交通事業管理者
交 通 局 長 濱 田 雅 英
水道事業管理者
水 道 局 長 田 中 透
病院事業管理者
病 院 局 長 吉 田 哲 憲
危機管理対策室長 原 田 泰 明
総 務 局 長 生 島 典 明
市民まちづくり局長 下 村 邦 夫
財 政 局 長 米 田 順 彦
保健福祉局長 中 田 鉄 雄
子ども未来局長 八反田 元 子
環 境 局 長 中 西 浩 二
経 済 局 長 福 井 知 克
観光文化局長 中 田 博 幸
建 設 局 長 山 田 政 光
都 市 局 長 荒 川 正 一
会 計 室 長 川 井 洋 一
消 防 局 長 徳 増 澄 夫
教育委員会委員 山 中 善 夫
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 常 本 省 三
選挙管理委員会委員 越 智 健 一
選挙管理委員会委員 本 舘 嘉 三
選挙管理委員会委員 赤 田 司
人事委員会委員長 荒 木 哲 彦
人事委員会事務局長 深 谷 仁
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監 査 委 員 橋 本 昭 夫
監査事務局長 石 黒 進
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 濱 上 敏 治
事務局次長 高 森 政 行
調 査 課 長 本 間 章 弘
議 事 課 長 常 野 正 浩
調 査 係 長 今 井 一 行
議 事 係 長 田 口 繁 治
委員会担当係長 牧 口 俊 一
委員会担当係長 松 田 寛 司
書 記 朝 倉 良
書 記 梅 村 伸
書 記 国 分 一 平
――
――――――――――――――――
〔午後1時1分開会〕
○議長(
畑瀬幸二) ただいまから、平成19年第2回
札幌市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
――
――――――――――――――――
○議長(
畑瀬幸二)
出席議員数は、65人です。
――
――――――――――――――――
○議長(
畑瀬幸二) 本日の
会議録署名議員として
小川直人議員、
宗形雅俊議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(
畑瀬幸二) ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(濱上敏治) 報告いたします。
監査委員から、監査報告3件が提出されましたので、各議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程、
陳情受理付託一覧表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
――
――――――――――――――――
○議長(
畑瀬幸二) これより、議事に入ります。
日程第1、会期の件を議題とします。
(大嶋 薫議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
畑瀬幸二) 大嶋 薫議員。
◆
大嶋薫議員 会期設定の動議を提出いたします。
本定例会の会期を本日から6月29日までの23日間とすることを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
畑瀬幸二) ただいまの
大嶋議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
畑瀬幸二) 異議なしと認めます。
したがって、本定例会の会期は、本日から6月29日までの23日間と決定されました。
――
――――――――――――――――
○議長(
畑瀬幸二) 次に、日程第2、議案第1号から第24号までの24件を一括議題とします。
いずれも、市長の提出によるものです。
提案説明を求めます。
上田市長。
(
上田文雄市長登壇)
◎市長(上田文雄) ただいま上程をされました諸案件の説明に先立ちまして、これからの
札幌市政についての私の所信を申し述べさせていただきたいと存じます。
再選挙によりまして市長に就任し、本日で丸4年の期日を経過いたしました。また、4月の
札幌市長選挙におきまして再び
札幌市政を担うこととなってからちょうど2カ月が経過し、改めて、その職責の重大さを痛感しているところでございます。今後も、市議会の皆様とともに、189万
札幌市民のため、また
札幌市政発展のために、元気な札幌をつくり上げてまいりたい、心からそう思う次第でございます。皆様におかれましては、今後、一層のご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。
