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平成21年(常任)厚生委員会−08月10日-記録

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  1. 札幌市議会 2009-08-10
    平成21年(常任)厚生委員会−08月10日-記録


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    平成21年(常任)厚生委員会−08月10日-記録平成21年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成21年8月10日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分 ○三宅由美 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会します。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  障がい者交通費助成制度に関する陳情第136号、第759号、第838号、第839号、第1013号及び第1168号の6件を一括議題といたします。  陳情第1168号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時       再 開 午後1時7分     ―――――――――――――― ○三宅由美 委員長  委員会を再開いたします。  質疑に先立ち、理事者から説明を受けます。 ◎村木 障がい福祉担当部長  障がい者交通費助成制度につきましては、昨年2月の厚生委員会見直し案をご報告申し上げましたが、その見直し案では、必要な外出ができなくなるなど数多くのご意見が寄せられましたことから、見直しの実施を1年先送りして検討を深めてきたところでございます。  これまでの議論を踏まえ、このたび、当初の見直し案修正いたしましたので、ご説明いたします。  お手元の資料に沿ってご説明をさせていただきます。  資料の1枚目をごらんください。
     まず、障がい者交通費助成制度は、障がいのある方の交通費の一部を助成することにより、外出の機会を確保し、社会参加を促進することを目的として、昭和46年に開始、平成15年から現在の仕組みとなっております。  現在の制度ですが、障がい程度重度の方は、障がい種別にかかわらず、市内の公共交通機関を無料で乗車できる福祉乗車証年間60回分の基本料金助成するタクシー券年間3万円分のガソリン券の中から一つ選択することになっております。これに対して、中度は、身体・知的障がい者の方は、年間12万円を上限として半額で利用できる福祉割引ウィズユーカード、または定期券のどちらかを選択し、精神障がいの方は、年間3万3,000円分の共通ウィズユーカードを交付しております。  次に、制度上の課題といたしましては、1 障がいの種別等級によって助成内容が異なっていること、2 障がいの状況に応じた利用方法選択ができないこと、3 福祉乗車証は、正確な利用実績の把握ができないため、交通事業者との間で適切な費用負担が難しいことなどが主な課題として、以前からその改善を求められておりました。また、4として、利用者の増加に伴いまして事業費は年々1億円程度増加しており、今後も同様の傾向で増加することが見込まれるため、この制度を維持する予算の確保が難しい状況となっておりました。  このようなことから、制度上の課題を改善するとともに、将来にわたって財政的にも持続可能な制度とするため、昨年2月に見直し案を提示したところでございます。当初の見直し案は、福祉乗車証を廃止し、障がい種別等級にかかわらず、基本的に助成額年間2万4,000円に統一し、ウィズユーカードタクシー券ガソリン券の中から一つ選択する仕組みにするとともに、事業費を7億円程度減額したものでございました。  この見直し案に対する主な意見といたしましては、1 生活実態が厳しい中、福祉乗車証を廃止し、助成額を大幅に削減すると、通所や通院など必要な外出ができなくなること、2 重度の視覚障がい者や知的障がい者は、ウィズユーカード残額確認が困難であることなど、それぞれの障がいの特性において移動に関する制約があること、3 障がい程度が重いほど介助が必要で、自動車の利用機会が多いなど移動が困難であり、等級を考慮しないのは逆に不公平であることなど、数多くのご意見が寄せられました。このような状況から、制度見直しについては、1年先送りして十分に議論を重ねることとし、政策提言サポーター関係団体などとより望ましい制度を目指して検討を深めてきたところでございます。  次に、見直しに当たっての主な要望といたしましては、やはり、福祉乗車証存続についての要望が最も大きく、そのほかには、ウィズユーカード助成額格差を改善し、3障がい共通の仕組みとすること、タクシー券ガソリン券交付対象を拡大するとともに、タクシー券定額券化すること、通所に対しては特別な配慮をすることなどが求められております。  これらのご意見要望を踏まえ、1 障がい程度に応じて、社会参加を促進し、自立した地域生活支援する仕組みとすること、2 障がい種別による助成内容の違いを改善し、3障がい共通した仕組みとすること、3 助成内容選択の幅を拡大するなど利用者ニーズにこたえる仕組みとすること、この三つを基本的な視点として見直し検討を行ってまいりました。  そこで、見直し方向性といたしましては、まず、利用しやすい制度への転換を図りたい。2点目として、障がい程度の重い方の助成については、移動困難性を踏まえ、現行制度と同レベルとしますが、タクシー券については、1回の乗車で複数枚利用できるようにして利用者利便性を向上させたい。3点目として、現行制度では、身体・知的障がいの中度に対する福祉割引ウィズユーカード助成上限額が12万円と他の助成と比べて極端に大きいため、この助成上限額を減額し、逆に精神障がいの中度に対する共通ウィズユーカード助成額増額し、障がい種別による格差を改善したい。4点目として、現行制度では、聴覚、平衡機能、音声、言語、咀嚼機能、上肢のみの障がいの方や障がい程度中度の方はタクシー券ガソリン券対象外となっておりますが、これらの方にもタクシー券ガソリン券選択を可能とし、利用者ニーズにこたえる仕組みにしたい。ただし、障がい程度を考慮し、中度の方に対する助成額重度と比べると低額となります。5点目として、定期券につきましては、助成額に制限がなく、1人当たり事業費も9万円と他の助成と比べて高額であることなどから廃止することとし、ウィズユーカード利用に変更していただきたい。ただし、通学と通所に対しては特別な配慮が必要であり、通学については、教育委員会における就学援助等により助成することとし、通所については、この制度とは別に新たな通所交通費助成制度を新設して、通所に係る交通費の一部を助成することにしたいと考えております。  これら具体的な助成内容修正案としてまとめましたのが、資料の2枚目でございますので、ごらんください。  