○芦原進 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○芦原進 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第15号を可決すべきものと決定することにご異議はございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○芦原進 委員長 異議なしと認め、議案第15号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、理事者の交代がありますので、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時5分
再 開 午後1時6分
――――――――――――――
○芦原進 委員長 委員会を再開いたします。
次に、札幌市
下水道事業中期経営プラン(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎石倉
建設局理事 下水道事業中期経営プランでございますが、
下水道事業が今後とも健全な経営を続けるためのプランといたしまして、昨年から、財政部局とも協議を重ねながら策定を進めてきたわけでございますけれども、このたび素案をまとめ、11月6日から
パブリックコメントを実施し、12月5日に終了したところでございますので、本日、その結果を含め、ご報告をしたいと思います。
下水道事業におきましては、平成14年度に札幌市
下水道マスタープランを策定いたしまして、それをもとに
事業計画を立案し、
財政収支見通しを立てて事業を進めてまいりましたが、札幌市の
下水道事業も、高普及率を達成してはいるものの、さまざまな課題が山積しているのが実情でございます。主なものを申し上げますと、
老朽化施設がふえ、これらを適切に
維持管理しながら改築・更新をしていかなければなりません。また、
浸水対策や合流改善、汚泥資源の活用から下水道による雪対策まで、事業の課題は多岐にわたっているというふうに思っております。これらに加えまして、
下水道使用料収入の大幅増が見込めない、多額の既往債の償還が続く厳しい
財政状況でございます。現行の
下水道使用料で、今後とも下水道の多様な役割を着実に果たし、安定的、計画的に事業を継続していくことを目指したこの
中期経営プランを策定し、公表することで、一層、市民の皆様のご理解が得られるようPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
それでは、詳細につきまして、
財務企画担当部長からご説明をさせていただきます。
◎吉野
財務企画担当部長 私から、お手元にお配りした
パブリックコメントの資料に基づきましてご説明させていただきます。
表に目次がございますが、1.
中期経営プランの策定趣旨、2.
事業計画、3.
財政計画、4.
経営プランの
進行管理と四つの章で構成してございます。
まず、1ページ目の1.
中期経営プランの策定趣旨についてでございますが、1−1策定の目的には、ただいま理事からご説明した内容が述べられてございます。
次の1−2運営方針ですが、
下水道事業の課題に対して取り組む基本的な姿勢、考え方を述べたものであり、
事業方針といたしましては、多様化した下水道の役割を果たすこと、
経営方針としては、現行の使用料のままで経営を継続することを上げてございます。
続いて、1−3本プランの位置づけといたしまして、第2次新
まちづくり計画や
行財政改革プランと連携し、また、
計画期間を平成19年度から23年度までの5カ年と定めております。
開いていただきまして、次の2ページに、1−4現状と課題といたしまして、下水道を取り巻く状況とその課題を事業面と経営面の各側面から記述してございます。策定の目的とも重複いたしますので、要約いたしますと、1)の
事業的側面では、下水道が多くの施設を保有、
維持管理しておりますが、施設の老朽化が進行していること、あるいは、
浸水対策、
地震対策、
合流式下水道の改善など課題への対応が引き続き必要であること、2)
経営的側面では、収入である
下水道使用料は横ばいですが、
建設企業債の償還が続いており、厳しい
財政状況にあること、また
雨水公費・
汚水私費という
下水道事業の
負担ルールによる
一般会計からの繰入金について見直しが求められていること、団塊世代の退職による技術の継承が難しくなっていることなどを上げております。
3ページからは、2.
事業計画になります。
ここでは、施策ごとに事業を分類して記載しており、事業の選択と集中を図りながら下水道の役割を果たすものとなっています。大
事業ごとに指標を設け、指標の
目標管理を目指しております。
内容については、
事業目的と主な事業を説明させていただきまして、指標の説明は省略させていただきます。
まず、
事業計画の2−1では、衛生的で快適な生活の確保・維持のための事業といたしまして、1)の管路の
維持管理では、総延長が8,000キロメートルを超える管路の計画的な調査、清掃、修繕を、2)の
処理施設等の運転・
維持管理では、10カ所ある
水再生プラザや
ポンプ場、
スラッジセンターなど日々の運転や点検、計画的な整備、修繕などを行います。
次の4ページの3)
下水道施設の改築更新では、古くなった施設の機能を守るため、計画的な点検、調査を行い、適切な時期に施設を改築・更新していくこと、また、アセットマネジメントの導入を検討すること、4)
下水道施設の整備といたしまして、他
事業関連工事や未整備地区の管路の整備などを行います。
次に、5ページでは、2−2暮らしの安全と安心の確保といたしまして、水害や地震など災害に強い
まちづくりを目指しまして、1)の
地震対策では、マンホールの耐震補強や
汚泥圧送管の二条化、
ループ化など、2)の雨水対策では、浸水被害を防ぐための
雨水拡充管や貯留管の整備、また、雨水の流出を抑制する仕組みを協働により実現させていきます。
次の6ページの3)
下水道光ファイバーネットワークの構築でございますが、
下水道管内に光ケーブルを通すことで
ポンプ場の遠隔操作などを進め、4)防災体制・
危機管理体制の強化では、災害時に適切な対応ができるように備えを進めていきます。
7ページの2−3うるおいと安らぎのある街の実現では、下水をきれいにして川へ戻し、清らかな川のある
まちづくりを進めるため、1)の
合流式下水道の改善では、
合流式下水道の雨天時の初期雨水を貯留する施設やスクリーンの整備により河川へ流出する汚れを減少させ、2)の処理の高度化による水質保全では、
高度処理施設の運転や既存の
水再生プラザを工夫して運転することで放流水質の向上を目指します。
次の8ページの3)せせらぎの再生では、
創成川水再生プラザの
高度処理水の
せせらぎ利用を継続すること、4)の
水系別管理の推進では、
水再生プラザ運転管理マニュアルの改善などで、より効率的な運転を図り、放流河川の水質の向上、維持を目指します。
9ページの2−4
循環型社会の構築と環境負荷の低減では、下水を処理することで生じる汚泥を効率的に処理し、
有効利用するとともに、下水の持つ
熱エネルギーの活用や
省エネ設備などによる
地球温暖化防止への取り組みを進めるため、まず、1)の汚泥の処理・処分では、汚泥の焼却を東西2カ所の
スラッジセンターに集約し、効率的な処理を進め、2)の汚泥等の
有効利用では、発生した汚泥を焼却し、建設資材として利用することなどを継続していきます。
続いて、10ページの3)処理水の
有効利用では、融雪施設への送水やヒートポンプとしての暖房利用を、4)の雪対策では、
下水道管や処理水を利用した融雪槽の整備など、5)省資源・省エネルギーでは、施設更新の際の
省エネ設備の導入や、運転方法の改善によるCO2発生量などの低減に努めることを、11ページの6)資産の有効活用では、
水再生プラザの屋上開放などを引き続き続けていきます。
ここまでが
事業方針に基づいた
事業計画の内容でございます。
続きまして、12ページの3.
