委 員 村 上 仁 委 員 佐 藤 典 子
委 員 伊 藤 牧 子 委 員 佐 藤 美智夫
委 員 松 浦 忠
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開 議 午後1時
○坂本恭子 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項ですが、山口委員からは欠席する旨、高橋 功委員からは遅参する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第15号 平成22年度札幌市
水道事業会計予算の質疑を行います。
◆小嶋裕美 委員 それでは、私からは、浄水場などでの
水質管理について質問させていただきたいと思います。
私は、平成19年の
決算特別委員会で、同年に、北見市において、集中豪雨による著しい河川の濁りを浄水場で除去し切れず、大規模な断水が発生したことから、本市の高濁度時の対応、対策について質問させていただきました。また、昨年、同委員会においても、浄水場における水質の監視や浄水場の施設・設備の
老朽化対策について質問し、あわせて、
関係行政機関との連携や流域の事業者や市民の理解と協力による
水源水質保全について要望させていただいたところです。このことは、平成22年度からの札幌市
水道事業5年計画の概要版が
ホームページにも出ておりますが、関係機関との連携、水源域の事業者の協力、市民との協働による水源保全が
水質管理上の課題の一つとして明示され、しっかりと受けとめていただけていると思っております。
さて、水道局では、市民から公募した
水道モニターを対象とした
アンケート調査を毎年4回行っており、その結果が
ホームページで公開されています。3月の広報さっぽろにも
水道モニターの募集が書かれておりましたが、ここ1年分の結果では、水道局の水源保全への
取り組みとして、広報の充実、監視体制の強化などが重要であり、また、「知りたい情報は何か」という質問に対しては、「
水道料金」、次いで「水質」との回答が多くなっておりました。市民の代表とも言える
水道モニターの皆さんは、水道水の安全性への関心が高いことがうかがわれます。
水道水については、水道法に基づく水質基準50項目のほか
水質管理目標設定項目として、農薬も含め129もの検査項目が定められております。これらすべてをクリアし、24時間、利用者に供給し続けるために、水道局は大変なご苦労をされているのではないかと思います。しかしながら、一方で、最近では、
地球温暖化の影響かと思われる集中豪雨、いわゆる
ゲリラ豪雨による都市災害が全国各地で見られるようになり、これによる高濁度などの
水源水質変動に対する備えも必要と考えます。豊平川は、
本市給水量の約8割を担う
白川浄水場を初めとして、藻岩、定山渓の3浄水場が取水をしており、市内の98%の水道水は豊平川が源となっております。こうした大雨による高濁度や、さらには、
水道水源域にある事業所や住宅から灯油や重油などの油が河川に流入することなどによる
水質悪化のために、
浄水処理がうまくいかないような事態が生ずると、安全で安心な市民生活や都市機能が損なわれることが心配されます。
そこで、質問でございますが、浄水場での
浄水処理に影響するような水源での
水質悪化事例が豊平川で何件ぐらい発生しているのか、また、そのような
水質悪化にどのように対応しているのか、お伺いいたします。
◎田中
浄水担当部長 ただいまご質問のありました豊平川での
水源水質悪化事例の発生件数と対応についてお答えいたします。
水源水質の悪化事例といたしましては、大雨のときの濁度上昇、夏場での
カビ臭物質の増加、さらには、ダムにたまった土砂の
しゅんせつ工事の影響などが挙げられます。このほか、突発的に生じ、通常と異なる
浄水処理が必要となります、ただいま委員からの質問の中にもございました灯油、重油の混入などの
水源水質事故がございます。豊平川での
水源水質事故の発生件数は、過去3年間では、平成18年度が油事故5件、濁度が通常の1,000倍ほどまで一時的に上昇しました高濁度1件の事例を含めまして合わせて計7件、19年度が油事故4件など計7件、20年度が油事故5件となっております。このほか、台風の接近など秋の大雨のときに、枯れ葉などに由来いたします水溶性の有機物など塩素を消費する物質が大量に河川に流入し、塩素剤の注入を一時的に増量させなければならない場合も年に数回ございます。
水源水質悪化への対応ですが、浄水場では、一般的に水質変動に合わせて活性炭を注入したり、凝集剤や塩素剤を増量いたしますが、場合によりましては取水量を減少させることなどもございます。さらに、
浄水処理への影響が大きいと予測される場合につきましては、
水質試験所が中心となって水源調査を行い、例えば油事故の場合は、
