札幌市議会 2010-06-01
平成22年第 2回定例会−06月01日-02号
議案第4号 札幌市職員の育児休業等に関する条例及び札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案
議案第5号 札幌市
職員退職手当条例の一部を改正する条例案
議案第6号 札幌市
児童福祉施設条例の一部を改正する条例案
議案第7号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
自転車等駐車場条例の一部を改正する条例案
議案第9号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第10号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市火災予防条例の一部を改正する条例案
議案第13号 財産の取得の件(青少年山の家建物)
議案第14号 町の区域を新たに画する件
議案第15号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第16号
北海道市町村備荒資金組合規約変更に関する協議の件
議案第17号 市道の認定及び変更の件
諮問第1号 異議申立てに対する決定に関する件
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〇出席議員(65人)
議 長 福 士 勝
副 議 長 宮 村 素 子
議 員 山 口 かずさ
議 員 宝 本 英 明
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 飯 島 弘 之
議 員 小 嶋 裕 美
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 横 山 峰 子
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 村 上 仁
議 員 小 倉 菜穂子
議 員 伊 藤 牧 子
議 員 長谷川 衛
議 員 佐 藤 右 司
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 林 家 とんでん平
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 阿知良 寛 美
議 員 芦 原 進
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂 ひろみ
議 員 佐 藤 典 子
議 員 三 宅 由 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 馬 場 泰 年
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 高 橋 功
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 堀 川 素 人
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 年 男
議 員 湊 谷 隆
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 大 越 誠 幸
議 員 宮 本 吉 人
議 員 佐 藤 美智夫
議 員 松 浦 忠
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〇欠席議員(1人)
議 員 義 卜 雄 一
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 小 澤 正 明
副 市 長 中 田 博 幸
副 市 長 生 島 典 明
交通事業管理者
交 通 局 長 下 村 邦 夫
水道事業管理者
水 道 局 長 小 山 高 史
病院事業管理者
病 院 局 長 吉 田 哲 憲
危機管理対策室長 北 野 靖 尋
市長政策室長 秋 元 克 広
総 務 局 長 中 西 浩 二
市民まちづくり局長 若 林 秀 博
財 政 局 長 阿 部 知 明
保健福祉局長 岡 村 龍 一
子ども未来局長 橋 本 道 政
環 境 局 長 中 村 敬 臣
経 済 局 長 井 上 唯 文
観光文化局長 梶 原 隆
建 設 局 長 渡 邊 光 春
都 市 局 長 宮 浦 哲 也
会 計 室 長 飯 塚 和 惠
消 防 局 長 松 井 英 樹
教育委員会委員 池 田 光 司
教育委員会教育長 北 原 敬 文
選挙管理委員会委員長 富 田 新 一
選挙管理委員会委員 高 橋 忠 明
選挙管理委員会委員 大 西 利 夫
選挙管理委員会委員 上瀬戸 正 則
人事委員会委員 品 川 吉 正
人事委員会事務局長 森 裕 傑
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監査事務局長 紙 谷 健 治
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 早 瀬 龍 宏
事務局次長 本 間 章 弘
議 事 課 長 出 井 浩 義
議 事 係 長 田 口 繁 治
委員会担当係長 木 村 卓 哉
委員会担当係長 冨 永 智
書 記 太 田 知 孝
書 記 早 坂 友 秀
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〔午後1時2分開議〕
○議長(福士勝) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、62人です。
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○議長(福士勝) 本日の
会議録署名議員として恩村一郎議員、村山秀哉議員を指名します。
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○議長(福士勝) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(早瀬龍宏) 報告いたします。
大越誠幸議員、高橋 功議員は、所用のため、遅参する旨、届け出がございました。
去る5月24日、議長は、議案第4号 札幌市職員の育児休業等に関する条例及び札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案、議案第5号 札幌市
職員退職手当条例の一部を改正する条例案につきまして、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めております。
これに対し、去る5月26日、
人事委員会委員長から意見書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、
陳情受理付託一覧表、議案審査結果報告書、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表及び報告書は巻末資料に掲載〕
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○議長(福士勝) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第12号を議題とします。
委員長報告を求めます。
財政市民委員長 桑原 透議員。
(桑原 透議員登壇)
◆桑原透議員
財政市民委員会に付託されました議案第12号
桑園小学校改築工事請負契約締結の件について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、低入札対策の導入後、初めての大規模工事の入札であるが、
最低制限価格等の引き上げなどの効果があったと判断しているのか。校舎5階にプールを設置するとのことだが、関係者との合意の上での構造なのか。また、屋外に設置する場合に比較してコスト高とならないのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第12号は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(福士勝) ただいまの委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福士勝) 質疑がなければ、討論の通告がありませんので、採決に入ります。
議案第12号を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福士勝) 異議なしと認めます。
したがって、議案第12号は、可決されました。
――
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○議長(福士勝) 次に、日程第2、議案第1号から第11号まで、第13号から第17号まで、諮問第1号の17件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
小川直人議員。
(
小川直人議員登壇・拍手)
◆
小川直人議員 私は、民主党・
市民連合議員会を代表し、2010年第2回定例市議会に上田市長が上程されました諸議案並びに当面する市政の諸課題について、提言を含め、順次、質問いたします。
質問に入ります前に、本年4月に宮崎県で発生した
家畜伝染病口蹄疫によって多大な経済的損失をこうむっている畜産農家及び関係住民の皆様に、心からお見舞いを申し上げます。
急速に感染と被害が拡大する現状に対し、酪農王国・北海道としても危機感を持って対策を講ずる必要があります。私どもも、国に対し、感染拡大の防止、被害を受けた畜産農家及び関連産業の損失補てん、経営再建に万全の対策を行うよう求めるものであります。
さて、内閣府が発表した5月の
月例経済報告によりますと、1月から3月期の実質GDPは、年率換算で前期比4.9%の増となったものの、景気の持ち直しは外需や経済政策に牽引されている面が大きく、いまだに自立的な回復には至っていないとされております。また、ギリシャの財政危機に端を発したヨーロッパを中心とする金融不安も、今後の本格的な景気回復に暗い影を落としており、4月の
有効求人倍率、完全失業率が再び悪化するなど、まだまだ厳しい経済・雇用状況が続くことが予想されております。
このような中、今年度予算の成立を経て、政府は、本格的に、
地域主権改革を初め、成長戦略の策定や税制改革の議論を加速させており、本市としても、事業の選択と集中を進め、より積極的に政策提言を行っていかなければなりません。
そこで、初めに、市長の政治姿勢について3点伺います。
1点目は、
地域主権改革についてです。
現在、国政の場では、鳩山政権が1丁目1番地として最重要の課題に位置づけている
地域主権改革に関する法案が今国会に上程され、審議が進められております。この中では、
地域主権戦略会議の設置を法制化して内閣を助ける明確な権限と責任を備えた体制とし、改革を、より一層、政治主導のもとで進めていくこととしております。また、政府のスケジュールでは、
地域主権戦略大綱をことしの夏をめどに策定することとしております。その策定に向けて、義務づけ、枠づけの見直しや、基礎自治体への権限移譲、国の出先機関の改革とあわせ、
ひもつき補助金の廃止、
一括交付金化についての検討が本格化しております。
一括交付金化については、制度の詳細や算定方法がまだ示されているわけではありませんが、政策や事業ごとに細かく定められてきた国庫補助金や負担金を廃止し、地方の自由裁量を拡大することは改革の第一歩であり、私たちにとっても歓迎すべきことと考えております。しかし、国の関係省庁の対応状況を見ますと、国が主体的にやった方がいい、そもそも
一括交付金化は困難などと極めて消極的な姿勢が目立っており、その実現には大きな壁が立ちはだかっているとも言えます。
また、4月に行われた
地域主権戦略会議の
地方ヒアリングにおいては、
一括交付金化が一方的な国の財源捻出の手段として利用され、過去の
三位一体改革のように単なる地方財源の削減になるのではないかとの懸念も出されております。そのようなことが決してないよう、今後の
地域主権改革の実現に向けて、地方交付税を含めた地方税財源の拡充への取り組みをより一層強めていかなければなりません。
そこで、質問ですが、
一括交付金化に当たっての制度設計や交付税を含めた地方税財源の拡充について、本市も国に対して積極的に提言し、
地域主権改革を推進していくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
2点目は、
市民満足度調査についてです。
ことし1月から2月にかけて実施された
市民満足度調査は、札幌市が行っている施策を49に分け、それぞれについて、「どのくらい重要だと思うか」「市はしっかり取り組んでいると思うか」をそれぞれ4段階評価で問い、調査結果の公表に当たっては、これを100点満点で点数化しております。
この結果を見ますと、重要度がおおむね高いにもかかわらず満足度が低い施策の中には、医療や高齢者・障がい者福祉など国の制度によって大きな制約を受けている施策もありますし、市長と市民が大切だと思う方向性はおおむね一致しているのに、その努力の成果が伝わり切っていないのではないかと残念に感じる項目もあります。また、満足度と重要度がともに高い施策であっても、都市としての魅力を高めていくには、さらに取り組みを強化していく必要があるものもあります。
今回の
市民満足度調査は、6月に実施する市民評価を含め、今後の行政評価の基礎資料にするとのことです。調査結果にあらわれた数字のみで優先順位をつけるのはいささか乱暴な気がいたしますが、調査結果をどのように受けとめて今後に生かそうとされているのか、お伺いいたします。
3点目は、上田市政を問う世論調査についてです。
ことし4月にある新聞社が行った上田市政を問う世論調査の報道によりますと、上田市長を支持するが40%で、2年前の調査を5ポイント下回る一方、支持しないが32%で、11ポイント上回る厳しい結果となっております。また、支持と不支持の理由の内訳を見ますと、支持する理由としては、「市民の声を重視している」が48%、「政策が評価できる」が21%である一方、支持しない理由として、「政策が評価できない」が41%、「市民の声を重視していない」が37%と、上田市長の市政運営に対する市民の評価は大きく二分されている数字となっております。
この調査は、職員の不祥事が続き、また、児童会館のトルエン検出などの市の対応のまずさについての報道がなされて間もない時期に行われており、また、近年の世論調査の結果は、調査が行われた時期の新聞、テレビなどマスコミ報道に過敏に反応する傾向が強いとはいえ、市民の率直な評価として真摯に受けとめなければなりません。
まちづくりの
あり方そのものが大きな転換を迫られており、市民サービスに対するニーズが多様化しているなど、難しいかじ取りを迫られている中で、市長は、行財政改革を進め、市民と情報を共有し、ともに悩み、解決するという市民自治による市政運営を目指してこられました。とりわけ、昨年7月から実施した家庭ごみの一部有料化に伴う家庭ごみの大幅な減量は、まさに市民力が発揮されたものであり、このことはもっと高く評価されてしかるべきだと考えます。
しかし、世論調査にあらわされた数字は厳しいものであり、将来のまちづくりの課題を市民と共有する発信力、政策決定のスピード感、市民の市役所としての一体感など、急激な
社会経済状況が変化する不安の中で暮らす市民の市長への期待が込められているものではないでしょうか。
市長は、今回の調査の結果をどのように受けとめて、任期最終年度の市政運営に当たられるのか、所見をお伺いいたします。
次に、
出資団体改革と行政評価の今後の展望について伺います。
出資団体改革の取り組みについては、市議会でも、2003年度に
出資団体等調査特別委員会を設置し、同年12月に、統廃合の検討や第三者機関の設置などを要望する出資団体等に関する決議を採択するとともに、07年度に引き継がれた
出資団体改革調査特別委員会でも市に対して数々の意見や提言を行ってきたところです。市においても、これらの意見、提言を踏まえて、04年度、06年度、07年度には外部評価を行うとともに、
出資団体等調査特別委員会での議論を踏まえつつ、
出資団体改革プラン、
出資団体改革新方針を策定し、その取り組みを進めてきております。
出資団体等に関する決議において課題として掲げられた項目の取り組み実績について見てみますと、監視体制の充実や情報公開の推進の取り組みで目標を達成するほか、人的関与の見直しについては、市職員の常勤役員への就任の見直しなどの取り組みに加えて、市職員の派遣見直しでは、当初目標の95名を超える117名とするなど、改革プランで掲げた目標を超える水準で達成されているものもあります。また、残る取り組み課題のうち、団体の統廃合については、改革プランを作成した05年度当時の38団体が34団体となったほか、現在、さらに3団体の廃止、2団体の統合に向けた取り組みが進められております。
また、外部評価体制の確立や出資の見直し等についても、去る5月27日に開催された
出資団体改革調査特別委員会の場において、今年度、具体的な取り組みとして進める旨の説明があったところであります。
さらに、出資団体、特に指定団体に対する補助金、委託料等の財政的関与について見ますと、05年度予算と10年度予算との比較で、補助金は額にして約19億円減の9億9,000万円、また、委託料は約66億円減の224億円と、この5年間を見ても大幅な縮減が進んでおり、各団体の内部においても、内部効率化に取り組むことができる項目については一定程度進んできたのではないかと考えます。
このような中で、
出資団体改革の取り組みをさらに実効性のあるものとしていくためには、各団体の役割や事業の中で、所期の目的を既に達成したもの、社会環境の変化等により必要性が低下したものなどについては、不断の見直しが必要とされています。しかし、団体の役割、事業の多くは市の施策、事業とのかかわりが強く、団体側が単独で見直すことが難しいものも少なくありません。このため、行政評価など、市側の
事務事業見直しとの一体化、あるいは連携した見直しが肝要であり、このことは、07年の
出資団体点検評価委員会の報告書や昨年度の
行政評価委員会の報告書などでも指摘されているところです。
今年度は、市民評価、いわゆる事業仕分けに取り組むとともに、出資団体に関する外部評価についても、
行政評価委員会を活用して行う旨、さきの
出資団体改革調査特別委員会の場で説明があったところであり、市側、出資団体側の両面において、外部の視点を生かした新たな評価の取り組みが進められようとしております。第三者の視点を積極的に取り入れようとする姿勢は評価するところですが、私は、
出資団体改革の取り組みをより効果的に進めていくには、例えば、補完・代替的な事業に着手し、担い手という評価の視点を共有化した上で、市においては、施策、事業の必要性や有効性、さらには担い手選定に際しての専門性の有無などについて評価、検証を行う一方、出資団体においては、事業運営に際しての効率性や専門性の発揮、そして、ノウハウの蓄積状況などについて評価を行う、このように評価の視点を共有化することで最少のコストで最大の効果が発揮されるものと考えます。
そこで、質問ですが、
出資団体改革をより効果的に進めていくには、市の施策、事業にかかわる評価と出資団体の評価の一体性を確保するなど、評価の取り組みの連携が重要と思いますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、雇用増大に向けた
産業振興ビジョンについて伺います。
昨今の我が国を取り巻く経済情勢は、2008年度秋に発生した
リーマンショックの影響などもあり、輸出や生産が急速に減少するなど厳しい状況が続いております。内閣府が発表した最新の
