札幌市議会 2006-03-16
平成18年第一部予算特別委員会−03月16日-06号
平成18年第一部
予算特別委員会−03月16日-06号平成18年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第6号)
平成18年(2006年)3月16日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34人
委 員 長 藤 原 廣 昭 副委員長 村 松 正 海
委 員 柴 田 薫 心 委 員 高 橋 忠 明
委 員 宮 本 吉 人 委 員 原 口 伸 一
委 員 笹 出 昭 夫 委 員 横 山 光 之
委 員 高 橋 克 朋 委 員 近 藤 和 雄
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 小須田 悟 士
委 員 細 川 正 人 委 員 湊 谷 隆
委 員 西 村 茂 樹 委 員 猪 熊 輝 夫
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 大 嶋 薫
委 員 林家とんでん平 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 芦 原 進 委 員 柿 崎 勲
委 員 義 卜 雄 一 委 員 涌 井 国 夫
委 員 青 山 浪 子 委 員 谷 沢 俊 一
委 員 飯 坂 宗 子 委 員 宮 川 潤
委 員 熊 谷 憲 一 委 員 伊 藤 理智子
委 員 福 士 勝 委 員 恩 村 一 郎
委 員 佐 藤 典 子 委 員 堀 川 素 人
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開 議 午前10時
○藤原廣昭 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますけれども、五十嵐委員からは遅参する旨の連絡がありましたので、ご報告申し上げます。
委員の交代については、小田委員は芦原委員と交代する旨、届け出がありましたので、ご報告申し上げます。
それでは、議事に入ります。
第9款 教育費 第1項
教育委員会費から第8項
学校保健給食費までについて、一括して質疑を行います。
◆細川正人 委員 きょうは20人ということで大変多いものですから、端的にやれというご指導をいただいておりますので、短く質問させていただきたいと思います。
1点だけ、昨年の4定の私の代表質問で、中学校の
スポーツ部活動について質問させていただきました。部活動の数が減ってきていることをとらえて、
教育委員会の取り組みについて質問させていただいたわけです。そのときのお答えでは、外部指導者の導入が部活動の設置につながる工夫とか、部活動の充実を図るための新たな
仕組みづくりなど、他都市の先行的な事例を研究しながら取り組んでまいりたいというご答弁をいただいたところでございました。
そこで、新年度に向けて、どういった具体的な取り組みをされようとしているのか、そのことについてお伺いいたします。
◎西村
指導担当部長 運動部活動に係る新年度に向けた取り組みについてでございます。
運動部活動は、スポーツの楽しさや喜びを味わい、仲間との友情を深めるとともに、体力向上や健康増進にも極めて効果的で、教育的意義が高いととらえております。
しかしながら、現在、学校によっては、生徒数の減少とか顧問教員の不足などで、希望の部を開設できず、生徒や保護者、地域の期待に十分こたえられないといった状況も見られます。また、教員の時間的、精神的な負担、技術な不足面、顧問教諭の異動に伴う部の存廃の問題、課題なども見られるところでございます。
教育委員会といたしましては、こうした中学校の部活動におけるさまざまな課題を解決することを目指しまして、平成18年度に、仮称ではありますが、
中学校運動部活動の
在り方検討委員会を設置する予定でおります。検討委員会の委員といたしましては、PTA、中学校長会、中体連、
社会体育関係機関などの関係者を予定しておりまして、この検討委員会において各学校における顧問制度のあり方や
地域スポーツとの連携など、本市にふさわしい新たな
仕組みづくり等について検討してまいりたいと考えております。
◆細川正人 委員 今、運動部活動の
在り方検討委員会を設置して、これから本市の部活動のあり方について検討するということですから、検討するということは、まだできないということになってしまって、また時間がかかるのかなという気も若干いたします。
この間の代表質問でもお話しさせていただきましたけれども、中学校に通っている子どもたちというのは、一年一年、成長していくわけですから、おくれればおくれるほど、涙を流す子どもが出てくるわけです。ですから、取り組むことができるものがあれば、やはり、前倒しをしてでもやっていくべきではないかなという気がするのです。
そんな中で、外部指導者の問題もいろいろとあろうかと思います。それから、複数校の合同部活動です。実は、中学校も小規模化してきていますので、実際にいろいろなスポーツの部活動をするには先生の数も少ないのだろうと思うのです。そうだとするならば、近くの学校同士が協力し合ってやっていくということも具体的に取り組んでいくべきではないかと思うのです。そうした面で、すぐやれるものはやっていくのだということができないのかどうか、もう1点、お伺いさせていただきたいと思います。
◎西村
指導担当部長 複数校合同部活動など、すぐにでも取り組めるものについてということでございますが、現在、お話がありましたように、複数校による合同部活動を希望していながら、相手校を見つけられずに実施できないでいる学校、あるいは、技術指導のできる外部指導者を求めている学校がございます。
教育委員会といたしましては、こうした学校の要望を積極的に酌み上げて、合同部活動の相手となる学校を紹介するなどの取り組みを直ちに行ってまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたが、検討委員会での検討と並行しまして、実施可能な取り組みを随時行いながら、各学校における部活動の充実に努めてまいりたいというふうに考えます。
◆細川正人 委員 検討委員会が立ち上がって、いよいよこれから札幌市の部活動のあり方の大切さをしっかり議論していただくことは大変重要なことですから、そのことは一方で進めていただいて、そして、できるものはどんどん進めていくことは成長していく子どもたちにとって大切なあり方だと私は思いますので、そういった取り組みをしていただきたいと思います。
もう1点、前回の代表質問でも質問させていただいた中で、実は、中学校の顧問となっていただく、いわゆるスポンサーとなっていただく先生の数が減少してきています。平成16年には56.7%だったものが平成17年には51.7%ということで、教員の方々が顧問になることが本当に減ってきている現状にあります。市立の高校では、いろいろな努力の中で、先生方は必ずどこかの顧問になるようにという指導を受けていますが、この問題についても、実は本当に大きな問題だろうと思っております。
これは質問をいたしませんけれども、中学校の先生方も、子どもたちのためにというか、子どもたちのことを考えるのが教師だと思いますので、そういった面で、顧問となることを理解してもらえるような取り組みをしていただきますように、要望というか、指摘をさせていただいて、質問を終わります。
◆峯廻紀昌 委員 私の方からは、2点、中学校第1学年への少
人数学級拡大についてと、学校の
管理職登用制度についてお伺いいたします。
まずは、中学校第1学年への少
人数学級拡大について伺います。
北海道教育委員会から、現行の小学校第1・第2学年に続いて、来年度から中学校第1学年においても少
人数学級編制を拡大実施するという方針が示されたところでございます。
昨年の
決算特別委員会で、我が会派の藤原議員から、中学校では、生徒が複数の小学校から入学してくることや、教科担任制のため担任がクラスの状況を把握しづらいこと、また、学習内容の増加など学習環境が変化することなどが要因となって、小学校から中学校へ進学にするに当たって不登校などの課題が急増しているのではないか、この現象に対応する意味でも、早急に、できれば来年度からでも、中学校第1学年に少人数学級が拡大されるよう、札幌市は北海道に要望すべきではないかとの質問をさせていただきました。
教育委員会の方からは、少人数学級については、中学校第1学年も含め、対象学年のさらなる拡大について、今後とも
北海道教育委員会に要望してまいりたいという答弁をいただいたところであります。
このたび、来年度からの中学校第1学年への少
人数学級拡大実施が決まったことは、北海道への地道な要望行動が実ったものとして評価しているところでございます。
そこで、質問ですけれども、中学校第1学年における少
人数学級実施方法について、配置される教員数など、適用の条件などはどのようになっているのか、また、札幌市においてこれに該当する学校数は現時点で何校程度と見込んでいるのか、さらに、余裕教室などの問題もあるとは思いますけれども、来年度、すべての対象校で実施できるのか、また、少人数学級の導入により対象校の平均の学級人数がどの程度減少するのか、まず、お伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 まず、中学校第1学年への少
人数学級拡大についてのご質問にお答えいたします。
1点目の中学校第1学年における少人数学級の実施方法と対象となる学校数についてでございますが、少人数学級の対象となるのは、中学校第1学年が2学級以上あって、1学級当たりの平均生徒数が35人を超える学校で、これらの学校の第1学年において、基準学級数に1学級を加えて教員1名を配置するというものでございます。また、来年度、少人数学級に該当する学校数は、本年2月1日現在の推計では60校となる見込みでございます。現在のところ、先ほど申し上げました60校すべてにおいて少人数学級を実施できる見込みであります。
また、少
人数学級導入による対象校の
平均学級人数の減少数についてでありますけれども、本年2月1日現在の推計によりますと、対象校では、1学級当たりの平均生徒数は37.5人から30.8人となりまして、6.7人の減少となる見込みであります。
◆峯廻紀昌 委員 今、少人数学級の該当校に対しましては、学校規模にかかわらず教員1名を配置するということでありますけれども、教科担任制の中学校では、1学級ふえることにより職員が教科をやりやすくする必要があるわけです。1学級ふえたから単に教員を1名ふやすということでは、幾ら職員が協力し合ってもなかなか対応が難しい学校もあろうかというふうに思います。
例えば、中学校の
教職員定数配置基準では、9学級規模の学校では教諭の配置定数は14名でありますけれども、これが1学級ふえて10学級になると教諭の配置は16名と、2名の増になるわけであります。同様に、10学級から11学級、14学級から15学級、16学級から17学級、17学級から18学級にふえるときにも、教諭の配置数は、1名ではなくて、それぞれ2名増となっております。学校現場の実態を考えますと、少人数学級により学級増になる場合において、教職員定数の配置基準に従って教員を配置できるよう北海道に要望すべきと考えますがいかがか、伺います。
また、少
人数学級実践研究事業は、従来、チーム・
ティーチングなどを活用していた国の
指導方法工夫改善定数の加配枠の一部を使って実施しているとのことでありますけれども、来年度は国の新たな加配が見込めないことから、少人数学級の拡大に伴って、これまで進めてきたチーム・
ティーチングなどの少人数指導の加配が削られるデメリットもあるという指摘を現場から聞いております。
札幌市として、今後、少人数学級の拡大についてどのように考えているのかも、あわせてお伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 1点目の少人数学級により学級増になる場合においても、
教職員定数配置基準に従って教員を配置すべきではないかということについてであります。
中学校におきましては、委員ご指摘のような状況も想定されますことから、学校の実態に合った教員配置となりますよう
北海道教育委員会に要望してまいりたい、このように考えております。
また、2点目の今後における少人数学級の拡大についてでありますけれども、昨年度から、少
人数学級実践研究事業の指定校を対象に行っております
アンケート調査の結果や、平成18年度の中学校第1学年における少
人数学級導入の成果や課題などを踏まえまして、
北海道教育委員会に対して要望してまいりたい、このように考えております。
◆峯廻紀昌 委員 理解いたしました。
最後に、この件に対する要望をしておきますが、現在残っている小学校3年生以上、中学校の2年生、3年生にも拡大するために、今お話があったように課題もさまざまありますけれども、継続した北海道への積極的な対応を求めておきたいというふうに思います。
次に、学校の
管理職登用制度についてお伺いいたします。
今年度、教頭職の
昇任選考方法について、これまでの登用制度を見直し、例えば、校長推薦制から
本人申し込み制とする、また、これまでは1段階の選考方式であったものを2
段階選考方式とし、第1次選考合格者には、1年間の研修を実施する中で管理職としての適性を見きわめ、第2次選考検査を経て最終的に登用の是非を決定する、さらには、面接員に、
教育委員会の職員だけではなくて、新たに民間企業の人事担当者や保護者の代表などの
外部有識者民間面接員を加えるなどの改正を行ったと聞いております。
現在の学校現場を取り巻く環境をかんがみますと、管理職登用についても、制度の見直しは当然必要だと思われますが、肝心なことは、制度を変えることよりも、何がどう改善されたかということであると思っております。
そこで、質問でございますが、今年度の
受験申し込み者数や受験者の平均年齢はどうであったか、また、女性の受験者数の状況についてもお伺いします。
また、向こう3年間は、経過措置として、第1次選考合格者のうち、受験の翌年度にすぐ昇任する者と、1年間の第1次
選考合格者研修を経てから昇任する者に区別されるとのことですが、それぞれ人数は何人になるのか、来年度から実施する第1次選考合格者を対象とした研修はどのような内容のものを予定しているのか、あわせて伺います。
さらに、民間面接員についてでございますけれども、どの程度の規模の企業から何社で何人程度の協力を得ているのか、保護者代表の人数とあわせてお伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 教頭職登用制度に関するご質問にお答えいたします。
1点目の受験者数等の状況についてでございますが、今年度の
受験申込者総数は498名でございまして、対前年比で14人の減、また、受験者の平均年齢は49.4歳で、対前年比で0.4歳若くなっております。
なお、女性の受験者数は59人と、対前年比で9人の増となっておりまして、男性は前年より約5%減少いたしましたけれども、女性は逆に18%増加している状況でございます。
2点目の第1次選考検査の合格者数についてでございますが、第1次
選考検査合格者70名のうち、この4月に教頭に昇任する者は50名です。学校種ごとの内訳を申し上げますと、小学校44人、中学校5人、養護学校1人となっております。
なお、これらを除く20人につきましては、来年度、研修を実施する中で管理職としての適性を見きわめ、第2次選考検査を経た上で昇任させることとしております。
また、研修の内容につきましては、
学校マネジメントや危機管理、教頭の実務、法規についての講話や演習等を特設して実施するとともに、必要に応じて、
教育センターで実施する管理職や
ミドルリーダー養成のための講座を受講させるほか、勤務校における日常的な取り組みの中で研さんを積むなどいたしまして、学校経営等に関する
実践的問題解決能力など、管理職を志向する者に必要な資質、能力の向上を図ってまいりたいと考えております。
3点目の民間面接員の状況についてでございますが、比較的、規模の大きな札幌市内の民間企業等8社から
人事部門担当の管理職10人、保護者から7人、計17人の協力を得ているところでございます。
◆峯廻紀昌 委員 試験制度を改正しても
教頭昇任選考の受験希望者の減少に歯どめがかからなかったようですが、これは、制度改正の初年度ということもあろうかと思います。そういった中で、教員の中には様子を見ようということでちゅうちょした方もいたかもしれませんので、いたし方ない面もあったかなというふうに思います。
そこで、再質問させていただきますが、今説明がありました民間面接員のうち、民間企業について言うと、会社の大小やイメージにかかわらず、ユニークで効果的な人事を行っている企業も多くあるというふうに思います。そこで、さまざまな情報収集を行うなり、調査をするなりして、こういったところからも面接員を確保するなどして面接の質の向上を図っていくべきと考えますがどうか、伺います。
◎北原
学校教育部長 民間面接員の選定に関してでございますが、今後、多様な視点からより的確に人物を見きわめることがますます重要になることから、面接のさらなる改善に向けて取り組む必要があると考えております。
面接員を依頼する民間企業等の選定に当たりましては、委員ご指摘の点も踏まえながら、よりふさわしい企業等がないか、規模の大小にかかわらず、幅広く情報を収集してまいりたいと考えております。
◆峯廻紀昌 委員 今ご答弁いただきましたが、いずれにしても、この制度はスタートしたばかりということもありますので、今後の研修内容の充実を図ること、あるいは、今お話があった面接の部分での質の向上を図っていくこと、そういった中において、この制度がよりよいものになるように努力していただくことを求めて、質問を終わります。
◆涌井国夫 委員 私の方からは、大きく2点、いわゆる校務の情報化についてと、
特別支援教育についてお伺いしたいと思います。
政府は、電子政府、電子自治体を標榜して、e−
Japan戦略2が2003年に発表され、今まさに情報化への積極的な取り組みをしているところでございます。
教育委員会、学校現場でのIT活用といったことを考えた場合に、教育活動の情報化につきましては、文部科学省の
初等中等教育における教育の情報化に関する検討会という中で、今、方向性が示されようとしている状況でございます。一方、学校事務の情報化については、なかなか遅々として進んでこなかった現状がございます。そうしたことも踏まえて、
校務IT化モデル要件調査ということで、
コンピュータ教育開発センター、CECというところで教職員の方たちにアンケートをいたしました。その結果、勤務時間全体に占める校務処理時間が多いというふうに感じている教員の方が約65%もいる、さらに、校務に対する
IT活用状況に対して不満であるという教職員は41.4%。そして、学校の校務におけるIT活用を必要であると感じている教職員は77.2%に達しておりまして、教職員はIT活用によって校務の負担を軽減する必要性を強く感じていることが明らかになったのであります。
校務というのは、授業以外の学校での業務を指しておりまして、教員が行う学校事務を教員事務というふうに呼んでいるそうであります。教員事務というのは、
成績関連資料の作成、あるいは児童生徒の出欠記録、経費の申請、報告書の書類等、あるいは、校長先生、教頭先生の管理事務ということでは、業務の報告、稟議、会議のさまざまな項目でしょうか、あるいは、予算要求、
見回り点検作業といったこともあります。また、事務員事務ということで、出退勤務の管理、あるいは、学校の納金管理、
各種情報管理等々がありまして、さらにつけ加えて、個々の教員の校務分掌に対応して特定の教員が担当する
校務分掌事務というものがございます。こういった中には、ホームページの作成や更新事務、時間
割り作成事務などがあるというふうに言われております。
そこで質問でありますけれども、こうしたさまざまな校務実態について
教育委員会の認識としてどのように感じているのか、まず1点、お聞きします。
また、教職員の授業と校務に費やされる時間の実態をしっかり調べた上で、ぜひともIT化に取り組むべきだと思うのですけれども、その辺についていかがか、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 教員が校務に費やしている時間についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、
教育委員会として把握する必要があるものというふうに考えております。平成18年度に文部科学省が勤務実態を把握するための調査を実施する予定と聞いておりますので、
教育委員会といたしましても、それに合わせて調査を実施する方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
◆涌井国夫 委員 今まで実態がなかなかわからなかったような状況でございます。
さらに、教職員への
公的パソコン導入の停滞が学校現場の情報リスクを拡大していると思うわけであります。例えば、先日、本市で発生した、自宅で、私物のパソコンが
ファイル交換ソフト、いわゆるウイニーの
ウイルス感染により、児童36名分の情報が流出したという事故もございました。きのうも、全国のニュースで、ウイニーによる情報流出が大変な社会問題になっているという報道がございました。また、個人情報である児童生徒の成績データを保存している
ノートパソコンを帰宅途中に車に放置して盗難に遭ってしまったことなど、平成17年5月から7件の
個人情報紛失事故が発生していると聞いております。
全国的にも、こういったトラブルが大変頻発しております。そうしたことも踏まえて、教職員が学校事務を行う上で、効率化を図る意味から、必要な機器、自分のパソコンを職場に持ち込むことについて、
教育委員会としてはどのように考えているのかということをお聞きしたいと思うのです。
さらに、これを持ち込む場合の使用基準といいますか、
ガイドライン、管理基準が具体的にあるのかどうか、その必要性も踏まえてお聞きしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 教職員の私物のパソコンの使用についてでございます。
校務を処理するための公用のパソコンが学校に十分整備されていない現状におきましては、
私物パソコンの使用もやむを得ないものと考えております。
また、
私物パソコン使用の
ガイドラインについてでございますが、これまでは、
個人情報紛失事故防止のための通知の中で、パソコンの取り扱いについての注意事項を示してきたところでございます。現在、
教育委員会内におきまして、学校における情報管理のあり方を検討しているところでございまして、この中に
私物パソコン使用に当たっての
ガイドラインも盛り込んでまいりたいというふうに考えております。
◆涌井国夫 委員 私は、校務のIT化にもっと目を向けるべきであると思いますし、校務のIT化を進めて不要な業務から教員を開放することにより、児童生徒とのコミュニケーションの時間、あるいは自己研さんに充当する時間ができると思うことから、ぜひとも積極的に取り組むべきだと思います。
また、今お話がありましたように、職員室への
公的パソコンの導入とともに、
情報セキュリティー対策もしっかり踏まえて、教員のリスク軽減と校務でのIT利用を促進していくべきだと思います。
そこで、もう一つ課題になってくるのが、学校現場における校務のBPRを早急に進めるべきだと思うのであります。学校のBPRというのは、ビジネス・プロセス・リエンジニアリングと言いまして、学校事務の見直しと言ってしまえば簡単だと思いますが、仕事の流れから見た業務、組織、戦略をゼロから根本的に再構築する手法です。つまり、校務IT化の推進に当たっては、学校のIT環境の未整備、規則あるいはルールの未整備がボトルネックになっているのではないかというふうに思うわけでありまして、ぜひ校務の見直しを整理する等の検討が必要であると思います。
そこで、質問でありますけれども、校務において、同様書類の、都度、新規作成、あるいはまた、類似文書、同一内容文書への転記、紙ベースの連絡、伝達等、いわゆる学校事務の見直しがぜひとも必要ではないかと思いますがいかがか、その認識も踏まえてお伺いしたいと思います。
また、同時に、サポート体制の構築、教育情報化のコーディネーターの制度化も必要だと思います。それを踏まえて、ぜひ学校事務の情報化整備計画をしっかり立てるべきだというふうに考えますがどうか、お伺いしたいと思います。
◎山崎 調整担当部長 学校事務のIT化及びそれに伴う教員用コンピューターの整備計画についてお答え申し上げます。
委員ご指摘のとおり、IT化の推進は、今後、進めていかなければならないものというふうに考えております。その前提といたしまして、今後、教員用コンピューターの整備計画をつくりたいと思います。現在は、児童生徒用コンピューターを優先して整備している状況でありますけれども、委員ご指摘のとおり、今後は教員用コンピューターも早急に整備する必要があると強く認識しているところでございます。
また、文科省から近々に示される予定であります平成18年度以降の整備目標にも、教員1人につき1台のコンピューター整備及びネットワーク環境の整備などが盛り込まれる見込みでございます。
したがいまして、本市におきましても、新年度に整備計画を策定し、できるだけ早期に整備に取りかかるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
◆涌井国夫 委員 業務におけるPC使用状況等の調査結果をお聞きしましたけれども、教員1人1台のパソコン配備ということについて、教員の実に73.8%が個人所有のパソコンを持ち込んで校務をやっている、あるいは、全体の職員の7割以上はFDなどの記憶媒体やPCを持ち歩くという結果も出ておりまして、ある意味では、情報管理あるいは情報の漏えいという部分では大変留意をすべき状況にもなっております。早急にIT化を進めていただければ、職場環境を劇的に変えることができると思いますし、その分、一人一人の子どもたちの教育に力を入れられるというふうに思いますので、ぜひとも早急に取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、
特別支援教育についてお伺いしたいと思います。
中央教育審議会から昨年12月に出された
特別支援教育を推進するための制度の在り方についての答申を受けまして、文科省は、関係する法案の改正等を進めながら、平成19年度を目標として、すべての小・中学校においてLD、ADHD、高機能自閉症等の軽度発達障がいを含めた特別な教育的支援を必要とする子どもたちに対する支援ができるよう、総合的な支援体制を整備するというふうに聞いております。
札幌市における障がいのある子どもの教育的支援につきましては、平成15年3月に策定いたしました札幌市
特別支援教育基本計画に基づき、すべての市立の幼稚園、小・中学校、養護学校に校内学びの支援委員会を設置いたしまして、その推進役として
特別支援教育コーディネーターを指名するなどの取り組みを行っている状況であります。
校内学びの支援委員会というのは、特別な教育的支援を必要とする子どもの学びを支援するため、校内の教職員及び関係機関や保護者との連絡調整、また教育的支援のあり方の検討、さらに校内研修の実施という三つの業務を行っていると聞いております。
特別支援教育コーディネーターは、その推進役とされていて、具体的な活動としては、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態把握や個別の指導計画の作成等を行っていると聞いております。
私は、
特別支援教育コーディネーターは指名されているけれども、専門的な力量はどうなのだろうか、学校全体の理解が得られず、孤立しているのではないかという保護者からの声を耳にしておりますので、今後、
特別支援教育をより一層推進していくためには、校内学びの支援委員会を初めとする学校における支援体制を充実させていくことが必要であると考えるわけであります。
そこで、質問でありますけれども、
教育委員会として、小・中学校における校内学びの支援委員会の活動状況をどのように把握しているのか、また、
特別支援教育コーディネーターの指名の状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 1点目の校内学びの支援委員会の活動状況についてお答えいたします。
すべての市立小・中学校におきまして、校内学びの支援委員会が設置され、LD、ADHD、高機能自閉症等の児童生徒の実態把握に努めておりまして、支援の必要な児童生徒に対する個別の指導計画の作成は27.2%が取り組んでおります。また、
特別支援教育に関する校内研修は90.8%の学校において実施しております。
次に、2点目の
特別支援教育コーディネーターの指名の状況についてお答えいたします。
平成17年度は、高等学校を除くすべての市立幼稚園、学校においてコーディネーターが指名されております。小・中学校の指名人数は、小学校207校で258人、中学校98校で131人、合計305校で389人でございまして、1校で複数の指名を行っているのは全体の26.6%に当たる81校となっております。また、学校においてどのような立場の教員が指名を受けているかにつきましては、教務主任、保健主事、特殊学級や通級指導教室の担当教諭が多い状況にございます。
◆涌井国夫 委員 わかりました。
そこで、
特別支援教育については、校内の推進役である
特別支援教育コーディネーターがその資質を高めていくとともに、管理職である校長、教頭を初めとするすべての教員が
特別支援教育にかかわる理解を深めていくことが極めて大事ではないかと思います。そのための積極的な研修が必要と考えるわけでありますが、全国の例を見ますと、福岡市では、
特別支援教育の研修として、校長、教頭はもちろんのこと、一般の教員も含めて1年間で3,000人規模の研修を行っていると聞いています。
そこで、札幌市における
特別支援教育に関する研修の実施状況はどうなっているのか、また、今後、
特別支援教育に関する研修をどのように推進していこうとしているのか、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 1点目の
特別支援教育に関する研修の実施状況についてお答えいたします。
平成17年度の
特別支援教育に関する研修は、総数で1,668人が受講しております。その内訳は、
教育センターが実施する研修として、初任者研修、管理職研修、専門研修など22講座において1,524人が受講しており、幼稚園、小・中学校の新任コーディネーターを対象とした
特別支援教育コーディネーター養成研修会の受講者は144人となっております。このほかに、先ほど申し上げた学校における校内研修は、90.8%の学校が実施しているところでありますけれども、学校からの要請に応じて校内研修の講師として指導主事が学校に出向く取り組みも行っているところであります。
次に、2点目の今後の
特別支援教育に関する研修の推進についてお答えいたします。
特別支援教育の推進のためには、何よりも学校を挙げた取り組みが必要なことから、
特別支援教育に関する幅広い研修が重要であると認識しているところであります。今後につきましても、研修内容の改善に努めるとともに、新任以外のコーディネーターについても、その専門的力量の向上に資するための研修を実施するなど、一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆涌井国夫 委員 さらに、昨年4月1日に発達障害者支援法が施行されたわけでありまして、自閉症、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障がい、学習障がい、注意欠陥多動性障がい等のいわゆる発達障がいを早期に発見し、発達障がい者に対して早期からの適切な発達支援を行うことが、国、地方自治体の責務だとされているわけであります。教育の分野では、就学時の健康診断において発達障がいの早期発見に十分留意するとともに、発達障がいのある児童生徒が、その障がいの状態に応じた適切な教育的支援が受けられること、あるいはまた、支援体制の整備などが求められているわけであります。
このような中で、平成18年度の札幌市の予算案を見ますと、新規事業として、
