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平成18年(常任)厚生委員会−02月01日-記録

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  1. 札幌市議会 2006-02-01
    平成18年(常任)厚生委員会−02月01日-記録


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    平成18年(常任)厚生委員会−02月01日-記録平成18年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成18年2月1日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分 ○小野正美 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。  報告事項ですが、継続審査となっておりました陳情第117号 保育施策の拡充と予算の増額を求める陳情については、1月26日付で取り下げとなりましたので、ご報告いたします。  なお、同趣旨の陳情が別に出ていまして、2月20日に審査を行うこととなっております。  それでは、議事に入ります。  市立札幌病院中期経営計画についてを議題とし、資料に基づき、理事者より報告を受けます。 ◎富樫 市立札幌病院長  このほど、市立札幌病院中期経営計画を策定いたしましたので、本日は、そのご報告をさせていただきます。  ご承知のとおり、平成15年12月に、地域医療の専門家を委員とする市立札幌病院のあり方に関する懇話会より答申をいただき、これを受けまして、院内に病院改革対策本部を立ち上げ、市議会でのご議論、ご意見などをいただきながら、昨年6月にパワーアッププランを策定したところでございます。現在まで、順次、プランの重点事業に取り組んでおりますが、病棟の再編、周産期医療体制拡充強化相談窓口の集約化などは既に実施に移し、医療機能の充実とともに、経営的な効果も顕著にあらわれております。また、本年4月からは、地方公営企業法の全部適用へ移行いたしますが、関係条例の改正も行われ、現在、移行に向けて準備を進めているところでございます。  今回、策定いたしました中期経営計画は、このパワーアッププラン取り組みを包含した経営目標財政収支見通しのもと、一層の経営健全化を図るべくまとめたものでございます。  それでは、計画の概要につきまして、事務局次長から説明させていただきます。 ◎中西 事務局次長  それでは、お手元にお配りしております資料に基づきましてご説明をいたします。  初めに、1枚物の資料、パワーアッププラン取り組み効果についてご説明いたします。  昨年6月にパワーアッププランを策定いたしました後、病棟再編、周産期医療体制の拡充など計画した取り組みを順次行ってまいりましたが、その成果について、中間的なご報告をまずさせていただきます。  初めに、病床利用率のグラフをごらんください。  桑園移転以来、初めてとなります大規模な病棟再編を7月に行い、8月にはこれまでの空床調整を抜本的に見直しました結果、16年度と比較いたしますと、くっきりと右肩上がりに向上してきております。現在、平日では90%台を安定的に維持しており、中には98%程度まで達した日もございます。11月は、月平均でも90%を超える状況となっております。  次に、右側の平均在院日数でございます。
     パワーアッププランでは、17日以下を目標といたしておりますが、今年度に入りましてからは、ごらんのように16日台の前半で推移しております。これは、回復期病棟の設置、あるいはクリティカルパスの実施率の向上などによりまして、平均在院日数が短縮傾向を示しているものと考えております。  この結果、入院診療収益は、下の表でございますが、平均在院日数の短縮や病床利用率の向上などによりまして、16年度と比較いたしますと際立った増収状況を示しており、12月までの累計で約3億円の増収となっております。  下に参りまして、外来の状況でございますが、今年度に入りまして、外来患者数が増加いたしております。この結果、外来診療収益も、16年度と比較いたしますと、12月までの累計で約2億円の増収となっており、入院収益と合わせますと5億円を超える増収となっております。  以上のように、病院職員が一丸となってパワーアッププラン取り組みました結果、短期間でこのような効果を出すことができたところでございます。この成果を踏まえまして、これからご説明いたします中期経営計画を策定いたしたところでございます。  続きまして、中期経営計画の概要につきまして、お手元の冊子の資料に基づいてご説明を申し上げます。  まず、1ページに、中期経営計画の策定の目的について記載いたしております。  昨年、パワーアッププランを策定いたしましたが、今回策定いたしました経営計画は、このパワーアッププランにおける経営手法の改革の一環として健全な財政運営を図ることを目的に策定いたしたものでございます。  続きまして、2ページは、経営計画基本方針として、次の2点を設定しております。  