次に、1.
市民活動促進のための
条例化に向けてでございます。
今、お話をしましたはじめにを受けて、
条例化の社会的な背景などを説明している部分でございます。
少子高齢化など、
社会情勢が大きく変化しつつある中、
市民生活を取り巻く
公共サービス、その課題やニーズを解決するために、さまざまな
市民活動や企業の
社会貢献活動が新しい公共の位置づけに不可欠であるとしています。そこで、
市民活動を
街づくりの推進力として効果的に促進していくことが重要であり、そのために
札幌ならではの条例をつくることが必要としています。ここでは、市民・企業・行政が対等な立場で目的を共有しつつ進められる
公共サービスのあり方、連携の仕方、こうしたものを新しい公共と定義づけております。また、活動の
担い手がそれぞれの役割を理解し、持っている資源を提供し合い、合意のもとで協働を進めていくことを市民全体の
共通理解とするため、
市民活動促進に向けた支援の
仕組みやルールを条例により法的にしっかりと位置づけることとしています。
次に、左下の2.この条例の目的と
基本理念でございます。
豊かで活力のある
市民主体の
地域社会を築くために、公共的な課題は行政が担うものという従来的な考え方を見直して、
市民活動をこれからの
街づくりの推進力として位置づけ、市民、企業が行政とともに
市民活動を支え、必要に応じて協力できるよう具体的な
仕組みが求められているとしております。
次に、一番下の3.この条例が対象とする活動でございます。
ここでは、
市民活動の言葉の定義をしております。
市民活動とは、社会的な広がりを持つ、自発的・自主的な活動としておりまして、こうした活動を対象として着目することで、広く
市民活動を支援していこうというものでございます。
次に、資料の右側でございます。
4.
市民活動を活発にするためにでございます。
ここで書かれているものは、
市民活動に対してどういった支援が必要かといったところでございます。これは、国とか北海道、札幌市の
アンケート調査でも、いずれも上位に来る要望で、いわば
市民活動に対する支援の4本柱とでも言えるものでございます。
まず、4の(1)活動の場の支援です。ここでは、
まちづくりセンターとか学校の
余裕教室などの地域の身近な施設、あるいは、
総合拠点としての
市民活動サポートセンターを有効活用していくこととしております。
また、(2)の情報の支援として、行政からの情報を多様な
広報媒体で発信したり、
まちづくりセンターや
公共施設などでのきめ細かい
情報提供が必要としております。
(3)の資金の支援ですが、この提言をまとめるに当たって一番議論があったところがこの資金のところでございます。
市民活動の基盤を支え、持続性のある発展を目指すため、資金源の確保が重要ということで、
個人市民税の1%
支援制度、
基金制度、
寄附文化創造センターの創設、この3点を打ち出しております。
まず、1%
支援制度につきましては、市民の
自由意思によって
市民活動の支援に充てることができる制度の設立を提案しております。その具体化に当たっては、今後も詳細に検討することが必要として、
協議会の中で出された
賛成意見、
反対意見を具体的に列挙しております。
詳しくは、提言書の11ページをごらんいただきたいと思います。
いずれにいたしましても、新しい公共を目指すという観点から、この1%
支援制度を提言の中に盛り込んだものと理解しております。
また、
基金制度につきましては、市民や企業からの寄附の受け皿として基金が必要で、寄附行為が社会に浸透するよう税制面での
優遇措置のPRが望まれるとしています。
寄附文化創造センターの創設ですが、市民の寄附に対する理解を深め、意識を高めるための活動を行う組織で、基金以外にも気楽に募金や寄附ができる
仕組みが必要としています。
(4)の人材の
育成支援でございますが、活動の核になる人材を育成することが必要で、市民・企業・行政を結びつけるコーディネーターとしての要素が欠かせないとしております。特に、これから退職時期を迎える団塊の世代の
人たちを中心に、これまで培ってきた知識や経験を地域のいろいろな
街づくりに役立てるような働きかけが必要としております。
5.
市民活動の
担い手としての市民に望まれることでございます。
ここでは、公共を担うものとして、
担い手が自覚を持つことのほか、活動の特性を生かしながら、
地域社会に役立つ活動を目指すことや、情報の積極的な発信に努めることとしております。
6.企業に望まれることです。
ここでは、企業が持っている人材とか施設、資金あるいは情報など、多様な資源を活用することで、
地域社会への貢献に努めることが大切だと言っております。
7.行政に望まれることでございます。
市民活動は、本来は自発的な活動とした上で、市が
市民活動の促進を行う場合には、
基本計画を作成、あるいは、
支援体制を整備、活動の
担い手との協働が必要であるとしております。また、
寄附文化創造センターを創設するなど、市民や企業に
寄附文化を醸成していくことを積極的に進めることが肝要としております。
最後の8.条例を意味あるものにするためにでございます。
条例を実効性あるものにするために、市民・企業・行政が課題を共有して、条例の内容を検証したり、条例に基づく施策であるとか事業の実施を検討したり提言したりするような場として、
市民活動促進テーブルといったものの設置が望まれるとしております。
以上が提言の概要でございます。
○
五十嵐徳美 委員長 それでは、質疑に入ります。
◆
村山秀哉 委員 私の方から、
代表質問もありますので、とりあえず5点について簡潔にお伺いしたいと思います。
1点目は、
市民活動促進条例検討協議会の委員、主な議論の経過について。
2点目は、
寄附金に関する税制上の優遇の現状について。
3点目は、提言に新しい公共とありますが、これについて本市はどのように理解をしているのか。
4点目は、1%
支援制度についてでありますけれども、提言に
個人市民税の1%を市民の
自由意思によって
市民活動の支援に充てることができると書いてありますけれども、札幌市の
財政状況が苦しい中で、たとえ1%といえども、特定の団体に税金の使途を指定するということに問題はないのか。
5点目に、1%
支援制度が導入されれば、1%分の税金が予算から支出されることとなるが、その財源の穴埋めについてどう考えているのか。
以上、5点についてお伺いいたします。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 まず、1点目のご質問は、
市民活動促進条例の
協議会の委員についてでございます。また、どういう議論をされていたかということもあわせてご答弁いたします。
まず、委員につきましては、10名いらっしゃいまして、女性、
男性ともに5名ずつ、人選につきましては、
公募委員3名を初めとして、
学識経験者、
町内会の役員の方、NPOの方などバランスをとった構成としております。その中で、幅広い活動を
市民活動というふうにとらえていく観点から、人選に配慮したところでございます。
主な議論の経過でございますけれども、札幌市からは、
条例制定にとって必要な項目の柱になるようなことでありますとか、他都市の条例あるいは各種の施策、事業の情報などをこちらから示しながら、8回の本会議と2回の
ワークショップなど、あるいは企業との
意見交換会を開催して提言の手交といった流れになったものでございます。
この提言の素案につきましては、委員の皆様のご要望を受けて、
協議会の事務局であります
市民活動促進担当課がたたき台をつくってお示しいたしたものでございます。ただし、これを受けまして、委員の皆様の間では、本当に精力的に議論を重ねた上で提言の形になったものでございます。
