委 員 熊 谷 憲 一 委 員 伊 藤 理智子
委 員 福 士 勝 委 員 恩 村 一 郎
委 員 佐 藤 典 子 委 員 堀 川 素 人
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開 議 午後1時
○横山光之 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
初めに、第2款 総務費 第1項
総務管理費中
危機管理対策室関係分の質疑を行います。
◆
佐藤典子 委員 私は、
災害弱者と言われます災害時要援護者への対策について伺います。
市民ネットワークは、2004年3定の
特別委員会におきましても
災害弱者への対策について取り上げ、きめ細かな対応を求めてまいりました。
2004年の新潟・
福島豪雨、福井豪雨などの
豪雨災害や台風により、高齢者や寝たきりの方々が100人以上も犠牲となられたというふうなことは、記憶に新しいと思います。特に、新潟県三条市におきましては、7人の死者のうち、五十嵐川の堤防の決壊によって、要介護者の78歳の男性が就寝中に水死したほか、75歳の女性は、逃げおくれて、自宅が濁流に流されるなど、新潟、福島及び福井の災害による死者・
行方不明者21名のうち、何と17名が65歳以上の高齢者だったと聞いております。
災害時要援護者を初めとした住民が、安全かつ的確な避難を行うための
情報収集・伝達体制、また、避難体制の整備等が、今後の重要な課題として浮かび上がってまいりました。また、日ごろから、高齢者を初めとする災害時要援護者の
避難支援対策を欠かすことはできません。
この集中豪雨による災害を踏まえて、2005年3月、国から災害時要援護者の
避難支援ガイドライン等が示され、
地方公共団体においても
取り組みの強化が求められているところです。
一たん大きな災害が発生した場合、高齢者や障がい者などの災害時要援護者は、迅速な避難行動をとることが困難と思われます。
そこで伺いますが、札幌市におきましては、このような高齢者や障がい者など、災害時要援護者の
避難支援を、具体的にどのように進めてこられたのか、また、今後進めていくお考えか、まずお示しください。
◎北村
危機管理対策部長 私からお答えさせていただきます。
災害時要援護者の
避難支援についてでございますが、札幌市におきましても高齢化が進み、
ひとり暮らしのお年寄りなど、洪水時などに避難に時間を要する方々への支援が重要であると認識しております。
この対策といたしまして、委員ご指摘のとおり、国はことし3月に、昨年の洪水被害での高齢者の被災状況を背景に、地域での互助が必要との観点から、さまざまな
取り組み事例から成ります災害時要援護者の
避難支援ガイドラインを公表いたしました。本市といたしましても、国の手法を参考に、地域の状況に応じた事例などを検討し、地域での助け合いがなされるように、さまざまな機会をとらえて働きかけていきたいと考えてございます。
それと同時に、今までの
取り組みといたしましては、区で持っているこうような情報について、一元的に集約しております。ただ、ご承知のとおり、情報保護の観点から、さらに検討を進めなければならない状況でございます。
一方、高齢者などの災害時要援護者の
避難支援の一環といたしましては、避難に時間を要する方々が早期に避難できるように、必要に応じて、早い段階での
避難場所の開設と周知についても検討することとしております。
◆
佐藤典子 委員 早目の対応を心がけ、これからますます丁寧に進めていくという答弁でしたので、ぜひ、引き続き積極的に進めていただきたいと思っております。
災害弱者と呼ばれる災害時要援護者の中には、心身障がい者の方、それから、もちろん病気を持っておられる方、高齢者、また乳幼児、そして、日本語の理解が十分できない外国人、さらに、一時的なハンディを負っている妊産婦、旅行者など、さまざまな方々がいると考えられます。そうした方々への対応というのは、ニーズがそれぞれ違うと思われますので、ぜひ、きめ細やかな
マニュアルづくりなども必要ではないかと考えております。
次に、情報が届きにくい外国人への災害時の
情報提供について質問させていただきます。
最近の国際化に伴い、外国人の来訪や居住が、ごく当たり前の状況となってきました。そして、ここ札幌においても例外ではありません。札幌市における
外国人登録を見ましても、私がいただいた資料で、2004年3月末現在で8,574人、このうち1,068人が留学生という状況であります。また、札幌を訪問される
外国人観光客も、
宿泊者ベースでは年間約30万人となり、かなりの外国人の方が、この札幌にもおられると考えます。
一たん大きな災害が発生した場合、特に日本語でコミュニケーションを図れない外国人の方々が、
災害情報、
避難場所情報など、災害時に必要な情報を得ることは大変困難な状況にあると考えられます。今の答弁にもありましたが、こうした対応を具体的に進めることが急務であると考えております。
総務局の審議のときにも取り上げさせていただきましたが、こうした留学生の中には韓国や中国の
留学生たちが多いです。そして、現地ではなかなか地震を体験をしないということで、札幌での地震が本当に恐ろしいというふうに皆さんおっしゃっていました。災害時に、どこに逃げたらよいのか、また、どのように対応すればよいのかよくわからないという不安をお持ちです。こうした不安を受けとめ、安心・安全に暮らすためには、万が一の情報を受けられる体制の整備が必要であると思っております。
そこで質問ですが、札幌市としましては、外国人の方々への災害時の
情報提供について、どのような
取り組みをされているのか、また、今後についても伺います。
◎北村
危機管理対策部長 外国人への災害時の
情報提供についてでございますが、在札及び
来訪外国人に対する災害時の
情報提供体制の整備は、重要な課題であると認識しております。
平常時における災害用の
パンフレットなどの提供ですとか、配布窓口、さらには、非常時における
情報連絡体制について、関係部局である国際部、観光部及び
国際プラザと検討の場を設けたところでございます。今後検討を進め、適切な
情報提供体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆
佐藤典子 委員 災害のときに、一番弱い方たちというのは、やはり高齢者だったり、障がい者だったりと思いますが、さらに、今申し上げました、危険を知らせる情報を受け取ることができない方々の存在を忘れてはいけないと思っております。
今伺いましたが、まだ具体的な対策がなかなかとられていない、そして、今後、国際部、
観光文化局、
国際プラザとの連携で進めていくということでありますので、積極的に進めていただきたいと思います。
総務局の審議のときにもお話しさせていただいたのですが、外国の方が来られて窓口で受け取られるときに、こうした「地震に自信を」という総務省から出ている小さな
パンフレットがありますね。これは英語版ですけれども、日本語と中国語と英語とハングルで書かれているものであります。こういうものを早急に札幌市版としてつくっていただきまして、身近なところでの対応はどうすればいいのかということを、ぜひ具体的に進めていただきたいと思っております。
それから、先ほどから出ておりますが、やはり地域の中での防災、また、こういう地震など災害時への対応をどう取り組むかということが大変大きな課題となっています。そうした中で、行政と地域の
仕組みづくりというのは、
図上訓練などということも今年度取り組まれるということでありますので、そうしたことも丁寧に進めていただきながら、
マニュアルなど、きめ細かな視点の中に、ぜひ女性の視点も入れていただきまして、新たな、丁寧な
取り組みを進めていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆
近藤和雄 委員 私から、効果的な訓練の実施について2点ほど伺いたいと思います。
1点目は、
災害対策本部の運用に関する実践的な訓練についてであります。
最近は、国内外で災害が本当に連続して起きています。パキスタンの大地震につきましても、4万人以上の死者が出るのではないかと予想されておりまして、日本からもまた救援ということで、お互いに、地球の中で平和に暮らす方たちを何とか災害から守っていくというのは、一番重要なことではないかと思います。
札幌市
危機管理基本指針がことしの3月に策定されまして、私も拝見させていただきまして、非常にしっかりとした方針を策定なさっているという評価をいたしております。
昨年は、6月の台風4号から台風23号までに、10個もの台風が日本に上陸しておりまして、各地に大変大きな被害をもたらしております。新潟・
福島豪雨、福井豪雨など、異常気象ということもありまして、集中的に被害が頻発して、特に新潟・
福島豪雨では、避難勧告や避難指示の判断など、
災害対策を行う行政の対応が大きなかぎと申しますか、課題を残したということも承知しております。
昨年9月の台風18号では、札幌で最大風速50.2メートルということで、当日は
FMラジオにたまたま出演しており、外に出ないでくださいということを私も言っておりました。大変危険な状態が一日じゅう続いたわけですけれども、札幌市の管理している木が1万8,000本倒されたということで、記憶に生々しいわけです。
札幌市では、死者1名、負傷者1名、床上浸水2,000戸、床下浸水1万5,000戸の被害を出した昭和56年の大規模な洪水、いわゆる56水害と言われておりますけれども、それ以降、市の
災害対策本部は設置されていないわけであります。
災害が発生したときに、地域の防災計画に基づいて、各局・各区それぞれの役割をしっかりと果たしていただかなければならないのは当然のことであります。また、警察、自衛隊の皆様、
ライフライン機関の
防災関係機関との連携も大変重要な課題になってくるということであります。
災害による被害を少しでも軽減するために、
情報収集から伝達、人命救助や消火活動、さらには
避難場所の開設・運営などの
災害対策活動が、総合的に一貫性を持って円滑に行うことが大変重要ではないかと思います。
それで、札幌市は、56水害以降、実際に
災害対策本部を開設したことがないということでありますから、
災害対策本部の運用に当たっては、備えあれば憂いなしで、日ごろからの訓練の実施がやはり一番重要になってくるのではないかと考えます。
これまで、1月の
防災ボランティア週間に合わせて、職員の
非常参集訓練や
災害対策本部運用訓練を実施してきております。従来の訓練では、ある程度のシナリオ、予想に基づいて、それぞれの役割について、確認といった形式で行われてきたように私は思います。56水害以降、大規模な災害を経験していない札幌市は、あすは我が身ということを肝に銘じて、これは余りない方がいいのですけれども、災害に対する実経験と申しますか、私はやっぱり体で覚えていかなくてはいけないのではないかなと思うわけです。
当然、これは時代の要請もありまして、いざという場合に備えた実践的な訓練が必要ではないかと思うのであります。あわせて、
災害状況や
被害状況に関する
情報収集・伝達、
防災関係機関との連携を、いま一度再確認するための訓練も必要ではないかと考えます。
昨年来の災害を見てみますと、行政としての判断が
災害対策の成否を二分すると言っても過言ではありません。言うまでもなく、トップの判断力というものが非常に重要になってくるわけであります。
