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平成17年第二部予算特別委員会−03月15日-05号
平成17年第一部予算特別委員会−03月15日-05号

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  1. 札幌市議会 2005-03-15
    平成17年第二部予算特別委員会−03月15日-05号


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    平成17年第二部予算特別委員会−03月15日-05号平成17年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第5号)              平成17年(2005年)3月15日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人(欠は欠席者)     委 員 長  高 橋 克 朋       副委員長   涌 井 国 夫     委   員  大 越 誠 幸       委   員  宮 本 吉 人     委   員  笹 出 昭 夫       委   員  宮 村 素 子     委   員  横 山 光 之       委   員  勝 木 勇 人     委   員  近 藤 和 雄       委   員  村 松 正 海     委   員  細 川 正 人       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  川口谷   正       委   員  西 村 茂 樹     委   員  大 西 利 夫       委   員  大 嶋   薫     委   員  村 上 勝 志       委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌       委   員  柿 崎   勲   欠 委   員  本 郷 俊 史       委   員  高 橋   功     委   員  三 浦 英 三       委   員  谷 沢 俊 一     委   員  小 川 勝 美       委   員  坂 本 恭 子     委   員  伊 藤 理智子       委   員  小 形 香 織
        委   員  五十嵐 徳 美       委   員  田 中 昭 男     委   員  佐 藤 典 子       委   員  堀 川 素 人     委   員  佐 藤 美智夫       ──────────────────────────────────        開 議 午前10時 ○高橋克朋 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でございますが、本郷委員からは欠席する旨、勝木委員、高橋 功委員からは遅参する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第2項 児童福祉費子ども未来局関係分及び議案第5号 平成17年度札幌市母子寡婦福祉資金貸付会計予算について一括して質疑を行います。 ◆堀川素人 委員  それでは、私の方から虐待についての問題で、2〜3質問させていただきます。  先日明らかになりました厚別区での虐待の件でありますけれども、厚生委員会において報告があり、議論がなされたところであります。静岡の方から来ました児童が虐待に遭う可能性があるという静岡県からの問い合わせがきっかけなんですけれども、結果的にはおよそ1年後、偶然警察がその子どもを保護することができたと。今、告訴されているということであります。  その件について札幌市児童相談所がきちっと対応できたかといいますと、対応ができなかったということで、厚生委員会においてもおわびの言葉がございました。今後、それについては反省をし、しっかりやっていきたいという話がございましたけれども、厚生委員会の中で話したことを再度特別委員会で話をするということは、やはりこの件は、大変不幸な出来事ではありますけれども、今後、これを一つの教訓として生かしていかなければならぬと、こういうことを考えておりまして、僕にしましたら、この間の厚生委員会というのは、四角い部屋を丸く掃くということで、ある部分では隅々がしっかりしていなかったなという印象を受けておりますので、あえてここで触れさせてもらいます。  まず一つは、法の壁があるがゆえにその子を保護することがおくれてしまったというような話がありました。その中で私は、この件については全く法の壁は存在しないということを言いました。それで、実際に法の壁があったのかということについて確認をしてまいりたいと思っております。  まず第1に、児童相談所として、こういう虐待があった場合に、児童福祉法と、虐待防止に関する法律が適用される法かなと思うんですけれども、その中に、今言う法の壁というものが現実に存在したのか。このことを確認するために、この二つの法律の中で児童相談所ができる権限、これを明確にしていただきたいと思います。まず、そのことについてお願いします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまのご質問でございますが、児童相談所が持つ行政権限についてということでお答えさせていただきます。  児童相談所は、職権で行えることは3点ございます。  一つ目は、児童福祉法第29条に基づく立入調査でございます。これは虐待など保護者が児童を監護することが著しく不適当な場合であることが明らかで、保護者の意に反して児童養護施設などに入所させるため、家庭裁判所に申し立てを行う必要があるか否かを判断するために行うものでございます。  二つ目は、児童虐待の防止等に関する法律第9条に規定する立入調査でございます。これは児童福祉法第29条に規定する立入調査と異なりまして、虐待の事実が明らかなときばかりではなく、そのおそれがあると認めるときに、実態を把握するために行うものでございます。  三つ目は、児童福祉法第33条に基づく一時保護でございます。子どもの一時保護は、原則として子ども本人、保護者の同意を得て行う必要があります。しかし、虐待事例などで保護者の同意が得られない場合でも虐待の事実が確認され、今後も虐待が繰り返されるおそれが認められるときや、子ども本人が救済を求めているなど、児童相談所長が必要と認めた場合には子どもを一時保護できるというものでございます。 ◆堀川素人 委員  まず、虐待の防止等に関する法律におきまして、第4条で、児童虐待早期発見ということが言われておりまして、これは当然のことであります。何よりもやっぱり早期発見というのが極めて大事だと。それはそのとおりですよ。子どもがその間虐待を受ける可能性がある、身体を傷つけられる、精神的に傷つけられる、これが子どもたちの成長に与える影響は極めて大きいと、こういう認識のもとでこの法律ができていますから当然のことだと思うんです。  その法律の中で、虐待があった、または親ないし監護する人間がそれにふさわしくない行動をとって、子どもの福祉を著しく侵している場合に、例えば児童相談所の一時保護だとか、そういうことについても発動できるわけですよ。  そうしましたら、この間、厚別で起こった静岡県から来た児童について言うならば、ここでは背景を省略いたしますけれども、静岡では学校に通っていない、3人の子どものうち2人が虐待のため向こうで保護されていると。こちらの方でもそのおそれが極めて強いという中でこの件があって、そして、その調査、報告をするために子どもに会ったと。静岡へ帰ると言っていたけれども、静岡の方からは帰っていないという報告があった。  こういう時点では、虐待もそうですが、この親が子どもに対してまともな教育を受けさせていない、学校にも通わせていない。これは子どもの意思で学校に行けないとか、要するに不登校の状態とは違うわけですよ。それがはっきりした時点で立入調査をすることがあってもよかったんじゃないか。そしてそれができるわけですよ。ですから、立入調査までについては何の法の壁も存在しない。  そのほかに38回、その子どもの家へ行っている。会ったのはその1回と、それから去年の9月になりますか、そのときに立ち話程度の話ができたと。今、忙しいから、出かけるからといって、時間をかけての話については相手から拒否されたと、こういうことですが、そのときに法律でできることがあったんじゃないか。これから行きますよというときに、相手が忙しいからといって、仕方ないですねという話ではない。法律では、あなた方のすべきことがきちっと決められているといってもいい。相手に通知をしなければならない。  今回あなたにお話をすることは、一時調査に類するもので、これは法令に基づいて行うものであると。あなたが忙しいからといってぱっと立ち去っていくことができるような生易しいものじゃないですよということを、しっかりと相手に言わなければならない。これも法律ではできた。  今、言ったように、38回のうち2回しか会えなかったと。これは厚生委員会でも随分厳しく言われましたから、これについて、これ以上の話はしません。心構えの問題であったということはもう明らかになりましたし、局長の方から、その件については自分たちの努力が足りなかったと、こういうことで話がありましたから、これ以上は言いませんが、今、話をしている中で、どこに法の壁があったのかお聞かせ願いたい。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまの件でございますが、今回の事件につきましては、面会時に児童に外傷やあざが見られず、また、児童本人も虐待を否定していたこともございまして、その場で虐待の事実が確認できず、職権で一時保護する判断ができませんでした。 ◆堀川素人 委員  法律がどうなっているかということはわかっていても、その判断に誤りがあったというふうなことだと僕は思うのです。一時保護というのは、子どもを監護する側の人間、親権がある人間が反対する場合でも引き離すことができる。そして保護することができる。それからまた、ある意味で警察も義務として協力しなければならぬ。この法律にある条文を裏返しでもって読みますと、警察はそれに協力しなければならぬと。連携をすればできますし、法を犯す人間というのでしょうか、虐待をする人間というのはきっと怖い部分があるのでしょう。ですから、その措置をとる人間が恐怖を抱えたままというのではなかなかしづらい。そうであるならば、警察の協力も必要である。その協力を願ったならば、警察はそれに協力しなければならない義務があると、この条文からそう読んで構わないと思うんですよ。そういう中で、何度か立入調査をしなければならなかったのではないか。しかし、ここでは1回しかしていないわけですよ。これも大変問題である。  これが9月になって、近所の人から、虐待されているんじゃないかと通報があった。こうしてまた改めて、以前と違った緊張した状態の中で取り組んだことが、今までの話や調査の中でおよそわかりました。これは緊急性を要するなと、こういう気持ちになったことはわかりますけれども、でも、なかなか虐待の事実の確認ができない、というよりも会えない、それでてこずったわけですが、ここで一つ、隣近所の信頼できる人を調査して、その人に協力をしてもらう、こういうことをしたのか、しなかったのか。それをちょっと聞かせてください。 ◎大沼 児童相談所担当部長  私どもは、ご近所の方に聞いて回るということはいたしておりませんが、地域の主任児童委員の方にはお聞きいたしました。 ◆堀川素人 委員  僕は、聞き回ったかなんていう話をしたんじゃないのですよ。信頼できる人を近くでもって見つけて、その人からの情報提供を願うというようなことをしましたかと、こう言っているのです。  ですから、児童委員がいますね、その人に協力を願うのはこれもまた当然だと思います。ところが相手は隠れる、こっち側も24時間つきっきりで見ているわけにもいかない。やってできないことはないですよ。例えば、通報した人も隣近所の人じゃないかと。そうするならば、その人にとは限りませんけれども、やはりいろいろな時間にその家を見てもらう。子どもの命を守ることを考えたならば僕はこういうことは当然だと思うんですが、それに対してプライバシーという法の壁はあるんですか。 ◎大沼 児童相談所担当部長  虐待事例の調査についてでございますけれども、まず、これは信頼関係を基本として行うことが原則でございます。児童相談所が調査に来ていることを近隣住民に知られないようにするなど、子どもや保護者のプライバシーへの十分な配慮が必要となりますが、子どもの安全を確保するということを常に想定して調査を行わなければいけないというふうに認識しております。  調査方法についてでございますけれども、子どもや保護者とのかかわりを持つ学校や保育所などの関係機関や、主任児童委員など地域の関係者などから状況を聞きますとともに、家庭訪問を行って、子どもや保護者と面接し、双方から事情を聞いた上で、これらを総合的に勘案いたしまして虐待の有無を判断しております。  調査内容については、客観的、多角的な調査による情報収集が望まれ、その後の対応で法的な措置を講ずる場合の証拠や、根拠の把握のための調査ということも十分に留意する必要があるというふうに考えております。 ◆堀川素人 委員  国の方から来ている指導でも、プラバシーには気をつけなさいよと、こう書いてあるのを確認をさせていただきました。それは、今、大沼部長が言ったように、隣近所に聞き回るということはやめなさいということですね、プライバシーに気をつけなさいと。でも、人の命にかかわる中で大事な情報を得る、こういう協力者を得るということを、国はだめだと言っているのですか、お願いします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  特にだめとは申しておりません。 ○高橋克朋 委員長  堀川委員、1問1答になっております。少しまとめてください。 ◆堀川素人 委員  済みません。1問1答にさせてください。一つ、一つの事実確認なので。 ○高橋克朋 委員長  少しまとめてできる部分があったらやってください。 ◆堀川素人 委員  それで、今言うように、だめだと言っていないわけですよ。要するに簡単に言うならば、人の命とプライバシーとどちらが大事なのかと。これは両方大事ですよ、両方大事ですけれども、命を失わせるということは何があっても避けなければならないとするならば、そこに協力者を求めるということも大事な作業の一つじゃないかと僕は思います。  法の壁があるのかないのかということと、それからプライバシーを重んじたのか、実際に調査を効果的にやるために、今回協力者を得ないで1年間を過ごしてしまったことは極めて残念ですし、子どもに1年間そういう苦労をかけたということは、たまらなくつらい思いなわけですよ。  先ほども言いましたけれども、児童虐待の防止等に関する法律の中でも早期発見と、これを一番先というか、第4条ではっきりとうたっているわけですよ。そのことを考えたならば、やはり、今後、この失敗をぜひ生かしていただきたいなと思います。  それから次に、前にも言ったんですけれども、里親の関係で子どもが大変悲しい思いをしたと、こういう話もありまして、今回のこの虐待の件、僕は、児童相談所の所長ができる権限というものを自信を持って発動しようとしていないんじゃないか、これはどうしてなんだろうかと。法律的に十分理解をしていないということなのか、それとも、実際にこういうことの痛みを感じる経験をしていなかったことからくるものなのか。でも、僕は人間が持っている想像力である部分補い切れると思うのです。その想像力が働かなかったのか、そうするならば、法律がきちっとしてあったとしても、それを自信を持って発動しなければないのと同じですよ。そう考えたときに、児童相談所にいてその判断をする人方、この人方が研修等を通してきちっとこのことを学び、そして具体的な例を学んで、これを生かす仕組みができているのかどうか大変疑わしいなと思うんですよ。  それで、児童相談所では判定する人方がいますね。多分、いろいろな形で、大沼部長を中心として検討会等があろうかと思うんですけれども、そういうところに加わる人方にどういう研修がなされているのか、お聞きしたいです。 ◎大沼 児童相談所担当部長  児童相談所では研修を行っておりますが、新任あるいは現任の者につきまして年数に応じた研修、それから国で行っておりますスーパーバイザーの研修、福祉司の研修、それから心理判定員の研修等を受講させて、資質の向上に努めているところでございます。 ◆堀川素人 委員  研修をしているって、具体的にどういう研修か。今の答弁では研修をしていますということなんですけれども、僕は、今のままでこれ以上資質の向上が図られないならば、研修の仕方が間違っているんじゃないかと。それとも時間が少な過ぎるのか、こういうことだと思います。大事なことをこのようにして間違いを繰り返していたらまずいですよ。子どもの命にかかわったり、子どもの幸せにかかわったりすることです。しかも、それを受けとめる機関がこのような状態では本当に心もとないというか、こんな思いでいっぱいですね。  そこで、局長にお伺いをしたいんですけれども、こういう事実がありました。今、僕は法の壁があるかと、実際にはないと。僕が調べてみたら、児童相談所には、法によって想像以上に大きな力が与えられている。ある意味では、前に言った、かぎを壊して入り込むということはできなくても、それ以外のことはほとんどできるような力が与えられているわけですよ。それをきちっと発動しなければ、先ほど言いましたように、制度をつくっても意味をなさない。今、研修の話を聞きました。研修はしていると。でも、こういうことが起こる。とすれば研修体制を抜本的に見直さなければならないんじゃないかと。ただ知識として得るだけじゃない。実際に出会ったいろいろなケースを生かそうとする問題意識がなければ具体的に覚えてこないわけです。具体的な問題に対してそれに対応できる力が養われないわけです。先ほども言いましたように、相手はおっかない人もいるでしょう。では、おっかない人に会った場合にはどうするのか。一つ一つ勉強だと思うのです。  先ほども言いましたように、今回、大変不幸な出来事ですけれども、これをひとつ我々の学ぶ大事な材料としてしっかりと研修しなければなりませんし、この問題ばかりじゃないです、毎日のように扱っているという話ですから。その一つ一つに危機感を持ってやったならば、研修のあり方というのは変わってこなければならないし、こういうことがしょっちゅう起こっていたら困るんですよ。研修体制について局長はどう思われるのか、これについてお伺いをいたします。 ◎平井 子ども未来局長  虐待対応は、年間200件を超える受理件数を処理しておりまして、まさに現場職員は、子どもの安全確保が最優先という形で日々対応に臨んでおります。連絡を受けてから1年有余ということで、今回の事件を振り返りまして、現場の職員が本当に一番心を痛めて、まさに二度とこういう形でなく、早期に対応しようと一人一人が燃えております。  過日、厚生委員会で一連の経過を報告させていただいた後、私も入りまして、職員と今回の事例を時系列的にやりながらそれぞれに問題点を出し合いました。だれを責めるということではなしに、みんな謙虚に今回の事例を振り返ってということで問題点を出し合いまして、早期に対応する場合に、いわゆる相談所としての意識を持って事例に臨む、そして、いろいろ困難なケースもあろうかと思いますけれども、そういった考えられる事例をやりながら、弁護士さんなど専門家を招いて、一定期間かけて一つの事例を想定しながら、早期対応をしていくためのいろいろな法的知識も含めて勉強していこうということでございます。  今後、こういったことが二度と起きないように早期対応ということで、私も含めて、所全員が子どもの安全確保第一ということを最優先に、そのことを胸に刻んで対応してまいりたいと思います。 ◆堀川素人 委員  最後にいたしますけれども、児童福祉法にこういうことが書いてあります。この法律のプライバシーということの中で、プライバシーを守ることは大事であっても、虐待については、プライバシーを優先させてはだめですよという部分があるんですね。  これは、この問題についての児童相談所の対応とは直接関係のない部分にありますけれども、それがあえてこの法律の中に載っているということは、虐待というものが身体に傷をつけたり、精神的に大きなショックを与える、こういうことの重大性にかんがみ、プライバシーがその中で一定制限されても構わないと。構わないとは書いていないですよ、それよりも優先しなさいということを書いているわけです。だから、プライバシーがあるからといってそれを優先的に考えてはならぬと書いてありますから、今、ここでもってはっきり言えませんけれども、それを皆さんもしっかり読んで理解していただきたい。そうでなければ、虐待についての問題はプライバシーという問題の中でかき消されて人の命が失われる可能性がある。僕はこういうことを皆さんに話をいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ◆宮村素子 委員  私は、児童相談所子育て支援センターについてお伺いしたいと思います。  委員長、この場合分けて質問してよろしいでしょうか。 ○高橋克朋 委員長  はい、どうぞ。 ◆宮村素子 委員  (続)それではまず、児童相談所の機能強化という観点でお伺いいたします。  まず、1点目ですが、児童相談所相談状況について。  昨年受けました相談の内容、相談件数相談経路について伺いたいと思います。また、あわせて、虐待の通報件数がどのぐらいあったのかもお伺いします。  2点目は、児童相談所では、通常、相談を受けた際に具体的にどのように対応されるのか、また、虐待通報があった際には、どのように対処しているのか、お伺いいたします。  さらに、通報を受けましても、厚別の事例のように、なかなか親に面談できなかった事例というのが、そのほかにも1年間の中で存在するのかどうか。あるとすればどのぐらいあるのか、伺いたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  1点目の相談状況についてでございますが、昨年度児童相談所で取り扱った相談件数は、総数で4,631件でございます。その内訳は、保護者の病気や逮捕により児童の養育が困難なものや、虐待などの相談である養護相談が971件、障がいに関する相談が3,180件、非行に関する相談が199件、性格行動や不登校に関する相談が281件となっております。  これらの相談経路につきましては、児童の保護者や祖父母など、家庭、親戚から相談がなされるものが最も多く、全体の70.8%を占めております。次に、各区の保健福祉部からの相談が11.1%、児童養護施設などの児童福祉施設からのものが6.7%、その他警察や医療機関、近隣からの相談が合わせて11.4%となってございます。  最近の傾向といたしましては、虐待相談を含む養護相談がふえてきているというふうに感じております。  2点目の虐待の通報件数についてでございますが、昨年度は179件ございましたが、今年度は1月末現在で既に237件に達しておりまして、前年同期の1.7倍になってございます。  3点目の相談があった際の対応方法についてでございます。原則としては、来所相談家庭訪問により、相談者や子どもと信頼関係を築くことを基本としながら、その問題解決に向けて必要な支援を行っております。  また、虐待通報を受けた場合の対応についてでございますが、虐待通報を受けた後、まず、その通報内容とその子どもにかかわる関係機関などへの周辺調査をもとに、実態調査を行っております。この実態調査は、複数の職員体制で家庭訪問を行いまして、子ども本人と保護者に面接することを基本といたしております。  次に、親と面談できなかった事例でございますが、それはございません。 ◆宮村素子 委員  ただいまの数字、全部控え切れませんでしたけれども、経路別の相談件数も年々ふえているということで、そして、それらは児童の保護者からのものが全体の約7割を占めているという状況でございます。虐待に関する通報も、対前年度比では1.7倍と大変にふえているという状況、そうした中で、相談者として一番多い親の状況についてちょっと伺いたいと思います。  新聞報道で見る虐待からうかがう親の状況は、新聞で知れる範囲、また想像する部分もありますけれども、社会的に大変未熟な親が多いなと。それから身勝手な親というのでしょうか、自分の行動を優先している。それから子どもとの接し方がなかなかわからない。例えば、親として家庭のしつけも十分できないとか、そういったようなことから、児童相談所のそれぞれの分野別の相談につながっているんだと思っております。  そうしますと、この方たちの、親の相談を皆さんが一手に受けているわけですが、現場ではこの相談状況についてどのようにとらえているのか、親を含めての家庭ということになるでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  今、委員のご質問にありました親の状況なんですけれども、昨今の親の状況というのは、経済社会が複雑化、あるいは多岐にわたっているという中、精神的に不安定な方、あるいは抱えている問題が非常に多岐にわたっている方、それから他人との関係をうまく築けない方、あるいはご自身の意見に固執する方が多くなってきているように感じております。このような方々と信頼関係を築くのは大変多くの時間を要することでございます。  とりわけ、虐待通報を契機とした相談におきましては、当所と敵対関係となる場合も多く、問題解決を図るために長い期間を要することもふえてきております。 ◆宮村素子 委員  親の家庭背景、社会的背景を含めて大変に対応が難しい、そうした親が増加しているという状況でございますし、相談件数も増加しております。さらに、そういった複雑さの中で、今回の厚別区の事例のように、やはり親に翻弄されているといいますか、なかなか入り込めなかったと。それは対応のまずさということで、なかなか入り込めない人にどう対応していくか、今後のあり方が求められることになったわけでございます。そういう状況を考えますと、児童相談所の機能をより強化していくことが、ここで必要ではないかと思うところです。  このたび児童福祉法の改正がございました。これは児童相談所の機能を充実させるということが目的かと思います。その中では、都道府県と市町村が役割分担をしてしっかりやりなさいということです。札幌市は政令市ですので、児童相談所と各区保健センターとの連携の中で、今までどおりネットワークの中でしっかり対応していくことに変わりはないとは思います。しかし、今回の役割分担という中で、より住民サイドでの機能強化が挙げられているかと思います。対処のかかわり方を受け身から能動的に、そしてより介入的姿勢に変えていきなさいと、それが強調されている、この改正はそのように読み取れるわけですね。そして、児童福祉司の資格要件の拡充が盛り込まれております。そこで、児童相談所の機能強化について法の改正もございますが、どのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  機能強化についてでございますが、まず、児童福祉司については、来年度は2名増員されることとなっております。今後につきましては、必要な人員の確保及び多角的な視点を持って相談に対応することを可能とするための事務職員以外の職種の配置も重要と考えております。  次に、児童相談所の機能強化を図るためには、先ほども申し上げましたけれども、やはり職員の資質向上のための研修が大変重要というふうに考えております。現在は新任、現任等、経験に応じた研修を実施しておりますし、また、国が行っている研修にも参加させて資質の向上に努めてきているところでございます。今後も引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村素子 委員  ただいま、新年度は福祉司を2名増員ということでございますけれども、私はかねてからこの増員を機に、他職種の導入、具体的には保健師の導入も求めてきたところでございます。今回の法律改正による資格要件の拡充の中で、教員とそれから医療関係者、保健師、医師も含めてというふうに具体的に明示されております。また、今回の法律の改正で、実際に定員をどういった根拠で算定していくかということも改正になりまして、従来ですと27名必要であったところ22名でやっていて、そして今回2名ふえるということですが、従来の観点からいってもまだ不足しておりますし、今回の法改正に伴いましては、さらに拡充が必要になっているはずであります。従来から見てもまだ3名は不足でございます。  私は、さきの厚生委員会では、保健師の配置を求めまして、部長は前向きに検討するとの答弁でございました。そのとき局長にもお伺いしまして、できるだけ早期にというご意見をいただいているところでございますが、きょうは副市長にお伺いいたします。  ただいまの一連の流れの中で、国も機能強化しなさいと言っております。それから札幌市の児相の現状から見て、研修体制をこれからさらに強化しなければならないと言っておりますけれども、それはもちろん当然のことですが、日々の一つ一つの事例への対応のための研修がまずベースで、そこをレベルアップしなければならないわけです。それをやはり同じ児童福祉司の新人、キャリアのある人の中だけでの研修ではなくて、他職種を導入することによって、さらに日々の中で違う意見が出て、振り返ってどうしたらいいか、そういったことができるわけで、ぜひとも新年度から保健師の配置を求めたいと思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎小澤 副市長  先ほど、子ども未来局長からお話がございましたように、今回の悲惨な事件を貴重な経験といたしまして、職員の資質の向上等をどうするかということで研修内容の見直し、それから職員数の問題等々について検討をしていかなければならないということでございます。今、宮村委員からお話がございましたように、保健師さんが持っている知識を児童相談所に生かすためにはどうしたらいいかということについては、厚生委員会で前向きな答弁をさせていただいたこともありますので、私は、その原局の判断を尊重いたしまして、可能な限り保健師さん等の活用を考えていきたいというふうに考えています。 ◆宮村素子 委員  ぜひとも新年度から拡大できますようにご努力をお願いしたいと思います。  そしてもう1点、区の子育て支援センターの整備についてお伺いいたします。  札幌市の就学前の子どもたちが日々過ごすところは家庭でございまして、特に3歳未満の子どもたちにつきましては、その80%以上が家庭で過ごしております。子育て中の親の意見としまして、地域での連帯感が大変低下している、そして核家族化の中、どうしても孤立化している傾向にあります。その中で、自分たちの子育ての悩みや不安を解消できずにいる、そういった親たちが多く見受けられますし、親の力が十分備わっていないという、そんな方も見受けられるところでございます。先ほど言いました未熟な親といいますか、そういった方たちがいるのが現状かと思います。  