◎濱上
市政推進部長 ワンストップサービスについての検討結果に関してのご質問でございます。
ワンストップサービスのあり方につきましては、窓口を所管する関係部局においてさまざまな角度から実現の可能性を検討し、その結果を3点に整理したところでございます。
まず、1点目は、手続のすべてを1カ所の窓口にまとめるためには、大規模な施設改修が必要でございまして、現在の区役所の建物では物理的に難しいということがございます。
2点目は、現在のシステムを統合するなどITで対応する場合には、
電算処理方法の見直しや機器の更新などかなりの費用が必要となり、現在の財政状況を勘案しますと実現にはかなりの困難性が伴います。
3点目は、仮に経費をかけたとしても、手続のすべてを
ワンストップで行うこととした場合には、簡単な手続のために来庁された市民の方が長く待たされることが想定されますので、かけた経費に見合う市民の満足度が得られるかどうかが疑問であるという検討結果になりました。
そこで、コストをかけずに、来庁された市民の皆様の利便性を向上させるために、手続が二度手間にならないような対応、いわゆる
たらい回しを防止するための対応など、ソフト面での改革に取り組むこととしたところでございます。
◆桑原透 委員 確かに、先ほども陳情者が言われていましたが、札幌市のような規模になれば、一つの窓口ですべてを行うような
ワンストップサービスは非常に難しいことはわかります。また、私たちの生活の中でもIT化が相当進んできているとはいえ、まだまだ市民全体には行き渡っている状態ではありませんし、ITに頼った形の
ワンストップサービスにも限界があるものと思います。今もありましたとおり、経費の面でも相当な負担がかかるのも事実だと思います。私どもが、よく耳にする市民の方の苦情というのは、例えば、知っていれば1回で済むことだったのに何回も出かけなければいけなかった、あるいは、間違って案内されて窓口をあっちこっち
たらい回しされるということでありますので、ただいまお答えにあったように、それらを防止するということは実効性のある現実的な対応であると理解をしております。
そこで、今お答えがありましたが、そのソフト面での改革というのは具体的にどのような
取り組みなのか、このことについてお伺いいたします。
◎濱上
市政推進部長 具体的な
取り組みについてでございます。
すべての区役所で、転入や死亡、結婚などの
各種届け出に関連する手続をそれぞれ
パンフレットにまとめまして、何度も足を運んでいただくことがないよう、わかりやすい案内と説明に努めているところでございます。あわせて、目的の窓口がわかりやすいように、庁舎内の案内表示の改善やレイアウトの変更などを行っております。
さらに、職場に導入しておりますイントラのホームページや職員が工夫を凝らして作成いたしました
業務マニュアルなどによって、担当外の仕事についても知識や情報を共有し、問い合わせなどにできるだけ1人の職員で対応できるように、職員の
市民応対能力の向上に取り組んでいるところでございます。また、移動が困難な高齢の方や障がいのある方につきましては、関係課の職員が出向いてくるなどの人的な対応も行っております。
このほか、組織面の改善につきましては、平成18年度に区の
保健福祉部に健康・子ども課を新設いたしまして、子どもや
子育て家庭への支援を総合的に行えるように体制の整備を図り、また同じく、区の
保健福祉課に、地域との連携や福祉、保健、
健康づくりなど、多岐にわたる部門の連絡調整を行う担当の係長を設置したところでございます。
市民サービス向上の
取り組みは、継続と徹底が重要でございますので、市民の要望などを踏まえまして今後とも
サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
◆桑原透 委員 今、
パンフレットや案内表示などによる市民への情報提供の充実、業務知識を補助する情報共有の推進、組織面での改善など、いろいろな
取り組みをしていることについてはわかりました。しかし、今回のような陳情が提出されるということは、利用する市民にはまだまだ理解してもらっていないところがあるということではないでしょうか。
まさに、改革にはゴールはないと思っております。ぜひとも、さらに工夫、改善に努力され、今後とも引き続き
市民サービスの向上に取り組んでもらうよう要望して、私からの質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私からも、質問をさせていただきたいと思います。
今までの市の
取り組み、それから、
ワンストップサービスに対する考え方というものをお聞かせいただいたところです。この
市役所改革プランを作成するに当たっての
パブリックコメントの中で、
ワンストップサービスについては、これをやるのは当たり前であって、
たらい回しは直ちに改善、改革するべきであるという指摘がございました。そしてまた、別の項目になりますが、
ワンストップサービスと言いながら、このときのプランの意見募集のあて先が役所内でばらばらなのはおかしいという指摘などもありながら、この3年間、この3月まで取り組まれるのが
市役所改革プランだというふうに思いますけれども、やはり、これまで札幌市が取り組んできたものについてなかなか市民の満足度が得られていないということが、私は、今回の陳情が提出されたことからも言えるのではないかと思っております。
案内機能の強化や職員の
市民対応能力の向上というようなこともお話しされておりましたけれども、市の職員の中にも一定程度浸透し、あるいは、研修などもしているというふうには思いますが、まだまだ不十分な点があるのではないかと思います。その点はいかがでしょうか。
まず、この点についてお聞かせください。
◎濱上
市政推進部長 ただいま職員への浸透等についてご質問がございました。
市役所改革プランにつきましては、各局・区がみずから策定します局区
実施プランの中でも重点的に取り組んできておりまして、その実現に努めているところでございます。
個々の具体的な
取り組みにつきましては、今、それぞれの職場で検討を進め、実現に至っているものもございます。先ほど桑原委員から質問の中でご紹介いただきましたけれども、職員のさまざまな対応につきましては、それぞれ市民の評価もございます。また、私
ども市政推進室が中心となりまして
市役所改革に関する
職員アンケートなども実施しておりまして、今年度、第2回目の
アンケートを実施したところでございます。職員の受けとめ方としましては、市民へのわかりやすい説明であるとか親切な応対、この項目に関しては前回と同様にいずれも9割を超えております。また、職員自身が
市役所改革に取り組んでいるという実感について尋ねたところ、前年度と比べて14%ふえておりまして、総体で7割程度になっております。
このような結果を見ましても、職員には相当程度浸透しているものと考えておりますけれども、今、委員からご指摘がございましたように、今回、陳情があったこと、それから、市民の声を聞く課などへの市民からの苦情は相変わらずあることも事実でございます。
そしてまた、この
アンケート結果の中で、こういった
市民サービスの改革を徹底していくためには、管理職の
リーダーシップあるいは上司が率先して取り組む姿勢を見せることが重要だと回答している職員が3割を占めておりまして、私どももこのことは徹底していくための大きな課題である、そのように受けとめております。
先ほどもお答えしましたように、やはり改革というのは継続と徹底が重要でありますので、
取り組みを強化して、さらに市民の満足度が高まるように努力してまいりたいと考えております。
◆坂本恭子 委員 今、お話をいただきましたけれども、職員の皆さんは頑張っていらっしゃるというふうに私も思っております。しかし、これは
特別委員会などでも繰り返し指摘をしているところでございますけれども、いわゆる
集中改革プランという人員削減の分野に大きなウエートがあるのではないかと私は思っているのですね。といいますのも、やはり
政令指定都市の中では、
一般行政職員の10万人当たりの人数でいきますと、常に
最低ランクを競っているような状態になっていますし、
市民サービスにかかわる部分での職員削減が、この間、やはり行われてきている。そういうところで、お一人お一人は頑張っていらっしゃるんだけれども、組織として見たときに、全体としてとらえたときに、市民の皆さんにとってはそれが必ずしも満足のいくものになっていないというような状況があるのだろうと思います。
大きい組織ですから、今、ご答弁にありましたように、
リーダーシップの発揮を望んでいる職員が3割いるというお話もありました。やはり、トップダウンではなくて、ボトムアップでこういう改革というのは進んでいくのだろうと思いますし、職員削減のしわ寄せがこういう形で
市民サービスの向上を遮るようなものになっているのではないかということをあえて指摘しておきたいと思います。
それから、この
市役所改革プランは、2006年度までのプランということですから、ことしの3月までとなっております。今後、さらなる継続と徹底というお話がありましたけれども、今後、この
市役所改革プランがどういう形で拡充、充実されていくのか、各局・区のプランなどとあわせてその辺のお話を最後にお聞きして、終わりたいと思います。
◎濱上
市政推進部長 今お尋ねの
市役所改革プランは平成18年度までということで、その後どうするのかというご質問でございます。
先ほども答弁で申し上げましたように、
市役所改革の動きというものにつきましてはゴールはない、そのように考えておりまして、今後とも
市役所改革のさまざまな
取り組みについては継続して取り組んでいきたいと思っております。
平成15年に市長がかわりましたときに、
改革プランという形で策定いたしまして、これに基づいて
取り組みを進めてきたわけですけれども、今回、
統一地方選挙もございまして、その中で
行財政改革、
市役所改革を含めて、それぞれの候補者の方が市民に対してどのように訴えられていくのか、そういったことも我々の考慮の中にはございます。
それともう一つは、私どもは、そういった
改革プランの内容について、局区
実施プランの中でまさしく
PDCAサイクルとして
市役所組織に定着させていく、こういう考え方に基づいておりますので、その
取り組みをさらに強めていきたいと考えております。
◆小林郁子 委員 私からは、1項目だけお伺いします。
市役所改革プランができるに当たりましては、市民会議からの提言を受けて、それがもとになっておりますけれども、市民の目から見た市役所について、提言ではかなり厳しいいろいろな指摘もあったと思うのですね。その指摘を一言で言えば、市職員の
サービス精神がどうなのかということが問われていたのだろうと思います。このたびの陳情者の問題点の指摘も、根本のところは、やはりその市職員の
サービス精神がどうなのだということだと思うのです。陳情者の小松さんは電話の対応を多くおっしゃいましたけれども、来られた方のことについても私はお伺いしたいと思うのです。
市役所改革プランでは、
市民サービスの改革という項目がありまして、
窓口型サービスの改革ということがあって、その中に
ワンストップサービスもあるわけです。また、中には、施設の
総合案内機能の充実の検討ということがありまして、その内容は、総合窓口、