最終的に、先ほどもちょっとお話ししましたが、1%
支援制度につきましては、
賛成意見、
反対意見が併記となったものでございますけれども、こういったことを含めて、全体を通して委員の方の思いや意見が十分に反映された提言となったものと考えております。
次に、2点目のご質問でございます。
寄附金に関する税制上の
優遇措置の現状ということで、国や自治体の寄附に対しては税制上の
優遇措置がございます。例えば、所得税につきましては、昨年までは、寄附者の年間総所得の30%を限度にして
寄附金から1万円を引いた金額を所得から控除しておりました。平成18年度の
税制改正によりまして、これが1万円から5,000円に下がったことにより、寄附がよりしやすくなったものと考えております。
法人税につきましては、全額、損金算入することができるような
仕組みとなっております。
また、自治体への寄附に関しましては、寄附をした個人の住民税について、寄附者の年間総所得の25%を限度に、
寄附金から10万円を引いた金額を所得から控除しております。
したがいまして、この提言では、市への寄附の受け皿となります基金を設立することで、税の
優遇措置を積極的にPRしたり、
寄附文化の醸成と一体化しながら市民や企業の寄附を
市民活動の支援につなげられるように、
つまり民のお金を民に還流するとでも申しますか、そういう
仕組みを考えていた内容でございます。
次に、3点目の新しい公共に対してどういう理解をしているかということでございます。
提言にあります新しい公共という言葉についてですが、従来、
公共サービスは主として行政が担ってまいりましたが、
市民ニーズの多様化とか、暮らしのいろいろな課題の複雑化に伴いまして、行政だけが公共を担うことは限界が出てきております。こうした
社会情勢の大きな変化を受けて、提言では市民や企業もともに公共を担うとの前提のもとで、それぞれが対等の立場で目的を共有しつつ進める
公共サービスのあり方とか、連携あるいは協力の仕方を新しい公共と表現しております。つまり、市民が公共の
担い手であるということを重視する考え方となっていると思います。
本市といたしましては、市民一人一人のニーズにきめ細かく対応できる
公共サービスを提供するためには、
町内会とかNPOの方、
ボランティアの方、企業も含めて多様な力が必要と考えております。
次に、4点目の1%
支援制度についてでございます。
これにつきましては、希望する市民の
個人市民税1%分を
市民活動団体の支援に充てるというこれまでにない新しい方式でございます。原則として、市民が税金の一部について
自由意思で使途を決められるという意味では、
市民活動への関心、あるいは興味を高める有効な方法であると認識しているところでございます。
ただ、千葉県市川市のこの制度は、昨年度にスタートしたばかりということでございます。また、団体を支援できる市民は
個人市民税の納税者であることが条件で、
個人市民税を納めていない
専業主婦の方であるとか、
子どもたちであるとか、多くの方がこの制度に参加する資格がないといったような課題もあると聞いております。
このことから、この制度については、メリット・デメリットを踏まえて、本市としても十分な検討を行い、慎重に判断していく必要があると考えております。
次に、最後の5点目でございます。
1%分の税金が予算から支出されるということで、その財源のことでございます。この1%につきましては、制度の導入に当たり、新たな
予算措置と申しますか、
財政支出を伴うことが想定されます。このことから、
市民アンケートとか、議会でのこれからの議論等もじっくり踏まえて、費用対効果あるいは財源のあり方について、関係する部局、全庁的に検討してまいりたいと考えております。
◆
村山秀哉 委員 今回は
検討協議会の提言ということでもありますので、また別な機会に、素案が公表された時点で改めて質問をさせていただくことにして、終わります。
◆大嶋薫 委員 私からも、これから
条例づくりに入ることを前提にして、今回の提言があって、この提言の中で述べられている内容ということで言いますと、今、
自治基本条例の論議が一方にありますけれども、もう一方に今の時代の中で
財政論議があります。
自治体財政の厳しさということが一方にあって、ある意味では、公といいますか、官だけでは担えない部分を民間にというような発想があるわけです。ただ、基本的には、今回出されているこの提言、あるいは、
自治基本条例にかかわる論議というのは、本質的に市民と企業を含めて大きく市民と、旧来の官といいますか、公の機関が担ってきた事業が、ここにもあります新たな公共の概念をつくり出すと。公共ということが一体どういう考え方か、あるいは、これからの社会をつくる上でどういう枠組みをつくり出すことによって、私たちが住むコミュニティー、地域がより豊かになっていくかという本質的な問題が多分根っこにあって、この議論が特に大きく広がってきたのは、ここにありますように、阪神・
淡路大震災の
ボランティア活動です。さまざまな
人たちによる
支援活動が契機になって大きく広がったわけですけれども、議論としては、僕の記憶で言えば、阪神・
淡路大震災の前、ここ20年ぐらい前から、日本の社会の中でいろいろな
市民活動に取り組む
人たちによって、市民の役割、公共の役割、公の意味ということが議論されてきたのかなというふうに思っています。そういう意味で言うと、これから改めて、新しい公共というものを、市民と、これまで
サービスを主要に行ってきた公の側と協働でつくり出していくのだというふうに考えております。
こういう形での
条例づくりということは、日本の中でもようやくいろいろな自治体でスタートしていますけれども、具体的な提言といいますか、本格的な条例をつくるという意味で言いますと、
トップランナーになっているのかなという気もしていまして、提言の中にも札幌らしさというふうな表現があります。この札幌らしさということをどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、どういうふうにこれからの
条例づくりの中に生かそうとされておられるのかという点をまず伺います。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 まず、この提言の札幌らしさでございますが、先ほどの説明と若干重複するかもしれませんけれども、改めてお話ししたいと思います。
まず、提言の
ポイントとなる四つの支援策ではないかと思います。活動の場の支援とか、情報の支援とか、資金のこと、人材の支援、このいずれもが
市民活動にとって必要で重要な課題というか、方策になろうかと思います。これを実施することで、これから効果的な支援ができるものなのかなと考えております。
特に、札幌らしさにつきましては、
まちづくりセンターの活用が一つ大きな柱になるのかなと。他の大都市というか、政令市にはない、これだけきめ細かく、地域に87カ所もある
まちづくりセンターでございますので、これが、こうした活動の場の支援を含めた活動の中心として有効に活用できるように、そういった
仕組みがこれから
条例素案に向けて必要になるのかなと考えております。
あとは、
寄附文化創造センターということにも触れております。これについては、市民の寄附に対する理解を今まで以上に深くいたしまして、意識を高めてもらう、そういった活動の組織を市で設けまして、市民との協働というか、広く企業も含めた形で、
寄附文化を醸成するためのいろいろなアクションをこれからやっていく、そういった機能を持たせればというふうに考えております。
それから、三つ目の
市民活動促進テーブルでございますけれども、これにつきましては、これからつくります条例を実行力あるものにするために、各方面からいろいろな意見を出し合って、課題を共有する場として機能させることが必要かなと考えております。
