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平成22年第二部決算特別委員会−10月15日-05号
平成22年第一部決算特別委員会−10月15日-05号

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  1. 札幌市議会 2010-10-15
    平成22年第二部決算特別委員会−10月15日-05号


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    平成22年第二部決算特別委員会−10月15日-05号平成22年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第5号)               平成22年(2010年)10月15日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人     委 員 長  三 浦 英 三      副委員長   三 宅 由 美     委   員  伊与部 年 男      委   員  西 村 茂 樹     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  林家とんでん平     委   員  長谷川   衛      委   員  宝 本 英 明     委   員  山 口 かずさ      委   員  大 越 誠 幸     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  高 橋 克 朋     委   員  山 田 一 仁      委   員  村 松 正 海     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  細 川 正 人     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  小 嶋 裕 美     委   員  涌 井 国 夫      委   員  青 山 浪 子     委   員  谷 沢 俊 一      委   員  國 安 政 典     委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子
        委   員  佐 藤 典 子      委   員  小 倉 菜穂子     委   員  佐 藤 美智夫      委   員  松 浦   忠       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時 ○三浦英三 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項ですが、山田委員及び涌井委員からは、遅参する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉資費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆宗形雅俊 委員  私からは、大きく分けて3点、高齢者緊急通報システム、そして、6月に行われました市民評価、いわゆる事業仕分けの結果のうち、保養センター駒岡の廃止について、また、老人クラブ活動費補助の見直しについて、それぞれ分けて質問させていただきますので、委員長、ご了承ください。  それではまず、高齢者緊急通報システムについてお伺いいたします。  この件につきましては、過去より、我が会派の長内議員や私から何度か質問してきたところであります。この事業は、昭和63年から始まり、20年以上も経過しておりますが、消防局への誤通報や利用者数の拡大などの課題があり、昨年の決算特別委員会における私の質問に、民間事業者との連携によるこの事業の再構築を図りたいとの答弁があったところであります。あれから1年がたちまして、再構築された事業の概要が整いつつあると聞いております。  そこで、質問でありますが、まず、この事業がどのように再構築されたのか、その概要をお示し願いたいと思います。  また、その再構築された事業と従前の事業の中身の違いを具体的にお示し願いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  高齢者緊急通報システムの概要についてでございます。  現在、効率的で、より利便性の高いシステムの構築を目指し、夜間対応型訪問介護事業所と連携したモデル事業の実施に向けて準備を進めております。具体的には、首にかけたペンダントのボタンを押すだけで夜間対応型訪問介護オペレーションセンターに通報できる機器を利用者宅に設置し、事故や急病等の緊急時の通報などに24時間対応できるものを予定しております。  次に、このモデル事業と従来の事業との違いについてでございます。  現行のシステムでは2名の地域協力員を必要としておりましたが、モデル事業では地域協力員を不要といたします。また、対象者の要件として、現在は心臓疾患など慢性疾患をお持ちの方で、日常生活上、注意を要する方としておりましたが、モデル事業ではこれを緩和することとしております。  なお、利用者には、利用料として費用の一部をご負担いただく予定でございます。 ◆宗形雅俊 委員  モデル事業としてスタートして、その間に課題の検証等もしていくと思いますが、このモデル事業は、どのような範囲で、どのぐらいの期間を考えているのか、さらに、対象人数などはどのぐらいになるのか、お尋ねします。  また、緊急通報システムは、警備会社などの民間事業者が同様のサービスを行っているところもありますけれども、民間事業者のサービスとの違いもお伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  モデル事業の範囲、期間、対象人数についてでございます。  まず、対象となる範囲と対象人数ですが、二つの区において100人程度の利用者を想定しております。実施期間につきましては、事業の検証にはある程度の期間が必要となりますことから、半年から1年程度を予定しております。  なお、事業開始は12月を予定しております。  次に、民間事業者のサービスとの相違点についてでございます。  民間事業者においても同様のサービスを行っているところもあるようですが、この事業につきましては福祉サービスであることから、対象者の範囲や利用料などの面で異なるものと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  民間とはちょっと差があるというか、福祉サービスの観点等が違うということですね。そうは言いながらも、民間との境目といいますか、すみ分けが必要ではないかと思っておりますが、さきの経済委員会で示された札幌市産業振興ビジョンの素案の中に、これからの成長を牽引する重点分野として四つの分野が示されて、この中に健康・福祉が含まれております。  そこで、まずは利用者の負担がふえているということは、民間事業者との差がなくなり、民間参入や民業圧迫につながらないかと、ある意味、反面で危惧しているところですけれども、その辺の認識を改めてお伺いしたいと思います。  また、再構築された事業は、特に利用者負担があるということで少々気になるところですけれども、利用者の負担増に対し、どのような認識をされているのか、この2点をお尋ねいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  この事業が民間圧迫につながらないかとのことでございますが、対象者を病弱なひとり暮らしの高齢者等に限定しており、影響は少ないものと考えておりますけれども、そのような面につきましてもモデル事業で検証してまいりたいと考えております。  次に、利用者の負担増に対する認識についてでございます。  同種の介護保険サービスである夜間対応型訪問介護においても利用者負担を求めており、この事業においても応分の利用者負担をお願いしたいと考えておりますが、低所得者への配慮等についても今後検討してまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  12月より半年から1年程度のモデル事業をしていくということで、その中でいろいろな課題等も出てくると思いますので、まずはその事業を見守りながらよりよい事業にしていくようにお願いしたいなと思います。  緊急通報システムについては、これで終わりたいと思います。  次に、2点目は、事業仕分けによります保養センター駒岡の廃止について伺っていきたいと思います。  事業仕分けによる保養センター駒岡の廃止に関し、地元の方々から存続の陳情が出され、10月1日の厚生委員会において審査され、委員会においては継続審議という形になりましたが、私の地元のことでもありますので、改めて質問させていただきます。厚生委員会で出ました質問とはなるべく重複しないようにしていきますので、よろしくお願いします。  保養センター駒岡の市民評価の議論について議事録を見ますと、ある意味、財政の観点ばかりが議論になっている印象がありました。事業仕分けが財政の観点のみで語られているということで、昨年の国政における事業仕分けをほうふつとさせるような印象もありました。今回、市民評価の結果を受け、地元では存続に向けてあちこちで署名活動が始まりました。この結果を受けて、その後、いわゆる市民全体の意見がどんなものなのかということが気になるところであります。  そこでまず、1点目でございますが、陳情で集まった署名以外で、この結果を受けて保養センター駒岡の廃止についての市民意見はどのようなものがあったか、賛否の内容、また、その割合も含めてお示し願いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  事業仕分けの結果を受けた市民意見についてでございます。  市民意見を募集した1カ月の間に49件の意見をいただき、そのすべてが廃止反対との意見でございました。主な意見といたしましては、高齢者の健康維持や生きがいの増進に大きく寄与しており、熱帯植物園などを廃止して規模を縮小しても施設そのものは存続してほしい、保健と福祉の施設と位置づけると札幌市は担い手として関与する必要があり、本事業に費用対効果の判断基準を用いるのは不適当である、朝市などを通して地域住民の輪を広げ地域の活性化に貢献している、仮にこの施設がなくなった場合、この地域の衰退につながりかねないなどの意見がございました。 ◆宗形雅俊 委員  続きまして、この保養センター駒岡は、宿泊や日帰りの利用、また、昼食だけの利用とか、そのほか、9ホールでございますが、パークゴルフ場があってその利用とか、先ほどお話ししました朝市とか、地域のコミュニティーの場の一つになっております。しかし、この事業仕分けの議論を議事録で見ますと、そのような観点からの議論が出てきておりません。ここは、保養センターの機能もありながら、ある意味で市長が言われている市民自治や朝市などに代表される地域のまちづくりの拠点に位置づけられている場でもないかと考えております。  そのような観点も含め、本市保健福祉局として、保養センター駒岡の存続に関してどのように考えているのか、みずからの考え方をお示し願いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  保健福祉局として、保養センター駒岡の存廃をどのように考えているのかについてでございます。  保養センター駒岡は、高齢者などの心身の健康と福祉の増進を図るため、低廉で健全な保健、休養の場として設置したものであり、事業仕分けの場においてもこの施設の必要性について説明してまいりました。しかしながら、廃止との評価となりましたので、これを真摯に受けとめるとともに、地域コミュニティーの醸成の場としても重要な役割を担っていることから、検討委員会の場において幅広い観点から今後のあり方を検討していきたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  厚生委員会の中では、市民評価の結果を受けて、保健福祉局内であり方を検討し、そして、23年度の早い時期に検討委員会を立ち上げ、幅広い観点から今後のあり方について検討していくという答弁がございました。  私は、みずからの事業を市みずから判断することなく、市民による事業仕分けという手法で結論を出したものを、今度はあり方を検討する検討委員会を設置する、また検討委員会に丸投げすると。要は、結論をみずから判断しないのは、市としてこの事業に対する責任をどう考えているのか、矛盾ではないか、いわゆる市民が評価したものをまた市民が検討すること自体が矛盾ではないかと疑問を呈したいわけです。これこそ、むだの一環ではないかと思うわけです。ここで、市がこの事業を必要と認めれば来年度以降も予算を計上していけばいいし、また、廃止や見直しに向かうのであればそのような工程を示していき、そして、市民から負託された責任のあるこの議会の中でその議論をしていくことが本筋ではないかと私は思っております。  そこで、2点質問させていただきますけれども、市民が評価したものを内部で検討しているということなので、その結果を示し、議会の中で議論をしていけばよいと考えますが、その見解はいかがか、お伺いします。  結局、廃止という結論に対してあり方検討委員会を設置するということは、見直しをしながら存続を意図していると私は受けとめておりますけれども、ここについても改めてどうなのか、お尋ねいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  内部の検討結果を議会で議論することについてと、あり方検討委員会の設置の意図についての2点のご質問でございます。  まず、検討委員会などを設けず、市内部での検討をもって議会で議論すればよいとのことでございますが、市民評価における廃止判定や、それに反対する多くの市民意見や署名、陳情、地域コミュニティーの場としての議論等々があり、利用者も含めたさまざまな観点からの検討が必要であると考えております。その結果を踏まえ、市として判断し、議会での議論をお願いしたいと考えております。  次に、検討委員会におきましては、廃止、存続、どちらかに偏ることなく、幅広い視点で検討していきたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  もう一つ、この保養センター駒岡の件について最後に質問しますけれども、今議会の代表質問で我が会派の村山議員からこの事業仕分けについて質問いたしました。事業仕分けの再質問に対して、市長は、今回の市民評価の結果の最終判断をできるだけ来年1月までに出せるように努力したいと答えておりました。これがなじむかどうかわかりませんが、これを尊重すれば、厚生委員会でありました23年度の早い時期に検討委員会を設置して結論を出すということは、この言葉との整合性においても疑問に思います。これは、やはり存続に向けた検討委員会という裏づけであるのではないかと私は思っておりますけれども、改めて、ここについてお伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  代表質問での市長答弁と検討委員会設置の整合性についてでございます。  来年1月の公表については、事業の方向性などを含めた報告であり、もちろんその時点で見直し等の結論の出る事業もあると思います。しかしながら、駒岡の場合は、ある程度時間をかけて慎重に検討すべきものと考えておりますことから、新年度早々に検討委員会を立ち上げ、検討することとしております。 ◆宗形雅俊 委員  駒岡についてはこれで質問を終わりますけれども、昨日も、私のところにここを利用されている方が数人来まして、駒岡に限らず、我々はどこに行ったらいいのだと。今回の事業仕分けで、もちろんその方々も財政という部分ではわかっているのですが、ますます高齢者がふえていて、そして、価値観も多様化していると思うのですね。パークゴルフをやられたり、また講座だとか、そういう場がどんどん減っていくということになれば、要するに我々は家にこもっていろと。極端な言い方だと思うのですが、今回の駒岡一つにしてもそういうふうに受け取らざるを得ないと。きのうの夕方ぐらいに来まして、綿々と2時間ぐらいお話を聞いていた事態でございます。  そういう意味で、駒岡の宿泊等の施設という観点だけではなくて、皆さんもご存じのとおりですが、いわゆるコミュニティーやまちづくりというような立場の中、そして、厚生委員会でも、一度、来週20日に現地に視察に行くというお話も聞いております。そういう意味では、ぜひとも地元のいろいろな意見を反映するような結果になるよう要望する次第でございます。  次に、もう一つ、市民評価における老人クラブ活動費補助の見直しについてお伺いいたします。  今回の事業仕分けの中の主な意見としまして、他の政令指定都市の補助水準にまで減額すべきという単位補助金の削減を求める意見と、ボランティアや友愛活動の地域貢献活動といった活動内容に応じての補助金といったように、めり張りをつけてクラブ活動の促進にインセンティブが働くような仕組みにできないかという意見と、二つに大別されたのではないかと思います。  そこで、質問ですけれども、これまで、老人クラブに対する補助金について見直しをしたことがあるのか、あるとすれば、それはどのような内容で、クラブ活動に影響がなかったのかどうか、お聞きいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  老人クラブ補助のこれまでの見直しとその影響についてでございます。  18年度には、新規クラブの設備整備のために25万円を上限に交付しておりました補助を廃止するとともに、会員50人未満の活動費補助を月額8,400円から4,400円に減額いたしました。また、19年度には、会員30人未満のクラブについて補助を廃止するなど、ここ数年間で、幾つかの補助金の見直しをしてきたところでございます。  次に、その影響についてですが、18年度に、会員50人未満のクラブの補助金を半減したところ、30人から49人のクラブで17年度の124クラブから18年度では94クラブと30クラブ減少となり、50人以上のクラブへの移行分を考慮したとしても少なくとも10クラブ以上は廃止となったと思われます。このことは、補助金の減額が少なからずクラブ数の減少に影響しているのではないかと推察しているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  今の答弁を聞きますと、過去にも老人クラブの補助金について見直しが幾つかあったということです。今回、市民評価の判断では見直しでありますが、補助金を下げた場合はクラブ数の減少につながったケースもあったということで、補助金の見直しについては慎重であるべきではないかと考えるわけです。  これから加速度的に進みます高齢化社会の中で、孤立死や高齢者の悩みなどの問題に対しては、同世代の方々の交流の中から見守りが生まれてくるのではないか、これから、そういったことがますます大切になってくるものと考えております。この意味で、仕分けの方々が現状をしっかり認識しているのか、疑問に思うわけであります。  現在、老人クラブは、クラブ活動の認知度の低さや、価値観の多様化、会員数の減少など、厳しい状況に対応すべくさまざまな見直しをしていると思います。そこで、老人クラブ活性化に向けて、クラブ側ではこれまでどのようなことを行ってきたのか、また今後どのようなことを行おうとしているのか、お尋ねいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  老人クラブ活動活性化へのこれまでの取り組みと今後の対応についてでございます。  まず、これまでの取り組みでございますが、近年、クラブ会員の減少傾向に歯どめがかからないことから、札幌市老人クラブ連合会では、平成16年11月に会員増強検討委員会を設置し、さまざまな検討を行い、18年5月に報告書を取りまとめました。これをもとに、会員の口コミによる勧誘や、クラブ活動を紹介したパンフレットなどの広報活動の強化などに努め、その成果があらわれたクラブについては表彰するなどの取り組みが行われたところです。  次に、今後の対応についてです。  これまで札老連が行ってきた事務事業の見直しや活性化、会員の増強などについてさらに進めていくため、平成22年7月に連合会の中に総務委員会を設置したところです。また、老人クラブ活性化3カ年計画として、健康づくり、介護予防活動の推進、若手リーダーの養成、活用、一般高齢者への呼びかけの三つを重点事業として掲げ、今後の事業をよりめり張りをつけて展開していくとのことでございます。  以上、これまでもさまざまな取り組みを行ってきておりますとともに、今後も、クラブの活性化のため、より効果的な取り組みを継続的に行うこととしております。 ◆宗形雅俊 委員  最後に、要望ですけれども、老人クラブは、これまでもこれからも、地域社会の活性化のため、なくてはならない団体ではないかと考えております。そのため、現状を考えますと、制度の見直しがクラブを減少させ、地域コミュニティーの崩壊を招いてはならないですし、さらに地域貢献を担う有機的な団体として発展していくべきだと思います。特に、札幌市は、ひとり住まいの孤立死ゼロのモデル事業もやっておりますけれども、やはり、同世代の方々の交流、ふだん来ているのにあの人が来なくなったねということで見に行くとか、また、いろいろな病気などの情報もこういうところで生まれてくると思うのです。そして、行政に頼らず、地域とかそういう団体の中で支え合うことができるのではないかと思っているわけでございます。  そういう意味で、今後の検討については、クラブの活性化と、地域貢献、さらに地域コミュニティーの拡大を図れる団体になるような補助金のあり方を要望して、私の質問を終わります。 ◆青山浪子 委員  私からは、孤立死対策につきまして質問させていただきます。  ひとり暮らしの高齢者が、家族やほかの方々との接触が全くなく、訪問や電話などもだれからもなく、亡くなってから数カ月、極端なケースは1年以上も経てから発見されたとの報道を聞きますと、どうしてこうしたことが起きるのかなと、いたたまれない気持ちになります。  札幌市では、孤立死を防ぐために必要なネットワークづくりに向けて、さっぽろ孤立死ゼロ安心ネットワークモデル事業、通称札幌あい(愛)・あい(目)ネット事業ですが、集合住宅等における単身高齢者の孤立死を防ぐ取り組みを試行的に中央区1棟、豊平区3棟のモデルマンションで実施し、これまで電話相談や出前講座、パンフレットの作成、シンポジウムの開催などのモデル事業を実施してきたということをお聞きいたしました。そもそもこの事業は、平成19年10月に、さっぽろ孤独死ゼロ推進会議を設置し、具体的な取り組みを行う機関としてさっぽろ孤立死ゼロ推進センターを開設して、このセンターを拠点として各種の事業を行ってきたと聞いております。  モデル事業の内容としては、対象となったマンション入居者に対してアンケートを行い、その後、安否確認を兼ねた戸別訪問や、サロンを初めとした交流事業の実施などを通して、集合住宅内での見守り、安否確認の仕組みづくりが行われてまいりました。その結果を取りまとめた札幌あい(愛)・あい(目)ネット事業報告書が発行されておりまして、この報告書は活動事例のほかにマニュアルも掲載されている内容になっておりまして、私も拝見させていただきました。  そこで、質問でありますけれども、平成19年からスタートいたしました3年間のモデル事業について、どのような成果があったのか、また、どのような課題があり、新たなモデル事業に生かされたのか、お伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  これまでのモデル事業の総括についてでございます。  委員のお話にもございましたとおり、札幌市では、平成19年からのモデル事業において、地域から孤立しがちなマンション入居者の安否確認を中心とした取り組みを行ってまいりました。その成果については報告書にまとめさせていただきましたが、孤立死防止に向けた地域住民や関係機関との問題意識の共有と連携の重要性を改めて確認いたしました。また、マンション等の集合住宅にとどまらず、地域における近隣住民による安否確認や各種民間事業者との連携による複合的、重層的な見守り、孤立死防止システムが必要でありますことから、今回のモデル事業においては、このような視点を加え、その対象地域なども拡大した上で実施することとしております。 ◆青山浪子 委員  札幌市におきましては、高齢者の単身世帯が6万世帯、そしてまた夫婦世帯は7万世帯にも上っておりまして、今後、高齢化の進展のことを考えますと、孤立死対策のさらなる取り組みは大事なことだというふうに私は思っております。  お伺いしたところ、札幌市においては、地域における近隣住民によるこれまでの安否確認に加えまして、各種民間事業者との連携による複合的、重層的な見守り、孤立死防止システムが必要であることから、例えば、地域の新聞販売店、配食業者、それから郵便事業者などの事業者等とのネットワークを構築するために、3カ年のモデル事業を平成22年度からスタートしておりまして、先ほどの答弁では、これまでのマンション等の集合住宅以外についても対象とするとのことでありました。  そこで、改めて確認いたしますけれども、この事業の具体的な仕組みと現在の取り組み状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  新たなモデル事業の仕組みと取り組み状況についてでございます。  これまでの近隣住民による見守り、安否確認の取り組みに、地域の新聞販売店、配食業者、郵便局、水道事業者などの民間事業者等の協力による見守りを加えたネットワークを構築してまいります。具体的には、市営住宅やマンション等の集合住宅、戸建ての地域の中から孤立死防止に関心の高い地区を選定し、それぞれの地域に合った事業展開を行うこととしております。現在の取り組み状況といたしましては、モデル地区の選定や協力いただける事業者等への打診などを行っているところでございます。 ◆青山浪子 委員  今、答弁をいただきましたが、協力していただく事業者との調整など相手がある話でありますので、すぐにスムーズに行くのはなかなか難しいとは思いますけれども、孤立死対策は待ったなしの状況であります。先ほども申し上げましたけれども、この事業は3年間の事業でありまして、まず、1年目にはネットワークの立ち上げ、2年目には本格的な運用、そして、3年目には事業の検討というスケジュールとなっており、長期間の事業でありますが、一刻も早くその結果を出していただきたいと考えております。  そこで、質問でありますけれども、今年度のこのネットワークの立ち上げ時期はいつごろを予定しているのか、また、最終的にはモデル事業の成果を全市的な展開へとつなげるとのことでありますが、具体的にはどのようなことを考えているのか、お伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  当面の事業開始時期と今後の展開についてでございます。  まず、開始時期についてですが、年度内には3地区を選定し、準備が整った地区から、順次、モデル事業をスタートさせたいと考えております。その上で、23年度に本格的運用を行い、24年度にはモデル事業の成果の取りまとめや検証を行い、このモデル事業を他の地域における孤立死防止の取り組みへと広めていくなど、全市的な展開につなげていきたいと考えております。展開の具体的な方法といたしましては、マニュアルの作成や研修会、出前講座等での報告に加え、ホームページやマニュアルのポイントを掲載したパンフレットを配布するなど、幅広く行ってまいりたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  最後に、要望でありますけれども、今お話があったように、モデル事業のスタートについては、年内にも3地区で実施したいと考えているということであります。私は、高齢者のだれもが住みなれた地域でその人らしい生活を継続し、そして、安心して老後を送っていただきたいというふうに考えているわけでありまして、そのためにも、孤立死防止の取り組みを全市的な展開につなげていただきたいというふうに思っております。  実は、ストップ!孤立死、地域みんなで取組みましょうというこのようなすばらしいチラシも作成しておりますけれども、私は、この内容を皆さんに情報提供することが大事なことだというふうに思っております。ですから、ぜひとも広報さっぽろにも掲載して、そして、札幌市では地域の高齢者の皆様に安心していただくような取り組みを行っていることをもっとPRしていただければということを強く要望させていただきまして、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、介護保険にかかわる通院ヘルパー、院内介助の問題について質問したいと思います。  介護保険制度が始まって10年が経過いたしました。通院介助、院内介助については、介護保険制度が始まった当時には位置づけがされておりませんでした。これが2003年の介護保険の見直しの時点で改めて院内介助という区分ができてきて、そして現在に至っているわけですが、院内での介助というものについて、どういうものがこれに該当するのかというのは、なかなか運用解釈のところでまちまちになっております。厚生労働省でも、改めて、ことし、訪問介護における院内介助の取り扱いということで、事務連絡、通知を出しておりますけれども、これが現場の事業所あるいはケアマネジャーを含む介護従事者の中になかなか浸透してきていないという問題があります。  そこで、やはり、この事業を知らないというところに対してきちんと指導すべきだというふうに思うのですが、札幌市、また介護事業所の指導をしている北海道ではどのような形でこの指導を行っているのか、まず、その点を伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  院内介助の周知についてお答えいたします。  院内介助につきましては、今月、北海道が介護事業所を対象として行った集団指導の中でその取り扱いについて指導を行っております。また、札幌市としても、ことし7月、一部の区ではございますが、介護支援専門員の研修会の中でこの説明を行ったところでございますけれども、今後も機会をとらえてその周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  もちろん道が指導するということで、ついせんだって、きのうですか、北海道では集団指導という形でこれが行われております。院内介助については、病院のスタッフが対応することができない場合で、ケアマネジャーがケアプランに必要性を位置づけてこれを行うと。しかし、最小限度の介助のみ請求が可能であり、単なる見守り、声かけのみ、あるいは、診察室やレントゲン室、処置室等における時間についてはいかなる場合も算定することができない旨の通知の徹底が図られたというふうに理解しております。  そこで、単なる見守りや声かけのみ、あるいは、診察室とかレントゲン室の中での介助については、いかなる場合であっても算定できないということがございます。そもそも院内介助というのは、先ほども言いましたが、2003年にいわゆる介護タクシーがなくなったというか、かわって、それで通院に係る送り迎えについての加算というか、介助ができることになりましたね。そういう中で、病院に連れていく、そしてまた迎えに行くというところで100単位ずつ介護報酬が発生するわけですが、実際に病院の中で付き添いをしてほしいという要望が利用者からもあります。さらに、医療機関の中でも、病院の中で、例えばトイレに行ったり、検査のときもそうですが、検査のときに何かの手伝いをしてほしいということでヘルパーについていてほしいという要望があります。  しかし、そこについては細かい算定になっておりまして、なかなか身体介護というところがクリアできないために、通院に係る乗車、降車の介助があるにもかかわらず、これをできないと、うちでは人のやりくりもできないし、それはちょっとお断わりしているのですということで、事業所が利用者に対してこのサービスの提供を断わる場面が幾つか出てきております。  そこで、その点についての指導徹底というのはどういうふうになっているのでしょうか、伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  院内介助の事業者等への指導の徹底ということでございますけれども、先ほどお答えいたしましたように、今月、北海道の方で介護事業所を対象とした集団指導を行っておりますし、札幌市としても、一部の区ではございますが、ことし7月に行っております介護支援専門員の研修会等がございますので、こういった機会を使いまして今後とも指導に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  周知についても、指導についても、同じような答弁であります。
