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平成18年第 4回定例会−12月05日-03号

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  1. 札幌市議会 2006-12-05
    平成18年第 4回定例会−12月05日-03号


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    平成18年第 4回定例会−12月05日-03号平成18年第 4回定例会                平成18年    第4回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )            平成18年(2006年)12月5日(火曜日)           ―――――――――――――――――――――――― 〇議事日程(第3号)  開議日時 12月5日 午後1時 第1 議案第2号、第13号、第15号から第24号まで(市長提出)  ―――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第2号 平成18年度札幌市一般会計補正予算(第5号)  議案第13号 平成18年度札幌市下水道事業会計補正予算(第2号)  議案第15号 札幌市市民活動促進条例案  議案第16号 札幌市児童福祉施設条例の一部を改正する条例案  議案第17号 札幌市老人医療費助成条例を廃止する条例案  議案第18号 札幌市生活環境の確保に関する条例の一部を改正する条例案
     議案第19号 札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案  議案第20号 財産の処分の件(東札幌商業・業務用地)  議案第21号 石狩西部広域水道企業団規約変更に関する協議の件  議案第22号 北海道後期高齢者医療広域連合の設立に関する協議の件  議案第23号 平成19年度当せん金付証票の発売限度額を定める件  議案第24号 市道の認定及び変更の件  ―――――――――――――――――― 〇出席議員(67人)  議   長       大 越 誠 幸  副 議 長       猪 熊 輝 夫  議   員       村 山 秀 哉  議   員       細 川 正 人  議   員       小須田 悟 士  議   員       峯 廻 紀 昌  議   員       桑 原   透  議   員       藤 川 雅 司  議   員       林家とんでん平  議   員       谷 沢 俊 一  議   員       芦 原   進  議   員       阿知良 寛 美  議   員       小 形 香 織  議   員       伊 藤 理智子  議   員       佐 藤 典 子  議   員       坂   ひろみ  議   員       長 内 直 也  議   員       五十嵐 徳 美  議   員       村 松 正 海  議   員       山 田 一 仁  議   員       近 藤 和 雄  議   員       三 宅 由 美  議   員       恩 村 一 郎  議   員       村 上 勝 志  議   員       藤 原 廣 昭  議   員       三 浦 英 三  議   員       青 山 浪 子  議   員       坂 本 恭 子  議   員       熊 谷 憲 一  議   員       小 林 郁 子  議   員       高 橋 克 朋  議   員       勝 木 勇 人  議   員       鈴 木 健 雄  議   員       馬 場 泰 年  議   員       宮 村 素 子  議   員       大 嶋   薫  議   員       小 野 正 美  議   員       涌 井 国 夫  議   員       本 郷 俊 史  議   員       高 橋   功  議   員       宮 川   潤  議   員       井 上 ひさ子  議   員       堀 川 素 人  議   員       笹 出 昭 夫  議   員       三 上 洋 右  議   員       上瀬戸 正 則  議   員       原 口 伸 一  議   員       宮 本 吉 人  議   員       畑 瀬 幸 二  議   員       大 西 利 夫  議   員       福 士   勝  議   員       柿 崎   勲  議   員       義 卜 雄 一  議   員       小 川 勝 美  議   員       飯 坂 宗 子  議   員       松 浦   忠  議   員       田 中 昭 男  議   員       武 市 憲 一  議   員       高 橋 忠 明  議   員       佐 藤 美智夫  議   員       柴 田 薫 心  議   員       小 谷 俵 藏  議   員       西 村 茂 樹  議   員       川口谷   正  議   員       伊与部 敏 雄  議   員       湊 谷   隆  議   員       小 田 信 孝  ―――――――――――――――――― 〇欠席議員(なし)  ―――――――――――――――――― 〇説明員  市   長       上 田 文 雄  副 市 長       田 中 賢 龍  副 市 長       小 澤 正 明  副 市 長       加 藤 啓 世  収 入 役       牧 野 勝 幸  交通事業管理者  交 通 局 長     濱 田 雅 英  水道事業管理者  水 道 局 長     小 川 敏 雄  病院事業管理者  病 院 局 長     吉 田 哲 憲  危機管理対策室長    長 尾 賢 一  総 務 局 長     守 屋   出  市民まちづくり局長   下 村 邦 夫  財 政 局 長     米 田 順 彦  保健福祉局長      七 田 博 文  子ども未来局長     飯 塚 和 惠  環 境 局 長     原 田 泰 明  経 済 局 長     福 井 知 克  観光文化局長      中 田 博 幸  建 設 局 長     波 田 正 明
     都 市 局 長     田 中   透  消 防 局 長     徳 増 澄 夫  教育委員会委員     山 中 善 夫  教育委員会教育長    松 平 英 明  選挙管理委員会委員長  赤 田   司  選挙管理委員会委員   常 本 省 三  選挙管理委員会委員   越 智 健 一  人事委員会委員     大 塚 龍 児  人事委員会事務局長   深 谷   仁  監 査 委 員     谷 本 雄 司  監査事務局長      石 黒   進  ―――――――――――――――――― 〇事務局出席職員  事 務 局 長     小 島 信 行  事務局次長       中 村 修 三  調査担当課長      常 野 正 浩  議 事 課 長     野辺地   正  調 査 係 長     今 井 一 行  資料担当係長      大 西 一 正  議 事 係 長     出 井 浩 義  委員会担当係長     田 口 繁 治  委員会担当係長     松 田 寛 司  書   記       朝 倉   良  書   記       本 島 光 二  書   記       梅 村   伸  ――――――――――――――――――  〔午後1時開議〕 ○議長(大越誠幸) ただいまから、本日の会議を開きます。  出席議員数は、64人です。  ―――――――――――――――――― ○議長(大越誠幸) 本日の会議録署名議員として原口伸一議員、本郷俊史議員を指名します。  ―――――――――――――――――― ○議長(大越誠幸) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(小島信行) 報告いたします。  本日の議事日程、請願受理付託一覧表、質問順序表は、お手元に配付いたしております。  以上でございます。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕  ―――――――――――――――――― ○議長(大越誠幸) これより、議事に入ります。  日程第1、議案第2号、第13号、第15号から第24号までの12件を一括議題とします。  ただいまから、代表質問に入ります。  通告がありますので、順次、発言を許します。  五十嵐徳美議員。  (五十嵐徳美議員登壇・拍手) ◆五十嵐徳美議員 ただいまから、自由民主党を代表して、今定例議会に上程されました諸議案及び市政の諸課題について質問をいたします。  まず初めに、市長の政治姿勢について質問をいたします。  上田市政が誕生し、はや3年6カ月が経過し、来春の統一地方選挙がいよいよ間近に迫ってまいり、月日の流れの速さを感じるところであります。異例の再選挙を経て、44年ぶりの民間出身の市長誕生に大きく期待した市民も少なくなかったのではないでしょうか。  市長ご自身のホームページや各種の会合においては、今日までの市政運営を自画自賛されているようでありますが、我々から見ますと、決してそうではないのが実感であります。  まず初めに、ご自身のこの3年半に及ぶ市政運営の評価は100点満点として何点と評価しておられるのか、お伺いをいたします。  次に、市政運営を進めるに当たり、重要課題として取り組んでこられたことは一体何であったのか、確認をさせていただきたいと思います。  次に、国とのパイプ、市長のトップセールスについてお伺いをいたします。  地方分権の時代と言われ、さまざまな政策が展開され、本市においても、その取り組みがなされてきております。そんな取り組みの中で、財政基盤が脆弱な本市においては、現実的な対応を考えると、いまだ中央とのパイプは重要な要件であると考えるのです。  陳情型の自治体運営から脱皮して、いつかは自立した地方自治の運営をしたいという理想は、だれもが持つ共通の認識であると思うのでありますが、そこで、市長は、我が札幌市と国との関係の現状をどう認識しておられるのか、お伺いをいたします。  さまざまな情報収集・発信、中央とのパイプとして東京事務所を設置しているわけでありますが、シティPRという視点、札幌を売り込むということは大きな役割であると思います。そのことは大変重要であると思いますが、中央省庁の情報や民間企業の持っている情報など、さらには企業誘致など、もっともっと戦略的な情報収集、さらには、人的コネクションという点では物足りなさを感じているところであります。その最前線である東京事務所には、どのような役割、機能を求めているのですか、お伺いをいたします。  市長みずから、市民の幸せのために真剣にトップセールスをされておられますか。  札幌市は、地域ブランド調査2006において魅力的な市ランキング第1位となり、さまざまな調査においても、大方、上位を占めております。今年度の世論調査においても、郷土意識において96.9%の市民が札幌が好きと答えているのがこのまちであります。このようなことだけをとらえると、とても好感度の高いまちであることは間違いありません。  しかし、そこにあぐらをかいていてはいけないのであります。都市を経営していく上で、そうしたイメージとは裏腹に、国との関係強化を図るということは、現実の問題として対応しなければならないのが事実であります。そんな中、首長のトップセールスが大きなウエートを占めると思われます。  今さら中央に対して頭を下げても補助金がふえるわけでもなく、そんな旧態依然とした陳情型の行政運営は古くさくナンセンスとお考えなのではないでしょうか。  市民の幸せのためならしっかりと頭を下げることができますか、お伺いいたします。  事前調整は事務方の大切な仕事でありますが、最終場面はトップの仕事であります。これだけの情報化の時代が進んだとしても、フェース・ツー・フェース、人と人であると思うのであります。  昨年、ことしと、私は、税財政制度調査特別委員会の副委員長として、札幌市の重点要望を各省庁にお願いに上がりました。昨年は、当時の北側国土交通大臣にわざわざ20分ほど時間を割いていただき、直接面談の上、要望書を手渡すことができました。後に、各局局長とも、事務の受付のところではなく、会議室で面談の上、直接、要望書を提出させていただいたところであります。  その折、当時の北海道局長が非常に残念がっておりました。それは、我々議会がお邪魔をする前々日に、同じ国土交通省の鉄道局長のところに上田市長が新幹線の札幌延伸に対する陳情に来たことを、その局長は、翌日の北海道新聞の紙面で知ることとなったわけであります。強い口調で言われました。「私も北海道・札幌を応援する一人なのですよ」と。  それ以上のことは今ここで申し上げることはできませんが、その話を聞いたとき、我々は愕然といたしました。当然、市長みずからも関係するさまざまな部署にお願いに伺っているものと信じていたからであります。このことは、ひょっとして私たちが直接その局長から聞かせていただいた情報であるとしたならば、もっともっとこんな現象がほかの場面でもあると思わざるを得ないのであります。一人でも多くの理解者や応援団を入れながら、このまちの運営をしていかなければならない意味では大きな大きな損失であると思うのであります。  また、よく耳にいたします。「札幌の市長さんにお目にかかったことがありません」と言うのです。今日に至っては、知事会や市長会、さらには政令指定都市市長会などが、地方分権の権限や財源の移譲など地方のさまざまな意見を発信しているその一方で、全国のあらゆる市町村が陳情・要望を行っているのも事実であります。  そうは思いたくないのでありますが、こんな行動がもはや形骸化している、さらには、儀式であると、そんなふうに思ってドライに割り切り、こなしとしてこういった陳情・要望行動を対応しているとしたならば、市長、それは大きなおごりであり、市長みずからの個人的な主張の延長線でしかないと言わざるを得ません。市民全体の幸せを願う札幌の首長として資質を疑うものであります。  ひょっとして、そこには政権与党とのパイプがないことが弊害となってはいないでしょうか。国とのかかわりをしっかりと生かしながら市政運営のかじ取りをしていく上では、国政の政権与党である自由民主党、公明党とのかかわり方をどのように考えておられるか、お伺いをいたします。  次に、市長の指導力、リーダーシップについて伺います。  市長は、あるマスコミのインタビューの中で、市民10万人当たり一般行政職員が札幌市は400人で全国では最低の人員です、一方、大阪市では580人で、えらい違いがあります、札幌市はスリムでありながら、ほかの政令市と同じような行政サービスを実現していますと述べておられます。この数字が事実であることに間違いはありませんが、ここで全国で一番多い大阪市を例に出して比較をしておりました。  これまで、市長を初め、市の理事者は、札幌らしくとか、地方として独自にとか、さらには先駆的にとか、さまざまな場面で札幌らしさを強調してきました。議会での議論の中でも、政策判断の一部や財政的指数、さらには、行政組織的な数値に関しては他都市の例を引き合いに出して比較し、客観的な数値を用いては札幌市の優位性を強調する傾向がありました。  今述べました職員の数もそうであります。400人という職員数は、全国最低であるからこれでいいんだとも受け取られる発言です。問題なのは、他都市と比べて多い少ないということではなく、札幌市として多いのか少ないのか、さらには適正であるかということであります。  そこで、質問をいたしますが、職員定数は、行政サービスを提供する行政の仕組み、組織を前提として決まるものでありますが、札幌市の今の仕組み、組織を適正であるとお考えか、伺います。  大きな政府から小さな政府へと国でも推し進めている構造改革でありますが、地方においてもスリムな行政組織を目指すこと、札幌市においてもその流れを否定することはできません。それどころか、もっともっとスピードを上げて取り組むべきであると考えるのであります。  指定管理者制度の導入、公共サービス改革法による市場化テストなど、公共サービスの担い手を官から民へシフトすべきと考えます。強い指導力、リーダーシップを持って行政のスリム化を図るべきと考えますがいかがか、お答えをいただきたいと思います。  このことは、対組合との交渉事でもありますが、改めて庁舎管理のことでもお伺いします。  我々自由民主党は、桂市政の時代からも、常々、市役所正面玄関を初めとして、組合の闘争用の旗のことについて、庁舎管理規定に基づき違法な使用をやめさせるよう指摘してきたところであります。そのことは、上田市長もよく承知のことと思います。何度も指摘しているにもかかわらず、それが実行されておりません。その理由について明確にお答えをいただきたいと思います。  市役所は、多くの市民、または、さまざまなお客様をお迎えする大切なところであります。札幌市の顔として恥ずかしいとは思わないのでしょうか。もし恥ずかしくはないと思うのであれば、その見識を疑わざるを得ないのであります。  今後、組合に対して違法な行為は絶対させないと宣言すべきと思いますが、いかがでしょうか。支持母体である組合には言えないとでもいうのでしょうか、明確にお答えをいただきたいと思います。  私は、組合活動を一切否定するものではありません。交渉することと、このような行為を黙認することとは、全く次元の違う話でございます。  次に、町内会、自治会について、市長は、本当にその重要性、活動について認識を持っておられるか、質問をいたします。  先ほど述べたインタビューの中にあったのですが、市長は、このように述べておられます。ここは間違ってはいけないので、その文面一字一句を正確にお話しさせていただきたいと思います。  「これからは、本当に市役所がしなければならない仕事の範囲を確定させることが大事です。