次のページをお開きください。
5ページ目の課題3は、冬期の状況についてでございます。
左上の図面につきましては、秋と冬の
旅行速度が20キロ以下になる地点をプロットしたものでございます。秋に比べ、冬の方が赤点のドットが非常に密になっている状況がごらんいただけるかと思います。また、その下に時計のような絵をかいておりますけれども、これは、通勤・通学に所要している時間を秋と冬で比較したものでございますが、秋は平均的な時間が25分に対しまして冬期は33分かかっており、おおむね1.3倍くらいの時間を要している現状となっております。
また、その下の課題4は、
自転車に着目いたしております。
左上は、
札幌都心発着交通を
交通手段別に見たものでございます。
自転車の都心の
発着交通は、総体的な量はそれほど多くはございませんが、一方、赤の点で示すように、
伸び率は2.07倍と大きく増加しております。また、その隣の
棒グラフでございますけれども、
駅端末の
交通手段のうち、徒歩や
自転車につきましては非常にふえていることをご説明したものでございます。
次に、6ページ目の課題5の環境に関連する課題でございます。
中ほどの
グラフでお示ししておりますのは、10分以内の
短距離移動の
自動車が、第2回、第3回の調査に比べて今回の調査ではふえていることが調査結果でわかっております。この傾向が続きますと、二酸化炭素の
排出量がどんどんふえてしまうのではないかといった懸念があるところでございます。
続きまして、7ページ目をお開きください。
都市交通マスタープランを策定する
必要性につきまして、ここで整理いたしております。
大きく三つの項目で整理しておりますけれども、
一つ目の項目は、
人口増加に伴います
経済成長からの転換という視点でございます。
グラフをごらんいただきますと、赤の
折れ線グラフで示しておりますのは市内の総
生産額ですが、これまでは大きく伸びてきたところでございますけれども、近年の
横ばい傾向から、最近は減少に転じているものでございます。また、人口につきましては、積み上げの
棒グラフで示しているところでございますけれども、これまでの
人口増加から、最近は
増加率がやや
減少傾向にございます。そこで、青の字で示しておりますように、こんな時代であるからこそ、
人口減少下での持続的な発展、あるいはグローバルな視点での
競争力の向上、こういった視点が重要であるというふうに考えてございます。
また、2
項目めは、
マスタープランの
目標年次である2030年には、
道央都市圏の3人に1人は
高齢者になるということでございます。こんな時代であるからこそ、歩いて暮らせる
まちづくり、あるいは
公共交通の維持、こういったことが重要であろうということでございます。
また、3
項目めにつきましては、環境に対する意識の高まりということで、
自動車依存の傾向が強まっている一方で、環境のために
自動車の使い方を見直してもよいと考える人もおられます。こういった意味から、
環境負荷の少ない
交通システムであったり、環境に配慮し、自然と共生する
生活スタイルの実現といったことが重要であろうと思っております。
こういったことから、一番下に整理しておりますけれども、これからは、新たにつくるという
考え方から、既存の
交通施設を生かす、または上手に使うといった視点が大変重要になるものと認識いたしております。
また、8ページ目の
計画理念とあるべき将来像でございます。
上位計画からもたらされる
計画理念として、
暮らし、活力、環境の三つの視点を抽出しているところでございますが、
中間報告と同様の内容なので、ここでは省略させていただきます。
続きまして、9ページ目に将来像を実現するための重要な
ポイントをまとめております。10ページの交流・連携の
概念図とあわせてごらんください。
ポイントの
一つ目は、選択と集中を図るという
考え方で、各拠点に
中心的機能を集中すべきという
考え方を述べてございます。
市街地の拡大を抑制し、
土地利用にめり張りをつけるという視点、それから、各拠点の
交通機能の向上を重点化していくのだという
考え方、さらには、拠点を中心として歩いて暮らせる
まちづくりを実現していくのだという視点を整理いたしております。
また、
ポイントの
二つ目といたしまして、おのおのの
連携強化を総力戦で行っていくという
考え方でございます。三つの
連携強化が必要であろうということで、1といたしまして、
拠点相互の
連携強化でございますけれども、札幌市など、
高次医療などがあり、高次な
都市サービスをすべての圏域の
人たちが享受できる
環境整備が必要であろうという認識でございます。また、2として、
エリア間の
連携強化という観点で、
圏域内の7市3町がそれぞれの特徴を有しているわけでございますけれども、1次、2次、3次といった産業の
エリアを連携することで
地産地消や産業の
活性化につなげていくという
考え方でございます。また、3につきましては、広域の
連携強化という観点では、
北海道、ひいては日本、世界との
つながりを強化していくという観点で
道央都市圏の
重要性があるという認識でございます。
また、
ポイントの
三つ目でございますけれども、
既存ストックをうまく使って効率的に進めていくという観点でございます。現在の
鉄軌道網や
高速道路網、空港や港湾といった
社会基盤ストックを最大限活用していくというような視点で述べているところでございます。
続きまして、11ページから14ページにつきましては、
計画目標と
基本方針を
暮らし、活力、
環境ごとにそれぞれ整理をしているものでございます。
続きまして、15ページ目をお開きください。
15ページにつきましては、
道路に関する
計画でございます。その
考え方を上の3行で整理いたしております。
人口減少や厳しい
