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  1. 札幌市議会 2011-02-21
    平成23年(常任)文教委員会−02月21日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成23年(常任)文教委員会−02月21日-記録平成23年(常任)文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成23年2月21日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○長内直也 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  なお、陳情者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  最初に、陳情第1294号 「まなびの教室」の各区増設早期実現を求める陳情を議題といたします。  陳情者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時1分       再 開 午後1時8分     ―――――――――――――― ○長内直也 委員長  委員会を再開いたします。  質疑を行います。 ◆飯島弘之 委員  私から、今ほど陳情いただきました内容のご説明を受けて、お伺いさせていただきたいと思います。  まず、今お話をお伺いさせていただいて、現在、多くの通級指導を受けている状況や、また、定員がいっぱいにもかかわらず通級を希望されている保護者、そしてお子さんが多くいることを改めて認識させていただきました。  発達障がいは、外からだけではなかなか障がいの有無がわかりにくく、発達障がいのあるお子様のご苦労というのは大変大きなものであろうかと思います。その中で、まなびの教室については、今回の陳情にもありますように、指導の効果が非常に上がっている、また、評判も大変よろしいということで、一層の充実が望まれることは十二分に理解できるところでもあります。また、その指導の内容は、今後、拡充する際にも、また多くの場においても、参考にされるべきであろうかというふうに思います。
     今、陳情者からこの資料をいただきまして、指導で使っている漫画だとか、あとは地元の学校連携されているメモが示されております。こういったことからも、非常に工夫され、また連携しながらよくやられているなということがわかるのでありますが、改めて、まなびの教室で具体的にどのような指導をされているのか、お伺いさせていただきたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  まなびの教室での具体的な指導についてお答えいたします。  まなびの教室では、例えば、文字を認識することに困難があるために文章を読むことが苦手な子どもに対して、書いてある文字をゆっくり見きわめながら音読する指導を行ったり、数の概念を理解することに困難があるために計算をすることが苦手な子どもに対して具体物を示すなど、数の概念を丁寧に確認しながら計算する力を高める指導を行ったりするなど、教科学習の補充を含めた個別指導を行っております。また、人とのかかわりコミュニケーションが苦手である子どもに対しては、小グループでの活動などを通して適切な対人関係を維持するための決まりの理解や円滑なコミュニケーションの方法を指導しており、不注意による間違いが多い子どもに対しては、自分の行動を振り返って調整できる力を身につけるための指導などをしております。  いずれにいたしましても、子ども一人一人の特性に応じて指導内容や方法を工夫するなどしながら、子どもの抱える困難を改善できるよう努めております。 ◆飯島弘之 委員  個人個人の状況、特性等に応じて、特に、ゆっくりと読解力を、また計算力等々について個別に指導されているということ、また、コミュニケーションスキル等についても書かれておりますけれども、繰り返し丁寧に指導されているということでありますから、大変効果も上がっているということで大変評価できるわけであります。一方、それだけきめ細かく丁寧にされるのでありますから、そういった体制を整えるということも大変だろうなと、今お伺いしてそういう印象を改めて感じました。  そこで、現在、札幌市においては、小学校で3校、中学校では1校の設置ということであります。また、いただいた資料を拝見しますと、北九条小学校が中央区、北区、豊平区、南区、西区、手稲区をカバーしておりまして、また、青葉小学校が白石区と厚別区と清田区、そして、元町小学校が東区をカバーしております。いただいた資料を一見して、また、陳情者のご説明をお伺いして、カバーをする範囲が大きい学校と小さい学校があるなというふうに感じました。私ごとでありますが、私は西区の選出でありますけれども、西区、手稲区あたりの方は遠距離からの通級を強いられているのだろうなというふうにも感じますし、また、そのようなことを聞いたこともございます。