財政計画について説明いたします。
財政計画は、
経営方針に基づいた
経営基盤の強化策と、
下水道事業を継続するための中期的な
財政見通しから成ります。
まず、3−1安定した経営のための基盤強化でございますが、事業を選択し、事業量を見直すことや、財源の充実を図ること、
効率的運営などによる
経営基盤強化の取り組みを進めていきます。
1)の効果的な事業の選択では、事業を選んで実施することで、収入に見合った事業量としております。
右にグラフがございますが、薄い四角が点となっている折れ線が
建設事業費の推移をあらわし、濃いダイヤの点で示す折れ線が
維持管理費を示してございます。
建設事業費については、
計画期間中、173億円から152億円に漸減していきまして、
維持管理費はおおよそ各年度170億円程度で推移いたします。
2)財源の充実では、
下水道使用料の確保に引き続き努めるとともに、その他の財源確保として、まず
資本費平準化債の活用があります。これは、企業債の償還を後年次へ繰り延べ平準化することにより
経営状況の改善を図るもので、市では平成17年度から活用しておりますが、引き続き平成22年度まで活用を予定しております。
次に、
受益者負担の適正化として、普通浴場の使用料の新たな仕組みを導入していくほか、その他として未利用財産の売り払いや資産の有効活用を図っていきます。
3)効率的な
事業運営では、効率化や
事業見直しを引き続き進めることで経費を節減することにしております。
ポンプ場の
遠方監視化、
水再生プラザの
民間委託化、
汚泥処理の集中化、
コンポスト事業の見直しなどを行います。
4)の職員定数の削減では、効率的な
事業運営を進めることで職員定数の5%削減を目指します。
5)人材育成は、団塊世代の職員の退職も見据えて、技術の継承をしっかり図っていくことを、6)市民広報の充実では、出前講座、
施設見学会のほか、
下水道科学館の利用者の拡大を一層図っていきます。
14ページからは、3−2
中期財政見通しについてでありますが、ここでは、平成9年度から続いております現行の使用料を維持しながら安定した
下水道事業を継続するため、
計画期間内の
財政状況を見通しております。
1)の
中期財政見通しでは、施設の
維持管理などにかかわる
収益的収支と建設・
改築事業などにかかわる
資本的収支などの見通しを示してございます。
下表のIの欄、下から3段目になりますが、そこに
累積資金残高を掲げております。この
累積資金残高が
計画期間中マイナスにならないことから、
下水道事業が資金不足にならずに継続できる見通しになっております。
右ページに移りまして、上段の表には
経営状況を判断するための主な指標を上げてございます。
2)将来需要予測には、
需要見通しの基本数値を示してございます。
次に、16ページの3)
収入見通しについてでございますが、上段の
収益的収入は、施設の
維持管理費などに使われる収入の見通しを示しております。
ダイヤの濃い線の
下水道使用料は横ばいで推移し、四角の薄い線の
一般会計繰入金は、
資本費平準化債の活用などにより、平成18年度と同程度で推移する見通しでございます。
次の
資本的収入は、建設、改築などに使われる収入の見通しを示しております。
計画期間中、平成22年度まで、棒グラフの上の方に濃い部分で示すように、
平準化債を発行しますが、
建設事業の選択と集中により
建設企業債発行額と
国庫補助金は減少していく見通しとなっております。
次に、17ページの4)
支出見通しでございますが、
維持管理費としては
計画期間中の総計で844億円、
建設事業費は総計で808億円計上しております。右側の円グラフで示すとおり、上の
維持管理費では
処理施設に関する費用の割合が大きく、下の
建設事業費では
汚泥処理の集中化を含めた改築・更新が6割を超える見通しとなっております。次の
企業債償還金については、単年度償還は平成21年度に最大となる見込みですが、
償還金残高は
計画期間中に約3,500億円から3,000億円ほどに減少していく見込みになってございます。
最後に、18ページ、4
経営プランの
進行管理についてでございますが、プランを着実に実行し、運営していくための仕組みについて記述しております。
指標の設定や組織内部による評価にあわせ、外部からの意見をいただくなどによる見直しを進めていき、あわせて、情報の共有を図っていくことを述べております。
以上が
経営プラン案の概要でありますが、この計画案を策定するに当たりましては、
パブリックコメントを11月6日から12月5日までの日程で実施をいたしました。この間、市民から寄せられた意見は19件となっておりまして、資料2にその意見をまとめてございます。
パブリックコメントの意見につきましては、意見の趣旨が既に計画に盛り込まれているものや、今後の事業の推進に当たって参考にすることを求める、そういう内容であるというふうに受けとめております。
○芦原進 委員長 それでは、質疑を行います。
◆小川直人 委員 今、平成19年度から平成23年度の
下水道事業における
中期経営プラン(案)についての説明をいただきました。これを聞いておりますと、
使用料収入がほぼ横ばいとなる見込み、それから、施設をつくった際の借金返済によって会計は非常に厳しい状況にあるという報告でございました。さらに、札幌市の
一般会計も非常に厳しい状況の中で、
雨水公費・
汚水私費の負担ということで
一般会計から繰り入れされている、その
一般会計も厳しい状況でありますから、これも縮減を求められている、そういう状況の中で、今回、このプラン(案)を立てられたというふうに認識させていただきました。そういう中でも、やっぱり、しっかりとした
下水道事業を推進していくことが大事だというふうに思っておりまして、そういう観点から質問をさせていただきたいと思っております。
まず最初に、
中期財政見通しについてであります。
14ページに出ておりますけれども、これによりますと、「
経営基盤を強化するための取組みにより、今後も現行の
下水道使用料を維持したまま、安定した経営を継続できる見通しです」という表現になっておりますが、ちょっと心配な点も何点かございますので、質問させていただきたいと思っております。
今後は、余り人口がふえないという人口推計が出ておりまして、さらに、水の節約もこれからお願いしていく、
下水道使用料はほぼ横ばいで推移していく、そういった想定の中で今回のものが出てきたわけですけれども、先ほどの説明を聞いていますと、企業債の未償還残高が平成18年度で3,496億円ある、そして、平成21年度の344億円をピークに、企業債、いわゆる借金を返済、償還していかなければならないという状況であります。そして、
