札幌市議会 2004-12-20
平成16年(常任)厚生委員会−12月20日-記録
平成16年(常任)
厚生委員会−12月20日-
記録平成16年(常任)
厚生委員会
札幌市議会厚生委員会記録
平成16年12月20日(月曜日)
────────────────────────
開 会 午後0時59分
○
大嶋薫 委員長 ただいまから,
厚生委員会を開会いたします。
それでは,議事に入ります。
特別養護老人ホームにおける虐待問題についてを議題とし,資料に基づき,
理事者から説明を受けます。
◎中田
保健福祉部長 私から,白石区の
特別養護老人ホームルミエールにおける虐待問題についてご報告します。
同施設に対し,虐待問題の指摘を受け,9月1日から
立入調査を実施し,その概要については,去る10月1日の
厚生委員会においてご報告をさせていただきました。その後,それまで行った
立入調査結果の精査を行うとともに,さらに,
入所者のご家族からの聞き取り調査を実施し,このたび最終的な調査結果を取りまとめたので,その結果に基づく当施設に対する札幌市の対応とあわせてご報告します。
まず,お手元の資料ですが,1ページ,1の調査の実施についてです。
まず,(1)の職員からの聞き取り調査です。
調査期間は,9月1日から17日までの延べ12日間です。
施設長以下の職員73名を対象とし,去る8月27日に
札幌地域労組から札幌市に提出された
申入書に記載のあった具体的な虐待とする事例についての確認と,
入所者に対する処遇上,不適切と思われる他の事項について
個別面談による聞き取りを行いました。
次に,(2)の
関係書類の調査です。
この調査は,職員への聞き取り調査と並行して実施し,
調査期間は9月2日から17日までの延べ5日間です。
介護日誌,
看護日誌,
個別ケース記録など
関係書類の確認を行い,主にあざなど身体における
痕跡等に関する記録について確認しました。
次に,2ページの(3)ですが,前回の
中間報告の後に実施した
入所者家族からの聞き取り調査です。
調査期間は,10月22日から11月9日までの延べ9日間です。
入所者80名すべてのご家族に文書を郵送し,調査にご協力いただけるとの意向が確認できた
入所者14名の
配偶者やお子さんなど計16名から個別に聞き取り調査を行いました。
聴取場所は,ご家族の意向に沿って市役所内の
会議室もしくはご自宅です。聞き取りの内容は,入所しているご家族や他の
入所者への虐待もしくは不適切と思われる事項についてです。
以上が,実施した調査の概要です。
次に,資料2の
調査内容についてです。
ここからは,5ページの後にある
別紙資料もあわせてごらんいただきたいと思います。
まず,(1)の職員からの聞き取り調査についてです。
資料は別紙1になります。
まず,
札幌地域労組から提出された
申入書に記載のあった
身体的虐待とする具体的な事例の5件についてです。
別紙1では,(1)の(1)から(5)に該当するものです。
これについては,それぞれ1名ずつの
目撃証言があり,他の職員から聞いたという
伝聞証言が24名からありました。一方,この5件の事例において,虐待を行ったと指摘された
職員本人は,すべての事例において全面的に否定しています。また,暴言などの他の不適切な
処遇事例の4件については,別紙1では,(1)の(6)から(9)に該当しますが,多くの職員から
目撃証言があり,特に乱暴な
言葉遣いについては,直接
処遇職員49名のうち7割を超える36名から証言を得られています。
次に,別紙1の(2)にある
申入書に記載のある事例以外の不適切な事例として証言のあったものですが,たたく,つねるなどの暴力,早く食べろ,服を着ろなどの暴言,車いすを押し放すなどの乱暴な行為,原因不明のあざ,こぶなどの身体的な痕跡,さらに,気温の低い時期に窓をあけ放して着がえを急がせるなどの
いじめ行為など,延べ50件の行為について証言を得られました。この50件の不適切な
処遇事例については,別紙2の資料にあるとおり,うち43件が,その行為を行った職員の氏名,その行為の被害を受けたとされる
入所者の氏名まで証言された具体的な内容のものでした。
次に,
報告書本文2ページの(2)
関係書類の調査についてです。
資料では別紙3です。
入所者の
個別ケース記録,
介護日誌,さらには
看護日誌を調査したところ,33名の
入所者について原因の記載のないあざなど
