札幌市議会 2006-09-27
平成18年第 3回定例会−09月27日-03号
議案第7号 平成17年度札幌市
下水道事業会計決算認定の件
議案第8号 平成18年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)
議案第9号 平成18年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第2号)
議案第10号 平成18年度札幌市
介護保険会計補正予算(第1号)
議案第11号 札幌市
自治基本条例案
議案第12号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案
議案第14号
本郷新記念札幌彫刻美術館条例案
議案第15号 札幌市
乳幼児医療費助成条例及び札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市
自転車等駐車場条例の一部を改正する条例案
議案第17号 札幌市消防本部及び
消防署設置条例等の一部を改正する条例案
議案第25号 町の区域を変更する件
議案第26号 市道の認定、変更及び廃止の件
議案第27号 札幌市
住民基本台帳条例の一部を改正する条例案
追加日程 議案第28号 札幌市
障害者福祉施設条例案
議案第29号 札幌市
職員特殊勤務手当条例及び札幌市老人・
身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案
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〇出席議員(66人)
議 長 大 越 誠 幸
副 議 長 猪 熊 輝 夫
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 小須田 悟 士
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 藤 川 雅 司
議 員 林 家 とんでん平
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 芦 原 進
議 員 阿知良 寛 美
議 員 小 形 香 織
議 員 伊 藤 理智子
議 員 佐 藤 典 子
議 員 坂 ひろみ
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 三 宅 由 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 村 上 勝 志
議 員 藤 原 廣 昭
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 熊 谷 憲 一
議 員 小 林 郁 子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 馬 場 泰 年
議 員 宮 村 素 子
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
議 員 涌 井 国 夫
議 員 本 郷 俊 史
議 員 高 橋 功
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 堀 川 素 人
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 三 上 洋 右
議 員 上瀬戸 正 則
議 員 宮 本 吉 人
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 大 西 利 夫
議 員 福 士 勝
議 員 柿 崎 勲
議 員 義 卜 雄 一
議 員 小 川 勝 美
議 員 飯 坂 宗 子
議 員 松 浦 忠
議 員 田 中 昭 男
議 員 武 市 憲 一
議 員 高 橋 忠 明
議 員 佐 藤 美智夫
議 員 柴 田 薫 心
議 員 小 谷 俵 藏
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 敏 雄
議 員 湊 谷 隆
議 員 小 田 信 孝
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〇欠席議員(1人)
議 員 原 口 伸 一
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 田 中 賢 龍
副 市 長 小 澤 正 明
副 市 長 加 藤 啓 世
収 入 役 牧 野 勝 幸
交通事業管理者
交 通 局 長 濱 田 雅 英
水道事業管理者
水 道 局 長 小 川 敏 雄
病院事業管理者
病 院 局 長 吉 田 哲 憲
危機管理対策室長 長 尾 賢 一
総 務 局 長 守 屋 出
市民まちづくり局長 下 村 邦 夫
財 政 局 長 米 田 順 彦
保健福祉局長 七 田 博 文
子ども未来局長 飯 塚 和 惠
環 境 局 長 原 田 泰 明
経 済 局 長 福 井 知 克
観光文化局長 中 田 博 幸
建 設 局 長 波 田 正 明
都 市 局 長 田 中 透
消 防 局 長 徳 増 澄 夫
教育委員会委員 千 葉 瑞 穂
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 赤 田 司
選挙管理委員会委員 本 舘 嘉 三
人事委員会委員長 伊 藤 忠 男
人事委員会事務局長 深 谷 仁
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監査事務局長 石 黒 進
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 小 島 信 行
事務局次長 中 村 修 三
調査担当課長 常 野 正 浩
議 事 課 長 野辺地 正
調 査 係 長 今 井 一 行
資料担当係長 大 西 一 正
議 事 係 長 出 井 浩 義
委員会担当係長 田 口 繁 治
委員会担当係長 松 田 寛 司
書 記 朝 倉 良
書 記 本 島 光 二
書 記 梅 村 伸
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〔午後1時開議〕
○副議長(猪熊輝夫) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、65人です。
――
――――――――――――――――
○副議長(猪熊輝夫) 本日の
会議録署名議員として
馬場泰年議員、
谷沢俊一議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○副議長(猪熊輝夫) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(小島信行) 報告いたします。
大越誠幸議長は、所用のため遅参する旨、届け出がございました。
昨日、市長から、
坂本恭子議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――
○副議長(猪熊輝夫) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第17号まで、第25号から第27号までの20件を一括議題といたします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
涌井国夫議員。
(
涌井国夫議員登壇・拍手)
◆
涌井国夫議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表いたしまして、市政の諸問題について、提案も交えて質問をいたします。
最初に、市長の政治姿勢について、大きく3点、お伺いをいたします。
まず、札幌市
長期総合計画と
まちづくりについてであります。
近年の地方分権の進展に伴い、地方自治体の行政運営においても自己決定・自己責任の時代が到来しております。札幌市についても、これまで以上に
中長期的展望を持って市政のかじ取りを行っていくことが強く求められております。そのためには、まず、市政の施策展開の
基本的方向性を示す市行政にかかわる重要な計画を的確に策定し、かつ、実施していくことが重要であると考えます。
一方、ますます重要性が増している市の行政計画のうち、議会が関与できるものとしては、唯一、基本構想の策定についての議決が
地方自治法に定められているのみであり、市の20年間の施策展開の方向を総合的・体系的に示す
長期総合計画や、その実現に当たって具体的施策を示す
実施計画等に対する議会の関与については何ら定められておらず、議会として十分なチェックがなされているとは言いがたい状況にあります。
私は、
長期総合計画の策定については議会の議決事項とし、また、実施計画及び各行政分野における基本的な計画を策定した場合については、議会への報告や、これらの計画の立案過程における所管の
常任委員会への報告を義務づけるべきと考えます。
そこで、質問ですが、市長を初めとする執行機関の自立的な行政運営を尊重しつつも、市行政に係る重要な計画の策定やその実現に向けた市の取り組みの状況について、二元代表制の一翼を担う議会としても積極的にかかわり、市民に開かれた計画的で透明性の高い市政を進めていくため、長総などの長期計画や実施計画に関して議会の議決や報告を義務づけることについてどのように考えるか、お伺いいたします。
また、現
長期総合計画については、平成12年に策定されているものでありますが、今議会に提案された札幌市
自治基本条例案の第3条に、「市及び市民は、本市の
まちづくりの最高規範として、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない」と明記しておりますし、また、その第2項において、「総合計画その他
まちづくりに関する計画の策定及び
まちづくりに関する条例、規則等の
制定改廃等に当たっては、この条例に定める事項との整合を図らなければならない」と規定されております。
したがって、現在の長総が、果たして上田市長の目指す公約であるこのたびの
自治基本条例との整合性あるいは市長の考え方を反映しているものなのかという疑問も感じられることから、第4次
長期総合計画の改定について市長はどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。
二つ目は、
公共サービスの改革についてであります。
バブル崩壊後、行政改革は、国、地方を問わず喫緊の課題として認識され、これまで、事業の民営化、
指定管理者制度などさまざまな取り組みがなされ、一定の成果を上げてきたところでありますが、これらは、いわば各論的に特定の分野にねらいを定めて効果を上げてきたものでありました。
今後は、行政が担ってきた
公共サービス全般について総論的、分野横断的にそのあり方を検証し、効率性と質の向上を目指す必要があるとの認識のもと、国は、本年6月に
公共サービス改革法を制定し、簡素で効率的な政府を実現する観点から、民間にできることは民間にという構造改革を具体化させる動きをさらに加速させているところであります。
この法律の一番の特徴として挙げられるのは、いわゆる
市場化テスト、
官民競争入札の原理を明確に打ち出し、
公共サービスを提供する担い手として官民のどちらがふさわしいのか、同じ土俵上で競争する手続を規定化したことにあります。
さらに、この法律は、自治体に対しても簡素で効率的な行政の構築を求めており、自治体が担っている戸籍謄本、
納税証明書等、請求の受け付け、
引き渡し業務といったいわゆる窓口6業務についても
市場化テストを実施できるよう特例措置を盛り込んでいるところですが、東京都足立区のように、推進体制を整備し、窓口6業務のみならず、それ以外の業務も含めて幅広く
市場化テストにいち早く取り組む動きを見せている自治体もあります。
一方、札幌市における
公共サービスの改革について現況を見てみますと、札幌市では
行政評価制度を導入し、外部の視点も取り入れ、事務事業について多角的に評価を行っているとのことでありますが、現行の
行政評価制度では、事務事業の廃止や委託化など、抜本的に行政の事務領域や
公共サービスの担い手を見直していく手段としては不十分なものであると言わざるを得ないのであります。
そこで、法の趣旨と目的を酌み取り、札幌市における行政の事務領域や
公共サービスの見直しを行うには、現行の
行政評価制度にさらなる工夫を加える必要があります。つまり、すべての事務事業や
公共サービスに聖域を設けず、それぞれの内容、性質を勘案した分類、整理等の
事業仕分けを行い、その上で官民どちらが担い手としてふさわしいのか、その選定に資するよう制度を再構築し、運用していかなければならないのであります。
こうした
事業仕分け及び
官民担い手の選定を行う一連のプロセスにおいて何より重要なのは、市民の目線と考え方を積極的に取り入れることであり、まさに、このことによって透明性、中立性及び公正性が担保され、予断を排した大胆な事務事業の見直しや
公共サービスの改革が可能となると言えましょう。
今後、国と同様、簡素で効率的な行政を実現するためには、民間にできることは民間にという発想に立って
行政評価制度を再構築し、
事業仕分け及び
官民担い手の選定を行う必要がありますが、そのためには、何よりもまず、市長の改革に取り組むという不退転の決意と強力な
リーダーシップが求められていると考えるのであります。
そこで、1点目の質問ですが、
公共サービス改革法の趣旨と理念に基づき、札幌市においても、すべての事務事業と
公共サービスについて聖域を設けず、不断の見直しを行っていくべきと考えますがいかがか、この法律についての基本的な認識をお伺いいたします。
質問の2点目ですが、今後は、外部評価に経済界の視点も必要であることから、経済人も交えて事務事業と
公共サービスについて分類、整理等の
事業仕分けを行い、
官民担い手の選定を行っていく制度に再構築する必要があると考えますがいかがか、お伺いいたします。
質問の3点目ですが、制度の実効性を確保するためには、改革をサポートする機構・体制についても配慮し、あわせて整備する必要があると考えますがいかがか、お伺いいたします。
三つ目は、
出資団体改革についてであります。
出資団体の改革については、これまでに、議会の決議を受けて第三者機関である
出資団体評価委員会を設置するなどの取り組みが進められ、昨年9月には
出資団体改革プランが策定され、具体的な
取り組み目標が示されております。
この
改革プランにつきましては、我が会派がこれまでに主張してまいりましたように、
評価委員会の評価結果を踏まえた内容となっており、団体の統廃合や市の人的、そして
財政的関与の見直しなどについても
取り組み目標を掲げるなど、これまでにない踏み込んだものと評価しているところであります。
しかしながら、この
改革プランの取り組みに関し、今年度、新たに発足した
出資団体点検評価委員会において、団体・所管局に対するヒアリングの際に、委員から目標達成に向けた
取り組み姿勢が消極的ではないかとの指摘がなされる場面もありました。出資団体の改革は市長の公約でもあり、
改革プランで掲げた目標は市長の責任において達成しなければならないものであります。
そこで、1点目の質問ですが、
改革プランの進捗状況について、市長はどのように認識しているのか、お伺いいたします。
2点目は、
改革プランにもありますように、職員の再就職についてであります。
市長は、公約で明確に天下りの禁止を掲げておりましたが、このたびの
改革プランの職員の再就職への
取り組み状況を見ますと、いささか不十分と言わざるを得ません。
札幌市では、
改革プランにおいて再就職の透明性を高める仕組みを導入し、本年4月の再就職から適用しているところであります。すなわち、出資団体が市退職者を再就職させる場合に、その理由や要件をあらかじめ市に提出し、これを公表しております。従来、不透明だった再就職のプロセスを明確にしたことは、透明性を確保する上で一定の評価はできますが、一方で、公表されている理由や要件を見てみますと、どうも抽象的で漠然としていて、その妥当性について市民には理解しにくいものとなっております。
また、市が情報提供した候補者がそのまま役員等に就任するのでは、その選考に当たっての競争原理が働いているとは言えないのであります。つまり、再就職の
透明性確保の仕組みをつくったということだけではなく、民間の優秀な人材と市の退職者が競い合って役員等の人選を行うことによって出資団体の意識改革が実現できると考えますし、市長や副市長が兼務しているものも含めて、役員の構成について抜本的な改革が必要だと思うのであります。
そこで、質問ですが、新たな再就職の透明性を高める手続を導入してまだ初年度ではありますが、その評価と課題についてどう考えているのか、お伺いいたします。
また、役員の選任に当たっては、民間の優秀な人材にも候補者を求めるなど、多様な人材活用を図る手法をとるお考えがないのか、あわせてお伺いいたします。
3点目は、改革を推進するための市長の決意についてであります。
これまでの
出資団体改革の動きを振り返ってみますと、議会での審議などを経て
改革プランが策定されたことは、
出資団体改革に向けて一歩前進ではあるものの、その取り組みについての評価はいまだしの感があります。したがいまして、今後の取り組みに当たっては、プランで掲げられました
取り組み項目の多くがこれから
目標達成年次を迎えることからも、今まで以上に改革に向けて取り組みに力を入れていかなければなりません。改革を成功に結びつけるためには、改革を達成するという意識が市全体に浸透している必要があり、そのためには、トップである市長みずからの力強い
リーダーシップが不可欠であります。
そこで、質問ですが、市長は、今後、
出資団体改革をどのように進めていくのか、その決意のほどをお伺いいたします。
次に、財政問題についてお伺いいたします。
札幌市の平成17年度決算については、国から地方へという国の考え方に基づき、国と地方の
税財政構造を見直すための三位一体の改革が進められたことから、さまざまな制度における財政措置の見直しが反映されたものとなったところであります。
主な例を挙げますと、
国庫補助負担金の
一般財源化や、それに合わせた
国民健康保険に係る国負担金から
都道府県負担金への一部振りかえなどにより、札幌市の平成17年度決算における
国庫支出金は前年度比で83億4,000万円の減となり、その一方で、道支出金は30億7,000万円の増、暫定的に税源移譲がなされている
所得譲与税においては33億6,000万円の増となっております。このように三位一体の改革は、札幌市の財政に大きな変動を及ぼしたところであります。
三位一体の改革は、平成15年6月に閣議決定されました
経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003、いわゆる骨太の方針2003により基本構想が示され、その後、平成16年度から18年度までの3年間にわたり、この方針に沿った改革が進められてきました。その結果として、
国庫補助負担金については
一般財源化に伴う廃止・縮減、
交付金化等を合わせ、全国で総額約4.7兆円の改革を行い、これに対する税源移譲として、平成18年度税制改正により所得税から
個人住民税へ約3兆円の大規模な税源移譲を行うこととしたほか、
地方交付税については約5.1兆円の縮減を含めた改革が行われたところであります。このように、国の関与を縮小し、地方の権限と責任を拡充する
地方分権改革は、平成12年の
地方分権一括法の施行を経て、今回の
三位一体改革の実現により、我が国の構造改革において着実に大きな潮流となりつつあります。
しかしながら、今回の3兆円の税源移譲を行った後においても、なお租税総額に占める割合では国税が地方税を上回り、一方では地方全体の歳出額が国のそれを上回っているという実情からすると、残念ながら、依然として不均衡な状態が続いていると言わざるを得ません。したがって、今後もさらなる税源配分の見直しや行政事務における国と地方の役割分担の明確化、二重行政の解消など、
地方分権改革を一層進めていく必要があると考えているところであります。
こうした状況において、政府は、今後の
経済財政政策の運営について、
経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006、いわゆる骨太の方針2006を去る7月7日に取りまとめたところであります。その中では、これまでの5年間の構造改革の成果を踏まえ、平成19年度を新たな挑戦の10年の初年度と位置づけ、