下水道使用料も上げないでいくことになりますと、資金的に非常に厳しい状況が想定される中で、累積資金も活用すると。今まで蓄えた資金を出していく、そして、収支不足を補って乗り切っていく、これは極めて厳しい
財政運営ではないかなというふうに私は今感じているところでございます。
そういう点から、1点目の質問ですけれども、この中で、
資本費平準化債を発行する、それで世代間の公平感を出していくということでありますが、
平準化債の発行による効果と影響について今どのように認識されているのか、お伺いしたいと思います。
2点目でありますけれども、今お話ししました
一般会計からの繰り入れです。これは、
雨水公費・
汚水私費の部分で繰り入れられておりますが、これについては、どのようなルール、考えに基づいて
一般会計の繰入額を決めているのか、お聞かせいただきたいと思います。
それから、今回は平成19年度から平成23年度の
財政見通しということでありますけれども、これ以降、財政の見通しをどのように立てているのか。
まず、この3点をお伺いいたします。
◎吉野
財務企画担当部長 中期の
財政見通しについて3点のご質問にお答え申し上げます。
1点目の
資本費平準化債の発行による効果と影響についてでございますが、
資本費平準化債は、企業債の
元金償還金が
減価償却費を上回る差額分を新たな企業債として発行し、償還を後年次に繰り述べて世代間の負担の公平を図ることができるものであり、その効果としては、
雨水分相当額の
一般会計繰入金が削減されるとともに、汚水分の収支改善が図られることになります。一方、
資本費平準化債の発行によって金利負担がふえることになりますが、
元金償還金は平成21年度のピークに向けて今後もふえ続ける厳しい
財政状況にありまして、これを改善し、乗り切るためには、
資本費平準化債を活用する必要があると考えております。
なお、
計画期間中、
資本費平準化債を162億円発行する予定でありますが、これによりまして129億円の
一般会計繰入金が削減されることになります。
ちなみに、後年次の利子分は約39億円となる見込みであり、このうち、
下水道使用料で負担する汚水分については7億5,000万円となっております。
2点目の
一般会計からの
繰り入れルール、考え方についてでございますが、
下水道事業の
管理運営費につきましては、国の通達、いわゆる
公共下水道繰り出し基準というものがございまして、この中に、雨水にかかわる経費は
一般会計からの繰入金、すなわち税金で賄い、汚水にかかわる経費については
下水道使用料で賄うという
雨水公費・
汚水私費の原則がございます。このルールに基づきまして繰り入れを行っているところでございます。
3点目の平成24年度以降の
財政見通しについてでございますが、事業費や
使用料収入、金利などについて、今回のプランと同様の前提で平成28年度までの
財政状況を大まかに見通した場合ということになりますけれども、平成27年度から数年間は、若干、資金状況が厳しくなると予測しております。これに対しては、平成24年度以降の効率化を見込んだ試算ではございませんので、24年度以降はさらなる効率化などを新たに進めることにより
財政状況の好転を図っていく必要があるというふうに考えております。
◆小川直人 委員 今、この厳しい財政を乗り切るために、いろいろ工夫され、血を出されながらやっていらっしゃる。これから5年間、本当にぎりぎりのところで運営されていくのかなというふうに感じたところであります。
想定の中には、先ほど言いました水の節約という不確定要素も入っておりますし、
下水道事業会計というのは、抱えている設備が
期待どおりに稼働して初めて
財政見通しというのが成り立つものでございまして、設備の故障や思わぬトラブル、それから災害が発生しますと、この
財政見通しがこのとおりに行けるのかどうか、さらに本当に厳しい状況になっていくことが想定されております。ですから、
事業施行に当たりましては常に
危機管理というものを視点に置いていただき、日常の設備の
メンテナンスを怠りなく行い、そして大事故を未然に防ぐとともに、設備の延命化ということも、技術的にもかなり上がってきておりますので、そういったこともしっかりやっていくことが、市民から信頼される
下水道事業になって、今言われているプランが安定し、そして経営が落ちついていく、そんなことにつながっていくと思います。今申し上げたように、設備の
メンテナンスをするのは本当にお金がかかりますけれども、必要なことについてはしっかり行っていって設備をきちんとすると。下水というのは
設備事業だと思いますので、その点、しっかりお願いしたいと思います。
次に、2点目の質問でありますけれども、外部の意見を反映していくことも先ほどの報告でございました。今回の
下水道中期経営プランを策定するに当たっても、
パブリックコメントの中で市民からの意見を募ったということでございますし、日常的にも、
下水道モニターや
札幌市営企業調査審議会などからさまざまな課題について見直しのご意見をいただいていて、今後も幅広く外部の意見を取り入れるということでございました。やっぱり、
下水道事業を推進していく上で、外部の意見を取り入れていくということは、
下水道事業を理解してもらう、そういった意味を含めて非常に大事なことだというふうに考えております。
そこで、外部から寄せられた意見について、事業を推進していく上で、具体的にどのように反映し、これから行っていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
◎吉野
財務企画担当部長 私から、
外部意見の反映についてのご質問にお答えいたします。
外部意見の反映の仕組みにつきましては、
下水道モニターと
市営企業調査審議会の場を活用させていただいております。
下水道モニターに関しましては、市民意見の反映を進める方策として実施してきているものでございますが、昨年度から
モニター数を100人にふやしまして、
下水道事業の説明や施設見学、意見交換を行った上で
アンケート調査を実施し、その中で貴重なご意見をいただいております。また、
市営企業調査審議会は、さまざまな分野からの委員で構成されており、
事業運営の方針や財政問題等について調査審議を行っていただいております。
このような場でいただいたご意見を反映した一例といたしましては、下水道に対する市民の理解を得るにはさらなるPRが必要であるといった意見を受けまして、
