札幌市議会 2011-02-16
平成23年第 1回定例会−02月16日-03号
議案第7号 平成23年度札幌市
介護保険会計予算
議案第8号 平成23年度札幌市
基金会計予算
議案第9号 平成23年度札幌市
公債会計予算
議案第10号 平成23年度札幌市
病院事業会計予算
議案第11号 平成23年度札幌市
中央卸売市場事業会計予算
議案第12号 平成23年度札幌市
軌道事業会計予算
議案第13号 平成23年度札幌市
高速電車事業会計予算
議案第14号 平成23年度札幌市
水道事業会計予算
議案第15号 平成23年度札幌市
下水道事業会計予算
議案第16号 札幌市
職員定数条例の一部を改正する条例案
議案第17号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第18号 札幌市
特別会計条例の一部を改正する条例案
議案第19号 札幌市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第20号 札幌市
若者支援施設条例の一部を改正する条例案
議案第21号 財産の処分の件議決変更の件(
工業団地用地)
議案第22号 財産の処分の件議決変更の件(
芸術産業関係団地用地)
議案第23号 財産の処分の件議決変更の件(
工業団地用地)
議案第24号 財産の処分の件議決変更の件(住宅団地用地)
議案第25号
包括外部監査契約締結の件
議案第26号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第27号 札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案
議案第28号 財産の取得の件(
土地開発公社保有地)
議案第29号 市道の認定及び変更の件
議案第30号 平成22年度札幌市
一般会計補正予算(第7号)
議案第31号 平成22年度札幌市
土地区画整理会計補正予算(第2号)
議案第32号 平成22年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第3号)
議案第33号 平成22年度札幌市
介護保険会計補正予算(第3号)
議案第34号 平成22年度札幌市
公債会計補正予算(第5号)
議案第35号 平成22年度札幌市
下水道事業会計補正予算(第2号)
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〇出席議員(65人)
議 長 福 士 勝
副 議 長 宮 村 素 子
議 員 川田 ただひさ
議 員 飯 島 弘 之
議 員 小 嶋 裕 美
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 横 山 峰 子
議 員 山 口 かずさ
議 員 宝 本 英 明
議 員 小 川 直 人
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 村 上 仁
議 員 小 倉 菜穂子
議 員 伊 藤 牧 子
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 長谷川 衛
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 林家とんでん平
議 員 阿知良 寛 美
議 員 芦 原 進
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂 ひろみ
議 員 佐 藤 典 子
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 三 宅 由 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 馬 場 泰 年
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 高 橋 功
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 堀 川 素 人
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 大 越 誠 幸
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 年 男
議 員 湊 谷 隆
議 員 宮 本 吉 人
議 員 佐 藤 美智夫
議 員 松 浦 忠
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〇欠席議員(1人)
議 員 佐 藤 右 司
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 小 澤 正 明
副 市 長 中 田 博 幸
副 市 長 生 島 典 明
交通事業管理者
交 通 局 長 下 村 邦 夫
水道事業管理者
水 道 局 長 小 山 高 史
病院事業管理者
病 院 局 長 吉 田 哲 憲
危機管理対策室長 北 野 靖 尋
市長政策室長 秋 元 克 広
総 務 局 長 中 西 浩 二
市民まちづくり局長 若 林 秀 博
財 政 局 長 金 崎 健太郎
保健福祉局長 岡 村 龍 一
子ども未来局長 橋 本 道 政
環 境 局 長 山 崎 亘
経 済 局 長 井 上 唯 文
観光文化局長 梶 原 隆
建 設 局 長 渡 邊 光 春
都 市 局 長 宮 浦 哲 也
会 計 室 長 飯 塚 和 惠
消 防 局 長 松 井 英 樹
教育委員会委員長 山 中 善 夫
教育委員会教育長 北 原 敬 文
選挙管理委員会委員長 高 橋 忠 明
選挙管理委員会委員 上瀬戸 正 則
選挙管理委員会委員 大 西 利 夫
選挙管理委員会委員 富 田 新 一
人事委員会委員 濱 田 雅 英
人事委員会事務局長 森 裕 傑
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監査事務局長 紙 谷 健 治
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 早 瀬 龍 宏
事務局次長 本 間 章 弘
政策調査課長 熊 木 隆 春
議 事 課 長 出 井 浩 義
議 事 係 長 田 口 繁 治
委員会担当係長 木 村 卓 哉
委員会担当係長 冨 永 智
書 記 太 田 知 孝
書 記 早 坂 友 秀
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〔午後1時1分開議〕
○議長(福士勝) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、62人です。
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○議長(福士勝) 本日の
会議録署名議員として村山秀哉議員、涌井国夫議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(福士勝) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(早瀬龍宏) 報告いたします。
佐藤右司議員は、所用のため、本日の会議を欠席する旨、届け出がございました。
昨日、市長から、
井上ひさ子議員の文書質問に対する答弁書及び松浦 忠議員の文書質問11項目中一部を除く答弁書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、
陳情受理付託一覧表、質問順序表はお手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
――
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○議長(福士勝) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第35号までの35件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
青山浪子議員。
(
青山浪子議員登壇・拍手)
◆
青山浪子議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表いたしまして質問を行いますが、私にとりましては最後の代表質問となります。まずは、質問の機会を与えてくださいました同僚各位に感謝しつつ、これから市政の諸課題について市長のご見解をお伺いいたします。
最初に、市長の政治姿勢について、3点お伺いいたします。
1点目は、昨年6月に実施された市民評価についてです。
札幌市が行った市民評価は、
自治基本条例の趣旨を踏まえ、市政への市民参加をより進めることを主眼に行ったものですが、その結果は即日ホームページで公表され、資料や議事録もすべて公開されるなど、市民への情報提供も迅速かつ積極的に行われました。しかしながら、新聞報道では、センセーショナルな評価、結果ばかりがクローズアップされ、市民自治の取り組みとして本来趣旨が十分伝わったのか、疑問を感じる点もあり、このことは大変残念にも思っています。
市民参加と情報提供に関しては今後もさらなる充実を期待していますが、今回の実施方法に関してはいささか首をかしげる点もあり、我が会派では、機会があるたびに幾つかの改善点を指摘してきました。すなわち、仕分け人が匿名ではいかにも無責任なことや、判定の前に利用者の声を聞いていないこと、さらに、結論の出し方が拙速で刺激的過ぎることなどが改善すべき点と考えます。
また、不要と判定された
保養センター駒岡に関しては、利用者団体が1万人分の署名を添え、議会に存続を求める陳情を提出し、議会では全会一致で採択しました。このことは、議会への市民参加が一層進んだと評価できる反面、仕分け人と利用者や議会の意見が異なる場合、それをどのように整理していくのか、今後に大きな課題を残したと言えます。
我が会派といたしましては、市民自治の実践の場である市民評価に期待とともに強い関心を持って注目していますので、反省すべき点は素直に反省し、来年度の市民評価につなげていくことを強く求めておきたいと思います。
そこで、質問ですが、今回、24年度以降に見直しとされた20事業について、市としての最終的な結論をどのようにしてまとめるのか、お伺いをいたします。
また、来年度の市民評価ではどのような点を改善するお考えなのか、あわせてお伺いいたします。
2点目は、子ども手当についてです。
民主党は、平成21年の衆議院選挙に向けたマニフェストにおいて、子ども1人当たり月額2万6,000円を中学卒業まで支給する子ども手当を政策の目玉として掲げ、平成22年度は半額を実施し、平成23年度からは満額支給するというものでありました。しかも、その財源は、税金のむだ遣いをなくし、新たな財源を生み出し、全額国費で賄うとしていました。しかし、実際には、賄うだけの財源をつくり出すことができずに、従来の児童手当の枠組みを残し、財源に都道府県、市町村の地方負担を残したまま実施したのです。
公明党は、恒久財源の確保や
現物サービスの充実などを条件に、
子ども手当法案に賛成をいたしました。平成22年の参議院選挙の際のマニフェストには、財源を確保しつつ、既に支給されている子ども手当を1万3,000円から上積みする上積み分については、地域の実情に応じて
現物サービスにも変えられるようにするとしました。
しかし、平成23年度予算の子ども手当は、いまだ財源に地方負担を残したままです。また、上積みをしたのは、
年少扶養控除廃止により実受取額が減額となる3歳未満の子どもを持つ世帯に対する7,000円の増額でありました。このような政策では、もはやマニフェストは破綻したと言わざるを得ないのではないでしょうか。
平成23年度の予算で、札幌市は、川崎市や千葉市などと異なり、地方負担を残す予算を計上しました。実際の支給に対し、対象児童が20万人を超える札幌市にあっては、極めて遺憾ではありますが、市民生活に影響を与えないために地方負担を含めて必要額の全額を計上したというのは、市長の判断としてやむを得ないものと理解をいたします。
しかしながら、2カ年にわたりこれほど地方を無視して政策を実施してきたことに対して、市長としてどのように考えているのか、また、今後どのように対応されるのか、お聞かせください。
3点目として、入札妨害事件に対する再発防止策についてお尋ねをいたします。
平成23年1月17日には、財政局職員が競売入札妨害の容疑で逮捕され、2月8日には札幌地検が起訴し、さらに、2月8日に収賄容疑で再逮捕されました。事件の概要は、逮捕された職員は、業者と共謀の上、昨年12月1日に開札した東雁来第2
地区豊畑橋解体工事の
一般競争入札に際し、特定の業者に落札させるため、職員が予定価格の基礎となる設計金額等の情報を漏らし、公正な入札を妨害したとの容疑で逮捕、起訴され、さらに、同工事入札等で情報を教えた見返りに現金等を受け取ったとして収賄容疑で再逮捕されたものです。
このような行為は、公務員として当然許しがたいものであり、加えて、市民の信頼を大きく失ったことは言うまでもなく、市長の責任は重大であり、同じことが二度と起こらない対策を早急に打ち出すべきであると考えます。
一方で、国、地方を含めて公共事業が減少する中、
一般競争入札の拡大などにより競争が激化、その結果、業者は何とかして受注しようと採算を度外視したような入札を繰り返し行う状況となっています。その結果、最低制限価格で応札しなければ落札できない状況の中、建設業者は非常に苦しんでいます。仮に運よく受注できたとしても、利益を確保することができず、さらに、下請の支払いや労働者に対する賃金等の確保も困難な状況にあることが考えられます。
今後、捜査が進むにつれ、事件の詳細が明らかになってくると思いますが、この事件が起きた原因の一つとして、情報管理における職員の倫理観の欠如が大きいことは言うまでもありません。
そこで、質問ですが、今回のことが札幌市の入札・契約制度を統括する部署で起きたことは極めて遺憾であり、一日も早く札幌市の入札・契約制度の信頼を回復しなければなりませんが、市長は、再発防止のためにどのような姿勢で臨もうとしているのか、改めてお伺いをいたします。
次に、平成23年度予算についてお尋ねをいたします。
質問の1点目は、地域経済・雇用対策に係る取り組みについてです。
先日の市長の提案説明では、平成23年度は、義務的な経費や継続的な事業などを中心とする
骨格予算編成であるが、今日的に重要でかつ早急に実施が求められる政策課題には適切に対応したとの説明がありました。力を入れた分野として例示があったのは、子育て支援や福祉、都市の魅力を高める取り組み、加えて地域経済・雇用対策の4点でありました。
私が市民や事業者の皆さんと接していて最近強く感じるのは、日々の生活や経済活動などの先が読めない、見通しがつかないといった不安の声です。こうした時代であるからこそ、行政で十分な手当てをするべきであると思いますが、残念ながら、今回の予算はそのような不安感を解消するまでには至っていないと思います。
具体的には、まず、子育て、高齢者・障がい者福祉に力点が置かれた予算案となっていることについては理解するものです。特に、予算案に盛り込まれている保育所定員の1,300人の拡大は、増加傾向にある待機児童を減らすためにまさに必要な取り組みと考えるところです。
しかし、
特別養護老人ホームについては、広域型施設の整備数を前年度の1カ所から2カ所にふやして、昨年を上回る218人の定員増を確保したところですが、多数の待機者がいる実態を考えますと、もう少し踏み込むべきであると思います。
地域経済・雇用対策については、目立った取り組みが乏しいようにも思います。例えば、
地域経済対策としては、建設事業で事業量を増加させたほか、中小企業向けの新たな融資制度の創設が目新しいぐらいであり、また、雇用対策は、国が全額を負担する
重点分野雇用創造事業などにより、一時的に雇用機会を確保するものが中心になっております。全体としては、さらに地域経済の底上げや継続的な雇用に結びつく実効性のある取り組みが必要と考えるところです。
そこで、質問ですが、市長は、平成23年度の当初予算案について、どのような考えで長引く不況と厳しい雇用情勢に対処しようと考えておられるのか、お伺いをいたします。
質問の2点目は、肉づけ補正に向けた留保財源についてです。
市長の提案説明の中で、新年度の地方交付税については1,021億円と見積もったが、実際の計上は991億円として、残余の30億円は肉づけ補正等の財源として留保したとの説明がありました。過去の
骨格予算編成を振り返りますと、平成15年度には180億円、平成7年度には80億円と、今回の数倍の留保財源を用意した実例があります。それに比べて今回の30億円は、新体制のもと、新たな取り組みを行うための財源としては少ない額ではないかと思います。
骨格予算であっても、市民生活や地域経済を考えて政策的な事業も盛り込んだとのことですが、先ほども述べましたように、このたび提案のあった予算案には、低迷した地域経済、雇用情勢を打開するだけの力強さが感じられません。それでは、肉づけ補正で事業を追加する余地を残しているかと言えば、そのために用意された財源はわずか30億円です。果たしてこれで十分な対策をとることができるのか、大いに疑問が残るところです。
そこで、質問ですが、市長は、どのような考え方に基づいて肉づけ補正に向けた留保財源を30億円としたのか、お伺いをいたします。
次に、新卒者の雇用対策についてお伺いをいたします。
平成23年3月卒業予定の大学生の内定率は、昨年12月1日現在で全国68.8%、北海道・東北地域で69.9%、高校生は、11月末現在で全国70.6%、北海道は50.3%となっております。高校生は昨年よりは持ち直しているものの、大卒の全国の内定率は過去最低で、就職氷河期の再来とも言われております。このような厳しい雇用情勢の中、就活につまずき、就職できないことが原因となって、うつ病になったり引きこもりになったりするケースもあると私は聞いています。当事者である学生たちにとっても大変な問題であるだけではなく、人口減少が進む中でこのような若者がふえ続けることは、将来の社会構造にも大きなひずみをもたらす深刻な問題です。
そこで、質問ですが、札幌市においても、このような状況の中、今年度、市費、または国の
緊急対策事業を活用してさまざまな新卒未就職者の
就労支援事業を実施してきておりますが、その実施状況と効果はどのようになっているのか、また、これを踏まえて来年度はどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、あわせてお伺いをいたします。
また、民間調査機関によると、大卒の従業員規模別の求人倍率は、1,000人以上の企業では0.7倍と低くなっておりますが、300人以下の企業では4.41倍と非常に高くなっているとのことであります。また、本市の
新規高卒者臨時的任用職員への
アンケート調査では、希望する職種としては、販売スタッフ、事務職、公務員がそれぞれ30%を占めていると聞いており、希望職種が偏っており、いわゆる雇用のミスマッチが存在し、学生がなかなか内定をとれない原因の一つではないかと考えます。
そこで、質問ですが、市としても、新卒未就職者対策をさらに効果的なものにするためには、この雇用のミスマッチについても対策を講ずるべきであると思いますが、今後どのような取り組みを考えているのか、お伺いをいたします。
次に、市有建築物の
バリアフリー化についてお伺いをいたします。
2006年に、建築物を対象としたハートビル法と道路や駅などを対象とした
交通バリアフリー法とが統合され、いわゆる新
バリアフリー法が制定され、札幌市では、これを受け、2009年に新・札幌市
バリアフリー基本構想を策定しました。この新たな基本構想では、これまで都心、副都心、麻生の3地区のみであった重点整備地区を、ほとんどの地下鉄やJRの駅周辺を含む53地区へと大幅に拡大しており、各地域では、順次、歩道の
バリアフリー化などが進められているところです。
一方、建築物に関しては、これまでも多くの市民が利用する施設や高齢者、障がい者たちの施設について、法や条例に基づく
バリアフリー化が図られてきました。しかしながら、こうした法令の基準は、基本的には新築・建てかえ時などに限って義務づけられているのが現状です。まちが成熟し、新たな施設を次々と整備する時代ではなくなっている今、こうした新築などの機会だけに頼った
バリアフリー化では十分な効果は期待できません。そのため、今後は既存の建築物への取り組みを強化していくことが必要です。さきに述べた新
バリアフリー法でも、既存の建築物を基準に適合させることを新たな努力義務として規定しています。
こうした中、札幌市では、2009年度から市有建築物の
バリアフリー化の現状を調査しています。そして、このたび提出された2011年度予算案では、
市有建築物バリアフリー改善事業として新たな改善工事費が計上されています。特に、既存施設の
バリアフリー改善は比較的小規模な工事が多いと言われますが、これは小回りのきいた仕事ができる地元の建設業の方々が得意とする分野です。そのため、札幌の経済振興の面からもこの事業に期待を寄せています。
そこで、市有建築物の
