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平成19年(常任)建設委員会−06月11日-記録

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  1. 札幌市議会 2007-06-11
    平成19年(常任)建設委員会−06月11日-記録


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    平成19年(常任)建設委員会−06月11日-記録平成19年(常任)建設委員会  札幌市議会建設委員会記録            平成19年6月11日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時1分 ○飯島弘之 副委員長  ただいまから、建設委員会を開会いたします。  本日は、委員長が欠席をいたしておりますので、私がかわって委員長の職務を行います。  何分にもふなれでございます。皆様のご協力を何とぞよろしくお願いいたします。  報告事項でありますが、芦原委員長、佐藤(美)委員からは、欠席する旨、連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  北海道が行った2級建築士処分に関連した構造計算書調査結果について及び浅沼建築士耐震偽装物件是正状況についてを一括議題とし、理事者より説明を受けます。 ◎荒川 都市局長  ことし5月31日に北海道が行いました2級建築士処分につきまして、調査の経緯と浅沼建築士耐震偽装物件是正状況の2件につきましてご報告申し上げます。  詳細につきましては、担当の所管部長からご説明申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。 ◎高崎 建築指導部長  私から、北海道が行った2級建築士処分に関連した構造計算書調査結果につきまして、資料1に基づきご説明いたします。  まず、1 調査の経緯についてでございます。  昨年8月、浅沼建築士による構造計算書偽装事件に関連しまして、同様の偽装がないか、北海道において再点検を行っていた中で、指定確認検査機関であります財団法人北海道建築指導センター建築確認をしました札幌市内の1件におきまして構造計算書疑義があることが判明いたしました。  このことを受けまして、当該物件構造計算を下請で行いました道内の2級建築士及び元請1級建築士事務所への調査により判明いたしました市内の関与物件45件すべてにつきまして調査・検証を行ってまいりました。その調査の結果、本年2月、新たに札幌市が建築確認をした1件で構造計算書疑義があることが判明したものであります。さらに、本年4月には、すべての関与物件45件の調査・検証を終え、最終的にこの2件につきまして再計算の結果、原設計構造計算書数値改ざんの疑いがありましたが、建築基準法耐震基準適合していることを確認しまして、北海道報告したところであります。  次に、2 調査・検証結果でございます。  構造計算書偽装につきましては、本年5月、北海道構造計算を行いました2級建築士に対する聴聞を行った結果、当該2物件におきまして構造計算書電算出力の書きかえによる数値改ざんが行われていたことを確認いたしました。また、当該2物件構造耐力につきまして、第三者による再計算により検証しました結果、建築基準法耐震基準適合していることを確認しております。  なお、関与物件構造階数別内訳につきましては、お手元の資料のとおりとなってございます。
     次に、3 建築士建築士事務所処分についてでございます。  構造計算書数値改ざんを行いました下請の2級建築士につきましては、2級建築士指導・監督を行っております北海道が、建築士法に基づきまして業務停止懲戒処分を行ったところであります。また、元請の1級建築士及び建築士事務所処分につきましては、今後、国土交通省が行います元請の1級建築士処分を踏まえ、北海道におきまして建築士事務所処分が行われる予定となっております。 ◎工藤 建築調整担当部長  私から、浅沼建築士耐震偽装物件是正状況につきまして、資料2に基づき説明をさせていただきます。  耐震偽装物件は全部で21件ございますが、そのうち是正が完結したものが8件となってございます。その内容といたしましては、解体除去済みが1件、改修工事終了が1件、限界耐力計算耐震基準適合確認されたものが3件、施工図竣工図により現状に合わせて再計算を行い、耐震基準適合確認されたものが2件、工事着手前であったので、計画変更により完結したものが1件となってございます。  次に、是正計画が進行中のものが7件となってございます。その内容といたしましては、是正工事計画書審査中のものが5件、改修工事中のものが1件、限界耐力計算審査中のものが1件となってございます。  次に、検討中の6件でございますが、補償などの関係で係争中のものや協議中のもの、また、現在是正計画検討中のもの及び限界耐力計算耐震基準適合せず、是正計画に移行したものがございます。  完結、進行中のものが21件中15件の約70%となっており、速やかに対応していただいているものと考えております。残りの6件につきましても、早い時期の是正を目指して指導してまいりたいと考えております。 ○飯島弘之 副委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小川直人 委員  今、都市局の方から、2件につきましてご説明をいただきました。  その中で、私の方から、北海道が行った2級建築士処分に関連した構造計算書調査結果について、数点、ご質問させていただきたいと存じます。  まず、この構造計算書の疑惑でございますけれども、姉歯、浅沼建築士構造計算書の疑惑が発覚して、市民生活を不安に陥れ、被害を受けられた市民の皆さんもいらっしゃる、そういう状況でございますし、その後、生活が一変し、今も大変な負担を抱えながら暮らしていらっしゃる、そういう方もいらっしゃいます。  本委員会におきましても、建物の構造審査体制あり方再発防止体制などについて論議を重ねてきたところでございます。