◎
塩澤 文化部長 1点目の
事故の
状況及び
調査の
経過についてでございますが、
平成17年3月21日ごろ、
中島公園の
日本庭園内にある
国指定重要文化財八
窓庵及び附属いたします三分庵と水屋が、
冬期間の雪害から
保護するために設置した
プレハブ上屋が倒壊したことによりまして損壊いたしました。
4月13日に、
事故原因の
究明等を
目的として、
学識経験者等をメンバーとする
事故調査委員会を設置いたしました。同
委員会は、
事故原因の
究明に当たり、同年9月26日には
事故調査報告書が
本市に提出されております。
事故調査の
概要につきましては、
報告書提出に先立ち、9月12日に当時の
経済公営企業委員会にご
報告をさせていただいたところでございます。
次に、2点目の
事故原因についてでございますが、
事故調査報告書において示されたところを要約いたしますと、
建築基準法等に基づく
本市の
建築基準法施行細則に定める
積雪荷重の
基準に対して、
プレハブ上屋のはりの強度が不足していたことが
原因とされております。
次に、3点目の
復旧事業の
内容についてでございますが、損壊いたしました八
窓庵に用いられていた
部材等を修理し、極力、使用することによりまして、
文化財の価値を維持しながら
復旧工事を進めることとし、工程については23カ月を見込んでおり、
平成20年秋ごろをめどに完成させたいと考えております。
◆恩村
一郎 委員 今、23カ月、
平成20年の秋ごろまでというふうに伺ったわけですけれども、その
工事はできるだけ早く円滑に行っていただきたいなと。実際に壊れたものを使って再生させてという
部分ではなかなか大変なのだろうなと思うのですけれども、スムーズにその
事業が進むことを望みたいと思います。
これは、
復旧後のことになりますけれども、
文化財をいろいろ見ていますと、ただ
文化財としてありますという形が非常に多くて、
市民にその
文化財を知ってもらうためには、もっと何か使い方があるのではないかなということを常に思うわけです。そういった
意味で、
札幌市の場合、
豊平館が
結婚式場などに使われていますし、
時計台では2階のホールが
音楽関係で使われたりしています。
復旧後の八
窓庵についても、
日本の
伝統文化を伝えていくのも非常に大事ですけれども、それになれ親しむという
部分で、ぜひ積極的な
活用方法を考えていただきたいなというふうに思います。
その辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、その点もお伺いしたいと思います。
◎
塩澤 文化部長 八
窓庵等の
復旧後の
活用についてでございますが、これまで、八
窓庵は、
文化財保護の
観点から外観の
観覧のみで、
原則として
内部の
一般公開は行っていなかったところであります。
復旧後につきましては、これまでにも増して適切な
保護に努めてまいりますが、
委員ご指摘のように積極的な
活用を図ることも必要であり、
文化庁からも同様の
指導を受けておりますことから、
内部の
一般公開や
茶会での
活用について今後検討してまいりたいと考えております。
◆恩村
一郎 委員 文化庁からもそういった
指導があるということで、
内部の
一般公開とか
茶会での
活用といったことをぜひ検討していただきたいと思いますし、
観光客やなんかに対してもそういったものをもっとPRしていただきたいなと思います。
札幌で、こういった
茶室とか、
日本の
伝統文化に属するようなものというのはなかなかありませんし、また、これから建つということも正直に言って非常に難しいのかなと思います。せっかくですから、今回、これを直すに当たって、その直す過程も、実際にどんなふうに
文化財が
保護されていて、また、
修復が行われているのかといったようなことを見せることも
一つの
方法ではないのかなと思うのです。ただ、やみくもに
工事をやっているところへ来て見ろといっても、かえって
工事の邪魔になりますから難しいでしょうけれども、ある一定のものができた段階とか、
節目節目みたいなところで、それを
一般の
市民に公開するといったような工夫もぜひしていただきたいなというふうに思います。
唐招提寺の金堂とか姫路城の石垣など、
文化財の
修復を
市民に公開する
機会というのは、今、全国的にも随分やっていますので、そういった
意味では、八
窓庵についても、
日本の伝統的な
茶室の
建築様式を皆さんに知っていただくための
機会をつくっていただくことを私の方からぜひお願いいたしまして、
質問を終わりたいと思います。
○
村上勝志 委員長 ほかに
質疑はございませんか。
(「
なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 なければ、
質疑を終了いたします。
次に、
