札幌市議会 > 2006-07-31 >
平成18年(常任)財政市民委員会−07月31日-記録

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2006-07-31
    平成18年(常任)財政市民委員会−07月31日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成18年(常任)財政市民委員会−07月31日-記録平成18年(常任)財政市民委員会  札幌市議会財政市民委員会記録            平成18年7月31日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時1分 ○五十嵐徳美 委員長  ただいまから、財政市民委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、特にございません。  これより、議事に入ります。  本日は、公立大学法人札幌市立大学中期計画についてを議題といたします。  理事者より、説明を受けます。 ◎下村 市民まちづくり局長  本年4月1日に開学いたしました札幌市立大学管理運営を行う公立大学法人札幌市立大学の6年間の業務運営に関する目標である中期目標につきましては、さきの第2回定例市議会において議決をいただいたところでございます。議決後、その中期目標公立大学法人に指示いたしましたところ、中期目標を達成するための計画である中期計画公立大学法人から提出されました。  中期計画の策定に当たりましては市長の認可が必要となりますが、本日は、その認可に先立ちまして、中期計画の内容をご説明申し上げます。  なお、詳細につきましては、企画部長からご説明いたします。 ◎秋元 企画部長  ご説明を申し上げます前に、提出させていただいた資料の確認をさせていただきます。  資料は2種類ありまして、一つが中期計画の概要というA3判1枚物、もう一つが中期計画そのものでございます。  それでは、中期計画の概要、A3判1枚物に従いましてご説明させていただきます。  中期計画の概要に記載している項目のうち、上の欄に記載しております札幌市立大学の理念、特長及び目的は、中期計画そのものではなく、中期目標に記載をされているものでございますけれども、公立大学法人が達成すべき最上位の概念でありますことから、参考に記載してございます。  中期計画に記載されている内容は、その下の2段目の囲み以降の項目になります。  中期計画の内容は、大きく二つに分けることができます。  一つは、公立大学法人の業務である教育、研究及び地域貢献に関する目標を達成するための措置で、ごらんいただいております中期計画の概要では一番下に並んでいる三つの項目となってございます。
     なお、中期計画では、第2の大学の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置ということで、記載されてございます。  もう一つは、教育等の業務を実施するための組織、制度、システムをどのように構築、運用するのかという経営面に関する措置でありまして、中期計画の概要では、中段の経営(組織運営)に記載されております。  なお、中期計画では第3以降に記載されてございます。  それでは、公立大学法人の業務であります教育、研究及び地域貢献の観点についてご説明を申し上げます。  まず、教育に関する目標を達成するための措置につきましてご説明いたします。  左に、教育に関する目標を達成するための措置ということで、入試、教育課程教育方法成績評価、教員の資質の維持向上等が記載されてございます。  まず、入試につきましては、一般的な学力試験のほかに、実技や面接を重視した特別選抜を実施するといった多様な選抜方法の実施などを記載してございます。教育課程につきましては、デザイン学部看護学部が共同で行う演習といった、両学部が交流することができるような教育課程の編成などが記載されてございます。教育方法履修指導方法につきましては、看護学部の学生が芸術の森キャンパス桑園キャンパスの両方で学ぶことから、そのことに対する配慮などについて記載してございます。  そのほか、成績評価、教員の資質の維持向上教育環境の整備について記載しておりますが、その中で、教育環境の整備につきましては、高等専門学校と高等看護学院の学生が減少するにつれてこれらの学校が使用するスペースがあくことになりますので、そのスペース大学向けに改修することや図書館の充実を図ることなどを記載してございます。  次に、二つ目の研究に関する目標を達成するための措置につきましてご説明いたします。  目標とすべき研究に関しては、デザイン学部における研究として産業や芸術・文化の振興、都市機能景観向上に寄与する研究、看護学部における研究として地域看護の充実、市民の健康保持増進に寄与する研究を掲げておりますほか、両学部による共同研究の実施、研究における競争的外部資金等の導入などについて記載してございます。  このような研究活動を展開するために、研究に特化した組織として附属研究センターを平成19年度以降に設置することとし、また、ネットワークの拠点として、今年度中に都心部サテライト施設を設置することとしております。  