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平成18年(常任)文教委員会−12月18日-記録

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  1. 札幌市議会 2006-12-18
    平成18年(常任)文教委員会−12月18日-記録


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    平成18年(常任)文教委員会−12月18日-記録平成18年(常任)文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成18年12月18日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時 ○藤原廣昭 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  なお、陳情第255号の提出者から資料の提出がありましたので、お手元に配付をしております。  それでは、議事に入ります。  陳情第255号 藤野地域公立図書館設置を求める陳情を議題といたします。  本日、審査します陳情は、初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時1分       再 開 午前10時10分     ―――――――――――――― ○藤原廣昭 委員長  それでは、委員会を再開いたします。  質疑を行います。 ◆笹出昭夫 委員  1点、質問させていただきます。  この陳情にありますように、昭和60年に請願が出されて、議会でそれを採択しているということですが、その後のこの請願への行政的な対応といいますか、そういったものはどういった形でとられてきたのか。今、佐藤(典)委員が少し話をされていたようですけれども、具体的に教えていただければありがたい、そう思います。 ◎山本 中央図書館長  請願採択後の対応ということでお答えしたいと思います。
     まず、藤野地域につきましては、昭和60年の請願採択があった後、平成元年4月に開設の藤野地区センターに市内で初めての図書室設置したところであります。藤野地区センター内に図書室設置するに当たりましては、昭和54年10月に南区民センター図書室昭和58年3月に澄川図書館設置しており、一方で、地区センターにつきましてはこれで第4番目になりましたけれども、その設置基準につきまして、各区の区民センター、体育館、図書館からの遠隔地区であるということから、60年の請願採択要旨、すなわち、採択された請願要旨の中に地区図書館利用が困難な地区ということがあったものですから、その趣旨に沿うものとして設置したものであります。 ◆林家とんでん平 委員  私の方でも、幾つか質問させていただきます。  もう一度、藤野地域での今までの経緯をなぞらせていただきますけれども藤野地域からは、昭和58年にも今回と同様の請願が提出された、そして、今言われているように、昭和60年に、件名、要旨に訂正が加えられ、南区藤野地域等公立図書館施設設置に関する請願というふうに一部変えられてというか、藤野地域に限定せず、地区図書館利用の困難な地域への図書館早期建設を求める請願が採択されました。そして、平成8年にも、藤野地域図書館法に基づく公立図書館設置を求める陳情が提出された、こういう経緯がございます。そして、今、質問にあったように、藤野地域においてどのような対応をしてきたのかということはわかりました。  そこで、札幌市における図書館施設はどう整備されているのか、これについてもお伺いしたいなと思うのです。  それから、提出者からの資料の中で、要望事項として司書がいることが挙げられているわけですけれども利用者サービスに当たって専門員配置されるということはとても重要なことではないか、そう思うのです。  そこで、札幌市の図書館図書室における司書配置状況についてお伺いしたいと思います ◎山本 中央図書館長  まず、請願採択後の対応につきましては、今、笹出委員にお答えしたとおりでございます。  1点目の本市におきます図書館施設整備状況でありますけれども、主に昭和60年以降についてお話しいたしますと、整備につきましては、人口の増加あるいは住宅地域拡大等の推移を見ながら、既存施設配置状況を考慮し、効果的・効率的なサービス網整備を行うことを基本としまして、60年以降につきましては、分区による厚別、手稲、清田の地区図書館3カ所とそれ以外の20カ所の地区センター図書室整備してまいったところであります。  2点目の司書配置状況についてであります。  まず、図書館図書室におきます司書配置状況についてでありますけれども本市図書館では、職員非常勤職員配置により図書館奉仕業務を行っておりまして、現在、非常勤職員を含む159人中、司書資格を有する職員数は64人で、司書率は40.3%ということになります。また、区民センター図書室におきます司書の有資格者は12人で、率にしますと42.9%、また、地区センター図書室におきます司書の有資格者は29人で司書率は46%となっております。 ◆林家とんでん平 委員  ありがとうございます。  今、札幌市における図書館施設整備についてお聞きしますと、現在、地区センター図書室整備が主体となっていると。  そこで、地区センター図書室整備位置づけはどのようになっているのか。また、業務の内容についてもお伺いしたいと思います。  それから、陳情者からお示ししていただいた資料政令指定都市図書館調査の中で、2枚目の司書数ですが、神戸や大阪、名古屋と比べて非常に低い。司書有資格の方が17人、司書率として17.7%ということで、とても低い状況でございます。  そこで、現状をどのように認識されているのか、これもあわせてお伺いしたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  地区センター図書室整備位置づけ及び業務内容についてでございます。  地区センター図書室につきましては、図書館機能を補完する施設として、図書館サービス網の中に位置づけております。また、業務内容といたしましては、約3万冊の蔵書整備いたしまして、利用者への閲覧に供するほか、電算オンライン化によりまして、市内すべての蔵書の検索や貸し出し、予約、返却が可能なサービスを実施しております。さらに、図書室司書配置いたしまして、館内資料により利用者への調査・相談業務対応しているほか、映画会、読み聞かせなどの行事や地域に密着した活動を実施しております。