バリアフリー化について質問ですが、1点目として、これまでの現状調査でどのような結果が出て、その結果をどう評価されているのか、2点目として、多くの既存施設がある中で、効果的に取り組みを進めるため、今後どのような方針で
バリアフリー改善を実施していくのか、お伺いいたします。
次に、職員の昼休み時間短縮に係る諸問題について、2点お伺いいたします。
平成20年1月1日から本市職員の休息時間が廃止になりました。いわゆる昼休みが1時間から45分に短縮となった件についてですが、我が
公明党議員会では、かねてより地域経済の影響を懸念し、調査を行いました。昼休み時間の短縮から半年が経過した後の市役所や各区役所周辺の飲食店の影響調査については、経営的には打撃を受けた飲食店が全体の4割近くを占めているとともに、市役所、また区役所からの距離が徒歩5分未満の飲食店に限れば、全体の6割が昼休み短縮に伴う影響があったと回答するなど、国と横並びの昼休み短縮の措置が、近年の経済状況の悪化と相まって地域の経営環境に大きな影を落とす要因となっていることが明らかになっています。
そこで、我が会派では、平成20年11月に、市長に対して、地域事情を考慮し、適切な見直し、改善策を講ずるよう要望を行った経緯がありますが、現時点において具体的な見直しなどは行われておりません。全国的には、地元商業者への影響を考慮して、昼休み時間を1時間に戻した自治体が青森県、金沢市など多数あらわれている現状であり、他地域に比べて回復の歩みの遅い本市においては特に早急な改善策の実施が必要であると考えます。
そこで、1点目の質問ですが、昼休み時間の短縮による市役所や区役所などの周辺飲食店に対する影響について、市長はどのように認識しているのか、お伺いをいたします。
2点目は、職員の公務能率の向上や健康保持への影響についてです。
昼休みの短縮については、市民への質の高いサービスを継続的に提供するため不可欠な職員の公務能力の向上や、健康保持への影響も懸念されています。現在のように限られた職員数の中で、一定の市民サービスの水準を確保し、それをさらに向上させていくためには、職員の能力を一層高めていく必要があると同時に、いろいろな方策により、公務能率そのものも向上させていく必要があると考えます。その直接かつ効果的な手段は、やはり、一人一人の職員が業務に集中して取り組めるような快適な職場環境づくりではないでしょうか。現状の昼休み時間は、以前の休息時間で補われていた業務の後始末や準備時間などを含んだ45分であり、休みとしての実質時間は30分程度しかありません。その意味で、現状の昼休み時間は休憩時間として十分とは言いがたい状況であり、公務能率の向上に対するマイナス要因となっているのではないかと考えます。
福岡市では、一日じゅう職場に束縛されているようで、気分的にも慌ただしく、疲労感を感じるようになった等の声が職員から寄せられたことを契機として、職員に対する
アンケート調査が実施されています。その結果、回答者の約8割が時間延長を希望したとして、一度45分に短縮した昼休みを1年後には1時間に戻しています。現行の勤務時間を維持しながら昼休み時間を延長するためには、始業時間または終業時間の変更が必要となるため、育児、介護を行う職員を中心とした家庭生活への影響等には十分留意する必要があると思いますが、福岡市でも、従来から実施していた時差通勤制度を活用するなどしてこの問題を解決しております。また、他の自治体においても、休みを45分と60分の選択制にするなど柔軟な勤務制度を導入しており、同様のことは本市においても可能であると考えます。
そこで、質問ですが、市内経済の活性化の視点、加えて公務能率の向上及び職員の健康保持の視点から、昼休み時間について、その延長を検討すべきと考えますが、時差通勤制度など柔軟な勤務制度の導入の可能性も含め、市長のご見解をお伺いいたします。
次に、女性のがん対策についてお伺いをいたします。
がんは日本人の死因の1位を占め、年間に30万人以上の人が亡くなっています。中でも子宮頸がん、乳がんは、ウイルス感染や女性ホルモンが関係しているため、他のがんと違って30歳・40歳代の若い世代に多いがんであります。そして、年間1万人以上の女性がこの二つのがんで命を落としているのです。
公明党は、がん治療の先進国を目指して、がん対策基本法の成立をリードするなど、これまでがん対策に一貫して取り組んできました。とりわけ子宮頸がん、乳がんは検診が有効ながんであることから、女性特有のがん検診を推進するための事業の実施について国政の場で働きかけた結果、平成21年度から、一定の年齢の女性に対して子宮頸がん・乳がん検診を無料で受診できるクーポン券を送付する事業、いわゆる女性特有のがん検診推進事業が全国で実施され、札幌市でも受診率向上に大きく寄与することとなりました。
我が会派は、昨年、この事業の札幌市における継続実施を強く求めるため、市民に呼びかけ、8万5,071人の署名を集めて、12月に要望書とともに市長に提出をいたしました。つきましては、署名をいただいた多くの市民の方々の思いを込めて、一定の年齢すべての方に受診の機会を与えるため、改めて、この事業の継続に対する市長のご見解をお聞きします。
次に、子宮頸がんの併用検診についてお伺いいたします。
がん対策を進める上では、検診の普及啓発を図るとともに、効果的な検診の実施が必要です。島根県では、県独自の事業として、子宮頸がんの検診時に細胞の異変を調べる細胞診と、DNAレベルでウイルスの有無を調べるヒトパピローマウイルス検査を同時に行う併用検診を実施して注目を集めています。この子宮頸がんの早期発見、早期治療に非常に有効な検診方法である併用検診を札幌市においても早期に実施していただくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
3点目には、効果的な普及啓発についてです。
公明党は、これまで、女性特有のがん検診を受けやすくする必要性を指摘し、女性が健康に意識を持つことへのサポートに全力を挙げてきました。国ががん対策推進基本計画において目標として掲げている5年以内に受診率を50%以上とすることと比較すると、今なお十分とは言えない状況であります。
そこで、受診率向上のための今後の取り組みについてですが、東京都の北区や豊島区では、普及啓発イベントにおいて乳がんのセルフチェックのために補助用具である特殊手袋を配付していると聞いています。また、乳がん触診模型を活用し、実際にしこりの感触を体験していただくことも、乳がんを予防する意識の醸成を図り、検診につながる上で大変有効な手法であると考えています。
女性のがん対策を重要な政策課題の一つととらえ、さらなる受診率向上のために、今後、さらに効果的な普及啓発策を講じていかなければならないと考えますが、市長の見解をお聞かせ願います。
次に、女性施策についてお伺いいたします。
次代を担う子どもの健やかな成長を社会全体で支援し、安心して子どもを産み育てることができる環境を整備することは、少子化が進む中、大変重要な課題であります。何より生命をはぐくむ女性の健康が最も基本になると考えますので、私から女性施策について3点お伺いいたします。
まず、産後うつに対する支援体制の充実についてです。
女性は、思春期に初潮を迎え、その後、妊娠、出産、さらに更年期へと、女性ホルモンの影響によりその時々で体調の変化が生じます。同時に、結婚や育児、子どもの巣立ち等、ライフスタイルにも大きな変化が重なるため、心身のバランスを保つことが難しいとも言われております。特に、妊娠、出産は、ホルモンバランスも大きく変化することに加え、さまざまな不安を生じるため、出産した母親のうち約1割前後に産後うつが発生すると言われております。産後うつは、決してまれな病気ではなく、だれにでも起き得るものですが、家事、育児の影響が大きく、悪化すると、子どもと適切なかかわりが持てず、ネグレクトなどの児童虐待にもつながり、さらに自殺の危険性も高まるなど、母親本人の命にもかかわる重大な問題であります。
札幌市としては、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業や、生後4カ月までの乳児家庭全戸訪問事業を通して、これまでも育児不安の軽減や母親の健康に関する支援を行っていますが、産後うつ病の兆候を早期に発見し、適切な支援を行うことは、今後より一層重要であると考えます。
そこで、質問いたします。
札幌市における産後うつに対する早期発見や相談支援体制を今後どのように整備していく考えか、お伺いをいたします。
次に、不妊治療支援事業の拡大についてお伺いをいたします。
平成21年の人口動態統計によりますと、女性の平均初婚年齢は28.6歳であり、1人目の子どもを出産したときの母親の平均年齢は29.7歳と、昭和50年以降上昇しており、晩婚化、晩産化が進んでいます。
現在、全国には約50万組の不妊症に悩む夫婦がいると言われており、これは、夫婦のおおよそ10組に1組が不妊で悩んでいるということになります。不妊に対しては、精神的な悩みや負担感のみならず、治療にかかる費用が高額なため、経済的な理由を背景に子どもをあきらめてしまう夫婦もおります。
我が党は、これまでにも、医療保険の適用外で高額の治療費がかかる特定不妊治療に対する助成制度の整備や拡充を強く要望してきたところです。国においては、特定不妊治療に関して、年度内に2回まで、通算5年という制度内容を見直し、平成23年度からは、1年目の申請に限り年度内に3回まで助成金を交付するとして制度の拡充を図ることとなっております。
しかし、数年にわたる治療の結果、子どもを授かる夫婦がいることを考えますと、1年目の申請者に限り助成回数をふやすことだけでは、少子化が進む中ではまだまだ不十分であり、助成制度のさらなる充実が必要と考えます。
そこで、質問いたします。
札幌市として、独自に助成回数の上乗せや所得制限の緩和等、制度の拡充についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、不育症対策についてお伺いをいたします。
不妊に悩む夫婦がいる一方で、妊娠しても流産を何度も繰り返してしまう、いわゆる不育症は、厚生労働省の研究班によると、年間約8万組の不育症夫婦が存在すると言われております。不育症に関する一般的な認知度はまだ低い状況であるが、適正な検査と治療によって約85%前後の人が出産に至ると言われています。
しかし、不育症の検査や治療の多くは医療保険の適用外となっており、高額な医療費を負担しなくてはならない実情があります。少子化が進む中、授かった生命が健やかに生まれるためには不育症に対する公的支援も必要と考え、我が党では国に対してその必要性を訴えているところであります。
そこで、質問いたします。
札幌市における不育症に関する今後の公的支援体制についていかがか、お考えをお伺いいたします。
次に、自殺対策についてお伺いをいたします。
我が国の自殺者数は、平成10年に一挙に8,000名余り増加し、3万を超え、その後も高い水準で続いております。自殺死亡率も欧米の先進国と比較して突出して高い水準にあります。自殺総合対策大綱などによりますと、世代別に、将来ある子どもの自殺や20歳代、30歳代を中心にニート、引きこもりが問題となっております。中高年のうち、特に男性は自殺者急増の主要因であり、今後、この世代が高齢者層に移行するにつれ、さらに問題が深刻化することが懸念されております。高齢者は、従来、自殺死亡率が高く、今後、高齢化、核家族化が一層進行するにつれ、健康問題や介護疲れ、また、最近話題の孤独死が課題となっております。
先般、新聞報道で、警察庁発表による平成22年度自殺死亡者数が発表され、全国で前年度から3.9%減と報じられておりましたが、札幌市では、自殺総合対策推進会議を平成21年度に設置して、各組織が連携協力して包括的に取り組みを進めていると伺っております。
そこで、質問ですが、札幌市の自殺死亡者の推移はどのような状況なのか、また、今後、事業方針についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。
次に、うつ病の予防、早期治療に向けての普及啓発の重要性についてお伺いをいたします。
厚生労働省による患者調査によりますと、うつ病の患者数は、平成11年には24万人でしたが、平成20年には70万人を超えています。一方で、うつ病になっても、大多数は医療機関を受診していないことが問題になっています。
WHOによる世界保健調査の最終報告によれば、8割近くの方が医療機関を受診していない状況であり、うつ病を放置した場合の最悪の状態は自殺です。自殺の原因として考えられる精神疾病の多くはうつ病ですが、自殺は社会的要因や家族環境などさまざまな要因が複雑に関係しています。
自殺総合対策大綱は、気づきの促しによる早期発見、早期治療の重要性が指摘されています。気づきにより、仕事が多忙で自分の健康は二の次となりがちな働き盛り世代に健康管理を勧め、経済問題を抱えた中高年男性や、健康問題を抱えた女性や高齢者などには相談するきっかけをつくることが必要です。また、本人のみならず、家族などで身近な方への気づきを高めることでより一層の効果があると思います。
札幌市において、平成21年度より25年度までの5カ年に、自殺総合対策行動計画に基づき総合的な取り組みを行っています。
そこで、質問ですが、うつ病の早期発見、早期治療が自殺予防に有効であることから、札幌市としてどのように取り組んでいくのかについて伺います。
また、気づきを高める中で求められるのは相談体制の強化であります。このことについても、どのようにしていくのか、お伺いをいたします。
次に、地下鉄駅における授乳室の設置について質問いたします。
長引く景気の低迷を初め、人口減少や少子高齢化の進行など、交通事業を取り巻く環境が厳しさを増している中にあって、さまざまなサービス向上を通じ乗客誘致や輸送需要を拡大していくことは、交通事業にとって喫緊の課題となっています。交通局では、エコをテーマにした乗ってコ!プロジェクトや駅の個性化など、駅自体の魅力づくりを推進することで利用促進を図る取り組みを進めております。また、IC乗車券SAPICAは、ようやくバスや路面電車との共通利用開始に向けた準備が本格化してきました。社会情勢の変化をとらえたこうした積極的な取り組みが必要であると思います。
地下鉄は、さまざまな方々に利用され、多様なニーズにこたえていく必要があります。特に、少子化の対応策としてより子育てのしやすい環境づくりが求められる中で、乳幼児を連れて安心して利用できる地下鉄環境を整えることで利便性が向上し、これまで利用を控えていた新たな利用客の増加につながるのではないかと思います。
我が会派では、これまで、女性利用者の視点から、専用席におけるマタニティーマークの普及啓発や、女性と子どもの安心車両の運行について提案し、実現してまいりました。こうした取り組みを今後もさらに一歩進めてほしいと考えています。
私は、都心の地下鉄駅に授乳室が欲しいという子どもを持つお母さん方からの切実な要望を踏まえ、昨年の決算特別委員会で大通駅の改札内に授乳室を設けてはいかがかという提案をさせていただきました。公営地下鉄の中でも横浜市と福岡市では既に設置されておりますし、空港やJRなどの一部の駅でも設置されているところがふえております。札幌市営地下鉄はことし12月に開業40周年を迎えますが、時代に合ったより利便性の高い地下鉄を目指すために、授乳室の設置は駅の具体的な魅力向上のための取り組みとして大変有効であると考えます。
そこで、質問ですが、地下鉄駅構内における授乳室について、その後の検討状況はいかがか、お伺いをいたします。
次に、児童相談体制の強化プランについてお伺いをいたします。
私たち公明党では、以前から、市議会において、児童虐待問題や児童相談所の将来構想については非常に重要視しており、何度も取り上げてきたところです。先日、札幌市児童相談体制強化プラン(素案)が公表されておりますが、その中では、市民に身近な区役所における相談体制を強化するなど、期待できる内容と評価しております。しかしながら、親の経済的困窮や養育力の低下、親の疾病などにより家庭での養育ができない等に加え、虐待問題の増加により、里親や児童福祉施設等での子どもの養護も増加していると聞いておりますが、虐待を受けた子どもの心のケアも非常に重要な問題であると強く感じております。
札幌市では、里親制度に対しては里親委託率としても全国トップレベルで、ファミリーホームも3カ所設置されておりますが、現在でも多くの子どもたちが札幌市以外の施設に入所している状況であります。また、社会的自立への支援につきましては、新たに自立援助ホームでの取り組みも始まっておりますが、保護者から適切な支援が受けられない状況で、施設職員等の努力だけではなかなか難しい状況であると聞いております。
そこで、2点質問いたします。
まず、一つ目は、里親や施設に関して今後も充実や強化を図っていく必要があるものと考えますが、今後、社会的養護体制についてどのような方向性をお考えか、お伺いいたします。
二つ目には、児童養護施設に入所した子どもの自立支援についてです。
現在は、環境に恵まれた一般家庭の子どもでも就職氷河期と言われている状況であり、児童養護施設に入所し学校の卒業を控えている子どもや施設を退所した子どもが就労することは一層難しいとも聞いております。このようなときにこそ、行政が率先して子どもたちの社会的自立を促進することは大変重要なことだと考えますが、札幌市では、施設入所などの子どもの就労を目指した自立支援について、今後、受け皿対策を含めて具体的にどのような取り組みを行っていくお考えか、お伺いをいたします。
次に、円山動物園についてお伺いをいたします。
私が初めて円山動物園に関して質問をしたのは、平成14年の第3回定例市議会の決算特別委員会でした。この年は、旭山動物園が行動展示を掲げ、廃園の危機を脱し、少しずつ入園者をふやし、67万人でしたが、翌年は82万人、そして、平成19年度にはピークとなる307万人となりました。一方、円山動物園は、旭山動物園と相反するような低迷期にあり、平成14年度は55万人、17年度は史上最低となる49万人まで落ち込むという大変厳しい状況にありました。
私は、これまで、動物園が持つ機能に着目し、子ども動物園、動物病院、動物園ボランティア、象の導入、市立大学との連携など、一貫して動物園が抱える諸問題を議論させていただき、おかげさまで動物園と言えば青山と言われるようになりました。
円山動物園は、平成18年度から始まった改革で円山動物園基本構想を策定しました。構想には、レクリエーション機能に加え、動物園が本来持っている環境教育、生物多様性、調査研究の機能を明確にするとともに、維持可能な経営視点を盛り込んでいます。そして、市民参加型の動物園として市民に愛される動物園を目指したことで、21年度は14年ぶりに90万人台を回復したのでありました。22年度は、天候不順などの影響もあり、若干下回っているようですが、入園者が増加基調にあるのは確実と思っております。本来、動物園は入園者数のみで評価するのではないと思いますが、円山動物園には円山らしい魅力が徐々に備わり、市民の支持も着実に高まっているように感じます。
ことしは、ちょうど60周年を迎え、動物園基本計画で目標としている入園者数100万人も夢ではないと確信をしております。そこで、私が去った後も、動物園がいつまでも存続し、市民にいやしと学びの場を提供してほしいとの思いで2点お伺いをいたします。
来年度予算案を見ますと、アジア館の建設費が計上され、24年度に完成、さらに、早ければその2年後には現在基本計画策定中のアフリカ館が完成する予定で、いよいよ名実ともに円山動物園の新しい時代が到来します。しかしながら、私は、円山動物園には中長期的に解決しなければならない重要な課題が残されていると考えております。それは、象の導入とホッキョクグマの展示・繁殖施設の問題であります。
アジア・アフリカ館といった大規模施設にめどがつきつつある中で、次に市民の最大の関心は、現在、不在となっている象の問題にあります。私は、象舎の建築などに10数億円かかることは理解した上で、早期に導入するべきとこれまで何度も質問をしてまいりました。象の導入のアンケートでも賛否いろいろありますが、昨年は市民レベルで動物園に象を導入するための動きも出てきました。さらに、札幌青年会議所は、60周年事業として、動物園に、短期間ですが、象を導入する構想を発表しております。
そこで、1点目の質問ですが、象の導入について、今は亡き象の花子の前で象さんの歌を歌われた市長といたしましてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、ホッキョクグマの展示施設ですが、地球温暖化の象徴的存在のホッキョクグマは、極めてメッセージ性の高い動物として全国的にも注目されています。その中で、2000年以降、繁殖に成功している円山動物園の主体的な動きもあり、ようやく全国的に繁殖に協力する体制が整いつつあります。しかしながら、この推進のためには、国内では数少ない繁殖実績を着実に積み上げてきた円山動物園での展示、繁殖をより効果の高いものにすることが急務ではないでしょうか。動物園基本計画には、第2ホッキョクグマ舎の建設が盛り込まれています。今後、各動物園の繁殖計画をさらに進めていくために、現在の手狭で老朽化した施設では限界があると思います。
そこで、2点目の質問ですが、ホッキョクグマ舎の充実についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、自転車対策についてお伺いをいたします。
