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  1. 札幌市議会 2006-03-27
    平成18年(常任)建設委員会−03月27日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成18年(常任)建設委員会−03月27日-記録平成18年(常任)建設委員会  札幌市議会建設委員会記録            平成18年3月27日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後3時29分 ○坂本恭子 委員長  ただいまから、建設委員会を開会いたします。  報告事項ですが、上瀬戸委員から、遅参する旨、連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  構造計算書の偽装に関する調査の経過についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎田中 都市局長  3月8日に当委員会でご報告いたしました構造計算書の偽装に関しまして鋭意調査を進めてきたところでございまして、その結果、現段階で確定した事項についてご報告を申し上げます。  詳細につきましては、担当の所管部長からご説明をさせていただきます。  よろしくお願いします。 ◎三浦 建築指導部長  構造計算書の偽装に関する調査の経過について、お手元の資料に基づきましてご説明いたします。  まず、1、調査の概要についてでございます。  本市では、浅沼良一建築士によります構造計算書偽装の疑いのある33件につきまして、鋭意、検証を進めてきておりまして、そのうち6件について、社団法人日本建築構造技術者協会北海道支部JSCA構造計算書の再計算を委託し、数値の入れかえが6件中5件で行われており、既に偽装の確認がなされたところでございます。その後、さらに構造耐力につきまして、JSCAにて再計算を進めておりましたが、その結果、保有水平耐力指数が1.0未満となっている物件が6件中4件ございました。ただし、その4件とも、保有水平耐力指数が0.5未満ではないため、緊急に安全性が問題となる状況にはないものと考えております。  今後は、基準値を下回る物件の所有者等へ今回の検証結果を説明いたしまして、より詳細な検証を求め、安全性の確認をお願いすることとなります。  次に、2の再計算の結果についてでございます。  JSCAでの許容応力度計算によります再計算の結果では、6件中4件について保有水平耐力指数が1.0未満との報告がございました。その結果は、表のとおりでございます。  検証の状況については、米印1の注記にありますように、3月7日に公表いたしました浅沼建築士による構造計算物件は79件としておりましたが、その後の調査で、1件は別の構造設計者によることが判明いたしましたので、浅沼建築士による構造計算物件は78件となっております。  偽装の疑いのある33物件のうち、今回、JSCAで再計算を終えたものは6件で、そのうち基準を満たすものは2件、基準を満たさないものは4件でございます。この再計算は、許容応力度計算による検証結果でございまして、今後は、限界耐力計算現地調査等によりましてより詳細な検証を進めることとなりますが、その結果、建築基準法の基準を満たす場合もあり得ると考えております。
     偽装の疑いのある残りの27物件とその他の浅沼建築士がかかわった45件につきましても、札幌市と民間確認検査機関でそれぞれ調査・検証を進めているところでございます。  検証結果の概要につきましては、表に記載のとおりでございます。  表にあります1の物件につきましては、概要にありますように、構造計算書の偽装はなく、耐力指数基準値を超えており、建築基準法耐震基準に適合しているものであります。  表の2から5につきましては、構造計算書の偽装が認められ、なおかつ、今回の許容応力度計算での再計算では、その一部の階において耐力指数が1.0を下回っており、建築基準法の基準に適合していないものでございます。  なお、保有水平耐力は、階や地震の加力方向ごとにそれぞれ算出されるものであり、表記の耐力指数は、そのうち最低のものを記載しております。  表の6につきましては、構造計算書の偽装はあったものの、再計算の結果、耐力指数は1.0を上回っており、建築基準法耐震基準に適合しているものでございます。  次に、今後の対応についてでございますが、今回報告のありました物件につきましては、検証結果を建築主マンション管理組合等へお知らせいたしますとともに、保有水平耐力指数が1.0を下回った4件につきましては、限界耐力計算現地調査など、より詳細な検証を行うよう求めてまいります。  その結果によりましては、必要に応じて耐震補強等の検討を行うよう求めてまいります。  なお、緊急に退去や解体が必要になるような安全性の問題となる状況にはないことから、物件名所在等につきましては、公表することによります風評被害による財産価値の低下などに影響を及ぼすことも十分考慮に入れ、現時点では、公表は差し控えることにいたしました。  保有水平耐力指数が1.0を下回った4件につきましては、第一義的には売り主である事業者瑕疵担保責任を負うことになりますので、建築主に対しまして、マンション居住者購入予定者等への十分な説明や情報提供などを誠実に行うよう、対応を求めてまいります。  2、ほかの浅沼建築士による構造計算物件の調査・検証につきましては、偽装の疑いがある残りの27件について、4月中をめどに、引き続き検証を行いますとともに、その他の物件についても、あわせて調査・検証を進めております。  なお、民間確認検査機関建築確認を行った物件につきましては、各機関で検証を行っております。その結果につきまして報告を求めておりまして、その報告内容について、本市で精査を行うこととしております。  次に、3、偽装を行った建築士等の報告につきましては、建築士建築士事務所の指導・監督を行います北海道では、違反の事実があった場合には厳正に対処するとしておりまして、本市といたしましては、今回の検証結果を北海道へ報告いたしますとともに、引き続き、事実関係の調査に協力することとしております。  次に、4、再発防止及び支援策の検討につきましては、構造計算書偽装再発防止及び既存マンションへの支援策等につきまして、次のような事項について検討しているところでございます。  まず、1の再発防止策でございますが、1として、審査体制の強化につきまして、構造審査担当職員の増員を図るとともに、研修等審査技術の向上を図ってまいります。2、構造設計者等明確化につきましては、建築確認申請時に構造設計者等に関する調書の提出を求めることといたします。3、構造計算書入力データの提出につきましては、確認申請時に磁気ディスク等により構造計算書入力データの提出を求めるとともに、抽出による再計算を行う予定であります。4、確認申請図書保存期間の延長につきましても、完了検査後の関係図書保存期間の延長を検討しております。5、中間検査体制の強化につきましては、現在、札幌市が独自に木造共同住宅を対象に行っている中間検査について、検査対象を拡大する方向で検討しております。  次に、既存マンションへの対応、支援策についてでございます。  1、構造計算書の調査への支援につきましては、マンション管理組合等が行う構造計算書の調査や再計算への支援について検討いたします。また、支援策の運用に際しましては、効果的に活用が図られるよう、マンション管理組合等へ積極的に周知を行うこととしております。2、相談体制の強化につきましては、マンション耐震強度に関する相談体制の強化といたしまして、北海道マンション管理組合連合会での相談事業への支援の拡充について検討してまいります。 ○坂本恭子 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆長内直也 委員  先日の3月8日の建設委員会、それから、10日の都市局関係予算特別委員会でも質問させていただきましたけれども、最初の部分は繰り返しになりますが、改めてお伺いしたいと思います。  まず、先日も申し上げたとおり、浅沼氏が出てきた経緯であります。当初、確認申請の段階でも一切名前が出ていない浅沼建築士だけが出てきて、実際に設計に関して責任を負うべき元請の立場というか、我々は責任があると主張しているとおりですが、そういったことの公表については、今の段階になっても、文書、報告を聞く限りにおいては、まだそれについて明言していないわけです。  改めて、元請の責任と公表について見解をお伺いしたいと思います。  次に、偽装の疑いがある物件のうち、札幌市が確認したのは16件であり、そのうち6件についての結果の概要がきょう示されたということであります。では、16件のうちの残り10件についてはどのように検証しているのか。この前の説明では最初に情報が来た6件を先にJSCAに頼んでいるという話でしたが、残りの10件について、改めて、どのように検証しているのか、明らかにしていただきたいと思います。  それから、民間が確認した残りの17件についての検証状況であります。今、若干の報告がありましたけれども、現実のところ、それがどのように進んでいるのか、そしてまた、札幌市としていつまでに報告を求めているのか、お伺いしたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  まず、元請設計者の公表についてでございます。  