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平成18年第二部予算特別委員会−03月17日-07号
平成18年第一部予算特別委員会−03月17日-07号

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  1. 札幌市議会 2006-03-17
    平成18年第二部予算特別委員会−03月17日-07号


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    平成18年第二部予算特別委員会−03月17日-07号平成18年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第7号)              平成18年(2006年)3月17日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  高 橋   功       副委員長   田 中 昭 男     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  武 市 憲 一       委   員  上瀬戸 正 則     委   員  三 上 洋 右       委   員  宮 村 素 子     委   員  馬 場 泰 年       委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人       委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美       委   員  村 山 秀 哉     委   員  伊与部 敏 雄       委   員  川口谷   正     委   員  大 西 利 夫       委   員  小 野 正 美     委   員  村 上 勝 志       委   員  三 宅 由 美     委   員  藤 川 雅 司       委   員  桑 原   透     委   員  本 郷 俊 史       委   員  三 浦 英 三     委   員  芦 原   進       委   員  阿知良 寛 美     委   員  小 川 勝 美       委   員  井 上 ひさ子
        委   員  坂 本 恭 子       委   員  小 形 香 織     委   員  小 林 郁 子       委   員  坂   ひろみ     委   員  松 浦   忠       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○高橋功 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、長内委員からは、五十嵐委員と交代する旨、届け出がございました。  議事に先立ちまして、委員長からお願いを申し上げます。  ご承知のとおり、本日は、発言の通告が大変多くなってございます。質疑者におかれましては、重複を避け、前置きもできるだけ短く、簡潔に質疑をされますようお願いを申し上げます。また、理事者におかれましても、簡潔な答弁に努めていただいて、効率的な審査にご協力をよろしくお願い申し上げます。  それでは、議事に入ります。  第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行います。 ◆小谷俵藏 委員  私から、農業委員会の活動にかかわることについて質問させていただきます。  農業委員会の使命につきましては、改めて申し上げることもなく、私は大変重要な役割を担っていると感じておりますし、その責務は大変広範に及んでおります。そういう中で、現在、札幌市の農業委員会における活動というものがどのような状況にあるのか、農地の保全はもとより、農業の振興、特に、都市型農業の振興について地域に密着した活動が求められているのではないかと思うところであります。  しかしながら、農業者の高齢化は進む一方であり、札幌市農業委員会が平成15年度に実施された営農実態意向調査の結果では、60歳以上の世帯が80%とお聞きいたしておりまして、離農や経営規模の縮小による遊休農地の増大が大変危惧されているところでございます。  そこで、質問でありますが、1点目として、札幌市内の市街化調整区域における農地面積はどのようになっているのか、また、その中に遊休農地の面積はどの程度あるのか。  2点目として、現在、農業委員会として遊休農地に対してどのような対応をされているのか、お示しいただきたい。 ◎館岡 農業委員会事務局長  1点目の札幌市内の市街化調整区域におきます農地面積でございますが、約2,500ヘクタールの農地が存在しております。また、遊休農地の面積でございますが、平成15年度に農業委員が実施いたしました営農実態意向調査では、約196ヘクタールの遊休農地がございました。この調査結果から、現在はおおむね200ヘクタール前後の遊休農地があるものと推計しております。  2点目の遊休農地への対応でございますが、農業委員は地域の世話役であり、関係団体や事務局と連携を図りながら農地の貸し借りのあっせんに努めるとともに、農務部で取り組んでいる市民農園整備促進事業のPRなども精力的に行っております。  私ども農業委員会にとりまして、遊休農地の問題は、担い手確保とともに重要な課題でありますので、今後も鋭意取り組んでいきたいと考えております。 ◆小谷俵藏 委員  それでは、このことに関して再質問をさせていただきます。  今、札幌市内にはおよそ2,500ヘクタールの農地があって、その中で遊休農地が200ヘクタールぐらいあるであろう、こういうふうに答弁をされましたけれども、私は、200ヘクタールを優に超えた遊休農地があるのではないか、このように感じているところであります。  遊休農地になっている草地は、繁茂や病害虫の発生など近隣の営農地に被害を及ぼすばかりか、まじめに農業を継続しようとしている農家の方の営農意欲にも悪影響を与えていると考えられます。私といたしましても、札幌の農業を持続していく上で、遊休農地の解消及び農地の利用促進は、担い手育成とともに重要な事項であると認識いたしているところであります。  そこで、会長にお伺いいたしますが、遊休農地の実態について、坂田会長はどのように受けとめられているのか、お伺いをいたします。 ◎坂田 農業委員会会長  遊休農地の実態につきましては、それぞれ農家個々の実情があろうかと思いますが、私は、まことに残念であると受けとめております。  私どもといたしましても、地域農業を守っていくため、遊休農地対策を重要課題としてとらえ、農務部と連携を図りながら委員会活動に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆小谷俵藏 委員  今、基本的な考え方を示されましたけれども、もう一度、さらに会長に質問をいたします。  会長も、遊休農地の存在については憂慮しており、遊休農地の解消はなかなか一朝一夕にはいかないということであります。私も、多大な労力と時間を要するのではないかと思うところであります。  札幌市の農業は、市街地の拡大に伴い、農地を転用し、農家の方々も、いずれは市街化にと期待を寄せた時代がずっとございました。しかしながら、こうした昨今の実情の中で、そうした期待はできなくなってきているわけであります。そういったことで、都市計画サイドではいわゆるコンパクトシティーを目指すということで、農地は農地として活用していくほかにはない時代に入ってきている、こういうふうに痛感いたしているところであります。近年、株式会社による農業参入とか、あるいは定年帰農とか、さまざまな担い手参入の考え方がございますが、私は、農地を守る主役は農家だと考えております。  そこで、質問ですが、今後、農業委員会として遊休農地の防止、解消にどのように取り組まれようとしているのか、いま一度、お伺いさせていただきます。 ◎坂田 農業委員会会長  今後、農業委員会として遊休農地の防止・解消策にどのように取り組んでいくかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、遊休農地対策農業委員会の重要課題であると認識しております。  私ども農業委員会は、昨年6月に改選し、現在8期目に入っておりますが、今後3年間の活動計画を去る1月の総会で決定しております。その活動計画においては、農地の遊休化を防止し、優良農地を確保していくことを重要テーマとして掲げ、平成18年度におきましては、遊休農地対策を重点活動に位置づけしております。具体的には、7月から9月にかけて、地区ごとに農業委員が市街化調整区域全域の農地を重点的に現地調査し、耕作状況や遊休農地の現状把握を行うとともに、遊休農地の所有者を訪問し、今後の農地利用意向の聞き取り調査を行います。これらの調査結果を取りまとめて関係機関・団体に情報提供するとともに、担い手の農地利用集積を初め、農務部の遊休農地対策と連携・調整を図りながら、遊休農地の利用促進に向けた活動を展開してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、我々農業委員は、地域と担い手のかけ橋として、また、農業者と農政のかけ橋として、農務部や関係団体と連携強化を図りながら、かけがえのない農地と担い手を守る活動を展開していかなければならないと考えております。 ◆小谷俵藏 委員  それでは、ここで少し申し上げて強く要望させていただきたいと思います。  今、会長からお答えをいただきましたが、農業委員会としても遊休農地の実態を積極的に掌握し、遊休農地の解消に向けた活動をしていきたいということでございます。やはり農務部との連携ということは当然欠かせないことで、そういう意味では、農務部と農業委員会の事務局が合同になったという部分は私も大変評価をいたしているわけであります。  そこで、最後に、改めて要望をさせていただきます。  現在、北海道では、800ヘクタール以上の農地がある市町村では必ず農業委員会を置かなければならないことになっておりますが、昨年12月に国の地方制度調査会から出された答申では、市町村の判断により、設置するか否かを選択できる制度に改正すべきとの意見が出ていたところでありました。現段階では、法改正については見送られているようでございます。  しかし、今まさに、農業委員会の存在や活動内容が大きく問われております。こういう厳しい農業情勢の中で、私は、常々札幌の農業を維持していく上で農業委員会と農務部は車の両輪であるというように考えております。そうした中で、先ほど申し上げましたように、兼務化ということで非常にいい方向にあるわけであります。農業委員会の皆様は、農務部との綿密な日常の連携の中で、札幌市の農業振興に寄与していかなければならない使命があると私は考えているところであります。  最後に、要望を申し上げますが、遊休農地の調査の際には、市街化調整区域の農業者の意向を十分に聞いていただきたい。市街化区域の農業者の方は、みずからの土地を多様に活用していくことがあるわけですが、調整区域は法で縛られているわけでありますから、調整区域を中心として、農業委員会では、それを農政に反映していくパイプ役として十分取り組んでいただきたいと思います。その上で、農務部と連携して農業委員会の活動に積極的に取り組んでいかなければならないであろうと思っております。  私の手元に農業委員会の使命、役割、仕事というのがあって、これは、申し上げるまでもなく、農業委員必携のすばらしいものであります。その中の三つの柱として、農業者の利益代表として、地域の世話役活動、農地行政の適正な執行、そして、3番目に地域農業の構造改革の推進、これがまさに農業委員会としての三つの柱であるわけでございまして、ぜひとも市農務部と積極的に綿密な連携をとって取り組んでいただきたい、こう考えるところでございます。  今、農業は、全国的にも大変疲弊をしております。全道的にも大変な状況にあるわけであります。けさの北海道新聞にも、「ホクレン 生乳1000トン廃棄」「背景に消費低迷」と、これはまた別面でもいろいろ出ておりまして、「牛は蛇口じゃない」、こういうくだりもあるわけであります。これは本当に大変な時代が来たなと思いますし、消費と生産のバランスの関係、それから、農業生産物の低廉さといったことがあります。  私は、今ここで、こうやって坂田農業委員会会長と質疑をさせていただいて、非常に感銘をしております。いつの日か、こういうときが来るのではないかと思っていたことが実現いたしました。どうか、札幌の農業発展のために、そのリーダーとしてしっかりと頑張っていただくことを強く期待して、終わります。 ○高橋功 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構でございます。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆桑原透 委員  私から、高年齢者層の雇用対策についてと雇用推進施策における国との連携についての二つについてお伺いしたいと思います。  まず、高年齢者の雇用対策についてです。  雇用政策は、単なる就業に関することではなく、本市経済の確立、財政の健全化を確保する上で大変大事な政策であります。  しかし、雇用対策に積極的に取り組まれていることは評価しますが、肝心の雇用の受け皿となる企業創立が思うように進んでいないことは、極めて残念なことであります。今日の雇用環境は、全国的に多少上向いているとはいうものの、北海道、とりわけ札幌市におきましては、まだまだ満足できる状況にはほど遠いと言わざるを得ません。雇用対策は、雇用に直接働きかける施策だけではなく、これらとあわせて産業振興策を積極的に展開していくことが求められていると考えるものであります。  そこで、私は、最近の雇用情勢についての認識と札幌市の雇用対策について、数点、質問いたします。  さきの新聞報道では、2007年春の各企業の新卒採用計画については、本州の大手企業では大幅な採用増加を見込んでおり、道内企業においても、流通大手は5割増の採用計画である、あるいは、一部製造業においても団塊の世代の大量退職をにらんで一定数の採用を始めるなどと言われ、大手を中心に改善傾向が広がっていると思います。一方で、団塊の世代の方々が大量に退職されることは、新たな求職者が大幅に増加する状況になるものと思っております。  そこで、質問ですが、全国では雇用環境が改善されてきているようですけれども、北海道や札幌市ではどのような状況になっているのか、まずお伺いいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  札幌市を取り巻く雇用情勢についてでございます。  ハローワークから公表されております雇用情勢札幌の平成18年1月分を見ますと、常用雇用の有効求人倍率は、札幌圏では0.57倍と、前年同月の0.54倍より0.03ポイント上回り、また、北海道全体の0.55倍を0.02ポイント上回っているものの、全国の1.06倍と比べますと依然として大きな開きがございます。これを年齢別の有効求人倍率で見ますと、24歳以下の若年層では0.91倍であるのに対して、55歳以上の高年齢者の有効求人倍率では0.29倍と大変厳しい数値となっております。 ◆桑原透 委員  ただいまの答弁で、札幌市を取り巻く雇用情勢は依然として厳しいとのことであります。  特に、今お話がありました有効求人倍率は、24歳以下の若年層では0.9倍であるのに対し、55歳以上の高年齢者では0.29倍と大変厳しい数値となっています。団塊の世代の退職期を迎え、ますます高年齢者の求職が増大する中で、高年齢者の雇用対策は急務だと思います。  そこで、質問しますが、2006年度においてはどのように対応されようとしているのか、また、シルバー人材センター事業の活用も含めてお伺いいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  平成18年度における高齢者層への雇用対策でございますが、まず、従前から、ハローワークとの連携による高年齢者職業相談室事業を白石区、厚別区、豊平区、手稲区で行っております。また、平成16年10月から、就業サポートセンターにおいて中高年齢者を対象としたセミナー、カウンセリング、職業紹介を組み合わせた再就職支援事業を行っております。平成18年度は、対象人数を、これまでの200名から300名に拡大して実施することとしております。  次に、多様な働き方の支援の一つとして、平成18年度からは、新たに中高年齢者を対象とした起業家講座も予定しております。  なお、委員からご指摘がありましたシルバー人材センターの事業は、会員に臨時的、短期的、あるいは軽易な就業などを通じて社会参加や生きがいとして働く機会を提供するものでございます。働き方のニーズの多様化が進む中で大変意義深いものがあると思っております。したがいまして、今後とも、国との連携を図りながら支援していきたいと思っております。 ◆桑原透 委員  札幌市が取り組んできた高年齢者層への雇用対策については、職業紹介と一体とした支援事業のほか、高年齢者における起業を促進する事業の取り組みについては、評価するとともに、大いに期待をするところでございます。  一方、高齢期を迎えて、個々の労働意欲や体力など、個人に差が拡大し、雇用や就業に対するニーズも多様化する傾向にあります。このため、本人の希望にこたえて働く機会を確保するよう、多様な雇用の機会や就業機会を確保していくことが重要であると考えます。今後とも、事業内容をより一層深めるなどして、さらに多くの高年齢者の方々が就職、就労できるよう多種多様な支援を行っていただくことを要望しておきます。  次に、雇用推進施策における国との連携についてお伺いいたします。  私は、かねてから、雇用対策に取り組むに当たっては、人材を育成することと、求人側と求職側のマッチングを行うこと、この二つのことが肝心であると考えております。そうした観点から、本市の雇用推進施策に関し、国との連携についてお伺いいたします。  さきの2005年第3回定例市議会の決算特別委員会で我が会派の大西委員がお尋ねしたところでありますが、雇用に関連するさまざまな施策は、札幌市が実施して、それで効果が上がるものではなく、国や道、さらには民間などの関係する機関がそれぞれの長所を生かして連携を図りながら取り組んでいくことが、より大きな成果を生み出すものと私は考えております。  そこでまず、先ほど申し上げた人材育成に関して、札幌市や商工会議所などで構成する札幌雇用創造事業推進協議会が実施している地域雇用創造促進事業通称パッケージ事業についてお伺いいたします。  このパッケージ事業は、協議会が提案したIT産業や集客交流産業、またコールセンターに従事する人材の育成事業などを地域産業の活性化につながる有益な事業であると国が認定し、国の財源を活用しながら実施しているものと承知しております。事業規模として2005年度の予算額は1億7,000万円、計画時点での雇用創出効果を年間約900人と見込んでいると聞いております。  そこで、質問ですが、このパッケージ事業にどれだけの方々が参加し、どれだけの方々が就職に結びついたのか、まず、お伺いいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  パッケージ事業への参加者数と就業者数についてですが、パッケージ事業そのものは、昨年9月から事業を開始いたしまして、一部の事業は現在も実施中でございます。したがいまして、いずれも2月末日現在の数値でご報告させていただきます。  まず、高度IT人材の育成強化の事業では、セミナーやインターンシップに474名が参加し、64名が就職しております。また、ホテルや百貨店、小売店、飲食店などの集客交流産業人材育成事業では、セミナーや就職面接会に761人が参加し、45人が就職しております。  次に、ニュービジネスを支える人材の育成強化の事業では、758人が参加し、362人が就職しております。  最後に、小売、サービス産業の高度化を担う人材の育成事業では、466人が参加し、10人が就職しております。  すべての事業を合計いたしますと、参加者数は2,459人で、このうち就職の決まった方は、事業開始から半年間で481人であります。  それぞれの事業を実施した後、就職という成果があらわれるまでに多少の時間差というものがございますので、今後とも、目標とする就職者数を達成できるよう鋭意取り組んでまいりたいと思っております。 ◆桑原透 委員  ただいまの答弁で、就職者数が半年で481人ということは、年間目標の約900人に対して、2月末時点ですが、既に5割を超えているところまで来ているということになるわけです。セミナーや合同企業面接会は、きょう受けたから、あるいは、きょう参加したから、すぐにあすから就職が決まるものではないことについては私も承知しておりますが、今後、さらに多くの方々が希望する職につけるよう引き続きご尽力をいただきたいと思います。  次に、求人側と求職側のマッチングに関しては、国と連携して事業を実施している就業サポートセンターと、昨年、清田区と西区に開設いたしましたジョブガイドについてお伺いいたします。  就業サポートセンターでは、開設以来、ハローワーク民間職業紹介事業者の二者による無料職業紹介や再就職支援事業を実施し、開設からほぼ1年半が経過しております。また、昨年8月22日に清田区と西区に開設した地域職業相談室通称ジョブガイド、これは高年齢者職業相談室として設けていた窓口をハローワークと共同で施設を拡大し、対象とする年齢層の幅を広げ、求人の検索機を増設して新設したとしております。  そこで、質問ですが、まず、就業サポートセンターについて、これまでの来場者数と就職者数はどうなっているのか、お伺いをいたします。  また、ジョブガイドについて、就職者数はどうなっているのか、高年齢者職業相談室であった2004年度と比べてふえているのかどうか、これについてお伺いいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  まず、就業サポートセンターにおける来場者数と就職者数についてでありますが、平成16年10月18日の開設以来の来場者数は、2月末日までで4万6,613人、1日平均で141人となっております。また、サポートセンターが紹介状を発行して就職した方の数は、同じく、開設以来、この2月末日までで1,632人となっております。  次に、ジョブガイドの就職者数についてでありますが、ジョブガイドを開設いたしました昨年8月22日から2月末日までで、ジョブガイド清田においては165人、ジョブガイド西においては218人となっております。  それぞれ前年の同じ期間と比較いたしますと、ジョブガイド清田においては、就職者数が68人増加し、率にいたしますと70%増であります。ジョブガイド西においては、就職者数が75人増加して、率にいたしますと53%の増加となっております。 ◆桑原透 委員  就業サポートセンターと清田区、西区の就職者数について今答弁をいただきました。それぞれの施設を設置した効果は顕著にあらわれていると評価できるのかなというふうに改めて実感をしております。特に、ジョブガイド清田などを設置したことによって、相談者の対象年齢の幅が広がり、どなたでも就職に関する相談ができる体制が整ったこと、また、国の職業紹介機関が所在する地域から離れた地域の住民の方々が就職について相談できる利便性が大きく向上したことは大変喜ばしいことと思っております。  就職相談を利用する方々のニーズはさまざまでありますし、私が住んでおります清田区では、他の区に比べて1人世帯より一般世帯の割合が高いこともあって、主婦の方々がパートで働きたいという声もよく耳にしております。今後とも、そういう声に耳を傾けながら、国などの機関と連携をより一層深めて、さらに多くの方々が就職できるよう引き続き支援を行っていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、若年層の雇用対策について質問いたします。  札幌圏におきます最近の雇用情勢につきましては、先ほど桑原委員の答弁にもありましたように、昨年同月と比べて0.03ポイント改善ということで、若干というか、本当に微々たるものでありますが、改善されています。ただ、全国的に改善が進んでいる状況であることを考えますと、まだまだ厳しい状況にあるというふうに言わざるを得ません。一方、これを若年層に限って見ますと、先ほどもありましたが、24歳以下では0.91倍まで回復しており、北海道の労働局から公表された平成18年1月末現在の新規学校卒業者の職業紹介状況によりますと、この春に卒業する新規高等学校卒業者の就職内定率は63.9%と、昨年同時期と比べて1.5ポイント上回っている状況であります。  先日、新聞にもありましたけれども、北海道の高卒就職者の内定率が全都道府県の中で最低であるという報道もありました。背景には、強い地元志向ということで、就職はしたいけれども、北海道、道外からも求人はふえているけれども、できれば地元に就職したい、ただ、地元の企業はなかなかそこまで回復をしていない状況で、ミスマッチがあるのだろうというふうに思います。  札幌市におきましても、これまで、若年層の雇用の改善に向けて、若年求職者に対するさまざまな就業支援事業を実施してきております。今年度におきましても、緊急雇用創出事業のほか、適職発見講座とか若年層コミュニケーション講座、ビジネスマナー講習会などを開催していることは私も承知しております。  そこで、質問でありますが、これら若年層向けの就業支援事業は、それぞれどのような考え方のもとに実施したのか、まず、1点、お聞きいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  平成17年度の若年層向け就業支援事業の実施の考え方についてであります。  まず、緊急雇用創出事業につきましては、新規の高卒者等に緊急的な雇用の場を提供するとともに、市職員の事務補助などの仕事を通じて社会人としての基礎的な素養を身につけていただくために実施したところでございます。  また、適職発見講座につきましては、35歳未満の求職者を対象に、自分の適性やつきたい仕事を見つけて、就職に向けて前向きな意識や自信を身につけていただくために実施したところであります。  次に、ビジネスマナー講座につきましては、就職が内定している18歳から21歳の方を対象に、敬語や電話の対応などの社会人としての基礎知識や会食のマナーを身につけていただくために実施したところであります。  さらに、コミュニケーション講座につきましては、コミュニケーション能力が企業が若者に求める基礎能力の一つであるという認識から、こういう能力を習得していただくことが職場内での円滑な人間関係を築き、職場定着を促進するとの観点に立って現在実施しているところであります。  そのほかにも、若年求職者と企業が直接面談する機会として、国や北海道と連携して、学生就職フェア、若年就職フェア、新規学校卒業者就職面接会などを実施してまいりました。 ◆阿知良寛美 委員  さて、平成18年度の予算に計上された若年層向けの事業を見てみますと、若年層の就業支援事業につきましては、17年度とほぼ同額の予算が計上されております。一方、昨年まで実施してまいりました緊急雇用創出事業がなくなり、これにかわって若年層の就業体験支援事業が新たに盛り込まれていることが目を引きます。  我が党でも、これまで、若年層の失業対策をマニフェストに掲げて、若年失業者等の増加傾向を転換させるべく、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005に基づいて、若者自立・挑戦戦略会議が策定した若者の自立・挑戦のためのアクションプランの強化、推進に取り組んできているところであります。  また、我が会派におきましても、平成18年度の予算編成に向けましては、重点要望の一つとして、就業意識の向上のためにインターンシップ制度の拡充とともに、参加企業の増加を図ることと要望したところでもあり、このたびの若年層就業体験支援事業は私どもの意図するところというふうに思うのであります。  現在、新規学卒者の雇用状況が好転してきている中で、平成14年度から4年間続けてきた緊急雇用創出事業については17年度限りと思います。  そこで、質問ですが、この若年層の就業体験支援事業は、どのような考え方のもと、どのような内容で実施していこうとされているのか、お伺いいたします。 ◎樋口 雇用推進部長  若年層就業体験支援事業の考え方とその内容についてのご質問であります。