そこで質問ですが、大
規模災害を想定した実践的な訓練、特に
災害対策本部の運用に関する実践的な訓練について、どのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いいたします。
◎北村
危機管理対策部長 災害対策本部の運用に関する実践的な訓練についてでございますが、委員ご指摘のとおり、札幌市において
地域防災計画に基づく
災害対策本部を設置したのは、いわゆる56水害が最後です。
札幌市では、毎年1月15日から21日までの防災と
ボランティア週間に合わせ、
災害対策本部訓練を実施してまいりました。
今年度は1月20日に、冬の地震災害を想定して、従来の、どちらかというとシナリオ型ではなく、
ロールプレイング方式の
状況付与型図上訓練を実施する予定でございます。この訓練は、より実際の災害に近い状況をつくり出して実施するもので、
災害状況を与えたり評価する指揮部と、付与された状況に対応し、判断、実行する訓練部の二手に分かれて、
情報収集・伝達能力や
災害対策のための判断力を身につけるためのものでございます。
大
規模災害時にあって、市民の生命を守る上から必要とされる
情報収集・伝達能力、判断力を実践的に訓練することにより、
災害対策本部の対応力の向上に努めることといたしてございます。
◆
近藤和雄 委員
危機管理対策室の役割というのは非常に広範囲でありまして、私も拝見させていただいたり、いろいろとご指導いただいた中で、
危機管理対策室は大変なセクションだなと思いました。本当に少人数で、少数精鋭と申しますか、それがこれから重要な役割や位置づけを占めていくのだなと。
例えば、今は、テロにしても、
鳥インフルエンザなどの感染症にしても、あるいは水道水にいろんなものが混入されたとか、それも
危機管理であります。ですから、自宅で申しますと、必ず戸締まりをする、あるいは、
防犯カメラなども設置するとか、今は非常に複雑な世の中ですから、いろいろと備えて自分の身は自分で守るということなのであります。札幌市も行政として、市民の財産、人命を守り、さらに安全・安心の街づくりということでは、これからもご苦労それるのではないかなと思っております。
次に、質問の2点目でありますけれども、
簡易型災害図上訓練について伺いたいと思います。
これまで、市民の
防災力向上のために、
自主防災組織の結成促進、
活動資機材の助成など、
各種自主防災活動の支援を行っていることは、私の町内会でも非常に浸透しております。訓練については、消防局の出張所から出前講座もいただいて、協力関係はしっかりとやっていただいていることは大変ありがたく思っております。
また、実際の町内会の街区を訓練会場として、大
規模災害発生の合図と同時に避難を開始した住民が、設定された火災や救護事象にみずからが判断して対応する
発災対応型防災訓練を
区防災訓練に取り入れるなど、市民の
災害対応力の向上を図る実質的な訓練を進めていることは、先ほど申し上げましたように高く評価をいたしております。
地域での
発災対応型防災訓練は、実働の訓練としては大変効果的ではないでしょうか。この訓練をさらに効果を上げるために、地域のどこで、どのような場面で活用するかといった、いわゆる頭のトレーニングという一体となったやり方が大変効率的・効果的ではないかなと思います。
今、市内の各地域で
取り組みが始まっているというのを私は伺っておりまして、これは
簡易型災害図上訓練、DIGであります。これは、参加者が地図を囲んで、わいわいと話し合いながら、
ゲーム感覚で、積極的に災害の対応などをしっかりと考える、要するに
図上訓練です。自分たちが生活している地域の地図を見ながら、ここで災害が発生した場合はどうするのかと、いつ、どこで、どのようなことを想定して、そして
避難場所や、そこへの経路、さらには
被害状況や対応策などを地図に書き込んでいき、書き込みと同時に活発な意見交換をして、それで自然と
防災意識が向上するものと思うわけであります。
私の家の近くには高齢者がいらっしゃいまして、
ひとり暮らしの方ももちろんいらっしゃいます。地震とか火事が起きたとき、そこはどうなのかというのがどうしてもすぐ頭に浮かんできまして、できれば、何かあったときに声をかけるとか、助けてさしあげたいなと思っているわけです。
本市でも、既に
取り組みを始めた地域があります。今後、この訓練の
取り組み機運が高まり、それを積極的にやっていただきたいなと思っております。
そこで質問ですけれども、地域での
簡易型災害図上訓練の
取り組みにつきまして、
危機管理対策室ではどのような対応をなさろうとしているのかお伺いいたします。
◎北村
危機管理対策部長 地域での
簡易型災害図上訓練の
取り組みに対する対応でございますが、委員ご指摘のように、
発災対応型防災訓練をより効果的なものとする上で、
簡易型災害図上訓練、DIGと申しますが、これをあわせて実施することは、地域の防災力を高める上で大変有効なものだと考えてまして、地域での実施に向けての
取り組み機運の高まりを受けとめ、これを支援する必要があると認識してございます。
このため、8月に、この訓練の開発に携わり、現在もその普及を進めている第一人者を講師にお招きし、区役所の
防災担当者、
住民組織担当者、
まちづくりセンターの所長ですとか消防署の職員、計37名を対象とした
DIG普及員養成研修を実施したところでございます。今後、養成した職員を核として地域の
取り組みを支援するとともに、この養成研修を継続的に実施し、地域の要請にこたえていきたいと考えているところでございます。
◆
近藤和雄 委員 最後に、要望で終わります。
災害は、いつ起こるとも限りません。いざというときのために、日ごろからの訓練などが大変重要であると考えております。来年1月には、状況付与型の実践的な
災害対策本部の
図上訓練を行うということであります。今後も実践的な訓練を実施して、ぜひとも
災害対応力の向上に努めていただきたいと思います。
また、
簡易型災害図上訓練につきましては、地域の防災力を高める有効な訓練方法であると私は考えます。訓練を行うための普及員の養成を、積極的に、地道に行っていただいて、地域の要請にこたえていただきたいなと。さらには、継続して普及員の養成、研修なども勉強していただきまして、地域の防災力の向上のために、普及員による地域での支援をさらに進めていくようにしていただきたいと思います。
もう1点でありますけれども、札幌市
危機管理基本指針の12ページに、今後の
取り組みの中として、
内部監査員による監査の導入という一説が入っております。これもまさにそのとおりであります。責任者をもとに自己検証と評価を行い、その結果、
最高経営層に報告し、市長、副市長と、全庁的な見直しを行うことになりましたが、実効性を確保するため、将来的には
内部監査員制度による監査を導入しますと書かれております。ぜひとも、早期に監査をしていただいて、これをまた、ばねとして、最後は、札幌市が必ず安全・安心な街になっていくと確信をいたしているところでございます。ご苦労ございますけれども、頑張っていただきますようお願いいたします。
◆峯廻紀昌 委員 私の方からは、災害時の被害をより少なくする、いわゆる減災に向けた
取り組みについてお伺いしたいと思います。
まず1点目は、
避難場所の開設、運営にかかわる職員の訓練、研修についてでございます。
近年の各地における
災害発生状況等については、ただいま近藤委員からもお話がございました。いずれにいたしましても、自然災害の報道を見るにつけて、人知をもってしても、その限界を痛切に感じるところでございまして、今後は、いわゆる減災への
取り組みが非常に重要になってくると考えております。この減災のためには、行政、地域、家庭、それぞれの役割を認識し、実践することが極めて重要であると考えております。そのためにも、行政、地域、家庭における
防災意識の向上、
災害対応のための技術の習得が必要になってくると思います。
これまでの災害を見ますと、被災した避難者への対応は、行政として担うべき重点課題の一つとなっております。特に迅速な
初動対応が求められる
避難場所の開設、運営については、役割分担や
避難場所となる学校職員との連携など、平常時からの
取り組みが不可欠となると考えております。
しかしながら、職員の中からは、
災害発生時に本当に動けるのだろうか、不安だとかという声があるのも現実と思います。
災害時における札幌市としての対応につきましては、
地域防災計画や具体的な
マニュアルとして整備をされていますが、計画や
マニュアルができたからといって、職員がすぐに対応できるわけではないというふうにも思います。災害時の
初動対応として最も重要である
避難場所の開設・運営について、迅速で確実な対応をするためには、職員みずからが
災害発生時に行うべき任務について、平時からの訓練や検証により身につけておくことが何よりも必要であると思います。
そこで、質問の1点目でございますが、職員を対象とした
避難場所開設・運営にかかわる訓練や研修を具体的にどのように行っているのか、お伺いします。
次に、市民の
防災意識の向上について伺います。
阪神・
淡路大震災の事例では、16万4,000人が家屋の倒壊などで閉じ込められたと言われております。そのうち12万9,000人は自力で脱出しましたが、残りの3万5,000人が閉じ込められたままとなってしまった。消防や警察などで救助したものが、そのうちの23%の8,000人、残り77%、2万7,000人は、付近の住民などにより助け出されているという現状でございます。自分の地域は自分で守るの意識の重要性が叫ばれるゆえんにもなっていると思います。
このような大
規模災害が発生した場合は、消防や警察、自衛隊などの
防災関係機関は全力で人命救助や消火活動を行いますが、火災や建物倒壊などが同時多発することによって、直ちにはすべてに対応できないことが予想されます。このため、家庭での備えや地域での活動が今後非常に重要になってくると思います。災害による被害を少しでも少なくするためには、市民一人一人が防災知識を身につけ、そして実践できることが、何にも増して大切になってくると考えます。
そこで、質問の2点目といたしまして、札幌市では、市民の
防災意識の向上についてどのような
取り組みが行われているのか、お伺いをいたします。
◎北村
危機管理対策部長 1点目の
避難場所の開設、運営にかかる職員の訓練検証についてでございますが、委員ご指摘のとおり、迅速な
避難場所の開設・運営は初動時における行政の重要な役割であると認識しております。
このため、ことしの2月15日に北区のあいの里東小学校で、また、8月5日には東区の北光小学校を会場といたしまして、
避難場所の開設、運営を担当する区役所職員と
避難場所となる学校の教職員を対象とした
避難場所運営実務研修を実施いたしました。内容的には、参加者がそれぞれ避難住民と開設、運営要員に分かれ、体育館のかぎの開錠、それから避難者名簿の作成、自主運営組織の立ち上げや応急救援備蓄物資の配布など、初動時の実働訓練を行うとともに、区役所職員と教職員との連携についても確認したところでございます。この研修では、実働訓練のほか、各種
マニュアルの確認とともに、実際に新潟県中越地震で長岡市の
避難場所へ派遣された区役所職員による体験発表ですとか、有珠山噴火災害の際に
避難場所となりました豊浦小学校の元校長先生の体験に基づいた講演などを行いまして、実際の活動をイメージできる研修もあわせて実施しております。今後も引き続き