今いただいた資料を拝見しますと、そういったことは一定程度事実なのだろうなということも想像できるわけでもあります。  お聞きしますと、まなびの教室は、特別な施設や設備というものは特に必要ないということであります。必要な支援を身近な地域で受けることができるようにすることが、今の陳情者のお話のとおり、移動時間などの負担の軽減や、さらに、通級を希望する方のニーズにこたえることにつながるというふうに考えます。今回、各区に設置を求めるという内容でありますけれども、私は、少なくとも、もう少し地理的にバランスのとれた配置ができないものかというふうにも思うのであります。  そこで、お聞きしますが、まなびの教室の今後の設置について、現状はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎金山 指導担当部長  まなびの教室の今後の設置についてお答えいたします。  教育委員会といたしましては、これまでなかなか効果的な支援が行われてこなかった発達障がいなどの子どもに対して、特別支援教育巡回相談員の派遣や学びのサポーターの配置など、校内での支援の充実に努めてまいりましたけれども、より専門的な支援を必要とする子どもへの対応を図るため、今のお話にありましたように、平成21年度にまなびの教室小・中学校に1教室ずつ開設し、現在、小学校教室中学校教室設置となっております。  まなびの教室の今後の設置についてでありますが、まなびの教室は開設して2年目でもあることから、まずは、その指導がより効果的なものとなるよう、教育内容教育方法の検証を進めていくことが必要であると考えております。また、まなびの教室の早急な拡充には、通級担当となる専門性の高い加配教員の確保など幾つかの課題もございますが、できるだけ身近な地域で必要な支援を受けることができる体制を整備していくことも大切な視点であることから、まなびの教室に対するニーズの把握に努め、その設置を段階的に進めていきたいと考えております。 ◆飯島弘之 委員  ぜひ、よろしくお願いしたいと思うのであります。  発達障がいをお持ちのお子様たちでありますから、特に遠距離の通学というのは大変負担になろうかと思いますし、保護者の方にとっては大変心配なのだというふうなことは、子を持つ親としてその心情はよく理解をいたします。どうぞ、役所の方の目線、都合ではなくて、市民、利用者の視点から今後の整備拡充に尽力いただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私からも、質問させていただきます。  2005年4月に施行されました発達障害者支援法によりますと、国及び地方公共団体の責務として、「発達障害児に対し、発達障害の症状の発現後できるだけ早期に、その者の状況に応じて適切に、就学前の発達支援学校における発達支援その他の発達支援が行われるとともに、発達障害者に対する就労、地域における生活等に関する支援及び発達障害者の家族に対する支援が行われるよう、必要な措置を講じるもの」とあります。  学校教育は、特に、早期発見早期支援の上で重要な役割を担っており、まなびの教室は、早期支援においてその役割を大いに期待されていると考えます。通級指導教室、まなびの教室は、先ほど説明がございましたように、学習集団活動が困難になっている子どもたちが自信を持って学校生活を送ることができるように支援するところであって、一人一人のニーズに合わせて、ある子は、上手に人とかかわることができるようになるための学習や、集中して取り組めるようになったり、みんなと一緒に活動することが上手になるための学習であったり、自分に合った学び方を身につけることができるようになることや、自分自身に自信が持てるようになるための学習など、本当にそれぞれの児童に必要な支援を中心とした学習を行うと聞いています。  現在、小学校3校、中学校1校にまなびの教室設置されておりますが、今回の陳情にありますように、通級を希望されるニーズは極めて高いと思われます。今後、まなびの教室の拡充を図っていくためには、通級を希望するニーズはもちろんですが、通級による指導を受けることによって学校生活をより安心して送ることができると思われる子どもニーズも適切に把握していくことが必要だと考えます。  そこで、質問ですが、まなびの教室へのニーズの把握をどのように行っていくのか、まず伺います。 ◎金山 指導担当部長  ニーズの把握についてお答えいたします。  まなびの教室につきましては、札幌教育センターにおける教育相談などを経て通級することとなっていることから、その相談などを通して通級を希望される方々のニーズを把握しております。一方、発達障がいについては、その子どもが抱える困難が表面的にはわかりにくい場合もあることから、本来、通級による支援が必要な子ども教育センターによる相談にはつながらず、適切な支援を受けられないでいることも想定され、そうした隠れたニーズを把握する取り組みも大切であると考えております。  