まず、重度の方につきましては、現行制度と同様に、福祉乗車証タクシー券ガソリン券の中から一つ選択していただきます。福祉乗車証ガソリン券現行どおりですが、タクシー券基本料金助成から定額券助成に変更いたします。年間助成上限額は3万9,000円とし、1枚500円の助成券を78枚交付いたします。  次に、中度の方につきましては、障がい種別にかかわらず、ウィズユーカードタクシー券ガソリン券の中から一つ選択していただきます。ウィズユーカードは、現行制度と同様に、身体・知的障がいの方には福祉割引ウィズユーカードを、精神障がいの方には共通ウィズユーカードを交付することにしますが、助成上限額年間4万8,000円とし、札幌市からの助成額をそろえることといたします。タクシー券ガソリン券助成額につきましては、障がい程度を考慮して、重度助成額の3分の1としてタクシー券は1万3,000円、ガソリン券は1万円とします。  また、障がい者交通費助成制度とは別に、通所交通費助成制度の新設を考えております。この助成は、定期的に通所する身体障がい3級から6級、知的障がいBとB−の方に対して交通費の一部を助成するものでございます。1日の助成額公共交通機関往復運賃の半額とし、1カ月のうち10日を超える通所日数に対して助成金を交付いたします。その助成金は、利用実績に応じて計算し、通所施設施設長等を経由して1カ月単位で交付したいと考えております。  なお、知的障がいBの方の中にはウィズユーカード利用が困難な方もおられますことから、定期券を購入して利用する方に対しては、ただいま説明いたしました10日を超える通所に対する助成金に加えまして、1カ月につき4,000円を上乗せすることといたします。ただし、この場合は、障がい者交通費助成制度による助成を重複して受給することはできないことになります。この助成に係る事業費は、2,800万円程度を見込んでおります。  当初の見直し案では、総事業費を7億円程度減額したものでございましたが、このたびの見直しでは、これまでの議論を踏まえまして、障がい種別による格差を是正し、利用しやすい制度への転換を図ったことにより、現行制度と比較して1億円程度増額となっております。  最後になりますが、今後の事業費の推計についてでございます。制度見直し後も、利用者の増加に伴って事業費は年々1億円ずつ増加することが見込まれます。  以上が今回提示させていただく修正案であり、来年、平成22年4月からの実施を考えております。これまでに、障がいのある方々を初め、議会の皆様などから幅広くご意見をお聞きしながら検討を進めてまいりました。委員皆様方の特別のご理解をいただきたくお願い申し上げます。 ○三宅由美 委員長  それでは、陳情6件について、一括して質疑を行います。 ◆長谷川衛 委員  今、障がい福祉の方から、特に修正にかかわっての具体的な説明がありました。これにかかわって幾つ質問したいと思いますので、よろしくお願いします。  今、部長からも話がありましたけれども、今回の障がい者交通費助成について、昨年2月に見直し案が提示されました。その内容は、非常に厳しい財政状況とはいえ、福祉乗車証の廃止、助成上限額を一律に大幅な削減ということから見ると、やはり、関係者にとっては非常に厳しいというか、問題のある案であった、こう言わざるを得ないと思います。また、この間、障がいのある方やその家族の方、関係団体など多くの方々からこの見直し案に対する反対や不安の声が当局に寄せられていたと思いますが、私の方にも実際に施設に通っている方々を含めて多くの意見が寄せられました。これにかかわって、今、部長からは、札幌市としても、このような声を重く受けとめながら制度見直しを1年先送りした、そして、障がい当事者と十分に時間をかけて議論を重ねて、より望ましい制度を目指して検討を深めてきた、こういうふうな経過でございます。  そこで、質問ですが、これまで、関係団体というのはたくさんの団体があると思いますが、意見交換をどの程度重ねてこられたのか、そして、その幾つかはもちろん今の説明の中でわかりましたけれども、さらに、どのような意見が出されて、それらをどのように受けとめてこられたのか、この見解をまず求めたいと思います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  障がいのある方の意見の聴取についてでございます。  障がい者交通費助成見直しにつきましては、札幌市のコールセンターやホームページなどを通してご意見をいただいてきたほか、市長との懇談会、それから市民意見交換会が7回、関係団体との意見交換が58回、政策提言サポーターによる障がい者の声を聞く集いが5回、そして政策提言サポーターとの意見交換が9回など、合計80回にわたり議論の場を設けてまいりました。参加人数は、延べで2,200人余りでございます。  その中では、視覚や知的障がいの方はウィズユーカード残額確認が難しい、腎臓機能障がいの方は週3回の人工透析が必要である、聴覚障がいの方については手話や要約筆記が必要で活動場所が身近にないこと、下肢障がいの方は移動距離が短くても交通機関利用すること、それから、精神障がいの方は外出すること自体がリハビリになるなど、本当に配慮すべき障がい特性制度利用実態についてさまざまなご意見をお聞きしてまいりました。  これまでの議論を踏まえますと、障がいのある方にとっては、この交通費助成制度は、本当の意味で社会参加を促進し、自立した地域生活を送る上で大きな支えとなってございます。地域生活移行就労支援などさまざまな障がい施策の土台となっている制度であると改めて認識いたしております。 ◆長谷川衛 委員  今の答弁では、かなりの回数で、回数ですべて網羅できるかは別としても、80回以上にわたって意見を聞く会を持ってきた、延べで2,200人、そして、さまざまな障がいのある方々意見を聞いてきた、こういうことでありました。  それにかかわって、今回の助成額算出根拠について伺いたいのです。  今回のこの修正案を見ますと、障がい程度が重い方に対しては、移動困難性を考慮して福祉乗車証存続する、それから、タクシー券を複数枚使用できるようにするなど、現行制度における助成を維持し、さらには利便性の向上も図っている、こういうふうには言えますね。ただ、その一方で、障がい程度中度の方に対する助成というのが、障がい種別による格差を改善したことはよく理解できますが、タクシー券ガソリン券選択できるようにし、この制度を活用できない方に対しても一定程度は配慮しているものの、助成額現行制度と比べて大きな減額となっているわけです。  そこで、質問ですが、今回の修正案では、障がい程度中度の方に対するウィズユーカード助成額は4万8,000円を上限としていますけれども、その根拠を明らかにしていただきたいと思います。  また、中度の方はタクシー券ガソリン券助成額重度の方の3分の1としておりますけれども、どのようにして算出したのか、この2点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  1点目のウィズユーカード助成額についてでございます。  