総合案内機能について人的対応などについて充実するということで、本庁、区役所、
市民利用施設、そういうところでやるということになっております。市民が来られるところはどこでも、自分はどこに行けばいいのかということがきちっとわかるようにするのは大事だと思うのですけれども、そのあたりの現状はどうなっているのか、具体的にお願いをしたいと思います。
◎濱上
市政推進部長 今、具体的な
取り組みについてどのようなことを行っているのかというお尋ねでございます。
総合案内機能に関しましては、まず、すべての区役所において転入、転出が多くなる3月から4月にかけての時期に、職員が交代でロビーに立ち、
フロアマネジャーとして来庁される市民の方への案内に当たっております。また、税や国保など個別の窓口が混雑する時期にも同様の対応を行っているところでございます。このほか、例えば中央区では、来庁者の多い月曜日に職員がロビーで案内を行っているほか、西区では、市民の目に触れやすい場所に、私たちに聞いてくださいという大きく表示したポスターを掲示しまして、市民の方が職員に声をかけやすいような
雰囲気づくりに取り組んでおります。
今、幾つかの区役所の
取り組みの例をご説明いたしましたけれども、やはり、すべての職員がいつでも市民の方をご案内するという意識を持つことが大事でございますので、
サービスアップ行動の一環として、職場研修などを通じて接遇の基本である
案内機能の充実にさらに取り組んでまいりたいと考えております。
◆小林郁子 委員 今、人的対応の面で非常に充実されているということですが、西区のような例もありますけれども、例えば
案内機能について、本庁では入ったら正面のところに案内の方がいますね。区役所では、繁忙期はそういう方がいるんですが、そのほかの時期では、来ても、どこに行けばいいのかわからない人がいます。
区役所は市民にとっては一番身近な役所ですし、年間、恐らく何十万の方が利用すると思うのです。高齢者も手続のために一人で行く場合もありますね。それから、転入された方はまず区役所に行くのではないでしょうか。そういう初めての方もいます。そういう中では、区役所に案内という表示が要るんじゃないかなと私は思うのです。
同じく市役所の
改革プランの中で、広聴係をすべて1階にするということで、それはもう実現されたと聞いていますが、例えば、そこに案内という表示があれば広聴係のところに行けるのかなと思うのです。そのほかにも方法はあるのかもしれませんけれども、区役所の案内表示について、また
案内機能、体制についてどうお考えか、お伺いをします。
◎濱上
市政推進部長 今、委員の方からお話がございましたように、区役所におきましては、来庁した市民の皆様が目的の窓口までスムーズに足を運んでいただけるように、各階の入り口に
庁舎案内板を設置したり、あるいは、庁舎の見取り図を掲載したチラシを用意したり、それから案内表示を見やすく統一化するなど、わかりやすい案内に心がけております。
ただいま市民相談などの窓口となっております広聴係につきましてお話がございましたけれども、これは、すべての区役所で多くの市民が利用する
戸籍住民課の近くや正面玄関のすぐそばなどに配置し、市民の方から気軽に問い合わせいただけるように配慮しているところでございます。
今ご指摘がございました
案内担当セクションの表示につきましては、
市民サービスの向上につながるものと思いますので、今後、関係の部署と協議を進めてまいりたいと考えております。
◆小林郁子 委員 よろしくお願いしたいと思います。
○
三浦英三 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三浦英三 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
それでは、陳情第251号の取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」と呼ぶ者あり)
○
三浦英三 委員長 陳情第251号を継続審査とすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
三浦英三 委員長 異議なしと認め、陳情第251号は、継続審査と決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時35分
再 開 午後1時36分
――――――――――――――
○
三浦英三 委員長 それでは、委員会を再開いたします。
次に、札幌市
温暖化対策推進計画の改定について及び札幌市環境教育・
学習基本方針の改定についてを一括議題といたします。
質疑に先立ちまして、理事者から説明を受けます。
◎小林
環境都市推進部長 それでは、札幌市
温暖化対策推進計画の改定概要につきましてご説明申し上げます。
この改定作業でございますが、庁内の
温暖化対策推進計画改定専門部会を立ち上げまして、これまで検討を重ねてまいりました。また、この部会と並行いたしまして、
学識経験者や
公募市民等、11名の委員で構成しております
専門家会議も開催いたしまして、
温暖化対策に関する専門的な意見や市民意見をいただきながら計画の策定に反映させてまいりました。
本日は、これらの検討結果としての札幌市
温暖化対策推進計画の作業案、この先も若干変更はございますが、これにつきまして説明をさせていただきます。
なお、今後、改定素案を確定した後、
パブリックコメントを募集いたしまして、年度末までに改定案を確定する予定でございます。
それでは、お手元の資料についてご説明を申し上げます。
まず、今回の改定の必要性でございます。
これまでは、札幌市
環境基本計画に基づきまして、平成13年に本市の
温暖化対策推進計画を策定しました。しかし、
京都議定書の
目標達成に向けた国の動向や本市の
二酸化炭素排出量の現状から、より実効性の高い計画に改定する必要があることなどの理由により、今回、改定するものでございます。
具体的には、1番目でありますが、国の対策強化であります。
地球温暖化対策を取り巻く社会情勢が大きく変化いたしまして、特に国の
温暖化対策が強化されてきていることでございます。主な内容といたしましては、点線の枠の中にあります2002年、平成14年6月に
地球温暖化対策推進法が改正されてございます。この法律では、2005年、平成17年2月の
京都議定書発効を受けて策定されました同年4月の
京都議定書目標達成計画を勘案して、
地方公共団体においても
地域推進計画を策定するよう求められているもので、これが一つの理由でございます。
2点目でございますが、本市の
二酸化炭素排出量の現状から、より
具体的削減が期待される計画に改定する必要があるということであります。札幌市
環境基本計画で掲げております
二酸化炭素削減目標といたしましては、枠の中に書いてありますように、市民1人当たりで2010年までに6%削減、それから2017年までに10%削減するという目標になっております。この数値は、1990年の実績値5.50トン、グラフの左上にございますが、この数字が基準となっておりまして、これに対する削減率であります。また、このグラフでは、ここ6〜7年は
横ばい状態、全体ではいまだ減少傾向は見られず、
削減目標と大きな差がある状態が続いてございます。このような状況から、国の達成計画における政策と連携できるように、現行の札幌市
温暖化対策推進計画を改定し、より実効性のある
温暖化対策を進める必要があるというものでございます。
次に、
改定計画案における改定の特徴についてご説明いたします。
一つ目は、札幌市における
二酸化炭素の将来排出量の推計でありますが、これを達成するために必要な
部門別削減量の目安を、
京都議定書目標達成計画等に基づき試算をいたしました。
まず、札幌市の
二酸化炭素の排出量が今後の
エネルギー需要の伸びに伴って増加していった場合の数値を算出し、
環境基本計画の
削減目標との差から、市民1人当たりに必要な
削減目標値を示しました。この値は、点線の枠の中に示してありますが、2010年、2017年の目標値に対しまして、それぞれ0.98トンと1.36トンという数値になってございます。そして、この値をどのように削減していくかという目安を、国が定めました
京都議定書目標達成計画などをベースに試算し、その結果を、下の表のように、
部門別削減量の目安として示してございます。この値は、民生部門や運輸部門などの合計で1.00トンになっておりますが、この試算結果は、国の
京都議定書目標達成計画が確実に実行され、北海道、札幌市、事業者、市民の方々と連携を良好に行うことで2010年の
目標達成が可能となる、こういうことを示しているものでございます。
二つ目でございますが、
削減目標の達成に向けた
取り組みであります。
ここでは、市民・事業者・行政の
取り組みの連携と本市の各部局で進めている
温暖化対策に係る施策を体系化して示しております。
まず、本市の
地球温暖化対策の
取り組み基本方針といたしましては、すべての市民がさっぽ
ろエコ市民を目指すこと、それから、パートナーシップを図りながら、市民、事業者、国などと連携し、
二酸化炭素削減を目指す、そして、世界に誇れる環境の街、環境文化都市さっぽろとして、率先的な
取り組みを世界に発信することを掲げております。
次に、
京都議定書目標達成計画の排出部門の分類別に、
温暖化対策に向けた本市の
取り組みを示しました。この先につながる個別の
取り組みといたしまして、各部局が実施を予定している事業を掲げております。これらの
取り組みによる
二酸化炭素削減効果を施策別に定量化することは大変難しい状況にはありますが、事業群として体系化して示すことで部門別の削減目安と関連づけてございます。
この計画の進捗状況につきましては、
二酸化炭素の排出量の算出、公表、そして各主体の
取り組み状況の把握を定期的に実施していく予定でございます。また、
環境基本計画等に記載されております
削減目標につきましては、これに基づいて進行管理をしていきたいと考えてございます。
以上が、
温暖化推進計画の改定概要でございます。
続きまして、環境教育・
学習基本方針の改定についてご説明申し上げます。
資料の基本方針改定のポイントでございますが、左側の改定経緯についてご説明いたします。
現在の基本方針は、環境教育の一層の推進を図るため、平成8年に策定いたしました。この方針は策定から10年が経過いたしましたが、その間に環境教育を取り巻く状況は大きく変化をしております。具体的には、地球環境問題に対する意識の高まり、持続可能な開発のための教育の提唱、それから、
京都議定書の発効、環境教育推進法の制定、札幌市
環境基本計画の改定、そして、学校における環境教育の充実の必要性などがございます。以上のような理由から、基本方針の改定を行うことといたしました。
改定に当たりましては、これも温暖化と同様に、庁内の環境保全会議におきまして検討を重ねてきておりますし、さらに、
学識経験者や公募市民など、13人の委員から構成される環境教育・
学習基本方針改定専門家委員会を開催し、改定について検討を進めております。
本日は、これらの検討を経て作成いたしました札幌市環境教育基本方針の改定に係る現時点での作業案を資料のとおり提示させていただきました。今後は、