そのような考えに立ち、教育委員会といたしましては、特別支援教育巡回相談員の派遣や各校の校内学び支援委員会における個別のケース検討などを通して子ども実態把握に努めておりますが、今後につきましても、これらの取り組みの内容を一層充実させるなどして、支援を必要とする子どもが早期から適切な対応が受けられるよう、そのニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  教育相談の中からまなびの教室に通われるお子様が出てくる、そしてまた、実際には隠れたニーズを把握していくことがこれからは必要であるというお話でした。  まなびの教室での個別の指導はもちろん大切なことなのですが、やはり、そのお子さんにとって学校生活の大部分を送っているのは在籍している学校だと思います。在籍している学校でも適切な指導を受けることができなければ、まなびの教室での指導の効果が十分に発揮されないと考えます。まなびの教室との連携を図ることによって、その児童が在籍する学校特別支援教育がより一層充実することが何より重要なことだと考えます。  そこで、質問ですが、まなびの教室では、お子さんが在籍している学校とどのように連携されているのか、伺います。 ◎金山 指導担当部長  まなびの教室在籍校との連携についてお答えいたします。  まなびの教室に通う子ども支援を効果的なものにするためには、まなびの教室在籍校とが定期的に情報交換を行うなど、連携協力を図ることによってそれぞれの取り組みを相互の指導内容に生かしていくことが大切なことであります。まなびの教室では、保護者の了解のもと、在籍校学級担任などと互いの指導場面を参観することや、通級している子どもの個別の指導計画についての情報提供連絡帳などを活用した情報交換を行うなどして在籍校との連携に努めているところであります。  今後につきましても、一人一人の子どもに応じた指導あり方を検証していくとともに、まなびの教室在籍校とのより一層の連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  定期的な連携をしていただく、そしてまた、担任の先生が実際にまなびの教室を参観されるとか、とにかく細かなことをしていただけていると思います。  そして、先ほど陳情者からいただきました資料の学校からというところに、本当に細かく対応や成果などが書かれている様子を拝見しますと、学校とまなびの教室、そして家庭が一体になってこれから進めていくことがやはり一番重要であると考えました。  先ほど陳情者のご説明によりますと、保護者の願いは子どもの自立だと、そしてまた、早期支援により苦手な部分を補う技術を学ぶことで自分を肯定的にとらえられて、2次障がいに陥ることを防ぎ、自立し、働くことのできる大人へ成長することができるというご説明でした。  私は、今回の質問に当たりまして、ネットで幾つか検索しておりましたら、北九条小学校の発達障がい通級指導教室を担当されている先生によるデジタル録音図書を活用した授業の報告というものがございました。大変興味深い授業が行われていることにより、通級する児童が自分に合った学習方法を見つけることができ、自分に自信が持てるようになる様子を見てまいりますと、まなびの教室を希望されるニーズが高いというのは本当に当然のことだと思います。  鳥取県米子市では、2006年から軽度発達障がい児のためのまなびの教室がありまして、あわせて、保護者支援のための相談窓口、まなびの支援室があり、通級に通う児童の指導中、保護者専門員相談したり話をするなど、発達障がい児や保護者に対する支援は進んでいます。2009年度、米子市は、小学校23校、全児童数8,719名に対して、まなびの教室は3校です。片や、札幌市は、小学校は国立、市立を含めまして211校、9万2,828名の小学生がいますが、数字だけを見ましても今の3校では余りにも少ないと思います。札幌市も、まなびの教室の拡充について思うところは同じだと思います。しかし、担当教員配置については北海道教育委員会からの割り当てであるならば、ぜひとも粘り強く道に対して要望していただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆阿知良寛美 委員  私からも、何点か質問させていただきます。  まなびの教室は、開設して2年目ですけれども、平成21年には北九条小学校中央中学校、22年からは、希望者が相当多いということなのだと思いますが、青葉小学校元町小学校ということで増設されたわけであります。開設から2年たつわけですから、検証といいますか、現状を把握していかなければいけないというふうに思います。  先ほども、陳情者より、親御さんの声としては、まなびの教室は、現在、大変評判もよく、満員にもかかわらず通いたいと希望する親も多いと。一つは、こういったところがあると認識をされた方が非常に出てきたということだろうと思うのです。それから、成果も上がっていると。さらに、大人数の中で学ぶことが難しい個々の児童の苦手な部分、コミュニケーションスキル学習ルールなどを繰り返し学べ、よい効果があった、困りが解消したなど、実際に教室に通っているお子さんの多くの親からこういう感謝の声が上がっており、また、通っているお子さんもそういう実感を持っているのではないかなというふうに思います。  