ここで、2期目のスタートに当たって、具体的な施策について申し上げます前に、
まちづくりについての私の基本的な考え方につきまして申し述べさせていただきたいと思います。
今日、我が国における
少子高齢化、
人口減少は、世界にも例を見ない速さで進んでおります。こうした傾向は札幌市においても例外ではなく、戦後一貫して人口が増加し続けてきた札幌市も、近い将来、人口が減少するという
歴史的転換点を迎えることになると想定されているところであります。
一方、我が国全体の経済状況はと申しますと、ゆっくりとしたペースで景気拡大を続けており、道内景気も緩やかながら持ち直しの傾向にあるところでありますが、北海道、そして札幌の経済・雇用状況は依然として厳しく、大都市圏とそれ以外の地域の格差はむしろ顕著になってきております。また、
経済的格差によって教育を受ける機会均等が薄れて、非正規雇用や若年者の中で就業していない者が増大しているなど、将来に対する不安が高まりつつあります。加えて、
子どもたちを傷つける犯罪が相次ぎ、地域における暮らしの安全・安心が揺らぎを見せていることをも考えますと、将来に対する不安感は高まっていると感ずるところであります。さらに、大規模な
自然災害や異常気象が頻発しておりまして、危殆に瀕する地球環境問題は将来に大きな影を落とそうとしております。
このように、不安を抱きながら日々を過ごし、将来に確たる見通しを持てない状況が続いておりますけれども、こうした時代であるからこそ、私たちの社会を構成するすべての者が、とりわけ市民の力、市民の英知を結集し、未来を切り開いていかなければなりません。そして、市役所は、市民の持っている力を最大限に発揮できる場をつくり、市長は、リーダーとして札幌市が進むべき道を指し示さなければなりません。
このような問題意識のもとにおきまして、私は、札幌市
自治基本条例に基づき、市長、市役所は、市民に対し、
まちづくりに必要な情報をわかりやすく積極的に提供し、提案や、そして話し合いができる参加の場を広げていく必要があると考えております。こうした
取り組みを進めることにより、
市民自治が実感できるまちをつくることができます。市民が適切な情報提供を受け、みずからの生活する地域において生き生きとして活動に参加することができることにより、人々は安心感を得ることができ、社会から不安を取り除くこともできると私は信じます。
私たちの責務は、まだございます。それは、節度のある堅実な財政運営を堅持していくことにあります。また、市民のために働く市役所、真に市民のために役に立つところ、市役所、この実現をするためにあらゆる改革を断行することであります。またさらに、私がマニフェストで市民や皆様に約束した政策を実現し、これからの
人口減少の時代にあっても、将来の
子どもたちに持続可能な質の高い社会をバトンタッチしていかなければなりません。
人を大事にすること、これを原点に、
市民自治と
市役所改革、そして、
市政運営の基本的な方向として、市民一人一人が自立し、今、私たちのまちに何が必要かを考えて連帯する、市民が主役の
まちづくりを進める、まちの元気、経済の元気、札幌の文化の花、そして、市民一人一人の花が大きく咲き誇る札幌にしていきたいと考えておるものであります。
私は、
まちづくりの目標を、引き続き、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街とする考えであります。
札幌のまちは、北の大地に、自然の恵みとともに暮らしてきた人たちと、日本各地から移り住んできた人たちとが、それぞれの伝統や文化を紡ぎ、はぐくみながら、外国からの先進の英知も取り入れて、北方圏の拠点都市として飛躍的な発展を遂げてきました。札幌の歴史と風土、そして
自然環境を誇りとしながら、
まちづくりに知恵を出し、汗をかいてきた多くの先人、そして諸先輩の努力による着実な都市基盤の整備によって、大都市としての都市機能が蓄積され、成熟した大都市に成長してまいりました。そして、ほとんどすべての市民がこのまちを好きだと思い、これからも住んでいきたいと思うまちになったのであります。
私たちの使命は、先人が築いたこの札幌のまちの魅力、すべての
社会的資源、活力を十分に生かした
まちづくりを進めることであると考えております。昨年制定された
地方分権改革推進法により、第2次分権改革がスタートし、都市は、それぞれが競い合う中で、自主性と自立性を高め、時代が課す試練を乗り越えていかなければならない時代となりました。
このように
都市間競争を迎えた分権時代にあって、私は、
魅力づくりが
まちづくりのキーワードの一つになると考えております。魅力あるまちには人が集まります。人の交流は価値を生む源泉であります。古くから、交流の拠点には富が蓄積され、新たな文化が創造されて、人材をはぐくんでまいりました。