同時に、これまで市役所が担ってきた行政サービスから手を引く場合、今後、だれがそのような仕事を担うのか、NPOなり市民団体なりが市民活動をフォローしていくことをおいて考えることはできません」と述べております。後は省略いたします。  私は非常に残念に感じました。市長の発言は公人として大きな重みと責任があり、わずかな文脈から大きな期待と夢を感じ取ったり、また一方で落胆したりとさまざまであります。  さきの言葉に出てきましたように、市長の頭の中にはNPOというフレーズしか入っていないようであります。行政サービスの担い手には企業もあるはずでありますし、地域においては地縁組織である町内会、自治会があるものです。文章だけでは市長の真意は伝わってこないのかもしれません。  そこで、お尋ねいたします。  まずは、市長は、ご自身が地元町内で今日までどんな活動をしてこられたのか、お伺いをいたします。  私は、NPO団体を否定するものでもありません。しかしながら、町内会というのは地域の市民活動の原点であると信じております。現在では、町内会の加入率が低下し、役員のなり手が不足しているなどなど、さまざまな課題を抱えているのも事実であります。人間関係が都市化とともに希薄になり、隣に住む人の名前も顔も知らない。子どもたちに対しては、知らない人から声をかけられたら不審者と思いなさいと、とても残念な現実があることも事実です。ひょっとしたら、その知らない人は隣の人でいい人だったのかもしれないのです。そう思うと、殊さらに、向こう三軒両隣、ご近所づき合いをいま一度深める必要があるのです。  町内会活動は、町内の善意の住民で成り立っており、それぞれさまざまな仕事や役割を兼務しながら地域のために日々活動をしております。一方では、近所づき合いは面倒だ、嫌だ、自分たちの趣味や関心事だけ頑張りましょうでは地域社会は成り立たないのではないでしょうか。  我が会派は、先日、来年度予算編成に当たり、大きく5項目の提言をさせていただきましたが、その中で、町内会に対する財政支援は行政の責務であり、簡易保険団体割引制度の廃止によって大きな打撃を受けている町内会活動に対しての財政支援を強化すべきと提言をいたしました。町内会活動に対する認識と財政支援についてどのように判断をされるのか、お伺いをいたします。  次に、市民活動促進条例案について質問をいたします。  本定例会において、市民活動促進条例案とあわせて、基金条例を一部改正し、市民活動基金を新たに設ける議案が提出されたのでありますが、この質問に入る前に厳しく指摘をしなければなりません。それは、先月の11月6日、幾つかの連合町内会から市長に対して、本条例の早期制定に向けての要望書が提出されたのであります。  この際に、市側が、連合町内会に対して、郵政公社の簡易保険団体割引制度の廃止に伴う活動財源の減収分を本条例の基金支援制度で補うことができるかのごとく、過大な期待感を抱かせたということが背景にあったようであります。  しかしながら、この基金支援制度は、あくまでも市民や企業の自主的、自発的な善意による浄財を財源としているものであり、その年度によっては寄附金の額に変動を生じるものであり、収入金額の規模も市は3,000万円程度と考えておられるようでありますが、それも明確なものではありません。さらに、対象となる活動団体も極めて多数に上るものであります。したがって、簡保の収入の減収分の補てんには決してならないことは明らかであります。  財政的に苦しい状況に置かれた町内会に対して、ニンジンをぶら下げて過大な期待感を抱かせたこの行為は重大な問題であります。このやらせの行為は、先日、議会で成立した自治基本条例、市長が進めようとする市民自治の根幹を揺るがすことであり、極めて遺憾であり、強く反省を求めるものであります。  いずれにしても、簡保の団体の割引制度の廃止に伴う町内会の活動財源の減収分の補てんについては、この条例による基金支援制度とは切り離して考えるものであります。各町内会の自助努力を求めつつ、減収によって活動が減退することのないよう、市としてしっかりとした財政支援策の道筋を確立するよう強く求めるものであります。  私たちは、これまでも多くの時間を費やして、本条例を制定することの意義や効果、その他の疑問点についてさまざまな視点から議論を重ねてきたところであります。この意義や効果については、先進の自治体における市民や職員意識の実態などから見ましても、条例制定の意義や効果が見出せないこと、素案の検討段階においては市民活動団体の定義の中に町内会や自治会などの既存の団体が含まれているのかどうか、市税の1%支援制度にあっても、市税を納めている市民と納める義務のない市民との間に格差を生じることの危険性や、特定団体に偏った資金支援制度になることの危険性があること、市民活動基金制度と既存の基金制度や補助金制度との間の整合性をどのように整理していくのかなど、こういった多くの疑問や課題について指摘をさせていただいたのであります。  この結果として、市長としても、市民や私ども議会のさまざまな意見を取り入れながら、条例素案を修正した上で、今回の条例提出に至ったものであるのでしょう。  しかしながら、寄附による支援制度や市民活動の促進に関して調査、審議する市民活動促進テーブルなど、本条例を実施するに当たっての運用の内容については、本条例が制定された後、要領などで改めてその詳細が示されてくるよう説明がなされておりますが、私が前段でいろいろと申し上げましたように、疑問や懸念を抱いている具体的な内容は、私どもにいまだ明確に示されていない段階にあるのではないでしょうか。  これからはあらゆる市民活動を視野に入れたその促進施策の展開が求められているにもかかわらず、市の本条例提出に至る経緯を見ても、まさに拙速の感を否めないのであります。札幌市の今後をしっかりと見据えた市民活動促進を図っていくためにも、これまで札幌市が行ってきた基金制度、寄附制度、そして助成制度をいま一度整理し直し、総合的に再構築していく必要があることを強く求めるのであります。  そのために、さまざまな疑問や問題点について市民が容易に理解できるように情報を提供しながら、さらなる議論を通して市民の理解を深めていくべきであろうと考えるものであります。  そこで、質問の一つ目は、今日に至るまでの町内会、自治会活動を初めとする市民活動団体の活動についてどのように評価をし検証されてきたのか、お伺いをいたします。
     二つ目は、これら市民活動団体の活動に対しこれまで札幌市が行ってきた施策をどのように評価をして検証されているのか、お伺いをいたします。  三つ目は、自治基本条例は、まちづくりの基本的条例であり、市民活動促進条例は、この自治基本条例の実施編であると理解をしております。  本条例を実施に移すべき具体的な運用の中身が全く不透明な準備しかできていないこの段階では、もっと市民に対して運用の具体的な内容を示して議論を深める時間が必要であると言わざるを得ません。市民の声を聞いて施策に反映しようとする市長の方針ですが、本条例の内容がその判断をするに至らないほど内容が乏しいものであり、自治基本条例にもあるように、情報の提供という部分においては全く矛盾する進め方ではないでしょうか。条例を成立させればよいとの勇み足の条例提出であると言わざるを得ません。市長のお考えをお伺いいたします。  次に、財政問題についてお伺いをいたします。  政府は、去る11月22日の月例経済報告で景気は回復しているとし、さらに今後も回復基調が継続すると見込まれると発表しました。これで2002年2月から続く今回の景気拡大の期間は4年10カ月となり、高度成長期のいざなぎ景気を超えて戦後最長となったとのことであります。  しかしながら、我々の実感としては、所得水準を初めとして日々の生活は決してよくなったとは言えず、特に、札幌市及びこの北海道内における景気動向は厳しさを増すばかりであります。  残念ながら、札幌市内の産業構造は、確たる基盤を持たないいわゆる支店経済であり、さらに、北海道開発局、北海道、札幌市などの公共事業の発注に依存していることは論をまたないところであります。そして、近年は、こうした財政支出の縮減傾向が加速しており、地元経済は大きな打撃を受けているということは言うまでもありません。  札幌市における公共事業費の推移を見ますと、普通建設事業費は、平成8年度をピークに毎年減少しており、平成18年度においては、約30年前の昭和53年度の水準にまで落ち込んでおります。具体的な数字で申し上げますと、平成8年度は2,294億円であったのに対して、平成18年度は689億円となっており、実に7割減という大幅な下落であります。  わずか10年間でこうした変化は地域経済に大きな影響が出ないわけがなく、市内の公共事業に携わる事業者からは悲鳴とも言える声が寄せられることは、市長も十分認識をしておられることと思います。また、公共事業の発注においても、最近は実勢を下回る低価格による入札が行われ、適正な利潤が確保できないといった声も聞かれ、地元企業は本当に疲弊しているのであります。だからといって、談合など不正な入札行為は絶対あってはならないことは明白であります。その一方で、地元中小事業者に適正な利益を確保することは、税源の涵養及び雇用の安定といった視点からも重要な経済政策であると考えるのであります。  現在、札幌市が進めている財政構造改革プランでは、市債残高の累増を抑えるため、市債の発行額をその年の元金償還額の範囲内に抑えることとしており、平成17年度及び18年度においては臨時的経費をそれぞれ20%も削減をしております。さらに、10月に出された平成19年度予算編成方針では臨時的経費のシーリングがマイナス5%、また、市債発行額のシーリングが同じくマイナス5%と示されており、来年度予算においても相変わらず削減方針で臨むこととされております。  昨年度までのマイナス20%という厳しいシーリングではありませんが、引き続き公共事業費の削減につながるような編成方針を掲げており、公債費負担の軽減のための市債発行抑制のしわ寄せが、さらなる公共事業費の削減につながっていくことは間違いありません。  我が自由民主党では、これまでも、再三にわたり、市民の活力や地元経済への影響に配慮するといった面から、さらには、公共事業費は将来にわたる社会の基盤を整備していく大切な投資としてその拡大を要請してまいりました。  例えば、それはオリンピックの招致でもありました。もちろん、オリンピックともなれば膨大な財政支出を必要とします。しかしながら、まさに今後のまちづくりといった視点において、行政だけではなく、民間のノウハウや知恵を生かしながら将来の社会資本を整備していく大きなきっかけとなったはずであります。  上田市長は、後世に禍根を残すことはできないと判断されましたが、市民に行ったアンケートの結果では、招致に対する意見として賛成・反対が拮抗したことでもわかるように、オリンピックという一つの大きな夢に向かって進んでいこうとする市民が少なからずいたことは事実であります。公共事業には、将来への公債費負担という負の要素ばかりではなく、市民の意識の中に夢や希望といった活力を与える力があることは間違いないのであります。  また、財政見通しの悪化要因としてよく言われるのが、生活保護費を初めとする扶助費の増大です。扶助費の増加は避けることができない義務的経費であるといいますが、言うまでもなく生活保護は経済情勢の動向に大きく関連しており、公共投資などの財政支出により一定程度抑制することが可能であります。もちろん、その投資規模は札幌市の現在及び将来の財政状況を踏まえて、ある程度慎重にならざるを得ないことは事実であります。しかし、こうした効果を考慮すると、公共事業費については拡大が必要であると考えるのであります。  そこで、質問いたします。  平成19年度予算編成においても、引き続き公共事業費の削減につながる編成方針を掲げているとのことでありますが、地域経済に与える影響について市長はどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、いつまでもこうした削減の方針を取り続けるのか、あわせて伺います。  私どもは、中長期的な事業計画は不可欠であり、新まちづくり計画以降のアクションプランがないことを繰り返し指摘してまいりました。まちづくりの視点の計画と同様に、財政構造の転換を図るために策定された札幌市財政構造改革プランも、平成19年度以降の取り組みは具体的に示されておりません。税源の涵養策も、これといった効果的な施策も成果もない状況であります。都市経営という観点から見ると、脆弱な財政基盤の上に成り立っている札幌市を、義務的経費の水準や公共投資のあり方など、特に、財政構造の面から今後どのような方向に進めていくかというビジョンが全く示されていないのであります。  そこで、質問でありますが、市長が理想とする札幌市の財政構造はどのような状況であると考えるのか、また、それに向かってどうしていくことが必要であるか、お考えをお示しいただきたいと思います。  財政問題の二つ目は、市税及び国民健康保険料等の収納対策についてであります。  平成16年度における本市の収入について、地方自治法に基づく包括外部監査が実施されておりまして、その結果については、去る平成18年3月に包括外部監査人から本市に対し意見を添えて報告がなされております。  この報告書によりますと、一般会計、特別会計及び企業会計を合わせて収入済み額1兆9,312億円のうち、収入未済額が2.5%の477億円とされております。この収入未済額477億円に占める金額と割合が特に大きいものが市税と国民健康保険収入でありまして、それぞれ135億円と168億円、合わせますと303億円にもなり、実に収入未済額の64%を占めているのであります。  平成17年度決算について見ましても、市税と国民健康保険料の収入未済額はそれぞれ133億円、182億円、合わせて315億円となっております。市税も国保料においても収入率においては若干の改善が見られるのでありますが、特に、国保料の未収額14億円の増は、調定総額がふえたため未収総額もふえたという事情があることは承知しておりますが、その額は依然として巨額に上っておるのであります。  平成16年12月に策定された財政構造改革プランの中においても、市税及び国民健康保険料に重点が置かれており、市税及び国民健康保険料とも、収入率について、15年度から18年度に至る目標値を、市税にあっては94.1%から94.7%に、国民健康保険料にあっては一般世帯の現年度分について80.1%から82.1%に設定し、収入の確保に努めているとしております。  市税は、本市財政基盤の根幹をなす財源であります。また、国民健康保険料にあっては、我が国における国民皆保険制度の一翼を担う国民健康保険制度の基盤となる必須の財源でありますので、これら財源を確保していくことは行政に与えられた重要な責務であるのです。  そこで、質問の一つ目でありますが、17年度における市税と国民健康保険料の収入率の実績はそれぞれ94.6%と80.6%となっておりますが、この17年度の収入率の実績を踏まえ、18年度における収入率の目標値達成の見通しについてお伺いをいたします。  二つ目は、包括外部監査人により、債権管理業務を集中的かつ専門的に担当する部署に一括して移管する方法が最も合理的かつ効果的な方法であるとの意見が付されておりますが、市長は、この意見に対してどのように考え、対応していくおつもりなのか、お伺いをいたします。  次に、経済対策についてお伺いをいたします。  本市の経済情況を概観いたしますと、雇用や消費等の面で明るい兆しが見え始める一方で、人口増の鈍化や公共投資の縮減といったマイナスの変化に直面しており、こうした状況のもと、本市の経済戦略は市外に物やサービスを売っていく、いわゆる外需型産業構造への転換を求められております。  その一つ目として、IT産業に係る知的クラスター創成事業の評価と今後の取り組みについてでありますが、これまで、本市では、外需型産業の代表としてIT産業の振興を重点的に図ってまいりましたが、今後ますますその積極的な取り組みが必要になるものと考えております。  札幌テクノパークの造成、分譲に始まるIT産業振興は、産学官連携によるさまざまな支援策が功を奏し、現在では売上高2,800億円、1万4,000人の従業員を抱える基幹産業の一つに成長を遂げ、さきの第1回定例議会では、我が会派の鈴木健雄議員の代表質問に対して、デジタルコンテンツ産業を含むIT関連産業を今後10年間で1兆円産業に成長させるとの市長答弁をいただいたところでもあります。  こうした飛躍的な成長を目指すためには、これまでにも増して、より強固な産学官連携体制を築き、地域が一丸となって目標に向かって突き進んでいくことが重要であると考えるのですが、具体的な取り組みの一つとして、平成14年度から実施している知的クラスター創成事業があります。この事業は、文部科学省が大学や公的研究機関を中心に国際的な競争力を持つ研究拠点をつくり上げることを目的として、全国12の地域から取り組みを開始したものであります。  その一つである札幌ITカロッツェリア構想は、サッポロバレーに集積するIT企業が、北海道大学を初めとした学との連携により策定し、北海道が採択を受けたものであります。カロッツェリアとは、車体を意味するイタリア語であります。自動車などのデザイン工房の意味としても使われており、個性豊かな車をたくさん生み出してきたイタリアの工房のように、地域の潜在的ニーズを酌み取り、製品開発を進める工房型産業を目指すという意味も込めたものと聞いております。  このプロジェクトの目的は、本市のIT企業の集積を背景として、使いやすい高品質な試作品を迅速につくり上げる仕組みを構築することにより、道内のIT産業を世界に通用するレベルに引き上げ、新たなクラスターを形成することにあります。この新たなクラスター形成を進めるために、地域の企業と大学、公的研究機関、道外大手企業との連携に加え、大学と大学との連携などによる新たなネットワーク構築が必要であり、こうした連携を促す基盤研究と製品開発の基盤となる応用研究に対し、これまで5年間で約25億円の補助金が文部科学省から投下されました。  本市においても、事業の推進組織となる知的クラスター本部の運営に対して、北海道との折半により、これまで約7,000万円の補助金を交付したところでありましたが、文科省が行った中間評価では、札幌ITカロッツェリア構想に対する評価は極めて厳しいものであったと聞いております。  