パブリックコメントを経まして、年度末を目標に改定を行おうと考えております。
続きまして、基本方針の特徴についてご説明いたします。
改定を行う基本方針では、四つの特徴がございます。
1点目といたしまして、環境教育は、知識を得たり理解するだけではなく、実際の行動に結びつけることが重要であるため、実効性に着眼したということでございます。基本方針に加えまして、
取り組み体系を策定し、環境教育の理念のみならず、具体的な
取り組みを示すこととしております。さらに、家庭、学校、地域、職場などにおける環境教育の具体的な実施方法を示した手引きといたしまして、実践プログラムというものの策定を進めております。
2点目は、環境の分野は非常に幅が広いことから、
取り組みを絞り込むことが効果的であり、重点化の方向を明確にしたということでございます。重点化するテーマは、地球環境問題とし、省エネ、ごみ減量とリサイクル、水とみどりの三つを重点行動としております。また、重点化する対象といたしましては子どもとしております。
3点目は、学校における環境教育の重点化を図るため、環境局と教育委員会が共同で策定するということでございます。両者の連携を強化することにより、子どもに対する環境教育、特に学校における
取り組みを重視して施策を進めることといたします。
4点目は、基本方針に基づく
取り組みを確実に推進するため、評価、検証、改善の体制づくりを行うことでございます。基本方針は専門家委員会、実践プログラムはワーキンググループにおいてご検討いただいておりますが、改定後も会議体を設置し、基本方針などの評価、検証、改善を行うこととしております。また、実践プログラムはホームページなどで公開することにより、改善点などについて広くご意見をいただき、絶えず進化させていきたいと考えております。
次に、改定による効果でございますが、主なものとして、二つを考えております。
1点目は、環境教育を身近なものにするということでございます。これまでは、環境教育といえば、自然体験的な学習を行うなど環境に対する気づきを促す
取り組みが多く行われる傾向にありました。このたびの改定では、日常生活に密着した生活型の環境教育を中心に取り上げ、環境教育をより身近にすることにより、気づきから一歩進んで実際の行動を促すことを期待し、あらゆる場面で広がりを持つことができると考えております。
2点目でありますが、環境教育を体系化するということでございます。基本方針、
取り組み体系、実践プログラムの三つを策定することによりまして、理念から具体的な
取り組み、さらには、行動まで筋道を立てた環境教育を推進することができ、円山動物園などの環境関連施設を環境教育の拠点として位置づけることにより、これらの場の有効活用と施設の連携を図ることが期待されております。
環境教育基本方針の改定につきましては、以上でございます。
○
三浦英三 委員長 それでは、質疑を行います。
◆桑原透 委員 まず、最初の札幌市
温暖化対策推進計画の改定について質問させていただきます。
地球温暖化は、日本でも世界じゅうでも話題になっております。今、地球温暖化のさまざまな悪影響が世界各地で明らかになりつつあり、札幌市においても、市民一人一人の生活を一刻も早く転換していかなくてはならない状況にあるというふうに言われます。
このたび、札幌市
温暖化対策推進計画の改定素案の12ページのグラフにもあるとおり、札幌市における
二酸化炭素排出量の約6割は民生家庭、民生業務からと、やはり我々の生活に深くかかわる部分からの排出であることがわかります。札幌市において
二酸化炭素を削減するためには、市民に対して根気よく啓発を繰り返すことで、この問題に対する自覚を持ってもらい、ライフスタイルを環境に優しいものに変えていく必要があるのではないかと思っています。そのため、私は、今回改定された計画において、市民の日常にかかわる
二酸化炭素排出を削減するための
取り組みについて、やはり具体的な削減量の把握が必要と考えます。
そこで、質問ですけれども、今回の改定計画において、民生部門における温暖化防止に向けた
取り組みによる
二酸化炭素削減量の把握をどのように行うのか、まずお伺いいたします。
◎小林
環境都市推進部長 札幌市
温暖化対策推進計画の改定素案における民生部門の
二酸化炭素排出量の把握についてお答えいたします。
民生部門の家庭及び業務における
二酸化炭素排出量につきましては、今後も、札幌市全体の
二酸化炭素排出量とあわせまして、部門別の排出量として算出し、公表をする予定としてございます。また、民生部門における温暖化防止に向けた具体的な
取り組みにつきましても、今後、
二酸化炭素の削減量の把握について検討を行いたいと考えております。
その一例といたしまして、平成16年度から今年度末をめどに進めているさっぽろエコライフ10万人宣言の後継事業といたしまして、来年度から市民一人一人が実践している環境行動をレポート形式で提出してもらう事業を予定しておりまして、本事業により提出された環境行動による
二酸化炭素削減量を数値化いたしまして、市民のエコライフによる
二酸化炭素の削減効果を把握していきたい、このように考えているところでございます。
◆桑原透 委員 民生部門における削減量の把握について、今お答えがありました。
取り組みはこれからも具体的にいろいろ検討するということでございますが、今回のエコライフも大変市民にわかりやすいやり方だったのかなと思っています。やはり、肌に感じるように、
二酸化炭素の排出を削減することをもっともっと市民にわかりやすくすることが必要なのかなと。そして、今はこの温暖化をみんながすごく真剣に考えているときですから、今こそCO2削減に向けてもっともっと努力していかなければいけないのかなと思っています。今後、部門別についても出るようですから、それを見ながら具体的な
取り組みをされるのだというふうに思っていますので、そのことについてはよろしくお願い申し上げます。
次に、環境教育基本方針における具体的な
取り組みについて質問をさせていただきます。
環境教育の方向性を示した基本方針が新しくなり、その中で、地球環境問題、いわゆる生活型の環境問題を、子ども、特に学校を対象として重点化していくというお話でした。基本方針の実効性を上げるという意味で、この基本方針のほかに、
取り組みの体系と実践プログラムをつくって対応するとのことですが、できるものから速やかに実施していくべきだというふうに考えているところであります。
そこで、質問ですけれども、すぐに実施していく
取り組みとして、今はどのようなものを予定しているのか、学校を対象とした
取り組みを含めてお伺いいたします。
◎小林
環境都市推進部長 速やかに実施を予定している
取り組みについてお答えいたします。
具体的な施策などは、来年度に入りましてから次期まちづくり計画に合わせて検討を予定しておりますが、この場合、予算化などを考えますと、事業を開始するのは再来年以降になってしまうところでございます。このため、実効性という観点からも、対応できる
取り組みにつきましては速やかに実施していく考えでおります。
このたび重点化した地球環境問題の対応として、省エネ、ごみ減量・リサイクル、そして水とみどりの三つの行動を挙げさせていただきましたが、これらにつきましては、環境都市推進部、環境事業部、みどりの推進部などを中心に実施していく施策となります。
具体的には、省エネ行動で、エコライフ10万人宣言の後継事業となる市民啓発事業や環境マラソン講座など、また、ごみ減量・リサイクルといたしましては、生ごみの堆肥化や廃食油リサイクルなどの事業、そして、水とみどりは、市民主体の公園等管理推進支援事業、それから、リラの花香る街づくり事業などを来年度事業として予定しております。
また、学校を対象とした
取り組みでございますが、まず、実践プログラムの策定を行います。これは、授業などでどのような指導をするかを示す手引書となるものでございます。また、環境管理施設の見学用バスの借り上げの実施を予定してございます。これは、体験型の学習を目指して、できるだけ現場に子どもさん方が足を運びやすくするためのバスを借り上げて提供するものでございます。このほか、環境教育の教員向けの研修の実施とか、環境教育のホームページの作成、それから、中学生向けの学校対抗環境コンテストなどの事業を予定してございます。
◆桑原透 委員 速やかにできる課題については速やかに行うということです。環境が整っているものはもう既にあるというふうに思いますから、その部分については、ぜひ来年度からも実施をお願いしたいなと思っています。
あとは、特に学校による環境教育は、ここにもありますが、教育委員会と共同だということですから、やはりうまくお互いが議論し合っていいものをつくっていっていただきたいということを述べて、私の質問を終了いたします。
◆小田信孝 委員 私からも、簡潔に1〜2問、質問したいのですが、両方に深くかかわっておりますので、まとめて質問させていただきます。
まず、最近の地球の異変につきまして、熱波、寒波、異常な洪水、干ばつ、台風、何百年に一度と言われるような異常気象が頻発している。この辺については、大人も子どももニュース等で十分に認識していると思うのです。これは、恐らく地球温暖化の問題と深くかかわっているのだろうと認識していると思うのですね。
そこで、今回の資料にも、札幌市
温暖化対策推進計画の方の5ページに、地球温暖化による影響ということで、資料は環境省になっておりますが、表の2−1で地球温暖化の影響予測というところで、上は平均気温の上昇から一番下は市場への影響と具体的なことが出ております。いわゆるこういった環境問題に対する情報はいろいろありますが、教育基本方針の改定の8ページに大事なことが書かれております。環境教育に必要な指導用資料や情報というところに、インターネット上には情報がはんらんしておりまして、欲しい資料や情報を見つけ出すのに苦労します、そのために、情報を一元化するなど、使いやすい情報の発信が求められている、そのとおりだと思うのですね。
そこで、皆さんが共通して、こういうことを大人も子どもも学んでいって、では、自分たちでどうするかということを学んでいくときに、先ほどの地球温暖化の影響予測のところに戻りますが、例えば、10年後の影響予測、20年後の予測、30年後の予測と、100年単位ではなくて、せめて10年か20年単位ぐらいの情報を集めて、それを広く大人にも子どもにも学校教育にも共通したような、ある程度情報を一元化した形で提供していって、だから、私たち一人一人が取り組む必要があるのですよと、自分たちの子ども、孫の時代にこの地球を残していかなければならない、その大事な意義づけをはんらんする情報の中からどうやって上手に伝えていくかというのが大事だと思うのですね。その辺については、札幌市も知恵を絞って、はんらんしている情報を上手にまとめていく必要があるのではないかというふうに思うのですが、その辺についてはどういうような見解を持っておられるか。
また、これは結論ではありません。今後、いろいろ変わってきますね。ですから、そのときにどんなことを仕入れながら、収集しながら、今後、例えば
パブリックコメントをやるときに市民に示していくのか、その辺についてのお考え等がありましたらお示しいただきたいと思います。
◎小林