     今ちょっとお話ししましたけれども、車で来てもらう、病院まで連れていってもらうということがあります。ホームヘルパーは、今の院内介助という区分においては自立支援に必要な介助に該当しないということになりますと、病院の前で、行ってらっしゃい、時間が来たら迎えに行きますよという対応をとるわけです。サービスを提供できない場合について、病院で受け付けから診察、さらには処方せんをいただいて薬局までというような一連の流れがありますが、そうなると、例えば歩行に支障のある方、あるいは、症状にもよると思いますけれども、ちょっと体の調子が悪いのできょうはそばについていてほしいようなときに、基本的にそれがケアプランに位置づけられていませんから身体介助ということにはならないわけですね。そうすると、往復も含めて2時間程度の時間、ヘルパー1人を拘束することになるとそれは実費で負担せざるを得ない。  事業所に対する聞き取りなどをしますと、身体介護の半額程度を実費で請求しているところがあるというふうにも聞きます。額にすると2時間5,000円とか7,000円で請求をしているような実態があります。こうした介助が身体介護できちんと位置づけられていれば利用者は1割負担で済むことになるわけですが、そもそものケアプランに位置づけられていないわけですから、こういうことに臨機応変に対応することができません。  私は、自費負担している実態ということから考えても、まず、介護報酬というものを引き上げていく必要があるのではないかというふうに思っています。ただ、その前段で、今、介護保険を利用している方の実態調査などをこれから行っていくように準備をしているところだと思うのですけれども、通院していらっしゃる介護保険サービスの利用者はどれほどいるのか、そして、院内介助を希望している方、あるいは、院内での身体介護に踏み込むようなサービスを要望していらっしゃる方は多いと思うのですが、これらのことについてきちんと実態調査をすべきだというふうに考えております。  そこで、2012年の見直しに当たって行う実態調査の中でこのような項目を行う気持ちがないのか、あるいは、検討委員会ですか、審議会ですか、そちらで議論されていると思うのですが、そういう中でこういうことが議題に上っていないのか、伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  院内介助の利用実態の把握についてお答えいたします。  今年度は、次期介護保険事業計画の策定に向けて、要介護・要支援認定者に対する調査を行う予定でありますが、その中で、利用しているホームヘルプサービスの具体的な内容について、これまでの通院の介助に加え、通院した際の院内介助についても新たな項目として設け、利用の実態について調査することを現在検討しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  今、まさに、通院時の院内介助が必要かどうか、実態を調査するということでございました。きちんと実態を把握していただきたいと思いますし、設問の項目についてもいろいろな工夫が必要なのかなというふうに思いますが、まず、しっかりと実態を調査していっていただきたいと思います。  前段でお話ししましたように、今、自費負担をしている実態があるわけです。2時間で5,000円ないし7,000円というお金を払っているようなところがございます。ある事業所では、これはケアプランの中に身体介護できちんと位置づけてやっているケースですが、9時50分から1時までかかるのですね。9時50分にお宅に行って、そしてまた戻ってくると1時という時間ですが、その間で、例えば、受診の準備、お洋服を着せてタクシーに乗せて移動する、そういうことでずっと積算してまいります。そうすると、9時50分から1時という中にあって、実際に身体介護を行っている時間は1時間10分、待機の時間が2時間というようなことになるのでしょうか。  そういう中で、結局、今、厚労省で言っているのは、自立支援に必要な身体介護ができるということですから、そして、診察室の中、レントゲン室、処置室の中での対応については単なる見守りあるいは付き添いということで、これは院内介助に当たらないとしているわけです。それにのっとった形で身体介護という今の事業所のケースが出てくるわけですが、結局、それでも待機の時間がかなりの割合に上ってくるわけです。けれども、これは1人のヘルパーがずっと対応していくということですから、いわゆる中抜きという形でそこは全く報酬の出ない対応になります。一方では、自費負担ということで利用者から2時間5,000円、7,000円というお金を取る、そして、事業者がきちんとケアプランに基づいて身体介護というものを盛り込みながらやっていっても、その待機時間は中抜きということでそこは報酬にはね返ってこない、こういう実態があるわけです。  私は、自費負担をしているという実態がまず間違っているというふうに思います。そういう意味では、まず、介護報酬を引き上げて実態に即したものにしていくことが必要だと思うのです。そこで、調査をやっていく中で、実際に自費負担だという方もたくさんいらっしゃると思うので、自費でサービスを受けていることについてもぜひ実態調査の中に聞き取り項目として入れるべきだと思いますし、自費で利用料を取っているという実態から見て、やはり介護報酬を引き上げるべきだというふうに思うのですけれども、この点についていかがお考えでしょうか。 ◎堀澤 保健福祉部長  介護報酬の引き上げについてお答えいたします。  今年度は、次期介護保険事業計画の策定に向けて、介護保険事業所に対する調査を行う予定でありますが、その中で介護報酬の妥当性について具体的に聞くこととしており、実態調査の結果も踏まえて、今後、必要に応じ、要望することも含め、検討していきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  妥当性についても検討していくということでありました。  2000年から介護保険制度が始まって、2003年に院内介助という概念が出てきました。そういう中で、私は、やっぱりこの区分の仕方がそもそもおかしいというふうに思うのですね。やはり、家に迎えに行って、それなりの支度をして車に乗せて出てくる、病院の中でさまざまな対応をしながら、お薬ももらい、処方の内容も確認して家に戻ってくる、そして、お薬の飲み方についてもまた改めて確認するというようなことがヘルパーの仕事としてあるわけだし、利用者からもそういう手厚いケアをしてほしいということは要望としてあると思うのです。ですから、この一連の流れの中で見ていかなければならないということです。だから、行くときはヘルパー、病院の中では病院のスタッフが対応する、そして、帰るときはまたホームヘルパーということではやはりおかしいのだと思うのです。  そこで、厚労省では、見守り、付き添いは院内介助には当たらないという見解が2003年から一貫して各保険者に対して通知している中身ですが、この点について、介護報酬のところでは必要があれば国に求めていきたいというお話がありました。しかし、そもそもこの概念ということについて、厚労省の見解について、私は妥当ではないと思っているのですけれども、保険者として札幌市はこれをどういうふうにお考えになりますでしょうか、伺います。 ◎堀澤 保健福祉部長  実態や厚生労働省の見解についてのご質問でございますけれども、院内介助に関して病院内における利用者への対応や見守り、付き添いなどにつきましては、国からの通知や道の見解、また、利用者の身体状況や介助の必要性などを踏まえた適切なケアプランが作成されることにより、必要なサービスが提供されるものと考えております。 ◆坂本恭子 委員  国の通知、道の見解を尊重してということですから、札幌市は保険者としての独自性がどうなのかというところが厳しく問われるというふうに私は思います。それでなくても低い介護報酬ということで、この間、そこで働く介護職員の労働実態を改善させるための介護報酬改定というものがなかなか進んでおりません。そういう意味で、そもそも院内介助については断わる事業所が――断わるということはあってはならないことです。サービスの提供を拒否するのはそもそも禁止されていることなのだけれども、そういうことが往々にして起きているということ、この実態は厳しく見ていかなければならないと思います。そして、その上に立って、低い介護報酬についても是正していかなければならないというふうに思っています。  今、老老介護がございます。それから、それがさらに進んで認知症の方がさらに重い認知症の配偶者を見るという認認介護というところにまでいっているわけですね。今は本当に深刻化していますね。介護をめぐることで本当に悲惨な事件が絶えないというような状況ですから、私は、医療機関と介護従事者の連携がより緊密になっていかなければならないと思います。ここまでは介護、ここからは医療というようなことですみ分けができるようなものではないのですよ。一人の人間として、本当に一連の流れとして、どういうサービスが必要なのかということをきちんと考えていかなくてはいけない。これは、一人の人間として見ていかなければならない。これは、まさに制度が引き起こしている矛盾だというふうに思うのです。医療機関と介護従事者の連携というようなことについて、さらに国に対して是正を求めていくべきだと私は思うのですけれども、ここについての見解を伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  医療機関と介護事業者との連携についてお答えいたします。  国においても連携の重要性を認識していると考えており、介護報酬の平成21年改定においても、医療機関との連携に対して新たな介護報酬の加算制度が新設されたところであります。国においては、平成24年に介護報酬の改定を予定しており、札幌市といたしましても、今後、介護保険事業所に対して介護報酬に係る調査を行い、その調査結果などを踏まえ、国に対する要望内容を検討していきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  しっかりと要望していっていただきたいと思います。  診療報酬が上がると言っても、それによって院内スタッフがふえていくというようなところには、今の医療機関はなかなかないと思うのですね。これは大阪府の調査ですが、医療機関がヘルパーにやってほしいことという項目に対して、院内での介助をやってほしいというのが医療機関の側から一番多く出ている声なのですね。そういう意味では、トイレに行きたいとか、検査に付き添ってほしいとか、服を脱いだりとか、あるいは、病棟内というか、外来から検査室に行くまでの間は付き添ってほしいということは病院側も願っていることですから、やはりそこは垣根なくしっかりと対応していくようにさらに国に求めていっていただきたいと思います。  それから、院内介助、身体介助にかかわるところでは、今、国の通知、道の見解を尊重しながらこの間もやってきている、ケアプランを策定してそれに基づいてやっていくのだというご答弁が先ほどありました。  しかし、実は、身体介助にするか、院内介助にするかというところで、ケアプランの作成については自治体によってかなりばらつきがありますね。実際にケアプランに盛り込まれていなくても、必要と判断した場合にはそれが実行できるというような運用の弾力性を持って取り組んでいる自治体もございます。そういう意味では、保険者としての札幌市というところで、やはり、国、道によるのではなく、運用の基準というのですか、こういうものについても独自で弾力的に見直しをしていっていただきたいなと思っています。  そもそも、施設から在宅へというのが介護保険制度の始まりでしたよね。その在宅で生きていくために、通院という作業というか、そういうことが必要になるわけですよ。だから、通院介助というのは、在宅で介護を受けている方にとっては命綱になるわけですね。その橋渡しをしているのがホームヘルパーです。それが院内介助ということにつながっていくわけですから、ヘルパーの通院支援の意義というものをしっかり考えていただきたいと思います。単なる見守りだとか付き添いということで機械的にくくるのではなく、そばにいることがその利用者にとって本当に精神的な安定につながっていく、そして、ヘルパーと利用者の相互の信頼関係、相互理解というものにつながっていく、本当に寄り添って見守るということですから、これは、単なる待ち時間、見守り、付き添いというようなくくりをとらないように、札幌市で弾力的な運用をしていっていただきたいと思います。  それから、次の見直しに当たっては、例えば、利用者負担のあり方について、保険料について、減免制度について、さまざまな観点から評価、検討されていくことになると思います。実態調査もそこに向けて行っていくわけですが、私たちも、介護保険制度が、利用する皆さんにとって、それから介護従事者の皆さんにとって本当によりよい制度になっていくように十分議論を尽くしていきたいと思っておりますけれども、まず、保険者として札幌市が公的責任を果たしていくという決意が大事だと思っておりますので、そこら辺を十分にしんしゃくして丁寧な対応をしていっていただきたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私からは、介護保険制度の改定についてお伺いいたします。  介護保険制度が始まって10年が経過しています。全国の高齢化率も22.7%となりまして、2015年には4人に1人が65歳以上、また、2025年には75歳以上の方が現在の2倍になるとされております。このような中、介護保険制度などによりまして介護の社会化が進んできました。しかし一方では、改定のたびに複雑な仕組みになり、高齢者や家族は、制度の仕組みはもちろん、サービスに関するさまざまな規制について理解できているとは言えない状況です。また、サービスを提供する事業所にとっても、説明責任が増すとともに、煩雑な業務が非常にふえて大変だといったような声も聞いているところです。共助で成り立っている制度ですから、何よりも被保険者となる高齢者や、また家族がわかりやすく理解できる制度であることが最も重要です。そして、すべての高齢者が自分らしく生きることが可能となるサービスが多様に用意され、利用者の選択の自由が確保されていなければならないというふうに思っております。持続可能な制度展望を財源問題だけに焦点を絞るのではなく、在宅で安心して暮らせる制度を目指して、人間の尊厳を大切にする介護とはどういうふうにあるべきなのか、広く議論していくべきだというふうに考えております。  そこで、これから質問させていただきます。  国においては、2012年度の介護保険制度の改定に向けて、社会保障審議会介護保険部会において審議されているところです。また、札幌市においても、次期の介護保険事業計画の策定に向けて介護保険事業計画推進委員会を立ち上げ、そして、現在、検討を進めているというふうに聞いております。  そこで、介護保険制度の次期改定に向けて、国においてはどのような審議がなされているのか、また、札幌市においては、次期計画の策定に向けて現在どのようなことに取り組んでいるのか、具体的にお伺いいたします。  また、国及び札幌市の改定に向けた今後のスケジュールはどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  国の審議の状況、札幌市の取り組みや今後のスケジュールについてお答えいたします。  まず、国の審議の状況につきましては、給付のあり方、負担のあり方、保険者の果たすべき役割や介護人材の確保と処遇の改善策などの論点について議論が行われておりますが、その内容や方向性など詳細につきましては、現在のところ、公表されておりません。今後のスケジュールといたしましては、介護保険部会として、ことし11月中をめどに審議の取りまとめを行うと聞いております。  次に、札幌市の次期計画の策定に向けた取り組みにつきましては、今後、要介護・要支援認定者や介護保険サービス事業者などに対して調査を行う予定であり、現在、その調査項目、調査内容等について検討を行っているところでございます。調査は、ことし11月中に行い、来年3月にはその調査結果をまとめたいと考えております。その後は、推進委員会において、今回の調査結果や国の制度改正等を踏まえつつ審議を継続し、次期計画の策定は平成24年3月をめどとしております。 ◆小倉菜穂子 委員  まさに、国も札幌市も、その状況がいろいろ動いている最中かというふうに思います。11月中には調査も始まると伺いました。先ほど来、調査についても、どんな項目を入れるのかといったようなお話が出ていたと思いますが、私からも、再質問として、介護保険の中の生活援助に関する調査についてお伺いしたいと思っております。  介護保険の中に、調理であるとか洗濯、掃除など、在宅の高齢者を支える生活援助というサービスがございます。前回の改定では、こうした生活援助が要支援や要介護1の軽度者の介護状態を重度化させるとした島根県の調査データがクローズアップされ、生活援助1.5時間の利用制限や介護予防事業への移行が行われ、地域包括支援センターが創設されたというふうに聞いております。また、今回、厚労省の介護保険部会の資料を見てみますと、生活援助について、一部の委員の方から、費用対効果という観点から、保険給付から外すことを議論の俎上にのせる必要があるのではないかという意見も出ておりまして、生活援助サービスそのものが介護保険から切り捨てられるのではないかというふうに危惧しているところです。  生活援助の有効性については、東京のNPO法人が、2004年度に続き、2008年度、在宅生活をする要支援、要介護の利用者を対象に介護度の推移実態調査を行ったところ、生活援助を利用している人の方が同じ介護度を維持している期間が長い、また、特に要介護1の方では、生活援助を利用していない人より利用している人の方が1.8倍長い、生活援助によって日常生活が滞らず円滑に送ることが保障され、介護度の重度化を予防していると判断できるというふうにしております。  そこで、札幌市においても、次期の改定に向けては、介護保険サービス利用等の実態把握が不可欠と考えますが、生活援助に関してどのような調査を行うつもりか、伺います。  また、前回の改定の際にも調査を行っているということですけれども、どのような調査結果であったのか、あわせて伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  生活援助に関する調査についてお答えいたします。  まず、生活援助に関する調査内容としましては、前回調査に引き続き、生活援助を含むホームヘルプサービスの満足度、調理や掃除などを利用している具体的なサービスの内容、サービス利用による生活上の変化などを現在検討しているところであります。  次に、前回調査の結果につきましては、要支援認定者に対する調査を例にとりますと、まず、サービス利用の満足度については、8割以上の方々が「満足」あるいは「やや満足」と回答しています。  次に、具体的なサービスの内容としては、掃除を利用されている方が8割以上、買い物は3割以上、調理は2割以上となっております。  最後に、生活援助を含めたサービスの利用による生活の変化につきましては、複数回答でありますが、約5割の方が「精神的に楽になった」、3割以上の方が「自分で身の回りのことをしようとする意欲が出てきた」、2割以上の方が「体調が良くなった」と回答しております。 ◆小倉菜穂子 委員  今回もまた項目に入れていくというお話でした。前回の調査の結果も、満足度についてそれぞれにお話しいただきましたけれども、8割以上の方が満足している、そして、体調がよくなったとか、精神的に楽になったといったようなことが回答としてあったということです。  このところ、消えた高齢者問題というようなこともありました。高齢者の孤立が浮き彫りとなっております。これは、家族の機能であるとか、コミュニティーでの支え合い、そのあたりが大きく変化しているのだというふうに考えます。札幌市においても、ひとり暮らしの高齢者が増加傾向にあります。こうした状況が進む中、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためにも、生活援助など当事者のニーズに沿ったサービスが重要であるというふうに考えています。  そこで、札幌市においては、生活援助の必要性、重要性などについてどのように認識しているのか、伺います。  また、生活援助が介護保険制度の給付対象から外されるなど、切り捨てにつながらないよう国に働きかけるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎堀澤 保健福祉部長  生活援助の必要性、重要性等についての認識及び国への働きかけについてお答えいたします。  生活援助については、前回調査の結果を見ても、要支援認定者にとって日常生活を送る上で不可欠なサービスであると認識しております。現在、生活援助を含めた給付のあり方については、国の介護保険部会において審議されており、十分に議論を尽くされるものと考えておりますが、国への働きかけにつきましては、その審議の状況等を踏まえ、他都市とも意見交換をしながら適切に対応していきたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  不可欠であるといった認識だというふうに伺いました。国の方でも、これから、方向性についてそれこそ詳細がわかってくるのだと思いますが、ぜひ、一人一人の高齢者が安心して暮らしていける、そんな仕組みになるように札幌市からもしっかりと強く声を上げていただきたいというふうに思っています。人生の最期まで、すべての人が自分らしく生きられることをしっかりと保障するために、訪問介護の生活援助は、在宅生活の質を高め、要介護状態を改善、維持するための必要なサービスだというふうに考えています。だれもが安心して住みなれた地域で暮らし続けるため、要支援、要介護の高齢者にとって有効性のあるサービスは介護給付から外すべきではないと、市としても国に対してしっかりと声を上げていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  私は、老人クラブの活動に関する質問のみであります。  まず最初に、今回、市が行った仕分け作業の中に、老人クラブ連合会に対する補助金、それから、各単位老人クラブに対する補助金、憩の家の運営費に対する補助金、この3点が含まれております。  そこで、まず最初に、仕分け人に老人クラブに関する資料をいつの段階でお渡しになったのか、開催される当日に渡したのか、あるいは、どのくらい前に渡したのか、その点が一つであります。  二つ目に、憩の家に関するアンケートを実施しております。このアンケートというのは、当然、憩の家の利用状況だとか、あるいは、老人クラブの活動状況などをこのアンケートの中で把握していく、そして、当然、補助金のあり方などを含めて、老人クラブに対する活動助成のあり方などを検討する資料になっていくのではないかと思うのですが、これについて、どういう目的なのか。私はそう推察するのですが、どういう目的でアンケートを実施したのか、この2点についてです。 ◎堀澤 保健福祉部長  老人クラブ、憩の家等の市民評価対象事業に係る資料が事業仕分け人にいつごろ渡ったかというご質問からお答えいたします。  これにつきましては、事業仕分け、市民評価を担当しております市長政策室の方で、6月上旬から中旬にかけまして仕分け人へ対象事業の事前説明をしております。そういった中で、こういった資料についても仕分け人に配付されているものと考えております。  また、憩の家に関して、今現在行っておりますアンケート調査はどういった目的で行っているのかというご質問でございますけれども、これにつきましては、憩の家の事業をより効果的な事業とするために、運営者や、特に利用者のニーズを詳細に把握することとし、緊急雇用創出推進事業を活用して実施しているところでございます。 ◆松浦忠 委員  実は、老人クラブに関する仕分け作業の議事録を読みました。そうしたら、憩の家も、老人クラブの活動内容も、実態を知っている人は一人もいないのですね、この発言からしたら。長谷川課長が皆さんに対する説明人で出ておりますね。この質疑のやりとりを見ますと、仕分け人の方で中身をわかっている方は一人もいないのですよ。そういう中で、例えば、老人クラブについていろいろ質疑をして、最後に、仕分け人、判断してください、判断時間を5分間与えます、議事録ではこうなっているのですよ。判断時間を5分間与えますと。いいですか。今言ったように、6月の上旬か中旬くらいに説明会をやっているというけれども、これを見たら実施したのは20日です。もし中旬に説明したら、例えば15日に説明したら5日、10日に説明したとして、月を三つに分けて1日から10日までを上旬、中旬と言ったら11日から20日と幅広いのですが、何にしても、市民の代表として仕分けをするという任務を与えられている方は、事前に説明を受けながら内容を何もわかっていないのですよ。そして、皆さん、いろいろ問いただしている。長谷川課長も説明されている。そして、時間になりました、5分間でマルかバツをつけてくださいと、わかりやすく言えばこういうことですね。  それでもって、これがいいとか悪いとか――生島副市長も出ておられますけれども、今の市長になってからの仕組みで言うと、最終的には、恐らく、大事なことはみんな市長、副市長の2役会議で4人で判断して決める、私はこういうことになると思うのですよ。そうしたら、その判断の材料がこういうことで行われていくことになるとすれば、これは、私は全く意味合いが違うと思うのですよ。  国の仕分け作業の場合には、仕分け人の方が――それからもう一つ、私は、これはどちらが選んだのかなと思って、この資料をもらったときに、原局の皆さん方が説明資料としてそれぞれ配っているものの中身をよくよく見ると、例えば、この事業は今後も続けていかなければいかん、減額なんかしたら困るというように資料の中で最後にいろいろ書いて出しているわけです、原局の皆さんの意見としてね。  そういう中で、これは、市長政策室の方で事業を選んでかけたと私は聞いております。国の方は、仕分け人になった人が、いろいろな事業の中からどれを選ぶかということで、それぞれの議員がいろいろ調査して、選んで、そして、事前にそれぞれの現場に行ってみて、利用実態だとか利用者の意見だとか、いろいろなことを現場に行って事前に調べて、それから、原局である皆さん方を呼んで、そこで、これはどうなのだ、あれはどうなのですか、あなた方はどう考えてこういう制度をつくっているのですか、効果はどう考えているのですかということを聞いた上で、我々が調べたら実態は違うよ、あなた方の言っていることとは全く違う、効果がないと。こういうことで質問して、それに対して原局の皆さんが答えられないで沈黙してしまうということがテレビで映し出されておりましたね。これが仕分けなのですよ。そういう中で仕分け人が判断して、さらに、各大臣を中心にしてそれぞれのところで政務3役がそれをどうするかという判断をしていく、国の仕分けというのはこういう中でやられているわけですよ。札幌市がやっていることは全く違うわけですよ。  そういう意味で、これを判断のもとにして12月中にいろいろなことを決めていくなんていうこと自体が、こればかりではないのですよ、全体がそうですよ。これは、無理と言うよりも、全然中身のないことをやっているのですよ。  そして、市長はどういうことを言うかといったら、市民の代表の皆さんに判断してもらった、市民の意見なんです、こう言うのですよ。市民の意見というのは、少なくとも、国がやったような仕分けなら一つの市民の意見だと、調査もしているからという話になるかもしれぬ。あるいは、我々議会の側で調査委員会をつくって調査したというなら、これも市民の意見だということになるかもしれないけれども、これは全く違う。  