それを裏づけるように、昨年4月オープンの子育て支援総合センター、子育てサポートセンターの利用状況を見ますと、相当ニーズがありまして、各区で子育て家庭の支援を早急に進めなければならないという状況が明確になっていると思います。  昨年9月に策定されましたさっぽろ子ども未来プランにおいては、すべての子育て家庭を支援するということのもとで、平成21年度までに仮称区子育て支援センター5カ所の整備を打ち出しております。もう既に豊平、西、手稲区は18年にオープンすることが決まっておりますし、今回の予算案では4カ所目として、東区にある新生保育園の大規模改修・改善が計画化されているところでございます。  そこで、質問いたしますが、残りの1カ所については、今後、どのような考えで整備されるのか、お伺いいたします。 ◎山本 子育て支援部長  今後の区子育て支援センター整備の基本的な考え方でございますが、主に公立保育所など、公共施設の有効活用を図りながら進めていきたいと、そのように考えております。また、委員からご指摘のございました残り1カ所の整備につきましては、このような考え方を踏まえながら、現在の新まちづくり計画に次ぐ次の計画策定時において具体的な検討を行う考えでございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまの答弁によりますと、公共施設の活用が基本的な考え方のベースだということと、もう1カ所は、まだ具体的には決まっていないということでございました。今までの整備状況を見ますと、確かに公立保育園の有効活用を図っていて、保育園とセットで整備してきております。  そこで、質問いたします。まだ1カ所決まっておりません。さらに、保育園のあと残る5カ所あって、全体的に見ると6区残っているということになりますが、公立保育園未設置区であります厚別区、清田区、南区の整備についてはどのような方法で進めるのか、お伺いいたします。  特に、清田区について申し上げますと、清田区は大規模な宅地開発が続いておりますし、子育て家庭の流入も多くニーズは高い状況です。資生館にございます総合支援センターの利用状況を見ますと、中央区にありますので、中央区の利用者が一番多いですが、18年度オープンを計画しております西区、手稲区、それから豊平区の利用者も大変に多いわけですね。清田区の利用者は大変少ないんです。では、ニーズがないかというとそうではないわけです。多くは3歳未満の子どもですから、薄野にあるあそこまでなかなか連れて行けないという状況でございます。  それから、清田区の場合は、最後に分区しましたので、公共施設等のインフラも進んでいない状況にございます。清田区には公立の幼稚園が1カ所ございますが、定員の充足率は大変に低く、50%前後という状況です。ですから、例えば、ここに併設するという考え方も一つできるかと思いますし、それからもう一つ、これは全然角度が違うわけですが、今、地区センターを検討中でありまして、どんな地区センターにしたいかという区民のディスカッションが進んでいる状況で、若い世代からは、通年使える子育て支援機能をそこに付加できないかと、そういった声もあります。  ちなみに、資生館にあります総合センターの利用は、3月はまだ出ていないのですが、やはり12月、1月、2月の冬期間3カ月は交通も大変ですからさらに低下しているわけです。ずっと多いのですが、そこががくんと減っている。そういうことを考えますと、清田区の若い世代が通年使えるようにと希望をしているように、これは既存の公共施設を使ってみる方法、または今後計画予定の施設との合築、こういったことも検討に値することではないかと思うわけですがいかがか、お伺いいたします。 ◎山本 子育て支援部長  お答えいたします。  清田区を初めといたします公立保育所が未設置になっている区における整備についてでございますが、市営住宅や学校など、既存の公共施設の活用が可能であるかどうか、所管する部局との連携を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。またあわせて、今後、計画を予定している施設との合築化等につきましても、区役所との連携、あるいは交通の利便性を考慮した上で、整備部局とその可能性について検討を行ってまいりたいと、そのように考えております。 ◆宮村素子 委員  これは要望にして終わりたいと思います。  今、子育て中のお母さんたちに、地域での夢が持てるように、最初に整備する5区のうち残り1カ所はぜひ清田区でと思うわけですが、各区の全体的なバランスということもありますし、さらに5区、まだ全然頭出しにもなっていない、そういったところの整備に当たりましては、残っているところがなるべく早く同時ぐらいに進められるようにご努力いただきたいと思います。  そして、子育て中のお母さんたち、それから地域の方たちが一体となって子育て支援に多くの力が注がれるように、それは少子化の一つの方策にもなるかなと思うところでございますので、ぜひとも全区含めて早急に検討していただきますよう要望して、終わります。 ◆村上勝志 委員  私からは、子どもの権利推進事業についてお伺いをいたしたいと思います。
     先ほど来、虐待のお話が出ておりましたけれども、いわゆる児童虐待、幼少期に虐待を受けますと、怒りの感情をつかさどると言われているノルアドレナリンの分泌量が多くなって感情を抑え切れない、キレるという状態になると言われておりますし、幼少期に虐待を体験した子どもは、大人になってから今度は自分の子どもを虐待してしまうという虐待の時代間連鎖ということが言われておりまして、早期の子どもの権利条例の制定が望まれているのかなと思っております。  子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)は、18歳未満のすべての人の保護と基本的人権の尊重を促進することを目的として、1989年秋の国連総会で全会一致で採択されたものであります。この条約は今なお世界中に貧困、飢餓、武力紛争、虐待、性的搾取といった困難な状況に置かれている児童がいるという現実に目を向け、児童の権利を国際的に保護・促進するため、国連人権委員会の下に設置された作業部会において、多くの国連加盟国、政府、国連機関などが参加して、10年間にわたって行われた審議の成果であります。  残念ながらいまだにアメリカとソマリアは批准されていないようでありますけれども、この条約の内容につきましては、特定の国の文化や法制度に偏重することなく、先進国であれ開発途上国であれ、すべての国に受け入れられるべき普遍性を有するものとなっておりまして、我が国は1990年9月21日にこの条約に署名し、94年4月22日に批准を行いました。  札幌市は、子どもの基本的人権の尊重、保護及び福祉の向上を図るために、昨年来、この条約の普及啓発活動に取り組んでおり、将来を担う子どもたちの育ちの過程で、自己を高めるための施策の一つが子どもの権利条例づくりと思うのであります。  2005年度中の条例制定を目指して、今年度1,200万円の予算が計上され、そしてこの4月には検討委員会を設置すると聞いております。昨年の第4回定例市議会では、我が党の藤川議員の代表質問に対して、教育委員会と共通の理解を持って取り組むためにプロジェクト会議を設置していると答弁されました。そこで、教育委員会とのプロジェクト会議ではどのようなことが話し合われ成果を上げているのか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。 ◎奥岡 子ども育成部長  私から答弁させていただきます。  子どもの権利条例づくりに向けました教育委員会とのプロジェクト会議についてでございますけれども、子どもの権利条例づくりという大きなテーマに沿いまして、昨年11月に連携強化のためのプロジェクト会議を発足させております。この会議では、子どもの権利条約の学校での啓発や条例づくりに向けて、教師や子どもがどのようにかかわっていくのか、これを検討しているところでございます。  この成果といたしまして、新学期に小学校4年生と中学校1年生に配付する予定の子どもの権利条約パンフレット、この見直し作業に教育委員会としても積極的な対応をしていただいたところでございます。そのほかにも、この4月に設置いたします条例制定検討委員会の事務局に教育委員会の職員も加わることになっておりまして、ともに審議経過ですとか状況を十分把握し、共通認識に立って検討委員会への対応、それから今後の条例づくりに向けてさらに緊密な連携を図っていくこととしてございます。 ◆村上勝志 委員  子どもの権利を擁護する観点で、学校という子ども集団の中で、実地に子どもの権利を反映した取り組みをすると。そのための指導者、育成者として教師を養成することは大切なことと考えますので、この点、教育委員会とのプロジェクト会議の中でどのように論議されているのかをお伺いいたしたいと思います。  また、子どもの権利が生かされたものとしていくためには、単に条例をつくるだけではなくて、家庭や学校、地域社会の中で大人が個人的に、さらには組織的に取り組んでいくことが大切なことであると思うのであります。  そこで、個々の教師が子どもの権利を意識し、授業やクラス運営に生かす、そして、子どもの生活の場である学校全体が子どもの権利を反映した運営に取り組むことも必要と考えますが、この点、プロジェクト会議ではどのように検討されているのか、2点をお伺いいたしたいと思います。 ◎奥岡 子ども育成部長  お答えいたします。  まず、教育委員会とのプロジェクト会議における論議、それから教員の養成などについてでございますけれども、教育委員会といたしまして初心者研修、10年経験者研修などの法に定められた研修のほか、教育センター主催の研修に、子どもの命ですとか権利を守る研修を位置づけていただくことになっております。さらに、教師や子どもを対象といたしました取り組みについて、具体化に向けた検討をしているところでございます。  いずれにいたしましても、教育委員会としてすぐに対応できるもの、検討を要するものもございますので、プロジェクト会議はもとより、ふだんの業務の中でも連携を密にし、子どもの権利が生かされ、一層具体的な取り組みとなるように進めているところでございます。 ◆村上勝志 委員  権利条例という部分での議論というよりも、権利条例づくりに向けての議論でございますので、条例制定の段階ではまたさらに議論が深まっていくかとは思いますけれども、要望として、子どもの権利を反映した条例づくりと具体的な取り組みが相まって、やがては地域社会の担い手として子どもたちが育っていくものと考えております。  世界的に見て、我が国はこれまで経済的には恵まれていたと言えると思いますけれども、精神的に豊かであったかと言えば、最近の犯罪の低年齢化や虐待などの報道を見聞きするときに、子どもの権利条例づくりは、大人に対してのことばかりではなくて、子どもたちみずからが考え、意見の表明を行うなどの能力を醸成するということが、やがていたわりや優しさなど、子ども同士の関係とつながっていくものと思いますし、この意義は大きいと思っております。  先ほどの答弁で、教師や子どもがどのようにかかわっていくのか検討しているところだと、こうおっしゃっておりました。4月に設置する条例制定検討委員会に教師の代表や子どもの代表を入れるように、また、子どもの権利条例づくりをきっかけにして、子どもの成長を温かく支え、子どもに優しい街づくりを進めていただくことを要望して、質問を終わります。 ◆谷沢俊一 委員  私から、大きく2点についてご質問をさせていただきます。  1点目は、母子家庭等自立促進計画の策定に関して、もう1点は、子育てサロンの事業展開についてお聞きをしたいと思います。  最初に、母子家庭等自立促進計画についてでございます。  さきの代表質問におきまして、我が党の本郷議員が質問をいたしました母子家庭等自立促進計画と就労支援の取り組みについてでございます。札幌市における母子家庭は、平成12年で1万4,011世帯と、平成7年から比較すると1,631世帯増加しているというふうに伺っておりますし、また、直近においても、依然として高い離婚率、あるいは児童扶養手当の受給者が毎年平均して600人ぐらいふえていると、こういう状況から、母子家庭が増大していることが推測されます。  これら母子世帯を初めとするひとり親家庭に対する施策は、ますます必要になっていると認識をしております。また、ひとり親家庭というのは子育てそして生計と、こういう二つの役割を担っているわけでありまして、子どもの養育、住居、収入等さまざまな困難を抱えております。  特に、母子家庭の場合は、厳しい経済状況の中で子どもを抱えて就労も大変厳しい。また、就労してもパート、あるいは臨時といった極めて身分が不安定な状況であると。こういったことから生活保護を受給するという世帯も相当数あると伺っており、札幌市の母子家庭は平均1.92人の子どもを抱えているという数字も上がっております。母子世帯が全体で約1万5,000世帯いらっしゃるわけですから、約3万人の子どもさんがいることになります。そういう意味では、子育て支援という側面から考えても、母子家庭等に対する支援が非常に大事である、このように考えております。  こうした中で、札幌市において、昨年から母子家庭等自立促進計画の策定を現在進めているというふうに聞いておりますが、増大する母子家庭等の自立への支援は非常に重要な課題であると、このように言えるわけであります。  そこで、質問に入りますが、母子家庭支援の柱となっております児童扶養手当、これは扶助費としていわゆる義務的な経費でございますが、今年度予算を見ますと95億円余の膨大な額が計上されているわけです。この事務は平成14年8月までは道において給付事務が行われていたものを、14年8月に札幌市に移管されたと伺いました。  そこで、1点目ですが、平成14年8月、すなわち道から移管を受けた以降の児童扶養手当の受給者の数と支給額の推移について伺いたいと思います。  また、2点目に、現在策定中の計画に期待される効果とねらいについて、お伺いをしたいと思います。 ◎山本 子育て支援部長  まず、1点目の児童扶養手当受給者と支給額についてでございますが、受給者につきましては、平成14年度1万7,510人、平成15年度1万8,171人、平成16年度には1万8,730人が見込まれております。毎年増加の傾向が続いております。  支給額におきましても年々増加の傾向にございまして、平成14年度は北海道から年度途中で事務が移管されたことから、4カ月分で約28億6,000万円、平成15年度におきましては89億7,000万円、平成16年度には92億円が見込まれております。先ほど委員からも指摘がありましたように、平成17年度予算案におきましては、さらに3億円を増額いたしまして、95億円余を計上しているところでございます。  次に、計画策定の効果とねらいについてでございますが、母子家庭が抱える困難は多くが複雑に重なっており、総合的な支援を展開する必要がございます。今回策定いたします母子家庭等自立促進計画という一つの体系の中で、各施策が整理されることによりまして、庁内だけではなく、関係機関・団体と連携し、一体となった展開が可能となり、札幌市における母子家庭等の自立支援施策を総合的かつ計画的に展開していくことができると、そのように考えております。 ◆谷沢俊一 委員  14年度と16年度を比較しても1,200人ぐらいふえているということで、これにかかる経費も95億円と、15年度から比較しても6億円以上ふえているわけであります。この経費区分については生活保護費と基本的には同じでございまして、4分の3が国費で4分の1が市費でございますから、市の厳しい財政状況の中で占める割合というのも非常に大きいということで、必要な支援は当然しなければなりませんが、母子家庭の場合、単に子どもがいる、あるいは子育てをしているために就労にハンディがあると、こういったことに対して自立を促すということが大事であると思うわけであります。  そこで、就労にハンディのある母子家庭のお母さんが自立し、安定した生活を営んでいくためには、具体的な就労に対する支援の施策が必要であると、このように思うわけであります。  そこで、質問でありますが、この計画の中で就労支援に向けてどのような取り組みを検討されているのか明らかにしていただきたいと思います。また、平成17年度新規事業として計画され、予算も計上されております札幌市母子家庭自立支援給付金事業についても、その内容について明らかにしていただきたいと思います。 ◎山本 子育て支援部長  お答えを申し上げたいと思います。  1点目の就労支援の取り組みについてでございますが、ご指摘のとおり母子家庭の母の就職、または再就職には、就業経験の少なさ、事業主側の理解不足や年齢制限などの問題が重なり困難が伴うことが多いと認識しております。そういった中で、本計画におきましては、母子家庭が十分な収入を得ることができるように、また、自立した生活ができるよう母子家庭等就業支援センターの機能を充実させまして、各種資格取得のセミナーを初めとする職業能力向上のための訓練、効果的な職業あっせんや相談体制の充実などを行うこととしております。  また、2点目につきましては、17年度新たに、自立に向けた能力開発や資格の取得を推進するため、母子家庭自立支援給付金事業を実施する考えでございます。この事業におきましては、札幌市が指定する教育訓練講座を受講した母子家庭の母に対して、講座終了後に受講料や入学金の4割相当額を支給する自立支援教育訓練給付金事業と、看護師や保育士などの経済的自立に効果的な資格を2年以上の養成期間で受講して取得する場合に、修業期間最後の3分の1の期間に対しまして12カ月を限度として月額10万3,000円の給付金を支給し、生活の負担軽減を図る高等技能訓練促進費事業の二つの事業を実施をすることとしております。 ◆谷沢俊一 委員  ただいま就労については、さまざまな環境の整備に取り組んでいくということで、ぜひしっかり力を入れて取り組んでいただきたいと、このようにお願いをしたいと思います。  また、今の自立支援給付金事業については、やはり就労に有利な資格取得のためにバックアップしていこう、給付金を出していこうというすばらしい事業だと、このように思うわけであります。  そこで、新年度から給付金事業がスタートするわけでありますが、せっかくこのようなすばらしい制度をつくっても利用されなければ意味のないことであります。そこで、この給付金事業の市民への周知の方法、あるいは受け付けの体制、具体的な事業の実施方法などについてどのような具体的な準備を進められているのか、お伺いをいたします。 ◎山本 子育て支援部長  周知方法や受け付けなどの手続についてお答えをいたします。  まず、利用希望者への周知でございますが、ことし、広報さっぽろ4月号に事業開始のお知らせを掲載する予定となっております。また、各区窓口におきまして事業案内のチラシを配布するほか、各区母子・婦人相談や就労の相談など、各種相談の中で適宜利用の案内をしてまいりたいと考えております。  次に、受け付け手続についてでございますが、受け付けの窓口は、事前に対象講座の指定等もございまして、利用者の利便を考え、各区において受け付けを行い、決定、給付につきましては、子ども未来局で一括して行うことを予定しております。 ◆谷沢俊一 委員  ぜひ、多くの母子家庭の方に活用をしていただきたいと期待するものであります。  次にもう1点、子育てサロンについてお伺いをしたいと思います。  市長は、17年度予算の編成に当たり、大きく三つの柱というものを立てられまして、特に子ども関連施策の充実を重点的に実施したと、このように表明されております。予算全体としては一般会計8,000億円を切るというような厳しい中で、子ども関連予算が拡大しているというのは一定の評価ができるものと考えております。しかしながら、未来の札幌を担う子どもたちの予算づけとしてはまだまだ不足していると、このように思うわけであります。  さて、子育て家庭を支援する仕組みの基本施策として、札幌市では、従来から地域と区と全市という三層構造による一連の事業を展開しておりますが、この中で地域に一番身近で利用も多い子育てサロンの展開はできるだけ早期に、またきめ細かに整備することが必要であると考えております。先ほども児童虐待の話もありまして、お母さんが子育てにさまざまな不安、あるいは育児の負担感、こういったことも感じていらっしゃいます。子育て環境は非常に厳しいものがございますが、育児環境というのは、我々が子育てした時代とは大きく変化してきているのだろうと思うわけであります。  そこで、まず17年度新規に計上されました地域主体の子育てサロン設置事業についてご質問したいと思います。  これまでも取り組んできて17年度に予算化されたというふうになっておりますが、子育てサロンの全市における設置状況について、1点目にお聞きしたいと思います。  今回のこの予算、今後、子育てサロン事業にどのように活用されるのか、その基本的な方針について、最初にお伺いしたいと思います。 ◎山本 子育て支援部長  子育てサロンについてお答え申し上げたいと思います。  1点目の子育てサロンの設置状況についてでございますが、札幌市におきましては、子ども未来プランにおいて、地域の子育て支援の拠点として、平成21年度までにすべての小学校区に子育てサロンの設置を目指しております。平成17年1月現在で全206校区中139校区に設置が進んでおり、空白校区につきましては67校区というふうになっております。  次に、地域主体の子育てサロン設置事業についてでございますが、本事業は、地域での子育てサロンの設置を後押しするため、平成17年度に新たに予算案に盛り込んだものでございまして、主として新設のサロンを対象に遊具や敷物、会場費などの一部について支援を行うこととしております。特に、空白の小学校区を優先して支援することを考えております。 ◆谷沢俊一 委員  現在、139校区、7割近くでさまざまな取り組み、整備が進んできていると。まだ空白校区があるということですので、早急に進めていただきたいと思います。  この子育てサロンについては、未来プランの札幌市次世代育成支援に関するニーズ調査という中で、こういうアンケートの声も出ているわけであります。市で行われていること、区で行われていること、町内会で行われていること、すべてがばらばらのような気がすると。町内会の活性化を助け、地域密着型のアットホームな支援としてほしいと、こういうさまざまな意見があります。子育てサロンは、以前から地域で取り組みが行われておりまして、その主体となっているのが地域の社会福祉協議会、あるいは町内会、福祉のまち推進センター等、いろいろな団体がかかわって担っているわけでありますが、これらは個々別々に運営されている中で、一つは横の連携といいますか、区レベルの連携はどうなっているのかをお伺いしたいと思います。  あわせて、児童会館の子育てサロンの場合は開催日が週1回となっており、それ以外は地域によってその回数はばらばらになっている状況であります。いろいろな人がそれぞれの会場を利用できるということも大切なことであると思います。また、一方で、地元のサロンの情報は知ることができても、他の地域や別の会場の情報がわからないというケースもあるのではないか。そこで、もっと気軽にいろいろなサロンを利用するために、これらの情報はどのように周知されているのか。また、区レベルのまとまった情報はどこで知ることができるのかといったことについて、最後にお伺いしたいと思います。 ◎山本 子育て支援部長  サロンの連携につきましてお答え申し上げたいと思います。  各区におきましては、地域主体の子育てサロンに関係する人々や、保育所、保健センターといった関係機関が情報交換を行いまして、より効果的な子育て支援について話し合う子育て支援検討会議を区単位、地区単位で実施しております。  また、昨年11月には、子育て支援推進フォーラムを開催いたしまして、地域の取り組み事例集を作成しております。同時に、全市的に子育て支援活動にかかわる札幌市の社会福祉協議会、民生委員・児童委員協議会、またNPOなど7団体と札幌市行政によります子育て支援推進ネットワーク協議会を発足させまして、相互の連携を図りながら、協調して地域の子育て支援活動を推進していくことを確認しているところでございます。  また、次に、サロンの情報提供でございますが、各区に子育て情報室を設置いたしまして、子育てに関する相談とあわせて、地域主体の子育てサロンなど各種情報の提供を行っております。また、札幌市が行っております市内の児童会館での子育てサロンなど、地域子育て支援事業の情報につきましては、母子手帳とあわせて配布する子育てガイドや札幌の子育て支援のパンフレットなどによって提供しております。  今後につきましては、これらの情報をより身近でも得られるよう、まちづくりセンターなどでの提供についても検討してまいりたいと、そのように考えております。 ◆小形香織 委員  私は、学童保育所の問題と、それから児童虐待や児童福祉司について、大きく2点について質問をさせていただきます。  まず最初に、児童虐待問題、児童福祉司のことについて質問いたします。  私は、昨年の決算特別委員会でも児童福祉司の増員について取り上げました。早急にふやすべきだというふうに質問をしました。このたび児童福祉司を2名増員するということが決まり、現在の22名から来年度は24名にふえるということで、一歩前進したかなというふうに思っていますが、基準からいっても、それから児童相談所の実態からいっても、まだこの数字では足りないなというふうにも思っております。  先日も、子どもが障がい者になれば手当がもらえるといったことが理由で、生後2カ月になるようなまだ小さな子どもさんを虐待するといった事件がニュースでも報道されていまして、こうした虐待のニュースというのは本当に絶えないと思っています。  最初の質問ですけれども、先ほどの委員とのやりとりにもありまして、今年度の児童相談所での相談受理件数が4,631件だというふうにご答弁されたかと思いましたが、その中で、とりわけ虐待の部分についてお聞きしたいんです。虐待の通報については271件あったと、全体の中で昨年度より1.7倍もふえているんだというふうなご答弁がありましたが、その中で虐待だというふうに認定した件数がどのぐらいあるのか。現時点の数値としてお示しをいただきたいというふうに思います。  次に、学童保育所のことについて質問をいたします。  学校に通う児童たちにとっては、放課後をどのように楽しく安心して過ごすことができるか、これは社会の変化の中で大変重要な位置を占めているというふうに思います。異年齢集団で遊ぶ経験だとか、遊びを通して思いやりの心を育てたり、自分の内面を発見していくこと。とりわけ学校のカリキュラムが大変きつくなっている中で、学校の外で自分自身を解放していく場所というのが本当に大事だなというふうに思っています。  そこで、その点での最初の質問ですけれども、今、札幌市には児童クラブ方式と学校施設方式児童育成会、そして民間施設方式児童育成会と、大きく三つの方式があります。それらの方式を問わず、札幌市として放課後留守家庭児童対策とはどのようなものであるか、どのようにあるべきだというふうにお考えか、そこをお聞かせいただきたいと思います。  また、その中で、今57カ所ある民間学童保育所についてお聞きしますが、これまでの本市の学童保育所の歴史に照らして、現在の民間学童保育所が果たしている役割についてどのように評価をしているのか、お聞かせください。  それから、民間学童保育所というのは、国が学童保育所の制度を認めない中で、実践と運動によってつくられてきたという経緯があります。国が学童保育の制度を整備してから、札幌市でも空き教室を利用したり児童会館などの方式も生まれてきました。校区の中で児童会館方式のものしかないところ、あるいは民間学童保育所しかないところ、あるいはそれぞれ一つずつ両方あるところなどさまざまかと思いますけれども、現在の民間学童保育所はどのような課題を抱えているというふうに認識されておられるのか。また、それに対して札幌市としてどのような支援策をとっておられるのかをお聞かせください。 ◎大沼 児童相談所担当部長  1点目の今年度の虐待通報件数とその認定の件数でございますけれども、1月末現在で237件の通報がございまして、そのうち虐待と認定したものは30件でございます。前年度比の1.7倍という形になってございます。 ◎奥岡 子ども育成部長  放課後児童対策につきまして、私から答弁いたします。  1点目でございます。札幌市の放課後児童健全育成事業、特に留守家庭児童対策はどのようにあるべきかということでございます。まず、児童クラブなどの留守家庭児童対策といいますと、保護者の就労などによりまして適切な保護や指導を受けられない児童が、豊かな放課後生活を送れる居場所づくりでございまして、児童の健全育成上重要な役目を果たすものと考えております。  2点目の民間施設方式の役割について、どのように考えているのかというご質問でございます。民間施設方式の児童育成会は、児童クラブや学校施設方式のほかに、多様な市民ニーズにこたえるものといたしまして一定の役割を果たしていただいていると考えてございます。各育成会におかれましては、留守家庭児童の居場所や障がいのある児童の受け入れに関しまして、日ごろよりご尽力いただいているものであり、札幌市といたしましても、標準的な運営費の半額を助成するという形で支援をさせていただいているところでございます。  3点目の民間施設方式が抱える課題に対する認識と、それから十分な助成をしているのかというご質問かと思います。  まず、基本的な考え方といたしまして、いかに地域に受け入れられるか、そして、地域の子どもの居場所として、地域の方々から支えられるような育成会であることが最も肝要かと考えてございます。これは民間施設方式ばかりではなく、札幌市の児童会館においても言えることでありまして、各児童会館におきましても、ただいま申し上げましたように、地域に密着した地域の子どもたちのための児童会館であるよう日ごろより努力をしているところでございます。  具体的な話といたしましては、民間施設方式における幾つかの児童育成会におきまして、登録児童が集まらない、または運営資金が不足しているなどの課題を抱えている育成会もあると伺っております。また、助成金の金額についてでございますけれども、学校施設方式の児童育成会を算出根拠といたしまして、その半額を助成基準としてございます。現時点では妥当なものと考えているところでございますけれども、国の動向などに十分な注意を払ってまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  まず、児童相談所の方から再質問に入らせていただきます。  237件の通報があって30件の認定があったということで1.7倍になっていますというご答弁だったと思います。これは2003年度の虐待通報が179件で、そのうち虐待の認定は25件という数値から、既にこの時点で超えている数値となっているということですから、児童相談所が扱うこうした種類のケースがますますふえているなというのが実感です。  先ほど、児童虐待の通報を受けた場合には、まずスタッフがペアになって面会に行くということを基本としているというご答弁がありました。こうした外周りの仕事をされるという上に、これまで継続しているケースもたくさん抱えておられると。