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平成22年(常任)財政市民委員会−01月22日-記録

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  1. 札幌市議会 2010-01-22
    平成22年(常任)財政市民委員会−01月22日-記録


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    最終取得日: 2024-09-10
    平成22年(常任)財政市民委員会−01月22日-記録平成22年(常任)財政市民委員会  札幌市議会財政市民委員会記録            平成22年1月22日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時59分 ○細川正人 委員長  ただいまから、財政市民委員会を開会いたします。  報告事項ですが、鈴木委員からは、遅参する旨、連絡がございました。  それでは、道央都市圏都市交通マスタープラン策定に伴う市民意見の募集についてを議題とし、理事者から説明を受けます。 ◎吉岡 市民まちづくり局理事  道央都市圏都市交通マスタープランでございますが、昨年11月26日の当財政市民委員会中間報告をさせていただいたところでございます。その後、協議、検討を重ねてまいりましたけれども、今月14日に圏域の協議会も無事終了いたしまして、その素案がほぼまとまったところでございます。本日は、その案につきまして委員会へご説明させていただきますが、その後は、2月12日より市民意見の募集、いわゆるパブリックコメントを実施いたしまして、その後、その意見をどう反映していくか等を協議、検討し、予定どおり年度内の策定を目指していくこととなってございます。  それでは素案につきまして、お手元の資料に基づき、交通計画課長よりご説明申し上げます。よろしくお願いいたします。 ◎坪田 交通計画課長  私から、道央都市圏都市交通マスタープラン(案)につきまして、お手元の資料に従いましてご説明させていただきます。  表紙をおめくりいただきまして、1ページ目はパーソントリップ調査の説明でございます。  図にございますように、札幌市と交通面つながりの強い7市3町において、移動にかかわる目的や交通手段について大規模な調査を行ったものでございます。  続いて、2ページ目の上、都市交通マスタープランの説明でございますが、3段落目にございますように、都市交通マスタープランは、都市圏の目指すべき将来像を実現するための望ましい交通体系の姿であり、おおむね20年間に実現を目指す骨格交通網や取り組むべき各種施策取りまとめを行ったものでございます。  続きまして、3ページ目からは、現況の交通課題と将来の見通しについてでございます。  上段左側グラフにつきましては、北海道全体の人口でございまして、マスタープラン目標年次である2030年には17%減少するという予測でございます。一方、真ん中道央都市圏でございますが、これまでは人口が増加してまいりましたけれども、今をピークにいたしましてこれからは減少するということでございます。2030年には6%の減少という予測をいたしております。  また、その下の課題1でございますけれども、将来人口が減ることと相まって、将来交通量も減るという予測がなされております。水色の棒グラフが平成6年、前回の調査、ピンクが今回、平成18年の調査、緑が将来予測でございます。グラフの一番右側は交通量全体でございますけれども、6%減少するという見込みとなっております。  これを交通手段別に見ますと、真ん中につきましては自動車交通でございます。これまでは自動車交通量がふえてまいりましたけれども、将来に向けましては2%程度減少するということ、また、路線バスなどの中量輸送機関につきましては、これまでも減少しておりますが、今後とも減少する見込みとなっております。さらに、その隣の鉄軌道につきましても、JR、地下鉄などは、これまでは横ばいでございましたけれども、今後、2030年に向けましては9%程度減少する見込みとなっております。  続きまして、4ページ目の課題2でございます。  左上の図面でございますけれども、青の丸につきましては、工業団地、流通団地であり、こういったものを丸の大きさであらわしているものでございます。また、赤の丸につきましては、主な観光拠点、施設をあらわしているものでございまして、それらを結びます幹線道路を中心としたところで渋滞が発生しているということでございます。また、その下は、北海道玄関口となる新千歳空港と札幌都心部との間の道路の所要時間を距離別に見たものでございますけれども、やはり、一般道路を通る部分は非常に時間が多くかかっているということでございます。こういったところも都市圏全体の課題としてとらえているものでございます。
     次のページをお開きください。  5ページ目の課題3は、冬期の状況についてでございます。  左上の図面につきましては、秋と冬の旅行速度が20キロ以下になる地点をプロットしたものでございます。秋に比べ、冬の方が赤点のドットが非常に密になっている状況がごらんいただけるかと思います。また、その下に時計のような絵をかいておりますけれども、これは、通勤・通学に所要している時間を秋と冬で比較したものでございますが、秋は平均的な時間が25分に対しまして冬期は33分かかっており、おおむね1.3倍くらいの時間を要している現状となっております。  また、その下の課題4は、自転車に着目いたしております。  左上は、札幌都心発着交通交通手段別に見たものでございます。自転車の都心の発着交通は、総体的な量はそれほど多くはございませんが、一方、赤の点で示すように、伸び率は2.07倍と大きく増加しております。また、その隣の棒グラフでございますけれども、駅端末交通手段のうち、徒歩や自転車につきましては非常にふえていることをご説明したものでございます。  次に、6ページ目の課題5の環境に関連する課題でございます。  中ほどのグラフでお示ししておりますのは、10分以内の短距離移動自動車が、第2回、第3回の調査に比べて今回の調査ではふえていることが調査結果でわかっております。