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  1. 札幌市議会 2005-03-01
    平成17年(常任)環境消防委員会−03月01日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成17年(常任)環境消防委員会−03月01日-記録平成17年(常任)環境消防委員会  札幌市議会環境消防委員会記録            平成17年3月1日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○熊谷憲一 委員長  ただいまから,環境消防委員会を開会します。  報告事項は,特にありません。  それでは,議事に入ります。  議案第56号 平成16年度札幌下水道事業会計補正予算(第2号)を議題とします。  質疑を行います。 ◆宮川潤 委員  議案第56号は,初めて処理場民間委託を行うということで,これに伴っての債務負担行為の設定となっております。民間委託は,今までしたことがないそうですから,業者の選定に当たってはどこでもいいということにはならないと思いますが,どういう基準を持って選定を行っていくお考えか,基準があればお示し願います。 ◎山内 処理担当部長  指名の対象となる業者基準です。  まず,札幌市の競争入札参加資格者名簿の物品及び役務の下水道施設運転管理の分野に登録されていることが第1条件です。それから,市内に本支店,営業所のいずれかがあること,さらに確実な履行を担保しなければいけないということで,国土交通省下水道処理施設維持管理登録名簿にも登録されていることを追加しています。 ◆宮川潤 委員  型どおり指名登録されていることは別にして,確実な履行ができることが,考えていく上で必要なことではないかと思います。確実な履行を行う上で,例えば,今まで,似たような業務の経験があるとか,十分な技術があるとか,そういった点ではどのようなことを参考にされるのか,お示し願います。 ◎山内 処理担当部長  基本的には,処理場及びその処理場施設維持管理等の実績を参考に指名しています。 ◆宮川潤 委員  維持管理の実績など見ていくということですから,そういう技術を持っている,あるいはノウハウを持っているという点が大事な観点になると思います。そういった技術ノウハウを確実に発揮してもらうためには,業者の中で実際に働いている人がきちんと技術を習得する,あるいは,次の人にその技術を継承していく,そのためには長期の安定した雇用が必要だろうと思います。直営の場合でしたら特に問題ないでしょうけれども,民間では長期の安定した雇用という点では制度として保障されていないと思いますが,委託先労働者の雇用についての取り決めがあればお示しください。 ◎後藤 施設部長  今ご質問の取り決めは,特に想定していません。ただ,技術的には,国土交通省登録名簿に入っていることが一つ技術的なものを担保するものであろうと思います。  それから,今回の委託に当たっては,包括的な外部委託とか複数年契約というところまではいきませんが,将来的な課題としては,複数年契約あるいは包括的な外部委託を取り入れていくべきという考えを持っています。そうなってくると,今お話があったような雇用の安定という面も改善をされていくと現在のところは考えています。 ◆宮川潤 委員  業者としてそのような技術が認められていることがあったにせよ,その会社内部で,1人の労働者が同じ職場で,ある一定期間,安定的に雇用されるという点では今のところはっきりしたことが見えておりません。その点は,非常に懸念されます。特に,下水道処理施設衛生面でなくてはならない施設ですから,取り決めがないという点では懸念を表明して,質問を終わります。 ○熊谷憲一 委員長  ほかに質疑はありませんか。
     (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  討論を行います。 ◆宮川潤 委員  下水道処理施設ですから,市民生活にとって欠くことのできないインフラであり,万一,その業務に支障を来すことがあれば,衛生面で重大なことにもつながりかねないと思われます。民間委託ということに関して言いますと,過去,本市において,PFI手法ですが,手稲の第2斎場の火葬炉メーカーの炉研が倒産する,また,宮の沢のバスターミナルの建設を一たん請け負った丸井がそれを投げ出し,札幌振興公社がその後を受けざるを得ないようなこともありました。安定的に業務を遂行すること,また,本市の内部においても処理について必要なノウハウを蓄積させる必要がある点からも,直営で行うことが必要ではないでしょうか。