河川管理者などの関係機関とも連携いたしまして、油の除去や
オイルマットの敷設などにより、浄水場への影響を軽減する処置を講じているところでございます。
なお、事故の発生を早期に発見するため、浄水場におきまして水源域に設置しております
油センサー、濁度計などの
自動水質監視装置により、夜間、休日を含め24時間体制で水質を監視しているほか、河川の濁りや臭気などを確認する
水源パトロールを毎日実施しているところでございます。加えまして、
水源水質事故を未然に防止するため、関係機関とも連携いたしまして水源域の事業所や
工事実施者への協力を求めているところでございます。
◆小嶋裕美 委員 ただいまのご回答により、私たちがふだん意識することの少ない
水源水質事故の発生があることを伺わせていただいてちょっとびっくりしておりますが、安全な水の供給を続けるための事故対応に尽力されていることはよくわかりました。また、台風などの大雨による枯れ葉等によって塩素を消費する物質が水源に流入し、そのことにより塩素の注入量を増加するとのお答えがありました。
残留塩素は、水道水のおいしさを損なうと言われる反面、残留効果のある消毒剤として水の安全・安心のために必要なものでもあり、必要量の
残留塩素が保たれるよう、水道法に基づき、蛇口の水1リットル当たり0.1ミリグラム以上とするよう定められております。
残留塩素は時間の経過とともに低下するものでありますので、
白川浄水場は南区から手稲区、そして北区、厚別区など広大な区域を対象に給水しているため、浄水場でつくられた水が蛇口に届くまで、配水池等も経由していくと場所によっては2日以上かかるというふうに伺っております。常に十分な管理が必要と考えます。
そこで、質問ですが、末端の蛇口まで必要濃度の
残留塩素を保つために
白川浄水場ではどのような考え方で塩素の量を管理していらっしゃるのか、また、浄水場でつくられた水について、各家庭に届くまでどのような
水質管理を行っているのか、お伺いいたします。
◎田中
浄水担当部長 まず、
白川浄水場では、どのような考え方で塩素の量を管理しているかというご質問にお答えいたします。
白川浄水場では、浄水場から約36キロと最も離れております北区のあいの里の
末端給水栓においても、法で定める
残留塩素濃度が画一に確保できるよう塩素を入れる量を制御しております。その方法といたしましては、
末端給水栓で法定値を確保するため、過去の経験から、
白川浄水場から約13キロ下流にございます
西岡配水調整池の
残留塩素濃度を目安に塩素の注入する量を調整しているところでございます。今年度につきましては、その値を1リットル当たり0.5ミリグラムとしているところでございます。
次に、浄水場でつくられた水が各ご家庭に届くまでの
水質管理についてでございますが、平成22年度には、
水質自動計器を小学校などの公共施設に5台ふやし、計21カ所において
残留塩素などの水質を24時間監視することとしております。また、本市では、災害時や事故時における断水などの被害を最小限に食いとめるため、
白川浄水場、
藻岩浄水場から自然流下により配水している区域を115の
配水ブロックに分割しているところでございます。
しかし一方で、
配水ブロック内の配水管の末端において、住宅の張りつき状況などによりましては水の使用量が少なく水の流れが滞るおそれがあります。このため、毎年1回、水温が高く、塩素の消費量が多い夏場に全市一斉に
給水区域の水質測定を行い、
残留塩素が確保されていることなどを確認しているところでございます。平成22年度からは、さらに、この夏場の測定に加えまして、1年を通し、定期的に各
配水ブロック内の配水管の末端部において
残留塩素などの水質の調査を行い、
水質管理の強化を図ってまいります。
◆小嶋裕美 委員 ただいまのお答えの中で、
給水区域の
ブロック化により災害や事故の被害を最小限に食いとめるということで、それを1年を通してやっていただけるということで安心だなというふうに受けとめました。安全で安心できる市民生活のためにも、水源事故や災害にも強い水道構築とあわせて、水道水の水質をきめ細やかに監視する
取り組みを進めてほしいと思います。
特に、前の質問からずっと言わせていただいておりますが、おいしいお水の観点から、蛇口での
残留塩素の濃度を
必要最小限に抑えることも大切だと思います。また、
残留塩素は時間とともに低下しますが、浄水場から
給水区域の末端までは36キロというふうに伺いましたが、かなり距離がありますので、浄水場の近くなどではその濃度が法定値と比べて相当高くなっているところもあるのではないかと思います。そこで、