特別支援教育巡回相談員配置モデル事業が計上されておりまして、これは、専門性のある巡回指導員の配置により小・中学校を支援する取り組みと聞いております。この事業が、発達障がいのある児童生徒一人一人の教育的支援を推進するための体制づくりにつながることを大いに期待するものでありますが、具体的にどのように実施していこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。
また、このモデル事業を実施することにより、学校における支援体制の充実の面でどのような効果があると考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 まず、1点目の
特別支援教育巡回相談員配置モデル事業の具体的内容についてお答えいたします。
このモデル事業は、軽度発達障がいを中心とした特別な教育的支援を必要とする子どもたちについて、学校における
特別支援教育の取り組み状況を把握し、効果的な教育的支援を行うための方策の検討や、関係機関との連携を図るなど、学校に対する支援のあり方について調査研究を行うものであります。具体的には、
教育委員会に3人の巡回相談員を配置し、1人が一つのモデル区の全小・中学校を対象に、指導主事との連携のもとに、計画的な訪問や学校からの要請による訪問を行いまして、学校が対応に苦慮しているケースについて、学校と一緒に支援策を検討していくなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目のモデル事業の学校の支援体制に対する効果についてお答えいたします。
教育委員会といたしましては、この事業を通じて、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行える校内体制づくりを進めますとともに、一人一人の教員が
特別支援教育についての理解を深め、その資質の向上を図ることにつながるものというふうに考えております。
◆涌井国夫 委員 最後に、要望でありますけれども、相談員の方は
教育委員会で3名ということです。いわゆる発達障がいの方たちは、厚生労働省の方では6%と言っておりまして、6%だと大体8,000人くらいになりまして、平均すると1区800人です。クラスに2〜3人いるというふうにも言われますけれども、その実態をなかなかつかめない状況であろうと思いますが、現場の教員の皆さん方が一生懸命苦慮されているということもありますので、やはり、もう少し相談員が多くあるべきではないかと思っております。全部を変えようというふうに力んで言ってもなかなか難しいだろうと思いますが、こういう発達障がいのお子さんは、いろいろな意味で極めてデリケートといいますか、きれいな心を持っている人たちが多いわけですから、どうか、しっかりとした実績づくりといいますか、本当に相談員の方たちが一生懸命やってくれてこのような体験ができた、実例ができたとなるように、丁寧に、一生懸命に、全力を挙げて頑張っていただきたい、こういうふうに要望いたしまして、終わりたいと思います。
◆宮川潤 委員 まず最初に、学校配当予算について質問いたします。
配当予算は削減続きでありまして、学校現場は非常に苦労しております。
1996年の
予算特別委員会で、当時の藤島教育長は、学校配当予算が十分でないことは知っておりますと答弁しております。この当時、すなわち10年前から理事者は配当予算について不十分としてきました。当時の配当予算は、小学校で16億4,400万円です。
ところが、新年度予算での小学校の配当予算は9億2,800万円と、当時の56%にまで削減されております。一般会計全体では、96年度の予算、これは補正を加えたものでありまして、それと新年度の当初予算の額を比較しますと、やはり減ってはいますけれども、新年度は93%であります。教育予算全体を厳しく抑制したことについて、これまで新たな学校建築がなくなったというような説明がなされてきましたけれども、新たな学校をつくらなくなったということだけではなくて、学校運営にも直結している問題だというふうに考えます。
同様に、2003年度から最近3年間では、一般会計全体では93%に減っていますが、学校配当予算は81%に減っております。やはり、教育予算全体が減額される、それが配当予算に直接影響している、こういう構図になっております。
学校配当予算は、学校で使う紙や消耗品、トイレットペーパー代など、学校生活そのものにかかわる予算であり、何か大きな工事を一つやめれば予算を削減できるというような性格のものではありません。10年間で56%にまで削減、3年間で81%にまで削減というやり方はやり過ぎであります。
教育長に伺いますが、このように学校配当予算を減らし続けてきたことが学校現場に大変な困難をもたらしているという認識をお持ちか。また、これ以上配当予算を減らすべきではないと思いますけれどもいかがか、伺います。
次に、教員が仕事で使う私物のパソコンの問題であります。
小学校の教員の場合で言いますと、例えば、スキー授業がありますから、授業で使うスキーも自分で買う、運動靴も、ジャージも、プールの授業の水着も自分で買うというような状況であります。その上、仕事で使うパソコンも自分で買っているという状況であります。これらの点から、教員が不公平感を持っているのも当然だと私は思うのでありますけれども、この点についてどういう認識をお持ちか。
また、室蘭市では、小・中学校の教員用としてパソコンを整備するということでありますが、まず優先的に学級担任に対して整備するという予算を計上したようであります。
本市においても、学校の備品として教員1人1台のパソコンを整備すべきでありますけれども、例えば、中学校から優先的にしてほしいというような声もありますので、どういう優先順位とどういう規模で進めていくのか、あるいは、何年がかりの整備計画とするのか、明らかにしていただきたいと思います。
◎松平 教育長 委員のご質問は、学校配当予算が削減されていることについての私の認識と、今後に対する私の考え方ということだと思います。
配当予算につきましては、将来を担う児童生徒の学習活動、また教育環境等を維持していく上で大変重要な経費であると認識しているところであります。しかしながら、札幌市の財政状況が厳しさを増す中で、平成18年度予算編成におきまして、学校運営管理費を含めた経常的経費について17年度に引き続いてマイナスシーリングが設定されたことから、学校運営管理費の一部を構成いたします学校配当予算につきましても、教育予算全体の調整の中で削減せざるを得ないという大変苦渋の決断となったところでございます。
これまでも、各学校におきましては、それぞれ創意工夫をお願いしながら、より効果的な予算執行に取り組んでいるところでございますけれども、連続した学校配当予算の削減によって、各学校の運営は、余裕のない、また非常に厳しい状況となっていることは私も十分認識しておりまして、これ以上、このような削減が続きますと、学校運営が成り立たなくなるおそれもあるということも危惧しているところでございます。
したがいまして、
教育委員会といたしましては、子どもたちの教育環境、学校運営に支障を来さないよう、必要な予算の確保に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
◎山崎 調整担当部長 調整担当部長の山崎でございます。
教員が校務に私物のパソコンを使うのは不公平感を持つのではないかということと、パソコンの整備計画についてはどうなっているかという2点のご質問については、関連がありますので、一括してお答えさせていただきます。
校務で使用するパソコンは、本来、公費で備えるべきものというふうに考えております。しかし、委員ご指摘のとおり、そうはなっていないのが現状であります。
したがいまして、先ほど涌井委員にお答えした内容と重複いたしますけれども、全職員へのパソコン配備につきましては、今後、早急に整備する必要があると強く認識しているところでありまして、平成18年度より、できるだけ早期に本市の整備計画を策定し、整備に取りかかるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 配当予算でありますけれども、必要な予算を確保する努力をするというような答弁でありました。過去にも、必要な予算は確保しているというような答弁をしたことがあると思いますが、実際には、例えば配当予算の中の用紙代は、2003年には1億518万円あったのですが、新年度は8,330万円しかなく、21%の減になっているのです。用紙代ですから、これは、当然、教育活動に必要なものであります。
それでは、減ってきた分がどうなっているかというと、保護者負担です。保護者は諸費というものを出していますけれども、多くの学校は諸費として用紙代を保護者負担にさせているのが実態だと私は思いますよ。ですから、既に不足をしていて、その分を保護者が肩がわりしているのが実態だと思います。
ですから、今後は努力をするというような答弁がありましたので、これについてはこれ以上お尋ねしませんけれども、こういう実態を踏まえて、用紙というのは教育活動に不可欠なものでありますから、ぜひ、そういうものは不足を来さないようにしていただきたいと申し上げておきたいと思います。
次に、私は、昨年の3定の
決算特別委員会で、学校の安心・安全ということにかかわって、不審者などの緊急時の対応について質問いたしました。すなわち、緊急時における学校独自の対応マニュアルの作成及びそのマニュアルの内容を
教育委員会が点検、指導すること、不審者対応の避難訓練や防犯教室の実施、保護者への連絡体制の強化として、従来の電話連絡に加えて、ファクスや携帯メールも併用した連絡体制の構築について求めましたが、今、ますます学校の安全・安心ということが大きな課題となっております。私が求めたこれらの課題の進捗状況をお示しいただきたいと思います。
◎西村
指導担当部長 学校での緊急時の対応に関する進捗状況について、私からお答えしたいと思います。
まず、学校独自のマニュアルの整備状況についてでございますが、平成17年3月現在で79%の学校、園が独自のマニュアルを作成しておりましたけれども、平成18年3月末の段階では96%の学校、園で独自のマニュアル作成が完了することになっております。残る学校につきましても、現在、作成に取り組んでいるところでございます。
次に、緊急時対応マニュアルの内容の点検と指導についてでございますが、これまで、指導主事が学校を訪問しまして、マニュアルの内容を確認し、必要な助言を行ってきたところであります。今後も、研修会等を通して、より充実したマニュアルになりますように指導していきたいと考えているところでございます。
続きまして、防犯教室についてでございますが、今年度中に小学校で100%、中学校におきましては89%の学校が実施することとなっております。
また、メールでの連絡体制をとるように指導することについてでございますが、携帯メールの活用につきましては、子どもの安全を守るための一つの方策として有効であると考えておりますことから、現在整備されておりますグレースメールについて、その活用が図られますよう、各学校に指導してまいりたいと考えているところでございます。
◆宮川潤 委員 連絡のあり方について、グレースメールが有効な方法だということでありました。緊急事態が発生して、保護者に学校に迎えに来てもらわなければいけない場合に、留守宅が多くて、家に電話をしても全くつながらないような状況があったりします。また、従来の電話連絡網でしたら、長い内容はなかなか伝えることができませんでした。人から人へ伝わっていきますので、長い内容は正確に伝わらないことがありますけれども、そういった点からも、メールで連絡するという体制を整えることは、早く正確な情報を伝えるという点で有効であると私も認識いたします。
ただ、パソコンへのメールでしたら、送信しても、そのメールをなかなか見てもらえない、開かないことも考えられますから、携帯電話にメールを送るということが必要であると考えます。
そこで、学校からメールで緊急連絡を送信して、親、保護者が本当にそれを見たかどうか確認する必要があるだろうと私は思います。パソコンのメールでしたら開封確認というものがありますから、それが学校に返送されるようにできますけれども、携帯電話でメールを受けた場合は開封確認を返送することができないと思うのであります。メールを受信して保護者一人一人が見ましたよというメールを作成して、返信して、学校では、メールを送信した人と、見たという返事をもらった人を一々照合して、連絡のついた人がだれで、ついていない人がだれだという確認作業は、緊急事態が発生したもとでは不可能だと思うのであります。
携帯電話で受信した場合でも、メールを開くことで開封確認が返送され、学校のコンピューターが送信した人と返送メールがあった人の照合を自動的に行って、開封していない人のリストが自動的に作成される機能が必要だと思うのであります。このような機能を持つソフトの開発と導入について検討すべきだと思いますがいかがか、伺います。
◎山崎 調整担当部長 メールの開封確認機能を持つソフトの開発と導入についての検討ということでございます。
委員ご指摘のとおり、コンピューターから発信するメールにつきましては、現状では、コンピューターあてのメールの開封確認は可能でございますけれども、携帯電話あてについては、携帯端末各社の機器仕様そのものが対応していないことから不可能な状況にあります。
しかしながら、今後は、専用ソフトウエアの開発動向を注意深く見守りながら、現行の民間事業者のサービスを導入することの可能性についても検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 見たかどうかという確認は必要でありますけれども、確認しなければ意味がないということではありません。現行の従来型の電話連絡網においても、学校としては、どの保護者には連絡がついて、どの親には連絡がついていないのだという点検は実際にはなされていないのだろうと思うのです。
しかし、それであっても、とにかく情報が早く流れていくような体制を整えることが重要であります。今、答弁がありましたように、返信されること、あるいは開封確認されるようなことについては開発を見守るということでありますから、それはそれで進めながら、同時に、現行のものであっても各学校でメールの連絡体制を整えていくことが肝心であろうというふうに思います。
実際には、学校長の感覚などにいろいろ違いがあるのだろうと思うのです。あるいは、日中の保護者の連絡は電話では全く機能しないということを十分認識している先生もいらっしゃれば、その認識の到達度合いが余り鮮明でないと言う方も中にはいらっしゃるようです。携帯電話にメールを送ることが非常に効果的だと理解している方もいれば、そうでない方もいらっしゃるようであります。したがって、せっかく体制を整えていくのでありますから、その学校の理解度によって連絡体制が十分にとれたり、とれなかったりということがないように、学校の方で余り意欲的でないような場合については、
教育委員会がそこに立ち入って、ぜひこういう連絡網を整えることが有効である、あるいは、電話では全くだめだというようなことを十分指導して、連絡体制を整えるようなことが必要だと思いますけれども、この点、どのように考えていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎西村
指導担当部長 メールでの連絡体制をとることについてでございます。
先ほど申し上げましたように、子どもの安全を守るための一つの方策ということで、非常に大事な一つの方法だというふうに考えております。今、委員ご指摘の見たかどうかということ、それが確実にだれに伝わったのかという確認も大事なことから、現在では、メールを利用している学校もありますけれども、直接、電話をするため、携帯電話だけでなく、家庭の電話番号を伺っていたり、もしご両親と連絡がとれない場合には、知り合いの方や親族の方という形で予備の緊急連絡先も伺いながら進めているところです。
おっしゃるように、できるだけ新しい機能を使えるように、私どもも学校に対して指導していく方向で進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆恩村一郎 委員 私の方から、市立高校の魅力アップといいますか、いわば魅力ある市立高校づくりといったことに関してお伺いしたいと思います。
札幌市では、平成15年に、札幌市立高等学校教育改革推進計画を策定されました。これに基づいて、生徒の個性を伸ばすといった観点から、これまでに、旭丘高校に単位制を導入したほか、開成高校では新学科のコズモサイエンス科が設置されています。啓北商業の商業科の未来商学科への改編や、さらに、清田高校の普通科のグローバルコース、平岸高校普通科のデザインアートコースの設置といったことを行ってこられました。
これらの特色を持った高校は、いずれも高い入試倍率にあると聞いているのですが、このことは、通学区域を市内全域に拡大したことや、推薦入学を取り入れたこともその要素として大であるかなと考えます。この実施に当たっては、教育内容に関して学校関係者から意見を聞かれたり、生徒や保護者のニーズを把握してそれを生かしたことによるところが大きいのかなと考えるわけです。
そうした中、平成20年4月には、定時制課程4こまを再編して、新しいタイプの定時制高校を設置する予定でいらっしゃいます。
そこで、まず初めに、新定時制高校の設置に当たって、生徒の多様な学習ニーズや保護者の声の把握のために、現在どういった取り組みを行っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 市立高等学校に関する生徒及び保護者からの意見の把握の取り組みについてでございます。
これまで、さまざまな機会を通じて市民ニーズの把握に努めてきたところでございます。このたび、新定時制高校を設置するに当たりまして、具体的な生徒の学習ニーズを新定時制高校の教育内容や学校運営の検討に生かしていくとともに、これまで進めてまいりました市立高校の教育改革の現状を検証する必要がありますことから、昨年11月、市内の中学校生徒とその保護者、また、市立高等学校定時制課程の生徒とその保護者を対象として
アンケート調査を実施いたしたところでございます。
中学校につきましては、各区から1校、計10校を抽出して、その中から2年生の合計373人とその保護者を対象といたしまして、今後の高校教育のあり方について調査いたしました。また、高校につきましては、4校の定時制課程に在籍している1年生から3年生までの449人とその保護者を対象として、現在の定時制教育や新定時制高校に望む教育内容等に関して調査をいたしたところでございます。
◆恩村一郎 委員
アンケート調査を行われたということですが、その内容や結果、当然、それについての分析や評価を行っていらっしゃると思いますけれども、まず、その内容と結果について、再度、お伺いしたいと思います。
それから、新定時制高校の設置に当たって、今度はその声をどういうふうに反映していこうと考えていらっしゃるのか、その点についてもお答え願います。
◎北原
学校教育部長 まず初めに、アンケートの内容についてでございます。
質問の内容は、最終学歴の希望、高校生活で身につけたいもの、高校に望む教育、深く学びたい分野、体験してみたい学習などにつきまして、いずれも択一式で調査を行いました。また、これに加えて、定時制課程に学ぶ高校生とその保護者に対してのみ、高校に入学してよかったことや、逆に入学してよくなかったことなどにつきまして記述式で回答をいただきました。
次に、その結果についてでありますが、生徒と保護者が高校教育に求めるものは、さまざまでありますけれども、中学、高校の生徒と保護者に共通する特徴的な点を申し上げますと、高校に望む教育といたしましては生徒の興味・関心や進路希望に応じて自由に選んで学べる教育が、経験したいあるいは経験させたい体験学習につきましてはインターンシップが高い割合となっております。
また、定時制課程に学ぶ高校生とその保護者に記述式で答えていただいた結果では、ゆっくり、わかりやすく授業をしてくれてよかったという回答もあれば、授業の進度が遅過ぎるといった回答もあり、生徒個々の学習実態に大きな開きがあることがわかります。このほかにも、高校になって初めて親しい友人ができてうれしいとか、アルバイトと学校を両立できて経済的によかったという回答がありまして、生徒の心のケアやライフスタイルに対応した学習時間帯の設定などが重要であることを改めて確認いたしました。
一方、定時制高校に入学してよくなかったことにつきましては、選択科目や部活動の数が少ないこと、夜間に学ぶことのつらさや、夜間に学ぶ生徒への偏見に対する不満などが多くありました。
こうした意見を踏まえまして、新定時制高校では、生徒一人一人の実態やニーズに応じた学習時間帯、履修形態、学習内容等の実現を図るため、3部制や単位制のほか、習熟度別学習や少人数指導度など、きめ細かな指導と多くの特色ある選択科目の配置、インターンシップやボランティア活動などの体験的な学習の実施、カウンセリング体制の充実等を推進する必要があると考えているところであります。
◆恩村一郎 委員 新定時制高校に関しては、文教委員会でも随分とかかわりを持ったものですから非常に高い関心を持っておりますが、今、多岐にわたるプランニングをされるようなので、大いに期待したいと思います。
ただ、新定時制高校に関しては、地元との問題もいろいろありましたので、今度は、まさしく地域に開かれた学校づくりといいますか、地域の教育力を生かすといった観点からの学校づくりをぜひ行ってほしいと思います。
一方、全日制高校に関してですが、残念ながら、全日制高校は、今現在、偏差値のみで高校を選択するような傾向がやはり強いのかなと思います。これからについては、学校の特色とか伝統、校風、クラブ活動、そういったさまざまな要素で選択できるようにすることは一層必要ではないかというふうに考えます。
その意味で、道立高校や私立高校とは異なる生徒の選択肢となり得る市立高校がまさしく求められるのではないかというふうに考えますが、新定時制高校の地域との連携とか、開かれた学校づくりについて、今現在、
教育委員会の方ではどのように考えていらっしゃるのか、また、今回のアンケート結果について、全日制高校の魅力づくりにどういうふうに生かしていこうと考えていらっしゃるのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 まず初めに、地域との連携と開かれた学校づくりについてでございます。
新定時制高校では、地域社会からの理解と協力を得て、地域の持つ教育力を活用するだけでなく、地域に対して学校の持つ教育機能を積極的に提供することによって、地域と学校の協力関係を築くことが重要であるというふうに考えております。
したがいまして、新定時制高校では、開かれた学校づくりの観点から、学校施設の開放を行うとともに、学校施設を活用して、陶芸教室など地域住民を対象とした公開講座の実施、あるいは、社会人の学習ニーズに対応した科目履修制度の導入についても検討してまいりたいと考えております。また、地域の方々をゲストティーチャーとして招く特別授業など、地域の教育資源を活用した取り組みや、学校評議員制度の導入など、開かれた学校運営を図る取り組みを通じまして、学校と地域の相互理解を図り、特色ある教育活動に生かしてまいりたいと考えております。
次に、アンケート結果の全日制高校での活用についてであります。
アンケートを通しまして、特に中学校の生徒や保護者が高校教育に求める内容や、市立高校改革への認知度についても把握することができました。こうしたアンケート結果を踏まえ、現在、改革を進めている全日制高校も含め、現状の教育内容を検証いたしまして、今後の特色ある教育課程の編成や教育活動の充実、改善に役立てることで市立高校全体の魅力づくりに生かしてまいりたい、このように考えております。
◆恩村一郎 委員 最後に、要望になろうかと思います。
今、いろいろなお話を聞きまして、新定時制高校に関しては、非常に交通の利便性のいいところにできますので、そういった意味では、学校開放も通じていろいろな形で活用していっていただけたら大変ありがたいなと思います。
それから、アンケート結果ですが、全日制高校の魅力づくり云々という内容を伺った中で、これは直接的にはどうかなと思うのですけれども、私の子どもが行っていた学校でも生徒や子どもに関して、高校生活や授業など、もろもろに関する
アンケート調査を行ったことがあります。これは、PTAというか、親が汗をかかなければならなかったことですが、やはり、それをやるといろいろな声が出てくるのです。その出てきたアンケート結果を、結果としてただ親や教師が持つだけではなくて、子どもたちにもそれを開示して、どうしてこういう問題が起こったのかということも含めて、結論を求めるということよりも、お互いに共通の認識を持つという取り組みを実は行いました。それをやることによって、先生と親、保護者との間である意味で非常にいい共通認識ができて、それが、今後の学校教育の中で生かされていくのかなと。
そんなようなことがありましたので、このアンケート結果をただ施策の方にだけ生かすのではなくて、ぜひ、現場の方にもきっちり打ち返して、できれば生徒たちも含めた場面を持たれると、もっといい形のものが生まれてくるのかなという気がしたものですから、参考までに述べさせていただきました。
◆佐藤典子 委員 私は、スクールカウンセラーとシックスクール対策について質問をさせていただきます。
まず、スクールカウンセラーについて質問いたします。
札幌市におきましては、スクールカウンセラーの設置は、1995年から文部省の調査研究委託事業として始まっております。その当時は、小学校1校ということでありました。そして、2001年度からは国庫補助事業となりまして、配置コースを順次拡大し、2005年度は、市立の中学校98校、高校8校の全校に配置されております。スクールカウンセラーが配置されたということでありまして、その効果や成果につきまして、まず、どのようにとらえていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
そして、中・高はスクールカウンセラーが全校に配置されておりますが、小学校において相談体制の現状はどうか、あわせて伺います。これが1点目であります。
そして、2点目に、スクールカウンセラーが配置されたといいましても、週に1〜2回ということであります。子どもたちにとっては、学校の中に、日常的にいつでも気軽に相談できる体制がつくられていることが重要であると考えております。そうした観点から、子どもが日常的に気軽に相談できる体制づくりに向けては、現在、どのような取り組みを行っているのか、この2点についてまずお聞きいたします。
◎西村
指導担当部長 スクールカウンセラーが配置されたことによる成果と、小学校における相談体制の現状についてでございます。
まず、スクールカウンセラーが配置されたことによる効果や成果についてでございます。
スクールカウンセラーは、子どもや教職員、保護者との相談、あるいはカウンセリングはもとより、教員に対する校内研修やPTAを対象とした講演会での講師など、さまざまな場面で活用が図られまして、教員のカウンセリングの能力向上にもつながっているところでございます。また、悩みや心理的な不安を抱えた子どもや、不登校の相談にスクールカウンセラーが専門的な立場から対応することにより、不登校傾向の子どもが学級に入れるようになったという効果や成果が上がっているところでございます。
次に、小学校における相談体制の現状についてお答えいたします。
現在、本市のスクールカウンセラーは、お話がありましたように、中学校及び高等学校に重点的に配置しておりますが、小学校からの要請があった場合には、中学校に配置されているスクールカウンセラーを校区内の小学校に派遣できる体制をとっています。今年度、実際に相談などで小学校23校にかかわったとの報告を受けております。さらに、緊急の問題などが発生した場合には、経験豊富なスクールカウンセラーが小学校に派遣される体制になっております。こういったところが、小学校における現状でございます。
2点目は、学校において子どもが日常的に気軽に相談できる体制についてでございます。
今日、悩みや不安などの精神的ストレスを抱えている子どもが見られることから、先ほど述べましたように、心の専門家であるスクールカウンセラーが、そのような子どもたちの心の変化を受けとめて、カウンセリングを実施しております。また、各学校におきましては、日常的に子どもが教師に相談できるような雰囲気づくり、体制をとるように努めているところでありますが、幾つかの小学校には、子どもと親の相談員を派遣しまして、子どもや保護者が気軽に相談できるような事業も展開しているところでございます。また、教員養成課程のある大学生を、授業の補助や行事の協力に活用する学生ボランティア事業を小・中学校で実施しておりますけれども、授業の補助や行事の協力のみならず、学生たちが子どもたちから気軽に相談を受けていることもございます。
教育委員会といたしましては、こういった事業の拡充を図りつつ、家庭と学校が連携を深めて子どもの心の面でのサポートを行うよう働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 再質問であります。
子どもを取り巻く社会状況は深刻化しておりますし、また、複雑化しております。そうした中で、子どもの心の問題を丁寧に受けとめることが、今、最も求められていると思います。また、発達障がいの問題がありまして、そうしたことが2次障がいの不登校へと結びつくような事例も聞いております。そうしたことを丁寧に受けとめる中では、専門家のスクールカウンセラーの配置は非常に有効であると思っております。
現在、スクールカウンセラーは、臨床心理士が45名、相談員が32名、この方々が、生徒のカウンセリングや、先ほど言われました保護者への相談、教員の相談などを受けているというふうに聞いております。今後、さらに充実した取り組みにするためにはどのように進めていくのか、再質問として伺います。
◎西村
指導担当部長 スクールカウンセラー事業を充実させるための今後の進め方でございます。
現在、本市におきましては、お話がありましたように、臨床心理士の資格を有するスクールカウンセラーと、一定の相談経験を有するスクールカウンセラーに準ずる者が、学校において相談活動を行っているところでございます。
教育委員会といたしましては、専門性を持った者が個々の子どもの実情に応じた相談を行うことが有効であることから、今後、豊富な知識や専門性を兼ね備えた臨床心理士の有資格者の任用を拡充するとともに、スクールカウンセラーの活用のあり方についても検討を進め、事業の一層の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 要望であります。
スクールカウンセラーの設置ということで、今後、専門性を兼ね備えた臨床心理士をふやしていくということでありますので、専門性という観点から、ぜひそういう取り組みを進めていただきたいと思っております。
しかし、子どもがだれに相談したいかというときに、1週間に1回来る方に本当に気軽に相談できるかといいますと、現実はなかなか厳しいと思っています。そして、先ほどの効果についても、不登校の子どもたちが学校に行くことができるようになったという事例も多数挙げられておりますが、スクールカウンセラーを配置したことが、子どもにとって本当に十分な相談体制になっているかという評価を客観的に行うことも重要だと思っております。
子どもが、スクールカウンセラーの方と相性が悪くて、合わなくて、なかなか相談しづらいということも現実には起きてくると思いますので、そうしたコーディネートを、教員、担任の先生であったり、また別の方がするような丁寧なサポートもぜひ行っていただきたいということを強く要望したいと思います。また一方で、いつでも気軽に相談できる場を学校のどこにつくっていくかということも、あわせて、ぜひ充実させていただきたいと思っております。
そういうことで、スクールカウンセラーの質問は終わらせていただきまして、次に、シックスクール対策について伺います。
2005年度の市立学校の空気環境検査につきまして、何校に対し、どのような検査を行い、結果はどうであったか、まず、お聞きいたします。
◎北原
学校教育部長 今年度の空気環境検査についてでございますが、合計93校、370教室について検査を実施いたしました。