次に、三つ目の地域貢献に関する目標を達成するための措置では、地域産業まちづくり、保健・医療福祉への貢献、教育面での貢献、大学間連携のほか、札幌市の行政施策との連携について記載してございます。  次に、国際交流に関する目標を達成するための措置では、海外の大学との連携や留学生の受け入れなどについて記載しております。  続きまして、真ん中の欄、教育等の業務を実施するための組織、制度、システムをどのように構築、運用するのかという経営面に関する措置につきましてご説明いたします。  まず、組織運営につきましては、公立大学法人のトップである理事長のリーダーシップが重要になりますことから、理事長による経営戦略の策定、公立大学法人企画戦略を練るための理事長をリーダーとする企画戦略室の設置などを行うこととしております。  そのほか、理事や、経営、教育、研究に関する重要事項を審議する審議会の委員に学外者を登用すること、公立大学法人における重要な経営資源である情報の共有化と有効活用を図ることなどが記載されております。  次に、人事制度では、すべての教員に5年の任期制を導入すること、教員の業績評価制度を導入することなどについて記載してございます。  次に、財務運営では、文部科学省の補助金の獲得や企業からの受託研究受け入れによる研究資金の獲得といった外部資金の導入による研究の推進などについて記載してございます。  その他、広報・情報提供や施設整備に関しての記載がございます。  最後に、中期計画期間中の予算につきましてご説明いたします。  お手元の中期計画の冊子の18ページをごらんいただきたいと思います。  まず、収入についてご説明いたします。  運営費交付金は、札幌市から公立大学法人に対しての交付金でございまして、地方独立行政法人法支給根拠があるものです。次の授業料等収入は、受験生からいただく入学検定料、入学生からいただく入学料及び学生からいただく授業料による収入でございます。次の受託研究等収入は、企業からの受託研究などを受け入れた場合の企業からの研究費などの収入でございます。次のその他の収入は、公開講座の授業料などの収入でございます。  続いて、支出についてご説明いたします。  まず、教育研究経費は、学生の教育に係る経費、教員の研究に係る経費、地域貢献に係る経費、図書館の運営に係る経費などでございます。次の受託研究等経費は、企業から受け入れ受託研究などの実施に直接係る経費でございます。次の人件費には、役員や常勤、非常勤、臨時などにかかわらず、すべての教職員にかかわる人件費が含まれてございます。次の一般管理費は、光熱水費や施設の維持管理に係る経費などでございます。次の施設整備費は、施設の改修などに係る経費でございます。  収入支出ともに、6年間の合計約115億1,800万円を見込む計画となってございます。  中期計画の概要の説明は、以上でございます。 ○五十嵐徳美 委員長  それでは、質疑に入ります。 ◆村山秀哉 委員  私の方からは、札幌市立大学中期計画の予算についてお伺いいたします。  今、報告を受けた中期計画には、6年間の予算の計画も記載されております。その中で、札幌市から公立大学法人に対して交付する運営費交付金は、6年間で93億5,400万円となっております。  公立大学法人においては、各事業年度を事業や予算・決算、業績評価最小単位としながらも、中期計画や、さきの第2回定例市議会において議決した中期目標の期間が6年間であることから、6年間を基本単位として運営を行っていくことになると思います。  しかし、運営費交付金を支出する札幌市は、会計年度を単位として運営し、予算も原則的に単年度予算となっております。  そこで、質問ですが、今回の中期計画には、6年間の予算やそのうちの運営費交付金が記載されておりますけれども、これを認可することによって、6年間で93億5,400万円の運営費交付金の交付が義務づけられることになるのか、お伺いいたします。 ◎秋元 企画部長  中期計画予算運営費交付金についてお答えいたします。  まず、公立大学法人中期計画に記載する事項は、地方独立行政法人法に定められており、そこでは予算についても記載事項とされております。したがいまして、中期計画期間である6年間の予算については、中期計画に記載をしなければならず、公立大学法人の収入の多くを占める運営費交付金についても記載する必要があることから、ここでは一定の仮定のもとに試算された交付金の額を記載しているものでございます。  一方、公立大学法人に対して交付金を交付する札幌市は、今ご質問にもありましたように、単年度予算主義で予算を編成しておりますことから、この運営費交付金につきましても、毎年度の予算編成方針に基づき査定を行い、予算を審議する議会において審議され、当該予算が可決されれば可決された額を公立大学法人に対して交付するということになります。  したがいまして、このたび公立大学法人から認可申請された中期計画を認可しても、そのことをもって6年間の運営交付金の額が確定するものではございません。 ◆村山秀哉 委員  今のお答えで、札幌市と公立大学法人会計期間に対する制度の違いから、中期計画を認可したとしても6年間の運営費交付金の支出額が確定するものではない、こういうことを言われましたので、おおむねわかりました。  公立大学法人の予算について、再度、お伺いいたしたいと思います。  先ほど述べたように、公立大学法人の予算の単位は、単年度の事業年度中期計画期間の6年間の二つがあることになると思います。このことから、各事業年度において剰余金が発生した場合の処理について、どの期間の単位を基準として考えるのかによって異なるような気がいたします。中期計画期間を単位とするのであれば、期間中の剰余金については自由に使用できる可能性がありますし、事業年度を単位とするのであれば、翌事業年度への剰余金の繰り越しは難しいのではないかと思われますが、それでは経費抑制自己収入増加による剰余金発生のインセンティブが失われてしまいます。  そこで、質問ですが、公立大学法人において、各事業年度における剰余金が生じた場合に、予算上、どのような処理を行うことになるのか、お伺いいたします。 ◎秋元 企画部長  各事業年度単位で剰余金が発生した場合の処理につきましてお答えいたします。  まず、事業年度終了後に損益計算を行い、その結果、剰余金が生じた場合には、前の事業年度繰り越し損失があれば、まずこれを埋めることになります。次に、前の事業年度繰り越し損失を埋めてもなお剰余金の残余がある場合は、原則として積立金として整理する必要がございます。この積立金は、中期計画期間終了まで積み立てられ、市長の認可を受けた場合には、次の中期計画期間の業務の財源に充てることが可能となります。  また、前の事業年度繰り越し損失を埋めてもなお剰余金の残余がある場合に、積立金として整理をせずに、市長の認可を受けることによって、翌事業年度、これは単年度ごとに繰り越すこともできることになっております。  いずれの場合におきましても、市長が認めれば、剰余金を次の中期計画期間事業年度の単年度予算に繰り越すことができるという仕組みになってございます。 ◆村山秀哉 委員  剰余金の取り扱いについてはわかりました。  公立大学法人の予算について、札幌市からの運営費交付金による収入がその多くを占めていることについては、札幌市が公立大学法人の設立団体である以上はやむを得ないのかなという気はしております。  しかしながら、公立大学法人においては、運営費交付金ばかりに頼ることなく、積極的に自己収入をふやす努力をする必要があると思います。具体的には、文部科学省などからの研究に関する補助金を獲得することや、企業などからの受託研究受け入れ件数をふやす、デザイン学部を有していることから研究成果としての知的財産を生み出し、その活用を図ることなどが求められると思います。公立大学法人に対して自己収入の積極的な増収策、例えば、特許を取ったり、デザインを売る、こういうことは自由にできることでありますので、やはり、交付金ばかりに頼ることなく積極的に収入を図って、大学の運営に少しでも寄与できるような収入策を図るべきではないかと思っているところでございます。  そこで、例えば特許を取ったり、デザインを売ったりという話の中で、職員や教授、教員などが携わるわけですけれども、当然、見返り的なものも出してもいいのではないかと思います。各企業でいろいろな発明をすると、それに対しての報酬、功労金などもあります。そういう部分に関しては、大学自体も、職員、教員、教授といった人方がこの法人に寄与する利益を出した場合には、当然、報奨金的なものをどんどん出すということを前面に出しておけば、やはり、多少なりとも職員それぞれが収益を上げるための考えを持つのではないかと思っております。  とにもかくにも、やはり独立行政法人の一つという形の中で、交付金だけを当てにすることなく、本当に一生懸命頑張っていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆大嶋薫 委員  私の方からは、1点だけです。  都心部のサテライト施設を平成18年度中に開設することが中期計画の中に明記されました。この課題については、これまでの予算特別委員会の中でも、この重要性、今後の予定等について質問をさせていただいたのですが、その時点では中期目標中期計画ともにまだ定まっていないこともあって、時期、規模等の具体的なやりとりはできなかったわけです。  今回、改めて、都心部サテライト施設が位置づけられました。これは、研究の実施体制、それから教育面での貢献という二つの領域で、その中心の施設になるのかなという気もしております。とりわけ、これから札幌市立大学が地域に開かれた大学として、単に学習面、研究面だけではなくて、札幌市でも生涯学習構想でのいろいろな議論があるわけですけれども、このサテライト機能を十分に利用した形で、市民に開かれた体制づくりといいますか、その機能をしっかりとつくり出していくことが求められているのであろうと思っています。  これから、ネットワーク機能の中心であるという位置づけの中で、看護学部と旧来の市立高専キャンパスが分かれていますから、市民に一番見えやすいのがサテライト施設ということにもなると思います。