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平成22年(常任)文教委員会−10月07日-記録

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  1. 札幌市議会 2010-10-07
    平成22年(常任)文教委員会−10月07日-記録


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    平成22年(常任)文教委員会−10月07日-記録平成22年(常任)文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成22年10月7日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分 ○長内直也 委員長  ただいまから、文教委員会を開会します。  報告事項は、特にございません。  なお、請願者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  請願第6号 藤野地域公立図書館設置を求める請願を議題といたします。  請願者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時       再 開 午後1時15分     ―――――――――――――― ○長内直也 委員長  委員会を再開いたします。  質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  28年にわたり、地域子どもたちに本を通して心豊かに育ってほしいと願われ、始められた文庫活動を母体に、地域における図書館のあり方について活動されてこられた皆様の熱意には、高く敬意を表するものです。  このたび、3度目の陳情、請願審査ということですが、まず、札幌市ではこれまで図書施設をどのように整備されてきたのか、基本的な考え方を伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  基本的な考え方ということでございます。
     札幌市は、昭和47年の政令指定都市への移行に前後して各種の都市整備基盤を進める中、図書施設につきましても、利用者の増大に対応できるよう全域的な図書館サービスを目指して取り組みを進めてまいりました。具体的には、昭和51年の新札幌長期総合計画で各区に図書館を1館建設することとし、これに基づきまして中央図書館地区図書館を建設し、分区に当たっても同様に地区図書館設置してまいりました。その後、生活圏の広がりも踏まえ、身近な場所でも利用できるようにと地区センター図書室設置し、現在では、中央図書館地区図書館区民センター図書室地区センター図書室等を合わせまして40を超える図書施設を擁し、市域全体をカバーしております。また、これらの図書室電算オンラインシステムと物流で結ぶネットワーク化を行い、どの図書施設でもほかから本を取り寄せることができるようにして、すべての図書施設を一つの図書館として機能できるよう取り組みを進めているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  ご答弁によりますと、これまで、本市においては、中央図書館地区図書館の建設、区民センター図書室地区センター図書室設置を進めて、さらに、これらの施設の電算のオンライン化による図書館サービス網整備に努められてきた、そして、ますます多様化、高度化する情報社会に対応するために、このサービス網の再整備として、サービスポイント充実を行い、資料や情報の迅速で的確な提供とその蓄積など、図書館機能全体の向上を図ることをより重要としてきたと思います。  質問ですが、請願では、図書館法に基づく公立図書館、いわゆる地区図書館を希望されていますけれども、地区図書館地区センター図書室はどのように異なるのか、伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  地区図書館地区センター図書室の違いでございます。  地区図書館は、図書館法に基づきまして、札幌図書館条例により設置し、一方、地区センター図書室は、その条例の施行規則により設置しております。また、実態としては、延べ床面積蔵書の数、職員数など規模が異なっております。地区図書館は、基本的なサービスとして、本の予約、貸し出し、返却、調べ物の相談などいわゆるレファレンス読書会や展示などの普及事業などを行っております。これらのサービス地区センター図書室においても同様に行っておりまして、図書館の基本的な機能地区図書館地区センター図書室も同じでございます。 ◆しのだ江里子 委員  規模は異なるものの、地区センター図書室は、図書館機能を補完する施設として図書館サービス網に位置づけられている、そして、約3万冊の蔵書整備し、利用者への閲覧に対応し、市内すべての蔵書の検索や貸し出し、予約、返却サービスを行い、配置された司書がレファレンスに対応し、地区に密着した活動を実施していると思います。  そこで、また質問ですが、請願者は、図書室は狭い、本も不十分だとおっしゃっておりますけれども、実態はいかがでしょうか。  もう1点、重ねて質問させていただきます。  4年前の陳情審査の際の議事録を拝見させていただきましたけれども、それによりますと、地区センター図書室は、実態として図書館機能、役割に近づけており、今後も環境整備に努めるとの答弁がありましたが、どのように近づいているのか、あわせて伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  まず、実態の方からです。  地区図書館延べ床面積は平均1,200平米でございます。地区センター図書室は平均で200平米でございます。ちなみに、藤野は251平米でございます。蔵書の数は、地区図書館が平均で8万冊、地区センター図書室が3万3,000冊、藤野は4万冊でございます。地区センターは、子どもからお年寄りまであらゆる年齢層の市民が活用できるよう、体育や文化活動に対応した総合施設でございますので、その関係で図書室スペース自体は限定せざるを得ず、そうしたことから地区図書館との規模の違いがございますが、地区センター図書室地区図書館と同じ機能を持っております。  次に、機能の向上の点でございます。  図書施設の主な機能は、本の予約、貸し出し、返却、調べ物の相談などへの対応、いわゆるレファレンス、それから、読書会や展示などの普及事業でございます。このうち、本の予約、貸し出し、返却につきましては、図書施設を電算システムと物流で結ぶことで、地区センター図書室でもほかの図書室蔵書を利用できるようにしております。また、いわゆるレファレンスにつきましては、従来から地区センター図書室中央図書館がバックアップする体制をとっておりまして、これをよりスムーズにできるよう、関係する職員のスキルアップ調べ物の手順の工程表の作成、あるいは、書籍や資料目録整備を進めてまいりました。さらに、普及事業につきましても開催を奨励してきたところでございまして、読書会や展示の件数も、地区センター図書室全体で18年度と比較して21年度はおおむね倍増しているような状況でございます。 ◆しのだ江里子 委員  確かに、蔵書数敷地面積とか司書の数などを数字上で伺いますと、地区図書館と比較いたしますと地区センター図書室はその規模は小さいと思います。