身体的痕跡の記録が76件確認できました。また,資料はつけていませんが,個別の
処遇計画,いわゆる
ケアプランを調査した中では,
ケアプランを見直すための
関係職員で構成される
検討会議がほとんど開催されていないことも確認できました。
次に,本文の(3)
入所者家族からの聞き取り調査です。
資料では別紙4です。
入所者のご家族からは,施設内における不適切な処遇,あざなどの
身体的状況,さらには施設からの説明に対する不審などの内容について25件,
入所者ご本人の発言や様子についても19件の証言が得られました。また,調査は10月から11月にかけて実施しましたので,虐待の指摘を受けた以前における施設の様子と比較した証言も得られ,5名の家族からは驚くほどあざがなくなったなど,以前に比較して改善したという証言を得ています。
次に,本文3ページの3の施設から9月17日に提出された
調査報告書の内容についてです。
まず,
地域労組から出された
申入書に記載のある事例は,いずれの事案も事実があるとの結論には至らなかったとしております。また,施設が実施した職員からの聞き取り調査によって証言のあった
申入書に記載のない他の15件の事例も,客観的な裏づけが確認できないとの理由から,真偽を確定することは困難であるとしております。さらに,
報告書の中の具体的な内容の一部ですが,あざなどを発見しても,本人が痛みの訴えなし,顔色もよいとの理由から,介護の現場において深刻に考える状況ではなかったとしており,また,職員が
食事介助の際に
入居者を殴っていたのを目撃したとの証言があっても,食事をきちんと食べた
入所者によくやった,やればできるじゃないかと褒めていたとの証言を理由として,仮に一定の行為があって,介護として逸脱した不適切な行為と言えても,虐待と評価するには疑問があるとしております。
以上,ここまでは,札幌市が実施しました調査,さらに施設からの
調査報告書の内容をご説明しました。
次に,資料の4の調査結果についてですが,調査を踏まえた最終的な札幌市の総括です。
まず,個別の
具体的事例について,
行為者やその行為を証拠等により特定するには至りませんでした。しかし,
当該施設の職員や
入所者家族からの相当数の具体的な証言や
介護記録など
当該施設における
関係書類の記録などから,虐待によって生じる
可能性のある結果が認められました。さらに,具体的な
問題点として三つの事実が確認できたことから,施設において虐待の防止に関する
取り組みが極めて不足していたと認められます。
具体的な三つの
問題点とは,一つは,
入所者の処遇に関する計画について,
入所者本人及びその家族の希望などが適切に把握されず,また,
関係職種による
検討会議が十分に開催されていなかったことから,計画の
見直しが適切に行われていなかったこと,
二つ目は,虐待によって生じる
可能性のある
身体的痕跡について,直ちに原因究明すべきであるにもかかわらず,その方法が極めて甘く,
入所者本人及びその家族に対する適切な説明がなされていないこと,4ページの(3)ですが,職員の研修について,
施設外研修の
受講回数,人数とも不足しており,また,計画的に行われた
施設内研修は平成14年4月以降一度も実施されていないなど,
実施内容が極めて不十分であること,以上の3点です。
特別養護老人ホームの運営に当たっては,遵守すべき基準として,平成11年の
厚生省令特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準が定められています。以上の3点については,この基準を満たしておりません。
次に,資料5の
法人施設に対する札幌市の対応についてです。
対応としては,施設に対する
改善命令と
改善指導であります。
まず,
改善命令ですが,本日午前,施設の
設置者である
社会福祉法人公和会に対し,
老人福祉法第19条第1項に基づき,施設の運営について3項目の改善を命令しました。その内容は,
入所者の意思及び人格を尊重し,家族の
希望等を勘案した妥当,適切な処遇を行うため,次の事項について速やかに改善することとして,一つは,
入所者の
処遇計画について,
入所者本人及びその家族の
希望等を把握するとともに,
関係職種による
検討会議を行い,定期的に必要な
見直しを行うこと,
二つ目は,
入所者の身体の状況について,通常生じ得ない
痕跡等があった場合には,その原因を究明し,その結果を
