札幌市議会 2010-10-19
平成22年第一部決算特別委員会−10月19日-06号
平成22年第一部
決算特別委員会−10月19日-06号平成22年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第6号)
平成22年(2010年)10月19日(火曜日)
――
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 31人(欠は欠席者)
委 員 長 長 内 直 也 副委員長 伊 藤 理智子
委 員 湊 谷 隆 委 員 川口谷 正
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 小 野 正 美
委 員 恩 村 一 郎 委 員 桑 原 透
委 員 峯 廻 紀 昌 欠 委 員 佐 藤 右 司
委 員 しのだ 江里子 委 員 小 川 直 人
委 員 武 市 憲 一 委 員 笹 出 昭 夫
委 員 馬 場 泰 年 委 員 勝 木 勇 人
委 員 近 藤 和 雄 委 員 村 山 秀 哉
委 員 横 山 峰 子 委 員 佐々木 みつこ
委 員 飯 島 弘 之 委 員 本 郷 俊 史
委 員 高 橋 功 委 員 芦 原 進
委 員 阿知良 寛 美 委 員 福 田 浩太郎
委 員 宮 川 潤 委 員 村 上 仁
委 員 坂 ひろみ 委 員 伊 藤 牧 子
委 員 宮 本 吉 人 委 員 堀 川 素 人
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開 議 午前10時1分
○長内直也 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項ですが、
佐藤右司委員からは欠席する旨、恩村委員からは遅参する旨、届け出がありました。
それでは、議事に入ります。
第9款 教育費 第1項
教育委員会費から第9項 生涯学習費までについて、一括して質疑を行います。
◆
横山峰子 委員 私は、
学校給食費の未納問題と
学校選択制について質問させていただきます。
まず最初に、
学校給食費の未納問題について質問いたします。
学校給食は、
子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食生活を身につけるためにとても大切な役割を持っており、平成20年度において、
学校給食費収納総額は実に年間61億6,000万円にも上ります。そして、言うまでもなく、この金額は保護者の負担する給食費によって賄われております。
しかし、ここ10年間ほどの未納額と未納率の推移を見てみますと、ピークは平成11年度と12年度の2カ年度であり、それぞれ未納額は9,100万円、未納率1.40%と、未納額9,000万円、未納率1.41%でありました。このため、札幌市では、給食費の未納の解消に向けて、平成16年度からは、
生活保護費を支給する際に、給食費分を各学校の口座に直接振り込む方法をとり、未納額、
未納率ともに減少しておりましたが、平成18年度あたりからまた増加傾向に転じております。平成20年度では、未納額が7,300万円、未納率が1.18%という状況になっております。さらには、この7,300万円という数字は単年度の数字であり、つまり、時効分や次年度に一部収入があった分を考慮しても10年間分では61億円を超える金額となります。このような莫大な金額になっていることを
教育委員会には認識していただきたいと思いますし、単年度の未納額は若干減ってきているとはいえ、毎年毎年、これだけ多額の給食費が未納になっていることは、まじめに給食費を納めている
子どもたちの給食費から未納者の食材分が支払われているわけで、このような未納の実態では、到底、公平性を保つことはできず、放置しておくことのできない大きな社会問題であると言わざるを得ません。
これまでの学校の対応を見てみますと、文書、電話、あるいは家庭訪問などによる督促に、校長先生初め、教頭先生、担当職員などが当たっておりまして、精神的な負担や、本来の職務に大きな支障を来しております。私は、払えるのに払わない悪質な未納世帯に対しては、
教育委員会みずからが給食費の徴収に取り組むべきと再三訴えてまいりました。
教育委員会みずからが、
給食費徴収対策プロジェクトチームのような実践体制を整えて、
法的措置も視野に入れた徴収対策に真剣に取り組むべき時期に来ているのではないかと思います。
教育委員会の出した
未納対策の手引によると、今後の課題として、以上のような未納への対応をしてもなお給食費の滞納が続く保護者の対応については、
未納状況の把握に努めるとともに、他市町村の取り組みなどをもとに調査研究を深め、
法的措置を含め、具体的な方策を検討していく必要があると記されております。また、ことしの1定の代表質問において、
給食費未納についての
教育委員会としての見解並びに各学校への具体的な支援について教育長に伺ったところ、今後は、
法的措置も含め、調査研究を進めるとともに、学校の
負担軽減につなげていきたいというご答弁でございました。
そこで、質問ですが、平成21年度の未納率、未納額、あわせて、その結果について、
教育委員会としてどのように認識しておられるのか、伺います。
◎梅津
学校施設担当部長 給食費の
未納状況についてお答えいたします。
平成21年度の
未納状況についてでありますが、
小・中学校合計の未納額は約7,100万円でございまして、20年度より133万円の減少、
給食費総額に占める割合でございます未納率は1.12%、20年度の1.18%より0.06ポイントの減少となっております。
この未納率等に対します
教育委員会としての認識についてでございますけれども、学校、PTAの代表の方々で構成いたします
未納対策検討委員会で作成いたしました
学校給食費未納対策の手引、これらが各学校において活用され、給食費の重要性が保護者の方により周知されるとともに、各学校におきまして未納解消に取り組んでいただいてきた効果が、わずかではございますが、あらわれてきているものと考えてございます。しかしながら、いまだ多額の未納が生じていることは大変憂慮すべき状況というふうに認識しております。
◆
横山峰子 委員 いまだに多額の未納が生じていることは憂慮すべき状況であるというご答弁でした。
我が会派といたしましては、この未納問題の重要性を認識し、20年1定、22年1定の代表質問、
予算特別委員会で継続的に質問し、
教育委員会の姿勢をただしてまいりました。また、ことしの春には、先進的な取り組みをしている都市にも赴き、調査を行いました。その結果、福岡市は、給食費の
収納事務を全面的に
教育委員会に移管し、専門の担当部局を置き、学校の負担を根本的に解決しておりました、
札幌市においても、学校から
教育委員会へ給食費の
収納事務を全面的に移管すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
また、未納率の改善のために
未納対策の手引に沿った収納の工夫はしているとのことですが、まだまだ工夫の余地があると思います。例えば、神戸市では、
給食費支払いの意識を高めるため、入学時に
保護者全員に
給食費支払いについての同意書を書いてもらっております。さらに、先月は、宮崎市において、法的な措置をとるばかりでなく、
給食費未納対策の
専任非常勤職員を配置し、毅然とした態度で
未納対策に取り組んでおります。
札幌市においては、学校の負担がふえており、教師としての本来の職務に影響が出てきている、もう限界に来ているとの声も上がっております。また、現在の経済状況を考えますと、今のままでは大幅な未納率の改善は見込めません。このため、もう一歩踏み込んだ対策が必要と考えます。経済的に困窮している方に対しては、生活保護、就学援助の活用や納付相談などの対応をするのが当然ですが、支払う能力がありながら支払わない悪質な未納者に対しては、学校という教育の場での規範意識を問う意味でも、毅然とした態度で臨むべきであると思います。
そこで、質問ですが、他都市で行われている裁判所を活用した
法的措置を速やかに行うべきであると考えますけれども、
教育委員会としての見解をお伺いいたします。
◎梅津
学校施設担当部長 給食費の収納体制と
法的措置についてあわせてお答えいたします。
収納事務を
教育委員会へ全面移管することにつきましては、収納にかかわる人員が新たにふえることなど多くの課題もございますことから、他の政令市の動向などについて今後さらに調査研究してまいりたいと考えているところでございますが、裁判所を活用した
法的措置の実施につきましては、
教育委員会として積極的に検討してまいりたいと考えております。具体的には、委員ご指摘の学校の
負担軽減も十分踏まえながら、あくまで
支払い能力がありながら未納となっている、いわゆる悪質な未納者に対する
法的措置の来年度実施に向け、検討を進めてまいりたいと考えております。
◆
横山峰子 委員 要望です。
来年度から
本格的実施に取り組むとのことですので、その点は大いに評価いたしますが、私は、教職員の本来の教育にかける時間を確保し、学校の
負担軽減のためにも、やはり、福岡市のように全面的に
教育委員会が
収納事務を担うべきであると思います。これは、各学校の強い思いでもありますので、ぜひご検討いただきますよう要望いたします。その際、
法的措置の具体的な検討に当たっては、学校の
負担軽減が図られるよう検討を進めるとともに、
子どもたちの立場に配慮し、対応していただくよう要望して、この質問は終わらせていただきます。
次に、
学校選択制について伺います。
児童生徒や保護者の希望により通学する学校を選択する
学校選択制についてですが、札幌市においては、特任校制及び
特定地域選択制という形態での
学校選択制を導入しておりますけれども、これ以外の
自由選択制などの形態での
学校選択制は導入しておりません。例えば、近隣の岩見沢市では
自由選択制を導入しており、江別市では
隣接地域選択制を導入しております。また、東京都の23区のうち19区において何らかの
自由選択制をとっておりますし、私の調べたところでも、最近、全国でも導入している都市が増加している実態があります。こうした実態は、
学校選択制にいろいろなメリットがあることをあらわしていると私は考えます。
そこでまず、3点お伺いいたします。
1点目は、
学校選択制のメリットと
デメリットについて、
教育委員会ではどのようにとらえていらっしゃるのか。
2点目は、全国で
学校選択制を導入する都市がふえている実態をどのように考えていらっしゃるのか。
3点目は、それらを踏まえて、
教育委員会として
学校選択制についてどのような認識でいらっしゃるのか、以上3点をお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 3点についてお答えさせていただきます。
まず初めに、1点目の
学校選択制のメリット・
デメリットについてであります。
教育委員会といたしましては、メリットには、特色ある
学校づくりが促進されることや、子どもが個性に合った学校で学ぶことができるようになることなどが挙げられます。また、
デメリットとしましては、学校と地域との連携が希薄になるおそれがあること、
児童生徒の偏りにより適正な規模が維持できない学校が生じること、学校間の序列や格差が生じることなどにより、安定した学校経営や
児童生徒の教育環境に影響を与える事態が懸念されることなどが挙げられると考えております。
2点目の全国で
学校選択制を導入する都市がふえている実態の認識についてであります。
金沢市などで新たに導入した都市がある一方で、前橋市や長崎市、久留米市など、既に実施していた自治体におきまして廃止や見直しをするところも出てきております。したがいまして、現在のところ、いわゆる
学校選択制が必ずしも全国的に拡大しているという状況ではないものと認識しております。
3点目の
学校選択制の認識についてであります。
学校選択制は、メリットだけではなく、課題も多いと認識しており、国の
中央教育審議会の作業部会においても検証途上であることから、
教育委員会といたしましては、引き続き、国や他の自治体の動向を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
◆
横山峰子 委員 ただいま、
デメリットがいろいろ挙げられましたが、私は、全部、学校や教職員の都合であり、
子どもたちや保護者の立場に立っていないように思われます。
学校と地域の連携が希薄になるとのことですが、そもそも札幌市の校区は、町内会の区域と一致していないところもたくさんあります。入学者が減少するといっても、
子どもたちにとっては近くの学校が一番いいわけですし、既存の教室に入る範囲内で限定すればそれほどの人数が移動することにはならないと思います。学校間の序列についても、逆に各学校が努力して学校間が切磋琢磨するという大きなメリットになるとも考えられます。
それにもかかわらず、
学校選択制については、相変わらず国の動きなどを見て検討するという答弁でありましたが、一気に
学校選択制とはいかないまでも、部活動をするために学校を選択することは早期に認めてもいいのではないかと思います。少年団などでスポーツや文化活動を一生懸命やってきた小学生が、いざ、地域の中学校に行こうとして、そこにその部活動がない場合、学校に通っても持てる能力を発揮できない、意欲が出ないということが十分考えられます。そうした場合でも、札幌市は、地理的な理由や身体的な理由、いじめの対応を理由とする場合のほかは、やむを得ない事情に関して相当と認めるときなど、ほとんど限定された場合にしか指定された以外の中学校に行くことを認めておりません。
そこで、質問ですけれども、この
指定変更の理由に、
小学校時代に一生懸命してきたスポーツや文化活動の部活動が指定された中学校にない場合は、部活動を理由とした
指定変更を認め、その子の持つ能力の芽を摘むことがないようにすべきではないかと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 委員ご指摘の部活動を理由とする
指定変更につきましては、
学校選択制と同様に
学校間格差を生じることなども懸念されますことから、札幌市では適用対象としておりません。
しかしながら、部活動は、スポーツなどを通じまして、人間形成にとって貴重な場であり、
教育的意義が高い活動でもあり、学校の教育活動として、学校の責任のもとに適切な
教育的配慮を持って行わなければならないものであります。これを支援するため、
外部指導者活用の促進に加えまして、平成21年度から顧問と
外部指導者の両方の性格を有した
運動部活動外部顧問派遣モデル事業を実施するなど、指導体制の活性化に向け、取り組んでいるところでございます。
教育委員会といたしましては、
通学区域制度を維持しつつ、こうした制度の活用によりまして、各学校における部活動の効果的な運用をバックアップしていくことに対応してまいりたいと考えております。
◆
横山峰子 委員 部活動を理由とする
指定変更を認めてもそれほど多くの生徒が移動するとは考えにくく、また、
学校選択制の導入には、学校間で切磋琢磨させるなど、むしろメリットの方が大きいのではないかと私は考えます。導入している都市がふえているという実態もあるのに、なぜ、導入をまず検証しようとしないのでしょうか。
教育委員会内部及び教職員の検証に任せておりますと、
デメリットを強調する余り、消極的な検討結果になってしまう
教育委員会のやり方は、慎重というより、新しいことには取り組まないという意欲のなさを感じさせます。
私は、
学校選択制は、部活動による
指定校変更を含め、全体の
教育改革にもつながると思います。一つは、教員の意識改革です。今は黙っていても生徒が来るので、生徒を集める努力が必要なく、このため、例えば、入学案内でもただの手続の説明になっていて学校のアピールがほとんどありません。
学校選択制を導入した都市では、教員が生徒を集めようと、一生懸命に考えて自分の学校をしっかりアピールした入学案内をつくっております。もう一つは、保護者の意識改革です。自分たちはこの学校を選択したのだということで、学校に積極的にかかわったり、学校活動に参加したりするようになると思われます。
このような観点からも、
教育改革を進めるためにも、ぜひとも、
外部有識者や保護者を交えた
検討協議会を早期に立ち上げることが必要だと考えます。そして、
子どもたちや保護者の視点を入れて議論し、例えば
ブロック制や
隣接地域選択制にするなど、アイデアを出し合って
学校選択制の実現を目指していくべきであると考えます。
そこで、質問です。
教育委員会として、国の動きに縛られるのではなく、速やかに
外部有識者や保護者を入れた
検討協議会を立ち上げ、検討する考えはないのかどうか、この点をお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 教育委員会といたしましては、
学校選択制につきましては、引き続き、国や他の自治体の動向を見きわめながら対応していくものと考えておりますが、委員ご指摘のとおり、
外部有識者や保護者を交えた場で議論することも大切でありますので、
学校選択制や
指定変更につきましては、そのあり方の可否も含めまして検討する協議会の立ち上げに向けて今後準備してまいりたいと思います。
◆
福田浩太郎 委員 私からは、
ネットトラブルの対応についてと、
学校給食での
牛乳アレルギーのある
児童生徒への対応について、あわせて質問させていただきたいと思います。
初めに、
ネットトラブルの対応についてでありますが、
携帯電話が
子どもたちの身近な道具として定着するに従い、
インターネットを使って誹謗中傷の言葉や不適切な動画、画像を送信、あるいは掲載をするといった
ネットトラブルが問題となってきております。私は、昨年の
決算特別委員会において、この問題を取り上げ、質問させていただきました。その後も、
子どもたちを取巻く状況はますます深刻でありまして、先月の末には、ネット上で
ファイル共有ソフトを利用して
児童ポルノを公開したなどとするものが全国一斉摘発を受けたとの報道がありました。公開されていた画像には、一見して小学生以下と思われるものも含まれていたということであります。
また、警察が摘発した
インターネットを利用した犯罪のことし上半期の件数が全国では2,444件に上りまして、昨年同時期よりも30%以上の増加で、道内についても125件摘発されており、昨年同時期よりも36件の増加ということであります。
インターネットについては、ブログ、プロフ、ツイッター、
ゲームサイトの掲示板など、情報の伝え方や形態が進化、多様化してきており、私たち大人がなかなかその変化についていけずに、
子どもたちがどのような状況で
インターネットを活用しているのか、つかみ切れていないということも指摘されております。このような中、
教育委員会では、平成21年度から、いわゆる
学校裏サイト等を監視する
ネットパトロールを実施したり、窓口で
携帯電話に関する
アンケート調査を行ったりするなどして子どもの実態把握を行ってきたと聞いております。
そこで、質問でありますが、
ネットパトロールや
アンケート調査によりまして把握した札幌市の
子どもたちの実態についてお伺いいたします。
続いて、
学校給食での
牛乳アレルギー対応について伺います。
学校給食は、
児童生徒の健全な心身の発達に資するとともに、学校における食育の推進を図る上で重要な役割を果たすものと認識しております。しかし一方では、生活環境や食生活の変化に伴い、
食物アレルギーを持つ
児童生徒が増加する傾向にあることも指摘されております。
市教委の調査では、平成22年4月現在、
食物アレルギー症状のある
児童生徒は、症状の程度や内容はさまざまですが、市内の
小・中学校で1万3,499名おり、全体の9.7%に上るとされております。また、
学校給食は、栄養価や肉、魚、野菜など内容のバランスも十分に配慮された献立となっており、牛乳は成長期の
子どもたちの
カルシウム供給源として必要とされるため、毎日提供されていると理解しております。
しかしながら、
食物アレルギー症状のある
児童生徒のうちでも、特に
牛乳アレルギーのある
子どもたちにとりまして、毎日出される牛乳が飲めないということは、心身ともに大きな負担となるものであることは想像にかたくありません。
そこで、質問ですが、札幌市の
学校給食では、
食物アレルギーのある
児童生徒に対して、
アレルギーの原因となる食材を除去した除去食や、かわりの食材を使用する代替食の提供を行っていると聞いておりますけれども、
アレルギー対応をしている
児童生徒の人数はどれくらいなのか、そのうち、特に
牛乳アレルギーのある
児童生徒の人数や割合はどうなのか、お伺いいたします。
また、
牛乳アレルギーのある個々の
児童生徒に対して、学校ではどのような対応をしているのか、お伺いいたします。
◎金山
指導担当部長 まず、1点目の
ネットパトロールや
アンケート調査によって把握した札幌市の
子どもたちの実態について、私からお答えいたします。
まず、
ネットパトロールについてでありますが、昨年度4回、今年度1回実施した結果、延べ件数で
誹謗中傷等の不適切な書き込みが431件、個人情報を公開している書き込みは3,210件が発見されております。これまでの推移を見ますと、徐々に減少傾向となっております。
次に、
アンケート調査の結果についてでありますが、携帯電話を持ち始める時期が低年齢化しているほか、
携帯電話の所持率については全国平均よりもやや高い傾向が見られております。また、メールや
インターネットの危険性について、学校や家庭から教えてもらったり、学んだりしたという回答が全国平均より低い値となっております。
教育委員会といたしましては、
有害サイトへのアクセスや個人情報の悪用等、
インターネットの危険性について
子どもたちの理解がまだ不十分である、このように認識しております。
◎梅津
学校施設担当部長 学校給食での
牛乳アレルギーのある
児童生徒への対応については、私からお答えいたします。
まず、
学校給食で
食物アレルギーの対応をしている
児童生徒の人数、それから、
牛乳アレルギーのある
児童生徒の人数や割合についてでございますが、平成22年4月現在で、除去食、代替食、それから牛乳の提供中止など、
食物アレルギーに対応している
児童生徒数は延べ2,231名でございます。そのうち、
牛乳アレルギーのある
児童生徒は795名でございまして、
市立小・中学校の全
児童生徒数に対する割合は0.6%となってございます。
次に、
牛乳アレルギーのある
児童生徒に対する学校での対応でありますけれども、
食物アレルギー全体の対応につきましては、市教委の
学校給食における
食物アレルギー対応の手引に従いまして、医師の診断をもとに行うこととしておりますが、具体的には、保護者から申請書及び医師の意見書の提出を受けまして、