     委員ご指摘のとおり、就職内定率も上昇して新規高卒者などを取り巻く雇用情勢は改善してきておりますので、緊急雇用創出事業につきましては一定の役割を果たしたものと考えております。一方で、新規高卒者の在職期間別離職率というものを見ますと、平成15年3月卒業者の場合、就職後、1年以内で離職する人の割合は、全国では25.0%ですが、札幌圏では35.4%と、全国を10ポイント以上上回っております。この早期離職ということは、若年層の雇用において大きな問題の一つであると考えております。  こうしたことから、学生と職業人とのギャップや業種や職種に対して抱いている印象と、実際に働くこととのギャップを埋めるための取り組みが必要と考え、就業体験を柱にした若年層就業体験支援事業を実施することにしたものであります。この事業では、緊急雇用創出事業に比べて、対象者を新規学卒者から早期離職者を含めた35歳未満の若年者に広げるとともに、いろいろな業種や職種を経験できるよう、市が直接雇用することに変えまして、民間企業や市の出資団体での就業体験を提供することといたしました。  次に、事業の内容ですが、若年求職者を対象に就業体験の参加者を募集し、1週間から10日程度の就業体験をしていただくとともに、就業体験前にコミュニケーションやビジネスマナーに関するセミナー等、カウンセリングを実施し、また、体験後にもカウンセリングを行って、その後の円滑な就職活動につなげていこうというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  確かに、若年就業者の早期離職という非常に大きな問題があるというふうに思っております。就業体験を通じて就業意識を啓発し、社会人として、また職業人として働いていくための意欲や能力の向上を支援していただくことは大変意義が大きい、このように思います。先ほどお話がありましたように、1週間から10日間という短い期間ではありますが、いろいろな業種や職種がある民間企業の協力も得た中で就業を体験できる機会があるということは、就職に自信をなくしている若者や、どんな仕事が合っているか、このように探している若者にとっては大きな力となることと思います。  一方で、これらの就業体験を受け入れる企業にとっては、通常の業務を行っているわけですから、その職場の中に業務を知らない若者が入ってくるというふうになりますので、これは、ある意味ではその企業にとっては負担ということにもなるわけであります。したがいまして、就業体験を進めていくに当たっては、受け入れる側となる企業への支援も欠かせないものであるというふうに思います。  そこで、質問でありますが、若年層の就業体験支援事業においては、企業への支援についてどう取り組んでいこうとされるのか、お伺いします。 ◎樋口 雇用推進部長  若年層就業体験支援事業における企業への支援についてのご質問でありますが、就業体験を行うに当たりましては、まず、若年層を受け入れてくれる企業の開拓というのが必要となってまいります。  委員ご指摘のとおり、この場合、受け入れ企業では、受け入れた若者を指導するための人員が必要になるなど負担が生じますことから、その負担を軽減するために、カリキュラムの作成やコーチングの方法など企業の受け入れ態勢づくりを支援するアドバイザーを派遣することを予定しており、また、受け入れに伴う資料代などの実費の一部を負担することについても検討してまいりたいと考えております。  こうした支援を通じまして、より多くの企業が体験希望者を受け入れていただけるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望をさせていただきます。  最近、企業の採用意欲が非常に高まってきているというふうにお伺いしております。特に、15歳から24歳の若者の失業率は、ことしの1月ですが、7.8%と、全世代の平均4.5%と比べて高い水準にあります。これは、一つは、仕事はあるにもかかわらず、仕事につかない若者が多いということでもあり、このような求人と求職とのミスマッチを防ぐためには、就職活動を目前に控えてから、働く意味や自分のやりたい仕事、キャリア形式を考え始めるのではなく、なぜ人は働くのか、世の中にどんな仕事があり、その仕事につくためにはどうしたらいいのかといったことを小学生のころから考えることができるような取り組み、職業観、仕事観を育てる教育が求められてきていると思います。そういう面では、教育委員会とも協議して、ぜひ、こういった取り組みも進めていただきたい、このように思います。  また、先ほどの質問に対して、体験を希望する若者たちがいろいろな職業や職種で就業体験ができるよう、先ほど答弁をしていただいた支援についてはぜひとも行っていただきたいというふうに思います。  早期離職を経験している若者たちの多くは、決して働く意欲がないわけではなくて、働く意欲はあるのに、何かの拍子で自信を失ったりがっかりしてしまったり、そういうことだろうというふうに私は思います。そういう面では、この就業体験支援事業は、そうした若者の背中を押してあげる取り組みでありますし、こうした体験は若者が生き生きと働いていくためのきっかけとなり得ますので、ぜひ今後も続けて努力をしていただくことをお願いしまして、私の質問といたします。 ○高橋功 委員長  以上で、第1項 労働費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆藤川雅司 委員  私は、デジタルコンテンツ産業振興策についてお伺いいたします。  この件につきましては、昨年、第3回定例市議会決算特別委員会におきまして、私は、デジタルコンテンツ産業を札幌の新産業として育てて確立させていく、そのための今後の取り組みについて質問をしたところですが、今定例会の代表質問の答弁で、市長は、デジタルコンテンツ産業を含む札幌市のIT関連産業を10年後に1兆円の産業規模に育成する考えを示したところであります。  そこで、質問でありますが、この中で、特にデジタルコンテンツ産業の現状をどのように認識し、10年後の目標をどの程度に設定しているのか、まず、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  デジタルコンテンツ産業の現状と10年後の目標についてでございますけれども、まず、現状につきましては、先ごろ北海道経済産業局が発表しました北海道におけるコンテンツビジネス振興戦略の中間報告におきまして、2000年の北海道のコンテンツビジネスの生産額を2,307億円と推計しており、また、5年後の2010年の目標を4,000億円に設定しているところでございます。  このうち、札幌市について見ますと、IT産業の道内に占める本市のシェアが約85%でありますことから、コンテンツ産業についても同様の状況として推計いたしますと、2000年では約2,000億円となりますし、本市の2010年の目標としては3,400億円と考えているところでございます。さらに、今後10年間には、インターネットを媒体としたコンテンツの配信の増加、それから、地上波デジタル放送の普及による映像、音楽コンテンツの需要の拡大が飛躍的に見込まれますことから、本市が掲げたIT関連産業を10年後に1兆円規模へと育成する目標の半分程度は、いわゆるデジタルコンテンツ産業が担うものというふうに推計いたしたところでございます。 ◆藤川雅司 委員  デジタルコンテンツ産業を札幌市の大きな産業と位置づけている、こういうことがわかりました。  そこで、ソフトウエアの開発を中心としたIT産業ですが、札幌市は、財団法人札幌エレクトロニクスセンターを立ち上げまして、ここを仲立ちとして北海道大学の工学部を初めとする、いわゆる学問の学ですが、学が持つシーズと産業界が持つニーズをうまく融合させた産学官の連携による効果が今日のIT産業の発展につながっていると考えております。これは、デジタルコンテンツ産業についても同様のことが言えるというふうに思うわけでありまして、4月に開学をいたします市立大学、そしてICC、インタークロス・クリエイティブ・センター、そして、デジタルコンテンツ産業のマーケットとして、ことし、市が開催の準備を進めています札幌国際短編映画祭、これなどが有機的に連携されていくことがまさに重要であると考えるわけであります。  ICCは、これまでも、クリエーターの人材育成やネットワークの推進などを中心に進めてきたというふうに思いますけれども、デジタルコンテンツ産業を本市の中心的な産業に育成するためには、産学官連携の中心となるプラスアルファの機能が必要ではないかと思うわけでありまして、ICCにおける機能強化についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  デジタル創造プラザ、通称ICCと呼んでございますけれども、その機能強化についてでございます。  今後、デジタルコンテンツ産業を本市の中心的産業に育成していくためには、顧客のニーズを把握しまして、クリエーターがつくり出す作品、いわゆるコンテンツでございますけれども、これを発表、販売していくためのプロデューサーの存在が重要となります。プロデューサーを育成、誘致するためには、市内にプロデューサーが活躍できるビジネスの場づくりを進めることが必要となってまいります。  したがいまして、これまでのデジタル創造プラザでは、人材育成やネットワーク形成など、クリエーターに対する支援を中心に事業を展開してまいりましたが、今後は、コンテンツ産業の源となります知的財産の評価、管理、クリエーター等著作者の権利保護、それから、プロモーションや取引を行う場所となる札幌独自のコンテンツ市場の形成など、プロデュース機能の支援強化について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆藤川雅司 委員  今、答弁にもありましたが、デジタルコンテンツ産業を初め、いわゆる知的財産ビジネスを推進していく、そのためには、ICCの機能強化という産業政策にとどまらず、都市としての知的財産の源となります創造性、アイデアといったものを対外的に発信していくことが重要であるのではないかと考えるわけであります。つまり、産業振興施策だけではなくて、文化振興施策も含めまして、札幌市の街づくり全体の中での取り組みが必要ではないかと思うわけであります。  今月4日に開催されたクリエイティブ・カンバセーション2006の中で、市長が創造都市の実現に向けて、sapporo ideas city、創造都市さっぽろ宣言を行いました。しかし、こういった取り組みはまだ始まったばかりということで、当然ではありますけれども、まだまだ全庁的な取り組みには至っていないのではないかというふうに感じます。  そこで、質問でありますけれども、こうした創造都市という都市イメージを宣言する意図と、それから、今後、具体的にどのような取り組みを進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  創造都市さっぽろ、sapporo ideas cityと呼んでおりますけれども、この事業につきましては、芸術・文化を資源とした産業振興や街づくりを進めるための新たな都市イメージをつくっていこうというものでございます。このイメージ形成を具体的に進めるためには、私ども経済局のほか、市民まちづくり局、観光文化局、そして開学します札幌市立大学など、庁内関連部局による横断的な検討委員会を設置しまして、創造都市にかかわる調査研究を行うほか、企業や市民とのネットワークにより、それぞれが持つアイデアについても創造都市のイメージ形成に取り入れてまいりたいというふうに考えてございます。  具体的には、札幌における創造都市づくりに向けた取り組みを国内外に広くPRするとともに、創造都市づくりにかかわる活動の成果や課題を共有し、他の都市や地域における取り組みを知る機会として、先ほどもお話がありましたクリエイティブ・カンバセーションを引き続き開催していくことにいたしたいというふうに考えております。 ◆藤川雅司 委員  最後に、要望にしたいというふうに思います。  まず、今説明がありました創造都市さっぽろ宣言は、さまざまな市民といいましょうか、企業も含めて、アイデアを産業ビジネスにつなげていこう、こういったことが底流にあるのではないかというふうに理解をしております。  しかし一方で、札幌の市立高専の卒業生が市内に就職する率というのは余り高くない、こういった状況について、私は3定の決算特別委員会で数字も示して紹介をいたしました。さらに、この4月には市立大学が開学になりまして、デザイン学部など、人材の育成を行う、こういったことでスタートするわけであります。特に、高専の卒業生あるいは市立大学の卒業生も4年後には出てくるわけでありまして、そういった人材を地元の札幌で生かす、そのことが何よりも重要だというふうに思います。そのために、デジタルコンテンツ産業などを育成していく、それが経済の活性化につながり、働く場、雇用の場が生まれる、そして人材の流出を防ぐ、こういうことになるというふうに思います。  3日ほど前の北海道新聞にも紹介されておりました、ことし9月に予定している初めての国際短編映画祭は、予想の3倍を超える650件もの応募があるといったことで非常に期待をしているわけでありますが、こういった活動がビジネスにつながっていくように、その成功に向けて札幌市としての取り組みの強化を要望しておきたいと思います。  さらに、経済局だけではなくて、札幌市全体としての取り組みが必要ではないかというふうに思っております。市立大学との連携もそうですし、あるいは、物づくりをやっておられる部門、あるいは街づくりをやっている部門、それぞれが札幌市全体として都市イメージを形成していく、そのことが必要だというふうに思いますので、庁内連携もしっかりと行い、市長の強力なリーダーシップのもとに創造都市の実現に向けた取り組みを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆芦原進 委員  私からは、ベンチャー支援事業の投資ファンドについてお伺いいたします。  昨年の第3回定例市議会決算特別委員会におきまして、私の方から、ベンチャー支援事業について質問をさせていただきました。そのとき創業支援と札幌元気ファンドについて答弁をいただきましたが、それに対して、このような事業が本市の産業をリードしていく企業を生み出す起爆剤となるよう積極的な事業展開を図っていただきたい旨の要望をいたしました。特に、元気ファンドは、株式上場につながるような成長性を有するベンチャー企業の資金調達を支援する大変に意義あるものであるから、私も大変注目をしているところであります。  このところ、景気の状況は、2002年に始まった景気の拡大が4年を経過し、4年9カ月に及んだ戦後最長のいざなぎ景気、4年3カ月のバブル景気に続いて戦後3番目の長さとなっているとの見方もあります。さらにまた、この状況が11月まで続きますと、戦後の新記録が樹立されるというような見方もあります。  今回の景気の特徴は、公共事業抑制の中で企業部門の好調さが家計部門へ波及し、民需景気に支えられている景気拡大とのことですが、北海道ではまだまだ公共事業への依存度が高い傾向にあり、第3次産業に偏った産業構造で、製造を中心とした今回の景気拡大の影響を受けづらいなどの理由により、この景気拡大の長期化の実感が乏しく、景気の波は道外との地域格差も広がっているのではないかと思っております。こうしたときだからこそ、私は、株式上場を目指すベンチャー企業を輩出し、育成していく振興策が有効なわけであり、地域経済の活性化にもつながると思うのであります。  そこで、2点、質問をさせていただきます。  1点目は、札幌元気ファンドは昨年5月の設立から約10カ月間が経過し、投資先も定まったと聞いております。現在の実績や今後の見通しはどのようになっているか、お伺いいたします。  次に、2点目ですが、この元気ファンドは、全国の市町村に先駆けて設立した地域密着型投資ファンドであり、本市がベンチャー支援に積極的なことを大きくPRする絶好の事業だと思っておりますが、この設立によって生まれた効果があればお示しをしていただきたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  まず、1点目の札幌元気ファンドの実績と今後の見通しについてでございます。  札幌元気ファンドの実績につきましては、昨年5月の設立以来、ファンドの管理運営機関が投資先の掘り起こしや投資、経営支援などを行っており、現在までで3社に合計で約6,500万円を投資したと伺っております。  また、今後の見通しについてでございますが、このファンドの存続期間は10年となっており、最初の5年間を投資期間、残りの5年間を投資先企業に対する経営支援期間と考えておりましたけれども、現在、投資並びに投資先の掘り起こしが予想以上に順調に進んでいる状況でございまして、このままで推移いたしますと、5年間の投資期間が相当前倒しになるのではないかという見通しであると伺っているところでございます。  次に、2点目の設立の効果についてでございます。  札幌のベンチャー企業に詳しい地場のファンド運営機関が主体となって投資いたしておりますことから、呼び水効果としまして、道内外の投資ファンドから協調融資の引き合いも多くなってきているところでございます。投資実績の3社に対しましては、現在、札幌元気ファンド以外に総額約2億円が協調で融資されてございますが、そのうち、約1億円は道外のファンドからの投資であり、地元ベンチャー企業の事業活動に道外からの資金を獲得できる効果が出ているというふうに考えているところでございます。 ◆芦原進 委員  再質問をさせていただきます。  元気ファンドの設立により、その効果として、いわゆる道内外の資金獲得の呼び水になったというお話がありましたし、市内のベンチャー企業の資金調達の一助になっていることは、それらの資金が新製品開発や設備投資などに使われ、地域に循環し、地域の企業がその恩恵を受けるという意味で、本市の経済にとりましても大変に喜ばしいことであると思います。今後も有望な企業への投資が行われ、市内ベンチャー企業の発展に期待するところであります。  一方、私は、元気ファンドが投資対象とする株式上場につながるような有望ベンチャー企業のみならず、株式上場に頼らないで安定した経営を目指す本市の中小企業が、融資以外の方法により資金を調達する仕組みがあってもいいのではないかと考えております。  そんな中で、平成18年度中に新たなファンド、これは、仮称札幌元気2号ファンドと呼ばれるそうでありまして、仮面ライダー2号のような名前になっておりますが、このようなものを設立するとのことであります。  そこで、前のものと今回と二つできますので、1号と2号ということでやらせていただきたいと思いますが、2点、質問させていただきます。  先ほどの答弁で、既に投資されているのは3社で約6,500万円とのことでした。これは1号でありますが、このファンドの投資がすべて終わっていない中で、次のファンド、仮称札幌元気2号ファンドを設立する意味があるかどうかについてお伺いいたします。  言いかえますと、新たな仮称札幌元気2号ファンドは、元気ファンド1号とどう違うのでしょうか。  2点目の質問ですが、新たなファンドのスキーム、枠組みはどのようなものを考えておられるか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  1点目の札幌元気ファンドとの違いでございます。  札幌元気ファンドにつきましては、ご質問の中で触れられておりましたように、株式上場につながるような成長企業を有するベンチャー企業の資金調達を支援するものでございます。  しかしながら、市内企業の大宗を占め、本市経済を支えている中小企業の経営者の皆さんの中には、業績に比して資本が過少なため融資が受けられず、投資という支援を望むものの、株主が不特定多数になることによるリスクを考慮しまして、株式上場を好まない企業も多いというふうにお聞きいたしております。  したがいまして、今回のファンドにつきましては、札幌元気ファンドの対象外となっております株式上場を目指さない中小企業を主な対象としている点が大きな違いとなってございます。  次に、2点目の新たなファンドのスキーム、枠組みについてでございます。  札幌元気ファンドは、財団法人さっぽろ産業振興財団と独立行政法人中小企業基盤整備機構の公的な2機関でファンド規模の半分を出資しておりましたけれども、今回は、より民間資金を活用したファンドにすべく、民間の出資割合を大幅にふやしたいというふうに考えているところでございます。  なお、規模につきましては、札幌元気ファンドと合わせて10億円以上になるよう関係金融機関などと調整していくことにいたしております。 ◆芦原進 委員  最後は、要望でございます。  元気ファンドの実績や効果、そして、元気ファンドと新たな仮称札幌元気2号ファンドの違いやスキームについてはよくわかりました。  本市の経済情勢は、少しですけれども、持ち直しの光が差し込んできたかと思います。しかし、全国的に見ますと、きょうの春の陽気のように、こういうさんさんとした光はまだまだ注いできておりません。ぜひ、中小企業の支援機関であるさっぽろ産業振興財団を中心としまして、新たなファンドを地域金融機関と共同で効率的に運用しながら、多くの中小企業を支援し、実効的なファンドになるよう努力をしていただきたいことを要望し、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私からは、三つのテーマで質問させていただきたいと思います。  一つは、コミュニティ型建設業創出事業についてです。二つ目は、雇用創出型ニュービジネス立地促進事業について、それから、本市の商店街活性化支援について、この3点の質問をさせていただきます。  まず、コミュニティ型建設業創出事業についてです。  これは、2004年度にモデル事業として開始され、今年度が2年目ということで経過をしております。新まちづくり計画の中で位置づけられているわけですが、今年度は2年目ということもありまして、雪のない時期におけるビジネスモデルとして検証を行っていこうということで取り組みが行われておりました。  昨年7月から12月までの6カ月間、四つの区において五つの企業グループがコミュニティ型の事業を実施しましたけれども、この事業を実施して、今年度はどのようなことが明らかになったのか、そしてまた、その結果をどのように評価していらっしゃるのか、まず、この点について伺いたいと思います。  それから、雇用創出型ニュービジネス立地促進事業についてです。  本市では、2000年度から補助金制度を立ち上げて、コールセンターの誘致ということで取り組んできたと記憶しております。2004年度からは事務処理拠点の誘致を加えて、多様な雇用機会の創出、企業の誘致に取り組む、そういうスタンスで来ているというふうに思っております。2006年度は、雇用創出型ニュービジネス立地促進事業費として1億6,110万円が計上されております。この事業の具体的な内容と、これまで、2000年度から6年間の取り組みの成果と効果を改めてお聞かせいただきたいと思います。  それから、3点目は、商店街活性化支援についてです。  2006年度の事業として新たに地域商業活性化支援事業というのがありますが、これは、従来のトータルサポート支援事業、チャレンジプロジェクト事業、さらにコミュニケーションづくり支援事業、この三つの事業を統合して一つの事業としたということで、新年度予算の説明の中などでも説明を受けております。そこで、一つの事業に統合した理由、ねらいと申しますか、それについて改めてお聞かせいただきたいと思います。  それからまた、この事業の中で新たに商店街活性化支援モデル事業というものを実施することになっていますが、この事業の目的と内容についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  最初に、コミュニティ型建設業創出事業についてお答えいたします。  まず、平成17年度の実施結果についてでございますけれども、6カ月間の受注実績は、16年度からの継続2企業グループと17年度の新規の3企業グループを合わせた五つのグループの合計で、件数では192件、受注金額では5,200万円余となってございます。継続グループと新規のグループでは差がありますが、1グループ平均では1,040万円余となってございます。平成16年度の実施期間は4カ月ですので、期間の差異はございますが、16年度の1グループ当たりの平均が520万円余でございましたので、約倍の受注額となっているところでございます。また、受注分野につきましても、住設機器関連工事や内装、リフォーム、除排雪などのほか、防災や防犯など幅広い分野に及んでいるところでございます。  利用者の皆さんの反応につきましては、地元の企業なので安心して頼める、金額は安くはなかったが、内容的には十分満足しているなど、安心感を重視する意見が多く聞かれているところでございます。  また、参画企業の声といたしましては、お客様は、どこに頼んだらよいか困っていることがよくわかったということと、信頼を得るためには長い時間がかかるが、今後につながる事業だと思うということなど、肯定的な意見をいただいているところでございます。  これらのことから、評価といたしましては、住民に浸透するまでにはなお一定の時間を要するものの、ビジネスモデルとしての有効性、住民ニーズに対応した地域密着型のビジネス展開の可能性が通年で明らかになったものと考えております。引き続き、住民に信頼される仕組みづくりについて取り組んでまいりたいと思っております。  次に、二つ目は、雇用創出型ニュービジネス立地促進事業についてでございます。  まず、具体的な事業内容につきましては、立地に当たっての支援として、人件費、賃借料や研修費への助成制度の充実を図るとともに、ビジネス関連展示会への出展、ダイレクトメールの発送などを通じて広く本市の優位性をPRするとともに、北海道や本市の東京事務所とも連携しながら積極的な企業誘致に努めているところでございます。また、就職セミナー、合同企業説明会などを開催しまして、求職者と企業の採用支援を行うほか、既に勤めている従業者に対してもスキルアップ研修を開催するなど、人材育成に向けた取り組みを行ってきているところでございます。  次に、誘致の実績についてでございます。  平成11年度から現在まで、コールセンターなど34社が本市に進出し、約5,000名を超える新規の雇用が創出されたものと把握しているところでございます。また、誘致に伴う効果につきましては、雇用機会の創出、市民税等の税収効果や相当面積のオフィス需要など、各般にわたる効果が生じてきておりまして、本市にとりましても大きな経済効果があるものと認識しております。  次に、地域商業活性化支援策についてでございます。  まず、従来の3事業を統合した理由につきましては、予算面や制度面で一層の弾力的かつ効率的な執行を図りながら、引き続き、地域商店街の活性化に向けた自発的な取り組みを支援するために統合したものでございます。  また、商店街活性化支援モデル事業につきましては、商店街が主体となりまして、防犯、環境、子育て支援などの今日的な地域課題に取り組みながら、あわせて、商店街の活性化を目指すことを目的に、他の商店街のモデルになるような取り組み事例について要する経費の一部を助成するものでございまして、商店街の皆様のアイデアをスムーズに実行に移せるように、補助率や限度額について従来の事業よりも支援内容を充実しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  コミュニティ型建設業創出事業ですけれども、通年の事業確保もできるのではないかということで、モデルの有効性、住民とのニーズの調整でもマッチングするのではないかというお話だったと思います。  これまでの事業では、企業の側からも、利用する地域の皆さんからの声でも共通していると思うのですが、どこに相談をしたらいいのかわからない、そういうことについて住民も悩んでいたし、企業の側でもお客さんがそういうふうに思っていることを実感したというようなお話も答弁の中で具体的に出ておりました。いわゆるコーディネート組織というものが企業グループの中にあって、そういう機能をあわせ持っているということですから、住民から見ると、企業に直接相談するような形に近い状態なのではないかというふうに思っております。  この事業がより住民に信頼されていくためには、コーディネート組織のあり方、機能の強化を図っていく必要があるのではないかと思っておりますけれども、それをどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。  企業グループの参入のあり方についても、地域密着型事業に参入する意思と意欲を持った建設業等がより幅広く事業に参入できる仕組みをつくっていく、これが、今、大変苦しい状況の中で頑張っている地元の中小建設業の支援にもつながるというふうに考えます。これらの点を踏まえて、2006年度は具体的にどのようなコミュニティ型建設業創出事業を展開しようとしているのか、この点について伺いたいと思います。  それから、雇用創出型ニュービジネスの方ですけれども、雇用効果について、それから経済効果についても、この6年間の中で大変いい感触を得ているというか、伸びてきているというご答弁だったかと思います。それだけの税金を投入して雇用効果、経済効果を生み出してきているわけですから、これからもさらに拡張していくということになれば、問われてくるのは質の問題であろうというふうに思っています。  先ほど来、労働費のところでいろいろな就労支援のことが出されておりましたが、今、北海道にある有能な人材をさらに育成して企業に雇用を確保してもらう流れをつくっていかなければならないと思うのです。先ほどの部長のご答弁の中で、人材育成に向けて企業説明あるいはセミナーを開催しているというお話がありましたので、その内容はどのようなものを行っているのか、それから、セミナーなどを行った実績はどのようになっているのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。  あわせて、事業者、企業の側ですけれども、コールセンターを中心に、一たんこちらに進出してきて、さらに体制を強化するというか、増設する企業も出てきていて、おおむね好評なのかなというふうに思いますが、企業の側、事業者の側にとって札幌の労働市場にそういう魅力があるのかどうか、どういう評価を得ているのか、この点を伺います。  それから、もう1点は、労働条件の質の問題だというふうに思います。  この間、コールセンターなどでは、パートの社員、契約社員とか派遣社員という形で、正社員の確保がなかなか進んでいない実態があると私どもも指摘をしてまいりました。また、労働保険には入っていても、いわゆる社会保険には入っていない企業がある中で、低い人件費で働いているような実態もあるのではないか、労働強化につながっている状態があるのではないか、こういうことも指摘してきましたが、こういう実態をどのように把握されているのか、この間の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。  それから、商店街の活性化支援について、新年度の事業に関するお話がいろいろありました。商店街の自発的な活動の支援をしていく、そして、魅力ある商店街づくりといったところで行政としてもかかわっていきたいというお話だったと思うのです。  私のいる北区商店街振興会は、さまざまな取り組みを行っております。昨年のトータルサポートとかチャレンジプロジェクト事業などでも、例えば、北24条でのスローライフの取り組み、麻生の亜麻の活動など、商店街の皆さんが中心になって地域の方々とともに地域を活性化させるためのいろいろな取り組みをしてきています。私の住んでいるあいの里もそうですが、新琴似とか新川でも、商店街が中心になって地域のお祭りを盛り上げていくというように重要な役割を担っています。  しかし、そういうふうに商店街の皆さんが本当に一致団結して頑張っている姿を見るにつけ、一方で、消費活動が低迷している中で商店街がなかなか元気になっていかない実態もあると思うのです。もちろん、自発的な活動を支えていくという視点は大事ですし、そういう意味での意欲をつくっていくことが求められていくというふうには思うのです。ただ、北区では、区商連の方で毎年勉強会をやっていて、私たち北区の議員はみんなそれに参加していますが、近年、商店街活動に参加しない個店、商店がふえている、商工会自体の加盟店が減っているという問題が出されています。特に全国にチェーン展開しているコンビニとか、そういうところが商店街活動に参加しないということが言われております。いただいた資料では、札幌市では、コンビニで加入しているのが全体の48%、それから、ファストフードとかファミリーレストランなどでは55%の加入率ですが、こういうところがネックになって地域の皆さんと一体化した商店街活動がなかなかできないという悩みも持っています。