今、村山委員とのやりとりの中でもありましたように、このサテライト施設は、具体的に事業を行う責任は法人が有しています。そして、大学ということで学問の自由あるいは教育研究の自由という大きな目標といいますか、そういうことがある中で、これから独立行政法人という札幌市立大学の運営のあり方なり、予算の組み方なりについて、議会の中でどういうふうに議論を進めていけばいいのか、これはきょうの議論とは別ですけれども、いろいろ話していて悩ましい部分が出てくるのかなということもあります。そこは、一つの大きな大学という研究機能あるいは教育機能を尊重するといいますか、札幌市は積極的に生かしていくのだという一方で、財政面で支えるそのあり方について、これからもできる限り機会を得て、議会の場で議論できるような仕組みもお互い知恵を絞ってつくり上げていかなければならないなというふうな思いもしています。  ちょっとそれましたが、その都心部サテライト施設ですけれども、今言ったように札幌市が把握できている範囲で、時期、立地場所、施設の規模あるいは事業についてどのような予定になっているのかという1点だけを伺います。 ◎秋元 企画部長  都心部サテライト施設に関連してでございます。  まず、設置場所は、現在、中央区北3条西3丁目に建設している仮称日生札幌ビルの5階を予定してございます。このフロアでは、複数の大学サテライト公開講座などに利用できる共用スペースがあって、このうち、札幌市立大学専用スペースとして193平米ほどを確保する予定になってございます。  設置の時期でございますけれども、入居するビルが9月末に竣工する予定となっておりますことから、現在のところ、10月中旬ごろの開設を予定しているというふうに聞いております。  都心部サテライトでの事業内容につきましては、産学公の連携を促進する交流事業あるいは市民向け公開講座の実施などが想定されますけれども、詳細につきましては、現在、市立大学の方で検討中でございます。 ◆芦原進 委員  一つだけ申し上げます。  中期目標議会議決が必要だということでしたが、6月9日に委員会を開いて、中期計画については、市長の認可で議会議決は必要ないということでした。しかし、それではちょっとという話で、今回、こういう形でご説明いただく運びになりました。  そこで、6年間の中期計画ですが、このあと、大学は年度計画を作成して市長に届け出をするという流れになっています。  そこで、一つお聞きしたいのは、これは建物を建てるわけではありませんので、なかなか達成度だとかは非常に難しいかもわかりませんが、計画であるならば、ある程度の進捗状況、どういうふうに進んでいるのかというものも必要でないかなと。チェックしたり、評価し、検討して修正を行っていく、そしてそれをどういう形で知らせていくのかということについて、事前にお聞きしていなかったのですが、その状況の把握、また対応についてわかる範囲で教えていただければと思います。 ◎秋元 企画部長  計画の進捗状況のチェックということかと思います。  6年間の計画といいましても、基本的には単年度の事業の中身につきまして、大学の方で計画をつくり、その進捗状況について、当然、大学としても評価をいたします。また、私どもとしても、公立大学法人評価委員会、これは外部の方にお願いをしてございますが、こういった評価委員会の中で、今までも、中期目標、それからこの計画についてもご意見をちょうだいをしております。先ほどのご質問にもございましたが、札幌市からの運営交付金のウエートが非常に高いという状況がありますので、市民の税金をできるだけ効率よく使っていくということで、市としても大学運営についての事業評価をしていきますし、単年度ごと予算審議、あるいは、今回の計画も議会にご説明を申し上げているところでありますけれども、議会においても、評価を受け、次の事業展開についてご意見、ご議論をいただく場をつくっていかなければならないというふうに考えてございます。 ◆飯坂宗子 委員  私は、中期計画本書の10ページ、11ページにかかわって、2点、質問したいと思います。  1点目は、学内民主主義についてです。  10ページの中ほどに教授会のことについて触れられております。  まず、アの方では、重要事項の審議は、できる限り役員会並び経営審議会及び教育研究審議会にゆだねるというふうになっております。そして、イの方で、民主的な学内運営に配慮し、役員会等の重要な会議の議事内容にすべての教職員がアクセスすることができるようにする、こういうふうに書いてあります。  実は、教授会については、学校教育法の第59条に、「大学には重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」と規定されているのですね。これは、国立、公立、私立、いずれも学校教育法で決められております。しかし、ここでは、教授会は置くけれども、重要事項を審議するのは、限られた役員会とか、経営審議会といっても10人で、学外者が5人以上、教育研究審議会は7人で、2人は学外者を入れる、こういう規定になっています。ですから、最大に見積もっても、経営審議会に学内者は5人、教育研究審議会の方も5人ということで、役員以外は10人という構成になろうかと思うのです。  