児童生徒の状況を十分把握した上で除去食、代替食などの対応を行っております。
この中で、
牛乳アレルギーのある
児童生徒には牛乳の提供を中止しておりまして、代金は年度末に返金しております。このほか、牛乳除去によりまして不足する栄養素を家庭の食事で補うよう保護者への働きかけも行っております。また、
牛乳アレルギーの
児童生徒には、学校の了解を得た上で、家庭からお茶、水、それから豆乳などを持参することなど、個別に対応しているところでございます。
◆
福田浩太郎 委員 まず、
ネットトラブルについてでありますけれども、
パトロールによって検索された不適切な書き込み等は減少しているということで、一定の効果が上がっているというふうに思いますけれども、一方で、個人情報の流布が非常に多いことは憂慮すべきことであろうというふうに思います。子どもの中には、安易な気持ちで自分の情報を書き込んだり、情報を閲覧できるサイトにアクセスするなど、危険性を十分に理解しないまま
インターネットを利用していることもあるというふうに思います。こうしたことを踏まえ、今後も
ネットパトロールの事業を充実させていただきたいということをお願い申し上げます。
一方、
アンケート調査によりますと、学校や家庭で使い方について指導を受けている率が低いという点は問題であるというふうに思います。そもそも、私ども日本の保護者は、諸外国に比べると子どもの
インターネット利用に関して放任的であるということも言われております。学校における指導を充実させるための方策を講じることや、保護者に対する啓発などが急務であるというふうに私は考えます。
昨年の
決算特別委員会におきまして、学校や保護者、有識者、企業など、関係機関の代表者等から成る札幌市「ケータイ・ネット」セーフティ推進協議会を立ち上げて、
ネットトラブルから子どもを守る取り組みをさまざまな角度から進めていく予定であるというふうに伺いました。
そこで、質問ですが、
ネットトラブルから
子どもたちを守るために、現在進めている具体的な取り組みについてお伺いいたします。
続いて、
学校給食アレルギー対応に関して、
牛乳アレルギーのある
子どもたちへの代替飲料について再質問したいと思います。
先ほどのご答弁で、
牛乳アレルギーのある
子どもたちに対しては、保護者からの申し出とともに、医師の診断をもとに牛乳の飲用を中止するなどの対応がされており、かわりの飲み物を家庭から持参している
子どもたちもいる、代金は年度末に返金しているということもありました。しかし、家庭からお茶や飲み水を毎日のように持参させることは、大きな負担になっているのではないかというふうに思います。
私どもの調査によりますと、仙台市の
学校給食では、
子どもたちがお茶などを持参する煩わしさや保護者の負担を軽くするために、本年4月から、
牛乳アレルギーのある
児童生徒や保護者の意向を確認した上で、牛乳にかわる代替飲料として250ミリリットルの紙パックに入ったお茶などを提供する対応をしていると聞いております。
そこで、質問ですが、札幌市においても、仙台市と同じように、牛乳の飲用ができない
子どもたちに牛乳の代替飲料を提供できないか、お伺いいたします。
◎金山
指導担当部長 ネットトラブルについて、現在進めている具体的な取り組みについてお答えいたします。
札幌市「ケータイ・ネット」セーフティ推進協議会では、
アンケート調査等で把握した札幌市の実態を踏まえ、
ネットトラブルから
子どもたちを守る取り組みを進めております。具体的には、
携帯電話等の使用ルールやマナーについて保護者と子どもが相談しながら書き込めるリーフレットを作成したところであり、家庭のルールづくりに役立てるよう小学3年生と6年生に配付する予定であります。また、
ネットトラブルの問題に関して、
子どもたちがみずから考え、作成した動画作品を札幌市のホームページに公開することにより、
児童生徒はもとより、広く社会全体に
ネットトラブル防止について啓発してまいりたいと考えております。さらに、情報モラル教育の指導力を高めるための取り組みとして、教員向けの指導資料等を作成し、生徒指導を担当する教員を対象とした研修会を実施したところであります。
今後、この資料を各学校に配付し、校内の研修会等で活用するよう働きかけ、すべての教職員が
ネットトラブルの防止について積極的に取り組んでいけるよう努めてまいりたい、こう考えております。
◎梅津
学校施設担当部長 牛乳アレルギーのある
児童生徒への代替飲料の提供について、私からお答えいたします。
学校給食で牛乳にかわるものを提供することにつきましては、委員ご指摘のとおり、
児童生徒や保護者の負担の軽減につながることが考えられる一方で、栄養価や価格、それから保管方法などさまざまな課題がございます。したがいまして、今後、これらの課題や、
児童生徒、あるいは保護者の意向、他都市の状況等を勘案しながら調査研究してまいりたいと考えております。
◆
福田浩太郎 委員 最後に、要望させていただきます。
ネットトラブル対応については、昨年の4月1日に施行されました青少年が安全に安心して
インターネットを利用できる環境の整備等に関する法律にもありますように、保護者、
インターネットに関連した事業者、サーバーの管理者が皆で
子どもたちを有害情報から守る取り組みが求められております。札幌市「ケータイ・ネット」セーフティ推進協議会、いわゆるKNSでは、
教育委員会が事務方を務めながら、校長会、PTA協議会と、北海道警察、子ども未来局も含めて、協働で取り組みを進めていただいていると思います。引き続き、全市の機運を高めるとともに、具体策を講じていただきたいと思います。
中でも、ご答弁にもありましたけれども、子どもや保護者への啓発活動は重要と考えます。特に、学校現場での具体策は有効と思いますので、教員、先生の意識の向上はもちろんのこと、各学校における各種PTA集会においての啓発、また、
子どもたちが主体となった話し合いや活動の取り組みをしっかりと行っていただいて、ネットの危険性と、賢く取り扱うすべを啓発していただきたいと思います。
また、
牛乳アレルギーの対応についてでありますが、仙台市では、
牛乳アレルギーや乳糖不耐症、これは、牛乳に含まれる乳糖を分解することが困難で、下痢や嘔吐が起きやすい体質のことでありますけれども、そういう
児童生徒を含めて対象としているそうでありまして、約6割が代替飲料の提供を受けております。牛乳のかわりとなるのは麦茶、ほうじ茶のどちらかで、いずれも1本当たりの価格は牛乳と同額の42円であり、費用に関しては、全額、保護者が負担し、給食費とは別に
教育委員会が徴収されているそうであります。
本市でも、先ほど
牛乳アレルギーが795名というお答えがございました。乳糖不耐症を含めると1,100名以上と伺っております。
アレルギー対応には、大変ご苦労いただいておりますけれども、親子の
負担軽減につながると思いますので、ぜひ、実施に向けて調査研究をいただきますよう要望して、質問を終わります。
◆村上仁 委員 私は、子どもの貧困にかかわり、奨学金制度と就学援助の2点について質問させていただきます。
昨日の新聞報道に、子どもの貧困が深刻化しているというような記事が載っておりました。この新聞を読みますと、民間団体の北海道子どもセンターが、ことしの6月から8月、道内の公立
小・中学校教職員に子どもの育ちと貧困について
アンケート調査を行ったということであります。これを見ますと、アンケート結果の一部でありますけれども、親の経済状態で塾や習い事、部活動、進学などをあきらめていると思われる子どもがいないという数が197名に対して、いると答えているのが152名です。学用品や上履き、体育着など、制服も含めて、購入するのが困難な子どもがいないと答えている先生が221名、いると答えている先生が136名です。そして、病気やけがで病院に行けない様子の子どもがいないと答えた先生が243名、いると答えた先生が112名でありました。
2006年度の朝日新聞の記事によりますと、就学援助が4年で4割ふえた、こういう報道も以前からされております。この記事の中で、ある小学校の6年生を担当する先生が、鉛筆の束と消しゴムや白紙の紙を持参して授業を始める、クラスに数人いるノートや鉛筆を持ってこない児童に渡すためだということだそうです。そして、小学校の卒業文集をつくるときに、クラスの子どもに将来の夢を書きなさいということだったのですが、3分の1の子どもが何も書けなかった、自分が成長してどんな大人になりたいかということがイメージできていないという報道もされております。このように、格差と貧困というのは、市民や国民の暮らしを非常に大きく圧迫していると同時に、子どもにその被害が最も拡大、浸透しているということがうかがえます。
そこで、本市の就学援助の状況を見ますと、
小・中学校合わせた就学援助の認定率は、1993年6.1%で16人に1人でした。しかし、2009年度では約3倍の17%に増加、
小・中学校の6人に1人が就学援助を受けており、今後もふえる傾向があると思われます。
そこで、1点目は、就学援助制度についてお伺いいたします。
暮らしがますます大変になる中で、就学援助の役割というのは極めて重要でありますし、最後のセーフティネットだということも言えると思います。そういう点で、この制度を保護者に十分周知していくことが大事だと思います。就学援助はすべての家庭に徹底してお知らせすべきだと思いますけれども、どのように取り組まれているのか、お伺いいたします。
また、生活保護の基準に近い世帯もふえていると思います。本市の就学援助の認定基準は1.1倍ということですけれども、この認定基準は引き上げるべきだと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、奨学金制度についてお伺いいたします。
奨学金制度については、資料をいただきましたが、こちらも非常にふえております。いただいた資料は高等学校、大学の合計でありますけれども、札幌市の奨学金を受けたいという志願者が2,365名に対して、実際に支給されたのが1,322名と、1,000名以上の子どもが奨学金を受けられなかったということであります。
私は、奨学金制度については、こうした応募状況に応じてさらに拡大すべきだと思いますが、この点についてもお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 3点についてご説明申し上げます。
まず初めに、就学援助制度の周知と認定基準の引き上げについてお答えさせていただきます。
就学援助制度の周知につきましては、就学援助制度のお知らせの文書を年度の初めに各
小・中学校を通じましてすべての保護者に対して配布し、年度当初だけではなく、年度の途中におきましても、随時、学校で申請を受け付けております。
なお、現下の厳しい経済情勢を踏まえまして、家庭の経済状況の変化をより速やかに把握し、必要に応じまして保護者に制度の説明を個別に行うなど、よりきめ細やかな対応を行うよう、文書や研修会などを通じまして各学校に周知徹底しているところでございます。
次に、認定基準の引き上げについてでありますが、就学援助の対象者は、生活保護法に定める要保護者と、これに準ずる程度に困窮しております準要保護者を対象にしております。このうち、準要保護者は、児童扶養手当を受給している世帯や市民税非課税世帯等のほか、経済的な理由によりまして就学が困難で収入が生活保護基準の1.1倍以内の世帯を対象といたしております。現行の認定基準は、札幌市就学援助審議会におきまして、制度の趣旨や本市の財政事情など総合的な観点から検討いただいた答申に基づいて設定したものでありまして、現在のところ、これを変える状況にないものと考えております。
なお、制度の実施に当たりましては、保護者の失業や離婚など世帯の生活実態に応じて弾力的な運用を行っているところでございます。
次に、奨学金事業の拡大についてお答えいたします。
札幌市の奨学金は、意欲や能力があるにもかかわらず、経済的な理由によりまして就学困難な高校生や大学生に返済の必要がない奨学金を支給する制度でございます。この奨学金事業の拡充につきましては、第2次新まちづくり計画のほか、小竹正剛奨学基金の創設や緊急経済対策としての奨学生の追加採用により平成20年度から段階的に採用者を拡大いたしまして、今年度、平成22年度は、平成19年度と比較して約3倍の1,307人の奨学生を採用したところであります。
事業の財源といたしましては、市民の皆様から多くのご寄附をいただいているところでありますが、基金の運用収入が昨今の低金利により伸び悩んでいることから、一般会計から多額の繰り入れを受けながら必要な事業費を確保している状況でございます。現在の厳しい経済状況の中、高校や大学で教育を受ける機会の確保という観点から奨学金事業を運営していくことは、私どもといたしましても重要なことであると認識しておりますが、今後は、厳しい財政事情のもとにありまして、必要な事業費を確実に確保し、現行制度の水準を維持すべく努力を続けてまいりたいと考えております。
◆村上仁 委員 まず、奨学金制度でありますけれども、お話の中で、市の奨学金制度の枠そのものは拡大してきたということでありました。しかし、格差と貧困がそれ以上の規模で拡大をしてきているというのも、これまた事実であります。ことしは、1,000人以上の子どもが申し込みをしても奨学金を受けられませんでした。先ほど意欲や能力のある者というお話がありましたけれども、貧困という困難があっても中学や高校で一生懸命に勉強して、なお、学ぶ意欲があり、進学を希望している子どもがこの1,000人の中にもたくさんいるのだと私は思います。
奨学金が受けられないという状況は、一部の学者の中には貧困の連鎖ということを危惧して警鐘を鳴らしている方もおりますが、貧困で学べない、進学できない子ども、その子どももやはり進学率が低いというデータも示されています。ですから、市として、やはり、これは解決しなければならない問題だと私は思います。貧困で学べない
子どもたちに対する奨学金制度は、現状を維持するのはもちろんですけれども、拡大しなければならないと思いますが、これを改めてお伺いいたします。
次に、就学援助であります。
就学援助というのは、経済的理由により就学困難だと認められる児童や生徒に対して援助するものとなっております。対象者はどうかといいますと、まず要保護者という対象者がいらっしゃいます。これは、いわゆる生活保護を受けている世帯です。二つ目に準要保護者というのが対象になっております。これは、市町村の
教育委員会が生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者で、先ほど言われたように、札幌市では生活保護基準の1.1倍ということでありまして、この二つの対象者がいます。
しかし、市町村が実施する就学援助事業のうち、国は、要保護者に対してのみ事業に要する経費の補助を行っております。これは、本来、準要保護者に対しても国が行ってきましたが、準要保護者については、2005年度に税源移譲を行った上で国の補助を廃止しました。こういう中で、今、就学援助が進められておりますが、全国の状況を調べますと、やはり、2005年度を契機として、国の補助が、これは本来2分の1ですけれども、その補助自体も、2分の1どころか、10数%から30%というような数字でありまして補助として十分に出されていなかった、それがまたなくなったということでありますから、自治体の財政負担が非常に大きくなった。国は交付税措置をしていると言っておりますけれども、お金には色がついていないわけですから、それがどこに入っているのかがわからない状況の中で、やはり、就学援助の基準そのものが下がってきているということが言えると思います。
そこで、就学援助についてのお知らせは、いろいろな方法で行っていて、年度初めにお知らせしているし、その都度お知らせをするということでした。ただ、新任の先生の場合、学校に配属されて、就学援助とは何だろうという先生も結構いるのではないかなと思いますし、現実にそういう声も聞きます。ですから、先ほど研修というお話がありましたが、ぜひこれを強めていただきたいですし、担任の先生が子どもの状況を見てすぐ対応できるようにすべきだと思います。
例えば、年度途中に親が失業する、あるいは離婚されることもあると思います。また、最近、給食費の支払いがちょっととまっているけれども、どうしたのかなということもあるでしょう。子どもの状況から生活に困窮していると思われる場合、担任や学校から改めて就学援助制度の説明と利用を積極的に促すなどの対策をとるべきだと思いますがいかがか、お伺いいたします。
そして、就学援助の認定基準ですが、先ほどのご答弁では変える状況にないというようなお話だったかと思います。しかし、私が今お話ししたように、問題の根本は国の補助の削減にあるのだと思っておりまして、行政が一緒にそこを削減していく、縮小するということはやっぱりあってはいけないのだろうと思います。そういう点では、認定基準は今の貧困の実態に合わせて引き上げるべきだということを申し上げておきたいと思います。
就学援助について、もう1点伺いますが、4月に申請して、実際に就学援助費が支給されるのは6月末と聞いております。生活に困窮している家庭では大変だと思います。支給されるまでの3カ月間も生活を維持していかなければならないですから、そういう大変な生活の実態に合わせて就学援助費の支給は早めるべきだと思いますがいかがか、お伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 まず、1点目の奨学金の採用枠をさらに拡大すべきではないかというご質問でございます。
これにつきましては、先ほどもお答えいたしましたが、平成20年度から段階的に採用者を拡大し、本年度、22年度は、平成19年度と比較して約3倍の1,307人の奨学生を採用したところであります。その事業につきましては、一般会計から多額の繰り入れを受けている状況であります。こうしたことから、今後は、厳しい財政事情のもとにありまして、必要な財源を確実に確保し、現行の制度水準を維持すべく努力を続けてまいりたいと思います。
2点目につきましては、就学援助について、年度途中に改めて周知するという点でございます。
先ほど委員からご指摘がありましたように、年度途中も家庭の経済状況などの変化をより速やかに把握いたしまして、必要に応じて保護者に個別に制度の説明を行うなど、よりきめ細やかな対応を行うよう、文書や研修会などを通じて各学校にさらに周知徹底したいと考えております。
次に、時期的なものでございます。
年度初めに申請書が提出されますが、大体2万人を超えるという膨大な量でございます。添付書類の市・道民税証明書の発行が5月の半ばになるなどのため、審査が完了するのは例年5月下旬ごろになります。このような厳しいスケジュールでございますが、新入学
児童生徒の学用品等につきまして、事務処理方法の見直しなどにより、それまでの7月の支給月を平成15年度から6月に早めたところでございます。このような状況でございますので、支給月をさらに早めることにつきましては、事務量が膨大であるとともに、事務処理、スケジュールが非常に厳しい状況であることなどから難しいものと考えております。
◆村上仁 委員 奨学金制度の枠の拡大でありますけれども、とりわけ貧困で学べない子どもをなくすための枠は絶対拡大すべきであり、間違っても削減されることがあってはならないということを強く申し上げておきたいと思います。
義務教育は無償化と言っても、入学の前後は一番お金がかかる時期であります。こうした実態に合わせて就学援助費の支給を早めるのは必要なことだと思います。そして、毎年の事務手続でありますから、特別の体制で対応すべきと思いますが、この点、いかがか、お伺いいたします。
また、本市の就学援助制度では、学用品費や修学旅行費など8種類が援助の対象となっていますが、眼鏡については援助対象外となっております。これは、一般的でありますけれども、小学校の高学年や中学校から眼鏡を使用しなければならない子どもが急激にふえると言われております。当然、就学援助を受けている子どもの中でも眼鏡の使用はふえるものと思われます。眼鏡が就学援助の対象外ということで、子どもが、黒板の文字が見えないまま授業を受けることがないよう、眼鏡の購入費は本市独自に就学援助の対象とすべきと思いますが、これについてもお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 事務手続の特別な対応についてでございますが、先ほどご説明しましたように2万件という申請書が出てきます。それに伴いまして、係としましては特別ないろいろな面での対応をして集中的に審査しております。そういう面で、先ほど委員ご指摘のように、これからの対応につきまして、効率的、能率的な方法をさらに検討しながら進めさせていただきたいと思います。
次に、眼鏡の支給についてでございますが、就学援助制度は、
小・中学校におけます義務教育の円滑な実施に資することを目的とした制度でございます。眼鏡は、学校生活のみならず、日常の生活を送る上で必要なものであることから、その費用につきましては従前から国の補助の対象には含まれていなかったものでありますので、厳しい財政状況のもと、就学援助におきまして眼鏡代は支給してこなかったものでございます。
◆村上仁 委員 就学援助は4月に手続をして6月末に支給される問題について、これを早めるべきだということでお伺いいたしましたが、そもそも2万件ということでありますから、今も特別な手だてをとっているようなお話でございましたけれども、そうであれば、私は、もっと特別な手だてをとればこれを早められるというふうに思います。通常、サラリーマンで年末調整をしている世帯というのは、所得も割と安定している傾向にありますし、そういう意味では手続も早いと思うのです。お話を伺いますと、手続上、市民税や道民税の書類が送られてくるのが5月中旬ぐらいになるので、どうしても手続が遅くなる傾向にあるという話も聞きました。しかし、市民税、道民税の納税証明、これが必要となっている家庭こそ、就学援助の援助費が早く出てほしいという、いわゆる所得が少ない世帯が多いと思います。そういう点では、今以上に特別な手だてをとって、これを何とか早めるべきだということを申し上げておきたいと思います。
次に、眼鏡の問題でありますけれども、学校以外で日常も使うということでありますが、就学援助制度の種類の中には医療もありますね。病名は限定されておりますけれども、医療もあります。要保護者の場合は、医療保護で眼鏡が給付されます。そういう点から考えると、日常で使うものであるからという理屈は、私は成り立たないと思うのですが、この点、いかがですか。
◎谷山
学校教育部長 先ほどもお答えしましたように、眼鏡の使用につきましては国の補助対象になっていないということもありますので、就学援助につきましては眼鏡代は支給してこなかったということであります。