自転車事故の7割が交差点との大見出しで、本年1月6日の朝刊紙の報道がありました。報道では、警視庁によると、全国での自転車事故は、09年では約15万6,000件、うち交差点での発生は11万4,000件で73%に上ります、その理由として、相手がよく見えなかったと表現したドライバーが79%あったと指摘しています。
さらに、草野 厚慶應義塾大学教授は、ある月刊雑誌に、自転車事故は高齢化社会の盲点として寄稿しています。その中に、自転車と歩行者の事故は、10年前に比べて約3.7倍まで増加してしまった、今後、高齢化の進展により、特に人口の多い都市圏において自転車事故に巻き込まれる高齢者は確実に増加していく、しかし、この点に関しては実効性のある対策はとられていない、暴走自転車の問題は高齢社会における深刻な盲点なのであると、自転車社会に警鐘を鳴らしています。
本市は、昨年、放置自転車全国第4位と不名誉な報道がありました。放置自転車が歩道を狭め、歩行者と自転車の接触の危険性は一層高まっています。加えて、自転車が我が物顔で走行するため、ここ数年来、自転車での死亡事故も発生しています。
私は、自転車事故絶滅のためには、事故の根本原因を明確にし、その上で自転車事故の抜本的対策を講ずる必要があると考えます。もちろん、自転車事故対策は、本市だけではなく、北海道警察など関係機関及び市民との協働なくして実現はできません。しかし、本市は道路管理者である大きな責任を担っています。違反の詳細な実態を調査し、自転車事故原因の徹底究明を行い、急激に進行する超高齢社会を見据えた自転車対策に取り組んでいくべきと考えます。
そこで、質問ですが、高齢化が進行している中で、交通弱者である歩行者保護の観点から、今後、自転車利用者のモラル向上のためどのように取り組むべきとお考えか、お聞きをいたします。
次に、自転車走行空間整備の取り組みについて質問いたします。
私は、今後、自転車走行空間整備に向けては、歩行者、自転車利用者、自動車利用者それぞれ分離して、自転車の走行位置や走行方法を明確化することが重要だと考えています。昨今、自転車走行の現状としては、自転車利用者の多くが歩道を走行し、歩行者との接近事故が急増しております。また、先ほど紹介した自転車事故の約7割が交差点との新聞報道では、歩道を走る自転車が交差点に進入する際、ガードレールや電柱などで死角に入り自動車との事故に遭うのだとしています。
自転車走行空間の整備に向けては、このような事故の実態を踏まえた安全確保の工夫が重要と考えます。世界の取り組みに目を向けて見ますと、欧州では自転車の車道走行を徹底しているそうです。さらに、ロンドンなど主要都市では、自転車専用道路の設置ができない自動車との共用区間においても、交差点やその付近だけは車道に自転車マークをつけて自転車通行部分を明示したり、車の停止線より前に自転車停止線を設けたりしています。日本では、バイクと自動車の停止線は見かけますが、自転車停止線は目についたことがありません。札幌市が北海道警察に働きかけ、全国に先駆けて交差点付近の車道に自転車停止線を設けるということも一つのアイデアだと考えます。
そこで、質問ですが、自転車事故解消という視点から自転車の車道走行が有効であると考えますが、今後の自転車走行空間の整備について札幌市はどのように考えているのか、お伺いをいたします。
最後に、学校施設設備についてお伺いをいたします。
我が会派は、これまで、安全・安心な教育環境づくり、特に学校施設の老朽化の解消や耐震性の確保等に向けて積極的に取り組んでまいりました。
耐震化については、さきの議会で、前倒しし、改修工事に着手するとの答弁があったところであり、その取り組みについては評価をしております。
しかしながら、一方で、学校には、安全・安心対策ではなく、学校本来の役割として、良好な教育環境を確保し、子どもたちがきめ細かな教育を受けられるよう、現在の教育上のニーズに合った施設づくりも必要です。
そこでまず、学校のトイレ改修についてでありますが、札幌市の学校は昭和40年代から50年代に建てられたものが多く、校舎の老朽化が進んでいる状況です。特に、トイレについては、臭い、暗い、汚いといういわゆる3Kと言われる状態のものがあり、また、洋式化も進んでおりません。そのため、学校のトイレを使いたがらず、中には家に帰るまで我慢をする子どももいると聞いております。子どもたちが一日の大半を過ごす学校にあって、トイレを使いたくない、行きたくても我慢する、あるいは、せっかくトイレに行ったのに数少ない洋式便器が使用中のため休み時間中に用を足せないということがあるとすれば、子どもたちが健康な学校生活を送る上で大変な影響があると思うのであります。
我が会派としては、以前からこのことを重要な課題であると認識しており、平成12年の決算特別委員会以降、トイレの洋式化の推進と計画的な改修を訴え、これまで積極的に取り組んでまいりました。
しかしながら、我が会派の指摘などを受け、教育委員会が本格的にトイレ改修に取り組みを始めた平成13年度以降、改築を含めた小・中学校のトイレ改修のペースは、今年度までの10年間で合計49校にとどまっており、洋式トイレの設置率については小・中学校全体では約37%とのことであります。学校のトイレは、子どもたちが毎日使うものであり、使いやすいか、清潔であるかということが学校生活に大きな影響があることを踏まえ、この10年間の改修実績ではまだまだ不十分ではないかと言わざるを得ません。
そこで、1点目の質問ですが、財政状況も厳しいことは承知しておりますが、今後もさらに積極的にトイレの全面的な改修を進めていくべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、格技場の整備についてでありますが、平成20年3月に中学校学習指導要領が改訂されたことにより、これまで選択制教科であった武道が必修となり、すべての生徒が武道を履修することとなりました。この改訂は、平成24年4月から完全実施されることとなっております。
札幌市では、既にほとんどの学校が武道の授業で柔道を実施しており、格技場がない学校では屋内運動場の一角に畳を敷いて授業を行っておりますが、畳が崩れると、手足を挟み、けがにつながるおそれがあります。文部科学省の統計では、武道におけるけがの発生割合は、武道場が3割弱、屋内運動場が7割強となっているとのことから、安全上の対策として格技場の整備が必要不可欠であります。また、屋内運動場は、他の体育授業や部活動、集会等に使われるため、畳を常時敷いておくことはできず、授業中に畳の準備、片づけをするため、柔道の指導に十分な時間がとれないとの学校現場の声も聞いております。
しかしながら、格技場の整備状況は、今年度末で分校を除く中学校98校中66校で整備済みとなるものの、残る32校については格技場がないという状況であります。これは、生徒の教育環境に著しく不公平が生じてくるものと思われます。
そこで、2点目の質問ですが、学習指導要領に沿った武道の授業を安全かつ円滑に実施するためには、屋内運動場ではなく、専用の格技場において行う必要があると思いますが、3割以上の学校においていまだ格技場が整備されていないという現状についてどのように認識されているのか、また、今後、格技場の整備についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
以上で、私の質問を終了いたしますが、終了に当たりまして、一言、申し上げます。
私は、平成11年に札幌市議会では公明党初の女性議員として議席を与えていただき、以来、3期12年にわたりまして、市民生活の発展、とりわけ子どもと女性の健康、福祉の向上を目指して精いっぱいの議員活動をさせていただきました。
私は、今期限りで議員生活から引退いたしますが、これまで、上田市長を初め、理事者、職員の皆様、そして、すべての議員の皆様に多大なお力添えをいただきました。心より感謝を申し上げるとともに、これからの市民福祉、そして、札幌のまちのさらなる発展を皆様に託しまして、私の議員としての最後の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴大変ありがとうございました。(拍手)
○議長(福士勝) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 13項目ご質問いただきましたので、私からは、私の政治姿勢についてのご質問、それから23年度予算について、それから新卒者の雇用対策、もう一つ、せっかくですので円山動物園についても私から答弁させていただきます。その余は担当の副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきますので、よろしくお聞き取りいただきたいと存じます。
まず最初に、私の政治姿勢についてでございます。
1点目の市民評価についてお尋ねでございます。
まず、24年度以降に見直しとした20事業についてでありますが、具体的な検討方法は、例えば、
保養センター駒岡のように検討委員会を設置して検討を行うものや、ていねプールのように老朽度の調査や改修等に要する費用の調査を行った上で施設のあり方を検討するもの、あいの里のごみの運搬用管路施設のように住民や事業者などの協議が必要なものなど、個々の事業によって異なりますけれども、今回の市民評価で指摘をされました課題や問題点について責任を持って検証を進め、できるだけ早く市としての考え方をまとめまして、見直すべきものはしっかりと見直していきたい、このように考えているところであります。
次に、来年度の市民評価についてでありますが、この市民評価は、議員にもご理解をいただいておりますように市民自治の実践の場でございますので、行政と市民が一緒になって考えていくということがとても大切なことだというふうに考えております。
その一方で、この実施方法につきましては、議会などからもご意見をいただいておりますが、1事業当たりの説明の時間あるいは議論の時間の長さ、あるいは、評価にかかわる市民の皆様方の人数や氏名の公開・非公開の問題など、検討すべき問題もある、このように認識をしております。
したがいまして、来年度の市民評価に向けましては、市民自治の取り組みを一段と高めていくことを目指しまして、対象事業数を絞り込んで、より時間をかけてじっくりと議論ができるようにするなど、課題の改善に向けた検討をしていきたい、このように考えているところでございます。
2点目の子ども手当についてでございます。
子ども手当の地方負担につきましては、全額国費で負担するように、私どもも再三国に要望してまいりましたが、地方との十分な協議をすることなく、平成23年度の地方負担が残されたということに関しましては、極めて遺憾であると考えているところでございます。
今後につきましては、平成24年度以降の制度設計に当たって、国と地方とが十分な議論をすることが重要であります。その意味で、昨年末に関係5大臣が合意をいたしました、国と地方の役割分担、経費負担のあり方などについて協議をする場を早急に設置するというふうにこの合意は述べておりますので、これを早急に設置するということを確実に履行していただきますように、私どもは精力的に国に主張をしてまいります。その上で、札幌市といたしましても、政令市長会とも連携をいたしまして、その協議の場において国に対して強く要請をしていきたい、このように考えているところでございます。
3点目の入札妨害事件に対する再発防止策についてでございます。
再発防止のための取り組みにつきましては、まず、入札・契約事務のさらなる見直しといたしまして、業者から積算状況を確認する積算書の提出を求めるということや、あるいは、入札結果内部調査委員会における調査対象を拡大すること、また、情報管理の徹底といたしまして、設計図書をこれまで以上に厳重に管理するなど管理方法の改善を図ってまいります。さらに、職員の行動マニュアルを作成いたしまして、コンプライアンスの取り組みの強化を推し進めるなど、違法行為は絶対にやらない、やれない、やらせないという強い意思を持って公正な職務を遂行する環境づくりに一層努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、平成23年度の予算についてお答えをいたします。
まず、1点目の地域経済・雇用対策についてでありますが、今年度においても数次にわたります補正予算を積極的に編成して間断なく対応しておりますが、経済・雇用情勢はなお厳しい状況が続いている、このように認識をしているところでございます。
そうしたことから、平成23年度当初予算は、骨格予算ではありますけれども、地域経済・雇用対策が最も重要な課題と位置づけまして、このたび、同時に提案をしております平成22年度の補正予算とあわせましてその対応に意を用いたところでございます。具体的な事業といたしましては、保育所や
特別養護老人ホームの整備など雇用面での効果が見込めます事業に重点を置いたほか、建設事業についても一定額を確保し、地元中小企業の受注機会の確保に十分に配慮をしているところでございます。また、企業誘致や都心部でのにぎわいづくりへの取り組み、継続雇用の実現に向けた若者、若年者のスキルアップ事業などを実施いたしまして、現時点で可能な限りの対策を盛り込んだところでございます。
次に、2点目の肉づけ補正に向けた留保財源についてでありますが、その時々の財政状況だとか、骨格あるいは肉づけ予算についての考え方などによりまして、金額は大きく変わるものというふうに考えております。今回の場合には、事業実施の判断の余地が少ない除雪費、これはどうしてもやらなければならないものでありますので、こういう除雪費、国の補助を受けて行います建設事業を全額骨格予算というふうに計上いたしました。そういうことが、過去、特に、議員ご指摘の平成15年、私が市長に就任をした年でございますが、この年は180億円残されていたということでありますが、その中で除雪費が当初予算には入っていなかったということもございます。そんなこともありまして肉づけ予算として180億円残されていたというように、大きな相違点というのはそういう形で出てきているというふうにお考えいただきたい、このように思っているところでございます。
政策的な経費に使えます財源の確保というものが年々難しくなってきておりますけれども、そうした中でも前回の骨格編成におけます留保額20億円を上回る30億円を確保しております。これに加えて市債などの財源を活用することによって、相当量の事業の追加ができるものと考えておるところであります。さらに、肉づけ補正を含めた平成23年度の補正予算には、留保した地方交付税のほかに、必要に応じてまちづくり推進基金などを活用することも可能であるということから、当面の財源は確保されている、このように考えているところでございます。
次に、新卒者の雇用対策についてお答えをいたします。
まず、1点目の新卒未就職者の就職支援事業についてでございます。
今年度、市費で103人の高校新卒者を札幌市の臨時職員として雇用をいたしました。既に18人が就職または就職見込みであります。さらに、22年3月卒業の高卒未就職者を採用いたしました企業に助成金を交付する制度を開始しているところであります。また、国の交付金を活用いたしまして人材を育成いたします企業が、大学などの新卒者165人を雇用いたしまして、職場学習や研修などを実施いたしますジョブスタートプログラム事業によりまして、その中の107人が就職に結びついているところでございます。
来年度に向けましては、この効果が高かったジョブスタートプログラムの事業の対象を高校新卒者にも拡大いたしまして、定員を150人から255人にふやして実施いたしますほか、若年層の就業促進事業において、就職内定率の低い定時制高校生も対象に加えて支援をしてまいりたいと考えております。
次に、2点目の雇用のミスマッチへの対策についてでありますが、新卒者就職内定率が低い原因の一つにミスマッチがあるというふうに認識をしているところでございます。
そこで、来年度実施いたします若年層の就業促進事業やジョブスタートプログラムなどの事業において、企業、職種を幅広く選択できるような意識改革だとか、あるいは、中小企業への職場学習を行うほかに、業界団体や中小企業の事業主との意見交換会を行うなど、ミスマッチ解消に向けた積極的な取り組みを行ってまいりたい、このように考えております。
円山動物園についてでございます。
3期にわたります議員活動の中で、何度も取り上げていただきましたことを、そして、関心を寄せていただきましたことに心から感謝をし、敬意を表させていただきたいと存じます。
象の導入ということでございます。
ご指摘のとおり、市民団体によります象導入のための動きというものが、市民の象導入に関する関心だとか、あるいは、機運を高めるものである、そしてまた実際にそういう機運が高まりつつある、このように私も感じているところでございます。
しかしながら、象は大変大きな動物で、かつ希少動物であるというようなこともございまして、予算面だとか、あるいは検討すべき課題というのが非常に多いということがございまして、これを解消するために、新しい飼育方法だとか、あるいは、寒冷地仕様の象舎というものがどうあるべきなのかということに関する基礎的な調査を現在実施しているところでございます。今後は、この調査結果に基づきまして、実務上の諸課題の整理を進めるとともに、例えば、複数頭の象を飼育する体制だとか、あるいは、繁殖のあり方など、引き続き必要な調査を継続してまいりたいと考えているところでございます。
2点目のホッキョクグマ舎の充実についてでございますが、円山動物園では、平成21年7月に、これまで培ってまいりました繁殖技術というものを生かしまして、ホッキョクグマの繁殖基地としての役割を担うということを宣言いたしました。また、昨年1月には、道内の4動物園が繁殖のためのクマの移動を積極的に進めるという協力体制を構築したところでもございます。その結果として昨年12月に新たな命が誕生したということは、まさにこの協力体制の成果である、このように喜ばしく考えているところでございます。
円山動物園が繁殖基地としての役割というものを果たすためには、複数の親グマのペアが同時に繁殖することが可能となる飼育環境への改善など、そのような環境の改善というものが求められますので、早期にホッキョクグマ舎の充実に向けて検討をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
ご質問ありがとうございました。
○議長(福士勝) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、職員の昼休み時間短縮に係る問題についてお答えいたします。
まず、1点目の市役所や区役所などの周辺飲食店に対する影響についてであります。
札幌市には、市役所本庁舎や各区役所のように庁舎内に食堂を構えた施設もございますし、また、職場によって周辺の飲食店の状況もさまざまでございますが、平成20年にいただいた要望書や他の自治体の状況などから推察いたしますと、影響はあったものと考えております。
次に、2点目の昼休み時間の延長等についてでございますが、現行の昼休み時間は、公務能率の維持や育児、介護に当たっている職員への影響などを総合的に考慮した上で、平成20年1月に見直したものでありまして、職員にも一定程度定着しているものと認識をしております。
しかしながら、ご指摘いただきましたような他の自治体の動きもございますことから、昼休み時間を含めた勤務時間制度のあり方について、各職場の現状を踏まえ、検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(福士勝) 中田副市長。
◎副市長(中田博幸) 私から、3項目についてお答えいたします。
まず、市有建築物の
バリアフリー化についてでございます。
1点目の現況調査の結果と評価でありますが、これまで重点整備地区にある全施設と地区外で延べ床面積2,000平米以上の施設、合わせて187施設で調査を終えまして、各施設について
バリアフリー化の現状を具体的に把握したところでございます。特に、オストメイト対応トイレや障がい者等に配慮した案内表示といった新
バリアフリー法による新たな基準については、対応が不十分であり、改善が必要であると認識しております。
次に、2点目の今後の
バリアフリー改善の方針でございますが、工事に伴う市民への影響が最小限になりますよう配慮しつつ、計画的な保全、改修に合わせて効率的に実施することを基本としております。このような方針に基づきまして、平成23年度におきましては、北区民センターなど6施設の
バリアフリー改善に着手いたしまして、その後も継続して取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、地下鉄駅におけます授乳室設置のその後の検討状況についてお答えをいたします。
現在、交通局では、大通駅の東西線と東豊線をつなぐ改札内の通路に、平成23年度から利用していただけますようユニット式授乳室の実験的な設置に向け準備を進めているところでございます。この実験に当たりましては、子育て中の利用者が、授乳室を初め、地下鉄駅空間にどのようなものを求めているのかといったニーズを具体的に把握するための
アンケート調査を行いまして、今後の展開に生かしてまいりたいと考えております。
次に、自転車対策についてお答えいたします。
