札幌市議会 2007-03-02
平成19年第一部予算特別委員会−03月02日-05号
平成19年第一部
予算特別委員会−03月02日-05号平成19年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第5号)
平成19年(2007年)3月2日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人
委 員 長 宮 村 素 子 副委員長 村 上 勝 志
委 員 小 谷 俵 藏 委 員 宮 本 吉 人
委 員 三 上 洋 右 委 員 柴 田 薫 心
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 高 橋 克 朋
委 員 山 田 一 仁 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 小須田 悟 士 委 員 村 山 秀 哉
委 員 湊 谷 隆 委 員 猪 熊 輝 夫
委 員 福 士 勝 委 員 畑 瀬 幸 二
委 員 藤 原 廣 昭 委 員 林 家 とんでん平
委 員 桑 原 透 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 小 田 信 孝 委 員 涌 井 国 夫
委 員 高 橋 功 委 員 三 浦 英 三
委 員 芦 原 進 委 員 飯 坂 宗 子
委 員 宮 川 潤 委 員 坂 本 恭 子
委 員 小 形 香 織 委 員 小 林 郁 子
委 員 佐 藤 典 子 委 員 堀 川 素 人
委 員 田 中 昭 男
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開 議 午後1時
○宮村素子 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、高橋(克)委員、藤原委員からは遅参する旨、笹出委員からは柴田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、審査日程の変更についてお諮りいたします。
本日の本会議におきまして、議案第56号
札幌市議会議員及び札幌市長の選挙における選挙運動に要する費用の公費負担に関する条例の一部を改正する条例案が追加提案され、本委員会に付託されました。
つきましては、各位のお手元に配付しております日程案のとおり、議案第56号を本日の委員会冒頭に審査することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○宮村素子 委員長 異議なしと認め、審査日程は、本案のとおり変更されました。
それでは、議案第56号の質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後1時2分
再 開 午後1時4分
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○宮村素子 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第3款 保健福祉費 第2項 児童福祉費及び議案第5号 平成19年度札幌市
母子寡婦福祉資金貸付会計予算について、一括して質疑を行います。
本日は、質疑予定者が多数に及んでおりますので、質疑、答弁ともに簡潔に行っていただきますようにご協力をお願いいたします。
◆村山秀哉 委員 私からは、
認可保育所整備促進事業について、数点にわたって質問をさせていただきます。
今ほどの簡潔にというお話の中で、大変恐縮ではありますけれども、質問中、多少一問一答になることをご了承いただきたいと思います。
平成19年度の
認可保育所整備促進事業について見ますと、認可保育所の整備を促進するための設備整備費への助成として、2カ所120人の定員増を図るため1,000万円の予算が計上されておりますが、この整備を予定している地域はどこを考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
2点目に、
認可保育所整備促進事業の助成を希望する事業者に対する募集要項を見てみますと、用地については自己所有であることが原則とされております。また、事業者に対する市有地の売却は、市としては想定していないとお聞きしておりますが、19年度についても同様の取り扱いになるのか、確認させていただきます。
◎櫻井
子育て支援部長 整備予定地につきましては、区及び小学校区単位での
保育需給バランスを考慮し、整備の優先度の高い地域を定めております。19年度につきましては、5区9小学校区周辺を優先度の高い地域として募集を行っているところであります。
また、用地につきましては、平成18年度と同様に、設置者の自己所有を原則としており、現在所有している土地の活用または民有地等の購入が条件となっております。
◆村山秀哉 委員 小学校区ということと、18年度と同様ということも確認をさせていただきました。
そこで、平成18年度の
認可保育所整備促進事業について、疑義がありますので、再度、質問をさせていただきたいと思います。
18年度の本事業においては、事業化された4件のうち、3件が市有地の売却を受けたものとなっており、さらには、市有地の売却に当たっては、正規の売り払い価格の3分の1を減額して売却したものと聞いております。
そこで、質問いたしますが、当初の募集の段階で、市有地の売却と3分の1の
減額取り扱いについて全事業者に明確に提示していたかどうかを確認させていただきたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 市有地減額の取り扱いの提示についてでありますけれども、ただいまご説明しましたとおり、平成18年度事業では、市有地の活用については想定していなかったため、募集の段階で、市有地の情報や減額の取り扱いについては提示をしておりませんでした。
◆村山秀哉 委員 今の答弁をお聞きしますと、当初の募集の段階では、市有地の売却と3分の1の減額の取り扱いについては全事業者に提示していないというお答えであります。
それでは、事業化された3件について、市有地の売却と3分の1減額の取り扱いに至った経緯と理由を明らかにしていただきたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 用地につきましては、自己所有を原則としておりますが、1回目の応募者の中には、適当な民有地が見当たらないことなどから、市有地を活用して保育所整備を行いたいとの意向が示されたものが複数ございました。
認可保育所整備促進事業は、厨房設備等の備品を対象に500万円を上限とした少額の補助であることから、法人の資金から建築費及び土地代の費用を捻出することは容易ではなく、市有地を本来の価格で売却した場合には事業計画が成り立たなくなるおそれがありました。そこで、法人負担の軽減措置が必要と考え、関係部局と協議を進め、平成16年度まで実施していた減額の取り扱いに準じて市有地の減額売り払いを行ったものであります。
札幌市としましては、
待機児童解消を目指して、平成16年度から平成18年度までの3年間で1,530人の定員増を計画していたところであり、この目標達成のためには必要な措置であったと考えております。
◆村山秀哉 委員 今、お話を聞きますと、事業計画が提出された後に市有地の売却と3分の1減額の取り扱いが決定されたということであります。募集段階で、市有地、さらには3分の1の減額ということをきちっと明示していれば問題はないかと思うのでありますけれども、後づけの取り扱いについては、公平性、透明性といった観点から申し上げますと、明らかに極めて不適切な取り扱いであると指摘せざるを得ません。
ここで、再度、確認をさせていただきますけれども、市有地を購入してこの事業を実施したいと申し出た事業者は3件のうち何件あったのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 1回目の書類が提出された時点で、市有地を購入して事業を実施したいと申し出た事業者の数でありますけれども、3件のうちの3件となっております。
◆村山秀哉 委員 今、3件が申し出たということでありますが、募集段階で市有地の売却と減額が明示されていないのは、何度も申し上げますけれども、明らかに公平性と透明性を欠くものと言わざるを得ません。特定の事業者に便宜を図ることになるとは考えなかったのか、この点をお聞きしたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 ただいまご説明いたしましたとおり、市有地を活用した3件の計画につきましては、1回目の書類提出時に申し出がなかったところであります。財源の手当て等については、最終的な書類提出時までに事業者と相談を重ねていく中で、保育所の整備の目標を達成し、待機児童の解消を図ることなどを総合的に考慮いたしまして、保育所整備のためには減額措置が必要と判断したものでございます。
◆村山秀哉 委員 我々が考えるには、やはり、募集の段階で、市有地がある、さらには、市有地を使うと3分の1の減額ができる、こういうことは大もとの段階であらかじめ事業者にきちっと申し出ることが妥当ではないかと思うのです。やはり、だれがどう見ても、特定の事業者に便宜を図る、もしくは利益供与という形になる、そういう疑念を抱かざるを得ないと思うのです。
再度、ご確認をしますけれども、確かに、今言われたように待機児童がたくさんおられる中での施策といえども、やはり、市長が常日ごろ言っている公平性、透明性という部分からは、私が考える中ではどうしても欠けるということを言わざるを得ないと思うのです。
改めて、事業者に便宜を図ることになるとはお考えにならなかったのか、そのときに気がつかなかったのか、お聞きをしたいと思います。
◎飯塚
子ども未来局長 その時点で公平性、透明性を欠くというふうには考えなかったのかというご質問でございますけれども、私どもとしましては、所定の手続を踏みながら適正に処理してきたというふうに認識をしているところでございます。(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 ご静粛にお願いいたします。
◆村山秀哉 委員 もう一回、お話をしますけれども、公募の段階でこのことをきちっと明示していれば、恐らく、公募の段階で手を挙げた方はもっともっとおられると思うのです。第1次募集が終わって、事業者から申し出があって、市有地がないか、もしくは減額できないかという手法を行政がやられるということは、公平な募集に何らかの障害をもたらした、こう思わざるを得ないと思うのです。
これは、言ってもなかなか前に進まない部分もありますけれども、先ほどから何度も言いますが、市長が公平、公正なということを言っている中で、この辺にもっともっと気を遣いながらという言葉が正しいのか、きちっとしっかりした認識を持ってやっていかなければこれからまだまだ問題が出てくるのではないかという気がしております。
そこで、平成18年度で認可された、市有地を購入し3分の1の減額を受けた施設名、法人名、理事長名を明らかにしていただきたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 市有地の売り払いの減額措置の経過につきましては、先ほどご説明を申し上げたとおりであり、適切な事務処理には留意をしてきたところでございます。
ご質問のありました法人名、また理事長名でございますが、
社会福祉法人札幌晃学会、理事長は三村元信氏、
社会福祉法人札幌正栄会、理事長は大内良一氏、
社会福祉法人札幌盈友福祉会、理事長は恩村一郎氏でございます。(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 ご静粛にお願いいたします。
◆村山秀哉 委員 今、事業を開始された3カ所でございますけれども、今の施設名をお聞きしますと、多少なりとも疑念を抱かざるを得ない、こういう感覚で思っているところであります。
やはり、募集の段階で、市有地の売却、さらには3分の1の減額ということを全事業者に提示していればこういう問題はないと思うのです。きちっと提示さえしていれば、公平性、透明性が保てると考えますが、募集を締め切った後、事業計画が提出された後にこのように取り扱いの決定がなされることは、だれが見ても疑念を抱かざるを得ないということを強く指摘しておきたいと思います。
さらに質問をさせていただきますけれども、平成19年度の事業計画の中に市有地を活用する事業者があった場合には、公平性と透明性を確保するためには平成18年度と同様に3分の1減額による市有地売却の取り扱いをすべきと考えますが、市の考えをお伺いしたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 札幌市といたしましては、待機児童の解消に向けて積極的な保育所整備に取り組んでおり、その一環として
認可保育所整備促進事業を実施しているところでありますが、当該事業を計画する場合、民間事業者にあっては用地に係る財源確保は困難な状況にあることを考慮いたしますと、
子ども未来局としては、市有地の売り払いの減額措置について必要があると認識をしているところであります。今後、その取り扱いに当たりましては、透明性をより一層高める努力、工夫をしてまいりたいと考えているところであります。
平成19年度につきましては、既に募集を行っている最中でありますが、仮に市有地を活用した計画があった場合には、地域の保育ニーズや計画内容を考慮し、待機児童の解消のため必要があると判断される場合には、関係部局と協議を行い、減額売り払いに努めてまいりたいと考えております。
◆村山秀哉 委員 今のお話を聞いた中で、18年度と同様にやられるということを確認しました。確かに、今、待機児童が多い中で、子育てで悩んでいるお母さん方もたくさんおられる。そうした中で、保育園の整備に関しては、やはり十分な透明性と公平性を保って19年度もぜひ実施をしていただきたいと、このことを要望して、終わります。
◆峯廻紀昌 委員 私の方からは、
ミニ児童会館の整備、
家庭的保育事業、そして保育料の
多子世帯軽減の3点についてお伺いいたします。
まず、
ミニ児童会館の整備についてでございます。
今議会に提出されております平成19年度予算案を見ますと、
ミニ児童会館を11館整備するというふうになっております。これは、昨年度の8館整備に引き続き、子どもたちの放課後の居場所の確保という面において大きな前進であり、高く評価をするところでございます。これによりまして、児童会館と
ミニ児童会館を合わせた数は155館になりますし、ますます子どもたちの
健全育成施策が充実していくことになります。
しかし一方で、小学校区という単位で見てみますと、児童会館や
ミニ児童会館のない校区もまだ多く残っていると思われます。中でも、空白校区と言われる児童クラブや
民間施設方式児童育成会など
留守家庭児童のための施設がない校区においては、
ミニ児童会館の整備は急務であると考えているところでございます。
そこでまず、お伺いいたしますが、平成19年度に予定されている11館の整備を終えた時点での空白校区の状況はどうなるのか、また、この空白校区を解消する際にも、当然、優先順位があるというふうに思いますが、優先順位が高い、すなわち、整備が急がれる校区というのはどのようになるのか、あわせてお伺いいたします。
次に、
家庭的保育事業についてお伺いいたします。
乳幼児を家庭で預かる、いわゆる
保育ママ制度については、これまでもその実施の要望を行ってきておりますが、国においては、平成12年から
国庫補助事業として
家庭的保育事業を開始し、昨年、改正されたと聞いております。
そこでまず、
家庭的保育事業の改正された内容について、また、この保育事業に関して札幌市としてはどのような認識をしているのか、あわせてお伺いいたします。
次に、3点目の保育料の
多子世帯軽減について伺います。
同一世帯から2人以上が同時に保育所を利用している場合に、
多子世帯軽減の対象となり、保育料が軽減をされておりますが、平成19年度から国基準が拡大されるというふうに聞いております。
そこでまず、どのように拡大されるのか、改正内容について伺います。
また、改正内容を基本として札幌市に当てはめた場合に、対象者がどのぐらい想定され、どのような財政的な影響が考えられるのか、あわせてお伺いいたします。
◎加藤
子ども育成部長 まず、
ミニ児童会館の平成19年度整備後における空白校区の数についてでございますけれども、残り27小学校区となる予定でございます。また、整備が急がれる校区についてでありますが、この27校区のうちには、1学年1クラス程度の小規模校や特認校、近隣に児童会館があるなど、整備優先度としては低いと考えられる校区もありますので、これらを除いた整備を優先すべきところは10校区となる予定であります。
◎櫻井
子育て支援部長 2点目、3点目の
家庭的保育事業についてと
多子世帯軽減についてお答えいたします。
家庭的保育事業についてでございますけれども、まず、改正された内容についてお答えいたします。
厚生労働省が平成12年から事業化しております
家庭的保育事業は、昨年、実施内容が改正されております。これまでは、保育を行う
家庭的保育者が保育所と連携して行う
個人実施型保育のみでございましたけれども、新たに、保育所が雇用する
家庭的保育者が保育を行う
保育所実施型保育が加わった点が1点でございます。また、対象となる児童の年齢も、3歳未満の低年齢児であったものが、
保育所実施型保育では就学前児童まで拡大されたところでございます。さらに、保育の場所につきましては、
家庭的保育者自身の居宅であったものが、
賃貸しアパートなど、家庭的保育を実施するのに適切と市町村が認めた場所にも広げられたということが改正された主な点でございます。
また、国の
家庭的保育事業に関する札幌市の認識についてということでございますが、札幌市では、保育所における
待機児童対策として、現在、認可保育所の施設整備を進めているところでございますが、ご指摘の
家庭的保育事業につきましては、
家庭的保育者がみずからの居宅等において少人数の児童を対象として保育を行う、いわゆるソフト的な保育事業としての位置づけになると考えております。
なお、
家庭的保育者の居宅等における限られたスペースでの保育となることから、保育の質を十分に確保することができるのか、事故などに対する安全対策は万全であるのか、また、保育所が行う
家庭的保育者に対する指導や情報提供など、多くの課題もあると考えているところでございます。
次に、保育料の
多子世帯軽減についてお答えをいたします。
保育料の
多子世帯軽減の拡大についてでございますけれども、従来は、同一世帯から2人以上同時に認可保育所に入所している場合に、2人目以降の保育料を多子軽減してまいりました。今回、新たに国から出された多子軽減の改正案は、同一世帯から、保育所だけではなく、幼稚園や認定こども園を利用している児童も算定の対象に含め、2人目以降の保育料を算定し、軽減範囲の拡大を図るものであります。また、対象となる児童の軽減順序につきましても、年長児から数えて1子目、2子目、3子目と数えまして、1子目につきましては軽減なし、2子目は50%の軽減、3子目は90%の軽減とすることに統一されたものでございます。
また、
多子世帯軽減についての対象者がどのぐらいいるのかということと、それから、影響はどのぐらいかという話でございます。一つ目の算定対象の拡大による軽減の対象者については、札幌市で試算してみましたところ、正確な数ではございませんが、およそ150人程度になるものと見込んでおります。また、二つ目の財政上の影響についてでありますが、平成19年度予算をもとに試算をしましたところ、保育料の減額が2,500万円、市の義務負担額の減額が2,800万円、合わせて5,300万円ほどの減額となることが見込まれます。これらにつきましては、全額が国庫負担金の増額により賄われるという見込みを立ててございます。
◆峯廻紀昌 委員 まず、
ミニ児童会館の関係でございますが、ただいまの答弁で、整備が急がれる校区は10校区ということでありました。私は、すべての子どもたちの健全育成という観点から言いますと、放課後の居場所としての児童会館や
ミニ児童会館がある小学校区とない小学校区があるのは、子どもたちや保護者にとって大変な問題ではないかというふうに思っております。それこそ、早急に解決していかなければならない問題であり、あわせて、保護者などから
子ども未来局に対して多くの要望がなされているのではないかというふうに思っております。
一方、学校の側から見ますと、
ミニ児童会館は学校の余裕教室などを活用して整備しているわけでありますから、余裕教室がなければ、幾ら学校が整備に前向きな姿勢であったとしても、物理的に考えれば無理と言わざるを得ないのも理解するところであります。一般的には、
ミニ児童会館のニーズが高い学校ほど児童数が多い、あるいは、余裕教室がない状況にあると言えるのではないかというふうにも思います。
そこで、再質問ですが、先ほどの答弁にありました整備が急がれる10校区の実現性について、問題点も含めて、まず、見解をお伺いしたいというふうに思います。
次に、2点目の
家庭的保育事業についてでございますが、ただいまの答弁で、山積する課題等についての提起がありました。しかし、札幌市の
待機児童対策の一助にもなるものでございますので、より身近な保育として大変有効な事業であるというふうに考えております。
そこで、再質問ですが、
家庭的保育事業を進めるべきと考えておりますけれども、このことについていかがお考えか、お伺いいたします。
次に、3点目の保育料の
多子世帯軽減についてでございます。
ただいまの答弁では、対象者数、財政的な影響について数字をいただきましたが、保育所とともに、幼稚園を利用している世帯における家計への負担を考慮することについては、本市が掲げる少子化対策にも非常に有効であるというふうに考えております。
そこで、国基準を基本として実施すべきというふうに考えますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
◎加藤
子ども育成部長 整備が急がれる校区への実現性についてお答えいたします。
これまで、
ミニ児童会館につきましては、空白校区であることを前提として、学校の余裕教室等の状況を勘案しながら、教育委員会や各学校と協議し、整備可能な小学校から順次整備を進めてきたところであります。こうしたことから、現在、空白校区として残っておりますのは、余裕教室が当面生ずる見込みのない学校やニーズが少ない小規模校などとなっております。
このうち、先ほどお答えいたしました特に整備が急がれる10校区につきましては、委員ご指摘のとおり、児童数も多く、しかも、近隣の児童公園も利用しづらい状況にありますことから、
ミニ児童会館に対するニーズは非常に高いものとなっております。しかしながら、この10校につきましては、余裕教室が生ずる見込みがないことから、現状において実際に整備することは困難な状況と言わざるを得ないところであります。
このようなことから、これまでの余裕教室を活用した整備手法に加えて、何らかの手法により対応していかなければならないものと認識しているところでございます。
◎櫻井
子育て支援部長 家庭的保育事業への取り組みについてお答えいたします。
家庭的保育事業につきましては、先ほどもお答えいたしましたとおり、検討を要する多くの課題があると考えておりますが、一方で、地域における保育ニーズにきめ細かく対応するとともに、保護者の多様なニーズにこたえるものであると考えております。そうしたことを踏まえ、札幌市といたしましては、施設設備などいわゆるハード面とともに、ソフト面としての柔軟な取り組みも必要であると考えているところでございます。
このたびの制度改正に伴って
保育所実施型保育への拡大も図られたことから、先ほどの課題解決に向けましてどのような整理ができるのか、事業者とも十分に意見交換を行い、今後、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、保育料の
多子世帯軽減の実施についてお答えいたします。
多子世帯に対する保育料の軽減は、子育て家庭への経済的支援を軽減するための社会的支援策として重要な施策であると考えております。今回の改正による
多子世帯軽減の実施に当たりましては、幼稚園における在園の確認であるとか、関係団体との調整が必要になってまいりますけれども、札幌市といたしましては、範囲拡大の重要性を踏まえ、実施に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
◆峯廻紀昌 委員 まず、
家庭的保育事業の関係でございますが、本市に突きつけられている今の少子化の課題を含めた状況、あるいは、保育所の待機児童や超過入所の状況を勘案しますと、多くの課題もあるという部分については認識をいたします。しかし、保育所からの支援体制の確立を図ることなどによって保育の質を確保できるというふうにも思いますので、現状を踏まえ、積極的な検討を行うよう要望したいと思います。
次に、保育料の
多子世帯軽減についてでございますが、今、お話しありましたように、さまざまな課題もあろうかと思いますけれども、教育委員会あるいは関係団体と密接に連携を図る中で、実施に向けて積極的に取り組むように求めておきたいというふうに思います。
最後に、
ミニ児童会館の関係でございますが、ただいまの答弁で、先ほどもお話ししたように整備が急がれる10校区については、これまでの余裕教室を活用しての整備手法では、その実現が非常に難しい状況であることがわかったわけであります。ただし、そうは言っても、難しいと言っているだけでは決して前には進まないわけでありまして、いろいろな整備の手法についてこれから具体的に検討していかなければいけないというふうに考えます。
そこで、私もいろいろと考えてみましたが、やはり、現在の
ミニ児童会館のように、学校の中にあって、そして、学校と一体となった整備がベストでありますので、学校との連携はもちろん、子どもたちの安心・安全の面や活動の充実を図る上でそのメリットは非常に大きいものと考えますと、おのずと、校舎を増築して整備するか、あるいは、他都市の例にあるように、学校の敷地内にプレハブ等を設置するか、どちらかに集約されるように思います。
そこで、最後に、この点について、
子ども未来局としてどのような考えをお持ちなのか、お伺いをいたします。
◎加藤
子ども育成部長 増築あるいはプレハブなどによる整備についてでありますが、これまでいろいろな整備手法について研究してまいりましたけれども、子どもたちの活動に対して多様なスペースを確保できる観点や、安全・安心といった意味においても、委員ご指摘のとおり、私どもも学校内での整備が有効であると考えているところであります。
しかしながら、学校校舎への増築やプレハブのいずれの手法とも、これまでの手法に比べ、財政的に多大な財源を必要とすることや、
ミニ児童会館整備が余裕教室の活用を基本として進めてきたことなどから、増築やプレハブについては十分検討されていない状況にあります。
いずれにいたしましても、財政局や教育委員会などと協議を進め、具体的な整備手法の検討を急いでまいりたいと考えているところであります。
◆峯廻紀昌 委員 ただいまの答弁にもありましたように、特に整備が急がれる空白校区の解消については、私も、学校職員の理解という面を初めといたしまして、特に教育委員会との連携を一層深めていく必要があると感じておりますので、この辺を十分踏まえながら積極的な取り組みを求めて、私の質問を終わります。
◆三浦英三 委員 私からは、放課後子どもプランについて、何点かお聞きしたいと思います。
さきの代表質問において、我が会派の小田議員が、放課後子どもプランの所管である
子ども未来局と教育委員会の連携状況について、それから、プランの推進に当たっての市の基本的な進め方について質問をいたしました。
このプランは、原則、すべての小学校区で子どもたちの放課後の安全で健やかな活動場所を確保しようとするものでありますが、その場所は、基本的には、小学校の余裕教室を初め、図書室や図工室などの特別教室、さらには体育館など、放課後の学校施設を有効に活用していくことを基本としております。このように、国としては小学校を活用することを基本とする中で、本市の対応としましては、既に児童会館及び
ミニ児童会館として、留守家庭の児童もそうでない児童も一緒に過ごすことのできる居場所づくりを進めており、このような状況から、今後も児童会館や
