札幌市は、昭和47年の
政令指定都市への移行に前後して各種の
都市整備基盤を進める中、
図書施設につきましても、
利用者の増大に対応できるよう全域的な
図書館サービスを目指して
取り組みを進めてまいりました。具体的には、昭和51年の新
札幌市
長期総合計画で各区に
図書館を1館建設することとし、これに基づきまして
中央図書館と
地区図書館を建設し、分区に当たっても同様に
地区図書館を
設置してまいりました。その後、
生活圏の広がりも踏まえ、身近な場所でも利用できるようにと
地区センターに
図書室を
設置し、現在では、
中央図書館、
地区図書館、
区民センター図書室、
地区センター図書室等を合わせまして40を超える
図書施設を擁し、市域全体をカバーしております。また、これらの
図書室を
電算オンラインシステムと物流で結ぶ
ネットワーク化を行い、どの
図書施設でもほかから本を取り寄せることができるようにして、すべての
図書施設を一つの
図書館として
機能できるよう
取り組みを進めているところでございます。
◆しのだ
江里子 委員 ご答弁によりますと、これまで、本市においては、
中央図書館や
地区図書館の建設、
区民センター図書室や
地区センター図書室の
設置を進めて、さらに、これらの
施設の電算の
オンライン化による
図書館サービス網の
整備に努められてきた、そして、ますます
多様化、高度化する
情報社会に対応するために、この
サービス網の再
整備として、
サービスポイントの
充実を行い、
資料や情報の迅速で的確な提供とその蓄積など、
図書館機能全体の向上を図ることをより重要としてきたと思います。
質問ですが、
請願では、
図書館法に基づく
公立図書館、いわゆる
地区図書館を希望されていますけれども、
地区図書館と
地区センター図書室はどのように異なるのか、伺います。
◎
長谷川 中央図書館長 地区図書館と
地区センター図書室の違いでございます。
地区図書館は、
図書館法に基づきまして、
札幌市
図書館条例により
設置し、一方、
地区センター図書室は、その条例の
施行規則により
設置しております。また、実態としては、
延べ床面積、
蔵書の数、
職員数など規模が異なっております。
地区図書館は、基本的な
サービスとして、本の予約、
貸し出し、返却、
調べ物の相談などいわゆる
レファレンス、
読書会や展示などの
普及事業などを行っております。これらの
サービスは
地区センター図書室においても同様に行っておりまして、
図書館の基本的な
機能は
地区図書館も
地区センター図書室も同じでございます。
◆しのだ
江里子 委員 規模は異なるものの、
地区センター図書室は、
図書館機能を補完する
施設として
図書館サービス網に位置づけられている、そして、約3万冊の
蔵書を
整備し、
利用者への閲覧に対応し、市内すべての
蔵書の検索や
貸し出し、予約、
返却サービスを行い、配置された司書が
レファレンスに対応し、地区に密着した活動を実施していると思います。
そこで、また
質問ですが、
請願者は、
図書室は狭い、本も不十分だとおっしゃっておりますけれども、実態はいかがでしょうか。
もう1点、重ねて
質問させていただきます。
4年前の
陳情審査の際の
議事録を拝見させていただきましたけれども、それによりますと、
地区センター図書室は、実態として
図書館の
機能、役割に近づけており、今後も
環境の
整備に努めるとの答弁がありましたが、どのように近づいているのか、あわせて伺います。
◎
長谷川 中央図書館長 まず、実態の方からです。
地区図書館の
延べ床面積は平均1,200平米でございます。
地区センター図書室は平均で200平米でございます。ちなみに、藤野は251平米でございます。
蔵書の数は、
地区図書館が平均で8万冊、
地区センター図書室が3万3,000冊、藤野は4万冊でございます。
地区センターは、
子どもからお年寄りまであらゆる
年齢層の市民が活用できるよう、体育や
文化活動に対応した
総合施設でございますので、その関係で
図書室の
スペース自体は限定せざるを得ず、そうしたことから
地区図書館との規模の違いがございますが、
地区センター図書室は
地区図書館と同じ
機能を持っております。
次に、
機能の向上の点でございます。
図書施設の主な
機能は、本の予約、
貸し出し、返却、
調べ物の相談などへの対応、いわゆる
レファレンス、それから、
読書会や展示などの
普及事業でございます。このうち、本の予約、
貸し出し、返却につきましては、
図書施設を電算システムと物流で結ぶことで、
地区センター図書室でもほかの
図書室の
蔵書を利用できるようにしております。また、いわゆる
レファレンスにつきましては、従来から
地区センター図書室を
中央図書館がバックアップする体制をとっておりまして、これをよりスムーズにできるよう、関係する職員の
スキルアップ、
調べ物の手順の
工程表の作成、あるいは、書籍や
資料の
目録整備を進めてまいりました。さらに、
普及事業につきましても開催を奨励してきたところでございまして、
読書会や展示の件数も、
地区センター図書室全体で18年度と比較して21年度はおおむね倍増しているような状況でございます。
◆しのだ
江里子 委員 確かに、
蔵書数や
敷地面積とか司書の数などを
数字上で伺いますと、
地区図書館と比較いたしますと
地区センター図書室はその規模は小さいと思います。しかし、
ネットワークや
機能、役割で近づけているという姿も
先ほどのご答弁で見えてくると思います。
このような実態を踏まえて、
質問ですが、現在の
札幌市の
図書館行政についてどのように評価し、また、今回の
請願についてどのようにこたえていくのか、また、
地区図書館を1区1館から踏み出すおつもりはないのか、伺います。
◎
長谷川 中央図書館長 これまで、
札幌市では、
中央図書館を
センター館としまして、各区に
地区図書館を
設置し、このほか、身近な場所でも利用できるように
区民センターや
地区センターに
図書室を
整備し、全域的な
図書館サービス網を形成してまいりました。そして、どの
図書施設でもほかから本を取り寄せることができるよう
電算オンラインと物流で
ネットワーク化を図り、また、
レファレンスや
普及事業も
充実させて、
地区センター図書室も含めてどの
図書施設も同じ
サービスを提供できるよう努めてまいりました。
そうしたことから、今後は、量的な不足を補うというよりは、既存の
図書館サービス網の
機能をさらに発揮できるよう、
ソフト面の
充実をさらに進めていくことが必要と考えておりまして、1区1館の原則から踏み出すことは難しいと考えております。
◆しのだ
江里子 委員 札幌市の
図書館サービス網は市内に張りめぐらされており、同じ
サービスで、どこに住んでいても同じ条件で本の
貸し出しを受けることができるということはうれしいことです。
最後に、このような
図書館網がほかの
政令市ではどのようになっているのか、伺います。
◎
長谷川 中央図書館長 札幌市では、
中央図書館、
地区図書館、
区民センター図書室、
地区センター図書室、合わせて40を超える
図書施設によって
市内全域に
サービス網を形成しております。ほかの
政令市を見ますと、こういった
図書施設の数は、
札幌より
人口の多い横浜市では18カ所、名古屋市では21カ所、
札幌より少し