しかし、ネットワーク機能、役割で近づけているという姿も先ほどのご答弁で見えてくると思います。  このような実態を踏まえて、質問ですが、現在の札幌市の図書館行政についてどのように評価し、また、今回の請願についてどのようにこたえていくのか、また、地区図書館を1区1館から踏み出すおつもりはないのか、伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  これまで、札幌市では、中央図書館センター館としまして、各区に地区図書館設置し、このほか、身近な場所でも利用できるように区民センター地区センター図書室整備し、全域的な図書館サービス網を形成してまいりました。そして、どの図書施設でもほかから本を取り寄せることができるよう電算オンラインと物流でネットワーク化を図り、また、レファレンス普及事業充実させて、地区センター図書室も含めてどの図書施設も同じサービスを提供できるよう努めてまいりました。  そうしたことから、今後は、量的な不足を補うというよりは、既存の図書館サービス網機能をさらに発揮できるよう、ソフト面充実をさらに進めていくことが必要と考えておりまして、1区1館の原則から踏み出すことは難しいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市の図書館サービス網は市内に張りめぐらされており、同じサービスで、どこに住んでいても同じ条件で本の貸し出しを受けることができるということはうれしいことです。  最後に、このような図書館網がほかの政令市ではどのようになっているのか、伺います。 ◎長谷川 中央図書館長  札幌市では、中央図書館地区図書館区民センター図書室地区センター図書室、合わせて40を超える図書施設によって市内全域サービス網を形成しております。ほかの政令市を見ますと、こういった図書施設の数は、札幌より人口の多い横浜市では18カ所、名古屋市では21カ所、札幌より少し人口の少ない神戸で11カ所でございます。いずれも、札幌の半分くらいか、あるいは半分以下でございます。また、これらの都市には、身近な場所に区民センター図書室地区センター図書室のような施設はなく、こうしたことを見ますと、札幌市ではきめ細かいサービス網を積極的に進めてきた、このように認識しております。 ◆しのだ江里子 委員  感想です。  図書館整備としては、ほかの都市と比べてもかなりきめ細かいサービス網であることがわかりました。  本日、請願者から、2008年度版の日本の図書館という資料を私たちはいただいておりますが、昨日、私は、2009年度の調査である政令指定都市図書館調査というものを拝見いたしました。そうしますと、19市中で、登録者数は、請願者がお出しいただいたものによりますと2007年度6位であったものが昨年度は3位になっている、そして、蔵書数も、前回の資料では15位であったものが昨年は5位になっている、また、貸し出し冊数も11位であったものが6位と大変健闘していると思いました。  市民活動の原点は、好奇心とか知的な思いによって支えられています。札幌市民がみずから学び、考え、創造する、より豊かな市民生活を将来にわたって支えていくために、図書館には、思想、文化、芸術など知の財産を組織化し、迅速かつ的確な提供を行う機能がより一層求められています。これからの時代の変化に柔軟に対応できる図書館サービスを実現していくことが必要です。利用者の思いに少しでも近づけることができるよう、今後もさらなるサービス充実に努めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆飯島弘之 委員  私からも、今のしのだ委員質問に大分重なる部分もありますが、改めて、幾つかお伺いさせていただきたいと思います。  また、きょう、請願をいただきましたが、改めて、きょうお越しいただいている方々には、これまで地域における読書活動の普及に本当にご尽力いただいておりまして、そのことについて私からもまずもって敬意を表したいと思います。  ただ、実際に公的なこういった施設をつくるというお話になりますと、やはり、一定基準を持って設置をするべきであろうというふうに思います。本市並びに今回問題となっております藤野地域がその基準を満たしていないということであるならば、これはやはり大きな問題であろうかと思いますし、解決に向けて真剣に議論していかなければならないだろうと思います。  そこで、図書館というのは、図書館法という上位の法律がまずあって、その下位に、きょうの請願にもうたわれている公立図書館設置及び運営上の望ましい基準というものが設けられているわけであります。その基準に照らして今回のお話がどういうふうに理解できるのかということについて、ちょっと焦点を絞って私から質問させていただきたいのであります。  まず、文科省告示の望ましい基準というものには、そもそもどういうことがうたわれているのか、その点をご説明いただきたいと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  文部科学省の望ましい基準についてでございますが、この基準は、図書館法が施行されてから、平成13年に初めて国の方で告示として示されました。この基準は、市町村が弾力的に運用できるように具体的な数値は示されておりません。内容としましては大きく二つございまして、一つは、市町村は、公立図書館設置に努めること、住民の生活圏利用圏域を考慮して必要に応じて分館、移動図書館を活用して全域サービス網整備に努めるものと示しております。二つ目としては、図書館機能として、図書の収集・提供、調べ物の相談など、レファレンスということでございます。それから、三つ目としては、読書会や展示などの普及事業の開催を挙げておりまして、これらの機能を発揮するための施設整備を確保するよう努めるものと示してございます。 ◆飯島弘之 委員  まず、具体的な数字は示されていないということで、非常に精神的なものになっているということからして、やはり、こういった問題が起きるのだろうなと。もっと具体的に、何名の人口当たりにどうというような数字基準が示されていればそれに照らして判断できたのだと思いますが、この基準がそういったことになっていないということだと思います。  そこで、今のお話の中で、この望ましい基準平成13年度に示されていると。このときは、お聞きしますと、札幌市では図書館整備はおおむね済んでいるということだと思いますが、基準に照らした場合に、その終わった段階での図書館の行政というものについて、先ほども若干同様のお話がございましたけれども、改めて、どのような評価をされているのか、お伺いしたいと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  札幌市は、この告示が出る前の昭和51年の新札幌長期総合計画で、1区1図書館の考えを定めて建設を進め、さらに、区民センター図書室地区センター図書室整備し、現在に至っては各区で平均4カ所の図書施設を持つまでに至っております。先ほどの望ましい基準では具体的な数字は出ておりませんでしたが、考え方として全域サービス網整備に努めるようにというものがございまして、そういった観点からすると実現してきているというふうに認識しているところでございます。 ◆飯島弘之 委員  一定の望ましい基準を満たすべく整備をしてきているというお話でありました。  