そこで、開学時、06年度は役員を除く教員数が46人ということですが、この計画表を見ましたら、3年後、08年以降は78人で推移するという計画になっております。つまり、46人あるいは78人、これだけ教員がいるのですが、そのうちの10人足らずの人たちが重要事項について審議する。あとの教員については、役員会で審議した審議過程をアクセスして見ることができる。これで本当に学内民主主義と言えるのかなと私は非常に疑問を持ちますので、大学が決めたことではあるけれども、行政として、この点、これで本当に学内民主主義が担保されているというふうに評価できるのかどうか、1点、お聞きしたいと思います。  それから、11ページの下段に多様な任用・勤務形態の構築というのがあります。  雇用形態の問題では、前回あるいはこの間、大学の議論のときに、私は再三指摘を申し上げました。独立行政法人ということでスタートしていますから、全教員がスタート時点で5年の任期制なのです。なおかつ、業績評価結果を反映させるというふうになっております。これを研究費あるいは個人の給与にも反映させていくのだという考え方が中期目標のときにも語られたわけですが、11ページでは、そのことによって教員の士気の高揚、教員組織の活性化を図るとまで言い切っているのですけれども、果たしてこれで本当に士気の高揚と活性化を図ることができるのかなと私は非常に疑問を持っております。民間会社などでは、どことは言いませんけれども、業績評価の結果を給与に反映するというのは既にやられています。そして、さまざまな問題も生じているというふうに私は聞いております。  そこで、業績評価を給与や研究費に反映させることを大学に導入することで、いわゆる共同研究の妨げにならないのか、あるいは、不安定な雇用を助長することになって、デザイン学部とか看護学部だとか、果たしてこういうところの学術研究に本当に貢献できるのだろうかというところは、私はいまだに非常に疑問を持っているわけです。  この点について、この計画の中ではこうやって言い切って書いておりますけれども、担当部局としてはその点をどうお考えか、聞いておきたいと思います。  以上、2点です。 ◎秋元 企画部長  まず、1点目の教授会の審議事項学内民主主義の観点でございます。  今のご質問のとおり、大学の通則的な法律であります学校教育法では、教授会において重要な事項を審議するということにされております。一方、公立大学法人の根拠法であります地方独立行政法人法におきましては、公立大学法人の経営に関する重要事項経営審議会で、また、大学の教育研究に関する重要事項教育研究審議会でそれぞれ審議することが義務づけられてございます。これは、公立大学法人にのみ適用のある地方独立行政法人法ですけれども、これは大学に関する一般法である学校教育法に対する特別法となりますので、どの機関で重要事項を審議するのかということに関しては、札幌市立大学のような地方独立行政法人におきましては、特別法である地方独立行政法人法の規定が優先的に適用されることになります。  したがいまして、公立大学法人におきましては、経営や教育機関に関する重要事項経営審議会教育研究審議会で審議することになります。このことから、逆に言いますと教授会での審議事項というのが経営、教育に関する以外に厳選されることになりますけれども、このことが直ちに学内民主主義に反することにはならないのではないかというふうに考えてございます。  先ほど言いましたように、特別法の適用になりまして、基本的には経営審議会等で審議されることになります。まず、1点目はこういったことであります。  それから、2点目の任期制と教員の業績評価に関してでございます。  札幌市立大学では、教授、助教授、講師、助手のすべての職員に対して5年の任期制を採用してございます。これは、教員が相互に刺激を与え合い、緊張感を持って教育研究等に取り組み、その質の向上を図ることを目的としているものと考えてございます。また、教員の業績評価制度につきましては、評価を通じて、教員に対して公立大学法人が求める期待レベルを具体的に示すことによって、教員一人一人のモチベーションの方向を公立大学法人教育研究や経営と同じ方向に向ける、こういった必要性があることから業績評価についてもうたっているというふうに考えてございます。つまり、教員の業績評価は、公立大学法人の理念、それから目的、目標を達成するために力を尽くした教員が報われる制度ということでありまして、そのような趣旨に沿った評価制度の設計、運営が行われるのであれば、学術研究の推進や教員の士気の高揚につながっていくのではないかというふうに考えてございます。  札幌市としましては、業績評価制度の趣旨に沿った公平性、客観性、透明性が高く、教員の参画や納得が得られる制度設計ということを望んでおりますけれども、こういった制度の不断の見直しを図ることによって大学の効率的な運営と学術研究の高度化といったものが両立をしていくものだというふうに考えてございます。 ◆飯坂宗子 委員  学長イコール理事長ですね。そして、中期計画の中でも、学長の判断で研究費等をどこの分野に厚くするか、そういうことを決定できるという絶対権限を持つというか、裁量権を与えているのです。