しかも、児童相談所と敵対関係になることが多くて、信頼関係を築くことが大変大事で、どうしても長期の期間を要してしまうんだというご答弁がありました。このような実態を見ますと、この次からは24名にふえるわけですが、現場の皆さんが大変ご苦労なさっているなというのが、本当に安易な想像としても、ぱっとこれは大変なケースだなというふうに思っているわけです。  今、厚生労働省の方では、児童福祉司の配置基準を引き上げようとしています。これまで10万人から13万人に1人の配置であったものを、5万人から8万人に1人の配置へ、ここまで児童福祉司をふやそうではないかということで、児童福祉法施行令が4月1日から実施されるということです。  これは、全国で児童福祉司が大変不足しているという指摘がある中で、厚生労働省が基準を引き上げた、つまり厚生労働省自身が、児童福祉司が足りないということを認めたからこその動きだと思います。そして、札幌市は、交付税の積算基礎人員をもとにしますと、27名の配置をするべきところ22名しか配置されていないんだということが、昨年の決算特別委員会で多くの委員からも指摘があったというわけです。配置基準を満たすということは最低の要件であって、十分なものではないというふうに思います。実際、京都市や川崎市などでは、この基準よりも多く児童福祉司を配置しています。ですから、2名で終わることなく引き続き児童福祉司をふやして十分な体制がとれるように図るべきだと考えますけれども、その点いかがか、お考えをお聞かせください。  2点目に入ります。学童保育所の再質問です。  今、子どもたちをターゲットにした大変悪質で凶悪な事件が相次いでいます。親たちは子どもが無事に帰宅するかどうかを大変心配しています。とりわけ就労している家庭では、子供の学校が終わり自分の仕事が終わって家に帰って子どもの顔を見るまでの間というのが一番心配な時間だというふうに思うんです。帰宅するまでの間を安全に過ごし、そして遊びの場としても、子どもらしく成長できる場としても、そういう場所があるということを強く望んでいるんだというふうに思います。  先ほどのご答弁の中で、民間学童保育所というのはいろいろ課題があって、その中には、児童が集まらない、資金がないという課題があることも認識されていると言っておられました。それに対して支援策というのは、学校方式の運営費の2分の1程度を出していますということなんですけれども、札幌市の運営助成費の基準を見ますと、児童数が10人から22人の民間学童保育所の場合は、指導員が1人というふうに考えて出している助成金額なんですよね。子どもが10人いて指導員が1人というのは実際にはあり得なくて、つまり、外で遊びたい子どもと中でごろごろ過ごしたい子どもと、やはりいろいろな子どもがいて、それぞれに対応するには最低でも2人はいないと子どもたちに十分対応できない。ですから、実際には、1人分の運営費を2人の職員で割っていくというふうな実態にあるんじゃないかなという点で、この支援策をもっと充実させるべきではないかというふうに考えています。  今、国からの通達では、4年生以上についても対象の範囲として配慮するようにとある中で、それぞれ三つの方式をとっている学童保育の対象児童を3年生までではなく4年生まで広げるべきではないかというふうに考えていますけれども、その点の認識はどのように持っておられるのか、お示し願いたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  1点目の児童福祉司の増員についてでございます。  今後につきましても、事務事業の見直しや関係機関との連携強化を図りながら、相談状況に応じた人員の確保について、関係部局に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 ◎奥岡 子ども育成部長  4年生以上の受け入れにつきまして、答弁いたします。  4年生以上の受け入れにつきましては、一定の必要性があるものと認識しているところでございますけれども、まずは空白校区の解消に向けて全力を挙げて努力してまいりたいというふうに考えてございます。  なお、参考でございますけれども、札幌市独自の施策といたしまして、年度途中において10人未満となった場合には、2カ月間の経過措置を設けるなど、子どもの居場所を守るための配慮をしているところでございます。 ◆小形香織 委員  まず、児童相談所の方です。状況に応じて働きかけを検討していきたいということです。ぜひ実情に合った配置をしていただきたいというふうに思います。今、札幌市の職員を全体で280名削減するというような条例改定が出ていますけれども、ただただ職員を削減すればいいというものではない。やはり、こういう児童相談所というのは、とりわけ少子化問題の解決にも十分資するものがありますし、子どもの権利条約や条例の推進などにもつながっていく大事な分野だというふうに考えていますので、充実を図るべきだというふうに思います。  また、あわせて、虐待やその他の事情で養育困難な子どもたちを、一時預かりや児童養護施設の入所などで、実際その後養育をしていくわけなんですけれども、その施設の入所者数などを見せていただきますと、ここもほぼ満杯の状態が続いています。昨年11月24日の北海道新聞でも、児童養護施設満員で入所できず、こういうタイトルで記事が載っておりました。こうした児童養護施設の整備も緊急に求められているということも指摘し、そして児童福祉司のさらなる増員を求めておきたいというふうに思います。  それから、学童保育所のことについてですけれども、一定の必要性はあると認識はしていますというご答弁でした。1999年9月に、札幌市の放課後児童健全育成事業のあり方についてという答申を札幌市地方社会福祉審議会が出していますね。それを見ますと、改正児童福祉法では、おおむね10歳未満と位置づけられていることを踏まえ、弟や妹などが児童クラブ等に在籍している留守家庭児童や障がいのある留守家庭児童など、特に必要と認められる場合には、4年生以上の受け入れについても検討する必要があるというふうに答申に書かれています。ここにも4年生以上の受け入れについて検討をというふうに明確に書かれていますし、先日開かれた厚生常任委員会でも陳情が出されていまして、民間学童保育所で10名の補助基準が満たせずに存続の危機に立たされているところがあるというふうに聞いています。とりあえず、こうしたところに緊急の救済策をとるべきじゃないかというふうに考えますが、その点いかがか、伺いたいと思います。  それから、あわせて、重ねることになりますけれども、次世代育成支援対策推進行動計画、さっぽろ子ども未来プランですね、この基本目標2の中の基本施策4の4、ページで言うと50ページになるでしょうか、放課後における児童の健全な育成という個別事業の中で、民間方式の児童育成会には助成金を出すという旨が掲げられていて、助成施設は2004年度で57カ所、そして2009年度も57カ所というふうになっています。つまり、民間学童保育所は今後も数を変えないで助成をしていくんだよということがこの計画の中にうたわれているというふうに思いますが、今、目の前で補助基準の10名に満たないくて存続の危機だという学童保育所があるわけですし、札幌市学童保育連絡協議会が調べたところでは、既に3カ所は4月時点で10名に満たないんじゃないかということが明らかになっているということも伺っております。こうしたところにはこれまでの実績や親のニーズにこたえて、早急な救済策を打つべきだというふうに考えますがいかがか、重ねて伺います。 ◎奥岡 子ども育成部長  1点目、2点目、合わせて答弁いたしたいと思います。  まず、児童がなかなか集まらないということで、10人の基準をクリアできない施設が多いというお話でございます。児童の数の問題につきましては、札幌市といたしましても、これまで広報さっぽろへの掲載ですとか、児童クラブ等3方式の一覧表を配布するとか、あるいは小学校長に対して民間施設方式のPR活動への協力依頼文の送付、こういったできる限りのご協力をさせていただいているところでございます。  まず、委員おっしゃるように、年度当初あるいは年度途中もそうですけれども、子どもたちの居場所が確保されているかどうかというのは、子どもたちのみならず、保護者にとりましても大きな問題でございますので、年度当初に、特に10人以上という登録条件を満たすことができない場合にどのような方策が重要であるか、これについては引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆小形香織 委員  4年生以上の受け入れについては一定の必要性はありと。そして、年度当初に確保されることが大変大事であるということも、今ご答弁の中ではっきりとおっしゃられたなというふうに思っております。とりわけ民間学童保育所しかその校区にないけれども、ところがそれが年度当初に10人にならないのでつぶれそうだというところがあるわけですから、ぜひとも何らかの方策というのを早急に進めていただいて、民間学童保育所に対しての支援策を強めていただきたいということを強く求めまして、質問を終わります。 ◆佐藤典子 委員  私は、子どもの健やかな育ちを願い、放課後児童対策についてと、今回、代表質問でも取り上げました児童虐待防止対策について、大きく2点伺います。
     まず、放課後児童対策におきまして、仮称屯田北地区児童会館について伺います。  市民ネットワーク北海道では、札幌市が2006年度制定予定の仮称札幌市子どもの権利条例に当事者である子どもや大人の意見を反映しようと、子どもの権利に関するアンケート調査を独自に実施しました。2004年10月から12月までの期間で、小学4年生から18歳未満の子ども471人、大人464人から回答を得、今、中間まとめを行ったところです。その中の質問項目の一つ、あなたの街の公園や児童会館など、子どもがよく行く施設をつくるときや使い方を決めるときには、子どもが参加した方がよいと思いますかという質問に対し、思う、どちらかというと思うを合わせて、子どもは74%、大人は88%がそう思うと答えています。  しかし、現状では、施設などの使い方を決めるときは、子どもも含め市民の参加が非常に少ないのが現状であります。こうした中で、今回の屯田北地区児童会館に当たりましては、子どもの意見を反映させるために、子どもたちによる検討委員会が設置され、建設段階から子どもの意見表明の場が保証されたことの意義は大きく、今後、児童会館の運営や街づくりについて、子ども参加を促進していくことが大いに期待されるところであります。  そこで、質問です。  1点目に、児童会館建設に当たって、子ども検討委員会のメンバー選出の方法はどうだったのか。また、メンバー構成についてと、検討委員会で話し合われた内容。そして、市長への提案が行われたと聞いていますが、その内容についてお聞かせください。  また、子ども検討委員会をサポートする大人はだれがどのようにかかわってきたのか、これがまず1点目です。  2点目に、検討委員会の今後の予定、そして今後の大人のかかわり方についてはいかがされるのか、伺います。  あわせて、屯田小学校4年生から6年生までの児童と屯田中学校全生徒に実施したアンケート調査結果を、これから先どのように児童会館の建設や運営に生かしていくのか。まず、その点について伺います。 ◎奥岡 子ども育成部長  屯田北地区児童会館につきまして2点答弁いたします。  1点目の子ども検討委員の選出方法等についてでございます。  子ども検討委員につきましては、屯田北地区の子どもたちを対象に町内会、小・中学校、児童会館を通じて公募をしております。小学生7名、中学生19名、高校生3名の計29名の子どもたちを検討委員として委嘱いたしました。検討の内容でございますけれども、児童会館の設計について三つのグループに分かれまして、子どもたちの視点からレイアウトですとか設備などに関する意見を出してもらい、幅広い年齢層の子どもたちが楽しく安全に利用できる児童会館となるよう、毎回、長時間にわたりまして活発な議論をしていただきました。  また、3月4日には、子どもたちから市長に対しまして、検討結果の発表を行っていただき、多目的に使用できる部屋のアイデアですとか、畑をつくって収穫をしたいなど、子どもならではの斬新な提案をしていただいたところでございます。市長からは、自分たちのことばかりではなく、利用するであろう多くの人たちのことに配慮した提案に感心をした旨の発言がございました。  次に、子ども検討委員会における大人のかかわり方でございますけれども、このたびの子ども検討委員会におきましては、子ども未来局の職員が各グループの世話役を務めさせていただきました。あくまでも子どもたちをサポートする世話役であることを心がけ、子どもたちが主体的に考え積極的な意見の発表ができるよう、十分な配慮をしながら検討作業を進めたものでございます。そのほか、児童会館職員や設計会社にもアドバイザーとしてご協力をいただいたところでございます。  2点目の今後の子ども検討委員会の予定等についてでございますけれども、まず、予定ですが、児童会館の設計がある程度進んだ時点で、壁の色や備品などについて改めて意見を述べていただく機会を設ける予定でございまして、その際における大人としてのかかわり方につきましても、引き続き子どもたちから率直な意見が出されるような環境づくりを心がけてまいりたいというふうに考えております。  最後に、児童会館に関するアンケートでございますが、検討委員会におきましては、子どもたちにアンケート結果を見ていただいた後に検討作業に入っていただきました。これによりまして、同じ地域に住む同年代の仲間たちが、どんな意見や考えを持っているのか、十分な理解と配慮を持ちながら検討作業を行っていただけたものと考えております。  また、既存の児童会館におきましても、今回のアンケート結果を参考に、運営面での見直しなどを進めていけるよう検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤典子 委員  子ども議会でもそうですけれども、子どもたちは決して自分たちのことだけ考えるのではなく、本当に心の底から、地域で暮らすという観点からいろいろな提案をしているということで、私もいつも感動して聞いております。  そして、今回もそのような提案だったということで、これから先の運営のあり方にさらに期待をしてかかわっていきたいと思っております。  続けて質問させていただきます。そのアンケートを私も少し見せていただきましたが、児童館のことをどう思っていますかという児童会館に対するイメージについて、明るいというイメージを持っている人が、暗いといった意見に比べ圧倒的に多くありました。そして、楽しいとつまらないは、小学生、中学生ともに同数程度で、きれいに分かれているというようなアンケート結果になっていました。今後、整備、運営ともに、子どもたちの視点に立った、より楽しい、魅力のある、利用しやすい会館が求められていると思います。  そこで、ハード面ではありますが、今度新設される屯田北地区児童会館の施設面での特徴、そしてシックハウス対策及びユニバーサルデザインについての配慮はどのようになっているのか、伺います。また、子どもによる児童会館運営委員会の設置に向けて、今後、どのように進めていくおつもりか、その1点のみ伺います。 ◎奥岡 子ども育成部長  子ども検討委員から提案を受けました施設に関する特徴でございますが、既存の児童会館とは異なりまして、調理室や映写室など多目的に利用できるよう、一つの部屋に幾つかの複合的な機能を持たせていることが挙げられます。そのほかにも、部屋の一部を畳敷きにしたりですとか、中高生の球技にも対応できるよう体育室の天井を高くしたり、また、可動式の壁により二つの部屋を大きく一つの部屋として使用できるようにといったさまざまなアイデアを出していただいております。  札幌市といたしましても、子どもたちからの要望をできる限り実現できるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。  なお、建築に当たりましては、シックハウス対策といたしまして壁紙や接着剤、塗料、さらには備品などへも十分な配慮をしてまいりたいと考えておりますし、ユニバーサルデザインに関しましても、敷地入り口から施設内に至るまで段差をなくし、多目的トイレや手すりの設置など、すべての利用者に優しい施設を目指してまいりたいというふうに考えております。  次に、子どもによる児童会館運営委員会についてでございます。  屯田北地区児童会館が完成した折には、子どもの運営委員会というものをモデル的に設置してまいりたいと考えております。これは子どもたちが利用する時間帯を子どもたち自身で運営することを想定しているものでございまして、まずは体育室の使い方など、直接子どもたちに関連する部分から適宜検討してもらい、順次ルールですとかマナーなど、児童会館の運営全体について検討してもらいたいと考えております。将来的には、子どもたちが地域の街づくり全般に関する意見を表明していけるよう、子どもたちから行政に対する窓口的なものにしていきたいと考えているところでございます。  また、こういった子どもたちの活動を実現させるためには、どうしても地域の大人の支援というものが必要不可欠でございます。地域の方々におかれましては、大人の視点から助言やサポートといった子どもたちの下支えをしていただき、児童会館の主役である子どもたちの意見を運営面で尊重していただけるようにご配慮いただければと考えているところでございます。また、札幌市といたしましても、そのような仕組みづくりができるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  ここは要望であります。子どもが主体の児童会館づくりというのが本当に求められております。しかし、今、部長がおっしゃられたとおり、子どもの参画を真に保証するためには、子どもの意見表明や参加を支援し、子どもをサポートする大人のかかわりが大変重要になってくると思っております。2004年10月、多治見市で開催されました地方自治と子ども施策全国自治体シンポジウムでは、滋賀県や愛知県の日進市で、NPOなどと協働で行っている子どもプロジェクトを支援する大人のための子どもサポーター養成事業というのが報告されておりました。子どもの遊びやさまざまな活動の場面で大人の価値観を押しつけるのではなく、また、指導という面を全面に押し出すのではなく、支援、促進、援助していくための知識や技術のみならず、子どもという存在を見詰め直し、大人はどうあるべきかをともに学ぶという養成事業ということでありました。札幌市においても、権利の主体である子どもみずからが行動する力を引き出すことを支援する子どもサポーターの養成を視野に入れ、児童会館運営等を進めていただきたいということを強く要望しまして、児童会館の質問は終わらせていただきます。  それから、先ほど小形委員の方から出ておりました放課後児童対策で、民間学童保育への支援のあり方であります。  私も、昨年の3定のときに質問させていただいたり、厚生委員会で意見を言わせていただいたところでありますが、4月時点で10名以下の学童クラブへの支援のあり方でどのような方策が必要か引き続き検討させていただくという答弁をいただいておりますけれども、その2カ月の助成をこの年度当初にも当てはめていただきたいということを合わせて強く要望しまして、児童虐待の質問に移らせていただきます。  物心もつかない幼児まで実の親から虐待され、最悪な場合は死に至る悲劇に追い込まれたという報道を見聞きするたびに、せっかく生まれてきた大切な命なのにと、無念でやり切れない思いをしているのは私だけではないと思います。  子どもを取り巻く状況が深刻化する中、改正児童虐待防止法が2004年10月に、また、12月に改正児童福祉法が施行されました。厚生労働省は、各自治体においては、これらの法改正の趣旨も踏まえつつ、発生予防から自立支援に至るまで総合的な支援を行い、虐待という重大な権利侵害から子どもを守り、子どもが心身ともに健全に成長できるよう最大限力を尽くしていただきたいとして、児童家庭相談体制の見直しや要保護児童対策地域協議会など、虐待防止対策の具体的対応を示しています。  児童虐待は、孤独や不安を抱えながら子育てをしているすべての親子にかかわる問題であり、また、社会全体で取り組まなければならない大きな課題であると考えます。そこで、虐待防止に向けた児童相談体制の充実強化に関連しまして、まず2点伺います。  1点目は、児童相談所の役割分担についてです。  札幌市においては、先ほども伺いましたが、2004年度1月までの児童虐待通報の件数が年度末を待たずに既に237件、過去最多の記録になっていると伺っています。改正児童虐待防止法により、国民の通告義務が拡大されたことで、今後、さらに件数がふえることが予想されます。近年、児童相談の内容は、身近な子育て相談から深刻な虐待相談などに至るまで、質・量ともに大きく変化しています。虐待や障がいなど子どもに関する幅広い相談、判定業務を、市内に1カ所しかない児童相談所だけで対応するのは必ずしも効率的ではなく、身近な区や多様な機関による迅速できめ細やかな対応が求められています。  改正児童福祉法では、都道府県、児童相談所の役割を、専門的な知識及び技術を必要とする事例への対応や市町村の後方支援に重点化すると明記しています。今後の児童相談のあり方としては、できる限り身近な市町村を主体としつつ、行政権限の発動等の役割や専門性を踏まえ、都道府県、児童相談所との適切な役割分担を考える必要があるのではないでしょうか。  札幌市においても、区など児童相談にかかわる主体をふやすとともに、その役割を明確化し、一層の連携強化、児童相談所による専門的な支援体制を整備しつつ、地域における児童相談体制の充実を図るべきと考えますが、今後、児童相談所の役割分担を具体的にどのように進めていくおつもりか、まず1点目の質問です。  2点目は、家庭児童相談室の取り組みについてです。  家庭児童相談室の相談件数は、市全体では2003年度1万9,195件で、これも過去最多となっています。身近な家庭児童相談の窓口としてさらに相談件数がふえていくと考えられます。2005年4月1日から、市町村においても児童家庭相談業務の強化が挙げられていますが、この業務に的確に対応できるよう必要な職員を確保するなど、児童家庭相談を担当する職員及び組織としての責任者を明確にしておくことが重要であると考えます。  国が示す家庭児童相談設置要綱などでは、福祉事務所に家庭児童相談室を設置し、児童福祉担当の社会福祉主事及び家庭児童相談員を配置し、そこが児童虐待通報等を受け、また、主任児童委員、民生・児童委員などとともに相談対応するということが示されています。  そこで、札幌市における家庭児童相談業務の現状と、さらに家庭児童相談業務を適切に遂行するために、今後、どのように取り組んでいくおつもりか、この2点伺います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  1点目の児童相談所の役割分担についてでございますけれども、このたびの児童福祉法の改正におきましては、都道府県と市町村の役割分担については言及されておりますけれども、政令指定都市の場合、区役所との役割分担については明記されておりません。現状におきまして、個々のケースに応じて児童相談所と区役所の関係部局が連携をとり、役割分担について協議をしながら相談に対応している状況でございます。  したがいまして、今後は、法改正の趣旨を踏まえまして、関係部局と役割分担について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◎甲田 児童療育課長  2点目の家庭児童相談業務の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。  本市では、現在、各区の保健福祉サービス課に家庭児童相談員を配置し、母子・婦人相談員や少年育成指導員などと連携をしながら相談業務に取り組んでおります。  平成15年における相談業務の内容は、学校生活等の相談が29%、環境福祉関係が28%、家庭関係が27%、非行関係が5%となっております。  近年、児童を取り巻く環境がますます複雑多様化し、また、地域に根づいた子育て支援体制が求められている状況でございます。今後の相談業務の取り組みにつきましては、相談員の専門性を高めるとともに、児童相談所や関係部署との連携、さらには主任児童委員などとの協力関係について、児童福祉法改正の趣旨を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  相談体制の強化ということで、今後、さまざまな関係部局と検討していってくださるという答弁をいただきましたので、役割分担も含めまして、さらにきめ細やかな対応ができるよう検討を重ねていただきたいと思います。  再質問の1点目です。  先ほどから出ておりました児童福祉司に関連し、この改正法におきまして、児童福祉司の任用資格を緩和すべきであるという記事、また報道を聞いております。親子の相談を受けとめる福祉司の専門分野を広げ、質と量の両面から体制を強化するために、厚生労働省は、2005年4月1日から、一定の経験がある保健師、看護師、保育士らを児童福祉司として登用できるように資格要件を緩和し、福祉司の配置基準も見直すとしています。  札幌市におきましては、就学前の乳幼児への虐待の件数が2003年度で約45%に上っており、虐待の発生予防や早期発見、児童相談など、保健師や看護師等の果たす役割はますます大きくなると思われます。児童福祉司の任用資格の緩和に向けて、対象となるのはどのような方々か。いつからどのような研修を行い、児童福祉司として任用された場合どこに配置されるのかなど、現時点で札幌市はどのように取り組んでいくおつもりか、具体的にお聞かせください。  再質問の2点目は、要保護児童対策地域協議会の役割についてです。  虐待を受けている児童を初めとする要保護児童の早期発見や適切な保護を図るためには、関係機関が当該児童等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携のもとで対応していくことが重要であることは言うまでもありません。このため、改正児童福祉法により、要保護児童に関し関係者間で情報の交換と支援の協議を行う機関として、要保護児童対策地域協議会を法的に位置づけるとともに、その運営の中核となる調整機関を置くことや地域協議会の構成員に守秘義務を課すとされたところであります。札幌市も、この課題で体制づくりを行うべきと考えますがいかがか、伺います。  また、現在、区ごとに児童虐待防止ネットワークが設置されておりますが、今後、このネットワークが協議会に移行されるのかどうか、あわせてお尋ねいたします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  お答えいたします。  1点目の児童福祉司の任用資格についてでございます。  児童福祉法の改正によりまして、新たに児童福祉司の任用資格の対象となりますのは、保健師、助産師、看護師、保育士、教員、児童指導員でございます。これらの資格を有する職員が国の基準に基づく指定施設で1年ないし2年の実務経験を積んだ後に、都道府県や指定都市が委託する社会福祉法人にて約3カ月間、児童福祉論や児童相談所運営論などの講義や社会福祉援助技術などの演習を受講いたしまして、児童福祉司の資格を得ることとなります。  したがいまして、札幌市といたしましては、児童相談所にこれらの資格を持つ職員が配属されました後に、児童福祉司として資格を取得する必要がある方には講習を受講させることといたしたいというふうに考えてございます。  2点目の要保護児童対策地域協議会についてでございます。  要保護児童対策地域協議会は、各関係機関が要保護児童等についての情報や考え方を共有し、もって適切な連携を図ることを目的とされたものであります。今後、この協議会の設置・運営に関する指針が国から示される予定でございます。札幌市におきましては、現在、関係機関における情報交換や役割分担の調整のため、児童虐待予防・防止連絡会議や各区の児童虐待予防・防止ネットワーク会議を設置してございます。  したがいまして、現在、既に設けている連絡会議等と要保護児童対策地域協議会の機能との共通点などにつきましては、国から出される指針の内容を十分に勘案いたしまして、その設置について検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆佐藤典子 委員  虐待は子どもの人権を侵害する本当に著しい暴力行為であると思っています。そういうことが一刻も早くなくなるように、私たち大人はあらゆることを考えていかなければならないと思っています。虐待法の改正、また児童福祉法の改正に基づきまして、これからやらなければならないことが課題としてたくさんありますので、ぜひ前向きに検討していただきますように強く要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ○高橋克朋 委員長  ここで委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後0時17分       再 開 午後1時20分     ────────────── ○高橋克朋 委員長  委員会を再開いたします。  質疑を続行します。 ◆細川正人 委員  私の方からは、大志塾の運営事業費、それと青少年育成委員会の活動交付金について、2点にわたって質問させていただきます。  まず、大志塾の運営事業費にかかわってでございますけれども、大志塾は、最初は平成14年度に検討委員会を開催して事業計画をつくって、15年度、16年度は調査事業という形で、たしか50人の子どもたちを集めて体験活動というか、そういった活動を展開されて、オリエンテーションも含めまして1シーズン8日間の活動を実施されたというふうに聞いておりました。  今回、200人を対象にするということで、50人から200人になり、さとらんどの一部をお借りするような形での事業展開をされていたわけですけれども、去年、私も行ってまいりまして、200人が一度にあそこで活動するというのはなかなか大変なのかなという気がするんですが、200人になりまして、まずどういった活動計画を考えておられるのかということについて、1点お伺いをいたします。  それから、現地を見ていただければわかると思うんですが、50人であったものが、正確には48人とか50何人だったと思うのですが、200人になって、土いじりをいたしますので、当然、水を使って手を洗ったりとかしなければなりませんが、そういった場所も1カ所しかなかったりします。また、子どもたちが休憩する場所は、テントをつくってそこで休むという形になるんですが、あそこの場所へ行ったらわかるんですけれども、非常に風の強いところで、夏でも体感温度というのは余り温かく感じないようなところがございます。そこにテントを張るわけですが、そのテントというのは、実は前には何もなしの横張りだけということで、そこで休憩をしたりということになります。天気がよければ外で、子どもたちがつくったベンチとテーブルで昼食をとったりということがあるのですけれども、そのような状況です。  子ども会などでやっているキャンプでキャンプ場へ行くとよくわかるんですが、最近の子どもたちとは簡易トイレというのを嫌がるんです。