構造改革路線を今後も継続、強化することを方針として示しているところであります。具体的には、成長力・競争力強化のために
経済成長戦略大綱を推進すること、
財政健全化に向けて歳出・
歳入一体改革を策定してその取り組みを進めること、さらには、安全・安心で柔軟かつ多様な社会を実現するために
社会保障制度の改革や少子化対策を進めることなどが挙げられております。
こうした取り組みの一環として、地方財政については、今後5年間の
地方歳出削減の方針とともに、地方分権に向けて、関係法令の一括した見直し等により、国と地方の役割分担の見直しを進めるとともに、地方税について、交付税、補助金の見直しとあわせ、税源移譲を含めた税源配分の見直しを行うなど、一体的な検討を図るとの方針が示されたところであります。その具体的内容や時期、工程表はまだ示されておらず、今後の検討によって具体化されることにはなっておりますが、政府として地方分権を目指したさらなる
税財政改革を今後も行うことが明確に示されたのであります。
そこで、1点目の質問ですが、基本方針2006で示されましたこうした方針に基づき、平成19年度予算編成に向けて、地方税、
地方交付税、
国庫補助負担金の見直しを一体的に行うための新たな
三位一体改革を具体化する検討が、今後、政府・与党において進められるものと考えられます。こうした今後の改革について、札幌市はどのように考え、どのように進めるべきと考えているのか、市長の見解をお伺いいたします。
平成17年度決算における札幌市の
臨時財政対策債と合わせた広義の
地方交付税は1,348億円となっており、全国の市町村の中でも、神戸市に次いで2番目に多い額となっております。しかしながら、平成15年度決算額と比較すると229億円も減っており、三位一体の改革による
地方交付税改革の影響を札幌市は特に大きく受けてきたところであります。
そうした中、今後の
地方交付税改革については、基本方針2006において交付税に依存しない不交付団体の増加を目指すことや、簡素な新しい基準による交付税の算定を行う方針が示されており、こうした見直しが札幌市へ一層大きな影響を与えることが懸念されます。
そこで、2点目の質問ですが、今後の
地方交付税改革の動向とその影響について、札幌市としてはどのように想定されているのか、お伺いいたします。
次に、観光対策と新幹線札幌延伸についてお伺いいたします。
まず、観光対策についてであります。
国際観光の振興は、国際相互理解の推進や経済の活性化という観点から、現在、国を挙げての重要な課題となっております。
このような中、本年7月1日から3日にかけて釧路市、旭川市及び札幌市で初めての日中韓観光大臣会合が開催され、北側国土交通・観光立国担当大臣、邵き偉中国国家旅游局長及び金明坤韓国文化観光部長官が一堂に会し、3国間及び3国外との観光交流拡大の今後の方策等について議論が行われました。この日中韓観光大臣会合の最大の成果といたしまして、3国の観光大臣による日中韓3国間の観光交流と協力の強化に関する北海道宣言が採択され、東アジアが一体となり、観光交流拡大に向け、3国が連携を強化していくことが世界に向けて宣言をされました。
この北海道宣言には、今後、3国が観光交流と協力を行うに当たっての極めて重要な内容が定められております。この宣言の中で、今後の観光交流に向けた具体的方策として、日中韓観光ビッグバンが策定され、この日中韓観光ビッグバンを通じて3国間の観光交流規模を2005年の1,200万人から2010年には1,700万人以上に増加させることが目標として定められております。また、大臣会合を毎年夏に3国の持ち回りで定期開催することとし、次回は中国で開催することも決めました。さらに、北海道については、観光資源の魅力を実感するとともに、観光地としてのさらなる成長の可能性を確信したということが宣言の中に盛り込まれました。
そこで、質問ですが、この日中韓観光大臣会合の開催に関連して、3点お伺いいたします。
まず、1点目として、日中韓観光大臣会合がここ北海道で開催された意義について、札幌市長としてどのように考えているのか、お伺いいたします。
2点目に、この会合で採択された北海道宣言及びこれに基づく日中韓観光ビッグバンにおいて、観光交流拡大に向け具体的な方策が定められたところですが、この宣言を受け、札幌市として日中韓3国間の観光交流について今後どのような取り組みを進めていくのか、お伺いいたします。
3点目として、北海道宣言では、日中韓3国間の観光交流拡大にとどまらず、3国外と3国の観光交流の拡大についても推進することとしておりますが、今後、3国以外の地域との観光交流についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、札幌市の観光対策の上からも欠かせないものとして、北海道新幹線の札幌延伸について伺います。
さきに北海道経済連合会が発表した北海道新幹線札幌延伸に伴う効果と地域の課題によりますと、開業に伴う経済波及効果は約5,100億円に及び、そのうち半数近くがサービス業に及ぶとされるとともに、夏場や週末などにおける道内の観光需要の掘り起こしや航空便と新幹線というアクセス手段の複数化によって、北海道特有の問題である冬季や悪天候時における旅行機会の喪失や遅延を回避できることが期待されています。また、道央、道南と東北地域との交流を大きく拡大させる効果も期待できるとされており、将来の北海道、そして札幌の観光政策にとりましても、新幹線の札幌延伸は重要な役割を担うものであると考えます。
北海道新幹線は、誘致運動の熱が冷めたとも言われた時代を経験しましたが、各期成会などの関係者によるたゆまぬ取り組みにより、新青森−新函館間を先行すべきとする段階的整備戦略、そして、政府・与党として公明党などの関係国会議員が推し進めた努力が結実したのが昨年5月の新青森−新函館間の着工でありました。このような経緯で進んできた北海道新幹線に期待できる効果は極めて大きいものであり、次の目標である札幌までの延伸、そして一日も早い開業が実現するまで、札幌市を含めた関係者が一丸となり、不退転の決意で努力を続けていかなければなりません。
そこで、1点目の質問ですが、市長は、これまでの北海道新幹線実現に向けた関係者の努力をどのように評価されているのか、お伺いいたします。
質問の2点目は、誘致運動の盛り上げについてであります。
次の新幹線路線決定に向けた政府・与党による協議が早ければ平成19年に始まり、財源問題などを解決して、遅くとも平成21年には札幌延伸が決まるのではないかと、最近、こうした声を耳にしております。
しかしながら、決して楽観はしておられません。国や本道選出の国会議員からは、ライバルである北陸に比べ、北海道の熱意がいま一つ伝わっていないといった指摘や、やはり財源問題は大きな壁であるからであります。各期成会の要職に就任され、誘致の先頭に立つお一人となった市長は、次期見直しが札幌延伸決定のラストチャンスであるとの認識でこれからの取り組みを進めていただきたいと強く望むものであります。
私は、まさに正念場と言えるこれからの数年間、何よりも増して重要なことは、札幌市民の盛り上がりと考えております。9月2日、3日に大通公園で開催されたリンケージ・アップ フェスティバル会場において、札幌市が道期成会などと共同で設置した新幹線PRコーナーには多くの市民が訪れ、北海道新幹線によって札幌−東京間が3時間57分で結ばれることに驚きと期待の声が上がった一方で、新青森−新函館間が既に着工していることを知らない方々もいらっしゃったと伺いました。
このように、札幌市民の間にはまだまだ新幹線の特性や効果が浸透しているとは言いがたく、これでは誘致の主役となるべき札幌市民の熱意の醸成にはつながらないのでありますから、これまで以上の効果的な取り組みが求められるものと考えます。
そこで、2点目の質問ですが、今後、札幌市民の盛り上がりを促すため、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
質問の3点目は、札幌駅周辺の
まちづくりの検討についてであります。
我が
公明党議員会では、ことし7月、次期見直しにおけるライバルの北陸の取り組みを調査するため視察を行いました。その折に痛切に感じたことは、富山市や金沢市などにおいても、新たに設置される新幹線駅を中心に、その都市の特性に応じた拠点機能の充実に向け、実にさまざまな検討を進めていることでした。
札幌駅やその周辺は、鉄道高架事業に始まる一連の基盤整備事業によって既に一定水準以上の都市機能の集積が進んでおり、単純に北陸との比較を行うことは私としても本意とするところではございません。
しかし、新幹線が既に発着している先進都市の駅周辺は、例外なく大きな変貌を遂げております。札幌駅周辺につきましても、地方中枢都市とのアクセス性などに着目するなど、都市機能の現状をいま一度検証した上で、都心
まちづくり計画との整合性を図るなど、何がどう変わるのかを目に見える形として公にしていく必要があります。このことが、さきにも申しました市民の熱意の醸成にもつながるものと考えます。
そこで、3点目の質問ですが、このような検討のための組織体制を早急に整え、具体的検討に着手すべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
質問の4点目は、今後の札幌市における一体となった推進体制についてであります。
先ほどから申しているとおり、機はまさに熟しております。この機会を逃さず、札幌延伸決定の朗報を聞くためには、今後は行政と議会がそれぞれの果たすべき役割を十二分に踏まえ、積極的な取り組みをしていかなければなりません。私は、議会については、しかるべき時期に新幹線に関して専門に議論する特別委員会のような場の設置が必要と考えるものであります。
そこで、4点目の質問ですが、札幌市側の体制づくりともあわせ、いわば議会と行政が車の両輪として一体となった推進体制を整え、札幌延伸の早期実現を目指すことが必要不可欠と考えるものでありますがいかがか、お伺いいたします。
次に、医療制度改革に伴う療養病床の再編についてお伺いいたします。
高齢社会のますますの進行により、医療費の増大が予想される中、だれもがいざというときに安心して医療を受けられる持続可能な医療制度を構築するため、本年6月、医療制度改革関連法が成立いたしました。今回の改革では、保険給付や保険料の変更に加え、新しい高齢者医療制度の創設などの内容が含まれておりますが、市民の立場からポイントとなるものを幾つか挙げてみたいと思います。
一つ目は、これまでの治療重点の医療から病気の予防を重点にした医療への転換を図ったこと。
二つ目に、75歳以上を対象とした新たな高齢者医療制度を創設することとしたこと。
三つ目に、現役並みの所得がある70歳以上の自己負担を2割から3割に引き上げ、医療給付費の世代間格差の是正を図ったこと。また、療養病床に入院する70歳以上の食費、居住費を全額自己負担とし、介護保険施設の入所者との公平を図ったこと。
そして、四つ目に療養病床の再編であります。これは、療養病床の入院患者のうち、おおむね5割の人が医師の対応をほとんど必要としていないとの調査結果をもとに、療養病床については、医療の必要性の高い患者を受け入れるものに限定する一方、医療の必要性の低い患者については、病院ではなく在宅や老健施設等で受け入れることで対応しようとするものであります。
これによって、療養病床のうち、医療保険適用病床については、現在、全国で25万床あるものを4割削減して15万床にするとともに、13万床ある介護保険適用病床については平成24年3月までに廃止する、また、削減・廃止の対象となる療養病床については老健施設等への転換を図ることとされております。
いわゆる社会的入院をなくし、医療費の適正化を図ることは重要な課題であります。また、利用者にとっても、療養病床よりも老健施設等に入り、できる限り起き上がって生活できる空間で暮らし続けるという視点は大切ですが、一方で、現在入院している人の行き場がなくなるのではないか、いざというときに必要な医療が受けられなくなるのではないかといった懸念の声が聞かれるのも事実であります。
療養病床は地域的偏在が大きいため、地域の特性に応じた対応が必要となることから、今後は、それぞれの地域にどのような施設があり、利用者は何を望んでいるのか、さらに、在宅ケアを進めていくための基盤がどの程度整備されているのかなどの状況を見ながら、どのように高齢者を支えていくべきかを考えていく必要があります。
札幌市は、医療圏としては石狩支庁管内を区域とする札幌圏に含まれ、人口ではその大部分を占めております。療養病床の再編に向けた作業は国及び北海道が主体となり進められますが、札幌市民、とりわけ高齢者に大きな影響を及ぼすものであることから、札幌市としても大きな関心を持ちながらかかわっていく必要があると考えます。
そこで、3点について質問いたしますが、まず、療養病床の再編に向け、各都道府県が策定することとされている地域ケア整備構想についてであります。
構想の内容としては、地域ケア体制の整備についての基本的な考え方を初め、将来のニーズと各サービスの利用見込み、療養病床の転換計画などについて、それぞれの地域の状況に即して示すこととされておりますが、どのような手順で構想を策定するのか、また、札幌市として策定にどのようにかかわっていくのか、お伺いいたします。
2点目として、削減・廃止の対象となる療養病床については老健施設等への転換を図るとされておりますが、札幌市として、今後、介護施設サービスの整備をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
3点目ですが、厚生労働省が行った粗い見積もりによると、介護保険適用病床が廃止された直後の平成24年には、全国で医療給付費が4,000億円減少する反面、介護給付費が1,000億円増加すると見込まれております。札幌市では介護給付費がどの程度増加すると見込んでいるのか、お伺いいたします。
次に、障害者自立支援法についてお伺いいたします。
この10月から事業の第2次施行がスタートする障害者自立支援法では、身体・知的・精神の障がいの種別を問わず、介護サービスを利用する場合、106項目に及ぶ調査を踏まえた1次判定、その1次判定結果をもとに、医師や障がい施設関係者等から構成される審査会の2次判定を受けて1から6までの障害程度区分が認定されることになります。この障害程度区分の判定には関係者からいろいろな問題点が指摘されておりますが、現実に、あと数日で新しい仕組みに基づいたサービスの利用が開始されます。
札幌市においても限られた時間の中で認定調査や審査判定が進められておりますが、私どもとしては、9月中に2次判定が終了しない方についても、これまでのサービス利用に欠けることがないのか心配しておりましたが、これについては、みなし認定でサービスの利用を継続できるようにするとのことでありますので、一応、安心しております。
しかしながら、障害程度区分の判定で非該当となった方の福祉サービスがどうなるのか、懸念されます。これまでのところ、非該当となったケースはないと伺っておりますが、非該当となり、もうサービスは提供できませんでは、あすからの生活にも困ることになります。改めて、十分な配慮をお願いするものであります。
さて、この障害者自立支援法では、市町村が新たな事業体系に基づいた障がい福祉計画を策定することとなっております。
本市には、既に平成15年に策定した札幌市障害者保健福祉計画がありますが、既存計画との整合性を図りつつ、新たな計画を策定することが義務づけられております。新たな計画では、今後、札幌市がどのように事業を進めていくのか、その方向性等が明らかにされるものと思いますが、私は、計画に関連して、次の3点の施策のあり方が重要と考えており、それぞれ質問をいたします。
1点目は、障がいのある方の地域生活を支える相談支援体制の構築についてであります。
障がいのある方が地域で安心して生活していくためには、身近な地域における相談支援体制の整備が必要不可欠と考えています。
札幌市においては、これまで、障がいのあるお子さんや知的障がいのある方を対象とした障害児・者地域療育等支援施設事業、また、身体障がいのある方を対象とした障害者生活支援事業、そして、精神障がいのある方を対象とした地域生活支援センターといった障がい種別ごとの窓口で相談支援を行ってきたところであります。
このうち、知的障がいのある方や身体障がいのある方については、これまでも、支援費制度のもとで各種の障がい福祉に係るサービスを組み合わせるなどして地域生活を営んできているところであります。各相談支援機関がそれをバックアップしております。
一方、精神障がいのある方については、このたびの障害者自立支援法の施行により、他の障がい種別と同じく障がい福祉サービスの対象となりましたが、これまで、それらの方々を支える体制は必ずしも十分であったとは言えない状況にあります。
そこで、質問ですが、法律の施行に伴い、札幌市の相談支援体制も再編されると聞いておりますが、精神障がいのある方に対する十分な支援も含め、どのような形で障がいのある方の地域生活を支える相談支援体制を構築していくのか、お伺いいたします。
2点目は、地域活動支援センターについてであります。
障害者自立支援法では、障がいのある方の日中活動の場として大きく二つの事業が位置づけられております。一つは、介護給付には生活介護や療養介護事業があり、また、訓練等給付には就労移行支援や就労継続支援事業などの全国共通のメニューが設けられております。もう一つは、地域生活支援事業の中の地域活動支援センターであります。これは、全国一律ではなく、市町村がいろいろな工夫をして行う事業として位置づけられており、地域活動支援センターは障がいのある方の日中活動を支えるものとして必須事業となっております。この地域活動支援センターは、地域の実情に応じ、創作活動または生産活動の機会の提供、社会との交流の場として重要な役割を担うものであり、国では、専門職員を配置したものなど三つの事業形態を想定しております。
そこで、質問ですが、札幌市が行う地域活動支援センターの事業のあり方についてどのように考えているのか、また、どのように整備していくお考えか、お伺いいたします。
3点目は、就労支援策についてであります。
障害者自立支援法では、就労移行支援事業や就労継続支援事業により、さまざまな作業を通じて本格的な就労の訓練や一般就労に向けての支援を行うなど、就労支援を抜本的に強化するとのことでありますので、障がいのある方の社会的自立の促進が図られるものと期待されます。
しかしながら、障がいのある方の生活は、現実には障害基礎年金とわずかな作業工賃で暮らしている方が多い実情にあります。このような実態の中で、利用者には新たに原則1割の負担が生じており、場合によっては作業工賃よりも利用者負担額の方が多いという問題が指摘されており、実際にその負担感は相当なものだろうと推測しております。このような障がいのある方の負担感を少しでもぬぐい去るには、一層の就労支援や所得保障策の充実が重要な課題であると考えております。
そのために、札幌市も元気ショップの開設を初め、いろいろな対策を検討しておりますが、私は、従来の施策に加え、小規模作業所と市内の企業双方のニーズをマッチングさせる、具体的には企業が求める製品や業務と作業所が有している製品開発能力や業務力などを適切に仲介、紹介する仕組みをつくり出し、それをシステム化することが、今後、特に重要ではないかと考えております。これを実現するためには、企業の活動状況や小規模作業所の実情、それぞれにある程度通じた専門的スタッフを確保する必要がありますが、障がいのある方の作業工賃の引き上げに非常に大きな効果が期待できるのではないかと考えております。
そこで、質問ですが、障がいのある方の収入確保策、作業工賃の引き上げ策や障がいのある方に対する就労を進めるため、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
4点目は、利用者負担の軽減策についてであります。
これまで計画に関連して3点質問してまいりましたが、最後に、障害者自立支援法の制度全体にかかわる、そして、当事者、関係者の最も関心の高い利用者負担軽減策についてお尋ねいたします。
昨日、学齢児前の障がい児通園施設利用について、札幌市独自の負担軽減を実施する考えを表明されております。児童の利用者負担については、すなわち父母負担となり、若い世帯の家計を圧迫するとして軽減措置を求める数多くの要望が私たちのもとにも寄せられておりましたので、評価いたしております。