避難場所の開設、運営に関する実践的な訓練や研修を行い、職員の対応能力の向上を図っていきたいと考えております。
それから、2点目の市民の
防災意識の向上に係る
取り組みについてですが、減災の
取り組みにつきましては、行政のみならず市民の力が非常に大きな役割を果たすものでございまして、市民の
防災意識の向上は不可欠であると考えております。
市民向けの直接の
取り組みといたしましては、昨年の台風18号では本市で大きな被害を受けた教訓から、防災
パンフレット、家庭防災のしおりというものに風水害に関する記述を加えた増補改訂版を作成いたしまして、区役所や
まちづくりセンター、消防署で配布しております。
また、
危機管理対策室のホームページや広報さっぽろを活用した情報発信を通じて、
防災意識の向上に努めております。
さらに、洪水ハザードマップを作成し、浸水想定区域ですとか、避難に関する情報を事前にお知らせをしたり、そのほかにも出前講座や地震防災セミナーなどの開催を通じて、防災に関する知識の普及を図っているところでございます。
また、地域に対する支援といたしましては、区役所と消防署が連携して防災リーダーの育成指導を実施しておりますし、住民が自分の住んでいる地域の防災について学ぶ
簡易型災害図上訓練、DIGの推進員の普及、養成を行ってございます。
今後もあらゆる機会を通じ、市民の
防災意識の向上を図ってまいりたいと考えております。
◆峯廻紀昌 委員 今の市民の
防災意識の向上に関する答弁で、
危機管理対策室が行っている主な
取り組みについてお話がありました。そういう意味では、市民の
防災意識の向上に向けて対策室が積極的に取り組んでいるということは理解をさせていただきました。
近年、行政が行う施策や事業の適切で効率的な運営のための検証評価と状況把握が、今後ますます重要な課題になってくるというのは皆さんもご存じのとおりだと思います。行政側が、単に事業をやったという自己満足で済ますのではなく、市民にどう浸透して、どのように評価されているのかチェックされることにより、効果的な事業の展開や市民の要望、評価の変化を読み取ることが、また必要になってくると思います。
ここで、再質問をさせていただきます。
今もお話ししたように、市民の
防災意識の浸透度把握と、防災対策事業の評価について、定期的な調査を行う中で継続的な検証を実施していくことが必要であると考えますが、その点についていかがお考えか、お伺いいたします。
◎北村
危機管理対策部長 市民の
防災意識の浸透度の把握と防災対策事業の評価についてでございますが、施策や事業の適切で効率的な運営のための状況把握が重要な課題であることは十分認識しております。
このため、かねてから、検証と評価のための継続した調査の実施について検討を重ねているところでして、今年度は、12月に平成17年度第2回市民アンケートによる調査の実施を予定しているところでございます。
今後とも定期的に調査を行い、市民の
防災意識などについて検証を行っていきたいと考えているところでございます。
◆峯廻紀昌 委員 最後、要望で終わらせていただきたいと思います。
計画や
マニュアルができたからといって、そのとおり動けるわけでないということは、先ほども申し述べさせていただいたところです。災害は、いつ起こるかわからない、いざというときに備えるためにも、今お話ししたような訓練や研修を通じて、職員みずから判断して行動できるよう、研修や訓練の一層の充実をお願いします。
また、現在さまざまな
取り組みがなされているということを答弁いただいたところですが、減災に向けた
取り組みは、市民と行政の連携があって、より一層の成果が発揮されることから、
防災意識の向上に向けたさらなる
取り組みを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆青山浪子 委員 私からは、札幌市が備蓄している災害時の応急救援備蓄物資について2点お伺いいたします。
まず、質問の1点目は、アレルギー用粉ミルクの備蓄についてであります。
札幌市では、
避難場所等において避難者の支援のため、食糧対策、トイレ対策、防寒対策、照明対策の観点から、
災害発生後24時間に必要な物資を備蓄しているとのことであります。このうち、食糧対策として、乾パン、アルファ米などを備蓄をしており、このほかに、乳幼児用の粉ミルクを2,600人分備蓄しているとのことですが、残念なことに、この中にアレルギー用粉ミルクが含まれていないとお伺いしました。
昨年10月の新潟県中越地震では、避難者数が最大で10万人にも上り、大変に厳しい避難生活を送った様子を私も何度もテレビや新聞記事の報道で拝見いたしました。その報道の中で、乳幼児を抱いていたお母さん方の姿を何度も見ながら、大変切ない思いがいたしました。その中に、アレルギー性疾患の乳幼児もおりまして、アレルギー用粉ミルクを入手するのに大変ご苦労したということもお聞きをいたしました。
国のアレルギー性疾患の免疫に関する研究によりますと、国民の3人に1人が何らかのアレルギー性疾患であることが明らかになっており、アレルギー性疾患の乳幼児の割合は28.3%となっているわけであります。
我が党におきましても、これまで、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の対策の充実に努めてまいりましたし、また、党を挙げてその
取り組みを推し進めてきたところであり、また、
札幌市議会におきましても、その対策を強く求めてきたところでもあります。
災害はいつ起こるかわからず、一たん大きな災害が発生してしまいますと、乳幼児を守るということだけで大変であり、また、アレルギー用粉ミルクを調達するお母さんたちは、大変困難な状況に陥ると思っているわけであります。私は、こんなときもっと行政の適切な対応が必要ではないのかなと考えております。
そこで質問ですが、札幌市としては、今後、アレルギー用粉ミルクを備蓄するお考えはないのか、まずお尋ねいたします。
◎北村
危機管理対策部長 アレルギー用粉ミルクの備蓄についてですが、乳幼児のアレルギー性疾患の中で、食物アレルギーが多いことは事実でございます。また、委員ご指摘のとおり、このようなお子さんを抱えた親御さんの避難生活のご苦労は大変なものであるということは承知しております。
このため、入手可能な粉ミルクで、対応が可能なアレルギーの種類、及び、備蓄すべき数量について検討し、早急に整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆青山浪子 委員 次に、質問の2点目として、女性の生理用品の備蓄についてお伺いいたします。
大きな災害が発生した場合、避難される方の中には、各家庭で準備をされている非常持ち出し品を持ち出さない方もいらっしゃると思います。
災害発生直後、道路障害や社会の混乱により、正常時の物流システムが機能しなくなり、生活に必要なものが入手できなくなってしまいますし、時間もかかるわけです。このようなことになりますと、避難生活を送る女性にとりましては、女性ならではの生理用品などが整っているかどうか、大変不安になってきます。
本市の災害時の応急救援備蓄物資の中には、生理用品が含まれていないと伺っております。小さいことかもしれませんけれども、とても大事なことですので、札幌市として、流通が回復し入手できるようになるまでの間、女性の不安にこたえるために、生理用品を備蓄物資に加えるお考えがあるのかどうか、お尋ねをいたします。
◎北村
危機管理対策部長 生理用品の備蓄については、委員ご指摘のとおりと認識しておりますので、本市といたしましても整備を進めてまいりたいと考えております。
◆青山浪子 委員 最後、要望になりますけれども、今、ご答弁にもありましたように、アレルギー用粉ミルクと生理用品の備蓄について前向きな答弁をいただきました。災害が発生しますと、札幌市民も避難生活を送る被災者の方々も、精神的にも肉体的にも、そして経済的にも打撃を受けて、多くの方々は厳しい状況になるわけであります。このような不安な状態となる市民、特に避難生活を送っている方々に対しても、できるだけ不安や不便を感じさせないように、心のケアを含む行政の支援が最も大事だと私は思うわけであります。
今、世界の中でも、パキスタンで地震があったばかりですし、災害が多発している状況を見ますと、札幌市だって、いつ災害が起きるかわかりません。そのためにも、私が質問させていただいた品目につきましては、できるだけ早い時期に整備されるよう要望して、私の質問を終わります。
◆福士勝 委員 私から、危機マネジメントシステムと洪水ハザードマップについて、重複を避けて簡潔に質問いたします。
まず、危機マネジメントシステムの関係ですが、世界的な異常気象の影響等によって、近年の
災害対応は複雑多様化・大規模化の様相を呈している。今もいろんな委員の方々から、台風あるいは地震等々について、ご紹介がございました。そういう意味では、札幌においても災害が大変大きな被害をもたらしたのは記憶に新しいわけでありますし、また、地震についても、国内、あるいは海外に目を転じても、極めて目を覆うような
被害状況が続いているわけであります。
我が国は、世界の国土面積のわずか0.25%しかない、しかしながら、マグニチュード6以上の比較的大きな地震の約23%が日本で発生している。そういう意味では、日本はまさしく地震大国と言えると思っております。
国内の地震発生状況を見ても、平成15年の宮城県北部の地震、あるいは平成16年の新潟県中越地震、そして今年3月の福岡県西方沖地震等々、多数発生しているわけであります。これまで活断層が確認されていない地域で、直下型の地震が発生しており、そういう意味では、国内のどこでも地震が起こり得ることを如実に示しており、札幌も決して例外ではない形になるわけであります。
最近の災害事例は、それ自体が極めて大規模化をしているし、我々も強い衝撃を受けているわけでありますが、私は同時に、発生直後の国あるいは自治体の初動態勢のあり方等々に、さまざまな課題を突きつけていると言わざるを得ないと思っております。
頻繁に災害が報じられているわけでありますから、災害に対する社会全体の認識の変化とともに、住民の防災及び
危機管理に対する意識も、私はこれまで以上に高まってきていると思っております。住民の生命と財産を守る意味での安心と安全の確保は、自治体にとってかつてないほど重要性を増しており、
危機管理体制の確かな構築が何よりも急務とされるゆえんだと思っております。
かねてから、私が再三必要性を訴えてきた
危機管理組織が、6年かけて、昨年4月にようやく対策室として発足し、それは評価をしているわけであります。そして今年の3月には、
危機管理施策の具体的な方向性を示す札幌市
危機管理基本指針が策定された。
そこで質問でありますが、この基本指針の実効性を確保する仕組みとして危機マネジメントシステムを導入しているが、現在の
取り組み状況について、まず1点お聞かせいただきたい。
それともう1点、洪水ハザードマップの関係です。平成14年3定の代表質問以来、数回にわたって洪水ハザードマップの早期作成と市民配布の必要性を訴えてまいりました。平成16年1定の委員会で、16年度に北区、東区を作成し配布する、そしてそれ以降に白石区、厚別区、中央区、豊平区、加えて、西区、手稲区版を作成して各世帯に配布するという答弁があったところであります。