まず、1点目の自転車利用者のモラル向上につきましては、自転車と歩行者との事故の増加傾向に伴い、高齢者を初め、子どもや障がい者などの交通弱者の被害増加が懸念されますことから、その対策が必要であると認識しております。したがいまして、小・中・高校生を対象とした正しいルールやマナーの啓発を充実させますとともに、老人クラブなど高齢者が集う機会や出前講座などにおきまして歩行中の危険について周知するなど、自転車利用者と歩行者の両面からの取り組みを行ってまいりたいと考えております。また、自転車利用者に対しましては、事故は身近なもの、他人事ではないという意識を持ってもらうため、事故の態様、原因、特に賠償責任の重さなどを強く周知していきたいと考えております。
2点目の今後の自転車走行空間の整備についてでございますが、ご指摘のとおり、車道走行も視野に入れた検討が必要と考えております。
しかしながら、車道走行におきましては、自動車との接触による重大な事故発生の可能性も懸念されますことから、安全性の確保という観点において慎重に対応すべきと考えております。
したがいまして道路の形状や交通量、沿道の土地利用など、路線ごとの状況を考慮し、北海道警察などの関係機関と協議の上、安全な走行空間の整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(福士勝) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、4項目につきましてお答えをいたします。
まず、女性のがん対策についてであります。
1点目の女性特有のがん検診推進事業の継続につきましては、受診率の向上により、がんの早期発見、早期治療に大変有効なものと認識をしており、今後とも、他の政令指定都市などと連携をしながら、指定都市市長会や全国衛生部長会などを通じ、さまざまな機会をとらえて要望活動を行い、この事業の継続に努めてまいります。
2点目の子宮頸がんの併用検診の実施につきましては、ウイルス検査の有効性や実施上の課題などについて、国や他の政令指定都市の動向も踏まえながら、今後、調査研究をしてまいりたいと考えております。
3点目の効果的な普及啓発につきましては、これまで新聞等のメディアの活用や関係団体のイベントを支援するほか、デパート等の女性が多く集まる場所にポスターを掲出するなど、受診率向上のための取り組みに努めてきたところですが、今後とも、女性に向けた効果的なPRの手法を工夫するなど、重点的に取り組んでまいります。
次に、女性施策についてお答えをいたします。
1点目の産後うつに対する支援体制の充実についてでありますが、平成23年度から、妊娠届出書に心の健康状態を確認できる問診項目を導入するとともに、母子健康手帳の交付時には保健師等の専門職による面接を行い、リスク要因の高い妊婦に対して、産婦人科医療機関と連携をしながら家庭訪問などにより支援を行ってまいります。また、出産後は、生後4カ月までの乳児家庭全戸訪問事業において、エジンバラ式産後うつ病質問票を用いてハイリスク者を早期に把握し、適切な医療へつなげるなど、経済的な支援を行ってまいります。
2点目の不妊治療支援事業の拡大についてでありますが、札幌市といたしましては、平成23年度から、国の制度改正に合わせて1年目の申請者に対して年度内3回までの助成を行うこととしており、助成回数の上乗せや所得制限の緩和などの制度の拡充につきましては、引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。
3点目の不育症対策についてでありますが、現在、国において不育症に関する研究事業が進められておりますので、札幌市といたしましては、国の方針に基づき、対応してまいりたいと考えております。
次に、自殺対策についてお答えをいたします。
1点目の自殺死亡者の推移と今後の事業方針でありますが、平成22年の札幌市における自殺死亡者は、公表されております5カ月間の統計から、平成21年と比較して減少傾向にはありますが、自殺により数多くのとうとい命が失われていることも現実でありますことから、一人でも多くの命を救うために、今後とも、「わたしは、ほっとけないキャンペーン」等の普及啓発事業を行い、市民一人一人が自殺を身近な問題としてとらえることができる取り組みを進めてまいります。
2点目のうつ病への取り組みについてでございますが、うつ病の予防、早期発見のため、1月から新聞広告や地下鉄等へのポスター掲出による啓発を開始しております。さらに、3月の自殺予防キャンペーンの期間には、公共施設を初め、民間企業にもご協力をいただき、うつ病のサインをわかりやすく表現したステッカーをトイレへ掲出するほか、書店、図書館には同様のしおりを配付し、市民の皆さんの理解を広げてまいりたいと考えております。また、相談体制の強化といたしましては、3月には電話相談の受け付け時間を平日4時間延長し、さらには、土・日・祝日にも対応することとしており、その利用状況により平成23年度の事業継続の必要性について検討してまいります。
次に、児童相談体制の強化プランについてお答えをいたします。
1点目の社会的養護体制の方向性につきましては、家庭的な環境のもとで子ども一人一人の状況に応じた細やかな支援が重要でありますことから、里親制度では、里親や児童養護施設などの児童福祉関係者が参加する里親委託等推進委員会を新設し、情報を共有することで効果的な研修や家庭訪問などによるフォローアップの充実を図るとともに、子どもと里親のマッチングを高め、里親委託を促進してまいります。また、少人数で家庭的な養護を行うファミリーホームや地域小規模児童養護施設の整備を推進するほか、既存の児童養護施設におきましても少人数のユニット制の導入について設置者との協議を行ってまいります。
次に、2点目の児童養護施設に入所した子どもの自立支援についてでありますが、昨年4月に自立援助ホームを設置し、施設を退所した子どもなどに生活就労指導を開始したところでございますが、新たに就労支援コーディネーター制度を創設し、卒業を控えた施設入所児童などを対象に、一人一人の状況に見合った具体的な個別支援を実施してまいります。さらに、就労先の受け皿となる企業とのネットワーク化を図り、子どもの就労に協力をいただく企業応援団の構築を検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(福士勝) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 学校の施設整備について、私からお答えいたします。
1点目のトイレの改修についてでありますが、これまで改修を行った学校の児童生徒からは明るく清潔で使いやすくなったと喜ばれておりまして、トイレ改修を進めていくことは大切であると考えているところであります。
トイレの全面的な改修に当たっては、便器だけではなく、床や壁、給排水管などの大がかりな工事を伴いますことから大規模改造事業等の中で進めておりますが、今後は、全面的な改修に加えて、便器の洋式化を優先するなど、さらにトイレ改修をして促進していくための方策についても検討してまいりたいと考えております。
次に、2点目の格技場の整備についてでありますが、武道の授業をより円滑に行い、また、生徒たちの負担を軽減させるためにも、専用の格技場が重要であると認識しております。したがいまして、現在、敷地等の制約を受ける学校もありますが、全校への設置を目標として整備を進めているところであります。厳しい財政状況ではありますが、格技場が未整備である学校につきましては、設置場所等について学校とも十分協議しながら、今後も、順次、整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(福士勝) ここで、およそ20分間休憩します。
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――――――――――――――――
休 憩 午後2時33分
再 開 午後2時57分
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○副議長(宮村素子) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
井上ひさ子議員。
(
井上ひさ子議員登壇・拍手)
◆
井上ひさ子議員 私は、日本共産党を代表して、新年度予算並びに市政の重要問題について質問いたします。
最初に、市長の政治姿勢について質問します。
質問の第1は、消費税の増税についてです。
第2次改造菅内閣は、自民党で閣僚を務めた与謝野 馨氏を入閣させ、政治を変えたいと願っている国民に深い失望を与えました。与謝野氏は、消費税増税論者として知られており、菅首相の消費税増税を実行しようという意思をあらわしたものであります。
私ども日本共産党は、消費税増税に反対であります。
菅首相は、消費税を増税する一方、法人税減税をするつもりのようですが、法人税を納めているのは黒字の企業であり、減税はもうかっている企業がもっともうける仕組みづくりです。ある試算によると、実際の税負担率は、ソニー12.9%、パナソニック17.6%、本田技研工業24.5%、トヨタ自動車30.1%しか払っていません。黒字大企業の税金を減らすよりも、国民生活と中小企業の応援をすべきであります。
景気対策として今求められていることは、内需をふやすことで、国内で物が売れ、地域でお金が回るようにすることですが、消費税が増税されれば間違いなく消費が小さくなります。
市長は、所得の少ない人ほど負担する割合が高くなる消費税の逆進性と、増税によって市民の可処分所得が減少し、内需が冷え込むことについてどのような見解をお持ちですか。また、消費税増税で、国民と中小企業を苦しめる前に、大企業や大資産家向けの減税をやめることが先だと思うのですがいかがか、伺います。
質問の第2は、TPP問題についてです。
農業委員会の全国会長代表者集会が、12月2日、東京都で開かれ、TPP参加に反対する決議を満場一致で採択しました。全国漁業協同組合連合会会長は、1月29日、宮崎県での漁業者決起大会で、これ以上の自由化には反対だと訴えました。日本医師会の中川副会長は、昨年12月3日、記者会見で、日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険の崩壊につながりかねないと指摘しました。日本婦人団体連合会は、11月、第37回総会で、TPP参加に反対し、閣議決定の撤回を求めるとする特別決議を採択しました。全国労働組合総連合の小田川事務局長は、11月2日に、地域の雇用の喪失をより深刻にさせるとして、交渉参加を断念するよう菅政権に強く求めています。全国町村会は、12月1日の全国町村長大会で、参加に反対する特別決議を採択しました。全国の1,100を超える地方議会で、参加に反対、慎重対応を求める意見書が可決され、さらに広がっています。
道内では、11月12日、農業協同組合中央会、漁業協同組合連合会、森林組合連合会と56の団体が共催で道民総決起大会が行われました。農・林・漁業と消費者、経済界が一丸となって政府に働きかけていくことを確認しました。農業も漁業も医師会、女性団体、労働団体、全国からTPP反対の声が上がっていますが、その闘いの先頭に立っているのが北海道内の各種団体と道民であります。
市長は、全国のあらゆる分野から反対の声が上がっていることについて、どう認識しているのですか。道都の市長にふさわしい発言が待たれています。TPPに反対であることをこの場で明らかにすべきであると思いますが、市長の見解を伺います。
質問の第3は、本市職員による入札妨害及び収賄事件についてです。
市役所に2回も家宅捜索が行われる事態となりました。この事件は、昨年の5月に価格漏えいを告発するメールが市長に届いていたにもかかわらず、何の対応もしていませんでした。東豊道路の昨年の落札額は、一昨年の3倍以上にもなっていたこと、昨年12月の落札のうち6件で最低制限価格と同額であったにもかかわらず、入札結果内部調査委員会は一度も開かれず、本市の緊張感と問題意識の欠如があったことを指摘せざるを得ません。
設計図書は、契約管理課のロッカーに入れていましたが、ロッカーのドアはあけっ放しで、職員は日常的に見ることができる状態になっています。工事金額によって、財政局理事、管財部長、契約管理課長のいずれかが設計図書に書かれた設計金額と最低制限価格の率を動かして予定価格調書を作成します。予定価格調書は、封筒に入れ、割り印をして封をし、金庫に保管し、開札直前に取り出すという念の入れようで厳重に管理していますが、そこに書かれている数字とあけっ放しのロッカーに入っている設計図書の金額は、多くの場合、同じなのです。今回の事件は、そこに着目した犯罪であります。
設計図書の中の設計金額と最低制限価格の率を書いた2枚の紙を取り外して別管理すべきでありますが、どう対処するのか、伺います。
また、設計図書に書かれている設計金額と最低制限価格の率を、理事、部長、課長が変えて予定価格調書を作成しますが、もとの数字と全く同じか、下げるだけで上げることはないことが財政市民委員会で明らかになりました。
上げた場合、不正に知った最低制限価格と同額で入札しても失格となり、犯罪は失敗に終わります。たびたび失敗すると、危険を冒してまでやることはない、割に合わない犯罪になり、未然に防ぐことができるようになると思うのですがいかがか、対処について伺います。
質問の第4は、創成川通の都心付近と札樽道札幌北インターチェンジを結ぶ自動車専用のアクセス道路についてです。
4年前の市長選挙で自民党推薦の候補が公約に掲げましたが、市民の審判はアクセス道路をつくってほしいということではありませんでした。この建設費用は数百億円にも上ると言われ、典型的な大型公共事業です。市民は財政難だとさんざん聞かされて、家庭ごみの有料化が押しつけられ、老人クラブへの補助が減らされたり、老人福祉センターの入浴料まで有料化され、高い国民健康保険料を払っているために、買いたいものも買えず、食費まで切り詰めて、ストーブの火も小さくたいて、我慢に我慢を重ねてつましく暮らしているのであります。
苦しい市民生活を強いる一方で、つくろうとしているアクセス道路の市費負担はどういう規模で考えているのですか。この道路をつくろうとしているのは、ゼネコンなどの業者に仕事を出すことが目的なのですか。市長のご見解を明らかにしてください。
仮に、東京の三鷹駅を出発し、羽田空港から飛行機で新千歳に着き、高速バスに乗って地下鉄北34条駅に着くまでには4時間半が過ぎているのです。そこから都心に向かうアクセス道路があったとしても、時間の節約はおよそ10分程度ではないでしょうか。効果としては非常に低いものと思うのですが、市長はいかがお考えか、伺います。
次に、新年度予算について質問します。
今回の骨格予算案は、一般会計で8,464億円と、対前年度で235億円増、2.9%増となっています。予算の市長査定に先立つ12月15日、我が党市議団は新年度予算の要望を提出しました。合計165項目に及ぶものでしたが、同時に、150億円を上回る財源を具体的に示しました。この予算要望を実現させる観点から、以下、4点の質問をいたします。
質問の第1は、福祉と市民生活の重点化についてです。
保健福祉予算が266億円増額になっているものの、そのうち、生活保護費、子ども手当など義務的な増加分がほとんどを占めています。小規模多機能の居宅介護サービスや
特別養護老人ホーム、介護サービスと一体の高齢者向け住宅など介護サービスの強化、保育所増設の前倒し、高過ぎる国保料の引き下げなど、福祉と市民生活に対する重点化が求められていると思います。こういう分野に予算の重点を移すべきではないかと思うのですがいかがか、伺います。
質問の第2は、我が党市議団が提唱している福祉の経済対策についてです。
定員90人の保育所を25カ所増設した場合、市の持ち出しが4億円で、50億円の建設の仕事を地元業者に出すことができます。また、500人の雇用効果が期待できます。80人規模の
特別養護老人ホームを12カ所増設した場合、市の持ち出しが19億8,000万円で、108億円の建設の仕事を地元業者に出すことができます。また、870人の雇用効果が期待できます。市民が求める福祉の事業を行うことで、市内の中小業者に直接仕事を出し、雇用効果も大きいものです。福祉の経済対策を十分に取り入れるべきだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、私どもが提案しております市民生活と中小業者を優先させた財源対策についてです。
第1は、財政調整基金の残高97億円の半分を取り崩す、第2に、予算より多く配分された普通交付税等の139億円のうち、残余の94億円を緊急対策として活用する、第3に、2009年に引き下げた電柱やガス管などの道路占用料13億円をもとに戻す、第4に、法人市民税の超過課税を他都市並みの14.7%にし、2億3,000万円の税収増を図る、第5に、自衛隊基地交付金は9,000万円しかありませんが、本来の固定資産税相当額との差額1億円余りを国に求める、これらの財源対策を実行し、福祉と市民生活の予算を確保すべきですがいかがか、伺います。
質問の第4は、中期財政見通しについてです。
1点目は、2010年度の中期財政見通しについてです。
16億円の収支不足としていましたが、現時点での見通しとしては、市税、国・道支出金などの歳入、人件費、扶助費などの歳出、それぞれの項目と合計でどのような見通しを持っているのか、明らかにしてください。
また、国からの地域活性化交付金と交付税が予算よりも多く配分されたことについてですが、貴重な財源として有効に活用すべきと考えます。2010年度と2011年度でどれほど見込んでいるのか、どのような事業に活用しようと考えているのか、伺います。
この交付金を使ってすべての住宅リフォームを対象にした助成制度を実施すること、子ども医療費助成制度を小学校卒業まで通院を対象にするよう拡充すべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、新年度の財政見通しについてです。
昨年見通しを策定した時点で117億円の収支不足になると見ていましたが、新年度予算では、市税、交付税などが52億円の増、国・道支出金は100億円の増となっており、中期財政見通しは悲観的に厳しく見過ぎていたのではないかと思いますが、いかがか。福祉や市民生活に係る予算をこれまで以上に確保すべきと思いますがいかがか、伺います。
次は、景気、経済対策についてです。
帝国データバンクによると、2010年の道内建設業者の倒産動向調査で、倒産が6%ふえたのに対し、負債総額は37%減で、経営体力の乏しい中小零細企業を中心に倒産の小規模化が顕著であることが明らかになりました。
質問の第1は、地元業者への仕事づくりについてです。
1点目は、市営住宅の計画修繕についてです。
市営住宅の計画修繕は、本来行うべき畳の張りかえや外壁塗装、排水管改修など、更新周期が来ても放置され、入居者が不便を強いられています。1998年度16億円以上の予算だったものが、2008年度2億5,500万円と減らされ、新年度予算では、当初では14億1,800万円分の積み残しとなっています。
この積み残しの修繕については、すぐにでも実施すべきと考えますが、いかがか。新年度、取り崩す予定となっている市営住宅整備基金残高は現在約9億円あり、これを充当すべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、住宅エコリフォーム補助制度についてです。
秋田県の住宅リフォーム助成制度では、50万円以上の工事額の1割、20万円を限度に助成をしていますが、経済波及効果は既に512億円と言われています。本市のエコリフォームは、使い勝手が悪く、今年度の実績は予想を下回り45件、1,011万円と、市民から活用されず、経済波及効果も乏しいものです。
条件の緩和を行い、どのようなリフォームでも対象にすべきと考えますが、いかがか。建設業許可要件も撤廃してだれでも参加できる制度にすることで、見るべき経済効果を期待できるものにすべきと思いますが、いかがか。現在どのような見直しを考えているのか、明らかにしてください。
新年度予算案では、今年度と同じ1,520万円の計上にとどまっていますが、手続の簡素化とともに、市民への周知を図ることにより一層の需要を見込めると思うのですが、事業費を引き上げるお考えはないのか、伺います。
質問の第2は、産業振興ビジョンについてです。
本市の産業の特徴として、7万2,900事業所のうち35%は個人事業所で占められており、また、会社、企業のうち資本金1,000万円未満の業者は46.3%となっています。中小企業はもとより、零細小規模事業者が活力を持ち活性化しなければ、本市経済の再生はなし得ません。
そこで、伺いますが、産業振興ビジョンにおける零細小規模事業者の位置づけと役割をどのように認識しておられるのか、お聞かせください。
また、零細小規模事業者に対する将来ビジョンはどのようなものなのか、直接的、具体的な支援策が求められていると思うのですがいかがか、伺います。
質問の第3は、石油高騰対策についてです。
1月25日現在のガソリン価格は1リットル当たり137円で、本市でも、今月1日、緊急に対策本部を立ち上げ、対策を検討中ですが、どのような具体策を講じるおつもりなのか、とりわけ打撃を受けている運輸業や石油関連のクリーニング業などの中小零細業者に対してどう支援していくのか、伺います。