討論を行います。
討論はございませんか。
(「
なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 なければ、
討論を終了いたします。
それでは、
採決を行います。
議案第8号中
関係分を可決すべきものと決定することにご
異議ございませんか。
(「
異議なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 異議なしと認め、
議案第8号中
関係分は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、
議案第14号
本郷新記念札幌彫刻美術館条例案を
議題といたします。
理事者から、
補足説明を受けます。
◎
塩澤 文化部長 議案第14号
本郷新記念札幌彫刻美術館条例案についてご
説明いたします。
平成17年9月に、
本市が策定いたしました
札幌市
出資団体改革プランにおきまして、
財団法人札幌市
芸術文化財団と
財団法人札幌彫刻美術館を
統合することといたしましたが、両
財団の
統合に伴い、
札幌彫刻美術館の土地、
建物、
収蔵作品等について
本市が
寄附を受け、
平成19年4月から公の
施設として供用を開始する
予定となっております。
この
条例案は、
本市の公の
施設として、
施設の名称、位置、
使用料等を定めるとともに、その
管理運営について必要な
事項を定めるものでございます。
よろしくご
審議のほど、お願い申し上げます。
○
村上勝志 委員長 質疑を行います。
◆
近藤和雄 委員 本郷新記念札幌彫刻美術館条例案についての
質問でございます。
公の
施設の
管理運営につきましては、昨今の
社会経済情勢を背景といたしまして、
管理運営方法の簡素・
効率化を、さらには
市民サービスの
向上という
目的が求められておりました。
地方自治法の改正により創設されました
指定管理者制度も、
民間事業者の
参入機会、門戸を開くことによって、
経費の節減と
サービスの
向上を図ることを
目的としているわけであります。
さらに、もう
一つ欠かせないことは、
民活導入によって
景気回復にもつながってくることが大切な要因であると考えております。
一方で、
平成17年3月にまとめられました
札幌市
出資団体評価委員会、いわゆる
宮脇委員会の
報告書では、
公的サービスの担い手の
多様化や
団体運営の
効率化などを踏まえたさまざまな
提言がなされているところでありまして、この
報告書の中でも、
統合は4組8
団体という中の本件で、
財団法人札幌市
芸術文化財団と
財団法人札幌彫刻美術館の
統合についてそのような
観点から
提言がなされたものではないかと認識をしている次第でございます。
私もそうなのですけれども、我が
自由民主党議員会においても、
出資団体の統廃合につきましては、
平成18年度の
政策提言事項にも掲げておりますし、かねてから、その推進に当たっては
札幌市はスピーディーに取り組んでいただくことを主張してきたわけでございます。私
自身も、
出資団体等調査特別委員会の
委員を続けておりまして、
宮脇委員会からの
報告書につきましても、おおむねこの線に沿った形で
統合がなされるというわけであります。
実は、これまで
民間美術館でありました
彫刻美術館が、両
財団の
統合に伴って
札幌市に
寄附されるというわけであります。そして、来年4月には公の
施設として
札幌市が
管理運営するということになるわけであります。今後は、
財団統合の趣旨を十分踏まえた
施設の
管理運営に向けて、着々とスムーズに準備を進めていくもの、さらにそれが必要であると認識しているわけです。
そこで、私から、まず1点目の
質問でございますけれども、
彫刻美術館から
札幌市に
寄附されることになる
財産の
内容はどのようになっているのか、そのことを確認させていただきたいのが1点目であります。
2点目は、
彫刻美術館から
寄附を受けることによって、公の
施設となる
彫刻美術館の
管理運営方法がどのようなものになるのか、また、その
手続の進め方について詳しくお伺いしたいと思っております。
◎
塩澤 文化部長 まず、1点目の
彫刻美術館から
札幌市に
寄附される
財産の
内容についてでございますが、
彫刻美術館の
本館と
記念館の
建物、合わせて
延べ床面積812.11平方メートル、
本館と
記念館の敷地、合わせて2,331.23平方メートル、収蔵している
彫刻652点、油彩、デッサンなどの絵画1,212点のほか、
施設の
管理運営に必要となる設備、備品を
予定しております。
次に、2点目の公の
施設となる
彫刻美術館の
管理運営方法についてでございます。
札幌市における公の
施設の
管理運営については、
地方自治法に規定する
指定管理者制度によることを
原則としておりますので、