しかし、児童の問題は一定の前進を見ましたけれども、自己負担額が生活を圧迫しているのは成人の場合も同様であります。新たに発生した自己負担のために、楽しみにしていた缶コーヒーが飲めなくなった、映画にも行けなくなったという声が多数あります。もともと障害基礎年金と低額の作業工賃などで生活のやりくりをしていた障がい者の方々の声には切実なものがあり、財政上の制約は理解しますが、児童と同様に、成人に対しても札幌市として一定の配慮を示す必要があるものと考えます。
そこで、質問ですが、障がい者の皆さんの窮状を踏まえ、他都市では所得区分を細分化して負担を軽減するなど、利用者負担の上限を、一定期間、段階的に引き下げるといった一定の配慮をした負担軽減策を打ち出しております。
私は、このような軽減策と、さらに、実施時期については来年のできるだけ早い段階で行うべきと思いますが、どのようなお考えか、お伺いいたします。
次に、放課後の子どもの居場所づくりについてお伺いいたします。
少子高齢化の進展による人口減少社会の到来を迎えた我が国において、公明党では、子どもの幸せや子育ての安心が確保される社会づくりを目指し、子育てを社会全体で支援する子ども優先社会の構築を訴え、本年4月には、改革の方向性と具体的施策について、少子社会トータルプランを取りまとめたところであります。
このプランの基本的な考え方は、子どもたちの生まれ出ようとする環境への支援と、生まれ出た子どもたちに対する支援を強力に推進しようというものであります。少子化の要因とされる非婚化、晩婚化の背景にある働き方の改革と、子育ての負担を過重にしない支え方に着目して、各種の具体的な施策を提案したものであります。これらの提案施策は、6月に内閣が打ち出した新しい少子化対策に盛り込まれるとともに、7月に政府が決定した骨太の方針にも反映されたところであります。
先般、これらを受けて各省庁の来年度予算の概算要求が明らかになったところでありますが、少子化対策関連で、一つ、大変目についたものがあります。それは、小学生の放課後の居場所づくりについての施策である放課後子どもプランの創設であり、我が公明党が少子社会トータルプランで強く実現を主張してきたものであります。
放課後の子どもの居場所づくりについては、近年、特に保護者が、日中、不在となる共働き世帯に対する支援の側面だけではなく、すべての子どもが安全に安心して過ごせる場所の確保という観点からも、そのニーズはますます高まっているものであります。このような中、厚生労働省と文部科学省が連携して一体的な施策展開を行おうとする今回の放課後子どもプランは、大変有意義なことであり、その積極的な推進が大いに期待されるところであります。
一方、札幌市における放課後の子どもの居場所づくりについては、児童会館やミニ児童会館を拠点に施策が展開されております。この両施設については、留守家庭の児童だけを対象とするのではなく、すべての児童の健全育成の推進を目的に整備されてきているものであり、これまでに、児童会館は中学校単位で、その整備を終え、現在は児童会館のない小学校区でミニ児童会館を順次整備していることは承知しております。
そこで、質問ですが、子どもたちの放課後の安全・安心な居場所づくりについて、どのように考え、今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。
また、国が推進をしようとしている放課後子どもプランをどのように受けとめ、札幌市としてどのように取り組んでいこうとしているのか、あわせてお伺いいたします。
次に、新しい視点からの健康づくりについてお伺いいたします。
健康は、私たちにとってかけがえのないものであり、健康で暮らし、活力ある社会を築くことは市民みんなの願いでもあります。そのためには生活習慣病を予防することが重要でありますが、最近、注目されているメタボリックシンドロームの概念を導入した健康づくりについて、大きく2点、質問いたします。
一つ目は、食生活に関する環境整備についてであります。
平成14年の通常国会で食の憲法とも言うべき食品安全基本法が我が公明党の推進で実現し、また、平成17年6月には、我が党の力強いリードによって食育基本法が制定されました。ことし2月には、党内で食育推進本部を設置し、党を挙げて食育の重要性と取り組みの強化を主張し、食育フォーラムや学習会の開催を精力的に行っているところであります。
食にかかわる問題として、子どもや若い世代で朝食を食べないことや、30歳代以降の男性の肥満などが指摘されておりますが、市民の健康増進を図る上で、内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドローム対策が重要であると考えているところであります。
一方、厚生労働省が平成16年3月に取りまとめた健康づくりのための食環境整備に関する検討会報告書によりますと、近年、外食を利用する割合が高まっていることから、食生活に関する情報を外食を利用する方に提供していくことが、健康づくりを行う上で有効であると報告されております。
札幌市では、健康的な食生活を実践するため、環境整備として、飲食店などが健康に配慮したメニューを提供することや、エネルギーや塩分の表示をする外食料理「栄養成分表示の店」推進事業を平成13年度からスタートさせ、現在、約700店舗が登録されていると聞いております。
メタボリックシンドロームは働き盛りの男性に多いと言われておりますが、この年代は外食を利用する年代とも重なっていることから、外食産業の協力を求めながら食の環境整備を進めることは、健康づくりを推進する上で重要なことであります。
そこで、質問ですが、健康づくりを効果的に進めるために生活習慣病予防対策として食生活に関する環境整備を今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
二つ目は、森林を生かした健康づくりについてであります。
国においては、独立行政法人森林総合研究所が主体となった、森林系環境要素が人の生理に及ぼす影響の解明の研究のほか、平成17年1月には森林セラピー基地やセラピーロードを認定する構想を発表し、ことし3月、全国で10カ所の地域が指定されたところであります。
北海道においては、森林セラピーに取り組んでいくための推進組織として北海道森林セラピー研究会を立ち上げ、その後、平成18年2月には、北の森林と健康ネットワークが設立されるなど、森林を活用した健康づくりの取り組みがスタートしております。また、林野庁の外郭団体である財団法人国土緑化推進機構においては、森林療法士の制度化が検討されております。医学界においても、生体に本来備わっている自然治癒力を引き出す森林セラピーや温泉療法などの自然療法のほか、森林を歩くことによるストレスの軽減や免疫力のアップなど、森林が健康にもたらす心理的、生理的な効果に注目しているところであります。
札幌市は、市域の6割以上を森林が占める自然と緑が豊かなまちであり、藻岩山、手稲山、三角山や市有林の白旗山など身近に親しまれる山々のほか、野幌森林公園や円山公園など気軽に山歩きや散策ができる環境に恵まれております。
こうした地域特性を生かし、市内各所では白旗山や野幌森林公園での森林浴など、特に西区では、三角山を札幌遺産にしようと活動している民間団体、山と森の散歩道による子どもからお年寄りまで広く森林浴などを通した催しも開催され、好評を得ているのであります。豊かな森林に恵まれた本市の自然環境を健康増進に活用することは非常に有効であると考えるものであります。
そこで、質問ですが、森林の効用を普及する人材の育成等も含め、森林を生かした健康づくりに積極的に取り組んでいくべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
最後に、信頼される学校づくりについてお伺いいたします。
今、義務教育である小・中学校においては、不登校や学級崩壊など、学校が直面している厳しい状況からの再生が課題となっていると言われております。
そこで、私は、これまでの教育行政のあり方を改め、地域主導、現場主導へと転換し、信頼される学校を目指して、学校、教員の教育力をさらに高めることが強く求められており、その実現を通してこそ学校教育に対する信頼性が確保されるものと考えるのであります。学校が子どもや保護者、地域住民から信頼を得る、そして、その信頼関係を背景に学校が自信を持ってそれぞれの特色を生かした教育活動を行う、このような、いわば相互の信頼関係の相乗効果の中でこそ、子どもたちは心身ともに健やかに育っていくのであります。ですから、こうした信頼される学校づくりこそ、これからの教育にとって必要不可欠なことであると考えるのであります。
我が会派としましても、子どもたちを知・徳・体のバランスのとれた姿に育てる人間教育を教育政策の原点とするとともに、地域に開かれた、そして、地域の信頼に支えられた学校教育の推進をこれまでも提言してきたところであります。
さて、国の中央教育審議会は、昨年10月に答申をまとめ、新しい時代の義務教育を創造するとした提言を行っております。それによりますと、変革、混迷、国際競争のこの時代に果たす義務教育の役割は重く、今後の新しい義務教育の姿として、学校の教育力、すなわち学校力や教師力を強化し、それを通じて子どもたちの人間力を豊かに育てていくことが必要であるとしております。
この答申を受け、文部科学省では、新しい時代の義務教育を創造する手だてとして四つの戦略を掲げております。一つは、学習指導要領の見直しや、確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよく育成することなど、義務教育の使命を明確にし、教育内容を改善すること。二つには、教師の質の向上などを通して教師に対する揺るぎない信頼を確立すること。三つ目には、保護者や地域住民の考えを取り入れた学校の主体的な改革。四つ目には、必要な財源の確保など、確固とした教育条件を整備すること、以上であります。
文部科学省が掲げている戦略の中には、すぐれた教師を確保するための方策の例として、大学段階における教員養成の充実、教員採用の工夫、改善、教員研修の充実、教員評価の改善・充実などを挙げております。すばらしい人間性を持った人材が教職につくことで、子どもたちの、そして保護者の信頼をかち得る教師が誕生するのであります。したがって、大学段階における教員養成や教職の入り口である教員採用に関して、さらなる工夫改善をすることが大切なことではないでしょうか。
したがって、特に教員として採用されたての若い時期から、教育者としての使命感と幅広く豊かな人間性を身につけるとともに、社会の目まぐるしい変化に柔軟に対応していける子どもを育てるための実践的指導力をより高めることが重要であり、そのための目標を掲げ、常に向上心を持ちながら実践に臨むことができるようにするための教員評価制度の改善・充実が提起されておりますが、このことも教員の資質向上へ向けた手だてとして大変重要になっていくのではないかと思うのであります。
そこで、1点目の質問でありますが、教員採用のあり方や採用後の研修等を通して教師の資質の向上を図り、教員に対する信頼を確立するため、教育委員会としてどのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。
2点目は、信頼される学校づくりに必要な保護者や地域住民の考えを取り入れた学校改善についてであります。
先ほど述べた文部科学省の戦略の中には、そのための方策として自己評価の実施、公表の義務化及び外部評価を含めた学校評価の充実等を掲げております。学校が行っている教育活動に対し、保護者を初め、外部の方から評価をいただくことで内部では気づかなかったことに気づかされるなど、学校運営の改善をさらに進めることが可能になると思うのであります。そうすることで、学校と保護者、そして地域との情報交換が活発に行われ、ひいては両者の信頼に根差した学校づくりにつながっていくものと考えるものであります。
そこで、質問ですが、信頼される学校づくりの実現に向け、保護者や地域住民などの考えを取り入れた学校改善を教育委員会としてどのように進めていこうと考えているのか、お伺いいたします。
以上で、私の質問のすべてを終了いたしました。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(猪熊輝夫) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) ただいま、8点にわたりましてご質問がございましたので、私からは、私の政治姿勢について、財政問題について、観光対策と新幹線札幌延伸についての3点について答弁させていただきます。その余は、担当の副市長並びに教育長から答弁をさせていただきますので、ご了解をいただきたいと思います。
最初に、私の政治姿勢についてお答えをいたします。
1点目の札幌市
長期総合計画と
まちづくりについてであります。
一つ目のいわゆる長総などの長期計画や実施計画に関し、議会の議決や報告を義務づけることについてでございます。
行政計画の策定は、基本的には市長等の権限に属する事柄でありますが、札幌市におきましては、これまでも長期計画及び実施計画ともに議会に報告をし、そこでご議論をいただいているところであります。今後、これに加えまして、さらにどのような方法によって議決や報告を行うべきかということにつきましては、将来にわたっての
まちづくりの方向づけのあり方や効率的な行財政運営をいかに実現していくべきなのかなどの観点から、十分な議論をしていくべきであると考えるものであります。
二つ目の長総改定の考え方についてであります。
現在の第4次
長期総合計画につきましては、ご指摘のように、平成12年から31年まで、これはつくる過程が、平成8年に策定に着手をいたしまして、4年という長い年月をかけまして、議会においてはもちろんのこと、各界各層の市民の皆様による数多くの議論を経て策定されたわけでありまして、これは、平成12年度から平成31年度までの20年間を見据えた札幌市の基本的な
まちづくりの方向性を示したものでございます。
この計画の中では、市民みずからが
まちづくりの主役として主体的に活動することを求めるパートナーシップ型
まちづくりの展開だとか、市民みずからが地域の将来の方向選択に参画をし、進行管理に携わっていくという地域の
まちづくりの推進が計画展開の柱の中に位置づけられておりますし、少子高齢化社会を見据えた
まちづくりの方向性をも示しております。これらの考え方というのは、今議会に提案をしております
自治基本条例に通ずるものがありまして、私の考え方とも基本的に一致するものでございます。
また、この
長期総合計画が20年という長期間にわたって
まちづくりの指針としてあり続けるためには、社会経済情勢の変化を見きわめ、柔軟に対応することが求められておりまして、適宜、必要な進行管理を進めていくということが重要であるというふうに認識をしているところでございます。
2点目の
公共サービスの改革についてであります。
一つ目の
公共サービス改革法についての基本的な認識でありますけれども、この法律は、
公共サービスによる利益を受ける国民の立場に立って
公共サービス全般について不断の見直しを行い、透明かつ公正な競争のもとで、良質かつ低廉なサービスの実現を目指すものであります。この考え方は、元気ビジョンに掲げております、公共的なサービスの役割分担の見直しや協働型の市政を進めるといった考え方と一致しているものと認識をしているところでございます。
一方、
公共サービスの担い手を決める際の新たな手法といたしまして、
官民競争入札等の手続が定められておりますが、その実施に当たりましては、効果や課題について検討が必要かと考えております。
したがいまして、今後とも、
公共サービス改革法の趣旨を踏まえながら、行政の事業領域など
公共サービスのあり方について見直しを行うとともに、その担い手を決める際の手法につきましても、引き続き、調査検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
二つ目の
行政評価制度についてでありますが、札幌市の行政評価では、事業の必要性や実施主体のあり方といった
事業仕分けの考え方も含めて、多様な視点で点検、評価を行っているところであります。今後につきましても、経済界を含めた外部評価の人材を広く求めながら、
行政評価制度のより一層の充実に努めてまいりたい、このように考えております。
三つ目の改革をサポートする体制についてであります。
現在、市政推進室が全体を総括しておりまして、財政、人事などを所管する部局が庁内各部局と調整しながら改革に取り組んでおりますけれども、今後とも、この改革を進めるに当たって、より効率的で効果的な推進体制のあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、3点目の
出資団体改革についてであります。
一つ目の
出資団体改革プランの進捗状況についての認識でありますが、このプランにつきましては、平成17年度と18年度を集中取り組み期間というふうに位置づけをいたしまして、現在、目標の達成に向けて全庁を挙げて取り組んでいるところでございます。
そして、この取り組みに当たりましては、今年度、新たに
出資団体点検評価委員会を設置いたしまして、外部の専門家による評価を受けることによって、確実にその推進を図ることといたしており、さきに同委員会によるヒアリングが実施されたところでございます。
私といたしましては、
出資団体改革に向けて
改革プランの取り組みが着実に動き出しているものと考えておりますが、現在の進捗状況に決して満足しているわけではなくて、より積極的な取り組みの必要性を認識しているところでございます。
二つ目の職員の再就職についてであります。
まず、再就職の手続の強化と課題についてでありますが、ご質問の再就職の手続は、他の政令市でも例を見ない独自の取り組みでありますが、出資団体が役員等の人選に当たって主体的に意思決定をし、市の退職者を必要とする理由、そして、適任要件等を市に提出し、これらを公表することにより、再就職の透明性の向上が図られていくものと考えているわけであります。
なお、ご指摘の公表された理由、要件というものが少し抽象的で漠然としているというご指摘でございますが、各団体の重要な意思決定を行う立場にある役員や管理職について個々具体的な記載はなかなか難しい面もございますけれども、市民にとってよりわかりやすい公表のあり方について、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、民間出身者を含めた役員の選任についてでございますが、これまでも、民間経営のノウハウの導入や民間出身者の高度な専門知識を生かすことが期待されている株式会社においては、民間人の登用を推進してきたところでございますが、今後とも、役員等の選任に当たりましては、民間人の積極的な登用について各団体と協議してまいりたいと考えております。
三つ目の今後の
出資団体改革に向けた決意についてでございます。
今年度は、
改革プランの集中取り組み期間という位置づけをし、その最終年度であります。そして、来年度当初に実施されます統廃合など多くの
取り組み目標も控えておりますことから、今後、
出資団体点検評価委員会から出される報告書を踏まえまして、着実に取り組みを進めていかなければならないと考えているところであります。
出資団体改革は私の重要な公約でございますので、その実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたい、このように決意をしているところでございます。
次に、財政問題についてお答えをいたします。
1点目の新たな三位一体の改革についてであります。
これまでの三位一体の改革については、一定の評価はできるものの、地方が目指す姿にはなっていないということから、札幌市としては、平成19年度以降も引き続き、いわゆる第2期改革を行うべきものと考えております。
第2期改革においては、これまでのような
国庫補助負担金の負担率引き下げを含む改革ではなくて、まず、国と地方が本来担うべき事務、役割分担を整理した上で、真に国が義務的に負担すべき分野を除き、地方が担う事務に係る
国庫補助負担金は全廃するということで、基幹税による税源移譲につなげるべきだというふうに考えているところでございます。