この傾向が続きますと、二酸化炭素の排出量がどんどんふえてしまうのではないかといった懸念があるところでございます。  続きまして、7ページ目をお開きください。  都市交通マスタープランを策定する必要性につきまして、ここで整理いたしております。  大きく三つの項目で整理しておりますけれども、一つ目の項目は、人口増加に伴います経済成長からの転換という視点でございます。グラフをごらんいただきますと、赤の折れ線グラフで示しておりますのは市内の総生産額ですが、これまでは大きく伸びてきたところでございますけれども、近年の横ばい傾向から、最近は減少に転じているものでございます。また、人口につきましては、積み上げの棒グラフで示しているところでございますけれども、これまでの人口増加から、最近は増加率がやや減少傾向にございます。そこで、青の字で示しておりますように、こんな時代であるからこそ、人口減少下での持続的な発展、あるいはグローバルな視点での競争力の向上、こういった視点が重要であるというふうに考えてございます。  また、2項目めは、マスタープラン目標年次である2030年には、道央都市圏の3人に1人は高齢者になるということでございます。こんな時代であるからこそ、歩いて暮らせるまちづくり、あるいは公共交通の維持、こういったことが重要であろうということでございます。  また、3項目めにつきましては、環境に対する意識の高まりということで、自動車依存の傾向が強まっている一方で、環境のために自動車の使い方を見直してもよいと考える人もおられます。こういった意味から、環境負荷の少ない交通システムであったり、環境に配慮し、自然と共生する生活スタイルの実現といったことが重要であろうと思っております。  こういったことから、一番下に整理しておりますけれども、これからは、新たにつくるという考え方から、既存の交通施設を生かす、または上手に使うといった視点が大変重要になるものと認識いたしております。  また、8ページ目の計画理念とあるべき将来像でございます。  上位計画からもたらされる計画理念として、暮らし、活力、環境の三つの視点を抽出しているところでございますが、中間報告と同様の内容なので、ここでは省略させていただきます。  続きまして、9ページ目に将来像を実現するための重要なポイントをまとめております。10ページの交流・連携の概念図とあわせてごらんください。  ポイント一つ目は、選択と集中を図るという考え方で、各拠点に中心的機能を集中すべきという考え方を述べてございます。市街地の拡大を抑制し、土地利用にめり張りをつけるという視点、それから、各拠点の交通機能の向上を重点化していくのだという考え方、さらには、拠点を中心として歩いて暮らせるまちづくりを実現していくのだという視点を整理いたしております。  また、ポイント二つ目といたしまして、おのおのの連携強化を総力戦で行っていくという考え方でございます。三つの連携強化が必要であろうということで、1といたしまして、拠点相互連携強化でございますけれども、札幌市など、高次医療などがあり、高次な都市サービスをすべての圏域の人たちが享受できる環境整備が必要であろうという認識でございます。また、2として、エリア間の連携強化という観点で、圏域内の7市3町がそれぞれの特徴を有しているわけでございますけれども、1次、2次、3次といった産業のエリアを連携することで地産地消や産業の活性化につなげていくという考え方でございます。また、3につきましては、広域の連携強化という観点では、北海道、ひいては日本、世界とのつながりを強化していくという観点で道央都市圏重要性があるという認識でございます。  また、ポイント三つ目でございますけれども、既存ストックをうまく使って効率的に進めていくという観点でございます。現在の鉄軌道網高速道路網、空港や港湾といった社会基盤ストックを最大限活用していくというような視点で述べているところでございます。  続きまして、11ページから14ページにつきましては、計画目標基本方針暮らし、活力、環境ごとにそれぞれ整理をしているものでございます。  続きまして、15ページ目をお開きください。  15ページにつきましては、道路に関する計画でございます。その考え方を上の3行で整理いたしております。  人口減少や厳しい財政制約の中、目標とする将来の交流、連携を支えるためには、既存の施設を生かし、上手に利用することが重要でございます。道路におきましては、既存道路を活用し、必要なネットワークを維持・充実させるとともに、道路空間利用ニーズ地域状況に合わせて適切に使い分けていくという視点で計画づくりを進めてまいりたいと考えてございます。  そこで、骨格道路網を形成いたします部分を水色の下の箱のところで整理いたしております。2高速・3連携・2環状・13放射道路として骨格道路位置づけているものでございます。  16ページの右上の白抜きの箱をごらんください。  2高速道路は、東日本高速道路株式会社が管理している高速道路でございます。  次に、3連携道路でございます。  一つ目として、道央圏連絡道路は、従前から位置づけ、整備しております国道337号でございます。また、2点目も、札幌圏連携道路として従前から位置づけ、整備されております札幌北広島環状線などについてでございます。今回、これまで2連携と言っていたものを3連携道路として位置づけをいたしておりますが、その横に文章で整理しております。南回り連携道路は、小樽、札幌南部、恵庭、千歳といった自然体験型の観光ゾーンを経由する観光の連携軸として重要な軸線であるということで、改めまして、今回、3連携道路として位置づけたものでございます。  また、その下の2環状道路でございます。  一つ目の内環状道路は、都市計画決定され、整備がなされている環状通でございます。二つ目外環状道路は、既存の道路網を活用することとし、隘路の解消などの機能強化を重点的に図っていくことで、南部地域における交通円滑化環状機能の強化を図ってまいりたいということで、改めまして、一般道路機能強化というところで位置づけをいたしているものでございます。  また、その下の13放射道路でございます。  第3回パーソントリップ調査に基づくマスタープランで掲げました11放射道路に加えまして、豊平川通と国道453号を新たに放射道路位置づけ、南区方面の生活拠点観光拠点間とのアクセス性向上による連携強化を図り、都市圏活力向上を図っていくということで、改めまして13放射道路として位置づけをいたしてございます。  