4の
事業スケジュールでございますが、ことし4月から、まず
ロープウエーの改修工事を開始しております。また、
ロープウエー、観光道路、山頂の展望台は、それに合わせまして、現在、来年のオープンまで休業となっております。ただ、登山道につきましては、多くの市民の方が利用しておりますので、そちらについては、閉鎖をせず、工事の期間中も登山道はすべて利用可能ということで考えております。
なお、山頂、中腹で工事が開始されますので、その場合については一定の制限区域を設けさせていただこうと思っておりますけれども、基本的には登山の方々には楽しんでいただけるように考えております。
具体的な日程はそちらの表にございますけれども、入札につきましては、
札幌振興公社で8月20日に公示し、締め切っております。現在、参加企業で積算していただいておりますが、10月18日に入札を行い、翌19日に工事契約を結び、11月から着工したいと考えています。本格的な
土木建築工事につきましては、年が明けて来年4月の雪解けから行うということでございまして、予定でいきますと来年11月に竣工し、12月に新施設の供用開始ということで考えております。
次の3ページになりますが、事業費ということで、これは当初から計画の段階で皆様にお示ししているところです。
総事業費としては約28億円、これは
契約額ベースということでございます。大きく分けて三つの事業の内容がございます。お金を取ってという部分の施設になりますが、
ロープウエーを中心とした
収益的施設、それから、周辺環境ということで、駐車場であったり、あるいは給排水の設備であったり、半分、公共的な色彩の強いものが
周辺環境等整備です。それから、一番最後の方は公共で整備をする部分で、全体で28億円になっております。財源といたしましては、下段にありますように、
札幌振興公社の借入金で約14億円、自己資金で10億円、それから、
プロポーザル事業者ということで今回の山頂の展望台等を管理する会社でございますが、そちらから8,000万円程度、そして、補助金が市の方から3.5億円程度ということで全体の財源を構成しております。これは今の想定でございますけれども、今後、入札で契約額がはっきりしますと、それに基づいてこの数字が固まってくるようになります。
最後に、今回の施設の再整備に当たっての補正予算でございます。
先ほどご説明したとおり、今年度と来年度の2カ年にわたって工事をいたしますけれども、本年度分の工事についての補助でございます。具体的には、山麓駅、一番下の駅ですが、その車寄せの部分です。それから、山ろくに駐車場を設けますが、その
駐車場部分の今年度着工分、それから、給排水設備ということで、山頂の展望台から南側の
観光道路沿いに下水・上水管を布設いたしますけれども、その設備の関係の今年度分で、合計で2,710万円ということで補正予算を上げさせていただいております。
○山田一仁 委員長 それでは、議案第8号中
観光文化局関係分及び陳情3件並びに
藻岩山魅力アップ構想施設再整備に関する報告に対する質疑を行います。
◆三宅由美 委員 陳情について発言いたします。
藻岩山の再整備は、大きく、環境保全、そして
バリアフリー化とありますが、私は、もう一つ、大切な観光資源としていかにこれに集客できるか、これも大事なことだと思っております。以上の3点の中で、市民には非常にそれぞれ思いがありまして意見がぶつかりました。私も、ことしの2月でしたか、
シンポジウムに参加しましたが、なかなかかみ合わない議論で、各団体が一方的に主張する中で、なかなか難しい問題だなと思ったところです。大分時間をかけたのですが、最後には、ある市民から、こういうことをしていてもなかなか事業に手をつけられない、何とか着地点を見出すようにするべきではないかというような発言がありまして、この
シンポジウムが終わったところです。本当に、市民がそれぞれの観点から藻岩山を見て、そしてどれだけ愛しているか、そういうことがわかったことが
シンポジウムの一つの成果でもあったかなと思います。
これまで、このような
市民説明会、
シンポジウム、それから
経済委員会、こういう中で長年かけていろいろ議論してきまして、紆余曲折があって実施設計の修正案が出されてきました。私どもの会派としての意見は、2月16日に行われました
経済委員会の陳情審査で私どもの会派の恩村議員からの発言がありましたが、これに尽きると思います。この中で、恩村議員からは、今回の修正案は了承し、設計作業に入ることについては認めることにしたい、本来であれば不採択とすべきところなのでしょうけれども、陳情の内容が、今後、藻岩山で事業を展開していくに当たり、検討すべき事業とされる
ソフト事業の実施、さらには
料金設定等に関するものも含まれているので、継続審査にしたいという意見があったと思います。私も、このことに沿いまして、この陳情審査の後のことについて2点ほど質問したいと思います。
一つは、昨年来の陳情3件について、実施設計が終わった現時点においてどのように反映されているのか。
2点目は、
リニューアル後の施設の活用について、集客のポイントとなるのは料金設定と
ソフト事業の展開であると考えられるので、これらについてはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 2点についてのご質問と思います。
まず、1点目の陳情については実施設計が終わった現時点でどのように反映されているのかということでございます。
昨年9月以来、3回の陳情を受け、さまざまな観点からのご提案をいただいているところでございます。1回目の陳情は、計画自体を白紙に戻し、改めて市民議論を行うべきではないかというもの、2回目は、
ロープウエールートの見直しの問題と
ソフト事業を踏まえた施設整備についてのご提案、3回目は、山頂と中腹の機能分担のあり方を中心とした内容でございます。
施設再整備につきましては、今、委員ご指摘のとおり、これらの陳情やさまざまな市民、市民団体の皆さんからのご要望、ご意見を受けまして、また、
市民説明会や
シンポジウム等を開催し、山頂、中腹の各施設を中心に機能の見直しを行い、設計の修正を行っているところでございます。具体的には、
山頂展望台は規模を縮小し、売店を中腹駅舎へ設置するように変更するということでございます。また、
山頂周辺エリアには、アイヌの皆さんが儀式を行う場所を整備したり、また、駐車場を廃止して緑を復元するようにいたします。また、
子どもたちが藻岩山の自然環境を理解し、体験するための施設を設けることなど、陳情の中でご提案いただいたものを今回の実施設計の中に反映しております。
これ以外の点につきましては、設計だけではなく、
施設運営面においても参考にすべき提案をいただいておりますので、今後、それらについても検討を進めていきたいと考えております。
二つ目の料金設定と
ソフト事業の展開についてでございます。
これにつきましては、より多くの市民の皆さんに何度も藻岩山に足を運んでいただくことを基本に考えていく必要があると思っております。料金につきましては、1年間を通じて何度も利用できる
年間パスポート、あるいは、家族で利用する場合や介護者、障がい者の割引制度など多様な
割引メニューが必要でありまして、これらについて検討を進めているところでございます。
ソフト事業につきましては、
札幌振興公社や施設運営を行う事業者のほか、スキー場を運営するりんゆう観光、既に藻岩山でさまざまな事業を展開しているNPO、市民団体の皆さんを含めまして検討を進めていく計画でございます。
