したがいまして、
委員ご指摘のように、200億円削減のための口実という位置づけでの事業展開だというふうには考えておりません。
◆
小川勝美 委員 それでは、飯塚局長にもう一つ
お尋ねをします。
札幌市は、上田市長の選挙公約の中で、
子どもの権利
条例をつくることになっていますが、
子どもの権利条約というのがありますね。
子どもの権利条約では、
子どもの最善の利益が第一義的に考慮されるとあります。それから、
公立保育所は
ベテラン保育士がいてよい
保育が行われているが、私立ではそうではない
保育園もあるということについては、さきの
決算特別委員会でも質疑がありました。そして、先日質疑しましたように、不正蓄財をしていたという
保育園もあります。そういう可能性のあるところにどんどんやっていって、
子どもの権利
条例を制定していく。そうしたら、
子どもの最善の利益が第一義的に考慮されるということは、
札幌市の
保育行政は後退させていく、私はこういうふうに理解せざるを得ないと思うのですが、そう理解していいですか。
◎飯塚
子ども未来局長 今のご
質問でございますけれども、先ほど来、
公立保育所が
民間の水準を引き上げてきたのではないかというお話がございました。まさに、
子どもの権利
条例をつくっておりまして、条約には本当に
子どもの最善の利益を考えてということがございます。しかし、
民間の
保育所に変えることは
子どもの最善の利益を図ることにはならないという
委員のお話かなというふうに思いますけれども、(「後退」と呼ぶ者あり)後退になるのではないかということでございます。
ただ、
民間も、今、相当の数の
保育所がございまして、確かに、中にはそういう問題を抱えた
保育所も実際にあろうかと思いますけれども、それは全体の中では非常に少数であろうというふうに思います。
公立保育所も、また
民間保育所も、これまで力を合わせて
札幌市全体の
保育水準を上げてきたというふうに私は認識をしております。そういう意味では、私は、
公立保育所の数を減らすといいますか、
民間移譲をすることによって
子どもの最善の利益を損なうことにつながるのではないかというふうには考えておりません。
◆
小川勝美 委員 先ほど、
私立保育所の
保育士の年齢構成や
経験年数、
正職、臨職などの資料を求めましたが、これは、次回の4定までに資料を出していただきたいと思います。飯塚局長がご答弁になりましたが、
保育に当たる
職員の年齢構成とかによって
保育の質が違うのですよ。これは、全国的な問題なのです。
公立保育所は全国的に定年まで働ける労働環境にあることから、59歳、60歳まで働いていますが、私立は、必ずしもそんな
状況になっていません。男女共同参画社会などと言っているけれども、そんなふうにはなっていません。大体、
保育士として10年ぐらい働いたら退職する。平均勤続10年です。これは、
札幌市の公立幼稚園と
私立幼稚園の幼児教育に当たる年限の調べでも同じ結果が出ています。だから、
札幌市では、教育
委員会の幼児教育の方で、17園の公立幼稚園を10園に減らすのに反対する若いお母さんたちの運動が大きく広がって、審議会の中でもそういう論議がされているのです。
そういうこともありますので、私は、第4回
定例市議会で改めて
札幌市の
公立保育所と
私立保育所における
保育の質の問題も含めた質疑をさせていただくことを申し上げて、きょうのところは終わっておきます。
◆小林郁子
委員 それでは、お伺いいたします。
保護者にとりまして、今までなれ親しんできた
保育園から違う
保育園に変わるということはどのような場合でも不安があるだろうと思いますが、特に、今回のように
札幌市立の
保育園を
利用していた
保護者にとりましては、
民間の
保育園に変わることにさまざまな不安があるのはやはり当然だというふうに思います。具体的には、
保育士の問題もありますし、
保育士がかわるとか運営方法が変わるということがあります。これにつきまして、市は何度も
説明されてきたということは理解をいたします。
保育所の運営基準というのは国で定められておりますから、運営主体が官であっても民であってもそれほど変わりがないというふうに思いますが、今もお話がありましたけれども、
保育に当たっている
保育士につきましては、やはり違いがあるのではないかというふうに思います。
市の
保育士は経験を積んだ方が多いと。先ほどの
部長のご
説明では、やはり40歳以上の方が過半数を占めているのではないかというふうに思います。一方、
民間につきましては、これから詳細を調査なさるのかもしれませんが、やはり、経営上のこともありますから、傾向として若い
保育士が多いのではないかというふうに思います。
そういう中で、
先ほど陳情者からも、乳幼児期は人と人との関係を築く上で非常に重要な時期なのだというご
説明がございましたが、新たに引き継ぐ
保育園についてお伺いいたします。
保育士の
経験年数等も含めまして、どのような
職員体制でこれから
保育に臨もうとされているのか、特に
乳児につきましては、看護師の
配置も必要だろうと思いますけれども、そのあたりはどうなっているのか、お伺いいたします。
また、現在も障がいのあるお子さんがいらっしゃると思うのですけれども、これからも従来どおりの
保育が可能な体制になっているのかどうか、お伺いをいたします。