そして、札幌には多くの魅力があります。自分たちのまちの魅力を発見し、そこに磨きをかけて、より一層、魅力あるものに高めていくことが大切であると考えております。
自然環境、文化、
まち並みなどの中に、私
たち札幌市民がまだ気づいていない魅力がたくさんあります。その魅力を生かし、外に向けて発信し、投資を呼び込み、人を集めることが
経済活性化につながっていくものと考えております。
また、私は、市民が誇りと生きがいを感じて暮らすことができるまちこそ、魅力あるまちであると考えております。そのために、引き続き、
市民自治が息づく
まちづくりを
まちづくりの根本に据えて市政を運営してまいりたいと決意をしているところでございます。
市民は、
まちづくりの主役であります。
まちづくりのために、みずから主体となって選択し、行動することにより、大都市でありながら一人一人の思いや声が調和の妙の中で生かされる、そんな
市民自治が実感できる
まち札幌が生まれるのだと私は思っております。
文化・芸術活動や種々の地域活動など、さまざまな場を通じて、子どもから高齢者まで人が集い、それぞれの考えをぶつけ合い、しかも、人として互いに尊重し合いながら、札幌人としての誇りを共有し、力を合わせていくことが何よりも大切であります。そして、そのような活動の積み重ねによってつくり出されるものがまさに
札幌文化であり、その文化を誇りをもって世界に発信していきたい、私は心からそう考えております。
私は、市民とともに考え、ともに悩み、ともに行動することを通じて、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街を市民とともに築いていきたい、心からそう考えるものであります。
それでは、ただいま申し上げました
まちづくりを実現させるための具体的な方策についてでありますが、それには、
まちづくりの基本的な方向と
市政運営の基本的な方向の二つの大きな方策がございます。
まずは、大きな方策の一つ目、
まちづくりの基本的な方向についてであります。
これは、これからご説明いたします五つの政策の柱で
まちづくりを進めてまいります。
一つ目の政策は、子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街であります。
子どもを安心して産み育てることができる
まちづくりを目指し、地域での
子育て支援や母子の保健・医療の
取り組みを充実させるとともに、子育てと仕事の両立を支援する
取り組みを継続、推進してまいります。
また、未来を担う子どもが健やかに育つ環境を充実させるため、みずから考える力や思いやり、そして豊かな心をはぐくむ
取り組みを実施するとともに、子どもの相談体制の強化や学びの意識を育てるなど、伸び伸びと成長、発達することができる
教育環境の充実を、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たしながら連携して進めてまいります。
二つ目の政策は、主体的な活動が生まれ、経済の活力みなぎる街であります。
自治基本条例のもと、市民が主体的に考え、行動できるまちを目指し、
まちづくりセンターを拠点とした
まちづくり活動の機会の充実を進めるとともに、
市民自治の実践として、
まちづくりセンターの地域による
自主運営化や地域とともに役割分担を行う雪対策の推進など、市民の主体的な活力あふれる
地域づくりを支援することで、市民が主役の
まちづくりを進めてまいります。
また、足腰の強い経済の活力みなぎる都市を目指し、地域の事業者を支援する元気がんばれ資金の創設や、経営相談の実施、地元企業に対する国内外への販路拡大の支援、製造業の高
付加価値化の促進など、札幌を支える産業を支援してまいります。さらに、起業を目指す市民を対象としたさまざまな支援、雇用機会の創出や就労支援に取り組むとともに、労働に関する問題解決の支援を行い、安心して働ける
環境づくりを進めてまいります。
これに加えまして、札幌の
ブランド力をさらに向上させるために、
札幌市立大学を初めとする教育機関が持つ知の資産と産業を結び、デザインやバイオの分野などで札幌らしい特色ある新産業を育成し、スイーツなどの
食品関連産業とともに国内外に発信をしてまいります。
また、平成27年までにIT・
コンテンツ産業売上高1兆円を目指し、人材、企業を育成し、映像を中心とした
コンテンツ分野の取引の拡大を図るとともに、
IT関連企業などを積極的に誘致いたします。
三つ目の政策は、高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街であります。
高齢者が安心して健やかに