今、お話にありましたように、いろいろ検討させていただきますけれども、大変厳しい状況であることはご理解いただきたいと思います。
◆村上仁 委員 今、いろいろ検討するというご答弁がありました。
今回、我が党の代表質問で、子どもの貧困に関しても質問させていただきました。日本政府に対するOECDの3回目の勧告についてでありますけれども、この中で、大部分が十分に実施されていないか、全く対応されていないと大変厳しく指摘されているのだと。しかも、貧困が拡大する中、子どもへの福祉や補助がふえていない問題に触れ、国及び自治体の予算を精査することを求めている、これが中心ですよ。そして、全国に先駆けて改善を図るべきだ、こういうふうに申し上げました。ご答弁では、地方自治体としても取り組まなければならないものもありますので、現在策定中の子どもの権利に関する推進計画の中に実践的取り組みを盛り込んでまいりますというふうにお答えになりました。
私は、きょう、子どもの貧困について、奨学金制度と就学援助の二つを質問いたしましたが、この二つの点というのは、まさに実践的な取り組みとして重要だと思いますけれども、ご見解をお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 今、委員がご指摘のように、子どもの貧困に関しまして、きょうご質問がありました奨学金拡大と就学援助につきましては、どちらも大変重要なものと考えております。
◆村上仁 委員 眼鏡の件でありますけれども、私が調べたところでは、横浜や神奈川、首都圏で、独自に眼鏡を就学援助の項目に入れたところが幾つかあるようです。これは、いずれも黒板の文字が見えない子どもを放置できないということで独自の制度として取り入れたということであります。先ほど国の基準とありましたけれども、これは、市町村の独自の判断で導入できるのです。
そういう点では、眼鏡をかけている人がどれだけいて、そして、その中に就学援助を受けている子どもが何人いるのだというようなこともしっかり押さえなければならないと思います。鳥取で教職員組合が
アンケート調査した中に、中学校では視力検査をして目が悪い子どもにはカードを渡すそうです。そして、一応、担任の先生が受診したかどうかを確認する。ところが、何日待っても持ってこない子どもがいた。その子は、母子家庭で、お母さんに眼鏡代の心配をさせたくないということで、そのカードを捨てたという報告がありました。子どもは、やはり、親の懐ぐあいも心配するし、見えなくても我慢する、そういう子どもはたくさんいるんだと思います。そういう点では、子どもの学習権を確保していく、保障するという点で、眼鏡を対象に入れていくことを強く求めておきます。
最後ですが、私は最初に言いましたけれども、国の就学援助に対する補助制度、補助金が2分の1になり、そして、今、準要保護者については打ち切られた、そして、お金は交付税で地方に措置しているから地方の責任でやりますと。国会の答弁を聞いていても、国は削減することを想定していないのです。自治体が責任を持ってやるということです。言い方は悪いですけれども、丸投げという傾向にあると思います。これは、国際的にも非常におくれた政策だと言わざるを得ません。
そういう点で、市は、国に対して、財政措置の問題で、少なくとも補助金に戻す、あるいは拡充していくのだということを強く求めなければならないと僕は思いますけれども、この点について最後にお伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 財源の確保についてでありますが、国の補助制度の見直しによりまして、平成17年度から就学援助に係る国の補助は要保護者だけに限定されております。準要保護者の補助は廃止されまして、税源移譲により一般財源化されるとともに、地方交付税として措置されております。
教育委員会といたしましては、確実な財源を確保するため、指定都市教育委員・教育長協議会などを通じまして、国の財政措置の拡大等に係る要望を行っているところであります。今後も、引き続き国に対しまして働きかけを行ってまいりたいと考えております。
◆伊藤牧子 委員 私は、情報教育について伺います。
近年の著しいICT、情報通信技術の進展により、私たちの生活全般に大きな変革をもたらしています。総務省の2009年度通信利用動向調査によると、2009年1月時点での
インターネット利用者の推計は9,091万人となり、前年から280万人増加して、人口普及率は75.3%となりました。成人の携帯普及率は優に90%を超えています。これからの
子どもたちにとって、IC機器を使いこなして仕事をするのは当たり前のこととして要求されることは間違いありません。学校における情報教育の重要性は増しております。
2000年のIT基本法の成立、2001年にはe−Japan戦略が策定され、その大きな柱に教育の情報化を重点計画として位置づけ、学校のICT環境の整備、ICT指導力の向上、デジタル教材の開発など、ICT教育の推進を図ってきました。そうした中、スクールニューディール構想のもと、学校のICT推進策により教育活用されているすべてのテレビを50インチ以上のデジタルテレビに買いかえること、全
小・中学校に電子黒板を1台、教育用コンピューターについては
児童生徒3.6人に1台が設置されるなどの整備が行われています。電子黒板は、書き込みやタッチパネルなどによる操作が簡単にでき、映像を活用することなど、わかりやすい授業ができるとされています。
子どもたちの授業環境を調えることは必要なことだと思います。
しかし、電子黒板は学校に1台しかなく、普通教室には大き過ぎます。また、すべての大型デジタルテレビに投影機がセットされているわけではなく、十分にその機能を利用することができないと指摘されています。IC機器を駆使した魅力的な授業を展開できる現場の教師の育成は自治体によって格差があり、また、教師によって力量の差があることも事実だと考えます。IC機器の導入は、経済効果をねらい、国の事業として行われたものですが、ハード整備だけが先行し、ソフト開発や教師の育成については各自治体の状況によって違いがあります。そのようなことを考えても、国は現状をとらえていないのではないかと思います。
そこで、質問です。
電子黒板、大型デジタルテレビなどが学校に整備されましたが、本市では、現在どのように活用されているのか、その状況をお伺いいたします。
また、今後、さらに教師がIC機器を使いこなすことが必要となりますが、研修などどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
◎金山
指導担当部長 学校におけるICT活用の現状と教師に対する研修についてお答えいたします。
まず、学校における電子黒板や大型テレビなどICT活用の現状についてであります。
電子黒板につきましては、子どもが画面に触れて英単語の発音を聞いたり、教師が画面上に映した図形を自由に動かして拡大するなど、さまざまな学習場面で活用しております。また、普通教室に整備された大型テレビは、鮮明に細部まで映ることから、実物投影機と接続して昆虫を映し出し、体のつくりや羽の様子を解説したり、子どもと同じ定規や分度器を用いて正しい使い方について説明したりするなどの学習場面で活用し、効果を上げております。
次に、教師に対するICT活用に係る研修についてお答えいたします。
教育委員会といたしましては、すべての
小・中学校及び特別支援学校の情報教育担当者を対象とした連絡会議を開催し、各学校に整備したICTの教育効果について周知するとともに、日常的な活用に係る研究成果を発表するなどして、各学校において教員がICTを活用できるよう研修を進めております。また、9月には、基礎的な操作技術の習得をねらいとした操作活用研修会を各区において実施し、より多くの教員が大型テレビと実物投影機を活用し、子どもにとってわかりやすい授業を行うことができるように取り組んできたところでございます。
◆伊藤牧子 委員 今のご答弁で、デジタルテレビは投影機を使いながらいろいろなわかりやすい授業を行っているということです。
しかし、聞くところによると、2〜3台しか投影機がないということで、本当にそれを現実的に活用できるということでは、予算もありますけれども、やはり、本当にすべての
子どもたちがちゃんと授業を受けられるような機械も必要ではないかと思いますので、その辺のこともぜひ整備を進めていただきたいと思います。
また、先生方の研修ということでは、いろいろな機会を持ってやられているということです。
インターネットを操作できる教師と、
インターネットで授業する教師というのはやっぱり違いますので、その辺は、ぜひ研修などにおいてさらにスキルアップしていただきたいと思います。
IC機器の活用は、今おっしゃられたように、わかりやすい楽しい授業ができ、私みたいなアナログ世代にとってはイメージできないほどいろいろな授業ができると思います。そして、子どもの創造力が膨らみ、自己表現を育成する上で本当に大きな可能性を持っており、
子どもたちが主体的に学べる場を生み出す有効な手段だと思っています。
しかし一方で、
子どもたちの周りにはたくさんの情報があふれています。本当にそれが正しい情報なのか、必要な情報なのか、
子どもたちが主体的にそれを選択する力、取り込む力が必要だと思っております。学校の情報教育においても、新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアの情報を批判的、客観的に受けとめ、そして、それを主体的に活用する能力を育成すること、いわゆる情報リテラシー教育というものが重要だということも指摘されております。
子どもたちが生きていく上で必要不可欠な情報をどのように取り入れ、自分の中で選択し、最終的には自分で考え、自分で行動できるような情報教育のカリキュラムが必要ではないかと思っております。
そこで、質問ですが、
子どもたちの情報能力を高めるためにどのような取り組みを進めているのか、お伺いいたします。
◎金山
指導担当部長 子どもの情報能力、情報活用能力を高める取り組みについてであります。
中学校では技術家庭科、高等学校では教科の一つであります情報を初め、各教科において、情報モラルを含めた情報活用能力を身につけるための指導を行ってきております。小学校においても、各教科や総合的な学習の時間等に、文字の入力や文書の保存など、コンピューターを適切に活用することができるよう指導しております。
教育委員会といたしましては、小学校における情報教育の充実を図るために、指導の指針となる市立小学校情報教育指導プランを作成するとともに、教育課程編成の手引の中でコンピューターなどの活用を図るよう示してきております。また、
子どもたちが情報モラルを身につけるために、各学校が
インターネットを通して活用できるデジタルコンテンツ、事例で学ぶネットモラルを整備し、5月に開催した連絡会議では、各学校が指導計画を作成し、系統的に情報モラル教育に取り組むよう働きかけるとともに、このコンテンツを活用した研究実践の成果を示すなどしながら取り組みの充実を図ってきたところでございます。
◆伊藤牧子 委員 小学校、中学校でも情報教育が行われるということですけれども、先生方は本当に時間量も大変多い中でこのような教育をさらに進めていくというのは、またいろいろな意味で負担もかかります。そういう意味でも、中学校や小学校の先生方を支援するような取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。また、先ほども言いましたように、
子どもたちは、情報があふれる中で本当に正しい情報を選択し、そして、それを使いこなしていくことが重要だと思いますので、リテラシー教育についても、福岡市の中ではちゃんと学習要領の中に取り込んでいますので、そのようなこともぜひ考えていただきたいと思います。
モラル教育ですけれども、先ほどから福田委員もおっしゃられていますように、情報通信社会の進展に伴いまして
携帯電話やパソコン、
インターネットを悪用した社会問題が多発しています。2008年、ベネッセ教育研究開発センターが全国の小学校4年から高校2年生を対象にした子どものICT利用実態調査では、携帯電話の所有率は、小学校高学年では平均30.6%、中学生では47.8%、高校生では92.3%、また、家庭でのパソコンの利用率は、小学校高学年では平均62.7%、中学生で70.5%、高校生で78.2%と、
携帯電話やパソコンが
児童生徒の間に広く普及している実態がわかります。
これらの情報を通して、先ほどもお話がありましたが、掲示板や学校裏サイトなどにおける誹謗中傷の書き込み、プロフやプリクラサイト等における個人情報の流出、出会い系サイトや家出サイト等による売春や買春などの犯罪、オークションサイトなどにおける詐欺被害などが後を絶ちません。本当に、情報教育の中で、
子どもたちが情報を適切に扱うための基本的な考え方や態度を身につける必要があると思います。
そこで、質問ですが、情報モラルを確立するためには、家庭、保護者との連携が重要と考えますけれども、今後どのように取り組むおつもりか、お伺いいたします。
◎金山
指導担当部長 情報モラルを確立するための家庭、保護者との連携についてであります。
委員ご指摘のとおり、
子どもたちが情報モラルを身につけるためには、学校と家庭との連携が重要であると認識しております。
教育委員会では、先ほど福田委員の答弁で申し上げましたけれども、
インターネット等の使用ルールやマナーについて書き込むことができるリーフレットを作成したところであります。学校でルールやマナーについて指導するとともに、保護者と子どもが相談しながら各家庭でのルールづくりに取り組むなどして、家庭の情報モラルに対する意識を高めるよう啓発していく予定であります。また、情報教育に関する実践研究会を立ち上げまして、教科指導における効果的なICTの活用とコンテンツを活用した情報モラル教育の実践研究を進めております。事例で学ぶネットモラルを活用して、情報モラルについて学ぶ授業を保護者に公開する予定でございます。さらに、授業後の懇談会においては、各家庭における取り組みについて交流したり、コンテンツの保護者用資料を活用したりしながら、情報モラルに対する保護者の意識啓発を図り、学校と家庭とが一体となった取り組みを充実させていきたいと考えております。
◆伊藤牧子 委員 本当に子どもが何気なく利用した情報が、将来、大きな傷になって残るというような事態も起きているとの報道もありました。ぜひ、家庭、保護者と連携を図り、情報モラルの確立を進めていただきたいと思います。
文科省は、ことしの8月に教育の情報化ビジョンの答申を出しました。今後、急速にIC化教育が進むと思われます。今回の補正予算からわかるように、国という中央が教育もコントロールしている現状の中で、先ほどさまざまな教育現場で情報教育がなされたり教師の育成もされているとおっしゃいましたけれども、やはり、まだまだ進んでいないのが現状だと思います。そういう中で、上からというか、国のそういう方針が地方の現場との乖離を生むことが予想されるのではないかと思います。
今後、情報教育も、地域の実情に合った教育を進めていただきたいと思いますし、教育現場での地方分権が必要だと思います。そのようなことを念頭に置きまして、子どもにとって本当に必要な情報を自分自身が取り入れることのできるような情報教育をぜひ進めていただきたいことを要望しまして、私の質問を終わります。
◆堀川素人 委員 私は、知的障がい者の高等支援教育についてお伺いいたします。
代表質問でも取り上げましたけれども、答えが十分ではない部分もありまして、改めて聞き直す部分もございます。
まず、高等支援教育、知的障がい者の高校進学ということです。
対象になる札幌の子ども方が札幌市の高等特別支援学校に進学できない、簡単に言いますと、平成22年度ではおよそ半数の人間が札幌市内の知的障がい者の高等学校に行けなかったという状況があります。これについて、まず、私は、やはり、札幌市の子ども方が札幌市内に進学ができるように、しかも、できるならば自宅から通学できるようにすべきであると。こういうことから見ますと、50%の子ども方が市外に行くということは、これは異常であります。
国の方からも、高校の適正配置の中では、通学等も考慮してその配置を適正にすべしというような通達が出ております。これから考えますと、特別支援を受ける子ども方が自宅から通えないで、ことしの場合、一番遠い場合は小平の高等養護学校に7名も行っているわけで、繰り返しになりますが、極めて異常な状態をつくり出している。
このことについて、札幌市としまして、札幌市民である
子どもたちに、今後どういうような形で特別支援を施すか、与えていくか。これは、与えると言いましても、教育は受ける側の権利ですからね。受ける側の権利をどう保障していくかということについて、まず、お伺いしたいと思います。
◎金山
指導担当部長 まず、特別支援学校高等部への進学につきましては、志望校での教育相談や中学校での進路指導をもとに、各自の適性や学校の特色等を踏まえ、出願校を決定することが基本となってございます。それぞれの条件のもとで悩み、さまざまなことを考慮しながら進学しているものと考えております。
しかしながら、札幌市内での入学を第一に希望しながらも、市外の特別支援学校高等部へ進学している生徒がいることも認識しておりまして、その苦労については十分重く受けとめているところでございます。
◆堀川素人 委員 第1志望が札幌であるにもかかわらず、地方に行く子もいるというような答えでありますけれども、それは現実と違うのではないですか。僕が会った親のほとんどは、札幌市内の親は、できれば札幌市内で進学をさせたい、こういう思いです。ところが、用意されている間口から言うならば、ことしの場合は、半分は出ていかざるを得ない状態じゃないですか、ほぼ半分が。それを、全部受け入れますよと言って、第1志望が札幌ではない子もいますからと、こう言うならばいいですけれども、札幌市内に半分しか用意しておかないで、重なって入学できますか。重なって入学できないならば、その定員が満ちたならば、定員に達したならば、違うところに行かなければならぬじゃないですか。そうやって選んだ結果、進路指導と言いますけれども、希望がかなわない場合に、札幌市と言っても、そこを落ちた場合にはどこに行くかわからなくなってしまうから、札幌市内をあきらめて違うところを第1志望にしようというのが現実じゃないですか。第1志望があったからというのではなくて、札幌市内を第1志望にしたいのだけれども、受け入れてくれる間口がないから第1志望を変えているだけじゃないですか。これを、今みたいな言い方をしたならば、一部の人間だけが行っているのではなくて、ほぼ半数が強制的に行かざるを得ない状態になっているということですよ。正確に答えなければだめですよ。今の現実がそうであるのならば、それはどこから来ているのかと。そのことを明らかにしなければだめですよ。(発言する者あり)何を言っているか。
○長内直也 委員長 静粛にお願いします。
◆堀川素人 委員 (続)こういうことを正確に使わなければ、これは教育長も言ったのですよ、第1志望がと。繰り返しになりますけれども、今言ったように、第1志望がではなくて、間口がないから行かざるを得ないということですよ。
それで、私は、つい何日か前に小平まで行ってまいりました。札幌市南区から小平まで行くのに3時間以上かかるのですね。ついでに言っておきますが、豊明に行くのにおよそ1時間、小平まで行くのに3時間、基本的に、子どもをそういう遠いところに行かせたいと思う親が100%いないという保証はないですけれども、やはり、自分の子どもを身近なところへ通わせたいというのはほとんどの親の切実な望みなのですよ。今、これを実現できない状態でいるということなのです。
教育委員長にお聞きしたいと思います。
教育委員長、今の状態を聞いていまして、教育委員長としてどう感想をお持ちになるのか、お伺いしたい。
◎山中 教育委員長 突然のご指名でなかなかお答えしにくいのでありますが、感想として申し上げれば、まず、委員のおっしゃる実態がどうであるかということをきちんと調べてみる必要があろうかと思います。そして、その上で、おっしゃるようなことであれば、それについてどう対応するかを真剣に検討する必要があるかなというふうに思います。
◆堀川素人 委員 その実態をこれから調べるなんていう問題じゃないですよ。調べていなければならない問題です。次から次へと、また来年も進学する子ども方がいます。それにどう対応すれば、
子どもたちにとって最もいい環境で学ばせることができるか、そういう環境がつくられるかということです。正直言って、これから勉強する話ではないのです。こういうことも含めて、やっぱり、
教育委員会とすれば、この問題に取り組んでいただきたいな、まず、こう思います。
次に、今回、北海道道央地区高等支援学校ができまして、正確に言うならば、札幌には三つ、小樽銭函に仮校舎から移行ということで4校になります。直線距離にしましたらほとんど10キロ圏内に4校が固まるわけです。こういう偏りについて、道教委といろいろな交渉というか、このことについて、来年できますよ、それから、これまでの間、石狩地区については、その間口が特別に厳しい状態になりますよという中で、道教委の方とも打ち合わせをしてきていると思うのです。それで、新しく道央地区高等支援学校ができる、それも手稲にできると。こういうことの偏りがあって、ほかには全然ないわけです。ほかにはなくて、豊明は北区ですけれども、そこも入れてあの地域に4校が固まっている。
これについて、札幌市は道教委に対してどんな対応、要請をしてきたのか、このことについてお聞きしたい。
◎金山
指導担当部長 市内にある特別支援学校高等部の地域的な偏りにつきまして、道教委にどのように働きかけてきたかということだと思います。
特別支援学校高等部の定員を定める配置計画につきましては、従来から北海道
教育委員会が北海道全体を見通して策定を行っているところであります。
教育委員会といたしましては、北海道
教育委員会に対して、札幌市を含む石狩管内の定員の拡大について必要な要望をするとともに、市立特別支援学校高等部の定員について協議してきたところでございます。
委員ご指摘の地域的な偏りにつきましては、札幌市教育の指針において、一人一人に応じながら地域でともにはぐくむ特別支援教育の推進をうたっておりまして、できる限り、身近な地域の学校に通えるという観点から、非常に重い課題であるというふうに受けとめております。その改善の可能性につきましては、今後、教育内容や保護者からの要望、出願者の動向などを踏まえながら、どのような解決策があるのかを検討するとともに、特別支援学校高等部の適正配置につきまして今後とも北海道
教育委員会と協議してまいりたい、こう考えております。