この結果、地区センター図書室は、実態として図書館機能役割に近づけておりまして、今後も環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。  2点目の司書の有資格者の現状に対する認識でございます。  本市の司書率は、職員で申しますと、藤野地区から出された資料のとおりですけれども非常勤職員も入れると40.3%とお答えしたところでありまして、私どもは、昨年度が39%でありましたものを40%台に改善しているものの、まだまだ低い数値であると認識しております。今後も、司書資格を有する職員の確保に一層努力してまいりたいというふうに考えております。 ◆林家とんでん平 委員  実態がわかりまして、要望でございますが、札幌市の図書館行政は、平成18年度に、開館日の拡大とか開館時間の延長、そして、貸し出し冊数の引き上げという画期的なサービス拡大が図られ、また、8月には中央図書館大通カウンターを開設するなど新たな取り組みを実施されました。利用者にとっては大いにいい方向に向かっているかなと思って、これは評価したいと思います。  それから、年々、利用者サービス拡充強化が図られておりますけれども、一方で、館内の運営において、今言われた司書数が低いということは課題かなと思います。さらに、きょうの陳情のように、質的にも量的にも、まだまだ図書館サービスの充実を求める市民要望もありますので、今後も利用者の視点に立ったサービスの拡充に努めていただきますよう要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ◆宮川潤 委員  先ほど陳情者が25年にわたって運動されているというふうにおっしゃっていましたが、四半世紀ですから、本当に頭が下がる思いですし、粘り強く地域で頑張ってこられたなと思います。地域で地道に25年もやってきた人たち思いがかなわないとすれば非常に悲しいなというふうに思うものですから、せめて、前向きな検討があるとか、そんなような答弁をぜひお願いしたいというふうに思っています。  まず、南区は、地域特徴として、国道230号線が軸になって非常に長く連なっている地域という特徴があります。先ほどの答弁の中で、藤野地域地区図書館利用が困難な地域である、このようにおっしゃいました。実際に藤野地域から南区の澄川地区図書館に行く場合に、公共交通で行くと、どういう経路になって、どれぐらいの時間をかけて行くことになるのかという点を明らかにしていただきたい。  それから、先ほど陳情者には質問がありましたが、改めて、地区センター図書室図書館法に基づく地区図書館の違いについても明らかにしていただきたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  経路と時間については、今、早急に調べますので、2点目の図書館法によります地区図書館図書室の違いについてお答えいたします。  設置根拠につきましては、図書館図書館法第3条に規定する図書館奉仕を行うために、札幌市が条例で定めて設置しております。図書室につきましては、条例の施行規則により、図書館奉仕業務の一環を行うものとして設置しております。図書館機能役割につきましては、図書館法で規定いたします教育と文化の発展に寄与することを目的としまして、図書館資料等の収集、一般利用及び相談のほか、他の図書館等との相互貸借読書会などの行事を主催するなどを主な業務として法律に基づいて行っております。また、その業務遂行のために、一般的に司書資格を有する職員配置することとなっております。地区センター図書室につきましては、この図書館奉仕機能を補完する施設として、図書館サービス網の一環として整備しているものでございます。  それから、藤野地区センターから澄川図書館への経路と時間でありますけれども藤野地区からは、バスで地下鉄真駒内駅を経由しまして地下鉄澄川駅ということで行きますと所要時間は約35分ということになろうかと思います。 ◆宮川潤 委員  やはり、もともとの昔からここの地域地区図書館利用が困難な地区という位置づけがありまして、しかも、議会では請願が採択されているということがあるものですから、中央図書館として地域の事情というのを十分に理解していただきたいというふうに思います。  それから、地区センター図書室図書館法に基づく図書館の違いについては、大まかな部分についてはざっとお話がありました。しかし、例えば、集会室を持たなければならないとか、最近、法律が変わったのでしょうか、以前は図書館長司書が原則でしたね。司書が原則だから、司書図書館長とする場合は国からの補助金が出るということがありましたが、最近、その法律がちょっと変わったらしいというふうに聞きましたけれども図書館司書が中心となって業務がなされるものというふうにずっと定められてきたはずです。やはり、そこが図書館法に基づく図書館の質の確保ということだったと私は思うのです。  実際に、澄川地区図書館藤野地区センターとの比較では、延べ床面積で言うと、澄川地区図書館は1,200平米、藤野地区センターは250平米と全然違うわけです。蔵書数で言うと、澄川地区図書館は7万7,600冊、藤野地区センターは3万7,000冊ですから、半分に満たない状況であります。職員は、澄川地区図書館は10人で、藤野地区センターは3人と規模が全然違います。藤野地区センター図書室というのはそもそもが市民集会施設の中の図書室ですから、補完するものと言っても、図書館法に基づく図書館とは、根本的な部分が違うのだというふうに私は思います。  閲覧室があるとか、集会室があるとか、レファレンス能力も違いますね。私は、図書館の質を決めるのはレファレンスだと思います。澄川地区図書館レファレンス件数は、昨年度1,317件です。これ自体がずっと減ってきているという問題があります。図書館法に基づく地区図書館でも、他都市図書館と比べて札幌司書が非常に少ないために、私は、澄川地区図書館でさえレファレンスが十分行われているというふうには考えておりません。しかし、それにしても、澄川の1,317件に比較して、藤野で何件ぐらい年間のレファレンスが行われているのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。  そもそも図書館法に基づく図書館というのは、地域文化の核、私はそう思っています。その整備がどう行われているのかということは、都市文化のバロメーターというふうに言えると思います。政令指定都市の中で、行政区に1カ所ずつしか図書館法に基づく図書館がないのは、札幌と横浜と大阪の3市だけであります。千葉市は、人口92万人に対して14館の図書館法に基づく図書館がありますし、さいたま市は、120万人弱に対して21館、京都市は、146万人の人口に対して20館あります。