札幌市議会 > 2007-02-23 >
平成19年第二部予算特別委員会−02月23日-02号
平成19年第一部予算特別委員会−02月23日-02号

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  1. 札幌市議会 2007-02-23
    平成19年第二部予算特別委員会−02月23日-02号


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    平成19年第二部予算特別委員会−02月23日-02号平成19年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第2号)               平成19年(2007年)2月23日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)     委 員 長  大 嶋   薫       副委員長   村 松 正 海     委   員  村 山 秀 哉       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  高 橋 忠 明       委   員  武 市 憲 一     委   員  原 口 伸 一       委   員  上瀬戸 正 則     委   員  馬 場 泰 年       委   員  勝 木 勇 人     委   員  近 藤 和 雄       委   員  五十嵐 徳 美     委   員  細 川 正 人       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  川口谷   正       委   員  西 村 茂 樹     委   員  大 西 利 夫       委   員  小 野 正 美     委   員  恩 村 一 郎       委   員  三 宅 由 美     委   員  藤 川 雅 司       委   員  小 田 信 孝     委   員  義 卜 雄 一       委   員  本 郷 俊 史     委   員  青 山 浪 子       委   員  谷 沢 俊 一     委   員  阿知良 寛 美       委   員  小 川 勝 美
        委   員  井 上 ひさ子       委   員  熊 谷 憲 一     委   員  伊 藤 理智子       委   員  坂   ひろみ     委   員  松 浦   忠       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時1分 ○大嶋薫 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、柴田委員からは村山委員と、長内委員からは五十嵐委員と、柿崎委員からは小田委員と、それぞれ交代する旨、届け出がございました。  議事に先立ちまして、審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので、ご報告いたします。  質疑者及び答弁者は、起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は、冒頭に職、氏名を名乗ってから発言をしていただきます。答弁が続行する場合は、最初だけで結構です。また、効率的な審査を行うため、質疑及び答弁は簡潔を旨とし、内容の重複等は極力避けながら、定められた審査日程を予定どおり消化できるようよろしくご協力をお願いいたします。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 平成19年度札幌市一般会計予算中関係分ほか付託議案22件を一括議題といたします。  最初に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費及び議案第24号 札幌市障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆近藤和雄 委員  私から、地下鉄駅のエレベーター車いす対応トイレの全駅設置ということで質問させていただきます。  札幌市内には、全部で49の地下鉄駅がございます。そのうち、エレベーターが設置されているのは43駅であります。また、エレベーター設置にあわせて、車いす対応トイレの設置も、おかげさまで精力的にしていただいているところでございます。  地下鉄に乗っていますと、障がいを持たれていらっしゃる方で車いすの方などをよく拝見させていただいております。障がいを持たれている方も、まちに出てきて元気にショッピングをしたり健康維持に努めている姿を見て、非常にいいことだなと思っております。  現在、工事中の駅を調べてみましたら、中島公園駅、南郷7丁目駅、北18条駅、さらに設計中の中の島駅、北12条駅、バスセンター前駅を含めますと全駅で整備に着手したということになります。私が当選させていただきました平成11年3月で調べてみましたら、エレベーターのついていない駅が16駅ございました。非常にスピーディーな対応で、保健福祉局、そして、交通局、札幌市を挙げて、大変金がかかるわけでありますが、その中で積極的、優先的に予算をつけたことは評価をしているところでございます。  言うまでもなく、地下鉄駅のエレベーター車いす対応トイレは、高齢者や障がい者、さらには妊産婦などは日常生活や社会生活上に行動上の制限を受けておりまして、その方たちにとっては欠かせない施設であります。地下鉄駅を利用する地域の方々にとっては、最も待ち望んでいた施設であると言えます。  設置に当たっては、地上部分の用地の確保、それから、駅舎が狭かったり、さらには、下に事務室があったり、券売機があったりといろいろなことありました。私も8年間かかわってまいりましたが、エレベーターを一つつけるにも大変なことなんだなということを感じている次第でございます。  特に、私が住んでいます豊平区の中の島駅は、豊平川に近いところでございます。他の駅に比べますと、階段も長く、上りの札幌、大通方面は62段、下りの真駒内方面は60段という階段であります。エレベーターの必要性は早くから痛感していた次第です。待ち望んでいたエレベーターと言えます。  さらに、少しでも早い利用開始を希望しているところであります。平成19年度末には利用開始できると伺っておりますが、地域の方も大変喜んで、まちを挙げて拍手をしている次第でございます。通常、地下鉄駅のエレベーターの工事期間は、2年を要すると伺っております。こんなに早く、スピーディーに設置されるということは、大変うれしい反面、驚いている次第でございます。  そこで、中の島駅の地下鉄エレベーター車いす対応トイレの工事が他の駅に比べて期間が大変短いので、そのほかのエレベーター工事も同じような工期でできるのかどうか。さらには、先ほどからお話ししておりますように、車いす対応トイレの全駅設置をぜひともお願いしたいということなので、現在、トイレはどの程度の状況になっているか、お伺いいたします。 ◎宮川 保健福祉部長  地下鉄中の島エレベーター等の工期がほかの駅より短い理由等についてでございます。  地下鉄駅のエレベーターは、東豊線を除き、駅舎完成後に整備したものが多うございまして、通常は駅舎の増築によって整備設置箇所を確保しております。このため、既存駅施設からエレベーターまでの横穴が必要になりまして、中には南郷18丁目駅のように15メートルを超える場合もございます。  そこで、中の島駅につきましては、駅舎のほぼ真上がエレベーター地上部分の出入り口となるために、横穴の必要がなく、縦穴のみの土木工事となります。また、車いす対応トイレも既存のトイレスペースを利用して整備いたします。このような施工条件によって工期短縮が可能になり、ほぼ、1年後の平成19年度末には利用を開始することができるようになったものでございます。  他の地下鉄駅におきましても、できるだけ早い整備を目指しておりますけれども、工事規模などにより工期に違いがありまして、好条件が重なった中の島駅よりも工期は必要ではないかと考えているところでございます。  また、車いす対応トイレについてでありますが、現在、地下鉄駅49駅中41駅に設置しており、エレベーターの設置に合わせて整備を進めているところでございます。 ◆近藤和雄 委員  中の島駅ですけれども、上り方面のエレベーター車いす対応トイレの完成を大変心待ちにしております。障がいある方からも、何とか全駅に車いす対応トイレができないものかとよくお話を伺っておりますので、大変心強く思っております。  そうなりますと、待たれるのは、全駅のエレベーター完成、そして車いす対応トイレの設置ということになります。全駅のエレベーター完全整備で残ったのは、中の島駅の下りの真駒内方面、東札幌駅の下りの新さっぽろ方面、このエレベーター車いす対応トイレの設置になるわけであります。一日も早い設置を強く望んでおりますので、それについては、今後、札幌市としてはどのように対応されるお考えなのか、お話をお伺いしたいと思います。  また、東札幌駅の車いす対応トイレの設置についてもあわせてお伺いいたします。 ◎宮川 保健福祉部長  中の島駅の真駒内方面と東札幌駅の新さっぽろ方面エレベーターを設置するためには、まずは、地上部分の用地を確保することが解決されなければなりません。現段階においては用地確保に至っておりませんが、関係部局との連携により、駅周辺の土地所有者エレベーター設置事業の公共性や重要性というものを説明し、理解を求めているところでございます。今後は、さらに、理解と協力をいただけるよう一層努力し、早期実現を目指してまいりたいと考えてございます。  また、東札幌駅の車いす対応トイレにつきましては、新さっぽろ方面エレベーター設置にあわせて整備をしてまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  私の方からは、障がい者の就労支援に係る施策に関連して、簡潔に質問いたしたいと思います。  12月22日の厚生委員会自立支援法就労支援に係る陳情の審査を行ってまいりました。とりわけ、今年度は、障がい者共同事業を開始した、元気ショップの開設なども行ってきていますが、障がいのある人たちの就労の場というものは、まだまだ極めて狭められているわけでありまして、本市としても、さまざまな施策を通じて障がい者の雇用を推進していかなければならないわけであります。  そこで、新聞でも報道されていますが、札幌市では、2007年度から、障がい者雇用率常勤従業員の3.6%以上で札幌市の競争入札参加資格者名簿に登載されている企業を障がい者多数雇用企業として認定し、各部局が物品の購入や役務の調達の際に優先的に選定する制度を導入すると聞いているわけでありますが、この制度は具体的にどのようなものなのか、そして、こういった制度が既に他都市で実施されているのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  1点目の障がい者多数雇用企業認定制度の具体的な内容についてでございます。  今、委員の方からも概略のご説明がありましたが、平成19年度から導入を予定しているこの制度につきましては、障がいのある方の雇用の促進を主要な目的として創設したものでございます。対象となりますのは、平成19年度、20年度の物品、役務に関する札幌市競争入札参加資格者名簿に登載を予定されている企業のうち、年度初日と申請日のそれぞれにおきまして、市内の事業所で雇用している障がいのある方の人数が常用雇用者数の3.6%以上、これは法定雇用率の1.8%の倍でありますが、かつ、認定を希望する企業となっております。  優遇制度の具体的な内容につきましては、札幌市ホームページにおいて認定企業の名簿を公開するとともに、市の各事業部局が160万円以下の物品の購入、また100万円以下の役務の調達に係る随意契約の競争相手方や5万円以下の特定随意契約の相手方を選定する際に、認定企業を優先するように努めるというものでございます。  次に、2点目の他都市での実施状況でございますけれども、仙台市、名古屋市など、幾つかの政令指定都市において同様の制度を実施していると聞いております。 ◆小野正美 委員  政令市では仙台と名古屋ということで、札幌が来年度から2年度の計画で実施するということでございます。  まず、この制度の対象となる企業です。報道では、障がい者の雇用率1.8%を満たしているのは、従業員56人以上の事業所で雇用率1.8%、つまり1人の雇用に当たるのかなと思うのですが、札幌市内のこういった企業は4割程度にとどまっているということです。そういった中で、今回は、法定雇用率の2倍の3.6%以上という条件のもとで登録企業を募集するわけでありますけれども、具体的にどの程度の企業が対象となり、また、どの程度の登録企業を見込んでいるのか、その点の見通しをお伺いしたいと思います。既に2月1日から登録の受け付けをして、今月末で締め切るということになっているわけですから、どの程度になっているのか、明らかにしていただきたいと思います。  次に、この制度を実施することによって、札幌市役所が発注する金額、あるいは、件数ですが、この制度によってどの程度の効果が上がるのかということです。具体的に予算の中を見ても、特段、物品購入が幾らだというものはないわけで、どういうような形で実績が生まれてくるのかなという気がするわけですが、単に制度をつくるだけ、あるいは、それぞれの関係部局に配慮をお願いするだけではだめであり、どういった実績が上がるのかという検証も必要になってくるわけです。1年だけではなくて、平成19年度、20年度と継続するわけですから、仕組みも含めて、実績、効果額をどう把握していくのか、そういうことについての考えをお聞きしたいと思います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  1点目の対象企業数認定企業数についてでございます。  まず、対象となります企業数は、物品、役務に関する競争入札参加資格者名簿への登載予定の約4,300社でございまして、このうち、市内事業所における障がい者雇用率が3.6%以上の該当企業数は150社程度と推定されております。現時点で認定を申請しております企業数は十数社ということでございますけれども、今月末の期限までにはまだ若干の上積みを見込んでいるところでございます。今後は、年に2回の募集を行う中で認定企業数も徐々に増加していくものと考えております。  2点目の制度導入後の効果の検証につきましては、各事業部局認定企業に対する発注実績等について一定期間ごとに調査を行うなど、その実態調査に努めて、今度の制度の有効な運用に活かしてまいりたいというふうに考えております。 ◆小野正美 委員  1月あたりからこの制度の紹介があって、2月からは登録後の受け付けを行っているけれども、まだ十数社しか手を挙げていないと。もちろん、対象となる3.6%の雇用率を達成している企業の数も150社ということですから少ないとは思うのですが、この制度のことについてまだまだ周知をされていないという感がいたしますので、さらに今月末に向けてPRをしていただきたいと思います。  それから、先ほども言いましたけれども、単に、こういう制度をつくっているだけでは意味がありません。この実績が上がるように、それぞれの各部局の担当の方々に対する周知、あるいは、点検といいますか、実績を把握していく取り組みを進めていただきたいと思います。  これは、直接、障がい者の雇用をするわけではありませんが、障がいのある方々の雇用にどのような効果があると考えているのか。それから、障がい者法定雇用率の2倍の雇用をしている企業をホームページなどで紹介するわけですから、これを通じて、市役所が発注する物品の購入とかそういうものだけではなくして、民間の企業同士でも、こういう企業があるなら、どうせ頼むのならこういう会社に発注しようかなという意識が生まれてくると思うのです。また、いろいろな福祉施設などでも、物を買うのだったら障がい者を雇用している企業から買った方がいいのではないかという形にもなると思いますので、ぜひ、こういう企業を認定していく、紹介していくという効果があらわれるようにしてほしいと思います。  こういった点をどのように考えられているのか、ぜひ、最後にお聞きしたいと思います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  この制度の障がい者雇用への効果でございますけれども、まず、直接的なものといたしまして、障がい者多数雇用企業として認定されることにより、優遇措置に基づきます受注機会の拡大、それから、今、委員の方からもお話がありましたように、企業名を公開することにより社会的な評価が高まることが期待されているところでございます。このほか、間接的な効果といたしましては、制度を通じて障がいのある方に対する理解の促進や雇用機会の拡大につながっていくのではないかと期待しているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  私からは、障害者自立支援法に関連して、4点ほどご質問をさせていただきたいと思います。  最初に、3点ほど、一括でご質問させていただきまして、残りについては後ほどお伺いしたいと思います。  1月25日の厚生委員会で、私は、昨年末に国が新たに打ち出した障害者自立支援法円滑施行特別対策についてご質問いたしました。この特別対策は、利用者負担のさらなる軽減措置のほか、事業者に対する激変緩和措置などが取り入れられておりまして、それまで障がいの当事者や関係者から大変要望が強かったさまざまな問題や課題について手当てがなされていることから、自立支援法の各種制度の定着と運用に大きな役割を果たすものと期待しているところでございます。  特別対策のうち、利用者負担の軽減では、在宅通所サービス利用者に対して、今回の措置では月額負担上限額を4分の1まで引き下げるとともに、課税世帯の一部にまで軽減の対象を拡大しております。前回の委員会でのご質問の答弁では、この特別対策の実施に伴いまして、約4,600人が新たな軽減の対象になるというご答弁がございました。札幌市が1月1日から施行しております独自軽減の対象者は1,200人でございましたから、この軽減措置により大変多くの方が特別対策の恩恵を受けることができるということが言えるわけであります。  特別対策のもう一つの柱は、事業者に対する激変緩和措置がございました。つまり、通所等において、これまでの月額方式が日払い方式に変わり、結果として事業者の報酬が大きく減少するということがございました。このことに対して、私も、こうした小規模作業所共同作業所等を訪問してまいりますと、重度心身障がい者を受け入れている施設、あるいは、比較的障がいの重いところの施設の通所日数はどうしても減ってくると。毎日通うことはなかなか大変なわけでございまして、これまでは、従前の報酬額との比較で80%を保障するという措置を講じていたわけでありますけれども、今回の特別対策においてさらに90%まで保障の枠を拡大してくるということで、ある意味では、従来の収入の9割を保障することで急激な変化に対応が困難な事業者も経営の安定を図ることができ、事業者救済策として極めて効果が大きいと考えているわけであります。  そこで、質問の1点目でございます。  従前の報酬額の9割を保障するという激変緩和措置の効果を受けるのは、どのような事業が対象になるのか。また、札幌市としては、平成19年度においてその事業費をどの程度見込んでいるのか、初めにお伺いしたいと思います。  次に、この自立支援法に関しては、これまで主としてサービス利用者の側から自己負担を中心に議論がされてきたわけでありますけれども、制度全体の財政的な評価も行う必要があるだろうと考えるわけです。自立支援法は、従来の障がい福祉サービス自立支援給付地域生活支援事業という大きな二つのジャンルに区分いたしまして、自立支援給付は従前と同様の事業実績に応じた補助事業であるのに対し、地域生活支援事業については、実際の利用料とは関係なく、いわゆる統合補助金で措置されることになっています。障がい福祉サービス予算が年々増加する状況の中で、本市が任意で行う地域生活支援事業の利用料がふえることになれば、それだけ本市の持ち出しも大変ふえてくるのではないかと危惧しております。  