     東京都の世田谷区で始まって、今、都内で13区ですか、政令市ではまだ取り組みがないと聞いていますけれども、商店街への加入を促進するための条例、世田谷区では産業振興条例と言っていると思いますが、その中で、商店街に加入を促進させるような動機づけを図っている取り組みがあります。区商連からも、こういう条例制定に向けて札幌市も取り組んでいってほしいという要望が上がっていると思うのですが、条例の制定についてどういうご見解をお持ちなのか、条例制定をしていくというお考えがあるのかどうか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  まず、コミュニティ型建設業創出事業の平成18年度の具体的な内容についてでございます。  委員ご指摘のように、コーディネーター組織のあり方と企業グループの参画の方法につきましては、これまでの方法から一歩進める必要があるというふうに考えているところでございます。  具体的には、より住民の側に立ったコーディネートを行うことが地域住民の信頼を高めるものと考えておりますことから、平成18年度におきましては、企業グループからコーディネーター組織を独立させ、企業グループばかりではなく、コーディネーター組織も公募することとし、コーディネーター業務にかかわる人件費、事務所経費、広報経費などに対して一定割合を助成する方法に改めたいというふうに考えてございます。  また、企業グループにつきましても、今年度は東区では複数の企業グループが参画いたしましたけれども、住民の選択肢をふやすとともに、企業グループ間における適正な競争環境を築きながら住民本位のサービスを提供していただくために、一つのコーディネーター組織のもとに複数の企業グループが参加できる方法に改めたいというふうに考えているところでございます。  なお、実施期間と実施エリア数については、なるべく通年実施に近づけるために来年は9カ月の実施をしたいというふうに考えてございます。エリア数につきましても、コーディネーター組織や企業グループの応募状況にもよりますが、5区程度で実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。  続きまして、雇用創出型ニュービジネス立地促進事業についてでございます。  まず、1点目の人材育成事業の実績でございますが、本年度中に就職セミナーを5回開催いたしまして、延べ10社が参加し、約700名の求職者の方が参加されております。また、合同の企業説明会につきましては、3回開催いたしまして延べ31社が参加し、約1,000名の方が来場したところでございます。  次に、立地した企業からの評価についてでございますけれども、本市としては、これまで、豊富な人材や都市機能の利便性などをセールスポイントとして誘致活動を展開するとともに、立地後の事業拡大に伴う人材確保や育成にかかわる支援などにも力を入れてきているところでございます。こうした結果から、立地した企業からは、人材確保の準備を通じて円滑な事務開始が図られたとの評価を多くいただいているほか、ビジネス環境従事者の勤労意欲などの面でも非常に高い評価をいただいていることから、立地後の事業拡大にも結びついているというふうに考えているところでございます。  2点目の労働条件等についてでございますけれども、札幌市では、一つ目として雇用期間の定めがない、二つ目としまして年間給与支給額が130万円以上であると見込まれること、三つ目として雇用保険、健康保険、厚生年金保険のすべてに加入するという三つの事柄をすべて満たす常用雇用者を助成の要件としております。そんなことから、安定的な雇用条件を各企業に期しているところでございます。  本市といたしましても、今後も、融資に当たりましては、労働関係法令の遵守や地元からの雇用を優先することなどにつきまして十分な説明を行い、さまざまな機会を通じまして安定雇用の促進などを働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。  それから、最後の商店街加入促進条例についてでございます。  商店街の活性化の取り組みにつきましては、商店街の事業者の皆様が力を合わせて取り組むことが大切であるというふうに考えてございます。そのためには、まずは、商店街に加入していない方々に商店街の活動を理解してもらうように働きかけながら、商店街自身が商店街への参加を呼びかけることが必要であるというふうに認識しておりますけれども、本市としても商店街の方々と協議をしながら、加入促進に向けた具体的な行動ができるようにサポートしていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  コミュニティ型建設業創出事業についてです。  今、コーディネート機能をさらに充実させていきたいという旨のご答弁で、具体化させていくのが新年度の取り組みということでした。9カ月に延長し、さらに企業グループを拡大していきたいというお話だったと思います。  この事業がモデル事業として始まったときに、新まちづくり計画の3カ年計画ということでありましたけれども、大変苦しい中で頑張っている、地元に根差して仕事をしたいと思っている小規模の建設業に光を当てる施策として私どもも大変注目をしてまいりました。3カ月から6カ月に、そしてまた、今度は9カ月にということで、通年の事業に向けて着々と進んでいるのかなというふうに思うのですが、これをしっかりと根差す制度として確立していくためにご尽力いただきたいということを改めて思いました。  今、例えば悪徳リフォームとか、それから、マンションを中心とする耐震偽装問題、こういうようなことで建設業を取り巻く環境がますます厳しくなってきています。そういう中で、この事業が地域に信頼される仕組みになっていくことが重要だと思いますし、さまざまなトラブルの発生を未然に防ぐこと、それからまた、仮にトラブルが発生したとしても、これを住民との間でスムーズに解決していく、そういう仕組みづくりが必要なのではないかというふうに思いますので、トラブル防止及び解決に向けてどのように取り組んでいこうとしているのか、お考えをお聞かせください。  あわせて、先ほどから新まちづくり計画での3カ年計画と言っておりますが、できれば今後もぜひとも続けていっていただきたいというふうに思うので、今後の見通しについてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、この点をお聞かせいただきたいと思います。  次に、コールセンターについてです。  雇用の問題ですけれども、常用雇用で年収が130万円以上、それから、先ほどお話ししましたけれども、労働保険だけではなくて社会保険も全部つけることが助成の要件になっているということで、この点については、この間、改善されてきたのかなというふうに思います。  私どもは、2003年の決算特別委員会コールセンターの労働条件の問題について質問させていただきました。そのときには、雇用保険しかついていなくて、月額12万円、13万円という収入で国民年金のお金もなかなか払えないような中で、若者にとっては大変厳しい雇用条件になっているんじゃないかというお話もしてきました。ここについても一定の改善が見られておりますが、1億6,000万円という大きなお金を投入している中にあって、若年層の雇用の確保をしっかり図っていくということが重要だと思いますので、今後もしっかりと対応をしていただきたいというふうに思います。  さっき拠点を増設する企業のお話もちょっとしましたけれども、企業における札幌市の評価については、おおむね良好というお話がありました。新聞報道でもあったように、優秀な人材が豊富で大量の採用にも適した人口規模があるということでいいますと、札幌というのはそういう市場でも大変魅力的なものなのだろうというふうに思います。今、就職セミナーとか説明会のお話もしていただきましたが、この中で、若年層だけではなくて、1回退職して子育てが終わったような私ぐらいの年齢、もうちょっと若い方もきっといらっしゃると思いますが、女性の再就職としてのコールセンターを中心としたニュービジネスということもあるのだと思うのです。  私は、子ども未来局の少子化対策で女性の働き方の問題と少子化のことをちょっとお話ししましたけれども、若い人たちが安心して働ける、将来への見通し、希望を持って働くことができる、そういう環境をつくっていくことは物すごく大事なことだろうと思いますし、それから、女性の働き方の問題でいいますと、1回就職して退職する、子育てが終わってまた再就職するというM字カーブというのが、札幌市は全国の中でも特徴的にあらわれている地域だというふうに理解しています。今回のコールセンターなどのニュービジネスのところで、こういうことがますます特徴的にあらわれてきているというのが、今、部長のご答弁の中でも明らかになったというふうに私は思うのです。  そういうふうに安心して働ける、そして、それが将来展望につながっていくということで、大変重要なところになっていくわけですから、そういう意味では、年収130万円というものが果たして妥当なのかどうなのかという話もあります。社会保障の話は改善されてきているというお話でしたけれども、札幌の魅力というのは、地価が安いことだとか、あるいは人件費が低く抑えられるとか、そういうところもあるわけです。例えば、今、5,000人の雇用効果があるというお話でしたが、正職員が何人いるのか、派遣が何人いるのか、契約社員が何人いるのか、そういうことを聞いても今は多分お答えできないと思うのです。そういう意味では、実態把握をしっかりとしていくことが重要だろうというふうに思います。この間も聞き取り調査等は行っていると思うのですが、改めて、こういうニュービジネスの立地を促進していく立場で実態調査をやっていただきたいというふうに思いますので、これは要望しておきたいと思います。  それから、商店街の活性化支援策についてです。  これについても、加入促進に当たって、商工会がみずから努力をしているということはあると思うのです。私の住んでいるあいの里では、商店街の地図をつくっていますが、地図をつくりながら加盟店をふやす努力にも取り組んでおりますし、そういうことがより地域に密着する商店街活動をつくっていくというふうに思います。  条例制定のことについては、側面支援でなかなか踏み出せないところがきっとあるのだろうなというふうに思うのですけれども、今、実際に世田谷から始まって都内でふえてきているという実態、それから、これを全国にも広げていこうという取り組みもあるわけです。そういう中で商店街自身の意欲とやる気が出てくるものも実際にあるわけですから、ぜひとも、条例制定に向けて具体的な取り組みを商店街の皆さんと知恵を絞りながら進めていっていただきたいというふうに思います。  そういう意味では、ぜひとも、研究もし、工夫もしていっていただきたいというふうに思いますので、この点についても、そういう方向をぜひ模索していただくように要望しておきたいと思います。  コミュニティ型建設業創出事業についての答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  トラブル防止策と対応策についてでございます。  本市といたしましても、この事業が住民からの信頼の上に成り立っているものである以上、トラブルを未然に防ぐとともに、トラブルが発生した場合の対応策の整備を進めることが極めて重要だというふうに認識してございます。  これまでの事業におきましては、幸いトラブルは発生しておりませんけれども、より信頼性を高めるための取り組みとして、これまで義務づけております参画企業の損害賠償保険加入に加え、例えば企業グループ内における連帯責任制の仕組みづくりや、利用者による企業グループの評価の公表、また、当事者間にトラブルがあった際の相談体制などの整備について今後検討していくことにいたしております。  また、今後の見通しでございますけれども、私ども経済局としては、各区に1コーディネーター組織ができるように引き続き頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆小林郁子 委員  私は、以前から、特別委員会でコミュニティビジネスの支援についてお伺いをさせていただいているところですけれども、新年度にコミュニティビジネスによる商店街振興策という事業が計上されていますので、これについてお尋ねいたします。  地域の商店街は、以前は毎日のように行く身近な買い物の場であり、地域の核のような存在で、地域の街づくりに大きな役割を果たしていました。しかし、ご存じのとおり、最近は、大型店の進出とか消費者ニーズの変化などによりまして衰退しているところが目立っております。こうした厳しい経営環境に加えまして、経営者の高齢化とか、後継者がいないとか、そういう悩みも抱えております。  中央区を見ましても、親しみやすい、行くだけでも楽しくなるような新通市場というところがあるのですが、そういうところとか、電車通りの商店街も最近はお店が少なくなっているように思います。  商業統計によりますと、札幌市内では、商店街と言われるものが1994年の138をピークに減少しておりまして、ことしの1月現在で116になっています。商店街の衰退は、地域コミュニティーに大きな影響を与えますし、地域の高齢者世帯とか乳幼児を抱える世帯などは、なかなか遠くに買い物に行くこともできないで電話で注文するということも聞いております。そういうことで、地域コミュニティーにとりまして商店街の活性化というのは大きな課題だと思います。商店街に元気になってもらいたいということですが、商店街が元気であるためには、地域が元気でなければならないということがあります。  その地域ですけれども、1990年代ころから、高齢者介護とか子育て支援、環境教育など、地域の身近なところで必要とされているきめ細かいサービスにつきまして、地域住民が主体となって事業をサービスとして提供し、地域生活の課題にこたえていくコミュニティビジネスと呼ばれるものができております。  コミュニティビジネスと言うとなかなかわかりづらいのですが、地域の課題を地域の力でビジネス的な手法を用いて解決していく仕組みというふうに言われております。地域コミュニティ機能の低下や地域課題の複雑化により、従来の地域組織、行政のみでは解決が困難な地域課題に対する一つの解決策として、また、地域を活性化させる仕組みとして全国的に注目されています。  このようなコミュニティビジネスとしましては、札幌市内では、現在、ワーカーズコレクティブと言って、自分たちで出資し、自分たちで働くという事業労働形態をとるものですが、親が子育てにゆとりを持てるような支援だとか、また、高齢者、障がい者の介護、配食サービスなどを地域で行っております。今後は、少子高齢化などに伴い、地域に存在する福祉などのさまざまな需要にこたえるために、コミュニティビジネスを通じた地域ネットワークを市内全域に広げて地域の活性化を図ることが必要であろうというふうに考えております。  以上のような地域商店街の現状と、それから、コミュニティビジネスが必要とされている背景を踏まえてのことと思いますけれども、札幌市は、このたび、新規施策としてコミュニティビジネスによる商店街振興事業というものを挙げておられます。  そこで、お伺いいたしますが、この事業の目的について、それから、この事業の主な内容についてお尋ねいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、この事業の目的でございます。  ご質問にもございましたように、近年、市民活動団体などがいろいろな方々と連携しながら、さまざまな地域課題の解決に向けた取り組みを行うコミュニティビジネスへの関心が高まっております。商店街は、このような取り組みに積極的に参画するとともに、活動の場として商店街の空き店舗を活用してもらうことなどによりまして、良好な地域コミュニティーを形成していく上で商店街が果たす役割を向上させながら、商店街を含む地域経済の活性化を図っていくことがこの事業の大きな目的でございます。  次に、事業の内容についてでございます。  まず、商店街と市民活動団体との連携によるコミュニティビジネスの普及啓蒙活動としてフォーラムなどを開催することにいたしております。また、具体的な事業展開が促進されるように両者のマッチングを行うとともに、事業化が図られた案件のうち、他のモデルになるような事例につきましては、所要経費の一部について助成をすることにいたしております。また、アドバイザーを派遣して経営指導をするなど、人的な支援もあわせて行うことにいたしているところでございます。 ◆小林郁子 委員  事業の目的と概要ということをお聞きいたしました。  商店街とコミュニティビジネスを組み合わせることによる地域の活性化という趣旨はわかりますが、なかなか具体的なものがわかないのです。市内に、商店街と市民活動団体が連携して地域を活性させている先駆的な事例があるのであれば、まず、それをお示しいただきたいと思います。  それからまた、札幌市は、コミュニティビジネスに着目して、今年度は商店街と市民活動団体にニーズ調査というものを行っておられます。この取り組みにつきまして、それぞれの反応はどうであったのか、また、事業実施に当たっての課題についてどうとらえておられるのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、連携の事例でございますけれども、白石区の本郷では、商店街のお祭りで出たごみの分別を市民活動団体が自主的に取り組んだことをきっかけに、今では桜まつりのチラシや商店街のランチマップを市民活動団体が作成するなど、商店街のPRを連携して行っている事例がございます。また、西区の琴似でも、さまざまなパフォーマンスを企画する市民団体が商店街のお祭りと連動したイベントに参画し、信頼関係を築き、その後は商店街が行うさまざまなイベントの企画を任されるなどの連携が生まれている事例がございます。  次に、ニーズ調査の反応等についてでございますけれども、商店街や小売市場145団体に調査票を送付したところ、59の団体から回答をいただきました。このうち、コミュニティビジネスに関心があるとお答えいただきました商店街は10商店街、さらに、市民活動団体との連携を検討したいというお答えをいただいたものが4商店街ございました。  一方、市民活動団体につきましては、聞き取り調査を行った30団体でございますけれども、その中で商店街との連携に興味を示していただいたところが25団体ございました。  なお、課題といたしましては、商店街側では、市民活動団体の連携には興味を持っていますけれども、市民活動団体が商店街に根づいていただけるかどうか、一方、市民活動団体側は、事業を軌道に乗せることができるかどうか、それぞれ不安を感じているということ等が挙げられているところでございます。 ◆小林郁子 委員  このような調査をされまして、今、課題も挙げられたところです。  これまでは、地域の課題とか社会の問題を解決するには、国や自治体に任せるか、あるいはまた市場にゆだねるか、二者択一的な方法しかなかったわけですけれども、これからは、住民みずからが地域の問題や課題を検討して、地域の産業とか地域の人材など、地域が持っている資源を生かして、解決の方法としてコミュニティビジネスを起業するという方法もできてきたと思います。  いずれにしましても、新しい事業を興して新しい流れをつくるには時間がかかると思います。ただいま挙げられました課題への対応も含めまして、今後の展開をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、課題への対応でございますけれども、商店街の課題の解決には、商店街と市民活動団体の相互理解を深めることが必要でございまして、そのためには、先ほどお答えしましたけれども、フォーラムの開催や意見交換の場の設定などを行ってまいりたいと思っております。一方、市民活動団体に対しましては、アドバイザーによる指導などで適正なサポートを行いながら経営面の課題を解消したいというふうに考えてございます。  また、今後の展開でございますけれども、平成18年度の新規事業でございますので、事業の実績等を見ながら平成19年度以降の対応を検討していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆小林郁子 委員  コミュニティビジネスによる商店街振興という事業に、私は期待をしておりますけれども、これから長い目で見ていかなければならないのかなというところもあると思います。市長もおられますので、この事業にぜひ継続して取り組んでいただきたいと思います。  また、制度内容につきましても、現在、内部で検討されていることと思いますが、事業者が運用しやすい弾力的な制度内容を考えていただきますように要望して、終わります。 ◆村山秀哉 委員  自分の方からは、大型店の出店に対する札幌市の対応についてお伺いいたします。  いよいよ2月より、発寒木工センター跡地に巨大ショッピングセンターが着工をされたところでございます。そして、地域説明会では10月10日オープンという報告があったところでございます。  近傍の商店街では、開店後の影響を懸念する声が日増しに高くなっているところであります。想像もしなかったところに商店街を丸のみする超大型商業施設が建つわけでございますが、古くから地域とともに歩んできた商店街が、突然、これからも商売が続けていけるのかという瀬戸際に立たされているわけであります。  そうした中で、国においては、まちづくり三法の改正案が今通常国会にようやく提出され、議論が進んでいるところであります。コンパクトな街づくりという基本理念のもとに、都市計画法の改正により、郊外の大型店の立地が規制され、中心市街地活性化法の抜本的な見直しにより、さまざまな都市機能の市街地への集積の促進を図ることとなっております。都市計画法の改正案によれば、延べ床面積が1万平方メートルを超える大型店や映画館などの大型集客施設が建てられる地域が商業地域、近隣商業地域、準工業地域の三用途地域に限定されることとなります。また、中心市街地活性化法に関しましては、市町村が策定する中心市街地活性化基本計画の国による認定制度の創設、支援措置の拡充により、中心市街地の振興を一体的に進める枠組みが再構築されるものと期待しているところであります。  そこで、質問をいたしますが、1点目に、国が示したコンパクトシティーという基本理念を札幌市はどう認識しているのか。  2点目に、国のまちづくり三法の改正を受けて、札幌市は大型店の出店に関してどのような規制を行うのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  2点のご質問でございますので、一括してお答えをさせていただきます。  札幌市は、平成16年に都市計画マスタープランを作成しまして、その中で、これからの都市づくりの目標として持続可能なコンパクトシティーへの再構築という考え方を掲げてございます。これは、これまでのような市街化区域の拡大は行わず、既にある都市基盤を有効に活用しながら、都市の魅力と活力を向上させていくというものでございます。今回のまちづくり三法の改正に当たって国が示したコンパクトシティーという基本理念は、札幌市のこうした考え方と同じであるというふうに認識してございます。  大型店の出店規制につきましては、大規模小売店舗立地法において商業調整に当たる出店の規制はできないことになっております。そのため、街づくりの観点から、都市計画の用途地域や特別用途地区といった、いわゆるゾーニングの手法を用いて大型店の立地をコントロールすることとなっております。  ゾーニングによる立地規制につきましては、今回の法の改正に先行する形で、市民まちづくり局におきまして、来る3月31日に、用途地域等の見直しを行い、現在、大型店の立地に制限のない工業地域と準工業地域の一部に新たな特別用途地区を定め、床面積が3,000平方メートルを超える大型店の出店を規制することとしております。これは、改正が予定されております都市計画法の基準よりもさらに厳しい規制となっているところでございます。  今後、政令や省令の内容など法改正の詳細を見て、さらなる対応が必要かどうかを検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村山秀哉 委員  都市計画上の大型店の出店規制の考え方については確認をさせていただきました。  再質問させていただきますが、先ほど坂本委員の質疑にもありましたけれども、私からは、街づくりの視点から、大型店による幅広い地域貢献についてお伺いしたいと思います。  今回のまちづくり三法の改正に至る議論の中では、大型店による地域貢献の必要性が大きな課題として取り上げられておりました。既に、熊本県においては、昨年12月に大型店に対して企業の社会的責任としての主体的な地域貢献を求める地域独自の大型店の立地に関するガイドラインが施行されております。このガイドラインは、市町村が進める地域づくりへの貢献、商店街が実施するイベントへの協力、地元の卸売業者との取引の促進、地域の商業者のテナント入居への促進、地域からの雇用の促進、退店時の対策など、具体的な地域貢献策のメニューを挙げております。そして、大型店に対して主体的な取り組みを求め、地域を取り巻く諸課題の解決に向けて、その力を引き出していこうというものであります。  今後、この成果が期待されるところでありますが、本市におきましては、大型店、チェーン店の中には、いまだに地域住民や地元の商業者とのコミュニケーションや連携を持とうとせず、地域の街づくり活動に対して理解が得られない事業者がおられるのは、かねてから指摘をしているとおりであります。大型店は、一たん出店いたしますと、その周辺の地域社会に大きな影響を与えるものであります。今後の街づくり推進に当たっては、大型店の積極的な地域貢献が必要であります。  そこで、質問いたしますが、札幌市においても、熊本県のガイドラインのように、大型店に対して地域貢献を促す何らかのガイドラインづくりが必要であると考えますが、所見をお伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  大型店の立地に伴うガイドラインづくりについてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、大型店が地域社会に与える影響は大変大きいものと認識してございます。今後、街づくりを進めていくためには、大型店、チェーン店などの主体的な地域貢献が重要であるというふうに考えてございます。  本市につきましては、例えば小売業に関して申し上げますと、都心部のほか、多数の地域中心核が広がる複雑な商圏構造となっておりますことや、小売業の大型化の影響を受けやすい卸売業、運送業、倉庫業などの流通関連業が集積していることなど、独特の流通環境を有しているところでございます。  そこで、平成18年度予算におきまして、こうした本市の特有の流通環境のもとで、大型店が地域経済に与える影響について調査を行うことにいたしてございます。本市が大型店のガイドライン等を作成する必要があるかどうかにつきましては、この調査の結果とか、現在、北海道が進めておりますガイドラインの策定の動向を注視しながら判断してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆村山秀哉 委員  今お話をお聞きしまして、大型店の出店規制、大型店の地域貢献への促進など、法的な整備は着々と進められていくことがわかりました。  