月例経済報告については、先ほども触れましたが、景気の持ち直しの感はあるとしながらも、個別の経済指標を見ると、特に雇用情勢において依然として厳しい状況が続いております。例えば、ことし4月の札幌圏の
有効求人倍率は0.30倍と全国平均を下回っているほか、札幌圏における高卒者の就職内定率は67.1%と、前年同月を19.6ポイント下回っており、雇用対策は従前にも増して重要な課題となっております。
札幌圏における雇用の厳しさを物語る状況としては、例えば、札幌市から道外への転出者が近年増加傾向にあることが懸念の一つとして挙げられます。特に、男性や若年層においてこの傾向は顕著になっており、例えば、道外への転出者は、男性が女性の1.4倍となっているほか、転出超過数が最も多い年齢区分は20代と、まさに札幌の将来を担う若者の流出が現実になっております。これらの若者が仮に札幌に就職したいと思っても、雇用の受け皿が少ないため、就職できず、やむを得ず道外に職を求めて流出しているとすれば、まちづくりを進める上で極めて大きな損失であると言えます。
このように人材の流出と雇用情勢は密接に関係しており、若年層を中心とした市民の雇用の場を創出し、人材の流出を防ぐことが、
地域経済活性化のためには欠かせない課題となっております。
このような状況にあって、札幌市では、少子高齢化、グローバル化、地球環境問題への対応など、社会環境が大きく変化する中、足腰の強い確固とした経済基盤を確立するため、中長期的な視点に立った
産業振興ビジョンの策定に取り組んでいると聞いております。ビジョンの策定過程においては、市長の附属機関である
中小企業振興審議会で審議を重ねているほか、道内外の企業に対し、
アンケート調査やヒアリングを実施するなど、可能な限り市民、企業の意見をいただいているとのことです。
今後、我が札幌市でも人口減少が訪れる時代にあり、しかも、これまでと同じような規模での公共投資が望めないという状況にあっては、地域主権の主体として中長期的な産業振興の基本方針を定める
産業振興ビジョンを策定することは大きな意義があると考えます。そして、ビジョンを策定した後、それに基づく
アクションプランや
各種予算事業が展開され、産業が活性化することにより、札幌でさらなる雇用の場が創出されるものと期待するところであります。
そこで、1点目の質問ですが、現在、策定を目指し準備を進めている
産業振興ビジョンの素案においては、雇用についてどのように位置づけ、取り組んでいこうと考えているのか、お伺いいたします。
また、本市の場合、卸売・小売業やサービス業を初めとした第3次産業が中心の産業構造となっておりますが、これらの第3次産業はもちろん、農業などの第1次産業、製造業、建設業などの第2次産業を含め、どれもが札幌市の産業活性化の上で重要な役割を担っていると言えます。
しかしながら、札幌経済がさらなる成長、発展を続けていくためには、従来の産業構造の枠にとらわれず、将来にわたって成長が見込まれる重点分野は何かということを明らかにするとともに、それを市民、企業、行政が共有し、足並みをそろえて産業振興に取り組んでいくことが必要だと考えます。
そこで、質問ですが、
産業振興ビジョンの素案においては、重点的に取り組む分野はどうあるべきと考えているのか、あわせて、市長の産業振興を通じたまちづくりへの思いについてもお伺いいたします。
次に、総合交通計画、中でも市民の関心が非常に高い路面電車について伺います。
交通にかかわる社会インフラは市民の暮らしを支えておりますが、今後、超高齢者社会の到来が予想されている中、人と環境に優しい交通体系の実現は急務であります。今、市民が移動する際には、目的などに応じて自動車や自転車などの私的交通のほか、地下鉄やバス、路面電車などさまざまな交通手段を使い分けております。市長がマニフェストに掲げる人が輝く街の実現に向け、これらの交通手段をその特性に応じて効果的に組み合わせ、利用させることが重要であると考えますが、そのためには、札幌市の総合交通体系を今後どのようにしていくのかという視点がまさに大切だと思うのであります。
昨年度、札幌を含む道央都市圏において、都市圏の目指すべき将来像を実現するための望ましい交通体系の姿を示す都市交通マスタープランが策定されました。本市としても、今年度立ち上げる札幌市総合交通計画策定委員会において、将来交通に対する基本的な考え方を整理するとともに、今後の取り組むべき施策を体系化するための検討をスタートすることとし、その中では、路面電車についても取り上げていると聞いております。
特に、路面電車については、本年3月にまとめられた札幌市路面電車活用方針の中で、本市としては路線の延伸は実施すべきと考えており、今後、市民委員も入れた第三者委員会を開催し、十分な議論を行うことになっております。現在、議論の具体的な方法やスケジュールなどについて検討されているとのことでありますが、路面電車を延伸することについては、賛否両論の市民意見があるほか、賛否を決めかねている方々も相当いるようであります。
このような背景には、路面電車の延伸は、交通政策やまちづくりはもとより、経営面、技術面など多岐にわたる観点からの検討が必要であり、市民にとってわかりづらい内容であることから、市の考え方が十分に浸透しているとは言いがたい面もあるのではないかと思っております。このため、市が考えている第三者委員会による議論では、市民を公募しても参加できる人数には限りがあり、先ほど述べたように、幅広い内容についての検討が必要であることを考慮いたしますと、必ずしも十分な議論とはならないのではないかと思うのであります。
そこで、質問ですが、路面電車の延伸の検討に当たっては、人数に制約のある第三者委員会に重点を置いた議論にこだわることなく、より多くの市民が内容をよく理解した上で活発な議論ができるような検討の場を提供することが必要と考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
また、市民参加についてはさまざまな手法がありますが、札幌市においても、近年、いろいろなことを試行しているように伺っております。そして、いずれの手法を用いるといたしましても、実施に当たっては、情報開示や参加機会など、参加手続が公正であるということが重要であると思います。
そこで、2点目の質問でありますが、このような状況を踏まえますと、路面電車の延伸の議論においては、従来の手法にとらわれることなく、例えば、年齢や居住地などの偏りが極力少なく、幅広い意見を把握できるような市民参加の方法を用いて実施してはいかがか、ご見解をお伺いいたします。
次に、男女共同参画社会について伺います。
1点目の質問は、国の第3次男女共同参画基本計画の改定についてです。
2000年の第1次基本計画策定から10年を経過しても、我が国の男女共同参画社会は実現していないどころか、国際的な指標で見ると、2009年の国連開発計画の指数では109カ国中57位、同じく、世界経済フォーラムの指数は134カ国中101位と、先進国中、最下位であります。
1999年に施行された男女共同参画社会基本法は、全党一致でつくられ、前文には、男女共同参画社会の実現には21世紀の我が国の最重要課題だと書かれておりますが、第2次基本計画策定時には、ジェンダーや性教育に対するバッシングが始まり、男女が平等に生きられる社会をつくるという男女共同参画の真の意味が曲解、矮小化された状況にあったと言われています。
そうした中で、今回、政府から出された第3次基本計画中間整理案では、男女共同参画社会基本法の初心に立ち返り、ジェンダーバッシングによって遅滞していた歩みを加速していかなければならないとし、なぜ男女共同参画が進まなかったのかという反省と原因分析をした上で、基本計画策定に当たっての留意点を示したものになっております。
そこで、1点目の質問ですが、政府から出されている第3次男女共同参画基本計画の中間整理に対する認識、評価についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
2点目の質問は、本市における男女共同参画社会の施策についてであります。
本市は、2003年、男女共同参画さっぽろプランを策定、2007年4月には一部見直しを行った第2次男女共同参画さっぽろプランを施行し、計画期間は2012年度までとしております。
この第2次プランの重点課題は、男女共同参画の視点に立った意識改革、夫、パートナーからの女性への暴力防止と被害女性への支援の2項目が掲げられております。さらに、2次プランでは、7項目にわたる数値目標を設定し、市民意識調査や企業意識調査を定期的に実施し、数値目標の達成を確認しながら、男女共同参画の実現のため、さまざまな施策に取り組んできていることについても評価いたすところであります。
しかし、各局・区での男女共同参画関係事業は188にも上り、それぞれ3段階の自己評価を行っていますが、中には、男女共同参画との関連がわからない事業も見受けられます。これだけの数の事業を行いながら男女共同参画がいまだ政策の傍流であり続ける原因は、男女差別にするどく切り込むポジティブアクション的な施策がないためと考えます。男女平等社会について、市民の意識調査によれば、特に社会通念や習慣で男性優遇と感じている市民が多く、男性で55.5%、女性で66.2%と高い数値を示しております。このことからも、国際的にも学術的にも確立されているジェンダーの視点をより深く定着させ、男女差別を解消する取り組みがますます重要になっております。
札幌市においても、男女共同参画センターを拠点とした相談事業と啓発活動をさらに充実させていくとともに、気づきから主体的な行動へと一歩進んだ取り組みを強化していくことが必要だと考えます。
そこで、質問ですが、これまでの本市における男女共同参画社会施策の成果と課題についてお伺いいたします。
あわせて、国の第3次基本計画策定に合わせて男女共同参画さっぽろプランの見直しが必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。
次に、札幌市の地球温暖化対策について伺います。
地球と私たちの住むまち札幌の環境を守るために、地球温暖化対策は喫緊の課題であり、地球温暖化問題の原因とされている温室効果ガスであるCO2の多くはエネルギー消費によって排出されております。これまで、我が国では、京都議定書に基づき、2012年までに1990年と比較して温室効果ガス排出量を6%削減することを目指して取り組んできておりますが、ご承知のように、昨年、鳩山首相は2020年までの温室効果ガスを90年比で25%削減することを国際的な公約とし、今国会に地球温暖化対策基本法案が提案され、審議されております。この法案は、すべての主要国による国際的な枠組みの構築及び意欲的な目標についての合意を前提とし、2020年までの25%削減に加え、2050年までには80%を削減するとの目標も掲げられており、地球温暖化対策税、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の創設や、国内排出量取引制度の導入などが盛り込まれております。さらに、国のエネルギー基本計画の見直しに向けての作業が進められており、小沢環境大臣の試案である中長期ロードマップが示されるなど、地球温暖化対策に関する議論が活発に行われております。
現在、札幌においては、CO2の削減目標を市民1人当たり90年比6%削減と定め、取り組みを進めているところでありますが、国の動向を踏まえますと、現在改定作業を行っている温暖化対策推進計画においては、さらに高いレベルの削減目標を掲げていくことと、その取り組み方針を立てる必要があると考えます。
そこで、1点目の質問ですが、本市の温暖化対策推進計画を改定するに当たり、CO2削減の数値目標についてどのような考えで設定するおつもりか、お伺いいたします。
2点目の質問は、環境と経済の両立についてであります。
エネルギーは市民生活、社会経済活動に不可欠な財であり、エネルギー政策と地球温暖化対策は表裏一体のものであります。低炭素社会を実現するのに要する費用は、現在の段階で特定することは難しいものの、非常に大きいと言われており、CO2の排出量を削減するためには、市民や事業者の理解と行動が不可欠であるとともに、一定の負担を求めることも必要となります。
しかし、地球温暖化対策が地域や経済の活性化の阻害要因となっては本末転倒であり、低迷する本市の経済状況の中にあって、経済の成長、雇用の安定及びエネルギーの安定的な供給の確保を同時に達成しながら、地球温暖化対策を推進していくことが肝要であると考えます。
そこで、質問ですが、地球温暖化対策を推進していく上で大きなキーワードである環境と経済の両立をどのような視点で図っていくお考えか、お伺いいたします。
次に、福祉施設に対する安全対策について伺います。
1点目は、認知症高齢者グループホームの安全対策についてです。
3月13日に、北区屯田のグループホーム「みらいとんでん」の火災により、7名のとうとい命が奪われるという大変痛ましい事故が発生いたしました。この火災事故は、認知症高齢者グループホームとしては、2006年1月の長崎県大村市で7名が亡くなられて以降、全国でも比類ない大惨事となっております。この大村市の事故を受け、延べ面積が275平方メートル以上の認知症高齢者グループホームにはスプリンクラーの設置が義務づけられ、また、これに対応して国の交付金が用意されたことから、これを活用したスプリンクラー整備が進められております。
しかし、今回の北区屯田で被災した施設は、義務づけされていない275平方メートル未満の小規模施設であり、本市では、火災後、直ちに国へ職員を派遣し、面積要件を撤廃し、275平方メートル未満の小規模施設も交付金の対象とするように要望書を提出したとのことであります。これを受けて、国も、長妻厚生労働大臣も入った厚労省、国交省、消防庁によるプロジェクトチームを立ち上げ、本市が要望した面積要件の撤廃についても議論されていると聞いております。
スプリンクラーは、たとえ火を消すことができなくても、その勢いを抑えることができ、消防への通報や入居者の避難誘導など施設側の適切な初期対応が期待できることから、制度の早期改正は緊急を要しているものと考えます。
また、このたびの火災事故で指摘されている夜間人員体制についてですが、認知症高齢者グループホームでの夜間の職員配置は、国の基準では1ユニット1人以上となっていることから、ほとんどの施設が1人体制で運営しているのが実態です。これに対して、現場職員からは、緊急時対応など不安の訴えも多く、夜間時の適切なサービスの確保の点からも職員の複数配置が求められていると思います。しかし、夜間の複数配置には新たな職員の雇用が必要であり、施設事業者にとってはかなりの負担を強いられることから、行政側からの支援が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、認知症高齢者グループホームでの小規模施設も対象としたスプリンクラー整備についての国の動きと札幌市の対応についてお伺いいたします。
また、認知症高齢者グループホームの夜間体制強化に向けた支援について、本市としてどのように考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。
2点目の質問は、障がい者施設全般の安全対策についてです。
障がい者施設についても、グループホームのほかに、ケアホームなど障がいのある方が地域で生活するための施設があり、安全対策の充実が求められております。障がい者グループホームは、軽度の知的障がいのある方など、緊急時には基本的に自力で避難できる方が生活していますが、ケアホームには自力避難が困難な方も生活しております。こうした自力避難が困難な方が生活している施設に対しては、認知症高齢者グループホームと同様、安全対策の充実が求められるところであります。
そこで、質問でありますが、障がい者施設のうち、自力避難が困難な方が多く生活している施設に対し、スプリンクラー等、防火設備の補助制度の充実や夜間の人員配置に対する加算の増額などを国に働きかけるべきと考えますが、本市としての基本的な考え方についてお伺いいたします。
次に、雪対策について伺います。
札幌市の除雪については、1978年度より8メートル以上の道路において完全除雪化を開始し、1995年度のマルチゾーン除雪体制の本格実施など、多様化する市民ニーズへの対応や社会経済情勢の変化を的確にとらえた除雪体制を構築してきました。とりわけマルチゾーン除雪については、全市域を39地区に細分化し、雪対策のさまざまな作業を総合的に展開する除雪体制であり、昨年度についても、冬の市民生活を守るため、約200社の除雪業者の方が地域貢献という高い使命感を持って過酷な業務に取り組んでおられます。
しかしながら、近年の景気低迷や公共事業の縮減などにより、除雪の担い手である建設業者の経営環境は大幅に悪化しており、除雪機械の老朽化、ダンプトラックの不足、従事者の不足、高齢化など、現行のマルチゾーン除雪体制がこのまま維持できるのか、非常に危惧しております。
この対応策として、札幌市では、民主党の提言等を踏まえ、将来的に安定した除雪体制の構築に向けて、現行のマルチゾーン除雪体制を大幅に見直し、夏の道路維持補修業務と冬の除雪業務を一体で取り組む、いわゆる夏冬一体化や、マルチゾーンの統合による規模の拡大などの検討を進めてきました。夏冬一体化については、新たな業務量の確保などの課題がありますが、通年で同一地区の道路維持管理に携わることができ、市民サービスの向上が期待され、除雪業者にとっても、夏の業務量が底上げされ、経営面からの効果が期待されるところです。また、マルチの統合については、作業の効率化、さらには、違法駐車対策等の改善により必要機械台数やオペレーターの縮減が図られるなどの効果が期待されると考えられます。
これまで、我が会派としては、将来にわたり安定的な除雪体制を維持して、冬の市民生活を守るという観点から早急な取り組みを強く要望してきたところであり、ことしの第1回定例市議会の予算特別委員会において、今年度より夏冬一体化等の試行を5区程度で実施するとの答弁がありました。
そこで、1点目の質問ですが、その後の検討の結果、今年度の試行対象区とそのマルチゾーン数はどのようになるのか、お伺いいたします。
また、今回の見直しに当たっては、マルチゾーンエリアの拡大等により1工区当たりにより多くの機械と人員が必要となることから、適正規模の企業数、すなわち共同企業体の構成員を確保する必要があります。さらには、夏の道路維持業務などが加わることにより、新たな業種登録を有する企業も安定的に確保しなければなりません。
そこで、2点目の質問ですが、今回の見直しに合わせ、共同企業体の構成員数の上限と新たに追加する業種をどのように改定するお考えなのか、お伺いいたします。
さらに、我が会派では、今回の見直しによる効果をより一層高める要素として重要となるものが共同企業体の運営にあると考えております。現在のマルチゾーンの除雪の共同企業体は、代表を務める企業が中心となって作業分担や予算配分を行い、きめ細かい除雪業務を行っておりますが、聞くところによりますと、一部の共同企業体では、代表者自身が経営上の問題などを抱え、非常に不安定な運営を行っていると聞いております。現に、ここ数年は、過去に代表を務めた企業が倒産や廃業などにより除雪業務から撤退するケースが発生しており、今後、代表者が突然撤退するような事態が起き、冬の除雪業務が維持できないといった問題が起きることも考えられます。今回の見直しに当たっては、夏の業務量が増加し、マルチゾーンのエリアも拡大することから、代表者の責任は今まで以上に重くなります。このため、経営状況が安定し、資質の高い企業を代表者として確保することが除雪体制の安定化につながると考えております。
そこで、3点目の質問ですが、今回の見直しに合わせ、共同企業体の代表者要件をどのように見直すこととしているのか、お伺いいたします。
また、経営上、安定した代表者の確保とあわせて重要となるのが、適正な共同企業体の運営であります。現に、代表者と構成企業の間で業務分担や支払いが適正に行われておらず、健全な協力体制を築くことができないマルチがあると聞いております。共同企業体の運営は、民民間の契約に基づくものでありますが、時には、この運営状況について札幌市が注意することがあってもよいのではないかと考えております。