環境都市推進部長 委員がお話しされたように、地球環境、それから異常気象という関係につきましては情報がたくさんございますので、この先、ホームページ、さらには我々が発行しております環境に関する情報新聞、これらをうまく活用いたしまして、さらにわかりやすい形で提供してまいりたい、そのように考えてございます。
◆小田信孝 委員 私たちも、書店あるいはインターネットとかで常に情報を見ているんですよ。でも、余りにも情報がはんらんしていまして、また、学者によって、あるいは作家によっていろんな情報がそれぞれ発信されております。どこら辺がどういうふうになっているのかという中心軸というのか、極端な例もありますでしょう。100年後は地球が全滅するみたいな、極端に恐怖をあおるような、そんな論調もありますでしょう。
ですから、5ページの資料については、環境省から出てきている資料に基づいて、この表の2−1の影響予測が出ているのですけれども、こういったことも大事なのですが、これはわかりやすいから100年単位くらいでこういうふうに表現されているのでしょう。
例えば、今、まさに発展途上と言ったら失礼かな、工業化しているすぐ近くの国々、非常に影響が大きいところがありますね。国の名前を言わなくてもわかると思いますけれども、そういうところからいろいろな問題が惹起してきておりますので、地球環境と言ったらちょっと規模が大きいものですから、家庭の中で、親子の対話の中で、地球温暖化の問題、地球環境の問題、大きな問題がテーマなものですから、絞って話をするというのはなかなか難しい。これは、大人も子どもも情報を共有しながら、こうだね、ああだねという話をしながら、じゃ、我が家でできることは何だろうか、自分たち一人一人ができることは何だろうかということを、先ほどは三つのテーマで挙げていただきましたけれども、それはそれでわかります。
ただ、この影響予測がもっと深刻になってきているのだよというところを強調して情報を発信していかないと、一人一人が危機感を持ってというか、本当に温暖化は大変なことになりそうだなということをもっと深刻に受けとめていただくためには、この影響予測を具体的にしていかなければならないのではないかなと。そのときに、余りにも情報がはんらんし過ぎていて、どこが議論の中心になっているのかがだんだんぼやけてしまう、そういう危険性がある。ですから、そういうことを上手に行政が発信していくことが大事じゃないかなと思って言ったのですが、非常に大きなテーマですから絞って答弁しづらいのかもしれませんけれども、その辺をどう感じておられるのか、再度質問します。
◎中西 環境局理事 小田委員のご指摘は、本当に大変大事な視点だと私どもは考えております。
今回の改定の前提となっておりますのが、
京都議定書を受けました国全体の動き、世界の動きでございます。2012年までに、日本の場合は6%の
二酸化炭素の削減、温暖化への対策をとるという約束をしているわけですが、国によってその割合は違うわけです。世界では、きのう、アメリカの方でも石油のエネルギー対策が打ち出されて、さらに、ことし1月には、EUの方でも新しいエネルギー戦略というものが打ち出されておりました。それらは、すべて
京都議定書で示された対策の後を受けた地球を救うための対策ということで、次々と打ち出されているわけです。その前提となっておりますのが、このままでいったら大変なことになるというコンセンサスがあるわけですね。私どもは、確かに、これまでそのあたりのことをわかりやすく市民の皆様方にお伝えするようなところがちょっと欠けていたかもしれません。したがいまして、私どものホームページの中でも、権威のある、それから、信頼できる情報に関するリンクは張ってはいるのですが、それをうまく加工しながら、市民の皆様方に正確な情報、そして認識をしていただくような
取り組みをしていきたいと思っております。
今回のこの温暖化計画の中の一番最後のページには、エコライフの実践によります
二酸化炭素の削減ということで、1年間、市民の皆様がこういうことを実行していただけると、これぐらいの
二酸化炭素の削減になるのですということを実は例示的に出しておりまして、エコライフ10万人宣言の中でも訴え続けてきたわけですが、これですべて札幌のCO2削減につながるわけではございません。ただ、少なくとも私たちができることはやっていきましょうという訴えのリストとしてこういうものを挙げております。
今後とも、こういったことなども通じまして、市民の皆様方と一緒に地球温暖化に向けた対策を講じてまいりたいというふうに思っております。
◆小田信孝 委員 最後に、要望させていただきます。
この
総務委員会で、昨年、視察に行きまして、各都市のCO2削減の調査に行ってまいりました。政令市はそれぞれ取り組んでいます。札幌市も、こうやって今まさに論点を絞って、そして具体的にわかりやすく市民の皆さんに提供して、また、
パブリックコメントもやって固めていこうと。
要望としては、札幌市は冬期間が長いものですから、暖房等でCO2の排出は全国の中でやっぱり多いわけですね。しかし、暖房というのは生活に欠かせない問題ですからやむを得ない部分もありますけれども、そういう大きな札幌市の責務を負いながら、しかし、札幌市がまさに
京都議定書で打ち出された目標について、都市間競争ですから、札幌市も負けていない、立派に果たしていると、こういうふうに誇れるような今後の施策決定と、そして、まさに削減に効果が上がるようなことに今後ご努力をしていただきたいということを最後に要望して、終わります。
◆坂本恭子 委員 私からも、何点か質問させていただきたいと思います。
今ご説明をいただきました
温暖化対策推進計画、そして、もう一つの環境教育・
学習基本方針は、まさに車の両輪といいましょうか、両方が一緒に動いていかないと本当の意味での
温暖化対策、環境対策が進んでいかないという思いを強くしております。
温暖化対策については、今までお話がありましたように、
京都議定書で定められました
目標達成計画に基づいて、国や自治体、それからまた、市民や事業者が参加、協力をすることで、それによって札幌市が
環境基本計画で掲げる
二酸化炭素の
削減目標値の達成を図るという内容です。
計画をいただいて、今、大きいところでまずお話がありましたけれども、札幌市の温暖化防止に向けた
取り組みということで、個別・具体の事業を計画の中に載せていますが、これらの事業の
温暖化対策推進計画での位置づけについてもう少し詳しくご説明をいただきたいと思います。
市が具体的に実施する事業はこの計画にかかわって行う事業として考えてよろしいのかどうか、伺いたいと思います。
また、先ほどご説明の中で事業の進捗状況を把握していくとありましたけれども、この
取り組みについても、
二酸化炭素の削減効果を定量的に把握できるような仕組みをつくっていくのか。これをきちんと進めるための管理、先ほど進行管理という言葉をお使いになったと思いますが、この
取り組みの分野でも進行管理を行っていくのかどうなのか、まず、その点を伺いたいと思います。
◎小林
環境都市推進部長 ただいまご質問の具体的に実施する事業についてでございます。
本計画に掲げます札幌市の温暖化防止に向けた
取り組みといたしましては、本市が実施している、もしくは、今後実施することを予定している
取り組みのうち、
温暖化対策に資するものを列挙しているものでございます。
次に、進捗状況の把握についてでございます。
これらの事業によるCO2の削減効果をすべての事業において定量化してこれを示すというのは困難でありますが、例えば、省エネルギーや新エネルギーに関する事業につきましては、電力とか灯油等の削減量として定量化できると考えておりますので、これらにつきましてはCO2の削減量として実施状況を把握していきたいと考えております。
◆坂本恭子 委員 既に行っているものも含めて列挙してあるということでした。
最後のところで、省エネルギー、新エネルギーというところでは定量化が把握できるというお話でした。
先ほど、民生部門での排出削減ということでの具体的なお話がありましたが、部門別の削減量の目安ということでいきますと、運輸部門の0.18トン、それから、部門横断として、これはいろいろなところに及んでいくのでしょうけれども、これが0.49トンということで表示されております。
私は、今、
温暖化対策ということで言いますと、計画にも書かれておりますし、これはもう皆さん共通の認識だと思いますが、化石燃料の使用が一番大きな問題だと思います。そういう中で、いただいた資料の中には、運輸部門のところでエコドライブの推進と低公害車の導入という項目があります。それから、部門横断というところでは新エネルギーの導入ということで、まさに、今、ご答弁のあった分野の問題ですけれども、一般的に
温暖化対策の事業ということで言いますと、新エネルギーでは幾つか
取り組みの中にも列挙されておりますが、風力発電というものがここに入っていないのはなぜなのかなと私は思っております。それからまた、化石燃料によらない動力というのですか、そういう意味ではバイオディーゼル燃料があると思うのですけれども、これらのものが一般的には
温暖化対策の事業の中では、直接的な
二酸化炭素削減につながる事柄として重要な位置づけに挙げられていると思うのです。
この
取り組み、計画については、これらに関する明確な記載が少ないと思いますので、これらの事業について市としてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
それから、環境教育の分野についてです。
非常に多岐にわたっておりまして、具体的には、
取り組み体系や実践プログラムといったものが出てこないとなかなかはっきりと見えてこないということで、さらに具体的な議論が今後の実践プログラムの中でされていかなければならないという印象を持ちました。
そこで、1点だけお聞きしたいのが、事業者の位置づけですけれども、9ページのところで事業者間の環境教育に対する意識の差であるとか、
取り組みの差があるようなことが評価として書いてあって、きっかけづくりや仕組みづくりが必要ですという項目があります。それから、28ページの第6章 基本方針を推進するための方策の中に、財政基盤の整備という項目があります。ここのところで、広く市民や事業者等にも環境教育に対する資金協力を求めるという一項があります。今、事業者間で意識の差あるいは
取り組みの差がある中で、資金協力を求めていくことも個別的にはなかなか難しい状況にあるのかなというふうに思っていますけれども、具体的に事業者などからどのように資金協力を求めていくのか、お考えがあればそれをお聞かせいただきたいと思います。
◎小林
環境都市推進部長 まず、最初の化石燃料以外の風力発電等のご質問でございます。
委員ご指摘のとおり、風力発電やバイオディーゼルの普及につきましては、
温暖化対策として非常に重要な
取り組みであると認識してございます。
風力発電は、特に大規模な発電施設の導入のために、これを運営いたします民間事業者の事業参入とか電気事業者の協力が不可欠でございます。また、バイオディーゼルにつきましては、現在、市内の事業者が中心となり、市民の皆様の協力を得ながら事業を展開しておりまして、本市においても広報さっぽろ等を通じて紹介いたしておりますし、このような情報の提供に努めているところでございます。