今回、請願をいただいている中で、政令指定都市図書館調査という資料を添付していただいております。これを見ますと、他の政令指定都市との比較が一目瞭然で出ております。特に、図書館については、1館当たり奉仕人口では17番目ということで、決して高い順位ではないなということを改めて勉強させていただきました。そのほかにも、蔵書登録者貸し出し職員等のさまざまな項目の資料が出ております。  札幌市の図書館行政として、館数的には一定のところを満たして全域をカバーしているというお話でありましたが、今、請願者の方々から示されたこの調査資料も含めて、他の政令指定都市の中での札幌市の充実度というものについて、改めて札幌市としてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  指標はいろいろございまして、蔵書数貸し出し冊数貸し出し登録者数という数字が一般的によく使われております。2008年版の資料が配られておりますが、21年度の統計で見て政令市の中でどういうふうになっているかと申しますと、蔵書の数は245万冊で5番目になっております。(発言する者あり)これは1人当たりになっているものです。それから、貸し出し冊数が758万冊で6番目でございます。登録者数は61万人で3番目でございます。こういう重立ったものの総数で見ますと割と平均以上のところに行っているのかなというふうに考えております。 ◆飯島弘之 委員  重ねて質問しますが、図書館についての1館当たり奉仕人口の最新の順位は何位なのですか。 ◎長谷川 中央図書館長  恐れ入りますが、最新の数字はちょっと手持ちにございませんけれども、大体この数字に近いものだというふうに思います。 ◆飯島弘之 委員  今、大分、順位が上がった数字をお示しいただきましたが、これは図書館数字で筆頭にある項目なのに、わざわざお話しいただけなかったのはなぜかと思いましたけれども、お手元に資料がないということでよろしいのですか。 ◎長谷川 中央図書館長  最新の状況になれば人口は190万人を超えていると思います。これを10で割りますので、19万人ということなのでしょうけれども、ちょっと他都市との比較は今の段階では手持ちにございません。 ◆飯島弘之 委員  今、2008年度と2009年度の数字を改めてお聞きしました。着実に改善はしてきている、努力をしていただいているということも一つ言えるのかなというふうに思っております。  図書館というのは、私も学生時代から大変お世話になっておりまして、特に、大学時代図書館にこもってさまざまな論文などを書かせていただいたりしておりました。図書館の役割や機能というのはさまざまあると思います。先ほど来のお話の中で、確かに館数もふやしていただいて、しかも、ネットワークでつながれていて、物流も整備されていて、ない図書はほかの区から取り寄せたりすることができるということで、利便性を図っていただいていることは非常に評価できると思います。また、限られた財源の中での整備でありますから、一定の上限は当然あるのだと思います。  ただ、図書館というのは、請願者お話の中でもあったと思いますが、やはり、知をはぐくむといいますか、ただ図書を調達できればいいという場だけではなくて、多くの図書の中から選んだり、そこに迷い込むような中で自分の欲しい知識が載っている本を選び出す、そういった過程を通じてさまざまな知的レベルが上がってくる、そういう貴重な場でもあろうかと思うのですね。  昨今、アマゾンなどで本を買いますと、この本を買った方は次にこういう本も買っていますというような非常に便利な機能がついております。あれは、いいようで悪いようなことだなと思っていまして、安易にそちらに誘導されてしまうというか、図書館の中で、自分でさまよいながら、こういった本もあるのか、この本にはこうしたことが書いてあって、こんな考え方もあるのかという過程を通じることも大変大切なことであり、図書館というのはそうしたことを改めて発見させてくれる場なのだろうと思います。ただ利便性を追求して調達を簡便にするといいますか、そうしたことも大切である一方、やはり一定蔵書を、しかも身近なところにしっかり備えている環境をつくっていただくという観点も、図書館ということでは非常に大事なことなのだろうと思います。そういう意味では、きょうお話しいただいた方々の身近に相当数蔵書を持った館が欲しいという切実な願いは、私も非常に十分理解できることだと思っております。  また、皆様方もお気づきかと思いますけれども、昨今は本屋が大変減っているなと。私もお隣の勝木委員も西区でありますが、西区は、特に琴似地域を中心に大型の紀伊國屋とかくすみ書房とかいろいろありましたけれども、今は、全部、撤退してしまったり、ほかの地域に移ってしまったり、また、地域で何カ店かあった本屋も統合されてしまいました。そんなことで本屋も大変少なくなっておりまして、そういった状況にあるからこそ、今は公的な部分で図書館整備を一層積極的にやっていただかなければいけない環境にもあるというふうに思いますので、ぜひとも充実を図っていただきますよう意見を申し上げさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆阿知良寛美 委員  私も、何点か質問させていただきます。  初めに、きょうの請願にありますように、長年、この地域のために尽力されたことに対して、私も敬意を表したい、このように思います。  そこで、何点か質問させていただきますが、きょうの請願書の理由の4番目に文字・活字文化振興法の記述がございます。2005年7月22日に衆参両院において全会一致でこの法律が可決されたわけでありますが、その理由として文字・活字離れが一つあろうかと思います。そのために、いろいろデータをとっているところがあって、発表されるものを見ると、1カ月に一回も本を読まない子どもや大人の数がふえていた、しかし、2000年を境に子ども読書離れに歯どめがかかったというふうに言われています。その理由の一つは、学校で、朝10分間、みんなで本を読む運動が功を奏して、活字離れに多少はストップがかかったと言われております。  この法律を見ますと、第1条、第2条には目的と定義がのっておりますが、第7条に、ここでもお話があるように、地域振興策について、市町村は必要な数の公立図書館設置に努めると。国、地方公共団体は、司書の充実を初め、人的体制整備図書館資料充実情報化推進といった施策を講ずる、このように第7条にうたわれております。  そこで、質問であります。  この法律に照らして札幌市もこの振興策に努めるべきだろうと思いますけれども、現在の札幌市の図書館の今の水準について、これは先ほど質問と重なる部分もあると思いますが、どう認識をされているか、お伺いいたします。 ◎長谷川 中央図書館長  文字・活字文化振興法に照らしてみて、札幌市はどんな取り組みをやっているかというご質問かと思います。  振興法の中には、市町村の責務としまして、公立図書館設置に努める、蔵書充実情報化推進に努める、そういったことが書かれております。図書施設設置につきましては、先ほどの答弁でもお話しさせていただきましたように、中央図書館地区図書館のほかに、センター図書室設置しまして、全域に図書館サービス網整備しているあんばいでございます。蔵書の数も徐々にふやしておりまして、21年度末で245万冊、情報化推進につきましても、本をどこの図書室からでも利用できるよう電算オンラインで結びまして、また、インターネットでも予約できるような状況にしております。