まず、今年度新設した2校10教室につきましては、ホルムアルデヒドを含めた6物質を検査した結果、すべての教室が6物質とも基準値以下でございました。
次に、昨年度検査を行っていない48校240教室につきましては、平成15年度の検査において著しく低濃度であった2物質、これはキシレンとパラジクロロベンゼンですが、これを除く4物質について検査いたしました結果、ホルムアルデヒドが14校18教室で基準値を超過いたしました。
また、昨年度の検査で、ホルムアルデヒド以外の物質が基準値の2分の1を超えていた29校52教室、内訳といたしまして、トルエンが19教室、エチルベンゼンが1教室、スチレンが32教室について検査した結果、トルエンが1教室で基準値を超過いたしました。さらに、昨年度の検査で、ホルムアルデヒドが基準値の2分の1を超えていた幼稚園17園72教室について、効果的な検査方法を検討するため、試行的に簡易測定器を用いたホルムアルデヒドの検査を実施いたしました結果、2園2教室で基準値を超過いたしました。
なお、これら基準値を超過した教室につきましては、適切な換気の徹底等を指導した後、通常の使用状態で再検査を行いまして、すべての教室が基準値以下であることを確認いたしました。
◆佐藤典子 委員 93校で370教室を調査されたということであります。その中で、新設校2校というのは屯田北小、北中でありますが、そこの調査では基準は超えていないと伺いました。その他のところでは、トルエンが1校、ホルムアルデヒドが2園で基準を超えていたと聞いております。そして、ホルムアルデヒドについて平成16年度は未実施の48校の中で14校が超えていたということで、再検査をしたところ、基準値以下になっていたということであります。
そこで、再質問として、具体的に伺っていきたいと思います。
ホルムアルデヒドについてでありますが、2004年度の測定で基準値を超えた学校は、その時点で幼稚園も含めて283校中192校あったというふうに伺いました。しかし、2005年度に測定したのは、先ほどの報告にありましたけれども、17園だけということであります。学校環境衛生の基準によりますと、測定の結果、著しく低濃度の場合は測定を省略できるというふうになっておりますが、低濃度ではなかったのに、17園しか測定しなかったその理由について、まず1点目にお聞きいたします。
そして、2点目は、トルエンについてです。
トルエンにつきましては、2005年度の検査結果で基準値を超えたのは、前田北中1校のみということであります。しかし、前年度から数値の高かった上野幌東小学校、それからまた厚別東小、手稲宮丘小は、基準値以下とはいえ、非常に高濃度の数値が出ております。これは、早急に対策を練るべきであるというふうに考えております。前田北中は、3年連続高濃度が出ているということでは見逃せない状況であることから、前田北中を含む4校の今後のトルエン対策についてどのように進めるのか、伺います。
そして、3点目でありますが、中学校の心の教室につきまして、昨年のホルムアルデヒド低減化検討試験結果においても予想以上の高濃度の数値が出ておりました。ホルムアルデヒドが放散されていることが明らかになっているわけですけれども、今回の結果でも基準値を超えた心の教室があります。心の教室は、日常的には先ほどのスクールカウンセラーの方が使われたりということで、施錠されている状況が多いことがうかがえます。そしてまた、壁などに集成材を多く使用しているとも聞いております。
すべての心の教室に早急に対応するということでは、機械換気設備を設置すべきと考えておりますけれども、それについていかがか、この3点を伺います。
◎北原
学校教育部長 1点目の昨年度の検査で、ホルムアルデヒド濃度が低くなかった教室を今回検査しなかった理由についてでございます。
学校環境衛生の基準では、基準値の2分の1を超過した教室については、次年度の検査対象となりますが、従来の検査方法では検査機関の分析能力に限界がございまして、結果が判明するまで1カ月程度の時間を要するため、速やかな改善に結びつかないという問題がございました。このため、今年度につきましては、即時性があり、かつ効果的な検査方法を検討するため、簡易測定器を用いた検査を試行的に実施いたしまして、このたび、各学校が実施可能な方法を作成したところでございます。この新たな検査方法の策定のために今年度を費やしたということでございます。
今後は、この方法によりまして、残りの175校につきまして来年度に検査を実施してまいりたい、このように考えております。
2点目のトルエンの数値が高かった4校に対する今後の対策についてでございます。
今回の検査結果では、トルエンの基準値が260マイクログラム・パー・立方メートル以下であるのに対しまして、上野幌東小学校では260、厚別東小学校では160、手稲宮丘小学校では210、前田北中学校では340と140でありました。
トルエンにつきましては、揮発性の化学物質でございまして、通常の窓あけ換気で低減化が図られておりますことから、今後とも窓あけ換気を励行いたしまして、基準値以下の教室については基準値の2分の1以下になるまで定期的に検査を継続するとともに、一部、基準値を超えた前田北中学校につきましても、測定値が低減した教室もございますことから、その原因を見きわめつつ、引き続き、効果的な改善策を検討してまいりたいと考えております。
3点目のすべての心の教室に機械換気設備を設置すべきではないかというご質問についてであります。
ご質問にありましたとおり、昨年の夏休みに、学校の教室の中でも、特にホルムアルデヒド放散量が高い結果が報告されております中学校の心の教室につきまして、その放散量を再度調査した上で、各種の化学物質低減化対策基準によるホルムアルデヒド低減化調査を行いました。また、ことしの夏にも持続効果の追跡調査を行う予定でございます。
委員ご指摘のように、機械換気設備を設置することは有効な方法の一つであるとは認識しておりますけれども、夏場の閉め切った状態では、指針値を超える場合も想定されまして、必ずしも万全と言えないものと考えております。したがいまして、ことしの夏の追跡調査を踏まえまして、機械換気設備の設置を含めた、それぞれの教室に合った効果的な低減化策を講じていくこととし、それまでの間は自然換気の徹底により対応したいと考えております。
◆佐藤典子 委員 ホルムアルデヒドにつきましては、即時性と効果性の高い簡易検査方法を策定し、来年度に向けてそれを実施するために今年度は費やしたということであります。175校については新たな検査方法で行うということでしたので、ぜひ徹底的に検査、調査をして対策を練っていただきたいと思います。
トルエンにつきましては、揮発性なので窓あけをするということでありますが、この小学校、また中学校につきましても、いずれも数値が安定していない状況であります。窓あけはもとよりでありますが、前田北中につきましては、毎年、高濃度で出ております。子どもがそこに3年間通って、卒業するまでずっと高濃度で出ているという状況は、やはり対策は急がれると思いますので、窓あけだけではなくて、ぜひ何らかの対策をとっていただきたいと思います。
そしてまた、心の教室は、夏の追跡検査を終えた後、機械換気設備を含めて検討していただくということですので、ぜひよろしくお願いいたします。
そこで、最後の質問として、二つ聞かせていただきます。
今、伺いましたけれども、ホルムアルデヒド検査については、今後、各学校、園において自主測定を行うというふうに聞きました。簡易測定器を、全学校とまではいかなくても、各区に何台か常備し、児童生徒、教師から臭気等の申し出があった場合、直ちに測定し、速やかに換気、またその他の低減化を行う対策をとるべきと考えますが、それについてどのように進められるのか、1点目に伺います。
それからまた、ホルムアルデヒドについてですけれども、新築に限らず、築30年を超えた学校でもホルムアルデヒドが基準値を超えている学校が何校かあります。これは空気換気するだけで低減していけると聞いておりますが、検査の中では高濃度が出ている状況を踏まえますと、どの学校においても日常的にホルムアルデヒドなどが放散されている状況は教室によっていろいろあるのではないかと考えられます。
学校保健法第2条では、児童生徒の健康づくりに関する取り組みを組織的、計画的に推進していくことを目的としまして、各学校におきまして学校保健計画の作成を義務づけております。子どもが安心して学校で過ごすため、この計画を作成し、学校保健の実態を明らかにすること、また、それを把握することをさらに徹底して行うべきと考えますが、その点について伺います。
◎北原
学校教育部長 1点目の簡易測定器の配備についてでございます。
原則として、小学校には各区ごとに2台、中学校は各区ごとに1台整備することによりまして、各学校で機器を持ち回りして検査を実施していきたいと考えております。また、
教育委員会にも数台備えまして、臨時的に学校から要望があった場合には対応できるように体制を整えますとともに、今後、機器の台数をふやしながら、学校が自主的に検査しやすい環境を整備してまいりたいと考えております。
2点目の学校保健計画についてであります。
学校保健法第2条の規定によりまして、学校においては、児童生徒等の健康診断や環境衛生検査などの保健または安全に関する事項について計画を立て実施することとなっておりまして、本市におきましても、学校ごとに年度初めに学校保健計画を作成し、学校保健活動を実施しているところでございます。
教育委員会といたしましても、各学校がそれぞれの学校保健計画に基づいて簡易測定器を用いながら計画的に空気環境検査を実施できるよう、今後とも体制の整備を図ってまいりたいと考えております。
◆佐藤典子 委員 要望であります。
このように、3年間、化学物質の空気環境調査をしてまいりまして、全校でまず終わりましたけれども、課題はまだまだたくさんあると考えております。今後、ホルムアルデヒドは各学校持ち回りで調べていくということであります。そこで、機械の使用方法、また、各教室によって課題が少しずつ変わっているので、5教室で基準値を下回っているからいいということではなくて、さらに子どもたちの空気環境を整えるという観点からも、引き続き丁寧に行うように、その点を指導していただきたいと思っています。
それから、これから心の教室で低減化対策をやるということで、一つのモデルになる方法が見つかるとは思いますけれども、やはり、対策よりも発生抑制をどうしていくかということが非常に重要な観点だと思っておりますので、その点についても検討していただきたいと思っております。
前田北中におきましては、再度でありますが、このような状況のまま、子どもたちを3年もそこに置いておくことは本当にいかがなものかと思っております。ぜひ早急な対策を行っていただきたいということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
◆堀川素人 委員 私の方から、軽度発達障がいの子どもといいますか、発達障がいを持った人たちのことについてお聞きしたいと思います。先ほど、涌井委員から話がありましたので、そことは重複しない形でお話をしたいと思います。
軽度発達障がいを持った子どもに共通するのは、人との対応が非常に下手だというか、うまくやっていけない子が大変多いわけです。そのために、小さいときから、ある意味ではいじめに遭う機会もあったり、それが原因で不登校になったりする。それは一時的な障がいではないですから、それを持ちながら大人になっていく。そして、大人になって、自分はどんな仕事につけるのだろうかと本人も不安で仕方がない。こういう状況で大人になってまいります。
先ほど言いましたいじめや不登校というふうになりますと、障がいを持たない子どもたちであっても心にいろいろな傷を持ちます。障がいを持った子は、それを解決するためにどうしたらいいのかということがなかなかできず、ひとりで悩んだりしているうちに、またいろいろ違った現象が重複して心の中に入ってくる。それがまた、あるときに表現するといいますか、外に姿をあらわす。本人も大変つらいことだと思いますし、それを支えている親にも大変つらいことかなと思います。
そしてまた、成長していく過程の中で、先生方も、どうやってその子に対応していいのか十分わからない。今、何でそういう現象が起こるのかということは、専門家の間でもまだはっきりしないという状況であります。でも、子どもたちは、日々、日を重ねるごとに成長して、社会に出ていかなければならぬ。こういう中で、大変大きな問題だと思います。
そして、大人になって、これは誤解がないように言っておきますけれども、触法、法に触れる問題もあります。この触法の中で、障がい者が普通より高い割合であるというのではなくて、触法に至るまでの成長の中で、発達障がいというものが早くわかっていたならば、それに対応して、本人も自覚し、周りもそういうふうに扱ったならば、触法まで至らずに済んだであろう、こういう事件もたくさんあると専門家の方から聞いております。そういう中で、この問題というのは、先ほど言いましたように、一時的な問題ではなくて、やはり、早期に発見して早期に療育をすることが極めて大事かなと、こう思っております。
そういう中で、今、学校の方でどういう状態なのかと考えたときに、専門家の間では、すべての教師が発達障がいについて最低限の知識を持つことが必要な時代となった、こう言われております。今まで、発達障がいについては、ある意味では情緒障がいという中で片づけられて、これまでの診断名は、うつ病とか、統合失調症とか、境界性人格障がいとか、強迫性障がい、対人恐怖症、てんかん、摂食障がい、こういう形で扱われてきたけれども、そうではないのではないだろうかと。そういう子どもの見方をしっかり変えていかなければ、本当の姿にたどり着かないというか、本当の悩みにたどり着けないのではないかというふうに言われております。そのことを考えたときに、学校というのは、そういう意味では、早期発見、早期療育に大変大事な時期であろうかなと、こう思っております。
そういう中で、僕は、この1年間、このことを
教育委員会の方と何度かお話しして、生意気な言い方ですけれども、随分前進をしてきたな、理解が進んでいるな、こう思っております。そしてまた、先ほど聞きますと、このために、特別支援コーディネーターを学校に置いたり、特別支援巡回相談員がモデル事業としてなされた。これは、ある意味では大変うれしいことだと思います。しかし、話を聞きますと、これはモデル事業で、10区のうちの3区であるという話ですから、そこの部分については、それこそ全力を挙げて取り組まなければならない時期に、今、モデルとして3校だけというのは大変寂しいなという気がしております。
そこで、質問をさせていただきます。
そのモデル事業の中で、巡回員が3名だと聞きます。その3名を雇用したということですけれども、どんな経歴で、どんな資格を持った人たちなのか。それから、その人たちがどういう形で札幌市に雇用されるのか。それから、今はモデル事業で3校ですけれども、これが全区に広げられて一般事業化されるのはいつをめどにやっておられるのか、まず、この3点について質問したいと思います。
◎北原
学校教育部長 まず、巡回相談員の資格でございますが、どういった資格を持っている人物を充てようとしているかということについてであります。
これにつきましては、今は、学校教員の経験がある者、あるいは、臨床心理士の受験資格を持っている者等を考えておりまして、それを充てようとしているところであります。
それから、雇用の形態ですけれども、非常勤職員として充てたいというふうに考えております。
また、全校への対応のための配置はいつをめどに考えているのかということについてでございます。現時点では見通しが立っておりませんけれども、少なくとも、平成18年度に実施いたします3名による3区の体制の成果と課題を見きわめながら、可能な限り早い段階ですべての学校に対する支援体制を整えてまいりたいというふうに考えております。
◆堀川素人 委員 この3名は、僕の方では、大学院を出た大変高学歴な人だというふうに聞いておりますけれども、第2種非常勤というのはどのくらいの給料だと考えてよろしいのでしょうか。
◎北原
学校教育部長 正確ではありませんが、たしか月額14万数千円の給与であったはずです。
◆堀川素人 委員 今、大変な高学歴で、特別支援の中で、学校を巡回しながら、専門家でもまだ解明できないで悩んでいるような部分にかかわってその専門性を発揮するわけですが、申しわけないけれども、今の学校自体の軽度発達障がいに対する理解からいきますと、巡回する3名の方が果たす役割は極めて大きいのではないかと思うのです。その方が、今の第2種非常勤で14万円くらいの給料だったら、安定して、何というのでしょうか、巡回員として本当に長く続けてやっていかれるのか。僕は、特別といいますか、地位も身分もまだまだしっかりしたもので、もう少しきちっとした待遇をして臨むべきではないだろうか。中途半端にこれをやってしまったならば、さほど意味がなく終わってしま可能性があるのではないかと思って心配をするわけですけれども、その辺についてはいかが考えるのか、お聞かせを願いたい。
◎北原
学校教育部長 堀川委員、申しわけございません。
先ほど14万円と申し上げましたのは、第2種非常勤は14万円からありますけれども、この職員につきましては、専門性が高いことから16万円を想定してございます。申しわけございませんでした。
それで、こうした専門性の高い職員に対してこの程度の給与で、継続的な取り組みができるのかということであろうかと思います。これをモデル事業として展開していく中で、広く理解を深めながら、可能であれば、常勤の体制がとれるようなことも想定してまいる必要があると思いますが、現時点でモデル的に取り組みを進めていくに当たって、第2種非常勤の扱いで進めさせていただくということで考えているところであります。
いずれにいたしましても、ここでこの職員が取り組んでいった中身は、各学校に還元されるとともに、その本人にとっても、後々、大きな資質として蓄積されていくものと考えておりますので、この後の札幌市全体への展開も踏まえて見通してまいりたいと思いますけれども、現時点では第2種非常勤の扱いということで考えているところであります。
◆堀川素人 委員 モデル事業だからこのくらいの給与でと。僕は、昔から会社を長くやっていましたけれども、一番初めが大変大事だと思っていまして、これをしっかりとした位置づけで始めることが、この制度を守り、育てていくことになると思います。
今のことについては、ことしからやっていくということですので、給与の部分で、その人方にはある程度のハンディを負わせながら頑張ってもらわなければならないということかもしれませんけれども、この問題は、本当に、専門家の知識をかりながら、そして先ほど涌井委員が言われた研修もしっかりしながら、学校全体の当たり前の知識として持ってもらうようにと。
そして、障がいを持った子どもは、一つは、自分の状態をできるだけ客観的に見るということも大事でしょうし、それからまた、こういう子どもたちにはどういう特徴があるかということを、仲間の生徒や先生方によくわかっていてもらう、そしてまた、親にもそのことをよく理解してもらうことで、今、ハンディを負った中で最も自分らしくというのでしょうか、そこで自然のまま生活できる、こういう状態をぜひつくっていただきたいと思います。
それからもう一つは、軽度発達障がいの領域にはあるのですが、例えば、教室などで刃物を持ったりしますけれども、普通は刃物の先は人の方に向けません。でも、どうしても、自分では意識しなくても向けてしまう、また、それでちょっと刺してしまうとか、何かでつっついてしまうとか、こういうような子どもがいて、先生方は大変困惑するわけですけれども、どう対応していいのかわからない。そういう子どもが実際にいる中で、その子どもたちへの対応というのは、電話をかけて巡回で来てもらうわけにはなかなかいかないと思うのです。学校の中にいつも対応できる仕組みがなければだめではないかと僕は思うのです。そういう子どもたちへの対応や仕組みは何か考えられているのか、現在しているのか、それとも、これから何とかしようとするのか、この辺についてお聞きしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 堀川委員の前のご質問の中で、ボランティアの活用を図るのはいかがかというご指摘をいただいたことがございました。
現在、学校における
特別支援教育を推進するためのボランティアネットワークの構築とか、その運営のあり方等の調査研究を行うために、小学校2校をモデル事業校として
特別支援教育ボランティア導入モデル事業を実施しておりますが、これは肢体不自由児に対する支援に取り組んでいるところでございます。
軽度発達障がいのある児童生徒に対するボランティアの支援は、これまで、障がいに対する理解や方法論などの専門性も必要でありますことから、前の堀川委員の質問にも、なかなか困難なところがあるということでお答えしたところです。ただ、その後も、このことを追求させていただきまして、今後、医療系とか心理系の専門性のある学生を中心としてボランティア導入の準備を進め、可能な限り早い段階で、軽度発達障がいのある児童生徒に対するボランティア支援に取り組んでまいりたいというふうに考えているところであります。
◆堀川素人 委員 先ほども言いましたように、どれだけ世の中の理解が進むかということが極めて大事であります。そういう意味では、今、学生にボランティアをしてもらって、学生がそういうことを理解すると。学生の臨床的な研究という意味では大変大事だと思いますけれども、その中で、父兄が学校にしょっちゅう来られます。そういう親御さんの力も十分にかりて、どうやったらその子の支援になるか、そして、どうやったなら世の中の人に広くわかっていただけるのか、こういう両面から今のボランティア事業についてもしっかりやっていただきたい。
これは、去年の9月だったと思いますが、僕は、一度、この話をいたしました。今お聞きしますと、そういうことで前に進もうとしているということで、大変うれしく思いますし、ぜひこれからもしっかりとその部分に注目してやっていってほしいと思います。
予算がないのはわかりますけれども、これは予算をとってでもやらなければならぬことです。これぐらいに思って、
教育委員会の方ではぜひとも頑張っていただきたい、このことをお願いして、終わりたいと思います。
○藤原廣昭 委員長 ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時59分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○藤原廣昭 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆原口伸一 委員 私からは、札幌市教育研究協議会、いわゆる札教研について質問をさせていただきます。
札教研は、今から56年前の昭和25年に、札幌市
教育委員会、当時は札幌市教育部と言っていましたけれども、
教育委員会と校長会、そして札教組が共同で設立したものでありまして、今まで研究事業などの実践的研究活動や、教員向けの研修会などを実施してきたものであります。
ただし、行政上の位置づけはされておりませんので、法的には任意団体というふうに考えられるわけであります。また、現在も、教職員団体の理事の枠があるというふうにお聞きいたしております。
そこで、私は、昨年の
決算特別委員会で札教研について質問させていただきました。以来、マスコミにも札教研が何回か登場してきたわけであります。そんな中で、
決算特別委員会の
教育委員会の答弁では、札教研の設立経緯についてこんなふうに言われております。札教研設立当時、各
教育委員会が教育課程の具体的内容を定める必要があって、都道府県においては教育研究所を設置するなどにより対応してきたものである。そして、北海道は道立教育研究所を設置したために、本市としては、これと重複することを避けて、より実践的な研究活動の場を設ける必要があって札教研をつくったのだというご答弁をいただきました。
また、札教研の活動内容については、各学校の校内研究を基盤とし、研究授業を他校の教員に公開して批評し合うなどの実践的共同研究を行っている。また、校長、教頭を含む札幌市の小・中学校の教員のほぼ全員が会員となって、研究センターの研究、研修活動とともに、札幌市教員の指導力向上を図る車の両輪である、こういうふうに言われております。
教育委員会は、札教研の活動は、学校の枠を超えた実践的研究、研修活動という位置づけをして、公の職務、公務として扱ってきたということでありました。
これに対して、本年1月、一市民から、任意団体である札教研の副理事長を務める教員が、勤務時間中に勤務校を離れて、当該団体の業務に従事し、公務として給与などが支払われているのは不適切ではないのかとして、北海道監査委員及び札幌市監査委員に対して住民監査請求がなされたところであります。そして、先日、道の監査委員からは請求却下、市監査委員からは、異例の附帯意見が付されて請求棄却という判断が示されたわけであります。
そこで、質問でありますけれども、北海道監査委員及び札幌市監査委員の監査結果はどのようなものであったのか、ご説明をいただきたいと思います。
あわせて、
教育委員会として、この監査結果をどのように受けとめているのか、以上2点について、まずお尋ねいたします。
◎北原
学校教育部長 まず、札教研に関する北海道監査委員及び札幌市監査委員の監査結果についてでございます。
まず、北海道監査委員に対する住民監査請求の趣旨は、札教研が任意団体であり、任意団体の業務に教員を勤務時間中に従事させ、給与を支給したのは違法であるなどとして、
北海道教育委員会、教育長に対し、その補てん等を求めたものでございます。
これについて、北海道監査委員は、県費負担教職員の給与は北海道が負担することになっているが、給与減額の決定や服務管理は札幌市
教育委員会の権限であり、
北海道教育委員会はこれらを決定する権限を有しないとして、この請求は却下されたところでございます。
また、札幌市監査委員に対する住民監査請求の趣旨は、札教研の業務に教員を勤務時間中に従事させることは違法であるから、これを公務として外勤交通費を支給したことも違法であるとして、札幌市長に対し、その補てん及び今後の札教研事務局業務への従事の差しとめ等を求めたものでございます。
これについて、札幌市監査委員は、札教研の研究・研修活動及び事務局業務は実質的に公務と評価し得るべきものであり、外勤交通費の支給について違法、不当はないとして、この請求は棄却されたところでございます。
なお、附帯意見として、札教研が活動しやすい環境整備は
教育委員会の責務であるが、法制度面などの位置づけが十分整備されていないとの指摘がありまして、札教研活動の一層の振興を図るため、適切な措置を講ずることが必要との意見をいただいたところでございます。
教育委員会といたしましては、北海道監査委員の監査結果について言及すべき立場にはございませんが、札幌市監査委員の監査結果につきましては、札教研のこれまでの取り組みに対するご判断をいただけたものと考えますとともに、附帯意見につきましても重く受けとめているところでございます。
◆原口伸一 委員 監査結果について、その内容はわかりました。それについても、考え方によってはいろいろな結果が出てくると私は思っているのです。
一方、文部科学省の方からは、任意団体の活動を公務として扱うことは適当でないという指摘を受けたはずであります。先日の国会でも、小坂文部科学大臣がそのように答弁をされていらっしゃいます。市教委は、文部科学省から指摘をされたのと同時に、改善を行うように指導を受けたというふうに聞いております。
そこで、質問でありますけれども、文部科学省と
教育委員会でどのようなやりとりがあったのか明らかにしていただきたいと思いますし、その際、どのような指摘や指導があったのか、これも明らかにしていただきたいと思います。
◎北原
学校教育部長 先ほど委員からお話がございましたように、札教研の活動は、各学校における校内研究を基盤とし、教員の教育力向上を図ることを目的として行われてきたものでございます。
教育委員会は、教員の教育力向上を図る責務を負っておりますことから、札教研活動を積極的に推進することはその方策の一つと位置づけ、その研究活動費の一部を負担し、活動内容の作成などにも積極的にかかわってきたものであり、校内研究を基盤とした実践的研究・研修活動という位置づけのもと、従来からこれを公務として扱ってきており、文部科学省に対してもこのことを申し上げてまいりました。
これに対しまして、文部科学省からは、任意団体の運営業務に教員を勤務時間中に従事させ、給与を支給することは不適切であること、また、県費負担教職員の給与は国庫負担制度によって国が2分の1負担しているが、国庫負担の対象になるのは授業など主に学校内での職務を担う教職員であり、任意団体の運営業務に従事する職員は国庫負担の対象とならないとの指摘を受けたところでございまして、副理事長の勤務のあり方を中心に、早急に改善を図るよう指導があったところでございます。
◆原口伸一 委員 ただいま、文科省からは、任意団体の業務に教員を勤務時間中に従事させ、給与を支給することは不適切だという指摘を受けたという答弁をいただきました。また、副理事長の勤務のあり方を早急に改善するようにとの指摘があったということも聞かせていただきました。また、市監査委員からは、異例とも言える附帯意見が監査報告にのっているわけでありまして、それは、指摘をいただいております法制度面での整備も含めて、札教研の位置づけを明確にすべきであるとして、監査委員も市教委に強く要請しているわけでありますけれども、市教委として、今後、札教研の活動をどのように見直していくのか、それについてお尋ねいたします。
例えば、私は、昨年の3定の
決算特別委員会でも申し上げましたけれども、こういう問題が出てくるのであれば、例えば、
教育センターに包含して、その中で今までやってきたような業務をやれないのか。そうすることによって、どなたからも指摘をされるようなことがなくなると思うのです。国会でも札教研の問題が取り上げられたということは、私は大変なことだろうと思っておるのです。そういうようなことをお考えになられて、これからの見直しをどうしていくのか、それについてお尋ねいたします。
◎北原
学校教育部長 今後の札教研活動の見直しについてでございますが、
教育委員会といたしましては、監査結果や文部科学省からの指摘、指導を踏まえまして、札教研が任意団体の形式をとっていることから生じる服務上の課題を解決するため、日々の研究活動そのものにつきましては実施要綱を定めるなど、
教育委員会や校長の果たすべき役割を明確にし、教職員の職務として位置づけ、一方、札教研の会費の徴収や会報の発行、配布等、団体運営業務とされる部分につきましては、勤務時間中には行わず、勤務時間外または年休等により対応する方向で、現在、詳細について検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、これまで培ってまいりました札幌市立学校の研究・研修活動につきましては、必要な改善を図りつつ、今後、より一層活発に推進されるよう努めてまいりたい、このように考えております。
◆原口伸一 委員 これ以上聞いても余りいい答えが出てこないのだろうと思っておりますが、この辺で、締めくくりとして要望させていただきたいと思います。
我が会派としても、札教研のような教職員の資質向上に資するような研修・研究活動は必要だと思っておりますし、今まで札教研が、札幌市の教育界にとって、また全道の教育界にとっても先進的な取り組みをされてきたことについては一定の評価をいたしたいというふうに思います。しかし、今回指摘されたような、文科省とか、市監査委員の附帯意見として出てきているようなことがあるということは、私は非常に残念だというふうに思っております。
文科省の方にお聞きしますと、どうも副理事長4人に支給されてきた給与の返還請求がなされるやに私は聞いております。そんなこともありますので、私は、札教研に対する見直しをきちんと早くやっていただきたいなというふうに思っております。そして、教員が大いに研修、研究をされて、それが札幌の子どもたちに大きくはね返ってくるような、そういう環境整備を市教委として早急に進めるべきだろうと私は考えます。
どうぞ、そういうことをご考慮の上、これから札教研の取り組みをされていっていただきたい、こういうことを要望して、終わらせていただきます。
◆畑瀬幸二 委員 私からは、大きく2点、まとめて伺います。
最初は、新しいタイプの定時制高校設置事業についてであります。