現行利用状況といたしまして、福祉割引ウィズユーカードの1人当たりの平均が3万3,000円であること、それから、利用者のうち8割が5万円未満であることなどを踏まえ、助成額を4万8,000円としたものでございます。  なお、この助成額につきましては、1日の外出に要する交通費地下鉄2区間、バス1区間の360円としますと、週3日程度外出が可能となります。また、精神障がい3級に対する共通ウィズユーカード助成額につきましては、身体・知的障がいとの格差を改善するため、現行より1万5,000円増額して、福祉割引ウィズユーカードと同額の4万8,000円とし、札幌市としての助成額を統一したものでございます。  次に、2点目の中度の方へのタクシー券ガソリン券助成額についてでございます。  タクシー券につきましては、札幌市近郊の小樽、石狩、江別、北広島などの各市では障がい程度重度でも助成額が1万3,000円程度であったことを踏まえましてこの助成額としたものでございます。重度に対するタクシー券助成額は、現行どおり、同じく3万9,000円としてございます。中度助成額は3分の1となっておりますので、ガソリン券についても同様に重度の3分の1となる1万円としております。 ◆長谷川衛 委員  今の部長からの説明で、算出根拠というのですか、どのようにして算出したかという根拠ということでは一定程度わかりました。ここの部分については若干意見もありますので、後ほどそこでまた述べさせていただくことにします。  そこで、今回の修正案の中で特に定期券にかかわって質問したいのです。  他の助成と比べて助成額が高額であるという理由で、今回、定期券を廃止することにしておりますけれども、現実の利用頻度で一番多いのはやはりバス地下鉄併用者なのです。その併用者の中でも、特に知的障がいのある方がウィズユーカードを使った場合、残額がなかなかはっきりしない、また、残額処理ができない。バスなんかはウィズユーカードに出ませんからね。それで、地下鉄改札機で急にとめられて、または、バスカードリーダーを通そうとしたら残額がなく、後ろが詰まって後ろの人から文句を言われたとか、そういう状態になると必ずパニック状態を起こすのですよ。こういうことが、実は、多くの通所者方々から、またはスタッフの方々から私のところに寄せられているのです。  そういうようなことで、そのことによって不安がって通所を控えるようなことになっては意味がありませんので、今回、通所のための交通費助成制度を新たに設けたと先ほど部長から説明されました。  ただ、私自身もまだぴんとこないのです。この制度が、今のような知的障がいのある方を含めて、本当にその障がい特性をより克服するように具体化したものなのだというのであれば、こういう点でこういうふうに定期券が使えるのではないかとか、そういう観点でこの部分についてもう少し具体的に詳しく説明願えませんか。 ◎村木 障がい福祉担当部長  委員ご指摘のとおり、知的障がいのある方の中には本当にウィズユーカード残額処理が困難な方がいる、そういうご意見をいただいております。それで定期券を購入して利用される方が多いと思いますので、その方につきましては、ご自分で定期券を購入していただき、事後払いになりますが、10日を超える通所に対しては通所交通費助成制度において助成金が出ますので、それに加えて1カ月につき4,000円を上乗せして支給したいというふうに考えております。  この額については、現行の障がい者交通費助成制度における福祉割引ウィズユーカード年間助成額と同様の4万8,000円にしたいと考えておりますので、1カ月にしますと4,000円ということでございます。ただ、この助成を受ける場合については、障がい者交通費助成制度による助成は重複して受給できないということを今考えてございます。したがいまして、委員ご指摘のとおり、この部分では、知的障がいのBの方に対してその障がい特性を配慮した制度というふうに考えてございます。  また、これとは別に、福祉乗車証存続というのは、視力障がいの方はフリーパスがないと残額確認ができませんので、福祉乗車証存続についてもそういった障がい特性を配慮した決断だというふうに考えてございます。  なお、通所交通費助成制度では、障がい程度が中軽度の方を対象にしておりますので、知的障がいの軽度であるB−の方の通所に係る交通費の一部も助成することにしたいと考えてございます。 ◆長谷川衛 委員  今の説明で、新しい制度としては意味のある制度だとは思いますが、今後さらに詰めていただきたいことがありますので、これは後の意見の中で述べたいと思います。  質問事項最後になりますけれども、総事業費増額についてお聞きしたいのです。  障がいのある方の自立生活支援する事業というのはさまざまなものがあると思うわけですが、障がい当事者からの切実な声を聞きますと、交通費助成というのは、先ほど部長も述べておりましたが、自立した地域生活を送る上で根幹となる事業となっているのではないかと思うわけです。札幌市では、障がいのある方々関係者との意見交換を重ねる中で、意見をしっかりと受けとめて利用しやすい制度として転換を図ってきたということについては、きょうの説明一定程度評価をしておりますけれども、見直し結果ではトータルが現行制度より1億円程度増額となっているのです。  そこで、最後質問ですが、この総事業費はどのようにして算出されたのか、その内訳をもう少し明らかにしていただきたい。 ◎村木 障がい福祉担当部長  総事業費増額した内訳につきましては、まず、精神障がい3級への共通ウィズユーカード助成額を1万5,000円増額することによりまして、事業費が4,000万円程度増額になります。そのほか、身体・知的障がい者に対する通所交通費制度の新設によりまして3,000万円、タクシー券定額券化により利用率が上昇することが予想されるため、その部分で8,000万円増額になります。さらに、重度の方は、手帳所持者のうち、8割がこの制度利用しているのに対しまして、中度は5割にとどまっております。これは、タクシー券ガソリン券選択できないことが要因であると考えられます。修正案としましては、障がい程度中度の方のうち、3割程度、1万人が新たに受給するものと想定しており、事業費は1億円増額となります。これらを合計いたしますと2億5,000万円の増額となります。  一方、福祉割引ウィズユーカード助成額の減額、定期券助成の廃止によりまして、事業費は1億5,000万円減額となります。  以上を差し引きいたしますと、1億円程度増額を見込んでいるものでございます。 ◆長谷川衛 委員  最後に、意見といいますか、要望も含めて、何点かお願いしたいのです。  先ほどの質問の回答の中にもありましたが、一つは、知的障がいの方の、特にウィズユーカード使い勝手の悪さといいますか、この部分については、確かに、お金さえ出せばすべてが解決をするのかという問題にもなろうかと思いますけれども、交通事業者方々もちょっと努力をしてもらいたいなという部分があることはあります。本当にウィズユーカードがいいのかどうか。特に、障がいのある方がたくさんいる中で、もっと使い勝手のいいカードICカードも含めてさまざまに利用する方向がないのかどうかもちょっと模索をしてもらいたいと思います。  