この中間評価以降、北海道と札幌市との連携による推進体制の強化はもとより、研究テーマの重点化や事業化戦略の見直しなど、企業、大学等研究機関との連携についても再強化を図り、クラスター形成に向け一定の成果を見出すところまで達成したと聞いておりますが、事業の最終年度を迎え、その成果についてはしっかりと検証しなければなりません。  そこで、質問でありますけれども、この5年間における具体的な事業成果と本事業の実施による本市IT産業クラスターの形成に対する効果をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、文部科学省では、引き続き、地方自治体の主体性を重視し、ポスト知的クラスター創成事業の実施を予定しているほか、今後の知的クラスター発展が見込まれる地域において、これまでの成果を生かした産学官連携活動の展開による継続的な事業の発展、創出などを目指す都市エリア産学官連携促進事業など、今後の事業推進に対する支援メニューも用意していると聞いているところであります。  私は、これまで25億円という膨大な補助金を投下して得られた事業成果を、今後いかに有効に活用し、発展させていくかが、この地域に課せられた使命であると考えるのであります。特に、IT産業の中でもデジタルコンテンツ系やデザイン産業の振興は、本市産業の中で大きなウエートを占める印刷や出版業界への波及効果も高く、特に重視されている戦略産業分野であります。  また、昨今の厳しい財政状況にかんがみますと、このような国の補助事業により競争的資金を獲得することは、市の単独事業の何倍、何十倍もの効果を生み出すものであり、費用対効果を考えますと非常に重視されるべきものであると考えるのであります。  そこで、質問ですが、今後、これらの支援メニューなどを活用し、これまでの事業成果をさらに発展させていくことが必要と考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。  さらには、これらIT及びデザイン関連の事業において、本年4月に開学した札幌市立大学が重要な役割を担うものと認識しているところでありますが、しかしながら、研究開発の成果を産業につなげる視点では、昭和61年以降、長年にわたって本市における情報産業振興の一翼を担ってきましたさっぽろ産業振興財団が、IT企業のネットワークや蓄積したノウハウを生かしながら中心的な役割を果たすべきと考えますが、あわせて市長の考えをお伺いいたします。  経済対策の二つ目として、建築物環境配慮制度の視点からお伺いいたします。  札幌市では、現在までさまざまな分野で産業振興を進めてこられております。しかしながら、多くの産業分野においては、全国至るところに競争相手がおり、また、その相手である彼らも、これらを推進しているのも事実であります。  我々は、これからの戦略として、競争相手が少なくて済むもの、あるいは、他の地域と比較して優位な状況にあるものにもっと目を向けるべきであると思うのです。例えば、私たちが住んでいるこの積雪寒冷地という視点であります。寒冷地であることを産業の種としてとらえ、寒冷な地域向けの産業の振興を図ることを、将来の布石として息長く取り組むべきではないかと常日ごろから考えているものであります。  そのような中、本年の第3回定例市議会決算特別委員会におきまして、札幌市が現在検討を進めている建築物環境配慮制度に大きな興味を持ち、その概要について質問をさせていただきました。  この制度は、これから建てようとする大規模な建築物をさまざまな環境の面から評価し、その結果の公表を通じて温暖化対策など環境配慮を浸透させていこうとする誘導型の制度であると伺っております。  私は、この制度の導入に当たっては、建築物の断熱性能など環境対策上有益であると同時に、寒冷であるという札幌の地域特性を反映したものを目指すべきであると考えるのです。これが呼び水となって寒冷地に似合う環境に優しい技術や製品の新たなマーケットが発生するとしたならば、地場産業がそれぞれ培ってきたノウハウを生かし、寒冷な地域に向けて進出できる可能性が生まれてくるのではないでしょうか。  マーケットは、日本全国、関東、関西ではなく、全世界の気候風土、この札幌と同じような寒冷地であります。寒冷地に関しては、私たちも含めて、今日まで内向きで悪者、邪魔者扱いをしてきたものと思いますが、逆転の発想でこの暗いイメージを吹き飛ばしていかなくてはなりません。既に、雪や氷を冷房や食品のほかに用いる冷熱エネルギー活用の試みは、一部実用化しつつあります。キーワードの一つは環境であると考えるのであります。環境対策としての制度導入に対し、私は、札幌の建設、建築、あるいは設備産業が新たな環境ビジネス展開に向けたチャンスにできるよう道を開いていく重層的な政策展開に向けた検討を強く願っているのであります。  そこで、質問いたしますが、建築物環境配慮制度を設けるに当たって、寒冷地であることを前提とした札幌にふさわしい環境配慮がなされるよう制度化を進めるべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  次に、少子化対策について質問いたします。  先ごろ、本市における平成17年の人口動態による合計特殊出生率が0.98となり、ついに1.0を下回ったという衝撃的な報道がなされました。私としても、減少傾向が続いていたこれまでの数値の推移から見ましても、1.0を切るのも時間の問題とは思っておりましたが、改めてこの数字を目の当たりにし、どのようにとらえればいいのか戸惑ったというのが正直なところであります。  本市のこの数値は、全国で最低の東京都区部に準じ、全政令指定都市の中でも最低となったところでありますが、その理由については、いまだ明快になっていないと報道を通じて聞きました。  そもそも少子化は晩婚化や未婚化などに原因があり、本市においても、状況として当てはまることは統計からも明らかでありますが、それでは、なぜ本市において特に顕著に合計特殊出生率が低くなるのか、その背景にはどのようなことが作用しているのかを把握し、それに合致した対策を講じなければならないことは当然のことであります。むだな時間や投資をしている余裕などないはずであります。  この深刻な本市の状況をかんがみて、その原因や背景の早急な究明と効果的な対応策の検討実施が今こそ求められているのではないでしょうか。  そこで、その対策を講じていく場合に、大きな視点があります。それは、本市はどのようなスタンスに立って今後少子化対策に取り組んでいくか、明確にする必要があるのです。  本市の子ども未来プランにおいては、現状のままでは少子化は今後一層進行すると予想しております。それを裏づけるように、少子化の流れはとまらず、平成17年国勢調査の結果によりますと、12年調査で初めて逆転した年少人口と老年人口の比率はますます差を広げたところであります。この状況は、国の推計では、今後も続き、10年後には年少人口比率は老年人口比率の半分以下にもなると予想されているところであります。  このように、これまでは少子高齢化が声高々に叫ばれているものでありましたが、私は、それだけでいいのだろうかという懸念をしているところであります。ひょっとしたらもっと別な視点からも考えてみる必要があるのではないかと思うのです。  それは、少子高齢化の行き着くところは生産年齢人口の減少です。言いかえれば、少労働力化と言えるのであります。国の推計では、本市の人口は、当面、増加していくとしながらも、生産年齢人口は今後減少に転じると予想しております。生産年齢人口層が年少人口層と老年人口層の社会経済生活の基盤を支える原動力であることは確かと言えますので、少子化対策を考えるに当たっては、この年齢層への対策といった視点も忘れてはならないのではないかと考えるのであります。  また、子ども未来プランにおいては、子どもの視点、次世代を育成する長期的な視点、社会全体で支援する視点の三つの視点を基本としてさまざまな施策の展開に努められておることは承知しておりますが、少子化対策が少労働化対策につながることを考えた場合、市民が就労しながら安心して子どもを産み育てることができる環境を確保していくことも一つのポイントであろうと考えるのであります。そのようなことから、企業が両立支援に容易に取り組むことができるような支援施策を含めた積極的な施策の展開が求められているのではないでしょうか。  先ごろ、市長は、ようやく商工会議所の会頭とトップ会談を行い、子どもを産み育てやすい就業環境づくりに向けて動き出されたように聞いておりますが、遅過ぎる対応であると言わざるを得ません。  そこで、質問をいたします。  子ども未来プランにおける基本的な視点には、子どもをふやそうとしているのか、現状を追認しようとしているのか、もっと別なところにあるのかが明確に見えてこないのでありますが、この点について市長の考えをお伺いいたします。  次に、平成17年国勢調査における本市の人口構造の結果や将来推計を踏まえ、札幌市の生産年齢人口の減少が進行するという事態に対して市長はどのように考えておられるのか、また、その事態に対する対策はどうあるべきと考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、教育問題について質問いたします。  初めに、学力向上についてであります。  過去において、日本の子どもたちの学力は世界の中でも高い水準を維持し、日本社会の成長にとって大きな原動力となってきたことは、多くの方々が認めるところであります。  しかしながら、昨今の国際的な学力調査等の結果を見ますと、読解力や数学的応用力などの低下、学力が身についている子どもとついていない子どもとの二極分化が指摘されるなど、子どもたちの学力に関する問題は、保護者はもちろんのこと、社会全体にとって大きな関心事となってまいりました。私は、今後もこのような子どもたちの学力の状況が続けば、将来、日本の社会の活力を奪いかねない深刻な事態になるのではないかと危惧をするのであります。  このような子どもたちの状況を改善していくために、学校教育の果たす役割は極めて重要であります。学校教育の目的は、本来、子どもたちに、集団の中で社会性などを身につけさせ、相手を思いやるなどの心の教育を行うことはもちろんでありますが、それとあわせて、学力を確実につけ、社会で生きていくための基礎的教養をはぐくむことでもあります。  札幌市においても、これまで、学力向上策の一環として、子どもたちの学力を適切に把握するため、昨年とことしと2回にわたり独自の学習実現状況調査を実施し、その結果についてホームページ上で概要を公表するとともに、各学校に詳細を記した報告書を配布したと伺っております。  私もこの概要や報告書を見ましたが、2回の学習実現状況調査の結果では、小学校5年生の算数や理科、中学校2年生の数学などで、決して満足できるものでない状況にありました。この結果については、学力の一側面であるとはいえ、大変残念な思いをしたものです。  学力に関する調査については、国においても、平成19年度から、全国の子どもたちの学力などの状況をとらえるために、小学校6年生と中学校3年生の全児童生徒を対象に全国学力学習状況調査を行い、全国と都道府県の結果について公表することを予定しております。  一部の報道では、この調査に参加しないと表明した自治体もあると伺っておりますが、私は、札幌市としてこの調査を積極的に活用し、全国との比較の中で冷静に客観的に札幌市の子どもたちの学力などの状況を把握することが必要であると考えるのです。  これまで行われきた札幌市独自の学力調査も、次年度予定されている全国的な学力調査も、その目的は子どもたちの学力の状況を把握した上で、それに基づき、指導方法の工夫改善を行い、子どもたちのために学力の向上に役立てることであります。特に、十分力がついていない子どもに対して、その子に合った指導を行い、確実に学力をつけてやることや、身についていない子どもに対しては、その力をさらに伸ばしてやることなど、子どもの実態に合った学習指導を進めていくことが極めて重要であると考えるのです。  そのためには、各学校に対して指導方法の工夫改善を徹底させ、指導の質を高めていくことが不可欠であり、そのことが札幌市の子どもたち全体の学力の向上につながるものであると確信しております。単に学力向上と言っておりますけれども、少しでも点数が上がったり、わからなかった問題が解けるようになることは、自信につながり、学ぶ喜びも身につくことだと確信をしております。  これまで、教育委員会として、学力調査の結果をもとに、指導資料などを作成して各学校に指導方法の工夫改善を指導しているとのことでありますが、私が聞いたところによりますと、中には、このような資料が出されたことを知らない学校や教職員もおり、各学校に対する周知や指導が十分とは言いがたいのではないかと思うのであります。調査はやりました、指導方法は改善もし、通知をしましたという段階でとまるのであれば学校現場と教育委員会のパイプがスムーズに流れていない状況、これは大いに問題があり、指摘をしなければなりません。  東京の品川区では、教育特区の小・中連携事業の一環として、すべての中学校において、入学してくる小学校の子どもたち、その小学校での学力調査を活用して、子どもたちに不足している学力を補うためのカリキュラムを編成するなど、学力調査を有効に活用して成果を上げていると伺っております。  学力調査などを実施して実態を把握することは大切なことでありますが、重要なのは、そのことによって、実際に子どもたちを指導する各学校が指導方法などの改善に努め、子どもたちの学力向上を図ることだと考えるのです。  そこで、質問します。  これまで行ってきた札幌市独自の学習実現状況調査の結果について、教育委員会としてどのように認識しておられるのか。  また、平成19年度から行われる全国学力学習状況調査と札幌市が独自に行ってきた学習実現状況調査をそれぞれどのように位置づけ、子どもたちの学力を把握していこうとしているのか、お伺いします。  さらには、今後、このような学力調査の結果を札幌市の子どもたちの学力向上にどのように生かそうと考えているのか、お伺いをいたします。  次に、教職員の人事評価制度の導入についてであります。  現実、子どもたちに勉強を教え、学力を身につけさせてくれるのが現場の先生たちであります。その重要な役割は今さら言うまでもありませんが、高い理想を持って教育の世界に身を投じた先生たちを、自他が的確に評価し、互いに切磋琢磨していく過程の中で、子どもたちのための指導力が養われていくものと考えるのです。  日々、一生懸命、子どもたちのために汗してくれている先生たちが大多数であることも認識をしております。先生にも千差万別があり、その能力や資質、指導力など、すべて同一のものではないのではないでしょうか。子どもたちが一人一人違うように、やる気のある先生や資質のすぐれた先生、リーダー格やサポート役など、さまざまな役割を持ちながら子どもたちの教育に当たるべきであり、客観的にその評価をし、バランスを保てる教育現場が必要であると考えるのです。  学校だけが社会全体の中で例外であることは不自然であります。残念ながら、全国に例を見ない北海道教育委員会、北教組との四六協定というものの存在は、一刻も早く全面破棄すべきであります。労使関係がさまざまな場面において足かせとなってはならないのであり、子どもたちにとってマイナスとなってはならないのであります。現実の社会の中で、さまざまな折に未来の子どもたちの育成に責任を持って取り組むために、当事者としての意志と実行を強く求めるものであります。  そこで、質問をいたします。  人事評価に関する要綱を、北海道教育委員会はことし3月31日、また、札幌市の教育委員会におきましては8月24日に制定いたしましたが、実施に必要な要領はまだ制定しておりません。早ければ年度内にも施行、実施する予定とお聞きしておりましたが、現在はどのような状況になっているのか、お伺いをいたします。  二つ目に、札幌市立の幼稚園、高等学校については、札幌市の教育委員会で独自に要領を定めて施行、実施できるにもかかわらず、いまだ実施できていない原因は何か、お伺いをいたします。  三つ目に、札幌市の教育委員会としては、いつから本格的な実施を目指しているのか、伺います。  次に、子どもの権利条例について質問をいたします。  私たちは、これまでも、子どもの権利条例が制定されることによって、本当にいじめや虐待などの権利侵害から子どもたちを救うことができるのだろうか、あるいは、条例が制定されることによって既存の施策の実践を上回るような効果があるのだろうかと、本条例の意義と成果について大いなる疑問を指摘させていただきました。  これらの指摘に対して、市長は、条例化により権利侵害からの救済がより一層図られていく、あるいは、条例化によって、市民と考え方を共有しながら、より強力に施策を推進していくことができると答えられております。しかしながら、パブリックコメントの中には、条例制定の必要性を認める意見がある一方で、否定的な意見が多々あることも事実でありました。  我が国は、国連の児童の権利に関する条約を既に批准しているものであります。そして、憲法を頂点とする法体系のもとで、子どもの権利は保障されているのであります。今なさなければならないことは、私たち大人がどう行動していくかの一点にあるのです。  条例を制定するということは、市民に対して法的拘束力を持つということであります。  しかしながら、条例素案の中でうたわれております権利の中身について検証してみますと、ごく当たり前のことをなぜ条例でうたう必要があるのだろうか、あるいは、誤解や疑問を生むのではないだろうかといった内容のものが散見されます。また、家庭のしつけや教育方針のあり方まで入り込んでしまうのではないかとさえ思われる部分も見受けられるのであります。  したがって、私どもとしましては、条例制定の必要性と内容について賛否両論がある中で、このような押しつけとも思われかねない条例を、多大な時間と経費を費やしてまでつくる必要は見出せないのであります。今しなければならないことは、国連の児童の権利に関する条約の市民へのさらなる浸透を図り、これまでの施策の実践により一層の努力を傾注していくことが最も大切なのであります。  大人も子どもも他人の気持ちを思いやる心を持つことができれば、もっと素直な言い方をすれば、みずからのわがままを少しだけ我慢することができれば、いじめや虐待は一つでも二つでも減らすことができるのではないでしょうか。いじめや虐待を受ける側の子どもたちは、する側の何倍、何十倍、あるいはそれ以上の我慢をし、つらく苦しい思いをしているはずであります。  だとすれば、大人も子どももわがままを我慢し、そして、何よりも大人である私たちが率先して一歩進んで他人の気持ちを思いやる心を持つことは、その気になれば、いつでも、どこでも、だれでもできることであります。大人が正しい姿勢を行動で示すならば子どもたちも必ずついてきます。このような市民運動を始めた方がよほど効果が上がるのではないでしょうか。