私は、札幌図書館行政はもっと力を入れるべきだ、そういう問題が根本にあるというふうに思いますけれども札幌図書館行政全体の水準が他都市と比べてどうだというふうにお考えか、この点についても明らかにしていただきたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  1点目の藤野地区レファレンス件数についてでありますけれども、現在、数値はとらえておりません。ただ、平成18年度からはこういうケースも何とかとらえていきたいと。すなわち、仕様書の中で司書配置を定義づけたものですから、それはとらえていきたいと思っています。17年度まではちょっととらえておりません。済みません。  それから、2点目の図書館行政に対する認識であります。  政令指定都市図書館の比較においては、館数、さらに貸し出し冊数司書率が低い形であらわれておりますが、私ども札幌市の特徴といたしましては、図書館のほかに地区センター区民センター図書室配置し、図書館サービスの大きな骨格となっております利用、すなわち貸し出し返却予約等につきましては、現在全部で38カ所のサービスポイントを設けてサービスし、その38カ所においては、札幌市の220万冊を超える蔵書を全部貸し出し、予約できるようなサービス展開をしております。  そういうことからしますと、一つ一つ整備することも必要であろうと思いますが、私どもは、広大な市域の中でできるだけきめ細かな図書館サービスを展開したいという思いからこのことをやっておりまして、それぞれの都市図書館行政に対する歴史といいますか、整備経過についてはいろいろあろうかと思いますけれども、現在、身近でそれぞれ図書館サービスを受けられる、そういう形のサービスを最重点として進めているところであります。 ◆宮川潤 委員  札幌図書館行政は、司書率やその他の指標でも低い位置にあると。昔からずっと低いのですよ。地区センター区民センターもあるとおっしゃいましたけれども、先ほど申し上げましたように、私は、図書館法に基づく図書館市民集会施設図書室とは根本的に全く性質が違うものだと思っています。地区センター区民センターなど市民集会施設図書室は、どちらかというと地下鉄メトロ文庫に近いんじゃないかと私は思っているのです。文化の核としてはかるべきものとは違うと思います。ですから、地区センター区民センター図書室整備しても結果として貸し出し冊数の増加に結びついていないというのは、私は、そういう反映も一つあるのではないかというふうに思っております。  また、藤野地域から澄川地区図書館に行くためには、先ほどバスと地下鉄を乗り継いで35分というお話でありました。それは、バス停まで歩く時間を除いて35分ですから、40分とか45分とか、もうちょっとかかるのかなと思います。往復したら90分とか、これではなかなか不便ですね。この地域からは中央図書館に行く方が近いんじゃないですか。南区に地区図書館があったとしても、南区の地区図書館に行くのは非常に不便で、ほかのところが近いということでは、私は、やはり一つ行政区に一つ地区図書館ということそのものに無理があると。特に、地域特性によっては無理があるというふうに思います。  地区センターオンライン整備されて、そこで調べることもできるようにされてきました。しかし、図書館利用者にとっては、幾つかの本の中を見ながら、自分が調べたい、関心に合う本はどうなのかと、実際に本を見ながら調べたいというのが利用者気持ちであるということからは、やはり、実際に本がたくさんあると。地区図書館地区センター図書室蔵書が2倍以上も違うわけですから、そういった点で、オンライン整備されたからといって利用者気持ちが満足するものではないというふうに思いますが、この点はどうかということが一つ。  それから、レファレンスについて、藤野地区センターレファレンス件数がとらえられていないという答弁でありました。  ただ単に件数がとらえられていないというだけで、実際にはレファレンスのやり方が十分指導されていたり、レファレンスが十分行われているということであれば問題ないのですけれども、私は、レファレンス件数がとらえられていないということは、レファレンスがそこで十分行われるという考え方がそもそも薄いから、数字もとらえていないのだろうなというふうに思うのです。  藤野地区センター図書室は3人の職員ということですけれども司書配置されているのかどうか、常勤配置されているのかどうか、この点についてもお答えをいただきたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  今の質問ですけれども、まず、1点目は、オンラインだけではサービスとして十分ではないのではないかというお話がありました。  私どもは、確かに、38カ所をオンラインで結んでおり、どこのサービスポイントでも貸し出し返却ができるサービスということに重点を置いてまいりましたけれども、このほかに、今年度からですが、地区センターにおきまして司書設置を義務づけるというか、そういうことをしながら、今後はレファレンス機能ども強化してまいりたいと思っています。また、地域においては、地区センターの持つ機能を活用しながら、読み聞かせあるいは読書会などがますます展開されてきている状況から、地区センターあるいは区民センター図書室は、私どもは、図書館機能なり、その役割に近づける努力はしてきている、館と室は違ってもそれなりの提供はしていると、私たちに与えられた図書室の中にあってもできるだけ図書館サービスを展開していこうという努力はしているところであります。  それから、地区センター司書の関係であります。  先ほど申し上げましたように、今年度から指定管理者制度の導入によりまして、その仕様書の中に司書配置を規定したところであります。この結果、司書地区センター全館配置されているわけですけれども地区センター全体で29名ということになっており、常勤配置されております。 ◆宮川潤 委員  司書は、地区センター全館常勤で29人配置されているということであります。司書配置されたということは、いいというか、それは当然だというふうに思います。少なくとも、サービス図書館法に基づく地区図書館に近づけたいということであれば、最低限のことだろうというふうに思うのであります。  しかし、私は、札幌藤野地区センター管理業務仕様書というものをいただきました。この中で、施設維持管理に関する業務という項目があり、その中の職員配置等に関することというのがあります。その中には、図書室には常勤職員を1名以上配置すること、図書館司書を1名以上配置すること、こういうふうになっております。図書室常勤職員が1名だけだった場合は、その方が司書で1名常勤ということになるでしょう。