財団統合後の
彫刻美術館の
管理運営についても
指定管理者制度を
導入することを
予定しております。
導入時期につきましては、
財団統合の時期に合わせて
平成19年4月1日を
予定しております。
また、
指定管理者の
募集方法につきましては、
札幌市の場合、
公募によることを
原則としておりますが、
出資団体評価委員会の
提言によりまして、
芸術の森と
彫刻美術館を
一体として
同一の
団体に
管理運営させることとしておりますことから、
公募にはよらず、現在、
芸術の森の
指定管理者となっている
札幌市
芸術文化財団、すなわち
統合後の
財団を
相手方として
指定手続を進めたいと考えております。
なお、
指定管理者の
指定期間につきましては、
芸術の森の
指定期間が
平成22年3月までとなっておりますので、それに合わせて
平成19年4月から
平成22年3月までの3年間とする
予定でございます。
◆
近藤和雄 委員 ただいまお答えがありましたが、現在、
芸術の森の
指定管理者となっている
団体を
相手方として
指定管理者制度の
導入手続を進めていることについては、
財団の
統合を前提とするという位置づけからすると、妥当な結論ではないかと私も判断している次第でございます。
しかしながら、
札幌市としては、
指定管理者制度の
導入に当たっては、
公募によることを
原則としているはずです。非
公募で行うからには、そのことによるそれなりの
メリットがなければならないと強く思うわけであります。また、
財団の
統合については、当然ながら、
事務処理の
効率化や
市民サービスの
向上なども
目的の
一つとなっていると考えます。
そこで、
質問ですけれども、1点目として、
財団の
統合や
彫刻美術館と
芸術の森が同じ
指定管理者に
一体として
管理運営されることによって、特に
質問したいのは、
事務処理のかかわる
部分でどのような効果、さらにはどのような
メリットがあるのか、お伺いしたいと思っております。
2点目ですけれども、
芸術・
文化事業の
内容にかかわる
部分について、
市民サービスの
向上の
観点も大事なことと思います。
市民サービスの
向上の
観点から、
財団の
統合によって、
市民の
皆様へ新たにどのような
サービスを行うのか、そして、それに伴う新しい
事業展開を考えていらっしゃると思うのですけれども、そのことについてお伺いしたいと思っております。
◎
塩澤 文化部長 まず、1点目の
事務処理にかかわる
メリットにつきましては、これまで
彫刻美術館が
単独で行っていた庶務、経理などの
事務を初め、
理事会、
評議員会にかかわる
事務などにつきまして、
指定管理者が
一体的に処理することによって
効率化が図られるものと考えております。また、
事業の
広報活動などについても、
芸術の森とあわせて行うことによって、より効果的な
広報を行うことができるものと考えております。
次に、2点目の
芸術・
文化事業に関しましては、昨年5月から6月にかけて、
本郷 新の
生誕100年を記念した
展覧会を
芸術の
森美術館と
彫刻美術館の両
会場において実施しております。
展覧会の
期間中、
二つの
美術館を結ぶ
バスの運行や、
二つの
会場を
学芸員の
解説つきでめぐる
バスツアーなどを実施したところ、
市民の
皆様の好評を得ることができました。
財団統合後は、こうしたこれまでの取り組みを参考にしながら、より一層緊密な連携のもとに、
二つの
美術館のそれぞれの特徴を生かした魅力ある
展覧会や、これまで
彫刻美術館単独では実施することができなかった
企画内容による
展覧会などを実施してまいりたいと考えております。
◆
近藤和雄 委員 最後に、要望です。
ただいま、
彫刻美術館と
芸術の森が同じ
指定管理者において
一体となって質の高い
管理運営を行う、そして、そのことによって
事務処理の
効率化やより質の高い
事業の実施が可能になるということで、
十分理解はできました。
部長が先ほどご
説明したとおり、昨年は
本郷 新さんの
生誕100年です。これによって、また
札幌でより質の高い
芸術・
文化事業が可能になってくるのかなと考える次第です。
財団の
統合作業そのものについては、ただいま順調に進んでいるという
お話を伺いました。申し上げたいことは、
統合というのは、
目的ではなく、手段ではないかということを十分ご留意していただきたいし、忘れてはいけないと思っております。ただいま
お話のありました
事務処理の
効率化や
市民サービスの
向上に、今まで以上、これまで以上にしっかりと取り組んでいただきたいと願うものであります。
また、
彫刻美術館が収蔵している
作品は
相当数に上りますが、言ってみますと、これは
札幌市民の貴重な
財産と言っても過言ではありません。
彫刻美術館が公の
施設になる
意味は大変大きなものではないかと私は感じます。このような