地域生活を送れるよう、高齢者への介護・
保健福祉サービスの充実を図るとともに、多様な価値観を持つ高齢者が生きがいを持てるように、さまざまな
社会参加の機会を拡充してまいります。また、障がいのある方々が、持てる能力を十分に発揮し、
福祉サービスの支援を受けながら、みずからの意思で地域の中で自立と
社会参加の実現を図ることができるように、障がい
者グループホームを初めとした
居住環境の整備を進めるとともに、障がいのある方を雇用する民間企業への
就労促進策を拡充するなど、自立支援を進めてまいります。
四つ目の政策は、安全・安心で、人と環境にやさしい街であります。
緑豊かな美しい風格のある
まち並みの実現や清らかな水環境の維持、回復を図るため、市民や企業との協働により、緑の保全と創出を進めるとともに、人間の活動による
環境負荷の減少に努め、水辺の保全やせせらぎを回復する
取り組みを進めてまいります。
また、「
環境首都・札幌」を宣言いたしまして、
地球温暖化対策の推進や
循環型社会の構築を目指して、新エネルギーの活用や
バイオディーゼル燃料の普及促進を通じた
温室効果ガスの排出削減に取り組むとともに、市民・事業者・行政が一体となって、ごみの発生抑制、再利用、リサイクルの
取り組みや、市民一人一人が省資源・省エネルギーのための
環境行動を実践する
まちづくりを進めてまいります。さらに、安全で安心な暮らしを確保するために、地域と協働し、防火・防犯に取り組む
まちづくり活動を支援するとともに、犯罪のない安全で安心な
まちづくりに対する条例を制定するなど、安全で安心して暮らせる社会の実現を目指します。
このほか、あらゆる
自然災害から
市民生活を守るために、
自主防災活動の充実を通じて地域の防災力を高めるとともに、被災時の避難場所や応急活動の拠点となる公共施設の計画的な耐震改修など、
地域住民等と行政との協働による計画的な災害対策を進めることにより、災害に強い
まちづくりを進めてまいります。
五つ目の政策は、文化の薫る、都市の魅力が輝き、にぎわう街であります。
札幌の特色を生かし、市民がまちの至るところでさまざまな文化・芸術を楽しみながら実践し、表現、発信できる
環境づくりを行うとともに、地域のすぐれた自然、文化、史跡などの文化遺産の保存と活用を推進することに加えまして、先住民族とその文化への市民の理解の促進を図ってまいります。
また、生涯にわたり、市民のだれもが気軽にスポーツを楽しむことができるように、多様な
市民ニーズに合わせたスポーツを楽しむ
環境づくりを進めるとともに、市民の
健康づくりを支援してまいります。
さらに、都市の持続的な発展を目指し、市民・企業・行政が一体となって都心の
まちづくりを進めるとともに、日常生活を支える地域の拠点を再整備し、道都にふさわしい風格のある街並み、そして、にぎわいを創出してまいります。また、
公共交通機関を軸とした交通体系の確立を図り、人と環境を重視した快適で美しいまちの実現を図ります。
これに加えて、世界の集客交流都市さっぽろの実現を目指し、札幌の魅力であります食や自然、文化・芸術などの資産を活用いたしまして、札幌独自の
魅力づくりや観光資源の発掘を行うとともに、来訪者に対するおもてなしの体制を充実するなど、観光やコンベンションの一層の振興を図るほか、道内各市町村とも連携した集客交流の
取り組みについても進めてまいります。
次は、大きな方策の二つ目、
市政運営の基本的な方向についてでございます。
冒頭でも述べましたように、私は、
市民自治を
市政運営の根本に据え、
まちづくりを進める考えであります。これまでの4年間の
取り組みで、
市民自治の仕組みはしっかりと根づき始めております。これを大切に育てていかなければなりません。
自治基本条例が目指します市民が主役の
まちづくりを実践するために、市民がまちのことをみんなで話し合い、
まちづくり活動に参加し、その意見を市政にもっと反映できるように、必要な情報をわかりやすく提供するとともに、具体的な参加の仕組みづくりを進めてまいります。
また、
まちづくりセンターを拠点として、身近な地域の
まちづくり活動を支援し、市民一人一人が主役となってみずから行動する
市民自治の札幌スタイル、この札幌スタイルを実現したいと考えております。
このためには、まず、情報の共有が必要であります。市民と市役所がそれぞれの役割に応じて
まちづくりを進めるためには、
まちづくりや市政の情報を共有することが何よりも重要でありますことから、まちの課題を発見し、政策などを立案する計画段階から実施、評価の段階まで、市政のさまざまな場面で市役所が持つ情報を適切な時期にわかりやすく提供し、市民との情報共有を進めてまいります。
次に、市民参加の推進であります。