いずれにしましても、この提言全体につきましては、市民や企業との協働を市としてこれからどういうふうにとらえていくのかということでございまして、
市民活動の
担い手としての市民と協働してどういった進め方をするかといったことをこれから検討してまいりたいと考えております。
◆大嶋薫 委員 今、札幌らしさといいますか、それぞれの提言にある具体的なといいますか、支援の充実に向けた
ポイントについての今後の課題も含めたお話しだったと思うのです。これは提言として、今後進めていく上で、行政、札幌市がどういう支援をするのかということと同時に、それぞれ
市民活動の四つの
ポイント、活動の場の支援、
情報支援、資金、人材、そして、今、
寄附文化創造センター、
市民活動促進テーブルというような課題もあるわけです。そういう課題といいますか、条例が制定されたとしても、それを担っていく役割は、行政、札幌市だけが負うものではなくて、ある意味では、条例によって支援を受ける市民の側、また、この条例を支えるという意味では、今ありました寄附であるとか、あるいは、1%条例ができるかどうかわかりませんけれども、そういう形で資金を提供する
人たちとともに担っていかなければならない。同時に、これまで、特に情報であるとか、人材の育成であるとか、そういう分野で言いますと、
NPOサポートセンターが札幌にありますけれども、そういう
サポートセンターにとどまらず、それぞれの分野での活動といいますか、情報・
人材支援、それぞれの役割を果たしてきた積み重ねというのは確かに私の知る限りでもいろいろな活動が行われている。そういう団体なりグループと一緒に活動を支えていくといいますか、札幌市が請負的にやることではなくて、ともに目的を支えていくような考え方が必要であるし、そういうことを、この
条例制定の論議の過程でも、市としての考え方といいますか、協働という一つの大きな目標という意味も含めて理解を促していくことが必要かと思うのですが、その点についての考えを伺います。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 これから論議する中で今の協働をどうやって進めていくか、つくっていくかということでございます。
委員のご指摘のように、
市民活動の
担い手としての市民と協働して事業を行うに当たりましては、例えば、
行政活動ではなかなか届くことができないような市民の細かいニーズに
市民活動が具体的にどう対応していくかといったような
市民活動の特徴であるとか、そういったことを理解しながら、活動の自主性だとか自立性を損なわないようにもちろん配慮していかなければならないと考えております。
四つの支援でもございましたけれども、こうした提言の内容を実現するために、行政だけで取り組むのではなく、市民・企業も含めて、それぞれが得意とする分野を持ち寄り、役割分担する中で目的を共有したり、連携協力した活動がこれから必要だと考えております。
◆大嶋薫 委員 要望にさせていただきますけれども、焦点は1%支援ということにかなり当てられているといいますか、昨日から道新でも取り上げられて、いろいろな方の意見が出されています。
私も、昨年、
税財政制度調査特別委員会で市川市を訪れて状況、課題等について勉強させていただきましたけれども、それぞれの都市におけるいろいろな
市民運動なりNPOを含めた活動の基盤の違い、あるいは、
財政構造も当然違いますし、
市民意識もそれぞれ差があるという中で、この提言をどういうふうに受けとめて具体化するかというのは、これからしっかりと議論を積み重ねていかなければならないと思っています。
この提言にある1%がどうなるかということも含めて、まだまだ議論が必要ですけれども、
市民活動という一つの分野に対して、市民が共通の意識といいますか、共有できる大きなきっかけにはなるのだろうという気はしています。
ただ一方で、いわゆる
寄附文化の創造ということが言われていますけれども、企業、個人を含めて、基本的には税とは別な形での支援が理想かなという個人的な思いもしているのですね。とはいえ、これからの自治体、地域をどうつくり上げていくかという中で、行政がどういう方向性を示すかということはこれから大事な問題ですので、一方にある寄附の
仕組み、あるいは、どういうふうに運用するのかということで言うと、1%から出たお金は、制度上、多分、基金という形で運用するという
仕組みにならざるを得ないのかなという気もしています。もう一つは、今あるいろいろなそれぞれの部局によって行われている助成金、補助金の
仕組みがあります。こういうことともどういうふうに整理して重ならないようにするのかということもしっかりと踏まえた
制度づくりが必要かと思いますので、これから、そのあり方、特に資金の支援のあり方については、私どもも勉強させていただいて、提言も含めて積極的に議論させていただきたいと思いますので、その点を申し上げて、終わります。
◆
飯坂宗子 委員 私からも、何点かお聞きしたいと思います。
市民活動を促進するということ自体は異論のないところですが、この提言を見せていただき、本文もざっと読ませてもらいましたが、幾つか疑問点等もありますので、改めて理事者の考え方も聞いておきたいというふうに思います。
一つは、ここで新しい公共という定義がされております。官と民の間に公があるという考え方、そして、市民と企業と行政が対等の立場で
公共サービスのあり方を検討していくのだというような定義があるのですけれども、この公共というとらえ方をどう見るのかということで、私は、改めて憲法と地方自治法の関連のところをひもといてみたのです。
憲法では、第8章地方自治というのがありまして、第92条で地方公共団体のことについて規定して、その仕事をする議事機関として議会を設置する、そして、地方公共団体の住民が市長及び議員を選挙するというふうに書いてあります。地方自治法の方では、第1条、第2条で地方公共団体の役割ということについて触れておりまして、皆さんご存じの住民の福祉の増進を図ることを基本とし、地域における行政を総合的に実施する役割を担うというふうに規定しているわけです。
ですから、私は、公共というのは、あくまでも憲法や地方自治法で定められた公の仕事、つまり、国税なり地方税なり、税金を預かって、そこに住んでいる住民のために行政が仕事をするのが基本だというふうに思っているのです。それを補完する意味でさまざまな
市民活動があったり、専ら他人のために活動しているような市民団体に市が助成金を出すとか、そういうことは当然あってもいいし、後で聞きますけれども、場所の提供などのいろいろな支援策があってしかるべきだというふうに思います。しかし、この対等でと、ここまで定義しているのですけれども、どういう意味合いで言っているのかというのが、私としては非常に疑問があって、やはり、そうは言っても、公共の役割というは厳然としてあるし、税金を預かって仕事をするという公民の皆さんの役割は非常に重いし、また、私たち議会も、市長の提案する税金の使い方についてチェックし、議決をするという役割を担っているわけです。ですから、ここは心持ちとしてはわかりますけれども、いわゆる憲法や地方自治法で言っている公共と対等というふうにはならないのではないかなと思いますので、どういう意味合いでこういう定義をしたのかについて、理事者の側で理解しているところがあればお聞きしたいというのが1点です。
それから、二つ目は、この条例が対象とする
市民活動についてです。
3のところで、社会的な広がりを持つ自発的・自主的な活動を対象とするというふうに書いてあるのですが、そこで、具体的にお聞きしたいと思うのです。
例えば、現在エルプラザの中に