本市といたしましても、今後とも、国や道の施策の展開や事業者の動向等を見きわめながら、これらと十分連携を図って必要な役割を担っていきたい、このように考えてございます。
次に、環境教育に対する資金協力という点でございます。
具体的な事業者などからの資金協力の方法でございますが、これにつきましては、次期まちづくり計画にあわせて検討を進めたいと考えているところでございます。
ただ、現在取り組んでいるものといたしましては、クリック募金という事業をしてございます。これは、環境プラザのホームページ上に、企業の環境報告書などを掲載いたしまして、それを市民がのぞきに来ると申しましょうか、その企業の名前をクリックしていただきますと、1回当たり5円が札幌市に寄附をされるというものでございます。昨年度につきましては、11社から150万円余りの寄附をいただいたところでございます。いただいた資金につきましては、市内の小学校の環境教育の教材として提供してございます。
このような
取り組みにつきましては、今後とも、企業の広告料なども含めて資金協力をさらに進めていきたい、このように考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 先ほども申し上げましたけれども、環境教育、
温暖化対策は、車の両輪としてしっかりと前に進めていっていただきたいと思います。その意味でも、環境教育基本方針の方は、
取り組み体系と実践プログラムを早く市民の前に明らかにして、具体的にどういう行動提起をそれぞれの立場にするのか、自分たち自身がどういうことが可能なのかという、その問いかけの場として、まさにきっかけづくりとしてしっかりと発信をしていっていただきたいと思います。また、市役所といたしましても、できる環境対策というのでしょうか、温暖化防止対策にはしっかり取り組んでいただくように、このことを最後に求めて、終わりたいと思います。
◆小林郁子 委員 私からは、専ら
温暖化対策推進計画のことに関連してお伺いをしたいと思います。
気候変動防止というのは、今説明がありましたように、本当に世界的な課題なのですけれども、その中でも特にCO2の削減ということが求められているということです。説明にもありましたとおり、
環境基本計画の目標値と現実が乖離をしている、これがまた広がるのではないかという懸念もあるわけなのです。
札幌市の特徴というのは、これを見てみましても、民生部門ですね。家庭、業務を合わせて民生部門のCO2排出量の2003年のデータがここに出ていますけれども、札幌市は63%と。しかし、全国的には31%ということで、札幌市の大きな特徴は民生部門がすごく大きいということですね。その原因というのは、やはり冬期の暖房だとか除排雪、そういうところでのエネルギー消費が大きいのだろうというふうに思います。そう考えますと、冬期のエネルギーの削減とかエネルギーの転換が札幌市におけるCO2削減の大きなかぎを握っているのではないかなと思うのです。
そういう中で、節電とか省エネの努力もありますが、エネルギー転換を図っていくことがこれから必要なのではないかなと思います。CO2を発生しない、また、国際的な紛争にも巻き込まれない、再生可能エネルギーを推進していくということが、これからの市の政策として重要ではないかなというふうに私は思います。
日本全体としては、エネルギーに占める、あるいはまた電力量に占める再生可能エネルギーの割合というのは、その目標値自体がEUやアメリカ、中国などに比べても1けた低いような目標ですから、それは非常に残念だなと思うのです。エネルギー政策というのは、今まではどうしても国が決めるものだということがありましたが、札幌市としても、自治体としての見解はあるでしょうけれども、再生可能エネルギーの推進ということに努力をしていただきたいと思っております。
そういう中で、今回の
温暖化対策推進計画の改定を見ますと、新エネルギーの導入という
取り組みが書かれてあります。札幌市として、2010年なり、2017年なり、そういう時点でエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合をどういうふうに見ておられるのか、まず1点、お伺いいたします。
それから、この計画の中で、新エネルギーの導入の中に、公共施設における新エネルギーへの率先導入ということがあります。これについては、今までも、学校における太陽光発電だとか、区役所の地中熱の利用などがあると思うのですが、今後の具体的な導入計画があれば、もう少し詳しくお聞きをいたしたいと思います。
◎照元 エネルギー担当部長 現行の計画における新エネルギー導入でございます。
太陽光発電、雪冷熱、ごみ発電、コージェネレーションの4項目が挙げられておりますが、雪冷熱利用とごみ発電につきましては、既に目標値をクリアしてございます。残りの太陽光発電とコージェネレーションにつきましては、今後、可能な限り、目標値に向けて努力してまいりたいと思っております。
次に、公共施設における新エネルギーの率先導入についてでございます。
市内小学校を対象に、太陽光発電設備を1区1校という形で進めております。ことしにつきましては、信濃小学校をやっておりまして、そういう形で今後も進めてまいりたいと思ってございます。風力発電につきましては、手稲山口地区周辺を対象に導入する計画を進めております。今後も、行政による新エネルギーの率先導入を行うことによりまして、民生レベルの導入を促していきたいというふうに考えております。
◆小林郁子 委員 今、部長がお答えくださいました再生可能エネルギーの割合につきましては、現計画だから2001年ごろ策定されているものをおっしゃっているのだろうと思うのですね。だから、それについて、今後、この計画が改定されますと、それも見直すことになるのかどうか、1点、確認させていただきたい。
それから、再生可能エネルギーにつきましては、札幌市として、これからどこまでどうやっていくのか。例えば、国では2004年に新エネルギー産業ビジョンというものをつくっていますね。それから、東京都では再生可能エネルギー戦略というのを2006年3月につくっている。こういうことで、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーを推進しようという動きがあると思うのです。
そうした中で、札幌市としても、長期的なビジョンといいますか、やはりそういうものが必要ではないかなと私は思います。企業にしましても、長期的な視点が示されることによって初めて投資の意欲がわくのではないかなと思うのですが、そのあたりはいかがか、お伺いをいたします。
◎照元 エネルギー担当部長 1点目の達成についてですが、前回は、2005年段階で、太陽光につきましては25%という達成を示しております。コージェネレーションにつきましては63%の達成ということになってございます。今後につきましては、太陽光の25%を100%に近づけるように努力していきたいなと思っております。
次に、今後どういう形でプランをやっていくのかということですが、再生可能エネルギーの導入を進める戦略につきましては、先ほどの東京都ではそういう形のプランがございますけれども、本市も必要であるというふうに考えてございます。それにつきましては、次期まちづくり計画の中に盛り込んで努力していきたいなと思ってございます。
◆小林郁子 委員 そのときに、札幌市の推進計画を見まして、新エネルギーの中にごみ発電も入っているのですね。私は、東京都などはごみ発電を除いていると思うのです。それは、ごみをいっぱい出して、それでもって発電をして新エネルギーだということになっても、それはちょっと再生可能的なエネルギーではないのではないかなというふうに思うものですから、そのあたりは、今後、ぜひ考え方を整理していただければと思います。これは要望です。
○
三浦英三 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三浦英三 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、円山動物園基本構想についてを議題といたします。
質疑に先立ちまして、理事者から説明を受けます。
◎金澤 円山動物園長 私の方から、今回、円山動物園リスタート委員会から提案されました基本構想案について簡単に説明させていただきたいと思います。
昨年、第3回定例市議会直前の9月の
総務委員会におきまして、動物園の再生に向けた
取り組み状況等を報告させていただきました。その後も、円山動物園リスタート委員会が精力的に開催されまして、昨年12月18日まで計6回の会議が行われたところです。そして、ことし1月に入りまして、10日に、委員会としての構想案を市立大学学長である原田委員長から市長に手渡されたところでございます。
本日は、リスタート委員会でまとめました円山動物園の基本構想案を説明し、報告させていただきたいと思います。
お手元にこの絵がありますので、これで説明させていただきたいと思います。
中央上の白抜き部分に動物園が抱える課題とございます。ここでは、さきの委員会でも報告しましたが、大きくは行政監査の問題がございます。それから、動物園の役割が変わってきたこと、そして、職員や動物園内に関係する方々の意識改革の問題、それから、施設が古いなど施設の改善がございます。それからもう一方には、右の横になりますが、動物園の役割としても、今までのレクリエーション機能に加えまして、今度は、環境教育とか種の保存、また調査研究という役割が求められるようになってきました。そして、世界的にも動物園自体の役割や使命が変わりまして、環境面に重点を置いた
取り組みが求められてきているところでございます。
これらの課題や役割を検討した結果、中央の黄色いところでございますが、基本理念を、「人と動物と環境の絆をつくる動物園」としてございます。文章としてはちょっと長いですが、人と動物と環境ということをしっかりうたい出したところでございます。
札幌市における円山動物園の役割としましては、先ほどもありましたが、環境基本条例や
環境基本計画で世界に誇れる環境都市を目指しておりますので、第1に、札幌市の環境教育の拠点を掲げてございます。これは、単に地球上の珍しい動物を飼育、展示するだけではなく、その動物が本来すんでいるところの環境や気象問題、えさとなる動植物、食物連鎖などに及ぶ解説や展示によりまして、総合的な自然環境、あるいは、本来そこで成立しているべき命や物質の循環についてわかりやすく学ぶことができるようにします。そして、人、動物、施設が発信する環境に対するメッセージが相互に連携した総合的な環境教育の拠点を目指すということになっております。
二つ目には、北海道の生物多様性確保の基地を掲げてございます。皆さんもご存じのとおり、円山動物園は自然豊かな立地条件にありますことから、これまでは単に今ある自然を消極的に保全、活用するような姿でしたが、今回は、それだけではなくて、動物園を取り巻く自然の生態系と調和し、失われつつある地元の自然を修復するよう、そして、より積極的な行動に移行していくことが提案されております。北海道固有の野生動物にも絶滅危惧種が少なくないことから、繁殖と自然への復元に力点を置くことが北海道内にある公立動物園の使命であり役割であると今回はとらえられております。そこで、高い飼育技術を持つ円山動物園が指導的立場を担っていくべきであるという提言でございます。