下水道事業のパネル展をすべての区役所及び市役所ロビーなどで実施いたしましたことや、また、
下水道科学館におきまして水環境講座というセミナーを定期的に開催していることなどがございます。
今後につきましては、今ある仕組みを積極的に活用いたしますとともに、市民の意見を幅広くいただき、反映させるための新たな仕組みについても検討してまいりたいと考えております。
◆小川直人 委員 ただいまの答弁で、市民意見を幅広くいただくために、そして、意見を反映させるために新たな仕組みも検討していくという見解が示されました。内部にいてはなかなか気づかない部分もございまして、やはり、市民の皆さんから幅広くいただくと非常に有益な意見もあると思います。そういった有益な意見をしっかり吸い上げるシステムは大事だというふうに思っております。また、中には、
下水道事業に対して批判的な意見が出るかと思いますけれども、そういった意見も真摯に受けとめる姿勢も必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。そして、上がってきた意見をどう活用するかというのが事業の安定運営につながっていくというふうに考えておりますので、新たな仕組みということになりますと、これからまたいろいろな検討を深めて試行錯誤があると思いますけれども、ぜひ有益なものとなるように、システムづくりについて取り組んでいただきたいと思います。
それでは、3点目の質問に移ります。
汚泥の処理・処分のあり方について、2点ご質問させていただきます。
1点目については、焼却灰の
有効利用法についてであります。
発生する汚泥について、焼却して残った灰を建築資材の原材料などに使ったり、堆肥化して販売し、全量を有効活用しているとのことでございますけれども、焼却灰を
有効利用していると言われておりましても、これには多額の費用がかかっております。そういったことで、この経費を少しでも削減する方法がないのかと思っておりまして、今後、焼却灰の
有効利用を前提とした費用削減に向けた方策をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
2点目は、汚泥
有効利用方策としての燃料化についてであります。
来年7月に北海道洞爺湖サミットが開催される際には地球温暖化対策が主要テーマとなることになっておりまして、地球温暖化対策は喫緊の課題となってきております。温暖化対策には官民一体となった取り組みが必要でありますし、本市の
下水道事業を見ておりますと、温室効果ガスであるCO2の排出量は年間13万354トンとなっておりまして、電力使用量は札幌市の1.2%と推計されている状況だと伺っております。
下水を処理していく上で、エネルギーをゼロとするのは無理なことでございまして、エネルギー消費というのはどうしても必然的なことであります。しかし、少しでも省エネルギーをしていく、そして、温室効果ガス、CO2を削減していく、そういった取り組みが
下水道事業においても求められているというふうに思います。
そして、政府は、平成14年12月にバイオマス日本総合戦略を策定し、バイオマス利用促進に向けて国家プロジェクトとして取り組みを開始しているところであります。そんな中で、東京都においては、汚泥を炭化し、東京電力に供給する事業を本年秋からスタートさせておりまして、他都市においても、調査研究、さらに事業開始に向けた取り組みが今進んでいるところであります。
今回策定した
中期経営プランには、汚泥の燃料化に向けた方向性まではまだ示されておりませんけれども、
循環型社会の構築と環境負荷の低減に資する施策として極めて有効だというふうに思っております。汚泥をバイオマスエネルギーとして活用するために、調査研究、そして事業化に向けて積極的に取り組むべきであると考えておりますが、現時点での検討内容と今後の取り組みについてお伺いいたします。
◎諏訪田 下水道河川部長 焼却灰の
有効利用に関するご質問にお答えいたします。
汚泥を燃やすことで発生する焼却灰につきましては、形状から2種類ございます。豊平川左岸の
水再生プラザから発生する汚泥を集約処理しております西部
スラッジセンターにつきましては、その焼却灰は、塊を崩しますとざらざらした砂のような形状でございます。このようなことから、下水道再生土や改良埋め戻し材などに使用しております。また、今年度秋に稼働いたしました豊平川右岸の
水再生プラザの汚泥を集約処理する東部
スラッジセンターの焼却灰につきましては、粒子が細かいパウダー状の焼却灰であり、セメント原料に適しているということで、現在、全量をセメント原料にするなど、焼却灰につきましては全量を建設資材として
有効利用を図っております。さらに、汚泥は、下水を処理する限り発生するものでありますから、将来的にも安定した処分を継続するために
有効利用や用途の拡大を検討し、リスク分散を図っていきたいというふうに考えております。
そこで、1点目の焼却灰を
有効利用するための経費の節減に向けた方策についてでございます。
焼却灰など汚泥の
有効利用は、現在も、経費節減を目的とした技術開発、そして、実用化が進められている分野でありますことから、国のプロジェクトに参加するなど経費節減に関する情報収集に努めるとともに、アスファルトフィラーの原材料利用調査を初め、民間事業者等への試験研究用の焼却灰やフィールドの提供など、民間の事業者を活用した
有効利用用途の拡大と合わせた経費節減方策についても継続して検討していきたいというふうに考えております。
続きまして、2点目の汚泥のバイオマスエネルギーとしての活用についてでございます。
現在、バイオマスエネルギーの活用方策の一つに、汚泥の燃料化、すなわち有機物が豊富な下水汚泥を燃料として民間事業者に供給する方法がございます。そこで、具体的には、現在、蒸留乾燥、それから炭化といった燃料化の技術が研究開発されておりまして、一部実用化されております。
札幌市におきましては、汚泥中の有機物につきまして、みずから焼却に要するエネルギーとして活用する、いわばバイオマスエネルギーのみずから利用を図っております。これによって、汚泥を燃やすための重油の大幅な節減、省エネルギー、それから二酸化炭素などの温室効果ガスの削減を図ってきております。また、平成22年度秋に東部
スラッジセンターの2号焼却炉が稼働することによって発生する汚泥の全量が焼却できるようになったということで、
中期経営プランの期間の中では汚泥の燃料化については予定はございません。
