さらに、厳しい
経済・
雇用環境への対応は最大の課題であることから、国の
雇用対策事業の活用に加えて、
特別養護老人ホームや
保育所の整備など継続的な
雇用創出効果が見込まれる
事業を積極的に計上したほか、
中小企業向け融資制度の充実を図ることといたしております。また、
普通建設事業につきましては、改築・
改修事業に力点を置きながら、
平成22年度と比較して38億円増の705億円を計上するとともに、後ほどご説明いたします
平成22年度
補正予算でも44億円の
事業を追加し、
地元中小企業の
受注機会を間断なく確保することに努めたところであります。
また、このような厳しい状況のもと、今日まで取り組んでまいりました
行財政改革について歩みをとめることなく、
事務的経費の
見直しや
行政評価制度を活用した
事業の
見直しによる
歳出削減等を進めた結果、全体で127億円の効果を見込んでおります。
これらの結果、
平成23年度の各
会計の
予算規模といたしましては、
一般会計では8,464億円で、
平成22年度
予算と比較いたしまして2.9%の増となり、また、
公債会計を除いた
特別会計、
企業会計を合わせた合計では1兆4,198億6,000万円となり、2.2%の増となるものであります。
次に、
議案第1号から第15号までの各
会計予算につきまして、その主な事項の内容を施政方針さっぽ
ろ元気ビジョン第2ステージに掲げる
施策体系に沿いましてご説明申し上げます。
第1点目は、
子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街の実現に向けた施策であります。
まず、
子どもを生み育てやすい
環境づくりについてでありますが、仕事と
子育てを両立できるよう、これまでも積極的に取り組んでまいりました
保育所定員の拡大につきましては、
市立幼稚園跡施設の活用による
認定こども園の整備によるものも合わせまして、新年度は新たに1,300人分を確保いたします。また、
児童会館や
ミニ児童会館、民間の
児童育成会において実施しております
放課後児童クラブにつきまして、
対象学年を現行の3年生までというものから4年生までへと拡大するとともに、
子どもの健やかな育ちを
支援するための
子ども手当につきましては、3歳未満の
子どもに係る
支給額を増額いたします。
次に、未来を担う
子どもが健やかに育つ環境の充実につきましては、
私立幼稚園の
特別支援教育体制の整備に対する助成や、
小・中学校における学びのサポーターの配置の拡大に取り組むとともに、老朽化した
小・中学校の改築や
児童生徒数の増加などに伴う増築を計画的に進めてまいります。また、小学5年生を対象とした芸術の森における美術の
体験学習を市内の全小学校に拡大して実施するほか、従来から
札幌市と
ノボシビルスク市との間で行われてまいりました
子どもたちの
交流事業につきまして、昨年、新たに
姉妹都市となりました
大田広域市と
ノボシビルスク市は、従前からも
姉妹都市であったこともございまして両都市で同様の
事業を行っておりましたことから、
大田広域市を加えた3市の
子どもたちによる
交流事業として新たに充実した形で実施をいたします。
第2点目は、主体的な活動が生まれ、
経済の活力みなぎる街の実現に向けた施策であります。
まず、
市民の主体的な
地域づくりの
支援についてでありますが、
地域活動の拠点となります
まちづくりセンターについて、
自主運営化をさらに推し進めるとともに、
平岸まちづくりセンター及び
平岸会館を改築いたします。また、
札幌星園高等学校跡施設について、
市民活動を
支援する施設に改修するほか、
白石区役所などの
移転改築に係る
基本計画を策定いたします。
次に、
札幌の
経済を支える
企業・人の
支援につきましては、市内の
経済成長を牽引する食、環境、観光、健康・
福祉関連分野の振興を図るため、
中小企業に対する新たな
融資制度を創設するとともに、
商店街の再生や
まちづくり会社が行う
都心部の
にぎわいづくりを積極的に
支援をいたします。また、
成長分野における
雇用創出と
人材育成を目的とした国の
重点分野雇用創造事業などの活用によりまして、新卒未
就職者や
若年求職者の
人材育成プログラムなどを含めて1,160人の
雇用機会を確保するほか、
若年者の就労と
職場定着を促進するための研修などを実施いたします。
次に、
札幌らしい新産業の育成と
企業の誘致につきましては、IT、バイオ、コンテンツなど新
産業関連の
企業や
ものづくり企業の誘致に引き続き積極的に取り組むとともに、市内の
企業と道内の
農水産業者との協業の促進などを通じまして、
道内市町村と連携しながら
地域経済の底上げを図ることとしております。
また、地下鉄でご利用いただいております
ICカード乗車券SAPICAについて、
区役所窓口での
証明手数料や一部の
公共施設での
使用料の支払いでも利用できるようにいたしまして
行政分野での活用を図るとともに、市内のバス及び市電でもご利用いただけるように、
事業者と
軌道事業会計に対する補助を行います。
第3点目は、