先ほど、10日以上の通所者への手当てというのはわかりましたけれども、定期というのは先に買うものでして、例えば毎日のように通って努力している障がい者がいるのですが、中には、定期を買って通っている中で風邪を引いたり、結果としてなかなか通所できない方がいます。そうなると、例えば10日に満たなくなってしまうこともあり得ると思うのです。そういう場合にどうするのか、手当てしてくれないのかどうか、そういう細かい部分はまだこれから整理しなければならない点かなというふうに思います。その辺は課題幾つかあると思いますので、これから運用面を柔軟に考えていただきたいと思います。  最後になりますけれども、私は、交通費助成は現状では大事な部分だと思います。しかし、交通費助成だけで解決できることにはならないのです。私は、今、現実に障がいのある父親とも暮らしていますが、一つはやっぱり移動支援サービスというものももう少し充実できないものかなと。この絡みというのはどうしても出てくるのですよ。定期代なりガソリン代をもらったからといって、どこにでも行ける状態にはならない。家族も働いていますからね。そうすると、支援というものがどうしても必要です。老人であれば、介護施設の問題がまた複雑に絡んできます。しかし、これだけではない、今言いましたような移動支援サービス等も含めた総合的な障がい福祉という問題を根本に置きながら、これからさらに実態の分析も含めてやっていただきたいということを要望して、終わります。 ◆勝木勇人 委員  私からは、今回の修正案事業費総額の増減の部分で聞きたいと思います。  去年2月の当初の見直し案より、今回の修正案というのは7億円以上も事業費増額になるということですが、この7億円はどこから持ってくるのか。ほかの事業をどこか削るとか、何かいろいろセーブしてこっちの方に回すとか、そういうやりくりをされるのか、されるのであればどこの何を削ってここに持ってくるのか、そこを教えてください。 ◎村木 障がい福祉担当部長  当初の見直し案は、年々、事業費が増加して制度を維持する予算確保が難しいこともあり、財政的にも制度的にも持続可能なものということを見直しの視点として7億円を減額した提案だったのです。しかし、これまでの議論を踏まえていきますと、障がいのある方にとって、この制度地域生活を送る上で欠かせないものとなっております。さらに、社会参加を促進するために、利用しやすい制度転換することが重要であるというふうに判断したところで、結果として現行制度に比べて1億円増加したということでございまして、その部分については市民の皆様にもご理解いただけるものだというふうに考えてございます。  なお、今後も厳しい財政状況が続くことが見込まれますし、また、具体的に、現行制度に比べて1億円上がる部分はどこから持ってくるのだというお話だろうと思うのですけれども、事業部局としては、障がい福祉関係費は毎年12億円ほど増加している状況でございますので、私どものところからとはなかなか言えず、やっぱり札幌市全体の中から捻出せざるを得ないとしかちょっと言えないような状況でございます。  ただ、この制度を維持させるために予算の確保等には今後も努めてまいりたいと考えておりますし、また、今後ともこの制度のあり方につきましては引き続き研究してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆勝木勇人 委員  どこから1億円を持ってくるか、はっきりしないみたいですけれども、出せるということなのですね。出せるのであれば、何で7億円減らすことを考えたのかなと。障がい者の皆さんに余計な不安を与えたのではないのかなというふうな感じがいたします。初めから現行制度の上に不足分を追加で補充するというような見直しの仕方を考えていたら、現在、こんな陳情だとか、そういう騒ぎにならずに済んだのではないのかなと思います。  その点について、何かご意見があればお聞かせいただきたい。 ◎村木 障がい福祉担当部長  当初の見直し案では、行財政改革プランというものが札幌市全体の中でありまして、それに基づいて7億円削減の案を提出したというふうに聞いてございます。そういった意味では、たたき台の一つとして提案させていただいて、それこそ本当に障がい者の方と意見を交わしながらこの制度について考えていきたいということで提案したものというふうに考えてございます。結果として、障がい者の方に本当に多大な不安や憤りの部分も含めて生じさせたことにつきましては、担当の事業部局としてはその辺ではおわびを申し上げたいというふうに考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、通勤手当の支給にかかわる企業への働きかけとウィズユーカード利用可能額の統一について、2点質問いたします。  まず、通勤手当の支給でありますが、現行制度では、福祉割引ウィズユーカード利用者のうち、先ほど8割の方々が5万円未満であるという答弁がありました。通学、通所、通勤している方々につきましては、やはり、定期券の廃止、福祉割引ウィズユーカードの減額による影響というのは非常に大きいだろうと思います。通学や通所についてはほかの制度との連携により支援するということでありますが、通勤については支援策が何も講じられておらず、企業側から通勤手当が支給されない場合は就労を継続することに支障が生じることも考えられます。  通勤手当については、本来、企業側が勤務条件の一つとして支払うべきものであると思いますが、この制度見直しによって、通勤している方々が著しく不利益にならないよう、福祉的な事業所だけではなくて、一般企業に対しても制度の周知を十分に行っていただくとともに、理解を深めていただく必要があるだろうと思います。  そこで、企業に対する働きかけをこれまでどのようにされたのか、また、されていくのか、1点お伺いします。  また、特に授産施設の平均賃金はどのくらいいただいているのか、また、これによってどのくらいの負担増になるのか、これがあれば教えていただきたいと思います。  それからもう一つは、ウィズユーカード利用可能額の統一についてであります。  当初の見直しでは、身体・知的障がいのある方々に交付する福祉割引ウィズユーカード助成額が2万4,000円で、精神障がいのある方に対する共通ウィズユーカードが4万8,000円でありました。利用可能額を統一しておりましたが、これは、精神障がいのある方々には交通事業者の運賃割引が適用されていないことに対する配慮だろうと思います。ほかの制度で補完するということでありますが、利用者にとって不公平なものになっていたと言えます。  しかし、この修正案では、精神障がいのある方々も、身体・知的障がいの方と同じくウィズユーカード助成額を4万8,000円と統一するため、交通事業者の運賃割引の適用を受ける身体・知的障がい者と比べて利用可能額が相当低いわけです。身体・知的障がいの方々は10万5,000円程度利用が可能だということであります。一方、精神障がいの方々は5万2,500円程度ということですから、相当差があるわけです。そういう面では、利用可能額を統一することによって、障がい種別による格差を解消できるというふうに思いますが、この点はいかがか、お伺いいたします。 ◎村木 障がい福祉担当部長  まず、通勤手当支給に係る企業への働きかけについてでございます。  定期券につきましては、利用目的を限定しており、現在、週5日以上の通学、通所、通勤、通院の場合に助成し、利用者は500人程度になっております。定期券の廃止により、これらの方々に影響が出てまいりますが、通学については、教育委員会で行っている就学援助などで補完します。また、就労継続支援事業所や地域共同作業所などに通所する方を対象として通所交通費助成制度を新設して、交通費の一部を助成することにしております。  なお、通勤につきましては、現行制度で通勤手当が支給されていない場合に助成することにしております。企業側では、通勤に係る交通費札幌市の交通費助成制度助成されるため、通勤手当を支給していないことも考えられます。本来、雇用主にあっては、障がいの有無にかかわらず通勤手当を支給していただきたいと考えております。そこで、一般企業に対しましても、制度変更の周知とあわせまして、通勤手当の支給につきましてご理解いただけるよう、北海道労働局、ハローワークなどと連携を図りながら働きかけてまいりたいと考えております。  2点目の授産施設等の平均工賃ですが、北海道でまとめたものがございまして、通所授産施設ですと平均で月5,758円です。ただ、種別にかかわらないで、入所施設、通所授産、福祉工場など全部を合わせますと、1万円を超えて1万8,000円ぐらいになっています。私どもも、元気ショップなどに入れている施設の工賃では、5〜6施設で、障がいの種別によってということではないのですが、それですと1人当たり月額で1万5,000円ちょっとぐらいの金額になっております。  また、負担額につきましては、通所交通費助成制度を新設してやりますと、20日程度働いたときには、福祉割引ウィズユーカードの使用の場合、1カ月1,400円ぐらいの自己負担で済むような計算といいますか、そのぐらいの自己負担額が出る形にはなってございます。  それから、最後ウィズユーカード利用可能額の統一についてでございます。  精神障がいのある方と身体・知的障がいのある方の利用可能額を統一する場合、精神障がいのある方の共通ウィズユーカード助成額は倍の9万6,000円となってしまいます。他の助成と比べて極端に高額になりますことから、札幌市といたしましては、助成する額を統一することで障がい種別による格差の改善を図ることといたしました。修正案では、共通ウィズユーカード助成額現行制度より1万5,000円増額し、総事業費も1億円程度増額となってございます。このたびの修正案では、できる限りの改善を図ってきておりますので、これ以上の拡充は難しいことをご理解いただきたいと存じます。 ◆阿知良寛美 委員  こういう制度があるから、例えば事業者が定期代を出さないというところも多々あるだろうと思うのです。そういう意味では、今回の改正は直接利用される方々に響くわけです。ましてや、元気ショップのように市長が肝いりで一生懸命やっているところはある程度の工賃をいただいているかもしれないけれども、先ほどお話を聞いたところ、5,758円と大変少ない額ですよ。こういった中から、10日以降とはいえ、1,000円幾らか負担がふえるわけですから、その意味では、実情といいますか、そういったこともしっかりとらえて交通事業者に働きかけるべきだろうと思います。  それから、利用可能額が非常に高額になるということで、利用可能額を統一することは現状では非常に厳しいというお話が今ありましたけれども、交通事業者に対しても、精神障がいのある方々にも福祉割引ウィズユーカード利用が可能となるよう理解と協力を求めることが今後非常に大事だろうと思います。その意味では、3障がい共通の仕組みを実現する、これが非常に大事だろうと思います。  この点については、道としっかり連携をとりながら、今後、運賃割引の適用拡大に向けて取り組んでいただきたいというふうに思いますが、札幌市としては今後どのような取り組みを行っていくお考えか、お話をお聞かせ願います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  精神障がい者の運賃割引適用の拡大に向けた取り組みについてでございます。  平成18年10月から、精神障害者保健福祉手帳に写真添付が義務化されまして本人確認ができることになりましたことから、国の方では、従前から指摘されている運賃割引について、交通事業者の理解と協力を得ることに一層努めるよう関係機関に依頼しております。  しかしながら、現在、自家用車の利用による乗車人員の低迷などにより、交通事業者もかなり厳しい経営状況にあるというふうに伺っており、精神障がいのある方に対する運賃割引は行われていない状況にございます。  これまでも、国に対しまして、政令指定都市が共同して、JRを初めとした公共交通機関の運賃割引の制度化を要請するとともに、市内の交通事業者に対して理解と協力を求めてきておりますが、今年度はさらに文書をもって運賃割引の適用について申し入れを行っているところでございます。今後におきましても、精神障がいのある方に運賃割引が適用されるよう、国に対しても働きかけを継続するとともに、委員が言われましたように、北海道とも連携を図りながら、さまざまな機会をとらえて交通事業者に対して粘り強く要請してまいりたいというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望でとどめますが、今、政令指定都市で割引を行っているところは仙台という話をお聞きしております。先ほどもお話ししましたとおり、やっぱり3障がい統一というか、交通費助成というのは同一条件でということが今後の自立に非常に大事なことだというふうに思いますので、引き続きしっかり力を入れて割引になるように取り組んでいただきたい、このことを要望して、質問を終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私からも、2点ほど質問させていただきます。  今回の新たな修正案は、福祉乗車証の復活、タクシー券ガソリン券使い勝手がよくなり、また、全体予算案も上積みされたことは評価できますが、反面、身体・知的障がいの中度の方の助成額が12万円から4万8,000円と大幅に減額されております。ここが大きな論点だと思います。先ほどの説明では、8割の方が5万円以内で利用しており、この金額でカバーできると答弁されておりました。私は、本当に実態に合っているのか、少し疑問に思います。  ことし4月に出されました政策提言サポーターの提言書では、前回の見直し案について、2007年に実施した障がい者交通費助成に関するアンケートを根拠に行っており、アンケートのとり方を含めて実態を十分に把握していないとし、制度を築くためには、障がい者全員に対し、再度調査を実施してほしいとの提言も出されておりました。障がい者交通費助成制度は、社会参加を促し、日常生活を守る命綱であり、当事者の実態を反映したものでなければならないと思っております。  そこで、質問ですが、今回の修正案に対し、再度実態調査を行っていませんが、障がいの特性によって利用状況も異なります。