     そこで、あえて質問をいたします。  一つ目は、条例化する意義と効果が本当にあるとお考えなのでしょうか。  二つ目は、あるとすれば、その根拠はどこにあるのでしょうか、お示しをいただきたいと思います。  三つ目は、条例化によって市民と考え方を共有しながら強力に施策を推進していくことができるとのことですが、それでは、これまで実践してきた施策のどこに欠陥があるのか、お伺いをいたします。  最後に、自治基本条例について質問をいたします。  さきの第3回定例市議会で、札幌市自治基本条例が成立いたしました。我が会派では、年度当初より、この自治基本条例に関する調査を始め、議論を深めてまいりましたが、当初、市長が提示された素案にはいろいろな問題点が見受けられたのであります。例えば、条例制定の背景に少子高齢社会の中での財源不足という事態があり、これを乗り切るために市民にも覚悟を促さなければならないことがあいまいにされており、また、町内会などの地縁団体の役割を軽視する傾向もうかがわれました。  そうした問題点を打破し、真に市民のためになる条例とするため、我が会派では公明党とともに素案の修正申し入れを行ったわけであります。すなわち、町内会などが取り組んでいる地域のまちづくりをより重視すること、議会の政策形成能力の強化を盛り込むことなど、幾つかの修正を求め、これらが反映されたことで条例案に賛成したものであります。 ○議長(大越誠幸) 五十嵐議員に申し上げます。  通告時間を既に経過しておりますので、簡潔にお願いします。 ◆五十嵐徳美議員 (続)このように市長提案の条例を素案の段階から精査し、議会の考え方を反映させることも議会の政策立案活動の一つの形であり、議員提案による条例制定とともに、今後、重要になってくるものと思うのであります。  言うまでもなく、条例は、つくること自体が目的ではあらず、条例に基づく取り組みを進めていくことが重要であります。条例が成立した今、札幌市の自治基本条例が機能するかしないか、本当に市民に役立つものであるかどうか、問われていく段階に来ております。条例という形式がなぜ必要なのかについては、職員には法令や条例を遵守する義務があり、職員は条例に基づいて仕事をしなければならないことが挙げられております。しかし、自治基本条例では、情報共有や市民参加など、基本原則にしても職員の責務にしても理念的、抽象的であり、条例ができて市役所の仕事がどう変わるのか、いま一つ、市民にわかりづらいものではないでしょうか。  行政組織を統括する市長は、条例によって市の仕事の進め方がどう変わるのか、市民に見えるようにする責任があると思うのであります。  その前提として、まず、職員が自治基本条例を理解し、実践しなければなりません。他の自治体では、自治基本条例をつくったものの、職員は条例の存在自体を知らないという話もあると伺っております。これでは、何のためにつくった条例なのかわからないのであります。条例で市民がまちづくりの主体であると明記され、職員は公務員法に加え、条例でも全体の奉仕者と規定されているからには、職員にそのことを徹底していただくよう強く求めるのであります。  さらに言えば、職員は条例を理解し、条例に基づいて仕事を進めるだけでは不十分であります。条例で市民の責務としてまちづくりへの参加を求めるのであれば、まず、職員こそが市民の一人として率先してまちづくりに参加すべきであると考えます。  市民から寄せられた意見では、地域などの職員のボランティア活動を責務としてはどうかと提案されております。札幌の自治基本条例の特徴がまちづくりセンターを拠点として身近な地域のまちづくりを支援することであるならば、職員も市民として地域の活動に参加すべきことは当然であります。  この地域のまちづくりは非常に重要なものであり、条例上、一つの節が設けられておりますが、条文に書いてあるだけでは、まさに絵にかいたもち、単なる美辞麗句にすぎません。それを早急に具現化することを求めるのでありますが、しかし、まちづくりセンターが条例に盛り込まれてますます注目される中、現場で地域と労苦をともにしている所長は、これからどのように地域への支援を充実していくのか具体的な方法が示されていない中で悩んでいるのが現実ではないでしょうか。今後も、まちづくりセンターが地域の活動を一層支えるために、まちづくりセンターのさらなる機能強化や全庁的支援体制の強化が必要と考えるのであります。  こうしたことを踏まえて、最後に、4点、質問いたします。  一つは、条例に盛り込まれた内容をいつ、どのように具体化していくのか、条例ができてどう変わるのか、より具体的に市民に見えるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。  二つ目は、特に職員に周知浸透を図るため、いつ、どのような取り組みを進めていこうとしているのでしょうか。  三つ目は、職員がそれぞれ住んでいる地域でまちづくり活動に参加するよう、市として何らかの取り組みをすべきではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。  四つ目は、地域のまちづくりを支える上で、まちづくりセンターが今後のさらなる重要な役割を担っていくものと考えるとき、どのような機能を発揮していくために市全体として支援していくかということを考えておられるか、お伺いをいたします。  以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(大越誠幸) 答弁を求めます。  上田市長。 ◎市長(上田文雄) 8点にわたりご質問がございましたので、私からは、市長の政治姿勢、市民活動促進条例、財政問題、さらに子どもの権利条例についてお答えをさせていただきまして、その余は担当の副市長並びに教育長から答弁をさせていただきたいと思います。  最初に、私の政治姿勢のご質問についてお答えをいたします。  1点目の市政運営の自己評価と、それから、再重要課題は何なのかというご質問についてであります。  私は、市民が市政の主役であるという観点から、自分たちのまちのことは自分たちで考え、決め、そして行動していくのだということを市民自治というふうに言っておりました。この市民自治を根本に据えて、また、市役所は、その動きをしっかり支えていくというように改革をしていく、こういうことを最重要課題として市政運営に当たってきたところでございます。市長に就任いたしまして3年余が過ぎまして、全力を傾けて取り組んできたという自負はございますけれども、その評価については市民の皆様にご判断いただきたい、このように思っております。  次に、2点目の国とのパイプ、トップセールスについてであります。  一つ目の札幌市と国との関係、三つ目の中央への要望活動に対する考え方及び四つ目の政権与党とのかかわり方については関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。  現在、地方自治体を取り巻く財政状況というのは大きく変化をしておりますが、札幌市といたしましても、自主的、自律的なまちづくりを推進するとともに、国とも連携しながら必要な施策を積極的に進めているところであります。  毎年、定例的に行われております夏の北海道開発予算要望だとか、年末の国家予算内示の際における陳情のほかにも、個別の行政課題について、都合のつく限り、私みずから、直接、国に対して札幌市の実情をしっかりお伝えし、ご支援をお願いしてまいりました。政権与党であります自民党、公明党に対しましても、こうした姿勢は少しも変わるものではありません。今後とも、私自身が先頭に立って必要な支援が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  二つ目の東京事務所の役割、機能についてでありますが、当該事務所は、中央の関係する諸官庁、機関などからの情報収集、札幌に関する情報の発信、シティPR等を積極的に行っておりまして、その活動を通じて人脈形成を図る中で、情報の収集、発信のみならず、企業の誘致、あるいは首都圏における本市企業の販路拡大、支援なども行っているところでございます。特に、平成15年にはビジネス支援担当課長を配置いたしまして、積極的に業務展開を行うことによりまして、札幌市の得意といたします情報関連企業と首都圏企業とのビジネスマッチングというものを成功させるなど、着実にその成果を上げておるところであります。  今後とも、東京事務所は、中央の関係する諸官庁・機関などと密接に連携を図るための札幌市の窓口として機能をさせてまいりたいと考えているところであります。  次に、3点目の指導力、リーダーシップについてであります。  一つ目の行政組織の適正化、スリム化についてでありますが、少子高齢化など、社会構造が変化をし、また、今後も厳しい財政状況が見込まれる中にあって、豊かで安心して暮らせるまちづくりをしていくためには、公共サービスの担い手を見直し、多様な主体が公共を支える社会を構築していく必要があると考えております。  札幌市におきましては、これまでも、民間委託の推進や事務事業の見直しを行う一方で、行政需要の高い分野に重点的に取り組むために、適宜、機構の見直しや職員数の適正化を図り、効果的な市政運営に努めてきたところであります。  私が就任した後におきましても、市役所改革プランや財政構造改革プラン、さらには定員適正化計画を策定いたしまして、局の再編を初めとした組織体制の見直しや指定管理者制度の導入を積極的に進めるなど、簡素で効率的な市役所を目指して取り組みを進めているところであり、今後とも、事務事業のさまざまな状況の変化に対応しながら、公共サービス全般について不断に見直しを行っていく必要があると考えているところであります。  二つ目の組合旗についてでありますが、申請、許可という行為がなされずに、かつ、掲出した責任者が判明している場合には、団体や個人を問わず、みずからが責任を持って撤去することが適当であるとの判断に立ちまして、速やかに撤去するように文書で警告をしているところであります。今後とも、庁舎管理規則に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、4点目の町内会・自治会に対する認識についてであります。  一つ目の私の町内会活動についてでございますが、自宅のあります西野には20年以上前から住んでおりまして、転居しましてすぐ町内会には加入をし、この間、町内会の副会長や、その仕事として街路灯を調査をする役員などの仕事も経験させていただいているところであります。また、班長や葬儀の手伝い、福まちなど、私の家族であります妻も含めてさまざまな活動にかかわってきておりまして、町内会の重要性や、その地域活動における貢献度の高さといったものについては十二分に認識をしているところでございます。  二つ目の町内会活動に対する認識と財政支援についてでありますが、町内会は、全世帯の約4分の3が加入しておりまして、各地域の個性を発揮しながら、福祉や環境美化、防犯、防災からスポーツ、文化活動に至るまで、生活のあらゆる分野にわたって活動されているわけでありまして、札幌市のまちづくりにとって欠くことのできない重要な存在であるというふうに認識をしているところであります。  また、この2年間でまちづくりセンターがかかわりました新たな活動事例は400近くに及んでおりますが、町内会はその大半に参加をしておられまして、もっと住みよい地域づくりのために今後ますます大きな役割を果たしていただけるものと期待をしているところであります。  こうした認識から、このたびの簡易保険制度の問題にありましては、札幌市としても継続に向けてさまざまな支援を行ってまいりましたけれども、最終的には残念な結果に終わり、今後、収入減により町内会活動に影響が出ることを非常に懸念しているところであります。したがいまして、議員ご提言の趣旨や町内会活動の重要性、課題等をしっかり踏まえて、具体的にどのような財政支援が効果的なのかについて前向きに検討し、新年度予算へ反映してまいりたい、このように考えておるところであります。  次に、市民活動促進条例についてお答えをいたします。  1点目の市民活動団体の活動に対する評価、検証についてであります。  町内会、自治会は、先ほどの答弁のとおり、生活のあらゆる分野にわたって活動しておりまして、地域においてかけがえのない存在と評価をしているところであり、今後とも札幌のまちづくりにとって極めて重要な役割を果たしていくものと受けとめております。また、ボランティア団体やNPOは特定のテーマに基づく活動を通じてまちづくりの一端を担っておりまして、この4年間で社会福祉協議会の登録ボランティアが2,000人以上増加し、3万人を超えたことだとか、NPO法人が2倍以上になり500団体を超えているというようなことからも、その活動がますます活発化しているものと認識をしているところでございます。  2点目の市民活動団体の活動への札幌市の施策に対する評価と検証についてでございます。  これまで、町内会、自治会への支援については、住民組織助成金の交付、まちづくりセンターによる支援、元気なまちづくり支援事業などを行ってまいりましたところ、その活動がより一層広がりを見せているものであります。一方、NPO等への支援については、市民活動サポートセンターの設置によりまして、センターへの登録団体が平成15年オープン当初の641団体から現在1,700団体に達しているとともに、会議コーナーの稼働率というのが約85%までに至っておりまして、活動の中で会員がふえ、法人格を取得したり、あるいは、自立して自前の事務所を持つまでになったりするなど、着実に成果を上げているところでございます。  これら施策を検証した結果、情報、人材の育成、活動の場、資金、この四つの支援策が市民活動には重要である、これらをより一層総合的に展開していく必要性を強く認識したものでございます。  3点目の議論を深める時間が必要ではないかということについてでございます。  市民活動促進条例に関する議論では、8回の市民会議、2回のワークショップ、市民3,000人、市民活動団体1,700団体、企業1,000社のアンケート調査に加えまして、商店街関係者、ボランティア団体、青年会議所等との意見交換を行い、これらのご意見等を踏まえて条例素案を作成した経緯がございます。条例における基金や市民活動促進テーブルの内容につきましては、パブリックコメントの中で、解説を付した上で市民の皆さんに公表し、その後いただきました406件のご意見を参考にこのたびの条例案をまとめたものでございます。このような経過を踏まえて、条例案については今定例会に提案をさせていただいたものでございます。  次に、財政問題についてお答えをいたします。  1点目の公共事業費削減の影響と財政構造のあり方についてでございます。  まず、公共事業費の削減についてでありますが、札幌市におきましては、計画的な整備による都市基盤水準の高さや現在の極めて厳しい財政状況から、公共事業費などの臨時的経費については引き続き選択と集中を図っていくことが必要である、このように認識をしているところであります。  公共事業の量的な確保も必要なことではありますけれども、それを安易に積み増す政策は適切ではないものと考えております。  一方、結果として建設業を初めとする地域経済への影響は少なくないというふうに想定されますことから、用地取得費を中心に抑制を図ることとして、建設業者などが受注する工事請負業につきましては、できる限り緩やかな削減となるように配慮するとともに、事業の実施に当たりましては、発注方法を工夫するなど、これまでも地元中小企業の受注機会の確保を図ってまいったところでございます。  削減をいつまで続けるのかというご質問でございますが、国におきましては、景気回復を受けて大幅な税収がふえることが見込まれておりますものの、それを歳出増ではなく将来の国民負担の軽減に向けるということとしておりまして、大部分を国債の新規発行抑制や早期償還に充てる方針というふうに聞いているところであります。  札幌市におきましても、今後、市税収入の増加などが見込まれる場合には、市債発行の抑制など、将来にわたって健全な財政状況を維持できるような方策を基本としていくことが必要である、このように考えております。  したがいまして、当面、公共事業費が大幅に増加する状況にはならないというふうに認識をしておりますけれども、重点的な財源配分を必要とする事業につきましては、引き続き配慮をしつつ、今あるすばらしい社会資本を十分に使いこなし、札幌市民が心豊かに過ごすことができる文化と誇りあふれるまちづくりを進めてまいりたい、このように考えているところであります。  理想とする財政構造ということでございますが、これは、歳入においては自主財源が豊かで、歳出においては扶助費などの義務的経費の比率が低い、いわゆる弾力性の高い財政構造が望ましい、これはそのように考えております。その実現に向けては、税財政制度の抜本的な改革とあわせまして、札幌市といたしましても、扶助費の適正な執行や市債の適正な管理などによりまして義務的経費の伸びを抑制する必要があるものと認識をしております。  また、公共投資につきましても、新規の投資は引き続き重点化していかなければなりませんけれども、一方で、施設の長寿命化を図ることなどによりまして、今後増大する維持・更新に係る財政需要にはきちんと対応できるようにしていかなければならない、このように考えております。  次に、2点目の市税及び国民健康保険料等の収納対策についてであります。  まず、18年度における収入率の目標達成見通しについてお答えをいたします。  