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平成22年第二部予算特別委員会−03月05日-03号
平成22年第一部予算特別委員会−03月05日-03号

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  1. 札幌市議会 2010-03-05
    平成22年第二部予算特別委員会−03月05日-03号


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    平成22年第二部予算特別委員会−03月05日-03号平成22年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第3号)               平成22年(2010年)3月5日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人(欠は欠席者)     委 員 長  坂 本 恭 子      副委員長   村 山 秀 哉     委   員  伊与部 年 男      委   員  猪 熊 輝 夫     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  ふじわら広 昭     委   員  恩 村 一 郎      委   員  三 宅 由 美     委   員  林 家 とんでん平    委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人    欠 委   員  山 口 かずさ     委   員  武 市 憲 一      委   員  三 上 洋 右     委   員  笹 出 昭 夫      委   員  馬 場 泰 年     委   員  勝 木 勇 人      委   員  近 藤 和 雄     委   員  村 松 正 海      委   員  横 山 峰 子     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  小 嶋 裕 美     委   員  本 郷 俊 史      委   員  高 橋   功     委   員  青 山 浪 子      委   員  阿知良 寛 美     委   員  國 安 政 典      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  村 上   仁      委   員  佐 藤 典 子     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  佐 藤 美智夫     委   員  松 浦   忠       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○坂本恭子 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項ですが、山口委員からは欠席する旨、高橋 功委員からは遅参する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第15号 平成22年度札幌市水道事業会計予算の質疑を行います。 ◆小嶋裕美 委員  それでは、私からは、浄水場などでの水質管理について質問させていただきたいと思います。  私は、平成19年の決算特別委員会で、同年に、北見市において、集中豪雨による著しい河川の濁りを浄水場で除去し切れず、大規模な断水が発生したことから、本市の高濁度時の対応、対策について質問させていただきました。また、昨年、同委員会においても、浄水場における水質の監視や浄水場の施設・設備の老朽化対策について質問し、あわせて、関係行政機関との連携や流域の事業者や市民の理解と協力による水源水質保全について要望させていただいたところです。このことは、平成22年度からの札幌市水道事業5年計画の概要版がホームページにも出ておりますが、関係機関との連携、水源域の事業者の協力、市民との協働による水源保全が水質管理上の課題の一つとして明示され、しっかりと受けとめていただけていると思っております。  さて、水道局では、市民から公募した水道モニターを対象としたアンケート調査を毎年4回行っており、その結果がホームページで公開されています。3月の広報さっぽろにも水道モニターの募集が書かれておりましたが、ここ1年分の結果では、水道局の水源保全への取り組みとして、広報の充実、監視体制の強化などが重要であり、また、「知りたい情報は何か」という質問に対しては、「水道料金」、次いで「水質」との回答が多くなっておりました。市民の代表とも言える水道モニターの皆さんは、水道水の安全性への関心が高いことがうかがわれます。  水道水については、水道法に基づく水質基準50項目のほか水質管理目標設定項目として、農薬も含め129もの検査項目が定められております。これらすべてをクリアし、24時間、利用者に供給し続けるために、水道局は大変なご苦労をされているのではないかと思います。しかしながら、一方で、最近では、地球温暖化の影響かと思われる集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨による都市災害が全国各地で見られるようになり、これによる高濁度などの水源水質変動に対する備えも必要と考えます。豊平川は、本市給水量の約8割を担う白川浄水場を初めとして、藻岩、定山渓の3浄水場が取水をしており、市内の98%の水道水は豊平川が源となっております。こうした大雨による高濁度や、さらには、水道水源域にある事業所や住宅から灯油や重油などの油が河川に流入することなどによる水質悪化のために、浄水処理がうまくいかないような事態が生ずると、安全で安心な市民生活や都市機能が損なわれることが心配されます。  そこで、質問でございますが、浄水場での浄水処理に影響するような水源での水質悪化事例が豊平川で何件ぐらい発生しているのか、また、そのような水質悪化にどのように対応しているのか、お伺いいたします。 ◎田中 浄水担当部長  ただいまご質問のありました豊平川での水源水質悪化事例の発生件数と対応についてお答えいたします。  水源水質の悪化事例といたしましては、大雨のときの濁度上昇、夏場でのカビ臭物質の増加、さらには、ダムにたまった土砂のしゅんせつ工事の影響などが挙げられます。このほか、突発的に生じ、通常と異なる浄水処理が必要となります、ただいま委員からの質問の中にもございました灯油、重油の混入などの水源水質事故がございます。豊平川での水源水質事故の発生件数は、過去3年間では、平成18年度が油事故5件、濁度が通常の1,000倍ほどまで一時的に上昇しました高濁度1件の事例を含めまして合わせて計7件、19年度が油事故4件など計7件、20年度が油事故5件となっております。このほか、台風の接近など秋の大雨のときに、枯れ葉などに由来いたします水溶性の有機物など塩素を消費する物質が大量に河川に流入し、塩素剤の注入を一時的に増量させなければならない場合も年に数回ございます。  水源水質悪化への対応ですが、浄水場では、一般的に水質変動に合わせて活性炭を注入したり、凝集剤や塩素剤を増量いたしますが、場合によりましては取水量を減少させることなどもございます。さらに、浄水処理への影響が大きいと予測される場合につきましては、水質試験所が中心となって水源調査を行い、例えば油事故の場合は、河川管理者などの関係機関とも連携いたしまして、油の除去やオイルマットの敷設などにより、浄水場への影響を軽減する処置を講じているところでございます。  なお、事故の発生を早期に発見するため、浄水場におきまして水源域に設置しております油センサー、濁度計などの自動水質監視装置により、夜間、休日を含め24時間体制で水質を監視しているほか、河川の濁りや臭気などを確認する水源パトロールを毎日実施しているところでございます。加えまして、水源水質事故を未然に防止するため、関係機関とも連携いたしまして水源域の事業所や工事実施者への協力を求めているところでございます。 ◆小嶋裕美 委員  ただいまのご回答により、私たちがふだん意識することの少ない水源水質事故の発生があることを伺わせていただいてちょっとびっくりしておりますが、安全な水の供給を続けるための事故対応に尽力されていることはよくわかりました。また、台風などの大雨による枯れ葉等によって塩素を消費する物質が水源に流入し、そのことにより塩素の注入量を増加するとのお答えがありました。  残留塩素は、水道水のおいしさを損なうと言われる反面、残留効果のある消毒剤として水の安全・安心のために必要なものでもあり、必要量の残留塩素が保たれるよう、水道法に基づき、蛇口の水1リットル当たり0.1ミリグラム以上とするよう定められております。残留塩素は時間の経過とともに低下するものでありますので、白川浄水場は南区から手稲区、そして北区、厚別区など広大な区域を対象に給水しているため、浄水場でつくられた水が蛇口に届くまで、配水池等も経由していくと場所によっては2日以上かかるというふうに伺っております。常に十分な管理が必要と考えます。  そこで、質問ですが、末端の蛇口まで必要濃度の残留塩素を保つために白川浄水場ではどのような考え方で塩素の量を管理していらっしゃるのか、また、浄水場でつくられた水について、各家庭に届くまでどのような水質管理を行っているのか、お伺いいたします。 ◎田中 浄水担当部長  まず、白川浄水場では、どのような考え方で塩素の量を管理しているかというご質問にお答えいたします。  白川浄水場では、浄水場から約36キロと最も離れております北区のあいの里の末端給水栓においても、法で定める残留塩素濃度が画一に確保できるよう塩素を入れる量を制御しております。その方法といたしましては、末端給水栓で法定値を確保するため、過去の経験から、白川浄水場から約13キロ下流にございます西岡配水調整池残留塩素濃度を目安に塩素の注入する量を調整しているところでございます。今年度につきましては、その値を1リットル当たり0.5ミリグラムとしているところでございます。  次に、浄水場でつくられた水が各ご家庭に届くまでの水質管理についてでございますが、平成22年度には、水質自動計器を小学校などの公共施設に5台ふやし、計21カ所において残留塩素などの水質を24時間監視することとしております。また、本市では、災害時や事故時における断水などの被害を最小限に食いとめるため、白川浄水場藻岩浄水場から自然流下により配水している区域を115の配水ブロックに分割しているところでございます。  しかし一方で、配水ブロック内の配水管の末端において、住宅の張りつき状況などによりましては水の使用量が少なく水の流れが滞るおそれがあります。このため、毎年1回、水温が高く、塩素の消費量が多い夏場に全市一斉に給水区域の水質測定を行い、残留塩素が確保されていることなどを確認しているところでございます。平成22年度からは、さらに、この夏場の測定に加えまして、1年を通し、定期的に各配水ブロック内の配水管の末端部において残留塩素などの水質の調査を行い、水質管理の強化を図ってまいります。 ◆小嶋裕美 委員  ただいまのお答えの中で、給水区域ブロック化により災害や事故の被害を最小限に食いとめるということで、それを1年を通してやっていただけるということで安心だなというふうに受けとめました。安全で安心できる市民生活のためにも、水源事故や災害にも強い水道構築とあわせて、水道水の水質をきめ細やかに監視する取り組みを進めてほしいと思います。  特に、前の質問からずっと言わせていただいておりますが、おいしいお水の観点から、蛇口での残留塩素の濃度を必要最小限に抑えることも大切だと思います。また、残留塩素は時間とともに低下しますが、浄水場から給水区域の末端までは36キロというふうに伺いましたが、かなり距離がありますので、浄水場の近くなどではその濃度が法定値と比べて相当高くなっているところもあるのではないかと思います。そこで、残留塩素の濃度が必要以上に高い区域を減らして、市内が平準化する、そして、おいしさに加え、塩素の使用量も削減でき、水道局が進める環境経営の一助にもなるのかと思いますので、このような方法についても、鋭意、調査検討をお願いしたいと考えているところでございます。  将来の世代に至るまで、市民が安全で安心できる生活を送ることができるよう、190万都市の社会基盤をなす水道事業には、市民から常に信頼され、安全で良質な水を24時間たゆみなく供給し続ける責任があると考えております。今後も、安全でおいしい水道水を安心して飲み続けられるよう、ハイチなどの地震で本当に水に困っていらっしゃる方がたくさんいますが、そんなことが札幌市では決して起こらぬよう、こうしたことを要望させていただき、私の質問を終わります。 ◆小川直人 委員  私から、札幌市水道事業5年計画に関してお伺いいたします。  水道事業の基本であります水道法の目的の中に、清浄にして豊富低廉な水の供給を図るという一文があります。