1点目は、安定した経営成績の確保、2点目は、健全な財政運営の維持であります。  計画期間は、平成18年度から22年度までの5年間としております。  3ページに、この経営計画の構成を示しておりますが、財務計画を中心に、定数・人員計画医療設備等高度化投資計画、本院施設・設備改修計画静療院再編計画の五つの個別計画で構成しております。  以下、それぞれの計画につきまして、順次、ご説明させていただきます。  初めに、財務計画でございますが、4ページから7ページにかけまして、病院事業財務状況の実態をまとめております。  表の1は、議会に報告しております地方公営企業法に基づく決算状況であり、毎年度10億円前後の純損失を計上して、累積欠損金は平成16年度末で146億円という数字になっております。  一方、民間医療法人など開設主体の異なる病院間の経営比較を目的に厚生労働省が制定いたしました病院会計準則に基づいた財務諸表の結果が、5ページの表2−1でございます。  両者の損益収支を比較いたしますと、全く異なる結果が出ております。病院会計準則では、平成15年度1億200万円、16年度では4億6,500万円の純利益を計上しております。この違いの大きな理由でございますが、企業債元金償還に対する一般会計負担金病院会計準則では収益に計上していることによるものでございます。  7ページの表3は、企業債償還元金に係る一般会計負担金を準則の会計処理に倣って収益的収入と見なした場合の過去の損益収支を試算したものでございます。これが実質的な収支状況をあらわすものと考えておりまして、平成15年度以降は経営状況の改善を受けて単年度収支が黒字に転じており、累積欠損金についても16年度末で実質53億円という数値になっております。  続きまして、8ページをごらんください。  パワーアッププラン財政効果を示しております。  周産期医療体制拡充強化病棟機能の再編などの取り組みによりまして、単年度でおよそ2億8,000万円、計画期間5年間の累計ではおよそ12億円の効果を見込んでおります。  9ページ、10ページは、今後5年間の財務計画の目標を6点掲げております。  ページの中ほどからご説明してまいりますが、1点目は、経常収支の改善、2点目は、単年度資金収支の安定確保でございます。いずれも、事業運営の基本となる目標を挙げて財政の健全化を図るものでございます。  3点目は、実質的な単年度黒字の確保と累積欠損金の縮小であります。先ほどご説明いたしました病院会計準則に準拠した場合の実質的な単年度黒字の確保と、累積欠損金の縮減を図る財政運営を行うものであります。  10ページに参りまして、4点目は、一般会計繰入金の縮減であります。平成13年度から17年度までの過去5年間の総額が240億円でありました繰入金を、18年度以降の5年間で22億円の縮減を図り、約218億円とするものでございます。  5点目は、企業債残高の縮減でございます。平成16年度末の残高329億円に対しまして、22年度末では258億円とし、71億円の縮減を図るものでございます。  6点目は、長期借入金の解消であります。本院移転新築時における財源不足を補うため、一般会計から35億5,700万円の長期借り入れをしておりましたが、今後、10年間で全額を償還し、借入残高の解消を図るものであります。  以上の財務計画の目標に立って、中期財政収支見通しを11ページ以降にまとめております。  まず、収益的収入及び支出でございますが、11ページ下の1の表をごらんください。  計画期間最終年度であります22年度では、純損失は4億1,400万円改善いたしまして、6億9,300万円まで縮減する見通しとなっております。  2の表は、病院会計準則に準拠し、企業債償還元金に対する一般会計負担金を収益とみなした場合の実質的な損益収支ですが、22年度では損失ではなく純利益が6億1,400万円、累積欠損金は5年間で19億5,900万円縮減して32億9,300万円と見込んでおります。  次に、12ページ5の一般会計繰入金でございますが、13ページ下の棒グラフでごらんいただきたいと思います。  これまで、過去、毎年度50億円ペースであったものが、平成22年度では41億8,100万円まで縮減する見込みとしております。  13ページの7の長期借入金残高でございますが、今後10年間で償還することとし、計画期間最終年度である平成22年度末では2分の1の17億7,900万円に縮減をいたします。  以上が、財務計画でございます。  続きまして、16ページから17ページでございますが、定数・人員計画でございます。  17ページに、職員数の目標数値を示しておりますが、今後、本院では、周産期医療体制の拡充あるいは病床利用率の向上などに伴いまして看護師などを増員いたしますが、一方で、静療院の再編が進むことにあわせて職員を減員してまいりますので、平成22年度時点での総職員数は17年度と比較して18人純減の1,001人となる見込みでございます。  18ページから19ページは、医療設備等高度化投資計画でございます。  1点目の医療機器の整備は、耐用年数が経過した機器の更新及び医療技術の進歩に対応した新たな医療機器の高度化に対応する投資を行うものであります。  2点目は、総合医療情報システムの整備と電子カルテの導入でございます。