我慢をしてそれで体調を崩したりということがあります。このトイレの問題も、実は簡易トイレを設置しているだけであったりというようなことですね、野外体験活動ですから、本当はそういったことも経験としてやるということが必要なんですが、最近の子どもというのは、そのことになかなかなじめないというところがありまして、そういった問題があるやにも聞いております。  それから、今、あそこに農作業をするためのいろいろな機具を置く物品庫があるんですけれども、管理棟ですとか、あるいは子どもたちのぐあいが悪くなったときに休む場所ですとか、そういったものがないような状況になっております。それから、先ほど申しましたように、200人ということになりますと、多くの方々が来るわけですが、そこに畑を持っておりますけれども、その畑の広さでは不十分ではないのか、そういった点も見受けられるところであります。こういった現地の受け入れをするときの状況をどう改善されようとしているのか、その点についても改めてお伺いをさせていただきたいと思います。  それから、15年度、16年度の調査事業ということで2年間続けてこられたときには、対象児童については小学校1年生から6年生までということでございました。今度のいわゆる200人体制ということで、17年度についても1年生から6年生までを対象とされるのか。  それともう一つは、障がい者の応募があったやにも聞いておりますし、こういった子どもたちも受け入れる可能性があるのかどうなのか。障がいを持った子どもを受け入れるということは、その子どもたちにとって、いろいろな子どもたちがいるんだということがわかって、その中で、育ちということを考えたときには大変重要なことだと私は思っておるんですが、そういったことについても、受け入れていく考えがあるのかどうかということについて、まずお伺いをいたしたいと思います。  それからもう1点、青少年育成委員会活動交付金の件でございます。  今回、いわゆる補助金の一律見直しという中で、青少年育成委員会活動交付金についても見直しがなされております。10%カットということになっているようでございますけれども、青少年育成委員会の活動状況について、札幌市としてどういうふうな状況を把握されておられるのか。また、今回の見直しについての経過というか理由、そのことについてもあわせてお伺いをいたしたいと思います。 ◎奥岡 子ども育成部長  私から大志塾、そして青少年育成委員会の関係についてお答えいたします。  まず、大志塾についてでございます。  1点目の参加児童の活動の進め方についてでございます。委員おっしゃるように、平成17年度は200名の子どもたちを対象といたしまして事業を進めようと考えておりますけれども、すべての子どもたちを一度に活動させることは、意見の取りまとめですとか活動プログラムの運営の上で、大変難しい点が多くなると思われます。  そこで、200名の子どもたちを大きく四つの班に分けまして、移動や休憩などの大まかな行動は班ごとに行う。それから子どもたちの意見交換など、活発な体験活動ができるようにしたいというふうに考えてございます。また、子どもたちの自主的な考えによりまして、5月から9月までの期間内に、それぞれの子どもたちが8回程度継続した活動が展開できるよう活動日程を設定していきたいというふうに思います。  2点目の、現地での子どもたちの受け入れ態勢、あわせてプログラムの運営体制でございますけれども、この大志塾はサッポロさとらんど内の未整備地約1.4ヘクタールを利用いたしまして、何もない空き地において子どもたちの体験活動を実施していくものでございますが、子どもたちの活動に必要な最小限の設備といたしまして、レンタルではありますが簡易水洗トイレの設置、それから集会用テントによる休憩場所の確保、さらには水飲み場ですとか手洗い場の整備、あわせてご質問のありました畑の確保も行っていくことを、今、検討してございます。  また、子どもたちの活動を支援するために、子ども会の上級リーダー研修を修了した高校生の協力を得まして、小学生の意見の取りまとめですとか活動の補助などを行い、事業に参加する子どもたちが活動しやすい環境づくりを整えてまいりたいと考えてございます。  それから、3点目の対象児童と障がいのある児童の受け入れについてでございます。  本事業におきましては、子どもたちに日ごろ不足していると思われるクラスや学校の通学区域、校区にとらわれない異年齢集団による体験活動を実施したいというふうに考えております。  そこで、小学1年生から6年生までを対象といたしまして、障がいのある児童の参加についても可能な限り受け入れができるような態勢を整えたいと考えてございます。  それから、大きな2点目の青少年育成委員会の活動状況と交付金の見直しの問題でございます。  まず、青少年育成委員会の活動状況でございますが、現在、青少年を取り巻く環境は大変深刻な状況となっております。まさに地域、学校、行政が一体となって育成活動を進めていくことが必要となっております。その中で、青少年育成委員会委員の方には、これらの各団体間のパイプ役といたしまして、地域における健全育成活動を進める主体となって貴重な活動をしていただいております。  健全育成事業といたしましては、地域の子供たちに社会体験の機会を提供するために、例えば、マラソン大会ですとか野球大会などのスポーツ事業、あるいは音楽会などの文化事業、キャンプなどのレクリエーション事業、これらを実施しております。また、子どもたちが安全で安心して暮らせる街づくりのため、各団体と協力しながら地域パトロール活動も推進しているところでございます。  続きまして、青少年育成委員会の活動交付金の見直しについてでございます。  札幌市におきましては、中期財政見通しで想定される収支不足、これを解消するために全庁挙げて歳入と歳出の全般にわたる事務事業の総点検を行っており、持続可能な財政構造への転換に向けての指針となります財政構造改革プランを策定したところでございます。青少年育成委員会交付金につきましても、意義ある活動に対する交付金ということは十分理解しておりますが、現在の非常に厳しい財政状況を考慮いたしまして、今回、見直しの対象とさせていただいたところでございます。  なお、平成17年度予算案における見直しの結果ですけれども、16年度に比べて10%、金額にいたしまして380万1,000円の減額となっております。1地区当たりで申し上げますと、平均3万4,000円の減額となります。 ◆細川正人 委員  まず、大志塾の方でございますけれども、この体験活動というのは、子どもたちが畑をつくるところから始まりまして、種を植え草を取って、そして秋に収穫をするという一連の活動の中で、校区外の子どもたちとの触れ合いですとか、異年齢の子どもたちとの触れ合い、そして、高校生のリーダー、あるいはもうちょっと大きい方もいらっしゃいますけれども、そういった子どもたちと触れ合う中で、そういった体験をすることは非常に重要なことだろうと思っておるところでございます。  平成15年度の事業実施報告を見ますと、子どもたちへのアンケートと親へのアンケートがありまして、その中から抜粋しますと、今申し上げたように、いろいろな子どもたちと触れ合うことができて大変よかったと、それは子どもたちも親も両方ともそういうふうな思いを持っておるところでございます。17年度は50人から200人にふえて実施をするという形になってまいりました。ようやくこの事業が調査事業から本格事業という形になってきたのかなという気がするわけなんですが、今後のこの事業の展開について、札幌市としては基本的にどういうふうにお考えなのかということを次にお伺いさせていただきたいと思います。  それからもう1点、育成委員会活動交付金削減の問題でございますけれども、先ほども話がありましたが、育成委員の方々が小学校とタイアップしながらボランティアでキャンプを実施したり、それも小学校を使ってのキャンプを展開したりですとか、地域によっては育成委員の方々が夜間にパトロール活動等を積極的に展開する、あるいは冬場の町内の雪中運動会を育成委員の方々が中心になってやったりということで、大変重要な活動をこれまでも展開されてきたのかなという気がしているところでございます。  財政状況が厳しい中、今回は一律10%カットということで、いわゆる聖域はないよということでのカットであったのかなという気はいたしておるんですけれども、実は今年度予算の大きな3本の柱ということで、地域の街づくり活動の推進、それともう一つは、子ども関連施策の充実ということがうたわれているわけであります。全体の予算の中では、確かに子どもの予算はふえているのかもしれませんけれども、ある面では、そういったものもすべて一律に落としていく予算づくりというのは、本当にこれでよかったんだろうかと、そういう思いもしているところです。  この予算概要の中で、いわゆる財政構造改革プランの取り組みとして、団体補助金の見直しは18年度までの目標が1億円、17年度の実施結果が1億円ということで、私は、これについてはもう既に目標に達したというふうに見ているわけですが、一部では、18年度の活動交付金は、さらにもう10%削られるんだということを地域の方々が聞いているやにも聞いております。  そういったことで、18年度に向けてこの活動交付金はどういうふうになっていくのか、その辺についても、あわせてお伺いさせていただきたいと思います。 ◎奥岡 子ども育成部長  1点目の大志塾の今後の展開についてでございます。
     これまで2年間の調査事業の中では、いずれの年度も定員を大きく上回る応募がございまして、抽せんにより事業に参加する子どもたちを決定しております。事業終了後、子どもたちを対象に行うアンケートなんですけれども、1日の活動時間が短く感じたですとか、もっと活動したかった、あるいは他の学校の子と協力するのが楽しかったなどの感想もございました。また、保護者の方々からは、自分でもできることの自信がついたようです、あるいは学校以外のことにも目を向けられるようになりました、さらには、異年齢、校区外の子どものたちの中での活動はよい経験になりましたなどの意見や感想をいただいてございます。  これらのアンケートによる意見や要望を踏まえまして、かつ、少しでも多くの子どもたちが参加できますよう、平成17年度は参加人数を200名に拡大いたしますが、子どもたち自身の考えによって行われるさまざまな体験活動プログラムを検証しながら、今後の事業のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。  2点目の育成委員会の活動交付金の見直しの問題でございます。  平成18年度予算におきましては、同様の見直しを行うのかということかなと思いますけれども、事業の目的、それから果たしてきた役割、市民の皆様への影響などをいま一度検証してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆細川正人 委員  まず、大志塾の方でございますけれども、この事業というのは大変重要なことなんだろうというふうに思っておるものですから、今後ともその事業の展開に当たってはしっかりと取り組んでいただきたいなということを申し上げさせていただきたいと思います。  それから、青少年育成委員会活動交付金、これだけではないんですね。今回、いろいろな面で落とされているんだろうと思います。例えば、育成委員会というのは、全市でたしか90地区があったと思うんですけれども、いわゆる90地区それぞれの中でいろいろな活動をしてきております。まさにボランティアという形でこれまでいろいろなお手伝いをしていただいてきた団体だろうと思います。そういった団体の方々が、我々にできることは何かと、いろいろことを模索しながら、子どもたちのためにこういったことをやっていきましょうと、これまで活動を展開してきたんだろうと思うんですね。ですから、そういった気持ちというんでしょうか、子どもたちを地域で育てていくんだという気持ちをなえさせてしまうようなことがあってはならないだろうと思います。  財政と闘うのであれば、ぜひとも私も後押しをさせていただきますので、そんなことでしっかりと取り組んでいただきますようにお願いをしながら、私の質問を終わりたいと思います。 ◆伊藤理智子 委員  私は、発達医療センターについて質問をしたいと思います。  発達医療センターとは、発達のおくれや心身の障がいが疑われる児童を早期に診断し、治療やリハビリ、保育、家庭支援を行うための医療機関だと認識しておりますけれども、具体的にはどのような活動をされているのか。また、どれくらいの子どもたちを受け入れていて、2003年度における実績についてはどのようになっているのか伺います。  さらに、専門家の働きかけなどによっては発達を克服できる軽い発達遅滞などのお子さんが通所するさっぽ・こども広場という事業があるというふうに聞きましたけれども、これについてもどのような活動をされていて、2003年度の実績がどのようになっているのかということを伺いたいと思います。 ◎菅 発達医療担当部長  発達医療センターについてでございますけれども、委員言われたとおり、発達医療センターでは、心身の発達のおくれや障がいが疑われる子どもの検査、診断、治療を行っております。また、子どもの状態に応じまして理学療法、作業療法、言語聴覚療法などを行うとともに、保育、育児支援、各種相談、福祉に関する情報提供などを行っております。  平成15年度の実績ですが、利用者の実人数は987人で、診断名の内訳といたしましては、運動発達遅滞が224人、染色体異常などの先天異常が182人、脳性麻痺が164人、言語発達遅滞が93人、自閉症や注意欠陥多動性障がいなどの発達障がいが37人となっております。これらの利用者のうち理学療法を受けているのが329人、作業療法を受けているのが241人、言語聴覚療法を受けているのが172人でございます。  次に、さっぽ・こども広場についてでございますが、この事業は発達に心配のある就学前の子どもを対象に、保育士や心理療法士が遊びを通して各自の状態に応じた療育支援を行っているものでございます。  実施に当たりましては、児童福祉総合センターのほか、各区の保健センターや児童会館等の地域の会場を含め17カ所で行っており、子どもの状態にあわせて月に1回実施するグループと週に1回実施するグループに分けております。平成15年度の実績につきましては、月1回のグループに参加している実人数は505人で、このうちの335人が言葉のおくれによるものでございます。また、週1回グループに参加している実人数は367人で、このうち251人が精神発達のおくれ、あるいは自閉傾向にあるもので、合計いたしますと参加実人数は872人となっております。 ◆伊藤理智子 委員  今、いろいろと実績を聞きましたけれども、言語療法のところで172人、さっぽ事業の方でも子どものおくれが335人というような数も出てきました。  教育委員会の方でやっている事業ではありますけれども、ことばの教室では就学前の子どもたちもこちらに通級しているという実態があります。ことばの教室では、構音障がい、吃音等により、発音・発声または会話に障がいがある子どもたちなどが参加しております。各区に1カ所ずつ10カ所の小学校と、1カ所の中学校で対応している就学前の子どもたちは、全部で235人いらっしゃいます。多いところでは1カ所で45人の就学前の子どもたちの相談・指導を行っています。  こうした人数を見ましても、年々就学前の子どもたちの言語指導などのニーズが高まってきているということは明らかだというふうに思います。さらに、言語障がいといってもいろいろなケースがあって、実際にはきちんと医師による診断が必要と考えられる子どもたちもいるなど、課題や問題点もたくさんあるようです。これについては教育委員会の行っている事業ですので、このような実態があるということもこの場所で知っていただいた上でご質問したいと思いますが、子どもが言語に障がいがあるのではないかなどの心配を持っている親御さんが、どのような経緯をたどって、今お話をいただいた発達医療センターや児童福祉総合センターなどでのさっぽ・こども広場に参加することができるのかについて伺いたいと思います。 ◎菅 発達医療担当部長  発達医療センターを受診するまでの経緯でございますけれども、言語だけに限らないとは思いますが、15年度の新規利用者数は320人でございました。このうち84%が紹介されて受診しております。その内訳といたしましては、大学病院あるいは市立病院などの医療機関からの紹介が32%、児童相談所や療育施設などからの紹介が27%、それから区の保健センターからの紹介が18%、養護学校やことばの教室などの教育機関からの紹介が7%となっております。  次に、さっぽ・こども広場に参加するまでの経緯でございますけれども、平成15年度の新規参加者は725人で、このうちの82%が保健センターからの紹介でございます。そのほか、保護者からの相談で参加になったのが10%、医療機関や保育所などからの紹介が8%となっております。  また、参加児童を決めるに当たりましては、児童相談所と連携をとりながら行っており、特に週1回のグループへの参加につきましては、心理検査や医学的診断の結果を踏まえて参加の決定を行っております。 ◆伊藤理智子 委員  障がいを克服する上で、早期発見・早期治療が大切だというふうに考えます。そういう意味で、今、発達医療センターの果たしている役割は大変重要になっているということを痛感します。私も実際に施設を見学させていただきましたし、お医者さんのお話も聞きましたけれども、札幌市の子どもたちを健やかに育てるためにはなくてはならない機関だというふうに思います。  各医療機関などとも連携をとって早期発見を重視しているという今のご答弁もありましたけれども、実際には、小児科の診療報酬が低いということもありまして、ニーズが高まってきている一方で、小児科が少ないという深刻な問題もあると思います。発達医療センターに受診に来られる方は、初診で2週間から1カ月待ちだというお話も聞きましたけれども、実際はどうなのか伺います。  さらに、受診するのに2週間から1カ月待つというのでは、早期発見・早期治療を行う上で、現場としても大変なことではないかというふうに思いますが、今後、この点をどう改善されていくおつもりなのかについても伺います。  それから、今回の財政構造改革で、事務事業総点検の見直しの主な改定項目として、発達医療センター手数料が診断書1,200円から1,500円に見直しされることになっています。具体的にどのような見直しを行うかについても伺いたいと思います。 ◎菅 発達医療担当部長  発達医療センターの診察はすべて予約制になっており、小児科の診察時間は、新規に受診した場合は1時間、再来の場合は30分とっております。利用者数は増加傾向にありまして、新規に受診する場合は、委員ご指摘のとおり2週間から1カ月ぐらいの待ち時間となっております。  発達のおくれや障がいが疑われた場合、できる限り早期に診察を受けることが望ましいと考えております。予約の待ち時間を短くするために、予約時間の調整や診療体制の充実などについて検討していきたいと考えております。  次に、手数料の件ですけれども、発達医療センターの手数料は12年間据え置かれております。今回、受益者負担の適正化を図り、また、道立の類似施設との均衡を考慮し手数料の改定を予定いたしました。ご理解いただきたいと思います。 ◆伊藤理智子 委員  まず最初に、手数料の見直しのことなんですけれども、12年間見直しをしてこなかったというご答弁ではありましたが、やはりこうした発達医療センターに来られる親御さんというのは、障がいですとか、子どもが本当に健やかに成長できるだろうかという不安を抱えながら受診されると思いますので、そういう意味では、こうした親御さんのお気持ちを考えますと、受益者負担というのはちょっとどうなのかなと、こういうところは負担を行わないで保障するべきなんじゃないかということを、まず初めに指摘しておきたいと思います。  それから、発達医療センターについてですけれども、小児科が少ないという問題ともあわせて、早期発見・早期治療のニーズや必要性も大切だとご答弁でも言っていましたし、現場では皆さん本当に頑張っているなということが、見学している中でもよく伝わってきました。そういう意味でも、これから予約時間を短くするということもそうですし、全市的にこれだけニーズが高まってきている中で、発達医療センターの果たす役割をさらに深めて検討していかなければならないのではないかなというふうに思います。  少子化の中で、少しでも子育ての不安が解消され、安心して子どもを産み育てられる環境を整えるためにも、さらに関係部局との連携を強化しながら進めていただきたいということを強く求めまして、私の質問とさせていただきます。 ◆坂本恭子 委員  私からは、大きく2点質問をさせていただきたいと思います。  1点目が児童家庭支援センターについてです。それから大きな2点目が保育施策についてということで、保育施策の中身については、その中で3点ほど質問させていただきたいと思いますが、順次質問させていただきます。  まず、大きな1点目、児童家庭支援センターについてですけれども、新年度の予算案で新規1カ所も含めて2カ所分計上されているセンターの運営費補助金は、1,900万円余りということになっております。現在北区にのみ設置されているこのセンターは、開設してことしで3年目を迎えるものと思いますが、親と子どもが抱えるさまざまな悩みを相談支援するための専門施設として、大変大きな役割を果たしているというふうに思っています。私もこちらには足を運ばせていただいて、職員の皆さんともお話をさせていただいたんですが、いただいた資料では、相談援助件数というのが、開設当初の2002年度には1,308件、2003年度には1,537件、そして今年度は1月までですけれどももう既に1,298件というような相談援助の対応を行っていると。とても大きな数字だと思います。  先ほど来、児童虐待の問題であるとか、いろいろな子どもたちにかかわる問題が各委員からも提起されておりましたけれども、この児童家庭支援センターでも、相談内容が多岐にわたっていて、大変ご苦労をされているというお話も聞いてまいりましたが、児童相談所として、この児童家庭支援センターとの日常的な連携、支援体制というのは、現在、どのように行われているのか。そしてまた、その点については十分な対応ができているというふうにお考えなのかどうか、伺いたいと思います。  大きな質問の2点目、保育施策についてなんですが、この中では3点お聞きしたいと思います。  まず、1点目が待機児童、そして超過入所児童の解消についてです。  これは、私ども一貫して繰り返し取り上げてまいりましたけれども、ことしの1月時点での待機児童数というのが全市で651人ということでした。それからまた超過入所の児童も1,998人というふうに、私はいただいた資料で集計したんですが、こういう形で待機児童、それから超過入所児童の解消というものが全く図られていないということでは、やはり私たちはこれを見過ごしにはできないと思っています。まず、この現状をよしとお考えになっていらっしゃるのか、どんなご認識をお持ちなのか、改めて伺いたいと思います。  2点目ですけれども、財政構造改革プランにかかわって延長保育、一時保育への補助金が削減されたということ。それから、保育料の値上げが提起されているということ。この点について伺いたいと思います。  延長保育、一時保育への補助金削減は、プランでは効果額として7,500万円が計上されておりますけれども、保護者の多様な保育ニーズにこたえ、それからまた保育所の実態から見ても、私たちはこれは全く行うべきではないと思っているんですが、この点についてどのように考えていらっしゃるのか、これも伺いたいと思います。  それから、保育料の値上げについてですが、これもやはり1億2,600万円ということでプランに計上されております。段階的な引き上げというようなことも書いておりますけれども、1億2,600万円の算出根拠はどんなものなのか。そしてまた実際の保護者負担はどのようになるのか、どういう試算をされていらっしゃるのか、この点をお聞きしたいと思います。  それから、保育施策にかかわっての3点目です。  これは公立保育所の民間移譲についてお聞きをしたいと思います。  今、実際にこの問題が具体化しているのは、平岸保育園及び平岸乳児保育園ということです。せんだっての保護者に対する説明会にも私は足を運ばせていただきましたけれども、平岸保育園、平岸乳児保育園とも保護者の間には不安と混乱、そして大きな動揺が広がっているというふうに思いましたが、皆さんはどのようにこれを認識しておられるのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  まず、1点目の児童家庭支援センターとの連携、支援体制についてでございますが、児童家庭支援センターで取り扱う相談のうち、在宅困難な要保護性の高いケースや長期的に治療的なかかわりを要するケースにつきましては、児童相談所が引き継ぐなど連携を図り、ケースに応じた必要な支援を行っております。現状では、常日ごろから連携を密にして支援を行っているというふうに認識しております。 ◎山本 子育て支援部長  保育施策についてお答えをいたします。  まず最初に、待機児童、超過入所児童の解消についての考え方でございます。  保育所の待機児童解消のために、平成14年度から16年度までの3年間、緊急整備を計画いたしまして、これを前倒しして実施する形で、札幌市としてできる限りの施設整備に努めてきたところでございます。これにより、待機児童の数は平成14年4月段階の197人から、昨年4月の段階では156人と減少傾向でございますが、保育所を希望される児童の数も年々増加していることから、待機児童の抜本的な解消に至っていない状況であります。  また、超過入所につきましても、基本的には年度途中での弾力的な受け入れを考えているところでございまして、そういう形のものを平成19年の段階までには1,530名の整備増を計画しているところでございます。  それから、補助金制度の見直しでございますけれども、札幌市財政構造改革プランにおける延長保育事業や一時保育事業の補助金の見直しにつきましては、国基準に上乗せした補助や単独補助の見直しという観点に基づいて行ったところでございます。延長保育事業、一度保育事業ともニーズが高いことから、可能な限り拡大を図りまして、より多くの市民の方に利用していただきたいところであります。  したがいまして、こういう厳しい財政状況におきましては、補助単価の見直しにより、実施箇所数の拡大に必要な財源を捻出することといたしたものでございます。  それから、保育料の関係でございますけれども、先ほどお話し申し上げましたように、財政構造改革プランにおきましては1億2,600万円の見直し効果額が出ておりますが、あくまでも国の徴収基準額より低い額の範囲内で設定をし、本市の現在の軽減率、平均37%を政令指定都市の平均軽減率32%に引き下げた場合の額を一つの試算として計上したものでございます。そのようなことから、保育料の徴収額表に基づく実際の保護者負担額につきましては、いろいろな諸条件により異なりますので、現時点では試算をしておりません。  民間移譲の関係でございますけれども、平岸保育園及び平岸乳児保育園の民間移譲につきまして、我々といたしましては、保護者の方々に施設の改築とその後の保育所運営を民間の保育事業者にお願いすることについて、昨年6月から計11回にわたりご説明申し上げますとともに、適時情報提供を行っております。そして、保護者の方々のご理解を得ながら、ご意見やご要望について取り入れるよう努めてまいったところでございます。  しかしながら、現時点におきましても、一部の保護者の方々から、民間移譲についての疑問の声が上がっていることは認識をしておりますので、我々といたしましても真摯に受けとめているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  児童家庭支援センターについてですけれども、常日ごろから連携を密にしているというお話でありましたが、私、実際に見せていただきまして、本当に大変な役割と責任を担っているという認識を持っております。児童養護施設に附置されておりますが、実際、24時間、電話でもEメールでもというようなことで対応をされておりますから、併設されている児童養護施設のスタッフの方が半ばボランティア的な形で支援センターにかかわっているということで、夜中に電話なりメールが入れば、すぐにそこの家とか電話をかけてきた子どものところに出かけていって保護をするというような、そういう状況になっているんですね。今回、新たに1カ所新設されるということではありますが、それでも1,900万円ということでは、人件費が出るのかどうなのかと、本当にやっとのところだと思うんです。  こういうセンターというのは、本当に求められているものだというふうに思いますので、センターの役割の重要性に照らすと、やはり財政支援をもっとしっかりと強化していく必要があるのではないかと思うんですが、その点はどのようにお考えなのか伺いたいと思います。  それからまた、新年度2カ所目ということですが、今後の設置計画の見通しについての考え方をお聞かせいただきたいと思います。  それから、保育施策についてです。  待機児童、超過入所児童についてですが、幾らか減少傾向にはなっているけれども、待機児童については抜本的解消には至っていないというお話でした。この間、それから前倒しで随分保育所の新増設ということではやってこられたという思いがあると思うんですけれども、やはりそこが、いみじくも部長がおっしゃったように抜本的な解決に至っていない。こういう現実はしっかりと見るべきだというふうに思うんです。  それからまた、超過入所児童についてもご答弁にありましたけれども、この間、一貫して年度内の弾力的措置として超過入所を認めるんだということを言ってきておりますが、相変わらず年を越すと2,000人の超過入所が生まれているということでは、これは全く年度内の弾力的措置などというふうには言えない。それこそ待機児童の一時吸収場所というようなことになっているわけですから、この点についてはしっかりと改善をしていかなければならないと思うんです。  保育所というのは、今、こういう不景気という状況もありますし、それからまた、女性の社会進出ということもあって、つくってもまた新たな需要の喚起が図られていくという、そういう状況にあると思うんですが、改めて保育所の新増設、さらにもう一歩進んで行っていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。  それから、財政構造改革プランにかかわっての2点の質問でしたけれども、延長保育それから一時保育というのは、今の保育ニーズにとっては大変重要な側面であることからやっていきたいと。ご答弁の中では、単価の見直しをして箇所数の拡大を図っていきたいということですよね。延長保育でいいますと新年度11カ所ふえて144カ所、それから一時保育については10カ所ふえて61カ所ということになりますが、結局、広く薄くというか、上乗せ分がなくなって、当然、事業者の負担がふえていくということですから、やはりニーズにこたえるといいながらも、それに逆行していることになるのではないかなと、私、素直に考えると、どうしてもそういうふうに受けとめてしまうんですが、そうではないのでしょうか。