高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街の実現に向けた施策であります。
まず、
高齢者の
地域生活支援の充実につきましては、
特別養護老人ホームの整備について補助を行い、218人の
定員増を図るとともに、災害時に手助けが必要となる方への
支援の
仕組みづくりを
連合町内会や福祉の
まちづくりセンターなどを核として進めてまいります。
次に、障がい者の
自立支援の促進につきましては、新たに障がい者を対象とした
消費者被害の
防止対策に取り組むほか、障がい
福祉施設などでつくられた製品を取り扱う
元気ショップの
販売体制の強化をいたします。また、公園の出入り口の
段差解消や身体障がい者などにも配慮したトイレの改修などに取り組むほか、歩道の
バリアフリー化につきましては、
平成22年度と同程度の
事業量を確保して
重点地区における整備を進めてまいります。
第4点目は、安全・安心で、人と環境にやさしい街の実現に向けた施策であります。
まず、水とみどりの保全・育成と創出につきましては、地域主体の花壇づくりへの
支援や、
市民や
企業との協働による植樹などを引き続き実施するほか、
創成川公園の完成に合わせて大通周辺を花と緑で彩ります。
次に、地球環境問題への対応と循環型社会の構築につきましては、環境首都・
札幌を目指して、
公共施設における新エネルギー・省エネルギー機器の導入を積極的に進めるほか、
市民向けの機器の導入費の補助につきましても引き続き力を入れて取り組みます。また、円山動物園におきましては、動物の生息環境の多様さがよくわかる展示を行いますアジア館の建設に着手をいたします。
次に、日常の身近な暮らしの安心の確保につきましては、大規模食中毒を想定した机上模擬訓練や、
子どもを対象とした食品衛生監視員の体験などを実施いたしまして、食の安全と信頼の確保に取り組むほか、災害発生時の迅速で的確な対応を維持するため、消防救急無線のデジタル化や老朽化した消防指令システムの更新を行います。
次に、災害に強い安全な
まちの整備につきましては、障がい
福祉施設や認知症
高齢者グループホームへのスプリンクラーの設置に対する補助などをさらに進めるとともに、民間の木造住宅や社会
福祉施設などにおける耐震化の取り組みへの
支援を行って、災害への備えを促進いたします。
第5点目は、文化の薫る、都市の魅力が輝き、にぎわう街の実現に向けた施策でございます。
まず、
札幌の特色を活かした文化芸術の振興につきましては、貴重な文化財の保全と活用を図るために、豊平館の改修に係る基本設計に着手するほか、アイヌの伝統文化や工芸品のPRを行い、先住民族への
市民理解の促進に努めてまいります。
次に、スポーツを楽しむ環境の充実と健康づくりの推進につきましては、年齢を問わず楽しめるカーリングの通年型専用施設の建設に着手するほか、
札幌ドームの保全計画を策定いたしまして、将来的な保全、改修に備えます。
次に、将来を見据えた魅力ある都市の整備につきましては、500メートル美術館の常設化や
札幌駅前通地下広場の活用によりまして新たな
にぎわいづくりを進めるほか、
創成川公園の完成を記念いたしまして、市内中心部において安田 侃氏の野外彫刻展を民間からの協賛を得て開催いたします。
次に、新たな集客交流資源の創出と魅力の発信につきましては、
札幌の持つ魅力を国内外へ発信し、さらなる集客と産業の活性化を図るために、シティプロモートに関連する
事業を
平成22年度に引き続き実施するとともに、
平成23年12月のオープンに向けて藻岩山の再整備を進めてまいります。
続きまして、歳入の主なものにつきましてご説明を申し上げます。
まず、歳入の根幹であります市税でありますが、景気の低迷により個人
市民税の減が引き続き予想されるものの、法人の
業績回復によります法人
市民税の増が期待できることから、
市民税総体といたしましては増加することを見込み、
平成22年度と比較いたしまして37億円増の2,754億円を計上しております。
次に、
地方交付税につきましては、全国総額の増を踏まえまして、
平成22年度と比較して114億円増の1,021億円と見込んでおりましたが、当初
予算には991億円を計上し、残余は肉づけ補正等の財源として留保いたしました。
なお、臨時財政対策債との合計では、
平成22年度と比較いたしまして30億円増の1,422億円を計上しております。
次に、市債につきましては、臨時財政対策債の全国総額の減などによりまして、
平成22年度と比較して18億円減の763億円と見込んでおります。これは、さらなる少子高齢化社会に備えて財政規律を保つ必要があることから、7年連続で市債の発行額を元金償還額の範囲内にとどめ、
市債残高の抑制を図ることとしたものであります。
その他の歳入につきましても可能な限り計上しているところでありますが、なお不足する財源を補てんするために、財政調整基金を22億円取り崩すこととしております。
次に、特別
会計予算についてでありますが、国民健康保険
会計につきましては、被保険者の増加などに伴う療養給付費の増などが見込まれますことから、