市民が互いに話し合い、みずから実践するとともに、合意形成した結果を提案し、市政に反映する仕組みがあってこそ、市民が主役の
まちづくりを実感できるものと考えております。市役所全体が創意工夫をしながら、多様な参加方法を取り入れて、市民が参加できる道筋をふやし、いつでも、どこでも、そしてだれでも参加できる
環境づくりを進めてまいります。
また、区民の意見を計画や予算に生かすために、区民協議会の設置を進めるとともに、区の機能強化を進めてまいりたいと考えております。
さらに、これからの
まちづくりには、町内会、ボランティアやNPOなどの幅広い市民活動の促進が必要でありますことから、これらの支援策を盛り込んだ市民活動促進条例の早期制定を目指したいと考えております。
次に、身近な地域の
まちづくりへの支援であります。
189万人の大都市であることから、だからこそ、市民のお互いの顔が見える身近な地域の
まちづくりが大切であるというふうに私は考えます。
まちづくりセンターを拠点として、地域の
まちづくり活動をさらに活発にするために、これまで以上にきめ細かな支援を行うとともに、
まちづくりセンターが市民の創意工夫が生かされる
市民自治の拠点となるように、一部の地域において
自主運営化を進めていきたいと考えております。
次は、人権と平和であります。
私は、平和を愛し、互いにたっとび、多様な価値観を認め合って、すべての市民が平穏な暮らしを実現できる札幌でありたいという市民一人一人の思いをかなえるために、国際平和を推進し、戦争に反対する立場を国の内外に示して、恒久平和を希求するとともに、年齢、性別、人種、思想や障がいの有無で差別されることのないまちの実現を目指してまいります。
また、子どもが自律的に伸び伸びと成長、発達することができるように、子どもにとって大切な権利を保障するために、子どもの権利条例の早期制定を目指したいと考えております。
ただいま申し上げましたような市民が主役の
まちづくりを進めていくためには、市役所の改革を継続させなければなりません。それは、今回の選挙の中で、市井の至るところで市民の皆様に直接接して強く感じたことでもあります。多くの市民の皆様から寄せられる改革への期待、すなわち、市民のための市役所を堅持し、堅実な財政運営により将来の世代へ負担を残さない
市政運営への期待であります。
私は、1期目の4年間に、「市民のために!挑戦する市役所」というスローガンを掲げ、サービスアップを初め、人づくり、組織づくりといったさまざまな改革に職員と一丸となって
取り組み、市民との信頼関係を築き上げてまいりました。
自治基本条例を有効に機能させ、市民が主役の
まちづくりを進めていくためには、これを支える市役所の役割が今後ますます重要となります。今まで以上に市民のための市役所であるという強い意識を持って、市役所の改革を進めていきたいと考えております。
特に、厳しい財政状況の中でありますので、今後も安定した公共サービスを提供していくために、事業の必要性や公共サービスのあり方、担い手の見直しを含めた歳入・歳出、定数、機構等の一体的な見直しに着手し、行財政改革を進めてまいりたいと考えているところであります。
以上申し上げました施政方針を実行するための具体的な
取り組みを盛り込んだ
まちづくりのプラン、そして行財政改革のプラン、これを今後策定していきたいと考えております。この二つのプランと
自治基本条例の具体化を進めることにより、人を大事にするまち、市民が主役の
まちづくりを実現させ、まちの元気、経済の元気、札幌の文化の花、そして市民一人一人の花が大きく咲き誇る札幌にしてまいりたいと考えております。
続きまして、今回提案しております補正予算につきましてご説明を申し上げます。
議案第1号、第3号及び第4号についてでありますが、この編成に当たりましては、ただいま申し上げました施政方針の
まちづくりの基本的な方向でお示しいたしました五つの政策の柱に沿って、マニフェストとしてお約束いたしました事柄を中心に、できる限り早期に着手し、または事業化のめどをつける必要のあるものについて計上したものでございます。
できるだけ多くの政策課題に対応できるよう意を用いましたけれども、特に、子どもを産み育てやすい
環境づくりや、安全・安心な
まちづくり、あるいは
市民自治といった身近な
市民生活を支え、その質を高めていくような事業に重点化するとともに、経済や雇用など札幌の活力を高めていくような事業も拡充をしたところであります。このほか、当初予算において計上を見送った継続的な事業や、緊急かつ早期に対応が必要な事業についても、その所要額を計上したところでございます。
それでは、各会計の補正予算の主な事項の内容を、ただいま申し上げました施政方針の施策体系に沿ってご説明をいたします。