◆堀川素人 委員 これもまた、本当に答えになっていないですよ。僕が聞いたのは、あそこに4校固まる。小樽の1校を入れて四つ固まることについて、余りにも札幌が広い中で、あの地域まで通うということは、偏りが強過ぎて、本来はほかのところにつくるべきなのに、札幌市はそれを黙って認めてしまったわけですよ。この間、代表質問でも言いましたけれども、道の土地を使って、道の建物を使ってやるから開校はしやすいですよ。でも、開校をしやすいからといって、あそこがよりよい場所かといったら、道教委も、あそこの場所については偏りが強過ぎるということで初めから懸念を持っていたわけです。でも、道とすれば、道央圏という圏内にふえるわけですからという言いわけができますけれども、札幌市とするならば、これは、余りにも偏りがひど過ぎて、違う場所に持ってくるべきだということを言わなければならなかったのではないか、こう思うのですが、これについては全く発言をしていない。
間口をふやしてくれと言うから、臨時でもって豊明に1間口をふやしましたと。こういうことであって、本来、どこに持ってくるかというのは、札幌市に持ってくるならば札幌市の最大の関心事ですよ。そのことについて何も言わないで、あそこでもって開校してしまう、来年の4月に。このことについて、札幌市はどう考えるべきだったのか、道教委に対してどう異議申し立てをすべきだったのか、そのことについてどう思うのか、お答え願いたい。
◎金山
指導担当部長 特別支援学校の開設というか、道に対してどのように働きかけたかということについてであります。
教育委員会といたしましては、現在、障がいのある生徒の高等教育に向けまして、豊明高等養護学校の学科のあり方等を含めた教育内容の見直しを検討しているところでございます。(「ちゃんと僕の質問に答えてよ」と呼ぶ者あり)
○長内直也 委員長 答弁中です。
◎金山
指導担当部長 (続)そのことを踏まえながら、特別支援学校の設置について、今後、道教委と協議しながら検討してまいりたい、このように考えております。
◆堀川素人 委員 全然答えてないじゃないですか。僕は、今回の道央地区特別支援学校が来年の4月に手稲に開設される、ここについては、既にほかにも近くにあって余り望ましい場所ではなかったのではないかと。道教委もそれについては基本的に認めているわけです。札幌市の
教育委員会も認めているわけです。そうするならば、道教委と打ち合わせ、協議があるわけですね。そのときに、その問題が出たときに、札幌市とすれば、偏りがひど過ぎる、空白地帯があるのだから、空白の方にその学校を持っていってくれ、こういう話をすべきだったのに、それを何らしていない、このことについてどう思うのか、今、そのことを聞いているのですよ。
◎金山
指導担当部長 先ほども申し上げましたけれども、特別支援学校の配置計画につきましては、従来から北海道
教育委員会が北海道全体を見通して策定を行っているところでございます。そのことに基づきまして、札幌市といたしましては、豊明高等養護学校の教育内容のあり方も含めた中で道教委と協議をしているところでございます。
◆堀川素人 委員 豊明がどうだとかということではないのですよ。今、新しく特別支援高等学校ができる。それが札幌にできますよと。そして、今後、明らかに進学率の高まりもありますし、子どもがどんどんふえますが、その間口が用意されていないので札幌市に置きますよといったときに、札幌市は、それは困る、そこに置いてもらっても困るのだと。これからまた言いますけれどもね、間口がなぜあいたかということも含めて、後で議論をすることになると思いますけれども、余りにも……
○長内直也 委員長 堀川委員、繰り返しになっています、質問が。
◆堀川素人 委員 (続)いやいや、ちょっと待ちなさい。だから、ちゃんと答えるように言ってくださいよ。ちゃんと答えるように言ってくださいよ。
今言うように、道教委に対して、なぜ異議を申し立てなかったのか。異議を申し立てて当たり前じゃないですか。札幌市の
教育委員会も、あそこに偏り過ぎてあることについては好ましいとは思っていなかった。組織でもそういうふうに話されていました、ところが、打ち合わせのときに、協議のときに、それについては触れませんでしたと。こういうことですよ。(「道教委に権限があるんだから」と呼ぶ者あり)違います。違います。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)違うんです。
このことで言うならば、特別支援学級、高等支援学校については、道教委の専決事項ではないのです。札幌市も市町村も道も同じ立場であるのです。このことをしっかりわきまえなければだめなのです。ですから、今みたいなやじになったり、それから、道教委がということを――ついこの間までですよ。僕は、このことについては、余りあなた方に恥かかせたいと思わないから言わなかったですけれども(「教育長、きちんと答えなさいよ」と呼ぶ者あり)でも、あなた方は……
○長内直也 委員長 質問に入ってください、質問に。
◆堀川素人 委員 (続)道の専決事項だと、ついこの間まで思っていたじゃないですか。だから、そこには口を出せない、こう言っていますけれども、そうではなくて、お互いに協力をしながら義務を果たさなければならない関係なのですよ。そうするならば、今まで道がやっているから中心であったとしても、こちらで異議申し立てをすることは自由ですよ、ある意味では。札幌市民が困るわけですから、それに対して異議を申し立てて当たり前じゃないですか。異議を申し立てないということは、職務を果たしていないということですよ。こういうふうになることを、なぜしなかったのか。しないことに対して(「はい、教育長」と呼ぶ者あり)
教育委員会としてどういう反省があるのですかということを私は聞きたいのです。
◎北原 教育長 私からお答えいたします。
先ほど来お話し申し上げているように、高等支援学校の設置について、委員ご指摘のように道の専決事項ではありません。しかしながら、北海道全体を見通して、その中で全体のバランスをとりながら配置計画を考えていくということは道の方にゆだねているところでございます。そうした中で、札幌市としての立場から要望もしておりますし、協議もさせていただいております。
この偏りの部分について、先ほど来ご指摘もありましたけれども、豊明高等養護学校については、これまで、1間口ふやして学年進行で3学級、そのために学校も増築いたしました。その後、今年度についてはさらに1学級ふやして、ただ、もうこれは増築の限界に来ておりましてあそこではもう敷地がとれません。そういうことで、ほかの教室を改修して暫定的に1学級分、それは学年進行で上がっていくという形で設置させていただきました。しかしながら、結果的に、その1学級分について定員が充足できない状況がございました。
私どもとして、単なる数の問題としてではなく、教育内容等も含めて、どういうふうにしていくのか、配置の位置関係ということもありますし、それから教育内容ということもありますし、それらを含めて総合的に考えていく必要はあるだろうというふうに考えております。そういう観点から、豊明高等養護学校の教育内容等についても、今、金山部長からも答弁申し上げたように、さまざまな観点から検討を進めているところでございます。
そうしたことで、前回の代表質問の中で堀川議員からご質問をいただいた中で、欠員が生じてしまった原因が何なのか、その調査がいまだに進んでいないのはいかがなものかというご指摘をいただいて、そのことについては反省しながらお答えをさせていただいたところですけれども、いずれにしても、この分析をしっかりしながら、あわせて、私どもとして考えている豊明高等養護学校の教育内容等の改善も含めて、総合的に検討を進めていく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
◆堀川素人 委員 一つは間口のこと、それから偏りのこと、これは、もう弁解の余地のない問題だと僕は思うのです。それは、さっきも言いましたように、道教委も、ある意味では札幌市教委も認めているところです、偏りについてはね。こういうことについては、僕は、やっぱり異議を言うべきところは異議を申し立てなければだめだと。それが、札幌市民の生活、それから子ども方の教育、障がい者の教育機会、これを守ることになるのです。道教委のまま、その予算がとか、ただそれだけで子どもの教育が左右されてはならぬ。ですから、先ほども言いましたように、対等な関係で言い合う。何が子どもにとって一番ベストなのか、このことについて、やっぱり遠慮しないで言い合わなければだめだ、僕はこう思います。
このことについては、これ以上――僕はもう十分わかっていることだと思います。ぜひ、今回の道央地区の支援学校については、そればかりではないですが、どこかでやはり場所を変えるべきだ、適正な場所に変えるべきだということを、やはり札幌市教委からも道に要求すべきである。そして、札幌市が協力できるものについては積極的に協力していき、知的障がいのある子ども方の教育機会を保障すべきである、こういうふうに思います。
次に、今度は、豊明高等養護学校の間口について、せっかく臨時的にでも1間口ふやしたのに、どうしてそれが欠員で終わったのか。このことについての分析はどうなっていますかということも代表質問で聞きました。それについては、まだ分析が終わっていない、すぐ調査にかかっていないということについては申しわけないという話ですから、それについてはわかりました。
でも、今、完全な分析はできていないのかもしれませんが、僕も、その後、親からもう一度聞き取りもいたしました。どうなのだろうか、なぜ、豊明が、それからもう一つは小樽の養護学校に欠員が生じたのか、こういう話を聞いたのです。これについては、完全ではなくても、どうも簡単に共通性が見えるなと僕は思っているのですけれども、札幌市教委としてはこれについてはどういうふうに感じていますか。
◎北原 教育長 今のご質問については、調査の分析ができていませんので正確なお答えにはならないかと思いますが、とりあえず、これまで私が経験してきた中で想定することのできる内容として何を言い得るかということで、極めて不正確ではあるかもしれませんけれども、お答えさせていただきたいと思います。
例えば、北海道小樽高等支援学校については、できて間もなくなので、つまり卒業生の進路実績が見えません。それで、本人もそうですけれども、保護者がどこの学校を選ぶかという観点の一つには、そこを卒業した後、この子はどういうふうに生きていけるだろうかということは物すごく真剣に考えるのだと思うのです。そういう観点からすると、今のところ進路の実績が見えていないところについては不安があるのだろうというふうに一つは思います。そういう意味で、今、豊明高等養護学校の教育内容についても検討させていただいているところというふうにお話を申し上げていましたが、これも、豊明高等養護学校を卒業した後、就労にかかわって有効な学科の設置になっているかどうかということについて、現時点での社会の状況等も含めて、
子どもたちの状況等も踏まえながら、どういうことが可能なのかということを改めて検討する必要があるだろうということで検討させていただいているところです。
今、とりあえず申し上げられるのは、そういう卒業後の進路のことが一つ大きな課題としてあるだろうというふうには想定してございます。そういう観点も含めて今後検討してまいりたい、とりわけ札幌市が所管する豊明高等養護学校については、そういう観点から検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆堀川素人 委員 今の問題もそのとおりだと思うのですけれども、やっぱり、さっき言いましたように、偏りが大き過ぎると。僕はさっきも言いましたけれども、我が南区から車で1時間かかる場所なのですね、豊明に行くにも。そうしますと、知的障がいのある子がそこまで通うというのは、本当に大変な思いで通わなければならない。そして、西や北の方にばかりそういう障がい者がいらっしゃるわけではなくて、全部にいることを考えたならば、東や豊平、区で言えば南区、こっち側から通う人は大変な思いで通うわけです。そこに通うのに大変だ、通学に大変だとするならば、いっそのこと寄宿舎に入れてと。寄宿舎のあるところは地方の養護高等学校ですから、そっち側に行ってしまう。それで、親に聞きますと、豊明に寄宿舎をつくれないのかという親からのたくさんの声があります。
きっと、今の間口をふやしても間口に欠員が出たというのは、そういうふうに通学に大変に苦労がかかって、そこまでするならば地方がいいという中で、これからはそこの間口を幾らふやしても定員には満たないのじゃないだろうか。札幌市内の子ども方が、ある意味では安心して通え、学べるようにするために、せっかく豊明という立派な高等支援学校があるわけですから、そこに寄宿舎をつくるという方法は考えられないのか。これは、だれでも思うことなのですね。
そこで、簡単に言えば、ぜひともつくっていただきたいなと思いますし、今の札幌市内の間口との関係においては、道央地区の支援学校が来年開校したとしても、まだ十分ではないのです。そうするならば、僕は、第二の豊明高等養護学校を、適正配置という観点からもやはり空白地帯につくっていく。こういうことで、札幌市としても道にばかり任せるだけではなくて、札幌市も協力をいたします、道も一緒に力を出しますという中で、札幌市に第二の豊明高等養護学校をつくってもいいのではないだろうか、こう思うのです。
このことについて、今、急にやりますとはなかなか言えないのかもわかりませんけれども、どうすべきなのか、どうしてあげたいというか、こういうことを僕は教育長の口から聞きたいですね。お願いします。
◎北原 教育長 代表質問でもお答えいたしましたし、先ほど金山部長からも話がありましたけれども、身近な地域で障がいのある子どもが学んでいくということは極めて大事なことだと考えております。しかしながら、先ほど来、申し上げているように、実際に豊明高等養護学校で間口を拡大したにもかかわらず定員割れを起こしてしまった、その状況について、先ほど申し上げたような課題について検討した上で取りかかっていかなければ、果たしてそのことが直接問題の解決につながるのかどうかということは極めて不確定なところがあろうかというふうに思います。
道との協議の中でも、札幌市として応分の負担があり得るという考え方は示しつつ協議をさせていただいております。ただ、その中で、道としての特別支援教育の将来展望、それから、間口の総合的な将来の見通し、それらを情報提供していただきながら検討していくことが必要だろうというふうにあわせて考えているところです。
また、地域的な問題で言いますと、私自身、教員の人事について取り組んだことがございますけれども、例えば、南区は地域的に極めて入り込んだところで、そこに人を配置していくことは非常に難しい部分がございます。そういう意味で、通うということについて言いましても、南区という限定をはめてしまえばいろいろ難しさはあるだろうというふうに思っております。
それらを総合的に勘案しながら、今後、どういうことがあり得るのかということについては、道との協議、それから、札幌市としてどうあるべきかということも含めて、検討していく必要があるだろうというふうには思っております。
◆堀川素人 委員 最後にいたします。
僕は、自分が南区にいまして、南区の家を出ざるを得ませんから、南区から小平に行きました、それから、途中、豊明の方も通りましたという中で、南区ということを言ったのですけれども、南区も空白地帯の一つなのですね。僕は、そこに限るということを言うつもりは全然ありません。やはり、適正配置をすることによって、それから、適正間口を用意することによって、適正施設を用意することによって、学ぶ意欲のある、学ばせたいなという親も、学びたいと思う子どもにも、その教育機会を奪うような形は、それができたとしても、特別また苦労しなければならぬようなことは、やっぱり、そういう苦労をむだな苦労と言うのか、無理な苦労と言うのか、そういうものを取り去ることが、子どもの権利条例も持っている札幌市として、そういう不自由をしている子ども方がいるというのは、正直言って見るに忍びない。こういうことに対してこれからも全力を挙げて取り組んでいただきたい、こういうことをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
○長内直也 委員長 ここで、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後0時2分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○長内直也 委員長 それでは、委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆しのだ江里子 委員 私は、札幌遠友塾自主夜間中学、それから、障がいのある子どもへの支援、そして、図書館
インターネット予約の3項目について質問させていただきます。一つずつさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
札幌遠友塾自主夜間中学は、さまざまな事情により過去に十分学ぶ機会がなかった方々のための学びの場を提供しており、現在、約80名の方が、毎週水曜日、夜に通学されております。そして、このように学ぶ意欲を強く持ち続けている方たちに、ボランティアスタッフ約70名が先生になり、また、サポートスタッフとして教育本来のすばらしさを感じさせる授業を行っております。
我が会派も、この間、遠友塾の学校施設の供用に向けて粘り強く取り組んできたところです。この遠友塾から、2007年11月に、義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの就学保障を求める陳情が提出され、私どもも、議会において
教育委員会としてどう取り組むかを考えるべきであると指摘し、さらに、札幌遠友塾自主夜間中学で学ぶ人たちのために、安定した望ましい環境の活動場所として学校などの施設を提供すべきことなどを求めてまいりました。
そこで、早速、質問ですが、昨年4月からは、長年の希望がかない、向陵中学校を会場として活動しているとのことですが、
教育委員会として、現在、遠友塾に対してどのような支援を行っているのか、伺います。
◎長岡 生涯学習部長 遠友塾の支援につきまして、現在の状況を私から答弁させていただきます。
札幌遠友塾自主夜間中学につきましては、戦中、戦後の混乱期に学校で学ぶ機会がなく、高齢となられた方々などに学びの場を提供することを目的に活動している団体でございまして、学ぶ意欲を持ち続けてこられた多くの方々を支えてきたその活動は、大変意義深いものと考えております。
教育委員会といたしましても、生涯学習の視点から、これまでも活動の場所のあっせんや会場使用料の減免などを行ってまいりました。特に、向陵中学校の使用につきましては、学校を使用しての取り組みを進めたいという遠友塾の希望を踏まえまして、
教育委員会と遠友塾、学校との3者で使用方法などについて協議を行い、平成21年4月からは継続的な使用を開始いたしました。今年度も、毎週水曜日に普通教室5室及び多目的室1室を使用しております。また、学校教室の提供以外に、教材置き場を確保するとともに、学校が所有する教材の貸し出しをしているほか、体の不自由な受講生に配慮して階段昇降機や玄関スロープの設置を行っているところでございます。さらに、今年度からは、新たに生徒との交流用の掲示版を配置し、学校における
子どもたちと遠友塾との交流も図ってきているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 向陵中学校を会場とするに当たっては、遠友塾の皆様や
教育委員会の働きかけなどにより向陵中学校で始まったこと、また、向陵中学校では、校長先生を初め、学校全体で支援をしていただいていることが大変よくわかります。
先日、私も、学生インターン生とともに遠友塾を訪れたのですが、戦争や家庭の事情で義務教育を十分に受けることができなかった方を初め、不登校だった若者や多くの方たちが一生懸命学んでいる姿や、家庭的な雰囲気の中でそれを支えているスタッフに触れ、これこそが学ぶことの原点であると私は思いました。一緒に行っておりました大学生たちは、若者から96歳までの方たちが真剣に学んでいる様子を見て、自分たちの環境がいかに恵まれているのかを改めて感じ、そして、勉強したいと思うのは年齢には関係ないのだということを知ったと感想として述べてくれました。
遠友塾の活動に対して、
教育委員会としても、向陵中学校の教室使用のほか、校内に教材置き場を確保するとともに、学ばれているご高齢の方や体の不自由な方のために施設の整備を行っていることについては、率直に評価したいと思います。しかし、行政として、ここに集まる、学ぶ意欲を強く持ち続けている方たちに対してもっとできることがあるのではないかと思うのです。
そこで、質問ですが、遠友塾の皆さんがよりよい環境で学習することができるようさらなる支援はできないのでしょうか、伺います。
◎長岡 生涯学習部長 さらなる支援の拡大ということでのお話でございます。
教育委員会といたしましても、ここで学ばれている学ぶ意欲を強く持ち続けてこられた方々の思いにこたえるため、でき得る限りの支援を行ってきたところでございます。また、ただいま委員からもお話がありましたとおり、向陵中学校の生徒たちと遠友塾との交流が深まる中で、生徒たちにとっても学ぶことの意義や重要性を感じ取る機会となっているなど、好ましい成果も見られるようになってきております。
今後、これらの成果を踏まえながら、さらにどのような支援ができるか、引き続き遠友塾の方々とも協議をさせていただきながら検討してまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 要望です。
1クラス約25名の1年生から3年生までとじっくりクラスがありまして、一人一人のレベルが異なることで、それぞれに対応していくことは大変難しいことだと思いますが、スタッフの方々が個々の習熟度に合わせて、ほぼマン・ツー・マンで課題解決のサポートをされていました。ネットで調べますと、日本の識字率は99.8%という数字もありますが、戦後の混乱や経済、そして身体差別、近年は不登校の理由で中学校はおろか小学校も行くことができず、文字の読み書きができないことで日常生活に支障を来し、人前に出ることをはばかる生活をしていたと聞いたことがあります。学力が身につくことで勇気がわき、勉強に対する思いと実現している自信で、皆さんははつらつとしていました。
来年度の希望者は既に20名近くとなっており、実際に参観して痛切に感じましたのは、もう1日、授業日数をふやし、科目をふやすことはできないのかなという思いです。本来は、専用教室があればよりよいのですが、廃校になった都心の小学校の跡地等の状況を伺いましたが、大変厳しいとのことで、それもかないません。北九州市では、行政との協働事業として運営費の助成やスタッフの交通費支給などの事業支援を行っています。遠友塾においても、札幌市はいま一歩踏み込んでいただき、自主夜間中学を支援していただくよう検討を求めます。
