まず、障がい
者交通費助成制度は、障がいのある方の
交通費の一部を
助成することにより、
外出の機会を確保し、
社会参加を促進することを目的として、昭和46年に開始、
平成15年から現在の
仕組みとなっております。
現在の
制度ですが、障がい
程度が
重度の方は、障がい
種別にかかわらず、市内の
公共交通機関を無料で
乗車できる
福祉乗車証、
年間60回分の
基本料金を
助成する
タクシー券、
年間3万円分の
ガソリン券の中から
一つを
選択することになっております。これに対して、
中度は、
身体・知的障がい者の方は、
年間12万円を
上限として半額で
利用できる
福祉割引ウィズユーカード、または
定期券のどちらかを
選択し、精神障がいの方は、
年間3万3,000円分の
共通ウィズユーカードを交付しております。
次に、
制度上の
課題といたしましては、1 障がいの
種別や
等級によって
助成内容が異なっていること、2 障がいの
状況に応じた
利用方法の
選択ができないこと、3
福祉乗車証は、正確な
利用実績の把握ができないため、
交通事業者との間で適切な
費用負担が難しいことなどが主な
課題として、以前からその改善を求められておりました。また、4として、
利用者の増加に伴いまして
事業費は年々1億円
程度増加しており、今後も同様の傾向で増加することが見込まれるため、この
制度を維持する予算の確保が難しい
状況となっておりました。
このようなことから、
制度上の
課題を改善するとともに、将来にわたって財政的にも持続可能な
制度とするため、昨年2月に
見直し案を提示したところでございます。当初の
見直し案は、
福祉乗車証を廃止し、障がい
種別や
等級にかかわらず、基本的に
助成額を
年間2万4,000円に統一し、
ウィズユーカード、
タクシー券、
ガソリン券の中から
一つを
選択する
仕組みにするとともに、
事業費を7億円
程度減額したものでございました。
この
見直し案に対する主な
意見といたしましては、1
生活実態が厳しい中、
福祉乗車証を廃止し、
助成額を大幅に削減すると、
通所や通院など必要な
外出ができなくなること、2
重度の視覚障がい者や知的障がい者は、
ウィズユーカードの
残額確認が困難であることなど、それぞれの障がいの
特性において
移動に関する制約があること、3 障がい
程度が重いほど介助が必要で、自動車の
利用機会が多いなど
移動が困難であり、
等級を考慮しないのは逆に不公平であることなど、数多くのご
意見が寄せられました。このような
状況から、
制度の
見直しについては、1年先送りして十分に
議論を重ねることとし、
政策提言サポーターや
関係団体などとより望ましい
制度を目指して
検討を深めてきたところでございます。
次に、
見直しに当たっての主な
要望といたしましては、やはり、
福祉乗車証の
存続についての
要望が最も大きく、そのほかには、
ウィズユーカードの
助成額の
格差を改善し、3障がい共通の
仕組みとすること、
タクシー券、
ガソリン券の
交付対象を拡大するとともに、
タクシー券を
定額券化すること、
通所に対しては特別な配慮をすることなどが求められております。
これらのご
意見や
要望を踏まえ、1 障がい
程度に応じて、
社会参加を促進し、自立した
地域生活を
支援する
仕組みとすること、2 障がい
種別による
助成内容の違いを改善し、3障がい共通した
仕組みとすること、3
助成内容の
選択の幅を拡大するなど
利用者の
ニーズにこたえる
仕組みとすること、この三つを基本的な視点として
見直しの
検討を行ってまいりました。
そこで、
見直しの
方向性といたしましては、まず、
利用しやすい
制度への
転換を図りたい。2点目として、障がい
程度の重い方の
助成については、
移動の
困難性を踏まえ、
現行制度と同レベルとしますが、
タクシー券については、1回の
乗車で複数枚
利用できるようにして
利用者の
利便性を向上させたい。3点目として、
現行制度では、
身体・知的障がいの
中度に対する
福祉割引ウィズユーカードの
助成上限額が12万円と他の
助成と比べて極端に大きいため、この
助成上限額を減額し、逆に精神障がいの
中度に対する
共通ウィズユーカードの
助成額を
増額し、障がい
種別による
格差を改善したい。4点目として、
現行制度では、聴覚、
平衡機能、音声、言語、
咀嚼機能、上肢のみの障がいの方や障がい
程度が
中度の方は
タクシー券や
ガソリン券の
対象外となっておりますが、これらの方にも
タクシー券や
ガソリン券の
選択を可能とし、
利用者の
ニーズにこたえる
仕組みにしたい。ただし、障がい
程度を考慮し、
中度の方に対する
助成額は
重度と比べると低額となります。5点目として、
定期券につきましては、
助成額に制限がなく、1人
当たりの
事業費も9万円と他の
助成と比べて高額であることなどから廃止することとし、
ウィズユーカードの
利用に変更していただきたい。ただし、通学と
通所に対しては特別な配慮が必要であり、通学については、
教育委員会における
就学援助等により
助成することとし、
通所については、この
制度とは別に新たな
通所交通費助成制度を新設して、
通所に係る
交通費の一部を
助成することにしたいと考えております。
これら具体的な
助成内容を
修正案としてまとめましたのが、
資料の2枚目でございますので、ごらんください。
まず、
重度の方につきましては、
現行制度と同様に、
福祉乗車証、
タクシー券、
ガソリン券の中から
一つを
選択していただきます。
福祉乗車証と
ガソリン券は
現行どおりですが、
タクシー券は
基本料金助成から
定額券助成に変更いたします。
年間の
助成上限額は3万9,000円とし、1枚500円の
助成券を78枚交付いたします。
次に、
中度の方につきましては、障がい
種別にかかわらず、
ウィズユーカード、
タクシー券、
ガソリン券の中から
一つを
選択していただきます。
ウィズユーカードは、
現行制度と同様に、
身体・知的障がいの方には
福祉割引ウィズユーカードを、精神障がいの方には
共通ウィズユーカードを交付することにしますが、
助成上限額を
年間4万8,000円とし、
札幌市からの
助成額をそろえることといたします。
タクシー券と
ガソリン券の
助成額につきましては、障がい
程度を考慮して、
重度の
助成額の3分の1として
タクシー券は1万3,000円、
ガソリン券は1万円とします。
また、障がい
者交通費助成制度とは別に、
通所交通費助成制度の新設を考えております。この
助成は、
定期的に
通所する
身体障がい3級から6級、知的障がいBとB−の方に対して
交通費の一部を
助成するものでございます。1日の
助成額は
公共交通機関の
往復運賃の半額とし、1カ月のうち10日を超える
通所日数に対して
助成金を交付いたします。その
助成金は、
利用実績に応じて計算し、
通所施設の
施設長等を経由して1カ月単位で交付したいと考えております。
なお、知的障がいBの方の中には
ウィズユーカードの
利用が困難な方もおられますことから、
定期券を購入して
利用する方に対しては、ただいま
説明いたしました10日を超える
通所に対する
助成金に加えまして、1カ月につき4,000円を上乗せすることといたします。ただし、この場合は、障がい