特に、北海道の中でも開発が進んできました札幌市は、野生動物の減少が著しい状況にございます。これらの自然への復元作業について、今度は市民、企業、大学、研究機関等が横断的に連携することで実現させていくことを目指しているものでございます。
このほかに、もう一つの役割として、多様なメッセージを発信するメディアを掲げてございます。これは、札幌市の施策を円山動物園を通じてさまざまなメッセージという形で発信していく役割も持つということでございます。
これらの役割を果たすため、その下のグリーンの色が塗られているところですが、三つの柱を立てて行動指針としてございます。
一つ目には、わたしの動物園という視点からの行動でございます。
これまでの動物園の概念は、動物園で飼育されている動物を見に行く場でしかなかったのですが、今回は、わたしの動物園ということで、オーナーシップや市民が主役というイメージを感じさせる仕組みを導入しようとするものでございます。そして、私の動物を動物園に預かってもらっている、私の動物がいる動物園に会いに行くというような関係性の転換を提案しているものでございます。例えば、仮称ですが、ファンクラブのようなアニマルファミリー制度といったものを導入しまして、動物と市民の距離感を近づけ、あたかも動物と人が家族のように深く知り合い、学べる仕組みをつくり、最終的には、ファンクラブですから、会費をちょうだいしてえさ代など動物のために使っていけるような仕組みをつくっていきたいという提案でございます。
それから、二つ目は、生物多様性の確保に向けた行動です。
これは、現在、地球規模で進行する自然開発の負の遺産、前段の方で議論がありましたが、そういったところから、今回は、生態系、種、遺伝子の三つのレベルで保護、保全しようという概念でございます。これは、世界的な流れとして、世界の動物園などでも動いておりますが、国内には環境省の新・生物多様性国家戦略というものがございまして、この中にしっかりうたい込まれていることもあり、そういった意味では動物園の役割の一つとして担えるのではないか、そういった意味で合致するのではないかと思っています。
例えば、北海道の野生動物復元プロジェクトという形で、オオワシやシマフクロウを繁殖して自然界に放鳥したり、それから、チョウチョウのオオムラサキとかトンボのオニヤンマ、ニホンザリガニ、こういった身近な昆虫などの自然への復元にも
取り組みながらやっていこうと。そして、これらの作業にも、先ほどのわたしの動物園ではないですが、市民や企業、大学などの研究機関とも連携しながら、市民ぐるみの運動へ展開できればという提案でございます。
それから、三つ目は、自然豊かな円山エリアの中核施設としての行動を掲げてございます。
これは、ご存じのように、円山動物園の周りには円山公園や円山原始林、神宮、球場、大倉山シャンツェ、そのほかに、周辺には約4万数千人の住民がおります。そういったところから、動物園周辺との一体的な連携が提案されております。ここでは、今後、地域住民と一体となった活動を目指すこともしっかり提案されているところでございます。
それから、一番下になりますが、基本構想の
取り組み期間でございます。
基本構想自体の期間は、今回は設定しておりません。今は基本的な方向性だけが提案されてございますので、平成19年度中に、今度は動物園の経営方針となるような10カ年程度の基本計画をつくり、まちづくり計画に連動した実施計画を策定するという考え方でございます。そして、19年度を全体の実施計画の先行
取り組み期間と位置づけまして、着手可能なところから先行的に事業を実施してはどうかという提案でございます。
さらに、動物園は、昭和26年、1951年にオープンしましたので、平成23年はちょうど開園60周年ということで還暦を迎えます。そこで、20年度から23年度までを集中
取り組み期間としまして、19年度に基本計画と実施計画をつくりますので、それに基づき、順次実施していこうと。その後、社会環境の変化に応じ、変更を加えつつ継続しながら、まちづくり計画の改定も横にらみしながら実施計画を見直していこう、そういうふうにして将来に向けて取り組んでいくことが今回提案されております。
中段に戻りますが、基本構想の実現に向けた事業展開の方向性というところです。
ここでは詳細な説明は省略させていただきますが、ソフト面における事業展開やハード面における施設や展示の方向性が示されております。さらに、23年度までの主な検討事例も列挙されてございます。このほかに、構想を的確に実施するには経営基盤がしっかりしていなければならないということで、これはまさに行政監査のところでも指摘されておりますが、今回、マネジメントの面からもそのことが示されました。
右端のグリーンのところですが、ここだけは、今回、リスタート委員会の中でも具体的な数値目標が掲げられました。23年度までに入園者を100万人に、経常的な収入は17年度に比べて倍にしましょう、それから、人件費を除く経常的な支出は17年度比30%カット、そして、積極的に基礎収支構造の均衡化が提案されております。我々としても、大変厳しいところがありますが、提案された以上、頑張らなければいけないなと実は思っているところです。
以上が今回リスタート委員会から報告された基本構想案の概要でございます。
動物園としましては、この委員会報告を受けまして、札幌市案を鋭意策定しまして、素案ができ次第、
パブリックコメントを実施して、年度内には札幌市の基本構想にしていきたいと考えております。
○
三浦英三 委員長 それでは、質疑を行います。
◆小田信孝 委員 できるだけ短くやります。
私の方からは、前回も、まちづくりのこととか、駐車場の問題とか、いろいろ質疑をさせていただきましたけれども、改めて、今現在、どういう構想を持っておられるかということで、確認の意味で2〜3点、お伺いしたいと思います。
まず、円山動物園について、こういうふうにしたいという札幌の動物園としての特徴づけですが、これは一言で言うとどういうことなのでしょうか。
今、日本一になった旭川の動物園を見ますと、ああいう状態ですから、子どもより大人が行きたがっていますね。札幌は、やっぱり子ども中心というか、児童生徒を中心に、あるいは乳幼児を中心に、もっと環境に、あるいは、生物との触れ合い、環境教育の問題、そういうことをテーマにしているようですが、一言で言うと、どこにスポットを当てて、どうしようというふうにいろいろ議論されたのか、その辺をお伺いさせていただきたいと思います。
それから、前回、私が申し上げましたけれども、駐車場の問題です。これは大変苦労されていらっしゃる点ですね。65%以上の人が車で行くということで、今は車社会です。地下鉄から子どもの手を引いて動物園まで連れてくるのは大変だと思います。札幌ドームや札幌コンサートホールは、距離にすると大体600メートルから700メートルで、同じくらいの距離らしいですね。札幌ドームでは、大きなイベントとかスポーツは大人が中心でして、あのくらいの距離は当たり前ですね。コンサートホールにしても、行くときはわくわく、帰りは余韻を味わいながらと、ちょうどいい距離だと言われております。
しかし、動物園は子ども中心なんですよ。要するに、大人が子どもと一緒に動物に触れ合って楽しんで、環境教育とか生命の大事さとかを学ぶところなんですね。そうすると、やっぱり車社会ですから、どうしてもお子さんを乗せていかないと距離的にちょっと大変かなというふうに思います。その辺の歩いていただく工夫など、それらはどんなふうに議論されたのかということをお伺いしたい。
それから、私は、従来からたばこの問題をよくやっていますが、健康増進法に基づき、受動喫煙を防止する観点から、円山動物園内の禁煙もしくは完全分煙を検討すべきと3ページに出ています。この辺についてどういうふうに検討されたのか、お伺いさせていただきます。
◎金澤 円山動物園長 何点かございますが、まず、特徴についてです。
確かに、旭山動物園は行動展示ということが特徴になってございます。円山は、行動展示も一つの方法だとは思いますが、同じ方法をとっていくと、いずれ飽きられる事態が起きたら困りますので、札幌らしさをどう出すかというところが実はリスタート委員会の中でも議論されておりまして、その中では、今回の三つの行動指針の一つのわたしの動物園が特徴になります。
これはどういうねらいかといいますと、先ほどのアニマルファミリー制度もございますが、触れ合いとか体験型をしっかり充実させようという趣旨でございます。そうすることによって、動物に触れ合ったり体験するときには絶対に飼育員がついて説明したり解説したりしますから、そういう中で環境など別の話題をしっかりお話ししていこうという視点を中心にします。しかも、そうした触れ合い体験を強化することによって、お客様がそこで滞留します。通過型ではなく、滞留する方法をしっかりとれるという位置づけが今回の動物園構想の中に入れられておりまして、そうした議論がリスタート委員会の中でもいろいろありました。
そうした中で、先ほどありました駐車場の問題なども、やはり、今、委員が言われたような議論がございました。実は、2004年に調査した結果では、65%の方が車を利用されております。そして、残りの方が地下鉄などの公共交通機関ということでした。しかし、円山動物園の横に隣接されている駐車場は円山公園の駐車場となっておりますから、花見のときとか、野球、特に昨年は駒大苫小牧高校が頑張ったおかげで、駐車場はいっぱいだが、動物園の中はあいているような状況が実は出てきました。そんなところから、駐車場の増設と、やっぱり公共交通機関、地下鉄利用を促進させようというような議論もされておりまして、そういう方策をこれから検討していこうということが提案されております。
それから、たばこの完全分煙なり禁煙という点ですが、やはりこれも議論されました。それを受けまして、私どもは、今、何とか早い時期に完全な分煙化ができるような方策をとろうということで検討している真っ最中ですので、年度内にそういう施設を確立させられなくても、ゴールデンウイークまでには何とかしたいなと今思っております。
また、先ほど出ました地下鉄からのアクセスですが、おおむね700〜800メートルぐらいありまして、歩くと15分ぐらいかかります。そこは、やっぱり子どもとしてはちょっと長い距離です。しかし、楽しみながら歩ける仕掛けがあれば距離感は縮まるのではないかと、そんなところもしっかり議論されております。
このようにたくさん議論されたことは、今回の基本構想の中には具体的に書いておりませんが、そうしたデータはしっかり持っておりますので、これから実施計画をつくっていく中には反映させていきたいと思っております。
◆小田信孝 委員 最後にしますけれども、中西理事、これはいろいろな面で全庁的に取り組まなければだめですね。協力してもらうところは協力してもらうと。全体で底上げをしないと、とてもじゃないけれども、23年度末で100万人でしょう、目標は。これは大変だよ。収入は17年度の倍増だから、そして、経費は30%減らすんだから。ほかのところと比較したら相当頑張んなきゃならない。