次に、障がいのある子どもへの支援について質問いたします。
障がいのある人も、障がいのない人も、同じように社会の一員として社会活動に参加し、自立して生活できる社会を目指すということは、共生社会の実現と福祉の充実に努める私どもの国において、欠くことのできない大切な理念だと思います。幼児教育においては、統合保育という形の中で、障がいのある幼児も、障がいのない幼児も、ともに同じ場で生活し活動する中で、幼いながらもお互いを認め合い、相手、特に弱者に対する思いやりが自然に育っている姿を見ることができます。
一方、
小・中学校の義務教育段階に入りますと、このような自然な触れ合いが急激に薄れてくる印象を強く受けます。就学先に特別支援学級がないために、同じ幼稚園に通っていた子どもが、別々の学校に行かなくてはならなくなったという話も聞いております。
札幌市の特別支援学級も、以前に比べますとふえているのは承知しており、また、車いすなどを使用して、保護者や本人の希望を踏まえながら地域の学校に通っている子どもがいることも、ともに学ぶという観点からは望ましいことだと考えます。しかし、そのように地域の学校に入っても、障がいのある子どもへの支援は十分と言えるのでしょうか。可能な限り地域の学校に通うという理念を掲げているのに、それを支える具体的な手だてが乏しいのではないかと感じます。
質問ですが、札幌市の学校において、車いすを使用している子どもの実態とその支援の状況はいかがか、伺います。
◎金山
指導担当部長 札幌市の学校において、車いすを使用している子どもの実態とその支援についてお答えいたします。
まず、車いすを使用している子どもの実態についてでありますが、現在、
市立小・中学校で身体の障がいにより車いすを常時使用している子どもは31名在籍しております。
次に、車いすを使用している子どもへの支援についてでありますが、障がいのある子どもに対して、学校生活上、必要な支援を行うことを目的に実施している学びのサポーター活用事業において、校内での移動や給食時の補助など、
子どもたちが学校生活を送る上で必要な介助を行っております。また、必要に応じて、学校に階段昇降機を配置することや、玄関スロープを設置したり、車いすでも入れるようにトイレの改修を行ったりするなど施設設備の整備を行っております。
◆しのだ江里子 委員 現在、
市立小・中学校に31名の常時車いす使用のお子さんがいらっしゃり、車いすの子どもに対しては、階段昇降機やスロープの設置、トイレの改修などの施設改修を行い、人的支援としては学びのサポーター活用事業を実施しているとのことでした。
車いすを使用している子どもを含め、障がいのある子どもに対するさまざまな支援が行われていることはわかります。しかし、学びのサポーター活用事業においては、サポーターに対する研修内容が発達障がいに偏っており、自分が担当する車いすを使用する子どもの支援には余り役に立っていないとか、修学旅行や校外学習等に関する費用が支給されないため参加しづらいなどという声も聞いております。
そこで、質問ですが、学びのサポーター活用事業における活動に必要な費用と研修の現状、今後についてはいかがお考えか、伺います。
◎金山
指導担当部長 学びのサポーター活用事業における活動に必要な費用と研修の現状及び今後についてお答えいたします。
まず、活動に必要な費用についてであります。
本事業は、基本的には学校内における日常的な学習活動への支援を主として行うものでありますが、校外での学習等への対応を行っている場合もあり、それらの活動に係る費用についての要望があることは、学校に対する
アンケート調査等でも把握しております。このことにつきましては、本事業の取り組みを進める中で、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、学びのサポーターに対する研修についてであります。
車いすを使用するなど、身体に障がいのある子どもの生活動作の介助に比べ、発達障がいのある子どもの支援については、その対応にさまざまな配慮が必要なことから、これまで重点的に研修を行ってきたところであります。
教育委員会といたしましては、さまざまな障がいのある子どもの支援に対応することが必要と考えており、今後、車いすを使用する子どもへの支援についても内容に取り入れるなど、サポーターに対する研修の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 各学校への調査では、事業の拡充を求めるニーズが高いと認識しており、また引き続き検討したいとのこと、研修については、車いすの子どもに対応した内容も取り入れていただけるとのことですので、ぜひ、そのように取り組んでいただきたいと思います。また、現在の学びのサポーター活用事業は3年目の取り組みですが、活動に必要な費用の問題など対応すべき課題も見えてきていると思います。現在の制度による対応に無理があるのであるならば、例えば、ボランティアに対する校外学習時の費用を補助するなど、より具体的な手だての検討をお願いいたします。
これまでの答弁にありましたように、学びのサポーター活用事業を含め、障がいのある子どもに対するさまざまな支援が進んできたことは評価いたします。しかし、この支援をよりよいものとしていく上で、私は、忘れてはいけない大きな視点があると思います。すべての学校でのこととは思いませんが、車いすを使用する子どものことはすべてサポーターに任され、ほかの
子どもたちはその子にかかわる機会が少ない様子も見られると聞いております。これでは、一緒の学校、同じ場にいても互いの理解が進むこともなく、お互いを思いやる心が育っていかないのではないかと考えます。ボランティアなどを活用する際には、
子どもたちがお互いの違いを認め合い、ともに助け合うなどの心を涵養することによって十分に配慮し、取り組むことが大事であると考えます。
そこで、質問ですけれども、障がいのある子どもと障がいのない子どもの相互理解を図る取り組みが必要と考えますがいかがか、伺います。
◎金山
指導担当部長 障がいのある子どもと障がいのない子どもの相互理解を図る取り組みの必要性についてお答えいたします。
教育委員会といたしましても、障がいのある子どもと障がいのない子どもの相互理解を図ることの必要性は十分に認識しております。交流及び共同学習の推進を学校教育の重点にも示しているところでございます。各学校においては、通常の学級の子どもと特別支援学級の子どもが給食や清掃活動に一緒に取り組むことや、生活科などにおいて合同授業を行うことなどを初め、地域に住む特別支援学校に通う子どもとの積極的な交流を進める地域学習校の取り組みを行うなど、交流及び共同学習の推進に取り組んでいるところであります。
教育委員会といたしましては、交流及び共同学習の意義や配慮事項などについて、教育課程編成の手引や研修会等を通じてその啓発を図ることなどに取り組み、今後とも、各学校において、障がいのある子どもと障がいのない子どもの相互理解を図る取り組みがより一層推進されるよう努めてまいりたい、こう考えております。
◆しのだ江里子 委員 意見です。
学校教育の重点においても交流及び共同学習の促進を掲げており、特別支援学級と通常学級が一緒に給食をとる交流ランチタイムとか、遠足に一緒に参加することや地域学習校などの活動に取り組んでいるとのお話でした。
札幌市特別支援教育基本計画では、より身近な地域で継続した専門的教育の充実に努めるという理念を掲げています。大切なことは、ともに生きる社会の実現に向けた日々の取り組みの積み重ねであり、幼いときからの思いやりや優しさを大きくなってもはぐくんでいくことであり、また、大きくなればもっと力強いものとなり、支え合うことは当然のことになります。可能な限り地域の学校に通うという理念を実現するために、さらに具体的な手だてを講じていただくよう強く要望いたします。
次に、図書館の
インターネット予約についてです。
ことしは電子書籍元年とも言われ、出版や読書のあり方について新聞紙上でもたびたび取り上げられております。しかし、いつの時代においても、読書はさまざまな考え方を知り、文学や芸術を味わい、新たな技術を勉強するなど、日々の生活や人生を豊かにする楽しみであり、学びであると考えます。また、図書館は、そのような市民の読書の拠点として、どのような時代においても社会的な機能と役割を果たしていかなければならないと考えます。
私は、2007年の
決算特別委員会において、高度情報通信社会の進展の中で
インターネット利用に代表される非来館型サービスの充実の必要性について述べ、早期の
インターネットによる予約の実施を要望いたしました。
そこで、質問ですが、その後、2008年8月に
インターネット予約が開始され、2年が経過しましたけれども、これにより利用はどのように伸びたのか、また、市民はこれを心待ちにしていたと思うのですが、利用者の行動や本、資料の借り方にどのような変化が起こっているのか、あわせて、
インターネット検索や予約の一層の普及には、使いやすさ、利便性の向上も必要となりますが、それに向けた対応はどのようにされているのか、伺います。
◎長谷川 中央図書館長
インターネットによる本の予約についてお答えいたします。
1点目の
インターネットの予約が開始してからの利用状況についてでございます。
インターネット予約を開始した平成20年8月から予約の冊数は急激にふえまして、現在でも緩やかな増加傾向が続いております。数字で申し上げますと、
インターネット予約を開始する前の平成19年度は約65万冊でしたが、
インターネット予約をスタートさせた20年度は約97万冊、21年度は約123万冊と、開始する前の約2倍の伸びとなっております。
次に、2点目の利用者の本の借り方について、どのような変化があったのかという質問でございます。
まず、来館して予約をする方が減り、
インターネットからの予約がふえまして、全体の予約数の7割に達しております。また、大通カウンターや区民センター、地区センター図書室における貸し出し冊数もふえております。つまり、予約は市内のすべての図書室にあります本を選びまして、貸し出し、返却のときは身近な図書室で済ませる、そういった使い方がふえてきているようです。さらに、
インターネットの利用者の方は、図書館に並んだ本から探すよりは、多数ある蔵書の目録データから検索いたしますので、書庫におさめれていて、これまで余り利用がなかった本も多数借りられるようになってきております。
3点目の一層の普及に向けた対応についてでございます。
インターネットの予約の普及には、高齢者や子ども、また、
インターネットの初心者から上級者にまでその利便性を感じていただけますよう、正確さと使いやすさの向上を図ることが大切だと考えてございます。そのため、操作がふなれな方々への利用のサポートを行っております。また、蔵書の目録データの再整備、検索する方法やスピードの改善なども進めてきております。今後も、正確でわかりやすい予約方法の開発とそのPRに努めてまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 数字では、
インターネットが始まる前までは65万冊であったものが、21年度、昨年度は123万冊ということで、まさに倍増しているとのことでございました。それによって、ベストセラーの本やニュースで話題となった本などは予約が集中し、予約をしてから借りる順番が来るまでかなりの日数を要しているのではないかと思います。
ちなみに、私もネットで検索してみましたら、例えば、村上春樹の「1Q84 BOOK1」などは予約数が1,646、所蔵冊数が65冊ということで、1,000を超えている本が8冊ほどありました。図書館が、それぞれの時代の出版物をできるだけ幅広く収集、保存し、現在の市民に提供するだけではなく、将来の市民にまで伝えていく大切な使命を持っているということはよく理解しております。そのためには、例えば、ある本を何十冊も購入するよりも、できるだけ幅広く多くの種類の本を1冊ずつ収集するという選択もあると思います。しかし一方で、今必要としている市民にできるだけ早く本を届けることも図書館として大切な役割であると考えます。
そこで、質問ですが、予約の多い本は、どのくらいの予約件数があり、それに対して何冊程度用意され、また、その冊数はどのように決められているのでしょうか。また、冊数をふやすためにはどのような対策を講じていらっしゃるのでしょうか。
そして、2009年度の市民の声にもあり、利用する方からもよく聞くのは、現在、予約上限冊数は10冊となっていますが、長期にわたる順番待ちで上限がいっぱいになる場合もあります。そこで、上限冊数をふやすことはできないのか、あわせて伺います。
◎長谷川 中央図書館長 1点目、2点目の予約が多い本の現状、それから、その本をどのように用意するかという対策、こういったことについてのご質問かと思います。
予約の多い本は、最近では予約の件数が500件から1,000件といった本が15点ございます。また、1,000件以上の予約がある本は8点ございます。すべて、最近出版された日本の小説でベストセラーの本でございます。
これらの予約にどう対応するかにつきましては、資料選定に関する内部の会議において、全体の予約状況などを見ながら調整を行っておりまして、読書推進の観点から予約の多い本は数十冊そろえるようにしております。しかし一方、予算には限りがございますし、また、図書館には知識の普及や社会文化を伝えていくという役割もございまして、予約の有無にかかわらず、幅広い分野の本をそろえることも重要な業務でございます。こうしたことから、予約の多い本につきましては、昨年度からホームページで市民からの寄贈もお願いするなど、調達の工夫をしているところでございます。
次に、予約の上限冊数をふやすことについてでございます。
平成20年の
インターネット予約の導入に当たりまして、予約冊数全体の大幅な増が予想されたため、事前に予約状況の調査をしたところ、予約をしている利用者の9割以上の方々の予約冊数が10冊未満でございました。そういった経過から上限冊数を10冊にした経過がございます。また、仮に、予約の上限冊数を増加した場合、1冊の本に対する予約の件数が急増しまして、結果的に現在以上に予約待ちの日数がふえまして、かえって利用者の方々にとって不利益が生じることが予想されます。こうしたことから、現時点では、予約の冊数をふやすという状況にはないと考えますが、利用状況の推移について注視してまいりたいと思います。
◆しのだ江里子 委員 予約の多い本は、数十冊単位で購入していただくということ、また、幅広い分野の本を購入され、そして市民からの寄贈も求めているということで、ネットを拝見しますと、今、それぞれの分野で非常に人気の高い本とか、特に本の名前をきちんと明記して募集をかけているのが見えました。市民が1回読んだ後に家に置いておくのは、なかなか場所もとりますし、ただ、捨てるわけにはいかないわけですから、そういったことで中央図書館などに寄贈していただけるということになると、だれもが喜ぶことですから、ぜひ、これはもっともっと広まっていけばいいなと思います。
私は、質問の冒頭で、電子書籍元年という言葉を使わせていただきましたが、最後に、電子書籍について伺います。
ことし7月の新聞報道で、アメリカの
インターネット通信販売最大手であるアマゾン社では、販売している電子書籍の数量がハードカバー本を上回ったとの記事がありました。私は、委員会質問で、
インターネットや携帯を媒体とした小説が映画化されたり、出版化され、若者が読み始めたり、アマゾンネットを使った書籍の売買が盛んになり、いながらにして必要な本が手に入るようになったと2年前に述べました。それから、今や、33カ月しか販売していない電子書籍が、アマゾン社において15年間販売しているハードカバー本を追い越したということは驚異的なことだと思います。電子書籍の普及がグーテンベルクの印刷システムによる印刷革命、出版革命と同レベルの革新、ムーブメントを書籍、出版に与えるという話もあり、アメリカでは、既に、電子教科書が導入され始め、韓国でも2011年に導入が見込まれています。日本でも、既にiPadやキンドルを使い、電子書籍による読書を始めている方も多いと聞いています。また、10月9日には、
教育委員会が開催したさっぽろ家庭読書フォーラムにおいて、「これからどうなる?読書の未来」と題し、電子書籍の登場で読書がどう変わるのかをテーマにパネルディスカッションが行われました。電子書籍の普及は、市民の読書環境の変化だけではなく、図書館の資料収集・提供にかかわる大きな変わり目になるとも考えられます。
最後の質問ですが、日本における電子書籍の普及の現状はいかがか、また、図書館において、今後、電子書籍は、従来の紙の本と同様に収集し、貸し出しをする方向になるのか、その取り扱いについての見通しはいかがか、伺います。
◎長谷川 中央図書館長 電子書籍についてお答えいたします。
1点目の日本における電子書籍の現状についてでございます。
現在、電子書籍につきましては、流通ルートも十分形成されておりません。また、読書をする一般的スタイルとしてはまだ広がっていないと認識しております。
しかし、1年間の出版点数は、平成17年では書籍が約8万点、電子書籍が1万6,000点に対しまして、平成21年度では書籍が約8万点、電子書籍が約2万7,000点となっております。ここ数年で、一般書籍の変化はございませんが、電子書籍は急激に伸びております。また、海外における電子書籍の急速な拡大を受けまして、国内においても、印刷、出版、通信等の企業による共同開発の動きが活発化しておりまして、今後、普及が加速する可能性も大きいと考えております。
次に、図書館における電子書籍の取り扱いでございます。
図書館としましても、こうした電子書籍の動向に大きな関心を持っております。先ほど委員の紹介にもございましたけれども、10月9日にさっぽろ家庭読書フェスティバルで電子書籍のパネルディスカッションを
教育委員会として開催させていただいたところでございます。
しかし一方で、公共図書館において電子書籍をどのように収集、保存、貸し出しするのか、また、著作権の取り扱いなどにつきましては多くの課題がございまして、これらは一つの図書館で解決できる事柄ではございません。全国の公共図書館全体と、出版、流通、著作権の団体との間で協議、調整していく必要がございます。したがいまして、今後もこうした状況の推移を把握しながら対応を研究してまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 感想です。
私は、以前、図書館の利用の仕方として、来館してゆっくりと本を探したり、司書に相談したりする利用の仕方と、自宅や職場から即時に図書館の本や資料を探し、予約する利用の仕方、この両方の使い方へのサービスを充実させることにより、図書館の潜在的な利用要求を掘り起こし、市民の図書館利用を大いに促進することになると考えると述べたことがあります。
インターネット予約は、来館せずに受けられる図書館サービスの典型ですが、この実施により飛躍的に予約が増加したことは、まさに市民の期待にこたえた結果だと思います。
また、電子書籍も含め、情報や通信の技術革新は日進月歩ではありますが、一方、ページをめくりながら作者の思いに心を寄せたり新たな考え方を吸収するなど、読書という人間の知的な営みは捨てがたく、長く変わらない歴史があります。大切なことは、
インターネットや電子書籍などの情報技術を、読書をより身近に、より豊かにしていくためのツールとして利用していくことだと考えます。情報の充実と図書の充実、このバランスに十分に配慮された図書館サービスの展開を期待し、私の質問を終わります。
◆飯島弘之 委員 私からは、ことし4月から行われた札幌市の教職員の服務規律等の実態に関する調査に関して、そして、その結果を受けて札幌市
教育委員会に対して行われる予定である会計検査院の実地検査につきまして質問させていただきます。
ご承知のとおり、ただいま、本市厚別区を含む衆議院北海道第5区の補欠選挙が24日の投票日に向けて行われております。そもそも、この選挙がなぜ行われているのか。ご承知のとおり、その発端となったのは、昨年8月30日に行われました衆議院選挙において、衆議院北海道第5区の民主党候補に北海道教職員組合の役員が不正な裏金1,600万円を提供した政治資金規正法違反事件であります。結果、さきの選挙において当選された民主党の衆議院議員は辞任され、そして、その教職員組合の役員は逮捕、有罪となっております。
今、およそ5億6,000万円の税金を使って行われているこの補欠選挙、財政が非常に厳しく、また、景気、雇用も厳しい中、国民、市民も生活に困窮されている方が多く、また、今、
札幌市議会定例会においても、そういった厳しい状況のもと、市民にとって少しでもよりよい政策をどのように実行していくべきかを議論している中で、札幌市厚別区を中心とする選挙区においてこのような選挙が行われていることに、多くの札幌市民、そして、全国の国民が複雑な気持ちを抱いているのと同時に、注目しております。
特に、民主党は、事業仕分けという手法によって、自民党政権時代のむだを省くということをスローガンに華々しく事業仕分けを行いました。その中で、我が国のノーベル賞受賞者の方々からも厳しい批判が上がった科学技術関連、スーパーコンピューターや大型放射光施設、科学掘削船などの最先端技術研究事業に関する事業は軒並み廃止や大幅な削減に追い込まれたほか、若手研究者を育成する事業すらも削減に追い込まれました。特に、スーパーコンピューターの事業仕分けの際、「2位ではだめなんですか」という有名なコメントをした、事業仕分けの中心的な役割を果たした、現在、特命大臣を務めている方が、今回の5億6,000万円の血税によって行われている補欠選挙の民主党候補者への応援に入っているのを見た多くの市民やマスコミから、仕分けをしなければならないのは、たび重なる政治と金の問題、まさに、この5億6,000万円の選挙費用なのではないかと多くの批判の声が上がっているのも当然のことと考えております。
そして、まさにこういった事態、教育に携わる人材の育成を担う教職員の方々で構成される教職員組合がかかわった今回の事件を重く見た国、文部科学省は、ことしの4月から全道一斉に教職員の服務規律の実態調査を行っており……(発言する者あり)
○長内直也 委員長 静粛にお願いします。
◆飯島弘之 委員 (続)当然、札幌市もその対象となり、調査を実施したところであります。
その結果が、せんだっての8月27日の文教委員会において報告されております。その中で、札幌市
教育委員会から、勤務時間内の選挙、政治的活動、行為など、法令違反の疑いのある行為の実態が報告され、また、組合用務での勤務時間内の学校備品の使用についても報告されたところであります。これらの行為は、当然、是正されていかなければならないものであります。