者交通費助成制度による
助成を重複して受給することはできないことになります。この
助成に係る
事業費は、2,800万円
程度を見込んでおります。
当初の
見直し案では、総
事業費を7億円
程度減額したものでございましたが、このたびの
見直しでは、これまでの
議論を踏まえまして、障がい
種別による
格差を是正し、
利用しやすい
制度への
転換を図ったことにより、
現行制度と比較して1億円
程度の
増額となっております。
最後になりますが、今後の
事業費の推計についてでございます。
制度の
見直し後も、
利用者の増加に伴って
事業費は年々1億円ずつ増加することが見込まれます。
以上が今回提示させていただく
修正案であり、来年、
平成22年4月からの実施を考えております。これまでに、障がいのある
方々を初め、議会の皆様などから幅広くご
意見をお聞きしながら
検討を進めてまいりました。
委員の
皆様方の特別のご理解をいただきたくお願い申し上げます。
○
三宅由美 委員長 それでは、
陳情6件について、一括して質疑を行います。
◆
長谷川衛 委員 今、障がい
福祉の方から、特に
修正にかかわっての具体的な
説明がありました。これにかかわって
幾つか
質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
今、
部長からも話がありましたけれども、今回の障がい
者交通費助成について、昨年2月に
見直し案が提示されました。その内容は、非常に厳しい
財政状況とはいえ、
福祉乗車証の廃止、
助成上限額を一律に大幅な削減ということから見ると、やはり、
関係者にとっては非常に厳しいというか、問題のある案であった、こう言わざるを得ないと思います。また、この間、障がいのある方やその家族の方、
関係団体など多くの
方々からこの
見直し案に対する反対や不安の声が当局に寄せられていたと思いますが、私の方にも実際に施設に通っている
方々を含めて多くの
意見が寄せられました。これにかかわって、今、
部長からは、
札幌市としても、このような声を重く受けとめながら
制度の
見直しを1年先送りした、そして、障がい
当事者と十分に時間をかけて
議論を重ねて、より望ましい
制度を目指して
検討を深めてきた、こういうふうな経過でございます。
そこで、
質問ですが、これまで、
関係団体というのはたくさんの団体があると思いますが、
意見交換をどの
程度重ねてこられたのか、そして、その
幾つかはもちろん今の
説明の中でわかりましたけれども、さらに、どのような
意見が出されて、それらをどのように受けとめてこられたのか、この見解をまず求めたいと思います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 障がいのある方の
意見の聴取についてでございます。
障がい
者交通費助成の
見直しにつきましては、
札幌市の
コールセンターやホームページなどを通してご
意見をいただいてきたほか、市長との
懇談会、それから
市民意見交換会が7回、
関係団体との
意見交換が58回、
政策提言サポーターによる障がい者の声を聞く集いが5回、そして
政策提言サポーターとの
意見交換が9回など、合計80回にわたり
議論の場を設けてまいりました。
参加人数は、延べで2,200人余りでございます。
その中では、視覚や知的障がいの方は
ウィズユーカードの
残額確認が難しい、腎臓機能障がいの方は週3回の
人工透析が必要である、聴覚障がいの方については手話や
要約筆記が必要で
活動場所が身近にないこと、下肢障がいの方は
移動距離が短くても
交通機関を
利用すること、それから、精神障がいの方は
外出すること自体がリハビリになるなど、本当に配慮すべき障がい
特性や
制度の
利用実態についてさまざまなご
意見をお聞きしてまいりました。
これまでの
議論を踏まえますと、障がいのある方にとっては、この
交通費助成制度は、本当の意味で
社会参加を促進し、自立した
地域生活を送る上で大きな支えとなってございます。
地域生活移行や
就労支援などさまざまな障がい施策の土台となっている
制度であると改めて認識いたしております。
◆
長谷川衛 委員 今の答弁では、かなりの回数で、回数ですべて網羅できるかは別としても、80回以上にわたって
意見を聞く会を持ってきた、延べで2,200人、そして、さまざまな障がいのある
方々の
意見を聞いてきた、こういうことでありました。
それにかかわって、今回の
助成額の
算出根拠について伺いたいのです。
今回のこの
修正案を見ますと、障がい
程度が重い方に対しては、
移動の
困難性を考慮して
福祉乗車証を
存続する、それから、
タクシー券を複数枚使用できるようにするなど、
現行制度における
助成を維持し、さらには
利便性の向上も図っている、こういうふうには言えますね。ただ、その一方で、障がい
程度が
中度の方に対する
助成というのが、障がい
種別による
格差を改善したことはよく理解できますが、
タクシー券や
ガソリン券を
選択できるようにし、この
制度を活用できない方に対しても
一定程度は配慮しているものの、
助成額が
現行制度と比べて大きな減額となっているわけです。
そこで、
質問ですが、今回の
修正案では、障がい
程度が
中度の方に対する
ウィズユーカードの
助成額は4万8,000円を
上限としていますけれども、その
根拠を明らかにしていただきたいと思います。
また、
中度の方は
タクシー券や
ガソリン券の
助成額を
重度の方の3分の1としておりますけれども、どのようにして算出したのか、この2点について明らかにしていただきたいと思います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 1点目の
ウィズユーカードの
助成額についてでございます。
現行の
利用状況といたしまして、
福祉割引ウィズユーカードの1人
当たりの平均が3万3,000円であること、それから、
利用者のうち8割が5万円未満であることなどを踏まえ、
助成額を4万8,000円としたものでございます。
なお、この
助成額につきましては、1日の
外出に要する
交通費を
地下鉄2区間、
バス1区間の360円としますと、週3日
程度の
外出が可能となります。また、精神障がい3級に対する
共通ウィズユーカードの
助成額につきましては、
身体・知的障がいとの
格差を改善するため、
現行より1万5,000円
増額して、
福祉割引ウィズユーカードと同額の4万8,000円とし、
札幌市としての
助成額を統一したものでございます。
次に、2点目の
中度の方への
タクシー券、
ガソリン券の
助成額についてでございます。
タクシー券につきましては、
札幌市近郊の小樽、石狩、江別、北広島などの各市では障がい
程度が
重度でも
助成額が1万3,000円
程度であったことを踏まえましてこの
助成額としたものでございます。
重度に対する
タクシー券の
助成額は、
現行どおり、同じく3万9,000円としてございます。
中度の
助成額は3分の1となっておりますので、
ガソリン券についても同様に
重度の3分の1となる1万円としております。
◆
長谷川衛 委員 今の
部長からの
説明で、