そこで、質問の4点目ですが、夏冬一体化の試行に当たり、共同企業体の適正な運営に向けてどのような対策を考えているのか、お伺いいたします。
次に、静療院児童部門の一般行政病院化について伺います。
2009年3月に策定された市立病院パワーアッププランによりますと、豊平区平岸に設置されている精神科病院静療院の機能のうち、成人部門を2010年度に本院に統合するとともに、民間では取り組めない政策的医療分野である児童部門については市長部局に移管し、一般行政病院として位置づけることとされております。
この静療院児童部門の一般行政病院化に関しては、昨年の第3回定例市議会決算特別委員会において、我が会派からもこの問題を取り上げており、今後の新たな所管部局等の具体的事項について検討を進め、2010年度までには結論を出していきたいとの答弁がありました。これを受けた検討の中で、静療院児童部門の新たな所管部局については、発達障がい者支援の観点から、出生時から成人期までの保健医療全般の施策を所管する保健福祉局内の病院として位置づけることが望ましいとの議論になっていると聞いております。
近年、発達障がい者に対する支援が高まっている中で、我が会派としては、静療院児童部門の役割は、医療を核としながらも、保健、福祉、教育など、子どもの成長・発達にかかわる多くの分野との連携が必要と認識するものであり、一般行政病院化については、そうした観点からも支援体制の整備を図るとともに、早急に所管部局を明確にすべきと考えます。
そこで、質問ですが、静療院児童部門の一般行政病院化に当たり、移管先となる新たな所管部局について、どのような観点から検討を行っているのか、その検討状況と基本的な考え方についてお伺いいたします。
また、児童療育に関する施設は、子ども未来局が所管している一方、成人に関する施策は保健福祉局が所管していますが、発達障がい者支援や障がい児・者への一時的な支援の必要性を踏まえますと、静療院児童部門の一般行政病院化を契機として、いま一度、両者の関係を整理すべきと考えますけれども、市長のご見解をお伺いいたします。
次に、交通事業について伺います。
質問の1点目は、地下鉄ホームさくについてであります。
地下鉄ホームさくは、2003年第2回定例市議会の議案審査特別委員会において、我が会派からの事故防止対策に対する質問に、ホームからの転落事故や列車接触事故の防止策として最も有効な方策の一つであるとの答弁があり、このような経過を踏まえて、東西線、南北線に可動式ホームさく設置事業が10か年経営計画に盛り込まれ、整備が進められていると認識しているところであります。
東西線において順次整備が進められ、昨年の第1回定例市議会の予算特別委員会でも全駅に設置された段階で質問をいたしましたが、ホームさくは順調に稼働し、市民からも好意的に受けとめられており、ホーム上での安全性向上という所期の目的を十分に果たしているとの答弁でありました。今後のホームさくの設置については、2013年に南北線、18年に東豊線が予定されているとのことでありますが、投身事故や列車との接触事故、走行路面への転落事故などを抑制する上で大きな効果があらわれていることを踏まえ、安全・安心な運行を確保する観点からも、その時期を少しでも早めるべきではないかと考えます。
そこで、質問ですが、東西線全駅のホームさくの設置が完了してからちょうど1年が経過したところですが、この1年間の実績を踏まえて、改めて、その効果についてどのように評価しているのか、また、南北線、東豊線でのホームさく設置について、生命にかかわる事故の防止を考えますと、可能な限り前倒しすべきではないかと思いますが、これらの路線のホームさくの設置時期についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
質問の2点目は、地下鉄駅施設のあり方についてです。
地下鉄の1日平均乗車人員は、1995年度に開業以来最も多い62万6,000人を記録していますが、その後は、週休2日制の浸透や少子化、高齢化などの影響で乗車人員は56万人から57万人台で推移し、昨年度は、前年度に比べ1万人、率にして1.9%と大幅な減少となっております。新型インフルエンザの流行や長引く経済不況などの影響もあると思いますが、しかしながら、1年を通してみれば、積雪期はマイカーなどから地下鉄などに乗りかえる市民が多く、実際に昨年の12月22日には2009年度中で最大の70万3,000人の乗車人員を記録するなど、地下鉄を利用しようとする潜在的な需要は多いのではないかと考えます。
交通局では、昨年9月から、環境負荷の小さいエコな乗り物である地下鉄、路面電車を市民にもっと利用してもらおうと、乗ってコ!プロジェクトをスタートさせ、地下鉄1日乗車人員60万人を目指し、積極的に取り組んでいるとのことであります。
私は、こうした取り組みと並行して、沿線情報を積極的に発信する拠点として各駅の活用を図るべきであると考えております。これまでの駅空間の活用については、売店の設置など乗降客の利便性向上や利益性を主眼に取り組みが行われてきましたが、これからは、地域の人が気軽に駅に集まれるような駅自体の魅力づくりを進めることが肝要であり、地下鉄施設の複合的・総体的利便性や魅力を向上させることが利用促進につながるのではないかと思うのであります。
他都市では、駅のにぎわいづくりや魅力アップを図るため、さまざまな取り組みが行われております。例えば、期間限定で地元の和菓子を販売したり、地元でとれる野菜を販売する野菜市を開催しているほか、音楽家、芸術家の活動支援も兼ねた演奏会の場を提供するなど、地域特性を生かした駅空間の有効活用に取り組んでいます。
本市においても、大通駅とバスセンター前駅間のコンコースにおいて、さっぽろアートステージの開催にあわせて設置している500メートル美術館を今後常設化していくなど、魅力ある駅空間の創出に取り組んでいますが、その動きはまだ緒についたばかりと言わざるを得ません。今後は、地下鉄を単なる移動手段としてではなく、まさに地域の拠点、地域のまちづくりの中心的存在に活用すべきであり、そのためには、各区のまちづくりセンターとの連携を図ることによって、さまざまな地域の特性や情報発信のアイデアが生まれ、地域に親しまれる駅となることができるのではないでしょうか。そして、そのことが地下鉄の利用促進にもつながっていくものと考えます。
そこで、質問ですが、地下鉄の利便性を高めるとともに、地下鉄の利用促進の一助ともなる地下鉄各駅の地域に密着した個性ある空間づくりについて、その基本的な考え方をお伺いいたします。
最後の質問は、郊外住宅の活性化と地域防犯対策についてです。
初めに、郊外住宅の活性化対策について伺います。
札幌市の人口は、昨年5月に190万人を超えたものの、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2015年をピークに人口減に転じ、2035年には175万人まで減少すると予想されております。また、年齢別人口の推移を見ますと、この10年間で、15歳未満の年少人口は約10%減少、65歳以上の人口は約50%の増加と、急速に少子高齢化が進展していることがうかがえます。
人口減少、少子高齢化は、市内でも郊外住宅である厚別区のもみじ台や南区の真駒内地域に行くと実感いたすところであります。空き家や空き店舗が目につき、人通りが少ない中で、公園で遊ぶ子どもたちの数も少なくなったと感じるところであります。もみじ台の小学校は、来年4月に4校から2校に統合となる予定となっており、真駒内地区においては、2012年4月に小学校4校が2校に統合される予定であります。
このようなもみじ台や真駒内地区の現象は、1960年代からの開発当時、新築入居した方々の子ども世代が結婚や就職などで転出し、今では高齢になった親だけが居住しているケースが多いためであります。高齢化対策としては、介護、見守り、買い物、除雪などの生活支援や災害時の助け合い、独居老人対策など、さまざまな課題があり、加えて、居住家屋の老朽化で維持管理が困難になるなど、それに対応する都市計画が喫緊の課題になっております。こうした傾向は、全国的にも多摩ニュータウンや大阪の千里ニュータウンなど高度成長期に開発された大規模団地を中心に社会問題化されており、今後の重要課題として、国や大都市が連携しながら解決策を見出していくことが求められております。
そこで、質問の1点目ですが、このような郊外住宅が抱える諸課題に対し、国として対応を始めると聞いておりますが、具体的な取り組み内容はどのようになっているのか、また、札幌市の基本的な考え方について、あわせてお伺いいたします。
質問の2点目は、もみじ台地区におけるまちづくりについてであります。
もみじ台地区では、まちづくり会議の中で課題や方向性などを取りまとめ、地域のお茶の間のあり方や小学校の統合、跡利用の検討など真剣な議論が展開されております。札幌市においても、市内の郊外住宅地には市民の約4割が居住していることからも、もみじ台地区だけの問題とはせずに、全市的な課題として市民とともに取り組んでいかなければならないと考えます。
そこで、質問ですが、もみじ台地区での地元市民の取り組みについてはどのように評価しているのか、また、地域コミュニティーの場として活用してきた小学校の跡利用を初め、今後のもみじ台地区のまちづくりをどのように進めようとしているのか、お伺いいたします。
次に、地域防犯対策についてであります。
札幌市内の一般刑法犯認知件数は年々減少しているものの、2009年度の札幌市世論調査の結果、市政に関する要望に関して、犯罪の少ない安全・安心なまちづくりが全市で第2位となり、厚別区を含む4区で第1位となっております。これは、人口減少に伴い、道路や公園等に人の目が行き届かなくなるという防犯機能の低下も背景にあると考えます。
札幌市では、2009年4月に札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等に関する条例を施行し、これに基づく基本計画がことし3月に策定されました。この中では、地域の安全は地域で守るという意識のもと、市民や企業、行政の3者が連携して、犯罪のない安全に安心して暮らせるまちづくりを推し進めていくことがうたわれております。
そこで、質問ですが、地域の防犯力強化は一層重要性を増している中で、防犯機能の低下が危惧されているもみじ台地区に対し、どのような取り組みを進めようとしているのか、また、同じ課題を抱えている地域に対する考え方について、あわせてお伺いいたします。
以上で、私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(福士勝) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 11項目ご質問がございましたが、私からは、私の政治姿勢の問題、それから、雇用増大に向けた産業振興の問題、さらには、総合交通計画の問題について答弁をさせていただきます。その余は、担当の副市長から答弁をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。
まず、1点目の
地域主権改革についてでございます。
一括交付金化に当たってでございますが、これは、所轄の省庁の枠にはとらわれない横断的な制度設計とすべきであるということだとか、あるいは、必要額をしっかり確保するということが必要なのだというような点につきまして、札幌市といたしまして、4月に国に対しまして具体的な意見書を既に提出をしたところでございます。
今後も、引き続きまして、地方税財源の拡充といったことを含めた
地域主権改革の実現に向けて、国の動きを的確に把握いたしまして、他の指定都市とも共同、連携をしながら、さまざまな機会を通じて積極的な対応をしていくつもりでございます。
2点目の
市民満足度調査についてお答えをいたします。
調査結果を見ますと、札幌市の施策につきましては、その重要度ということでは、市民の皆さんはおおむね重要だというふうにご判断をいただいているように思われますが、満足度につきましては、必ずしも高いとは言えない厳しい評価をされている施策も見受けられるところでございます。この結果を踏まえまして、例えば、高齢者福祉や子育て支援といった、市民の皆さんの生活に直結をしました、満足度は高いとは言えない施策について、今年度予算におきましても重点化を図っておるところでありますが、今後も、国に対して必要な提言を行うとともに、さらに、札幌市としてできることをスピード感を持って全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えているところであります。
その一方で、満足度が高く、よくやっているという評価をいただいている施策であっても、観光あるいは文化、それから新産業の振興など、今後の札幌市の経済や豊かな市民生活にとって非常に重要な施策について、これからもさらに力を入れて取り組んでいきたい、このように考えております。
私は、市民の満足度あるいは施策の重要度の判断についてより高い評価をしていただくためには、市役所が行うべき仕事をきちんとやっているということだけでは十分ではなくて、市役所がどういう考えで何をやろうとしているのかということを常に市民の皆様方に知っていただけるように努力をするということが極めて大切である、このように考えております。市民も企業も団体も多くの方々が、ともに考えて、ともに悩みながら、このまちづくりに参加をしていくということが非常に重要であるというふうに考えます。そのような意味において、今後は、これまで以上に市民参加と情報共有ということをしっかり行いながら、市民の視点に立ったまちづくりを推進していきたい、このように考えているところでございます。
3点目の世論調査の結果への認識と今後の市政運営についてのご質問でございます。
世論調査の結果につきましては、評価の一つとして真摯にこれを受けとめておりますけれども、支持、不支持の理由として、それぞれ政策への評価というものを挙げておられる方が多かったということでございますが、これは、市民が市政に非常に関心を持っている、あるいは、意見をしっかり持っていることのあらわれであるというふうに私は理解をいたします。そのような意味において、私が市長就任以来進めてまいりました市民自治の観点から非常に喜ばしい意思表示である、このように理解をしているところであります。
今、日本の社会というのは、社会保障あるいは経済、雇用などの制度疲労というものが顕在化をして、不安というものが非常に蔓延している社会である、将来に確たる見通しを持てない、時代の転換点を迎えているというふうに考えておりますが、こうしたときこそ、市民の持っている力といったもの、あるいは、市民の持っている英知、これを結集することによって未来を切り開いていくということが必要なのだ、このように私は確信をしているところでございます。
私は、これまでの間、行財政改革に取り組むとともに、市民の持っている力を最大限発揮できる場をつくっていく、そういうことが市役所の大きな役割の一つだと考えまして、自治基本条例あるいは市民まちづくり活動促進条例を制定し、市民への情報提供といったものや、あるいは、市民参加の場というものの拡大に努めてきたところでございます。
その結果、例えば、ごみの減量化においては、市民の皆様一人一人の力によって短期間のうちに大幅なごみの減量といったことを達成することができました。また、毎年150億円という巨大な経費をかけております除排雪についても、昨年度、除排雪に関する市民の苦情あるいは要望、その件数が過去最低を記録いたしました。これは、昨年度の降雪量が少なかったということがあるにしても、それにしても、市民の皆様と市、それから事業者、これらのものが一緒に考えてまいりました、いわゆる地域と創る冬みち事業の成果の一つのあらわれでないかというふうにも考えるものであります。
今年度予算には、低迷をいたしております経済・雇用対策、あるいは、良好な世代の循環を保障するためのさまざまな課題に対応する予算を重点的に計上しております。2期目の総仕上げの年といたしまして、市民の皆様とともに考え、そして、ともに悩み、さらに、ともに行動しながら、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街の実現に向けて全力で取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
次に、雇用増大に向けた産業振興についてお答えをいたします。
1点目の
産業振興ビジョンにおけます雇用の位置づけということでありますが、現在検討中の素案におきましては、雇用の場の確保、創造ということを産業振興が目的とする最終的な目指すべきもの、最終的な目的の一つとして、明確にこのことを位置づけているところであります。
そして、ビジョンに掲げる施策を着実に実施することによりまして、企業の売り上げの増加、これに伴います事業規模の拡大、そして、従業員の所得増加に伴う消費促進ということを通じて、札幌市の経済規模を拡大することによって新たな雇用機会を創出していく、雇用創出につなげていくというふうに考えているところでございます。
2点目の
産業振興ビジョンにおきます重点分野についてでありますが、この素案では、北海道及び札幌市の歴史、風土、特性というものから優位性がございます食、観光、この2点のほか、今後、社会全体が一丸となって取り組みを強化する必要がございます、北海道の豊富な森林資源を活用いたしましたバイオマスエネルギーなどさまざまな可能性があります環境、これを加えた三つの分野を、札幌市の経済を牽引していくエンジンである、こういう位置づけをしているところでございます。
あわせまして、外需獲得の効果というものが高く、ほかの産業への波及効果が大きいものづくり産業、このものづくり産業のさらなる振興を図ることによりまして、物やサービスの高付加価値化というものを進めてまいりたい、このように考えております。
また、産業振興を通じたまちづくりへの思いについてでございますが、これは、元気なまちをつくるためには経済が元気でなければならない、このように考えているわけでございます。そこで、このたび策定をいたします
産業振興ビジョンという共通の指針といいますか、テーマに基づきまして、経済界を初めとする多くの皆様と議論をし、これまで以上に地域の魅力を、そして人の力を発揮できる産業振興に取り組む必要がある、このように考えているところであります。
また、札幌市は、北海道全体の人口や事業所の約3分の1が集中をしているわけでありまして、名実ともに北海道経済の中心でありますことから、今後は、これまで札幌市が培ってまいりました豊富な都市機能、それから発信力、こういったものを道内の各市町村に活用していただくことによって、北海道、そして他の自治体と連携をしながら産業振興施策といったものを展開することで北海道経済の牽引役としての役割を果たしてまいりたい、このように考えているところでございます。
このようなことを通しまして、足腰が強く、創造性あふれる産業を創出し、将来にわたりまして市民、企業が活気に満ちた魅力的なまちづくりを進めていきたいと考えているところでございます。
次に、路面電車の問題についてお答えいたします。
1点目の活発な議論のための検討の場のあり方についてでございます。
路面電車の延伸の検討に当たっては、札幌市が路線を延伸すべきと判断するに至った検討内容、これを十分に説明し、その上で活発な議論を行う必要があるというふうに考えております。そのために、札幌市の総合交通体系について検討を行います札幌市総合交通計画の策定委員会において、路面電車の位置づけや役割について整理をするとともに、より多くの市民が参加できる議論の場を新たに設けることといたします。さらには、市民の議論の場のほかに、経済界あるいは商業者のほか、関係行政機関との検討の場というものも設けたい、このように考えております。