一例を申し上げますと、昨年から実施し、好評の星を見るイベントを月1回の
定期イベントとしたり、外国人に人気の高かった
雪上車モーリス号の運行や、冬期間のスキー場との連携などを検討しております。
ソフト事業については、より多くの市民が参加できるような事業を展開していくことだけではなく、事業を実施する側にも多くの事業者、市民が参画するということで、市民の山としての藻岩山にふさわしい
仕組みづくりを行いたいと考えております。
◆三宅由美 委員 料金については割引制度が取り入れられる、それから、魅力を増すようなさまざまな事業が行われるということなどがございました。
やはり、一番は環境保全をどうしていくのか、環境教育をどうするのか、あるいは、
バリアフリー化、それから、何よりも集客、観光客がどれだけ藻岩山を訪れるのか、また、市民も、例えば、この間の
シンポジウムで発言がありましたが、デートをするのに何回も山頂に通ってくれるような、それからまた、夜景を楽しむことも必要なのではないかというようなたくさんの意見が
シンポジウムで出されました。10月18日にはもう入札ですが、こうした点に配慮しながら施設ができ上がり、より市民に親しまれる、
魅力アップということに努めていただきたいと思います。
◆宗形雅俊 委員 私からは、緊急雇用の補正予算も上がっていますので、そちらと、藻岩山について何点かお聞きします。
まず最初に、
緊急雇用対策事業ですが、この件について、質問というか、確認をさせていただきたいと思います。
今回、一つは、
定山渓地区中国人観光客受入環境改善事業の事業内容ですが、第2定における
札幌中心部におけます
商店街外国人観光客サポート事業と同等の考え方でできた事業ではないかと思います。今回、この事業では、私の地元であります
定山渓地区の
中国人観光客の対応に5名のスタッフを観光協会に配置すると聞いています。
そこで、簡単に聞きたいのですが、
重点分野雇用創造事業は北海道の基金が財源ということですけれども、この
中国人観光客受入環境改善事業で採用される方の資格要件、もしくは、求職者の応募資格を教えていただきたいと思います。
また、この事業に限らず、
重点分野雇用創造事業は年度末までしかないということで、長期的な雇用が保証されないという課題があるのではないかと思います。この事業につきましても、11月から3月末までの5カ月間ということでございます。
そういう意味で、その後、この事業の成果といいますか、意義を酌んでいただいて、観光協会や、例えば
定山渓地区のホテルや旅館が引き続き継続雇用していただくような取り組みも必要ではないかと考えております。これについてどのような認識を持って、また、継続雇用に対する取り組みをどのようにしていくのか、この2点をまず教えていただきたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 まず、1点目の今回の雇用の資格要件といいますか、条件といいますか、これについてでございます。
これらについては
緊急雇用創出推進事業要綱の運用の手引に定められておりますけれども、対象者は、まず、募集時点において求職活動を行っている離職者ということで、
学生アルバイト等は対象となりません。業務を受託する側は、新規雇用に際して希望者がこの要件を満たしていることを
公共職業安定所の紹介状や離職票等の書類で確認し、かつ、委託者であります札幌市に事業終了時に報告することが義務づけられております。
2点目の継続雇用に対する考え方についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、雇用される側にとっては確かに長期間の雇用が保証されることが望ましいのはもちろんでございます。しかし、今回の
緊急雇用創出推進事業は、離職者に対して一時的な雇用機会を提供するというのが制度趣旨でございます。ただ、継続雇用が望ましいことはもちろんでございますので、今回の事業の効果を踏まえながら、各事業者に対しまして、継続雇用について検討するようにということを私どもとしても働きかけてまいりたいと考えてございます。
◆宗形雅俊 委員 一時的な雇用と言うのですが、やはり、継続雇用というか、そういう視点に立っていかなければならないと思います。この件につきましては、後ほど経済局の中で同じようなことがあって、特に
雇用推進部があるので、いろいろな持論の展開はそちらでということで後回しにしていきたいと思います。
そこで、これは経済局のところでまた質問していこうと思うのですが、特に、先ほど言いました継続雇用については、例えば、今回、期限つきでこの事業に
定山渓観光協会を認めていただき、本来であれば個々の企業が採用をすればいいのですが、資本力がないなどの理由で、協会の方で抱えて、そして、随時、必要なときに派遣していく、こんなふうにつながっていただければ一番いいのかなと思っております。そういう中で、この事業を認めていただいて、協会なり地元のホテルや旅館が年度末にその方を継続雇用しようというときにつながるような支援策というものを今後は何かしていくべきではないのかなと思います。例えば、旅館とかホテルが継続雇用をしてくれたら、市の方でその旅館なりホテルをきちっと公表していくとか、それから、札幌市の福利厚生の中でそこの旅館の利用を促進していくとか、そういう
バックアップ策も必要ではないかなと。それがまた、その事業者の採用意欲のきっかけにもなるのではないかなと思います。
観光文化局だけではないお話ですけれども、局として、特に観光という分野を持っていらっしゃるので、今後はそういう
バックアップ策も一部で検討していただきたいと思いますが、その辺はどうなのか、お聞きします。
◎荒井
観光コンベンション部長 継続雇用を行った企業に対する支援策ということでございます。
私も、委員がご提案の例えば公表というような方法は有用であると考えますけれども、制度全般にかかわることでもございますので、具体的にどのようにしていくかということについては、事業を担当する
雇用推進部とも十分協議をしてまいりたいというふうに考えております。
◆宗形雅俊 委員 この後もまたありますので、それはぜひ強く望んでおきたいと思います。
それでは次に、藻岩山の方に質問を変えていきます。
今回、
藻岩山魅力アップ構想施設再整備事業ということで、若干変更があった部分の説明があったところです。私は、以前も、藻岩山に対する検討はすべて
ロープウエーからのアクセスしかなされていない。それから、もう一つは登山ということですね。しかし、過去からある観光道路、自動車道に対する考え方ということもあって、これは1定の
予算特別委員会でも聞いたところであります。その中で、観光道路の
自動車利用というのは、平成20年度の実績と変化がなく、ふえることもない中で推移をしていくという見方をしているということで、今後、でき上がってから推移を見ていきたいという答弁をいただいたところです。車の利用は余り変化がないのだと。いわゆる
藻岩山魅力アップということですから、当然、観光資源、それから登山者、いろいろな学習体験、さまざまな利用を目的として、言い方とすれば来場者と言うのですか、そのアップをねらっているわけですね。そこで、前回も、年度ごとのいわゆる集客数の予測も示されました。
そこで、改めて聞きたいのですが、
自動車利用は変化がないのだというその根拠をお示し願いたいと思います。
それからもう一つ、今、