常勤司書が1名で、例えば非常勤パートといった方が何名かいらっしゃる場合は、図書館司書はその何名かの非常勤パートでもよろしいというようなことになりますね。つまり、今は全地区センター常勤で29人いるというふうになっていますけれども業務仕様書によれば、司書パートでも非常勤でもいいというような形になっていると思うのです。  私は、そんなことでは図書館法に基づく図書館サービスに近づくなんていうことはできないと思いますよ。今までは、レファレンスもやっていたかどうかわからない、今後についても、司書配置されるといっても、それが常勤かどうかは限らない。私は、少なくとも常勤配置することを義務づけるべきと。  しかも、司書資格を持っていれば、レファレンスが十分にできるとは思いません。それは、やはり現場の中で鍛えられて、司書として学ぶ機会や交流する機会がふえていく中でレファレンス能力というものが高まっていくというふうに思うのですけれども、この現在のパートでも非常勤でもいいというような規定ではレファレンス能力は高まりませんよ。それでは、図書館法に基づく地区図書館を補完すると言っても、私は、それは十分とは言えないというふうに思います。  そもそも図書館法に基づく図書館は、蔵書についても、それぞれ独自の収集方針を持って、その図書館、その図書館のカラーがあって蔵書がそろえられていきますけれども地区センター図書室だと、蔵書数そのものが少ないので、図書館のようにその図書室独自の蔵書方針を持つこともできないだろう。例えば、藤野地域でしたら、もし地区図書館があれば、自然豊かな地域ですから、藤野の自然、札幌の自然、そういう蔵書を充実させる、そんな図書館がつくられていくだろうというふうに思うのです。  しかし、司書常勤かどうかわからない、蔵書も少ないという中では、やはり私は、地区センター図書室があることは何もないよりはましですけれども図書館法に基づく図書館とは全く違うものだ、こう思いますが、この点はどうですか。 ◎山本 中央図書館長  ただいま地区センター指定管理者の募集に当たります仕様書についてのお話がございました。  職員配置につきましては、今お話があったとおりでありますけれども、その前段で、業務仕様書の中に基本的方針というものを掲げており、その中で、サービス水準維持向上に努め、安定的かつ継続的なサービスの提供がなされるよう管理運営を行うことと規定されておりまして、そのことを受けて、各団体の図書室すべてに常勤職員として司書配置された状況と私どもは認識しております。  そこで、お話がありましたサービス水準維持向上あるいは安定的、継続的なサービス提供図書室において遂行されるよう各団体に努めていただけるということがまず前提であると私どもは考えたいと思いますし、それが確保されている限り、司書常勤あるいは非常勤配置することについては各団体の判断でありますけれども、これらの配置については、配置状況を見ながら、サービス維持向上を図れるよう、適宜、協議あるいは申し入れをしていきたいというふうに考えております。  それから、蔵書の関係であります。  私どもは、限られた財源あるいは体制の中で図書施設整備してまいりました。その中で、蔵書についても、それぞれのレベルで数量は変わっておりますが、全市の図書をそれぞれのサービスポイントで活用できるように、貸し出しが受けられる形のネットワーク化に努めております。38ポイントですべて完結できるかというと、利用の仕方によっては一部不足する部分はありますけれども、私どもは、流通あるいはネットワークの中で、38ポイントにおいて貸し出しするという形で何とか対応してまいりたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  結論的に申し上げますと、地区センター仕様書サービス水準維持向上というようなことを挙げられていますけれども、これは、とりようによっては、例えば、司書常勤でいたものを非常勤にかえるときに、そうは言ってもサービスの水準は後退させないように努力しますよと、そういう言いわけに使うときに随分便利な項目だなというふうに思います。肝心なことは、しっかり、図書館司書常勤配置するということを、項目上、明確にしておくことが重要だというふうに私は思います。  司書常勤でいるかどうかという制度的保障がないという点、蔵書数の問題、こういったことを考えても、やはり、地区図書館市民集会施設図書室とはもともと全く違うものだということは明らかだと私は思うのです。とりわけ、藤野地域の皆さん方が、もう25年もこうやって努力され、頑張って議会にも陳情を出し続けている、私は、その思いにこたえる気があるのかどうかということが疑問なのです。そういう人たちが、草の根の運動でしょう、地域で粘り強くやっている。私は、その声にきちんとこたえることが札幌図書館行政全体と札幌文化水準を引き上げることに近づいていくと思います。  そもそも図書館というのは、ただ単なる本のある部屋ではなくて、戦前の反省をもとに、図書館の自由に関する宣言がつくられたり、図書館員の倫理綱領がつくられたり、そういう中で日本の文化を引き上げてきたという歴史があるわけですから、図書館法に基づく図書館へ35分もかけて行かなければならない地域にはもう一つつくるような、そういう努力をしていただきたい。ぜひその検討をしていただきたいということを強く申し上げて、終わりたいと思います。 ◆佐藤典子 委員  私からも、引き続き質問をさせていただきます。  今、南区に公立図書館をという願いの陳情を受けまして、少し確認させていただきたいと思っています。  市内に10館の公立図書館があるわけですけれども、南区においては澄川図書館があり、また、比較的近くに豊平区の西岡図書館があります。そのほかの図書館も、1区に1館ありますので、いろいろなところに設置されておりますけれども、公立の図書館は区民のだれもが利用しやすいということを考えると、設置場所は非常に重要であるというふうに考えております。  そこで、図書館設置基準でありますけれども、これまで、それはどういうふうにつくられてきたのか、まず、それを1点目に確認させていただきたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  公立図書館設置場所についてでありますけれども、それぞれについてご説明したいと思います。  まず、本市は、昭和47年の区制施行に伴い、各区に区民センター図書館、体育館を整備することを計画したところであります。その配置に当たりましては、区内各地区の公的施設設置状況、あるいは、その役割を考慮しながらそれぞれの施設設置いたしました。