これらの場における検討状況につきましては、適宜、市民の皆様方に情報発信をしながら検討の結果をまとめていきたい、このように考えております。
2点目の議論における市民の参加の方法についてでございます。
路面電車の延伸の議論に当たっては、アンケートだとか、あるいはフォーラムといった一般的な手法を用いた市民意向の把握に加えまして、公平かつ迅速な議論を行うために、無作為で抽出いたしました市民の中から参加者を募った上で市民会議を立ち上げまして、適切な情報提供を行いながら市民議論を行いたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(福士勝) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明)
出資団体改革について、私からお答えをいたします。
出資団体の多くは、札幌市の事業の補完、代行などの必要性から札幌市が主体的に設立したものでありますことから、団体が行っている事業もその多くは札幌市が行っている事業等と密接な関係にあります。このため、今年度は、学識者や財務、法律などの外部の専門家で構成いたします
行政評価委員会において、出資団体に着目して札幌市の関連事業と団体運営の両方を対象とした一体的な評価を実施したいというふうに考えております。
今後は、このような手法などによりまして出資団体を再検証することで、出資団体についての新たな課題の洗い出しを行いながら、さらなる改革につなげてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○議長(福士勝) 中田副市長。
◎副市長(中田博幸) 私から、5項目についてお答えいたします。
まず、男女共同参画社会についてお答えいたします。
1点目の国の男女共同参画基本計画の改定についてであります。
本年、4月に出された中間整理では、男女共同参画社会基本法の施行後10年を経ても性別による役割分担意識がいまだ根強く、男女共同参画があらゆる立場の人々にとって必要という認識が広まっていないと現状を分析しております。それをもとに、ポジティブ・アクションの推進や雇用・就労における慣行の見直しなどについて、より踏み込んだ具体的な取り組み内容を提示しており、実効性のある計画になるものと考えております。
2点目の札幌市の男女共同参画社会施策についてであります。
札幌市では、平成15年に男女共同参画推進条例及び男女共同参画さっぽろプランを施行し、全庁的な取り組みを推進するとともに、男女共同参画センターを中心とした意識啓発の実施、配偶者暴力対策の充実などに力を注いでまいりました。その結果、配偶者暴力に係る相談支援体制の強化により、被害者の救済において成果があったものと考えております。
また、2次プランで設定いたしました男女共同参画の認知度など7項目の指標については、徐々にではありますが、数値が向上しております。しかしながら、いまだ男性優遇と感じている市民が多数を占めているのが現状であり、女性の力を社会のさまざまな場面でどのように生かしていくのかが課題であると認識をしております。
また、現在の男女共同参画さっぽろプランにつきましては、22年中に策定されます国の計画内容を見きわめ、札幌市の状況を分析、整理して必要な見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に、札幌市の地球温暖化対策についてお答えいたします。
1点目の札幌市温暖化対策推進計画におけるCO2削減の数値目標設定に当たっての考え方についてでございます。
札幌市におきましては、1990年からの人口や世帯数の増加率が全国に比べて高いことなどから、CO2の総排出量は増加している状況にありますので、90年比では全国平均より相当高いレベルでの削減が必要となります。
現在、温暖化対策推進計画の改定作業を進めておりますが、環境首都を目指す札幌市といたしましては、温暖化対策に係る北海道における牽引役としての役割も考えますと、国の数値目標に見合った削減数値を設定し、その目標達成に向けた効果的な取り組みを展開していく必要があると考えているところであります。
2点目の地球温暖化対策を推進していく上での環境と経済の両立についてであります。
環境への取り組みが、新たなビジネスを生み出し、関連産業の活性化を促すという視点から、温暖化対策の推進に当たりましては、寒冷地向け省エネ住宅の普及や豊富な森林資源を活用したバイオマスエネルギーの導入など、札幌市や北海道の風土、資源などを生かした取り組みを進めることで環境産業の振興などを図り、地域経済の活性化と雇用の創出につなげていきたいと考えているところでございます。
次に、雪対策についてお答えいたします。
1点目の夏冬一体化の試行対象区とゾーン数についてでありますが、現行の町内会が分断されず、地域への影響が少ないと考えられる中央区、白石区、厚別区、豊平区、清田区の5区で実施をしたいと考えております。また、ゾーン数につきましては、現行の除雪マルチゾーンが18地区、夏の道路維持業務が13地区であるところを11地区に統合し、作業の効率化を図ってまいりたいと考えております。
2点目の共同企業体の構成員数と業種登録要件の改定についてでありますが、共同企業体における構成員数の上限につきましては、現行の除雪が9社であるところを最大16社とし、マルチゾーンの統合などに伴う作業規模の拡大に対応してまいりたいと考えております。また、業種登録要件につきましては、共同企業体の中に、道路除雪、雪たい積場、舗装工種それぞれの業者登録を持つ企業が2社以上含まれていることなどを条件といたしまして業務履行の確保に務めてまいりたいと考えております。
3点目の代表者要件の見直しについてでありますが、今回の見直しに当たりましては、従来の工種別格付等級に加えまして、経営状況をあらわす経営事項審査の評点を条件とし、履行能力があり、経営上、安定した代表者を確保してまいりたいと考えております。
4点目の共同企業体の適正な運営に向けた取り組みについてでありますが、共同企業体の運営に当たりましては、作業工種の連携と相互補完体制を確立し、人と機械の有効利用を図ることが重要でございます。したがいまして、企業体運営が適正に行われますよう、企業体内での業務量の配分、支払い状況などをチェックする方策について検討してまいりたいと考えております。
次に、交通事業についてお答えいたします。
1点目の東西線におけるホームさく設置の効果についてでございますが、この1年間の実績で申し上げますと、投身事故や列車との接触事故などの防止や走行路面への落とし物処理に伴う列車の遅延防止など、安全で安定した運行の確保に寄与しているものと考えております。また、南北線につきましては、車両改造などの準備工程の面から、最短である平成25年度からの全駅でのホームさく稼働を前倒しすることは困難な状況でございますが、東豊線につきましては、車両更新の時期等の問題も含め、検討する余地がございますので、今後、財政状況等を見きわめながら、可能な限り前倒しについて努力してまいりたいと考えております。
次に、2点目の地下鉄駅施設のあり方についてでございます。
地下鉄の駅を地域情報の発信や地域活動の場としてまちづくりに積極的に活用することで、ふだん地下鉄を利用しない人も駅に訪れる目的が生まれ、市民の共有財産として地域から親しまれ、にぎわいのある駅になるものと考えております。そうした取り組みの積み重ねによりまして、結果として地下鉄利用促進にもつながるものと期待するところでございます。
したがいまして、地域に住む人がみずから考え、みずから実践するという市民自治推進の観点からも、子育て、福祉、教育、文化などさまざまな分野において、まちづくりセンターなどと連携を図りながら、地域に親しまれる個性豊かな駅空間の創出に取り組んでまたいと考えております。
次に、郊外住宅地の活性化と地域防犯対策についてお答えします。
まず、第1点目の郊外住宅地の諸課題に対する国の対応と札幌市の基本的考え方についてでありますが、来る6月9日に、関係省庁も参加いたしまして、札幌市を含む7都市で郊外住宅地の再生を検討する協議会が設立される予定であります。そこでの議論を踏まえ、具体的な国の施策を検討する関係省庁連絡会が開かれることとなります。
札幌市といたしましては、この問題に対応すべく、それぞれの地域にある既存資源を有効活用しながら、地域コミュニティーの強化を目指したまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
2点目のもみじ台地域のまちづくりについてでございますが、これまでの地域主体の取り組みは、他の地域のモデルとなる先進的な取り組みであると考えております。
札幌市といたしましては、今年度から、地域が取り組むさまざまな活動を総合的に進めるための仕組みづくりを検討し、その中で、小学校の跡利用につきましても、地域の方々の意向を十分に踏まえながら活用方法の検討を進めてまいりたいと考えております。
3点目の地域防犯対策についてお答えいたします。
もみじ台地区では、子ども自身の防犯力を高めるとともに、関連情報を地域防犯にも活用することを目的に、四つの小学校による学校間交流事業といたしまして、子ども地域安全マップの作成を予定しております。厚別区では、このマップづくりを支援するとともに、区民協議会などとも連携を図りながら、防犯ネットワーク会議の設置について検討を進めることとしております。
札幌市といたしましても、来月には安全・安心なまちづくりに関する全市レベルの協議会の設立を予定しておりまして、もみじ台地区での取り組みなども参考としながら、地域相互の連携や、安全・安心に関する情報の共有などを通じまして、地域の防犯力を強化してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(福士勝) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、2項目につきましてお答えを申し上げます。
まず、福祉施設に対する安全対策についてお答えをいたします。
1点目の認知症高齢者グループホームの安全対策についてであります。
まず、スプリンクラー整備における国の動きと札幌市の対応でございますが、札幌市といたしましては、3月に引き続き、4月にも国へ職員を派遣し、275平方メートル未満の認知症高齢者グループホームに対しても交付金の対象とするように要望してまいりました。国の動きといたしましては、札幌市の火災を受け、緊急に実施した全国のグループホームなどの実態調査を踏まえ、3省庁プロジェクトで検討を進めており、交付金の対象を拡大することも含め、できるだけ早く結論を出したいとの意向でございますが、この国の動きによっては、札幌市が先行して整備することも検討してまいります。
次に、夜間体制強化に向けた支援でございます。
認知症高齢者の方が生活する施設の特質から、地域連携とともに、夜間に勤務する職員の複数化は重要な課題であると認識しております。地域連携につきましては、運営推進会議の開催状況などを把握しながら適切な指導を行ってまいりますが、人員配置につきましては、すべて国の基準で定められており、財源などを含めた介護保険制度全体の中で検討をされるべきものであることから、札幌市といたしましては、他の政令市などと共同し、夜間体制の強化に向けた制度の充実を国に働きかけてまいりたいと考えております。
2点目の障がい者施設の安全対策についてであります。
グループホーム等小規模施設のうち、自力避難が困難である方が入所している施設について安全対策の充実を図る必要があり、これまでも国に対し補助制度の充実等について要望してきたところでありますが、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、市立札幌病院静療院児童部門の一般行政病院化についてお答えをいたします。
1点目の新たな所管部局についてでありますが、発達障がい者を初め、障がい児・者に対する支援につきましては、福祉の分野のみならず、保健・医療の分野との連携を図りつつ、出生時から成人期までの一貫した支援体制が必要であると認識しております。このような観点から、移管先となる新たな所管部局につきましては、障がい児・者に係る施策について、全般的に担っている保健福祉局とすることを念頭に検討を進めているところでございます。
次に、2点目の保健福祉局と子ども未来局との関係についてでありますが、障がい児・者に対する一元的な施策展開の観点から、両者の関係を再構築することも視野に入れて検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(福士勝) ここで、およそ30分間休憩します。
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休 憩 午後2時37分
再 開 午後3時13分
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○副議長(宮村素子) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
宗形雅俊議員。
(宗形雅俊議員登壇・拍手)
◆宗形雅俊議員 ただいまから、自由民主党議員会を代表いたし、今定例議会に提出されました平成22年度
一般会計補正予算案を初め、当面する課題、市政に関する諸課題について、提案を交え、大きく分けて8項目質問させていただきます。
まず、市長の政治姿勢についてであります。7点お伺いをいたします。
1点目は、市長のマニフェストの達成評価についてであります。
今年度は、上田市長の2期目の最終年度でありますが、平成22年度予算公表時に、2期目のマニフェストに掲げた76項目のうち、59項目については達成もしくは達成見込みとしており、市長にとって、達成率77.6%はおおむね順調と考えているかもしれませんが、私にとって、それは自己満足の評価としか映りません。私は、平成19年の代表質問で、第2次札幌新まちづくり計画の政策目標の達成を定量的、客観的にはかるため、言葉だけの施策や事業項目の目標値を、年度目標ではなく、具体的な数値目標を掲げるべきと提言いたしました。それを裏づけるように、関西学院大学教授の林 宜嗣教授も著書で同様な意見を述べております。今回の達成項目を見ていますと、市側の取り組みで達成する項目が大勢を占め、第三者が絡むものについては未達成が多いのも事実であります。一番大事なのは、施策、事業の達成評価ではなく、それによって目指す政策やあるべき姿にどのように効果があったのか、その検証や評価がなされていないことを指摘しておきます。
市長は、平成19年6月に、さっぽろ元気ビジョン第2ステージの実現に向け、第2次札幌新まちづくり計画を策定し、五つの政策目標と15の重点課題を提示いたしました。59項目の達成や達成見込みに伴い、子どもを産み育てやすく健やかなまちになったでしょうか。経済の活力みなぎるまちになったでしょうか。もしくは、その途上にあることを感じられるようになったでしょうか。
私は、施策や事業の達成があっても、その先の目指すものになっていなければ、本当の評価にならないと思います。例えば、児童相談所の調査によると、身体的虐待は、平成16年度と平成21年度と比較して2.5倍、心理的虐待を入れますと2.8倍になっております。さらには、ネグレクトは、平成16年度と平成21年度の比較において2.5倍と、これも増加の一途をたどっております。学校のいじめ認知件数も、平成18年度以降、調査で特に中学校においては増加をしている状況でもあります。
このような状況で、市長が掲げた子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街が実現したと評価できるのでしょうか。市民が求めているのは、目的を達成するために掲げた施策や事業により、市民を初め、企業、事業者や団体などがそれをどう享受できたかということであり、施策、事業の達成率を論じ評価するのではなく、その先の政策への波及効果や実現が評価につながるのであり、その評価をするのは市民でもあります。
そこで、質問でありますが、マニフェストの施策、事業59項目の達成や達成見込みが、五つの政策目標に対し、どのように効果があらわれたのか、また、それをどのように検証し、市民や市政にどのように波及したのか、具体的にお示し願います。
2点目は、この6月に始まります平成22年度市民評価、いわゆる事業仕分けについてお伺いをいたします。
この件につきましては、さきの定例議会におきまして、我が会派の五十嵐議員も質問したところであります。その際の答弁では、財政状況の厳しい中で、事業の選択と集中を進め、市民目線で事業の必要性や担い手のあり方などについて検証を行うということでありました。私は、事業仕分けの手法そのものを否定するつもりはありませんが、その答弁だけでは財政だけの視点で事業仕分けをする姿勢しか感じられません。財政の視点も必要でありますが、私も、五十嵐議員が主張したとおり、市長が札幌市の中長期のまちづくりビジョンをしっかり示し、それに基づいた視点を加え、仕分け作業をすべきと考えます。事実、過去の
行政評価委員会で集団資源回収の奨励金を見直しすべきという意見がありましたが、逆に、家庭ごみ有料化に伴い、排出抑制や資源回収のさらなる手段として我が会派が奨励金の引き上げを主張し、それが実現、有料化後の家庭ごみの減量の一因につながった事実もあります。
さらには、短期間の研修と説明で、無作為に抽出された仕分けをする市民の人たちが、果たして事業の幅広い観点で仕分けができるのかも疑問でもあります。学識経験者の主張に意見が引き寄せられるのではないかと懸念もいたしております。また、評価後の扱い、特に廃止や見直しの結論が出たときに、札幌市として、その結論を踏まえて考え方をまとめ、予算などに反映させるということですが、仕分けの結論をどの程度尊重するのか、明確な位置づけがなされておりません。
加えて、先日、事業仕分けの対象が、当初、100事業程度と聞いておりましたが、最終的には89事業が示されましたけれども、行政側から提示されたこの事業の選定についても、各部局がどのような課題を持って選定をしたのか、不明確でもあります。本来であれば、対象事業も仕分けをする人たちが選定するのが本当の仕分けでないかと指摘をしたいわけです。これらの事業は、市民サービス等の観点から市長がトップマネジメントで行ってきたものでありますが、仕分けの結論を受け、市長が廃止や見直しをする際に、事業仕分けの評価という責任回避の手段になるのではないかと危惧をいたしておるわけです。
そこで、質問であります。
市長は、仕分けする方々に、どのような本市のまちづくりビジョンを示し、どのような視点を持って仕分けをしてもらうのか、改めてお伺いをいたします。
また、事業仕分けの結論自体の位置づけが不明確でありますが、どこまで結論が強制力を持つのか、さらには、仕分けの結論が廃止や見直しとなると、市長がトップマネジメントとして行ってきたものを否定するものと思うが、市長の見解をお伺いいたします。
3点目は、経済政策、雇用政策についてであります。
一昨年の
リーマンショック後の景気・経済状況は、ご承知のとおりであります。このようなときこそ、行政が牽引役となり、景気・経済対策を打ち出さなければならないと考えております。前自公政権時に始まったエコポイントやエコカー減税などは、消費の動機づけとその関連業種への波及効果があらわれているところでもあります。本市においても、省エネ・新エネルギー機器導入に対する助成制度の導入によって機器導入が進み、関連業種の売り上げが高い伸長率を示すなど、一定の効果も見せておりますが、本市経済の景気拡大や押し上げを図るためには、さらなる攻めの制度導入など活性化に向けた施策を進めるべきでもあります。
こうした中、昨年12月の第4回定例議会で議員立法での住宅エコリフォーム条例が制定され、省エネ改修、バリアフリー改修工事に対し、住宅エコリフォーム補助制度が、来月、7月から始まります。その効果と今後の拡大にも期待が集まっております。私は、このような消費意欲を誘引する施策、事業を積極的に広げていくべきと考えております。