そして、ウィズユーカードです。私たちも積極的に公共交通機関を利用するために購入していますが、札幌の特徴あるものを図案化したり、いろいろやっています。ところが、こういうのもあるんです。何を言いたいのか、わかんないウィズユーカードです。こっちもそうです。何を言いたいのかわかんない。もったいない話です。こういうものを利用して、動物園にこんなすてきな見るべきものがあるんだという発信をしていかないと、全庁的に、これは交通局の仕事でしょうけれどもね。呼びかけていかないと、そっちの方向に向かっていかないですよ。動物園にばかり議論を集中すると、何か動物園の園長をいじめているみたいに感じるけれども、理事、やっぱり全庁的に本当に真剣に取り組んでいる、そして、この目標を達成しますというふうになっていかないと、これはちょっと大変だと思いますよ。ですから、具体的に、札幌市がかかわっているいろいろな媒体すべてを活用して動物園の底上げを図っていくようなことを真剣にやらないと、この目標は達成できないと思います。
私も、理事も、この答えが出るときにはいないかもしれない。でも、今こうやって議論しないと、議論こそ大事なのですよ。議論して火花を散らして言い合って、ちょうちょうはっしとやって、そして、やっぱりスタートしなければだめだ、やらなきゃだめだとならないと、この委員会を開いた意味がないですね。
だから、全庁的なことをちゃんときちっとやる、その決意のほどをお伺いしたい。
◎中西 環境局理事 今、激励のお言葉をいただきまして、ありがとうございます。
昨年の行政監査で非常に厳しい指摘を受けました後、私ども環境局を挙げて、動物園の振興策といいますか、リスタートに取り組んでまいりました。特に、現場では、いろいろな行事を企画したり、民間事業者の協力も得ながら、さまざまなことにチャレンジをしてきました。おかげさまで、平成17年度の入園者数は49万人ですが、今現在、57万人を超えました。皆様方の注目を浴びるということで、逆に応援団がふえてまいりました。
今回のリスタート委員会からの報告につきましても、実は、庁内の関連部局の隅々にまで説明をしております。そして、できるところは何でもいいから助けてほしい、それから、寄附をいただける事業者がおられたらぜひ紹介していただきたいと。委員からご指摘のございましたウィズユーカードというのは、本当に一人一人の市民の方々の目に触れるものですから、大変ありがたいことですし、私たちも取り組んでまいりたいと思っております。
それ以外にも、私どもができること、例えばノルディックの関係では、私ども動物園でも少しでもお役に立ちたい、それから、雪まつりの中で私どもがPRさせていただけるスペースをお貸しいただけるのであればやらせていただきたい。そんなようにいろいろ声をかけながら、動物園の今後の発展に向けて皆様方のご協力をいただきたいということを訴えてきております。
今後とも、議会の皆様方も含めまして、絶大なるご支援を賜りたいと思っております。私どもも精いっぱい頑張ってまいりたいと思います。
◆坂本恭子 委員 私から、簡潔に質問させていただきます。
今回の基本構想の柱の一つには、札幌市の環境教育の拠点というものが掲げられていると思いますし、自然環境や種の保存といったことに取り組むことにもなっております。基本理念であります人と動物と環境の絆をつくる動物園というのは、字句としては大変すばらしいものだと思っております。
前段で議論がありましたように、環境教育基本方針の中でも、拠点として動物園というものが載っておりましたし、また、地球
温暖化対策推進計画などとも連動して、動物園が、人、動物、環境、これらを関連させて、動物が本来生息する地域が置かれている現状などにも思いをはせながら地球規模での環境を考えていく、そういうきっかけをつくるということでは、大変に意義が深いものだというふうに思っています。やはり、今まで主であったレクリエーション機能であるとか、一時期は本当に動物園不要論まで社会的に議論された時代もありましたけれども、これが大きくさま変わりして環境教育の拠点というような状況になっていると思います。
そこで、1点だけ質問させていただきたいと思います。
環境教育の場として、今、園内に動物病院があるということですけれども、一昨年完成した動物病院で環境教育プログラムを実施していると思います。この目的、内容、実績など、この間の
取り組み状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
◎金澤 円山動物園長 動物病院を利用した環境教育プログラムの件でございます。
これまでは、子どもたちの職業調べに使う裏側ガイドコースや、ボランティアによります園内の案内、こういったことを実施しておりました。そして、今、委員からお話がございましたが、一昨年、動物園病院の開設に伴いまして、病院の本来の目的である動物の管理と種の保存といった事業に加えまして、環境教育の部分を担おうと。しかも、動物病院がせっかくあるわけですから、これを幅広く活用することによって、動物の生命や行動の不思議など、生きた教材を通じて生命のとうとさなどを実感してもらい、かつ、希少動物の保護や動物園の役割についても理解を深めてもらうために、動物病院を利用した体験コースを新設いたしました。
この体験コースは、対象者としましては、総合学習などで事前に申し込み制度をとっていますが、小・中・高校を対象にして、1回に10名程度、毎週月曜日に、大体1時間ぐらいのコースで実施しております。これは、うちの担当の獣医師とか、場合によっては役職者が対応するような仕掛けになってございます。そして、ここでは、いろいろな形の内容をプログラムとして持っておりまして、この中には、例えば、動物の役割や獣医師の仕事について説明したり、それから、動物病院の中にはどういう機械があって、動物が入院したらどうするのかというような説明をします。それから、私どものところには動物の頭蓋骨がありますので、それらを使って草食動物や肉食動物の違いなどをお話しする。そのほかに、これは結構人気がありますが、動物の健康診断ということで、例えば、入院している動物とかウサギなど小型の動物を使って、直接、聴診器を使って心臓の音を聞いてみる。そして、一番人気があるのは、実は、吹き矢体験です。吹き矢体験と言うと遊んでいるように聞こえますが、そうではなくて、実際に動物に麻酔をかけるときに、直接さわれませんから、吹き矢で麻酔を打つ仕掛けがあります。本物を使わないでぬいぐるみを使いますが、そういった体験も実際にやっております。
この体験事業は、昨年7月からことしの1月の先週までで15回開催しております。これは、申し込みの希望があったときということですが、延べ107人が参加しております。最後に感想を聞いておりますが、この中には、貴重な体験ができたとか、動物園の知らないことがわかった、それから獣医師になりたくなった、もっといいのは動物園で働きたくなったというような職業体験の部分もございまして、PRには結構役立っているし、環境教育という視点でも結構役立っているのかなと思っています。
◆坂本恭子 委員 私どもも、
総務委員会として動物病院を視察に行ったと記憶しております。そういう意味で言いますと、今、本当に子どもたちをめぐる、心が大変痛ましい事件というのでしょうか、そういうことが起こっている中で、基本構想の中にもありますけれども、命の大切さや動物への愛、親子の愛といったようなものも体現できるような
取り組みが今行われているというふうに思います。そういう意味では、こういうものがどんどん市民の中に広がって定着していけば、また新たな入場者増にもつながっていくのかなというふうに思いますし、大変重要な
取り組みだと思っています。
今お話がありましたように、週に1度の開催ということで、7月から始まって15回開催したということでしたけれども、これをもっと広げていくことができないのかどうか。小学生、中学生、高校生を対象にということで、児童生徒が中心になっておりますけれども、これを大人の部分にも拡大するとか、さまざまな拡大の方法が考えられると思うものですから、その点についての今後のお考えを伺いたいと思います。
それから、経営の方向性ということで、具体的な入園者数も含めて、先ほども収入、支出の問題が出されました。1点だけ確認させていただきたいのは、基本構想の20ページ、21ページに、料金体系の問題も含めて、当面、現行の料金、大人600円及び減免制度を維持する方向ですがという一文がございます。今、付き添いの大人、それから小・中学生はもちろんそうですし、高齢者、障がい者の皆さんが減免の対象になっているということで、政策的減免額ということもここに載っております。
私は、持続可能な経営ということをうたっていても、こちらの減免の廃止というのでしょうか、当面は行わないというようなことにはなっておりますけれども、これは絶対に手をつけるべきではないと思っておりますので、この点についてのお考えをあわせてお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
◎金澤 円山動物園長 最初に、プログラムの拡大の方ですが、病院内で行う実体験のコースにつきましては、動物の治療など設備の使用頻度や、実は、ご存じのとおり、動物園は土・日も営業しているということで勤務シフトが変則になっております。それで、獣医師の勤務体制との兼ね合いをしっかり考慮しながら、可能な範囲で拡大していきたいと思います。
そこで、今まで、子どもの一日飼育体験というか、飼育係みたいなことをやっておりますが、その中では、実は大人の方からも飼育体験ができないのかという声がありまして、2月に、大人の一日飼育係ということを実施してみようと思っています。そういうふうに、少しずつですが、今、料金の話がありましたけれども、有料層にもしっかりターゲットを絞った展開をすることがこれから必要なのだろうと思っています。
それから、もう1点の入園料の方ですが、これは、昭和47年から65歳の高齢者、次の48年から中学生以下の子どもを無料にするという政策がとられて現在に至っているわけでございます。今回、リスタート委員会の中では、昨年春の行政監査の指摘にもありましたが、動物園の基礎的な収支構造の均衡化を図るということもあって、そういったところで議論を重ねてきました。当面は、現行料金を維持する方向で委員会から報告されておりますので、正直に言って、当面とはいつまでだという議論があるかもしれませんが、私どももそれは重視しながら行こうと思っています。
◆小林郁子 委員 円山動物園の再スタートということですが、先日、子ども議会でもいろいろ提言されておりましたね。もっと動物のいるところに草や花を置いたらどうかとか、入り口のところをもうちょっと何とかした方がいいんじゃないかとか、私もそのとおりだなと思って聞いておりました。
円山動物園の役割として、今回、この中で三つ挙げられております。その中に、北海道の生物多様性確保の基地ということがあって、園長の方から地球規模の生態系というようなこともありまして、なかなか難しそうなことだなと思って聞いておりました。今はテレビでもいろいろな動物の番組がありまして、「ダーウィンが来た!」という番組は、本当にいろいろな珍しい動物が出てきて、生態系なども非常に興味深く紹介してくれますね。そうした中で、動物園というのは画面じゃないんだ、実際に触れ合う、そして体験するということを円山の特徴にしていくというお話もありました。動物園は楽しければいいんではないかなというふうに思っていたんですが、今回の役割の中に、生物多様性確保の基地ということが挙げられていまして、札幌の円山動物園がこういう高度な機能まで負わなければいけないのかというふうに私なんかは思ってしまったのです。そういう中では、園長は、いやいや、これから21世紀の動物園としては必要なのだ、重要なことなのだということです。