平成22年度と比較して76億7,600万円増の1,946億2,900万円を計上しております。また、介護保険
会計につきましては、サービス利用者の増加などに伴う保険給付費の増が見込まれますことから、
平成22年度と比較して55億1,900万円増の1,040億7,500万円を計上しているところであります。
次に、
企業会計予算につきましては、
病院事業会計において精神科病棟の増築を行うほか、高速電車
事業会計においては南北線のホームさく設置工事とワンマン化のための車両改良などを行います。また、水道
事業会計及び下水道
事業会計におきましては、暮らしの安全・安心の確保に向けて、施設の耐震化や管路の整備を進めることとしているところであります。
以上で、
平成23年度各
会計予算の説明を終わります。
次に、各
会計の
予算及び
補正予算以外の一般
議案につきましてご説明を申し上げます。
まず、
議案第17号は、
札幌市
特別職の職員の給与に関する
条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、病院局を取り巻く社会情勢の変化等を踏まえまして、医師であります
病院事業管理者に対し、初任給調整手当を支給することとするなどの改正を行うものであります。
次に、
議案第18号は、
札幌市
特別会計条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、
平成20年4月に老人保健制度にかわりまして後期
高齢者医療制度が創設され、その際に、設置が義務づけられました老人保健医療に係る
特別会計の設置義務期間が
平成22年度末で終了することなどから、老人医療
会計を廃止するものであります。
次に、
議案第19号は、
札幌市
病院事業の
設置等に関する
条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、市立
札幌病院の経営の効率化を図る目的で策定いたしました市立
札幌病院新パワーアッププランにおいて、病床利用率の実態に応じ、一般病床数の削減に取り組むことが掲げられていることなどを踏まえまして、市立
札幌病院の一般病床数を810床から764床へ46床削減するものであります。
次に、
議案第20号
札幌市
若者支援施設条例の一部を改正する
条例案は、耐震性能が不足をしており、老朽化も進んでいる中央若者活動センターを
平成23年3月末をもって廃止するものであります。
次に、
議案第25号
包括外部監査契約締結の件は、
平成23年度において地方自治法の規定に基づく包括外部監査を実施するに当たり、公認
会計士であります坂野健弥氏との包括外部監査契約を締結するものであります。
坂野健弥氏は、昭和60年に公認
会計士に登録され、現在、日本公認
会計士協会公
会計委員会委員をされている方で、公認
会計士として実務経験が豊富であることから、地方公共団体の財務管理、
事業の経営管理、その他行政運営に関し、すぐれた識見を有していると認められ、包括外部監査人として適任と考えたものであります。
次に、
議案第27号
札幌市
廃棄物の減量及び処理に関する
条例の一部を改正する
条例案は、
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正に伴い、同法に基づく
廃棄物処理施設の定期検査等に係る手続が新設されましたことから、この事務に係る手数料の額を新たに定めるものであります。
なお、以上説明いたしました
議案以外の一般
議案の内容につきましては、いずれも
議案末尾に記載の理由によりましてご了解いただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
また、報告第1号から第4号までは、訴えの提起、和解、調停及び工事請負契約金額の変更に係る専決処分の報告であります。
次に、
議案第30号から第35号までは、
平成22年度
予算の補正に関する
議案であります。
初めに、
議案第30号は、
平成22年度
札幌市
一般会計補正予算であります。
歳入歳出
予算の補正項目の第1は、依然として厳しい
経済・
雇用情勢に対応するために、
地域経済対策を講ずるものであります。これは、国の新成長戦略実現に向けた
経済対策のうち、昨年11月に成立した緊急総合
経済対策に係る交付金に加え、独自に財源措置を行うことにより、
地元中小企業の
受注機会の拡大に資する市有施設の整備等を行うものであります。具体的には、
小・中学校の耐震改修、道路、橋梁の整備、補修、公園の整備、市営住宅の修繕などに係る経費を計上するとともに、DV、自殺予防対策の体制強化や
小・中学校と中央図書館等の図書の充実、さらには、地域密着型
特別養護老人ホームの新築費の補助の充実等を図ります。
補正項目の第2は、年度内に新たに
予算措置が必要となった経費を追加するものでありまして、受給者の増などによりまして不足が生じる見込みとなりました
生活保護費や障がい者への介護給付・訓練等給付費に加えまして、医療助成や
私立幼稚園就園奨励に係る経費などを計上しているものであります。そのほか、保険給付費に不足が生じる見込みとなりました介護保険