そのような中で、今回、また耐震偽装が発覚したことは極めて残念であります。  今、偽装はあったものの、建築基準法耐震基準はクリアしていたという説明がございました。今回は被害者がいなかったのが不幸中の幸いでありますが、まだ潜在的に偽装物件があるのではないかという疑念を抱くものであります。そして、既にマスコミ報道もされておりますし、自分の住んでいるマンションが本当に大丈夫なのだろうかと、さらに不安になっている市民の方もいらっしゃいます。安心・安全にかかわる大事なことでありますので、市民の不安を解消するために、本委員会におきまして、事実関係、都市局対応等について、これから何点か質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  まず、1点目でありますけれども、この調査の経緯であります。  浅沼建築士による構造計算書偽装事件に関して、昨年8月から同様の偽装がないかどうか再点検を行い、本年2月に、本市にかかわる建築確認をした構造計算書に合わせて、最終的には2件の疑義があると判明し、4月に北海道報告したという説明がただいまございました。  そこで、この件についての1点目の質問でありますが、市として、2月に2件の疑義が判明しております。しかし、本委員会に今まで一度も報告がないわけでありまして、本日が初めての報告でございます。この委員会報告しなかった理由についてお伺いしたいと思います。  道につきましては、6月5日の建設委員会において既に報告済みでございます。本物件につきましては、札幌市に直接かかわる物件でございますので、その辺の経緯についてお聞かせいただきたいと存じます。  2点目でありますけれども、浅沼事件以降、本市において再発防止対策を立て、厳格なチェック体制のもとで作業を行っているというふうに聞いておりますが、本件につきましては、この確認申請があったのはいつの時点なのか、これについてお聞かせいただきたいと思います。  3点目ですが、説明の中では、浅沼建築士による構造計算書偽装事件に関して同様の偽装行為がないかどうか、道において再点検を行ったということでございますけれども、その件数につきまして先ほど説明がございませんので、何件行ったのか、それについてお聞かせいただきたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  私から、1点目の議会への報告のことでございます。  構造計算書に関する疑義はあったものの、建築基準法耐震基準適合していることから、建築士建築士事務所を監督する北海道が、建築士法に基づき、当該2級建築士への事情聴取建築事務所への立入調査などによって処分が確定することをもって市議会への報告を考えておりましたが、結果といたしまして報告がおくれてしまったことにつきまして深くおわびを申し上げます。  2点目の今回発覚いたしました2件についての確認申請の時期でございますけれども、平成10年度と14年度でございます。  それから、今回の道の調査の経緯でございます。  姉歯事件を契機といたしまして、まず、北海道におきまして2,100件のサンプリング調査を行っております。その後、浅沼建築士のいわゆる構造偽装の手口がわかったことから、道におきまして調査を行い、その中で、昨年8月に構造計算書疑義のある1件が出てまいったものでございます。この建築士がかかわった物件につきまして、道内では85件、札幌市内では、先ほどお話しいたしましたが、45件についてこういう構造計算を行い、そのうち2件について数字改ざん疑義があったということでございます。 ◆小川直人 委員  平成10年度と14年度の申請ということでございました。これは、姉歯、浅沼事件の前になると思いますが、それ以降、市としても厳格なチェック体制が構築されているというふうに思っていますので、それ以降につきましてもまた後ほど質問させていただきたいと思います。  それでは、次の質問に参ります。  先ほど説明の中で、2級建築士に対する聴聞についての説明がございました。平成19年5月に、道が構造計算を行った2級建築士に対する聴聞を行っておりますが、その内容についてお聞きしたいと存じます。  今回の説明ではこの中身が全くわからないわけでありますが、具体的にどのような手口で、何の目的を持って偽装行為に至ったのか、また、その背景には何があったのか、もう少し突っ込んだ説明をいただきたいと思います。  姉歯、浅沼事件のときも、データ改ざんという言葉では一致しておりますけれども、データ改ざんの背景とか手口などの中身は全然違うわけでありまして、今回、その辺はどのような状況だったのか、説明を求めたいと思います。  また、道が行った聴聞のときの2級建築士の様子でありますけれども、謝罪とか反省とか、そういった部分も含めてそのときどのような様子だったのか、お聞かせいただきたいと思っております。  それから、もう1点であります。  これは、直接、本市がかかわった確認申請部分だと思いますけれども、本市の方から2級建築士本人、元請の1級建築士建築事務所に対して聴聞などを直接行ってはいないのか、今後とも行う予定はないのか、お聞きしたいと存じます。 ◎高崎 建築指導部長  まず、北海道で行った聴聞内容についてでございます。  詳しい聴聞内容については本市としてはわかりませんが、当該建築士は、この聴聞における事実確認構造計算書偽装を認めたとのことであります。その後、北海道は、北海道建築士審査会の同意を得まして、5月31日付で業務停止2カ月の懲戒処分を行っております。  そのとき、先ほど質問の中で、聴聞のときの2級建築士の謝罪とか反省ということでございますけれども、これについては、我々としては把握してございません。  それから、この偽装がどのような手口で行われたかということでございますけれども、この2級建築士は、構造計算を行う際に、構造計算プログラムによる計算結果の数値データの一部を直接書きかえたものと思われます。  それから、なぜ、このような偽装を行ったかということでございます。