私も商売を経験してきた一人として、一番大事なことは、商店街の個店、個店がいま一度原点に戻って、大型店にないそれぞれの特徴を生かして自分の進む道、生き延びれる道を見つけなければならないと考えているところでございます。私の方からも、地域商店街の個店、個店に対しては自己努力をお願いしたいと考えているところでございます。そしてまた、行政の方からは、さらなる商店街に対する手厚いご支援をお願いしまして、質問を終わります。 ◆村上勝志 委員  私からは、地域の産業資源を生かした産業振興についてお伺いいたします。  私は、これまでも機会あるごとに訴えてまいりました、北海道の豊かな自然を生かした新しい産業を興し、その役割を札幌が担うべきだという観点からお伺いいたします。  平成17年第1回定例会予算特別委員会や第3回定例会の代表質問で、元気な札幌をつくるため、本市としては、産学官連携による地域の産業資源を生かした産業振興を促進すべきであると訴えたところであります。札幌を含めた北海道には、新たな産業の芽となり得る自然の産物がたくさんあります。これらを活用して、人の健康に好ましい影響を与える働きが科学的に明らかにされた健康食品や栄養補助食品など、いわゆる機能性食品を製造、販売すれば、食関連産業の活力ある発展も期待できるものと考えております。  例えば、十勝地方では、健康によい野菜として注目されているチコリを栽培し、製糖工場の設備で血糖値の抑制や整腸作用のある成分のイヌリンを抽出することが検討されております。また、札幌市内の企業がタマネギやキノコなどの道内農産物などの成分を分析し、がんや花粉症などは免疫バランスが崩れることなどから起こることから、この免疫バランスを保つ有益な物質を探し、有意性が証明された農産物を使った製品を開発しようとして、5年間で1億5,000万円、北大への寄附口座を開設するということであります。  さらに、3月7日の北海道新聞の記事によると、日本健康・栄養食品協会の集計では、健康志向が進んで生活習慣病対策への関心が高まっており、健康食品で一定の科学的根拠があると国が認めた特定保健用食品の2005年の市場が6,000億円を超える規模となり、ここ8年間で4.8倍に急成長したとのことであります。  このような状況の中で、健康食品市場はますます拡大する方向であることから、本市の新しい産業としての発展も見込まれるものと思います。したがいまして、私は、従前から、本市としても、この分野に力を入れていくべきであると言い続けてきました。代表質問では、ニセアカシアの葉っぱでお茶をつくったと発言させていただき、大爆笑を受けたところであります。  そこで、質問ですが、まず、札幌あるいは札幌近郊で自然の産物を生かして機能性食品を製造、販売している事例があるかどうか、お伺いいたします。  次に、企業にとって機能性食品を製造、販売する上でどのようなことが課題になっているのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、1点目の機能性食品を販売・製造している事例でございますけれども、一つとしまして、キノコの菌糸体を原料としまして、高血圧、高脂血症などに対して効果のある機能性食品を開発し、既に販売している事例とか、亜麻を原料としましたサプリメントやドレッシングを開発している事例などがございます。  次に、2点目の製造、販売する上での課題についてでございます。  本市といたしましては、バイオや食関連産業の振興を図るため、これまで、本州企業との事業連携や販路拡大に向けた取り組みとして関西企業とのマッチング事業や展示会等への出展支援を実施してきております。この事業への参加企業のアンケートなどによりますと、商品の成分が健康に好ましい影響を与える働きについて、医学的、栄養学的な評価を得ていくための研究開発などに多額の費用を要すること、また、生産から販売に至る一貫した体制が一企業内ではなかなか持てないことなどが課題として取り上げられているところでございます。 ◆村上勝志 委員  ただいま、キノコの菌糸体や亜麻などの機能性食品を製造、販売している事例があり、課題としては、医学的、栄養学的な評価を得ていくための研究開発に多額の経費がかかるので、一企業内では生産から販売までの一貫した体制が組めないというお答えでありました。  これらの企業の課題に対し、本市では、これまで事業連携や販路拡大などの支援を行ってきております。企業にとっては、開発した新製品が大手との競争に勝てるのかどうかわからない。そういった中で、新しい機能性食品を製造、販売することは一企業のみでは大変なことで、企業の不得意な分野を補っていくような産学の連携や、異業種企業との連携によって何かよい知恵と工夫を生み出さなければ新しいことはできないと思うのであります。そのようなことから、市内の企業が市内外の大学や企業と連携することを支援する仕組みも必要ではないかと思います。もし、その仕組みがないのであれば整備することも必要ではないかと考えるのであります。  2005年、平成17年第3回定例会の代表質問の答弁では、財団法人北海道科学技術総合振興センター、通称ノーステック財団の産業育成の取り組みを積極的に活用し、地域資源を生かした産業の振興を図るという答弁がありました。  そこで、質問ですが、同財団を活用して、機能性食品を製造、販売するための仕組みづくりをどのように行おうとしているのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  財団法人北海道科学技術総合振興センター、ノーステック財団を活用した仕組みづくりについてでございます。  本市といたしましても、委員ご指摘のとおり、企業が特に新製品を製造、販売していくためには、不得意部門を補完し合うような他の関連企業や大学など研究機関との連携を図ることが必要であるというふうに認識しております。したがいまして、本市といたしましては、これまでも、産業育成の取り組みの一環として、企業等の研究開発から販路拡大までを一貫して支援するノーステック財団と密接な関係を構築しながら、食やバイオなどの国における産業振興に努めてまいりましたけれども、機能性食品を製造、販売するための仕組みづくりにおきましても、同財団に蓄積されたさまざまなデータや各方面にわたる深い人的ネットワークなどを積極的に活用しまして、地域の産業資源を活用した産業振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆村上勝志 委員  機能性食品の製造、販売が実現すれば、食関連産業の活力ある発展も期待できるとともに、経済のグローバル化や都市間競争にも勝ち抜いていくことができるようになるものと思います。機能性食品を地域の産業資源として生かした産業振興につなげていくためにも、財団法人北海道科学技術総合振興センターでの取り組みを今後とも活用していただき、同財団が構築した500件登録されている北方圏植物資源データベースと300種類の抽出物ライブラリーのような貴重なものもありますので、これを地場の企業が活用できるような仕組みづくりの働きかけについても強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○高橋功 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
        ――――――――――――――       休 憩 午後3時2分       再 開 午後3時27分     ―――――――――――――― ○高橋功 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆本郷俊史 委員  コミュニティ型建設業創出事業について質問をいたします。  総務省統計局の平成16年事業所企業統計調査報告でいきますと、本市の市内全事業所数7万1,293事業所中建設業は6,165事業所ということになっておりまして、構成比でいくと8.65%です。また、この6,165の建設業中、従業員10人未満が4,790事業所、実に78%と、圧倒的に中小企業が多い。  今、景気の低迷の中で、公共事業等が縮減し、建設業を取り巻く経営環境というのは大変厳しいわけでございます。そういった中で、コミュニティ型建設業創出事業は、地域の生活ニーズを取り上げて新たな仕事につなげていくということで、この事業が行われているわけでございます。  また、建設業が構造不況業種という中で、新たな業種に移行していくと言っても、農業に参入とかということもありますけれども、現実的にはなかなか難しい。今、関心の高い防災だとか防犯、あるいは介護、福祉に絡んでのバリアフリーとか、そういったところから徐々に広げていくということではないかと思うのですが、最初に、この事業のねらいと仕組みについて改めてご確認したいと思います。  また、今年度の実績は、先ほど質疑がございましたが、成約件数192件で5,220万円、1グループ当たり1,040万円ということで、平成16年に比べれば倍になったのだというご答弁でございました。また、利用者、参加企業にもおおむね好評であった、今後は、そういうコーディネーター組織を各区に一つずつつくっていきたいということでございました。  しかし、私は、今申し上げたように、なかなか厳しい経営環境の中で、この事業をさらに拡大していくとき、数値目標では幾らというふうにはなかなか言えませんけれども、そういった意味で、将来的にどのようなところを目指しているのか、あわせてお伺いをしたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  まず、1点目のコミュニティ型建設業創出事業のねらいと仕組みでございます。  ねらいにつきましては、生活スタイルの多様化とか少子高齢化、核家族化が進展することに伴いまして、今後、家屋の改修など、個人的なニーズや地域における環境整備など、生活を営む上での多種多様な需要が増加するものと思われます。一方で、一般的に、住民の方が技術面や価格面などで安心して専門業者に依頼できる環境が必ずしも整っているとは言えない状況にあるのではないかというふうに考えてございます。  そこで、専門的な知識や技術を持つ建設業の方々が、地域の信頼を得ながら地域密着型の事業展開を行う仕組みをつくることによりまして、住民の安心・安全な暮らしの実現に寄与するとともに、一方で、建設業等の新たな事業分野の創出とか事業手法の開拓につなげていきたいということがねらいでございます。  次に、事業の仕組みでございますけれども、住民と企業の間にコーディネーター組織を設けまして、地域で発生するさまざまな生活ニーズと、それに的確に対応できる地元の建設業とを結びつけることによりまして、住民側にとっては安心して施工を依頼できる、一方、企業側にとっては適正な施工によりまして地域からの信頼を得ながらビジネスの領域を拡大することが可能になります。さらには、コーディネーター組織につきましても、手数料等によりますビジネスの成立を目指そうというものでございます。  次に、2点目は、この事業が将来的に目指すものでございますけれども、ただいま申し上げましたし、また、先ほど坂本委員のご質問にもお答えしましたが、住民のあらゆるニーズに対して企業が適正なサービスを適正な価格で請け負うことによりまして、住民の安心・安全な暮らしと地元建設業との経営が両立できるような仕組みを全市的に展開していくことを目指したいというふうに考えているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  私は、昨年の1定の代表質問で、住宅の耐震化対策の中で、市民が安心して耐震化工事を依頼するための診断、相談の仕組みづくり、これは、都市局の住まいのプラットフォーム推進事業ということになるかと思うのです。あわせて、実際に改修工事を依頼する場合、どこにお願いしたらよいかわからないと、今、部長から答弁があったとおりでございます。そういう問題を解決する意味で、このコミュニティ型建設業創出事業を活用できないかという質問をさせていただきました。答弁としては、将来的には、地域に信頼され、地域に密着した事業体として、耐震改修も含めた幅広い地域ニーズを担っていけるよう、関係部局と連携し、事業推進に努めたいということでございました。  これは静岡市の例ですけれども、ここは静岡県で東海地震を想定しておりますので、東海地震の東海と建物が倒壊しないということをかけ合わせて「TOUKAI―0」という推進事業を行っております。  平成15年度、耐震診断2,000件を実施して、その結果のアンケートをとっておりまして、1,197件の回答の中で、総合評点0.7以下、要するに倒壊の危険ありと診断された割合が実に73%でした。札幌の場合は若干下がると思いますが、その方たちが、建てかえも含めてですが、補強工事をすると回答された方が30%、検討したい、これはお金の面での手だてがつけばやりたいというのが44%と、実に高い割合でございます。  平成15年度の耐震補強の実績299棟で平均の工事費190万円、横浜市の場合は、平成11年から実施をしております診断業務は、平成17年までの約6年半でしょうか、490棟の耐震改修費用は実に1件当たり517万円です。ここは手厚い助成制度がございますのでちょっと比較にはならないかと思いますけれども、いずれにしても大きな額でございます。  本市の場合は、戸建て住宅27万棟中、昭和56年以前が10万棟ということでございますので、ここは経済的にもかなり効果が期待できる分野ではないかというふうに思いますし、今、耐震偽装問題も含めて耐震に対しては非常に関心の高いところでもございます。ですから、このコミュニティ型建設業創出事業と住宅の耐震化促進の取り組みについて連携、活用が可能であるというふうに私も認識しております。  そこで、質問でありますけれども、今年度は五つの企業グループが4区で事業を実施しておりますが、参加した企業グループの中に耐震改修を行うことができる企業がどのくらいあって、また、耐震改修の実績はどうだったのか、1点目にお伺いします。  また、耐震改修のための設計・施工は、今申し上げた他都市の事例のように大変経済効果が期待できるということでございますので、この事業の中でも主要なメニューとして大きな効果が期待できると考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、1点目の平成17年度事業におきます耐震改修の実績等についてでございます。  平成17年度事業におきましては、五つの企業グループ、企業数にいたしますと36社が参加しておりました。そのうち、建築系の企業は10社ございまして、その中で、耐震診断から設計・施工まで可能な企業が6社ございました。施工のみ可能な企業が4社となってございますが、各企業グループに少なくとも1社は診断から施工までを受注できる企業が参画しているところでございました。  また、耐震改修の施工実績につきましてでございますけれども、先ほどご報告しました5グループの中での実績で192件中1件でございました。受注額は362万円となってございます。  次に、2点目の耐震改修工事等の効果についてでございますけれども、住民ニーズは増大しているわけでございます。そのことは市場規模の拡大を意味するものでございますから、この状況におきまして、参画企業の受注機会の拡大、それから受注金額の増加につながることが大いに期待できるものと考えているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  この事業は、どちらかというと戸建て住宅ですので、今回、可決をいたしました札幌市住宅耐震化促進条例によって、来年度の秋以降、実際の診断が開始されていく、そして、平成19年度から本格的に始まっていくという中で、需要が増加していくことが十分考えられるというか、当然、増加していくものです。  先ほど言いました住まいのプラットフォーム推進事業は相談業務がメーンでございまして、ここで直接施工というふうにはならないわけです。ここには建築士会あるいは事務所協会も入っていますので、当然、診断も含めて相談業務ができます。そして、実際の施工については、住まいのプラットフォームというふうになっていくのではないかと思います。  これらを視野に入れて、平成18年度事業において耐震化促進策とどのように連携しようと考えているのか、お伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  耐震化促進策との連携についてでございます。  生活上のさまざまなニーズを地域住民の方が安心して充足する手段を提供するという本事業の趣旨からいたしまして、企業グループの構成企業もさまざまな分野からご参画いただきまして、それぞれの特徴を生かした事業展開をしていただくことが望ましいというふうに考えてございます。しかし、その一方で、今、委員からご指摘のように、今後、ニーズがふえる分野につきましては、できるだけ対応していくことも考慮していくことが必要であるというふうに考えてございます。  したがいまして、例えば、来年度、私どもの事業の中で企業グループの公募の際、本市の耐震化促進の取り組みを紹介するなどいたしまして、対応可能な企業の自主的な参加を促す手法などについても積極的に検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆本郷俊史 委員  この事業を拡大していくためには新たなニーズを掘り起こしていくということで、一つの例ですけれども、神奈川県の平塚市では、同じように建築士と市民団体などが平塚耐震補強推進協議会というものをつくっております。そして、この中でオリジナルな補強の工法を開発いたしまして、平成16年度に学術機関の強度試験を受け、市の補助事業の対象工法として、1カ所20万円でブレースをつける、1件当たり3カ所ということで大体60万円ぐらいで補強できる工法ですが、こんなようなことで今実績を上げています。  また、都市局のときにもお話ししましたが、家具転倒防止器具取りつけ助成ということで、静岡市では、3年間で4,000件、65歳以上の高齢者、障がい者を対象に上限1万8,000円で取りつけ費の3分の2を補助しています。1万8,000円ですから、4,000件で7,200万円です。こんなようなことも含めて、都市局の方は、住宅対策として、あるいは市民の安心・安全、防災ということで今耐震化を進めていく、実際の施工ということになれば経済局、経済効果ということがございまして、二つの側面がございます。  したがって、よく関係部局と連携を密にして、この事業がぜひ拡大していくことを求めて、終わります。 ◆勝木勇人 委員  私からは、市内のデジタル産業について、3点、お伺いいたします。  先ほど藤川委員からもデジタルコンテンツの話がありましたけれども、そこも含めて3点お伺いします。  今回の我が会派の鈴木議員の代表質問にもありましたし、先ほどの答弁にもありましたが、市内のIT産業を10年後には1兆円規模へと育成していきたいということが今いろんなところで盛んに出ております。大変景気のいい話で、本当にそのようになればいいなと私も思うわけですが、これは、ひょっとして、市長公約の緑の30%ボリュームアップとか集客2,000万人とか、あのたぐいの大ぼらを吹いているだけの話なのかなという心配もありまして、きょうは私の心配をぜひとも払拭していただいて、ちゃんとできるのだというところを見せていただきたいと思って質問させていただくことにしました。  皆様もご承知のとおり、先日来、ライブドアの粉飾決算ということで、逮捕からずっとニュースになっていますが、一連の流れの中で国内のIT産業の行く末も危ぶまれるようになっていまして、本市のサッポロバレーを含めたデジタル産業界にも少なからず影響が出ているものと思われます。  ただ、業界の関係者の話をお伺いしますと、あのライブドアの一件というのは、氷山の一角といいますか、ああいうことがなくても、日本のソフトウエア開発の最前線のところでは、もうほとんど技術的にも国際競争力を失っていて、技術者の質の面でも数の面でも中国やインドに全然かなわないといった状態になっていると聞きます。どうしてそういうふうに負けてしまったのかというと、大きく三つの要素があるそうです。  一つは、業界内における収益の相場が国際化し、同じ仕事をして同額の収入を得たとしても、賃金レベルの高い日本では、その仕事は安くてきつくて体に悪いというようなことで、同じ額のギャラをもらっても中国やインドではすごくおいしいといった格差があって、日本ではデジタル産業のソフトウエア開発みたいな部門に就職する人は非常に少なくなって、人気のある就職先ではないし、優秀な人材が集まらないということだそうです。  そして、二つ目の要素としては、デジタル産業自体、長年培ってきたノウハウみたいなものを必要としない産業であります。頭のいい人であれば、ちょっと勉強して、論理構成さえちゃんとわかってしまえば、コンピューターソフトなどはあっと言う間に先端技術のところに追いついてしまう、そういう部分があって、ここでまた優秀な人がどんどん入ってくる海外には負けてしまう。もっとぐあいの悪いことに、日本ではコンピューターソフトの関係は大学で余り教えていないのです。つまり、ほとんど何も勉強しないで業界に入ってきてしまいますから、まず、そのスタートの時点で国際競争力がないという状態があるそうです。  それから、三つ目の要素としては、中国やインドには社会構造上の特異性があるそうです。中国の社会構造上の特異性というと、都市戸籍というものがあるそうなんです。余り耳なれないと思うのですが、中国では、都市戸籍と農村戸籍というのがあって、農村部に住んでいる人は、とにかく都市戸籍が欲しいのだと。都市戸籍をもらって都市に住むと、一躍、生活が豊かになるという状況があるそうなんです。その都市戸籍を得るのに最も早い近道は、親族のだれかを大学に入学させ、そして、そこで金が稼げるようないい職場に入れる、一族の中でだれか一人、そういう者を出すと、一族全体がそれにぶら下がって都市戸籍を得られると。あの子は頭がいいぞというようなのが一族の中にいると、総がかりで支援して、それに物すごく期待を寄せて大学の方に送る。大学では、中国でも稼ぎのいいデジタル産業が今ブームになっていまして、コンピューターサイエンスなんかをがっちり勉強し、物すごい競争を勝ち抜いて、都市戸籍を得ようとして頑張っている人がデジタル業界にどっと参入してくる。日本は、この辺で本当に太刀打ちできないそうです。  また、インドは都市戸籍はないそうですが、職業カーストというのがあって、社会構造上、職業による序列があるのです。人力車をなりわいとしている人は、一生、人力車で、オートバイには乗せてもらえないわけです。人力車をなりわいとした人の息子は、やはり人力車をやらなければならない。幾ら優秀でもタクシードライバーにはなれません。そういう社会構造上の問題、本人たちは問題だとは思っていないのかもしれませんが、そういうことがあるわけです。  ただ、ITといいますか、デジタル産業というのは新しい産業ですから、職業カーストの縛りを受けない。優秀であれば、だれでもそこに参入してこられるという状況があって、ほかの産業からも優秀な人材がそこにどっと入ってくる。 ○高橋功 委員長  勝木委員、説明や前置きをなるべく省略して、質問に入ってください。 ◆勝木勇人 委員  (続)これは、後につながる大事な要素なのです。  以上、とりあえず三つ言いましたけれども、日本は、この産業の分野では非常におくれをとってしまって、技術的にもほとんど太刀打ちできない。  そして今、札幌のデジタル産業系は携帯電話の関係のソフトとかで辛うじて生き延びているそうですけれども、こっちの方ももうダンピング競争が激しくて、目先の利益を追うばかりで、ほとんど将来性はないという部分が強いそうです。業界が生き延びるためには、いかに中国やインドと共存共栄するか、これが課題となっているそうです。  そして、その共存する方策の一例としては仲介業的な窓口業務があるそうです。これは、日本の中堅企業といいますか、そういうところがデジタル産業のソフトウエア開発の会社に仕事を発注する際に、そういうものを受けてデジタル産業界というのは生きているのですが、仕事を受注するときに、中堅企業というのは何を発注したらいいのかよくわからないまま、ほとんど契約書もつくらないまま、電話のやりとりや、その他いろんなことをやりながら、何カ月もかけて、下手をすると何年もかけて、何が欲しいか煮詰まらないままどんどん進んでいくといった中で、どういうものをつくって渡したらいいのかがなかなかわからなくて苦労する部分があるそうなのです。そこで、その間に挟まって、あんたの会社はどんなソフトをつくってほしいのかと、きちっと仕様書のようなものにまとめて、それを中国やインドに発注する、そういう仲介業的なところで頑張れば辛うじて生き延びていけるかもしれないというような話を伺いました。  そういった面で、札幌市も何か援助できないものか。地元のサッポロバレーもほとんど危機に瀕しているわけですけれども、ここに何とかてこ入れできないかというふうに考えていたわけですが、今回の予算の中で、高度情報通信人材育成・活用事業なるものが盛り込まれて、その目玉となるのは、プロジェクトマネジャーの育成ということになっております。  そこで、1点目の質問ですが、そのプロジェクトマネジャーなるものは一体どういうものなのか。さきに私が申しました仲介業的な部分をやるのか。また、現在、そういうプロジェクトマネジャーと呼ばれるような人が札幌市に何人ぐらいいるのか。実際はどんなような仕事をしている人のことを言っているのか。  それから、これからプロジェクトマネジャーを育成するということですが、それを育成して1兆円規模のビジネスに発展していくまでのスキームについて、何かビジョンがあって言っているのだろうと思うのですけれども、それがどういうビジョンで1兆円に発展すると考えておられるのか、そこを段取りをきちっと踏んだ話をお聞かせ願います。ただ、ぼんとアドバルーンを上げたような話でなくて、こういうふうに積み上げていけば1兆円に発展しますというところをお聞かせ願いたい。  それから、2点目の質問ですが、この間、3定で、民間サラリーマンを対象とした留学制度を創設してはどうかという話をしたのですが、調査研究をするという情けない答弁だったのです。  今回の話では、デジタルコンテンツ産業の従事者向けに留学制度をやると言うのです。それだったら、この間、そういうふうに言えばよかったのにと思うのですが、ささやかながらも予算措置を決めているそうです。  そこで、その予算額は幾らなのか。私は2,000万円ぐらいでやれと言ったのですけれども、このデジタルコンテンツはどのぐらいの留学制度なのか。それからまた、留学先はどんな国を考えているのか、期間はどのぐらいなのかといった点をお知らせいただきたい。  また、札幌のデジタルコンテンツ産業、いわゆるデジタル産業の中でもちょっと別というか、その中の一部ですけれども、特殊な部門かもしれません。そのデジタルコンテンツ産業は、本市のサッポロバレーの分野の中で、他のデジタル産業とは違った国際競争力があるのかということもあわせてお伺いしたい。  それから、先ほど藤川委員の質問の中で短編映画祭の話が出ていました。このデジタルコンテンツに絡めて、その未来性というか、将来性というか、この部門を占う意味でも、短編映画祭に何人ぐらいお客さんが来たのか、わかれば教えてもらいたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  まず、1点目のプロジェクトマネジャーの職務内容と現状等についてでございます。  本市が高度情報通信人材育成・活用事業の中で育成を目指すプロジェクトマネジャーとは、顧客のニーズに基づくシステムの設計から開発工程の管理、そして最終成果品の納品まで、システム開発を総括する高度なIT人材を想定してございます。このプロジェクトマネジャーを育成することで、これまでは大手コンピューターメーカーや同業他社からの下請中心の業態を、ソフトウエアの設計段階から、開発を行う総合受注型の業態へとレベルアップをいたしまして、1社当たりの売り上げを飛躍的に高めていきたいと。そして、売り上げ規模10億円以上の企業数を現在の3倍強までに増加させることによりまして、本市IT企業全体の売り上げの拡大を図ってまいりたいというふうに考えてございます。  なお、市内のプロジェクトマネジャーの実数につきましては、統計上の数字がなく確認することはできませんけれども、平成16年度に本市が実施いたしました市内IT企業向けのアンケート調査の中では、大多数の企業がプロジェクトマネジャーを中心とした高度IT人材の不足を訴えている状況にございます。  次に、2点目のデジタルコンテンツ産業の従事者向けの留学制度等についてでございますけれども、新年度にクリエーター人材海外交流事業として300万円の補助金を計上してございます。具体的な事業につきましては、海外アーテストの招聘事業で高い実績を持ちますNPO法人が主体となって実施するものでございまして、札幌市の補助金のほか、総務省関連の補助金も活用することで総事業費の規模では1,100万円を予定しているところでございます。  なお、派遣期間につきましては、2カ月から3カ月程度、派遣先につきましては、本市と同様にクリエーターの支援拠点施設を有するフィンランド、カナダ、メキシコ、台湾などを予定していると伺っております。  また、デジタルコンテンツ産業の国際競争力についててございますけれども、アニメーションやゲームに代表される日本のコンテンツは世界じゅうから高い評価を集めているというふうに聞いてございます。これは日本の文化に基づく作品、いわゆるコンテンツに対する海外の評価でございまして、作品の模倣や制作技術の習得だけでは得られない独自の価値に基づくものでありますことから、コストとか人件費の削減といった価格競争にさらされる危険性の少ない分野であるというふうに考えてございます。