こうした改革を通じて、国の関与や義務づけの廃止・縮減を進めて地方税を拡充することによりまして、財政面における自治体の裁量、自由度が拡大しまして、市民自治による
まちづくりをさらに推進していくことが可能になるというふうに考えております。
2点目の
地方交付税改革についてであります。
不交付団体を増加する方針については、そもそも税源移譲と切り離しては議論できないものと考えておりますので、団体数の増加ということのみを目的に不交付団体とされるような見直しというものは行われるべきではない、このように考えております。
また、新型交付税の導入につきましては、一昨日、総務省から試案が示されたばかりでありますので、具体的な影響を推定するということは困難でありますけれども、十分な経過措置を講じることが従前より示されているところであります。
しかし、場合によっては、積雪等の自然条件のため、必要となります除排雪経費などが算定の簡素化ということによって適切に措置されないことなども想定されます。見直しの影響により本市の財政運営に支障が生じないように、今後も、国の動向を見きわめつつ情報収集に努めて、このような意見交換の機会に本市の意見を十分に主張するなど、適宜、対応してまいりたい、このように考えているところであります。
次に、観光対策と新幹線札幌延伸についてお答えをいたします。
1点目の観光対策についてであります。
まず、日中韓観光大臣会合が北海道で開催されました意義についてでありますが、この会合に参加されました中国、韓国の政府関係者や旅行エージェントの方々に、北海道、そして札幌のさまざまな魅力を実感していただきましたことから、両国からの観光客のさらなる増加につながるものと非常に大きな期待を持っているところでございます。また、多くの報道機関によって、この会合、とりわけ北海道宣言が広く国の内外に発信されたことによりまして、知名度向上やイメージアップが図られ、北海道及び札幌市における国際観光の進展に極めて大きな意義があったものと考えております。
次に、中国、韓国との観光交流についてお答えをいたします。
札幌市では、これまでも、現地での観光プロモーションの開催や旅行エージェント、メディアの招聘などの取り組みによりまして、中国及び韓国からの観光客誘致を積極的に推進してまいりました。今後は、新たな取り組みといたしまして、ライラックまつりと中国・大連市のアカシアまつりとの間で協定を締結いたしまして、相互の観光交流を推進することや、ことし6月に函館−韓国のソウル間に国際定期航空路線が新設されたことを踏まえまして、札幌、函館及びソウルの3都市を結ぶ新たな観光ルート、旅行商品の造成に向けた函館市との連携なども進めてまいる考えであります。
このような観光のネットワーク拡大への取り組みを初め、このたび採択をされました北海道宣言の趣旨を十分に踏まえて、今後もさらなる観光交流の拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、3国以外の地域との観光交流についてお答えをいたします。
3国以外の地域といたしましては、特に札幌への観光客が多い台湾、香港、また、近年、札幌への関心が高まってきておりますシンガポールやオーストラリアなどに対しまして、旅行博覧会への出展等を通じて観光PRを行ってまいりました。中でも、シンガポールにつきましては、近年、札幌市への入り込み数が急増しておりますことから、ことし8月に、私を含めた官民合同のミッションにより観光プロモーションを行ってきたところであります。
今後は、これらの取り組みのほか、広く観光客の増加が期待できる地域に対しまして、札幌の文化や食、四季のさまざまな魅力などを積極的にPRしてまいりたいと考えているところであります。
2点目の北海道新幹線の札幌延伸についてであります。
まず、これまでの関係者の努力をどのように考えているかというお尋ねでありますが、私なりに感ずることを率直に申し上げますならば、北海道新幹線誘致の歴史が実に30年を超える長い年月にわたるものでありまして、整備新幹線を取り巻く情勢が目まぐるしく変わり、紆余曲折もありながら、北海道や地元経済界、そして、地元選出の国会議員の皆様方の間で、人は変われども、新幹線誘致に対する強い意思が今日までつながれてきたこと、そして、これら関係者の皆様のご労苦に対しましても最大の敬意を払うべきものと感じているところでございます。
次に、誘致運動を盛り上げるための取り組みについてお答えをいたします。
次の政府・与党による見直しにおいて札幌延伸が決定されるためには、ライバル北陸に負けない道民、そして札幌市民の機運の盛り上がりが不可欠である、このように私も感じております。
これまで、議会や記者発表などの機会を通じまして私なりの新幹線に対する考えを述べてまいりましたが、まだ十分には市民に浸透していないとのご指摘を真摯に受けとめなければならないというふうに考えておりますし、改めて市民の熱意を醸成し、これを結集するためには、より多くの情報を市民の皆様方に提供する必要があるというふうに強く感じているところでございます。
今年度においては、広報さっぽろ4月号において新幹線を紹介したほか、先ほどご質問の中でもお話がございましたリンケージ・アップ フェスティバルに新幹線コーナーを設けるなど、PRに努めてまいりましたが、今後も、適宜、機会をとらえて、工夫を凝らし、市民により多くの情報を的確にお示しし、新幹線に寄せる期待や熱意の醸成に努めてまいりたいと考えているところであります。
次に、札幌駅周辺の
まちづくりの検討に向けた組織体制の整備についてでありますが、関係する方々から、札幌延伸実現のためにも駅周辺の
まちづくりの検討が必要であるとのご指摘をいただいていることは十分承知をいたしております。
現在、札幌駅周辺には、札幌の玄関としてふさわしい駅の構えが整い、都市機能の集積とにぎわいある空間が形成されておりますけれども、ご質問にもございました都心
まちづくり計画に基づく諸事業や、都心に係る諸課題の動向にも留意しながら、適宜、駅周辺の
まちづくりを進めていく必要がありますので、このための庁内の組織体制について検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、議会と行政とが一体となった推進体制の整備についてでありますが、今後、札幌市議会の皆様と私どもがそれぞれの役割を果たしながら、ともに札幌延伸の実現に向けて取り組んでいくべきだとのお考えであり、大変心強く感じているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(猪熊輝夫) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、4点についてお答えをいたします。
まず、医療制度改革に伴う療養病床の再編についてお答えをいたします。
1点目の地域ケア整備構想の策定についてでありますが、構想の策定手順としては、各都道府県が本年10月1日を基準日として療養病床を有する医療機関を対象にアンケート調査を実施し、療養病床の転換意向や入院患者の状態などを把握した上で来年秋ごろをめどに策定することとされております。
札幌市としては、北海道が構想を策定するに当たって、さまざまな機会をとらえて札幌市の意向が適切に反映されるよう、必要な要望や提言を行ってまいりたいと考えております。
また、2点目の介護施設サービスの整備につきましても、療養病床の具体的な転換計画が地域ケア整備構想の中で示されることから、まずは札幌市の実情が反映された構想となるよう働きかけ、その上で本市として次期介護保険事業計画を策定し、計画に基づく施設整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の介護給付費の増加についてであります。
札幌市における介護給付費の見込みにつきましては、地域ケア整備構想の中で示される転換計画に基づき推計を行うことから、現段階でお示しすることはできませんが、今後、平成21年度から始まる第4期介護保険事業計画の策定に向け、介護保険事業計画推進委員会において検討をいただきながら明らかにしてまいりたいと考えております。
次に、障害者自立支援法についてお答えいたします。
1点目の障がいのある方の相談支援体制の構築についてであります。
札幌市では、障害者自立支援法の第2次施行に伴い、これまで委託、補助を実施してきた相談支援事業の再編を行います。それぞれの事業所の特性を生かして、一般的な相談を行う障がい者相談支援事業と障がいのあるお子さんや知的障がいのある方などを対象に専門的な療育を行う障がい児等療育支援事業を実施するほか、今後、地域自立支援協議会で協議を行うなどして相談支援体制の充実を図ってまいります。
また、障がい者相談支援事業のうち、主に精神障がいのある方を対象とした事業所においては、地域活動支援センター事業もあわせて行うことから、一層、充実した支援が行われるものと考えております。
次に、2点目の地域活動支援センターについてであります。
地域活動支援センターは障がいのある方の社会参加を促し、交流の場を提供することを目的としておりますが、札幌市では、専門職員を配置して、生活支援などに加え、相談支援事業もあわせて行う形態と、社会適応訓練や入浴サービスなどを提供する形態の二つの事業をこの10月から実施をいたします。また、小規模作業所からの移行分については、円滑な移行を図るため、19年度から実施することとしたものでございます。
今後につきましては、札幌市全体の状況、地域の実情、札幌市の財政状況などを勘案して整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の就労支援策についてであります。
今後、地域で暮らす障がいのある方が増加する中で、授産施設や小規模作業所の製品売り上げを伸ばし工賃収入をふやすためには、消費者ニーズを的確に把握し、売れる授産製品づくりを目指す必要があると受けとめております。
議員ご提案の企業ニーズと小規模作業所などの製品開発能力のコーディネートもそのための有効な施策であると考えておりますので、今後、検討を進め、従来の施策とあわせて就労支援を一層推進してまいりたいと考えております。
4点目の利用者負担の軽減策についてであります。
障害者自立支援法の施行後、障がいのある方や家族の方々から利用者負担に対する不安の声が多数寄せられております。
このような状況を踏まえまして、低所得者に対する軽減策につきましても、昨日の代表質問でもお答えしましたとおり、障がい児通園施設の利用者に対する負担軽減策と同様に、議員ご指摘のような他都市の方策も考慮しながら、実施時期も含め、最後の詰めを急いでいるところでございます。
次に、放課後の子どもの居場所づくりについてお答えいたします。
1点目の放課後の安全・安心な居場所づくりについてでありますが、子どもたちが被害者になる痛ましい事件が相次いでいる昨今、安全・安心な子どもたちの居場所の確保は大変重要な課題と認識をしているところでございます。このような中、札幌市では、すべての児童の健全育成を目的に児童会館及びミニ児童会館の整備を進めてきており、子どもたちに大変親しまれるとともに、保護者の皆様からも信頼をされているところでございます。
今後の進め方につきましても、小学校の余裕教室を活用するミニ児童会館の整備を引き続き積極的に推進していくことにより、放課後において子どもたちが楽しく充実した時間が過ごせるような居場所の拡充に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の放課後子どもプランについてであります。
今回、文部科学省と厚生労働省の連携により、子どもたちの安全・安心な居場所づくりに向けて効果的に推進していくことを強く打ち出したことは、札幌市にとりましても大変心強いことと考えております。
今後、詳細については順次明らかになるものと思われますので、教育委員会と子ども未来局の一層の連携を図りながら対応をしてまいりたいと考えております。
次に、新しい視点からの健康づくりについてお答えいたします。
1点目の食生活に関する環境整備に係る今後の取り組みについてでございますが、生活習慣病の要因となるメタボリックシンドローム対策は、今後の健康づくりを進める上で大変重要な課題でございます。従来、食生活に関する環境整備として、飲食店で提供されるメニューへの栄養成分表示を進めてきたところでありますが、今後は生活習慣病の予防の観点から、エネルギーや脂肪を控えたヘルシーメニューを提供する飲食店をふやすことを重点課題として取り組んでまいりたいと考えております。また、市民ニーズを高めるためにも、ヘルシーメニューの店などの情報については広くPRに努めてまいりたいと考えております。
2点目の森林を生かした健康づくりについてであります。
森林は、ストレスの軽減など、人の心身機能に良好な影響をもたらすと言われております。その効果を活用した健康づくりにつきましては、ウオーキングなどの運動習慣の確立や食生活の改善などと組み合わせながら総合的に実施していくことが適切であると考えており、森林浴ができるコースを取り入れたウオーキングマップづくりなどを進めてまいりたいと考えております。
今後、森林浴の医学的効能等に関する専門家の意見なども踏まえながら、既に実践的な活動、研究や人材育成を行っている団体等との連携を図り、市民の健康づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(猪熊輝夫) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から、信頼される学校づくりにつきましてお答えを申し上げます。
1点目の教師に対する信頼を確立するための方策についてであります。
まず、教員採用につきましては、これまでに、民間人面接官の導入など、より多角的な視点から人物を重視した選考に努めてきたところでありますが、今年度から、実際の指導場面を想定しました場面指導試験を導入するなど、教員採用方法のさらなる工夫、改善を進めているところであります。
なお、教員養成を行っている大学との連携につきましても、教職を希望する学生が少人数指導の補助など、教育現場を直接経験することを通して教職の実際を学ぶ学生ボランティア事業を行っており、今年度からは提携の対象を3大学に拡大したところでございます。
次に、教員研修につきましては、実践的な指導力を高めることを目指しまして研修内容や方法の質的改善を図っているところでありまして、特に教職の基本を形成する重要な段階であります初任者に対しまして、2年目の研修の支援体制を次年度から新たに構築していきたいと考えております。
さらに、教員評価制度の導入についてでございますが、市立高等学校及び幼稚園につきましては、本年8月、要綱を制定し、今後に向けて実施の細部を定める要領の検討を進めているところでございます。また、小・中学校につきましても、今後、北海道教育委員会の要領制定を待って、導入してまいりたいと考えております。
次に、2点目の信頼される学校づくりに向けた学校改善の取り組みについてであります。
これまでも、保護者や地域の声を学校運営に反映させるために学校評議員制度の導入に努めてきたところでございますが、現在、90%を超える小・中学校において実施をされておりまして、今年度中に全校にこの制度を導入することといたしております。
また、教育活動や学校運営の改善のための学校評価システムの確立につきましては、各学校において適正に自己評価するとともに、評価結果の公表や教職員以外の評価を加えるなど、その実施に努めてきたところであり、今年度からは、文部科学省の事業を受託いたしまして、小・中学校10校をモデル校に指定し、先進的な学校評価の実践研究を行っているところでございます。
今後は、各学校の評価結果の公表を一層推進するとともに、学校評議員等から成る外部
評価委員会を設けるなど、保護者や地域住民などの考えを取り入れました学校改善のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
涌井国夫議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(猪熊輝夫) 涌井議員。
◆
涌井国夫議員 再質問をしたいと思います。
まず長総と
まちづくりの関係でございますが、長期計画や実施計画について議会に対して議決、報告することの意味というのは、二元代表制の趣旨から、議会が市行政に責任を持って、条例化するという意味については、市民の代表としての議会の監視機能をより高め、権限強化するということであります。
こうした議会としての役割をより明確にするという動きが、現在、全国に広がってきてございまして、特に
地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件に関する条例という形で、条例制定の現在の状況は横浜、仙台、広島、京都、福岡の5都市、3割以上に拡大をしてきておりますので、その辺も含めたお考えについてお伺いをしたいと思います。
もう一つは、長総の改定についてでございますけれども、調べてみましたが、各自治体で
自治基本条例に類似した条例を制定した川崎市、静岡、東京中野区など、ほとんどの自治体が総合計画の改定と連動しているというのがわかりました。
長総が、現在の行財政改革などの大きな時代の変化、大きな流れの中で、20年のスパンを見て計画を立てるというのはなかなか難しいのではないかという声も大変聞かれております。
市長は、今、適宜必要な進行管理を進めるとお答えしておりましたが、現在の長総の改定については、市長としては必要ないという認識でいいのか、お伺いいたします。
2点目、
公共サービスの改革についてでございます。
経済界の方も含めて、人材を求めることについては進めていきたいということで一定の評価をいたしますけれども、例えば、今後、5年間で3,105人の行政職の職員が退職されます。再任用もありますので、そういうことも含めて、少なくとも1,500人ほどの職員が間違いなく減員になるという状況になります。
まさに、今、札幌市の政策の再構築が必要だというふうに思うわけであります。政策を大胆に見直して改編、統合することによりまして、新たな施策に職員を配置するなど、組織・機構の体制の見直しの直結に通じることから、まさに今、行政が行う事務事業の仕分けのルールを定める、つまり、今回、行政評価委員の方の中間報告がございましたけれども、その中でも、内部評価について評価の手法が依然として確立していないというようなお話も盛り込んでおりました。現在の行政評価に新たな視点を持った外部評価制度を再構築していくべきでないかと強く思うわけでございます。
さらに、市の政策と整合を図るときに、事業が民間でも可能であれば積極的に探っていくという視点について具体的にどこの部局で行うのかということが見えてきておりません。やはり、横断的、専門的に扱う組織の再構築がぜひとも必要ではないのかと私は強く思っております。
先ほど言いました今回の中間報告、外部評価報告書の中に、外部の評価の指摘を受けて、市では、改善、見直しの方向性を検討するという言い方で表現しておりますけれども、他都市では、
公共サービスの最適な担い手を導き出すための手法として、
市場化テストを位置づけて推進する
公共サービス改革推進委員会を副市長を中心にした体制で進めていく、市長直結の部署で進めていくというふうに進めている自治体もございますので、この辺についても市長の考え方を改めてお伺いいたしたいと思います。
最後に、
出資団体改革についてでございますけれども、例えば、
改革プランで示された札幌エネルギー供給公社と北海道熱供給公社との統合の実施期限についてでありますが、ヒアリングの中で平成25年の統合期限が延びるような発言があったというふうに聞いております。市長は、このことについてどのように考えているのか、つまり、統合の期限を守っていくのかどうかということを伺いたいと思います。
それから、市長、副市長の役員兼務の解消について、進んでいないというふうに思いますので質問しますけれども、例えば、公園緑化協会、札幌市防災協会の兼務解消のめどはあるのかというふうにお聞きしたいと思います。
また、先ほど指摘しましたけれども、めどの立っていない15団体も、今後とも兼務解消ができない理由が出されていますが、極めてあいまいでございます。もっと市民に説明責任を果たすためにも団体と協議していくというふうにお話ししましたけれども、はっきり言って限界もあります。そういうことで、その辺も、やはり外部評価の目線をきちっと入れて検討するということを真剣に考えていくべきでないのか、こういうふうに思いますので、この点についてお伺いいたします。