算出根拠というのですか、どのようにして算出したかという
根拠ということでは
一定程度わかりました。ここの
部分については若干
意見もありますので、後ほどそこでまた述べさせていただくことにします。
そこで、今回の
修正案の中で特に
定期券にかかわって
質問したいのです。
他の
助成と比べて
助成額が高額であるという理由で、今回、
定期券を廃止することにしておりますけれども、現実の
利用頻度で一番多いのはやはり
バスと
地下鉄の
併用者なのです。その
併用者の中でも、特に知的障がいのある方が
ウィズユーカードを使った場合、
残額がなかなかはっきりしない、また、
残額処理ができない。
バスなんかは
ウィズユーカードに出ませんからね。それで、
地下鉄の
改札機で急にとめられて、または、
バスの
カードリーダーを通そうとしたら
残額がなく、後ろが詰まって後ろの人から文句を言われたとか、そういう状態になると必ず
パニック状態を起こすのですよ。こういうことが、実は、多くの
通所者の
方々から、またはスタッフの
方々から私のところに寄せられているのです。
そういうようなことで、そのことによって不安がって
通所を控えるようなことになっては意味がありませんので、今回、
通所のための
交通費助成制度を新たに設けたと先ほど
部長から
説明されました。
ただ、私自身もまだぴんとこないのです。この
制度が、今のような知的障がいのある方を含めて、本当にその障がい
特性をより克服するように具体化したものなのだというのであれば、こういう点でこういうふうに
定期券が使えるのではないかとか、そういう観点でこの
部分についてもう少し具体的に詳しく
説明願えませんか。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 委員ご指摘のとおり、知的障がいのある方の中には本当に
ウィズユーカードの
残額処理が困難な方がいる、そういうご
意見をいただいております。それで
定期券を購入して
利用される方が多いと思いますので、その方につきましては、ご自分で
定期券を購入していただき、
事後払いになりますが、10日を超える
通所に対しては
通所交通費助成制度において
助成金が出ますので、それに加えて1カ月につき4,000円を上乗せして支給したいというふうに考えております。
この額については、
現行の障がい
者交通費助成制度における
福祉割引ウィズユーカードの
年間の
助成額と同様の4万8,000円にしたいと考えておりますので、1カ月にしますと4,000円ということでございます。ただ、この
助成を受ける場合については、障がい
者交通費助成制度による
助成は重複して受給できないということを今考えてございます。したがいまして、
委員ご指摘のとおり、この
部分では、知的障がいのBの方に対してその障がい
特性を配慮した
制度というふうに考えてございます。
また、これとは別に、
福祉乗車証の
存続というのは、視力障がいの方は
フリーパスがないと
残額確認ができませんので、
福祉乗車証の
存続についてもそういった障がい
特性を配慮した決断だというふうに考えてございます。
なお、
通所交通費助成制度では、障がい
程度が中軽度の方を対象にしておりますので、知的障がいの軽度であるB−の方の
通所に係る
交通費の一部も
助成することにしたいと考えてございます。
◆
長谷川衛 委員 今の
説明で、新しい
制度としては意味のある
制度だとは思いますが、今後さらに詰めていただきたいことがありますので、これは後の
意見の中で述べたいと思います。
質問事項の
最後になりますけれども、総
事業費の
増額についてお聞きしたいのです。
障がいのある方の
自立生活を
支援する
事業というのはさまざまなものがあると思うわけですが、障がい
当事者からの切実な声を聞きますと、
交通費助成というのは、先ほど
部長も述べておりましたが、自立した
地域生活を送る上で根幹となる
事業となっているのではないかと思うわけです。
札幌市では、障がいのある
方々や
関係者との
意見交換を重ねる中で、
意見をしっかりと受けとめて
利用しやすい
制度として
転換を図ってきたということについては、きょうの
説明は
一定程度評価をしておりますけれども、
見直し結果ではトータルが
現行制度より1億円
程度増額となっているのです。
そこで、
最後の
質問ですが、この総
事業費はどのようにして算出されたのか、その内訳をもう少し明らかにしていただきたい。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 総
事業費が
増額した内訳につきましては、まず、精神障がい3級への
共通ウィズユーカードの
助成額を1万5,000円
増額することによりまして、
事業費が4,000万円
程度増額になります。そのほか、
身体・知的障がい者に対する
通所交通費制度の新設によりまして3,000万円、
タクシー券の
定額券化により
利用率が上昇することが予想されるため、その
部分で8,000万円
増額になります。さらに、
重度の方は、
手帳所持者のうち、8割がこの
制度を
利用しているのに対しまして、
中度は5割にとどまっております。これは、
タクシー券、
ガソリン券が
選択できないことが要因であると考えられます。
修正案としましては、障がい
程度が
中度の方のうち、3割
程度、1万人が新たに受給するものと想定しており、
事業費は1億円
増額となります。これらを合計いたしますと2億5,000万円の
増額となります。
一方、
福祉割引ウィズユーカードの
助成額の減額、
定期券助成の廃止によりまして、
事業費は1億5,000万円減額となります。
以上を差し引きいたしますと、1億円
程度の
増額を見込んでいるものでございます。
◆
長谷川衛 委員 最後に、
意見といいますか、
要望も含めて、何点かお願いしたいのです。
先ほどの
質問の回答の中にもありましたが、
一つは、知的障がいの方の、特に
ウィズユーカードの
使い勝手の悪さといいますか、この
部分については、確かに、お金さえ出せばすべてが解決をするのかという問題にもなろうかと思いますけれども、
交通事業者の
方々もちょっと努力をしてもらいたいなという
部分があることはあります。本当に
ウィズユーカードがいいのかどうか。特に、障がいのある方がたくさんいる中で、もっと
使い勝手のいい
カード、
ICカードも含めてさまざまに
利用する方向がないのかどうかもちょっと模索をしてもらいたいと思います。
先ほど、10日以上の
通所者への手当てというのはわかりましたけれども、
定期というのは先に買うものでして、例えば毎日のように通って努力している障がい者がいるのですが、中には、
定期を買って通っている中で風邪を引いたり、結果としてなかなか
通所できない方がいます。そうなると、例えば10日に満たなくなってしまうこともあり得ると思うのです。そういう場合にどうするのか、手当てしてくれないのかどうか、そういう細かい
部分はまだこれから整理しなければならない点かなというふうに思います。その辺は
課題が
幾つかあると思いますので、これから
運用面を柔軟に考えていただきたいと思います。
最後になりますけれども、私は、
交通費助成は現状では大事な
部分だと思います。しかし、