さらに、この産業分野の特徴といたしましては、個人の創造的活動やプロセスの成果が商品化されるということで経済的な価値を生むという点がございます。そんなことから、人材が持つ無限の創造性を資源としたデジタルコンテンツ産業については、製造業が脆弱な本市にあっても、国際協力の面では高い可能性を持つものではないかというふうに思ってございます。  それから、短編映画祭の今年度の入場者でしたか、大体5,000人から6,000人ぐらいだったと思います。東京よりも多く人が集まっているというふうに聞いてございます。 ◆勝木勇人 委員  部長は、今度、西区長でいらっしゃるので、余りいじめたら私の今後の議員生活にも響くかと思って余り切り込みたくないと思うのです。だから、局長に聞いた方がいいかと思っています。いいですか。  留学先ですけれども、2カ月から3カ月とお答えになりましたが、普通は2カ月から3カ月では留学とは言いません。それでどのぐらい勉強をしてこられるのかといったら、非常に心もとない。やるのなら、どかっと1年ぐらい、行った先のいろんな業態やノウハウをがっちり吸収して持って帰ってこれるようなシステムでやってもらいたいと思います。  そして、フィンランド、カナダは、みんな行きたがるようないいいところだと思うのですけれども、余り行きたがらないインドや中国、ここと最も競争しなければならないですし、これからはそことの連携で生き残っていかなければならないわけですから、そういう方面にも人を派遣するような形にしてもらいたいと思います。  それで、さっきの話にもありましたけれども、デジタルコンテンツ産業については、市立大学のデザイン部門との連携といいますか、さっきの答弁にはなかったですが、そこから人材を供給してもらって発展させていこうということもあるやに聞いたのです。そうだとすると、市立大学の学生のレベルアップというのがデジタルコンテンツ産業の将来に非常に大きく影響すると思います。  学生のレベルについては、まだ学生が入学していないから、これからどうなるかわからないのでしょうけれども、学生をターゲットにしたコンテストとか、何か賞金をつくって、世に出ていくための足がかりになるような仕組みを今から企画してもらいたいなと。これについて、再質問させていただきたい。  もう1点は、プロジェクトマネジャーから1兆円規模のことですが、階段の途中までは見えるのですけれども、1兆円のところは雲がかかって、どこから1兆円に達するのかよく見えない。ちょっとそこにリスクも感じるのです。総合的な産業の中でプロデューサー的にいろんなところに顔をきかせてやる、そこでIT産業をつかみながら金もうけをするという話のようですけれども、基本的にはソフト開発の仕事を本業とするわけですね。  そうなると、今問題になっているライブドアも、もともとはソフトウエアの開発を本業とした会社でした。結局、インド、中国に負けて、行き詰まって、会社の売買、アメリカのハゲタカファンド、ああいうもののいろいろな投資のあれになって、実際は、もうソフトウエアの仕事なんかしていないわけですね。そして、時価総額をどうやってつり上げるかというような、ちょっと奇妙な商売の方にどんどんずれていってしまった。  プロジェクトマネジャーの育成というのが本当にサッポロバレーとの密着と生き残りにつながっていくのならいいのですけれども、第2、第3のホリエモンをどんどん世に送るだけのことになったのでは何の足しにもなりません。その辺はどのようにお考えになっておられるのか、お聞かせ願いたい。これも局長にお願いします。 ◎福井 経済局長  まず、期間的な話ですが、2カ月から3カ月というのは、相互に人材交流をします。そんな意味で、知的な刺激を受ける、またシステムをやっていくと。それから、2カ月、3カ月が果たして本当に短いのかどうかというのは、何回か検証が必要ではないかなと、事業の第一段としては、まず、そういう形でやっていきたいというように思っています。  もう一つ、コンテンツ関係でいきますと、先ほどフィンランド、カナダ、台湾と述べたのですが、実は、私どもは、ICCをベースとしてこれから伸ばしていきたい。そんな意味で、拠点のある街でやっていきたいということで、台湾、フィンランド、カナダという言葉が出ました。そういう意味では、果たしてインドや中国があるのかどうか、その辺を調べながら、また、相互交流ができて価値があるのでしたら、その辺も含めて考えていきたい、このように思っています。  それから、市立大学のその辺のレベルアップに対しての工夫をすべきでないかというお話ですが、ご指摘のとおり、そうだと思っています。それで、先ほどお話がありました今回の短編映画祭も、市立大学の学生なんかも当然対象となりますので、その辺での刺激は受けるのかなというように思っております。  それから、途中から一遍に話が大きくなって、1兆円はほんまかいなという話だったのですけれども、先ほど谷口から、デジタルコンテンツでは1兆円の半分ぐらいやりたいというお話をさせていただきました。ITの方では、逆に言うと半分ぐらいと。現在2,800億円です。今、10億円程度の規模の業者というのは市内に41社しかないのです。これを150社ぐらいまでにしたい。そして、総合受託をしますと、今まで東京から下請すれば、5億円の仕事というのは、プログラムだけだったら収益が5,000万円ぐらいなんです。それが、5億円の受託を受けたら5億円そのまま受けられるような形でやりたい。そういう意味で、2倍以上になって大きな金額になっているのですが、決しておかしな数字だとは思っておりません。  それと、第2、第3のホリエモンが出るのでないか、このようなご懸念でございますけれども、実は、彼は間違った人生を歩んだわけで、ITがスタートだったのですが、逆に言えば、簡単に始まる金融の方に話が行ったのだろうと。私どもが今つくる人材というのは、各企業の中核になる技術者をつくって企業が発展することを考えてやっていますので、委員のご指摘のご懸念はなかろうかな、このように考えています。 ◆勝木勇人 委員  町田課長は広くよく勉強をしておられて、そのビジョンが課長レベルにあるのはわかっていたのです。局長は、下手をすると何もわからないで、ただ数字だけ言っているのかなと思ったら、ちゃんとわかっていらっしゃるらしいので、これ以上、余り追及しない方がいいかなと思いました。  ただ、ホリエモンはそうですけれども、実際、ソフトバンクにしても楽天にしても、ソフトウエア開発で飯を食っていないですね。このソフトウエア開発という部門は非常に厳しいということは事実なわけで、今、サッポロバレーをつぶさないで生かしていくというのはそんな簡単な話ではないと思いますので、その微妙なところはきちっと手順を踏んで頑張ってやっていただきたいと思います。 ◆馬場泰年 委員  ただいまは国際的な大きな話でありましたけれども、私は、札幌市のごくささやかなことでお話しさせていただきます。  まず、中小建設業等経営資源活用型モデル事業が今年度の新しい事業として、予算3,100万円だったですか、計上されておられます。この件について質問させていただきます。  先ほど本郷委員の方からも建設業の大変厳しい状態のお話もございました。長引いている低迷期を経て、今なお大変厳しい経済状況下であります。そういう中で経営を余儀なくされているわけでありますけれども、本市の建設業は、そもそも総生産及び全産業就業者数を見ましても、約1割を占め、地域の経済や雇用に与える基幹産業に位置づけられておるわけでありますし、重要な役割を果たしてきているわけであります。  これまで、本市の建設業は公共投資への依存が比較的高いというふうに言われておりますが、札幌市においても、近年、公共事業費の減少傾向がずっと続いており、さらに、取り巻く環境は厳しさを増しているということであります。そういう中において、建設業関連業種は、競争の激化や、さらには利益率の低下などにより、これまでは、倒産、さらには失業者の増加が懸念され、経済に大きな影響を与えることとなるわけであります。したがって、建設業を中心とする地域の産業力の向上や雇用の場の確保といった施策を行うことが経済の活性化にとっても必要であると考えます。  そこで、質問でありますけれども、このように建設業を取り巻く厳しい諸状況を踏まえ、アンケート調査を実施されてこの事業を立てられたわけでありますが、まず、1点は、建設業に関する企業等においてどのようなニーズや課題があると受けとめておられるのか。  それからまた、2点目として、札幌市としては、中小建設業等経営資源活用型モデル事業を含めて、どのような取り組みを通じて対応策を講じようとしているのか、最初にこの点をお伺いいたします。 ◎谷口 産業振興部長  まず、建設関連企業のニーズや課題についてでございます。  ご質問の中でも触れておられましたが、建設業を取り巻く環境は大変厳しい状況にございます。この状況を打破するためには、経営改善や新分野進出へのニーズが高まっているところでございます。  平成16年10月に市内建設関連企業を対象に本市が実施しました建設業の今後のあり方に関する調査の結果によりますと、経営の改善に向けた取り組みについて、割合の多い順に申し上げますと、技術者等の人材育成が35%、得意分野への専門化が27%、賃金抑制と多角化・業種転換がおのおの21%となっているほか、情報化によるコスト削減、新資材、新工法の開発などが挙げられているところでございます。  また、新分野への進出につきましては、さらに積極的に取り組むが12%、今後は進出を考えているが21%と、既に取り組んでいるケースも含めまして3割を超える企業が新分野への進出の取り組みの意向を持っているところでございます。  いずれにいたしましても、これらの取り組みに対する課題といたしましては、投資リスク、資金的な問題、さらには情報、ノウハウ等の不足などが挙げられているところでございます。  次に、本市の対応策につきましては、建設業の経営体質の強化とか、新分野への進出を一層促進することが必要であるとの認識から、これまで国や北海道などの関係機関と連携した施策の説明会の開催とか、先ほど来ご質問がございましたコミュニティ型建設業創出事業などの各種支援策を実施してきているところでございます。さらに、平成18年度からは、新たに中小建設業等経営資源活用型モデル事業を実施することとしまして、実績と経験を積んだ建設関連企業の経営資源を十分に生かしながら効果的な支援策を講じていきたいと考えているところでございます。 ◆馬場泰年 委員  ただいまの答弁をお聞きしていますと、今、アンケートの調査結果から分析されたことのご報告があったわけであります。企業として経営改善の取り組みや、それからもう一つは新しい分野への進出等、いわゆる多種多様な意欲を示している内容となっているわけであります。言いかえれば、そうせざるを得ない現在の建設業界の状況であるということでもあります。  一方では、経営改善や新しい分野への進出を図るには、課題も多く抱えておるわけであります。これらの課題に対応するためにも、札幌市としては、経営改善や新分野進出への取り組みを後押しして現状を打開するような支援策が必要不可欠となってくると思うところであります。  そこで、質問でありますけれども、中小建設業等経営資源活用型モデル事業を新規事業として取り組むとのことでありますが、まず、1点は、事業の内容はどのようなもので、具体的にどのような取り組みが支援対象となるのか。  それから、2点目でありますけれども、事業実施によって期待される効果等をどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎谷口 産業振興部長  事業の内容についてでございますけれども、この事業は、経営改善や新分野へ進出する取り組みに対して、中小企業の建設業等を発掘、支援しながらモデルケースとしてその普及啓発を図っていくことによりまして、中小建設業等の再生やビジネスチャンスの創出などを目指しているところでございます。まず、内容につきましては、経営改善を目的とした経営の効率化や基盤強化につながる取り組み、それから、新分野への進出を目的としました新製品や新サービスの事業化に向けた取り組みに要する経費の一部を助成するものでございます。  次に、支援対象となる具体的な取り組みでございますけれども、まず、経営改善に関しましては、情報化とか、新資材、新工法の開発等の積極的な経営効率化、経営基盤の取り組みを対象といたします。また、新分野進出につきましては、建設リフォームなどの建設関連業務はもとより、環境リサイクル、健康・福祉、農業など、広い観点から成長が見込まれる分野の事業展開についても対象としていくことにいたしております。
     また、こういった事業への取り組みが、公共事業の縮減などの影響を最小限に抑えながら、建設業等の自立に向けた経営体質の強化や新分野進出を促し、雇用の確保、さらには本市の経済の活性化につながる効果があるというふうに期待をいたしているところでございます。 ◆馬場泰年 委員  地域の建設業に携わる企業等が主体的に体質強化を図ったり、それから、新分野進出などを図ることができるためには、その周辺の環境整備といいますか、それをする必要があると思います。札幌市としても、厳しい財政状況ではありますけれども、経済施策として効率的な支援策を講じていく必要があろうと思います。この新規事業の成否のかぎは、何といっても他企業が参考として、みずからやる気が起こる事業をどれだけ発掘できるか、これにかかっているのではないかと考えます。  そこで、お尋ねをしますけれども、まず、対象事業の選定はどのような観点から行うのか、それから、この事業の継続性についてどのようなお考えを持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。 ◎谷口 産業振興部長  まず、対象事業の選定についてでございますけれども、基本的には公募をいたします。公募をした上で審査することとしておりますが、その際、建設業にかかわる有識者や中小企業診断士など、公正・中立な立場の方を構成員とする審査会を設置しまして、新規性、実現可能性、成長性、その他の事業者への汎用性等の観点からモデル事業を採択することにいたしたいと考えております。  また、事業の継続性につきましては、平成18年度における事業の実績などから判断すべきものと思っておりますが、多種多様な成功事例を蓄積するとともに、他の企業への汎用性を高めることを通してモデルケースとしての普及啓発を図っていきたいと考えているところでございます。 ◆馬場泰年 委員  先ほど来お話がありましたように、建設業を取り巻く環境は本当に厳しい状況であります。財政状況の厳しい中でありますから、公共事業は年々減少しており、この傾向というのは今後も続くのではないかと思われます。  しかしながら、市内の中小建設業は、先ほど申し上げましたが、本市の地域経済を支える基幹産業として、また雇用の受け皿として、今後とも経済の活性化を図る上で重要な役割を果たしていくものと思われます。札幌市は、地域経済の活性化を図るという重要な使命の一つがあるわけでありますから、企業活動の多様な選択を可能にする環境整備を行って、建設業が創造力や活力のある企業に成長し、新たな産業を創設していくことを促す必要があるわけであります。  しかしながら、多くの企業は、何かをやっていかなければならない、今後、何か方向を見つけていかなければならないという思いは十分持っていると思うのでありますが、一体何をしようとすればよいのかわからないというのが実態でなかろうかと思います。それらの対応としては、中小企業支援センターとか、あるいはまた、商工会議所の中小企業相談所も相談に乗りながらいろいろ方向づけをして指導しているところであります。私も、新しい分野に進出し、業界全体の指導、開拓につながればと、この事業に対して願っているものであります。新しい事業でありますから、今後に大いに期待をしながら、私も見守りたいと思っております。  それから、せっかくの機会でありますから、産業振興という観点から、これにかかわって一つ要望をさせていただきたいと思います。  札幌市は、このたび、市街化調整区域内での利用にかかわる規制緩和を実施するということであります。例えば、農畜産物の販売所の建設を認めるとか、ペットの焼却場、おたき上げの施設の建築も市街化調整区域に認めていく、あるいはまた、産業廃棄物等の分別作業等にかかわる建物も条件づきで認めていく、そういう方向に動いているわけであります。  そこで、私は、建設業の作業場、あるいはまた資材置き場、資材置き場というのは、建物を建てないで置けるものは認められているわけでありますけれども、雨にさらすことのできないような資材がたくさんあって、そういうものにはどうしても建物が必要になってきます。産業振興の意味からも、そういうものを含めた管理施設もぜひ対象にするよう、これを取りまとめるのは市民まちづくり局の方でしょうけれども、まず経済局が一つの窓口となってぜひ後押しをしていただきたいと思うところであります。  建設業の皆さんにしますと、今まで市街化区域の中でそういう作業をやって、建物を建ててきていた。ところが、だんだんと汚い、うるさいというようないろいろな社会環境の変化で、市街化調整区域に違法建築物を建てながら、実際、心の痛い思いをしながらやっているというのが現状であります。規制はするけれども、一方では受け皿をつくっていないということで、私も数年前の特別委員会でさわらせていただいて、そのときも経済局であったと思いますが、その後も変化をしていません。一方、先ほど言ったようなものは、社会環境の変化で今まさにそれをやっていこうとしているところであります。  先般、実は、建設業の団体の代表者の方々からも、札幌市長あてに要望書が出されておるところであります。いろいろな規制があって難しい面もあろうかと思いますけれども、必要なものでありますから、その受け皿だけはきちっとつくるべきではなかろうかと。したがって、業者の方も言っておられましたけれども、例えば景観を問題にするのであれば、道路沿いに木を植えるというような規制を含めてもいいと。  それから、役所で一番心配しておるのは、建物を建てると、そこに人が居住するのでなかろうかという心配もあるようですけれども、これは、今の業界の状態からいって、そういう施設に住む人はもういなくなっております。市街化区域の中で宿舎を持って大勢入れるような建物の中ですら、作業員の方、働く人というのは、そういうところではなく、自分で個別の住宅を構えるなり、あるいは部屋を借りるなりして生活している。そういう実態でありますから、どうかひとつ、社会環境の変化を十分ご理解いただいて、この辺も見ていただけるように要望して、終わらせていただきます。 ◆三上洋右 委員  それでは、私は、簡潔に、元気基金について2点だけお尋ねいたします。  市長は、厳しい経営状況にある中小零細企業への資金面での新たな支援策として、無担保、第三者保証人不要の融資制度である元気基金を創設いたしました。平成16年度から18年度の3年間に500億円の資金を中小企業に提供するとのことであり、平成16年4月から17年12月までの融資実績は約325億円と順調に利用が進んでいると聞いております。また、昨年、任期2年目の折り返し時期に発表した公約の達成状況評価でも、ほぼ達成できると自信をのぞかせています。  しかし、実際には、企業再生支援資金がほとんど利用されていないとか、既存のマル札資金の方が使い勝手がよく利用が伸びているといった話も耳にします。そういう話を聞くと、実際は、中小企業は元気基金でそれほど元気になっていないのではないか。500億円という景気のいい数字で空元気を出すだけの基金、そのようにも思えてくるわけです。  そこで、お尋ねしますが、まず、1点目は、元気基金の資金枠500億円の意味合いについてであります。  元気基金の中で最も資金枠が大きいのは元気小規模事業資金の協会つき短期資金ですが、この資金は、融資期間1年未満の運転資金の制度であり、返済完了時に折り返しと呼ばれる反復利用ができることになっております。例えば、私がこの資金で1億円の融資を受けたとしましょう。1年後の返済期日が来たときに一括返済すると同時に、再び同額の融資を受け続けることができるという制度です。私は、このような制度自体がおかしいと言うつもりはありません。むしろ、そのような資金需要にこたえることは当然のことだと思っております。  私がひっかかるのは、こういった場合に実績額を実際どのようにカウントしているのか。私が1億円借りて、1年たった時点で折り返しをして、さらにまた翌年も折り返しをしたとしましょうか。1億円を都合3年間借りた。この場合、3年間で1億円の融資を3回利用したとみなして3億円の利用実績があった、こんなふうにカウントするのでしょうか。このような場合は私が1億円借りていると言うのですけれども、札幌市の利用実績の把握の仕方は3億円貸したとカウントするのか、そういうところはどういうぐあいになっているのか。  なぜ私があえてこのようなことをお尋ねするのかといいますと、札幌市が500億円の資金枠の新たな融資制度を創設したといった場合、市民や市内の中小企業は、当然3年間に500億円というニューマネーが提供されることを期待するわけです。しかし、先ほど言ったようなカウントの仕方をするのであれば、実際は500億円の3分の1の170億円弱の資金供給をしただけで実績は500億円だったということになるわけです。反復継続された融資を実際にカウントしているのであれば、中小企業に500億円の資金提供をしたという言い方は、私は不適切だと思います。それは見せかけの実績であって、やはり、空元気基金じゃないかと批判されても仕方ないと思うのですが、いかがでございましょうか。  元気基金の資金枠500億円というのは、3年間の融資実績を単純に累積した数値なのか、それとも、反復継続分を除いた実質的な融資実績を指すのか、その実績数値把握の考え方を含めてお答えいただきたいと思います。  全部質問してしまいますので、次に、2点目として、制度終了後の元気基金の取り扱いと融資制度の検討方針についてお伺いいたします。  本市の中小企業向け融資制度は、市内中小企業の資金繰りの円滑化を支える一般中小企業振興基金、いわゆるマル札資金と産業振興施策を金融面から支援する工場近代化資金や創業独立開業支援資金などの特別資金の2本立てでずっと行われてきました。現在は、これに元気基金が加わり、20を超える資金数と数が多くなったために、利用者や取り扱い金融機関から種類が多過ぎてわかりにくいという声が私どもに聞こえてまいります。  また、これらの資金の中には、先ほど述べたように、ほとんど利用されていないものもあるわけでございます。  また、元気基金は、既存の中小企業融資制度と、無担保、第三者保証人不要という融資条件面での違いはありますが、基本的には取り扱い金融機関からの融資でありまして、金融機関の審査や判断が優先されていることに変わりはないわけであります。  さらに、元気基金の無担保、第三者保証人不要の取り扱いも、リレーションシップバンキング、いわゆる地域密着型金融への強い要請にこたえる方向で広がってきていることから、そのような取り扱いをマル札資金に組み込めば済む話で、元気基金を別立てとして存続する意義は今ではほとんどなくなっているのではないかと私は思います。このため、利用者がわかりやすく利用しやすいように思い切った整理・統合を図るべき時期に来ていると考えます。  また、元気基金が終了する平成19年4月以降、中小企業が短期資金融資を受けたい場合、その手当てをどうするのかという対応方針については、金融機関に早目に示さなければ融資に支障を来すことも考えられます。  そこで、質問ですが、中小企業融資制度について、元気基金の今後の取り扱いを含め、どのような方針で検討しようとしているのか、伺います。 ◎神田 金融担当部長  お答えいたします。  まず、1点目の元気基金の資金枠500億円というのは、3年間の融資実績を単に累積した数値なのか、それとも短期資金の反復継続した分を除いた数値なのかというご質問でございますけれども、これは、毎年の融資額を積み上げ、3年間で500億円を目標にするということでございます。  短期融資の折り返しにつきましては、委員ご指摘のとおり、実質的な資金調達は初回のみとなります。しかし、これは、短期融資で一般的に行われている融資形態でございまして、金融機関においては、その都度審査の上、融資されるものであります。したがって、新規融資として実績額に加算しておりまして、その折り返し融資の割合の状況でございますけれども、約2割ほどになっております。  次に、2点目の中小企業融資制度の見直しと元気基金の今後の取り扱いについてでございます。  本市では、これまで市内中小企業に対する資金繰りの円滑化を図るため、その時々の経済動向や金融環境に対応するとともに、本市の産業振興を資金面から支援するため、各種の融資制度を実施してまいりました。最近の中小企業を取り巻く金融情勢は、国の信用補完制度について制度創設以来の抜本的な見直しを予定しておりまして、また、政策金融改革により、政府系金融機関の再編成が進められるなど大きな転換期を迎えております。こうした状況の中、委員ご指摘のとおり、確かに、本市の融資制度におきましては、ここ数年間、利用がほとんどされていない資金もございます。今後、円滑な利用を図るためにも整理・統合などの見直しが必要な時期に来ていると認識しております。  また、元気基金については、無担保で第三者保証人なしという取り扱いは、中小企業者、とりわけ小規模事業者が強く求めていた担保や保証人を必要としない融資制度というニーズにこたえたものとなり、あわせて、金融機関の地域密着型金融への取り組みの強化と相まってその利用が伸びております。  したがって、今後の制度改正に当たりましては、元気基金の無担保、第三者保証人不要という取り扱いを一層推進していくとともに、マル札資金の小規模事業資金などとの役割分担を考慮し、わかりやすく、そして利用しやすい融資制度を目指して検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆三上洋右 委員  この元気基金については、今後の取り扱い方について一定の方向性が示されましたことから、あとは、私は指摘をして終わりたいと思います。  まず、500億円の融資枠についての回答でありますが、創設当初から3年間の融資実績で500億円を目指しており、さらに、実質的な資金提供を伴わない折り返しについても、年度を区切って、その都度、新規融資と同じ扱いで実績額として加算しているということであります。  また、その折り返しの実績は、ただいま2割弱とお答えになりました。大ざっぱな計算でありますが、500億円のうち2割だということであれば、100億円が折り返しで、差し引いた400億円が新規で資金提供されたと。  本当ですね。(発言する者あり)まだ少ないのですか。そんなにないと。2割弱……。(発言する者あり)  2割弱ということで、もう一度、そこの答弁をお願いします。 ◎福井 経済局長  若干言葉が足りなかったので、もうちょっと細かく説明いたしますと、今、委員からご指摘のあった短期資金は大体年間150億円、これが平成16年度、17年度、そして18年度もですから、3年で450億円あるだろうと思っております。アッパーで3回転しまして、20%で考えましたら、多く考えまして90億円が折り返しになるだろうと。  今般、500億円を超えまして、私どもは、最終的には元気基金は610億円オーダーの金額になろうかと思っています。したがいまして、610億円から90億円を引くと520億円ですから、真水でも500億円は超えるのではないか、このように考えています。 ◆三上洋右 委員  今、局長は、そういうことでありますけれども、私は、元気基金についても、キャッチフレーズというか、アドバルーンではなく、仕事を与えないと元気がつかないのです。お金に困っている人が借りるのですから、それは投資するような基金でなかったら、正直言って、私は元気基金にならないと思います。  それはマル札資金で足りることを、今、大見え切って、私が2割だと100億円ぐらいが折り返しかと言ったら、いや、90億円だと、大して違わないのに、元気いっぱい言っていたけれども、借りる方はそんなに元気が出ない。  そんなことを言うなら、まだまだ行きますよ。部長が言ったとおり、ちゃんと整理・統合もするし、3年であれだというような答弁があるから、私は要望として言おうと思ったけれども、局長が、そんなに見えを切って、いや、大したいいんだと言うのであれば、もっと突っ込みますよ。  私は、元気基金というアドバルーンの割には、中身は、何のことはない、マル札資金に無担保・無保証を加えただけでないかということを言っている。それがだめだと言っているのではないですよ。それだけ需要があるのだから、それはそれで意味があった。でも、元気基金というのはそういう意味合いではないでしょうと。無担保・無保証で新規に創設しましたとか、それでパンフレットをいっぱいつくって何種類もあるわけだ。全部の印刷でお金がかかるわけでしょう。こっちも見る、こっちも見るといったら、使う方がどれをやっていいかわからないと言うのだ。私も見たけれども、わからない。  そんなことで、せっかく何分かで終わるつもりが、立つものだから、こういうことになるのです。  私は、これ以上、数字の取り扱いについて議論はしませんけれども、今言ったように、必ずしも利用しやすい制度になっていない。マル札資金の需要も逆に伸びているということを聞くと、今言ったように、数字の大きさの割には、そういったアドバルーンを上げたような評価は高くないということを私は言っているのであります。  かねてから、我が会派では、この基金は既存のマル札資金に無担保・無保証を加えただけだと、今言ったようなことをずっと言っていて、それが実際には、そういうイメージだけが先行して、期待感があっただけに、何だ、そうじゃないんじゃないのかということになるわけであります。  