ミニ児童会館を中心としてプランを推進していくと、代表質問に対して答弁をされております。
国においては、どうしても小学校を活用してプランを展開しなさいとは言っておりません。全小学校区における居場所の確保ということが最優先と言われております。それが、当面は児童会館であっても他の施設であっても構わない、このように言われております。ですから、代表質問の答弁で示された本市の方向性に対しては、私も一定の理解をするところであります。確かに、特に、本市の
ミニ児童会館は小学校内にあり、放課後留守家庭になる児童とそうでない児童がみんな一緒に過ごすことのできる居場所であります。まさにプランの先取りとも言えるものであると私は思っております。
とはいえ、ただ単に、これまでの児童会館、
ミニ児童会館事業を従来どおり進めていくだけで、果たして今回の放課後子どもプランで示されている事業内容と合致したものになっていくのかどうか、疑問を感じる部分もあるわけであります。
そこで、質問です。
本市がプランを進めていくに当たって、全く従来のままの事業内容でよいと考えているのかどうか、お聞きしたいと思います。
あわせて、何らかの充実やレベルアップに取り組むことになるとすれば、どのようなことに取り組み、それにより現在の児童会館や
ミニ児童会館はどのように変わることになるのかということをお示し願いたいと思います。
◎加藤
子ども育成部長 放課後子どもプランに取り組むことにより、児童会館、
ミニ児童会館事業がどのように変わるかについてであります。
今回、国が示しているプランは、小学校や児童会館等にすべての児童を対象にした放課後の居場所を確保し、勉強やスポーツ、文化活動、地域との交流活動など、さまざまな取り組みを充実しようとするものであり、その推進に当たっては、地域の方々や育成団体などの参加、協力により進めることとしているところであります。一方、現在の児童会館及び
ミニ児童会館の事業を見ますと、各館において多少の差はあるものの、それぞれで工夫を凝らしながら、さまざまなイベントや行事などの体験交流活動を実施しているところであり、事業によっては地域の方々やボランティアの参加をいただきながらの取り組みも行ってきているところであります。
このようなことから、今後のプラン推進におきましては、これまでの事業内容を大きく変えることはないと考えておりますけれども、一方で、今まで以上に地域全体で子どもたちを見守っていくことが求められる状況にあると認識をしております。つきましては、今後は、児童会館や
ミニ児童会館と地域、学校が連携協力を強化するとともに、地域の人材を生かせるような仕組みづくりや新たな体験交流事業推進の取り組み、子どもたちはもちろん、それにかかわる大人にとってもより充実した居場所となるように努めてまいりたいと考えているところであります。
◆三浦英三 委員 ただいまの部長の答弁では、放課後子どもプランの推進によって、地域の方々とか育成団体等の参画が促進され、これまで以上に事業やイベントが充実していくであろう、児童会館、
ミニ児童会館と地域や学校の交流や連携が深まるというような効果も期待されるという答弁でありました。
放課後というのは、子どもにとっても大切な時間だと思うわけです。つまり、行政と学校、そして地域が連携協力して子どもたちにかかわって、みんなで見守っているということは非常に重要なことだと思っておりますので、ぜひとも積極的に放課後子どもプランを推進していただくよう期待をしていきたいというふうに思っております。
次に、ちょっと違う視点から、先ほども峯廻委員から
ミニ児童会館の話がありましたけれども、一番整備されている豊平区の峯廻委員と1校しか整備されていない清田区の三浦委員が連携して質問をいたします。
今議会に提案されている19年度予算案に、11カ所の
ミニ児童会館整備が含まれております。仮に予算どおりに整備されたとすると、本市においては、放課後児童健全育成事業を担う児童クラブや
民間施設方式児童育成会のない、いわゆる空白校区は、先ほどの答弁では27ということで、そのうち優先的に整備すべき校区は10カ所であると。先ほど峯廻委員への答弁にあったとおりであります。一方、放課後子どもプランでは、すべての児童のための居場所づくりということになりますので、そういう観点から言えば、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区すべてが放課後の居場所の空白校区と、このように言えるのではないかと思うわけであります。
そこで、再質問をいたします。
現在、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区はどのぐらいあるのか、まずお示し願いたい。
あわせて、それらの小学校区においては、先ほどの答弁のとおり、
ミニ児童会館の整備がいつになるのかわからない中で、当面、放課後の居場所づくりはどのようになるのか、お示し願いたいと思います。
◎加藤
子ども育成部長 1点目の児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区の数についてでありますけれども、現在、67校区でございます。
次に、2点目の児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区における当面の放課後の居場所づくりはどのようになるのかということでございますけれども、そのような校区すべてにおいて早急に
ミニ児童会館を整備することは、委員ご指摘のとおり、難しい状況にあると考えております。
そこで、当面の対応についてでありますけれども、先ほどの峯廻委員のご質問にもお答えいたしましたが、まずは優先すべき小学校区に何とか
ミニ児童会館を整備できるよう努めてまいりたいと考えております。また、残りの校区につきましても、計画的な整備の検討を進めていくことになりますが、当面は、これまで同様、近隣の児童会館あるいは公園などを利用していただくことになると考えているところでございます。
◆三浦英三 委員 すべての小学校区に放課後の居場所を確保しようとする放課後子どもプラン、これに対する本市の対応として、先ほど来出ているように、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区をどうしていくかというのは、一つの大きな課題と言えるのではないか、課題が浮き彫りになったと思うわけです。
私としては、従前から主張しているように、根本的には、この解消に向けて
ミニ児童会館の整備を一生懸命促進してもらいたい、このように考えているところであります。
一方で、当面の対応として、まずは、冒頭で指摘したプラン本来の趣旨、つまり、放課後の学校施設を活用して子どもたちの居場所を確保することが、特に児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区には求められるものであると考えているわけであります。もちろん、そのメリットは、施設としてはすでにあるものを活用するわけですから、あとは実際の運営や安全管理の体制さえ整えば、極端に言えばすぐにでも、文部科学省の言うすべての児童を対象とした放課後子ども教室推進事業は実施できることになるわけであります。
しかし、実際にその運営をだれがどのように担うのか、特別教室や体育館などの場所を活用することに、学校教育への支障や安全管理上での問題はないのか等々、心配やさまざまな課題があることも事実だと思うわけであります。
そこで、最後にお聞きいたします。
放課後子どもプランへの対応として、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区への当面の取り組みとして、さまざまな課題はあると思われますが、やはり、まずはプランの趣旨にのっとって学校施設を活用した展開を考えるべきと私は思いますけれども、いかがか。
あわせて、これまで、この件について教育委員会や学校関係者と具体的な話を進めてきているのか、もしもそうであるならば、どのような協議内容を行ってきたのか、お示し願いたいと思います。
◎加藤
子ども育成部長 児童会館、
ミニ児童会館のない小学校区における学校施設を活用した居場所づくりと教育委員会などとの協議についてであります。
放課後子どもプランにのっとり、すべての小学校区に放課後の居場所を確保していくに当たって、早急に
ミニ児童会館整備を進めていくとした場合には、財政的な問題や余裕教室の有無といった物理的な問題など、さまざまな課題が山積しております。このようなことから、全小学校区における放課後の居場所の確保には、当面、他に何らかの対応が必要となるところでありますが、委員ご指摘のように、今回国が示している学校施設の活用、推進につきましては、今後の居場所の確保に向けての一つの方向性となるものと考えられるところであります。
また、このことに関しての教育委員会等との協議についてでありますが、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区への対応をどのようにしていくかは、札幌市の放課後子どもプラン推進にかかわる大きな課題となりますので、今後、学校施設の活用を含めた対応についても、教育委員会と積極的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆三浦英三 委員 最後に、要望ですけれども、児童会館や
ミニ児童会館を中心としてこのプランを推進していくということはわかっていますが、一方では、それらがある小学校区とない小学校区の格差、プランをどんどん推進していけばいくほど、格差は現状よりも一層拡大していくことに通じているというふうに思うわけであります。ですから、これらの児童会館、
ミニ児童会館のない校区への配慮というのが不可欠であると思っているわけです。
このことから、今、部長も答弁されましたけれども、空白校区における学校施設を活用しての放課後の居場所の確保について、本当に、教育委員会、学校関係者とも十分に協議をして、ぜひ進めていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆小形香織 委員 私からは、民間施設方式のいわゆる学童保育所のことについて、それからもう一つが、先ほどもありました保育料の
多子世帯軽減のことについて、大きく二つお尋ねしたいというふうに思います。
まず、学童保育所の方ですけれども、2月15日の私ども日本共産党の代表質問でも、民間学童保育所のことについて取り上げました。そして、民間の学童保育所の果たしている役割について認識をただしましたところ、小澤副市長からは、居場所の一つとして一定の役割を果たしている、こう答弁されました。私は、一定の役割どころか、大きな役割を果たしている、こう考えるものです。
札幌市が、まだ
留守家庭児童対策の事業を行っていない時代から、放課後の子どもたちを預かって異年齢の集団保育実践を先駆的に行ってきたことが現在の児童会館方式など札幌市の
留守家庭児童事業に大きな影響を与えてきたこと、父母と指導員が共同で運営してきたことが親同士、親と指導員との結びつきをつくって強い信頼関係を築いていることなど、人と人との結びつきが薄まっている現代において改めて注目されるべき役割を果たしていると考えています。
しかし、現状としては、施設が狭い、老朽化している、あるいは、バザーや保育料などを集めるために時間的にも経済的にも父母の負担が重いという困難を抱えていると私は思っておりますけれども、この民間学童保育所が抱えている困難についてどのように認識されているのか、これを1点伺いたいと思います。
それから、
多子世帯軽減の保育料のことについて伺いますけれども、先ほど、その内容についてのご説明がありました。そして、札幌市はこれを実施に向けて検討しているというふうに答えられましたけれども、これはいつから実施しようと計画されているのか、実施の予定を伺いたいというふうに思います。
まず、2点をお願いします。
◎加藤
子ども育成部長 民間方式の児童育成会の果たしている役割、それから、困難の状況をどう認識するかというご質問であったと思います。
民間施設方式の児童育成会の抱える問題の認識については、それぞれの状況はいろいろあろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、それぞれの育成会で施設環境の面あるいは財政状況のいろんな制約の面で課題を抱えながらも、指導員や保護者の努力により施設運営を続けていらっしゃると考えているところでございます。
◎櫻井
子育て支援部長 多子世帯軽減はいつからということでございます。
実は、間もなくということですが、4月からやりたいと考えております。国から連絡が来たのが近々の話でして、これをやるに当たって、システムを直すとか、関係団体と協議をするとか、保護者の方たちに連絡をするとか、非常に大量な事務がございますけれども、この制度の重要性にかんがみて、なるべく早期にというふうに考えて、そのように検討を進めているところでございます。
◆小形香織 委員 まず、学童保育所の方です。
今、環境とか財政だとか、さまざまな面で困難を抱えておられるというふうに思っているし、父母の方々の努力で支えていると一言でおっしゃっていますけれども、この中身は、本当に大変なのです。そもそも、働いている両親、あるいは一人親であって、一生懸命働き、残業もしながら、土・日も出勤しながら、なおかつ、自分たちの学童保育所を支えるために、バザーで時間を割き、夜遅く父母会で集まって運営をどうしていくかと大変なことをされているということで、この困難についてぜひ重く受けとめていただきたいというふうに思うのです。
さきの代表質問で、私どもが、4年生以上も学童保育所の補助の対象にするべきだというふうに求めたのに対しまして、小澤副市長は、
民間施設方式児童育成会の存続は困難となって新たに空白校区が生じた場合には
ミニ児童会館の整備を急ぐ、こういうふうに答弁されました。
私ども日本共産党は、この間、代表質問などで、国は、申請があれば4年生以上も補助対象にしていること、それから、札幌市地方社会福祉審議会の答申でも、4年生以上の受け入れについても検討する必要性があると言われていることなどを挙げながら、その必要性、そして、留守家庭事業全体が4年生以上への拡大の方向に向かっているのだから、札幌市もこれにこたえるべきだというふうに求めてきました。しかし、結局、札幌市は、民間施設方式の学童保育所には何の抜本的な応援策も講じないで、民間がなくなれば
ミニ児童会館の児童クラブに移行すればいいと、こういう姿勢です。
札幌市は、民間施設方式の学童保育所をつぶしてもよいとお考えなのですか、伺いたいと思います。
それから、
多子世帯軽減のことについて、さらに具体的に伺いたいと思います。
具体的に、一つ例を挙げたいと思います。保育料階層のD2階層、いわゆる所得税が2万4,000円以上から6万4,000円未満の階層の世帯で、3人の就学前の子どもを育児している家庭があったとした場合について伺いたいと思います。
先ほどのご答弁では、上の子が幼稚園へ行っている場合は、2子目、3子目はそれぞれ2子目軽減、3子目は無料というふうにしているので、結局、保育料としては、今の世帯の場合だと1万8,500円だったものが6,470円になって、プラス、上の子が幼稚園に行っていれば幼稚園の保育料を払うというご説明だったと思うのです。
そこで、今挙げたD2階層で3人の就学前の子どもがいる世帯の場合で、3人とも保育所に入所している場合の保育料について伺いたいと思います。
これまでは、保育料が一番安い1子目の子が無料、そして、2子目の子が1万8,500円で、3子目が7,170円、合わせて2万5,670円を保育料として納めていたわけです。今回、国が
多子世帯軽減策を導入した場合に、この世帯は合計で幾らの保育料を納めることになるのか、その金額をお示し願いたいと思います。
◎加藤
子ども育成部長 民間施設方式の児童育成会がつぶれてもよいのかというご質問でございましたけれども、その件に関して、民間施設方式の児童育成会に対する札幌市の基本的な考え方でございますが、さきの代表質問でも副市長からお答えいたしましたとおり、地域における
留守家庭児童の居場所の一つとして一定の役割を果たしていただいているものと認識しております。
その中で、近年、廃止になったところが幾つかあると私も承知しておりますけれども、廃止の理由はいろいろあり、一概には言えないものであると考えております。
今後とも、民間施設方式の児童育成会が何らかの理由により存続が困難になった場合には、
ミニ児童会館の整備を急ぐなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
◎櫻井
子育て支援部長 細かい話で、D2階層でということですが、今お話がございましたように、札幌市の場合には軽減の順序というのがありまして、同一世帯で3人以上入所する場合には、最も年齢の低い児童から数えて2人目の児童について正規の金額、そして、最も年齢の低い児童については50%から70%軽減、その他の児童については無料というようなことになっていまして、今回の
多子世帯軽減では年齢の高い順から1番目、2番目、3番目ということになります。
そういったことで、その入り繰りが多少ありまして、計算をいたしますと、従来から見ますと、今度は、1番目が1万8,000円、3歳児の子が6,470円で、2万4,470円ということになりまして、従来から見ると1,200円程度軽減になるということになります。
周りの方はちょっと聞いていても何のことやらよくわからないと思いますが、質問者の方はよくおわかりかと思います。(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 質問中ですので、静粛にお願いします。
◆小形香織 委員 民間保育の学童保育所のことについてですけれども、困難さを理解しているのだと、努力で支えているというふうにおっしゃっていながら、いろんな事情があってつぶれた場合にはミニ児だというのではなく、私は、もっと積極的に民間学童保育所の困難なところに手を差し伸べる姿勢を持つべきだということを強く求めておきたいと思います。
同時に、来年度、財政構造改革プランの中には、
民間施設方式児童育成会に対する助成項目の整理ということが具体的に上げられております。これから、来年度、いわゆる助成金をどういうふうにしていくのか検討していくということがプランニングされているのだと思いますけれども、その対象となる民間施設、学童保育所との合意を得なければならないというふうに私は考えます。一方的に打ち切ることなく、事業主体との合意を前提とするのかどうか、ここを伺いたいというふうに思います。
それから、多子世帯の軽減ですけれども、つまり、これまでは4歳以上が一番保育料が安くて無料になっていたけれども、今度の国の新しい制度の導入によって、一番保育料の高い3歳未満児の保育料が無料になるということですから、先ほどの数値から言うと、これまで2万5,670円だった保育料が2万4,470円になって月の保育料が1,200円軽減される、こういうことですよね。
◎櫻井
子育て支援部長 そうです。
◆小形香織 委員 これをことしの4月から実施したいということで、時間もなく、急いで準備したいのだというふうにおっしゃっておりました。これは役所のする仕事ですので、あくまでも申請主義でやっていくのだろうというふうに思うんですね。ですから、そんな制度があるなんて知らなかったというようなことが起きないように、周知を徹底するように求めておきたいというふうに思います。これは求めておくことにして、学童保育の質問の方だけお願いいたします。
◎加藤
子ども育成部長 来年度以降、民間施設方式の児童育成会に対する助成金の見直しというのは確かにプランニングされているところでございますが、その中で、児童育成会の側の合意を得るべきではないかというご質問でありました。
助成金の見直しに際しましては、実際に運営をされている皆さんの声をできるだけお聞きすることが肝要であると考えておりまして、
民間施設方式児童育成会の代表者である札幌市学童保育連絡協議会の皆さんとも話し合いや情報交換を行い、十分にご説明をし、また、ご理解をいただくように努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆小形香織 委員 繰り返しになるかもしれませんが、民間施設方式は、本当に厳しい運営を強いられていて、やむなく閉所しているのです。子ども未来プランをつくったときに57カ所あった民間施設方式が既に3カ所なくなっている。どれも10人未満です。4年生以上にも補助すれば、もしかしたらまだ運営し続けられたかもしれなかったけれども、そうした施策がなされなかったために、やむなく助成金が打ち切られる、こういうふうになっているんですね。
私は調べて見ましたけれども、ランク1、いわゆる指導員1名分の人件費しか助成されていない学童保育所が、現在、54施設のうちの32施設あるんです。そして、いただいた資料で調べましたら、実際には84%に当たる27施設が2名以上の指導員を配置しているのですよ。ですから、1名分以外の指導員の人件費というのは、すべて父母の負担、保育料の負担によって運営されているのが実態なのです。ですから、この間、何度も繰り返し求めてきたのですけれども、4年生以上に助成対象を拡大するとか、あるいは、指導員が複数配置できるような助成金の算出方式にするなどして、民間学童保育所への支援策を早急に行うように強く求めて、質問を終わります。
◆佐藤典子 委員 私からも、質問させていただきます。
子どもの居場所づくりについてでありますけれども、本定例議会で小林議員が代表質問でも取り上げました居場所づくりに関連して、以下、質問させていただきたいと思っています。
一つ目は、児童会館の中・高生の夜間利用と子ども運営委員会についてです。
現在、市内に20カ所の中・高校生が夜間利用できる児童会館があります。館によって差はあるものの、利用者は1回平均8.3人と伺いました。中・高校生の利用促進に向けては、昨年11月、改めてポスターやチラシを近隣の中学校、高校に配布したとのことですが、そうした周知により利用状況はどのように変わったのか、伺います。
また、この間、子どもが主体的にかかわり、子どもの声が反映された児童会館づくりを進めるために子ども運営委員会が設置されていると聞いていますが、その設置状況とメンバー構成、また、どのようなことに取り組んでいるのか、活動内容について伺います。
2点目に、児童会館の占有利用についてです。児童会館の夜間利用については、中・高校生の居場所づくりが広がる一方で、地域の子どもたちの剣道や合気道など、スポーツ団体が有効に活用しています。
ところが、昨年4月からの減免制度の廃止により、児童会館の使用料が上がり、どの団体も同様に、利用者負担がふえ、活動の維持が厳しくなったという声を耳にしています。また、児童会館の利用予約が1カ月単位になっているため、指導者確保の観点からも、いつもはらはらしながら翌月の予約をしなければならず、非常に利用しづらいという声を聞いています。
そこで、質問ですが、料金体系の見直しは現段階では難しいかもしれませんが、代表質問の答弁にありましたように、利用者の声を聞きながらより一層利用しやすい児童会館づくりを進めるために、例えば、児童会館の占有利用における利用申し込みを一度に半年先まで予約できるような方法に変更するなどの工夫はできないでしょうか、お考えを伺います。
2点、お聞かせください
◎加藤
子ども育成部長 まず、児童会館の中・高校生の夜間利用について、改めて周知を図って以降の利用状況についてであります。
昨年11月にポスターやチラシを配布し、改めて利用促進に向けた周知や働きかけを行ったところであります。これにより、冬期間は利用者が少なくなることが予想されておりましたが、それまでの実績を上回る館が多くなっているほか、各館で新たな利用者の来館がふえたり、これまで利用者が少なかった館においても大きく利用者をふやすなどの効果があらわれているものと考えております。
次に、子ども運営委員会の設置状況、それから、メンバー構成及び活動内容についてでございます。
昨年度、3館で設置した子ども運営委員会でありますが、今年度、新たに9館ふえ、現在は12館で設置しているところであります。メンバー構成、活動内容については、館によりさまざまでありますけれども、主に小学生で構成されておりまして、このうち、特に高学年児童が行事の企画や実行スタッフとして参加することが多い状況となっております。
このほか、児童会館の利用に当たってのルールづくりやアンケート調査の実施などにも取り組むなど、子どもたちの運営参加への意欲も高まってきており、今後、ますます活動に広がりが出るものと考えております。
次に、児童会館の占用利用における利用申し込みについてでございます。
利用者の公平性確保の観点から、当面は利用月の前月からの申し込みを受け付けることとしておりましたけれども、利用者の方々からも、一度に申し込める期間を延長してほしいという要望をお聞きしているところであります。私どもといたしましても、その利用実態から、もう少し柔軟な対応をしてもいいのではないかと考えているところでありまして、今後、各児童会館の意見を聞きながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
◆佐藤典子 委員 児童会館の占有利用ですけれども、私も、これまでの体育館の使用料がずっとゼロ円だったのが3,300円になって本当に厳しいとか、1,200円だったものがいろんな経費を合わせて3,800円になる、3倍になっているとか、それ以上になっているという切実な声を聞いてきています。利用しやすい児童会館づくりをというところでは、今言われた申し込みの仕方とか、予約の受け方について、ぜひ善処していただきたいということを強くお願いしておきたいと思っております。
それから、児童会館の子ども運営委員会についてですけれども、現在、12館で子ども運営委員会が設置されているということです。メンバーは、やはり小学生が多いということだったのですが、今、お話を伺いましたら、冬季も中・高生の利用がふえているということですので、今後、夜間利用の児童会館におきましても、中・高生の運営委員会への参加を含めて、ぜひ全年代にそうした取り組みが広がることを期待したいと思っています。
子ども運営委員会のメンバーというのは、高校生まですべての参加が理想的だと思っているのですけれども、やはり小学生は日中活動、そして中・高生が夜間というところでは、一緒というのはなかなか困難ではないのかと想像できるところです。
そこで、質問ですけれども、あらゆる年代の子どもたちが参加しやすい方策の一つとしまして、例えば、子どもの年代別の部会制度にして運営委員会を開催するといった工夫が必要と考えますが、その工夫について伺いたいと思います。
それから、先日、この特別委員会でも出ておりましたけれども、1月11日に開催されました子ども議会では、子ども議員の文教委員会の皆さんから、児童会館について、新しい名前など公募して親しみやすい施設にしてほしいという提案がなされていました。その際、小澤副市長から、愛称についてはいろんな人の意見を聞いて考えてみたいという前向きな答弁を私も聞いているところです。
そこで、ぜひ、児童会館の愛称を決めることを共通の取り組みとして掲げ、その中心的な役割をこの子ども運営委員会が担うというように、中・高生も利用しやすい雰囲気づくりの一つとして前向きに進めていただきたいと考えますがいかがか、その点について伺います。
◎加藤
子ども育成部長 まず、子ども運営委員会についてでありますけれども、すべての年代が積極的に参加しやすくすることについてであります。
特に、中・高生の夜間利用実施館において、みずからが事業の企画、運営や利用のルールづくりなどを行うことは、居場所としての魅力を高め、より親しみを持って利用してもらえるようになるものと思っております。このようなことから、ぜひ中・高生にも子ども運営委員会に参加してもらいたいと考えているところであります。
ご提案の年代別部会制度についてでありますが、子ども運営委員会に幅広い年代の参加を促す仕組みとして貴重なアイデアだと思います。今後、子ども運営委員会の設置を進めていく上で検討してまいりたいと考えております。
次に、児童会館の愛称の設定についてでありますが、委員ご指摘のように、館への親しみや愛着を深めることはもちろん、中・高校生にとって利用しやすい雰囲気づくりにもつながるものと思われますので、今後、子ども運営委員会の取り組みとして積極的に提案してまいりたいと考えております。
◆佐藤典子 委員 ぜひ、中・高校生が利用しやすい魅力ある児童会館、子どもの居場所づくりということで、工夫を重ねながら取り組んでいただきたいと思っています。