新年度予算案で計上されました事業費の内訳は、PFI導入に向けた実施方針など、暫定校舎の改修設計費となっております。この間、市教委は、新校舎の供用開始は、平成22年度、2010年度とすることを明らかにしてまいりました。
そこで、1点目の質問として、新定時制高校の校舎整備計画を含めた全体のスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。
2点目の質問は、新校舎はPFI手法を活用することにしております。PFIの採用は本市では2件目、文教施設では初めてであります。全国的に見ましても、高校建設でのPFIの実績は少なく、供用開始校が1校、計画中のものが3校という実情にあります。こうした実績が少ない中でPFI手法を活用する場合は、何といっても公平・公正な公共施設の役割というものが損なわれないように、慎重な対応をしていかなければならないと考えております。
そこで、質問でありますが、PFIの活用に当たりましては、事業者の選定過程や事業内容の透明化を図るとともに、校舎完成後の評価、監視といったいわゆるモニタリングのあり方につきましては、行政だけで行うのではなく、市民も参加した第三者機関を設置して対応するのが望ましいと考えますが、市教委の見解を伺います。
次は、職場体験事業、いわゆるキャリア教育の取り組みについてであります。
この件については、さきの代表質問で触れさせていただきましたので、重複は避けますが、子どもたちが大人の働く姿や地域とのかかわりに触れながら、社会における仕事の役割を理解して、社会生活に積極的に参加する意欲を持ってもらうということは、子どもたちが今日の流動化する社会に対応していく上で欠かせない要素だと考えます。
白石区では、5年前から、白石区ふるさと会が中心になりまして、職業体験事業に取り組み、徐々に成果を上げてきております。最近は、文部科学省も必要性を感じ、今年度からの3カ年事業として、キャリア教育実践プログラム事業を実施することになりました。内容は、中学校を中心に5日以上の職場体験をするというものになっておりますが、今年度、札幌市が委嘱を受けたところであります。そして、1年次目の推進地域に実績のある白石区が指定され、ことし2月には報告会としてフォーラムも開催してきました。
そこで、質問でありますが、本年度、本事業において、白石区の市立中学校で実施されました職場体験の具体的な実施状況について伺います。
◎中村 総務部長 私から、新しいタイプの定時制高校整備計画についてお答えいたします。
新定時制高校につきましては、多様な学習ニーズに柔軟に対応して、充実した教育内容を子どもたち、市民に早期に提供するということで、平成20年度に旧大通小学校の施設を活用して開校することにしております。新校舎につきましては、今お話がありましたとおり、平成22年度の予定ですが、もう少し具体的に申し上げますと、新定時制高校の校舎として暫定的に2年間使用いたします旧大通小学校校舎については、18年度に改修のための設計に取りかかりまして、19年度に具体的に改修にかかります。
また、新校舎につきましては、札幌市においても、新まちづくり計画の中で、民間の資金やノウハウを活用したこういう事業手法に積極的に取り組んでいくことでコスト縮減を目指しておりますので、その整備に当たってはPFI手法を導入するという考えでおります。
この手法によった場合の具体的な整備スケジュールですが、平成18年度に実施方針、これは施設の規模、配置、それから事業者の募集等にかかわることですけれども、その公表、それから、特定事業の選定、入札等の事務手続を経まして事業者を決定する予定です。平成19年度に校舎の設計に入りまして、20年度に着手、22年度に供用開始ということでございます。
2点目は、この事業を進めるに当たって、事業選定過程の透明性等についてご質問がございました。
透明性ということについては、いわゆるPFI法の中でも特定事業の発案から終結に至るまで、透明性が確保されなければならないというふうになっております。したがいまして、今回の新定時制高校の整備等に係るPFI事業につきましても、国の基本方針にのっとり、実施方針、特定事業の選定、審査基準、選定結果などについて全過程を通じて公表することになります。また、札幌市のPFI基本方針でも、事業者選定に当たっては、外部委員で構成する事業者選定委員会で民間事業者の提案を審査することになっておりますので、国の方針に上乗せする形で、透明性、公平性を確保しているところです。
また、審査基準についても、単なる価格競争ということだけではなくて、民間事業者の創意工夫を十分評価して、価格と事業内容のバランスのとれた事業が採用、採択されるように努めていきたいと考えております。
最後に、モニタリングの第三者への委託、市民評価というご質問でございます。
新定時制高校自体は札幌市が設立しますので、教育内容そのものや人事など、教育にかかわることや学校の運営は
教育委員会が直接担います。したがいまして、今回のPFI事業手法では、施設の整備と完成後の施設・設備の維持管理が主になります。
そこで、完成後のモニタリングですけれども、札幌市が示す要求水準を満たしているかどうかの確認が主な目的になりますので、事業者からの報告や、市の実地調査等で十分確認できるのではないかというふうに考えております。しかし、委員のお話にもありましたとおり、供用開始をしている例がまだ少ないということですので、データも十分ではありません。したがいまして、先行事例のモニタリング方法等についても十分調査研究をしていきたいと考えております。
◎西村
指導担当部長 私から、キャリア教育の実践プロジェクト事業につきまして、お答え申し上げます。
本年度、白石区の中学校で行われました職場体験の具体的な実施状況についてでございます。
本年度は、事業の実践校として、同区の中学校5校を指定いたしまして、昨年春から、実施計画の立案に向けた支援会議や、民間の人材・職場開拓の専門家であるキャリアアドバイザーによる講演会などを開催するとともに、白石区の地域振興課、白石区ふるさと会、本郷商店街や栄通商店会などと連携いたしまして、事業所の開拓を行い、その上で、地域のクリーニング店や保育園などにおきまして2年生を中心に延べ953名の生徒が1日から2日の職場体験を経験したところでございます。
また、このことにつきましては、昨年2月に開催された白石区開催の職場体験学習フォーラムで取り上げられまして、地域住民や学校関係者など多くの参加の中で、職場体験に参加した生徒や受け入れ事業所などから、仕事の厳しさを理解することができた、あるいは、地域の学校や中学生の理解を深めることができたといった職場体験の意義や効果等についての報告が行われたところでございます。
◆畑瀬幸二 委員 ただいま、新定時制高校の全体スケジュールを明らかにしていただいたところでありますが、モニタリングの関係につきましては、先般も、当委員会で指定管理者制度のかかわりで随分論議がありました。結果として、きちんとやっているのだけれども、選定委員に行政側が多い、これは見た目にも疑問符がつくのではないか、したがって、最初からそういう疑問が生じないようにしておくことが大事であるという論議もしたばかりでございます。これも、何年になるかはわかりませんが、例えば平成20年の契約になるとして、そこでは行政と民間とのかかわりをきちんとしておかなければいけません。それに基づいて税金を支払っていかなければならないという重要な役割を担ってまいりますので、ぜひ、予見されることについては、あらかじめ調べ上げた上で、どういうスタイルがいいのか、ぜひ検討していただきたいと思っております。
そこで、今、建設関係のスケジュールを明らかにしていただいたところでございますが、もう一方で大事なのは、やはり教育内容そのものであります。新しい定時制高校では、午前、午後、夜間の3部制や単位制を取り入れて新しいタイプの学校とすることを明らかにしております。
そこで、質問の1点目といたしまして、新定時制高校へ導入する3部制、単位制の効果について伺っておきたいと思います。
2点目は、新定時制高校の教育課程、いわゆるカリキュラムでありますが、その特徴及びその策定スケジュールを伺っておきたいと思います。
それから、3点目は、新定時制高校では、ホームルーム活動を含めた特別活動、つまり、学校行事や生徒会活動、そしてクラブ活動の保障をどう考えているのか、お伺いいたします。
4点目の質問は、新定時制高校は、市立の統合校としての特徴を持った市内でも唯一の学校として時代の役割を担っていくことになろうかと思います。そんな意味では、多くの市民に愛され、はぐくまれる学校になってほしいと願っております。
そこで、学校名の決定に当たりましては、広く市民に公募する方式や選定委員会の設置が望ましいかと考えますが、どうお考えか。また、校歌につきましても同様の対応を図るべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
次に、職場体験事業でありますが、今年度、本事業における職場体験については、白石区の商店街を初め、多くの事業所の大変なご協力を得て実施されていることを改めて認識したところであります。多くの子どもたちが、この職場体験において貴重な経験をして、有意義な学習を行ったものと考えます。
そこで、質問でありますが、今年度の本事業における成果と課題についてお伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 私の方から、新しいタイプの定時制高校設置事業についてお答えいたします。
まず、3部制や単位制の効果についてでございますが、これまでの夜間定時制高校では、あらかじめ決められた1日4時間の授業を4年間受講して、この中で所定の単位を習得することによって卒業する仕組みになっておりました。
これに対しまして、新定時制高校では、午前、午後、夜間の3部制、そして単位制を採用しますことから、生徒が自分の生活スタイルや勤務条件等に応じて学習する時間帯を選ぶことができるとともに、自分の所属していない部の選択科目、例えば午前部の生徒が午後部や夜間部の科目を履修することができ、所定の単位を修得すれば3年間で卒業することもできるというメリットがございます。また、生徒の興味・関心、進路希望等に対応した多様な科目だけでなく、生徒の習熟の度合いに応じた科目など、幅広い選択科目の中から生徒が希望する科目を自由に選択しながら自分のペースで学習計画を立てることができるというメリットがあります。
次に、新定時制高校のカリキュラムの特徴と、その策定スケジュールについてでございます。
新定時制高校の教育課程につきましては、昨年、定時制課程等に勤務している教員、教頭を構成員として新定時制高校教育内容研究協議会を開催いたしまして、その骨子について約半年にわたって検討を続けてまいりました。
この検討結果などを踏まえまして、新定時制高校では、多様な生徒のニーズや学習状況に対応するため、全員が受講する必修教科、科目のほかに、商業・ビジネス系や家庭・福祉系などの専門的な分野の科目、また、各種の資格取得を可能とする科目、インターンシップなどの体験活動を取り入れた科目など、生徒一人一人の進路希望に応じた科目を多数開設するとともに、習熟度別学習や少人数指導など、きめ細かな指導方法についても工夫してまいりたいと考えているところであります。
次に、新定時制高校のカリキュラム策定のスケジュールについてでありますが、この3月に発足いたしました校長予定者と開校事務取り扱いの教員6名から成る開校準備室と
教育委員会で今後検討いたしまして、平成18年度末までに策定することを予定しております。
さらに、新定時制高校でのホームルーム活動などの特別活動やクラブ活動をどのように保障するのかということであります。
これまでの定時制高校では、勤労青少年や高校中退者のほかに、不登校傾向の生徒や、心理面での課題を抱えた生徒などを数多く受け入れてきております。新定時制高校におきましても、生徒と教師の信頼関係及び生徒相互の好ましい人間関係を育てまして、生徒が生き生きと安心して通うことができることが重要でありますことから、例えば、40人の生徒に対して複数の担任を配置するなど、生徒の実態に対応したきめ細かなホームルーム指導を工夫してまいりたい、このように考えております。
また、これまでの定時制高校では、規模が小さいことから、学校行事や部活動などが活発に行われにくい面がありましたけれども、再編によるスケールメリットを生かすことにより、開設クラブ数の増加や行事の規模の拡大など、活動の活性化を図ることができるものと考えております。さらに、星園高等学校のあんどん行列のような、地域に根差した伝統行事なども継承することにより、学校や地域の中で特別活動や部活動などを通じて多くの人と出会い、豊かな人間関係を築く機会を生徒に提供してまいりたいと考えているところであります。
最後に、学校名の決定及び校歌の決定についてでございます。
新定時制高校の学校名の決定については、新定時制高校の開設に当たって、平成19年度の早い時期に
北海道教育委員会へ学校設置のための認可申請を行う必要がございますことから、学校名につきましては、平成18年度中に決定することを予定しております。学校名の決定に当たりましては、新定時制高校の理念や育てたい生徒像、さらに、多様な生徒の学習ニーズに柔軟にこたえる教育内容、これまでの定時制高校にはない特色などを踏まえた検討が必要と考えております。したがいまして、市民に親しまれ、地域とともに学校づくりを進める観点から、校名の市民公募を検討いたしますとともに、学校関係者はもとより、学識経験者や保護者等を含めた校名検討委員会を設置することについても検討してまいりたいと考えております。
また、校歌につきましては、平成19年度中に制定することを予定しておりますので、校名同様、制定方法について、今後、十分に検討してまいりたいと考えております。
◎西村
指導担当部長 私から、今年度のキャリア教育実践プロジェクト事業におきます成果と課題についてお答えいたします。
まず、成果についてでございますが、生徒からは、働くことの厳しさや楽しさを身をもって体験することができた。あるいは、大人とのコミュニケーションのとり方や基本的なマナーを学んだなどの声が聞かれておりまして、事業所の方からは、戸惑いながらも真剣に取り組んでいる子どもたちの姿に好感を持ったといった声を聞くことができました。このことから、生徒にとりましては、働くことの意義や目的の理解が進むとともに、マナーや言葉遣いなどの社会性がはぐくまれたものと考えているところでございます。
次に、課題でございますが、学校からは、職場体験に伴う受け入れ事業所の開拓や、実施に係る日数の確保が難しいといった点、事業所からは、受け入れに当たって人的負担が増したり、作業に当たっての安全面への配慮が必要となるなど、営業上の影響があるといった点が指摘されております。
教育委員会といたしましては、今年度内に各実践校の取り組みの詳細を実践集録として、また概要をリーフレットとしてそれぞれまとめまして、各市立学校へ配付してキャリア教育の意義や実践の成果等を全市に広めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆畑瀬幸二 委員 新定時制高校の件でありますけれども、教育の特色として、幅広い選択科目の中から自分で科目を選択し学習できることや、決められた単位を修得すれば3年で卒業が認められる学校をつくっていくのだというご報告でございました。生徒の関心あるいは進路などが多様化する中で、学習の選択の幅をできるだけ拡大した教育環境を整えることはとても大切だと思います。
そこで、質問でありますが、新しいタイプの新定時制高校の中学校への周知、説明は、いつ、どのような形で行うのか、お伺いいたします。
また、中途退学者や中学校既卒者への周知も工夫しなければなりません。この点、どのようにお考えになっているのか、あわせて伺います。
質問の2点目は、校舎の建築は常に教育内容との整合性を図っておかなければなりません。自分のペースで学習に取り組むことができるということは、学校での生活時間が長くなりますので、学校における生徒の居場所づくりも考慮しなければなりません。
また、新たな時代の文教施設として、特色ある学校施設づくりが望まれております。先日、PFI第1号の山口斎場を視察してまいりました。そこでは、ユニバーサルデザインの採用はもちろんのこと、雪冷房システムの採用や自然採光の活用など、自然エネルギーの有効利用に積極的に取り組んでいるほか、省エネルギー対策としての有効な外断熱工法も取り入れております。新定時制高校に同じ特色を持たせる必要はありませんが、そうはいっても、PFI第2号でありますし、文教施設らしい特色を持つべきだと考えます。
そこで、質問でありますが、地域の新たな拠点施設となることから、地域社会との連携を考慮した施設づくりやエコスクール化、あるいは省エネ化、バリアフリー化、防災拠点化など、本市が取り組もうとしている施策課題も意識した特色ある施設づくりが求められると思いますが、この点、どのようにお考えになっているのか、見解を伺います。
次は、職場体験事業ですが、子どもたちの望ましい勤労観あるいは職業観を育成するために、今伺った成果と課題を踏まえつつ、本市における職場体験事業を着実に推進すべきと考えます。
そこで、質問でありますが、次年度の取り組みはどのように進めようとしているのか、お伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 まず、新定時制高校の今後の周知についてお答えいたします。
新定時制高校は、平成20年度の開校でありますために、平成18年度の中学2年生から入学対象となります。生徒、保護者にとりましては、これまでの定時制や全日制に加えまして新しい選択肢の提供となりますことから、その理念や教育内容について早い段階で周知していく必要があると考えております。
したがいまして、平成18年度におきましては、中学校の校長会や進路指導担当教員の会議などを活用するとともに、
教育委員会のホームページを活用するなどいたしまして周知に努めてまいりたいと考えております。また、平成19年度におきましては、生徒、保護者等を対象に学校説明会を開催したり、パンフレットを配布する中で、新しい教育内容や通学区域、入学者選抜の詳細について、十分な周知と説明を行ってまいりたいと考えております。さらに、既卒者や高校中退者に対する周知の方法につきましても、今申し上げた
教育委員会のホームページを活用するほか、広報さっぽろなど、さまざまな機会を活用しながら周知に努めてまいりたい、このように考えております。
◎中村 総務部長 新定時制高校では特色ある施設づくりをということですけれども、PFI事業において札幌市が事業所側に求める性能は、要求水準という形で、もちろん公表することになります。その詳細を検討している段階ですが、今現在の考え方は、施設のあり方としましては、お話しのありました外断熱工法の採用を初めとした省エネへの配慮、ライフサイクルコストの縮減、周辺環境と調和する学校のデザインの提案、それから、ここは3部制、単位制をとりますので、そういう特色ある教育内容を考慮したゆとりスペース、空間の確保、さらに、ユニバーサルデザインや生徒の安全性の確保といったことについて要求水準書で求める考えでおります。
PFI事業については、この要求水準書に基づいて事業者が提案してくる形になりますけれども、これらの要求に対する事業者の創意工夫が十分に反映されるような審査基準を考えていきたいと思っております。
◎西村
指導担当部長 本市のキャリア教育実践プロジェクト事業の次年度の取り組みについてでございます。
教育委員会といたしましては、今年度の白石区の成果と課題を踏まえまして、次年度は中央区を推進地区として、同区の市立中学校8校すべてにおきまして実施する予定でございます。その中におきまして、学校、町内会、商店街、ハローワーク、キャリアアドバイザー等から成る支援会議を一層充実させながら、学校と事業所等との効果的な連携を図り、学校と地域の実情に合った職場体験の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆畑瀬幸二 委員 最後に、何点か要望させていただきたいと思います。
まず、新定時制高校でありますけれども、校舎建設に当たりましては、教育内容に的確に対応するとともに、生徒の生活の場としてふさわしいゆとりと潤いのある学校施設づくりを進めていただきたいと思います。また、PFI手法を活用するわけですから、公共施設の役割が損なわれないように慎重な対応を図っていただきたい、こう思っております。
次に、職場体験事業でありますけれども、文部科学省が示しております本事業の実施要綱の中に、職場体験の日数については連続5日間以上という記述がありますが、この点について私の考え方を少し述べさせていただきたいと思います。
職場体験の円滑な実施のためには、学校と各関係機関との連携が重要であります。特に、生徒を受け入れる事業所の協力が必要不可欠なわけであります。したがって、本事業をコーディネートする立場の
教育委員会におかれては、生徒の健康安全面への配慮や、授業日数の確保といった学校側の実情、それから、受け入れ事業所側の営業に与える影響などの実情を十分考慮して、受け入れ可能な日数を弾力的に設定して長続きのする体制を組んでもらいたいと思っております。
この点は、北原
学校教育部長は、我が白石区の学校長を経験していただいておりますので、実情はよくおわかりのことと思います。
いずれにしろ、札幌市における職場体験が、次年度以降も課題を丁寧にクリアしながら自主的に拡大されていくことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
◆谷沢俊一 委員 私からは、大きく2点についてご質問をさせていただきます。
一つは、就学援助に関連しての質問でございます。もう一つは、小・中学校の光熱水費予算の配当の試行結果についてお伺いしたいと思います。
初めに、就学援助についてでございますが、大変不景気な折に、現在、小学校、中学校のお子さんを持つ親にとっては教育費のやりくりも大変であると思うわけであります。各自治体では、経済的に厳しい状況にある世帯に対して学用品代などを支給する就学援助を行っております。この就学援助について、過日のマスコミ報道によりますと、景気の低迷を受け全国的に就学援助を受給している方が大変ふえているということでございました。
そこでまず、質問でございますが、本市における就学援助制度の概要はどのようになっているのか、確認の意味でお伺いしたいと思います。
2点目に、札幌市における受給率の状況はどうなっているのか、お伺いします。
それから、大きな2点目でございますが、本市において、CO2の削減あるいはエネルギーの節減など、環境に対する意識の醸成を図るため、平成15年度から3年間の予定でモデル校を指定して、光熱水費に係る予算の配当について、その節約分の半額を学校に還元するという取り組みを試行的に行ってまいりました。本年度は、3年目の最終年度に当たることから、この取り組みについての評価と課題についてどのような見解を持っているのか、お伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 まず、就学援助について、私の方からお答えいたします。
札幌市における就学援助制度は、経済的理由によって就学が困難な小・中学生の保護者に対して必要な援助を与える制度でございます。具体的には、生活保護と同程度、またはこれに準ずる程度に家計が困窮している世帯に対しまして、学用品費、給食費、修学旅行費などを援助しております。
なお、生活保護世帯に対しましては、生活保護費の対象となっていない修学旅行費のみを支給しております。
次に、札幌市の受給率についてでありますが、小・中学校の児童生徒数に占める就学援助受給者の割合は、平成5年度の6.1%から毎年上昇を続けてございまして、平成16年度決算では14.6%、来年度予算ベースでは16.6%と見込んでいるところであります。
◎中村 総務部長 小・中学校における光熱水費の予算配当試行の評価と課題ということですけれども、試行結果を見ますと、年次や学校によってややばらつきがありますが、平成15年度は28校、16年度は17校、17年度は21校において節減されておりまして、その一部を学校に還元しております。
参考までに、還元額は、平成15年度は総額で約690万円、16年度は330万円、本年度は540万円となっております。
こういう金額的なこととあわせて、今、お話しにありました児童生徒に対するエネルギー節約の動機づけになったということで、環境教育の観点からも一定の効果があったというふうに認識しております。
次に、課題ですけれども、昨今、石油製品が非常に上がっておりますので、燃料費の執行額が予想よりかなり大きく膨らんだということがございます。それから、学校によって、給食の調理施設がある場合には水を多く使うということ、それから、学校開放をしている場合は、ほかの学校に比べて電気代、暖房代がかかることがありますので、各学校ごとの光熱水費に差が生ずるといったことが挙げられます。
したがいまして、この方式を本格実施するということになりますと、これらの課題について十分検討を行って、各学校によって不均衡が生じないような方法を検討していかなければならないというふうに考えております。
◆谷沢俊一 委員 まず、就学援助でございますが、平成5年度の6.1%から新年度は16.6%ということは、ある意味では6人に1人くらいまで対象がふえてきているということです。私は、景気が低迷しているときこそ、就学援助というのは必要な制度であろうと思うわけであります。
就学援助については、昨年4月から、生活保護に準ずる程度の家計の困窮者に対する国の補助は廃止されて、一般財源化されております。一方で、札幌市においても、支給内容の見直しが行われ、これまで支給していたものの一部を来年度から支給対象外にするというお話を伺っております。
そこで、再質問でございますが、1点目に、国の補助廃止や受給率の増加により財政的には大変厳しい状況だとは思うのでありますが、来年度予算における支給基準や支給内容はどうなっているのか、お伺いいたします。
二つ目に、このうち、本市の支給内容の見直しの具体的な中身はどうなっているのか、お伺いいたします。
それから、光熱水費の半額還元について、環境教育の視点から一定の成果があったという評価でございます。
そこでまず、一つ目に、節約し、その半額を還元された学校では、この経費を具体的にどのように活用されているのか、活用方法、活用実態についてお伺いしたいと思います。
それから、ただいま部長からお話がございましたが、光熱水費については、学校の施設の違い、あるいは学校の規模によって、適正な額を公平に見きわめるのはある意味で大変難しいという問題があります。そういう中で、一つ懸念するのは、学校によってはこうした取り組みが節約そのものを目的化することがないのかということです。先ほども需用費が大変厳しいというお話がございましたが、経費の節減そのものが目的化することがないのだろうかという心配をするわけであります。ただいまのお話しにありましたとおり、ことしのような灯油あるいは重油の高騰が、結果として子どもあるいは生徒の学校生活においてひもじい思いをさせるといった悪影響を及ぼすことがないのか、この点について、
教育委員会としてどのように認識されているのか、2点目にお伺いいたします。
3点目に、平成18年度以降、新年度以降、この取り組みを継続、拡大されていくのかについて、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 私の方から、就学援助の支給基準と支給内容、さらに支給内容の見直しの中身についてお答えいたします。
まず、来年度予算における支給基準と支給内容についてであります。
平成17年度から、就学援助の国庫補助は一部を除いて廃止となり、財源移譲によって一般財源化されたところでありますが、札幌市の来年度予算案におきましては、受給率の増加傾向を勘案いたしまして、予算ベースで前年比3.96%の増、総額で19億587万1,000円の予算規模となっております。
ご質問の支給基準、支給内容については、来年度予算におきましても、国庫補助廃止前の枠組みをほぼそのまま維持しております。具体的には、支給基準として、生活保護基準の1.1倍または1.05倍の収入、市町村民税非課税、児童扶養手当受給などを目安に対象の世帯を認定しております。
また、支給内容といたしましては、新入学の児童生徒に対しては、新入学児童生徒学用品費を現金支給しておりますほか、在学中の者に対しましては、学用品費の現金支給、給食費の全額援助、スキーなど体育実技用具の現物支給、修学旅行費、宿泊校外活動費、医療費の援助などを行っております。
次に、来年度以降における支給内容の見直しについてお答えいたします。
お話しのありました支給内容の見直しは、平成16年9月に示された札幌市財政構造改革プランで、国基準に上乗せした補助や単独の補助の見直しを行うものとして事務事業の見直しを求められていたもので、項目としては、就学援助の修学旅行費、宿泊校外活動費の市単費分、旧国庫補助の上乗せ分ですけれども、これが該当いたしまして、これらの項目につきましては来年度から支給対象外としております。具体的には、これまで札幌市が単費で負担し援助していた修学旅行における資料文集代、事前事後学習代、おやつ代、歌集代、レクリエーション代等、宿泊校外学習における食事代、シーツ洗濯代、炊事用まき代について見直しを行ったところでありまして、この見直しによる削減額は約980万円でございます。
◎中村 総務部長 光熱水費の配当試行で3点のご質問がありました。
1点目は、具体的に還元された分は学校でどういう使い道をされているのかということですけれども、物の購入費が中心でございます。ファイルなどの事務用品を初めとしまして、今、学校の防犯にかかわる防犯スプレーやさすまた、そういう消耗品から、ホワイトボード、スチール書庫と、広く教育活動、教育環境の向上に役立っていると認識しております。
2点目は、光熱水費の節約はいいけれども、節約が目的化して子どもにひもじい思いをさせることのないようにということです。これは、節約意識の高揚、環境に優しい学校経営を行うことを目的としており、その趣旨については、今回の試行でも各学校に理解していただいたと思っておりますが、何より、児童生徒の学習活動、教育環境等に支障を来さないよう万全を期していきたいと考えております。
3番目は、今後の配当試行ですけれども、今年度で一たん終了いたしますが、先ほど述べましたように、石油製品の高騰などの課題もあります。また、委員からご指摘の点もございました。それらを踏まえて、また、学校数の拡大ということも踏まえて、内容や手法について十分検討を加えながら当面は続けていきたいと考えております。
◆谷沢俊一 委員 就学援助については、予算ベースで平成17年度に比較してほぼ4%ぐらい伸びていまして、これは対象数の増ということが大きいのだろうと思います。また、見直しについては、修学旅行、宿泊研修等、ごく一部の周辺経費の見直しで済んでいるという意味でちょっと安心したわけでありますが、受給率の増加傾向を踏まえて予算的に若干伸びているということです。
いわゆる札幌市の上乗せ支給分について財政構造改革プランの中で見直したということは、ある意味ではやむを得ないとは思うのですが、北海道の景気動向を見ていると、回復にはほど遠く、また、回復に当たっては、本州方面から見ると、北海道は常にタイムラグがあってずれ込んでくるということで、恐らく、本市の就学援助受給率は当分下がらないのかなというふうに推測をするわけであります。
このような状況の中で、小・中学校が義務教育である以上、経済的に厳しい状況にある世帯に対して今後も必要な援助は維持されるべきと考えますが、市教委の考え方について、再度、確認の意味で質問いたします。
それから、還元された2分の1経費についての取り扱いでございますが、新年度も拡大しつつやるということであります。ことしは特に寒かったせいもあって、学校の暖房はちゃんと入っているのかというご質問とか要望を何人かの方から受けたことがございます。市教委に確認すると、一応、校内は22度を維持することが一つの基準になっているようでありますが、学校によっては、通気性のいい学校もありますし、北向き、南向きによって温度が違うということもあります。これは、光熱水費が目的というよりも、むしろ、小まめに電気を消したり、あるいは、しばらく使わない教室の暖房はとめるとか、そういうことが必要なのだろうと思いますが、やはり、ひもじい思いの方にリンクしないように十分気をつけていただきたいと思います。