交通費助成だけで解決できることにはならないのです。私は、今、現実に障がいのある父親とも暮らしていますが、
一つはやっぱり
移動支援サービスというものももう少し充実できないものかなと。この絡みというのはどうしても出てくるのですよ。
定期代なり
ガソリン代をもらったからといって、どこにでも行ける状態にはならない。家族も働いていますからね。そうすると、
支援というものがどうしても必要です。老人であれば、
介護施設の問題がまた複雑に絡んできます。しかし、これだけではない、今言いましたような
移動支援サービス等も含めた総合的な障がい
福祉という問題を根本に置きながら、これからさらに実態の分析も含めてやっていただきたいということを
要望して、終わります。
◆
勝木勇人 委員 私からは、今回の
修正案の
事業費総額の増減の
部分で聞きたいと思います。
去年2月の当初の
見直し案より、今回の
修正案というのは7億円以上も
事業費が
増額になるということですが、この7億円はどこから持ってくるのか。ほかの
事業をどこか削るとか、何かいろいろセーブしてこっちの方に回すとか、そういうやりくりをされるのか、されるのであればどこの何を削ってここに持ってくるのか、そこを教えてください。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 当初の
見直し案は、年々、
事業費が増加して
制度を維持する
予算確保が難しいこともあり、財政的にも
制度的にも持続可能なものということを
見直しの視点として7億円を減額した提案だったのです。しかし、これまでの
議論を踏まえていきますと、障がいのある方にとって、この
制度は
地域生活を送る上で欠かせないものとなっております。さらに、
社会参加を促進するために、
利用しやすい
制度へ
転換することが重要であるというふうに判断したところで、結果として
現行制度に比べて1億円増加したということでございまして、その
部分については市民の皆様にもご理解いただけるものだというふうに考えてございます。
なお、今後も厳しい
財政状況が続くことが見込まれますし、また、具体的に、
現行制度に比べて1億円上がる
部分はどこから持ってくるのだというお話だろうと思うのですけれども、
事業部局としては、障がい
福祉関係費は毎年12億円ほど増加している
状況でございますので、私どものところからとはなかなか言えず、やっぱり
札幌市全体の中から捻出せざるを得ないとしかちょっと言えないような
状況でございます。
ただ、この
制度を維持させるために予算の確保等には今後も努めてまいりたいと考えておりますし、また、今後ともこの
制度のあり方につきましては引き続き研究してまいりたいというふうに考えてございます。
◆
勝木勇人 委員 どこから1億円を持ってくるか、はっきりしないみたいですけれども、出せるということなのですね。出せるのであれば、何で7億円減らすことを考えたのかなと。障がい者の皆さんに余計な不安を与えたのではないのかなというふうな感じがいたします。初めから
現行制度の上に不足分を追加で補充するというような
見直しの仕方を考えていたら、現在、こんな
陳情だとか、そういう騒ぎにならずに済んだのではないのかなと思います。
その点について、何かご
意見があればお聞かせいただきたい。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 当初の
見直し案では、行財政改革プランというものが
札幌市全体の中でありまして、それに基づいて7億円削減の案を提出したというふうに聞いてございます。そういった意味では、たたき台の
一つとして提案させていただいて、それこそ本当に障がい者の方と
意見を交わしながらこの
制度について考えていきたいということで提案したものというふうに考えてございます。結果として、障がい者の方に本当に多大な不安や憤りの
部分も含めて生じさせたことにつきましては、担当の
事業部局としてはその辺ではおわびを申し上げたいというふうに考えてございます。
◆阿知良寛美
委員 私からは、通勤手当の支給にかかわる企業への働きかけと
ウィズユーカードの
利用可能額の統一について、2点
質問いたします。
まず、通勤手当の支給でありますが、
現行制度では、
福祉割引ウィズユーカードの
利用者のうち、先ほど8割の
方々が5万円未満であるという答弁がありました。通学、
通所、通勤している
方々につきましては、やはり、
定期券の廃止、
福祉割引ウィズユーカードの減額による影響というのは非常に大きいだろうと思います。通学や
通所についてはほかの
制度との連携により
支援するということでありますが、通勤については
支援策が何も講じられておらず、企業側から通勤手当が支給されない場合は就労を継続することに支障が生じることも考えられます。
通勤手当については、本来、企業側が勤務条件の
一つとして支払うべきものであると思いますが、この
制度の
見直しによって、通勤している
方々が著しく不利益にならないよう、
福祉的な
事業所だけではなくて、一般企業に対しても
制度の周知を十分に行っていただくとともに、理解を深めていただく必要があるだろうと思います。
そこで、企業に対する働きかけをこれまでどのようにされたのか、また、されていくのか、1点お伺いします。
また、特に授産施設の平均賃金はどのくらいいただいているのか、また、これによってどのくらいの負担増になるのか、これがあれば教えていただきたいと思います。
それからもう
一つは、
ウィズユーカードの
利用可能額の統一についてであります。
当初の
見直しでは、
身体・知的障がいのある
方々に交付する
福祉割引ウィズユーカードの
助成額が2万4,000円で、精神障がいのある方に対する
共通ウィズユーカードが4万8,000円でありました。
利用可能額を統一しておりましたが、これは、精神障がいのある
方々には
交通事業者の運賃割引が適用されていないことに対する配慮だろうと思います。ほかの
制度で補完するということでありますが、
利用者にとって不公平なものになっていたと言えます。
しかし、この
修正案では、精神障がいのある
方々も、
身体・知的障がいの方と同じく
ウィズユーカードの
助成額を4万8,000円と統一するため、
交通事業者の運賃割引の適用を受ける
身体・知的障がい者と比べて
利用可能額が相当低いわけです。
身体・知的障がいの
方々は10万5,000円
程度の
利用が可能だということであります。一方、精神障がいの
方々は5万2,500円
程度ということですから、相当差があるわけです。そういう面では、
利用可能額を統一することによって、障がい
種別による
格差を解消できるというふうに思いますが、この点はいかがか、お伺いいたします。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 まず、通勤手当支給に係る企業への働きかけについてでございます。
定期券につきましては、
利用目的を限定しており、現在、週5日以上の通学、
通所、通勤、通院の場合に
助成し、
利用者は500人
程度になっております。
定期券の廃止により、これらの
方々に影響が出てまいりますが、通学については、
教育委員会で行っている就学援助などで補完します。また、就労継続