財政制約の中、目標とする将来の交流、連携を支えるためには、既存の施設を生かし、上手に利用することが重要でございます。
道路におきましては、
既存道路を活用し、必要なネットワークを維持・充実させるとともに、
道路空間を
利用ニーズや
地域状況に合わせて適切に使い分けていくという視点で
計画づくりを進めてまいりたいと考えてございます。
そこで、
骨格道路網を形成いたします部分を水色の下の箱のところで整理いたしております。2高速・3連携・2環状・13
放射道路として
骨格道路を
位置づけているものでございます。
16ページの右上の
白抜きの箱をごらんください。
2
高速道路は、
東日本高速道路株式会社が管理している
高速道路でございます。
次に、3
連携道路でございます。
一つ目として、
道央圏連絡道路は、従前から
位置づけ、整備しております国道337号でございます。また、2点目も、
札幌圏連携道路として従前から
位置づけ、整備されております
札幌北広島環状線などについてでございます。今回、これまで2連携と言っていたものを3
連携道路として
位置づけをいたしておりますが、その横に文章で整理しております。
南回り連携道路は、小樽、
札幌南部、恵庭、千歳といった
自然体験型の
観光ゾーンを経由する観光の
連携軸として重要な軸線であるということで、改めまして、今回、3
連携道路として
位置づけたものでございます。
また、その下の2
環状道路でございます。
一つ目の内
環状道路は、都市
計画決定され、整備がなされている
環状通でございます。
二つ目の
外環状道路は、既存の
道路網を活用することとし、隘路の解消などの
機能強化を重点的に図っていくことで、
南部地域における
交通の
円滑化と
環状機能の強化を図ってまいりたいということで、改めまして、
一般道路の
機能強化というところで
位置づけをいたしているものでございます。
また、その下の13
放射道路でございます。
第3回
パーソントリップ調査に基づく
マスタープランで掲げました11
放射道路に加えまして、
豊平川通と国道453号を新たに
放射道路に
位置づけ、南区方面の
生活拠点、
観光拠点間との
アクセス性向上による
連携強化を図り、
都市圏の
活力向上を図っていくということで、改めまして13
放射道路として
位置づけをいたしてございます。
15ページの
概念図をごらんください。
概念図の左下に凡例がございます。一番下に
都心アクセス強化道路軸として丸の表記をいたしております。
概念図の中では、
真ん中にございます
都市圏コアから上の
北方向に伸びておりますところ、あるいは、
都市圏コアから下側の
南方向に伸びているところを
都心アクセス強化道路軸として
位置づけているものでございます。
もう一度、16ページの文章の方にお戻りください。
都心アクセス強化道路軸につきましては、
暮らし、活力、環境の三つの視点で有効な
道路軸の形成を図るため、
石狩方面、南区方面につきまして、
自動車の
円滑性向上を重点的に図る路線に
位置づけるとともに、既存の
骨格道路網や
公共空間の状況を勘案しつつ、あるべき
都市圏の将来像で示した
連携強化を図るものでございます。都市内の
緑化空間あるいは
水辺空間を創造し、かつ、
歩行者、
自転車、
公共交通への空間再構築を図るために、
高速道路との
アクセス強化については国道5号を活用することとし、重点的に
機能強化を検討してまいりたいと考えてございます。
その下をごらんください。
これら骨格の
取り組みと、さらには、今ある
道路網を生かす、上手に使うといった
取り組みを進めることを述べております。
四角の
一つ目でございますけれども、
道路空間の再構築という視点でございます。今後の
地域ごとの
交通状況の変化に応じ、従来の
自動車重視の
道路空間を
歩行者、
自転車及び
公共交通を重視する空間に転換するというような視点を述べているところでございます。その横にイメージ図を配置しております。
続きまして、17ページをごらんください。
公共交通に関する
計画でございます。
ここでは、
公共交通の骨格を形成するものを、同様に水色の箱の部分でございますが、2空港・3港湾・1新幹線・鉄道3線・
地下鉄3線、これらを基軸として骨格の
公共交通をなすということで整理をしております。その下に、
概念図とともに軌道やバスによる
機能向上ということで、
清田方面、
石狩方面につきまして
マスタープランで
位置づけをしているところでございます。
17ページ目の
概念図でございますけれども、グレーの丸で表記をしておりますところが、
札幌地域内では
地域中心核、札幌市以外の6市3町ではそれぞれの
中心市街地といったところを
生活拠点として
位置づけをいたしております。特に、今回、軌道やバスによる
機能向上を検討する方面として、
清田方面及び
石狩方面について
生活拠点の強化を検討していくという視点でとらえているところでございます。
これらの説明につきまして、18ページ目の下の文章をごらんください。
軌道やバスによる
機能向上として、各地域の
生活拠点を結ぶ交流・
連携軸のうち、
骨格公共交通網が脆弱な福住から清田間、あるいは麻生から石狩間につきましては、軌道やバスによる
連携強化を検討し、年間を通じてだれもが安全・安心に暮らせる
交通環境、あるいは、環境に優しく持続可能な都市を支える
交通環境の実現を目指し、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、19ページ目でございます。
横断的に取り組むべき
テーマということで整理いたしております。
これまで
暮らし、活力、環境という三つの視点でとらえて検討を進めてきたわけでございますけれども、2
段落目にございますように、
積雪寒冷地である
道央都市圏では冬の問題が非常に重要であるということ、また、