そこで、質問の2点目になります。  札幌市も、他の政令市と歩調を合わせて、これまでも国に必要な財政措置を要望していると伺っておりますけれども、平成19年度の地域生活支援事業の予算とそれに対する補助金等の歳入見込みがどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。  あわせて、平成18年度当初予算と比較しまして、本市の負担が19年度予算ではどの程度増加する見通しなのかについてもお伺いいたします。  大きな3点目の質問でございますが、地域生活支援事業の中の相談支援事業の今後の展開についてお伺いしたいと思います。  障がいのある方の地域における生活を支える相談支援事業については、昨年10月の自立支援法の第2次施行に伴いまして、市町村が地域の実情に応じて柔軟に実施する、いわゆる地域生活支援事業の中の必須事業の一つと位置づけられたわけでございます。札幌市が策定いたします障がい福祉計画においても、今後の実施箇所数等が盛り込まれるなど、その重要性は非常に高まってきていると思うわけであります。  そこで、質問いたしますが、今後、地域で生活する障がいのある方の増加がますます見込まれる中で、本市の相談事業の現状についてお伺いいたしたいと思います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  1点目の障害者自立支援法円滑施行特別対策のメニューであります事業者に対する9割保障についてでございますけれども、対象となる事業といたしましては、いわゆる旧体系の入所、通所に係る更正施設、授産施設のほか、療養介護、生活介護等の新体系に移行した施設も含まれているところでございます。新体系移行後も旧体系の報酬水準の9割を保障することから、この激減緩和措置は、新体系への移行を促進し、制度を早期に定着させる効果があると考えております。これに係る平成19年度の事業費は、概算で1億4,000万円を見込んでいるところでございます。  2点目の地域生活支援事業についてでございます。  平成18年度当初予算の歳出事業費は12億7,000万円で、歳入は、国と道からの補助金を合わせて4億8,000万円を見込んでおります。19年度につきましては、歳出事業費としておよそ30億円を計上しており、歳入は総額で9億8,000万円を見込んでおります。18年度と19年度を比較いたしますと、札幌市の負担額は12億円ほど増加となりますけれども、このうちの大部分は事業費の振りかえによるものでございます。ただ、その中には、サービス利用が急激に伸びてきた移動支援サービスが含まれておりまして、今後も利用者の増加により札幌市の負担が見込まれているところでございます。  札幌市といたしましては、今後も、地域生活支援事業におきまして事業実績に応じた財政措置をとるよう、他都市と連携し、国に要望してまいりたいと考えております。  3点目の本市における相談支援事業の現状についてでございます。  札幌市では、昨年10月に相談支援事業を再編成いたしまして、現在、10カ所の事業所に委託をし、3障がいに対応した相談支援を実施しております。障がいのある方に必要な情報提供や各種機関の紹介、福祉サービスの利用援助などを行う障がい者相談支援事業につきましては、身体障害中心のA型が1カ所、障がい児及び知的障がい中心のB型が5カ所、精神障がい中心のC型が4カ所で実施しており、このうちB型の5カ所につきましては専門的な療育支援を行う障がい児等療育支援事業も委託しているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  事業者に対する激変緩和措置として9割まで保障するということで、これは、新体系へ移行することを円滑にする、あるいは、定着させるのに役立つ効果があるであろうというご答弁がございました。  そこで、1億4,000万円ほどを見込んでいるわけでありますけれども、この1億4,000万円の財源の見込みはどういうふうになっているのか。今回、国で措置されるのか、単費で措置するのか、この辺について確認いたしたいと思います。  それから、相談支援事業についてでございますが、現在10カ所あるということでございました。身体障がいの方の施設が1カ所、知的障がいの方の施設が5カ所、精神障がいの方の施設が4カ所というふうになって、それぞれ三つの障がいに対応していくということでございました。そういう体制整備の方向性は評価できるのでありますが、このような再編によりまして、具体的にどういったメリットがあったのか、伺いたいと思います。  また、来年度以降にその多くが地域活動支援センターに移行することが見込まれる小規模作業所など、実際に多くのノウハウを持っている事業所等においても、実質、相当数の相談を受けているという現状があると思います。それぞれの小規模作業所、あるいは、共同作業所、得意分野といいますか、身体障がいについては非常にノウハウを持っていらっしゃる事業所もあれば、精神の方は得意である、あるいは、うちでは知的障がいの方を中心に受け入れてきたなど、作業所によってそれぞれ特徴があるのだろうと思います。  そういう中で、地域生活支援という枠組みでは、障がいの種別を問わず、できるだけ身近なところに行って相談ができることが望ましいわけであります。  そこで、質問いたしますが、今後、札幌市としてどのように相談支援体制を構築していくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  1点目の事業者に対する激変緩和措置の財源でございますけれども、北海道で造成した基金の取り崩しなどによります補助金が4分の3、本市の一般財源による持ち出しが4分の1となってございます。  それから、2点目の再編成による具体的なメリットについてでございますが、今回の再編成によりまして、各事業所において、従前からノウハウを持つ分野のみならず、他の領域の相談につきましてもネットワークの活用により適切な関係機関やサービスを紹介できるよう対応をとっております。このことによりまして、障がいのある方がより身近な窓口で相談できるというメリットが生じております。  次に、3点目の今後の相談支援体制の構築についてでございますけれども、地域の障がい福祉サービスに関するシステムづくりの協議の場といたしまして、昨年、委託相談支援事業者を中心に地域自立支援協議会を立ち上げ、相談支援事業を中心としたネットワークの構築について協議を行っているところでございます。今後は、地域において事業を展開する各事業所も含め、地域生活を支援するために一層効果的なネットワークの構築について検討を進め、個々のニーズに対応できるように障がい種別を超えた相談支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 ◆谷沢俊一 委員  相談事業については、地域に身近なところで相談が受けられるような体制を構築していきたいというお話がございました。障がいの種別も、身体、知的、精神のみならず、最近は発達障がいや高機能自閉症等々、さまざまな種類がふえてきておりますので、その事業所だけでは対応できない相談もあると思います。そういう意味では、こういった得意分野を持つ作業所もしっかりと活用しながら、一つ一つのケースに対応できる施設をしっかりつくっていただきたいと要望しておきたいと思います。  最後に、もう1点、大きく就労支援について、先ほども小野委員から質問がございましたが、重複を避けてご質問させていただきたいと思います。  昨年12月2日に東西線の大通駅のコンコースにオープンいたしました障がいのある方の授産製品等を販売するいわゆる元気ショップでございます。その後の新聞報道やさきの市長の会見などによりますと、大変順調な売り上げが続いているということで、作業所によっては作業工賃の引き上げや作業意欲の向上に大変大きく貢献していると伺っています。また、障がいのある方の活動への市民の理解も深まっています。元気ショップの存在が作業所などで働く障がいのある方の励みとなり、作業所によっては、さらに、より売れるものをつくっていこうという工夫や努力を重ねるなど、今まで以上に大変前向きに取り組んでいるのではないかと推察するわけであります。  実際、私も元気ショップに納品している作業所を訪ねたことがございますが、実際に働いている方々から、大変忙しくなってきた、工賃が上がったという喜びの声も伺っているところでございます。  そこで、お尋ねいたしますが、元気ショップのみならず、作業所などで活動する障がいのある方の工賃の増加や作業所の製品の販売拡張などの支援策については行政としても重要であると考えておりますけれども、これまで本市が取り組んできた事業の概要についてお伺いしたいと思います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  本市がこれまで取り組んできました就労支援についてでございます。  平成16年12月に小規模作業所ホームページを立ち上げまして、製作物品等のPRを行っておりまして、本市の他部局に対し、文書により作業所などの製作物品等の周知を図っているところでございます。また、元気ショップでは、民間企業からの業務発注情報の仲介機能を設けて、札幌商工会議所にも会員企業への周知をお願いするなどの協力を依頼したほか、広報さっぽろ配布業務や公園の清掃業務についても、広報部やみどりの推進部と連携して障がい者団体への発注を進めているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  ホームページを立ち上げたり、会議所等の媒体に行政がかかわっている、あるいは、広報誌の配布、公園の管理といったさまざまなことに取り組んできたということでございます。  それについては一定の評価をいたしますが、元気ショップを運営している札幌市障害者小規模共同作業所連絡協議会、いわゆる札作連では、販売員として障がいのある方も雇用しているというふうに伺っておりますし、直接的にも間接的にも障がいのある方の就労の支援につながり、ある意味では、このような店をふやしていくことにより、さらなる支援が可能となってくるものと考えております。  そこで、再質問でございますが、元気ショップをふやすとなると、当然、場所の問題、あるいは財政的な負担、さまざまな制約があるとは思いますけれども、今後の展開についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  元気ショップの今後の事業展開についてでございますけれども、開店後3カ月が経過いたしまして、売り上げが順調、好調に推移して効果もあらわれてきておりますので、この状況を持続させるためにも、さらに運営を充実させながら、次なる展開についてはその後検討してまいりたいと考えております。 ◆谷沢俊一 委員  要望で終わりたいと思いますが、例えば、白石区で言いますと、今度、東札幌商業地域、商業ゾーンとして、大和ハウスがコンペ方式で受注といいますか、この間、土地を買い取っています。この企画書を見ると、元気ショップのような障がい者のための施設の配置が予定されていないということで、僕はちょっと残念だったわけであります。さまざまなすばらしい企画があるけれども、やはり、こういうものを新たにつくるときには、不特定の人がたくさん集まるような場所に元気ショップを計画していくことが大事ではないかと思うわけです。そういう意味では、白石に限らず、たくさんの方が集まる場所があるわけですから、これまでの元気ショップの経過を見ながらということでございますが、今後、できれば区に1カ所程度の拡大を検討していただきたいと要望して、質問を終わります。 ◆坂ひろみ 委員  私は、発達障がい者への支援について質問いたします。  2005年4月に発達障害者支援法が施行され、発達障がいに対する乳幼児期から生涯を通じた支援を国、自治体、国民の責務として定めています。また、教育分野では、特殊教育から特別支援教育への転換が進められ、本市においても2003年3月に特別支援教育基本計画が策定され、校内学びの支援委員会やコーディネーターの配置など具体的な施策に取り組んできました。  見えにくい障がいと言われる発達障がいに光が当てられ、2005年10月には自閉症者自立支援センターがオープンし、自閉症・発達障害支援センターが開設されました。成人の自閉症者を対象とする施設は初めてということで、関係者から大きな期待が寄せられています。さらに、現在、パブリックコメント中の札幌市障がい福祉計画においては、障がいのある方たちが必要とするサービスを一元的に安定して利用できるよう、各種サービスについての必要な見込み量の数値目標や見込み量確保のための方策が定められています。  こうした取り組みを通じ、発達障がい者を初め、障がいのある人一人一人の実態やニーズを把握し、本来持っている力を高め、本人の困り感を解除するなど、適切な支援やサービス提供の仕組みを構築していくことが今後一層求められます。  そこで、質問です。  障がい福祉計画の策定に向けて、市民や当事者から意見を伺う市民懇話会が先月末に開催され、私も参加いたしました。質疑の中で、発達障がい当事者から、計画の中に高次脳機能障がいや発達障がいという言葉が見当たらないが、障がい福祉計画に発達障がい等は含まれないのかといった質問が出されました。  そこで、障がい福祉計画においては発達障がいをどのように位置づけ、具体的な支援やサービス提供についてはどう対応されていくおつもりか、伺います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長  発達障がい者への支援についてでございますけれども、現在、作成を進めております札幌市障がい福祉計画の中には発達障がいを具体的に取り上げた記載はございませんが、発達障がいの方も含めて、支援を必要とする障がいのある方は計画に掲げました各種支援の対象になるものでございまして、サービスの利用に支障が生じることのないよう考えていきたいと思っております。 ◆坂ひろみ 委員  障がいと一口に言いましても、身体、知的、精神、発達障がいのほかにも、難病や聴覚、視覚などなどさまざまな障がいがありますので、障がい種別ではなく、それぞれの障がいのある方たちがどのような支援が必要なのかに着目したサービスの提供が今後一層求められると思っております。
     LDやADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症などの発達障がい児への支援については、子ども未来プランや特別支援教育基本計画を踏まえ、成人に至るまでの一応の対策が整備されつつありますが、既に成人となっている発達障がい者については、障がい福祉計画の中でも明示されないなど、具体的な対応策が示されておらず、対策が取り残された状況にあります。したがって、今後は、こうした成人となっている発達障がい者への支援を進めることが大きな課題です。  昨年7月に北海道が実施した実態調査によりますと、自閉症やアスペルガー症候群など発達障がい者のうち、家族が本人の障がいに就学前に気がつかなかった例が1割近くに上り、20歳以上になって初めて診断された例も1.6%あることがわかりました。発見が遅いと、適切な療育ができず社会生活への適応がおくれる可能性があることから早期発見の対策が急務ですが、実際には成人しても診断を受けていない人たちはもっと多いのではないかという専門家の意見もあり、障がいの把握や支援体制の整備が急がれます。  自分は他の人とどこか変わっているのではないかと悩んだり、うまくコミュニケーションがとれない不安感や困り感を抱えても、どこへ相談に行けばよいかがわからない当事者や、子どもに何らかのつまずきがあることに気づいても、原因がわからないために、子どもの様子に心配を抱きつつも、気にしたり混乱に陥ってしまう保護者も少なくないと聞きます。子ども期に適切な支援を受けられず成人になった場合、孤立しがちで、2次障がいを起したり引きこもりなど外に出られない期間が長く続くなど、深刻な状態になることもあります。また、職場や周りの理解が得られず、仕事や対人関係がうまくいかないことが原因で自己評価や自尊感情の低下などの2次的な問題もあらわれます。  このように、発達障がいに関する専門機関や相談機関、精神的、医療的ケアや適切な支援を求めている当事者や家族がたくさんいる現状から、発達障がいに関する知識や支援、サービスなどの情報を幅広く市民へ提供することが求められています。  そこで、質問です。  当事者やその家族、企業や学校など、幅広く市民へ発達障がいに関する情報を提供することが必要と考えますが、今後、どのように進めるおつもりか、伺います。  質問の2点目は、青年期、成人期を迎えた発達障がい者への支援についてです。  社会に出て仕事をするという大きな課題に直面するこの時期に必要なのは就労支援です。雇用主や職場の同僚に発達障がいを理解してもらうことはもちろんですが、本人が安定して仕事ができるように、職場に付き添う援助、ジョブコーチの存在も必要です。また、学校から就労へとスムーズに移行するためには、準備期間を含め、計画的な取り組みが欠かせません。また、プライベートな部分では、孤立感が大きくならないようにピアカウンセリングや小さなグループでのかかわり等が必要ですし、精神的、医療的ケアも欠かすことはできません。  成人となった発達障がい者が地域で自立して生活していくためには、こうしたさまざまな支援が不可欠ですが、発達障がいは精神障がいや知的障がいなど各種障がいを重複する場合が多く、その対応は複雑多岐にわたります。したがって、発達障がい者へのこうした支援やサービス提供については、これまでの知的や精神障がい者への支援とは異なる支援も必要ではないでしょうか。  障がい福祉計画では、地域自立支援協議会を設置し、相談支援体制やネットワークの構築を図るとしています。しかし、発達障がい者の自立に向けた支援に関しては、学校卒業後から長期的な視点を持って日常生活、就労支援、医療、教育、消費生活などの支援を総合的に進めることが必要と考えますがいかがか、伺います。 ◎佐藤 障がい福祉担当部長   1点目の発達障がいに関する情報提供についてでございますが、16日の代表質問で小澤副市長が答弁しておりますように、札幌市では、これまで、平成17年4月の発達障害者支援法の施行を受けまして、国のモデル事業であります発達障害者支援体制整備事業を実施し、早期発見、早期医療、あるいは、地域生活、就労などの課題別に部会を設け、医療、福祉、教育、労働を初めとする関係機関のネットワークを構築してまいりました。これまでに、発達障がいのある方にかかわる医師や教員、当事者、家族などを対象に研修会や講演会を数多く実施し、関係者の理解が深まってきたものと考えております。  今後は、各部会で検討されてきた内容を踏まえて具体的な支援を進める一方、発達障がいのある方の地域生活を支援するため、当事者や家族を初め、市民の理解を促進してまいりたいと考えております。  次に、2点目の学校を卒業した発達障がい者に対する総合的な取り組みについてでございますが、発達障がいのある方一人一人の状況に応じた対応が必要であると考えております。個別の対応では、日常生活、就労、医療など、さまざまな面でどのような支援をどの程度必要としているのかを見きわめることが必要であり、さきにお答えいたしました支援体制整備事業の中で札幌市発達障がい者支援機関関係連絡会議を設置いたしまして、相談支援事業者やサービス提供事業者など福祉関係者のほかに、医療、教育、労働を初めとする各種関係機関が相互に連携し、適切な支援を提供できるよう協議を行っておりまして、総合的な取り組みに努めているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  国のモデル事業の取り組みによる関係機関のネットワークの構築やこれまでの取り組みを通じて医師や教員などへの理解が深まった点については、一定の評価をしております。今後は、次のステップとして、受け入れ体制の整備と合わせて当事者家族を含む市民への情報提供を進めていただくことを求めておきます。  それから、総合的な取り組みにつきましては、ご答弁にもありましたけれども、発達障がいの方の状況はそれぞれ違っていますので、私も一人一人の状況に合わせた対応や支援が必要であると考えております。