それだけに、やはり学内民主主義ということが徹していませんと、役員会がある、経営審があるといっても、勢い学長の判断と権限でトップダウン式に物事が決まっていく。教員の方は、先ほど言ったように5年制で更新されるかどうかは業績評価等で変わってくるわけですから、非常に不安定な雇用形態の中で物を言えないというのでは、やはり、私は学問の場としてはよろしくないなというふうに思うわけです。  ですから、学校教育法よりも特別法である地方独立行政法人法が上回っているから、それに沿ったものだという今のご答弁だったのですが、教授会を置かなくていいというふうにはなっておりませんから、また、教授会の民主的な意見の反映、全教員の意見の反映、これに配慮した運営がなされるようにぜひ目配りをしていただきたい、これは、1点申し上げておきます。  それから、先ほどの業績評価についても公平性を図るための物差しということですが、計画では、初年度はどういう項目で評価をするかの検討を開始する、そして、07年度と08年度で試行的にまずやってみて、09年度以降に本格実施をしたいというようになっています。ですから、それがどんな項目で、どういう評価で、だれが、どういう基準でということを今ここで議論しても、よし悪しという判断はつかないと思いますので、これ以上の質問は避けますが、やはり、言葉では学術研究と矛盾しないという部長のご答弁でしたけれども、これが本当にそういうものになっていくのかどうか、妨げにならないのか。  この点については、きょうはこれ以上の中身が明らかになっておりませんので、今後も機会を見て注視していきたいという意見を申し上げて、終わりたいと思います。 ◆宮本吉人 委員  とんとん拍子で進んでいるところで申しわけないですけれども、私は、大学設置準備委員会とのかかわりの中で提言申し上げたことに関して、突然ですが、ちょっと質問したいなと思います。  デザインと看護が市立大学の目標というか、目的として、急遽、出てきたときに、札幌市としては、デザイン単科の高専をつくる以前から、デザインだけの大学を目指したわけではなくて、少なくとも市立の大学をつくりたいという広い願望の中で模索した結果、いきなり大学はつくれないと。そんなことで、とりあえずデザイン単科の専門学校をつくって、それから大学化を目指すという手順というふうに私は受けとめていました。ただ、デザイン単科では難しいということで、かねてより要望が強かった看護もあわせて大学化を目指しました。当然、同じ一つの大学としては両方の余りの違いから、いろいろな意見がありました。しかし、それもクリアした中で、それぞれの特性を生かした札幌市の市立大学として、また、他に例を見ない複合的な大学としてということで、今回、立ち上がってまいりました。  その中で、それぞれの分野の専門家を育て、札幌市そのものがそういった人材の育成に貢献していくという高邁な理想については私も大賛成で、そうあるべきだなと思いますけれども、反面、これだけ膨大な市民の税金を使って、単にそれだけでいいのかというような質問をしたことがございます。そのお話の中では、場面によってはそれでもいいのではないか、札幌市がその分野に貢献して、専門的な知識、技量を持った人材が育っていって日本全体あるいは世界の中で活躍する人が生まれれば、回り回って札幌市に還元されるのではないかという話も聞きまして、それも一つはあるなというふうには受けとめております。  しかし、何といっても、大学をつくる効果というか、目的は、単にそれだけでいいのかと考えますと、やっぱり、この大学ができることによって、市民に広がる人材の育成とともに、その関連する産業というか、そういった基盤を広げていく、つくっていくことも重要なことではないかと。専門家、例えば看護師を育成するにしても、札幌市もまだ足りないと言っていますから、それに対して寄与はすると思いますけれども、ふえてきたときに、じゃ、それ以外の看護師はどこへ行くかといったら、地方とか道外に出ていきます。そして、この種の職業というのは、一たんそういうところに就職したらほとんど異動しないで戻ってこないことにもなります。そういうことも考えますと、大きな目的としては賛同するところでありますけれども、やっぱり、僕のような地域に張りついた人間としては、地域産業の育成なり、地域における貢献度についてもっともっと考慮すべきだということを主張いたしました。  そんなことで、たまたま私自身、商業者として、商売の面あるいは経営の面ではほかに負けないくらいの自信を持っていますけれども、技術とか知識といったものが余りなくて、両方を持っていないばかりにいろいろな分野でおくれをとったりすることがあります。そういうときに、たまたま技術者とか経済的な方向での専門家とのいろいろな論議の中で、私自身、これから改めて技術や知識を身につけていくということは大変な労力を要するし、まず、不可能に近い、しかし、技術を習得し、それだけの専門的な知識を持っている人が、経営的感覚あるいはそういった意識を身につけることは簡単です、ですから、そういった方面を目指せばもっともっと大きく飛躍できるのではないでしょうかと、自分の持論からそういった発想をさせていただきました。  