次々と民間に委託することは,結局,社会全体として働く人の賃金の低下につながるものです。  以上の点から,民間委託を内容としている債務負担行為の設定を行う議案第56号には,反対します。 ○熊谷憲一 委員長  ほかに討論はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,討論を終了します。  続いて,採決を行います。  議案第56号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○熊谷憲一 委員長  賛成多数であります。  よって,議案第56号は可決すべきものと決定されました。  ここで,理事者の交代を行いますので,委員会を暫時休憩します。     ──────────────       休 憩 午後1時8分       再 開 午後1時10分     ────────────── ○熊谷憲一 委員長  委員会を再開します。  次に,議案第47号 財産の取得の件(公園用地)を議題とします。  質疑を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,質疑を終了します。  討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,討論を終了します。  続いて,採決を行います。  議案第47号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  異議なしと認め,議案第47号は可決すべきものと決定されました。  次に,議案第52号 平成16年度札幌一般会計補正予算(第8号)中,関係分議題とします。  質疑を行います。 ○五十嵐徳美 副委員長  議案にある公園緑地管理費の中の委託料というのは公園管理に関する金額だと思います。再来年度指定管理者制度が導入されて,環境局が公募すべき対象とする物件がこれから出てくると思いますが,その前提となる基準,どういった前提に基づいて管理をすべく公募していくかということだけ確認します。 ◎千代 緑化推進部長  現在,財団法人札幌公園緑化協会に委託しているのは街区公園が14公園あり,ほかの公園については,例えば地元町内会委託とか業者委託という形をとっています。今回,平成18年度から導入しようとしている指定管理者制度を考えているのは,公園緑化協会に委託しています14公園に加え,区でも,大公園の中で,ぜひ指定管理者制度を導入してほしいという公園があったらということで,現在,調整中です。基本的には,そういう大公園指定管理者制度を導入いたしたいと考えています。 ○熊谷憲一 委員長  ほかに質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,質疑を終了します。  討論を行います。  討論はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,討論を終了します。  続いて,採決を行います。  議案第52号中,関係分を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  異議なしと認め,議案第52号中,関係分は可決すべきものと決定されました。  ここで,理事者の交代を行いますので,委員会を暫時休憩します。     ──────────────       休 憩 午後1時15分       再 開 午後1時17分     ────────────── ○熊谷憲一 委員長  委員会を再開します。  次に,議案第46号 札幌火災予防条例の一部を改正する条例案議題とします。  質疑を行います。 ◆青山浪子 委員  今回の火災予防条例の改正についてですが,防火対象物設備する消防用設備等消防法火災予防条例にその設置基準が定められていて,この基準に従って設置しなければならないことは理解をしています。さきに改正された消防法では,新たに設置することができることとなった性能を有する消防用設備等を今まで規定されていた設備にかえて設置できるよう条例の一部を改正するということですが,この改正の背景についてもう少し具体的に説明していただきたいと思います。  また,新しく設置をすることができるようになる性能を有する消防用設備としてどのようなものが想定されているのか,お伺いします。 ◎徳増 予防部長  最初に,ご質問の火災予防条例を改正する背景についてご説明します。  今回の火災予防条例の改正については,一昨年,改正された消防法条例との整合性を図るためのものです。