自立支援法に基づき、身体、知的、精神の3障がいを中心とする障がい福祉計画が今後進む中で、一歩も二歩も出おくれた感が否めない発達障がい者への支援につきましては、今後、ぜひとも力を注いでいただきたいと考えております。  発達障がいを第4の障がいと認識しているわけではありませんし、発達障がいのほかにも聴覚、視覚、難病など、たくさんの障がいがあることも理解しております。  しかしながら、法の施行も、障がいに対する理解や支援、サービス提供も明らかに始まったばかりです。要望ばかりが先行しますが、行政として、まずは、障がい福祉計画の中で発達障がいの人たちも使える支援やサービス提供を一層進めていただき、発達障がい者支援機関関係連絡会議の取り組みに大きな期待を寄せて、私の質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  次に、松浦委員の質疑でありますが、出席要請をしている市長は、現在公務で不在のため、公務が終了次第、こちらに出席していただきます。  ここで確認ですが、このまま質疑を始めますか。 ◆松浦忠 委員  いいえ、市長だけにお尋ねしたいので、出席してからにします。 ○大嶋薫 委員長  松浦委員が質疑を保留することが確認されましたので、松浦委員の第1項 社会福祉費等にかかわる質疑は保留し、後ほど改めて質疑を行っていただくことにします。  それでは、質疑を続けます。 ◆恩村一郎 委員  それでは、二部での質問は久しぶりになりますが、私の方から、簡潔に1点だけお伺いしたいと思います。  オストメイトトイレに関してお伺いしたいと思います。  この問題については、既にご承知のとおりかと思いますけれども、食生活の変化等に伴って大腸がんとか膀胱がんの方が非常にふえています。また、医学の進歩により、人口肛門とか人口膀胱をつけることによって多くの方が助かっていらっしゃいます。そういった意味では、今の世の中ではだれにでも起こり得る問題だと思うわけです。  当然のことながら、オストメイトをつけていらっしゃる方、オストメイト装着者に関しては、特に、腹部に切除した腸の一部を排せつ口としてつけて、パウチをつけるといったような格好で、排せつ時にはなかなかそれを感じ取れないということで、外に出たときにそのパウチがいっぱいになってしまった場合、それを清掃するのに大変な思いをされているということをよく聞きます。トイレ利用の際に、排せつ物で汚れてしまったり、衣服の処理など、非常に苦労されているというふうにも伺っているわけです。  この問題に関して、私は、平成13年9月の3定で初めて質問させていただきました。そして、平成17年9月の代表質問でも継続してお話を伺ったところですが、その際にはオストメイト対応のトイレが全市で56カ所までふえたと伺っております。  私自身、いろいろな機会を通じて、オストメイトトイレの対応といいますか、普及に関してお話をさせていただいてきたところですが、現在、公共施設のほかに大型の商業施設などでもオストメイト対応のトイレがだんだん普及されてきたことは非常にうれしく思っているところです。  こうした整備が進むことによって、ともすれば障がい者のため、バリアフリーという言葉がよく言われて、一般的には車いすの方ばかりに目がいってしまうのですが、いわゆる内部疾患を抱えていらっしゃる方へのバリアフリーも、こういった事業を通じてより多くの方に理解されるのかなと思っているところです。  そこで、質問ですが、札幌市におけるオストメイト装着者、オストメイトトイレを必要とされている方は、その後、どのくらいいらっしゃるのか、その現状についてお伺いしたいと思います。そして、トイレの整備状況、今後の見通しといったものはどのようになっているのか、今現在の状況についてお答えください。 ◎宮川 保健福祉部長  オストメイトトイレについて、まず、1点目のオストメイト装着者の人数についてであります。  平成18年3月現在、膀胱、直腸機能障がいとして身体障がい者手帳の所有者は2,187人でございますが、手帳の交付を受けていない方にも当然オストメイトトイレを必要としている人がおります。日本オストミー協会札幌支部によりますと、正確な数字の把握は難しいものの、現在約2,300人で年々ふえる傾向にあると伺っております。  次に、2点目のオストメイトトイレの設置状況についてでありますが、官公庁や地下鉄駅などのほか、商業施設やオフィスビルなどの民間施設を含め、札幌市内で現在までに整備されているのは77カ所でございます。さらに、交通局所管ではありますが、既設トイレをオストメイトトイレに改修する工事を、今年度内に北34条駅など6駅、平成19年度は福住駅など4駅、その後も順次改修を行いまして、平成22年度までにすべての地下鉄駅にオストメイトトイレを設置する予定でございます。  また、去る平成17年12月に、公共的施設のバリアフリー化の基準となります札幌市福祉のまちづくり条例を改正いたしまして、旅客施設、デパートや興業施設など、多くの人が利用する5,000平米以上の建築物については、新たに設置を義務づけることといたしております。  これらによりまして、今後、さらに普及を図ることができるというふうに考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  現在のオストメイトトイレが77カ所、それに交通局の分が入りますと、前に質問したときから比べ既に21カ所以上ふえるという格好になり、福祉のまちづくり条例の改正等によって、よりこれが広がっていくことは大変うれしいことだというふうに思います。そしてまた、このトイレがどんどん広がっていくことによって、先ほども申し上げましたように、皆さんたちの理解も深まってくるのかなと思うわけです。  実は、最近、私のよく知っている女性の方が、大腸がんだということがわかり、人工肛門をおつけになられました。ご本人は女性ですから非常に抵抗はあったようで、それでもつけることによって助かるのだということでおつけなりました。ただ、外出されたときにオストメイト対応のトイレがあるのだという話はこれまでも随分してきたものですからご理解されていたのですが、どこにそのトイレがあるのか、なかなかわからなくて探すのに苦労しているというお話を伺いました。  それで、オストメイト対応のトイレができたときに、設置場所などを障がい者の方に告知するというようなことはどんなふうになっているのか、疑問に思いました。例えば、設置場所について一般の方の理解を深めるという意味でも、せっかくこういうふうにふやしていったのであれば、何らかの形で皆さんたちに周知する方法を考えるべきだろうと思います。また、病院でどこにあるかといった一覧表をお渡しするなり、ぜひ何らかの方法を講じていただきたいなと思っていますが、その辺の対応はどのようになっているのでしょうか。 ◎宮川 保健福祉部長  設置場所の周知についてでございます。  公共施設に新しくオストメイトトイレが設置された場合には、まずは、さきに述べました日本オストミー協会に連絡いたしまして、会員の方には協会から周知を図っていただいております。  また、これまでオストメイトトイレを含めましたバリアフリー情報は、車いすガイドブックに掲載してまいりましたけれども、より多くの人に設置場所や理解を深めていただけるように、ガイドブックの名称をバリアフリーガイドブックに変更いたしまして、この3月に発行を予定してございます。このガイドブックの中では、設置場所のほか、オストメイトの方が困っていることや排出処理方法、トイレの設備についても紹介してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  今、日本オストミー協会との連携でそういった支援を強化していくといったお話でした。3月に発行されるバリアフリーガイドブックについても、どういった中身になるのか、私も注目しておきたいなと思います。  ただ、どの程度の大きさのものになるのかわかりませんけれども、外出するときに手軽にわかる、例えばマップみたいなものもぜひご検討いただきたいなと思います。ガイドブックとなりますと、恐らくそれなりの厚さになってしまうのかと思いますので、そういうものではなくて、もっと簡単で手軽にわかるものをぜひ用意していただけるようにご検討いただきたいと思います。  それと同時に、今、お聞きしましても、私の知る限り、日本全体ではそれこそ20万人以上の方がオストメイトを装着されていると伺っています。大型の商業施設と言っても、新しいところはなっているのですが、現在、札幌市内のデパートなどはなっていないですよね。駅がそういうふうになることは非常にうれしいと思うのですけれども、皆さんたちが一番行くようなデパート等の施設に関しても、ぜひ、積極的にこういったものの対応がとれるよう働きかけをもっと強くやっていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、保留されました松浦委員の質疑を除き、第1項 社会福祉費等の質疑を終了いたします。  次に、第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆阿知良寛美 委員  私の方からは、2点、質問いたします。  初めに、保護受給者への就労支援についてお伺いいたします。  本市の保護世帯は、平成9年以降、増加の一途をたどっております。ことし1月の被保護世帯は3万4,738世帯と、この9年間の約1.7倍となっております。この原因については、さまざまなことが言われています。例えば、高齢化が進行しているなどいろいろとあると思いますが、やはり、バブル崩壊以降の長引く景気低迷、また、これによる厳しい雇用の環境が大きな原因だろうと思います。  現在、雇用環境は、先日の新聞報道にもありましたように、名古屋では有効求人倍率が1.9倍を超えているのに、北海道では0.61倍と3分の1以下だということです。これは、札幌などでは北海道の平均倍率より低くて0.5倍前後だということですから、非常に厳しい状況であります。それだけ北海道の経済は立ちおくれている、また、札幌圏でも低迷しているということだと思います。  厚生労働省も、平成17年度から保護受給者を支援するための自立支援プログラムを導入し、18年度においても全国の自治体において具体的なプログラムを推進しているところであります。  本市の平成19年1月の保護受給者の人数でありますが、5万2,038人いらっしゃいます。就労支援の対象となるのは働ける健康な方になると思います。しかし、人というのは年をとるとともにいろいろなところでふぐあいが出てくるわけでありますし、事実、高齢者の医療費は若い人の5倍を超えているというデータもあります。ですから、その人の状況、どのような仕事ができるのかを正確に判断することは非常に難しいことだと思いますし、現場のケースワーカーもそこについては非常に苦労していると思います。  過日の報道によりますと、これは1月9日の新聞でありますが、厚労省から出た稼働能力判定会議に対して、札幌市の見解は、生活保護費は増加の一途であり、就労を後押しすることで抑制に結びつけたいとなっております。  そこで、質問でありますが、本市でも、就労支援プログラムとして、各区に就労支援相談員を配置したり、ハローワークと連携をしてそれなりの効果を上げているところでありますが、いまだに厳しい雇用環境を考えると、さらなる取り組みが必要だと思います。具体的にどのようなことを考えていらっしゃるか、お伺いいたします。  また、稼働能力判定会議とは具体的にどのようなものであり、本市としてどのように対応するおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  1点目の就労支援についてであります。  現在、被保護者に対する就労支援の相談員は、10区に8名を配置し、清田区と手稲区につきましては隣接の相談員が兼務するという体制になってございます。しかしながら、兼務の場合は、地理的、時間的に制約のあることがございまして、平成19年度には2名を増加し、10区すべてで専任の就労支援体制を実現するよう準備を進めているところであります。  また、就労支援プログラムは、労働意欲のある方を中心に行っておりますが、今後は、意欲が低い方への支援にも一層取り組んでいく必要があるというふうに考えております。労働意欲の喚起には、それぞれの状況に応じたカウンセリングが効果的でありますので、19年度からは専門的な職員を1名配置いたしまして、その意欲の喚起にも取り組んでいきたいと考えているところであります。  2点目の稼働能力判定会議についてであります。  被保護者自立支援プログラムをより効果的に推進するものとして、厚生労働省が19年度からの設置を提唱しているものでございます。具体的には、従来、本人からの聞き取りや主治医からの病状把握に基づき、職員みずから判断していた被保護者の就労能力を、外部の専門員を交えまして、より客観的、組織的に検討しようというものでございまして、19年度には一部の区において試行的に実施したいと考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  個々の特性も状況もありますから、このことについては柔軟な対応をお願いしたいと思います。  保護受給者への就労支援については、法外援護の見直しを審議していました社会福祉審議会の意見においても、今後、重要であるという意見が出されております。  次に、その審議会で廃止すべきと意見具申された法外援護についてお伺いいたします。  法外援護の見直しについては、昨年7月、札幌市社会福祉審議会に事業の果たすべき意義や今後のあり方について検討を依頼し、昨年の10月に市長への意見具申があったところであります。この意見具申の内容については、去る11月の厚生委員会で報告があり、市としてはこれを踏まえて慎重に検討するということでありました。そのときから約4カ月が経過しており、今、19年度予算の審議をしているところであります。  そこで、質問でありますが、この意見具申を受けてから今日まで、慎重に検討するということでしたが、結論としてどのような判断をしているのか、お伺いいたします。 ◎浜崎 総務部長  法外援護の見直しについてでございますが、昨年10月30日に札幌市社会福祉審議会から、事業の廃止と被保護者への就労、自立支援を強化すべきであるとの意見具申があったところでございます。これを受けまして、先ほども委員からお話がございましたように、11月の厚生委員会におきまして、その内容について報告をし、質疑をいただいたところでございます。  これらを踏まえまして、慎重に検討した結果、法外援護の事業内容と生活保護の扶助が重複しているということ、事業開始当初の意義や目的が薄れたことなどから今年度をもって廃止することといたしたところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  今年度をもって廃止するということであります。  法外援護の事業というのは、4月には小学校の入学祝金と、6月には修学旅行バッグの購入金、12月は、もらったばかりでありますが、小・中学校のお年玉、3月は中学校の卒業祝金が支給と。重複しているということですから、やむを得ないだろうと思います。  ただ、3月の中学校の卒業祝金は3月ですから、今年度は入っていますからこれは支給するだろうと思います。6月、12月はいいと思います。しかし、4月は小学校入学目前です。これは、廃止することをまだ言っていないわけですよ。そういう面では、もう3月になるわけですから、親御さんも新1年生ということでバッグを買ったり机を買ったり一生懸命そろえていると思うのですが、これが出ることを前提にという部分があるだろうと思うのですよ。この年度末に来て、もう出しませんと言うのでは、受給されている方々、また予定されている方々は非常に困るのではないかと思います。  そういう部分では、せめて小学校の入学祝金だけでもぜひ出すべきだろうと思いますが、その点のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  委員ご指摘のとおり、既に2月も下旬に入っておりまして、入学準備を進める時期でもあります。例年4月に贈呈しておりました入学祝金につきましては、前倒しをして今年度中に支給するよう検討してまいりたいと考えております。 ◆小川勝美 委員  先日の本会議の代表質問で、今の法外援護のことを私どもの井上委員も質問したところであります。今の答弁だと、4月については今年度に前倒ししてやれば年度中なので新年度予算にかかわらずに今年度予算でやれるということでご答弁がありましたから、それは、ぜひそういう方向で検討していただきたい。これは、この間、井上委員が代表質問で聞いていることですからね。市長の新年度予算にかかわって聞いていることですので、その点を述べておきます。  あわせて、私は、同じように今の生活保護についてお尋ねしたいと思います。  生活保護については、先日の代表質問に対する市長の答弁の中で、近年、生活保護がふえてきているという問題に関して、今日の保護受給者が増加していることについては、ご指摘の年金や医療制度など、他の社会保障制度との関連もありますが、急速な高齢化や厳しい雇用環境などが複雑に関連し合って札幌市の生活保護世帯の増加し、保護自給率が27パーミル、こんなところまで来ていると思うのです。  長い歴史で見るならば、浜崎総務部長は長く生活保護にかかわっておられますが、終戦直後、昭和30年前後の保護率はどのくらいであり、80年代の保護率は幾らだったか。そして、今、高齢化が急速に進展し、社会保障がどんどん改悪されてきている、こういう中で、不足分、医療だけでも受けたいのだという形で保護を受ける人たちもふえてきて28パーミルくらいになってきているのではないかと思います。  以前の景気のいいときには、70歳を超えても、4万円しかない国民年金では生活できないからと、朝6時半の第1便のバスに乗り、都心部のビルの清掃などへ行って6〜7万円働き、4万円の国民年金と7万円くらい働いた分を合わせて70歳くらいのひとり暮らしの人が保護を受けないで生活できた。今、70歳超えて働くと言えば職安でだめだと言いますし、職安から、そんな年齢の高い人を雇用しているのですかと言って逆に心配される状況などもあって、高齢者は就労から排除されるというよう状況になっています。勢い、やむなく不足分は生活保護を受けざるを得ない、こんな状況にもなってきているのではないのかと思うのであります。  全体として保護が膨らんできている問題について、今の社会的、政治的状況、雇用環境が悪化している、市長はそういうことを述べています。しかし、私は、パーミルの全体の動きから見て、今、社会状況が非常に悪化し、高齢化が進んできている中では、保護率は相対的に低い状況にあると。昭和30年ごろ、そして80年代を考えたら、生活保護率は非常に低く抑えられているふうに思うのですけれども、この点についてどのようにお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。  もう一つは、今回の本会議の代表質問でもお尋ねした就労指導の問題です。  生活保護というのは、憲法第25条、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を国民が有して、これを国が保障するという制度であり、これは戦前の明治憲法にはない考えであります。そして、憲法第25条の生存権保障に基づいてつくられた法律が生活保護法であります。そして、一たんつくられた生活保護法は、直後に改正され、昭和23年くらいにつくられた法律は、その後、何も改正されないまま今日まで来ています。  その憲法の基本的な精神は、先日の本会議で市長が再質問に答えて述べられました。市長は、憲法第25条は日本国憲法の中でも極めて特徴的な福祉国家を目指すという大原則を宣言したものであり、心ならずも、みずから所得を上げ、自立的な経済活動でみずからを養うことができない状況に陥った方々に対して、やはり、私たちの日本という国家、社会は、優しく救済の手を差し伸べることが基本原則でございますと述べられております。  これは、私は、憲法第25条、そして、今日の生活保護法の基本的な物の考え方をよくご存じだというふうに思うのですけれども、実際の保護の現場は必ずしもこういうふうになってないのではないかと思います。