人口の少ない神戸で11カ所でございます。いずれも、
札幌の半分くらいか、あるいは半分以下でございます。また、これらの
都市には、身近な場所に
区民センター図書室や
地区センター図書室のような
施設はなく、こうしたことを見ますと、
札幌市ではきめ細かい
サービス網を積極的に進めてきた、このように認識しております。
◆しのだ
江里子 委員 感想です。
図書館整備としては、ほかの
都市と比べてもかなりきめ細かい
サービス網であることがわかりました。
本日、
請願者から、2008年度版の日本の
図書館という
資料を私たちはいただいておりますが、昨日、私は、2009年度の調査である
政令指定都市図書館調査というものを拝見いたしました。そうしますと、19市中で、
登録者数は、
請願者がお出しいただいたものによりますと2007年度6位であったものが昨年度は3位になっている、そして、
蔵書数も、前回の
資料では15位であったものが昨年は5位になっている、また、
貸し出し冊数も11位であったものが6位と大変健闘していると思いました。
市民活動の原点は、
好奇心とか知的な思いによって支えられています。
札幌市民がみずから学び、考え、創造する、より豊かな
市民生活を将来にわたって支えていくために、
図書館には、思想、文化、芸術など知の財産を組織化し、迅速かつ的確な提供を行う
機能がより一層求められています。これからの時代の変化に柔軟に対応できる
図書館サービスを実現していくことが必要です。
利用者の思いに少しでも近づけることができるよう、今後もさらなる
サービスの
充実に努めていただくことを求めて、私の
質問を終わります。
◆
飯島弘之 委員 私からも、今のしのだ
委員の
質問に大分重なる部分もありますが、改めて、幾つかお伺いさせていただきたいと思います。
また、きょう、
請願をいただきましたが、改めて、きょうお越しいただいている方々には、これまで
地域における
読書活動の普及に本当にご尽力いただいておりまして、そのことについて私からもまずもって敬意を表したいと思います。
ただ、実際に公的なこういった
施設をつくるという
お話になりますと、やはり、
一定の
基準を持って
設置をするべきであろうというふうに思います。
本市並びに今回問題となっております
藤野地域がその
基準を満たしていないということであるならば、これはやはり大きな問題であろうかと思いますし、解決に向けて真剣に議論していかなければならないだろうと思います。
そこで、
図書館というのは、
図書館法という上位の法律がまずあって、その下位に、きょうの
請願にもうたわれている
公立図書館の
設置及び運営上の望ましい
基準というものが設けられているわけであります。その
基準に照らして今回の
お話がどういうふうに理解できるのかということについて、ちょっと焦点を絞って私から
質問させていただきたいのであります。
まず、
文科省告示の望ましい
基準というものには、そもそもどういうことがうたわれているのか、その点をご説明いただきたいと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 文部科学省の望ましい
基準についてでございますが、この
基準は、
図書館法が施行されてから、
平成13年に初めて国の方で告示として示されました。この
基準は、
市町村が弾力的に運用できるように具体的な数値は示されておりません。内容としましては大きく二つございまして、一つは、
市町村は、
公立図書館の
設置に努めること、住民の
生活圏や
利用圏域を考慮して必要に応じて分館、
移動図書館を活用して
全域サービス網の
整備に努めるものと示しております。
二つ目としては、
図書館の
機能として、
図書の収集・提供、
調べ物の相談など、
レファレンスということでございます。それから、
三つ目としては、
読書会や展示などの
普及事業の開催を挙げておりまして、これらの
機能を発揮するための
施設整備を確保するよう努めるものと示してございます。
◆
飯島弘之 委員 まず、具体的な
数字は示されていないということで、非常に精神的なものになっているということからして、やはり、こういった問題が起きるのだろうなと。もっと具体的に、何名の
人口当たりにどうというような
数字の
基準が示されていればそれに照らして判断できたのだと思いますが、この
基準がそういったことになっていないということだと思います。
そこで、今の
お話の中で、この望ましい
基準は
平成13年度に示されていると。このときは、お聞きしますと、
札幌市では
図書館の
整備はおおむね済んでいるということだと思いますが、
基準に照らした場合に、その終わった段階での
図書館の行政というものについて、
先ほども若干同様の
お話がございましたけれども、改めて、どのような評価をされているのか、お伺いしたいと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 札幌市は、この告示が出る前の昭和51年の新
札幌市
長期総合計画で、1区1
図書館の考えを定めて建設を進め、さらに、
区民センター図書室、
地区センター図書室を
整備し、現在に至っては各区で平均4カ所の
図書施設を持つまでに至っております。
先ほどの望ましい
基準では具体的な
数字は出ておりませんでしたが、
考え方として
全域サービス網の
整備に努めるようにというものがございまして、そういった観点からすると実現してきているというふうに認識しているところでございます。
◆
飯島弘之 委員 一定の望ましい
基準を満たすべく
整備をしてきているという
お話でありました。
今回、
請願をいただいている中で、
政令指定都市図書館調査という
資料を添付していただいております。これを見ますと、他の
政令指定都市との比較が一目瞭然で出ております。特に、
図書館については、1
館当たりの
奉仕人口では17番目ということで、決して高い順位ではないなということを改めて勉強させていただきました。そのほかにも、
蔵書、
登録者、
貸し出し、
職員等のさまざまな項目の
資料が出ております。
札幌市の
図書館行政として、館数的には
一定のところを満たして全域をカバーしているという
お話でありましたが、今、
請願者の方々から示されたこの
調査資料も含めて、他の
政令指定都市の中での
札幌市の
充実度というものについて、改めて
札幌市としてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 指標はいろいろございまして、
蔵書数、
貸し出し冊数、
貸し出し登録者数という
数字が一般的によく使われております。2008年版の
資料が配られておりますが、21年度の統計で見て
政令市の中でどういうふうになっているかと申しますと、
蔵書の数は245万冊で5番目になっております。(発言する者あり)これは1人
当たりになっているものです。それから、
貸し出し冊数が758万冊で6番目でございます。
登録者数は61万人で3番目でございます。こういう重立ったものの総数で見ますと割と平均以上のところに行っているのかなというふうに考えております。
◆
飯島弘之 委員 重ねて
質問しますが、
図書館についての1
館当たりの
奉仕人口の最新の順位は何位なのですか。
◎
長谷川 中央図書館長 恐れ入りますが、最新の
数字はちょっと