また、愛称も、先日も出ましたが、屯田北は屯田で珍しい児童会館ということで屯珍館というふうについていると聞いたんですけれども、そういうことを自分たちで積極的に行うことで、もっと身近な自分たちの居場所づくりをみずからがつくるということの本当に大きな働きかけになると思いますので、お願いしたいと思います。
最後に、今、段々の議論が出ておりましたけれども、今、すべての子どもたちの放課後の安心・安全の居場所づくりが求められていると私も思っています。
しかし、現実には、今伺いましたが、児童会館が104、
ミニ児童会館が51カ所、そして、
民間施設方式児童育成会が54カ所になっているということです。そして、
ミニ児童会館の設置については、今後、空白校区だけではなく、同一校区に複数設置されることも考えられるということで、これまで以上に民間学童保育所の運営状況が圧迫されることが懸念されるところです。
そこで、私も、
民間施設方式児童育成会への支援について何点か伺いたいと思っています。
子どもにとっては、自分の居場所づくり、また居場所を考えるときに、いろんなチャンネルがあるというのはとても大事なことだと思っています。その中で、地域の留守家庭の子どもの居場所の一つとして、児童クラブ、また民間学童保育所があるわけです。
しかしながら、小形委員も言われておりましたが、なかなか厳しい状況であるということで、私からは、以下3点、質問させていただきたいと思っています。
まず、1点目に、これまで民間学童保育所への助成は学校方式児童育成会の助成基準が算出根拠となっておりますが、今年度で11カ所の学校方式児童育成会が
ミニ児童会館になり、廃止されるわけですけれども、その後にこうした助成基準はどういうふうになるのかということを伺いたいと思います。
それから、2点目としましては、これまでも何度か取り上げさせていただきましたが、障がいのある子が通える居場所の一つとしてもこうした民間の学童保育が大きな役割を果たしていると私も受けとめております。
既に、国では、06年度より障がい児1人から助成対象となっておりますが、本市におきましても、早急に障がい児1人からを助成対象にして人数に応じた加算をすべきというふうに考えておりますが、その点についてはいかがお考えか、伺います。
そして、3点目に、広報の拡充についてです。
あるお母さんから聞きましたが、なかなか子どもたちがふえない中で、広報もいろんなところで積極的に行いたいのだけれどもという話でした。そして、その一つに、新1年生や新学年を迎える保護者へのアピールということについて、例えば、毎年地域の学校で行われる新1年生の一日入学、また学年懇談会のときなどにPRする時間を確保できるよう、ぜひ校長会などに働きかけることができないでしょうかということでした。
広報周知に向けた市のさらなる支援が求められると考えておりますが、その点についていかがか、3点、伺います。
◎加藤
子ども育成部長 1点目の新たな助成基準についてでございますけれども、現在、民間施設方式の児童育成会への助成は、平成19年度をもって廃止を予定しております学校施設方式の児童育成会の助成基準を算定根拠にしておりますことから、今後、新たな助成基準の策定が必要になるものと考えております。このようなことから、現在、新基準の策定に向けた準備を進めているところであり、まずは、財政構造改革プランに基づき、国庫補助基準をベースとした検討から初めてまいりたいと考えているところでございます。
2点目の障がいのある児童への対応についてでありますけれども、委員ご指摘のとおり、既に国において障がい児加算の人数要件が撤廃されておりますことから、私どもといたしましても、民間施設方式の児童育成会への助成については検討すべき事柄と考えているところでございます。
最後に、
民間施設方式児童育成会の広報、周知の支援についてでありますが、これまで、児童クラブや学校施設方式の児童育成会と同じように、広報さっぽろへの掲載や、「留守家庭のお子さんのために」と題したチラシの保育園や幼稚園、小学校等への配付、さらには
子ども未来局ホームページへの掲載等を行ってきたところであります。今後におきましても、これまでと同様に広報、周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 これからまた新年度を迎えるわけでして、民間の学童の皆さんは、子どもたちの数はどうかなとか、そういうことを気にしながら、子どもの居場所づくり、それから留守家庭の放課後の安全・安心の居場所ということで、本当に懸命に取り組んでおられます。そういう中で、市ができることは何かということをもう一度考えていただきまして、また、先ほどの新しい助成基準も考えねばなりませんし、広報など、そして障がい児加算という面につきましてもぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思っています。
また一方で、先ほど申し上げた魅力ある子どもの居場所づくりの一つということでは、今後、児童会館の運営に子どもたち自身がかかわり、運営を担うという活動の広がりに大いに期待するところです。子ども運営委員会の取り組みは、自分の児童会館のルールや活動を自分たちが決めるということで、まさに市民自治の実践の場として大きな役割を持つと考えています。子どもが安心して地域で生きることができるまちづくりはだれもが望むことでありまして、そのためにもこうした子どもの居場所づくりのさらなる充実を求めまして、質問を終わります。
◆山田一仁 委員 私の方からは、保育料の未納・未収問題について1点だけ質問させていただきます。
お聞きしますと、現在、相当の未納額があるということでございまして、現在、保育料の未納・未収額がどのぐらいあるのか。それから、これは5年で時効ということをお聞きしましたけれども、現在、時効になった分がどのぐらいあるのか、それも1点お伺いしたい。
もう一つは、いわゆる徴収のあり方です。現在、どういうふうに未納額を徴収されているのか、どういうふうに努力されているのか、まず2点、お伺いしたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 17年度における収入未済額につきましては、約9,800万円でございます。
それから、時効になっている分ですけれども、平成17年度決算におきましては、795世帯、延べ3,548月分で、総額5,400万円になります。
それから、収納対策についてということですが、現在の札幌市の収納対策につきましては、滞納発生の初期段階からの対策として、督促状であるとか催告書などの書面による納付催告とあわせまして、電話による催告を行うとともに、保護者の状況によっては直接面談し、生活状態を把握した上で納付指導を行っております。また、保護者と接触の機会が多い保育園長からの声かけによる協力要請、納付指導を行っているほか、一番確実性の高い収納方法であります口座振替の加入促進を図るため、新規入所の際には、区役所の窓口において保護者への口座振替を勧めているところでありまして、平成18年1月現在の加入率は89.3%、この4年間で3.3%増加しているところでございます。
◆山田一仁 委員 こういう問題というのは、本当に、未来局は保育料の問題、教育委員会へ行くと、物が違いますけれども、給食費の未納問題、あるいは、ほかの部局へ行きますと、もちろん水道、税といろんなものがあるでしょうから、収納率のアップということに関しては本当にどの部局も大変ご苦労されているのは十分わかります。
ただ、やっぱり、払わないというのはとんでもないことなんですよね。過去に払わないというのは、当時のいろいろな状況、昔の状況で生活だとか所得だとかいろいろあるんですが、今、未来局の保育料の未納という人は、どう見ても払えない人ではないんですよ。この後の教育委員会の給食費も同じですが、払えない人が払わないのではなくて、悪意ですわ、どう見ても。意識的にやっているんじゃないかと。ましてや、そこに5年の時効です。逃げ得です。今、一生懸命努力されているのが、結局、5年間たってしまえばそれで催促が行かないわけですからね。この5年間でいいのか悪いのかとなると、これは自治法で札幌市が勝手にすることはできないとお聞きしました。そうすると、やっぱり、5年の中で何とか収納率をアップするような施策を考えていかなければならないと思うんです。
それで、これはちょっと個人的なものもありますけれども、今言うように、保育料の未納というのはちょっと意識的だなとすると、この後の教育委員会の給食費は、給食費の集め方、その部門は違いますけれども、これもやっぱり―保育園ですから、必ずその後には小学校に入るわけです。今度は児童になるわけですから。どうもそういう面では関連してくるのではないかと推察せざるを得ない。そうすると、今現在も、これからも、教育委員会と給食の問題について、給食費の対応がちょっと違うことはわかりますけれども、この辺の連携というのをこれからしていった方がいいんじゃないかと。未来局は未来局でそれで終わりだ、教育委員会に行ったら今度は教育委員会の給食だ、またそっちはそっちだよと。こういう問題はあると思うんで、その辺がこれからできるかできないか、検討されるかされないか。
場合によっては、ある一面では悪質だと思うんで、もしかするならば、税もあるかもしれません。下水道、水道料金もそういう人が、要するに、極端に言うと同じ人がやっている可能性もないわけではないと私は思うんです。そうすると、やっぱり、今度は徴収の仕方も変わってくると思うんです。今、一生懸命に口座振替と。口座振替してくれる人は間違いなくくれる人なんです。本当にそうなんです。収納率もたしか96〜97%ぐらいまでやっているわけですから、残り3%と言えば確かに全体から見ればわずかかもしれません。しかし、この3%の金額はでかいんです。約1億円です。残りの97%はきちっとやっているけれども、その3%はとんでもない人なんです。不平等なんです、こういうことをやること自体が。
とするならば、私どもは徹底的なやり方をしていくべきだと思うんです。すべてそういうのが連携していくならば、ただ催促が行くんじゃなく、例えて言うならば裁判に訴えるまでもやっていかなければならんし、そのぐらいの強い手段をやっていくべきだと私は思うんですが、今後そういう方向性を考えられているのかどうか。
もう一つは、今言う5年というのは、地方自治法ですから、国に対して―なかなか面倒だと思います。これを10年にしたら、今度は、収納率は落ちるわ、事務経費はがばっとかかるわ、かといって逃げ得は許されないわと。私も大変さはわかりますけれども、この辺もこれからどういうふうに考えていくのか、最後に、今後の方針を1点お聞きしたいと思います。
◎櫻井
子育て支援部長 いろんなお話がありましたので、全部を把握できたかどうかわからないのですが、一つは、これから先はもっと一生懸命やっていかなければだめだと……。(発言する者あり)
教育委員会との連携ですね。教育委員会との連携という部分ですけれども、これは個人情報との関係がありますので、保育料の方の未納者リストを回していくということは、そういう観点からの問題というのはあると思います。そういう中で、今プロジェクトなんかもいろいろやっていますので、教育委員会と連携を図った上でどういうことができるかということについては教育委員会の方とも検討してまいりたいと思います。
それから、時効の方ですけれども、委員からもちょっとお話がありましたが、これは単純に保育料だけの問題ではなくて、給食費であるとか税金であるとか、役所関係の債権はほとんど地方自治法第236条にひっかかってきて時効5年でございますので、非常に大きな問題かと思います。これについては、現在の法体系上、私どもの方はどうしようもないなというふうに思っております。
それから、収納対策の強化についてですけれども、従来にも増してきめ細かな納付指導というのは必要になると思うのですが、今、私どもが考えておりますのは、今後、収納率の低い保育所を中心としまして、保育所訪問をするとか、それから、今までやっていない土・日の電話催告であるとか家庭訪問といったものを積極的に行っていく必要があるかなというふうに思っております。
また、やっぱりモラルの問題というのは非常に大きな問題だと思います。特に、納付に誠意のない家庭に対しては、やはり、法に定められている滞納処分の執行予告であるとか、財産差し押さえ等の毅然たる措置の実施については、もうそろそろ真剣に考えなければならない時期に来ているかなというふうに感じております。
◆山田一仁 委員 部長、これはもうそろそろではないです。これは早急にやっていかないと、本当に逃げ得されますよ。
それから、今、部長は個人情報とおっしゃるけれども、こんな人に個人情報が要るかっていうの、ふざけた人に。だから、きちっと……。(「それを言ったらだめだ」と呼ぶ者あり)(発言する者あり)
そうでしょう。この3%の人は97%に迷惑をかけているんだよ。そうでしょう。とんでもないよ、この3%の人は。そのためには早急にそれをやらなきゃならないし、今言うように、局長、やっぱりこれは行政の中で、ひとつ教育委員会ともやらなかったら、こっちはこっちですでは。もしかしたら、関連してきているかもしれないですよ。給食費問題も、我々は本当にやっているんです。何とかしなさい、頑張りなさいと。給食費なんかもっとかわいそうじゃないですか。ご存じのとおり、100人いて、みんな払っていて、3人払わなかったら、97人で100人分食わせているわけですよ。これが平等と言えるんですか。97人が不平等になっているんです。本当に真の平等だったら、この3人を何とかしなきゃならんです。これを擁護する必要はないんですよ。
そうするならば、局長、やっぱり教育委員会と早急に連携を結び、そこのところは調べてみる。我々は、その名前を教えてくれと言っているわけではないんですから。庁舎内で調べてみて、この人はこうだ、ここの家庭はこうだということをしっかり把握してこれからやっていくということが、ほかの人に対する平等になるんじゃないですか。
早急にと僕は言いますけれども、ひとつ局長として、教育委員会とこれから連携して、こういう未納問題もやっていきますと。将来においては税か水道も出るかもしれないけれども、今とりあえずは教育委員会と連携するかしないか、これからどういうふうにしていくか、局長、最後に答弁をお願いします。
◎飯塚
子ども未来局長 保育料の未納について教育委員会と連携してやる必要があるのではないかということでございますけれども、先ほど部長からの答弁にありましたように、委員のおっしゃることは本当にごもっともだというふうに思っております。また、私どもも、少しでも保育料の未納を解消していきたいという思いは非常に強く持っておりますので、教育委員会ともまた連携を図りながら、どのような対策が可能なのか検討していきたい、このように考えております。
○宮村素子 委員長 以上で、第2項 児童福祉費等の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後2時39分
再 開 午後2時42分
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○宮村素子 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第8項 学校保健給食費までについて、一括して質疑を行います。
◆三上洋右 委員 私からは、北教組が、下部組織に対して、学力調査及びいじめ実態調査の非協力を指導した問題についてお伺いしたいと思います。
昨今、学校教育においては、いじめの問題や高等学校の必修教科の未履修問題など、公教育に対する信頼を失いかねない問題が数多く指摘されております。私は、このようないじめや高等学校の未履修の問題は、保護者の方に、自分の子どもを学校へ通わせることに対して大きな不安を抱かせる結果になっているのではないかと思うのであります。
先日、私のもとに、市内の小学校に子どもを通わせているある保護者から、今回の高等学校の未履修問題を聞いて、自分の子どもの通う小学校の授業時数が運動会や学習発表会などの行事にとられて足りなくなっているのではないかとの不安の声が届けられておりました。これがその手紙でありますが、これは教育委員会に内容をお伝えしてあります。学校が授業時数を確保し適切な授業を行っているかどうかということは、子どもの将来を思う保護者にとって切実な問題であります。
いじめについては、その実態を把握するため、札幌市として調査を行い、先日、結果が発表されましたが、私は、子ども同士のいじめはもちろんのこと、児童生徒に対する教師の不適切な言動、言動というのは言葉と態度、その行為でありますが、こういった不適切な言動も子どもたちや保護者にとって学校に対する不安を抱く一因になっているのではないかと思っております。実際に、教師の不適切な言動、言葉や行為、行動がもとで子どもが不登校になってしまったとの声も、実際に私はある学校に通う保護者から聞き、そのことを把握しております。教育委員会として、そのような状況についてしっかりと把握して、適切に改善していくことが必要だと私は思うのであります。
そこでまず、質問であります。
現在、札幌市の小学校における授業時数はどのような実態になっているのか、また、教師の不適切な言動が原因で不登校となっている児童生徒について実態はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
◎西村 指導担当部長 札幌市立小学校における授業時数の実態と教師の不適切な言動を原因とした不登校についてでございます。
まず、授業時数についてでございますが、教育委員会として、毎年3月に実施状況を調査しており、平成17年度におきましては、すべての市立小学校において学習指導要領に示されている各教科等の授業時数を確保しているところでございます。
次に、教師の不適切な言動が原因となっている不登校についてでございます。
平成17年度、札幌市の不登校児童生徒数は小・中学校合わせて1,508人となっておりまして、その直接のきっかけといたしましては、無気力等の本人にかかわる問題が33.0%と最も多く、次に友人関係をめぐる問題が22.8%で、教師との関係をめぐる問題は全体の約2%となっております。教師との関係をめぐる問題につきましては、主に教師の発言に対する誤解や説明が不十分なために真意が伝わらないなどによるものですが、教師の不適切な言動もきっかけの一つとして含まれているものととらえております。
◆三上洋右 委員 札幌市の小学校においては、学習指導要領に示す授業時数を下回っているような学校はないとの説明があり、そのことについては安心いたしましたが、学校と保護者が信頼関係を築き、保護者が気軽に学校に説明を受けることができれば、私のところに寄せられたような、これは匿名でございますけれども、本来、こんなことまでする必要がないと私は思うのです。
実際、学校については、しっかりした学校だし、校長さんも地域とコミュニケーションを図っていますし、私はこの問題について特に取り上げる考えはないです。ただ、そのことを不安に思っているけれども、言うに言えないような状況は、やっぱり取り除かなければならない。昨今のようなことが報道されて不安に思っている声も伝わっているけれども、当校については心配要りませんよ、ちゃんとやっていますよと、学級会なり、学年集会というのですか、保護者とのつながりのところで保護者に教育内容をきちんと適切に伝えていないことで、学校と保護者の間の信頼を失ってきているということがあると私は考えるのであります。
先ほどの答弁では、教師との関係をめぐる問題が原因となって不登校となっている子どもは不登校児童生徒の約2%と、人数にするとおよそ30人もいるとのことでありますけれども、この数は全体から見れば2%、30人と少ないとはいえ、私は見逃すことができない数字ではないかと思っております。
私は、教師との関係が崩れる原因の多くは、いわゆる教師の不適切な言動、言葉や行為、態度がもとになっていると思っているのであります。これは、子どもにとっては、教師からのいじめにもひとしく、学校に対する信頼を失わせる大きな要因の一つでもあります。私は、教師の不適切な言動が原因で不登校になるということは、学校教育において絶対にあってはないものであり、もしそのようなことがあった場合には、子どもを救済するために迅速な対応が必要であると考えるのであります。
そこで、質問でありますが、私は、不登校の原因になるような教師の不適切な言動というのは、教師による子どもへのいじめではないかと考えますが、教育委員会としての見解はいかがか、伺います。
また、このようなことが原因で不登校になった場合、学校や教育委員会はどのように対応しているのか、お伺いいたします。
◎西村 指導担当部長 教師の不適切な言動が子どもへのいじめではないかということについてでございます。
教師の不適切な言動が子どもに対して何らかの苦痛を与え、それが直接のきっかけとなり不登校に陥っているとしたならば、それは、委員がおっしゃるとおり、いじめだととらえられることも考えられます。
次に、このようなことが原因で不登校になった場合の対応についてでございます。
このような場合には、学校と教育委員会が連絡をとり合いながら事実関係を正確に把握し、校長が当該教師を指導する、あるいは、教育委員会として必要な措置を講ずるなどして、迅速に子どもの不安を解消するとともに、信頼回復に努めているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、学校と十分協議し、保護者との連携を図りながら速やかな問題解決に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆三上洋右 委員 今の答弁は、教師の不適切な言動がきっかけとなり不登校となることがあったとしたならば、そのような教師の言動をいじめとしてとらえることも考えられる。また、そのような場合には、教育委員会が学校や保護者と協議しながら迅速に対応していくということであると思います。いじめとそれに起因する不登校問題を現場任せにせず、教育委員会としても積極的に問題解決に取り組んでいく姿勢が非常に重要であります。ぜひ、積極的な指導を行うよう求めておきます。
しかし、ここで気になる部分があるので、改めて確認しておきたいと思います。
私が気になるのは、事実関係を正確に把握するということであります。調査をしたが、事実関係を確認できなかったという言い方は、いじめ問題を隠ぺいしようとするときによく聞かされたせりふであります。たしか滝川市の事件でも、教育委員会の当初の見解は、事実関係を確認したが、いじめの事実は確認できなかった、こういうことであったと思います。釈迦に説法と思いますけれども、文部科学省も、わざわざ通達の中で、いじめているか否かの判断は、あくまでもいじめられている子どもの認識の問題である、このように明らかにしているように、いじめられたと感じた子どもがいれば、いじめはあったのでありまして、それは、相手がたとえ教師であっても同じことであります。問題の根本は学校と教育委員会の意識であり、そもそも教師によるいじめなどあるわけがないというスタンスで物を考えるのか、教師がいじめの加害者になることもあり得ると考えるかで対応は180度違うものになってくる、私はこのように思います。
そこで、質問でありますが、今の答弁で、これまでも教師によるいじめはあった、あるいは、あったと思われる、この言い方は教師によるいじめを認めたことだと思うのですが、これからも起こり得るため、教育委員会として、それらに迅速かつ積極的に対応しているし、今後も対応していく考えであるということで受けとめてよいか、1点、伺います。
また、万が一、そのようなことが起きた場合には、即刻担任をかえるなど、事態の深刻化を未然に防ぐための手だてを講ずるべきと考えますが、見解をお聞かせ願います。
◎西村 指導担当部長 先ほど申し上げましたけれども、教師の言動が子どもに対して何らかの苦痛を与え、それがきっかけとなり不登校に陥っているとしたならば、いじめととらえることもございます。
いずれにいたしましても、教師の言動が原因で不登校に陥るなどの事例につきましては、教育委員会として、学校と連携を図りながら適切な対応に努めてきたところであり、今後も積極的に問題解決に努めてまいりたいと考えております。また、このような場合の手だてについてでございますが、教育委員会といたしましては、子どもの状況改善に向けて必要な措置を講じるなど、適切に対応していくべきものと考えているところでございます。
◆三上洋右 委員 さて、このようにいじめが大きな社会問題となり、保護者の間に学校教育への不安が広まっている中、新聞等の報道によると、北教組が道のいじめ調査や国が行う学力調査に対して協力しないように指示を出しているとのことであります。
子どもたちがよりよい学校生活を送ることを目的に行っているはずのいじめに関する実態調査や学力調査に対して、協力しないように指示を出すというのでは、教師が、子どものことではなく、みずからの思想信条や職務の軽減のことしか考えていないと思われても仕方がないのではないかと私は思います。直接子どもたちの指導に当たる教師がこのような状況では、公教育に対する信頼が高まるどころか、保護者の学校教育に対する不安がますます大きくなるばかりであります。
そこで、質問であります。
札教組に対して北教組から同様の指示が出ていると考えられますが、本市の調査にどのような影響を与えたのか、また、今回の報道に見られる北教組の対応について、札幌市としてどのように考えるのか、お伺いいたします。
◎西村 指導担当部長 教職員団体の指示等による札幌市のいじめの実態調査への影響についてでございます。
札幌市におきましては、いじめの実態調査について、道教委が行ったものとは別に本市独自の調査を行ったところであり、各学校において適切に実施されております。
また、今回の新聞等で報道されております教職員団体の対応につきましては、道教委が実施した調査に対するものであり、札幌市として直接論評する立場にはございませんが、いじめへの対応という緊急性の高い問題に対して一体的な取り組みができない事態が生じることは極めて残念なことであると思っております。
教育委員会といたしましては、今後とも、いじめに係る調査や国の学力調査など、適切に実施されるよう努めてまいりたいと考えております。
◆三上洋右 委員 札幌市においては、他の自治体と違って適切にいじめに関する実態調査が行われたと聞き、安堵いたしました。保護者の願いは、安心して学校に通わせ、学力がしっかりと身につき、元気に育ってほしいということであります。
ことし4月には、児童生徒の学力等を把握し、指導方法の改善につなげることを目的に、全国学力・学習状況調査も実施されます。今後とも、札幌市の全小・中学校において、これらの調査を適切に行いながら、教育委員会として保護者が安心して子どもを通わせることのできる学校づくりを進めるよう強く要望しておきます。
さて、ただいま、いじめの実態調査に対する北教組の態度については、札幌市としては直接論評する立場にはないものの、極めて残念であるとのお答えでした。極めて残念というのは慎重なお役所言葉でありますけれども、平たく言えば、甚だけしからん、大変残念だと。極めてというのは極値ですから、これ以上ないというぐあいにもとられるわけでありますけれども、いずれにせよ常識的な答弁で、私は安心しております。
そこで、きょうはわざわざ市長においでいただきましたので、市長にこの問題について改めてお尋ねします。
実は、去る2月19日の文教委員会において、公明党の涌井委員がこの問題について市長に聞いておりますね。ここにその議事のメモがありますので、そのやりとりをかいつまんで紹介しますが、まず、涌井委員の質問はこういう内容です。多少長くなりますが、誤解のないように、正確に読み上げます。
これは涌井委員が言っているんですが、「それから、今回の問題として、市長は北海道教職員組合、北教組の顧問弁護士をされていたということでございますけれども、1月24日の新聞によりますと、今回、北海道教育委員会で行ったいじめに関するアンケート調査ですが、これを道立高校、小・中の児童42万人に書面で送ったそうです。まさに、去年の滝川市の小学校6年生の子どもさんがいじめを苦にして自殺したケースについて、何としてもこれは防がなければいけない、なくさないといけないということで、教育委員会が必死になって、まずその実態というものをきちっと見ようということで、市教育委員会はもうやっていますから、市教育委員会を除いてやったわけです。しかし、北教組小樽支部では、その指示に従う必要はないんだ、いじめの調査に協力するなと北教組は指示しているんです。北教組の書記長は、いじめについては、学校ごとに教職員が子どもの顔を見て対応すべき問題だ、調査は、いじめの実態を知らなければならない教師が目を通せない形で集められて、おかしい。数字がひとり歩きしてしまうので危険もあるなんていうことで説明し、拒否しているんですね。これは、やはり、教育委員会が趣旨をきちっと説明して、校長先生がきちんと説明して、何とかいじめをなくするためのさまざまな資料として必要であるので、ぜひ協力してもらいたいというふうにおっしゃっているのに、もうしなくてもいい、そういうことをしなくてもいいというように、協力しないという通達を出したことについて、北教組の顧問弁護士をされていた市長としての見解をお聞きしたいと思います」と。