このことを使命として常に事業運営に当たっておられ、本市の水道事業は、過去に、市民生活に大きな影響を及ぼすような大規模な断水や事故、トラブルがほとんどなく、このことは水道局職員の献身的な不断の努力のたまものと評価するところであります。  しかし一方で、水道料金は、政令市や道内の主要都市との比較において高い水準にあり、札幌に転入された方から札幌の水道料金は高いと言う声も聞かれるわけであります。水道事業は、設備産業の色合いが強く、札幌市の場合、政令市への移行時に急激な市域拡大に合わせて整備を進めてきたという背景があり、その際の財源をいわゆる企業債に頼らざるを得なかったため、その償還コストを押し上げ、現行の料金に影響を与えているという事情があることも一定の理解をするところでございます。  札幌市における水道事業は、公営企業として自治体が行っているものでありますが、私は、民間企業であれ、公営企業であれ、常に経営の効率化、コストダウン、品質の維持・向上に努め、言わずもがなでございますけれども、お客様、市民のニーズに的確にスピーディーにこたえることが求められていると思います。そして、利益が出れば、将来の投資へのストックも必要ですが、水道事業であれば料金の値下げという形で市民へ還元していくことが行政サービスとして大事なことだと日ごろ思っているところでございます。  そこで、質問でありますが、本市の水道事業における経営の効率化、コスト削減の今日までの取り組みについてお伺いいたします。 ◎堀口 総務部長  これまでの経営の効率化に向けた取り組みについてお答えいたします。  水道局では、これまで、札幌市水道長期構想や現在の中期計画であります札幌水道経営プランなどに基づき、業務の委託化の推進や組織体制の見直しを行い、職員数やコストの削減に鋭意努めてきたほか、未利用財産の貸し付けや売却による収入の確保や水力発電による経費の節減などにも取り組んできております。主な取り組み内容を申し上げますと、業務の委託化につきましては、平成16年度の西野、宮町浄水場など小規模浄水場運転管理業務の委託や、平成18年度の漏水防止業務の委託、さらには、藻岩、白川浄水場など大規模浄水場の一部の維持管理業務につきましても段階的に委託拡大を図ってきているところでございます。  また、組織の見直しにつきましては、平成17年度に各配水管理事務所で実施しておりました幹線工事業務の一部を本局に集約したほか、平成19年度には給水装置工事審査業務につきましても同様の集約を行うなど、可能なものから、順次、業務執行体制の効率化も図ってきております。こうした取り組みによりまして、平成18年度には717人だった職員数は、21年度に637人まで減少してきているところでございます。 ◆小川直人 委員  今の答弁で、経営の効率化に向けてこれまで業務の委託化や集約化、職員の削減などに取り組まれ、一定の成果を上げられてきたことについては評価をいたしますが、先ほども申しましたけれども、いろいろな事情があるにせよ、他都市に比べて水道料金が高い水準にあることは事実でございまして、さらに、今後、豊平川水道水源水質保全事業などの大規模プロジェクトや、石狩西部広域水道企業団の関係で巨額の費用、財源が必要となり、一層の経営効率化に向けた努力が必要になってまいります。このような観点から、このたび策定された札幌市水道事業5年計画の中に、経営の効率化として、出先庁舎のあり方についての取りまとめや、組織体制の見直しによる効率化が上げられており、強い関心を持ち、期待をいたしているところでございます。  現在の出先庁舎の機構は、平成11年と12年に行われた機構再編成の際に配置されたと聞いております。その後、約10年が経過し、職員数の減少によって各庁舎にも空きスペースが見られるほか、施設自体も老朽化が進んでおります。加えまして、この間、先ほどの答弁にありましたように、札幌市水道サービス協会への業務委託を進めてきていまして、10年前に比較いたしますと、業務内容、とりわけその執行体制についても、経営の効率化という観点から、民間の活用を含め、積極的に見直していくことも必要ではないかと思っているところでございます。  現状において、経営の効率化を進めるためには、まず最初に、各庁舎の施設を有効に活用することや、業務実態に沿った組織の見直しをするなど、市民に見える形で理解される経営努力を重ねることが重要であると思います。経営の効率化を進めていく上での前提条件は、当然のことでございますが、良質な水を安定的に届けるといった市民サービスや、事故、災害なども想定した危機管理体制をおろそかにせず、しっかり維持していくことであります。  そこで、質問ですが、5年計画で掲げられた出先庁舎のあり方や、組織見直しによる効率化について、現時点での概要、ねらいとしている効果についてお伺いいたします。 ◎堀口 総務部長  出先庁舎のあり方と組織の見直しの概要、効果についてお答えいたします。  まず、概要でございますが、現在、市内に五つの料金センター配水管理事務所を配置し、料金部門と配水管理部門を担当しておりますけれども、職員の大量退職や業務の委託化による職員の減少により、業務のノウハウの継承や情報の共有化による連携という面で課題を抱えてきている状況にございます。そこで、料金センター配水管理事務所を同一庁舎に統合し、3拠点に集約することで両部門の連携を強化し、情報の共有化を図るとともに、業務の迅速化や危機管理体制の構築につなげていきたいと考えております。その上で、サービスの維持を図るため、収納相談など、市民や事業者との対応が直接必要な業務につきましては、3拠点の下に三つの支所として配置する予定でございます。  また、今後も、数年間は職員の大量退職が見込まれますことから、今回の見直しに合わせまして、大課、大係制をしき、ベテラン及び若手職員を的確に配置することで人材育成や技術継承を確実に進めていきたい、このように考えております。さらに、現在、各配水管理事務所で実施しております給水装置工事の検査業務を本局に一元化し、審査業務と一体的な業務とすることで業者の利便性の向上や業務効率化を図る予定でございます。  次に、効果でございますが、今のところ、管理職を含めて10名程度の人件費の削減や、見直しであいた庁舎の維持管理経費の削減を見込んでいるところでございます。さらに、空き庁舎や空きスペースにつきましては、売却や賃貸等を含めて活用方法についても検討していきたいと考えております。 ◆小川直人 委員  今の答弁で、出先庁舎のあり方や組織体制の見直しを図り、経営の効率化や危機管理体制の構築についても努力していくという考えが示されたわけであります。そして、今示された中で、将来的には職員数の削減も考えているということでございました。  水道局では、今年度末に退職される方は全体の約1割弱に当たる50名程度で、団塊の世代の退職のピークを迎えると聞いております。これだけの方が一斉に退職されますと、これまで水道事業の安全・安定給水、さらにはサービスを維持してきた技術、技能が次世代へ継承されていくのか、危惧されるところでございます。団塊の世代の大量退職による技術継承は、今、民間企業も同じ悩みや課題を持っております。現在、さまざまな職場でマニュアルが整備され、業務が執行されており、マニュアル人間という言葉もありますが、マニュアルがすべての事象、事故に対応できるものではなく、マニュアルにはない想定外のことも起こり得ることもあります。そのとき、職場に経験豊富な百戦錬磨の有形無形の知識や技術を持ったベテラン社員の存在というものは大変大きなものがあると思います。  私も、火力発電所に勤務していたときに予期せぬ緊急事態が発生いたしまして、一歩間違えますとプラント停止に至るところを、先輩に助けていただき、未然に事故を回避できました。結果的にお客様に迷惑をかけずに、ほっと胸をなでおろした経験を持っております。今、その職場では、団塊の世代の技術者の大量退職に伴い、新入社員も大量に採用されることになっております。職場では、大変な危機感を持っており、先輩から後輩へ、グループ会社と一体となった技術、技能の維持、継承に向け、人材育成プログラム、教育体制の整備を行っているところでございます。  水道局を退職される方の中には、再任用職員として引き続き公務を執行される方もいらっしゃると聞いておりますが、熟練の技術、技能を持った方々に技術継承のために大いに力量を発揮していただくことは極めて有益なことだと考えております。しかし、先ほど、機構再編の概要に関する説明の中で、ベテラン職員と若手職員、さらに再任用職員の適切な配置によって技術継承や人材の育成の着実な展開を図るとの答弁がございましたが、人事配置だけでは十分な成果を期待することができるのか、疑問に思うところでございます。  そこで、質問でありますが、水道局は、市民サービスの維持と経営の効率化の両方の視点に立った上で、人材の育成や技術の継承、さらには再任用職員の活用について、今後、具体的にどのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いいたします。 ◎堀口 総務部長  委員ご指摘のとおり、職員の大量退職や職員数が減少する中で、安全・安定給水や事故・災害時の危機管理のためには、人材育成や技術継承、さらには、再任用職員の活用を進めることは大変重要であるというふうに考えております。  具体的な取り組みといたしましては、水道事業全般にわたっての理解を深めるため、例えば、水質試験所に勤務する職員が配水管理事務所で配水管の維持管理業務を経験するなど、日常業務以外の他の技術職場の業務を体験する研修のほか、実践経験を積むことが困難な事故、災害や修理作業を疑似体験するため、過去の事例を教訓としたシミュレーション訓練や修理現場の映像記録を使った研修を行ってきているところでございます。さらに、技術力が低下することがないよう、配水管の維持管理部門や浄水場の運転管理部門など、各部門ごとに、現行マニュアルにないノウハウや、これまで培った経験、失敗事例を通してトラブルを未然に防止するための留意点など、具体的に継承すべきノウハウを洗い出し、着実に継承するための方策についても工夫を凝らしていきたい、このように考えております。  また、再任用職員の活用についてでございますが、再任用を希望する職員に対しては、退職の2年前から、その心構えや後輩育成の意識を持ってもらうことを目的に研修を実施することとしており、こうした職員を各職場の実情に合わせて配置することによりまして豊富な経験や知識を効果的に活用できるものと考えているところでございます。 ◆小川直人 委員  私から、最後に、要望、思いを述べさせていただいて質問を終わりたいと思いますが、その後に、管理者から、思いがございましたらお話を願いたいと思います。  今の答弁で、水道局では、技術の継承について早くから危機感を持って既に取り組んできていることがわかったわけでありますが、このことは、将来にわたる事業運営の展開にとって極めて大事なことであると私も思っておりますので、これにしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、庁舎再編の具体的な取り組みに当たっては、くれぐれも市民の皆さんが不安を持つことのないように取り組んでいただきたいと思います。そして、これまで水道事業で取り組んできたサービス協会や民間などへの委託化をより進めることで、経営の効率化を目指して引き続き努力いただきたい。そして、高い技術力を保有する水道局でありますから、より積極的な経営戦略も検討していただき、収益を上げ、その成果を料金の引き下げという形で市民に還元する方向につなげていければ、市民の期待にこたえるところとなり、高い評価をいただけるものと思っているところでございます。  市民の皆様に低廉な料金で安全で安定した水道事業を展開していくことが水道事業者としての使命でありますが、水と電気は、空気と同じく、市民にとってはあることが当たり前で、蛇口をひねれば水が出る、スイッチを入れれば電気がつくような存在であります。しかし、常に当たり前の状態を提供し続けることは大変な苦労があるものだというふうに思います。特に、水の場合は、人の健康、生命の維持に欠かすことができない重要なライフラインであります。また、ペットボトルで販売している「さっぽろの水」の評判もよく、私も、東京から戻ったときに札幌の水はおいしいなと改めて感じたところでございます。しかし、長く札幌に住んでいらっしゃる市民にすれば、いつも水が出ること、上質な水であることは当たり前で普通のことでありますから、断水が起これば苦情が殺到します。このように、通常はなかなか感謝されない業務だと思いますけれども、190万市民の生活を支えている大事な事業であるという誇りと高い使命感を持って公務を遂行していただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ◎横山 水道事業管理者  ただいま、委員から、低廉で、そして安全で安定した水の供給を行うように努めよというお言葉だと思います。私どもも、これからもそのように鋭意やってまいりたいと思っております。