そこで,こうした
各区の
利用実態のアンバランスについて,原局としてその要因をどのように分析しているのか,お伺いします。
次に,
一般開放の
利用拡大についてです。
北区の
札幌サンプラザの
プールの
利用実態の内訳を見ると,10万5,805人中8万8,709人ということですから,実に83.8%――8割以上が
水泳教室の
利用者で,残りが
一般利用になっており,他区の
プールに比べて
札幌サンプラザの
水泳教室の
利用が割と高いことがわかります。他の区を紹介すると,
西温水プールは,12万2,215人の
利用者中,
教室の
受講者は3万2,754人――約4分の1です。
東温水プールは,13万7,226人の
利用者中,
教室の
受講者は4万9,241人で,ここも約3分の1の
利用となっております。ですから,
市営プールを見ると,大体,半分以上は
自由開放で,3分の1,4分の1が
教室利用という
状況なのだと思います。
しかし,
札幌サンプラザだけは
利用者のうち8割以上が
水泳教室の
利用ということですから,
一般利用の時間帯が非常に少ない――自由に使える時間が非常に少ないという
状況は,
各区の
プールとの比較から見てもはっきりしているのではないかと思います。
そこで,
札幌サンプラザの
プールの
一般開放の拡大について,どのように考えているのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 各区にある
プールの
利用実態にかかわる分析と認識についてですが,お手元の資料にある平成15年度実績による
各区の
プール利用者には,他の区または
近隣自治体の住民の
利用数も含まれていることから,
各区の人口で除した数字をもって
利用実態を正確に判断することは難しい面もありますが,
全市平均で61%とすると,
各区において差異が生じているということは
委員ご指摘のとおりです。
一方,
スポーツ部が平成15年9月に実施した
市民1,500人を対象とした
スポーツ環境意識調査によると,「この1年間に行った
スポーツは何ですか」との設問に対し,「
水泳等」と答えた方の割合は
各区で大きな差異がなかったことから,それぞれの地域において
民間施設も含めて
利用されているものと認識しております。
次に,
一般利用の拡大についてですが,
札幌サンプラザの
プールについては,昭和61年の開業以来,
日本水泳振興会が
管理運営を行っており,通常の
水泳教室のほか,障がいのある方を対象とする
教室など,特色ある運営を行っていただいております。
一般開放については,従来から,
教室のない時間をフルに開放したり,コースを分けて開放するなど,最大限,
一般利用者に配慮し,開放する努力をしていただいておりますので,ご理解いただきたいと思います。
◆
飯坂宗子 委員 札幌サンプラザの
プールは,
水泳教室が非常に特徴となっていて,あいている時間を
一般開放で自由に使っていただいているという説明でした。
それはそれで
サンプラザの特徴になっているのかもしれませんが,
公的プールと言いながら,
市立プールと他の
プールの違いが,
利用の
状況,あるいは,
料金の差になってあらわれているのです。同じ
市民でありながら,
市立プールのある区とない区によって
利用状況や
料金に差があることは,やはり,行政が是正すべきだと私は思います。
そこで,
料金についてですが,中央区の
メルパルクは別として,北区以外は――南区の
青少年会館の
プールも含めて,一般が580円,
高校生が280円,65歳以上の
高齢者が140円という一律の
料金設定になっております。
ところが,
札幌サンプラザでは,一般が609円,
高校生が294円,
高齢者が147円と,他の
プールに比べて
消費税分の5%が
利用料金に上乗せされております。これは,
歴史的経過として――財団が管理して
日本水泳振興協会が
料金を決めるということでやってきましたので,そのような差が生じたのだろうと思います。
しかし,
札幌サンプラザについては,
本市が国から建物を買い取りました。そのようなことも勘案すると,せめて
料金については他の
市立プールと同額にすべきだと思いますがいかがか,お伺いします。
それから,
各区に1カ所の
公的プールがあればいいという
考え方で今まで来ましたが,それでいいのかという問題です。確かに,民間の
プールも存在していることが背景にあると思いますが,この
陳情で言えば,北区の
北部方面に市立の
プールをつくるとか,中央区は,現在は
メルパルクの
プールしかありませんから,そこにも
市立プールをつくるとか,南区も純粋な意味では
市立プールはなく――この3区には市立の
プールがありません。これらの区については,
民間プールがあるからいいという発想ではなく,どの区に住んでいても同じ