市長の考えとは違って、近年、全体として、保護の自立の助長を図るような具体的なケースワークが省かれ、指示、指導に従わないと言って保護を打ち切るということが保護の現場では多くなってきているのではないかと思います。(「そんなことないです」と呼ぶ者あり)  浜崎部長、多くないと言うのですから、2003年からこの3年間、今年度については去年の4月から1月まででいいですが、稼働指導、指示に基づいて指示書、指導書―以前のケースワーカーは、こういうものをきちんと口頭で指導し、状況も見て、そうですか、職安に行ってきましたか、職安に行ったのであれば交通費がかかりましたね、交通費も請求してください、出しますからということまでやってきました。私は、このことを委員会で何回も質問したことがあります。就労指導をしてもいいけれども、職安まで行くのであればその分の費用も出しなさいというふうにも述べたこともあります。  お尋ねしたいと思うのは、この3年間、2003年度、2004年度、2005年度、そして、今年度は去年4月からことし1月までで結構です。この間の年度別の指示、指導書、発行件数、そして、その指示、指導に従わなかったということで保護を打ち切って廃止した件数を年度別に具体的にお示しいただきたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  先ほどの保護の動向に関してどのように考えているかということであります。  今、手元にある札幌市のデータでは47年しかございませんが、現在、平成17年度の保護率を申しますと27.0パーミルでありまして、要は今が一番高いという状況であります。過去からどんどん高くなりまして、政令指定都市になってからは二つのピークがございましたが、それも超えて、今は一番高くなっているという状況であります。  続きまして、指導、指示の関係でございますが、まず、平成15年の発行件数からまいりたいと思います。  データの中で1カ所抜けているところがございますが、649件ございます。うち、廃止に至ったものが132件でございます。平成16年度は、同じく、これも1区除かれてございますが、974件、廃止件数が226件、平成17年度は、発行件数が1,056件、廃止件数が179件でございます。また、平成18年度の4月からこの1月まででございますが、4月から合わせまして954件、廃止件数が160件となってございます。 ◆小川勝美 委員  先ほど言ったように、急速に高齢化が進んできて、以前だったら70代でも働いて収入を得られるような状況だったけれども、今はそういう人たちが非常に少なくなって、やむなく保護を受けざるを得ないという状況になっています。  札幌市の保護世帯の人員を見ますと、保護人員5万2,000人のうち高齢者が1万3,000人くらいになりますし、あとは障がい者、傷病者ということになっていきますから、非常に高齢者が保護を受けざるを得ないという状況になってきています。このこともあわせて考えていくならば、今日の保護率27パーミルというのは、今までの中で特別高くなってきているということではないと思います。  問題なのは、就労指導についてです。以前は、口頭でケースワーカーが直接指示して、職安に行ってとか、各区に配置された就労支援専門員にきちんと紹介して、どこどこへ行ってと丁寧な指導をしていたケースがありました。しかし、最近は丁寧な指導、ケースワークをしないで、先ほど言った指示、指導書、こういうものを多発する傾向があります。そういうことで、部長のご答弁にあったように、2003年度に649件だったものが、昨年度は1,056件に膨らんできている。そして、今年度は4月から1月までの間、まだあと2カ月残している分で954件、廃止の件数に至っては去年1年間の分に匹敵する件数に増加してきている状況にあります。  先日の本会議の代表質問でお尋ねしたケースは2月1日からの停止ですから、この統計数字には入らないということでした。ですから、2月1日以降のものになると件数がもっと増加しているのかどうかはわかりませんけれども、そういう状況になってきていることを指摘しながら、次のお尋ねをしたいと思います。  この間、同じ厚生労働省所管で、生活保護行政を担当しているのが厚生労働省の社会局の保護担当の方ですが、片方では、昔は労働省と言っていたのが一緒になり、厚生労働省が労働法制の規制緩和を急速に広げてまいりまして、今日、これが大きな社会問題になっています。きょうも、国会では朝から雇用問題で予算委員会の特別審議がされています。ここでも出ているのが、いわゆる規制緩和後のパート労働、派遣労働、請負という名で下請、孫請的に労働強制ということなどが問題になっております。この間の労働法制の規制緩和によって、不正規雇用が拡大をする。不正規雇用が拡大して、働いても働いても低賃金、年収200万円以下のワーキングプアという人が400万世帯にも上ります。NHKで2度にわたって特集が組まれるなど、こんな状況になっています。  そういう中で、政策的に働いても働いても収入が上げられない世帯がつくり出されていることについてどう思っておられるか。そういう中にあって、母子世帯である、あるいは、先ほど市長の言ったように、心ならずも会社が倒産し、再就職しようと思っても50歳を超えているためなかなかまともな職場がないという方がいて、こういう人たちの中には稼働しながら不足分だけ保護を受けている。しかし、市の方からは、働く時間をふやせという指導があり、さらには稼働収入を上げろと言われるのです。今、市の職員並みに38時間くらい働いている、しかし、保護基準にいかないから足りない分をもらっているという人たちに対して稼働収入上げなさいという指導をしていませんか。  中には少ない人もいるのですよ。母子家庭で週30時間を超えて働いても7〜8万円にしかならない、子ども2人を保育所に入れながら働いてもどうしても保護は廃止にならない、そういう人たちに対しても稼働収入を上げろという指示、指導書を発行するわけです。指示、指導書に従わないと言ったら廃止する、こういうこともあるのではないかと思います。  先ほど指示、指導に従わなかったから昨年度は179件廃止しましたとのことだが、その後、廃止した保護世帯が自立助長しているのかどうか、追跡調査をしたことがありますか。  それから、保護世帯は、病気になったら医療券で病院に行きます。保護を廃止したら、その世帯は国民健康保険に加入しているはずです。同じ区役所の福祉事務所、保健福祉部の同じ所管の隣の国保の窓口に行って保険証を発行してもらっているかどうか、その保険証で通院しているのか。  さらには、国民健康保険料は、今、結構高い保険料がいっているのが実態であります。保護基準にいかない世帯の人たちに高い保険料がいった場合、それが本当に払えるのでしょうか。  それから、わずか3カ月、4カ月の追跡調査ではなくて、その後、1年、2年と追跡調査をしたことがありますか。その後、自立助長に至らないまま保護を廃止した世帯に対するフォローアップの指導などはどうなっているのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  まず、ふえていることに対してどう思っているのかというご質問があったと思いますが、やはり、経済情勢の問題とか雇用環境の問題などがあると思いますので、そういうことから市長が代表質問で答弁されたとおりのことだろうと思っております。
     2点目の指導、指示書を発行し、かつ、廃止することがふえている件についてお答えしたいと思います。  まず、生活保護というものは、最低生活の保障ということとあわせまして、自立の助長ということが求められているところでございます。かつ、資産や能力などの活用ということが保護の要件ということでございます。したがいまして、稼働能力を有する者はその稼働能力を活用しなければなりませんし、その能力の活用が低調な方はもっともっとやっていただくことになっているところでございます。  そこで、私どもの方では、働く能力に応じて働くよう、こういう形の指導をして、その指導にこたえていただけなかった場合に、第28条による文書の指導をしていくということであります。このことは、平成18年3月の厚生労働省通知でも改めて示されているところでございます。  次に、保護の廃止になった者に対する追跡調査をしているかというご質問でございます。  この点につきまして、文書による指導、指示というものは、高齢や病気で働けない方に対しても働くよう指示するものではございません。稼働能力を有しながらこれを活用しない場合に行われるものでございます。したがいまして、文書指導の結果、働ける方の就労に向けた姿勢が不十分な場合は保護を廃止することもあり得るところでございます。  廃止後の追跡調査は行っておりませんが、このような廃止の場合、保護課に来てもらいまして、保護の通知書を出すときなどには保険の加入や稼働を開始してもなお生活に困窮する場合の再相談について説明をしておりますし、来ていただけない場合にも何らかの形で伝えているところでございます。また、今後、こういうことは徹底していきたいと考えているところでございます。 ◆小川勝美 委員  私は、資産の活用とか稼働能力の活用ということを指導したからといって問題にしているわけではありません。働いていても、なお、働く環境、雇用環境が非常に悪い、一生懸命に働いても収入が上がらない、そういう人たちに対して、ただ、収入増を図れという指導、指示書の紙切れを出し、紙切れのとおり動かない、収入を上げなかったと言って切ってしまっているケースがあるので私は言っているのです。  先ほど言った昨年度179件、今年度は既に180件、ことし3月31日まで行ったら昨年度を上回る数で保護を切ることになると思います。それは、市の福祉事務所の指導、指示によって収入増が図られて、本当にいい勤め先を紹介してくれて、就労支援相談員のところに行ったらいいところがあった、ここに行ったらこういうふうになって採用になって、そして収入増を図った、それで、本人も自立助長がされて廃止されるのならばいいのです。しかし、昨年度179件、今年度180件は、指示、指導に従わなかったといって廃止されているのです。  以前はこんなことはなかった。先ほど言ったように、平成18年3月に厚労省から通知が来ているからといって、この指導は急速に強まってきているのです。保護法だとか憲法第25条が実質的に蹂躙されているようなことが全国的にやられて大きな問題になっているので、その中で札幌市も似たようなことをやられているということであろうと思います。  一番大事なことは、結局、その人が稼働能力の活用が不十分、いわゆる、本人は一生懸命にやっていても相手は使ってくれないのですよ。面接に行っても断られる。場合によっては、面接に行くと言ったら、今、そこで働いているのなら私のところに来なくてもいいですよと断るのですよ。今、週何時間働いているのなら、別にうちに来なくていいでしょう、働いているのならと。いいえ、福祉事務所の就労指導で収入を上げろというので、あなたの方がいいみたいだから行きたい、いいや、私はそういう方は要りませんと断るのです。そういう場合がありますね。それでも、増収対策だ、稼働能力を活用はしているけれども、不十分だ、こういって切っているのですか。  179ケースの中で、本当に一生懸命やっているのにもかかわらず切られてしまって、その後、福祉事務所は追跡調査もしないというようなことを行っていると、ちょうど20年前の今ごろでしたか、母子世帯の母親が白石で3人の子どもを残して保護を切られたと言って餓死した事件がありました。24年前には、もみじ台団地で保護を切られた世帯で、電気代が払えず電気をとめて、ろうそくを使っていて小学校1年生の子どもがろうそくで焼死したという事件もありました。それから、過度な就労指導をやられて東区で首つり自殺をしたケースもあります。議会で私たちが問題にしましたが、また札幌でもこういうような事件が起こるような気がしてならないのです。  こういうことだけは絶対に起してはならない。それこそ、人の命は地球より重いなどというふうに言いながら政策がつくられたりしているときに、憲法第25条がありながら、実質的にこれがじゅうりんされる。適切な就労指導をされるのは必要ですが、前のようにきちんとやってもらうのならいいけれども、何カ月たったから、はい、廃止だ、こういうふうな機械的なやり方は絶対にあってはならないと思います。この点について、小澤副市長にお聞きしたいと思います。  上田市長は、再質問に答えて、福祉の心できちんと対応することが大事だというふうに述べられています。やはり、憲法第25条の基本精神をしっかり踏まえ、相手を見て、人を見て法を説けと、これが大事なのですね。  ところが、六法全書のようなものを持っていって条文を読み上げて指導したことになるのであれば、ケースワーカーなんてそんなに努力しなくてもできるということになってしまいます。やっぱり、少なくとも社会福祉主事の資格を持っているケースワーカーというのは、資格を持っているがゆえに、力量もあるし、そういうことが期待されているのだと思うんです。そういう人たちは、人を見て法を説けと、この人にどういうふうに話をしたら本当によくわかってもらえて、努力をし、稼働能力も最大限発揮してくれることになるのだろうかと。そういうことをしないで、文書だけ出して、何カ月たったら、はい、切りなさい、切ってしまえばいいのだ、こんなことをもしやっているのだとしたら間違いだと思うんです。  しかし、現実には、この何年間、廃止件数がどんどんふえてきていることを考えると、ちょっと心配なものですから、二度と餓死事件のようなことを起さない、ましてや、保護を廃止したことによってそういう事件を起こさせない、起してはならない、こういう立場で保護行政はあるべきだと思うのです。  この点について、改めてお尋ねをして、きょうはやめておきたいと思います。 ◎小澤 副市長  私も、役所に入りましてからの白石の餓死事件というのは、当時、機構としては民生局所管で、記憶にあって、非常に残念な思いをいたしたところであります。そのような事件、事故というのは、あってはならないことは、今、小川委員がおっしゃったとおりだと思います。  それから、生活保護法というのは、先ほど来お話がありましたように、生活に困窮し、きょう、あすが困る方々に法の手を差し伸べて生活をしていただくということであります。一方、ケースワーカーというのは、私の信じるところでは、職員はしっかり仕事をさせていただいているつもりでありますけれども、被保護者とケースワーカーとの間で、お互いの説明や認識、理解がなかなか一致しない、お互いにまだ話がわからないままでやりとりがあることもあるだろうと思います。可能な限り、そういうことをなくしていく努力をしないと、先ほどおっしゃったように、一片の文書でそういう対応をしているのではないかというようなご批判があったりするわけですから、そういうことのないように、きちんとお互いに理解し、生活保護法というのはこういう制度ですということで、あなたも一生懸命努力をしていただかなければなりませんということを、お互いのコミュニケーションをしっかり図る中で……。(発言する者あり)  お互いに理解するということでございまして、そういう努力をしていくお互いに必要があるだろうというふうに思っております。 ○大嶋薫 委員長  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時41分       再 開 午後2時43分     ―――――――――――――― ○大嶋薫 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第3項 老人福祉費及び議案第8号 平成19年度札幌市介護保険会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆熊谷憲一 委員  私は、敬老優待乗車証、敬老カードについて質問させていただきます。  質問の一つ目は、敬老パスから敬老カードになったために高齢者の外出が抑制されたことに関してです。  1月25日に行われた厚生委員会でも指摘させていただきましたが、高齢社会に関する意識調査によれば、外出する頻度が減った人は交付対象者の26.8%にもなりました。交付対象者数は21万5,300人ですから、その数から推計すると外出頻度が減った人は5万7,700人に上ります。制度改定のために、6万人近い高齢者の外出を抑制したことになりました。  高齢者の外出は、通院や福祉施設の利用、買い物、ボランティア活動への参加など、高齢者の暮らしを支え、介護や病気の予防、引きこもりの防止など有用性があるものであります。こうした有用な外出を抑制したことに痛みを感じないのかということであります。  アンケートで、工夫していることという質問に対して、なるべく歩くという人は32.6%、自転車が16.4%、自動車が15.8%と、複数回答を考慮しても約半数前後の人が公共交通機関に乗らないように努力している実態も明らかになりました。これらの人は、高齢者の中でも元気な人であります。しかし、冬期間、こういう人でも自転車を使えない、つるつる路面で転倒する危険があり、結局、家に閉じこもるということになるのではないか。  本市が、制度の存続という財政的理由から制度改定を行ったことにより、現実に多くのお年寄りの外出を抑制したことになったことは、このアンケートでも明確にあらわれていると思うのですが、この点をどう認識されているのか、伺います。  質問の二つ目は、敬老カードに係る予算と決算に関してでございます。  旧制度のとき、すなわち2004年度では約38億円の予算でありました。そして、そのとき、今後、高齢者は毎年1万人ふえ、市の負担が毎年2億円ふえていくということを理由に、上限額の設定と10%から20%の自己負担の設定という二重の改悪が行われ、市の負担は大幅に引き下げられました。  そこで、質問でありますけれども、2005年度の決算と2006年度の決算見込みで、予算に対してどうであったのか、あわせて、市の負担はどうだったのか、お示し願います。 ◎宮川 保健福祉部長  まず、1点目についてでございます。  さきの厚生委員会でもご報告申し上げましたが、昨年11月に実施したアンケートにおきましては、外出頻度が減ったと回答した方14.4%と、やや減ったと回答した方12.4%を加えると26.8%であり、確かに委員ご指摘のとおり、有料化により外出を控えるようになったという一面はございますけれども、一方で、外出頻度がふえた、あるいは、ややふえたと回答した方を合わせますと約1割程度の方がいらっしゃいます。この質問項目は、無料パスのときと比べて外出頻度がどう変わったかというふうな問い方であったために、敬老優待乗車証を利用しての外出という解釈の上で回答されたものがあるというふうに考えらます。  委員のご質問にもございましたけれども、このアンケートで、外出する際に工夫していることというお尋ねの項目の中で、歩くようにしているとか自転車を利用しているといったような回答もかなりあることを考えますと、これらの結果だけではあらゆる外出機会が減ったものというふうに判断しにくいものと考えてございます。  2点目の予算・決算の関係でございます。  まず、札幌市が事業者へ支払った額についてでありますが、2005年度は、予算額42億2,700万円に対しまして、決算額は29億2,700万円であり、その差は13億円となりました。同じく、2006年度は、予算額42億2,500万円に対しまして、決算見込みは35億9,900万円を見込んでおり、その差は6億2,600万円の差が生じると見込んでございます。  なお、市民負担を除きました札幌市の負担額ということになりますと、平成17年度が20億700万円であり、平成18年度では26億900万円を見込んでいるところでございます。 ◆熊谷憲一 委員  部長からは、確かに外出を控えるようになったということは言えるけれども、あらゆる外出頻度が下回っているということではないということで、敬老パスの改定によって外出抑制が強まったのではないかと私が言ったことに対して微妙な答え方をされております。私は、旧制度のもとで、当時、無料パスでありましたけれども、長年、高齢者の方が外出されていたのが、今回の敬老パスの改悪によって、このアンケートでは26.8%の5万7,000人、約6万人近い人がその制度変更のために外出が減ったのではないかと言わざるを得ないと思います。  この点について、再質問いたしますけれども、先ほどの答弁でもありましたが、高齢者の福祉のために予算化された支出が予算を大幅に下回る結果になりました。