また、灯油は、1月25日現在85円、しかも、寒い日が続き、灯油代を節約するために家の中でもアノラックを着て生活しているような厳しい生活実態があります。このような状況にかんがみ、一昨年行ったあったか応援資金を今からでも実施すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、公契約と雇用について質問します。
質問の第1は、公契約条例についてです。
本市における発注工事の落札状況は、公共工事の労務単価が10年で25%も低下するもとで、低価格競争、低賃金の再生産という悪循環に陥っています。土木系工事について、特に、最低制限価格から0.5%までに90%の入札が集中しています。総合評価方式では、入札額が最低制限価格以下でも失格にならないという驚くべき仕組みとなっているのですが、これでは低価格、低賃金に拍車がかかることになり、是正が必要だと思いますが、市長はどのように認識しておられるのか、伺います。
本市の工事発注が官製ワーキングプアにつながっていると思うのですが、いかがですか。
また、直ちに公契約条例に切りかえるときではないでしょうか。市長の認識を伺います。
質問の第2は、ワーキングプアと指定管理者制度についてです。
第1に、市内のコールセンターに従事する労働者1万3,600人のうち、正規雇用はわずか11.3%にすぎません。このように非正規が大半を占める雇用実態から見ると、本市の雇用政策が改めて問われているのではないでしょうか。
我が党は、これまでもコールセンターの雇用条件改善を繰り返し求めてきましたが、進出渋りが起きる、新規雇用や税収増の機会を失うなどの理由を掲げて対策を放棄していることは許されません。明確に効果があらわれる対応が求められていると思うのですがいかがか、伺います。
最低でも、正規雇用率、雇用期間、解雇数とその理由、支払い賃金額などがわかる調査項目での実態調査を実施し、回答を拒む企業や雇用条件の悪質なもの、度が過ぎるものについては補助金を打ち切り、企業名の公表などの厳しい対応で臨むべきだと考えますがいかがか、伺います。
第2に、昨年12月28日付で出された総務省通知では、指定管理者制度はコスト削減のみを目的としないことなど、労働条件への適切な配慮を求めています。本市では、指定管理者の導入率は約8割と、政令指定都市中トップです。正規雇用率は36%と低く、不安定雇用が多いのが実態です。
我が党としては、まず、指定管理者の導入をストップすること、指定管理者との通知に基づく協議、とりわけ実態調査への協力、調査結果の公表と、それに基づく市としての運用ガイドラインの見直しを含む具体的な改善プランの提示などを求めるものですが、本市は、総務省の通知を受け、どう真摯に対応していくおつもりですか、市長の所見を伺います。
質問の第3は、若者の雇用についてです。
今春卒業予定の高校生と大学生の就職内定率は、12月現在、それぞれ59.1%と69.9%で、依然厳しい状況にあります。今年度、本市は、臨時職員を100人採用し、そのうち1人だけを正職員化すると聞いていますが、残り99人のうち、希望する者は解雇せず正職員化すべきですがいかがか、伺います。
経済界への働きかけでは、卒業まで2カ月を切った今、集中期間などを設定し、市長を先頭に、幹部の皆さんが手分けをして一斉に企業の直接訪問を実施し、雇用の確保を強く訴え、その突破口を開くべきと思いますがいかがか、伺います。
雇用創出基金事業については、2009年度実績を下回る1,160人という設定になっており、消極的です。2,000人以上に引き上げを図るべきですがいかがか、伺います。
2008年、本市が行った公契約に従事する労働者の雇用実態調査では、入札条件に社員としての雇用、賃金の設定などの項を入れなければ現場の従業員の生活が向上することはないなど、注目すべき意見が少なからず紹介されています。市内の若者を正規雇用した企業へ、工事のほか物品、役務も対象に政策入札を導入し、正規雇用の実効性のある促進を即図るべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、介護保険について質問します。
介護保険制度について、保険料だけは天引きされるのに、いざというときに頼りにならない、利用料の重い負担と実情が反映されない介護認定のため、必要な人がサービスを使えない、介護労働者の待遇が改善されず、福祉の志が燃え尽き、やめていくなどの声が聞かれており、抜本的な見直しが求められております。
質問の第1は、低所得者の実態と対策についてです。
日本福祉大学、近藤克則教授が行った所得別要支援・要介護者出現率調査結果では、最高所得の3.7%に対し、最低所得では17.2%と高く、5倍もの開きで、低所得者ほど要介護状態になりやすく、かつ重症化することが指摘されています。
国民年金を受給している75歳の男性は、週4回のデイケアに通っていますが、食事代を含めると月3万円の負担となり、ケアマネジャーから他のサービスの利用も勧められていますが、これ以上の負担は経済的に無理と、必要なサービスをあきらめています。
介護保険制度は、利用するたびに使ったサービスの1割を本人が負担する仕組みのため、介護度が上がると必要なサービス量もふえ、同時に利用料もふえます。低所得者、独居、老老介護、認認介護、重度者の家族介護など、厳しい暮らしが予想される世帯への実態調査とともに、必要な介護サービスが受けられるよう独自軽減策を講ずるべきと思いますがいかがか、伺います。
さらに、保険料は、当初、全国平均で月額2,911円でしたが、今では4,160円となり、43%も値上がりしました。2012年度には、5,000円を超えるとも言われています。高齢者の月収は10万円未満が4割です。保険料は、低所得者層に一層配慮したものにすること、また、年金天引きの中止を国に強く働きかけるべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、施設整備についてです。
我が党は、本市の
特別養護老人ホームの待機者は6,000人を超え、そのうち要介護4と5の重度の方が2,000人も待機しているなど、施設整備が決定的におくれていることを指摘してきました。
特別養護老人ホームは、重度の介護が必要でも尊厳を持ち安心して暮らせる施設であることから、入居に対する本人や家族の期待も大きいものです。しかし、何年待っても特養に入れず、介護する家族の身体的・精神的負担は深刻です。
市長は、市民が介護保険料を支払っているのに特養に入居できないのは、保険あって介護なしだとはお考えにならないのか、緊急的な整備で特養をふやすべきだと思いますがいかがか、待機者を解消するおつもりがあるのかどうか、伺います。
質問の第3は、住み続けられるまちづくりについてです。
高齢者の多くは、長年住んでいる地域での思い出や友達と離れ、新たな地域に住みかえることに強い不安を感じており、できる限り住みなれた家や地域で暮らしたいという願いを持っています。高齢になっても住みなれた地域で生活するためには、要介護状態になった場合、住居のさまざまなふぐあいを解消することが必要であり、高齢者に配慮した住宅整備が急がれています。
来年度中に実施予定の介護保険制度の受領委任払い制度の早期実施で手すりや段差を解消する住宅改修費を軽減することはもちろんですが、介護が必要となった高齢者が今までの人間関係や住みなれた家、地域での生活を継続することができるように、利用者の状態や必要に応じて、通いを中心に訪問、泊まりの三つのサービスが一体となり、24時間切れ目なくサービスを提供できる小規模多機能型居宅介護事業所や認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの整備を思い切って重点化すべきと考えますが、いかがか。また、今後の整備計画について伺います。
現在、10区の行政区を日常生活圏域と設定して整備していますが、今後は中学校区を圏域とした整備を目指すべきと思いますがいかがか、伺います。
さらに、階段の昇降が困難となった市営住宅入居者の高層階から低層階への新たな住みかえ制度が急がれていると思いますが、どのように対処されるのか、伺います。
次に、国民健康保険について伺います。
質問の第1は、国保料の引き下げについてです。
本市の国保加入者の平均所得は、1992年度279万5,000円でしたが、2010年度、ついに100万円を切るところまで落ち込んでいます。私ども共産党市議団は、昨年暮れ、市民アンケートを実施し、2,300人を超える市民の協力をいただきました。この中で、「心配事、お困り事は何ですか」の問いに、「医療、健康」を挙げた人が60.9%で、「保険料などを引き下げてほしい」が49.4%も寄せられました。
国保料は、給与収入200万円の2人世帯の場合、医療分、後期高齢者医療制度の支援金分、合わせて19万490円、収入300万円で27万7,920円、収入400万円で37万350円となっています。余りにも負担が重過ぎるとは考えないのか、認識を伺います。
国保料を1世帯平均1万円引き下げるべきですがいかがか、伺います。
質問の第2は、資格証明書の発行についてです。
失業、経営難、低年金などによって保険料を払うことが困難な場合は、納付相談を行い、減免あるいは分割納入を行います。しかし、それでも納入できなくなり、資格証明書が9,000世帯を超えて発行されています。資格証は、窓口で医療費を全額支払う点では無保険と同じです。札幌市でも、資格証の人の受診率は、保険証がある人の87分の1で、実態は病気になっても病院にかかれない状態です。
ある調査によると、2009年、国保料を滞納し、保険証を奪われた人の受診おくれによって、全国で33人、北海道でも4人の方が亡くなっていると報告されています。札幌の事例で、60代の男性は、1年半前から腹痛がありましたが、資格証になっていたため市販の薬を飲んで受診を我慢していました。半年前から食事もできなくなり、体重が62キログラムから48キログラムにまで減りました。耐えられなくなり病院を受診しましたが、3カ月後に膵臓がんで亡くなりました。
このように、保険証から資格証明書になることで受診抑制が拡大し、命を落とす人までいることについて、市長はどう考えていますか。資格証は、資力がありながら納付しない悪質な滞納者に限ることにし、それ以外の人には保険証を発行すべきと思いますがいかがか、伺います。
次に、保育の問題について質問します。
質問の第1は、待機児童についてです。
2011年1月時点で2,654人となっております。我が党は、本市の5年間で3,500人の整備計画の前倒しを求めています。国の待機児童解消「先取り」プロジェクトでは、待機児童の数に基づく整備目標を設定するのではなく、潜在的な保育需要を考慮した目標設定とすると決めています。
ことし1月の待機児童は2,654人、超過入所が2,286人、合わせて4,940人と、整備計画で示した3,500人の目標を大きく超えています。潜在的な保育需要を考慮すると、さらに高い目標にしなければならないと考えますが、市長は3,500人の整備計画を上乗せする考えをお持ちか、伺います。
目標を引き上げて、新年度から3年間で5,000人の整備計画を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、子ども・子育て新システムについてです。
現在の制度では、民間の幼稚園には私学助成が、公立幼稚園や保育所には必要な運営費が公費で支出されています。また、市町村は、保育を必要とする子どもに対し、保育を提供する責任を負っています。しかし、新制度では、国や自治体は、保育所、こども園などの運営に一切責任を持たなくなります。保育は完全に市場化され、安上がり保育をすることで子どもたちにしわ寄せが行くこと、保育や子どもをもうけの道具にすること、保育者の待遇はさらに悪化するなど、保育の質が下がることは明らかであり、国や自治体が本来果たすべき責任を放棄する内容だと考えます。本市の保育所や保護者など関係者は、社会の宝である子どもたちを育てる上で保育の質を低下させてはならないと、新制度については危惧する声が広がっています。
市長は、子ども・子育て新システムで子どもたちの保育の質は低下しないとお考えなのですか。保育関係者や保護者の不安をどのように受けとめているのか、市長のお考えを市民の前に明らかにしてください。
質問の第3は、保育士の身分保障と待遇についてです。
昨年の12月29日、道内の認可保育園の保育士の半数が非正規雇用であること、フルタイム勤務でも年収200万円未満が公立で7割を超え、私立でも6割に上ることが北海学園大の川村雅則准教授の調査で明らかになりました。
市長は、深刻な保育士の労働実態についてどう認識していますか。保育士の待遇について問題があるとは思わないのですか。市内で働く保育士が非正規雇用となっていないか、実態を調査し、改善していくための手だてについて検討していくべきだと考えますが、今後どのような改善策を行っていくのか、市民の前に明らかにしてください。
最後に、手稲区の諸問題について質問いたします。
質問の第1は、銭函海岸での風力発電計画についてです。
小樽市銭函海岸において、高さ118.6メートルの巨大風車15基、出力3万キロワットの風力発電所がつくられようとしています。本市は、昨年、「銭函風力発電所環境影響評価書案」検証専門家会議を設置し、その報告書を踏まえ、10月25日、銭函風力開発株式会社に意見を提出しました。その意見は、環境影響評価書の作成及び事業の実施に当たり、騒音、低周波音の周辺住民への影響はないとする事業者の見解をおおむね妥当と是認するものでした。しかし、周辺住民の騒音、とりわけ低周波音被害に対する不安は解消されておらず、貴重な自然環境を破壊するという関係者からの批判も大変強いです。
そこで、質問ですが、低周波音による被害については、科学的にも十分解明されていないことから住民の不安は根強いことについて、市長はどう認識されていますか。風力発電の巨大風車が数多く設置されている地域の調査を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
当該地域は、北海道選定のすぐれた自然地域であり、また、朝日新聞の読者の投票による北海道100選の一つに選定されていますが、この場所の貴重な自然の価値について市長はどのように認識されていますか。調査し、保全の必要性を検討すべきですがいかがか、伺います。
また、事業者の環境影響評価書が出た時点で、改めて専門家の意見や周辺住民の意見を聞き、事業者、北海道、国に意見を上げるべきですがいかがか、伺います。
質問の第2は、ていねプールについてです。
昨年6月に実施した市民評価の結果について、市としての対応を検討し、見直し等の検討結果について公表されました。ていねプールについては、施設の必要性や運動公園としての新たな利用への転換に関する指摘を踏まえ、老朽化している躯体の状態及び改修等に要する費用、その他の調査を行い、存続、廃止の両面から施設のあり方について検討を行うことになり、2012年以降に見直しとされています。事業仕分けで廃止と判定されたこともあり、子どもから大人まで心を痛めています。
このたび、私どもは、市政
アンケート調査を行いました。その中で、子どもたちの短い夏休みの楽しみ、屋外プールは民間のガトーキングダムとていねプールだけ、数少ない屋外プールを廃止しないでという声が多くなっています。北海道の夏は短いため、利用期間も短くなりますが、その短い夏を思い切り楽しませたいと思うのが親心です。強い日差しの中で泳ぎ、潜り、水しぶきを浴びながら歓声を上げる子どもの姿を守りたい、党派を超えた議会全体の願いではないでしょうか。プールの存続を求める市民の声をどう受けとめているのか、伺います。
このていねプールの利用者の多くは子どもで、小・中、幼児を含めますと全体の68%を占めています。
札幌市の子どもの権利条例第24条には、「市は、市政等について、子どもが意見を表明し、参加する機会を設けるよう努めるものとします。施設設置管理者は、施設の行事、運営等について、子どもが意見を表明し、参加する機会を設けるよう努めるものとします。市民は、地域の文化・スポーツ活動等について、子どもが意見を表明し、参加する機会を設けるよう努めるものとします。」と書かれています。
市長は、ていねプールに関して、子どもの意見表明権をどう保障するのか、子どもの意見を聞くつもりがあるのか、伺います。
私は、ていねプールは絶対になくしてはならないと思いますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(宮村素子) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 8項目ご質問がございましたので、前半の4項目について、私から答弁をさせていただきます。その余は、担当副市長から答弁をさせていただきます。
最初に、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
1点目の消費税についてということでございますが、消費税を含む税制のあり方につきましては、税制の抜本的な改革の中で、持続可能な社会保障制度の構築などに必要な財源の確保だとか、ご指摘のとおり、低所得者層への配慮、また、市民生活や経済に与える影響なども含めて、さまざまな観点から国政の場において幅広く議論されるべきもの、このように考えているところでございます。
次に、TPP問題についてでございますが、TPPにつきましては、貿易自由化という世界的な流れをとらえたものだというふうに考えておりますけれども、食料の安定供給や食料自給率の向上といった観点のみならず、我が国の雇用やさまざまな制度などへの影響が懸念をされるものでありますので、反対の声というものが、あるいは、慎重にせよという声があちこちで多数上がっているものと私も受けとめているところであります。
札幌市といたしましても、北海道の基幹産業でございます農業、食産業への影響は極めて大きいというふうに考えますので、慎重に議論を進めていく必要がある、このように考えております。現在、北海道市長会を通じまして、道民合意がないままTPPへの参加を行わないように国に対して要請をしているところでありまして、引き続き、国の動向を注視し、関係機関とも連携をしながら対応してまいりたいと考えているところであります。
3点目の札幌市職員によります入札妨害及び収賄事件についてでございますが、設計図書の設計金額と最低制限価格の率につきましては、予定価格を作成する上で非常に重要な情報でありますので、開札前の設計図書を厳重に別保管することや、システム上のアクセスを必要最小限の職員に限定をするなど、情報管理の徹底というものを図ってまいります。
また、予定価格及び最低制限価格率の設定に当たっても、議員の言われるような不正防止の観点も含めまして、そのあり方について、今後、慎重に検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
4点目の創成川通の都心付近と高速道路を結びますアクセス道路についてでございます。
昨年策定をされました道央都市圏の都市交通マスタープランにおいて、都心への観光客、物資の円滑な移動や定時性の確保、また、道内や国内外との連携を図り、高度医療施設を初めとするさまざまな札幌の都市機能を有効に活用するといった観点から、都心部と高速道路のアクセス性の強化というものが重要であるという認識をもとにいたしまして、創成川通を都心アクセス強化道路軸として位置づけたところでございます。
今後も関係機関と連携をいたしまして、具体的な内容につきましてはこれから検討を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、新年度予算についてお答えをいたします。
1点目と2点目の福祉と市民生活に関するご質問でありますが、これは関連いたしますので、一括してお答えをいたします。
平成23年度予算につきましては、選挙を控えておりますので
骨格予算編成といたしましたが、市民生活に支障を生じさせないように、特に子育てや福祉といった分野につきましては、保育所や
特別養護老人ホームの整備を積極的に進めるなど、その雇用創出効果についても十分に考慮しながら重点的に取り組んだところでございます。
次に、3点目の財源対策についてでありますが、福祉や市民生活の充実のための財源につきましては、今後とも、歳入歳出両面で一層の工夫を行うということにより確保していきたい、このように考えております。
次に、4点目の財政見通しについてでございますが、まず、平成22年度につきましては、現時点で市税が30億円程度、普通交付税が110億円程度、それぞれ当初予算を上回って収入できるという見込みでございますが、当初予算では16億円を計上しております財政調整基金の取り崩しを取りやめる予定でございます。その増収分につきましては、これまでの数次にわたります補正予算の財源といたしましたほか、今回議案としております補正予算においては、不足が見込まれております扶助費を初め、
地域経済対策関連事業や老朽化いたしました市有施設の改修、そして、更新需要に備えるためのまちづくり推進基金への積み立てなどのために活用していきたいと考えております。
さらに、国の緊急総合経済対策によりまして、単年度限りで交付をされております地域活性化交付金につきましては、今回提案しております補正予算のとおり、総額で5億2,000万円を見込みまして、学校耐震化事業や学校及び図書館の図書購入などに充てることとしているところであります。