手持ちにございませんけれども、大体この
数字に近いものだというふうに思います。
◆
飯島弘之 委員 今、大分、順位が上がった
数字をお示しいただきましたが、これは
図書館の
数字で筆頭にある項目なのに、わざわざ
お話しいただけなかったのはなぜかと思いましたけれども、お手元に
資料がないということでよろしいのですか。
◎
長谷川 中央図書館長 最新の状況になれば
人口は190万人を超えていると思います。これを10で割りますので、19万人ということなのでしょうけれども、ちょっと他
都市との比較は今の段階では
手持ちにございません。
◆
飯島弘之 委員 今、2008年度と2009年度の
数字を改めてお聞きしました。着実に改善はしてきている、努力をしていただいているということも一つ言えるのかなというふうに思っております。
図書館というのは、私も
学生時代から
大変お世話になっておりまして、特に、
大学時代は
図書館にこもってさまざまな論文などを書かせていただいたりしておりました。
図書館の役割や
機能というのはさまざまあると思います。
先ほど来の
お話の中で、確かに館数もふやしていただいて、しかも、
ネットワークでつながれていて、物流も
整備されていて、ない
図書はほかの区から取り寄せたりすることができるということで、
利便性を図っていただいていることは非常に評価できると思います。また、限られた財源の中での
整備でありますから、
一定の上限は当然あるのだと思います。
ただ、
図書館というのは、
請願者の
お話の中でもあったと思いますが、やはり、知をはぐくむといいますか、ただ
図書を調達できればいいという場だけではなくて、多くの
図書の中から選んだり、そこに迷い込むような中で自分の欲しい知識が載っている本を選び出す、そういった過程を通じてさまざまな
知的レベルが上がってくる、そういう貴重な場でもあろうかと思うのですね。
昨今、アマゾンなどで本を買いますと、この本を買った方は次にこういう本も買っていますというような非常に便利な
機能がついております。あれは、いいようで悪いようなことだなと思っていまして、安易にそちらに誘導されてしまうというか、
図書館の中で、自分でさまよいながら、こういった本もあるのか、この本にはこうしたことが書いてあって、こんな
考え方もあるのかという過程を通じることも大変大切なことであり、
図書館というのはそうしたことを改めて発見させてくれる場なのだろうと思います。ただ
利便性を追求して調達を簡便にするといいますか、そうしたことも大切である一方、やはり
一定の
蔵書を、しかも身近なところにしっかり備えている
環境をつくっていただくという観点も、
図書館ということでは非常に大事なことなのだろうと思います。そういう意味では、きょう
お話しいただいた方々の身近に
相当数の
蔵書を持った館が欲しいという切実な願いは、私も非常に十分理解できることだと思っております。
また、
皆様方もお気づきかと思いますけれども、昨今は本屋が大変減っているなと。私もお隣の
勝木委員も西区でありますが、西区は、特に
琴似地域を中心に大型の紀伊國屋とかくすみ書房とかいろいろありましたけれども、今は、全部、撤退してしまったり、ほかの
地域に移ってしまったり、また、
地域で何カ店かあった本屋も統合されてしまいました。そんなことで本屋も大変少なくなっておりまして、そういった状況にあるからこそ、今は公的な部分で
図書館の
整備を一層積極的にやっていただかなければいけない
環境にもあるというふうに思いますので、ぜひとも
充実を図っていただきますよう意見を申し上げさせていただきまして、私の
質問を終わらせていただきます。
◆
阿知良寛美 委員 私も、何点か
質問させていただきます。
初めに、きょうの
請願にありますように、長年、この
地域のために尽力されたことに対して、私も敬意を表したい、このように思います。
そこで、何点か
質問させていただきますが、きょうの
請願書の理由の4番目に文字・
活字文化振興法の記述がございます。2005年7月22日に
衆参両院において
全会一致でこの法律が可決されたわけでありますが、その理由として文字・
活字離れが一つあろうかと思います。そのために、いろいろデータをとっているところがあって、発表されるものを見ると、1カ月に一回も本を読まない
子どもや大人の数がふえていた、しかし、2000年を境に
子どもの
読書離れに歯どめがかかったというふうに言われています。その理由の一つは、学校で、朝10分間、みんなで本を読む運動が功を奏して、
活字離れに多少はストップがかかったと言われております。
この法律を見ますと、第1条、第2条には目的と定義がのっておりますが、第7条に、ここでも
お話があるように、
地域振興策について、
市町村は必要な数の
公立図書館の
設置に努めると。国、
地方公共団体は、司書の
充実を初め、
人的体制の
整備、
図書館資料の
充実、
情報化の
推進といった施策を講ずる、このように第7条にうたわれております。
そこで、
質問であります。
この法律に照らして
札幌市もこの
振興策に努めるべきだろうと思いますけれども、現在の
札幌市の
図書館の今の水準について、これは
先ほどの
質問と重なる部分もあると思いますが、どう認識をされているか、お伺いいたします。
◎
長谷川 中央図書館長 文字・
活字文化振興法に照らしてみて、
札幌市はどんな
取り組みをやっているかというご
質問かと思います。
振興法の中には、
市町村の責務としまして、
公立図書館の
設置に努める、
蔵書の
充実、
情報化の
推進に努める、そういったことが書かれております。
図書施設の
設置につきましては、
先ほどの答弁でも
お話しさせていただきましたように、
中央図書館、
地区図書館のほかに、
センター図書室を
設置しまして、全域に
図書館サービス網を
整備しているあんばいでございます。
蔵書の数も徐々にふやしておりまして、21年度末で245万冊、
情報化の
推進につきましても、本をどこの
図書室からでも利用できるよう
電算オンラインで結びまして、また、インターネットでも予約できるような状況にしております。そういったことからしますと、文字・
活字文化振興法で言うところの責務としましては
一定程度のところまで来ているというふうに考えております。
◆
阿知良寛美 委員 先月、9月30日に、第2次
札幌市
子どもの
読書活動推進計画が公表され、スタートしました。その理由としては、
子どもの
読書環境を
整備する施策を総合的かつ
計画的に
推進することを目的とする、
計画の目的にこう書かれております。
先ほど読書離れという
お話をしましたけれども、
札幌市の現状は、これは1カ月間に一度も本を読まない数だそうですが、小学校でいきますと、
平成16年9月の11.3%が、昨年10月の調査ですと5%と実に6.3%減っています。中学生におきましては、28%が11.9%で16.1%の減、高校生におきましては、16年9月現在の37.4%が28%と9.4%減っているということで、
環境を
一定程度整えれば本を読む、親しむ、そういう状況になるだろうと思うわけであります。
今回の
計画にもありますように、この
計画は22年度から26年度まで実施されるわけでありますが、その目標として、例えば、朝の読書の時間を100%にするとか、1人
当たりの
貸出冊数を13冊にするとか、それから、たしか