ロープウエーを休止して山頂の再整備をしておりますが、工事中の工事車両のルートをどう考えているのか、これもあわせてお聞きします。
◎荒井
観光コンベンション部長 まず、観光道路を利用する車について、ふえないという見込みを立てているその根拠ということでございます。
確かに、
リニューアルをした直後については、やはり、
リニューアル効果ということで車を利用する方がふえることはもちろん想定されるところであります。しかし、今現在、環境の時代とされている社会の趨勢であったり、あるいは、近年、観光道路の利用者がずっと減っているという動向、それから、
ロープウエーが
バリアフリー等で非常に便利になりますので、そちらの方の
利用者動向を見て検討していく必要があるのではないかと。そういった背景で、我々とすれば、基本的には20年度ベースを維持していくという計画を立てているところでございます。
また、もう一方で、
リニューアル後については、観光道路は中腹までということで設計しておりますので、山頂まで行くためには、先ほど申し上げた
ミニモノレールに乗っていかなければならないということもあります。また、例えば、家族であったり、あるいは、障がいのある方を乗せていくときには介護の人が行ったりというようなことで、
ロープウエーで行った場合にそういう人たちは一人一人に料金がかかるということだと、ちょっと割高になって自動車の方に行くのではないかというようなこともあります。しかし、先ほど申しましたように、
ロープウエーについては割引制度なども考えますので、そういう意味では観光道路の利用者は今後大きくふえないのではないかというふうに考えております。
2点目の今回の工事についてのルートの話でございます。
これについては、230号線の方から民家を通って上がってくるルート、それから、小林峠の方から上がってくるルートと二つございまして、今回検討を進めましたのは、住宅地が張りついている230号線からの方は避けて、できるだけ生活の静穏を害さないような
ルート設計を考えております。したがって、
小林峠方面から観光道路の入り口の方に回って、それから山頂の方に行くルートを考えているところでございます。
◆宗形雅俊 委員 前回と同じような答弁ですが、この結果は開いてみなければわかりませんけれども、先ほど
ロープウエーはいろいろな割引制度等々があると。それが具体的にどうなるのかというのは明らかになっていませんが、仮に障がい者が行ったときに、ご本人は1,700円が相当な割引になっても、その付添者が相当な割引になるかというと、これはわかりませんけれども、半分ということにはならないと思うのです。これは予測ですけれどもね。
それから、
魅力アップということでは、駐車場が山頂から中腹駅になり、そして
バリアフリーになり、例えば、車いすを利用している障がい者も、今度
バリアフリーになったら行きたいねと、家族なり付き添いもついていくとします。基本的に、乗ったことがないから
ロープウエーということがあるかもしれませんけれども、家族で行こうとなったら最低でも3人、4人になりますから、割引があってもその負担というのは大きくなるのではないのかなと。そうなると、車を利用して行った方がいいと。そして、中腹駅も
バリアフリーになっているわけですから、そこから
スロープカーに乗って山頂に行けるというつくりになっていますね。
それから、大型バスも、今度、
魅力アップとなったから観光の中で大型バスで行きましょうと。だけど、大型バスで行くと、
ロープウエーの団体割引があったとしても、それだけの方々は一人一人に
ロープウエーの料金が加算されるから一挙に中腹まで行った方がいいと。これは、ある部分、環境という面もありますけれども、経済的な関係からそちらを選択するということも非常に大きくなるのではないかと思っています。そういうことで、観光道路等々について、いわゆるアクセスというのは開業後の推移ということで、計画変更はなかなか難しいかもしれませんけれども、常にそこを考えていただきたいということが一つなのです。
それから、工事車両です。これは、また地元の方とやるということで、荒井部長の話だと小林峠側、北の沢側からアクセスしますと。部長、現場を知っていますね。料金所のあそこから行くと、いわゆる歩道が途切れて狭くなるわけですよ。それから、鋭角な曲がりですから、当然、そこにはガードマンを配置したり、バスの回転場がありますけれども、本当にスムーズな運搬ができるのか。鋭角になっていますからね。それであれば、230号線から行った方が、住宅街を通しますけれども、スムーズに行くわけですよ。
僕は何を言いたいかというと、今後、開業したときの車利用を考えたときに、アクセスはやはり北の沢からすべきだと思っているわけです、僕の個人的な意見はね。そうなると、料金所の鋭角に少し手を加えれば、小林峠の道路整備、それから、あそこから観光道路に上がる料金所を整備して、若干、先の詰まりを拡張するのか、素人ですから、具体的には技術的なことがあるでしょうけれども、そういうような手を加えていけば相当にスムーズな自動車のアクセス運行もできるのではないかと。これも、将来の課題としながらも、ぜひ検討に加えていただきたいと思います。
特に、工事中のダンプ等のアクセスは、その鋭角のままで行くのは現実的に非常に厳しいと僕は思います。これは個人的な意見ですが、その辺は、工事業者の方、地元の方をきちっと巻き込んでいかないといろいろなことが起きると思います。これは、質問というよりも最後は要望になると思いますが、慎重に、特に
札幌振興公社には地元ときちっと進めるようにしていただきたいということを要望して、私は終わります。
◆佐藤典子 委員 私からも、藻岩山の再整備に関連して質問させていただきます。
先ほどのやりとりにもありましたように、藻岩山の再整備につきましては、2000年の第4次札幌市長期総合計画を受けて、2002年度に藻岩山観光ビジョンが策定されて、長い時間をかけて藻岩山のことを議論してまいりました。昨年7月に
藻岩山魅力アップ構想施設再
整備基本計画が策定されたわけでありますが、さらに多くの市民の皆さんの意見が寄せられて今日に至っております。どの声も、天然記念物である藻岩山の原始林を守りたい、それから、この豊かな自然を
子どもたちに伝えたい、そういう藻岩山を愛する多くの皆さんの思いが寄せられてまいりました。そして、これらのいろいろな議論の中で、先ほど来出ておりました環境保全、
バリアフリーをキーワードに、再整備の修正案が今こうやって実施設計という形になってきているわけです。また、こうした藻岩山をまさに観光資源として生かしてどのように進めていくかということで、まだまだ熱い視線が寄せられているところであります。
先ほど来、陳情の件で少しやりとりがありましたけれども、私から、大きく2点、少し具体的に伺いたいと思っています。
1点目ですが、今回も、まさに自然環境への配慮ということが施設再整備のテーマとなっておりますけれども、陳情にもありました太陽光などの自然エネルギーの活用、こうしたことをぜひ進めていただきたいと思っております。そこで、こうした自然エネルギーの活用が実施設計に具体的にどういうふうに反映されているのかということです。
2点目は、陳情にもありましたが、藻岩山はアイヌの皆さんにとっても非常に大切な山でありまして、インカルシペヌプリということで、これから多くの皆さんに伝えていきたいと思いますし、また、市民、観光客の皆さんにもしっかり受けとめていただきたいなと思っているところです。そこで、陳情にも、山頂にヌサバの常設化とか、それから、アイヌ文化を紹介するようなことが盛り込まれておりましたが、こうした取り組みは具体的にどういうふうになっているのか、改めて伺いたいと思います。