支援事業所や地域共同作業所などに
通所する方を対象として
通所交通費助成制度を新設して、
交通費の一部を
助成することにしております。
なお、通勤につきましては、
現行制度で通勤手当が支給されていない場合に
助成することにしております。企業側では、通勤に係る
交通費が
札幌市の
交通費助成制度で
助成されるため、通勤手当を支給していないことも考えられます。本来、雇用主にあっては、障がいの有無にかかわらず通勤手当を支給していただきたいと考えております。そこで、一般企業に対しましても、
制度変更の周知とあわせまして、通勤手当の支給につきましてご理解いただけるよう、北海道労働局、ハローワークなどと連携を図りながら働きかけてまいりたいと考えております。
2点目の授産施設等の平均工賃ですが、北海道でまとめたものがございまして、
通所授産施設ですと平均で月5,758円です。ただ、
種別にかかわらないで、入所施設、
通所授産、
福祉工場など全部を合わせますと、1万円を超えて1万8,000円ぐらいになっています。私どもも、元気ショップなどに入れている施設の工賃では、5〜6施設で、障がいの
種別によってということではないのですが、それですと1人
当たり月額で1万5,000円ちょっとぐらいの金額になっております。
また、負担額につきましては、
通所交通費助成制度を新設してやりますと、20日
程度働いたときには、
福祉割引ウィズユーカードの使用の場合、1カ月1,400円ぐらいの自己負担で済むような計算といいますか、そのぐらいの自己負担額が出る形にはなってございます。
それから、
最後の
ウィズユーカードの
利用可能額の統一についてでございます。
精神障がいのある方と
身体・知的障がいのある方の
利用可能額を統一する場合、精神障がいのある方の
共通ウィズユーカードの
助成額は倍の9万6,000円となってしまいます。他の
助成と比べて極端に高額になりますことから、
札幌市といたしましては、
助成する額を統一することで障がい
種別による
格差の改善を図ることといたしました。
修正案では、
共通ウィズユーカードの
助成額を
現行制度より1万5,000円
増額し、総
事業費も1億円
程度増額となってございます。このたびの
修正案では、できる限りの改善を図ってきておりますので、これ以上の拡充は難しいことをご理解いただきたいと存じます。
◆阿知良寛美
委員 こういう
制度があるから、例えば
事業者が
定期代を出さないというところも多々あるだろうと思うのです。そういう意味では、今回の改正は直接
利用される
方々に響くわけです。ましてや、元気ショップのように市長が肝いりで一生懸命やっているところはある
程度の工賃をいただいているかもしれないけれども、先ほどお話を聞いたところ、5,758円と大変少ない額ですよ。こういった中から、10日以降とはいえ、1,000円幾らか負担がふえるわけですから、その意味では、実情といいますか、そういったこともしっかりとらえて
交通事業者に働きかけるべきだろうと思います。
それから、
利用可能額が非常に高額になるということで、
利用可能額を統一することは現状では非常に厳しいというお話が今ありましたけれども、
交通事業者に対しても、精神障がいのある
方々にも
福祉割引ウィズユーカードの
利用が可能となるよう理解と協力を求めることが今後非常に大事だろうと思います。その意味では、3障がい共通の
仕組みを実現する、これが非常に大事だろうと思います。
この点については、道としっかり連携をとりながら、今後、運賃割引の適用拡大に向けて取り組んでいただきたいというふうに思いますが、
札幌市としては今後どのような取り組みを行っていくお考えか、お話をお聞かせ願います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 精神障がい者の運賃割引適用の拡大に向けた取り組みについてでございます。
平成18年10月から、精神障害者保健
福祉手帳に写真添付が義務化されまして本人確認ができることになりましたことから、国の方では、従前から指摘されている運賃割引について、
交通事業者の理解と協力を得ることに一層努めるよう関係機関に依頼しております。
しかしながら、現在、自家用車の
利用による
乗車人員の低迷などにより、
交通事業者もかなり厳しい経営
状況にあるというふうに伺っており、精神障がいのある方に対する運賃割引は行われていない
状況にございます。
これまでも、国に対しまして、政令指定都市が共同して、JRを初めとした
公共交通機関の運賃割引の
制度化を要請するとともに、市内の
交通事業者に対して理解と協力を求めてきておりますが、今年度はさらに文書をもって運賃割引の適用について申し入れを行っているところでございます。今後におきましても、精神障がいのある方に運賃割引が適用されるよう、国に対しても働きかけを継続するとともに、
委員が言われましたように、北海道とも連携を図りながら、さまざまな機会をとらえて
交通事業者に対して粘り強く要請してまいりたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美
委員 最後に、
要望でとどめますが、今、政令指定都市で割引を行っているところは仙台という話をお聞きしております。先ほどもお話ししましたとおり、やっぱり3障がい統一というか、
交通費助成というのは同一条件でということが今後の自立に非常に大事なことだというふうに思いますので、引き続きしっかり力を入れて割引になるように取り組んでいただきたい、このことを
要望して、
質問を終わります。
◆伊藤牧子
委員 私からも、2点ほど
質問させていただきます。
今回の新たな
修正案は、
福祉乗車証の復活、
タクシー券、
ガソリン券の
使い勝手がよくなり、また、全体予算案も上積みされたことは評価できますが、反面、
身体・知的障がいの
中度の方の
助成額が12万円から4万8,000円と大幅に減額されております。ここが大きな論点だと思います。先ほどの
説明では、8割の方が5万円以内で
利用しており、この金額でカバーできると答弁されておりました。私は、本当に実態に合っているのか、少し疑問に思います。
ことし4月に出されました
政策提言サポーターの提言書では、前回の
見直し案について、2007年に実施した障がい
者交通費助成に関するアンケートを
根拠に行っており、アンケートのとり方を含めて実態を十分に把握していないとし、
制度を築くためには、障がい者全員に対し、再度調査を実施してほしいとの提言も出されておりました。障がい
者交通費助成制度は、
社会参加を促し、日常生活を守る命綱であり、
当事者の実態を反映したものでなければならないと思っております。
そこで、
質問ですが、今回の
修正案に対し、再度実態調査を行っていませんが、障がいの
特性によって
利用状況も異なります。
当事者への実態調査を行わない中で、どのような
根拠で分析し、大幅に削減されたのか、伺います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 助成額の算定に当たっての分析方法についてであります。
障がい
種別や
程度による
交通機関の
利用状況などの実態につきましては、
関係団体との