消防用設備等については,消火,警報,避難設備のほか,消防用水あるいは消火活動上必要な施設を含むと合計で23種類の消防設備等があります。これらの設備は,それぞれ使用する配管の規格あるいは設置方法などの技術上の基準が具体的に定められており,この技術基準に基づき,設置することとされています。  また,個々の設備に対する運用基準が国から示されています。この運用基準に基づき,消防法などの技術基準と同等またはそれ以上の効力があると認められる設備については,特例的にその設置を認めることができるものとされています。  しかし,近年,防火対象物高層化あるいは大規模化複合化などが進み,その用途や利用形態もますます多様化してきている状況です。また,技術的工夫等により,安全性のすぐれた新しい消防用設備等が開発され,またはされつつある状況です。これら設備技術革新に柔軟に対応するため,これまでは特例的に認めてきたものを規定化し,積極的に認めるといういわば性能規定という考え方を導入して,一定の性能があって効果がある設備,新たに開発される特殊な設備の二つが追加されました。このことにより,今後,防火対象物関係者はこれらの設備を選択して設置することができるという,いわば規制緩和の一つでもあります。  したがって,火災予防条例によって設置される消防用設備等についても,消防法と同様に,これらの新しい設備設置する場合は,条例基準を適用しないよう,そのために今回改正するものです。  次に,今後新しく設置することができるようになる性能を有する消防用設備等は何かです。一例を申し上げると,消火設備として,これは用途的には事務所とか限定がありますが,今までのスプリンクラー設備にかえて,少ない水で消火することができるスプリンクラー設備とか,さらに,避難設備として,避難口設置される誘導灯にかえまして,床面に設置したランプが点灯して安全な避難口に誘導するシステムであるとか,階段室に機械的に外気を入れ,その外気圧によって煙の侵入を防ぐことによって避難あるいは消防隊の活動を円滑に行うことができるようにするシステムが現時点で考えられています。 ◆青山浪子 委員  この消防用設備等は,火災を早期に発見し,被害を軽減するために設置するものですから,新しい技術を取り入れ,より効果の高い設備が普及することは,私たち市民のかけがえのない命,身体,そして財産を守ることになりますので,大変よいことだと思います。今後,しっかりと運用していただくことを要望して,終わります。 ○熊谷憲一 委員長  ほかに質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,質疑を終了します。  討論を行います。  討論はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,討論を終了します。  続いて,採決を行います。  議案第46号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  異議なしと認め,議案第46号は可決すべきものと決定されました。  次に,札幌危機管理基本指針についてを議題とします。  ここで,理事者から説明を受けます。 ◎藤林 危機管理対策室長  昨年4月に危機管理対策室が発足していますが,それ以降,危機管理基本計画策定取り組み,このほどまとまりましたので,ご説明します。 ◎北村 危機管理対策部長  平成16年度に(仮称)危機管理基本計画策定することとして,このたび取りまとめができましたので,ご報告します。  なお,名称については,他都市の同種のものなどを参考に,札幌危機管理基本指針としました。  初めに,指針の性格について申し上げます。  第1に,札幌市が組織として対応力向上を目指すこと。このために,平常時においてPDCAサイクルによる危機マネジメントシステムを導入し,他部局の危機対応に向けた取り組みを促そうというものです。第2に,これに伴い,私ども危機管理対策室平常時及び緊急時に果たす役割を明示しています。第3に,主に組織内部向けで,市民との関係において権利の制限や義務を課すものではありません。  それでは,概要についてご説明します。  目次をごらんください。  第1章の策定にあたってから,第5章の今後の取り組みまで全5章で構成しています。まず,目次を使って,簡単に内容構成をご説明します。  はじめにですが,最高経営者である市長の宣言に当たるものです。  第1章 策定にあたっては,策定に至った背景や必要性指針位置づけを述べています。  第2章 基本的な考え方は,指針が目指す基本的な目的,目標,対象とする危機範囲及び指針実効性を確保するための危機マネジメントシステムの導入について述べています。  