お手元の資料1の表にもございますように、今回処分を受けました建築士は、低層の鉄骨造や壁式の鉄筋コンクリート造構造計算を主に行っていたということで、偽装のあった物件のような中高層の鉄筋コンクリート造保有水平耐力には習熟しておらず、設計期間が短かったことなどの理由から、多層階での建築物での繰り返し検討、構造計算をする場合、何回か繰り返してやるわけですが、構造を決定していくそういう手間を省いて構造計算偽装を行ったと思われます。  それから、この2級建築士あるいは元請設計事務所に対して、市として聴聞等を行ったのかということでございます。市としましては、建築士法上の権限というのはございませんが、構造計算の中での内容確認するということで、直接来ていただいて、その考え方あるいは構造計算書のやり方について確認はしてございます。  それから、偽装した背景については、特に建て主とか元請から圧力を受けたということではなくて、先ほどもお話ししましたけれども、あくまでも、保有水平耐力計算をやるような部分での技術力といいましょうか、それが不足していて、安易に数値の書きかえ、書類の改ざんを行ったというようなことを申しておりました。 ◆小川直人 委員  今、ご説明をいただきましたけれども、端的に言いますと、結果的に、この2級建築士はこういう構造計算をするに当たって技術的に未熟だったということですか。 ◎高崎 建築指導部長  構造計算の流れを見ていますと、構造計算といいますのは、最初に断面なりを仮定しまして、繰り返し繰り返し、それに近づくように何回か構造計算を繰り返していくわけですが、時間がなかったと言っていますけれども、結果的には、やはりそういう部分もあった中で思うような数値が出ないということから偽装をしたのかなというように考えております。 ◆小川直人 委員  そういう未熟な技術者でしたけれども、常に1級建築士の監督のもと、元請の建築事務所のもとで業務を遂行していたわけですから、その辺の指導体制等々について市としてどのように受けとめているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  なぜ、元請設計事務所構造計算書偽装をわからなかったのかということだと思います。  姉歯事件以前につきましては、構造計算において建築士が意図的な偽装を行うとは考えも及ばなかったことから、元請設計事務所といたしましても、プログラムへの入力条件とか出力結果についての法令不適合などを主眼に置いておりまして、構造計算書計算過程といいますのは、認定プログラムによってしているものですから、整合しているものとしてチェックしていたために偽装を見破ることができなかったのではないのかなと思われます。 ◆小川直人 委員  今回もこういうチェック機能は何段階かあったと思うのですが、それを見抜けなかったのは非常に残念であります。今、答弁いただきましたが、データプログラムは大丈夫だ、そういうことはないはずだという性善説によって今までの確認審査の流れがあったのかなというふうに思いますので、やはり、これからいろいろなことを想定しますと、性悪説の中でしっかりとこの辺を見ていかなければならないだろうと思っております。  次の質問でありますけれども、今回、構造耐力につきまして、建築基準法適合していることを確認しているという報告がございましたが、再計算後の各階の保有水平耐力指数最低値をそれぞれについて伺いたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  今回の建物につきましては、許容応力度等計算で行ってございます。建築基準法では、建築物構造計算には、許容応力度等計算限界耐力計算時刻歴応答計算エネルギー法による計算ということで四つの計算法がございますけれども、今回の2物件につきましてはいずれも許容応力度等計算で行われております。  その中で、保有水平耐力指数が幾らかということでございますけれども、一つ目の9階建ての建物につきましては、再計算を行った結果、最低値は1.0でございまして、1階から6階までは1.0でございますが、7階は1.12、8階が1.01、9階が1.02となってございます。それから、もう1件につきましては、5階建てでございますけれども、再計算を行った中で、1階につきましては1.04でございまして、2階から4階までは1.0、5階につきましては1.04となってございます。 ◆小川直人 委員  今の報告は追加だと思いますが、再計算結果の報告がございました。  耐力指数は、前の疑惑のときに非常に問題になって議論されている部分でございます。こういう紙に書いた資料を提出する場合、ここのところは非常に大事な部分だと思いますので、これからこの種の報告委員会等で行う場合、この数字はきっちり入れて報告をしていただきたい。それが安心につながりますし、技術的、合理的な説明をする上で数字は絶対に必要でありますので、その辺をしっかりと受けとめていただきたいと存じます。  次の質問に移ります。  2級建築士に対する行政処分でありますが、今の報告にございました2級建築士につきましては、指導・監督を行う北海道建築士法に基づき業務停止懲戒処分を行ったとなっていますけれども、この処分の根拠となる条項、それから中身等について伺いたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  今回、処分を受けました2級建築士処分中身等でございます。  先ほどから繰り返しお話ししておりますけれども、再計算の結果、建築基準法上の耐震基準には適合していることが確認されております。しかし、こうした設計上の偽装行為は、建築士法第10条第1項の業務に関して不誠実な行為をしたときの懲戒条項に該当いたしまして、2級建築士指導監督権限を持つ北海道業務停止2カ月の処分を行ったところでございます。 ◆小川直人 委員  この2級建築士は2カ月の業務停止という処分でありますけれども、これは、2カ月後、業務に復帰する、復帰できる処分だというふうに私は受けとめるのであります。しかし、この場合、既に構造計算において技術的に未熟であるということで、今、都市局の方も確認されていると思いますけれども、その方がまた確認申請を出してきた場合に、当然でありますが、ほかの物件よりも厳しいチェックをしなければならないと思います。  