行政サービスを受けられるという点で言うと,やはり,ひとしく,適当な場所に
市立プールを設置していくという
考え方に立つべきだと思いますがいかがか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 利用料金についてですが,
札幌サンプラザについては,買い取った後も,
本市より
財団法人札幌市
勤労者職業福祉センターに
施設全体の貸し付けを行っており,このうち,
温水プールの
管理運営については,当財団より
日本水泳振興会に委託しております。
プールの
利用料金の設定は財団にゆだねられておりますが,
中学生以下及び障がいのある方の
利用料金並びに
中学生以下の
コインロッカー使用料はすべて無料とするなど,これまでも,できるだけ
市営プールと同様の
料金設定に合わせる努力をしていただいております。今後の
料金設定については,さらに検討していただくように
働きかけていきたいと思います。
次に,これからも
各区1
公的温水プールという方針でいいのかということについてですが,
スポーツ振興を所管している当部としては,
スポーツ環境のより一層の充実に努めることが重大な責務だと考えております。
ただ,当部で所管している
スポーツ施設が42ある中で,体育館など多数の
施設は,建設後,既に20年以上経過していて,
施設全体の大規模な改修を必要としている
実態があります。
本市の
財政状況を勘案すると,新たな
整備計画を立てる
状況にはないことから,現在の
サービス水準の維持,保全を最優先として対応していきたいと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 スポーツ振興は重大な責務という認識が示されましたが,
財政事情から新しい
施設の設置はなかなか難しいという答弁でした。ですから,今すぐに――あしたから建てなさいと言うのは私も難しいと思いますけれども,基本的な
考え方はきちんと持つべきだと思います。
陳情者も言われたように,
子供たちはもとより,
高齢者,
中高年齢者も含めて,
プールというものは
健康増進などの面で,現在,大いに見直されてきておりますから,そのような点で,市としても,いま一度,
重点施策として今後の計画に反映させていただきたいと強く求めておきます。
それから,
利用料金についてですが,ただいまの答弁では,
市立プールと同一の
料金となるよう
働きかけていきたいということでした。
そこで,新年度はいろいろな
料金値上げもうわさされております。同一
料金になるということはいいけれども,値上げして同じ
料金になるということでは困りますので,念のため,その点を確認します。580円,280円,140円という
現行料金に合わせるように
働きかけたいと理解していいのかどうか,確認します。
◎
百瀬 スポーツ部長 そのような方向で努力したいと考えております。
◆
松浦忠 委員 私は,
利用料金について意見があります。
これは,努力という話ではないのです。七つの区には
市営プールがあり,その他の三つの区にあるのは他団体の
公的プールです。そうすると,七つの区では――建設当初は別にして――
温水プールを
維持管理していくのに,毎年,お金がかかっております。そして,
運営費を含めて,
維持管理にかかったお金に対して市からも
委託費が支払われており,その前提で先ほどのような
料金体系になっております。したがって,
札幌サンプラザの
プールについて言えば,きちんと公的な
プールとして扱っていくということであれば,建物は
本市の
所有財産になっておりますから,
プールに関して,現在と同じ水準の
利用料金にするにはどの程度の
委託費が必要と考えているのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 札幌サンプラザの
プールについては,現在,
財団法人に貸し付けて,そこから委託という形になっておりますので,こうしたお金について
料金改定して減ずるためには,その費用がさらにかかるということになります。
ただ,ここについては別の部で所管していることから,今回,
委員会に臨むに当たってもそうした方向で相談しており,先ほど
飯坂委員にもお答えしましたとおり,今後,私どもとしては,負担をなるべくなくしてというか――まず,
市民の負担は同じ
料金に合わせる方向でお願いしながら,さらに,そのために市の負担がかかることがないような方向で努力したいと考えております。
ただ,所管が違いますので,今後,その辺については詳しく相談していきたいと考えております。
◆
松浦忠 委員 年度がわりからそのような
料金体系に変えていくという考えはありますか。
◎
百瀬 スポーツ部長 そこまではまだ話が詰まっておりません。
◆
松浦忠 委員 本市がこの