図書館と連携した学校では予約をできるのでしょうから、そういったものを100%にするとか、いろいろ施策を挙げられております。これはいずれも
札幌市の施策でありますけれども、そうした
環境を整えることからすれば、僕は
地域にある程度
図書館も必要だろうと思うのです。
今後、
札幌市として、
読書活動推進計画も
推進しなくてはいけない、そしてさまざまな皆さんの仕事もあるわけでありますが、どのように考えているのか、また、今後この
地域に
図書館を建設しようと思うのかどうなのか、その辺をはっきり聞かせていただければと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 今後の
図書館の
整備の
考え方、あるいは
図書館行政の進め方というふうにとらえたいと思います。
全域的な
サービス網をもうかなり進めてまいりましたので、そういうことを考えますと、
地区図書館を新たに
整備するというよりは、既存の
図書施設の
機能を十分発揮できるように
ソフト面の
充実をさらに図っていくことが必要ではないか、このように考えております。
先ほどの文字・
活字文化振興法の
お話からしましても、
ソフト面での部分も重要かと思います。例えば、
普及事業は、
子どもの
読書活動推進計画の中でも大事な観点かなと思いますが、
子どもたちが読書になじむ、あるいは読書習慣を身につけるという意味では、きっかけを持たせるためのいろいろな行事とかイベントとか、そういったものが必要かなというふうに思います。
ちなみに、直近では、
札幌市独自に10月9日を
札幌市家庭読書の日と定めましてフェスティバルを行う予定でございます。
また、文化
振興法で言うところの文字・活字文化の日を含めた
普及事業も展開するため、読書週間に合わせてそういったイベントをやろうということで
普及事業もさらに進めていかなければならないというふうに思っております。さらに、ソフトの関係では、蓄積した
図書を将来の市民にも引き継いで有効に活用してもらえるように、
図書に関する情報を皆様にしっかりと提供したいということで、目録情報の
整備とか検索しやすい
環境の
整備にも努めてまいりたい、このように思っております。
◆井上ひさ子
委員 私からも、何点か
質問したいと思います。
まず、3回目と、議会への繰り返しの陳情が出されまして、このたびは南区選出の全員が紹介議員で
請願として出されています。私ども日本共産党も賛同したいと思います。
請願されている皆さんは、28年間に及ぶ
図書館づくりの運動をされて、
先ほど来
お話がありましたけれども、
地域において、
子ども文庫を初め、
図書の普及、
地域のまちづくりに参加して頑張ってきました。今回の
請願者は、私は、いわば
図書館に対する最高の理解者だというふうに思うのです。
図書館行政に対する最高の応援団だというふうに私はこの方々の運動を通じて思っているのですが、
中央図書館長はどのようにお考えですか。
もう1点は、
先ほどの町内会連合会長の
お話もありました。一緒に
請願者になられ、
公立図書館を積極的に誘致していこうという
お話の中で、まちづくりの中にそれを位置づけていこうということですから、今回の
請願は、藤野地区の総意であって、また、南区選出議員の全員が紹介議員になっていて、
地域の総意ではないかと。
私はそんな内容を含んでいるのではないかと思うものですから、この辺についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 請願者の皆様が、このように
図書館の役割、
読書活動の普及について非常に熱心に活動され、非常に重要なものとお考えになって長い間
取り組みをされていることにつきましては、
図書館に従事しております我々としましても大変ありがたいことだと思っております。また、
地域の方々の熱い思いに、本当に心から深く敬意を表するところでございます。
札幌市では、これまでの答弁でも
お話しさせていただきましたが、
図書館の事業や
取り組みをいろいろ進めてまいりました。これも、市民の皆さんのご理解とご協力の中で進めてきたわけですが、今後も、
図書館サービスの
充実と
読書活動の一層の
推進に努めてまいりたい、このように考えております。
◆井上ひさ子
委員 地域の総意であって、28年間も
図書館が欲しいと、こういう運動をして、私は、本当に頭が下がりますし、これだけの運動があるわけですから、もう理屈をあれこれつけるのではなくて、やっぱりつくっていくべきではないかというふうに思います。
この
地域は、
地区図書館の利用が困難な
地域で、複数館が必要な
地域だということが、この間、議論の中でも出されておりました。私は、
先ほどの議論を聞いておりまして、
図書館も、集会室の
図書室も、基本的に同じ
機能を持っていて
サービスは実現してきているというようなご答弁がありました。でも、どんなに
地区図書館と連携をとってオンラインで
整備されても――
札幌市はそういう形の
サービスをずっと続けてきて、身近なところでだれもが借りられるような
サービスをやっていると言うのは私もわかるのです。しかし、
図書館と
図書室は違うのですよ。ですから、藤野に
地区センター図書室ができても、この会の方々のように、やはり本物の
図書館が欲しいという
利用者の気持ちは満足できないというふうに私は思っているのですね。
先ほど、他
都市との比較も出ました。でも、全区に、10区に20館の
図書館があって、
図書室ではなくて、そういうものがあって
図書室と連携をとっていくというなら私はわかるのです。やはり、こういうところについて言えば、地理的にも――今までは、40カ所以上のところで連携をとって
充実させて、
機能もある
一定のところまで来たというふうに思うのです。でも、これからは、やはり必要な
地域には
図書館を一つ一つ
整備していくのが大事になってきているというふうに思うのです。
この辺について、
先ほど来のご審議を聞いていたら大変消極的ですが、これについてだけ聞いておきたいと思います。いかがですか。
◎
長谷川 中央図書館長 これまで
お話しさせていただきましたとおり、
図書施設の配置につきましては、1区1館ということで配置し、さらに、より
生活圏が広がってきまして、いろいろなところでも皆さん方が身近に気軽にご利用いただけますように
図書室を配置して、それによって望ましい
基準で言っているところの全域的な
サービス網というものも展開してきております。さらに、
ソフト面でも、ご自分の
地域の
図書施設からほかの
図書館に対してこういった本を借りたい、見たいといったときにスムーズに本を借りられるような仕組みも既につくってございます。
そういった意味では、規模の大小はございますけれども、どの
図書施設も
図書館として同じ
機能を持って
サービスを提供させていただいていると考えておりまして、そういう一体的な
サービスをさせていただいている、このように思っております。そんな関係もありまして、量的な部分をどう補足するかというよりは、その
サービスの中身の方をさらに
充実させることで対応していきたいというのが現在の考えでございます。
◆井上ひさ子
委員 図書館法に基づく
図書館と、
図書室というのは、やっぱり違います。そして、