これは要望で終わりたいと思いますが、就学援助の今後の見通し、維持についてどう考えているのか、確認をしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 必要な就学援助の維持について、私の方からお答えいたします。
国の補助廃止、さらには札幌市の厳しい財政事情から、援助の基準や内容の拡大などにつきましては難しい状況でございますけれども、ご指摘の必要な援助の維持につきましては今後も引き続き努力してまいりたい、このように考えております。
◆谷沢俊一 委員 ただいま、
学校教育部長から、必要な就学援助については維持していきたい、これからもそう努力したいということでございました。
この件については、昨年の予算議会においても、就学援助に関する国庫補助の維持に関する意見書が可決されております。実際には、国の補助が廃止されて一般財源化されたということになっておりますが、やはり、認識としては非常に大事なものであるということでございます。
就学援助の受給者というのは、市町村民税が非課税の世帯あるいは母子世帯が大半を占めているということです。その基準を見ても、今、生活保護世帯の基準とほとんど変わらず、1.05から1.1くらいの基準の中で支給対象を決めているというお話もございました。私が知っている範囲の中でも、本来、生活保護基準以下でも、何とか頑張って、生活保護を受けないで、厳しい家計のやりくりの中で子どもたちを学校に送り出している親たちもたくさんいらっしゃいます。もし、この援助が大きく削減されたり、打ち切られるようなことになりますと、いわゆる生活保護世帯へ大きくシフトしていくこともやはり心配されるわけであります。そういう意味では、この制度は、今の厳しい経済状況の中でこそ、しっかりと堅持して、義務教育が本当に充実する方向で取り組みをお願いしたい、このことを要望して、終わりたいと思います。
◆飯坂宗子 委員 2点、質問いたします。
まず、中学校1年生の35人学級実施に伴う教員配置についてです。
午前中の質疑で、60校でクラスがふえ、当該校では教員が60人配置される見込みとのご答弁がありました。しかし、道費負担の
教職員定数配置基準を見てみますと、中学校の場合、例えば、9学級の学校では校長、教頭を含めて16人の教員配置ですが、10学級になると18人で2名増、11学級では20人とさらに2名ふえる基準になっています。学級規模によっては、1学級増につき1教員増の場合もありますが、35人学級に伴い、道の定数基準どおりに配置すると何人の教員が必要になるのか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、教職員の健康問題と代替教員の配置についてです。
30日以上休んでいる教職員の中で、とりわけ精神疾患の休務者が急増しています。30日以上の休務者は、1998年度の185人から、2004年度は282人に増加し、そのうち精神疾患の割合は、98年度の21.6%に対して、2004年度は46.5%に、率で2倍以上にふえています。人数では、40人から131人と3倍以上にふえています。さらに、2005年度も、ことし1月1日の時点で、休務者のうち75%、実に4人のうち3人が精神を患っています。
教職員の精神疾患による休務者の急増の要因について、市教委はどのように分析しているのか、また、これまでどのような対応をし、今後どう対処されようとしているのか、要因と対処方針について伺います。
◎北原
学校教育部長 まず、少人数学級実施に伴う学級増分により、現行の
教職員定数配置基準を適用した場合、何人の教員が必要になるかという点についてでありますけれども、
教職員定数配置基準に従って算定した場合、教員数は97人となります。
次に、教職員の精神疾患の原因につきましては、生徒指導上の対応など、職務遂行上のストレスが関係していることは否定できませんけれども、精神疾患は個別にさまざまな要因が複合的に影響するものでございまして、その原因を特定することは困難であります。
対策につきましては、
教育センターにおいて、精神疾患に対する正しい知識や対応のあり方についての研修を実施するとともに、悩み事の相談窓口でございます札幌市教職員相談室を設置しておりますほか、昨年4月からは、職場復帰訓練を制度化いたしまして、精神性疾患等により長期休務した教職員の円滑な職場復帰等を進めているところであります。
今後につきましては、教職員相談室の相談員のうちの1名をカウンセリング有資格者として相談体制の充実を図りますほか、研修の充実、拡充、公立学校共済組合等との連携強化など、対策の実効性を高めるように努めてまいりたい、このように考えております。
◆飯坂宗子 委員 35人学級についてですけれども、定数基準に照らせば97人が必要というご答弁でした。ところが、60校で60学級ふえて60人しか配置されないということですから、37人不足するわけですね。
中学校の場合は、小学校と違って教科担任制をとっております。それで、1週間の授業の持ちこま数は学活などを含めて平均で18時間くらいと聞いております。適正な教員配置がなされないと、クラスがふえた分、授業の持ちこま数がふえて、教員の負担増になります。1クラスふえると、週28時間分、授業がふえることになります。6時間の日が3日、5時間の日が2日ということですから、28時間ふえます。中学校では、空き時間を利用して生徒指導をしたり授業の準備をしておりますので、1人しか増員されなければ、空き時間が少なくなり、その分、生徒指導等の時間の確保が大変難しくなるなど、今よりも負担が多くなる。このことに対して、現場から大変不安な声も寄せられているわけです。
そこで、市教委としては、一層の困難をもたらすことについてどのように認識されているのか、これを伺っておきたいと思います。
それから、二つ目の健康問題についてですけれども、個別の理由もあり特定できない、あるいは、カウンセリング等のメンタルヘルス対策をしていくというようなご答弁だったのですが、私は、メンタルヘルス対策はもちろんやっていいことですけれども、それだけでは不十分だと思っているわけです。
2004年度の本市の教職員の長期休職者のうち、精神疾患の割合は70.6%です。30日あるいは3カ月休んで、さらに長期休職になっていく人たちの中で、本市の場合は精神疾患が7割ということです。
全国平均はどうかということで、文科省の調査を見てみましたら、56.4%ですから、本市の割合は非常に高くなっているのですね。また、政令市ではどうなのだろうということで比較していただきました。これは30日以上の休務者の比較になるのですが、全教職員数に占める精神疾患の割合ですが、札幌市は1.5%で60人に1人という割合です。名古屋市は0.5%、千葉市は0.6%などとなっておりますから、本市の場合は、率にして3倍にもなっています。これは、札幌市の教職員は大変なストレスを抱えていることの反映だと思いますし、私は大変胸の痛む思いをするわけです。
そこで、超過勤務の実態、あるいは家に持ち帰って仕事をしている実態、こうした勤務実態について市教委として調査したことがあるのか、ぜひ調査すべきだと考えますがいかがか、伺います。
◎北原
学校教育部長 まず、教職員の定数配置基準どおりの配置をすることについてでございます。
中学校におきましては、委員ご指摘のような状況も想定されますことから、学校の実態に合った教員配置が必要と考えておりまして、このことにつきましては、
北海道教育委員会に対しても要望してまいりたい、このように考えております。
また、教員の勤務実態調査についてでございますが、時間外勤務や仕事の持ち帰り等の状況につきましては、これまで
教育委員会として調査を実施しておりませんでしたけれども、平成14年度には、各学校に通知して、年休の計画的な使用や時間外勤務の縮減に努めるよう要請してきたところでございます。
今後につきましては、先ほども申し上げましたけれども、平成18年度に文部科学省が勤務実態を把握するための調査を実施する予定と聞いておりますので、当委員会として、これに合わせて実施する方向で検討してまいりたいと考えているところであります。
◆飯坂宗子 委員 小学校1・2年生の35人学級に引き続き、中学校1年生においても35人学級を実施するということは、少人数学級を実現してほしいという長い間の父母や教師の思い、願いにこたえたものであって、一歩前進だというふうには思います。しかし、今回のような道教委のやり方では、教育現場に新たな混乱をもたらすことになります。
市内のある中学校の例をお示ししますが、1年生が3クラス、2年生が3クラス、3年生が4クラスの10学級でした。そして、この3月に、きのうですが、3年生が卒業いたしました。新1年生は、35人学級編制に伴って4クラスになります。ですから、新年度も10学級規模で変わりはありません。ところが、教員配置は現在18人で、新年度は9学級定数の16人に1学級増に対する教員1名がふえるだけですから、17人となり、今より1名減ることになるのです。クラス数も授業数も学校全体としては変わらないのに、教員が1名減るという矛盾が生じます。このような場合は、減らさないような是正を図るべきだと思います。
先ほど部長から実態に合った適正配置を道教委に求めていくというご答弁があって、今、私は一つの学校を例に挙げましたけれども、ほかの学校でもこういう例はあると思うのです。そういう場合には、せめて現行の教員配置を維持するとか、そういう具体的な是正を図るべきと考えますがいかがか、伺います。
あわせて、札幌全体としては35人学級で60学級ふえます。しかし、TT加配などでやりくりするということになれば、全体としてはふえるのか、ふえないのか。道教委は、全道のTT加配の先生たちをはがしてきて中1の35人学級に充てると。道は、1円も出さないで、国のTT加配の範囲の中で35人学級を新年度にやろうとしているのですね。札幌の場合も、TT加配が小学校、中学校に来ていますよ。その範囲内でやりくりしなさいと言われているのか、あるいは、札幌市の場合はふえる見込みがあるのか、ここら辺は全体としてどうなのか、お聞きしておきたいと思います。
それから、2点目の健康問題と代替教員についてです。
文科省の調査にあわせて新年度に実態調査をしたいという答弁がございましたから、しっかり本市の状況をつかんでいただきたいと求めておきます。
次に、病休の代替教員について質問します。
病気は、早期発見、早期治療が大切なことは言うまでもありません。しかし、そのためには、病休の代替教員の配置が十分保障されていなければなりません。ところが、中学校の場合、2004年1月1日以降、90日、3カ月までの休務者の代替は、原則、時間講師に改悪されてしまいました。従来は、30日以上90日以内の休務者の代替として期限つき教諭または時間講師を配置するとしており、小学校は現在も従来どおりの対応をしております。
そこで、お尋ねしますが、制度改悪後、病休等の代替教員は、時間講師、期限つき教諭それぞれ何人になっているのか、お示し願いたいと思います。
◎北原
学校教育部長 まず、新年度、1学級減となった中学校が少人数学級該当によって前年までと同じ学級数となったとき、学級数、授業数は変わらないのに教員1名減となるという矛盾が生じる場合について、これを是正すべきと考えるがどうかという点についてであります。
先ほどもお答え申し上げましたが、中学校におきましては、委員ご指摘のような状況も想定されますことから、中学校の実態に合った教員配置となるよう
北海道教育委員会に要望してまいりたい、このように考えております。
また、全体として、少人数学級による枠はふえるのか、TT加配の全体枠の中でやっていくのかということについてですけれども、全体枠は変わりません。変わらない中で、TTの部分を少人数学級の方に回すという形で実施していくことになります。
次に、代替措置の実績についてでありますけれども、平成16年1月から3月までの期間では、時間講師対応が16人、期限つき教諭での対応はなかったところでございまして、平成16年度では、時間講師対応が84人、期限つき教諭対応が15人となっております。
◆飯坂宗子 委員 結局、中学1年で35人学級になっても教員数はふえないということですね。そうすると、本当に現場は大変になると思うのです。本来なら、定数に合わせて正雇用の教員を配置して、病休などの場合は代替の期限つきの教員を配置する、こういうふうにしっかりと教員配置を行うべきだと思うのです。予算もふやさず、国のTT加配の教員数の枠の範囲の中でやりくりして35人学級を実施しようとするから、先ほど私が指摘したような矛盾や混乱が生じるわけです。
根本解決のためには、35人学級あるいは30人学級に見合う教員定数の改善がどうしても必要です。文科省の第8次定数改善計画が幻に終わったと聞いておりますけれども、市教委としても、今後、国や道に働きかけを強めると同時に、それまでの間、市独自の取り組みの強化を求めるものでありますが、これは、ぜひ教育長に決意を伺いたいと思います。
また、病休等の代替についてですけれども、期限つき教員が配置された事例は15人、時間講師が2カ年合わせて100人ということですから、中学校の制度改悪に伴って圧倒的に時間講師がふえているという実態があります。
しかし、期限つき教諭が配置された場合は、授業のほか、副担任とか生徒指導、部活など、いわゆる校務分掌の一翼を担うようになりますが、時間講師だと、授業の不足する分だけ補うと。1週間で大体12時間程度を基準にしているようですが、こういうふうに定められております。
ですから、教員にとっては、自分が休んだ場合に、時間講師が来るのか、期限つき教員が来るのかで大変大きな違いがあるのですね。時間講師では他の先生に非常に負担がかかり、それがプレッシャーになって少々健康を害しても無理をして出てくる、本当は休んだ方がいいのだけれども、休めない。こういうふうになって病状を悪化させる要因になっていると私は思うのです。
先ほど、札幌市は非常に精神疾患が多いことについて、全国あるいは政令市と比較して数字を示しました。定数欠のところが期限つきになっていて、それが大変な負担になっていることが一つと、病気のときにちゃんとした代替教員が来ない、この両方のプレッシャーが札幌の教員の健康を害する要因になっていると私は指摘しておきたいと思うのです。
ですから、病休等の代替教員の配置につきましては、もとに戻すように道教委に働きかけるべきだと思いますけれども、この点についても、今後の対処方針について伺っておきたいと思います。
◎松平 教育長 中学校第1学年の少人数学級実施に伴う教員配置につきまして、国の第8次定数改善計画が策定されなかったということもお話しになりながら、国及び道への働きかけを強めると同時に、市独自の取り組みの強化を求めるという委員のご質問でございます。
基本的に、義務教育におきます教員配置につきましては、国及び都道府県の責任と負担において実施されるべきものと考えているところでございます。そういうことから、国に対しましては、指定都市の教育委員・教育長協議会などを通しまして、学級編制基準の引き下げを含めました教職員定数の改善を要望しているところでございます。また、
北海道教育委員会に対しましては、北海道都市
教育委員会連絡協議会などを通しまして、学級編制の弾力化の実施と、これに応じた定数措置を要望しているところでございまして、国への要望とあわせ、今後とも引き続き要望してまいりたいと考えております。
◎北原
学校教育部長 病休等の代替教員の配置をもとに戻すよう道教委に働きかけるべきと考えるが、今後の対処方針について伺いたいという点についてでございます。
従前、90日以内の有給欠勤における代替につきましては期限つき教諭または時間講師を配置しておりましたけれども、平成16年1月1日から、原則、時間講師を配置することに運用を変更してございます。委員ご指摘のような状況もございますことから、期限つき教諭を配置する必要のある場合につきましては、個別に道教委と協議の上、配置しておりまして、今後とも必要のある場合には道教委に働きかけてまいりたいと考えております。
◆飯坂宗子 委員 教育長のご答弁は、国や道に要望していくということで、本市の独自の取り組みについては全く触れられなかったのです。私も、基本的には国や道の責任だと思っていますよ。しかし、先ほど言ったように、いよいよ4月から中学校の35人学級に伴って、教育現場にとってはむしろ負担と混乱をもたらす、こういうことについて、市として、国や道が決めていることだから、あるいは国が改善しないからということでいいのかなというふうに非常に思うわけです。
それから、新年度は、小学校1・2年生の場合も、3年になったときには40人学級に戻るわけですね。それから、中学校は、1年やった後にどうなるかというのはわかりませんけれども、仮に2年になってまた40人学級に戻るとします。そうすると、現場の先生は、1年後のことを今から心配しているのですよ。中1で35人学級になってもこんなに大変なのに、これが中2になって40人学級に戻されたらと。2年、3年と持ち上がりですね。それで、3年の中で2年生が一番不安定というか、ちょうど子どもから大人になる反抗期でもあるし、いろいろな意味で難しい学年です。35人学級でなれた1年生が40人学級になったらどうなるのだろうかという不安が非常にあるわけですね。
ですから、本当に年次計画を立てて、小学校1・2年の次は、その学年は3年生以降も続けていく、中1に導入するのなら、それにきちんと教員を配置して、その学年は2年、3年になっても35人学級を続けていく、こういうふうにしないと、ただ35人学級がふえたからよしというふうにはとてもならない、そういう内容にはなっていないということを、きょう、私は強調しておきたいと思います。
健康問題については、平成18年度に実態調査をするということでございましたから、その調査結果も踏まえて、また時期を見て質問したいと思います。
◆近藤和雄 委員 私から、子どもたちの安全確保についてと、札幌学校給食フードリサイクルについて質問いたします。
最初に、子どもたちの安全確保です。
平成18年度予算で、地域ぐるみの学校安全体制整備モデル事業費4,400万円が計上されております。これは、小学校1年生から3年生までの児童に対して防犯ブザーの貸与をするということになっております。私は、防犯ブザーは単なる補完的な役割であると考えております。
これは、昨年、広島市と栃木県の今市市で、下校途中の小学校1年生の女子児童が連れ去られて殺害されるという大変痛ましい衝撃的な事件がありました。当市の子ども未来局の子どもアシストセンターが、昨年度、先生方への聞き取り調査により集計した中で、不審者の情報は何件くらいあったのか調査したところ、937件という結果が出ております。約1,000件の不審者情報が先生方から寄せられたということで、大変大きい数字だなと思っております。こんなにもたくさんの不審者がいるのかなと思っております。
私の住んでいる豊平区の平岸小学校では、広島の女児殺害事件が起きた直後でございますが、昨年の11月22日から、学年別、帰宅方面別の集団下校を実施しております。先生が通学路のポイントに立ち、そのほか、保護者の方、地域の方、住民によるパトロールを実施したわけであります。
それは、平岸小学校通学路で、昨年2月、刃物を持った男がいるとの通報、さらには、登校途中の児童が見知らぬ男から声をかけられたり、さらに、11月には、1年生が不審者に後をつけられて抱きつかれる事件が起きております。
私は、児童生徒の安全確保は本当に大丈夫なのかという心配が起きると同時に、子どもを事件・事故から何としても守ってあげないといけないと強く思うのであります。子どもを守ることは、私たち大人の責任においてやり遂げなければならないなと考えるわけです。
札幌市は、住んでよかった安心・安全のまちづくりを掲げているわけですが、それは、言葉だけではなくて、私も含めまして、しっかりと態度で示していかなければならないと思っております。私は、いつも思うのですけれども、何か事件が起きてからでは遅いということであります。
そこで、未然に防止するということですが、皆さんも同じだと思いますけれども、自分で車の運転をするときには、やはり信号機が近くなったら徐行したり、雪が降ってアイスバーンだったらスピードを緩めたりして事故を予防します。あるいは、病気にならないように、健康を維持するために、なるべく病院にかからないために、予防します。そんな予防ということが大切ではないかと思っております。
教育委員会では、これまで、学校に対し、児童の指導や教職員の対応についていろいろな通達を出されております。これは、平成17年11月24日に、児童生徒の安全確保の徹底について、さらには、ことし1月25日に、犯罪から子どもを守るための対策についてという通達を各幼稚園、それから学校にもお出ししております。
その中で、ことしは、文部科学省からの、平成18年3月までに緊急に対策を講じてくださいという通達がございます。一つは、平成18年3月までに全通学路の安全点検を実施しなさい、また、通学安全マップを作成しなさい、さらには、3月までに防犯教室を学校と警察との連携でしっかりと完了しなさいと、このような通達が出されております。
それで、学校の関係者の中には、それは大変問題のあることだと、自分のことのように考えて関心を持っている先生方もいらっしゃる中で、先生の中には、通達だから校長先生あるいは管理者がやればいいのだということにならないのかどうか。あるいは、学校の先生が一生懸命やっても、地域によっては、一体どのような活動をすべきなのか、学校側でどのような活動を地域に対して求めているのか全くわからない、情報が入ってこないとか、ご相談の機会があるのかどうかというところですね。
私は、子どもたちと直接関係の深い学校が子どもたちのことを一番よく知っていると思っています。学校の先生がしっかりと主導権を握り、子どもたちの安全を守るべきではないかと私は思います。一方で、子どもたちの安全を守るためには、学校の先生だけでは人数が足りないのではないか、無理があるとも理解をしております。PTA、地域の方々、警察など関係者が多岐にわたって、みんなが一緒になって子どもの安全・安心を真剣に考えていくことが必要ではないか、求められていると思います。
私が思っているのは、このように子どもの安全を守るという一大目標を掲げたときに、市役所、札幌市が一丸となって邁進するというのが一番適切ではないか。どうも、地域は地域、学校は学校とばらばらに動いているようであります。縦割り意識とか縄張り意識とかということで、どこが中心になっていくのかということが私も見えてまいりません。
よく、事件が起きますと、テレビとか新聞に校長先生が必ず出てきて、大変残念でありました、すばらしいお子さんでありました、守ってあげられなくて残念です、そんなことを言っていらっしゃる。ですから、何かありますと、地域の方も、すべて学校が――例えば、学校内のことだったら
教育委員会とか、校門を一歩出れば地域の問題だよとおっしゃるのかどうかと思うのですけれども、必ず校長先生がコメントを出して、それを見ている皆さんは、やっぱり学校が責任を負っているのだな、主体性を持ってやっているのだなという考えがどうしても出てくるような感じがいたします。
そこで、一つ目の質問ですけれども、地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業を通じて、
教育委員会としては、市役所全体や地域との連携ということを含めて、今後どのように活動していくのか、最初にお伺いいたしたいと思います。
◎山崎 調整担当部長 地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業、いわゆるスクールガード事業について、市役所全体や地域との連携ということも含めて、
教育委員会、学校の役割をどう考えて、今後、どのように活動していくのかというご質問でございます。
委員ご指摘のとおり、防犯活動は、多岐にわたる関係者が一致協力して実施することが重要であるというふうに考えております。このため、現在、さまざまな部局で進められております地域防犯施策を、統一的かつ体系的な考えのもとに整理いたしまして、札幌市として、今後、より効果的で広がりのある施策展開を図っていこうとしているところでございます。
したがいまして、このスクールガード事業につきましては、
教育委員会が主体となって、各学校の果すべき役割と活動内容を見きわめまして、他部局や地域の方々と連携を図りながら推進していきたいというふうに考えているところでございます。
◆近藤和雄 委員 今のお話は十分理解できました。
子どもの安全対策については、あらゆる角度から想定して万全の計画を立てる、そして、指示、実行に移すということだと思います。そして、責任をきちんと決めて取りまとめ、統括する組織と申しますか、これはどういうことかなと思いますけれども、私は、やはり、今、札幌市にあります危機管理対策室が、そういうこともしっかりと勉強するというか、研究すると。あるいは、これは札幌市職員の方では難しいのではないかと考えるなら、北海道警察の方にきちっと中に入っていただくとか、そういう時代がまさにもう来ているのではないかと思います。自分のできないことは専門家にゆだねて、そこまで情報を公開して、何としても子どもを、大切な人の命を守るということをやっていかなければいけない。それで、先ほど言った危機管理対策室がいろいろな事件・事故、あるいは災害も含めて、それが危機管理対策ではないかなと私は強く思っております。
ですから、
教育委員会もそうですけれども、市民まちづくり局も含めて、それぞれがオーバーラップされて、いろいろなところに話を突っ込んでいって、それですべてが解決するとは思いませんけれども、やはり、子どものためにはそれが絶対に必要だなと思っております。
次に、再質問ですけれども、スクールガードになったときに、どのような活動をしていいのかわからないという意見があります。札幌市全域で統一的な行動をとるために、スクールガードの行動方法、具体的にいつ、どのような行動をとってほしいというのは行政が示すべきと考えますが、そのようなお考えはあるのかどうか、伺いたいと思います。
◎山崎 調整担当部長 スクールガードの活動に当たって、行政が統一的な行動内容を示すべきというご質問でございます。
今回の事業を開始するに当たりまして、スクールガードになっていただいた方々に、主に次のことをお願いしているところでございます。まず、登下校時間中に学校施設やその周辺、通学路、中でも、特に不審者が出没しやすい箇所などを見回り、点検していただきたい、そして、不審者情報が出た場合には、その情報に基づいた巡回をしていただきたいということでございます。
このように、一定の行動基準を示させていただいておりますが、細部につきましては、地域の実情が異なることや、地域の方々の自主的な防犯活動に期待するという意味からも、地域にゆだねているところでございます。
ただし、望ましい活動方法や、特色ある活動に関する情報を共有することは大切なことと考えますので、参考事例を周知するなど、情報の共有化になお一層の力を注いでまいりたいと考えております。
◆近藤和雄 委員 次に、札幌学校給食フードリサイクルについてお尋ねいたします。
子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていただくためには、食も重要な要素であります。食育は、あらゆる世代の国民に必要なものでありますが、子どもたちに対しては、さまざまな経験を通じて、食に関する知識、食を選択する力を習得して、健全な食生活を実践することができる人間を育てていくことが求められております。
近ごろの子どもたちは、夜型生活に大変なれ親しんでいるというか、朝は食欲がない、食べたいとは思わない、食べてもおいしくないなど、食生活が少なからず大変乱れている現象があります。例えば、頭が痛い、体がだるい、風邪を引きやすいなどが重なって、朝食抜きや偏食など、食習慣の乱れが生活習慣病の低年齢化をもたらしているのではないか、そういう傾向がございます。
食育とは、食を通じて生きることを学ぶのと同時に、命への感謝の念を食を通してはぐくむことではないかと思います。例えば、心身症の患者さんが、食事に対する感謝の念を抱くことによって病状が改善されたという医学界の症例報告が明らかになっておりました。
このほか、食料の自給については減少の一途であるにもかかわらず、海外への食品依存や食べ残し、これを1人1日当たりのエネルギーに換算しますと500キロカロリーほどと言われております。今、世界で8億4,000万人の人々が飢餓状態あるいは栄養失調状態にあると言われております。8億4,000万人です。また、豊かな自然のもとに生まれ育った地域の郷土食や味覚などの日本の食が失われる危機的な状況にもあります。
このような中で、学校給食は食育と非常に関連が深く、また、それに加えて食文化や生産、流通、消費などを学ぶための素材としてさまざまな内容を含んでおり、児童生徒が毎日の食事の中で学習できる生きた教材であると言われております。
さきの報道によりますと、学校給食を用いて、本年4月より、さっぽろ学校給食フードリサイクルという事業を立ち上げるとのことでした。このことにつきましては、平成17年に制定されました法律第12号食育基本法第20条の学校、保育所等における食育の推進という条文の中でうたわれております。
そこで、質問ですが、さっぽろ学校給食フードリサイクルとは具体的にどのような取り組みを行おうとしていらっしゃるのか、お伺いいたします。
◎山崎 調整担当部長 さっぽろ学校給食フードリサイクルの具体的な内容についてでございます。
従前から、一部の学校で、生ごみの分別収集を行い、飼料化及び堆肥化を行っておりますけれども、新年度から実施いたしますこの事業は、そのような生ごみの資源化の取り組みを発展させまして、それによりつくられた堆肥を利用して作物を栽培し、この作物を給食の食材に取り入れる、この点に特色がございます。
具体的に申しますと、この取り組みは、札幌市の環境局と経済局、
教育委員会、外部の有識者などと連携し、それぞれの役割を分担しながら実施するものですけれども、学校におきましては、調理くずと教室で生じてしまった残食を生ごみとして分別いたしまして、その生ごみが堆肥になるまでの過程をリサイクルセンターで見学したり、堆肥を利用し、作物づくりを体験したりします。そして、その作物を学校給食として味わうものでございます。
なお、初年度は、分別収集を実施する学校のうち、山の手南小学校と八軒北小学校がモデル校として取り組んでまいりますけれども、将来的には全小・中学校で取り組めるよう進めてまいりたいと考えております。
◆近藤和雄 委員 ただいま、2校がモデル校でやっていくことは理解しました。
教育委員会のほかに、環境局、経済局、そして外部有識者などとも連携し、それぞれ役割分担をしながら事業を進めるということでありますが、この取り組みは大変評価できるのではないかと私は期待しております。
そこで、次の質問ですけれども、その取り組みにおける効果としてどのようなことが期待できるのか、また、モデル校の役割というのはどんなことなのか、お伺いいたします。
◎山崎 調整担当部長 まず、この事業における効果についてでありますが、食育と環境教育の二つの観点から教育的効果を期待しているところでございます。
まず初めに、食育の効果といたしましては、生産、流通、消費を学ぶことができますとともに、資源化した堆肥を使い、地元で栽培された作物を給食で食べることにより、地産地消を実感することができると考えております。また、体験的な学習を通して、自然の恵みや勤労への感謝の気持ちをはぐくみ、さらに、食べ残しや偏食について考え、食べることの大切さを学ぶことができるものと考えております。また、環境教育の効果といたしましては、生ごみの減量や有効利用など、循環型社会を実感するとともに、物を大切にするという意識が高まるものと考えております。
なお、教育的な効果のほかにも、もちろんごみの減量化が図られるところもございます。
次に、モデル校の役割についてでございますが、年間指導計画におきまして、この事業の仕組みや効果等を総合的な学習の時間や特別活動等で取り扱うように組み込みまして、学校における環境教育、食育の充実を図りますとともに、先ほどご説明申し上げましたリサイクルセンターを見学したり、実際に農家に出かけ、作物づくりを体験するなどの先行事例を蓄積し、他校で取り組む際の参考にしたいというふうに考えているところでございます。
◆近藤和雄 委員 最後に、要望ですけれども、さっぽろ学校給食フードリサイクルにつきましては、子どもたちに対しての食育と環境教育の観点からも大変有効であると思っております。