道央都市圏、
北海道の中心である
都市圏コアの
交通課題の解決は
道央都市圏全体に効果が波及するというように大変重要でございますので、これらにも、再度、焦点を当てて横断的に取り組むべき
テーマとして再整理しているところでございます。
また、20ページ目は、将来
目標値の設定でございます。
ここでは、それぞれ
暮らし、活力、環境の三つの視点で代表的な指標を掲げ、目標を達成するという設定をいたしております。
最後でございますが、表紙にお戻りいただきたいと思います。
表紙の一番下に書いておりますように、今回、
都市交通マスタープラン(案)として
取りまとめを行いましたので、
道央都市圏総合都市交通体系調査協議会として、2月12日から3月13日までの30日間、
パブリックコメントを実施し、
市民意見を募集するということでございます。
○
細川正人 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
桑原透 委員 私から、質問させていただきます。
今、説明があったとおり、
道央都市圏において人口が減少し始めているということであり、このことに伴い、20年後の将来
交通量も6%減少する
見込みが示されています。
少子高齢化の進展により、
生産年齢人口が大きく減少し、通勤や
通学目的の移動が減るという説明を前回の
中間報告の際にも受けましたが、これらを支える
公共交通が大きく減少することから、将来的にもこれを維持していくのがかなり懸念されるところだというふうに考えております。
また、10年前に比べ、
高齢者の免許の
保有率も高くなり、
自動車の
登録台数が増加し、
私用目的での移動が多く、
高齢者が
自動車を頼りに生活しているものと想像されます。しかし、いずれ、さらに高齢になれば
運転免許を返納するときが来ます。そのときには、やはり
公共交通が
高齢者の移動を支える唯一の手段になるというふうに考えております。
一方、前回の説明では、中央区と各区の動きは減少しているところでありますと。しかし、依然として相当多くの移動があるわけで、都心の
活性化という面では、郊外から都心への
自動車による移動は必要不可欠なものである一方、
環境面では、
自動車による移動ではなく、
公共交通による移動が望ましいわけです。その辺の
バランスが非常に難しいのですが、
環境面も考慮しながら
都市圏の活力を高めることが重要だというふうに考えています。
そのためにも、
利便性の高い
公共交通でなければならず、そういう意味で、都心を中心に各方面に伸びる
地下鉄やJRが極めて重要であり、軌道やバスによる
機能向上をすべき区間として
位置づけられている
清田方面への
地下鉄延伸については、10万人以上の人が住んでいる清田区のみならず、
札幌ドームへの
アクセス性の向上など、全市的に見ても大変重要で、こうした
取り組みにより、市民に
公共交通を積極的に利用してもらうことで、活力と環境の
バランスが図られるものというふうに考えています。
また、人々の行動の
多様化に伴い、中央区と各区の移動のような
放射状の動きではなく、中央区以外の各区間を移動する
横方向の移動についても少なくないのではないかという思いがあります。基幹となる
放射状の
公共交通とあわせて、
横方面への需要に対応した
公共交通を導入することも重要だというふうに考えます。
今回は7市3町で構成する
道央都市圏の
都市交通マスタープランでありますが、これだけでは
市民生活にどのような影響があるのかという実感がわかないのではないかというふうに思っているところであります。
そこで、質問ですが、圏域での
マスタープランの策定後、札幌市として今後どのようにこれを進めていく考えなのか、このことについてお伺いいたします。
◎丸田
総合交通計画部長 それでは、私から、
マスタープランを踏まえた札幌市の今後の
取り組みについてお答えいたします。
都市交通マスタープランの主な内容は、
圏域内の人の動きを支える
骨格道路網や
骨格公共交通網のあり方を示すものであり、
路面電車やバス、
自転車などの主に市内の人の動きを支える
交通については、これまでも各市町が独自に検討を進めてまいりました。
そこで、札幌市としての検討に際しましては、
都市交通マスタープランでも大きな課題として示しているとおり、将来の超
高齢社会の到来を念頭に置き、それぞれの地域においてどのような
交通の
取り組みが必要となるのか、
地域特性に応じた検討を進める視点が必要であるというふうに考えております。このため、平成22年度から
仮称札幌市
総合交通計画の策定に向けた
取り組みを進め、各
交通モードの基本的な
考え方を整理しますとともに、
交通戦略としておおむね10年間に取り組むべき施策を体系化し、
取りまとめることとしております。
◆
桑原透 委員 この後、10年後に向けて、
路面電車を含めた
軌道系交通の部分について検討を進めるということになっています。やはり、今回の
マスタープランの案にもあるように、これから
高齢化がどんどん進んでいくということで、当然、
バス路線にしても
地下鉄にしても、利用は減るといっても大変重要なものだというふうに思っております。自家用車がこれだけふえてはいますが、やはり、お年寄りが移動に一番使うのは最終的にはバスであり、
地下鉄であり、電車なのかなというふうに私は思っています。その部分において、
マスタープランは10年後、20年後の
プランではありますが、もうすぐそこまで来ている事実を踏まえ、札幌市だけではなかなか検討ができない部分もあるというふうに思っています。7市3町でやるということでございますので、そのあたりを加味しながら積極的な論議をしていただいて、住みよい