市税についてでございますけれども、定率減税の縮減など税制改正の影響もありまして厳しい環境にはありますけれども、財政構造改革プランに定めます94.7%の目標収入率が達成できるよう全力で取り組んでまいりたいと考えているところであります。  また、国民健康保険料についてでございますが、収納率については、平成15年度より改善傾向にありまして、現年度一般分については、平成17年度は0.8ポイント改善し、本年度は10月末で昨年と比べまして1ポイントの向上となっているところであります。目標収納率82.1%の達成に向けまして、今後とも一層の努力を重ねてまいります。  次に、債権管理業務についてでありますが、効率的な債権回収を行うための一つの方法として債権の一元管理についてご意見をいただき、これまで課題の整理を行ってきたところでございます。その実現に当たりましては、現在、個別の債権ごとに構築をされておりますシステムの統合問題、さらには税や国保など、さまざまな債権に精通した人材を育成して市民への説明責任を果たしていかなければならないなど、検討すべき課題が多くございます。  今後につきましては、引き続きこうした課題について検討するとともに、収納率の向上は重要な課題でありますので、現在取り組んでいる収納率向上策を強力に進めていきたいと考えております。  次に、子どもの権利条例についてお答えをいたします。  まず、1点目、2点目の条例化する意義と効果及びその根拠につきまして、関連がありますので、一括してお答えをいたします。  この条例を制定する意義、効果といたしましては、市民全体に子どもの権利の理解促進が図られること、子どもの意見、参加が配慮された子どもに優しいまちづくりが進められること、自分で考え、判断し、自分の行動に責任が持てる自立した社会性のある大人への成長、発達が図られること、さらに、子どもの権利侵害からの救済の制度を速やかに設けることによりまして、迅速で効果的な解決が図られることなどを掲げることができると思います。  ただ、この条例は、札幌の子どもが置かれている状況に基づいて子どもの権利保障に関する基本的な理念を明らかにするものでございますので、将来得られる効果について、その根拠を具体的に示すということはなかなか難しいものと考えております。  私は、この条例の理念が札幌市全体に広がり、市民及び市が一体となって子どもの権利の保障を進めることは、将来を担う子どもの健やかな成長、発達にとって極めて有効なものであり、市民自治によるまちづくりを実現するためにも意義があるものと確信をいたしているところでございます。  次に、3点目のこれまで実践してきた施策についてでございます。  すべての子どもはかけがえのない存在であり、家庭、学校、地域など子どもが生活をするあらゆる場面で毎日を生き生きと過ごし、自分らしく伸び伸びと成長、発達することは市民共通の願いであります。このことから、これまで札幌市では、平成6年に子どもの権利条約が批准されて以来、子どもの権利の理念に関する普及啓発や、子どもが参加し、体験をするといった実践的な取り組みを行うなど、常に子どもの幸せとは何かを判断基準といたしまして、さまざまな施策を講じてきたところでございます。  私といたしましては、子どもにとってよりよい環境となるよう、これまで実施してきた施策をさらに強力に推進するために条例を制定したいと考えているところでございます。  私からは、以上でございます。 ○議長(大越誠幸) 小澤副市長。 ◎副市長(小澤正明) 私から、2点についてお答えをいたします。  まず、経済対策の1点目、知的クラスター創成事業についてであります。  一つ目の5年間の事業成果と札幌市IT産業クラスター形成に対する効果についてでありますが、事業成果といたしましては、研究開発関連では、平成18年9月末現在で国内特許出願件数が46件、意匠出願11件、外国特許出願7件の合計64件が特許意匠として出願をされております。さらに、試作品40件を初め、農園監視システムや倉庫内温度・湿度監視システムなどの新商品が8件、製品の使いやすさを検証するユーザビリティーラボ開設など新事業5件のほか、新たに3社が起業して既に6,100万円の売り上げを上げるなど、相応の成果を上げてまいりました。  また、IT産業クラスター形成に対する効果につきましては、研究開発の成果活用により誕生した物づくりプラットホームが、地域のユーザー産業である農業、観光、食品、バイオ、医療、福祉などの分野において新製品の創出や高付加価値化に大きく寄与し、持続的なITクラスターの形成が促されたものと考えております。  二つ目の新たな支援メニュー等を活用した事業成果の発展についてでありますが、ITカロッツェリア構想の成果を活用した事業を推進し、継続的な支援を行うことの重要性は十分認識をいたしております。したがいまして、北海道が検討を進めている文部科学省の後継事業との連携のほか、札幌市といたしましては、経済産業省の施策やITを活用した民間等の取り組みも視野に入れながら、その成果の発展的活用を図ってまいりたいと考えております。  三つ目のさっぽろ産業振興財団が中心的な役割を果たすことについてでありますが、知的クラスター創成事業は、これまでノーステック財団が推進機関となり、同財団内に設置された知的クラスター本部の強いリーダーシップのもとで進められてきたものであります。今後、事業成果を発展させていくためには、札幌ITカロッツェリア構想の成果とノウハウを蓄積したノーステック財団と札幌市の産学官連携の中核的役割を担うさっぽろ産業振興財団が相互に協力していくことが必要不可欠であり、今後、事業を推進するに当たっては、両財団の密接な連携、活用を念頭に進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の建築物環境配慮制度についてでありますが、この制度は、東京、大阪、名古屋など、本州の主要な都市で既に導入されておりますが、寒冷地においてこの制度を導入するのは札幌市が初めてでございます。  札幌市におきましては、冬期間の暖房エネルギーの消費が大きいという寒冷地に特徴的な温暖化対策上の問題を抱えておりますので、制度の導入に当たりましては、このような寒冷地における環境配慮上の諸問題に対応した制度の構築を検討しているところであります。また、制度を着実に進めていくためには、寒冷地に培われた建築関連技術が生かされることが必要であると考えておりまして、地場産業がそれぞれに有する技術やノウハウを生かし、この制度を通じて、さらにビジネスの場を広げていくことを大いに期待をするものでございます。  次に、少子化対策についてお答えいたします。  1点目のさっぽろ子ども未来プランの基本的視点についてでございます。  未来プランは、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画でありまして、その目指すところは、国や事業主、そして市民などと役割を分担し、連携しながら、子どもを産み育てやすい社会、子どもに優しいまちづくりを実現していくことにあります。したがいまして、そのような地域社会を実現していく中で、結婚をしたい、子どもを持ちたいと考える多くの人々の思いがかなうようになれば、おのずと急速な少子化の傾向に歯どめがかかるものと考えております。  2点目の札幌市の生産年齢人口の減少についてでございますが、国の推計にもありますように、当面は少子化傾向が続くと思われますので、議員ご指摘のような生産年齢人口の減少への対策は、労働力の確保といった視点からも大きな課題であると受けとめております。  そこで、その対策としましては、若者の就労支援の推進はもとより、これまで以上に高齢者や女性、障がいのある人などが、それぞれの能力や意欲に応じて社会を支える役割を担っていくことが重要な解決策であると考えております。そのためには、雇用、労働システムの見直し、教育訓練や環境整備などに、行政だけではなく、社会全体が取り組むよう進めていかなければならないものと考えております。  そこで、先般の市長と札幌商工会議所会頭との会談を受けて、ワーク・ライフ・バランス、つまり、仕事と生活の調和が実現できる労働環境の整備に向けて経済界との取り組みを始めておりますが、企業にとってこの取り組みを進める最大のメリットであり必要性は、まさに生産年齢人口の減少が進行する中での人材確保にあります。そういったことから、経済界との連携のもと、まずはワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組みについて、市内企業への実態調査を行うとともに、事業主の方にご理解をしていただくための情報誌の作成やフォーラムの開催など、今後もさまざまな取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(大越誠幸) 加藤副市長。 ◎副市長(加藤啓世) 私から、自治基本条例についてお答えいたします。  1点目の自治基本条例に盛り込まれた内容をどのように具体化していくかについてでありますが、年内にも庁内に市民自治推進本部を設置し、全庁一丸となった取り組みを強力に進めてまいりたいと考えております。この推進本部では、情報提供や市民参加手法の改善、新たな手法の検討などを行いながら、全庁的な基準やモデルづくりを進め、市役所からの情報がわかりやすくなった、意見が出しやすくなったと市民に実感していただけるような取り組みを展開してまいりたいと考えております。  2点目の職員への周知、浸透を図るための取り組みについてでありますが、条例を具体化していくためには、職員一人一人が市民自治を支える役割があることを自覚し、市民とともにまちづくりを進めていく姿勢を身につけることが重要であります。そのために、職員向けのニュースレターや条例解説の作成、職場ごとの研修はもちろん、職員みずからがパソコンで学習できるeラーニングの活用などによって全職員への浸透を図ってまいりたいと考えております。  3点目の職員のまちづくり活動への参加を促す取り組みについてでありますが、町内会やPTAの活動に職員がかかわっていることはよく耳にしております。こうした経験は、職員が市民の視点を身につけ、仕事の幅を広げていく上でも大きな意義がありますので、今後も町内会を初めとするさまざまなまちづくり活動への参加を職員に呼びかけてまいりたいと考えております。また、昨年度からは、退職を控えた職員にもセミナーで地域活動への参加を勧めております。  4点目のまちづくりセンターに求められる機能と支援についてでありますが、市民自治によるまちづくりを進めていくためには、身近な地域の活動を支援していくまちづくりセンターのコーディネート機能はますます重要になってくるものと考えております。  区役所では、これまでも、関係各部がプロジェクトをつくるなど、まちづくりセンターをバックアップしていく体制をとっておりますが、区が直接所管していない課題や複数の分野にまたがる課題につきましては、本庁関係部局のさらなる連携強化が必要と考えております。こうしたことから、関係部局でチームをつくり迅速に対応する体制を整えるほか、課題に応じて専門家を派遣する制度を整備するなど、これまで以上にまちづくりセンターへの支援を強化してまいりたいと考えております。
     以上でございます。 ○議長(大越誠幸) 松平教育長。 ◎教育長(松平英明) 私から、教育問題につきましてお答えを申し上げます。  まず、1点目の学力向上についてであります。  初めに、札幌市学習実現状況調査の結果に対する認識でございますが、これまでの調査結果を見ますと、学習の状況につきましては、おおむね期待した数値の範囲内にあり、ほぼ学習内容は定着しているものと考えておりますが、幾つかの教科や領域で基礎的な知識、理解が十分とは言えないなど、改善を図るべき課題が明らかになっていると認識をしております。  次に、全国学力学習状況調査と札幌市独自の学習実現状況調査の位置づけについてでございます。  札幌市といたしましては、児童生徒の学習の実態を把握する必要があると考えまして、平成16年度から本市独自の調査を実施してきたところでございます。このたび、国においても、平成19年4月から、全国のすべての小学校6年生と中学校3年生を対象に、国語、算数、数学と学習意識についての調査をすることが明らかになっております。  このような中、本市といたしましては、児童生徒の学力を全国との関係でとらえ、指導方法の工夫改善に役立てることは重要と考え、本市の調査と重複をします教科や意識調査につきましては国の調査を活用することとし、この調査に含まれない社会、理科、英語については、今後も、本市として児童生徒の状況を把握するため、3年に一度、独自の調査を継続する予定でございます。  続いて、学力調査の活用についてでありますが、教育委員会といたしましては、これまで学習実現状況調査の結果について詳細な報告書を作成、配布するとともに、指導方法の改善に向けた指導資料等を全学校に配布するなどいたしまして、各学校における学習指導の充実に努めてきたところでございます。  今後は、札幌市教育研究推進事業等において具体的な改善策を取り入れた事業展開を工夫するなど、実践的な取り組みを一層徹底するとともに、各種研修会や各学校への個別の指導・助言を通して指導内容や方法の改善が図られるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、2点目の教職員の人事評価制度でございます。  まず、評価制度に係る現在の状況についてでございますが、小・中・養護学校につきましては、北海道教育委員会において、本年3月31日、市町村立学校職員の評価に関する要綱を策定いたしまして、この要綱に基づき、評価項目や様式等の具体的な内容を定めます要領案について、教育関係団体から意見を聞きながら、現在、施行に向け検討中であると聞いているところでございます。  札幌市教育委員会といたしましては、この道教委の要領案の制定を受け、施行していきたいと考えているところでございます。  また、市立の幼稚園、高等学校につきましては、本年8月24日、市立高等学校及び幼稚園に勤務する職員の評価に関する要綱を制定いたしまして、過日、実施の細部を定める要領案を教育関係団体に提示したところでございまして、今後、その意見等も聞きながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、市立の幼稚園、高等学校について、いまだ施行できていない原因についてでございますが、幼稚園、高等学校職員の勤務条件というものに関しましては道の条例を準用しておりますこと、また、人事交流などもありますことから、これまで、道教委と連携を図り、道に準じた評価制度の検討を進めてきたことによるものでございます。  札幌市といたしましては、今後も道教委の状況を見ながら、できる限り早期に実施できるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、本格実施の時期についてでございますが、道教委の勤務評定に関する計画の策定の後、その内容を踏まえ、速やかに施行した上で、道教委が予定してございます平成20年度の本格実施を目指しまして札幌市としても鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。  (五十嵐徳美議員「議長」と呼び、発言を求む) ○議長(大越誠幸) 五十嵐徳美議員。 ◆五十嵐徳美議員 幾つかにわたって再質問をさせていただきますが、市長の政治姿勢の部分で、市長は、評価について市民の皆様にご判断をいただきたいというように答弁されましたが、いつ、どのような形で市民は判断すればいいのか、お示しをいただきたいと思います。  それから、私は、この3年半の市政運営において最重要課題は何かとお尋ねしましたところ、市民が主役であるという観点から、自分たちのまちのことは自分たちで考え、決め、行動していくというふうに市長は答弁をされました。  これが重要課題であると市長がもし判断をされているのであれば、それは課題ではなくて市政を運営する手法であるというふうに判断をします。市政を運営する上での課題は、例えば、私が質問の中で話したように、これだけ経済が冷えている、全国に比べて札幌市は経済的に低いと。例えば、そういうことが課題であったり、さらには、0.98になる少子化が札幌市を運営していく上で課題であったりとか、そういう課題を解決していくことの手法として、私たちがみずから考え、市民とともに考えて行動していくその手法が必要だと言うのなら話はわかるのですが、それが重要課題であるというふうに市長が認識をされているということは、ある意味では、課題解決のため、市役所が機能する状況に市長が使っていないというふうに判断せざるを得ないのかなと思います。  この辺、これから札幌市を運営するための本当の課題はどうなのかという認識が全くないということは非常に問題であるというふうに指摘をしますけれども、どのようにお考えになりますか。  それと、組合の旗は違法なのですか、適法なのですか。みずからの判断で撤去を求めるという前に、違法であれば、設置をさせないということが本来のことであるかと思うのですけれども、市長、違法ですか、適法か、判断を示してください。  そして、最後になりますけれども、自治基本条例は、何度も話が出ていますように、まちづくりの最高規範であるということを認識をいたしました。その条例の条文の中に市民活動を促進するものを別に定めるとなっていますから、改めて、委員会の議論の中でもいろんな問題点が出てきているのです。そして、この条例案が提出される段階においても、さまざまな部分において、理事者側から、明快にこういった運用をするということの答えがまだ出ないまま条例案が出てきております。  理念条例であればわかるんですが、実施するための条例としては余りにも不完全な形で条例案を出すということについて、改めて、市長はどう考えるか、お答えください。 ○議長(大越誠幸) 上田市長。 ◎市長(上田文雄) 評価について、いつ判断したらいいのかということでございます。  私は、今、6月まで任期をちょうだいしておりますので、私の任期中にやったすべての行動が評価の対象であるというふうに考えますので、どの時点で評価されても、それは市民が判断することですから、私がどの時点だけ見てくれとか、この時点で判断してくれと言うべきものではないというふうに思います。  