意見交換などにおきまして詳細にお聞きしたところでありまして、それで
福祉乗車証の
存続や
通所交通費助成制度の新設などの判断に至ったものでございます。
障がい
程度の
中度の方に対する
助成額の算定の分析につきましては、抽出によるアンケート調査の結果ではなく、各区において実際に
助成した
福祉割引ウィズユーカードの実績、これは区の方から月報が出ますので、それをもとにした
利用者の
助成回数によって
助成額は出ますので、その
助成額に基づき分析したものでございます。
◆伊藤牧子
委員 今のお話で理解はできましたけれども、それぞれの段階で
利用実態を把握したとおっしゃられました。しかし、私は、障がい者の
特性もあり、声を出せない人の
意見を反映させる意味でも、やはり、再度アンケート調査を行った方が、より
当事者の
利用実態を把握できたのではないかと思っております。
障がい
福祉計画において、施設から地域へと、地域の中で安心して自立できる
地域生活支援の取り組みを進めています。その前提として、障がいのある方が地域の中でどのような生活を送っているのか、
地域生活を豊かにするためにはどのような
支援が必要なのか、一人一人の生活を把握することが重要です。
今後、高齢化が進む中で、医療と介護の連携など新たな
課題も出てくると思います。
交通費助成制度を充実させ、障がいのある方がいつまでも地域の中で自分らしく暮らすことができるよう、やはり
移動も含めた
生活実態調査を行うべきだということを求めておきたいと思います。
もう1点、
質問いたします。
私は、7月31日に、急遽、
見直し案に関する
説明会があり、参加させていただきました。
修正案が公表されてから2日後の
説明会にもかかわらず、多くの参加者が集まられていました。それだけ、市からの提案がどのようなものなのか、不安を抱いていた方も多かったと思います。たくさんの
意見が出され、また、時間が足りず
意見を述べることができなかった方もいらっしゃいました。
前回の
見直し案では、
政策提言サポーターや障がい者団体、個人への市の最初の
説明が余りにも唐突で、進め方に問題があり、
当事者に不安と混乱を招きました。今回も同じような轍を踏まないためにも、一回限りではなく、もっときめ細かく丁寧に
当事者の声を聞く
意見交換会などを開催すべきと考えますがいかがか、伺います。
また、
説明会当日は、
身体、知的、精神の方がいらしており、手話や
要約筆記がついていましたが、わかりづらいところも多々あったように思います。今後、障がいの
特性にあった対応が必要と考えますが、あわせて伺いたいと思います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 説明会の開催についてでございますが、今回お示しした
見直し案は、これまで十分に時間をかけて
検討してまとめたものでございまして、
関係団体の皆様にはいち早くご
説明する機会を持ちたいというふうに考え、7月31日の
説明会を開催したものでございます。今後も早い時期に
説明会を開催することとし、広く市民の皆様へ周知し、ご理解をいただきたいというふうに考えております。
また、新
制度への移行に際しましては、広報さっぽろやホームページでお知らせするほか、パンフレットの作成も
検討しております。その
説明や周知に
当たりましては、
委員も言われていましたように、障がい
特性などを十分に踏まえまして、
説明会のときには手話通訳や
要約筆記、視力障がいの方にも拡大した
資料をお渡ししていますけれども、よりわかりやすいシンプルな
説明の仕方に心がけてまいりたいと思います。
関係団体や施設
事業者の皆様にもご協力をお願いし、
利用者の方の混乱がないよう心がけてまいりたいというふうに考えてございます。
◆伊藤牧子
委員 最後に、
要望です。
当時者の声を十分に聞き、本当に拙速に進めないようにお願いしたいと思います。
また、先ほど阿知良
委員のお話にもありましたように、この
修正案では、精神障がい3級の方への
助成は、運賃割引
制度が実現されない限り、いつまでも
格差が是正されません。交通関係
事業者に対し、粘り強く働きかけていくとのことでしたが、私からも、強い意思を持ってぜひ進めていただきたいと思います。
また、私は、この間、
意見交換会などに何度か参加してきました。この
交通費助成制度の
見直しに対し、
身体、知的、精神の
方々が、自分たちだけがよくなるのではなく、すべての障がい者の
社会参加を保障したいという思いで、それぞれの障がいの
特性を超え、
一つになって運動を進めてきたと思っています。今回の
修正案によって、これまでの運動を後退させることがないよう
要望して、私の
質問を終わります。
◆佐藤美智夫
委員 いろいろと
質問がありましたが、障がい者にとって
利用しやすい
制度に
転換することは、非常に意義のあることだと私も思っています。そのためには、財政的な観点だけではなく、本当に必要とする
方々が適正に
利用できる
制度にすることが重要であると思っております。
しかしながら、一部でありますけれども、
福祉割引ウィズユーカードがインターネット上で売買されていたり、本人が
社会参加をするのではなくて、家族の
方々が使用していたり、あるいは、
タクシー券が譲渡されているなどの不正使用があるとの声も聞いております。
そこで、
質問ですが、市民から理解が得られる
制度とするために、不正使用を防止する対策が必要であると私は考えますが、どのような対応を考えているのか、お伺いいたします。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 この
制度につきましては、本当に、市民の皆様のご理解とご協力により障がいのある方の
社会参加を支えているものであることを十分にご理解された上で、適正に
利用していただくことが最も大切であるというふうに考えてございます。
これまでも、
助成を行う際に、注意事項を記載したパンフレットをお渡ししているほか、
ガソリン券につきましては、車両番号や給油所名を記載するように様式を変更したり、
ウィズユーカードの売買や譲渡を防止するために、使用済みの
カードの枚数と引きかえに同じ枚数を交付するというようなことで対応してきたところでございます。今後は、さらに徹底して正しい
利用方法の周知に努めるとともに、
タクシー券を使用する際には、本人確認のため、
ガソリン券と同様に手帳の提示を義務づけることも
検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆佐藤美智夫
委員 私たちも障がい者の
方々にはできる限りのご
支援をしたいと思っておりますけれども、もらうのが
当たり前の権利だと思っている家族の
方々もいらっしゃったりします。やはり、市民から理解が得られ、心から応援してあげたいというような
制度になることを願っておりますので、その辺の努力をしていただきたいと思って、
質問を終わります。
○村上仁 副
委員長 それでは、私からも、重複を避けて2点について
質問させていただきたいと思います。
その前に、先ほど質疑もありましたけれども、去る7月31日に開催されました