16年度中に白石区と厚別区の作成と配布を済ませた。そして8月には中央区、豊平区、加えて西区、手稲区の作成を終えたわけであります。答弁どおり2年間で、関係する8区すべての世帯の配布を終えたことになりますので、市の姿勢に対して評価をしたいと思います。
そこで、質問の2点目になりますが、市民への洪水ハザードマップの配布に際して、どのような周知を行ったのか。また、このマップに対する市民の反応はどうであったのか、お伺いをいたします。
◎長尾
危機管理対策室長 私の方から、今のご質問についてお答えさせていただきます。
まず1点目として、危機マネジメントシステムの現在の
取り組み状況でございます。札幌市
危機管理基本指針では、
危機管理の日ごろの備えを確かなものにするための仕組みとして、新たに危機マネジメントシステムを取り入れたところでございます。
その具体的な運用を始めるためには、まずは、各局・区の所管業務について、どのような危機が想定されるか、その危機の対応
マニュアルは整備されているのか、それから、
マニュアルに基づいて職員の訓練なり研修がされているのかについて、その実態を把握する必要があると考えております。
そこで、本年6月に、札幌市危機マネジメントシステム要綱を策定し、これに基づきまして、危機把握調査を全庁的に実施し、現在、各局から得られた回答結果の集計をしているところでございます。
マニュアルの整備などに関しましては、課題が見られるところでもございます。
次に、2点目として、洪水ハザードマップの市民への周知と反応についてでございます。
まず、市民の方々への周知でございますけれども、洪水ハザードマップの配布に当たりましては、配布対象のすべての区において、地元に対する説明会を行いました。さらに、その内容をより多くの市民に周知するために、ホームページに掲載し、その後も広報さっぽろなどで、機会あるごとに周知に努めているところでございます。
配布時の地元説明会には、全国各地で水害が頻発し、そのたびに多くの人的被害などが発生していることもございまして、多くの市民の参加をいただきました。また、配布後におきましても、各地区からの要望を受けて出前講座を行っており、現在まで延べ46回、人数にしますと延べ2,700人の参加をいただいております。いずれも、ハザードマップの内容や活用法などについて説明し、理解していただくなど、普及啓発に努めているところでございます。
次に、市民の反応については、最近の全国での水害の状況をテレビでも目の当たりにしていることもあり、日々の備えや最寄りの
避難場所の位置確認に役立つというような声も多く寄せられておりますし、中には、地域の住民の方々が、実際に
避難場所まで歩いてみるといったお話も出ているところでございます。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁で、マネジメントの関係については、大変ご苦労をされている、新たな創造に向けて努力をしていることは、わかるわけであります。
札幌市
危機管理基本指針、あるいはマネジメントシステム要綱では、
危機管理責任者の職務を具体的に掲げています。そういう意味では、
危機管理責任者みずからが、平常時における災害の予防措置、さらには緊急時対応の責任者であるという意識を、リーダーとしてしっかりお持ちいただくことが、私はまず大事だと思っております。
危機管理対策室は、本市の
危機管理対策を統括調整する組織として設置をされているわけですが、統括調整をする意味は、何といっても庁内におけるマネジメント機能にあると考えているわけであります。すなわち、
危機管理対策を全庁的に統合性と一貫性をもって推進する意味では、かなめとなる調整機能ですから、幾ら
危機管理対策室が
危機管理を叫んだとしても、全庁的な
取り組みが伴わなければ、笛吹けど踊らずということになるわけでありますから、基本指針が目指す
危機管理の対応力の向上は、そういう意味ではおよそ望めないと思っております。この点を十分念頭に置いて、危機マネジメントシステムの実効性ある運用に努めていくことが、統括調整たる
危機管理対策室が果たすべき極めて重要な役割であると、私は考えています。
そこで質問でありますが、危機マネジメントシステムの今後の
取り組みについてお聞かせをいただきたい。
それと、副市長直轄、直属の対策室は、官房機能であります。そういう意味では、
危機管理責任者は、申し上げましたように、非常時も平常時も対応責任者ですから、今現状の対策室がこのままでいいのかというと、私は決してそうではないと思っているわけであります。
危機管理対策室は消防庁舎にあって、消防局は24時間365日体制で常時連絡、実働体制が整っているわけであります。災害等の発生時には、対策室あるいは消防局の両局が密接に連携をしなければならないことは、私は十二分に理解しているわけであります。
しかしながら、最近の災害や事件の様相等々を見ると、国民保護法制に基づく今後の対応が広範多岐にわたっている。そういう意味では、さまざまな危機事象に対して、対策室は全市の総合的な司令塔として、市長あるいは副市長が判断するための的確な具申や調整能力をかね備える、あらゆる事態に一元的かつ迅速に対応しなければならない組織であるという位置づけになっているわけであります。
そこで改めて、従来から追っかけをしている、
危機管理対策室の本庁内の移転について、これまでも質問を繰り返してまいりましたけれども、現時点での検討状況について、副市長にお伺いいたします。
◎長尾
危機管理対策室長 私の方から、危機マネジメントシステムの今後の
取り組みについてお答えいたします。
このたび実施しました調査を基礎に置きながら、緊急時の活動手順を定める活動
マニュアル作成の手引書を庁内向けに整備し、
マニュアルが未整備の局・区に示すなどして、その解消を図ってまいりたいと考えております。
また、職員の
危機管理意識を高め、緊急時の的確な対応力の向上を目的とした訓練、研修の実施、あるいは市民等への意識啓発などの
危機管理責任者の職務につきましては、日ごろから着実に取り組んでもらうように、当室や、あるいは消防局が持っております災害関連の情報、あるいは各種実務研修、
図上訓練などのノウハウを活用し、必要な防災情報の提供や研修訓練の相談、支援などを通して進行管理を行いながら、危機マネジメントシステムの全庁的な定着を図ってまいりたいと考えております。
◎田中 副市長
危機管理対策室の本庁舎への移転編入についてでございます。
危機管理対応能力を万全な形で発揮していくためには、市役所全組織を挙げての危機対応力の向上が重要でございまして、市長等のもとで的確な情報の把握と共有、そして迅速な指揮命令などが何よりも大切であると考えております。そうしたことから、官房的な機能になっております
危機管理対策室の本庁舎への移転編入は必要であると認識しております。
しかしながら、一方では、現行の本庁舎の利用実態を踏まえて、
危機管理対策室だけに限らない、いわゆる機能的な面、物理的な面などの十分な議論も必要でございます。したがいまして、現在、本庁舎利用の組織上の再編成の検討を進めているところでございまして、全庁的な観点の中でさらに検討してまいりたいと考えております。
◆福士勝 委員 副市長から答弁をいただきました。官房機能ということをお認めいただいて、移転編入は必要だという答弁であったわけであります。
しかしながら、機能だとか物理的云々ということで、前回の副市長答弁から見ますと、官房機能という
最高経営層を補佐するメリット、意思疎通を図る意味で必要性を認めていただいたわけでありますが、問題は、今おっしゃった答弁の内容では、本庁舎移転編入について、
危機管理基本指針の運用などを見ながら検討するという前回の答弁からいくと、ちょっと抽象的で理解に苦しむわけであります。
しかしながら、今の副市長の答弁からいきますと、まだまだ時間がかかるのかなということと、まだ課題が解決していない、検討済みのことばかりではないわけであります。そういう意味では、本庁舎の移転について早急に検討し決断をする、そこまで今、私は来ていると思っておりますから、今回は要望をさせていただいて、来年の1定で、この問題について、できることであれば早急に結論を出していただく、検討の答えを出していただくことを要望して、終わらさせていただきます。
○横山光之 委員長 以上で、第1項
総務管理費中
危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後1時58分
再 開 午後2時
──────────────
○横山光之 委員長 委員会を再開します。
次に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。
◆村松正海 委員 消防航空体制の充実強化についてお聞きしたいと思います。
近年、国内外におきましては、風水害、大地震など、自然災害が相次いで発生しているわけであります。先ほど近藤委員からもありましたが、先日のパキスタン・イスラム共和国地震では、今なお、救援活動が続けられているわけであります。
我が国においても、昨年は、新潟・福島及び福井豪雨など、相次いで発生した大型台風、そして大規模な自然災害が集中した年でもあります。これらの災害には、多くの消防防災ヘリコプターが出動し、大きな役割を果たしているわけであります。また、ことし4月のJR福知山線脱線事故におきましても、中学校のグラウンドを基地として、消防防災ヘリコプターが出動したわけであります。
さらに、札幌市の消防ヘリコプターにおいては、北海道南西沖地震、あるいは阪神・
淡路大震災、有珠山噴火、そして宮城県北部の地震、苫東の製油所タンク火災などなど、多くの大
規模災害に出動してきたわけであります。
このように、消防防災ヘリコプターは、災害はもとより、各種の消防活動に欠かせないものであります。
そこで、本市のヘリコプターの活動状況と現在のヘリコプターの機体整備にかかわる経費及び年間維持費についてお伺いいたします。
◎松井 警防部長 初めに、ヘリコプターの活動状況でございますけれども、消防ヘリコプターさっぽろは平成3年から運行を開始いたしまして、これまで14年6カ月の間に、災害活動1,081件、訓練・広報などの災害以外の活動に3,000件飛行しております。昨年の活動状況は、火災18件、救急42件、救助19件、危険排除10件の計89件でございます。災害活動以外が181件であり、トータルいたしまして270件の飛行を行っております。
経費等についてでございますが、ヘリコプターは経過日数ごとに点検・整備を行います。この整備にかかわる経費及び航空法に基づく年1回の耐空検査費等を含んだ年間の機体整備費が約4,700万円でございます。人件費、燃料費、航空保険料、格納庫借り上げ費など、機体整備費を除きます年間維持費は1億4,000万円ほどでございます。
◆村松正海 委員 本市のヘリコプターの活動状況でありますが、1年365日のうち、点検・整備のため運航できない日が毎年80日から90日程度あると思います。非常招集態勢をとっている土・日を除くと、年間の運航日数は174日、稼働率が47%となっております。こういう中で、最近は自然との触れ合いを求め、登山やウオーキングなど、散策する方々がふえており、山菜狩りなどで行方不明となる多くの方々の捜索や、自力で下山できなくなった登山者の救助などなど、山岳事故に消防ヘリコプターが何度も出動しているという状況にあります。大
規模災害の時の広域活動を含め、今後ますます消防ヘリコプターの出動需要がふえていくのではないかなと思います。