上田市長の経済対策は、就任以来、一貫して融資政策が主で、昨今の経済状況のもと、地元企業に対するセーフティネットとしての融資政策は必要ではありますが、本市経済の景気拡大に波及させ、地元企業の事業展開が実を結ぶような施策、事業が少ないのでもあります。さらには、雇用対策として、今年度当初、緊急雇用対策として1,028人の雇用創出と掲げておりますが、これも短期的で期限があり、一時しのぎでもあります。加えて、今年度、生活扶助費が1,129億円と、財政にとっても大きな足かせになっております。仕事をしたくても仕事がなく、生活保護に頼らざるを得ない状況を早急に解決し、この生活保護費を減少させる努力をすることが健全な財政運営につながり、結果として税収増の要因にもなっていくわけであります。
これまで、経済・雇用対策として、ニュービジネス等の誘致で昨年度まで1万2,700人の雇用創出を図っておりますが、その構成を見ますと、女性の雇用については寄与しておりますけれども、男性、特に若年層については雇用政策は何もありません。学校を卒業しても就職の受け皿が少なく、必然的に道外に就職先を求めざるを得ません。今、行財政改革を推し進める市長にとっても、財政支出の抑制という考え方もありますが、国も地方も歳入の基本は税収であり、財政の効果的な支出により税収増につながるような政策を打ち出し、施策、事業をしていくべきと考えます。
そこで、質問でありますが、市長就任以来、これまでの経済政策により、札幌経済への波及効果をお示し願います。
また、市長にとって、市の財政収入の柱である税収増の政策、事業をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
さらに、新卒者や男性、特に若年層の雇用につながる産業振興政策をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。
さらには、先般、経済界に対し、雇用の要請をしておりますが、それに伴う施策をどうされたのでしょうか。一方的な要請ではなく、雇用の受け皿となる仕事の創出もあわせて打ち出さなければ意味がありません。
そこで、質問でありますが、経済界に対しての雇用要請に伴う仕事の創出の裏づけをどのようにしたのか、お尋ねをいたします。
4点目は、行財政改革における
出資団体改革についてであります。
市長のマニフェストにおいて、公的な役割が希薄になった出資団体を見直すとされております。私も、平成19年から2年間、
出資団体改革調査特別委員会の委員としてかかわってきたわけであります。当時の北大の宮脇委員長を筆頭に、札幌市
出資団体点検評価委員会でさまざまな指摘を受けたところでもありますが、最終的には、外部評価委員会は
出資団体改革に対する札幌市の統制強化を指摘し、委員会自身としての限界も呈したところでもあります。
その後、本市において、札幌市
出資団体改革新方針や
アクションプランを策定してきましたが、新方針の中で、今後の状況の変化に弾力的に対応するよう、基本的には、目標年次などは示さず、項目ごとに取り組みの方向性を示すとされております。一部団体については廃止や廃止めど、統合、縮小などを明示しているものもあるものの、本年4月に作成された
アクションプランを見る限り、財団と協議を重ねながら継続的に検討していくと記されていたり、さきの札幌市
出資団体改革新方針に目標年次などは示さずとあらわしたこと、また、5月27日の
出資団体改革調査特別委員会で、今年度、
行政評価委員会による外部評価を新たに導入するということが明らかにされ、その評価対象は3団体程度としておりますが、また、外部評価という手法を重ねながら改革の姿勢を見せるだけで、これまで同様、結論を先送りしているとしか思えません。
出資団体改革は、平成17年から取り組み、4年以上経過してきているわけで、過去の代表質問で、私から、改革のスピード感がないと指摘をしておりますが、何ら変わらず、逆に改革が後退している印象もあります。市長も平成17年の
出資団体改革プラン策定に当たっての中で、積極的かつスピード感を持って着実に
出資団体改革を始めますと言っておりますが、その初心、気構えはどこに行ったのでしょうか。
そこで、質問であります。
市長の
出資団体改革のスピード感とはどのような尺度なのか、お聞きをいたします。
加えて、本年4月に策定された
アクションプランを見る限り、後戻り感がありますが、改革をあきらめたのか、見解をお尋ねいたします。
あわせて、改革を推し進めるなら、それぞれの団体に対する方向性と期限を早急に決めるときと考えますが、市長の決意をお聞かせ願いたいと思います。
次に、5点目といたしまして、本市の総合交通政策についてであります。
一昨年の中央バスの問題、昨年には丘珠空港からのA−net撤退問題や市電の延伸問題、さらには北海道新幹線札幌延伸など、本市にかかわる公共交通の課題は山積しております。中央バスの問題は、二転三転の上、ジェイ・アールバスに対し補償金を払い、とりあえずの解決を見たところでもあります。一方で、ことしに入り、市電の延伸問題がクローズアップされてきました。
しかしながら、私は、その前にやらなければならないことがあると思います。道央都市圏ではパーソントリップ調査を実施し、昨年度、交通マスタープランが策定され、これを受け、札幌市では札幌総合交通計画を策定すると聞いております。将来の本市の人口動向やパーソントリップ調査で得た需要予測を踏まえ、札幌市全体の総合交通体系、とりわけバスや市電などの公共交通のあり方を市民に示し、取り組むべき施策の優先順位を判断することが重要と考えますが、現状では、市電延伸のことがマスコミなどでクローズアップされ、その他の市民全体にかかわる重要なことが検討されていないのではないかとの不安も多く聞かれるところであります。
そこで、質問でありますが、市長は、札幌市における総合交通体系の検討をどのように進めようとしているのか、お伺いをいたします。
6点目は、丘珠空港と北海道エアシステム、HACへの出資についてであります。
昨年、A−netの丘珠空港から新千歳空港への集約移転が決定し、丘珠空港はHACのみとなり、その後、HACの筆頭株主であるJALの経営問題から会社更生法の申請へと、HACの経営環境が大きく変わってきております。昨年には、JALがHACの出資比率を51%から15%未満への引き下げを道に申し入れており、さきの5月26日に開かれました北海道新幹線・丘珠空港調査特別委員会で、丘珠空港は、ビジネス、観光、医療、防災等の観点から、道内を結ぶ拠点空港として重要な位置づけであるとの認識や、HACの動向等について多くの質問があったところでもあります。
また、つい先日、HACの2010年3月決算発表で、累積欠損金が1億9,800万円になることも判明し、今後、札幌市も含めた関係自治体等に対して出資を求めてくることが十分考えられます。現段階では北海道からの事業プランが提示されるのを待っている状況でありますが、さきの調査特別委員会で、我が会派の長内委員より、本市にとっても空港と路線維持の観点から出資を求められた場合の見解をただしたところ、理事者側より、HACが丘珠空港へ集約された場合、それぞれの役割、責任に応じて出資について慎重に判断していく旨の答弁を受けたところでもあります。
そこで、質問でありますが、市長は、丘珠空港路線維持の観点から、HACへの出資等を求められた場合、どうなさるのか、その対応についてお伺いをいたします。
7点目は、組織の機能と不祥事についてであります。
昨年度、職員の不祥事が8件ありましたが、そのうち5件が2月に報告され、異常な事態であると指摘せざるを得ません。さらには、職員の不祥事だけではなく、トルエン濃度問題、出資団体などの不祥事を考えますと、組織のあり方や職員の士気に対する市全体の管理体制や市長のリーダーシップに問題があると言わざるを得ません。
市長は、トルエン問題の件で、たるんでいるとハッパをかけて直ることではない、職員が仕事をする上で基礎的な知識や研修体制が弱っていると感じますと言っておりました。仕事をする上で基礎知識が必要なのは当然でありますが、組織というのは、ミスを出さない管理機能を持たせ、そのチェック機能が働かないときにはその根本を改善していくことが必要であります。
さらに、過去、市長は、職員の業務外での不祥事については、私的なことでもあり、責任は持てないような発言をしておりましたが、人と人とのつながりが希薄になっている現在、職員は家族であり、個人的にも不幸が起きないよう、上司や同僚などが私的なことにも気を配り、変化に気づくような職場環境をつくり上げる風土を醸成していくことがリーダーとしての役目であると私は思っております。
また、昨年の定例議会におきまして、我が会派の細川議員より、職員の人材育成に対する質問に、札幌市職員人材育成基本方針に基づき、人事制度への目標管理的な手法導入や職員間のコミュニケーションの活性化など、風通しのよい職場風土といったものをつくると答弁をしておりましたが、まだまだその実が結んでいるようにも思えません。不祥事のたびに、再発防止に向けた対応を図られているが、なかなかそれが機能していない印象があります。それは、職員の皆さんが、当該部署以外では対岸の火事のような感覚でいるのではないかと危惧をしております。
そこで、質問でありますが、市長は、たび重なる組織や職員の不祥事における綱紀粛正や職員の士気高揚策をどのようにされていくのか、また、札幌市職員人材育成基本方針に基づき、職員間のコミュニケーションの醸成をどのように図っていくのか、具体的にお示し願います。
次に、大項目の2点目の札幌市のまちづくりと南区の課題についてであります。
第4次長期総合計画や都市計画マスタープランにおいて、区レベルやそれに準じた地域の日常生活を支える拠点を地域中心核、また、市内だけではなく、隣接都市も後背圏に持つ拠点を広域交流拠点として位置づけられております。全市で13の地域中心核と三つの広域交流拠点が位置づけられ、それぞれの状況により、これまで基盤整備や土地利用の誘導が図られてきており、現在、地域中心核の一つであります琴似では、市街地開発事業が進められているところでもあります。また、交通結節点となる広域交流拠点、地域中心核においては、バリアフリーの整備も進められ、歩行者環境の充実が図られているところでもありますが、それぞれの中心核や広域交流拠点の現状を見ますと、多様な商業・業務機能、行政機能、居住機能など各種都市サービス機能の集積や、安全で快適な歩行空間の確保が十分と言えない場所や、依然として基盤整備が不十分な場所があるのも事実であります。
一方、加速する少子高齢化や今後の人口減少など都市の転換期を迎えている今、求められる機能も変化をしていくことになり、地域中心核や広域交流拠点のあり方も変わっていくものと思うわけであります。例えば、多くの人が集まり、交流する場として新たなにぎわいや生活の豊かさを創出する機能を誘導していくことなど、従来にない発想が求められております。また、都市づくりの方向性として、地域中心核につながる公共交通の利便性を高め、徒歩や公共交通で基本的な都市サービスを利用できる環境を形成し、環境負荷低減にも寄与することが必要となってきております。
そのような背景のもと、第4次長期総合計画や都市計画マスタープランに位置づけながら、特に平成16年に策定されました都市計画マスタープランの基本方針には、多中心核都市構造を構成する主要な拠点として、都心のほか、高次都市機能拠点、広域交流拠点、地域中心核を設定し、だれもが安心し、快適に活力に満ちて過ごせる空間づくりを重視しながら各拠点の育成・整備を図ることが盛り込まれております。
しかしながら、琴似の開発事業や白石区役所の建てかえなど一部の拠点において整備計画が進められようとしておりますが、それ以外の地域は、中心核と位置づけられているものの、まちづくりの機運や熟度に応じた対応となり、現時点では将来を見据えた具体的な方向性や取り組みが不透明な状況でもあります。
とりわけ、私の地元の南区の真駒内や澄川も地域中心核と位置づけられており、特に真駒内については、拠点の育成・整備として満足できる状況ではありません。地下鉄真駒内駅は、地下鉄の最終駅、南区の玄関口でもあり、区役所や区民センター、保健センターが集まり、拠点としての役割を持っております。南区では、ここ10年、人口の減少や少子高齢化が進み、65歳以上の老年人口比率は札幌10区の中で一番高い24.8%でもあります。保健福祉局が行った高齢社会に関する意識調査では、医療機関が身近にあること、買い物をする店が近くにあること、交通の便がよいことなど、生活に密接したことを求める声が多く、今後、このような声がさらにふえていくことが予想されます。
このようなことから、真駒内駅周辺は、南区全体を支える拠点として、高齢社会に関する意識調査にあった回答も含め、広域的な機能を誘導する観点が不可欠でもあります。私は、そのような理由から、平成19年の定例議会の代表質問において、真駒内地域、特に地下鉄真駒内駅周辺のバリアフリーを含む再整備について質問いたし、理事者側から中長期的な課題として検討していくとの答弁がありました。
しかし、その後、南区や真駒内を取り巻く環境に大きな変化が起きております。それは、平成24年の4月には、現在4校ある真駒内地域の小学校が2校に、また、道の施設である北海道青少年会館が、耐震化と老朽化問題で、これも平成24年度までに施設廃止予定で、特に併設されているプールは市民プールとして札幌市も補助金を支出し、利用する区民も多く、現在、存続に向けた署名活動も行われております。施設廃止に伴い、今後、市民プールをどうするのかも考えていかなければなりません。
さらには、地下鉄真駒内駅前の警察官舎も老朽化が進み、まち並みや景観としても問題があります。このようなことから、真駒内駅周辺のまちづくりは、真駒内地域のみならず、南区全体の課題でもあります。さらに、真駒内駅前は一等地でもあり、このような環境変化に伴い、にぎわいや交流を生み出す空間として再生が不可欠になってきており、まちづくりの醸成機運も高めていかなければならないと考え、地区によっては行政の主導で進める必要があると考えます。
そこで、質問でありますが、第4次長期総合計画や都市計画マスタープランに位置づけられた地域中心核を初めとする拠点をどのように考えているのか、また、前段で示したとおり、南区や南区の玄関口である真駒内地域の環境変化に伴い、まちづくりを検討すべき時期に来ていると思うが、真駒内駅周辺についてどのように取り組みを進めるのか、具体的にお示し願います。
次に、大項目3点目の高齢者福祉政策と防火対策についてであります。
平成18年の介護保険制度の改革により、地域密着型サービスや地域包括支援センターの創設、居住系サービスの充実等々、施設から在宅への政策転換が進められてきました。また、同時期にスタートした医療制度改革においても、慢性的な症状などで長期に入院する施設である療養病床の削減が打ち出されるなど、居住系サービスへ移行する方向性が色濃く反映されております。従来の在宅と言えば自宅のみでありましたが、今はグループホームや有料老人ホーム、高齢者下宿など、在宅の形も多様化してきており、在宅における介護のさらなる充実が求められております。
一方で、特別養護老人ホームの入所希望者は、昨年の12月現在で6,040人、入所の緊急度、優先度が高い待機者が2,915人となっております。要介護度別では、介護度の重い4、5の方が1,953人、居場所別に見ると病院や施設でない在宅等の方が1,952人であり、いずれも待機者の3分の1を占めております。平成21年度末の特別養護老人ホームの定員は4,152人と入所希望者の3分の2程度にとどまっているにもかかわらず、今後の施設整備計画は、平成22年度、23年度とそれぞれ138名、218名となっております。子どもの待機児童解消から比べれば、高齢者の施設整備については、非常に消極的で中長期的な展望、計画が見えてこない状況でもあります。
そこで、質問でありますが、前段の状況を踏まえ、今後どのような施設整備を考えているのか、改めてお伺いをいたします。
次に、小規模多機能型居宅介護施設の防火設備についてであります。
本年3月に発生した認知症高齢者グループホーム「みらいとんでん」の火災による事件は記憶に新しいところでもあります。275平米以上の認知症高齢者グループホームにはスプリンクラーの設置が義務づけられて、整備に向けた国の交付金制度も用意されておりますが、今回罹災した認知症高齢者グループホームは275平米未満であり、この制度の対象外でもありました。この火災を受け、札幌市では、国に対し、この面積要件を撤廃し、その基準未満の小規模施設に対しても交付金の対象とするように働きかけ、国でも、交付金対象面積については現在検討中と聞いております。
今回の事件を受け、市長は、当初、市独自でも対応する話をしておりましたが、国が検討するという話になり、いつの間にかトーンダウンとなっております。私は、早急に、国任せではなく、札幌市独自の整備を積極的に進めるべきと強く望むものでもあります。
また、認知症高齢者グループホームと同様、泊まりのサービスも提供する介護サービスとして、介護保険の地域密着型サービスの一つである小規模多機能型居宅介護サービスの事業所が、現在、札幌市内に33カ所あり、その数は全国的にもトップクラスであると聞いております。その利用者の安全性確保の観点から、認知症高齢者グループホームと同様の対応が必要であると考えております。
そこで、質問でありますが、小規模多機能型居宅介護事業所に対してもスプリンクラー整備が円滑に進むような制度の充実が必要と考えるが、本市の対応についてお伺いをいたします。
次に、大項目4点目のごみ焼却灰の有効利用による循環型社会の促進策についてであります。
現在、札幌市のごみ最終処分地である埋め立て処分場は、山本処理場、山口処理場の2カ所となっております。この埋め立て処分場の状況を見ますと、平成21年度末現在での未造成を含む残余量は、山本処理場で約194万トン、山口処理場が約119万トンと推計されております。また、ここ数年の埋め立て処分量の内訳を見ますと、処理量全体のおおむね5割程度を清掃工場からの焼却残渣が占め、平成21年度では約6万トンの焼却残渣が埋め立て処理をされております。一方、埋立量を確保するため、平成22年度から平成26年度にかけ、山本東地区で造成工事が実施され、ここに係る今年度の計画事業費は12億6,000万円、後年度においても多額の事業費が見込まれているところでもあります。
今後、スリムシティさっぽろ計画が推定しております埋め立て処分場の残余年数もどのようになるか、気になるところでもありますが、いずれにしても、生活や事業・経済活動がある限り、廃棄物が排出され、これをいかに安全で安定的にごみ処理していくかはごみの環境行政の重要な使命であると考えております。埋め立て処分場にあっても、長期に、かつ安定確保をしていく観点から、廃棄物の最終処分量を減少させることで既存の埋め立て処分場の延命化を図り、可能な限り新規建設を抑制することも重要な使命の一つであろうと考えます。
我が会派は、代表質問などで、ごみ焼却灰の有効利用で循環型社会の形成を実現していく観点から質疑を重ねてまいりました。いずれのご答弁も有効利用の意義を認識されて継続的な調査検討を進めるとのことであり、中でも、さきの第1回定例議会で我が会派の横山議員に対する答弁では、これまでの化学分析や技術的な検証による課題の解決を踏まえ、事業化レベルに向けた際のコストの検証などを進める答弁がありました。しかしながら、立ちどまりの感が否めないのでもあります。
札幌市では、下水汚泥についても、かつて埋め立て処理を行っておりましたが、循環型社会形成が求められる中で、今は、汚泥は一部コンポスト化し、緑農地利用されるほか、多くは焼却をされ、その焼却灰はセメント材料や建設資材などに全量が有効利用されていると聞いております。一方で、ごみ焼却灰については、札幌市においても一部を溶融し、メタルスラグを生成しているということですが、ほかに焼却灰の有効利用としては普通セメント、エコセメントの原料化、溶融スラグ建設資材など、資源化処理技術には幾つかの手法があります。