そういったことからしますと、文字・活字文化振興法で言うところの責務としましては一定程度のところまで来ているというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  先月、9月30日に、第2次札幌子ども読書活動推進計画が公表され、スタートしました。その理由としては、子ども読書環境整備する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする、計画の目的にこう書かれております。先ほど読書離れというお話をしましたけれども、札幌市の現状は、これは1カ月間に一度も本を読まない数だそうですが、小学校でいきますと、平成16年9月の11.3%が、昨年10月の調査ですと5%と実に6.3%減っています。中学生におきましては、28%が11.9%で16.1%の減、高校生におきましては、16年9月現在の37.4%が28%と9.4%減っているということで、環境一定程度整えれば本を読む、親しむ、そういう状況になるだろうと思うわけであります。  今回の計画にもありますように、この計画は22年度から26年度まで実施されるわけでありますが、その目標として、例えば、朝の読書の時間を100%にするとか、1人当たり貸出冊数を13冊にするとか、それから、たしか図書館と連携した学校では予約をできるのでしょうから、そういったものを100%にするとか、いろいろ施策を挙げられております。これはいずれも札幌市の施策でありますけれども、そうした環境を整えることからすれば、僕は地域にある程度図書館も必要だろうと思うのです。  今後、札幌市として、読書活動推進計画推進しなくてはいけない、そしてさまざまな皆さんの仕事もあるわけでありますが、どのように考えているのか、また、今後この地域図書館を建設しようと思うのかどうなのか、その辺をはっきり聞かせていただければと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  今後の図書館整備考え方、あるいは図書館行政の進め方というふうにとらえたいと思います。  全域的なサービス網をもうかなり進めてまいりましたので、そういうことを考えますと、地区図書館を新たに整備するというよりは、既存の図書施設機能を十分発揮できるようにソフト面充実をさらに図っていくことが必要ではないか、このように考えております。先ほどの文字・活字文化振興法お話からしましても、ソフト面での部分も重要かと思います。例えば、普及事業は、子ども読書活動推進計画の中でも大事な観点かなと思いますが、子どもたちが読書になじむ、あるいは読書習慣を身につけるという意味では、きっかけを持たせるためのいろいろな行事とかイベントとか、そういったものが必要かなというふうに思います。  ちなみに、直近では、札幌市独自に10月9日を札幌市家庭読書の日と定めましてフェスティバルを行う予定でございます。  また、文化振興法で言うところの文字・活字文化の日を含めた普及事業も展開するため、読書週間に合わせてそういったイベントをやろうということで普及事業もさらに進めていかなければならないというふうに思っております。さらに、ソフトの関係では、蓄積した図書を将来の市民にも引き継いで有効に活用してもらえるように、図書に関する情報を皆様にしっかりと提供したいということで、目録情報の整備とか検索しやすい環境整備にも努めてまいりたい、このように思っております。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、何点か質問したいと思います。  まず、3回目と、議会への繰り返しの陳情が出されまして、このたびは南区選出の全員が紹介議員で請願として出されています。私ども日本共産党も賛同したいと思います。  請願されている皆さんは、28年間に及ぶ図書館づくりの運動をされて、先ほどお話がありましたけれども、地域において、子ども文庫を初め、図書の普及、地域のまちづくりに参加して頑張ってきました。今回の請願者は、私は、いわば図書館に対する最高の理解者だというふうに思うのです。図書館行政に対する最高の応援団だというふうに私はこの方々の運動を通じて思っているのですが、中央図書館長はどのようにお考えですか。  もう1点は、先ほどの町内会連合会長のお話もありました。一緒に請願者になられ、公立図書館を積極的に誘致していこうというお話の中で、まちづくりの中にそれを位置づけていこうということですから、今回の請願は、藤野地区の総意であって、また、南区選出議員の全員が紹介議員になっていて、地域の総意ではないかと。  私はそんな内容を含んでいるのではないかと思うものですから、この辺についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  請願者の皆様が、このように図書館の役割、読書活動の普及について非常に熱心に活動され、非常に重要なものとお考えになって長い間取り組みをされていることにつきましては、図書館に従事しております我々としましても大変ありがたいことだと思っております。また、地域の方々の熱い思いに、本当に心から深く敬意を表するところでございます。  札幌市では、これまでの答弁でもお話しさせていただきましたが、図書館の事業や取り組みをいろいろ進めてまいりました。これも、市民の皆さんのご理解とご協力の中で進めてきたわけですが、今後も、図書館サービス充実読書活動の一層の推進に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆井上ひさ子 委員  地域の総意であって、28年間も図書館が欲しいと、こういう運動をして、私は、本当に頭が下がりますし、これだけの運動があるわけですから、もう理屈をあれこれつけるのではなくて、やっぱりつくっていくべきではないかというふうに思います。  この地域は、地区図書館の利用が困難な地域で、複数館が必要な地域だということが、この間、議論の中でも出されておりました。私は、先ほどの議論を聞いておりまして、図書館も、集会室の図書室も、基本的に同じ機能を持っていてサービスは実現してきているというようなご答弁がありました。でも、どんなに地区図書館と連携をとってオンラインで整備されても――札幌市はそういう形のサービスをずっと続けてきて、身近なところでだれもが借りられるようなサービスをやっていると言うのは私もわかるのです。しかし、図書館図書室は違うのですよ。ですから、藤野に地区センター図書室ができても、この会の方々のように、やはり本物の図書館が欲しいという利用者の気持ちは満足できないというふうに私は思っているのですね。  先ほど、他都市との比較も出ました。でも、全区に、10区に20館の図書館があって、図書室ではなくて、そういうものがあって図書室と連携をとっていくというなら私はわかるのです。やはり、こういうところについて言えば、地理的にも――今までは、40カ所以上のところで連携をとって充実させて、機能もある一定のところまで来たというふうに思うのです。でも、これからは、やはり必要な地域には図書館を一つ一つ整備していくのが大事になってきているというふうに思うのです。  この辺について、先ほど来のご審議を聞いていたら大変消極的ですが、これについてだけ聞いておきたいと思います。いかがですか。 ◎長谷川 中央図書館長  これまでお話しさせていただきましたとおり、図書施設の配置につきましては、1区1館ということで配置し、さらに、より生活圏が広がってきまして、いろいろなところでも皆さん方が身近に気軽にご利用いただけますように図書室を配置して、それによって望ましい基準で言っているところの全域的なサービス網というものも展開してきております。さらに、ソフト面でも、ご自分の地域図書施設からほかの図書館に対してこういった本を借りたい、見たいといったときにスムーズに本を借りられるような仕組みも既につくってございます。  そういった意味では、規模の大小はございますけれども、どの図書施設図書館として同じ機能を持ってサービスを提供させていただいていると考えておりまして、そういう一体的なサービスをさせていただいている、このように思っております。そんな関係もありまして、量的な部分をどう補足するかというよりは、そのサービスの中身の方をさらに充実させることで対応していきたいというのが現在の考えでございます。 ◆井上ひさ子 委員  図書館法に基づく図書館と、図書室というのは、やっぱり違います。そして、先ほども本の冊数などが出ましたけれども、8万冊と4万冊で4万冊も違うわけでしょう。だから、利用する方々にとってみれば、そこに行ったらいろいろな興味もわいてきて、そこの中から選べる、そういうふうに利用されていくように思うのです。ですから、オンラインを利用して貸したり返したり、それはスムーズにいっていると思いますけれども、本当に、読みたい、知りたい、聞きたいという関心には、図書室でそれを補うことは中身的にもまだまだできないというふうに私は思うのです。  今回の請願は、南区選出の全議員の紹介にもなっています。また、連合町内会の総意でもあります。やはり、地域の文化の拠点、また、よりよい、住みよいまちづくりをしていきたいと、そういう中に公設の図書館を据えていることが私はすごいことだというふうに思うのです。私は、これは札幌の文化の水準を上げていくものだと思います。  きょうの議論では、前段で図書館図書室が同等のような議論もちょっとありましたけれども、私は、全然違うことであって、28年に及ぶこういう方々の本物を求める運動というのは、本当に実現まで頑張っていける方々かなと思います。ですから、1区1館を超えて、やはり必要な地域には図書館をつくっていく、そういう方向でぜひ検討してください。 ◆堀川素人 委員  僕からも、幾つか質問をさせてもらいます。  実は、僕は、地区センター図書室に何かを調べに行ったことは一度もありません。なぜならば、置いてある冊数からいっても、そこに行く気が余りしないのですよ。澄川にも行かないで、ほとんど中央図書館に行き、中央図書館の中で調べ物をしてまいります。  なぜ行かないかといえば、まず、蔵書数も明らかに少ない。調べようとしても、そこに図書館司書みたいな人がいつもいるわけではない。そう考えたら、公立図書館地区センターにある図書室が同じレベルのものだとは全く思わない。それを同じだと言うのはまさに詭弁である、こう思いますよ。  今回、北大の方がノーベル賞を受賞した。こういうことなどを考えたら、特に子どもなんかは知的なことにすぐにこたえてもらいたい、その興味をそこで膨らませたい、それが発見の喜びであって、勉強するきっかけになるのですよ。後から本を出してくれますよと。出してくれるでしょう、何時間かして。でも、それでは間に合わない。  我々だってそうです。忙しい中、そこに行くとするなら、確実にこたえてくれる確率が高いところに行きますよ。あなた方が答えているのは、本当に公立図書館図書室が同じレベルのものだと思っているのですか。僕は、もう一回、それを確認したい。 ◎長谷川 中央図書館長  図書館機能につきましては、先ほどお話しさせていただいたところでございますけれども、基本的な機能としては、本の貸し出し、返却、それから、来られた方がいろいろご質問されたり調べ物をするということで、そうした相談に応じるということがございます。それから、本の普及ということで、例えば、読み聞かせとか展示とか、大きくはこの三つが主な機能でございます。この三つの機能というのは、地区図書館でも、地区センター区民センター図書室でも同じ機能を持ってやっております。また、司書につきましても、今、基本的には地区センターの方にも司書を置きましてレファレンス相談に対して応じるような体制をとっております。  確かに、規模の大きさということで、本の冊数は先ほどご説明したように違います。すべてたくさんある本を読んでその中から選びたいという気持ちは私もわかりますが、札幌市内にある40の施設でもってそれを果たすのは現実的になかなか難しいものかなというふうに思います。そういったことで、ふだんはお近くの地区センターでいろいろごらんになる、あるいは、場合によってさらにもう少し深いところをごらんになりたいときに地区図書館あるいは中央図書館もご利用いただく、そういった使い分けなどもしていただきながらご利用いただければありがたい、このように思っております。 ◆堀川素人 委員  僕が聞きたいのは、質が同じかということなのですよ。質、サービスです。基本的には同じことをやっているというのはわかりますよ。図書館だもの、本を貸す。聞かれたら、司書がいれば、図書館司書の人がそのレファレンスの中でもって手助けもする。それから、図書に親しむという啓蒙もする。どれだけの質でやるかなのですよ。ただ、それをやっています、人がいますというだけで中身が伴わなければやっていないのと同じだ、極端に言えば。それをやっているからといって、公立図書館並みの住民サービスがきちっとできるかといったら、それは保証がないわけじゃないですか。だから、我々はそこに行かないのですよ、正直に言って。僕はそこから近いですよ、車なら5分か6分で行く。でも、そこに行かないのですよ。調べるときは、僕は中央図書館に行く。それだけの機能、質が保証されていないから行かないのですね。保証されているならば、わざわざ遠くに行く人はいないのです。多くの人方は、中途半端である、こう考えているわけですよ。  そうするならば、これは予算がないからできないのだ、本当はここまでやりたいのだけれども、できないのだというならば、この予算をどうやって生み出すかということを考えればいい。あなた方は、そうではなくて、基本的に同じようなことをやっているから十分なのだと。こういうふうにして考えたら、公立図書館をつくろうなんて思いもしないわけだ。間に合っている、これで十分だと思っているわけですから。どっちなのですか。予算がないからできないのか、そもそも図書室でやっていることと地区の公立図書館は同じものであるから、むだだからやらないというのか、どっちなのですか。 ◎長谷川 中央図書館長  むだということではないのですが、我々が図書館サービスを行っている中で、やはり、より多くの方に読書に触れる機会を持っていただきたい、このようなことで全域的なサービスをしているわけです。その中で、先ほども言いましたけれども、物理的に、例えば中央図書館と同じように何万冊もの本をそれぞれの区に置くということは現実的な話ではないと思います。ただし、それをカバーするために、先ほどからお話しさせていただいたとおり、地区図書館を置き、さらに地区センター区民センター図書室を置き、規模は違いますけれども、そういったところでも同じようなサービス機能を持つことによって、さらに、先ほどお話しさせていただいたように、電算、イントラあるいはインターネットの予約など、そういういろいろなことを駆使しまして、ハード・ソフト両面からどなたでも札幌市の図書を借りられるような仕組みにしている、このように思っております。 ◆堀川素人 委員  努力をしているというのは必ずしもわからないわけではないですよ。努力をして、少しでも住民サービスをしよう、図書行政を充実していこうとやっているのはわかりますよ。でも、どのレベルに向かってやるのか、札幌市の将来はどうあるべきなのか、図書館行政としてどうあるべきなのかということで、極めてレベルが低い話をしているような気がする。1区1館、極端に言ったら20万人に1館ですよ。正確に言ったら19万人に1館ですか。こういうことでは、札幌市の図書館行政公立図書館においてほかの都市から見てすぐれているなどとはだれも見えないのではないかな。  近くにあるということは極めて大事です。地域的な中で、あそこの石山沿線地区というのは細長くなっていまして、この間も代表質問で言いましたけれども、まちに出るのがほかの地区と比べて倍以上も高い、こういう地域なのですよ。そこが文化的に置いていかれていいというものではない。そして、子どもたちもそこで育っている。やはり、知的なレベルというのは我々地域としても大変大事にしたいなと思っていますよ。そうするならば、あそこでもって本当にそれに応じられるような――図書室が応じられると思いますか。  この図書室ができたときには、今、運動をやっている藤野の方も一定は喜んだ。けれども、正確ではないですが、ラーメンが出てくるかと思ったら乾パンが出てきた、同じ食うものでもえらく違うわいと。これは、本当の図書館ではない、私たちが望んだ図書館ではないのだ、こう言ってずっと運動を続けてきているわけです。そして、28年ですよ。  僕は、この運動自体は、図書館ということに限らず、地域力だと思っているのです。公立図書館をつくるという知識だとかということについてはプロの人がいますから、公立図書館は別な人がまたつくるのでしょう、つくるという意味ではね。ところが、今度、支えるという意味では、この地域がこの図書館を支えるのですよ。そうしたならば、僕はこの運動をむだにしたくない。こういうことを大事にしながら、行政と住民を両輪にして協力し合いながらというのは、こういうところからしかできないのですよ、効果的には。僕は、このことを忘れてはだめだと思う。  ぜひとも、今回については、本当に、まず一つは、図書館のレベルということでは図書室図書館は質的に全く違うものだということを認識してほしい。それから、札幌市には、1区1館などというような、ある意味では時代おくれな考え方はやめてほしい。そして、その線を突破したならば、地域がこれほど望んでいるところにはやはり図書館をつくってこたえるべきだ、こう思うのですけれども、どうですか、教育長。 ◎北原 教育長  先ほど西区の書店の話がございました。大型の書店がふえてきて、地域の本屋がなくなってきている状況というのは、私は非常に悲しい状況だと思っています。地域の本屋が本当に身近な形で地域の方々の文化的な情熱を受けとめながら展開していただいてきたことについて、とりわけ西区ではユニークな取り組みなどをされて、小規模ながら本当に魅力的な取り組みをされている、そういうことはすごく大事なことなのだというふうに思っております。  例えば、札幌市の10館の図書館、そして、それらを含む40の図書施設トータルで考えていって、その図書機能図書館に全部集約しますよということで、40ではなく、もっとより小さな数で、しかも、それぞれの蔵書数を拡大してすべて図書館ですという形で展開することもあり得たのかもしれません。けれども、地域において、それぞれの方々が図書機能をどう享受できるかということをできるだけ広範囲にわたって保証しようと考えていったときに、ある意味で他都市で行われているように図書館を中心にということがあるかもしれませんけれども、札幌市の場合は、そういう展開の仕方ではなく、地区センター図書室区民センター図書室という形で整備をしていくのは一つの見識だったろうというふうに思っています。地区図書館の平均は8万冊の蔵書です。そして、藤野の地区センター図書室蔵書はその半分の4万冊です。もし4万冊の地区センター図書室を2カ所合わせれば、図書館規模になるのかもしれません。しかし、そのことによって、より身近な地域に展開されている文化的な拠点を集約していくことは、先ほどの大型書店の登場によって地域の書店がつぶれていっている状況と照らし合わせて考えていったときに、それはまたちょっと違う考え方になるのではないかなというふうに私は思っています。  堀川委員がおっしゃるように、地域における図書館をこれだけ大事にしよう、あるいは、これまで長年にわたってそれを支え、新たな展開を求めてきた、その地域の方々の思いとか願いとか、これは物すごく大事なことだと思っています。そして、図書館行政を支えていただき、それぞれの図書館図書室を支えていただいているのは、そうした方々の文化的な意欲であり、そういったものに支えられているのだということは私も強く感じているところです。ただ、全市的な図書施設の展開ということで考えていきますと、私は、札幌市のこのやり方も一つの考え方だということでご理解をいただきたいなというふうに思っているところです。  いずれにしても、今後、さらに図書館図書施設充実に努めていかなければならないということは私どもも強く決意をしているところでございます。 ◆堀川素人 委員  正確にはわかりませんけれども、およそ10年ぐらい前でしょうか、名前は言いませんが、図書館長をやっていた方が、1区1館というのをこれから超えなければならないのですと、委員会でこう発言しているのですよ。そこで、僕は、改めて、では、1区2館、ここに向かって行くのだね、そういうことです、こういう答えもしているのですよ。今、1区1館が当たり前だ。正直に言って、やはりもう少し自信を持って受け答えをしなければだめだなと僕は思う。本当に失礼な言い方だけれども、あなたはどれほど図書行政に対する理解を持ってその場に座っているのか、僕は大変疑わしいと思って聞いておりますよ。今みたいなこんな議論をしていてはだめなのですね。  子どもたちがたくさんいて、子どもたちが勉強をする、その知識について、ある意味では飢えていますよ。これに対して、その知識を有効に与え、知に対する興味を抱かせるということは、我々はもう本当に何をおいてもしなければならぬことだな、こう思っているぐらいに大事ですよ。そして、図書館にあるものは、我々が経験できない、一人の人間が経験できないものが、たくさんの人間の経験としてあそこにたくさんあるのですよ。こういうことに触れられるような環境をつくらなくては、それに一生懸命やっていかなければならないと僕は思いますね。  あなたは、教育委員会としても、お金がないからというようなことを、いかにも正しいことをやっているかのごとくに言っていますけれども、そういうことではないのですね。市民に対して本当のことをきちんと伝える。どうしてもお金がないのだ、今これで我慢してくれと言うならば、私はそれなりに評価できるけれども、質が違うものをやって、これでもって我慢してくれ、これが正しいやり方だみたいなことはやめてほしいということをお願いいたしまして、質問を終わります。 ◆三宅由美 議員  まず、私どものしのだ委員の1区1館構想を踏み越えることができないかという質問に大変そっけない答えだったことにがっかりしております。