DPC、診断群分類に基づく包括評価への対応を視野に入れました最新のシステムに転換を図るとともに、電子カルテシステムを新たに導入しようとするものでございます。  これらの設備投資額は、計画期間を通しまして総額で37億円を見込んでおります。  20ページは、本院施設・設備改修計画でございます。  新築移転から10年を経過し、今後、建物、設備等の計画的な維持修繕を実施する経費として、計画期間を通して10億円を予定しております。  21ページに移りまして、静療院再編計画でございます。  静療院の再編につきましては、これまでに市議会においても段々の議論をいただいたところでございまして、今後の再編方針についてご説明申し上げてきたところでございます。  22ページに再編スケジュールを示しておりますが、一般精神病棟は、現在、3病棟152床の体制を、21年度からは2病棟52床に縮小し、老人性痴呆病棟は平成19年度末の廃止を予定しております。児童部門につきましては、道央圏唯一児童精神科専門医療機関として医療の提供を継続、充実化する考えでございます。  なお、再編終了後の静療院の再構築につきましては、本院統合問題も含めまして、今後、関係部局と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。  最後になりますが、23ページに、中期経営指標を掲げております。  紹介率、逆紹介率を初めとした経営指標を具体的な数値目標として設定し、これを達成することにより、医療機能の充実や質の高い医療の提供を確保するとともに、より一層健全な財政運営を目指そうとするものでございます。 ○小野正美 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆馬場泰年 委員  私の方から、数点、質問させていただきます。  この中期経営計画ですけれども、ただいまご説明のあったとおり、昨年6月に策定された市立札幌病院パワーアッププラン取り組みを包含し、その中での経営目標と中期的な財政収支の見通しを示したということであります。  そこで、質問でありますけれども、まず、このパワーアッププランでは、重点施策の中に、目指す医療の基本方針、さらには重点施策重点事業として数点掲げておられますが、この重点事業のうち、既に実施している施策の中で特に医療面での効果はどのようにあらわれているのか、お伺いしたいと思います。  それから、2点目ですけれども、先ほどの院長のご説明の中で、相談窓口の集約化を図ったということでありますが、この集約化に当たってはさまざまな問題点が考慮されたことと思います。  そこで、どんな点に配慮され集約化を図ったのか。そしてまた、その後、例えば待ち時間が長くなったなどの弊害となるような問題は発生していないのか、最初にお伺いしたいと思います。 ◎高本 事務局長  ご質問の1点目の、パワーアッププランで掲げております重点事業のうち、既に実施している施策とその効果についてであります。  主なものといたしましては、まず、周産期医療体制拡充強化を実施いたしました。これは、本院の9階に周産期医療の専用病棟を新設しまして、母体・胎児集中治療室を6床新設しております。また、新生児集中治療室の増設は、従来の6床に3床ふやして9床としております。こういった診療体制の充実をいたしました結果、他院からのリスクの高い妊婦の搬送受け入れ数が増加し、多くの市民に高度な医療を提供するとともに、安心して子どもを産むことができる医療環境を提供しております。  ちなみに、ハイリスク妊婦受け入れ率でございますが、平成16年は依頼数108に対して受け入れ数は53ということで50%弱でありました。しかし、周産期病棟新設後の昨年9月から12月までの4カ月間では、依頼数52に対して42、80.8%と大幅にふえております。  このほかに、昨年8月からは病棟機能の再編を実施いたしました。ただいま申し上げました周産期医療病棟のほかに、女性病棟回復期病棟、それから小児病棟といった病棟の新設、改編あるいは診療科別の定床を廃止しまして、内科系、外科系に大別した弾力的な病床運用を行っております。さらに、空きベッドの調整の見直しを図った結果、病床稼動が大幅に改善しまして、高度な医療を効率的に提供することが可能となったところでございます。  病床利用率につきましては、病棟再編以前は約86%でありましたが、病棟再編後は、先ほども申し上げたように、90%まで上昇しているという状況でございます。  次に、2点目の相談窓口の集約化についてでございます。  市立札幌病院では、患者さんの医療に関する心配事、悩み事にこたえるために、医療福祉相談看護相談栄養相談といった相談窓口を設けまして、それぞれに専門知識を持つスタッフを配置し、患者さんからのさまざまな相談や要望などに応じてきております。近年は、医療環境の変化などに伴いまして、患者さんのニーズも多様化してきて相談内容も多岐にわたっているのが実情でございます。そこで、昨年5月に、患者さんの利便性の向上、各相談部門連携強化等の問題点を考慮し、かつまた、相談される方のプライバシーにも十分配慮いたしまして、医療福祉相談看護相談を集約し、総合相談コーナーとして相談体制の充実を図ったところでございます。