私は、今後、こういうような期待感をあおるだけでは、この経済環境の中で信頼されなくなると思う。本当に親身になって、その人に合ったようなフレーズで親切に対応する。何か看板だけ元気基金と言うと、帰りはがっくりきて、元気を失って帰るようなことではだめなのではないかと私は思う。  先ほど、数年利用されていない融資もある、本市の全体の見直しが必要という認識であるということであります。また、無担保・無保証、保証人不要の融資を維持しつつ、マル札資金の小規模事業資金との役割分担を考慮していくという答弁でございました。確かに、今言ったように、華々しく上げた元気基金の看板を途中でおろすことは抵抗もあるでしょう。しかし、来年4月には3年間の約束の寿命が終わるわけでございますから、新しくマル札資金の整理・統合を進めて、中小企業にとってわかりやすく使い勝手のよい制度にぜひまとめていってほしいな、こんなふうに指摘して、終わります。 ○田中昭男 副委員長  以上で、第1項 商工費のうち、関係分の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆阿知良寛美 委員  サッポロさとらんどが行っている事業について、2点、質問をいたします。  今、食についての問題がクローズアップされている中で、昨年7月、子どもから大人まで食に関する知識と選ぶ力を身につけ、国民が健全な食生活を送ることを目指して制定された食育基本法が国会において成立し、食の問題が国を挙げて大きなテーマとなっている状況にあります。  札幌では、農村環境に触れる機会が少ない市民や児童生徒を対象に、農業に対する知識と理解を深めてもらうため、サッポロさとらんどにおいて数多くの農業体験事業を実施し、食育を実践されてきたわけであります。そのさとらんどが、昨年4月に、水田を中心とする第3期北西エリアの完成によって、多くの市民に栽培・収穫・加工体験に参加していただける総合的な農業体験施設になったことは大変うれしく思っております。  かつては、市内に数多くありました田んぼが、今では全くと言ってよいほど、その姿を見ることができなくなっております。このような状況の中で、我々日本人の食の歴史に深く根差した米づくりをさとらんどにおいて体験できることは、市民、児童たちにとっても大変意義深いものであると私は考えております。一方、水田は、単に米を生産するばかりではなく、以前にもお話をしたことがありますけれども、カエルなどの水生動物あるいはトンボやアメンボといった昆虫が生息する自然豊かな野外教室であり、次代を担う子どもたちにとってかけがえのない場にもなっているわけであります。  話は変わりますが、最近、道産米が非常においしくなっており、高橋北海道知事も米チェンということで盛んにPRをして、道産米にチェンジをする方も相当ふえているというふうに聞いております。  私も、ことしの2月に道産米食べよう会というのを主催してみました。市民約140名が参加して、道産米のななつぼし、ほしのゆめ、きらら397、ゆきひかりと本州米のコシヒカリの温かいご飯と冷めたご飯を、名前を伏せて食べ比べ、全員で試食をして銘柄を当てるというものでした。判定では手を挙げてもらいましたけれども、冷えたものも含めて、本州米のコシヒカリよりもななつぼし、ほしのゆめの人気が非常に高かった。道産米のおいしさを再確認されておられました。  また、このときには、札幌ブランドのタマネギを使用した肉どんや、ななつぼしを使用しての握りずし、こんな試食会も行われ、参加者からは、北海道米がこんなにおいしいなんて知らなかった、こんな声も随所で聞こえておりました。  また、当日は、農業支援センターの所長にも参加していただいて、タマネギや辛み大根、知らない方も多いと思いますけれども、辛み大根のPRを熱心にしていただきましたので、ここでご報告させていただきます。  大分PRになりましたけれども、そこで、1点目の質問であります。  さとらんどでの初めての米づくり体験の利用状況と参加された方々の反応はどうであったか、伺います。  それから、今年度事業の魅力アップ推進事業について質問いたします。  さとらんどは、これまで、食と農に関連したさまざまなイベントを実施することで、多くの市民、観光客などの集客に努力をされてきておりますが、特にことし、冬季の利用促進の一環として初めてさとらんどを会場とする雪まつりを開催し、当初見込んでいた来園者数を大幅に上回る観光客でにぎわっておりました。雪まつりの開催によってさとらんどの知名度は全国的に広がったわけでありますが、施設本来の事業を展開すべき夏季期間につきましても、一層の施設の利用を発揮すべき取り組みが必要だというふうに感じているところであります。  そこで、2点目の質問でありますが、開園後、10年を経過し、魅力アップ推進事業について具体的にどのような事業を計画しているか、その内容についてお伺いいたします。 ◎西村 農務部長  1点目の米づくり体験事業の利用状況についてでございます。  この事業は、今お話しのあった3期北西エリア、雪まつり会場の南西側に位置しますが、ここに4,200平方メートルの水田をつくりました。今年度から実施した事業でございまして、一般公募による参加延べ人数は、家族を中心とした参加者が40組、約700人、小学校単位の募集が5校、約1,300人、合わせて2,000人の方にご利用をいただいたところでございます。体験内容といたしましては、5月の田植えに始まりまして、9月の稲刈り、10月の精米、それからもちつきと、一連の農作業を通じて食と農のかかわりを身近に感じることができるメニューとなってございます。  一部の学校では、収穫したもち米を使いまして、児童の農作業の体験談を交えながら地域ボランティアの方ともちつきを行い、地域住民との交流を深めることになったとも聞いております。また、一般の参加者は、全員でもちつきを行いまして、お互いの交流を深めながら収穫の喜びを実感いたしておりましたが、参加者へのアンケート調査では、米づくりという貴重な体験をすることで食の大切さを改めて認識するなど、大変好評を得たところでございます。  次に、2点目の魅力アップ推進事業についてお答えいたします。  確かに、委員のお話しのとおり、現在、食や農への理解に対する取り組みが非常に強く求められていると感じております。さとらんどの持つ役割は大変重要であると認識いたしておりまして、私どもといたしましては、実は、ことし8月と9月に食と農に関するイベントの開催を予定いたしております。  8月のイベントは、札幌の新しいブランドとなりつつありますスイーツ、洋菓子ですが、これとスープカレー、あるいは、今、札幌の食文化として定着しておりますジンギスカンの店舗が一堂に会し、これらの食材に地元農産物を活用することで来園者にしゅんの味を楽しんでいただこうという企画でございます。  また、9月は、札幌としては恐らく初めてであろうと思いますが、全国規模のそば祭り、そば博覧会を開催しようと考えております。ご案内のとおり、そばは機能性食品としても非常に人気の高い農産物でございます。本市におきましても作付面積は21ヘクタールございまして、レンタルファーム事業の中でもソバの生産者を積極的に支援しているところでございます。このような取り組みもございまして、さとらんどでそば愛好家がそばを打つ姿を見ながら、打ちたてを味わっていただくような取り組みを考えております。 ◆阿知良寛美 委員  昨年、田植えが子どもたちに大変な好評だったというお話がありました。日本人の文化の基本というのは稲作から始まっているというふうに思いますので、そういう面では、今回のさとらんどの米づくりの体験というのは、まさに食と農、食育の実践の場として今の市民ニーズに対応した事業であるというように思います。  そこで、再質問の1点目でありますが、この米づくり体験事業にはさらに多くの希望者が予想されます。先ほど2,000名ということでお話がありましたけれども、今後の事業計画についてお伺いします。  次に、今ご回答がありました魅力アップ推進事業でありますが、日本のそば博覧会ということで、さとらんどにはソバ畑がありますから、そういうソバの花が咲き誇る中、そば打ちの愛好家が集って、ひく、練る、打つ、そして食するということで、そういう面では非常に楽しみなイベントだというふうに思います。そこで、そのときには、ぜひ辛み大根を使っていただければなというふうに思います。  また、新たな札幌の食のブランドになりつつあるスイーツとスープカレー、あるいは、札幌の文化であるジンギスカンなどが大消費地の札幌に一堂に会することで、これらの食に対する新たな需要が期待されるところであります。  そこで、再質問の2点目でありますが、これらのイベントの開催に伴う魅力アップ推進事業の事業効果についてどのように考えているか、お伺いいたします。 ◎西村 農務部長  今後の米づくり体験事業の計画でございますが、平成18年度は、今年度と同様、一般市民、市内小学校の児童を対象といたしておりますけれども、市民向け公募要領等につきましては広報さっぽろ4月号に掲載を予定しております。平成18年度は、市民からの応募者が4倍を超えているということでございますので、20組ふやして60組を予定いたしております。市内小学校につきましては、今年度参加された5校を含め、現在6校の申し込みがございます。  さとらんどの米づくり体験事業につきましては、今後も1人当たりの植えつけ株数をふやすなど、事業の充実を図っていくことを考えております。  次に、魅力アップ推進事業の効果でございますが、イベントを実施することによりまして、関連する食産業の活性化を図る、あるいは、札幌ブランドとしての食や農産物の魅力アップを通じ、市内や道内の農業振興に寄与するとともに、観光振興にもつながるものと考えております。  また、2カ月にわたる事業に伴う集客は約10万人を予定してございます。 ◆阿知良寛美 委員  最後に、要望で終わりたいと思います。  札幌では、かつて、昭和42年には1,800戸、3,000ヘクタールの水田があったというふうにお伺いしたことがあります。国の減反政策を継続した結果、現在では19戸、35ヘクタールの田んぼだけとなってしまいました。先ほどの質問でも触れましたが、田んぼは日本の文化であります。この田んぼが札幌からなくなっていくことに強い危機感を持っておりますが、行政としても個人の農家に頼ることなく、責任を持って積極的に保全をしていくことを強く要望いたします。  また、風景といいますか、田植えから収穫までを体験してこれを食べる、そういう大切な食育を実行できる場は、次代を担う子どもたちにぜひ残していくべきであり、厳しい財政状況ではありますが、しっかり予算をつけていただければなというふうに要望して、私の質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私は、農業振興促進にかかわりまして、2点、質問をいたしますが、その前に、昨日から生乳が1,000トン廃棄されたと報道されておりますので、これに関して最初に質問をいたします。  ホクレン生乳1000トン廃棄ということで、私は札幌で影響がないのかということを非常に心配しておりますので、札幌の酪農家への影響があるのかどうか、また、その対応などについて最初に伺いたいと思います。 ◎西村 農務部長  新聞報道にございましたホクレンというのは、道内最大の農業経済団体でございます。この団体以外に、例えば、独立系のサツラク農業協同組合等がございます。  現在、札幌市内には19戸の搾乳農家がございます。この19戸の中で18戸がサツラク農業協同組合に出荷しています。それから、もう1戸につきましては、やはり独立系ですが、新札幌乳業という会社に出荷しております。したがいまして、ホクレンとは直接関係はございません。  両組合等に照会しておりますけれども、現在のところ、廃棄するという考えは全くないということで伺っております。 ◆小形香織 委員  現在のところ、廃棄はないということで少し安心しましたけれども、新聞に書かれているのは、春休みやゴールデンウイークなど学校給食用の牛乳需要がなくなる時期に非常に心配があると。これはホクレンのことに関連して書いていますが、恐らく、サツラクなど酪農家全体としても需要の落ちる時期があると思いますので、その辺の対応策とか供給をどういうふうにしていくかということについて、ぜひ積極的にかかわって取り組んでいただきたいというふうに思っています。  それでは、2点について質問させていただきたいと思います。  まず、1点目は、この冬はかなり大雪でしたが、この大雪による農業の被害について伺いたいと思います。  1月に入って降雪量がぐんとふえる、そして、気温の低い日が続くという特徴があったこの冬でしたけれども、こうした気象によって札幌市内の農作物に被害があったのかどうか、どのような被害があったか、具体的にお示しいただきたいと思います。  また、被害があったとすると、支援策をどのようにとられたのか、これについてお聞きしたいと思います。  また、昨今の灯油価格の高騰で、石油素材になっているハウス用のビニール資材に価格的に影響があるのかどうか、農家の経営を圧迫しているといった実態はないのかどうか、このことについて伺いたいと思います。  それから、質問の2点目ですけれども、地産地消の推進についてです。  顔の見える農業推進事業費として292万3,000円が予算計上されて、さっぽろとれたてっこ事業による札幌産農畜産物の消費拡大支援を進めていく、これが事業内容として書かれています。  さっぽろとれたてっこ事業というのは、学校給食と朝どりとれたて便と市場外流通の大きく3本立てで消費者に届けられています。2001年には取扱量390トン、それが2003年に531トンと一たんは伸びたのですけれども、2004年が426トン、2005年が430トンと、この1〜2年で取扱量がだんだん伸び悩んでいます。
     その中身を具体的に見てみますと、学校給食の方は、全体としては2001年から2005年度で約2倍にふえています。一方で、朝どりとれたて便の方は、2001年から2005年度のところで80トンあったものが48トンと約6割に落ち込んでいます。風台風だとか、いろいろ自然災害の影響もありますけれども、朝どりとれたて便がふえていないということがさっぽろとれたてっこ事業の伸び悩みの原因の一つとしてあるのではないかというふうに思います。  朝どりならではのおいしい野菜というのはもちろんあるわけで、私もアスパラなどは非常に朝どり大好きという人ですが、ホウレンソウなどの葉物の野菜は、朝どりよりも実は夕どりの方がビタミンCや糖分が多く含まれていて栄養価が高いのだということが研究が進む中でわかってきています。そのことは、さっぽろとれたてっこ事業の三つ折りのパンフレットの中にも、一口メモみたいな形で夕どりの方がおいしいのだと書いてあります。  地元の野菜は新鮮だという意識はかなり定着しているというふうに思いますので、朝どりにこだわらず、さっぽろとれたてっこ事業に取り組んではいかがかというふうに思いますが、その点のお考えを伺いたいと思います。 ◎西村 農務部長  1点目の降雪による農業被害についてお答えいたします。  お話しの中にございましたように、12月までは比較的穏やかな気候が続きまして、雪も平年よりも少ない傾向でございました。実は、1月7日から9日にかけて集中的に雪が降りまして、一気に平年を上回る状況となってございました。その後も雪は降り続きまして、加えて、例年にない低温の影響から融雪が全く進まず、このため越冬中のビニールハウスが倒壊するという被害が発生いたしました。  地域的には北区、東区を中心にタマネギ育苗用のハウスが20棟、野菜の育苗等に用いるものが13棟の計33棟が崩壊し、うち25棟は全壊という状況でございました。損害額も約2,200万円に上るという近年にない降雪被害となってございました。一方、南区の方におきましては、降雪はほぼ平年並みとなっておりまして、果樹地帯における枝折れ等の被害はほとんど見られていない状況でございました。  次に、具体的な支援策でございますが、農業者、農協との協議を重ねた結果、タマネギなどの種苗に用いるハウスなど、緊急性の高い施設12棟を対象に地域農業基盤整備事業を適用いたしまして、既に助成措置を講じたところでございます。  なお、残る施設につきましても、来年度の事業の中で対応したいというふうに考えております。  次に、燃料高騰の影響でございますが、現在、市内には、冬期間、灯油などを用いて農業を営む生産者は実は極めて少なく、比較的、影響は少ないものと考えております。一部の鉢花生産者は暖房をしながら生産を続けておりますが、保温等の対策を各自が実施いたしまして影響を最小限に抑えているとのことでございます。ビニール等の資材の高騰については、現在、販売元の内部努力によりまして価格差を吸収いたしておりまして、生産者渡し価格には、今のところ反映をしていないとのことでございます。全体として農業経営に対する影響は比較的少ないものと考えております。  2点目についてでございますが、確かに、ご質問のお話の中にもございましたけれども、朝どりとれたて便の取り扱い実績は、平成15年度をピークにここ2年間は気象災害等もございまして減少傾向で推移いたしております。  この背景ですが、実は生産現場の問題がございます。朝早く起きてとらなければならないという時間的な制約、このための心労があるだろうと思います。それから、葉っぱに付着した朝露が作業性を著しく損ない、生産者には大きな負担となってございまして、その結果として生産量が伸び悩み、さらに、小口化による輸送コストの負担増を招いたものと考えております。  そこで、平成18年度からは、アスパラあるいはスイートコーンなどのような鮮度を競う一部の品目を除きまして、朝どりだけにこだわらず、収穫時間の制限を取り除くことによりまして、供給量の拡大、あるいはタマネギ、カボチャ、バレイショと品ぞろえの充実などを通しまして、地元農産物の供給・消費という地産地消の原点に立ち返り、全体的な品目や取扱量の拡大を図っていくべきと考えております。  今後は、これらのことを踏まえながら、輸送コストの低下、さらには、安全でおいしい札幌産の野菜を安定供給できるよう、札幌市農協など関係機関と協議の上、新たなシステムづくりに着手してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  まず、農家に対する支援についてですけれども、今のご答弁では、緊急的に地域の農業基盤整備事業で補助をしたということで、全部を補助したわけではなく、まだ残っているところもあるというふうなことでした。  農業というのは本当に自然相手の仕事なので、いつ、どういうことがあるかわからず、経営の安定が非常に難しい職業ですから、ぜひ農家を支えるという姿勢が大事だというふうに思っています。こうした自然相手の農家の持つリスクに対して、今回は緊急の基盤整備ということでやりましたけれども、全体としてはどのように軽減策を講じようとされているか、その基本的な方策をお尋ねしたいのが再質問の1点目です。  それから、地産地消についての再質問でございます。  地産地消の原点に立ち返ってやっていきたいというふうなご答弁がありました。確かに、おっしゃるコストの問題だとか、課題はいろいろたくさんあるというふうに思いますが、大きくは、地元産の野菜を積極的に買おう、それから、地元の農業を支えようという市民をふやしていくことが大変大事だろうというふうに思っております。とりわけ、次代を担う子どもたちとか、あるいは、学校給食で地元産に触れたけれども、その後、大きくなってひとり暮らしなどをしている20代ぐらいの方々などへの食育的な働きかけが必要だなというふうに思っていますが、その点はいかがか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。  また、地産地消を広げていくためには、農業体験だとか食農体験、こういうことができるだけ広げられる施策が求められているというふうに思いますけれども、この地産地消の推進を、食農とか、食農教育の機会をつくるということとあわせて、どのように位置づけて進めていこうとされているか、その点を伺いたいと思います。 ◎西村 農務部長  1点目の経営リスクの軽減策についてでございます。  自然環境下で営む農業は、ほかの産業と違いまして、前段の気象災害のみならず、それに伴う価格の乱高下など多くのリスクを抱えていることはご案内のとおりでございます。  これを軽減するための基本的な方策といたしまして、一つには、農業共済制度をもっと積極的に利用するなど、農業者の主体的な自衛の取り組みを促していくことが肝要だと考えております。もう一方では、従来から実施いたしております地域農業基盤整備事業を活用いたしまして、農地の改良やハウスの再建整備などを通し、今後とも農業経営の安定化に寄与してまいりたいと考えております。  次に、地産地消と食農教育についてでございます。  幼児を対象とした農業体験は、心身の発達、成長が最も著しい時期に五感を使って自然や食べ物に触れることによりまして、正しい食生活を無理なく身につけさせることができる非常に効果的な手法であると理解いたしております。また、お話しのございました、仮に20歳前後の農業体験というのは、まさに食農教育につながるものと考えております。生産現場から食卓に至る過程を理解したり、環境問題を考える機会を提供し、間もなく社会人として役立つ世代に、食べること、あるいは食べるものについての有用な価値観を形成する絶好の場であると考えております。  いずれにいたしましても、一度でも土に触れたり作物を栽培した経験のある市民、消費者を育てていくことは、生活満足度の向上というライフスタイルの観点に加えまして、地元の農業や農産物に対するよき理解者を確保するという意味におきましても、大変有意義な取り組みであると認識いたしております。今後は、10年後を見通して、新たに策定しました都市農業ビジョンに掲げた市民農業体験参加者数10万人、市内体験農園数50カ所を目標といたしまして、地産地消事業を展開してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  経験される方をふやしていきながら、都市型農業をされている方も支えていくという総合的な施策が本当に大事だというふうに思っています。  これは、私の提案でございますけれども、今、学校給食での地産地消は進んでいるという中で、就学前の子どもたち、例えば、保育所などに地元産の野菜を供給できるような方法がとれないか、こんなことも考えています。それから、先ほどの20代の方ですが、実は、2004年に市民アンケートをとってみた結果では、地元の農産物の購入について、20歳代は余り考えたことがないと答える人が多かったのです。私は、ここら辺に問題意識を非常に持っていまして、例えば学生であれば、大学の中に学生食堂などもあるので、こうしたところなどで、これは札幌産の野菜を使ったメニューですということがわかるようなことをしてもらえないかという働きかけとか、あるいは、アルバイトでもボランティアでも農体験をやってみないかという働きかけとか、こんな方法で食や農への関心を高めることなんかもぜひしてみたらどうかというふうに考えています。  いずれにしましても、農家への支援と地産地消、食育を一体のものとして進めていただけますように、そのことを求めまして、質問を終わります。 ◆坂ひろみ 委員  私は、市民参加型農業推進事業について伺います。  2006年3月末策定予定のさっぽろ都市農業ビジョンは、次世代の市民に引き継ぐ札幌型農業の確立を基本理念とする農業基本計画です。付加価値や生産効率を高めるといったこれまでの農業振興策に加え、市民の暮らしを向上させる環境保全型の都市農業、農業ヘルパー制度などを取り入れ、市民が支える都市農業、すなわち市民参加型農業が札幌型農業として提案されています。  市民参加型農業を進める中核事業が、市民農業講座さっぽろ農学校です。さっぽろ農学校は、農業の新たな担い手や農業応援団の育成を目的に、2001年度から札幌市が開催している講座です。講義や実習を通じて栽培の基礎知識や技術を身につける基礎コースに加え、2002年度からは、その修了生を対象に、より本格的に農業を学ぶ就農コースが開設されています。農業者やその後継者・新規就農者が、農業の生産のみならず、流通、販売を含めた総合的な農業経営の学習ができる場として注目されています。  そこで、質問の1点目に、市民農業講座さっぽろ農学校について、これまでの実績と評価について伺います。  2点目に、札幌の農業の現状として、既存農家の高齢化や後継者不足により農家戸数の減少が加速しつつありますが、その一方で、団塊の世代の生きがい対策として、また、食農教育や食の安全・安心に関する意識の高まりなど、農業に対する市民のニーズは高度化・多様化しています。さっぽろ農学校の2005年度の基礎コース募集数は、実習の受け入れに限界があるため、定員は40名となっていますが、受講希望者は96人という人気の高い講座です。  そこで、2点目に、今後、さっぽろ農学校のほかにも、こうした市民を対象とした農業講座や体験事業を積極的に進めていくべきと考えますがいかがか、伺います。  3点目に、市民が食や農に関する情報を得ようとしても、なかなか情報にたどりつかない現状があります。さっぽろ都市農業ビジョンでは、多様な農業の担い手の育成や受け皿づくりを進めるなど、市民の視点でさまざまな施策を進めることとしています。市民参加型農業やさっぽろ農学校の情報提供についてはどのように進めるおつもりか、伺います。 ◎西村 農務部長  1点目のさっぽろ農学校のこれまでの実績と評価についてお答えいたします。  市民農業講座さっぽろ農学校事業につきましては、市民の中から新たな農業の担い手を掘り起こしていこうという取り組みでございまして、事業を開始した平成13年度からの5年間で189名の市民の方に受講をいただきました。これまでに新規就農者4名を初めとしまして、現在、就農研修中の方5名、農業ボランティアや農業体験事業の運営等に参加されている方18名、このほか自給的農業を実践する方など、ほとんどの修了生が何らかの形で農業にかかわっておりまして、幅広い農業応援活動に取り組む人材を輩出いたしております。  さっぽろ農学校には、新たに、農業担い手の育成はもとより、市民への地元農業や地産地消に対する理解を広める人材の育成、さらには農業振興を担える人材の育成など、幅広い人材育成を進める役割が期待され、市民と農業の新たな関係づくりに道を開くことができたのではないかと考えております。  2点目の市民向け農業講座や体験事業を積極的に進めていくべきではないかとのご質問でございます。  市民向けの農業講座につきましては、さっぽろ農学校のほか、サッポロさとらんどでは野菜栽培講習会を年間10回程度開催いたしまして、延べ1,000人近くの市民の方に参加をいただいているところでございます。このほか、東区や南区におきましても、農家の方が主催する親子農業体験事業などが開催されるなど、幾つかの取り組みが進められているところでございます。  さっぽろ都市農業ビジョンでは、市民の農業理解を進めるため、農業講座や農業体験を充実させていくこととしておりまして、市民農園の講習会や体験農園等に指導者を派遣する農体験リーダー育成事業を新たに実施することといたしております。また、農学校修了生の中にも市民向けの農業講座を立ち上げたいとの声もございますので、こうした取り組みや意向をうまく生かしながら、既存の農業者の理解と協力をいただきながら農業講座や農業体験機会の充実に努めてまいりたいと考えております。  3点目のさっぽろ農学校を初めとした市民参加型農業についての情報提供を進めるべきとのご質問でございます。  さっぽろ農学校につきましては、現在、市民向けパンフレットの作成やホームページによります情報提供の充実を図るための準備を進めているところでございます。ホームページによる情報提供では、講座の日々の様子や詳しい内容についても紹介し、市民向けのパンフレットでは、修了生の活動を紹介しながら、市民の農業参加の方法や可能性についても掲載するなど、単なる事業の紹介だけではなくて、市民と農業のかかわりについてわかりやすく情報提供できるような配慮をしていきたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  さっぽろ農学校につきましては、卒業した方たちが今もたくさん農業にかかわっておられるということで、いろいろな市民の方が何らかの形で幅広く農業にかかわる、そういった人材を育てているということで、大変評価をしております。  また、さっぽろ農学校のほかにも、市民参加型の体験事業などを積極的に進めていくべきという質問に対しましては、東区、南区で農家が主催でといったようなお話もありましたし、さとらんどでも年間10回ですか、延べ1,000名の方というご答弁がございました。ビジョンの中では本当に欠かせないということで、ぜひ進めていただきたいというふうに思うのですけれども、多様な市民が農業を体験したり、農業を通じた街づくりに参加したりといった市民参加型農業を進める上で、各区で農に関するさまざまな取り組みを行うことは、市民が農業に関する情報を幅広くキャッチできるほか、行政にとっても全市的に農業の情報を広く提供できる機会として有効ではないかというふうに考えております。  それから、情報提供についてですけれども、ご答弁にありましたパンフレットなども、今後、準備していく、また、ホームページについても、ただ事業紹介だけではなく、市民と農業のかかわりをわかりやすく紹介していきたいというようなご答弁がございました。今回、質問をするに当たりまして、パソコンは苦手ですが、インターネットで農学校のことも調べてみようと思ってやってみましたら、ウェブ・シティの方から入り、機構のところで経済局を選択して農政部に行くのですけれども、そこで終わってしまうのです。