景観の
形成上、重要な価値のあるものを
指定しまして、大切に
景観資源として保全、保存、活用を図り、
まちづくりに生かすという点においては、同じものを
対象としております。しかし、
条例では、
市民とか観光客から親しまれている歴史的な
建築物などを
対象とするなど、非常に幅広い運用が行われておりますが、
景観法に基づく
景観重要建造物というのは、
条例上の
指定対象になるもののうち、特に外観上の観点からも
指定するものでありまして、
地域的な限定要素がなく、全国の統一的な視点からの評価というような
考え方になります。
しかしながら、法に基づく
景観重要建造物の
指定によりまして、総体として、
札幌の個性を生かした
景観が損なわれるのではなく、ほかのいろいろな
景観施策によって美しい
景観づくりが担保されておりますので、法の
実効性は確保されていることになります。
景観法に基づく
景観重要建造物に
指定した場合には、これまでの
自主条例に基づくものに比べまして、
建築基準法の
容積率とか防火規定に関する
制限が緩和されるほか、相続税などが減免されるなどの特例がある反面、増改築とか除却などの場合には、
景観行政団体である
札幌市の許可を得る必要があるとともに、許可条件に違反した場合や不適切な管理を行った場合には罰則規定が適用になるなど、
所有者に対する責務が明確に規定されているという違いがございます。
それから、2点目の助成制度の件についてです。
現在、
指定している11件に対しまして、その維持、保全を図るために必要な費用として、かかった費用の2分の1を限度に助成しているという制度につきましては、今後、法に移行した後にどのように扱うかということについては明確にはしておりません。しかし、
基本的には、保存、活用していくという意味では同じ趣旨でございますので、同じように扱っていけるように検討していきたいと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 都心部では四つの骨格軸を中心に、
重点地区をさらにふやして
景観保全していきたいというご答弁がありました。
住民発意の件につきましては、
地権者の3分の2の同意ということですから、
地区計画と同様なのかなと。ただ、違うのは、都計審とあわせて
景観審議会の方の審議も経て
札幌市が告示する、こういうことですね。
それで、
住民発意で積極的にそういう
まちづくりをしたいと出るのは尊重しなければならないと私も思うのですが、
札幌市としても、こちらに七つでしたか、いろいろ
指定して、山並みとか周辺の
景観をうたっているわけですから、
都心部はわかりましたけれども、自然を生かした
まちづくりという点でも、せっかくこの
景観地区をふやそうということですから、ぜひ、郊外であっても
指定区域を広げながら取り組んでいただきたいなと思います。
これは、場所は別に
指定しなくてもいいですけれども、
考え方、
札幌市は
都心部だけは
指定するけれども、あとは
市民の皆さんの発意を待っているという姿勢なのか、いやいや、必要があれば、周辺であっても
札幌市が
指定することもあるのだという考えなのか、その
考え方について確認しておきたいと思います。
それから、2点目は、
条例で
建築物の
指定が今度は法で
建造物の
指定に変わるが、
基本的な考えは変わらない、助成についても継続したいというお話でした。
しかし、この11件の物件が仮に法に基づく
建造物となると、今、ご答弁ありましたように、相当規制がきつくなるというか、持ち主が勝手に処理できないことになるわけですね。
法的根拠で裏づけされるといういい面もあるけれども、逆に言うと、持ち主の勝手にはできない、こうなります。ですから、その辺の合意というか、
所有者との合意、
協議、これがしっかりやられていないと、
条例と法との違いが生じたときに、そんな罰則があるのは知らなかったということにならないように、やはり、その移行に当たっては、ぜひ
所有者との
協議をしっかり図っていただきたいと思うのですけれども、その点はどうなのか。
また、この11件にとらわれず、
札幌市は歴史が浅いわけですが、こういう貴重な歴史的な
建築物、
建造物については大事に保全していくという観点から、
指定物件をさらにふやしていくべきと考えますけれども、この点についても
考え方を伺っておきたいと思います。
◎猿田
都市計画部長 1点目の
地域の