第3章 危機マネジメントシステムでは,この2本の柱となる危機管理責任を明確にする危機管理責任者制度と,各局で行う危機管理が機能しているかを検証,評価する危機管理対応力評価システムについて説明しています。あわせて,危機管理対策室役割を明記しています。いわばこの章が危機対応に向けての市全体の平常体制となります。  第4章 緊急時の対応体制ですが,前章が平常時の体制であるのに対し,この章では緊急事態が起こった際にどう対応するかということになります。情報の収集から始まり,予兆時から実際に起こった際の対応体制及び復旧,再発防止などの事後の対応を述べています。  第5章 今後の取り組みは,危機管理の今後の進め方や今後取り組む危機範囲,さらにはこの指針見直しについて述べています。  次に,具体的にご説明します。  1ページをごらんください。  第1章 危機管理基本指針策定にあたってです。  第1節 策定の背景では,近年,国の内外で地震,台風など自然災害が頻繁に発生しています。昨年だけでも,十勝沖地震,新潟県中越地震スマトラ沖地震,台風18号,23号などにより,多数の死傷者家屋倒壊など大きな被害が発生しています。また,このような自然災害の頻発に加え,ボーダーレスと呼ばれる時代になり,人的・物的交流の拡大により,これまで想像もしなかった複雑で多岐にわたる社会的,人為的事件事故が起きています。比較的安全と言われてきた札幌も,いつ,何が起こってもおかしくない状況と認識し,市民の生命,財産の安全の確保は急務の課題として,本市の危機対応力向上に向けた一層の取り組みを進めるものです。  第2節 指針位置づけでは,この指針は,後述する対象とする危機対応に関して適用するものです。具体的には,例えば地域防災計画では自然災害などでの役割が既に各局に対して決められています。また,それ以外の感染症対策などの法令や日常業務の延長上にある緊急事態対応体制を含め,マネジメントシステムを使い,対応力を高めていこうというものです。  次に,3ページをごらんください。  第2章 基本的な考え方として,一番の危機管理危機に至らないことと言われ,そのためには,危機を予測し,事前に十分な対応策を準備し,実践することとされています。札幌市において想定されるすべての危機対応するには,人的・物的資源に限りがあり,その限られた中で対応しなければなりません。市民が行う自助,地域での共助と的確に連携,連動することが求められます。これらを踏まえ,日ごろから危機に備え素早く対応できる市役所全体の体制づくりを目指します。  なお,通勤・通学者や,情報入手手段を持たない観光客など一時滞在者なども視野に入れておく必要があります。  第1節 基本目的,第2節 目標です。この指針基本目的は,市民の生命,財産の安全を確保するために,日ごろから危機に備え,迅速に対応できる体制づくりを目指すもので,すべての市役所職員危機管理に対して共通の認識を持って危機に的確に対応できる能力の向上を図ることを目標とします。  第3節 対象とする危機範囲です。この指針においては,自然災害市民生活に重大な影響を及ぼす事件・事故等武力攻撃事態等対象とする危機範囲としました。自然災害とは,地震,暴風,雪害などです。重大事件事故では,大規模火災爆発による住民被害の発生や道路上で起こった大規模事故,このようなものが想定されています。武力攻撃事態等については,現在,道が策定中の国民保護に関する計画の状況を見て,本市における対応を検討していきたいと考えています。  第4節 危機マネジメントシステムの導入では,市民を取り巻く危機への対応取り組みは,これまで地域防災計画の枠組みを基本として行っていました。そのほかにも,各局等において,平常時より交通安全や防犯防火といった運動的な取り組み感染症対策BSE対策といった法令に基づく取り組み,また,災害時に重要な役割を果たす公共施設耐震化や緊急時の輸送路確保役割も果たす道路,トンネル,橋梁などの日常的な保守管理業務などにより,さらには,対応事象ごとに各関係機関との連携を図りながら取り組みを進めてきたところです。