2005年度は予算に対して13億円、2006年度は6億2,500万円、予算を余した結果になりました。市の負担は、2004年度の約38億円から2005年度は約20億円、2006年度は追加購入や未使用カードの返還が可能になるという改善や5万円の選択者がふえたこともあり、約26億円になりましたが、それでも2004年度に比べて約12億円も減額になっております。  私は、高齢者の福祉のために予算化されたものが、専ら高齢者自身の自粛によって生まれた余ったお金ですから、他の施策に回すのではなく、高齢者の外出を促進するための施策、すなわち上限額の引き上げに使うべきだと考えるものであります。  敬老カードに予算化されたお金は、決してむだに使われるものではなく、すべて交通事業者に、約半分は札幌市の交通事業者に、もう半分は民間の交通事業者に回り、それぞれの交通事業者にとって貴重な収入源になっております。今、乗降客が減っており、路線をふやしたり便数を増加させて乗降客を増大させる見通しが厳しくなっているとき、敬老カードの利用は、8割分の補てんとはいえ、乗降客増員と収入増につながるものになり得るものであり、上限額の引き上げは交通事業者の協力を十分得られると考えるものであります。  そこで、質問でありますけれども、敬老カードによる外出抑制を緩和するためにも、上限の引き上げを改めて検討すべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎宮川 保健福祉部長  利用上限額の見直し等の制度の改善についてでございますけれども、平成17年度より見直しました現行制度は、制度発足時におきまして、議会の議論を経て、また、十分な市民議論も反映させ、利用者を含めた市民、交通事業者等の理解を得て設定したものでございます。したがいまして、今後の利用上限額変更を含めた制度の見直しにつきましては、市民意見等を十分踏まえ、また、交通事業者等の理解を求めるとともに、利用実態等をさらに調査・検証し、それらの結果に基づいて検討してまいりたいと考えております。 ◆熊谷憲一 委員  当時、議会の審議を経てということだったわけでありますけれども、実際には、予算に比べて予想以上に外出抑制が働いたために市の負担も少なくなったというのがこの2年間の実態です。そうであるならば、やはり今、この問題も見直して、上限額の引き上げを検討すべきだと思います。  そこで、きょうは小澤副市長が出席しておりますから、改めてこの点についてお聞きしたいと思います。  同じアンケートによると、申し込んだ金額と利用見込みでは、5万円を選択した人のうち、少し足りない人は26.4%、かなり足りない人は35.3%、合わせて、5万円を選択した人の61.7%の人が足りないと回答しております。5万円選択者数は3月交付で6万5,330人ですから、それで推計すると約4万人が不足していると回答しております。また、利用可能金額を上げた方がよいと回答した人は交付対象者の17.4%、交付対象者以外でも18.4%に上っております。交付対象者数の先ほどの数で推計すると約3万7,500人と4万人近くなり、先ほどの足りないと回答した人との数はほぼ匹敵をしております。足りない、したがって上限額を上げてほしいと希望している人は決して少なくない数になっております。  これらの人に対して、外出抑制のおもりを少しでも緩和させること、すなわち、上限額の引き上げについて、制度の趣旨から言っても検討することはできないのか、検討すべきではないのか、伺いたいと思います。 ◎小澤 副市長  現行制度に移行したときから、利用実績をきちんと見たいということと市民アンケート結果を十分尊重したいということを申し上げてきたと思いますが、このたびの市民アンケートでは、先ほど熊谷委員からお話がございましたような結果が出ております。  私どもとしては、利用実績と市民アンケート結果を踏まえまして、利用制限額の5万円も含めまして、この制度をどうするかということについて検討を開始したいというふうに思っているところであります。 ◆熊谷憲一 委員  小澤副市長から検討を開始したいということでありますので、ぜひ期待したいと思います。  もう一つ、質問をさせていただきます。利用者負担額についてであります。  アンケートでは、現行のままでよいが交付対象者で52.4%と一番多く、次いで、下げた方がよいが22.7%となっております。先ほどと同様に数を推計すると、約4万9,000人が自己負担の引き下げを望んでいると考えていいと思います。  仙台市では、1万円限度の敬老乗車証を希望する人には負担なしで交付し、フリーパスについては、低所得者である介護保険の第1段階と第2段階の所得の人には1,000円の自己負担、その他の高齢者には5,000円の自己負担とするような、弱者と高齢者に配慮した制度改定がなされております。  今、市長選を目前にしておりますけれども、自民党の推薦している予定候補の方は敬老パスの原則無料化を公約しております。言っている説明を見てもよくわからないことがありますけれども、5万円の上限額は変えないで自己負担を無料にすると8億円が浮いてくる、400万円以上の所得の人から2割の自己負担をもらうことで、4億数千万円の負担増で実現できるかのように公約には書かれております。  昨日発表された重点政策第3次分というのがあるのですが、ここでは、原則無料化の公約から少し後退して、現行方式の実態を検証しという文言が入って、原則無料化を前提に、本当に必要な人が安心して使えるわかりやすい敬老パス方式へ転換しますと言っています。逆に、何を変えようとしているのか、わかりにくくなっております。私の記憶では、敬老パス改定の論議の際に、たしか、自民党は自己負担を一律15%にすると主張し、無料化を主張したことは1回もないと認識しているのですが、考え方を変えたのでしょうか。  我が党は、敬老カードの自己負担については弱者対策を盛り込むよう改善を求めてまいりました。現行制度では、枚数が少ないほど割引率が有利になるような、枚数を制限する自己負担体系になっており、福祉施策とは言えないものであります。  そこで、質問でありますけれども、本市においても、低所得者に対する配慮が必要と思うがいかがか、伺います。  仙台市のように、1枚の場合は自己負担なしの無料にするとか、介護保険第1段階や第2段階については自己負担を無料にするなどの工夫が必要であり、やる気になればできると思いますし、工夫のしどころだと思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎宮川 保健福祉部長 敬老優待乗車証制度につきましては、多年にわたり社会の発展に寄与してくださった高齢者の方々を敬愛し、老後の生活の充実を図るという趣旨で実施しているところであります。この趣旨に基づいて、所得による格差は設けず、また、ご負担いただく利用者納入金についても、低所得者の方々に配慮してできるだけ低い金額というふうに設定しておりますので、ご理解いただきたいと思います。  また、これらの見直しにつきましては、受益と負担のバランスという制度の根幹にかかわることになってまいりますので、今後、慎重に研究してまいりたいと考えてございます。 ◆熊谷憲一 委員  最後に、要望しておきます。  やっぱり、弱者対策というものは必要だと思うのです。まさに、生活保護基準以下で頑張っている世帯、介護保険の第1段階や第2段階、あるいは生活保護世帯に対しては、仙台市で行われているように、少なくとも1枚は無料にする、あるいは低料金にするなど、弱者対策をこの制度に盛り込むよう強く要望して、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  それでは、私も敬老優待カードについてお尋ねいたします。  1点目は、平成17年度決算が終わっておりますが、この17年度に利用者が負担して預かったお金について、これが未使用で一体幾ら残ったのか、この金額を明示していただきたいと思います。  それから、18年度ですけれども、1万円のカードについては、カードが全く未使用である場合については負担金を返しますと言っておられますが、17年度の実績から想定してこれがおよそどれくらいになろうとしているのか。そして、特に、1万円から200円乗っても9,800円が市の手元に残るというわけでありますけれども、これは一体幾らくらいを想定しているのか、2点についてお尋ねします。 ◎宮川 保健福祉部長  1点目の未使用の額がどうであったかという点でございますが、これにつきましては、当初、市民の方が申請の際にそれぞれ額面を選んで申請いたしました、いわゆる利用可能総額と最終的な実績の額との差ということになりますと、平成17年度においてはその差は約9億円ということになってございます。  それからもう1点、平成18年度において未使用の方の金額がどの程度推計されるかということでございますが、この件に関しては、見込みと合わせて内訳の詳細がまだ見通せない部分がございまして、手元に計算結果がございません。 ◆松浦忠 委員  平成17年度に残った9億円のうち、市民、利用者が1,000円、2,000円、3,000円、最高1万円まで負担しましたが、この負担をして未使用だったカードによる札幌市の手元に残ったお金は幾らですか。 ◎宮川 保健福祉部長  事業者への支払いにつきましては、毎月実績に基づいて支払っておりますので、この9億円の金額等も含めて、市の中に金額が残るというふうな仕組みにはなってございません。 ◆松浦忠 委員  それは違うでしょう。残った9億円の中には、いわゆる、カードを使わなかった人の分、未使用の市民が2割まで負担した部分について残っているのですよ。  私の試算では、平成17年度はおよそ1億2,400万円になるのです。皆さんからいただいた資料で、乗った人数と払った金とを差し引いて、残った9億円のうち、1,000円、2,000円、3,000円と細かく計算していったらおよそそのくらいの金額が残っているのです。  では、平成18年度はどのくらい残るのかといいましたら、およその見込みで2億円くらい残るのではないかと。これはあくまでも18年度見通しですよ。  そこで、市長は、この1億2,400万円が残ったから、18年度から1万円カードの全く手つかずのものについては払い戻すということを言っているわけです。しかし、200円使った9,800円は、それでもまだ市長の懐に入ってしまうわけですよ。市長の懐ということは、(発言する者あり)札幌市の財布について、市長は私の財布はという言葉を使うから、市長が常にそういう言い方をしているから私もそう言うのですが、いわゆる札幌市の財政に入るわけですよ。  市民が負担したお金が、私が1万円カードを買って1,000円負担し、私が全く使わなかったら、その1,000円は私が負担し、札幌市は残りの9,000円を事業者に払わないし、私の1,000円ももちろん払わないのです。そうでしょう、仕組みは。この間、事前に来たときにちゃんと確認したでしょう。首をかしげていますけれども、確認しましたよ。  ただ、きょう、市長が出ていればストレートに市長に質問することにしていましたが、こんなことはだれでもわかる話ですよ。違うなどと言うならば、小学校の算数をみんなやり直ししなければだめだ。さっき私が言ったように、その残る金は、およその推定では17年度は1億2,400万円だと。18年度は、払い戻しをしても恐らく1億円前後です。残った分の9,800円、すなわち、負担金1,000円で2%しか使わなかったら980円、そういう金が残っていくわけです。  したがって、この制度について、まず一つは、利用者に負担を求めたものについて、使わない分は1万円丸々使わなかったら1,000円返すというのではなくて、例えば、200円使って利用分の2%だったら1,000円のいわゆる2%、その残った分を利用者にちゃんと返す、返すのなら返すということで全部を返すと。それから、乗れるようにするのなら、2年なら2年継続して乗れるようにすべきことなのです。そうでないと、札幌市長は不当利得を得ていることになるんですよ。 ◎宮川 保健福祉部長  平成17年度の実績について、簡単に説明をさせていただきます。  まず、市民は申請時に10%ないし20%の負担金を払いますが、その総額が17年度は約8億5,000万円でした。これをあらかじめ市に納入いたしまして、これは、券面の額で言いますと約46億円分の敬老優待乗車証を手にいたすわけでございます。この時点では、事業者に対する支払いは生じておりません。実際に、市民が使用する実績に応じて、毎月事業者に市から支払いを行いますが、その総額が年間29億円でありまして、これを本市と事業者とで負担しているということになります。札幌市の方が21億円、事業者側が8億円弱となりますが、この場合、事業者側は20%という負担で2割を割り引いて負担しておりますので、これを戻しますと実際の市民の乗車額は約35億円分乗車したということになります。そうしますと、先ほどの券面の46億円との差は9億円ですが、これが未使用分となりまして、この計算から申しましても市の中に金が残るというふうな計算、考え方は基本的にはないと考えております。 ◆松浦忠 委員  それでは、どうして1万円の未使用のカード場合、1,000円を払い戻しするということを平成18年度からやるのですか。(発言する者あり)  私が言っているのは、市民が負担した分がさっきの平成17年度でおよそ1億2,400万円ですよと、それだけを言っているのですよ。私は残ったうちの20%の負担分だけを言っているのですよ。  今の話で、札幌市は全く返さない、それはもらい切りでいいんだという発想の当初方針ならば、私はこの質問をしません。18年度から、1万円のカードを全く使っていなければ1,000円戻します、2枚使っていなければ3,000円戻します、3枚使っていなければ6,000円戻します、こういうことになるわけでしょう。あるいは、1枚1,000円でもいい。しかし、少なくとも使っていなければ使っていない分だけ、3枚買った人が1枚全く使っていなければ2,000円を払い戻しするということでしょう。違うのですか。もう一回、正確に教えてください。 ◎宮川 保健福祉部長  お話を伺っている中では、市民負担の額に利用率85%程度をかけて計算の結果、残りの15%をどうするかという考え方かなというふうに思いますが、カードごとに個別の判断はできないので、その分の返還は困難ではないかというふうに考えてございます。 ◆松浦忠 委員  そうしたら、全く未使用のカードについては利用者負担分は返さないという考え方で今後もいくということですか。 ○大嶋薫 委員長  松浦委員、やりとりを聞いていますと、何を質問しようとしているのか具体的な論点がわからないのですが。 ◆松浦忠 委員  論点ははっきりしているのですよ。1枚カードを購入して、私が1,000円負担しました、そして、それを使わなかった、年度を越しましたと。そうしたら、札幌市ではこのカードを持っていったときに、私が負担した分を返すのですか、返さないのですかということをまず質問しているのです。 ◎宮川 保健福祉部長  平成18年度から、1万円単位に限ってカードの返還等を導入いたしました。この結果として、1万円等の単位に限りまして返還は可能となったということでございますので、残る部分につきましてはカード1枚ごとの端数分、これについては対応できておりませんので返還していないということでございます。 ◆松浦忠 委員  そこで、私が質問したのは、残額が、平成17年度は利用者の負担分がおよそ1億2,400万円あったということです。私の試算ではそうなっているのです。それは、だれが計算してもそんなに違わないと思います。  そこで、18年度は、今度は1万円の未使用の分については返すよということですが、私は、今の技術からいったらこんなことは簡単にできることなので、カードを読み取らせれば何回使って残額が幾らかと出るわけですから、したがって、返すならばこれについても残額はきちんと全部返すべきだと思います。(「考え方が違う」と呼ぶ者あり)  考え方が違うのではなくて、私の意見を言っているのですから、質問しているのですから、皆さんはちょっと私の意見を聞いてください。  したがって、多くのお年寄りの皆さんから寄せられる意見としては、返すんなら、全額、残った分も返すべきではないかと。それは、18年度決算を見てみなければ一体幾らになるのかということはわからないけれども、これも相当な金額になるのではないかと想定されます。  そこで、私は、こういうような煩雑な……。(発言する者あり) ○大嶋薫 委員長  質問してください。 ◆松浦忠 委員  私は、前回もこの制度を導入するときから市長に求めていたのは割引率の問題であります。2割というのは、バス事業者とだれが交渉したかということです。私があのとき求めたのは、市長とバス事業者の社長がきちんと交渉して、割引率、あるいは、定額制で全部を乗せるということをもっと交渉すべきだと言いましたが、市長は全くやりませんでした。  しかし、今回の平成17年度の結果を見ても、札幌市の地下鉄と市電に入った金が51%であります。そうすると、札幌市長が、いわゆる敬老パスに係る運賃割引率、あるいは、結果として5割になるか4割になるのかわかりませんが、定額でもってこれで全部を乗せるという交渉の可否を握っているのは札幌市長自身であります。したがって、札幌市長がどういうふうに敬老パスについて考えるかということが、このパスのあり方を決めることなんです。  したがって、私が市長に質問するのは、今の財政上、この割引率を含めて、固定制で、4年間ならば4年間固定をして一定金額でパスを支給することは不可能ではない。例えば、地下鉄の割引率などを見ても、札幌の市営地下鉄は3カ月定期で33.5%、ところが、東京の地下鉄は6カ月で45.33%という割引率になっているわけです。これは団体割引率の関係もありますが、1年、これだけの固定した金額を支払うとなったら、先ほどだれかの質問に事業者の経営上もなどと言っていましたけれども、敬老パス、敬老カードというのは、事業者の経営を助けるためにやっているのではないんです。高齢者に対して、健康増進ということで、高齢者の方にパスを利用して歩いて健康増進してもらうという目的でやっているのが敬老パスなんです。