また、23年度につきましては、市税の増収が見込まれる一方で、扶助費が著しく増加するなど、なお厳しい状況が続きますが、そのような中にあっても、子育てや福祉あるいは地域経済・雇用対策など、市民生活に重点を置いた当初予算としたところでございます。
次に、景気・経済対策についてお答えをいたします。
1点目の地元業者への仕事づくりということについてであります。
まず、市営住宅の計画修繕についてでありますが、平成23年度予算におきましては、国の交付金のほか、市営住宅整備基金を積極的に活用いたしまして、その財源確保に努めたところでございます。
なお、積み残しの修繕につきましては、実情や優先度を適切に判断しながら実施してまいりますが、さらなる基金の取り崩しにつきましては、想定外の事故への対応などもありますので、慎重に取り扱うべきと考えているところであります。
次に、住宅エコリフォーム補助制度の見直しについてということでありますが、その対象となります工事内容を省エネやバリアフリーとすることや、施工業者の要件については、条例の趣旨並びに消費者保護の観点を踏まえまして今年度と同様とさせていただいておりますけれども、その利用拡大に向けて、対象住宅を賃貸住宅にも拡大するということだとか、バリアフリー改修における年齢制限を撤廃する、そして、使い勝手をよくするというようなこともございまして、添付資料の簡素化ということなどの見直しを行う予定でございます。
なお、事業費の引き上げについては、その応募状況を見ながら適切な措置を講じてまいりたいと考えております。
2点目の産業振興ビジョンについてでありますが、ビジョンにおけます弱小企業、零細企業と言うのでしょうか、弱小・小規模事業者をどのように位置づけているのかということでありますが、これは、札幌市の経済を支えている、そういう中心的なものが、零細小規模企業者を含む中小企業者だというふうに明確な位置づけをしているところでございます。その上で、今後の経済活性化に向けては、中小企業が経営革新、そして基盤強化といったものを進めることが重要である、このような認識を示したもとで、新分野への進出支援だとか、あるいは人材育成、融資、経営相談など、それぞれのニーズに応じたさまざまな支援策を講じてまいりたい、このように考えているところでございます。
3点目の石油高騰対策についてお答えをいたします。
灯油などの石油製品の価格上昇を受けまして、2月1日に石油製品価格動向に関する連絡会議というものを開催いたしまして、関係部局において現時点で対応できる対策について協議を行ったところでございます。当面は、それぞれの部局において既存の制度というものを活用することで対応できるものと現在のところ考えておりますが、なお、今後の価格動向を見きわめながらしっかりと検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、公契約と雇用についてということでお尋ねでございますので、お答えをさせていただきます。
1点目の、ご指摘がございました総合評価方式というのは、価格と技術力などを総合的に判断するということでありますので、最低制限価格によってチェックをするというシステムではないわけでありまして、そのような意味におきまして、地方自治法の施行令によりまして低入札価格調査制度というものが適用されるシステムになっております。この低入札価格調査では、調査基準価格を下回る低入札について、人件費だとか労務費の確認を含めて調査し、その妥当性のチェックをしているところでもございます。
また、公契約条例につきましては、実効性の確保などの課題を整理いたしまして、条例制定に向けて、引き続き検討してまいりたいというふうに考えているところであります。
次に、2点目のワーキングプアと指定管理者制度についてのお尋ねでございます。
まず、市内コールセンターの雇用条件についてでございますが、ご指摘のとおり、非正規雇用が大半を占めておりますけれども、これらの多くは社会保険等を完備いたしました常用雇用者でありまして、正規雇用者数も徐々に増加をしてきているところでございます。札幌市といたしましては、引き続き正規雇用の拡大に働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
また、ご指摘のありました実態調査の必要性については、雇用状況を踏まえつつ、慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、指定管理者制度についてお答えをいたします。
今回の総務省通知で示されました雇用問題への配慮につきましては、既に平成21年に策定をいたしました札幌市独自の運用ガイドラインにおいて措置をしております。具体的には、指定管理者に対し、労働法令の遵守を求めるというようなことは当然のことでありますが、選定委員会に外部の専門家を加えるということ、あるいは、その応募団体における雇用環境の維持・向上等の取り組み内容を選定の評価要素とするなど、雇用関係全般にわたりまして配慮をしたところでございます。
今後とも、適正な雇用環境が保てるように制度運用に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
次に、3点目の若者の雇用についてお尋ねでございます。
まず、高卒臨時職員の正職員化につきましては、法制度上、これは困難でありますが、今後も各種支援に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、経済界への働きかけについてでありますが、今年度、ハローワークと連携をいたしまして、業界団体を直接訪問して雇用の働きかけといったことを行ったところでございます。今後とも、企業との懇談など、さまざまな機会をとらえまして要請を行ってまいりたい、このように考えております。
さらに、緊急雇用基金事業の拡大についてでございますけれども、雇用期間が6カ月以内というところから最長1年に制度が拡充されたということなどによりまして、実人員が減ということになったところでございます。
今後とも、事業枠のさらなる確保に向けまして、基金を所管しております北海道と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、政策入札の導入についてでありますけれども、企業に採用意欲を喚起する施策も重要でありますので、幅広く検討していきたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(宮村素子) 中田副市長。
◎副市長(中田博幸) 私から、手稲区の諸問題についてお答えいたします。
1点目の銭函海岸での風力発電計画についてのうち、まず、一つ目の住民の不安への認識及び他地域の風力発電所の調査についてでございます。
市長意見の提出後も、低周波音に不安を感じている方がいらっしゃることは十分認識しており、札幌市といたしましては、今後とも、事業者に対し、不安の解消に向けた継続的な対応を要請してまいります。また、風力発電所の調査については、昨年、札幌市では道内2カ所で実施し、また、環境省でも、全国のほぼすべての風力発電所について行っており、札幌市の専門家会議では、これらの調査結果も踏まえ、環境影響評価書案を検証したところでございます。
二つ目の事業予定地の自然の価値についてであります。
事業予定地は、道内のすぐれた自然地域の一つであると認識しておりますが、当地域は札幌市域外であることから、自然環境の保全等については北海道や小樽市が考慮すべきものと考えております。
三つ目の環境影響評価書への対応についてでございます。
事業者が評価書を作成した後は、手続上、意見を述べる機会がないことから、現在、評価書に市長意見を反映するとともに、市民からの意見について配慮するよう事業者に求めているところであります。仮に、評価書に反映されなかった場合には、許認可権を有する国などに対し、必要な意見を述べてまいりたいと考えております。
次に、ていねプールについてまとめてお答えいたします。
市民評価に対する市民意見募集時に寄せられましたご意見のほか、子どもや親からの声、さらには、子ども議会の小・中学生から直接ご意見をお聞きし、改めて、ていねプールが多くの市民に愛され、親しまれてきた施設と認識したところでございます。
今後の施設のあり方につきましては、市民評価の指摘を踏まえまして、まずは、老朽化している施設の状態等の調査を行いまして、存続、廃止の両面から、議会での議論や子どもを含めた利用者など関係する方々のご意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(宮村素子) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、3項目につきましてお答えをいたします。
まず、介護保険についてお答えをいたします。
1点目の低所得者の実態と対策についてであります。
まず、低所得者世帯等の実態調査についてですが、平成24年度からの次期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の策定に向けまして、昨年11月、介護保険の要介護等認定者6,000名を対象に調査を行い、ことし3月、その結果を取りまとめる予定となっております。また、札幌市独自の利用料軽減措置を新たに設けることは、事業所等に対する財政補填のための新たな財源が必要になることから、実施は困難なものと考えております。
次に、保険料の低所得者への配慮についてですが、現在の保険料は、介護給付費準備基金の活用等によりその水準を全体的に抑制しており、さらに、低所得者等に対する減免制度を設け、その負担の軽減を図っているところであります。また、保険料の年金からの特別徴収につきましては、被保険者の支払い便宜が図られていること、保険者にとって確実かつ効率的な徴収方法であることを勘案すると、徴収方法として妥当なものと考えております。
2点目の施設整備についてでありますが、現計画における整備に加えて既存施設の増床なども予定しております。今後は、
特別養護老人ホームについて、これまで以上の整備が必要と考えており、介護保険料に与える影響などを踏まえつつ、その整備について検討してまいりたいと考えております。
3点目の住み続けられるまちづくりについてであります。
まず、地域密着型サービスの整備計画と日常生活圏域の見直しにつきましては、次期介護保険事業計画におきまして、地域の状況や要介護認定者数の推移等を踏まえて地域密着型サービスの整備を進めるとともに、より地域に密着した介護サービスを提供できるよう、日常生活圏域の見直しについても検討してまいりたいと考えております。
次に、市営住宅の住みかえ制度につきましては、現在策定を進めている札幌市住宅マスタープランの中で見直しに取り組むこととしており、高齢者や障がいのある方などがより円滑に住みかえを進められるよう検討してまいりたいと考えております。
次に、国民健康保険についてお答えをいたします。
1点目の国保料の引き下げについてであります。
保険料は、医療費に連動して決まる仕組みとなっておりますが、札幌市では、医療費が高いことから、加入世帯の負担に配慮して、多額の一般会計繰入金によって保険料の軽減と抑制に努めてまいりました。23年度予算では、医療費の増加が見込まれるところでありますが、一般会計から最大限の繰り入れを行い、1世帯当たりの平均賦課額を据え置くこととしております。
2点目の資格証明書の交付についてであります。
資格証明書は、法令の基準により、1年以上の滞納がある場合に交付することとされております。しかし、札幌市では、一律に交付するのではなく、滞納世帯の生活状況などを十分に把握しながら行っております。また、世帯主から申し出があり、医療費の一時払いが困難であると判断したときは、速やかに医療機関へ受診できるよう短期被保険者証を交付しているところであります。
次に、保育の問題についてお答えをいたします。
1点目の待機児童についてでありますが、平成23年度は、札幌市が政令指令都市に移行した昭和47年以来、最大の1,300人の保育所定員増を図ることとしており、今後も急増する保育需要に積極的に対応した保育所整備を進める必要があると考えております。
次に、2点目の子ども・子育て新システムについてですが、このシステムは、すべての子どもに良質な生育環境を保障し、社会全体で支援する制度であり、札幌市が進めてきた取り組みの方向性と共通するものであります。
しかしながら、新システムは、未確定な部分や課題もあり、また、関係団体では保育の質の低下を懸念する意見等もあることから、札幌市では、指定都市市長会として、保育と教育の質の確保など重要視すべき点について国に要請したところであります。
次に、3点目の保育士の身分保障と待遇についてですが、札幌市が2年ごとに行っている調査では、市内の私立認可保育所に勤務する非正規雇用の割合は4割に上っており、年収も決して高いとは言えない状況にあると認識をしております。認可保育所は、限られた運営費等によって経営をされており、職員処遇の改善を図るためには国の運営費基準に負うところが大きいことから、今後もその改善について国に要請してまいります。
以上であります。
(
井上ひさ子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(宮村素子)
井上ひさ子議員。
◆
井上ひさ子議員 私の方から、3点質問させていただきたいと思います。
札樽高速道路と都心を直結する自動車専用道路の件で、市長は、先ほど、具体的内容の検討をこれからするというふうな答弁だったというふうに思うのです。私は、さっきの質問の中でも、東京から来る場合は4時間以上かかっているというお話もしましたし、アクセス道路をつくって10分間程度短縮しても効果は薄いというふうに申し上げました。
改めて伺いますが、現在の創成川通を通行してもせいぜい20分程度しかかかりません。アクセス道路で短縮できる時間は5分か10分であるというふうに思うのですが、いかがですか。
また、アクセス道路をつくるために総額で数百億円かかるというふうに言われているのですけれども、効果は薄くてお金は莫大にかかる、こういう道路は、私は見直すべきだというふうに思いますが、もう一度伺いたいと思います。
次に、国保料についてです。
本当に高くて、やっぱりやりくりしても払えない、これが実態だというふうに思います。1万円の引き下げを私が今求めたのですが、23年度については据え置いている、こういうご答弁でした。2人世帯でも収入の1割に近い国保料になっています。これは、社会保険、協会けんぽの何と3倍にもなる保険料になっているのです。
市長は、この国民健康保険料は高いというふうな認識をお持ちですか、改めて伺いたいと思います。
それからもう1点は、保育士の低賃金の実態を私は明らかにいたしました。答弁の中でも、同様の認識を持たれていて、運営費の増額を国に要請するというふうなことだったと思うのですけれども、この待遇改善は緊急の課題だというふうに思うのです。
ところが、子ども・子育て新システムで言えば、これは保育をサービス業として進んでいくというのですから、市場開放されますね。そうなりますと、保育士の賃金はコスト削減が図られていく、私は、下げられていくその一つになるんじゃないかというふうに思うのです。
保育士の待遇改善の面からも、私は、この新システムは大変問題だというふうに思うのですがいかがか、この3点について伺います。
○副議長(宮村素子) 上田市長。
◎市長(上田文雄) まず、アクセス道路の問題でありますけれども、どのぐらいの規模の予算になるのか等々については、今、全くわかっておりません。実施主体も開発局が想定をされているところでありますけれども、私どもは、どれだけの効果があるのかと、今、千歳空港を中心に問題提起をされましたが、私は、それもありますけれども、むしろ、札幌がいかに北海道全体に貢献をするかというふうな視点で物を考えて、高速道路へのアクセス性をよくすることが大事だというふうに考えているところでございます。
これは、医療の問題では救急車がどこでもすぐ行けるというようなことはもとよりでありますけれども、新幹線がかなり難航しているというようなこと、あるいは、高速道路網が遅々として、全部通じるというわけではありませんが、しかし、次第にそれも改善していくということになれば、大都市機能をいかに北海道に返していくかというふうに考えたときに、これまで投資をしてきたこの高速道路を本当に有効に活用するためには都心に直結をする、そういうシステムは必要ではないか、こんなふうに考えているところであります。むだなものとは考えないということを申し上げておきたいというふうに思います。
健康保険料が高いか安いかということについての感想を私に求められておりますが、これは、他の健康保険の加入者が負担しているものから見ますと、私は決して安くはないというふうに思います。そして、それと同時に、国保の加入者の負担感というものもまた非常に強いものがあるというふうに理解をいたしております。
それであるがゆえに、先ほど生島副市長からも答弁ございましたように、一般会計からの多額の繰出金、この負担額を低めるだけのために100億円近くのお金を繰り出しているということで、最大限の努力をさせていただいているということでございます。
保育の問題につきましては、生島副市長からいま一度お答えさせていただきます。
○副議長(宮村素子) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 保育士の処遇と新システムの関係についての再質問がございました。
新システムの検討の中で、国では、保育士の賃金を改善して一定の資質を確保した保育士が定着をする、そういう方向で行かなければならないということで、そういう検討を、今、国ではしております。
札幌市でも同様に考えておりまして、やはり、保育の質を確保するためには保育士の処遇改善が必要だということで、過去にも指定都市市長会として国に要請をしております。今後も、他の指定都市と連携をいたしまして、保育の質を確保するために逐次要請を行ってまいりたいというふうに思っております。
(
井上ひさ子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(宮村素子)
井上ひさ子議員。
◆
井上ひさ子議員 やっぱり、アクセス道路は、私は巨額な事業だというふうに思います。こういう事業に多額の市民の税金を使って、市長も認識されている高い国民健康保険料、私はこういうのを本当に引き下げていく、そのことが求められているというふうに思うのです。ですから、この事業については、やはり、私は認められないというふうに思います。この問題は、引き続き予算特別委員会で申し上げていきたいというふうに思います。
それから、子ども・子育て新システムは、保育士の待遇の問題が出ましたけれども、何といっても、安上がり保育に道を開いていく、こういう問題点ですね。皆さんもいろいろと危惧されていることもあるというふうに思うのですが、やっぱり、この辺はいろいろな方々からの要望も出されているというふうに思いますけれども、本市としても十分検討していただくことを強く求めて、質問を終わります。
○副議長(宮村素子) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後4時15分
再 開 午後4時38分
――
――――――――――――――――
○副議長(宮村素子) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
佐藤典子議員。
(佐藤典子議員登壇・拍手)
◆佐藤典子議員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、本定例会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について質問いたします。
上田市長は、就任以来約8年、人を大事にすることをすべての活動の原点に置き、市民自治を進めるとともに、市債残高を昨年度末までに約4,500億円削減するなど、持続可能な財政運営に向けた取り組みを評価するところです。
しかしながら、このたびの市職員による札幌市工事発注における入札妨害事件については、市民の市役所に対する信頼が大きく損なわれる結果となりました。今後、二度と同じような不正を繰り返さないよう情報管理の徹底を初め、コンプライアンスの取り組みやチェック体制の強化など、再発防止策を早急に講じることを改めて指摘しておきます。
少子高齢化の急速な進行、依然として厳しい経済・雇用状況が続く中、今後は、真の地方分権を進める自治体改革が急務であり、地域のことは地域で決める時代です。札幌市においては、市民が自治するまちづくりをさらに進め、だれもが安心して自分らしく働き暮らせる社会の実現に向け、市民力、地域力を結集し、市民と行政の協働で積極的に取り組むことを要望しつつ、以下、順次、質問いたします。
初めに、食産業の振興についてです。
2011年1月策定の札幌市産業振興ビジョンでは、札幌市経済の成長を牽引する重点分野の一つ目に北海道の豊富な食を掲げています。食は、農業はもちろん、製造から加工、販売、流通、さらにはITや観光などさまざまな産業に関連しており、豊富で良質な農水産資源やすぐれた加工技術など北海道、札幌の優位性や特性を生かした食産業の発展に大きく期待するところです。