現在、北海道において、建築士法上の元請設計者の責任について事実関係の調査を進めているところであり、現時点での公表については、北海道における調査に支障を来すおそれがあることから、公表時期については北海道とも連携をとりながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、偽装の疑いがある33件のその後の調査についてでございます。  札幌市分の16件のうち6件についてはきょう報告をいたしたところですが、残りの10件のうち9件について既にJSCAの方へ委託しておりまして、4月中をめどに再検査を依頼してございます。残り1件については、現在、札幌市において検証作業中でございます。  それから、民間確認分の17件の調査についてでございます。  これについても、本市と同様に、4月中をめどに再計算等の検証を終えて報告するようにお願いしております。その後、本市の検証に加えて速やかに報告したいというふうに考えてございます。 ◆長内直也 委員  今ご答弁をいただきましたけれども、元請の公表をいまだに渋っているというのでしょうか、そういう印象をぬぐえないわけであります。これは、例えばマンションの業者の人も言っているのですね。それを早くきっちりしてもらった方が、そうでない人にとってはありがたいわけです。ほんの一部のことが、より広がってしまうというのは、きっちり言わなければいけないことを言わないからではないかというふうに思うわけです。これについては、道と連携することはもちろんわかりますけれども、ぜひとも、きっちりと元請の責任を明らかにした上で公表すべきだと私は改めて申し上げておきたいと思います。  そこで、再質問です。  名前は言わない方がいいかもしれませんが、中央区のある市民団体の方から上田市長あてに要請をしていることが報道されておりますし、私も、当事者から原文をいただいて今持っております。これを見て改めて思うのは、もう既に、今、マンションに居住している方や、これからマンションを買おうとしている方だけではなくて、マンションがこれから建つとか、建っている途中とか、そういった周辺の住民まで巻き込んだ大きな問題になってしまっていると言わざるを得ないと思います。マンション名の公表を行うと風評被害が出るというような発言でしたが、私は、きっちりと公表を行わないことによって、逆に、その他の大多数の人が風評被害を受けていると思うわけであります。  そういった観点から、マンションの住民以外の周辺住民にも影響を及ぼすことを考えた上で、やはり、マンション名の公表はしっかりと行うべきではないかと思います。札幌市としては、それをやる立場ではないという考えのようでありますので、例えば、みずから公表するように促すとか、そういうことをもっと強く言うべきではないかと思います。本当は札幌市がきっちり公表すべきだと思いますけれども、もしもそれができないのであれば、みずから公表するようにしっかりと促していくことが必要だと思いますので、これについての考え方をお伺いしたいと思います。  それから、私は中央区から選出されておりますので、マンション紛争というのでしょうか、いわゆる地域住民の方とこれからマンションを建てる側との問題について相談を受けることが多いのです。そんな中で必ず話に出てくるのが、市の確認申請がもうすぐおりますとか、確認申請がおりましたということを名目にして、一つのにしきの御旗というのでしょうか、市民権を得たと言ったらちょっと言い方が悪いですが、それをもって建てる側の権利を主張するわけです。  ただ、先日の私の質問に対してのお答えのとおり、ほかにも偽装があった場合には見逃す可能性があるというふうにご答弁されております。ということは、確認申請業務信頼性が大きく揺らいだことは間違いない事実でありますし、それによって、一方では、今後さらにこういったマンション紛争が大きな社会問題になるのではないかという心配もするので、これについてのお考えもお伺いしたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  建築主が自主的に公表する形で指導すべきということでございます。  建築主が自主的に公表するかどうかについては、建築主それぞれの考え方に基づいて判断されることになるかと思いますが、本市といたしましても、現在進めております検証作業について、結論が出次第、建築主所有者に速やかに情報提供する中で考えていきたいというふうに思います。  それから、中高層建築物の紛争にかかわる関係でございますが、中高層の条例の対象は10メートルを超えるものですので、数多くの建築主が存在することになります。通常では、いわゆる日影とか環境に与える影響ということでの紛争が多うございますので、必ずしも構造計算の内容によってそういった紛争にかかわってくることはないのではないかというふうに考えております。 ◆長内直也 委員  非常に後ろ向きというか、例えば3月8日に委員会を開いて説明を行ったこともそうですが、結局、一部報道がされて、住民の不安が寄せられたから急遽報告したのですよと。そういうようなことでは、みずからしっかりと真偽をはっきりさせるという部分で、私は消極的であると言わざるを得ないわけであります。また、内部に対策チームを設置したのも、報告せざるを得なくなってからこれを考えたわけであって、本来であれば、2月6日にこのことが発覚した時点で対策チームがなかったらだめなぐらい、事の重大さというのでしょうか、それについての認識が薄いのではないかというふうに私は強く言いたいわけです。  特に、当然、これからもマンションを建てたいという業者もいれば、建て主もいっぱいいらっしゃるわけです。一方で、それによって、従来だと、例えば日影の問題とか騒音の問題あるいは景観の問題とか、そういう問題での紛争だったものが、今度は、本当に住民の安心・安全にかかわることでさらに紛争が多くなっていくのではないか、そしてまた、より大きく問題化するのではないかと心配しております。そういった意味では、消極姿勢であるうちはその解決にならないと思いますので、ここで言ってもすぐに態度は変わらないかもしれませんが、私は、やはり、みずからの責任のもとでしっかりと問題解決していく姿勢を見せていただきたいということを改めて強調したいと思います。  次に、今後の支援策についてです。  対策チームができ、そしてまた、4月からは人員も増強して解決していくということで、3人増員することは聞いております。しかし、内部での人員の増員だけで本当にどこまで解決できるのかというと、それでは無理な部分も出てくるのではないかと。特に、既存マンションへの対応とか今後の支援策については、今、皆さんからご報告があったとおり、大きな予算措置を伴うものだと考えます。例えば、構造計算をしたいと思ってマンション管理組合等が行う場合には金銭的な支援をするという話ですし、あるいは、相談体制をとるマンション管理組合連合会に対して支援する、これは金銭のことだと思いますが、そういった大きな予算措置を伴うものではないかと思います。あるいは、例えば計算ソフトを買って内部でチェックすることもそうでしょうし、あるいは、人を外部から呼んでくるとか、そういったことも含めて検討が必要だとするならば、今後、どれだけの予算が必要なのか、どれだけ予算をつければ今回の事件の不安を払拭できるのか、どれぐらいの予算化が必要なのか、はっきりとした数字はわからないかもしれませんけれども、現時点でわかる範囲でお答えをいただきたいと思います。  また、現状では国の支援を受けられないというふうに聞いておりますが、であるならば、財源を含めてどのように考えていくのか、これについてもお伺いしたいと思います。  次に、こういうふうになってしまうと、あれもこれもと疑ってしまうのはしょうがない部分があって、疑ってしまえば切りがないのですが、今回は設計段階での偽装です。しかし、構造計算の段階ではしっかりと設計されていても、施工の段階で、例えば鉄骨を減らすとか、そういった偽装だって起こり得るわけです。そういった意味では、今後の対策の中にもありますけれども、中間検査をしっかりと行う必要があると思います。  それでは、今回、検討するという中間検査対象拡大というのは一体どういうものなのか、どういうものを想定しているのか、これについてもお伺いしたいと思います。  それから、今後の支援策については、市の内部でそれなりにいろいろ考えて得られた結果だと思います。しかし、これについては、今審議しております新年度予算には盛り込まれていないのであって、新しくこれをしていきたいということであるなら、我々から言うと、今審議している最中だとすれば、本当は予算案の再提案も考える必要があるのではないかと思いますが、これについても考え方をお伺いしたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  既存マンションへの支援内容とその財源についてということだろうと思います。  マンション管理組合が行う調査の支援につきましては、簡易調査詳細調査について行うということでございますが、細部についてはまだ決めておりませんので、財源については、今後、関係部局と協議を進めていきたいと考えております。  どのくらいの予算かということについても、現在、今の段階では明らかにできない状態でありまして、今後、関係部局との協議の中で決めていきたいというふうに考えております。  