教育委員会としても、子どもたち指導に当たって、一定の成果や、さらに課題について考えていらっしゃると思いますので、そこで、質問でありますが、まなびの教室における指導の成果や課題について今どのように思っているのか、お話を聞かせていただきたいと思います。  それから、教育委員会として、教室指導をしている先生、教師の声をどのように把握しているのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。  さらに、発達障がい児のお子さんはクラスで大体6%ぐらいというふうに伺っていますが、札幌市内にどのぐらいいらっしゃると把握しているか、その3点をお伺いいたします。 ◎金山 指導担当部長  まず、1点目のまなびの教室における指導の成果と課題についてお答えいたします。  まず、成果についてでありますが、まなびの教室での指導により、一人一人の子どもが抱える困難の改善が図られていることはもとより、まなびの教室在籍校との情報交換などを通して、教員の発達障がいに関する理解が深まり、在籍校での支援体制の充実にも結びつくとともに、各学校における特別支援教育意識向上にもつながっていると認識しております。  次に、課題でございますけれども、発達障がいについては、さまざまな困難が重なっている場合も多いため、複数の指導方法を組み合わせるなど幅広い対応が求められているところであり、在籍校との効果的な連携あり方なども含め、一人一人の子どもの特性に応じた指導方法の確立に向けた検証が必要である、このように考えております。  2点目の教師の声をどのように把握しているかについてお答えいたします。  教育委員会といたしましては、まなびの教室取り組みの検証を進めていく上で、子どもに実際にかかわっている担当教員の声を把握することは大切なことであると考えております。そのため、まなびの教室設置校管理職も含めた担当者会議などの機会を通して、教室運営の方法や在籍校との連携あり方など、まなびの教室担当教員の声を把握しながら、その改善や充実に努めております。  3点目の札幌市における発達障がいの子どもについてでありますが、小・中学校において、概算ですけれども、約6%ぐらいというふうに押さえております。 ◆阿知良寛美 委員  6%というのは、人数的にはどのぐらいになるのですか。  それから、担当者会議を開いて現場の教師からいろいろな声を拾っているというか、聞いていらっしゃると思いますけれども、どんな声が上がっているのか、もし今わかれば教えていただきたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  まず、1点目の児童の数でございますけれども、先ほど答弁で申し上げました特別教育巡回相談員が巡回して把握しておりますところによりますと、小学校で約4,000名程度、それから中学校で約900名程度というような概算の押さえでございます。  それから、2点目の教員の声でございますけれども、一つは、子どもたちとのかかわりの中で、在籍校連携をとる中で、子どもたちがそれぞれ障がいを克服していけるというような声を聞いております。 ◆阿知良寛美 委員  それぞれ個々の児童によって教え方は相当違うだろうと思うし、そういう面では多様な教え方といいますか、教師の力量も必要だろうし、そういった事前の勉強も当然必要だろうと思います。  今、おおよそ小学校で4,000名、中学校で900名だと思いますが、これだけ多くの発達障がいを持っているお子さんがいらっしゃるということでありますから、平成21年、22年の2カ年で何校かつくったわけでありますけれども、当然、この数字からいくとまだまだつくらなければならないとだれもが思うのだろうというふうに思いますので、ぜひ増設を強く要望します。また、陳情者の親御さんの話の中にありましたけれども、早目にこういう教育を受けられれば、子どもたちが自立して働ける大人に成長できるのではないかという希望をかなえていけるのではないかなというふうに思いますので、この辺をよろしくお願いいたしたい。このことを要望して、終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、2点質問したいと思います。  現在、98人の子どもが通っているということで、評判がいいということと、満員にもかかわらず通いたい、このように希望するお母さんがたくさんおられるということで、先ほど陳情者も述べられ、前段の議論のように、私は、まなびの教室ニーズ高まりが相当あるというふうに思うのですが、改めて、ニーズ高まりをどのように認識されているのか、これを1点お聞きしたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  ニーズ高まりに対する認識についてお答えいたします。  まなびの教室につきましては、通級生の増加が見られることや、札幌教育センターにおけるまなびの教室に関する相談の件数もふえていることから、そのニーズは高まっている、このように認識しております。  