その点についてもう一回お聞かせをいただきたいと思います。  そして、私は、本市財政の悪化というものを子ども、あるいは子育て家庭に対して求めるべきではないというふうに思いますが、この点についてのご見解を改めて伺いたいと思います。  それから、公立保育所の民間移譲、平岸保育園、平岸乳児保育園についてのお話ですけれども、説明会も11回開き、アンケートも行い、意見、要望もいただき、それを盛り込んできたけれども、まだ理解が得られていない状況があるというご答弁だったと思うんです。  前段、子育て支援センターのかかわりで、公立保育所をどうしていくのかというようなお話が午前中のやりとりでも出ておりましたが、廃園の手続というのは議会の中にはまだ出てきておりませんからあれですけれども、今回初めて札幌市が公立保育所の廃止を前提にして、平岸保育園それから平岸乳児保育園の中でそういう説明会が行われていると。そして、民間事業者についての選定も進んでいるというようなことですけれども、やはり今の、保護者の理解が得られていないという現状では、拙速に進めるべきではないというふうに思います。また、先日出席した説明会の中でも、もう一度もとに戻ってきちんと仕切り直しをして、ちゃんと話をしていただけませんかというようなお話もあったと思うんですが、私は、一部の反対者ということではなくて、子どもさんを通わせている今の保護者の皆さんの率直な気持ちなのではないかなと思うんですけれども、この点についても、ご見解を伺いたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  まず、1点目の財政支援についてでございます。  センターの運営費については、国の基準に基づいて補助を行っております。現在の札幌市の財政状況からは補助を増額することは厳しい状況と考えております。  2点目の今後の配置計画についてでございます。  ただいま委員のお話の中にもございましたが、児童家庭支援センターは、現在、北区にあります養護施設、興正学園に附置されている興正こども家庭支援センター1カ所でございます。来年度は豊平区の児童養護施設羊ケ丘養護園に附置される予定でございます。  児童家庭支援センターは地域に密着した重要な相談機関というふうに認識しておりますので、今後は、この2施設の利用状況を勘案しながら、その配置については考えてまいりたいというふうに思っております。 ◎山本 子育て支援部長  ご質問にお答えをいたします。  まず最初に、待機児童、超過入所児童の基本的な対応策でございますけれども、先ほどもお話し申し上げましたように、新しいさっぽろ子ども未来プランにおきましては、19年4月までに1,530名の定員増を計画しております。この計画に基づきまして17年度予算におきましては、創設3件、改築3件、認可保育所への移行5件につきまして、590名の定員増を図ることとしております。我々といたしましても、今後も待機児童の解消などに向けまして積極的に施設整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、延長保育、一時保育に伴う保育レベルの維持の関係でございますけれども、ちなみに延長保育事業における国基準に上乗せした補助の1施設当たりの見直し額は、例えば、1日おおむね10人の児童が延長を利用する施設では、2カ年合わせて53万7,000円となります。延長保育事業の見直し前では、年間約650万円前後の補助金が交付されておりまして、見直し額はおおむねその1割程度となりますが、運営費並びにその他の補助金総体で対応していただける範囲で、児童処遇等につきましては影響のないものと、そのように判断いたしております。  各施設におかれましては、ご苦労をおかけすると思いますが、札幌市のこれら厳しい財政状況をご理解いただけるようお願いをしているところでございます。  それから、このような改革プランにつきましては、子どもたちあるいは子育て家庭に転嫁することではないのではないかというご指摘でございましたけれども、延長保育事業及び一時保育事業の補助金の見直しにつきましては、必要とされる保育サービスをより多くの方に提供することができるよう、補助単価の見直しによりまして、実施箇所数の拡大に必要な財源を捻出することとしたものでございます。施設にはご迷惑をかけると思いますが、子育て支援に必要なサービスをより多くの市民に提供するためのやむを得ない措置であるということをご理解いただきたいと、そのように思っております。  それから、平岸保育園、平岸乳児保育園の保護者説明会の対応でございますけれども、今後も、我々といたしましては保護者の方々の声に十分耳を傾けながら、ご理解いただけるよう努めてまいりたいと、そのように考えております。 ◆坂本恭子 委員  児童家庭支援センターについてですけれども、財政難の中で補助額の増額はなかなか難しいということだったと思うんですが、やはりきめ細やかな対応というのが、今、本当に求められているという中では、この支援センターは、地域あるいは子どもさん本人、ご家庭からの相談に応じ、必要な助言を与え、そして指導していくということでは大事な役割を担っていると思います。そもそもの設置の目的が地域の児童や福祉の向上を図るということですので、2カ所の利用状況の推移を見ていきたいということでありましたが、国では2009年までに全国で100カ所整備していきたいということで、札幌ではこの間2カ所の設置ということになっておりますけれども、ぜひとも国に対してもこの拡充をしっかりと求めていく、そして、増設に向けて何とかご尽力をいただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。  それから、今、北区にある支援センターでは、やはり利用されている方が北区内、新琴似、新川の方ですとか、割と西区だとか東区からということで、地域が限定されているんです。今回、羊ケ丘ということで、また、そちらの方での利用ということになっていくと思いますので、当然、地域差が出てまいりますから、そこら辺のバランスというものをしっかりと見据えて検討していただきたいということを強く求めておきたいと思います。  財政構造改革プランにかかわってのお話です。  より多くの方に保育サービスを提供するためには財源の確保をしなければならないのでという先ほどと同様のご答弁で、部長は今、答弁の中で何回か、施設にご迷惑をおかけしますがという言葉を使われたと思うんですが、施設に迷惑がかかるというのはもちろんですよね、運営上の問題というのもあります。それから延長保育ということであれば、朝8時前の時間帯、それから夕方は6時以降の時間帯、こういうところでやはり人の配置をしていかなければなりませんが、運営上の問題があってなかなかそこの保育士さんの層を厚く配置するということができないわけですから、そういう中では、施設に迷惑がかかるというのはもちろんです。けれども、一番迷惑をこうむるのは子どもたち自身ですし、そこに子どもさんを預けている保護者の方だという認識をしっかり持っていただかないと、保育ニーズにこたえるために施設に迷惑かけて補助金をカットするんですということではないんです。ダイレクトに迷惑がかかるのは子どもと、子育てをしている家庭だということを改めてしっかりと認識し直していただきたいと私は思います。  保育料の値上げについて、先ほど政令市軽減率の平均ということで、札幌市の場合は37%だったものを全国平均の32%に持っていくんだというお話をしておりましたけれども、財政構造改革プランの中には、2006年4月から段階的改定というふうに書いてありますが、これはどういう形でやっていこうと考えているんですか。例えば、社会福祉審議会の諮問の内容というのはどんなものになっていくのか、今後のスケジュールはどういうふうになっていくのか、この点についてお聞きしたいと思います。  それから、これも再三申し上げていることですけれども、札幌市が行った2003年の調査では、認可保育所や幼稚園にかかる費用負担を軽減してほしいという回答が最も多くなっているということで、経済的負担感が大きいということをみずからの子ども未来プランの中で明らかにしています。2年さかのぼって内閣府が行った出生率低下の原因に関する調査というものでも、子育て費用の負担が大きいからということは明らかなわけです。私は、今、こういう時期に、合計特殊出生率が1.02という極めて不名誉な数字を持っている札幌で、ほかの自治体よりも1年先駆けて次世代育成の地域行動計画を策定する、それがこの子ども未来プランだという中では、保育料の軽減率の引き下げは全く行うべきではないというふうに思いますが、先ほどの審議会への答申と含めてご答弁いただきたいと思います。  公立保育所の民間移譲についてですけれども、これは、実は、私ども代表質問で今回取り上げました。きょうご出席の小澤副市長がそのとき答弁され、各区の子育て支援センター整備のために一定数の公立保育所の民間移譲は必要であると、この方向でやっていくんだというご答弁であったわけですが、私、先ほど来のやりとりを聞いていて思うんですけれども、子育て支援センターの整備と公立保育所の民間移譲というものがなぜイコールになるのか。ベテランの保育士さんをセンターに配置するために、公立保育所が民間移譲されていくということが同列に置かれること自体がおかしいのではないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがですか、改めて伺いたいと思います。 ◎山本 子育て支援部長  2点お答え申し上げます。  まず最初に、保育料の関係のいわゆる審議会等のスケジュールでございますが、先ほど来何度もお話し申し上げていますように、札幌市の極めて厳しい財政状況を踏まえて、適正な受益者負担のあり方について札幌市社会福祉審議会で十分に時間をかけて検討していきたいと、そのように考えております。  また、今後のスケジュールにつきましては、平成17年度の開催に向けて審議会の事務局と連携を図りながら進めていきたいと考えております。  それから、経済的な負担、あるいは各種調査の中での声が起きる中で、この時期に行うべきではないというご指摘でございますが、我々といたしましても、子育ての経済的な負担感につきましては、各種の調査やさっぽろ子ども未来プラン策定のために実施しました市民ニーズ調査の結果としても、十分認識をしているところでございます。しかしながら、先ほど来申し上げましたとおり、本市の財政状況が極めて厳しいこと、また、さっぽろ子ども未来プランに盛り込んださまざまな子育て支援施策を着実に推進する必要があることから、保育料の適正な受益者負担につきまして審議会で検討していただくということでございます。  それから、民間移譲の基本的な考え方と申しますか、区の子育て支援センターの整備と公立保育所の民間移譲の考え方についてでございますが、従来から申し上げていますように、札幌市の子育て支援施策につきましては、すべての子育て家庭を対象に幅広く取り組んでいく必要があると考えております。  中でも、区における子育て支援の拠点施設となります区子育て支援センターにつきましては、従来の保育園機能のほか、新たに常設の子育てサロンの運営を行う子育て支援機能や、他の乳幼児施設や区保健センター、児童福祉総合センターなどと密接に連携をしながら、育児不安や養育困難など、子育て支援の必要な親にサポートを行うコーディネート機能などを展開するものでございます。  時代の要請にこたえたこれらの新しい育児を行うためには、子育てに関するさまざまな経験、ノウハウを有する保育士の確保が必要となりますことから、限りある財源と人材を有効活用するためには、一定数の公立保育所を民間へ移譲または委託する必要があると考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  保育料を含めた負担の問題ですけれども、十分に時間をかけて検討していきたいと言いながら、もうこのプランの中では来年の4月から上がっていくということになっているんですよね、そうじゃないんですか。時間をかけて十分に検討をしていくと言いながら、もう既に社会福祉審議会の中でこれを図っていて、来年の4月から保育料の引き上げは行っていくという方向だけは固まっているわけですよね。私は、今の答弁は全く詭弁だとしか思えないです。  それから、適正な負担を検討していくとおっしゃいましたけれども、負担ということについては大変だと言っているんです。内閣府の調査でも、札幌市が行った調査でも、子育てに係る負担は重いですということを、市民の皆さんはもう既に意思表示しているんですから、ここでまたさらに適正な負担のあり方を考えていくなどということをやるんだったら、負担を軽くする方向で審議をしていただく、こういうことだと思います。  そしてまた、これは国政絡みの話ですが、新年度に向けて定率減税の縮減が行われていくという中では、もともとの保育料の算定基準というものが上がっていく世帯というのが必ず出てくるわけです。そういう方たちの保育料負担のランクが上がり、なおかつ、政令市平均まで軽減率を引き下げていくということで、そこにまた保育料が上乗せになると。しかも、施設では、本当にご苦労されている園の方が多いと思いますが、安心・安全の確保という面では不安を抱かざるを得ない補助金のカットというのが行われていくと。先ほども申し上げましたけれども、1.02という合計特殊出生率をどこまで引き上げていきたいとおっしゃってましたかね、10年の時限立法、計画ですから、こういうことでは、本当にやっていく気持ちがあるのかということを改めて申し上げたいと思います。  札幌市の子どもたちが伸び伸びと育っていく、大変すばらしいことが書いてあります。札幌のあすを担う子どもたちが豊かな心を持ち、元気にたくましく育つことは、元気で明るい未来へのかけ橋になります。子どもたちの生きる力を伸ばす施策を充実しましたと。子ども関連施策の充実ということで出されておりますけれども、本当に皆さん、胸を張ってこのとおりだとおっしゃれるんでしょうか。私は、これについては疑問を抱かざるを得ないと思います。  それから、公立保育所の民間移譲についてですけれども、すべての子育て家庭を支援するためにセンターをつくっていくんだということで、私ども日本共産党としても、子育て支援センターの設置については異論を差し挟むものではないというふうに思っていますが、先ほども申し上げましたように、子育て支援センターを充実することと、公立保育所がなくなるということとは全く別次元の問題です。まず子どもが中心に据えられていない。  それから、札幌市は、民間保育所の設置率というのが、ほかの政令市との比較では、定員でいっても施設数でいっても80%を超えています。福岡に次いで1番、2番を争うというような状況だと思いますが、そういう中でも民間がそれだけ頑張ってきているというのは、そこに公立保育所がきちんと役割を果たしてきたから今こういう状況があるんだと思うんです。  ベテランの保育士さんを確保しなければならないということであれば、公立保育所をそのまま残して、そしてその中でベテランの保育士さんを子育て支援センターの方に回していくと。しかし、公立保育所では、そこできちんと若い保育士さんも含めて保育士の層を厚くしていくという、そういう方向でやっていくのが当たり前のことだと私は思います。  すべての子育て家庭を支援するというお題目のもとに、保育園に通っている子どもたちが後景に追いやられるということについては私たちは容認することができません。今回の平岸保育園そして平岸乳児保育園の民間移譲の問題は仕切り直し、白紙撤回をして、最初からやり直すべきだというふうに思いますし、さらには、公立保育所の民間移譲、廃園などということには全く納得できないということを最後に申し上げまして、質問を終わります。 ○高橋克朋 委員長  以上で、児童福祉費中関係分及び議案第5号の質疑を終了いたします。  ここで理事者交代のため、暫時休憩いたします。     ──────────────
          休 憩 午後2時28分       再 開 午後2時30分     ────────────── ○高橋克朋 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、委員会を再開いたします。  次に、第1項 社会福祉費、第2項 児童福祉費中保健福祉局関係分及び議案第27号について一括して質疑を行います。 ◆近藤和雄 委員  私から、地下鉄全駅へのエレベーター設置、特に、私の地元でございます中の島駅に早期にエレベーター設置を求める質問をいたしたいと思います。  当市は、昭和50年に福祉モデル都市の指定を受けました。ノーマライゼーションの実現に向けて歩道に点字ブロックを設置したり、さらには昭和56年に福祉の街づくり環境整備要綱を制定しまして、バリアフリー環境をさらに進めてまいりました。特に地下鉄駅のバリアフリー化、いわゆるエレベーター設置については、平成10年に札幌市福祉のまちづくり条例を制定し、そして平成15年7月に公表した市政方針であります、上田市長のさっぽろ元気ビジョンの中でも、バリアフリー化の推進を重点的に取り組む事項として位置づけております。  このたびの第4次札幌市長期総合計画の中でも、札幌新まちづくり計画を発表しております。この中で重点戦略課題として、地域での高齢者・障がい者の自立支援の促進ということをうたっております。そして、基本方針として、高齢者の方、障がいを持たれている方が地域で自立した生活を送れるように、街のバリアフリー化など安心・安全のための公共的施設の整備を進めるとともに、今後はさらに心のバリアフリーが広がるように努め、多様な社会参加や地域生活の支援の充実を図りますということをうたっております。  エレベーター全駅設置につきましては、私もこの大役をいただいて、最重点課題としてたびたび質問をしております。それはなぜかというと、私はいつも、地下鉄平岸駅から札幌中心部への交通手段として必ず地下鉄に乗っており、定時に着いて、そしていろいろな仕事で、地下鉄が生活に密着した形でありがたく思っております。  地元の地下鉄平岸駅でも、今月1日、下り真駒内方面へのエレベーター運行が開始されまして、地元の方が大変沸き上がっておりまして、おかげさまで、私、平岸、中の島地域の方からエレベーターの近藤と言われるまでになりました。  そんなことで、直近では平成16年9月28日の第3回定例市議会の代表質問で、私は、残り6.5駅の設置に向けてどのような手法でという質問をさせていただきました。その際、小澤副市長からは、積極的に対応していくと。私は、地上部の用地確保が解決の一番のかぎではないかということで、駅周辺の土地所有者の方、そしてビルオーナーの方、そういう方たちにアプローチするのは不可欠ですし、また、地域住民の方、あるいは町内会の方、商店街の方とも協働して強力に取り組むことがエレベーター設置につながっていくんではないかなということを質問させていただきました。  そして、私もすごくうれしかったのは、最初はなかなか難しいなと思ったところが、札幌市の方でもどんどん積極的に、保健福祉局、交通局が横断的に取り組んでいただいた結果、現在、6.5駅から残り3.5駅になっております。残りは中の島駅、1日に乗る方は5,193人、北12条駅は4,905人、バスセンター前駅は6,010人、東札幌、これは片側ついておりますが6,609人の方が乗っております。往復を利用されるとこの倍ということであります。  翻りまして、中の島駅は私の自宅から歩いて5分のところに位置しておりまして、上りの階段、阿部ビルさんのところの階段が62段ございます。下り方面、しもでビル60段と奥深くなっておりまして、大変厳しいなと思っております。  地元の中の島の皆さんが、平成16年2月19日、上田市長に対しまして、中の島地区町内会連合会会長名で、地下鉄中の島駅に早期にエレベーター設置を求める要望書を提出させていただきました。この中で、中の島地区町内会長さんの署名はもちろんですけれども、そのほかに中の島の老人クラブ、それから魅力づくりの会、中の島商店街振興組合の理事長さん、さらには豊平区の老人クラブ連合会会長さん、札幌市医師会豊平支部長さんの署名までいただきまして、要望書を提出させていただきました。  地下鉄中の島駅は、南北線開業後33年を経過しておりまして、市民生活に欠くことのできない市民の足ということで非常に定着しております。南北線がなかったらどうなるかということであります。そういうことで、建設当時の実情や地理的な条件などから、多くの利用者の方、例えば、駅周辺に所在する老人福祉センターの方を初め、人工透析等を扱う医療施設も大変多く、障がい者の方、高齢者の方、妊産婦など、日常生活または社会生活において行動上の制約を受ける方、特に人工透析を必要とする方などは、階段の上りおりの負担が重いと訴えておりまして、こういう方々からエレベーターを早く設置してくださいという要望が中の島地区では一番強い要望として上がっております。  これまでも、中の島地区町内会連合会としては機会あるごとにお願いしたところでありますが、ぜひとも切実な声を酌み取っていただきたいなと思って、中の島駅そして全49駅にエレベーター設置ということを強く願っておるわけでございます。  質問でございますけれども、中の島駅を含めまして未設置駅が残り3.5駅になりました。それぞれエレベーター設置に向けてクリアしなければならない課題とか条件、あるいは環境があると思いますが、どのように残り3.5駅の決着をつけられるのか、お伺いをいたします。 ◎中田 保健福祉部長  地下鉄駅へのエレベーターの設置についてでございますが、高齢の方、あるいは障がいのある方の外出を支援して、だれもができる限り自由に移動できるような街づくりということのためには、地下鉄駅へのエレベーター設置は重要な要素であると認識しております。  これまで着手できずにまいりました駅につきましては、エレベーターを設置するために必要な用地の確保ですとか、地上の設置可能性のある場所に建物があった場合に、その権利関係ですとか構造上の問題、また駅舎自体の構造上の問題など、難しい問題がふくそうしてあるものがほとんどでございます。また予算的にも、例えば、平成17年度につきまして、今回、新たに着手する駅として設計費を3駅分計上させていただいておりますが、あわせて継続して工事を行わなければならない駅について3駅の事業費を計上させていただいておりまして、合わせて6駅を手がけていくということになります。大変厳しい財政状況のもとで、そのような予算枠を確保していくということは容易ではないという面もございます。  しかし、今、近藤先生からご指摘ありましたように、残り3.5駅というところまでこぎつけておりますので、未設置の駅につきましては、難しい問題を解決するために、関係部局とさらに密接な連携をとりまして、エレベーター設置に向けて早期に実現できるよう一層力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。  なお、中の島駅につきましては、やはりここも用地の取得の問題、また委員ご指摘のように、ホームが地上部から非常に深いところにございまして、その構造上の問題など大変難しい問題を抱えている駅の一つであります。しかし、これもお話にございましたように、地域の方の要望が大変強いと。特に、地下ホームが大変深いということから、階段が非常に長いということも含めまして大変要望が強いということを私どもも認識しておりますので、可能な限り早期にこれら課題の解決が図られるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  それでは、私の方から質問させていただきますが、全身性重度障がい者の24時間介護についてご質問をさせていただきます。  進行性筋萎縮症や脳性麻痺などによりまして、全身にわたり重度の障がいを有する、いわゆる全身性重度障がい者の公的介護の確保に関して、これまで私も委員会等でたびたび質問させていただきました。私も24時間介護のとんでん平と言われるぐらい、この話をさせていただきました。  まず、介護というのがどういうことか。生きている以上欠かすことのできない日常動作を他人に責任を持って行ってもらうこと。これが介護ではないかなと思うのです。そして、介護の必要な人が生活費の中から負担を強いられ、それが経済的、精神的負担になることは、同じ人間として公平ではないのではないかと、そういう観点から進めさせていただきます。  現在、公的介護サービスとしては、最大で1日17時間、一昨年は14時間でしたから3時間拡大されておりますが、これが平成17年は3時間加算されまして1日20時間の介護時間になると。この間、3時間ずつですから、少しずつではありますけれども、時間数の増が図られていることは評価できると思うんです。  しかし、全身性重度障がい者の方々の中には、直ちに1日24時間介護を必要とする方もおりまして、すべての時間を介護する体制が完備されなければ、不安の中で生活することを強いられまして、生きる権利が保障されていないのではないか。  そこで、まず2点質問させていただきます。  17年度予算で1日20時間の全身性障がいの方の介護時間が確保されておりますけれども、人数枠は6名と伺っております。この方々が24時間の介護を確保するためにはどのぐらいの金額が必要となるのか。それとあわせて、全国で24時間介護を実施している場所が、今、もしおわかりであれば、お示し願いたいなと思います。  2点目ですが、札幌市では、最重度の全身障がいの方の24時間介護体制の確立を目指しておりますけれども、市内の全身性障がいの方は全体で75人、そのうち単身で生活している特に重度の方は6人の方を含めまして10人程度と把握しております。全身性障がいの方全体の介護時間数拡大についてはどのように考えているのか、まず、この2点をお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  まず、全国政令市の状況がどうなっているかということについてでございますけれども、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、広島市ということで、6都市でもって24時間化を図ってございます。  そこで、1点目の24時間の介護時間を確保するための経費についてでございますけれども、1人当たり年額で2,050万円程度、6人の方で1億2,300万円というふうになっております。平成17年度予算では1日当たり20時間としてございまして、1人当たり年額で1,730万円を計上しております。したがいまして、残る4時間分の経費としては、1人当たり年額320万円、総額で約1,900万円程度の額が必要というふうになります。  2点目の全身性障がい者の方の全体に関する介護時間の拡大についてでありますけれども、単身で生活する最重度の全身性障がい者の方につきましては、札幌新まちづくり計画におきまして24時間介護体制の確立を目指すこととしております。したがいまして、まずはこの達成に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えてございまして、ご指摘の全体にわたる介護時間の拡大につきましては、障がいのある方の福祉ニーズは非常に多岐にわたっており、そのようなことで、これらに対する対応もございますことから、委員ご指摘の件につきましては、今後の障がい福祉施策全般のあり方を検討する中で十分研究をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆林家とんでん平 委員  福祉制度のニーズが多岐にわたる、そういうことは十分わかっておりますし、十分研究すると言いますが、24時間介護が必要な方にはそういう余裕はないんです。優先順位からすると最優先ではないかなと思うんです。これは生きるために必要ではないかなと。  去年も同じ質問をさせていただきました。いわゆる体位交換のお話をしましたけれども、夜中の10時に4センチずらす、23時50分に3センチずらす、1時20分に2センチずらす、2時40分にまた3センチ、これをずっと追っていくと、約1時間に1度ぐらいずつ体位交換が必要なのです。これは生きるために。ということは、24時間にはめた場合、4時間であれば4回できなくなる。それだけの保障がされないという意味で、できないのではないかと思うんです。自分の意思と判断で体を自由に動かすことができれば、食事、排せつ、着がえ、洗面、入浴、移動、そういういわゆる生活動作に、ふだんは対価として経費は発生しませんけれども、例えば水を飲むと。水道水という経費は発生しますけれども、こういう方は、水を飲むまでの前後の動作に経費が発生するんです。  例えば、新潟で地震があって、被災された方が車やテントで寝起きしていた。これから寒いから、では今度は仮設住宅を設置しようじゃないか、そういう手だてをしたわけです。これは生きるためです。もしかしたら凍えて死んでしまうかもれない、そのために手だてをしたわけです。ですから、毎日生きるためにお金がかかるんです。動くのにお金がかかるわけです。そういうことを含めて不安の中で生活しているわけです。  そこで、再質問をさせていただきますが、この6人の方にとって、24時間介護は生きるために必要なことなんです。あと4時間、6人分です。総額で1,900万円じゃないですか。どうでしょう、一挙に前倒しして実施できないものかどうか。これはぜひ市長にお話を伺いたいなと。  市長には、この答弁というよりも、こういう方々に対しての思いというか、どういうふうに理解しているか、そのことをぜひお願いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  最重度の全身性障がいの方に対する24時間介護、この早期実現についてでございますけれども、先ほどお答えいたしましたが、平成16年度から18年度までの3カ年を計画期間とする新まちづくり計画の中で、これらの方々の24時間の介護体制、これをしっかり確立するということにしてございます。札幌市といたしましては、厳しい財政状況にはございますが、この計画達成を目指しております。平成18年度をめどに段階的な時間数の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◎上田 市長  24時間介護が必要な全身性障がいの方々に私も直接お目にかかりまして、事の深刻さということについては十分認識をしているつもりでございます。その上で、現在、どういう形でこの方々が生活されているのかという生活実態等についてもお伺いいたしました。ボランティアで介護をされておられるスタッフの皆さん方のご苦労、そして、その意思のとうとさといったものをしっかり把握しながら、何とかご負担が少なくなるように、社会がこの負担をみんなで分担していくということが必要だという認識は十分持っているつもりでございます。  しかしながらということで、先ほど部長の方からもお話がございましたように、ほかの施策との関係で一挙に進めることは難しいという判断の上、段階的に目標を立ててしっかりサポートしていきたいという考え方をとっているところでございます。他の政令指定都市の例を見ましても、人数が非常に少ないということでございまして、6政令指定都市で実施されているというふうに聞きますが、1人あるいは2人というような実施状況のようでございます。