ご存じのとおり、札幌で、今言った経済面、あるいは地域の中小企業等々に人材を送り込んでいる唯一の高校として啓北商業高校というのがあります。そこで、僕は、今の意見を前提にして進言したことがあるのです。市立大学デザイン学科と言いますが、昔は手がきや機械を使ってやるデザインが多かったみたいに思うけれども、最近はグラフィックデザインと言ってコンピューターを駆使して、特にアニメの世界なんていうのはもうこの世界でやっていると言うのですね。だとするならば、大学生を入れるに当たって、コンピューターの技術や基礎的知識をきちっと持った人間が大学に入ってきてくれれば、その基礎教育におくれをとらないですぐ専科の方に入っていけます。  その思いは、30〜40年前でありますけれども、私は今の啓北商業が母校ですが、啓北商業を出まして商業大学に行きました。ただ、商業大学は入試がありますから、普通校から来る方が入学試験に有利で、そういう人が圧倒的に多いのであります。そんな中で、私もかろうじて商業大学に入りました。商業大学は、デザイン大学と同じで、専門的な者を養成する大学であります。そこに入ってきて、今言う商業的な基礎知識を持っていない普通校から来た学生は、1年、2年は基礎知識を学習するのに没頭しております。我々はもう基礎知識はやっているものですから、我々はあんたたちの授業についていかれないよと、もう1回やるみたいなものですからね。そんなことで、全体のレベルがなかなか上がらない、教育効果が出ないということを現実として見てきております。  ですから、私は、せっかく特色ある札幌で唯一の市立大学をつくるのであるならば、やはりデザインを主体にした、あるいは、広い分野におけるデザイン産業の育成のためにも、幅広い知識と、より高度な基礎知識を有する人材をどんどん育てていくことが大事ではないかということで提言したのであります。  少なくとも、唯一の市立啓北商業とデザインの大学を連携させることによりまして、より優秀な基礎知識を得た学生がどんどん入ってくるのではないかなと。そして、そういった学生がさらに高度な専門知識を身につけて、地域や社会に活躍する場を求めていけば、必然的に札幌市においてこの分野における産業が育成され、最終的には大きな産業ができ上がることにつながってくると思ったものですから、こういう提言をさせていただきました。  そんなことで、準備委員会の方ではそれなりの議論は若干されたやに聞いておりますけれども、中期計画の中では、こういった分野についてどういうふうに受けとめておられ、そして、今後についてどうお考えになっているのか、ここで改めてお聞きしたいなというふうに思います。  その辺について、今の段階では皆さん方に資料などがないかと思いますので、もし、答えられないような部分がありましたら、答えられる分野でしていただいて、今後、この辺の考えや意見なども反映させていただくように、質問と要望にしたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◎秋元 企画部長  今のご質問の中で一番大きかったのは、大学の地域貢献ということだと思います。  今回の計画の中でも、教育に関すること、研究に関すること、それから、三つ目の柱として地域貢献ということを大きな柱にしてございます。そこでは、当然、地域産業まちづくり、それから保健・医療・福祉といったことで、大学の特殊性、知識、技術などでいろいろ貢献していきたいということが大きなテーマになってございます。そういった中で、大学1年生のカリキュラムですけれども、デザイン学部看護学部の学生が同じ場所でのゼミナールといいますか、そういったことをやって、単なるデザインの知識や看護の知識ではなくて、別の視点から見て、新たな連携といいますか、そういったことを考え得るような人材教育も既に始めているやに聞いてございます。
     あわせて、先ほどのご質問にもお答えしました都心部のサテライト施設を設置するに当たりましても、他の大学でありますとか、今ご指摘がございましたさまざまな教育機関との相互連携を視野に入れながら事業展開をしていきたいということです。当然、市民への公開講座みたいなものもつくっていきますし、企業とか、大学や他の研究機関との連携の拠点として都心部のサテライト機能を生かしていきたいと。それから、平成19年度以降には、産学官連携の促進あるいは具体的な地域貢献での機能を果たす附属研究センターの設置なども大学の中で議論していまして、議員ご指摘のありましたような地域連携、産業貢献ということについて、これは非常に重要な視点として大学の方でも継続的に検討しているようでございます。 ◆宮本吉人 委員  いろいろ説明したかったので、前段の部分で今の答弁の部分について表現したものですから、若干、受けとめ方が理解されていないのかなというふうに思うのです。  私は、それはそれで評価し、もっともっとやってもらいたい、それから、看護とデザインとの水と油を融合させたような形の中で、新たなる発想を持っていくことに関しても評価しています。  