これについて市長の答弁は、何と答えたかといいますと、「私のかつての依頼者でございますが、4年前にもう既に顧問弁護士の地位から離れております。私のもとの依頼者の考え方を私が解説するという立場にございませんので、意見は差し控えさせていただきたいと思います」、こういう答弁をいたしております。
さすがに、市長のこの答弁の後、涌井議員自身も、別に解説をしろと言っているのではないんだ、市長としての率直な思いを言っていただければいいのにと、このように発言しております。私も全く同感であります。だれも、別に上田弁護士に依頼者の考え方を代弁して解説してほしいとは言っておりません。市長になる前の私人としての上田弁護士の思想についても尋ねてはいないわけなんです。あくまでも現在の公人としての上田市長の見解をただしているにもかかわらず、先ほど私が長々と紹介しましたが、あのような答弁で、これは私も納得がいきません。
そこで、改めて、今度は誤解のないようにお尋ねします。
このいじめの実態調査に対する北教組、北海道教職員組合の対応については、先ほど教育委員会からは極めて残念であるとの答弁があったところであります。これに対して、以前、北教組の弁護士としてその権利を擁護し、法律問題での代理人を務めておられましたが、現在は、札幌市の行政のトップとして、教育行政を含め、総合調整権を有する上田市長の見解はいかがか、改めてお伺いしたいと思います。
◎上田 市長 涌井議員からご質問があった件についての回答は、私はそれでいいと思っております。
ただ、今、私人としての私のことではなくて、札幌市長としてどうなのかと。これも、北教組と道教委の問題なんですね。私は、この調査をするかどうか、どんな調査の内容になるのかということについては、当然、労働組合である北教組と北海道教育委員会との間でかなりのやりとりがあったんだというふうに思います。ですから、その内容を精査してみなければ、私は何とも言えないというのが現状でございます。
私は、この間、北教組と意見交換したこともございませんし、単に外形的な、新聞で報道されている程度の知識しか私も持っていない現状の中で、それについて論評するというのはなかなか難しいというふうにお答えさせていただきたいと思います。
◆三上洋右 委員 先ほど、教育委員会は教師によるいじめ、いじめという言葉そのものはないけれども、いわゆる世間一般で言ういじめを認めたわけであります。これが明らかになったのは、いじめの実態調査をしたからなんです。それで今明らかになったわけですけれども、それに反すること、非協力、協力するなという通達を出した。これが事実行われているわけでございまして、あなたが擁護する立場で、昔の因縁で答えられないというようには私は受けませんが、市長だけれども、詳しいことはよくわからないからと。それでは市長として責任を放棄したようにも私には聞こえるんですよ。(発言する者あり)
黙っていなさい。
この問題は、教育委員会としては、あなたは教育行政にも、調整権といいますか、独立するとしても、全然私と関係ないことですということで札幌市の市長として責任が務まりますか。
◎上田 市長 これは、札幌市の教育委員会と札教組の関係では上手にできているわけです。私は、それ以上の答えを要求されても、ほかの自治体とどういうやりとりがあった上での話なのかわからないわけですから、私がお答えしなくてもそれはよろしいのではないかなというふうに思います。
ですから、私は、札教組と札幌市教育委員会が協力的にこの調査をやったように、北海道が同じ状況であればできたのかなと、そんなふうに思うだけでございます。
◆三上洋右 委員 あれでよかったと思うか、あるいは、遺憾に思うかとか、それでいいとは思っていないでしょう。あのようなことが、妨害によって札幌市のようなきちんとした調査がなされなかったということは、よいことだとは思っていないんでしょう。
◎上田 市長 ですから、それはどう思っておられるかとお尋ねになっても、前提がわからないときに、その答えはできないというふうに―私は、教員というのは、この問題について、いじめの問題について、隠ぺいしようとか、そういうふうに思っているとは決して思っておりません。やっぱり、教師も悩んでいるのですよ。
◆三上洋右 委員 だれもそんなこと聞いていない。
◎上田 市長 どうしてですか。
◆三上洋右 委員 答弁。
◎上田 市長 答弁ですよ。真剣に考えてください、このことは。
◆三上洋右 委員 何の答弁ですか。
○宮村素子 委員長 答弁中ですから、三上委員、お聞きください
◆三上洋右 委員 それでは、まず聞きましょう。
◎上田 市長 教師がふまじめに対応しているとは、私は思っておりません。ですから、教師も悩みながら、この問題についてしっかり議論をして、道教委と北教組の間で話がなされたのではないかというふうに私は思っているということであります。
◆三上洋右 委員 きちんと話がなされたどうかを私は聞いているのではなくて、教育委員会へと同じような質問を私はしているんですよ。教育委員会に対してした質問と同じ内容を。教育委員会では、そのことは極めて遺憾だという答弁、それは、口を挟む立場ではないけれども、直接言う立場ではないけれども、それが実際に行われたとすれば、極めて遺憾なことだと。これは、市長として、あなたは黙秘権を行使しているように私には受けとめられるんですよ。それは、私は答える立場でないと言うと、市長としての責任を放棄していると、そのように私は思うわけなんですよ。そのことは答える立場でない、道と北教組の問題ですと、それでは通らないのではないでしょうか、世間が聞かされても。
◎上田 市長 ですから、私が申し上げているのは、調査ができなかったということについて、事実についてどうなのか。それは、調査できた方がよかっただろうというふうには私は思っていますよ。でも、やるかやらないかについては、いろいろな見解の対立があったのだろうと。だから、それを乗り越えるだけの議論をきちっとするべきだっただろうと。そういうふうに思っているということを申し上げているわけです。
ただ、前提がわかりませんので、どんな理屈でそれがやれなくなったのかについて私はわかりませんので、それを、遺憾な事態なのか、しようがないことなのか、私が申し上げることはできないと。ただし、札教組と札幌市教育委員会はうまくやったわけでありますから、私は、それで私の職責は達成できている、このように考えております。
◆三上洋右 委員 堂々めぐりは、余りこの問題で長々やる気持ちは私はないんですよ。涌井委員に対しても、門前払いみたいな、今、そんなことを聞いていないんですよ。市長としてどう思うかと、これはだれでも聞きたいことなんですよ。それを、市長は、議会できちんとただされて、自分の考えを、あのことはいいと思っているのか悪いと思っているのかということは、それは答えられない、北海道と北教組の問題だということであれば、それは、私は大変なことだと思うんですよ、考え方として。
ですから、それは、全然、黙秘権にも等しい、問題のすりかえで答弁しているわけでございまして、私は全然容認できませんよ。(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 質問中ですので、ご静粛に。
◆三上洋右 委員 もう一度質問いたしますけれども、この問題は、教育委員会としては、極めて遺憾なことだと、事実だとすれば。そういうような答弁が今あったわけなんですよ。
いいですか。札幌市として直接論評する立場にはございませんが、いじめの対応という緊急性の高い問題に対し、一体的な取り組みができない事態が生じることは極めて残念だと、教育委員会の方がしっかりした回答を出しているんですよ。
上田市長は、何も、私はそう思わないと言えば、それはそれで、私はそれ以上、見解の相違だからいいんですよ。思うと言えば、それはそれでいいんですよ。どちらとも言えないで、あいまいなことで、この大変なことで―もう一度聞きます。どちらとも言えないということですか。
◎上田 市長 結果的には残念な結果になっているということを私は認めているわけでしょう、先ほどから。(発言する者あり)結果的には、残念な状態になっているというふうに申し上げている。だから、札教組と札幌ではきちんとできているというふうに言っているわけですから、それと違う状況になっているのは北海道だというふうに私は申し上げているわけです。
ですから、それは、札幌と同じような上手な話し合いがしっかりできればよかったですねというふうに私はお答えをしているわけであります。
◆三上洋右 委員 初めからそう言えば、残念だと思えば、私はそれ以上は聞かないんですよ。だけど、答えられないと。涌井委員にもこうやって答えれば、私は、きょう聞かなかった。
これで終わります。
◆林家とんでん平 委員 それでは、私の方から、特別支援教育の推進といじめ問題、それから高校生の就職支援について、この3点をお伺いしたいと思います。
平成17年12月8日の中央教育審議会特別支援教育を推進するための制度の在り方についての答申を踏まえまして、学校教育法等の一部を改正する法律案が昨年6月の国会において可決、成立し、平成19年4月1日を施行日としております。この改正内容は、児童生徒等の障がいの重複に対応した適切な教育を行うため、特別支援学校の制度を創設するとともに、小・中学校等において特別支援教育を推進することを法律上に位置づけまして、LD、ADHDなどを含む障がいのある児童生徒等に対して適切な教育を行うことを規定しております。
札幌市におきましても、従来の特殊教育から一人一人の教育的ニーズに応じて教育的支援を行う特別支援教育への転換を踏まえまして、教育委員会及び学校において具体的な取り組みが着実に推進されていくことは喜ばしいことと思います。
そして、平成18年度からの特別支援教育巡回相談員配置モデル事業は、三つのモデル区において3名の巡回相談員の配置によって開始されておりますが、モデル区内の学校はもとより、モデル区以外の学校からの要請も寄せられていると聞いております。このことは、事業効果が高く評価されているのと同時に、全市的にも巡回相談員に対するニーズが高いことを示していると思われるのです。
さらに、学校訪問において、巡回相談員が個々の児童に応じた具体的な支援策を学校とともに検討できたなど、着実に成果が上がっていると聞いております。今後の事業展開にも大いに期待しているところでありますけれども、さきの3定の決算特別委員会におきまして、私は、この特別支援教育巡回相談員配置モデル事業のより一層の充実は、可能な限り早い段階で全区に巡回相談員を配置するなど、全市体制整備の実現を強く望んでいる、こういうお話をさせていただきました。通常の学級に在籍しておりますLD、ADHDなどの特別な教育的支援を必要とする児童生徒のことを考えるならば、より積極的な取り組みが求められるとともに、札幌市にとって、このことは特別支援教育にかかわる施策として重要であります。
また、先日の新聞報道によりますと、文部科学省では、LD、ADHDなど発達障がいのある子どもたちのために、平成20年度までの2年間において、子どもたちの日常生活での介助や学習面でのサポート専門の支援員を現在の2.3倍に当たる3万人に増員した上、学校に配置する方針を決めたとしております。平成19年度は、全国で250億円の地方財政措置により2万1,000人、平成20年度には9,000人増の3万人にすることにより、ほぼ全公立小・中学校に1人の配置が可能となる、そういうふうに記載されておりました。
そこで、質問でございますが、今後の特別支援教育巡回相談員配置モデル事業の展開について、どのように進めていかれようとしているのか、お伺いします。
また、発達障がいのある子どもの支援として、文部科学省が提唱する特別支援教育支援員の配置について、どのような事業内容なのか、あわせて、今後、札幌市として特別支援教育支援員の配置事業を導入するのかどうかについてお伺いしたいと思います。
2点目は、いじめについて。
昨年、子どもたちがいじめを苦にして自殺するという痛ましい事件が続きました。今もずっと続いておりますけれども、教育関係者だけではなく、社会全体が沈痛な思いに包まれまして、私自身も本当にやるせなく、心痛めたところでございます。こうした事件をきっかけとして、各自治体は、教育委員会を中心として、文部科学省が毎年行っている調査とは別にそれぞれ独自の調査を行うなど、これまでいじめ問題の対応に力を尽くしていることは報道等からも伝わってきたところでございます。
例えば、先ほどもちょっと問題になっておりましたけれども、北海道教育委員会が実施した調査のほか、江別市、釧路市、北海道の幾つかの都市においてもいじめにかかわる独自の調査が行われ、札幌市においても、昨年12月に教育委員会が小学校、中学校、それから高等学校、養護学校を対象にいじめに関する調査を行って、その分析結果が公表されました。
その調査結果によりますと、いじめられていると思うと回答した児童生徒数の割合は全体の10.3%となっております。一方、道教委が同時期に、札幌市を除く全道の児童生徒を対象に実施したいじめ調査においては、いじめられていると回答している児童生徒の割合は全体の4.8%という報告がされております。道教委の調査結果と札幌市の教育委員会の調査結果と比べますと、札幌市の調査ではいじめられていると回答した児童生徒の数は2倍以上となっております。
そこで、質問でございますが、教育委員会としては、道教委との違いも含めて、この結果をどう受けとめているか、お伺いいたします。
もう一つ、高校生の就職支援について。
最近の新聞報道によりますと、若者の雇用状況は全国的には回復傾向にあるとのことです。でも、私は、北海道の状況は決してそのような楽観的な状況にあるとは思えません。事実、厚生労働省から公表されているデータによりますと、11月末現在における新規高等学校卒業予定者の就職内定率は、全国平均が77.3%、最も内定率が高い愛知県が92.4%であるのに対しまして、北海道は51.3%と47都道府県中46位です。
我が会派は、政治とは生活であるという理念のもとに、社会の安定を保障するセーフティーネットの整備を通して格差をなくし、すべての市民が安全・安心の生活を送ることができる社会の実現を目指しておりますが、高校生の就職をめぐる格差についても解決すべき課題の一つであると考えているところであります。
就職を希望しながら就職できなかった若者の多くは、その意に反してやむなくフリーターにならざるを得ません。正社員とフリーターの所得は、年齢の上昇とともに次第に格差が広がっているのは周知の事実であります。一方、フリーターになると、その後、なかなか正社員になれないという状況があります。そのために、高校卒業時に就職できるかどうかという単に経済的な意味での格差にとどまるものではなく、努力が報われることが予想され、将来に希望が持てる層と、それから、努力が報われず、将来においても希望が持てない人の分断、すなわち、希望の格差にまでつながるものであると考えております。
そこで、質問でございますが、札幌市の高校生の就職状況について、教育委員会としてはどのような状況にあると認識しているのか、以上、3項目にわたって質問いたします。
◎北原 学校教育部長 私の方から、最初に、特別支援教育の推進についてお答えをいたします。
まず、今後の特別支援教育巡回相談員配置モデル事業の展開についてでございます。
委員ご指摘のとおり、平成18年度は、3名の巡回相談員が三つのモデル区内の全小学校を計画的に訪問いたしますとともに、学校からの要請に応じて巡回相談を実施してきたところでありますが、この取り組みを通して、全市的にも巡回相談員に対するニーズが高いことが実証されております。
教育委員会といたしましては、これまでの取り組みや全市的なニーズを踏まえ、平成19年度は特別支援教育巡回相談員を10名に増員強化し、市内すべての小・中学校を対象として、通常の学級に在籍する発達障がいを中心とした特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態把握や、巡回相談による効果的な学校支援のあり方などの調査研究を進めまして、学校支援体制のさらなる充実に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、特別支援教育支援員の配置についてでございます。
この配置につきましては、北海道教育委員会経由で文部科学省から1月10日付で通知を受けたところでございますが、その通知内容は、平成19年度を初年度として、小・中学校に在籍する障がいのある児童生徒に対する学校教育活動上の日常生活の介助や学習活動上のサポートを行う者を特別支援教育支援員として位置づけまして、この支援員の計画的配置が可能となるよう地方財政措置を行うというものでございます。
しかしながら、現段階では、特別支援教育支援員の具体的な内容や積算根拠等が示されていないことなど、制度自体が明確になっていないことから、今後の国の動向を踏まえまして本市としての対応を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
◎西村 指導担当部長 2点目のいじめの問題についてでございます。
このたびのいじめの状況等に関する調査は、本市独自に作成したものでありまして、およそ14万人に及ぶデータの集計や分析、考察につきましても、私どもみずからの手で進めてきたところでございます。
過日、その結果を公表させていただいたところでありますが、その中で、いじめられていると思うと回答した子どもの割合が10.3%に上り、委員がご指摘のように、道教委の調査による類似の質問と比べますと確かに高い数値となっております。
本市の調査の特徴でございますが、まず、これまでの文部科学省の調査で示されておりました、自分より弱い者に対して一方的に身体的、心理的な攻撃を加え、相手が深刻な苦痛を感じているものといった定義など、いじめについての特段の定義を設けず、子どもがいじめられていると思うかどうかにつきまして子ども自身の気持ちを問うたものでございます。また、いじめられていると思うと自己申告した子どもに対しましては、直ちに個別に対応できることを可能とするため、記名式で行ったものでございます。
一方、道教委の調査は、文部科学省のいじめの定義に基づきまして無記名で行っております。その内容や方法等が本市とは異なりますことから、回答の割合が多いか少ないかにつきましては、単純に比較検討は難しく、できないと考えているところでございます。
教育委員会といたしましては、この調査に基づきまして、いじめられていると思うという子どもの気持ちを受けとめ、早急に対応できたという点で、意義があったとものというふうに認識しているところでございます。
続きまして、3点目の札幌市の高校生の就職状況に対する認識についてでございます。
厚生労働省北海道労働局が公表しております最新データによりますと、平成19年3月、新規高等学校卒業者の12月末現在の就職内定率は、全道が60.5%であるのに対しまして、本市を含む石狩管内が60.0%となっておりまして、教育委員会といたしましては、全国と比較して札幌市も北海道と同様に厳しい状況にあるものというふうに認識しているところでございます。
◆林家とんでん平 委員 まず、特別支援教育にかかわってでありますけれども、特別支援教育巡回相談員配置モデル事業については、本当に、今後とも引き続き学校への支援について充実強化を図っていただきたいと思っております。
また、答弁にありましたけれども、特別支援教育支援員の配置については、まだ事業内容や実際の費用配分等が定まっていない状況であると。ただ、国の財政措置により、LD、ADHDなどの発達障がいのある子どもたちのために学校において子どもたちの日常生活での介助や学習面でのサポート専門の支援員を配置することは、札幌市にとっても得策ではないかなと考えておりますので、特別支援教育に関してはこのことを強く要望しておきたいと思います。
次に、いじめ問題についてでありますけれども、記名式で1万3,740人と伺っていたのですが、ただいまの答弁をお聞きしまして、本市の調査は、児童生徒へのいじめの徴候を早期にとらえ、迅速に対応するために行ったもので、いじめの問題解決にとって有効な手だての一つとして大きく評価できるのではないかと思っております。
しかしながら、本調査は自己申告によるものでありますから、いじめられている子どもたちの中には、きっと、いまだにだれにも相談できずにいる子どもたちがいることも考えられるのではないかなと。もしそのような子どもたちがいるのであれば、深刻な問題であります。そうしたことにこそ目を向けていく必要があるのではないかなと思うのです。
そこで、質問ですが、いじめられていても何らかの理由により自己申告できなかった子どもたちに対しまして、市教委としてはどのような対応をしているのか、お伺いいたします。
次に、就職支援についてでありますが、ただいまの答弁で、札幌市の高校生の就職状況についても引き続き厳しい状況にあるとの認識が示されました。私は、このような厳しい状況の中で、現在、不利な環境に置かれ、ややもすれば将来に対する希望を失いつつある高校生に対しては、特に手厚い支援を行い、就職する時点での格差を是正するような取り組みがぜひとも必要ではないかと思うのです。
そこで、質問でございますが、所管する市立高等学校に対して、教育委員会としてこれまでどのような就職指導支援策に取り組んできたのか。また、その結果どのような状況となっているのか、あわせてお伺いします
◎西村 指導担当部長 まず、自己申告できなかった子どもへの対応についてでございます。
本調査では、さまざまな理由から自己申告できない場合も考えられることを想定いたしまして、学校が自己申告した児童生徒以外にいじめが疑われると判断している児童生徒についても調査をいたしております。さらに、最近いじめられている人を見たり聞いたりしたことがありますかという問いを設けまして、本人以外の児童生徒からの情報も生かせるように配慮したところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、このように工夫しながら調査を継続するとともに、学校における日常的な面談や教育相談の充実を図るなど、さまざまな方法でいじめの実態把握に努め、その解決に向けた対応の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、市立高等学校に対するこれまでの就職指導支援策についてでございます。
教育委員会といたしましては、平成14年度から啓北商業高等学校に就職支援教員を1名配置するとともに、平成16年度には、各学校の就職指導の支援と進路探究学習の一層の推進を図ることを目的として、進路探究活動アドバイザー活用事業を実施してきたところでございます。また、昨年度からは、この事業を引き継ぐ形で、定時制各校にキャリアアドバイザーを配置いたしまして就職指導支援事業を実施いたしております。
次に、このような取り組みの成果、結果についてでございますが、市立高等学校全体の3月末時点での就職内定率は、平成14年度が72.8%であるのに対しまして、昨年度が77.2%と4.4ポイントの上昇、定時制課程におきましては、36.6%から61.3%と24.7ポイントの上昇となってございます。さらに、今年度についてでございますが、1月末現在のデータで昨年度と比較いたしますと、市立高等学校全体が60.4%から70.6%と10.2ポイント、定時制課程におきましては、38.4%から60.0%と21.6ポイントの上昇をしております。いずれも平成14年度以降の最大の上昇幅となっているところでございます。
◆林家とんでん平 委員 まず、いじめ問題については要望させていただきたいと思います。
これは本当に大切なことでありまして、この調査は、さまざまな面から可能な限り実態を把握し、学校や教育委員会が子どもの悩みなどを真摯に受けとめて迅速に対応しようというのが理解できて、私は心強く思いました。さきの代表質問においても、教育長から、スクールカウンセラーの小学校への派遣や生徒指導相談員の増員などのさまざまな施策が示されたところでありますけれども、こうした施策を確実に実施していただき、ぜひ、今後もこうした調査を定期的、継続的に行っていただきたいということを要望しておきます。
就職支援については、再々質問をさせていただきたいと思います。
ただいまの答弁では、これまでの取り組みで就職内定率がかなり上がっておりまして、本当に喜ばしいことだなと思っております。
しかしながら、札幌市における高校生の就職状況については引き続き厳しい状況が続くことも予想されることから、今後についても当然のことながら何らかの取り組みが必要であると。ですから、今後、どのような取り組みを進める予定であるか、これについてお伺いします。
◎西村 指導担当部長 今後の取り組み予定についてございます。
教育委員会といたしましても、委員ご指摘のとおり、札幌市の高校生の就職状況につきましては引き続き厳しい状況が続くものと認識しておりまして、これまで以上にハローワークなど関係機関と密接に連携をとりながら、就職指導に対する支援を充実させていきたいと考えております。特に、より支援が必要な定時制課程に対しましては、キャリアアドバイザーを年度の早い時期から派遣するなどの工夫をいたしまして、生徒一人一人の状況を踏まえた効果的な支援を行い、一人でも多くの生徒が将来に対する希望を持ち就職することができるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
◆林家とんでん平 委員 最後に、要望で終わりたいと思いますが、特に支援が必要な定時制課程に対してキャリアアドバイザーの充実を図るとのことでありますけれども、これは、先ほど私が申し上げましたように、格差を是正する上では非常に有効な施策の一つであろうと思います。市立高等学校の定時制課程については、平成20年度に新定時制高等学校へ発展的に編成されるということでありますが、ぜひとも、このような支援策を新定時制高等学校へも発展的に引き継ぎ、より積極的な支援策を実施することを強く要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○宮村素子 委員長 ここで、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時36分
再 開 午後4時
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○宮村素子 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆芦原進 委員 私は、人の命のとうとさという観点から、平成16年3定の決算特別委員会で、AED、自動体外式除細動器普及及び設置の重要性を取り上げて初めて質問をいたしました。その後、17年1定の
予算特別委員会では、具体的に、公共施設や学校現場への設置の推進について質問しました。また、我が会派は、消防局を中心に、交通局はもちろん、教育委員会等の関連部局にも積極的な推進を求めてまいりました。現在では、札幌市役所、区民センターなどの公共施設、また地下鉄の駅、大規模公園、さらには、18年度より市立中学校、高等学校、養護学校にAEDが設置され、次代を担う子どもたちの命を守るという環境整備が前進しております。
平成18年3定決算特別委員会において、我が会派の高橋(功)委員が、小学校へのAEDの設置に関する質問をしています。そのとき、北原学校教育部長より、今後、小学校につきましてもできるだけ早期に全校にAEDを設置できるよう努めてまいりたいとの答弁がありました。まさにその答弁のごとく、小学校への設置については大変前向きに検討していただきまして、平成19年度予算に計上されており、高く評価をいたしております。
そこで、質問でございますが、平成19年度、AEDが小学校に設置されるその概要、また、その時期についてお伺いいたします。
◎北原 学校教育部長 まず、小学校へのAEDの設置の概要についてお答えをいたします。