物を大切にする子ども、もったいないという言葉も言われておりますけれども、それを育てるための教育的効果があろうと思います。さらに、その取り組みが、家庭にとどまらず、地域まで拡大していくことも期待できるところではないかと思います。将来的には全校で取り組みを進めていただきまして、それが早期に実施されることを強く要望して、質問を終わります。
◆林家とんでん平 委員 それでは、私の方からは、養護学校における医療的ケアについてお伺いします。
私は、憲法にうたわれているとおり、教育を受ける権利はすべての子どもたちに保障してほしいという思いから、重度の障がいを持ちながら、あるいは、医療的ケアが24時間必要なお子さんもいるわけですから、こういうお子さんも学校で普通に教育を受けたいと、そういう子どもさんたちのためにという思いで、平成17年第3回定例市議会の
決算特別委員会において養護学校における医療的ケアの体制整備を取り上げました。
平成16年度から実施している北翔、豊成養護学校看護師配置モデル事業の具体的な取り組みや、今後の医療的ケアの方向性などについて私は質問させていただきましたけれども、その中で、看護師の配置数について、
教育委員会からは、モデル事業で試行的に看護師の2人配置を行っており、その効果等を検証している段階であると。今後、複数配置を含めた適正な看護師配置について検討していきたいという答弁でございました。
北翔養護学校及び豊成養護学校では、日常的に医療的ケアの必要な児童生徒が在籍児童生徒数の約半数に及んでいるという実態なのですね。こうした児童生徒に対して、看護師、教員、そして保護者が連携協力して校内での医療的ケアを行っておりますけれども、保護者からは、看護師の増員を望む声が多く寄せられているという状況でありました。
こうした状況の中で、昨年6月から7月にかけて、保護者の協力を得ながら、各校に3週間にわたって2人配置を試行しました。これはどういうことかというと、一つずつ学校がありまして、1人ずつ配置されている方がこっちに来て2人配置ということを試行的にやったということです。
教育委員会では、この調査研究の成果等から、平成18年度予算案にあるように、現在、各校1人ずつの配置から、各校2人体制に看護師を増員したものと私は考えております。
そこで、質問でございますが、昨年、試行的に行った1校に2人の看護師を配置する調査研究はどのような状況であったのか、そして、この取り組みから看護師複数配置の効果をどのようにとらえたのか、まずお伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 看護師複数配置の調査研究の状況とその効果について、私の方からお答えいたします。
昨年は、適正な看護師配置のあり方を調査研究する目的で、各校3週間ずつ、1校に看護師が2人いる体制を試行いたしました。この調査研究では、看護師1人体制と2人体制における看護師、保護者、教員の医療的ケアの実施時間を比較することや、早番、遅番の組み合わせにより看護師が常駐する取り組みを行っておりまして、その効果等について検証してまいったところであります。
医療的ケアの実施時間の比較では、看護師の時間数が大幅に増加いたしまして、充実した医療的ケアの体制のもと、より安定した教育活動の展開が図られたものと考えております。また、児童生徒の健康状態をより的確に判断することや、保護者からの相談に対するきめ細かな対応が可能となりまして、保護者や教職員と一層の連携が図られるなどの効果があるものととらえているところであります。
◆林家とんでん平 委員 今のご答弁で、昨年の看護師複数配置の試行が、今回、平成18年度の各校2人体制になったことは、私としてはとても評価するところでございますが、今聞いておりますと、とてもわかりづらい答弁だったなという気がするのです。中身がわかりません。ですから、もっと細やかに、こういうことがあったからこうなのだよということも少しお話ししていただければよかったと思います。
ただ、1人ふえることは喜ばしいことですけれども、ただ1人ふやせばいいということでもないわけです。看護師配置モデル事業において、看護師の協力のもとで行う調査研究が医療的ケアの充実を図っていく上で欠かせない。それで、豊成養護学校では、看護師複数配置に向けての検証結果をいろいろ分析したわけですよ。その中でお話ししますけれども、豊成養護学校は、26人のお子さんがいて、14名は医療的ケアが必要なお子さんです。その中でどういうことをしたかというと、医療的ケアが必要な児童出席数は14人いたということで、その辺から分析したものをちょっとお話しします。
6月14日は、8人が出席して、1日のうち医療的ケアに要した時間は432分です。それで、1人当たりの医療的ケアに要する平均時間が54分です。そして、看護師が実施した医療的ケアの時間が2.8%、保護者が実施した医療的ケア時間が46%です。そして、教員が実施した医療的ケアの時間が51.2%です。それから、6月16日は、12人出席しましたが、1日の医療的ケアに要した時間は623分です。それで、1人当たりの医療的ケアに要する平均時間が51.9分です。それで、看護師が実施した医療的ケアの時間は11.4%です。そして、保護者が実施した医療的ケアの時間が33.9%です。そして、教員が実施した医療的ケアの時間が54.7%です。来ているときは、お子さんが8人とか12人とか増減があることによって、医療的ケアは、だれがどの辺に重きを持ってやっているかということはおわかりだと思います。そして、毎日の医療的ケアにかかった時間を合計して、出席している児童数で割ると、1人の児童に要する医療的ケアの時間は平均で約53分だったということです。
これは、恐らく、ダブっているところも出てくると思います。そうすると、保護者が必要な部分、あるいは教員が必要な部分、医療的ケアで2人の看護師が入った場合、どこかの数字がすっと移行するわけですね。そして、この看護師さんは、これは機械的にやるのであれば時間はどうでもなるとおっしゃっているわけです。ところが、やはり、いろいろなお子さんがいるので機械的には全くできない、だから大変なのだと。
何を言いたいかというと、2人ではなくて、本当は4人が必要なのだということを結果として出しているわけです。医療的ケアの看護師配置は4人必要だということでお話ししているわけです。
そこで、質問ですが、平成18年度は、各校看護師の2人配置と、さらにモデル事業を継続するということでございますが、どのような調査研究を行うのか、これをお伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 平成18年度のモデル事業の調査研究についてお答えいたします。
昨年の看護師2人体制の試行は短期間の取り組みでありましたことから、平成18年度は、常時、2人配置のもとで、看護師、保護者、教員が連携協力して行うより効果的な医療的ケアの実施とかカンファレンスの実施など、医療的ケア体制の充実のあり方についてさらに調査研究を進めてまいりたい、このように考えております。
◆林家とんでん平 委員 これも、余りはっきりしないというか、私は、1人から2人になったことはとても評価しております。そして、お母さんたちも、前回の質問のときに後ろに傍聴に来ていましたが、それで、そのようだということで、涙を流してとても喜んでいただきました。
これからは要望にしておきますけれども、複数配置によりまして、医療的ケアが必要な児童の学習、訓練環境、活動内容の格差をなくし、児童にとっても保護者にとっても安心した学校生活を保障することができるだけでなく、看護師の仕事環境の改善にもつながりまして、教育と医療の連携によりよい効果をもたらすと思うわけです。ぜひとも、看護師と教員と保護者、そして当事者もそうですが、それらの人々を交えて、今のご答弁では、どこにどうするのかというのが全く見えてこないので、もっと細やかな調査研究を行っていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
◆青山浪子 委員 私は、簡潔に1点、学校における健康教育についてお伺いいたします。
皆様も何度か目にしているかと思いますが、冬の寒い時期に、ストッキングもはかず足を赤くしている、いわゆる素足もしくは生足で外を歩いている女子生徒、また、ジャンパーやコートを着ないブレザーのみの男子生徒の姿を私もよく見かけることがあります。しかし、中学生や高校生にしてみますと、この姿は一つのファッションの行動だとも聞いております。
先日、娘の健康のことを心配している保護者の方から、家庭で幾らストッキングをはくように言っても、親の心配をよそに、娘は全く言うことを聞かず、困っているというお話を聞きました。女子生徒の生足につきましては、流行して10年が経過しているそうですが、私は、この姿を見るたびに、雪国の札幌で、冬期間、素足もしくは生足を続けることは、血液の循環を悪くして、場合によっては婦人科の病気や不妊症など、女性の身体への悪影響をもたらすこともあるのではないかと心配しているところであります。
私は、本来は、まずは家庭がしっかり責任を持って子どもの健康管理をすべきだと思っております。しかし、このような行動は、学校の制服を着ているときだけの現象であることを考えますと、学校教育におかれましても適切な対策や指導が必要ではないかと思います。
ある高校では、冬期間の制服としてスカートかスラックスを選択できるようにしているとか、冬期間に限り、防寒対策として私服登校を認めたりしているなど、生徒の健康維持を最優先にして対応しているところがあるとも聞いております。
そこで、質問でありますが、学校では素足もしくは生足に対してどのような対策や指導をされているのか、お伺いいたします。
◎西村
指導担当部長 冬期間にストッキングを着用しないで学校に登校してくる女子高生に対する対策や指導についてでございます。
学校におきましては、生徒がみずから健康を保持・増進していくことを目標としまして、主体的に健康づくりに取り組む能力を身につけるよう、季節に応じた指導を進めているところですが、特に冬期間において体を冷やすことが病気や体調不良などの原因になることから、防寒対策としてストッキングやジャンパー等を着用するよう、学級や学年における保健指導、あるいは、必要に応じて個別指導を行っているところでございます。
なお、このことにつきましては、保護者との連携も必要なことから、学校だより、あるいは保健だよりなどを通してお知らせして、家庭にも指導いただくよう努めているところでございます。
いずれにいたしましても、学校と保護者が連携して、体を冷やすことによる健康被害などについて、子どもみずからが理解し自覚するとともに、みずからの体を大切にする態度を育成するために、粘り強く指導していくよう努めてまいりたいと考えております。
◆青山浪子 委員 ただいま、学校では、生徒がみずからの健康を考えてストッキングを着用することの大切さの理解を促すための保健指導や、保健だよりを通した保護者への啓発などを中心として取り組みを行っているという答弁でございましたが、私は、このような取り組みを行っているということは実は知りませんでしたし、先ほどもお話をしたように、保護者の方も、学校でこのような取り組みをしているということは、多分、知らなかったのではないのかなというふうに思っております。取り組みを行っていることは大変大事なことである反面、すぐにはその効果があらわれていないということも事実であると思いますので、今後とも取り組みを行っていただきたいというふうに思っております。
また、この問題は、学生にとりましても、ファッションととらえていることもありますし、寒いけれども、だれもストッキングをはいていないので自分もはきたくないなど、周りの目を気にする子どもたちの心理もあるというふうに思っております。ですから、
教育委員会や学校が一定程度の基準等を定めるなど、現実的な対応を多面的に検討していただくように要望をしたいというふうに思っております。
さて、子どもの健康を考えるときに、近年、全国的に子どもたちの体力、運動能力の低下傾向や、生活習慣病、性の逸脱行動、薬物乱用など、心配すべき多くの課題が生じてきている現状であります。
札幌市も例外ではなく、先日、保健福祉局から発表されたデータを見てみますと、10代の人工妊娠中絶率や性感染症の罹患状況が他の都市と比べていずれも非常に高い数値であるなど、早急な改善が必要であり、切迫した課題も抱えているというふうに思っております。また、昨今、食に関する指導の充実も求められております。子どもの安全・安心、そして、心のケアの充実に関することなど、学校における健康教育の果たす役割もますます大きくなっていると考えます。
そこで、再質問でありますが、
教育委員会として、学校教育における健康教育の推進についてどのような認識を持っているのか、お伺いいたします。
また、今後、各学校における健康教育を推進するための具体的な施策をお持ちであれば、あわせてお伺いいたします。
◎西村
指導担当部長 まず、学校教育における保健教育の推進に関する認識についてでございます。
教育委員会といたしましては、委員ご指摘の課題に対応するために、子どもがみずからの健康に関心を持って健全な生活を送るための知識と実践力を身につけられるよう、健康教育の一層の充実に努めることが重要であるというふうに認識いたしております。
次に、各学校における健康教育を推進するための具体的施策についてでございます。
教育委員会といたしましては、これまで、教育課程編成の手引を発行しておりまして、その中で、健康な生活の仕方や病気の予防について学ぶ授業展開例を示すとともに、性教育の手引、あるいは、食に関する指導のための資料集を作成いたしまして、各学校が年間を通して健康教育を計画的に推進できるよう努めているところでございます。
また、各学校におきましては、このような取り組みに加えて、先ほどもございましたけれども、学校だより、保健だより、保護者との懇談会等を通して、家庭との連携を深めながら、子どもが日常的に健康増進を図れるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆青山浪子 委員 最後に、要望であります。
私は、子どもが健やかに成長、発達するためには知・徳・体がバランスよく育成されていくことがとても大切であり、特に体につきましては、子どもが生涯にわたって心も体もともに健康で、安全な生活を送るための基礎・基本となる大切な資質、能力であるととらえております。健康教育を積極的に推進していくとの答弁でありますので、今後とも、学校における健康教育が、この北国札幌の特色を踏まえて、総合的、多角的にそれぞれの課題に的確に対応し、推進されることを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○藤原廣昭 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時10分
再 開 午後3時30分
――――――――――――――
○村松正海 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆伊藤理智子 委員 私は、子どもの権利条例について質問いたします。
12月27日に、子どもの権利条例制定に向けての検討課題について中間答申が出されました。この答申では、権利とは、子どもにとって正しいこと、当然のことという意味であり、子どもが一人前の人間として成長していく上で必要不可欠なものであり、権利を主張するということは、自分の意見を押し通すことではなく、お互いに権利を尊重し合うことであるとしています。また、子どもの本質は、やがて大人になるということであり、子ども時代に充実した生活を送り、成長、発達していけば、すばらしい大人になっていく可能性がだれにでもあるとして、成長、発達する権利こそが子どもの権利の本質にほかならないとしています。子どもたちが健やかに成長、発達していくことは、だれもが願うことだと思います。
そこで、質問ですが、1点目は、子どもの権利に関する見解についてです。
教育委員会は、中間答申で述べられている子どもの権利条例について、同様の認識をお持ちなのか、ご見解を伺います。
2点目は、中間答申の周知徹底と子どもや教職員の意見反映についてです。
昨年12月に中間答申がまとめられ、その概要について、一般用と子ども用の2種類がつくられ、学校にも配付されています。しかし、各学校への配付部数は、1月末に中間答申の本書が1部、大人向けの概要版、このリーフレットが5部、それから、子ども用の概要版が30部という大変不十分なものでした。子どもの権利条例制定検討委員会から、これでは子どもたちに条例制定の趣旨が伝わらない、全児童生徒に届くようにすべきとの意見が出され、その後、子ども未来局が増刷し、2月に改めて各学校を通して児童生徒に配布されています。
また、増刷のパンフレットについては、子どもの意見を聞くスペースが設けられ、順次、子ども未来局に戻ってきていると伺っています。
しかし、教師用は最初の5部だけですから、これでは中間答申に対する教職員の理解も進まないし、また、教師の意見を条例づくりに反映させる仕組みにもなっていないと思うのですがいかがか、伺います。
◎西村
指導担当部長 1点目の子どもの権利の認識についてでございます。
子どもの権利条例制定検討委員会が昨年12月末に作成いたしました中間答申書では、子どもの権利の本質は、成長、発達する権利であると述べられております。
教育委員会といたしましても、子どもの権利の本質は、自立して社会性を身につけた大人へ成長、発達する権利であると認識しておりまして、大人が子どもと誠実に向き合い、子どもたちが本来持っている力を十分引き出し、大人の適切な援助のもとで子ども自身が成長、発達していくことが重要であるというふうに考えております。
2点目の中間答申の周知徹底と子どもや教職員の意見反映についてでございます。
教育委員会といたしましては、委員ご指摘の部数について、子ども未来局とともに、本年1月に配付したところでございますが、それとは別に、2月末には、子どもたちの理解をより深めるため、また子ども未来局と連携いたしまして、子ども用概要版を全市立小・中学校の児童生徒に配布したところでございます。
教職員につきましても、子ども用概要版を児童生徒に配布する際の指導や、概要版を通して条例制定の趣旨についての理解が進んだものと考えておりますが、教職員の認識をさらに深めるためにも、今後、子ども未来局との連携を図り、教員への情報提供のあり方について検討してまいりたいと考えております。
また、子どもの意見反映につきましては、子ども用概要版に添付した意見シートによりまして、各学校において子どもたちの感想や意見を集約しているところであり、教職員につきましても、パブリックコメント等を通して直接意見を寄せるよう働きかけているところでございます。教職員と子どもから集まった意見につきましては、今後、子ども未来局と連携を図りながら、条例の制定に生かしていきたいと考えているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 昨年7月の少子化対策・青少年育成調査特別委員会で、我が党の議員の質問に対して、北原
学校教育部長は、子どもの権利条例制定に向けた未来局との連携について、各学校や
教育委員会が主体的、積極的に取り組んでいくことが必要、具体的行動を通して連携を深めてまいりたいと答弁をしております。子どもの権利の本質を踏まえた教育を実践していくためにも、本市が条例づくりをしていることを、まずは全教員に周知することが必要であります。新年度、条例を制定するに当たって、
教育委員会の果す役割は大変重要だというふうに考えております。
中間答申の各学校への配付に当たって、子ども未来局長と教育長の連名の通達を出していますけれども、その文章は、お忙しいところを大変恐縮ですが、児童生徒の皆さんへ配布の方をよろしくお願いしますというものです。条例を制定する意義、日常の教育活動に生かしていく重要性などについては何も触れられておりません。これでは、学校内で話題にもならないのではないでしょうか。
教育委員会がもっとリーダーシップを発揮して、取り組みを強化すべきと考えますがいかがか、伺います。
さらに、子どもの権利条約啓発パンフレットを用いた授業展開例を
教育委員会が3月につくっておりますけれども、「はじめに」のあいさつで、子どもの権利条約については触れておりますが、札幌市で子どもの権利条例をつくることについては全く触れておりません。今、なぜ子どもの権利条約についての授業展開例をつくっているのか、そもそもその出発点にかかわることが子どもの権利条例ですから、そのことをきちんと明記するべきと考えますけれどもいかがか、伺います。
◎西村
指導担当部長 権利条例制定に向けた教育委員会の取り組みについてでございます。
現在、条例制定検討委員会で制定作業を進めている権利条例が、学校現場を初め、さまざまな場面で実効性のあるものとするために、各学校への働きかけは非常に大切であるというふうに考えております。
教育委員会といたしましては、これまでも、条例づくりの情報発信のために、ニュースレターの作成や、学校への周知の依頼を行ったり、校長会の折に、私どもの方から直接校長に働きかけたり、子ども委員会の立ち上げ、あるいは運営にも携わってまいりました。今後とも、子ども未来局と連携を図りながら、主体的にかかわっていきたいと考えているところでございます。条例制定の趣旨等の情報について積極的に学校に知らせまして、教職員や子どもたちに子どもの権利や条例制定の意義等の理解を一層深めるなど、子ども未来局と緊密な連携を図りながら制定に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆伊藤理智子 委員 私も、特別委員会のときに、子どもの権利条例の周知徹底について、ほとんどの子どもたちが知らないのが現状だということでは、教育委員会の果す役割、学校の果たす役割が本当に大切だということを指摘してまいりました。今日の社会状況は、子どもたちが健やかに成長、発達していける環境が整っているとは言えない深刻な状況になっていると考えます。こうした中で、私たち大人の果たす役割はますます重要になっております。権利とは、だれにでも保障されている大切なことであり、お互いを思いやり、権利を尊重する温かい社会をつくる上でも、子どもの権利条例を制定する意義は大変重要であると考えます。
札幌市の子どもの権利条例については、子ども未来局が中心となって進められており、今のご答弁でも、今、連携しながら頑張っているというようなお話もありましたけれども、学校や子どもたちに直接かかわる教育委員会こそ、子ども未来局との連携はもちろんのこと、さらに主体的にかかわって、子どもの権利条例制定に向けてぜひ頑張っていただきたいし、我が会派としてもしっかり応援していきたいということを述べまして、私の質問を終わりたいと思います。
◆小須田悟士 委員 私からは、札幌市における栄養教諭の任用に対する教育委員会の考え方をお尋ねいたします。
栄養教諭制度につきましては、近年の食環境の社会的変化を背景として、児童生徒が望ましい食習慣を身につけることができるよう、学校において、より一層の食に関する指導の充実を図っていくことを目的に制度が創設され、平成16年5月に学校教育法等の一部を改正する法律が公布され、平成17年4月から施行されております。
平成17年4月1日には、全国では、福井県で10名、高知県で5名、また国立の長崎大学附属小学校で1名、合計16名の栄養教諭が誕生いたしました。北海道におきましても、10月31日付で道立の特殊教育諸学校や滝川の市立小学校などで11名が栄養教諭として任用され、本年1月1日には、大阪府においても10名の栄養教諭が誕生したところであります。
栄養教諭を任用した滝川市では、地産地消の促進と連動しながら積極的に食教育が進められ、栄養教諭が食に関する指導のコーディネーターとして、教員と連携しながら年間指導計画の作成に参画し、学校給食を教材に生産者の声を取り入れた授業を行うなど、食を通して子どもたちの豊かな心の育成に力を注いでいると聞いております。
また、平成18年4月1日付の任用に向けて、函館市や石狩教育局管内の複数の市町が作業を進めていると聞いております。このことにより、北海道全体において、昨年任用された11名に函館や石狩教育局管内の任用予定者を加えると、数十名の栄養教諭が誕生することになり、さらに他の教育局管内で任用されると、栄養教諭の任用数は相当なものとなります。
北海道内の市町村は、給食センター方式によって学校給食を行っているところが多く、栄養職員もセンター配置が多いと聞いております。学校配置の栄養職員を多く配置している札幌市では、その栄養職員が免許を取得することで栄養教諭を任用していきやすい環境であると言えます。そういった点で、道都札幌市における栄養教諭の任用は全道の模範となるべきと考えます。
そこで、質問ですが、全児童生徒が栄養教諭による食に関する指導を受けられるよう、早期に栄養教諭制度を導入すべきと考えますが、教育委員会としてどのように考えているのか、まずお伺いをいたします。
◎山崎 調整担当部長 栄養教諭制度を早期に導入し、食に関する指導を進めるべきとのご質問についてでございます。
栄養教諭につきましては、児童生徒に食に関する指導及び学校給食管理をつかさどる教育職員に位置づけられておりまして、栄養に関する高度な専門性と教育に関する資質をあわせ持つ教育職員として、効果的な食に関する指導の展開、家庭や地域への働きかけや啓発活動の強化等の役割が期待されているところでございます。
栄養教諭の配置につきましては、学校教育法において地方自治体の判断にゆだねられておりますけれども、札幌市教育委員会といたしましては、児童生徒の将来にわたっての健康づくりという観点から有益であると考えており、栄養教諭としての職務内容などの課題整理を進め、平成18年度中に栄養教諭を任用していくよう努めてまいりたいというふうに考えております。
◆小須田悟士 委員 栄養教諭については、早期に、平成18年度より導入するように進めているということですが、札幌市の全児童生徒が栄養教諭による指導を受けられるようになるのに何年もかかるようでしたら、適切な食に関する指導を受けられないまま義務教育を修了して卒業してしまう子どもたちが大勢いることになります。現在でも、いろいろな場面を通して学校栄養職員が食に関する指導を行っていることは承知しておりますが、札幌市の将来を担っていく子どもたちのために、短期間に大勢の栄養教諭を配置し、教諭としての資質を持った栄養教諭から食に関する指導を受けられるようにしていくべきと考えるわけであります。
そこで、質問ですが、札幌市の学校栄養職員のうち何人が資格を有しているのか。また、一日でも早くこの制度を定着させるためにも、有資格者全員を栄養教諭として任用するとの方針で検討を行っていくべきと思いますが、
教育委員会の考え方をここでお伺いいたします。
◎山崎 調整担当部長 1点目の栄養教諭の有資格者の人数についてでございますが、札幌市から平成17年度の免許法認定講習を受講した栄養職員は77名おりまして、その全員が単位を取得しております。栄養教諭の任用に当たりましては、学校に配置されていること、栄養教諭免許状を取得していること、道費負担栄養職員であることが条件となりますけれども、この条件を満たしている者は77名中65名でございます。
次に、2点目の有資格者全員を栄養教諭として任用すべきとのことですが、栄養教諭の職務といたしましては、従来から学校栄養職員が行ってきました給食の管理業務と、それに加え、先ほどお話しいたしました栄養に関する高度な専門性と教育に関する資質をあわせ持つ教育職員として、効果的な食に関する指導の展開、家庭や地域への働きかけや啓発活動の強化等の重要な役割を果していく必要があると考えております。したがいまして、栄養教諭制度を円滑に導入し、効果的な指導を進めていくためには、学校はもちろんのこと、家庭や地域社会等との連携を図っていくための共通理解が重要であります。そのことから、栄養教諭として食に関する指導を進めていくための環境が整っております学校から、段階的かつ計画的に導入していくことが適当であると考えております。
しかしながら、委員のご指摘のとおり、栄養教諭制度を早期に定着させていくためにも、可能な限り多くの栄養教諭を任用していくよう努めてまいりたいと考えております。
◆小須田悟士 委員 要望であります。
学校で働く栄養士の皆さんからも、早く栄養教諭になって活躍の場を広げていきたいという強い要望を受けております。我が党としても、食育を推進するために、栄養教諭の制度化に力を注いでまいりました。
ぜひ、札幌市においても、平成18年度中にとの答弁でありますが、できる限り早期にこの制度を導入し、あわせて、可能な限り多くの栄養教諭を任用して、子どもたちのために質の高い食に関する指導を全校で行っていくよう強く要望して、終わります。
◆芦原進 委員 私は二部でございますが、きょうは一部の方に参加させていただきまして、質問させていただきます。大変ありがとうございます。お礼を申し上げます。
私の方からは、スクールガード事業、それから、中学校改築の中でも地元の羊丘中学校に関する事項の2点について質問をしたいと思います。
最初に、スクールガード事業についてでございますが、この事業は二つに分かれております。一つは地域ぐるみの学校安全体制整備事業、二つ目は防犯ブザー整備となっておりますので、個々に分けて質問させていただきます。
最初は、地域ぐるみの学校安全体制整備事業、すなわちスクールガードリーダーについてでございます。
昨日、皆さんご存じのように、大阪教育大学附属池田小学校の卒業式が行われました。その模様ではありませんが、14日の新聞に、「いつまでも心の友達よ」と最後に締めくくった言葉の記事が載っておりました。2001年6月に突如として起こった小学校乱入事件で、将来の希望あふれる8人の児童、小学2年生7人、1年生1人が殺傷され、13人が重軽傷を負いましたが、当時の2年生が今まさに卒業しました。事件に遭遇した子どもたちの心の傷はどれほど深いものか、いまだいえずに苦しんでおります。私は本当にかわいそうでなりません。また、犯人に対しまして、改めて怒りが込み上げてまいります。
その後、登下校中の子どもをねらった許しがたい凶悪な犯罪は、繰り返し起こり、やむことはありません。昨年11月には広島で、12月には栃木で、そして、ことしの2月には滋賀県でと、いたいけな子どもが犠牲になっております。
昨年12月20日に、国は、犯罪対策閣僚会議を開催し、登下校時の安全を確保するための緊急対策を決定いたしました。一つは、全通学路の緊急安全対策、二つ目には、すべての学校における防犯教室の緊急開催、三つ目は、すべての地域における情報共有体制の緊急立ち上げ、四つ目には、学校ボランティアスクールガードの充実であります。
平成18年度予算において、文部科学省は、子ども安全プロジェクトで具体的な施策である警官OBや専門家を登用したスクールガードリーダーを900人から2,400人に大幅に増員し、定期的な巡回、専門的な視点から防犯対策の指導や学校の巡回、警備などに当たるスクールガード養成研修も推進されます。札幌市としても、行政、学校、地域がそれぞれ児童の安全・安心のための学校安全対策の推進に取り組み、努力されていることは事実であり、評価をいたしております。
我が党が提唱し、平成17年度から文部科学省が開始した地域ぐるみの学校安全体制整備事業は、日本全国で展開しており、札幌市においても昨年10月からスタートいたしました。17年度から開始されたスクールガード事業は、当初はボランティアが集まらないとの報道もありましたが、開始から5カ月経過をしたところであります。
そこでまず、1点目の質問ですが、現在、ボランティアであるスクールガードと警察官OBや専門家が登用されているスクールガードリーダーは、全市的にどのくらいの人数が活動されているのか、お聞きいたします。
また、2点目といたしまして、スクールガード事業を行っている中でいろいろな課題もあると聞いております。地域や学校の考え方に温度差もあり、なかなか地域ボランティアが集まらなくて困っているという話も聞きました。ボランティアを無理やりお願いし、数合わせのようなやり方では困ります。実効性のある方法をとるためには、地域の方々から自主的に声を上げていただき、そして、100%の学校で防犯活動が行われることを目指さなければならないと思うのであります。最もボランティアが集まりやすい方法を検討し、地域に対策を働きかけなければならないと思うのであります。