そういう中で、まず、これをどうしようとしているのか。そんな、12月なんていうことになる話ではない。この質問の内容を聞いても、本当に老人クラブに集まって活動している人たちが、どういう状況の中でその人たちが集まってきているのか、そういうことなんか、全く質問が出されていない。  そういう意味で、私は、まず生島副市長に尋ねたいのですが、こういうような評価のあり方で判断していくということ自体、私は全く無策なことだと思うのですよ。はっきり言うと、無策ということですよ。実態を把握していない。こういう中で、これは、軽々にこんなことでやること自体、私に言わせればこれはもう白紙に戻して撤回すべきですよ、はっきり言うと、この評価なんていうのは。撤回ということは、私は、委員会をつくって出したものは出したものでいいけれども、市長としては、これについては取り上げません、改めてきちっと実態を調査して、その上でどうするかということについて、この議会にも諮って議論をして、その上で結論を出していくということでなければならぬと思うのです。これは、もう局長以下の話ではなくて、少なくとも市長、副市長、いわゆる任命者である副市長、あなた以上と我々との間でこういう議論をしなければならぬことなのですよ。これは何らされていないのですよ。仕分け人でこうやってやるということも、事前に議会のどこで諮られたのか、我々は何も聞いていない。少なくとも私は聞いていない。うちの会派は4人いるけれども、4人だれもそんなことは聞いていない。  したがって、私は、これについてはまず棚上げをする。その中で、仕分けしたものについて、もし市長の方がさらに踏み込んで事業を見直していきたいと言うのなら、改めてきちっと調査し、その結果を議会に提示して議論すべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎生島 副市長  今回のいわゆる事業仕分けは、私どもの方では外部評価における市民評価というふうに言っておりますが、これは、今までずっとやってきた行政評価という流れがございます。行政評価というのはどういうことかというと、札幌市の中で、まず内部で評価をするわけですね、この事業がいいかどうかと。それを、もう一つ、外部の目を入れようということで行政評価委員会というものをつくって、そこでも議論していただいた。では、行政評価委員となると限られた人となりますので、その中でもう少し一般市民の方の目も入れようということで、今回、初めて事業仕分けをやったわけではなくて、年をはっきり申し上げられませんけれども、過去にも市民に加わってもらって事業を見ていただいてご意見を承ることを続けてきたわけでございます。そういう流れの中で、事業仕分けをとらえていただきたいなということでございます。  したがって、この事業仕分けの結果がイコール結論ということではございません。そこで、この事業仕分けの結果を市民の皆さんにお知らせして、改めて意見募集もしたということでございます。  そういうこと全体を、私どもも、今お話し申し上げましたように、事業仕分けの結果、そして、それに対する市民の皆さんのご意見、そういうものも我々の判断の材料にさせていただいて、議会の皆さんとさまざまな議論をして最終的な結論を出していきたい、このように思っております。 ◆松浦忠 委員  副市長、今の市長になって、それぞれ委員をお願いして行政評価をやりました。最初のときには、私もその評価委員会にほとんど出たのですよ。どんな議論をされたかと。例えば、今、アークスの社長をやっている横山さんも評価委員になられましたね。私は、横山さんはどんな発言をされるかと思って期待して出たのですが、ほとんど市側、市長側の、わかりやすく言うと、いわゆる市役所職員の皆さんの仕事のやり方がこれでいいか悪いかなんていうことについての評価というのはほとんどなかった。あのときは、たしか出資団体についてやったはずだ。出資団体の仕事をどう委託すべきかというような、市役所の皆さん方の仕事のあり方がこれでいいのか、判断の仕方はこれでいいのかと、そういういわゆる普通の市民が疑問に思っているようなことの意見はほとんど出なかった、私が出たときは。  それからもう一つ、さっきアンケートのことを尋ねました。実は、ごみの有料化のときに市はアンケートをやりましたね。あのときも、あれはたしか予算議会のときだったと思いますが、予算議会の審議に間に合うようにアンケートをやらなかったのです。実は、アンケートは審議の事前に集約されてできていたのですよ。できていたけれども、市はアンケートを議会に提示しなかったのです、あのときは。今回も、なぜ私がこれを聞いたかといったら、今回、聞いたら、アンケートは6月8日から10月末の集約でやっていると、こういうことでアンケート用紙をもらいました。少なくとも、こういうアンケートについては、きょうの審議の前の日までにはその集約をして、我々にきちっと配られて、そして、我々も、ああ、こういう実態にあるのかというようなことを、我々が掌握し切れていない部分がこういう中に含まれているな、こういう実態もあったかということを承知した上で、例えば、老人クラブの補助金だとか、憩の家の運営費の補助金だとか、こういった問題について議論をしていくことが当然のことなのですよ。  そういう意味からしたら、私は、アンケートの日にちを聞いたときに、またもや、こうやって都合の悪いことは議会に提示をしないで、こうやって予算、決算の特別委員会など議員の半分が分かれて審議をするこういう議会に提示をしないで、そうしておいて常任委員会ぐらいにその結果を報告する。常任委員会の審議というのは、基本的にはその構成員が中心で、我々4人のような会派は、例えばそれを所管するところに委員がいないとする。そうすると、番外だったら質疑も余りできない。こういう形の中で、形だけをつくって、またこれをやろうとしているのかと、私は実はこういう疑念を抱いたのですよ。  したがって、アンケートについては後にしますけれども、副市長、老人クラブについて、評価委員、仕分け人の発言の内容を見たら、例えば、憩の家の参加者だってこの表を見てもわかるように毎年ふえてきているのですよ。では、老人クラブのクラブ数が減ったとか、あるいは、クラブ全体の構成人員は若干ふえてきていますが、高齢者の割合からしたら少ない、しかし、そこに来ている人たちは、どういう生活状況の人がそこに来ているのかと。こういうようなことを把握した上で、そういうような活動にこれぐらいの補助金は必要だ、経済的なことから考えてもと。こんなことを判断した上でやっていく。  老人クラブというのは、単に元気なお年寄りが集まって、それで何かするということだけではないのですよ。もっと言えば、やっぱり、老人がいかに寝たきりにならないようにするとか、人との対話をしてもらう場にするとか、そういうところなんですよ。  副市長は、老人クラブの構成の中で、ご夫婦の方と、もうどっちかが亡くなってひとりになった方と、どちらが多いと考えていますか。思うところでいいのですよ。これが一つ。  それから、二つ目は、男女の比率はどのくらいと思っておられるか。この二つをちょっと答えてください。 ◎生島 副市長  不勉強がばれるかもしれませんが、1点目は、ひとり暮らし、単身になられた方とご夫婦とどちらが多いかというご質問ですね。やはり、我々の希望というか、ひとり暮らしの方が行っていただく、そこでさまざまなつながりを持っていただく、そういうことが望ましい、そうあってほしいなという気が私はいたします。  それから、男女の関係は、平均年齢から見れば女性の方が多いわけですから、単純に考えれば女性の方が多いのかなというふうに考えますというか、思います。 ◆松浦忠 委員  私も70歳ですから老人クラブに入っています。  まず、一つは、男性と女性では、大体、女性は8割、男性は2割弱です。そんな比率ですよ。それから、ご夫婦の方とどちらか連れ添いを亡くされた方、これも圧倒的に、四分・六分なんていうよりも、むしろ三・七か二・八くらいの割合かと、こんな感じでお一人の方が多いのです。  そして、ご婦人が多い。遺族年金の方が多い。経済的にもいわゆる年金所得の少ない方が多いのです。したがって、老人クラブの会合に行きたいけれども、行けないという人もいるのです。聞いてみると、実は、年会費は納められても、クラブによっては、みんなでいろいろなものを持ち寄ってきてお互いに食べたり飲んだりする。そうすると、いつもごちそうになるわけにいかないから、たまには私も持っていかなければいけない。そうすると、そのお金がないから行けない、こういう人も実際に私は知っています。そういうような実態からいったら、私は、今の老人クラブに対する補助金、あるいは、憩の家の運営費に対する補助金なども、やっぱり、削減するということ、あるいは見直しをするという段階のときには、きちんとそういう中身の実態を調べた上で、これは老人福祉施策の大きな部分ですから、そういう実態を調べた上で、さて、どうするかと、こういう結論に行かなかったらならぬことだと思うのですよ。  そういう点で、副市長、これは、今のところ、12月に答えを出すなんていう仕掛けにはなっていかない。そして、この事業仕分け結果を見ても、今、私が指摘したようなことなどはこの内容からは全く読み取れません。したがって、そういうことについて、やっぱりきちっと調査をした上で対処していくことが必要だと私は思うのです。ですから、老人クラブの関係については、12月に結論を出すということではなくて、先ほどの駒岡の件でも出ていましたけれども、やはり、来年度、新年度に、こういうことをどう検討するかという検討の仕方、仕組みをつくって、そしてきちっと検討した上で、その検討結果をもとに議会とも十分議論をした上で結論を出していくことが私は必要だと思うのですけれども、副市長、いかがでしょうか。 ◎生島 副市長  私どもも、老人クラブの果たしてきた役割、それから、今後果たしていくことを期待していく役割は、非常に大きなものがあるというふうに思っております。したがいまして、前段で申し上げましたように、事業仕分けの結果がイコール結論ではないということでございますので、我々は、市民評価から出たご意見、結果、それから、その後、市民の皆さんからいただいたご意見、そして、きょうも先ほど宗形委員からもご意見がございましたし、今、松浦委員からもご意見がございましたが、そういうさまざまなご意見、また、議会での議論を踏まえまして、慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  私は、市民からの意見というのはどういう形でどの程度寄せられるのかわかりませんが、やはり、今回、仕分け人ということで大上段に構えて、そして、市長政策室がその見直しをするよと言って施策を選んだという中に、私はほかのことは言いませんけれども、老人クラブにかかわることについて言えば、これは全く見当外れの話だなと、実態掌握もしていなくてね。やっぱり、生島副市長あるいは市長という4人の中で最終的な意思決定がされていくということですから、副市長、これは、もう一回、きちっと仕組みをつくってやってください。どうも、私の目に映るのは、何か目新しいことをして、そして、行政は、市長は一生懸命やっているのだよと、こういうような時の話題づくりをしている、こういうふうに見えてならないのですよ。私は、行政というのは、時の話題づくりではなくて、やっぱり、国、都道府県、市町村とあったら、市民と一番密着している、そして、ある意味で市民とは本当に親子、兄弟みたいな家族的な仲でなければならないと私は思うのですよ。そういう意味で言うと、私は、今回のこれはそことかけ離れているな、こう思います。  ですから、これは、12月にこの結論を出さないということでの理解でよろしいかどうか、これは一つ確認しておきたいと思います。  それからもう一つは、連合会について言えば、私は連合会の件について前にも指摘したのですが、あそこに、市の係長、課長、担当者ですか、3人の退職者が再就職して行っております。千数百万円の金がその人件費であそこにいっておりました。今はいわゆる派遣というふうに変えたかもしれないけれども、その経費について言えば、あそこについてはやはり見直しをして、きちっと公募をしてその事務に必要な人手だけをきちっと確保すると。こういう中で経費も相当節減できるのではないかというふうに思います、あの派遣の3人の部分については。したがって、それについてはぜひ見直すべきだと。あと、憩の家の家賃の補助と、それから、老人クラブの運営費の補助については、先ほど話したように、今回の対象から外していく、対象にするならさらに実態を掌握するために新年度にきちっと調査をする、こういう認識でよろしいかどうか、生島副市長、認識はちゃんとしておかなければ、いいかげんな話になったらうまくないのでね。 ◎生島 副市長  松浦委員のご意見として受けとめさせていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  意見として受けとめさせていただくと言いますが、私が極めて単純なことを聞いても、副市長はそういう実態も全くわからない。市長もわからない、副市長もわからない、そういう中で老人クラブの経費について市長政策室が見直すべきだということを上げてやるということは、これを市民が聞いたら、一体、市長も副市長も特別職の皆さんは何をされているのか、こういう話になると思うのです。  したがって、実態を知った以上は、やっぱりきちっと先に延ばして、しっかり調査をした上で、少なくとも関係者が納得するようにやることが、納税者に――いいですか、これは主権在民と言われている納税者に対する義務ですよ、義務。役人があって納税者がいるのではないのですよ。納税者がいて役人がいるのですよ。今のやり方は逆だものね。役人がいて、市民は言うことを聞けというやり方だ。議会も―――――だよ、議員も黙っていろ、こういうやり方だ。これは、やっぱり当たり前のやり方だとは思わないけれども、どうですか、私の指摘は全く外れていますか。 ◎生島 副市長  最終的に市民の皆さんに説明責任を果たしていくというのは我々の重要な役割でありますから、それはきちっと果たしてまいりますけれども、その中身と、それはいつできるかということを、今、答弁せよと言われても、ただいま検討中と言うしかございません。 ◆松浦忠 委員  いずれにしても、今言ったように、私の質疑はわかりやすく、だれが聞いてもわかると思うのです。あなたも、その内容については全くわからぬということもみんなわかった。これもみんなわかった。そういうことで、ぜひひとつ、老人クラブの関係するものもそうだし、それから、やっぱり今回仕分けのすべての問題については、もう一回、この内容をよく調査して、その上でどうするかということをきちっとやるということを求めて、終わります。 ◆宝本英明 委員  私からは、高齢者の居場所づくりについて質問させていただきたいと思います。  先ほどから段々の議論がありました。申し上げるまでもありませんが、札幌市においても高齢化は急速に進展しております。今や、5人に1人が高齢者となっている状況であります。今後、活力ある地域社会を維持し、そして発展させていくためには、高齢者、特に元気な高齢者の皆さんのパワーの活用、生かしていくといった視点がどうしても必要になると考えております。このため、元気な高齢者に対しては、健康づくりや介護予防など高齢期をはつらつと過ごすことができるような居場所づくりが重要でありまして、またあわせて、地域社会への貢献なども期待できるような生きがい対策がますます求められていると思います。  このような中、札幌市においては、地区会館などの一画を利用して地域の高齢者が気軽に利用できる教養の向上や親睦、レクリエーションを行うための場として、先ほどもお話が出ておりましたが、おとしより憩の家に対する支援や、高齢者の社会貢献に結びつけるきっかけづくりとなるような生きがい活動を行っている高齢者団体に対して支援するはつらつシニアサポート事業をそれぞれ実施しております。これらの事業はどのような経緯で開始し、また、具体的にはどのような活動が行われているのか、まず伺わせていただきたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  おとしより憩の家とはつらつシニアサポート事業の経過等についてでございます。  おとしより憩の家の事業についてでございますが、昭和54年度から運営費補助を行っており、町内会館など地域の身近な場所で高齢者の方々が気軽に舞踊や茶話会、囲碁、カラオケなどで楽しい時間を過ごされております。現在、市内に65カ所設置されており、地域住民で組織された運営委員会により自主的に運営されております。  また、はつらつシニアサポート事業は、平成17年度からスタートしております。この事業には、高齢者の居場所や活動の拠点となるサロンにおいて、パソコンや手芸、舞踊などの文化教室を初めとした生きがい活動や、高齢者への生活相談や会報誌の発行などの情報交換活動、町内会などと連携した公園清掃や交通安全、児童の登下校時の見守りなどの社会貢献活動を組み合わせて行うシニアサロンモデル事業と、高齢者団体が子育て支援や介護予防、環境保護などの社会貢献における先駆的な取り組みを行うシニアチャレンジ事業の二つの事業がございまして、3年を限度に運営費の補助を行っております。 ◆宝本英明 委員  先ほども申し上げさせていただきましたが、今後ますます高齢化が進展していく中で、高齢者の方々がいつまでも元気で生きがいを持って暮らしていただくためには、今お話のありました居場所づくりも含めた生きがい支援事業は大変重要であると考えております。さらに、元気な高齢者が中心となって積極的に地域貢献活動を行うことは、地域社会の活性化に改めて必要なことと感じているところであります。
     しかし、先ほどお話が出ました6月に行われた事業仕分けによりますと、市民評価の中でこれらの事業が仕分けの対象となっておりまして、その結果が廃止を含む見直しとなったと聞いております。そもそも仕分けの際の論点はどのようなものだったのか、仕分け人の意見、コメント等も含めて伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  これらの事業に対する仕分けの論点についてでございます。  高齢者の増加とニーズの多様化が進む状況において、持続的に高齢者の生きがい対策を進めていくためには、憩の家運営費補助のような定額補助を継続的に行う事業から、シニアサロンのように年限を区切った活動の立ち上げ期の支援にシフトすべきではないかという論点を中心に議論が行われたところでございます。また、実際に仕分け人から出された主な意見としては、憩の家については、利用者の実態を把握し、廃止を含めた補助のあり方を検討すべきという意見、シニアサロンについては、サロンの新規開設をふやす工夫をするとともに、ニーズによっては事業の拡大を検討すべきという意見があったところでございます。また、両事業にかかわるものについては、少数の固定された利用者への支援となっており、不公平ではないかという意見もありました。 ◆宝本英明 委員  今のお話で、確かに、憩の家につきましては、長期間、一度の見直しもなしに定額補助を行ってきたという点は問題であると思います。早急に是正、検討すべきと考えますが、現在、活動実態や利用者のニーズ調査を行っているとのことでありましたので、それらもしっかり踏まえた上で事業の見直しを行っていくことが重要であると思います。また、はつらつシニアサポート事業についても、仕分け人からの意見にもありましたとおり、元気な高齢者が中心となって積極的に地域貢献活動を行うことは、地域社会の活性化にもつながるすばらしい事業であります。ここ数年は利用が少ないようでありますが、今後はこの事業をいかに伸ばしていくかということが重要なポイントであると思います。  そこで、質問ですけれども、今後、事業仕分けの論点やその結果を踏まえて、これらの事業をどのようにしていこうと考えているのか、伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  事業仕分けの結果を受けた今後の対応についてでございます。  高齢者の方々にとって、身近にいろいろな活動ができる拠点があることは、生きがいや健康づくりのほか、閉じこもり防止の面でも大変重要であると考えております。その意味でも、市内に65カ所あるおとしより憩の家はこうした役割を担っており、運営費補助の必要性も高いものと考えております。  しかしながら、活動が停滞しているところもあるなど、その実態はさまざまでございますので、活動状況などに応じて補助にめり張りを持たせるなど、効果的な補助のあり方について検討してまいります。  また、超高齢社会を控え、高齢者の方々の力をさまざまな場面で生かす仕組みが必要となることから、はつらつシニアサポート事業につきましても積極的に展開していくことが重要であると考えております。したがいまして、事業の周知、PRの徹底はもちろん、これまで申請団体が苦労されていた立ち上げ段階へのサポート体制の充実も含め、今後この事業がさらに多くの団体に利用していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆宝本英明 委員  居場所づくりも含めた生きがい支援事業というものは、介護予防や健康づくりにも役立っておりまして、将来の介護保険料や医療費の抑制にもつながっていくものであると思います。また、高齢者を単にサービスを受けている側として見るのではなく、事業の主体としてとらえ、事業を行っていくことは非常に重要であると思っております。今後の事業展開については、単に現時点における費用対効果だけにとらわれず、今後の超高齢社会への対応を見据えた検討を行っていくことが非常に大切であると考えておりますので、ぜひ前向きな検討、見直しを行っていただくことを要望して、質問を終わります。 ○三浦英三 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時55分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○三浦英三 委員長  委員会を再開いたします。 ◆松浦忠 委員  先ほどの私の発言の中で、何か―――――という発言をしたようで、これは、ちょっと私の発言が不適切だったかなと思うので、委員長の方でこの部分は削除していただきたいと思います。 ○三浦英三 委員長  承知いたしました。適切に措置させていただきたいと思います。  それでは、質疑を続行いたします。 ◆谷沢俊一 委員  私からも、午前中、段々のやりとりがございました老人クラブ活動費の補助金と老人クラブ活動について質問したいと思います。  この件については、代表質問でも取り上げさせていただきまして、結果として、高齢者の施策が見直しあるいは廃止と、大きくそちらの方の判定が出たということでございました。私が聞いたところによりますと、老人クラブ活動費の補助金の事業仕分けの論点の中で、高齢者が増加しているにもかかわらず加入率あるいは会員数が減っている、こういうことで老人クラブに対して補助金を出すことの意義が低下している、こういった指摘があった、あるいは、他の政令指定都市の平均の補助額と比較すると札幌市が高いというようなお話があったと聞いております。仕分け人が金額で比較して札幌市が高いとなりますと、どうしてもおのずからこういう結果になっていくのかなというふうに思うのです。ただ、実は、会員数が減れば、それを割り返しますと1人当たりの単価はおのずから上がっていくわけで、比較の対象として単純にこれを基準としていいものかどうかという疑問を持つわけです。会員がふえれば、割り返しますから当然1人当たりの単価が減るということだと思うのですね。  そこで、1点目に、本市において、老人クラブの加入率あるいは会員数が減っていることについて、その要因を市としてどのようにとらえているのか、このことについてまず最初にお伺いいたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  老人クラブの加入率の減少への認識についてでございますが、委員ご指摘のとおり、加入率の減少は問題であると認識しております。加入率の減少の主な要因といたしましては、高齢者の生きがいや地域貢献に対する価値観が多様化していることや、老人クラブ以外にもさまざまな活動の場がふえてきていること、60歳を過ぎても就労されている方々が増加していることなどが挙げられると考えております。 ◆谷沢俊一 委員  生き方の多様化、それから、老人クラブ以外に活動の場がいろいろあるのではないか、そういうお話でございます。  確かに、さまざまな人生の生き方というのはあると思いますけれども、私が市役所にいたときに感じていたのは、例えば、今のまちづくりセンターとか、あるいは、町内の会館等をお借りしてそこで老人クラブのいろいろな活動をされるのですね。ただ、お年寄りがふえてきていますから、使う頻度が非常に高くなって、会館では制限をするのですね。週に2回程度は老人クラブに使わせるとか、3回使わせるとか、当然、ほかの団体との調整が必要なために、やむを得ず制限をする措置がとられるわけです。そういう意味では、やはり、老人クラブの方の活動の拠点というか、場が相当足りないのだろうというふうに思うのです。いろいろな人がおりますけれども、とにかくいろいろな意味での仲間づくり等々、週に1回どころか、場合によっては毎日でもそういう活動をしたいという高齢者の方もいらっしゃるわけです。  そういう中において、雪の降る前は野外スポーツ等のそういう施設は結構整備されてきておりますから、健康づくりも含めて、ある程度はそういう活動を展開できます。しかし、特に冬期間になりますと活動の拠点となる施設数がやっぱり足りないのだと。そうなりますと、老人クラブの活動そのものが制約され、沈滞化していくというふうに思うのです。そういう意味では、単純に加入率、会員数が少ないという今要因のお話がありましたけれども、財源的に大変厳しいという状況はわかりますが、まず、知恵を絞って活動する場をもっともっと整備する必要があるというふうに思うのです。  そこで、質問いたしますけれども、先ほど、今回の事業仕分けの手法等について副市長から段々のお話がございましたが、所管されている原局として、今回の仕分け結果に対してどういう見解を持っていらっしゃるのか、1点目にお聞きいたしたいと思います。  2点目には、やはり生きがいとなる活動拠点をもっと整備すべきではないかと思うわけですけれども、この取り組みについてご質問いたします。 ◎堀澤 保健福祉部長  事業仕分けの結果に対する市の見解についてと、老人クラブの活動の場についてのご質問でございます。  まず、老人クラブ活動費補助金の事業仕分けの結果に対する見解についてでございますが、仕分け結果については真摯に受けとめてございます。一方で、私どもといたしましては、高齢者の生きがいや健康づくり、さらには、地域における交通安全の推進やひとり暮らしの高齢者訪問などといった社会貢献活動などにおいて、これまで老人クラブが果たしてきた役割は大きいものと認識しているところでございます。このようなクラブ活動の意義と重要性について、今後はさらに市民の理解を得ていく必要があると考えております。  次に、老人クラブ活動の場についてでございますけれども、老人クラブ活動は、趣味や教養にとどまらず、地域の交通安全の推進や見守り活動、虚弱な高齢者に対する訪問などの活動がさまざまな場所で行われております。  しかしながら、委員ご指摘のように、定期的に会合や行事を行う活動場所が減っているとの状況であれば、まずはその実態の把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆谷沢俊一 委員  活動の場については、現状の把握に努めたいということですけれども、ちょっと遅きに失しているというか、やっぱりさまざまな工夫を凝らす必要があると思っています。  例えば、学校の適正化で、もみじ台あるいは南区真駒内で学校の廃校が4校ほど出てくるわけですね。本当はこういった場所を老人クラブの活動の場として検討することも非常に大事ではないかと思っております。新たに箱物をつくるのはなかなか大変ですが、そういうさまざまな知恵を凝らしていく必要があるというふうに思っています。  市民評価の結果については、真摯に取り組んでいくというか、そういう認識を示されましたが、やはり、今後、老人クラブの役割をどう認識し、理解していくかということが非常に大事だと思うのです。そこで、私としては、単に補助金を削減するということであればとんでもない話だと思います。周辺環境の整備をしっかりした上で、まず、やるべきことをやった上で考えなければならないことだというふうに思っています。  今のお話にもございましたけれども、老人クラブは、単に仲間で時間をつぶしているだけではなく、まさに、高齢者の閉じこもりの予防だとか、先ほどの質問にありましたが、孤立死の予防にも当然貢献しております。また、要支援という状況の方の健康づくりにも一定の役割を果たしているだろうと思います。また、地域でも、今ご指摘があった交通安全ですが、朝など、本当に子どもたちの交通安全ということで毎日出てくださって安全のために交通整理をするなど一生懸命取り組んでいただいておりまして、こういった地域貢献、社会貢献も一生懸命やっております。  18年度、19年度に一定の見直しを行ったということで、これがまた老人クラブの加入率の低下につながっている、こういったお話もございました。こうしたことを踏まえつつ、老人クラブのありよう、意義、そして、その存在を認めた上で、今後、この補助制度がどういう方向で進んでいくと考えているのか、この点についてお伺いしたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  今後の老人クラブ活動に対する補助のあり方についてでございますが、高齢化が急速に進展する中、高齢者の方々が地域を支える担い手として活躍していただくことが期待されており、特に、地域貢献活動において老人クラブの果たす役割はますます大きくなるものと考えております。したがいまして、今後の補助のあり方につきましては、健康づくりや趣味だけではなく、社会貢献という観点から、より積極的なクラブ活動を促す補助の仕組みについて、事業仕分けの結果や市民の皆様からいただいたご意見、議会での議論などを踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。 ◆谷沢俊一 委員  まず、老人クラブの活動のありようについて、その存在を認めた上でしっかり検討していくことが非常に大事であるし、そのためにどういう支援のあり方があるのかと。