平成19年度は、市立小学校への設置に合わせまして、市立幼稚園にも設置することを予定してございまして、設置台数につきましては、小学校205台、幼稚園17台、また、緊急対応用として教育委員会に1台の合計223台を設置する予定でございます。
次に、設置時期ですが、小学校では5月から6月にかけて運動会を実施する学校も多いことがありますので、そのことを考慮いたしまして、4月末までにAEDの設置を完了し、緊急時に対応できる体制を整えたいと考えているところでございます。
◆芦原進 委員 223台を4月末まで、運動会が始まる前ということで、時期的には非常にいい時期ではないかなと思います。AEDを有効に活用するためには、人工呼吸や心臓マッサージ等の心肺蘇生の重要性から、我が会派は、全員が昨年4月に救命講習を受講しておりまして、その認識は十分に持っております。その心肺蘇生についてでありますが、平成18年8月に救急蘇生法の指針が取りまとめられました。そこで、人工呼吸や心臓マッサージの回数、AEDの使用方法等が変更されたと聞いております。
ここで、再質問でございますが、この救急蘇生法の指針を受けて、小学校に設置するAEDについてどのような対応をされるお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。
◎北原 学校教育部長 平成19年度に小学校に設置を予定しておりますAEDの対応についてお答えをいたします。
小学校への設置に当たりましては、委員ご指摘のように、昨年8月に厚生労働省から通知されました新たな救急蘇生法の指針に基づくAEDを設置したいと考えております。具体的には、8歳未満の子どもにも対応できるよう、大人用の除細動パッドのほかに、小児用の除細動パッドを追加して設置いたします。また、緊急時にAEDから発せられる音声アナウンスについては、救急蘇生法の指針で示されている新たな救命処置の流れに則して、早期に絶え間なく心臓マッサージが行われるように設定されたAEDとする予定でございます。
◆芦原進 委員 小学校に設置されるAEDについては十分に対応が検討されているということで今お話がありましたので、わかりました。心肺蘇生法、救急救命の仕方で心臓を押す回数は、15回から30回に変わったというような状況も聞いております。
そこで、ちょっとお聞きしたいのですが、既に設置されている中学校、高等学校、養護学校などのAEDについて、押し方が変わりますので、新しい指針に沿ったものではないんではないか、こう思うわけです。
そこで、再々質問ですが、設置が完了している中学校、高等学校等へのAEDについてはどのような対応を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎北原 学校教育部長 委員ご指摘のとおり、現在、中学校、高等学校に設置しておりますAEDは、現状では新たな救急蘇生法の指針に沿ったアナウンスとはなっておりません。中学校、高等学校のAEDにつきましては、指針に沿ったアナウンスに変更可能な機種をあらかじめ選定の上、設置しておりますことから、今後は、設置済みのAEDについて、早急に指針に合わせ変更いたしたいと考えております。
また、中学校、高等学校に8歳未満の子どもが在籍するということはありませんけれども、多くの中学校、高等学校は、市民から救助を求められた際に、年齢を問わず、心肺蘇生の対応ができるようさっぽろ救急サポーター事業に登録をしておりますことから、できるだけ早く小学校、幼稚園と同様に、小児用の除細動パッドも配備したいと考えているところでございます。
◆芦原進 委員 中学校に進級したころは、特に男の子は女性と比べて発育が遅い場合がありますので、やはり大人用、子ども用が設置されるのは非常にいいことだ、私はこのように思います。
AEDの設置と救急救命の講習の実施は、全国でも札幌市が非常に抜きん出て進んでいる、私は、関係者からこのように聞いておりますが、これは、関係各位の皆さんの大変なご努力があったと思って、大変、敬意を表したいと思います。
私は、以前に、札幌市内には公衆電話並みにAEDをつけるべきだという質問をいたしました。しかし、最近、公衆電話が非常に減っておりまして、表現が余り適当ではないのかなと思いますが、以前の公衆電話並みと理解していただければありがたいと思います。そういう意味では、まだまだ不十分ではないかなと思います。
そこで、要望でございますが、今後とも、さらにAED設置の推進に継続的に取り組み、また、人の命にかかわることですから、もっともっと強くしっかりと推進していただきたい。
それからもう一つ、全庁的にお願いしたいのですが、民間も、小学校、中学校を含めて、昼間はやっております。しかし、夜に対応できないということがございます。まち中には朝から晩までお仕事されているお店もいっぱいございます。行政の中で、そういうところとしっかり連携をとっていただいて、24時間対応できるようなAEDの設置にもどうかしっかり取り組んでいただきたい。これを要望いたしまして、終わります。
◆宮川潤 委員 私は、まず第1に中学校のスキー授業の実施について、第2にスクールカウンセラーに関して、第3に教員一人一人に対するパソコンの整備について、この3点の質問をいたします。
まず、第1点目は、中学校のスキー授業についてです。
ノルディックスキー大会が行われ、本市の雪国としての魅力を世界にアピールする機会になっていると思います。これを契機に、ウインタースポーツ、特にスキーを楽しむ人がふえることを願っております。小学校ではどの学校もスキー授業を行っていますが、中学校では、スキー授業を行っている学校がここ数年で急速に減少しているようです。
そこで、数年間の中学校でのスキー授業の実施状況の推移についてお示しください。また、減少した理由についてあわせてお示しください。
第2点目は、スクールカウンセラーについて質問いたします。
新年度、スクールカウンセラーの活用事業費として1億6,600万円が計上されております。スクールカウンセラーが来る週1回だけ登校している子どももいらっしゃるなど、いじめの克服にも大きな役割を果たしているそうですし、札幌市教育改革推進会議の答申でも、スクールカウンセラーを充実させる必要が指摘されております。
そこでまず、スクールカウンセラーの果たしている役割について教育委員会はどう評価しているのか、明らかにしてください。
教育改革推進会議では、相談件数が多く、個々の相談に対して十分に対応するだけの時間的余裕がないとも指摘していますが、1校当たりの相談件数の推移をお示しください。
第3点目は、一人一人の教員に対するパソコン整備についてです。
昨年の
予算特別委員会で、私は、小学校の教員の場合、スキー授業で使うスキーも自分で買う、運動靴も、ジャージも、プール授業の水着も自分で買う。その上、学校で使っているパソコンも私物であり、教員が不公平感を持っているということを明らかにしながら、教員1人1台のパソコンの整備を求めました。
国のIT新改革戦略では校務の情報化が位置づけられたと聞いておりますが、その内容はどのようなものか、お示しください。
◎西村 指導担当部長 まず、札幌市立中学校におけるスキー学習の実施状況の推移についてでございます。
平成13年度にスキー学習を実施した中学校は、98校のうち77校、79%でしたが、平成14年度は52校、平成15年度には43校、平成16年度は37校、平成17年度は33校、今年度は29校で30%というふうになってございます。
また、平成14年度からスキー授業の実施校が減ってきた理由についてでございます。
さまざまな要因がございまして、一概に言うのはなかなか難しいところですが、その一つとして、この年、平成14年から新たな教育課程が全面実施されたことから、保健体育の授業時数が年間105時間から90時間に減少したことによりまして、授業内容の見直しを行ったことが挙げられるかと思います。また、授業時数の削減や生徒数の減少に伴う学校規模の小規模化によりまして、体育教師の数が減り、指導体制が十分とれなくなってきたことや、スキー授業にかかるスキーやウエア等の用具代、バス代等の経済的な負担の大きさに対し、保護者の理解が得られにくくなってきていることも原因の一つとして考えているところでございます。
次に、スクールカウンセラーの果たしてきた役割についてでございます。
子どもに対する日常的なカウンセリングや、教師、保護者に対して豊富な知識や専門的な見地からのアドバイス等によりまして、子どもの困難な悩みや不安状況が解消され、よりよい学校生活を送れるための一助となっております。また、教師への助言等によりまして、教育相談のあり方についての理解が深まり、学級担任の支えとなったり、校内研修会での講義や演習などによりましてカウンセリングマインドの向上につながったりするなどのほか、PTAを対象とした講演会を開催し、保護者が子どもの接し方について理解を深めることで子育て支援などの役割も果たしているところでございます。
次に、スクールカウンセラーへの評価についてでございます。
不登校傾向の児童生徒が学級に復帰できるようになるなど、子どもたちの悩みや不安の解消に力を発揮しているほか、教師のカウンセリングについての理解が深まり、一人一人の子どものとらえ方が幅広く豊かになったこと、児童生徒や保護者もスクールカウンセラーの存在の意義を理解して相談を受けようという意識が高まり、一定の成果を上げているものというふうに評価しているところでございます。
平成14年度から平成17年度までのスクールカウンセラーへの1校当たりの相談件数についてでありますが、平成14年度は195件、平成15年度は222件、平成16年度は262件、平成17年度は252件となっております。
◎山崎 調整担当部長 3点目の教員に対するパソコン整備に関する国のIT新改革戦略につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
IT新改革戦略は、内閣総理大臣を本部長としまして、主要な大臣が構成メンバーとなっておりますIT戦略本部が平成18年1月19日に決定したものでございますが、その中で、目標の一つとして挙げられておりますのは、教員1人に1台のコンピューター及びネットワーク環境の整備でございます。また、その実現に向けた方策といたしまして、2010年度までに、すべての公立小・中・高等学校等の教員に1人1台のコンピューターを配備するということが掲げられております。
◆宮川潤 委員 まず、中学校のスキー授業ですけれども、ここ数年、実施している学校が著しく減っているという答弁でありました。雪の降らない地域で暮らしている人がスキーを楽しむということは、交通費もかけて、宿泊代もかけて、2日、3日という休みも確保してということになるわけですから、まれにしかできないことです。その点、札幌は、たくさんの雪が降ることや、市内に幾つものスキー場があり、気軽に日帰りでスキーを楽しむことができます。せっかく雪国で暮らしているのですから、雪国の冬を楽しむこと、雪国ならではの冬のスポーツを大いに楽しみ、寒くても戸外で過ごす時間をつくることは意義深いことだと思います。
私は、札幌で育った子どもは、うまい、下手は別にして、みんなスキーができるようになってほしいと思いますし、寒い冬にも楽しいことがあると思ってくれたら、すばらしいと思います。
そこで、伺いますが、先ほど中学校でのスキー授業が減少しているということでしたけれども、このことについて、教育委員会としてはどのように考えておられるのか、また、スキー授業の意義についてどう認識しているのか、明らかにしてください。
次に、第2点目のスクールカウンセラーについてです。
昨年の第4回定例会の小形香織議員の代表質問で小学校への配置を求めたところですが、新年度予算では小学校も対象に加えて事業の枠を拡大しました。どのような考え方で事業の拡充を行うこととしたのか、その必要性についてお示しください。
第3点目のパソコンの整備についてですが、既に、昨年、国で教員1人1台のパソコン整備が位置づけられているということでありました。方針は理解しましたが、整備のための財源的な保障はどのようになっているのか、これについても明らかにしてください。
◎西村 指導担当部長 まず、スキー授業が減少していること及びスキー授業の意義についてでございます。
教育委員会といたしましては、豊かな自然に恵まれた雪国札幌からスキー授業が減少していくことは、非常に残念なことだというふうに考えております。札幌は、1972年に冬季オリンピックが開催された都市であり、あれから35年ほどたって、今オリンピックと同等と言われているFISノルディックスキー世界選手権大会札幌大会が盛大に開催されているところでございます。このように、札幌はウインタースポーツが盛んな都市であり、スキーやスケートの国際大会や国内大会が開催されるほか、スキーマラソンとか市民大会といった催しも週末ごとに繰り広げられており、多くの市民が楽しく参加しているところです。また、市内にはスキー場が10カ所以上ありまして、このようにスキー環境に恵まれた大都市は世界でもまれでございます。
こういった環境のもと、学校におけるスキー授業は、約半年間にわたり冬に閉ざされがちな雪国の子どもたちの体力を高めることのできる貴重なスポーツであり、また、冬の恵まれた自然と共生し、生涯スポーツに親しむ市民を育成するためにも大切なものであるというふうに考えているところであります。
次に、スクールカウンセラー事業拡大の理由についてでございます。
本市においては、これまでも、小学校の要請によりまして、中学校区に配置されておりますスクールカウンセラーを派遣することができるようにしておりましたけれども、新年度から、スクールカウンセラーをそれぞれの小学校の担当として位置づけ、派遣することといたしまして、いじめや不登校など、小学校における生徒指導上の困難な状況に即応できるよう事業を拡大したところでございます。
◎山崎 調整担当部長 パソコン整備についての国の財政的な保障についてでございますが、教員用コンピューターの整備につきましては、平成19年度の地方交付税措置に新たな項目として加えられる予定でございまして、詳細については新年度に入ってから通知される予定であります。
しかし、今年度実施されました文部科学省による説明会におきましては、従来より措置されている教育用コンピューターの整備などを含めた教育の情報化に係る交付税額、その総体は増額されないという説明を受けております。
◆宮川潤 委員 まず、スキー授業についてでありますが、今、子育て世代の人たちは、長時間労働ということもありますし、母子世帯や父子世帯がふえていることもあり、皆さん、忙しくてなかなか子どもさんをスキーに連れていけなくなってきていると思います。学校教育としてスキー授業を行うことがますます求められているというふうに思います。
いただいた資料によりますと、小学校ではすべての学校がスキー授業をやっています。ところが、小学校だけで途切れてしまうということが残念であります。せっかく小学生まで全員がスキーをしているのですから、小学校だけで終わらせるのではなく、ぜひ中学校でも継続させていただきたいと思うのであります。
ある道立高校の先生から伺った話ですが、高校でスキー授業をやることは本当に大変だそうです。それは、中学校でスキーをやっていないために、用具もなく、新たに買いそろえなくてはならない。中学校3年間のブランクが大きく、高校1年生の中には、もう今さらやりたくないという気分になってしまう子どももいらっしゃるということだそうです。このままでは高校でスキー授業を行うことに支障を来しかねないという状況であります。
小学校から高校までスキー授業を続けられたら、札幌の子どもはみんなスキーが上手にできるようになるというふうに思います。今後、中学校のスキー授業実施校をふやすべきだと思いますがいかがか、伺います。
第2点目のスクールカウンセラーについてであります。
私は、今後、ますますスクールカウンセラーの役割は重要性を増していくものというふうに考えます。今後の方向性でありますが、事業をさらに拡充する方向で検討すべきと思いますがいかがか、伺います。
第3点目のパソコンについてでありますが、教員1人につき1台のパソコン整備について交付税措置されるということでありました。あとは、市として整備のための計画をつくり、予算を確保すべきと思いますけれども、今後どう対処されるか、伺います。
◎西村 指導担当部長 まず、スキー授業をふやすべきということについてでございます。
先ほど申し上げましたさまざまな課題はございますけれども、これらの課題の解決に努めるとともに、保護者の理解を得ながら、積極的な実施を学校に働きかけて実施校の増加を図る必要があるというふうに考えているところでございます。
次に、札幌市におけるスクールカウンセラーの活用事業の充実についてでございます。
現在、本市におきましては、臨床心理士の資格を有するスクールカウンセラーと、一定の相談経験を有するスクールカウンセラーに準ずる者が各学校において相談活動を行っているところでございます。
教育委員会といたしましては、子どもたちを取り巻く環境の急速な変化などにより、複雑でさまざまな悩みを抱える子どもがふえてきておりますことから、より専門性を持った者が個々の子どもの実情に応じた相談を行うことが有効であると考えております。こうしたことから、豊富な知識や専門性を兼ね備えた臨床心理士の有資格者の任用や小学校への活用について拡充に努めてきたところでございますが、今後も、この事業をより一層充実してまいりたいと考えているところでございます。
◎山崎 調整担当部長 パソコン整備についての本市の対応についてでございますが、従来は児童生徒用コンピューターの整備を優先していた経過があり、また、これに財政的制約も影響しまして、教員用コンピューターの整備がおくれている状況にございます。
教育委員会におきましても、教員用コンピューターの1人1台整備を最終目標にして、機器構成やネットワーク構成及び整備スケジュールなどを検討いたしまして、年次別の必要経費を積算したところであります。しかし、本市の財政状況及び先ほどお答えしました地方交付税措置についての文部科学省による説明会の内容から、予算の確保は非常に厳しい見通しにありまして、これを実行計画として位置づけるまでには至っていないところでございます。
今後も、関係部署と協議しながら、教育用機器との兼用なども視野に入れながら、実行可能な整備のあり方を引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
◆宮川潤 委員 スクールカウンセラーについては、一層充実をさせるということでありましたので、その方向でぜひ努力をしていただきたいと思います。
パソコン整備については、年次別の経費までつくったけれども、思うように進んでいないということでありました。国が総体としての交付税の枠を広げないという問題もありますけれども、市として、ぜひ今まで以上の努力をしていただきたいというふうに要望したいと思います。
中学校のスキー授業でありますけれども、実施する学校をふやすためには、授業時間の確保の問題、また、用具をそろえることが大変だということ、学校の指導体制を整えることなど、さまざまな課題があると思います。ぜひ一つ一つ乗り越えていただきたいと思いますが、実施校をふやすために学校への支援などを強めることが求められていると思いますけれども、どういう工夫や努力をされるのか、お示しください。
◎西村 指導担当部長 スキー学習をふやすための学校への支援や工夫、努力についてでございます。
各学校におけるスキー授業を支援するために、平成17年度から、教育委員会と観光文化局が連携いたしまして、スキー指導者の派遣を行う札幌市立中学校スキー授業支援事業をスポーツ部が主体となって実施しているところでございます。この事業では、昨年度、中学校3校に対して18名のスキー指導員を派遣しましたが、今年度は、さらにスキー連盟や各スキー場の協力をいただいた結果、中学校19校に対して136名のスキー指導員を派遣したところでございます。この事業を実施した学校からは、指導体制が充実して大変助かった、この事業がなければスキー授業の継続は難しいといった声が幾つも寄せられているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後とも、スポーツ部と一層の連携を図りながら、札幌スキー連盟や各スキー場のご協力をいただいて、これまでの取り組みの成果と課題を踏まえて支援のあり方を工夫し、スキー学習実施校の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 努力をされるという方向はいいのですけれども、例えば、PTAや地域の方々などのボランティアの力をかりるとか、スキー場にもなお一層の協力を求めるとか、そういう努力をする中で、札幌の文化を育てるという立場でぜひ頑張っていただきたいということを申し上げて、終わります。
◆佐藤典子 委員 私からは、子どもが安心して生き生きと学校生活を送ることができる学級づくりや学校環境づくりの充実を求め、いじめ問題とシックスクール対策について、大きく2点、伺います。
質問の項目内容上、分けて質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、いじめ問題についてです。
まず、1点目に、いじめ状況等に関する調査について伺います。
今回の調査は、文部科学省のいじめの定義と違い、子どもみずからがどのように感じ受けとめているかを調査し、また、早期対応を目的に記名式で行ったとのことです。子どものアンケートの回収率は89.2%となっており、先ほどの質問にもありましたけれども、アンケートの中身など項目を工夫しながら調査を行ったということでありますので、今回の調査結果を踏まえ、丁寧な対応が期待されているところです。
この回収率ですけれども、残りの10.8%の子どもからは回答を得ることができなかったと言うわけでありますので質問をいたしますが、回答を得られなかった子どもたちの中には、いじめが原因で不登校となり、学校を休んでいる子どもがいるのではないかということも考えられます。そのような子どもたちに対する調査はどのように行ったのか、伺います。
また、今回の調査では、いじめの実態を多面的に把握するということでありますが、私は、それであれば、もう一歩踏み込んで、子どもの状況や学校側の対応などについての評価など、保護者にもあわせてアンケート調査を行うべきだったと思いますけれども、今回、なぜ保護者対象の調査は行わなかったのか、今後、保護者アンケートなどの実施についていかがお考えか、伺います。また、分析結果の報告を保護者にどのように行うのか、あわせて伺います。
質問の2点目は、学校における子ども自身の問題解決の仕組みづくりについてです。
多くの子どもは、人間関係を子ども同士がどのようにつくってよいかわからない状況に置かれています。今回の調査結果を踏まえて、いじめ解決に向けて、子ども向けのリーフレットや教師向けのいじめ問題に係る指導資料を作成、配布することなども聞いていますけれども、何をよりも知恵と勇気を持って子どもたち自身が問題を解決できる能力を獲得することが重要と考えています。
そこで、06年第4定の坂議員の代表質問でも取り上げましたけれども、ノルウェーの学校仲裁所と呼ばれる、子どもみずからが仲直り、和解のために、もめごとの解決能力を身につける仕組みや、日本ではピアサポートと呼ばれている異学年交流のプログラムなど、非常に参考になると考えています。
そこで、質問ですが、子ども自身の力によって、いじめを克服する、もめごとを子ども自身が解決する力を身につける、相手を理解する努力をするといった取り組みなどを早急に実施すべきと考えますがいかがか、また、今後どのようにそういう取り組みを充実させるお考えか、伺います。
◎西村 指導担当部長 まず、1点目の学校を欠席している子どもに対してどのような調査を行ったかということについてでございます。
今回の調査は、本市独自の調査であり、子ども一人一人の状況をできるだけきめ細かく把握しようとしたものでありまして、各学校におきましては、その趣旨を踏まえて、欠席者に対して家庭訪問や面談等により、可能な限り調査の実施に努めたところでございます。また、それでも実施できなかった児童生徒に対しましては、継続的に実態把握に努めていただいているところでございます。
次に、保護者向けアンケートの実施についてでございます。
本調査は、子どもへの意識調査であり、子どもの受けとめを重視し、いじめ問題の早期発見・早期対応に資することを目的として実施いたしました。このため、保護者に直接ご意見を伺う設問を設けておりませんでしたが、保護者の皆様の声を受けとめることも大切な視点であることから、教育委員会といたしましては、今後、その方法や内容等についても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、保護者への分析結果の報告についてでございますが、教育委員会のホームページに本調査の分析結果を掲載し、各学校とも協力しながら、いじめ防止の啓発にさらに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
2点目の子ども自身の力で問題を解決していく取り組みについてでございます。
いじめ問題の解決に当たりましては、大人の指導とあわせて、子ども自身で問題を解決していく力を身につけることも大切であるというふうに認識しております。学校におきましては、これまでも、学級活動や児童会、生徒会活動等を通していじめの撲滅を呼びかけたり、ポスターを作成するなどして、子ども自身の力でいじめを容認させない風土づくりに努めているところであります。
教育委員会といたしましては、今後は、このような学校の取り組みなどを踏まえて、子どもたち自身が主体的にいじめについて考えたり、話し合ったりする活動のさらなる充実を図るため、教師向けの指導資料や子どもの声を生かした子ども向けリーフレットを作成し、配付するなどいたしまして、子ども同士でいじめ問題を解決していく力を育てる取り組みについて学校を支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 1点目の保護者にどのように報告するのかという答弁の中で、ホームページを使ってお知らせしているということであります。
ただ、私は、今回の調査の仕方はとても丁寧だったと思っています。一人一人にきちんと手紙をつけて、保護者とともにこれを書いてくるようにというようなことだったと思います。そういうことから言いますと、今、学校はこれからどういうような対応をしていくのかということをどこかの場面で保護者の皆さんに伝えることは非常に重要なことであると思いますし、さらに信頼を深めていくことにつながると私は思いますので、そこのところはぜひそういう場面をつくっていただけるように、強く要望しておきたいと思います。
それから、今後、問題解決の仕組みづくりということでありますけれども、冊子とかペーパーをつくって子どもに配布ということももちろん一つのきっかけにはなりますが、子ども同士が自分たちの体験の中でそういうことを解決するという体験型の仕組みづくりというのは、今まさに求められていると思いますので、さらに工夫をして取り組んでいただきたいと思います。
次の質問に入らせていただきますが、今回の調査では、いじめられたとき、だれかに相談すると回答しているのは、小学校では82.6%ということで最も高く、中学、高校と割合が下がっています。いじめられても相談しないと回答したのは、小学校では16.3%、中学校で38.4%、高校で44.5%となり、思春期になるほど悩みを自分で抱え込んでいることがうかがえます。
また、05年、札幌市子どもの権利条例制定検討委員会が行った子どもの権利に関するアンケート調査によりますと、小学生の6%、中学生の8%、高校生の5%が、相談する人はだれもいないというふうに答えています。こういうことからも、調査のまとめにも示されていますように、まさに、いつでも、だれでも、気軽に相談できる体制の整備拡充ということが喫緊の課題であり、さらにそのことを充実することが求められていると考えています。
そこで、今後、具体的にどのように相談体制を拡充するお考えか、伺います。
また、スクールカウンセラーについては、これも前回の代表質問で取り上げましたけれども、中学、高校のみならず、小学校においても利用しやすくする対策が必要だと考えておりますが、今後さらに、どのようにその工夫などを行って取り組んでいくおつもりか、伺いたいと思います。