市民活動サポートセンターというのがございます。2005年度の利用団体は1,644団体、個人は253人と聞いておりますが、これは、
サポートセンターを利用している利用団体であって、それ以外にも市内にさまざまな
市民活動が存在していると私は思うのです。いわゆるこの促進条例が対象とする市民団体というのは、現時点でおよそどれぐらいあると市では把握しているのか。きっちりしたものでなくてもいいのですが、どの程度あると把握しているのか、それをお聞きしたいというのが2点目です。
それから、3点目は、活動の場の支援についてです。
これも、
市民活動サポートセンターの稼働率といいますか、利用率は83.8%と聞いていますから、相当、満度に使われているというふうに思うのです。これだけでは、当然、活動の場としては不足しているわけです。この提言の中では、
まちづくりセンターとか学校などという例が出されておりますけれども、やはり、活動の場の保障というのは非常に根強くあると思いますし、会場費がかかるためになかなか活動が継続できないともお聞きしておりますから、活動の場の支援というのは促進していく上で非常に重要な課題であろうというふうに私は思っております。
そこで、現時点で構いませんので、札幌市として、場の確保についてはどのように考えているのか、以上、3点をお聞きします。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 まず、1点目の新しい公共を市としてどういうふうに考えているのかということでございます。
市としても、地方公共団体として必要な行政
サービスを責任を持って行っていくべきものと考えております。市民一人一人のニーズにきめ細かく対応していくためには、ただそれだけではなくて、NPOとか、
町内会、
ボランティア団体、企業などの多様な主体が行政と必要に応じて連携、協力できる、そういった
仕組みをこれから具体化していきたいなと考えております。
そして、2点目の
市民活動を行っている団体の把握といいますか、現状についてでございますけれども、今、委員ご指摘のように、
市民活動サポートセンターでは1,644団体、個人でも253人ということで、大きな活動の広がり、利用状況であります。ただ、これに加えて、
サポートセンターに登録はしていないけれども、NPOの法人格を持って活動している団体が300団体くらいあるというふうに認識しております。それに加えて、例えば、社会福祉
協議会で登録しております
ボランティア団体が500団体とか、それから、もちろん単位
町内会が市内に2,100団体あるというふうに理解をしております。また、最近では、活動が多様化しているというか、地域での子育てとか、子どもの見守りとか、あるいはまた、安心・安全の防災・防犯の活動とか、
ボランティア活動も含めた多様な活動が非常にふえているというふうに認識しております。
数については、そこまでなかなか把握しておりませんけれども、いずれにしましても、この提言で言っております社会的な広がりを持つ自発的・自主的な活動、これを
市民活動と定義してございますから、この定義に合致するような活動がこれから
市民活動を促進する上で非常に大きな支援の対象になると考えております。
それから、3点目の活動の場の話でございますけれども、提言でも書いておりますように、活動の場というのは非常に重要なことだというふうに考えております。できれば市民にとって身近な施設がそういう場の中心になるのかなと考えておりまして、
まちづくりセンターを中心に、学校施設の
余裕教室であるとか、現在ある既存の施設を有効活用しながら、これからそういう検討をしていきたいと思います。
◆
飯坂宗子 委員 今、国の流れも含めて、公がやる仕事を民間にとか、公がやっていた仕事を市民の手にという流れが非常に強まっていることを私は非常に懸念しております。ですから、市民の皆さんの手をかりて、もっときめ細かな活動をと、このこと自体はもちろんいいことだと思うのですけれども、そのことによって公の仕事が形骸化されていくことについては警鐘を鳴らしておきたいと思っております。
それから、1%
支援制度については、前段でお2人からも議論がありましたけれども、私も若干質問したいと思っております。
市川市で1%条例ができた経緯についてお聞きしましたら、いわゆる市長のトップダウン方式で、庁内検討を行い、それで議会の議決を経て実現したというものなのです。市長がなぜそういう発想になったのかというと、NHKのスペシャルで、ハンガリーのパーセント法というのが紹介されたことがきっかけで、しかも、市長選挙の投票率が25%と大変低いこともあって、市政に関心を持ってもらおう、税金の使い方に関心を持ってもらおうということとも相まって、1%条例をつくろうということがトップダウン方式で検討されてきたというふうに聞いております。その検討過程の中で、非常に難しいとか、いろいろな議論が何回かあったけれども、結果的に去年の4月からスタートしているということなのです。
しかし、市川市でやり出した、だから札幌市でもというのは、非常に短絡的だし、
財政状況が違うし、市川市の1%条例についてももっと客観的に検証した上で札幌市としてどうするか、再検討というか、これは提言ですから、提言されたことは賛否両論があって、そのこと自体は否定しませんけれども、札幌市がどうするかに当たっては、市川市の事例をより深く検証する必要があるだろうというふうに私は思っております。
といいますのは、まず、市川市は地方交付税の不交付団体なのです。それから、
個人市民税の納税者のうち、8割が給与所得者ということで、札幌市の税収の構成とは単純に比較できない状況があります。それから、納税している市民の意思表示は確かにできるかもしれません。自分の税の1%を自分の支援したい団体に使ってくださいという意思表示はできるかもしれないけれども、税を納めていない市民、非課税世帯とか、そういう
人たちの意思表示はこれではできないわけです。
だから、
検討協議会の提言の中でも、そういう
人たちは寄附をしていただくのだと書いています。そうすると、寄附はどなたでも自分の意思ですからそれは当然できることだし、額の多寡も含めて、1%に限らず、自分の意思に応じて、財力に応じて寄附をするということはいいことだと思うのですね。そして、使っていただく。
しかし、そのことと、この1%をそこに当てはめるというのは全然次元が違うように思います。やはり、市川市でも、やってはみたけれども、では、納税していない人の意思表示はどう保障するのかと。選挙権は、課税、非課税関係なく、今のところ、20歳以上には平等に1票ある。ところが、この1%条例は、納税している人にしか参加権利がないということで、民主主義のルールからいってもいかがという議論までされているやに聞いております。ですから、私は、とにかく市川市でやっている、札幌市でもやってみようではないか、これではいけないと思うし、いろいろメリット・デメリットも総合的に検討していただきたいというふうに思っているのです。
ですから、そのことについて、提言が出たからすぐ市がやるということを言っているわけではないとは私も理解していますし、過日の市長の記者会見でも市長は慎重にと表現しておりますから、ストレートには思いません。しかし、提言の中でこういう形が出てきていると、行政はそれを全く無視するというわけにもいかないでしょう。そうすると、やはり総合的に検討、検証した上で、市の判断を下して素案を議会に出すということになると思いますので、今日時点での見解について聞いておきたいというふうに思います。
それから、資金の面でご苦労されているというのは、私は非常によくわかります。市民団体が資金繰りで大変だというのはよくわかります。だから、これは、会費あるいは寄附、団体によっては市からの助成金などによって、苦労しながらいろいろな団体がいろいろな活動をされているというふうに私は思っております。