その結果、地区図書館につきましては、当初は区役所、区民センターから離れた地区配置され、あわせて、中心にあります区民センター図書室整備したところであります。その後、60年代から、分区した厚別区、手稲区、清田区の地区図書館につきましては、区の中心地域配置することとし、区民センターには図書室設置しないこととしたところであります。  しかしながら、地区図書館区民センター図書室利用が困難な遠隔地区には、地区センター整備に合わせて図書室設置いたしまして利便性を確保してきております。現在、電算オンラインで結ばれましたこれらの図書館ネットワーク施設につきましては、1区1図書館で10カ所、7区民センター図書室、20の地区センター図書室と、本年8月開設の中央図書館大通カウンターを加えまして38カ所ということになっております。 ◆佐藤典子 委員  昭和47年に公的施設役割として設置したときと、昭和60年のときでは、考え方が少し変わったということですね。昭和60年には区役所、区民センターの近くにつくってきたということで、若干、考え方が変わっているということを確認させていただきたいと思っています。  それから、本市図書館の昨年の利用状況でありますけれども貸し出し冊数などを見てみますと、中央図書館及び区民センター、また地区センター図書室は、微増ではありますが、冊数が少しふえている。それから、地区図書館は減少していて、総体的には0.2%減少しているということです。それから、05年度末で、市民の2.5人に1人が登録しており、蔵書冊数も市民1人当たり1.19冊ということですね。さらに、貸し出し冊数は、市民1人当たり年間2.8冊借りているということです。それから、先ほど陳情者が言われておりましたけれども、このレベルというのは、「日本の図書館」に示されていますように、全国政令指定都市図書館の調査では、1人当たりの蔵書冊数も14の政令指定都市の中では11番目であるとか、登録者1人当たりの貸し出し冊数も7.7冊で、政令指定都市の中では13位と、かなり低い数字が示されています。  こうした中で、活字離れも進むという状況がありますし、それから、図書館がさらに身近なものになるようにというようなところで、本市におきましては、02年1月に策定された図書館ビジョンのもと、今、オンライン化とか、中央図書館の大通コーナーができるとか、本当に少しずつ取り組みが進んできているというふうに受けとめています。  そこで、伺うのですが、このようなオンライン化、また図書コーナーの設置など、図書館利用を広げるためにさまざまな取り組みが進められていると思いますけれども、この間、そういうようなことをして利用状況は増加へと向かっているのかどうか、そこのところを確認させていただきたいと思います。  それから、もっと市民が利用しやすくなるために、そのほかにどのような努力、また工夫をされているのか、この点についても伺いたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  まず、図書館図書室利用増加に向けた取り組みについてお答えいたします。  本市図書館におきましては、広大な市域の中で、できるだけ身近に図書施設利用していただくために、図書館のほか、図書室整備し、全施設図書館ネットワークで結び、どの施設からも市のすべての蔵書貸し出し、予約、返却ができるサービスを展開しております。このことは、ある意味でできるだけ身近で利用のしやすい形で整備してまいったところであります。  また、平成18年4月には、新たな利用者の開拓、あるいは、ゆとりある利用を可能とするために開館日、開館時間の拡大を実施いたしまして、この結果、現在まだ10月ぐらいまでしか統計がとれておりませんけれども中央図書館の入館者数は昨年度に比べ14.3%ほどの増加となっております。また、利便性を図るために、貸し出し上限冊数を10冊に増冊したところでありまして、この効果としましては、やはりまだ10月ぐらいまでの統計でありますけれども、38ポイントにおける全館の貸し出し冊数は昨年度に比べ29%伸びているところであります。  このほか、利用増加につながる工夫といたしましては、中央図書館で春と秋に開催しております読書週間における行事で、開催時間とか企画内容に工夫を凝らしまして、昨年度よりも多くの参加者があったところであります。また、各地区図書室におきましても新たに読み聞かせ事業を始めるなど、利用者の増加に向けて取り組んでいるところでございます。  それから、昭和47年と60年の違いについてでありますけれども昭和47年の区制施行のころは、札幌市においてはまだまだ公共施設が不足している状況の中で、それぞれ地域状況や公共施設配置状況について考慮して配置したところがございます。分区後につきましては、一定の地域といいますか、9区においてはバランスのとれた配置がなされていたことから、それぞれ機能に特化した形で区の中心地域図書館配置したということになっております。 ◆佐藤典子 委員  今、利用の拡大へというところではさまざまな努力をしておられるということでありますけれども、まず、身近なところで、先ほど言われていた図書館の持つ本当の意味での機能をさらに充実させることが求められていると思っております。  宮川委員も聞かれておりましたけれども、さらに質を高める、そういうサービスを充実させるという観点からいきますと、司書配置というのは本当に欠かせないと思っております。先ほども出ておりましたが、正規の専門の司書配置すること、本当にこれをいかに充実させるかということが喫緊の課題であるというふうにとらえております。  その点について、先ほど委託機関に申し入れをしていくという話もありましたが、具体的にそれをどういうふうに進めていくお考えか、改めて伺いたいと思っております。  それからまた、今回の陳情者が言われておりますとおり、今後さらに少子高齢社会が進む中で、赤ちゃんからお年寄りまで、障がいのある方も、だれもが身近な地域でより豊かに暮らすためには、ただ本を借りる、返すだけではない図書館機能の充実が求められております。先ほど伺いましたら、藤野地域は35分もかかって図書館に行くとか、また、北区もそうですが、非常に広い中で地域事情というのがそれぞれあると思うのですね。  そこで、やはり、1区複数館、地域によってはそういう構想を取り入れることができないのかどうか。財源は、本当に厳しいということがあると思うのですが、公立図書館を建てるというような考え方について、今後どういうふうに進めていかれるのか、改めて伺いたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  まず、司書専門職員配置の具体的な対策についてであります。  