また、先ほども申し上げましたが、本来、通級による支援が必要な子ども教育センターによる相談にはつながらず、適切な支援を受けられないでいることも想定されますので、そうした隠れたニーズを把握する取り組みも大切であると考えておりますことから、支援を必要とする子どもが早期から適切な対応を受けることができるよう、そのニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  私は希望が大変多いというふうに思うのですが、北九条小学校には、先ほどもお話がありましたが、広範囲のところから子どもたちが通っております。手稲区ですと、駅まで歩くか、バスか、JRに乗っても15分かかります。そこから学校まで歩くとすれば、大人の足でも15分ぐらいかかるのかなというふうに思うのです。やっぱり、子どもですと大人のようにいきませんので、子どもの訓練とはいえ、月1回とか週1回、週3回の子どももおられますね。やっぱり、これは親にも子どもにも相当負担になっているというふうに思うのです。  そこで、学校配置バランスなのですよ。私は、これが必要だというふうに思うのです。設置されている学校についても、ニーズが高いということもあるでしょう。それから、空き教室があったとか、加配の先生の手だてがとれたとか、そういうことがあったというふうに思うのですが、配置基準をどのように決めたのか、これについて伺っておきたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  配置についてどのように決めているかということについてお答えいたします。  まなびの教室設置につきましては、通級希望者ニーズはもちろんのこと、通級の場合は、在籍校から交通機関などを利用して通う子どもが多いことから、交通の利便性を考慮し、できる限り通いやすい環境にあることも通級指導教室設置する際の重要な要素であります。さらに、既存のまなびの教室の状況や設置する学校の施設・設備の状況などをあわせて総合的に検討しております。  しかしながら、通級指導を担当する教員につきましては、国からの加配によって北海道教育委員会を通じて配分されますことから、その状況にも応じて設置を進めているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  今、配置基準のご説明があったのですが、やはり、私は、最低でも各区に1カ所は必要だというふうに思うのです。先ほどの議論の中でも、一遍にはいかなくて段階的にそういうふうにして決めていくというふうなご答弁もあったのですけれども、今、西区や手稲区からも20人ほどの子どもがまなびの教室に通っているというふうに聞いているのです。また、南区なども本当に相当遠いですね。ですから、私は、中央区などにもそういうところが必要だというふうに思うのです。  ご答弁はあったのですけれども、やっぱり、ニーズを把握され、そして配置バランスも見ながら、私はこれからその辺をぜひ検討していただきたいというふうに思うのですが、改めて伺いたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  先ほどもお答え申し上げましたけれども、まなびの教室の今後の設置につきましては、まなびの教室は開設して2年目でもあることから、まず、その指導がより効果的なものとなるよう、指導内容指導方法の検証を進めていくことが必要であると考えております。また、まなびの教室の早急な拡充には、加配教員の確保など幾つかの課題もございますけれども、できるだけ身近な地域で必要な支援を受けることができる体制を整備していくことも大切な視点であることから、まなびの教室に対するニーズの把握に努め、その設置を段階的に進めてまいりたい、こう考えております。 ◆井上ひさ子 委員  できるだけ身近なところでのそういう教室も必要だと、そういう認識だったというふうに思うのです。  私は、さっきのお母さんの話にもありましたけれども、早ければ早いほどその可能性が高まってくるのかなというふうに思うのですね。ですから、今、学びの支援委員会につないでいない方々も、こういう効果があって、お母さんたちからも評判がよくて、やっぱりそこに行ってみたいというふうになれば、そこの学校を皆さんが見学されると思うのです。そして、学びの支援委員会でも、そういう確認がとれた子どもが、受け皿がなくて通えないというのではなくて、そういう子どもが通えるように求めたいと思います。ですから、段階的に、早急にと言ってもちょっとあれでしょうけれども、各区でまなびの教室を待っていることを、きょうの議会の議論を通してぜひ皆さんに受けとめていただいて、検討を急ぐべきだということを求めて、終わりたいと思います。 ◆堀川素人 委員  発達障がいというのは大変わかりづらい障がいで、また、概念としても、ある意味では新しい障がい領域だ、こう思っています。それから、今まで気がつかないでいましたけれども、初めは2%、3%と言っていたものが、今は6%、この間ラジオを聞いたら10%以上もそういう人方がいるのではないかと、学者のこういうような話も聞いております。  子どもの発達に大変大きな影響を与える。