先ほども本の冊数などが出ましたけれども、8万冊と4万冊で4万冊も違うわけでしょう。だから、利用する方々にとってみれば、そこに行ったらいろいろな興味もわいてきて、そこの中から選べる、そういうふうに利用されていくように思うのです。ですから、オンラインを利用して貸したり返したり、それはスムーズにいっていると思いますけれども、本当に、読みたい、知りたい、聞きたいという関心には、
図書室でそれを補うことは中身的にもまだまだできないというふうに私は思うのです。
今回の
請願は、南区選出の全議員の紹介にもなっています。また、連合町内会の総意でもあります。やはり、
地域の文化の拠点、また、よりよい、住みよいまちづくりをしていきたいと、そういう中に公設の
図書館を据えていることが私はすごいことだというふうに思うのです。私は、これは
札幌の文化の水準を上げていくものだと思います。
きょうの議論では、前段で
図書館と
図書室が同等のような議論もちょっとありましたけれども、私は、全然違うことであって、28年に及ぶこういう方々の本物を求める運動というのは、本当に実現まで頑張っていける方々かなと思います。ですから、1区1館を超えて、やはり必要な
地域には
図書館をつくっていく、そういう方向でぜひ検討してください。
◆堀川素人
委員 僕からも、幾つか
質問をさせてもらいます。
実は、僕は、
地区センター図書室に何かを調べに行ったことは一度もありません。なぜならば、置いてある冊数からいっても、そこに行く気が余りしないのですよ。澄川にも行かないで、ほとんど
中央図書館に行き、
中央図書館の中で
調べ物をしてまいります。
なぜ行かないかといえば、まず、
蔵書数も明らかに少ない。調べようとしても、そこに
図書館司書みたいな人がいつもいるわけではない。そう考えたら、
公立図書館と
地区センターにある
図書室が同じレベルのものだとは全く思わない。それを同じだと言うのはまさに詭弁である、こう思いますよ。
今回、北大の方がノーベル賞を受賞した。こういうことなどを考えたら、特に
子どもなんかは知的なことにすぐにこたえてもらいたい、その興味をそこで膨らませたい、それが発見の喜びであって、勉強するきっかけになるのですよ。後から本を出してくれますよと。出してくれるでしょう、何時間かして。でも、それでは間に合わない。
我々だってそうです。忙しい中、そこに行くとするなら、確実にこたえてくれる確率が高いところに行きますよ。あなた方が答えているのは、本当に
公立図書館と
図書室が同じレベルのものだと思っているのですか。僕は、もう一回、それを確認したい。
◎
長谷川 中央図書館長 図書館の
機能につきましては、
先ほどお話しさせていただいたところでございますけれども、基本的な
機能としては、本の
貸し出し、返却、それから、来られた方がいろいろご
質問されたり
調べ物をするということで、そうした相談に応じるということがございます。それから、本の普及ということで、例えば、読み聞かせとか展示とか、大きくはこの三つが主な
機能でございます。この三つの
機能というのは、
地区図書館でも、
地区センター、
区民センターの
図書室でも同じ
機能を持ってやっております。また、司書につきましても、今、基本的には
地区センターの方にも司書を置きまして
レファレンス相談に対して応じるような体制をとっております。
確かに、規模の大きさということで、本の冊数は
先ほどご説明したように違います。すべてたくさんある本を読んでその中から選びたいという気持ちは私もわかりますが、
札幌市内にある40の
施設でもってそれを果たすのは現実的になかなか難しいものかなというふうに思います。そういったことで、ふだんはお近くの
地区センターでいろいろごらんになる、あるいは、場合によってさらにもう少し深いところをごらんになりたいときに
地区図書館あるいは
中央図書館もご利用いただく、そういった使い分けなどもしていただきながらご利用いただければありがたい、このように思っております。
◆堀川素人
委員 僕が聞きたいのは、質が同じかということなのですよ。質、
サービスです。基本的には同じことをやっているというのはわかりますよ。
図書館だもの、本を貸す。聞かれたら、司書がいれば、
図書館司書の人がその
レファレンスの中でもって手助けもする。それから、
図書に親しむという啓蒙もする。どれだけの質でやるかなのですよ。ただ、それをやっています、人がいますというだけで中身が伴わなければやっていないのと同じだ、極端に言えば。それをやっているからといって、
公立図書館並みの住民
サービスがきちっとできるかといったら、それは保証がないわけじゃないですか。だから、我々はそこに行かないのですよ、正直に言って。僕はそこから近いですよ、車なら5分か6分で行く。でも、そこに行かないのですよ。調べるときは、僕は
中央図書館に行く。それだけの
機能、質が保証されていないから行かないのですね。保証されているならば、わざわざ遠くに行く人はいないのです。多くの人方は、中途半端である、こう考えているわけですよ。
そうするならば、これは予算がないからできないのだ、本当はここまでやりたいのだけれども、できないのだというならば、この予算をどうやって生み出すかということを考えればいい。あなた方は、そうではなくて、基本的に同じようなことをやっているから十分なのだと。こういうふうにして考えたら、
公立図書館をつくろうなんて思いもしないわけだ。間に合っている、これで十分だと思っているわけですから。どっちなのですか。予算がないからできないのか、そもそも
図書室でやっていることと地区の
公立図書館は同じものであるから、むだだからやらないというのか、どっちなのですか。
◎
長谷川 中央図書館長 むだということではないのですが、我々が
図書館サービスを行っている中で、やはり、より多くの方に読書に触れる機会を持っていただきたい、このようなことで全域的な
サービスをしているわけです。その中で、
先ほども言いましたけれども、物理的に、例えば
中央図書館と同じように何万冊もの本をそれぞれの区に置くということは現実的な話ではないと思います。ただし、それをカバーするために、
先ほどから
お話しさせていただいたとおり、
地区図書館を置き、さらに
地区センター、
区民センターに
図書室を置き、規模は違いますけれども、そういったところでも同じような
サービス機能を持つことによって、さらに、
先ほども
お話しさせていただいたように、電算、イントラあるいはインターネットの予約など、そういういろいろなことを駆使しまして、ハード・ソフト両面からどなたでも
札幌市の
図書を借りられるような仕組みにしている、このように思っております。
◆堀川素人
委員 努力をしているというのは必ずしもわからないわけではないですよ。努力をして、少しでも住民
サービスをしよう、
図書行政を
充実していこうとやっているのはわかりますよ。でも、どのレベルに向かってやるのか、
札幌市の将来はどうあるべきなのか、
図書館行政としてどうあるべきなのかということで、極めてレベルが低い話をしているような気がする。1区1館、極端に言ったら20万人に1館ですよ。正確に言ったら19万人に1館ですか。こういうことでは、
札幌市の
図書館行政は
公立図書館においてほかの
都市から見てすぐれているなどとはだれも見えないのではないかな。
近くにあるということは極めて大事です。
地域的な中で、あそこの石山沿線地区というのは細長くなっていまして、この間も代表