このことによりまして、患者さんからのさまざまな相談に対して迅速に対応することができてきているというふうに考えております。 ◆馬場泰年 委員  ただいまのご説明で、医療面での効果については、パワーアッププランを策定し、実行に移したことによって示された成果が上がっていることは私も大変結構なことだと思います。この点については、評価したいと思っております。  一方で、懸念されることは、市立札幌病院のような公立総合病院と一般の病院との兼ね合いなのであります。例えば、先ほど説明がありました周産期医療にしましても、市民は医療体制の充実している病院に安心を求めて来るわけでしょう。しかし、市立札幌病院受け入れ数が増加することによって一般病院に及ぼす影響というのはどうなのかなと。札幌市全体の医療状況について、周産期医療を例にしてちょっとご説明いただければと思っております。  次に、診療収益についてお伺いしたいと思います。  平成18年度には、診療報酬マイナス改定が予定されております。この改定によって今後の収益に影響を及ぼすのではないかなと思いますけれども、この点についてはどうなのか。  また、パワーアッププラン取り組み効果を見ますと、それぞれがプラス傾向にあります。短い期間で成果が得られているわけでありますけれども、この主たる要因は何であったのか、お伺いしたいと思います。  さらには、今後、一層の成果を目指していくには何が重要なのか、その辺もお伺いしたいと思います。 ◎富樫 市立札幌病院長  市立札幌病院患者受け入れ数増加が一般病院等にどのような影響を及ぼすかということについて、周産期医療を例にしてというお尋ねでございます。  当院は、三次医療圏の基幹病院として、周産期医療においても、ハイリスクの妊婦や低出生体重児を多く受け入れるなど、他の医療機関では対応の難しい医療を提供することによって、当院のような高度な医療機能を有する基幹病院一般病院の機能分担が図られていると考えているところであります。  また、診療収益の影響でございますが、次の4月以降の診療報酬改定では、診療報酬本体部分でも1.36%の引き下げと言われており、この改定率だけを見ますと収益の減少も覚悟しなければならないものと受けとめております。ただし、具体的な診療報酬点数の設定は、目下、中医協、中央社会保険医療協議会で審議されておりますことから、当院にどの程度の影響があるものなのか、種々の情報を得ながらその動向を注視している状況でございます。  また、成果が得られた要因についてでございますが、プランを実施するに当たって、全職員が取り組みの趣旨を十分に理解し、職員一丸となって取り組んだ結果であると考えているところであります。この結果に甘えることなく、改革にチャレンジする意識を常に持ち続けることが肝要であり、今後も一層の経営改善に努めてまいりたいと考えております。 ◆馬場泰年 委員  短期間での成果の要因は、今ご説明がありましたとおり、全職員が趣旨を十分に理解して、一丸となって取り組んだ結果であるということであります。その努力は、私も率直に認めたいと思いますけれども、市立札幌病院の運営に当たっては、早くからさまざまな議論がなされていまして、その方針が立てられてきたわけでありますから、率直な気持ちとして、なぜもっと早くに実行できなかったのかなという思いでもあります。  そこで、示された目標数値は、あくまでも目標であります。今後、これがマイナス修正のないように、なお一層、目標に向かって頑張っていっていただきたい。  それと同時に、一方では、経営努力によって財政効果を上げることはもちろん結構なことですけれども、収益確保のみに目が行って、それにこだわる余り、病床の利用率や在院日数などの数字にとらわれて、結果的に一番大切な患者へのきめ細かな医療サービスの提供がおろそかにならないように十分配慮して努力をしていただきたい、これは要望として、終わります。 ◆川口谷正 委員  冒頭に、このパワーアッププランに基づいてさまざまに進めてこられた改革といいますか、改善の結果、劇的な収支の改善が達成されていることにつきましては、率直に敬意を表したいなというふうに思います。  とかく、いい結果が出たものについてはっきりと評価することは少ないのではないかと思うのですが、結果を出したことについては、いいものはいいということできちんと評価をしていかないと、次の改革に向けて情熱がわいてこないのではないかなというふうに思います。そういう意味では、本当に、今まだ改革の途中のようでありますけれども、ますます情熱を込めて事業の推進を図っていただきたいということを冒頭に申し上げておきたいと思います。  そういう劇的な改革を踏まえて、このたびの中期経営計画のご説明があったわけでありますが、私は、財務状況のことについてご質問をしたいと思います。  次長の説明によりますと、これまでは地方公営企業法に基づいて分析し、報告してきたということでありますが、このたび厚生労働省病院会計準則に基づいた処理をやったところ、5ページにありますように、純損益が出てきたというご説明であります。  そこで、本当にそうした評価が成り立つのかどうかというところについて、もう少し補足的な説明をいただきたいと思うのです。  一つは、これまでの公営企業法での会計処理というものがどういう意味を持つのか。