札幌サンプラザの
施設を取得したのは去年ですね。このような
陳情も出ているわけですから,少なくとも
年度がわりの4月からきちんとそのような体制で
市民に
利用いただけるようにすべきだと私は思いますが,いかがですか。
◎
百瀬 スポーツ部長 スポーツ部としては,そのような方向で
働きかけていきたいと考えております。
◆
松浦忠 委員 ぜひそのように取り組んでいただきたいということを求めて,終わります。
◆
義卜雄一 委員 プールというものは,昔から
青少年の
健康増進という
位置づけであったと思います。また,
水中運動の
重要性というか,
健康増進,ひいては
医療費の削減ということで,最近は
厚生労働省も
大変力を入れていると思います。
そこで,新年度から始まる
厚生労働省の
健康フロンティア10カ年戦略で,
介護予防の
拠点整備ということがあります。ただ,先ほどの答弁にもあったように,どの
自治体も
財政状況は厳しくて,現在,新規の
施設をつくることは
介護予防拠点整備でも難しい
状況にあると思いますし,
本市においてもそのとおりだと思います。そのような中で――これも当初は
三位一体改革の中で嵐にもまれたようですが,
健康フロンティア戦略に基づく
介護予防の
拠点整備に関する施策の展開に当たって,
プールの
位置づけについて,
保健福祉局との連携,調整の中で何か
働きかけがあったのかどうか,お伺いします。
◎大聖
市民局理事 介護予防にかかわる
補助事業が新年度から始まることは認識しており――昨年オープンした
厚別温水プールにおいては特に
ウオーキング用の水路を用意するなど,
スポーツ部としてもそういったことに取り組んでおります。
保健福祉局から直接の
働きかけはありませんが,今後,
プールを大規模に改修していく中では,そのようなことも考えていきたいと思います。
◆
義卜雄一 委員 これは,新年度から始まる事業ですので,今ここでどうこうということではないのですが,いずれそのような時期が来ると思います。
市民局としても,
プールのあり方,
水中運動の
重要性をかんがみて連携をとっていただきたいということを要望して,終わります。
○
長内直也 委員長 ほかにありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 なければ,質疑を終了いたします。
取り扱いについて,お諮りいたします。
取り扱いは,いかがいたしますか。
(「
継続審査」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 陳情第111号を
継続審査とすることにご異義ありませんか,
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 異議なしと認め,
陳情第111号は
継続審査と決定されました。
ここで,先日,報道がありました
西温水プールにおける
事故について報告したい旨の申出がありましたので,
理事者より説明を受けます。
◎大聖
市民局理事 去る1月4日,5日の両日,
西温水プールにて発生した高
濃度塩素事故について,
おわびと報告をさせていただきます。
まず,今回の
事故により
被害に遭われた方々並びに
利用者に,
プールの
管理運営に不手際があったことを深く
おわび申し上げます。
現在までの経緯ですが,
西温水プールは,昨年12月13日から12月28日まで,例年行っている
整備点検のために休館して,その後,1月3日まで年末年始の休館とし,1月4日から本年最初の
営業を開始しました。
当該プールについては,
財団法人札幌市
スポーツ振興事業団に
管理運営を委託している
施設ですが,当日,
営業開始前の始業時点検において,
プール水の消毒のために使用している
液体塩素の
濃度が,
プール指導要領の
維持管理基準に定められている範囲を超えていたことから,
中和剤の投入を行い,
濃度の低下を図りながら
営業を開始しました。
しかし,その後,数度にわたり
中和剤を投入し,注水するなどの対応を行いましたけれども,
濃度は安定せず,翌5日に
関係部署へ連絡の上,同日,11時50分に
営業中止の措置を行いました。
この後,翌6日にかけて原因の
調査を行ったところ,
塩素の自動的な
濃度調整を行っている
注入機の弁が何らかの原因により
ふぐあいを生じ,多量の
塩素が流出したために発生したものであることが判明しました。したがって,直ちにこの部品の交換などを実施して,適正な
塩素濃度となったことを確認して,翌日の7日に
営業を再開したところです。
営業中止と前後して,目の痛みや水着の変色などの
申し出があったことから,
施設内5カ所に
おわびと
被害状況を
申し出ていただきたい旨の
お知らせ文を掲示しました。
しかし,
事故当日の