○副議長(猪熊輝夫) 上田市長。
◎市長(上田文雄) まず、条例化、議決案件にするべきだというふうなことでございますが、ご指摘のとおり、幾つかの政令市におきまして、そのような条例が制定されているということは承知をしているところでありますけれども、先ほども申し上げましたとおり、将来の
まちづくりの方向づけのあり方だとか、あるいは、効率的な行財政運営をいかに実現していくかという観点から、これが議決案件としてふさわしいのかどうなのかということについて、そのような観点から私どもは考えていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、長総を改定する考えがあるかどうかということでありますが、
自治基本条例との関連で、
自治基本条例が制定されると同時に、それと一体となって長総も改定されているところが多いというふうにご指摘がございました。
確かに、そういうところもあろうかというふうに思いますが、私は、先ほど答弁の中で申し上げましたけれども、平成12年からの第4次
長期総合計画を見ますと、今、私が考えている札幌市におけるこれからのあり方といったことについては、ほとんど網羅されているというふうに考えております。
前市長も、長総の中で
自治基本条例というものは必要だというふうなお考えを述べられていたというふうに私は仄聞しておりますけれども、そういう意味で、今の第4次長総において、私どもの当面の行政運営については指針がしっかり示されているというふうに私は考えておりますし、市民の主体的な活動、あるいは、市民と協働していく行政のあり方といったものについてもしっかりと書かれているというふうに思いますので、あとは、私どもは、その実施計画という形で進めることで対応できる、このように考えておりますので、当面、これを変えていこうというところまでは考えていないというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
それから、
公共サービスの担い手の問題について大変ご見識をちょうだいいたしまして、私どもも勉強しなければならないところがたくさんあるというふうにお伺いいたしました。その中で、具体的な改革をしていくプランをもっときっちり日程を決めてやるべきだというふうなお考えも私どもは十分ご意見としてちょうだいさせていただきますし、参考にさせていただきたいというふうに思います。
それから、進め方について組織横断的な機構をきちっとつくるべきだ、こういうお話もございます。
現在、私どもも、市政推進室の中に幹事会というものを設けまして、部長レベルでの横断的な組織がございますが、そこで、現在どういう事務事業をやっているのかということをみんなで寄せ合って、これは本当に行政がやるべき仕事なのか、それとも民間にもかわることができるものなのかということの仕分けといったものも含めて、その会議で検討し、また議論を上部機構の方に上げていただいているというふうな経過がございます。
ご指摘にありました
公共サービス改革推進委員会のようなものをつくったらどうかということも含めて、私どもは、より確実な問題解決のために議論を深めていきたい、その委員会制定についても議論の俎上にのせさせていただきたい、このように思います。
それから、点検
評価委員会でのヒアリングの際に、ご指摘のように、統合の目標年次について誤解を生むような発言があったというふうに私もお聞きしておりますが、それは2回目のヒアリングの席で訂正をされたというふうにも聞いているところでございます。
その目標を定めた年次までには最大限の努力をして統合していくと考えているというふうに、ヒアリングの席でもそのように述べているということも私どもは議事録の中で確認させていただいておりまして、一番最初に多少誤解を生むような発言があったことについては遺憾だというふうに私は思いますが、両団体の動向に向けまして積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
それから、市長、副市長の兼務の問題でございますが、これは
改革プランを作成した際に、非常勤役員を兼務している22団体につきまして、団体ごとに必要性の検証を行って、7団体の兼務解消を検討することとさせていただいております。このうち、5団体については既に兼務を解消しまして、残る2団体においても近く解消する予定というふうになっているところでございます。
残りの15団体でございますが、プランの策定時に兼務というものを継続するというふうにさせていただきました理由は、いずれの団体も対外的に市の関与というものを強くアピールすることが必要な団体だと。団体の信用性を高めるとか、あるいは、事業を円滑に行うメリットの方が大きいというふうに判断したものでございます。
例えばPMFだとか、あるいは国際プラザ、芸術文化財団、ここら辺のものになりますと、やはり、市がしっかり関与してやっているということによって信用力がつく、あるいは、それに出資をしていただける皆さん方の安心感といいますか、そういったものも寄せられるというふうな考え方が一つございます。
それから、筆頭株主であることや他の出資者の代表者が役員に就任している関係から、市として代表する立場にある者が役員に就任する必要性が高いというようなこともございます。例えば、中小企業共済センターだとか札幌花き地方卸売市場だとかリサイクル公社など、こういったものは、ほかの役員との兼ね合いでどうしても市がしっかり関与していかなければならない、こんな考え方で除外をさせていただいているところであります。
しかしながら、今後も、市長及び副市長の非常勤役員の兼務につきまして、有効性や必要性というものを適宜・適切に検証して、団体を取り巻く状況の変化に合わせて随時見直しを行ってまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
以上であります。
(
涌井国夫議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(猪熊輝夫) 涌井議員。
◆
涌井国夫議員 行政
評価委員会についての再構築につきましては、また決算委員会の場で論議をしていきたいというふうに思いますし、
出資団体改革でございますけれども、今後、点検
評価委員会からの報告書が提出されるわけであります。極めて厳しい指摘の内容というふうになるのではないかと思っておりますので、市長の改革に対する姿勢が問われるというふうに思います。注視してまいりたいと思っております。
以上で終わります。
○副議長(猪熊輝夫) ここで、およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時49分
再 開 午後3時21分
――
――――――――――――――――
○議長(大越誠幸) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
坂本恭子議員。
(
坂本恭子議員登壇・拍手)
◆
坂本恭子議員 まず初めに、去る14日、急逝されました横山光之議員に対しまして、心から哀悼の意をあらわし、ご冥福をお祈りいたします。
私は、日本共産党を代表して、議案及び当面する市政の諸問題について質問いたします。
最初に、国の税制改悪による市民負担増の問題についてです。
質問の第1は、増税による高齢者への影響についてです。
2004年、2005年と続けて行われた国による税制改悪は、公的年金等控除の縮小、老年者控除の廃止と住民税の高齢者非課税措置廃止に引き続き、所得税や住民税の定率減税の縮減、廃止が行われています。
これらにより、ことしの6月に届いた住民税の納税通知書を見た多くの高齢者が、計算間違いではないのか、けたが一つ間違っているのではないかなど、怒りと驚きの声を上げました。6月12日から30日までの問い合わせ件数は、電話で1万7,000件、来庁者は7,000件で、合計2万4,000件を超えています。1日で4,000件の問い合わせが殺到した日もあり、区役所の窓口は大混乱しました。税額が2倍、3倍はもちろんのこと、8倍、10倍以上にふえている世帯があったからです。
年金は1円もふえないのに、納税額だけがふえていきます。また、介護保険法の見直しにより、今年度から本市の65歳以上の介護保険料は、基準額で4,025円と、これまでより11%の値上げになりましたが、税制改悪がさらに追い打ちをかけ、高齢者への非課税限度額の廃止によって住民税が非課税から課税になると、介護保険料の段階が上がることになり、本市では、旧2段階から現4段階や5段階へ移行する世帯が続出しています。65歳以上の高齢者32万8,000人のうち、収入が1円たりとも上がっていないのに保険料段階が跳ね上がる高齢者は3万2,000人、およそ1割にも上ります。旧2段階から現4段階に移行する方は、昨年の年額3万4,110円から5万450円と1.48倍に、現5段階へ移行すると6万3,070円で1.85倍となり、大変な負担が強いられます。また、住民税の納付通知書と同時期に送付された国保料も値上げになった世帯が多く出ました。
この間、私どもは市民の皆さんに市政に関するアンケートを行っていますが、大幅な負担増への怒りの声が多数寄せられています。税金、税金で苦しい生活、気の休まる暇がない、住民税が4,000円から4万円に急上昇した、一刻も早くこんな悪政とおさらばしたい、私は平均的年金生活者です、年金がことし8,500円減額されました、国保で年5万3,150円値上げで、介護保険料は夫分6,220円、妻分4,970円の値上げで、住民税に至っては、昨年まで道・市分で4,000円であったものが4万2,600円で10倍強の一挙値上げ、弱い者いじめ以外の何物でもない、今の自公政治は格差社会を喜んでいるなど、どれも切実なものばかりです。
そこで、質問ですが、市長は、この税制改悪が高齢者にとって耐えがたい痛みを押しつけるものだとはお考えにならないのか。増税と国保料や介護保険料の値上げによる市民負担増と、これらの怒りの声をどのように受けとめておられるのか、高齢者の実態に即して国保料や介護保険料の独自の軽減対策をとるべきではないですか、伺います。
質問の第2は、保育料についてです。
高齢者だけでなく、所得税の定率減税の縮減、廃止は、サラリーマン世帯にも大きな影響を与えます。
所得税と住民税の定率減税が廃止されれば、単身者から子育て世代、ほとんどすべての世帯で数万円からの負担増になりますが、これに伴って保育料の実質的値上げが行われます。前年度の所得税額で決められる保育料は、来年度以降に影響の出るものです。現在の保育料階層で、所得税課税世帯であるD1からD8のすべての階層で1ランクずつ移動する世帯が出てきます。具体的なケースで言うと、子ども2人を持つ夫婦の場合、D1ランクで世帯の年収が333万円であれば、今年度の保育料3歳未満児で1万4,250円が、来年度は2万500円に、D2ランクで年収408万円であれば2万500円が2万7,500円へとそれぞれ大幅に値上げになります。
本市は、合計特殊出生率1.01と東京に次いで低く、どの調査でも子どもを持てない理由のトップは経済的負担感になっていることを市長はどのように考えておられるのか、子育て世代の経済状況をどのように見ておられるのか、伺います。
税制改悪の影響で階層移動による保育料の引き上げを起こすことになりますが、本市独自に軽減策を行うなどの対応が必要と考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、課税世帯になることで、これまでの減免制度が受けられなくなる問題についてです。
65歳以上の高齢者のうち、前年の合計所得が125万円以下の者に対する非課税措置が廃止になりました。65歳以上の人口は32万8,000人余りですが、そのうち、およそ3万2,000人の方が非課税から課税になり、そのために市民サービスの利用料減免を受けられなくなります。福祉除雪は、これまでの5,000円が2倍の1万円の負担になりますし、高齢者インフルエンザ予防接種は1,000円に、すこやか健診は1,200円に、各種がん検診は、胃がん検診の2,200円を筆頭に、無料だったものが軒並み自己負担させられることになります。
本市が行ってきたこれらの福祉制度は、低所得の高齢者にとっては必要なものであり、これまでどおり減免を受けられるようにすべきと思いますがいかがですか、伺います。
次に、昨年度決算について質問いたします。
2005年度一般会計決算額は7,918億4,797万円余と、前年度よりも148億921万円減額となっており、厳しい緊縮型になっております。
上田市政が始まる前年度である2002年度と昨年度を比較して質問を行います。
質問の第1は、個人市民税についてです。
個人市民税の均等割は1億6,000万円増額になっているものの、所得割は35億3,000万円と大きく減額になっています。そのことによって、市民税が全体として減額になっています。リストラの進行や賃金カット、企業が正社員の採用を減らし、契約社員や派遣労働者、請負をふやすなど、非正規雇用を拡大することで人件費の抑制を図っていることなど、市民生活の厳しさが本市の財政に反映されていると思うのですが、市長は、個人市民税の所得割が減額になっていることについてどう認識しているのか、伺います。
質問の第2は、法人市民税についてです。
均等割で2億1,000万円、法人税割でも2億7,000万円、それぞれ増額になっています。
財政構造
改革プランでは、財政基盤の強化の項目で、法定外税や超過課税などの課税自主権の活用を計画しています。また、市民の皆さんに影響のあるものとして、新たな有料化や値上げ、市民サービスの縮小を含めて133億円の市民負担増を計画しています。その中には、敬老優待乗車証の見直し、すこやか健診、がん検診の本人負担額の見直し、市営住宅使用料、市営住宅駐車場使用料の改定などが含まれ、反対する市民の声を押し切って負担増を強行したものが多数あります。
超過課税の税率は、政令指定15市中、静岡市は実施しておりませんが、9市が14.7%であり、14.5%は、本市を初め、5市のみとなっております。0.2%の引き上げで、年間3億円弱の増収となります。本市の財政が豊かであるならともかく、市民に負担を強化する一方で、利益を上げている大手企業に対する法人市民税の超過課税を14.7%に引き上げなければ市民の理解が得られないと思いますが、市長はどう考えになっているのか、伺います。
質問の第3は、基地交付金についてです。
自衛隊基地の固定資産税の代替措置として国から交付されている基地交付金は、1億円でした。本来の固定資産税相当額はどれほどになるのか、お示しください。
また、不当に低い基地交付金を引き上げるよう国に求めるべきですがいかがか、伺います。
質問の第4は、市民負担の問題です。
使用料、手数料は8億8,000万円増額となっています。昨年度は、すこやか健診、がん検診、精神保健センターと発達医療センターの診断書料の値上げ、高校授業料の値上げ、生活保護世帯の下水道使用料及びし尿処理手数料の減免廃止、区民センター、地区センター等の貸し室料金の減免規定の改悪など、市民負担の強化を一挙に行い、市民から猛烈な反対が噴出しました。
国の悪政のもとで、医療費負担や税金が上がる一方、年金の受給額は減り、非正規雇用など格差が拡大して労働者の賃金は下がっています。市長は、このような市民生活の厳しさをどう認識しているのか、改めて市民の前に明らかにしてください。
貧困と格差の拡大が進むもとで、自治体は住民の暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきだと思いますが、いかがか。
昨年度は、本市が各種の市民負担増を強行することで、市民の暮らしの厳しさを助長したと思うのですがいかがか、市長の釈明を求めます。
次に、障害者自立支援法の施行に伴う障がい者福祉施策について質問します。
8月8日、札幌市知的障害児・者施設連絡協議会の代表などでつくる実行委員会が主催した市役所ロビー緊急集会が行われ、猛暑の中、障がい者、施設関係者、父母ら800人以上が詰めかけ、一人一人が札幌市独自の支援策を求め、切々と訴えました。
9月14日の障害者自立支援法に地域の声を届けよう北海道実行委員会との懇談には、市長が直接対応しています。この前後にも、障がい者団体から市長あての数多くの要望書が提出されています。
質問の第1は、障がい者や関係者の要望、声をどのように受けとめているかについてです。
支援費制度では、応能負担であり、通所施設では95%が無料でした。33歳になる知的障がいのAさんは、4月からの法の施行で、作業工賃が日額300円、月平均6,000円なのに、施設の利用料金は無料だったものが月額2万4,700円となりました。負担が大き過ぎるので同居の親から世帯分離したら利用料は軽減されましたが、それでも1万4,860円もの負担です。障がいの重い人ほど多くの医療と福祉のサービスを必要としますが、応益負担の導入によって障がいの重い人ほど自己負担も重くなります。このことについて、市長はどのような認識をお持ちか、伺います。
また、みずからも、直接、障がい者の方々の話を聞いて、負担の重さや今後のサービス利用への不安をどのように感じたのか、伺います。
さらに、障がい者団体の要望について具体的にどのような検討をされたのか、お尋ねします。
質問の第2は、札幌市独自の利用者負担の軽減策についてです。
仙台、京都、横浜などでは独自の軽減策を決定、もしくは既に実施しています。横浜市の利用料減免は、3年間の期限つきですが、非課税世帯は負担なしとして、対象者約4,000人を見込み、今年度の予算額は7億円余です。京都市では、福祉サービス、自立支援医療、補装具についてそれぞれ負担限度額を国の半分に引き下げ、自己負担額の合計について独自の上限を設定し、今年度予算額は3億円余です。仙台市では、予算額2億4,000万円で軽減策を9月議会に提案しています。
独自の軽減策をとり、障がい者を支援するかどうかは、「脱・不公平」を掲げる市長の基本姿勢にもかかわる重要な問題です。市民税非課税世帯、低所得の障がい者の福祉サービス、医療費の負担軽減に向け、今後どう対応するのか、明確にお答えください。
また、10月施行となる障がい児施設利用料は、これまでほとんど無料であったものが、大変な重荷となります。通所施設とともに、入所施設についても利用料は助成すべきと考えますが、いかがか。10月から1割負担となる補装具について支援が必要と考えますがいかがか、伺います。
さらに、精神障がい者の医療費助成は、川崎、京都、大阪、広島では全額助成していますが、本市は、2年間、半額助成としています。全額助成と期間の延長をすべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、地域生活支援事業についてです。
国が、財政的には裁量的経費として自治体の責任にした地域生活支援事業は、ガイドヘルパーや日常生活用具、地域生活支援センターなど、障がい者にとって重要な事業が含まれておりますが、現在、利用料は市民税非課税世帯はほとんどが無料です。10月1日の施行を目前にしながら、多くの障がい者から、今までのサービスが受けられるのか、今までどおり無料なのかなどの心配の声が数多く寄せられています。
まず、相談支援、コミュニケーション支援、日常生活用具の給付または貸与、移動支援、地域活動支援センターなどの必須事業について、現行サービスは後退させず、市民税非課税世帯の利用料は無料とすべきと考えますが、いかがか。
利用料をどうするおつもりなのか、必須事業のおのおのについてお尋ねします。また、必須事業以外についての基本的な考え方をお示しください。
要望の強い移動支援は、対象を就学、就労を含め、可能な限り広げるべきと考えますが、いかがか。障がい児の通学・通園については、無条件に支援を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第4は、障害程度区分認定についてです。
知的や精神障がい者の区分認定は、実際の障がい程度よりも大幅に軽く出る問題が指摘されています。しかも、軽く出ることによって、利用できるサービスが限定される可能性があります。例えば、ホームヘルプサービスは、区分が1以上でないと、すなわち非該当となると介護給付としてのサービスを受けられなくなります。
そこで、質問ですが、これまでサービスを受けていた方が、万一、非該当となった場合、地域生活支援事業の中で対応されるのかどうか、利用料も含めてお尋ねします。