まち札幌をつくるために各部局にも積極的に参加していただいて、住民も加えた形で、ぜひ実りあるものになるようにお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。
◆
長内直也 委員 私も、質問させていただきます。
まず、今回の
都市交通マスタープランですが、この前の
委員会でも議論があったかもしれませんけれども、2030年、今後20年間を想定した
プランだということになってくると、現状の札幌市の
まちづくり全体の
計画としては第4次
長期総合計画があります。しかし、長総はたしか2020年までとなっているわけです。そうすると、札幌市の長期の
まちづくりの
計画を突き抜けた
交通の
プランになってくるわけですね。
そういうことになると、私としては、先に長総があって、その中で
交通がどういう
位置づけかというふうにいくのが普通だと思うのです。たまたまつくっていないからこうなったということかもしれませんが、この辺の
整合性をどうとるのか。それから、少なくとも札幌のまち全体の
計画も一緒に考えていかなければ、
交通のことだけでは――
交通は
まちづくりそのものではありますけれども、全体としての
計画がないと、この
計画もなかなかつくられないのではないかと思うのですが、この辺はどのようにしていかれるつもりなのか。
◎丸田
総合交通計画部長 長総との
整合性、これから先の長総を超える部分についての
考え方ということだと思います。
まず、一つには、今回の圏域の
マスタープランにおいて、7市3町ということですから、それぞれに長期の
考え方ということでは年次も違ったりする中でなぜ今やったのかというのは、先ほどご説明したとおり
必要性が高いという中で進めてきました。
今回の札幌市の整理といたしましても、長総を超える年次ではありますけれども、将来に向けて、先ほど言いました人口の減少であるとか、
少子高齢化であるとか、それから、札幌市のこれからの観光に向かう姿であるとか、その辺につきましては、各部局でかなりの議論を行いながら、将来のあるべき姿を想定した上で、
交通がどう支えていくのかという視点に立って議論した上で圏域の
マスタープランの策定に臨んでおります。
したがって、手順として、全体の長総というものをしっかりした上で、それとあわせて
交通をつくるのが本来の姿だと私も思いますが、今、それぞれの7市3町の現状を踏まえ、
人口等の増嵩も踏まえながら、それを全体的に見て議論した中で
交通がどう向かうかという方向性を示すに当たっては、そういう手順ではない形もあるのかなというふうに考えながら、7市3町の中で、開発局、
北海道も加えながら策定してきたという経緯でございます。
◆
長内直也 委員 全く理解できないわけではないのですが、そうすると、今回の7市3町は札幌も入れて7市なのですね。札幌以外で2030年までの長総をつくっていない市町村はあるのですか。
◎丸田
総合交通計画部長 先ほど言いましたように、今、細かい数字を持っておりませんが、それぞれの市町は、長期的な
まちづくりの
考え方、札幌市で言う
長期総合計画というような形のものは持っていらっしゃいますけれども、それぞれの年次はばらばらであるということでございます。
◆
長内直也 委員 ばらばらなのはわかるのですが、要は、札幌市以外のところでは、例えば、2020年までしかないのか、2040年まであるのかと。今はそれもわからないということですね。
◎丸田
総合交通計画部長 現状ではただいま数値を持っておりません。
◆
長内直也 委員 それは、また後で調べていただきたいなと思っております。
そのことは全く理解できないわけではないのですが、私は、やっぱり
長期総合計画をしっかりつくるべきだと。これは、我が会派としても以前から主張させていただいておりますので、ここの中だけではできないかもしれませんけれども、しっかり取り組んでいただきたいということであります。
中身についても若干質問したいと思います。
長期ということもあり、今まで経験のない
人口減少に向かう中で、なかなか夢のある
プラン、具体性が出てこないということをちょっと感じるのです。やっぱり、幾ら長期とは言っても、もう少し具体的なものがこの中に出てきてほしいなというふうに思うわけであります。
例えば、
道路でいきますと、15ページ、16ページを見ても、我々がこれを判断するのは、
都心アクセス強化道路軸、丸のついているここぐらいが、唯一、具体性を持って今後考えてくれるのかなという感じがするのですね。もちろん人口がどんどんふえる時代ではないですから、あれもこれもつくるというわけにはいかないのはわかります。しかし、具体的に市民にこれを提示して意見を求めるということであれば、やっぱりもう少し具体性に踏み込んだものをつくっていただきたいなというふうに思うのです。
そこで、
道路に関して、本当にこの部分くらいしか
見込みがないのかどうか、そして、これすらも実現できる可能性がどうなのか、その辺のことを一つお伺いしたい。
それから、全体のこの
計画の中で方向性がいまいちわからないのは、車を減らしていきたいということなのか、それによって
公共交通へ誘導していきたいということなのか、あるいは、車は車で
交通に占める重要な位置として減らすという
考え方は持たずに
道路網を考えていくのか、方向性がわからないのでこの辺についても確認したいと思います。
◎丸田
総合交通計画部長 道路網のところでの新規の
見込みとか可能性ということだと思います。
まず、一つに、圏域でつくる
都市交通マスタープランというのは、先ほどもお答えしましたけれども、
圏域内の人の動きを支える
骨格道路網であったり、骨格の
公共交通の
考え方という整理の仕方をしております。したがって、各市町村は、これを骨格として、さまざまな形でそれにつながっていくネットワークはどうあるべきかという議論がここから始まっていくというふうにご理解いただきたいと思います。