残留塩素の濃度が必要以上に高い区域を減らして、市内が平準化する、そして、おいしさに加え、塩素の使用量も削減でき、水道局が進める環境経営の一助にもなるのかと思いますので、このような方法についても、鋭意、調査検討をお願いしたいと考えているところでございます。
将来の世代に至るまで、市民が安全で安心できる生活を送ることができるよう、190万都市の社会基盤をなす
水道事業には、市民から常に信頼され、安全で良質な水を24時間たゆみなく供給し続ける責任があると考えております。今後も、安全でおいしい水道水を安心して飲み続けられるよう、ハイチなどの地震で本当に水に困っていらっしゃる方がたくさんいますが、そんなことが札幌市では決して起こらぬよう、こうしたことを要望させていただき、私の質問を終わります。
◆小川直人 委員 私から、札幌市
水道事業5年計画に関してお伺いいたします。
水道事業の基本であります水道法の目的の中に、清浄にして豊富低廉な水の供給を図るという一文があります。このことを使命として常に事業運営に当たっておられ、本市の
水道事業は、過去に、市民生活に大きな影響を及ぼすような大規模な断水や事故、トラブルがほとんどなく、このことは
水道局職員の献身的な不断の努力のたまものと評価するところであります。
しかし一方で、
水道料金は、政令市や道内の主要都市との比較において高い水準にあり、札幌に転入された方から札幌の
水道料金は高いと言う声も聞かれるわけであります。
水道事業は、設備産業の色合いが強く、札幌市の場合、政令市への移行時に急激な市域拡大に合わせて整備を進めてきたという背景があり、その際の財源をいわゆる企業債に頼らざるを得なかったため、その
償還コストを押し上げ、現行の料金に影響を与えているという事情があることも一定の理解をするところでございます。
札幌市における
水道事業は、公営企業として自治体が行っているものでありますが、私は、民間企業であれ、公営企業であれ、常に経営の効率化、コストダウン、品質の維持・向上に努め、言わずもがなでございますけれども、お客様、市民のニーズに的確にスピーディーにこたえることが求められていると思います。そして、利益が出れば、将来の投資へのストックも必要ですが、
水道事業であれば料金の値下げという形で市民へ還元していくことが
行政サービスとして大事なことだと日ごろ思っているところでございます。
そこで、質問でありますが、本市の
水道事業における経営の効率化、
コスト削減の今日までの
取り組みについてお伺いいたします。
◎堀口 総務部長 これまでの経営の効率化に向けた
取り組みについてお答えいたします。
水道局では、これまで、札幌市
水道長期構想や現在の中期計画であります
札幌水道経営プランなどに基づき、業務の委託化の推進や組織体制の見直しを行い、職員数やコストの削減に鋭意努めてきたほか、未利用財産の貸し付けや売却による収入の確保や水力発電による経費の節減などにも取り組んできております。主な
取り組み内容を申し上げますと、業務の委託化につきましては、平成16年度の西野、宮町浄水場など
小規模浄水場の
運転管理業務の委託や、平成18年度の
漏水防止業務の委託、さらには、藻岩、
白川浄水場など大
規模浄水場の一部の
維持管理業務につきましても段階的に委託拡大を図ってきているところでございます。
また、組織の見直しにつきましては、平成17年度に各
配水管理事務所で実施しておりました
幹線工事業務の一部を本局に集約したほか、平成19年度には
給水装置工事審査業務につきましても同様の集約を行うなど、可能なものから、順次、
業務執行体制の効率化も図ってきております。こうした
取り組みによりまして、平成18年度には717人だった職員数は、21年度に637人まで減少してきているところでございます。
◆小川直人 委員 今の答弁で、経営の効率化に向けてこれまで業務の委託化や集約化、職員の削減などに取り組まれ、一定の成果を上げられてきたことについては評価をいたしますが、先ほども申しましたけれども、いろいろな事情があるにせよ、他都市に比べて
水道料金が高い水準にあることは事実でございまして、さらに、今後、
豊平川水道水源水質保全事業などの大
規模プロジェクトや、
石狩西部広域水道企業団の関係で巨額の費用、財源が必要となり、一層の
経営効率化に向けた努力が必要になってまいります。このような観点から、このたび策定された札幌市
水道事業5年計画の中に、経営の効率化として、
出先庁舎のあり方についての取りまとめや、組織体制の見直しによる効率化が上げられており、強い関心を持ち、期待をいたしているところでございます。
現在の
出先庁舎の機構は、平成11年と12年に行われた機構再編成の際に配置されたと聞いております。その後、約10年が経過し、職員数の減少によって各庁舎にも
空きスペースが見られるほか、施設自体も老朽化が進んでおります。加えまして、この間、先ほどの答弁にありましたように、札幌市