その中で、本市としては、この2級建築士業務を再開した後について、例えば一定期間申請の受け付けを見合わせるとか、いろいろな方法をとれるのかどうか、これからこの2級建築士にどういう対応をしていくのか。この2級建築士についてはこれからも非常に注意していく必要があると思いますけれども、その辺のお考えについてお伺いいたします。 ◎高崎 建築指導部長  まさに、この建築士が2カ月後に業務を再開して構造計算書を出してきたとき、それをどうできるかということでございます。  我々としましては、昨年から、確認申請構造計算書を出してもらいますときに、構造計算者を明記することにしております。確認申請上は元請設計事務所の名前だけしか出てこないのですけれども、それに添付させて構造計算者の名前をつけていただいております。それから、確認申請時に構造計算書入力データ磁気ディスク等で提出を求めてございます。これは、抑止力ということも考えておりますが、提出されたデータをもとに構造計算書偽装がないか、別途、抽出して電算出力を行い、数値改ざんがないことを確認してございます。  当然、こういうことをした後、例えば、この建築士からの構造計算書が出てきたとなれば、その辺の内容を十分注意しながら構造計算書を見ていかなければならないのではないのかなと。ただ、受け付けないわけにはいかないのではないかなと思いますので、その辺は十分注意しなければならないと思います。  余談になりますけれども、6月20日から建築基準法が変わります。構造計算につきましては、審査自体が非常に厳しくなりまして、ピアチェックも義務づけられることから非常に厳格な審査が求められることになります。そんな中で、そういう運用をしていかなければならないと考えてございます。 ◆小川直人 委員  これからも、ぜひ厳格なチェック体制をよろしくお願いしたいと存じます。  それから、本市の再発防止対策です。これからの部分でありますが、今回、北海道で2,100件を抽出した中から発覚してきたわけでありますけれども、今回出たということは、今、まちの中にある建物でそういう物件がまだあるのではないかと心配している市民の方もいらっしゃるのは事実であります。そこで、札幌市独自として、今、既存の物件に対する追跡調査についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。  それから、浅沼建築士の事件以降、本市におきましても再発防止に向けたチェック機能の強化を実施しているところでございますが、それ以降に申請してきた物件について偽装物件と見られるような申請がなかったかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。  さらに、今のお答えの中にありましたが、6月20日から建築基準法が改正されて施行されるわけでありますけれども、それに伴いまして本市の対応をどのように行っていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  市内の建物について、どのような独自の追跡調査を考えているのかということでございます。  これは、非常に件数も多うございます。そんな中で全数をやるとなると、物理的に不可能といいますか、財政的にも人数的にも非常に難しい部分がございまして、現在は、今、行っております共同住宅構造計算書緊急調査支援事業調査結果と建築物の耐震にかかわる問い合わせなどの中で対応していくことで、必要に応じて調査をしていきたいと考えております。  それから、昨年、浅沼建築士以降、疑惑の物件がなかったのかということでございますけれども、確認申請を出された中ではそういう物件はございませんでした。  それから、6月20日以降の法改正に伴う審査あり方でございます。  まず、先ほどもお話しいたしましたが、昨年、浅沼建築士による構造計算書偽装事件を受けまして、それ以降、札幌市独自の再発防止策ということで、確認申請構造審査におきましては、数字の改ざんを防止するということから、構造計算書数値連続性などの確認など、より詳細な審査を行っております。それから、先ほどもお話ししました構造設計者を表示してもらう、あるいは、確認申請時に構造計算入力データ磁気ディスクで提出してもらい、提出されたデータをもとに確認申請構造計算書偽装がないか、抽出して確認をしております。  それから、6月20日から施行されます改正法でございますけれども、施行後は、一定規模建築物について、確認申請構造審査の際に、建築主事審査に加えまして、ダブルチェックとして構造計算適合性判定が行われ、計算過程における不整合や偽装の有無のチェックを含めて厳格な審査が行われることとなっております。この構造計算適合性判定といいますのは、北海道もしくは知事の指定を受けた機関、北海道におきましては道立北方建築総合研究所構造計算適合性判定センターが判定を行うことになっております。そんな中で、二重チェック状況によっては再計算ということもございますので、こういう偽装はできなくなるのではないのかなと考えてございます。 ◆小川直人 委員  今、ご説明をいただきまして、6月20日以降、さらに厳格なチェック体制が構築されるということで、私たちも期待をしているところであります。しかし、それは人間のつくるシステムでありますから、やはり、どこかに欠陥はあるということも前提に、さらにチェックを厳しくしていただきたいと思っております。  構造計算につきましては、不安になっている市民の方がいらっしゃっても、今のお話ですと基本的には受け身で、市としてもご相談があれば構造計算書支援事業を行うといった中で対応していくのだろうと思います。しかし、通報があって、これは怪しい物件だなと思ったときには、やはり、市としてスピーディーにその物件に対する調査を進める。そういったことは、受け身ではなく、ぜひ、安心・安全のために行政としての対応をよろしくお願いしたいと思っております。  それから、今、支援事業のお話をされましたけれども、これはあの事件以降の支援事業でございまして、これについては市民からどの程度問い合わせがあるのか、あるいは利用されているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 ◎工藤 建築調整担当部長  支援事業の実績ということだと思います。  