一生懸命やってきたのに、いつも計算すれば赤字だというわけですね。しかし、角度を変えて会計準則で言えば黒字だったのだということになりますと、評価が逆転して、何だ、これはということになるわけです。それはそれでいいとは思うのですが、我々素人目から見て、ホリエモンではないけれども、粉飾決算ではないのかということではまた困るわけです。そういう点で、公営企業法との関係、あるいは公営企業法のここの扱いについてお答えいただきたいと思います。 ◎中西 事務局次長  ただいまのご質問でございますが、病院事業につきまして公式に会計報告を行う際の財務諸表といたしましては、従前どおり地方公営企業法に基づく会計処理により作成していくことは今後も変わりございません。  それから、厚生労働省が所管いたします病院会計準則でございますが、これは、開設主体の異なるさまざまな病院の財政状況、あるいは運営状況を相互に比較可能にするために設けられた会計準則でございます。それぞれの病院経営に有用な会計情報として内部管理に活用することを目的として制定されたものでございまして、管理会計としての役割を持つものでございます。  当院といたしましては、病院会計準則民間医療法人の財務処理に近い内容でありますことから、当院の病院会計準則による結果につきましても、より実態を反映した経営状況をあらわしているというふうに考えております。先ほど述べましたとおり、病院会計準則は、官民問わず、病院経営の比較が可能な会計情報を作成するための一つの基準であります。地方公営企業法に基づく財務諸表とは、主従の関係にあるというものではございません。粉飾決算というお話もございましたが、利益のつけかえをしているものではありません。 ◆川口谷正 委員  何かうまいこと説明を尽くされたようでございますが、私どもの立場としては、ちゃんと働いて収益が出ていて、そのとおり真の姿が表現されるものであれば、これにこしたことはないと思うのです。  例えば、毎年発行されております公営企業会計決算審査意見書というのは、監査委員の方が出しますね。これは、前提として地方公営企業法に基づいた決算の中身を審査し、意見を出しているわけです。そういたしますと、これまではそれを前提としていますから、やはり経常収支がよろしくない、赤字だという指摘が繰り返されているわけです。今度、準則に基づいたということになると、実は黒字なのですという説明をするわけですね。説明をするのか、あるいは、しないで、管理会計として内々にポケットにしまっておくのかどうかわかりません。しかし、こういうことだとすれば、堂々と準則に基づいた説明がなされるのだろうなと思うのですが、そのあたりで監査委員との関係などはどういうことになっていくのでしょうか。 ◎中西 事務局次長  先ほど申し上げましたとおり、地方公営企業の場合はあくまでも地方公営企業法に基づいた会計処理が義務づけられておりますので、それに基づいた財務諸表を作成し、審査に付するものでございます。また、その内容も真実の原則に従って提供することに変わりはございません。  ただ、内部用の管理会計の役割と申しますのは、あくまでも経営管理上で必要な処理を内部的に活用するというものでございます。 ◆川口谷正 委員  監査委員には、そのことにも説明するのですか。 ◎中西 事務局次長  必要とあれば、今後、ご説明してまいりたいというふうに思います。 ◆川口谷正 委員  地方公営企業法は、所管が総務省になるのでしょうか。一方、準則は厚生労働省になると思うのですが、官民を通して比較できるような準則ということであるならば、私としては、むしろこの準則はほごにしてしまって、いつでも中立的な立場で評価できるようになっていった方がいいのではないかなと思います。ただ、これは国にかかわる問題でありますので、お互いになお研究すべきことかなというふうに思います。  もう一つは、今回の会計準則に基づくやり方について、ほかの自治体ではどういうふうになっているのか、この点についても関連してお答えいただきたいと思います。 ◎中西 事務局次長  他の自治体病院における会計準則の取り扱いでございますけれども、地方公営企業法に基づく会計処理に加えて、またこの会計準則に基づいた対応をするとなりますと、実はなかなか過重な会計になります。そういった課題もありますことから、指定都市の中では横浜市がこの準則の活用を検討しているというふうに聞いておりますが、今のところはそんな状況です。 ◆川口谷正 委員  ということになれば、順次、他の政令市の病院にも広がっていくのかなという気はいたします。そうなれば、他の政令市との比較も非常に客観的にとらえることができるかなということは期待したいというふうに思います。  次に、長期借入金の解消ということであります。  これは、懸案でありました一般会計からの長期借入金の解消を図りたいという意気込みが示されたわけでありますけれども、その考え方について伺いたいと思います。  一口に長期借り入れの解消と言っても、2005年度末、平成17年度末で35億5,700万円のものを、5年たったら半分の17億7,900万円にまでするというご説明があったのですが、これまでの経営の姿を見ていけば、これはなかなか至難のわざではないかなと私は思うのです。