それから、アイヌの皆さんの作品の展示とか、文化、歴史を伝えるスペースとか、また、そうした作品を販売できる場所、さらに、こうした場所の常設化とか、それについてもどういうふうに考えておられるのか、大きく2点伺いたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 今回の陳情項目への対応についてでございます。
まず、1点目の自然エネルギーの活用に関する実施設計への反映についてでございます。
自然エネルギーの活用は、藻岩山における施設整備という観点から当初から必要なことだと私どもは考えておりましたけれども、このたびの実施設計の中では、中腹施設において太陽光発電を設置するということで盛り込んでいます。具体的には、中腹施設の2階部分に太陽光発電を設置するように考えております。
2点目のアイヌ民族の伝統儀式を実施する場所の設置や、あるいは、アイヌ文化の紹介をどのようにやっていくのかということでございます。
これらにつきましては、アイヌの関係者の皆様から話を聞く場を設けつつ検討を進めております。具体的に儀式を実施する場所につきましては、山頂周辺の豊平川が見える場所に常設することを考えております。また、案内板等の設置、さらには、
山頂展望台内に整備いたします
札幌紹介施設や中腹の市民活用施設などを活用してアイヌの歴史や文化を紹介してまいりたいと考えております。また、アイヌの伝統作品のことでございますが、展示、販売する場所を常設してはどうかということでございますけれども、中腹駅舎内に設置いたします売店の一角を活用するようなことも考えまして、これらについて検討を進めてまいりたいと考えております。
◆佐藤典子 委員 陳情の中には、
ロープウエーの工事が始まるときに、樹木だけではなくて、地下水脈の保全も徹底するようにということもありました。それから、施設の外観は自然と調和する色調でというようなこともありました。こうした市民の皆さんの声をしっかり受けとめていただきまして、また引き続き、アイヌの皆さんはもちろん、当事者の皆さんと一緒にさらに魅力あふれる藻岩山の整備を進めていただきたいと思っています。
再質問ですが、これに関連して、今、市民参加による緑の復元を進めているということで、こちらにもまた大きな期待が寄せられているところです。190万都市の市街地に隣接してこのような天然記念物が見られるのは札幌市だけと聞いておりますので、ぜひこうした豊かな森の復元に向けて具体的な取り組みを進めていっていただきたいと思っています。
そこで、今、どのあたりまでその取り組みが進んでいるのかという状況と、それから、今話し合われている内容が実施設計にどのように反映されたのかということにつきまして伺いたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 1点目のどのあたりまで進んでいるのかというのは、市民参加による緑という部分でございますね。
まず、1点目の具体的な取り組みの状況、それから、設計への反映ということでございますが、市民参加による緑の保全活動は、藻岩の森づくりプロジェクトということで昨年12月から取り組みを開始し、これまで、ワークショップを3回、専門家に同行いただいての現地視察会などを実施しております。市民の皆さんからは、藻岩山再整備における森づくりや環境保全に関して提言をいただいております。具体的には、山麓駅舎前のシンボルツリーの設置、あるいは、中腹駐車場周りの景観や樹木の配置、展望台周辺の森づくりの考え方など、さまざまな観点からの提案内容となっており、こうした市民の皆さんからの提言は今回の実施設計に反映されているところでございます。
◆佐藤典子 委員 緑を守っていくという過程においては、今お話のありましたような市民参加の取り組みは欠かせないと思っています。そこで、今後、市民の皆さんとの取り組みの中で、さらにその活動をどのように進めていくのかというところで伺いたいと思います。
それから、陳情にはなかったのですが、緑の復元の観点からは、
ロープウエーの真下が本当にえぐられて線のように見えるということで、ぜひ直下の森林の復元も検討すべきという声が上がっていまして、それについてどういうふうに考えておられるのか。
それから、今、森づくりプロジェクトという話が出ましたけれども、木はできるだけ切らないで、移植するとか、そういう形で残しながら森の復元を進めていただきたいと考えているのです。一般的には支障木と言われていると聞いておりますけれども、その考え方としてどういうふうに進めていくおつもりか、伺いたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 緑を守っていく取り組みの今後の部分ですけれども、具体的には植樹をすること、樹木の手入れを行うこと、これらに携わっていただくことを考えております。これらの具体的な作業に市民の皆さんに参加していただければというふうに考えております。
それから、
ロープウエーの下の線が入っているというところでございますが、これらについても、市民の皆さんから緑を復元させてはどうかというご意見を伺っております。今後、これらについても、関係機関とも協議をしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
それから、樹木の移植の観点ですけれども、今回の再整備に当たって、どうしても木を移動しなければならないところが出てまいります。これらにつきましては、基本的には移植ということで考えております。それから、天然記念物のエリアについては1本も切らないということで考えております。実際に天然記念物の木が枯れてしまったら大変なことになりますので、工事につきましては、天然記念物の根が生えているような部分などは実際には手作業で慎重な工事手法を取り入れるように考えております。
◆佐藤典子 委員 最後の質問です。本当に多くの市民の皆さんがこの藻岩山を愛しているという思いはもうしっかり届いていると思います。そして、観光客にもこの豊かな緑を十分味わっていただいて、リピーターがふえてほしいということも同時に思うところです。
そこで、
ロープウエーで山頂に上がる、また、森林体験型の輸送施設にも乗って頂上まで行くわけですが、頂上にはアイヌの皆さんのそうした儀式の場もありますし、そこに展示場も設置され、そういうところで文化をお知らせする場面もあります。ですから、このようにして山頂にたどり着くまでに、札幌市の歴史、また、アイヌの皆さんの文化、歴史を紹介するような工夫をしっかり考えていただきたいと考えております。
そのように一体的に藻岩山の魅力をアップするような取り組みとして、現段階ではどのようにお考えか、最後に伺います。
◎荒井
観光コンベンション部長 3点目の、市民、観光客の皆さんに、自然であったり、あるいは、アイヌ文化を実感していただくことへの取り組みということでございます。
一つは、山頂にたどり着くまでの間にできるだけそういったものを実感してもらうことがいいのではないかというお話がありました。
ロープウエーの中では今もアナウンスしておりますが、この中身も、
リニューアルに合わせて、委員がご指摘のような内容もできるだけ盛り込んで伝えていくような工夫が必要かなというふうに考えております。
もう一つは、