支援事業は平成18年度、19年度に行っておりますので、18年度の実績でございますが、まず、北海道マンション管理組合連合会に委託した相談窓口につきましては、平成18年6月29日より週に2回、合わせて71回開設してございます。  次に、札幌構造計算書調査緊急支援事業の平成18年度の実績でございますが、平成18年8月より補助金交付申請書の受け付けを開始いたしまして本年1月10日に受け付けを締め切ったところでございますが、18年度の補助金交付申請の受け付けは、簡易調査につきましては15の管理組合において25棟の調査を実施してございます。  なお、簡易調査の結果、構造計算等に疑義のあるものはなく、詳細調査を行うものはありませんでした。 ◆小川直人 委員  今、実績についての報告をいただきました。  この事業につきましては、これからもまだ必要な事業だと思っておりますので、PR等を充実させていただいて市民の皆さんが活用できるような支援事業にしていただきたいと存じます。  再発防止につきましても、いろいろお話を聞いてまいりました。厳格なチェック体制を構築することは当然でありますけれども、それを確実に実行していくことが肝要であります。ただ、偽装の手口というのは年々巧妙化してまいります。そういったことを前提として、体制をつくったからそれですり抜けることはないということではなくて、そのチェック体制を常に検証して、絶対にすり抜けることができないシステムへと常に更新していく、そのことをこの場において提言しながら、ぜひ受けとめていただきたいと思っております。  このような事件が発覚しますと、自分の住んでいるところは本当に大丈夫なのか、不安に駆られますけれども、まず、本市が安全を確保して、そして安全宣言をする、やはり、それが市民の安心につながっていくことでございます。常に安心・安全なまちづくりを追求していくことは行政の責務でありますし、それが市民の生命と財産を守ることにつながってまいりますので、ぜひ、そのことをもう一度かみしめながら、行政執行をよろしくお願い申し上げたいと存じます。  安全・安心のまち札幌を目指し、さらに、市民の行政への信頼向上に向けて、関係各位の皆さんの不断のご努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、報告があった件について何点か質問したいと思います。  1点目は、資料1の新たな偽装が見つかった問題です。  浅沼氏による偽装が起こって再点検が行われ、札幌市ではわずか51件の再点検しかなかったのですが、その中で1件見つかったということであります。北海道では先ほど2,100件の調査をされたという報告でしたが、他の物件偽装はなかったということで、追跡調査はこれで終了していくというふうに聞いておりますけれども、札幌市でも同じ考え方に立つのかどうか。  私ども日本共産党は、06年3月15日に市長に申し入れをして、耐震偽装浅沼氏にとどまらない不安があって、北海道の指示による51件だけではなく、可能な限り多くの再点検を行うよう求めました。その中で新たな偽装の発見があったわけですから、その必要性は明らかになったと思います。  そこで、今後の本市の対処方針について、1点お聞きします。  2点目は、資料2の浅沼建築士耐震偽装物件是正状況についてです。  完結物件の8件に、限界耐力計算でやってみたら建築基準法を満たしているのが3件あり、これはいずれも賃貸になっています。私は、この問題を議会の中でも取り上げてまいりました。大変難しいことです。しかし、改ざんがあって、再検査したら何ともなかったということで言えば、入居者には理解できないなということでこの問題を指摘してまいりました。  この3件の物件についてですが、許容応力度等計算による保有水平耐力指数はそれぞれ幾らだったのか、伺いたいと思います。  それから、3点目は、是正検討物件の6件についてです。  1年たっても計画が立てられないということは、分譲ですと、デベロッパー初め、区分所有者との話し合いがなかなかうまく進まないというふうに私は思います。先ほど来、全体を通して、70%が改修とか、協議が進んでいく、まとまっていくと、速やかな対応をされているような報告だったと思っているのですが、残りの部分について、やはり困難を抱えておられるというふうに私は思うのです。  そこで、これについても、本市として計画を立てて何らかの支援を行っていく、もっと力を出すというか、汗をかくとか、そういう形で入居者の不安にこたえていただけるようにすべきだというふうに考えますが、この3点について伺っておきたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  1点目の今回、新たな偽装が発覚して、今後、市として追跡調査はしないのかということでございます。  まず、市の51物件ですが、北海道が行いましたのは、姉歯事件を契機にしまして、国の指示のもと、特定行政庁は50件と、それから、指定確認検査機関部分につきましてもサンプリングしてございまして、そのトータルが2,100件でございます。ですから、札幌市内物件としてはかなりの数を道の方で調査していて、その中でたまたま1件について数字の改ざんをしている建築士が出てきた、そんな中から、その建築士の手がけた物件につきまして、道内では85棟、市内では45件について調査・検証した結果、二つ出てきたということでございます。  そこで、先ほど小川委員質問にもお答えしましたとおり、市内の建物の追跡調査につきまして、財政的にも物理的にも非常に厳しい中で今後どうやっていくかということでございます。やはり、我々としましては、現在行っております共同住宅構造計算書調査緊急支援事業の調査結果と、建物の耐震にかかわる問い合わせなどに対応していく中で、必要に応じて調査していきたいというふうに考えてございます。 ◎工藤 建築調整担当部長  私から、2点お答えをいたします。  まず、限界耐力計算構造耐力確認されたものについて、この保有耐力の数値が幾らだったのかということについてです。ナンバーでいきますと3番目の保有耐力が0.71です。4番目の物件が0.78、最後の5番目の物件が0.68という数値になっております。  それから、今、まだ動きのないといいますか、その6件について市の方でもっと汗をかきなさいということについてですが、係争中になっている物件につきましては、市の方で中に入ることができづらいということが1点ございます。  ただし、今現在、所有者と事業者の間で是正計画を作成中のものがございます。事前に相談を受けているものもございます。これらにつきましては、事前相談も受けておりますし、場合によりましては、事業者と所有者が一緒に来られた中で話をお伺いしながら進めていくということもやっております。