     これまでの取り組みを踏まえ,地域防災計画を初め,各局などで策定している災害危機対応個別計画マニュアルなどの実効性を確保し,さらに新たに対応すべき事象への取り組みを進める必要があります。このため,危機マネジメントシステムを導入することにしました。このシステムを確実に運用することにより,市役所の全組織の危機対応力向上を目指します。  5ページをごらんください。  第3章 危機マネジメントシステムです。このシステムは,危機管理責任者制度危機管理対応力強化システムの二つの柱から成ります。これは,各局などの危機管理責任者のもと,危機の発見に努め,マニュアルを整備し,これに基づいて訓練研修を行い,対応策を検証し,改善を行って常に緊急時に備えるシステムです。既に本市においては,業務が環境に及ぼす影響の評価を行う環境マネジメントシステム実施して,組織風土としてなじんでいます。同様の手法で最高経営層が行うマネジメントとしての危機管理を行いたいというものです。これは,他都市には類例がないことから,着実な定着を図るため段階的に進めていくという考えです。  まず,第1節 危機管理責任者制度ですが,局等の長を責任者として平常時における所管局内危機管理を行うものです。  6ページをごらんください。  責任者役割としては,危機の把握,対応マニュアルの整備,情報連絡体制の確立,職員訓練研修実施市民等意識啓発,このようなものがあります。当然,危機の把握は所管業務にかかわる危機情報を日常的に調査研究し,分析する能力の向上を図る必要があります。対応マニュアルの整備については,緊急時にどう対応すべきかのマニュアルを整備します。危機の把握により,新たに策定する必要がある場合や,既に策定していても把握した危機対応できるか検証し,必要により見直しを行います。情報連絡体制の確立ですが,緊急時の対応には迅速で的確な情報が必要不可欠です。局内はもちろん,事象により,関係局関係機関との連絡体制が必要となります。平常時から連絡体制を構築する必要があると考えています。危機管理訓練研修実施ですが,緊急時における迅速で的確な判断,対応を行うためには,職員は日ごろから対応マニュアルに基づく緊急時対応の習熟に努める必要があります。責任者は,所属職員に対して,緊急時を想定した実践的な研修訓練を行います。市民等意識啓発では,大規模危機の発生時には行政だけでは十分な対応は困難です。市民,企業の理解と協力が不可欠です。また,市民,企業みずからも備えを講ずる必要があります。このため,責任者は,市民等に対し,所管業務に係る危機管理対策への積極的な理解や協力を求めるとともに,市民等危機管理対応力向上を図るための支援を行います。  第2節 危機管理対応力評価システムです。責任者が,危機の把握や訓練研修実施などみずから行うべき役割について定期的に検証と評価を行い,不適合な点を改善していくシステムです。指針には,10項目ほど例示していますが,全局に共通する項目として責任者役割を主たる評価項目として考えています。この評価については,最高経営層による検証を踏まえ,その結果から,危機管理に関する対応力を客観的に評価し,改善を行って市役所全体として対応力の強化を図っていくことを目指すものです。  9ページをごらんください。  第3節 危機管理対策室役割です。これは,平常時の当室の役割に当たります。役割としては,第1に危機マネジメントシステム運用管理があります。これは,危機マネジメントシステム事務局として,全市的な運用の統括管理を通じ,各局などの緊急時対応への備えを促進します。二つ目として,情報共有化です。想定される危機に関する情報について,みずから,または各責任者から,さらには関係機関と連携して収集に当たり,分析し,情報共有化を図ります。三つ目は,危機管理訓練研修実施です。各責任者の行う訓練研修の支援とともに,職員への階層別研修とか,個別研修実施します。主な支援の内容としては,お手元にお示しのとおりです。第4番目に,市民等の啓発ですが,各責任者が行うもののほか,広報誌等を活用して危機管理対策に関する情報提供を行い,市民などの意識啓発を進めます。主な手だてとしては,マスコミによる活用,ホームページの活用,洪水ハザードマップの作成・提供,防災カルテの作成・提供,地下施設浸水対策マニュアル作成支援などです。  10ページをごらんください。  第4章 緊急時の対応等です。  第1節 予兆時の対応ですが,地震などの突如発生するものもありますが,多くの事象予兆段階があることから,この節を置きました。この節では,この段階での各局などと当室の対応について記述しています。事象が発生していませんが,未確認の情報があるとか,事象はあるが警戒体制レベルにおいては,局,当室とも情報の収集,分析を行って,今後の予測をするとともに,関係局関係機関との連絡を行います。当室においては,必要により,対応体制の指示や,単独局では対応できない場合は関係局・機関との調整を行います。また,所管局が不明な場合は当室が初期対応を行い,所管局が決定後,速やかに引き継ぎを行うこととしています。  次に,11ページの第2節 緊急時の対応体制ですが,巻末の別表でご説明します。  