具体的なものがないのではないかというところでございますけれども、7市3町、開発局、
北海道が一つのテーブルに着き、これからの
人口減少、
少子高齢化などの社会を踏まえながら
道路はどうあるべきかという議論をしてきたことは、我々としても非常に価値があるのだろうという判断をしております。その中で、現在、
道路という形について、アクセス
道路というようなところも踏まえて表示できたことがこの
マスタープランの成果ではないかと思います。より具体的には、さらに各市町村での検討になるかと思います。
それから、車を減らしたいのかどうなのかという議論でございますけれども、今現在、この圏域の調査によれば、将来的に20年後には黙っていても車は2%減るということですね。
公共交通については、
鉄軌道などは黙っていると9%減っていくというのが推計値です。したがって、我々としては、これからの時代を踏まえると、車がどんどんふえていくという時代ではないだろうと。そこで、そういう空間をうまく使いながら、人や環境に優しい
まちづくりに寄与する
交通にさまざまに振り分けていけないかという議論をしたわけでございます。
それから、
公共交通については、黙っているとこれは落ちていきます。ただ、先ほど言ったように
高齢者の方には非常に重要な
交通でございますから、これから、それをどのような形で維持していくのか、あるいは展開していくのかということについて、札幌市として、来年度以降、また真剣に議論させていただきたいと考えております。
◆
長内直也 委員 私は、いまいちイメージがわかない部分があるのですね。やっぱり、これは、手続上というか、市民の声を広く聞くということなのでしょうけれども、これは、何というか、具体性のないものの中で意見をと言われても、意見を言う側からすると、どうしても個別・具体的な話に関心があるわけですよ。そういうことになると、意見を求められた側としても、やっぱり、ちょっとわかりづらいなと。我々もわかりづらいということは否定できないと思います。
そんな中で、もう一つお伺いしたいのは、17ページは
公共交通の話ですが、軌道やバスということで、軌道とバスを一緒にしているのですね。先ほど
地下鉄の延伸という話がありましたけれども、軌道なのか、バスなのかというのは結構大きいのではないかと私は思うのです。これも、方向として、ここまでは軌道系で持っていきたいというのか、あるいは、そこからバスをつなげていくということなのか、それが同じ色で示されていたのではなかなかわかりづらいなと思っています。
10年間の中で
計画をつくると言っていましたけれども、既に
路面電車もこれだけ話題になっているわけですから、やっぱり、今の時点で方向性をちゃんと決めて、ここまでは軌道系にしていきたいのだということがあって市民に提示するのが本当ではないかなと私は思うのですが、これについてお伺いしたいと思います。
◎丸田
総合交通計画部長 道央都市圏7市3町という中でのまとめでございますので、札幌市のところで言えば、先ほどお答えしたとおり、
自転車、バス、電車といったような札幌市の中で今議論しているもの、あるいは、これから議論しなければいけないところについては、この中では詳しくは触れられていないところでありますし、軌道なのか、バスなのかというところも、まさしくこれからの議論ではないかと思います。我々は、軌道系を敷くとか、そういうものありきということではなくて、この圏域の
マスタープランの中でお示ししたかったのは、
まちづくりと連携しながらそれを支えていく機能が必要である、それが軌道なのか、バスなのか、そこはこれから議論をさせていただきたいということでまとめたものでございます。
◆
長内直也 委員 その辺は、7市3町でやっているからと、具体的なものは札幌市としての
計画をつくる中で議論していきたい、こういうことなのでしょう。
それでは、今回、これからこれを
パブリックコメントに出すというのは7市3町の住民を対象にしてやるということなのですね。でも、ここで議論する内容としては札幌市以外の市町の話はこの中では出てきませんので、なかなか議論がかみ合わないのかなと思います。今のような話は、具体的に札幌の
計画をつくるに当たってこれから議論する場があると思いますので、そちらの方でしっかり詰めていきたいと思います。
繰り返しますけれども、何かちょっとイメージがわきづらいというか、余りに広い話ですから、札幌市民の立場からするとちょっとわかりづらいということは否定できません。その辺は、皆さんからすればほかの市町の関係もあるのでしょうけれども、やっぱり、できればこれを札幌市にかみ砕いた形で市民に提示できるものが何かないのかなというふうには思っております。
◆芦原進 委員 今の長内委員と若干関連しますが、2月12日から3月13日まで
パブリックコメントをされるということですけれども、具体的にはどういう形でされるのか。
というのは、この
プランをこのままぱっと出されても、先ほど話があったように、非常にわかりづらい。また、実際の自分の生活の中ではなかなかこれを実感できない、また、できる人は非常に少ないのではないかという気がするのですね。具体的にどういう
パブリックコメントのやり方をするのか、また、どれくらいの方に
パブリックコメントをいただこうというような
目標値があるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
◎丸田
総合交通計画部長 パブリックコメントについてお答えいたします。
今回の
パブリックコメントは、7市3町でつくります
道央都市圏総合都市交通体系調査協議会という形で行います。その中で、これまでもホームページ等を作成しながらやってまいりましたので、そのホームページ等を通じた
パブリックコメントが一つ、さらには、きょうの資料は本当に抜粋ですから、調査から始まった内容の冊子については、この