水道サービス協会への業務委託を進めてきていまして、10年前に比較いたしますと、業務内容、とりわけその執行体制についても、経営の効率化という観点から、民間の活用を含め、積極的に見直していくことも必要ではないかと思っているところでございます。
現状において、経営の効率化を進めるためには、まず最初に、各庁舎の施設を有効に活用することや、業務実態に沿った組織の見直しをするなど、市民に見える形で理解される経営努力を重ねることが重要であると思います。経営の効率化を進めていく上での前提条件は、当然のことでございますが、良質な水を安定的に届けるといった
市民サービスや、事故、災害なども想定した
危機管理体制をおろそかにせず、しっかり維持していくことであります。
そこで、質問ですが、5年計画で掲げられた
出先庁舎のあり方や、
組織見直しによる効率化について、現時点での概要、ねらいとしている効果についてお伺いいたします。
◎堀口 総務部長
出先庁舎のあり方と組織の見直しの概要、効果についてお答えいたします。
まず、概要でございますが、現在、市内に五つの
料金センターと
配水管理事務所を配置し、料金部門と
配水管理部門を担当しておりますけれども、職員の
大量退職や業務の委託化による職員の減少により、業務のノウハウの継承や情報の共有化による連携という面で課題を抱えてきている状況にございます。そこで、
料金センターと
配水管理事務所を同一庁舎に統合し、3拠点に集約することで両部門の連携を強化し、情報の共有化を図るとともに、業務の迅速化や
危機管理体制の構築につなげていきたいと考えております。その上で、サービスの維持を図るため、収納相談など、市民や事業者との対応が直接必要な業務につきましては、3拠点の下に三つの支所として配置する予定でございます。
また、今後も、数年間は職員の
大量退職が見込まれますことから、今回の見直しに合わせまして、大課、大係制をしき、ベテラン及び若手職員を的確に配置することで人材育成や
技術継承を確実に進めていきたい、このように考えております。さらに、現在、各
配水管理事務所で実施しております
給水装置工事の検査業務を本局に一元化し、審査業務と一体的な業務とすることで業者の利便性の向上や
業務効率化を図る予定でございます。
次に、効果でございますが、今のところ、管理職を含めて10名程度の人件費の削減や、見直しであいた庁舎の
維持管理経費の削減を見込んでいるところでございます。さらに、空き庁舎や
空きスペースにつきましては、売却や賃貸等を含めて活用方法についても検討していきたいと考えております。
◆小川直人 委員 今の答弁で、
出先庁舎のあり方や組織体制の見直しを図り、経営の効率化や
危機管理体制の構築についても努力していくという考えが示されたわけであります。そして、今示された中で、将来的には職員数の削減も考えているということでございました。
水道局では、今年度末に退職される方は全体の約1割弱に当たる50名程度で、団塊の世代の退職のピークを迎えると聞いております。これだけの方が一斉に退職されますと、これまで
水道事業の安全・安定給水、さらにはサービスを維持してきた技術、技能が次世代へ継承されていくのか、危惧されるところでございます。団塊の世代の
大量退職による
技術継承は、今、民間企業も同じ悩みや課題を持っております。現在、さまざまな職場で
マニュアルが整備され、業務が執行されており、
マニュアル人間という言葉もありますが、
マニュアルがすべての事象、事故に対応できるものではなく、
マニュアルにはない想定外のことも起こり得ることもあります。そのとき、職場に経験豊富な百戦錬磨の有形無形の知識や技術を持った
ベテラン社員の存在というものは大変大きなものがあると思います。
私も、
火力発電所に勤務していたときに予期せぬ緊急事態が発生いたしまして、一歩間違えますと
プラント停止に至るところを、先輩に助けていただき、未然に事故を回避できました。結果的にお客様に迷惑をかけずに、ほっと胸をなでおろした経験を持っております。今、その職場では、団塊の世代の技術者の
大量退職に伴い、新入社員も大量に採用されることになっております。職場では、大変な危機感を持っており、先輩から後輩へ、
グループ会社と一体となった技術、技能の維持、継承に向け、
人材育成プログラム、教育体制の整備を行っているところでございます。
水道局を退職される方の中には、再
任用職員として引き続き公務を執行される方もいらっしゃると聞いておりますが、熟練の技術、技能を持った方々に
技術継承のために大いに力量を発揮していただくことは極めて有益なことだと考えております。しかし、先ほど、機構再編の概要に関する説明の中で、
ベテラン職員と若手職員、さらに再
任用職員の適切な配置によって