入所者本人及びその家族に対し適切に理解しやすく説明を行うとともに,再発を防止するための措置を講じること,
三つ目に,職員の研修について,
介護技術及び資質の向上のため,具体的かつ体系的な
職員研修計画を策定,実施し,あわせて,経験豊富な
指導的職員を配置するなど
職員指導体制の充実を図ること,以上3点について,30日以内に具体的な
実施計画を策定し,報告すること,以上の内容で
改善命令と出したところであります。
次に,
改善指導です。
次の7項目について,これは,必ずしも基準を満たさないという状況にはありませんが,施設の適切な運営に向け,より積極的な
取り組みが必要な事項について,文書による
行政指導として行ったものであります。
一つは,
身体的拘束の廃止に向け,施設を挙げて積極的な
取り組みを行うこと,
二つ目は,
入所者の
生活状況について,家族に対し積極的に
情報提供を行うとともに,実習生,ボランティアなどを受け入れ,より開かれた
施設運営を行うこと,
三つ目は,施設の運営に関する
第三者評価を実施すること,
四つ目は,採用,退職の管理を含む
職員処遇全般について
見直しを行い,職員の定着性の改善を図り,より適切な
職員体制とすること,
五つ目に,無理な介護となることを避けるため,
介護補助用具の活用及び
食事内容などの工夫を図ること,
六つ目に,苦情に対し適切に対応するため,
苦情処理体制を充実すること,
七つ目に,ヒヤリハットとは,介護に携わる方がその処遇に当たってひやっとしたり,はっとするなど,事故に至らない前の段階のことですが,このことを含め,事故に関する記録や処理を充実すること,以上の7項目です。
これらについては,1月末日までに
改善計画の提出を求めております。
○
大嶋薫 委員長 それでは,質疑を行います。
◆
宮村素子 委員 今回の市の
報告書を見る限り,施設を管理する立場の
理事長や
施設長の責任は大変に重いのではないか,それを問わなければならないと思っています。
まず,1点目の質問は,虐待が本当にあったかないかという判断です。
まず,身体的な虐待は,
申入書で指摘のあった職員は否定をしている状況ですが,
目撃者5名,伝聞24名の証言があります。また,
申入書以外にも,43件について
入所者や実際に行ったという具体的な証拠があります。さらに,
関係書類の調査から,33名の
入所者に原因不明のあざなどの記録が76件ありました。33名といいますと,
入所者の41%に当たります。
加えて,精神的な虐待も考えなければなりません。乱暴な
言葉遣い,
入所者に対する暴言,
いじめ行為,着がえをしないとか,
ナースコールの扱いが不適切,投薬の不適切,また,
入所者がおびえていたり,入所してから日に日に人相が悪くなっていくという家族の訴えもあります。これは,精神的な虐待を受けている結果であると言わざるを得ません。
それから,経済的な虐待という観点もあります。今まで札幌市は不適切な処遇と言っておりましたが,介護を受けている方は,本人がここに入ると決めてその施設と契約して入所していますが,こうした処遇を受けるとは思っていません。それなのに,
介護保険料を支払わなければならないのは,やはりおかしいのではないかと思います。入所している人は,
認知障害などでそうした処遇を適切に表現し得ません。家族も,この施設を出されると行き場がないことから,なかなか言えないでいます。そうした状況で
介護料を支払っているのは,私は経済的な虐待を受けていると言ってもいいのではないかと思います。
したがって,これは,虐待であると断定していいのではないかと思いますが,市はどういうふうに考えるのか。
報告書では
可能性があるということですが,はっきりと市の態度を示すべきだと思います。
2点目は,一連の調査の
報告書を見ると,そもそも
高齢者ケアの精神,一人一人の
人権尊重の精神が欠如していると言わざるを得ません。働いている人の70%以上が,施設における暴言や日ごろの対応の悪さを認めています。これでは,
施設側の反省が見られない,やはり
管理者の責任をきちんと問わなければならないと思いますが,市はその責任をどう考えるのか,伺います。
3点目は,市は,このたび,
改善命令と
行政指導を行ったとの報告がありました。
しかし,この
改善命令の内容は,施設の開設時に準備されなければならない事項です。今,改めて指導を受けるような内容ではありません。逆に言うと,札幌市は,開設したときにその辺をきちんと確認したかどうかが問われます。この