しかしながら、昭和58年に稼働した西部
スラッジセンターの焼却炉が老朽化しておりまして、この老朽化に伴う改築・更新時には選択肢の一つとして汚泥の燃料化を検討していく考えでございます。
◆小川直人 委員 今の答弁で、バイオマスエネルギーの活用として汚泥の燃料化を進めていくという回答がございまして、私の思いと一致したところであります。
汚泥の燃料化事業というのは、現在、汚泥を焼却している部分にお金がかかっている、それが燃料化することによって製品になって販売できていくことにつながってまいりますので、企業会計上も非常にすぐれている発想だというふうに思うところであります。
しかし、汚泥の燃料化技術というのは、聞くところによりますと、まだ完全に確立するところまで行っていないと聞いておりまして、汚泥の成分や、燃料として求められる製品をいかにつくっていくか、そういった設備をどう開発していくか、その辺は、既に先行しているところを見ても、試行錯誤を加えながら、調査研究を進めながら事業化に持っていっているというところであります。そういった状況をかんがみますと、やはり、これから事業化へ向けては相当な時間がかかると思っております。また、技術面からいっても、そのノウハウは本市ではまだ持ち合わせておりませんので、やはり、メーカーとか販売先とか、そういったところと連携しながら調査研究、そして、事業化へ向けたプロジェクトといったものも立ち上げながら取り進めていく必要があるというふうに考えております。
この事業は、CO2削減が目的というだけではなく、まず、コストパフォーマンスをしっかり見きわめて、下水道会計に寄与するものでなければなりませんので、そのことをしっかり念頭に置いて検討していただきたいと思っております。バイオマス燃料化事業について、本当に今後の取り組みをご期待申し上げて、質問を終わります。
◆勝木勇人 委員 私からは、
財政計画の財源の充実というところの2番目、
受益者負担の適正化の2行についてちょっとお伺いしたい。
「
下水道使用料がかかっていない公衆浴場(普通浴場)については、受益に応じて使用料をいただくための新たなしくみを導入します」というふうに書かれていますが、公衆浴場のことについては、先日の委員会でもまだ審議中であるという認識です。要するに、新しい仕組みを導入するかどうかも含めて審議中だという認識なのですが、計画としてここへ入れられているというところでは、原局の皆さんはどのような認識だったのかなと思ったので、ちょっとお伺いします。
◎吉野
財務企画担当部長 ただいまの新たな仕組みの導入という表現の問題でございますが、これにつきましては、10月9日の
建設委員会でも報告しましたとおり、普通浴場の
下水道使用料の負担のあり方について、
市営企業調査審議会に諮問いたしまして答申を受けたわけですけれども、その答申の中で、新たな
下水道使用料負担の仕組みの導入が必要であるという記述がございます。したがいまして、この答申を尊重して、実施案を検討する立場でございますので、そのように表現させていただいているものでございます。具体的には、今、ご質問の中にもいろいろありましたけれども、現在検討を進めております普通浴場用の料金の案が協議をしていく中で固まり次第、議会の審議を受けて実施していきたいという趣旨であります。
◆勝木勇人 委員 その件について、いわゆるスーパー銭湯を経営していらっしゃる業者と、地域に根差して小規模に経営していらっしゃる銭湯の事業者との間でいろいろな意見対立があるやにも聞いておりまして、その辺の意向も踏まえていただきたいなという気もするのです。そちらとしては、その辺の現状認識として、どのような意見の対立があるのかとか、そうした認識を教えていただければと思います。
◎吉野
財務企画担当部長 浴場事業者との話し合いの現在の状況ということでお答えしたいと思いますけれども、これは普通浴場の経営の実態を踏まえて進めなければいけないということで、いろいろ経営の状況を調査しております。それを踏まえまして、負担の形をどうするか、経過措置をどうするか、そういう検討をするために、現在もなお、中小の浴場で構成される公衆浴場商業協同組合、あるいは大型浴場で構成している大型公衆浴場協議会と話し合いを継続しているところであります。また、これらの団体に加盟していない事業者もございますので、そこだけというわけにはいきませんから、並行してすべての浴場事業者に対して経営実態と見直しについての
アンケート調査も行っているところであります。アンケートは、一応、今週末をめどに集約する予定で進めております。
いろいろご意見はありますけれども、明らかにするにはまだちょっと時間がかかるということでご理解をいただきたいなと思っております。
◆勝木勇人 委員 明らかにできない部分がまだたくさん残っているというお話でしたが、とりあえず、めどとしていつごろから新しいシステムを導入するつもりなのか。そして、今考えているプランでは、減免の比率とか具体的な数字があると思うのですけれども、その辺がどうなのか。前回聞いた話では、スーパー銭湯に関しては10年後までは暫定的な措置をとるとか、そういう話も聞いています。それから、毎月2,000リットル以内で使用されている事業者については減免の措置を少し大きく見るとか、いろいろ話は聞いているのですが、今具体的に言える部分があれば、現時点でそちらが考えているところを教えていただければと思います。
それから、
財政計画の部分で、公衆浴場から得られる収入というのは非常に大きなウエートを占めるものなのか、これをきちっとやっていかないと本当にこのプランが破綻してしまうほど大きなものなのか、その辺のウエートの部分もちょっとお伺いしたいと思います。
◎吉野
財務企画担当部長 ただいまのいつから実施するのかということと見直しの内容についてのご質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、その辺の内容は、それぞれの立場でいろいろ違っているものもございまして、もう少し時間がかかるということでご理解いただきたいなと思います。
ただ、今後どう進めるのかということに関しましては、今、調査しているアンケートの結果も考慮し、試算しているいろいろなものを出しまして、関係団体との話し合いを重ねて、その結果を踏まえて、実施時期を含めた具体案をできるだけ早くまとめて議会に提案していきたい、こういう考え方でおります。
それから、公衆浴場から得られる収入のお話ですけれども、これは、
下水道事業財政に与える影響といいますか、そういう部分では、今までは月710リットルを排出するという前提で