さきの文教委員会において、私からもさまざまお伺いいたしましたが、その後、しばらく時間がたったところでありますので、その後の経過についてお伺いいたしたいと思います。
まず、その後、
教育委員会では、この調査結果を受け、教員の服務規律の確保について学校現場に対してどのような対応をとっているのか、お伺いいたします。
あわせて、今回の調査実施に当たっては、調査は憲法違反である、適法な組合活動までも否定するような内容であるとの意見が表明され、これを理由として回答を拒否されている方もいましたが、
教育委員会は、さきの文教委員会で、私の質問に対して、調査に関して違法性はないとの認識をはっきりと示されております。また、未回答者は再度の聞き取りを経た上での拒否であり、これ以上の回答を得るのは難しいとの趣旨の答弁をその際にいただいているところであります。私としても、再度提出をお願いしても答えはいただけないと思いますので、そのようなことは求めません。
しかし、違法な調査であるとの誤解や調査に対する疑念をこのまま放置することは適当ではなく、これを払拭する必要はあると考えております。
そこで、
教育委員会として、調査について違法性はないということを改めて確認し、これを学校現場に発信していく必要があるのではないかと思いますがいかがか、お伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 まず初めに、今回の調査結果を受けての学校への対応についてでございます。
教育委員会では、8月の文教委員会での報告後、直ちに各園、学校へ報告書を送付するとともに、10月24日に投開票が予定されております衆議院議員及び
札幌市議会議員の補欠選挙に向けまして、9月28日付、そして、衆議院選告示後の10月14日付で教職員の選挙運動の禁止等に関する通知を各学校に送付して周知徹底を図ったところでございます。また、この間、10月6日から13日までの間に、校長、教頭などの管理職全員を対象にいたしまして服務規律に関する研修会を実施いたしました。研修会では、調査結果等を報告した後、政治的行為の制限、職務専念義務等について説明し、各学校において研修会で使用した資料等を活用して所属職員に対する注意喚起、啓発を図るよう要請したところでございます。今後も、さまざまな機会をとらえまして服務規律の遵守を徹底してまいりたいと考えております。
次に、2点目の調査の適法性についてでございます。
さきの文教委員会でご答弁いたしましたとおり、今回の調査は教職員の服務規律等の実態を明らかにする趣旨のものでありまして、職員団体に対して特定の意図を持って調査を実施したものではなく、また、その回答に当たっても強制にわたるものではないことから、調査は適法なものであったと認識しております。
この点につきましては、先ほどご説明しました服務規律の研修会におきまして
教育委員会としての見解を明らかにし、周知を図ったところでございます。
◆飯島弘之 委員 今のご答弁では、10月6日から13日の間に、校長先生と教頭先生に、この調査の適法性等について、それから、しっかりと遵守するようにということで徹底を図ったというようなお話でありました。
ただ、せんだっての文教委員会の流れでもあるのですが、再度回答を促したにもかかわらず結果的にご回答いただけなかった、その回答を促したのは校長先生だったというふうに記憶しております。いかに教頭先生、校長先生にその辺を徹底されても、それがその下の方に――下と言ってはいけないのでしょうか。一般の教員の方々にそれがしっかりと伝わっていかなければ、校長先生、教頭先生にこういった調査についての適法性、必要性を幾ら言ったところで、全体にそれが伝わっていかなければ、同じようなことがまた何度も何度も起きることになります。校長先生、教頭先生は管理される方でありますから、そういった方にしっかり認識いただくことも当然でありますけれども、それを学校全体の教員の方々にしっかりと認識していただくよう、重ねて指導徹底をお願いしたいというふうに思います。
また、せんだっての服務規律実態調査の報告の中で、特定の政党や候補者への支援目的のカンパ要請並びに選挙運動等があったことが明らかになっており、その人数は、カンパ活動が3名、選挙運動が13名ということであります。その人数に関して、先日の文教委員会におきまして、質問、また意見を申し上げさせていただきましたとおり、私は、この数字は明らかに少ないのだろう、実態をあらわしているとは思えないというようなお話をさせていただいたのであります。
さらに、この調査結果では、年次有給休暇をとって校内の組合の会議等に出席していた方が50名と報告されておりまして、また、年次有給休暇をとって校外の組合の会議等に出席されていたとお答えになった教員の方が716名、全体の8.7%いらっしゃった、そういうふうに報告されております。この会議が政治・選挙活動であるとは特定されておりません。もちろん、そのような政治・選挙活動をすることは違法でありますから当然であります。しかし、今回、このような逮捕者が出るような事件があっただけに、可能性を全く否定するのも私は難しいのかなとも思います。
そこで、この年次有給休暇でありますが、日ごろ忙しくされている先生方が心身ともにリフレッシュしていただくべく有効に過ごしていただきたい。特に、議会でも議論になっておりますけれども、先生方の過労や精神疾患などによる長期休暇をとられている方もいることから特にそう思うのでありますが、万が一にも、この有給休暇がそうした先生方のリフレッシュ、スキルアップに資するために消化しているのではなくて、政治、選挙に使われているとすれば問題であります。(発言する者あり)
そこで、質問でありますが、年次有給休暇をとって組合活動をされている……(発言する者あり)
○長内直也 委員長 静粛に。
◆飯島弘之 委員 (続)その活動内容についての
教育委員会の認識、どのようにその内容を把握されているのか、お伺いします。
また、今回の調査の中で、平成21年において標準授業時間数を確保できなかった小学校は、207校、3,158学級のうち26校、52学級あります。そして、中学校において標準授業時間数を確保できなかった学校は、98校、1,397学級のうち89校、412学級もあったということがこの報告書に記載されております。そして、あえて、いずれの学級においても標準授業時間数を確保できなかった原因は、すべて新型インフルエンザによるものであると回答があったと記述されております。裏返して言えば、服務規律違反や組合活動のための年次有給休暇の取得と標準授業時間数の未達成とは無関係であるとおっしゃりたいように私は思うのであります。
そこで、今回、組合活動をするために年次有給休暇をとった方が、標準授業時間数を確保できなかった学校においていたのかどうか。また、取得した時期でありますが、冒頭申しました昨年8月30日の衆議院議員選挙は、昨年のインフルエンザのまさに流行前で、もちろん選挙活動は選挙中、または、その前に活動するわけでありますから、時期的に重なるわけです。インフルエンザ流行前に組合活動を理由に年次有給休暇をとられた方がいたのかどうか、お聞きいたします。
◎谷山
学校教育部長 まず、1点目の年次有給休暇、いわゆる年休の使用による組合活動に対する認識とその内容の把握についてでございます。
年休は、自由利用が原則でありますことから、職員が年休中に組合活動を行ったとしても、それが違法な活動でない限り、問題はないものと認識しております。また、このことからも、年休中の職員の行動につきましては、原則として内容を把握することはしてございません。
2点目の標準授業時数を確保できなかった学校についてでございます。
年休を取得して会議出席などの組合活動をしたとの回答があった職員が所属する学校数は、小学校で17校、中学校で73校でありました。また、今回の調査におきましては、当該組合活動に係る年休の取得時期についてまでは調査しておりませんので、委員のご質問にありました職員の行為が新型インフルエンザ流行前と時期的に重なっているか等につきましては、把握しておりません。
◆飯島弘之 委員 確認させていただきたいのですが、中学校で89校のうち73校で有給休暇を組合活動のためにとられた方がいらっしゃるということでよろしいですね。(発言する者あり)
わかりました。ありがとうございます。
89校のうち73校でありますから、結構大きな割合です。ほとんどの学校で、標準時間数を確保できなかった89校のうち73校で組合活動を理由に年次有給休暇をとられた方がいらっしゃったということであります。(発言する者あり)
○長内直也 委員長 静粛にお願いします。
◆飯島弘之 委員 (続)私も、今の答弁にあったとおり、いかなる理由であれ、年次有給休暇をとって悪いと言うつもりはございません。その辺については、皆様方もご承知いただきたいと思うのであります。
ただ、今のご答弁の中で、組合活動による先生方の年次有給休暇に関する活動内容については、まず、把握をされていない。そして、時期も承知していない。
そうすると、逆に言えば、なぜ、インフルエンザによって今回の標準時間数が達成できなかったということが断定できるのでありましょうか。そう思いませんか。理解できませんが。私は不思議に思います。(発言する者あり)
理解できない方が多いので、改めて再質問させていただきますが、この調査において、標準授業時数未達成が新型インフルエンザだと断定できる根拠は何なのか、改めてお伺いさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○長内直也 委員長 静粛にお願いします。
◎谷山
学校教育部長 その時期に、例えば、学校閉鎖だとか学級閉鎖だとか、そういう時期だったということでは押さえています。
◎北原 教育長 ちょっと補足させていただきます。
学校現場の経験がある者であればすぐわかると思いますけれども、授業時数が欠けるというのは、子どもが休みにならない限り授業時数は欠けません。つまり、教員が年休をとってもかわりの先生が授業に入りますから、そういったときに授業時数が欠けることにはなりません。たまたま教員が、組合活動、その他、いろいろな理由があるかもしれませんけれども、年休をとったからといって、子どもの授業時数が減るということはありません。(発言する者あり)
◆飯島弘之 委員 ありがとうございました。よくわかりました。
ということは、今回、事象的に、報告書の中で、授業時数が確保できなかったところに年休をとられて組合員活動をされた方がかなり多かったというのは、たまたまであったと。そのことは、決して、
子どもたちに対して授業数が満たされなかったこととは関係がなかったということで理解をさせていただきました。(発言する者あり)
もちろん、正当な理由で年次有給休暇を取得することを制限するのは絶対に許されることではありません。しかし、こういった事件が発生している中での調査でありますから、市民の一人として、このような多くの有給休暇をとられている、授業数が欠けている、やはり、何か問題があるのではないかと思われる市民の方が多くいても全く不思議ではありませんので、改めてお伺いさせていただきました。
それでは次に、会計検査院が検査に入ることに対する
教育委員会の認識についてお伺いさせていただきたいと思います。
教員による一連の服務規律に反すると疑われている行為を踏まえて、国庫負担されている教員の給与に関し、北海道及び札幌市
教育委員会に対して会計検査院が実地検査に入る旨の答弁が国会の衆参の委員会でなされておりますが、その点についてお伺いします。
まず、このような法令違反の疑いのある行為に関して、会計検査院が検査に入った例がこれまでにあるのかどうか、また、検査が入る時期、そして、どのような内容の検査をするのか、お示しいただきたいと思います。
また、今回の会計検査院の検査結果を受けて、特に、教育の現場に会計検査院の検査が入ってくること自体、私は尋常なことではないと思うのですが、
教育委員会として、入ることに対してどのような認識を持っているのか、また、検査に対してどのように対応していくお考えなのか、お伺いいたします。
◎谷山
学校教育部長 1点目の会計検査院の実地検査における過去の実地検査例についてお答えさせていただきます。
他都市の例は承知しておりませんが、札幌市におきましては、過去に道費負担教職員の職務専念義務等に関連いたしまして会計検査院の実地検査がなされたことはございません。
次に、二つ目の検査時期及び内容についてであります。
検査の時期は、11月9日から12日までの4日間でございます。検査の内容は、今回の実地検査の内容の確認である旨、道教委を通じて連絡を受けているところでございますが、その詳細についてはまだ連絡をいただいていないところでございます。
2点目の検査に対する認識と対応についてでございます。
今回の検査は、服務規律等の実態に関する調査結果を受けまして、一部に法令違反の疑いがあることを契機として行われるものでありますが、このような疑念を招いたことは遺憾に思います。検査に際しましては、誠意を持って対応していきますとともに、検査の結果、是正等を求められる事項がありました場合には速やかに対応してまいりたいと考えております。
◆飯島弘之 委員 詳細はまだわからないということでありますが、大体、会計検査院の検査というのはそんなにはっきりとわかって入ってくることはないので、対応はいろいろ大変かと思いますが、よろしくお願いしたいというふうに思います。
次に、検査の結果における対応であります。
検査結果において、まさに服務規律違反が明らかになった場合、その結果が国庫負担されている教員の給与の支払いにおいて不当だと認定された場合、国庫への給与の返還というようなことがあるのか、また、そういった場合の市教委の対応はどのようになるのか、また、返還をしなければならないといったようなことがあった場合、その返還金の原資はどのような形で手当されるのかについても、現段階でありますから一般論で結構でありますが、お伺いしたいと思います。
◎谷山
学校教育部長 給与の取り扱いについてでございます。
実地検査の結果、年休等の手続がないまま勤務を欠いたなどの事実が確認された場合には、その時間数に応じて給与の返還を求められることになると考えております。市教委といたしましては、所要の手続を行い、道教委に対して返還のための報告を行うこととなります。
なお、このような場合におきましては、当該勤務を欠いた職員が道教委に返還することになるものと認識しております。
◆飯島弘之 委員 ありがとうございました。また、検査が入った後に、その結果につきましてはいろいろお伺いさせていただきたいと思います。
最後に、先ほどご披露申し上げましたとおり、昨年度、多くの
小・中学校で標準時間数を確保できませんでした。インフルエンザが主な理由だということですが、会計検査院が11月から4日間にわたって入るということでありますから、
子どもたちにいろいろな意味で影響があろうかと思います。心理的にも物理的にもあるのかもしれません。
教育委員会として、ぜひ、対応に配慮していただきますようよろしくお願い申し上げたいと思います。
また、今回の北海道教職員組合による政治資金規正法違反事件に関連して、教職員の服務規律に違反するおそれのある行為についてさまざまな報道がなされております。実態も、少しずつではありますが、今回行われた調査によって明らかになってきております。ぜひ、これを機に、本市の教育行政に対する信頼を回復していただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
◆宮川潤 委員 私は、中学校でのスキー授業の充実と教員の勤務実態と健康の関係について質問いたします。
まず、中学校でのスキー授業の充実です。
私は、2007年以来、繰り返しこの問題を取り上げてまいりましたけれども、改めて質問いたします。
札幌は、パウダースノーで降雪量5メートルにもなりますので、市内近郊に多くのスキー場があり、初心者から上級者まで、日帰りでスキーを楽しめる環境が整っております。雪とスキー場は札幌の財産と言えると思いますけれども、それ以上に貴重なのは、札幌市立小学校のすべてでスキー授業を実施しているので、体の状態などでスキーができない子どももいらっしゃると思いますが、そういう方以外は、小学生は基本的にスキーを経験し、ある程度滑れるということであります。
ところが、中学校になりますと、スキー授業の実施は30%に減り、市内の高校ということですと、これがまたふえて64%になるそうであります。中学校で一たんスキーをやめてしまった子どもの場合は、高校に入って再び用具をそろえてスキーを再開するというのはなかなか大変だそうです。私は、小学校、中学校、高校と継続してスキー授業を行うことが望ましいと考えております。すべての中学校でスキー授業を行うことが高校でのスキー授業をふやすことにもつながるものと考えます。
そこで、中学校のスキー授業をふやすべきだと思いますけれども、学校として検討中のところもあると聞いております。現在のところ、どういう見通しなのか、まず、お示し願いたいと思います。
次に、教員の健康問題であります。
この問題は、議会でもたびたび取り上げられてきましたけれども、依然として、30日以上の休務者、1年間もしくは3カ月間以上の休職者、特にメンタルによる休務・休職者は非常に多いのが実態ですが、こういう実態と問題意識について示していただきたいと思います。
また、本市の教員になぜ精神疾患が多いのか、分析と対策が急がれていると思いますけれどもいかがか、伺います。
◎金山
指導担当部長 1点目の中学校におけるスキー学習の実施の状況と今後の見通しについてお答えいたします。
平成21年度にスキー学習を実施した市立の中学校は34校でありましたが、今年度につきましては47校で実施が予定されており、スキー学習を実施する中学校は増加傾向にあります。平成24年度の中学校における新学習指導要領の全面実施により、保健体育の時数が増加することを踏まえ、
教育委員会といたしましては、モデル校でのスキー学習実施上の工夫等を紹介するなど、スキー学習のさらなる拡充に向け、各学校に働きかけてまいりたい、こう考えております。
◎谷山
学校教育部長 教職員の健康問題についてお答えいたします。
まず、教職員の精神疾患による休務・休職者の実態であります。
平成16年度以降、精神疾患により休務している職員は、およそ130名前後で推移しておりまして、このうち、長期化して休職になっている職員は、平成16年度の48名に対しまして平成21年度は93名となっております。
なお、平成21年度は、精神疾患による休職者数が大きくなり増加しておりますが、これは、教職員に適用されております北海道の病気休暇に関する制度が改正され、これまで病気休暇として認められていた期間が短くなったことによりまして、その分、休職となる期間が早くなったことが大きな要因でございます。
この実態に対する問題意識についてであります。
精神疾患による休務・休職者数がふえていることに関しましては、憂慮すべきことと考えております。こうした問題意識に立ちまして、これまでも教職員相談室の相談体制の改善や職場復帰訓練の制度化などの取り組みを行ってまいりましたが、これらの制度のより効果的な運用や市長部局の取り組みの成果なども踏まえまして、より効果的な対策が実現できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、教職員の精神疾患が多い要因についてであります。
健康審査会での審議や休務者に直接状況を確認することによりまして、個々の教職員の病状は把握しておりますが、発病の要因はさまざまでありまして、複合的に影響する場合もあることから、その要因を特定することは難しいものと考えております。
◆宮川潤 委員 中学校のスキー授業が非常にふえてきているということであります。
私も、スキーはスポーツとして非常に楽しいと思いますけれども、用具に費用がかかるのが難点であります。特に、小・中学生ですと体も成長する時期でありますので、板も靴もサイズアップしていかなくてはなりません。
私は、数年前に中学校のスキー授業をふやすことが必要だということで質問を始めたのですが、実は、その当時、私の友人の子どもが通う中学校でスキー授業をやめることになりました。その際に、その友人はPTA会長だったのですが、校長先生からやめることにしたいと言われたときに、スキーの経済的な負担が大変だというふうに感じていたその人は、やめてもいいですよ、こう言ったということでした。私はショックを受けましたけれども、しかし、やはり、経済的負担がいかに大変かということのあらわれだと思うのです。
学校や先生にとってのスキー授業の負担というのは、経済的な負担ももちろんありますし、時間的にも体力的にも大変なものというふうに思います。その当時、このまま推移していったら中学校ではスキー授業がゼロになってしまう、小学校にも影響するというふうに考えたのですが、私は、そうならないように、今後ますますふやしていくという点では費用
負担軽減の配慮が必要だと思います。どういう方法をとるのか、その取り組みの仕組みと現状の経過について伺いたいと思います。
それから、教員の健康問題ですけれども、全体として休務・休職者は非常に多いですし、本市の先生方になぜ多いのかということについては、一言では言えず、さまざまな要因があるということでなかなか難しいと思います。
本市
教育委員会が勤務実態調査を分析した結果、1カ月の時間外勤務は教頭93.7時間、教諭72.1時間ということであり、それについて、こういう状態が続くと心身に及ぼす深刻な影響が懸念されるとしています。こういう超過勤務の実態は一時的なこととは思えませんから、精神疾患の重大な原因の一つであることは間違いないというふうに思います。
また、通常の仕事では、学校の先生ではなくて一般的な仕事だと、お昼に1時間程度の昼休みがありますけれども、小学校の場合ですと給食指導もしなければなりませんので、実際には先生は10分そこそこしか休めないのが実態だそうであります。授業が終わった後は、中学校では部活もありますので、教員の方々はそれが終わってから会議、打ち合わせなどをされるそうであります。一日じゅう緊張感が続く、こういう問題もあるのではないかと思いますけれどもいかがか、伺います。
時間外勤務が多いという調査結果について、対策としては、日常業務の効率化、諸会議の短縮、削減、学校行事にかかわる業務の効率化、定時退勤日の設定、部活動への配慮、業務の分散化、協力体制とたくさんの方策が書かれています。こういう手だてをとったそうですけれども、その結果として時間外勤務が現に減っているのかどうか、伺います。
小学校は来年から、中学校は再来年から学習指導要領が改定されます。授業数がかなりふえるそうです。教科書もかわってかなり厚くなるようだと聞いています。小学校では、来年から英語の授業も本格導入されていきます。先生方にしてみれば、大学でも英語を教えるための教育というのは受けていませんから、研修を受けたと言っても、これでいいのか、あるいは、発音はいいのかなどということで不安が強いそうであります。ますます教員の負担がふえるのではないか、授業時間がふえても教員の負担という点では配慮がなされるのか、伺いたいと思います。