改善命令と
行政指導は,当然,
介護施設としては十分行わなければならない事項ですから,今,改めて
改善命令と
行政指導を行うのでは手ぬるいと私は思います。
それから,
身体拘束の廃止に向けた指導というのが
行政指導の中で第1に上げられていますが,これは,
介護老人福祉施設,
特養施設の運営に関する基準で法的に
身体拘束をしてはならないと規定されています。それに違反しているのですから,私は,この施設の
福祉法人としての適性を認めるわけにいきません。
そこで,
老人福祉法第19条に基づき,今までのことはこの施設の
認可取り消し理由に十分該当するのではないかと思いますがいかがか,伺います。
◎中田
保健福祉部長 まず,1点目の虐待があったかないかの判断です。
ご報告したように,個別の事例を特定して決定づけるには至っておりませんが,今回の一連の調査は,強制力をもって捜査する権限を持たない
行政機関としての調査であり,やはり,一定の限界があると言わざるを得ないと考えます。もう一つは,
入所者やそのご家族,また
情報提供した職員の保護の観点からの配慮もあり,それも事実を決定づける上での一つの限界,
制限要素となっています。
しかし,ご指摘のことを含め,一連の調査を通じて虐待という重大な問題が提起されていることから,可能な限り具体的な証言や事実を確認すべく最大の努力をしました。その結果として,虐待によって生じる
可能性のある結果が認められたと判断をしたところです。
それから,2点目の
高齢者ケアの精神が欠如している,その
管理責任ということです。
施設運営に関しては,
施設長が職員の管理や業務の方針,
実施状況の把握の面で責任を有しております。また,
設置者である法人においても,
理事長以下,
施設経営の方針や基本的な運営に関する
意思決定の役割を持っており,重い責任を持っていると思います。今回の一連の調査によって得られた結果や
施設側から出された
調査報告書の内容から,
施設側,
責任者の虐待に対する認識は極めて甘いものと言わざるを得ないと考えています。
3点目は,
介護保険事業者の
取り消し事由に十分該当するのではないかという趣旨のご質問です。
基本的に,
指定取り消しの規定は,健全な
施設運営,あるいは,信頼される
介護保険施設となり,
介護サービスが適正に提供されるという最終的な目的を実現するために定められています。
介護保険事業者の指定は
北海道知事の権限になっていますが,私どもも,施設の
事業運営に関する
指導権限において事業の停止や認可の
取り消しはありますが,その適用に当たっては,現に入所している
高齢者の方,またご家族にとって重大な影響を及ぼすなど
社会的影響が大きいために,まずは改善に向けた指導を優先すべきであるとの考えから,今回は
改善命令,
改善指導となったものです。
それから,開設時の指導についてですが,私どもは,基準に沿ってできる限り厳格に判断しますが,現実に施設が運営される状況の中で定期的に監査をして確認していくという内容です。設立時においては,適正な運営が期待できる施設との判断があって行われましたが,その後の状況において,私どもは今回のような処分及び指導を行ったということです。
◆
宮村素子 委員 ただいまの答弁でも,やはり,虐待があったことのしっかりとした答弁がありません。調査には限界があることと,
利用者の保護という観点から,例えば,利用している方々や家族にとっては,この後,この施設がだめになったらどうしようという不安もあって,そうした配慮もあるのかなと思います。
しかし,私は,
改善命令や
行政指導だけでは,1カ月の期間を置いてとは言っていますが,その1カ月で一人一人の処遇の改善につながっていくとはなかなか思えません。利用している人の41%がそうした
不利益をこうむっているし,働いている人の7割がその施設における不適切さを言っているのです。指定した1カ月の期間で,180度変わって本当に改善されるとは,私は到底思えないのですが,いかがでしょうか。
◎中田
保健福祉部長 確かに,今回,私どもが
改善命令を出した内容,あるいは改善の
指導内容は多岐にわたっています。
しかし,虐待という重大な問題がこういう事柄から起因している,これらから発していますので,やはり,これを改善することが絶対に必要であることから命令を出しました。そういう意味では,施設がみずから計画を立て,私どもにきちんと示していただく必要があり,私どもはその執行をしっかり確認していきますし,もちろん,提出された後においてもその