先ほども述べたように、稼働率47%でありますが、私は、これでは十分な対応ができないと思います。
そこで、ほかの都市の消防航空体制を見てみますと、東京都はちょっと別かもしれませんけれども、東京消防庁は6機体制です。そして、本市と他の2市を除くほかの政令都市はすべて2機体制となっているわけであります。そして、その稼働率は、本市が47%に対して99%以上という大変高い率になっているわけであります。
本市の消防ヘリは、ご承知のとおり、平成3年に導入されたわけでありますが、既に1年後の平成4年の議会においても、2機体制の必要性が議論されてきたわけであります。
そこでまた質問をしますが、仮に2機体制へと強化した場合、導入経費及び年間の維持費はどれぐらいになるのか、また、2機体制とした場合の年間の運航日数及び稼働率はどれぐらいになるのか、お聞きしたいと思います。
◎松井 警防部長 ヘリコプター1機の機体導入にかかわる経費につきましては、約10億円となります。
また、2機体制となった場合の必要経費でございますけれども、機体整備費と航空保険料が2倍となりますけれども、それ以外は1.5倍程度になりますので、2機では年間約3億1,000万円でございます。
さらに、2機体制とした場合の運航可能日数と稼働率でございますけれども、整備期間が重ならないよう日程調整をするなどして、1年365日の運航が可能であり、稼働率は100%になると思います。
◆村松正海 委員 今お答えをしていただいたとおり、やっぱりどうしても2機体制は必要ではないかなと存じます。私の調べでありますが、通常点検整備では、年間80日から90日間休まないとならない。4年に一度の重整備においては、110日から120日使えない日があるわけです。私は、どうしても2機体制が必要だと思いますけれども、ただ、何機体制というよりも、稼働率をいかに100%に近づけるかが今後の課題ではないかなと存じます。各種の消防活動はもとより、大災害、その中には地震や台風のときの大雨等々もあるわけですから、この稼働率というのは、これから非常に重要な要素になってくるわけであります。
平成4年以降、各年度年度で、2機体制ということでなぜ皆さんが訴えてきたかというと、札幌市は大変すばらしい街であります。そのすばらしい街の中を南北に、豊平川というすばらしい憩いの川があります。そして、その憩いの川で札幌市は東西に仕切れているわけであります。
そこで、地震や災害、大雨もそうですけれども、例えば橋にはエキスパンションというのがあって、大地震があると橋のけたがそれぞれちゃんと分かれて落ちるようになっておりますし、また、大雨での堤防の決壊等々いろいろなことが考えられます。そして、この豊平川は73キロありまして、そのうち1級河川というのは62キロです。そして、市街地の川幅が150メーターから360メーター、そこにかかっている国道とか水管橋は別にして、本市の管理している橋が31橋あります。
一番問題なのは高低差であります。62キロの中で落差が900メーターあって、その市街地の勾配が100分の1から200分の1です。大変厳しい急流でありまして、国で出しております書類の豊平川の概要の一部に、全国的に見ても、大都市を流れる1級河川では、このような急流河川は他にありませんというぐらい、ふだんはすばらしい川でありますけれども、災害になったときには大変危険な川であります。
ここに表があって、石狩川とかは、勾配をあらわす表がなだらかですが、100分の1となると90度ぐらいに、川をあらわすときにはこういうグラフになるわけであります。これぐらい急な川であります。
そこで、さっき言った2機体制ということでありますが、消防でわざわざ2機にしなくても、自衛隊のヘリコプターを借りた方がいいのではないかというお話をよくされます。全く私もそのとおりだと思います。今、丘珠飛行場にある自衛隊のヘリでありますが、OH機15機、UH機20機、LR機2機、合計37機あります。災害が起きますと、札幌市から要請があった場合は、30分以内にUH機が1機出動し、1時間以内にUH機1機、OH機1機、合計3機出動します。そして3時間以内には、全37機が丘珠飛行場から出動するわけであります。これは札幌市の要請があったときでありますけれども、災害になれば札幌市だけではなくて、広域的に各市町村から出動要請があると思います。この37機の役割というのは、あくまでも救助・救出、搬送・輸送が業務であります。皆さんはご承知だと思いますけれども、私の言っている消防ヘリというのは、救急救命ヘリでありまして、これに附随するヘリコプターというのは、真駒内の自衛隊には一機もありません。ですから、そういう意味では、お互いにヘリコプターの使用用途をすみ分けながら、大災害には対応していかないとならないのでないかなと存じます。
そんなこともありまして、2機体制、あるいは100%でなくても結構ですが、稼働率を何とか上げないとならないのでないかなと私は思っております。
そこで消防局長にお伺いします。今言ったように、札幌市の現在のヘリコプターの稼働率を向上させる方策を検討する必要が、私はあると思いますが、このことについてどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
◎鈴木 消防局長 消防局では、1機体制で稼働率を向上させる方策としまして、例えば耐空証明検査や機体の構造検査、そういった整備に要する長期間に、機体をリースする、あるいは航空隊員の勤務ローテーションを確立することについても検討してまいりました。
もしこの検討してきた方策が実現することになりますと、稼働率を現在の47%から86%まで引き上げることが可能になるというふうに考えております。今後につきましても、鋭意検討してまいりたいと考えております。
◆村松正海 委員 最後に要望ですけれども、今現在の稼働率を47%から86%にできるようになるのではないかなというお話をいただきました。ぜひ、86%、そして限りなく100%に近くなるように、今後とも稼働率のアップに努めていただきたいと思います。
最後に、田中賢龍副市長、お答えは要りません。消防署員の皆さん、1,819名、そして消防団員が2,150名いらっしゃいます。団員を含め、それぞれの消防職員の皆さんが、日夜を通して厳しい訓練をされております。どんなに厳しい訓練をしようとも、どんなに優秀な消防職員であっても、できないことがあります。それは何かというと、空を飛べないということであります。ですから、副市長、何とかその稼働率アップに努めていただきますように、1定までには一定の結論を出すようにお願いを申し上げ──今、目で、わかったと言っていただきましたので、ここでやめますけれども、よろしくお願いします。
◆大嶋薫 委員 私から、大きく2点について、1点は、小規模雑居ビルの安全対策、もう1点は消防科学研究所の役割について伺いたいと思います。
日常、いわゆる火災予防といいますか、私たち市民生活のいろんな場面で、安全・安心を支えるということを努力していらっしゃるということに対して改めて敬意を表します。
4年前、2001年9月1日、新宿区歌舞伎町の雑居ビルで火災がありました。札幌市でも、薄野や、私の住んでいる地区であります琴似、あるいは北24条界隈に類似のビルが密集している地域がありまして、札幌市での小規模雑居ビルに対する対策、あるいは、法の改正を受けての
取り組みについて、これまでも、環境消防委員会、あるいは
特別委員会を通じて、そのあり方、対策や進捗状況についても再三議論をさせていただいてまいりました。
そこで、この雑居ビルの安全対策について、まず1点目として、火災の後に緊急特別査察が同年9月に行われておりまして、この中で、1,612件中、何らかの法令違反があった建物が465件あり、昨年3月の時点では約9割が改善されていると、残り31件がいまだ改善されていないという報告が
特別委員会でも行われておりますけれども、その後の違反是正の進捗状況はどのようになっているか伺います。
そして、2点目は、2002年8月に消防法令が改正されまして、それまで設置義務のなかった小規模な雑居ビルに対して、自動火災報知設備と避難器具の設置義務ということが新たに加わりまして、この対策が緊急に、いろんな形で行われてきているわけです。新築については、その翌年の2003年10月1日から既に適用され、既存の建物については、2年間の猶予期間がありまして、本年の10月1日までに設置が義務づけられたということになっております。
この2年間の猶予期間が終了した現在で未設置のものについては、設置義務違反、明確に法令違反というふうになるわけですけれども、この新基準の対象となる既存の建物がどのくらいあるのか、また、猶予期間中に設置されたものがどれくらいあったのかという点について伺います。
大きな2点目の、消防科学研究所の役割についてです。
今、大規模な震災、火山活動による被害、そして台風被害等、大規模な災害はもちろん、工場による例を挙げますと、三重県では、ごみ固形化燃料発電所の火災、栃木県の黒磯市ブリヂストン工場火災など、これまでは、ある意味で考えられなかった原因による火災発生が出ています。そしてまた、住宅火災においても、新建材、あるいは機密型の構造になってくる中で、いろんな要因、あるいはその対策が求められているような状況になってきております。
このような背景を経て、総務省消防庁において、今年度から3カ年間の計画で、消防組織の充実強化を図る
取り組みを進めております。1点目は、緊急事態の初動体制と緊急消防援助隊の部隊運用、2点目は、国民保護法制の確実な運用、3点目に、テロ対策への対応、4点目に、緊急時に現地へ派遣する責任者の新設というような、具体的な項目に沿っての整備を進めているわけです。その中で、特殊な火災発生時においては、消防庁長官みずからの判断で火災の原因調査を行う、あるいは、テロ災害時などには、生物、化学物質の分析を迅速かつ的確に行うということで、来年4月には、独立法人化された消防科学研究所を国の機関に再度統合するというような動きもあると聞いております。ことしに入っても、尼崎での大規模な列車事故、新潟県中越地震、そして苫小牧では石油タンクの火災発生ということがありまして、まさに過酷な条件の中で、消防・消火活動、あるいは救出活動、救助活動に取り組んでいる消防の皆さんの姿をつぶさに、私どももテレビ等で目にすることが多くなってまいりました。
とりわけ、その中で感ずるのは、いわゆる消防機材といいますか、救助資機材の高度化であったり、あるいは極めて危険な状況の中で活動される皆さんの安全対策だったりするわけです。当然、こういう背景での消防の近代化・高度化という
取り組みを積極的に行っていかなければなりません。この中で、本市の消防科学研究所は93年に開所して12年がたつわけですけれども、この役割もまた大きなものになってきていると考えております。
1点目ですが、災害の対応の変化、国の動向等も踏まえて、東北以北唯一の専門的な消防科学研究所であります本市の消防科学研究所が、現在どのような点に重点を置いての研究開発を行っているのかという点を伺います。
2点目として、この12年間、さまざまな研究開発や鑑定・鑑識等の実績があると聞いておりますけれども、この研究成果と具体的な活用実績について、どのようなものがあるのか伺います。
◎徳増 予防部長 私の方から、歌舞伎町火災を踏まえた安全対策につきましてお答えをさせていただきます。