札幌の場合6人で、これも10人の方からの申請をいただきまして、私もその10人の方と個別にもお目にかかった経緯がございますけれども、その中でどうしてもという方々について、少しボランティア等でカバーができる部分についてはご遠慮いただいているというところもございますので、それらのことを踏まえて当事者の方々ともお話をさせていただきながら、そういう方向で進めさせていただきたいということで現在考えているところでございます。なるべく早くそれを実施したいという気持ちは持っているところでございますので、その旨お答えをさせていただきたいと思います。 ◆林家とんでん平 委員  市長には、本当に突然お伺いしまして申しわけございません。  今、6都市でやっているということで、ぜひそういう事例をしっかり研究していただきたい。今言われたように財政状況は厳しいと、それはとても理解するわけです。しかし、生きるために必要なんですね。それで1,900万円どうにかならないかと思うんですが、最重度の方の24時間介護については、最優先課題としてできるだけ早く実現してほしいと。また、この方々以外の全身性障がいの方についても、それぞれのニーズに沿った時間数として24時間必要な方には24時間介護を提供できるよう努力してほしいという要望で、私の質問を終わりたいと思います。 ◆三浦英三 委員  私からは、発達障がいのある方に対する支援体制について伺いたいと思います。  自閉症やアスペルガー症候群等の広汎性発達障がい、さらに学習障がいや注意欠陥多動性障がい等の発達障がいのある人というのは、言葉や周りの状況の理解の仕方や反応が異なっていることから、さまざまな生活上の場面で誤解を受けたり困難に遭遇することが多いと、このように言われております。このような障がいのある方々は、周囲の人たちの温かい理解なくして地域での生活は成り立ちません。それなのに一般の人の理解どころか専門の支援関係者のそれぞれの力量や連携も不十分でありまして、全国のどの地域においても支援体制が整っているとは言えない現状であると伺っております。  また、政策の面でも、人口に占める割合が高いにもかかわらず、知的障がいと精神障がいの制度の谷間となっておりまして、十分な対策がなされてこなかったものであります。  こういうことから、国では超党派の多くの議員の提案によりまして、発達障害者支援法が昨年12月に制定され、本年4月の施行となっております。この法律では、国及び地方公共団体の責務といたしまして、発達障がい児の早期発見と継続的な支援、また、学校教育における発達障がい児・者への配慮、さらには就労支援など、ライフステージに応じての支援を講じるほかに、都道府県ごとに発達障害者支援センターを設置することが規定されております。  発達障がいのある人への支援につきましては、就学前から小学校、中学校、高校など、発達段階に応じての一生を通じた支援をずっとつないでいくということが必要であると思うわけであります。ところが、現在の縦割り行政、縦割り福祉では保育園、学校教育、一般社会における就労と、環境が変わるたびにゼロからの支援体制づくりを当事者と保護者みずからが行わなくてはならないという現状であります。  縦割りの垣根を越えた支援体制をどのようにつくっていくのか。また、だれが担い手となってコーディネートをしていくのかが重要な課題であると思うわけであります。そのために、私は、教育、福祉・保健、労働等の関係機関が効果的に連携することがぜひともこの施策には必要であると、このように考えるわけであります。  そこで、質問いたします。  本市では、平成17年度から発達障害者支援体制整備事業に取り組むということになっております。この事業を推進するに当たりまして、こうした関係機関との連携に関して、どのように整理をして、また、どのように調整を図って今後の効果的な支援につなげていくおつもりなのか、初めにお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  発達障害者支援体制整備事業における関係機関との連携についてでありますけれども、委員ご指摘のとおり、この事業は関係機関との連携体制の構築そのものが主たる目的であります。そこで、この推進に当たりましては、事業を所管いたします私ども精神保健福祉センターが必要な調整を行いつつ、医療でありますとか教育、福祉・保健、労働、司法と、そういったような各関係機関、それから学識経験者との有機的な連携を構築してまいりたいというふうに考えてございます。  なお、既に一部関係機関とは、この事業の本格実施に向けて予備的な協議を進めているところであります。 ◆三浦英三 委員  ただいま部長から、関係機関との連携に関してお答えをいただきました。  本市では、発達障害者支援センターが今年11月にオープンすることになっております。また、精神保健福祉にかかわる身近な相談機関といたしまして各区の保健センターがあります。そこに相談員を配置しまして、当事者とか家族等に対する一般相談とか訪問指導を実施している現状であります。  そこで、再質問させていただきます。  発達障がいのある人への支援施策を進めていくに当たって、これらの新しくつくる施設や、また保健センター等既存の資源をどのように活用していくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  委員ご指摘のとおり、発達障がいのある方々に対する支援に当たりましては、新規の施設をより機能的なものにすること、これにあわせまして、既存の精神保健機関や民間の精神障がい者福祉のシステムの組み合わせ、そういったものを十分活用することが何よりも大切なことだというふうに思っております。  また、各施設や資源の機能に応じた役割分担を明確にすることによって、なお実効性のある連携が図られるものというふうに考えてございます。いずれにいたしましても、ご指摘の件につきましては、新年度発足させます発達障害者支援体制整備検討委員会、この中においてさらに十分な検討を加えてまいりたいというふうに思っております。 ◆三浦英三 委員  最後に、もう1点だけお尋ねしたいと思います。  発達障がいの中でもアスペルガー症候群など、知的障がいを伴わない、いわゆる高機能広汎性発達障がいと言われるものがあり、社会生活上非常に困難を抱えている方々、障がいをお持ちの方がたくさんおられます。一般の人の理解不足と、また診断自体の難しさから、十分な支援の手が差し伸べられていないと、このように聞いております。この高機能広汎性障がいは発達障がいの約半数を占めていると言われておりまして、これからの発達障がい者支援施策の対象者として重要な位置づけになると思うわけであります。  そこで、再々質問ですけれども、高機能広汎性発達障がいのある人に対する支援プログラムなど、今後の具体的な展開についてどのようにお考えになっておられるのか、最後にお聞かせ願いたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  高機能広汎性発達障がいにつきましては、先生ご指摘のとおり、知的な障がいを伴わないために、早期発見ですとか、あるいは早期発達支援に結びつかない、さらには知的障がい者福祉の施策が利用できない、こういったようなことで、支援の枠組みがほとんどございません。したがいまして、支援プログラムにつきましては、今後研究開発をしていかなければならない重要な課題というふうに受けとめております。  札幌市におきましては、平成10年より実施してございます引きこもり青年を対象にいたしました青年グループケア調査研究事業の一環として、平成16年度からはただいまの高機能広汎性発達障がいのある青年の集団療法、これを開始したところでございます。  また、当該集団療法参加者の親御さんを対象に勉強会を開催するなど、今回の発達障害者支援法成立以前から本人及び家族に対する支援については取り組んでまいりました。今後も、今ほどお答えいたしました支援体制整備検討委員会の検討結果を踏まえながら、高機能広汎性発達障がいのある方に対する支援につきましては充実させてまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、地下鉄エレベーターについてと福祉除雪制度について、大きく2点について質問させていただきます。  先ほども質疑がありましたが、地下鉄エレベーターの残る3.5駅については住民の皆さんの切実な要望もあります。最大限の努力をするというご答弁もされておりましたので、ぜひ頑張っていただきたいということを私の方からも求めておきたいと思います。  それから、地下鉄エレベーターについては、地域住民から一刻も早く設置してほしいという切実な要望が出されていて、私も何度か質問してきましたけれども、念願かなって病院の多い菊水駅にも設置されることになりまして、地域の方々や病院にかかっている方などは本当に喜んでいらっしゃいます。この菊水駅への設置は、民間ビルに組み込むということですけれども、こうした手法で今まで設置したのは南郷13丁目駅一つとのことです。土地の確保の問題や構造上の難しさ、設置するエレベーターの数など、それぞれの駅によっては違いがあるというふうに思いますが、民間ビルに設置するのに設置工事総事業費はどれくらいかかるのか。札幌市独自で設置する場合との差はどれくらいになるのかについて伺いたいと思います。  また、南郷7丁目駅については、駐輪場の場所を移動してエレベーターを設置するということですけれども、移動した駐輪場での自転車台数はきちんと確保できるのかどうかについても、伺いたいと思います。  それから、福祉除雪制度についてですけれども、今年度は例年になく降雪量が多かったことと低温だったということで、除雪作業も本当に大変な年だったというふうに思います。福祉除雪制度は2001年度から全区で実施されていますけれども、福祉除雪の申し込みは昨年の9月1日から10月18日までの期間というふうになっておりますので、例年にない大雪の年に、雪が降ってしまってから何とかしてほしいという声も寄せられたのではないかというふうに思います。2004年度利用世帯数のうち、申し込み期間終了後に申し込みを行い、利用開始した世帯はどのくらいあるかについて伺いたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  地下鉄エレベーターの関係で、民間の事業者が建築する建物にあわせてエレベーターを設置し完成後にその部分を買い取ると、いわゆる買い取りの方式でありますが、菊水駅については、ご指摘のようにその予定でおりますけれども、この場合、やはり民間で設計・積算した工事費と札幌市の単価などを比較検討して、価格の妥当性をチェックした上で契約を結ぶということになります。これまで買い取り方式で設置した南郷13丁目駅と、その後に設置した北34条駅を比較いたしますと、これは構造上の問題などで単純に比較できない面もありますけれども、大体同じレベル、4億2,000万円から4億4,000万円ぐらいの範囲でありまして、買い取りによる価格が特に不利になるといったようなことはないというふうに認識しております。  それから、地下鉄エレベーターの関係の2点目でございます。  南郷7丁目駅の、現在設置を予定している場所にあります駐輪場の代替の確保でありますが、南郷7丁目駅につきましては、あわせますと450台分ぐらいのスペースを持っておりますけれども、このエレベーター設置によって使えなくなる部分というのは70台相当分ございます。これにつきましては、2番出口ということになるのですけれども、もう一つ交通局用地がございまして、そこで確保できる見通しであり、この70台を超える駐輪スペースを確保できる見通しでございます。 ◎深村 総務部長  福祉除雪につきまして、私からお答えをいたします。  平成16年度の利用世帯数のうち、申し込み期間終了後に利用を開始した世帯数についてでございます。平成16年度福祉除雪につきましては、申し込み期間はご質問にもありましたとおり9月1日から10月18日までとなっておりますが、申し込み期間終了後も制度の利用が必要な方に対しましては適宜対応しているところでございます。16年度における利用世帯数は3月1日現在で3,825世帯となっておりますが、そのうち申し込み期間が終了した11月以降に申し込みを行って利用開始した世帯数は198世帯でございます。 ◆伊藤理智子 委員  菊水駅については、ご答弁にもありましたように、これから進めていくということですので、具体的に今お聞きした総事業費と一致するかどうかという問題はありますけれども、構造上ですとかいろいろな点で同じというふうにならないと思いますので、市民の皆さんが納得できるような費用で進められるように努力をしていただきたいということを求めておきたいというふうに思います。  また、南郷7丁目駅については駐輪場も確保できるということです。エレベーター設置場所は特に地下鉄を利用される方の数も多いところで、私も利用しているのですが、ここの出入り口が一番利用されているという点では、工事が始まりましたら危険のないようにしていただきたいということも求めておきたいというふうに思います。  それから、福祉除雪についてですけれども、申し込み期間終了後に利用開始した世帯は198世帯ということで、やはり雪が降ってから何とかしてほしいというような理由もあって、たくさんいらっしゃるのかなというふうに思います。12月の広報さっぽろには、雪国に暮らすという特集を組んで福祉除雪制度についても載せていて、問い合わせ先についても案内しておりました。インターネットでも福祉除雪についてお知らせしていますが、降雪量が多かったということもありますので、申し込み期間終了後も、札幌市からさらに積極的に広報、PRするべきではないかなというふうに思うんですけれども、これについていかがか、伺いたいと思います。 ◎深村 総務部長  福祉除雪に関するPRですけれども、これまでもお話にありましたとおり広報さっぽろ、あるいは民生委員による声かけ、それから町内会の回覧板など、あらゆる機会をとらえて行ってまいったところでございます。ことしは特に雪が多かったということもございまして、雪の多い年につきましては、福祉除雪の実施主体であります社会福祉協議会と連携をし、地域協力員の確保などに配意しながら、民生委員や報道機関などの協力も得て、より一層のPRを行うように努めていきたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  広報さっぽろやインターネットだけではなくて、民生委員の声かけですとか町内会の回覧板、こういった形で働きかけもしているということですのでよかったなと思います。私の周りでは、福祉除雪制度があるということを知らない方もまだ多いですし、雪が大変なんだけれども、申し込み期間が終わってしまって申し込みできなかったから仕方がないと思っていらっしゃる方も多かったものですから、申し込み期間が過ぎても受け入れていただけるということと、こうしたきめ細かい周知徹底に努力されているというところでは、本当によかったなと思います。また、大雪が降って大変な年についても、こういうきめ細かい対応ということは引き続き必要かなというふうに思いますので、そのことをさらに徹底していただきたいということを求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆佐藤典子 委員  私からも、発達障がいに対する支援について、そして自閉症者自立支援センターにつきまして、この2点質問いたします。  市民ネットワークでは、これまで発達障がい児・者の生涯にわたる総合的な支援体制の整備の必要性や、発達障がいの早期発見・早期療育の充実について提案してまいりました。2005年4月から施行される発達障害者支援法は、自閉症者や高機能自閉症、アスペルガー症候群、ADHD、LDなどの発達障がい者への支援を国や自治体の責務と明記しています。施策を講じるに当たっては、医療・保健・福祉、教育、労働に関する担当部局との連携の確保と、犯罪や消費生活での被害防止を担当する部局などとの協力体制整備も記されております。発達障がい者に対する本格的な支援の枠組みが整うことになり大変期待されるところです。  発達障がい者が地域で自立できる社会をつくるためには、当事者の人権が尊重され、常に本人や保護者の立場や目線で支援のあり方をつくり出し、乳幼児期から成人期までの連続した地域生活の中で、ライフステージに応じた一貫した支援体制を整備することが急務と言えます。また、専門家や関係者が情報交換を行い、発達障がいの早期発見や質の高い早期療育など、札幌市としての支援システムを構築すべきと思います。  そこで、1点目に、発達障がい者に対する支援について伺います。  今回の代表質問でも、発達障がいに対する総合的な支援について取り上げさせていただきましたが、その際、札幌市としては国の補助事業を受けまして、発達障害者支援体制整備事業として、発達障害者支援体制整備検討委員会を設置するとの答弁をいただきました。また、この検討委員会では、先ほどから出ております乳幼児期から成人期までの総合的な支援システムの構築に向け、当事者や家族の意向を踏まえながら支援体制のあり方について多角的に整理、検討を行うとのことであり、大いに期待されるところです。  そこで、大切な検討委員会についてでありますが、どのような委員構成を考え、どのように議論を進めていくかということにつきまして、1点目伺います。  2点目は、発達障がいに関する市民への普及啓発についてです。  近年、マスコミに取り上げられている社会的事件では、発達障がいのある人に対する誤解に結びつきかねない、そういうふうに危惧されるケースが多々あり、当事者からは困惑の声も上がっております。地域での共生社会の実現を目指すためにも、発達障がいについての正しい理解の普及啓発は非常に重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、2点目の質問として伺います。  3点目は、発達障がいに関する専門職への研修についてです。  発達障がいは脳の機能障がいの状態であって、早期に適用することで障がいをカバーできる部分も多いと言われています。そのためにも、早期診断は極めて重要であると思いますが、その一方で、発達障がいの診断、療育に関する専門知識を持つ医師や心理士が非常に少ないことが大きな問題になっていると聞いております。  発達障がいを早期、かつ確実に診断し、少しでも早く支援に結びつけるよう専門職の技術力の向上が必要と思いますが、医師や心理士などの専門職に対する研修に今後どのように取り組んでいかれるのか、まず、この3点についてお伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目の発達障害者支援体制整備検討委員会の委員構成についてでございますけれども、発達障がいにかかわる学識経験者、教育機関、臨床医、それから福祉関係者のほか、労働、司法、消費生活関連部局、どちらかといいますと、こういった部分については、かかわりが薄かったのですが、こういった機関にも幅広く呼びかけて構成をしていきたいというふうに考えております。  次に、議論の進め方についてでありますけれども、効率的な議論を行うため、この事業を所管する精神保健福祉センターが全体調整を行いまして、幼児期、学齢期、あるいは青年期などのライフステージごとに専門部会をつくりまして、部会と支援体制整備検討委員会を併用する形で進めてまいりたいというふうに考えてございます。  なお、この場合、当事者や家族の意思を尊重することは極めて重要でありますことから、必要に応じてそれらの人たちのヒアリングを行うなどの方法についても検討していきたいというふうに思っております。  それから、2点目の市民への啓発についてでございますけれども、札幌市では、発達障がいにかかわる普及啓発事業といたしましては、既に平成16年度から市民講座や家族教室などといった形で実施してございます。今後とも、今ほど述べました発達障害者支援体制整備事業の枠組みの中で、さらにきめ細かな普及啓発について充実をさせてまいりたいというふうに思っております。  3点目の発達障がいに関する専門職への研修ということについてでございます。この研修につきましては、やはり医師といった専門職の技術力の向上というのは急務かつ重要な課題であるというふうに認識してございます。札幌市では、16年度より発達障がいにかかわる専門研修を関係機関の職員等に実施してまいりましたけれども、受講者は教員、精神保健福祉士、心理士、保健師などが中心で、いわゆる医師の参加は必ずしも多かったというような状況にはございませんでした。  したがいまして、今後は、医師、心理士等を対象に、発達障がいの診療技術や支援技術の向上のため、医師会等の関係機関のご協力をいただきながら専門的な研修を積極的に行いまして、発達障がいの早期発見・早期支援につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤典子 委員  検討委員会の進め方でありますが、部会や検討委員会、そしてまた関係者や家族のヒアリングも行いながらという何重にもなった進め方をされるというような答弁をいただきましたので、ぜひ丁寧に進めていただきまして、先ほどから出ております各関係部局との連携強化を図りながら、発達支援の総合的な体制をつくっていただきたいと思っております。  それから、医師に対する研修などについてでありますが、やはりこれまで知的・精神・身体など、さまざまな障がいの対象とはなっていない方々ということであれば、早期発見というのは大変求められていると思いますので、その点も切に研修など深めていただきたいということを要望させていただきます。  続きまして、自閉症施設について伺っていきます。
     東雁来に建設されます強度行動障がいを有する自閉症者の支援及び中間療育を行うための専門施設、自閉症者自立支援センター及び自閉症・発達障害支援センターの指定管理者について伺いたいと思います。  手元に2003年3月に報告されました資料があります。それは札幌市自閉症者専門施設事例調査研究業務というものです。その中に、札幌市の自閉症児・者を取り巻く状況というのが書かれてあり、札幌市内の自閉症児・者の現状と問題というところで、その時点で最低1,800名いるであろうということであります。そのうち自閉症者の強度行動障がいは380名であろうということで、その時点ではのぞみ学園に21名、入所更生施設に45名、精神病院に130名の計196名、そして残りの約180名の方が家庭で、本人及び家族だけの厳しい状況の中で生活しているのではないかという数字が出ております。  そういうようなことからも、これからできます自閉症者自立支援センター及び自閉症・発達障害支援センターの建設というのは、本当にだれもが今心待ちにしているという状況であります。これまで自閉症者専門施設と呼んでおりましたが、自閉症者自立支援センターにつきましては、1999年に自閉症児・者に対する療育の充実を求める陳情が提出され、以後、この問題に関し、市民ネットワークでも代表質問、また、厚生委員会などで取り上げてまいりました。  そうした中、札幌市は、2001年度に外部委員も加えた検討委員会を立ち上げ、自閉症者のための専門施設整備の必要性を盛り込んだ札幌市強度行動障害・自閉症者処遇基本計画を策定しました。また、2002年度には、今お話ししました障がい特性に配慮した施設のあるべき姿を検討するための事例調査研究を行い、そして2004年度工事着工、いよいよ2005年度11月に施設が開設される運びとなっております。  そこで、この施設を管理運営し、自閉症者に対する直接的な支援が指定管理者によって行われるわけですが、指定管理者選定に当たりまして、選定委員会の委員はどのようなメンバーだったのか。また、どのような方法で、どのような視点に重きを置き選定がなされたのか、まず1点目はその質問であります。  2点目は、施設運営に伴う運営委員会についてであります。  指定管理者として、この施設を運営管理していただく社会福祉法人には、自閉症者支援を一生懸命行っていただくのはもちろんでありますが、ともすれば支援に対する考え方や方法が、利用者及び保護者の方のニーズ、あるいは連携する関係機関等と遊離するということも起こり得ると考えます。これを防ぐためにも、施設運営委員会的なものを設置することで施設運営の透明性を図り、かつ事業評価をすることが必要と考えます。  こうした観点から、施設運営委員会を設置する場合にはどのようなメンバー構成となるのか、また、札幌市としてはどのようにかかわっていかれるのか、まずこの2点お伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目の指定管理者選定委員会のメンバーと、それから指定管理者の選定についてでございます。  選定委員会の委員につきましては、指定管理者の指定に関する事務処理要綱に基づきまして、これにかかわる委員6名、本市から自閉症関連の業務を担当してございますのぞみ学園長、精神保健福祉センター所長等3名、それから外部の委員として北大大学院教授を加え、合計10名で構成させていただきました。  次に、指定管理者の選定につきましては、昨年12月22日に第1回目の委員会を開催し、募集方法や選定方法などについて決定をいたしました。具体的な選定方法につきましては、申込者が応募に当たって重視した点などを確認するためのヒアリング、そういったものを取り入れました。なお、募集を12月27日から約1カ月かけて行いましたけれども、その結果、二つの社会福祉法人の方から申し込みがありまして、3月4日に第2回目の委員会を開催いたしました。  そこで、この施設の機能として、地域生活への移行を目指す施設としての支援計画が十分盛り込まれたものになっているのかどうか。それから、施設運営を行うに足りる十分な職員体制になっているのか。それから、指定管理者として自閉症児・者の支援実績があるのかと、こういった視点から慎重な審査を行い、指定管理者を選定いたしました。  2点目の施設運営に伴う委員会の設立とそのメンバー構成についてでありますけれども、施設運営の基本は、外部に開かれ、かつ公平性と信頼性を得ることが何よりも大事なことだろうというふうに認識しております。このことから、運営委員会の設置につきましては、委員のご指摘同様、私どもも必要不可欠なものというふうに考えております。  そこで、運営委員会のメンバー構成についてでありますけれども、自閉症児者親の会やあるいは知的障がい者施設の代表者、そして医療、教育、学識経験者などが想定されますが、いずれにいたしましても活性化された委員会の設置に向け、十分検討させていただきたいというふうに思っております。 ◆佐藤典子 委員  今後、運営委員会も設置し、自閉症児者親の会の皆さん方当事者の声や医療関係者等、それぞれの部門の方も参加していただきながら、よりよい施設運営へと力を入れていただきたいと思っております。  この施設は、自閉症児・者や保護者から大変期待されている施設であります。運営方針や具体的な事業計画などについて、運営委員会で十分に検討しなければならないこともたくさんあると思います。  そこで、施設運営に係る基本的な考えについて、札幌市としては現在どのようにお考えか、次の何点かを伺ってまいります。  まず、札幌市強度行動障害・自閉症者処遇基本計画のことでありますが、これまで施設を建てるというハード面ではその計画が十分生かされてきたのではないかと思われます。今後、在宅支援などソフト面での部分をどのように生かしていくおつもりか伺います。  また、地域生活支援を進めるための地域との連携、医療・福祉、教育、労働などの関係部局や機関との連携、他の支援センターや施設との連携がこれまで以上に求められますが、その連携強化に向けてどのような方法で進めていくおつもりか。  また、自閉症児・者を生涯サポートする方法の一つとして、非常に有効であると聞いておりますティーチプログラムの導入についてでありますが、2000年度の特別委員会で、導入する方向で検討しているという答弁をいただいております。ぜひティーチプログラムなど個別支援プログラムによる自立支援を進めるべきと考えておりますが、現段階で札幌市としてはどのようにお考えか、伺います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  まず、施設の運営等にかかわる考え方についてでございますけれども、関係者の期待に沿えるものとするためには、施設の運営方針でございますとか支援のあり方については十分検討していかなければならないというふうに認識をしております。このことから、平成14年3月に策定いたしました札幌市強度行動障害・自閉症者処遇基本計画で検討された内容を踏まえまして、これに基づく個別支援計画等の策定はもとより、ただいまご指摘のありました関係機関との有機的な連携や職員のほかの施設への派遣研修、あるいはイベントなどを通じた地域との交流、こういうことを行う中でやっていきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、これらを含めまして、細部については、先ほどお答えいたしました運営委員会において十分な検討が進められるものというふうに考えております。  また、ティーチプログラムの導入というようなお話がございましたけれども、これは指定管理者が決まりました中で、今のところそういったティーチプログラムを活用しながら、自閉症の療育に当たるというふうに聞いてございます。 ◆佐藤典子 委員  今回、本当に求められているのは、地域で暮らすための切れ目ない総合的な支援体制のシステムづくりだと思っています。乳幼児期から成人期まで一貫した支援のプログラムも、そういう意味でいろいろな方々と情報交換をしながら進めていかねばならないと考えております。ぜひ、一日も早くそうした方々がそこを利用できるような体制づくりに向けて積極的に取り組んでいただきますよう強く要望しまして、質問を終わらせていただきます。 ○高橋克朋 委員長  ここで、委員会をおおよそ20分間休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時36分       再 開 午後4時     ────────────── ○高橋克朋 委員長  委員会を再開いたします。 質疑を続行いたします。 ◆宮村素子 委員  私の方からは、のぞみ学園の改築と今後のあり方について質問いたします。  市立札幌病院のパワーアッププランにつきまして、静療院との関係の中で、病院側としてのぞみ学園の今後をどう検討しているのか伺ったところでございますが、なかなかパワーアップの答えではございませんでした。それで、今回は保健福祉局の方にお伺いしたいと思います。  まず1点目は、のぞみ学園の現在の施設機能や入所者の状況について、保健福祉局としてはどのように認識されておられるのか、お伺いします。  2点目は、市立札幌病院と保健福祉局では、のぞみ学園のあり方につきまして、いつごろからどのような内容を検討しておいでなのか。また、パワーアッププランにおけるのぞみ学園の部分につきまして、保健福祉局としてはどのようなかかわりを持っておられるのか、お伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目ののぞみ学園に対する現状認識についてでございますけれども、築後23年を経過いたしまして老朽化、狭隘化が進んでございます。また、居室形態につきましても4人部屋が基本となっている、そういったようなことで、自閉症児の施設として必ずしもふさわしい療育環境にはなっていないのかなという認識でございます。  