に加盟したという事例も実際に聞いております。
今回の事業は、地域住民の消費を喚起し、被災地への支援を目的とした商店街独自の商品券を発行する事業に対して支援を行うというものであります。
そこで、質問ですが、各商店街においては、この時期、既に定期総会などで今年度の事業計画、事業活動案を立ててしまったところが多い中、今回の事業を年度途中で実施するその趣旨をお伺いいたします。
また、この事業についていつごろをめどに実施する予定であるのか、さらには、この補助金を受けるに当たっての要件、条件等があれば、あわせてお聞きしたく思います。
◎本間 産業振興部長 まず、被災地支援商店街独自商品券発行事業を年度途中で実施する趣旨でございますが、3月に発生いたしました東日本大震災以降、自粛ムードの拡大や観光客の減少などによりまして急激な消費の低迷が続き、地域経済も大きな影響を受けてございます。こうした中、札幌商工会議所から地域活力の回復に努めてほしい、そのような緊急要望がありましたほか、昨年度、商品券発行事業に取り組んだすべての商店街から引き続き実施したいという声も寄せられてございます。
そこで、市内商店街での消費拡大を図ると同時に、商品券発行を通じまして商店街が日ごろから果たしております社会的役割を地域の方々にも知っていただく機会とするため、昨今の状況も勘案いたしまして、被災地支援を行うことを目的に加え、年度途中ではございますが、本事業を実施したいと考えているところでございます。
さらに、本事業では、商店街未加入店舗に対します事業参加の呼びかけや、商店街の個性を生かした取り組みを通じまして、商店街組織における結束力を高める一助となることも期待しているところでございます。
次に、実施時期でございますが、7月21日までを募集期間といたしまして、補助金交付決定後、年内に発行していただきたいと考えております。それから、補助要件といたしましては、1商店街当たり5,000枚以上の商品券を発行することにあわせて、被災地支援を行うことなどを要件にしたいと考えているところでございます。
◆小竹知子 委員 今回の事業は、地域住民がこの商品券を購入して地域の商店街で使用するというみずからの消費行動が被災地を支援することにつながっていくということで、その意味合いは大変大きいと思っております。また、地域住民の消費マインドを喚起し、地域商店街の活性化にもつながり、双方にとってメリットがあると考えておりますので、私としても、多くの商店街がこの事業に参加することを期待しているところでございます。
しかしながら、市内商店街の置かれている実情やその規模はさまざまでございまして、商店街とはいえ、店舗が点在したような状況にあるところや、また、事務局がないという商店街も大変多くあります。事務局がないということになりますと、商品券発行に伴う事務、この場合ですと、商品券のデザインに始まりまして、その配付、回収、換金に至るまでの事務作業などには到底手が回らないという声も実際に聞いておりまして、この事業に参加したくてもなかなか難しいといった実情がございます。