ですから、その支援策をどういう方法でやるのか。先ほど基金の話だとかいろいろありましたけれども、これはこれで独自に検討しなければならない重要な課題だというふうに思っております。
その点も含めて、この1%条例の提言に対して、今時点で理事者はこれをどう認識されているのか、ご見解を聞いておきたいと思います。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 すべての市民が参加できないという1%
支援制度をどう考えるかについてでございます。あわせて、
活動資金の支援についてもお答えいたします。
1%
支援制度につきましては、全国的にも
学識経験者などから
反対意見があるというふうに認識しております。
協議会でも、札幌市の厳しい財政事情とか、市内の
市民活動がまだ成熟していないといったような理由から
反対意見も出されております。
市といたしましては、この1%
支援制度について、あるいは、それも含めた活動への資金的な支援も含めまして、いろいろな角度からメリット・デメリットも含めて、あるいは、寄附の受け皿であります基金の設立をどういうふうに工夫していくか、寄附をしやすい社会環境というか、
仕組みづくりをどうするかなど、広範に多くの市民から納得していただけるような全体的な制度設計に向けてこれから調査研究してまいりたいと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 いずれにしましても、この提言に基づいて庁内で検討して、3定に素案が出てくる予定なのですね。まだそこまで行きませんか。
そうしますと、それはそれで、素案ができた段階でパブリックコメントもする、議会にもかけるという議論を経て正式の条例提案に行くのだろうと思います。きょうは提言の報告を受けたということですから、今日時点での私の意見を述べて、これで終わっておきたいと思います。
◆堀川素人 委員 皆さんの議論を聞きながら、確認しておきたいのですけれども、今、新しい条例をつくるというのは、ここに来てなぜなのか。今まである法律とか条例とか、そういうものを駆使したならば、今ここでやろうとしていることは実際にできるのではないか。例えば、今、言う1%条項については、発想も新しいし、条例が決まったら、1%条項の中で行政にとっては義務として出さなければならなくなる。そこの部分だけは新しいのですが、そのこと以外だったなら、今も、基礎になる法律を駆使して、また条例を駆使して札幌市はやっていると思うのです。改めて、なぜこういう新しい条例をつくらなければできないのか、僕はそれが不思議なのです。
よくあるのは、10年計画、20年計画だとかとやったときに、それに向かっていくときに、過去に対する反省がない、いかにもそこから新たに始まるようなことで進んでいくわけです。僕は、これもそうじゃないかという気がするのです。この新しい条例をつくることによって、ここから始まるのですよと。そうじゃなくて、僕は、こういうものを改めてやらなければならないということは、今までやっていることが行き詰まった、ないしは、形骸化した、このことがあって、もう一度、みんなに訴えながら、行政も自分たちを変えながらと、こういうことかなと。
そう思うならば、今の現実の中に何の問題点があって、できることができないでいるのか、このことをきちんと明らかにしてから前に進むべきだと思うのですが、これがなければできないようなことというのはあるのですか。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 直接のお答えにならないかもしれませんけれども、先ほどの提言の説明の中でもお話ししましたように、
社会情勢が非常に大きく変化して、
市民ニーズも多様化しているというのはおわかりだと思います。
市民活動も、地域でやっているいろいろな地域的活動から全市的な活動まで、非常に大きく広がりを見せて多様な活動が展開されていると思います。
市としてこれからこうした活動を促進していくためには、やはり、
市民活動について制度的にしっかりとらまえて位置づけること、条例をつくることによって位置づけることが非常に重要な時期になってきていると。先ほども出ましたけれども、2007年問題と言われるように、団塊の世代の方たちがこれから定年退職を迎えて、もちろん働いている方もいらっしゃいますが、社会の大きな財産というか、それを持った方がこれから社会活動できる非常に大きなチャンスだと思います。そういった時期に条例をつくることによって促進するということは、非常に大きな重要性を持つものかと認識しております。
◆堀川素人 委員 基本的には、全然、答えになっていないという気がします。今の2007年問題、2010年問題と言われる部分について、退職金をたくさん持ってきて、そういう
人たちが出てくるからとか、そういうような話ではないのですよ。
それから、この中で一番先に言っている平成7年の阪神・
淡路大震災からと、いかにもこれから
ボランティア活動が変わったかのように言うけれども、そんな話では全然ないですよ。それ以前からずっとあるわけです。
市民運動だってずっとあるわけです。極端に言うなら、今までそれに目をふさいできた、自分たちが自分たちの考えの中で、ある意味ではそういう
市民活動というものに目を閉じ、耳をふさいでやってきて、我々ができるのだとうぬぼれてやってきたのが今までの行政ではないかと、僕はそう思っているのです。
行政だけが今までやってきた、冗談じゃないです。これほど、市民がみんないろいろな活動に参加してやってきたではないですか。そのことだって、ずっと言われ続けてきているんですよ。
それが、さっきの話を聞いていたら、行政だけが担ってきたと。先ほども飯坂委員からあったように、やらなければならないことは決まっているのですから、それはやって当たり前の話で、そのほかにプラスどうするかという問題なわけですよ。それを行政だけがやってきたみたいな話をしたら、全然話にならない。つまり、僕がさっき言ったように、行政はどういう反省をするのかということなのですよ。今まで、場所を提供してくれたとか、そういうことはいろいろな中でもって言われてきたじゃないですか。今、改めて、ここでもって、なぜそれを大上段にかざしてやらなければならないのか。悪く言うならば、過去のそういう反省を捨て去ってしまう、行政が免罪符を得ようとする行為につながるのではないかと。僕は、行政がもう少し厳しく反省すべきところは反省して、今までこうでこういうものがあったけれども、これは生かせなかったのだと、それはなぜなのか、行政の中ではどんな問題があったのか、市民の意識の中ではどういう問題があったのか、だから、今、改めて、もう一回、こういうことをきちんと訴えて、行政と市民とが手を携えてやっていこうじゃないか、こう呼びかけるならばいいです。しかし、そうじゃなく、ただ
市民活動条例みたいなものをつくるというのは、僕は悪いけれども、今の上田市長だから――僕はこういう考え方が悪いと言っているのではないですよ。こういうこともきちんと踏まえてやっていくべきだと思うのです。
しかし、一つは過去の反省がないということと、それから、今ここで慌ただしくこれをやっていこう、つくっていこうというのは、上田市長の体質から来るものかなと。これは悪いと言っているのではないですよ。こういうことの中で、どたばたやっているような感じがして仕方がない。もう少し、きちんと過去を振り返って、反省すべきところは反省する、それがあってここから出直しますというのであれば、わからないわけではないけれども、そこの部分はどうなのか。なぜ、今ここでこれをもう一度つくらなければならんのか。
◎橋本
市民まちづくり局理事 過去の検証という意味でございますが、先ほど樺沢室長がおっしゃったのは、まず平成7年の阪神・