やっぱり、早期発見早期支援というか、そういうことが大事であって、その支援機関がないことによって2次的障がい、3次的障がいということで、はっきり言えば触法、法に触れるような大きな事件、こういうものもニュースなんかでは伝えられてくるようにもなりました。それで、裁判所だとか検察だとか弁護士なんかでも、今、このことについて一生懸命勉強している状態というのでしょうか、それほど社会としてもかなり真剣に受けとめなければならぬことだな、こう自分は認識しています。  そこでまず、このことについて、義務教育とは何ぞやと。昔は、親や子どもが国家の命によって受けなければならない、親や子どもに対する義務であった。これが、今は、そうではなくて、親の教育権になって、今は子ども方が教育を受ける権利、学習権と言われて考え方が大きく転換した。そして、今までの義務が国家に課せられて、義務教育の義務を果たすのが国家である、こうなったときに、子ども方が義務として学ぶ権利というのは、社会に出るのに最低必要な教育を受ける、それを受けさせる義務が国家にある、こういうふうに考えられるようになった。  そうであるならば、国家の義務というのは、単に9年間という期間だけの問題ではない。それに伴った中身が与えられなければならぬ。与えることが国家の義務であるとするならば、今、発達障がいで社会に出て困るであろう、このことについて国家が果たさなければならない義務として、子どもが困っている状態を解消する努力というのは当たり前にしなければならぬ国家の義務であり、また、これは地方自治体の責務である。こういうふうに考えたときに、今、3校あったからいいとか、5校になったらいいとかということではなくて、理想的なのは、通学する学校にそれぞれあって当たり前と、こういう形にならなければ義務は果たせませんよ。  そこで、今は3校しかない、ふやしていこうというのは、我が札幌市の教育委員会が頭の中でみんな考えていることだと思うのですけれども、予算だとかという形の中でなかなかふやせない。そして、加配の教員が必要だと。これは、国が認めて、道が札幌市にそれを配置していく。でも、極端に言ったならば、道から来る金だけでもってこのことを済ませようとしたら、僕は札幌市として消極的過ぎると。札幌市も、みずからお金を出してでも子どもの権利を守ってやる、義務教育の責務を果たすというふうにして考えなければこの問題は解決できないと僕は思いますよ。  考え方のおおよそのことは今言いましたが、まずは、子ども方はどうやって通っているのですか。子どもが、あるとき、学校を抜けてまなびの教室のあるところに行くのですか。親がついていくのですか。それとも先生がついて送り届けるのですか。これはどういうふうになっているのですか。 ◎金山 指導担当部長  通級指導に関しましては、週に1回であるとか月に1回であるとか、その学校の授業の途中で通級の方に通うというふうになっております。そういう意味では、保護者が引率していく場合もあるというふうに伺っています。 ◆堀川素人 委員  保護者が連れていく場合もあると。そのほかの場合というのはどういう場合ですか。 ◎金山 指導担当部長  中学生の場合には、子どもが自分でそこに通うということもございます。 ◆堀川素人 委員  小学生はどうなのですか。 ◎金山 指導担当部長  小学生の場合は、ほとんど親が引率していくというふうになっております。 ◆堀川素人 委員  親が連れていく、これが決まりなのですね。 ◎金山 指導担当部長  特に決まりということではありません。 ○長内直也 委員長  堀川委員、まとめて質問してください。 ◆堀川素人 委員  必要だから一つ一つ確認をしながらやっているのですよ。  小学生が1人で行く場合もあるのですか。 ◎金山 指導担当部長  基本的には、保護者の引率が必要ですという形になっております。中学生の場合には、自分で行ける場合には自分で通級するということがあります。 ◆堀川素人 委員  親がついていくことが原則だというのは、原則という言葉を使うのなら、原則以外のことも想定して原則と言うのです。小学生は、原則以外のことがあり得るのですか。 ◎金山 指導担当部長  自校で発達障がいの指導を受けるという場合には、みずからそこに移動するということはあります。 ◆堀川素人 委員  自分の学校でやっていたらそうですよね。今、通うから問題にしているので、その通い方がどうなのだと。親が連れていってそこの学校に届けて、そして戻ってくるということですね。そういうことでいいのですね。 ◎金山 指導担当部長  小学校の場合には、保護者が引率することが必要です。 ◆堀川素人 委員  そうしますと、今、中学生は行けたら行くということで、何となく体力的にもわかります。小学生の場合は、通っている間にいろいろな問題が起こる可能性もある、そうすれば親がついていくことを義務づけているわけですね。  そうしたら、親がそこの学校までついていけない生徒、そして、まなびの教室に通わせた方がいいなと思う生徒は、生徒というか、児童はどういうふうになるのですか。 ◎金山 指導担当部長  先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、まなびの教室通級につきましては、教育センター教育相談を通してそこに通級ということのかかわりになっております。そういう意味では、その教育相談の中で通級が可能かどうかということも保護者との話し合いで進めていくことになります。 ◆堀川素人 委員  なぜこういうふうに聞くかといえば、その義務である、自治体の責務であるようなことが、親がついて通わせることができる子どもについてはよしとしますか。同じ状態で通った方がいいと思われる子どもが、親に時間的な余裕がなかったりしたときには、まなびの教室教育を受けられないのですか。それを当たり前としているのですか。 ◎金山 指導担当部長  発達障がいのある子どもに対しては、在籍する学校において、まず一人一人の状況に応じた指導があり得ると思います。さらに、教育委員会としては、学びのサポーターあるいは特別支援教育巡回相談員などを配置しまして、それによる指導あるいはサポートをする。さらに、そういうことを進めている中で、やはりまなびの教室指導を受けることも非常に重要であるということで、これにつきましても設置し、さらに、今後、段階的に拡充に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆堀川素人 委員  今、僕が言っているのは、親が子どもを通わせる余裕がなくて、本当は通わせた方がよりいいだろう、ぜひ通わせなければならないと言っても、親にその余裕がなければ受けるべき教育が受けられないということに対してどう考えるのかと言っているのですよ。 ◎北原 教育長  まず、一つ、子ども教育を受ける権利について、義務教育ということです。これは、たしか憲法第26条で規定されていると思いますけれども、国民はその保護する子女について教育を受けさせる義務を負うということが記述されていたかと思います。ただ、保護者に義務があるというだけの話ではなくて、委員ご指摘のように、国並びに自治体についてはその条件をきちんと整備していく必要があるだろうと。そういう意味で、そのための条件整備をどうするのかというご指摘だというふうに理解しながらお話を伺っておりました。  発達障がいにつきましては、これまで、どういうふうに取り組みを進めてきたのかと。先ほど堀川委員のご指摘がありましたように、概念として、長い目で見れば、近年どういうふうに対応していくのかということが課題となって出てきている状態ですので、そのことについて、札幌市として早急に対応していく必要があるだろうというふうに考えながら取り組みを進めさせていただいたところです。  子どもたち実態把握が必要だということも考えながら、学校における指導支援のためにも、最終的には、現在、各区に1名ずつ巡回相談員を配置させていただきながら、実態把握と各学校に対する支援を進めてまいりました。あわせて、この取り組みの中で、基本的には、各担任がそれぞれの学校において指導を進める段階が一つあります。それで必ずしも十分にフォローし切れない、支援し切れない、これに対して、学びのサポーターを配置させていただいて、さらに専門的な支援を必要とする子どもたちについて、まなびの教室設置をさせていただいたところです。  先ほどお話にもございました小・中学校に在籍する発達障がいと思われる子どもは、およそ5,000名に近い数字でしたが、捕捉率ということで言えば小学校で3.数%程度の状態だというふうに思っております。そして、これに対する指導は、ぜひ進めていかなければならないということではありますけれども、すべての子どもがまなびの教室支援を受けなければならない状態かというと、必ずしもそうではありません。いろいろな段階のそれぞれの子どもに特性がございますから、通常の学級の中で、教科担任あるいは学級担任が適切に配慮をすればスムーズに学びが進められる子どもも中にはいます。そういう意味で、専門的な支援を必要とする子どもに対してまなびの教室設置していこうということで進めているところです。  このまなびの教室について、できるだけ早期に必要な支援ができる状態に持っていくことはぜひとも必要なことだというふうに思いますし、各区だけでなく、場合によっては、さらに、委員ご指摘のように、より多くの設置が必要になってくる状況があるかもしれません。その辺のところも含めて、状況やニーズをしっかりと把握しながら取り組みを進めていきたいというふうに思っております。また、その必要性については、私ども教育委員会としても強く認識しているところでありますので、今後ともその取り組みに向けて力を尽くしてまいりたいというふうに考えているところです。 ◆堀川素人 委員  初めてやった、それが大変評判がいい、それが小学校では3校で、中学校は1校となっている。でも、先ほどだれかが言っていましたけれども、数を聞いただけでも足りないのはだれでもわかっていることだと、皆さんもわかっていることだと思います。予算の関係という形になって、急にはなかなかできないと言うのでしょうけれども、先ほど言ったように、国家や地方自治体が責務としてやらなければならないという認識に立って何とかしなければならぬとするならば、皆さんがその部分でもってとにかく最大の力を入れていただかなければなかなか変わらんのですよ。