ごみ埋立場の延命化などを図る観点から、多くの都市で焼却灰の有効利用が推進されております。課題となるコスト面においても、我が会派の独自の調査では、例えば、セメント資源化に要するコストは技術開発により低減化が図られているとの情報を得ているところでもあります。次の世代に良好な地域環境を引き継いでいくことも我々の世代に託された使命であると、環境首都・札幌で宣言をしており、焼却灰の資源化は、循環型社会の形成と本市の埋め立て処分場の延命化に極めて有効な取り組みの一つと考えます。
そこで、質問でありますが、現状のごみ排出量から本市の埋め立て処分場の残余年数はどのくらいなのか、さらには、焼却灰を有効利用した場合はどのぐらい延命になるのか、お尋ねをいたします。
また、環境首都・札幌を目指す札幌市として、焼却灰の有効利用を積極的に進めるべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、大項目5点目、市民自治について、2点お伺いをいたします。
1点目は、町内会加入促進についてであります。
市長は、市民自治が息づくまちづくりを基本とし、市民がみずから主体となって行動することで、市民自治が実感できるまちづくりを実践しているとしており、その実現を図るため、札幌市自治基本条例を定め、その中で、市は、町内会を初めとしたまちづくり団体の支援を行うとしております。町内会では、地域の住みよいまちづくりを支えるために、親睦行事や防犯・防災、子ども、お年寄りの見守り、子育て支援など、取り組む活動は多岐にわたっております。いざというときに支え合える人がいる、自分たちのまちは自分たちで守る、この一つ一つの協働の積み重ねが地域の人たちの安心につながっていると言っても過言ではありません。
しかし、町内会の加入率は、現在71.78%と、前年より0.72ポイントの減少、昭和53年の93%をピークに、年々、下降の一途をたどっております。言うまでもなく、地域のまちづくりに取り組む活動の最小単位が町内会であると考えております。近隣関係や地域の関心が薄くなっていると言われる今日、町内会の活動は、まさに自分たちのまちを自分たちの力でより住みやすくしようという自発的な活動であります。一人でも多くの住民が参加することにより、それぞれの地域の実情に合わせたさまざまな活動が展開され、地域が活発化していくものと思っております。
私は、こうした中で、一つのかぎとなるのが集合住宅入居者などの地域活動への参加を促すこと、すなわち、町内会への加入促進に向けた取り組みが重要であると考えます。例えば、大規模災害があった場合、町内会に加入していない人々も、当然、近隣住民との助け合いや、地区会館などに避難する行動をとり、また、町内会に未加入の人の中にも、町内会行事に参加し、その恩恵を受けていると思います。町内会加入については強制できないものであるとして、このまま町内会加入率の低下が進むと、町内会運営自体が困難になってきます。町内会への支援の必要性については、これまで重ねて訴えてきたところでもあり、今後、地域のまちづくりをより幅広いものとしていくため、さらには、地域住民のニーズにこたえるためにも、町内会の役割はますます重要性を増してくるわけで、加入率の低下という現実を踏まえたとき、行政はどのような支援が町内会に必要か、考える必要があると思います。
そこで、質問でありますが、これまで、我が会派では町内会支援の必要性について訴えてきたところでありますが、特に町内会への加入促進支援の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、2点目、区民協議会についてお伺いをいたします。
市長は、区民協議会を区民の意見を市政に反映する目的で設置するとしておりますが、遅々として、進んでいる形跡が見られません。例えば、今、南区において、シーニックバイウェイルートの認定を受けるとして、シーニックバイウェイルート運営代表者会議が設置されております。これにかかわるのは、町内会、まちづくり協議会、地元大学、地元商店街組合、NPO、地元企業や観光協会など、さまざまな団体、企業、人たちで構成され、シーニックバイウェイルートの認定実現のため、協議を重ねながら、南区の魅力アップに尽力、貢献をしているところであります。加えて、南区には、定山渓沿線の課題の協議、解決に向けた団体、定山渓沿線協議会もあります。
私は、このような各区の魅力アップや地域財産の再発見など、区全体の活性化に向け、シーニックバイウェイルート運営代表者会議や定山渓沿線協議会など、地域課題を解決する目的で自然発生的に会が形成され、それを行政がどのようにバックアップできるのか協議していくという市民自治には賛同をいたします。
区民協議会については、本市は、平成19年より、区民協議会のあり方等にかかわるアドバイザー会議で、協議会のあり方や位置づけなどを協議し、その後、市民自治推進室を中心に協議会の考え方や組織のイメージを出したところでもあります。協議会においては、区や地域の各種団体の活動内容、状況等の情報を共有し、意見交換を通じ、できることから課題解決や実践を図るとしております。私は、各区において、地域の特性や住環境の違いによる住民意識の温度差もあり、さきの南区の例のように、自然発生的な形成が望まれるところであり、その醸成を待つのもいいと考えております。
しかし、行政課題を協議会に転嫁し、責任の所在をあいまいにするおそれがあります。また、町内会の役員は、各種団体の役員を兼任されている方が多く、さらなる負担感の課題や、区民協議会は各種団体に屋上屋を架すことにもなりかねないという危惧もあります。
そこで、質問でありますが、この区民協議会の必要性と実効性等をどのように考えているのか、改めてお伺いをします。
また、役員を兼任している現実とその負担感の課題をどのように認識しているのか、お尋ねをいたします。
さらに、今年度、10区に設置という目標値を掲げておりますが、協議会設立機運の醸成と自然発生的な設立を待つべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。
次に、大項目6点目の入札制度と除雪業務の複数年契約についてお伺いをいたします。
最初に、入札制度における最低制限価格及び調査基準価格についてであります。
世界的な経済状況の悪化が続いている中、公共事業の減少により、札幌市において、受注機会が減少し、入札においても競争が激化しております。また、ダンピング受注と思えるような入札の激増等により利益率が低下し、さらには、全件電子入札による一般競争入札にも改められたことから、応札者が増加、受注競争も激しさを増し、札幌市の経済・雇用を支える地域産業の中核として大変重要な役割を果たしている札幌市の中小建設業者においては、極めて厳しい経営を強いられている状況にあります。
こうした中、建設業者は、当面の資金を何とか得ようとして採算を度外視したような入札を繰り返し、最低制限価格付近での入札や低入札調査基準価格を下回るような低価格で応札する入札傾向が続いていることから、その結果、工事品質確保への懸念とともに、企業の存続や雇用を望めず、市民生活や経済活動に大きな打撃を与えることになりかねないと推察しているところでもあります。
このような状況を踏まえ、札幌市の工事入札において昨年6月と本年2月に、また、測量・設計等の委託業務において本年2月に、緊急経済対策の一環として最低制限価格及び調査基準価格の引き上げを行ったところであります。その後の検証では、平均落札率も一定程度上昇しており、以前から
最低制限価格等の引き上げを主張してきた我が会派としても、一定の効果があったものと評価をしているところでもあります。
しかしながら、現状においては、札幌市の中小建設業者は、経営状況が改善されるまでに至っておらず、現在においても、採算を度外視したような最低制限価格付近での入札が繰り返し行われている状況も続いております。依然として厳しい経営環境に置かれていることは変わりもありません。このほか、ビルメンテナンス業者等についても、建設業者と同様に厳しい経営環境にもあります。
そこで、質問でありますが、札幌市の経済を支えてきた中小建設業者の安定化、さらには、企業の健全な育成を図る観点からも、工事、測量・設計等の委託業務について、最低制限価格及び調査基準価格を引き上げることは非常に有効と考えておりますが、さらなる引き上げの考えはないのか、また、最低制限価格を設定している清掃・警備業務についても、工事と同様に引き上げる考えはないのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、除雪業務の複数年契約についてお伺いをいたします。
言うまでもなく、冬の経済活動を支える上で除雪業務は不可欠なものでありますが、一方で、その担い手である除雪業者の多くが建設業者であることから、近年の景気低迷や公共工事の減少により経営力が大幅に低下し、多くの企業では、保有する除雪機械の更新ができず、老朽化が進んでおります。また、除雪に必要な作業員やオペレーターは、冬期間に限って雇用されるケースが多いことから、敬遠され、担い手不足、さらには高齢化の進行と、除雪体制の根幹となる部分では問題が深刻化しております。
このため、我が会派では、かねてより、冬の市民生活を守るためには、除雪業者の経営安定化に向けた支援と、知恵を絞って除雪体制のあり方を見直すべきと提案をしてきたところでもあります。この中で、本市は、除雪業者に対して、夏の業務量の確保のため、今年度より試行で夏場の道路維持業務との一体発注に取り組むとされております。除雪業者の窮状を考えますと、除雪体制維持の観点からこの取り決めをさらに推し進めて、早急に複数年契約に移行すべきと考えます。この複数年契約については、除雪業者にとって、一定期間の業務量が担保され、資金面や雇用面からの経営の安定化に資するとともに、老朽機械の更新にもつながり、数年間にわたり地域に密着した道路管理が可能となり、市民サービスの向上の面からも副次的なメリットにつながると考えます。
そこで、質問でありますが、除雪体制の確保策として、また、厳しい経営環境に置かれている除雪業者への支援策として、早急に複数年契約について着手すべきと考えますが、本市の考え方をお伺いいたします。
次に、大項目7点目、教育問題についてお伺いをします。
1点目は、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストについてであります。
全国学力テストは、平成19年より全国一律で実施され、本年度は、昨年の政権交代に伴う事業仕分けで抽出方式に変わり、本市においては、小学校41校、中学校は26校で、過日、実施されました。
この事業仕分けで気になるのは、評価者コメントで、「何を調べようとしているのかよくわからない」「目的が不明確となっているだけにサンプル調査で十分」などのコメントがありました。また、教育的観点より、財源捻出のための仕分けの印象が強く、この結果については、私は、評価した方々は日本の教育や教育の将来をどのように考えているのか、疑問を呈したいのであります。文部科学省は、全国学力テストの調査目的を3点しっかり明記しており、目的がはっきりしているわけであります。その上で、評価者が目的を不明確と言い切るのは、評価者自身が調査目的を把握していないのか、これまで3年間実施してきた成果や課題の検証が不十分という国や教育委員会等への警鐘、指摘、評価したものと言わざるを得ません。
そのような背景のもと、本年より国の方針が抽出方式に変わり、調査目的の考え方も変わってきています。しかしながら、私は、抽出方式による実施では、全国や各地域における児童生徒の学力については、サンプル調査で傾向をはかることができても、個々の学校や児童生徒の把握や改善に役立ったり、教員個々の資質、指導力の評価や課題などを把握することはできないものと考えております。
今年度の全国学力テストの実施に当たって、札幌市を除く北海道の公立校では、抽出校と希望利用により全学校が参加しているわけです。学校や児童生徒個々の指導に役立てようとしておりますが、本市は抽出校のみの実施でありました。
また、本市の過去3年間の全国学力テストの結果を見てみますと、おおむね全国平均近辺と聞いておりますが、教育委員会や学校において、学力問題を直視し、真に取り組んできた姿勢が伝わってこないのであります。事実、日本教育会北海道支部長である昌子守彦氏も、教育関係者が、過去の経緯から、これまで学力問題に真っ正面から取り上げることにややちゅうちょする空気があったのではなかろうかと、「教育振興」の誌上で同様な意見を言っておられます。
そこで、質問でありますが、今回の全国学力・学習状況調査の実施に当たり、本市は抽出校のみの参加となりましたが、それに至る教育委員長を初めとする教育委員などの意見や、教育委員会として、どのような手順を踏み、どのような議論のもとに抽出校のみの参加に至ったのか。
2点目に、過去3年間での全国学力テストの結果を受け、本市の義務教育の水準はどのようなレベルにあるものと考えているのか。さらに、今後、札幌市の義務教育をどのようなレベルに持っていこうとするのか。
3点目に、個々の学校や児童生徒の学力の検証、分析と、教員の資質向上や指導方法の改善をどのように図っていくのか、3点お尋ねをいたします。
教育問題の2点目は、全国体力・運動能力、運動習慣等調査についてであります。
この調査は、子どもの体力が低下をしている状況にかんがみ、国が全国的な体力状況を把握、分析するとともに、各地域や学校が子どもたちの体力や運動習慣、生活習慣等の状況を把握し、指導の改善に役立てることを目的として実施しているものであります。本市の小学校5年生、中学2年生とも、体格はおおむね全国平均を上回っているものの、体力については多くの種目で全国平均より下回っており、小学生に比べ、特に中学生の方が全国平均との差が大きくなっております。また、体力は子どもの生活習慣と深くかかわっており、朝食をとる子どもや、テレビ、ゲームにかける時間が短い子どもは、体力が高い傾向が見られ、北海道や本市においては冬期間の運動がかぎを握っているのではないかと推察いたします。
私は、さきの全国学力テストにおける義務教育水準の維持・向上について質問いたしましたが、同時に、子どもたちの健康の基盤となる体力の向上を図ることは、生活習慣病を予防するとともに、ストレスへの抵抗力を高め、さらには、社会全体に活力を与えることにつながるものと考えております。また、全国学力テスト結果の上位地域は、概して体力テストの結果も上位にある傾向があり、これは、学校を中心に家庭と地域社会が一体となって教育を推進した結果と言われております。
そこで、質問でありますが、教育委員会は、本市の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果をどのように認識し、本市の子どもたちの体力向上にかかわる課題をどのように把握しているのか、それらの課題解決に向け、どのように取り組んでいくのか、あわせてお尋ねをいたします。
教育問題の3点目、中高一貫校についてお伺いします。
平成10年6月に、学校教育法等の一部を改正する法律が成立し、平成11年4月より中高一貫教育を選択的に導入することが可能になって以来、全国各地で中高一貫教育校の設置が年ごとに増加しております。政令指定都市においても、8市が公立の中高一貫教育校を設置しております。また、平成22年度以降に設置が予定されている中高一貫教育校も33校とのことであり、政令指定都市の横浜市、川崎市においても、設置に向け、具体的な作業が進んでいると聞いております。
中高一貫教育の制度導入から既に10年がたち、全国の先進校の多くは、いろいろな経過をたどりながらも、中高一貫教育の持つ利点を生かしながら、保護者を初めとする地域の人たちから信頼も厚く、期待される学校として定着しており、現在の多様化する児童生徒や保護者のニーズを反映したものと言えます。
私は、札幌の将来を担う人材を育成する観点から、6年間を見据えたカリキュラム編成と計画的、継続的な教育の展開により、人格形成と高い学力育成をともに実現することが期待される中高一貫教育校を、一日も早く設置する必要があると思っております。我が会派は、過去より、数多くの中高一貫校の視察とさまざまな角度から調査を重ね、これらの教育の多様性や多感期における教育の選択肢として中高一貫教育校が必要であるという立場で、提案を含め、代表質問などの場で質疑もしてまいりました。
札幌市では、昨年5月、札幌市中高一貫教育検討協議会から、札幌市における中高一貫教育のあり方で、設置すべき方向での答申を受けたところでもあります。その答申は、至極当然の結果であり、中高一貫教育校に対する市民の期待は大いに反映されたものと考えております。
昨年の定例議会で、我が会派の細川議員の質問に対し、設置するとした場合の教育内容や学校規模等の諸条件について具体的な検討を進めており、平成22年中には設置の可否を決定したい、また、導入する場合には既存の市立高校を母体とすることを想定している、札幌のまちづくりの人材育成を視野に検討を進めると答弁をしておりました。さらに、22年度の教育委員会実施プランにおいても、中高一貫教育校の可否決定を平成22年中に決定すると明記されておりました。
さきに実施された札幌市の保護者等のアンケート結果で、残念ながら、具体的な教育内容がわからないというのも相当数ありました。中高一貫教育校にあっては、少子化時代の質の高い教育の場として、体験学習などの多様な活動や大学との連携など、さまざまな内容を取り入れた教育が行われると期待されております。さきの代表質問から時間が経過し、検討内容が相当深まったと思いますが、中高一貫教育校を設置する場合、どのような札幌市らしい特色のある教育内容を考えているのか、その特色を踏まえ、設置形態について、一体型、併設型、どちらが望ましいと考えているのか、設置する場合、既存の市立高校を改編するということであるが、どのような観点で選定を行うのか、お尋ねいたします。
最後に、市街化調整区域の衛生環境についてであります。
本市の下水道事業は、大正15年から始まり、昭和47年の札幌オリンピックを契機に市街化区域を中心に下水道整備が進められ、昭和45年に普及率20%であったものが現在99.7%、全国平均に比べて高い普及率であります。しかし、市街化調整区域の一部においては、下水道未整備地区が現存しており、そこに住んでいる方々にとって下水道整備は積年の思いで今に至っております。費用対効果の面から整備が進んでいない状況になっております。
本市は、平成12年に策定した生活排水処理計画に基づき、下水道を整備する予定のない区域への生活排水対策として合併浄化槽の普及に努めてきたとのことであり、また、平成20年3月には、スリムシティさっぽろ計画の中でその生活排水処理計画を改定したところであります。その中で、本市の市街化調整区域では約3,500人が非水洗化であると言われ、そのうち300人は、今後、下水道の整備対象とされておりますが、3,200人については合併浄化槽の普及促進を図るとされております。
しかしながら、現在、市街化調整区域に住む方々は、先祖代々、居住された方も多く、市街化地域の社会基盤整備が進むにつれ、次は自分の土地とずっと期待をしてきた人も多いのが事実であります。下水道設備のないところは、一部浸透ますが詰まり、道路の側溝に流れたり、一部は河川上流地にあることも多く、生活排水が川に流れ込み、排水臭気など環境面でも影響が心配されるところでもあります。さらには、水洗トイレではないことが学校でも話題になり、子どもが心理的な影響を受けていることも聞いております。この件について、昨年、決算特別委員会で我が会派の横山議員が質問したところでありますが、いま一度、下水道整備について本市の考え方を尋ねたいと思います。
そこで、質問でありますが、下水道未整備地区に関し、本市の今後の考え方を改めてお聞きをいたします。