それから、施工段階での中間検査でございますが、今、国土交通省の方で建築基準法の改正を検討している段階であり、共同住宅について中間検査を行うことで現在検討中ということですので、これをにらみながら札幌市としても拡大の検討をしてまいりたいというふうに考えております。  予算の関係については、いずれ、関係部局の中で決まってくることになると思いますが、例えば補正等での予算化が考えられるかと思います。 ◆長内直也 委員  関係部局で協議してからでないと金銭的なものもわからないということでありますが、このような不審を招いた一端は、札幌市の確認申請業務の中で通ったものがこういうふうに出てきているということになりますと、しっかりと事に当たっていくためには、今の段階でどれだけの予算化をしなければいけないとか、どこまでは札幌市の中できっちりとやらなければいけないとか、私はその協議をしていないとおかしいと思います。対策チームをつくりましたと言うだけでは、まさにこの建築指導部の中だけであります。しかし、お金を伴うものであれば、当然、ほかの部局もかかわってくるわけでありまして、既に私はその協議もしているものだと思って聞いておりました。そういうことでないとするならば、私は、すぐにでもこの数字を明らかにして、一日でも早く札幌市民の不安を解消することが皆さんの務めだと思います。  改めて、元請の設計会社、そしてマンション名等を公表した上で、何が悪くてどこを直せばいいかということも含めて、しっかりと情報公開するべきだということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆伊与部敏雄 委員  私から、数点、お伺いいたします。  本件についての問題は、市民と住民はやっぱり本当に安全・安心について納得できるような公表を求めている、これが基本なのです。それと同時に、風評として、札幌市民は、姉歯事件浅沼事件の偽装を一緒くたにして、一緒に悪いことをしたのではないかという声がぶつかってくるのです。だから、その辺は、姉歯と浅沼は、同じような部分もあるかどうかわかりませんが、ここが違うのだということをはっきり明確に市民に明らかにすることが私は行政の役割だと思いますよ。新聞、その他のマスコミで伝わってくるから、それは本当なのかどうか、市民はまさに疑心暗鬼なのですよ。だから、そこは、行政として、市民に対して姉歯と浅沼はここが違うのだということをはっきり強く訴えるべきだと思いますが、いかがですか。 ◎三浦 建築指導部長  姉歯建築士は、建築物の柱、はりなどの構造断面の大きさ、鉄筋量を少なくして設計し、その結果、1次設計でも2次設計でも構造耐力が不足しているという状態でありました。これに対して、浅沼建築士の設計は、柱、はり等構造断面の大きさ、鉄筋量を意図的に操作したものではありませんで、2次設計において保有水平耐力指数が1.0をなかなか超えないということで、安易に数値を入れかえて1.0をクリアするような操作をしたということで、その辺が違うことかと思います。 ◆伊与部敏雄 委員  今、部長が答弁したように、したがって、姉歯と浅沼は違うのだと。  そこで、浅沼を使ったメリットは、何がメリットなのか。私は、浅沼が自供した、なぜ自供したのかとずっと調べていった結果、元請設計が自首を勧めたというふうに聞いています。元請設計が浅沼に自首を勧めたと。だから、あなたたち、すなわち市役所が自主的に検査して見つけた事件ではないのです。元請設計が浅沼の偽造を見つけて、逆に、元請設計があなたたちのところに自首を勧めた、こういうふうに聞いているのですが、それはいかがですか。  二つ目は、浅沼を使ってだれがもうかったのですか。浅沼の構造設計料が安かったのですか、何で得をしたのですか、この辺について明らかにしてください。 ◎三浦 建築指導部長  浅沼建築士偽装事件の発覚の経緯についてございます。  当初、3月8日の説明にもありましたように、元請設計者が浅沼氏に対して偽装の事実について問いただした結果、その事実が判明したということで、元請設計者がERIあるいは札幌市に報告をしてきたということからすると、やはり、いわゆる自首を勧めたということではないというふうに考えております。  それから、浅沼氏を使うメリットといいますか、そういったことについては、事実関係は定かではございませんけれども、伺っている中では特に安いというようなことではないというふうに聞いております。 ◆伊与部敏雄 委員  そこで、今回出された1から6までの調査結果の概要をじっくり拝見させていただきました。その中で、2、3、4、5、6の調査結果概要を見ますと、そこにこういうことを書いています。1次設計は建築基準法にのっとり計算されていると、これはどういう意味ですか。具体的に説明してください。 ◎三浦 建築指導部長  建築基準法耐震基準につきましては、約50年周期で起こると言われている中規模程度の地震、震度階でいきますと震度5強程度の地震に対して、建物がほとんど損傷を受けないこと、それを確かめるのが1次設計ということになっております。また、ごくまれに起こる地震、500年周期ぐらいの地震、震度階でいきますと震度6強から7に対して、建物が倒壊せず、人命が守られることを構造計算で確かめる、これが2次設計でございます。この2段階で構造計算によって確かめることが義務づけられてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  わかりました。言うならば、ここに書いている1次設計は、建築基準法にのっとり計算されているということは、要するに、今、部長が答弁したように、震度5強の地震については、50年に1回来るか来ないかわからないような震度に対応できるようなことはもうクリアしている、ここではそういうことを書いているわけですね。いかがですか。 ◎三浦 建築指導部長  そのとおりでございます。 ◆伊与部敏雄 委員  そして、1次設計があるのだから2次設計があると思いますが、2次設計というのが保有水平耐力指数計算ということで、それは、今、500年と言いましたか。500年に1回来るような地震に対応できるような指数と。これが1.0以上なければだめです、こういう議論を今していると。最終的には、札幌市の5物件は、建築基準法はクリアしているけれども、500年に1回来るかどうかわからない2次設計の、耐用年数の限界まで数えて、そして、それをクリアするような構造設計の指数、すなわち1.0以上にしなければだめだ、こういうことなのですか。部長、どうですか。 ◎三浦 建築指導部長  500年周期ですけれども、いつ来るかわからない中でございますので、建築基準法では、震度6強とか7程度の地震に対して倒壊せず、人命が守られることを計算で確かめなさいということです。今回の物件については1.0はクリアされていないわけですから、そういった大地震がもし仮に来たとすれば、やはり、一部崩壊する場合もあり得るということです。  ただ、限界耐力とか耐震診断に基づく詳細な調査によっては、場合によってはその辺の安全性が確かめられる場合もあり得るということでございます。 ◆伊与部敏雄 委員  我々は専門家でもございませんから、一般の市民の感覚としては、新聞、マスコミで偽装、偽装と言われて、どこがどういうふうに大変なのだということをやっぱり知りたいわけですよ。だから、今のような具体的な説明があれば、多少は安心する。多少はだよ。  もう一つ聞きたい。  きょう、ここへ出てきた2から6までの間で、一番最低は0.73、それから、0.75、0.77、0.77、こういうふうに出てきていますね。ここに最小値というふうに書いていますが、これはどういう意味ですか。これは、大体10階建てのマンションでしょう。例えば1階が最小値の0.73で、上に行くごとに、一番上は1.2かもしれない、1.1かもしれないと。これを具体的に説明してください。できれば2、3、4、5、6と。例えば、0.73の3の共同住宅、これは平成13年に建った共同住宅です。このぐらいは守秘義務がなくて公表できるでしょう。これは、何階建てで、0.73が何階あって、1.0以上は何階あるのか、具体的に説明してください。 ◎三浦 建築指導部長  建物の階数については、10階と11階の建物でございます。最小値が0.73ですが、その他の階については1.0をクリアしている階もあり、部分的に0.73という数値があるということです。 ◆伊与部敏雄 委員  これは、今、私が聞いた0.73だけでなしに、0.75、0.77も部長が言ったような1.0の階もあるとしたら、10階建ての何階が0.73で、1.0をクリアしているのは10階のうち何階あるのですか。 ◎高崎 建築確認担当部長  今回の2から5について、0.73とか0.74、0.75というのは、浅沼建築士のやり方では、1.0を切っているのはどちらかというと1階、2階、3階という下層階の方でそういう数値が出ております。彼の手法は耐震壁をたくさんつけるということで、上の方は比較的出やすいのですけれども、1階あたりは開口部が多うございますので、耐震壁をなかなか有効に配置できないことから、一般的な傾向といたしましては下の方で0.7台の数値が出ている階が多うございます。そんな状況でございます。 ◆伊与部敏雄 委員  大体わかってきました。要するに、3階ぐらい程度が最小値で、あとの4階以上は1.0をクリアしているというような部長の答弁だったということで確認してよろしいですか。 ◎高崎 建築確認担当部長  申しわけございませんが、ちょっと訂正させていただきます。  基本的には、下の方にそういう部分がございます。ただ、建物の中には、数値的には0.7よりも上ですが、部分的に中間階のところでも1を切っている階もございます。 ◆伊与部敏雄 委員  わかりました。  質問を変えます。  33件のマンションで偽造したと浅沼が言っているわけですね。2月6日から今日まで、1カ月以上、もう60日近くたっているのですよ。それなのに、いまだにわずか五、六件しか検査報告を出せないというのは、本当に行政は何をやっているのだと。問題は、先ほど答弁しているように、あとはクリアしているのだから、保有水平耐力指数だけを検査すればいいのですよ。1次はクリアして、2次はクリアしていないと。こんなものを計算するのに、専門家なら1件について1人で10日間もあればできる。そうしたら、33人見つければいいじゃないですか。それも、例えば西区に建っている高い40何階建てのマンションとか30階建てのマンションとか、ここから見えるように駅裏にもマンションが建っているけれども、ああいう経験豊かな構造設計屋さんに対して、直接、あなたたち市が33人を選んで発注して10日間でやればわかりますよ。それを、何でJSCAと、JSCAを隠れみのにしてやっているような風潮がある。  JSCAとは一体どういう団体なのですか。どういう構成メンバーになっているのか、実際に検証作業に携わったメンバーは何人なのか、この5件についても、何人でこの物件を検証したのか、これらについてひとつ明らかにしてください。 ◎三浦 建築指導部長  JSCAは、構造設計者の専門家集団ということで、公益法人であります社団法人日本建築構造技術者協会という団体であります。北海道支部の会員は121名でございます。  次に、JSCAの構成メンバーは、協会の会員として入会した者で構成されておりまして、協会が設計規範、JSCA基準をまとめておりまして、その中で構造設計士制度を確立し、資格認定試験を独自に設けて構造設計士という呼称を付与していると承知しております。北海道支部の構造設計士は78名いると聞いております。  検証作業にかかわったメンバーでございますが、1件に1会員が計算の作業をして、その結果をレビュー委員会の委員が検証し、その結果を委員長に報告し、委員長が検証したものが支部長に報告されて、その結果がJSCAとしての最終的な報告書という形になっております。  今回の本市委託分にかかわった会員ですが、5社6名というふうに聞いております。 ◆伊与部敏雄 委員  レビュー委員会だか何かというのは初めて聞く名前ですが、そうしたら、レビュー委員会が最終的にJSCAの中で権限を持って、そして、羽沢支部長を中心として委員会をつくって最終的にオーケーを出す、こういうようなシステムになっていると。レビュー委員会で統一見解を出すけれども、レビュー委員会というのは何人ぐらいで構成されて、どういうメンバーなのですか。  もう一つは、検証されたと言うけれども、率直に言って、私は市が丸投げしているような感じがします。だから、先ほど私が言っているように、33人を選んで、JSCAでなくて、札幌市が直接発注して、JSCAの統一基準でなくて、構造計算は、今から28年前、昭和54年にできた法律なのだから、新しい限界耐力計算は直近でしょう。だから、それまでは、さっき言った1次計算、2次計算でずっとやってきたわけでしょう。だから、統一基準を示さないで、33人に直接発注して、今までどおり、自分たちがやってきた計算に基づいて計算させる、そういう発注の仕方はいかがですか。 ◎三浦 建築指導部長  レビュー委員会の構成でございますが、メンバーは札幌支部で13名ほどいます。レビュー委員会では、1件につき通常5回程度の会合を開き、難解なものについては10回程度の会議を開いて最終的に結論を出したというふうに聞いております。  先ほど委員から、市は検証を丸投げしたのではないかということでございますが、我々としては決して丸投げではないというふうに考えております。  市からの検証の条件としましては、建築基準法及び建築基準法の技術解説にのっとって計算するように私どもの方から依頼しており、市の検証については、JSCAからの報告を緊急対策チームの中の構造検証班によって検査を行い、緊急対策チームの検討を経て札幌市として確定しているということでございまして、決して丸投げということには当たらないかと考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  私は丸投げだと思っています。  また、質問を変えます。  今度は、浅沼が構造計算した78件のうち、33件は偽装した、あとの45件については偽装していないと言っていますが、偽装していないという根拠が我々に伝わってこない。問題は、その45件の内容について具体的に明らかにされていないのですよ。例えば、規模、用途、件数、これについて具体的に明らかにしてください。 ◎三浦 建築指導部長  45件について偽装があるかないかにつきましては、今、我々札幌市と民間機関においてもそれぞれ検証を進めているところでございます。  その45件の内容についてでございますけれども、中低層の建物、5階建て以下の建物でございますが、それが合わせて41件、内訳は、共同住宅が23件で、その他のものが18件となってございます。それから、中高層、6階以上のものについては、共同住宅が4棟となっておりまして、合計45件ということになってございます。 ◆伊与部敏雄 委員  今、これから再検査をすると言っているけれども、33件もあるし、これから検査するなんて、大変な日時がかかると思いますよ。  そこで、あなたたちが再検査して、もし何か出てきたら、あなたたちはさらに窮地に追い込まれますよ。なぜかといったら、確認を出す、中間検査をする、ここには中間検査体制の強化と書いているけれども、そのほかに完了検査済み証を出しているのですよ、あなたたちは。この完了検査済み証というのが重大なのだ。なぜかというと、この完了検査済み証がなければマンションは売れません。銀行でもお金は貸してくれない。ですから、この完了検査済み証、中間検査、確認、この三つを行政が責任を持って出しているわけですから、これは大変なことになりますよ。これは、ただ間違いをチェックするだけのような感じがする。  そこで、私は、さっき根拠は何だと聞いたのだ。浅沼さんがあなたたちに45件は偽装していませんと言う根拠は何か。こうこうこうだから偽装はしていませんと。浅沼は、33件は偽装しました、45件は偽装していませんと。浅沼を信用して、わかりました、それでは、我々が45件を再検査しますかと。こんな調子ではなくて、何が根拠なのか。45件は偽装していないという根拠を示してもらわなかったらはっきりしない。わからない。 ◎三浦 建築指導部長  浅沼氏が偽装した、あるいは、したかもしれないと言っているのは33件ということで、残りの45件については、本人はしていないと言っているのですが、それについては調べてみなければはっきりしたことはわからないということでございますので、今現在としては、残りの45件についても検証を進めるということで取り組んでおります。
    ◆伊与部敏雄 委員  さっぱりわからん。私は、さっきから根拠と、浅沼が45件はしていないと言うのだから、その理由は何ですかとなぜ聞けないのですか。それはわからないと言っているのか。どうしたかわからないと言っているのか。 ◎高崎 建築確認担当部長  33件を偽装したといいますのは、先ほど言いました1次設計、2次設計の中で、2次設計のときに保有水平耐力が求められ、その計算において彼は処理できないということで安易に差しかえをしたと。それ以外はそこまで求められていないということで、彼はやっていないと。そういうことで、我々は、ルート3に行く計算の部分で33件について偽装している、あるいは、したかもしれないと判断しております。 ◆伊与部敏雄 委員  わかりました。  要するに、保有水平耐力は、先ほど言っているように、極めて階数が高いとか、いろいろな観点からやると。しかし、この45件についてはそれに該当しないような建物だ、だから45件は偽装ではないのだ、こういうようなことだというふうに私は想定します。  そこで、私は、これは理事者に言ってもしょうがないけれども、やはり、浅沼さんをこの委員会で証人喚問して、浅沼さん本人から直接聞かなかったらはっきり言ってわからない。これは、理事者に質問するのではなくて、我々がこれから新しい委員会をつくりますから、その中でも隣にいる人が委員長予定者ですから、この委員長予定者を中心にして、私も残りますけれども、次期建設委員会の中で証人喚問して、そして、浅沼さんから直接聞かなかったらわからないということを話して、終わります。 ◆本郷俊史 委員  再計算の結果が確定したということで、4物件について1.0を切っているということです。今後は、国交省の偽装物件にかかわる違反是正フローに沿って進められていくと思いますけれども、まず最初に、この検証結果です。建て主を含めて、管理組合の方に通知をされていらっしゃるのか、伺います。  これは、6番目ですか、偽装はあったが、数値は1.0を超えていたものも含めてです。  それから、今後、区分所有者の方へ説明会を開催するようになると思いますが、この開催時期について、いつごろを予定されているか。  また、この説明会において、検証の結果を説明するのは札幌市の建築指導部が行うということでよろしいのでしょうか。 ◎高崎 建築確認担当部長  まず、1点目の検証結果が管理組合に知らされているのかということでございます。  先ほど報告いたしました数値につきましては、今後、管理組合にお知らせすることとしてございます。現在は、まだしておりません。  2点目の区分所有者への説明会の開催時期でございます。  今後、各区分所有者の方へ説明することになりますけれども、時期につきましては、あらかじめ管理組合の代表の方にご相談しながら、なるべく早い時期に行ってまいりたいと考えております。また、説明に当たりましては、当然、建築指導部の職員が対応することとしております。 ◆本郷俊史 委員  区分所有者、当事者の方々に説明会を開くわけですので、当然、できれば全所有者が話を聞けることが望ましいわけです。  そこで、さまざまな心配なこと等のやりとりがあるでしょうから。そういうことを考えますと、開催の仕方も、平日の日中ということではなしに、平日の夜間あるいは日曜日とか、そういった配慮が必要と思いますがいかがか、お伺いいたします。  それから、許容応力度でやると0.73から0.77だということですので、住民説明後、限界耐力計算やあるいは耐震診断などの実施について、これは管理組合や売り主が判断することになろうと思いますけれども、先ほどもありましたが、現在、札幌市においてはこれらに対する支援制度がないわけですね。きょうの説明資料の中で、構造計算書の調査への支援ということについてどのように考えているか。2点目に伺います。  3点目は、限界耐力計算の結果、1.0を下回った場合、当然、次の段階として耐震診断、耐震改修というふうに移っていくわけですけれども、これに対する支援についてどのように考えているか、お伺いしたいと思います。  これについては、今の住宅品質確保法で、一義的には建て主の瑕疵担保責任ということです。しかし、この5件につきましては、確認が平成13年で、竣工は14年か15年ということになっているかと思いますから、したがって、管理組合の修繕積立金もまだまだ積み上がっていない状況にあろうかと思います。また、実際に改修ということになりますと、何カ月かの間、そこの住民の方は一時的に退去しなければならないことも想定されますので、入居者の方の負担軽減という意味も含めて、これらに対する支援をどのように考えるか。  4点目は、限界耐力計算の結果、1.0を超えた場合、これは、建築基準法上、要件は満たしている。許容応力度では0.7何ぼだけれども、限界耐力でやったら1.0だったと。そうすると、これは、一般的にはなかなか理解しにくいわけですけれども、今の基準法から言えば法的には適合しています。  そこで、最終判断は特定行政庁が下すということになっているわけですけれども、限界耐力計算の結果、1.0を超えた場合はどうなのかということをお伺いいたします。  5点目は、先ほど来、話がありました偽装の疑いのある物件数の残りは、調査・検証中27件と。これは、前回、構造計算書等がそろっていないために順次ということで、4月中をめどに検証するというお話でした。ただ、きょうの検証結果を見る限りでは、6件中4件で1.0を下回っておりますので、残り27件についても、同様に1.0を下回る物件が出てくるという方が自然ですね。そう考えるのですけれどもいかがか、お伺いします。 ◎高崎 建築確認担当部長  まず、1点目の説明会の開催に当たっての配慮についてであります。  説明会につきましては、管理組合の方々とのご相談になりますが、私どもといたしましては、平日の夜もしくは土曜・日曜の開催でも柔軟に対応していきたいと考えております。  次に、2点目の構造計算書の調査への支援等でございます。  構造計算書の調査への支援の考え方は、一つは、マンション管理組合が設計図と構造計算書を照合したり、あるいは、計算書の外観をチェックするような簡易調査をする場合、もう一つは、確認申請の構造図とか設計図をもとに構造の再計算をするとか、計算の手法を変えて改めて構造計算し直すような詳細調査をするものにも支援することを考えておりますが、細部についてはまだ検討段階で、今後詰めていく予定でございます。  それから、3点目は、限界耐力計算の結果、1.0を下回った場合、耐震診断、耐震改修の段階に移るけれども、これに対する支援ということでございます。  今回の偽装物件にかかわる耐震診断、耐震改修に対する支援につきましては、分譲マンションの場合は、先ほど委員がおっしゃっているとおり、一義的には、瑕疵担保責任の関係上、建築主とか販売事業者が行うべきことと考えておりまして、現在のところ、公的支援の対象とはならないというように考えてございます。  4点目の限界耐力計算の審査についてでございます。  この結果、1.0を超えることになった場合、最終判断は特定行政庁ということでございますけれども、当然、本市でも審査し、判断することが十分可能と考えてございます。  なお、制度的には、このような判断を行うに当たりましては、公的機関であります建築防災協会による助言などを得ることができることとなっておりますので、状況によってはそのような活用も図ってまいりたいと考えております。  それから、5点目の偽装の疑いのある残りの物件、調査・検証中の27件について、1.0を下回る物件が出てくると考えているかということでございます。  やはり、今回の結果を見ていますと、検証結果で1.0を下回る物件が出てくるかどうかについては、検証結果を見なければわからないところがありますけれども、否定はできないものと思っております。 ◆本郷俊史 委員  管理組合の説明については柔軟にということなので、4月の何日であれば住民の大多数が集まれるということを管理組合側と事前によく打ち合わせした上で開催していただくように、開催日が決ってしまって当日は参加できない人が3割とか4割も出ることのないように、ぜひそういうふうにお願いします。  そういうことからすると、この検証結果についてはまだお知らせしてないということですが、もう報道されておりますので、至急お知らせするということでお願いしたいと思います。  それから、前回の委員会でも質問いたしましたが、浅沼物件以外です。元請事務所を公表しないこと、あるいは、マンション名を公表しないことによって多くの方が不安をお持ちだということがあります。また、元請の事務所を公表して、7社、9社ですか、うちのマンションもその元請設計事務所で建てられていると。これはまたこれで、うちのマンションは大丈夫かということになります。その不安解消のためには、さかのぼって3,400棟ある分譲マンション、56年以前を分けますと二千五、六百棟になるのでしょうか、これについて構造計算書の調査への支援を行うとありますね。  そこで、不安解消のための再計算等について、その対象は二千何百棟もあるわけですから、どう考えているのか、お伺いいたしたいと思います。  それから、検証について今説明がありました。構造図と計算書の突き合わせ、簡易な検証、これは約5万円ぐらいというふうに聞いていますが、実際の再計算、詳細検証は約50万円から60万円かかると。この両方について支援をするという考えでよろしいのか、お伺いをしたいと思います。  それから、3点目は、その場合の補助率についてであります。  当然、全額ということにはならないと思いますが。どのくらいを考えていらっしゃるのか、あわせて、他都市の事例があれば紹介をしていただきたいということです。 ◎高崎 建築確認担当部長  支援事業の対象につきましては、昭和56年以降に建設されました共同住宅を予定しておりますが、その規模要件等につきましては今後検討してまいりたいと考えてございます。  それから、2点目の簡易検証、詳細検証の両方ともに支援することになるかということでございますけれども、これは、両方とも支援する考え方でございます。  また、この場合の補助率とか他都市の事例でございます。  このたびの支援策につきましては、他都市でも類似の制度がございまして、横浜市では緊急マンション構造再検証事業という制度があり、福岡市では共同住宅構造計算書調査費補助事業という制度があります。両市とも、補助率は3分の2となっております。本市におきましても、補助率につきましては、他都市の事例を研究しながら、今後、決めていきたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  補助率3分の2というのは、国の補助も入ってということでいいのですね。 ◎高崎 建築確認担当部長  そうでございます。 ◆本郷俊史 委員  今後と言っても、そんなに遠い先ではなく、本当に検討していかなければいけないわけですが、両方とも支援策を講じると。そして、今現在、札幌市では、国の補助が入る要件になっていないということですので、札幌市単独で支援をしていかなければいけないということです。先ほど二千数百棟と言いましたが、6階建てとか、割と古い年代の中層棟を除いていけば数的にはもう少し絞られてくると思いますけれども、それにしてもかなりな件数になろうかと思うのです。  先ほど長内委員とのやりとりで、その財源をどうするのだというお話がございました。仮に2分の1、3分の1ということで考えても、やっぱり最低でも2,000万円、3,000万円のオーダーになってくるのですが、そこをどのように考えていらっしゃるか、再度、確認したいと思います。  それから、きょうのご説明の資料の最後ですが、4の(2)の構造計算書の調査への支援の中で、効果的に活用が図られるようマンション管理組合等へ積極的に周知を行うと。