景観ルールづくりについて住民の発意を待つのかというお話です。
当然、住民の発意だけではなく、
札幌市側からも積極的にそういったものを提案していきたいと思っております。今回、
景観計画を定めるということで、定まった段階で
市民の方に周知を図りますし、また、引き続き
条例の改正を行いますけれども、そういった議論の中でも、
景観に対する
市民の皆さんの理解や協力を求めていくことで、それぞれ
地域に根差した
景観ルールづくりへの努力を期待したいと考えております。
◎山本
都市景観担当課長
景観重要建造物の関係についてです。
まず、1点目の移行に向けて
所有者とどのように
協議を行うかということについてです。
先ほどもちょっと
説明しましたが、確かに、今、
札幌市では
景観重要
建築物ということで11件を
指定しております。これにつきましては、今回の法の施行を踏まえ、
基本的には法に基づく
建造物の方に移行することが望ましいとは考えております。
しかしながら、
先ほどもご
説明しましたように、
所有者としての責務が大変明確に盛り込まれていることから、必ずしも
所有者の理解が得られるとも限りませんので、その辺については
所有者の意向をよく確認していく必要があるのかなと考えております。
また、
景観重要建造物の
指定に理解が得られない場合ということも考えられますことから、大切な
景観資源の保存、活用という意味では、
現行の
条例に基づく
景観重要
建築物という制度も並行して存続させていく方向が必要なのかなというように考えております。
それから、2点目ですけれども、今後、
指定の拡大の
考え方があるかということについてです。
今後とも、
景観資源としましては非常に重要な要素だと考えておりますので、法に基づく
景観重要建造物の
指定については、積極的に取り組んでいきたいと考えております。
先ほどもちょっと言いましたけれども、重要
建造物への
指定を望まないというのでしょうか、理解が得られないケースも考えられますので、存続を予定しております現在の
条例に基づく
景観重要
建築物などの
指定もあわせてできるように取り組んでいきたいと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 おおむね、わかりました。どちらもかなり積極的に
景観を保全していきたいというご答弁でしたから、私は評価をいたします。
今、法と
条例が並行してというようなご答弁があったのですが、これからのスケジュールの中で、来年6月でしたか、
条例改正を考えているわけですね。そうすると、それは、今言ったように、並行しても新しい法と矛盾が生じないというか、そういう
条例改正になっていくと、そういうことなのでしょうか。
その辺だけ、最後に確認したいと思います。
◎山本
都市景観担当課長
景観重要建造物というのは、あくまでも法で規定されておりまして、これは、当然、法に基づいて運用していくことになると思いますが、今までありました
条例につきましてはあくまでも
自主条例に基づく
景観重要
建築物という扱いになります。
基本的には、法に基づく委任部分と、現在、その法に含まれていない部分、
自主条例部分で必要なものをあわせて
条例改正したいと考えておりますので、そのような扱い、両方を
指定できるような
取り組みをしていきたいと思っています。
◆堀川素人
委員 私からも質問をさせてください。
僕は、前から、電柱のことについてずっとこだわりながら
景観のことを考えているのですけれども、
地域の名前を出さないで言うならば、本当にとっても醜い看板があって、大きな看板を立てたら、それ以上に大きな看板を立てる。こういうような中で、これが理性のあるまちかと考えるような
まち並みがあります。
そういう意味では、やっぱり品のあるまちというのか、もう少し
景観というものを考えた看板または
建築物等がつくられなければだめだし、これからできるものについてはそれを頭に入れながらまちをつくっていかなければならないだろう、こういうふうに思っています。今、この
景観計画をつくることについては、
基本的に賛成の立場でいますし、それについてはまだまだ強化をしていってもいいんじゃないか、こういうふうには思っています。
ただ、この中に幾つか電柱のことなども出てくるのですけれども、