そこで、このことにつきまして、どのような手法でどのようなことをやろうとしているのか、まず、それをお聞きしたいと思います。
それからまた、集中
取り組み期間の中で、北海道、北方圏のゾーンの
取り組みというのがありますね。これは、ここで挙げている北海道の生物多様性確保の基地ということとかかわるかもしれませんが、そのことについてはどのような意義を持ってこれを挙げておられるのか、お伺いします。
◎金澤 円山動物園長 生物多様性の確保ですが、ちょっとアカデミックになってきたというか、動物園のレクリエーションに少し別の視点を入れて、動物の調査研究も含めてやっていこうという趣旨でございます。前段でちょっと説明させていただきましたが、やっぱり生態系や種の保存、遺伝子の保全というようなところにもう少し私たちが取り組まなければ、実はなかなかほかの機関ではできない部分でございます。そういったところをしっかりやっていこうという趣旨でございます。
具体的なところでは、先ほど申し上げました北海道野生動物復元プロジェクトということで、オオワシやシマフクロウを繁殖して自然界に戻すとか、昆虫をやろうというようなことです。特にオオワシやシマフクロウのたぐいは、市民の参加はなかなか難しいところがございますが、動物園の繁殖技術を使って個体数をふやしていく。やはり、地球規模で希少動物になっているものを少しでもふやしていこうという趣旨です。それから、うちには、ちょうど鷹匠の資格を持った飼育員がおりますので、そういった飼育員の技術を使ってオオワシなどの飛行や狩りの訓練を行って自然界に放していこうという趣旨でございます。
昆虫の方は、市民参加もできるかなと思っておりまして、そこでは親子で観察したり体験するというところが実は大事な話だろうと思います。私などはそうですが、昔、子どものときは昆虫をとっていたわけです。今の子どもたちは逆にそれができないわけです。親がそういうことをお互いに教え合うことによって少しでも親子の愛やきずなを、先ほどありましたが、結構むごたらしい事件があるわけですから、そういったためにも活用できるかなと、そういう視点も入れながらと思っております。
また、今回、野生復元の中ではオオワシやオオムラサキプログラムというところで二つのプログラムを設けておりますが、委員会報告には、実は園内にビオトープの設置ということが書かれております。ここで自然体験学習の中核というような記述もございますが、そういうふうにして、生物の多様性の確保も図っていこうかなという考えでございます。
それから、北方圏の意義のことでございます。
ご存じだと思いますが、北海道の野生動物や植物の分布は、津軽海峡をブラキストン線にして、国内にあっては、北海道と本州以南の違いがあるところでございます。そんなところで、道外の動物園と差別化を図っていくようなことがこれによってできるのかな、合理的に提案できていくのかなという考え方でございます。これが、今回、リスタート委員会で議論されていたことでございます。
一例ですが、例えばホッキョクグマが生息している北極圏の氷というのは、ご存じだと思いますが、2040年、35年後ぐらいには、氷がなくなるというショッキングな研究がアメリカのチームによって発表されております。氷が消滅するということは、実はそれに伴ってホッキョクグマも消滅するということなのです。そういったことを私たちがお客様に解説しながら、一方では、種の保存ということでは遺伝子をしっかり確保することが大事なのだよというところもアピールしていくというのが今回の考え方です。
そんなことから、北極圏の動物の持つイメージをしっかり発信するのが北国の動物園の使命であるというのが、今回、リスタート委員会での議論の内容でございます。
◆小林郁子 委員 そういう意味では、こういう基礎的な生物多様性の確保の研究などもあわせてきちっとしておくことが奥の深い動物園をつくることにつながるのではないかということは理解いたしました。
そこで、今年度は、毎年、広報部でやっている1万人対象の市民
アンケートがありますが、その中で、今後の円山動物園のあり方についてという調査項目が入っておりました。それを見ますと、円山動物園は欠かせない存在だという回答を選んだ方は、全体で33%、しかし、年代別では、特に20代の方は21%ということで一番低いのですね。その理由はおもしろくないということですが、若い人たちを引きつける魅力づくりがこれからは必要ではないかと思います。若い人は、子どもがいないと、動物園にはなかなか来ないのではないかと思いますが、幸い、円山動物園というのは都心部に近い都市型の動物園です。しかも、あそこはしゃれたレストランとか、散策できる森があるとか、スポーツエリアもすぐ近くにあります。そういう中で、エリアのゾーンが19ページにも書いてありますが、こういういろいろなところと連携し合いながら、これから魅力をつくっていくことが必要ではないかなと思います。
そういうことで、エリア一帯がお互いに魅力をつくっていく方法といいますか、手法といいますか、そのあたりを検討された方がいいと私は思うのですが、そのあたりをどのようにお考えか、伺います。
◎金澤 円山動物園長 正直に言って、今、小林委員からお話があったように、若い方に余り魅力がなかった動物園だったのです。でも、最近、我々職員も飼育員もみんな含めてですが、有料層となる人方にしっかりターゲットを絞った展開をしております。そういった意味で、イベントが結構そういうつくり方になっております。そんなこともあって、今、デートスポットになりつつあるのかなと。若い方も結構来ていただけるような雰囲気が出てきました。
ただ、それは動物園としての魅力ですが、今提案がございましたように、円山という地域、エリアでもっと複合的な魅力を出したらというご趣旨だろうと思うのです。円山には、例えば公的な施設だけでも、動物園を初め、彫刻美術館、大倉山シャンツェ、宮の森シャンツェなどがあります。そして、野球場やテニスコートもあって、こういうスポーツ系の施設もございます。それから、文教施設では、小・中学校、また、私学ですが、高校もございます。さらには、自然がたくさんありまして、こういったものが財産としてあるということですから、こういった施設がお互いに連携し合うだけでも、今お話の中にもありましたが、ハイキングをしたり観光にも使える資源だろうと思っております。そういったイベントの
取り組みをこれから検討することにならざるを得ないというか、リスタート委員会でもそんな議論がされております。そういったところを受けて、これから検討していきます。
特に、円山エリアには、今出ましたが、レストランなどがあります。また、パン屋とかケーキ屋、カフェなどが結構あるのです。食に関連するところもありますので、ハイキングと食とか、観光と動物という組み合わせをこれからやっていけば、地域のイメージ、円山エリアのイメージがもっと膨らんでいくのかなと、そういった意味では極めて現実的な発想ではないかと思います。そんなことで、できるところから実現に向けて、これから関係者の方々とお話をさせていただきたいと思っております。
◆畑瀬幸二 委員 質問をするつもりはなかったのですが、聞いている中で、三つほど聞いておきたいと思います。
旭山動物園は、内なる発想に園長さんが積極的に取り組んだ結果、今のような成功例になってきた。うちの場合は、外部委員会にお願いして、リスタート基本構想をつくっていただいた。ここら辺のギャップと整合性をどうやって図っていくのかなという基本的なことを一つ目に聞いておきたい。
それから、二つ目には、収支均衡の問題ですが、今ある動物園の中で、収支均衡が図られている全国の動物園というのはどれほどあるとお調べになっているのか。
平成23年度までに100万人を目指すということですが、100万人を目指すに当たっては、コスト削減だけの
取り組みでは、とてもじゃないけれども、ふやすことはできない。当然、新たな投資も必要でしょう。その投資の部分についてはこの中には触れられておりませんが、これはどんな想定をされているのか、これが二つ目です。
それから、三つ目は、今、小林委員のご質問にありました生物多様性の問題です。
これは、円山動物園だけでこれを担うということでなくてもいいのではないかと。つまり、北海道全体の動物園がある中で、役割分担もあるのだろうと思います。そういうことがある中で、円山動物園の役割というのはどの程度を受け持たなければならないのか、その見通しだけをちょっと聞いておきたい。
◎金澤 円山動物園長 旭山動物園の例にありましたような内なる発想の部分ですが、今現在、リスタート委員会はリスタート委員会で基本理念の議論をさせていただいております。一方では、職員がみんな集まって、円山の動物を使って、どう市民にメッセージを伝えるかというような議論をまさにしております。そして、それを19年度中につくる実施計画の中に反映できるように、今、職員一同で頑張っております。結構夜遅くまで、週に何回か日程を入れながら、まさに議論をしている真っ最中でございます。そうやって、我々動物園側からの伝える方法、見せ方を議論しているし、一方では、当然、市民の感覚で、見る側からどう提供してもらうのがいいかという議論もリスタート委員会の中ではされております。今回、リスタート委員会の基本構想の部分は基本理念だけの提案でございますので、そこの部分についてはこれから実施計画を組んでいく中にしっかり入れていこうという考えでございます。
それから、収支バランスですが、当然、23年度までに100万人というのは結構難しい目標だと思っています。ただ、目標が低ければ満足してしまう可能性もあるので、高い目標が設定されたというところです。先ほどございましたように、平成17年度で約50万人、18年度で今の時点で大体57万人ですから、もう少し頑張ると大体60万人ぐらいと2割増しを確保できるのかなと。そうすると、これから議論しながら、それから、きちっとした投資をすることによって確保していけるかな、目標として達成できるのではないかと思っています。
投資の部分は、まちづくり計画が19年度中につくられますので、それに合わせて、実施計画を並行してやっていく中で投資のところを議論したいなと。今、リスタート委員会の中ではそこまで議論は至っていません。そういった意味で、19年度中に実施計画や基本計画をしっかりつくりましょうという提案になっております。
それから、生物多様性の部分ですが、これは、本文の方にも書いておりますけれども、当然、円山だけではなくて、道内のほかの動物園や、いろいろな研究機関、大学の獣医学部もございますので、そういったところと連携しながら、生物多様性をどうしっかり打ち出していけるかというのはこれからの課題だと思っております。
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三浦英三 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
三浦英三 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時25分...