一般会計から繰り入れをしてきておりますので、それを認定水量とした場合には19年度予算で約1億6,000万円ぐらいになっております。しかし、必ずしもそれを確保しなければならないということではない。この
財政計画においては、それは考えておりません。
いずれにしても、負担の公平を図る、現在無料になっている状態が好ましくないということですので、受益に応じて、道内他都市との取り扱いなどとのバランスも含めて適正なところにおさめていきたい、こういう趣旨であります。
◆勝木勇人 委員 状況を見ながら、議論がまとまってから始めるのだというお話でしたので、それはそれでいいのかなという感じがします。
しかし、ご承知のように、他の委員からも先日お話がありましたとおり、今、灯油が非常に高騰していて、値上げというような状況ではない、今まで使用料がゼロだったものを、今、急に徴収するというような状況ではないと思います。ですから、意見が固まり次第というよりは、経済情勢も見合わせて、とりあえずは、一回、白紙に戻してしばらく様子を見るというようなスタンスで動いてみてはどうかなと思うのですが、これは要望にしておきます。よろしくご審議いただければと思います。
◆義卜雄一 委員 今、浴場の話が出ましたので、私どもの見解、意見をちょっとお話しさせていただきたいと思います。
今、勝木委員からもお話がありましたが、部長の答弁で、負担の公平を図ると、これは私も必要なことだというふうに思っています。ずっと無料でいいというわけではないというのはもっともなことだと思います。それから、前段の答弁で、実施時期はもうちょっと時間がかかるのだと。
いろいろご意見があるのでしょうけれども、やはり、今、国を挙げて、札幌市も緊急対策会議をつくって、あさってには札幌市として何ができるのかということの取りまとめを行う時期です。原油全般を見ますと、まだまだ上がるのではないかという専門家のご意見もあります。重油も含めて、灯油、ガソリンと、今、市民の生活が油で非常に逼迫しております。これは、私が前段に申し上げましたように、負担の公平化ですからいいのですが、いかにもタイミングがよろしくないというふうに思います。
国もいろいろ手は打っているようです。したがって、この油問題が、全般的にどの時点で、勝木委員からしばらく白紙に戻せというような話ですが、戻せば一番いいのでしょうけれども、この原油高の推移を見きわめなければならぬだろうというふうに思います。銭湯、公衆浴場の方々は、油の負担増ばかりではなく、一般庶民の生活もしているわけですから、二重三重というか、いろいろな負担増が今のしかかってきていると思いますので、その辺の見きわめというのはどの時点で考えているのかだけお聞きしたいと思います。
◎吉野
財務企画担当部長 条例案として議会に提出する時期につきましては、前の
建設委員会でも申し上げましたが、一たんは本年度内ということで申し上げておりまして、当然そういうことで鋭意検討を進めております。最大限の努力をした上で、事務日程の関係も出てきますので、提案の時期の問題としては、一応、来年1月末までには最終判断していかなければならない。あと、実施時期というのは制度の中身ですから、いつからやるかというのは、そういう問題としてまた一緒に検討していくということでございます。
原油高騰の情勢の変化というのは当初は予想しておりませんでしたが、そういう変化に伴って、当然、入浴料金自体もこのままでいいのかどうかの見直しも検討する動きが出てくると思いますので、そういう動きも見据えながら実施案を検討していきたいと思っています。
◎石倉
建設局理事 今の件について、ちょっと補足をさせていただきたいと思います。
今、委員がおっしゃったことについては、我々も十分に踏まえて考えていかなければならないというふうに思っております。
ただ、部長からご説明申し上げましたとおり、今、浴場の経営者の方々といろいろな話し合いをしている中であります。もちろん、まとまったお話はまだできないですけれども、皆さんがすべて石油高騰の折だからもう少し延ばしてほしいということでもない。できるだけ早く見直してほしいというような考え方もあるのは事実でございますので、その辺の趣旨とか考え方も含めていろいろ検討していかなければならないなと思っておりまして、もう少し時間をかしていただきたいと思ってございます。
◆井上ひさ子 委員 私の方からも、何点か質問したいと思います。
普通浴場の減免について質問しようと思いましたが、前段に出ましたので、これについては意見だけ述べておきたいと思います。
経済状況もご説明がありましたけれども、前回は十分つかめていないということもあって、今、一斉にアンケートなどもとって進行しているのかなと思うのです。料金の値上げについては札幌市がいろいろ意見を言えるような立場ではありませんけれども、これだけ灯油の高騰が続いている中でそんな動きもあるのかなと思います。小規模の浴場について、今回、私どもも聞き取りをしましたが、いつやめてもいいという状況のところもやはり出ております。ですから、これは、私は凍結した方がいいのかなというふうに思いまして、きょうはそのことを質問しようと思ったのですが、前段に出ましたので、そういう方向で進めていただきたいなと思っています。
それから、豊平川の雨水貯留管と財政についてお聞きしたいと思います。
本市の下水道の約6割が合流式の下水道で、雨水と汚水を同じ管で流すため、雨天時には下水の一部が処理されないで公共水域に流出する場合があるということで、この市議会でも、また、水環境悪化の要因となるということで全国的にも議論が開始されておりました。平成16年度には、国において下水道法施行令が改正され、一定の期間内で対策を講じていこうという中で、本市においては、合流式の下水道を採用している六つの処理区において、既に創成川、伏古川、茨戸の3処理区については貯留施設などの対策が行われてきています。このたびの報告でいきますと、豊平川の貯留管はこの計画の中では来年度から実施していくということですね。
これによって、
合流式下水道の改善を初め、先ほど雪対策のこともお話がありましたけれども、どのような効果が期待されていくのか。それから、大変大きな事業になるというふうに思うのですが、施設の規模と建設のための費用を伺っておきたいと思います。
◎諏訪田 下水道河川部長 私から、豊平川雨水貯留管のご質問にお答えいたします。
1点目の豊平川雨水貯留管の効果でございますが、この貯留管の建設によりまして期待される効果としては、大きく三つございます。効果の1点目でございますが、本来の目的であります