技術継承や人材の育成の着実な展開を図るとの答弁がございましたが、人事配置だけでは十分な成果を期待することができるのか、疑問に思うところでございます。
そこで、質問でありますが、水道局は、
市民サービスの維持と経営の効率化の両方の視点に立った上で、人材の育成や技術の継承、さらには再
任用職員の活用について、今後、具体的にどのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いいたします。
◎堀口 総務部長 委員ご指摘のとおり、職員の
大量退職や職員数が減少する中で、安全・安定給水や事故・災害時の危機管理のためには、人材育成や
技術継承、さらには、再
任用職員の活用を進めることは大変重要であるというふうに考えております。
具体的な
取り組みといたしましては、
水道事業全般にわたっての理解を深めるため、例えば、
水質試験所に勤務する職員が
配水管理事務所で配水管の
維持管理業務を経験するなど、日常業務以外の他の技術職場の業務を体験する研修のほか、実践経験を積むことが困難な事故、災害や修理作業を疑似体験するため、過去の事例を教訓とした
シミュレーション訓練や修理現場の映像記録を使った研修を行ってきているところでございます。さらに、技術力が低下することがないよう、配水管の
維持管理部門や浄水場の
運転管理部門など、各部門ごとに、
現行マニュアルにないノウハウや、これまで培った経験、失敗事例を通してトラブルを未然に防止するための留意点など、具体的に継承すべきノウハウを洗い出し、着実に継承するための方策についても工夫を凝らしていきたい、このように考えております。
また、再
任用職員の活用についてでございますが、再任用を希望する職員に対しては、退職の2年前から、その心構えや後輩育成の意識を持ってもらうことを目的に研修を実施することとしており、こうした職員を各職場の実情に合わせて配置することによりまして豊富な経験や知識を効果的に活用できるものと考えているところでございます。
◆小川直人 委員 私から、最後に、要望、思いを述べさせていただいて質問を終わりたいと思いますが、その後に、管理者から、思いがございましたらお話を願いたいと思います。
今の答弁で、水道局では、技術の継承について早くから危機感を持って既に取り組んできていることがわかったわけでありますが、このことは、将来にわたる事業運営の展開にとって極めて大事なことであると私も思っておりますので、これにしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、庁舎再編の具体的な
取り組みに当たっては、くれぐれも市民の皆さんが不安を持つことのないように取り組んでいただきたいと思います。そして、これまで
水道事業で取り組んできた
サービス協会や民間などへの委託化をより進めることで、経営の効率化を目指して引き続き努力いただきたい。そして、高い技術力を保有する水道局でありますから、より積極的な経営戦略も検討していただき、収益を上げ、その成果を料金の引き下げという形で市民に還元する方向につなげていければ、市民の期待にこたえるところとなり、高い評価をいただけるものと思っているところでございます。
市民の皆様に低廉な料金で安全で安定した
水道事業を展開していくことが
水道事業者としての使命でありますが、水と電気は、空気と同じく、市民にとってはあることが当たり前で、蛇口をひねれば水が出る、スイッチを入れれば電気がつくような存在であります。しかし、常に当たり前の状態を提供し続けることは大変な苦労があるものだというふうに思います。特に、水の場合は、人の健康、生命の維持に欠かすことができない重要なライフラインであります。また、ペットボトルで販売している「さっぽろの水」の評判もよく、私も、東京から戻ったときに札幌の水はおいしいなと改めて感じたところでございます。しかし、長く札幌に住んでいらっしゃる市民にすれば、いつも水が出ること、上質な水であることは当たり前で普通のことでありますから、断水が起これば苦情が殺到します。このように、通常はなかなか感謝されない業務だと思いますけれども、190万市民の生活を支えている大事な事業であるという誇りと高い使命感を持って公務を遂行していただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
◎横山
水道事業管理者 ただいま、委員から、低廉で、そして安全で安定した水の供給を行うように努めよというお言葉だと思います。私どもも、これからもそのように鋭意やってまいりたいと思っております。そのためには、浄水技術、あるいは配水・給水技術というものを確立して後世につなげていかなければならないと思いますし、
市民サービスにおいても、いろいろな声を伺った上で、料金制度あるいはサービスの仕方そのものも考えていかなければならないというふうに思っております。