まず1点目の、違反是正の進捗状況についてでございますが、委員ご指摘のとおり、平成16年3月の時点で31件の法令違反が残っておりましたが、この31件の違反につきましては、新宿区歌舞伎町の火災を踏まえまして、平成14年4月に各消防署に配置しました指導担当係長が中心となり、粘り強く是正を指導した結果、すべて改善されております。
それから、2点目の新基準の対象となる既存の建物数と、そのうち、猶予期間中に設置されたものの状況でございますが、まず、対象となる建物数につきましては、自動火災報知設備が1,414件、避難器具につきましては394件であります。また、猶予期間中に基準に適合したものにつきましては、自動火災報知設備が1,163件、これは対象物件に比較しますと82%になります。避難器具につきましては356件、対象物件に対して90%という状況になってございます。
◎藤吉 消防学校長 消防科学研究所のご質問についてお答えいたします。
1点目の重点的な研究開発の
取り組み状況といたしましては、総務省消防庁から当研究所に対して、消防活動時における隊員の安全性と効率性を図るため、現場活動における消防隊員及び救急隊員の身体的負担に関する対策の調査研究委託を受けて、平成15年度から3カ年計画で北海道大学と共同で取り組んでいるところであります。また、消防活動時の安全対策を目的とした、火災により発生する燃焼ガスの毒性等の研究も行っております。さらに、大規模火災や異臭騒ぎなどの特異な災害時における、その原因となった物質の成分分析等、鑑定・鑑識のほか、違法貯蔵に伴う引火点測定による危険物の分類区分の特定などを行っております。
2点目の、研究成果と活用実績についてでありますが、積雪寒冷の気候風土における市民の安全な暮らしを守るための研究としては、石油ストーブへのガソリン誤給油による事故対策の研究、高密閉性、高断熱性の特色ある寒冷地型建築物の燃焼研究、小屋裏の熱感知器の誤作動防止に関する研究なども行ってきたところであります。
また、燃焼や消防装備品関係の研究としては、火炎が一気に拡大するバックドラフトの研究を初め、消防隊員が火災現場で放水活動中、ホースが離脱した際の安全対策としてのホースの水を緊急停止できる遮断器具の開発、さらには、消火効果を高めるための消火薬剤などの研究開発を実施してきたところであり、これまでに、65件の研究と開発成果を、日本火災学会、日本体力医学会、全国消防技術者会議などに発表しております。
特に市民生活に関連した主な研究では、救急車で患者搬送する際に、ストレッチャーの振動を軽減する装置の開発、雪道における歩行者の転倒防止対策として、滑りづらい靴底の形状や歩き方の研究、電気火災の原因となっているトラッキング現象や束ね配線などの研究、室内でのプロパンガス漏えい時における拡散、滞留状況とその危険性、さらに漏えい時の対処方法など、これらの研究成果が製品化や火災予防に生かされているところであります。
◆大嶋薫 委員 まず、小規模雑居ビルの安全対策についてですが、緊急特別査察で残った31件は、すべて改善が行われたということですから、これは職員の配置も含めて、厳しい日常の活動の中での努力ということで、心から敬意を表したいと思います。
新たに設置義務となった火災報知設備については82%、それから避難器具については90%ということですから、自動火災報知設備ですと250件程度残されていることになります。これらの建物については法律違反ということになりますから、基準に適合させるための努力といいますか、きちんと設置を行うために、当然指導をしっかりと行っていかなければならないと考えますが、今後どのような
取り組みをされようとしているのか、この点を伺います。
それから、消防科学研究所にかかわってです。
今、市民生活にかかわる分野、あるいは、原因の特定にかかわる消防活動の分野、消防隊員の安全にかかわる分野、いろんな分野での研究開発を進めているというお話を伺いました。消防庁の消防科学研究所からの研究委託、大学との共同研究も進められているということでございますから、今後もぜひ、他都市から注目を浴びるような、着実に成果を上げていただきたいと思うわけです。
私たちも先般、環境消防委員会で視察させていただいて、改めて、その地道な活動に気づかされるという、反省すべき点も大いにあるわけですが、市民に対してPR活動をすることで、防火・防災に対する市民意識も向上すると思うわけですけれども、研究業務の広報・PR活動について、どのように取り組んでこられたのか。
それから、今お伺いしたいろいろな研究分野については、長期間にわたったり、費用の点でもいろいろな課題が出てこようかと思います。今後さらに、その研究を充実させていくためには、いろいろな分野で外部機関への委託等々が必要な部分も出てこようかと思うわけですけれども、この外部機関への研究委託という課題については、どのように考えておられるのか伺います。
◎徳増 予防部長 私の方から、消防法令設置義務違反の建物に対しての今後の
取り組みについてお答えを申し上げます。
今後とも、建物の所有者などの関係者に対しまして、改正法令の趣旨あるいは設置の必要性など、以前にも増して粘り強く、それぞれの建物の状況に応じた個別具体的な指導を通じまして、早期に設置促進を図ってまいりたいと考えております。
なお、具体的な是正の意思が見られないものにつきましては、消防法に基づく措置命令の発動も念頭に、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◎藤吉 消防学校長 研究業務のPRについてですが、放火に使用された油脂類の分析結果を初め、家庭生活に危険性が潜む、たばこ、てんぷら油、電気火災などの発生メカニズムの研究結果については、逐次、報道機関を通じて市民に広報することにしております。また、出火原因の特定に関する鑑定などの研究結果については、公共施設などで開催される防災パネル展や火災予防行事などを通じて、出火原因となった物品とその原因をパネルに表示し、普及啓発しているほか、町内会や事業所に対する出前講座においても、火災事例の紹介、ミニ実験などを行うなど、研究業務のPRに努めております。
さらに、当研究所の施設見学者を対象に、てんぷら油火災や電気火災をシミュレーションし、その消火方法を体験していただく体験型学習を行うなど、効果的なPR活動を実施しております。
なお、当研究所における過去5年間の体験型学習の受講者は7,300名となっております。
2点目の消防科学研究所の業務委託についてですが、現場活動における危険物質の分析や成分鑑定などについては、その物質の特定や中和方法を含めて緊急性を有することから、緊急出動体制を確保しながら、職員みずからが迅速に対処しているところであります。
一方、専門的な研究施設での実験や学識経験者のノウハウを必要とするものについては、これまで当研究所で蓄積したデータを提供しながら、今後とも大学等と積極的に共同研究を行っているところであります。
したがいまして、業務委託等については、そのあり方や委託内容について、今後は調査研究をしてまいりたいと考えております。
◆大嶋薫 委員 小規模雑居ビルに関して、措置命令も含めてということでございますから、できる限り早い時期に100%を目指していただきたいと思います。また、設備は整えても、これは日常的な監査等で指導等が行われていると思うのですが、避難路に当たる階段に物品が置かれていて、実質的に機能を果たさない、あるいは、査察のときは避難口が開閉できるけれども、それ以外は閉じられたままで利用できない状況というのは、間々あることだろうと思っています。そういう意味では、大変な努力をされていることは重々承知ですけれども、機器の整備と同時に、日常的な
取り組み──薄野という地域は私たちにとっても大事な憩いの場であり、札幌の顔という部分もありますので、ぜひ、その点の充実した
取り組みをお願いしたいと思います。
消防科学研究所については、今、
取り組みについて課題も含めていろいろ伺いました。PRについては、それぞれ努力をされているということでもすけれども、白石区の市民防災センターとの連携等々の課題もあろうかと思いますし、実際にテレビ等で目にする活動は、日常の研究活動を土台として行われているということに気づかない部分もありますので、その辺を、ちょっとした工夫で市民に伝えられるような努力をしていただきたい。
そしてまた、アウトソーシングの問題ですけれども、これも本当に特殊な分野にかかわる研究開発が多いということは十分私どもも受けとめておりますので、可能な分野から、可能な範囲でということになろうかと思いますけれども、研究開発を充実させるという観点からの
取り組みをお願いして、質問を終わります。
◆谷沢俊一 委員 私から、自動体外式除細動器、いわゆるAEDの設置と、これに係る講習会等の実施状況等についてお伺いしたいと思います。
平成16年7月1日より、非医療従事者、一般市民によるAED使用が認められて以来、我が党はこれまで、
特別委員会、あるいは代表質問を通して、AEDの設置促進及び講習の普及啓発について取り上げてきたところであります。
AEDは、心臓発作などで急に倒れた人に対して極めて有効なものであるということが、本年、愛知県で開催された愛・地球博で、会場に備えつけのAEDを使って、発作で倒れた3名の方を救うなど、救命実績が大きく報道されたところであります。
そこで、質問の1点目でございますが、過日の新聞でも、札幌市AED設置着々ということで報道がされております。現在まで、このAEDが市有施設及び市有施設以外にどの程度設置されているのかをお尋ねいたします。
次に、このAEDは、心電図の役目と、もう1点は電気ショックの機能をあわせ持っていて、操作する人は音声ガイドに従ってボタンを押すだけという、極めて簡単な操作であり、素人でも、音声ガイドに従って、端子を2カ所につけてスイッチを入れると、電気ショックが必要かどうかは機械が判断してくれるということで、安全性も非常に高いと伺っております。
しかし、急に倒れて心肺停止になった場合は、AEDとともに、やはり気道の確保、あるいは心臓マッサージといった救命措置も併用して行うことが重要でございます。こういうことによって、さらに救命率を高めるわけであります。
そこで、2点目として、この4月からAEDの講習が開始されたと伺っておりますが、これまでの講習の実績についてお伺いいたします。
◎松井 警防部長 まず、市有施設の設置状況ですが、所管する保健福祉局に確認をいたしましたところ、市役所本庁舎、各区の体育館など、今日現在まで47施設、51台が設置されているところでございます。また、市有施設以外の設置状況でありますが、当局が把握をしているところでは、デパートやホテル、民間のスポーツ施設など、42施設、44台が設置されており、合計で89施設、95台が整備されているところでございます。
次に、AED講習の実績についてですけれども、本年4月から9月末までの講習回数が348回、受講者数9,073人となってございます。参考までに、AED講習が開始される前の救命講習については、昨年同期と比較いたしますと、回数で32回の増、受講者数で1,410人の増となってございます。
◆谷沢俊一 委員 今の報告によりますと、AEDが市有施設外でも市有施設と同じぐらいの規模で設置されているということで、短期間で結構設置されていることについては大変好ましい状況にあると思うわけであります。
そこで、AEDが設置されて、通常は、そこの従業員とか職員があわせて講習を受けるという形で設置をしております。AEDの取り扱いについて講習を受講した人がいて、明らかにこの施設のどこにAEDが設置されているということが、市民の目から見てわかれば、さらにその利用価値が高まるのではないかと思うわけであります。