それ以外にも、リーダーの方々から、地域や学校からのさまざまな要望があり、地域や学校の意見を的確に把握するのは大変な作業だという感想も聞いております。具体的にはどのような課題があるのか、また、その課題を解決するためには、平成18年度はどのようにしていくのかの、2点についてお伺いいたします。
◎山崎 調整担当部長 スクールガード事業についてでございますが、まず、1点目のスクールガード及びリーダーの登録状況についてでございます。
まず、スクールガードリーダーは、昨年10月に、警察官OB29名によりスタートしておりまして、現在は27名で、すべての市立幼稚園、小学校、養護学校229校の巡回指導に当たっております。また、ボランティアでありますスクールガードにつきましては、3月14日現在ですが、173校、全体の75.5%の学校で登録していただいておりまして、その数は464人となっております。
次に、2点目のスクールガード事業の課題と解決策についてでございますが、これにつきましては、主なものとして2点ほど挙げられるかと思います。
まず、1点目といたしまして、スクールガードリーダーの員数についてでございます。
当初、スクールガードリーダーの主な役割といたしまして、危険箇所の点検やスクールガードの方たちとの共同巡回、指導・助言などを想定しておりましたけれども、リーダーが活動していく中で、学校やPTAなどから多くの期待を寄せられまして、各校で開かれる防犯教室の講師の依頼や学校や地域行事への参加など、さまざまな要請を受けているところです。このことから、事業を円滑に推進するためにはリーダーの増員の必要性を認識していたところでございます。
したがいまして、平成18年度におきましては、現在、27名で1人当たり8校程度を担当していただいておりますところを、45名程度に増員いたしまして、受け持ち校を四、五校程度に減少し、より細かな対応が可能となるよう配置する予定でございます。
次に、もう一つの課題といたしまして、まだスクールガードが決まっていない学校があることと、市役所他部局や他の地域活動との連携ということが挙げられるかと思います。
先ほどご説明いたしましたとおり、まだ全体の25%弱の学校でスクールガードが決まっておりません。これは、さまざまな事情によるものでございますが、その原因として、既に同様の活動を行っている地域にありましては、スクールガード事業への理解が深まっていなかったのではないかということや、保険料の関係で今年度は基本的に1校に2名程度しかお願いしていなかったということも考えられるかと思っております。
したがいまして、今後は、市役所他部及び地域団体との連携をさらに深めますとともに、平成18年度は大量の応募があっても対応できますよう予算組みをしているところでございまして、これにより、既に地域活動として取り組んでいる方たちを初め、多くの方々に参加していただけると期待しているところでございます。今後とも、より積極的にスクールガード事業への理解を求めまして、参加を呼びかけてまいりたいというふうに考えております。
◆芦原進 委員 ただいま答弁をいただきまして、現在、スクールガードリーダーは27名で、1人8校くらい担当している、そして、平成18年度は18名ふやして45名に増員し、1人5校程度ということになります。国は、先ほど申し上げましたように、全体で2,400人ですが、公立、市立を合わせまして2万3,000校くらいあると聞いておりますので、国は1人で10校であります。それくらい担当していますから、そういう面では、札幌市は数値的には倍の精力を注いでいるということで、私は一定の評価ができると思います。
それから、スクールガードでありますが、全体で75%、あとの25%はまだできていない。これは、緊急で、いろいろな状況があったと思いますが、やはり子どもを守るという意味では、速やかに100%にしていく体制を強力に進めていただきたいと思います。
続きまして、次の質問に移ります。
二つ目の事業であります防犯ブザーについてお伺いいたします。
防犯ブザーにつきましては、我が会派では、これまで6年生までの全児童に貸与すべきではないかということを主張し続けてまいりましたが、平成18年度予算では小学校3年生まで防犯ブザーを貸与する事業になっておりますし、予算も計上されています。これは、やはり一定の評価をしたいと思います。
防犯ブザーは、子どもが自分の身を守るための一つの方法として、また、犯罪抑制の面で効果的であり、できるだけ早く、理想的には新学期が始まる4月までに整備をすべきと考えております。
そこで、1点目の質問でありますが、実際に子どもたちの手に防犯ブザーが渡るのはいつになるのか。
次に、防犯ブザーは、何も、1年生から3年生は必要で4年生以上は必要ないということはありません。小学生ぐらいは全員持っているべきであると思います。これは、私も、党としても主張してまいりました。毎年、予算が厳しさを増す中で、先ほど言いましたように、平成18年度は3年生まで整備することは評価できますが、翌年度以降も、1学年ずつでも貸与し続け、3年後には小学校の全学年が持てるようにすべきだと思います。
そこで、2点目の質問は、平成19年度以降も拡大して整備する考えがあるのか、この2点についてお伺いいたします。
◎山崎 調整担当部長 まず、1点目の貸し出しの時期についてでございます。
防犯ブザーは、小学校1年生から3年生までの全員が持つことができるよう整備することを考えておりますけれども、既に町内会、PTAなどからの寄附や、保護者が独自に防犯ブザーを与えているといった例もありますことから、その実態を把握するため、学校に対してアンケートを実施いたしまして、現在、その集計作業をしているところでございます。貸し出しに当たりましては、その集計をもとに、学校ごとの諸事情を考慮いたしまして、すべての児童に不公平感がないよう配慮したいと考えているところでございます。
したがいまして、整備時期は、本来、新入生を迎える4月早々の整備が望ましいところではございますが、各学校の実情を考慮し、防犯ブザーの仕様も固める必要があること、さらに、整備個数が相当数に上るため、受注企業が製造を開始してから納品するまでには約2〜3カ月を要することなどから、実際の貸し出し時期は夏休み明けになるものというふうに考えているところでございます。
次に、翌年度以降も防犯ブザーを貸与する学年を拡大すべきとのご意見についてでございますが、委員ご指摘のとおり、犯罪抑止という観点からも、小学4年以上となっても防犯ブザーを持ち続けることが効果的であると考えております。したがいまして、予算措置など関係部局と調整いたしまして、実現に向けて努力してまいりたいというふうに考えてございます。
◆芦原進 委員 今の答弁で、翌年度以降も努力したいということがありましたし、我が党も、全学年に整備ができるまでずっと主張をし続けてまいりたいと思います。特に、
教育委員会としても、実現に向かって関係各部局と積極的に取り組んでいただきたいと思います。
どうせ整備するなら、やはり4月の入学式から持つことが大切だと思います。そのための一つの方法として、今回購入する防犯ブザーの入札があるそうでありますが、昨今、入札は非常に厳しい競争価格になっております。差金が出ると思いますので、そんなものを余り当てにしてはいけませんが、翌年度の1年生の分に転用できるのではないか、このように思います。これがもし余りましたら、ぜひそれを転用していただきたいと思います。これは検討をお願いしたい。
また、今回は質問いたしません。要望でございますが、現在、学校の職員室には、119番、消防署へ通報するボタンがあると伺っています。銀行とかコンビニは警察への通報装置が認められていますが、やっと学校にも取りつけられるようになったそうであります。そこで、いざというときのために、市内の学校にもその通報ボタンをぜひ取りつけていただきたいと思います。
また、携帯電話連絡システムがなかなか完全に実施されていない状況でありますので、今質問しましたスクールガード事業をしっかり充実させていただいて、子どもたちの安全・安心に大きく貢献できるよう取り組んでいただくことを強く要望しまして、次の質問に移ります。
これで最後の質問でございます。もう少し時間をちょうだいしたいと思います。
羊丘中学校改築に伴うグラウンド砂ぼこり対策であります。(発言する者あり)
どうも済みません。地元でございますので、やらせていただきます。
羊丘中学校は、生徒あっての学校、地域あっての学校との理念を掲げ、学校と地域が一体となって多くの問題、課題を乗り越え、次代を担う多くの人材をはぐくみ、送り出し続け、37年になりました。
そんな中で、グラウンド砂ぼこり対策は、現在はまだ抜本的な解決に至っておりません。我が会派としましても、豊平区の課題の一つとしまして、羊丘中学校グラウンドの砂ぼこり対策について平成16年度から予算要望もしてまいりました。
このたび、羊丘中学校は改築される計画になっておりますが、スケジュールについて
教育委員会にお聞きしましたところ、17年度は既に基本設計を終えておりまして、今年度は実施設計をやると伺っております。来年3月から旧校舎を解体し、6月には新校舎建築に着手し、20年3月には新校舎が完成すると聞いております。また、その間、グラウンドにプレハブの仮校舎を建てて授業をすることになっているようであります。新校舎完成後は、その仮校舎の撤去とあわせてグラウンドの整備を行うと聞いております。計画どおりに事業が実施され、未来の札幌市民をはぐくむ新しい校舎が誕生することは、地域住民、私も含めて心待ちにしているところであります。
この中学校の改築の基本設計を行うに当たって、
教育委員会と都市局が連携して、教職員や生徒等の学校関係者や、地域住民のさまざまな意見を聞き、可能なものを取り入れた学校づくりをしていくと聞いております。
この取り組みの一つとして行われた昨年12月5日の地元説明会の中でも、地域の住民からお話があったと思いますが、この学校は、地形的な要因なのか、強い風が、終始、グラウンドを吹き抜けるようであります。羊丘中学校は部活が盛んであります。コンサドーレの地元でもありますし、サッカーが強い、グラウンドでの練習量は多い、また、サッカーの中体連等々にも使用されておると伺っておりまして、使用頻度が非常に高いことから、砂ぼこりが発生し、それが強い風にあおられて、学校周辺の民家に吹きつける状況であります。
地域にお住まいの方々のお話では、屋根が砂ぼこりで真っ白になる。また、当然、夏は窓もあけられない、洗濯物が汚れること、しょっちゅうであります。学校では、水をまくなどいろいろな対処をしていただいているようでありますし、いろいろな解決方法もこれまでやってきました。しかし、抜本的な解決には至らず、地域の皆さんの不満は解消されていないと聞いております。
そんな中で、今回、改築事業が計画され、プレハブの仮校舎撤去後にはグラウンドの整備を行うとのことでありますが、私は、これを機会に、グラウンドの砂ぼこり問題も抜本的な対策をとるべきであると考えております。
そこで、質問であります。
地元説明会の中でも、グラウンドの砂ぼこりについて善処するとご説明があったようでありますが、具体的に羊丘中学校のグラウンドの砂ぼこり問題をどのような方法で解決しようとしているのか、お伺いいたします。
◎中村 総務部長 羊丘中学校の砂ぼこり対策ですけれども、この問題につきましては、平成12年10月に、地元の町内会から、学校のグラウンドの土ぼこりの根絶といいますか、グラウンド周辺の環境改善について要望書を受けております。同じ年の12月に、散水栓を二つにふやすこともしましたけれども、今のお話にありましたように、昨年12月の地元説明会では、これでもまだまだ不十分であるというご指摘も受けました。
それで、今のお話にありましたように、改築に伴ってグラウンドの整備も行う予定ですので、今の考え方としましては、これを機会に、グラウンドの土を防じん効果の高い土に入れかえる。あるいはまた、防砂ネットの位置、高さなどを工夫するといったようなことを今後検討していきたいと考えております。
◆芦原進 委員 いやいや、検討ではなくて、ぜひやっていただきたいと思います。
ただいまのお話のように、砂ぼこりは、地域の人は本当にずっと悩んできたのです。やはり、自分たちの子どもが学校に行くということで、気にしながらやってきたのです。やはり、この際、後でやると金がかかりますから、合わせてやると経費も少なくて済みます。そういう意味で、土を入れかえるというお話がありました。
しかし、先ほど言いましたが、どのような対策が効果があるのかは実際に見てみなければわからないこともあります。やはり、わからないと不安であるわけですから、そこで、再質問させていただきます。
市内には、砂ぼこりの問題があって土を入れかえた学校があり、かなり解消されたと聞いております。それで、もし地元の方たちがその事例を見たい、どういうものか見たいという希望があった場合、
教育委員会はそれにこたえる用意がありますでしょうか、お聞きしたいと思います。
◎中村 総務部長 砂ぼこりを解消した例ということですけれども、東区の札苗北中学校でございます。この学校も、長い間、砂ぼこりで悩んでいまして、グラウンドの土を、羊丘中学校の場合は現状は赤土ですが、ここではそれを真砂土という花崗岩が風化してできた防じん効果の大きいもの、コスト的には少し高いのですけれども、それに入れかえました。それ以降、特に砂ぼこりに対する苦情は出ておりません。
それで、もし砂ぼこりで悩んでおられる羊ケ丘地区の方が、ぜひ札苗北中学校をごらんになりたいという要望があった場合の対応については、羊ケ丘から札苗まではちょっと距離がありますけれども、先進事例をごらんいただく、理解していただくという意味では大歓迎というふうに申し上げておきます。
◆芦原進 委員 最後です。
見に行くのは簡単なのです。そこに
教育委員会が絡んでいるということが大事なのです。そういう意味で見学させていただけますかということをお聞きしているし、その方がお互いに理解しやすいと思って質問をしたわけでございます。
最後に、要望して終わります。
グラウンドの改修工事は平成20年の夏ごろには終わると聞いておりますが、砂ぼこり解消までまだ時間がありますし、問題が解消されるというめどは立っておりません。多少のことは我慢していくと思いますが、ぜひとも十分な対応をとっていただきたい。また、途中、校舎の建設工事もありますので、こちらの防じん、いろいろな騒音等についても極力配慮をいただきたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
◆熊谷憲一 委員 中学校の図書館の充実について質問をいたします。
この件については、昨年の文教委員会で陳情が出されたことによって問題になりました。文教委員会で問題になったのは、司書教諭が法によって配置されたとはいえ、図書館の機能が果されていないところが多いということでありました。
開館時間も、昼休みの20分間しか開館していないところや、寄託図書と自校図書、未登録図書が混在し、配架もNDC、日本十進分類法に並んでいないところもあるなど、深刻な状況が明らかになりました。学校図書館の設置者である本市
教育委員会の責任は重大であります。
そこで、質問ですが、蔵書整理状況を初め、中学校図書館の1日当たりの開館時間、貸し出し冊数など、本市の中学校学校図書館の現状についてどう認識し、現状をどう評価しているのか、まずお伺いいたします。
◎北原
学校教育部長 まず、学校図書館の蔵書数及び整備状況についてお答えいたします。
学校図書館の蔵書数は、平成16年度末におきまして、小学校で175万6,000冊、中学校で73万9,000冊となっており、図書標準に対する割合では小学校で平均92.7%、中学校で平均63.0%の達成率となっております。
次に、中学校の学校図書館の開館時間等についてでございますが、平成17年度、市内の中学校98校中、1日当たりの開館時間で30分以内の学校が25校、30分から1時間以内の学校が42校、1時間から2時間以内の学校が25校、2時間以上の学校が6校となっております。
また、貸し出し冊数につきましては、平均して1校1日当たり50冊程度であります。
教育委員会といたしましては、子どもの読書活動の活性化を目指して、各学校それぞれさまざまな工夫や努力をして取り組んでいるものと認識しておりますが、より一層の充実、活性化が必要と考えているところであります。
◆熊谷憲一 委員 貸し出し冊数については、中学校では63.0%と非常に低い水準であります。開館時間もお示しになりましたけれども、30分以内といいますと、昼休みしか開いていないというような感じでありますが、25校もある。98校中25校ですから、4分の1がそういう状況にあるということです。
また、貸し出し冊数は1校当たり50冊ということで、これは非常に低い水準ではないかと思います。
実は、中学校の学校図書館については、文教委員会でも質問をさせていただきました。実態として、どんな状態になっているのかつかまれていない、これが現状だと思います。確かに、札幌市は、国の方針のもとに司書教諭を配置いたしました。コンピューターも入っているということで、貸し出しのコンピューター管理も可能にいたしました。それから、全国で唯一とも言える寄託図書制度も、25年間定着しているというお話も聞いております。お金をかけたり知恵を出しているとは思うのですが、実際には、その割に成果が上がっていないというのが現状だと思います。
再質問でありますけれども、配置された司書教諭の状況について質問いたします。
97年の学校図書館法の一部を改正する法律が施行されたときの附帯決議には、政府は学校教育における学校図書館の意義、機能、司書教諭の果たす役割等を勘案し、司書教諭の教諭としての職務のあり方に関し、担当時間数の軽減や、司書教諭の専門家を含め検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしております。この附帯決議に沿った措置が本市においてなされているのかどうかが問題であります。
そこで、質問でありますけれども、各学校に配置された司書教諭に対して、担当時間数の軽減や専任化がなされているのか、伺いたいと思います。
◎北原
学校教育部長 司書教諭の担当時間数の軽減や専任化についてのご質問でございますが、中学校において、昨年度、司書教諭発令者82人のうち36人、割合にいたしまして44%が学級担任をしておりました。
なお、各学校におきましては、全教員が授業を担当し、授業以外の校務についても分担しながら職務を行っているところであります。司書教諭につきましても、学校がその役割について理解、認識し、校務分掌上に位置づけ、学校の状況等を踏まえながら、授業時数や校務の分担等について適切に判断して、協力体制づくりを行っているものと考えております。
教育委員会といたしましても、各学校に対して、司書教諭に対する一層の支援を働きかけてまいりたいと考えております。
また、札幌市といたしましては、従前より、全国都市教育長協議会や北海道都市
教育委員会連絡協議会等を通じまして、司書教諭の専任化や、司書教諭の授業時間数軽減の要望を行ってきておりまして、今後も、他の地方公共団体と連携をとりながら、粘り強く各関係方面に要望してまいりたいと考えております。
◆熊谷憲一 委員 今、部長からお話がありましたけれども、専任の先生はいないというふうに認識してよろしいのでしょうか、後でお答えください。
今お話がありましたように、司書教諭が配置されている91校のうち、担任を持っている先生は36人ということでありました。担任だけでなく、生徒指導などの担当になると、昼休みとか放課後には時間が拘束されて、実際上は司書教諭の仕事が無理だと思うのです。先ほど要望していると言っておりましたけれども、札幌市として、市
教育委員会としてこの現状をよしとするのか、お伺いしたいと思います。
◎北原
学校教育部長 まず、最初の専任の司書教諭がいるのかどうかということについてでございますが、専任の司書教諭はおりません。
それから、このような現状についてよしとするのかどうかということでございますが、可能な限り改善を図っていくべきというふうには考えております。
◆熊谷憲一 委員 ただ、充て職としての司書教諭というふうにならないように、専任化の方向で努力をしていただきたいと思います。
次の質問ですけれども、学校図書館をより一層充実、機能させるために、司書教諭の配置だけでなく、学校司書を配置すべきと考えますがいかがか、伺います。
◎北原
学校教育部長 学校司書の配置ということでございますけれども、札幌市といたしましては、司書教諭を配置してまだ3年目ということもあり、引き続き、司書教諭有資格者の養成に努め、多くの有資格者を学校に配置し、さらに研修を積極的に実施していくことなどによりまして、学校図書館の活用、充実を図っていくことを最優先の課題として取り組んでまいりたいと考えております。
◆熊谷憲一 委員 昨年の文教委員会での私の質問で、札幌市学校図書館協議会のホームページの司書教諭日誌を紹介させていただきました。司書教諭のS先生がR中学校に赴任した後、司書教諭として図書館を機能させるために奮闘したドキュメントが、このホームページに克明に書かれておりました。
2005年に、S先生はH中学校に転勤になったのですが、やはりR中学校で経験したことがH中学校でも再現されており、その奮闘ぶりが、「司書教諭日記2005」と題して、今回も掲載されております。この学校は、寄託図書校なので、寄託図書の司書の方が定期的に、あるいは必要に応じてなのかもしれませんが、寄託図書の整理などで訪問してくれているそうであります。
S先生は、このホームページで次のようにつづっております。
5月26日木曜日、「寄託司書のTさんが来る。てきぱきと司書室の整理をしていた。寄託図書の整理もしていたが同じ司書室内には本校の訳のわからない資料や『宙ぶらりん図書』等もとりあえず入れてあり、それも一緒に整理してくださっている。2人で廃棄するかどうか等検討。決定したものを処理して下さる。寄託図書整理のついでではあるが、それだけでも大変ありがたいことだ。授業を持っている『充て職司書教諭』だけではとても手が回らないところを助けてくださる方が居るのが、こんなにありがたいものだとは。つくづく専任司書が居たらどんなにいいだろうと思ってしまった。いつもTさんの訪問を心待ちにしている」、このように述べられております。
司書教諭が1人で、1校当たり約7,000冊もの本を相手に、図書の収集、整理、貸し出しなどの実務に加え、図書委員会を運営しながら、情報の収集・提供という新たな職務の広がりにも対応する、従来からある読書指導や他の教師の授業の相談に応じるなどの仕事をたった1人の司書教諭で負担することは、私は、到底無理であると思うのであります。
そこで、質問ですけれども、本市
教育委員会は、文教委員会の議論の後、学校司書配置に踏み切った先進的な学校図書運営を行っている恵庭市に視察に行ったとお聞きしております。恵庭市の取り組みについてどう評価し、生かすべき点は何だったのか、また、課題は何なのか、見解を伺います。
あわせて、恵庭市の学校司書の身分及び待遇についてどのようになっているのか、お示し願います。
◎北原
学校教育部長 まず、恵庭市への視察の概要と評価についてお答えいたします。
昨年7月14日に、恵庭市立図書館及び小学校1校を視察させていただきました。
恵庭市では、小学校8校すべてに各1名の学校司書が配置されておりまして、司書教諭その他の教員及び地域ボランティア等と連携をとりながら、図書館資料の購入、整理、廃棄に関することや、児童の読書相談への対応等を行っているところでありました。
学校司書を配置したことによる効果として、図書館の開館時間が長くなった、あるいは、利用する児童がふえた、調べ学習に対応できるようになった、また、授業で学校図書館を利用することが多くなった等の説明がございまして、恵庭市においては一定の成果を上げているものと認識をしているところであります。
なお、恵庭市の学校司書の身分及び待遇についてでありますけれども、週29時間勤務の非常勤職員でございまして、報酬月額は13万4,900円でございました。
◆熊谷憲一 委員 教育活動の面でも、読書の推進の面でも、司書教諭への負担の軽減という面でも、学校司書が配置されることによって大きな効果を上げているというふうに私は受け取りました。本市においても、私は、学校司書を配置することが可能である、そのように確信をしているところであります。
そこで、質問でありますけれども、昨年の文教委員会での陳情にあるように、当面、モデル事業としても、中学校図書館に新たに学校司書を配置すべきで、そこに踏み込むべきと考えますがいかがか、そして、その成果を検証しつつ、本格実施に踏み込むべきと考えますがいかがか、伺います。
◎北原
学校教育部長 モデル校方式による中学校図書館への学校司書配置を考えないのか、あるいは、さらに踏み込んで本格実施に向かわないのかというご質問でございます。
先ほども申し上げましたけれども、札幌市といたしましては、司書教諭を配置してまだ3年目ということもございまして、引き続き、司書教諭有資格者の養成に努め、多くの有資格者を学校に配置し、さらに研修を積極的に実施していくことなどによりまして、学校図書館の活用充実を図っていくことを最優先の課題として取り組んでまいりたいと考えております。
なお、今申し上げました取り組みを進める一方、他都市の施策等につきましても、引き続き、調査研究を行ってまいりたいと考えております。
◆熊谷憲一 委員 なかなかいい返事をいただけないのですけれども、97年に各都道府県
教育委員会等にあてた、本市にも来ていると思うのですが、学校図書館の一部を改正する法律等の施行についてという通知には、留意事項として、学校図書館担当の事務職員は、図書館サービスの提供及び学校図書館の庶務、会計等の職務に従事している者であり、その役割は司書教諭の役割とは別個のものであることに留意することとしております。また、先ほど述べた附帯事項にも、既に学校司書を配置している高等学校等に対して、政府及び地方公共団体は、司書教諭の設置及びその職務の検討に当たっては、いわゆる学校司書がその職を失う結果にならないように配慮することとしております。すなわち、学校図書館では、司書教諭と学校司書の役割は別個のものであり、たとえ司書教諭が配置されたからといって学校司書の首を切ってはならない、どちらも必要である、そういう考え方を示していると思います。
司書教諭に配置された教員の専任化を進める、蔵書もできるだけ早急に基準を超えるように努力する、そして、学校司書の配置を検討するよう強く求めて、質問を終わります。
◆横山光之 委員 私からは、平成18年度の私学助成予算について、簡潔に伺いたいと思います。
札幌市の平成18年度予算は、2年連続でマイナスというご承知のとおりの大変厳しい緊縮予算となっているわけであります。その中で、教育費は前年度に比べて0.8%増加しておりますが、これは、学校2校、伏見中と信濃小を改築するということが大きな要因でありまして、市立学校の管理運営費、これは先ほども質問が出たところでありますけれども、あるいは、私学助成費などの経常的な経費については厳しいマイナスシーリングが設定されているということであります。そのため、私立学校への教材教具整備費補助金、あるいは私立幼稚園児の保護者に対する補助金も削減をされているところであります。
これは、そもそもは、多額の収支不足を解消するための財政構造改革プランに基づくものであるというふうに聞いております。平成16年12月に策定されました財政構造改革プランでは、私立幼稚園に通う園児の保護者の負担軽減を目的とした私立幼稚園振興費補助金約7,000万円は廃止をするというふうにうたわれております。また、教材・教具整備のための補助金については、幼稚園は17.5%カットする、小学校と中学校は全額をカットしてゼロにする、高等学校については21.5%カットするという方針が打ち出されているところであります。
我が自民党会派といたしましては、私学振興のための議員連盟も組織いたしまして、毎年、私学助成の充実を要望しているところであり、補助金の増額をお願いしているのでありますが、減額ということでありまして、大変遺憾に思っているところであります。
そこで、財政構造改革プランでは、振興費補助金を廃止するとか、あるいは、教材教具整備費の補助金で、幼稚園は17.5%、高等学校は21.5%と、削減方針の中でも随分中途半端な数字もありますが、これら削減率の数字について、その根拠はどのような考えに基づいた設定なのか、まずお聞きいたしたいと思います。
また、平成18年度の私学助成予算では、教材教具整備費の補助金は、幼稚園と小学校は現状維持で17年と同じということでありますし、中学校は1校当たり90万円であったものを30万円にする、高等学校は1校当たり580万円であったものを520万円に削減するということであります。園児の保護者への補助である振興費補助金も、廃止ではありませんけれども、一部、削減をされているということであります。
これらは、我々は大変遺憾に思っておりますが、当初、財政構造改革プランで示していた削減方針に比べると、現状維持となったり、あるいは削減率が落ちたりという努力の跡が見られるわけですけれども、どういう考えでこのような額となったのか、その根拠についてもあわせてお伺いしたいと存じます。
◎中村 総務部長 私学助成の関係で、2点、お答えいたします。
最初に、私学補助金と財政構造改革プランとの関係ですけれども、265億円の多額の収支不足を解消するためのプランの取り組みの中で、私学補助金についても大幅な見直しという宿題が与えられたということでございます。
具体的な内容ですけれども、園児の保護者に対する私立幼稚園振興費補助金につきましては、同じ保護者に対する補助制度としまして、国が3分の1以内を補助する就園奨励費補助金というものがありまして、その補助基準を上回る収入のある世帯への単独補助、上乗せ補助ということで、これは廃止の方針ということであったわけです。
次に、教材教具等整備費補助金につきましては、小学校と中学校は北海道も単独補助の対象にはしていないということで廃止の方針となりました。幼稚園と高校については、平成16年度予算では、北海道の単独補助が幼稚園は17.5%削減、高校は21.5%の削減とされておりましたので、これらとの関係で同じ削減率が設定されたということでございます。
平成18年度予算は、一部、現状維持があったり、削減率が緩和されたりということですけれども、まず、教材教具整備費補助金は、幼稚園については、札幌市は政令市の中でも1園当たりの補助額が最低の水準にあるという状況ですので、これは現状維持ということにしました。小学校に関しては、1校だけ、北区に三育小学校がありますけれども、そこでは、マルチエージクラスと言いまして、1年生から6年生まで一つのクラスで多角的に勉強しております。また、不登校の児童を受け入れる取り組みもしているということで、額は今30万円ということですが、これは現状維持せざるを得ないという考えです。それから、中学校に関しては、同じ義務教育の小学校と合わせて30万円にしたということです。高校に関しては、北海道が財政破綻寸前と言われる中で、高校の補助金についても大幅な見直しをするという動きがありましたので、札幌市においては1割の削減にとどめたということでございます。
最後に、園児の保護者に対する振興費補助金です。これは、国の補助基準を上回る収入世帯への補助ですが、現実には、Eランク、Fランクという二つの世帯がありますけれども、より収入が高い世帯のところについては見直しをさせていただいたということでございます。
◆横山光之 委員 今のご答弁で、財政構造改革プランにおける私学関係補助予算の削減理由について伺ったわけでありますが、国の補助基準を上回る世帯に対する補助金をカットする、あるいは、道の単独補助の削減率に合わせてカットするというような理由であります。
その中で、今お話がありましたとおり、種々の工夫をしながら、残すものを残したいということで努力されているということで、現状維持あるいは削減率の緩和等が一部行われているということであります。いただいた資料では、先ほどお話がありました保護者に対する補助金に関しては、財政構造改革プランの中で7,000万円カットとし、今回、そのうちの2,580万円、いわゆるEランクについては残す努力をしたということであります。学校に対する私立学校教材教具補助金についても、小学校は30万円を残しているし、高校についても、1校当たり580万円を、当初は21.5%の削減率に対して520万円まで頑張ったということのようであります。
しかしながら、一般に、削減理由が、国の補助基準に合わせるもの、あるいは、道の補助基準に合わせるものということでありまして、私学の役割に対する札幌市としての政策的判断が欠けているというふうに疑問を感じるところであります。