利用者は1月4日が164名,5日午前が20名で,
皆さんにこの
施設におけるこの
お知らせ文のみで周知することは困難であると判断し,
新聞報道等により広く呼びかけていただくように依頼しました。
次に,
利用者の
被害状況についてですが,昨日の
夕刻時点で,目の痛み,体のかゆみなどの
申し出が延べ15件,水着の変色などの
申し出が延べ19件,人数では合計23名の
利用者から
申し出がありました。これらの方々には,
おわびの上,
状況などを確認し,費用の弁償ということも含めて,
誠心誠意,対応しております。今後についても,相当の期間,周知を徹底するとともに,同様に対応していきたいと考えております。
次に,今後の対応についてですが,まず,
設備面においては,今回のような
塩素の過流出が発生した場合に,それを遮断するための装置を設置することとして,点検についても,日々の点検はもとより,整備を伴う点検も回数をふやすなどの強化を行い,同様の事態が生じないようにしたいと考えております。
なお,
西温水プールと同種の設備の
プールについても,あわせて同様の措置をとりたいと考えております。
また,従事する職員に対しては,このたびの
事故を教訓に,
西温水プールはもとより,全
プール施設の職員に対して,いま一度,確認のための
施設管理に関する
研修会を実施するなど,特に水質に関する意識の向上を徹底して,
利用者が常に安心してご
利用いただけるように,お一層努めていく所存です。
○
長内直也 委員長 質疑を行います。
◆
畑瀬幸二 委員 今回,
基準値を超えた約1日半で,184人が
利用し,その中から23名に体の変調あるいは水着の変色が起きたということです。注入した
塩素濃度と
健康被害との間の
因果関係については,
追跡調査になると思いますが,しっかりと
調査を行って今後の教訓としていかなければならないと思いますが,どの程度の
調査を行っているのかお伺いします。
また,
再発防止策についてるる述べられました。その中で,
西温水プールと同種の
プールには
遮断装置を設置するというお話でしたが,同種の
施設とはどこなのか,それから,いろいろな方式を採用しているはずですので,残りの
施設においてはどのように対応していく考えなのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 因果関係の
調査についてですが,
塩素による
被害がどの程度のものかという一般的な
調査は,行っておりません。今回,
被害に遭われた方々から情報をいただき,その
状況についての相談を承りながら,医師に診察していただくなど,適切な対応を行っているつもりです。その結果については,現時点ではまだ相談を承っている段階ですので,今しばらくお時間をいただきたいと思いますが。
一般的な
塩素の
被害として考えられることとしては,
WHO(
世界保健機構)によると,
飲料水の
濃度の上限は5ppmとされております。今回,
西温水プールで確認した
塩素濃度は2.5ppm以上と推測しておりますが,
プールの
維持管理について
厚生労働省の
関係委員会がまとめた資料では,この中では,
塩素中毒の症状について,皮膚,目,粘膜への刺激が強く,炎症を起こすとされております。また,多量の吸入などによる
急性症状としては,3ppm以上で目,鼻,のどに刺激,頭痛を招くなどの
被害を生ずるおそれがあるとされております。
次に,
西温水プールと同
メーカーの
塩素注入機を設置している
施設としては
東温水プールがありますが,同様の対応を,今後,速やかに行いたいと考えております。また,他の
プールについては,幾つかの
メーカーのものが設置されておりますが,基本的な構造は同じですので,今回の
事故と同様のことが起こり得るのか,また,今回設置するような設備を必要とするかどうかということについて,現在,
調査中です。
なお,昨年オープンした
厚別温水プールにおける
滅菌方法については,
塩素を直接使用しない
電気分解方式という新しい手法を採用しております。
◆
畑瀬幸二 委員 塩素濃度については,泳ぐに当たっては相当小さい単位で配慮していかなければならないということです。国の
基準も,
WHOの定めている
飲料水の
基準より低く定められており,その中で安心して泳げる
状況がつくられていることが
実態のようです。長い歴史の中で安全に
塩素濃度を確保していく経験を持ち合わせておりますので,今後においては今回のような事態を招かないように留意してほしいと思います。
そこで,
本市の場合,機械でチェックし,なおかつ実測でもチェックする――
ダブルチェックを行っておりますが,なぜこの
ダブルチェックが機能しなかったのか,残念に思います。人間の目あるいは手による
濃度計を使った実測でなぜ早期にチェックできなかったのか,その