森林体験型輸送施設は2分程度なものですから、しゃべり始めるともう着いてしまうというような感じもあります。ですから、こちらの方には、例えば、中にパネルとか、あるいは、乗り場やおり場周辺とか、そういったところで工夫しながら、豊かな緑のこと、アイヌ文化の歴史等々をご紹介していくようなことを考えていきたいというふうに考えております。
◆佐藤典子 委員 ぜひ市民の皆さんの声、それから、アイヌの当事者の皆さんの声を受けとめていただきまして、引き続き、こうした魅力あふれる藻岩山づくりの整備を続けていただきたいということを改めて強く求めて、質問を終わります。
◆坂本恭子 議員 番外でお時間をちょうだいいたしまして、ありがとうございます。
簡潔に、確認の意味も込めての質問です。
今のご説明の中では、陳情が出された、そしてまた、
市民説明会、
シンポジウムがあり、説明を重ねる中で修正も加えてきたという経過のお話がございました。しかし、3本にわたって出ている陳情の内容に立ち入って、前の計画とこれからの実施設計というところで見てみますと、必ずしも市民の皆さんの声が本当に反映されているわけではないというふうに私どもは思っております。私たち共産党としましては、特に、山頂施設についてさまざまな意見がある中で、もっと検討すべき余地があるのではないか、市民理解、相互理解を得るための努力をもっとするべきではないかと思っているところですし、そこでは、誠心誠意、対応していただきたいというふうに思っております。
そういう前提に立った中で、あえて確認という意味ですが、今回の補正予算にかけられている2,710万円は、三つの工事にわたって
札幌振興公社に補助を行うということですけれども、これは、事、山頂施設にかかわっての設計、建設に関係があるというか、そこの直接的な工事になるものではないというふうに理解をしていいのでしょうか。そこだけ確認させていただきたいと思います。
◎荒井
観光コンベンション部長 山頂の展望台についての補助は含まれてございません。
○山田一仁 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 なければ、議案第8号中
観光文化局関係分等に対する質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時48分
再 開 午後1時50分
――――――――――――――
○山田一仁 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第8号中経済局関係分について、理事者から補足説明を受けます。
◎本間 産業振興部長 議案第8号 平成22年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)のうち、経済局関連分につきまして、私から一括して説明いたします。
現在の厳しい雇用情勢を踏まえ、国と北海道が指定いたします重点分野での雇用創出を目的とし、北海道緊急雇用創出事業臨時特例基金からの補助を受けて実施する委託事業の経費といたしまして、労働費において、勤労者対策促進費に4,320万5,000円、雇用推進費に1億6,349万6,000円、経済費につきましては、地域経済振興対策費に1,835万6,000円を追加しており、経済局といたしましては、補正予算総額で2億2,505万7,000円を計上してございます。
その内容でありますが、今後の札幌市の経済・雇用施策の立案に活用することを目的といたしまして、労働費において、札幌市における労働実態や雇用条件、企業の雇用動向などを把握するためのヒアリング等を実施する事業で36人の雇用を創出いたしますほか、大学卒業後3年以内などおおむね25歳以下の求職者を人材サービス会社などで雇用し、就職に必要な基礎研修や企業実習などを実施することにより、社会人の基礎的な能力を習得させ、早期の就職につなげることを目指す若年層人材育成事業費で150人の雇用創出を見込んでございます。また、経済費では、国の緊急保証制度を利用するために、札幌市へ認定審査を行った市内約1万2,000社に対し、経営状況等のアンケートを実施する事業や、道内各都市の産業振興施策を把握し、個別事業単位での連携可能性を調査する事業を追加しておりまして、この2事業の雇用創出効果は10人となっております。
これら経済局関連4事業合計で196人の雇用創出を見込んでいるところでございます。
○山田一仁 委員長 それでは、質疑を行います。
◆三宅由美 委員 私からは、若年者向け人材育成雇用プログラム事業についてお伺いします。
最新の札幌の雇用情勢によりますと、札幌圏の有効求人倍率は0.34、昨年の同時期より0.06ポイント改善されたとはいえ、依然として非常に厳しい状況であると言えます。また、雇用情勢が大きく変化しておりまして、特に非正規労働者の増大は、若者が将来に希望を持てず、不安を抱く大きな要因となっております。経済的格差が拡大しており、その結果、結婚しない、あるいは、結婚できない若者がふえまして、ひいては少子化の原因の一つに挙げられると考えております。代表質問でも多くの会派から雇用対策について質問されました。私も、1にも雇用、2にも雇用、3にも雇用と思っている一人でございます。
今回の若年者向け人材育成雇用プログラム事業ですけれども、通称名をジョブスタートプログラムパート2と呼んでおり、5月から実施している重点分野における新卒未就職者の人材育成雇用プログラムが1回目のジョブスタートプログラムであるとのことですが、そもそもこのジョブスタートプログラムというのはどのような事業なのか、確認のため、少し詳しくお伺いします。
このジョブスタートプログラムの1回目ですが、10月末までの事業だと聞いております。まだ事業が終了しておりませんので結果は出ていないと思いますけれども、現在の段階で、この事業で委託業者に雇用された研修生はどのような状況になっているのか、お伺いしたいと思います。
また、5カ月間、事業を実施している中で、事業担当部として、当然、研修生の状況を把握しているものと考えます。研修生は4月に就職できなかったことからこの事業に参加していますが、研修や職場実習を通して研修生には何が足りなかったと認識しておられるのか、お伺いします。
◎種村
雇用推進部長 まず、1点目のジョブスタートプログラムとはどんな事業なのかということで、その概要についてです。
国の重点雇用分野の事業を活用して実施するものでございます。厳しい雇用情勢の中で、就職したくても就職できないというような若年の求職者を、人材サービス会社などが一定期間雇用して、企業が重視する主体性だとか課題の発見力とか、あるいはチームワーク力などのいわゆる社会人基礎力を身につける研修と、もう一つは、企業での職場実習を行うことで早期の就職を促進するということがまず一つでございます。
なお、具体的な内容については、これから企画提案方式で広く募集し、内容のすぐれた提案をした事業主を選定することにしたいと考えております。
その次に、委託業者に雇用された研修生についてどのような状況になっているのかということでございます。現在実施している事業での研修生の状況についてですが、当初、定員が150人のところ203人の応募がございまして、選考の結果、165人が研修生として委託事業者に雇用され、9月末の段階では、研修生の約13%に当たる22人が就職しており、その他7人が別の進路に進んでおります。
その次に、研修を通して、研修生に何が足りなかったのかという認識についてでございます。