次に、利用申請書を提出したのに、2次判定、支給決定が間に合わない場合についてです。
10月1日に向けて、対象者すべての支給決定が完了するかどうか、万一、間に合わない場合、どう対処されるのか、具体的な作業の進行状況も含めてお尋ねします。
これらのほかにも、施設、事業者の経営存続の不安も含め、課題が山積しています。10月1日施行に向け、政省令の大幅なおくれがありますが、障がい者にとって不利益とならないよう万全の対応が求められていますが、対処方針を伺います。
質問の第5は、本市での法施行に伴う影響調査の実施と障がい福祉計画の策定についてです。
応益負担が障がい者に及ぼす影響について、本市独自の実態調査が必要と考えますが、いかがか。また、障がい福祉計画の策定に当たっては、障がい当事者が参加すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、雇用対策について質問します。
質問の第1は、コールセンターの誘致についてです。
本市は、2000年度から補助金制度を立ち上げ、コールセンターの誘致に取り組んでいます。この間、39社、5,700名を超える新規の雇用拡大が図られました。2003年の決算特別委員会で、当時の産業振興部長が、私どもの質問に答えて、採用された人たちの採用形態は7割がパート、契約社員であることを明らかにしましたが、ひとり暮らしの若者の生活保護基準額を下回るような低賃金の方もいらっしゃるようです。また、短期間での更新となり、不安定な中で働いているのが実態です。安定就労に向け、賃金の引き上げを初め、さまざまな労働条件の改善が求められていますが、この間、どのように改善してきたのか、今後の対処方針とあわせて伺います。
質問の第2は、札幌地域のパッケージ事業についてです。
この事業は、厚生労働省の新規事業で、IT関連の人材の育成強化、集客交流産業を担う人材の充実、コールセンターなどを支える人材の育成強化などを行うもので、2005年から2007年の3カ年で5億1,200万円の事業費で、雇用創出を3,100人と見込んでいます。2005年9月に事業を開始して774人、今年度は約1億7,000万円の事業費で1,035人の雇用創出を見込んでいます。
この事業の進捗状況と今後の見通しを伺います。さらに、制度の拡大を図るよう国と協議を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、就業支援施策についてです。
本市監査報告は、就業支援施策について、若年層を対象に行っている講座について、意義あるものと認めながら、その効果や支援対象者の面から見た場合、問題点があると次のように指摘しています。すなわち、実施目的は就業をサポートすることであり、この成果は受講者の就職に対してどの程度の効果があったかで判断されるが、受講後の就業状況について追跡調査が実施されていないこと、講座の実施だけでは、その効果が受講者のみにとどまり、他者への波及が期待できないこと、新規高卒者の離職率が全国に比して高いが、こうした状況に対応した施策が十分なされていないことと、具体的に3点の指摘をしています。
さらに、講座のうち、職場体験セミナーは、定員60人に対して受講者は26人にとどまっており、委託費として723万円を支出している事業にしては極めて低調な受講率であると指摘し、このことが何に起因するかを明らかにして、同講座のあり方そのものを見直すことも今後に向けた大きな問題であるとしています。
また、監査報告は、改善の方向性についても述べています。
そこで、質問ですが、就業支援施策についてどのように改善しようとしているのか、お尋ねします。
次に、子どもにかかわる施策について質問します。
質問の第1は、少人数学級の早期実現についてです。
現在、小学校の1・2年生と中学校1年生で35人学級が行われています。当初、北海道のモデル事業として小学校1年生から実施され、教育効果も大変すぐれていることから本格導入されたものですが、小学校の保護者や学校関係者からは、1・2年生に限定せず、全学年に拡大してほしいと強い要望があったにもかかわらず、小学校3年生以上への拡大は見送られました。小・中学校全学年への少人数学級の実現を求める声は、根強いものがあります。教師からも、丁寧な対応をするためには、学級規模を小さくし、児童生徒の個性を見きわめ、それを伸ばす条件が求められています。
そこで、質問ですが、少人数学級の教育効果をどう評価しているのか、また、今後の整備についての考え方をお示しください。
質問の第2は、北区選出10人の議員が紹介議員となって議会請願が出されている新川西地区への小学校の新設についてです。
地元の保護者はもとより、連合町内会の強い要請もあるものです。全児童のうち6割にも及ぶバス通学をこのまま放置してよいと思われるのか。母体校である新川小は、この間、6回にも及ぶ増改築が繰り返されていますが、学校用地も確保されていることから早急に新設すべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第3は、児童会館の整備についてです。
児童会館の設置は1中学校区に1館ですが、現在は、条件の整った小学校区、すなわち、学校に空き教室があり、かつ、学童保育のない校区にミニ児童会館を設置する計画になっています。現在、ミニ児童会館も含めて、小学校区に児童会館のない校区は67校区、そのうち、学童保育もない完全空白が30校区ありますが、そこでの整備計画についてお聞かせください。
また、今年度、ミニ児童会館が設置される拓北小学校区の自治連合会である拓北地域町内会連絡協議会では、学校内のミニ児童会館ではなく、独立した児童会館をつくってほしいと市長と北区長に要望を提出しています。さらに、先ほどの新川西地区や子育てサークル支援を求めている市民団体が、琴似小学校区での児童会館設置を強く求めています。
空き教室があり、学童保育はない小学校区という条件でミニ児童会館の整備を行うのはあくまでも暫定措置として、本来は地域の中に児童会館を設置すべきと考えますが、いかがか。
質問の第4は、保育所の待機児童解消についてです。
2002年3月に出された札幌市社会福祉審議会からの答申、札幌市の少子化への具体的な対策についての必要条件的対策の筆頭に挙げられているのが保育所待機児童の解消で、将来、子育てと仕事の両立支援が不十分であったがために少子化の進行に歯どめがかからなかったと批判されることのないよう、この取り組みを加速させるべきであると言っています。
これを受けて、子ども未来プランでは、2007年4月における待機児童の解消を目指すとしていますが、一昨年、2004年4月の待機児童が156人であったものが、昨年4月には307人、ことしの4月にはさらにふえて319人の待機児童となりました。7月には374人となっています。また、子ども未来プランで超過入所児童も解消すると掲げていますが、ことし4月時点で526人もいます。超過入所は、年度途中の緊急の措置であり、待機児童と合わせると、年度当初から845人もの子どもが十分な保育を受けられないことは問題です。
このように、超過入所と待機児童を急増させたのは、子ども未来プランにおける要保育児童数の見通しの誤りが最大の原因です。昨年、要保育率が2010年の予測数値18.3を超えた時点で、直ちに要保育児童数の予測を上方修正し、それに見合う保育所整備計画を立てるべきであったと思うのですが、いかがか。見直しがことし8月までおくれたことについての釈明を求めます。
質問の第5は、中沼青少年キャンプ場の廃止についてです。
子ども未来局は、市内4カ所の青少年キャンプ場について、市内の青少年を主体に、キャンプを通して団体生活と共同精神の醸成を図り、たくましい心と丈夫な体づくりを目的とし、あわせて、市民の触れ合いの場とするために青少年キャンプ場を設置していますと紹介しています。
ところが、その子ども未来局が、中沼青少年キャンプ場を廃止するとして、子ども育成会連合会長や連合町内会会長、青少年育成委員会長、福移小・中学校長、地権者などに説明しました。8月29日に、福移小・中学校のPTAに説明した際に、反対の声が出されました。キャンプ場利用の主体としている青少年には、廃止についての説明をしていません。
キャンプ場の目の前にある福移小・中学校の児童生徒は、日常的にキャンプ場に親しんでいます。福移小・中学校の小学校6年生のホームページには、学校の畑でつくった野菜の収穫祭について、学校の近くの中沼キャンプ場というところでやります、キャンプ場の村長さんも参加して、開会式でもいろいろ話したりしますとあります。また、PTA行事として、毎年、中沼キャンプ場で親子キャンプを行い、多数の親子が参加しています。
保護者の多くの方々は、子ども未来局から廃止することを聞いて驚くとともに、廃止には反対という気持ちになっています。ある保護者の方は、子どもの権利が注目されているときに、子どもを無視して廃止を決定し、この10月にも更地にしてしまうというのは理解できない、しかも、キャンプ場を所管し、廃止しようとしている部署が、子どもの権利条例をつくろうとしている子どもの権利推進課だと知って驚いた、子どもの権利推進課は、子どもを権利の主体として位置づける、子どもの意見表明権を尊重するなどの権利条例の文案をつくる一方で、実際にやっていることは子どもを無視してキャンプ場廃止を強引に進めることだ、言っていることとやっていることが違うと言っています。
まず、中沼青少年キャンプ場の廃止について、青少年の何人にどのように説明してきたのか、明らかにしてください。
また、青少年キャンプ場の利用者である子ども、特に福移小・中学校の児童生徒の声を聞いて、それを生かすことこそ、日本が批准した子どもの権利条約の精神だと思いますが、いかがか。この10月にも廃止し、更地にしようというやり方は、子どもの意見表明権と矛盾していると思いますがいかがか、伺います。
保護者など廃止に反対する住民と子ども未来局との話し合いが始まり、原局は年度内に更地にする予算を執行することが原則などと発言していますが、地権者もキャンプ場の廃止を望んでおらず、市が契約してくれるならキャンプ場として存続して構わないと言っています。結論を来年度に持ち越しても何の問題もありません。存続を願う声を踏みにじって廃止を強行することなく、市と住民、保護者、子どもが納得できる解決を図るよう誠意を持って対処すべきと思いますがいかがか、伺います。
次に、雪対策について質問します。
昨年度の大雪は、平成18年豪雪と命名されるほどで、2月上旬には、平年値の最大積雪量75センチを大きく超え、107センチに達しました。除雪のやり方について、道路上の雪を十分削らず、表面をなでていくだけ、路面の雪が厚く残されているので、車が雪に埋まって立ち往生するなどの苦情が殺到しました。また、排雪作業が大きくおくれたために、道幅が狭くなり、交通渋滞を助長しました。また、排雪作業用のダンプが十分確保できなかった上に、雪堆積場が不足し、ダンプが堆積場の前で渋滞を来して回転が悪くなったために、予定どおり排雪作業が行えず、パートナーシップ排雪も計画より大幅におくれる状況でした。
私ども日本共産党市議団は、1月13日に、市長あてに除排雪強化に関する緊急申し入れを行うとともに、第1回定例会の代表質問でも、除排雪の対策強化を求めて質問を行ったところです。除排雪は市民生活に直結する課題だけに、昨年のようなことを繰り返すことはできません。
質問の第1は、ダンプの台数の確保についてです。
昨年度以上に確保できているのか、また、確保のためにどのような対策を講じているのか、伺います。
質問の第2は、雪堆積場の整備についてです。
昨年度は、当初69カ所確保しましたが、不足したため、年度途中に13カ所を追加して整備しました。今年度は昨年以上の確保ができているのか、伺います。
また、市街地から近いところに確保することで、ダンプの回転をよくすることが可能になりますが、そのような工夫をしているのか、明らかにしてください。
質問の第3は、除雪業者への軽油代の委託単価についてです。
原油価格の高騰が続いておりますが、今年度は単価何円で設計しているのか、お示しください。
また、実際に除雪作業が始まる12月、あるいは年明けには、さらに価格が上昇していることが考えられます。市場価格に合わせて、きめ細かに委託単価を引き上げるべきだと考えますが、どのように対処されるのか、伺います。
次に、生ごみの減量と堆肥化の推進についてお尋ねします。
ごみの減量・資源化の上で大きなウエートを占めるのが、生ごみ対策です。
質問の第1は、生ごみを簡便に堆肥化するためのコンポストや家庭用電動堆肥化機器への助成拡大と普及についてです。
生ごみ堆肥化セットの提供と堆肥化機器の購入助成の拡大について、市の予算が少なく、取り組みが消極的だと思うのですが、必要な予算を確保し、生ごみの減量・堆肥化の推進に積極的に取り組むべきと考えます。今後どう取り組もうとされるのか、お尋ねいたします。
質問の第2は、定山渓地区における生ごみ堆肥化モデル事業の到達点と評価、今後の展望についてです。
また、昨年6月から8月、苗穂地区や中沼西地区の戸別住宅で、6月から、集合住宅である市営住宅苗穂団地と琴似のマンション1棟で生ごみ堆肥化モデル事業が行われました。この堆肥を使った農業支援センターでのコマツナの育苗試験からも、牛ふん堆肥に遜色ない結果となったと聞いています。
ことしは、定山渓温泉地区において、4月からホテル、旅館19件と1病院の20カ所から発生する生ごみを収集し、石狩市のリサイクルセンターで堆肥化しています。生産された堆肥20トンを南区簾舞、藤野地区の農地3.2ヘクタールに施肥し、ハウストマトや大根、コマツナ、チンゲンサイを栽培し、この10月中旬に収穫を予定しています。収穫後、漬物加工などを行い、10月15日には、定山渓スポーツ公園を会場に生ごみ堆肥による有機野菜と漬物の即売会を実施し、翌16日から参加ホテルで観光客などに食材として利用してもらう計画です。
生ごみの減量・資源化として大変よい取り組みですが、今日までの実施状況についての評価はいかがか、お尋ねします。
また、生ごみの減量堆肥化について、今後どのように取り組まれるのか、今後の展望についてお尋ねします。
質問の第3は、学校給食フードリサイクルについてです。
市内128の小・中学校において、学校給食の生ごみの回収に取り組んでいます。学校給食の調理くずや子どもたちが食べ残した食物残渣を、東区中沼のリサイクルセンターでは養鶏飼料に加工していますが、今年度から、27の小・中学校が給食残渣の堆肥化のための回収事業に協力しています。各学校から生ごみを環境事業公社が回収し、石狩市内のリサイクルセンターで堆肥化しています。この堆肥を西区小別沢や発寒地区などの農家やNPO法人で活用し、コマツナ、シュンギク、インゲン、トウモロコシなどの野菜を栽培し、西区の小学校2校でサラダやからしあえなどの給食材料に使われています。地元農家が生産する野菜を地元の学校で消費する地産地消の取り組みの上で、また、生ごみの減量と循環型社会の構築、推進、加えて、環境教育の実践の面からも重要な取り組みと考えるものです。
今日までの実施状況をどのように評価されているのか、今後、大幅に拡大していくべきですがいかがか、お尋ねいたします。
質問の第4は、生ごみの堆肥化施設の整備についてです。
生ごみの堆肥化は、石狩市内のリサイクルセンターで実施されています。私ども市議団は、先日、農林水産省にごみリサイクル施設の整備について要望した折、農水省の担当者は、バイオマス利活用整備交付金の対象であり、市域内に市が設置する場合は2分の1補助、民間が整備する場合は3分の1補助であることを具体的に説明し、相談をしてほしいとのことでした。
国の補助制度を活用して、市内に生ごみの堆肥化施設を整備し、生ごみの減量と堆肥化に積極的、本格的に取り組むべきですがいかがか、施設整備に対する姿勢も含めてお尋ねします。
質問の第5は、使用済み食用油の再資源化についてです。
10月2日から、家庭用の使用済み食用油の減量・資源化の取り組みが、やっと札幌市でも始まります。民間のレストランやスーパーが回収拠点を設置し、市民が廃食油を持ち込む方式です。回収された廃食油は、プラントで精製し、ディーゼルエンジンの代替燃料として使用するものです。
年内はモデル事業とのことですが、実施状況の検証の上で回収拠点を広げることが重要と考えますが、今後、どう取り組もうとされるのか、市民が参加しやすいシステムを構築すべきですがいかがか、お尋ねします。
また、バイオディーゼル燃料は、地球の温暖化防止や大気汚染防止の面からも環境に優しい燃料と言えますが、これをどのように評価されているのか。また、今後、市のごみ収集車や公共交通機関の燃料などとして活用すべきと考えるのですがいかがか、お尋ねします。
次に、日の丸・君が代の問題について質問します。
去る21日、東京地裁は、東京都教育委員会が教職員に日の丸・君が代を押しつけた通達や指導を違憲、違法であるとの判決を下しました。東京都立学校の卒業式、入学式では、教職員一人一人に起立、斉唱せよとの職務命令が渡され、式当日は、都教委の職員が後方に陣取って、だれが起立しなかったかを監視するという異常さでした。
東京地裁判決は、日の丸・君が代は、明治時代から第二次世界大戦終了まで、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられたことがあることは否定しがたい歴史的事実であるとし、学習指導要領の国旗・国歌条項の法的効力について、大綱的な基準を定めるもので、教職員に対して一方的な理論や理念を生徒に教え込むことを強制しないとの解釈のもとで認められるとしています。
まず、市長に伺います。
判決でも述べている日の丸・君が代と軍国主義思想との関係について、市長の見解を明らかにしてください。
以下、教育長に伺います。
判決で明らかにしている学習指導要領の法的効力についてどう受けとめているのか、明らかにしてください。
また、判決では、教職員が起立して国歌を斉唱し、ピアノを伴奏する義務はなく、むしろ、思想、良心の自由に基づき拒否する自由を有していると明確に述べています。教職員が国歌を斉唱する義務はないこと、拒否する自由を有していることについて、改めて市民の前に明らかにしてください。
また、判決は、都教育長通達について、国旗掲揚、国歌斉唱の具体的方法について詳細に指示していることは、教育の自主性を侵害し、教育基本法が規定する不当な支配に該当するとしています。
本市では、2000年9月18日、当時の山教育長が、札幌市立学校長に対し、卒業式及び入学式で国旗掲揚、国歌斉唱を行うよう職務命令を発しました。職務命令の別紙1では、国旗の掲揚場所について式場の正面に掲げるとし、国旗を掲揚する時間についても式の開始時刻から終了時刻までと具体的に指示しています。国歌の斉唱についてでは、式の流れの中で斉唱が行えるように位置づけるとして、さらに、司会者が国歌斉唱について発声を行うことまで指示しています。これらは、大綱的基準を逸脱した不当な支配ではないかと思うのですがいかがか、伺います。
また、札幌市立学校長へ日の丸・君が代の実施を命じた教育長の職務命令を撤回すべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、住宅リフォーム資金助成制度の制定を求めて質問をいたします。
私ども日本共産党市議団は、2004年の第3回定例会に、札幌市住宅リフォーム資金助成条例を提案し、高い経済効果について建設業界からも期待の声が寄せられました。
私どもが提案した条例案の骨子は、住宅リフォーム工事費用のうち10%、限度額30万円を助成する、対象工事は屋根、外壁補修、バリアフリー化工事、断熱、暖房、耐震、防音、ガーデニングなど幅広い改良補修工事とする、助成に当たっては市内の施工業者に発注することを条件とするというものです。
ことし6月現在、助成割合や上限額の違いはあるものの、同様の助成制度を実施しているところは全国で19都道府県の72自治体であり、ここでは助成額の15倍から20倍の工事額となって予想以上に景気刺激に役立っている、これが既に実施している自治体関係者の声です。
この助成制度は、2000年当時、2年ないし3年の緊急経済対策として実施され、建設業を取り巻く環境が依然として大変厳しいもとで、期間を延長するところや新たに開始したところもあり、芦別市でも、私どもが提案したような住宅改修促進助成条例が、全会一致、可決されました。全国商工新聞によると、当時と比べて15自治体も増加しています。
質問の第1は、住宅リフォームの需要喚起についてです。