対応体制としては,次の3段階に整理しました。下から順に申し上げると,規模,程度が日常の業務管理範囲の場合,これは警戒体制レベルとなります。各局等責任者の判断で職員配置情報収集を行います。次に,規模の拡大,種別により日常の管理業務を超える事象の場合,これは危機対策実施本部レベルを組織し,対応します。最近の例では,昨年の台風18号があり,ほかには,食中毒対策本部,それから水道局事故対策本部がこのレベルに相当します。次に,全市対応が必要と判断されるときは,市長を本部長とする危機対策本部レベル対応に当たります。感染症対策本部や飲料水対策本部がこれに相当します。  12ページをごらんいただきたいと存じます。  第5章 今後の取り組みです。  第1節 今後の取り組みでは,今後,札幌市においてどのようなことが危機となるかを研究して,危機の把握を行うとともに,対応力の一層の向上を進めてまいります。想定される危機の中で,自然災害は,発生頻度も高く,市民生活の影響度も非常に大きい,多くの局の業務にかかわることから,今後の実際の全市的な危機管理取り組みに当たっては,地域防災計画が既にマニュアル化している事象対応体制の確立,これを中心にこのシステムの運用を進め,その後,その他の危機対応へと拡大していきたいと考えています。当分の間,危機マネジメントシステムの運用については自己検証で進めてまいりますが,将来的には環境マネジメントシステムなどで行われている市職員による内部監査を導入したいと考えています。  第2節 武力攻撃事態等では,国民保護法制が成立し,武力攻撃事態への備えも今後始まろうとしています。また,テロについては今現在の法制度では国民保護法の枠組みとなる事態対処法で当面対応することとされています。今後,これらの推移を見ながら整備を行うことになります。  最後に,第3節 指針見直しでは,指針については常に検証を行いますが,危機の定義の変化に伴い,実際に機能させていくためにも,現実に即するように弾力的に見直しを図っていかなければならないと考えています。 ○熊谷憲一 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆藤川雅司 委員  今まで,地域防災計画で想定する災害は,2ページの表のように幾つかあり,それに基づいて対策本部なりが設置されるということでした。これ以外の危機を探すのだということで,危機の定義もここに危機事象とあるのですが,新たな危機ということで,感染症などがありました。これから,各原局で具体的に危機を想定するということです,イメージとしてはわかるのですが,どのような事柄が挙がってくるのでしょうか。 ◎北村 危機管理対策部長  現在,新たな危機を探すという委員のお話がありましたが,探すのではなくて,今現在行われている対象としては,地域防災計画でそれぞれの役割があり,それをさらに深めていただく。それから,感染症対策とか,人為的な事故による水道事故に対するマニュアル,こういうテロを想定したようなものもあります。現在行っているものをまず深めていただくことと,それぞれの業務の中で,市民の生命,財産に直結というか,そういう事態を引き起こすようなファクターをそれぞれの業務の中で探していただきたいということです。そういうシステムを回すことにより,それに対するマニュアルをつくり,それに対する習熟訓練を行う,そして,市全体としての対応力を高めていきたいという考え方です。 ◆藤川雅司 委員  言っている意味はよくわかるのですが,具体的なイメージがちょっと浮かびません。例えば,今,ITがありますが,これはセキュリティポリシーということで,これだけITが日常化している中では不都合があると大変です。直接的に市民の身体や財産には影響を及ぼさないかもしれないが,間接的には非常に大きな影響を与えます。こういったものが位置づけられていくというイメージでいいのですか。 ◎北村 危機管理対策部長  実は,危機マネジメントシステムを構築するベースに,もともとは組織のリスクマネジメントという考え方があり,組織の中にはマネジメントしなければならないいろいろなリスクがあります。政策的なものであればリスクをとりにいく,そういうリスクから始まり,オペレーショナルリスクと申しまして,通常,業務に附帯する人事的なリスクとか,贈収賄とか,そういうものもすべて組織のリスクとなります。私どものところで対応したいと考えている,第2章の第3節に例示しているのは,いわゆる外部から衝撃を与えられるハザードリスク,風水害とか天変地異を想定しています。委員ご指摘のIT関連のハッカーについては,どちらかというと内部組織的な部分になりますので,この部分については私どもの対象としません。