また、長期の入所により、大半が18歳以上の方で占められておりまして、このような方々への対応をどのようにしていくのか、また、本来の目的である児童入所ができないなど、解決すべき課題は多いものというふうに認識をしております。  2点目ののぞみ学園にかかわる市立札幌病院との内容の検討状況についてでありますけれども、平成12年度に市立札幌病院、それから保健福祉局の関係部課長によります検討プロジェクトを組織いたしまして、のぞみ学園の今後のあり方や強度行動障がいのある自閉症者処遇のあり方について、特に施設機能面から、居室や療育スペースなどの点について検討を行ってまいりました。その後も、のぞみ学園のあり方につきましては、市立札幌病院と適宜検討を重ねているところであります。  また、市立札幌病院のパワーアッププランにかかわる保健福祉局のかかわりについてでありますけれども、現在、のぞみ学園のあり方を含め、市立札幌病院の精神科医療の再編等について検討が進められているという状況にありますことから、その推移を見きわめつつ速やかに関係各課との検討会議を立ち上げまして、のぞみ学園のあるべき方向性、そういったものについて具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村素子 委員  ただいまのご答弁では、やはりのぞみ学園施設のハード面に関しては保健福祉局の担当の大きな部分かと思いますが、一般的に言いますと、普通、市の建物で23年というと更新の時期にはまだ入らないのですね、30年近いとかそんなことかと思うんですが、行ってみますと大変に劣悪な状況で、傷んでおりまして、修繕、修繕で使っておりまして、療育環境としては劣悪という言葉の一語に尽きるかなと思います。  のぞみ学園の改築はいつごろ予定されているのか。その際、現在の定員のあり方についてはどのように考えるのか、お伺いしたいと思います。なぜかと申しますと、のぞみ学園は子どもの施設ですので、特にどのようにお考えかお伺いしたいと思います。  それから、先日の市立病院のところでもお伺いしましたけれども、東区にできます自閉症者自立支援センターに移行できる方は、10名程度だと。そうしますと10名ぐらいが残るわけですね。この方たちについては、保健福祉局としては、今後、どのように対応しようとされているのか、お伺いします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目ののぞみ学園の改築と定員についての考え方についてでありますけれども、のぞみ学園が第1種自閉症児施設にふさわしい機能と良好な療育環境を整えていくということにつきましては、やはり施設の改築あるいは改修が必要なものというふうに認識しております。  そこで、改築等の時期や施設規模等につきましては、市立札幌病院と十分連携をとりながら検討してまいりたいと考えており、その一方、この自閉症児施設は社会福祉施設ということでありますことから、整備費等について国との協議もあわせて進めていかなければならないというふうに考えております。  2点目の東雁来の自閉症者自立支援センターに移行することが、先生の方で十数名というお話がございましたけれども、移行することが困難な方につきましては、依然として医療との強いかかわりが必要な方々というようなことで、引き続き治療を継続するものと思われます。  したがいまして、現実的には、福祉的側面からの対応ということにつきましては非常に難しい部分があろうかなというふうに考えております。 ◆宮村素子 委員  改築は必要であるけれどもと、これは第1種自閉症児施設で、子どもの施設ということで、改築につきましても国の補助が期待できるわけです。そうしますと、あくまでも児の施設ということになりますので、残りました者の方は、医療を続けながら状況に応じてまた自立支援センターへ移行する時期もあるのかもしれませんが、恐らくは移行できない、家庭に帰ることもできない、どこにも行くことができない人たちだと思っております。  限定して10名というふうにはっきり言えるかどうかわかりませんけれども、10名程度の方といったときに、今後も札幌市内ではこの10名からふえないということではなくて、やはり児の方が者になっていって、ここで治療を継続しなければならないという方もふえてくることも当然あるわけですよね。そうしますと、この方たちを福祉で見るのか、治療が必要ということですからやはり医療として見ていくのか、そのところの判断が絶対必要だと思います。  のぞみ学園は、児の施設として改築しても、者が依然としてそこに半分程度は占めていて、そうであれば、のぞみ学園が児の施設として機能する部分が本当に小さくなる。この者のところをずっと福祉で見るのか医療で見るのか、それをはっきりしなければならない時期がもう来ていると、そんなふうに思います。  パワーアッププランとの関係で、市立病院として静療院との関係の中で出てきたら、その状況を受けとめて対応したいと、そういったお考えかなというふうに思いますが、繰り返しますけれども、のぞみ学園はあくまでも子どもが対象でございます。行き先がなかなか見つからない成人の方、この方たちもかなり年をとってきておられますけれども、この方たちの処遇について、3月末に出されるパワーアッププランの中で、十分な方向性が出せるように願っております。  そこで、のぞみ学園の今後の方向性につきまして私なりに意見を申し上げますと、のぞみ学園は、一つには完全に子どもの施設として進んでいくと。  それから、のぞみ学園に残っております成人の方々に関しては、のぞみ学園の再整備のときに併設して、福祉で見ていく。これは札幌市単費ででもやるべきかなというふうに思っております。しかし、静療院の中で医療の一環として処遇をしていく、それも一つの考え方としてあるわけです。  それから、切り口を変えまして、子ども未来局として包括的な視点で、子どものときから自閉症として処遇してきた人を、じゃ、大人になったときにどう見るか。これもそういった切り口が存在するかなというふうに思いますが、局長にお伺いいたしますけれども、私はその三つの方向いずれかの選択しかないのではないかと思いますが、局長はどんなふうにお考えになっているか。  それから、パワーアッププランは3月末に出されるわけで、この部分も含めて答えとして出さなければならないというふうに思いますけれども、その点についてもいかがか、お伺いいたします。 ◎宮田 保健福祉局長  ただいまの、児から成人になって、今のぞみ学園の中にいらっしゃる方々の約10名が東札幌へ行かないで残る、この方をどうするかということでございますけれども、どんどんふえるという種類の疾患ではないと思いますが、いずれにしても減っていくことはないだろうと思います。  この病気の性質上、今まで世界的にも児に対してのみの治療ということで、法律も児に対してしかない現状を見ますと、治療あるいは療法、療育、この進歩がどんどんあって、皆さんが成人になっても社会生活もできる、いろいろなプログラムもつくられる、こういう部門についてはこれからまだ発展していくのではないかということで、先日、我々の中で私が意見を述べました。固定するんじゃなくて、もうしばらく待てば、こういう人たちにとっての療育、療法、そういうものも発達して、その中でのぞみ学園の卒業生として東雁来の方へ行かれる方もいるのではないか、そういう希望も持ちたいねという話をしたばかりでございますけれども、まだ、残る方もいらっしゃるであろうと思います。これらの方につきましては、我々も経営改革の中で市立病院のパワーアッププランについて、先日、市長、副市長、収入役等を含めて、関係の局長が集まって話をしまして、大体の方向については了解を得られたということでございます。そして3月末には、このプランが発表されるということでございます。  その中にあります静療院の問題は、門下にありますのぞみ学園、あるいは中にあります児童精神病棟等につきまして、これから5年にわたって暫時縮小の方向だけれども、機能的にどういう機能を残すかということを考えていくという整理がされておりました。  そういうことで、静療院が単独でそれをやるんじゃなくて、北海道、また、日本の中でも非常に特殊で、今ある静療院と保健福祉施設と言われるのぞみ学園、このあたりが一体化してやっていくことに非常に期待が持てる何らかの方策を講じなければならないという状況でございますので、この中で真剣に考えていかなければならないと思っております。  そして、その中の選択肢というんですか、それは、今、宮村先生が言われたように三つぐらい、その中で検討されるのではないかなと、私もそう思っております。 ◆宮村素子 委員  ただいま今後のあり方ということで、子どもさんには法整備がありますけれども、その方が大人になったときに、自閉症者自立支援センターも、例えば、のぞみ学園から移行する大人の絶対的な受け皿ということでもないわけです。ですから、今の福祉施策、いろいろ改善してきておりますけれども、法的にもそれから処遇的にも環境的にも全く恵まれないでいる方たちです。札幌市はどういうふうに光を当てるかということ、ただいま局長のお話を聞いて、まだ決定した状況で伺っているわけではないですけれども、一応今後の方向性ということが少し見えるかなというふうに。ぜひとも札幌市は他都市に先駆けていい処遇をして、その結果、こういうふうに生活が安定して、少なくとも社会とのかかわりが出てくる、そのぐらいまでの向上につなげてほしいなと、そういうふうに期待しております。ぜひとも全力で取り組んでいただきますように要望いたしまして、終わります。 ◆大嶋薫 委員  私からは、今後の障がい福祉施策について、何点か伺わせていただきます。  ご承知のように、昨年10月、社会保障審議会障害者部会で、今後の障害保健福祉施策について、改革のグランドデザイン案という形で、ある意味でこれまでの大きな流れ、施設から地域へという、あるいは自立を支えるという方向づけではありますけれども、サービス体系等々についてかなり変更が加えられるという内容の案が示され、さらに今年2月、今の通常国会で障害者自立支援法案が提出されました。この審議日程等についてはまだはっきりしない部分がありますが、大枠の考え方等々を踏まえた障がい当事者たちの勉強会、あるいは地域で支えている施設なり多くの福祉関係者の方々とも意見交換してきましたけれども、このままではサービスが削減されるんじゃないかとか、今、実際に自分たちが行っている支えるためのサービスは一体どういう方向になっていくんだろうかというようないろいろな疑問も聞こえてまいります。  2003年4月から実施された支援費制度、このスタートに当たってもいろいろな不安、議論がございました。ただ、この支援費制度から新たな障害者自立支援法案へ向かうに当たっても、基本的には地域生活支援、自己決定、利用者が主体となってサービスを選択し決めていくんだという大きな流れは変わらないというふうに私も考えています。今後の改革のありようが、これまで地域でサービスを支えてきた人たち、あるいはサービスを利用してきた障がい当事者の方たちにとって、果たして今後の地域生活にプラスになる改革であってほしいというふうにも思っています。  今、若干の概要についてもお話をさせていただいたんですが、いわば新たな制度を支えていくのが自治体の役割になるわけですけれども、基本的には自治体、あるいは先ほど言いました障がい当事者、あるいはサービスを支えている多くの福祉関係者との議論が決定的に不足して国会の場で決められようとしているんじゃないかと、このことが今いろいろな方が不安を持っている大きな要因であろうかとも思います。  そこで、まだ具体的な中身についてはなかなか見えない部分があるわけですけれども、本市としても、担当課長会議等々の中である程度の厚生労働省の考え方が示され、その中での議論も行ってきていると思います。本市として、自立支援法案について、現時点でどのような受けとめ方をしているのかという点を伺います。  それから、2点目として、今後、自立支援法案に付随していろいろなサービス体系が変更されるということになるわけですけれども、この法案の施行スケジュール、これがどうなっているのかという点について伺います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  自立支援法案に対する目指すべき方向性とか、そういったようなことだと思うのですけれども、私どもとしては、この法案につきましては、障がいのある方の地域生活と就労を進め、自立を支援することを目指しているものだというふうに受けとめております。また、この法案の趣旨は、これまで障がい種別ごとに異なる法律に基づいて行われてきた福祉サービスが、いわゆる共通制度のもとで一元化されようとしている、そういったようなことで、今後の障がい福祉のあり方を示しているというふうに考えております。  そこで、この改革のねらいとしてうたわれております公平なサービス利用のための手続、あるいは基準の透明化と明確化、また、増大する福祉サービス等の費用についてみんなで負担し合う仕組みの強化、こういったことに対してこれから論議されていくということでございますけれども、札幌市といたしましてはこの動向に十分配慮をし、留意して必要な準備事務を進めていきたいというふうに思っております。  それから、2点目の現在示されております施行のスケジュールについてでありますけれども、いわゆる公費負担医療の見直しにかかわるものの施行期日が平成17年10月ということで早速始まります。  それからまた、障がい福祉サービスにかかる新たな利用手続でございますとか、国等の負担及び利用者負担の見直しに関する事項が平成18年1月、そして新たな施設、あるいは事業体系への移行に関する事項につきましては18年10月ということで、それぞれ施行スケジュールが示されております。 ◆大嶋薫 委員  今、札幌市としての受けとめ方、あるいは今後の想定されるスケジュールということでお答えをいただきました。3点ほど自立支援法案の方向性、骨格についてのお話がありましたけれども、お答えの中にありましたように施設体系、事業体系が大幅に変更される、あるいは給付体系も変更されるということと。さらには、学習会でいただいた資料ですけれども、4点目、5点目、規制緩和、一つ重大なのは、増大する福祉サービス等の費用をみんなで負担し支え合う仕組みの強化という部分がありまして、これは応益負担の考え方を取り入れて、利用料の一部負担ということですね。そして(2)で、国の財政責任の明確化と、これがどういうことを意味しているのかというのはわかりづらい部分がありますが、多分、公平な負担との対比でいうと、国はここまでしか財政負担しませんよ、あとは自治体の責任ですよと、これまでの三位一体の改革等の議論の中で考えると、そういう方向になってくる可能性もあるのかなというふうにも思います。  そしてまた、自立支援法案のそれぞれのサービス給付の仕組み等との考え方の中で、地域生活支援にかかわる事業、いわゆる支える仕組み、あるいは財源等々について、これが地方自治体、市町村にほぼゆだねられると。この先財源の負担のあり方等々についてはまた別な議論になってくるんでしょうけれども、そういう大枠の方向づけも考えられているということですから、やはり自治体のこれからの役割というのは大きく変わらざるを得ない。というよりも、こういう変化を受けていろいろな知恵を出していかなければならないし、これまで支援費制度の中で広がってきたサービス、とりわけホームヘルプサービス、あるいはガイドヘルプサービス、グループホームの拡充といった地域生活を支える制度、これは本市としても最大限の努力をしてサービスの拡大に努めてきたわけですが、この流れを変えないでしっかりと支えていくという方向づけが必要ではないかというふうに思っているわけです。それが自立支援法案の議論の中で不安を抱えている当事者たち、あるいはサービスを支えている人たちに、今、札幌市がしっかりこたえるべき課題かなというふうに思うわけですが、その点についてご回答をお願いします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  ただいまのお話は、これまで継続されてきましたサービスの水準がどうなるのかというような趣旨かと思いますけれども、先生がおっしゃったように、平成15年度から開始しました支援費制度、これにつきましては、これまでの措置制度にかえて、障がいのある方みずからがサービスを選択して、契約によるサービスを利用する仕組みというふうになりました。自立支援法案につきましても、このような制度の根幹につきましては、これまで同様維持されることが示されております。現在の福祉サービスの水準の低下は来さないというふうに考えてございます。  ただ、一方において、先ほど先生ご指摘のとおり、サービス体系の大幅な見直しも提案されておりますことから、今後とも、私どもは法案審議の動向には十分留意するとともに、関係部課長会議等、全国的なそういった会議の中では必要な意見については述べさせていただいて、障がい福祉サービスが円滑に運営されるよう努力をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆大嶋薫 委員  部長の方から、サービス水準を維持するだけでなく、基本的にこれまで進めてきた方向性を失わないというようなことでのお答えをいただきましたので、この件については、あとは具体的なことに入っていきますけれども、多分、先ほど示されたスケジュールの中で考えると、ことしの夏ころから1年ぐらいかけて、事業体系の変更に見合った形で、ある意味では本市の障がい福祉サービスのグランドデザインをつくり上げていかなければならないことになるのかなと私は思っています。それはとりもなおさず、新しい事業体系、施設体系は、障がい者の方たち、あるいはサービスを支える人たちが、これまでいろいろな議論の、こうあってほしいという方向で、それなりに考えてつくられたものなのかなというふうに私自身は理解しています。  ただ、具体的に進める過程でサービス単価の問題、あるいはグループホームについても類型が分かれてくる、ガイドヘルプについても明らかに分かれてくる、心身重度障がい者についても包括報酬制度というようなことが導入されるかされないか、これはこれからまた議論がされるのでしょうけれども、そういうことが個々の問題として議論されていかなければなりません。同時に、札幌市がこれから地域で支える仕組みをどのようにつくり上げていくかということが大きな課題になってくると思いますので、そこは当事者団体、あるいは福祉サービスをされているいろいろな団体の市民との議論を積極的に進めながら、ぜひ新しい札幌発のサービスの仕組みをつくり上げていっていただきたいと思います。  その中で、少し具体的に今後の考え方について伺います。  一つは、グループホームについてです。現在、市内の知的障がい者のグループホームの運営主体、障がい者施設を運営する法人は、社会福祉法人ということになっております。国の考え方でも、これはNPOを含めた地域で福祉活動を続けている市民団体にも運営主体をゆだねるべきであるし、そうすることによって主体が広がり、事業自体も具体的に進んでいくのではないかというようなことになっているんですが、札幌市の場合は残念ながらなかなかNPOによるグループホームの運営というのは進んでいない。施設に入所されている方が地域に出るという一つのルートはできているのですが、今、特によく相談を持ちかけられる課題でいうと、在宅で作業所なり通所授産所へ通っている間はいろいろなサービスを受けて暮らしているという人たちが、世話をしている家族、保護者の方が高齢化して世話ができなくなってしまう、そうした場合に入所しなければならない。逆に言えば入所施設をつくってほしいという希望になってくるわけです。  これは、ある意味では今の時代の流れ、これから札幌市が取り組もうとしている大きな障がい者施策とは逆の方向に行ってしまう。とすれば、やはり積極的に地域に住んでいる方がグループホームで生活する、あるいはまたさまざまなサービスを組み合わせてグループホームから自立した生活をするという流れをつくっていかなければならないというふうに考えますので、NPO法人等のグループホームについて、バックアップがあればというふうなことが言われていますけれども、バックアップはどのような状況であれば可能なのかということについて、伺います。  2点目は、小規模作業所についてです。  この補助金をめぐっては、厚生常任委員会の議論を通じて、昨年来数度にわたって札幌市障害者小規模共同作業所連絡協議会、通称札作連と呼ばれていますけれども、札作連のメンバー、あるいは小規模作業所を支える人たちと、今後のあり方についての議論が進められてきたというふうに考えています。グランドデザインなり自立支援法案の中にも施設体系の変更というものがあって、そういう大きな流れの中で、一つは今後の補助金のあり方、札幌市として支えるあり方を考えていこうということと同時に、これまで補助金の根本的な仕組みについてのいろいろな議論が進められてきたというふうに思っています。  当然、施設から地域へという中で、現在、知的・身体・精神を含めますと133カ所の小規模作業所を約1,700名が利用している。これまでも繰り返し指摘してきましたけれども、在宅サービスを支えるといいますか、地域での活動の場として大きな役割を果たしているわけですから、今後の方向というのは、札幌市がどのように支え、協働で活動の場をつくり上げていくのかということが課題になろうかと思いますが、これまでの議論を踏まえて、ここの小規模作業所に対する補助の取り扱い、あるいは一層の充実、健全化についてどのような考え方で進めていくのか。これまでの議論の合意点も含めて具体的に伺います。  3点目は、今後の相談支援事業についてです。  現在、知的・身体・精神、それぞれ相談支援事業、これは個別の名称はそれぞれありますけれども、全市で9カ所実施されていると。ただ、この課題も、国が15万人にそれぞれ障がい種別に1カ所というふうにつくった7カ年戦略が立てられてからもう10年以上になります。その中でなかなかこの相談支援事業を地域に配置していくことが進まなかった。これは札幌市としての取り組みの問題点でもありますが、国の箇所づけ自体が計画に見合った形で行われてこなかったということが大きな要因であることは十分承知しています。  相談支援事業を考える上で、旧来の障がい種別ごとの相談事業を展開することで、果たしてニーズにこたえていけるのかどうかということと、もう一つは、ワンストップサービスといいますか、地域での24時間の生活を支えるための相談支援の仕組みをきめ細かくつくっていかなければならないという新たな課題が、今後の障がい者施策の中で求められてくることになると思います。間違いなく今もそういうニーズがあるわけです。今後、相談支援事業を地域に根差した仕組みとしてどのようにつくり上げていくのかという考えを伺います。  4点目は、障がい者の就労支援、これはある意味では自立支援法案の中に、新たな今後の取り組みの重点課題として就労支援という考え方がうたわれておりますし、これまでのいろいろな議論の中で大事な課題として議論もされてきましたので、この方針が変わることはないだろうというふうに思います。  現在、市民レベルでいろいろな研究会といいますか、現実に地域で生活する、あるいは働く障がい者をどういうふうに支えるかという議論が進められておりますけれども、これまで知的、さらには精神障がい者への就労支援ということについて、ジョブコーチでのフォロー等々についての課題も議論されてまいりましたが、本市として、具体的にどのような取り組みを行っているのか、この点について伺います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目のグループホームの関係についてでございます。  これは、本当に地域生活を支える重要な資源だというふうに考えております。この整備につきましては、従来、社会福祉法人を中心に整備されてまいりましたけれども、今後、NPO法人も重要な担い手になるというふうに認識しているところでございます。  そこで、NPO法人等がグループホームを運営するに当たり、重要な要件の一つとして、先ほどお話がございましたけれども、バックアップ体制の確立というものがございます。このバックアップ体制につきましては、国から示されておるんですけれども、夜間等における緊急時の際に、関係施設の職員が容易に手伝いに来ていただけるだとか、あるいは代替の世話人が確保されていると、こういった支援体制があれば構わないというようなことなものですから、札幌市としても、こういったような体制が確認できれば、設置要件を満たすものということで認定していきたいというふうに思っております。  それから、2点目の小規模作業所についてでございますけれども、これは昨年5月以来、小規模作業所を統括する団体でありますとか、各作業所の意見を聞きながら新しい補助基準の検討を進めてまいりました。  新しい補助基準では、主に重度者に対応する生活支援型、それから継続した就労の場の提供を行う福祉的就労型、それから一般就労に向けた支援を行う、いわゆる就労支援型という類型化を行ったこと。さらには、利用人数1人当たりに対する補助単価の導入でございますとか、利用実績の補助金への反映、それから法人格取得の条件化等を盛り込んだところであります。  これらのことによって、個々の小規模作業所の実態をより適切に評価することができまして、効率的、かつ透明性が図られる補助制度になるものというふうに考えております。また、小規模作業所のより一層の充実、健全化等についてでありますけれども、本市では、昨年9月から議会の方からも指摘がございましたが、小規模作業所の実態把握でございますとか、現地指導業務、また、利用希望者に対するあっせん調整業務、あるいは小規模作業所の職員を対象とした研修、こういったものを札幌市障害者小規模共同作業所連絡協議会に委託をしてございます。この事業につきましても、これからも続けていきたいというふうに思っております。  それから、3点目の相談支援の関係についてでございますけれども、今後とも私どもは事業所数の拡大を目指すとともに、身体・知的・精神のいわゆる障がい種別を超えて柔軟に対応できるよう各事業所間の連絡会議、そういったものを設置して相互の連携を深め、より身近な地域で相談支援が行える、そんな体制をつくっていきたいというふうに思っております。  国の障害者自立支援法案におきましても、相談支援体制の強化は大変重要なことだということで、市町村、あるいは委託先の事業者が相談支援事業を実施することとされております。  こうしたことから、相談支援事業につきましては、私ども障がい者のケアマネジメントを行っておりますけれども、こういった研修の修了者が中心になりまして、障がいのある方のニーズに対応する福祉サービスの利用調整でありますとか、あるいは利用計画の作成等でなされるような仕組みづくりについて十分検討してまいりたいというふうに考えております。  4点目の障がいのある方の就労支援についてでございますけれども、これらの方々の職場定着のためには、いわゆる職場訪問等を行いますジョブコーチの活用、これは非常に有効とされております。札幌市といたしましても、ジョブコーチが配置されております北海道障害者職業センターでございますとか、札幌障害者就業・生活支援センター、そういったところと連携をしながら就労支援を進めているところであります。  また、保健福祉局といたしましては、所管の施設等の清掃業務を障がい者団体に委託するなどして、就労の場の確保に努めてございますし、各部局に対しても、障がい者雇用企業への物品の購入ですとか、業務委託の検討について要請してきております。今後とも、障がい者の就労支援には十分配慮していきたいなというふうに思っております。 ◆大嶋薫 委員  あとは1〜2要望で締めくくらせていただきますけれども、一つは就労支援ということについてです。障がい福祉担当部局として、所管施設等々、所管事業については積極的に雇用の拡大に努めているということでもありますし、ジョブコーチについてもサンプラザの北海道の雇用センターなり、サポートinサッポロと連携しながら取り組みを進めているということでありますが、この事業を拡大するには、今のサポートinサッポロと道の支援の仕組みだけでは人的な面も含めて圧倒的に足りない。これをどうしていくかということは大きな課題となってきますので、やはり、先ほど言いました市民レベルで就労支援研究会という形で積み重ねる議論等々に積極的に本市としてもかかわりを持ちながら、あるいは企業との議論も進めながら拡大に向けて努力していただきたい。  そしてまた、これは将来の課題になりますが、本市全体として障がい者雇用をどのように進めていくのか、あるいは企業にどのように促していくのかということについては、制度的なものをしっかりとつくり上げていかなければならないわけですけれども、このことについても、具体的な検討課題として取り組みをお願いしたいと思います。  それから、今、小規模作業所について、ある意味で共同作業というのはかなり厳しい議論もあったやに聞いております。その中で一つの新しい制度を4月1日からスタートするということですから、こういう経験をほかの事業、あるいは今後の支援法案、あるいはグランドデザインをめぐって、それぞれ個別サービスのあり方についての議論、検討を進めていかなければならないわけですが、その中においての市民との協働、当事者団体なり支える多くの人たちの共同作業ということを最大限追求していただき、その中で新しい制度をつくり上げていくということを、私の方から要望しまして、終わらせていただきます。