協議会に所属します
北海道、開発局、7市3町にそれぞれ窓口を設けまして、閲覧、そして資料の配布に心がけます。さらには、それぞれの市役所あるいは町役場だけではなく、道の駅でありますとか、JRの各駅とか、バス協会では設置可能なバスターミナルであるとか、そういうところでの配布にも努めながら
パブリックコメントを行いたいというふうに思っています。
それから、我々は、札幌市に対するご意見ということでも、これから先の仮称
総合交通計画の検討に向けてさまざまな意見をいただくようなことで考えております。
◆芦原進 委員 大体やり方はわかりましたが、今までのパターンと余り変わらないとらえ方ですね。本当に20年後を目指すのであれば、さっき言ったように、
市民生活にどう直結するか、
暮らしにどうかかわってくるかというご意見もいただかなければならないと思うのです。置いているから見てくださいよというだけで本当に意見を集約できるのかということは、非常に危惧します。
それから、ホームページと言いますが、
高齢者にはホームページからといってもなかなか難しいこともあるし、道の駅も、車に乗る人はいいでしょうけれども、そうはいかないですね。やはり、市民全般の方がこれにどう参加できるのかというように、もう少し細かく具体的に、また、どれくらい
パブリックコメントをいただこうかという
目標値ぐらいは置いてもいいかなと思って聞いたのです。それに対しては答弁がございませんでしたので、要望として、もう少し具体的に、本当に市民の皆さんが理解できるようにやっていただきたい。また、きちっとした数値目標も掲げながら、どこまで迫れるかわかりませんけれども、そうしないことには、ただ単に置いてやりましたよだけで終われば過去と同じようになってしまいます。やはり、20年後ということを目指すのであれば、それなりのやり方があると思いますので、しっかりやっていただきたい。
これを要望して、終わります。
◆井上ひさ子 委員 前段で議論されておりますが、大事な問題なので、私からも、1点質問したいと思います。
マスタープランの
計画理念を
暮らし、活力、環境の三つの視点から定めていまして、人口が減っていく、
少子高齢化、それから
市街地拡大の抑制が続いていますし、とりわけ財政の厳しさなど、やっぱりこの10年間の社会状況の変化を反映するようなデータになっているなというふうに私は思います。この中で、
高齢者が増加して病院通いとか私的目的の車がふえると先ほどもありました。子どもたちは減っていって通学も減少していく。ですから、将来的には車も減っていく中で、
道路をどんどんつくっていくようなかつてのやり方から、日々の
暮らしをしっかり支えていく、生活
道路の段差の解消とか、今、冬ですとつるつる路面の問題やバリアフリーなど、こういう
暮らしの中での安心・安全の視点に立つことが大事だというふうに私は思います。その中で、住民の
交通手段としての
公共交通機関の
位置づけですが、このままでは大変困難があらわれるということで、これを維持していくという
位置づけ、方向性をきちんと出していくべきだというふうに私は考えていますが、この辺はいかがですか。
また、環境問題についても、
三つ目に述べられていますが、都心の混雑とか渋滞については、今までの延長では本当に二酸化炭素の排出を制限できないというふうに思いますので、都心には本当に業務以外の車はなるべく乗り入れさせないように制限するなど、そして市電、バス、
地下鉄の
公共交通を生かしていく、そういうところが大事であります。また、
自転車利用の増加が大変見込まれる中では、要望の強い
自転車専用
道路の整備などについてもやはり取り組むべきではないかと思うのですね。
先ほども市としてこれからどういうふうに進めていくのかというご質問もありましたけれども、今後の
取り組みについて、1点だけお聞きしておきたいと思います。
◎丸田
総合交通計画部長 公共交通の方向性というようなご質問が一つ、それから、環境ということが一つだと思います。
まず、方向性については、先ほどご説明した資料の17ページの
骨格公共交通網という中で、2空港・3港湾・1新幹線・鉄道3線・
地下鉄3線ということで、これからも、今の札幌市を含めて、現在の
公共交通体系をしっかり維持したいということを打ち出しております。そういう意味では、今後、さらに
利便性の向上による
公共交通の利用促進ということも重要だと思います。それから、都心部の
自動車交通については、減るとは言いつつも、都心部の
自動車交通の実に35%を通過
交通が占めております。すなわち、そういうところに目を向けた施策の展開ということを行えば、この数を減らすことによってかなりの
環境負荷を低減できるのではないかという
考え方に立っております。そういう意味では、環境にも配慮しながら、市民の
暮らしを支えて活力ある
都市圏を目指すというのが我々札幌市にとって重要であるというふうに考えているところでございます。
その中で、
自転車利用というお話もありましたけれども、今回も、
マスタープランの16ページでございますが、
道路空間再構築ということで、できる限り人と環境に優しいといった視点での空間の振り分けについて検討を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
◆井上ひさ子 委員
公共交通の体系をしっかり維持していく、この中でもそういうふうに打ち出しているというお話だったと思います。また、環境問題についても、通過
交通を改善できれば減っていくというご答弁だったと思いますので、私は、より一層、
公共交通機関の役割が大事だと思います。
そこで、先ほども、
マスタープランがつくられて、平成22年度に
総合交通計画の策定を進めていくというご答弁がありました。この間、バス問題をめぐってこの