1点目は、子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街の実現に向けた施策でございます。
初めに、子どもを産みたいと考える方が安心して出産を迎えられるように、現在、妊娠期間中1回としている妊婦一般健康診査の公費負担を、大都市の中でもいち早く5回まで拡充いたします。また、社会全体で
子育て支援に取り組んでいくために、地域主体の子育てサロンの継続的な実施に向けた支援を拡充するとともに、専門的な知識を持つ子育てアドバイザーを養成し、あわせて、父親も気軽に参加できるように日曜日のサロンを定期的に開催いたします。
これらとあわせて、子どもの権利条例の早期制定に向けた諸課題の検証や、市民の皆様に理解を深めていただけるような
取り組みを行ってまいります。
2点目は、主体的な活動が生まれ、経済の活力みなぎる街の実現に向けた施策であります。
まず、市民が主役の
まちづくりを推進するために、区民協議会で集約した意見などを市政に反映させる新しい仕組みづくりを行うとともに、厚別清掃工場跡地について、区民協議会などからの提言を生かし、具体的な利活用の検討を進めます。また、身近な
まちづくりの拠点である
まちづくりセンターの地域による
自主運営化に向けた支援を行ってまいります。
また、これらの
取り組みとあわせまして、市民活動促進条例の制定に向けて、市民活動の重要性についても理解を深めていただけるようフォーラムの開催などを実施してまいります。
次に、経済関連でありますが、IT、デジタルコンテンツ、バイオ関連の企業誘致を進めるために、企業進出に係る事務所開設費や研修費などへの補助を新たに行うとともに、世界的な規模で実施しております札幌国際短編映画祭の開催地である優位性をさらなるコンテンツ産業の振興に生かしていくために、デジタルコンテンツのマーケット創出に向けた調査検討を行ってまいります。また、多くの雇用を創出いたしますコールセンターについて、さらに雇用条件の改善につながるよう就業予定者を対象とした研修を実施してまいります。
3点目は、高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街の実現に向けた施策であります。
まず、高齢者への支援でありますが、在宅で介護を必要とする方が24時間安心して生活を送ることができるように、夜間も利用可能な訪問介護を実施する事業者に対し補助を行い、全市一円で新たな介護サービスを開始いたします。また、新たに地域密着型の特別養護老人ホーム2カ所の新築に対する補助を行うとともに、若年性認知症となった方も住みなれた地域で安心して暮らすことができるような
取り組みを進めてまいります。
次に、障がいのある方への支援でありますが、働く機会が不足しがちな障がいのある方の雇用の場を確保するために、一定の条件を満たして障がい者を雇用する事業者に対する補助をさらに進めるとともに、障がいのある方の
社会参加を促進するために、知的障がい者みずからがホームヘルパーの資格を取得するためのモデル事業を実施いたします。
4点目は、安全・安心で、人と環境にやさしい街の実現に向けた施策であります。
まず、廃棄物の少ない
循環型社会を目指した
取り組みでありますが、家庭ごみの減量化やリサイクルを進めるために、市民の意識調査や意見交換会などを実施するとともに、定山渓や薄野地区の事業系生ごみを分別し、資源化に結びつけるための構想策定やモデル事業を実施いたします。また、地球規模の環境問題に対する
取り組みでありますが、
環境首都札幌の宣言に向けた環境憲章や行動目標の策定を進めるとともに、国内でも数少ない1,000キロワット級の大規模な太陽光発電設備を官民で協力して設置、利用できるよう調査に着手いたします。
次に、安全・安心を確保するための
取り組みでありますが、近年、高齢者の消費者被害が増加している状況を踏まえまして、地域包括支援センターや民生委員の協力のもとに、消費者被害を早期に発見して救済する新たな仕組みをつくります。また、これまで発信場所が特定できなかった携帯電話などの位置情報を確認するためのシステム整備を行い、より速やかに119番通報に対応するとともに、東消防署の札苗出張所に救急隊を1隊増強し、救急体制を一層充実させます。
5点目は、文化の薫る、都市の魅力が輝き、にぎわう街の実現に向けた施策であります。
市民の皆さんが文化や芸術を気軽に楽しんでいただけるように、札幌市内で行われるさまざまな文化イベントについての情報を集めてこれを提供する文化情報ステーションを地下鉄大通駅構内に開設するとともに、北海道の文化活動の拠点施設であります北海道厚生年金会館の存続に向けた検討を進めてまいります。