札幌市の歩道に立っている電柱の数はおよそ18万本あると言われています。国道、道道を含めると20万本を超えると言われています。これには、いろいろな電柱があります。北電柱と電電柱が中心ですけれども、例えば北電柱の場合は重さが2トン、3トンという大きさのものもあります。まちの中で太いなと思って立っているのは、直径でおよそ33センチくらいでしょうか、まだ大きいのもあります。こういう大きなもので、大変重量の重いというのか、ちょっとしたら、すぐ8メートルや10メートルになってしまう。本当に僕が意識して見ましたら、恐竜が、にょきにょき、まちじゅうに立っている、これがまちの
景観を非常に損ねているということが今よく言われるようになった。
この間も、新聞を見ましたら、新聞の小さなコラムの中に、こんな汚いというか、みっともない
景観の日本の
都市、必ずしも
札幌市ではありませんが、こういう
都市はほかの先進諸国にはない
景観であるということも載っておりました。
また、僕は、オーストラリアに行きまして、大変きれいな
都市だと言われているパースというまちに行ってまいりました。そこでも、関心を持っているものですから、電柱を見ました。そうしますと、そのパースの一番南側の海岸沿いですが、そこで古い写真を見ました。古い写真には電柱がたくさん立っているのです。ところが、今、同じ場所に立ってその
景観を見ましたら、電柱が1本もないんですよ。どの時代かに、この
景観を変えようとする意思が生まれ、パース市の中で
条例になったのかどうかわかりませんけれども、そんな形で変わったのだ、僕はこう思って見てきました。
今、法の
制限があるのに、法の
制限も無視されて当たり前のように
都市景観を乱している。これに対して、今、
都市景観計画というものを立てている部署として、この電柱について、ある意味では無秩序に、しかも法令に違反して立っている状態についてどう対処しようとするのか、お聞かせ願いたい。
◎猿田
都市計画部長 委員おっしゃるとおり、電線の地中化、無電柱化ということは
景観形成の大きな要素の
一つであるということで、今回
説明いたしました
景観計画素案の中でも、各
地域の
基本方針の中に電柱の適切な誘導を図り美しい
街並みの
形成に努めるということを明記してはございます。しかし、その一方で、無電柱化、電線類地中化というのは、早急に徹底するということは現実的には非常に難しいことだろうというふうに認識しております。いずれにしましても、良好な
景観形成の
取り組みについて、電柱のない
街並みが美しさを創出することは確かだと思っておりますので、これからいろいろと
地域の
景観ルールづくりをする中で、地元の皆様方とも一緒に検討しながら考えていきたいなと思っております。
また、
平成18年度をめどに、公共施設の
景観ガイドラインの策定を予定しております。その中でも、
関係部局とも
協議をしながら、電柱の取り扱いについては考えてまいりたいと思っております。
◆堀川素人
委員 道路法では、電柱についてどういう規定になっているのか、おわかりですか。
○
五十嵐徳美 委員長 その質問で、まず、聞いていいですか。
◆堀川素人
委員 ちょっと、ここから一問一答にさせてください。
○
五十嵐徳美 委員長 いいですよ。
◎猿田
都市計画部長 専用物件ということで理解しております。
◆堀川素人
委員 僕が聞こうとしているのは、専用物件であることは明らかであって、道路法では道路に電柱を立てていいということになっているのかどうかということなのです。
今、歩道にたくさん立っていますね。それは、道路法をどういうふうに理解をしていますかということなのです。
◎猿田
都市計画部長 公益的施設ということで、やむを得ないものというふうになっていると理解しております。
◆堀川素人
委員 去年、おととしの9月の議会の中で、電柱と道路との関係について確認したはずです、
札幌市と僕の間で、議会の中でですよ。それはどういう理解かといいますと、道路には
基本的に電柱を立ててはだめだということになっているのです、法律では。どうしてもやむを得ない場合には、これを認めなければならんとも書いてあるのです。どうしてもそのほかに取ってかわるものがない場合には認めなければならない、そうでなければ、道路に電柱を立ててはだめだということになっているのです。
じゃ、今どういう状態の中で電柱が立てられてきたか。電柱を立てるにも一定の許可をする手続があるのですけれども、今は、その手続が全くと言っていいほど無視されて、非常に簡便な方法で許可がなされるようになっている。