こういうことでは、減らすよりも、逆に、そうした活動を促進する観点から、むしろ必要なものはしっかり補助していく、こういう取り組みも大事なのだと。そういう意味で、安易な補助削減をするのではなく、こうした仕組みをしっかりつくっていただきたい、このことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ◆長谷川衛 委員  私から、地域包括支援センター、さらに高齢者の見守り活動について、2項目について質問したいと思います。  最初に、地域包括支援センターについてであります。  この間、何回かにわたって質問してまいりましたけれども、高齢者の身近な相談窓口であります地域包括支援センターは、高齢者や家族の介護に関する相談、さらには、介護認定の要支援の方々のケアプランの作成、また、高齢者虐待や認知症の相談などの権利擁護業務など、多岐にわたる業務を行っている機関であります。  しかし、言葉上、この名称になれてきたとはいえ、市民への周知はまだまだ十分と言える状況にはありません。長い名前でありますから、何をしているところなのか、非常にわかりづらい。そんな観点で、私も、昨年の決算特別委員会、さらにはことしの予算特別委員会で、もう少し市民に親しまれ、気軽に利用される地域包括支援センターを目指すために、制度上、もし名前を変更できないのであれば愛称をつけることも提案させていただきました。  この間、当局からは、前向きに検討して秋までには決定したいという返答をもらっておりました。その後、夏にイメージキャラクターとその愛称を募集し、決定したというふうに聞いておりますが、地域包括支援センターの愛称等の決定経過について、具体的に3点ほどお聞きいたします。  一つ目は、まずイメージキャラクター、愛称の募集方法はどのようにして行ったのかということ、二つ目に、応募作品数並びに選定方法はどのような形か、そして、三つ目に、採用されたイメージキャラクター、その愛称と、どのようなことで決定されたのか、その由来ですね。この3点について、まずお聞きしたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  まず、1点目の地域包括支援センターのイメージキャラクター、愛称の募集方法についてですが、介護や福祉の相談窓口であるセンターをイメージでき、かつ、市民に親しまれるキャラクターとその愛称を公募することとし、札幌市在住であることを応募資格といたしました。募集期間は7月1日から8月6日までで、募集チラシを区役所や関係機関を通して市民に配布したほか、広報さっぽろ7月号や介護保険課のホームページなどで周知を図りました。  次に、2点目の応募作品数と選定方法についてですが、応募作品数は131点で、7歳から92歳までの幅広い年代からの応募がありました。選定方法につきましては、地域包括支援センター運営協議会の委員、地域包括支援センター及び介護予防センターの職員など7名から成る選定委員会を設置し、審査をいたしました。  3点目の採用されたイメージキャラクター、愛称についてでございますが、介護や福祉の支援を必要とする高齢者、ご家族を明るく照らし、その道しるべになってくれる蛍をキャラクターのモチーフにしており、愛称の「ほっター」は、訪れてほっと胸をなでおろす場所と、センターの「ター」を重ねたものでございます。 ◆長谷川衛 委員  募集の経過については一定程度理解をいたしました。きょう、できれば、部長から皆さんにキャラクターをご紹介するのかなと思ったのですが、チラシなどはまだできていないのですか。できていたら、後でぜひ配っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  今、経過を聞きましたけれども、実は、私は、正直、愛称募集はどこまで関心を持ってもらえるのかなと非常に心配しておりました。今、聞きましたら131点の応募があったということで、かなり多かったかな、かなり関心を持っていただいたのではないかと思います。お子さんも応募があったし、92歳のおばあちゃんからも応募があったと聞いていますので、募集というのも広く周知する一つの方法になったかなというふうに考えております。  蛍の「ほっター」ということで、せっかく大変いいイメージ、温かいイメージがついたわけでありますから、これから、これらをどう生かして、みんなが困ったときにすぐ行けるような、そんなセンターになるようにPRその他によって広めていただきたいと思います。  もう一つ質問させてください。  今後、具体的にどのような形でこれをさらに広く市民に周知しようとしているのか、具体的な方法があれば教えてください。 ◎堀澤 保健福祉部長  今後の周知についてでございますが、本日から3日間、アクセスサッポロで開催され、3万人規模の来場者を見込んでおりますいきいき福祉・健康フェアにおいて、「ほっター」を印刷したチラシや啓発品を配布して地域包括支援センターのPRに努めてまいります。このほか、マスコミや広報さっぽろ、ホームページで広く周知を図るとともに、地域包括支援センターや各区における日常業務の中で積極的にPRするなどして、市民の皆様に一層親しまれ、利用していただける地域包括支援センターを目指してまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  この件については要望になりますけれども、せっかくつくったキャラクター、愛称でありますから、これから地域包括支援センターの看板等にも結びつけてぜひ設置してほしいなと思います。私も、経験上、妻の父と同居して初めて介護をどうしようかと、そのとき、どこに行ったらいいかということで、実は地域包括支援センターなのだということが、恥ずかしいのですが、わかった次第なのです。ということは、かかわっていない方々は余り関心を持っていない。でも、そういうことをちょっと知っておくだけで、いざというときにはすぐにそこに相談に行けます。そういう体制をぜひつくっていただきたいということを要望しておきます。  次に、見守り活動の有機的な連携について幾つか質問していきたいと思います。  きょうの段々の質問の中でも、見守り支援、また高齢者のさまざまな点についてかなり出ておりましたけれども、私からも、なるべく重ならないような形で質問したいと思います。  やはり、今回の全国的な高齢者の所在不明問題ですが、やはりこの問題の大きな要因としては、高齢者が近隣住民と接する機会が以前と比べると非常に少なくなってきていることだと思います。今後はますます高齢社会が進展しますから、高齢者に対する見守りの重要性が非常に高まるものというふうに考えております。  先ほど、公明党の青山委員からも、孤独死ゼロに向けた札幌あい(愛)・あい(目)ネット事業などについて質問がありました。私は、札幌あい(愛)・あい(目)ネット事業も含め、また、先ほどの老人クラブのこれからの役割という中でも、これから高齢者にかかわる見守り活動はいろいろなものがあると思うのですね。ただ、それをいかに連携していくのか、単独、単発ではなくて、さまざまな形で連携しながら見守りが行われることが非常に重要だというふうに思うわけでありまして、今回の我が会派の代表質問でも、林家議員から見守り活動における有機的な連携の必要性について質問させてもらったところであります。この質問の答弁の中で、これも先ほどの青山委員の質疑の中でも出ておりましたが、新聞販売店や郵便事業者、配食業者、水道事業者などの協力を得るとともに、関係者による情報の共有化を初めとした連携の強化を図ります、こういうふうに答弁されました。  そこで、質問でありますけれども、このような新たな目といいますか、情報をキャッチするアンテナは見守り活動を行う上では大変重要でありますが、これらを含めて、多くの情報はまずどこに届けられるのか、そして、それに対してどこがアクションを起こすのか、この一連の流れが私は大きなポイントだと思います。具体的にどのようなことを考えておられるのか、まず、見解を伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  見守り活動の具体的な事業展開についてでございます。  現在、これまでの地域における見守りに加え、新たに協力をいただく事業者が、日常業務の際に訪問宅において異変等を察知した場合には、区役所や地域包括支援センターなどへ連絡するなど情報を集約化する方向で検討しております。こうして集められた地域からの情報等により、連絡を受けた機関が訪問調査を実施するなどして状況を確認した上で必要な対応を行うことを予定しております。また、地域における見守りが今後も必要と判断されるケースについては、民生委員や福祉のまち推進センターなどの住民組織等へ協力を要請し、継続して地域による見守りにつなげるといった切れ目のない複合的かつ重層的な見守りの仕組みづくりをモデル的に行いたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  答弁の中で、一番大事な流れといいますか、まず、どこが情報を集約するのか、そして、どこがそれに対してアクションを起こすのかと。私は、集約はやはり行政部門だと思いますが、今、区役所または地域包括支援センターということでした。地域包括支援センターも、いろいろな地域を回っておりますけれども、まだちょっと差があるようであります。非常に活発なところと、ちょっと不満なところもありますので、この辺は、先ほどの愛称だけではなく、センターの機能も含めてこれからぜひ検討してもらいたいと思います。  それから、今の回答の中に民生委員という言葉が出てきました。そこで、もう一つの質問は民生委員についてです。この活動の連携では、地域の民生委員が現在やっておられる巡回相談事業が非常に重要だと思います。  そこで、まず最初に、基本的なことを質問したいのですが、民生委員による巡回相談事業の対象、さらに、活動内容はどのようなものなのか、また、他都市でも同様の事業を行っていると思いますけれども、それらの状況もあわせて伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  民生委員による巡回相談の事業対象や活動内容についてでございます。  この事業は、地域社会において、高齢者が安心して日常生活を営むことができるよう、民生委員が安否確認等を必要とする高齢者宅を定期的に訪問するものであります。この事業の対象となるのは、65歳以上のひとり暮らしの方などであり、ふだんから介護保険サービスを受けている方やご家族と同居されている方は基本的には対象となっておりません。このような方々に対し、年齢や健康状態等、状況に応じて週1回から2カ月に1回のペースで訪問しております。  次に、他都市の状況についてでございますが、昨年度の調査では、19政令市中、14市でこの事業を実施しており、対象年齢を75歳以上としている都市が4市ございました。また、9市が本市と同様に65歳以上としておりますが、民生委員の負担が大きくなっていることから見直しを検討しているところもございました。 ◆長谷川衛 委員  今、民生委員の仕事内容とか巡回相談の状況をお聞きしました。私もこの間の状況をいろいろ調べましたが民生委員の方々の仕事というのは物すごく多いのですね。正式には民生委員・児童委員ということで児童委員の仕事もされています。手引などを見ましても、この手引どおりやるとしたら、もう本当に暇がないくらいびっしり活動していかなければとても間に合わないような状況ではないかと。私も教員をしておりましたので、さまざまな子どもの問題についても民生委員の方々と連携をとりながらやってきた経験があります。ということは、やっぱり児童にもかかわっていかなければならない。そういう多岐にわたる仕事をしている中で、現在の65歳以上の独居の方が中心で介護認定を受けていない方だと言いますけれども、言うまでもないですが、札幌市の高齢化の伸びは物すごい状況で、さっきも質問の中に出てきましたように、ひとり暮らしの方だけでもこの10年間で倍になって今6万人を超えています。  そういう状況の中で、もう一方では、いろいろ調べてみたのですが、2007年に、札幌市は、高齢社会に関する意識調査の中で主観的健康感という調査もしているのですね。65歳から69歳の方々が、自分が健康だと思うかということに対して、約70.6%の人は健康だと思うと、70歳から74歳の方では大体62%の方が健康だと、このような調査もあります。当時、いろいろ調べてみると、昭和で言いますと50年ぐらいからこれと似たような事業が行われていて、2005年に今のような事業になったと。でも、その当時の高齢化率を見てみますと、2005年では12%だったのです。しかし、現在はもう20%を超えているのですよ。2020年までは急速に伸びることになりますので、そうすると対象者はますます広がります。  そして、民生委員の方々の年齢はどうなのかということもちょっと調べてみましたが、一応、新規の方は65歳未満になっていますけれども、再任の方は75歳未満ですね。私の町内会の方も結構高齢なのですよ。75歳になっているかな。そういう方が歩いているのですが、独居の65歳という方でもかなり元気でして、随分時代が変わって、現役で働いている方もかなり多いです。私だってもうちょっとしたら65歳に達する年齢ですから、該当者として果たして本当にそのままの状態でいいのか、見直す必要がないのかと。  なぜこういうことを言うかというと、やはり、本当に必要としている高齢者には手厚くすべきだと僕は思うのですよ。2カ月に一遍とかではなく、できれば2週間に一遍ぐらいは必ず回って歩くと言えるような重点化がもう少しできないのかなというのが実は思いです。  そこで、質問でありますけれども、対象年齢を引き上げて、より密な巡回相談を行った方が結果的には効果的な見守りとなるように思うわけですが、その点についていかがか、考えをお聞かせください。 ◎堀澤 保健福祉部長  民生委員による巡回相談事業の対象年齢を引き上げた方がよいのではないかとのご質問でございます。  高齢者人口がますます増加していく中で、巡回相談に係る民生委員の負担等は年々大きくなっております。その一方、高齢者が地域において安心して暮らしていくためには見守り、安否確認が必要となりますことから、今後の効果的な事業展開について、対象年齢の引き上げも含め、他の事業との連携などとあわせまして検討してまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  最後に、要望になりますけれども、私は、やはり現実対応をしていただきたいと思います。民生委員をふやせばいいのではないかという意見も多分あろうかと思います。しかし、なかなかなり手がいない、また、若干でも財政負担が生じる、もろもろの現状を考えますと、やはりそう簡単に人数をふやすわけにはいかないかなと。ですから、現実的によりきめ細やかな支援をするためにどうしたらいいか、手厚い支援をするためにはどうしたらいいか、その観点で検討を進めていただきたい、そのことを要望して、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、大きく2点質問いたします。  質問の1点目は、札幌市の介護給付費準備基金について、2点目は札幌市在宅福祉サービス協会の協力員派遣事業の新たなサービスについて伺います。  初めに、介護給付費準備基金について質問いたします。  最初の質問の視点は、2009年度、平成21年度において決算額が予算額をかなり下回った理由についてであります。  現在の第4期介護保険事業計画では、サービスの供給等に要する費用として、3年間で約2,824億円、3年で割りますと平均して1年当たり約940億円程度が必要になるということであります。2009年度、平成21年度予算において、介護保険収入の総額は約944億円となっております。その内訳は、国庫支出金が約211億円、道支出金が約136億円、札幌市の一般会計からの繰入金が約146億円、第1号被保険者保険料が約172億円、第2号被保険者からの支払基金交付金が約270億円、そして介護給付費準備基金からの繰り入れが約6億8,400万円、さらに、介護保険料軽減特例基金から約3億700万円となっているわけであります。この中でも、特に介護給付費準備基金の計画上の繰入額、先ほども申し上げましたけれども、約6億8,400万円に対して決算額では約7,800万円と、約6億円もの乖離が生じているわけであります。  そこで、質問でありますけれども、なぜ決算額が予算額をかなり下回ったのか、この点について、その理由を初めに伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  平成21年度において、準備基金の決算額が予算額をかなり下回った理由についてお答えいたします。  準備基金につきましては、これを保険給付費に充当することで65歳以上の第1号被保険者の保険料の負担を軽減しているものでありますが、その取り崩し額は保険料の収入状況や保険給付費の支出状況などの影響を受けるものであります。まず、歳入に関する理由としては、第1号被保険者数や、その保険料の収納率が見込みを上回ったことなどにより、保険料収入の決算額が予算額を2億円以上、上回ったことが挙げられます。また、歳出に関する理由としては、保険給付費や地域支援事業費の決算額が予算額を下回ったことで、第1号被保険者の保険料負担部分についても見込みを下回ったことなどが挙げられます。 ◆ふじわら広昭 委員  歳入で収納率が2億円以上高くなったこととか、歳出においても見込みを下回ったということであります。第3期の計画では基金もかなり余ってきましたけれども、これは、居宅サービスから予防介護まで、こうしたサービスが見込みより少なかったということで基金もかなりたまって今日に引き継がれてきているわけであります。しかし、これからは、毎年、高齢者の数は多くなります。今の答弁のようなことが今後も必ず続くとは限らないわけでありますし、また断定もできません。そんな意味では、今後の準備基金の取り崩しの見通しなどについても質疑をしたいと思うわけであります。  介護保険制度は、2000年度、平成12年度からスタートしております。札幌市では、2003年度、平成15年度から同制度における独自の低所得者減免をこれまで実施してきております。私ども民主党・市民連合も、この間、介護保険制度に対し、札幌市にも多くの提言を行ってきました。最近では、現在の第4期介護保険事業計画、2009年度から2011年度までの3カ年においても、介護保険料の大幅な値上げにならないように、できれば少額でも軽減すべきだと提言してきたところであります。  札幌市は、こうした提言を踏まえて、国の臨時特例交付金の繰入額と言うのでしょうか、これを3年間均一に調整するとともに、札幌市の基金から繰り入れ、年間保険基準額を前の3年間と比較して、わずかでありますが、896円軽減し、年間で4万9,560円としていることはある程度評価するものであります。  札幌市は、2009年度から3年間で、介護給付費準備基金から総額約21億円、介護保険料軽減特例基金から約9億5,000万円を、計画上、繰り入れようとしておりますけれども、2010年度、今年度においては、介護保険事業計画における繰り入れ計画額では7億3,000万円であるのに対して、今年度の介護保険会計歳入歳出予算を見ますと、約2億円程度上回る9億4,000万円を取り崩し額として計上しております。さきにも申し上げましたけれども、現行の計画の3年間で21億円を取り崩して保険給付費に充当するという計画になっているわけであります。  そこで、再質問として、今後、2011年度、平成23年度までの準備基金の取り崩し額の見通しをどのように考えているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  今後の準備基金の取り崩しの見通しについてお答えいたします。  準備基金の取り崩しに関して、確かに、平成21年度においては決算額が予算額や計画額を大きく下回っております。しかしながら、平成22年度におきまして、準備基金の取り崩しに大きな影響を与える保険給付費の状況は、年度の半ばではありますが、平成21年度の同時期を大きく上回っており、また、平成23年度におきましても同様の傾向が続くことが見込まれます。したがいまして、今後の準備基金の取り崩しにつきましては、このような厳しい状況を反映したものになると考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  平成22年度、今年度は、前年度同時期と比較して支出が大きく上回っているということも今お答えをいただきました。  再々質問として、2012年度から2014年度までの次期計画の策定に向けた札幌市の介護保険財政上の課題と準備基金について、改めて伺いたいと思います。  介護保険制度に関しては、現在、国において、社会保障審議会の介護保険部会で、一つ目には今後の介護保険施設の機能やあり方、二つ目には在宅サービスのあり方、三つ目には地域支援事業のあり方、四つ目には給付と負担のあり方、五つ目には制度見直しの基本的な考え方などについて審議されており、先ほどの答弁にもありましたが、ことし11月にはこれらの取りまとめが予定されております。また、次期計画における介護保険料の水準がどうなるかは、多くの市民の生活に影響を及ぼすものであります。  介護給付費準備基金は、2008年度末、平成20年度末で国や道に対する返還金を除いて約52億円の残高があり、取り崩し額が計画どおりに推移しますと、2011年度末、平成23年度末では約30億円程度は残ることになるわけであります。  そこで、改めて再々質問いたしますけれども、本市の介護保険次期事業計画の策定に向けて、介護保険財政上の課題と準備基金についてどのように考えているのか、伺います。 ◎堀澤 保健福祉部長  次期計画の策定に向けた介護保険財政上の課題や準備基金についてお答えいたします。  次期計画の策定に向けては、介護報酬の改定を初めとする制度改正による介護保険財政上の影響等に適切に対応していくほか、サービス利用者数やサービス量が着実に増加していくことを考慮し、それらの動向を収支計画に反映させていく必要があると考えております。また、介護保険料につきましては、その水準の急激な上昇を抑制していくため、準備基金の活用などについて、今後検討していきたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げまして、次の協力員派遣事業に質問を移らせていただきたいと思います。  介護保険の基金というものは、この制度を存続する上でかなり大きなウエートを持っていると思います。ただ、先ほどの質問の中でも触れてまいりましたけれども、今、国の審議会で向こう3年間の具体的な内容が議論されて、それがまだ結論が出ていないことなどもありますけれども、ぜひとも、今後とも軽減策がしっかりと実現できるように、そしてまた、とりわけ低所得者への配慮なども含めた取り組みをしていくべきだというふうに考えております。私どもとしても、国に対して、さまざまな角度から札幌市とも連携をとりながら対応していきたいというふうに考えております。
     次に、札幌市在宅福祉サービス協会の協力員派遣事業について質問いたします。  在宅福祉サービス協会の協力員派遣事業は、市民の有償ボランティア制度として、1990年度、平成2年度からスタートし、今年度で20年になります。これまで、幾度となく改善し、現在、えぷろんサービスやかいてきサービス、福祉送迎サービスの三つがあります。私は、2008年、平成20年の予算特別委員会から、同事業及びこれにかかわるサービスの充実を図るべきとの提言を含めて質問を行ってまいりました。ことしの予算特別委員会で、前部長は、現在、介護保険や障がい福祉サービスでは、制度上、利用はある程度制限されるため、利用者の状況に応じた細やかな対応が難しいという指摘もされている、このような背景から、一定の要介護状態にある高齢者等を対象とした外出援助サービスを、2010年度、平成22年度からサービスメニューとして加えることを予定しているという答弁がありました。そして、ことし9月号の広報さっぽろの32ページに、高齢者や障がい者の外出を支援するお出かけ同行サービスが10月1日から開始するという記事が掲載されているわけであります。  そこで、改めて、お出かけ同行サービスの対象者、具体的なサービス内容、外出先や移動に伴う交通手段、サービスの提供時間や利用料金などについて、まず伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  協力員派遣事業の新たなサービスであるお出かけ同行サービスの内容についてお答えいたします。  今回のお出かけ同行サービスは、一定の要介護状態にある高齢者等を対象とした外出援助サービスを、専門的な知識や技術を持った協力員が提供するものとして、この10月からスタートいたしました。この新サービスの具体的な内容についてでございますが、まず、対象者ですけれども、協力員派遣事業の会員となっている方で、介護保険における要介護度で言えば2以下、障害者自立支援法での障がい程度区分では3以下程度の方を想定しております。  次に、具体的なサービス内容といたしましては、車いす等への移乗補助、または体勢保持を行うとともに、トイレや水分補給の促しなども行うことになっています。また、外出先については、ギャンブルなど協会が不適切と判断した場所以外は、スーパーマーケットやデパート、公園などのほか、レジャーや冠婚葬祭にも利用できます。移動に伴う交通手段については、基本的には公共交通機関を利用することとしており、移動範囲としては市内及び近郊を対象としております。次に、サービスの提供時間等ですが、他の派遣事業のサービス同様、日曜、祝日及び年末年始を除く午前8時から午後8時までで、利用料金は1時間当たり1,000円と、通常の家事援助などのサービスより200円ほど高くなっております。以上がお出かけ同行サービスの大まかな内容でございます。  今回の新サービスは、これまでの介護保険制度では対応することができなかった軽度の介助サービスを必要とする方にとってはまさに有用なものであると考えておりまして、よりセーフティネットの強化につながるものと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今、サービス内容について、るる説明と答弁がありました。そうした内容はこれからもまだ充実していかなければなりませんが、一定の評価をしたいと思います。  そこで、再質問としては、お出かけ同行サービスの内容について今答弁がありましたけれども、この新しいサービスをどういう方が実際に行うのか、提供していくのかということについて伺いたいと思います。  さらに、外出しますから途中で容体が悪くなることも想定されますので、そうした緊急時の対応についてです。  それから、外出の目的としては、ギャンブルなど、そうしたもの以外はかなり幅広く対象となるということでございますけれども、例えば、市役所へのさまざまな手続とか選挙の投票会場までの付き添いなども可能なのか。  また、先ほど近郊という範囲がありましたけれども、私どもにも届く声としては、例えば新千歳空港まで行っていただければ大変ありがたいという声も出ておりますので、この辺についてはどの辺までが可能なのか。この4点について伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  この新サービスで実際にどのような方がサービスを提供するかについてでございますが、協力員として活動されている方でホームヘルパー1級、2級や介護福祉士、看護師などの資格を持ち、サービス協会が行う車いす操作や歩行介助等の研修を修了した方が行います。  次に、緊急時の対応についてでございますが、サービス協会の事務局が事前に利用者の主治医や緊急連絡先を把握しておくとともに、協力員がサービスの提供中に利用者の状態に急変が生じた場合などは、事務局へ速やかに連絡し、連絡を受けた事務局は、主治医や緊急連絡先に連絡したり、協力員に救急車の手配など必要な指示を行うという体制となっております。  次に、外出の目的として、市役所への手続関係であるとか、選挙の投票会場までの付き添いなども可能かとのお尋ねでございますが、先ほどお答えさせていただきましたように、ギャンブルなど協会が不適切と判断した場所以外は目的を問いませんことから、こういった場合についてもご利用いただくことが可能でございます。  また、近郊とはどこまでを言うのかとのお尋ねもございましたが、ケース・バイ・ケースの対応となりますけれども、新千歳空港については他のサービスでの前例もあることから可能であるというふうに聞いております。 ◆ふじわら広昭 委員  次に、2点再々質問して、質問を終わりたいと思います。  外出支援サービスなど、こうしたサービスをしっかり周知していくことが必要だと思います。そこで、協力員派遣事業の周知について、私は、例えば先ほども議論がありましたような地域包括支援センターやまちセンなどで、口コミなども含めてこうしたものの周知をしっかりしていかなければいけないと思いますし、それ以外にも周知の方法は多数あると思います。  まず、今回のこうした外出支援サービスを利用していただかなければ絵にかいたもちになりますので、どのような方法でこの事業を周知していくのか、伺いたいと思います。  また、再々質問の2点目としては、今後のこのサービスの提供のあり方についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎堀澤 保健福祉部長  2点、ご質問がございました。  まず、最初の外出支援サービスを含めた協力員派遣事業の周知についてでございます。  協力員派遣事業につきましては、協会のホームページやチラシ、会報誌などに掲載するなどしてPRに努めておりますが、札幌市といたしましても、協会が行う協力員の登録説明会や研修会の実施案内を広報さっぽろに年8回程度掲載するなどの支援をしております。また、今回の外出支援サービスの周知に当たりましては、広報さっぽろに掲載するとともに、地下鉄駅掲示板にポスターを掲出したほか、区役所や地域包括支援センターなどにも説明を行ってきたところでございます。