そのためには、浄水技術、あるいは配水・給水技術というものを確立して後世につなげていかなければならないと思いますし、市民サービスにおいても、いろいろな声を伺った上で、料金制度あるいはサービスの仕方そのものも考えていかなければならないというふうに思っております。  ご承知のとおり、札幌市水道は、昭和12年から始まって70有余年たちましたけれども、大都市の中では後発、それから、道内の市の中においても11番目という非常に遅い出発でありました。しかし、この間、先人の皆様方の本当に血のにじむような努力で今日が築けたと思います。また、この間、議会の皆様を初めとする関係者の皆様方の叱咤激励でここまでできたのだと思っております。私たちは、やはり、これに甘んずることなく、将来に向けて一生懸命やってまいりたいと思っております。今後とも、いろいろなご指導を、またご意見をお寄せいただき、水道局の職員全員が真摯に受けとめてやってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  水道局の決意を述べさせていただき、終えたいと思います。どうもありがとうございます。 ○坂本恭子 委員長  以上で、水道事業会計予算の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時31分       再 開 午後1時34分     ―――――――――――――― ○坂本恭子 委員長  委員会を再開いたします。  質疑に先立ちまして、交通事業管理者から発言の申し出がございますので、これを認めます。 ◎福井 交通事業管理者  この委員会の冒頭の貴重な時間をいただき、恐縮ではございますが、私から、一言、おわびを申し上げます。  既にご承知のこととは存じますが、先月の18日、当局の地下鉄乗務員による酒気を帯びての出勤について懲戒処分を行ったところです。  当局においては、交通事業者の使命である安全運行確保を目的として、地下鉄及び路面電車に乗務する全職員について出勤時にアルコール検査を実施しておりますが、このたび処分した職員につきましては、去る1月22日、呼気中アルコールが出勤時に検出されたものであります。乗務前のアルコール検査でありますので、当日は欠勤扱いとし、酒気を帯びた状態で乗務は一切させておりませんが、市民の皆様に信頼される公営交通を目指し、安全・安心な運行確保に努めている中、このような事態が発生したことはまことに遺憾であり、心からおわび申し上げます。  処分日には、早速、出勤点呼時において、全乗務員一人一人に対し、自己管理の徹底を求めて強く指示したところでありますが、今後におきましても、再びこのような事態が生じないよう職員一丸となってさらなる安全意識の向上に向けて取り組んでまいります。  このたびは、まことに申しわけございませんでした。 ○坂本恭子 委員長  それでは、議案第13号 平成22年度札幌市軌道事業会計予算及び議案第14号 平成22年度札幌市高速電車事業会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆青山浪子 委員  私から、地下鉄の利用促進について、大きく2点質問させていただきます。  1点目は、雪まつり期間中の利用促進に係る取り組みについてお伺いいたします。  ことしの雪まつりは、天候も安定してよかったこともあり、大通会場とつどーむ会場の来場者数は過去最高の人出であり、243万人が会場に来ていただきました。そして、2年目の開催となったつどーむ会場では、昨年の1.4倍の47万人との発表がありましたが、つどーむ会場は、駐車場もなく、また地下鉄栄町駅から徒歩10分の距離であり、さとらんどからの会場移転は交通局にとりましても大きな需要喚起につながるものと考えております。  そこで、質問でありますが、昨年の3定の決算特別委員会で、私は、雪まつりの来場者に地下鉄に乗っていただく取り組みが大切であると指摘させていただきましたけれども、ことしの雪まつり期間中に交通局としてどのような取り組みを実施したのか、お伺いいたします。  またあわせて、雪まつり期間中の地下鉄の乗車人員はどのようであったのか、お伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  1点目の雪まつり期間中の取り組みについてでございますけれども、大きく三つの取り組みをいたしました。  一つ目は、東京ディズニーリゾートADトレインでございます。これは、東豊線の車両1編成の内外装を丸ごとディズニーのキャラクターなどで装飾したもので、1月29日から2月11日までの14日間運行いたしました。また、この運行に合わせて、東豊線各駅でディズニーの曲を放送したり、雪まつり会場などを移動してもらうスタンプラリーを実施したところでございます。  次に、二つ目の取り組みでございますけれども、札幌の地元IT関連企業とのタイアップでございます。この企業で制作いたしました人気キャラクターをウィズユーカードのデザインに取り入れ、2月5日から栄町駅において発売いたしましたところ、連日、たくさんの方にお越しいただき、大盛況のもと、用意したすべての商品が予定よりも早く完売したところでございます。また、この発売に合わせて、南北線大通駅におきましても、同キャラクターのゲーム機の設置や3D映像を流して一層のにぎわいを演出したところでございます。これにより、地元企業のPRや情報発信にも一役買えたものと考えております。  最後に、三つ目の取り組みでありますけれども、栄町駅の装飾でございます。雪まつりの第2会場がつどーむへ移り2年目となりますが、ことしは、交通局といたしましても、駅を会場へのゲートウエーというふうに考え、それにふさわしい歓迎フラッグや横断幕などの取りつけに加え、天井、壁面へのLEDによる電照装飾、こういうものを職員がみずから深夜に行ったところでございます。また、北海道教育大学附属小学校と連携して、生徒がつくった模型や絵画などを写真にして展示いたしました。さらに、装飾とあわせて雪まつりをイメージするオルゴール調のBGMを栄町駅で放送するなど、雪まつりを一層盛り上げるための取り組みを実施したところでございます。  2点目の雪まつりの期間中の乗車人員についてお答えさせていただきます。  期間中の乗車人員でございますが、3線合計で約410万人となっておりまして、前年比では残念ながら0.7%ほどの微減でございました。しかしながら、今年度、ずっと続いております大きな減少傾向の中では一定の効果があったというふうに考えているところでございます。 ◆青山浪子 委員  実は、私も東豊線を利用している一人でありますけれども、1月29日の新聞に、ディズニートレインの記事がカラーで掲載されたのを見て本当に感動いたしました。早速、わくわくしながら、役所の帰り、1時間に1本のディズニートレインに乗りまして、栄町駅でおりていつもカバンの中に入れているデジカメを出して写真を撮りました。聞くところによりますと、わざわざ遠くからこの地下鉄を見に来られた方もいると聞いておりますので、私は、多くの方々に喜んでいただけた有益な取り組みであったというふうに思っております。このような取り組みについて、いろいろ制約があるかとは思いますけれども、できるのであればもっとたくさん運行してほしかったと思っております。また、先ほど新谷部長のお話にもありましたように、交通局の職員の皆様が、栄町駅の装飾など、朝方までかかって作業をしたということもお聞きいたしました。本当に、かかわりました職員の皆様の努力に対しまして高く評価したいと思っております。  今お話しにもありましたように、総体的に見ますといろいろな取り組みが実施されたのではないのかなと思っております。このような取り組みは地下鉄の利用促進に大きくつながったと思っておりましたが、先ほどお話がありましたように、前年比でマイナス0.7%とのことであり、ふえるのではないかと期待をしておりました私としては少し残念な数字であったなというふうに思っております。地下鉄の利用促進の取り組みは大変重要なことだと思っておりますので、ことしは数字的には少しマイナスだったかもしれませんけれども、今後とも継続して展開していくことが必要だというふうに考えておりますので、来年以降も引き続き雪まつりとの相乗効果が期待できるようにしっかり取り組んでいただきたいと思っております。  次に、2点目でありますけれども、これからの利用促進に関する取り組みについてお伺いいたします。  昨年の3定の決算特別委員会で、私は、「乗ってコ!プロジェクト」の目的を伺いました。新谷部長より、このプロジェクトは、環境負荷の少ないエコな乗り物である地下鉄、市電をもっと利用していただくことで、市民の皆さんと交通局が一緒に環境問題に取り組むことが目的であるというご答弁をいただきました。その際、私は、このプロジェクトを展開していくのであれば、「のってコグマ」「のってシマウマ」「のってカエル」の3匹の動物のキャラクターを最大限に活用して、例えば、子どもたちが喜ぶようなシールやグッズなどを作成してはどうか、また、可能であればこのウィズユーカードを作成してはどうですかという提案をさせていただきました。  この提案に対しまして、少し時間はかかりましたけれども、エコバッグ、ボールペン、ノートなどのグッズを作成し、イベントなどで配布したほか、大通駅や南郷7丁目のホームさくにこのポスターを張り出しておりました。きょうの朝、私は、南北線の電車に乗ってきたところ、この電車内にも「乗ってコ!プロジェクト」のいろいろな取り組みがなされていることを見てまいりました。交通局の取り組みが市民の皆さんに少しずつ浸透してきているのではないかというふうに思っております。また、今回、雪まつりに関する取り組みの一部についても交通局内部に設置された利用促進戦略会議で検討されたということですが、聞くところによると、交通局の職員だけではなく、財団の職員も含め、利用促進に対して一丸となって取り組んだそうです。さまざまな角度から議論がなされることは、私は大いに結構なことだと思っております。  そこで、質問でありますが、この会議の中で今後の取り組みについてさまざまな内容の議論がされたと思いますけれども、今後、取り組みを予定している利用促進策についてお伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  今後の取り組みについてでございますけれども、昨年9月からスタートさせました「乗ってコ!プロジェクト」に基づき、今後も利用促進策を積極的に展開してまいりたいと考えております。  まず、今月20日の北海道日本ハムファイターズの開幕戦に向けて、13日から19日までの7日間、地下鉄10駅のコンコース内において、梨田監督ほか主要6選手による地下鉄を利用した札幌ドームへの来場の呼びかけを放送する予定となっております。また、開幕戦当日の20日には、札幌ドーム内1塁側に「のってコグマ」などのキャラクターを活用したSAPICAのつり下げ広告を掲出いたします。これは、札幌ドームを訪れるたくさんの来場者の目にとまることが確実で、今後、2年間ほど掲出を予定しているものでございます。また、現在、コンサドーレ札幌、レラカムイ北海道の二つのプロスポーツチームとスポンサー契約を締結し、利用促進等の取り組みを行っているところでありますけれども、来年度からは、新たに北海道日本ハムファイターズとスポンサー契約を結ぶ予定となっております。これによりまして、札幌ドームの大型ビジョンを利用したCM放送や、試合当日、交通局が主催するイベントを実施するなど、より一層の連携を図りながら利用促進策を展開してまいりたいと考えております。さらには、委員からご提案のありましたキャラクターを使ったウィズユーカードの作成につきましても現在準備を進めておりまして、本年7月ごろには各駅の券売機で発売してまいりたいと考えております。  今後とも、さまざまなアイデアを出し合いながらより一層の効果を上げることができるよう、職員が一丸となって取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆青山浪子 委員  最後に、要望でありますけれども、今の部長の答弁にもありましたように、3月20日から掲出されます札幌ドームのつり下げ広告を大いに楽しみにしながら、ことしもファイターズの応援に行きたいと思っております。また、「乗ってコ!」のキャラクーを活用したウィズユーカードにつきましては、ことしの7月ごろに各駅の券売機で発売したいと考えているということですので、きっとかわいらしいデザインのものが発売されるものと期待したいと思っております。  今後とも、スピード感を持って、待ちの姿勢ではなく、市役所のいろいろな部局や民間企業とも十分に連携をとりながら、市民の皆さんの反応を敏感に受けとめて、利用促進のために積極的にいろいろなアイデアを出し合い、実現できるものはどんどん取り組んで利用促進につながる取り組みをしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆村上仁 委員  先ほど、福井交通事業管理者から、職員の酒気帯び出勤について陳謝がございました。これは、当然あってはならないことであります。しかも、短期間に2度起こしていることから言うと、信頼あるいは安全性という観点から非常に重大な問題だと言わざるを得ないと思います。いま一度、職員全体で再発を防止する、特に、公共交通機関としての役割、使命を重く受けとめて業務に当たることをぜひ徹底していただきたいと最初に申し上げておきます。  それでは、私は、地下鉄の安全対策の1点について質問いたします。  市民の足を守ることが公共交通の重要な役割であると同時に、高齢者から子どもまで、どんな方にも安心・安全、快適に利用してもらうために、時代や状況に合った積極的な安全対策が求められています。  そこで、まず最初にお伺いいたしますけれども、安全対策の取り組みと今後の見通しについてお伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  まず、安全対策の取り組みでございますけれども、高速電車事業会計の平成22年度予算案に計上いたしました主なものといたしましては、南北線ホームさく設置関連工事といたしまして14億5,000万円、南北線大通駅及び東西線西11丁目駅のホーム階防火シャッター設置工事等といたしまして9,000万円などがございます。また、南北線ホームさく設置関連工事としては、車両のワンマン化改良等が10億7,500万円、信号装置関係が1億1,900万円、ホームの補強工事が9,400万円等となっておりまして、こうしたホームさく関連の事業費を計上してございます。  また、南北線ホームさく設置工事関連といたしまして、23年度から24年度までの限度額23億5,800万円の債務負担行為を設定いたしまして、ホームさくの製作及び設置に係る契約を22年度中に行う予定でございます。