財産を有効に
活用していただいて、
彫刻美術館が
市民にとってもっともっとより身近な親しみのある
施設となるように、ご苦労ではありますけれども、先ほど申し上げた
芸術・
文化の
普及振興により一層の
努力を傾けていただきたいものであります。
◆
上瀬戸正則 委員 今、
近藤委員からもありましたが、
統合によって
市民サービスの
向上ということも
一つの
目的に入っているわけです。
それで、私は、端的に1点だけお聞きしたいのですけれども、今、この
条例案を見ますと、いわゆる
使用料といいますか、
観覧料といいますか、
特別展においては1,500円の
範囲内で
市長が別に定める額という表示がなされております。私の記憶では、現在の
特別展の
使用料は1,500円に満たないと思うのですが、その辺の額について、今ここで明確にしていただきたいということで、
質問をさせていただきたいと思います。
◎
塩澤 文化部長 これまで
彫刻美術館の規定では
特別展の
上限額は1,000円だったところですが、今回の
条例案で
上限額を1,500円に引き上げてございます。
今後、
彫刻美術館と
芸術の森の
屋内美術館は
同一の
指定管理者によって
一体的に
管理運営されることになりますので、先ほども
お話ししましたように、より質の高い
展覧会を実施することが可能になるのではないかということです。
芸術の
森美術館におきましては、昨年の
イサム・ノグチ展の
観覧料が1,200円ということ、それから、近隣の
道立近代美術館も、せんだっての
唐招提寺の
国宝展示で1,200円と、魅力的な
展示の場合、1,000円を超えるケースがふえてきているということで、この
条例案につきましても、現在の
芸術の
森屋内美術館の
上限額1,500円に合わせて
同一の額にさせていただきました。
ただ、それぞれの
金額につきましては、
展覧会ごとにその
内容、
費用等を踏まえて決定させていただきたいというふうに考えております。
◆
上瀬戸正則 委員 今、
塩澤部長の
お話でも、
現行は1,000円だった、しかし、他の
美術館ではもう1,200円云々というのもあると。しかし、利用する
市民の側からしましたら、
財団を
統合するとかしないだとか、これは
余り関係ないのですよ。利用する
市民の側からするとですよ。そうしたら、
統合することによって
上限額が5割アップするというのは、
市民サービスの
向上という
観点から言うと、私は何となくすっきりしないものがあるのです。私は、5割アップのような
上限額を設定するのがいいのかどうか、疑問に思っている一人なのです。
その理由については、今、
部長から
説明がありまして、
十分納得ができるものではありませんけれども、全体に横にらみだとかなんかから考えて1,500円に設定するということについては
理解をしましたから、これ以上の
質問はやめます。
◆
井上ひさ子 委員 利用料のところですが、すべてのものを1,500円にするというふうには私は認識しておりませんで、今、
部長が答弁した
範囲の中で
同一のものとしてやっていくというふうにして
理解したのです。
それで、ここで言えば、
市長があらかじめ定めた
減免その他もこの
条例の中に盛り込まれておりますが、そういう
減免その他については今までもそういう形でやれてきているのですか。
◎
塩澤 文化部長 現行でも
減免の措置をとっております。
それから、来年度以降、
指定管理者になるということですが、
条例はあくまで
市長が定めた
金額でございますので、
指定管理者の
努力でそれを下回るということは自由にできる
制度となっております。
◆
井上ひさ子 委員 今回は非
公募で、そして3年間という形でやっていくということです。
市民サービスの低下につながらないように、そして、
市民が本当に気軽に
展示物などを利用できるところを低下させては、これを進めていく
意味はないというふうに思いますので、その辺を十分に配慮して行うよう求めておきます。
○
村上勝志 委員長 ほかにございませんか。
(「
なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 なければ、
質疑を終了いたします。
次に、
討論を行います。
討論はございませんか。
(「
なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 なければ、
討論を終了いたします。
それでは、
採決を行います。
議案第14号を可決すべきものと決定することにご
異議ございませんか。
(「
異議なし」と呼ぶ者あり)
○
村上勝志 委員長 異議なしと認め、
議案第14号は、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午前10時27分...