ご承知のとおり、札幌市水道は、昭和12年から始まって70有余年たちましたけれども、大都市の中では後発、それから、道内の市の中においても11番目という非常に遅い出発でありました。しかし、この間、先人の皆様方の本当に血のにじむような努力で今日が築けたと思います。また、この間、議会の皆様を初めとする関係者の皆様方の叱咤激励でここまでできたのだと思っております。私たちは、やはり、これに甘んずることなく、将来に向けて一生懸命やってまいりたいと思っております。今後とも、いろいろなご指導を、またご意見をお寄せいただき、水道局の職員全員が真摯に受けとめてやってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
水道局の決意を述べさせていただき、終えたいと思います。どうもありがとうございます。
○坂本恭子 委員長 以上で、
水道事業会計予算の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時31分
再 開 午後1時34分
――――――――――――――
○坂本恭子 委員長 委員会を再開いたします。
質疑に先立ちまして、交通事業管理者から発言の申し出がございますので、これを認めます。
◎福井 交通事業管理者 この委員会の冒頭の貴重な時間をいただき、恐縮ではございますが、私から、一言、おわびを申し上げます。
既にご承知のこととは存じますが、先月の18日、当局の地下鉄乗務員による酒気を帯びての出勤について懲戒処分を行ったところです。
当局においては、交通事業者の使命である安全運行確保を目的として、地下鉄及び路面電車に乗務する全職員について出勤時にアルコール検査を実施しておりますが、このたび処分した職員につきましては、去る1月22日、呼気中アルコールが出勤時に検出されたものであります。乗務前のアルコール検査でありますので、当日は欠勤扱いとし、酒気を帯びた状態で乗務は一切させておりませんが、市民の皆様に信頼される公営交通を目指し、安全・安心な運行確保に努めている中、このような事態が発生したことはまことに遺憾であり、心からおわび申し上げます。
処分日には、早速、出勤点呼時において、全乗務員一人一人に対し、自己管理の徹底を求めて強く指示したところでありますが、今後におきましても、再びこのような事態が生じないよう職員一丸となってさらなる安全意識の向上に向けて取り組んでまいります。
このたびは、まことに申しわけございませんでした。
○坂本恭子 委員長 それでは、議案第13号 平成22年度札幌市軌道事業会計予算及び議案第14号 平成22年度札幌市高速電車事業会計予算について、一括して質疑を行います。
◆青山浪子 委員 私から、地下鉄の利用促進について、大きく2点質問させていただきます。
1点目は、雪まつり期間中の利用促進に係る
取り組みについてお伺いいたします。
ことしの雪まつりは、天候も安定してよかったこともあり、大通会場とつどーむ会場の来場者数は過去最高の人出であり、243万人が会場に来ていただきました。そして、2年目の開催となったつどーむ会場では、昨年の1.4倍の47万人との発表がありましたが、つどーむ会場は、駐車場もなく、また地下鉄栄町駅から徒歩10分の距離であり、さとらんどからの会場移転は交通局にとりましても大きな需要喚起につながるものと考えております。
そこで、質問でありますが、昨年の3定の
決算特別委員会で、私は、雪まつりの来場者に地下鉄に乗っていただく
取り組みが大切であると指摘させていただきましたけれども、ことしの雪まつり期間中に交通局としてどのような
取り組みを実施したのか、お伺いいたします。
またあわせて、雪まつり期間中の地下鉄の乗車人員はどのようであったのか、お伺いいたします。
◎新谷 事業管理部長 1点目の雪まつり期間中の
取り組みについてでございますけれども、大きく三つの
取り組みをいたしました。
一つ目は、東京ディズニーリゾートADトレインでございます。これは、東豊線の車両1編成の内外装を丸ごとディズニーのキャラクターなどで装飾したもので、1月29日から2月11日までの14日間運行いたしました。また、この運行に合わせて、東豊線各駅でディズニーの曲を放送したり、雪まつり会場などを移動してもらうスタンプラリーを実施したところでございます。
次に、二つ目の
取り組みでございますけれども、札幌の地元IT関連企業とのタイアップでございます。この企業で制作いたしました人気キャラクターをウィズユーカードのデザインに取り入れ、2月5日から栄町駅において発売いたしましたところ、連日、たくさんの方にお越しいただき、大盛況のもと、用意したすべての商品が予定よりも早く完売したところでございます。また、この発売に合わせて、南北線大通駅におきましても、同キャラクターのゲーム機の設置や3D映像を流して一層のにぎわいを演出したところでございます。これにより、地元企業のPRや情報発信にも一役買えたものと考えております。