     それから、現在取り組んでおり、今後も進めたいと考えている取り組みといたしましては、職員あるいは関連業者によるヒヤリ・ハット運動のさらなる推進やヒューマンエラーマネジメントの向上、それらに加えまして、建物の耐震改修調査なども実施し、事故を未然に防ぐ安全対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆村上仁 委員  今、職員のヒヤリ・ハットの取り組みもしていくということでありました。これはすごく大事な取り組みだと思いますので、職員の皆さんがヒヤリ・ハットで、言い方は適切かどうかわかりませんが、どんな小さなことでも出し合えるということが安全性に結びつくのだというふうに思いますので、ぜひそのようにしていただきたいと思います。  我が党が求めてまいりました可動式ホームさくが東西線に設置されてから、間もなく1年が経過いたします。引き続き、南北線に設置していく準備も着々と進められているということです。  そこで、この可動式ホームさくの効果についてどのように検証し、そして評価をしているのか、お伺いいたします。 ◎田畑 高速電車部長  ホームさく設置による効果についてお答えいたします。  地下鉄東西線では、昨年4月から可動式ホームさくを設置いたしまして、ワンマン運転による営業を行っております。安全確保の観点から申し上げますと、投身事故の抑止、ホームでの車両接触事故やホームからの転落事故において非常に効果を上げているところでございます。さらには、お客様がホーム上から誤って走行路面に物を落とされ、列車の遅延がたびたび発生しておりましたが、ホームさく設置により、走行路面への落とし物の件数についても減少したところでございます。  具体的に申し上げますと、ホームさく設置に伴い、投身事故や列車との接触事故、さらには走行路面への転落事故、これらは発生しておりませんので、ご利用されるお客様の安全が十分に確保されました。また、走行路面への落とし物につきましても、以前は、毎年、40ないし50件ございましたが、今年度は約10件程度に減少いたしまして、列車の遅延につきましても大幅に減少したところでございます。 ◆村上仁 委員  東西線では、可動式ホームさくが設置されてから、投身事故、それから、電車が入ってきたときに接触したりする事故、あるいは、ホームというのですか、走行路面というのですか、そこに転落する事故などが発生していない、非常に効果があるというお話でございました。また、落とし物も減ったというのも、私は気づきませんでしたけれども、さくができたことで多くの落とし物がなくなったり、遅延もなくなったということでありました。私も、特に、視力に障がいを持っている方やお年寄りの方、それから、小さな子どもを連れている方などを中心に、これでさらに安心して地下鉄が利用できるという喜びの声をたくさん聞きました。  一たん、事故が発生しますと、通常でも1時間以上、最悪の場合は数時間にわたり地下鉄がとまってしまうというようなこともお聞きいたしました。そういう点では、利用者へのサービスの低下だけではなく、代替バスの運行や、あらゆる復旧対策、あるいは、乗車料収入の減による収益上の損失など、事故による逸失利益ははかり知れないと思います。南北線の1編成当たりの1日平均乗車人員が756人というふうにお聞きいたしました。例えば、単純に、仮に乗車料金を240円として1時間半で15本の電車が運休したとすると約270万円くらいになります。そして、朝の8時台ですと、1編成当たりの最大乗車人員が1,350人というふうにお伺いしていますから、そういう点では500万円近い損失になります。先ほど雪まつりで410万人にご利用いただいたということですけれども、こういう時期になるとそういった影響はもっと大きいものになると思われます。  もちろん、お金だけの問題ではございませんし、命にかかわる問題です。それから、利用されていた方が会社に間に合わなかったとか、そういうサービス上の問題もいろいろあるわけです。  今回、東西線への可動式ホームさくの設置で、このような事故を防止できるという検証結果が出たわけですから、私は、2013年に南北線、2018年に東豊線への設置計画を前倒しすべきと思いますが、この点いかがか、お伺いいたします。 ◎坂 技術担当部長  ホームさく設置工事の前倒しについてのご質問でございますが、南北線におきましては、平成25年度からのワンマン運転開始を目指し、平成24年度中にホームさくの設置を完了できるよう準備を進めているところでございます。  この工程を前倒しできないかというご質問でございますが、ホームさくの設置を行う前には、車両のドアとホームさくが連動して開閉するよう装置を追加いたします。また、ワンマン運転機能もあわせて追加するなど、車両の改造が必要でございます。そのため、平成21年度から本線における営業車両を確保しつつ、定期検査や旧型車両の更新と合わせて既存の17編成の車両改造を進めていることから、車両改造の完了は平成24年5月となります。その後、各駅へのホームさく本体の設置工事を行うこととなりますので、この工程を前倒しすることは困難な状況であります。  また、東豊線につきましては、車両更新の時期等から平成30年度を目標年次としたところでありますが、事業の前倒しの可能性も含めて、今後、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆村上仁 委員  南北線は、現在、準備に取り組んでいて技術的にも難しい面があるというようなお話であります。東豊線については、いわゆる10か年計画以降の事業でもあり、次の中長期計画を考える際には、ぜひ、可動式ホームさくの設置について、少しでも前倒しの可能性を含め、時代にふさわしい計画にすべきと思っています。10か年計画の中でも常に時代に合ったというような文言が書かれておりますし、やはり、安全性を最優先して可能な限り前倒して次の中長期計画の中に盛り込むべきだというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。 ◎坂 技術担当部長  先ほども申し上げましたが、車両更新の時期等との関係がございますので、これから詳細を詰めてまいります。現時点で前倒しが可能だということはここでは申し上げられませんが、いろいろな可能性を検討してまいりたいと思います。 ◆村上仁 委員  高齢化と言われる時代でもございますし、今後、地下鉄の乗車人員を確保するという一つのかぎは、高齢者を初め、だれでも安全・安心に利用できるような工夫と対策がやはり急がれているというふうに思っております。先ほど車両の更新というお話がありました。恐らく投資上の問題もあると思います。しかし、市民や利用者から、一層、地下鉄が信頼されて、さらに利用してもらうためには、時代に合った安全対策に積極的に投資することも重要だと思います。可動式ホームさくは少しでも前倒しで設置すべきだということを強く求めて、質問を終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、路面電車の活用促進について質問いたします。  現在、札幌市路面電車活用方針が示され、その活用について議論が進められているところです。その中で、路面電車は、安全・安心な運行を維持していくためには、老朽化した施設・設備の更新などに多額の費用負担が伴い、現状のままでは自立的な経営を維持するのが困難な状況である、しかし、地域の基幹交通として運行を維持していく必要があり、また、都心などのまちづくりや環境都市の実現、観光客の誘致などにその活用が期待されるものであり、路線の延伸はその一つの有効な手段になり得るとしています。しかし、その実現までには、合意形成も含め、まだまだ年数を要すると思います。  私は、毎日のように路面電車を利用しておりますが、西15丁目付近には、札幌医大とかNTTなどの病院があり、通勤・通学の方以外にも多くの高齢者が利用しているのではないかなと思っています。しかし、2009年度の利用者数は1日平均2万100人で、2008年度の2万683人より減少しており、2009年度の経常収支は3,200万円の赤字となるなど大変厳しい状況が続いています。藻岩山ロープウェイも、しばらくの間、運転休止になるとのことですから、利用者もさらに落ち込むことが予想され、これまで以上に利用客をふやすためにはさらなる経営努力や工夫が必要と考えます。  そこで、質問ですが、路面電車の利用を図るために、交通局としてこれまでどのようなことを行ってきたのか、また、今後どのような取り組みを進めるおつもりか、まずは伺います。 ◎新谷 事業管理部長  路面電車の利用促進についてでございます。  利用促進キャンペーンの一環といたしまして、平成20年度からは、制服職員が沿線の事業所や個人宅を訪問し、利用を呼びかけることを実施しております。平成21年度、今年度は、958件の事業所や個人宅を訪問し、PRをしてきたところでございます。また、中央区及び地元町内会などと連携して市電フェスティバルを開催しておりますほか、ウオーキングと路面電車の活用を組み合わせたウオークさっ歩ろパス事業の実施、あるいは、冬期間におきましては、市電一日乗車券と藻岩山ロープウェイの乗車券などをセットしたさっぽろロマンティックパスポート事業の実施、さらには、沿線企業などと連携したイルミネーション電車の運行など、私どもとしましては、年間を通じて継続的な利用促進策を展開しているところでございます。さらに、今年度につきましては、期間限定ではありますが、狸小路にございますHUGイートと連携して、どサンこパスを提示することにより特典を得ることができる取り組みを実施したほか、路面電車沿線の文化施設や都市景観施設などを路線図に掲載して、さらに車内放送においてもご案内をしているところでございます。  今後につきましても、これまでの取り組み内容を拡充し、より効果的なものにしていくほか、貸し切り電車のさらなる利用増のPR強化やクリスマス電車などの企画電車の運行も実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伊藤牧子 委員  狸小路のHUGとの連携とか、貸し切り電車、イルミネーション電車とか、さまざまな取り組みをするということでした。特に、現場の方がことしも沿線の事業所を訪れ、環境に優しい路面電車の利用を促しているなど、地道な努力をなさっていることは大変評価いたします。しかし、さまざまな利用促進を行っても、なかなか結果として増につながらないのはとても残念なことだなと思っております。  そこで、二つの提案をしたいと思いますけれども、一つは、路面電車沿線の小学校への取り組みについてです。  沿線には、二条小学校、伏見小学校、幌南小学校、資生館小学校などがあります。先ほどの現場の職員のお仕事と同じように、現場の職員が学校で出前講座を行い、ふだん何げなく見ている路面電車は、実は80年以上も前から走っていて、唯一残っている、本当に地域の中の貴重な財産であり、現在運行している車両も、中には50年以上も経過しており、本当に修理を重ねながら大事に使っている、そして、CO2も出さない、本当に環境に優しい乗り物なんだよということを子どもたちに伝え、そして、どうしたら多くの人に電車を利用してもらえるのか、そういう率直なアイデアを子どもたちから募ったり、また、本当に子どもたちに将来にわたって電車大好きの子どもサポーターになってもらうなど、そういうことで少しでも利用の増加につながるのではないかなと私は思っております。