◎
山本 子育て支援部長 それでは、お答えいたします。
新しい
保育所の
職員体制につきましては、
保護者の
方々からの要望を踏まえまして、
施設長のほか、主任
保育士や各年齢児の責任者となる
保育士について一定の
児童福祉の
経験年数を有することを条件とするほか、看護師及び
栄養士についても
配置することを条件として、昨年9月に設置者の募集を行ったところでございます。選定された
法人の
計画におきましては、これらの条件をすべてクリアしており、
配置される
保育士数については、
平岸保育園、
平岸乳児保育園の
保育士数とほぼ同じとなっております。
また、看護師の
配置についてでありますが、新しい
保育所におきましては、保健師の資格を有する
職員が
配置される
予定となっております。
次に、障がいのあるお子さんへの対応でございますが、
法人におきましては、各
保育所で障がい児の
受け入れ実績があり、新しい
保育所についても障がい児の
保育経験を有する
保育士の
配置を
計画しているところでございます。また、新しい
保育所につきましては、障がい者用多目的トイレの設置や
施設の玄関1階部分のバリアフリーなど、障がいのあるお子さんにも対応した
内容となっております。
◆小林郁子
委員 職員の
配置につきましては条件をつけてなされたということで、それについては理解をいたします。
特に障がいのあるお子さんに配慮されているということもわかりますが、障がいのあるお子さんに対して適切な
職員体制としていくことは、私はどこの
保育園でも求められると思います。今は、
保育園に通っていらっしゃるお子さんだけではなく、在宅のお子さんも含めて、
子どもに障がいがあるのではないかとか、発達のおくれがあるのではないかという
保護者の不安が大きくなっております。
そういう中で、
札幌市はこれから、
保育園に行っていらっしゃるお子さんだけではなくて、在宅の
子どもも含めたすべての
子ども、すべての子育てを支援をしていくということで、区の
子育て支援センターを設けていくわけです。そして、これからはそこが中核になるのだろうなというふうに思います。
そこで、区の
子育て支援センターですが、子育て支援機能というものを展開するというふうに聞いておりますけれども、このような障がいのあるお子さんへの対応はどうなっていくのか、お伺いいたします。
◎
山本 子育て支援部長 子育て支援センターにおける障がいのある
児童に対する具体的な対応についてでございます。
センターにおきましては、常設
子育てサロンの中で
相談に応じることや、一時
保育や親子通園などの継続的な支援を
実施してまいりたいと考えております。また、個別のケースに応じまして、区の保健センターや
児童福祉総合センターなど療育に関する専門機関との連携を図りながら、障がいの
内容や程度に応じたきめ細かな対応を
実施していきたいと考えております。このような支援を
実施することによりまして、適切な
子どもの療育を行うとともに、
保護者の不安感や負担感の軽減を図ってまいりたいと考えております。
◆小林郁子
委員 そういう意味では、
子育て支援センターに期待いたします。
今回、
平岸保育園、
平岸乳児保育園を廃園して
民間に変わっていくということですが、
陳情者の理由のところにもありましたけれども、そういう中で、公立
保育園はこれからどうなっていくのだろうかとやはり感じざるを得ません。一方では、すべての子育てを支援するということで、今、本当に求められていることを区の
子育て支援センターで行っていくということです。
先ほど、
部長からもさっぽろ
子ども未来プランの中では、2009年度までに5区で区の
子育て支援センターを設けていくというお話がございました。そうしますと、今は厚別、清田、南区には公立
保育園はないわけですから、そういう
状況の中で、残り5区については今後どのように
計画されていくのか、お伺いいたします。
◎
山本 子育て支援部長 現在のところ、5カ所の区の支援センターの設置につきましては、
平成22年度から始まりますさっぽろ
子ども未来プランの後期
計画の中で位置づけを行い、整備を進めてまいりたいと考えております。また、
計画の策定に際しましては、既に完成しておりますセンターの
利用状況等の検証を踏まえながら、できるだけ早い時期に設置することができるよう関係部局とも協議してまいりたいと考えております。
○
小野正美 委員長 ほかにございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小野正美 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
それでは、取り扱いについてお諮りをいたします。
いかがいたしますか。
(「継続審査」と呼ぶ者あり)
○
小野正美 委員長 継続という声があります。
陳情第168号を継続審査とすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
小野正美 委員長 ご異議なしと認め、
陳情第168号は、継続審査と決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
──────────────
閉 会 午後2時32分...