そのことが、単に数を恵みとして与えるのではなくて、義務としてとらえて、少しでも子どもや親の負担が将来にわたって軽くなるようにと。大変ですよ。大変な困難ですよ。であるならば、本当に早くからやったら本当によくなるのです。よくなるというのか、子どもの対応が非常にスムーズになるというか、こういう現実がある。成果をどうのこうのということではないです。そういう部分では、もう成果は明らかで、やらなければならん、こう思ったならば、今、各区1校は必要だと。これは、最低そうですよ。そういうことに頭を悩ませるのではなくて、きちっと理論的に、予算を出すところからどうやって予算を本当に分捕ってくるか。これはぜひ必要なものだとして皆さんに努力をしていただきたい。こういうことを……(「応援しないとだめだ」と呼ぶ者あり)本当に応援をしたいですよ。ただ、これは本当に義務だ、こういうふうにして思って、一緒にやりましょうよ、こういうふうにして呼びかけて、僕の質問は終わります。 ○伊藤牧子 副委員長  最後ですから、今たくさんのご議論がありましたので、確認の意味で1点だけ質問させていただきます。  前にいただいた資料を見ますと、平成22年度にまなびの教室に通っている児童生徒は、小学校3校で79人、中学生では19人と少なくなっています。中学生に入ると、授業の時間数が多いとか、いろいろな事情で通級に通えないことがあると思うのです。しかし、中学生になると、思春期を迎えたりとか、小学生とは違ってかなり環境が変わってきています。また、中学校では、不登校や引きこもりという2次障がいが顕著になるということも聞かれております。それで、小学校通級教室に通った児童たちは、本当に中学校の生活に適応できているのか、その辺の実態を把握することも必要ではないかなと思います。
     そこで、確認の意味ですけれども、中学校通級に通う生徒が少なくなっているという実情の中で、ニーズが少ないのか、それとも通級による指導の必要がなくなっているということなのか。また、現在1校ですけれども、生徒が通級しづらいのか、その辺の状況を教育委員会としてはどのように把握しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎金山 指導担当部長  小学生に比べて中学生の通級生が少ない理由についてでございますが、通級による指導につきましては、その子どもの抱える困難の軽減を図ることを目指すものであり、小学校段階からの指導を受けることで困難が改善され、中学に入ってからの通級による指導が必要なくなる場合もございます。また、遠距離通級となることのほか、在籍校での授業や活動を優先する場合や、通級に通うこと自体を生徒本人が望まなくなる場合もあるなど、さまざまな事例について学校保護者の方々から聞いているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも、まなびの教室へのニーズの把握や教育効果など、より適切な支援あり方について検証に努めてまいりたいというふうに思っております。 ○伊藤牧子 副委員長  さまざまな事情があるというところでは、本人の事情もあると思うのですが、発達障がいにおいては、中学生ではなかなか見つけづらくなっているとか、また、もっともっと年を重ねるにつれて発見されることもあるということでは、私は、小学校のときの指導を中学になっても必ずフォローできるような体制も必要ではないかなと思っています。先ほど、なかなか適切な支援が受けられなくなっている児童生徒もたくさんいらっしゃるということでしたので、その辺も含めて、通級教室はやはり身近なところにたくさんあることが必要ですから、その辺もぜひ検討して考えていただきたいなと思います。 ○長内直也 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  それでは、陳情の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  陳情第1294号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  異議なしと認め、陳情第1294号は、継続審査と決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時       再 開 午後2時1分     ―――――――――――――― ○長内直也 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第30号 平成22年度札幌市一般会計補正予算(第7号)中関係分を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第30号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  異議なしと認め、議案第30号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時2分...