また、子どもを通して、家族の間で話題になり、また関心も広がっていくんじゃないかなと思います。ですから、本当に子どものころから路面電車に親しむ機会をふやすよう、ぜひ小学校などに働きかけることが必要だと考えますがいかがか、伺います。  また、二つ目は、路面電車の終電の時間延長です。  現在、路面電車の終電時間は、西4丁目発は午後11時10分、すすきの発は午後11時18分です。地下鉄の終電は午前0時15分ぐらいですか、時間延長されておりますので、そのことを考えますと、いかにも早過ぎるのではないかなと思っています。私も最終に乗ることもあるのですけれども、若い人たちで満員になることもあり、多くの人に利用されているのではないかなと思います。せめて午後11時30分、11時50分と2便増発することでより利便性が高まり、さらに利用増につながるのではないかと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  1点目の小学校への働きかけにつきまして、私からお答えさせていただきます。  小学校との交流につきましては、これまでにも沿線の伏見小学校、幌南小学校の2校の児童が、毎年、学校の学習活動の一つであるまちづくり探検隊の中で電車事業所を訪れておりまして、この中で、子どもたちに路面電車の公共交通としての役割や環境への貢献について理解を深めてもらっているところでございます。また、他の小学校につきましても、随時、児童の工場見学等を受け入れておりまして、同様の交流を行ったり、また、親子で市電への愛着や親近感を持ってもらうことを目的として、交通事業振興公社の主催ではございますけれども、子ども市営交通教室なども実施しているところでございます。  今後は、交流実績のある小学校を初め、ほかにも沿線の小学校がございますので、こうしたところにこちらの方から積極的に出向いて出前講座等を行うことによって、子どもたちのアイデアとかお母さん方のアイデアも含めてちょうだいしてまいりたいというふうに思っております。これらの取り組みをきっかけとして地域住民の方々に市電への親近感をさらに一層深めていただきたいと思っておりますし、利用者の立場に立ったご意見も積極的に拾ってまいりたいというふうに考えております。 ◎田畑 高速電車部長  私から、2点目の終電時間を延長して2便増発してはどうかという具体的なご提案についてお答えしたいと思います。  委員のご提案のとおり、延長した場合には、増発便には多数のお客様が乗車されるということは期待できるのですけれども、この中には、これまで利用している便から増発した便に電車を変更して乗車されるお客様も想定されることから、延長による1日当たりのお客様の増加数について予測をいたしました。予測に当たりましては、過去に地下鉄での始終発時間の延長のときの実績データをもとにいたしまして、路面電車で40分延長という条件で算出いたしましたけれども、1日当たりに換算いたしますと、おおむね60人程度の増加しか見込まれないというような結果となりました。  この予測をもとに採算の面から検討いたしますと、運行に係る運転手や運行管理要員、さらには、冬期間でありますと除雪などの経費、こういったものを比較したところ、経費の方が増収額を大きく上回るような計算となりまして、採算が見込めないことになります。軌道会計の厳しい収支状況を考えますと、現状では採算面から増便を実施することは困難である、そのように考えてございます。 ◆伊藤牧子 委員  沿線の小学校への取り組みは、前向きに検討するということで理解したいと思います。  ハンガリーのブダペストには、世界でも珍しい子ども列車というのがありまして、運行距離も短く、5駅しかないのですが、社会教育の一環として、小学生や中学生が正規の列車で運転手以外の業務を行っており、市民や観光客にとても人気があり、私はほほ笑ましい気がするのです。これは例外中の例外だと思いますけれども、子どもにとって小さいころから電車に親しむことは大変大事だと思いますので、ぜひ実現に向けて提案を検討していただきたいなと思います。  それと、路面電車の終電時間の延長の件ですけれども、先ほど1日60人ということで、費用対効果を考えると採算がとれないということでした。そのことは十分理解するのですけれども、今回、利用実態調査から算出したデータは、地下鉄が終電時間を延長した平成11年、1999年をもとにしております。10年以上前のものです。今、その時代と比較しますと、サービス残業が多い札幌の厳しい経済状況において、夜遅くまで働いている若い人もふえているなど生活状況も変わってきていると思います。  そこで、再度、質問させていただきますが、例えば、実験的な意味で夏のビアガーデンの時期に限定しての増便とか、また、週末に限定しての増便などの検証を試みてはどうかなと考えますがいかがか、伺います。 ◎田畑 高速電車部長  実験的に時期とか曜日を限定して増便を行ってはどうかということについてお答えいたします。  現在、路面電車の活用策につきましては、委員ご承知のとおり、路面電車活用方針が示されまして、今後、市民議論が行われることとなります。交通局といたしましては、先ほども申し上げましたけれども、軌道会計の厳しい収支状況の中での増便というのは、今の時点ではなかなか実施できる状況にはございません。今後は、市民議論を経た結果の内容に基づく運行計画や利用促進策を検討していく中で、今回のご提案についても検討させていただきたいというふうに考えております。 ◆伊藤牧子 委員  今後の総合的な活用方針の検討の中で、終電の時間延長についても考えていくというご答弁でした。大変厳しい財政状況の中で、人件費など無理をしたくないというのは本当に理解いたしますが、まだ電車活用の次のステップには相当時間がかかると思います。もう少し積極的な姿勢で、また新たな発想で取り組んでもいいのではないかと思います。先ほども利用をふやすいろいろな取り組みをするということでしたが、沿線周辺には商店街や「西線ロール」というお菓子を出しているお店とかユニークな昆布屋さんとか、また、すてきなレストランもたくさんあります。そのようなお店と連携するなど、さらに地域に密着した具体的な取り組みを進めていただきたいと思います。また、先ほど地下鉄のところでもありましたが、「乗ってeco!」という環境面の訴えもあります。訴えるだけではなくて、市民が本当に利用したくなるようなインセンティブのある企画をぜひ展開していただきたいことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  それでは、議案の質問と先ほどの飲酒運転と二つありますので、最初に飲酒運転の方です。こういう職員管理というのは大変難しいことだと思います。今までも、飲酒運転ばかりでなくて、いろんなことでご苦労されていることはよく承知をしております。  まず、飲酒運転ですが、特に乗務員に対する注意喚起は、どういう機会にどういう方法で行っているのか、この点についてちょっとお示しいただきたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  乗務員に対する注意喚起はどのような場面で行っているかというご質問でございます。  まず、乗務員が出勤いたしますと、当然、出勤点呼というのをやります。札幌市交通局では、出勤したときにアルコールチェッカーというものを使って呼気中のアルコール濃度等を調べております。さらには、他事業者等での飲酒事例等が起きた場合に、職員に対してこの情報を素早く提供することで、さらには、点呼のときに注意喚起を行うとか、伝達文書を掲示するとか、いろいろな方法を使ってこの発生を防ぐというようなことで努めているところでございます。 ◆松浦忠 委員  従来、どこの会社でも、どこの職場でも、大体、乗務前というのは一般的にそういう点検が行われるということだったと思うのです。私は、今回、このことを聞いていろいろ考えてみたのだけれども、一つは、勤務が終わったいわゆる終了点呼のときに、いついつ勤務なのでということで特に終了点呼で注意をしてみてはどうかと。あなたはいついつの勤務なので、ひとつ前日はぜひ控えてくださいというようなですね。本当に何が効果があるかといったら、これは趣味、嗜好の範疇のことですからなかなか効果は難しいと思うけれども、そういうようなこともひとつ取り組んでみてはどうかなというふうに思うのです。  これが起きてから、交通局では、今までやっていたことと何か違うことをやってみようというような検討をされたかどうか。 ◎田畑 高速電車部長  今回の事故があった後、どのようなことをやったかというご質問かと思います。  私どもは、今回の酒気を帯びて出勤したということを非常に重く受けとめております。したがいまして、管理者を中心とした事故防止検討委員会の中での検討とか、それから、現場で各所属長等のミーティングとか、さらには、各係には七つの班がありましてそれぞれ乗務長、乗務副長という者がおりますので、こういった方たちの乗務長会を通じて、どうしたらこういった事件・事故がすべての職員に伝わるかと、そういったこともいろいろ検討いたしました。  今、委員がおっしゃいましたような終了点呼時にそういった注意喚起を行ってはどうかといったことも含めて、今後、きめの細かい対応をとっていきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  なかなか大変だと思うけれども、ぜひひとつ、そういったことも含めて取り組んでいただいて、個々の職員の皆さんの心に十分とめていただくというふうなことをお願いしたいと思います。  さて、先般の代表質問でも質問したのですが、本市では、いわゆる本市の仕事を民間に、外部に発注するということについて、できるだけ機会均等と公平性と競争性を持たせるということで進めてきております。しかし、交通局を見ますと、高速電車事業会計では全く行われていないということで、これは、どうしてかな、ちょっとびっくりする状況だな、こんなふうに私は受けとめているんです。  まず、一つは、20年度、21年度、この両年度で発注件数が幾らあって、そして、どういう契約方法で、発注総額が幾らだったのか、これをまず示してください。 ◎坂 技術担当部長  特命随意契約の20年度、21年度の件数、総額ということでございますが、件数につきましては、電気設備に関しまして20年度51件、21年度も同様で51件でございます。  総額につきましては、20年度21億3,300万円、21年度の数字は、申しわけございませんが、手元にございませんけれども、ほぼ同額かと思います。 ◆松浦忠 委員  それから、どういう契約方法になっていますか。 ◎坂 技術担当部長  ただいまの51件の部分につきましては、特命随意契約を実施しております。 ◆松浦忠 委員  交通局は、なぜ今まで一般競争入札に付する検討をしてこなかったのか。 ◎坂 技術担当部長  交通局では、地下鉄各設備の安全確実な機能維持、また効率的な組織運営を図ることを目的に、メーカーの技術力を積極的に活用するため、保守業務については製作メーカー等に委託してきたところでございます。また、鉄道は、長大な路線のすべての設備を車両が良好な機能を発揮することで初めて快適な運輸サービスが実現できるものであるとともに、信号設備などのように鉄道特有の技術が多く含まれております。したがいまして、通常の設備保守などと異なり、より信頼性の高い保守レベル、万一の故障時における早期復旧能力が必要なため、メーカーによる保守体制が必要なものもございます。特命随意契約をするものといたしましては、現在、51件がそれに相当するということで行っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  例えば、この間、3件という話があって代表質問で回答がありました。私が聞いている範囲では、地下鉄の保守点検というのは、通常、列車の運行の合間を縫ってやるということはほとんどなくて、夜間の列車が休んでいるときに点検をするというふうに私は聞いているんですね。そういうことからすれば、まず一つ、運行上の安全性は問題ない。あとは何があるのかなといったら、例えば、特許などを持っている機能ですね。特許権のあるものについては、特許を持っているところが保守点検をするというようなことは一つの理屈として成り立つ。しかし、それ以外については、大体、普遍的ではないかなと。  今、例えば信号の話が出ました。かつて、地下鉄をやったころは日本信号株式会社が設備をしたということで、保守点検の会社も日本信号が出資して、日本信号から社長も出て、そうしてやっていた。議会でこのことが問題になって、今度は、市の電気職の人がそこに社長として天下るようになった。こういうふうに変遷を経てきているわけですね。  それからもう一つは、例えば鉄道に付随するもので言えば、今のJR、かつての国鉄は、日本信号だとか京三製作所だとか大同信号だとかという特定の業者を国鉄が指定する。