今後は、さらに多くの市民に協力員派遣事業の意義や役割などについて知っていただく必要がありますことから、さまざまな媒体、機会を通じてPRの強化に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、今後のサービス提供のあり方についてでございますけれども、新サービスであるお出かけ同行サービスが10月からスタートしたばかりでございますので、まずは、PRの充実強化を含め、制度の定着に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。今後も、高齢者の増加に伴い、介護保険外のサービスの需要もますます増大することから、協力員派遣事業を安定的に運営することが重要であると考えております。  また、介護サービスにおける先駆的な取り組みであると同時に、セーフティネット機能の確保という観点からも、今後の介護保険制度の動向を注視しながら、協力員派遣事業の充実に向けて、引き続き協会とも検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、終わりたいと思います。  まず、20年間という協力員派遣事業の歴史がありますけれども、この事業を今日まで継続でき、また、新しいこれからの時代に求められているこうした事業を行うことができたことは、やはり、有償ボランティアに登録していただいた多くの市民のおかげであり、敬意を表したいと思うわけであります。  今後は、こうしたサービスも充実していかなければいけませんが、これまで公的な福祉サービスは分野ごとに発展してきました。これですべてをカバーするということは、理想ではありますけれども、現実としては将来的に不可能な面も多々あるわけであります。今後は、原則、公的サービスを充実するということを踏まえながらも、成熟した高齢化社会に向かうに当たって、新たな支え合う共助の領域を拡大、強化していくことが必要ではないかというふうに思います。そんな意味では、ぜひこうした事業というものの位置づけが大事だと思うわけでありますので、そのためには、平成24年度から新たにスタートいたします第6期高齢者保健福祉計画の中に、協力員派遣事業がしっかりと位置づけられなければならないと思います。  現在の同計画においては、一定の表現はされておりますけれども、果たして協力員派遣事業も本当に含まれているのかというようなことは理解に苦しむところであります。どうか、協力員派遣事業が、住民相互の助け合いのシステムによって市内全域において安定的なセーフティネット機能の推進、強化を図っていくために、改めて、次期の高齢者保健福祉計画にこの事業の位置づけを明確にしていただきたい、このことを求めて、質問を終わります。 ○三浦英三 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  国民健康保険にかかわって、2点質問いたします。  まず、資格証明書の発行についてです。  払いたくても払えない、大変高い国民健康保険料のせいで滞納を余儀なくされ、資格証明書の発行に至っている方、あるいは、短期証の発行を受けている方がいらっしゃると思いますので、この発行の件数について伺いたいと思います。  またあわせて、この間、滞納もあると思います。代表質問の中でも私ども日本共産党は取り上げてまいりましたけれども、滞納整理の状況ですね。その内訳について、資格証明書等とあわせて、2005年度にさかのぼってこの数字をお示しいただきたいと思います。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  まず、1点目の資格証明書の発行状況でございます。  2005年度までさかのぼった形でご報告させていただきます。これは平成17年5月31日時点での数値となりますが、資格証明書の発行件数は1万2,602件でございました。21年度決算の5月31日時点では1万506件となってございます。  それから、ほかの滞納整理にかかわる数値に関してでございますけれども、まず、滞納処分を行った件数につきましては、平成17年度、2005年度が51件、金額にいたしますと2,723万円ほどでございましたが、21年度決算では474件、1億3,480万円ほどとなっております。さらに、これにかかわります滞納処分の執行停止につきましては、17年度は統計をとっておりませんでしたが、21年度では151件の処分停止を行っております。それから、財産調査も行っておりますけれども、17年度5,724件の調査を行っておりましたが、21年度決算では、約10倍となっておりまして、5万3,261件の財産調査を行っている、このような状況になってございます。 ◆坂本恭子 委員  今、数字の経過について、2005年度と2009年度を比較してお示しいただきました。  前段も申し上げましたが、払いたくても払えない世帯が多いのかなと思いますけれども、そういう中にあって、資格証の発行について、これが1万2,602件だったものが今は1万506件と、これが若干下がっております。これは、裏返して言うと、今お話があったように、滞納処分ということで財産調査に入り、差し押さえを行ってきた、その結果が資格証明書の減少ということにつながっているのかなというふうにも思うわけですけれども、この際、私は、資格証の発行というのは、人権問題にもかかわることですから、やめるべきだというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。  それから、今、資格証明書発行世帯に関しては、病気になると短期証に切りかえますという対応をしていると思います。そこで、短期証を出せるということを資格証明書発行世帯に対してどのように対応しているのか、告知、周知しているのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。  それから、滞納処分は、物すごい数字だと思いますよ、私は。2005年度、滞納処分件数が51件だったものが、2009年度には474件、9.3倍、そして、金額が2,723万円に対して1億3,480万円、こういうことですから5倍に上がっているわけです。これだけの差し押さえ件数、金額、それからまた、財産調査に至っては、5,724件に対して、部長の答弁にもありましたが、10倍近い5万3,261件ということになっております。  代表質問でも取り上げたところでございますが、税の取り立てというのが大変深刻になっている。税の方では、差し押さえ件数の目標を持ってやっている、これが8,000件という話がございました。これは第一部決算特別委員会でやっておりますが、国民健康保険料については、滞納処分は目標を持って行っているのか、持っているとすれば、これは目標に限りなく近い数字になっているのか、その点についてお示しいただきたいと思います。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  質問としては3点ございましたが、まず、1点目の資格証の発行をやめるべきではないかというご質問でございます。  資格証につきましては、1年以上の滞納がある場合は、法令の基準に従いまして発行することを保険者は義務づけられているということでございます。ただ、札幌市といたしましては、その発行に当たりまして、きちんと世帯の状況を把握し、細やかな折衝をした上で発行している状況でございます。  次に、2点目の資格証世帯の一部負担金に関する取り扱いの関係でございます。  平成21年1月20日付の厚労省からの通知を踏まえまして、世帯主の方から申し出があったときは、生活状況を確認した上で医療費の一時払いが困難であると判断された場合につきまして、特別の事情に準ずるとして短期被保険者証を交付する取り扱いを行っております。その際、納付相談につきましては、医療機関への受診の緊急性などを勘案いたしながら同日または後日に行うことになりますけれども、そのように行っております。  それから、3点目ですけれども、滞納処分件数が増加しているということで、これは目標を持って行っているのかどうか、目標があるとすればそれに近づいているのかどうか、そういうようなご質問だと思います。  この目標設定についてですが、札幌市国保では、平成19年度に策定いたしました国保特別収納対策基本方針、これは、毎年度、立てておりますけれども、この中で、訓示的な意味合いとして、全市の100地区すべてで各1件、計100件の滞納処分目標を設けたことがございます。これは、差し押さえすることを目標とするものではなく、滞納整理の手段としての差し押さえを職員の意識に定着させるものでございます。その後、職員が事務の流れとして自然に取り組むことができるようになったことから、次年度以降は全市における差し押さえ件数の目標設定は行っておりません。  失礼いたしました。答弁漏れがございました。  医療に関する周知の取り扱いについて、先ほどの資格証世帯の一部負担金の周知の関係ですが、こちらの方は、資格証明書を交付する際に実は一緒に文書をお渡しておりますけれども、その文書に記載しておりますほか、国保加入者のてびきとかホームページにも記載しております。さらに、今年度は、11月に行われる被保険者証の一斉更新の際に同封いたします国保のしおりにも掲載することとしております。 ◆坂本恭子 委員  資格証についてですが、1年以上の支払いがない場合には資格証明書を発行せざるを得ないということになっておりますけれども、国から通知が来る以前ではこれだけ厳しく発行していなかったと思います。きめ細やかな対応をしているというふうにはおっしゃいますけれども、一回、資格証明書の発行ということになってしまうと本当に病院に行けないと。10割負担ということもあるわけですから、私は、資格証の発行はやめるべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。  あわせて、病気になったときに短期証を発行できるのかということについてですが、文書、手引、ホームページ、しおりなどでお知らせはしているということで、申し出があれば必要に応じて短期証を出しているということになっております。  しかし、資格証明書の中に一緒に文書を入れるとか、手引、ホームページと言っても、本当に必要なときにそういう制度があるということは、実際に資格証明書を発行されている方はわからないのだと思うのですね。今お話しにあったように、実際に緊急で医療機関にかかるときにもタイムラグが生じるわけですから、そういう中で、本当にきめ細やかに、生活の見守りも含めて、短期証の発行もできると。しかし、それは、何といっても、まず、資格証明書の発行をしないというところから進めるべきだというふうに私は思います。病院にどうしても行かざるを得ない方、必要としている方については、きちんと目配りをして対応していただきたいというふうに思っております。これについては、あらゆる機会をとらえて知らせていっていただきたいということを申し添えておきたいと思います。  それから、滞納差し押さえの目標については、2007年に、札幌市内に100地区あって、その各地区で1件という目標を持ったけれども、それが目標と言えば目標であって、それ以外はないというお話でありました。差し押さえの目標はないけれども、収納アップの目標というのは、さっきお話のありました基本方針の中に明確に出ておりますね。これは、毎年上がっているし、上げていこうということでかなりの徹底が図られているというふうに見ました。  まず、2006年の時点ですが、これは、滞納処分、財産調査がふえてくるときですけれども、財政構造改革プランの中に収納率を上げようということが位置づけられました。それから、滞納処分をきちんとやるようにという包括外部監査からの指摘がありました。これは、2006年の収納対策基本方針の中にのっております。それにのっとって、このときから収納率の向上目標が具体的に書かれております。そして、滞納処分の具体的な強化ということがのせられてまいります。翌年の2007年、これは、今お話があったように、1地区1件の滞納処分を実施目標とするということで、具体的な数字が出てまいります。そして、北海道から技術的な助言ということで滞納処分を改善するようにと言われる。そして、この年、最重点項目としてこの滞納処分の強化が上げられていくわけです。そして、この間、ずっと来るわけですね。  この流れを見ていますと、滞納処分の強化が2007年、このときに前の年と比べて滞納処分件数が倍になっています。金額もほぼ倍、それから、財産調査も6,600件からおよそ1万4,000件ということで相当ふえてきております。さらに、2008年は後期高齢者医療制度が始まる年で、この中でいわゆる高収納率層の脱退ということが言われ、そして、非常に危機感を持って、ここで高齢者の保険料が年金天引きになるというような中で、国保収入もきちんと確保していかなければいけないということで滞納処分の強化がさらに進んでいくわけです。こうしたことが行われ、次の年にはさらに新たな項目として財産調査の徹底が図られていきます。そういう中で、1万4,000件だったものが2万1,000件を超えるような流れになってまいります。そして、ことし、さらに滞納整理の方針を速やかに決定するということで、昨年度の実績でいくと、474件の滞納処分、そして財産調査が5万3,261件ということですから、この基本方針ができる前の年、すなわち、先ほど部長に答弁していただいた2005年度と比べると10倍近い財産調査、それから、滞納処分が行われてきているということになります。  明確な目標は持っていないと言いながらも、基本方針の中でこういうことが着実に行われてきている、そして、現場の中で行き過ぎた滞納処分、あるいは、完納勧奨というものがあったと思うのですけれども、そのことについてのご認識を伺いたいと思います。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  滞納処分が急激に増加してきている、その理由といいますか、その認識は何かということだと思います。  滞納処分の実施につきましては、適正な滞納整理事務を進めていく上において、従来から収納対策上の主要な項目の一つとして進めるべきものと位置づけてきたところでございます。確かに、平成18年度以降、滞納処分件数は急にふえておりますけれども、この理由として挙げられますのは、平成18年度から、いわゆる外勤を主体とする保険サービス員制度を導入いたしました。それとともに滞納整理電算システムというものを整備いたしまして、事務の効率化をかなり図ったところでございます。それによりまして、担当職員が、本格的な滞納整理事務というのでしょうか、それに取り組むことができるようになったという環境の変化がまず大きいこと、それから、研修などによりまして職員の滞納処分に関するスキルアップも図るとともに、事務の執行においても納付資力を把握する上で必要な財産調査を徹底して行うようにしてきたこと、これらが滞納処分件数が急に増加している要因として挙げられるかと思っております。 ◆坂本恭子 委員  適正な滞納整理事務の一つとして取り組んできているということですけれども、滞納整理ということについて言いますと、最初にご答弁があったように、処分停止もやっているわけですね。これが、2007年は42件だったものが2009年は151件ということで3倍強になってきているということですから、払えない方、資力がない方については、もうそれ以上の督促というのでしょうか、そういうことはやりませんという数字のあらわれだというふうには思うのです。  しかし一方で、さっき申し上げましたけれども、滞納整理の方針を速やかに決めるということが今年度から出てきています。これはどういうことかと聞いたら、要するに、滞納世帯としては残っているけれども、職員もちゃんと動いているし対応もしている、その結果、処分停止になったのですという数字上の整理の問題だというふうに私は思っています。ただ、一方で、実際に払いたくても払えない方たちにとって処分停止というのはいい対応だと思うけれども、その一方で、監査委員など、また、道の技術的な助言ということもあって、そういうところから札幌市は全体で頑張っているのですという数字をあらわすための一つの方策なのではないかという見方もできるというふうには思っております。これは私の評価であります。  それから、2006年から保険サービス員を雇用したと言うのですか、配置していると。それから、電算システムの導入などがあって、職員の財産調査などにかかわる業務に専念できる環境ができたからだというようなお話もございました。  そこで、改めて、保険サービス員の役割ということで私は質問したいのですが、まず、保険サービス員の報酬について教えていただきたいのです。保険サービス員はどういう報酬で雇用されているのでしょうか。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  保険サービス員の報酬についてというご質問でございます。  保険サービス員につきましては、報酬体系が基本給と成績報酬に分かれております。成績報酬につきましては、その働き度合いというよりも、担当する地区の収納率によって成績報酬が違うということがありますけれども、基本給と成績報酬を合わせまして、平均いたしますと年間で大体350万円ぐらいの報酬ということで設計した制度でございます。 ◆坂本恭子 委員  資料をいただいておりますが、保険サービス員の報酬は、固定報酬、成績報酬及び特命業務等遂行報酬とする。そして、固定報酬というのは月額11万6,000円です。成績報酬とは何かというと、これが二つに分かれておりまして、対収納率で算出されるものは、収納率がゼロ%で推移すると8万8,000円、これが2,000円、2,500円ということで加算されていくわけですね。もう一つ、対期別完納件数率ということで、これもゼロ%のままであれば8万8,000円ということですから、このままでいくと標準報酬月額で大体29万円くらいで、今おっしゃったとおり年間だと350万円ですね。これでその地区にお1人配置されていて、札幌市内には100地区あって職員と一緒にサービス員が集金と納付指導を行うということです。  結局、固定給11万6,000円というとかなり低い収入になりますけれども、それに成績報酬がプラスされていくから、年間350万円超ですね。収納率を上げれば上げるほど、完納件数を上げれば上げるほどお給料が上がっていくのですから、そして、自分の地域、自分の区に戻れば、ほかの地区がどれくらい収納率を上げているのか、保険サービス員の成績が上がっているのかというのは、区内であればわかる仕組みになっているわけです。月に大体400件訪問して70件ぐらい集金して歩く。集金した場合も、現金集金だったものが例えば口座振替にかわるとなると1件当たり300円の報酬がまた別につくというようなことです。つまり、頑張れば頑張るほどサービス員はお給料が上がっていく。そして、セットになっている職員の方は、その分、差し押さえのための、あるいは滞納整理のための財産調査、そういうところに集中していける、こういう仕組みになっている。その上に立って収納対策基本方針というものがつくられているというわけですね。  ですから、今問題になっていますが、差し押さえのときには、例えば、子ども手当、学資保険、給与なども含めてですけれども、口座に入ったとたんに差し押さえできるという状況になります。しかし、差し押さえ禁止条項というのがあって、児童手当だとか子ども手当、学資保険、給与、年金、こういうものは差し押さえできないことになっております。あるいは、生活の必要最低額を残しておかなければならない、そういう決め事になっているはずです。ただし、滞納があれば、その金額に見合うまで、口座に入ってしまえば、それが厚労省からの子ども手当であろうと、会社からの給与であろうと、何であろうと、それは1円残らず全部差し押さえになってしまう。そういうことで、今、一生懸命に生活能力給で地域を歩いている保険サービス員に支えられて、区役所の職員の方は財産調査、口座の管理などをやりながら口座に入った途端に差し押さえを行っていく、そういうことになっているわけですね。  こういうことは行うべきではないというふうに思いますけれども、いかがお考えですか。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  子ども手当あるいは学資保険の差し押さえについてでございます。  滞納処分は滞納世帯との折衝を重ねる中で、滞納されている方の財産状況、生活状況などを十分調べ、その上で、法律の規定に基づき、行うこととなります。ただ、保険料を納めるだけの納付資力が十分にあり、生活困窮に陥ることがないと判断された滞納者に対して行っているものでございます。したがいまして、十分な資力があると判断された場合は、子ども手当が振り込まれている口座の預貯金であるとか学資保険であるとの理由で差し押さえの対象から外すことにはならないというふうに考えてございます。  なお、学資保険につきましては、差し押さえ禁止財産にはなってございません。  それから、子ども手当に関しましては、平成22年3月に開催されました国会の財務金融委員会で、当時の菅財務大臣が、残高のない口座に振り込まれた手当をねらい撃ちするようなことは法の趣旨に反すると答弁されておりますので、札幌市においても同様に考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  差し押さえについては適正にやっているというお話であり、財産状況とか相談を重ねながら、資力があればそれを差し押さえるというお答えでありました。  しかし、経済状況が大変なのだということで分割、分納についての相談に行っても、窓口で取り合っていただけないというケースが多々あります。実際に、ついせんだっても、親の医療費などの立てかえも含めて、今、毎月3万円、4万円の保険料を払わなければならないのだけれども、少しこれを待ってほしいという相談に行ったところ、それはあなたの家庭の問題だから、これは、満額、毎月々の納期内に払ってくれと言って分割の相談にすら応じないということが実際にあります。相談に行くという方は、少なくとも納付をしようという意欲がある方たちですね。保険サービス員などを含めて、訪問指導をするというのは、こちらから書面だとか電話をかけても応答がない、本来はそういう世帯に対して行くわけですね。そこで面会をしながら、生活状況、経済状況なども把握しながら納付の指導、相談を行っていく、あるいは、分割でいいからと言って集金をしてくるわけです。窓口に相談に行くという方は、納付意欲があるから行くのですよ。払いたいけれども、このくらいの額でどうだろうか、せめてこの額でどうにかしてくれないかということで行くわけですから、それはおたくの問題だから関係ないですよ、額面どおり払ってくださいという対応は、私は、今の部長の答弁からいっても合わないと思います。それから、収納対策基本方針を見ていても、そういうことは一言も書かれていません。ですから、相談に来る人たちを大切にしていただきたい。分割の相談については親身に乗っていただいて、払える範囲できちんと払ってもらう、こういうことを徹底していただきたいと思うのです。  先ほど、適正な滞納整理業務だというふうにもおっしゃいました。それから、収納対策の基本方針の中には、公平性を担保するという意味からも滞納整理はやっていかなければならないということがありました。しかし、例えば、区の間で、あるいは担当者の間で、相談業務に対して不平等が生じているという実態についてはいかがお考えになりますか。  ある区では丁寧に相談に乗ってくれる、少しでもいいから払ってもらえる、こういう約束をとりながら、毎月々、その集金をやっている、そういう担当者や区があります。一方では、今月5,000円という約束をして、それを準備していた家庭に対して、満額払わなかったらもうこれは受け取れないと言って、用意していたお金すら受け取らずに、そして督促に持ち込んでいく、財産差し押さえに持ち込んでいく、こういうことが起きているのですよ。オール・オア・ナッシングではないですけれども、払うなら全部払え、払えないのだったらそのまま放っておいて差し押さえをする、こういうことはあり得るべき対応ではないと思います。しかも、それが、担当者あるいは区の間によって変わるということは、公平性とか公正ということを何かにつけて口になさいますが、私は全く不平等だというふうに思うのだけれども、この点についてはいかがお考えになりますか。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  滞納者への対応についてという質問でございます。  委員がお話に出されたその滞納世帯は、どのような状況で相談に来られたか、それはちょっとわからないので何とも申し上げようがございませんけれども、区の方では、基本的に、保険料が払えないのだと相談に来れば、それは親身になって相談を受けるというのは当たり前のことでやっております。  ただ、その後におきましていろいろ状況の変化ということはあろうかと思います。ですから、滞納されている方の状況の変化によっては職員の対応も変わってくることはあり得るのではないかと思っております。したがいまして、例えば、分割納付相談を続けてきた、ところが、財産調査の結果、資力があるとわかった場合には払ってもらえませんかという強い折衝を行うこともありますので、その辺は、職員の対応がばらばらというよりは、滞納世帯の状況によってまた対応も変わってくるということは理解していただきたい、このように思います。 ◆坂本恭子 委員  担当者によってばらばらなのではなくて、相談する世帯によって状況が変わるということでした。  そういうことで言いますと、100人が相談に来れば、100種類の相談ですよ。内容ですよ。そうしたら全部変わっていくということですよ。私はさっきたまたまオール・オア・ナッシングと言ったけれども、相談窓口がそれを払ってもらうという努力をまずやるかどうか。そして、わずかずつだけれども、きちんと払ってもらう、そして、医療の関係も役所との関係も切らずにそこは続けていくのか。それは、相当大変な努力が要ると思います。職員の方もそうだし、さっき成果主義的なことで保険サービス員のお話を出しましたけれども、サービス員の方だってそれは一生懸命にやっていらっしゃると思いますよ。何とか結びつきをつくるというところでいけばね。だから、そこを大切にして、そこを基本にしてやっていくのか。いや、毎月3,000円、5,000円だったら、あなた、完納するのにいつまでかかるのかという話になったときに、資力調査もする、財産調査もするというふうに言ったけれども、これは思い切って差し押さえの対象にしてしまって給与を差し押さえればいいじゃないかと。そうなったら収納率は上がるのですから、そういうことではないですか。  だから、私は、今そういう乱暴な手法が行われているアンバランスについて是正をすべきだということを申し上げているのですよ。本当に、納付意欲のある方に対して相談業務体制をおろそかにしてはならない。自分たちの苦しい経済状況について相談に行ったときに、そのことと国保の納付とは関係ありませんからと言って、追い返すような窓口相談があってはならないということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、収納対策基本方針ですが、平成18年、2006年から始まって、ことしも出されております。読んでいくと、年々、具体的になってきているのですね。そして、数字も、それにこたえるかのように滞納処分件数、金額、財産調査件数が上がってきています。これは歴然としています。そして、この数字が上がってきていることに対して、成果を喜び合っている。そして、ここまでやって頑張ったのだからもっと頑張れるということを書いているのです。もっと頑張れ、やればできる、これを教訓にもっとやっていこうと、物すごいハッパのかけ方だと思いますよ。  収納率を上げるのはあるべき姿だと思います。しかし、それに引っ張られて滞納処分、財産調査、そして差し押さえ件数、金額、これがどんどん上がっていくというのは、私はやっぱり正常な姿ではないというふうに思います。私は、丁寧な納付相談というものを心がけて、本当に一人一人が医療を受けられる、その糸口というところを行政みずからがなくしていってはいけないというふうに思います。それは、地方自治体として住民の福祉を守り、増進させていく、そういう大切な役割を札幌市が放棄することになりますから、目先の収入増だけにとらわれないように、心して丁寧な対応をしていっていただきたいことを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆山口かずさ 委員  私からは、大きく分けて3点、国民健康保険広域化等支援方針、国民健康保険被保険者証の個人カード化、多様な収納機会の確保についてお伺いします。  まず、広域化等支援方針についてお伺いします。  市町村国保は、ほかの社会保険に加入できない方を対象とする国民皆保険制度の根幹を担う制度ですが、市町村が運営しているため、規模が小さいところが多く、財政が不安定となりやすい、市町村間で年齢構成や所得の差が大きい、地域によって医療機関の数にばらつきがあることなどの構造的な問題を抱えています。一方、保険料は市町村ごとに大きく異なり、不公平感があると言われています。  そこで、保険財政の安定化や保険料の平準化の観点から、国保の運営を広域化し、こうした問題を解決する必要が出てきました。そうした中、このたび、国民健康保険法が改正され、市町村国保の都道府県単位化を進めるための環境整備を目的として、広域化等支援方針が都道府県の判断により策定できるようになりました。この広域化等支援方針は、都道府県が市町村の意見を聞きつつ策定するものとされ、この内容は、大きく分けて事業運営の広域化、財政運営の広域化、都道府県内の標準設定の三つが示され、これらの項目のうち可能なものから早期に策定することとされています。  そこで、質問いたします。  北海道は広域化等支援方針を策定するのか、また、策定する場合にはどのようなスケジュールになるのか、お伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  北海道による広域化等支援方針の策定の有無及び策定スケジュールについてでございます。  北海道は、この方針を年内に策定する方向で検討中でございまして、これまで、8月には、盛り込むべき具体的な内容に関します市町村向けのアンケート調査を行いました。また、9月には、広域化等支援方針に関する道内市町村などの意見を聞くために、市町村等を集めた連携会議を開催いたしましてその意見を聞いたところでございます。その上で、間もなく素案が作成される予定となっておりまして、改めて市町村と意見交換の場を設けた上で、本年12月ごろには公表したいということでございます。 ◆山口かずさ 委員  北海道では、市町村の意見を聞いた上で、ことし中に策定するとの答弁でしたが、その方針の内容はどのようなものになるのでしょうか、また、札幌市にはどのような影響があるのか、お伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  北海道が策定いたします広域化等支援方針の内容及びその策定に伴う札幌市への影響についてでございます。  現在、北海道において内容を検討中でありますけれども、少なくとも、都道府県内の標準設定という項目のうち、保険者規模別の目標収納率を定める意向であるというふうに聞いております。この目標収納率を定めることによりまして、収納割合によります国の普通調整交付金の減額措置、札幌市では平成22年度予算で言いますと7%のカット、約9億円の減額と見込んでおりますけれども、これが適用除外になりますので、これが定められますと札幌市にとってメリットがあるというふうに考えてございます。 ◆山口かずさ 委員  北海道で検討中の広域化等支援方針の策定により、国の普通調整交付金の減額措置が適用除外になる、つまり、ペナルティーがなくなるという点において札幌市にとってはメリットがあるものということがわかりました。  しかし、目標収納率を定めるだけでは国保制度の安定化に向けた取り組みとしては不十分だと考えます。広域化等支援方針は可能なものから策定していくとのことで、一たん策定した後で順次改定されるものだと認識しています。北海道単位での広域化の流れの中で、北海道に強いリーダーシップを発揮してもらい、より実効性のある広域化等支援方針となるよう、札幌市として北海道に積極的に働きかけていってください。よろしくお願いします。  次に、国民健康保険被保険者証の個人カード化についてお伺いします。