    ◆小形香織 委員  私からは、障がい者施策につきまして、障がい者の交通費助成の件と、それから、今お話のありました小規模作業所の件と、大きく二つ質問させていただきたいと思います。  まず初めに、小規模作業所に関する質問です。  小規模作業所は在宅の障がい者が通う就労の場であるということと同時に、社会参加をする、あるいはひとりぼっちの障がい者をなくして、お互いに支え合う温かい居場所として今日まで続いてきたというふうに私は理解しております。  同時に、法定の通所授産施設の数が足りなくて、あちこちで生まれてきたものだというふうに思いますけれども、小規模作業所はこれまでどのような役割を果たしてきているというふうに評価されているのか。また、社会福祉施策の中での小規模作業所の位置づけというのはどのようなものであるとお考えか、基本的なところを伺いたいと思います。  それから二つ目、障がい者交通費の助成についての質問です。  昨年の決算特別委員会で、これは敬老パスの制度が利用料と上限を設けるという二重の改悪がなされる中で、福祉パスは70歳を超えてもそのまま適用するべきだというふうに私は質問させていただきました。それに対して、70歳以上になっても福祉パスのまま制度を適用すると答弁をされました。そして、2月7日に障がいのある方の交通費助成制度のご利用についてという文書を3万2,000通発送して、各区役所やコールセンターなどには1日270件近く、障がいのある方からの問い合わせがあったというふうに聞いております。  新敬老カードとの関係で言いますと、福祉タクシー券やガソリン券を選んだ身体障がい者など1、2級の方々は新敬老カードも使えると。そしてその場合には、福祉ガソリン券、タクシー券については随時の交付であると。敬老カードを利用したいという場合には、3月と9月のいわゆる普通の敬老パスと同じ時期に交付を受けるというものだというふうに理解をしております。  この福祉パスの制度について、新敬老優待乗車証との関係で、障がいのある方々に混乱がなかったのかどうか。また、前回ご答弁された福祉パスの制度がどのように実現されたのか、全容についてお示し願いたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目の小規模作業所の果たしている役割についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、障がいのある方の日中活動、あるいは福祉的就労の場としての重要な役割を担っているというふうに認識をしております。また、小規模作業所の社会福祉施策での位置づけについてでありますが、いわゆる法定施設を補完する、地域での身近な利用施設であるというふうに認識をしております。  したがいまして、小規模作業所につきましては、札幌市障害者保健福祉計画の中でも、いわゆる障がいのある方が地域で自立した生活を送れるようにという、共生社会の実現を目指す大きな方策の一つというふうに考えております。  それから、障がいのある方の交通費の助成についてでありますけれども、いろいろ内容の周知等で混乱がなかったかということでございますが、これは特段なかったというふうに認識をしてございます。  そこで、障がいのある方の交通費助成制度についてでございますが、これまで70歳以上の障がいのある方につきましては敬老優待乗車証を利用していただいておりましたけれども、ご承知のとおり平成17年度から敬老優待乗車証制度が新たな制度になることに応じまして、障がいのある方の社会参加の推進が重要だというような観点から、障がいの交通費助成制度を利用できるよう取り扱いを変更し、先ほどありました案内文をそれぞれ送付いたしました。  具体的に70歳以上の身体障がい1、2級などの重度の方には福祉乗車証をご利用いただけること、そしてまた、タクシー券、ガソリン券を選択される方は敬老優待乗車証も利用できるようにすること、さらには、3、4級のいわゆる中度の方にもウィズユーカードを交付するということをお知らせしたものでございます。 ◆小形香織 委員  まず、小規模作業所の方の再質問でございます。  これまで3ランクに分けていた補助基準を、今度から新たな補助基準に変更して、福祉的就労型施設では、通所者数1名ふえるごとに幾らというふうに細かく分けるものにしたというふうに説明を受けました。その基準額の積算根拠となる人件費プラス事務費についてなんですけれども、これまで市の職員の基準にしていたものを、今度は北海道職員の基準に今年度までしていたと。道職員の人件費21万3,000円ぐらいを基準にしていたと。しかし、今度の1名ふえるごとの基準に新しく変えるということに伴って、知的障害児職業指導員本俸基準額と、こういうものの算定基準に沿ったものにしたと。これが18万6,300円だというふうに伺っています。つまり、基準になる人件費が21万何がしから18万円に、3万3,000円ぐらい下がっているのです。そして、その上、これまで人件費9に対して事務費が1だと、9対1にしていたものを、人件費が7.5に対して事務費を2.5というふうに比率が変わっています。決まっているパイの中でどういうふうに配分するのかという考え方でやったものだと思いますが、この積算根拠となる基準額のところがやはり小規模作業所の実態に沿っていないというふうに私は考えます。  例えば、10人通う施設に対して、今度のでは1.7人分の人件費プラス事務費ということで、772万円の補助を出すことになるわけですけれども、実際、10人の通所者がいれば職員は最低2人は必要でしょう。それから、ある小規模作業所では、通所者15名に指導員4名が実際には配置されていますが、市の基準からいえば2.2人分の人件費しか出せないと。ですから、現場では結局2.2人分の人件費を4人で分けると、こういうことが実態なんです。補助基準の考え方と現場の実態の乖離についてどのように認識しておられるのか。  今回の改定で、小規模作業所の運営を十分に満たすものになったとお考えかどうか、お尋ねをしたいと思います。また、十分に満たすと考えていないということであれば、小規模作業所を今後どのような形で支援していこうとお考えなのかをお示し願いたいと思います。  それから、障がい者の交通費助成の方の質問になりますが、心身障がい1、2級の方々が福祉ガソリン券だと3万円の支給、ところがタクシー券の方を利用すると3万6,000円、同じ制度なのにここに6,000円の差があります。ガソリン券を選んだ人は6,000円足りない。これは前回も質問をさせていただきましたけれども、私はこれはタクシー券と同じ3万6,000円にあわせるべきだというふうに考えます。  平成14年の予算特別委員会で、当時の障がい福祉担当部長は、タクシー券と同じ程度のガソリンチケットを支給したいと考えているというふうに答弁していましたけれども、それが実態調査に基づいて6,000円の格差があってもいいんだというような答弁に変わっているわけですね。  私は、本来の、障がいのある方々の外出を支援するという目的に照らせば、やはり同じ3万6,000円のガソリン券の支給をするべきだというふうに考えますがいかがか、伺いたいと思います。  それからもう1点、身体障がい者3級の方などにウィズユーカードを支給していますけれども、これを利用されている方々から、これも質問しましたが、冬の間のつるつる滑る路面をつえをつきながら歩いていくというのは非常に恐ろしいと。もし転倒してしまったらどうしようということで、地下鉄やバス停まで歩いていくのが本当に怖いんだと。だから結局、病院に行くとき、その他外出のときにはどうしてもタクシーを使うことになると。ですから、積雪期の間だけでもタクシー券を選べるようにしてほしいという要望が本当に強いんです。  ウィズユーカードに上積みしてタクシー券を利用できるようしてくれというのではなくて、ウィズユーカードにするか、それともタクシー券にするかという二つの選択ができるようにしてほしいという要望でありますので、ぜひ実現していただきたいと考えますがいかがか、ご答弁をお願いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  まず、小規模作業所についてであります。  今回の補助基準見直し案が小規模作業所の運営を十分満たすものになっているかどうかということについてでございますけれども、作業所の運営方針やこれに基づく形態はさまざまでございます。そういう意味では、すべての作業所が満足するような補助基準とすることについては大変困難なことというふうに考えておりますが、私どもは運営の規模でございますとか障がい特性などに配慮をし、一定の基準を設けたものでございます。  なお、今回の見直しに当たりましては、先ほどもご答弁させていただきましたが、作業所を統括する団体及び各作業所とは十分に意見の交換をし、これらの意見も取り入れながら進めたものであり、より実態に即応したものだというふうに受けとめております。  また、今後の小規模作業所への支援についてでございますけれども、これまで進めてきました法定施設への移行促進のための必要な指導でございますとか、関係機関との協力による授産製品の販路拡大等に、引き続き支援を行ってまいりたいというふうに考えております。  なお、現在、国において、先ほど来の障害者自立支援法案が審議されておりますけれども、小規模作業所を含めた障がい者施設体系の再編が検討されておりますことから、この動向も十分見きわめながら、今後必要な支援について検討してまりいたいというふうに考えております。  次に、障がいのある方の交通費助成についてであります。  1点目の福祉自動車燃料助成券、この増額についてでありますけれども、これまで申し上げているとおり、障がいのある方の交通費助成制度というのは、あくまでも外出の機会を確保し、社会参加を促進するということを目的にしております。いわゆる福祉ガソリン券につきましては、保健福祉に関するアンケート調査、こういった中で外出回数などの調査結果に基づきまして、年額3万円の助成額を設定したものでございます。したがいまして、財政状況の厳しい中におきまして、現行の交通費助成制度を維持する上で最大限取り得る措置でありますことから、この助成額で推移をさせていただきたいというふうに思っております。  2点目の福祉タクシー利用券の対象拡大についてでございますけれども、福祉タクシー利用券は、重度の障がいのある方の中でも通年にわたり公共交通機関による移動が特に困難な、下肢ですとか視覚、あるいは体幹などに障がいのある方を対象としてございます。タクシー利用券は重度の方に限って支援することが現在の交通費助成制度の趣旨でありますことから、身体障がい3級への拡大につきましては、非常に難しいものだというふうに考えております。 ◆小形香織 委員  小規模作業所の方ですけれども、法定施設への指導もしていきたいんだということで支援していきたいというご答弁だったと思いますが、法定施設に移った場合、逆にそれによって市が補助している今の金額よりも低くなる施設があります。国が半分、そして市が半分出すというふうになっていますが、それを合計して現行の補助基準よりも低くなる場合には、ぜひ市が上積みをして、低くなることのないように、小規模作業所を全面的に応援していただきたいということを要望したいと思います。  それから、障がい者の交通費助成の件なんですけれども、まず、タクシー3万6,000円、ガソリンだと3万円、この差というのは、話はずっと平行線なんですが、これは同じ障がいの級を持っている人の中の枠ですから、同じ外出支援の目的であり、社会参加の目的であるという観点からいっても差があるのはおかしいのではないか。3万6,000円に統一するべきだと、その方がわかりやすいというふうに思います。ですから、それを実現していただきたいというふうに求めておきます。  そして、ウィズユーカードを使いながらタクシー券も選択できるようにしてほしいという要望の件ですけれども、今のご答弁は、重度の人だけタクシーが使えるのだというような言い方だったんですが、そうじゃなくて、ウィズユーカードを支給している範囲でいいからタクシー券を選択できるようにしてほしいというのが要望なんです。決して新たな財政支援をしろと言っているわけではないんですけれども、その辺をぜひ踏まえていただいて、何とか検討していただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  障がいのある方の交通費助成制度につきましては、先ほども述べさせていただきましたけれども、障がいの程度が重度、中度、軽度、それぞれに対応した取り扱いをしてございます。福祉タクシー利用券、これにつきましては、先ほど言いましたように通年にわたって交通機関を利用する、その際、移動が困難な方を対象とするというようなことで、現在の枠組みを変更、あるいは拡大することについては、いわゆる制度全体に及ぼすことでもございます。  本市としても、先ほど来言っておりますように、現在の制度を維持することが最大限とれる措置でありますので、中度ないし軽度の方への福祉タクシー券の拡大につきましては困難だということでございますので、何とぞご理解をいただきたいと思います。 ◆小形香織 委員  枠の変更は制度にかかわる変更になるのでということですけれども、事務方の整理の仕方でできるんじゃないですか。財政面で大きく変わることじゃないですから、ぜひそれを実現していただきたいと思うんです。(発言する者あり)強く要望ではなくて、ぜひ実現してほしいんですよ。枠の変更というふうに考えないで、今ある枠の中でウィズユーカードに出していた分をタクシー券の方に回していただきたいという、そこなんですよ。ですから、そこをぜひ踏まえていただいて実現していただきたいのですが、いかがでしょうか。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  ご意見につきましては十分承りますけれども、厳しい財政状況にあるということについても一方にあるということをご理解いただきたいというふうに思っております。 ◆小形香織 委員  厳しい財政事情というのではなくて、ウィズユーカードを出している金額の枠の中でいいからタクシー券を利用できるようにしてほしいというのが障がいを持っている方の要望なんです。ですから、財政にも影響しないでしょうと、こういうふうにお話をしているわけなんです。例えば、軽い3級ぐらいの障がいの方でも、実際につるつる路面で転んでしまったらそれこそ入院ですよ。そうなってしまってからだと、かえってご本人の精神的な負担も医療の負担も重くなるわけですし、そういう医療のお世話になることを考えれば、転倒、入院というようなことになる手前で、福祉の制度を予防的な役割として持つべきだというふうに強く求めまして、質問を終わります。 ○高橋克朋 委員長  以上で、第1項 社会福祉費、第2項 児童福祉費中関係分及び議案第27号の質疑を終了いたします。  最後に、第4項 生活保護費及び議案第21号の質疑を行います。 ◆横山光之 委員  私で最後でありますので、ちょっと我慢して聞いてください。  私からは、生活保護扶助費920億9,730万5,000円について伺いたいと思います。  質問はこの保護予算の伸び率の低下についてであります。920億円という莫大な金額であります。一般会計が10年ぶりに8,000億円を割り込んだ事態であるにもかかわらず、この生活保護扶助費だけは着実に伸びているということで、11.6%を占めるということであります。ただし、34億円の増でありますが、伸び率が3.8%のプラスということで、前年度が8%だったので、前年度から見れば、伸び率が鈍化しているということでありまして、伸び率がふえるよりはいいと。金額はふえておりますので何もうれしくはありませんけれども、そういう事態であります。  まず最初に、この伸び率の低下についてちょっとご説明いただきたいと思います。 ◎深村 総務部長  生活保護予算の伸び率低下についてでございますが、平成15年度においては保護世帯数、人員数とも前年同月比で7%を超える増加を示しておりましたが、16年度に入ってからはこの伸び率が次第に鈍化してきておりまして、ことしの1月現在では4%台にまで下がってまいりましたので、このような動向を勘案した結果でございます。  これは、道内景気が若干ですが上向いたことにより雇用環境の改善が見られたこと、それともう一方で、区の保健福祉部におきまして、就労支援のための取り組みを積極的に行ったことにより、自立をする世帯が増加してきたことによるものと考えております。 ◆横山光之 委員  伸び率の低下について、道内景気が若干上向いたというお話でありますが、全然実感がわきません。そう言われれば少しはよくなったのかなと思いますけれども、区の保健福祉部で頑張ったんだと、こういうことであろうかなと思っているんです。努力を多としたい、この伸び率の低下がどんどん続いて、やがては減り出すということになることを期待したいと思うところであります。  もう1点、保護基準の改正と本市予算への影響についてということで伺いたいと思うのであります。  国の社会保障審議会の生活保護制度のあり方に関する専門委員会があって、ここで保護基準の見直しその他、今の生活保護制度について検討を続けてきたと。昨年12月に最終報告書が出されたということであります。  私は、昨年の1定でも同じ質問をしたのでありますけれども、とにかく今日の生活保護制度がこのままでいいと思っている国民は一人もいないと思うのであります。  札幌市の8,000億円を切った予算のうちの920億円を占めているんですから、とにかく莫大な金が被保護者のために使われているわけでありますし、中には働けるのに働いていないんじゃないかと。支給決定のときには確かに病気だったけれども、もう治っていても、その後の追跡調査がなかなか十分でなく、そのままもらい続けていると。自分からもう要りませんという人はなかなかいないということかと思いますけれども、そういった受給期間の長期化というのも問題になっているということでありまして、1回もらうとくせになるといいますか、ずっともらい続けるというような傾向もあると。  何か聞くところによれば、アメリカでは、クリントン大統領時代に、生活保護というのは3年までだよ、一生のうちに一個人が通算して5年以上はもらえないんですよと。とにかくもらっている間に必死で働けるように努力をしなさいと。職を見つけるなり、もちろん病気の方は病気が治らなければどうにもなりませんけれども。そういったシステムをつくって、朝起きて職場に行くよりも、だらだらと暮らすのが身についてしまうということを防止するためのいろいろな方策を講じているというふうに伺っております。  とにかく医療費がすごい。400億円を超え、生活保護の約半分が医療費に使われているということでありまして、このままいくと、この国は生活保護を初めとするそういった社会保障、これでもう食いつぶされてしまうんではないかと。私は、毎年、生活保護扶助費の予算が発表されるのを見るたびに、恐怖感さえ覚えるというところなのであります。  今般、政府において、この生活保護のあり方について見直しをしたいということで、専門委員会が設けられここで検討されたと。その中で、保護から自立へと申しますか、今、申し上げたように、本当に苦しくて生活保護をもらうのは憲法上の権利であり、貴重な制度でありますから一向に構わないわけでありますが、そこからやっぱり個人として努力をするということが大切なわけでありまして、そういった努力をすることを助けるようなシステムの構築こそが大事だということであろうと思うのであります。  そこで、質問でありますけれども、今般の最終報告書における保護基準の見直しの内容はどんなものになっているのか。そして、これがもし実行されると、920億円という本市の莫大な保護扶助費にどのぐらいの影響があるのかということをお伺いをしたいと思います。 ◎深村 総務部長  ご質問の17年度における改正の主なものでございますが、今、大変厳しいご質問に対して、ふえる方の話を先にしなければならないのが大変心苦しいのでありますが、まず、改正の第1に、高校就学費用の給付というのがございます。今までは義務教育だけ認めていて、高校進学については自賄いということだったんですが、高校進学を認めた方が将来の自立に役立つという考えに沿いまして、入学金、授業料、教材費、学用品費、通学費など、公立高校で就学に要する費用相当分を新たに給付することとされました。  これと関連して、相反の関係にありますが、母子加算の対象となる子どもの年齢要件を、従来の高校生から中学生までとすることとし、3年間をかけて加算額を引き下げることとなりました。また、多人数世帯の生活扶助基準が高くなり過ぎているという認識に立ちまして、4人以上の世帯については、5ないし10%の引き下げを、やはり3年間かけて行うこととされております。  これによる本市の生活保護費予算への影響でございますが、高校就学費用の給付の新設による増が約3億6,000万円、それから母子加算や多人数世帯基準の見直し等による減が、3年間の見直しの初年度分として約2億6,000万円になるものと推計しております。 ◆横山光之 委員  内容についてご説明がありました。高校へ行く費用を給付する、あるいは母子加算について見直しをする、多人数世帯についても基準の見直しをするということであります。  本市での生活保護費予算への影響は、高校の分が3億6,000万円、お話だとまさに1億円増でありまして、初年度はふえるということのようであります。3年後は変わると思うんでありますけれども、試算があれば3年後の話も伺いたいと思います。  新聞記事等によれば、進学を断念することによって、結局、なかなかちゃんとした就職先が見つからない。あるいは教育が身につかないということは、いわゆる貧困の再生産を行うということで、言葉は悪いですけれども、生活保護は遺伝するというような、生活保護をもらうのに物すごく抵抗を感じる人と、それから親ももらっていたし兄弟ももらっている、私ももらっても別にそんなに抵抗はないという人と、個人差が随分あると思うんであります。そういった意味で、やっぱり今や一般家庭で言えば、高校に行かない家庭というのはほとんどないといいますか、97%と伺っておりますので、そういう時代でありますから、貧困からの脱却、生活保護をもらわないで生きていこうという親子の思いを実現させるためには、高校就学費用の給付これはもうぜひやるべきことだろうと思うわけであります。  その分、今、お話がありましたけれども、母子家庭に対する加算が見直しされるということのようであります。これは先ほど相反と言ったのですか、裏表であります。その分やっぱり母子加算の方が削られるわけでありますけれども、伺うところによれば、母子加算の生活保護世帯というのは、生活保護をもらっていない母子家庭の所得と比べて、むしろ母子加算をもらっている生活保護世帯の方が多いというような時代もあったということです。それから、先ほどの多人数世帯の生活扶助基準についても、計算式は私はよくわかりませんけれども、人数がふえればそれに対してふやしていくというシステムで、その掛け率からいくと人数がふえるとどんどんふえていって、一般世帯の同じ人数の家よりも平均所得からいうとかえって高くなってしまうというようなことであります。文字どおり働かない方がいいといいますか、生活保護をもらっている方が、貧乏しながら一生懸命働いているよりもいい生活ができるというようなことだったのかなと、こう思うわけであります。  そこで、母子加算と多人数世帯について、実際にこの制度が行われればこれまでとどんなふうに中身が変わるのかについて、ご説明をいただきたいと思うのであります。 ◎深村 総務部長  母子加算につきましては、一般母子世帯の消費水準との均衡や養育の手間の減少、さらには高校進学費用の給付が始まりますことから、16歳から18歳のいわゆる高校在学年齢の母子加算を、先ほど申しましたとおり3年間かけて廃止しようとするものでございまして、金額につきましては、平成16年度で月額2万3,260円であったものを、見直しの初年度の平成17年度は3分の2の1万5,510円にするというものでございます。  また、多人数世帯につきましては、現在の生活保護費の算定方法が、個人別経費を積み上げた上に世帯共通の経費を加えるという方法をとっておりますことから、世帯人員が多くなりますと総体的に扶助額が高くなる傾向がございました。このため、スケールメリットを考慮しまして、個人別経費を積み上げた額に一定の逓減率を掛けることとするものでございます。  なお、個人別経費の逓減率は、平成17年度で4人世帯の場合は2%、従前の額に98掛けするという意味でございます。5人以上世帯では4%として、3年後にはそれをそれぞれ5%と10%にするというものでございます。  これらの経過措置が終わります3年後の本市への影響額でございますが、雇用状況等でさまざまな影響がありますために明確な算定というのはできませんけれども、今年度の個々人ベースで申しますと、これらの基準改正によりトータルで約5億円の減になるというふうに考えてございます。 ◆横山光之 委員  今、ご説明を伺いました。やはり合理的な改正が行われるのではないかと思って期待をするところであります。国民が持っている納税者の不公平感、働いて税金を納めている者よりも生活保護をもらっている者の方が豊かであるというようなことが許されるわけがありません。  また、これは国民の勤労意欲にも大きな悪影響を及ぼす問題でありますから、こういったシステムがきちっと行われて、札幌市の予算でいうと、さっき初年度は1億円ふえるという話でしたけれども、3年たてば5億円減ると。920億円から見た5億円というのは焼け石に水といえば焼け石に水でありますけれども、やらないよりはましだということでありましょうし、その精神において基本的な考え方として、ただ保護費を支払うという考え方から、いろいろな意味での見直しをやっていくという意味で、これは有益なことではないかなと思うのであります。  最終報告書の中で、今申しました保護から自立へということで、自立のために一生懸命努力している者を支援していこうというふうに国も本気で考え出したと。日本は戦後、経済復興が著しくパイがふえ続ける一方でありましたから、いろいろな意味で緩やかなといいますか、余り厳しくなくてパイのふえる分をみんなで分けていこうということであったと思うのであります。  したがって、生活保護についてもどんどん支給基準がふえていって、平均所得の7割ぐらいが基準であるというふうに伺っておりますけれども、もう十分に生活保護でも貧乏しないで豊かに暮らしていける国になったと。そのこと自体は我が国にとっても、国民にとっても幸せなことであったと思うわけであります。  しかしながら、ご承知のとおり、もう十数年に及ぶ長い不況の中で、我が国は極めて厳しい財政状況に置かれているわけでありまして、これまでと同じような生活保護費の支払いを続けることはもはや不可能であることは明白であります。  したがって、この生活保護費をどうやれば減らすことができるのかと。必要な人にはどうしてもこれは払っていかなくてはなりません。国民にとって最後のセーフティーネットというのでしょうか、安全弁、安全網でありますから、憲法で保障されたこのシステムは守り続けていかなくてはなりませんけれども、これを受ける人を少しでも減らす努力をしていかなくてはならないということだろうと思うのであります。  したがって、今般の最終報告において、自立支援プログラムに大きな力点が置かれて、保護から自立へと軸足が大きく変わったというふうに考えているわけであります。そこで、この自立支援プログラムというのはどういう内容になっているかについてご説明を賜りたいと思うところであります。  それから、自立支援プログラムについて、まじめにやらないといいますか、取り組みが不十分な者、一生懸命やらない者については生活保護費を停止したり廃止したりできるんだというようなことが盛り込まれているというふうに伺っているわけでありますが、これは大変なことでありますから、一体どんな場合に停廃止が行われるかについて伺いたいと思うのであります。  もう1点、福祉事務所なり関係官庁の担当者が、明確な基準がない中でこういった判断をするようなことになった場合、その担当者、あるいは役所によってまちまちであったりするようなことがあってはならないということでありまして、検討委員会の中で停廃止についての非常な危機感と同時に、判断が恣意的になってはいけないと、これを客観性のあるものにしなくてはならないという点についてご議論があったというふうに聞いているんでありますけれども、この点についてお伺いをしたいと思います。 ◎深村 総務部長  1点目の自立支援プログラムの内容についてでございますが、専門委員会の報告ではハローワークを初め、民間事業者や社会福祉施設などを活用して、保護世帯が抱えるさまざまな問題に応じて、経済的な自立だけではなく、社会生活の自立などを含めた多様な支援メニューを整備するということが提言されました。  この提言を受けまして、平成17年度にはハローワークにおいて、生活保護受給者の就労を専門に担当するコーディネーターを配置し、福祉事務所側のコーディネーターとチームを組んで就労支援を行うこととされております。  そのために、今後、北海道労働局と北海道、札幌市、それと中核市であります旭川市から成る協議会を設置しまして、事業の具体化について検討していくこととなっております。  なお、本市につきましては、これまで職安の相談員OB等を就労支援相談員として任用し、積極的に就労支援を進めてきているところでございますが、17年度には4名増員しまして8名で10区をカバーする予定であり、これら相談員を福祉事務所側のコーディネーターとして位置づけていきたいと考えております。  このことにより、就労支援はケースワーカーによるものと就労支援相談員によるもの、それとハローワーク・コーディネーターとのチームによるものというぐあいに重層的な体制を組むことにより、技能習得や就職面接訓練、さらには試験雇用ですとか、職業紹介など、対象者の能力や状況に応じて多様な援助を展開することが可能になるものと考えております。  次に、取り組みが不十分な者に対する停止、あるいは廃止についてでございますが、自立支援プログラムは、被保護者の自立の実現を目的にしたものであり、恣意的な停廃止をすることがあってはならないということは当然のことと考えております。  従前から能力活用を果たさない者については一定の手続の上停止、あるいは廃止することとしておりますので、自立支援プログラムにおきましても、プログラムへの参加日数が少ない場合等、指導・指示をして手続を十分経た上で停止あるいは廃止をするという判断をする必要が出てくる場合もあるというふうに考えております。 ◆横山光之 委員  この自立支援プログラムについては、私も簡単な資料をもらって拝見をいたしましたけれども、これは効果を上げるのはなかなか大変ではないかなと。福祉事務所やハローワーク、あるいは道、市が協議会をつくったりしてやるということでありますが、見ているとお役所が多いようでありますので、これが機能的に活動して、本当に自立にとって非常に頼りになるシステムとして確立するには、口で言うのはやさしいけれども、なかなか実行が難しいのではないかと思うのであります。恐らく関係部局の方も実際にやってみないとわからない面もあるのではないかなと思いますし、こういう極めて厳しい経済状況で、学校を卒業して新卒でも就職がなかなか見つからないというような時代でありますから、それだけに生活保護を受ける方を自立支援するためのシステムとしてはなかなか大変ではないかと。  これを見ますと、職業訓練とか、職業だけでなく、いろいろな生活指導とかそういうものを含めた自立支援だというふうに伺っておりますけれども、これはよほど皆さんで工夫をし、努力をしながらやっていかないと、効果は上がらないのではないかと思っているところであります。  私は、今後も、この議会の中で、これがどういうふうにして発展をしていくのかということを質問しながら励まし続けていきたいなと、こんなふうに思っているところであります。  最後でありますけれども、我が国の生活保護の制度は、申すまでもなく、我が国が真の意味で豊かな国であって、同時に富の分配が公平に行われる国であり、国民の福祉を保障する国であるということのあかしであります。憲法第25条に基づく国民の生存権を保障する極めて大切なこの制度が、そういった不正受給やあるいは自立をしない人たちの巣窟になって崩れるようなことがあってはならないということでありまして、この生活保護制度という誇るべき人類の制度を守るためにも、これからの努力をお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ○高橋克朋 委員長  以上で、第4項 生活保護費及び議案第21号の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は明後日17日午前10時から、保健福祉局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  それでは、散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時35分...