実は去年の姉歯事件があった後に、北海道建築設計事務所協会の相談窓口にも大変な数が殺到しまして、対応できずにパンクした、一度、相談を打ち切ったというケースがございます。積極的な周知と言っても、ある程度、受けるキャパシティーがありますので、この辺はどうなのかということを最後にお聞きしたいと思います。 ◎高崎 建築確認担当部長  財源につきましては、先ほどもご答弁いたしましたけれども、これから関係部局と協議しながら検討してまいることになると思います。  また、周知の方法でございますけれども、現時点では、広報さっぽろとか札幌市のホームページでの掲載を考えておりますが、ほかにも効果的な方法があるのか、検討してまいりたいと考えております。 ◆本郷俊史 委員  簡易な検証は割と数をこなせると思うのです。ですから、詳細な調査に関しては、ルールを決めて、一度にどっと来て対応し切れないということになってもまた困りますから、その辺はぜひ工夫していただきたいと思います。  それから、耐震改修については、現時点で公的な支援は考えていないということです。しかし、先ほどお話ししましたとおり、住んでいらっしゃる方にとっては大変な負担です。最近の建物ですので、入居してまだわずか2年ぐらいではローンもあるし、一時退去しなければならないとか、また、1階の足元だけを補強すればいいということだけではなしに、中間階もということですから、多分、工事の費用については1億円を超えるようなオーダーも考えられますので、このことも含めて、ぜひ検討していただくよう要望して、終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からも、何点か質問したいと思います。  再計算の結果にかかわって、浅沼氏の偽造がなぜ起こったのか明らかにされていく必要がありますが、今回の報告では全く不十分だと思いますので、私は解明の努力を強く求めたいと思います。  質問の第1は、公表についてです。  先ほど来お話がありまして、今回の調査報告では4件において保有水平耐力指数が1.0を下回りました。そういう中で、建築基準法の基準は満たしていたわけですけれども、元請設計者には説明責任が求められているのに、いまだにこれが明らかにされていない、公表するつもりはないという先ほどのご答弁でした。しかし、少なくとも今回明らかになった6件には、元請設計者は何社がかかわっているのかということはご答弁いただけますか。1社とか2社とか、それを聞いておきます。  もう1点は、今後の対応についてです。  今回の報告では、保有水平耐力指数が1.0を下回った物件は4件です。札幌市は、先ほどありましたが、注意書きのところで、限界耐力計算や現地の調査など詳細に検証を行って求めていくとなっています。しかし、この間、姉歯の事件以来、全国で強度不足が明らかになったのに、限界耐力計算で再計算すると1.0を上回るということが起きているのは私も聞いておりますが、さっきの計算ではだめで、今度の計算ではよかったというのは、本当に居住者、市民に混乱を与えていくのではないかと私は疑問に思うのです。ですから、なぜこのようなことを求めるのか。  まず、この2点を聞いておきたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  今回、浅沼建築士が関係した78件にかかわった元請事務所については、前回の委員会でも7社であるとお答えしてございます。また、偽装の疑いのある物件にかかわったものについては6社、今回報告した6件にかかわった元請設計事務所の数は2社ということでございます。  なお、元請設計事務所の公表については、先ほども、ご答弁させていただきましたけれども、現在、北海道において、建築士法上の元請設計事務所の責任について事実関係を調査中であるということで、現時点におきましては北海道の調査に支障を及ぼすおそれがあると考えております。公表時期につきましては、今後、北海道と連携を図りながら検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、耐力不足の物件について、限界耐力計算を求めるのはなぜかということでございます。  許容応力度計算によって検証を行った結果、1.0を下回ったものが4件あるわけでございますが、今後は、国が示している是正フローに基づき、適法になるように指導を行っていくことになります。このフローでは、より詳細な設計手法である限界耐力設計法により、再度、計算を行い、地震に対する保有耐力比が1.0以上となった場合には適法でありまして、1.0を下回った場合には耐震診断を行った上で耐震補強を行うこととなります。このため、現在のところ、限界耐力設計法による再計算を求めることを考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  ただいま、今回の6件については元請設計者が2社かかわっているということでありました。  北海道の調査にも支障を及ぼすということですけれども、国の構造計算偽装問題に関する緊急調査委員会の中間報告では、ただし書きつきですけれども、信頼の回復には、国民に対して常に情報を、適宜、提供していくという姿勢が最も大切であって、迅速に最大限の情報提供を行うべきである、こう言っているのですね。また、姉歯氏のときの国交省や特定行政庁の情報等提供と対比しても、私は、札幌市の対応は本当に遅いというふうに思うのです。  これは、先ほど来、皆さんから求められておりましたので、北海道の調査に支障を来すというふうなご答弁でしたけれども、少なくとも確証が得られたのですから。私は速やかに公表していくということを強く求めておきたいと思います。  次に、保有水平耐力指数が1.0を下回った4件は、今度は、限界耐力計算で再計算すると。そして、国のフローでは、1.0が出たら適法という形になっていくということです。  ただ、私も建築基準法は詳しくはわからないけれども、本当に最低の基準だというふうに言われていますね。そういう中で、今回、強度不足があって、1.0までいっていないものには壁を入れてやったから大丈夫だと。私は、こういうことは本当に許されないことだと思うのです。やっぱり、これを見たとき、実は、国交省に日本構造技術者協会が意見を出しているのですね。限界耐力計算の運用に関する技術的問題として、性急に事を運ぶことは混乱の一因となるということで、そのおそれが強くて奨励すべき方法ではない、採用する場合には審査に当たって慎重を期することを強調すべきである、こう言っているのです。これは、建築基準法の改正のときのことですが、私は、市がわざわざこういうことを求めていく必要はないというふうに思うのです。一度出たものを、再び限界耐力計算でやっていくことはないと思います、その辺はどうなのか、もう一度、伺いたいと思います。  それから、保有水平耐力指数が1.0を下回った4件についてです。  第一義的には売り主に責任を求めています。先ほどの議論の中では、公的支援の対象にならないということでした。しかし、建築確認を行ったのは市であって、私は市の責任は免れないというふうに思うのです。本市の責任をどのように考えて責任を果たそうとしているのか、これを伺います。  また、今回、道から求められている51件についてです。  この51件以外に再点検を行う方針はまだ示されていないですね。居住者の不安を解消するためには、今、書類が保存されている物件についてはすべて再点検していく、私はそれぐらいのことは求められているというふうに思うのですが、どのように対応しようとしているのか、伺いたいと思います。  それから、私は大変心配していることがあります。本市からいただいた資料を見ましたら、新しく平成17年に確認したものに偽造が5件あることがわかりました。これはすべて民間の検査機関です。今、検査して、4月中をめどに報告をというふうなお話もありました。その調査結果はまだ明らかにされていませんが、この物件には、もしかしたらまだ工事中であったり販売中のものがあるのではないかと、私はとても心配しています。せめてこの5件は、入居する前に耐震の再検査を行って不安を取り除くべきではないかというふうに思うのですが、これについてどのように対応しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  限界耐力計算につきましては、私どもで国交省の是正指導のフローに従って指導していくことになりますけれども、全部が全部、限界耐力計算でやるのかといいますと、建物の形態とか構造の種別によって考えていく必要があるのではないかと思います。必ずしも限界耐力だけではなくて、耐震診断に基づく改修の方が早道という場合もあり得るというふうに考えております。  限界耐力計算の関係につきましては、限界耐力計算を行って上がってきたものの検証については、先ほどの伊与部委員の質問にもお答えしましたように、我々で審査することになりますけれども、その審査に当たっては建築防災協会での支援も活用しながら考えていきたいというふうに考えております。  それから、市の責任についてでございます。  売り主責任に対しては、特定行政庁では法的権限について有しているわけではありません。しかしながら、本市としましては、建築主等に対し、マンション居住者購入予定者等への十分な説明や情報提供などを誠実に行うことを求めることによって、少しでも居住者の負担軽減につながることになると考えております。  