     民間の賃貸住宅の場合、建て主から是正計画書作成の準備段階で相談等があれば受けており、そのうちの1物件につきましては、限界耐力計算を一度出されておりまして、限界耐力計算では構造耐力が満足しないということで是正計画に移行しております。 ◆井上ひさ子 委員  1点目は、北海道が2,100件の調査をしたと言っておりますけれども、これは、大半は支庁が行っていますが、高層マンションというのは札幌に集中していますね。そういう形で、私は、51件の中で1件出たということでは大変確率が高いのかなというふうに思っているんです。ですから、先ほどお金の問題とかいろいろなことを掲げておりましたけれども、やはり、引き続きそういう調査を行っていくべきだというふうに私は思うんです。  そして、先ほども出ていましたけれども、今、共同住宅の構造計算調査の緊急支援事業をやっていますが、簡易調査は15の管理組合、25棟ですか、そういう形で行われて疑義がなかったということで言えば、管理組合そのものも相当数ある中で本当にわずかなところです。だから、この辺は、やっぱり管理組合そのものに周知をするとか、案内を送るとか、きちんとした対応が求められているというふうに私は思うのです。先ほどの発言を見ますと、北海道はそういう形で終了して終わった、札幌もそういう形で終わっていくという発言だったんですね。後で確認させてください。私は引き続き行うべきだと思います。  それから、今、浅沼建築士の問題でそれぞれお聞きしましたら、3番の保有耐力が0.71、4番が0.78、5番が0.68とご答弁がありました。1.0に近いのであれば基準に満たすこともあり得るのかなと思うのですが、一番低いので0.68です。それが別の計算建築基準法をクリアするというのはやっぱり納得がいかないと私は思います。  また、一番問題だと思うのは、賃貸の場合、所有者は入居者に報告の義務がないというふうに聞いたんです。実際、所有者にはどのような対応をしているのか、これをちょっとお聞きしておきます。  それから、3番目のことで言えば、1年以上経過した中で、やっぱり話し合いがスムーズに進んでいけるように、私は、市としてもっと力を発揮して安心を取り戻していただきたい、不安を取り除いていただきたいと思います。 ◎高崎 建築指導部長  まず、51物件の中で1件出てきたということでございますけれども、これは、あくまでも、特定行政庁、札幌市が確認した物件は51物件サンプリング調査してございますが、道としましては、民間の指定確認検査機関調査もしている中でサンプリング調査としては2,100件ございます。そんな中で、最初の物件としましては、北海道建築指導センターが行った物件1件について数値上の疑義があると。そこから動いてきまして、先ほど言いましたように、構造設計を行ったものについて調査・検証してきたということでございます。  それで、道としましては、これをもってこういうサンプリング調査を終えたということでございますけれども、札幌市としましては、先ほどからお答えしてございますが、現在行っている共同住宅の構造計算書調査緊急支援事業の中でこれを活用してもらいまして、その調査結果あるいは建築物の耐震にかかわる問い合わせなどに対応していくというスタンスで臨んでいきたいなというように考えてございます。 ◎工藤 建築調整担当部長  私からは、先ほど保有水平耐力で0.7、一番低いのは0.68、これらが限界耐力計算の中でどうして耐力があるとなるのかという質問ですが、これは、構造計算の手法自体、構造解析自体が違っております。ちょっと長くなるかもしれませんが、建築基準法上の耐力基準というのは、震度5程度の中地震では損傷がほとんど生じないこと、極めてまれにしか発生しない、500年に1回と想定されている震度6強から7程度の大規模地震に対して崩壊、倒壊をさせないこと、こういう基準であります。  この中で、許容応力度等計算では、まず、1次設計で先ほど申し上げた中規模地震に対して損傷しないこと、2次設計の保有水平耐力計算において建物が崩壊、倒壊しないことを確認するということになっております。この保有水平耐力計算は、地震時に建物に作用する力とか必要な耐力について、地盤の種別とか揺れの周期を簡便な推定式で算定いたしまして、建物の変形による地震エネルギーに対する粘り強さについても構造形式とか主要部材の種別、配置に応じて略算的に推計して求めて、力に対して耐力がもつことを確認する手法でございます。  一方、限界耐力計算も、1次設計、2次設計を行います。基本的には一緒なのですが、まず、大地震における建物の影響を変形力から算定する、その変形が生じたときの揺れ方を直接的に計算して、さらに、地盤による地震力の増幅効果などを考慮しながら、建物に作用する力や必要な耐力を算出いたします。地震時の建物の変形や揺れの周期、地盤の性状の影響を詳細に反映して精密な計算を行うというような計算手法でありまして、求めようとする構造耐力、崩壊に至る耐力の考え方がちょっと違います。ですから、限界耐力で計算した結果、今の3物件については安全が確認をされました。  ただ、限界耐力でやれば何でもオーケーになるということではなくて、先ほどの6物件の中でも、限界耐力計算でも構造耐力がなくて、当然のことながら補修による是正に移行するという物件もございます。 ◆井上ひさ子 委員  今、詳しく説明がありました。  最後に、限界耐力計算でも何でもオーケーではないという発言がありましたけれども、そういう形で計算の仕方によって変わるということで言えば、入居者にとってみれば、これはなかなか理解に苦しむ難しい問題だというふうに私は思います。