それから、市政にとっての課題とは何なのかと。もちろん、ご指摘のように、世の中は大きく動いていて、札幌市が抱えている問題というのは、これはどこのまちでもそうでありますが、特段、経済的に厳しい状況にある。それは、札幌市の特色といいますか、産業構造といったものに照らして当然の課題であるというふうに言うことができると思います。  ただ、私が一番大きな課題だと言っていたのは、だれかが頑張ればいろんな閉塞した状況を打開することができるかというふうに考えたときに、やはり、それを解決していくのは市民の力がないとだめなのだ。市役所だけが頑張ってもだめだし、経済界だけが頑張ってもだめだし、市民が全体を支えていく、変えていくという力にならなければいけないのだということを私は申し上げているわけであります。  もちろん、今までも、市民自治ということは、当然、地方自治法にもありまして、戦後、ずっと地方自治の道をたどってきたという歴史はありますが、とりわけ今、時代の転換期にあるという時代認識の中で、市民が力を持たなければいけないのだと。これはやはり、手法ではあるけれども、その手法を確立するための課題でもあるのだというふうに私は考えて、そのように物を申し上げているわけであります。  組合旗が違法かどうか。これは、違法ということの意味合いの問題でありますが、庁舎管理規則というのがございます。これには抵触をしている、違背をしているという意味で違法だというふうに言うことができると思います。  それから、自治基本条例と市民活動促進条例が不完全である、これは評価の問題であるというふうに私は思います。どの条例も、あるいは法律も、条約もそうでありますけれども、完璧に具体的なものを示すということまでは至らないわけであります。ですから、この条文の中で描いた構造といったものをどのように制度化するかというのは、実施の段階で考えるべきことだと私は考えておるところでございます。  (五十嵐徳美議員「議長」と呼び、発言の許可を求む) ○議長(大越誠幸) 五十嵐徳美議員。 ◆五十嵐徳美議員 議会を通じて、こういったさまざまな判断の違いを議論するということになりますが、一つだけ明確になったのは、庁舎前の組合の旗は違法であるということだけは確認しました。  議論の余地はないんですね。違法ですから、組合に対して旗を立てるなと言うだけの話なのに、みずから責任を持って撤去せよということはどういったものか。改めて、そういう認識がとっても恥ずかしい、札幌としてですよ。組合活動は否定しません。でも、それをにしきの御旗として、赤い旗を出し、期間になったから外しましたと。その期間、文書を出している。そうではなくて、市長、あなたのリーダーシップで、組合には旗を立てるな、立てさせませんと。大したことではないと思われるけれども、これが大きな問題であるというふうにも指摘をします。  市長、組合に対して旗を立てさせないと明言してください。 ○議長(大越誠幸) 上田市長。 ◎市長(上田文雄) 違法かどうかという問題に関しましては、先ほど申し上げましたように、庁舎管理規則から言うと、それが手続が合っていない、そういう意味で違法であるというふうに申し上げました。その違法な状態ができたときに、どのように適法な状況に戻すか、この方法としてはいろいろあるだろうというふうに私は考えております。  これは、私の時代だけではなく、前市長の時代も、あるいは前々市長の時代も、札幌市の歴史の中で語られるべきことであるというふうに私は思いますが、そんな中で、私の方法といたしましては、私は、これは文書できちんと、これは総務局長名で……(発言する者あり) ○議長(大越誠幸) 静粛に願います。 ◎市長(上田文雄) (続)総務局長名義で組合に撤去してほしい、しなさいということは申し上げておりますので、そういう手続をとらせていただきます。  あらかじめ立てるなと言うのは、立てるかどうかもわからないときに言うことはできない、こういうふうに思います。 ○議長(大越誠幸) ここで、およそ30分間休憩します。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後2時52分      再 開 午後3時26分  ―――――――――――――――――― ○副議長(猪熊輝夫) これより、会議を再開いたします。  代表質問の続行であります。  林家とんでん平議員。  (林家とんでん平議員登壇・拍手) ◆林家とんでん平議員 私は、民主党・市民連合を代表して、今定例会に上程されました諸議案並びに当面する市政の諸課題について、順次、質問をいたします。  その前に、去る11月18日、北海道日本ハムファイターズの44年ぶりの優勝を祝う優勝パレードが、同実行委員会によって主催され、市内外からの14万3,000人の方々が、沿道及び周辺のビルの中から選手へ、また選手から参加者へ、感謝のエールが交互に交わされました。当日は、約3,000人を超えるボランティアの皆さんによる早朝からの警備、また、商店街は荷物の搬入を早朝から済ませるなど、協力をいただきました。また、パレードは大きな混乱もなく、事故もなく進行し、終了後、ボランティアの皆さんと一緒にパレードの観覧者が、紙吹雪、そしてごみなどを拾う光景が至るところで見られ、まさに、市民・企業・行政が一体となって取り組んで展開されたことは、上田市長が市民とともにまちづくりを進める姿勢が市民に浸透し、具体化されつつあると考えています。ぜひ、こうした成果、課題を今後さまざまな取り組みに生かしていただきたいと思います。  改めて、北海道日本ハムファイターズ優勝パレード実行委員会やボランティアの皆さんに、心から敬意を表したいと思います。  まず最初に、これまでの上田市政についてお伺いをいたします。  思い返すと、3年6カ月前、市長は、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれるまちづくりを目指して、44年ぶりの民間出身の市長として市政運営を始めました。徹底した対話、決断で、安全・安心の札幌、誇りと思える札幌の実現を目指して、市民が主役のまちづくり、市民のための市役所への改革を進め、市政運営の土台づくり、そして、経済対策、観光振興、福祉、芸術・文化、スポーツ、人づくりなど、積極的にまちづくりを進めてきました。  しかし、この3年半は地方に厳しい時代でありました。小泉改革は、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にということを基本理念に掲げ、いわゆる米国流の市場原理主義で改革を断行したのであります。当然のことながら、三位一体改革は、地方を直撃し、地方自治体にとって財政対策は市政運営の重要なところになったのであります。  上田市長は、就任後、すぐに市役所改革、行財政改革に着手し、特に職員数については、職員の理解を得ながら、1,000人の定数を見直し、出資団体の改革にも着手しました。持続可能な財政構造への転換を目指した財政構造改革プランを作成し、これを着実に実施しました。それにより、戦後初めて起債残高を減少させるなど、硬直化した財政構造を改善へと導いたことは特筆すべき点であります。  一方、公共事業を削減し過ぎではないかという声もありますけれども、札幌市は、政令指定都市中、下から3番目に低い財政力にもかかわらず、普通建設事業費の削減率は、財政力の高い川崎、横浜、大阪などとほぼ同水準の削減率にとどめております。道路、街路、公園など、開発予算の工事請負費は、わずかではありますが、ここ数年、増加をしております。財政状況が苦しい中でも、地元中小企業にも配慮した市政運営をしているところであります。また、将来のまちづくりに必要な公共事業については、しっかりと市民と論議を行い、注意深く見きわめながら、道都札幌にふさわしい風格を備えたまちづくりを進めていることについても、評価をしているところであります。  いずれにしても、小泉改革後の日本には、格差の拡大と固定化で寒々とした状況が広がり、人々はいら立ちを募らせています。その意味で、今ほど、節度ある政治と経済や、分権時代にふさわしい市民自治が強く求められるときはありません。このためにも、地方自治体の役割は重要です。  上田市長におかれましては、一人一人の市民が人間として尊重される社会をつくり出していくために、市民にとっても身近な市民市政の実現を目指して、これからも力を尽くしていただきたいと思います。市長とともに、札幌のまちづくりを進めてきた我が会派としても、来春、統一地方選挙がありますけれども、また、上田市長とともに、市民の力が存分に発揮される札幌のまちづくりを進めたいと切望しています。  市長の任期も、残すところ、あと6カ月となりました。そこで、この3年半を振り返り、これまでの上田市政の成果と現状について、市長のご所見をお伺いいたします。  次に、財政問題についてお伺いをいたします。  質問の1点目は、2007年度予算編成についてであります。  最近、我が国の経済は、企業部門の好調さが続き、民間需要に支えられて景気回復が続いていると言われておりますが、札幌市においては、明るい兆しは見られず、総じて全体的な水準は低く、なお予断を許さない状況にあります。また、札幌市の財政状況については、国、地方を通じた極めて厳しい財政状況を背景として、04年度策定した財政構造改革プランに基づく取り組みを進め、273億円の効果を上げたものの、市の中期財政見通しによると、来年度も155億円の収支不足が発生することになっており、依然として厳しい状況にあると思います。  07年度予算につきましては、来春、市長選挙が控えていることから、義務的経費や従来からの継続的な事業を中心とした骨格予算編成になるものと聞いており、先日公表された07年度各局予算要求状況を見ても、7,799億円と、要求段階とはいえ、前年度比マイナス0.5%であります。今後、さらに内容が精査されていくことを考えると、前年度予算を下回る規模になることはまず間違いはないと考えています。  私は、骨格予算といえども、厳しい地域経済への対応や少子化対策、あるいは、市民生活の安全・安心を高める施策など、待ったなしの課題については積極的に盛り込んだ骨太の予算にすべきと考えますが、今後、来年度の予算についてどのような考え方で編成をしていくのか、お伺いをいたします。  質問の2点目ですが、住民参加型市場公募債についてであります。  市債は、多額の財源を必要とする事業について、財政負担の平準化を図るとともに、将来、便宜を受ける後世代の住民に負担を求めることで世代の公平さを図るなど、まちづくりを進める重要な手だてであります。  本市は、ライラック債、スズラン債など、いわゆる住民参加型市場公募債を、02年度7月、初めて発行して以来、本年7月までに計8回、金額にして195億円を発行しております。これまでは、毎回、募集期間中に完売となっており、特に本年7月発行のライラック債は、発売当日に全部売り切れるなど好評であると聞いています。  この市債については、調達した資金の使い道を、毎回、明示して募集を行い、本年7月のライラック債では、義務教育施設の整備に充てられました。すなわち、購入した市民は、自分のお金の使い道を直接知ることができる。このように、住民参加型市場公募債は、市民の市政への参加意識を高める極めて有効な手段であることになっています。  しかし、ライラック債、スズラン債など住民参加型公募債は、残念ながら、まだ市民によく知られていないのではないかと思われます。今年度発行したほかの団体では、売れ残りが発生するなどの例があったとも聞いておりますが、私は、住民参加型市場公募債を充実させるべきと考えています。  そこで、質問ですが、本市では、この住民参加型市場公募債の発行を今後どのように考えているのか、お伺いいたします。  次に、市民活動促進条例についてお伺いをいたします。  今定例会に提案されました札幌市市民活動促進条例案につきましては、これからの札幌のまちづくりを支える町内会、ボランティア団体、NPOなどによる公益的な活動を、この条例により、札幌市が支援していこうとするものであります。  市民活動促進条例については、昨年8月に市民会議を立ち上げ、8回の会議を開催し、さらには、地域での2回のワークショップ、それから、札幌青年会議所との意見交換会を経て、ことし5月に、市長に対し、条例の制定に向けた提案書が出されました。5月から8月にかけて、一般市民3,000人、市民活動団体1,700団体、市内の企業1,000社などに対し、提言についてのアンケート調査を行った結果、条例の必要性や条例の柱となる情報、人材の育成、活動の場、資金の四つの支援など、条例の基本的な考え方について理解を得たところであります。  一方、9月の市長記者会見で、上田市長は、提言にあった1%支援制度について、評価をしつつも、制度上の課題があることに加え、市民や議会の中にも慎重な意見があることから、当面は導入しないという最終的な判断をしたところであります。  このように、提言が出されてから、市民アンケート調査や議会の議論、さらに、条例素案がまとめられた後も議会での論議、そしてパブリックコメントを実施するなど、多面的な議論と検討を行ってきました。この半年間を振り返ると、議会において厳しい審議がなされるなど、必ずしも順調に推移したわけではありませんが、さきに行ったパブリックコメントの結果に至るまでの多くの意見や議論を踏まえながら、この条例案は市民の皆さんに支持されてきたものと考えているのであります。  その結果、今議会に提出された市民活動促進条例案は、市民活動を総合的に支援していく内容となっているのであります。その中でも、特に資金的支援を具体化するための仕組みとして、市民活動促進基金の設置が盛り込まれております。この基金を核として、寄附文化の育成を図っていくことでありますが、このような寄附文化の育成という規定は、市民活動促進テーブルとともに、ほかの都市の条例にはない、札幌らしい特徴となっています。  この基金は、市民が市民を支えるという条例の趣旨に合致することから、基金を通じて、市民・事業者・行政が一体となって市民活動を支えていくという機運が盛り上がっていくことを期待するものであります。ただ、期待するがゆえに、市民活動を促進していくのに本当にふさわしい資金であるためにはどうあるべきかということを考えることが必要です。  そこで、質問ですが、市民活動促進基金を設置するメリットについてお伺いをいたします。  2点目は、寄附を促す仕組みについてであります。  寄附は、寄附者にとって形を変えた市民参加となるとともに、寄附を受けた団体にとっては、寄附者から支えてもらっているという実感を得ながら活動を続けていく力がわくなど、両者に一体感が生じて、ともにまちづくりを担うという気持ちになっていくと思うのであります。  そこで、質問ですが、市民や事業者から、寄附が基金を通して市民活動に助成された結果、寄附者が寄附をしたという満足感を得て、次なる寄附をという意欲を持つような仕組みづくりをどのように考えているのか。また、この条例では、市民との協働が盛り込まれておりますが、今後、基金の運営や寄附文化の育成に当たり、市民、事業者との協働の取り組みについてどのように考えているのか、あわせてお伺いをいたします。  3点目に、市民活動促進基金に伴う助成のスケジュールについてお伺いいたします。  資金については、国、北海道、札幌の調査において施策として一番求められている支援であることから、多くの団体にとって市民活動促進基金の設置が待たれているところであります。  しかしながら、この条例は、来年の4月1日の施行となっており、その日から市民や事業者から寄附を集め、寄附が一定程度基金に積まれ、助成の募集をかけ、審査し、選考するとなると相当の期間がかかり、19年度中には助成が困難ではないかと懸念をしています。  そこで、質問ですが、市民活動促進基金は多くの団体にとって待ち望まれている制度であることから、早急な助成が必要と考えますが、寄附から助成までに至る具体的なスケジュールについてお伺いをいたします。  次に、職員発表会である元気の種コレクションについてお伺いをいたします。  市長は、職員の意識改革、組織風土の改革を進める一環として、職場の業務改善事例や職員の創意工夫など、全庁的に情報を共有するため、職員発表会、元気の種コレクションを昨年から実施しています。ことし、去る10月31日に第2回目が開催され、いずれも拝見させていただきましたが、市民の視点から、接遇のレベルアップを目指すマニュアルづくりの取り組み、本庁舎の案内表示を市民にわかりやすく変更する提案、これまでの方法を見直して経費を削減した改善事例など、29件が報告されました。  私が住んでおります豊平区からも、「あなた、それでも職員ですか!」という、どきっとするフレーズをテーマにして仕事のマニュアルを作成した取り組みを若手職員が発表したり、公園の利用マナーの取り組みについて、笑いを取り入れながらベテラン職員が報告を行ったり、豊平区のマスコットキャラクター、こりんとめーたんも応援に駆けつけるなど、にぎやかな発表会が行われました。そのほかの発表においてもさまざまな工夫が満載で、楽しい雰囲気の中で職員の皆さんの仕事に対する意欲を感じる発表会でした。  いずれの発表を聞いても、市民のために知識、知恵を生かそうと一生懸命努力している職員の皆さんの熱意、さらに、自分たちの職場の取り組みをよい意味で自慢し、競い合うという意気込みが感じられ、市民の一人として非常に感激しました。恐らく、新採用された職員の皆さんたちは、これからの市役所生活に、希望というか、心躍るものを感じたのではないでしょうか。また、ベテラン職員の方々は、若手の発表を聞きながら、公務員になられたときの初心を改めて思い起こす、そんな機会になったのではないかと感じたところです。  この様子は、これまで目にすることがなかったものであり、職場のコミュニケーションを活発にすることを通して、市民本位の市役所づくりを実現しようと取り組んできた市役所改革の成果があらわれたものと評価するところです。この発表会は、職員に勇気を与える非常によい取り組みと考えますので、今後、さらに発展させていただきたいと希望するところです。  そこで、質問の1点目ですが、この発表会には市民の方も来られたようですが、多くの市民に知ってもらうことで、市役所への理解がさらに深まると考えます。その意味では、市民にもっとアピールする必要があると思いますが、市長はどのように考えておられるか、伺います。  2点目は、この発表会の効果の一つは、個々の報告された事例がほかの職場に波及することにあると考えます。まだ始めて2回目ですが、そのような事例があるか、あるとすればどのようなものか、お伺いします。  最後に、3点目として、この発表会が全庁的に浸透して定着していくには、提案が政策に反映されていき、これによって職員がやりがいを持つということが重要であろうと考えますが、よい提案をしっかりと政策に生かしていくために、今後どのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。