15ページの概念図をごらんください。  概念図の左下に凡例がございます。一番下に都心アクセス強化道路軸として丸の表記をいたしております。概念図の中では、真ん中にございます都市圏コアから上の北方向に伸びておりますところ、あるいは、都市圏コアから下側の南方向に伸びているところを都心アクセス強化道路軸として位置づけているものでございます。  もう一度、16ページの文章の方にお戻りください。  都心アクセス強化道路軸につきましては、暮らし、活力、環境の三つの視点で有効な道路軸の形成を図るため、石狩方面、南区方面につきまして、自動車円滑性向上を重点的に図る路線に位置づけるとともに、既存の骨格道路網公共空間の状況を勘案しつつ、あるべき都市圏の将来像で示した連携強化を図るものでございます。都市内の緑化空間あるいは水辺空間を創造し、かつ、歩行者自転車公共交通への空間再構築を図るために、高速道路とのアクセス強化については国道5号を活用することとし、重点的に機能強化を検討してまいりたいと考えてございます。  その下をごらんください。  これら骨格の取り組みと、さらには、今ある道路網を生かす、上手に使うといった取り組みを進めることを述べております。  四角の一つ目でございますけれども、道路空間の再構築という視点でございます。今後の地域ごと交通状況の変化に応じ、従来の自動車重視道路空間歩行者自転車及び公共交通を重視する空間に転換するというような視点を述べているところでございます。その横にイメージ図を配置しております。  続きまして、17ページをごらんください。  公共交通に関する計画でございます。  ここでは、公共交通の骨格を形成するものを、同様に水色の箱の部分でございますが、2空港・3港湾・1新幹線・鉄道3線・地下鉄3線、これらを基軸として骨格の公共交通をなすということで整理をしております。その下に、概念図とともに軌道やバスによる機能向上ということで、清田方面石狩方面につきましてマスタープラン位置づけをしているところでございます。  17ページ目の概念図でございますけれども、グレーの丸で表記をしておりますところが、札幌地域内では地域中心核、札幌市以外の6市3町ではそれぞれの中心市街地といったところを生活拠点として位置づけをいたしております。特に、今回、軌道やバスによる機能向上を検討する方面として、清田方面及び石狩方面について生活拠点の強化を検討していくという視点でとらえているところでございます。  これらの説明につきまして、18ページ目の下の文章をごらんください。  軌道やバスによる機能向上として、各地域の生活拠点を結ぶ交流・連携軸のうち、骨格公共交通網が脆弱な福住から清田間、あるいは麻生から石狩間につきましては、軌道やバスによる連携強化を検討し、年間を通じてだれもが安全・安心に暮らせる交通環境、あるいは、環境に優しく持続可能な都市を支える交通環境の実現を目指し、検討を進めてまいりたいと考えてございます。  次に、19ページ目でございます。  横断的に取り組むべきテーマということで整理いたしております。  これまで暮らし、活力、環境という三つの視点でとらえて検討を進めてきたわけでございますけれども、2段落目にございますように、積雪寒冷地である道央都市圏では冬の問題が非常に重要であるということ、また、道央都市圏北海道の中心である都市圏コア交通課題の解決は道央都市圏全体に効果が波及するというように大変重要でございますので、これらにも、再度、焦点を当てて横断的に取り組むべきテーマとして再整理しているところでございます。  また、20ページ目は、将来目標値の設定でございます。  ここでは、それぞれ暮らし、活力、環境の三つの視点で代表的な指標を掲げ、目標を達成するという設定をいたしております。  最後でございますが、表紙にお戻りいただきたいと思います。  表紙の一番下に書いておりますように、今回、都市交通マスタープラン(案)として取りまとめを行いましたので、道央都市圏総合都市交通体系調査協議会として、2月12日から3月13日までの30日間、パブリックコメントを実施し、市民意見を募集するということでございます。 ○細川正人 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆桑原透 委員  私から、質問させていただきます。  今、説明があったとおり、道央都市圏において人口が減少し始めているということであり、このことに伴い、20年後の将来交通量も6%減少する見込みが示されています。少子高齢化の進展により、生産年齢人口が大きく減少し、通勤や通学目的の移動が減るという説明を前回の中間報告の際にも受けましたが、これらを支える公共交通が大きく減少することから、将来的にもこれを維持していくのがかなり懸念されるところだというふうに考えております。  また、10年前に比べ、高齢者の免許の保有率も高くなり、自動車登録台数が増加し、私用目的での移動が多く、高齢者自動車を頼りに生活しているものと想像されます。しかし、いずれ、さらに高齢になれば運転免許を返納するときが来ます。そのときには、やはり公共交通高齢者の移動を支える唯一の手段になるというふうに考えております。  一方、前回の説明では、中央区と各区の動きは減少しているところでありますと。しかし、依然として相当多くの移動があるわけで、都心の活性化という面では、郊外から都心への自動車による移動は必要不可欠なものである一方、環境面では、自動車による移動ではなく、公共交通による移動が望ましいわけです。その辺のバランスが非常に難しいのですが、環境面も考慮しながら都市圏の活力を高めることが重要だというふうに考えています。  そのためにも、利便性の高い公共交通でなければならず、そういう意味で、都心を中心に各方面に伸びる地下鉄やJRが極めて重要であり、軌道やバスによる機能向上をすべき区間として位置づけられている清田方面への地下鉄延伸については、10万人以上の人が住んでいる清田区のみならず、札幌ドームへのアクセス性の向上など、全市的に見ても大変重要で、こうした取り組みにより、市民に公共交通を積極的に利用してもらうことで、活力と環境のバランスが図られるものというふうに考えています。  