また、先生方の報告の書類の作成が多くて大変だということも聞いております。これは、
教育委員会の裁量で軽減することが可能だと思いますけれども、この点での改善はどうなっているのか、伺います。
それから、学びのサポーターについてでありますが、小学校では活用時間数が足りないという声が圧倒的であります。現状では教員のサポートが足りないということであります。近年、小学校では、障がいを持つ子どもでも、特別支援学級ではなくて、普通学級に通わせたいという保護者の意向も多いようです。そういう希望は尊重されるべきだと思います。授業では、教員を支援することが必要になる場合が多いと思います。学びのサポーターの果たす役割が大きいと思います。小学校では活用時間数が足りないという声が圧倒的で60%にもなっているそうですから、ふやすべきだと思いますけれどもいかがか、伺います。
また、教職員の勤勉手当についてです。
ランク分けがされていて、Aは特に優秀、Bは優秀、Cは良好、Dは良好でない、良好でないというのは処分を受けた教員だということだそうですが、こういう四つのランクに査定しているそうです。昨年度、A、B、C、Dそれぞれ該当した教員の人数は何%だったのか、勤勉手当の支給率はこの制度の導入前後でどう変わったのか、明らかにしてください。
◎金山
指導担当部長 スキー用具に係る費用負担の軽減の取り組みの現状と経過について、私からお答えいたします。
教育委員会では、今年度、保護者負担の軽減に向け、スキーリサイクル事業を実施しております。この事業は、市民から提供いただいたスキー用具を必要とする子どもに配付するものであります。この事業の経過についてでありますが、実施に当たっては、広報さっぽろや市立学校の全
児童生徒へ配付したチラシなどにより市民に呼びかけ、その結果、200セット余りのスキー用具の提供をいただいており、11月中に希望者に配付する予定であります。
教育委員会といたしましては、今回の試行の成果と課題を見きわめながら、今後のスキーリサイクル事業のあり方について検証を行ってまいりたいと考えております。
◎谷山
学校教育部長 5点について説明させていただきます。
まず、1点目の教員の時間外勤務についてでございます。
平成19年に行いました教員の勤務実態調査後、同様の調査を実施しておりませんことから、時間外勤務の減少状況は把握しておりませんが、現在、平成21年12月に取りまとめた教育職員
負担軽減検討会議の報告書にありました項目に沿いまして
負担軽減の取り組みを進めており、今後、時間外勤務の状況把握について検討してまいりたいと考えております。
次に、2点目の学習指導要領の改訂によって授業時数が増加することに伴う教員の負担増への対応についてでございます。
先ほどお話しいたしました検討会議報告書の内容を踏まえて、例えば、
教育委員会では発出文書の統廃合、各学校においては諸会議の効率的運用や、このたび整備されました校務用パソコンの活用などにより
負担軽減策をより一層推進し、授業時数の増加によりまして教職員の負担が著しくふえることのないよう取り組んでいきたいと考えております。
3点目の
教育委員会発出文書の改善についてでございます。
平成21年度におきましては、可能な文書8件について統廃合を実施するとともに、押印を義務づけておりました約50種の文書について、その義務づけを廃止いたしました。また、現在、紙ベースで学校に提出を求めている書類についての電子データ化を図っているところでございます。今後とも、
教育委員会発出文書について見直し等を図りまして、可能な限り学校の負担を少なくしていくよう、引き続き検討してまいりたいと思います。
4点目の学びのサポーター活用事業における活用時間数の拡大についてでございます。
本事業につきましては、これまで対象学校数の拡大を行ってきたところであり、学びのサポーターによる支援は、各学校において特別支援教育の推進に大きな役割を果たしているものと認識しております。今後につきましても、本事業の充実を図ってまいりたいと考えております。
5点目は、勤勉手当に関してです。
まず、平成22年6月の成績区分の人数割合についてでございます。
成績区分は、特に優秀のAから、良好ではないのDまで四つの区分が設けられておりますが、小学校、中学校などの道費負担教職員の平成22年6月の例で申し上げますと、各区分の人数割合はAが3.2%、Bが36.8%、Cが59.9%、Dが0.1%でございます。
次に、この制度は平成20年12月から適用されたものでありますが、制度改正前の19年12月の標準の支給率は100分の73.5でありましたけれども、制度導入直後は100分の71となっております。
◆宮川潤 委員 スキーのリサイクル事業は200セットということでは、始まったところでありますから、検証してということになるのでしょうけれども、今後、もっと大規模な取り組みが必要でありますので、ぜひ、そういう方向に向けていただきたいと思います。
それから、勤勉手当についてですけれども、A、B、C、Dとランクごとに人数をお答えいただきましたけれども、全体として手当が100分の73.5から71になったということですけれども、これについてはランクごとには出ないのですか。
◎谷山
学校教育部長 前のランクは支給率がありませんけれども、ことしの6月の支給率でお答えさせていただきたいと思います。
Aが100分の82.5、Bが100分の75.5、Cが100分の68.5、Dが100分の63.5以下でございます。
◆宮川潤 委員 教員の勤勉手当は、今、数字も出していただきましたが、かつて、100分の73.5だったものが、AとBはそれぞれ82.5、75.5ですからかつてよりふえたということになります。ただ、Cランクの人は68.5であり、およそ6割の方がいらっしゃいますから、この人たちのところで減ったということになりますので、Cランクの多くの方々から見れば、自分たちはかつてより減ったけれども、その分でAとBの人の手当がふえたという印象を持つと思うのです。
そもそも勤勉手当は、士気向上というか、そういう目的でやるものだと思いますけれども、今の数字を聞くと、なかなか複雑な問題を持ち込んでいることにならないのかというふうに思うのです。Dは0.1%ということですからほとんどいらっしゃらなくて、A、B、Cの三つのランクで99.9%の方がいらっしゃる。Dは例外的というふうに考えますと、Cの方が一番多くて一番下のランクになる、手当も少ない、しかも、前より減らされた分、AとBがふえている、こんな思いになるのだろうというふうに思います。教員の方々のアンケートで出された声なのですが、こういった声があります。平日は何時間も超過勤務をして休日も部活動をやっている、それでも評価が低いのかと。もしこういう声が多ければ、士気向上という目的にかなわない、逆に意欲を失うようなことになるというふうに思うのです。教員は、学年ごとにチームプレーで仕事をしていくのが基本だと思うのですけれども、こういう勤勉手当のランクは、なかなか複雑な思いを持ち込んでいるし、孤立を助長しているのではないかというふうに思います。子どもと保護者、学校管理者の間で揺れ動いている教員が、学年のチームから孤立したり疎外感を抱いたりということがあるならば、それは大きな負担となるはずです。
私は、勤勉手当のランキングが教員の士気向上に結びついているとは思えないのですけれども、この点についてはいかがか、伺います。
◎谷山
学校教育部長 勤勉手当制度の職員への影響についてでございます。
この制度は、北海道人事委員会から勧告を受けた北海道におきまして、平成20年5月に市町村立学校職員の勤勉手当に係る取扱要綱等を制定し、平成20年12月期の勤勉手当から実施されたところでございます。
ご指摘の状況などは承知しておりませんが、教職員の給与は道教委の制度に基づくことから、
教育委員会といたしましては、当該制度の趣旨を踏まえまして適切に運用してまいりたいと考えております。
◆宮川潤 委員 このランクがどんな影響になっているのかよくわからないということでありますから、私は、ぜひ、
教育委員会は教員の声をもっと聞いていただきたいと思います。それから、先ほど申し上げましたが、時間外勤務についても、心身に及ぼす深刻な影響が懸念されると、
教育委員会自身がこういう報告をしているわけですから、軽減をしなければ非常に大変なことになるということは明らかであります。時間外勤務が非常に長時間であること、昼休みもなかなかとれない、部活動もある、早朝練習もあるし、土・日も費やしている、数々のことがありますけれども、私は、この勤勉手当が複雑な問題を持ち込んでいるのであれば、解決に向けた手だてが必要だというふうにも思います。
さて、教員の負担という点では、たくさんの問題、課題があると思います。何か一つをやれば一遍に全部が解決するような方法は当然ないのですけれども、私は、やはり、こんなに多くの課題があるのであれば学級規模を縮小することが最も効果的ではないかというふうに思います。
30人学級の実施という点について、私は、市としてはっきりやっていく方向に向かうべきだと思いますけれどもいかがか、伺います。
◎谷山
学校教育部長 少人数学級につきましては、現在、北海道の少人数学級実践研究事業によりまして、小学校第1・第2学年及び中学校第1学年において、一定の要件に基づきまして1学級35人を基準とした学級を編制しております。この実施に合わせて行っております対象校への意識調査の結果からも、
児童生徒の生活及び学習の両面におきまして一定以上の効果が期待できるものと報告を受けており、これまでも、少人数学級の一層の拡充につきまして国並びに北海道
教育委員会に対して強く要望してきたところでございます。
このような状況の中、国の教職員定数改善計画案が示され、今後、8年計画で少人数学級を推進していく内容が打ち出されたところであります。
教育委員会といたしましては、その詳細が明らかになり次第、円滑な実施に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。
◆小川直人 委員 私から、青少年科学館の展示物のあり方についてお伺いいたします。
札幌市青少年科学館は、昭和56年に厚別区の副都心エリアに開設され、毎年、おおむね33万人から35万人の来館者があり、小学生、中学生の
児童生徒を初め、多くの市民から親しまれております。そして、入場者のうち3割が市外から修学旅行などで訪れた方で、国内外の観光客の方も見えられるということでございます。
このような状況の中で、今、
子どもたちは、ものづくり日本の基礎とも言うべき理科ですが、理科離れしていることが指摘されておりまして、文部科学省は、新学習指導要領において、小学校、中学校の理科の時間を大幅に増加するなど理科教育を重視してきているところでございます。理科教育の重要な教育の取り組みの一つが実験、体験ではないかと考えております。教科書に書かれている内容について感覚的に認識したり、実体験を通じて理解を深めることができる要素が、理科教育には不可欠であると考えております。こうした学校教育を補完し、支援する社会教育施設として、札幌市青少年科学館の役割が大変重要であり、その機能を十分発揮することが求められているというふうに思っているところでございます。
しかし、青少年科学館の展示物は、昭和56年の開設当初から、随時、リニューアルはされているものの、日進月歩の科学技術の世界の中にあって、全体の3割が開設当時からの古い展示物であり、老朽化が進み、調整中の張り紙が目につく状況にございます。青少年科学館が市民を引きつけ、その教育的機能をより高めていくためには、展示物が陳腐化しないように継続的に更新する必要があると考えます。
昨年の3定の代表質問で、我が会派のふじわら議員が青少年科学館の展示物に対する今後の更新の進め方について質問し、教育長から、社会
教育委員会議の答申を踏まえて、効果的、計画的に展示物の更新を進めるとの答弁がございました。
そこで、質問でございますが、ことしの3月に社会
教育委員会議から青少年科学館の展示のあり方について答申が出されたと聞いておりますけれども、答申のポイントは何か、また、答申をどのように受けとめているのか、お伺いいたします。
◎長岡 生涯学習部長 答申のポイント、それからまた、その答申をどう受けとめているのかについてのご質問についてでございます。
まず、ポイントにつきまして、展示物に体験型の要素を取り入れるなど展示物のあり方について、次に、展示分野のあり方について、さらには、今後の科学館事業のあり方についてなど、今後の展示の方向性を示す提言がなされております。特に、展示分野のあり方については、今後、拡充の必要性がある分野として、雪・氷、環境・エネルギー、宇宙・天文、そして地学の四つの分野が挙げられております。
教育委員会といたしましても、展示物の魅力向上や効果的な展示等について基本的な方向性が示されているものと受けとめており、今後の科学館運営にとって大変貴重な答申であると考えているところでございます。
◆小川直人 委員 この答申につきましては、青少年科学館の展示の今後のあり方、方向性について示されており、今後の取り組みについて貴重な提言が含まれているということで、これから拡充すべき分野についても、いろいろな分野、雪とか氷とか、札幌のオリジナルな教育の方向性に非常に合った展示のあり方が示されたのではないかなと思っています。
今回、答申が出たわけですが、この答申を受けて、では、これからどうするかということが大事なところだというふうに思っております。その答申を受けて何もしなければ、絵にかいたもちになってしまうわけでございます。ただ、今、財政が大変厳しい状況でありますので、答申の内容をこれからどういうふうに具体的に展開するかということでは、そういった財政的な面から危惧しているところがございます。
そこで、質問ですけれども、社会
教育委員会議の答申を踏まえて、展示物について、今年度、どのような整備を行うのか、そして、今後どのように取り組んでいくのか、この2点をお伺いいたします。
◎長岡 生涯学習部長 今年度の取り組みと今後の取り組みについてでございます。
この答申を踏まえまして、今年度につきましては、環境・エネルギー分野の展示物を新たに設置することとし、来年3月のオープンに向け、現在、作業を進めているところでございます。
教育委員会といたしましては、札幌市が重点的に進めております環境問題への取り組みも念頭に置きながら、子どもから大人まで幅広い世代の市民の方々が環境・エネルギーに関して楽しみながら理解を深められるよう体験型の展示装置を設置するなど、魅力的な展示コーナーにしてまいりたいと考えております。
次に、答申を踏まえた今後の取り組みですが、今年度は環境・エネルギー分野の展示物の更新を進めますが、次年度以降につきましても、答申にございます雪・氷、宇宙・天文、地学の各分野において、順次、整備を進めてまいりたいと考えております。また、展示効果を高めるための技術的な工夫や展示物を活用したセミナーの開催など、新たな取り組みについても、学校教育関係者との連携を図りながら、答申内容の実現に向けて計画的かつ着実に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆小川直人 委員 今の答弁では、今年度につきましては、環境・エネルギー分野の展示をリニューアルするというお話でございまして、先ほど言ったほかの分野についても、随時、展示をリニューアルしていくという回答だったというふうに受けとめさせていただきました。
そこで、環境教育についてですが、ことしの1定の我が会派のしのだ議員の代表質問に対しまして、教育長は、科学館などを有効に活用した体験的な活動など、札幌らしい環境・エネルギー教育の充実に努めていきたいと答弁をされました。今年度実施される環境・エネルギー展示物のリニューアルは、それに沿ったものだというふうに私は受けとめさせていただいたところでございます。
北国に暮らす札幌市民にとって、環境・エネルギーというのは生活に直結するものであります。環境首都・札幌にふさわしい魅力的な展示が整備されて、今、答弁にありましたように、子どもから大人まで幅広い層に、さらには、環境とエネルギーという問題は札幌市にとどまることのない世界共通の問題であることから、札幌を訪れた国内外の方にもこの新しい展示に触れていただき、環境・エネルギーの問題に関して理解を深めていただきたいと思っているところでございます。
また、ことしの夏に、青少年科学館では「サイエンジャーとエネルギーパーク」という特別展示が開催されました。開催期間は30日間で夏休み中の期間でございました。約6万7,000人が来館され、
アンケート調査でも満足度が高く、大変好評だったと聞いておりまして、ここからも環境、エネルギーに対する市民の関心の高さをうかがえるものでございます。私も、終わりの3日前に行ってこの展示を見て、職員の方にいろいろな話を聞いてまいりました。行ったところ、だれにでもわかりやすいような展示をしておりますし、体験型の展示だということで、この分野のこうしたものが常設展示にうまく移行していけば、環境とエネルギーという分野における学校教育の補完としても市民に対する理解がより深まっていくのではないか、そんな感想を抱いたところでございます。
そして、青少年科学館では、
子どもたちを初め、さまざまな市民が楽しみながら気軽に学び、科学への理解が深まるような取り組みが今後とも必要でありますし、それには、やはり、展示物がかなめになるというふうに思っております。展示物の更新を初めとした取り組みについて、特に学校教育との密接な連携を図りながら計画的に進められるように要望するものであります。
しかし、先ほど申した近年の厳しい財政状況がございますので、展示物の計画的な更新を進めようとしても、現実にはなかなか難しいところがあるのではないかと感じているところでございます。とは言いながら、先ほども述べましたけれども、青少年科学館の必要性、意味合いというのは年々高まっているというふうに私は思っております。そういった意味で、展示物を更新していくということでありますが、行政の力だけではなくて、民間の力もかりながら展示物を更新していくといった考え方や方法もあるのではないかと日ごろから感じております。展示物の更新に協力いただいた企業や団体名を掲示すれば、その企業、団体のPRになったりイメージアップにつながるわけでありますから、これはお互いの利益につながるものだというふうに考えております。
そこで、質問ですが、企業、団体の協力による展示物整備についても積極的に検討する必要があるというふうに考えておりますけれどもいかがか、お伺いいたします。
◎長岡 生涯学習部長 企業との連携ということでございます。
その連携による展示物整備の検討ということでございますけれども、実は、これまでも青少年科学館主催の環境展示イベントである環境科学展等において、企業からの出展協力を得ながら実施している実績がございます。企業との連携につきましては、これからも重要であると認識しているところでございます。今後も、展示物の整備を初め、イベントの共同開催など、さまざまな形での企業との連携について幅広く検討してまいりたいというふうに考えております。
◆小川直人 委員 企業との連携については、今までも既にやっており、これからもやっていきたいという回答でございました。展示物を整備することを含め、総合的な視点から進めていくと受けとめさせていただいたところでございます。
しかし、今、企業から協力いただきたい、札幌市全体、民間の活力、民間の力、市民の力ということを言っておりますけれども、企業も今般の経済情勢で非常に体力が弱っておりまして、ぽっと協力していただきたいと言っても、なかなかちょっと厳しいのでという答えがよく返ってくるという話を聞いております。そういった状況で、これから企業に求めるということになりましても、企業では、企業の経営方針を持っていますし、年次方針、中長期方針、そういった経営方針に基づいて経営をやっております。ですから、やはり、展示に協力いただくに当たっても、
教育委員会でも基本方針なり具体的な年次方針なりというものを持って、いつ、どのタイミングで、どのようなものを、どのぐらいの規模でやりたいので、ぜひ協力していただきたいといったようなことについてきちんと絵をかいておかないと、漠然と答申にありますからお願いしますと言うだけでは、企業ではイメージがつきづらいし、どの程度、協力したらいいのか、将来に向けて今からどう準備しておけばいいのか、そういったことがわかりづらいと思います。
私は、これからの取り組みの中で、企業に要請する上ではそういったことも必要だと思いますけれども、その辺のお考えはどうか、お伺いいたします。
◎長岡 生涯学習部長 展示物整備に係る方針、計画等につきまして、企業の方々にも情報を提供することについてでございます。
札幌市のまちづくりにおきましても、市民の方々に情報を積極的に発信して、ともにまちづくりを行っていくということと同様に、企業の方々にも情報を提供することは非常に大切なことであるというふうに考えてございます。具体的には、今後、青少年科学館の展示物の整備等に関する方針、計画等をホームページで公開することなどの検討、それから、企業との連携を進めていく中で、より効果的な情報提供のあり方などについて十分検討してまいりたいというふうに考えております。
◆小川直人 委員 企業との連携は、一般的には資金提供だけというふうにイメージしてしまうのですが、それだけではなくて、民間企業というのはいろいろなアイデアとか長年培った工夫というものを蓄財していますので、そういったことも科学館の展示には活用していけるのではないか、それも民間活用の一つだろうというふうに思っているところでございます。今、ホームページとかいろいろな状況の発信ということがありましたが、札幌市内の企業もいろいろな潜在的な能力があると思いますので、積極的に活用するようにアプローチしていっていただきたいと思っているところでございます。
そして、青少年科学館につきましては、市内の社会教育施設という側面だけではなく、市立の科学館はそうなのですけれども、道内の科学館の拠点の役割も果たしているというふうに私は思っております。先ほど言ったように小学校の修学旅行生がたくさん来ておりますし、そういった意味では、やはり大事な施設になってきているのだろうと思います。加えて、先ほども幅広い層から科学館を利用してほしい、子どもから大人までという話も議論させていただきました。