そして、地下鉄あるいは私鉄も、大体そういうところが鉄道業務ということでやっていました。ところが、今の電子技術の発達によって、いろいろなメーカーが列車の運行制御なんかにも参入するというふうになっているわけですね。例えばホームさくでも、一番最初はやっぱりそういう鉄道の信号メーカーなんかが中心になってつくり出した。ところが、それが、今度はだんだんといろいろな電機メーカーがつくるというふうになって普遍化されてきているわけですね。したがって、私は、これが特定の業者でなければならないということはあり得ないと思っているんですよ。  今回、私が指摘をして、初めて、駅の電灯設備など3件について来年度からという話が出てきました。駅の電灯設備なんかは、ここの電灯も駅の電灯も電灯には変わりないんですよ。したがって、私は、きょうここで、この中でこれとこれとは言いません。やっぱり、きちっと機会均等、公平性、そういう意味合いからしても、私が事前に聞いた段階ではこの51件で特許を持っているというのは何もないんですね。そういうことからしたら、きちっと全部、私はすべてを競争入札にさらすことができるんではないかと。条件はきちっとつけてですよ。条件ということは、こういうことをちゃんと、例えば、図面ならこういうふうに交通局の方にありますよと。したがって、そういうものを提示して、そして、これはこういう形できちっと保守点検できるという条件提示さえすれば、その条件に合う人は全部応募してくるわけですから。したがってですね、私はそういうことできちっとすべきではないかなと。  以前は、特定の信号設備なんかは、みんな、地域を決めて、例えば東北、北海道はどこだとか、関東のどの部分はどこだとか、中部はどこだとか、関西はどこだとかと、メーカーが決めてこれをやっていたわけですね。地下鉄の関係で、僕の記憶では、たしか談合問題で一番最初に問題になったのは仙台の地下鉄でなかったかなと思っているんですよ、電気設備関係でね。そんなようなことで、やっぱり、これはもうそういうふうにすべき時期で、もう遅きに失している。そんな理由はもう通る理由ではないということをやっぱり認識しなかったらならんと思うんですよ。そういう点で、私は、今ここで何件をどうするということは求めませんけれども、秋の決算議会までにきちっと整理して、駅業務の3件だけを来年から競争入札にするというようなことではなくて、きちっと精査をして、そして、それはだれが聞いてもそうだなと理解がいくような中身にしないとうまくないと思うんですよ。  そういう点で、私はそういうことをぜひ求めたいのですけれども、管理者、どうだろうか。私の言うことに無理があるだろうか。 ◎福井 交通事業管理者  今、松浦委員からご指摘があった件についてでございますけれども、私どもとしては、ここ数年、やはり一般競争入札にできるものがあるのじゃないかと。これは、まさに時代の変化で、先ほど委員からお話があったように、技術の進化などに合わせていろいろなメーカーが出てくる、そういうことから十分考えられるのではないかと。  今般、今、委員からお話があったこの3件というのは非常に大きな額を持っています。そういう意味で、まず、ここを一番最初にやりたいなと。ただ、それ以降でできないかといったら、そうではございません。それ以降についても、でき得るものについては、今、内部で検討しているところでございます。今、松浦委員から3定の段階でというお話がございましたが、その段階ではこういう形の考え方ということはご明示できるものだと思っております。 ◆松浦忠 委員  これをやるに当たっては、内部の職員の体制もあると思います。交通局も、人員削減で管理部門の職員も相当削減していますからなかなか手薄の部分もあると思いますけれども、必要な措置は必要な措置として講じる中で、ぜひ、やっぱりきちっと、来年3件やって、その次に5件やってなんていうことではなくて、交通局はそういう点ではちょっと出おくれている、かなり出おくれている、こういうような状況にあるわけですからね。したがって、順次回復していくということではなくて、やっぱり並にまで一気に持っていくという感覚で、ぜひ、決算議会までに内容を整理して、そして、その中間ででもまた考え方を説明いただきたいということを求めておきますが、管理者、再度、相当頑張ってやりますという決意を、決意というよりも意向表明をぜひ求めたいのですけれども、いかがでしょうか。 ◎福井 交通事業管理者  今、委員からありましたとおり、数の問題、職員数の問題がございまして、今ここでおれがやるぞと言っても、本当にそれだけのキャパができるかどうかわかりません。ただ、気持ちとしては、交通局もやはり進んでいかなきゃならぬと思っていますので、その結果については、先ほどお話ししたとおり3定の段階でご説明できるだろう、そのように考えています。 ◆松浦忠 委員  本当に、20億円のお金というのは、例えば5%減っても1億円ですからね。電車で赤字が出たと言っても、補助金を出しているのは2億円ですからね、電車の補助金は。したがって、いわゆる交通事業全体として見たら、やっぱりかかる経費の大宗は高速電車ですから、そういうところで当たり前のことを当たり前にやって、そして、削減できる経費はできるだけ削減して、交通事業全体の中でまた回していけるものは回していくと。金の回しというのはいろいろな形であるわけですから、そんなことでぜひ取り組んでいただきたいということを求めて、終わります。 ◆長谷川衛 委員  私からは、SAPICAの対応改札機と路面電車の問題について、2項目質問したいと思いますが、分けて別々にさせてください。よろしくお願いいたします。  最初に、SAPICAの対応改札機についてでありますけれども、とりわけ、その中でSAPICAの専用機の導入に伴って、ウィズユーカード利用者の方々からさまざまな声を聞いているものですから、その点について質問したいと思います。  SAPICAが将来の市民カードという鳴り物入りで登場してから、今、1年が経過しておりますけれども、残念ながら、まだ地下鉄専用カードということで推移をしております。私自身は、路面電車も乗りますし、バスも乗りますし、地下鉄も乗りますが、そういう利用者の最近の状況を申し上げますと、電車から地下鉄の駅に入りますと、SAPICAの専用機が主要駅では相当多くなっています。私自身はウィズユーカードを使っているものですから、改札機に向かっていったときに、「さっと行って、ピッ」ということではなく、併用機はどこだというようなこともよくあります。見ていると、お年寄りの方々で迷っている方も結構多いわけであります。  そこで、質問ですけれども、この間、この改札機については計画的に導入が行われていると考えますが、SAPICA専用機の導入計画及び実態がどのようになっているのか、また、SAPICAとウィズユーカードの双方の利用者の声を聞いているということでございますが、その声はどのようなものになっているのか、まず、質問したいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  ただいまのSAPICA専用機の導入計画でございますけれども、当初は、平成21年度に51台、平成22年度には49台を設置する予定でございました。しかしながら、専用機導入以前は、切符、ウィズユーカードも利用できる両用機にSAPICA利用のお客様と切符、ウィズユーカードを利用されるお客様が競合いたしまして、今、委員がおっしゃった、SAPICA本来の「さっと行って、ピッ」という本来の利便性が発揮できない状況にございました。この結果、SAPICAを利用するお客様からは、まず、ラッシュ時にはSAPICA専用の通行としてほしい、さらには、SAPICA専用機の早期導入を求める声が多く寄せられていたものでございます。  このため、平成21年度におきましては、22年度に予定していた49台を前倒しし、計100台の専用機を導入するとともに、ウィズユーカードなどを利用されるお客様の利便性にも配慮いたしまして、当初は撤去予定であったSAPICA非対応機の改札機が70台ございますが、これを延命利用することといたしました。このことにより、SAPICA利用のお客様からの苦情、要望は皆無となったものでございます。  また、改札機の基本的な配置につきましては、各駅の乗客数とか利用頻度に加えまして車いすのお客様が利用可能なワイド改札機及び点字ブロックの敷設状況等を考慮しまして決定しております。しかし、改札機の配置が変更になり、従来使用していた改札機への動線が変わってしまったこと、両用機においてお客様同士の競合が起きていることから、特に、切符、ウィズユーカード利用のお客様から改札口が混雑するという声が寄せられている状況になってございます。 ◆長谷川衛 委員  今の答弁で、お客様の声を聞いて、SAPICA利用者の方々にとってはかなり利便性が高くなったのかなというふうに思います。私がよく使うのは大通駅とさっぽろ駅ですが、かなりの数の専用機が入っていまして、SAPICA専用者にとってはもちろんいいと思います。専用機が使い勝手のいいところにあるのは非常にスムーズに行くと思いますけれども、残念ながら、ウィズユーカードがまだまだ圧倒的に多いのですね。こういう方々の中でも、若い人たちは意外と反応が早いんですよ。どこがどう変わっているかということはぱっとわかるんですけれども、私たちぐらいになりますとちょっと時間がかかるので、もっと高齢の方になりますと、今まで使っていたところしか頭にないものですから、戸惑う状況がかなり起きています。  やっぱり、駅によって乗客の動線はさまざま異なるだろうと思います。大通あたりと大谷地あたりも違うでしょうし、私がおりる幌平橋のあたりでも状況が全然違うんですよ。ですから、その辺の動線についてしっかりきめ細やかにぜひ対応してもらいたいし、そうでない限りは、残念ながら、SAPICAもまだまだこういう状況ですから、利用者が困惑をしてしまうということを危惧しています。  そんな意味で、今後どんな取り組みをされようとしているのか、今のような状況を押さえて答弁をいただきたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  スムーズな改札のためには、まずはSAPICAをご利用するお客様をSAPICA専用機の方に誘導することが肝要であろうというふうに考えております。このために、SAPICA専用機設置後のお客様案内といたしましては、周知ポスターの掲出、専用機の前後に床面案内表示を行ったほか、天井付近にも案内表示板を順次設置して案内に努めているところです。また、SAPICA専用機の視認性を高めるため、一部の駅において試行しておりますけれども、両用機のピンク色のラッピングを撤去してSAPICA専用機がより目立つようにすることで混雑緩和を図ろうとしております。これらの対策の効果につきましては、目視によってお客様の動線を確認したり、それから、改札機ごとの利用率を調査するなどによって検証を進めているところであります。  いずれにいたしましても、こういった検証の結果を踏まえまして、場合によりましては、委員がおっしゃったように、改札機自体の移設も検討して、より利便性の向上を図るように努めてまいりたいというふうに思っております。 ◆長谷川衛 委員  前向きな回答をいただきました。状況によると思いますが、その駅によってはやはり移設が必要なところもあろうかと思いますので、その面について、ぜひ早急に、そして具体的に対応していただきたいということを申し上げておきます。  ただ、今は検討中ですからきょうの質問には余り出せませんが、地下鉄だけのSAPICAではどうしても使い勝手が悪い。とにかく札幌市民のカードとして堂々とSAPICAが市民に使われる、そんな日が一日も早く来てもらいたいことを要望しておきます。  次に、路面電車でありますけれども、先ほど伊藤(牧)委員からも、路面電車の現実の問題が質問にありました。今、路面電車活用方針が出されているところでありますから、将来展望等については考えもさまざまありますけれども、この場にちょっとそぐわないということで、私も、やはり現実の問題について幾つか質問したいと思います。  沿線住民にとっては、路面電車というものは大変大事な足でありまして、私の住んでいる近辺でも、今の市電の沿線というのはかなりマンションがふえているんです。人口も物すごくふえています。ですから、需要はあります。相当ふえています。しかし、現実にそれだけ乗っているかといいますと、なかなか乗られていない。じゃ、どうするかと。需要があるのになかなか乗れないということで、今、総合的な検討をしておりますけれども、やっぱり現実の問題には目を背けてはならないと思うのですね。  一つは、やはり高齢者の方々はとにかく低床にしてほしいと。前にもお話ししましたけれども、おばあちゃん方は停留所で乗るのに本当に大変なんですよ。私たちも手伝いたいんですけれども、おしりを上げてやるわけにはいかないんですよ。だから、待たなきゃならない。やっぱり、それだけ時間がかかる。これがすっとですね、バリアフリーといいますか、これだけ安心・安全なまちと言う割に、まだ路面電車に低床が入らないということはどうしても残念ですけれども、そこに一つネックがあります。  