しかし、先ほど来説明がありました改革の実績を踏まえてのことですから、そうかなとも思うのであります。  その理由として一般会計からの財政支援あるいは収支の健全化を図る、こんな説明もありましたけれども、長期借入金解消の考え方について、かみ砕いてご説明をお願いしたいと思います。 ◎中西 事務局次長  現在の長期借入金でございますが、これは、本院が移転新築した際の建設財源と、それから不良債務の解消分として、合わせて35億5,700万円を一般会計から借り入れたものでございます。  そのうち、移転新築事業の建設財源分として借入資本金20億900万円を借り入れておりますが、これにつきましては、一般会計が病院の財政基盤の強化を図る目的で自己資本を増強するために同額の出資を行っていただけることになりまして、病院としてはそれを原資にして長期借入金の償還を10年分割で行ってまいりたいと考えております。  それから、不良債務解消分であります固定負債15億4,800万円ですが、これにつきましては、このたびの病院の経営健全化に向けた取り組みを、一般会計としてもさらに後押しをしていただけるということになりまして、不良債務解消分でございますので、本来、全額を病院が償還しなければならないわけでありますが、その2分の1を一般会計に負担していただくというものでございます。
     そういった形で、総額35億5,700万円を10年で償還してまいりたいというふうに考えております。 ◆川口谷正 委員  改革の実績を踏まえてのお話ですので、なかなか説得力があるかなというふうに私は伺いました。期待をしております。  ただ、多少の危惧はあります。何を危惧するかというと、例えば、今後5年間は病床利用率を90%で見ていくというあたりは、決意のほどはわかるのですが、僕はちょっときついのではないかなと思います。なぜかというと、現在進行中の2005年度の推移をいただいたグラフで見てまいりますと、平日は90%超であるようでございますけれども、それ以外の日も含めてならしていけば、僕の大ざっぱな計算ではこの9カ月間で大体87%くらいかなというふうに見てとれるわけです。そうしますと、中期計画で90%と設定していては、先々がちょっとしんどくなるのではないかなと危惧しております。  先ほど馬場委員もおっしゃっていましたけれども、高いハードルを設定して、途中でつまずいてはまずいかなという心配もしておりますので、その点、危惧はないのかどうか、お答えをいただきたいと思います。  もう一つは、18ページに投資計画がございまして37億円の投資を考えておられるということでありますが、この投資額37億円に対して一般会計からの繰り入れはあるのでしょうか。それとも、丸々、病院の財源をもって充てようとされるのか。  それから、院長にお答えいただければと思いますが、高度な医療を提供する基幹病院として医療の高度化に対応した機器の整備をというふうにおっしゃられておりますけれども、現在の市立札幌病院の高度な医療のレベルというのは他の病院などとの比較でどのあたりに存在しているのか、この点もお聞かせいただければと思います。  向こうに移転してからもう10年たちますが、医療機器は日進月歩で優秀なものがどんどん開発されているわけです。札幌の財政からいって余り新たな投資もできていなかったことを考えますと、だんだん競争力を失いつつあるかなという時期に差しかかっているのではないかと思うのですが、この2点、追加でお願いしたいと思います。 ◎中西 事務局次長  まず、中期経営指標に関することでございますが、この計画自体、ここで掲げている中期経営指標の一つ一つを達成することを目的としてつくったものではございません。あくまでも、中期財政計画でございまして、病院の健全経営を推進することが一番の目的でございます。  その中で、一つ一つの項目を挙げながら、経営の目標として、例えば病床利用率については90%という数値を挙げております。あるいは、平均在院日数については17日以下という目標を設定しているわけでありますが、これらは、個々にはもしかすると委員が危惧されるように90%を割ることや、16日台の前半で回らないときもあろうかと思います。ただ、あくまでもその時々の経営の努力でもって健全な年度決算を出していこうというのが我々の目的でございまして、そこに到達すべき一つの目標として90%と挙げております。この指標についてはそのようにご理解をいただきたいと思います。  それから、37億円について一般会計からの繰り入れを予定しているのかということでございますが、設備投資につきましては、現行の繰り入れ、一般会計からの繰入基準というものがございますので、基本的には一般会計から現行と同じ繰り入れがあることを期待してこの計画は組んでおります。 ◆川口谷正 委員  2分の1ですか。 ◎中西 事務局次長  2分の1でございます。 ◎富樫 市立札幌病院長  市立札幌病院の医療レベルがどのあたりにあるかというご質問と、それから、いろいろ高価な医療機器を導入しなければいけないことについて大変ではないかというご質問でございました。  レベルについては、私たちは、常々、30科ある臨床の医師及びナース、それからほかの職員にも、優しさを持って患者に接することを第一に掲げるとともに、国際的な医療レベルを提供することを旨として、皆、頑張ってほしいというふうに言っておりまして、現実にも高度な医療を市民に提供しているというふうに自負しているところでございます。  