事業者に雇用された研修生は、5月に入っておりますが、状況を振り返ってみますと、やはり、社会人基礎力と言われるものやコミュニケーション能力など、基本的な能力が足りなかったのではないかというふうにまずは認識しております。また、これは事業者からの聞き取りでございますけれども、仕事の内容や企業の業態について、特定の業種あるいは企業規模などに固執するような傾向もあって、視野が狭い者も多かったというような報告も受けております。
◆三宅由美 委員 新卒者のジョブスタートについて、集まっている方々の状況がかなりわかりましたが、これは、学校教育とか家庭教育とかさまざまなことが関係してくると思っております。やはり、コミュニケーション能力、社会人基礎力、それから広い視野を持つということは欠くべからざるものだと思っていまして、このことも次に生かしていかなくてはならないと思っております。
それから、事業が終了していない段階とはいえ、22人の研修生が就職したことを含め、計29人が自分の進む道を見つけたということでした。現在の事業は残り1カ月で、最終的な結果がどれくらいになるか、一人でも多くの人が就職できるよう事業を進めていただきたいと思っております。
続いて、今回の事業について2点ほどお伺いいたします。
1点目は、今回のジョブスタートプログラムパート2は、現在行っているものとどこが違うのか、お伺いします。
2点目になりますが、現在行っているのは5月から10月までの約6カ月間の事業期間をとっておりますが、今回のパート2は約4カ月とかなり短い事業期間になっております。事業期間が2カ月間短くなるということは研修に十分な時間をかけることができないのではないかと思いますが、今回の計画で就職に結びつくと考えているのか、お伺いいたします。
◎種村
雇用推進部長 まず、1点目は、今回のパート2について、今までとどこが違うのかということでございます。
今回提案させていただいているジョブスタートプログラムパート2というのは、まず、対象者をおおむね25歳以下の求職者としております。これは、新卒後3年以内の再就職であれば、新卒時に就職できなくてもその後の差は何とか解消できるという報告もございます。それから、フリーター期間が3年を超えると正社員になれる率が急減する、こういう調査もあることから、おおむね25歳以下ということで設定したものでございます。それから、現在実施しているプログラムは、平成21年度に大学あるいは大学院、あるいは短大、専門学校などを卒業した新卒の未就職者を対象としておりましたが、対象者が25歳以下ということで範囲がかなり広がりますので、そういう意味では幅広い方にご参加いただけると思っております。
その次に、4カ月間ということで今までより短いのではないかということでございます。
委員ご指摘のとおり、確かに、今回の研修の事業期間が短くなるということは事業を行う上で厳しいと思っております。ただ、来年4月の就職に向けてということで考えますと、ここの時間で何とか考えるしかありません。私どもとしては、一つは、今回のプログラムが2回目ということもありますし、我々事業担当部としては一定のノウハウも蓄積させていただいていると思います。効率的な運営を行いながら、対象者の範囲を拡大したということもありますので、そういう意味では、何度か就職を経験した者も多く含まれると思いますので、そういう者を含めてできる限り就職に結びつけるように取り組んでいきたいと考えてございます。
◆三宅由美 委員 今の企業文化といますか、新卒者しかとらないところもあるのですけれども、ぜひ、この研修を通じてスキルを身につけながら、新卒者ではない人たちの就職機会をふやす努力、そして、企業についても、何年間か社会経験をしただけの分があったというような成果を上げていただきたいと思います。
再々質問ですが、平成22年9月2日に、厚生労働省から平成21年度若年者雇用実態調査結果が公表されました。その中で、若年労働者の就業状況を就業形態別に見ると、正社員が68.3%、正社員以外は31.7%となっておりました。さらに、当初、正社員以外の労働者として就職した若年労働者のうち、現在、正社員として就業しているのは35.3%のみであり、残りの64.7%は依然として正社員としての職につけないでいるという結果が出ておりました。
そこで、質問ですが、ジョブスタートプログラムの事業目的は、事業に参加した研修生が一人でも多く正規雇用されることだと考えます。今回のパート2での目標をどのくらいに設定しているのでしょうか、お伺いします。
また、このプログラムに参加しても就職できない研修生も当然にいると思うのですが、これらの研修生に対してどう考えるのか、あわせてお伺いいたします。
◎種村
雇用推進部長 まず、今回のパート2での目標はどのぐらいを設定しているのかということでございます。
現在、事業を継続中ということもございまして参考となる数値がないことから、具体的な数値の目標設定は難しいと考えております。しかしながら、半数以上の研修生の方が正社員を初めとして何らかの職につけるよう、あるいは、再度、進学するなど、自分の進路を見つけることができるように、そういう取り組みをやっていきたいというふうに思います。
その次に、就職できない研修生についての取り扱い、対応についてということでございます。
多くの方が今後の就職につながるよう、それぞれの研修生に合ったきめ細かなカウンセリングについて、今回もプロポーザルでやりますけれども、委託をしている事業者に対して指導していくほか、終了した後においても、例えば合同企業説明会の開催の案内であるとか、雇用につながるような各種の情報を積極的に提供してまいりたいというふうに考えております。
◆三宅由美 委員 要望ですが、多分、就職できない人は50%ぐらいになるのかなと考えられますけれども、きめ細かくカウンセリングやら合同就職説明会の案内で、とにかく働く意欲、働いていただきたい、そして、若い人の能力を最大限引き出してもらいたいなと思っております。この事業は、単なる人材サービス会社に委託する予算だけということで終わらせることはなかなかできないので、今後、就職率、正規雇用としての採用率などをしっかりと注視していきたいと思います。
◆宗形雅俊 委員 今、三宅委員が地域人材育成事業について質問しましたので、私は、重点分野雇用創出事業について質問させていただきます。
まず、3点について、端的にお聞きします。
現在、札幌圏における直近の求職者数について、できれば若干の推移をお示し願えればありがたいと思います。これが第1点です。
それから、緊急雇用対策重点分野ということで、
雇用推進部で1件、産業振興部で2件の調査業務という三つの事業となっています。ちょっと確認ですが、実施方法は、直接雇用なのか、間接、いわゆる委託業務の雇用なのか、その確認と、委託とすれば、雇用者を新規採用したという担保ですね。エビデンスといいますか、これをどういうふうにとるか、教えていただきたいと思います。
それから、今回の雇用創出事業である三つの調査業務は道からの基金を財源としていますが、仮にこの財源がなくてもこの調査業務はやったのか、この3点をまずお聞きしたいと思います。
◎種村
雇用推進部長 まず、1点目は、札幌圏における直近の求職者の推移の状況でございます。
4月の年度当初、それから、現在の一番新しいデータは8月でございますので、その比較でございます。
求職者の推移でございますが、4月が6万1,615人という数字でございまして、8月の現段階では5万5,702人ということで、若干ではございますけれども、改善している状況にございます。