質問で言いましたけれども、まちに出るのがほかの地区と比べて倍以上も高い、こういう
地域なのですよ。そこが文化的に置いていかれていいというものではない。そして、
子どもたちもそこで育っている。やはり、知的なレベルというのは我々
地域としても大変大事にしたいなと思っていますよ。そうするならば、あそこでもって本当にそれに応じられるような――
図書室が応じられると思いますか。
この
図書室ができたときには、今、運動をやっている藤野の方も
一定は喜んだ。けれども、正確ではないですが、ラーメンが出てくるかと思ったら乾パンが出てきた、同じ食うものでもえらく違うわいと。これは、本当の
図書館ではない、私たちが望んだ
図書館ではないのだ、こう言ってずっと運動を続けてきているわけです。そして、28年ですよ。
僕は、この運動自体は、
図書館ということに限らず、
地域力だと思っているのです。
公立図書館をつくるという知識だとかということについてはプロの人がいますから、
公立図書館は別な人がまたつくるのでしょう、つくるという意味ではね。ところが、今度、支えるという意味では、この
地域がこの
図書館を支えるのですよ。そうしたならば、僕はこの運動をむだにしたくない。こういうことを大事にしながら、行政と住民を両輪にして協力し合いながらというのは、こういうところからしかできないのですよ、効果的には。僕は、このことを忘れてはだめだと思う。
ぜひとも、今回については、本当に、まず一つは、
図書館のレベルということでは
図書室と
図書館は質的に全く違うものだということを認識してほしい。それから、
札幌市には、1区1館などというような、ある意味では時代おくれな
考え方はやめてほしい。そして、その線を突破したならば、
地域がこれほど望んでいるところにはやはり
図書館をつくってこたえるべきだ、こう思うのですけれども、どうですか、教育長。
◎北原 教育長
先ほど西区の書店の話がございました。大型の書店がふえてきて、
地域の本屋がなくなってきている状況というのは、私は非常に悲しい状況だと思っています。
地域の本屋が本当に身近な形で
地域の方々の文化的な情熱を受けとめながら展開していただいてきたことについて、とりわけ西区ではユニークな
取り組みなどをされて、小規模ながら本当に魅力的な
取り組みをされている、そういうことはすごく大事なことなのだというふうに思っております。
例えば、
札幌市の10館の
図書館、そして、それらを含む40の
図書施設トータルで考えていって、その
図書機能を
図書館に全部集約しますよということで、40ではなく、もっとより小さな数で、しかも、それぞれの
蔵書数を拡大してすべて
図書館ですという形で展開することもあり得たのかもしれません。けれども、
地域において、それぞれの方々が
図書の
機能をどう享受できるかということをできるだけ広範囲にわたって保証しようと考えていったときに、ある意味で他
都市で行われているように
図書館を中心にということがあるかもしれませんけれども、
札幌市の場合は、そういう展開の仕方ではなく、
地区センター図書室、
区民センター図書室という形で
整備をしていくのは一つの見識だったろうというふうに思っています。
地区図書館の平均は8万冊の
蔵書です。そして、藤野の
地区センター図書室の
蔵書はその半分の4万冊です。もし4万冊の
地区センター図書室を2カ所合わせれば、
図書館規模になるのかもしれません。しかし、そのことによって、より身近な
地域に展開されている文化的な拠点を集約していくことは、
先ほどの大型書店の登場によって
地域の書店がつぶれていっている状況と照らし合わせて考えていったときに、それはまたちょっと違う
考え方になるのではないかなというふうに私は思っています。
堀川
委員がおっしゃるように、
地域における
図書館をこれだけ大事にしよう、あるいは、これまで長年にわたってそれを支え、新たな展開を求めてきた、その
地域の方々の思いとか願いとか、これは物すごく大事なことだと思っています。そして、
図書館行政を支えていただき、それぞれの
図書館、
図書室を支えていただいているのは、そうした方々の文化的な意欲であり、そういったものに支えられているのだということは私も強く感じているところです。ただ、全市的な
図書施設の展開ということで考えていきますと、私は、
札幌市のこのやり方も一つの
考え方だということでご理解をいただきたいなというふうに思っているところです。
いずれにしても、今後、さらに
図書館、
図書施設の
充実に努めていかなければならないということは私どもも強く決意をしているところでございます。
◆堀川素人
委員 正確にはわかりませんけれども、およそ10年ぐらい前でしょうか、名前は言いませんが、
図書館長をやっていた方が、1区1館というのをこれから超えなければならないのですと、
委員会でこう発言しているのですよ。そこで、僕は、改めて、では、1区2館、ここに向かって行くのだね、そういうことです、こういう答えもしているのですよ。今、1区1館が
当たり前だ。正直に言って、やはりもう少し自信を持って受け答えをしなければだめだなと僕は思う。本当に失礼な言い方だけれども、あなたはどれほど
図書行政に対する理解を持ってその場に座っているのか、僕は大変疑わしいと思って聞いておりますよ。今みたいなこんな議論をしていてはだめなのですね。
子どもたちがたくさんいて、
子どもたちが勉強をする、その知識について、ある意味では飢えていますよ。これに対して、その知識を有効に与え、知に対する興味を抱かせるということは、我々はもう本当に何をおいてもしなければならぬことだな、こう思っているぐらいに大事ですよ。そして、
図書館にあるものは、我々が経験できない、一人の人間が経験できないものが、たくさんの人間の経験としてあそこにたくさんあるのですよ。こういうことに触れられるような
環境をつくらなくては、それに一生懸命やっていかなければならないと僕は思いますね。
あなたは、教育
委員会としても、お金がないからというようなことを、いかにも正しいことをやっているかのごとくに言っていますけれども、そういうことではないのですね。市民に対して本当のことをきちんと伝える。どうしてもお金がないのだ、今これで我慢してくれと言うならば、私はそれなりに評価できるけれども、質が違うものをやって、これでもって我慢してくれ、これが正しいやり方だみたいなことはやめてほしいということをお願いいたしまして、
質問を終わります。
◆三宅由美 議員 まず、私どものしのだ
委員の1区1館構想を踏み越えることができないかという
質問に大変そっけない答えだったことにがっかりしております。
私は、まず、
藤野地域に
図書館づくりをすすめる会の方々が、28年間にもわたり、
地域の
読書活動、さらには自然に親しむ活動など、
地域の中でさまざまな市民運動を行い、この
地域の中でしっかり根づいてきたことを、まず評価したいと思います。心から敬意を表したいと思います。
資料の中にもございましたふじの
図書館づくりをすすめる会通信、これも4月5日で既に96号を超えております。これほど長く続いている住民運動が本当にあるでしょうか。それから、これほど
地域に根差した活動をしてきたところが、ほかにあるかということに本当に着目していきたいと思っております。昭和58年の
請願時には何と70%の住民から署名をいただいている、このことを引き継ぎながら支えられてこの運動があったと私は思います。