     次に、今年度策定される札幌市産業廃棄物処理指導計画についてお伺いをいたします。  近年、産業廃棄物の排出量は、全国で年間4億トンという高水準で推移して、不法投棄、不法処理の増大、焼却炉からのダイオキシン類の発生など、廃棄物にかかわるさまざまな問題が生じております。これらの問題に対応するため、国は、廃棄物処理法のたび重なる改正やリサイクルにかかわる諸法の制定等を行っているところでありますが、今後さらに、循環型社会形成推進基本法に基づき、循環社会の実現を図っていく必要があります。そのためには、産業廃棄物の発生をできる限り抑制することが第一であり、廃棄物となって排出されたものは、再生利用による減量化を進めるとともに、適正処理を確保しなければなりません。その実現のために、市民・事業者・行政が、それぞれの役目を踏まえた中で積極的に取り組んでいくことが重要です。  産業廃棄物は、事業者に処理の責任が課せられることから、行政として、発生抑制、適正処理、リサイクルを推進し、かつ、産業廃棄物処理による住民の生活環境への影響が起こらないよう、指導・監督を含めた役割を果たすことが必要であると考えます。  本市は、新まちづくり計画の一環として、2004年度より3年計画で産業廃棄物減量・リサイクル及び市域内処理推進事業を実施しています。これまで、市内の産業廃棄物の実態調査をするとともに、新たに設置した札幌市産業廃棄物市域内処理推進懇談会からの意見書に基づき、住民の生活環境保全のために、市独自の配慮基準を盛り込んだ札幌市産業廃棄物処理施設設置等ガイドラインを策定する等の施策を実施してきているところです。  産業廃棄物の減量・リサイクル、適正処理の推進については、全国的に重要な課題とされており、国において、2001年5月に、廃棄物減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針を策定しています。また、北海道では、2001年12月に策定した北海道廃棄物処理計画を昨年3月に改定し、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物になったものについては不適正処理の防止に配慮しつつ、適正な循環的利用が行われないものについては適正な処分を確保することを掲げております。  このような中で、本市は、2002年1月に策定した札幌市産業廃棄物処理指導計画を改定し、本年度、新たに計画を策定することとしています。  そこで、質問の1点目ですが、新たに策定する産業廃棄物処理指導計画に市が行う重点施策が盛り込まれていることと思いますが、この施策における基本的な考え方について、具体的な施策を含めてお伺いをいたします。  質問の2点目として、国の基本的な方針や北海道の処理計画において数値目標が掲げられておりますが、例えば、最終処分量について見ると、国は、2010年度最終処分量を1997年に比べてほぼ半分の3,000万トンを目標値としており、北海道では、2010年度の最終処分量を2002年度に比べて12%削減するということを目標値としています。2001年度に策定した本市の指導計画において、排出量、再生利用率、最終処分量の数値目標を掲げていますが、新たな計画において、どのような考え方のもとに、どのような目標値を設定する予定なのか、お伺いをいたします。  次は、市立病院静療院の児童部門の再編整備についてお伺いをいたします。  市立札幌病院は、1995年、本院を桑園地区に新築移転して以来、10年余り、赤字体質の改善として不良債権の解消に取り組んできました。さらに、自治体病院を取り巻く環境の変化に対応するため、05年6月にパワーアッププランを、ことし1月には中期経営計画を策定し、市民の医療ニーズの高度化・多様化に対応し、安定的かつ継続的な医療サービスを担うための改革に取り組んでおります。  本院においては、病床の利用率向上や平均在院日数の短縮、周産期病棟の整備など成果が着実にあらわれており、静療院の成人部門は病床数の削減の具体的なスケジュールが明らかにされています。一方、児童部門は、政策医療としての機能強化が示されておりますが、これまで本議会において、繰り返し、老朽化かつ狭隘なのぞみ学園及び小児病棟の機能の拡充と全面改修に向けた論議がされております。  我が会派としても、福祉、教育部門との連携も含めた児童精神部門の充実強化が望まれていることから、重大な関心を持ってこの問題に挑んできました。しかし、本院の環境整備が優先され、かつ、財政的な制約があるとして、取り組みがおくれていると言わざるを得ません。  そこでまず、再編計画の進捗状況についてお伺いをいたします。  パワーアッププラン、中期経営計画とともに、診療環境の整備と児童心療センターとしての機能強化が挙げられておりますが、中期経営計画の末尾に、静療院の再構築については、本統合問題も含めて、再編期間中に検討を行うとしてあるのみであります。子どもたちを取り巻く社会環境、そして、静療院が北海道内における児童精神部門の中心的な役割を果たしていることを考えるとき、速やかな実現が望まれます。  再編計画をどのように進めようとしているのか、また、再構築に向けた具体的なスケジュールについて、いつまで、どのような形で策定しようとしているのか、あわせてお示しをしてください。  2点目は、認知症病棟の小児病棟への転用についてです。  05年決算特別委員会において、それまでに示された全面改修方針が変更され、成人部門の廃止による余剰施設の活用について考えが明らかにされました。現在、認知症病棟、いわゆる老人病棟が本年度末に廃止されることから、小児病棟への改装が計画されております。  しかし、老人病棟と小児病棟では、建物の配置や機能で大きく異なると聞いております。既存施設の改装ではさまざまな制約が伴うことは明らかです。開放的で明るい雰囲気を備え、治療面での新たな試みにもこたえられるよう、現場の医師、看護師の声を生かす十分な予算措置が望まれますがいかがか、お伺いをいたします。  3点目は、のぞみ学園の整備についてです。  これまでの答弁では、小児病棟との連携をさらに深めるため同時期の改修が必要としております。自閉症者自立支援センターゆいが開設され、小児病棟の整備の方向性が出されている今、本来の使命である児童部門の治療施設にふさわしい良好な処遇環境を確保するためにも、のぞみ学園の整備が喫緊の課題であると考えますがいかがか、お伺いいたします。  次に、いじめ防止に対する取り組みについてです。  いじめを苦にした子どもたちがみずから命を絶つ事件が全国的に多発し、そのたびに、国民の大多数は胸を痛めております。札幌市でも、11月10日には中学生、20日には小学生と見られる差出人から、いじめを苦にした自殺をほのめかす手紙が札幌市教育委員会に届きました。いずれも、教育委員会が中心となり、学校、PTA、町内会などが連携し、さまざまな取り組みを行い、幸いにも事なく現在に至っております。この間、11月7日、札幌市教育委員会が、学校関係者を集め、いじめ防止に向けた緊急集会の開催や、教育長のコメントを出し、いじめの卑劣さや勇気を持って相談してほしいと呼びかけた取り組みは評価するものです。  しかし、子どもたちのさまざまな問題や悩みをだれにも相談できない状況が多い反面、助けてほしい、話を聞いてほしいというシグナルを発信しているにもかかわらず、私たち大人は、そうした子どもたちを見逃している場合があると言えます。札幌市教育委員会が文部科学省に報告した昨年度の市立小学校、中学校のいじめ発生学校数及び発生件数は、小学校で25校、33件、中学校で60校、197件と、前年度と比較しますと、若干減少傾向にありますが、中学校の発生件数は小学校の約6倍となっています。  また、文部科学省のいじめの定義の3項目は、いじめと判断するのに極めてあいまいな内容となっており、先ほどの発生件数についても疑問の残るところです。  いじめの原因は個々に違いますが、自分の考えを相手に伝えられない、相手の考えを聞き入れられないというコミュニケーション能力の不足や、社会生活をする上で最低限のルールを守るという考えが欠如するために、トラブル発生時やその前後に相互のコミュニケーションを十分に図れないことが大きな要因とも言われております。  また、現在、教育は、余りにも学力向上や観点別評価など受験に向けた学力が優先され、本来の人間形成ということに重きを置いた教育から大きくかけ離れたものになっております。子どもたちにとって息苦しい状況になっています。さらに、教師は、学校指導要領に基づき、授業時間数の確保が至上命題となり、放課後、ゆっくりと子どもたちと触れ合う時間が持てなくなっています。子どもたちは、こうした状況のもと、教師を見て子どもなりに自分の悩みを気軽に相談しづらい気持ちを持っていると言えます。  札幌市教育委員会は、1998年度から2003年度は、文部科学省の心の教室相談員及び2001年度からスクールカウンセラー活用事業を市立中学校、高校で実施しました。特に、昨年度からスクールカウンセラーをすべての市立中学校、高校に配置したことにより、同年度の相談件数が延べ2万6,700件、その内訳は、いじめが474件、不登校が1万2,711件、その他が1万3,515件となっています。しかし、いじめに対する相談が少ないことをどのように判断したらよいか、理解に苦しむところです。カウンセラーは、病理的な人間に対する専門家でありますが、教育や学校における児童生徒、教師が置かれている状況を十分に理解して対応しなければ、相談した相手が逆に苦しんで相談に来なくなるのではないかと危惧するところです。  そこで、以下、3点について質問いたします。  質問の1点目は、心の教室相談員の成果を生かしたスクールカウンセラーの取り組みについてです。  心の教室相談員とスクールカウンセラーでは目的や役割が違いますが、心の教室相談員を活用し、いじめ等に一定の成果を確認できた学校の取り組み状況を分析し、その成果をスクールカウンセラーとあわせて活用すべきと思いますが、どのように考えているのか、お伺いをいたします。  2点目は、学校心理士の活用についてです。  今後、いじめ防止をする取り組みは、国が示す内容のみだけではなく、札幌市教育委員会として独自の取り組みも必要になると言えます。その際、例えば、現在、市立中学校、高校にスクールカウンセラーとして配置をしている臨床心理士を補完するためにも、学校心理士を活用し、子ども、保護者、教師にとって有効ないじめ防止を初めとする対策に助言や協力を求めるべきと思いますが、いかがお考えか、お伺いいたします。  質問の3点目ですが、子どもたちと教師がコミュニケーションを図る時間の工夫についてです。  各学校では、教師が子どもたちとかかわりを持つための時間がとれない状況となっています。スクールカウンセラーが設置されていても、週6時間では、子どもたちと接する時間が限られているので、やはり、子どもたちと学校で一番接する機会がある教師が相談や悩みを聞いたり、コミュニケーションを図る時間を確保できるよう教育委員会としても配慮すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。  次に、芸術文化振興のための取り組みについてお伺いをいたします。  上田市長は、新まちづくり計画において、芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろを基本目標の一つに掲げ、芸術文化振興のためにさまざまな施策を推進してきたところです。本市において、昨年7月のモエレ沼公園のグランドオープン、ことし2回目の開催となったさっぽろアートステージ2006、また、札幌を代表するビッグイベントに成長したパシフィック・ミュージック・フェスティバルなど、芸術・文化に関する大きなイベントを着実に実施してきました。まちの個性、魅力を形成する要素の一つとしまして、芸術・文化、アートに着目し、これを活用していくことは極めて重要なことであります。  そういった意味から、上田市長が、新たに観光文化局を創設し、アートと集客交流、さらにスポーツも視野に入れた文化と集客交流を結びつけたまちづくりを推進していることは、極めて意義深いことであります。確かに、札幌というまちのブランド形成をする目玉商品ということで、PMFなどビッグイベントあるいはトップアートは極めて重要です。  しかし、こればかりに頼っていては、芸術・文化は成熟しません。市民がすぐれた芸術・文化に接する機会を得ると同時に、身近な芸術・文化についてもより気軽に楽しむことができる、その両方が健全に発展することで芸術・文化を発信するまちになっていくのではないでしょうか。芸術・文化によって、まちの魅力をアップさせていくために、トップアートの振興、身近な芸術・文化の支援、この両方のバランスが肝心であると考えております。  例えば、最近、笑いの効用ということに注目が集まっております。医学的な見地からも笑いの効用は認められており、大阪府では、「大阪発笑いのススメ」という冊子を発行しております。医療の分野では、音楽療法や演劇療法などが注目されてきたところですが、より手軽に取り組むことができるお笑い療法についても、もっと取り上げるべきであります。  お笑いに代表される大衆文化、大衆芸能は、まちを元気にする力を持っていると考えております。そういった意味では、空き店舗などを活用して、商店街などと連携して大衆芸能の拠点をつくるといった試みも考えられますし、あるいは、市役所本庁舎のロビーコンサートはクラシック音楽中心の歴史のあるものですが、正月にはロビー寄席などといった試みもおもしろいのではないでしょうか。また、お笑いを例に掲げましたが、それ以外に、さまざまなジャンルの芸術・文化を楽しんでいる市民はたくさんいますが、こういった人々の活動の場や発表の場が十分に確保されているかということも重要であります。  そこで、このような見地から、2点、伺いたいと思います。  まず、1点目といたしまして、上田市長は、これまでトップアートと身近な芸術・文化の双方を振興する観点から取り組まれてきた、さまざまな芸術文化振興策について、どのように評価しているのか、お伺いをいたします。  次に、2点目でありますが、お笑いを初めとする身近な大衆芸能の振興、すなわち、地に足のついた芸術文化支援について、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、今後、このような分野も含めて芸術・文化の振興についてどのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いをいたします。  これで、私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(猪熊輝夫) 答弁を求めます。  上田市長。 ◎市長(上田文雄) 8点にわたるお尋ねでございますので、私からは、私の市政運営についてと財政問題について、さらに市民活動促進条例についてお答え申し上げ、その余は担当の副市長並びに教育長からお答えをさせていただきたいと思います。  まず最初に、これまでの私の市政運営についてとのお尋ねでございますので、お答えをいたします。  私は、2003年6月に市長に就任して以来、元気なまち札幌の実現に向けて、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街をまちづくりの目標に掲げまして、市民自治を市政運営の根本に据えまして、市民のための市役所をつくるということを基本に市政運営をしてまいりました。まずは、市役所を変えていこうという気持ちから、2004年4月にサービスアップ行動計画に着手するとともに、12月には市役所改革プランをまとめて、市役所内部の見直しを積極的に実践し、市民サービスの向上とコミュニケーションの改革などに努めてきたところでございます。  また、札幌市を取り巻く厳しい財政状況を踏まえまして、持続可能な財政構造への転換を目指して札幌市財政構造改革プランを策定し、歳入歳出全般にわたる見直しを実施することにより、この2年間で273億円の効果額を生み出したところでございます。  出資団体の見直しにつきましても、昨年9月に改革プランを策定し、団体の統廃合のほか、常勤役員への再就職の削減を初めとする人的関与の見直しなど、着実に改革を進めてきているところであります。  さらに、新まちづくり計画を策定いたしまして、中小企業や就労者の支援として札幌元気基金の創設、拡充、就業サポートセンターの設置、少子化対策として区保育・子育て支援センターの設置や保育所入所定員の拡大、都市再生として札幌駅前通地下歩行空間整備や創成川通アンダーパス連続化整備の着実な実施、そして札幌市立大学の開設など、さまざまな行政課題に積極的に取り組んできたところでありまして、その結果、計画に掲げました施設の整備やサービス水準につきましてはほぼ達成する見通しであります。  また、私が市政運営の根本に据えた市民自治を根づかせるために、タウントークや出前講座、広報さっぽろを問題提起型の広報誌に変更するなど、情報の共有に努めてきたところでありました。さらに、連絡所をまちづくりセンターに改編し、地域のまちづくりの拠点として整備してきたところでございます。その結果、400近くに及ぶ新たな地域のまちづくり活動が生まれ、また、今年度の市政世論調査では、何らかの形でまちづくりに参加したいというふうに答えていただいた市民が82.5%に上っておりまして、まことに心強く感じているところでございます。  