住宅リフォーム需要は、築10年から20年後の物件に多く、新築住宅の着工数がピークであった1990年代の物件へのリフォームニーズが増し、2010年にはピークとなると予測されていますが、住宅リフォームは、高額の費用がかかるため、後押しする施策が必要です。
2002年から2年間の期限つきで住宅改修助成制度を実施した京都府の京田辺市の工務店の実態調査では、リフォームの決心がついたというお客さんが多いと報告されています。この制度で時期を早めた人が48%、予定していなかったが決めた人は13%、合わせて61%に助成制度の誘発効果が働いたと答えています。
住宅リフォームの需要を喚起する上で、住宅リフォーム助成制度は極めて有効な施策と考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、住宅リフォームに伴う経済波及効果についてです。
住宅リフォームは、配管工事や電気工事関係、さらには造園業など多岐にわたる業種に経済的効果を与え、市内の産業全体の活性化につながります。財団法人住宅リフォームセンターの調べでは、電気製品業の耐久消費財やインテリア商品の購入費を加えた広義の市場規模は直接の工事費の1.46倍に達し、周辺分野への波及効果は大きいとしています。
この助成制度を実施した場合、経済波及効果が大きいことについてどう認識されているのか、また、どの程度の経済波及効果が生まれると考えるか、伺います。
質問の第3は、民需拡大のために市が果たす役割についてです。
本市統計書によると、市内の建設業の事業所数と従業員数は、1996年の7,579カ所、10万3,819人をピークに年々減少し、2001年度は6,765カ所、8万1,262人まで減少しています。事業所数は15年前、従業員数は26年前の水準となりました。負債額1,000万円以上の市内建設業の倒産件数は、1999年の15件から年々上がり始め、2005年度は50件となり、全倒産件数の34.2%を占めています。本市年度別公共事業発注金額では、1998年度1,145億円であったものが、2004年度には620億円と、54%にまで減少しています。
市長は、本市における建設業の置かれている現在の実態をどう認識されておられるのか、また、公共事業を減らし続けている本市にとって、地元経済活性化のために民需拡大を刺激する施策が求められていると思いますが、いかがか。その点で、住宅リフォーム助成事業は大変有効な方策だと思うのですがいかがか、伺います。
質問の第4は、住宅リフォーム助成制度の新たな意義についてです。
住宅リフォーム詐欺商法が社会問題化しています。床下に勝手に潜り込み、湿気がひどくカビが一面についている、キクイムシがはびこっており、床下が腐っている、地震が来れば崩れてしまうなどの恐怖をあおり、数百万円もだまし取られた例が後を絶ちません。本市消費者センターに寄せられた相談件数は、昨年度は322件と、前年同期に比べて32件も増大しています。
市民がリフォーム詐欺商法に遭遇しても、工事契約をする際に助成を申請していれば、工事発注に当たって業者の仕様書や見積書などの提出が義務づけられ、行政の側から審査が行われることになり、発注する高齢者などの世帯だけの判断だけでなく、より客観的な判断が行われることになります。この制度を活用することによって、住宅リフォーム詐欺の被害に遭うことを未然に防ぐことが可能になると思いますが、いかがお考えか、伺います。
質問の第5は、戸建て住宅の耐震改修の推進についてです。
1995年1月の阪神・淡路大震災では、地震により6,434人のとうとい命が奪われました。このうち、地震による直接的な死者数の約9割、4,831人が住宅、建設物の倒壊によるものでした。2004年10月の新潟中越地震、2005年3月の福岡県西方沖地震など大地震が頻発しており、我が国では、大地震はいつ、どこで発生してもおかしくない状況にあります。
国は、こうした状況にかんがみ、本年1月、建築物の耐震改修の促進に関する法律を一部改正し、現状75%と推計されている住宅及び建築物の耐震化率を10年間で90%に引き上げるための施策をより具体的に盛り込みました。
札幌市において、耐震上問題とされている1980年以前に建てられた戸建て住宅は、9万6,400戸に上り、戸建て住宅全体の35%になっており、耐震改修は緊急の課題となっています。
戸建て住宅の耐震改修の実際は、台所や水回りの改修、バリアフリー化がきっかけとなって耐震補強をするというように、リフォームと耐震化が一体となっています。
耐震改修促進法の規定に基づき策定された指針では、耐震診断及び耐震改修に要する費用は、相当に費用を要することから、所有者等の費用負担の軽減を図ることが課題となっている、このため、地方公共団体は、耐震診断及び耐震改修にかかわる助成制度等の整備に努めることが望ましいと述べています。
住宅リフォーム助成制度は、戸建て住宅の耐震改修工事に大きな弾みをつけるものになると考えます。本市でも実施に向けて積極的に検討すべきと思いますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問すべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大越誠幸) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 9点にわたりましてご質問がございましたので、私からは、市民負担増の問題についてと昨年度の決算について、それから雇用対策について、そして、日の丸・君が代の問題についての一部についてお答えをさせていただきます。その余は、担当副市長、そして教育長から答弁をさせていただきます。
まず最初に、市民負担増の問題についてお答えをいたします。
1点目の税制改正等によります高齢者への影響についてでありますけれども、まず、平成16年度及び17年度の
個人住民税等の改正につきましては、少子高齢化が進展する中、世代間及び高齢者間の税負担の公平を図る観点などから実施されたものだというふうに認識をしております。
次に、
国民健康保険料につきましては、今年度も1世帯当たりの平均保険料を据え置いて負担緩和を図るとともに、賦課方式の変更に際しては、高齢者も含めまして、保険料が一定以上ふえる世帯に対し、平成18年度と19年度の2年間にわたる経過措置として、保険料を減額するということとさせていただいております。
また、介護保険料につきましても、今回の税制改正の影響を受ける方に対し、保険料段階を細分化いたしまして、2年間をかけて本来の保険料になるよう負担緩和の措置を講じているところであります。
2点目の保育料についてであります。
これまで実施されました各種調査の結果を見てみますと、経済的負担感は子どもを産み育てることをためらわせる要因の一つであるということでありますが、子育てにおける精神的、肉体的な負担感や子どもが健やかに育つ環境なども大きな要因になっているものだと考えております。このことから、札幌市では、社会全体で子どもや子育て家庭を総合的に支援いたしまして、安心して子どもを産み育てることができる環境整備のための施策を推進してきているところでございます。
保育料の利用者負担のあり方につきましては、昨年11月から、札幌市社会福祉審議会児童福祉専門分科会で審議をしていただいているところでございますが、今回の定率減税の縮減は、保護者への影響が大きいところから、国の見直しの動向などを注視しながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
3点目の低所得の高齢者に対する減免についてであります。
札幌市の福祉施策の中には、高齢者に対する減免措置について、課税、非課税により対象者を決めているものがございます。ご指摘の事業につきましては、減免措置の考え方、内容について変更するものではなくて、税制改正における負担の公平を図るという考え方に基づくものでありますので、ご理解をいただきたい、このように考えているところであります。
次に、昨年度決算についてお答えいたします。
1点目の個人市民税の所得割についてでありますが、平成17年度が平成14年度と比較して減少しましたのは、個人所得の落ち込みが大きな要因でありまして、厳しい経済状況や雇用環境の変化などがその背景にあるものと、私もそのように認識をしているところでございます。
2点目の法人市民税の超過課税についてでありますけれども、全国的には景気は回復傾向にあるというふうに言われておりますことに対し、道内経済はそのおくれが指摘されていることや、北海道における法人道民税の超過課税の状況などを総合的に勘案した結果、現行の超過税率であります14.5%により、延長することが適当と考えたところであります。
3点目の基地交付金についてでありますが、基地交付金の決定通知の際に示されております対象資産価額を仮に固定資産税の評価額に相当するものとして推計いたしますと、その額は2億4,000万円程度と見込まれます。また、基地交付金の引き上げにつきましては、今後とも、基地所在市町村と連携の上、全国基地協議会を通じまして国に対して要望してまいりたいと考えているところであります。
4点目の市民負担についてでありますが、北海道、そして札幌市が置かれた厳しい経済状況の中で、医療制度、税制などさまざまな改革によって市民生活が厳しさを増しているのは、国の政策に負うところが大きいとはいえ、憂慮すべきことだと認識しているところであります。
しかしながら、現在、かつてないほどの厳しい財政状況の中では、将来世代に過度の負担を残さないためにも、持続可能な財政構造への転換を図る必要があるというふうに考えておりまして、そのためには、行政サービスを利用する市民と利用しない市民との公平性を確保することにも配慮しながら、適正な負担となるように最低限の見直しを行うことは必要だと考えておるところでございます。
次に、雇用対策についてお答えをいたします。
1点目のコールセンターの誘致についてであります。
平成11年の誘致活動開始当初は、札幌市の雇用状況の改善が緊急の課題となっておりましたために、雇用の確保を最大の目標として、一定の業務スキルを要求されるITや金融などに関する顧客サービスを行うコールセンターの誘致に取り組んでまいったところであります。その結果、5,000人を超える雇用の確保が実現されまして、そのことにより、立地企業にとっては人員確保競争が年々厳しさを増してまいりまして、賃金引き上げを初めとした雇用条件の改善が図られてきているところであります。
また、平成16年度からは、市からの補助要件として、健康保険及び厚生年金の適用を加えてさらなる雇用条件の改善に取り組んだ結果、本年度は、すべて正社員雇用という自動車保険のコールセンター立地が決定しているところでございます。
今後は、ITや金融、保険などに的を絞った誘致活動を引き続き行うとともに、就業者に対するスキルアップ研修を充実させるなど、より一層、雇用環境、雇用条件の改善につながる取り組みを行ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の札幌地域のパッケージ事業についてでありますが、本パッケージ事業は、厚生労働省からの受託事業でありまして、平成17年度から19年度までの3カ年の事業となっております。
今年度については、IT産業や集客交流産業などに従事いたします人材の育成事業や合同就職面接会など、全9事業を計画どおり実施しておりまして、現在、各事業とも定員を上回る申し込みをいただくなど、順調に進捗をしておりまして、今後とも、雇用創出目標であります1,035人を達成できるよう鋭意努めてまいりたいと考えているところであります。
また、札幌市においては、財政状況が厳しい中、このような国の事業を活用しまして雇用機会を創出していくことは、地域産業の活性化につながるとともに、企業の求める人材の育成が図られ、有益な事業であることから、今後も、このパッケージ事業の後継事業に関して情報収集などに努めまして、さらに国と協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、3点目の就業支援施策についてでありますが、このたびの定期監査において、監査委員よりご指摘のような意見をちょうだいいたしました。
札幌市といたしましては、この意見を真摯に受けとめ、若年者を対象とする就業支援事業をインターンシップやカウンセリングなどと一体的に実施いたしまして、さらに、受講後のアフターフォローも充実させた事業に再構築し、既にそのように取り組んでいるところでございます。
この事業では、今年度は、受講者を5期に分けまして、合計250名を対象としておりますが、10月中旬から実施いたします第1期分につきましては、定員50名を大きく上回る応募があったところでございます。
また、改善の方向としてお示しいただきました高校生に対する就業意識の高揚策につきましては、教育委員会が実施しております市立高校生のインターンシップの受け入れについて連携して行っているところでありまして、今後とも引き続き実施してまいりたい、このように考えておるところであります。
次に、日の丸・君が代の問題についてご質問でありますが、1点目の日の丸・君が代にかかわる私の見解についてでありますけれども、従前もお答えをさせていただいておりますとおり、平成11年8月13日、国旗及び国歌に関する法律が施行されました。私自身は、日章旗が日本の国旗であり、君が代が日本の国歌であるという認識を持っているところでございます。また、日の丸・君が代につきましては、戦前からの経過を経たさまざまな議論があることを承知しているというところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(大越誠幸) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、2点についてお答えをいたします。
まず、障がい者福祉施策についてお答えいたします。
1点目の当事者などからの要望、声の受けとめについてであります。
利用者負担につきましては、制度の維持のため、一定の負担はやむを得ないと考えますが、この負担によってサービスの利用を抑制されることがあってはならないと考えております。これまで障がい者団体からさまざまな要望をいただいておりますが、これらの要望につきましては、重く受けとめているところでございます。
次に、2点目の独自の利用者負担の軽減策についてであります。
これまで何度かご説明させていただいておりますが、障害者自立支援法は、障がい福祉サービスの制度を一元化するとともに、利用者にも一定の負担をしていただき、今後予想されるサービスの需要の増加に備えることを目的の一つとしております。
しかし、法施行後、先ほど述べましたように、利用者負担が生活を圧迫しているとして、札幌市の独自軽減を求める声が障がい者団体を含めて多数寄せられているところであります。
このような状況を踏まえて、札幌市としては、制度の趣旨を勘案しながら、障がいのある方やご家族が地域で安心して生活できるよう、負担軽減について検討を進めているところであります。また、障がい児の通園施設利用料につきましては、昨日の代表質問にもお答えしましたとおり、現在、その内容の検討を急いでいるところであります。
なお、入所施設利用料につきましては、札幌市のみならず、道内各地からの入所者もおり、北海道との均衡を考慮する必要があることなどから、今後の検討課題として認識をしているところであります。
次に、補装具につきましては、基本的に1割の負担をお願いすることになりますが、代理受領方式を導入して、一時的にも負担が過重なものとならないよう配慮する考えであります。
また、精神障がい者の医療費助成につきましては、札幌市国保の独自給付として実施してきましたが、国保以外の保険加入者との負担の公平などを勘案し、昨年の条例改正で見直しが図られており、その際、対象者への影響を考慮して、平成20年3月まで半額助成の経過措置を講じているところであります。
次に、3点目の地域生活支援事業についてであります。
地域生活支援事業は、自立支援給付とともに、障がいのある方の地域生活を支える重要な事業でありますが、必須事業か、その他の事業かを問わず、1割負担を基本とし、急激に利用者負担の増加にならないよう、事業によっては一定の軽減を検討しております。
必須事業の負担でありますけれども、まず、相談支援事業については、これまでどおり無料とし、コミュニケーション支援事業も手話通訳派遣は無料といたします。日常生活用具は、補装具と同様に1割負担ですが、補装具から移行いたしますストーマにつきましては、消耗品的性格を考慮し、一定の軽減策を検討しているところであります。
地域活動支援センターですが、小規模作業所については、移行開始を平成19年度からといたしましたので、まだ費用については決定をしておりません。それ以外の地域活動支援センターについては、実費負担で考えております。
移動支援につきましては、基本的には1割負担ですが、低所得者には軽減策を検討しているところであります。移動支援の適用範囲については拡大を望む要望があることは承知しておりますけれども、従来どおりで実施する考えでおります。
次に、4点目の障害程度区分認定についてであります。
まず、これまでのホームヘルプ利用者が非該当となった場合の対応につきましては、独自に障がい者生活支援型ホームヘルプサービスを実施し、1割負担でご利用いただけるよう考えております。
次に、支給決定が間に合わない場合の対処方針についてでありますが、先ごろ、国から経過措置が示されましたので、9月30日までに2次判定が間に合わなかった方についても、サービスの利用に欠けることのないよう支給決定の事務を進めているところであります。
次に、5点目の影響調査の実施と障がい福祉計画の策定についてであります。
利用者負担が障がいのある方に及ぼす影響についてでありますが、基本的には、国の責任において調査、検証するよう、引き続き要請してまいりたいと考えております。
また、障がい福祉計画の策定に当たっては、昨日の代表質問でもお答えしましたように、障がい当事者はもとより、市民や学識経験者からも広く意見を伺ってまいりたいと考えております。
次に、子どもにかかわる施策のうち、3点目の児童会館の整備についてお答えいたします。
まず、空白校区の今後の整備計画についてでありますが、議員ご指摘のとおり、現在の空白校区は30校区であり、このうち20校区につきましては、小規模校や特認校などでありまして、残りの10校区が、当面、対応が急がれる校区と認識をしております。学校の余裕教室の状況など課題もありますが、まず、この10校区でのミニ児童会館の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、児童会館の設置についてでありますが、児童会館整備は、これまで1中学校区1館の整備計画に基づいて進めてきており、今後もこの方針に沿って整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、4点目の保育所の待機児童解消についてでありますが、子ども未来プランでは、平成15年度に実施したニーズ量調査に基づき、平成16年度から18年度の3カ年で1,530人の保育所定員増を計画したところであり、この計画に基づき、保育所整備に取り組み、平成18年度中に目標を達成できる見通しとなっております。
しかしながら、その一方で、要保育率が予想以上の伸びを示している反面、就学前児童数が減少していることから、このような状況を勘案して、再度、要保育児童数を推計したところ、当初の整備計画が終了した後の平成19年度以降も定員増が必要であると考え、このたび、計画を見直したものであります。
次に、5点目の中沼青少年キャンプ場の廃止についてであります。
中沼青少年キャンプ場につきましては、オートキャンプの普及など、昨今のレジャーの多様化と他の野外体験施設の整備により利用者数が大幅に減少していることに加えまして、施設の老朽化が著しく進んでおり、今年度をもってやむなく廃止をすることとしたものであります。
利用者に対する説明についてでありますが、平成17年度の状況を見ますと、家族利用は6家族にとどまっておりまして、人数にしますと約99%が団体となっております。このようなことから、ご質問にもありましたとおり、福移小・中学校や子ども会など地域の子どもにかかわる主要な団体やその代表者に説明をしてきたところでありまして、廃止に至る経緯につきましてはご理解をいただいたものと認識しております。