また、人々の行動の多様化に伴い、中央区と各区の移動のような放射状の動きではなく、中央区以外の各区間を移動する横方向の移動についても少なくないのではないかという思いがあります。基幹となる放射状公共交通とあわせて、横方面への需要に対応した公共交通を導入することも重要だというふうに考えます。  今回は7市3町で構成する道央都市圏都市交通マスタープランでありますが、これだけでは市民生活にどのような影響があるのかという実感がわかないのではないかというふうに思っているところであります。  そこで、質問ですが、圏域でのマスタープランの策定後、札幌市として今後どのようにこれを進めていく考えなのか、このことについてお伺いいたします。 ◎丸田 総合交通計画部長  それでは、私から、マスタープランを踏まえた札幌市の今後の取り組みについてお答えいたします。  都市交通マスタープランの主な内容は、圏域内の人の動きを支える骨格道路網骨格公共交通網のあり方を示すものであり、路面電車やバス、自転車などの主に市内の人の動きを支える交通については、これまでも各市町が独自に検討を進めてまいりました。  そこで、札幌市としての検討に際しましては、都市交通マスタープランでも大きな課題として示しているとおり、将来の超高齢社会の到来を念頭に置き、それぞれの地域においてどのような交通取り組みが必要となるのか、地域特性に応じた検討を進める視点が必要であるというふうに考えております。このため、平成22年度から仮称札幌総合交通計画の策定に向けた取り組みを進め、各交通モードの基本的な考え方を整理しますとともに、交通戦略としておおむね10年間に取り組むべき施策を体系化し、取りまとめることとしております。 ◆桑原透 委員  この後、10年後に向けて、路面電車を含めた軌道系交通の部分について検討を進めるということになっています。やはり、今回のマスタープランの案にもあるように、これから高齢化がどんどん進んでいくということで、当然、バス路線にしても地下鉄にしても、利用は減るといっても大変重要なものだというふうに思っております。自家用車がこれだけふえてはいますが、やはり、お年寄りが移動に一番使うのは最終的にはバスであり、地下鉄であり、電車なのかなというふうに私は思っています。その部分において、マスタープランは10年後、20年後のプランではありますが、もうすぐそこまで来ている事実を踏まえ、札幌市だけではなかなか検討ができない部分もあるというふうに思っています。7市3町でやるということでございますので、そのあたりを加味しながら積極的な論議をしていただいて、住みよいまち札幌をつくるために各部局にも積極的に参加していただいて、住民も加えた形で、ぜひ実りあるものになるようにお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆長内直也 委員  私も、質問させていただきます。  まず、今回の都市交通マスタープランですが、この前の委員会でも議論があったかもしれませんけれども、2030年、今後20年間を想定したプランだということになってくると、現状の札幌市のまちづくり全体の計画としては第4次長期総合計画があります。しかし、長総はたしか2020年までとなっているわけです。そうすると、札幌市の長期のまちづくり計画を突き抜けた交通プランになってくるわけですね。  そういうことになると、私としては、先に長総があって、その中で交通がどういう位置づけかというふうにいくのが普通だと思うのです。たまたまつくっていないからこうなったということかもしれませんが、この辺の整合性をどうとるのか。それから、少なくとも札幌のまち全体の計画も一緒に考えていかなければ、交通のことだけでは――交通まちづくりそのものではありますけれども、全体としての計画がないと、この計画もなかなかつくられないのではないかと思うのですが、この辺はどのようにしていかれるつもりなのか。 ◎丸田 総合交通計画部長  長総との整合性、これから先の長総を超える部分についての考え方ということだと思います。  まず、一つには、今回の圏域のマスタープランにおいて、7市3町ということですから、それぞれに長期の考え方ということでは年次も違ったりする中でなぜ今やったのかというのは、先ほどご説明したとおり必要性が高いという中で進めてきました。  今回の札幌市の整理といたしましても、長総を超える年次ではありますけれども、将来に向けて、先ほど言いました人口の減少であるとか、少子高齢化であるとか、それから、札幌市のこれからの観光に向かう姿であるとか、その辺につきましては、各部局でかなりの議論を行いながら、将来のあるべき姿を想定した上で、交通がどう支えていくのかという視点に立って議論した上で圏域のマスタープランの策定に臨んでおります。  したがって、手順として、全体の長総というものをしっかりした上で、それとあわせて交通をつくるのが本来の姿だと私も思いますが、今、それぞれの7市3町の現状を踏まえ、人口等の増嵩も踏まえながら、それを全体的に見て議論した中で交通がどう向かうかという方向性を示すに当たっては、そういう手順ではない形もあるのかなというふうに考えながら、7市3町の中で、開発局、北海道も加えながら策定してきたという経緯でございます。 ◆長内直也 委員  全く理解できないわけではないのですが、そうすると、今回の7市3町は札幌も入れて7市なのですね。札幌以外で2030年までの長総をつくっていない市町村はあるのですか。 ◎丸田 総合交通計画部長  先ほど言いましたように、今、細かい数字を持っておりませんが、それぞれの市町は、長期的なまちづくり考え方、札幌市で言う長期総合計画というような形のものは持っていらっしゃいますけれども、それぞれの年次はばらばらであるということでございます。 ◆長内直也 委員  ばらばらなのはわかるのですが、要は、札幌市以外のところでは、例えば、2020年までしかないのか、2040年まであるのかと。今はそれもわからないということですね。 ◎丸田 総合交通計画部長  現状ではただいま数値を持っておりません。 ◆長内直也 委員  それは、また後で調べていただきたいなと思っております。  そのことは全く理解できないわけではないのですが、私は、やっぱり長期総合計画をしっかりつくるべきだと。