実態と今後どのように対応する考えなのか,お伺いします。
それから,
遮断弁についてですが,
西温水プールと同じ
メーカーの機械を
東温水プールでも使用しているので,これを切りかえたいという答弁でしたが,時期的にいつから切りかえる考えなのか,お伺いします。また,残りの
プールについては,措置が必要かどうか,これから
調査していくということですが,いつごろその見通しを立てるつもりなのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 塩素濃度が
基準値を超えていることに気がついたのは1月3日でした。
基準値としては,0.4ppmから1ppmの範囲が適当とされており,滅菌を目的として
塩素を注入するものですので,0.4ppmを下回った場合は,明らかに
遊泳禁止等の措置をとるべきということで,現場でもそのように対応しております。ただ,上限の1ppmというものについては,望ましい範囲ということで,それを超過したとしても直ちに
人体等に影響があるものではないことから,即,
遊泳禁止等の措置をとるような
指導等はしておりません。
厚生労働省でも,そうした判断だと思います。
ただ,翌日になっても
基準値の範囲まで低下しないということで,
中和剤の散布,あるいは,注水によって
濃度を下げる努力をしながら4日の
営業に臨みましたが,4日の時点でも
塩素濃度が
基準値よりも上回っている
状況でした。そのような中で,
施設管理者である現場の館長としては,
中和剤の散布を続ける,あるいは注水を続けることによって
基準範囲内の
濃度に戻せるのではないか,低く抑えられるのではないかと考えて
営業を続けたわけですが,それでも
濃度が低下しませんでした。現場としては,そういった努力をしながら,
皆さんに
利用していただきたいという気持ちがあって
営業を続けたわけですが,5日に至ってもなお
塩素濃度が低下しないために,本部に連絡があり,私どもも相談を受けました。
そして,そのような努力をしても
濃度が低下しないということであれば,原因がほかにあるのではないかということで,
営業を停止し,5日午後から6日にかけて,今申し上げた作業を繰り返しつつ,機器の点検を行ったところ,
塩素の注入を制御する逆止弁が働いてないことが判明しました。これは,何らかの異物が混入したのではないかという
メーカーの評価ですが,このことにより
塩素が注入し続けられていたことが判明しました。そこで,この部品の交換と
塩素濃度を下げる作業を続けた結果,6日中には1ppm以下の
基準値内におさめることができたことから,7日から
営業を再開いたしました。
次に,
西温水プールと同様の装置を備えた
東温水プールについてですが,部品が用意でき次第,
交換作業を行いたいと考えております。
また,ほかの
施設については,詳しい
調査を待たなければ,対応が必要かどうかわかりませんので,今しばらく時間をいただきたいと考えております。
◆
畑瀬幸二 委員 いずれにしても,
本市の
プールは
塩素を
利用しているところが圧倒的に多く,自動的に制御できる器具が開発されているならば,それを導入することによってさらに
安全性を高めるということが大切だと思います。その辺は,精密に
調査を行って,金額的にそう難しくない問題ならば,必要な
施設には早急に設置してほしいと思います。
それから,オープンしたばかりの
厚別温水プールについてですけれども,この
プールでは
塩素を使っていない――
本市初の
電気分解方式によって対応していると聞いております。
そこで,このような
事故が起こると,この際,
電気分解方式に切りかえた方がいいのではないかと考えたくもなるのですが,とはいっても,金額を聞かなければその判断はできません。
電気分解方式に切りかえるには,イニシャルコスト,ランニングコストを含めた総費用はどの程度になるのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 電気分解方式への改修費用についてですが,ランニングコストは,かなり低減できるという見込みで
厚別温水プールで採用しておりますが,まだ実績が出ていないことから,具体的な数値は申し上げられません。
それから,ハード面での改修費用ですが,1
プール当たりおよそ7,000万円の改修費がかかると試算しております。現在,
公的温水プールを含めると11
施設あり,そのうち札幌市立以外の
プールが3
施設ですから,単純計算で5億円ほどの費用ということになります。ただ,平岸
温水プールは,公式の
プールで,しかも深さが3メートルあることから,数倍の金額がかかるのではないかと考えております。
◆
畑瀬幸二 委員 今の金額を聞くと,切りかえた方がいいのではないかとは,軽々しく言えないと思います。