     そういう点で、市長は来ていませんが、選挙の時期でありますから、私は、この問題について、選挙に当たっての市長の政策的な判断も改めて問いたいというふうに思います。立起表明もしていますから選挙に臨むに当たり、市長が出席して、改めて、市長に政策的な判断を直接問うてみたいと思うので、この件については質問を保留いたします。 ○大嶋薫 委員長  それでは、松浦委員の質疑が保留されることを確認いたしまして、ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時20分       再 開 午後3時41分     ―――――――――――――― ○大嶋薫 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆三宅由美 委員  私どもの会派は、代表質問の中で、これからの高齢社会の福祉施策の中で認知症対策の総合的な推進の必要性について述べたところです。要介護認定を受けている方の約5割が何らかの認知症があるということから推計しますと、現在、札幌市の要介護認定を受けている方が約6万人ですから、約3万人が認知症ということで、高齢者人口の約1割近くが、程度の差があるにしろ、何らかの認知症と言えると思います。  そこで、認知症予防対策と認知症高齢者グループホームにおける介護の質の向上策の2点についてお伺いいたします。  最初に、認知症予防対策ですが、認知症対策には認知症の方に対する人権擁護や適切なケアの普及が必要ですけれども、介護が必要となる以前の予防策も必要ではないかと考えます。  認知症の予防には、まず、認知症を理解することと、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患の予防、若いときからの社会参加、仲間づくり、頭と体を生き生きと使うことなどが考えられます。予防策は、生活習慣や生き方にまで及び幅広いのですが、個人の生活にまで触れ、介入することはできませんから、まずは、認知症に対する理解を普及し、みずからの意思で予防を心がけることが必要です。  そこで、具体的には予防対策としてどのような事業を実施しているのか、伺います。  2点目は、予防が重要であるとはいえ、長寿社会ではある程度の認知症患者の存在は避けられません。そこで、重要なのは認知症の専門的なケアですので、この点について伺います。  認知症の方については、本州の方では、周囲の目が施設や認知症高齢者グループホームの利用を許さず、在宅介護となるケースが多いようですが、北海道では、こうした他人の目から見てどうだとかというしがらみがなく、施設などに入るという傾向が強い現状にあります。  札幌市においては、グループホームの利用者数は3,796人と平成20年度を想定した計画上の利用見込み数2,833人をはるかに超えております。また、現在のところ、事業所数は234カ所と日本一になっています。  ちなみに、第2位は横浜市ですけれども、ここは人口300万人を超える都市ですから、いかに、札幌市のグループホームの数が多いかということがわかると思います。  そこで、札幌市は、当面、グループホームの新規指定を凍結していますが、安易に施設やグループホームをふやせば介護保険料にはね返ることになり、介護保険を全く受けなかったり、満度に受けずに頑張っている世帯にも負担をかけることになります。  昨年度後半から急激に数をふやしたグループホームでは、介護従事者の不足や虐待などを理由とした指定取り消しなど、介護の質の低さをうかがわせる事件も起きています。こうした経過からしますと、グループホームにおける介護の質の向上が、今は、最優先だと考えます。  昨年4月、指導監督権限が都道府県から市町村へ移譲されたことに伴い、札幌市においても指導体制を整備し、集団指導や実地指導に取り組んでいることは代表質問でお答えいただきましたが、実地指導の具体的な状況と現時点での問題の把握や指導内容はどんなものか、まずお尋ねいたします。 ◎宮川 保健福祉部長  1点目の認知症に対する理解の普及及び予防対策などの具体的な事業についてお答えいたします。  札幌市では、平成17年度から国の「認知症を知り地域をつくる10カ年キャンペーン」に参加いたしまして、認知症介護の実践者などの専門職を対象に、認知症理解のための市民講座や研修などの講師を担うキャラバンメイトを養成しております。このキャラバンメイトが実施する認知症の講座を受講した市民には、認知症サポーターということで全国統一のオレンジバンドが渡されております。  なお、この事業のほか、昨年10月には認知症予防に関する市民公開講座を実施いたしまして、約800人の市民が受講したところでございます。  さらに、医師会や家族の会、あるいは認知症ケア学会など、関係の専門機関や団体などとの連携協力のもとで、認知症の理解を深めるための普及啓発活動を行っているところです。  また、予防対策につきましては、市内53カ所の介護予防センターで、閉じこもり予防を中心にすこやか倶楽部を初めとした生活機能低下を予防する介護予防事業を実施しており、平成18年4月から12月までの実績は2,188回となっておりまして、そのうちの約33%に認知症予防に関する内容を取り込んでいるところでございます。  2点目のグループホームの指導につきましては、昨年4月の介護保険法の改正に伴い、指導・監督は保険者であります市町村が行うことになりました。本市も、これに対応して職員体制の増強を図り、従前は高齢施設課長以下3名体制でございましたけれども、昨年4月から、事業指導担当課長以下係長職3名、担当者4名の8名体制としてございます。  介護保険法に基づく実地指導につきましては、計画的に実施しているところでありまして、事業所内部の監察によりまして利用者の生活状況の把握に努め、介護日誌、介護計画などの書類を調査いたします。また、運営基準が遵守されているかの確認をこうした形で行っているところでございます。  また、利用者の家族などから苦情や情報提供があった場合についてでございますけれども、この場合は臨時に実地指導などを行いまして、運営が適正かどうか、入居者の処遇は適切かどうかの確認を行っております。これらいずれの実地指導においても複数体制で実施しておりまして、必要な場合については保健師も同行して専門的な観点からの助言・指導を行っているところでございます。  現在、虐待などの大きな問題は確認されてはございませんけれども、仮に、そうした著しい運営基準違反という事例が確認された場合におきましては、実地指導から監査に切りかえまして、改善勧告、次には改善命令等を経まして、なお改善が見られない場合においては指定の取り消しなどの処分をすることになってございます。 ◆三宅由美 委員  まず、再質問の1点目です。  キャラバンメイトの数、それから、現在の市民サポーターの数とその役割、今後の予定について伺います。  2点目ですけれども、認知症予防については、今、脳訓練の大人向けゲームや計算ドリルなどが市販されている状況がありまして、これもよく売れていると聞いています。  札幌市では、独自に介護予防センターを設置し、保健福祉の専門職もいますので、もっと積極的に認知症予防事業に取り組むべきではないかと思いますので、そのご見解を伺います。 ◎宮川 保健福祉部長  1点目のキャラバンメイトの養成数等でございますけれども、平成17年度、18年度の2年間で214名となってございます。このキャラバンメイトが実施した講座は、平成19年2月1日現在で65回、認知症サポーターとなった市民は1,601人となってございます。  市民サポーターの役割につきましては、認知症の知識を学ぶことで認知症を理解し、みずから予防に努めることはもちろんでございますけれども、まずは地域の認知症高齢者を早期に発見し、医師やケアマネジャー、地域包括支援センターなどの専門職員と連携して、必要なサービスやケアにつなぎ、地域生活を支援するなど、福祉のまちづくりにおいても大きな役割を担うものと考えてございます。  今後につきましては、キャラバンメイトのフォローアップ研修を実施いたしまして、認知症の市民講座の実施や市民サポーターの役割についてさらに周知を図るとともに、その活動の活発化を図ってまいりたいと考えてございます。  2点目の介護予防センターでの認知症予防事業についてでございます。  認知症の予防については、先ほど来お話ししておりますように、その知識や理解を普及するとともに、予防事業の実施から地域において認知症の方の早期発見、適切な支援に至るまでを総合的に進める必要があるというふうに認識しております。また、認知症の予防は、病気の予防や適切な管理、あるいは、運動や栄養、趣味活動や地域交流などといった生活を豊かに活発化することも含めまして、大変幅広い分野にわたっているというふうに考えられます。  このことから、今後におきましては、介護予防センターで実施する介護予防事業におきまして、事業内容というものをさらに工夫するとともに、物忘れが始まった方への事業の実施など、認知症予防の取り組みをより明確な形で位置づけ、予防対策を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆三宅由美 委員  認知症専門施設の介護の質の向上は重要で、これからも十分な対応を進めていくべきですけれども、今後は、単身高齢者などの増加に加え、介護療養型病床の廃止などもありまして、地域で多様な生活の場が求められています。また、民間の開設が進んでおります有料老人ホームや高齢者下宿などについても、その介護の質の向上が求められております。高齢者自身で施設を選ぶ目を養うことも必要ですし、相談や苦情への対応の充実など、介護全般の質の向上に向けて力を尽くしてほしいと思います。  また、市民は、施設のボランティアに従事するなどして、施設、事業所のよしあしといった情報を持っています。グループホームにも地域住民がボランティアとして入ることが効果的と思われますが、その方向で指導していってほしいと思います。  以上、要望して、終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私は、介護保険制度の福祉用具についてと要介護認定者の障害者控除について質問いたします。  昨年の決算特別委員会で、私は、介護保険制度の改正に伴って、今まで福祉用具が介護保険制度で利用できていた利用者が2,179人いたのに、制度改正後、ほとんどの人が利用できなくなった問題について、利用できなくなった方々のリアルな実態も示しながら国への改善を求めることと、自治体独自の助成を行うべきであるという質問をしました。  この問題は、私だけの問題意識にとどまらず、全国でも、今まで利用していた人たちが電動ベッドを使えなくなるということで、福祉用具の貸しはがしであると新聞報道もされて、大きな社会問題となりました。利用者や家族からの切実な声で、いろいろな団体から何とか引き続きベッドを使えないかと国への要望が出され、改善を求める声が寄せられていました。こうした中で、国に介護保険制度の福祉用具について新たな動きがあると新聞でも報道されていましたが、本市として国に対してどのように要望してきたのか、さらに、今後、具体的どのように改善されていくのか、伺います。  次に、要介護認定者の障害者控除について質問します。  今回の代表質問で、障害者手帳の交付を受けていなくても、65歳以上の方のうち、寝たきりや認知症及び身体の障がいにより日常生活に支障のある方に対し、福祉事務所が障害者控除対象認定証を発行した場合、所得税や住民税の障害者控除を受けられることを2002年の予算委員会で質問し、控除できることとその方法を周知したいと答弁しているにもかかわらず、本市で介護認定を受けている方は6万人以上で障害者控除を受けた方は93人しかいないことを指摘しました。  この周知徹底について求めましたが、代表質問の答弁では、介護保険制度のPRパンフレットに障害者控除制度の内容を掲載するなど、周知方法を検討するというものでした。PRパンフレットに載せることはもちろんですが、一番周知できる方法は、介護認定を受けた方に直接お知らせすることだと思います。税金のことだからなかなか難しくてわかりづらいということもありますので、本人へ通知するとともに、ケアマネジャーや各事業者などにも周知し、いろいろな角度から知らせていくことが大切だと考えます。  具体的に提案しますが、新年度に向けて、介護認定を受けた方に届く結果通知書に、障害者控除制度の内容を掲載したリーフレット、案内文を同封して周知徹底することが一番当事者に伝わり効果があるというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎宮川 保健福祉部長  まず、1点目の福祉用具貸与につきましては、札幌市としても、大都市介護保険担当課長会議において、国に対し貸与の可否を判断する基準の拡大などを要望してきたところでございます。2月19日に開催されました全国介護保険高齢者保健福祉担当課長会議におきまして、現行の基本的な枠組みは変更いたしませんけれども、軽度者であっても、疾病などにより状態が変動しやすく、時間帯によって頻繁に福祉用具が必要な状態に該当する方などにつきましては、医師の医学的所見に基づく判断や適切なケアマネジメントの結果を踏まえていることを市町村が確認したものであれば、本年4月から例外給付を認める方向で見直しを予定しているという説明がございました。  2点目でございますが、要介護認定者に対する障害者控除の制度の周知についてでございます。  代表質問でお答えいたしましたパンフレット等のPRとあわせまして、要介護認定結果を通知する際でございますけれども、通知書本体に記載するわけではございませんが、通知の際に同封する説明書に障害者控除の内容を記載するなどの方法により周知を図る方向で検討してまいりたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  先に、障害者控除の方の答弁ですが、ぜひ、一人一人に周知して、そういう制度が使えるかもしれないということをお知らせすることが大事なので、積極的に検討していただきたいということを伝えておきます。  それから、再質問は、電動ベッドの方ですが、今のお話では、札幌市も要望してきて、この2月19日の会議で具体化が出されてきたというご答弁でした。  ことし4月から、利用者やケアマネジャーの申し出を受けて、医師が必要と判断し、適切な介護計画が立てられていることを市町村が確認していれば要支援、要介護1でも利用できることになるというお話ですけれども、改善されることは本当に当然のことだなというふうに思っています。余りにも利用者の実態を無視した冷たい対応だったなというふうに感じるのですね。  介護保険の改悪で電動ベッドが借りられなくなった事例で、ある事業所のケアマネジャーの手記を見せていただきましたので、紹介したいと思います。  がんの末期で入院されていた方を家に帰らせてあげたいというご家族の希望で、自宅へ戻られるために、退院時、カンファレンスで必要と話し合って、電動ベッドレンタルと週2回の昼食援助のための訪問介護、そして、医療保険による連日の訪問介護が開始されました。  残念ながら、退院して12日目に体調を崩して、再入院となり、その後、様態が急変し、亡くなってしまいましたが、亡くなる直前に要介護1の保険証が届きました。退院時には、体調不良時においては起き上がりが困難で、在宅生活にはベッドが不可欠と判断し、レンタルを行ったわけですが、認定調査をした12月初旬の時点では起き上がりができました。要介護1のベッドレンタルということで、その対応を札幌市介護保険課に問い合わせたところ、直近の認定調査で起き上がりができる場合は、状況がどうあれ、ベッドレンタルは100%介護保険給付外という返答でした。結局、レンタル費は全額自費、1万5,500円の自己負担が発生することになってしまったのです。本当にベッドが必要な人にレンタルは給付対象外となる介護保険制度に矛盾を感じていますという手記です。  医療費の負担と合わせてのベッド代の出費は大変だったのではないかと思います。こういう事例から考えても、給付対象外となり、高いレンタル料を自費で払わなければならないという経済的な理由でレンタルできないで困っている人はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。利用者の実態をしっかりと見ない介護保険の改悪で、制度はつくるけれども、利用できないようにしているということが明らかだと思います。若干の改善は図られたけれども、本当にそれだけで電動ベッドを利用したいと願っている人すべてが救済されるのか、私はまだ心配です。  先日、この電動ベッドを取り上げられたという方のお宅へ訪問しました。この方は、高血圧と心臓病を患っています。肥満もあって、頸椎変形症でつえがなくては歩けず、外へは車いすでないと移動できません。ベッドから起きるのもやっとで、電動ベッドが使えなくなって困っていました。  この方は、現在、ケアマネジャーが配慮してくれて、電動ベッドではないけれども、使わなくなったベッドを貸していただいて何とか寝起きをして生活していますが、こういう国の冷たい仕打ちに今も憤りを感じていると訴えております。  4月の改善で、電動ベッドを貸しはがしされた人のうち、どれくらいの人が再び電動ベッドを借りることができるのか、また、利用したいという気持ちがあるけれども、今回の改善では該当にならないという方がどれくらいいるのか、札幌市として実態を把握しているのかどうか、伺いたいと思います。 ◎宮川 保健福祉部長  新たな取り扱いで貸与の対象となる方の数につきましては、個々に把握してございません。 ◆伊藤理智子 委員  国に要望するときに、各自治体が利用者の方の切実な実態を訴えたからこういう改善がされたと聞いているのですけれども、札幌市としては、利用されている人で、電動ベッドが取り上げられて本当に困っているのだという人たちの声を具体的に届けたわけではないんですか。全くしていないんですか。  さっきも出ていましたけれども、福祉の心ということでは、利用者の実態に合った制度にしていくことが本当の福祉の心だと思うのです。制度を先に決めて、その枠にはめ込むというやり方ではなくて、一人一人がどういう状況で、どういうふうに困っているのかということをしっかり把握して、つかんで、その心を伝えていくことが自治体の役割だと思います。  そういう意味では、本当に一人一人の利用者の実態を聞けば、お医者さんの診断がなくても、今度、改善された中身ではなくても必要だなというケースだって、自分の目で実際に見ていけばリアルにわかると思うのです。そういうふうに、ぜひ札幌市としても実態をつかんで、一部の改善ですから、本当に使いたいと願っている皆さんが使えるような改善をさらに国に求めていくべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎宮川 保健福祉部長  声を届けていないのではないかということでございますけれども、数については把握してございませんが、サービスとして減った状況、あるいは、それらの関係団体あるいはケアマネジャーの声というものを背景にいたしまして、全国の課長会議等で協議し、一致して要望したという経過でございます。 ◆伊藤理智子 委員  そうしたら、そういうふうに答弁していただければいいのに、数はございませんなどとそんな冷たい言い方をしたら、ここにかかわっている人たちは、札幌市は何て冷たいのだろうというふうに思うのではないでしょうか。本当にそう思います。  国への引き続く改善要望と、実態調査についてもぜひ積極的にしていただいて、一人一人の本当に切実な実態も理解していただきたいと思います。制度があっても冷たい運用ではなくて、本当に福祉の心がキーワードになっているのではないか、大切だなというふうに思います。  本来、介護保険制度というのは、介護度が軽くなって病気が回復することはうれしいことで、一日も早くよくなりたいと考えるのが当たり前ではないでしょうか。しかし、病状が回復したら介護保険で福祉サービスが利用できないというのならば、せっかく重たい病気を一生懸命リハビリして回復して元気になることと矛盾しているのですよ。本当に、利用者は、介護保険を使って元気になって福祉サービスを利用できないことはおかしいのではないかということを訴えてきます。そういう意味では、お金がなければ命も守れないという介護保険制度になっているなというふうに、たくさんの方の声を聞いて私は実感しています。  札幌市としても、利用者の具体的な実態をしっかりつかんで、利用者のための制度に本当に改善していくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、保留されました松浦委員の質疑を除き、第3項 老人福祉費等の質疑を終了いたします。  次に、議案第6号 平成19年度札幌市国民健康保険会計予算の質疑を行います。 ◆小川勝美 委員  私からは、国保について2点の質問をしたいと思います。  一つは、資格証明書の発行問題です。  何度も質問しておりますけれども、今、全国的に格差拡大社会の中で、国民健康保険料、所得が下がっているのに保険料が下がらない、高過ぎる国民健康保険料、払いたくても払えない、こういう世帯が増加してきております。昨年6月1日の厚生労働省の調査でありますが、全国で国民健康保険料を滞納している世帯が480万世帯、そして、1年以上の未納を理由にして保険証が没収されて資格証明書が発行された世帯が35万世帯、一昨日、これが厚生労働省から発表されました。  札幌市の状況はどうかというと、同様に資格証明書が大量に発行されております。2月1日現在、資格証明書の発行が1万1,530世帯、そして、3カ月保険証などの短期証が発行されている世帯が4万4,048世帯、このように大量に発行されております。  私は何度かこの問題を取り上げてきまして、子どものいる世帯に出すべきではないということを何度も言っております。修学旅行のときに、医療保険証の写しを持ってきなさいと言われるけれども、保険証のない世帯と資格証明書の世帯は学校の修学旅行のときに保険証の写しを持って行かれない。だから、そういうことのないように、ぜひ、子どものいる世帯には資格証明書を出さないように配慮してほしいと述べてきましたが、実態としてどういうふうな対応がされているのか。  資格証明書は、平成17年4月1日現在で1万3,596世帯、昨年の4月1日には1万2,694世帯、そして、昨年の10月の決算特別委員会で私が質問したときは1万1,887世帯、そして、この2月1日が1万1,531世帯ですから、若干ですが、下がってきています。  