これは、我が会派としても以前から主張させていただいておりますので、ここの中だけではできないかもしれませんけれども、しっかり取り組んでいただきたいということであります。  中身についても若干質問したいと思います。  長期ということもあり、今まで経験のない人口減少に向かう中で、なかなか夢のあるプラン、具体性が出てこないということをちょっと感じるのです。やっぱり、幾ら長期とは言っても、もう少し具体的なものがこの中に出てきてほしいなというふうに思うわけであります。  例えば、道路でいきますと、15ページ、16ページを見ても、我々がこれを判断するのは、都心アクセス強化道路軸、丸のついているここぐらいが、唯一、具体性を持って今後考えてくれるのかなという感じがするのですね。もちろん人口がどんどんふえる時代ではないですから、あれもこれもつくるというわけにはいかないのはわかります。しかし、具体的に市民にこれを提示して意見を求めるということであれば、やっぱりもう少し具体性に踏み込んだものをつくっていただきたいなというふうに思うのです。  そこで、道路に関して、本当にこの部分くらいしか見込みがないのかどうか、そして、これすらも実現できる可能性がどうなのか、その辺のことを一つお伺いしたい。  それから、全体のこの計画の中で方向性がいまいちわからないのは、車を減らしていきたいということなのか、それによって公共交通へ誘導していきたいということなのか、あるいは、車は車で交通に占める重要な位置として減らすという考え方は持たずに道路網を考えていくのか、方向性がわからないのでこの辺についても確認したいと思います。 ◎丸田 総合交通計画部長  道路網のところでの新規の見込みとか可能性ということだと思います。  まず、一つに、圏域でつくる都市交通マスタープランというのは、先ほどもお答えしましたけれども、圏域内の人の動きを支える骨格道路網であったり、骨格の公共交通考え方という整理の仕方をしております。したがって、各市町村は、これを骨格として、さまざまな形でそれにつながっていくネットワークはどうあるべきかという議論がここから始まっていくというふうにご理解いただきたいと思います。  具体的なものがないのではないかというところでございますけれども、7市3町、開発局、北海道が一つのテーブルに着き、これからの人口減少少子高齢化などの社会を踏まえながら道路はどうあるべきかという議論をしてきたことは、我々としても非常に価値があるのだろうという判断をしております。その中で、現在、道路という形について、アクセス道路というようなところも踏まえて表示できたことがこのマスタープランの成果ではないかと思います。より具体的には、さらに各市町村での検討になるかと思います。  それから、車を減らしたいのかどうなのかという議論でございますけれども、今現在、この圏域の調査によれば、将来的に20年後には黙っていても車は2%減るということですね。公共交通については、鉄軌道などは黙っていると9%減っていくというのが推計値です。したがって、我々としては、これからの時代を踏まえると、車がどんどんふえていくという時代ではないだろうと。そこで、そういう空間をうまく使いながら、人や環境に優しいまちづくりに寄与する交通にさまざまに振り分けていけないかという議論をしたわけでございます。  それから、公共交通については、黙っているとこれは落ちていきます。ただ、先ほど言ったように高齢者の方には非常に重要な交通でございますから、これから、それをどのような形で維持していくのか、あるいは展開していくのかということについて、札幌市として、来年度以降、また真剣に議論させていただきたいと考えております。 ◆長内直也 委員  私は、いまいちイメージがわかない部分があるのですね。やっぱり、これは、手続上というか、市民の声を広く聞くということなのでしょうけれども、これは、何というか、具体性のないものの中で意見をと言われても、意見を言う側からすると、どうしても個別・具体的な話に関心があるわけですよ。そういうことになると、意見を求められた側としても、やっぱり、ちょっとわかりづらいなと。我々もわかりづらいということは否定できないと思います。  そんな中で、もう一つお伺いしたいのは、17ページは公共交通の話ですが、軌道やバスということで、軌道とバスを一緒にしているのですね。先ほど地下鉄の延伸という話がありましたけれども、軌道なのか、バスなのかというのは結構大きいのではないかと私は思うのです。これも、方向として、ここまでは軌道系で持っていきたいというのか、あるいは、そこからバスをつなげていくということなのか、それが同じ色で示されていたのではなかなかわかりづらいなと思っています。  10年間の中で計画をつくると言っていましたけれども、既に路面電車もこれだけ話題になっているわけですから、やっぱり、今の時点で方向性をちゃんと決めて、ここまでは軌道系にしていきたいのだということがあって市民に提示するのが本当ではないかなと私は思うのですが、これについてお伺いしたいと思います。 ◎丸田 総合交通計画部長  道央都市圏7市3町という中でのまとめでございますので、札幌市のところで言えば、先ほどお答えしたとおり、自転車、バス、電車といったような札幌市の中で今議論しているもの、あるいは、これから議論しなければいけないところについては、この中では詳しくは触れられていないところでありますし、軌道なのか、バスなのかというところも、まさしくこれからの議論ではないかと思います。我々は、軌道系を敷くとか、そういうものありきということではなくて、この圏域のマスタープランの中でお示ししたかったのは、まちづくりと連携しながらそれを支えていく機能が必要である、それが軌道なのか、バスなのか、そこはこれから議論をさせていただきたいということでまとめたものでございます。 ◆長内直也 委員  その辺は、7市3町でやっているからと、具体的なものは札幌市としての計画をつくる中で議論していきたい、こういうことなのでしょう。  それでは、今回、これからこれをパブリックコメントに出すというのは7市3町の住民を対象にしてやるということなのですね。でも、ここで議論する内容としては札幌市以外の市町の話はこの中では出てきませんので、なかなか議論がかみ合わないのかなと思います。