説明会は、わずか2日前に主な障がい者団体に通知しただけであって、しかも、平日の夜に一度開いただけでございます。そういう意味では、現状としては市の行う
説明会として極めて不十分な実態だと言わざるを得ません。今回の
見直し案につきましては、引き続き、障がいのある方ご本人はもちろんのこと、その家族に対してもまず丁寧な
説明を十分していくことを私の方からも最初に強く求めておきます。
それでは、1点目の
質問ですが、運賃割引についてお伺いいたします。
この運賃割引につきましては、先ほども北海道に対しての働きかけ等を行っているというご答弁がございました。
平成18年10月から精神の方の手帳に写真も添付するようになり、そして、
交通事業者の経営も厳しいという
状況等も述べられておりましたが、文書で申し入れをしているというようなこともございました。
交通事業者に対しても働きかけを行っているということでありますけれども、私は、この運賃割引については、一刻も早く適用を拡大していくために、市はあらゆる機会を用いて積極的に働きかけることが必要だろうと思っておりますし、重要な役割だというふうにも思っています。
そこで、運賃割引を働きかけるためには、市の交通局などほかの部局との連携も大いに図りながら、
交通事業者間で協議をしていく場を設けていくことが重要であると考えますけれども、この点はいかがか、まずお伺いいたします。
2点目の
質問ですが、
利用実態でございます。
先ほども
質問がありましたけれども、そもそも障がい者の
交通費助成制度というのは、言うまでもなく、障がいのある方の
社会参加や
地域生活に密接にかかわっているわけですから、その
利用状況は市として常に注視すべきであります。その上で、障がいのある方が今の
制度で十分な
社会参加ができない、あるいは、
地域生活にも支障や不都合を来す場合には、常に
制度を改善していく必要があるわけです。
そこで、
現行の
制度では、例えば、精神障がい3級の方は、先ほど来ありました
共通ウィズユーカードの
年間助成上限額が現在3万3,000円になっていますが、その
利用状況がどのようになっているのか、この点について具体的な数字でお伺いしたいと思います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 まず、運賃割引に対する
交通事業者への働きかけについてでございます。
精神障がいのある方も、
身体・知的障がいのある方と同様に、
交通事業者による運賃割引が適用されることが重要な
課題であると認識しております。今後とも、全国的な
課題として国への働きかけを継続するとともに、
交通事業者への要請につきましても、北海道や他部局とも連携を図りながら粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。また、
交通事業者間等の連絡協議の場というのは現在ございませんことから、今後の
検討課題の
一つとさせていただきたいというふうに考えてございます。
2点目の精神障がいの方の
共通ウィズユーカードの
利用状況についてでございます。
現在、障がい
者交通費助成制度を
利用されている方は約7万人でございますが、そのうち、精神障がい3級の方に交付しております
共通ウィズユーカードの
利用者は約4,000人となっており、この
制度の
利用者全体の6%
程度となってございます。
現行制度では、
共通ウィズユーカードの
助成額は
年間3万3,000円として、年1回、まとめて交付しております。その
利用状況については、ほぼ全額使用されている
状況だというふうに考えてございます。
○村上仁 副
委員長 私も7月31日の
説明会に参加しましたけれども、とりわけ、精神障がい3級の
方々を中心に、
通所や通院が困難だ、市はもう少し実態を知ってほしいなどの切実な
意見がたくさん出ておりました。市の
説明では、先ほども
共通ウィズユーカードの
説明で述べておりましたけれども、
中度の
身体、知的、精神の3障がいについては、公平性の観点から
上限額を4万8,000円に統一した、つまり、市の出す
助成額としては同額であるから
格差は是正されているというような趣旨のご答弁がありました。
しかし、実際に使う側の身になってみると、
身体、知的の方は、市の
助成額4万8,000円にプレミアと運賃割引を足すと10万5,600円
利用できるのに対して、精神の方はその半分の5万2,800円であります。ここまでしか
利用できないというのは、
利用する側からしてみれば明らかに
格差と言わざるを得ません。
私は、こうした実態であるにもかかわらず、
格差が是正されたというふうに言われても、やはり
当事者は納得できないと思うのです。北海道や
交通事業者に対しても運賃割引の適用を強く要請するのはもちろんですけれども、まずは交通局です。これは市の内部にあるものですから、他の部局の力も大いにかりながら、精神障がいの方にも一日でも早く運賃割引を適用させるという市の積極的な姿勢を示すことこそ、理解と納得につながる
一つの道だと思いますが、改めて、この点についてもう少し具体的に見解を伺いたいと思います。
次に、
利用状況についてでございます。
現行の精神障がい3級に対する3万3,000円の
ウィズユーカードを
利用している方は、全体の7万人のうち4,000人で、率にすると大体6%ぐらいの方がいらっしゃるということで、その3万3,000円もほぼ使い切っているというお話でありました。精神障がい3級のほとんどの方が
上限額を使っているというのは、あらゆる条件を生かして積極的に
社会参加していこうとしている結果だと思います。このように、障がいがあっても何とか
社会参加していくために懸命に努力をされている精神障がい3級の方など、障がい
中度者の
社会参加が阻害されることがあってはなりませんし、今後の影響については継続して
利用実態の調査を行うべきだと思います。
今後も継続して調査を行うのかどうか、先ほども調査について
質問がありましたけれども、改めて、今後の取り組みについて具体的に伺いたいと思います。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 交通事業者等への働きかけで、まずは交通局からというお話でございますけれども、先ほどの他部局と連携を図りながらという
部分では、総合交通計画部もございますので、そういうところと相談しながら、また、交通局には先般も私どもの文書を持って要請には参りましたが、その辺についてはさらにまた粘り強く働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。
それから、
利用実態の調査を継続的に行うことについてでございますけれども、障がいのある方にとって、
交通費助成は、本当に
社会参加を促進し、自立した
地域生活を送る上で大きな支えとなっております。この
制度の
利用状況を把握することは本当に重要であるというふうに考えてございます。
そこで、
福祉乗車証につきましては、
バス事業者と協力しながら、今後、その
利用実態を調査する必要があると考えております。また、その他の
利用実態につきましても、適宜、障がいのある
方々からその
利用状況をお聞きする場を設けるほか、その
利用状況はシステムで管理、分析することも
検討したいというふうに考えてございます。