ただ,
施設ですから,大規模改修を行うときがやってきます。その折に,
電気分解方式を検討する考えがあるのかどうか,導入する必要があるのかどうか。そうした将来の見通しについてはまた違った判断が必要になると思いますが,どのように考えているのか,お伺いします。
◎大聖
市民局理事 厚別温水プールについては最新の
電気分解方式を初めて導入したということですので,それらの長所,短所,イニシャルコスト,ランニングコスト等のすべてを勘案した上で,今後,大規模改修の際にそれらの方式を採用していくかどうか,その時点でまた改めて検討したいと考えております。
◆
畑瀬幸二 委員 年間約114万人が
プールを
利用しており,そのほとんどが
塩素滅菌方式ということになると,今回の
事故を受けて不安に思う方もいると思いますので,再発防止には徹底を期していかなければならないと思います。自動制御弁を採用するということですが,それを採用することによって,安心して逆にチェックがおろそかになってしまうということではもとのもくあみです。こうした点については,研修によって――マニュアルも新しくして――最終的には人によるチェックが左右するというぐらいの気概で点検,管理を強化してほしいと思います。
また,
被害に遭われた方については,弁償ということも含めて適切に対応していきたいということですが,1日,2日で回復されている
状況であるということで,長引かなければいいなと心から思っております。いずれにしても,
被害者には適切に対応していただくよう要望して,終わります。
◆阿知良寛美
委員 今回,設備の点検のために停止したということですが,
塩素等の注入量は
プールの大きさによって変えているはずですけれども,おそらく,そのチェックを怠ったのだろうと思うのです。ですから,マニュアルどおりの手順ではなかったのだろうと思いますが,その点について確認します。
もう一つは,
液体塩素は一番安価なのだと思いますが,各
プールではどのぐらいの量をストックしているのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 塩素の使用量を確認していれば,今回の
事故を防ぐ一つの判断ができたのではないかということについてですが,
塩素注入機は,自動的に注入している
塩素濃度が表示されます。マニュアルでは,その表示された
塩素濃度が
基準内であるかどうかをチェックするということになっています。それが超えたという確認も,先ほど申し上げた時点でなされており,そこで実際の
塩素濃度を計測した際には
基準値内におさまっていたのです。
委員ご指摘のように,注入総量をチェックすれば一つの判断ができたのではないかということについては,そのとおりだと思います。ただし,マニュアルでは,
塩素の残量のみを毎日記載する――前日の使用量が幾らであったかという様式になっていなかったものですから,3日まで休館した時点で,4日に至るまでの間にどれだけの量が減ったのか,確認できておりませんでした。私どもも,現場を
調査したときに,そのことについては最初に申し上げました。
日誌でなぜ目視できなかったのかという点については――前日の使用量ときょうの使用量が書かれていれば,一日の使用量がわかりますが,当日の残量しか記載しない様式になっておりました。この点については,すぐ改善を指示しました。
次に,各
プールでの
塩素のストック量についてですが,次亜
塩素酸ソーダの12%水溶液を使用しており,在庫は300リットル程度で管理しているようです。
◆阿知良寛美
委員 おそらく,
プールの性格上,注入量を決めるだけではなくて――例えば何秒で何リットル注入されるというだけではなくて,実際に
プール内の
濃度をチェックしながら,それに見合った量を注入していく方式なのだろうと思います。
それから,
塩素というものは,空気よりも比重が重いですから,空気中では沈下していきます。例えば,何かの原因で漏れれば,どんどん低いところに流れていきます。そうしたときのために防液堤などを設けているのだろうと思いますが,そうした緊急時の訓練についてはどの程度行われているのか,お伺いします。
◎
百瀬 スポーツ部長 塩素を循環機の中で溶け込ませていく機械になっております。そして,
塩素やその装置を置いてあるのは機械室だけなのです。機械室に入れる人間は,委託先の専門の方に限られております。
容器が破壊して,次亜
塩素酸ソーダの水溶液が流出したときに,
被害に遭う可能性はあります。しかし,この容器は,私が確認したところ,容器をさらに鉄枠で組んで,相当な揺れにもずれない,壊れない囲いがついておりました。
◆阿知良寛美
委員 私が言っているのは,そのようなものが壊れれば――例えば,容器だけではなく,
プールに注入するための配管もあります。緊急