札幌市でもそれを点検しなければならん。どこに立てるか、立てた後、本当にそこに立っているのかどうか。これは18万本のうちのただの1本もないという現実なのですよ。それで、調べたならば、何千本も、とてもここに立ててはだめだというような場所に電柱が立っている。それを5段階に分けてもらって、最もひどいのから
事業者と話して直してもらっている。
今、僕があえてこのことを言ったのは、やはり、道路に電柱を立ててはだめなんだという原則に立って美しい
景観にしていこうという部署が、今、ある部分で
景観を壊している電柱について危機感を持たなければだめですよということを僕は言いたいのですよ。
本当に意識して見てください。確かに、電柱というのは電気を通して公共のためになっている。でも、一定の決められた手続があるならば、それに従ってやらなければならん。空を見たら、メッシュに見える。極端に言ったら、空を返してくれや、だれの空よ。電柱が25メートルか30メートル置きに立っている。ところが、まちの角っこに行ったら、同じところに電柱が何本も立って、電線が入り組んでいる。あれを見て、僕は、そこに手をつけないで、そこに最も強い関心を持たない
景観条例というのは、絵にかいたぼたもちみたいなものだと思っていますよ。ヨーロッパに行こうが、アメリカに行こうが、これほど電柱が乱立しているというか、林立している国はないです。
そうするならば、今言ったように、道路法が電柱との間でもってどういう関係にあるのか、手続も
札幌市で定めていながら、極めて簡便な方法で、ある意味では
事業者にとって非常に都合がいい。それを
札幌市が認めたのですから、そういう形の中で電柱を立てることを許可している。そして、立てた後に、本当にそこに立てているのかどうかも点検もしないで、いまだに行われているのですよ。これについて、我々はきちっとしなければならない。特に、
景観を大事にしよう、
条例もつくりました、
景観計画もつくりました、そういう中で、悪いけれども、今みたいな道路法に対する認識、電柱に対する認識であっては困る。
それからもう
一つ、例えば新しく造成されるとする。今、古くから立っているものについてすぐ動かすというのは、100年、それ以上かかる
可能性のあることだと思うのです。でも、新しく造成するところでもまた電柱を立てる。そうではなくて、新しくできるところ、やはりそういう団地から電柱をなくすようにつくっていかなければならん。これにも、この
計画の中では何ら答えようとしていない。意識の中にはあったとしても、具体的な問題、悩む問題としてそれをとらえていないところに問題があると僕は思いますよ。
今、僕はこのことを話しましたけれども、
景観計画を立てる中で、電柱行政というのかな、この問題についてもう少ししっかり腹に据えてやってほしい、こう思いますけれども、どう考えているのか、今の率直な考えでいいですから、聞かせていただきたい。
◎猿田
都市計画部長 委員のお話しのとおり、
広告物とか、特に電柱の林立が非常にまちの
景観を壊しているというのは確かだという中で、今回の
景観計画でもその電柱の取り扱いについて一端の言及をしています。それから、
関係法令との一体的な実施とか
関係部局との連携ということもうたっております。当然、公共施設の管理者とか、国も含めた関係機関との総合的な調整の中で良好な
景観を目指していくという
考え方には変わりはないと思っておりますけれども、非常に難しい課題といいますか、一朝一夕にはなかなかでき上がらないのだろうなと思っていますが、その辺は十分認識しながら努力してまいりたいと考えております。
◆堀川素人
委員 いたし方ないですね。さっきの答えた認識であれば、今答えるのはその程度かなと、悪いけれども、仕方ない。
でも、ここでもって、
景観をいじるあなた方に僕ははっきりと物を申しました。今までは建設局を中心にして物を言ってきました。この連携をきちっと図って、電柱がまちに林立して
景観を乱すことのないように、何回も言いますけれども、もう一回、ふんどしを締め直してきちっと対処していただきたい、このことをお願いして、終わります。
○
五十嵐徳美 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
五十嵐徳美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、本日の
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時3分...