子育て支援といいますか、教育については、本市も大きな重点施策の柱に掲げているわけでありますから、そういった中で、国あるいは道に追随するのは、札幌市としての独自性といいますか、せっかくの重点施策に対する配慮に欠けることにならないか、疑問に感じるところであります。
さらに、財政破綻に起因して、北海道の場合は、ご承知のとおり、平成19年度までに1,800億円の財政不足が生ずると。そこで、赤字再建団体というのでしょうか、そういう破産状態に陥る危険性もあるのだということで、北海道単独の私学助成については基本的には全廃する方向を打ち出しているわけであります。
一方、札幌市においても、種々のご努力を賜りながらも、財政局が示している中期財政見通しでは、平成19年度以降も多額の財政不足を生ずることは皆さんもご承知のとおりであります。18年度に関しては、削減率の緩和に関しては頑張っていただいたのではないか。それは、我々議員団がお願いに上がったせいもあるのかなと思って、評価をしたいと思うところであります。
再質問でありますが、財政状況がこれから一層厳しさを増していくことが見込まれる中で、問題は、さらに私学助成について、どういう考え方を持って望んでいこうとしているのか。子どもの教育あるいは少子化対策という国の大きな課題について、札幌市としても十分な努力を要請するわけでありまして、極めて深刻な事態であるわけですから、こういう中で、教育において私立学校の果してきた本市の役割を考えるときに、札幌市はこれから一体どういう方針を持って臨もうとしているのか、お伺いしたいと思います。
◎中村 総務部長 教育費については、私どももできるだけ守っていきたいという考えがあるのですけれども、全市的な財政状況の中で、例外なくシーリングの対象になっている状況です。
お話しにありましたように、これからも大きな財源不足にあるということですので、私学の補助金についても、このままで行けるかどうか、さらなる見直しという可能性も否定できないのかなと思います。
ただ、そうした中でも、今、札幌市が取り組んでいる、札幌の将来を担う子どもたちが心身ともに健やかに育っていけるような、そして、安心して子どもを産み育てる環境、幼稚園に通わせることができる環境も大切だと思います。そういう施策を進めているところですので、
教育委員会としても、この考え方に基づいて、委員のご指摘にあった少子化対策、子どもの教育環境を守っていくという視点を大事にして、これからも私学関係の予算の確保には全力を挙げていきたいと考えているところです。
◆横山光之 委員 小学校の補助金について、義務教育もあるということで、私立小学校については全額カットという方針でありましたけれども、今回、30万円残していただいたということであります。30万円は余り多い金額とは思いませんけれども、現状維持ということであります。でも、本件に関しては、学校関係者は、早くから削減の方針を聞いて大変心配をいたしておりました。
三育小学校というのは、教育委員長の丹羽さんがおられる家の割と近所でありまして、村松副委員長の篠路地区であり、非常に独特な教育をしているところでありますが、大変心配をして、
教育委員会の方にお願いに上がりましたところ、中村総務部長がお話を伺った上で、すぐその場で、それでは現場を見たいというふうにおっしゃって、日を置かず、すぐに篠路の三育小学校を訪れて現地を見ていただき、一体、補助に値する学校かどうかというご判断いただいたわけであります。
この学校は、マルチエージスタイルということで、学年を取っ払った教室で、二十数人の非常に少人数でありますけれども、子どもたちを集め、非常に独特の教育を行っているわけでありますが、非常に自由で、我々が公教育の中で見ていた小学校とは全く違うスタイルの教育を行っています。子どもたちの顔が、学校という制約というのでしょうか、自分の子どものころを思うと、学校にいるということは、教室の中に閉じ込められて、やりたくない勉強を無理やり教えられる、そして、余り楽しくない、楽しかったと言う人もいたかもしれませんが、私は学校は余り楽しいものではなかったのですけれども、そういうものではなくて、本当におもしろいといいますか、子どもに興味を持たせるようなスタイルの教育が行われています。また、お話を伺いましたら、スクールバスがないと通えないので利用しているわけですが、運転などは先生方が交代でやったりしているのです。そして、掃除も、専門の人が来るのではなく、あるいは用務員さんがいるのでもなく、みんなでやるという形で、非常に経費の削減も行われています。
やはり、学校のあるべき姿の一つとして、公教育のほかに、こういうものもあっていいのではないか。不登校の問題で公立学校に行けなかった子どもがそこへ来て、目を輝かせながら学校に通うようになったというように、不登校児の受け入れもやっているわけです。こういったスタイルの学校に対して、札幌市として援助を継続していくという意味では、中村総務部長の英断だったなと思って感謝をしているところでありますし、また、学校関係者も大変喜んでいるところであります。
ご承知のとおり、例えば、幼稚園については、私立幼稚園は134園で2万5,300名ということでありますが、人数よりも、札幌市において、公教育、市立幼稚園に行っている子どもの数と、私立幼稚園の子どもの数は、市立の方はほとんど無に等しいくらい少ないわけです。それくらい、私立幼稚園に依存してやってきたわけであります。(発言する者あり)
うるさい。そんなこと言っていない。(発言する者あり)
○藤原廣昭 委員長 静粛にしてください。
質問を続けてください。(発言する者あり)
◆横山光之 委員 委員長、不規則発言、少し静かにするように言ってください。
○藤原廣昭 委員長 今、静粛にしてくださいと言っておりますので、質問を続けてください。
◆横山光之 委員 質問を続けたいと思います。
そういうことでありますし、また、公立高校も、全部の希望者をなかなか受け入れられない中で、私立高校がたくさんの市民の子弟を受け入れてきた、そういう歴史的な役割も果してきたわけでありますから、そういった意味も含めて、私立学校というものが持っているそれぞれの建学の精神や、今申し上げたような、それぞれの学校での子どもの能力に応じたゆとり教育など、果たしている役割は非常に大きいものがあります。
そういうことを考えたときに、今お話がありましたように、シーリングと言うのでしょうか、財政不足が何ぼになるから、一律カットしていくので、私立学校の補助金も一律に当然減っていくのですというような考え方ではいけない。やっぱり、これからの札幌市の発展のためには、予算の使い方は、市長自身も言っているように、めり張りをつけて、使うべきところには使う、削るべきところは削るという考え方でなければならないわけであります。
そういう意味では、
教育委員会ばかりでなく、きょうは副市長もおられますけれども、やっぱり、札幌市全体として、お金の使い道を考え直さなければならないのではないか。苦しくなると、財政構造改革プラン等でシーリングで一律にやってしまおうと、どうしてもそういう安易な方法に流れやすいということがありますので、そこを考えていただきたいということを申し上げたいと思います。
そういうことを皆さんに要望して、私の質問を終わりたいと思います。
◆五十嵐徳美 委員 私は、札幌市の学習実現状況調査についてお尋ねしたいと思います。
これは、昨年、平成17年2月に実施されたわけであります。実は、私が一昨年の代表質問で質問したところ、取り組むというお話があった後、議会の中では、このことの報告もなければ質疑もなかったというのが実情であります。
そこで、既に学力テストと俗に言われているものの存在すら忘れていたり、ひょっとしたら興味のない方がいるのではないかということで、改めて、平成16年度の札幌市の学習実現状況調査の目的を確認いたします。そして、その調査結果の分析と、それに対する
教育委員会の評価はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
◎西村
指導担当部長 初めに、平成16年度の学習実現状況調査の目的についてでございます。
今回の学習実現状況調査は、学習指導要領による各教科の目標や内容に照らした児童生徒の学習状況を把握し、指導上の課題等を明らかにした上で、今後の教育課程の編成や指導の改善等に資することを目的に実施したものでございます。
続きまして、学習実現状況調査の結果の分析と評価についてでございます。
今回の調査では、小学校5年生を対象に国語、算数、中学校2年生を対象に国語、数学、英語について、学習到達度の調査をいたしました。また、両学年とも、日常の学習への取り組みや生活習慣を把握する学習意識調査を実施いたしております。
結果の分析と評価につきましては、校長、教員、指導主事で構成いたします検討委員会を設定いたしまして、教科ごとに、専門的な立場から、教科全体の平均正答率や設問ごとの正答率等をもとに、指導上の課題や改善の方向について分析を行ったところでございます。
このうち、学習到達度についての分析を見ますと、本市の児童生徒は全体的にはおおむね期待される正答率に達しているものととらえておりますが、一部の教科や領域においては十分到達していないものも見られております。例えば、小学校5年生の国語では、漢字を書くことなどに課題が見られることから、子どもが興味・関心を持って漢字の学習に取り組める方法が必要であること、また、算数では、計算の意味を理解することなどに課題が見られることから、具体物などを用いた学習を通して、計算の仕組みについてわかりやすくとらえる工夫などが必要であるというふうに考えているところでございます。
一方、学習意識調査の結果でございますが、ここからは、学習に向かう姿勢あるいは家庭における生活習慣、学習習慣が学習の実現状況とかかわりが高いといった傾向が見られております。また、お年寄りや障がいのある人への手助けや、食事の後片づけや手伝いなどといった設問においては、本市児童生徒のよさが見られているほか、小学5年生においては、帰宅後の学習時間が全国に比べますと少ないという課題も見られております。
すべての項目については申し上げられないので報告書に譲りたいと思いますが、今後、こうした調査・分析を踏まえまして、教育課程の編成や指導方法等の改善を一層進め、児童生徒の学力の向上に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 児童生徒の学力向上に向けて取り組んでいく、その調査ですね。具体的に、学力向上に向けてどうやって取り組んでいくか、問題はそこからなのです。テストをして、分析して、評価をした後、どうするかが問題であって、具体的にどうしようとしているのか、教えてください。
◎西村
指導担当部長 分析結果を踏まえての今後の取り組みについて申し上げたいと思います。
先ほど述べましたが、校長、教員、指導主事で構成する検討委員会の中で結果の分析を行うとともに、小・中学校の教科ごとに、専門的な立場から、今後の指導のあり方についても検討を進めてまいりました。その内容は、具体的な指導計画あるいは授業改善のポイントとしてまとめられたところでございます。
教育委員会といたしましては、これをもとに、学校の教育課程の改善、それから、教科等の指導方法の改善、教員の指導力の向上、子どもたちの学習習慣づくりに向けた家庭への啓発、こういった観点から学力向上に向けた取り組みを行っていきたいと考えております。そのために、今後は、各学校に対して、まず調査の詳細や改善方向を示した実施報告書、それに加えまして、改善の事例集等の資料を配付いたしますとともに、3月末には全校長を集めて開催する教育方針の説明会において、指導方法等の改善について周知を図る予定でございます。また、
教育センターで行う専門研修や各学校の研修、授業研究会等における指導主事による指導・助言等、あらゆる機会を通しまして、指導方法等の改善や教員の指導力向上に努めて、児童生徒の確かな学力をはぐくむことに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 部長、その方向性などは非常にわかるのですが、私は、今、この実施報告書の案の部分しかいただいておりません。これがこれからできて、3月末に校長先生に渡すとか、中学校の部分では、教育課程の編成及び実施の手引の中で伝えていくと。そこはいいのですよ。伝えるのはいいのですが、それが伝わって、どうやっていくかということが大きな課題なのですね。ついつい、テストをした、分析をした、校長に伝えた、学校にも伝わった、だから学力向上につながるであろうということになるのです。
そこで、過去にも学テ闘争という大きな流れがありましたけれども、やはり、改めて、文科省も子どもたちの学力を客観的に調査するものを平成19年度から導入する予定と聞いているのです。この場合、札幌市は独自に今年度から取りかかって、そして、道も調査しておりましたが、そこは札幌市が絡んでいないというふうに聞いています。今後、文科省が仮にそれを導入して、全児童生徒を対象にするのか、または一部なのか、その公表の方法もあるかと思うのですけれども、今、うちがやって、何年か継続するというふうに聞いていますが、国の調査との整合性をどういうふうにとらえているか、お聞かせください。
◎西村
指導担当部長 国の予定している学力検査と学習実現状況調査との整合性ということでございます。
現在、文部科学省におきましては、お話がありましたように、平成19年度からの全国的な学力調査の実施に向けまして、調査の実施内容や方法、あるいは公表のあり方等について検討作業を進めている段階でございます。
札幌市といたしましては、今後も、本市の児童生徒の学習実現状況を継続して把握していく必要があるというふうに考えておりますが、現在、国において検討されている学力調査の目的や実施方法、公表の仕方等が明らかになりました時点で、本市で行う調査については、継続の適否も含めて、国の調査との整合性を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 要は、毎年調査をしていくようになると、例えば、数値的に自分たちの子どもの学力が向上したというあかしは、通知せんとか、また、テストの数字ばかりでそれを判断しているわけではなくて、学習の態度であったり、いろいろな部分で評価、検討されて、今は相対から絶対評価で評価していただいていますが、問題は、今言ったように、どうやって検証するかなのです。続けていって、そんなにすぐに、きょう、あした、変化をしたからといって検証できるわけではないでしょうけれども、どうやって検証するのか。
最近、どうしても感じるのは、やりっ放しとか、これは誤解があるかもしれません。教育方針で、学校現場でいろいろ頑張っていますというものの、数字ばかりでは捕捉できないのかもしれませんが、行政評価も同じことが言えて、どうやって客観的に学力向上の検証をしようとするのか、もう少し具体的に教えてくれませんか。
◎西村
指導担当部長 札幌市としてのいわゆる学力向上等の検証についてでございますけれども、今回の調査を踏まえまして、各学校における教育課程や指導方法等の改善を図るとともに、今後とも、学習実現状況調査を継続して実施いたしまして、本市の児童生徒の学習状況等を経年的に把握していきながら、札幌市の学力向上について検証してまいりたいというふうに考えております。
これは、全市としても行いますし、各学校等におきましても、独自に調査を実施している部分もございますので、そういったあたりは各学校においても進めていただくようにお願いして進めてまいりたいと思っております。(発言する者あり)
◆五十嵐徳美 委員 何で検証するかという声が出ていますけれども、僕も、尽きるところは何で学力向上が必要なのかということなのです。要は、何も資源のない日本国において、また、札幌も、財政から、この間は企画でも話をさせていただいているのですが、人材をつくっていくことしか、我が街や我が国の生きる道はないのかなと、ある意味で一つの方向性を自分自身では感じております。それであれば、もちろん算数のテスト、国語のテストがすべて上がればいいとも言いませんが、やはり学ぶ環境であったり、人を育てる中で、こういった一つの手段、方法を使って、どうやって子どもたちの学力を向上させていくかということに尽きると思うのですよ。それが、将来の札幌の、もしくは、札幌にとどまらなくて、日本各地でいろいろな場面で活躍する児童生徒、子どもたちがふえていると思うのですけれども、そういったところが最終的な目標、目的だと思っていますから、そういった意味では、改めて、本当にやった結果で満足をするのではなくて、そこまで持っていてほしいなというのが私の気持ちです。
そこで、学力向上に向けて、いろいろな指導方法があると思います。札幌市においては、学習推進計画に基づいて子どもたちの学力向上なり人間形成をしていくのですが、その中で、ITです。この間の小澤副市長の話では、札幌市はIT関連作業を1兆円規模に持っていきたいと。ただ、ITというのは、言葉の響きだけで、実態は何なのかわからない部分もたくさんあります。ライブドアのように、一瞬、目に見えない、何か魔物のように感じているところがあるのですが、でも、間違いなく、情報社会というのは今の日本の目指す方向の一つでもあると思うのです。
そこで、札幌市は、行政の中でもイントラネット等々の整備をしているのですが、教育現場でも、ITを使った学習をしていくためにいろいろな整備をしていると思うのですけれども、その整備状況はどういうふうになっているか、お答えください。
◎山崎 調整担当部長 ハード面における整備状況及び今後の整備計画ということでございます。
まず、整備状況のご質問だったと思いますが、札幌市における情報機器の整備目標を小・中・高等学校につきましては、コンピューター教室42台、普通教室各1台、特別教室1校6台といたしまして、また、養護学校につきましては、各校8台という整備目標を定めており、この目標のもとに早期整備に取り組んでいるところでございます。
現在までの整備状況でございますが、全高等学校及び全養護学校につきましては、すべての整備が完了いたしております。また、小・中学校につきましては、特別教室用コンピューターは全校の整備を終えております。コンピューター教室につきましては、中学校は100校すべて、小学校は209校中89校につきまして、42台の整備が完了しておりますけれども、残りの120校につきましては22台の整備となっております。そして、普通教室用コンピューター各1台につきましては、小学校89校、中学校66校が整備済みとなっておりまして、残りの小学校120校、中学校34校が未整備となっている状況であります。
なお、すべての教室においてコンピューターを使用しインターネットが利用できるよう、平成12年度から校内LANを順次整備してきておりましたが、現在、改築中の円山小学校を除き、全校に整備が行き渡ったところであります。
また、今後の整備計画についてお答えしますと、財政状況が非常に厳しい折ではありますが、現在、コンピューターが未整備となっております小学校については平成21年度、中学校につきましては平成19年度までに終えることを目標に整備を進めていきたいと考えております。
◆五十嵐徳美 委員 コンピューターを整備するのは、今、国の方針でも平成12年度から17年度で100%整備をしようという計画があった中で、お話を伺うと、これは特定財源ではなくて、交付税で措置されていると伺っております。それは、本来であれば平成17年度までに全部整備をするという前提で交付税措置がされているとも聞いてはいるのですが、交付税は色がついておりませんから、どういった色で、どこにどう財源を使うかは札幌市の範疇の中にあるものです。もしこれが特定財源であれば、ひょっとしたら平成17年度までに整備できたのかなという思いがあります。
問題は、この機器を100%整備するのを待つ前に、要はこの機械をどう使うかが問題なのですね。教える側、教える中身の問題だと思います。私もそうですけれども、子どもになると、パソコンでも、携帯電話でも、説明書も何も見ないでどんどん使っていくのです。ですから、大人なんかには高性能は要らない、子どもに高性能の機械を与えるべきだという話もあるのです。大人なんか、いろいろな機能がついていても使いこなせません。
そこで、学校で教えてくれる先生は、どの程度コンピューターをいじって子どもたちに教えてあげることができるようになっているのかというところですが、操作をできる先生と指導できる先生の数を教えてください。
◎西村
指導担当部長 コンピューターを操作できる教員と指導できる教員というお話がございました。
この現状については、文部科学省による平成17年度学校における教育の情報化実態調査では、ワープロソフトで文書処理、表計算ソフトで集計処理、インターネットにアクセスして必要な情報を検索するなど、基礎的な事柄ができる、いわゆるコンピューターを操作できる教員の割合は、全国が95.9%であるのに対して、本市は93.6%となっております。また、教育用ソフトやインターネットを活用したり、プロジェクター等によりコンピューターの画面を教室内に拡大提示したりしながら授業ができるといったコンピューターで指導できる教員の割合は、全国が74.0%に対して、本市は69.3%になっております。
◆五十嵐徳美 委員 私は、たまたま、最も先進的なIT教育を行っているつくば市に視察に行ってまいりました。本当に意欲のある先生で、どうしても先進地を見ていますから、いろいろお話を伺うと、札幌市の取り組みと――もちろんあそこは、研究学園都市ですから、多少の背景は違うものの……。(発言する者あり)そうだね。大きな違いがあるけれども、ちょっと遠慮して言いました。
要は、教えられる先生によって、ITを利用する――あくまでもITは手段ですから、問題はコンテンツです。その内容とかソフトを、それを利用してどう子どもたちに教えるかということです。冊子もいただいてはいるものの、現時点で、どんな授業でITを活用しているか、どんなふうに実効性が高まっているか、ちょっと教えてください。
◎西村
指導担当部長 ITを利活用した授業実践についてでございます。
具体的な例で申し上げますが、小学校では、例えば3年生の社会科で、教材用のコンテンツや、札幌市役所、各区役所のホームページを利用しながら、各区の様子について調べる授業を進めています。また、4年生の理科におきましては、天体シミュレーションを用いまして、季節による星座の動きをプロジェクターで投影して、立体的、視覚的に星座の動きを理解する授業などが行われております。一方、中学校の方でございますが、1年生の英語でプレゼンテーションソフトを使って教材を作成し、複雑な文法概念を視覚的に理解する授業や、3年生の数学で三平方の定理の証明について、教材用コンテンツを利用して、画面上で実際に図形を動かしながら理解していくなどの授業が行われているところであります。
各学校においては、子どもの実態や発達段階を考慮しながら、各教科の総合的な学習の時間等の中で、市教委が購入している教材用コンテンツやインターネットを活用した授業、学校に整備されているソフトウエアを活用した授業に取り組んでいるところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 もっともっと利用を拡大できるように期待するところですが、今言ったように、学校でいろいろ教える一つのスキルとして情報教育というものがありますけれども、将来的には、札幌市、我が街は、100%機器が整備をされた上で、どんなふうにこれを生かしていこうとするお考えがあるか、そういった基本的な方針があるかどうかをお聞きしたいのです。
つくば市とすべて比較対象して、そのとおりにしろと言うつもりはないですが、例えば、我が街においても、教育ネットワークセンターという基幹コンピューターがあって、各学校にオンラインでつながっていますね。これは、学校間のやりとりが、今の話を聞くと、メーンから端末の情報収集と学習はできているものの、学校間というところにまではまだ至っていないのかなという印象を受けます。
それから、これは学校だけのネットワークのつなぎなのですが、例えば、図書館であったり、もしくは公的施設で、児童生徒がいつでも――例えば、つくば市にはオンラインスタディーというものがありまして、子どもたちが学校からID番号とパスワードをいただくと、小学生から中学生を対象にした約1万題の問題があって、そして、自分が興味を持った部分でつないでいって、みずからがみずからの判断で勉強して、予習、復習ができたり、もしくは、小学生でも興味あるものは中学生くらいのところまで進んでいけば、みずからそこまで学べる装置、仕掛けがあります。これは、あくまでもハード面ですが、そうやって学習意欲を一方で高めていけるものがある。そのように、学習塾に行かなくても、ITを利用して児童生徒が学習できる環境整備も本来は必要ではないかというふうに思っています。
そんな中で、改めて、今、うちの
教育委員会が情報教育を今後どういうふうに持っていこうとしているのか、お尋ねいたします。
◎西村
指導担当部長 今後の情報教育についてどのように進めていくかということについてでございます。
教育委員会といたしましては、札幌市の学校教育の重点において、今日的な課題ということで情報活用能力の育成を掲げ、情報化の進展に主体的に対応できる基礎的な資質と能力の育成を掲げており、今、これに向けて進めていきたいと考えているところでございます。これまでも、コンピューターやインターネットを利用した授業実践事例集や情報教育指導資料集を発行いたしまして、教材用のコンテンツ、インターネットや校内LANを活用した授業事例等を紹介しており、今後の各学校のコンピューター等を用いた学習の充実に努めていきたいというふうに考えてきたところでございます。
今後につきましては、平成18年度中に情報教育の推進に関する検討委員会を
教育委員会内部に立ち上げまして、コンピューターやインターネットを活用した学習内容や、そのための教員研修、それから、教育機器整備等のあり方などにつきまして、今後の札幌市としての情報教育のビジョンについて取りまとめてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 部長にはもう聞きません。最後に、教育委員長にお尋ねさせていただきます。
文科省は、平成12年度から17年度まで、コンピューター教育のハード面で財源措置をして、教育現場でより情報教育を推進しようとしてお金をつけてきているのです。今言ったように、全部が整っていないけれども、間もなく100%近くまでやろうとしている。今、西村部長に聞くと、平成18年度にこの情報教育の方向性をこれから検討するなどというのは、何を考えているのだと言いたいですよ。導入するときに、ハードを整備したということは、ソフトも同時にやらなかったらどうするのですか。
非常に感じるのは、
教育委員会は余りにも分業化されていて、トータル的な札幌市の子どもたちを育てる方向性が見えません。そういった意味で、独立した行政機関ですから、教育委員長、予算の部分も、最後は財政が金がないからと、独立した行政機関の独自性をどうやってつくって札幌の子どもたちを育成していくか、これは丹羽教育委員長でないとできないのですよ、行政職に任せていたらだめなのですよ、実は。
そこで、ぜひ、教育委員長に、今まで歩んできた教育にかける熱い思いが事務方に行くように決意を述べていただいて、五十嵐徳美の質問を終わります。
◎丹羽 教育委員長 最後に当たるとは思っていませんでした。しかし、このごろは、いろいろ弾が飛んでくることを少し覚悟して、鍛えていただいて、ありがたいことだと思っております。
今、五十嵐委員からお話がございましたけれども、共感するところも随分ございます。私は、反面、企業人というか、ビジネスマンでもあるものですから、ただ、そうは言っても、ある意味で駆け出しでございますので、深いところはまだわかりません。非常に優秀な
教育委員会のスタッフの皆さんに囲まれて、何とか今日までお務めをさせていただいているわけでございますけれども、やはり、私も北海道興しとか、いろいろな企業興しとか、経済版ボランティアを随分やらせていただいております。
ちょっと余談ですが、実は、さっきから時間を気にしておりますのは、きょうは、台湾から5人くらいのお客さんが見えて、北海道にとって云々ということで、そっちの方に行かなければならないのです。しかし、きょうはこちらの方が大事でございますので、こちらの方にいるわけでございます。
やはり、私の基本的な部分としては、北海道が何とかして地球社会の中でいい形でいたい、こういう部分は五十嵐委員も同じ思いではないかと思います。そういう中で、特にITについては、私の一つのビジネスはデザイン関係をやっているのですが、私自身の企業はITに乗りおくれました。それくらい、ITは相当なスピードで来てしまったということです。私はその世界に30年くらいいたのですが、残念ながら、自分自身が不勉強な部分がありまして、乗りおくれました。それ以来、ITについてちょっと勉強したりしております。
特に、ITが子どもたちの生活に悪い影響を与えている部分のみについて、仲間とかなり研究してきました。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんけれども、私の2代後の札幌市PTA協議会長の磯野君は、その部分で全国を飛んで歩いています。今お話があった中でも、結局、家庭もそうですし、学校現場の先生方も、なかなかITの進みぐあいについていけないのが実情です。ここにいる先生方の中にも、IT関係が得意な方もいらっしゃるでしょうけれども、大変な世界がボタンを押すとどっと来ます。これが、まだいろいろ判断できないお子さんの頭にどんどん植えつけられたらどういうことになるかなと。しかし、反面、ビジネスの世界をとらえていきますと、そこからどんどん取り残されたらとんでもないことになるということもあります。
私が日本PTAに出向していたころは、これは個人的な見解ですけれども、私は幼児教育の中に余りコンピューターを持ち込まない方がいいのではないかというのが持論でありました。もっともっとプロセスをじっくりやりながらやらないと、教育もそういうことですけれども、ボタンを押すとすぐに世界が出てくるというのは、人間の思考体系にはよくないのではないかと。そういうことで、このごろ、脳科学者とか、ロボットをつくられた先生の本を読んだりして、そういうものが人間の心にどういう形で影響するかということを、今、遅まきながら勉強させていただいております。ということで、近年、いやしの世界が随分出てきて、その部分についても、いろいろな大学の先生と一緒に、一個人として勉強させていただいているわけです。
ちょっと話がそれて申しわけありませんけれども、私の中でも、ITと地球社会というか、宇宙社会とのかかわり合いをどういうふうにしていったらいいのかと。それが、次へ続く次代の人たちに、どういう形にすると、平和的な、豊かな暮らしの方へ持っていかれるのかということは、残念ながら、私は勉強してもよくわかりません。
ただ、言えることは、どっちかというと、どこの国も、経済とか産業の方に重きが置かれて、ある意味で数量的なことで判断しようという世の中に行っているなという気はしております。ですから、そこの部分を、私どもは、子を持った一人のおやじとして、人間として、どういうふうに温もりのある形で――今、もう少しすると、コンピューターの中に温もりが入ったようなソフトも出てくるのではないかと思うのです。そういうことで開発している方もいらっしゃいまして、余り進み過ぎて私もよくわからないわけです。
ただ、そうはいっても、世界の中で伍していくことになれば、特にコンピューターは避けて通れません。しかし、コンピューターを人間生活の中で本当にいい形で使っていくには、お勉強されている方ではなくて、家庭生活をひっくるめて、日本的、全社会的にコンピューターに対する功罪について、もっとわかりやすく、いい形で入っていかないと、先生方も大変ご苦労されるのではないかと思います。
ちょっと長くなって申しわけありませんけれども、こういうことでお許し願いたいと思います。
ありがとうございました。
○藤原廣昭 委員長 以上で、第1項
教育委員会費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、明日3月17日午後1時から、
教育委員会のうち生涯学習部及び中央図書館関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時25分...