そこで、質問の1点目に、食産業の基盤となる食の安心・安全について伺います。
08年度の市民アンケート結果によると、市民の9割以上が食の安全に関心があると答えています。また、同年度の来札観光客満足度調査では、札幌のイメージとして食と答える割合が最も多くなっており、食に関連するあらゆる場面で安心・安全を確保することが、札幌の食の魅力をさらに高め、食産業や観光を活性化させることにつながると考えます。この間、市民ネットワークは、生産から消費に至るすべての段階で食品安全行政を総合的、計画的に進めるための条例づくりの必要性を主張してきました。
そこで、このたび、札幌市においてはさっぽろ食の安全・安心推進ビジョンを策定しましたが、食産業における食の安心・安全の確立に向けて実効性のある取り組みとするため、今後どのように進めるおつもりか、伺います。
質問の2点目は、食の6次産業化についてです。
地域内で生産された新鮮で良質な農水産物等を素材として製品加工し、付加価値を高め、流通、販売する6次産業の推進は、新たな産業の創造と地域経済の活性化をもたらすものとして注目されています。現在、北海道ならではの食の総合産業の確立に向け、食クラスター連携協議体に、札幌市を初め、871団体・個人が参画していますが、産学官を初め、北海道全体でさらに連携体制を強化し、取り組むべきです。
そこで、食の6次産業化の実現に向け、さらに一貫した支援体制の構築、強化を今後どのように進めるおつもりか、伺います。
また、6次産業の取り組みを市民とともに発展させるためにも、目指すべき方向性と具体的な計画内容を市民にわかりやすく示し、情報共有すべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
質問の3点目は、札幌らしい都市型農業の振興についてです。
札幌市においては、農業を取り巻く環境は厳しさを増しており、都市化の進展に伴う農地の減少、担い手の高齢化や後継者不足などさまざまな課題を抱えています。06年にさっぽろ都市農業ビジョンを策定し、次世代の市民に引き継ぐさっぽろ型農業の確立に向け、取り組みを進めていますが、09年度に実施した耕作放棄地全体調査では113ヘクタールの耕作放棄地の存在が明らかになるなど、生産機能の低下と生産環境の悪化が顕著化しています。
一方、食や農業に対する市民ニーズは、新鮮な農畜産物の安定供給や、環境保全型農業、有機・減農薬栽培などの推進による安全な農産物の提供など多様化しており、都市農業に対する期待も大きくなっています。このような状況を踏まえ、札幌市においては、新たな担い手の育成支援など農業経営基盤の強化を促進するとともに、市民とともに育てていく農業の確立が急務です。
そこで、質問です。
産業振興ビジョンの重点施策の北海道の豊富な食の基本施策の5番目に、札幌らしい都市型農業の振興が明記されていますが、札幌らしい魅力あふれる産業として都市型農業をどのように展開するおつもりか、伺います。
また、現在、さっぽろ農業振興ビジョンに基づき、アクションプランを策定中ですが、新規農業の持続と個性ある展開につなぐためにも、生産者や農業関係者はもとより、女性を含む消費者の参画で具体的な計画づくりを進めるべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
次に、若年層の就労支援についてです。
1999年、2003年に労働者派遣法が改正され、企業が新卒者を含む正規採用を抑え非正現の労働力に置きかえたことで、不安定な雇用と低収入の若年層が増大しました。さらに、リーマンショックに端を発した世界恐慌により経済低迷が続き、国税庁の民間給与実態調査では年収200万円以下の人が1,000万人を超え、さらに格差が拡大しています。総務省によると、若者の2010年12月の完全失業率は、15から24歳が8.8%、25から34歳が6.5%と、全年齢平均4.9%に比べ依然として高く、また、雇用情勢さっぽろによると、2010年12月の札幌圏の有効求人倍率は、25から34歳は0.27倍とどの世代よりも低く大変厳しい状況です。非正規雇用の年齢が上がるほど、また、離職年数が長期になるほど就職することが困難になることから、さらにきめ細かな支援の取り組みが求められています。将来を担う若者が希望を持って安心して働き、その意欲や能力を十分に発揮できる社会の実現に向け、若年層の雇用対策は最優先で取り組まなければならない喫緊の課題であることは言うまでもありません。
このような中、札幌市においては、若年層就業促進事業、ジョブチャレシジ事業を行ってきましたが、2010年度の受講者125名はほとんどがフリーターや未就業者であり、このうち、12月時点で52名、41.6%が就職に結びつき、一定の事業効果が見られるものの、現在の雇用を取り巻く情勢においてはさらなる事業展開が求められます。
そこで、質問の1点目に、札幌市においては、厳しい労働環境にいる若年層に対し、これまで行ってきた
就労支援事業の実績を踏まえ、さらに就労支援の拡充を図るべきと考えますがいかがか、今後の取り組みについて伺います。
質問の2点目に、こうした厳しい雇用情勢の中で、新規学卒者の就労状況も過去最悪の状況が続いています。札幌市においては、新規学卒高校生の臨時雇用や大学・短大卒のジョブスタート事業、また、未就業学卒高校生の新規雇用者へ一律80万円を助成するなどさまざまな雇用支援事業を実施していますが、今後もさらに国や北海道などと連携強化のもと、札幌市としてやれることは何でもやるといった姿勢で取り組むべきです。
そこで、いまだ就労に結びついていない新規学卒者に対し、例えば、現在行っている給付金を継続し、対象範囲を拡大するなど、さらなる支援策を講じるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、区役所の機能強化と権限の拡大についてです。
地方分権や行政改革の取り組みが進展し、国、地方とも厳しい財政状況のもとで持続可能な市政運営を図るには、市民力、地域力を発揮し、市民、地域、行政が協働してまちづくりを進め、地域のことは地域で決める市民自治の確立が今こそ重要であることは言うまでもありません。上田市長は、市長任期中に、市民が主体的に考え、行動するまちの実現に向け、市民自治の確立を市政推進の基本に据え、その成果として
自治基本条例や市民まちづくり活動促進条例の制定、さぽーとほっと基金を創設するなど、市民自治を広げてきたことは高く評価できるところです。
一方、社会状況の変化とともに行政区の地域状況も多様化しており、地域課題もさまざまです。特に、福祉、医療、子育て支援、地域振興などは、地域の実情、特性に応じた効果的できめ細かな取り組みが求められています。本市においても、区役所と連携した区民協議会や、87カ所のまちづくりセンターの設置や自主運営化、区提案のまちづくり事業などを行い、身近な地域のまちづくりへの市民参加を進めています。
本市は、1972年、政令指定都市に移行し、区役所を設置してから約40年経過していますが、近年、多くの政令指定都市が、新しい区役所のあり方を目指し、区役所の機能、権限を強化する仕組みを構築しています。京都市や横浜市では、従来は局が区に予算配分を行うことが一般的な手法でしたが、地域重視の考え方により、区から局に予算要求し、区の責任で執行していく手法が制度化されています。このような手法は、単に予算面の改革にとどまらず、政策の企画立案や事務事業の予算化、執行などを担当し、責任を負っていくことにより、庁内分権が進み、さらに職員の意識改革にもつながっています。また、横浜市では、区長を初めとした管理職の庁内公募制度や区長のマネジメントが発揮できるような組織づくりを行っています。本市においても、さらに市民自治を広げるためには、市政と連携を図りながら、区役所の役割を高め、身近な地域の課題を市民と行政が協働で解決できる仕組みをさらに拡充することが重要と考えます。
そこで、質問です。
1点目に、これからのまちづくりは、各区の地域特性や課題を踏まえ、それぞれの地域資源や人材を生かすことが重要です。札幌市の地域計画として、区民の参画と協働作業による各区の地域ビジョンを策定することが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
2点目に、市民自治をさらに深化させるためには、区役所が地域の課題を主体的に取り組めるよう必要な権限や財源を移譲し、予算編成、執行の両面にわたる区役所の権限の拡大に向けた取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
3点目に、現在、区長の大半の在任期間は1年から2年となっており、区長がより地域の事情に精通し、マネジメント能力を発揮できるよう、区長の在任期間を検討すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、雑がみのリサイクルについてです。
「紙も分けてる街って、いいよね。」をキャッチコピーに、札幌市は、新聞、雑誌、段ボールの主要古紙を2011年4月から雑がみとして排出することを禁止するために、2010年12月から2011年3月まで雑がみ分別キャンペーンを実施しています。資源循環社会を目指し、ごみの削減とリサイクルの促進を図るため、ごみの有料化と同時に始まった雑がみの行政回収により、市民が排出した雑がみは製紙原料やトイレットペーパー、ティッシュペーパーに生まれ変わっていると思っている市民も多いと思います。回収された雑がみのうち、古紙問屋組合が選別しているものは、製紙原料となる規格品として製紙工場に売却されています。一方、中沼の選別センターでは、これまで製紙原料には適さない規格外品として道栄紙業に売却され、高い処理技術能力によりトイレットペーパーなどにリサイクルされてきましたが、2010年10月以降の入札では株式会社札幌カンリサイクルが落札し、現在、本市の雑がみは中国に輸出されています。
そこで、質問の1点目は、雑がみに混入されている紙パックのリサイクルについてです。
牛乳パックに代表される紙パックは、新聞、雑誌、段ボールと同様に主要古紙に分類され、集団資源回収の受け入れ品目となっています。しかし、紙パックは、今回の雑がみ分別キャンペーンでは排出禁止の品目には入っていないため、4月以降も雑がみとして回収されます。環境局は、子ども向けの牛乳パック回収の手引を作成し、子どもたちにごみの減量や森林資源への負荷の軽減などを訴え、現在、市内の小学校の78%が学校給食の牛乳パックのリサイクルに取り組んでいます。また、全国に広がっている紙パック再利用運動は、本市においても市民運動として定着しています。リサイクル可能な紙パックを雑がみに混入させたまま中国に輸出している現状は、こうした取り組みとの整合性を欠くものです。
そこで、容器包装リサイクル法でリサイクルの対象に位置づけられている紙パックは、雑がみに混入したまま中国に輸出された後、どのようにリサイクルされているのか、伺います。
また、2011年4月以降、中沼の選別センターにおいては、主要古紙の混入がなくなり、選別作業の困難さが解消されるため、紙パックの抜き取りが可能と考えます。資源循環社会の実現に向け、主要古紙である紙パックは、雑がみとは別に選別し、リサイクルすべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の2点目は、雑がみ規格外品の売却及びリサイクルについてです。
スリムシティさっぽろ計画では、環境低負荷型の資源循環社会を目指し、市民・事業者・行政の協働によるごみ減量・リサイクルの取り組みを促進することが基本方針に盛り込まれています。環境への負荷やリサイクルに係るエネルギー節減を考慮すると、地域の資源を地域で再生利用することが大変重要です。また、現在、国内で集められた古紙の4分の1が輸出され、その8割以上が中国とも言われています。今後、中国においては、景気悪化や為替の影響により他国からの古紙の回収量の増加が見込まれ、日本を含む先進国の古紙は余剰となることから、今後も継続して古紙が海外に売却される保証はありません。このような状況を認識した上で、リサイクルを含めた資源循環のあり方を官と民の連携・協働で構築すべきです。
そこで、雑がみのリサイクルについては、単に高値で売却できるからといって安易に中国に輸出するのではなく、地元の企業で再資源化し、その製品に札幌市の雑がみが原料に使われていることを明記するとともに、公共施設で使用するなど、資源循環を市民に見える形でPRすることが重要と考えます。今後、雑がみの規格外品の売却に当たっては、こうした取り組みを行うことが、子どもを含めた市民の環境意識の醸成につながるだけではなく、域内処理として、また地域循環のモデルとして最も望ましいリサイクルだと考えますが、本市の見解を伺います。
次に、福祉政策についてです。
質問の一つ目は、乳幼児健康診査についてです。
乳幼児健康診査は、母子保健法で市町村に義務づけられており、4カ月、10カ月、1歳6カ月、3歳児の計4回、各区の保健センターで実施しています。健診では、小児科・歯科健診や予防接種を初め、栄養士、保健師、助産師などによる各種指導や相談支援、心理専門家による心理相談などをワンストップサービスで受けることができ、必要に応じて医療機関の紹介など、相談後の対応も充実しています。また、10カ月健診では、ボランティアによる絵本の読み聞かせを行い、ブックスタート事業との連動も図っています。身近な地域で相談相手がなく、小児科の医師にも相談しにくい悩みや不安などを、母親と同じ目線で寄り添い、話を聞き、訪問など丁寧な対応ができる乳幼児健診は、母子保健事業の中でも欠かすことのできないシステムです。
昨今、乳幼児健診を小児科医等に委託する自治体があります。しかし、一つの医療機関でこれまでと同様の健診を行うことは、専門以外の内容もあり、また、人的、時間的にも不可能であり、質の低下、受診率、相談率の低下や、未受診対策が十分に行われないことが懸念されます。また、利用者にとっても、健診や相談を別々に予約受診することになり、経済的な負担や兄弟を連れての受診など、利用者の負担が極めて大きくなることが容易に想定されます。
政令指定都市の2009年度乳幼児健康診査実施状況によると、すべての健診を委託で実施している北九州市とさいたま市の3歳児健診の受診率は他都市と比較すると低く、また、3歳児健診を委託と直営の両方で実施している浜松市においても、委託の受診率が84%に対し直営が96.5%と高く、全体的にも直営の方が受診率が高くなっています。また、厚生労働省の子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての第6次報告では、健診未受診者に虐待のハイリスク事例が多く、健診を委託している自治体では、委託医療機関からの情報が少なく、かつおくれがちであると報告されています。こうしたことから、直営で行う乳幼児健診の必要性や、ハイリスクの親子への直接的な支援を継続して行うことができる乳幼児健診が、虐待予防に大変重要であることがわかります。
そこで、1点目の質問です。
現在、札幌市においては、乳幼児健康診査はすべて直営の集団健診であり、100%に近い親子、家庭を、子どもの発達の節目の時期に把握し、支援できるという母子保健の根幹をなす事業としてさらなる充実が求められています。さまざまな育児不安を抱える母親に寄り添い、適切な支援を的確に行うだけではなく、児童虐待の予防や早期発見と早期介入のためにも欠かすことができないと考えますが、乳幼児健康診査の果たすべき役割と必要性について、あわせて、今後のあり方についてはどのようにお考えか、伺います。
2点目は、乳幼児健康診査における発達障がい児の早期発見、早期支援についてです。
2009年の厚生労働省の乳幼児健康診査に係る発達障がいのスクリーニングと早期支援に関する研究成果によりますと、多くの保育園、幼稚園に軽度発達障がい児とその疑いのある子どもが在籍し、子どもの保育、教育及び保護者への対応に多くの悩みを抱えている実態が明らかになっています。また、診断がつく前から保護者を早期に支援する必要性も指摘されています。広汎性発達障がい、PDDは、1歳6カ月健診で発見可能であり、注意欠陥多動性障がい、ADHDについては3歳児健診で発見可能であることも示されていますが、一方で、集団生活前の3歳児健診などの低年齢時期においては気づきにくいこともあり、近年、5歳児健康診査を行う自治体がふえています。また、発達障がいはコミュニケーションをとることが難しく、2次障がいとして不登校や引きこもりなどが指摘されています。このようなことからも、発達障がいの早期発見と早期支援の重要性は非常に高いと言えます。札幌市のように乳幼児健診と心理相談を同じ日に実施し、複数の専門職できめ細かに対応することが今後一層求められます。
そこで、質問です。
発達障がいの早期発見、早期支援のため、今後は高い受診率である乳幼児健診の集団健診という特性を生かし、健診前に心理相談員を含む多職種で見守る遊びの場を設け、同年代の子どもたちの遊びの様子から保護者の気づきを促し、相談につなげやすくするとともに、幼児期の後期以降に明らかになる発達障がいの情報提供や心理相談員を増員するなど、3歳児健康診査の強化を図ることが必要と考えますがいかがか、伺います。
あわせて、3歳児健康診査から小学校入学までの幼児期における、早期発見と支援のために欠かすことができない、各区保健センターで気軽に相談できる体制整備や、5歳児の健康診査や発達相談等についても、今後、早急に実施すべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の二つ目は、発達障がい児・者への一貫した総合的支援についてです。
札幌市においては、2005年度より発達障がい支援体制整備事業が進められ、09年度より発達障がい支援担当係の設置、2010年4月には札幌市発達障がい者支援施策体系等が取りまとめられるなど、LD、ADHDや高機能自閉症などさまざまな面で生きづらさを感じている当事者や家族への支援の輪が広がってきたことを評価するところです。
しかしながら、まだまだ障がい特性への理解は十分な社会環境にあるとは言えず、今後さらに障がい当事者に寄り添い、乳幼児期から成人期までライフステージに応じた一貫した支援体制の充実が急務です。
そこで、質問の1点目に、静療院児童部門の機能の拡充についてです。
静療院児童部門は、神経症等の精神医学的な治療を必要とする学齢児を専門に扱う小児特殊病棟と、ここに併設する自閉症児病棟のぞみ学園とあわせて、専門医療、療育等の中核施設として大きな役割を果たしてきました。しかし一方で、当部門は、政策医療分野の中でも特に採算性の低い分野であり、経済性の発揮が求められる公営企業としての努力には限界があり、単なる医療の提供にとどまらず、保健、福祉、教育と一体となって子どもの心の健康増進を図ることなどを目的に、一般行政病院化に向けた検討が行われてきたところです。今後は、これまでの児童精神医療の実績を踏まえ、さらなる機能の拡充が期待されます。
そこで、静療院児童部門においては、医療内容が障がい児福祉の分野にも重なることから、移管後の担当部署としては保健福祉局が適切と考えますが、今後どのような運営体制で臨むのか、伺います。
また、今後、これまでの児童精神医療分野の機能に加えて、障がい当事者や家族への地域生活支援の充実が求められていることから、児童部門は18歳以下の子どもを対象に児童心療センターとして改編し、具体的な取り組みを進めるべきと考えます。同センターにおいては、家庭や学校、各区保健センターや児童相談所、施設等への相談支援体制の整備、専門医療相談や研修、デイサービスの実施など児童部門の機能の拡充に向け、どのように取り組むお考えか、あわせて伺います。
2点目に、発達障がい支援体制の強化についてです。
この間、発達障がい児・者への支援を進める上で、目指すべき方向性を示したマスタープラン策定の必要性を主張してきました。今後、札幌市障がい福祉計画第2期の見直しの際、発達障がい支援計画を盛り込むとのことですが、これまでの札幌市発達障がい者支援関係機関連絡会議での議論をもとに、障がい当事者や家族、関係団体等の参加で全庁的に進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
また、静療院児童部門の再編等も含め、発達障がい支援体制整備の充実がますます重要であり、今後は、さらなる支援体制の強化に向けて、支援担当課の設置あるいは支援担当を増員するなど人員配置が不可欠と考えますがいかがか、伺います。
次に、子ども政策についてです。
質問の一つ目は、子ども・子育て新システムについてです。
2010年6月、国は、幼保一体化を含む子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を決定し、新たな保育制度の法案化を目指しています。新システムによって、すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会を実現するとしていますが、基本目標に掲げるべき児童福祉の理念、子どもの権利、保育の質等が示されていないことは問題です。現行の保育制度は、国や市町村の保育実施義務が明確に位置づけられ、最低基準により全国どの地域でもひとしく保育の質が保障され、保育料についても保護者の所得の格差が子どもたちの受ける保育の格差につながることのない応能負担を原則としています。しかし、新システムでは、自治体の保育実施義務を廃止し、認定業務とし、今の認可保育所の施設整備、運営の最低基準ではなく客観的基準による指定制が導入され、しかも、企業等の参入を積極的に促すため、指定基準を緩和し、運営費の他事業への流用を認めるなど、保育水準の大幅な低下が懸念されます。また、応益負担となるため、低所得者層の負担が増加し、保育サービスを利用したくても利用できないなど、子どもの保育や発達に重大な格差をもたらすことが危惧されます。