合流式下水道の改善が進むことでありまして、この貯留管の建設により、下水道法施行令で定められた雨天時の放流水質基準を達成することが可能となります。2点目は、
浸水対策でございます。白石区の平和通地区周辺につきましては過去に浸水被害が多く発生しておりますが、この貯留管に雨水を貯留することによりましてこの地区の浸水安全度を高めることが可能となります。3点目は、雪対策でございます。今まで建設しております創成川とか伏古川の雨水貯留管と同様に、冬期間につきましては融雪用の管として利用する予定でございまして、豊平区、白石区の雪処理に効果を発揮することになります。
次に、2点目の施設規模と建設のための費用でございます。まず、貯留管の規模につきましては、プランにも出ておりますが、直径約4.3メートル、延長約1,860メートル、貯留容量約2万4,000立方メートルの計画でございます。本施設につきましては、来年度に設計を行い、工事につきましては、平成21年度から25年度までの5カ年を予定してございます。その5カ年全体の建設費用につきましては、貯留管本体で約69億円を見込んでおりますとともに、このほか、雪対策施設の整備に約10億円程度かかるものと考えております。
なお、平成23年度までの本プランにおきます貯留管の事業費といたしましては、全体事業費808億円の約6%の約48億円を見込んでございます。
◆井上ひさ子 委員 新たに国で規定された雨天時の放流水質基準が達成できるというふうなお答えだったかなと思います。それから、白石区で浸水が多発した中で、これを改善できる。それから、雪対策としては後半になるのかなと思うのですが、白石区、豊平区に対応できると。また、金額は、合流式や浸水で69億円、それから雪対策として10億円ということで、この期間内としては48億円というお金がかかるというご答弁だったかなと思います。
こういう形で進めて、いずれにしても国の下水道施行令に沿って改善をしていかなければならないということでありますが、残された処理区についてですね。実は、手稲区もそうですし、新川も、これは依然として対策が実施されていかないというふうに思うのです。この辺は5カ年の中には入らないのですが、どのように合流式下水の改善に取り組んでいくのか。いただいた資料を見ましても、基準を見て相当汚れていると言ったらおかしいですが、雨天時には放流水の水質が悪いというふうに思うものですから、その辺を伺っておきます。
それから、財源の問題で、
建設事業がずっと減ってきている中で、組織体制の見直しを進めていかなければならないと。この計画の中でも、効率的な運営を進めて職員定数の5%削減を目指すというふうに書いているのですが、この辺の中身について具体的にわかればお尋ねしたいと思います。
◎諏訪田 下水道河川部長 合流式で整備している区域につきましては6処理区ございまして、豊平川処理区を整備しますと、残りは、委員のおっしゃるとおり、新川及び手稲処理区が残されることになります。手稲及び新川の処理区の今後の
合流式下水道改善の取り組みでございますが、両処理区につきましては、下水道法施行令で平成35年度までに改善が義務づけられております。
このようなことから、当面は降雨時の下水中のごみの流出を防止するスクリーンを吐き口に設置する事業を実施していく計画であります。また、貯留管のような汚濁負荷量を削減するような施設につきましては、近年は雨水を処理する技術もいろいろ研究開発されてきておりますことから、これら新技術の導入についても視野に入れながら、より効率的な
合流式下水道の改善対策を検討していきたいというふうに考えてございます。
◎吉野
財務企画担当部長 組織体制の見直しの効果額についてお答えをいたします。
建設事業費の減少に伴う組織体制の見直しといたしましては、平成19年度の工事量の減により4名の削減を図っております。これに、職員定数の目標の5%削減を踏まえた平成23年度までの5名の削減を見込んでおりまして、延べで34名の人件費による効果を約3億円というふうにしてございます。
◆井上ひさ子 委員 新川、手稲区は次の計画の方にいくのですが、それを待たずに、ごみのスクリーンの敷設など、こういう形で進んでいくのかなというふうに思います。本当に多額なお金もかかりますが、新技術を取り入れていくということなのでコストダウンなども期待されるのかなと思うので、ぜひ下水道の改善について私も求めておきたいと思います。
それから、
建設事業減に伴う組織体制の見直しは、既に19年度の中でも4名減ということでした。これを読ませていただきましたけれども、本当に技術を継承していくというところで大変ご苦労もされているのかなと思うのですが、減らせばいいというだけでなく、本当に人の力のそういうことをきちんと評価していただいて、私は、この問題には十分に配慮して取り組むべきだということを申し上げて、質問を終わります。
◆伊与部年男 委員 吉野部長、さっきから段々の話を聞いていまして、答弁に非常に食い違いというか、矛盾した点があるのですよ。具体的に言いますと、例えば、
中期財政見通しでしょう。14ページに出ていますね。
中期財政見通しの中で、これは19年度から23年度まで5カ年やるわけです。その中で、今段々の話の中で出てきたような財政の移り変わりが仮にあったとしたら、見通しが狂ってくるんじゃないですか、ずばり言って。その場合は、この見通しを抜本的に見直さなきゃならないわけでしょう。これは、見直していかなきゃ整合性が出てこないですね。
例えば、石倉理事の答弁にしても、さっき公衆浴場のことでは賛成する人もいるなんて、そして、早くしてくれと言う人もいるなんてとんでもない答弁をしていたけれども、私は、そんなことは今の時点では聞いたことがない。
いずれにしても、この見通しね。
一般会計ではこういう見通しというのはなかなかないですよ。これは企業会計的な発想ですよ。だけども、実際的には
一般会計的な処理をしているわけだ、下水道は。だから、その辺は、
中期財政見通しをきちっと立てた、5カ年で立てた、今段々の話が出てきている、その中で、もし変わった場合はこの
中期財政見通しをまたさらに見直して議会に提案してくるのかどうなのか、これが一つ。
二つ目は、先ほど部長は、うちの小川委員が
一般会計からの繰り出しの基準はどういう基準なのかという質問をしたら、雨水の場合は国で定めた基準に基づいて
一般会計から繰り出しをするのだと、汚水は使用料で賄うのだ、こういうような答弁をした。それで見ますと、私は19年度の予算を持っているし、18年度の決算も持っていますよ。おのおの18年度も19年度も、本当に、札幌市の場合、