それから、西4丁目の問題なんです。おりる人が一番多いのが西4丁目だと思います。これは、現場の方々はよくわかっていると思いますが、殺到してしまうというか、朝のラッシュ時は本当に1台に乗り切らない。それで増発もしていますよね。私の乗る西線16条のところも必ず増発して、あそこからも出してくれますので何回かにわたっては乗れますけれども、もうぎゅうぎゅう詰めなぐらい、それだけ朝は大変です。しかし、4丁目でおりるとき、私も何回も経験しているのですが、さまざま工夫をしていただいていることはわかるのですけれども、おりる際の対応がちょっと大きなネックになっているところがあるのです。  それは言うまでもないことだと思いますが、まず、電車についての最初の質問は、西4丁目の最終の停留所ですけれども、特にウィズユーカード利用者の方々が並んで待つので非常に時間がかかる。このような状況にあるということを交通局としてはどのように認識されているのか、この辺の考えについてまずお聞きしたいと思います。 ◎田畑 高速電車部長  西4丁目の降車状況についての認識についてお答えいたしたいと思います。  朝ラッシュ時間帯につきましては、通勤のお客様が多いことから降車に時間がかかっていることは、委員ご指摘のとおりでございます。このため、交通局では、朝8時から9時30分までの間に、電車事業所から出向いた係員が電車の中扉をあけまして、定期、現金、回数券をご利用のお客様の対応を行っております。しかしながら、ウィズユーカードをご利用のお客様につきましては、カードリーダーを使っての降車となるものですから時間を要している、そういった認識にございます。 ◆長谷川衛 委員  先ほど言いましたように、工夫をされているというのは、ラッシュ時は、もう一人、補助の係員の方がいて、現金と定期の方はどうぞということで真ん中からおりています。そのほかは、今はウィズユーカードの方は前の一つの降車口からなので、みんな並んでいます。使っている人は、もちろんわかっていると思いますけれども、地下鉄のウィズユーカードの機械と全然違いますから、1回入れて出るまでにはややしばらくかかるのですよ。  そういうややしばらくかかる方々を何とか解消できないものかということで、この後は要望になりますけれども、実は住民の方々もいろいろアイデアを出してくれているんです。例えば、停留所に移動式のカードリーダー機を置けないのかと。みんなにおりてもらって、カードリーダー機を何基か置いてもらって朝だけでもいいから通せないのかとか、また、後ろと前に機械が2基ついていますから、後ろも使えないのかと。二つに分かれれば時間が半分ですから相当違うのです。それから、実は、あの混雑によって乗らないという会社員の方々が本当に多いんですよ。あれさえ解消できれば乗れるんだがなと。じゃ、どうやっているかというと、それがないために、これはさまざま経済的な理由もありますが、夏場は自転車の方が多いです。しかし、冬場はやはり車になってしまうんですよ。これでは、これからの環境ということではますます非常に大きな問題になると思います。少なくとも、電車をより使いやすいものにしてもらいたいなと。  ただ、財源の問題を言えば、財源と言えば路面電車はすぐ赤字で大変だ、大変だと言われますけれども、これは物理的にやむを得ないと私は思っています。私は小さいころから乗っていますし、学生時代も乗っていましたけれども、あの当時は一番華やかなころで、電車かバスしかないですし、路線はかなり遠くまであって、学校がいっぱいあったんですよね。私の大学も当時の教育大学のところですから、とにかく電車が花形でしたし、それだけ人がいた。ところが、地下鉄ができたり、大学が移っちゃったりということで、当然、人口が減ってきました。しかし、今こそ、今度は環境問題で脚光を浴びているときでありますから、ぜひ、現実も無視しないで、より利用しやすい電車にしてもらいたいということを求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆横山峰子 委員  私からは、大きく3点、SAPICAについてと札幌駅前通地下歩行空間の完成に伴う地下鉄への影響について、そして、地下歩行空間に関連して札幌駅の連絡通路について伺います。  まず、SAPICAについてですが、発売開始から1年が経過しましたけれども、新聞報道等を見ますとまだまだ利用率が低いなという印象を受けます。確かに、タッチするだけで利用可能で、繰り返し利用もでき、紛失しても記名さえしてあれば再発行ができるなど便利な機能があるというのはわかりますが、その分、お年寄りや機械操作にふなれな方にとっては何か難しいという先入観が生じて、SAPICAを使ってみようという気にならないのではないかと思います。また、これが一番大きいかと思いますが、1万円のウィズユーカードのプレミアム率が15%であるのに対して、SAPICAのポイント率は10%となっております。利用者にとってはウィズユーカードの方がお得感を感じられるので、SAPICAの普及がなかなか進まない要因にもなっているのではないかと思います。  SAPICAのさらなる普及に向けては、先ほど長谷川委員もおっしゃったように、バスとの共通利用など利用範囲を拡大するのが最も効果的ではありますが、現実にはなかなか時間もかかるし、さまざまな課題もあると思います。その間は、やはり、難しいという先入観を持たれないように、地下鉄利用者にわかりやすくPRする工夫が重要であろうかと思います。今後のウィズユーカードのあり方についても考慮していく必要があると思います。  そこで、質問ですけれども、私は、SAPICAの普及を進めるという観点から、昨年の第3回定例会の決算特別委員会においてPRについてお尋ねしたところですが、現在の発売状況、利用状況はいかがか、また、PRについてどのように取り組んでおられるか、さらに、ウィズユーカードの今後のあり方についてどういうようなお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎新谷 事業管理部長  SAPICAの発売状況及び利用状況、それから、これまでのPRの内容、今後の取り組み、さらにはウィズユーカードのあり方についてという3点のご質問でございます。
     まず、1点目のSAPICAの発売状況でございますが、1カ月当たりおおむね6,000枚ほどずつ増加を続けており、2月末現在で14万4,000枚を発売しております。来月早々には15万枚に達するものというふうに考えてございます。また、地下鉄利用に占めるSAPICAの利用率は、変動はございますが、約17%前後となっているところでございます。  2点目のPRにつきましては、さきに行いました市民アンケートの結果に基づきまして、認知度の低いサービスについて地下鉄車内ポスターを使ったPRを実施しているところでありますが、本日から、特徴の一つでありますオートチャージサービスに焦点を当てたPRを開始しているところでございます。今後も、それぞれテーマを定めてわかりやすくPRしてまいりたいというふうに考えております。  また、SAPICA定期券につきましても、定期券の年度更新時期を前にPRを強化したいというふうに考えておりまして、特徴とか、あるいは券売機での操作方法、こういったものを記したチラシを地下鉄沿線の14の高校と六つの大学の新入学生全員に配付していただくようお願いしているところでございます。また、沿線の高校につきましては在校生にも配付をお願いしているところでありますし、定期券発売所にお越しのお客様に対しても、直接、チラシを手渡してご案内する予定でございます。  3点目のウィズユーカードの今後のあり方につきましては、お話にございましたように、SAPICAが路面電車やバスにも利用できるようになり、普及拡大の状況を見きわめた上で、将来的にはSAPICAに一本化したいと考えておりますが、まずは、利用範囲の拡大に向け、バス事業者や関係部局との検討を引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆横山峰子 委員  発売枚数が伸びているということで大変喜ばしいことですが、PRについては、一層の効果が出るよう、一見してわかりやすいものにしていただきたいと思います。また、普及を進めるに当たっては、ウィズユーカードのあり方も含め、何よりもSAPICAを電車やバスで利用できるようになることが重要ではないかと思いますので、これは最優先で検討していただきたいと思います。  次に、札幌駅前通地下歩行空間の完成に伴う地下鉄への影響について伺います。  現在、地下歩行空間の整備が進められており、平成23年3月には完成予定となっております。完成しますと、札幌駅周辺と大通地区、さらには薄野地区までが文字どおり結ばれることになります。これは大変便利になりますが、一方で、地下鉄の乗車数の減少につながることが容易に想像されます。すなわち、地下鉄の経営にとっては大変厳しい影響を受けるのではないかと思います。  そこで、質問ですが、現在、さっぽろ駅と大通駅の移動に地下鉄を利用している乗客人員はどれぐらいなのか、また、地下歩行空間が完成することに伴って地下鉄から徒歩に転換する人、つまり地下鉄に乗らないで歩く人がどれぐらいになると見込んでいらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  まず、1点目のさっぽろ駅と大通駅間の地下鉄乗車人員についてでございますけれども、平成21年の改札機通過人員等から推計いたしますと、現在、1日当たり平均では約1万6,000人と考えてございます。  また、2点目の地下歩行空間完成に伴う徒歩への転換割合についてでございますが、地下歩行空間建設に当たり、市民まちづくり局において平成12年3月に調査をした結果では、約70%の方が地下鉄から徒歩へ転換するであろうという予測になってございます。ただし、これは10年ほど前に調査したものでございますことから、最新のパーソントリップデータもございますので、交通局といたしましては、新年度に改めて影響調査を実施したいというふうに考えてございます。 ◆横山峰子 委員  10年前の調査によると、地下歩行空間の完成に伴って1万人以上の方が徒歩へ転換すると予想されていたことはわかりましたが、10年前ということですので、私も、交通局として改めて調査すべきと思います。しかし、調査だけではなく、やはり、地下歩行空間の完成によって事業環境が大きく変化するわけですから、調査のみに終わらず、何らかの対策を講ずるべきではないかと思います。  例えば、福岡市では「おとなりきっぷ」という乗車券がありまして、地下鉄全線において隣の駅までだと100円で乗れるんですね。これは、100円なら隣の駅でも乗ろうかということになりますので、非常に有効ではないかと思います。  先日報告されました都心まちづくり戦略の素案においても、南1条や西2丁目などのさらなる地下空間の整備が検討されています。こうした事業環境の変化に対応する料金のあり方を検討すべき時期に来ているのではないかと思いますが、この点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  委員ご指摘のとおり、都心部における地下歩行空間の整備拡充は地下鉄乗車人員に少なからぬ影響を与えるものというふうに考えてございます。また、本市の人口も間もなく減少傾向に転じ、さらなる高齢化も進むなど、これまで右肩上がりで地下鉄沿線住民が増加してきた状況から大きくさま変わりすることが予想されます。実際、端末駅やバスターミナル駅等で見られる乗車人員の減少要因の一つには、開業当初に張りついた若い世代の現役引退等により通勤需要が減少していることにあるというふうに分析しているところでございます。このことは、同時に、バス事業の経営環境もより一層厳しいものとしていることから、バス事業者からは運賃に係る各種割り引きの整理、統廃合や、乗り継ぎ割り引き負担の見直し等の検討が要請されているところでございます。  こうした本市の将来人口の推移や都心のまちづくりの方向性との整合、さらには、基幹交通としての地下鉄事業運営等の観点から、これらの事業環境の変化に対応し、さらにはわかりやすい料金のあり方を交通事業者としても検討すべき時期に来ているものと認識しているものでございます。このため、できるだけ早期に市営企業調査審議会の交通部会などを活用しながら、学識経験者等の専門家を交えて調査研究を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆横山峰子 委員  利用者に対するサービス向上のためにも、ぜひ利用しやすい、乗りやすい料金制度をとるよう検討していただきたいと思います。  次に、さっぽろ駅の連絡通路について伺いたいと思います。  ご存じのように、南北線さっぽろ駅と東豊線さっぽろ駅の240メートルほどの間に、さくで囲われた乗りかえ客用の連絡通路となっているところがあります。通路の必要性は理解できますけれども、途中にある東急デパートに行こうと思って歩いていきますと非常に遠回りになります。