また,IT推進課で同じようにセキュリティポリシーのシステムを立ち上げようとしていますので,それとうまく整合するような形でもって行いたいと考えています。 ◆福士勝 委員  今,危機管理基本指針ということで概略の説明をいただきましたが,基本的な関係について質問します。  昨年の段階で,本市全般にわたる危機管理事象に対する危機管理計画を作成すると伺っていて,今回,基本指針として示されました。  そこで,計画と指針は,性格的に同じなのかどうかよくわかりませんが,それらのことを含めて,基本指針とした背景,あるいは理由を具体的にご説明ください。 ◎北村 危機管理対策部長  当初の予算ベースでは計画という名称がついていました。他都市の策定状況を見ても,指針基本計画は,策定済みのところで言えば半々です。今後,策定予定のところはおおむね指針という考え方とお伺いしています。  この内容としては,他都市の策定状況を見ても,このような危機事象に対する対応マニュアル的なものを整備することが主眼です。内容的にはほとんど私どものものと変わりません。ただ,私どもの違いは,マネジメントシステムで,エンドレスで改善を進めていこうというものです。他都市の場合は,いろいろな項目体制とかレベルがあり,そこについて有効的な記述が行われている状況です。  その中で,計画と言える部分があるのかとなりますと,実は,危機事象の発生の形態がいろいろありますが,そこの根を断つとか,それに対するアクションが立てられるかというと,そういうわけではありません。発生してからどうするかが主になりますので,そこはあくまで対応マニュアルという形になってしまいます。それで,多くの都市でも,発生後の対応状況を記述する指針的な,どういう対応をしていくのかということで整理している現状です。これは,他都市で計画という名称を使っているところも,全く同じです。  私どもとしては,当初,計画という予算名称を掲げていましたが,内容的に計画にわたる部分が非常に希薄だということで,指針という形でつくらせていただきました。今後,マネジメントシステムのための要綱,今,最終の詰めを行っているところですが,それで各部局の危機対応力を高めていきたいと考えています。 ◆福士勝 委員  発生後どうするという対応マニュアル的なものなので指針と,それはそれとして理解したとしても,この指針に基づいて各主管局においてはマニュアルを作成をしていくことになっています。しかしながら,地域防災計画の関係では,マニュアルを作成をすることになっています。それらについて,進捗状況はどうなっているのか。  それから,この指針に基づくマニュアルは,地域防災計画上のマニュアルとは別なものかどうか。あるいは,一体として今後作成をしていくのか,その点も確認します。 ◎北村 危機管理対策部長  まず,進捗状況の関係です。  地域防災計画上は29マニュアルをつくることになっていて,現在,22マニュアルで,7マニュアルについて早急に進めるように,今までも働きかけしていますが,今後これによってさらに働きかけを進めていきたいと考えています。  もう一点の地域防災計画上のマニュアルと,基本指針で言う策定を促すマニュアルとの関係です。  地域防災計画とか,そのほかのいろいろな計画があり,そこで個別のマニュアルをつくる形になっています。この基本指針は,あくまで各部局が自己の責任によって,マニュアルをつくる,習熟訓練を行うことがきちんとなされるように働きかける,そういう仕組みです。ですから,地域防災計画上のマニュアルと,ここで言うこのシステムを使ってつくっていただくマニュアルは全く同一と考えていただいて結構です。 ◆福士勝 委員  同一ということですから,それはそれとして理解します。  いずれにしても,現行の地域防災計画を初めとして,今後,国民保護に関する計画等々を作成していかなければならない。そういう意味では,これらの計画と基本指針との関係とかかかわりというのは極めてわかりづらい面が多々あると思います。  具体的には24日の予算特別委員会でお聞きしいたいと思いますが,これらのことを含めて,本市の危機管理の全体像が今後どうなっていくのか,お示しをいただきたい。 ◎北村 危機管理対策部長  危機管理の全体像については,機構など,いろいろな側面があろうかと思います。私どもとしてお話しできるのは,市民の生命,財産を守るために,少なくとも危機に対する市の全体の対応力です。危機事象自体は事態によってとらえ方も変わってくる可能性があります。ですから,最終の到達点がここだということはないですが,それに向けて常に出てくる事象に向けて,我々市の組織がすぐ検知して,職員が習熟されていてすぐ対応できる,そういう体制をつくりたいと考えています。 ○五十嵐徳美 副委員長  先ほどの藤川委員からも質問があった具体的事例が見えないということです。例えば,ことしの冬は,十数年来の中で,区によっては最も多い降雪量,積雪量を記録していて,ある意味では災害だなと。ただ,危機範囲の中で,市民の身体,生命,財産にどこまで影響を及ぼすかどうかというイメージとしてとらえられないのです。この中にも降雪時の対応指針がありますが,今の状況でも人によっては災害であると思うのです。雪に関しては,本当に猛吹雪で3日,4日も交通が麻痺するとか,そんなイメージがこの指針対象になってくるのか,その辺の見きわめは,その時点で判断する基準などの明確なものはないですが,どんなイメージを持てばいいのでしょうか。 ◎北村 危機管理対策部長  雪害に関しては,地域防災計画の中で風雪害があり,そちらの方で,市の本部の対応体制基準レベルはすべて定まっています。 ○五十嵐徳美 副委員長  現段階では,この冬はそういう対象にならないということですか。 ◎北村 危機管理対策部長  現段階においては,対応体制としてそこまで至っていないと考えています。 ○五十嵐徳美 副委員長  たまたま3月1日現在の各区の土木センターの数字ですが,降雪量は北区が7メートル70,東区が7メートル30,積雪量は北区が1メートル10で,東区は1メートル60です。気象台発表の観測点とは違いますから基準には該当しないかもしれませんが,私の認識の中では間もなく8メートルにもなろうという降雪量です。ここには該当しないものの,ただ大雪による雪害という言葉で,本当に市民にとっては我慢せざるを得ない。市役所も目いっぱい対応していることは十分わかっていますが,そうすると,こういう風雪害に対して,ならないにこしたことはないのは十分承知しているのですが,正直に言ってそういったイメージです。これは,地震災害にしても,全市全域ではなくて,局地的にそういった災害が発生するとしたときに,こういった雪も非常に難しい対応はあるかと思いますが,どういう状況であれば本当にこの指針が機能していくか,今後,本当にもう少しわかりやすく市民に開示をしていただきたいと思います。 ◆湊谷隆 委員  10年前に雪害という形がありましたが,これを教訓として,雪害のときにどうしたらいいというマニュアル的なものは現在あるのですか。 ◎北村 危機管理対策部長  こういう事態が起こったときに,市全体としての対応体制についてのマニュアルはあります。具体的には,建設局雪対策室の方で,本部の立ち上げなどを行っていただいて,私どもと連携しながらやる形になります。ことしの雪についても,私どもに入ってくる気象台の情報を,雪対策室を通じてマルチセンターの方に流して,どういう状況になりそうですということを常にお知らせしています。そして,一応の基準といいますか,札幌市全体の本部立ち上げレベルに達しているか,その判断については,雪対策室と私どもでお話しさせていただきます。  ただ,雪害によって交通が完全に遮断されて食べるものがないなどという場合は,私どもは雪対策室を押しのけてでもやらなければならない事態と考え,私どもが備蓄物資などの手配するようにします。 ◆湊谷隆 委員  これは難しい話かもしれませんが,神戸等の地震にしても,その後に被害がどんどん拡大していくのが実態です。ちょうど10年前に,ある所長が朝の3時にトイレに起きたところ,非常な猛吹雪のようだと,近所にいる職員のジープで出て,猛吹雪の中,3時間かかってようやく事務所に到着したと。私も6時ごろ事業所に行ったのですが,これは大変だと言ったって連絡はつきません。9時に出勤してきた助役が,現状視察だと言って出たが,埋まって全然身動きがとれない。もちろん,交通は麻痺しています。雪対策の災害本部は昼に設置されましたが,国道でも不通のところがどんどん出てきて,バスにしても全市的に麻痺している。だからといって,ヘリコプター等は猛吹雪では大変です。そうした実態が後からどんどん出てきて,これが雪害だということになって市民生活はもうどうにもならない状況に落ち込んでいったわけです。つまり,スマトラの地震だってそうですが,いろいろな問題は後から出てくるのです。ですから,危機管理というのはとても大きな意味を含んでいるのではないかと思います。 ○熊谷憲一 委員長  ほかに質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○熊谷憲一 委員長  なければ,質疑を終了します。  以上で,本日の委員会を閉会します。     ──────────────       閉 会 午後1時59分...