本市の新まちづくり計画でも、協働による観光コンベンション事業の推進を重点戦略課題の一つとして位置づけておりまして、世界の集客交流都市に向けて、来客2,000万人ということも目指しております。こういう観光都市のイメージアップを図る上においても、市民はもちろんでございますが、札幌市を訪れた方が、例えばホテル、デパートで急に倒れた場合でも、そこにAEDが設置されている、そして、このホテルには、その取り扱いに習熟している人がいるということになりますと、今言ったように救命効果の向上につながるのではないかと考えるわけであります。
したがって、AEDが設置されているということが一見してわかるような表示について、消防局としては今後どう取り組んでいくか、お伺いしたいと思います。
◎松井 警防部長 AEDの表示に対する
取り組みについては、委員ご指摘のとおり、その施設にAEDが設置され、そこに習熟者がいることが一見してわかる表示方法を鋭意検討してまいりたいと考えてございます。
◆谷沢俊一 委員 では、要望で終わりたいと思いますが、今、AEDの表示についても取り組んでいくという答弁がございまして、大変心強く感じたところであります。ぜひ実現していただきたいと思うわけであります。
また、一般市民によるAED使用が可能になりました昨年の7月1日以来、積極的にさまざま取り組んでいる状況がよくわかりましたが、このAEDの設置、あるいは講習の推進については、救命向上のための両輪とも言えるわけでございます。したがいまして、保健福祉局や消防局等、関係機関が、より連携をするということ、また、官民が一体となって、市民の安全確保はもとより、札幌市を訪れる方々に対しても安心を与えられるよう、今後とも展開されることを要望いたしまして、質問を終わります。
◆伊藤理智子 委員 私からは、消防力の整備指針について質問をいたします。
消防力の基準は、1961年に市町村の消防力の必要最小限の基準として制定されました。消防組織法の第1条では、「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減することを以てその任務とする。」とあります。
消防力の基準は、施設としての消防庁舎、消防車両、消防水利と人員、消防職員について定めたものです。2000年に、この基準の全般的な緩和が行われ、ことしの6月には、消防力の基準から、消防力の整備指針に名称も変わりました。札幌市民の命と安全を守る上で、消防力基準を整備することは大変重要な課題だと考えます。
我が党はこれまでも、この消防力の整備指針について質問を行ってきましたが、現在の消防力整備指針に対して、充足率がどのようになっているのか伺います。
◎小島 消防局次長 消防力の整備指針に対する現在の充足状況でございますが、整備指針の数値に対して、充足率が100%になっているものとしては5項目ございまして、はしご車、化学車、救助工作車、指揮車、それから通信員、この5項目です。
それから、未充足となっているものは同じく5項目ございまして、一つ目は、消防署所数が、基準数56署所のところ、現有数は55署所でございます。充足率は98.2%。二つ目は、ポンプ車で、基準数84台のところ、現有数76台。充足率は90.5%。三つ目が救急車で、基準数34台のところ、現有数29台、充足率は85.3%。四つ目が警防要員で、基準数1,563人のところ、現有数1,417人、充足率は90.7%。五つ目が予防要員で、基準数287人のところ、現有数281人で、充足率は97.9%となってございます。
◆伊藤理智子 委員 今、それぞれ充足率が100%の項目と、まだ充足されていない項目が出されました。その中でも救急車についてですが、整備指針上の必要台数より5台少ないということでしたので、救急車の出動状況を経年で資料を見させていただきますと、5年前の2000年では6万1,290回だったのが、2004年度では7万4,624回と、5年間で1万3,334回と増加していることがわかりました。こうしたことからも、早期に救急車の整備を行っていかなければならないと考えますが、これについていかがか、伺います。
さらに、署所、ポンプ車、人員についても、100%充足されていない状況でありますけれども、今後の整備の見通しについて伺いたいと思います。
◎小島 消防局次長 1点目の救急車については、委員ご指摘のとおり、増加傾向にある救急需要に対応するために、新まちづくり計画の中で、昨年度は西消防署八軒出張所に1台を増強配置してございます。平成18年度につきましても、1台を増強配置する予定となっております。今後におきましても、出動件数や人口の動態、救急要請から現場に到着するまでの時間、それから地域的な配置のバランスなどの要素を総合的に勘案し、必要となる救急車の整備について検討してまいりたいと考えてございます。
また、これと並行して、増加傾向にある救急需要そのものを減らすということも重要であると認識しており、緊急性のないけがや病気などでの救急車の利用を避けていただくことなどの、救急車の適正な利用方法につきまして、引き続き市民の皆さんに呼びかけるとともに、家庭内での事故防止、それから雪道での転倒防止などにつきまして、普及啓発を進めてまいりたいと考えてございます。
それから、2点目の、充足率が100%に達していない消防力に対する今後の整備の考え方についてでございます。確かに、消防力の一部におきまして、未充足な部分があると認識しておりますが、本市では、指針上必要とされている装備以外にも、消防ヘリコプターを初め、照明電源車、高発泡車などを保有しており、こうした総合力をもって
災害対応に当たっているところでございます。したがいまして、消防力全体としては、そう大きな不足は生じていないものと考えておりますが、その未充足な部分につきましては、災害の発生状況、それから人口の動態、社会情勢など、総合的に勘案しながら、救急車の整備も含めて引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆伊藤理智子 委員 総合力は全体的に不足していないということでしたけれども、やはり消防の仕事というのは、市民の命と安全を守るという上で、本当に重要な仕事でありますし、また、その仕事に携わっている消防職員の皆さんも、命がけで大変重要な仕事をされている中では、この充足率を十分に整備していくことが、安全な仕事をしていく上でも必要だと考えます。消防力の整備指針は、国で定めている基準の必要最小限度のものであり、本当に札幌市民の命と安全を守る上で、大変重要な仕事であります。来年度、救急車については1台整備するというご答弁もありましたけれども、引き続き、充足率を100%にしていくために、整備をしっかりやっていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
◆福士勝 委員 私の方から、多数の負傷者が発生する災害に対応するための今後の救急・救助体制について、簡潔に1点質問をいたします。
先日の我が会派の恩村議員の代表質問に対して、特別高度救助隊の編成や、医療スタッフと消防の救助隊、救急隊が、一体となって活動するシステムづくり等々、救急・救助体制の強化を図っていくという答弁であったわけですが、その具体的な内容についてお伺いいたします。
先ほど来出ていますように、新潟県中越地震等を初めとする自然災害、あるいは列車事故等々の、多数の負傷者が発生する災害が数多く発生しております。これらの
災害対策として、札幌市としては、
地域防災計画に、地震、風水害等の自然災害や、RI事故、あるいは鉄道災害等の事故対策を設けて、災害別の対策を講じている。そういう意味では、市民にとっては、
災害発生時にいち早く現場に駆けつけ救出・救護活動に当たる消防の救助隊や救急隊が、一番頼りになる力強い存在でもあります。
現在、市内には、各消防署にそれぞれ1隊の救助隊が配置をされ、一部の救助隊にあっては、地域の特性を考慮して、水難救助や山岳救助といった専門的な任務を担っており、日夜、市民の生命・財産を守って頑張っておられるわけであります。
さらに、先日発生したパキスタンの地震だとかスマトラ沖地震等の海外での大規模な災害に対しても、消防の救助隊が国際緊急援助隊として派遣されましたが、この国際緊急援助隊の一員として、札幌市の救助隊員が11名も登録されている。さらには、過去には、エジプトのビル崩壊現場に隊員2名が派遣されたとも伺っているわけであります。そういう意味では、札幌市の救助隊は、市内はもちろんのこと、国内外で大変な活躍をしていると認識しています。
しかし、近年の大規模な災害が頻発している状況を踏まえて、総務省消防庁では、全国的な救助体制の強化を図るために、指定都市に高度な救助資機材を配置し、よりすぐりの隊員で編成する特別高度救助隊を配置する計画があり、札幌市においても、国の動向を踏まえて編成するということでありますから、市民にとっては大変心強い一面を持つわけであります。特別高度救助隊と聞くと、私は、東京のハイパーレスキュー隊をイメージするわけであります。
そこで質問でありますが、札幌市で編成する特別高度救助隊について、厳しい財政状況の中、どのような装備、資機材を整備し、どのような編成で、いつごろ発足する計画なのか、お伺いいたします。
◎松井 警防部長 特別高度救助隊に整備する装備、資機材でございますけれども、大規模な災害に的確に対応するため、尼崎の列車事故のように、燃料等が漏えいしている中で、火花を出さずに高圧水流で、鉄骨コンクリート造といったものを切断できるウオーターカッターというものですとか、あるいは、有害なガス等を有効に排煙することが可能となります大型ブロアーといった資機材を順次整備してまいりたいと考えております。
また、隊員につきましては、現在の救助隊員の中から、経験年数、技量、資格等を考慮いたしまして、精鋭の隊員を選抜して編成したいと考えております。
発足時期につきましては、平成18年度早々の発足に向けまして準備をさせていただいているところでございます。
◆福士勝 委員 発足の時期については、平成18年早々ということであります。一日も早く発足することを望みたいと思います。
しかし、大規模な
災害対応については、消防の救助隊だけでは当然力が足りないわけで、自衛隊あるいは警察などの
防災関係機関との連携がますます重要になってまいります。特に負傷者が多数発生した災害現場においては、医療機関との連携がとりわけ必要不可欠だと思っております。そういう意味では、消防の救助隊により救出した重傷者を、医療チームの医師や看護師、さらには救急隊が連携して、救命処置を施して、重傷者を消防ヘリや防災ヘリ、さらにはドクターヘリなどで救急救命センターに搬送する等の災害現場における一連の連携体制が極めて重要であり、今後、求められてくると思います。
そこで、厚生労働省においては、研修を受けた医師と看護師が5名1組から成る、災害派遣を目的とした医療チームを全国の医療機関に設置する予定となっております。この災害派遣チームは、東南海あるいは南海地震などの全国的な大規模地震発生時に、都道府県の枠を超えて派遣されるチームであり、被災地の医療機関が麻痺したときなどは、大変有効であります。
一方、札幌市においては、現在、救急現場や救助現場において、医師による処置が必要な場合には、救急車や消防ヘリによって、市立病院あるいは札幌医大の医師を災害現場に搬送するシステムが構築されており、昨年は、572件の医師搬送があったと伺っております。