執行管理はきちんと行っていく考えでいます。時間的な部分で確かにご懸念はあろうかと思いますが,私どもは早急に改善を図らせるという考えでおります。
◆
宮村素子 委員 早急に改善を図らせるということですが,先ほど言った経済的な虐待については,本人が言わなければそのまま計算されて
介護保険料を払うことになりますけれども,例えば家族が支払いに関して
クレームをつけたときはどうなるものでしょうか。それを確認します。
それから,
認可取り消しについてですが,札幌市にも法人の許可,監査・指導の権限があって,この問題については道とも協議しています。札幌市がこれは虐待だとはっきりした場合は,道も
指定取り消し権限の発動をできるわけで,市の立場は大変に重いと思います。私は,やはり,この問題は本当に虐待としての扱いで認可の
取り消しまで行くべきだと再度申し上げたいと思いますが,いかがでしょうか。
◎中田
保健福祉部長 介護保険における
利用者の支払いについて
クレームがついた場合ですが,
介護保険者としての札幌市の立場はありますけれども,
介護保険の適正な給付あるいは負担については,基本的に,その監査・
指導権限は道にあります。2番目のご質問とも関連しますが,私どもは,今回の監査においてもそうですが,常に
石狩支庁と連携をとりながら確認をしています。この段階で,直接,
介護保険の一部負担について検討なり判断は行っておりませんが,そういう仕組みになっていることは十分認識してまいりたいと思います。
◎横山
保健福祉局理事 何点かのご指摘の中で,今回の
改善命令だけでは対応として甘いのではないかということだと思います。
ただ,認可の
取り消し等々というのは,与える影響が大きいです。これは,
施設側,経営している
管理側の問題のみならず,
入居者処遇の問題で大きな社会的問題が生ずる
可能性がありまして,そこに行くまでにはいろいろな手だてが必要だと思っています。
今回,
改善命令を出し,それ以外にも7項目の
指導事項を挙げていますが,短期間である程度はっきりした形で改善されてこないのであれば,またいろいろ対応を考えなければいけないと思います。ただ,まずは,今後の運営のあり方,
サービスの提供の仕方,あるいは職員の処遇の仕方について,これは命令ですから,我々はやっていただくという姿勢でしっかり監視しながら,早急な改善が図れるように指導したいと思っております。
◆
宮村素子 委員
取り消しというのは,
利用者に与える影響も大変大きいので,とりあえずはこうした形でということです。確かに,
利用者やその家族に対して限りない不安を与えることは私も承知しています。
しかし,
利用者がこれだけ
不利益をこうむっていることについては,はっきりさせなければいけません。したがって,
認可取り消しの検討に値するということを申し上げておきます。
さらに,ちょっと観点が変わりますが,今回,こうした施設の
定期指導・監査に
保健師が同行することになり,よかったと思っていますけれども,介護の質や
不適切処遇を見きわめる観点から,以前と比べてどのような効果があったのか,伺います。
また,
ルミエールの指導・監査にも
保健師が同行したと思いますが,それによって不適切な対応の具体的な事例が洗い出されたのではないかと思っていますが,そのことに関する
保健師同行のメリットという点について伺います。
◎板橋
監査指導室長 まず,
保健師の同行による効果についてお答えします。
今回,
保健師を同行させたことにより,
専門職員の目で
利用者の処遇をより詳細に確認し,例年以上に処遇にかかわる
調査項目を監査でき,一定の効果があったと考えております。今後も,このような監査を継続することにより,さらに大きな効果が期待できるものと考えています。
2点目の
ルミエールの
指導監査の概要ですが,今回の
ルミエールに対する
定期監査は,去る11月24日に実施し,その指導結果は現在取りまとめ中です。
法人関係,施設関係合わせて十五,六項目の
指導項目になるものと考えています。
利用者処遇にかかわるものとしては,
個別処遇計画に関して職員間で情報が共有されていなかったり,一部のトイレが使用できない状況も確認されており,それらを
指導項目とする予定です。
◆
宮村素子 委員 11月24日の
ルミエールの調査の結果が出たら,再度,私