そこで、
質問に移りたいと思いますが、
資料にございましたけれども、私たちの
藤野地域に望む
図書館、これをちょっと見ていただきたいと思います。
まず、この中で、特に4番目の記録、
資料の保存、郷土の文化、歴史の掘り起こし、保存など、こういうものを未来の
子どもたちに手渡す、このことを
地域の中できちんと担っていきたい、それからもう一つは、
利用者の声を聞く機会を設ける、そして、
地域の特性を生かした
図書館であること、私はこの三つに着目しているところです。
特に、今、南区は、まちづくりセンターの自主運営を行うところがたくさんふえまして、そして、連合町内会独自でこのような本を出しているところが、定山渓、簾舞などたくさんあります。藤野でもこういう動きがありまして、何とか昔の
資料が欲しいということでさまざまな
図書館をめぐって
資料をそろえている方々もいらっしゃいます。やはり、地元の中でこういう運動をしている人たちがいて、この
図書室が果たしてこういう活動をしている人たちに資する
図書館になっているのかどうか、私はこのことは非常に重要だと思っています。
それから、
利用者の声を聞く機会を設ける、このことは果たしてなされているのかどうか、このことが
図書室の中で行われているのかどうか、このことを聞きたいと思います。
次に、
地域の特性を生かした
図書館であること、これは非常に重要でして、やはり、
札幌市の中で、これだけ緑が豊かで住民に愛されている、その緑を守っていこう……
○
長内直也 委員長 三宅議員、
委員外でありますから、簡潔にお願いたします。会派としての
委員の意見はもう出ておりますから、お願いします。
◆三宅由美 議員 (続)はい。
それから、春の観音沢を歩こうということで、このような活動も行っております。そういう中で、さっき言った記録、
資料の保存、それから、
利用者の声を聞く、それから、
地域の特性を生かした
図書館であること、このことが果たして今の
図書室でできるのかどうか。
また、
札幌市は
地区センター図書室がありますが、それぞれの
地域で余りにも特徴がないと思うのです。区の
図書館もそうだと思います。特に、
地域の特性をどのように生かしていくか。そういうものがあったら、その
地域の人は出向いていくのですね。この
図書館に行けばこういうものが
充実しているとか、
図書室も含めて40館ある
図書施設それぞれに特徴があったら市民は出向いてでも行くと思うのですね。そのような考えがあるのかどうか、このことをお伺いしたいと思います。
◎
長谷川 中央図書館長 利用される方々の声は、
地区センター図書室も
地区図書館も司書を含めて職員がおります。いろいろな形を通して
お話はいただいております。
それから、
地域の特性を生かした
図書館、あるいは、特定の分野の本をそろえるというような
お話だったかなと思いますが、私どもの
図書館は公共
図書館でございます。大学の
図書館とか専門の
図書館とは異なりますので、特定のテーマに沿ったものばかりをそろえることは難しいかと思います。やはり、公共
図書館ですから、いろいろな方々のニーズにこたえるために幅広い分野の本をそろえているところでございます。
ただ、郷土
資料とか
地域の
資料集というのは大切なものですから、そういったものを収集、保存していくことは望ましいことでございます。程度の差はありますけれども、例えばそういったコーナーを設けるなど、工夫によってはその
地域の特性を生かしたことができるのではないか、このように考えております。
◆三宅由美 議員
札幌市は、住民自治を大切にする、そして、この市民自治をさらに
推進していくということ、それから、文化の薫る
都市を目指す、そういう大きな方向がございます。この二つをしっかり満たすためにもこのような要望にしっかりこたえていただきたいと思います。
◆宗形雅俊 議員 私も番外でございますので、簡潔に
質問していきたいと思います。
まずは、今回、私も紹介議員の一人として1点だけ
質問したいと思います。
私どもの飯島
委員からも
質問があったところでございますが、私も今のやりとりを聞いていて、教育
委員会の管轄の
中央図書館ということでどうしても
図書館機能の話ばかりになっていると思うのです。しかし、今回
請願されている方々は、それを通じながら、もう一つ、立場がちょっと違うのではないのかなと。公立の
図書館を
充実させながら、
地域なり、またまちづくり、こういったものも広げていこうという思いがあるのではないかと思っているわけでございます。
ただ、段々のやりとりの中でいきますと、
図書館の質ということで、当然そういった議論も必要でしょうけれども、それを介してさらにいろいろなことをやっていこうと。これは私の勝手な視点ですが、先日、事業仕分けがありました駒岡の保養センターも、あの
施設ができたときに
地域のコミュニティづくりというものに発展していっている事実もあるわけです。今、三宅議員も言いましたように、
図書館を通じて、
地域のコミュニティー、また
地域力、特に自然、ネーチャーという部分も一つのキーワードになるかもしれませんが、そういったさまざまなものに広げていこうという思いが私には伝わってきます。
そういった意味で、
図書館を中心とした
地域づくり、まちづくりをどう考えているのか、そういった視点に立ってこういうものを考えていけないのかどうか、この辺についてお尋ねいたします。
◎
長谷川 中央図書館長 市民の方々は、
図書室を利用されて本を読んだり、あるいは、私どもの方でも、
読書会とか展示などいろいろ行事もやっております。そういった中で、文化や芸術と出会ったり、学習をしたり、あるいは、いろいろな方と出会ったりといったことがございます。また、みずから学習したり、あるいは、広くいろいろな情報を得るといったことができているのかなというふうに思います。そういった意味で、
図書施設は、市民の方々のさまざまな活動に対して知識を得たり情報を得たり、そういう観点で側面から支えている
機能を果たしているというふうに思っております。
一方、
地区センターには
図書室がございますけれども、
地区センターの方は、そういった観点からしますと、さらに、お年寄りから
子どもまで、非常にさまざまな年齢の方が
文化活動をしたり、あるいは、スポーツを通じてコミュニケーションを図ったり、いろいろ交流をしたり、そういったこともできるという意味では本当にまちづくりの大きな拠点の一つではないかなと思います。今現在、
地区センターには
図書室も入っておりますが、
図書室も特に知識あるいは情報といった観点でそういった活動の支援を果たしている、果たしていきたい、このように思います。
◆高橋功 議員 私も文教
委員外ですから、簡潔に
お話し申し上げます。
先ほど我が公明党の阿知良
委員からも我が会派の
考え方については
お話ししたところでありますので、私からは、
先ほど来ありますように、南区内の全議員が紹介議員にさせていただいているという意味も含めてちょっと発言させていただきたい、こう思っております。
先ほど来の議論を聞いておりましても、やはり、私は、教育
委員会というか、
中央図書館長が答弁されているけれども、
札幌市側のお考えには1区1館というのがどうも大変強くあるというふうに思います。それで、
先ほど来、各
委員からも、違うだろう、
地区センター図書室は