それから、医療機器は、確かにMRIとかCTとか、さらに最近はPETとか、非常に高い医療機器も購入しなければならないようないろいろな事情がございます。予算も考え、健全に経営しながら、しかも、そういう医療機器が買えるような状況を何とか生み出していきたいというふうに思っている次第でございます。 ◆川口谷正 委員  さっきあわせてお聞きすればよかったのですけれども、今、院長からたまたまお話の出たPETなどは、がん細胞を見つけるのは物すごく早いというふうに伺っているのですが、この37億円の計画の中には、PETなども含まれるのでしょうか。 ◎富樫 市立札幌病院長  各科からはいろいろな要望が出ているところでございまして、今、考慮には入れているところでございます。 ◆川口谷正 委員  期待しております。  最後にしますけれども、冒頭に申し上げたように、改革の成果が如実にあらわれているということについて、本当にこういうことはめったにないことですから、我々も非常にうれしく思います。これにおごることなくといいますか、さらに意気込んでいただいて、病院経営の健全化に向けて全力を挙げていただくことをお願いして、終わりたいと思います。 ◆小川勝美 委員  私は、静療院の再編計画にかかわって、前のあり方懇の答申のときにもお尋ねしているのですけれども、対市民、対患者との関係で心配されるものですから、改めて今回もお尋ねしたいと思います。  一般病棟を3病棟から2病棟へ、100床削って52床にして本院への統合ということが書かれていて、主に救急医療とか急性期医療、身体合併症への対応というふうに転換していく、そして、ベッド数を段階的に減らしていくということであります。しかし、精神衛生法時代から長期にわたって入院している患者さんというのは、たくさんというか何人かいらっしゃると思うのです。そういう人たちは、合併症もないということになると、静療院から違う病院に移されていくようなことになるのではないでしょうか。僕は、精神科の場合、思春期あたりに発病してそのまま平岸静療院に入院され、もう60代になってきているような患者さんもおられるのではないかと思うのですが、一番長い人はどのぐらいいらっしゃるのですか。  また、長期の入院患者、長期というのは、30年以上、平岸静療院に入院されている患者さんなんかは、スムーズな形でほかの民間病院に移って十分対応できるのか、そのことによって病状が悪化していくというようなことが懸念されないのか、そんな心配もするのですけれども、152床から52床に削っていく上でどんな配慮や検討がされているのか。  その辺について、長期入院患者の実例などがありましたら、あわせてお示しいただきたいと思います。 ◎安田 静療院長  最初に、現在の長期入院患者さんの実態についてお答えいたします。  最も入院期間の長い患者さんは、昭和25年9月入院の方で、ほぼ55年間、統合失調症ということで入院されている68歳の男性です。また、30年以上にわたり入院されている患者さんは9名おられまして、男性4名、女性5名といった構成になっております。  今、小川委員が最もお聞きになりたいのは退院、転院の問題だと思いますけれども、退院にしても、転院にしても、まず、ご本人、ご家族のご理解をいただくことを大前提としておりまして、その点は十分配慮しながら進めているところでございます。  まず、退院について、具体的には、入院患者さん全員について、一定の基準、ここでは退院準備度評価尺度、DRIという略称ですが、そういった評価尺度を使って入院生活全般の状況を観察した上で、地域や家族の支援があれば退院が可能であると判断できる患者さんを絞り込んだところでございます。現在、こうした段階を経て、16名の方々を対象に、薬の服用に関する理解の向上、区役所窓口での申請書類の書き方、スーパーマーケットでの買い物の仕方、現金自動預け払い機、ATMの使い方等々、病院スタッフ一丸となって退院準備に取り組んでいるところでございます。  また、退院が困難な方につきましては、転院をお願いすることになりますが、この場合も患者さん側のご理解を得ることが不可欠であります。したがいまして、主治医を通して個別に相談させていただきながら、ご家族等のご意向を十分に配慮して転院の時期や転院先を決めているところでございます。 ◆小川勝美 委員  わかりました。  長い方で55年間、68歳ということになると、十何歳のときからずっと入っている。そうすると、ご両親はもう亡くなっているか、あるいは、おられても、退院された方を受け入れて介護していくとか一緒に暮らしていくなんてことは難しくなるだろうし、兄弟の方だってそれぞれの世帯を持っていると。こうなると、55年間も静療院にいた人が、はい、わかりました、ほかの病院に移ります、あとは心配ないですと言われても大丈夫なのかなということが懸念されるのです。今、退院される方には退院の計画だとか、転院される方にも主治医が個別に相談しながらと言っているけれども、その辺は全然心配ないものか。あるいは、こういう長期の方は、仮にベッド数が少なくなっても、本院の方におられるようにしていく配慮はできないものか。