この間いただいた札幌市の国保を見ると、所得なし世帯は36.1%、年金等の世帯が32%と、以前から見ると所得なし世帯が大幅にふえてきている中で、加入世帯の所得は昨年の保険料賦課時で118万円と、平成11年度の279万円から見たら半分以下に下がってきています。しかし、保険料は14万1,597円と変わってはいないわけです。そういう意味では、払いたくても払えない高過ぎる国民健康保険料の実態には変わりない中で、資格証明書の発行が、わずか300世帯ほどですけれども、昨年10月に比べたら下がってきています。  この間、これについての配慮はどういうことがされてきたのか、この点についてお尋ねしたいと思います。  また、私は、今まで何度も述べていることでありますが、保険料を滞納すると制裁的に資格証明書を発行して病院にかかれないようにする、これがまた国保に対する不信をつくり出して保険料を納めない、徴収なり何なりと呼び出しを受けてもこたえない、こういうふうなことをつくり出しているのではないかと思っています。資格証明書の大量発行は、逆に収納率低下につながることはあっても、増にはつながりません。それよりも、もっと親切な納付相談等に応じていくこと、分割払いなどさまざまな努力をしていくことの方が収納率の向上につながるだろうと思っていますし、何度も述べています。  基本的、原則的に資格証明書を発行していないのは、名古屋市とさいたま市であります。名古屋市の場合は、資格証明書の発行は18件です。小泉内閣とかそれに続く安倍内閣の構造改革路線は名古屋でもあるでしょう。名古屋は、札幌市と状況が違うにしても、18件の資格証明書の発行で収納率は91.8%です。さいたま市は31件で87.11%の収納率です。札幌市は1万1,000世帯へ発行しているのですけれども、収納率は84%です。  この因果関係をどういうふうにとらえられているのか、あわせて、資格証明書を発行しないで収納対策の工夫を行って収納率を上げていくような努力をすべきだと思うのですが、まず、この2点についてお尋ねしたいと思います。 ◎小川 国保収納対策担当部長  資格証明書の交付について、私の方からお答えいたします。  まず、政令市の中でさいたま市と名古屋市が資格証明書の交付が非常に低いということについてどういうふうに考えているのかというお話がございました。  政令市の中でも、やはり、資格証明書を有効に活用しているところもございますし、今の2市のように、出さないでほかの方法をとって収納対策をしているところもございます。これは、それぞれの地域特性に基づいて、収納対策の一環としてさまざまな施策を講じているということでございますので、私どもとしては、一概に収納率向上のために資格証明書を出さない方がいいということにはならないのではないかというふうに考えているところでございます。  資格証明書の交付に当たりましては、先ほどからお話がございましたように、これはあくまでも折衝機会を確保することが目的でございます。資格証明書の減少については、資格証明書の世帯について私どもが訪問までしてできる限り折衝機会を確保した上でいろいろご相談に応じ、その上で短期の被保険者証に切りかえるということを積極的にやっておりますので、それに基づいて、少しずつですけれども、資格証明書の交付数がだんだん減少してきているのではないかと考えているところでございます。 ◆小川勝美 委員  私は、子どものいる世帯について配慮すべきだというふうに述べました。この点についてはご答弁がなかったので、改めてお願いします。  それにこたえたということで、訪問して折衝の機会を設け、資格証から短期証に変えたということがそのことなのかどうかわかりませんけれども、私は、子どものいる世帯に対しては資格証を発行しない、そういう努力、工夫、配慮をすべきだと思うのですが、この点についてもう一度お尋ねしたいと思います。  次に、資格証明書を発行された世帯は2月1日現在で1万1,887世帯あるわけですが、こういう世帯の中で、生活保護基準以下の生活をせざるを得ないでいる、そのために収入がない、年金も少ない、稼働収入も少ない、生活保護も廃止された、払えない、こういう世帯がいるのではないかと思うのです。この点について、資格証明書の世帯には生活保護を受けられるような低収入の世帯がいるのではないかと思うのですけれども、どのような調査をされているのか、どういうふうに把握されているのでしょうか。  札幌市の国保の中で見ますと、賦課収納状況で、賦課段階別世帯構成比ということで保険料2万円未満、いわゆる、保険料の7割軽減世帯ですが、24.23%います。そして、先ほど言ったように、所得区分世帯数で言うと、所得なし世帯が36.1%、無収入の人もいるし、所得なし世帯の中には課税所得ではない遺族年金や障がい福祉年金、そういう人も入っているのだと思います。こういう世帯が国保加入世帯では一番多い世帯なのです。36.1%です。その次に何かといいますと、その他世帯です。このその他世帯というのは、年金収入世帯です。2番目の世帯が年金収入世帯です。国民健康保険というのは、以前は自営業者の人たちの保険だということで、今でもそう書いている新聞社がいますけれども、ほとんど知らない人だと思います。今は、所得のない世帯と年金世帯で5割を超えています。札幌市で言うと68.1%は国保加入世帯です。こういう世帯に対して、今言ったように、所得のない世帯、収入が少なく保護基準以下の世帯に資格証明書を発行し、病院にもかかれないようなことをやっているということはないかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。  次に、収納対策だけではなくて、あわせて、国保そのものの問題についてお尋ねしたいと思います。  先ほども言いましたように、国民健康保険加入世帯は年々ふえてきています。これはなぜか。再就職をして国保をやめて社会保険に行くという人よりも、社会保険を離脱して国保に加入する世帯が増加してくる、こういう中で、今、35万世帯を超えるような国保加入世帯数になっています。札幌市民全体で言うと4割を超えています。昔は30数%という時代でした。もう4割を超えて、札幌市民は国保に加入してきているという状況になってきています。先ほど言ったように、国保加入者の所得は1世帯平均118万円というところまで下がってきていて、そういう中で14万1,597円という国民健康保険料は新年度もかかるわけです。そして、その上に40歳から64歳までは介護2号分という介護保険料がかかっています。さらに、今度は老人の拠出金というものも出てくるようになりますね。  後期高齢者の支援金が入ってきても、札幌市は、この14万1,597円の中で支援金も支出し、後期高齢者医療保険制度がスタートしても、平成20年度も平成21年以降もこの14万1,597円は上げないでいこうということなのかどうか、この辺についてお尋ねしたいと思います。 ◎小川 国保収納対策担当部長  まず初めに、お子さんがいる世帯に対する資格書の交付についてでございますけれども、これは、昨年の決算特別委員会のときにも一度お話をさせていただいています。法律上、やはり、お子さんがいるからといって一律に資格証の対象世帯から除外するということはできませんから、個々の世帯の生活状況等も十分配慮した上で、個々の件についてそれぞれ判断をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  それから、資格証交付世帯の中に生活保護対象世帯がいるのではないかというお話がございました。  確かに、資格証明書交付世帯だけではなくて、納付相談に来られた世帯の方々にも同じことが申し上げられるわけでございますが、その方の生活状況をよく聞いた上で、それぞれの配慮が必要だということがあれば関係機関等……。(「関係機関とはどこだと」呼ぶ者あり)  同じ福祉事務所の中であれば生活保護の関係の課もございますので、そちらの方だとか、ほかの障がいの関係などいろいろなご相談を受けるものでございますから、それぞれの関係機関の方にお話をして相談をつなげるようなことはしております。 ◎大居 保険医療担当部長  支援金の関係になりますが、14万1,597円、現在、これは1世帯当たりの平均保険料で医療分ということになっております。今までは老人医療拠出金というものがあって、それが支援金制度に変わるということでありますけれども、先ほどの14万1,597円というのは医療分保険料の平均であり、この医療分保険料を財源といたしまして老人医療拠出金を拠出しているという内容であります。
     一方、支援金というのは、平成20年度以降、医療制度改革に基づいてできるということになるわけですけれども、後期高齢者医療制度を支出する支援金ということで、医療分保険料とは別立てで支援金分保険料として充てるということにより、保険料区分は、先ほど委員が言われたように、今までは医療と介護だけでしたが、これにあわせて支援金分を加えた3区分になるということであります。 ◆小川勝美 委員  資格証明書の関係ですけれども、昨年の決算のときでしたか、子どもについては一律的にいかない、納付相談をしながら十分配慮して対応していきたいということで、減ってきたのかなと思って見てきたのですけれども、そうではないということですね。訪問をして、滞納世帯に接触し、そういう中で短期証の発行に切りかえてきているのだ、それは一律に子どもの世帯だけではないのだというふうに理解をしました。  ただ、医療助成対象世帯には発行していませんね。先日、本会議の代表質問で、私どもは子どもの世帯まで医療助成を拡大せよと言ったときに、小澤副市長は検討したいという答弁をされていますから、そういうことも頭に置いて資格証の発行をしてほしいと。  なぜ、そういうことを言っているのかといいますと、少子化対策にとって非常に重要だというふうに小澤副市長は答弁しています。その小澤副市長の配下の国保の方で、子どものことを全く配慮しないで物をやるという考えがあってはならないと思うものですから、その点を申し上げておきたいと思います。  それから、国保の問題について、再度お尋ねします。  今のご答弁だと、制度として、この間、札幌市は1世帯平均14万1,597円で据え置いている。そして、そのほかに介護保険制度が始まった平成5年には介護2号分というのは別枠になった。けれども、このときには、介護保険に移行する分の保険料を引き下げています。14万8,029円だったものを14万1,597円に、介護移行分にかかわる分を引き下げているという経過があります。ただ、このときにもう少し引き下げるべきだというのを、一般会計からの何十億円だかという繰り入れを取り返されて14万1,597円になったという経緯があります。  今回、後期高齢者医療制度が行われまして、今までの老人拠出金が支援金に変わるわけですから、14万1,597円の中で老人拠出金を出していくようにして、そして、保険証の納入通知書には、今までは医療分という計算書と介護2号分という計算書がついてきますけれども、その3枚目として支援金分というふうにするのかどうか。支援金は14万1,597円の内金だと思うのですが、内金を明示するというふうに理解していいのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。 ◎大居 保険医療担当部長  平成20年度以降の国保ということになるわけですけれども、これまでの拠出金に変わりまして支援金を負担するということですから、国保の保険料しては、先ほど申し上げました医療分と介護2号分、そして支援金分という三つの区分になりまして、それぞれの限度額、そして料率が定められるということであります。したがって、納付書の中でもそのように3区分になるということであります。  それから、14万1,597円と支援金のかかわりでありますけれども、ただいまの支援金の関係につきましては、それが2区分から3区分にふえたということをもって保険料が単純に増になるということではなくて、その決定に当たっては、計算上は区分分けされるわけでありますが、考え方としてはあくまでも支援金を含めた保険給付費全体からこれまで同様に算出されるものであると考えております。 ◆小川勝美 委員  今の部長のご答弁を理解いたしました。  これを口実に、支援金を別枠にして、14万1,597円と別枠でまた保険料を課す、介護保険料の2号分を加えられたときと同じような形で、所得が低下している国保加入世帯の保険料をさらに上げるようなことにつながってはならないという点だけあえて申し上げて、終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、国民健康保険会計予算の質疑を終了いたします。  次に、議案第7号 平成19年度札幌市老人医療会計予算の質疑を行いますが、通告がありませんので、終了いたします。  ここで、理事者交代のため、暫時休憩いたします。      ――――――――――――――        休 憩 午後4時28分        再 開 午後4時30分      ―――――――――――――― ○大嶋薫 委員長  委員会を再開します。  最後に、第5項 健康衛生費、議案第17号 札幌市食育推進会議条例案及び議案第18号 札幌市感染症診査協議会条例の一部を改正する等の条例案について、一括して質疑を行います。 ◆坂ひろみ 委員  議案第17号 札幌市食育推進会議条例案について、簡潔に質問いたします。  今回の条例案は、2005年に制定された国の食育基本法に基づき、札幌市の食育推進計画を2007年度中に策定するために、計画の策定及びその推進に必要な食育推進会議を設置するというものです。  食育推進会議は、食育推進計画を作成し、その推進に関する重要事項を審議するなど、施策の実施を推進することが所管事務として第2条に明記されています。委員の任期は2年間ということですので、計画策定後の2008年度についても、計画の実施状況などを踏まえ、施策の推進にかかわることになります。  食育は市民の健康な生活に必要不可欠なものであるとともに、未来を担う子どもたちへの重要な施策でありますから、食育にかかわるさまざまな市民で構成される推進会議が計画策定後も施策の推進に当たることは大変重要なことと受けとめております。  そこで、質問です。  食育推進計画策定後においては、推進会議が形骸化されたものにならないことが求められますが、計画の推進に当たり、推進会議の役割と、具体的にどのように進めるおつもりか、伺います。  質問の2点目は、計画策定後における組織体制についてです。  食育推進会議の庶務は保健福祉局が担うことになっており、計画の策定に当たっては、既に食育に関連する事業を実施している6部局による庁内連絡会議が設置されているとお聞きしています。計画策定後においては、各部局が連携し、情報を共有しながら計画を総合的に進めることが重要です。そのためには、計画策定に向けて設置されている庁内連絡会議のように、関連部局の取り組みを総合的に評価、検証できる組織体制が必要と考えますが、計画策定後についてはどのように進めるおつもりか、お考えを伺います。 ◎請井 歯科保健担当部長  札幌市食育推進会議条例についてお答えいたします。  1点目の計画策定後の食育推進会議の役割と具体的な進め方についてでございますけれども、条例案第2条にございますように、この会議の役割として、計画推進における実効性と透明性を高めるために、進捗の管理、公表、評価及び見直し等を行うことにしてございますので、計画策定後はこれに沿って進めていくことになると考えております。  2点目の計画策定後における組織体制についてでございますが、委員ご指摘のとおり、計画を効果的に推進するためには、関連部局の取り組みを総合的に評価、検証していく必要があると考えておりますので、今後、庁内での体制について検討してまいりたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  推進会議の役割と組織体制については理解をいたしました。  市民ネットワークは、これまでも、子どもたちに食の安全をと願い、学校給食の食材につくり手がわかる地場野菜などを優先して取り組むことや非遺伝子組みかえ食品を使わないことなどを求め、さまざまな提案を行ってきました。  食育については、食の安全・安心を食生活の基本に、食の大切さを知り、体によい食べ物を自分で選ぶべきであることを教え、子どもたちがそうした食べ物を選択する力を養うことが求められます。本来、食育とは、子どもたち一人一人がみずからの命を大切に思う気持ちをはぐくむことであり、食を通して地球規模での命の連鎖を学ぶことで、人間ばかりではなく、あらゆる命の大切さを知ることが大変重要と考えます。  食育基本法の制定以降、子どもを対象にした食育が企業や民間レベルで盛んに行われており、特に、学校での食に関する指導は、栄養教諭の配置など、全国的にさまざまな取り組みが実践されています。2006年の1定でも取り上げましたが、ファストフード業者や菓子メーカーなどによる学校への食育出前事業がふえています。実際に、札幌市立の小学校でも行われており、ある企業のホームページにはその様子が写真つきで掲載されています。企業による食育の事業の中には、バランスがよければ食べ過ぎても問題はないなどと子どもたちに受け取られかねないものもあるのではないかと懸念されます。このように、食育と一口に言っても、食にかかわるさまざまな立場によって食育の概念が大きく違うのも現状です。  こうしたことを踏まえ、今後、札幌市の食育推進計画を策定するに当たっては、食に関する基本的理念や総合的なビジョンを、関連部局はもちろん、行政全体で共有し、幅広い市民や企業、各種市民団体との連携、ネットワークの構築に努めていただきますよう求めて、質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  次に、松浦委員の質疑であります。  市長出席の要請がありますが……。 ◆松浦忠 委員  市長への政策的な質問だけでありますので、おいでになってからにします。 ○大嶋薫 委員長  それでは、松浦委員が質疑を保留することが確認されましたので、松浦委員の第5項 健康衛生費等にかかわる質疑は保留し、後ほど改めて質疑を行っていただくことにいたします。  質疑を続けます。 ◆青山浪子 委員  私からは、大きく2点、食育推進計画についてと妊婦健康診査について質問いたします。  まず、食育推進計画でありますが、今、坂委員からも質疑がありましたけれども、重複しないように質問したいと思います。  国は、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、食育推進基本計画を昨年3月に策定いたしました。食育の推進には、国民一人一人の理解やみずからの取り組みが重要であると同時に、家庭、保育所、幼稚園、学校、そして地域における保護者、また、教育関係者や生産者、企業など、多様な関係者が連携協力し合い、国民運動としてしっかり取り組んでいかなければならないと思っております。地方自治体におきましても、国の計画を基本として、その区域内における食育推進計画の策定に努めることが食育基本法に規定されているところであります。  私は、札幌市においても、早急に推進計画を策定し、市民の皆さん方に食育を推進すべきという考えから、昨年の第4回定例会において、札幌市食育推進計画の策定について質問いたしました。答弁では、平成19年度内に食育計画を策定すること、策定に当たっては食育推進会議を設置するとの答弁でありました。今議会において、食育推進会議条例が議案として提出されておりますが、推進計画策定と推進のために、札幌市が条例によりこの会議を附属機関として位置づけたことは、私は一定の評価をしたいと思っております。  そこで、食育推進計画の策定について、2点お伺いいたします。  質問の1点目は、平成19年度骨格予算に計画策定費が盛り込まれておりまして、19年度早々に取り組むものと理解をしておりますが、今後のスケジュールについてお伺いいたします。  2点目は、家庭、保育園、幼稚園、学校や職場、そして地域など、私たちが生活していく立場において施策を展開していくことが食育を推進する上で最も重要と考えますので、市民の皆さんの十分な理解のもとで進めることが何よりも大切なことではないのかと思っております。  