その次に、重点分野創造事業の実施の方法、それからもう一つは、新規採用者の雇用等の確認の方法ということでございます。
まず、実施の方法としては、委員ご承知のとおり、これは委託事業でございます。それから、当該基金事業においては、新規求職者であることが事業の実施要件になっております。補助金交付要綱などに従って、事業の受託者が採用時に離職票などの書類で確認し、かつ、事業の終了時には本市においても確認しているということでございます。
それから、3点目は、今回は道からの補助金がなくても実施をしたのかということでございます。
まず、これら3事業については、必要性は私どもとして認識をしておりました。しかしながら、本市の厳しい財政状況の中で申し上げると、市費での措置というのがある意味で難しい状況にもございました。しかしながら、今回、重点分野創造事業の趣旨に合致すること、もう一つ、一定の雇用創出効果も見込めることもあって計上させていただいたところでございます。
◆宗形雅俊 委員 今お聞きしますと、求職者数は、4月当初からは改善されているが、まだまだ非常に大きな数字があることがわかりました。
そこで、今、調査業務は、要は、必要だけれども、緊急ではなかった、しかし、たまたま財源ができたから仕事をつくったということだと思うのです。先ほどの
観光文化局もそうですし、私は、2定のときも、またいつもお話ししていますが、特に、この調査業務というのは業務が終わればこれで終わってしまうということになると思うのですね。当然、求職している人が生活なり仕事の場ということでここに応募して何人か採用される、すがるような気持ちでやって、とりあえずは一時しのぎをしようということになるかもしれませんけれども、私は、やはり、こういった事業は次のステップにつながる事業にしていかなければならないと思っております。
そういう意味では、財源がついて経済局で雇用という事業を何か考えたときに、やはり、そういった知恵を絞る発想がなかったのかなという疑問もあるわけでございます。2定のときには、札幌中心街のものをやりましたね。それは、次に何か可能性を秘めている。ただ、調査業務というのは、この調査が終わってしまえばそれで終わりだということで、こういう事業を考えたときに、何かそういう発想がなかったのかなということで、その辺の検討過程はどうだったのかということを一つお聞きしたいと思います。
それからもう一つ、先ほど
観光文化局のところでも言いましたし、2定のときもそうですけれども、例えば、こういう事業で一時的に雇用したと。それがうまくその民間事業者や企業の方々に継続雇用していただいたときのこれからの
バックアップ策として、例えば、採用した企業名を広く公表するとか、それから、業種にもよりますが、市登録業者であれば、経営審査のポイントを上げるとか、また政策入札とか、そういう優遇策、また、札幌市が行っている融資制度の利便性を何か図るとか、サイドと言うのですか、横からの
バックアップ策、支援策ですね。同時に、ある意味、いまだ5万何人ということで、これをすべて行政で受けるということが不可能なことはわかりますから、いろいろな意味で、何かしら民間企業なり、事業者が――一番いいのは景気がよくてどこももうかる、そして、事業を拡大して採用していくという道が明るい姿です。これは短期的にはなかなか見えてきませんけれども、一部は行政がこういった事業で少しでも臨時雇用をする、片方で何かバックアップをしながら少しでも雇用に対するインセンティブを働かせる、私はこんな政策も必要ではないかと思っております。
この辺の支援体制について、今、答えるのは大変でしょうけれども、今後、そういうようなことを考えてほしいと思うのですが、その必要性ということも含めていかがか、この2点をお聞きします。
◎種村
雇用推進部長 まず、1点目は、どんな検討をしてきたのかということでございます。
私どもとしても、当然のことながら、制度の性質上は確かに短期の雇用かもしれませんが、委員のご指摘のように、なるべく少しでも多くというのは我々としても考えながら、ただし、実際に事業を執行するのは原局でございますので、そういうところに対してもなるべくそういうような事業を出してほしいということは、実は現在でもお願いしている状況でございます。ただ、現段階では、昨年度、今年度ということで緊急雇用が続いている関係もあって、その辺の知恵が若干足りなかったのかなと、そこのところは反省すべきもの、改善すべきものだと思っております。
それからもう一つ、何らかの形で支援策というのはどうなのかということでございます。
企業などに雇用の継続を促す方策として、確かに、例えば引き続き雇用契約を結ぶ場合などに一定のインセンティブを与えることは有用だと我々も考えております。今後、委員のご提案も参考にさせていただきながら、その方策について検討していきたいというふうに考えております。
◆宗形雅俊 委員 ぜひ、検討していただきたいと思います。
もう一つ質問ですが、先ほど三宅委員も言いましたけれども、3定の代表質問を聞いていまして、ほぼ全会派が雇用を取り上げております。私ども自民党も同じでございます。そういう意味では、やはり雇用が大きな問題であると思いますし、また、その対応がまだまだ不十分ではないかと考えているところでございます。
また、市長は、代表質問の答弁の中で、一言一句は同じ言葉ではありませんが、北海道の中心都市として札幌はその大きな責任と役割を担っているという旨の話をされたと思います。そして、今回の緊急雇用対策の財源については、先ほども言いましたように、北海道緊急雇用創出事業臨時特例基金からだと、いわゆる道からの財源であります。そういう中で、市長が北海道における札幌市の役割、責任と言うのであれば、そして、この雇用対策の財源は道からのものであるならば、さらに、先ほど聞きましたように、改善はされたが、まだ5万何人も求職者がいらっしゃるとするならば、本市の独自事業で、いわゆる身銭を切ってこういったことをすることも検討しなければいけないのではないかと僕は思っております。行政がすべてを負うことがなかなか難しいことはわかりますけれども、やはり、こういう経済状況の中で、呼び水と言いますか、少しでもそういった事業をしていかなければなりません。
先ほどの調査業務についても、財源がなかったのでやらなかった、やるべきものだけれども、なかなか財源がなかったと言うのです。しかし、市長の言葉をかりれば、札幌には中心都市としての役割があるとすれば、例えば、この調査業務は札幌市の財源でやる、そして、基金から来るものは、先ほど部長も言ったように、皆さんは優秀ですからいろいろと知恵を絞っていただいて継続雇用につながるような事業をやっていく、そういうことで私は両輪の中でやっていくべきではないかと。市長は、中心的な役割、責任があると言いながら、財源は他人のふんどしでやっている、これでは言葉だけで意欲が全然伝わってこないのが事実ではないかと思っているわけでございます。そういう中で、今回、補正予算が上がっておりまして、来月はまた4定が始まりますけれども、改めて、ぜひ緊急に雇用対策を検討していただきたいなと思っている次第でございます。
それから、年度当初は市独自でも緊急雇用ということで財源をとっておりますが、やはり、まだまだ改善できないということで、途中で札幌市独自の財源でこういう補正予算をやっていくべきだということも要望しますけれども、雇用のミスマッチということがよくありますが、この事業も求職に対するミスマッチがあってはならないと思うのです。そういう意味では、今、4月から始まったのは事業の途中かもしれませんが、昨年、こういった事業をいろいろされてアンケート調査もされたりしていると思うので、それらを踏まえて、この4月以降の