次に、生活排水処理計画の下水道未整備地区において、合併浄化槽の導入促進に向け、平成19年度より導入に際して補助金のアップを図っており、導入した方の話によりますと、導入後の維持負担の大きさを指摘される方がほとんどであります。いわゆる下水道と費用負担の格差の問題であります。下水道の利用であれば、一般住宅において年間1万2,000円程度でありますが、合併浄化槽は定期点検や電気料などを含め年間8万円から10万円と相当な負担格差があります。
私は、同じ札幌市民であるならば、地域格差の解消や受益者の公平性を図る必要があると考えております。そうした観点から、下水道未整備地区において、今後、下水道整備が難しいということになれば、合併浄化槽を公営化し、整備すべきだと提言をしたい。政令指定都市においては、仙台市や広島市が、また、全国的にも数多くの市町村が合併浄化槽の公営化をしております。広島市においては、平成20年度に市営化し、合併浄化槽を下水道会計に組み込み、申請に基づき、公費で合併浄化槽を設置し、維持費についても下水道料金と同様な考え方のもとに料金徴収をしております。また、公営化以前に設置したものについては、一定条件のもとで無償引き取りをし、その後の維持費についても同様の料金で対応しているということです。
本市においては、下水道未整備対象世帯はあと1,000世帯弱であり、この未整備地域への合併浄化槽の公営化と料金格差解消を図るべきと提案いたします。
そこで、質問でありますが、本市の下水道未整備地区へ、導入済みの引き取りも含めた合併浄化槽の公営化と、整備後の維持費についても下水道費用と同様にすべきと提言するがいかがか、お尋ねをいたします。
以上で、質問のすべてを終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(宮村素子) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 私からは、私の政治姿勢についてお答えをさせていただきまして、その余は、担当の副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきます。
政治姿勢ということで7項目ございますが、まず、第1点目のマニフェストの実現による効果についてということでございます。
マニフェストというのは、言うまでもございませんが、選挙において有権者が政策本位の判断ができるように、そして、当選後に、何を、いつまで、どのぐらい予算に盛り込んで実現するのかということをあらかじめ公にし、約束をさせていただきます。後に有権者が検証可能なようにする、そういうものだと理解をしております。
私は、毎年、予算発表のときに私自身のマニフェストの進捗状況といったものをお示ししておりますけれども、これは、自己満足のためではなく、これまでの実施状況と、お約束どおりやれているかどうか、そして、ことしの予算で、そのうちどんなことをやるのかということを、そしてまた、約束の方向性というものは今後どうなるのかというようなことも含めて市民の方々にお知らせをして、市民の方々が私の政策を検証できるようにしているものでございます。
もちろん、これらの一つ一つの政策というのは、その政策を実現することによってかなえる目標、あるべき姿といったものを持った上での政策でございますので、それについてどうなったのかということについては、これは、後々、また評価をしなければならないことと、ご指摘のとおりだというふうに思います。しかし、マニフェストとの関係で言えば、これは、具体的な政策を予算との関係でどのようにしていくかということでございますので、その点、ご理解をいただきたいというふうに思います。
私は、人を大事にすることということを前提にいたしまして、マニフェストに掲げました事項を着実に実施してきているというふうに考えております。子育て支援、あるいは、高齢者・障がい者福祉、環境施策など、これからの時代に重要と考える施策についてさらに重点的に取り組んできたところでございました。
例えば、保育所定員について、これは、子どもを産み育てやすくするという政策目標に対する具体的な施策としているわけでありますが、いまだ、世の中の状況で、社会状況の変化等もありまして、待機児童を解消するということにはもちろん至っておりません。かえってふえてくる、こういう状況にあることも承知をしているところでありますが、マニフェストに掲げております目標値の約倍ですね。倍増、2,000人ほどをこの4年間にふやすということになっているわけでありまして、さまざまな観点から最大限これに努力をしているということでございます。
また、元気ショップに加えまして、元気ジョブアウトソーシングセンターを開設するなど、製品の販売や役務の提供を通じて、障がいのある方の雇用の拡大や、あるいは、作業工賃の向上につながる施策の取り組みは、関係者の皆さん方からは高い評価を得ているというふうに考えております。
このほか、札幌の経済が活性化するためには北海道全体が元気になることが必要でありますので、札幌圏の各市町村や道内各地の中核都市など道内他都市との連携を強めているところでありまして、オータムフェストの開催などは既に一定の成果というふうに考えているところでございます。
今後も、マニフェストに掲げた事柄はもとより、さまざまな課題に対応する施策に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
2点目の事業仕分けですが、その点についてのお答えをさせていただきます。
今回の事業仕分けの手法による市民評価でございますが、これは、厳しい財政状況や少子高齢社会などの時代の変化の中にあっても、市民の皆さんが将来にわたって安心して生き生きと暮らせるまちづくりを進めていくことができるように、市民参加によって、事業の必要性、あるいは、担い手のあり方などの議論、そして評価をしていただくものでございます。仕分け人の皆様方には、そのことをしっかりお伝えしていきたいと考えておるところであります。
また、この仕分けの結果につきましては、これのみをもって見直し内容が決定するわけではもちろんありませんが、その結果を真摯に受けとめ、その議論の過程、結果も含めて、必要に応じてさらに市民や議会の意見を聞きながら、しっかりと検討した上で来年度の予算や次期の行財政改革に関する計画策定等に活用していきたい、このように考えているところであります。
最後に、これまで行ってきたことを否定するものではあるまいかというご意見でございますが、事業の見直しというのは、これまでも不断に続けてきたことであります。今回、市民によります評価の結果が効果的・効率的な市政運営につながることになればすばらしいことになるのではないかな、こんなふうに考えているところであります。
3点目の経済政策、雇用政策についてお答えをいたします。
まず、これまでの経済政策によります札幌経済への波及効果についてでありますけれども、元気基金あるいは景気対策緊急支援資金などの融資制度によりまして中小企業に円滑な資金提供を行うとともに、経営相談、あるいは、創業に挑戦する市民へのきめ細かな支援を行ってまいりました。また、雇用創出効果の高いコールセンターなどの企業誘致を行ってきているところでもございます。こうした経済活性化に向けた施策等によりまして、現下の厳しい状況下においても札幌市経済の全体を下支えしてきたものと認識しておりまして、最近では市内の景況感というものが2期連続で改善しているなど、札幌の経済動向に持ち直しの動きが見られるところでもあります。
また、税収増と雇用につながる産業振興政策についてでございますが、これまで行ってきております産業振興施策は、税収の増加と雇用の確保、創出といったものを目的とした取り組みでありました。札幌市の円滑な財政運営や市民の快適な暮らしを実現させるために極めて重要である、このように認識をしております。
今後は、現在策定中の
産業振興ビジョンによりまして、経済全体の波及効果が見込まれる重点分野を定めまして、具体的な施策を実施することでさらなる税収の増加と雇用につなげてまいりたい、このように考えているところであります。
経済界への雇用の要請に伴う仕事創出の裏づけについてでございますが、景気低迷に伴います雇用の悪化を受けまして、これまで3回にわたりまして要請をさせていただきました。この間、札幌市においても、公共事業の前倒しや、あるいは、商店街の活性化対策の実施を初め、国の経済活性化対策関連の交付金を積極的に活用するなどいたしまして、切れ目のない経済対策に取り組んできたところでもございます。今後とも、経済界と連携を図りながら、さらなる産業振興と雇用の創出に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、4点目の
出資団体改革についてお答えをいたします。
出資団体改革につきましては、平成17年度に策定いたしました
出資団体改革プランにおいて団体の統廃合などの目標を掲げ、これまでも着実に取り組みを進めてきたところでございます。また、これに加えまして、平成18年度から19年度には、外部の有識者によりますこの点検、評価を行うとともに、ここでの結果を踏まえて、平成21年2月に策定いたしました
出資団体改革新方針においては、出資の見直しなどについて取り組みの方向性を明らかにし、今年度中には出資の見直しについてそれぞれの団体ごとの結果を示すこととする、こういう取り組みを進めているところでございます。今後ともスピード感を持って取り組んでいきたい、このように考えているところであります。
5点目の総合交通体系の検討についてお答えをいたします。
札幌市では、昨年度策定されました道央都市圏の都市交通マスタープランを踏まえまして、札幌市総合交通計画を策定することとしております。4月には、その準備委員会を立ち上げたところでございます。策定に際しましては、地域内の交通でございます路面電車や自転車なども含めまして、これまで各交通手段ごとに委員会などで検討してきたものを受けまして、基本的な考え方を整理し、体系化するとともに、10年間で取り組むべき施策を交通戦略として取りまとめていきたい、かように考えております。
6点目のいわゆるHACへの出資に関してのご質問についてでございます。
HACへの財政支援につきましては、いまだ北海道から正式な要請がございませんので見解を述べる段階ではございませんが、今後、HAC便が丘珠空港に集約されるのかについては、非常に大きな判断の要素になってくるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今後、北海道としっかり協議をしていきたい、このように考えております。
7点目の組織の機能と職員の不祥事についてでございます。
改めまして、最近の不祥事につきまして、市民の皆様に本当におわびを申し上げなければなりません。一連の不祥事、中でも不適切な事務処理につきましては、いま一度、基本に立ち返って、職場環境の変化にも対応した取り組みについて検討を行っているところでございます。
また、不祥事への厳正な対処は当然でありますけれども、大多数の職員は本当に誠実に仕事に取り組んでおりますことから、その仕事ぶりを認め、激励し、仕事に対する誇りを持たせ、士気を維持、高揚させるというふうにも気を配らなければならない、このように考えております。
職員間のコミュニケーションの醸成につきましては、職場の問題点を活発に議論できる風通しのよい環境といったものを自発的につくれるように、管理監督者に対しまして一層の取り組みを促していくという考えでありますし、現に、ただいまもそのことを実行しつつございます。今後とも、職員の資質と組織力の向上を図り、これまで以上に市民から信頼を受けられるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(宮村素子) 中田副市長。
◎副市長(中田博幸) 私から、4項目についてお答えいたします。
まず、札幌のまちづくりと南区の課題についてお答えいたします。
1点目の地域中心核を初めとする拠点についてでございますが、今後の人口減少や超高齢社会の到来を見据えますと、拠点の機能を向上させることは、今後ますます重要なことになると認識をしております。このため、それぞれの拠点の特性や課題に応じましてさまざまな手法を組み合わせ、これまで以上に積極的に施策展開を図っていく考えでございます。
2点目の真駒内駅周辺の取り組みについてでございますが、今年度に地域の方々と意見交換を行い、それを踏まえまして、平成23年度に真駒内駅周辺のまちづくり指針を定め、その実現を目指していきたいと考えております。このまちづくり指針においては、にぎわい、交流の創出、高齢者や子育て世代の暮らしを支える機能の充実、さらには、真駒内の歴史を象徴するまち並みの創出などの視点が重要と考えております。
次に、ごみ焼却灰の有効利用による循環型社会の促進策についてお答えいたします。
1点目の埋め立て処分場の残余年数についてでありますが、埋め立て残余容量を新ごみルール実施後の平成21年度埋め立て実績で割り返しますと、残余年数は23年程度となります。また、埋立量の約3分の1を占める焼却灰を全量リサイクルした場合には、さらに10年程度の延命が見込まれるところでございます。
2点目の焼却灰の有効利用、資源化についてでありますが、平成20年度と21年度に札幌市の清掃工場の焼却灰をセメントの原料として使用するに当たっての実証実験を行い、セメント製造工程への影響や製品の安全性などについてはおおむね問題がないことを確認しております。引き続き、セメント会社などと連携をしながら、安定した運搬、受け入れ体制や処理コストの検証など、焼却灰のリサイクルに向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、市民自治についてお答えいたします。
1点目の町内会への加入促進支援についてでありますが、札幌市といたしましても、町内会が防災・防犯や子育てなどのさまざまな分野で地道な活動に取り組み、地域のまちづくりにとって大変重要な役割を果たしていることを十分認識しており、参加への動機づけにもなるよう、その意義や重要性のPRなどに努めております。今年度からは、集合住宅の建築主に加入促進への協力依頼のチラシを配付いたしますとともに、町内会役員の経験談や活動に役立つ考え方などをまとめた冊子を作成いたしまして、近く配付する予定でございます。また、従来から行っております広報さっぽろやテレビ、ラジオなどの広報活動を初めとする支援を行うなど、また、議員の皆様とも力を合わせて加入促進に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の区民協議会について、まとめてお答えいたします。
区民協議会は、連合町内会を中心とした地域のまちづくり活動団体が、それぞれの特徴を生かして、区役所とも連携協力しながら暮らしやすいまちをつくっていくことを目的に設置するものであります。区をよりよくしていくため、区民同士が話し合い、さらには、地域の課題解決に向けた取り組みを実践していく場として必要であると考えておりますし、役員の負担感につきましても、区民協議会の意義を十分にご理解いただくとともに、多様な市民の方にご参加いただくことや、効率的な運営方法を心がけることで対応してまいりたいと考えております。
また、協議会は既に四つの区で設立されているところでありますが、地域の方々が、自発的に設置している既存の組織にその役割を担っていただく方法もありますので、今後も、地元の動きに連動するなど、区や地域の実情に応じて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、市街化調整区域の衛生環境についてお答えいたします。
1点目の生活排水処理の考え方についてでございます。
市街化調整区域のうち、住宅等が一定程度集積している地区では、下水道による集合処理が合理的であることから下水道の整備対象区域としておりますが、住宅等が点在している地区では、下水道整備に要する財政負担を考慮した場合、個別処理が現実的であると考えられますことから合併処理浄化槽の普及促進を図ることとしております。
2点目の合併処理浄化槽の公営化についてでございます。
生活排水処理に対する取り組みは、各自治体の状況や課題などからさまざまに異なっておりますが、札幌市では、地域の状況を踏まえて、ただいま申し上げた下水道と合併処理浄化槽の役割分担の考え方に基づきまして、それぞれにおいて必要な負担をいただいているところであります。その市民負担に差があることは承知しておりますが、現状では合併処理浄化槽を公営化し、その費用を市が負担することは困難と考えているところでございます。
以上でございます。
○副議長(宮村素子) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、2項目につきましてお答えを申し上げます。
まず、高齢者福祉政策と防火対策についてであります。
1点目の高齢者の施設整備についてでありますが、ご自宅などで特別養護老人ホームの入所申し込みをされている方のうち、介護の必要性や生活状況などから特に緊急度の高い方は860人ほどおられます。札幌市といたしましては、このような方々ができるだけ早く入所できるよう、平成23年度までの3カ年で、既存施設の増床分も含め、551床の整備を予定しておりますとともに、在宅サービスの充実にも力を入れているところでございます。
なお、予定している施設整備数を上回る定員増につきましては、入所を希望されている方々の動向や、置かれている環境等に十分配慮するとともに、介護保険料に与える影響なども考慮しながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
2点目の小規模多機能型居宅介護事業所のスプリンクラー整備についてであります。
小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスは、短期利用を目的とするものであり、生活の場である認知症高齢者グループホームとは異なる機能を担っておりますが、自力避難困難な方の利用もあることから、防火面での安全対策が必要と考えております。このため、札幌市としては、他の政令指定都市などと連携しながら、小規模多機能型居宅介護事業所に対し、面積要件にかかわらずスプリンクラー整備への補助を行うように、国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
次に、入札制度と除雪業務の複数年契約についてお答えをいたします。
1点目の最低制限価格及び調査基準価格の引き上げについてでありますが、工事及び測量・設計等の委託業務につきましては、本年2月発注のゼロ国、ゼロ市の案件から引き上げを行いましたけれども、引き上げ後、まだ日が浅いことや、本年度、本格実施をいたしました予定価格の事後公表による落札率等の影響の検証も必要であると考えております。また、清掃・警備業務については最低制限価格付近に応札が集中する傾向とはなっておりませんが、工事も含め、引き続き落札率の推移等を見守ってまいりたいと考えております。
2点目の除雪業務の複数年契約についてでありますが、今後の夏冬一体化の試行結果や企業の動向などを見きわめながら、複数年にわたる履行の確保に向けた方策を検討した上で、できるだけ早い時期での導入を目指してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(宮村素子) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 教育問題について、私からお答えいたします。
1点目の全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストについてであります。
教育委員会といたしましては、札幌市全体の児童生徒の学習状況の把握と指導方法の工夫改善のためには抽出調査で十分であり、学校及び一人一人の児童生徒の学習状況等の把握については各学校における日常的な各種テストなどが有効であると考えております。そうした考え方に立って、抽出調査のみに参加するとの方針について、教育委員に説明いたしました。その中で、抽出率の妥当性や毎年実施の必要性などについて意見がありましたが、方針については賛同を得た上で教育委員会として抽出調査のみの参加としたものであります。