会計と、保険料軽減世帯の増により不足が生じる見込みとなりました国民健康保険
会計への繰出金を、それぞれ追加するものであります。
また、今後、本格化する市有施設の更新などに備えるために
まちづくり推進基金に積み立てを行うほか、白石
清掃工場建設工事談合に係る和解金につきまして、談合がなければ借り入れる必要がなかった市債の償還分を、今後の償還に備え減債基金に積み立て、残余を
まちづくり推進基金に積み立てるものであります。
以上によりまして、
一般会計歳入歳出
予算の補正総額は195億9,138万1,000円となり、この財源といたしましては、国庫支出金等の特定財源80億4,468万3,000円を充て、差し引き115億4,669万8,000円の一般財源につきましては、
地方交付税を充てるほか、増収が見込まれます法人
市民税と、国から発行限度額の内示のございました臨時財政対策債を限度額まで発行することにより措置をし、将来の財政需要に備え、財政調整基金の取り崩しを行わないこととするものであります。
次に、繰越明許費の補正でありますが、これらは、さきにご説明いたしました国の
予算に関連する
事業のほか、
事業の進捗のおくれなどによりまして年度内の執行が困難と予想される
事業につきまして、
事業費の全部または一部を翌年度に繰り越すために設定するものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、
平成23年度分として、
札幌駅前通地下歩行空間の清掃、警備等について、早期の契約が必要なことから債務負担行為を設定するほか、工事の早期発注により
中小企業などの
受注機会の確保及び
事業執行の平準化を図る観点から、道路新設改良
事業の一部などの公共
事業の債務負担行為を設定するものであります。
また、
平成24年度分として、工期が複数年にわたることが見込まれます
小・中学校の耐震改修の一部に債務負担行為を設定するものでございます。
次に、
議案第31号
平成22年度
札幌市
土地区画整理会計補正予算は、東雁来第2地区土地区画整理
事業の補償物件の移転作業のおくれに伴いまして、年度内の執行が困難と予想される
事業費の一部につきまして繰越明許費を設定するものであります。
次に、
議案第32号
平成22年度
札幌市
国民健康保険会計補正予算は、過年度に国及び道から交付をされました負担金等について、超過して受領した分を返還する必要が生じたために、所要の返還金の追加などを行うものであります。
次に、
議案第33号
平成22年度
札幌市
介護保険会計補正予算は、不足が生じる見込みとなった保険給付費の追加を行うものであります。
次に、
議案第34号
平成22年度
札幌市
公債会計補正予算は、このたびの
一般会計の補正及び次にご説明いたします下水道
事業会計の補正に伴う市債の整理を行うものであります。
最後に、
議案第35号
平成22年度
札幌市
下水道事業会計補正予算は、国の緊急総合
経済対策に関連して、新たな国庫交付金の内示を得た水再生プラザの整備等に係る経費を計上するものであります。また、管路布設等
事業の一部につきまして、工事の早期発注により
事業執行の平準化を図る必要性があることなどから、債務負担行為を設定するものであります。
以上で、ただいま上程をされました各案件について説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
福士勝) お諮りします。
ただいま説明のありました
議案35件につきましては、議事の都合上、その議事を延期したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
福士勝) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○議長(
福士勝) ここで、報告します。
本日、井上ひさ子議員及び松浦 忠議員から、会議規則第62条第1項の規定による文書質問が提出されました。
これに基づき、お手元に配付のとおり、文書質問を送付いたしますので、理事者におかれましては、両質問とも2月15日までに答弁書を提出されるよう求めます。
〔文書質問送付書は
巻末資料に掲載〕
――
――――――――――――――――
○議長(
福士勝) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月11日から2月14日までは
議案調査等のため休会とし、2月15日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
福士勝) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○議長(
福士勝) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――
散 会 午後1時44分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 福 士 勝
署名議員 細 川 正 人
署名議員 谷 沢 俊 一...