◎西村 指導担当部長 まず、相談体制の拡充についてでございますが、各学校においては、日常の児童生徒とのコミュニケーションや相談活動を初め、教育相談週間を設けるなど気軽に相談できる雰囲気づくりに努めているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後は、スクールカウンセラーとの連携を図った研修会や各学校間の情報交流によってこれを一層充実させながら、教師のカウンセリング能力を高め、学校全体として相談しやすい雰囲気づくりに努めるとともに、より組織的な相談体制の拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。
次に、スクールカウンセラーについて、小学校において利用しやすくするために講じた対策についてでございます。
これまでも、中学校に配置していたスクールカウンセラーは、小学校でも利用可能でありましたけれども、さらなる活用を図るために、昨年12月に、全市立小学校を対象に研修会を開催いたしまして小学校における活用について周知徹底を図ったところでございます。さらに、4月からは、全市立小学校に対するスクールカウンセラーの派遣時間を確保し、小学校におけるスクールカウンセラーの活用のさらなる充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 今回の調査で、教師がいじめの疑いのある児童生徒を把握した手だてという項目がありました。それでは、スクールカウンセラーからの報告により把握したと回答したのは中学校で4校であり、小学校と高校はゼロ校でした。
しかしながら、05年度のスクールカウンセラーの調査研究報告書では、中学校98校のうち、半分の49校で、生徒、教職員、保護者等から合わせて456件のいじめに関する相談を受けており、こういうような状況からも、いじめに対してさらにきめ細かな対応を進めるためには、緊急かつ必要なことについてはスクールカウンセラーとの連携の充実というのがさらに求められていると思います。先ほどの答弁にもありましたけれども、こうしたスクールカウンセラーなど、組織的で相談しやすい体制づくりを進めていくということでありますので、ぜひその点に留意していただいてきめ細かに進めていただきたいと思っています。
今回、だれに相談するかというのも、小学校は学校の先生、親、友達というような順番ですけれども、学年が上がるほど、先生は少なくなっています。そういうような中で、やはり学校だけでいじめを実態把握し切れるということは難しいのだと思います。そういう中では、やはり、家庭と学校と地域の連携の強化、また、そういう密度の濃さについてどういうことができるのかということを改めて問い直し、取り組んでいくことが、いじめの早期発見・早期対応のために非常に重要な観点だと思いますので、そういうことに留意していただきまして、子どもが生き生きとする学校の環境づくりを進めていただきたいと思います。
次に、シックスクール対策について伺いたいと思います。
シックスクール対策としましては、03年度より、教室等におけるホルムアルデヒドやトルエンなど揮発性有機化学物質の濃度測定が行われるようになりまして、今年度も調査が行われました。そして、先日、結果が公表されたところです。特に、ホルムアルデヒドにつきましては、市立の幼稚園から高校、養護学校まで334校全校で簡易測定器を使用した学校独自の調査を行ったと聞いています。
そこで、質問ですけれども、今年度の空気環境検査の結果について、どのような教室を対象に検査し、ホルムアルデヒドなど化学物質の基準値を超えた学校は何校だったのか、その後の再検査の結果についても伺います。
また、どの学校においても、初めてホルムアルデヒドの独自検査を行ったわけですが、困ったことなど、ふぐあいはなかったのか、改めて伺います。
◎北原 学校教育部長 まず、1点目の今年度の空気環境検査の結果についてでありますが、合計334校、1,831教室について検査を実施いたしました。まず、全校を対象に、学校職員がホルムアルデヒドの簡易測定器を用いて、334校1,827教室を検査しております。これは、昨年度、基準値の2分の1を超えた教室などについて検査したものでありまして、その結果は、182校、54.5%になりますが、この404教室、22.1%で基準値を超過いたしました。
次に、全校検査と一部重複いたしますけれども、昨年度の検査でトルエンが基準値の2分の1を超えていた4校5教室と、パラジクロロベンゼンが基準値の2分の1を超えていた1校1教室について検査をした結果、トルエンが2校3教室で基準値を超過いたしました。これらホルムアルデヒドとトルエンが基準値を超過した教室について、通常の使用状態での確認検査を実施した結果、すべての教室が基準値以下であることを確認いたしました。また、改築工事を行いました小学校2校10教室についてホルムアルデヒドを含めた6物質を検査した結果、いずれも教室の基準値以下でありました。
次に、2点目のホルムアルデヒドの簡易測定器を用いた検査におけるふぐあいについてでありますけれども、今年度は、学校職員による初めての検査がありましたが、各学校の協力もございまして、特に混乱することなく、検査を無事に終了することができております。
◆佐藤典子 委員 結果は伺いましたが、334校のうち、54.5%の学校で基準値を超えているというような数字を今伺いました。いろいろふぐあいもなく調査できたということでありますので、さらに、こうした取り組みが丁寧に広がることを求めておくところです。
しかしながら、05年の秋の検査結果についてですけれども、そのとき、中学校の心の教室でホルムアルデヒドの基準値を超えた学校が60%に上ったということが明らかになっています。その後、通常の使用状態の検査では基準値以下になったとお聞きしていますが、今回の調査では、その心の教室の検査状況はどうだったのか、また、今後は、これまでの検査状況を踏まえて優先的に検査すべきと考えますけれども、来年度はどのような教室を対象に検査するのか、伺いたいと思います。
そして、トルエンの低減化試験について伺いたいと思います。
トルエンについては、何度もこの場所でお伺いしておりますけれども、06年3定のときに、トルエンが基準値を超え、毎年、高い数値が測定されている前田北中学校につきまして、低減化製品を使用した試験を実施し、定期的に効果測定を行っているというふうに伺いました。良好なデータが得られた場合は来年度の対策に生かしたいというふうに答弁をいただいておりますが、その後、前田北中学校におけるトルエンの低減化試験の結果はどうであったのか、その結果を踏まえた今後の対応について伺います。
また、同様に、トルエンの濃度の高い上野幌東小学校への対策を早急に進めるべきであるということをこれまでも強く求めてまいりましたが、それについてもどういう対応をとられるのか、伺います。
◎北原 学校教育部長 まず、1点目の心の教室の検査状況と来年度の検査の対象教室について、私の方からお答えをいたします。
まず、心の教室の検査状況についてでありますが、今年度の検査では、37教室の検査を実施した結果、11教室、29.7%で基準値を超過いたしましたけれども、通常の使用状態での確認検査を実施した結果、すべての教室が基準値以下でありました。
次に、次年度の検査の対象教室についてでありますが、1校当たり、普通教室と音楽室、視聴覚室、コンピューター室などの特別教室を合わせて5教室をめどに検査することとしております。ホルムアルデヒドの簡易測定器を使用した検査は、今年度の検査で基準値をの2分の1を超えた教室のほかに、委員ご指摘のとおり、これまでの検査で超過率が高い心の教室や、机やいすなどの備品を入れかえた教室、シックハウス症候群の子どもが在籍している教室などについてホルムアルデヒドの検査を実施する予定でございます。また、今年度の検査でトルエンが基準値の2分の1を超えた3校4教室については来年度も継続して検査を実施するとともに、新築、改築等の工事を実施した学校については6物質の検査を実施する予定でございます。
◎山崎 調整担当部長 2点目の前田北中学校におきますトルエンの低減化試験の結果と今後の対応及び上野幌東小学校の対策につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
前田北中学校の低減化試験の内容といたしましては、昨年9月に、同校においてトルエンに対する有効性が推測されました3種類の製品をそれぞれ1教室ずつ施工しまして、現在、施工後の効果測定を定期的に行っているところであります。その測定結果についてですが、国の基準値は、260マイクログラム/立方メートルとなってございますが、施工前は、最も測定値の高い教室から順に申しますと、360マイクログラム/立方メートル、以下、単位は省略いたしますが、350、83であったところ、施工3カ月後の測定値は、それぞれ39、51、13となっておりまして、平均いたしますと施工前からは86.3%減少しております。
現在のところ、このように測定値は大幅に低下しておりますが、冬期間は建物躯体の冷却により、放散量が減少していることも考えられますため、今後は、気温が上昇する時期に再度測定を行い、効果が実証された場合は19年度の前田北中学校の低減化対策に生かしたいというふうに考えております。
また、上野幌東小学校につきましても、前田北中学校における試験結果を踏まえまして、同様に、トルエンの低減化策について検討してまいりたいと考えております。
◆佐藤典子 委員 前田北中学校と上野幌東小学校につきましては、2003年度の空気環境調査を始めてから本当にずっと非常に高い濃度が出ていましたが、もう3年たちましたので、中学の場合は卒業している子どももいるということですね。そういうような状況の中で、やはり子どもがどういう状況にあるかということをしっかり踏まえていただきまして、今の低減化試験の夏の状況を見てどういうふうな対策をとるか決定されるということですので、ぜひ適切な対応を求めておきたいと思います。
再々質問になりますけれども、シックスクール対策マニュアルについて伺いたいと思います。
来年度も、ホルムアルデヒドなど基準値を超えた教室はもちろんのこと、基準値の2分の1を超えた教室についても、引き続き検査を行うということであります。
今回の検査結果では、市立の幼稚園から高校、養護学校まで、全校の半分以上でホルムアルデヒドが国の基準値を超えたということを伺いましたが、その後の再検査では、いずれも基準値以内におさまったということです。要するに、密閉している教室では濃度が高く出るけれども、通常の窓をあけたりする状況では基準値以内だということなのです。
しかし、化学物質過敏症というのは一人一人の症状が違うため、基準値以内であっても個別の対応というのが本当に求められている状況です。07年3月1日現在、札幌市における化学物質過敏症及びシックハウス症候群の子どもは、03年7月に比べますと約2倍になっています。ことしの3月1日、きのう、41人という数字が出まして、約2倍になっているというふうに聞いています。子どもたちが通う学校環境の状況を把握し、だれもが安心して学ぶことができる教育環境を確保するためにも、学校の職員の皆さんを初め、周りの大人がシックスクール問題への意識を高めるとともに、換気の徹底など既に適切な対応が求められるところです。
そのためにも、市民ネットワークは、シックスクール対策マニュアルが効果的であると考え、04年第3定以来、マニュアルの作成について取り上げてまいりまして、06年第3定におきまして、作成を検討するという答弁をいただいております。
そこで、シックスクール対策マニュアル作成の進捗状況はどうなっているのか、伺います。
◎北原 学校教育部長 学校におけるシックハウス対策マニュアル作成の進捗状況についてでございます。
本市の公共建築物シックハウス対策指針や他都市の状況等を参考としながら、新築、改築、改修等の工事や学校施設の維持管理におけるシックハウスの予防対策、教室等の換気の方法、空気環境検査の実施方法、シックハウス症候群や化学物質過敏症の子どもへの対応などを内容としたシックハウス対策マニュアルを作成しているところでございまして、年度内に完成する見込みでございます。このマニュアルにつきましては、来年度早々に各学校に配布し、窓あけ換気の励行などが徹底されるよう指導するとともに、シックハウスに関する学校職員の理解を深めて、子どもたちが安心して過ごせる学校の環境づくりを推進してまいりたいと考えているところであります。
◆佐藤典子 委員 要望です。
全校でホルムアルデヒドの独自検査が短期間で調査できるようになったというのは、全国的にも非常に高く評価されるところだと私も思っております。
しかしながら、各学校に対して教育委員会の方からいつも検査を要請するという形ではなくて、今後は、各学校がみずからの学校の空気環境を自主的に把握し、子どもの健康を守るための対策としてそういう取り組みを進めていただきたいと思っています。半分以上の市立の学校で基準値を超えたホルムアルデヒドの結果が出ているという実態を各学校が認識し、みずからが改善するといった意識づけとなるような、そういうシックスクール対策のマニュアルの完成を期待しまして、質問を終わらせていただきます。
◆柴田薫心 委員 それでは、私から、教育研究図書費と今年度の校長採用選考について、2点の質問をさせていただきますが、中身が違いますので、1、2と分けてお願いしたいと思います。
図書購入事業については、教職員の個々の教養を高める、そして資質を向上させるための支援策として、平成13年度より実施しております。平成13年度は、10月1日に実施して、教職員9,900円、事務職員3,000円、それがずっと続いたのですが、17年度は、教職員は5,000円、そして事務職員は1,500円になり、今まで5,000円以上が台帳に記入されていたのが、監査委員の指摘によって5,000円未満も台帳に記入することになったわけであります。
9,900円から5,000円に値下げになった理由は、財政難のため、予算状況が厳しいから、こういうことであります。この研究図書費は、1人当たりの配当金掛ける教職員プラス事務職員の人数となりますが、17年度は総額で幾らになったのか、また、各学校で運営管理費というのがありますけれども、かなりのカットになっていると聞いておりますがいかがか、お答えをお願いいたします。
◎山崎 調整担当部長 研究用図書費の17年度の総額でございますが、各学校に対しまして総額約3,700万円を予算配当し、実際の執行した額といたしましては約3,100万円というふうになってございます。
それから、学校運営管理費につきましては、今ちょっと手元に資料がございません。
◆柴田薫心 委員 これは、質問の中に入れていなかったから、ごめんなさいね。僕は、総トータルの中ですから、例えば何費が幾ら、何費が幾らと、あなたのような頭のいい部長だったら、頭に入っていると認識したのですが、後で結構ですからお知らせください。
今言ったように、17年度の予算は3,700万円で、実施したのは3,100万円だということでありますが、18年度は1人当たり2,500円アップしているのです。ですから、教員の場合は5,000円が7,500円、事務職員は2,300円を支給されています。ですから、我々から見ると、財政難といってカットしたのに、今年度は財政が楽になった、そうとられても不思議ではないわけです。
それで、管理運営費が減額になっているんですよ。なっているから、例えば、カラーでコピーをしたいと思ってもインクがないとか、紙が欲しいといっても思うように使えない、現場はそういうことになっているわけです。当予算は、管理運営費で措置されているが、配当は―配当という言葉は後から指摘しますけれども、配当は、教材用備品購入費で配当しているわけですね。だから、18年度に2,500円もアップする。インクがないとか、紙がないのに、どうも不思議でやりきれないわけであります。また、2,500円アップした場合、この研究図書費は18年度は幾らになったのか、まずお答えをお願いしたいと思います。
◎山崎 調整担当部長 18年度は、委員ご指摘のとおり、教員で申しますと1人当たり7,500円、学校事務職員2,300円、この積算基準で算出いたしました。
◆柴田薫心 委員 7,500円で積算したということですね。ですから、トータルは幾らになったのですか。
◎山崎 調整担当部長 約5,700万円でございます。
◆柴田薫心 委員 このように、17年度は財政難ですから、3,700万円と。ところが、財政が楽になったとみえて、今年度は5,700万円、こういう支出をされているわけであります。
なのに、学校予算が減少しているんです。そういう中で個人の研究図書費が増額されている。これはわからない。確かに、18年度に増額しておくと、組合関係者はある意味では選挙の年ですから、ばらまきとかやみ給与、こうとられる疑念が起きないかと僕は思うのです。
そこで、疑問なのは、18年5月1日現在で、小学校209校で4,708人の教員、事務職員は219人、中学校は2,829人の教員と103人の事務職員、その他幼稚園、高校、特殊学校を合わせるとすごい金額になるわけです。
それなのに、一番大事な、1番か2番なのかはわからんけれども、大事なのは食育ですよ。食育という大切な栄養士は、残念ながら、この中に入っていないんですよ。対象外になっているんです。一番本を買ったり勉強しなければならない人に図書費が回っていないんですよ。回っているのは組合関係の人ばっかりなんだ。
そして、配当という言葉を使っている。
本当に必要な研究図書費ならば、栄養士にも充てるべきではないかと僕は思うんですが、いかがですか。
◎山崎 調整担当部長 ただいま、3点ほどご質問があったかと思います。
まず、18年度はどうして増額になったのか、財政状況が好転したのかというお話でございます。
それにつきましては、今年度は、先ほどお答えいたしましたように、教員1人当たり7,500円、学校事務職員2,300円で積算いたしました。これは、昨年度の積算基準と比較いたしますと、ご指摘のとおり、教員1人当たり2,500円、事務職員800円の増額となってございます。しかし、16年度と比較いたしますと、教員1人当たり2,400円、学校事務職員700円の減額となってございます。
この間の経過をご説明いたしますと、16年度の積算基準は、教員1人当たり9,900円、学校事務職員3,000円でありました。しかし、17年度におきましては、財政状況が厳しく、マイナスシーリングが設定されたことに加えまして、教科書の改定により教科書及び指導書の購入が必要となりました。そのため、教職員の資質向上という意味では同じ趣旨でありますことから、この事業費の一部を優先的に指導書等の購入に充てることとしまして、その結果、積算基準を教員1人当たり5,000円、事務職員1,500円に減額したところでございます。そして、今年度につきましては、指導書等の購入は必要なくなりましたが、依然、財政状況が厳しいことから、教員1人当たり7,500円、事務職員2,300円の積算基準にとどめたものでございます。
続きまして、栄養士が対象となっていないのではないかということでございます。
これまで栄養士に関しましては、ご指摘のとおり、この制度の直接の対象にはなっておりませんでしたが、近年、食育への関心が高まり、それに伴いまして栄養教諭制度が発足するなど、栄養士を取り巻く環境が大きく変わってきております。今後、栄養教諭だけではなく、栄養士も含めて、食育に関する研究がますます必要になると考えられますので、これから本事業のあり方を検討していく中で、これらの職種の資質向上のための支援のあり方につきましても検討してまいりたいと考えてございます。
そして、3点目の配当という言葉はおかしいのではないかという点でございます。
配当という用語でございますが、これは、予算規則等でも使われている用語でございます。教育委員会でも、これらの使用法に準じまして、研究用図書事業に限らず、他の学校の管理運営予算等におきましても当初予算配当などという言い方で一般的に使用しておりまして、既に定着している用語でもございます。
しかし、委員のご指摘もございますので、より適切な表現を検討してみたいというふうに考えてございます
◆柴田薫心 委員 配当ということはもっとしつこくやろうと思ったけれども、今の山崎部長のご答弁でやめますが、札幌市予算規則というのがあるんですよ。この中も、みんな配当と配分なんです。
ところが、一般的に配当と聞くと、会社がもうかって株主に配当する、これが一般常識ですから。配り分けるという意味ぐらい、僕でもわかりますよ。けれども、教育機関で配当という言葉はどうも何かぴんとこないんですよ。教育用語から見ればですよ。ですから、例えば財政の中にも収入で配当、割当とありますよ。これは何の収入だと聞いたんですよ。そうしたら株式の配当だと言うんですよ。第三セクターとかいろいろなものがありますね。そこからの配当だから配当割りと書いていると。収入に載っていますよ。そういうふうに思うと、一般的にはどうしてもこっちに向くわけですよ。
ただ、今、教育関係では研究したいという答弁が出たからやめます。
その次に、これがスタートしたのが平成13年ですから、今の上田市長からではないのです。その前から始まっているんです。9,900円だったが、教科書の改定だとか滑った転んだがあって、それを回したんですよ。そういうようなことをやりくりするもんだから、初めからこれは疑義があったんです。ここにあるのは、札学労からマル秘で文書が出ているんです。たまたま手に入ったんです。ここで、札幌市が公にしていることと各方面からのうわさや業者等が言っていることを峻別し、翻弄されないことが大切だと組合員に言っているんですよ。注意しているんです。ですから、監査から指摘があったように、5,000円以下も全部帳面につけなさい、台帳にと。
もうやめますけれども、もっと質問していくと、異動があるんですよ、学校の先生というのは。個人に支給しているのに、備品台帳にのったら備品になるんです、この学校の。こっちに異動していった、そうしたらどうするの、この備品台帳は。整理する責任者は校長ですから、そんなもの、できっこないですよ。学校に校長は1人しかいないのだから、教職員はたくさんいる。さっき言った数です。
そんなようなことがありますから、これは大変なんです。ですから、こういうものは、学校の総管理費が削られているんだから、せめてそうであるならば、個人に配当するのではなくて、事務費の予算をふやしてやる。そうすると、子どもたちの勉学に、あるいは、先生がカラーでコピーしてやりたいと。そうすると、ぴちっとわかるから、赤、黒、白とかね。それを使ってやりたいといっても、インクがないからカラーコピーできないっていうんですよ。これは生の声ですから。
そういうことがありますから、この辺は本当に有効なのか、精査をして検討する必要がある、私はそう思うんですが、先ほどの答弁でよろしいですか。精査するというのは、配当だけを精査するという意味ですか。
◎山崎 調整担当部長 教職員の資質向上のための支援は今後とも必要であると認識していますけれども、財政状況も踏まえて、事業のあり方につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。
◆柴田薫心 委員 山崎部長、ご苦労さん。もうやめます。
僕は、今回の質問が最後なんです。できない。だから、この間もやったように、これからのためにぜひ頑張ってほしい、こういうことで激励しておきます。
次に、校長の採用試験についてであります。教育の政治的中立性の確保という観点からです。
学校の管理運営について権限と責任を有する校長については、教育に関する理念や識見を有し、地域の学校の状況、課題を的確に把握しながら、リーダーシップを発揮するとともに、職員の意欲を引き出し、関係機関等との連携、折衝を適切に行い、組織的、機動的な学校運営を行うことができる資質、能力を有するすぐれた人材を確保することが重要です。こう言っているんです。そのためにも、校長の採用選考については、とりわけ慎重の上にも慎重、公平・公正、そして中立性を確保しなければならない、そのように思っております。
本来、教育委員会は、市長を頂点とする市の行政の系列から独立して、教育行政を行うために設置されたものであります。こうした行政委員会の政治的中立性の確保は、教育委員会にとって命とも言う命題であります。このように考えてみますと、教育委員会の行う校長採用選考検査は、二重の意味で政治的中立性を求めるべきものであります。
そこで、質問に入りますが、校長採用選考検査については、公平・公正かつ中立性を確保するために、教育委員がみずから面接に当たるなどの取り組みをすべきと考えるところでありますが、札幌市教育委員会においてはどのように実施しているのか、また、その法的な根拠はどのようにしているのか、まず伺います。
◎北原 学校教育部長 校長の採用選考検査についてお答えをいたします。
校長の任命につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法第34条におきまして、教育長の推薦により、教育委員会が任命するとされております。また、その選考につきましては、教育公務員特例法第11条の規定により、教育長が行うものとされておりまして、教育長の命を受け、事務局の担当幹部職員、教育次長と学校教育部長、それから教職員人事担当課長の3名ですけれども、これが面接官としてその事務を行っているところであります。
面接内容は、札幌市教育推進の目標や学校教育の重点などを踏まえまして、人格、識見、指導力、管理能力、社会事象への関心、実践対応等、さまざまな観点から受験者の人物、資質能力を見きわめようとするものであります。
面接結果につきましては、教育長に報告され、その内容や論文検査等を総合的に勘案いたしまして教育長が選考を行い、これを人事案件として教育委員会会議に提案し、教育委員による議決により決定しているところでございます。
◆柴田薫心 委員 今の検査の方法とその法的な根拠についてはわかりました。
しかし、問題は、それが具体的にどのように運用、実施されているかということなんです。私の手元にも、ある教頭先生から訴えの手紙が来ておりますので、後ほど披露したいと思っていますが、今年度の校長採用選考面接で、子どもの権利条例について、賛成か反対かを問われましたと。このような政治的に判断の分かれる問題に関して賛否を問うような質問は許されない、僕はそう思うのであります。
聞くところによりますと、受験者全員がこうした質問を受けている、こういうことであります。僕はここに17年度、18年度の設問集を持っていますけれども、その中にはそういうものは一切書かれていない。1には、人格、識見、校長の採用になるためにですよ。2には指導力、3は管理能力があるか等なんです。公平・公正、中立な立場で見られるべきであり、議会でもさまざまな意見があり、しかも、まだ決まっていない条例案への賛否、これを選考の基準にする、これは許されないことなんですよ。
そこで、質問でありますけれども、子どもの権利条例に対する賛否を受験者全員に聞いたというのは事実かどうか、まず伺います。
また、もし事実とすれば、教員の中立性の確保、校長採用選考検査の公平・公正、中立性の確保という観点から、許すことのできない踏み絵のような質問ではないかと思われるのですが、いかがか。奥岡教育次長が質問していますから、あなたにお伺いいたします。
◎奥岡 教育次長 校長採用選考検査における質問内容についてお答えいたします。
委員ご指摘のような、子どもの権利条例に賛成か反対かという質問は決してしてございません。私が質問をさせていただいた趣旨というものは、現在、札幌市の学校教育の重点の中での今日的課題といたしまして、各学校の積極的な取り組みを求めております人間尊重の教育にかかわりまして、いじめ、虐待等の喫緊の課題を踏まえながら、子どもの人権に対する考え方と具体的な対応上の課題について子ども観、教育観を問うたものでございます。
なお、条例の検討過程におきましてはPTAや校長会、子どもたちにも意見を聞いておりまして、公平・公正、政治的中立性の確保という観点におきましても、この時点ではまだ制定されていない条例にかかわる質問が不適切であるとは考えていないところでございます。(発言する者あり)
◆柴田薫心 委員 ちょっと今の答弁は聞きづらかったんですけれども、賛否を問うていない、こういうふうに僕は理解していいですか。けれども、設問はしたんですね、再度確認しておきます。
◎奥岡 教育次長 子どもに関する質問はしてございます。(発言する者あり)
◆柴田薫心 委員 市長が提案している権利条例について設問したかと聞いているんですよ。
◎奥岡 教育次長 お答えいたします。
その時点では、権利条例の素案でございます。まだ議会に上程もされておりませんし、その中で、子どもの権利条例を制定といいますか、制定に向けて札幌市が取り組んでいるという中で、子どもの権利について質問はしてございます。