淡路大震災のことです。(発言する者あり)あれで、全国的に
ボランティア活動、地域活動というものが広まった。しかし、その以前に、札幌もそうですが、大切な
町内会活動があって、これも
ボランティアの一つです。私どもはそういうものをしっかりと考えております。
そういう中で、都市化が進み、
町内会加入率も低くなってきている。同時に、今、
町内会が中心になって、新たな課題、子育てに悩むお母さん方を助けていくという子育て
ボランティアが出てきたり、子どもを見守るパトロールも
町内会の方々が一生懸命やり出してきています。そういうもろもろのことを私どもは体系的に応援していきたい。
それで、今までいろいろな制度があってやってきていますけれども、議会の皆さん方の同意を得て、議決のもとで、条例という法でそれを決めて、それに基づいていろいろな制度、
仕組みをつくっていくということで、条例というのはやっぱり非常に力があると考えております。
さらに、今後、高齢化社会を迎えるに当たって、地域の皆さん、
ボランティアの皆さんと行政が協力して、昔からよく言われるかゆいところに手が届くというような、住みやすい札幌を目指していきたい、そういうふうに考えております。
◆堀川素人 委員 最終的に札幌市の考え方が具体的に出てくるのでしょうけれども、僕が今ここで言っているものについては、法律で言うならば、前文にのせるような、こうありたいということだけしかないですよ。1%条項を抜かしたほかは。前文に記すような、自治体としてこうありたいとか、こうあるべきだというものしかないと僕は思うのです。
条例で権利、義務を具体的にきちんと定める中で、罰則も含めて、こうする、ああするというようなこと、これができるかどうかはまた別な問題ですけれども、今あるものが、さっき言ったように、きちんとあるのに使われないでいて、条例をつくったからできるということはあり得ない。しかも、前文にしかのらないような条例をつくって、何か具体的に動き出すかといったら、そうではない、今までの反省がなければ動いてこないですよということを僕は指摘して、これで終わりたいと思います。
◆田中昭男 委員 私からも、幾つかの点について、堀川委員の意見と一部重なるかもしれません。私は、
代表質問を含めて、
町内会・
自治会活動に対する認識が低過ぎる、否定し過ぎるということを議会でずっと言ってきたけれども、それとの見合いで、今、これを拝見させていただいて気がついたことの幾つかを申し上げます。
3の項目で、この条例が対象とする活動、
市民活動は、社会的な広がりを持つ自発的・自主的な活動と定義した、この
協議会の皆さんは。まさに、
町内会・
自治会活動はこれなのだよ。この表現なのだと私は思うよ。
にもかかわらず、1.
市民活動促進のための
条例化に向けて、この中でまさに書いてあるのは、行政の機能に加え、NPO活動を初めとして、
ボランティア活動や
町内会・
自治会活動などと、3番目に来ているのだよ、
町内会・
自治会活動が。
何でこういう扱いになるのか。私は、これには深い大きな意味があると思っているのです。どういうことかというと、私は、
市民活動とかNPO活動というものを一般論として否定するものではないです。今日的な意味があるということは、それはそれで私は認めます。しかし、
市民活動ということになったら、今まで
市民活動を担ってきたのは、
町内会・
自治会活動ではないですか。市民に一番身近なところで、ごみの問題もあれば、雪の問題もあれば、それは介護の問題だって最近はやっているよ。ご存じのとおりだ。
町内会・
自治会活動が苦労しながら自主的、社会的に担ってきたじゃないですか。そのことに対する評価がなさ過ぎると私はずっと言ってきているのです。
ただ、時代がいろいろ複雑になってきているから、だから、それを補う意味というか、新しい活動としての
市民活動はこれから大事だというふうに論理が流れてくるのであれば私はそれはそれで認めるけれども、こんな、NPO活動を初めとして、
ボランティア活動、そしてつけ足しとして
町内会・
自治会活動と、これなら、全然、認識が違わないですか。こういう表現を見るから、ちょっとおかしいと、私はついそう言いたくなってしまうのです。
それで、一体全体、この
協議会の中で、
町内会・
自治会活動、9人だか10人の委員の中に、町連の会長も入っていれば女性部長も入っていらっしゃるとは言うけれども、どこまでどういう意見を言われていたのか。その2人が札幌市の
町内会・
自治会活動のすべての意見を代表されたかどうか、私は大いに疑問があるけれども、実際問題、この
協議会の中では、そういう歴史的な経過で
市民活動を担ってきた
町内会・
自治会活動に対してどういう評価、どういう認識、どういう論議があったのか、それをちょっと聞かせてもらいたいというのが一つです。
そして、資金の問題については、今ほど皆さんが言われておりますから、私は余り大きく言いませんが、どんな団体だって資金は不足していますよ。
町内会だって不足しています。十分なことはできないもの。ましてや、活動の場の問題について言いますか。活動の場である
町内会館を皆さんはどうやってつくっているのですか。行政がつくってくれた会館もないわけではないけれども、町内の皆さんがお金を出し合って、
町内会館をつくっていらっしゃるんじゃないですか。そういうことで、今、地域の活動の場があるわけです。欲しくて欲しくてしょうがないけれども、できなくて困っている
町内会だっていっぱいある。
自分たちでそういう活動の場をつくるという視点がちょっとないのではないかと。活動の場が少ないということについて、私は否定するのではないですよ。ただ、自分たちで活動の場をつくるという努力が見えないものね。こうなるとちょっとおかしいのではないかという感じがする。それなら、今、
サポートセンターは全市に一つだけれども、豊平川の両側に1個だとか、各区1館ということになるとそこまでは行かないかもしれないけれども、それぐらいちゃんと整備してやったらいいではないですか。
財政が大変らしいけれども、それはやる気になればできるのではないですか、その方針で。それはそれでいいけれども、やはり、簡単に資金を流すということについては、しかも、税金の1%だもの、
市民活動だけが特徴的に税金を流さなければならないジャンルかというと、そうじゃないでしょう。
高齢化の問題もあれば、少子化の問題もあれば、経済の活性化の問題もあれば、札幌市には課題がいっぱいある。では、それぞれの課題について、1%はこちらの方に税金を回してくれと、この理屈が成り立つのですか。こういう形で1%の税金を流すということについて法的に問題はなさそうだという話は聞いたけれども、そうかもしれません。しかし、では、この問題だけでなくて、今申し上げたような札幌市のいろいろな課題について、私の税金の1%は除雪対策にきちんと回してください、除雪対策のこういうところに回してください、高齢化の問題についてこういうところに1%の税金を使ってくださいとか、こういうことができるのですねということですよ、私に言わせると。これはその突破口になるのですか。そういう意味で言うと、やっぱり、私はおかしいと思います。
100%の税金の中ではね。これが101%にすると。101%論議というのも、自分の市民税に1%上乗せするという考え方もあるようです。こうなるとちょっと別かなという感じはしないわけではないけれども、100%の市民税の中から1%の使途を限定すると。室長は先ほど民から民への画期的なシステムと言ったけれども、税金を納めるのはみんな民じゃないですか。民から民と言ったって、そんなもの、画期的でも何でもない。どうもちょっとおかしいという感じがします。