このように、これまではぐくんできました市民自治の動きを確かなものといたしまして、市民が主役のまちづくりを進めていくために、まちづくりの最高規範として自治基本条例をさきの第3回定例市議会で制定できましたことは、大きな成果であったというふうに考えております。  私の任期は、残すところ、あと半年でございますが、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街、元気なまちの実現を目指して、いささかも気を緩めることなく、全身全霊を傾けて頑張ってまいりたいと考えているところであります。  次に、財政問題についてお答えいたします。  まず、1点目の予算の編成方針についてでありますが、来年度予算につきましては、11月初旬に各局の要求状況を公表いたしまして、市民の皆様からのご意見をいただくとともに、現在、財政局において内容を精査している段階でございます。  予算を編成するための前提となります地方財政対策や税制改正の内容が示されておりませんので、現段階で明らかなことは申し上げられませんけれども、例えば、国の債務圧縮のために地方交付税の原資を縮減する、減額する内容の建議が国の審議会からなされるなど、札幌市を取り巻く状況は依然として厳しいものと認識いたしておりまして、これまで進めてまいりました財政構造改革の取り組みの歩みをとめるということなく、進める必要があるというふうに考えております。  また、来年度の当初予算につきましては、義務的な経費や継続的な事業に係ります経費を中心といたしました骨格予算として編成いたしますが、私の任期が6月までとなっておりますことから、新しい体制のもとで編成される肉づけ予算が成立するまで、市政運営に空白が生じないように、ご指摘のありましたさまざまな政策課題にしっかり対応できるような予算として編成する必要があるものと考えているところであります。  次に、2点目の住民参加型の市場公募債についてであります。  札幌市の住民参加型公募債でありますライラック債、スズラン債は、ご指摘のとおり、財政的な面のみならず、まちづくりへの参加意識の醸成といった面にも着目いたしまして発行しているものであります。おかげさまで、これまで売れ残ることもなく、7月債においては1日で売り切れるなど、大変好評を得ております。発行に当たりましては、市民の皆様が買いやすいように、3年、4年という短い年限を設定したり、多くの方に購入していただけますように購入額の上限を設定したりするほか、まちづくりとの関係がわかりやすいよう調達資金の使い道を示すなどの配慮をしているところであります。  一方で、対象を市民または市内の事業所等に限定しておりまして、比較的少額での購入が多いことから、1回当たりの発行額を小さくせざるを得ないなど、効率的な市債の発行という点では、なお検討を要する部分もございます。  現在、全国で、およそ110の自治体が住民参加型市場公募債を発行しておりますので、今後は、それらの例も参考にしながら、発行方法の見直しやPRの工夫など、市民の皆様にさらに市債が浸透し、まちづくりへの参加意識がより高まるように検討してまいりたいと考えているところであります。  次に、市民活動促進条例についてお答えをいたします。  1点目の市民活動促進基金設置のメリットについてでありますが、これには三つのメリットがあると考えております。  一つ目は、寄附者の思いを迅速に市民活動につなぐことであります。具体的には、運用益を利用する既存の基金とは異なりまして、市民、事業者の思いが寄附という形で示された後、1年以内に助成金として生かされるということでございます。  二つ目は、寄附の効果が明確に見えることであります。助成を受けた団体には、その成果の報告を義務づけることで、寄附が何を対象にして、どのように役に立ったのかということを知ることができるわけであります。  三つ目は、みんなで社会を支え合う仕組みになるということでございます。寄附者は資金提供で、市民活動団体は公益的な活動で、市は両者を結ぶかけ橋として、ともに社会を支え合うという重要な役割を果たしていくものと考えております。  2点目の寄附を促す仕組みについてであります。  まず、寄附をしたという満足感や、次の寄附への意欲を持てる仕組みづくりについては、先ほど申し上げました寄附の効果が明確に見えることが重要であることから、助成金の使い道や事業結果をわかりやすく提供させていただきます。また、寄附者にも恩恵があることが必要でありまして、税の優遇措置が適用されて経済的に有利であること、あるいは、寄附者の名前の公表や事業者の名称をつける冠基金の設置などで事業者のPRにもつながる仕組みを導入いたし、寄附を促すためのさまざまな取り組みを行ってまいりたい、このように思います。  次に、基金の運営などに当たっての市民や事業者との協働の取り組みについてであります。  まず、条例によって、市民・事業者・市、この三者が率直に意見を交換する円卓会議、いわゆる市民活動促進テーブルを設置いたしまして、その声を基金の運営に生かしてまいります。また、市民活動をPRいたしますフェスティバルを三者が協働で開催するほか、寄附者が実際に助成団体の活動に参加する機会をつくり、相互の信頼関係を深めるなどの取り組みを通じて、寄附文化というものの育成に努めてまいりたいと考えているところであります。  3点目の市民活動促進基金の助成スケジュールについてであります。  条例制定後は、直ちに市民活動促進基金の意義、運営、助成制度などについて積極的にPRを開始いたします。また、現在の想定では、助成団体の公募は年2回を予定しておりまして、例えば平成19年4月に基金がスタートしたとして、おおむね7月までの寄附金で上半期、8月以降の寄附金で下半期のそれぞれの募集を行います。そして、募集締め切り後は、提出書類と公開プレゼンテーションを市民活動促進テーブルが審査し、助成を決定するという流れになります。このように平成19年度内にできるだけ速やかに助成を行うことにより、この基金に寄せられる思いにこたえられるよう準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。  私からは、以上でございます。 ○副議長(猪熊輝夫) 田中副市長。 ◎副市長(田中賢龍) 私からは、元気の種コレクションについてお答えをいたします。  1点目の市民へのアピールについてでありますが、今年度につきましては、本庁舎ロビーでのパネル展示や、区役所などに置かれております情報端末、さっぽろeビジョンでの放映を行ったところでございます。市民から信頼される市役所を目指すためにも、頑張っている職員の姿を一人でも多くの市民に見ていただけますよう、さらに工夫をしていきたいと思っております。  また、何より最大のアピールは取り組みの成果を市民に実感していただくことでありますので、今後も、市民サービスの向上や業務の効率化などを目指し、一層の見直し、改善に努めてまいりたいと考えております。  2点目の波及事例についてでありますが、昨年度、北区で開発いたしました簡易窓口整理券発行システムが厚別区でも利用されるようになった事例や、白石区で市民対応マニュアルを発表したところ、今年度は複数の区から独自のさまざまなマニュアルが発表された事例がございます。  3点目の政策反映の取り組みについてであります。  提案の具体化は、職員の意欲を高めるだけではなく、仕事の質の向上にも役立つものと考えており、昨年度も、北海道銀行と本市の職員が共同で提案いたしました官民共同ファンドが札幌元気チャレンジファンドとして実現したほか、市税の口座振替チラシと申し込みはがきの一体化などが実施されたところでございます。  今年度の発表の中にも実現の可能性のある提案がございますので、それらを政策に反映していくことができるような仕組みづくりを行いたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○副議長(猪熊輝夫) 小澤副市長。 ◎副市長(小澤正明) 私から、2点についてお答えをさせていただきます。  まず、市立札幌病院静療院児童部門の再編整備についてお答えいたします。  1点目の再編計画の進捗状況についてでありますが、静療院では、パワーアッププランに基づき、救急医療や急性期医療、身体合併症といった高度、特殊な精神科医療を担う診療体制への転換を図るため、21年度までに段階的に病床規模の縮小を行うこととし、退院の支援や他の病院への転院を進めているところであります。  その結果、老人性認知症治療病棟については本年9月に閉鎖し、さらに、20年3月末に予定しておりました成人2階病棟の閉鎖についても、これを早めるよう取り組んでおりますので、児童部門の診療環境整備についても、こうした静療院の再編を進める中で生じる余裕施設の活用を含め、検討しているところでございます。  また、心の傷や発達障がいなど支援を要する児童の早期発見や適切なケアのためには、医療面だけでなく、子どもたちと身近に接する学校や保健センター、児童相談所などと連携して対応することが重要であります。  今年度は、保健センターが行う乳幼児健診に静療院のセラピストが出向いて相談を受ける事業を拡大し、豊平保健センターに加えて南保健センターでも実施するほか、障がいのある児童生徒に対する就学相談業務への支援を行うなど、学校との連携強化にも努めており、今後とも関係部局間の協議を深めてまいりたいと考えております。  2点目の認知症病棟の小児病棟への転用についてでありますが、小児病棟としてよりよい環境となるような施設の改修につきまして、静療院の医師や看護師、セラピスト等で構成する委員会において検討しておりますので、その成果も踏まえた中で、可能な限り対応してまいりたいと考えております。  3点目ののぞみ学園につきましても、療育環境の充実を図るべく、静療院の再編に合わせて、できるだけ早い時期に改修等の整備のあり方について調査検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、芸術文化振興の取り組みについてお答えいたします。  1点目のこれまでの取り組みの評価についてでありますが、芸術・文化の振興に関しましては、新まちづくり計画の基本目標の一つとして、芸術・文化、スポーツを発信する街さっぽろを掲げ、トップレベルの芸術・文化と、だれもが参加できる身近な表現活動の双方に着目し、さまざまな施策を実施してきたところでございます。  トップレベルの芸術・文化の振興につきましては、ご質問にもございましたモエレ沼公園やPMFというすばらしい財産をしっかりと受け継ぎ、市民や企業の方々とともに発展させてまいりました。また、身近な表現活動の分野では、文化活動の練習会場としての学校開放を拡充するとともに、新たに実施したさっぽろアートステージの中で、地元の劇団や劇場が連携した札幌劇場祭や、札幌で活動するミュージシャンを市民に紹介するストリートステージなどの事業を実施したところでございます。  これらの取り組みに対する評価についてでありますが、各種事業の実施によりまして、市民の皆さんがすぐれた芸術・文化に親しむと同時に、まちの至るところで身近に芸術・文化に触れることのできる環境の整備を着実に進めることができたものと考えております。  次に、2点目の大衆芸能への取り組みと、このような分野も含めた今後の芸術・文化の振興についてでありますが、笑いの効用というご指摘がございましたが、笑いを初めとする大衆芸能は、人々の心をつなぎ、あすへの活力を生み出すものとして、芸術文化振興を図る上でも大切な要素の一つであると考えております。  このような観点から、教育文化会館を会場として、各種の大衆芸能を発表する13丁目笑劇場を昨年度から開催しております。この事業は、まちのにぎわいづくりや集客交流にも資するよう夏まつりや雪まつりの時期に合わせて開催するとともに、今年度からはワークショップも実施し、札幌から発信できる人材育成も図っているところであります。  また、今後の取り組みについてでありますが、札幌のまちの魅力アップを図り、市民の皆さんが生き生きと心豊かに暮らしていくために、身近な大衆芸能なども含めたさまざまな分野の芸術・文化の振興策を引き続き進めていく必要があるものと考えております。
     以上でございます。 ○副議長(猪熊輝夫) 加藤副市長。 ◎副市長(加藤啓世) 私から、札幌市産業廃棄物処理指導計画についてお答えをいたします。  1点目の市の施策の基本的考え方と具体的な重点施策についてでありますが、発生抑制、リサイクル、適正処理、市域内処理の推進を考え方の柱としております。  まず、発生抑制、リサイクルの推進のための施策については、市内での発生量が多い建設系廃棄物対策を重要視し、これらの分別を進め、最終処分量の削減を促進するための施策が必要であると考えております。具体的には、建設系混合廃棄物対策として選別・リサイクル処理体制の充実や、分別レベルの統一的向上を図るための事業者への指導を強化していきたいと考えております。  また、適正処理の推進のための施策には、処理業者の指導を進めるとともに、優良な処理業者の育成を図る施策を計画に盛り込みたいと考えております。具体的には、処理業者に対する指導基準の策定や優良事業者制度の創設を予定しております。  さらに、本年3月に策定した札幌市産業廃棄物処理施設設置等ガイドラインに基づき、必要な民間処理施設の設置を促進することで市域内処理を推進していくことを考えております。  次に、2点目の目標設定の考え方と目標値についてでありますが、札幌市産業廃棄物処理施設設置等評価委員会からの意見書の内容に基づき、最終処分量を重要目標として位置づけることとし、その目標達成に必要な最終処分量の削減量を再生利用量の増加で対応できるよう目標値を設定することとしております。具体的な目標値でございますが、最終処分量につきましては、平成15年度に比して約10%、量にして約2万トン減の18万5,000トン以下とすることとしております。  また、再生利用率につきましては、市内から排出される産業廃棄物の種類の特徴を生かして、70%以上を目標値として設定することとしております。この場合、上下水道汚泥については、水分等を除くことによる減量効果が非常に大きいことから、減量後の量に対する再生利用率として設定することを考えております。  以上でございます。 ○副議長(猪熊輝夫) 松平教育長。 ◎教育長(松平英明) いじめ防止に対する取り組みについてお答えを申し上げます。  1点目の心の教室相談員の成果を生かしたスクールカウンセラーの取り組みについてであります。  心の教室相談員は、生徒が悩みなどを気軽に話せ、ストレスを和らげることのできる第三者的な存在といたしまして、生徒が心のゆとりを持てるような環境を提供することを目的に設置されたものでございます。  しかしながら、子どもが抱える心の問題が複雑化、多様化する中で、より専門的な対応が必要となってきましたことから、児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識や経験を有する者をスクールカウンセラーとして配置し、児童生徒や保護者へのカウンセリングや各学校におけるカウンセリング機能のさらなる充実を図ってきたところでございます。  議員ご指摘のとおり、この二つは設置の経緯が異なっておりますが、子どもが抱えている悩みを解消するという目的は同じでありますから、スクールカウンセラー連絡協議会などにおいて、子どもの悩みを気軽に話せる雰囲気づくりなど、心の教室相談員が果たしてきた役割と成果についても研修を深め、その活用を図ってまいりたいと考えております。  2点目の学校心理士の活用についてであります。  学校におけるいじめ防止や解決に向けては、悩みを抱えた児童生徒に対するカウンセリング機能の充実を図り、組織的、専門的な対応を進めていくことが大切であると考えております。  札幌市におきましては、心の専門家であるスクールカウンセラーをすべての中学校、高等学校へ配置し、そうした取り組みの充実を図っているところでございまして、スクールカウンセラーの豊富な知識や専門性を生かし、児童生徒、保護者へのカウンセリングだけではなく、カウンセリング等に関する教師への指導・助言も行っているところでございます。  教育委員会といたしましては、スクールカウンセラーをすべての中学校、高等学校に配置いたしましてまだ2年目でありますことから、これまでの成果や課題等を踏まえつつ、スクールカウンセラーの効果的な活用に努めてまいりたいと考えております。  なお、ご提案のありました学校心理士などの活用につきましては、今後、十分研究してまいりたいと考えているところでございます。  3点目の児童生徒と教師がコミュニケーションを図る時間の工夫についてでございます。  いじめの早期発見や解決等に当たっては、児童生徒や保護者との信頼関係が大切であり、そのためには、日ごろから教師があらゆる機会を通しまして積極的にコミュニケーションを図っていくことが重要でございます。特に、学校生活の中心であります授業場面を大切にしながら、これまで以上に、教師が子どもと豊かにコミュニケーションを図り、相互理解を深めることが大切であると考えております。  教育委員会といたしましては、学校への各種調査依頼等の業務の見直しやITの活用により、学校業務全般の効率化を進めるとともに、各学校におきましても、会議等を今まで以上に精選するなどいたしまして、子どもと教師のコミュニケーションを図る時間がより一層確保されますよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(猪熊輝夫) お諮りいたします。  本日の会議はこれで終了し、明日12月6日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(猪熊輝夫) 異議なしと認めます。  したがって、そのように決定いたしました。  ―――――――――――――――――― ○副議長(猪熊輝夫) 本日は、これにて散会いたします。  ――――――――――――――――――      散 会 午後4時44分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長        大   越   誠   幸  副議長         猪   熊   輝   夫  署名議員        原   口   伸   一  署名議員        本   郷   俊   史...