札幌市としましては、今後も、さまざまな形で子どもを含む市民の声の把握に努めながら、札幌の子どもたちに自然と触れ合う機会を提供するように努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(大越誠幸) 加藤副市長。
◎副市長(加藤啓世) 私から、3点についてお答えをさせていただきます。
まず、雪対策についてお答えをいたします。
1点目のダンプ台数の確保についてであります。
除雪業務の契約は10月以降となりますために、現時点での確保状況は明らかにはなっておりませんけれども、昨年度の実情を踏まえまして、その確保に向け、除雪事業協会などと協議を重ねてまいりました。この結果、早い段階からの確保に取り組むべきと考え、マルチゾーンの公募条件において、最低確保台数を排雪作業1現場当たり10台でございましたところを15台に引き上げることといたしました。また、北海道運輸局との協議を行い、従来の10トンダンプに加え4トン車、加えまして、産業廃棄物運搬用の車両の使用を認めるなど、車種の拡大による台数確保についても取り組んでいるところでございます。
次に、2点目の雪堆積場の整備についてでございますが、この4月に立ち上げた雪に負けないサッポロづくり本部において、雪堆積場の確保を重要課題の一つといたしまして候補地の選定作業を春から進めてきたところでございます。この結果、今年度は、昨年当初の69カ所、1,850万立方メートルに比べ、箇所数、容量とも1割ほど多い77カ所、約2,000万立方メートルを確保したところでございます。さらに、大雪などへの対応といたしまして、既存堆積場の最大限の活用や緊急に確保しております他の用地の利用などを含めますと、昨年度当初に比較し、3割ほど多い最大2,400万立方メートルを受け入れるめどが立ったところでございます。また、今年度新たに確保した雪堆積場につきましては、その多くが市街地内もしくは市街地に隣接してございまして、これらを公共排雪専用の堆積場として使用することによって、昨年度から取り組んでいる排雪作業の平準化などとあわせ、効率的な排雪作業に多く寄与することができると考えております。
3点目の除雪業務における軽油単価についてでございますが、除雪業務の設計に用いる単価は、北海道作成の土木事業適用単価表における9月1日時点の税抜き単価である1リットル当たり98円70銭となってございます。この単価をもとに算出した直接工事費に、諸経費や消費税を乗じ、実際の発注額の算定を行っております。
なお、原油価格高騰への対応策といたしましては、昨年度より、軽油単価が5%以上変動するごとに、その後の作業を対象に設計変更を行うこととしてございまして、きめ細かな対応をしてまいりたいと考えております。
次に、生ごみの減量と堆肥化の推進についてお答えをいたします。
1点目の生ごみ堆肥化セットの提供と堆肥化機器の購入助成の拡大についてでございます。
本市では、生ごみ堆肥化の普及を目指して、段ボール箱や電動生ごみ処理機の購入助成に加え、地域で取り組むグループに助成金を交付するなど、多くの取り組みを進めてきてございます。この結果、昨年度は、2,700世帯の方がこれらの事業に参加いただいております。今後においてもさらに取り組みを強化し、家庭における生ごみの減量化・資源化を推進していきたいと考えております。
2点目の定山渓地区の生ごみ堆肥化モデル事業の到達点と評価、今後の展望についてでございます。
この事業には、定山渓地区のすべてのホテル、旅館を含め、22の事業所が参加をし、堆肥化した生ごみは定山渓地区の農家において使用されております。また、地元では、生ごみ堆肥化事業のPRとしてイベントを行い、生ごみ堆肥による有機野菜、漬物の即売会や地場産の果物、季節の汁物などの提供も企画しております。このように、今回の事業は生ごみの地域内循環の先駆的なモデルとなることができたと考えております。
今後の展望についてでありますが、定山渓地区の特性を生かした地域内循環の輪を完結させるためには、協力農家の確保や生産物の供給先の拡大などが不可欠でございますので、まずはこの取り組みを進め、定山渓地区の新たな魅力づくりと生ごみの資源化によるごみの減量を推進していきたいと考えております。
4点目の生ごみの堆肥化施設の整備についてでございます。
生ごみを資源化する方法には、家庭や地域など発生源における堆肥化と、行政回収をして大規模に堆肥化もしくはバイオガス化する方法などがございます。現在、生ごみの資源化につきましては、廃棄物減量等推進審議会におきまして議論していただいているところでございますので、本市の今後の具体的方策については、その答申を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
5点目の使用済み食用油の再資源化についてでございます。
初めに、市民が参加しやすいシステムの構築についてでございますけれども、10月からスタートする家庭用廃食油資源化事業は、市民・事業者・行政がごみ減量の具体的な活動を実践するさっぽろスリムネットの発案により実施されるものであります。具体的には、企業との連携により、市民が回収拠点に廃食油を持ち込み、参加企業がその収集・運搬とバイオディーゼル燃料の製造を行う事業であります。
当初は9店舗を回収拠点として回収をいたしますが、本市としても、今後は市民の利便性の高いスーパー等の回収拠点の拡大を目指していきたいと考えております。
次に、バイオディーゼル燃料の評価についてでありますが、バイオディーゼル燃料の使用によって化石燃料の消費を抑えるとともに、植物由来でその成分に硫黄分を含まないことから、地球の温暖化防止や大気汚染防止に大きな効果があると考えております。
また、今回の事業で精製されたバイオディーゼル燃料は、企業内で使用することとなっておりますけれども、事業の拡大による需給状況によっては、ごみ収集車両等への利用についても検討していきたいと考えております。
次に、住宅リフォーム助成についてお答えいたします。
1点目の住宅リフォームの需要喚起について、2点目の住宅リフォームに伴う経済波及効果について及び3点目の建設業の実態と地元経済活性化のための施策については、関連いたしますので一括してお答えをさせていただきます。
札幌市の建設業を取り巻く状況は依然として厳しいものがございます。今後も公共事業の拡大が見込めないことなどから、民間需要の拡大は重要な課題であると認識しております。こうした状況において、ご質問の住宅リフォーム助成は、確かに、対象住宅の所有者の関心を呼び、需要を喚起するとともに、関連業種への受注増を促すという一定の経済波及効果が生まれるものと考えられます。
しかしながら、助成対象とする住宅の範囲や工事内容、関連業種等のとらえ方などの条件が定まらない中で、具体的な経済波及効果を見きわめることは、残念ながら、少々難しいものと考えております。
また、地元建設業につきましては、今後も、公共事業に頼らない経済構造への転換を進めるため、経営体質の強化や新分野への進出などの支援策を講じていくものと考えておりますけれども、住宅リフォームに関しては、広く住宅ストック全体の実態を踏まえながら、住宅性能や住環境の質をいかに高めるかという観点から検討してまいりたいと考えております。
次に、4点目のいわゆる住宅リフォーム詐欺の被害防止についてでございます。
ご質問のように、助成制度の手続において工事内容を審査し、ある程度のチェックを行うことは可能であろうと思われます。しかし、業者の良否までを正確に判断することには限界がございまして、また、そもそも助成制度によらない工事まではチェックできないということもございます。
この問題につきましては、既に関係部局間で連携を密にしながら、広く消費者保護の観点からの注意喚起や相談対応といった方策を講じているところでございますし、国においても、内閣府を中心に関係省庁による取り組みが充実しつつありますので、引き続き、これらの枠組みの中で対応してまいりたいと考えております。
次に、5点目の戸建て住宅の耐震改修の推進についてでございます。
耐震改修は、住まいの安心と安全の確保という観点で重要な取り組み課題と認識しており、住宅リフォームに伴って耐震化工事が進むことも考えられますが、その推進に当たっては、国の支援策の活用が不可欠なものとなっております。
現在のところ、国の耐震改修支援策は、対象となる住宅要件が限定的なものとなっておりますが、今後、札幌市としては、耐震改修促進計画の策定を進めていく中で、国の制度充実の方向性を見きわめながら具体的な促進策を研究してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(大越誠幸) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から、大きく3点のご質問にお答えを申し上げます。
まず、子どもに関する施策についての1点目、少人数学級の早期実現についてでございます。
少人数学級の教育効果につきましては、少人数学級実践研究事業の指定校に対するアンケート調査の結果等から、小学校1・2年生において、基本的な生活習慣を確実に身につけるなどの面で効果があるものと評価をいたしているところでございます。また、今年度から新たに実践研究事業の対象となりました中学校第1学年における効果につきましては、今後、アンケート調査等から明らかになるものと考えてございます。
次年度以降の事業対象の拡大につきましては、これらの結果から成果と課題を見きわめながら、北海道教育委員会に対して要望してまいりたいと考えております。
2点目の新川西地区への小学校新設についてでございます。
現在、新川小学校の約6割の児童がバス通学をしているという実態を踏まえまして、児童の通学環境の改善を図るため、通学定期料金の全額助成、また、バスの増便等に努めてきているところでございます。
また、新川小学校は、現在24学級でございますが、今後も適正規模で推移するものと見込まれておりまして、議会審査をいただいているところではございますが、教育委員会といたしましては、新川西地区に小学校を新設することは難しいものと考えてございます。
次に、ごみの減量と堆肥化の推進についての3点目、学校給食フードリサイクルについてでございます。
今年度は、小学校2校をモデル校に指定し、リサイクル堆肥で栽培した野菜を使った給食の提供を行ってございます。このほか、モデル校におきましては、子どもたちがリサイクルセンターを見学したり、学校の教材園でリサイクル堆肥を使って栽培した枝豆やジャガイモなどの作物を調理して味わうなどの取り組みを行っているところでございます。このようなさまざまな体験活動を通して、食や環境について学ぶことにより大きな教育的効果が期待できると考えております。
なお、この取り組みを進めるに当たりましては、堆肥化や農業生産にかかわる関係団体との一層の連携を図りながら、鋭意、拡大に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、日の丸・君が代問題の教育長の見解についてでございます。
ご質問にありました国旗・国歌の問題について、一括してお答えを申し上げます。
去る21日、東京地方裁判所において出されました第1審判決につきましては、その詳細は把握してございませんので、また確定しているものでもありませんので、これについて直接言及する立場にはございませんが、過去の最高裁判決におきましては、学習指導要領が法的拘束力を有していることが示されているところでございます。
学校教育におきましては、児童生徒が国際社会において尊敬され信頼される日本人として成長していくために、国旗及び国歌に対して正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てることは重要なことであると考えております。
教育委員会としましては、このような趣旨を実現するために、校務全般をつかさどる校長に職務命令を発したものでありまして、その撤回は考えていないところでございます。
また、教職員は、教育公務員としての責任と自覚のもとに教育指導を行うものであり、教育上の効果の上からも、子どもにみずから範を示すことがその職責として求められるものであります。
以上でございます。
(
坂本恭子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(大越誠幸) 坂本議員。
◆
坂本恭子議員 日の丸・君が代問題について再質問いたします。
市長に対して、私は、東京地裁判決の、日の丸・君が代は、明治時代から第二次世界大戦終了まで、皇国思想、そして軍国主義思想の精神的支柱として用いられたことがある、これが否定しがたい歴史的事実である、このことを引用いたしまして、日の丸・君が代と軍国主義思想との関係について市長へ見解をお尋ねしたところです。
しかし、市長の答弁は、日章旗が国旗であり君が代が国歌だと、そういう認識を持っている、そしてまた、戦前からのさまざまな議論が日の丸についてはあるというご答弁でした。
私の質問に対しては全く答えていないというふうに思いますので、改めてご答弁をいただきたいと思いますが、市長は、2004年の第1回定例会で、国会の国旗・国歌法の審議で、そのことに対しまして、第二次世界大戦時に国歌に対する国民の忠誠心をあらわす、その対象とされたのは日の丸・君が代であり、その取り扱いを誤れば、国家主義に陥る可能性があり、再び戦争を招くおそれがある、それを案じる、そういう答弁をなさいました。
市長は、日の丸・君が代の背負っている歴史、国家主義、軍国主義についてどういう認識を持っているのか、改めて市民の前に明らかにしてください。
○議長(大越誠幸) 上田市長。
◎市長(上田文雄) ご指摘の平成16年第1回定例議会、村松議員の代表質問に対して私が答弁をさせていただいたことを、今、議事録を見ながら確認させていただいております。先ほど戦前からのさまざまな議論の経緯があったというふうに申し上げたのは、まさにこのことを申し上げているのでありまして、東京地裁の判決文そのものを私はまだ読んではおりません。新聞で報道されております判決要旨の冒頭に述べられている、その認識は、要するに、そういう考え方がまだ国民の中にある。したがって、国旗あるいは国歌についての中立性といいますか、中正性というのでしょうか、これについては、まだ国民的な合意にはなっていないのではないかというふうな認識を東京地裁は示されている。私も、そのことについてはやや同じ考え方で、16年の1定の答弁の中で述べさせていただいているということでありますし、先ほど申し上げたさまざまな議論という中身はそのようにご理解いただきたいと思います。
(
坂本恭子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(大越誠幸) 坂本議員に申し上げます。
再々質問ですので、これが最後でございます。
◆
坂本恭子議員 再々質問で、最後の質問ということですから、明快にご答弁をいただきたい。全く答えになっていませんよ、市長。私の質問に対してのお答えになっていない。あなたの言葉で、あなたの思いをしっかりと、この場で、この議場でお話しいただきたい、改めてこのことを求めます。
それと、最後に一言、教育長に対して申し上げたいのは、職務命令については撤回をしないというふうに答弁をいたしました。私どもは、東京地裁のこの判決は、一方的な理論や理念を生徒に教え込むことを強制しない、そういう解釈のもとで認められるのだというこれを引用いたしました。そこに立ったならば、教育長みずからが児童生徒に対して範を示すというのが教育公務員としての教員のあり方だというご答弁をされましたけれども、そうであるならば、なおさらのこと、お一人お一人の教員の思想・良心の自由、これを守るために学校長に対しての職務命令の撤回、これはすべきだということ、答弁は要りません、このことを求めたいと思います。
以上です。(拍手)
○議長(大越誠幸) 上田市長。
◎市長(上田文雄) すべて私の言葉として申し上げているつもりでありますが、それはこの議事録にも書いてございますように、もう一度、私の肉声で申し上げますと、議論の中心は、日の丸・君が代が戦前から用いられてきたことに起因しているということですね。国旗・国歌法が審議された経過で議論の中心になったのは、まさに、戦前からの日の丸・君が代が用いられていたということに起因しているのだということを申し上げているわけです。特に第二次世界大戦時において国家に対する国民の忠誠心をあらわす対象とされた日の丸・君が代、そういう歴史を背負っていることから、国旗・国歌の取り扱いを誤れば、先ほど議員がご指摘いただいたように、自国のことのみに専念し、他国を無視する偏狭な国家主義に陥る可能性があり、再び戦争の惨禍を招くおそれを案じたところにあったと思います。こういうふうに私ははっきり言っているのですね。
私は、この見解は変わっておりませんし、そのとおり、今、答弁しているつもりなんですが、これで勘弁していただけますでしょうか。(発言する者あり)(議場騒然)
○議長(大越誠幸) お諮りします。
ただいま議題としております議案20件につきましては、議事の都合上、その議事を延期することとしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
○議長(大越誠幸) ここで、日程に追加して、議案第28号、第29号の2件を一括議題とします。
いずれも、市長の提出によるものです。
提案説明を求めます。
上田市長。
(上田文雄市長登壇)
◎市長(上田文雄) ただいま上程をされました議案2件につきましてご説明を申し上げます。
まず、議案第28号は、札幌市
障害者福祉施設条例案であります。
札幌市では、障がい者に対する福祉サービスを実施する公の施設といたしまして、知的障がい者援護施設として自閉症者自立支援センター、第二かしわ学園及びあかしあ学園を設置するとともに、精神障がい者社会復帰施設として地域生活支援センターさっぽろを設置しております。
この条例案は、障害者自立支援法の施行により、障がい者に対する福祉サービスが再編されることに伴いまして、本市が設置するこれらの施設を新たに同法に基づく事業を行う施設として位置づけ、使用料その他の施設の管理運営に必要な事項を定めるとともに、所要の規定整備を行うものであります。
次に、議案第29号 札幌市
職員特殊勤務手当条例及び札幌市老人・
身体障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案は、ただいまご説明いたしました障害者自立支援法の施行に伴いまして、関係条例について所要の規定整備を行うものであります。
以上で、ただいま上程をされました各議案についての説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(大越誠幸) これより質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終了します。
(上瀬戸正則議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(大越誠幸) 上瀬戸正則議員。
◆上瀬戸正則議員 委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案2件のうち、議案第28号を厚生委員会に、議案第29号を総務委員会及び厚生委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(大越誠幸) ただいまの上瀬戸議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、議案第28号は厚生委員会に、議案第29号は総務委員会及び厚生委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――
○議長(大越誠幸) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日9月28日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(大越誠幸) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○議長(大越誠幸) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――
散 会 午後4時57分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 大 越 誠 幸
副議長 猪 熊 輝 夫
署名議員 馬 場 泰 年
署名議員 谷 沢 俊 一...