一般会計からの繰り出し分は下水道局が圧倒的に多いんですよ。ぬきんでている。それは何かというと、やっぱり雨水ですよ。雨水があるから。雨水に19年度は228億円、18年度の決算では229億6,900万円ですよ。それと同時に、ここに汚水がある。汚水は約10億円です。18年度決算でも19年度予算でも約10億円。
それともう一つお伺いしたいのは、使用料の減免分として公衆浴場分、これは18年度の決算でも19年度の予算でも、決算では3億2,500万円、予算では3億4,600万円がついています。これは公衆浴場分の
一般会計からの減免分です。これはどういうふうに説明するのか。これを一つ明らかにしていただきたい。この数字だけを見ても、私たちはわからない。
もう一つあるのだけども、下水道局で
減価償却費という勘定科目を持っている。私は、
減価償却費というのはいかがなものかなという感じがするわけ、率直に言って。なくなったら、またどこかから金を持ってきて、公債費か何か、企業債をつくってだよ、そして埋めてだね、それこそ
平準化債をやるわけだから、これは
減価償却費を積み立てておいてやる必要がないんじゃないのかという感じがするんだけれども、いかがですか。
◎吉野
財務企画担当部長 先ほどの公衆浴場減免の絡みで、減免の関係がまだ決まっていないから、その行く末によって計画も変わるのではないかということでお話がありました部分は、答申を踏まえて新たな使用料を設定するという方向で検討しておりますので、従来、
一般会計からの繰り入れた部分については
財政計画では計上いたしておりません。あと、公衆浴場の部分については、従来から無料であったということは有収水量として見ていなかったわけです。新たな料金が決まれば、今度は水量を把握して、そして納めていただく形になりますので、
財政計画上、それは決まっていませんので計上できませんでしたけれども、好転要因ということで考えてございますので、そういうことでご理解いただきたいと思います。
それから、今の
減価償却費の話は、これは企業会計として勘定科目をそのように設定しておりますので、やはり、施設の耐用年数というものからいくと、資産状態はどうなるかというものをあらわすためにこういう手法はどうしても出てきます。あと、どうしても、それを資金面で見たらどうかという形で、資金面というのは、あくまでも
下水道使用料を算入する、経費を見ていくときに、従来から、資金ベースの範囲内で、市民負担をなるべく軽減する手法として資金の範囲内でというのがありましたので、そういう形で資金も見ながらこういう計画を立てているということでございます。基本は、水道、交通などと同じように、やはり
減価償却費というのはどうしても見ていかなければいけないというふうに考えております。(発言する者あり)
それから、先ほど言いました
財政計画の関係については、決まれば、それが好転要因としてということで、計画と実績の乖離という形にはなろうかと思います。まだ時期が決まっておりませんので、計上も難しかったということでございます。
○芦原進 委員長 議会に諮るかという話の答弁が漏れています。第1点目として、議会に諮るのか諮らないのかという質問がありました。
◎石倉
建設局理事 中期経営プランについては、ことしいっぱいということで一たんつくらせていただいて、これが出発いたします。ほかのものもみんな同じだと思います。ただ、年々いろいろな情勢が変わってきますね。確かにいろいろなことが変わってきますので、それについては、上回るもの、下回るもの、そういったことがあれば、その途中途中で必要に応じて議会等に十分ご説明をしていく、ご報告をしていく形になろうかと思います。その段階でプランが変わるということは、現時点ではないというふうに思います。
◆伊与部年男 委員 だから、この見通しは、その都度―これは19年度だから、今年度ですね。それで、23年度まででしょう、5年間。その都度、見通しは変わるんですねと、これは。そこを確認したかったわけ。それを議会にきちっと諮るんですねと。まず、これを確認したかったんだよ。
それが一つと、もう一つ、部長、答弁漏れしているのは、小川委員が質問したときに、雨水と汚水と公衆浴場の分、私は、決算書と予算書を提示した、数字をね。この分は、あなたは、先ほどの答弁で、国の基準で雨水は
一般会計からの持ち出し、汚水は使用料で賄うんだと。それから、公衆浴場の減免分ですか、3億数千万円、毎年出しているわけですよ。これには、さっきから段々のお話があって、スーパー銭湯その他も含めて、下水道局はこの中身をどういうふうに受けとめて毎年3億数千万円いただいているんですか、僕はこの三つを質問しているの。わかりますか。
◎吉野
財務企画担当部長 わかりました。
基本は、
公共下水道繰り出し基準でございますけれども、基準外繰出金というのがございまして、公衆浴場もそうですし、定山渓の絡みもそうです。そういったものがあるということが確かに答弁の中に漏れておりました。これは自治体ごとにそういうものがございまして、財政との協議の中で従来から繰り出ししてきている、そういうものがございます。繰り出し基準外ということで整理をしているものがございます。
◆伊与部年男 委員 あと、雨水と汚水の関係はどうなんですか。
◎吉野
財務企画担当部長 雨水、汚水合わせて100%ということで、雨汚水の比率についても、実態に沿って、従来、かなり昔は資本費は7対3、
維持管理費はその逆ということもありましたけれども、そういった割合についても実態に即して見直しをすべきであるということで協議をして、その割合に基づいて、これも5カ年で見通して、その設定したルールに基づいて計算して繰出金の見通しをしております。
◆伊与部年男 委員 わからないところは後から個別に聞きます。しかし、議会、委員会というのは、正確に、しかも親切丁寧に、みんなが共通の認識を得て、そして、やっぱり、議員を通じて市民の皆さんがわかる、議会を通じてわかる、そういうような風習というか、きちっとしたものをつくらないと、その場限りでクリアしたからいいんだというようなことでは私はいかんと思うから、もっと本当にきちっとした数字、きちっとした答弁をこれからは要請しますよ。
○芦原進 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○芦原進 委員長 質疑がないようでございますので、これで質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後2時24分...