最後に、三つ目の
取り組みでありますけれども、栄町駅の装飾でございます。雪まつりの第2会場がつどーむへ移り2年目となりますが、ことしは、交通局といたしましても、駅を会場へのゲートウエーというふうに考え、それにふさわしい歓迎フラッグや横断幕などの取りつけに加え、天井、壁面へのLEDによる電照装飾、こういうものを職員がみずから深夜に行ったところでございます。また、北海道教育大学附属小学校と連携して、生徒がつくった模型や絵画などを写真にして展示いたしました。さらに、装飾とあわせて雪まつりをイメージするオルゴール調のBGMを栄町駅で放送するなど、雪まつりを一層盛り上げるための
取り組みを実施したところでございます。
2点目の雪まつりの期間中の乗車人員についてお答えさせていただきます。
期間中の乗車人員でございますが、3線合計で約410万人となっておりまして、前年比では残念ながら0.7%ほどの微減でございました。しかしながら、今年度、ずっと続いております大きな減少傾向の中では一定の効果があったというふうに考えているところでございます。
◆青山浪子 委員 実は、私も東豊線を利用している一人でありますけれども、1月29日の新聞に、ディズニートレインの記事がカラーで掲載されたのを見て本当に感動いたしました。早速、わくわくしながら、役所の帰り、1時間に1本のディズニートレインに乗りまして、栄町駅でおりていつもカバンの中に入れているデジカメを出して写真を撮りました。聞くところによりますと、わざわざ遠くからこの地下鉄を見に来られた方もいると聞いておりますので、私は、多くの方々に喜んでいただけた有益な
取り組みであったというふうに思っております。このような
取り組みについて、いろいろ制約があるかとは思いますけれども、できるのであればもっとたくさん運行してほしかったと思っております。また、先ほど新谷部長のお話にもありましたように、交通局の職員の皆様が、栄町駅の装飾など、朝方までかかって作業をしたということもお聞きいたしました。本当に、かかわりました職員の皆様の努力に対しまして高く評価したいと思っております。
今お話しにもありましたように、総体的に見ますといろいろな
取り組みが実施されたのではないのかなと思っております。このような
取り組みは地下鉄の利用促進に大きくつながったと思っておりましたが、先ほどお話がありましたように、前年比でマイナス0.7%とのことであり、ふえるのではないかと期待をしておりました私としては少し残念な数字であったなというふうに思っております。地下鉄の利用促進の
取り組みは大変重要なことだと思っておりますので、ことしは数字的には少しマイナスだったかもしれませんけれども、今後とも継続して展開していくことが必要だというふうに考えておりますので、来年以降も引き続き雪まつりとの相乗効果が期待できるようにしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
次に、2点目でありますけれども、これからの利用促進に関する
取り組みについてお伺いいたします。
昨年の3定の
決算特別委員会で、私は、「乗ってコ!プロジェクト」の目的を伺いました。新谷部長より、このプロジェクトは、環境負荷の少ないエコな乗り物である地下鉄、市電をもっと利用していただくことで、市民の皆さんと交通局が一緒に環境問題に取り組むことが目的であるというご答弁をいただきました。その際、私は、このプロジェクトを展開していくのであれば、「のってコグマ」「のってシマウマ」「のってカエル」の3匹の動物のキャラクターを最大限に活用して、例えば、子どもたちが喜ぶようなシールやグッズなどを作成してはどうか、また、可能であればこのウィズユーカードを作成してはどうですかという提案をさせていただきました。
この提案に対しまして、少し時間はかかりましたけれども、エコバッグ、ボールペン、ノートなどのグッズを作成し、イベントなどで配布したほか、大通駅や南郷7丁目のホームさくにこのポスターを張り出しておりました。きょうの朝、私は、南北線の電車に乗ってきたところ、この電車内にも「乗ってコ!プロジェクト」のいろいろな取り組みがなされていることを見てまいりました。交通局の
取り組みが市民の皆さんに少しずつ浸透してきているのではないかというふうに思っております。また、今回、雪まつりに関する
取り組みの一部についても交通局内部に設置された利用促進戦略会議で検討されたということですが、聞くところによると、交通局の職員だけではなく、財団の職員も含め、利用促進に対して一丸となって取り組んだそうです。さまざまな角度から議論がなされることは、私は大いに結構なことだと思っております。