ウェブ・シティから市役所のホームページの方に入り、組織別のホームページから札幌の農業というところには入れるのですけれども、さっぽろ農学校というのが全然なかったものですから、札幌市の農業に関してということで市民の方がインターネット検索を行っても、さっぽろ農学校にはなかなかたどりつけないという現状があることがわかりました。  インターネットに関しては、経済局だけではないと思うのですが、ウェブ・シティにしても市役所のホームページにしても、市民の方が調べたいことがどこの関係部局になるのか非常にわかりにくいのではないかというふうに思いました。農政、農業に関することが経済局に入っているということも市民の方にはなかなか理解できないでしょうし、また、農務といっても広いので、食育とか保健福祉の方にもかかわるといったところでは、こういった情報も整理する必要があるのではないかというふうに今回改めて感じたところです。  そこで、再質問ですが、1点目に、さっぽろ農学校の修了生がことし6月にもNPOを立ち上げ、新規就農を始めるとの新聞報道がありました。今後、そうしたNPOへの支援や行政との連携についてはどのように考えておられるのか、伺います。  再質問の2点目に、食育を初め、つくり手の顔が見える農業、地産地消などに取り組む生産者やNPO、市民団体などがふえています。しかし、こうした活動は個別に行われており、互いの横のつながりが薄いのが現状です。今後は、生産者やNPO、市民団体等が連携し、食と農のネットワークを構築することが求められます。また、市民参加型農業を目指す札幌市においては、このような関係団体との連携を欠かすことはできません。  そこで、さっぽろ農学校修了生によるNPOを初めとし、その他のNPOや市民団体との事業連携も視野に入れ、多様な市民との意見交換や情報の共有を図る場が必要と考えます。今後、行政が定期的にそのような場を設けることについてはいかがか、伺います。 ◎西村 農務部長  1点目の農学校NPO法人への支援や行政との連携についてのご質問でございます。  さっぽろ農学校の修了生によりますNPO法人設立につきましては、修了生の自発的な取り組みといたしまして、昨年10月から設立に向け準備を進めているところでございます。  私どもといたしましても、市民グループによる農業の実践と農業応援団活動は、市民参加型農業を具体化するモデルケースにもなり得るものと考えておりまして、これまでの準備作業に参加いたしまして、法的なアドバイスや農地の確保など設立作業の手伝いを進めるとともに、農地の貸借を可能とするために、農地関連法に基づく賃貸の仕組みづくりを進めているところでございます。今後につきましても、NPO法人として自立、安定していただくために、農業支援センターを中心といたしまして、技術的なサポートや流通、販売に係る情報提供など支援に努めていきたいと考えております。  また、行政との連携についてでございますが、事業を軌道に乗せることが前提でございまして、直ちに事業連携というわけにはいきませんが、NPO法人の活動計画として、農業体験事業や援農活動の実施、市民向け農業講座の実施などが計画されておりますので、将来的には農業振興のパートナーとして一緒に活動できるように育っていただけることを強く期待しているところでございます。  2点目のその他のNPO法人と農学校NPO法人との事業連携を視野に入れて意見交換や情報の共有の場を設けてはどうかとのご質問でございます。  設立が予定されている農学校NPO法人につきましては、実際の農作業を通じて営農や農業応援団活動に取り組むことを想定いたしておりまして、参加者もさっぽろ農学校の受講を通じて一定の農業知識や技術を習得した皆様方ですので、農業の技術的なノウハウを持った組織として設立されます。  こうした農学校NPO法人の利点を生かしまして、ほかの食育や農育を目的としたNPOと事業連携することによりまして、栽培から収穫、調理から食べるところまで一連の体験が可能となりますし、また、それぞれの組織の得意分野を生かした事業が見込まれまして、より効果的な取り組みが期待できるものと考えてございます。  ご質問の中にありましたとおり、横のつながりが薄いNPO法人同士が情報交換できる機会は貴重であると思いますので、関係する部局等と連携を図りながら、農学校NPO法人に参加する市民ともよく相談しながら、こうした機会を設けることについて検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  間もなく策定されますさっぽろ都市農業ビジョンにつきましては、委員会で議論不足との声もございましたが、私は、これまでの計画が生産効率の向上など産業振興の視点でつくられてきたものであったのに対し、新たなビジョンでは、環境や健康といった市民生活の質の向上に資する都市農業の新たな価値をうたい、市民参加型農業、市民が支える農業によって存続させていこうという点など、高く評価をしているものでございます。  今後の都市農業のあり方においては、新規就農以外にも多様な市民のニーズにこたえることが求められます。また、現在農家を営んでいる生産者の方々の意欲の向上を図るためには、生産者同士や農業関係団体が意見交換をする場が必要です。食と農に関する多様な人々の緩やかなネットワークの構築に向けて、今後も引き続き努力をしていただきますことを求めて、質問を終わります。 ◆村上勝志 委員  私からは、環境に優しい農業の振興について、大きく2点、景観作物の導入についてと雪を利用した農作物の貯蔵実験についてお伺いいたします。  札幌市の農業は、昭和30年代のピーク時には5,000戸の農家戸数と1万5,000ヘクタールもの農地面積を有しておりましたが、地方都市からの人口流入と急速な都市化の進展に伴い、住宅用地や学校用地など、生活基盤整備の必要性から農地がその受け皿として大きな使命を果たしてきました。それに伴い、農地面積が減少するとともに、農業者の高齢化と担い手不足が進んでおり、離農や耕作放棄地も目立ってきました。都市と農業の共存を考えた場合、耕作放棄地がふえることは大変憂慮すべき事態であります。  市内の市街化調整区域を見ますと、現況有姿分譲地により原野化したところ、産業廃棄物が捨てられた場所など、かつては農地として利用されていたと思われる場所が点在し、都市景観を大きく損なっております。最近、よくテレビで農村地帯の風景が報道されますが、本州ではあたり一面に菜の花畑が映し出され、その美しさに大変感動を覚えるものであります。菜の花は、花の部分を野菜として食用し、種は食用油として利用されております。  そこで、質問の1点目は、札幌市も観光都市をうたっており、観光客の誘致を積極的に進めてきておりますけれども、美しい街並みをつくり、都市景観を高める上で市域の外周に菜の花のような景観作物をもっと積極的に導入すべきと考えますが、作物栽培についての試験調査を行っている農業支援センターではどのような具体的作物の取り組みをしているのか、お伺いいたします。  次に、昨年11月に経済公営企業委員会で農業支援センターを視察し、雪の冷熱エネルギーを利用した農作物の貯蔵施設の説明を受け、大変興味深いものを感じました。冬には邪魔者扱いされている雪を、農業生産の最盛期となる夏場に有効利用しようという考え方であります。成果の一つに、ジャガイモは夏まで芽が出ず、甘みが増して食感がサツマイモのようだと視察一行の委員が驚いていたのを覚えております。また、辛み大根なども貯蔵して、その経過を観察していると説明を受けました。このような試験調査はもっと積極的に実施し、また、広く市民にアピールしていくべき業務ではないでしょうか。  そこで、質問の2点目ですが、雪の冷熱エネルギーを利用した農作物の貯蔵施設の概要と現時点での成果をお伺いいたします。 ◎西村 農務部長  1点目の景観作物の導入についてお答えいたします。  有効な土地利用対策を講じなければ、さらに耕作放棄地が拡大するおそれがありまして、これが周辺の環境を悪化させ、著しく都市景観を低下させることにつながることは、確かに委員のおっしゃるとおりだと思っております。  この解決策といたしまして菜の花の例を挙げられましたが、私どもとしましては、同じ効果が期待できると考えている景観作物の一つとしてヒマワリを対象に取り上げることを現在検討中でございます。  次に、2点目の雪を利用した農作物の貯蔵実験についてお答えいたします。  施設の構造は、一般農家用のビニールハウス、間口5メートル、奥行20メートルぐらいの施設を利用しまして、ここの3分の2に当たる部分に雪を入れ、周りに10センチくらいの発泡ウレタンを吹きつけて覆うという非常に簡単な施設でございます。建設費は、支援センターでつくって150万円ぐらいで、これは10年くらいもつだろうというふうに言われています。  結果は、昨年の猛暑にもかかわらず、室温2度から4度、湿度は85%から95%で維持されまして、雪は10月末で3分の1が残っておりました。委員のお話の中にもございましたように、バレイショはでん粉が糖に変化して甘みが増したこと、それから、阿知良委員のお話にもございました辛み大根の特徴である辛みが抜けることなく鮮度が保持されました。さらに、夕どりのコマツナは翌朝までしおれることなく鮮度が保持されるなどの効果を確認いたしております。11月以降は外気温の低下とともに室温も低下しましたが、厳寒期でも室温マイナス2度、湿度99%に維持されまして、バレイショやニンジン、リンゴは良好な状態で保持されました。 ◆村上勝志 委員  今、農業支援センターではヒマワリの栽培事業に取り組んでいるという回答でありました。  私も、初めて議員になったときの代表質問の中で、これは白石区の話ですけれども、サイクリングロードに桜並木やヒマワリなど四季折々の花でという質問をさせていただいた経験がありますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  先ほど菜の花と述べましたけれども、ヒマワリも同様に高齢者でも栽培が可能でありますし、景観作物としての農地の有効活用にもつながってまいります。また、安心・安全な食料品を求める消費者にヒマワリ油として供給することができますし、また、茎や葉は有機的資材としての土壌改良資材として利用できるそうであります。まさに、多くの機能を持った作物と言えると思います。  そこで、再質問の1点目ですが、ヒマワリの活用方法として支援センターでは今後どんな課題に取り組もうとしているのか、お伺いいたします。  また、雪の冷熱エネルギーを利用した農作物の貯蔵施設についてでありますが、北海道という雪国の自然を有効に活用した農業生産であり、これからの省エネルギー、環境に優しい農業の推進には大変重要なことであります。  そこで、再質問の2点目でありますが、雪を利用した農作物の貯蔵施設について、これから具体的にどう進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎西村 農務部長  1点目のヒマワリの活用でございます。  農業支援センターのヒマワリの取り組みにつきましては、食用油としての利用を期待いたしております。  機能性につきましては、村上委員の専門分野でございますが、今回取り組んだヒマワリの種子は改良種でオレイン酸含有量が非常に豊富だということでございまして、動脈硬化、胃潰瘍、老化等の予防になることが知られております。  ヒマワリ油の活用法といたしましては、利用した後の油をリサイクルいたしまして、軽油と混和しまして、農業支援センターのトラクター、あるいは、さとらんどのSLバスなどのバイオディーゼルの燃料として利用することといたしております。走行試験は本年の夏ごろに予定いたしております。  また、ヒマワリ油を使った場合、硫黄酸化物などの有害物質の発生が少なく、また、二酸化炭素の排出量を抑えられるなど、環境に優しい燃料として期待されているところでございます。  次に、2点目の雪を利用した農作物の貯蔵施設のこれからの拡大等についてでございます。  先ほどお話ししましたように、特定の農作物について活用の可能性を確認しておりますが、今後、さらに多くの農作物について貯蔵試験を行ってまいりたいと考えております。現在、既に南区の観光農園や、東区や北区などにあるレンタルファームの実験事業参加企業からも非常に関心が寄せられておりまして、さらにほかの作物を栽培し、この施設を希望する農家につきましてもモデル事業を導入していきたいと考えております。また、試験結果等につきましては、札幌市農協を通じまして情報提供し、農家への普及を図ってまいりたいと考えております。 ◆村上勝志 委員  本市独自の特産物づくりに、農業と企業、大学が一体となって実施することが大切であります。経済局として積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  また、農務部では、遊休農地の積極的活用や担い手の育成を目的としたレンタルファーム実験事業を実施し、建設業などの異業種からの農業参入を促す取り組みを行っておりますので、産業振興部が2006年度から新規に実施する建設業の新分野進出等の支援を行う中小建設業等経営資源活用型モデル事業とも連携を密にし、効果的な事業展開を図っていただきたいと考えております。  さらに、先ほど答弁にありましたが、農業支援センターでは、ヒマワリやキクイモなどの新しい作物の研究試験栽培を行っております。とりわけヒマワリについては、私も非常に高い関心を持っております。  今、仕事につかず、通学もせず、職業訓練も受けていないニートと呼ばれる若者が急増しております。一概には言えませんが、彼らには、人間関係構築の難しさから開放され、自然を相手に就労の機会を得て自信を取り戻し、次のステップに進むために、農業は極めて有効な手段だと思うのであります。そのような観点から、事業の可能性の可否をぜひ検討していただきたいことを要望いたします。  雪の冷熱エネルギーの利活用は、ガラスのピラミッド、都心北融雪槽での事務スペースの冷房実験を行っており、山口斎場では、PFI方式ですが、年間冷房の約4割を雪の冷熱エネルギーで調達と報道されておりました。農産物の貯蔵試験でも、先ほどの答弁でも、年間を通して温度、湿度とも一定であり、甘味が増したり鮮度が保たれることがわかってきました。  これまでの試験結果からも、付加価値を高め、出荷時期の調整のほか、ハウス内はしばれることがないと思われますので、発芽の時期の見きわめなどの試験を行うなど、雪は、他の政令市には欲しくてもない、まさに天からの贈り物でありますので、冷熱エネルギーの特性を全庁的な取り組みとしていただくことを要望して、質問を終わります。 ○高橋功 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時40分       再 開 午後5時59分     ―――――――――――――― ○高橋功 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆小谷俵藏 委員  それでは、私から、農業振興にかかわる件で、2点、質問をさせていただきます。  実は、私の手元に、今年度からさかのぼって昭和57年、そして55年、56年は札幌の農業でなくて、いわゆる統計書という形でございますが、約25年分ということで、時間の合間を見ながら今ちらっと書き出しをしていたわけでありますけれども、驚くなかれ、これに基づきますと、さかのぼって昭和45年は99億4,900万円という農業者所得でありました。100億円にやや近かった。これがずっと来て、昭和48年以降は、札幌全市の粗売り上げですが、平成元年まで110億円台でした。しかし、平成2年から99億円、95億円、80億円台、60億円台、40億円台と下がってきているわけであります。現在を見ますと、ここには平成15年の数字が載っておりまして、平成17年度のものはまた2年後ということになろうかと思います。  いずれにいたしましても、昭和57年には農家戸数が2,877戸、耕作面積が5,519ヘクタールあったものがだんだんと減りまして、時間の関係で中間を飛ばしますが、平成12年においては農家戸数が1,455戸、3,116ヘクタール、こういうふうに減少しているわけであります。先ほど来の話の中にも、札幌は2,500ヘクタールということで、200ヘクタールぐらいは遊休農地ということですから、だんだんとしりすぼみになってきて、寂しい限りであります。
     そこで、質問に入りますが、農業や農地の現状については、今申し上げましたように非常に厳しい状況にあります。このまま手をこまねいていると、札幌から農業が消滅してしまいかねないのではないか、こんな感もいたしているわけであります。農業振興に当たっては、札幌の農業生産を支える市街化調整区域の農業者とよく話をして、その上で農業振興策を検討していくのが大前提である、このように申し上げたいのであります。  なぜならば、農地は市街化区域と調整区域にまたがっております。市街化区域は、住宅地を初めとして、用途については所有者の意向あるいは近隣の仲間同士の意向でいろいろ転換できるわけでありますが、調整区域については、きちっとした農地法上の縛りがあります。農用地指定のかかっているところは特にそうでありますが、また一方では、残念ながら、それが崩れているという現象もあるわけであります。  札幌市では、新たな農業振興計画としてさっぽろ都市農業ビジョンを策定する過程で、農業者に対するアンケート調査などを実施してきたとの説明を受けましたが、ひざを詰めて農業者の意向や考え方を十分反映させてつくり上げたのかどうか、これには非常に疑問を持っているところであります。特に、今申し上げましたように、市街化調整区域の農業者の意向や考え方を反映させていくために、農業者が自分たちの農地や農業をどのようにしていきたいのか、地域ブロックごとに数十名の農業者グループに聞き取りをしていかなければ本音は聞き取れないのではないかと思います。例えば、一人一人アンケートでやったとしても、これは主観であり、直感であります。やはり、みんな同じような条件にある人が集まるところで、行政や農業委員の人たちが一緒になって、これからの調整区域農業をどうしていったらいいのだということを相談していかなければならない。  そこで、質問の第1点目として、市街化調整区域の農業者の意向や考え方をよく聞き取った上でもろもろの農業振興策に反映させていくべきと考えておりますが、いかがでございましょうか。  また、農業は、一世代を通した対策が必要であります。長期的な展望を持って農業振興に当たるべきと考えるわけでございます。ご案内のように、農業は、ただ作業場だとか機械だけを持っているのではなくて、農地はほとんどが自己所有であります。ですから、親代々、農業、農地を継承してきた農業者が大半であります。  したがって、こうした方々の農地を今後どうするかについては、先ほど申し上げましたように、しっかりとひざを突き合わせて、そこからビジョンの問題に入っていかなければならない。ビジョンが先走りをしてしまって、せっかく中身がいいと思っても絵にかいたもちになってしまう危険性がある、私はこう考えているわけであります。  質問の2点目でありますが、200万人になんなんとする大消費地を抱えている札幌の農業は、札幌の特徴を生かして都市型農業の振興をもっと積極的に進めなければならないと思いますけれども、お伺いをいたしたいと思います。  また、農業振興について、先ほど申し上げたように、長期的な計画を持って対応しているのかどうか、お聞かせをいただきたい。さらに、長期的な考え方があるのであれば、さっぽろ都市農業ビジョンのような中期計画は、今後その中でどのような位置づけになるのか、お伺いいたしたい。  以上、まず、2点についてお尋ねします。 ◎西村 農務部長  農業振興におきましては、農業者の声を最大限に反映していくことは当然でございます。農業生産の中心でございます市街化調整区域の農業者の声を大切にしていきたいという考えに変わりはございません。  ご質問にありましたとおり、新たな農業振興計画となるさっぽろ都市農業ビジョンの策定におきましては、先ほど委員がおっしゃったように、農家全戸で1,455戸だったと思いますが、これを対象といたしました聞き取りアンケート調査を実施しましたほか、策定に向けたワークショップにおきましては、7名の農業者委員に参加いただき、ビジョンの策定作業に携わっていただきました。加えまして、平成15年度の農用地区域の見直し作業の際には、市街化調整区域の対象農業者を集めまして、7地区で地元説明会を開催いたしまして、営農上の課題や農業の継続意向などについてお聞きしたところでございます。日常的にも、農業支援センターを中心といたしまして農家圃場での営農指導や普及活動を実施する中で、課題や農業振興に係る意見、要望の聞き取りを行っておりまして、平成16年度に対象となった農家は延べ538戸を数えております。このように約2年間をかけて農業者の意向や考え方を吸収してまいりました。  今後につきましても、地域の農業者の意向や考え方を踏まえて種々の施策を展開していくため、札幌市農業協同組合と協力をしながら、地域ごとに開催する都市農業ビジョンの説明会を通じて農業者の生の声を聞きながら、今後の予算要求などに努めてまいりたいと考えております。  次に、質問の2点目でございます。  都市型農業の振興につきましては、大消費地の市民を抱える札幌市ですから、直接販売等の地産地消に力を入れて進めることはもちろんでございますが、食品関連企業や観光業が集積する地の利を生かしまして、札幌のイメージを生かした農産物のブランド化や加工品づくりなど、付加価値の高い農業を目指していきたいと考えております。  長期的な農業振興計画といたしましては、平成13年に策定いたしました平成32年を目標年次といたします第4次札幌市長期総合計画を策定いたしておりまして、その中で、都市農業の振興方針として、安全で良質な農畜産物の生産・供給の確立と市民農業の多面的な触れ合いの推進を基本方針として定めております。  こうした中で、中期的に本市の農業を展望すると、生産だけの古い農業のスタイルでは単なる消費都市として農業が衰退していくことは避けられず、市民や企業など新たな担い手の育成による農地保全や農業理解促進を通じた地産地消の推進、他産業との連携によるブランド農産物づくりなど、新たな考え方に基づく農業振興を進めていく必要があると考えております。このため、長期総合計画に基づきまして、中期計画として定めるものがさっぽろ都市農業ビジョンでございまして、長期的な目標の実現に向けて今後の10年間で足場固めと体制づくりを進めていく内容でございます。 ◆小谷俵藏 委員  今の答弁に対して、さらに再質問をさせていただきたいと思います。  すべての市街化調整区域の農業者の声を農業振興策に反映させていくことは難しい面もあると思いますが、農業者との話し合いを積み重ねることを通じて生産現場の声を最大限に反映させつつ、長期的な展望を持って農業振興に努めていただきたいのであります。  農業振興について再質問をいたしますが、最近、各地で地産地消運動が展開されておりますけれども、これは農業者にとっても非常に大切なことであります。移入農産物の増加や地産間競争が高まる中で、競争力を失いつつある札幌市の農業にとって、地元消費が拡大することは農業者の経営安定につながるものであります。まさに、先ほど申し上げましたように、200万人になんなんとする札幌市民を抱える食の大切さを考えたときに、市内の調整区域を中心とした農地はできるだけ保全しながらやっていかなければならない。  札幌市では、平成10年度から地産地消に取り組んで、さっぽろとれたてっこ事業など、いろいろなことをやっているわけであります。ここにはいろいろ書いてありますが、ご存じのことですからそのことはあえて省かせていただいて、農業というものは、ほかの職業と違って、さっき申し上げたように、親代々が培ってきた農地、所有地があります。これを農業者の人がどう考えるか。それを横に置いて物は進められないのです。  10年というスパンになっておりますが、農業者の子どもが、もう大人になっている人もいるだろうし、いろいろありますけれども、一世代、20年なり30年のスパンで物を考えなければ、何とか一生懸命にやって、どうやら軌道に乗りつつあるというときに、10年が終わりましたと、これじゃ大変なのです。ですから、20年、30年を志向したことをしっかりやっていかないと後継者は育ちません。  今までは、どちらかというと、高齢化で60歳、70歳の人が中心であります。採算がとれなくても、親から受け継いだ農地を何とか守っていこうということで頑張ってきていると思います。その農地を保全していくためには、今申し上げたように、これからは、少なくとも一世代を志向したものをしっかり考えていただかなければならない、こう思うところでありますので、このことを十分認識していただきたい。  そこで、再質問ですが、さとらんどの新たな事業運営の中で、地産地消の推進を初めとした農業者の支援を積極的に進めていく考えがあるのかどうか、お聞かせいただきたい。また、あるのであれば、具体的な方法もお聞かせいただきたい。  先ほどから20年、30年のスパンに対しての具体的な話はしてきているのですけれども、持ち合わせていないとすれば、それはそれでよろしいですから、これをしっかりやらなければ、特に、これは次世代の市民に引き継ぐ札幌型農業を目指してということです。それは、確かに広くは市民ですが、生産者である農業者抜きに何ぼ振りかざしてもうまくいきません。その辺をしっかり受けとめてください。  それじゃ、再質問のところを答弁してください。 ◎西村 農務部長  地産地消の推進とさとらんどの活用についてでございますが、さとらんどは、市民が自然や農業に親しみ、農業への正しい理解ができる施設として、これまで、農業体験事業やイベントの実施、それからファーマーズマーケットの開催など、各種の農業振興事業を展開したところでございます。  さとらんどへの指定管理者の導入に伴いまして、現在、指定管理者候補と札幌市の間でさとらんどにおける農業者の視点での新たな事業展開について協議を進めているところでございます。具体的には、地域の農業者とともに本格的な農産物直販体制を実現するため、ファーマーズマーケットを拡充することや、農産物の流通、販売、情報の提供や就農情報を提供する機会の創出、地産地消を進めるレストランの開店など、農業者支援の視点からの新たな事業展開を進めることといたしております。また、こうした事業を進めるに当たりまして、農業者や市民が利用しやすい施設となるように駐車料金無料化の提案も受けているところでございます。  これまでの市民と農業の交流に加えまして、より一層農業者に密着したさとらんどの運営を通じまして、地産地消の推進を初めとした農業者の支援を積極的に進めまして、市民の農業理解はもとより、農業者の経営支援に直接つながる事業展開を進めてまいりたいと考えております。 ◆小谷俵藏 委員  要望をしておきます。  いずれにいたしましても、今、私が申し上げたように、これからさらに真剣に取り組んでいかなければ大変であるということです。札幌から農業をなくしてはいけない。農地がなくなるということは、何か別なきちっとした目的ならいいのですけれども、荒廃していくから大変なのです。  その荒廃についても、平成15年の決算特別委員会でもお聞きしていたのですが、実は、平成14年度の知事報告で累計30件、うち農用地が14件、平成15年度には13件、うち農用地が6件、平成16年度には7件で、うち農用地が4件、平成17年度には5件、うち農用地が1件、締めて55件、知事からこれだけの農地法違反がありましたと。そのうち25件、半分が農用地指定です。農用地指定と言ったら、普通、とてもじゃないが、これは高度な非常に価値の高い農地が中心ですから、こんなことが起きるわけがない。縛りも厳しい。それが約半分もそういう状態になっている。これは、農業経済がいかに疲弊しているか。結局、やむにやまれないことでこんなことが起きたのでないかということで、まことに残念なことであります。精いっぱい頑張っていただきたい。 ○高橋功 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第13号 平成18年度札幌市中央卸売市場事業会計予算の質疑を行います。 ◆藤川雅司 委員  私から、開かれた市場づくりについて質問をしたい、このように思います。  中央卸売市場は、ご存じのとおり、1998年、平成10年から施設の全面建てかえを行う再整備事業を進めてきておりまして、その基本理念の一つに、市民に親しまれる開かれた市場づくりということが掲げられているわけであります。基本的には、市場というのは関係業者のための施設と言えるのかもしれませんが、業者の向こう側には市民の食卓がありまして、食の安全・安心が注目されてきている状況の中で、開かれた市場づくりというのは大変大切なことであるというふうに思います。  この再整備事業も、残すところあと1年となりまして、この3月20日月曜日には青果棟がオープンし、新年度は、残すところ防災センター、センターヤード、廃棄物処理施設の整備ということになったわけであります。  そこで、質問でありますが、この開かれた市場づくりに向けてどのような取り組みを考えているのか、お伺いいたします。 ◎小山 中央卸売市場長  開かれた市場づくりの取り組みについてお答えいたします。  開かれた市場づくりにつきましては、市場の機能やその役割につきまして、広く市民等の理解、認識を深めていただくため、委員ご指摘のとおり、再整備事業における基本理念の一つとして掲げているものでございます。  具体的な取り組みといたしましては、まず、平成13年度から15年度にかけまして建設した水産棟、それから、このたび3月20日に開業いたしますけれども、青果棟のそれぞれ2階に見学者通路を設置してございます。