2点目の質問は、市民の理解を十分に得るためには、策定過程において市民の意見や要望を取り込んでいくことがとても大事であると考えますが、どのように反映されるおつもりなのか、お伺いいたします。 ◎請井 歯科保健担当部長  食育推進計画についてお答えいたします。  1点目の計画のスケジュールについてでございますけれども、平成19年度中に食育推進計画を策定することとしておりますので、食育推進会議を6月に開催したのち、19年末までに計画の中間取りまとめを行いまして、年が明けました20年初めには計画原案の諮問を受けるというスケジュールを想定しております。この間、食育推進会議の開催を5回ほどと見込んでいるところでございます。  2点目の市民意見、要望の反映についてでございますが、市民から食育推進会議委員を公募いたしますことや、計画素案についてパブリックコメントを実施いたしまして、市民の皆様からご意見をいただき、計画の策定に反映をさせていきたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  我が党は、食の安全確立で安心の食卓を目指すことから、この食育推進をマニフェストに掲げております。札幌市におきましても、各地域において我が党の女性局で食育フォーラムを開催させていただき、食育の推進にも全力で取り組んでまいったところでございます。  食育は、家庭におきましても、子どものころからの取り組みが大変大事でありますが、私たちの食育フォーラムを開催させていただきました中で、親世代の食の意識や理解がそのまま子どもの食生活を左右することにつながっていくということもわからせていただきました。家庭における役割として一般的に食生活に深くかかわる女性だけが食育を担うのではなく、計画の策定に当たりましては、ぜひ男女共同参画の視点を踏まえた計画になるように要望させていただきます。  次に、妊婦健康診査について質問させていただきます。  札幌市の平成17年度の出生数は1万4,184人で、残念なことに、合計特殊出生率は0.98%となっております。昨年の1.01%を下回る結果となっているわけであります。  産み育てやすい環境づくりにと、国は、18年6月に決定をいたしました新しい少子化対策について等を踏まえ、少子化対策の推進のための予算を拡大することとしております。実は、我が党の全国の女性議員が、毎年、予算の勉強会を開催しておりまして、19年度の予算案説明会の勉強会がこの2月14〜15日に東京で行われましたが、私は議会のために出席できませんでした。そこで、送っていただきました資料を見てみますと、19年度の地方財政措置では、少子化対策の一貫として、出産一時金の支払い手続の改善や不妊治療の法的助成の拡大など、少子化対策事業費の総額は18年度の2倍となる700億円に拡充することとなっております。  中でも、重要項目といたしまして、厚生労働省は、妊娠中の健診の費用について、現行では原則2回分を国が負担しているわけでありますが、19年度予算では市町村の実情に合わせて回数を上乗せできるようにしているわけであります。  我が党においても、以前から少子化対策の取り組みを公約に掲げ、子どもを安心して産み育てていく世代の経済的負担の軽減を訴え、18年の3定で妊婦健康診査について尋ね、札幌市の1回の公費負担の回数をふやしてほしいと求めたところ、財源確保という財政的課題もあり、国や他の政令指定都市の動向を見きわめて考えるとの大変残念な答弁でありました。  そこで、1点目の質問であります。  厚生労働省の平成19年1月16日付の通知を見てみますと、平成19年度地方財政措置における少子化対策の総額を拡充することにより財源確保がされることから、市町村に対して妊婦健康診査の公費負担を相当数増加することを求めておりますが、札幌市はどのように考えているのか、お伺いいたします。  2点目の質問は、前回の3定でも聞きましたが、再度伺いますけれども、他政令指定都市の現在の動向をどのようにつかんでいるのか、この2点をお伺いいたします。 ◎山本 健康衛生部長  1点目の妊婦健康診査の公費負担を増加することの考え方についてお答えいたします。  妊婦健康診査につきましては、安全な出産と健康な子どもを産み育てるために定期的に受けることが必要であり、積極的な受診を進めるためには、公費負担の充実を図ることが、少子化が進む札幌市において大変重要な課題であると認識しているところでございます。  次に、2点目の他の政令指定都市の動向についてでございますが、1月末の情報では、大多数の都市は健診回数等を拡充することについて今後検討していく予定であると聞いております。 ◆青山浪子 委員  再質問であります。  子育て支援策の推進ためにいろいろな施策が必要であるということは、私も十分承知しております。  妊婦健康診査については、今の答弁でもありましたが、他都市では既に2回の公費負担を実施しているわけで、さらにこれから検討していこうということであれば、2回以上の取り組みを行っていくところがたくさん出てくると思います。今まで1回しか実施していない札幌市において、私は、最優先をして回数をふやさなければならないというふうに思うわけでありますけれども、今後、妊婦健康診査を何回にするのか、お尋ねいたします。 ◎山本 健康衛生部長  妊婦健康診査の回数を何回にするかということについてでございますが、国からの地方財政措置は、地域の子育て支援策の推進に向けたさまざまな取り組みを行うために拡充される予定であることから、これらの趣旨を踏まえるとともに、関連施策や札幌市の厳しい財政事情を総合的に勘案しまして、複数回実施することを含め、検討してまいりたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  要望いたしますが、今後、複数回数の実施を検討していきたいという答弁がありましたけれども、今後ともぜひ取り組んでいただきたいということを申し上げます。  先ほども申し上げましたように、国が少子化対策といたしまして財源確保をするとのことでありますので、私は、それは妊婦健康診査に優先的に活用していただきたいと思っております。そしてまた、厚生労働省の通知には望ましい公費負担回数は5回と示されておりますので、この趣旨を十分に配慮いたしまして、札幌市におきましてもこの5回を実施していただけるように強く取り組んでいただきますよう要望して、終わりたいと思います。 ◆小田信孝 委員  私は、これまで、がん対策、そしてまた、全国的に医療費が増嵩していることを踏まえ、生活習慣病対策といったテーマについて質問させていただきました。今後、札幌市も、国のあり方に見習い、医療費の適正化に向けまして、まず、予防を重視した生活習慣病対策を平成20年4月から実施するということで聞いております。具体的には、私も代表質問でやらせていただきましたが、メタボリックシンドロームの概念を取り上げた対策に重点を置くというふうに聞いております。  生活習慣病対策ですけれども、まず一つは、運動習慣の定着、運動しなければいけませんということです。しかし、年齢と運動量、私は、一般市民には運動習慣がなかなか定着していないというふうに思うのですが、運動習慣の定着がまず大事である。次には、食生活の改善が大事であると。今、食育の話が出ましたけれども、この食生活の改善なくして生活習慣病対策はないと思っています。最後に、3番目には禁煙です。やはり、札幌市もたばこ対策にしっかりと取り組んでいただかなければ、今後の生活習慣病改善ということにはつながっていかないだろうということで、運動習慣の定着、食生活の改善、そして禁煙、この三つを柱とした総合的な対策が重要であるというふうに思います。  そこで、運動習慣ですけれども、札幌市では、ウオーキングなどを有酸素運動として推奨していく考えだというふうに伺いました。  それから、食生活の改善について、今、いろいろな質疑応答がありましたけれども、食事のあり方はとても大事でございます。最近よく聞くのは、大人も子どもも朝ご飯抜きというのが大変問題になっています。こういうのは、子どもだけではなくて、今後はまさに大人、親にいろいろな指導といいますか、啓発をしていかなければならないだろうと思います。  片や、若い女性は、極端なダイエットに走っておりまして、やせ過ぎの方が大変多いと聞いてございます。20歳代では5人に1人がやせ過ぎというふうに聞いておりまして、まあ、いいじゃないかという声もありますけれども、それは違うのですね。やせ過ぎておりますと、将来、結婚して子どもができ、出産するときに2,500グラム以下の低体重の赤ちゃんが生まれる可能性が高いという調査結果が出ております。  最近のデータでは、低体重で生まれた人は、将来、生活習慣病になりやすいという因果関係があるわけですから、まさに、生活習慣病予防のためには、本当に運動、食生活、禁煙、こういうふうにいかないとなかなか解決が難しいだろうと思います。  そこで、質問に入ります。  1点目ですが、運動習慣ではウオーキングなどが有酸素運動で有効だと言われておりますけれども、市としては、市民に対してどのような普及啓発をして運動習慣の定着を図っていこうと考えておられるのか、お伺いします。  2点目は、食生活の改善です。改善教室事業を保健センター等でやっているようにお伺いしておりますけれども、その内容についてお伺いしたいと思います。  若い方は、やはり今はインターネットの時代ですね。昨年、うちの阿知良委員が質問させていただきましたけれども、ホームページに投稿していただく、にこにこテーブルなどを開設して、インターネットで興味を持ってそういうものを見ていただける若いお母さんに情報提供をしていこうというふうにお伺いしておりますけれども、この進捗状況と今後の活用についてお伺いいたします。  3点目は、たばこです。喫煙は、各種がんの発生原因になっていることは明らかでありますし、まさに生活習慣病の根本的な諸悪の根源であります。多くの疾患の原因となっていることがわかっておりますけれども、例えば、14歳以下でたばこを吸い始めると、がんの発生は15年早くなると言われておりますし、50歳代でのがんによる死亡率は4倍以上になると言われているわけであります。また、心筋梗塞の死亡率も10倍以上になります。こういうことで、大人になって吸い始める人よりも、14歳以下で吸い始めるということは、自分の人生において大変リスクが高くなってしまうということであります。  札幌市の健康づくり基本計画、健康さっぽろ21では、未成年者の喫煙をなくすことを目標に掲げております。子どもの生涯の健康を守る上でも、未成年者の喫煙をなくすことは大変重要な課題であります。  また、自分が吸わなくても、周りでたばこを吸いますと受動喫煙ということになります。これも防止対策が進んでおりますけれども、まだまだという感じがいたします。平成17年2月にWHOが制定したたばこ規制枠組み条約によりまして、日本以外の諸外国ではどんどんと対策が進んでおります。皆さんもご存じのように、日本もようやくたばこの看板がなくなり、テレビのコマーシャルもなくなりました。ようやくです。  ところが、諸外国はもっと進んでいまして、昨年11月にはハワイ州、ことしの2月からはフランスが公共施設での全面禁煙です。こういうことで、違反者には罰金を科すことになっておりまして、大変進んできております。欧州連合、EUでも全域で公共施設を全面的に禁煙しようということで検討が進んでいるとお伺いしております。  そこで、未成年者の喫煙を防止するに当たって、社会全体で取り組んでいく必要があるので、市としては、昨年11月に、非常に長い名前ですけれども、未成年者喫煙防止対策推進協議会を開催しまして、この協議会を核として推進していくというふうにお伺いしました。  そこで、たばこについての1点目の質問ですが、未成年者の喫煙に関する実態や今後の取り組むべき課題についてお伺いさせていただきます。  それから、受動喫煙です。これまで何回か取り上げさせていただきましたが、17年3月から健康づくり応援団を実施しておりまして、ホームページに出ておりますけれども、残念ながらまだ200件そこそこという登録実数でございます。もっともっとこのことを市民の皆さんに知っていただいて、市民の健康を守るために健康づくり応援団の登録数がふえることを願っているわけですけれども、なかなか進まないというのが私の実感です。具体的に応援団をもっと増加させるために、どのように真剣に取り組んでいくのか、その辺についてお伺いさせていただきます。 ◎館石 健康づくり担当部長  ただいま生活習慣病対策について、運動習慣、食生活、たばこと合計5点のお尋ねがございましたけれども、私からは、1点目の運動習慣の定着を図るために、どのように普及啓発に取り組んでいくのかということについてお答え申し上げます。  これまでも、保健センターの事業や健康さっぽろ21のホームページを活用して、運動の効果やその必要性について情報提供を行ってまいりました。特に、ウオーキングにつきましては、各区の健康フェアに合わせてウオーキング大会を開催するなど、普及に努めてきたところでございます。さらに、今後は、健康づくりを実践する市民グループを核とするネットワークやNPOなどと連携して、身近な地域単位のコミュニティイベントや全市的なシンポジウムを開催するなど、運動習慣の定着を図るための普及啓発に努めてまいりたいと考えております。 ◎請井 歯科保健担当部長  私から、食生活とたばこについてそれぞれお答えいたします。  まず、食生活の1点目でございます。  食生活改善教室事業の取り組みについてでございますけれども、保健センターで実施しておりますマタニティークッキングや離乳期講習会等の教室におきまして、札幌市食生活指針などにより、家庭での食生活の重要性について普及啓発を行っております。また、これらの教室の開設回数の増加を図るなど、若い世代の生活習慣病予防に対する意識を高めてまいりたいと考えております。  2点目のにこにこテーブル事業の進捗状況と今後の活用についてでございますけれども、3月に健康さっぽろ21のホームページににこにこテーブルの公開を予定してございます。多くの方によりよい食生活のきっかけづくりとして活用していただきたいと考えてございます。  次に、たばこについての2点でございます。  1点目の未成年者の喫煙に関する実態や今後取り組むべき課題についてでございますけれども、協議会では、家庭内での親の喫煙が子どもの喫煙に強く関与していることや、高校生の喫煙者のほとんどが小学生、中学生で喫煙を経験していたこと、また、たばこをやめられない高校生の実態などが報告されております。このように、未成年者の喫煙には、大人の健康意識や家庭の教育なども影響しておりますことから、今後、正しい知識の普及と未成年者がたばこを吸わない環境づくりに取り組んでいくことが課題であると考えております。  2点目の禁煙完全分煙施設を増加させるための取り組みについてでございますが、これまでも、事業者が加盟している協同組合を通じて働きかけを行ってまいりました。今後は、特に、市民が日常的に利用するレストランなどの飲食業やホテル、旅館業などの組合に対しまして、関連部署との連携により働きかけを強化してまいりたいと考えております。19年度は、新たに新聞広告などを通じまして、広く市民や事業者にPRを行い、登録数の増加に努めてまいりたいと考えています。 ◆小田信孝 委員  熱心に取り組んでいただいていることはわかりました。  まず、再質問で運動からいきます。  これは、今月に入ってからのある新聞の報道でございますけれども、よく運動する男性は大腸がんのリスクが3割減ということで、運動することによって大腸がんのリスクが3割も低下するという厚生労働省の研究班の発表が出ておりました。やはり、運動というのはすばらしい効果があるのだということが立証されているわけです。これは質問にしませんけれども、運動の重要性は、こういった具体的な情報といいますか、知識を市民の皆さんに知っていただくことが大事だと思うのです。
     今、死亡の3割はがんです。そして、今、減っているのは胃がんで、ふえているのは大腸がんです。その大腸がんをさらに軽減するのに運動が役立つのだということをPRするだけでも大変な効果です。そういうことを念頭に入れていただいて、今後、運動の問題をもっともっとPRしていただきたいと思いますので、これは要望にさせていただきます。  たばこの方です。別に、私は、たばこを吸っている人が憎くて言っているのではないのですけれども、道内の喫煙率は非常に高いのです。男性の喫煙率は53.8%、女性は18.1%です。日本たばこ産業が1973年から全国調査をして、道内の女性の喫煙率は1回目から全国一です。全国一をずっと続けております。男性も数年を除いてずっとトップです。こういうことで、北海道の喫煙率が高いのは間違いのない事実です。  やはり、札幌市もこれに見習って、どう目標値を設定するかとか、具体的に喫煙を減らす目標を設定していくことが大事だと思うのです。先日、厚労省も、2010年までに何%に減らしていくという数値目標をきちんと決めていくということで報道されておりました。  先ほど大腸がんの話をしましたけれども、女性の場合は、先ほど低体重を申し上げましたが、日本人女性の心筋梗塞の危険要因は喫煙が8倍ということが熊本大学の調査で出ているのも報道されております。どれくらいひどいことになっているのかということは、やっぱり、市民全体で認識を深めていかないと、私は、たばこの害の問題についてはなかなか解決できないと思います。  したがいまして、先ほどもご答弁がありましたけれども、例えば、レストランなどの飲食店に小さなお子さん連れで家族が来ます。横浜市などは、空気のおいしいレストランということで独自の評価を与えてやっているところもあります。そういう先進地域のいろいろなことを見習いながらやっていかないとなかなか進まないだろうと。市立病院も、私は、去年、質問させていただきましたが、精神科がある、病院の敷地が広いということで、なかなか全面禁煙になっていきませんでしたが、北大病院は敷地内全面禁煙に踏み切りました。遂にそこまでいきました。  それでどうなっていくと、今度はタクシーですよ。禁煙タクシーです。この列は禁煙タクシーが並びます、この列はそういう規制がないタクシーが並びますというふうになっていきますと、患者はどっちのタクシーを選ぶかといいましたら、大方は禁煙タクシーを選びます。そういうことを総合的にやっていくことによって、自然、自然にいろいろなところへ波及していく、これが大事だと思います。  未成年者の喫煙問題についてもご答弁いただきまして、この協議会を通して具体的な方策、行動指針を市民にPRしていくとお伺いしましたが、指針の内容についてもう少しお伺いしたいことと、未成年者対策について、民間の事業者や教育現場を含めて広く深くやっていただきたいと思い、再質問させていただきます。 ◎請井 歯科保健担当部長  1点目の行動指針の内容についてでございますけれども、市民、関係機関、行政が一体となって取り組めるよう、未成年者にたばこを吸わせないための大人の役割や環境づくりについて盛り込むことを考えてございます。  2点目の効果的な普及啓発についてでございますけれども、学校教育と連携した思春期ヘルスケア事業や、昨年度に引き続きまして3月に実施するイベント、ノーノースモーキングなどにより正しい知識を提供してまいりたいと考えております。また、今後は、協議会の構成団体等と連携を図りながら、さらに、効果的に普及啓発に取り組んでいきたいと考えております。 ○大嶋薫 委員長  これで、保留されました松浦委員の質疑を除き、第5項 健康衛生費等の質疑を終了いたします。  ここで、保留されました松浦委員の質疑について協議を行うため、理事会を開会したいと思います。  理事会の間、暫時休憩といたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時12分       再 開 午後5時30分     ―――――――――――――― ○大嶋薫 委員長  委員会を再開いたします。  保留しておりました松浦委員の質疑については、本日、市長は、都合でおくれるということでありますので、後日、改めて理事会に日程を諮り、決定させていただいた上で行うことにさせていただきたいと思います。  それでは、本日はこれをもって終了し、次回は次週27日午後1時から建設局及び都市局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時31分...