司書専門職員配置については、本市におきましては、司書を専門職員として採用していないことから、ほかの政令指定都市と比べて司書率が低くなっている状況でございます。  しかしながら、司書配置図書館サービスの根幹をなすものと認識しており、図書館職員の対策といたしましては、まず、図書館職員司書資格取得に向けた配慮や、司書資格を有する庁内の職員図書館へ優先的に配置するように関係部局に要請するなど、今後につきましても司書配置確保に努力してまいりたいというふうに考えております。  2点目のご質問にありました1区複数館構想についてお答えいたしたいと思います。  図書館サービス網整備におきましては、現在の図書館システムの中で私どもの持っている資料及び情報を可能な限り有効に活用して流通させていくことが現時点では最も重要なことと考えておりますので、各区におきます複数館構想はございませんけれども、今後、効果的・効率的な整備を進める中で、施設、通信、物流などを含めて考えていかなければならない課題であると認識しております。 ◆佐藤典子 委員  要望でありますけれども、読書活動のみならず、必要な資料の提供とか情報の発信とかレファレンス機能ということが出ておりましたが、今、そういうことが本当に地域社会の中で求められていると思っております。また、そういう図書館機能の充実も含めまして、やはり専門の司書配置が望まれますし、先ほど出ておりましたように、せめて常勤司書配置ということをさらに積極的に求めていただきたいと思います。  今、1区複数館にするということはなかなか厳しいというお話でありますけれども、本当にこれからの時代の中で、10年、20年、50年先にこういう知的文化をどういうふうに醸成して子どもたちを育てるか、また、私たちが生き生きと暮らすかという中で、図書館は非常に大きな役割を持っていると考えております。そういう意味からも、図書館行政をさらに充実させるということは、また改めて図書館法にのっとった図書館のあり方を問い直し、きょうの陳情者の方が言われる思いにこたえるというような市政をさらに積極的に行っていただきますように強く求めまして、質問を終わらせていただきます。 ◆猪熊輝夫 委員  まず、一つ質問したいのは、平成17年に議員立法という形で超党派で出して、それを確認していると。それに基づいて、札幌市は、今までの図書行政に対して、こういう精神と比較して遜色はありませんと、こういう結論を出したのか。それとも、比較した場合に、この法の趣旨からすると具体的にこの部分は不十分なところがあるという判断が何かあるのであれば、その辺を一度具体的に説明してくれますか。 ◎山本 中央図書館長  ただいまのお話は、文字・活字文化振興法による、私ども施設設置あるいは振興策のことだと思います。  設置等につきましては、私どもは、38カ所のサービスポイントを持って普及に努めているということでいけば、不足という認識はしておりませんでした。しかし、文字・活字文化の振興を図るために、私ども図書館としてはまだまだサービスの充実を図らなければならないというふうに認識いたしまして、さらに今後の情報化に向けた取り組みについて積極的に展開していかなければならないと思っております。 ◆猪熊輝夫 委員  何を言っているかわからないよ。建前で言ってもだめなのだよ。  それで、さっき言った35分というのは、そんな時間では来られないよ。おりて乗るというところをひっくるめていろいろ考えると1時間かかります。バスや電車が待っていて、あなたが来たらスタートしますという電車でもないし、バスでもないよ。どういう数字のとり方をしたかわからないけれども、僕は、そこで何を強調したいかというと、陳情の趣旨にある、いわゆる住民の生活圏、図書館利用圏、そして、南区の行政区域は札幌市の5割以上もあるのだよ。緑ばかりだと言うかもしれないけれども、沢伝いに、全部、人が張りついているということですよ。だから、生活圏は広いのですよ。  そして、部長が答弁したように、当時、図書館と体育館のどちらをとるかといって配置していったのだから。澄川地区連合会は、体育館より図書館ということで図書館をとったという話を僕は聞いているよ。それは、少なくとも、南区全体の配置計画という形で、行政が一定程度のまさに考え方を持って配置したというのならわかる。当時は何もないのだから、リップサービスみたいなものだ。何が欲しいという世界だから。そういう経過でつくってきたから、佐藤(典)委員も言ったけれども、結果として、上から見れば西岡と澄川という隣り合わせでできているという実態なのですよ。  ただし、今さらそれを動かせと言ったって実質は不可能なわけだから、南区というのは特異性があるのですよ。広域なのです。そういうようなことを考慮すると、全く考えていませんというような形での紋切り型の答弁で、ありがたいお言葉をいただいたと帰ることはできないのだわ、それは。  少なくとも、南区の図書館配置はいびつなのですよ。そして、当時、昭和60年のときに、地域の皆さん方が、読書ということを含めて、それに関連する活動をとても活発にやっていらっしゃって、私たちの身近なところに図書館をというところで、地区センターをどこに配置をするかという兼ね合いの中で、何とかそれにこたえたいということで、従前とは違った形でできたのが藤野地区センター図書室なのですよ。経過があるわけだから、相当のやりとりを教育委員会はやっているわけだから、そしてここに来ているのですよ。  しかし、いろいろ活動していく中で、どこまで期待が満たされるかということでやってきたんだけれども、残念ながら、これら、これらが満たされていませんということで、今回、出されてきたのですよ。そうしたときに、僕は、客観的に、常時、見ていなかった、点検していなかったというのは申しわけないけれども、もう1回、図面に落として、上から見て、そういったお気持ちにどうこたえられるかという点での検討をぜひしてみたいというような言葉が出てきて初めて――自主的にこれほど一生懸命やってくれている活動が藤野だけだとは僕は言いません。各地域で、読み聞かせを含めて一定の活動が展開されていることはマスコミなどでも報道されています。でも、歴史的に、本当に根気よくその輪を広げつつ、そして、大学教授の協力をいただいたり、そういう知的なものもいただきながら、あるいは、独自で勉強し、研さんを高めてこういう活動をやってきているのですよ。それを画一的な紋切り型で答弁すると、この人方はむなしさしか残らないで帰ることになるのだわ。  少なくとも、思いの一端を受けとめていただく願いを込めて来ているのです。そういう点について、僕は、あえて、もう一回受けとめてみたいという角度の答弁がというようなことをお話しさせてもらったけれども、館長はこれ以上のことを言わない方だと思うから、この場合、あえて、教育長に――本当に一生懸命やってきた、ありがたいお話ですよ。これをやってほしいと言ったら押しつけになるけれども、自主的にやっている活動を支えていくという行政姿勢は大事だと思うから、そんな点で見解をいただければと思います。 ◎松平 教育長  今、陳情者お話を聞き、25年ということで、本当に長きにわたって、図書館といいますか、図書行政というか、図書の有効性といいますか、それを非常に大事にして活動されてきておられる皆さんでありますので、その点については非常に敬意を表したいと思っております。