その部分はいいのですけれども、そこに至るまでの過程において、例えば看護師の場合は、少なくてもそれ以前に、中学卒業あるいは高校卒業してから準看の教育を受け、正看の経験をして、さらに高等教育ということで看護大学に来るのですね。つまり、それまでには2年なり4年なりの専門教育、専門実習を受けてきて入ってくるのです。ですから、これはすばらしく発展していくのではないかと思うのです。  ただ、デザイン科の方なのです。デザイン科の学生は、入試のときに基礎教育や基礎知識が全然ない学生も――全然ない人は入らないかもしれないけれども、ただ入試の成績で入ってくる。そこで、初めて専門的な基礎教育、あるいは、コンピューターの扱いにしても、そういったものを含めて訓練していく、それから、経営学だとかいろいろなことを学んでいくのです。ですから、それ以前に基礎教育を踏める唯一の市立啓北商業高校の基礎教育の分野を生かした部分で連携はできないものかということなのです。  そうすると、大学に入った時点からさらに特化した専門教育の中で、例えばデザイン科の中にも、グラフィックデザイン科あるいは何とかデザイン科と、いろいろなコース、分野があると思うのですが、そういった分野に連携して、幅広い人材を育成し、札幌市にそうした産業育成の基礎をつくれるような連携はできないものでしょうかということなのですね。  そういうことは、今の話を聞くと、やはり伝わっていない、検討されていない分野での今のお立場だというふうに思いますから、今の私の質問、意見を聞いて、改めて、そういう分野での検討をされていたか、あるいは、検討したとなれば、どういうことでどうなったのか、あるいは、検討されていないのだとするならば、そうあるべきではないかという提言があったということで、今後の長期計画あるいは大学運営の中でそういう分野のものをぜひ取り入れて、より幅広い、そしてこういった分野での高度な大学教育を目指していただきたいということであります。  お答えできればしてもいいし、できなければ検討する段階で今後の参考にしていだだくことで結構です。 ◎秋元 企画部長  若干、私の理解も十分ではないのですけれども、一つは、大学に入る前にそういう知識を高校と連携をしてというご指摘なのか、あるいは、さらに大学には入っているけれども、大学の中でいろいろな分野のカリキュラムをすべて用意するのも大変といいますか、人材を確保するのも大変なので、例えば経営的な視点については、他の大学なり高校なりのノウハウを活用して人材育成に寄与すべきと、考え方は二つあると思うのですが、両方ということでしょうか。 ○五十嵐徳美 委員長  宮本委員の質問の趣旨はご理解したと思いますから、秋元部長、それについてご答弁してください。 ◆宮本吉人 委員  どちらなのかということで疑問だったのでしょう。 ○五十嵐徳美 委員長  啓北商業との連携というのが主たるメーンということでよろしいですね。 ◎秋元 企画部長  今申しましたように、経営的なノウハウを持っている商業高校との連携についてというご指摘だと思います。  先ほど言いましたように、大学の方では、さまざまな大学なり、いろいろな教育機関との連携を模索しておりますので、こういうご意見があったということを大学の方にも伝えて、具体的にどういう形のものができるのかということは、次年度以降に検討させるという形でよろしゅうございましょうか。 ◆宮本吉人 委員  もっと現実なことで、狭いのかもしれませんけれども、少なくとも唯一の市立商業高校というのは啓北だけなのですね。道立の商業高校もたくさんあります。その中で、かつては市立商業高校が地域の産業界に非常に貢献してきた長い歴史があります。そういった中で、ほかの道立商業高校とか、全道に商業高校がたくさんできるに従って、その地位が落ちたと言ったら悪いですが、狭まれてきました。そんなことによって、せっかく市立でつくっている高校が、地域の産業界を含めた分野に貢献することが狭まれてきている。これは教育委員会の問題だと言ってしまえばそれで終わりですけれども、少なくとも、そういったことで札幌の将来を担う、経済界の底辺を担う人材を育てている唯一の市立高校がございますので、だから、それをもっともっと活用した形の中で連携して、よりデザイン大学のそういった分野への貢献と連携、すなわち、僕は高校と大学をくっつけられないかというぐらいまで言ったのです。それは極端な話ですから無理だと思いますけれども、その辺も念頭に置きながら、高校、大学のライン、連携というか、そういうものも重視すべきではないかという主張をさせていただいたのでございます。  その辺について、再度、この計画の中で論議していただきたいということです。 ○五十嵐徳美 委員長  宮本委員、今のは要望ということでいいですか。 ◆宮本吉人 委員  されていないようですから、要望でいいです。 ○五十嵐徳美 委員長  そのほかにご質問はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○五十嵐徳美 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本日の委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時3分...