     保険証については、以前は世帯で家族全員の名前が載ったもの1枚が交付されていましたが、2001年の厚生労働省令改正により、個人に1枚、それもキャッシュカードのような大きさのものを交付するように改められました。しかし、保険証の更新時期、保険者の財政状況を考慮し、当分の間は世帯で1枚のままでよいこととされていましたが、この間、協会けんぽやほとんどの健保組合、共済組合では既に個人カード化されています。しかし、札幌市の国保の保険証はいまだに個人カード化されていません。  事前にいただいた資料によると、政令指定都市19市中、国保の個人カード化実施済みは12市、今月10月から実施が2市で、札幌市を含めた残り5市は未実施となっています。全国的にも、国保の個人カード化はおくれているようです。世帯で1枚の保険証だと、家族が同時に別の医療機関にかかりたいのに、保険証が1枚しかないのでわざわざ別の時間にかかるといった不便な思いをしています。2001年の省令改正は、被保険者の利便性の向上のために行われたものであり、できるだけ早い段階で、札幌市の国保も個人カード化すべきだと考えます。  そこで、質問いたします。  なぜ、個人カード化が今までおくれてきているのでしょうか、そしてまた、個人カード化の予定はどうなっているのか、お伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  2点の質問でございましたが、まず、1点目の保険証の個人カード化が未実施となっている理由についてでございます。  ご承知のとおり、札幌市国保は、巨額の累積赤字を抱えてきたところでございます。そのために、電算システムの改修には多大な経費がかかることもありまして、カード化の早期実施は困難と判断して他都市の動向などを注視してきたところでございます。また、最近では、国において健康保険証の役割も兼ねた社会保障カードの導入が検討されたことも、実はカード化の実施を見送ってきた理由の一つとなっております。  そこで、質問の2点目の今後の個人カード化の予定でございますが、国では、平成25年度から実施を予定しております新たな高齢者医療制度の検討を進めておりますけれども、先ごろ、この中間取りまとめが示されたところでございます。これによりますと、75歳以上の高齢者の大半が後期高齢者医療制度から国保の方に加入資格を戻すことが想定されておりまして、その際、大規模な電算システムの改修も必要になると考えております。そこで、この制度改革の具体的内容を見きわめながら、カード化に伴う必要経費の投入を効率化したいという考えでおりまして、現在のところ、この制度改正に合わせてカード化を実施したい、このように考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  今の答弁からすると、個人カード化はまだ2年以上先のことであり、この間、国保の被保険者は不便な思いをすることに変わりはありません。何らかの代替策を講じていらっしゃるのでしょうか、お伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  保険証を個人カード化するまでの代替策についてでございますけれども、札幌市は、現在、個人カード化を実施するまでの間、家族の中で同時に別の医療機関を受診しなければならない事情がある場合につきましては、加入者の利便性に配慮しながら、必要と判断される場合には、申し出に基づきまして個別の保険証を交付する取り扱いとしているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  現状は、カード化されていない中でも一定程度工夫していることがわかりました。(発言する者あり) ○三浦英三 委員長  静粛にお願いします。 ◆山口かずさ 委員  (続)しかし、個人カード化は、利便性向上のために行うものなので、確実に実現してほしい、そして、そのこと以外でも市民サービスの向上につながる施策を積極的に取り入れてください。  最後に、多様な収納機会の確保についてお伺いします。  本市の国民健康保険会計は、長年、累積赤字を抱えていましたが、2009年度決算において30年ぶりに累積赤字を解消したことは大変よかったことだと思いますけれども、一般会計から多額の繰り入れをしている状況には変わりがなく、1年で赤字に戻らないように一層気を引き締めて運営していってほしいと思います。  そうした中で、保険料の収納率は、近年、上昇傾向にありますが、2009年度決算においては、現年度の収納率を1年間で1.28ポイント上げて87.14%にしたということで、基本的な進め方は間違っていないのではないかと考えます。政令市の中でも大きく順位を上げて9位となり、今や中位グループではありますが、上には上があり、まだまだ収納対策を進めていく必要があると私は考えます。  収納対策の一環として、コンビニ収納やクレジットカード収納を取り入れている自治体もあると聞いています。我が会派でも過去に数回質問していますが、今の世の中、いつでも納められる状況は大変便利であり、特に若者への収納対策として有益ではないかと考えますけれども、検討は進んでいるのでしょうか、お伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  コンビニ収納などの納付方法の検討ということであります。  コンビニ収納とかクレジットカード収納を実施するためには、概算でありますが、手数料として年間数千万円の費用が見込まれるところでございます。そこで、その費用対効果を十分に見きわめた上で行うべきものというふうに考えているところでございます。  しかしながら、収納率の向上とか加入者の利便性の向上を図ることは大変重要な課題でございますので、引き続き検討を続けてまいりたいと思っておりますし、収納対策基本方針の一つとして力を注いでおります口座振替加入の推進におきましては、加入者の利便性を考慮いたしまして、マルチペイメントネットワークを活用したサービスの導入に向けて現在準備を進めているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  市民サービスの向上という観点からも、コンビニ収納やクレジットカード収納など多様な収納機会を確保することが大切ですので、引き続き検討してください。  札幌市では、安全で納め忘れのない口座振替を推進しているということでしたけれども、後期高齢者医療制度の影響で、口座振替率の高い75歳以上の高齢者が国保から抜けたため、口座振替加入率が低下したままとなっています。その対策として、先ほどご答弁にありましたマルチペイメントネットワークのサービスを導入する準備を進めているとのことでした。(発言する者あり)  「何だ、それは」という声もありましたので、これはどういった仕組みなのでしょうか。また、導入に至った経緯と準備の進捗状況、そして、導入予定時期などをお伺いします。 ◎渡辺 保険医療・収納対策部長  マルチペイメントネットワークのサービスについてお答えいたします。  まず、サービスの仕組みと導入に至った経緯でございますけれども、マルチペイメントネットワークとは、各種公共料金や税金などの支払いについて、国や地方公共団体と金融機関との間を通信回線で結ぶ公共的なネットワークのことを言いまして、今回導入する口座振替受付サービスはこのネットワークを活用したサービスの一つでございます。具体的に申し上げますと、従来の口座振替の加入の手続は、紙の申請書に必要事項を記入して銀行印を押していただくことが必要なために、時間や手間が非常にかかるものでございました。しかし、このサービスでは、備えつけの端末に銀行のキャッシュカードを通し、暗証番号を入力するだけで加入手続が完了してしまうものでございます。このように簡単な手続で口座振替の加入ができるために、加入者の利便性の向上とともに、口座振替率の向上とかペーパーレスによる業務の効率化も期待できますことから導入することとしたところでございます。  次に、その進捗状況と導入予定時期についてでございますけれども、現在、金融機関との交渉や専用端末の選定などの準備を鋭意進めているところでございまして、新規加入者が増加いたします4月の時期に間に合いますよう、来年3月にはサービスを開始したいと考えております。  なお、導入に当たりまして、市民への事前周知も行いたいと考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  マルチペイメントネットワークのサービスの取り組みは、市と市民の両方にとってメリットがある仕組みだと思いますので、しっかり準備して早急に導入してください。  また、答弁にもあったとおり、市民への周知に力を入れていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 ○三浦英三 委員長  以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、老人医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。  次に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時51分       再 開 午後3時16分     ―――――――――――――― ○三浦英三 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆井上ひさ子 委員  私から、母子保健事業体制について伺いたいと思います。  保健センターにおいて現在行われている乳幼児健康診査は、4カ月、10カ月、1歳半、3歳まで実施されて、疾病の状況とか運動機能のおくれなど、早期に発見して適切な指導を行ったり、保健師が未受診の家庭を訪問したり、また、健康相談や育児不安を抱えている親も多くなっていて、それが虐待につながることの予防対策など、私は、母子をめぐる課題は大変大きくなっているというふうに思います。母子保健事業や乳幼児健康診査のより一層の役割が求められていると思いますが、どのように認識されておりますか、伺います。 ◎矢野 保健所長  母子保健事業体制についてお答えいたします。  乳幼児健診の役割についてでございますが、乳幼児健診は、疾病や障がいの早期発見、また、保護者が抱える育児の悩みなどに対して不安の解消を図ることを目的として実施しており、子育てを支援する保健サービスとして重要な役割を担っていると認識しております。 ◆井上ひさ子 委員  子育てをしている方々の不安を解消していく、こういう支援の役割を果たして大変重要であると、私もそう思っておりますし、本市の乳幼児健康診査については9割以上の方がこれを受けておられて、今、多くの方々がもっときちんと対応してほしいという思いを持っています。  そこで、私がちょっと気になったことがあります。過日の代表質問で、乳幼児健康診査を含めた母子保健事業体制の検討を行っていると繰り返し答弁されておりました。その検討の目的が何なのか、また、どんな課題を抱えているのか、そして、それがどのような議論になっているのか、これについて伺いたいと思います。 ◎矢野 保健所長  検討目的と課題、検討状況についてご説明いたします。  まず、検討の目的と課題についてでございますが、これまでの母子保健事業は妊娠期から乳幼児期の母子を対象として体系的に実施してまいりましたけれども、少子化の進展など社会環境の変化に伴い、児童虐待や育児不安を抱える親の増加など、母子保健をめぐる新たな課題に直面している状況でございます。  そこで、時代の変化に即応した母子保健事業のあり方とハイリスクの親子を18歳まで切れ目なく支援する体制の整備が求められていることから、区の保健福祉部長、保健担当部長、健康・子ども課長から成る母子保健事業等業務のあり方検討会議を設置し、検討課題や全体的な進め方について協議しております。また、医師、保健師、助産師、看護師、栄養士、歯科衛生士による職種別のプロジェクト会議を設置いたしまして、新たな母子保健の課題に対処できるよう、行政における専門職のあり方についても検討しているところでございます。さらに、庁内関係部局の部長職、課長職、区健康・子ども課における専門職の代表者計17名で構成される母子保健事業等業務のあり方検討拡大会議を設置し、全体的な議論と素案づくりをすることとしております。 ◆井上ひさ子 委員  子育ての新しい課題がいろいろな面であり、それに対応できる取り組みを進めていく、そういう立場で全体的な議論が開始されているというふうに今おっしゃったと思います。  私は、今の母子保健事業について言えば、今、本市の中では、安心して子どもを産み続けられる環境をつくっていくとか、それから、妊娠から分娩、そして乳幼児期、それを学童につないで、さらに思春期まで一貫した母子健康施策がやられているということで評価しております。ただ、新たな課題があるということでは、虐待の問題でも本当に一つ一つは困難を抱えていると私は思います。  そこで、これについてどんな検討をしているのかとお聞きしましたら、乳幼児健診を含めた母子保健事業等業務のあり方の検討というこの紙を私は1枚いただいたのです。これで見ますと、母子保健事業の効率化、効果的とあって、こういう事業を展開していく中で母子健康事業の構築と。それから、今までは、たしか保健と医療の連携という形をずっと強調してきましたけれども、今度は保健と医療の機能の分担ということに変わっているのですね。どうも、効率化、効果的というふうに聞けば、私は民間委託などのことを想定せざるを得ないのです。そういう議論になっているのか、この辺を明らかにしていただきたいと思います。 ◎矢野 保健所長  母子保健事業等の効率的・効果的な事業展開についてでございますが、新たな母子保健の課題として、健康さっぽろ21におきます母子保健領域に掲げている児童虐待の早期発見・早期予防、あるいは、人工妊娠中絶率や性感染症罹患率の低下などがございます。また、行政評価及び行財政改革プランの課題についても真摯に受けとめることが現在求められておりますことから、幅広い視点を持ち、将来的に安定した事業展開を目指しております。札幌市の財政状況などを踏まえますと、新たな課題に取り組むに当たり、既存事業の検証、見直しを行い、議論経過におきましてはかかりつけ医の推進を想定するなど、あらゆる可能性について模索してまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  今、いろいろな角度から言っておりますが、私は、内部での検討と聞いておりまして、もちろんこれは議会には出ておりませんけれども、代表質問の中ではそういう答弁がされているものですから、3歳児健診も5歳児健診も含めて検討されるということですのでもっと深く進んでいるのではないかなと私は思ったのですよ。やっぱり、今の母子保健事業の役割として、札幌市の中では虐待もふえておりますし、思春期にかかわる子どもの問題も本当に多いと思います。今も、お医者さんなどと連携しながら、私はこういう問題にかかわってきているのではないかなと思うのです。  そういう中で、やっぱり、妊娠から継続して、そして総合的に見る、私はそういう意味での本市の母子保健事業等の役割があるというふうに思うのです。この間、妊婦健診を十分に受けずに出産したということもあるでしょう。また、受診状況を把握して早期に指導につないだということもあったと聞いております。行方不明の子どもについても新聞報道などがされておりますが、でも、乳児健診で未受診の子どもの立場で全員を把握している、そういうことが今はやられていて、区の保健センターで行われるこういう健康診査には8割以上の方が受診しているという実績もありますね。やっぱり、自分の区で受けると。他区で受ける方もおります。でも、自分の区で受ける方が圧倒的に多いというのは、健康診査のはがきが来て、何月何日、ここにとなったら、やっぱり、親は、子どもの健康もそうですし、身長や体重はどうなっているか、そういうことでいろいろなことを排して来られるというふうに思うのですね。私は、こういうよさを失ってはならないと思います。ですから、継続と、そして、総合的な立場で見られるようなことを失ってはならないと思います。私は、一貫した母子施策として、安心して子どもを産んで育てることができる環境づくりを大変大事にしていただきたいと思います。  これは、今、内部の中で検討されているということですが、私ども議会もそうですし、議会の前に、働いている方々の意見、また、市民の意見なども十分に聞いていただきたいというふうに思います。その中で、札幌市の母子保健事業のあり方が、子どもたちにとっても、お母さんにとっても、そして思春期の子どもたちにとっても、本当に一貫して進めて継続していけるものになることを私は強く求めて、きょうはこれで終わりたいと思います。 ◆山口かずさ 委員  私からは、健やかに産み育てる環境づくりという観点で、3点についてお伺いします。  まず、乳児全戸訪問指導事業の充実についてです。  女性は、自分の妊娠を知ったときから、刻々と変わる体の変化を受けとめ、母親となる心の準備をして出産に臨み、自分の赤ちゃんと対面した後は、子育てを通じて母親自身も親として成長していくと言われています。すべての子どもが健やかに産み育てられる環境をつくることは、保護者だけではなく、社会全体の責務であると考えます。  このためには、ハード面、ソフト面の充実が欠かせませんが、ハード面で言えば、例えば、さまざまな施設における授乳室やおむつがえシートの未設置など、まだまだ不足しているなと私も実感しています。また、ソフト面では、妊娠期から一貫した相談体制などが整えられて、近年の児童虐待件数の増加などから、リスクの高い親子を早期に把握し、適切な支援に結びつけるために、国においては、こんにちは赤ちゃん事業の名称で生後4カ月までの乳児に対する全戸訪問を行うことになりました。札幌市においても、2007年7月からこの事業を開始していますが、特に、初めての育児に戸惑いや不安を抱える母親にとっては、家庭というリラックスできる環境の中で、不安や悩みを話したり、具体的な育児のアドバイスをもらえる機会として大変重要な保健サービスだと私も身をもって感じたところです。  そこで、質問いたします。  全戸訪問は、札幌市に生まれたすべての赤ちゃんに対して実施しているものと思いますが、前年度、2009年度の実施状況についてお伺いします。  そして、地域社会のつながりが希薄化して、また、家庭訪問という手法によるさまざまな犯罪も発生している現代で、訪問の連絡をもらっても、不信感から訪問を拒否する場合もあると聞いています。すべての赤ちゃんに訪問を行うために、市民に対する事業の周知を徹底させる必要があると考えますが、今後どのように充実するお考えか、お伺いします。 ◎服部 母子保健担当部長  乳児全戸訪問指導事業の充実についてお答えいたします。  21年度の実績につきましては、出生数1万4,506人に対して訪問実施数は1万3,590人でございます。訪問実施率は93.7%となっております。  2点目の事業周知についてでございますが、妊婦に対して乳児全戸訪問指導事業の意義や保健師、助産師の役割などについて理解していただくことが、スムーズな家庭訪問の受け入れにつながるものと考えております。今後は、母子手帳の交付時に面接を実施いたします保健師、助産師がリーフレットを用いまして十分な説明を行うなど、事業の周知に努めてまいりたいと思います。また、出産した医療機関におきましても、乳児全戸訪問指導事業について周知していただけますよう協力を求めてまいりたいと考えております。 ◆山口かずさ 委員  私も感じたことですが、母子手帳をもらう際に保健センターに出向きます。このタイミングは、妊婦が初めて札幌市と面会する貴重な機会でありますので、受け入れ体制である保健センターの対応がとても重要になってくると思います。温かい対応で臨んでいただいていろいろな説明をしていただくことによって、妊婦は保健センターに気軽に連絡できるようになると思いますので、その対応をお願いします。  次に、母子保健事業における情報管理についてお伺いします。  今回の代表質問では、情報管理のあり方について質問させていただきました。いただいた答弁では、仮称母子保健管理システムの構築は欠かせないとのことでした。母子保健事業は、妊娠届から始まり、妊婦健診、訪問指導、乳幼児健診など、お母さんと子のライフステージに応じたさまざまな事業を実施しています。札幌市では、毎年、約1万5,000件の妊娠届、そして約1万5,000人の赤ちゃんが生まれ、それぞれ健診、訪問などの母子保健サービスが提供されています。さまざまな情報は親子の成長をあらわす貴重な情報です。赤ちゃんがおなかの中にいるときからのトータルな保健サービスを提供するためにも、事業単位の情報管理ではなく、個人・家族単位として継続的に集約化されるべき情報であると考えています。  そこで、質問いたします。  まず、1点目に、現在、保健センターではどのように母子保健事業の情報管理をしているのか、お伺いします。  続けて、2点目は、仮称母子保健管理システムを構築することによりどのような効果が得られるのか、お伺いいたします。 ◎服部 母子保健担当部長  母子保健事業における情報管理についてお答えいたします。  1点目の現在の情報管理方法についてですが、母子保健事業に伴う情報は、妊娠届、妊婦健診、乳幼児健診、さらには家庭訪問など多岐にわたっており、情報量も多く、個人情報としては極めて重要度が高い内容でございます。現在、それらの情報は書面により事業ごとに集約しているところでございます。  2点目の仮称母子保健管理システムを構築した場合の効果についてですが、現在の書面による方法では、個人、家族の情報を継続的かつ総合的に収集、分析、評価することは困難な状況でございます。システムを構築した場合には、例えば、妊婦健診や乳幼児健診の未受診者を迅速に把握できるようになるなど、支援対象者の把握が容易になると考えております。また、妊娠中から18歳に至るまでの継続的な支援も時系列に把握することが可能となり、個人及び家族を含めた世帯として問題の抽出や支援方法なども集約できることになると思います。さらには、これまで整備できずに経過しております予防接種台帳については、システムの一環として構築することができ、予防接種の未接種者の把握も容易になりますことから、接種率の向上に寄与するものと考えております。 ◆山口かずさ 委員  最後に、未受診妊婦防止解消キャンペーンについてお伺いします。  2008年10月に札幌市の新たな産婦人科救急医療体制がスタートしてから、ちょうど2年が経過いたしました。この新たな体制については、助産師が妊婦等の救急患者の受け入れ調整を行う情報オペレーター事業と夜間の産婦人科救急電話相談事業の二つの事業を大きな柱としておりますが、これまでのところ、患者のたらい回しなどの事例もなく、比較的順調に推移してきていると聞いています。  しかし、妊娠して出産するまでの間に医療機関での定期的な健診を受けない、いわゆる未受診妊婦の存在は、この体制を維持、運営していく上で非常に大きな影響を与える問題であり、札幌市における未受診妊婦の実態がどのような状況にあるのか、危惧しています。母子の生命にとって危険であるとともに、医療機関にとっても大きな負担となっている未受診妊婦の背景には、とても複雑で、そしてまたデリケートな事情があると考えています。今後、札幌市がこの体制を充実させていくには、市独自に未受診妊婦の実態、例えば件数がどのくらいあって、どうして未受診に至ってしまうのか、分娩時に妊婦や赤ちゃんに異常はないかなどをきちんと調査して分析することが重要ではないでしょうか。  そこで、1点目の質問です。  札幌市は、未受診妊婦の実態について、調査を実施しているのでしょうか。また、もし調査を実施しているのであれば、未受診妊婦の件数とその理由、さらには、分娩時における母子の異常の有無などについて把握しているのかどうか、お伺いします。  また、我が党では、このような未受診妊婦の問題について、これまでも、その防止、解消に向けた効果的な普及啓発が必要であるとの観点から、何度か札幌市の取り組みについて質問させていただきました。昨年の第3回定例市議会では、私から今後の札幌市の取り組みについて質問したところ、3カ年の期間で問題の提起から適切な行動の誘導まで段階的な事業展開を行っていくとのご答弁をいただき、その後、ことしの1月から、「赤ちゃんのキモチで考えよう!」、未受診妊婦防止・解消キャンペーンがスタートしたことは私もいろいろなメディアなどを通じて知っています。2年目となる本年度についても、既に地下鉄駅構内などでキャンペーン広告が掲示され、ついこの間は、あるビアホールでポスターを拝見し、本キャンペーンが確実に、着実に広がってきているところを実感しました。  そこで、2点目の質問です。  ことしの1月からスタートした未受診妊婦防止・解消キャンペーンの具体的な事業内容についてお伺いします。 ◎飯田 医療政策担当部長  未受診妊婦防止・解消キャンペーンについてお答えいたします。  1点目の札幌市における未受診妊婦の実態調査についてでございますが、平成20年10月から平成22年3月末までの1年半を調査期間といたしまして、札幌市の産婦人科救急医療体制に参画する病院のうち、出産に至った未受診妊婦を受け入れた10の病院に対してヒアリング調査を実施しましたところ、それら病院での未受診妊婦の出産件数は合計41件となっておりました。また、未受診妊婦となった理由につきましては、経済的な理由が41件中17件であり、その他の理由としては、妊娠を自覚しなかった、妊娠に気がついたが、家族に言えなかった、あるいは、希望しない妊娠であり、だれにも言えなかったなどというものがありました。  分娩時の母子の異常につきましては、全体の44%に当たる18件で妊婦に早産や前期破水などの異常が認められ、新生児においても全体の39%に当たる16件が低出生体重児や早産児などとして生まれております。  次に、2点目のキャンペーンのこれまでの具体的な事業内容についてでありますが、平成21年度事業といたしましては、本年1月から、「赤ちゃんのキモチで考えよう!」をキャッチフレーズに、薬局、ドラッグストアなどの民間企業や保健所、関係団体などの協賛をいただき、それらの施設や大学、専門学校、地下鉄車両内などでのポスター掲示、啓発用ティッシュやリーフレットの配布、テレビ、ラジオなどでの広報やコマーシャル放送などを行い、まずは市民全体に対して未受診の危険性や安心して妊娠、出産できる社会づくりについて広く呼びかけたところであります。  2年目となる平成22年度は、この10月からスタートしたところであり、昨年度からの協力企業・団体に加えまして、飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの協賛拡大や、全メーカー協力のもとで市内で流通する妊娠検査薬への啓発用シールの張りつけなど、民間企業との連携をより一層強化するとともに、地下鉄駅構内の電照広告や都心部の街頭放送を新たに活用するなど、キャンペーンのさらなる拡大を図っているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  札幌市の実態調査の結果、1年半の間に41件の未受診妊婦が市内の産婦人科医療機関で出産したとのことでありましたが、市内における年間の出生件数約1万5,000件に比べると未受診妊婦の件数はわずかであります。しかし、41件の当事者である妊婦や赤ちゃんの健康や成長を考えると、私も一人の母親として非常に心が痛む問題であり、今後、札幌市が中心となって、企業や関係団体の皆さんのお力をかりながら、女性だれもが安心して妊娠、出産できる社会の実現を目指してこのキャンペーンの推進、拡大に努めていただきたいと思います。  幸い、このキャンペーンに協力いただいている企業、団体の数は年々ふえているとのことです。特に、本年度実現した妊娠検査薬メーカー全社の参画は、未受診妊婦となり得る対象者を的確にとらえたものとして評価しています。今後この事業を進めるに当たっては、このような視点が必要不可欠になってくるものと私は考えています。  そこで、質問です。  今後、一人でも多くの未受診妊婦を減らしていくために、来年度以降、どのように本キャンペーンを進めていくお考えかお伺いし、私の質問を終わります。 ◎飯田 医療政策担当部長  平成23年度以降のキャンペーンの進め方についてでありますが、これまで、札幌市では、民間企業などと連携しながら、さまざまな広報媒体等を通じて定期的な健診の必要性や相談窓口となる各区保健センターの利用などについて広く啓発を行ってまいりました。平成23年度以降につきましては、未受診妊婦の防止、解消につながる活動が社会全体に拡大し、定着することが重要と考えておりますことから、より多くの企業や関係団体に協賛をいただき、このキャンペーンが根づくよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  また、市民、特に若年層に対しましては、新たなキャンペーン事業を工夫し、市民の自主的な活動へとつなげることにより、全体として市民、企業、行政が連携して未受診妊婦の防止、解消を図る社会づくりを目指してまいりたいと考えております。 ◆細川正人 委員  私からは、札幌市の健康づくり事業にかかわって質問いたしたいと思います。  またまた事業仕分けでございますが、今回、健康づくり事業にかかわる事業について事業仕分けがなされました。健康さっぽろ21推進事業費を含めて4事業については見直し、健康啓発費、人材育成、それから市民健康づくりサポート事業費、これも人材育成ですが、廃止、たばこ対策費、廃止、健康手帳費、廃止、歯科保健事業費、廃止、健康づくりセンター運営管理費、廃止ということで、廃止が非常に多くて、ほかの部局の事業を見てもこの健康づくり事業に関してはかなり厳しい評価がされたのだなということを実感しております。  健康づくりについては、平成12年だったと思いますが、国の方で、いわゆる生活習慣病の有病率が大変増加してきたことから、健康日本21ということで健康の推進を図っていきましょうという計画を立てたと思います。実は、この裏側に何があるかというと、年々増加する医療費を少しでも抑制していかなければいけない、そのために健康な方を多くつくっていきましょう、そのための事業ということで私は理解をしていたのですけれども、これまで札幌市が健康づくり事業を推進してきた基本的な考え方について、まず、改めてお伺いいたしたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  これまで健康づくり事業を推進してきた基本的な考え方についてお答えいたします。  札幌市は、平成14年に策定いたしました札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21に基づきましてこれまで推進しております。この計画では、市民一人一人が主体的に健康増進を図っていくことができるように、地域、関係機関、行政などが連携・協働して支援していくことを基本としております。 ◆細川正人 委員  そういうことでこれまで健康づくり事業を進めてきたということです。  話はちょっと変わりますが、札幌市の国民健康保険の1人当たりの医療費の推移というのがあります。実は、札幌市というのは、19ある指定都市の中で、広島市、北九州市に次いで3番目に医療費が高いところとなっています。1人当たりの医療費は、平成21年度で33万459円となっています。一番低いところは千葉市ですが、25万4,681円、その間差は7万6,000円の開きがあるということになっています。  私は最初に申し上げたのですが、やはり、病気にならないようにしよう、予防しましょう、そのことでこういった健康づくり事業を推進していくのだ、そういったことが少しでも医療費を抑制することにつながっていく、そうした考え方は大変重要だと思うのですね。今回の事業仕分けの中で、見直しという事業の中に、やっぱり見直しをしなければいけない必要性のあるもの、あるいは、廃止の中に、確かにこれは本当に必要かどうかということでちょっとクエスチョンがつくものもあります。しかし、健康づくりという事業については、これは総じて推進していかなければならないものだというふうに私は考えております。