◆柴田薫心 委員 ちょっと今の僕の質問に対して、議会は、あなた、じゃ、いつから―それに対して勉強会をやったり、地方から有識者を呼んでいろんな議論をしているんですよ。それはどういうことかというと、聞かれた人はみんな教頭なんですよ。それも心理的に、今、議会で問われているのに、みんなびっくりしているんですから。反対すれば、試験に落とされる、そういう思いをした人がたくさんいるんですよ。
ある人からこんな文書が届きました。教頭ですよ。「子どもの権利条例は許すことができません」。試験を受けた教頭ですよ。「教頭、校長への昇任面接で、教育次長が、必ずどう思うか、賛成か反対か、踏み絵のように質問します。昇任とは関係ないじゃないですか。上田からマルをつけられているからといって、卑怯です。許せません。これからの子どもが大変なことになる条例は絶対につくったらだめです。自民党の議員の皆さんが頑張ってやめさせてください。条例の試験の質問をやめさせてください。今は札幌は大変です」と、こういう文書が入っているんですよ。試験を受けた教頭からですよ。それをですね、今のようなことであったら、これは話になんないです。
もう一回、僕から説明しますよ。この条例案は、市長が提案しようという子どもの権利条例なんですよ。市長は、3条例を上げているんですから、あなた、知らないと言ったら、もぐりですよ。次長の職になっていなくて、平になった方がいいですよ。はっきりしているんですから。こういうようなことのコメントを求める。これは、変な話、公平だとか、中立だと言ったって、話にならないじゃないですか。踏み絵ととったんですよ。だから、腹の中は別にしても、答えははっきりそのときに言わないで、ぐちゃぐちゃ言ったら、三角がついたり、バッテンがつくもんだから、普通、答えなきゃならないですよ。大変ですよ。教頭は校長になる目的の人ばっかりですから。だから、踏み絵だと。当たり前じゃないですか。賛成者は校長へ、反対者は見送りということになると思うんですよ。
新年度の中学の校長職は決定したかどうか、内示は終わったのかどうか、その点についてお伺いいたします。
◎北原 学校教育部長 来年度の校長就任の決定及びその内示の状況についてお答えをいたします。
まず、来年度当初の校長昇任につきましては、去る2月21日に開催されました教育委員会会議において決定されたところであります。また、これを受けて、翌日2月22日、さらにその翌日23日に、所属の学校長及び本人に対して内示を行ったところでございます。
◆柴田薫心 委員 これは、もう内示をしちゃった。先生は喜んでいる人とがっかりしている先生に分かれちゃっている。今それを覆すということは大変なことだと思うんですよ。そんなことをやっちゃっているんですから。これが実態なんですよ。ですから、先ほど三上委員が上田市長に質問したでしょう。教育委員会の西村部長が極めて遺憾と答えているのに、弁護士というのはちょろちょろごまかすのが上手だから、ごまかした答弁をしているわけですよ。そんなむくれたような市長がいてさ、そして、教育行政も、これは松平教育長はやりづらいだろうと思って見ているんですよ。
待って待って、あんたに質問しないから、きょうは。そう思うんですよ、僕はですよ。
ですから、終わったと。終わったんだったら、先ほど北原部長が教育次長、学校教育部長、人事担当課長に委任できると言ったことは法律で決まっていますから、それは結構だと思うんです。しかし、委任できるということと、委任すべきであるかということは、僕は別問題だと思うんですよ。
それはどういうことかというと、校長は、学校において最高の権限を持っている行政機関なんです、校長というのは。学校では1人しかいないですから。校長がかわれば、学校も変わると言われているのですよ。校長がかわれば学校も変わる。その昇進試験に、校長としての資質を判断するための面接に、教育委員も、教育長もかかわっていない。
僕は、そこで質問をいたします。
選考面接における質問内容がこのようなものであることを知った上で―丹羽教育委員長に質問するんですからね。教育委員は、校長の任用を決定していいと思うのかどうか。知らなかったとすれば、知らなかったか、知っていたか、このような質問が行われるということは、僕は校長採用選考は無効だと思うんです。無効ですよ。もう一回、改めて面接をやり直すべきだ、こう思っているんです。ですから、丹羽教育委員長の常識ある答弁を、教育委員長に求めているんです。丹羽さんと指名しているんです。これは教育委員会と行政が会議しての結論ですから、聞いているんです、責任者に。
◎丹羽 教育委員長 ちょっとのどを痛めているので、お聞きづらいかと思いますが、お許しください。
柴田委員の長い議員生活の最後の部分で私にご指名ということで、ある意味で重みを感じさせていただいております。きょう、いろいろなお話を聞かせていただいて本当にありがとうございました。
校長の採用についてのご質問にお答えしたいと思います。
まず、この質問の内容について知っていたかどうかということでありますが、この点については、通常のいろいろなほかの内容と同じように事務局の方から教育委員に対して事前に説明があり、承知しておりました。
次に、校長採用の選考が無効であり、やり直すべきかどうかというご指摘の部分でございますが、先ほど次長から答弁がありましたように、面接における質問の趣旨は、条例案に賛成するか否かではなくて、オープンとなっております札幌市の学校教育の重点の中で、特に周知のとおり、大変今日的な課題として、各学校の積極的な取り組みを求めている人間尊重の教育にかかわって、いじめ、それから虐待等の早急な問題を踏まえながら、子どもの人権に対する考え方、具体的な対応策の課題について、私も、長い間、PTAをやりながら感じているところもあるんですが、そういう部分からの子ども観とか教育観を問うたものであるのではないかというふうに私は感じました。
私といたしましては……(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 答弁を続けてください。
◎丹羽 教育委員長 失礼しました。
このたびの校長採用選考及びそれに基づく教育委員会会議における任用の決定については、個人ではなく、教育長を入れて6人という形で進めていくわけでございますが、私はその中では何ら問題がなかったというふうに思い、また無効であるとか、やり直すべきものというふうにはとらえておりません。
ただ、現在のような選考方法に問題があるかないかということをよく精査しますと、私も、小さな企業ですが、民間企業で人を採用するとき、それから、ひところ、学校の先生方の採用ということにも加わらせていただいたことがありますが、果たしてこういうものでよいだろうかと、今の立場とは別に、日ごろそういうことを思っている部分はありました。
そういう中で、私が思うには、今後は、やはり時代背景を視野に入れながら、ご存じのとおり、今、非常に地球社会という部分、そこの視点に立ちながら考えていかなければならない。それで、北海道や他都市、それから諸外国のそういう状況なども参考にしながら、引き続き改善に努めていきたいということで、私は頑張って何とか自分で原稿を書いたわけでございますけれども、舌足らずの部分がありますが、私の方からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。
◆柴田薫心 委員 変な話、大変気の毒ですけれども、やっぱり、あなたは責任者ですから、第一責任者なんです。そこで、次長が質問したこと、あるいは、北原部長が質問したこと、それから、人事担当課長が質問したこと、全部持っているんですよ、僕は。言わないだけです。けれども、次長の質問したことは、さっき権利云々という言葉でごまかしたけれども、子ども権利条例に関してどのようにお考えですかと聞いているんですよ。(発言する者あり)子どもまで入っているんですよ。それから、パブリックコメントはどの程度出ましたかだよ。もう一つ、先生からもありましたか。四つ目、あなたはパブリックコメントを出しましたか。あなたはですよ。今、受検している人ですよ。これだから、これで中立、公平、せめてそういうものが保たれているか。だから、今回昇任したのはいいとしても、昇任されなかった方、発言しちゃったんだから、されなかった方、これは断腸の思いだと思うんですよ。そのことでもしトータルの総合点数が低かったとした場合、これは政治絡みになっちゃうんですよ。だから、行政委員がいるんですよ。教育委員会があるんですよ、そのために。それが必要なんだから。
そういう大事なポジションを占めているならば、今のことばっかりで終わっちゃったら困るから、これから、もうしょうがない、終わっちゃったもの、校長になった人にやめろと言ったら、これはちょっと、おれは坊主だから、そんなことはできないから、だから、まとめとして……(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 柴田委員、質問を続けてください。
◆柴田薫心 委員 さっきから教育長が手を挙げているから、教育長に。
◎松平 教育長 法律上、私が校長選考の原案をつくって教育委員会会議にかけるという責任を負っているものでございます。その選考に当たって……(発言する者あり)まあ、聞いてください。その選考に当たって、現在、次長以下3名にその事務を任せているわけでございます。それで、先ほど来の子どもの権利に関する質問がなされたことについてのいろいろな評価がございます。(「評価とは違うぞ」と呼ぶ者あり)(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 答弁中ですので、静粛に。
◎松平 教育長 札幌市教育推進計画というものを平成16年7月に策定いたしました。この中で、学校における人権教育の充実ということで、子どもの権利を含め、幅広く人権にかかわる教育を推進するとともに、その指導内容と指導方法の工夫改善を図るなど人権教育の充実に向けた取り組みを推進しますということで、これは、フォーラムだとか、タウントークもやってパブリックコメントもやって、この議会の文教委員会にも報告をさせていただきながらつくったものであり、これは10年間の、いわゆる60プログラムを持って、憲法でございます、私ども教育委員会の。(発言する者あり)だから、そういう中で、例えば……(発言する者あり)
面接を行ったのは10月でございます。10月というのは、確かに、子どもの権利条例の素案があって、パブリックコメントをかけたり、いろんな市民の意見を幅広く聴取していた時期でございます。私も校長会と懇談会をやりました。そういうことも踏まえて、素案の一部が改定になった部分がございますが、まさにそれは校長会とのやりとりをきちんと、何といいますか、案の中に反映させようということの一つの結果としてなったわけでございます。そういう意味では、幅広くいろんな方の意見を聴取している時期に当たるわけです。(発言する者あり)
だから、そういうことを聞くことがまかりならぬということには決してならないんではないかと私は……(「条例に対して賛否を問うのは違う」と呼ぶ者あり)
まず、聞いてください。
それと、校長になるかどうかの判断というのは、子どもの権利に関する質問だけではなくて、もっと多くの要素があるわけです。だから、それをとりたてて、これだけが決め手のような議論は全く当たっておりません。(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 答弁中ですので、静粛にしてください。
◎松平 教育長 それははっきり言います。
そういうことで、別段、次長以下が、私はお任せしているわけですから、その3名が質問したことについて……(「その責任をとれ」と呼ぶ者あり)
必要であれば、きちんとその論拠を言ってください。それであれば、私は受けます。(発言する者あり)
◆柴田薫心 委員 ちょっと市長と似てきたように見えるんだけれども、興奮しちゃって、興奮する年はもう終わっている。もっと静かに議論したらいいと思うんです。
僕は、これは平行線だし、校長になった人がもう指名されているんだから、今その人を取りかえるとか取りかえない、こういうことにはもうならん。きょうの議論であったでしょう。どこだかの施設をつくるのは、変な話、名前挙げて、もうみんな知っています、3人とも。保育所ですよ。せっかくの札幌市民の財産を、3分の1減らして3分の2で売ってやらせている。それは、18年度の当初予算では出ていたけれども、中身は説明しない。そして、今回わかったけれども、4月からオープンするという保育所ですよ。そんなことばっかりやっているんです。これは与党と野党との違いかもわからんけれども、与党の人たちは知っていたんだけれども。いいんです、そんなことは。
だけれども、全部、それはそれ……(発言する者あり)それはそれ。
そういうようなことで、すべてが後手後手になっている。去年の10月23日に試験をやったことは知っていますよ。言われたんですから、去年の10月23日に試験をやったことを言わないでくださいと言われたんですよ、僕が質問するときに。だから言っていないですよ。あなたが挙げたから、10月23日と言っているんですよ。それほど腐っているのかと、こう言いたいですね。
ですから、もう終わる。まだまだ本当はいろんなことがあるよ。だけども、議会はとめられないんだ、みんな忙しいんだから。僕は暇だから何ぼでもやれるけれどもね。
だから……(発言する者あり)わかったから、わかったから。来年度、20年度もまた校長採用試験がありますね。このときは、ぜひ、今のような議会で議論されているような問題を―さっき言った3項目を分けているでしょう。17年度も、18年度も、全部、同じなんですよ、中身はそんなに変わっていないですよ、質問している中身は。そういうものに限って質問して、今、議会の中で問題になっている条例やなんか、そういうものを質問して踏み絵をつくらないでください。そういうことを要請して、やめます。終わり。
◆三浦英三 委員 私は、放課後子どもプランに伴う放課後の子どもの居場所としての学校施設の活用についてお尋ねしたいと思います。
実は、この直前の
子ども未来局の質疑の中で……(発言する者あり)
○宮村素子 委員長 静粛に、質問中ですので、静粛にお願いします。
◆三浦英三 委員 お話のある方は、どうぞ退席してお話ししてください。
実は、直前の
子ども未来局の質疑の中で、この放課後子どもプランについては何点かお聞きしました。教育委員会に対しては、まず、基本的な認識についてお尋ねしたいと思っております。
国で言う放課後子どもプランは、厚生労働省所管の
留守家庭児童を対象とした放課後児童健全育成事業、これは
子ども未来局の所管でありますが、従来からのこの事業と、文部科学省所管の新規事業であります放課後子ども教室推進事業、こちらは
留守家庭児童だけではなくて、すべての児童を対象としたものですけれども、この二つの事業を連携して推進していこうというものであります。このプランの特徴的なこととしましては、その事業展開は、小学校の余裕教室を初め、図工室、保健室などの特別教室、そして体育館など、基本的には既存の学校施設の活用により、放課後の安全で健やかな活動場所を確保しようということであります。加えて、その実施に当たっては、地域の方々や育成団体などにも参加してもらい、行政と学校、そして地域が協力して取り組んでいくべきこととしております。
国が、平成19年度から展開しようとしている放課後子どもプランは、これまで我が党が少子社会トータルプランの中で強く実現を主張してきたものであることから、さきの代表質問において、我が会派の小田議員が、来年度以降、札幌市では具体的にこのプランをどのように進めていくのか、このように質問をいたしました。それに対して、小澤副市長から、札幌市のこれまでの放課後児童対策の取り組みは、今回の国の示している考え方や方向性と同じものであると認識しており、今後も、児童会館や
ミニ児童会館を中心に放課後の居場所づくりを進めるとともに、その充実に努めてまいりたい旨の答弁があったところであります。
私どもも、札幌市がこれまで進めてきた施策、つまり児童会館や
ミニ児童会館をきめ細かく整備することにより、すべての児童の健全育成を図るとともに、あわせて児童クラブを開設し、
留守家庭児童への一定の配慮を行うという取り組みについては、ある意味で、国の今回のプランを先取りしているものと理解しているところであります。
しかし、国のこのプランが原則としてすべての小学校区での子どもの活動場所を求めているのに対して、札幌市においてもいわゆる空白校区が存在するわけでありますし、今後、その解消に向けて
ミニ児童会館を整備していくためには、児童会館や
ミニ児童会館を所管している
子ども未来局だけではなくて、学校施設を所管している教育委員会としても深くかかわっていくことが大事だ、このように思うわけであります。
そこで、質問です。
放課後の児童の居場所づくりを地域とともに学校施設を活用して進めようとするこのプランに対して、教育委員会としてどのように考え、受けとめておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎石原 生涯学習部長 放課後子どもプランに対する教育委員会としての考え方についてお答えを申し上げます。
ご質問にもございましたように、先日の小田議員の代表質問に、小澤副市長が答弁いたしておりますが、
子ども未来局で取り組みを進めております放課後の子どもの居場所としての児童会館及び
ミニ児童会館での事業展開が、今回、国の方で示しております放課後の子どもプランの考え方や方向性が同じものであるというふうに考えるということは、教育委員会としてもその認識は全く同じものとしてとらえております。
したがいまして、今後につきましても、これまでと同様に、児童会館や
ミニ児童会館を中心とした放課後の子どもの居場所づくりが円滑に進みますように、教育委員会といたしましても積極的にかかわりながら、両所管部局の役割分担などの協議を行うほか、学校や地域、各種団体との連携を図り、さまざまな活動や体験の場の提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆三浦英三 委員 今、部長の答弁を聞きまして、放課後子どもプランについて、教育委員会においても前向きにとらえているということで大変心強く思いました。
ミニ児童会館の整備に当たっては、学校に余裕教室があるというのが基本であります。しかし、
子ども未来局に今後の整備の見通しについて質問をすると、現状では空白校区のほとんどに余裕教室がないという状況であるとのことです。このことから、児童会館や
ミニ児童会館が既にある小学校区はいいが、未整備の小学校区はどうするんですかという問題があります。先ほど聞いたところによりますと、児童会館や
ミニ児童会館のない小学校区は、現在67カ所ということであります。もちろん、根本的な解決にはこれらすべての校区に
ミニ児童会館を整備しなければならないわけですが、それでは、一体いつになるか、見当もつかないのが実態であります。
このような中、すべての小学校区で放課後の居場所の確保を進めていくこととした場合、必要な
ミニ児童会館がすぐに全校に整備できないのであれば、本来の国のプランの趣旨にのっとり、当面は、余裕教室の有無を問わず、放課後の子どもの居場所として、学校内の各種教室や体育館、図書館など学校を積極的に活用していく必要があると私は考えております。
一方で、地域を回っていますと、先生方から、時間内の教育活動だけでも学校現場は精いっぱいです、なかなか放課後までは手が回らないし、大変であるという声もお聞きいたします。私は、教育委員会が学校施設の放課後の活用に積極的な姿勢を示していくことが、学校現場での不安や負担感を解消して、ひいては、
ミニ児童会館を初めとする子どもの居場所づくりの推進にもつながると考えるわけであります。
そこで、再質問をいたします。
この件に関して過去に
子ども未来局でかかわっておられた奥岡教育次長に、プラン推進への決意を伺いたいと思います。
◎奥岡 教育次長 学校施設の放課後の積極的な活用についてでございますけれども、今日、まさに都市化の進展とか少子化の進行でさまざまな課題が生じてございます。学校施設を、子どもたちに対する教育の場としてだけではなく、地域における身近な学習・文化交流の場として活用することは大変重要ではないかというふうに考えてございます。
教育委員会といたしましては、これまでにも、例えば、地域の教育力向上の観点から図書室を地域に開放する事業を展開してきておりますけれども、これなども子どもの居場所として一つの役割を果たしているのではというふうに思います。今後とも、これらの事業のより一層の充実を図ってまいりますとともに、放課後の子どもの居場所づくりがぜひ円滑に進むように、
子ども未来局との連携を今まで以上に強めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆三浦英三 委員 今、次長から答弁がありました。
本市の基本的な対応として、児童会館や
ミニ児童会館を中心とした放課後子どもプランを推進していくというふうに言っています。そうしますと、一方では、
ミニ児童会館等がある小学校区とない小学校区の格差が現状よりも一層拡大することにも通じているわけですね。そういう意味から、児童会館や
ミニ児童会館のない校区への配慮は不可欠である、このように思うわけであります。
このようなことからも、空白校区における学校施設を活用しての放課後の居場所づくりの確保について、今、決意もありましたけれども、教育委員会として、
子ども未来局や学校とも十分に協議をして積極的に進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。
◆小形香織 委員 私は、少人数学級について質問いたします。
最初に、2点、伺いたいと思っています。評価についてと懸念についてでございます。
欧米では、日本で言う少人数学級というのが標準になっています。アメリカやドイツでは25人学級、イギリスフランスで30人学級、それから、学力世界一だと言われているフィンランドでは大体15人から17人学級になっているわけです。日本でも、少人数の学級を求めるという運動が起きまして、国がなかなか動かない中で、2002年に山形県、長野県が独自に予算をつけて、順次、少人数学級を導入する、こういう動きを見せ始めました。こうしたことなどに拍車をかけて、次々と少人数学級を実現している自治体がふえて、札幌でもようやく2004年4月に小学校の1年生、翌年に2年生、そして、2006年4月から中学1年生が35人と、ようやく少人数学級の導入に一歩踏み出したという形になっております。
小学校1年生に35人学級が導入されて、間もなく3年がたとうとしていますが、この少人数学級の教育的な効果、評価について、これまでも効果的であると評価しているとご答弁なさっておりますけれども、どのような効果があったのか、評価の具体的な内容についてまず伺いたいと思います。
それから、2点目でございます。
現在はそういう形ですから、逆に、小学校3年生から6年生、中学2年生から3年生は40人学級のままです。中学1年生の場合、せっかく35人学級で入っても、2年生に上がれば40人学級と。これでは、例えば、中学1年生のとき18人だというクラスを想定すると、18人学級だったクラスが2年生上がったときには一気に40人になるというケースも生じるわけです。子どもから大人に揺れ動くちょうど思春期に当たるときに先生の目が行き届かなくなるということは、これまで1年生のときに35人学級で一生懸命やってきた教育効果が薄れて、子どもたちや教職員に負担がかかる、マイナスになるのではないかと懸念するのですけれども、その点、どうお考えになっているか、お伺いいたします。
◎北原 学校教育部長 少人数学級に関する質問に私の方からお答えいたします。
まず、1点目の少人数学級導入の効果についてであります。
小学校につきましては、平成16年度末、平成17年度末に、少人数学級になって従来と比較してどのような変化が見られたか、生活面、学習面のそれぞれについて少人数学級実施校に対するアンケート方式による調査を行っております。17年度末の調査では、生活面に関して、他人の目が行き届き、声かけ指導がふえたことなどにより、集団としてのまとまりがよくなった、あるいは、児童間の人間関係が密になったといった回答が最も多くなっておりました。また、学習面に関しましては、一人一人に目が行き届き、声かけができたこと、つまずきにもより早く対応できたことなどにより、計算力、識字力、表現力等の基礎学力を定着させることができたという回答が最も多くなっておりまして、そうした面で効果があったものと評価しているところでございます。
次に、今年度から導入いたしました中学校についてでございますが、現在までのところ、少人数学級実施校から、生活面においては進んで友達や教師とかかわり関係を深めようとする姿勢など、また、学習面においては、意欲的に学習に取り組む姿勢などの好ましい傾向が見てとれるとの声を聞いております。そうした効果があるものと想定されておりますけれども、今後、詳細につきまして調査してまいりたいというふうに思っております。
ご質問の2点目の小学校第3学年及び中学校第2学年において、それまでの35人学級から40人学級になることのマイナス面についてであります。
今のところ、少人数学級実施校において、その後、学級規模が拡大したことによって問題が生じているという報告は受けておりませんが、今年度末に予定しております少人数学級の実施状況の調査に、委員ご指摘の観点も含めることを検討してまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 先ほど私がご紹介しました山形県では、少人数学級を導入した後に、それを検証するために、その効果とか、あるいは市民の評価についてとても細かく調べております。山形大学の教育学部の先生方が幾つかのテーマに分かれて研究報告をしていますけれども、例えば、個々の学習状況が把握しやすくなった、より励ましたりほめたりできるようになったという研究報告や、あるいは、把握しなければならない子どもの人数が少なくなったことで生まれた余裕やゆとりが、子どもに寄り添ったり、丁寧に話を聞いたりするなどのかかわりにおいてそのプラス面が促進される、こういうふうに報告されています。そしてまた、不登校も減って、学力も上がっているということも検証結果の中で報告されています。
では、長野県はどうだったかということですが、2004年に県政全般について意見を聞くアンケートがありまして、そして、30人規模学級についての取り組みはどうだったかという設問に対して、答えた市民の8割がよいと評価しているということなんですね。そして、おとなしくて積極的に物を言わない子の声を丁寧に聞けたり、問題を抱えた子どもに親身になって対応したり、きめ細かく見ていけるようになりましたという現場の声が挙がっています。長野県の場合は、小学校は少人数ですが、中学校は40人学級のままです。その違いが顕著にあらわれたのが不登校の児童数です。小学校は少人数学級を導入した後の4年間で減少傾向であるのに対して、中学校ではふえ続けていることなどが出されております。
さきに行われました文科省の定義によらない札幌市の独自のいじめ実態調査について報告書がまとめられておりますけれども、この中で考察というのがのせられております。そこでも、いつでも、だれでも気軽に相談できる体制の整備拡充を図ることが重要である、あるいは、教師ができるだけ子どもと一緒に過ごすなど、学校生活全体を通して一人一人の子どもが集団の中でどのように過ごしているかを観察したりなど、きめ細かな対応が必要である、こういうふうに考察結果が出されているのです。先ほどもご答弁の中で出されていたように、基礎学力をつけることができるようになったとか、集団でのまとまりがよくなったということが出されているわけで、喫緊の課題であるいじめの問題、あるいは不登校も深く絡んでくる問題ですが、こうした問題解決にも、あるいは学力を向上させることにも、少人数学級をさらに拡大していくことが大変有効なものだと考えておりますけれども、今後どのように少人数学級の拡大を進めていくお考えか、これについて伺いたいと思います。
◎北原 学校教育部長 ご質問の少人数学級の拡大に関する札幌市としての姿勢について、私の方からお答えいたします。
札幌市といたしましては、少人数学級の導入について、従前より北海道教育委員会に対して要望してきておりまして、今後の継続拡大等につきましては、さきに申し上げました少人数学級の実施状況に関する調査の結果から、その成果と課題、それから、小形委員の方からご指摘いただいた部分もあわせて調査検討をさせていただきながら、その成果と課題を見きわめ、北海道教育委員会に対して要望してまいりたいと考えているところでございます。