○村上仁 副
委員長 運賃割引の働きかけについては粘り強くやっていくということでしたけれども、ぜひ、障がいのある方あるいは団体の方に具体的に全体像が見えるような進め方をしていただきたいと思います。会議をどういうふうに持つとか、あるいは、スケジュールを示しながらいくとか、障がい者の団体の方等にもよく見えるように進めていただきたい。とりわけ、交通局は
地下鉄でありますから、そういう点では粘り強く積極的に連携を図っていただきたい、そして、早急に運賃割引が適用されるよう格段の努力をしていただきたいということを、私からも強く求めておきたいと思います。
次に、
利用実態調査です。
私が最初に言ったのは、
通所や通院、地域の生活全般を含めてですが、この
制度において、困った人がいるのかいないのかということを中心に最新の調査をしてほしいということなのです。ただ、どれがどれだけ使われているということだけではなくて、本当にこの
制度が有効なのかということと、もう
一つは、きちっと
社会参加に役立っているのかという視点を実態調査の中でぜひ生かしていってほしいというふうに思います。こうした障がい者の皆さんの暮らしに直結する
交通費助成制度を変更する場合については、就労や
通所、通院など、これまでの生活に不都合が生ずる人はいないのかという点について、事前にちゃんと
当事者の皆さんの
意見を聞き、なおかつ、継続した調査を実施するべきだと思います。
そこで、
最後に伺いますけれども、今回の
見直し案につきましては、今後とも団体との
意見交換の場を持っていくというお話が先ほどありました。
当事者からの積極的な
意見も聞き入れながら、そして、そのもとで
利用実態調査も継続していくというふうな理解でよろしいですか。
◎
村木 障がい
福祉担当部長 説明会については、なるべく早い時期にもう一度とり行いたいと思っています。ただ、私どもがいろいろと案をつくっている段階で、庁内合議にそれこそ1カ月以上もかかった
部分もございまして、スケジュールがかなりタイトになっていたものですからそんな事態になってございます。
また、
利用実態の調査につきましては、先ほどお答えしたとおり、継続して進めてまいります。私どもの案としましては、できる限りの案ということで、
説明会の
最後にもお話ししましたとおり、精神障がいのある方の運賃割引については、別の
部分の
制度で今後も
検討課題の
一つとしてやっていかなければならないということです。ただ、今回の案については、事務レベルでは本当に庁内合議を得るのにかなりかかり、
予算確保のためにもできる限り認めてもらった案ですので、私どもとしてはこの案で進めてまいりたいというふうに考えてございます。
説明会は
説明会として実施する予定でございます。答えになっているかどうかわかりませんけれども、以上でございます。
○村上仁 副
委員長 ぜひ、個別、障がいの実態にきちっと合わせて、そして、本人だけではなくて、家族も含めて、これからちゃんと
説明し切るということを強く求めて、
質問を終わります。
◆伊与部年男
委員 局長に
質問いたしますけれども、今回、
陳情が6件出てきていますが、これは、
見直しを撤廃してくれ、白紙に戻してくれ、これが基本ですよね。
札幌市の全体的な予算の中で、
福祉予算というのは年々増加をしている。そして、先ほどから
村木部長が答弁しているように、毎年1億円ぐらいずつふえていくと。当初、去年の2月はとんでもない提案があって7億円の削減をすると言った。7億円の削減をすると言ったのが、逆に今度は1億円ふえる、そういう中身なんですね、この
修正案というのは。
この
修正案というのは、私はきょう初めて見た。議会に初めて
修正案というものが出てきた、公式には。いろいろと裏でもってどうだ、こうだという話はあるけれども、
修正案が議会に正式に出されたのはきょうが初めてですよ。原案があって、
見直しがあって、
修正案でしょう。こういうぶれを、言うなればぶれですよ。こういうぶれをしていたり、今もいろいろ発言があったけれども、何か強力なものがあればまたぶれちゃって、
修正案の
修正案と常に
修正が重なっていく、こうなったら、これは逆にそこから不安が生まれるんじゃないのか。やっぱり、基本的にしっかりとした哲学を持って、本当にお互いに協力し合って、お互いに歩み寄って、そして、許容の限界はどこにあるのかと。そこを追求しなければ、
札幌市は逆に全体的に沈没してしまいますよ。だって、予算の中で歳入の欄を見ると、もう限られているんですから。限られた財政の中で優先順位をきちっと決めて、そして、困っている人、弱い人を助けてやる、これはもう
福祉の基本ですよ。その
福祉の基本がぶれちゃったら、話をするたびごとにぶれちゃったら、とてもじゃないけれども、行政に対する信頼感を失っちゃう。
そこで、今回初めて出てきた
見直し案に対する
修正案に対して、局長はどういうふうに考えているのか。いま一度、きちっとした基本的な見解を明らかにしてください。
◎岡村 保健
福祉局長 昨年の提案以来、今回に至るまでの経緯は、先ほど
部長からお話を申し上げたとおりですけれども、今回の案につきましては、障がいのある方を初め、市民の皆様から幅広くご
意見をいただいて、時間をかけて
議論を重ねてきたものでございます。
この
制度そのもののあり方については、今後も
制度的にも財政的にも継続して
検討すべきものというふうには考えておりますが、今回提示させていただいた
見直し案につきましては、これまでの
議論を十分に踏まえまして、障がい
種別による
助成内容の
格差の是正、あるいは
利便性の向上を図るという観点から、現時点では最善の
見直しをしたものというふうに考えております。したがいまして、今後、この案をもって
説明会等を進めさせていただき、ご理解をいただきたいというふうに考えております。
◆伊与部年男
委員 わかりました。
局長の決意はわかったけれども、具体的に言うと、今、
札幌市には65歳以上の
方々が36万8,000人いるんですよ。いいですか、36万8,000人ですが、毎年、1
年間で1万5,000人ずつ65歳以上の人がふえているんですよ。その人たちの中で、毎年3,000人ずつ障がい者になるんですよ。3障がいになる、これは。だから、1億円積み重ねていかなけりゃ、とてもじゃないけれども、対応できないわけだ。そのことを数字としてもしっかりきちっと受けとめて、財政的にも
制度的にもお互いに許容の限界を追及するというのは肝心な問題ですから、これはやっぱりしっかり受けとめてやることを
要望して、終わります。
○
三宅由美 委員長 それでは、
陳情6件の取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしましょうか。
(「継続」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 それでは、
陳情6件については、継続審査とすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
三宅由美 委員長 異議なしと認め、
陳情6件は、継続審査と決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時27分...