     平成何年でしたか、12年ぐらいでしたか、札幌市がISO14001を取得したときに、当時、認定に来られた委員が講評されました。そのときに、消防局の運営方針を高く評価していました。それは何かというと、ISO14001ですから、CO2の問題だとかいろいろなことで環境に配慮していきましょうといったことですけれども、その中で消防局が書いたのは、火災発生件数を減らします、そのために予防活動にしっかり取り組んでまいります、こういったことでした。やっぱり、予防活動、このことが健康にもつながっていって罹病率を減らしていくことになると思います。ですから、私は、あえて申し上げたいのですが、健康づくり事業というのは、推進することはあっても、後退させてはならない、そういうふうに考えております。  そこで、もう一つお聞きしますけれども、事業仕分けで大変厳しい査定結果を受けましたが、この事業仕分けに対する今後の方針についてどう考えているのか、お伺いいたしたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  事業仕分け結果に対する今後の方針についてでありますが、事業仕分けの判定結果につきましては真摯に受けとめなければならないというふうに考えております。一方、健康づくり事業の実施につきましては、健康増進法第3条に地方自治体の責務が明記されておりますことから、行政としての果たすべき役割もあると認識しております。今後とも、市民の健康増進を目指して、各事業の成果や課題などについて十分に検討してまいりたいと考えております。 ◆細川正人 委員  こんなことを言っては大変失礼かもしれませんけれども、通り一遍と言ったら申しわけありませんが、そういうような答弁だと思うのですね。  実は、事業評価というのをやっていますが、そこでは必ず指標というものを置かなければならないのですね。目標、こういうふうになっていきたいと。それをお聞きしましたら、健康づくりの全体では自分の健康状態を普通以上と感じる人の割合を高めたい、それから、健康さっぽろ21では健康づくり応援企業・店舗数をふやしていきたい、健康さっぽろ21を知っている人の割合を高めていきたい、健康教育では、健康教育開催回数、何回開催したか、健康啓発では、健康づくりリーダー養成研修受講者数が何人だったか、年々ふえてきているかどうか、こういったことを目標として指標を立てています。  私は、これはあえて質問しませんけれども、思い切った指標を立てるべきだと思うのですよ。つまり、罹患率をどうするのか、それから、生活習慣病の発症の方を幾ら減少させていくか、そういったことをうたう。もっと言えば、札幌市の国民健康保険の1人当たりの医療費をどこまで下げるか。例えば、1%下がったとすると、療養費で大体1,200億円支出をしているわけですから、12億円の効果が出てくるわけです。全体の事業で、今回廃止だとか見直しだとかと言ったのが1億7,800万円です。1億7,800万円で12億円の効果を生んだということがはっきりうたえるものであればなと。  そういう指標を立てることによって、健康づくり事業というものをしっかり進めていくのだ、その本気度というものが問われるのではないかと思います。そのことによって、事業仕分けのときに市民の方にこういう評価をされてしまった、そんなことになっているのではないか、実はそんな思いをしておりますので、私は本気で取り組んでいただくことを求めまして、質問を終わります。 ◆青山浪子 委員  私から、ヒト白血病ウイルス−1型(HTLV−1)抗体検査費用の公費負担につきまして質問いたします。  ヒト白血病ウイルス−1型とは、成人T細胞白血病の原因ウイルスで、主に母乳などを介して母子感染するウイルスで、感染してからおよそ40年もの長い潜伏期間を経て、そのうちの約5%が発症すると言われております。国内感染者は120万人から220万人とも言われておりまして、毎年、1,000人以上の方がこの成人T細胞白血病で亡くなっておりますけれども、国の対策が進んでおりません。  このことを受けまして、政府は、対策の特命チームを設置いたしました。そして、このチームの先頭を切って、我が公明党がこの実現に向けてしっかり取り組んでいるところであります。妊婦健診での抗体検査を全国一律に実施するなど、ヒト白血病ウイルス−1型の撲滅を目指して、母子感染の予防、感染者対策の策定に取り組み始めたところでございます。そして、第2回の特命チームにおいて、ヒト白血病ウイルス−1型抗体検査を妊婦健康診査の標準的な検査項目に追加することを決定いたしました。それを受けまして、厚生労働省は、準備が整った自治体から年内にも実施するように、平成22年10月6日に札幌市にも通達が参りました。  そこで、1点目の質問でありますけれども、9月28日の我が会派の谷沢議員の代表質問において、ヒト白血病ウイルス−1型の抗体検査を妊婦健康診査に導入することを質問させていただきました。答弁は、前向きに検討するということでありましたけれども、今回の通知を受けて、札幌市は、いつからヒト白血病ウイルス−1型抗体検査を実施するのか、お伺いいたします。  2点目ですが、ヒト白血病ウイルス−1型に感染していることが判明した場合には精神的にかなり不安定な状況に陥ると思われますけれども、この妊婦の不安を軽減するためにどのような支援体制を整備するお考えがあるのか、この2点をお聞きいたします。 ◎服部 母子保健担当部長  ヒト白血病ウイルス−1型抗体検査費用の公費負担についてお答えいたします。  まず、1点目の抗体検査の実施月についてでありますが、平成22年10月6日付の厚生労働省通知を受けまして、札幌市におきましても、年度内のできるだけ早い時期から妊婦健康診査の検査項目に追加できるよう、現在、医師会や各関係部局との調整を進めているところであります。  次に、2点目の感染が判明した妊婦への支援体制についてですが、抗体検査の結果、感染が判明した場合には、子どもへの感染のおそれや妊婦自身が成人T細胞白血病を発症する可能性があるなど、子どもの誕生を待ち望む妊婦の精神的な不安ははかり知れないものであります。抗体検査の支援体制は大変重要なことでありますので、告知をする医療機関との連携を図りながら、各保健センターにおきましても、医師職を初めとする専門職が継続的な相談に応じられる体制を整備してまいりたいと考えております。また、ヒト白血病ウイルス−1型に関する知識や支援方法などについて職員研修を行い、相談技術の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  今のご答弁は、大変前向きな答弁であったと思います。  ヒト白血病ウイルス−1型というのは、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、潜伏期間が長く、みずからがキャリアであることを知らずに子どもを産み育てて、そして、数年後に自分が発病して初めて子どもにも感染させてしまったことを知ってしまうわけであります。もし、妊娠中に感染していることがわかれば、母乳を与える期間を短くして子どもの感染を防ぐこともできるわけであります。今、検討しているというご答弁でありましたので、どうか早いうちに検討していただき、一日も早く妊婦健診に導入していただきたいとお願いいたします。  また、二つ目の答弁でありますけれども、キャリアの方に対しての職員の研修会も行うということでありますので、どうか、妊婦の不安な思いをしっかり受けとめていける体制づくりに取り組んでいただきたいと思います。  再質問でありますけれども、妊婦健診は、平成21年度に5回から14回に拡充されました。しかし、ヒト白血病ウイルス−1型の抗体検査が追加されることになるとしたら、健やかに産み育てる環境づくりが私は一歩前進したことだと思います。  でも、私が心配していることは、国の補助金制度のことであります。5回から14回に拡充されました9回分についての妊婦健康診査支援事業費補助金は平成22年度限りとなっておりまして、23年度以降のあり方については、現在、特命チームにおいて引き続き検討中というふうに聞いております。  そこで、質問いたしますけれども、もしも国の補助制度が22年度で廃止となった場合、札幌市の妊婦健康診査制度をどのようにお考えか、お尋ねいたします。 ◎服部 母子保健担当部長  国の補助制度が廃止となった場合の妊婦健康診査制度についてお答えいたします。  妊婦健康診査が14回に充実されましたことは、安全・安心な出産、育児を支援する上で重要なことであります。今後とも、市民サービスが維持できるように補助制度の継続を国に要望してまいりたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  最後に、要望でありますけれども、妊婦健康診査支援事業費補助金について、今ご答弁のとおり国に要望していくということでありますが、私は、やはり、安心して子どもを産み育てる環境づくりにおいては、妊婦健康診査支援事業費補助金はとても大事なことだというふうに考えております。ぜひとも23年度以降も継続していただきますよう、私たち公明党といたしましても、署名活動にも取り組みまして国に要望してまいりたいというふうに思っておりますし、市におかれましても、国にしっかり要望して継続していただきたいことを最後に要望して、終わらせていただきます。 ◆長谷川衛 委員  きょうは、事業仕分けにかかわる質問がたくさん出ましたけれども、私も、その中の一つの健康づくりセンターに絞って質問いたします。  ことし6月に実施されました事業仕分けの手法を用いた市民評価については、私は、行政評価制度の中に市民参加を取り入れて、札幌市政のあり方を市民とともに考えていこうとするねらいそのものについては意義がある、そういうふうに思っております。ただ、たくさんのご意見がありましたように、具体的な進め方についてはやはり多くの課題を残したなということをまず指摘しておきたいというふうに思います。いずれにしても、今回の市民評価は、一度、評価というものが出されましたから、これに対して、やはり議会の場でしっかりと議論して適切な判断をしてもらいたいというふうに思うわけであります。  今回、健康づくりセンターが廃止、不要ということでした。今、三つの区に健康づくりセンターがありますけれども、こういう結果が出されました。その後、健康づくりセンターの存続を求める多くの方々から、今、存続を求める署名が集まっていることも聞いておりますし、私のところへもかなりの方々から存続を求める意見が寄せられています。  まず最初に、2点質問したいのですが、1点目は、事業仕分けで廃止と判断された内容です。私も一定程度は見ておりますが、もう一度、論点を整理してお聞かせください。  さらに、7月15日から1カ月間、事業仕分け結果に対する市民意見募集を行ったと聞いておりますが、どのような意見が寄せられたのか。代表的なもので結構ですから、どういうものが多かったのかを含めて、お聞かせください。  2点目に、健康づくりセンターの活用について、利用拡大やPRを含めて、今までどのような取り組みをしてきたのか、あわせてお聞きしたいと思います。 ◎久田 健康企画担当部長  ただいまの健康づくりセンターの事業仕分け結果に関してのご質問にお答えいたします。  1点目の廃止と判定された理由の主なものでございますが、行政の役割は終了している、特定の利用者にだけ多くの税金が投入されているといったようなものでございました。一方、今回の事業仕分け全体に寄せられました市民意見の件数は1,638件であり、この半数を超える872件が健康づくりセンターに関するものでございまして、利用者を初め、この施設に対する市民の関心の高さがうかがえるものと考えております。  健康づくりセンターに関する市民意見の99.5%が廃止に反対、存続を求めるものでございました。その主な理由といたしましては、健康維持や医療費削減のため必要な施設である、病院などから勧められ、健康づくりセンターを利用し、病状が改善したなど、こういった健康上の理由を挙げられたものが41%、料金システムの違いなどから民間施設の利用は困難であるなど、経済的理由を挙げたものが15.4%でございました。  なお、市民意見のほか、施設存続を求める署名が2件ございまして、署名人数は2件合わせて3,210人となっているところでございます。  次に、2点目の健康づくりセンター活用のこれまでの取り組みについてでございます。  従前から行っております医師、保健師、健康運動指導士など専門スタッフによります健康度測定、運動教室、これらに加えまして、定期的に実施しております利用者の満足度調査の結果などを踏まえ、勤務帰りの会社員や小学生を対象といたしました講習を新設するなど、市民の多様なニーズにこたえるよう努めているところでございます。また、市の広報誌を初め、地下鉄駅構内でのポスター掲示、無料体験券の配布など、さまざまな機会をとらえて施設、事業の周知に努めているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  現在の状況については、今の回答で大体のところはつかめます。ただ、確かに、特定の利用者だけに税金を投入していいのかと言えば、それは、この施設ばかりではなく、実はすべてにかかわる問題ですから、これは果たしていかがなものかなと思います。  行政の役割は終わったということに関しても、実は、私も、以前、この施設を夜間に使わせていただいたり、先日も最近の状況について視察させていただいたりしてきました。いずれの施設も、やはり利便性の高いところにありますし、利用者もかなり多い。私は夜間に使っていたときは気づかなかったのですが、今回、私が行ったのは中央区の健康づくりセンターでしたけれども、午前中に行くと、とにかく高齢者や主婦の方々を含めて、もう満杯状態でした。  それから、ぜひ皆さんに知っていただきたいのは、健康づくりという観点です。先ほども健康づくりの観点での質問がありましたが、ここの機関と民間との違いをしっかりと理解してもらいたいと思うのです。私は、民間も随分回りましたし、使ったこともありますけれども、どちらかといいますと、民間は専門的な機械も多いですし、若い方々を含めて専門的でかなり高度なことも確かにやっています。ただ、こういう健康づくりセンターは、民間とは完全にすみ分けができておりまして、本当に高齢者の方、それから、余り運動をしたことがない方、こういう方が気軽に行けるということで人気があるのですよ。  もう一つ、実は、地域にも例えばインストラクターの経験をした方などがいて、ぜひ教室を開いてほしいということで私は動いたことがあるのですが、やりたくても場所がないのです。区民センターとかいろいろな施設はありますけれども、定期的に必ず毎週使える場所は一切ありません。そうしますと、まさかジプシーでやるわけにはいきませんから、そこになかなか難があって実際にはそういう希望をかなえることが難しい。そういう面でいくと、健康づくりセンターはまさにぴったりの場所なのですよ。そして生き生きとしてやっている。  もう一つ、ぜひ頭に入れておいていただきたいのは、運動さえできればいいと思って来てはいません。ここは、やっぱりつながりを持っているのです。来た方々が仲よくなったり、相談相手になったり、そして、触れ合いの場所になっているということなのです。こんな言い方をすると失礼ですが、本当に運動音痴の方でも、やったことがない方でも行ける、あの人に会える、それから、インストラクターの方は非常に優しいですから、話を聞いてくれる、やはり、そういう観点を大事にしていってもらいたいと私は強く思うのです。  そこで、最後の質問になりますけれども、今後、健康づくりセンターのあり方について現時点でどう考えられているのか、この辺の見解をお聞きしたいと思います。 ◎久田 健康企画担当部長  今後の健康づくりセンターのあり方についてお答えいたします。  健康づくりセンターは、市民の健康づくりに大きく寄与し、また、重要な役割を果たす取り組みとして始めた事業であると認識しているところでございます。このたび寄せられましたさまざまな市民意見を踏まえながら、事業仕分けで指摘されました諸課題を慎重に検討した上で今後の運営について総合的に判断してまいりたい、このように考えております。 ◆長谷川衛 委員  私は、要望というよりも、最後は意見を含めてちょっと申し上げたいと思います。  私は、とにかく廃止ということはあり得ないというふうに思っておりますし、何としても存続してもらいたいと思います。こういう場所を奪ってほしくない。  ただ、今回、私なりにいろいろ調査をしてみましたけれども、相当たくさんのメニューを持っています。中央区のセンターなどは医療機関も持っていますから、そういう面では財政的にはやや厳しいものもあるかなということを感じてきました。ですから、一部で見直しが必要な部分もあるのかなとは思っています。ただ、その見直しについても、市民の健康づくりの拠点としてより充実したものになる、そういう観点での見直しということで、その辺は十分踏まえてあくまでも存続という方向で続けていってもらいたい、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ◆宮村素子 委員  私も、母子保健対策の充実ということで、特に乳幼児健診の充実、さらに、産後の不安や悩みを訴えている母親の把握と支援体制について伺いたいと思います。  まず最初に、1点目について進めさせていただきます。  皆さんもご承知のとおりですが、乳幼児健診は、母子保健法に基づいて、子どもたちの発育、発達を確認して保護者に適切な養育上の指導を行うものでございます。札幌市では、各保健センターで、新生児訪問を含めて、4カ月児健診、1歳6カ月児健診、それから3歳児健診を実施しております。特に、医師、保健師、助産師、そして栄養士など、専門職の立場で対象を十分に観察して適切な療育指導を行っている場だと私は信じているところでございます。  先日、皆さんもご承知のとおり、ある全国紙に安否を確認できない乳幼児についての記事が掲載されておりました。行政機関が乳幼児の安否を確認する手段としても乳幼児健診というのは重要なのだなと、私は改めて認識したところです。こんなに安否がわからない乳幼児がいるということは、私は余り想像もしていませんでしたので、これは大事な機会なのだなと再認識したところなのです。  そこで、本市の平成21年度の乳幼児健診状況調べによりますと、4カ月児健診で受診率99.7%、未受診者が38名、そして、1歳6カ月児健診の受診率96.7%、未受診者が476名です。そして、3歳児健診は受診率が92.5%、未受診者が1,073名という数字になっております。  そこで、3点質問します。  成長とともに受診率が低下している理由をどのように把握されているのか、伺います。  また、2点目は、未受診者数の分析についてどのようにされているか。すなわち1歳6カ月児健診の未受診者476名は、4カ月のときもあったわけですから、4カ月の健診を受けているのか、受けていないのか、その数字を示していただきたいと思います。また、3歳児健診も同様に、4カ月児健診、1歳6カ月児健診を受けているのか、受けていないのか。4カ月のときは行ったけれども、1歳6カ月のときは行けなかった、でも3歳のときは来た、そのように中身もいろいろ変化があるかと思いますが、その数字を示していただきたいと思います。  それから、もう1点は、児童相談所での虐待の相談状況によりますと、平成21年度の被虐待児は620件あります。そのうち3歳未満児は106件で17.1%あります。この106件について、乳幼児健診の受診の有無について児童相談所とどのように情報を共有しているのか、伺います。  まず、3点お願いします。 ◎服部 母子保健担当部長  乳幼児健診の充実策についてお答えいたします。  1点目の年齢とともに健診の受診率が低下している理由についてでありますが、3歳児健診の未受診者について見ますと、転居、あるいは、保育園や幼稚園で定期的な健診を受けている、入院中または通院中である、医療機関で受診しているなどの理由が大半を占めております。また、健診を希望しない、仕事が忙しくて健診を受けられないという理由の方もおります。  2点目の未受診者数の分析についてでありますが、1歳6カ月児健診または3歳児健診の未受診者対策を実施する中で、個々の事例としては過去の受診状況を確認しておりますけれども、全体としての集計は現時点では行っておりません。  3点目の児童相談所との情報共有についてでありますが、区健康・子ども課から児童相談所へ通報する場合や、児童相談所からの照会に対しましては、健診結果などの受診状況について確認を行っております。児童相談所とは、個々の事例について十分な連携を図り、情報を共有しているところでございます。 ◆宮村素子 委員  1点目の受診率が低下するということはいろいろな状況があるかと思いますが、この中で3歳児ということがありましたけれども、1歳6カ月児でどうして下がっているのかということはわかっているのでしょうか。  それから、未受診者の分析は、ケースによって分析しているので全体の数字はないということでありますけれども、そもそも保健福祉局の皆さんのところで、健診を受けていないという人たちを丁寧に一人一人見て、そこの中にどんな要素があるのかと、それぞれの数字はもっと把握されているべきだと思うのです。お答えでは全体的な集計ができないということですが、それはどうしてできないか、もう一回聞きたいと思います。  それから、児童相談所とは情報を共有しているということでしたが、その106件は受診率が高いのか低いのか、せめてそのぐらいでも教えてください。  それから、再度、質問いたしますけれども、未受診ケースの中には、成長・発達の問題とか、虐待のおそれ及び安否など育児上の問題をはらんでいる、私はそんなふうに心配するのですが、全く健診を受けていないケースがあるのかどうか、それから、未受診ケースに対してどのように対応されているのか、伺います。  それから、乳幼児健診の受診の際に、母親だけではないと思いますが、親にアンケートをとっていますね。その内容について、特に問題となるような相談、悩みなどがあるのか、相談の件数と内容、そして対応状況についてお示しいただきたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  まず、1歳6カ月児健診の未受診の理由についてですが、そのことにつきましては、先ほど申し上げました3歳児と同様の状況になっております。  次に、児童相談所の虐待ケースの受診率が高いかどうかにつきましては、トータルなお答えは現時点ではできません。それは、今、児童相談所の方で所管しておりまして、個々のケースについてはそれぞれとらえておりますが、全体的なところについては今現在掌握していないので、ご理解いただきたいと思います。  それから、未受診者の対応の中で、全く健診を受けていない人がいるのかどうかというご質問ですけれども、このことにつきましては、未受診者への勧奨をいろいろ実施しておりますが、全く受けていない方が実際にいらっしゃる状況は確かです。その方たちにはいろいろな方法で受診の勧奨を進めております。そして、個々のケースとしてはどのような状況なのかということを把握しておりますが、その総体としての数については現在押さえておりません。  それから、乳幼児健診のアンケート結果についてということですが、乳幼児健診のアンケートは、子どもの発達状況に加えて、育児に関する相談事項などを保護者の方にご記入いただいております。その中で、育児不安や育児負担感の訴え、または、育児に関する相談相手がいないなどの記載があった場合には、健診の中で保健相談ということで保健師による個別相談を実施しております。21年度の健診受診者のうち、保健相談を受けた方の割合は、4カ月児健診では49.3%、1歳6カ月児健診では43.4%、3歳児健診では36.5%となっております。  アンケートの各項目ごとの件数につきましては現在掌握しておりませんが、今後、母子保健に関する情報管理システムを導入することができた場合には、これらの結果を集約できるものと考えております。 ◆宮村素子 委員  今、未受診の部分、児童相談所との関係、それから、1歳6カ月児、3歳児ともにかなり把握が不十分である、粗いなというふうに思います。それは、私たち保健師とか助産師とか看護師は大変に気になる部分なのですよ。何かないのか、何かを求めていないかと、専門職上、やはりどうしてもそこのところが気になってしょうがないのです。これ以上の質問をしても答弁としてははっきりしないと思いますので通過いたしますけれども、ここに大きな問題をはらんでいるということは言っておきたいと思います。そして、分析をもっと十分にすべきです。不十分です。児童相談所との関連でも、やっぱり、親との関係がうまくいっていない子どもたちの最初の出発からどうだったのだろうかと、親の理解ももうちょっとすべきであります。そういったことで、とにかく不十分である、分析及び親の状況、受診態度に対する把握は不十分であることを指摘しなければならないというふうに思います。それは、今後の対応に生かせるヒントがその中で得られるわけですから、しっかりやってほしいと思います。  そこで、今後、やっぱり受診率の向上が必要だと思うのですね。数字ですから100%を求めたいのですけれども、でも、人は生身ですので、招きがあったときに100%応じられるかというと、そうではないのですね。けれども、どこで、どんなふうにしているかと。さっき、保育所とか病院、入院とありましたけれども、やはりそことの連携をもっとしながら受診率の向上のための方策が必要かと思うのですが、その考え方を伺いたいと思います。  また、未受診者について、育児上のハイリスクを対象者の生活の場でもっと把握する活動が必要だと思います。すなわち、先ほども答弁で家庭訪問ということが出ましたけれども、やはり、関連する職種のすべての方が訪問にかかわって、母子保健の児童に関しては家庭訪問を常態化させるべきだというふうに私は思っておりますが、どのように考えているか、お伺いしたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  まず、乳幼児健診受診率の向上についてですが、乳幼児健診未受診者に対する勧奨は、これまでやってきている方法を引き続き強化してまいりたいと考えております。  しかし、保護者の考え方やライフスタイルが変わってきておりまして育児や受診行動にも影響する時代でありますので、行政だけの力ではなかなか万全ではないというふうに考えられます。そこで、今後は、例えばですが、女性を対象とした雑誌、フリーペーパー、テレビやラジオなどのマスコミ媒体を積極的に活用するなど、民間活力の導入も視野に入れながら、受診率の向上の方策について検討してまいりたいというふうに考えております。  2点目の未受診者に対する家庭訪問についてでありますが、さまざまな未受診者に対する勧奨を講じましても来所されない場合には、現在も保健師による家庭訪問を実施しております。家庭訪問を実施いたしましても必ず面談できるとは限りませんが、生活の実態を見ながら親子の支援をすることは保健師の活動の原点と考えております。