そこで、私は、このシステムについては高い評価をするわけでありますが、このように日常的に行われている医師搬送をさらに進めて、札幌市において大規模な災害が発生した場合、災害現場における医療スタッフ等と消防の救急隊、救助隊が一体となって活動できるシステムづくりを進めるということでありますが、具体的に、いつごろをめどに、どのような体制づくりを考えているのか、お伺いいたします。
◎松井 警防部長 委員ご指摘のとおり、災害現場におきまして消防の救助隊、救急隊と、医師や看護師との連携した活動は極めて重要であるというのが、これまでの幾多の災害の教訓であると理解をしてございます。
札幌市といたしましても、先ほど申し上げた平成18年度早々に予定している特別高度救助隊の編成とあわせ、これまでの医師搬送の実績を生かし、医療スタッフ等をいち早く災害現場へ搬送し、連携した活動が行えるシステムの構築につきまして、関係機関と十分調整を図ってまいりたいと考えております。
◆福士勝 委員 市民の安心と安全の確立というのは極めて重要で、急務だと思っております。特別高度救助隊については、18年度早々の編成ということでありますが、18年4月1日にきちっと発足ができるようにご努力をしていただきたいと思います。また、当然、特別高度救助隊は、災害医療を目的とした医療スタッフとの抱き合わせでやらなければ効果がないわけでありますし、そういう
防災関係機関との連携を、なお一層密にしていただきたいと思っております。
多数の負傷者が発生した記憶に新しい例では列車事故がございましたけれども、あの種の事故が起きると、大惨事になることははっきりしているわけであります。札幌市においても、JRが、乗車人員1日平均18万1,000人、地下鉄が、1日平均乗車人員が約56万人と、多くの市民の足となっているわけでありまして、万が一、事故が発生したら、大惨事になる可能性は否定できないわけであります。万が一、この種の大規模な災害があった場合、ぜひ、消防を初めとした、警察あるいは自衛隊、医療機関などの
防災関係機関との連携が特に必要なわけでありますから、日常的に、平時から情報の共有化に努め、
災害発生時の対応要領などを協議するとともに、
災害発生を想定した訓練を合同で行う協力体制を、ぜひ、消防局がリーダーシップをとっていただくことを要望したいと思います。
日夜、大変なご活躍をしているわけでありますが、市民の安心・安全を守るために、救急救助体制のさらなる強化を、なお一層求めて、終わりたいと思います。
◆林家とんでん平 委員 私からは、火災現場などで活動する消防職・団員のアスベストによる健康被害や、その対策についてお伺いしたいと思います。
アスベストは、1960年代後半から、鉄骨建物の吹きつけ材として広く普及しまして、その後も、断熱材や、その他の建材において使用されております。ことしに入って、尼崎市のアスベスト工場周辺における悪性中皮腫の発生事象など、アスベスト粉じんの吸引によるさまざまな健康被害が相次いで明らかになっております。全国的な社会問題となっておりますけれども、その中でも、悪性中皮腫は、胸膜や腹膜にできる、がんの一種で、アスベストを吸い込んでから、20年から50年と非常に長い潜伏期間を経て発症すると言われております。
消防職・団員は、建物で火災が発生したときは、その建物のアスベストの使用の有無にかかわらず、いち早く消火作業や人命救出活動を行うわけであります。先日の新聞報道の中の、総務省消防庁が発表しました全国の消防職員の健康実態調査結果の記事によりますと、過去10年間に、全国の消防職員とその退職者のうち、3名が中皮腫を発症して、その中で2名が亡くなったと載っておりました。
そこで、消防活動を通じてアスベストの吸引による健康被害が危惧されますが、まず、本市の退職者を含めた消防職・団員の健康実態調査の結果についてお伺いをしたいと思います。
◎小島 消防局次長 退職者を含めた本市消防職員と消防団員の健康実態調査の結果についてでございますが、報道記事にもありましたように、調査は平成7年7月から平成17年7月までの10年間に、胸膜、腹膜等の中皮腫、それから石綿肺、それから肺がん、この三つが原因で死亡あるいは罹患した人を調査したものでございます。
まず、消防職員の調査についてでございますが、現役の職員は定期健康診断などの診断結果に基づきまして調査を行いました。退職された方は、任意のOB団体に協力をいただき、調査をしたところでございます。また、消防団員につきましては、過去10年の間に退団されたOB団員を含めて実態調査を行ったところでございます。
その結果、アスベストの吸引が直接的な原因ではないかとされております中皮腫、石綿肺が原因で死亡あるいは罹患した方は、消防職員、団員、OBも含めて、札幌市にはございませんでした。
なお、肺がんにより死亡した方は、消防職員、団員、いずれも5名、合計10名でございまして、罹患した方は職員で3名という結果でございました。肺がんにつきましては、喫煙との深い因果関係が指摘されてございまして、あるいは大気汚染ですとかウイルス感染でも発症すると言われてございますので、消防活動に起因するものなのかどうかについては不明でございます。
◆林家とんでん平 委員 本市の消防職員と団員の健康実態調査によって、アスベストの暴露に直接起因すると考えられている、いわゆる中皮腫や石綿肺の方が今のところいらっしゃらないとおっしゃっておりますけれども、アスベストによる健康被害については、最近の報道によってクローズアップされましたが、それ以前から、アスベストの有害性について認識され、注意を払いながら消防活動に従事していたとは思います。アスベストが原因の病気は、長い潜伏期間を経て発症すると言われておりますので、今後においても、消防職・団員の健康調査は継続して行うようお願いしたいと思います。
次に、消防活動を行う上でのアスベスト対策についてお伺いします。
健康被害をもたらすアスベストの使用規制については、1975年に、吹きつけアスベストの使用が原則禁止されまして、その後、アスベストを含有する建材などの製品が製造、輸入禁止になるなど、段階的に使用制限がされてきたところであります。しかしながら、今なおアスベストを使用している建物は、市内に、民間施設を含めて把握し切れないほど数多く存在しているのではないかという状況であると思います。そういった環境のもとで、消防職・団員はアスベストを使用している、していないにかかわらず、建物が火災になれば出動しまして、消火や延焼防止、そして人命救助活動を行い消防の任務を果たすわけです。その活動の中で、天井の屋根をはがしたり破壊するなど、アスベストの粉じんを吸い込むおそれがあると思いますが、アスベストによる健康被害を防止するため、どのような対策を講じているのか、お伺いをしたいと思います。
◎小島 消防局次長 アスベストによる健康被害防止のための対策についてですけれども、アスベストにつきましては、軽い綿状の繊維で、飛散しやすい性質でありますが、封じ込め処理など、飛散防止措置をした吹きつけアスベストや、アスベストが含有する保温材などの建材は、常時安定した状態を保っていれば、そのアスベストの粉じんが飛散する可能性は低いとされてございます。しかしながら、消防の活動におきましては、消火や人命救助活動のほか、火災の原因調査、建築物の消防検査や査察など、さまざまな消防業務の中で、天井や壁材を破壊・接触することは不可避でございます。
このことから、今般、消防局アスベスト対策指針といったものを策定いたしまして、それぞれの消防業務の実態に即した健康被害の防止強化を図っているところでございます。
具体的に申し上げますと、火災現場におきましては、従前から個人貸与していた空気呼吸器の着装につきまして強化徹底を図るとともに、残り火の処理活動などの破壊作業を伴う消火活動ですとか、火災原因の調査活動時においても、空気呼吸器、または、新たに導入しました防じんマスクを着装し、アスベストの粉じんの吸引防止を図ることとしてございます。
さらに、その建材等の破壊箇所には、注水により十分に湿潤させ、アスベストの飛散を防ぐこととしてございます。
また、建物の消防検査や査察の際は、同様に、新規に導入しました防じんマスクを携行し、小屋裏など、アスベストが浮遊しているおそれがある場所に立ち入る場合には、防じんマスクを着装することといたしてございます。
消防局といたしましては、委員ご指摘のとおり、今後も、消防職員と団員等の健康実態の調査につきまして、継続して広く
情報収集を行っていくとともに、札幌市アスベスト問題対策連絡会議と連携を図りながら、アスベストを使用する建物情報を、消防活動をする際の支援情報として活用することを検討するなど、実効性のある対策を推進してまいりたいと考えてございます。
◆林家とんでん平 委員 最後に、要望でございます。
アスベストによる病気の発症は、先ほどもお話ししたとおり、吸引量、濃度、あるいは期間など、どのくらい吸引したら発症するかはわからないとされております。潜伏期間が長いことも特徴であります。今後とも、アスベストの吸引の危険性があります消防職・団員の健康調査に万全を期すよう、「あすはベスト」という感じでですね、ぜひお願いして、私の質問を終わります。
◆青山浪子 委員 最後ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
私からは、ふだんお仕事をされながらも、地域の安全・安心のために献身的に活動していただいております消防団員についてお伺いをいたします。
さきの平成17年第2回定例会におきまして、消防団員が火災や訓練などで出動した際に受け取る出動報酬を日額の一定額の支給から、時間帯に応じた1回当たりの報酬額の支給方法に改めたり、消防団の業務にかかる経費を消防団が主体的に支出できる活動交付金を創設するなど、消防団員の処遇改善や消防団の自主的な運営による活性的対策について、消防局のお考えを聞かせていただきました。
私からは、その中で、活躍をしていらっしゃる女性消防団員に関して質問をさせていただきます。
平成14年第3回定例会におきまして、女性消防団員数や、その構成割合のほか、女性の目線に立った女性消防団員によります応急手当ての指導の重要性についてお話をさせていただきました。また、市民から理解、信頼される消防団を築き上げるためにも、お互いの顔と名前がわかる対話型の活動を積極的に実践することが必要ではないのかということも要望させていただきました。そのことを踏まえて質問をさせていただきます。
1点目の質問でありますが、女性消防団員数を、団員全体の2割を目安に増員を図っていくとお聞きをしておりますが、平成14年に比べて、女性消防団員は何名になったのか、また、その構成割合はどうなっているのか。
2点目として、市民に対する応急手当ての普及指導に必要な資格を持つ女性消防団員は何名養成されて、どのような
取り組みをされているのか。
以上2点につきましてお伺いをいたします。
◎小島 消防局次長 まず、1点目の女性消防団員の数でございますが、平成17年10月1日現在で289名で、平成14年10月1日現在では216名でしたので、この3年間で73名、33.8%の増となってございます。
また、消防団員全体に占める構成割合は13.4%でございまして、目安としてございます2割には、まだ届かない状況でございますが、平成14年は10.0%でございましたので、ボランティア精神や社会貢献意識の高まりなどによりまして、堅実な増加傾向にあるのではないかと思っております。