非常に不便だという声が上がっております。札幌駅地区と大通地区の人の流れをスムーズにしようということでせっかく地下歩行空間が完成するのに、連絡通路の一部が人の流れを遮るような形になっている状況には、お年寄りや体の不自由な方、さらには、地理に不案内な観光客の方にとっては非常に配慮に欠けているのではないかなと思います。  そこで、質問ですが、何とかここを改善して人の流れがスムーズになるようなことについて、交通局ではどのように考えているのか、改善できるかどうか、お伺いしたいと思います。 ◎坂 技術担当部長  さっぽろ駅連絡通路についてお答えいたします。  この連絡通路は、さっぽろ駅でも乗りかえができるよう、お客様の利便性を考え、料金制度上、一つの駅として取り扱うために設置したものでございます。したがいまして、連絡通路を改善するためには、二つの方法がございます。一つ目として、南北線と東豊線さっぽろ駅をそれぞれ別の駅として位置づける方法、また、二つ目として、改札を出て乗りかえをするための専用改札機を新たに設置する方法がございます。  南北線、東豊線をそれぞれ別の駅と位置づける場合、お客様によっては大通駅で乗りかえることにより乗車距離が伸び、料金の負担増となります。また、料金判定のプログラムを変更するため数億円規模の費用が必要となります。もう一つの方法でございます乗りかえ専用の改札機を設置する場合は、さっぽろ駅で降車するお客様、また乗りかえするお客様がそれぞれ指定の改札機を通過する必要がございます。このため、間違って違う改札機を通過した場合、乗りかえしたつもりが降車となり、料金が二重に引かれるなどお客様に迷惑をおかけすることが予測されます。このほか、専用改札機導入に伴い、他のすべての駅の改札機もプログラムを改修しなければならないことから、10億円規模の費用が必要となるところでございます。したがいまして、どちらの方法においても、直ちに実施することは困難な状況にございます。 ◆横山峰子 委員  さっぽろ駅の連絡通路の改善に当たっては、さまざまな課題があり、多額なお金がかかるということはわかりました。しかし、事業環境の変化に対応した料金のあり方も含めて、ぜひ前向きに検討していただきたいと思いますので、最後に、管理者の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎福井 交通事業管理者  決意表明をさせていただきます。  今ありましたさっぽろ駅連絡通路の改善、そして、事業環境の変化に対応した料金のあり方の問題についてですが、先ほど技術担当部長からご答弁させていただきましたとおり、さっぽろ駅の連絡通路の改善には今お話しした幾つかの課題がございます。したがって、委員のご要望も十分理解するところではございますが、実現のためにはこれらの課題をまずクリアしていく必要がありますので、時期、費用面を考えますと、ICカード乗車券の利用拡大などのタイミングを見据えながら、現在の料金制度のあり方とあわせて検討していきたいと考えてございます。  ご承知のとおり、地下鉄事業は、建設当初から経営という面では大変厳しい状況が続いております。ただ、平成18年にようやく経常収支が黒字に転換できて以降、黒字を計上しているところでございます。したがいまして、今後は、ただいまの連絡通路の改善のみならず、施設の老朽化への対応を初めとするさまざまな課題がありますので、計画的かつ果敢に取り組んでまいりたいと考えています。 ◆横山峰子 委員  要望です。  地下歩行空間の完成のときに合わせてあそこの連絡通路を改善することは難しいとしても、どうぞ、早期に改善していただきたいということと、やはり利用料金をもう少し考えていただきたいということを強く要望して、質問を終わります。 ◆近藤和雄 委員  私から、広告事業の現状と地下鉄の増収対策について質問させていただきます。  その前に、一つ、エレベーターが49駅すべてに設置されることについて、予算がついて完了するということで、私の地元の中の島駅、そして東札幌駅、本当に交通局の皆様にも大変お世話になりました。そして、保健福祉局にも一生懸命やっていただいて、バリアフリー、さらには障がい者用のトイレも、私もずっと質問させていただきましたが、着々と準備を進めていただいて、大変感謝いたしております。エレベーターをつける近藤和雄と言われております。  それでは、質問に入ります。  平成22年度の地下鉄事業の予算においては、営業収入は約400億円となっております。これは、平成21年度予算比では約11億円の減収となっております。3線の経常収支の資料をいただいておりますけれども、南北線が優等生で、残念ながら、東西線、東豊線とも建設の市債で大変ご苦労されていることは十分承知しております。特に、累積赤字が21年3月31日現在で3,376億円、さらには、企業債では4,166億円と、これは20年度末の数字でございます。その中で、4%から5%の金利のものが623億円、構成比で15%にも上っているということで大変ご苦労なことだなと。ただ、これは、総務省といろいろな交渉がございますから、順次借りかえが行われていくものと私は確信をしている次第でございます。低金利の時代でございますから、それによって収支が少しでもよくなるよう、ぜひともご努力をいただきたいなと思っているわけであります。  そこで、今後も地下鉄事業の経営健全化を進めていくためには、収入をふやしていくことが最も重要なことであります。さまざまな利用促進策を講じることで乗車料収入をふやす努力をすることが当然であるのは言うまでもありません。一方では、乗車料収入以外での収入というのはいかがなものか。交通局では考えていらっしゃると思いますが、その中では駅の使用料収入や広告料収入がメーンではないかと思います。現在は経済不況でございますので、新聞広告にしても、また、いろいろな乗り物で広告を拝見しておりますけれども、広告料収入が大幅に落ち込んでいることは事実ではないかと思っております。私も地下鉄で中心部に出てきておりますが、最近、地下鉄の車内広告のスペースに非常に空きが目立ちます。中づりはまあまあだと思いますが、特に両サイドは車両によってはすごく寂しいなという感じです。また、駅の構内を歩いても、広告の入っていない、電気が消えているというのですか、明かりが消えているということで、この辺もこれからどのような展開をされていくのかなという考えが頭をよぎるわけでございます。  そこで、質問ですけれども、駅構内の広告について、実際の掲出状況と今年度の広告料収入の見込みについてお伺いいたします。  また、掲出率を上げるためにどのような取り組みをされているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎新谷 事業管理部長  広告の掲出状況、収入見込みと掲出率を上げるための取り組みについてでございます。  まず、各駅構内に設置しております広告枠につきましては、本市の広報業務及び当局の業務用として使用しているものを除き、1,549基ございます。現在、このうち702基が有料の広告として掲出中でございまして、その率といたしましては45.3%となっております。一昨年のいわゆるリーマンショック以来、景気は低迷しておりまして、各企業におきましては、まず、広告宣伝費を削減するような状況になっておりまして、今年度の広告料収入につきましては、掲出率の低下と指定代理店の撤退などの状況もありましたことから、残念ながら、予算比で約20%、金額にして4億円程度の減収となる見込みでございます。  広告に関しましては、広告を出す側の状況もございますし、短時間で結果を出すというのはなかなか難しいというふうに思いますけれども、この4月からは、車内広告に長期割り引き料金を設定するとともに、施設の特殊媒体にセット割り引き料金を設定するなど、稼働率アップの工夫をしてまいりたいと考えております。また、既存媒体の整理とか、あるいは、ほかの媒体への転用を進めて新規媒体の開発にも取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆近藤和雄 委員  ただいまのご答弁では、長期割り引き制度、そしてセット料金という形で、これからは、待ちの姿勢ではなく、積極的にいろいろなアイデアを出して、企画をして、それを行動に移していくという力強いお話をいただいたわけです。お話のとおりですけれども、実現できるものは速やかにご努力いただいて、何としても収入をふやすご努力をしていただければと思っているわけです。  もう一つは、地下鉄の増収対策としてお話をしたいわけですが、例を挙げて説明いたしますと、デジタルサイネージというものがあります。首都圏の駅のホームに設置されているディスプレー端末などが代表的な例ではないかと思います。これはどんなものかというと、端末や時間ごとに流す情報を制御できることから、例えば朝夕の通勤客や日中の買い物のお客さんなど、時間帯によって対象を変えて効果的な情報を発信することができます。さらには、時間帯別で広告枠を設定したりできますので、広告業界にとっては大変魅力的であり、そして、全国の鉄道事業者において導入が進んでいると伺っております。  私は、これまでは紙媒体が中心であったわけですが、紙媒体の広告一辺倒から、今後は、ディスプレーやインターネットを活用したデジタル媒体の導入について積極的に取り組んでいくべきではないかとご提案を申し上げたいわけであります。先ほどお答えがありましたように、最近の厳しい経済状況の中で、広告料収入も大きく落ち込んで、北海道は、特に拓銀の破綻以降、経済も景気もますます回復にはほど遠い状態でございます。こんなときだからこそ、新たな可能性に挑戦、チャンレンジしていただければということでお願いしたいと思っております。  そこで、質問ですけれども、交通局では、デジタルサイネージなど新たな広告媒体についてどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、そして、どのような取り組みを行っていこうとしているのか、お答え願います。 ◎新谷 事業管理部長  デジタルサイネージなど新規媒体に関する取り組みについてお答えいたします。  私どもといたしましては、デジタルサイネージを初めとする新たな広告媒体の可能性について既に検討を始めており、昨年、デジタルサイネージの専門家を招聘して広告代理店とともに勉強会を開催したところでございます。また、新たな媒体に関する取り組みといたしましては、先月の22日から東西線大通駅のコンコースにおきましてブラックライトを活用した実験を行っております。これは、蛍光灯とブラックライトを一定時間ごとに交互に照射することで二つの異なった絵柄を表示できるものでございまして、一つの媒体で二つの広告掲出が可能になるのではないかというふうに考えております。  さらに、デジタルサイネージにつきましては、委員のお話にございましたとおり、広告的な価値が高いことはもちろんでありますが、業務上必要な情報を提供することもでき、乗客の利便性向上にも大きく寄与するものというふうに考えております。  しかし、各駅をネットワークで結ぶデジタルサイネージというようなものにつきましては、多額の初期投資が必要でございますことから、私ども単独での実現はなかなか難しい状況にございます。したがいまして、今後、民間事業者との連携も模索しながら取り組んでいく必要があると考えておりまして、まずは、単独のディスプレーによる媒体ではございますが、実証実験を行いまして、その成果を検証しながら今後の展開につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆近藤和雄 委員  最後に、要望で終わります。  交通局としてデジタルサイネージなど新しい可能性にも取り組んでおられるということは、十分理解をしたところであります。話題性のある媒体を使い、それで集客する、さらに、そこに集まるために地下鉄を利用するということで、次々と可能性が出てくるのではないかと感じるところでございます。それが、地下鉄の利用促進にも必ずつながってくるものと思います。また、南北線の新型車両にある液晶モニターのように、従来の案内表示に加えて外国語案内や駅設備の案内などを行っているわけですが、これも乗客サービスの向上も図ることができるほか、将来的に多数の車両に導入されることで広告媒体としての展開も可能になるのではないかと思います。まさに増収対策につながるものではないかと思うものであります。デジタルサイネージの取り組みは、広告としての収入増はもちろん、利用者の利便性向上や利用促進の面からも大変有効な取り組みではないかと感じます。ぜひとも積極的にお取り組みいただくことを強く要望して、終わります。 ○坂本恭子 委員長  以上で、軌道事業会計予算及び高速電車事業会計予算の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は、次週3月9日火曜日午後1時から、保健福祉局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時21分...