次に、札幌市の義務教育の水準についてでありますが、全国学力テストの結果については、全国平均をやや上回っている領域を含みながら、全体的には全国平均とほぼ同程度となっております。
教育委員会といたしましては、この全国学力テストではかることのできる特定の学力のレベルだけでなく、知・徳・体のバランスのとれた全人的な教育のレベルを向上させてまいりたいと考えております。
次に、学力の検証と教員の資質向上等についてでありますが、各学校においては、個々の児童生徒の学力を検証、分析しながら日々の指導を進めております。そうした取り組みを踏まえて指導資料等を作成し、活用を促すとともに、各種研修会等を通し、札幌市全体として教員の資質向上や指導方法の改善を図ってまいりたいと考えております。
2点目の全国体力・運動能力、運動習慣等調査についてでありますが、結果分析によると、札幌市の子どもの体力は、全国同様、低下傾向にあり、全国平均を下回る結果となっております。また、すべての運動の基本である走力が低下していることや、運動する子どもとしない子どもの二極化が顕著であることなどが課題となっているところであります。
こうした課題の解決に向けて、今年度、体力向上に係るプロジェクトを立ち上げ、運動の楽しさや喜びを味わわせる指導のあり方などを示すとともに、今年度、作成、配付する手引の中で、走力を高める指導や運動が苦手な子どもの意欲を喚起する指導の事例を紹介するなどして、体力向上に向けた取り組みの充実に努めてまいります。
次に、3点目の中高一貫教育についてお答えいたします。
まず、札幌らしい特色ある教育内容についてでございますが、現在、市立学校全体で自立した札幌人の育成を目指し、札幌らしい特色ある学校教育などを進めているところであります。中高一貫教育校を設置するとした場合には、6年間の計画的、継続的な教育課程を編成できるという特徴を生かして、体験を重視した課題解決型の学習や札幌を教材とした学習を行うことなどにより、自立した札幌人を育てていく取り組みをさらに推進していくことができると考えております。
次に、望ましい設置形態についてでございますが、一体型と併設型の大きな違いは、高校段階から新たに生徒を受け入れるかどうかであります。今後さらに総合的な観点から判断していく必要はありますが、6年間にわたって生徒の成長をじっくりと見守り、計画的、継続的に指導するという中高一貫教育の特徴を最大限生かす観点からは、高校段階から入学者をとらない一体型が望ましいと認識しております。
次に、改編対象校を選定する観点についてでございますが、移行期間における円滑な接続を念頭に、まず、教育内容の観点から検討していく必要があります。さらに、全市からの通学の利便性や学校の施設整備に伴う財政的な観点などを総合的に勘案して選定する必要があると考えております。
いずれにいたしましても、中高一貫教育につきましては、さまざまな課題も指摘されておりますことから、それらについても、今後、より具体的に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(宗形雅俊議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(宮村素子) 宗形議員。
◆宗形雅俊議員 再質問をちょっとさせていただきます。
市長の政治姿勢で、まず、マニフェストの実現のところで、市長、これ、失礼ですけれども、僕は、無責任としか言いようがないというか、聞いていることに答えていないような気がするんです。というのは、要は、マニフェストで、こういうまちづくりの事業、政策で76項目を置いた、そして、今の市長でいくと、進捗状況、予算をつけ、状況を公表し、そして何を行って、市民の方々が政策を検証できるようにしているという答弁だったと思うんです。当然、市民の検証というのは、4年ごとに行われる、市長は来年出るかどうかわかりませんけれども、その評価であると思うんですけれども、やはり、4年間という行政の運営という中で、市政とか、やっていることが、本当に掲げたものの、先ほど言ったように、あるべき姿だとか、こういう目標達成、こういうものに効果的に出ているのかという検証はしていかなければならないと思うんですね。そういう一環が仕分けになるんですよとか、行政評価とかということになっていくんだろうと思うんですけれども、何か、ただそれを検証できるようにしているというのは、僕は、その言い方というのは非常に無責任であると思うんですね。
改めて、市長がいろんな施策をやっていて、市民に、それぞれの、先ほど民主党の
小川直人議員からも
市民満足度調査なんていうものも出てきて、それがそういうものの一つになるのか。どういうふうな尺度を持って、いろんなことの検証なり、施策の効果をはかっているのか。市長も、先ほどの小川議員のところで、市民とともに悩み、考え、行動するというお話もされておりました。ということは、悩むということは、いろんな市民の現状を知らなければ悩めないわけですね、ともに共有できないということは。だから、そういう声なり実情というものをはかる、そういう検証というのはどこでどうされているのかということを答えてくれということを聞いたのですけれども、なかなかそういうことにはなっていなかったと。そこで、もう一度、ちょっとそこら辺を改めて聞きたいと思います。
それから、事業仕分けについてですけれども、いろんな事業があって、今回、89という事業が出てきたと。今、国の方も、行政レビューというか、みずからいろんなことを出している部分もありますけれどもね。もともと事業仕分けについて必要性とか担い手ということの一つのベースがあって事業仕分けをしてもらうのだということですけれども、逆に言うと、結果の尊重、これはすごく恣意的になりかねないなということになってくるのですね。例えば、89のうち、市民に直接、高齢者の問題とかありました。これが、いろんな角度から見て本当に必要か、必要でないか。必要でないという判断の中に、市長がばっさり切っちゃうと市民的感情があるから、この事業評価をもって一つ緩衝材にしてしまうとか、そんなような責任回避になりかねない部分も危惧をされるというようなこともちょっと思っているわけです。
それでまず、89を選んだ理由というのは、先ほどいろいろ聞いていてもなかなかちょっと答弁についてわかりづらい。それから、その後の結果について、いろいろ尊重すると言ったけれども、その辺の基準、尊重する基準というのも、要は、話を聞いたよという程度なのか、やはり、そこに6割、7割の強制力を持って当たりますとかという、何か、尊重します、参考にしますということで、じゃ、やったけれども、結果は違ったよということになったら、やらなきゃよかったなという評価にもつながりかねないし、その辺のところについて、どうも先ほどから答弁を聞いていると、ここはちょっとまだわかりづらいところがあるんですね。もう一度、ちょっと整理をしてご答弁をいただけないかなと思っています。
それから、出資団体の改革について、スピード感の尺度はどうなんだというところで、確かに、札幌市からの派遣の社員だとか出資の問題だとかということになっていますけれども、私は、要は、今35ある出資団体の中で、これは必要だ、これは統合する、これは何年後にやめる、こういう明確なものをもう示していってもいいんでないかなと思うんですね。そして、今年度、また外部評価を入れてやると。宮脇委員長がやったときにいろんなことをやって、本来、それがあって、じゃ、こうしようというものが、宮脇委員長がやったときの外部評価委員会があって、そして、それが、市があとは判断されるのかなと思ったんですけれども、結局、また、実施プランだ、そして、一部見ていますと、本当に団体と協議してまいりたいとか、何か、もう表現が先送り、先送り、そして、今回、先週に
出資団体改革調査特別委員会があって、また外部評価委員会を導入して取り組んでいくと。何か、改革をやっているなという雰囲気は見せているんですけれどもね。何回も言いますけれども、何か先送りということで、私が思っているスピード感と市長の思っているスピード感が違うのかなと思うわけですね。その辺、もう一度、ちょっと市長の見解を聞きたいと思います。
それと、再質問の四つ目、教育委員会の方にちょっとお聞きをします。
きょうは、委員席に池田委員が来ておりますけれども、池田委員に聞きたいと思うんですが、いわゆる学力テスト、全国学力テストが抽出方式に変わったと。これは、国の事業仕分けの中で抽出方式ということでおりてきたと思うんですね。それで、それを受けて、教育委員会から先ほど答弁があったわけです。
まず、どういう場で、抽出するか否か、今までどおりやるか否かということを受けたのか、どういう場であるかということを説明、もしくは、そしてどのような意見が出たのかということが一つと、それからもう一つは、抽出方式、さっきの答弁を聞いていますと、教育委員に説明しているということですから、抽出という結論はだれが出したのか。さっきの答弁を聞いていますと、抽出という方式で教育委員会が判断をして、そして教育委員の方に説明をして意見を求めているということを言いました。ということはだれが抽出としていきましょうということの結論を出して説明したのか、これもちょっとお答え願いたいなと思います。
○副議長(宮村素子) 上田市長。
◎市長(上田文雄) マニフェストについては、検証はだれがやるのかという視点で申し上げますと、もちろん、毎年、こういう事業をやるからには予算が必要でございますので、予算のやりくりをしながらその強弱をつけ、あるいは、実施時期についてハンドリングをしながらお示しをし、議会でしっかり議論していただくという過程でやっているわけであります。特に予算議会あるいは決算議会、ここら辺は検証をする場所でございますので、成果が上がっていないのであれば、上がっていないというご指摘は議会からされると、私はそのように思います。市民の皆さん方も、そういう専門的な議会の皆さん方の議論を聞いて、そして、そういう視点で物を見るのかなということも一つの判断材料になるんだというふうに思います。
そういう予算あるいは決算ということは、まさに、マニフェストで示している事業をどう実施しているのかということの一番明らかになる場面であるわけであります。もちろん、一つ一つの事業について、その受益者、あるいはその周辺におられる方、あるいは政策目標といったことについて周辺で関心を持っていただける方々についての直接の意見は、これは私どももしっかり受けさせていただいております。
例えば、それは、元気ショップでも元気ジョブでも同じことであります。これは、売り上げが当初の予想よりもはるかに多かった、あるいは、4年間に1億円の売り上げがある、あるいは、25万人もの方が店を訪れてくれている。これは、単にその事業が成功したということよりも、そこは、小規模事業所で働いておられる方々に対する福祉の物の考え方について共有をしていただける方がそれだけ札幌市内におられるということで、そういう意味では福祉政策の極めて重要な実践であり、マニフェストに記載したことと事業と、さらにその目標としていることについては、相当程度達成しているだろうと。もちろん、障がい者に対する施策はそればかりではありません。しかし、一つ例を挙げればそういうことになろうかなというふうに思います。
そして、最終的には議会の皆様方にもチェックをいただく。年に4回、代表質問があるわけでありますから、おまえのマニフェストは何もできていないじゃないか、何の意味もないじゃないかというふうなご指摘があれば、そのときにまた議論をさせていただきたい、このように思います。
事業仕分けの問題について、89項目をどうやって選んだのか。これは、先ほども申し上げておりますけれども、市民の皆さん方にいろいろ満足度調査をさせていただきました、施策についてですね。そういったものも参考にしながら、一つ一つの事業が市民と直接関係があり、判断しやすいというふうに思われるものについて選んだつもりでございます。そして、その対象になった事業について、どのような関心を持っていただいておるのかということについて、専門家の意見はもちろんでありますけれども、やはり、市民の皆さん方の視点で評価をしていただく。大変ご苦労なことでございますけれども、しっかり説明をさせていただきながら、我々が事業をやっていることの説明責任を果たしながらその評価をいただくという作業をやることは、市民参加による事業評価ということで、私は、新しい行政のやり方ということで非常に意義のあることだ、このように思っております。
その結論についてどうするかということでありますが、もちろん、限られた時間の中で、限られた情報の中で処理をされるということでありますので、その議論の過程等について市民が見ておられるわけですから、そういうことを含めて、皆さん方のさまざまな意見をまたちょうだいするということで、その可否等についてどのように反映させていくかということについて私どもが責任を持ってさせていただきます。それが生かされていないだとか、あるいは、全然問題にしていないとかというふうなことに私がなれば、それは私に対する批判に当然なってくるだろう、このように思います。
それから、出資団体のスピード感という問題でございますが、これは、さまざまな考え方、感覚があるかというふうに思います。一つ一つ、38団体ございました出資団体について、計画を立てて、今35団体に減少させております。さらには、出資のありようについて、今、新方針ということで今年度中にそれを出させていただくということを申し上げているわけでありますので、その点についてご理解をいただきたい、このように思います。
○副議長(宮村素子) 池田教育委員。
◎教育委員(池田光司) 会話になれていないと思いますので、しっかりお答えできるかどうかわかりませんけれども、教育問題に係る質問につきまして、私からお答えしたいというふうに思います。
全国学力テストの参加等に係ることにつきましては、教育委員会の事務委任等の規則に基づいて、これは教育長の判断であるということも踏まえまして、事務局において事務を進めたという経緯がございます。
そして、私ども教育委員の間では、教育委員会の場、あるいはその後の意見交換の場で幾つかの議論をさせていただきました。私の記憶ですけれども、教育委員からは、抽出校に対して、選ばれた学校に対して事前に連絡しているのか、それがきちんとなされているかどうかというようなこと、あるいは、札幌市全体の子どもたちの学習状況を把握する上で抽出調査で十分なのかどうかというふうな議論とかを随分したような記憶がございます。それから、国が予定している30%前後ですね。その率が、抽出が高いのかどうか、そういったような意見も出たという記憶がございます。また、過去3年間の調査結果をもとに、各学校において、ここは一番大事だったんですけれども、指導方法の工夫改善を進めている中で調査を毎年実施する必要があるかどうか、そういったような意見が出されたというふうに記憶しており、それを答弁とさせていただきたいというふうに思います。
(宗形雅俊議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(宮村素子) 宗形議員。
◆宗形雅俊議員 まず、市長にマニフェストの評価ということで、我々議会も決特、予特があってそのようなことをやっていますけれども、片方で、当然、我々も、ここにいる議員というのは地域から負託を受けた議員ですから、そういうこともあるでしょうけれども、何か、それがあるんだから、それを、意見といいますか、議論していきましょうということだと思うんですけれども、それはそれでしかりなんですけれども、やっぱり、札幌市全体の傾向というものも、当然、私は南区だけど、南区の人たち、でも、100%のあれではないですし、全体としてやはり傾向をつかんでいくとか、また、その検証というのは僕は必要だと思うのです。
くしくも、先ほど
市民満足度調査というお話が出ました。小川議員もその話をしましたけれども、これにしても、重要度は別としても、得点の計算方法は、知っていますか、市長、得点の仕方、4項目で。僕に言わせれば、満足はプラス、やや満足もプラス、ところが、やや不満足もプラス、僕はマイナス評価なのに、この点数化というのはプラス評価しているわけですよね。いわゆる、ただ満足でないというのは零点だと。ここの考え方自体も、先ほど厳しいと。私は、マイナス評価でやってみたら、何点かと自分で計算してみたんですけれども、まず、一番最初の項目、40何点あったのが、一歩退いて、余り満足していないというのをゼロにしてやったら46点が30何点とか、これは、どう見るかの話だと思うんですけれどもね。
ですから、こういう効果というのも、その集計する評価によっても違いますし、また、もう一つは、議論しなきゃならないけれども、市長みずから、やっぱりこの施策というものが市民に対してきちっと伝わっているのか、効果があるのかということは、行政がやっぱりある程度自身で評価もしていかなければならない、しかし、それがなかなかきちっと正確に出てこないということに、僕はちょっと問題があるんではないかなと思っております。これは、ちょっと指摘をしたいと思います。
事業評価についてもいろいろありますけれども、この辺についても、私はこの手法ということ自体は否定するものでもありませんから、今後、どのような形になっていくか。また、この結果を受けて、いろんな委員会の中で議論されていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それで、最後に、教育委員会のところで、今、池田委員の方からありました。それで、そういう議論があったということなものですから、教育長、後ほどその議事録を提出していただけますか、それについて。やっぱり、これは大切なことだと思うんですね。教育行政の中で、中で大切なことだと思うんです。それが、今おっしゃったことが、きちっとこういうことで議論されたもとで、当然、抽出になりましたと。教育委員会の、これは、ちょっと概要ということで、独立性を持って、そして、教育に関する事務の管理及び執行の基本的な方針に関すること並びに主要な教育施策の確立、変更及び実施に関することなどを教育委員会が話すと。そうすると、やはり、きちんと、後で言った、言わない等々もあるかと思います。当然、議事録をとっているかと思います。それがしかるべき話し合いのあるべき姿だと思うんですけれども、後ほど、そういった議事録等、ここで出せと言っても、今、言ってもないですから無理なのですけれども、出していただけるかどうか、それだけお聞きします。
○副議長(宮村素子) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 教育問題について、学力調査についてですけれども、今、池田委員の方からお話がありましたとおり、この判断につきましては、教育長への委任事務の範疇にあるものとして、教育委員の意見はお聞きしたものの、最終的には教育委員会事務局として決定しているところでございます。
ご意見を聞く場面は、教育委員会会議ではなく、教育委員会会議の後の意見交換の場で意見を伺っておりますので、議事録はございません。
以上です。
○副議長(宮村素子) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日6月2日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(宮村素子) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(宮村素子) 本日は、これで散会いたします。
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散 会 午後5時1分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 福 士 勝
副議長 宮 村 素 子
署名議員 恩 村 一 郎
署名議員 村 山 秀 哉...