なお、特定行政庁である札幌市の責任については、最終的には司法の場において個別・具体の事実関係に即して判断されるものと考えております。  それから、北海道の再点検の51件以外に書類が残っているすべての再点検を行わないのかということにつきましては、先ほどご説明申し上げました支援策の中で、構造計算書の調査や再計算について可能な限り対応してまいりたいというふうに考えております。  それから、平成17年に確認したもののうち偽装が5件あるが、この5件については今どうなっているかということでございます。  民間確認検査機関で確認した物件については、現在、それぞれの機関で鋭意検証中でございます。その結果について札幌市に報告がなされることになりますけれども、中には販売を中止したり計画変更を行うなど、物件ごとに対応しているというふうに聞いております。 ◆井上ひさ子 委員  市の責任についてです。  先ほど公的責任の対象にならないというふうなお話しでしたが、マンションに入居されている方はこのような偽造があるということを知ることができないです。今回の確認検査の中でもできなかったわけですからね。そういう中で、住んでいる方々は、今、本当に大変な状況になっています。そして、市の責任は、先ほど司法の場でというふうなことが出ていました。しかし、私は前回も言ったかと思いますが、横浜の司法の中では市の責任がきちんと通っているのです。そういう中では、第一義的には売り主に責任を求めているというふうに言っていますが、私は、市の責任は本当に免れないというふうに思うのです。  それから、平成17年に確認したものについてです。  これについては、今、民間機関で調べて、報告されてから販売中止などになっていくと思うのですが、17年について言えば、書類も残っていますし、販売されているという状況もありますから、本当に早急に手を打ってやっていくべきだと私は思うのです。このことは、強く求めておきたいと思います。  それから次に、再発防止支援策についてです。  支援体制の強化で、構造審査の担当職員を3人ふやしていくことが改めて示されました。お話を聞きますと、これまで、年間600件程度を4人でやっていたと。1人が150件ぐらいにかかわってやっていたということで、大変な状況ですね。この構造審査は、精密審査が2日から3日かかると言われていますので、単にその不足を補うことではだめだというふうに私は思うのです。この中で示されている3人の増員でどのような改善を図ろうとしているのか、また、3人の増員でこれに対応できるというふうに考えているのか、お答えいただきたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  先ほど再発防止策のところでご説明させていただきましたけれども、確認申請時に構造計算書入力データの提出を求めて抽出による再計算をすることも検討しておりますので、これにかかわる業務や中間検査対象建築物の拡大を検討する業務に3名の増員スタッフを充てるということでも考えてございます。通常の審査のほかに、この事件にかかわる検証作業とか、そういった作業も含めて全体の中で対応していくということで今考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  国の構造計算書の偽装問題に関する緊急調査委員会の中間報告を見ましたら、確認検査制度について面接方式での審査を提唱しているのです。今回、3人を増員する対応と説明がありましたけれども、今回の体制強化で、国に先駆けて札幌市でもそういう面接の方式を取り入れてみたらどうかなと思うのですが、この辺のお考えをお伺いします。  それから、構造計算書の抽出による再計算と中間検査対象の拡大です。  私の質問や、15日に日本共産党も申し入れを行って要望したところです。再計算の抽出の仕方や件数はどのように考えているのか。また、中間検査対象拡大で、対象となる建築物の範囲、また、件数はどの程度になるのか、お答えいただきたいと思います。 ◎高崎 建築確認担当部長  3名ふやしたときに、国の法律改正の中で、審査の方法を面接方式でやるということですが、我々がふだんやっております建築確認審査というのはまさに面接方式でございます。特に構造計算におきましては、構造設計者考え方が非常に重要になりますから、何回も繰り返し来ていただき、その中でやっておりまして、実際に今やっているという状況でございます。 ◎三浦 建築指導部長  中間検査の対象の拡大についてですが、これは、先ほどお答えしましたように、現在、国交省の方で法改正が予定されておりまして、その動向を見きわめながら本市としても中間検査の拡大について検討してまいりたいというふうに考えております。 ○坂本恭子 委員長  抽出検査の範囲と件数について答弁漏れがあります。 ◎三浦 建築指導部長  再計算をするには予算が必要となりますことから、補正予算案を提出させていただく際に確定した上でご説明させていただきたいというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  先ほど面接のことで言ったのですが、私が聞き及んでいるところで言えば、市に申請を出すときに、そこでは資料を受け取ってやり、何か問題があったときに面接してこの考え方はどうかと聞いているというふうにお聞きしているのです。ここで言っているのは、やはり、再発防止のためにきちんと面接も取り入れてやっていくと、私はそういうつもりで言ったのです。国もそういう方向で動いていますので、検討してくださることを強く求めておきます。  耐震偽造の場合は、居住者は国の制度で0.5未満しか救済されず、今回のように0.5から1.0のマンションは補強するのに独自の対応が必要になってきます。瑕疵担保責任がある売り主が責任を持って耐震補強など速やかに対処することは当然ですが、倒産したりその力がないということも本当に懸念されます。先ほど来出ておりましたが、国の制度も極めて不十分で、住民が自力で補強工事をやるとしても大変です。ですから、私は、建築確認審査をおろした市の責任は重大であり、市としても独自に補助を検討すべきというふうに考えますが、これは改めて伺っておきます。 ◎三浦 建築指導部長  瑕疵の賠償責任につきましては、一義的には事業者にあるということでございますので、耐震改修、耐震診断については事業者の負担で行われるべきというふうに考えております。  なお、平成18年度から19年度で耐震改修促進計画の策定を予定していますので、耐震改修にかかわる費用補助についてはその中で検討していくことになろうかと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  先ほど来、住民の皆さんにはまだ説明されていないということで、きょうの報告を受けてやるというふうに思います。しかし、末端の管理組合を含めて、業者の説明を求めたり、うちのマンションはどうなのかというふうな中で、今、本当に多くの方々が混乱している状況が続いていると思うのです。やはり、入居者の安全に対する不安はさらに深まっているというふうに私は思います。そういう中で、速やかな公表と、そして、本市独自の支援策も本当にきちんとして、補正を組んでいくというご答弁もありましたが、進めていかれることを強く求めて、終わりたいと思います。
    ◆田中昭男 委員  ちょっとお聞きします。  今後の対応の中で書かれているように、これから、とりあえずこの6件について、建築主あるいはマンションの管理組合の皆さんや入居者の皆さんにお知らせするという動きに入られるわけです。そのときにどういうやりとりになるのかなと思いながら、やりとりを聞かせていただいておりました。  先ほど伊与部委員からの1次計算云々ということも、当然のことながら、恐らくまた質問に出てくるだろうし、あのように答えられるのだなとは思いましたが、ああいうことはとりあえず一番大事なことだというのは私は前から申し上げております。  それはそれでいいのですが、さて、1.0を下回った、0.73から0.77でしたという数字は、恐らくそのときに説明されるけれども、それはどういう意味なのかという質問がすぐに返ってくるじゃないですか。1.0ならどういうことで、0.5未満ならどういうことかというのは前から言われているとおりですが、では、うちのマンションが0.73とか0.77ということになったって、要するにどういうことかと質問がすぐに出るはずだと私は思うのです。そのときに、こういうことですと説明されること、お知らせすることは必要なのじゃないですかということを、私は前からずっと言わせてもらってきたつもりでいるのです。  今回、結果が出ましたから、じゃ、改めて0.73とか0.77とは一体どういう意味なのだという質問が出た場合に、どういうふうに答えられるのですか。答えは出ているかもしれませんが、そのことを改めてお聞きしておきたいということが1点でございます。  それから、2点目は、さっきからもちらっと出ていますが、1.0を下回った4件については、限界耐力計算現地調査など詳細な検証を行うよう求めるという表現になっているのです。これを見ると、札幌市が限界耐力計算現地調査をやるということではないのですね。この表現からいくとね。さっきから出ているから、何となくそういうことだと思うけれども、そこで、改めて確認のためにお聞きするのですが、だれがだれに対して求めるのですかということです。