遮断弁を設けるという話がありましたが,それらの設備から漏れ出したときに,液の性格上,どんどん下にたまり,低いところに流れていきます。ですから,防液堤みたいなものをきちんと設けて,外に出ないように――
被害が拡大しないように,いま一度,そのようなチェックをしていただきたいということを要望して,終わります。
◆
飯坂宗子 委員 このような
事故が起きて,
被害者等にも誠意を持って対応しているということですし,また,部品の交換等も行って,
東温水プールについても同様の措置を行うという
考え方はわかりました。
しかし,そもそも逆止弁の故障はなぜ起きたのかという原因解明についてはまだなのです。
皆さんは,このような故障は多分起こらないと考えて,水を足せば
塩素が薄くなるだろうと判断して
営業を続けていたけれども,もとをたどっていくと弁の故障が原因だったということが発覚したということです。
そこで,なぜこのような故障が起きたのかという原因については,いつごろ明らかになるのか,お伺いします。
◎大聖
市民局理事 年末年始の休館期間が長かったこと――28日に閉めて29日から注水しておりますけれども,その時点で新たな水がどんどん流れる中で,何らかの異物が注入弁に混入したということの確認はとれておりませんが,その機械を見た中では,そういったものが混入したのではないか,もしくは磨耗により弁のふたが外れたというような認識しか,現在のところは持ち合わせておりません。
メンテナンスを委託している業者からもよく事情を聞いて確認したいと思います。
◆
飯坂宗子 委員 本市においては初めての例だと思いますが,全国的には同じ機種を使っている
プールもあると思います。ですから,他の
自治体で同様の
事故があったのかどうかということも含めて,やはり教訓として学ぶべきだと思うのですが,その点についてはいかがですか。
◎大聖
市民局理事 この
事故については,
維持管理している業者ばかりではなく,
メーカーにも来ていただいて,その原因究明に努めておりますが,現段階ではまだ先ほど申し上げたような
状況です。今後もなお,
委員ご指摘の点も含めて対応していきたいと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 きょうは報告を受けるということですから,承っておきます。
なお,これらについて原因解明が進めば,その時点でまた報告いただきたいと申し上げておきます。
◆
松浦忠 委員 弁の故障について,もう少し聞かせてほしいのです。
これは,一定量が注入されれば,弁が自動的に閉じるという装置ですね。今回,
塩素濃度が上がって,
中和剤を入れたり注水したのに
濃度が下がらない,そこで,ひょっとすると弁の故障ではないかということでようやくたどりついたということですが,そのとき弁はどのような状態になっていたのですか。
◎大聖
市民局理事 3日に
濃度が高くなり,4日に手動で
濃度をはかったときに実際に高かったと――業務員は3日の段階で
濃度が高いということで,弁を動かす電源を切っております。そして,4日の朝にまた電源を入れたわけですが,電源を入れたり切ったりした際には弁はきちんと閉じられていたということで,4日からは
塩素が
プールに流入した形跡は今のところ見られないということです。それまでにたまった分が,
プールの
利用によって攪拌され,だんだん
濃度が上がっていったと報告を受けております。
◆
松浦忠 委員 3日に弁の電源を切ったということですが,切るに至ったときに,弁はどうなっていたのですか。開きっ放しになっていたのですか,それとも閉じていたのですか。
◎大聖
市民局理事 その弁については,確認しておりません。当然,そこから
塩素が流入するわけですから,電源を切って対応したということです。
◆
松浦忠 委員 電源を切れば,弁は閉じるようになっているのですか。
◎
百瀬 スポーツ部長 自動注入の作業は停止することになっております。
◆
松浦忠 委員 今聞いただけで,基本的に電源にたどりつくまでに時間がかかったことは仕方がないとしても,弁にたどりついたときに,弁の状態がどうであったのか――開いていたのか閉じていたのかということを確認することが大事なのです。例えば開いていたということになれば,当然,
濃度を制御する装置の故障ということになるし,閉じていたということであればまた別な原因ということになります。
私はこれまでのやりとりをずっと聞いていて,
皆さんも,原因究明の一番大事なところがわかっていないのだと思いました。機械の
維持管理をしている人たちの大事なことは――故障が起きたときに,故障がどこにあるか,故障の箇所を見つけて,それが何の原因によって起きたかということを
調査するのです。その初歩的な,一番大事なところを把握していないのです。