ですから、こういう確認審査あり方そのものが頼れるようなものでなければならないと思います。  今後のことについて言えば、本市が行っている共同住宅の緊急支援事業をやっていくというご答弁だったと思います。私は、札幌市がつくってきたものが多くの管理組合などで活用されていくためにも、すべての管理組合にその事業内容などをきちんと郵送しながら積極的に働きかけていただきたいと思うんですね。15組合、25棟の検査でほとんどクリアできたことは、住んでいる方々にとっては本当に何よりのことです。それをより一層広げていただきたいと思います。  姉歯元1級建築士偽装に始まって、このたびの浅沼元2級建築士による構造計算書偽装、そして同様の偽装がないかと、そういう再点検の中で市内で2件発見されました。今、構造計算書が残っていないところも多いというふうに聞いていますけれども、私どもは、基本的にそういうことについてはすべて実施していくべきだという立場です。そして、市民の不安を解消していくことが本市に求められていると申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆伊与部年男 委員  先ほどから聞いていますと、極めてわかりづらいやりとりをしている。なぜかといったら、この2級建築士の名前は明らかにされないんですか、これは。浅沼さんは自首してきたから浅沼という名前が出たけれども、今回の2級建築士の名前は明らかにされないんですか。どうしてですか。まず、それを1点。  それから、先ほどから偽装偽装と言うけれども、何を偽装したんですか。どこを偽装したんですか。これが2点目です。  3点目は、これは被害者がいるのかいないのか。私は、これは被害者なき犯罪だと思っているんですよ。2級建築士処分だって、ずっと勉強したら、いわゆる建築士法第10条第1項第3号に、業務に関して不誠実な行為をしたときと、これだけなんですよ。法律的には、今回の行為に対して、何が偽装かわからないけれども、この2級建築士は、建築士法上、不誠実な行為を行った、だから処分するんだ、これだけなんですよ。  私は、高崎部長にお聞きしたいんだけれども、何が偽装なのか。例えば、浅沼は、建築基準法上の1.0以上をクリアしているわけですからね。1.0に届かなかったから、それを偽装して1.0以上にした、こういうのが偽装だったんですよ。本件は、先ほど高崎部長からの報告を聞くと、札幌市内では45件のうちわずか2件、ほとんど低層住宅ですな。私は去年も質問したんだけれども、6階建てと9階建てと階数によって耐震強度が違う、構造が違うということであって、先ほど高崎部長はそれに基づいて1階から6階までは1.0だったと、そういう答弁をした。それから、7階、8階、9階は1.4だか1.3という答弁をした。だから、1.0以上になるようにどういう偽装をしたのか。これが偽装になるのか、これが不誠実だったのか。私はそこに疑義を持っているんだけれどもね。  1.0といったらぎりぎりですよ、これはぎりぎり。そこをあなたたちは見抜いたわけだ。市が見抜いたんでしょう、調査して。1.0以上ないのに1.0にしたとか、1.0以下を1.0にしたというのは1件もないわけですよ、これ。そうでしょう。  だから、聞いていると偽装偽装と言うけれども、何が偽装なのか。被害者なき犯罪、犯罪であって犯罪じゃない。強いて被害者と言うんだったら2級建築士だけですよ。これは、逆に被害者、元請もそうかもしれない。  これは、元請が一番問題なんですよ。こんなのが出てきたら、1級建築士がぞろっといる元請がきちんと調査すれば、そんなの、すぐわかることなんだ。しかも、市役所だって1級建築士が約200人もいるんだから、こんなものは調査したら一遍にわかるはずだ。それを偽装偽装と、何か事件のような言い方をしているけれども、何が偽装だったのか、それを明確に答えてください。 ◎高崎 建築指導部長  まず、1点目の名前の公表でございます。  これにつきましては、建築士法に基づき北海道処分を行った建築士の氏名について、現行法では名称等に関する公表規定がなく、北海道も氏名を公表しておらず、札幌市も公表していないということでございます。  それから、どこをどう偽装したかということでございます。  まず、構造計算を行う際に、構造計算プログラムによります計算結果の数値データの一部を直接書きかえたと。これはどういうことかといいますと、保有水平耐力と必要保有水平耐力確認表、Qu/Qun、いわゆる保有水平耐力比と言っておりますが、そこにおける保有水平耐力数値が、ここの分子になる部分ですけれども、崩壊メカニズム時の応力図の剪断力の和と一致しない、そこのところで……。 ◆伊与部年男 委員  わかりやすく答弁して、みんながわかるように。自分だけわかっていて、人がわからないんじゃだめだ。 ◎高崎 建築指導部長  建築基準法上で、この建物の場合は2次設計まで行わなければなりません。そこで、1次設計は満たしておりますが、2次設計の保有水平耐力計算をするときに、建物が必要とする保有水平耐力をその建物が持っている保有水平耐力で割って、それが1.0を超えなければならない。浅沼物件の場合は、それが1.0を超えているのもあれば、0.7とか0.8もありますけれども、1.0以上でないと法を満たさないわけですから、その段階で、計算の途中であたかも1.0が出るように数値改ざんを行った、数値の入れかえをした、そのところがどのような偽装をしたかという部分だと思います。  もう一つは、被害者はいるのかということでございます。  建築基準法上の耐震基準は満たしてございますので、法律的には抵触してございません。建築基準法上どうなのかとなれば、これは違反建築ではございませんので、被害者はいないのかなということになります。  それから、先ほど各階の保有水平耐力指数説明させていただきましたけれども、彼が確認申請のときに出していた保有水平耐力指数といいますのは、1階の最低値が1.01、それから、結構ばらついてございますが、最高値が1.27ということであります。そんな中で数値を見ていくと、さっき言った分子の部分でそこまで来る段階での応力の和が合っていないというか、改ざんしているような疑いがあると。