ことしの7月10日に、JAXA、宇宙航空研究開発機構ですが、「第47回JAXAタウンミーティング」in札幌が青少年科学館で開催されました。これは抽せんでしたが、220名の方が来館して、札幌にゆかりの深い、皆さんご存じの山崎直子宇宙飛行士が来られまして、皆さんは熱心に耳を傾けていたということで大好評だったと聞いております。このときは、高校生以上の方が対象だったということで、大人も青少年科学館に興味を持ってこられたということでございますから、こういったいろいろなイベントをすれば小学生、子ども以外の大人もたくさん来場してくれますので、これからもいろいろなイベントの開催を含めて工夫が必要だなというふうに感じました。
さらに、先ほど言いましたが、海外の方も来ているということがあります。札幌にたくさんの観光施設があるかどうかというのはその人の感覚ですけれども、札幌を紹介する中の一つにこの青少年科学館も入っております。積極的にツアーのコースに入ってはいないのですが、やはり、札幌の科学館というのはそういった面で観光客が訪れるということもありますから、先ほど言った部分も含めて、教育だけにとどまらず、大人、道内、国内、そして海外に向けてもっと発信できるような科学館であってほしいと思っているところでございます。
加えまして、先日、北大の鈴木名誉教授がノーベル化学賞を受賞いたしました。江別に在住して北大に勤務しているということですから非常に身近な方が受賞されたということで、これは、
子どもたちの理科、化学に対する関心が高まってきていますし、理科教育の推進を強化するのに大変よいタイミングだというふうに思っております。ですから、科学館の事業の中に、先ほどのようなセミナーも含めて、こういった先生のものも何か取り込むことができれば、さらにクローズアップされるのかなというふうに思っているところでございます。
最後になりますけれども、今言ったように、札幌だけの科学館ということではなくて、海外、全国各地にアピールできるような科学館を目指して取り組んでいただけるよう、そして、この科学館が札幌の魅力アップの一翼を担うことを期待して、質問を終わります。
◆村山秀哉 委員 私からは、札幌市の市立幼稚園の閉園について、端的に質問させていただきたいと思います。
まず初めに、現在、17園ある市立幼稚園の閉園の目的と閉園のスケジュールについて、改めてお聞きしたいと思います。
◎谷山
学校教育部長 1点目の市立幼稚園閉園の目的についてでございます。
札幌市の幼稚園全体の定員充足率が公私とも低下傾向にあることや、今後とも少子化が進むと予想されることなどから、市立幼稚園の役割を見直し、私立幼稚園が札幌市の幼稚園児の9割以上を受け入れており、本市の幼児教育の主体を担っていることから、市立幼稚園は私立幼稚園と連携し、札幌市の幼児教育全体の向上を図る必要があります。そのため、幼児教育の研究、研修、教育相談・支援の充実などの中枢的役割を担う幼児教育センターを平成20年4月に設置し、市立幼稚園につきましては研究実践園へと役割を転換し、幼児教育センターの機能を補完しながら、私立幼稚園との連携のもと、区を単位とした事業展開を進めていくため、各区1園となるよう17園ある市立幼稚園のうち7園を閉園するものでございます。
2点目の閉園のスケジュールについてでございます。
段階的に実行し、その効果や影響を見きわめつつ、十分な周知を図りながら進めることが必要であることから、平成22年度末をもちまして4園、平成24年度末をもって3園を閉園することとし、これらを内容とした条例改正をさせていただいております。
◆村山秀哉 委員 目的についてはしっかりと確認させていただきました。7園のうち、4園は22年度中、3園は24年度中に閉園をするという答弁でございました。
次に、この閉園の跡施設の利用について札幌市はどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎谷山
学校教育部長 閉園となります市立幼稚園の跡地、跡施設活用につきましては、全庁的な観点から検討が必要でありまして、地域の意見などを踏まえながら関係部局と十分連携してまいりたいと考えております。
◆村山秀哉 委員 昨日、私立幼稚園連合会の代表者会議の中で、跡施設について認定こども園の計画を検討しているやに役員から説明、報告があったとお聞きしております。こういう説明は、私ども議会では聞いておりませんけれども、こういうことについて札幌市はどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
この件に関しましては、実は、子ども未来局への質問になるかと思いますけれども、出席要請をしておりませんので、生島副市長にご答弁をいただきたいと思います。
◎生島 副市長 廃止予定の市立幼稚園が7園ございます。このうち、すずらん幼稚園というのは、木造で昭和49年の建築、築37年ですから老朽化しております。それ以外につきましては、鉄骨鉄筋で、かつ建築年次が新しいということがございます。したがって、やはり資産の有効活用を考えていくべきだろうと。それも、施設そのものが子どもの施設であり子ども仕様になっているわけです。したがって、子どもにお使いいただくような施設にするのがベストだろうというふうに思っております。
そういう中で、子どもをめぐる状況としては、今、一番問題になっているのは保育園の待機児童が多いということでございます。その次に、ことし、国が閣議決定いたしました幼保一体化への対応、そういうような課題がございます。そういうことの中で、札幌市としては、この跡利用について、保育所としての活用、また、平成25年度に控えている幼保一体化への円滑な移行を目指すモデル事業の実施などについて検討を進めているところでございます。
◆村山秀哉 委員 今、副市長からご答弁がありましたけれども、いろいろな検討事項があるのであれば、連合会の方が情報を先に得るのではなくて、やはり、議会に早目に説明していただければと思っているところでございます。(発言する者あり)
○長内直也 委員長 静粛にお願いします。
◆村山秀哉 委員 西区にある幼稚園が一つ閉園になりますけれども、この幼稚園も、実は、地域町内会で使わせてほしいと私ども西区の議員に要望がありました。当然、子ども未来局にも要望がいっているかと思いますけれども、西区では幼稚園は充足していますし、保育園も来年4月に発寒の南と北側に新たに2カ所できますから、西区におきましては、耐震上、問題がなければ、跡利用としてできれば地域町内会に利用させていただければと、まず一つ、要望したいと思います。(発言する者あり)
私も、実は一幼稚園の理事をしております。現在の私立幼稚園の経営状況は、少子化の中で定員割れを起こして大変厳しい状況にございます。そんな中で、これからの幼稚園の存続ということでは、やはり既存の幼稚園に保育園を併設しなければ経営をやっていかれない、私自身もこういう考えを持っているところでございます。認定こども園の計画においては、新たな幼稚園に保育を兼ね合わせる仕組みを推し進めるのではなくて、既存の幼稚園に併設できるような仕組みをつくっていただきたいと思います。ハード面、ソフト面で大変難しい課題はあるかと思いますけれども、やはり、既存の幼稚園の経営を圧迫しないようなご配慮をいただきたい、このことを要望して、終わります。
◆小野正美 委員 私からは、2点について、一つ目は、今年度から実施している私立幼稚園特別支援教育事業について、二つ目は、北翔養護学校と豊成養護学校における看護師配置モデル事業について質問します。
まず、ことしの
予算特別委員会で、特別な教育的支援を必要とする子どもの早い段階からの支援策及び幼稚園や保育園から小学校への継続した支援の重要性について質問いたしました。今ほど話がありましたけれども、札幌市の幼児の65%が幼稚園に通い、その95%が私立幼稚園に通っていると。私立幼稚園における特別な教育的支援を必要とする幼児の円滑な受け入れの促進と、それら幼児に対する教育の充実を図り、適切な保育環境を提供することを目的として、単に私立幼稚園に補助金を交付するだけでなく、幼児教育センターが中心になって、幼稚園の訪問支援を行い、あるいは、幼児の園における実態把握を行って個々に応じた指導計画作成を行うなど、きめ細やかな対応を行うということでの事業でありました。予算議会でも述べましたが、制度的に1園当たり一律90万円という補助金であること、あるいは、2人以上の在籍が必要であること、それから、実態として受け入れている園もありますけれども、受け入れている人数も非常に幅があります。2人以上が補助金の対象となっておりますが、1けたの園もあれば10人以上のところもありますし、中には、私の手稲区などでは50人を超えて受けている幼稚園もありまして、そういった実態に即した見直しといいますか、制度的な検討が必要ではないかということを予算議会でも指摘してまいりました。
そこで、質問でありますが、私立幼稚園特別支援教育事業の進捗状況及びこれまでの事業実施の成果と今後の課題などについてお聞きしたいと思います。
次に、北翔養護学校と豊成養護学校における看護師配置モデル事業についてであります。
北翔養護学校は中学部と高等部、豊成養護学校は小学部ということで、日常的に医療的ケアを必要とする多くの
子どもたちが在籍しております。以前は、重度重複の重い障がいのある
子どもたちは、自宅にいて養護学校の訪問教育を受けることが多かったわけであります。しかし、普通の子どもと同じように学校に行きたい、多くの友だちと一緒に暮らしたい、学びたいという思いを受けて、その子どもの障がいに応じた適切な教育環境、養護訓練を含めた教育を行うために、豊成養護学校、そして北翔養護学校を開設し、その目的達成のために看護師の配置を行ってきているわけであります。
看護師を学校に配置することで適切な医療ケアを行う、あるいは、そういったアドバイスを受けることで学校の先生方も安心いたしますし、また、それに沿って
子どもたちの指導ができる、あるいは、保護者の皆さんも、看護師が近くにいるということで精神的にも安心できるという話も聞いております。このように、看護師、保護者、教員が協力して医療的ケアを行い、子どもの生命の安全を確保しながらその子に応じた訓練や教育を行うという観点からも、今後とも看護師の配置が必要であることは異論のないところだと思います。
ただ、この看護師は、第2種非常勤職員ということで、勤務時間が週29時間ということであります。子どもが実際に学校にいる時間帯はこの週29時間の勤務でもカバーできるのではないかと思うのですが、先生方との打ち合わせ、あるいは、相談事とか職員会議への出席、こういうことができないという点で教員との連携が不十分ではないかとか、あるいは、長時間の学校行事の場合に看護師がこの勤務時間では対応できないということがあります。また、第2種非常勤職員ですから、継続して3年間の雇用契約ですから、やめる場合がありまして、その際に次の人にスムーズな引き継ぎができないということがあります。ある学校では、2人が同時にやめてしまって、新しい人が2人同時に来たということもあったようですが、こういった課題も指摘されております。
そこで、看護師の配置はモデル事業として今年度で6年になりますが、これまでのモデル事業における課題についてどのようにとらえているのか、まず伺いたいと思います。
◎風無 教育研修担当部長 まず、今年度より開始いたしました私立幼稚園特別支援教育事業の進捗状況についてであります。
市内の私立幼稚園132園のうち、86園から補助金の申請があり、既に支援を必要とする幼児の実態把握を終え、現在、学識経験者や医師等の専門家を加えた幼児の総合的な支援内容について検討する幼児アセスメント委員会において、支援の必要性やその内容について精査を行っているところであります。
次に、この事業の成果といたしましては、訪問支援を行った私立幼稚園から、幼児にとってどのような支援が必要か、また、その支援について保護者にどのように伝えたらよいかについて理解することができたなどの評価を得ております。こうした取り組みに加え、幼児教育センターでは、各私立幼稚園の支援担当者を対象にこれまで3回の研修会を開催し、いずれも150名を超える参加があるなど、特別支援教育についての理解、啓発が図られているところであります。
今後は、これらの事業を通して、その成果や課題の検証を行った上で、特別な教育的支援を必要とする幼児一人一人に応じた支援ができるよう、私立幼稚園へのさらなるサポート体制の充実を図るとともに、この事業がより活用しやすいものとなるよう検討を重ねてまいりたいと考えております。
◎金山
指導担当部長 私から、北翔・豊成養護学校看護師配置モデル事業における課題につきましてお答えいたします。
この事業は、日常的に医療的なケアが必要な
児童生徒に対して、看護師、教員、保護者が連携協力して行う効果的な医療的ケアのあり方について調査研究を行っているところであり、看護師を各校2名の複数配置としたことで、1名が校外研修や主治医との打ち合わせなどで不在となった場合でも対応が可能な体制としてきたところです。
これまでの事業における課題でありますが、近年において、医療的ケアを必要とする子どもの在籍者に占める割合が高まっていることから、個々の子どもに対する医療的ケアに係る時間が増加する傾向にあります。このため、看護師が関係者と意見交換を行う校内カンファレンスや保護者との健康医療相談に十分な時間がとりにくい現状にあります。また、日常的な医療的ケアにおいては、昼食時の前後における準備などでケアが集中する際の安全面の確保や、教員、保護者との連携体制が課題として見えてきたところであり、これらの課題につきまして、引き続き検証していく必要があるものと考えております。
◆小野正美 委員 まず最初に、私立幼稚園における特別支援教育事業の関係であります。
今年度の予算では、初年度でもありましたから60園に一律90万円で5,400万円だと。ところが、実際には86園から補助を受けたいという要望があったということです。132園ですから65%ということで、35%はまだ対象になっていないということであります。
私は、以前にも、特に小学校1年生の例を出して、担任の先生からお宅のお子さんはアスペルガー症候群ではないですかと言われたと。確かに、障がいの有無といいますか、特別な支援を必要とすることの見きわめといいますか、早い段階からそういった対応が必要な場合もあります。しかし、同時に、親としては、早い段階からそういう指摘をされる、あるいは、そういう状態にあるということを受け入れるのは非常に難しい面がありまして、それだけに専門的な観察といいますか、専門的なアドバイスが大変重要だなと私は思うのです。
そしてまた、この事業を行う以前から、私立幼稚園においても、障がいのある、あるいは、そういう疑いのある
子どもたちを積極的に受け入れているところもありましたし、また、保護者から要望などがありながらも受け入れることを断っていた、ちゅうちょしていたところがたくさんあったと思うわけです。そういう中で、今回、補助金の事業を始めることによって、こういう事業を札幌市がやってくれるのかと。単に金だけではなくて、その前提として、やはり、幼児教育センターの訪問を受けて、個々の観察をして、本当に必要であるかどうかという判断をして、どういう対応をしたらいいのか、あるいは、保護者に対してどういう話をしたらいいのか、そういうようなことを行っているということでありまして、幼稚園の先生方も積極的に研修に参加しているというお話も伺っております。
したがいまして、先ほども言いましたけれども、事業の実施を通した成果を検証すると同時に、より多くの園で活用できる、あるいは、実態に即した制度に――2人以上に一律同じ金額ということになっていますが、人数が多ければそれなりの手当てをしていくことも必要だろうと思います。そういう実態に即した制度となるよう検討して、よりよいものにしていただきたいということを述べさせていただきます。
次に、先ほど来ありましたが、
小・中学校においては、特別な支援を必要とする
子どもたち、また、教員に対する巡回相談員、あるいは、学びのサポーターなどの人的支援体制が始まっているわけでありますから、幼児期、つまり幼稚園あるいは保育園においてもこういった支援体制の構築が急務ではないのかという思いがいたします。今後とも、制度的な面だけでなく、ソフト面あるいは支援の内容についてぜひ検討していただきたい。
次に、ことしの予算委員会でも触れましたが、小学校への円滑な継続という点で、ことし1月に、幼稚園と保育園と小学校の連絡会、幼保小連絡会が各区で行われました。幼稚園の指導要録、あるいは保育園の保育要録が書面で小学校側に渡されていたけれども、書面だけではわからないので、やはり、関係者が一堂に会して個々の
子どもたちの様子を伝える、そういうつなぎの取り組みが始まったことは評価しております。
ただ、単に小学校に伝えるだけではなくて、実際に小学校でどのような教育を受けているのか、どういう生活をしているのかということを幼稚園や保育園の先生方が知ること、体験すること、これが、自分たちの幼稚園におけるいろいろな活動、仕事といいますか、子どもにかかわる上で非常に必要なことではないのかという思いがいたします。
そこで、質問ですが、幼稚園、保育園と小学校の連携の充実に向けて、今後どのような取り組みを行っていくのかについてお聞きしたいと思います。
次に、豊成と北翔では、それぞれ医療的ケアを必要とする子どもがふえていると。具体的な数字を事前にお聞きしましたが、4年前は豊成56%、北翔40%、平均で48%であったものが、昨年5月には豊成が63%、北翔で61%、平均で62%です。つまり、在籍する子どもの6割方がこうした医療的ケアを必要としているということです。
今言われたように、特に、昼食時の食事の対応、その前後のケアなど集中する時間帯があるというお話です。確かに、2人体制にして、1人不在の場合でも大丈夫だと言うけれども、集中する時間帯には2人でも大変なのだという状態が今の答弁でも明らかになりました。こういったことを解決する、あるいは、保護者からの要望を解決するためには、やはり看護師を増員する以外にないだろうと思います。
この問題について、ことし6月に、保護者の皆さん方が約2,000筆の署名を添えて
教育委員会に看護師の増員を要望しております。この際には、我が会派としても仲介をさせていただきましたが、ぜひともこの増員について決断をしていただきたいと思います。
もちろん、私自身も、第2種非常勤という勤務形態、あるいは処遇でいいのかなという思いもしています。専従手話通訳者のように採用困難な職種という位置づけをして長く継続してかかわれるようにしてはどうかという思いもあるのですが、考えてみれば、医療職ですから、実際の医療現場から長く離れることによってそのスキルが下がるというようなことも含めて、ある程度、3年という期間で働いていただくことも一つの理にかなうのかなという思いもいたします。
そんなことも含めて、第2種非常勤という職員の形態でありますから、増員はそう難しい話ではないわけです。正職員化をするとか、そういう話ではありませんから、ぜひこの点は決断をしていただきたい。こうした医療的ケアが必要であり、それから、先生方や保護者との連携が必要だということを先ほどの答弁でも認めているわけですから、この増員についてぜひ回答いただきたいと思います、
◎風無 教育研修担当部長 幼稚園、保育所、小学校の連携の充実に向けた今後の取り組みについてでありますが、今年度の新たな取り組みとしまして、小学校の特別支援学級の授業公開を来月から各区1校で実施することとしております。これは、小学校長会の協力を得て、札幌市私立幼稚園連合会の研修において実施するものであり、子ども未来局と連携して保育士の参加も呼びかける予定であります。また、今年度から、国立教育政策研究所より幼・小連携教育実践研究の研究委託を受け、教育課程の工夫や連携体制整備の具体策について実践研究を行っており、その取り組みの成果については、幼稚園、保育所、小学校関係者はもとより、保護者や地域の方々に対しても発信してまいりたいと考えております。
今後の取り組みにつきましては、
教育委員会といたしましても、委員ご指摘のとおり、小学校への就学という先を見据えた対応が重要であると考えておりますことから、幼稚園、保育所、小学校が相互に理解し、情報交流し合える場を設定するなどして、札幌市の目指す一人一人を大切にした教育の推進に向けて、さらなる幼稚園、保育所、小学校の連携ネットワークの充実を図ってまいりたいと考えております。
◎金山
指導担当部長 看護師配置にかかわることについてお答えいたしたいと思います。
教育委員会といたしましては、学校における医療的ケアの実施体制を確立することで、
子どもたちが安心して日々の学習や訓練を受けることができる環境を整備していくことが重要である、このように考えております。委員からご指摘のありました看護師の負担増にかかわり、看護師の配置数などにつきましても、医療的ケアの実施体制を検討する際の課題であると認識しております。その意味からも、看護師配置数につきましては、このモデル事業において、医師、看護師、教員、保護者の役割分担の明確化や望ましい連携・協働体制の確立をどのように図っていくか、また、医療的ケアの安全性の向上をどのように図るかという観点から調査研究を行う中で、引き続き検討を進めてまいりたい、このように考えております。
◆小野正美 委員 先ほど紹介しましたが、ことし6月に保護者が
教育委員会に要望書を提出した際に、保護者の方から、私たちの子どもは大きな障がいを抱え、個々の病気と闘いながらも毎日生活をしています、その
子どもたちが、普通の
子どもたちと同じように毎日学校へ登校するのを楽しみにしながら、保護者同伴でありながらも通学という形で通えるのは、豊成、北翔養護学校に医療的ケアや、
子どもたち、保護者の目線に立って十分な理解を持つ看護師が配置されているからこそであり、また、札幌市が
子どもたちへの大きな意味での教育の大切さを認めてくださったからこそであって、大変感謝しておりますということも言われております。
いずれにしても、なかなか結論は出せないというお話でありますけれども、ぜひ、
教育委員会も、保護者も、看護師が大変な状況の中で頑張っている、そこを何とかしたいという問題意識は一致していると思いますので、早急にこの課題を解決できるように看護師の増員ということを強く求めておきたいと思います。
もう1点は、先ほど生島副市長も言われましたように、国においても幼保一体化という動きが示されているわけであります。札幌市としても、今後さらに、部局を超えて、幼稚園、保育園、そして小学校との連携を行い、特別な教育的支援を必要とする幼児の就学前の支援体制の充実に向けて小学校との円滑な連携体制が構築されることを強く要望して、質問を終わります。
○長内直也 委員長 以上で、第1項
教育委員会費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月21日午後1時から、消防局、危機管理対策室、市民まちづくり局のうち都市計画部及び総合交通計画部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後3時11分...