これによりまして、見学者は、活気ある市場の様子を安全に、かつ、市場業務の妨げになることなく見ることが可能となっております。また、見学ルートは段差をなくしておりまして、特に青果棟には車いすとかオストメイト、人工肛門とか人工膀胱の方に対応した多目的トイレを設置するなど、バリアフリーにも配慮した施設としてございます。  さらに、来年の再整備事業完了に向けましては、より見学者の理解を深めていただけるよう見学者通路に展示物等を制作、設置するほか、平成18年度に建設いたします防災センター内にも見学者などにガイダンスを行う多目的ルームとか、体験の場としての調理実習室の設置を計画してございます。現在、展示内容についての基本的な考え方を整理しておりますが、これらを通じまして、食の流通・安全、食文化などをわかりやすく伝えていきたいと考えてございます。  さらに、今後は、運用を含めた具体的な内容の検討、また、設計、制作へと進む予定になってございますが、検討に当たりましては、市場業界のノウハウ、専門性を生かすためにも、水産、青果各業界団体はもとより、消費者団体などとも連携しながら進めていきたいと考えてございます。  現在の来場者は、年間1,000人にも満たない程度でございますが、この取り組みによりまして、年間5,000人ほどの来場を当面の目標としていきたいと考えてございます。 ◆藤川雅司 委員  ただいまの答弁により、これまでは、どちらかというと市民に対して閉鎖的だった市場が、今後は、再整備事業をきっかけとして改善をされていくと思われます。小学生などの現地学習の場としてふさわしい施設となっていくことを期待したいというふうに思います。  これに関連しまして、昨日も、また先ほども議論がありましたが、昨年6月に食育基本法が制定され、この法律では、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる、そういった国民といいましょうか、人間を育てることが求められているわけであります。  そこで、質問でありますけれども、このような動きを踏まえて、小さな子どものうちから食の大切さを教えていくことは大変重要と考えますけれども、市民、道民の台所である市場として、食育に関してどのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎小山 中央卸売市場長  中央卸売市場におきます食育への取り組みについてでございますが、私ども市場といたしましては、これまでも、小学生などの施設見学を受け入れまして、市場流通機能の理解と魚や野菜、果物等の生鮮食料品の知識の普及に努めたところでございますが、さらに、市場の関係団体におきましても料理教室や芋掘り体験ツアー等の消費拡大事業も実施しているところでございます。これらにつきましては、先ほど申し上げましたが、今後、消費者団体や見学者の声なども十分聞きながら、食育という視点をより重視して進めてまいりたいと考えてございます。  このほか、先ほど説明いたしました開かれた市場の取り組みにつきましても、食育推進の一環になるものと考えてございます。  また、市内部におきましても、昨年6月に食育基本法が制定されたことを受けまして、保健福祉局を中心とする関係部局から成る連絡会議が設けられ、本市としての食育推進計画が検討されることとなってございます。食の拠点でございます私ども市場といたしましても、この検討結果に基づき、市の関係部局、例えば教育委員会などや、市場関係団体あるいは消費者団体などとの連携のもと、女性や小学生等を対象として、マグロの解体見学や模擬競りなどの体験等を通じまして、魚や野菜等の素材のすばらしさや食の大切さを学べるような食育の推進に努めてまいりたいと考えてございます。  あわせまして、将来に向かっての生鮮食料品の消費拡大と市場の活性化につなげていきたいと考えてございます。 ◆藤川雅司 委員  最後に、要望ということにしたいと思います。  これは、基本計画ベースで総事業費が約370億円といった多額の投資をして市場を整備され、こういうことによって、業界といいましょうか、全体の活性化が図られる、こういうことが大きな目的だというふうに思いますけれども、今、やりとりをいたしました開かれた市場という観点からしますと、要するに消費者の立場からすると、食の安全については生産者あるいは産地の顔が見えることが一番安心だと考えている消費者が多いというふうに思われるわけであります。そういう意味からすると、開かれた市場という取り組みを通じて、消費者と生産者の距離が近くなっていくことも大事なことではないかというふうに思うわけであります。  こうした開かれた市場に向けての取り組みの中で、展示というお話もありましたし、それから、食育のお話もありましたが、消費者あるいは見学者の立場からの意見といったものを十分取り入れて、これから、開かれた市場に向けて、さらなる取り組みの充実に努力していただくことを要望いたしまして、私の発言を終わります。 ◆小谷俵藏 委員  できるだけ簡潔に早く終わらせたいと思いますが、中央市場においては、現在、再整備事業を実施しているところで、既に青果棟も完成し、3月18日、19日には青果業界の移転、そして、3月20日の6時20分からは落成式、その後、供用開始という段取りになっているわけであります。  また、平成18年度は、継続事業の最終年次であり、さらに、天候に左右されずに利用できる、全面屋根つきの買い出し人用駐車スペースもあるセンターヤードを初め、廃棄物処理施設や市場の玄関機能を兼ね備えた防災センター棟の整備も予定されていると聞いているところであります。  このように再整備事業の全体像が次第に見えてくるような中にあって、以前、もう今から5年になりましょうか、7年になりましょうか、中央市場の新しい建てかえの設計書ができた段階で委員会にかかったことを記憶しております。その後、途中でもこのことについて私から質問させていただいた経過があったように記憶しております。  当初は、こんな面積のものを一遍につくって大丈夫なのか、大型スーパー、いわゆる産直型がどんどんふえてきている中で、市場に来る小売屋は減ってくるのでないかということで、学校を建てるときのように、その状況を見ながら増築していくような方法がとれないものかと質問をしたことを記憶いたしております。  そこでまず、第1点目の質問でありますが、市場における取扱量は全国的に伸び悩んでいるわけでありまして、実は、昨年の決算議会の最中の後半でありますけれども、こういう新聞がありました。苦境の卸売市場 産直進み、扱い減 道内ピークの7割と。そして、地域で親しまれてきた釧路市中央卸売市場は、来年度ということですから平成18年度ということですが、33年の歴史に幕をおろし、地方卸売市場として再出発をする、道内で中央卸売市場が姿を消すのは史上初めてで、地域住民の台所を支えてきた市場、消費地の波紋は商店街にも及んでいると。これは、釧路だけの問題ではなく、全道各地で同じようなことがあります。こういったことで早くから非常に危惧をしておりました。  そこで、仕上がった段階でどういう状況になっているかお聞かせいただくわけでありますが、本市場における青果物の取扱量の現状はどうなっているのか、まず、お聞きします。  また、新青果棟は、本市場の取扱量に見合った規模の見直しを行っているのか、特に卸売場の面積は従前の施設に比べてどんなふうに変わっているのか。  次に、再整備事業は、現市場における全面建てかえ方式で総事業費370億円という莫大な費用によって事業展開をしているわけであります。一昨年は、規制緩和策の一環として卸売市場法が改正され、市場の運用においても柔軟な対応が求められ、また、可能になってきたところであります。今後の市場機能を維持していくためには、開設者と業界が一丸となってさまざまな工夫、検討をしていかなければならない状況に来ているわけであります。これらのことから、再整備事業を行う市場としてもその成果が求められることになり、事業完了後の市場施設の運用については、私個人としても非常に大きな関心を持って見ているわけであります。  そこで、2点目の質問でありますが、この事業完了後の施設利用に当たり、市場業界や荷主側の立場から、上場時の動線や荷さばき、さらには買い出し人等の利用において、再整備前と比べてどのような利便性があるのか、お聞かせをいただきたいと存じます。 ◎小山 中央卸売市場長  1点目の本市場におきます取扱量の推移と、それに伴います青果棟と施設規模についてお答えいたします。  まず、青果物の取扱量についてでございますが、全国の中央卸売市場の推移を見てみますと、平成6年度から平成15年度までの10年間の取扱量では、1,134万8,000トンあったものが1,001万2,000トンと11.8%の減となっており、徐々にではありますが、減少傾向となってございます。  しかし一方、本市場におきます同じ期間の取扱量は、32万7,000トンから32万6,000トンと、わずか1,000トン、0.3%の減となっているところでございます。したがいまして、全国の中央卸売市場の取扱量が減少傾向の中にあって、本市場は比較的安定した取り扱いとなってございます。  また、施設の規模につきましては、農林水産省の卸売市場施設規模の算定基準があり、青果棟につきましても、この基準に沿ったものとなってございます。具体的には、人口の伸びや取扱量の推移を勘案いたしまして、施設の必要規模を算出するものでございますが、近年の取扱量の伸び悩みの傾向を踏まえまして、また、施設の効率的利用により、実施設計において卸売場の面積等の見直しを行ってございます。  その結果、卸売場の面積は1万1,708平米となりまして、再整備前の施設と比較いたしまして1,914平米、率にして14%の減少となってございます。  以前に委員からご指摘のあった内容も受けとめまして、現状に見合った施設規模で準備してございます。  続きまして、2点目の再整備事業の施設利用の利便性についてお答えいたします。  再整備を行う前の施設におきましては、水産棟、青果棟に挟まれる形で中央部に入荷動線が配置されておりました。また、買い出し人の駐車場につきましては、両棟の外側にありまして、荷は内から外へという流れになってございました。この入荷動線は、鉄道の引き込み線を利用した貨車のホームを前提としたものでございまして、幅も約9メートルと狭く、全面トラック輸送にかわっている現在では、この動線を使って水産、青果の荷を上場するには狭隘化、ふくそう化などの問題がございました。  これに対しまして、再整備事業におきましては、水産棟、青果棟を両サイドに配置いたしまして、それぞれの施設の中に荷さばきスペースを設けるほか、場内を走行する上場トラックの動線につきましても、水産、青果がふくそうしない形で一方通行を基本としてございます。  さらに、新年度につきましては、市場の中央部に約1万8,000平米の屋根つき駐車場でございますセンターヤードを建設する予定となってございます。これによりまして、雨、雪などの天候に左右されない作業環境が確保されるほか、買い出し人が利用しない時間帯につきましては、上場車両の待機場所とか荷さばき等、多目的に利用することを予定してございます。これらを通じまして、水産、青果、それぞれの荷が卸売場からセンターヤードヘ向かって外から内へ速やかに流れるよう物流動線の円滑化を図っているところでございます。 ◆小谷俵藏 委員  再質問ですが、新青果棟の施設規模については、私が以前から申し上げていたとおり、適正規模に見直されているということでございますから、評価をさせていただきたいと思います。  再整備事業により、市民の食卓へ安全・安心な生鮮食料品を適正価格で安定的に供給できるよう施設の充実を図り、消費者並びに生産者の多様な期待にもこたえられる新青果棟が完成することは、市場関係業者にとっても大変喜ばしいことだ、このように私は思うのでございます。  しかしながら、本市場において幾ら施設の充実が図られたとしても、スーパーなど小売業者の大型化に伴って発言力が強まり、また、専門小売店が減少している中にあって、産地においては農協の合併による大型化が進んでおります。さらには、消費者ニーズは、より利便性や簡便性を求めている方向にあり、外食や中食、加工食品や調理食品の利用を含め、食の外部化が進展しているのもまた事実であります。この新しい動きの中で、素材を提供している卸業者の関係の方々は日々大変な努力をされ、市民への安定供給をされているわけであります。  特に、先ほどの答弁の中で、この10年間の本市場の取扱量はさほど減少していないということでありましたが、全国的には減少傾向が大きく、この波が本市の市場に押し寄せてくることは当然考えられるのであります。市場外流通が増大していく状況下では、市場流通が先細りするのではないか、また、札幌の市場がこれに十分対応できるのか、私は、その辺を一番懸念いたしているところであります。  そこで、再質問でありますが、青果部においては、平成14年度に国の経営基盤強化事業として、仲卸組合を主体に札幌市中央卸売市場青果部活性化検討会を設置し、道内青果物や冬場の府県産青果物の流通状況の調査を行ったり、行動プランを作成し、個々に市場活性化の対応に取り組んだと聞いているところであります。また、昨年の業務規定の改正により仲卸業者の財務基準が設定され、なお一層の指導の強化を図っているとお聞きしていますが、減少傾向にある市場流通の実態に対して、市場の活性化に向けてどのように対応されるのか、活気ある市場を目指すのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎小山 中央卸売市場長  市場の活性化についてでございます。  青果物の取扱量は気象状況により大きく左右される側面もありますが、委員がおっしゃるとおり、消費者の購買行動の変化によりまして、従来型の食料品専門店等のシェアが減少する反面、量販店やコンビニエンスストア等のシェアは拡大してございます。その結果、量販店等は、低価格で商品の安定的な取引を要望いたしまして、市場外流通との比較も念頭に置いた市場流通コストの低減も強く求めているところでございます。また、大型化した産地におきましては、卸売業者に対しまして安定的な取引やコストに見合った価格と代金支払いに係る保証措置を求めまして、それに対応できない卸売業者を厳しく選別するようになってきてございます。さらに、現在の経済情勢のもとでは、消費の伸びを期待することは難しい状況でございまして、市場における青果物の取扱量をふやすことは当面厳しいと予想してございます。  しかし、今回の市場再整備によります施設の充実と情報システムの構築によりまして市場機能の高度化が図られること、また、卸売市場法の改正によりまして、食の安全・安心への対応とか、規制緩和を盛り込んだ新業務規定が昨年4月から施行されまして、市場間連携や場外における販売行為等、市場としても市場外流通に対抗する手段がふえてございます。これらのことから、青果部におきましては、仲卸の市場外販売を承認した事例も出てきており、新たな取り組みが芽生えて来ているところでございます。今後、このような取り組みの積み重ねが、取扱量の増加とか市場の活性化に寄与するものと考えてございます。  また、市場の業界団体であります青果部運営協議会では、長年にわたりましてさまざまな企画、工夫をしながら、野菜、果物の消費拡大対策事業を行ってございます。昨年10月に行いましたやさい・くだもの食べ歩き祭も、今回、フードランド北海道2005の関連事業として参加いたしまして、約2,000人の消費者を招待して盛大にとり行うなど、野菜、果物の消費拡大を図ったところでございます。  先ほども申し上げましたように、今後、本市の食育推進計画が検討されますことから、生鮮食料品の拠点である当市場といたしましても、この検討結果等に基づきまして、業界との協働のもとに消費者に対する食育に関する料理教室等の開催も検討するなど、将来に向かって消費拡大を図り、市場の活性化に結びつけていきたいと考えてございます。 ◆小谷俵藏 委員  それでは、最後に要望を申し上げておきます。  ただいまの答弁により、市場関係者の方々が長年にわたり将来を見据えていろいろな取り組みをなされていることはわかりました。  しかし、卸売市場を取り巻く情勢の変化に対応した即効性のある対応策とは私にはなかなか思えないところもあります。確かに、野菜、果物離れは進んでいるわけです。一番大切な、健康にいいものなのに、これが何で進んでいるか、私も本当にわからないし、心配しているのです。その意味では、業界を挙げて協議会で行っている消費者拡大事業は意味がありますが、継続して地道に浸透させていくという地味なものであります。  そこで、要望でありますが、本市場は、消費市場に加えて産地市場の性格が強く、また、卸売市場法の改正により規制緩和がなされたわけでありますから、それらを利用して、本市場の強みを思い切って発揮できるよう工夫すべきではないかと思うのであります。また、市場の中で実際に商売をしているのは卸売業者、仲卸業者の各企業でございます。民間企業として新たな発想、新たな戦略を持って、さらに商売を発展させていくことが何よりも必要であります。そのためには、卸売業者及び仲卸業者の経営基盤の強化を行ってもらうよう努力し、市場の活性化につなげていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆山田一仁 委員  私も、中央市場について質問をさせていただきたいと思います。  基本的には、市場の活性化、強いて言うならば、卸、仲卸の皆さんが活性化しなければ中央市場は活性化しないわけでありまして、まず、この件の関連で質問させていただきたいと思います。  今、小谷委員が青果の方の市場の取扱量の話をされまして、青果の方は、本市は1,000トンぐらいの減でわずかだったということですが、もう一つ、水産の取り扱いは、ピークがありましたけれども、だんだんと少しずつ落ちてきているということでございます。  一つは、平成16年度の落ち込みの理由は何であったかということと、今年度の取り扱い見込みは最終的にどうなるか、まず最初に、この2点をお伺いしたいと思います。 ◎小山 中央卸売市場長  平成16年度の取扱量の落ち込みについてでございますが、平成16年度の取扱量は15万9,000トンで、対前年比87.6%となってございます。その理由といたしましては、家計調査結果の品目別支出金額からもその傾向がうかがわれますが、消費者の魚離れが進んでいることでございます。  また、取扱量を品目分類別に見ますと、鮮魚、加工魚、冷凍魚の3分類中、特に冷凍魚が取扱量を大きく減少させる結果となってございます。その原因といたしましては、荷動きの悪かったタラコやカズノコなどの魚卵等の加工原料及び冷凍ガニの大幅な減少でございました。特に、カニ類につきましては、市場外でのアブラガニの表示問題等の逆風で落ち込みが顕著でございました。  続きまして、平成17年度の取り扱い見込みでございますが、上期におきましては、ロシア産タラバガニの輸入減や、さらには、冷凍品全般で加工原料の需要が低迷いたしまして、平成16年度同様に冷凍魚の減少傾向が続いてございました。  しかし、秋に集中するサンマ、アキサケ等の多獲性魚介類、これは多くとれるという意味でございますが、豊漁でございまして、鮮魚介類の入荷が好調でありましたことから、下期では鮮魚の取扱量が増加してございます。  この結果、年度の取扱量といたしましては15万9,000トンを見込める状況であり、ほぼ平成16年度並みを見込んでございます。 ◆山田一仁 委員  落ちはしましたけれども、本年は何とか平成16年度並みでいけるということであります。  しかしながら、だんだん落ちてくるということは活性化しない。活性化しないと、今度は卸業者、いわゆる仲卸業者が大変なことになってくるのであります。彼らがいなければ中央市場はないわけでありまして、今、小谷委員がおっしゃったように、彼らに何とか頑張ってもらわなければならないのです。  市場の取扱量をふやすということは、場外流通もありますし、食のいろいろな問題があって加工業者が直接やられるとか、いろいろな原因があるのですけれども、何とか対抗するためにさまざまな方法を考えなければならないということであります。  そういう中で、卸売市場法の改正ということで、お聞きしますと、規制緩和の中で、いわゆる卸売市場におけるインターネットを活用した電子商取引の普及について札幌市がモデルになっております。私も、電子商取引というのはどんどん外でやっていった方が便利なのかな、場外流通に対抗するにはこの方がいいのかなと思うのですけれども、これがどんどんふえていくと市場の中に物が入ってこなくなってくるんじゃないか。市場になくても、外でどんどんやるわけですから、果たしてこういうあり方がいいのかなと。  将来、物が来なくて、ただインターネット上でやっていくことが本当に市場活性化になるのか。いろいろ見ると、札幌中央市場だけですが、5年後までに半分ぐらいはこういう取引をしようということなのです。これは取引高ではないですが、いろいろな市場がそうしようとすると、たくさんの市場がそういうふうになってきたときには本当に物が入らずに流通がされるのでないかなと思うのであります。そういう面で、将来が心配になってくるなと。商品がなくなってくると、その後の形態も、卸、仲卸、小売までと、この後に質問させてもらいますけれども、この辺がどうなっていくのかなということが1点目であります。
     それから、規制緩和で、市場のよさというものを出していかなければならないと思うのであります。大手などというのは市場外流通の方に少しずつ行くものですから、どうしても商品が入ってこないということが一つの欠点になりますけれども、やはり我々は市場のよさというのを出していかなければならない。せっかく、今度、新しくなり、きれいになり、食の安全ということも出しています。我々も経済公営委員会で、せんだって視察をさせていただきました。冷凍マグロの解体とか、冷凍設備、冷蔵設備もきちっとされておりました。また、オゾン水という水を使って非常にきれいにしている。こういうことも、我々が行くとわかります。先ほど見学者に見せるということでありますが、そういう面も、市民の皆さんに対してもっとアピールしていくことも一つの食の安全につながるので、市場はこうなんですよと言うことも大事ではないかと思っています。  そういう差別化ということに関して、あるいは、食の安全について、市場は今後どうしていくかということを2点目にお伺いしたいと思います。  3点目は、卸や仲卸を何とかしていかなければなりません。今言うように商品がなくなっていって、もし仲卸までそれでできるとするならば、小売屋が来てもそこに商品がなくなってしまうのです。電子商取引でやりますから、商品は来なくていいわけです。卸も仲卸も、小売屋があってこその彼らであります。現実には小売屋はどんどん減ってきているのですが、そういうことをすれば、小売屋はもっとなくなるのではないかと我々は懸念するのであります。  確かに、小売の問題に関しては局長にお願いしなければならないのですが、卸や仲卸だけの問題ではなく、小売までいくと経済政策になってきます。実際に、大型店ができて小売店はもうどんどん減ってきています。仲卸は売るところがないです。小売屋がなかったら、仲卸は売るところがないです。場外流通だ、インターネットだ、大型店だと。市場を活性化せい、活性化せいと場長が頑張ったって、売るところがなかったら仲卸はどうやって頑張るんだ。最後は、卸も要らなくなる。卸も仲卸もなくなったら中央市場はどうなるのですか。これは経済政策です。今いろいろな形の中で小売店、商店街の話が出ました。検討ではもうどうしようもならない。何とかしなければなりません。  例えば、八百屋にしろ魚屋にしろ、昔はありました。皆さん、やめたくてやめているのではありません。やれないから、やめていくわけです。これは政策です。やっぱり、やれるような方法論を考えてやらなければ、商店街はどんどんなくなる、小売店もなくなる、そのうち市場もなくなる。それでは、インターネットだと。果たして、これでいいのかという思いがありますけれども、これは市場でなくて経済政策です。本当に政策です。  この辺のこれからの方針、しっかりした考え方について、もちろん一遍にはすぐできないでしょうけれども、しっかりしたものを出していかないと中央市場の卸、仲卸の皆さんもこれからの運営に困るわけですから、この部分に関しては経済局長からお願いしたい。  以上、3点であります。 ◎小山 中央卸売市場長  1点目の電子商取引に関する危惧の問題でございます。  一昨年の卸売市場法の改正を受けまして、インターネットを利用した電子商取引を導入すべく、水産物部の卸売業者2社と検討委員会を立ち上げ、システムの検討と開発を行いまして、加工原料用の活ガニと殻つきウニを対象として昨年8月から全国に先駆けてこの取引を開始したところでございます。取引開始の8月からことしの2月末までに活ガニ610トン、4億8,300万円、殻つきウニ574トン、3億2,400万円の取引がされてございます。  市場の取引は、卸売場で実物を確認しての取引で、いわゆる商物一致を原則としておりますが、電子商取引は、市場を通さずに物の取引を行うことができまして、輸送コストの低減などが図られることから、市場外流通に対抗する有効なツールであり、今後は品目の拡大も行いながらノウハウを蓄積して輸送の効率化や取扱量の拡大につなげていきたいと考えてございます。  また、電子商取引につきましては、市場外流通品を私どもの市場に取り込むものでございまして、委員が危惧されている市場内に物が来なくなるということはないと考えてございます。  続きまして、ソフト面におきます差別化と食の安全・安心対策についてでございます。  昨年4月に施行しました新業務規定を受けまして、新たに物品の品質管理に関する要領を制定いたしまして安全・安心対策を実施してございます。具体的な要領では、卸売業者、仲卸業者に対しまして、品質管理責任者等の設置を義務づけ、なお一層の鮮度保持を図ることとしてございます。  本市といたしましては、市場を管轄する保健所と連携いたしまして、市場関係者に対する講習会等によって品質管理に対する意識の向上を図り、日本の中央卸売市場の中では一番清潔な市場を目指して安全・安心に配慮した生鮮食料品流通の確保に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、電子商取引の拡大とか、安全・安心を通して本市場をアピールいたしまして、取扱量の拡大、市場の活性化に努めてまいる所存でございます。 ◎福井 経済局長  今、委員からお話がありましたとおり、専門小売店の活性化というのは、私ども中央卸売市場の活性化、ひいては地元商店街の活性化、そして、札幌市の経済活性化の大きな話だと思っています。そういう意味では、まさに経済政策であり、商業政策だろうと。  個々の店から考えたら経営のアドバイスとか融資とかはございますが、我々は、専門店が多く存している商店街の活性化をきちっとしなければならぬだろうな、このように考えてございます。そのような意味で、商店街の活性化につきましては、今までもいろいろな施策を展開してまいりました。これからも、より以上にやっていかなければならない。具体的な政策につきましては、先ほどいろいろなお話が出ましたが、平成18年度はああいう形の商業施策で、足りなければまたという形で、できる範囲でやっていきたいと思っています。 ◆山田一仁 委員  できる範囲で頑張ってもらっても、今、卸屋にしたら、あしたの売り先がなかったらもうどうにもならぬのです。それがどんどんやめてしまったら、今度は仲卸がなくなるのです。仲卸がなくなったら、そのうち卸もなくなります。当然、消費者もいまして、消費者が買ってくれなければどうにもならないことだけれども、そういう系列をしっかりつくってやらなければ、どこか一つの流通段階がおかしくなったらみんななくなってしまいます。その辺は、確かに、あした、あさってにすぐ対応しろなどと言ってもできるものじゃないですから、それは十分わかりますけれども、本当にできるだけ早く、小売店の問題というのは早急につくっていかなければならぬと思います。  そういう意味で、最後に、これも、ここで言ってもあしたにならぬのはわかりますけれども、そういう状況下で、今のところ、卸、仲卸は頑張っていて取扱高がそんなに落ちていないかもしれないが、今、大変なのです。今度、確かに市場が新しくなりますが、売上高割合や面積割合での案分がありますね。7年かかって順序よく上げていくのだと。これは、相当な緩和をしてもらっていることは事実だと思います。でも、新築になったために、前から見るならば急激に高くなってしまうのです。割合を見てくれているのはわかりますが、前よりは少し高くなるわけです。  でも、そういう面で、卸、仲卸は、小売店がなかなかなくて困っているときですから、これはこの辺にしておきますので、きょうここで答弁を求めません。これは、しますなんて言えるわけではないから、そんなことではないですからね。これは、確かに緩和でいろいろ検討してはくれました。卸、仲卸に対して検討してくれたけれども、小売店がどんどん減ってくるとするならば厳しくなってくると思いますので、そういう面もひとつ考えていただきたい。場合によっては、これからいろいろな形の中で検討もしていただきたい。これだけはお願いしておきます。ひとつよろしくお願い申し上げて、終わります。 ○高橋功 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計予算の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は、次週23日木曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時57分...