委員会でも議論が繰り返されてきました。本市においては、すべてバスが民間に移譲されて事業者が担っている中で、やっぱり、これを維持していくという中で補助制度がスタートしてきているのですね。
こういう中で、私どもは、
総合交通計画を持って市民の足を守るべきだということで、この間、繰り返し求めてきました。今後、これが検討されていくわけですけれども、やはり、民間事業者任せではなくて、
公共交通機関としての役割について、市民、利用者の声をきちんと反映させていく、ぜひこういう視点を入れて検討すべきだというふうに私は考えますが、これについていかがか、伺います。
◎丸田
総合交通計画部長 今回は
道央都市圏ということでまとめをしておりますが、先ほど申しましたとおり、来年度から札幌市の
総合交通計画という形で具体的に
取り組みます。その策定に当たっては、今、検討
委員会の設置を検討しております。その中で、先ほどからご指摘があるとおり、市民の視点というのは重要であるというふうに我々も思っておりますので、策定委員として公募市民にもご参加いただくことを現在検討しております。その都度、さまざまな形で議論をいただきながら、また、素案がまとまった段階で今度は具体的な形で
パブリックコメントができればというふうに考えております。
◆井上ひさ子 委員 20年間の
計画の中で、実践的に5年、10年と、そして、すぐやれる
計画、そういう方向に今持っていこうとされているのかなというふうに思うのですね。私は手稲区ですから、先ほど来、清田区の問題などでもこれから人口や車の利用者が減るという話もちょっとしていましたので、一言だけ申し上げたいのです。
実は、私どもの地域のことを言いますと、今、循環バスなどがありまして、これも、連合町内会などが本当に協力しながら、テストをしたのは中央バスでしたが、実施したのはジェイ・アールバスなのですね。皆さんがすごい工夫をしながら、その沿線の排雪も含めて協力して、既設の路線にはなっていませんが、1年ごとの路線として継続されてきているのですね。
それから、
地下鉄が宮の沢まで来まして、そのときには
バス路線は減らなかったのですが、稲穂とか金山の遠いところ、小樽の境沿いのあたりは、その後、やっぱりバスは減っているのですね。そして、宮の沢駅に直結するバスなどがあって、それに乗って都心に来るとしたらバス代が相当高い。そして、都心までの直行便というのは先ほどのようにいろいろな問題があるのですが、快速も3時間に1本とかどんどん減らされてきているのですね。
ですから、本当に手稲区や清田区、厚別区は
地下鉄、JRの両方がありますけれども、そういう面では本当に地域の声が反映されるように、私はその視点がとても大事だと思うのですね。検討
委員会を立ち上げて、公募の委員も入れていくということですが、同じ札幌ですから、きちんとそういうものを公平に使えるように、そして、事業者だけに任せるのではなく、やはり市としての役割を発揮していただきたい、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。
◆坂ひろみ 委員 私は、環境に優しい乗り物の一つである
自転車に視点を置いた質問をいたします。
今、環境重視の政策が国を挙げて盛んに行われておりますけれども、CO2など地球温暖化の問題に対して
交通が与える影響というのは非常に大きいことから、環境への影響をなるべく小さく、移動手段として
交通を使い続けても地球環境の悪化を生じさせない持続可能な
交通を目指すことが今求められています。札幌市も、国との連携で、都心部におけるESTモデル事業とか、CO2を排出しない
交通手段である
自転車の
環境整備にこれまで取り組んできております。
しかし、これまでの
自転車に関する施策や事業は、放置
自転車や駐輪場の整備などに重点が置かれ、マナーやルールを守ってとめる、駐輪する以前の、まずは走るという走行環境の整備がなかなか進んでいないのが現状です。昨年の陳情審査以来、このことについては継続して指摘をし、提案してきたところであります。
現在、
自転車利用総合
計画策定を目指して
自転車利用のあり方検討会議が開催されていますが、今回の
マスタープランに
自転車の利用環境の改善が必要であるとはっきり明記されたことは大変意義があると受けとめております。前回の
マスタープランと比較しますと、
自動車だけではなく、
歩行者、
自転車をも重視する視点で取り組んだことが大きな変更点となっています。
自転車利用環境改善に向けた
道路空間の再構築として
自転車専用
道路がイメージ図として16ページに盛り込まれたことは、市民にも大変理解しやすく、評価するものです。今後、策定される札幌市の
自転車利用総合
計画の実現に向けた根拠として、大きな後押しになるものと期待しています。
マスタープランは、
道央都市圏の
交通体系と施策ということですから、
自転車走行環境の具体的な整備について明記されていないことは理解しております。しかしながら、札幌都心や駅周辺で増加する
自転車の利用環境の改善が必要ということが、課題の4点目として5ページに明確に挙げられています。
そこで、質問の1点目に、
道央都市圏という広域の都市
交通計画の中に
自転車利用を含めた
道路空間の再構築が盛り込まれた背景についてと、道央の中心核となる札幌市としてこの点をどのように受けとめておられるのか、伺います。
2点目は、
マスタープランに示されている都心部以外の
自転車利用の
環境整備が必要な地域についてです。
パーソントリップ調査の結果から、本市として、具体的に、例えばJRや
地下鉄などの駅や、どういった
エリアを想定している箇所があるのか、伺いたいと思います。
3点目に、昨日、冬期間の雪のたい積スペースを夏の