今後とも、健診の未受診者に限らず、家庭訪問の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  受診率の向上に対して強化するということですので、ぜひやってほしいと思います。  ただ、ライフスタイルも変わってきていますし、民間を活用してというか、マスコミ等を利用してメディアに訴えてということ、それも一つの方法かと思います。しかし、受診、未受診の中で、先ほど未受診妊婦の話がありまして、受診の必要性を感じていないとか、受診したくない、本当は望んでいない妊娠なのだ、それから、経済的にも大変でこの妊娠を継続するかどうか非常に不安を持っている、そういうデータがありましたけれども、そういう状況の人は、子どもを産んだ後に、メディアで受けなさいと言っているから、じゃ、行きますかという行動にはつながらないわけですね。ですから、やっぱりそこのところから、子どもの出生にかかわるそのときから、保健師が、また助産師が丁寧に顔の見える活動をすべきなのです。そのことで信頼を得て、あの保健師なら話を聞いてみようと戸をあける、そういうことにつながるわけです。何かに頼るのではなくて――行っていますよ、でも、戸をあけてくれないと。それは、今までの保健活動のスタイルではだめだということを物語っているのですね。やはり、戸をあけてもらえるような、信頼してもらえるような、対象者に、私が保健師です、私ができることをさせていただきたいということで信頼関係をつくることが、今、行政の中で必要になっているのだな、そんなふうに思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。  そして、2点目の産後の不安や悩みを抱えている母親の把握と支援体制について伺います。  先日、我が党の佐々木議員の代表質問で、未受診妊婦、そして、産後うつ病について質問いたしております。その後も、毎日のように、父親、母親が子どもを虐待して死亡させてしまったり、また、母親が育児に疲れて、育児に自信がなくて、そして子どもを殺したり、自分の命を絶つ、そういう痛ましいニュースも流れております。出産後、育児中の母親は精神的にも体力的にも大変デリケートです。母乳が足りているのだろうかとか、夜間の授乳、家事と育児の両立、それから母親自身の寝不足、そんなこともあって体調不良を感じている母親が意外と多いのも現実です。その結果として、それが高じるとマタニティーブルーや産後うつ病に陥る場合もあります。また、周りに気軽に相談できない方や経済的理由で医療機関を訪れることができない方もいます。産後うつというのは、統計的に出産後の女性の1割がかかるというふうに言われていて、相当な数です。  そこで、質問です。  乳幼児健診で母乳相談や母親の体調不良などさまざまな相談があるかと思いますが、そういった相談を希望する方はどの程度いらっしゃるのか、それを平成20年度、21年度のデータで示していただきたいと思います。また、それらに対してどのように対応されているのかも伺います。  それから、もう1点は、私は、かねてから、産後うつの早期発見、早期に療養する、早期に支援する、そういう大事さをずっと訴えてまいりました。産後うつ病は早期に発見して治療する、すなわちカウンセリングだけで回復するとも言われています。そういったことから、産後うつの早期発見の一つの方法としてエジンバラの質問票を用いる手法があります。そのエジンバラの質問票を使った手法というものの有効性をどんなふうに認識されているのか、伺いたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  不安や悩みを抱える母親の把握と支援体制についてお答えいたします。  まず、1点目の母乳や母体の体調に関する相談件数と対応についてですが、平成20年度の相談件数は4,302件です。平成21年度は4,424件となっております。この相談につきましては、4カ月児健診と10カ月児健診の母性相談の中で個々の相談に応じている状況でございます。  続きまして、2点目のエジンバラ式産後うつ質問票の有効性についてですが、この質問票は、医療の必要な産後うつ病や育児不安を抱えて支援を必要とする母親をスクリーニングできる有効かつ客観的な指標と認識しております。来年度からは、妊娠届出書受理時の面接や新生児訪問などの機会において、保健師、助産師がこの質問票を活用いたしまして支援対象者の把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  ただいまの答弁によりますと、エジンバラの質問票を評価している、そして、導入するということでございます。  私も、今までずっと、これは必要だからやってみたらと言ってきたのですが、やっとここに来て、やるという答えでございます。今まで導入に向けての研修等もずっとやってきているのに、実際の取り組みが大変おくれていることに、私は大変遺憾であります。早くに見つけて早くに対応するということでは、やはりちょっと後手ですね。そのことは本当に指摘せざるを得ません。来年からはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、母性相談として、お答えでは、20年度は4,300件ぐらい、21年度は4,400件ぐらいと相当な数があるというふうに思います。これは、健診のときにそういった相談を受けており、母子一体として見ながら、その中で必要な母親のケアにつなげているということで、これは大変大事なことですからずっとやっていただきたいと思います。  そして、4カ月、10カ月ですから、多分、助産師がその相談として具体的なケアに当たっているというふうに思っております。もちろん、助産師だけではなくて、専門職員とともにやっておられるかというふうに思います。  そこで、一部では、助産師の本来業務をしっかり果たしているな、助産師がやっているのだなと思うわけですが、今、各保健センターに1名ずつ配置されていた助産師が退職した後の採用が進んでおりません。助産師の必要性をどのように認識されているのか、こういったデータできちんと対応しているということが背景にあるのですから、どう認識されているか、それから、今後の対処方針について伺いたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  助産師の必要性と今後の対処方針についてでありますが、母子保健事業の推進に当たりましては、助産師の役割は重要だというふうに認識しております。札幌市におきましては、保健師資格、助産師資格をあわせ持つ人の採用をこれまで進めてまいりました。現在、ご指摘のとおり、10区に配置されていない状況もございますけれども、今後は地域の医療機関とか地域で開業されている助産師、それから、私どもが委託しております助産師資格を持っている委託訪問指導員と連携を深めながら、共同して母子保健の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村素子 委員  私は、乳幼児健診の中にはらんでいる課題、現状では十分にいっていない課題について、それは一部だと思いますが、今までの質問の中で確認させてもらいました。それから、母子保健というのは、人の命、健康、家族、家庭の原点にかかわりますね。そして、保健所の事業の中でも一番根幹になるものではないか、そんなふうに思っております。一個人の出生から成人に至るまで、健康を支援するためにいかにハイリスクを把握するか、そして、得た情報の一元管理、健康、医療、福祉にかかわる適切な支援をタイムリーに提供する組織と体制が必要である、私はそんなふうに思っております。今までよりも、もっとしっかりした体制が必要なのではないかと思っているのです。  ただ、先ほどの答弁の中で、母子保健情報管理システムの構築で支援システムが強化される、これができればすべてうまくいくというような感じにとられるわけです。システムをつくることはしっかりやるべきだと思いますけれども、現状の乳幼児健診の場は、現在、子どもの健診と母親の体調や気持ちのケアをする重要な場となっているのですね。そして、医療機関を受診することができない、または、この健診に頼っている母親に対して育てやすい環境づくりという役割も担っているのですね。そういったことを考えると、求められているものは大変に大きい、しかし一方で、一元管理してできるだけいいようにしたいと思っている、この一致点が本当にあるのかどうか、そこのところをどんなふうに考えるか、医務監に伺いたいと思います。 ◎渡部 保健福祉局医務監  厳しいお言葉をいただきました。  この四半世紀だけを見てみましても、家族のありようは変わりました。親子関係も変わりました。委員ご指摘の児童虐待についても、その質が大きく変容しておりまして、対応する児童相談所も、従前の対応マニュアルでは間に合わなくなって、子どもを救えなくなってきている状態でございます。したがいまして、母子保健についても、社会のありようの変化に伴いまして、不断に修正、変革を求められるものだと私は考えております。  今後につきましては、委員の厳しいご指摘が何点もございましたが、私は率直に受けとめまして、職員、特に専門職の機能をさらに連動させ、そして、医療機関を初め関係機関としっかりと連携いたしまして、ハイリスクの親子だけではなく、札幌市に暮らすお母さん、子どもたちを支援し、守る、そのために時代に即応した母子保健体制のシステムを整備してまいりたいというふうに考えています。 ◆宮村素子 委員  ありがとうございます。  代表質問の中でも、かかりつけ医といったことがありまして、民間を活用できるもの、そういったことをどう取り込むかということ、これを時代の流れの中で考えるのも一つの考え方だというふうに思います。ただ、それをするに当たって、あくまでも、母子保健担当のこの部署では、どうしても母子を一体として見て必要な支援につなげる、どうやったらこれらが守られるかなのですね。母子一体として見て、そこでいい支援をすると。かかりつけ医ですと地域の小児科などを想像するわけですが、そこで見たときに、今のように行政の専門職がしっかりいるという状況ではありません。
     私も孫が病気で病院へ連れていったりしますけれども、医師から聞くのは、風邪だとかなんとか、この治療をしましょう、このお薬をこういうふうに飲ませてということだけで、きょうは母親が来ないけれども、どうしてなのとか、母子一体、家族一体で見るという視点はどうしても欠けますよ。そういう点で、民間を活用したときに、本当に母子一体と見る大事な根っこの部分を行政がしっかりと支えて、利用できるところは利用できる方法に持っていくようにしなければならないと思っているのです。  ですから、私は時代の変化とともに必要なことをすべきだということは否定しません。ただ、もっと行政の部分でしっかりしてもらわないと、データなり、今までの分析なり、そういうことをした暁でなければ安易にはできない、そんなふうに思っています。現状の中でもっと掘り下げた母子保健のあり方の再構築について、とにかく考えを示していただいて、みんなの声を入れて、そして、よりよいものにしていきたい、そんなふうに思っておりますので、鋭意頑張っていただきたいと思います。 ◆林家とんでん平 委員  それでは、私から、受動喫煙防止対策について伺いたいと思います。  この10月にたばこ税の値上げが実施されましたけれども、1本につき3.5円上がったとお聞きしまして、税として今までで最高の値上げだと。そして、1箱につき100円以上も上がったので、これをきっかけに禁煙をする人もふえたかなと思うのですね。私の知っている方も、これ以上、お金を出してもしょうがないだろう、じゃ、やめようという方が結構おります。そういうちょっとしたきっかけでおやめになる方が結構いると思うのです。反対に、2日前ですか、日本たばこ協会で発表がありましたけれども、9月の紙巻きたばこ販売数が374億本、これは、前年9月比で言いますと88%も増加したというのですね。みんな、かなり駆け込みで買ったということで、それはすぐのまないでしょうけれども、でも、それだけ皆さんは税に関してすごく気になっているところだと思うのです。  そこで、厚生労働省の研究班が、受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する成人は国内で毎年6,800人に上るという推計を発表しております。これは、実は、2009年の交通事故死亡者数が4,914人ですから、これを上回っているのですね。大変な数字かなと思うのです。そして、たばこの副流煙には多くの有害物質が含まれている、こう言われています。主流煙と比較すると、ニコチンが2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素が4.7倍、これだけあるのですね。増税で悩んで、有害物質で体がぜいぜい言って、両方でぜいぜい悩む、これは大変なことだと思うのですよ。  そこで、この数字から見ると、市民の健康を守る上で、受動喫煙防止対策というのは非常に重要であるなと思うのです。ことしの2月の厚生労働省の健康局長通知では、多数の方が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきとの方向性を示しております。これは前回お話ししましたけれども、特に官公庁や医療施設においては全面禁煙にすることが望ましい、そういうことをうたっております。  私は、平成22年第1回定例市議会予算特別委員会において、大きなやじの中で市公共施設の全面禁煙に対する考え方についてご質問させていただきまして、そのときの答弁としては、総務局、市民まちづくり局などの関係部局と連携して全庁的に検討を進めたい、こういうお答えをいただいておりました。そして、札幌市としては、この10月から、毎月3日をさっぽろMU煙デーと定めて受動喫煙防止キャンペーンを開始しました。これは、私も近くになってから知らされたので、ちょっと唐突だな、知らなかったなと思ったのですが、10月1日から3日間、アリオ札幌で行ったイベントには約9,000人の市民が来場されたとお聞きしております。これはかなりの人数かなと思います。そして、10月2日には、市長がさっぽろMU煙デー宣言を行いまして、市民一人一人が思いやりの心を持って取り組んでいくことが大切だと、そうやって市民に協力を直接呼びかけました。この取り組みにより、札幌市における受動喫煙防止対策が推進され、公共的な空間の全面禁煙化も進展することを期待しているところであります。  そこで、質問させていただきますが、まず、1点目は、庁内の関係部局とさまざまな検討を行った結果として今回のさっぽろMU煙デーに取り組むこととなったと推察しております。そこで、検討の視点を含めて、改めて、さっぽろMU煙デーの趣旨についてお聞きしたい、これが1点目です。  2点目は、アリオ札幌のイベントで大々的に市民周知がなされたかと思いますけれども、1回限りではなく、継続してさっぽろMU煙デーを普及啓発することが必要であると思うのです。市民の協力の輪を広げることが必須かなと思いますが、現在、さっぽろMU煙デーをどのように周知しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  受動喫煙防止対策についてお答えいたします。  1点目のさっぽろMU煙デーの趣旨についてですが、受動喫煙のない空気のきれいなまちを目指して、喫煙者、非喫煙者を問わず、すべての市民が受動喫煙防止対策の必要性を理解し、思いやりの心を持って一人一人ができることから行動することをねらいとしております。また、さっぽろMU煙デーを市民運動として広く周知をしていく上で、札幌市職員は率先して毎月3日に実践することとしております。  2点目の現在の周知方法についてでありますが、10月2日の市長によるさっぽろMU煙デー宣言をスタートに、本庁舎、区役所、保健所ではポスターの掲示とバナースタンドを設置し、普及啓発に努めております。また、ポスターの掲示に関しましては、市内の医療機関、美容室、大型スーパーなど約2,800カ所の関係団体や企業にご協力をいただき、広く市民へ周知しております。さらに、子どもの職業体験イベントのミニさっぽろ、札幌マラソンなどでの啓発に加えて、読売新聞と北海道新聞の大型ビジョンを活用いたしましてさっぽろMU煙デーを広報しているところでございます。 ◆林家とんでん平 委員  いろいろ対策をなさっていることと、趣旨とか、いろいろお聞きしましたが、受動喫煙を防止する最も適切な方法はやっぱり禁煙でしょうね。それから、次の方法としては完全分煙かなと思います。このことは、平成17年に札幌市が作成した受動喫煙防止対策ガイドラインに明記されております。最近、禁煙や分煙に配慮する店舗や企業も目立ってまいりましたけれども、いまだに喫煙を可能としている飲食店はまだまだ多い状態でしょうね。分煙と言われても、空間を仕切っただけで完全分煙というものとはほど遠い、そういうような状況がまだまだあると思います。  そこで、質問させていただきますが、喫煙者、非喫煙者を含むすべての市民を対象とすることはもちろんですけれども、企業の協力も得ながら社会的な運動となるようにさっぽろMU煙デーを広めていくことが必要と考えます。今後どのようにさっぽろMU煙デーを展開していくのか、これをお伺いしたいと思います。 ◎服部 母子保健担当部長  さっぽろMU煙デーの今後の展開についてお答えいたします。  まずは、多くの市民の皆さんにさっぽろMU煙デーを理解していただくことが必要でありますので、毎月3日には本庁舎や区役所などにおいて庁内放送による啓発を行ってまいりたいと考えております。また、11月には、ショッピングセンターなどの大型ビジョンでさっぽろMU煙デーに関する動画放映を予定しております。これから開催される雪まつりなどの各種イベントにおいても引き続き啓発してまいりたいと考えております。さらに、禁煙または完全分煙施設を認証する、ここから健康づくり応援団事業に登録している企業、店舗の拡大に努め、市民、企業、札幌市が一体となって受動喫煙を防止する機運を高めてまいりたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  本当に煙のない空気のきれいなまちを目指して、市民と企業、行政が一体となって推進してそういう方法を行ってほしいと思います。推進に当たっては、行政の役割はとても大きいと思います。公共施設のシンボル的な存在である本庁舎と区役所などでの実施は、まだ対策が講じられていない施設に対して率先して規範を示すこととなり、大きな推進力となると思います。  そこで、質問でございますが、本庁舎、区役所などの禁煙化については今後どのように進めていくお考えか、お伺いいたします。 ◎服部 母子保健担当部長  本庁舎、区役所の禁煙化の推進についてお答えいたします。(発言する者あり)  さっぽろMU煙デーの広がりとともに、本庁舎、区役所の禁煙化につきましては取り組まなければならない課題と認識しております。今後とも、関係部局との調整会議を継続いたしまして、できるだけ早い時期に建物内の禁煙化を図ることができるように鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  今、やめてという話が出ましたけれども、本当に、やめる、やめないということではなくて、両方の意見を聞きながら……(発言する者あり) ○三浦英三 委員長  発言を続けてください。 ◆林家とんでん平 委員  (続)例えば、第1定で私が質問して、その後に、議員の中でも禁煙した方が何人かおりますね。体の調子が悪いとかそういうこともありますけれども、そういういろいろな要素があって、お互いにそれぞれを気にしながら、例えば、今言っているさっぽろMU煙デーというのは、一日、そういう意識を持って生活しようじゃないかと、その提案がありました。それをどうやって広げていくか、ここがいいところだと思うのですよ。これをやらないで、ただもやもやと煙に巻くのはよくないわけです。  そういう面では、周知の仕方というのも、大型ビジョンでやるというお話もしていましたが、例えば地下街で放送をかけるとか、民間デパートの中の放送もございますね。そういうふうにお互いを気にしながら進めていただきたい、それを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆猪熊輝夫 委員  私の質問は、保健所と一般社団法人札幌市食品衛生協会との関係というか、役割、今後のありようというようなところで質問させていただきたいと思います。  食の安全の確保のために、保健所では、飲食店や食品工場の監視・指導などを行うとともに、食品衛生知識の普及啓発などを実施している。ざっと言いますが、一方で、昭和22年の食品衛生法制定を機にして、自主衛生管理を推進することを目的として、昭和23年には日本食品衛生協会が設立されて、札幌では昭和27年に札幌食品協会が設立され、昭和36年に札幌市食品衛生協会連合会が設立されています。そして、昨年の平成21年に一般社団法人化されている、こういう経過でございます。そんな中で、札幌市食品衛生協会は、食品衛生指導員を養成して、その指導員に委嘱しながら、会員施設を中心にして、年1回以上、巡回指導を実施している、こういう実態でございます。  そこで、質問ですけれども、札幌市内の飲食店や食品工場など営業許可を取得している施設数、そして、その中でも、食品衛生協会の会員の施設数というのはどんな状況になっているのか、さらにまた、食の安全確保に関して、保健所と協会の役割というものを少しわかりやすく説明いただければありがたい、こう思います。 ◎木田 食の安全担当部長  保健所と札幌市食品衛生協会の関係についてということで、1点目の営業許可等を取得している施設数と食品衛生協会の会員の施設数の実態についてでありますが、営業許可等を取得している施設数は平成21年度末で1万9,980施設であり、協会の会員施設数は8,339施設であります。  2点目の保健所と札幌市食品衛生協会の役割についてであります。  保健所は、食品の安全を確保し、市民の健康を保護するために、食品安全基本法や食品衛生法に基づきまして食品営業施設の許可事務及び監視・指導、食中毒調査、あるいは食品の抜き取り検査、市民や営業者への最新の食品衛生知識の啓発などを実施しているところでございます。一方、協会の方では、営業者の自主管理体制の確立を目指しておりまして、食品衛生指導員による会員施設を中心にした巡回指導を実施するとともに、市民や営業者へのわかりやすい食品衛生知識の普及啓発を行っているところでございます。また、協会は、食品営業施設に設置しなければならないことになっております食品衛生責任者の養成講習会など、札幌市が指定する事業も実施しているところでございます。 ◆猪熊輝夫 委員  そこで、協会は、いわゆる営業者や市民に有効な事業を実施する公益性のある団体であり、これまでも、組織や事業を見直して本当に自助努力をやってきておりまして、より効果的な事業を実施してきています。今後の事業の委託化などの方法もあるかと思いますが、札幌市はもっと連携を図り、支援すべきではないかと実は私は考えています。そして、保健所は、ホテル、大型スーパー、食品工場、中央卸売市場などの広域に流通する食品を取り扱う施設を重点監視施設として監視指導計画を定めて監視指導しております。したがって、一般の飲食店などでは、実は7年前から3年更新が6年から7年更新になってきておりますけれども、飲食店の更新時に6年から7年単位で監視という形で状況把握をし、指導しているということになります。しかし一方、協会は、主要事業でありますから、その巡回指導では一般の飲食店などを中心に、年1回以上、会員施設に助言、指導を行っておりまして、営業者に対する自主管理とかその促進など、欠くことのできないものになっています。要するに、一般飲食店では、この協会の巡回指導というのがとても役に立っているということを強調したいところであります。  しかし、実際に営業施設の協会加入というのは、今説明があったように4割強です。道の加入状況という点で言うと、全道的には約8割になっています。やはり、この加入率を高めて巡回指導する会員施設をふやすことは、札幌市の食の安心・安全という点で、市民はもちろん、札幌市を訪れる観光客へのおもてなしという観点からいってもとても大事なことではないかと受けとめさせていただいているところであります。  そこで、今後の協会との連携について、協会の会員の拡大などを含めて、札幌市がどのように考え、かかわっていこうとしているのか、そんな点について、いま一度お伺いいたします。 ◎木田 食の安全担当部長  今後の札幌市食品衛生協会との連携についてお答えいたします。  食の安全確保には、行政、営業者、市民にそれぞれの責務や役割があり、連携協力することが不可欠であると考えております。個々の営業者の責務といたしまして安全な食品を提供することは当然のことでありますが、協会が巡回指導などを通じて食に関する健康被害の未然防止を自発的に行うことは大きな意義があるものと認識しております。協会は、営業者の自主管理体制を推進する上で中心的な役割を担っている団体でありますことから、札幌市といたしましては、協会に対して、会員の拡大を含め、組織強化について指導・助言するとともに、今後も連携を図りながら食の安全確保を推進してまいりたいと考えております。 ◆猪熊輝夫 委員  いわゆる食の安全確保という点では、行政、事業者、市民のそれぞれの責務や役割があって、連携協働することは不可欠だというところをまず一つはしっかり押さえておきたい。  一方で、札幌市は、ここへ来て、ここ何年かを見てもおわかりいただけようかと思いますが、国際会議を積極的に誘致している、あるいは、最近では中国との関係でちょっと下火ですけれども、東南アジアを中心として観光客にとても多く訪れていただいている状況があります。そして、北海道の首都というような感じでの札幌に、新鮮でおいしい食を求めて国の内外を問わず多数の観光客が訪れるという、まさにみんなが誇りを持ったまちになっています。こういった状況から、食の安全・安心施策全体の積極的な展開については、市民や観光都市さっぽろとして受け入れる観光客の食への信頼という観点からも極めて重要ではないか、こう受けとめさせていただいているところです。  そこで、札幌市は、今後、食の安全・安心に係る施策について、どういうような展開をしていきたいと考えているのか。こんな点で、渡部医務監にぜひ最後を飾っていただこうと思います。僕はきょうは答弁がないのかなと思っていましたが、先ほどもご答弁されて二番せんじになりましたけれども、ぜひそういった点で決意のほどをお聞かせいただければと思います。 ◎渡部 保健福祉局医務監  お尋ねの今後の食の安全・安心に係る施策についてお答えいたします。  食の安全・安心の確保は、市民の暮らしの安全に寄与するばかりではなく、食産業、観光を支える大きな基盤でございます。したがいまして、より一層の食の安全・安心の確保を図るため、この3月に市民と有識者から成る外部委員会からいただいた提言を踏まえまして、現在、中長期的な食の安全確保に関する施策の基本的な計画の策定を進めておりまして、これに基づき、今後は総合的かつ計画的に実施してまいりたいというふうに考えております。 ◆猪熊輝夫 委員  そこで、提言という点での原案も見ましたけれども、本当に原点に返ってやらないと、今までの積み重ねの線上でとらえていくと成果はなかなか得られないのではないか、こう思うものですから、そんな点では、今までの発想を思い切って転換する決意で、医務監が、ここに来て、やっぱり大したものだと評価をいただけるように、まずひとつはよろしくお願いしたい。  それからもう一つは、僕は、札幌市がすべての登録施設に対して指導・助言をしていくことになれば陣容は大変なことになります。なぜそんなことを言うかというと、残念ながら仕分けで補助金カットということになっていますから、補助金がカットされたら、協会では一切そのことができないぐらい財源は本当に厳しい状況にあります。ですから、添加物だとか、医薬品だとか、産地偽装だとか、練り物の中身が違うのではないかとか、そういう極めて専門的で、極めて重要で、水際でしっかり食いとめなければいけない分野に重点を置いて札幌市が担う、そして、一方で、飲食店等の登録施設については協会の方で担っていただくような手法もあるのではないか。  なぜ、今、最後でそんなことを言ったかというと、仕分けという状況を背景にすれば、皆さん方はなかなかコメントがしづらかろうと思いますから、そういったこともしっかり踏まえて、この仕分け等に対して、これはいい機会を与えていただいた、ぜひこの機会に改めて問い直してみようというような気持ちで施策の修正、具現化をお願いしたい。  ちなみに、もう一つ言えば、実は、札幌市の場合、飲食店で登録手数料は1万2,200円ですけれども、道の場合は1万5,600円なのです。道の方が3,400円高い。事務局は、なかなかそうですかと認めないで、いろいろな条件があるのだ、郡部でのそれと集中したところではおのずと違うとかなんとかいろいろ熱弁を振るっていた。それもそうなのだろうなと思うけれども、しかし、密集した都市は都市ゆえに問題点もあるわけですから、全道的な金額と札幌市の金額のありようは本当にこれでいいのかどうかというようなところなどについても視点を当ててもらいたいものだなと。  そして、6年、7年に一遍行くよりも、毎年行くという方が、幾ら、あえてこの日に行きますよと言っても、緊張感を持って、年に一遍、振り返って、また頑張ろう、忘れていたことがあったかなというような形で安心・安全というものが向上していくと思います。そういう札幌市の飲食業になれば、札幌へ行って、食べるものはおいしいし、全く心配ないということで本当に自信を持って皆さんがお送りすることができるとすれば、旅行社各社に札幌市の取り組み状況をお伝えして、ぜひこれも売りにしてくださいと。あるいは、中国へ行けば皮肉に聞こえるかもしれないけれども、東南アジアのいろいろな国々へ行って、そういった点も皆さん自身がぜひ売っていただく、そして、本当にすばらしい思い出を持って帰っていただくような形の一翼を担うのだというぐらいの気概を持ってぜひ臨んでほしいということを申し上げて、終わります。 ○三浦英三 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は、次週19日火曜日午前10時から、建設局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時15分...