◆小形香織 委員 成果をいろいろ見きわめて道や国に要望していく、こういうことなんですけれども、それはそれで結構ですが、私は、いつ道がやってくれるのかと待っているだけではやはり展望は持てないというふうに思うんですね。山形県は、県レベルですけれども、独自に自分たち自治体の予算を使ってやるということです。これは、都道府県だけではなくて、市町村でも実施している自治体があるわけです。ですから、札幌市も単独ででも実施するんだという強い決意が必要だ、こういうふうに思うんですね。
例えば、OECD加盟国の中で、2003年に国際学習到達度調査を義務教育修了段階にある子どもたちに対して行っていまして、これでフィンランドが世界一になっているわけです。読解力でも科学的リテラシーなどでも非常に高い。なぜここの国が世界一なのか。それについていろいろ研究している方がいらっしゃいますけれども、まずは、国を挙げてのさまざまな取り組みが有効的に作用したのだろうというふうに思いますが、この国が基本的に考えているのは、人こそがフィンランドの国の資源なのだという考え方で、それが根本にある。これは、北海道教育大学の庄井先生がフィンランドに実際に行っておられた経験も踏まえて講演でおっしゃっていたことなんですね。
今の中学生が10年たてば、大人になるわけです。競争に勝つというためではなくて、自分の人生を生き抜いていくための基礎的な学力、それから、いじめとか暴力とか、そういうことはしてはならないという社会ルールや人権感覚を身につけた大人にしていくこと、あるいは自由で、そして闊達で自立した人間を育てていくための教育、こういうものを札幌市が積極的に行う姿勢を見せること、すなわち少人数学級を一刻も早く実現することが必要だということを強く求めまして、質問を終わります。
◆飯坂宗子 委員 私は、学力テストについて質問いたします。
本年4月24日に、全国一斉の学力テストが予定されております。小学校6年生、中学校3年生、全国で約240万人を対象に、教科は国語と算数・数学、そのほかに、学習意欲、学習方法、学習環境等の質問も実施すると伺っております。
そこで、懸念される課題にも触れながら、数点、お尋ねします。
1点目は、全国一斉学力テストに参加するかしないかの決定権は、市区町村の教育委員会にあると思いますがいかがか、伺います。
2点目は、質問の解答用紙に児童生徒の学校名、学級名、出席番号、個人名も記入することになるのか、明らかにしていただきたいと思います。
3点目は、学力テストの採点、集計及び児童生徒の質問肢の集計はどこが行うのか、また基本データ、個人情報はどこが保管することになるのか、伺います。
◎西村 指導担当部長 初めに、本調査の参加の決定についてでございます。
本調査につきましては、文部科学省が実施主体となっておりまして、参加については、学校の設置管理者である市町村教育委員会が主体となって判断することとなっております。
次に、解答用紙への記載事項についてでございますが、平成19年1月に文部科学省から出された本調査の実施マニュアルによりますと、解答用紙には、学校名、組、出席番号、名前等を記入することになっております。
3点目の調査結果の採点、集計及び学習意識調査の集計についてでございます。
今回の調査の実施に当たりまして、採点や集計などは、文部科学省が民間機関に委託して実施することといたしておりまして、小学校については、株式会社ベネッセコーポレーション、中学校については、株式会社NTTデータに委託しております。また、学力調査及び学習意識調査の回答は、小学校に関しましてはベネッセ、中学校に関しましてはNTTデータにおいて集めまして、採点等の業務が終了後、個人情報等については破棄される契約であるというふうに聞いております。
◆飯坂宗子 委員 ただいま部長からご答弁がありましたけれども、全国の一斉学力テストに参加するか否かは自治体が判断できるわけですね。愛知県の犬山市では、今回の一斉学力テストには不参加を決定しています。そこの教育長は、はかる学力がテストの得点力でしかなく、犬山の目指すみずから学ぶ力ではない、点数の集計は避けられず、自治体や学校が序列化される。さらに、全国一律の調査は地方分権の流れに逆行しているとマスコミに答えたと伺っております。
本市が参加しなくても何ら問題はないと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、学校名を記入することは学校の序列化、また、個人名を記入することは個人の序列化につながり、しかも、個人情報保護の観点からも、管理上からも、問題が生じると考えますが、いかがか。
しかも、ただいまご答弁がありましたように、集計等は民間機関にさせるということですね。民間機関に集計させるということは重大な問題をはらんでいると指摘せざるを得ませんが、この点、いかがお考えか、お尋ねいたします。
◎西村 指導担当部長 初めに、本調査を実施する理由についてでございます。
本調査は、各教育委員会、学校等が、みずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図ることを目的といたしており、本市といたしましても、施策の充実や学習指導の改善を図る上で意義あるものと考えて参加することとしたものでございます。
次に、個人名等の記入についてでございますが、今回の調査におきましては、調査対象の児童生徒一人一人に対して結果を返却すること、それから、各教科の結果と学習意識調査の結果を符合させ、集計や分析を行うことになっておりますことから、氏名等の記入の必要がございます。また、調査結果の公表に当たりましては、実施要領において序列化につながらない取り組みを求めておりまして、さらに、個人情報の保護に関しましては最大限配慮しているところでございます。
続いて、採点や集計を民間業者に委託することについてでございますけれども、国におきまして、教育委員会や学校等の負担の軽減、迅速かつ客観的な採点の実施などの観点から、採点、集計等について民間業者に委託しているところであります。この民間業者に対しましては、個人情報保護法の定めによる安全確保措置等を講じているところでございます。
◆飯坂宗子 委員 文科省が実施すると言っても、学校設置者である地方自治体を無視しては強行できないということです。国は、学力テスト実施関連で、新年度、約66億円の予算を計上しているわけです。そのうち49億円、3分の2以上が、先ほどご答弁のありましたベネッセとNTTデータの二つの民間機関への委託費です。
実は、ベネッセコーポレーションというのは、進研ゼミをやっている企業です。一大受験産業で、小学生から高校生までを対象に、相当な規模で全国展開をしております。また、NTTデータは、採点を株式会社教育測定研究所に再委託すると聞いております。ここは、旺文社のグループの一員と聞いております。いずれにしても、進研ゼミと旺文社という受験産業に学力テスト及び学習環境等の個人情報が集中的に握られることになると思うのですが、いかがか。
昨年11月から12月にかけて予備調査が実施されております。札幌市は該当校がなかったようですが、全国的には小・中合わせて188校が対象になっております。そのときの、教科ではなくて、学習環境などの生徒質問肢というのがあるのですが、これを見ましたら、例えばこういう設問があるんです。1週間に何日、学習塾に通っていますか、学習塾では主にどんな内容の勉強をしていますか、あなたは今までおけいこごとに通っていたことがありますか、こういった質問が続くのですね。こういう情報というのは受験産業が欲しくてたまらない情報で、しかも個人名が入っているわけです。これが手に入ることになるんじゃないですか。
学力テストにかかわる個人情報の保護について、本市は責任を負えるのですか、個人名を記入させないことを市教委として判断すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎西村 指導担当部長 民間業者委託に関してですが、この委託に関しましては、公平で透明な選定を行うという観点から、広く公募を行い、外部の専門家による審査委員会も設定して厳正な審査を行ったというふうに聞いております。
まず、民間業者に委託した際の個人情報の保護についてでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、国におきましては、民間業者に対して、個人情報保護法の定めるいわゆる安全確保措置等を講じておりまして、個人情報の保護に関しては最大限の配慮がなされているものと考えております。
また、この民間業者が個人情報を使用することに対する懸念でございますけれども、これら個人情報は、業務終了後速やかに破棄し、調査したものを営業や利益活動に使用しないということが契約条件になっておりまして、万全の体制がとられているものというふうに考えております。
◆飯坂宗子 委員 学力テストは、かつて1961年にも全国一斉に行われていた時期があります。成績の悪い子を休ませる、先生が子どもに答えを教えるなど、現場でいろいろ問題が生じまして、当時はわずか4年で中止されました。今また新年度から全国一斉の学力テストがなされようとしているわけですけれども、点数で学校の序列化がされ、学校現場で正答率を上げるためにゆがんだ教育が広がること、このことに対して大変懸念の声が出されております。
文科省の実施要領を見ますと、学力テストの調査結果の取り扱いに関する配慮事項についてというふうに述べているところがあります。一つは、都道府県教育委員会は個々の市町村名、学校名を明らかにした公表は行わないこと、都道府県は学校名や市町村名を明らかにした公表はしない、こういうふうに書いているのですね。もう一つは、市町村の教育委員会が公立学校全体の結果を公表することについては、それぞれの判断にゆだねられる、ただし、本調査により測定できる学力は特定の一部分であることなどから、序列化につながらない取り組みが必要と、注意事項として述べているわけです。
そこで、最後に教育長にお尋ねしますが、本市には、小学校がざっと200校、中学校が100校あります。学校の序列化や過度な競争等につながるようなことは避けるべきだと考えますけれども、本市の対応について伺います。
◎西村 指導担当部長 先ほどの答弁で一つお答えしていない部分がございました。申しわけございません。
先ほどのご質問の中で、個人情報を記入させないよう市教委が判断すべきではないかというご質問がございました。このことについてでございます。
この点につきましても、先ほど申し上げたことでございますが、個人名等につきましては、各児童生徒に対して調査結果を提供することとなっておりまして、また、各教科の結果と学習意識調査の結果を符合させるために氏名等の記入が必要ということでございます。こうしたことから、本市といたしましては、本調査につきましては文部科学省の実施要領にのっとって調査してまいりたいというふうに考えているところでございます。
大変失礼いたしました。
◎松平 教育長 委員から、今回実施される全国学力・学習状況調査が序列化につながらないよう配慮すべきではないかというご質問かと思います。
今回の学力・学習状況調査というのは、国や各教育委員会、学校等が児童生徒の学力・学習状況を的確に把握、分析することによりまして、みずからの教育及び教育施策等の成果と課題を検証し、その改善を図ることが今回実施される目的でございます。こうした目的を達成するために、札幌市といたしましては、文部科学省も実施要領の中に序列化につながらないようとうたっているところでございますので、序列化につながらないよう各学校と協力しながら万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
◆飯坂宗子 委員 教育長から、万全を期すというご答弁がありました。子どもたちは本当に札幌の未来を担うわけです。成長する力というのは、本来、子ども自身が持っておりますし、それに必要な基礎学力ということでは、やっぱり、どの子もわかる喜びが保障されるために学校教育があるのだろうと思っております。そして、そのためにこそ、教育委員会の行政があるのだろうというふうに私は思っております。
ですから、そういう立場をゆがめることのないように強調いたしまして、質問を終わります。
○宮村素子 委員長 以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。
最後に、第2款 総務費 第1項 一般管理費中教育委員会関係分、第9款 教育費 第9項 生涯学習費及び議案第28号 札幌市民会館条例を廃止する条例案について、一括して質疑を行います。
◆桑原透 委員 私から、札幌市の資料館についてお伺いいたします。
昨年11月3日にリニューアルオープンした資料館は、国の登録有形文化財である歴史的な建造物に親しみながら歴史や文化が学べるとともに、復元された札幌控訴院時代の刑事法廷などを生かした法や司法を学べるユニークな社会教育施設であります。
私も、リニューアル後、その資料館を見学しましたが、控訴院時代の雰囲気を感じさせる復元法廷はもちろんのこと、裁判員制度の体験シミュレーターを備えた法と司法の展示室など、子どもから大人まで法と暮らしのかかわりを身近に感じ取ることができる施設であるというふうに考えております。
また、2009年5月までに始まる予定の裁判員制度に関する国の世論調査では、裁判員を務めたくない人が8割近くに達しているのであります。裁判員を務める場合の不安として、責任を重く感じる、冷静に判断する自信がない、裁判の仕組みがわからないなどを挙げる方が多かったそうです。私は、こういう不安を解消するためにも、できるだけ多くの市民の方に資料館に来ていただき、先ほど申し上げた復元法廷や展示室を見学するとともに、シミュレーターを体験したり、模擬裁判であるとか法律講座に参加していただく必要があるというふうに考えます。
そこで、質問ですが、リニューアルオープンからまだ4カ月弱と日も浅いわけですが、資料館を活用した法、司法関係のソフト事業として、これまでどのようなものを行い、今後どのようなものを予定しているのか、お伺いいたします。
また、実際に資料館を利用された方の評価はどうか、あわせてお伺いいたします。
◎石原 生涯学習部長 まず、1点目の資料館を活用した法や司法に関する事業のこれまで行ってきたものと今後の予定についてでございます。
今回のリニューアルの柱といたしまして、控訴院時代の刑事法廷を復元いたしました展示室を設置したわけでございますけれども、ここは、単に保存、公開することだけではなしに、模擬裁判の舞台として活用することなども前提に整備をいたしました。昨年11月3日、全館リニューアルオープンの記念に合わせまして、模擬裁判や歴史資料の特別展示などを行いましたが、その後も、札幌地方検察庁を初め、札幌弁護士会、札幌地方裁判所などの法曹関係機関の全面的なご協力をいただきながら定期的に模擬裁判を開催しており、また、小学生の社会見学や高校生が行っておりますインターンシップの会場としても利用いただいております。
今後も、指定管理者と連携しながら施設のPR等に努め、模擬裁判のほか、親子法律講座といったような市民が気軽に参加できる事業内容を工夫いたしまして、2009年スタートが予定されております裁判員制度を初め、法や司法に対する理解を深めてもらえるよう、資料館の施設を有効に活用した取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
2点目のリニューアル後の利用者の評価についてでございます。
委員のご質問にございましたけれども、まだ4カ月ということでございますので、統計的な資料整理はしてございませんが、来館者の声として寄せられたものを見ますと、おおむね良好な評価をいただいているものというふうに思っております。特に、刑事法定の展示室につきましては、法廷の雰囲気がわかった、あるいは、昔の法廷が非常に興味深かったといったような感想をいただいておりますけれども、新しい資料館につきましては気軽に法廷を見られることなどがその特徴でもございますので、より多くの方々にご来館をいただきまして、法廷、裁判といったものを身近に感じられるようになっていただければというふうに願っております。
◆桑原透 委員 今、資料館はいろんなソフト事業をされているんだなと。評価については、まだ4カ月だけれども、声は良好だ、いろいろ評判もいいというふうに答弁がありました。
実際に裁判員を務めることになる大人だけでなく、未来の大人である子どもたちに対しても成長に応じた法教育を実施していくことは、私は大変重要だというふうに思います。そういった観点からも、資料館のような歴史的建造物は、学校での社会見学や総合的な学習の時間などの場にふさわしいというふうに思います。生涯学習部だけではなく、学校教育部とも連携を図り、ぜひ積極的な活用を図っていただきたいと思っています。
次に、資料館の魅力を高める取り組みについてお伺いいたします。
先ほど来申し上げているように、資料館は、歴史や文化、法や司法を学ぶ場であるとともに、市民はもちろんのこと、観光客の憩いの場でもあります。札幌の顔である大通公園に位置する資料館には、年間約十数万人の来館者がいるというふうに聞いておりますが、サービスの向上に努め、来館者を温かく迎えることは、一施設のリピーターをふやすだけではなく、札幌のまちの魅力そのものを高めることにつながるというふうに私は考えます。
そこで、質問ですが、リニューアルを契機に資料館には指定管理者制度が導入されたところであります。すべての公の施設で指定管理者による管理が適当だとは思っておりませんけれども、指定管理者制度は効率的な運営とともにサービスアップを期待して導入されるものと考えています。具体的にサービスの向上に向けてどのような取り組みをしているのか、お伺いいたします
◎石原 生涯学習部長 サービス向上に向けた取り組みでございます。
資料館につきましては、昨年8月から、NTT北海道グループ共同事業体が指定管理者として管理運営を開始しておりますが、指定管理者の提案や工夫によりましてサービス向上に向けた独自の取り組みが実施されてきております。具体的に申しますと、ミニギャラリーなどの貸し室の受け付けでございますけれども、これまで月曜から金曜までの平日にしか行っておりませんでしたが、年末年始を除きまして毎日行うこととしたこと、あわせて、電話やファクスなどの仮予約なども行えるように改善されております。
また、昨年9月には、指定管理者の提案の一つの目玉にもなってございましたけれども、札幌市資料館友の会というボランティア組織が立ち上げられまして、11月3日の全館リニューアルオープンの当日から、ボランティアの方々が展示内容の説明や館内の案内など、来館者対応に当たっていただいておりまして、現在、40数名の方が登録して日々活動をいただいてございます。さらに、利用者から寄せられました意見を運営管理に反映させるよう、サービス向上委員会という組織をつくってございます。この委員会には、先ほどの資料館友の会のメンバーも加わっていただきまして、指定管理者とボランティアが一体となって利用者の目線に立った施設の運営管理を目指しております。このような運営管理面での取り組みに加えまして、資料館の立地や雰囲気を生かした新たな事業といたしまして、毎月、ジャズコンサートが開催されてございます。この事業は、多くの市民にジャズの調べを楽しんでいただくこととあわせまして、この機会に資料館に親しみを持ってもらいたいという趣旨から実施されているものでございます。
このように、指定管理者制度が導入されたことによりまして、民間企業のノウハウやネットワークが生かされ、また、より柔軟な施設運営が可能になったことで、資料館の魅力が一層増していくものと期待しているところでございます。
◆桑原透 委員 今、指定管理者におけるさまざまな取り組みについて答弁がございました。
指定管理者制度の導入の目的の一つは民間の能力を活用しつつサービスの向上を図ることでありますが、ボランティア組織との連携による市民参加型の施設運営ということは大変ユニークだというふうに思います。ぜひ、こうした取り組みを成功させていただきたいと考えるところでございます。
最後に、要望でありますが、私は実際に資料館に行って感じたことですが、実は、段差とか階段があって、高齢者や体の不自由な方にとって不便の多いところであります。これは、指定管理者というよりは、施設の設置者である札幌市が対応しなければならない問題だと思っています。これは、国の登録有形文化財という建物の性格上、いろいろな制約があることは私にも理解できますし、エレベータの設置を含めたバリアフリー工事となると相当の経費もかかるというふうに思います。
しかし、せっかくリニューアルをして展示もサービスも向上したところであります。ぜひ、今後の検討課題として取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。
◆芦原進 委員 1期4年、私の最後の委員会での質問に立たせていただきます。本当に栄誉であると思って、感謝をいたしております。来期もすぐこの場で質問できるように希望を持ちながら、地域の図書館におけるサービスについて質問をいたしたいと思います。
「良書は心の栄養であり、心豊かな優しい子どもを育む」、いい言葉でございます。これは、我が公明党の浜四津敏子代表代行が読書運動に関して言った言葉でございますが、我が公明党は、良書に親しめる機会を拡大するために、2001年1月に、女性委員会に子ども読書運動プロジェクトチームを設置いたしました。読み聞かせ運動、学校での朝10分間読書運動、ブックスタート事業を全国的に展開してまいりました。
朝の読書運動は、1988年、千葉県の私立の女子高校で実践されて以来、10年後には500校に達し、2002年には1万校を超え、さらに、朝の読書運動推進協議会が行った全国の国公私立学校へのアンケート調査結果によりますと、2006年4月のデータでは、小学校1万3,897校、実施率が61%、中学校では6,259校、59%、高校では1,486校、29%、全体では2万1,642校、全体で実施率が56%と半数を超えました。そして、読書運動を通じていじめが減った、また、子どもたちに落ちつきが出てきたなどの声も寄せられております。
我が党が先導役になって推進しました子ども読書推進法が2001年12月に成立し、さらに、2005年7月に文字・活字文化振興法が成立しました。今まさに読書の重要性が指摘されているさなか、札幌市の子どもたちや大人が利用する読書の拠点となる図書施設の需要はますます大きく求められております。
本市の図書館サービスは、38カ所のコンピュータネットワーク網を整備し、本市の蔵書230万冊の貸し出し、予約、返却サービスの実施、さらに、昨年4月から実施した開館日、開館時間の拡大、また、貸し出し上限冊数の増加、そして、昨年8月の中央図書館大通カウンターの開設など、サービスの向上を図ってまいりました。これからも、なお一層の魅力ある図書館サービスの展開を期待するところであります。特に、地域の中で最も身近な図書施設である区民センター、また地区センター図書室の果たすべき役割は重要であると考えます。
そこで、2点、質問させていただきます。
区民センター、地区センターの図書室の蔵書の状況や利用実態はどのようになっているのか。
2点目は、地域における図書館サービス網の整備に対する基本的な考え方についてお伺いをいたします。
◎山本 中央図書館長 1点目の区民センター、地区センター図書室の蔵書の状況と利用実態についてであります。
まず、蔵書数につきましては、図書室1カ所当たり約3万冊、27カ所の図書室合計では約80万8,000冊で、全市図書施設の約36%を占めております。また、その蔵書の内容でありますけれども、日常生活や地域活動に役立つ図書の配置にも配慮いたしまして、一般書が7割、児童書が約3割の構成となっております。
次に、利用の実態についてでありますが、利用登録者数を見ますと、全市図書施設の約4分の1の26%となっておりますけれども、貸し出し冊数は約2分の1の45%を占めております。また、児童の登録者の割合は、中央図書館、地区図書館では約13%であるのに対しまして、区民センター、地区センター図書室では約22%を占めるなど、児童の利用が多い状況になっております。
2点目の図書館サービス網の整備についてでありますが、その拡充に当たっては、人口や住宅等の推移を見ながら、施設、通信、物流の内容などを検討いたしまして整備を進めることとしておりまして、地域におけるサービス網につきましては、地区センターの設置にあわせて図書室の整備を進めてきたところであります。
◆芦原進 委員 今の答弁を伺っていますと、やっぱり、非常に地域に密着しているということがうかがえます。区民センター、地区センターの図書室は、子どもの活字離れや読書離れが指摘されている昨今、子どもたちの読書活動の大切な推進役となって、地域の最も身近な図書館施設としての重要な役割を担い、果たさなければならないと私は思っております。
地域の若いお母さんからこんな声が寄せられました。区民センターの図書館に子どもを連れて利用することが多いが、私が子どものころ、母に連れられていったころと余り変わらない本がたくさんありますと。これは、最も極端な声だとは思います。
しかし、我が党は調査なくして発言なしというのがモットーでございますので、私も区民センターの図書室に行ってまいりました。そして、書棚に並んでいる本をしっかり見てまいりましたが、やはり古い本が多いな、また、児童書もやっぱり古いな、また、新刊も非常に少ないような気がしました。もう少し何とかならないものかと心配になったのも事実でございます。
そこで、2点、再質問したいと思います。
まず、1点目ですが、より魅力ある図書室に向けて、児童が目を輝かせるような蔵書構成を今後どのように行っていくのかであります。
また、既存の魅力ある取り組みも大切でありますが、図書サービス網の整備も望まれております。親子連れで利用する地域の図書施設には、図書館、図書室のほかに学校図書館や児童会館などがあり、さらに図書室のあるコミュニティ施設もあります。しかし、これらは収納スペースにも限りがあり、図書サービスの利用を求める要望も多く聞かれます。図書館は教育委員会が所管ですが、コミュニティ施設は市民まちづくり局の所管など、他の局が多岐に関係している施設もあります。その一つとして北区の篠路コミュニティセンターなどがあり、豊平区にもあるようでございますが、これらコミュニティ施設の図書室を優先的に図書館サービス網に組み入れることが効果的と考えます。
そこで、2点目でございますが、コミュニティ施設の図書室における図書館サービス網のオンライン化整備についてどのように考えているか、お尋ねいたします。
◎山本 中央図書館長 1点目の児童向けの蔵書の状況についてでありますが、古典的名作や長く読み継がれているもの、図鑑など、一般的なもののほか、親子でともに楽しめる絵本や紙芝居などで構成しております。したがいまして、古典的名作などは古くても常備していくべきものというふうに考えております。
また、児童書の購入の状況についてでありますが、各図書室におきましては、毎年400冊程度の児童向けの新しい本を購入しております。このほか、今年度から読み聞かせ事業の充実を図るなど、子ども読書活動推進の拠点として取り組んでおりまして、これからも魅力ある図書室に向けた工夫に努めてまいりたいと考えております。
2点目のコミュニティ施設の図書室についてでありますが、これを図書館サービス網に組み入れることは、長い間にそれぞれの施設で定着している利用形態に変化が生ずることも考えられます。
しかし、ご質問の趣旨も踏まえ、今後、多様化・高度化する市民ニーズへの対応や子どもの読書活動の推進などを考慮しながら検討してまいりたいと考えております。
◆芦原進 委員 読み聞かせ事業等も始めたということで、非常にいい試みではないかと私は思います。本市の財政状況は非常に厳しいということは私もよくわかっておりますが、やっぱり、厳しいだけではなくて、利用者サイドに立った効率的な図書サービスが求められていると私は思います。そうした観点からも、既に図書室が設置されている施設を図書館サービス網として整備することは、さらに図書館サービスの充実の効果的な方策と考えております。
そこで、ぜひ実現に向けて努力されることを要望いたしまして、質問を終わります。
○宮村素子 委員長 以上で、第1項 一般管理費中教育委員会関係分等の質疑を終了いたします。
以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に関する質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月5日午後1時から付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後6時34分...