     今の猪熊委員からのお話でございますけれども、先ほど来、話題になっています文字・活字文化振興法の中におきましても、市町村は住民に対して適切なサービスを行うことができるようにということがございまして、それを受けて全域サービス網整備に努めるものとすると。我々は、今、限られた資源の中でというか、いろいろネットワークを有効に構築して、利用される方が利用しやすいようにということで一方では進めてきているのですけれども、果たして、何といいますか、進めてきていることが、ここで言っている適切なサービスに本当に合致するものかどうかということについては、やはり、私どもも、常々、検証していかなければならないと思っております。  そういう意味では、いろいろ過去の経緯があって地区図書館なり地区センター図書室配置がなされてきておりますが、それぞれの地域に応じて、住民の方の利用実態といいますか、また、利用がしやすいとか、しづらいとか、いろいろお受けとめになっていると思いますけれども、私どもの考えとしては、そういうご意見も素直に受けとめまして、どういう形が住民に対する適切なサービスにつながるかということで、これからもそういう視点で考えさせていただきたいと思います。 ◆猪熊輝夫 委員  藤野地区センターというのは、いわゆる図書室のあるところ、これは、実は東側にはずっと空地があるのですよ。べろすけということで、どんと買い取って新しくということになれば大変なこともあるかもしれません。いま一つは、私が過去において詳しく調べた。僕は建築指導課出身なものですから、建物の構造という点でも、あれ全部、一応、僕なりに情報収集はしてあるのです。あの1階部分になっているところは、構造的には2階を上げられるようになっています。ですから、どういうようなレイアウトがいいかどうかというのは、地区センター機能と、いわゆる図書室機能と、もう一回、全くゼロの状態で検討してみることも不可能ではないと思うのです。  使い勝手がよくて、地域の皆さん方に喜んでいただけるものだとすれば、澄川と同じようなすばらしい図書館ができることを切に願っているところですけれども、そこへいかに近づけていくかという努力も含めて、ここは南区の特性ですからね。いやいや、これをやったら全部の区に火がついて大変なことになるのだということには、僕はなっていかないと。全体的に図書行政というものを見直す場合は別ですよ。でも、南区の特性という点では本当にあるのですよ。だから、その辺をしっかり受けとめていただいて、教育長がお話しされたような形で少し点検してみてください。  あれは耐火構造だから。構造的なものをひっくるめて、あの計画通知は永年保存されているから。そういうものもよく見ていただいて検討いただければ、どういう考え方がいいかということで、何通りか出てくると思うのですが、それをやるかやらないかというのは、いろいろ難しいところもあるのかもしれないけれども、やっぱり、そういう形で検討いただいて、そして、具体的に、万が一というよりも、前向きに検討するとすればどういう方法が一番いいのかというようなことで、地元の皆さん方、それは、図書活動をやっている皆さん方の意見ももちろん聞かなければいけませんが、あの地区センター利用されている、連合町内会に参加をされているそれぞれの皆さんの意見もいただいて、合意形成のできる方法で意のあるところを組み入れられる方法があるのかどうかというような角度でいま少し検討をお願いしたい。  しかし、3畳や6畳の部屋を一つつくっていいべということにはなっていきませんから、そのことはしっかり受けとめていただいて、いわゆる閲覧室とか集会室などということで、このことがどういう意味合いを持っているのかということは十分承知できようかと思いますので、ひとつ、部長、そこにおられる間に、方向というか、いろいろなデータを出して判断を仰ぐぐらい汗を流してほしいということを強く求めて、終わります。 ◆涌井国夫 委員  段々の話がございました。  藤野地域と聞いていて、札幌市全体は大変広大なわけでございますけれども藤野地域と同程度の距離というか、地域はどの程度あるというふうに認識しているのか。つまり、何を言っているかというと、図書館行政というのは、基本的には、当然、市民あるいは国民の税金ででき上がっている公的な施設ということを考え合わせると、やはり、公平性なり、限りなく多くの方たちが利用できる状況の中で設置していかなければならないというのが公的施設の持つ意味だと思うのです。ただし、北海道なんかを見ますと、広大な地域がございます。町民も村民も、本当に小さな町や村がありますよ。そういう中で、行政体というところで、全部、とにかく一定の基準の図書館設置するのかというと、やはり、効率化だとか、利用がどうなのだろうかと。その地域の住民に合わせた適切な施設というのが必要なのだと。行政の大きなくくりからすれば、一定の基準がないと、そこには何でもかんでも同じものをつくるわけにはいかないだろう、こんなふうに思っているのですよ。  昭和60年代といいますか、今から25年前は、札幌市の図書館行政のありようについて論議をして、こういう基準、考え方を持っていますよ、市民の皆さんと。そして、こういうふうに設置を進めていきますということを指し示した上で、年次計画を立てながら設置していくということであればまだしもいいと思うのですね。それから25年たって人口がどんどん広がってきた、そういう状況の中で、やはり見直しが必要だなと。しかも、今回、新しく文字・活字文化振興法という、まさに図書館振興法みたいなものですよ。そういう新しい視点でやはり国では整備されてきた、それに向かって札幌市も今までの図書館行政のありようが見直しを迫られていると。何か紋切り型で何か不足した部分をちょこちょこといじればいいやというのではなくて、ありようについてきちんとビジョンを持って、それに向かって取り組んでいくという姿勢が、行政としては当然必要であり、札幌市の図書館行政ビジョンをきちんと持つべきであるというふうに僕は思います。  しかし、17年度に新しい振興法ができた後、持っていない、これからも持つ気がないというのであればとんでもないことだというふうに私は思っております。