     私は、まず、藤野地域図書館づくりをすすめる会の方々が、28年間にもわたり、地域読書活動、さらには自然に親しむ活動など、地域の中でさまざまな市民運動を行い、この地域の中でしっかり根づいてきたことを、まず評価したいと思います。心から敬意を表したいと思います。  資料の中にもございましたふじの図書館づくりをすすめる会通信、これも4月5日で既に96号を超えております。これほど長く続いている住民運動が本当にあるでしょうか。それから、これほど地域に根差した活動をしてきたところが、ほかにあるかということに本当に着目していきたいと思っております。昭和58年の請願時には何と70%の住民から署名をいただいている、このことを引き継ぎながら支えられてこの運動があったと私は思います。  そこで、質問に移りたいと思いますが、資料にございましたけれども、私たちの藤野地域に望む図書館、これをちょっと見ていただきたいと思います。  まず、この中で、特に4番目の記録、資料の保存、郷土の文化、歴史の掘り起こし、保存など、こういうものを未来の子どもたちに手渡す、このことを地域の中できちんと担っていきたい、それからもう一つは、利用者の声を聞く機会を設ける、そして、地域の特性を生かした図書館であること、私はこの三つに着目しているところです。  特に、今、南区は、まちづくりセンターの自主運営を行うところがたくさんふえまして、そして、連合町内会独自でこのような本を出しているところが、定山渓、簾舞などたくさんあります。藤野でもこういう動きがありまして、何とか昔の資料が欲しいということでさまざまな図書館をめぐって資料をそろえている方々もいらっしゃいます。やはり、地元の中でこういう運動をしている人たちがいて、この図書室が果たしてこういう活動をしている人たちに資する図書館になっているのかどうか、私はこのことは非常に重要だと思っています。  それから、利用者の声を聞く機会を設ける、このことは果たしてなされているのかどうか、このことが図書室の中で行われているのかどうか、このことを聞きたいと思います。  次に、地域の特性を生かした図書館であること、これは非常に重要でして、やはり、札幌市の中で、これだけ緑が豊かで住民に愛されている、その緑を守っていこう…… ○長内直也 委員長  三宅議員、委員外でありますから、簡潔にお願いたします。会派としての委員の意見はもう出ておりますから、お願いします。 ◆三宅由美 議員  (続)はい。  それから、春の観音沢を歩こうということで、このような活動も行っております。そういう中で、さっき言った記録、資料の保存、それから、利用者の声を聞く、それから、地域の特性を生かした図書館であること、このことが果たして今の図書室でできるのかどうか。  また、札幌市は地区センター図書室がありますが、それぞれの地域で余りにも特徴がないと思うのです。区の図書館もそうだと思います。特に、地域の特性をどのように生かしていくか。そういうものがあったら、その地域の人は出向いていくのですね。この図書館に行けばこういうものが充実しているとか、図書室も含めて40館ある図書施設それぞれに特徴があったら市民は出向いてでも行くと思うのですね。そのような考えがあるのかどうか、このことをお伺いしたいと思います。 ◎長谷川 中央図書館長  利用される方々の声は、地区センター図書室地区図書館も司書を含めて職員がおります。いろいろな形を通してお話はいただいております。  それから、地域の特性を生かした図書館、あるいは、特定の分野の本をそろえるというようなお話だったかなと思いますが、私どもの図書館は公共図書館でございます。大学の図書館とか専門の図書館とは異なりますので、特定のテーマに沿ったものばかりをそろえることは難しいかと思います。やはり、公共図書館ですから、いろいろな方々のニーズにこたえるために幅広い分野の本をそろえているところでございます。  ただ、郷土資料とか地域資料集というのは大切なものですから、そういったものを収集、保存していくことは望ましいことでございます。程度の差はありますけれども、例えばそういったコーナーを設けるなど、工夫によってはその地域の特性を生かしたことができるのではないか、このように考えております。 ◆三宅由美 議員  札幌市は、住民自治を大切にする、そして、この市民自治をさらに推進していくということ、それから、文化の薫る都市を目指す、そういう大きな方向がございます。この二つをしっかり満たすためにもこのような要望にしっかりこたえていただきたいと思います。 ◆宗形雅俊 議員  私も番外でございますので、簡潔に質問していきたいと思います。  まずは、今回、私も紹介議員の一人として1点だけ質問したいと思います。  私どもの飯島委員からも質問があったところでございますが、私も今のやりとりを聞いていて、教育委員会の管轄の中央図書館ということでどうしても図書館機能の話ばかりになっていると思うのです。しかし、今回請願されている方々は、それを通じながら、もう一つ、立場がちょっと違うのではないのかなと。公立の図書館充実させながら、地域なり、またまちづくり、こういったものも広げていこうという思いがあるのではないかと思っているわけでございます。  ただ、段々のやりとりの中でいきますと、図書館の質ということで、当然そういった議論も必要でしょうけれども、それを介してさらにいろいろなことをやっていこうと。これは私の勝手な視点ですが、先日、事業仕分けがありました駒岡の保養センターも、あの施設ができたときに地域のコミュニティづくりというものに発展していっている事実もあるわけです。今、三宅議員も言いましたように、図書館を通じて、地域のコミュニティー、また地域力、特に自然、ネーチャーという部分も一つのキーワードになるかもしれませんが、そういったさまざまなものに広げていこうという思いが私には伝わってきます。  そういった意味で、図書館を中心とした地域づくり、まちづくりをどう考えているのか、そういった視点に立ってこういうものを考えていけないのかどうか、この辺についてお尋ねいたします。 ◎長谷川 中央図書館長  市民の方々は、図書室を利用されて本を読んだり、あるいは、私どもの方でも、読書会とか展示などいろいろ行事もやっております。そういった中で、文化や芸術と出会ったり、学習をしたり、あるいは、いろいろな方と出会ったりといったことがございます。また、みずから学習したり、あるいは、広くいろいろな情報を得るといったことができているのかなというふうに思います。そういった意味で、図書施設は、市民の方々のさまざまな活動に対して知識を得たり情報を得たり、そういう観点で側面から支えている機能を果たしているというふうに思っております。  一方、地区センターには図書室がございますけれども、地区センターの方は、そういった観点からしますと、さらに、お年寄りから子どもまで、非常にさまざまな年齢の方が文化活動をしたり、あるいは、スポーツを通じてコミュニケーションを図ったり、いろいろ交流をしたり、そういったこともできるという意味では本当にまちづくりの大きな拠点の一つではないかなと思います。今現在、地区センターには図書室も入っておりますが、図書室も特に知識あるいは情報といった観点でそういった活動の支援を果たしている、果たしていきたい、このように思います。 ◆高橋功 議員  私も文教委員外ですから、簡潔にお話し申し上げます。  先ほど我が公明党の阿知良委員からも我が会派の考え方についてはお話ししたところでありますので、私からは、先ほど来ありますように、南区内の全議員が紹介議員にさせていただいているという意味も含めてちょっと発言させていただきたい、こう思っております。  