また、現在、解体工事を進めております市民会館については、民間施設を含む再開発事業を活用した後継施設整備の検討をしておりますが、この間の暫定的な代替施設をリース方式で設置し、平成20年度後半からの利用に供するために、本年度中に契約を結ぶ必要がありますので、債務負担行為を設定するものであります。
次に、五つの政策の柱以外の
取り組みであります。
円山動物園につきましては、昨年度末に、リスタート委員会からの提言を踏まえまして、これからの円山動物園が目指すべき方向性を定めた円山動物園基本構想を策定いたしました。今年度は、その先行
取り組み期間として、北方圏動物展示ゾーンの整備やこども動物園の改修などを行い、基本構想の理念であります「人と動物と環境の絆をつくる動物園」の実現に向けた第一歩にしたいと考えております。
このほか、道路、街路、公園などの主要な公共事業につきましては、当初予算に加えて必要となる事業を計上いたしましたけれども、これらを含むいわゆる普通建設事業につきましては、補正後で平成18年度と同水準の690億円程度を確保しているところであります。
以上、補正予算に計上した事業の内容について述べてまいりましたけれども、繰り上げ充用を除く今回の補正を含めた平成19年度の各会計の予算規模といたしましては、繰り越し事業を除いて、一般会計では、7,802億3,400万円で、平成18年度の当初予算と比較して0.5%の減となり、公債会計以外の特別会計、企業会計を合わせた合計では、前年度比0.7%の増となる1兆5,580億7,000万円であります。
また、今回の
一般会計補正予算46億3,400万円の財源につきましては、地方交付税20億円のほか、国庫支出金や市債などの特定財源24億9,107万6,000円を見込み、なお不足する財源について、平成18年度からの繰越金をもって充てるものであります。
また、議案第2号 平成19年度札幌市
公債会計補正予算は、ただいま申し上げました補正予算に関する市債のほか、各会計の前年度からの繰り越し事業に係る市債を整理するものであります。
また、議案第5号
専決処分承認の件は、老人医療会計における繰り上げ充用に伴う平成19年度予算の補正でありまして、去る5月24日に市長において専決処分いたしましたので、これを報告し、承認を求めるものであります。
このほかに、議案第6号及び第7号は、今回の補正予算に関連するものでありますので、あわせてご説明いたします。
まず、議案第6号は、札幌市
消費生活条例の全部を改正する条例案であります。
これは、現行の条例の制定後に新たに生じました消費生活上の問題に対応するとともに、消費者関連法の改正等を踏まえまして、条例を全面的に改正するものであります。
その主な内容を申し上げますと、まず、新たな消費生活問題に対応するために、事実でないことを告げ、または、消費者の判断力不足に乗じて契約の勧誘や締結を行うことなどを、事業者が行ってはならない不当な取引行為に加えることとしております。また、消費者は、この条例に違反する事業者の事業活動により、広く消費生活に支障が生じるおそれがあるときには、市長に対して適切な措置を講じるよう申し出ることができることといたします。
このほか、消費者基本法の改正等を踏まえまして、基本理念などを見直すとともに、新たに消費者基本計画を策定することといたしております。
次に、議案第7号は、札幌市
生活環境の確保に関する条例の一部を改正する条例案であります。
これは、環境に配慮した建築物の普及促進を図るために、一定の大規模建築物を新築する建築主等が、みずからその建築物に係る環境への配慮事項について評価を行い、その結果を札幌市に提出するよう義務づけることなどを内容とする、いわゆる建築物環境配慮制度というものを導入するものであります。
以上で、補正予算に関する説明を終わりますが、私は、マニフェストに掲げました事柄のうち、今回の補正予算に盛り込むことができなかったものにつきましては、本年中に策定することとしております
まちづくりのプランなどの中で具体的な工程を定めて、順次、事業化を図ってまいりたいと考えているものであります。
続きまして、一般議案につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第9号は、札幌市
職員退職手当条例の一部を改正する条例案であります。
これは、雇用保険法等の改正に伴う国家公務員退職手当法の一部改正を踏まえまして、札幌市職員の退職手当制度について国に準じた改正を行うものでありまして、雇用保険法に規定いたします基本手当に相当する失業者の退職手当の支給要件を改めるものであります。
次に、議案第10号は、札幌市
恩給条例等の一部を改正する条例案であります。
これは、恩給法等の一部改正を踏まえまして、国に準じて遺族扶助料の加算額を増額するとともに、札幌市の恩給年額の改定について、恩給法における恩給年額に連動して改定する方式を導入するものであります。