緊急雇用創出推進事業ではどのような効果があったのか。ちょっと難しいかもしれませんが、それから、課題を含めて、緊急雇用に対する認識、全体的な評価と言うのですか、それをお聞かせ願いたいと思います。
それから、先ほどの質問と重なるかもしれませんけれども、求職者がまだ5万5,000人いる中で、雇用対策に対する今後の札幌市の意欲、対応をぜひ聞かせていただきたいと思います。この2点です。
◎種村
雇用推進部長 まず、1点目の今年度の実施事業における雇用実績の効果、課題ということでございます。
今回提案の8事業を含めて、今年度は
緊急雇用創出推進事業として88事業が計画されておりまして、1,637人の雇用創出効果を見込んでおります。9月末の時点で78事業を現在実施中でございまして、977人の雇用が生まれているところでございます。1年以内の短期という制約はございますが、雇用者の方々にとっては、生活基盤が確保されて、若干とはいえ、雇用の下支えに一定の効果があったかなというふうに認識しております。
一方、21年度の実績でございますが、約4割を超える方が次の就職に結びついたものの、多くの方が未就職の状況にあるということで、今後も、ここについては、資格取得事業であるとか、各種再就職支援事業であるとか、あるいは、合同企業説明会の利用だとか、それから、当然、国の各種助成制度の情報提供も行いながら、何とか次の雇用につながるような取り組みをしていきたいというふうに考えております。
それから、市の決意ということでございますが、本市としても、私どもが持っている就業サポートセンターなどを中心に求職者に対する支援に取り組んでいるところでございます。ただ、雇用情勢が依然として厳しいのはご承知のとおりでございます。国や道の動向も見据えながらでございますけれども、市費単独での雇用対策についても引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。
◆宗形雅俊 委員 ぜひ、頑張っていただきたいと思います。
そこで、今、札幌市は職員が1万4,000人何がしということで政令指定都市の中で最低レベルです。当然、いろいろな行財政改革を進めていかなければなりませんし、市長は胸を張ってそれを言っていらっしゃる。なるほどなと思う反面、片方で、いろいろなことで努力されたり、皆さんも経費の抑制をされていると思うのですね。
ところが、とある施設に行きまして、今まで外注でしていた仕事を、そういう背景の中から、内製化にしてしまった。そちらから見ると、当然、経費を抑えるために内製化した、これは一つの仕事として評価されるのでしょうけれども、外から見たときに、いわゆる市から仕事をもらっていた人が、今度はなくなってしまったということが起きてきた。非常に難しい問題だなと思うのですね。市から見ると、経費を削りなさい、では、内製化をして、今まで外に出していた仕事を内製化して自分たちでやりましょうと。ところが、今度、外でその仕事をもらっていた人たちは仕事がなくなってしまった。非常に難しい問題だなと。これは、僕は、現実にそういうふうになった方からいろいろな話を聞きました。その方も、いろいろな札幌市の事情をわかりながら、厳しい中だなと。
これは、2定のときに私は市長に質問したのですが、ことしの春先に、札幌商工会議所、経済界あてに雇用をお願いして、その反面、そういう中で札幌市は職員を削っている。緊急ということでやっていますけれども、経済界には雇用してくださいよというようなことで、やはり、虫のいい話になっていってほしくないなと。それであれば、やはり経済界が雇用できるように、行政が牽引できる景気・経済対策もしっかり打ち出していかなければならないなと思っているわけでございます。
先ほどの前段の例はこれからちょっと外れるかもしれませんけれども、やはり今、景気・経済対策と雇用というのはセットですので、いろいろな形で、また、先ほどの内製化と外注という問題もいろいろなバランスが必要かと思います。そういったことも含めて、経済局だけではありませんが、そういうバランスをとりながら、ぜひ、雇用もそうですけれども、今後は景気・経済対策でも努力をして、我々も市民のためにいろいろな形で協力しますので、よろしくお願いして、終わります。
○山田一仁 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 なければ、議案第8号中経済局関係分に対する質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時23分
再 開 午後2時24分
――――――――――――――
○山田一仁 委員長 委員会を再開いたします。
ここで、陳情の取り扱いについてお諮りいたします。
陳情3件の取り扱いは、いかがいたしましょうか。
(「採決」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 それでは、陳情3件については、本日、結論を出すことにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 異議なしと認め、陳情3件については、本日、結論を出すことといたします。
次に、議案第8号中関係分及び陳情3件について、一括して討論を行います。
◆三宅由美 委員 私は、民主党・市民連合を代表して、陳情3件については不採択とすべき立場で、討論を行います。
藻岩山の施設再整備に向けては、
シンポジウム、意見交換会等を通じ十分な市民議論を踏まえ、また、
経済委員会においても幾度となく議論を行い、実施設計に至ったわけです。その実施設計に基づき、今回、振興公社に対する補助ということで補正予算が提案されておりますが、陳情3件については、その実施設計と相入れない内容を含む――念のため、申し添えますが、すべて相入れないというわけではございません。相入れない内容を含むということで、不採択とすべきものと考えます。
ただ、先ほどの理事者のご答弁にもありましたように、陳情の中には設計に反映している提案もございます。それ以外に、今後、藻岩山で事業を展開していくに当たって検討すべき
ソフト事業や料金設定などの内容も含まれておりますので、これらの提案については、より多くの市民、観光客が藻岩山に足を運ぶことができるように、取り入れるべきものは取り入れるよう求めて、討論を終わります。
○山田一仁 委員長 ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
この場合、分割して採決を行います。
最初に、陳情第1259号、第1261号及び第1271号の陳情3件を問題といたします。
陳情3件を採択すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(挙手する者なし)
○山田一仁 委員長 賛成者なしであります。
よって、陳情3件は、不採択とすべきものと決定いたしました。
次に、議案第8号中関係分を問題といたします。
議案第8号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○山田一仁 委員長 異議なしと認め、議案第8号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。