今のような話は、具体的に札幌の計画をつくるに当たってこれから議論する場があると思いますので、そちらの方でしっかり詰めていきたいと思います。  繰り返しますけれども、何かちょっとイメージがわきづらいというか、余りに広い話ですから、札幌市民の立場からするとちょっとわかりづらいということは否定できません。その辺は、皆さんからすればほかの市町の関係もあるのでしょうけれども、やっぱり、できればこれを札幌市にかみ砕いた形で市民に提示できるものが何かないのかなというふうには思っております。 ◆芦原進 委員  今の長内委員と若干関連しますが、2月12日から3月13日までパブリックコメントをされるということですけれども、具体的にはどういう形でされるのか。  というのは、このプランをこのままぱっと出されても、先ほど話があったように、非常にわかりづらい。また、実際の自分の生活の中ではなかなかこれを実感できない、また、できる人は非常に少ないのではないかという気がするのですね。具体的にどういうパブリックコメントのやり方をするのか、また、どれくらいの方にパブリックコメントをいただこうというような目標値があるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ◎丸田 総合交通計画部長  パブリックコメントについてお答えいたします。  今回のパブリックコメントは、7市3町でつくります道央都市圏総合都市交通体系調査協議会という形で行います。その中で、これまでもホームページ等を作成しながらやってまいりましたので、そのホームページ等を通じたパブリックコメントが一つ、さらには、きょうの資料は本当に抜粋ですから、調査から始まった内容の冊子については、この協議会に所属します北海道、開発局、7市3町にそれぞれ窓口を設けまして、閲覧、そして資料の配布に心がけます。さらには、それぞれの市役所あるいは町役場だけではなく、道の駅でありますとか、JRの各駅とか、バス協会では設置可能なバスターミナルであるとか、そういうところでの配布にも努めながらパブリックコメントを行いたいというふうに思っています。  それから、我々は、札幌市に対するご意見ということでも、これから先の仮称総合交通計画の検討に向けてさまざまな意見をいただくようなことで考えております。
    ◆芦原進 委員  大体やり方はわかりましたが、今までのパターンと余り変わらないとらえ方ですね。本当に20年後を目指すのであれば、さっき言ったように、市民生活にどう直結するか、暮らしにどうかかわってくるかというご意見もいただかなければならないと思うのです。置いているから見てくださいよというだけで本当に意見を集約できるのかということは、非常に危惧します。  それから、ホームページと言いますが、高齢者にはホームページからといってもなかなか難しいこともあるし、道の駅も、車に乗る人はいいでしょうけれども、そうはいかないですね。やはり、市民全般の方がこれにどう参加できるのかというように、もう少し細かく具体的に、また、どれくらいパブリックコメントをいただこうかという目標値ぐらいは置いてもいいかなと思って聞いたのです。それに対しては答弁がございませんでしたので、要望として、もう少し具体的に、本当に市民の皆さんが理解できるようにやっていただきたい。また、きちっとした数値目標も掲げながら、どこまで迫れるかわかりませんけれども、そうしないことには、ただ単に置いてやりましたよだけで終われば過去と同じようになってしまいます。やはり、20年後ということを目指すのであれば、それなりのやり方があると思いますので、しっかりやっていただきたい。  これを要望して、終わります。 ◆井上ひさ子 委員  前段で議論されておりますが、大事な問題なので、私からも、1点質問したいと思います。  マスタープラン計画理念暮らし、活力、環境の三つの視点から定めていまして、人口が減っていく、少子高齢化、それから市街地拡大の抑制が続いていますし、とりわけ財政の厳しさなど、やっぱりこの10年間の社会状況の変化を反映するようなデータになっているなというふうに私は思います。この中で、高齢者が増加して病院通いとか私的目的の車がふえると先ほどもありました。子どもたちは減っていって通学も減少していく。ですから、将来的には車も減っていく中で、道路をどんどんつくっていくようなかつてのやり方から、日々の暮らしをしっかり支えていく、生活道路の段差の解消とか、今、冬ですとつるつる路面の問題やバリアフリーなど、こういう暮らしの中での安心・安全の視点に立つことが大事だというふうに私は思います。その中で、住民の交通手段としての公共交通機関の位置づけですが、このままでは大変困難があらわれるということで、これを維持していくという位置づけ、方向性をきちんと出していくべきだというふうに私は考えていますが、この辺はいかがですか。  また、環境問題についても、三つ目に述べられていますが、都心の混雑とか渋滞については、今までの延長では本当に二酸化炭素の排出を制限できないというふうに思いますので、都心には本当に業務以外の車はなるべく乗り入れさせないように制限するなど、そして市電、バス、地下鉄公共交通を生かしていく、そういうところが大事であります。また、自転車利用の増加が大変見込まれる中では、要望の強い自転車専用道路の整備などについてもやはり取り組むべきではないかと思うのですね。  先ほども市としてこれからどういうふうに進めていくのかというご質問もありましたけれども、今後の取り組みについて、1点だけお聞きしておきたいと思います。 ◎丸田 総合交通計画部長  公共交通の方向性というようなご質問が一つ、それから、環境ということが一つだと思います。  まず、方向性については、先ほどご説明した資料の17ページの骨格公共交通網という中で、2空港・3港湾・1新幹線・鉄道3線・地下鉄3線ということで、これからも、今の札幌市を含めて、現在の公共交通体系をしっかり維持したいということを打ち出しております。そういう意味では、今後、さらに利便性の向上による公共交通の利用促進ということも重要だと思います。それから、都心部の自動車交通については、減るとは言いつつも、都心部の自動車交通の実に35%を通過交通が占めております。すなわち、そういうところに目を向けた施策の展開ということを行えば、この数を減らすことによってかなりの環境負荷を低減できるのではないかという考え方に立っております。