それとも、合併症の関係で、一定の年齢になってくればほかの病気も発症してくるから、本院と統合後もなお市立病院で治療を受けられるように、どんな配慮がなされるのかなと思っています。  僕は、長期間静療院に入院されている方、強いて言えばそこが我が家のような方に、静療院の都合によって退院したり転院していただくことについて懸念を持っていて、大丈夫なのかなと思うのです。そういう長期の人に対する特別な配慮が何かないものかどうか、この点だけもう一度お聞きしたいと思います。 ◎安田 静療院長  心配されている転院では、例えば、受け入れていただく病院の方に、ご指摘されたような事情をよくお話しいたしまして、それにかなった治療環境をできるだけすり合わせするなど、そういった方向で進めていこうと思っております。 ◆小林郁子 委員  私も、この計画を見まして、病院会計準則というものを入れて新しい見方を示してくれたというふうに思っています。  特に、11ページに中期の財政収支というものを出していて、その中で、24年度と言いますから2012年度には経常黒字に転換するのだと、そして、25年度、2013年度には累積欠損金もすべて解消されるというふうになっています。そういう意味では、これから市立病院が健全な運営をしていけるという見通しを示してくれていると思います。今、公立病院の民営化がどんどん進んでいる中で、市立札幌病院はこれからも健全にやっていくことを示していると思うのですが、そういう中で、特にこの計画が本当にこのようにいくかどうかは、これからさまざまな形で公表されると思いますので、そういう中で検証させていただけるものと思っております。  そうした中で、私の方でお尋ねしたいのは、医療設備の高度化のことです。  この中で、先ほどもご説明がありましたけれども、今後5年間で37億円を投資していくということです。特に医療情報システムにつきましては、今まで検査の部門とか薬剤の部門でそれぞれシステムを持っていたと思うのですが、それぞればらばらにやっていますから、今度はそういうものもすべて含めて、電子カルテも入れて、医療と看護すべてを網羅する総合的な医療の情報システムをつくるということだと思います。これは、市内でももう既にやっている病院もあるというふうに聞いております。札幌市の場合、これを導入するということですが、まとめて37億円と書いてありますけれども、総合医療情報システムを入れる部分については何億円を予定されているのかということが一つです。  それからもう一つは、このシステムを入れることによって、病院側では医療面とか事務面で合理化できるということはわかりますが、患者にとってはどのようなメリットがあるのか、そのあたりをお示しいただきたいと思っております。 ◎樋口 市立札幌病院副院長  ただいまのご質問にお答えいたします。  医療設備等高度化投資計画について、5年間で37億円を計上しております。そのうち、12億円を総合医療情報システム整備費と考えております。正直には、まだ欲しいところですが、予算としてはこういうことで、財源としては企業債で賄う考えでございます。  次に、システム導入による患者側のメリットについてお答えいたします。  病院の業務は、ご承知のように、患者さんを中心に、医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師など、多種多様な職種がチームを組むことによって成り立っております。総合医療情報システム導入により、患者さんの医療情報を必要なときに参照、共有できることでチーム医療を効果的に実施することができ、医療安全を含め、医療の質の向上が図られると考えております。 ◆小林郁子 委員  今のお話しですと、12億円でぎりぎりなのでしょうか。  この計画を見ますと、平成19年度を目途にこれを入れると書いてあるのですけれども、19年というともうそんなにないのですが、具体的にはいつごろお入れになる予定なのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎樋口 市立札幌病院副院長  このシステムの導入のスケジュールとしましては、今、委員がおっしゃったように、平成19年度後半までに機器の設置、試験調整、職員の研修及び訓練を終えてシステムを稼動させたいと考えております。ですから、平成18年度になりまして、なるべく早い機会にいろいろな準備に入らなければならないと考えております。 ◆小林郁子 委員  総合医療情報システムというのは19ページにありますが、膨大なもので、かなりな作業だろうと思うのですけれども、そのあたりは期待したいと思います。  先ほどもありましたけれども、経営的には安定するということですが、やはり、公立病院としての本当の使命は地域の住民の健康づくりにあるのかなと思いますので、本当に合理化ということだけが先行するといろいろな課題が出てくるかもしれません。そのあたりは、注意をしていただきたいなというふうに思っております。 ○小野正美 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小野正美 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後1時58分...