そこで、再度、第三者による再計算、モデル化とか入力の条件等を入れ直して再計算をした結果が、先ほど小川委員にお答えした保有水平耐力の値になっているということでございます。 ◆伊与部年男 委員  被害者はいない。法律的には被害者がいない犯人が、建築士法上、不誠実な行為を行った、これだけで処分を受けると。だから、極めて複雑な、偽装といって偽装でないというような、一般市民にとってはですよ。だから、何か、そこを市役所が調査して見抜いて、そして道庁にことしの4月に送ったと、この行為というのは、そこの水際できちっと整理をしておくべきではないのかなという実感を私は持ちます。  本件は、この辺でとめておきますよ。これらについては、いろいろな場で議論できますからね。  そこで、工藤部長にお尋ねしたいのですが、今の建設委員の中で、去年、建設委員だったのはたしか私1人だと思う。井上委員は建設委員ではないでしょう。井上委員は特別委員会質問したのだ。建設常任委員会質問をしたのは、この中では私だけなんだ。  そこで、これが一番最初に出てきたのは去年の5月12日ですよ。それから6月9日、それから9月14日。高崎部長、あなたは隣にいて、この日程知っていると思うよ。あなたの席がちょっと横にずれただけだから。そのとき、前部長は三浦部長だった。三浦部長が、段々の質問と答弁の中で、一番最後に私にこういう答弁をしているんですよ。  今後、浅沼のかかわった21件については、敏速に札幌市内部で調査をして、是正計画をしっかりつくって、そして行いますと明確に答弁しているんですよ、これ。これは去年の9月14日、きょうは6月の何日ですか。11日でしょう。半年以上もたって、敏速というのはいつまでが限界なんですか、これは。1年も2年も敏速なんですか。  そこで、工藤部長、是正工事の計画書の提出から工事着手までの審査の流れ、僕は、これは極めて遅いんじゃないかと思うんだけれども、何か事前に聞いたら、札幌市耐震計画検討委員会なんてわけのわからないものつくって、外部の偉い人を4〜5人集めてきて隠れみのみたいな委員会をつくって、そこに任せて、そして委員会をやって上げてよこしている。この札幌市耐震計画検討委員会の役割と、さっき言ったように5〜6人入っているっていうけれども、どんな人が入って、どんなことをやっているの、これ。同時に、是正工事計画書審査期間、これはちゃんと決まっているんですか。だらだらだらだら、何か仲よしクラブが集まって、そして日当をもらって帰っていくような、そんな審査じゃどうもならんから、審査期間を短くして、集中的に審査をして、そして、やっぱり市民の納得のいくような、そんなことをしなければ。  これだってそうでしょう、表2の是正計画物件が7件あるけれども、審査中、審査中って、これ、いつまで審査するんですか。審査中、審査中って2年も3年も待って、それが敏速なのか。敏速って答弁していて、議会なんていうのはどんな答弁してもいいのか。議会をなめちゃいかんよ。まじめに、真剣に答弁してください。 ◎工藤 建築調整担当部長  今、伊与部委員から、まず、1点目といたしまして、是正工事の計画書を提出されてから工事着手までの審査の流れです。  是正計画書の審査方法ですけれども、是正計画書の提出を受けまして、本市において、まず、補強方法等を国が示したあと施工アンカー・連続繊維補強設計・施工指針に適合するかを審査いたします。適合することが認められる場合におきましては、そのまま改修工事ということになります。ただ、補強方法が国で示した指針の適用範囲を超えている部分がある場合につきましては、別途、国土交通大臣の指定を受ける必要がございますので、国への指定申請に当たりまして、適用範囲を超える部分の判断をするために、今言われた札幌市耐震改修検討委員会是正計画の審議を依頼して技術的な判定をしてもらいまして、この判定書を添えて国に申請を行います。その後、国からの指定書の発行を待って是正工事の着手が可能になる、こういう流れです。これが1点です。  2点目といたしまして、札幌市耐震改修計画検討委員会の役割と構成委員ですが、さきにお話ししましたように、この委員会は、耐震改修計画についての改修工法とか、構造計算方法などの構造設計並びに施工方法など計画の妥当性を審査いただきまして、私どもが技術的な助言をいただく、また、必要に応じて計画案の事前協議であらかじめ出されたものについての技術的な発言をいただくという役割を持っております。  委員の構成につきましては、建築構造に関する学識経験を有する方が2名おります。また、建築構造設計に関する見識、実務経験を有する方が2名並びに建築施工に見識、実務経験持たれている方1名、計5名で平成18年10月23日から協力をお願いしているところであります。  最後の3点目ですが、是正計画審査期間がどのくらいかかっているのかということについてですけれども、おおむね5カ月を有しています。内訳は、本市の審査が2カ月、耐震改修検討委員会審査に1.5カ月、国の審査に約1.5カ月、合計5カ月がそれぞれかかっている状況になってございます。 ◆伊与部年男 委員  わかりましたけれども、この間に地震が来たらどうするの、これ。来ないとも限らないでしょう、来るとも限らないけれども。だから、言葉上だけでなしに、物理的に市民の不安を解消するためには早期にやらなかったら、こんなもの、あした地震来るわ、あさって地震来るわ、わかんないんだから。審査中、検討中の間に地震が来たらどうするんですか、これ。  局長、最後に、局長になったばかりだけれども、今の段々の話を聞いていて、こんなのはそれこそ敏速に対応しなかったらだめですよ。どうですか、ご意見を聞かせてください。 ◎荒川 都市局長  前段でいろいろなご説明があったと思いますけれども、都市局といたしましても、やはり短くするのは当然のことだと思いますので、関係機関と協議しながら進めていきたいと考えております。 ○飯島弘之 副委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○飯島弘之 副委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時14分...