次に、議案第11号は、札幌市税条例の一部を改正する条例案であります。
これは、地方税法の一部改正等に伴うものでありまして、その主な内容について申し上げますと、個人市民税につきましては、上場株式等に係る譲渡所得等に対する軽減税率の適用期間を1年延長するものであります。また、法人市民税につきましては、多様な信託を可能とするための信託法の制定に伴いまして、個人、公益法人などが法人税の課税対象となります信託の引き受けを行う場合には法人税割によって課税することとしております。
次に、議案第12号 札幌市老人・
身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案でありますが、平成20年度から身体障害者福祉センターに指定管理者制度を導入するに当たりまして、その業務の範囲を定めるなどの改正を行うものであります。
次に、議案第13号 札幌市
墓地条例の一部を改正する条例案は、本年10月をめどに実施を予定しております市営霊園の空き区画の再公募に当たりまして、その整備に要した経費等を考慮いたしまして墓地の使用料を改定するものであります。
次に、議案第14号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案は、新たに市営住宅2団地を設置し、その名称及び位置を定めるとともに、下野幌団地の建てかえ事業の実施に伴い、その一部の用途廃止を行うものであります。
次に、議案第16号から第19号までは、いずれも工事請負契約締結の件であります。
まず、議案第16号は、
里塚斎場の大規模改修工事でありまして、延べ面積は8,560平方メートルであります。
次に、議案第17号は、
里塚斎場の大規模改修に係る火葬炉設備工事でありまして、火葬炉30炉及び焼却炉1炉の撤去及び新設を行うものであります。
次に、議案第18号は、東白石中学校の改築に係る主体工事でありまして、建物の規模は、鉄筋コンクリートづくり地上3階建てで、延べ面積は7,384平方メートルであります。
次に、議案第19号は、羊丘中学校の改築に係る主体工事でありまして、建物の規模は、鉄筋コンクリートづくり地上4階建てで、延べ面積は7,305平方メートルであります。
以上4件の工事請負契約につきましては、地方自治法施行令第167条の5の2の規定による一般競争入札により、各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので、このたび、それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
このほか、議案第8号、第15号、第20号から第24号までにつきましては、いずれも議案末尾に記載の理由によりご了解をいただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
なお、報告第1号から第4号までは、いずれも平成18年度予算の繰り越しに係る計算書であり、報告第5号及び第6号は、和解及び調停に係る専決処分の報告であります。
以上で、ただいま上程された各案件の説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
畑瀬幸二) お諮りします。
ただいま説明のありました議案24件のうち、議案第1号から第15号まで、第20号から第24号までの20件につきましては、議事の都合上、その議事を延期することとし、議案第16号から第19号までの4件につきましては、これよりその議事を続行したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
畑瀬幸二) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
これより、議案第16号から第19号までの4件に対する質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終了します。
(大嶋 薫議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
畑瀬幸二) 大嶋 薫議員。
◆
大嶋薫議員 委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案4件を財政市民委員会に付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
畑瀬幸二) ただいまの
大嶋議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)