札幌市議会においては、2010年第1回定例議会で、子どもの権利を最優先に、国と地方自治体の責任のもと、充実した保育制度となるよう保育制度改革に関する意見書を全議員で採択し、国に提出しています。新システムは、子育ちの場を利益追求の場とするなど、現行制度の大幅な後退とともに、子どもの最善の利益と相反するものであり、さきの札幌市議会の意見書の趣旨とは逆行するものと言わざるを得ません。
そこで、質問です。
保育制度改革に当たって、国は、真に子どもの権利を尊重した子育てビジョンを示し、先進諸国に比べ著しく劣っている最低基準や、事業仕分けで指摘された保育士処遇の劣悪さ、OECD勧告の保育に対する公的支出を顧みる改革とすべきと考えますがいかがか、市長の認識を伺います。
また、現在、新システムに対して反対の意見書が、日本弁護士連合会を初め、保育園や幼稚園、保護者団体、また多くの自治体からも政府に提出されています。札幌市としても、2010年第1回定例議会で採択した保育制度改革に関する意見書の趣旨を踏まえ、子どもの権利を最優先に、国と地方自治体の責任のもと、充実した保育制度となるよう国に対して強く働きかけるべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
質問の二つ目は、ひとり親家庭、特に父子家庭への支援についてです。
近年、家庭観や家族機能の変化に伴い、家庭を取り巻く状況が大きく変わりつつあります。離婚等によるひとり親家庭が増加していますが、長引く経済不況や雇用状況の悪化に伴い、母子家庭だけではなく、父子家庭の多くも育児、教育、家事等の面で困難を抱え、経済的、精神的な悩みを抱えている状況が明らかになっています。
そうした中、2010年5月、改正児童扶養手当法が成立し、これまで母子家庭のみに支給されていた児童扶養手当が、同年8月、父子家庭にも支給されることになりました。児童扶養手当の支給額は、親と子1人の世帯では年間収入365万円未満で最大月額4万1,720円が支給されます。05年度の国勢調査によると、父親と子どものみの父子家庭は9万2,285世帯で、母子家庭の75万世帯と比べると、その数の少なさや所得差などにより、厚労省は母子家庭と比べ経済的余裕があるとの理由から、これまで父子家庭への支援を十分に行ってきませんでした。父子家庭においては、残業、早出、単身赴任などが難しく、独立、退職せざるを得ないなどから収入が低下する場合が多く、2006年度の全国母子世帯調査結果報告では、年収300万円を下回る父子家庭が全体の約37%を占めており、100万円未満世帯は4.3%となっています。ひとり親家庭の相対的貧困率は高く、次世代へ貧困の連鎖を断ち切るためにも、各世代や実情に合った支援策が必要です。
2010年度12月現在、札幌市の父子家庭の児童扶養手当の受給件数は676世帯、児童数1,045人となり、05年度国勢調査の父子家庭1,508世帯の半分近くを占め、リストラ、収入の減少などによる父子家庭の厳しい現状が浮き彫りになりました。父子家庭への児童扶養手当の支給は、子どもたちが安心して暮らせる環境づくりに一歩前進しましたが、就労や貸付金などの行政支援は母子家庭と比べて手薄です。また、母子家庭とは違った課題もあり、例えば、子どもが幼く、周りに援助してくれる祖父母などがいない場合、料理や裁縫などが困難なことや、地域の中で孤立しやすく、相談窓口などさまざまな支援の情報が不足しています。また、父子家庭に対する固定的性別役割分担意識の解消に向けた広報啓発活動を進めることも重要です。ひとり親支援は、男女を問わず平等になされなければならず、さらなる支援策が必要です。
そこで、質問です。
新たに父子家庭への児童扶養手当の支給が始まりましたが、父子家庭、特に子どもへのきめ細かな支援を行うためには、実情に合った支援策が不可欠なことから、父子家庭への実態調査を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
また、本市のひとり親家庭への支援策については、母子家庭支援の拡充とともに、父子家庭のニーズに対応できるような家事支援、相談窓口体制などの充実やさまざまな支援をどのように行っていくのか、本市の見解を伺います。
最後に、女性政策についてです。
今を生きるだれもが性別にかかわらず対等の人として認め合い、それぞれの力を発揮することができる社会の実現を目指して、1999年、男女共同参画社会基本法が制定されました。しかし、2009年8月の国連女性差別撤廃委員会最終報告は、日本における女性の置かれた状況の改善が進んでいないことを指摘しています。
このような中、国は、昨年12月、政策決定の場への女性の登用割合の向上や、雇用の場における男女平等はもとより、男性や子どもにとっての男女共同参画、女性に対するあらゆる暴力の根絶や、高齢者、障がい者、マイノリティーの女性や性的少数者への配慮を盛り込んだ実効性のあるアクションプランとして、第3次男女共同参画基本計画を策定しました。
本市も、この間、07年策定の札幌市男女共同参画第2次プランに沿ってさまざまな取り組みを進めていますが、例えば、2009年度男女共同参画に関する企業の意識調査では、女性に対するポジティブアクションに特に配慮していないとする企業の割合は52.2%となっており、04年度調査の50.2%と比較しても一向に好転していない現状です。また、配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は、対策を開始した05年以降、増加を続け、昨年度は1,227件となっています。しかし、内閣府が08年に公表した男女間における暴力に関する調査によると、結婚したことのある女性の約33%が配偶者から暴力を受けており、その13.3%が命の危険を感じたと答えています。これは、女性の約20人に1人に当たることから、本市のDV相談件数はいまだ氷山の一角と言えます。
そこで、質問の1点目です。
本市は、2011年度より第3次男女共同参画プラン策定に取り組むとしていますが、国の第3次男女共同参画基本計画に沿い、本市の男女平等に関する現状をあらゆる角度から調査するなど、全庁的な連携とともに、さまざまな立場の市民の参画のもと、策定されるべきと考えますがいかがか、伺います。
また、本市は、男女共同参画プラン改定に向け、どのようなことを重点分野に位置づけ、どのような方法で市民議論を重ね、取り組んでいくおつもりか、あわせて伺います。
また、さきの内閣府の調査は、配偶者暴力のほか、さまざまな暴力の現状についての実態を報告しています。特に、性被害に関しては、被害経験のある人が7.3%、そのうち、恥ずかしくてだれにも言えない、思い出したくないとの理由からどこにも相談しなかった人が6割となっており、今後必要な仕組みとして、被害者が早期に相談できるよう身近な相談窓口をふやすことや、学校、大学で児童生徒、学生に対し暴力を防止するための教育を行うこと、暴力を振るった人に対し、二度と繰り返さないための教育を行うこと等が重要です。
この間、市民ネットワークは、女性医師を中心に教育関係者や行政関係者、子ども支援を実践する市民など多様な人で構成される10代の性の健康に関する活動の立ち上げにかかわり、性暴力被害者救済を目的に、医療、司法、警察、自立支援等に関して1カ所で受けとめることのできるワンストップセンター設置の必要性を主張してきました。ワンストップセンターは、既にカナダやイギリス、韓国などで設置が進んでおり、国内においても、昨年、大阪や愛知で取り組みが始まっています。現在、道内でも、北海道警察が医療機関へ協力を呼びかけ、その実現可能性を模索していると聞いており、一日も早い設置が期待されます。
そこで、2点目の質問ですが、本市は、国や警察、北海道、周辺自治体、医療機関及び市民団体等との連携のもと、性暴力被害者の救済機関であるワンストップ支援センター設置へ向け積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
また、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けての取り組みを早急に進めるべきと考えますが、今後どのように取り組むおつもりか、あわせて伺います。
以上で、私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(宮村素子) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 7項目ご質問がございましたので、前半の3項目について、私が答弁をさせていただきます。その余は、担当副市長に答弁をさせます。
最初に、食産業の振興についてということであります。
1点目の食の安心・安全についてでありますが、札幌市といたしましては、これまで以上に食品のチェック体制の充実を図るほかに、事業者によります安全確保の自主的な取り組みについて積極的にこれを支え、促進してまいるつもりでございます。また、市民の皆様方にも消費者の視点から情報提供をしていただくなど、食の安全確保に関しまして主体的な役割を担っていただき、市民、事業者、そして札幌市、行政が連携・協働して総合的に施策を進めてまいりたい、このような考え方を持っております。今後とも、市民の皆様方からの意見等を十分に聞きながら、条例の必要性も含めまして、より積極的、効果的な施策について検討してまいりたいと考えているところでございます。
2点目の食の6次産業化についてでございますが、農商工連携ファンドの創設だとか、あるいは、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の実現に向けての取り組みに加えまして、来年度は、道内の1次生産者と市内の製造業者のマッチング事業を新たに実施いたしますほか、製造業者と卸売業者とを結びつけます商談会を全道に拡大して実施していく予定でございます。また、市民に対する情報提供は、
自治基本条例の視点からも重要でありますので、食に関するウェブサイトの活用などによりまして積極的に周知をしてまいりたいと考えているところでございます。
3点目の札幌らしい都市型農業の振興について、一括してお答えをいたします。
札幌の農業については、担い手不足というものが最大の課題となっておりますので、意欲ある人材の農業への参入を図り、地域の特性を生かした多様な農業を推進してまいります。これによりまして、新鮮で安心・安全な農作物の供給を進め、さらに、市民と農業の触れ合いの場を提供するなど、市民から期待される都市型農業を振興いたしますアクションプランというものを検討してまいります。策定に当たりましては、都市農業フォーラムの開催など、あらゆる機会を通じて、生産者はもとより、女性や若者など幅広く市民の声を反映させていくことが大切だと考えているところであります。
若年層の就労支援についてお尋ねでございます。
まず、就労支援の今後の取り組みについてでありますが、厳しい雇用情勢から来年度においても就労支援の拡充を図る必要があると認識をしておりまして、ジョブスタートプログラム事業において、当初予算で、新卒者、そして若年者を合わせた対象者を355人に拡大いたしまして、これを実施いたします。また、若年層職場定着支援事業においては、職場定着率の向上に必要な仲間づくりを強化する宿泊研修、これが一番いいようでございますので、宿泊研修を新たに実施するほか、若年層就労促進事業において、当該企業への就職を前提とした試験的な就労を組み込んだコースを新設したいと考えております。
次に、新卒者、新規学卒未就職者に対するさらなる支援策についてでありますが、これまでの取り組みを踏まえまして、求職者に必要な能力の開発や企業の採用意欲というものを喚起する事業など、より効果が高く、雇用の創出が見込める施策について積極的に検討してまいりたいと考えているところであります。
次に、区役所の機能強化と権限の拡大についてお尋ねでございます。
まず、1点目の各区の地域ビジョンの策定についてでありますが、区のまちづくりにおいて、地域の課題や特性を踏まえ、区民の皆さんが議論を深める中で、地域のあるべき姿をビジョンとしてまとめることは、みずから考え、行動するまちづくりの手法の一つとして極めて重要であると考えております。現在、各区で設置を進めております区民協議会においては、それぞれで定めたテーマや課題に沿ってさまざまな取り組みを進めておりまして、区によっては、まちづくりの活動方針あるいは重点取り組み課題といったものを設定いたしまして、これに沿って事業を実施しているところもございますので、今後もこのような取り組みをしっかりと支えてまいりたい、このように考えているところであります。
2点目の区役所の権限の拡大につきましては、これまで区の予算要望システムの見直しや元気なまちづくり支援事業の充実などによりまして、それぞれの地域課題に応じた取り組みを行える仕組みを整えてきたところであります。今後も、予算の執行などにおいて、各区の実情に合わせたより柔軟な対応ができるように引き続き検討をしてまいりたいと考えているところであります。
また、区長の在任期間につきましては、適材適所ということもございまして、そのような人事異動の中で考慮すべきものと考えておりまして、組織や権限についての検討ともあわせながら、今後とも区長のマネジメント機能といったものが十分に発揮されるように配慮してまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(宮村素子) 中田副市長。
◎副市長(中田博幸) 私から、2項目についてお答えいたします。
まず、雑がみのリサイクルについてでございます。
1点目の紙パックのリサイクルのうち、雑がみに混入されている紙パックのリサイクルについてでございますが、落札業者からは、雑がみ規格外品は菓子箱などに使われる白板紙の原料用として使用されているという報告を受けております。
次に、紙パックを雑がみとは別に選別してリサイクルすることについてですが、排出ルール変更後におけます雑がみの組成や選別センターの処理能力、さらには、処理経費や選別後の売却価格などを見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
2点目の雑がみリサイクルの地域循環についてであります。
資源循環型社会の構築に当たりまして、地域循環は重要な視点の一つであると認識しておりますが、製紙業界においては、古紙はパルプと同様に原料として国際取引の対象となっており、札幌市の古紙売り払いにつきましても、リスク回避のための販売ルートの多様性や売却収入などの観点から国際市場も視野に入れるべきと考えております。
次に、女性政策についてお答えいたします。
1点目の男女共同参画さっぽろプランの改定につきましては、国の第3次基本計画で強調している女性の活躍による経済社会の活性化という視点などを踏まえまして、さまざまな場面で女性が十分に能力を発揮できるような環境整備を積極的に進めることが、新たなプランの重点課題の一つと認識しております。プランの改定に当たりましては、来年度に実施いたします男女共同参画に関する市民意識調査の結果などから札幌市の現状を分析いたしますとともに、公募の委員を含む男女共同参画審議会での議論を初め、インターネットによる意見募集や関係団体との意見交換会等を実施することにより、可能な限り幅広い市民の意見をお聞きして検討を進めてまいりたいと考えております。
なお、改定時期は、現在の第2次プランの最終年度であります平成24年度中を予定しております。
2点目の性暴力被害者のワンストップ支援センターについてでありますが、心身ともに傷ついた性暴力被害者が被害直後から医療やカウンセリングなどさまざまな支援を受けられる体制を整えることは、被害からの早期回復のためにも重要なことと考えております。大阪府や愛知県の民間病院に開設されたワンストップ支援センターの状況を把握しながら、警察や北海道などの動向に合わせて札幌市も連携協力をしてまいりたいと考えております。
また、女性に対するあらゆる暴力の根絶に向けては、今後もDV被害者支援の充実に努めますほか、性暴力被害相談を実施するなど新たな取り組みも行ってまいります。
以上でございます。
○副議長(宮村素子) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、2項目につきましてお答えをいたします。
まず、福祉政策についてであります。
1点目の乳幼児健康診査についてお答えをいたします。
まず、乳幼児健康診査の果たすべき役割、必要性と今後のあり方についてでありますが、母子保健法に基づく乳幼児健康診査は、子どもの疾病や障がいを早期に発見し、治療や療育に結びつけることにとどまらず、育児不安の解消や育児力の向上、さらには、児童虐待の予防などを図る上で有効な機会の一つであると認識しております。現在、乳幼児健康診査を含めた母子保健事業のあり方については、庁内関係部局による検討を行っているところであり、今後は、妊娠届から始まるさまざまな母子保健情報を一元的に集約するシステムの構築を図るとともに、支援を必要とする親子の早期把握に努め、切れ目のない母子保健サービスを提供してまいりたいと考えております。
次に、発達障がい児の早期発見、早期支援についてでありますが、3歳児健康診査の強化、5歳児健康診査を含めた3歳以降の体制整備につきましては、母子保健事業の将来的なあり方を検討する中で札幌市としての方向性を見出してまいりたいと考えております。
次に、2点目の発達障がい児・者への一貫した総合的支援についてお答えをいたします。
一つ目の静療院児童部門の機能の拡充について、まず、今後の運営体制についてでありますが、発達障がい児を初めとする障がい児に対する支援につきましては、医療、福祉、療育等の各分野が十分な連携を図る必要があると認識しております。こうした観点から、保健福祉局を静療院児童部門の新たな所管部局とすることを念頭に、医療・療育部門などを合わせた一体的な障がい児施策の運営体制について検討を進めているところでございます。
次に、機能の拡充に向けた取り組みについてでありますが、相談支援体制や職員研修の拡充などに向け、現在、議論を行っているところであります。
二つ目の発達障がい支援体制の強化についてでありますが、今後、障がい当事者やご家族を含めた議論を一層深め、関係各局とも連携を図りながら、新たな支援手法の開発等について検討してまいりたいと考えております。
また、組織体制についてでありますが、当面は現行体制をベースに、組織内連携や業務効率化によりさまざまな支援の取り組みを強化してまいりたいと考えております。
次に、子ども政策についてお答えをいたします。
1点目の子ども・子育て新システムについてですが、国では、子どもの権利条約を踏まえた子ども・子育てビジョンを閣議決定しており、これを受けた新システムの検討の中では、職員の配置基準や処遇の改善のほか、子育て関連財源の一元化などが含まれていることから、議員ご指摘の課題も視野に入れた対策と認識をしております。特に、影響が大きいと思われる幼保一体給付に関しては、札幌市では、指定都市市長会として、地方の意見を十分に聴取し、反映させること、適切かつ十分な財源を確保することなどを国に要請したところです。今後も、札幌市議会で採択をされました意見書の趣旨も十分に踏まえながら検討状況を注視し、他の政令指定都市と連携して、逐次、要請を行ってまいりたいと考えております。
次に、2点目のひとり親家庭への支援についてお答えをいたします。
まず、父子家庭の実態調査についてですが、平成23年度に父子家庭を含めたひとり親家庭の全国調査が行われることから、この調査に札幌市独自の項目を加え、実態及びニーズを把握したいと考えております。
次に、ひとり親家庭への支援の充実についてですが、札幌市では平成24年度に第3次母子家庭等自立促進計画を策定することとしており、その策定に当たりましては、先ほどの実態調査の結果を踏まえ、母子家庭や寡婦のみならず、特に父子家庭に対する具体的な支援の拡大を図り、ひとり親家庭全体の自立促進計画となるよう検討してまいります。
以上であります。
○副議長(宮村素子) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月17日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(宮村素子) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(宮村素子) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後5時38分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 福 士 勝
副議長 宮 村 素 子
署名議員 村 山 秀 哉
署名議員 涌 井 国 夫...