そこで、質問でありますが、この会議の中で今後の
取り組みについてさまざまな内容の議論がされたと思いますけれども、今後、
取り組みを予定している利用促進策についてお伺いいたします。
◎新谷 事業管理部長 今後の
取り組みについてでございますけれども、昨年9月からスタートさせました「乗ってコ!プロジェクト」に基づき、今後も利用促進策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
まず、今月20日の北海道日本ハムファイターズの開幕戦に向けて、13日から19日までの7日間、地下鉄10駅のコンコース内において、梨田監督ほか主要6選手による地下鉄を利用した札幌ドームへの来場の呼びかけを放送する予定となっております。また、開幕戦当日の20日には、札幌ドーム内1塁側に「のってコグマ」などのキャラクターを活用したSAPICAのつり下げ広告を掲出いたします。これは、札幌ドームを訪れるたくさんの来場者の目にとまることが確実で、今後、2年間ほど掲出を予定しているものでございます。また、現在、コンサドーレ札幌、レラカムイ北海道の二つのプロスポーツチームとスポンサー契約を締結し、利用促進等の
取り組みを行っているところでありますけれども、来年度からは、新たに北海道日本ハムファイターズとスポンサー契約を結ぶ予定となっております。これによりまして、札幌ドームの大型ビジョンを利用したCM放送や、試合当日、交通局が主催するイベントを実施するなど、より一層の連携を図りながら利用促進策を展開してまいりたいと考えております。さらには、委員からご提案のありましたキャラクターを使ったウィズユーカードの作成につきましても現在準備を進めておりまして、本年7月ごろには各駅の券売機で発売してまいりたいと考えております。
今後とも、さまざまなアイデアを出し合いながらより一層の効果を上げることができるよう、職員が一丸となって取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆青山浪子 委員 最後に、要望でありますけれども、今の部長の答弁にもありましたように、3月20日から掲出されます札幌ドームのつり下げ広告を大いに楽しみにしながら、ことしもファイターズの応援に行きたいと思っております。また、「乗ってコ!」のキャラクーを活用したウィズユーカードにつきましては、ことしの7月ごろに各駅の券売機で発売したいと考えているということですので、きっとかわいらしいデザインのものが発売されるものと期待したいと思っております。
今後とも、スピード感を持って、待ちの姿勢ではなく、市役所のいろいろな部局や民間企業とも十分に連携をとりながら、市民の皆さんの反応を敏感に受けとめて、利用促進のために積極的にいろいろなアイデアを出し合い、実現できるものはどんどん取り組んで利用促進につながる
取り組みをしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆村上仁 委員 先ほど、福井交通事業管理者から、職員の酒気帯び出勤について陳謝がございました。これは、当然あってはならないことであります。しかも、短期間に2度起こしていることから言うと、信頼あるいは安全性という観点から非常に重大な問題だと言わざるを得ないと思います。いま一度、職員全体で再発を防止する、特に、公共交通機関としての役割、使命を重く受けとめて業務に当たることをぜひ徹底していただきたいと最初に申し上げておきます。
それでは、私は、地下鉄の安全対策の1点について質問いたします。
市民の足を守ることが公共交通の重要な役割であると同時に、高齢者から子どもまで、どんな方にも安心・安全、快適に利用してもらうために、時代や状況に合った積極的な安全対策が求められています。
そこで、まず最初にお伺いいたしますけれども、安全対策の
取り組みと今後の見通しについてお伺いいたします。
◎新谷 事業管理部長 まず、安全対策の
取り組みでございますけれども、高速電車事業会計の平成22年度予算案に計上いたしました主なものといたしましては、南北線ホームさく設置関連工事といたしまして14億5,000万円、南北線大通駅及び東西線西11丁目駅のホーム階防火シャッター設置工事等といたしまして9,000万円などがございます。また、南北線ホームさく設置関連工事としては、車両のワンマン化改良等が10億7,500万円、信号装置関係が1億1,900万円、ホームの補強工事が9,400万円等となっておりまして、こうしたホームさく関連の事業費を計上してございます。
また、南北線ホームさく設置工事関連といたしまして、23年度から24年度までの限度額23億5,800万円の債務負担行為を設定いたしまして、ホームさくの製作及び設置に係る契約を22年度中に行う予定でございます。