資金の問題については、事情はわからないわけではないけれども、行政からこういう形で、補助はするわ、そして、機能分担で、指定管理者制度にしろ何にしろ、多いか少ないか、一応、行政から仕事はとるわ、金はもらうわ。こういうものが
市民活動の本来のあり方かということにもなるから、資金援助の問題については本当に相当慎重に考えてもらわなければならない。
言われているように、集めて、そして選定委員会みたいなものをつくって、そして、先ほどの室長の話で言うと、全市にある1,000団体とか2,000団体とか、そこから何団体かを選別して、そして資金を交付する、こういうことになるのでしょう。そうしたら、これは何なのですか、
市民活動促進条例ではなくて、
市民活動選別条例にならないかいということになりますから、この辺は、私は総論としてはちょっと賛成できないし、よほど慎重な案をこれから
条例化に向けて検討されるべきではないか。
ここのところは、意見だけにしておきます。
それから、私は、企業のところが気になっているのです。
市民活動促進条例の中に、何で企業のことを書かなければならないかということなのですよ。望まれるという表現になっているから、それはそれでいいのだけれども、対象は
市民活動そのものの促進なのだからね。総論として、前文あたりで、行政だ、市民だ、企業だと、そう書くのはそれはそれで構いませんが、この条例の中で企業に望むということを書かなければならないものなのかどうか。これは、ちょっと見解をお伺いしたいのです。
資金の問題は意見だけにしておきますが、
町内会・自治体活動についての歴史的な評価、
市民活動との見合いにおいて、これはどんな論議があったのか、今、どういうふうに考えていらっしゃるか。そして、企業に関することは条例で触れなければならないものなのかどうか、この辺はどんな論議があったのか、そして今、あなたたちはどういうふうなお考えでいるのか、お聞かせいただきたい。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 まず、
町内会の歴史的な評価というか、どういう評価をしているかということでございます。
町内会とか
自治会活動につきましては、当然のことながら、現在に至るまで、行政とともに、地域住民あるいは地域のために大きな貢献をしたことにつきまして、もちろん今後も地域のコミュニティーを維持していくために
町内会・自治会が中心的な役割を担う存在になろうと。そういう意味では、今までの長い歴史の活動の中での実績というか、大変重要なものだという歴史的認識だと思います。
それから、企業の関係をどうして提言の中に織り込んでいるかということでございます。
協議会の議論におきましては、企業が本来業務を通じて社会的な責務を果たしているということはもちろん基本的な認識でございまして、さらに、
市民活動に対して理解を深めて、寄附であるとか、企業が持っているいろいろな財産を
市民活動に支えていくように方向づけをするということを期待されて提言の中で述べられていると認識しております。
◆田中昭男 委員 前段の
町内会に対する認識ですが、そういう答弁ならそういう答弁でいいのだけれども、そういう答弁ができるということはこの前文を書きかえるということでしょう。
条例に当たっては、もしこれを本当に
条例化するのだったら、ぜひきちんとそういうことを
条例化の表現にしてくださいね。今まで、
町内会・
自治会活動が
市民活動の主体を担ってきた、新しい時代になって、それだけではなくて、やはり広範にNPOとか
市民活動というものが最近は重要視されるようになってきたと、そういう表現にちゃんと直してください。今のこの
協議会の表現ではあべこべだからね。今まで
町内会・
自治会活動をやっている
人たちがかわいそうだって、みんな文句を言っているよ、今度の市長は
町内会には厳しい、厳しいって。頼むね。
条例化に当たっての注文です。
それから、企業は触れなければならないものなのか。一般論としてはわかります。けれども、条例の中で1項目を起こして触れなければならないものなのかどうか、私は必要ないような感じがしますよ。企業はそれぞれで、地域に密着しなければ仕事にならない企業だってもちろんあるし、オールラウンドに全国的に展開するという企業もあるし、中には、自分のところの経営が手いっぱいで、とてもじゃないけれども、申しわけないけれども、気持ちはあってもできないという人もあったりする。かといったって、私は厚別区だけれども、厚別の区民祭りと言えば、どこの商店の
人たちも応分の協力は今でもしてくれているよ。今でもやってくれているよ。改めて、書かなければならないものなのか。これは慎重に検討していただきたいということを申し上げて、終わります。
◆宮本吉人 委員 段々の話の中で、私も、1〜2、質問、提言をしたいなというふうに思います。
まず最初に、
公募委員が3人いらっしゃるのですけれども、公募してこられたということは、かなり意識の高い方というふうに受けとめます。また、女性の場合は、単純に主婦という方もおられるかというふうに思いますけれども、例えば、単純な主婦であっても、少なくとも、何かそれなりの活動なり運動なり、主たるそういった部分があるやに思うものですから、その辺のところを教えていただきたいと思います。
と同時に、この審議委員の選任基準です。例えば、杉岡委員はこうこうこういう理由で
委員長に選任しましたと。それから、大橋委員は連町の会長です。札幌市には連町の会長が何百人といるのです。その中から、なぜこの方が選ばれたのか。ちょっと僕は気になる部分もあるものですから、その部分をまず質問させていただきます。
それから、この部分だけは自共連立ができるのではないかと思うのですが、先ほどの市川です。あの街は、飯坂委員のお話にありましたように、総体的に文教都市なのです。高校、大学がいっぱいあって、学生の多い街なのです。それから、市民も8割がサラリーマンだったり、その方々のほとんどは東京都下の方に通勤しているのです。ですから、市の構成そのものが札幌とは全く違うのだということです。札幌のようにいろいろな市民がいる、こういう成熟したいい街に、あちらも成熟はしているのですけれども、形が違う成熟の仕方をしている街と同じようにとらえていいのかということは、私は非常に疑問を持っています。
ですから、その部分については、今の飯坂委員のお話と重複しますけれども、私も意見として申しておきたいというふうに思います。
それから、1%ですが、今も段々の話がありましたけれども、私も、これは納税者あるいは市民の差別につながるというふうに思っているのですよ。ですから、公平ではないということです。その辺は絶対的におかしいと僕は思います。
先ほど話が出ていましたが、納税者が1%上乗せするからそれを使ってくださいというのであればいいのです。それならいいのだ。そうじゃない。それから、こういった税金を使うのは、市の財政のやりくりがつくからでしょう。やりくりがつくからと言って、義務的と言えばおかしいですけれども、費消の仕方を固定してしまった場合はどうなるか。
例えば、家庭の収入で考えたときに、子どもの習い事、小遣い、何かを買ってあげる、やはり家庭に余裕があってやりくりがつくからやってあげられる。収入が少なくなってきても、小遣いも習い事も今までどおりやれと言ったってできないのよ。だから、それを固定化した場合に、将来的にどうにもならない負担になるということです。
それから、これをつかさどるに当たって、やはり経費がかかると思うのですよ。収入がふえないのに新たな経費、支出が伴うということになってしまう。そうじゃないですか。収入がふえたから、この経費を使いますというのであればわかるのだ。収入がふえるのではないのですから。なのに、これにつかさどる経費が何千万円かかるかしれませんけれども、かかりますでしょう。ですから、そういったものについては、僕はおかしいじゃないかと言いたいです。
それから、先ほど、