それについてどう考えるかということをまずお聞きしたいと思います。それが1点です。  もう一つ、先ほどちょっと触れましたけれども藤野地域の距離は特殊でありますよ。豊羽鉱山なんか行ったら、これはもう大変です。冬なんか行ったら帰れない、雪が降ったりなんかして、そんな地域もあります。そういう中で、特殊性というのは当然考えなければならない大命題だと思います、ある意味では。  あわせて、例えば、定山渓地域とか、あるいは、僕の記憶では藤野も入っていたと思うのですけれども、先ほどちょっと山本館長が遠隔地区であるという言い方をしていました。この遠隔地区の定義というのは何ですか。それは、僻地ということと同義語ですか。同じ意味合いなのでしょうか。  たしか、定山渓の小学校、中学校の職員の方たちは、僻地手当というのが、いろいろな種類がありますけれども、恐らく措置されていると。道の部分ではなっているというふうに思うのですね。いわゆる僻地対策について、ある意味では僕はちょっと見直しをやるべきだと思っているのですよ。僻地という定義は、何か不健康エリアとかなんか言って、キツネが多いとかクマが出るとか言っているそうですけれども、今までの部分はね。北海道なんかはそう判断してきちんと書いています。  要するに、そうかなと。これだけの、188万人の大都市の中で、本当に僻地という言い方、あるいは考え方がいいのかというふうな、地域に対してどう考えていくのかという、やはりビジョンというか……。(「遠隔地」と呼ぶ者あり)遠隔地、遠隔地。  ですから、僻地手当というのが定山渓ではついているのですよ。というふうに私は認識していますけれども、僕は教育委員会の方から資料をいただきましたが、そのことについて、どういうふうに認識しているのか。まさに、藤野地域、定山渓は、職員費の中にそういう手当がついているのだというふうに、恐らく知っていると思いますので、ちょっとお答えいただきたいと思います。 ◎山本 中央図書館長  1点目のビジョンの持ち方といいますか、私ども図書館についての基本的な基準なり考え方ということであります。  私どもでは、平成14年1月に図書館ビジョンというものを策定させていただきました。その中の図書館施設整備、充実の中で、図書館サービス網整備というところで、私ども一つ一つサービスポイントの充実を図っていく、できるだけ身近なところで図書施設を使える、そういう機能強化に努めるという方針、あるいは、サービスポイントの拡充に当たりましては、人口の増加、分布、住宅地域拡大等の推移、そして、そのことを施設でカバーするのか、物流、流通でカバーするのか、それとも通信という手段を持つのかという複合的な検討をすること等について私どもは計画を持ったところであります。  サービスポイント整備基準としては、先ほどご答弁したそれぞれの図書室整備の基準によりまして図書室としての内部的な整備を行ってきたところでありまして、2点目の遠隔地区という定義にも関連してきますが、実態として地区図書館あるいは既存の図書室利用がなかなか不便であるというところに設置しております。それは、これら図書施設、体育施設区民センターからの遠隔地区という地区センター設置基準の中から出るものでありまして、例えば、遠隔地区の中では、やはり中心からの交通機関、あるいは河川等の自然条件である程度遠隔化されている、そういうことが定義であるというふうに私どもは認識しております。  結果として、地区センターも含めて、図書施設38カ所につきましては、現在は大体2.5キロ範囲の中におさまっているところでありますけれども、それが正式な基準ではなくて、不足しているところ、あるいは、こういう地区センターが必要だというところはやはり図書室設置していきたいというふうに私どもは思っております。 ◎奥岡 教育次長  僻地手当の関係で、ちょっと正確なお答えができるかどうかわかりませんけれども、過去のことで申し上げますと、勤務地に商店とか生活に関連するいろいろな施設がない場合に、各段階に応じて1級とか2級とか、そういうランクづけをして手当に加算する、そういう制度だったかと思います。基本的に、今、札幌市でどうかといいますと、限りなく、なくなってきているのだと思います。  今、僻地と表現しているかどうか、正確ではありませんので、また後で正確にお答えしたいと思います。 ◆涌井国夫 委員  やはり、藤野地域と同程度の地域が、2.5キロがあれですけれどもサービスが同じように不便になっているという状況は、一定のビジョンの中で示した上で、水準的にはここまでやろうとか、ほかもこれだけあるのだというのは、公平性から見てもやはり必要だと思うのです。特に、南区は、普通の地域とまたちょっと違い、本当に国道沿いに長く伸びた地域性もあるし、若干その辺の配慮は必要だと僕は思っています。  それから、先ほどの遠隔地の話ですけれども、根本的には何を話したかというと、そういう地域であるがゆえに、行政として、国として、公的な施設設置する際の基準が根底にあるのではないか、全部同じ施設というわけにはいかないだろう、どういうふうにしてランクをつけて、どういう整備をしていくかということも、これまた必要性があると僕は思います。札幌市内のそうした部分はどういうふうに整理していくのか、これは論議をまたなければいけませんけれども、文字・活字文化振興法を受けて、平成14年にできたビジョンをもう一度しっかり見直しするということについてどういうふうに認識しているのか、最後に伺います。 ◎山本 中央図書館長  平成14年1月ですので、平成13年度に図書館ビジョンを策定し、現在、短期的施策については90%を超える達成率を持っております。したがいまして、私どもは、この5年間の時代の変化、あるいは、盛り込んだ事業の成果、達成状況等を見まして、こういうビジョンの今後の方向について内部的に検討したいというふうに考えております。 ○藤原廣昭 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○藤原廣昭 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  それでは、取り扱いについてお諮りいたします。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○藤原廣昭 委員長  継続という声が出ましたけれども陳情第255号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○藤原廣昭 委員長  ご異議なしと認め、陳情第255号は、継続審査と決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時29分...