自転車専用道に活用といった報道がございました。ルールやマナーを守ったり、駐輪場に正しくとめることができるためには、まずは安全に走ることができる走行空間を確保することが最優先であるのは言うまでもありません。
そこで、今月20日の検討会議で示された提言骨子を含め、これまでの検討会議での議論や開発局、道警の見解などを踏まえ、来年度以降、札幌市として
自転車専用道の整備拡充についてはどのように進めるおつもりか、お考えを伺いたいと思います。
◎丸田
総合交通計画部長 1点目は、
自転車走行空間確保に転換する
考え方とした背景と、市としての受けとめ方ということだと思います。
まず、大きいのは時代背景というのが挙げられると思います。これまで、高度
経済成長から続く
自動車の増加に対応すべく
道路空間を確保してまいりました。最近は、環境意識の高まり、通勤・通学の
交通手段としての
自転車利用の増加などを受けまして、
自転車をこれまで以上にしっかりとした
交通モードとしてとらえて対応していかなければならない時代になったという
考え方が圏域の会議の中でも示されたところでございます。
そのような中、今回の
パーソントリップ調査でも、全体的な
自転車利用は減少していくということではございますけれども、
札幌都心部であるとか駅周辺での
自転車利用が増加しており、これは将来的にもふえていくと。しかしながら、将来的な
人口減少に伴って、一方で
自動車は2%ほど減っていくという推計となっております。
そういった意味で、このような時代背景と調査結果から、今後は、
地域ごとの
交通状況の変化を的確にとらえながら、可能なものについては積極的に
道路空間を
歩行者、
自転車などを重視する空間に転換することができる可能性が高まったことから、この
考え方を7市3町でつくった
マスタープランの中にも盛り込むこととしたものであります。
本市といたしましても、
マスタープランで示した基本的な
考え方に基づきまして
取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、2点目は、今、どこか、具体的に進めようという場所があるのかというご質問だと思います。
説明資料の5ページにありますけれども、この調査で得られるのは、
駅端末の
交通量のうちの
自転車というのは第2回の
パーソントリップ調査時の
交通量に比べて20年間で3倍にふえています。これらのデータについては、
圏域内全体の人の動きのうち、
駅端末に至る
交通量の中の
自転車を抽出したものでございます。すなわち、何かの目的で動いているときに
自転車に乗っている人ということで拾い上げておりますので、個別・具体の駅のデータについてはまだ出ていないということでございます。今後は、各駅ごとのデータを分析しながら、既存の調査結果も活用して、対策が必要な箇所をピックアップして優先して
取り組みを進めていくことになろうかと思います。
それから、3点目は、
自転車走行空間の拡充についてということだと思います。
今回の
マスタープランは、将来の
交通の量及び質が変化することから、従来のつくるという視点から、地域の実情を踏まえ、生かす、または上手に使うという視点に立った策定を進めてまいりました。また、これら
都市交通マスタープランの策定と並行して、学識経験者や関係団体、市民などで構成される
自転車のあり方検討会議で、
自転車駐輪対策、走行マナー、
自転車利用環境などの
考え方を提言書として
取りまとめられる予定で会議が進んでおります。この会議の中では、
北海道警察、国道を管理する
北海道開発局なども参加し、それぞれの立場でそのあり方についてより具体的なご意見をいただいているところでございますので、今後は、現状の
自動車交通量や
自転車利用の状況を勘案しつつ、利用環境の改善が必要な箇所を中心に
道路空間を適宜使い分けていく
取り組みについて具体的な検討を進めてまいりたいと思います。そして、それを
仮称札幌市
総合交通計画の中でも反映させていきたいというふうに考えているところでございます。
◆坂ひろみ 委員
自転車に関しましては、札幌市の方でも、
環境整備が必要だということで、社会実験も含めて、もう何年も前から随分たくさん取り組んでこられたことは評価をしております。しかしながら、やはり、
自動車を優先した
まちづくりが進められ、
自動車を優先した
道路がもう既にある中で、どういった
自転車の走行環境を整備していくのかということについては非常に難しいということも理解しますけれども、一方で、やはり、札幌市のみならず、こうした広域圏の中でも
自転車がこういった形で
位置づけられ、走行環境の整備が必要だということが、今回、改めて
マスタープランに盛り込まれたのですから、これを受けて、札幌市としても、当然、札幌市の
総合交通計画なり
自転車の利用
計画もこれから策定されるというふうに思っております。評価する一方で、やはりどうしても指摘せざるを得ない状況がありまして、
自転車専用
道路というふうな言い方をしますと、行政の方は、非常にアレルギーといいますか、なかなか難しいということで、そういった言葉は使われませんけれども、やはり、こういう時代背景の中で、今後はぜひ
自転車専用
道路を含めた
自転車の走行環境の整備に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
きょうは、担当の課長もお見えになっておりますので、ぜひきちんとした
位置づけのもと、
計画を策定し、次年度以降、喫緊の課題として
取り組み、早期に実現していただきますよう強く求めまして、質問を終わります。
○
細川正人 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
細川正人 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午前11時4分...