これをはっきりさせてもらいたい。  それから、それは、2についても同じことです。さっきから、マンションの入居者の皆さんに補強工事の費用を出すように求めると。恐らく、入居者の皆さんの負担でということのような感じがしますが、これも確認です。耐震補強等の検討をだれがだれに対して求めるのですか。  この二つをご答弁いただきたい。 ◎三浦 建築指導部長  0.73から0.77という数字はどういう意味を持つかということでございます。  これについては、先ほどの質問の中にもありましたけれども、全体が0.73ということではなくて、部分的にそういう最小値があるという意味でご説明することになるかと思います。しからば、それは、一般的な震度階でどうなのかというようなことかと思います。震度階耐震強度は密接に関係しているわけではございません。それが構造計算上で影響されるということではないですが、一般的なことで、構造設計者からいろいろなお話を伺っている中では0.73から0.77というのは、大体、震度6弱ぐらいの地震については十分に耐えられるというお話は聞いております。  それから、限界耐力計算をだれがだれに対して求めるのかということにつきましては、第一義的にはいわゆる特定行政庁である札幌市が建物の所有者に求めることになりますが、瑕疵担保責任ということがありますので、我々としては最終的には建て主に求めていきたいというふうに考えてございます。  それから、耐震改修が必要になった場合はどうかということですが、これもやはり同じことでございまして、特定行政庁である札幌市が所有者に対して求めることになります。その場合も、民法上の瑕疵担保責任建築主の方に発生いたしますので、我々としては建築主に対しても指導していきたいというふうに考えてございます。 ◆田中昭男 委員  1の限界耐力計算現地調査などの詳細な検討というのは、札幌市が建て主とか所有者に、やられた方がいいですよ、やってみなさいというふうにおっしゃる、こういうことですね。耐震補強工事についても、そういうふうにされた方がいいですよ、しなさいということを所有者皆さんあるいは建て主、売り主に言う、こういうことですね。  そこで、さっきから何回も言われているように、瑕疵担保責任で第一義的には売り主だという中で、第一義的という表現ですが、この形容詞はどこまでの意味があるのかなと思いながらさっきから聞いていました。今言われたことも、所有者皆さんに、もう一回、耐力計算をやられた方がいいですよ、あるいは、補強工事をやられた方がいいですよというふうに、所有者皆さんマンションの入居者の皆さんに言われたときに、マンションの入居者の皆さんが、そうか、わかった、しょうがない、やらなきゃならないというふうにすぐに思うか。一般的には思わないですね。何でおれらが金を出さなけりゃならないんだと。売り主の責任ももちろんあるけれども、確認をおろした札幌市の責任だって、なしとしないのではないかと、当然この論議が出てきます。姉歯事件のときもその論議は随分やられていて、地方自治体だ、それとも国だとか、今もいろいろたらい回しをしてまだ結論が出ていない段階だと私は思っています。当然のことながら、その辺の論議が札幌でも起きますね。そのときに、第一義的な瑕疵担保責任とさっきから言われている部長の答弁の中に、札幌市としては法的な責任の対象にはならないという表現もありました。しかし、最終的には司法の場において判断されるというふうな言い方もされました。この辺は姉歯事件のときもまだ結論が出ていないものだから、多分、そういう表現をされたのかなというふうにも思いながらお聞きをしていました。  ただ、例えば補強工事をやる、あるいは、限界耐力計算をもう一回やり直すための費用をどこで持つかといった問題になったときに、札幌市としては法的な責任はありませんというふうに言われるのですか。 ◎三浦 建築指導部長  札幌市として法的責任がないという意味ではございません。第一義的には、建物についての瑕疵担保責任というのは売り主側あるいは事業者側にあるという中で、例えばその費用については、第一義的には建て主側で出すということが瑕疵担保責任かと思います。札幌市の責任として、確認の瑕疵についてどういう責任があるかということは、まだ判例等がはっきりしておりませんが、最終的には司法の場で判断されることになるのではないか、そういう意味でございます。 ◆田中昭男 委員  そこなのですよ。だから第一義的にはというふうに書いてあるけれども、法律的には、第一義的な責任は建て主にあるなんてことは書いていないですね。第一義的にはという形容詞をつけたのは札幌市の見解としてですよ。瑕疵担保責任があるのは、大体、そういう欠陥物件を売ったのだからということで、その法的な部分はある程度わかります。しかし、第一義的にはとつけたこの意味なのです。そこのところがよくわからない。  そこで、きょうのところは改めて見解を聞くという形にしかならないと思いますが、住民の皆さん、入居者の皆さんに説明されたときに、1.0を下回っています、だから、もう一回、限界耐力計算をやられた方がいいです、費用は皆さんでお持ちになってと、こういう話になったり、耐震補強もやられた方がいいですよ、やりなさいというので、それも皆さんのご費用でということになった場合に、売り主の責任はもちろんだけれども、市の責任だってないわけじゃないではないか、だって、あなたたちが確認申請をおろしたろうと。これは民間確認機関も同じですが、どうしてもそういう話になるときに、それを支援という言葉で言っている。では、支援というのは、どういう根拠で、何に基づいての支援なのだということになります。私は、責任はないけれども、補助は出すという意味での支援というような感じをさっきから受けていました。  どうなのですか。法的責任があるというふうな認識は今お持ちでないのかどうか。そこのところなのですよ。そこを住民の皆さんにどうやって説明されるのか、もう一回、教えてください。 ◎三浦 建築指導部長  法的責任の関係については、最終的には司法の場で判断されると思います。今の段階としては、我々としてさらにこうだとお答えすることはできないというふうに思います。 ◆田中昭男 委員  例えば、建築基準法で、それぞれの地方自治体で確認申請業務をやりなさいということになっているのでしょうね。それは、地方自治体でやりなさいと。最近は民間機関におろしてもいいということにはなっているけれども、そこにエラーが生じた場合の罰則規定なり何なりがないということを根拠にしているのですか。そこの根拠があれば聞きたい。法的責任はないと言っているわけではないけれども、そこのところの根拠規定です。ないとは言い切れないとか、あるとも言えないとか、そこのところの根拠は何に基づいているのか。法律にそういう罰則規定がないからということなら、それも一つの根拠だけれども、そのときにどう言いますか。 ◎田中 都市局長  私も、ここで明確なことはちょっと申し上げられない、それだけの知識もないです。一般的に、確認申請が上がってきたものを審査した上でおろしたという点では、確かに、特定行政庁としての責任の一端は免れない部分があろうかと思います。ただ、それが建物としてつくられ、そこに住まわれる状況になったときの責任の度合いというものをどういう形で判断していくかという部分になりますと、現時点では、私どもにどの程度の責任の度合いがあるのか、割合も含めてですが、それは現状では判断し切れないという部分はあろうかと思います。  そういった意味で、多少、ケース・バイ・ケースになろうかと思いますけれども、行政がどれだけの責任を持つべきかというのは、第三者である司法の立場でということで、先ほど来、部長が申し上げている部分でございます。  ちょっと答弁になっているかどうか、私も自信がございませんが、以上でございます。 ◆田中昭男 委員  ここでやめますが、そこのところは、一般市民の皆さんもそうだし、入居者の皆さんも知りたいところなのだろうと思います。この6件の中の4件の入居者の皆さんについて言えば、そういうことを一番知りたいと思うのです。  ですから、民間確認検査機関もそうですが、第一義的には売り主の責任なのだからと言ったって、売り主は、そんなこと言ったって、札幌市が確認申請をおろしてくれたじゃないかと。そういうことが姉歯事件のときに起きたわけだから、それと同じことが札幌で起きます。だから、そのときにどういうふうにおっしゃるのですか、どういうふうに言うつもりですかというのは、すぐに起きてくる問題ですから、検討されておいた方がいいという言い方もないかもしれませんが、聞かなければならないなということですね。  どこまで責任があるかわかりませんが、司法の場でしか判断できませんからということになれば、開き直った言い方かもしれないけれども、訴えるなら訴えてくださいというふうなことを言っていると、逆に言えばそういうふうにも聞こえてしまいますね。市民の皆さん、入居者の皆さんが一番聞きたいところはそこだと思いますから、その辺は十分にお考えいただいて、ご留意いただいて、そして、それぞれの皆さんにご説明されるように求めて、終わります。 ○坂本恭子 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○坂本恭子 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会します。     ──────────────       閉 会 午後5時28分...