そういう意味では、環境にも配慮しながら、市民の暮らしを支えて活力ある都市圏を目指すというのが我々札幌市にとって重要であるというふうに考えているところでございます。  その中で、自転車利用というお話もありましたけれども、今回も、マスタープランの16ページでございますが、道路空間再構築ということで、できる限り人と環境に優しいといった視点での空間の振り分けについて検討を進めていきたいというふうに思っているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  公共交通の体系をしっかり維持していく、この中でもそういうふうに打ち出しているというお話だったと思います。また、環境問題についても、通過交通を改善できれば減っていくというご答弁だったと思いますので、私は、より一層、公共交通機関の役割が大事だと思います。  そこで、先ほども、マスタープランがつくられて、平成22年度に総合交通計画の策定を進めていくというご答弁がありました。この間、バス問題をめぐってこの委員会でも議論が繰り返されてきました。本市においては、すべてバスが民間に移譲されて事業者が担っている中で、やっぱり、これを維持していくという中で補助制度がスタートしてきているのですね。  こういう中で、私どもは、総合交通計画を持って市民の足を守るべきだということで、この間、繰り返し求めてきました。今後、これが検討されていくわけですけれども、やはり、民間事業者任せではなくて、公共交通機関としての役割について、市民、利用者の声をきちんと反映させていく、ぜひこういう視点を入れて検討すべきだというふうに私は考えますが、これについていかがか、伺います。 ◎丸田 総合交通計画部長  今回は道央都市圏ということでまとめをしておりますが、先ほど申しましたとおり、来年度から札幌市の総合交通計画という形で具体的に取り組みます。その策定に当たっては、今、検討委員会の設置を検討しております。その中で、先ほどからご指摘があるとおり、市民の視点というのは重要であるというふうに我々も思っておりますので、策定委員として公募市民にもご参加いただくことを現在検討しております。その都度、さまざまな形で議論をいただきながら、また、素案がまとまった段階で今度は具体的な形でパブリックコメントができればというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  20年間の計画の中で、実践的に5年、10年と、そして、すぐやれる計画、そういう方向に今持っていこうとされているのかなというふうに思うのですね。私は手稲区ですから、先ほど来、清田区の問題などでもこれから人口や車の利用者が減るという話もちょっとしていましたので、一言だけ申し上げたいのです。  実は、私どもの地域のことを言いますと、今、循環バスなどがありまして、これも、連合町内会などが本当に協力しながら、テストをしたのは中央バスでしたが、実施したのはジェイ・アールバスなのですね。皆さんがすごい工夫をしながら、その沿線の排雪も含めて協力して、既設の路線にはなっていませんが、1年ごとの路線として継続されてきているのですね。  それから、地下鉄が宮の沢まで来まして、そのときにはバス路線は減らなかったのですが、稲穂とか金山の遠いところ、小樽の境沿いのあたりは、その後、やっぱりバスは減っているのですね。そして、宮の沢駅に直結するバスなどがあって、それに乗って都心に来るとしたらバス代が相当高い。そして、都心までの直行便というのは先ほどのようにいろいろな問題があるのですが、快速も3時間に1本とかどんどん減らされてきているのですね。  ですから、本当に手稲区や清田区、厚別区は地下鉄、JRの両方がありますけれども、そういう面では本当に地域の声が反映されるように、私はその視点がとても大事だと思うのですね。検討委員会を立ち上げて、公募の委員も入れていくということですが、同じ札幌ですから、きちんとそういうものを公平に使えるように、そして、事業者だけに任せるのではなく、やはり市としての役割を発揮していただきたい、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆坂ひろみ 委員  私は、環境に優しい乗り物の一つである自転車に視点を置いた質問をいたします。  今、環境重視の政策が国を挙げて盛んに行われておりますけれども、CO2など地球温暖化の問題に対して交通が与える影響というのは非常に大きいことから、環境への影響をなるべく小さく、移動手段として交通を使い続けても地球環境の悪化を生じさせない持続可能な交通を目指すことが今求められています。札幌市も、国との連携で、都心部におけるESTモデル事業とか、CO2を排出しない交通手段である自転車環境整備にこれまで取り組んできております。  しかし、これまでの自転車に関する施策や事業は、放置自転車や駐輪場の整備などに重点が置かれ、マナーやルールを守ってとめる、駐輪する以前の、まずは走るという走行環境の整備がなかなか進んでいないのが現状です。昨年の陳情審査以来、このことについては継続して指摘をし、提案してきたところであります。  現在、自転車利用総合計画策定を目指して自転車利用のあり方検討会議が開催されていますが、今回のマスタープラン自転車の利用環境の改善が必要であるとはっきり明記されたことは大変意義があると受けとめております。前回のマスタープランと比較しますと、自動車だけではなく、歩行者自転車をも重視する視点で取り組んだことが大きな変更点となっています。自転車利用環境改善に向けた道路空間の再構築として自転車専用道路がイメージ図として16ページに盛り込まれたことは、市民にも大変理解しやすく、評価するものです。今後、策定される札幌市の自転車利用総合計画の実現に向けた根拠として、大きな後押しになるものと期待しています。  マスタープランは、道央都市圏交通体系と施策ということですから、自転車走行環境の具体的な整備について明記されていないことは理解しております。しかしながら、札幌都心や駅周辺で増加する自転車の利用環境の改善が必要ということが、課題の4点目として5ページに明確に挙げられています。  