図書館ではないのだ、この大きな190万人を超える
札幌市で
図書館が10館というのは、これで十分かというやりとりがあったと思うのです。やはり私も思いますが、たまたま
請願の表題が
藤野地域に
公立図書館設置を求める
請願となっているから、ともすれば、だれもそういう発言をしなかったけれども、黙って聞いていた方は、何だ、藤野の
地域エゴじゃないのかと、こういうふうに思われたら、違うと私はあえて申し上げたい。そういう単純な話ではないのですよ。藤野に住んでいる人たちが、私たちの
地域に
図書館をつくってくださいと、そういう単純な
地域エゴの話を申し上げているのでは決してありません。そうではなくて、これは、
札幌市にもっと
公立図書館をふやしてくださいという
請願です。まず、こうとらえていただきたい。
もちろん、歴史的に、20何年来、最初に
札幌市議会に出されたころから27〜28年ですが、その前からずっと30年を超える長い歴史があり、そして、南区の
藤野地域の
地域性がやはりありますよ。それから、今の
人口構成の問題もさまざまありますが、その藤野の方々が本当に真剣になって声を上げている、ここをぜひとらえていただきたいし、最初にこういう
請願を上げたのもこの方々であるということもぜひご理解をいただきたい。
そこで、もう一度、私からも同じ
質問になるかもしれないけれども、1区1館ということに余りこだわらない、ぜひここについて答弁をいただければありがたい。
◎
長谷川 中央図書館長 札幌市では、
図書館はもとより、さまざまな公的
施設が市内にいろいろあると思います。これからも、そういった
施設を
整備したり、あるいは
充実を図っていくことを考えますと、
図書施設だけではなくて、それ以外のことも踏まえて考えていく必要があるかな、このように思います。そういった中で、今進めております
図書館のハード面、
ソフト面といったものは、一つ、例えば
政令市と比較しても
一定程度のところまで来ているのかな、今後はそれをさらに
充実させていければなと、このように思います。
◆高橋功 議員 私は、この
請願が一つ大きなきっかけになると思っているし、ぜひこれを一つの契機に本当に議論をしなければと。
札幌全体にかかわることであって、
図書館のみならずかもしれないけれども、きょうは
図書館のことですが、私は議論していかなければならないと思っておりますので、きょうはここで終わります。
◆猪熊輝夫 議員 昭和58年当時の紹介議員は、今、現職では僕しかおりませんので、ちょっと長くなるかもしれませんが、できるだけ短くやりますのでご協力をお願いしたいと思います。
実は、今の教育長を初め、
図書館関係者の皆さんは、区の
図書館というのはどういう
計画を持って各区に1館配置されたか、具体化していったかということはほとんど知らないのではないかという感じがしてなりません。どういうことかというと、各区1館にするという方向は出された。しかし、どこへ配置をするかというのは各区に任せたのですね。任せました。だから、南区の区役所は、澄川連合会に、
図書館と体育館と
地区センターとあるけれども、どれが欲しいとやった。そうしたら、澄川連合会は
図書館を欲しいとなった。川沿
地域は体育館が欲しいとなった。そういうような経過だから、実は南区の北東側にできてしまった。隣の西岡にも
図書館がある。だから、上から
図書館の配置実態を見たときに、無
計画に各区1館なのですよ。
そのことによって、実は、南区というのはほかの区と違って――ほかの区は碁盤の目を基本にして道路網が
整備されている。ところが、南区は、けもの道とまで言うと失礼だけれども、本当に歴史的に230号線と453号線、支笏湖線が軸になって道路網になっていないのですよ。だから、澄川の
図書館に来るのでも1,000円かかるのだということです。さらに、公的乗り物は2回も3回も乗り継いで、澄川の地下鉄の駅でおりたら、やや歩くような位置になっているのですよ。なおかつ、南区の
地域というのは、
札幌市の2分の1以上ある行政区域ですよ。そういうような状況の中で、本当に、せめてもう1館と。だから、全区でどうこうとかなんとかと話を大きくしてそれは無理と言わないでほしい。
そして、定山渓沿線などは豊平川と本当に豊かな緑に囲まれているから、どんな
図書館かと言ったら、
資料として提出された8番などの意見が本当に具体的に出てくるのですね。そのことでは、今の吉野さんを中心にした会は本当に勉強していらっしゃる。大学の先生の協力をいただいたり、専門的な先生の協力をいただいて、山に入ったり、川沿いを歩いたりということで本当に勉強して、そして、もう少し知りたいね、しかし、身近に
資料がないねというようなところから、こういう希望が具体的に出てきているということを一つは押さえてほしい。
それから、自分たちが決して無理なことを言っていないという28年前の
お話は、この人方は本当に勉強していらっしゃって、
政令市ばかりではなく、全国津々浦々の特徴的な
図書館、あるいは、政令
都市の数などを含めて本当に勉強していて、せめてという形でこういう要求が出ているということをやっぱり受けとめてほしい。だから、やっぱり、
図書室でなく
図書館だというところは、いろいろな集いをやったりしたことを含めて、吉野さんが代表して
お話しされたとおりの状況で、切実に訴えていらっしゃるということをぜひ受けとめてほしいと思います。女性の方の年齢に触れるのは失礼かもしれないけれども、28年たった今、多くの方が70代になった、あるいは、70代になりつつあるということで、私たちの目の黒いうちに、せめて
子どもや孫のために残してあげたいという本当に胸が詰まるような話までされるのです。そういうように、真剣に学んでここまで来て、広い活動として連合会まで説いて、
地域全体のものとしてさらに強固なものとしてここへ声を上げてきています。
そういう経過をしっかり受けとめていただいて、1区1館で、質を含めて――ネットをしていますと、建前で聞いたらもっともだな、そのとおりだなと思うけれども、その実態の歴史的経過を説いていけば、少し考えてもいいなというような方向ぐらいは出ていいのではないかと僕は思う。しかし、今までの答弁からいって、僕のこういった意見で言うわけにはいかなかろうと思うから、ぜひひとつ、私たちの多くの皆さんのご意見を受けとめていただいて、この
請願の趣旨、願意について重く受けとめていただいて、汗を流してほしいということを強く求めて、終わります。
○
長内直也 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
それでは、
請願の取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」「採決」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 意見が分かれておりますので、改めて、お諮りいたします。
請願第6号を継続審査とすることに賛成の
委員の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
○
長内直也 委員長 賛成多数であります。
よって、
請願第6号は、継続審査と決定されました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時38分...