町内会活動の話が出ました。
町内会活動そのものが
市民活動、自治活動ではないですか。僕は、田中委員と全く同じ意見です。こういう歴史的な、そして、今日まで営々としてやってこられた
町内会活動、
町内会費を払って、
ボランティアをやっているのです。これはまさに寄附とマッチするのじゃないですか。
それが低潮になったと。当たり前ですよ、育成しないから、奨励しないからじゃないですか。新たにこんな形をつくるよりも、現在ある
町内会・
自治会活動を育成していった方が、よほど中身のいいすばらしいものにさらになるという気がする。
だから、私は、こんな
市民活動推進のための条例なんていうのであれば、逆に、
町内会活動推進条例でもつくってあげた方が、ずっと効果も上がるし、経費もかからないで済むと、そう思います。その辺のところをどういうふうに考えているのか。
質問になった部分とならない部分がありますけれども、意見の部分は答えなくていいです。質問と感じた部分だけ答えてください。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 最初の
公募委員というか、各委員選考のための基準についてでございますけれども、手元に資料がないものですから、後でお届けするということでよろしいでしょうか。
◆宮本吉人 委員 委員全員に配ってください。
◎樺沢
男女共同参画・
市民活動室長 それから、1%のことも、意見も踏まえてでございますが、先ほど来の提言の説明の中でもお話いたしましたけれども、確かに、市川市は東京に非常に近くて、千葉都民と言われているような状況であるというふうに認識しておりますし、予算とか財源につきましても、ご指摘のように地方交付税がほとんどゼロに近いような都市でもございます。財政力でも札幌市とかなり違うというふうに認識しております。今回は提言の説明でございますので、これからいろいろな支援策を検討するに当たりまして、一つの制度というか、そういったことも踏まえて多方面にわたって検討していきたいというふうに考えております。
それから、
町内会の関係でございますけれども、先ほどもお話しいたしましたが、歴史的に、歴史の浅い札幌においても、農事組合と言われる、戦前の農家の方を中心に、団結をしながら、
街づくりを担ってきたという歴史もありますし、その重要性ももちろん把握しております。
ただ、提言のはじめにで書かれているように、この提言に書かれている内容は、あくまでも、委員の方がいろいろご議論をされて出てきた内容でございますので、
町内会の活動も含めまして、
市民活動を促進するためにどういった手だてが必要かということはこれから十分検討してまいりたいと考えております。
◎橋本
市民まちづくり局理事 札幌市の現在の
町内会に対するスタンスでございますが、今、国も各自治体もいろいろな補助金とか助成金の見直しを図っています。札幌市も同じようにいろいろな各団体への見直しを図っています。しかし、
町内会に対しては1億7,000万円の助成金をしっかりと確保しております。さらに、去年から、
町内会を中心にしたさまざまな活動に対して4億円の新たな助成資金を設けていますし、今年度も設けておりますので、それも申し添えておきます。
◆宮本吉人 委員 先ほどの固定的な形の支出にすると。今はやりくりがつくから、それはそれでいいのかもしれない、将来的にやりくりがつかなくなったらどういうことになるのですか。市民税を増税せざるを得ないでしょう。だから、将来的な市民税の増税につながる危険性を持っているということです。だから、固定的なものにしてはいけないというのが私の意見です。先ほどからも出ている話です。苦しくなったら我慢してくださいということにできるものにしておかないと、足りなくなったら増税せざるを得ないでしょう。
それから、
町内会の助成です。僕は数字のことを言っているのではないのです。
市民活動だとかNPOだとか、いろいろなものが必要だったならば、
町内会推進条例でもつくって、その中に今の必要な部分を勧誘してもらう、一緒にやってもらう、そういった条例をつくった方が、屋上屋をつくるような形で、新たに金をかけて、新たに手間暇かけてつくるなんていうことにはならないのではないですか。
今の
子どもたちの育成にしたって、
町内会では青少年育成委員会とか交通安全母の会だとかいろいろな
ボランティアをやっています。そういった部分を広げていくとか、活用するといった方がずっと手間暇かからないし、そして、今までどおりでいいのですから、固定的なものも新たに出す必要もないのですから、その辺のところを提言して、終わります。
○
五十嵐徳美 委員長 小林議員、各委員の質問が終わっておりますから、重複しない部分で質問していただければと思います。
◆小林郁子 議員 それでは、番外ですが、発言のお許しをいただきました。
先ほど来、室長からも、委員からもそうですけれども、このことにつきましては、これからも議論を重ねていく必要があるということがありまして、私もそのとおりだと思います。
これから具体的な方策をどうするかということにつきましてお聞きをしたいと思いますが、これは理事にお聞きをしたいと思います。
まず、
検討協議会からこのように提言を受けたところですけれども、これを尊重していかなければいけないと思いますが、
市民活動の促進について、この提言も含めて、市民に周知をしていく、あるいは、市民の意見を聞いていくということについて、これからどのようにされていくのか、お伺いをしたいと思います。
それから、もう1点は、市民から提言を受けてこれから
条例づくりを目指すということになっております。議論を重ねるという意味におきましては、1%とか、
寄附文化創造センターとか重要なものが出ておりますので、これから本当に積極的に議論を重ねなければならないと思いますが、議会に対してはやはり節目ごとに報告していただきたい、そして、議論を重ねていただきたいと思いますけれども、そのことにつきましてはどのようにお考えか、伺います。
◎橋本
市民まちづくり局理事 まず、1点目の市民への周知や意見聴取をどのように考えているかということでございます。
現在、この提言の市民周知につきましては、札幌市及び
市民活動サポートセンターのホームページでこの提言のPRを行っているところでございます。今後、この提言の縮刷版をつくりまして、市内の
公共施設で配布し、広く市民の意見を募集していきたいと考えております。また、現在、無作為抽出による3,000人の
市民アンケートを行っております。さらに、
市民活動サポートセンター登録団体など約2,000団体の
アンケート調査を行っているところであり、7月までには結果が出ると予定しております。さらに、今後、各企業へのご意見を伺っていきたい、そういうふうに考えております。
条例案作成後は、パブリックコメントを行うなど、さまざまな機会をとらえて市民への周知及び意見聴取に努めていきたいと考えております。
2点目の条例の素案づくりに向けて、これから議会と論議を行っていくべきとの質問でございますが、議会との議論は極めて重要で、最も大切だと思っております。今後、
財政市民委員会の委員の意見を聞いて、一人でも多くの市民、そして企業が支持できる、納得できるようなすばらしい条例をつくっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
○
五十嵐徳美 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
五十嵐徳美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、本日の委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午前11時34分...