先ほど来の議論を聞いておりましても、やはり、私は、教育委員会というか、中央図書館長が答弁されているけれども、札幌市側のお考えには1区1館というのがどうも大変強くあるというふうに思います。それで、先ほど来、各委員からも、違うだろう、地区センター図書室図書館ではないのだ、この大きな190万人を超える札幌市で図書館が10館というのは、これで十分かというやりとりがあったと思うのです。やはり私も思いますが、たまたま請願の表題が藤野地域公立図書館設置を求める請願となっているから、ともすれば、だれもそういう発言をしなかったけれども、黙って聞いていた方は、何だ、藤野の地域エゴじゃないのかと、こういうふうに思われたら、違うと私はあえて申し上げたい。そういう単純な話ではないのですよ。藤野に住んでいる人たちが、私たちの地域図書館をつくってくださいと、そういう単純な地域エゴの話を申し上げているのでは決してありません。そうではなくて、これは、札幌市にもっと公立図書館をふやしてくださいという請願です。まず、こうとらえていただきたい。  もちろん、歴史的に、20何年来、最初に札幌市議会に出されたころから27〜28年ですが、その前からずっと30年を超える長い歴史があり、そして、南区の藤野地域地域性がやはりありますよ。それから、今の人口構成の問題もさまざまありますが、その藤野の方々が本当に真剣になって声を上げている、ここをぜひとらえていただきたいし、最初にこういう請願を上げたのもこの方々であるということもぜひご理解をいただきたい。  そこで、もう一度、私からも同じ質問になるかもしれないけれども、1区1館ということに余りこだわらない、ぜひここについて答弁をいただければありがたい。 ◎長谷川 中央図書館長  札幌市では、図書館はもとより、さまざまな公的施設が市内にいろいろあると思います。これからも、そういった施設整備したり、あるいは充実を図っていくことを考えますと、図書施設だけではなくて、それ以外のことも踏まえて考えていく必要があるかな、このように思います。そういった中で、今進めております図書館のハード面、ソフト面といったものは、一つ、例えば政令市と比較しても一定程度のところまで来ているのかな、今後はそれをさらに充実させていければなと、このように思います。 ◆高橋功 議員  私は、この請願が一つ大きなきっかけになると思っているし、ぜひこれを一つの契機に本当に議論をしなければと。札幌全体にかかわることであって、図書館のみならずかもしれないけれども、きょうは図書館のことですが、私は議論していかなければならないと思っておりますので、きょうはここで終わります。 ◆猪熊輝夫 議員  昭和58年当時の紹介議員は、今、現職では僕しかおりませんので、ちょっと長くなるかもしれませんが、できるだけ短くやりますのでご協力をお願いしたいと思います。  実は、今の教育長を初め、図書館関係者の皆さんは、区の図書館というのはどういう計画を持って各区に1館配置されたか、具体化していったかということはほとんど知らないのではないかという感じがしてなりません。どういうことかというと、各区1館にするという方向は出された。しかし、どこへ配置をするかというのは各区に任せたのですね。任せました。だから、南区の区役所は、澄川連合会に、図書館と体育館と地区センターとあるけれども、どれが欲しいとやった。そうしたら、澄川連合会は図書館を欲しいとなった。川沿地域は体育館が欲しいとなった。そういうような経過だから、実は南区の北東側にできてしまった。隣の西岡にも図書館がある。だから、上から図書館の配置実態を見たときに、無計画に各区1館なのですよ。  そのことによって、実は、南区というのはほかの区と違って――ほかの区は碁盤の目を基本にして道路網が整備されている。ところが、南区は、けもの道とまで言うと失礼だけれども、本当に歴史的に230号線と453号線、支笏湖線が軸になって道路網になっていないのですよ。だから、澄川の図書館に来るのでも1,000円かかるのだということです。さらに、公的乗り物は2回も3回も乗り継いで、澄川の地下鉄の駅でおりたら、やや歩くような位置になっているのですよ。なおかつ、南区の地域というのは、札幌市の2分の1以上ある行政区域ですよ。そういうような状況の中で、本当に、せめてもう1館と。だから、全区でどうこうとかなんとかと話を大きくしてそれは無理と言わないでほしい。  そして、定山渓沿線などは豊平川と本当に豊かな緑に囲まれているから、どんな図書館かと言ったら、資料として提出された8番などの意見が本当に具体的に出てくるのですね。そのことでは、今の吉野さんを中心にした会は本当に勉強していらっしゃる。大学の先生の協力をいただいたり、専門的な先生の協力をいただいて、山に入ったり、川沿いを歩いたりということで本当に勉強して、そして、もう少し知りたいね、しかし、身近に資料がないねというようなところから、こういう希望が具体的に出てきているということを一つは押さえてほしい。  それから、自分たちが決して無理なことを言っていないという28年前のお話は、この人方は本当に勉強していらっしゃって、政令市ばかりではなく、全国津々浦々の特徴的な図書館、あるいは、政令都市の数などを含めて本当に勉強していて、せめてという形でこういう要求が出ているということをやっぱり受けとめてほしい。だから、やっぱり、図書室でなく図書館だというところは、いろいろな集いをやったりしたことを含めて、吉野さんが代表してお話しされたとおりの状況で、切実に訴えていらっしゃるということをぜひ受けとめてほしいと思います。女性の方の年齢に触れるのは失礼かもしれないけれども、28年たった今、多くの方が70代になった、あるいは、70代になりつつあるということで、私たちの目の黒いうちに、せめて子どもや孫のために残してあげたいという本当に胸が詰まるような話までされるのです。そういうように、真剣に学んでここまで来て、広い活動として連合会まで説いて、地域全体のものとしてさらに強固なものとしてここへ声を上げてきています。  そういう経過をしっかり受けとめていただいて、1区1館で、質を含めて――ネットをしていますと、建前で聞いたらもっともだな、そのとおりだなと思うけれども、その実態の歴史的経過を説いていけば、少し考えてもいいなというような方向ぐらいは出ていいのではないかと僕は思う。しかし、今までの答弁からいって、僕のこういった意見で言うわけにはいかなかろうと思うから、ぜひひとつ、私たちの多くの皆さんのご意見を受けとめていただいて、この請願の趣旨、願意について重く受けとめていただいて、汗を流してほしいということを強く求めて、終わります。 ○長内直也 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  それでは、請願の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」「採決」と呼ぶ者あり) ○長内直也 委員長  意見が分かれておりますので、改めて、お諮りいたします。  請願第6号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○長内直也 委員長  賛成多数であります。  よって、請願第6号は、継続審査と決定されました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時38分...