委員会の後で詳しく話を聞きますし,弁も見せてもらいますが,端的に言うと,機器の
維持管理体制が全くできていないと感じました。これは,訓練やマニュアルという話以前に,もう一度――人間もそうですが,どのような精密な機械や装置を使っても間違いや故障というものはありますから,そのときにどう対応できるかという手引き書なり訓練をしておくということが大切なのです。今までのやりとりを聞いていた中では,私はそのことが全くなされていないと断じざるを得ないと思いました。
今の答弁で,これは人的な原因があったということもはっきりしました。もう一つは,機械がどうかということもはっきりと究明しなければなりません。
やはり人身
事故が発生しているわけです。そして,これに対する補償も行っておりますから,当然,責任の所在はきちんと明らかにしなければなりません。これは,財団もそうですが,市としても,この
事故に対する責任をだれがどのようにとるのか――責任ということは,処罰の問題です。したがって,財団ではだれがどのような罰を受けるのか,市ではだれがどのような罰を受けるのかということもきちんと明らかにしなければなりません。聞いていると,何か人ごとみたいな答弁でしたが,そのような問題ではありません。
したがって,もちろん原因はきちんと究明しなければなりませんし,その対応策もきちんとしなければなりませんけれども,今回,起きた
事故に対する罰についてもきちんと明らかにしなければならないと思いますが,局長は
市民局の責任者としてどのように考えているのか,お伺いします。
◎佐々木
市民局長 原因の究明が第一ですので,まず,それを徹底的に行いたいと思います。その結果を見て,判断したいと考えております。
◎大聖
市民局理事 原因を究明する中で,弁のところにたどりついたときには,その弁は閉じておりました。
◆
松浦忠 委員 電源を切る前にですか。
◎大聖
市民局理事 はい。
◆
松浦忠 委員 私は,今のような
事故原因の究明の仕方などを含め,極めてお粗末な管理体制だと指摘せざるを得ません。したがって,責任の所在を明確にしていただきたいということを求めておきます。
それから,手動で
塩素濃度をはかっている,そして弁も自動的に閉じるという話でしたが,
プール内の
塩素濃度を自動計測して,異常があれば警報などを発するような装置を設置している
プールが,全国的にあるのかどうか調べてみたことはありますか。
◎
百瀬 スポーツ部長 そういった装置を採用している
プールがあるということは確認しておりません。
◆
松浦忠 委員 私は,そう難しいことではないと思うのです。今回,このような
事故が発生して人体に影響も出ております。したがって,
プール内の
塩素濃度が許容値を超えれば自動警報を発して知らせる装置を私はぜひ設置すべきだと思います。手動計測では――やはり人のやることは間違いもありますから,機械と人の両方による計測管理が望ましいと思いますが,そのような
考え方があるのかどうか,お伺いします。
◎大聖
市民局理事 本市の
プール維持管理基準の中においても,もちろん機械による計測値を2時間ごとに目視すると同時に,2時間ごとに手動で
塩素濃度をはかることになっており,
委員ご指摘のとおり,機械と人的手段の両方による計測を実施しております。
ただ,今回は,数値が確かに高いということは認識しておりましたが,その後の対応について不手際があったということで,その点について
おわび申し上げたいと思います。
◆
松浦忠 委員 機械が計測した数値はどのように知らされるのですか。例えば,管理者のところで警報音が鳴ってランプがつく,あるいは,遊泳している人たちにもそのような警報がわかるようになっているなど――どのような装置なのですか。
◎大聖
市民局理事 監視モニターがあって,一般用
プール,子供用
プールそれぞれをモニターで監視する形になっております。ただ,警報が鳴るようにはなっておりません。
◆
松浦忠 委員 そのモニターは,常時,人が監視しているのですか。
◎
百瀬 スポーツ部長 決められた時間ごとに,そのモニターのところに行って目視して記録することになっております。
◆
松浦忠 委員 だれでもわかるようなところに音やランプによって知らせる警報装置を設置するということは,大して費用もかからずできると思います。常時,人が監視するなら別ですが,そうでないのであれば,そのような装置も設置すべきだと思いますので,ぜひ,そのような方向で検討してください。
○
長内直也 委員長 ほかにありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
長内直也 委員長 なければ,質疑を終了いたします。
以上で,本日の
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午前11時17分...