当事者への実態調査を行わない中で、どのような根拠で分析し、大幅に削減されたのか、伺います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  助成額の算定に当たっての分析方法についてであります。  障がい種別程度による交通機関利用状況などの実態につきましては、関係団体との意見交換などにおきまして詳細にお聞きしたところでありまして、それで福祉乗車証存続通所交通費助成制度の新設などの判断に至ったものでございます。  障がい程度中度の方に対する助成額の算定の分析につきましては、抽出によるアンケート調査の結果ではなく、各区において実際に助成した福祉割引ウィズユーカードの実績、これは区の方から月報が出ますので、それをもとにした利用者助成回数によって助成額は出ますので、その助成額に基づき分析したものでございます。 ◆伊藤牧子 委員  今のお話で理解はできましたけれども、それぞれの段階で利用実態を把握したとおっしゃられました。しかし、私は、障がい者の特性もあり、声を出せない人の意見を反映させる意味でも、やはり、再度アンケート調査を行った方が、より当事者利用実態を把握できたのではないかと思っております。  障がい福祉計画において、施設から地域へと、地域の中で安心して自立できる地域生活支援の取り組みを進めています。その前提として、障がいのある方が地域の中でどのような生活を送っているのか、地域生活を豊かにするためにはどのような支援が必要なのか、一人一人の生活を把握することが重要です。  今後、高齢化が進む中で、医療と介護の連携など新たな課題も出てくると思います。交通費助成制度を充実させ、障がいのある方がいつまでも地域の中で自分らしく暮らすことができるよう、やはり移動も含めた生活実態調査を行うべきだということを求めておきたいと思います。  もう1点、質問いたします。  私は、7月31日に、急遽、見直し案に関する説明会があり、参加させていただきました。修正案が公表されてから2日後の説明会にもかかわらず、多くの参加者が集まられていました。それだけ、市からの提案がどのようなものなのか、不安を抱いていた方も多かったと思います。たくさんの意見が出され、また、時間が足りず意見を述べることができなかった方もいらっしゃいました。  前回の見直し案では、政策提言サポーターや障がい者団体、個人への市の最初の説明が余りにも唐突で、進め方に問題があり、当事者に不安と混乱を招きました。今回も同じような轍を踏まないためにも、一回限りではなく、もっときめ細かく丁寧に当事者の声を聞く意見交換会などを開催すべきと考えますがいかがか、伺います。  また、説明会当日は、身体、知的、精神の方がいらしており、手話や要約筆記がついていましたが、わかりづらいところも多々あったように思います。今後、障がいの特性にあった対応が必要と考えますが、あわせて伺いたいと思います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  説明会の開催についてでございますが、今回お示しした見直し案は、これまで十分に時間をかけて検討してまとめたものでございまして、関係団体の皆様にはいち早くご説明する機会を持ちたいというふうに考え、7月31日の説明会を開催したものでございます。今後も早い時期に説明会を開催することとし、広く市民の皆様へ周知し、ご理解をいただきたいというふうに考えております。
     また、新制度への移行に際しましては、広報さっぽろやホームページでお知らせするほか、パンフレットの作成も検討しております。その説明や周知に当たりましては、委員も言われていましたように、障がい特性などを十分に踏まえまして、説明会のときには手話通訳や要約筆記、視力障がいの方にも拡大した資料をお渡ししていますけれども、よりわかりやすいシンプルな説明の仕方に心がけてまいりたいと思います。関係団体や施設事業者の皆様にもご協力をお願いし、利用者の方の混乱がないよう心がけてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆伊藤牧子 委員  最後に、要望です。  当時者の声を十分に聞き、本当に拙速に進めないようにお願いしたいと思います。  また、先ほど阿知良委員のお話にもありましたように、この修正案では、精神障がい3級の方への助成は、運賃割引制度が実現されない限り、いつまでも格差が是正されません。交通関係事業者に対し、粘り強く働きかけていくとのことでしたが、私からも、強い意思を持ってぜひ進めていただきたいと思います。  また、私は、この間、意見交換会などに何度か参加してきました。この交通費助成制度見直しに対し、身体、知的、精神の方々が、自分たちだけがよくなるのではなく、すべての障がい者の社会参加を保障したいという思いで、それぞれの障がいの特性を超え、一つになって運動を進めてきたと思っています。今回の修正案によって、これまでの運動を後退させることがないよう要望して、私の質問を終わります。 ◆佐藤美智夫 委員  いろいろと質問がありましたが、障がい者にとって利用しやすい制度転換することは、非常に意義のあることだと私も思っています。そのためには、財政的な観点だけではなく、本当に必要とする方々が適正に利用できる制度にすることが重要であると思っております。  しかしながら、一部でありますけれども、福祉割引ウィズユーカードがインターネット上で売買されていたり、本人が社会参加をするのではなくて、家族の方々が使用していたり、あるいは、タクシー券が譲渡されているなどの不正使用があるとの声も聞いております。  そこで、質問ですが、市民から理解が得られる制度とするために、不正使用を防止する対策が必要であると私は考えますが、どのような対応を考えているのか、お伺いいたします。 ◎村木 障がい福祉担当部長  この制度につきましては、本当に、市民の皆様のご理解とご協力により障がいのある方の社会参加を支えているものであることを十分にご理解された上で、適正に利用していただくことが最も大切であるというふうに考えてございます。  これまでも、助成を行う際に、注意事項を記載したパンフレットをお渡ししているほか、ガソリン券につきましては、車両番号や給油所名を記載するように様式を変更したり、ウィズユーカードの売買や譲渡を防止するために、使用済みのカードの枚数と引きかえに同じ枚数を交付するというようなことで対応してきたところでございます。今後は、さらに徹底して正しい利用方法の周知に努めるとともに、タクシー券を使用する際には、本人確認のため、ガソリン券と同様に手帳の提示を義務づけることも検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆佐藤美智夫 委員  私たちも障がい者の方々にはできる限りのご支援をしたいと思っておりますけれども、もらうのが当たり前の権利だと思っている家族の方々もいらっしゃったりします。やはり、市民から理解が得られ、心から応援してあげたいというような制度になることを願っておりますので、その辺の努力をしていただきたいと思って、質問を終わります。 ○村上仁 副委員長  それでは、私からも、重複を避けて2点について質問させていただきたいと思います。  その前に、先ほど質疑もありましたけれども、去る7月31日に開催されました説明会は、わずか2日前に主な障がい者団体に通知しただけであって、しかも、平日の夜に一度開いただけでございます。そういう意味では、現状としては市の行う説明会として極めて不十分な実態だと言わざるを得ません。今回の見直し案につきましては、引き続き、障がいのある方ご本人はもちろんのこと、その家族に対してもまず丁寧な説明を十分していくことを私の方からも最初に強く求めておきます。  それでは、1点目の質問ですが、運賃割引についてお伺いいたします。  この運賃割引につきましては、先ほども北海道に対しての働きかけ等を行っているというご答弁がございました。平成18年10月から精神の方の手帳に写真も添付するようになり、そして、交通事業者の経営も厳しいという状況等も述べられておりましたが、文書で申し入れをしているというようなこともございました。交通事業者に対しても働きかけを行っているということでありますけれども、私は、この運賃割引については、一刻も早く適用を拡大していくために、市はあらゆる機会を用いて積極的に働きかけることが必要だろうと思っておりますし、重要な役割だというふうにも思っています。  そこで、運賃割引を働きかけるためには、市の交通局などほかの部局との連携も大いに図りながら、交通事業者間で協議をしていく場を設けていくことが重要であると考えますけれども、この点はいかがか、まずお伺いいたします。  2点目の質問ですが、利用実態でございます。  先ほども質問がありましたけれども、そもそも障がい者の交通費助成制度というのは、言うまでもなく、障がいのある方の社会参加地域生活に密接にかかわっているわけですから、その利用状況は市として常に注視すべきであります。その上で、障がいのある方が今の制度で十分な社会参加ができない、あるいは、地域生活にも支障や不都合を来す場合には、常に制度を改善していく必要があるわけです。  そこで、現行制度では、例えば、精神障がい3級の方は、先ほど来ありました共通ウィズユーカード年間助成上限額が現在3万3,000円になっていますが、その利用状況がどのようになっているのか、この点について具体的な数字でお伺いしたいと思います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  まず、運賃割引に対する交通事業者への働きかけについてでございます。  精神障がいのある方も、身体・知的障がいのある方と同様に、交通事業者による運賃割引が適用されることが重要な課題であると認識しております。今後とも、全国的な課題として国への働きかけを継続するとともに、交通事業者への要請につきましても、北海道や他部局とも連携を図りながら粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。また、交通事業者間等の連絡協議の場というのは現在ございませんことから、今後の検討課題一つとさせていただきたいというふうに考えてございます。  2点目の精神障がいの方の共通ウィズユーカード利用状況についてでございます。  現在、障がい者交通費助成制度利用されている方は約7万人でございますが、そのうち、精神障がい3級の方に交付しております共通ウィズユーカード利用者は約4,000人となっており、この制度利用者全体の6%程度となってございます。現行制度では、共通ウィズユーカード助成額年間3万3,000円として、年1回、まとめて交付しております。その利用状況については、ほぼ全額使用されている状況だというふうに考えてございます。 ○村上仁 副委員長  私も7月31日の説明会に参加しましたけれども、とりわけ、精神障がい3級の方々を中心に、通所や通院が困難だ、市はもう少し実態を知ってほしいなどの切実な意見がたくさん出ておりました。市の説明では、先ほども共通ウィズユーカード説明で述べておりましたけれども、中度身体、知的、精神の3障がいについては、公平性の観点から上限額を4万8,000円に統一した、つまり、市の出す助成額としては同額であるから格差は是正されているというような趣旨のご答弁がありました。  しかし、実際に使う側の身になってみると、身体、知的の方は、市の助成額4万8,000円にプレミアと運賃割引を足すと10万5,600円利用できるのに対して、精神の方はその半分の5万2,800円であります。ここまでしか利用できないというのは、利用する側からしてみれば明らかに格差と言わざるを得ません。  私は、こうした実態であるにもかかわらず、格差が是正されたというふうに言われても、やはり当事者は納得できないと思うのです。北海道や交通事業者に対しても運賃割引の適用を強く要請するのはもちろんですけれども、まずは交通局です。これは市の内部にあるものですから、他の部局の力も大いにかりながら、精神障がいの方にも一日でも早く運賃割引を適用させるという市の積極的な姿勢を示すことこそ、理解と納得につながる一つの道だと思いますが、改めて、この点についてもう少し具体的に見解を伺いたいと思います。  次に、利用状況についてでございます。  現行の精神障がい3級に対する3万3,000円のウィズユーカード利用している方は、全体の7万人のうち4,000人で、率にすると大体6%ぐらいの方がいらっしゃるということで、その3万3,000円もほぼ使い切っているというお話でありました。精神障がい3級のほとんどの方が上限額を使っているというのは、あらゆる条件を生かして積極的に社会参加していこうとしている結果だと思います。このように、障がいがあっても何とか社会参加していくために懸命に努力をされている精神障がい3級の方など、障がい中度者の社会参加が阻害されることがあってはなりませんし、今後の影響については継続して利用実態の調査を行うべきだと思います。  今後も継続して調査を行うのかどうか、先ほども調査について質問がありましたけれども、改めて、今後の取り組みについて具体的に伺いたいと思います。 ◎村木 障がい福祉担当部長  交通事業者等への働きかけで、まずは交通局からというお話でございますけれども、先ほどの他部局と連携を図りながらという部分では、総合交通計画部もございますので、そういうところと相談しながら、また、交通局には先般も私どもの文書を持って要請には参りましたが、その辺についてはさらにまた粘り強く働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。  それから、利用実態の調査を継続的に行うことについてでございますけれども、障がいのある方にとって、交通費助成は、本当に社会参加を促進し、自立した地域生活を送る上で大きな支えとなっております。この制度利用状況を把握することは本当に重要であるというふうに考えてございます。  そこで、福祉乗車証につきましては、バス事業者と協力しながら、今後、その利用実態を調査する必要があると考えております。また、その他の利用実態につきましても、適宜、障がいのある方々からその利用状況をお聞きする場を設けるほか、その利用状況はシステムで管理、分析することも検討したいというふうに考えてございます。 ○村上仁 副委員長  運賃割引の働きかけについては粘り強くやっていくということでしたけれども、ぜひ、障がいのある方あるいは団体の方に具体的に全体像が見えるような進め方をしていただきたいと思います。会議をどういうふうに持つとか、あるいは、スケジュールを示しながらいくとか、障がい者の団体の方等にもよく見えるように進めていただきたい。とりわけ、交通局は地下鉄でありますから、そういう点では粘り強く積極的に連携を図っていただきたい、そして、早急に運賃割引が適用されるよう格段の努力をしていただきたいということを、私からも強く求めておきたいと思います。  次に、利用実態調査です。  私が最初に言ったのは、通所や通院、地域の生活全般を含めてですが、この制度において、困った人がいるのかいないのかということを中心に最新の調査をしてほしいということなのです。ただ、どれがどれだけ使われているということだけではなくて、本当にこの制度が有効なのかということと、もう一つは、きちっと社会参加に役立っているのかという視点を実態調査の中でぜひ生かしていってほしいというふうに思います。こうした障がい者の皆さんの暮らしに直結する交通費助成制度を変更する場合については、就労や通所、通院など、これまでの生活に不都合が生ずる人はいないのかという点について、事前にちゃんと当事者の皆さんの意見を聞き、なおかつ、継続した調査を実施するべきだと思います。  そこで、最後に伺いますけれども、今回の見直し案につきましては、今後とも団体との意見交換の場を持っていくというお話が先ほどありました。当事者からの積極的な意見も聞き入れながら、そして、そのもとで利用実態調査も継続していくというふうな理解でよろしいですか。 ◎村木 障がい福祉担当部長  説明会については、なるべく早い時期にもう一度とり行いたいと思っています。ただ、私どもがいろいろと案をつくっている段階で、庁内合議にそれこそ1カ月以上もかかった部分もございまして、スケジュールがかなりタイトになっていたものですからそんな事態になってございます。  また、利用実態の調査につきましては、先ほどお答えしたとおり、継続して進めてまいります。私どもの案としましては、できる限りの案ということで、説明会の最後にもお話ししましたとおり、精神障がいのある方の運賃割引については、別の部分制度で今後も検討課題一つとしてやっていかなければならないということです。ただ、今回の案については、事務レベルでは本当に庁内合議を得るのにかなりかかり、予算確保のためにもできる限り認めてもらった案ですので、私どもとしてはこの案で進めてまいりたいというふうに考えてございます。説明会は説明会として実施する予定でございます。答えになっているかどうかわかりませんけれども、以上でございます。 ○村上仁 副委員長  ぜひ、個別、障がいの実態にきちっと合わせて、そして、本人だけではなくて、家族も含めて、これからちゃんと説明し切るということを強く求めて、質問を終わります。 ◆伊与部年男 委員  局長に質問いたしますけれども、今回、陳情が6件出てきていますが、これは、見直しを撤廃してくれ、白紙に戻してくれ、これが基本ですよね。  札幌市の全体的な予算の中で、福祉予算というのは年々増加をしている。そして、先ほどから村木部長が答弁しているように、毎年1億円ぐらいずつふえていくと。当初、去年の2月はとんでもない提案があって7億円の削減をすると言った。7億円の削減をすると言ったのが、逆に今度は1億円ふえる、そういう中身なんですね、この修正案というのは。  この修正案というのは、私はきょう初めて見た。議会に初めて修正案というものが出てきた、公式には。いろいろと裏でもってどうだ、こうだという話はあるけれども、修正案が議会に正式に出されたのはきょうが初めてですよ。原案があって、見直しがあって、修正案でしょう。こういうぶれを、言うなればぶれですよ。こういうぶれをしていたり、今もいろいろ発言があったけれども、何か強力なものがあればまたぶれちゃって、修正案修正案と常に修正が重なっていく、こうなったら、これは逆にそこから不安が生まれるんじゃないのか。やっぱり、基本的にしっかりとした哲学を持って、本当にお互いに協力し合って、お互いに歩み寄って、そして、許容の限界はどこにあるのかと。そこを追求しなければ、札幌市は逆に全体的に沈没してしまいますよ。だって、予算の中で歳入の欄を見ると、もう限られているんですから。限られた財政の中で優先順位をきちっと決めて、そして、困っている人、弱い人を助けてやる、これはもう福祉の基本ですよ。その福祉の基本がぶれちゃったら、話をするたびごとにぶれちゃったら、とてもじゃないけれども、行政に対する信頼感を失っちゃう。  そこで、今回初めて出てきた見直し案に対する修正案に対して、局長はどういうふうに考えているのか。いま一度、きちっとした基本的な見解を明らかにしてください。 ◎岡村 保健福祉局長  昨年の提案以来、今回に至るまでの経緯は、先ほど部長からお話を申し上げたとおりですけれども、今回の案につきましては、障がいのある方を初め、市民の皆様から幅広くご意見をいただいて、時間をかけて議論を重ねてきたものでございます。  この制度そのもののあり方については、今後も制度的にも財政的にも継続して検討すべきものというふうには考えておりますが、今回提示させていただいた見直し案につきましては、これまでの議論を十分に踏まえまして、障がい種別による助成内容格差の是正、あるいは利便性の向上を図るという観点から、現時点では最善の見直しをしたものというふうに考えております。したがいまして、今後、この案をもって説明会等を進めさせていただき、ご理解をいただきたいというふうに考えております。 ◆伊与部年男 委員  わかりました。  局長の決意はわかったけれども、具体的に言うと、今、札幌市には65歳以上の方々が36万8,000人いるんですよ。いいですか、36万8,000人ですが、毎年、1年間で1万5,000人ずつ65歳以上の人がふえているんですよ。その人たちの中で、毎年3,000人ずつ障がい者になるんですよ。3障がいになる、これは。だから、1億円積み重ねていかなけりゃ、とてもじゃないけれども、対応できないわけだ。そのことを数字としてもしっかりきちっと受けとめて、財政的にも制度的にもお互いに許容の限界を追及するというのは肝心な問題ですから、これはやっぱりしっかり受けとめてやることを要望して、終わります。 ○三宅由美 委員長  それでは、陳情6件の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしましょうか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○三宅由美 委員長  それでは、陳情6件については、継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○三宅由美 委員長  異議なしと認め、陳情6件は、継続審査と決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時27分...