そこで、質問の1点目に、道央都市圏という広域の都市交通計画の中に自転車利用を含めた道路空間の再構築が盛り込まれた背景についてと、道央の中心核となる札幌市としてこの点をどのように受けとめておられるのか、伺います。  2点目は、マスタープランに示されている都心部以外の自転車利用の環境整備が必要な地域についてです。  パーソントリップ調査の結果から、本市として、具体的に、例えばJRや地下鉄などの駅や、どういったエリアを想定している箇所があるのか、伺いたいと思います。  3点目に、昨日、冬期間の雪のたい積スペースを夏の自転車専用道に活用といった報道がございました。ルールやマナーを守ったり、駐輪場に正しくとめることができるためには、まずは安全に走ることができる走行空間を確保することが最優先であるのは言うまでもありません。  そこで、今月20日の検討会議で示された提言骨子を含め、これまでの検討会議での議論や開発局、道警の見解などを踏まえ、来年度以降、札幌市として自転車専用道の整備拡充についてはどのように進めるおつもりか、お考えを伺いたいと思います。 ◎丸田 総合交通計画部長  1点目は、自転車走行空間確保に転換する考え方とした背景と、市としての受けとめ方ということだと思います。  まず、大きいのは時代背景というのが挙げられると思います。これまで、高度経済成長から続く自動車の増加に対応すべく道路空間を確保してまいりました。最近は、環境意識の高まり、通勤・通学の交通手段としての自転車利用の増加などを受けまして、自転車をこれまで以上にしっかりとした交通モードとしてとらえて対応していかなければならない時代になったという考え方が圏域の会議の中でも示されたところでございます。  そのような中、今回のパーソントリップ調査でも、全体的な自転車利用は減少していくということではございますけれども、札幌都心部であるとか駅周辺での自転車利用が増加しており、これは将来的にもふえていくと。しかしながら、将来的な人口減少に伴って、一方で自動車は2%ほど減っていくという推計となっております。  そういった意味で、このような時代背景と調査結果から、今後は、地域ごと交通状況の変化を的確にとらえながら、可能なものについては積極的に道路空間歩行者自転車などを重視する空間に転換することができる可能性が高まったことから、この考え方を7市3町でつくったマスタープランの中にも盛り込むこととしたものであります。  本市といたしましても、マスタープランで示した基本的な考え方に基づきまして取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。  それから、2点目は、今、どこか、具体的に進めようという場所があるのかというご質問だと思います。  説明資料の5ページにありますけれども、この調査で得られるのは、駅端末交通量のうちの自転車というのは第2回のパーソントリップ調査時の交通量に比べて20年間で3倍にふえています。これらのデータについては、圏域内全体の人の動きのうち、駅端末に至る交通量の中の自転車を抽出したものでございます。すなわち、何かの目的で動いているときに自転車に乗っている人ということで拾い上げておりますので、個別・具体の駅のデータについてはまだ出ていないということでございます。今後は、各駅ごとのデータを分析しながら、既存の調査結果も活用して、対策が必要な箇所をピックアップして優先して取り組みを進めていくことになろうかと思います。  それから、3点目は、自転車走行空間の拡充についてということだと思います。  今回のマスタープランは、将来の交通の量及び質が変化することから、従来のつくるという視点から、地域の実情を踏まえ、生かす、または上手に使うという視点に立った策定を進めてまいりました。また、これら都市交通マスタープランの策定と並行して、学識経験者や関係団体、市民などで構成される自転車のあり方検討会議で、自転車駐輪対策、走行マナー、自転車利用環境などの考え方を提言書として取りまとめられる予定で会議が進んでおります。この会議の中では、北海道警察、国道を管理する北海道開発局なども参加し、それぞれの立場でそのあり方についてより具体的なご意見をいただいているところでございますので、今後は、現状の自動車交通量自転車利用の状況を勘案しつつ、利用環境の改善が必要な箇所を中心に道路空間を適宜使い分けていく取り組みについて具体的な検討を進めてまいりたいと思います。そして、それを仮称札幌総合交通計画の中でも反映させていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  自転車に関しましては、札幌市の方でも、環境整備が必要だということで、社会実験も含めて、もう何年も前から随分たくさん取り組んでこられたことは評価をしております。しかしながら、やはり、自動車を優先したまちづくりが進められ、自動車を優先した道路がもう既にある中で、どういった自転車の走行環境を整備していくのかということについては非常に難しいということも理解しますけれども、一方で、やはり、札幌市のみならず、こうした広域圏の中でも自転車がこういった形で位置づけられ、走行環境の整備が必要だということが、今回、改めてマスタープランに盛り込まれたのですから、これを受けて、札幌市としても、当然、札幌市の総合交通計画なり自転車の利用計画もこれから策定されるというふうに思っております。評価する一方で、やはりどうしても指摘せざるを得ない状況がありまして、自転車専用道路というふうな言い方をしますと、行政の方は、非常にアレルギーといいますか、なかなか難しいということで、そういった言葉は使われませんけれども、やはり、こういう時代背景の中で、今後はぜひ自転車専用道路を含めた自転車の走行環境の整備に積極的に取り組んでいただきたいと思います。  きょうは、担当の課長もお見えになっておりますので、ぜひきちんとした位置づけのもと、計画を策定し、次年度以降、喫緊の課題として取り組み、早期に実現していただきますよう強く求めまして、質問を終わります。 ○細川正人 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○細川正人 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時4分...