たち厚生委員に配付していただくようにお願いします。
また,専門職の視点でやはり内容をきちんと見きわめることはより重要ですので,今後も引き続き
保健師の同行を求めたいと思います。
最後に,19日の朝刊ですが,大変大きく「
札幌特養ルミエールの虐待 市が
改善命令」と,ここで虐待とはっきり言って,私たちが今回いただいた資料と同じように市の方針が克明に載っていまして,これに関して伺います。
いつ,だれが,どのようにこの書類を
報道関係者に渡しているのか,私たちの手元に書類が渡るより先に報道されている状況であり,これは
議会軽視ではないかと思います。私たちが議論する前に,市の方針が決定づけられた感を与えるような
新聞報道が先にされるのはいかがなものかと思います。
◎中田
保健福祉部長 ご指摘の19日の
新聞報道ですが,私どもは,
報道関係に対して今回の
報告内容を一切明らかにしておりません。
ただ,今回は
不利益処分ということで,
事前手続が必要になる部分もあり,その間,いろいろな方面との一定の調整を行った経過の中で,本日ご報告しました。なぜこのような形で報道されているのかは,私どもは全く承知をしておりません。
◆
宮村素子 委員 市の方では承知していないということですが,この議論の経過で出てくることと報道されることと,市民はどう判断していいかとなります。この
ルミエールの件は市民も大変に注目しておりますし,
施設側もどうなるのだろうかと思っているときに,議会でのきちんとした議論の経過がわからず,
新聞報道でこうなっているのだと受け取られることは私は大変に不本意です。知らないということですから市の責任ではないと思いますが,今後,情報の提供に当たっては慎重を期するように求めて,終わります。
◆西村茂樹 委員 今の質疑の中で,明らかに虐待の事実があったかどうかという問題と,もう一つは,施設を管理をする法人,あるいは
施設長の責任も大きな問題としてあると思います。宮村委員からもそうした趣旨の質問をされましたが,私もやはり同じ思いをしております。
今の報告では,虐待によって生じる
可能性のある結果が認められたと言い切る以上,札幌市はまさにこれを黒という認識に立っていると思いますが,その点について明確に答弁をお願いします。
さらに,法人の問題です。私も,
厚生委員会,また決算特別委員会の中でこの問題に触れてきました。この施設は,
理事長以下6人の理事構成になっています。これは,認可基準として最低6人の理事構成をしていかなければなりませんから,確かに基準は満たしていると思います。
しかし,この理事構成にやはり問題があるのではないかと思います。なぜならば,
理事長は,病院の院長であり,医師の資格を持ち,当然,福祉に従事している,あるいは福祉関係者という位置づけかもしれません。しかし,それ以外の5名は,
理事長の奥さんが理事をしていたり,82歳の高齢になられる方もいます。年で判断をするわけではないですが,福祉には全く関係のない商売をしている老夫婦,あるいは,病院に勤務している職員,さらに,もう一人は近くの町内会の役員をしていたので,お願いされて理事になったという話を聞いています。このように,福祉に全くかかわりのない人たちで理事会を構成し,公和会を形成しています。そして,まさに現場の
責任者である
施設長が
理事長の奥さんです。
そんな意味で,まず,
施設長の資格とはどういう資格なのか,お伺いします。
また,法的には確かに6人の理事構成になっていますが,理事会は福祉に対する認識をどのように受けとめているのか。私は,理事構成そのものに問題があったのではないかと思いますが,しっかりと審査して認可したと言っておりましたけれども,こういった理事構成で果たして本当に厳格にチェックできたのだろうかと思います。
さらに,その上で定期的に指導・監査が入っているから,問題があれば,その都度,指摘をしてきていると話されていました。この間,わずか4年ぐらいしかたっていませんが,指導室の方ではどのような監査・指導を行ってきたのか,今までの状況に全く問題はなかったのか,改めて問い直しておきます。
◎中田
保健福祉部長 私から,1点目の虐待について黒と判断ができないのかというご質問と,2点目の
施設長の資格についてお答えします。
1点目の判断ですが,私どもは,事の重大性にかんがみて最大限の努力をして調査をしましたが,個々の事例を特定して決定づけるには至っていないために,虐待によって生じる
可能性を認めるということでご報告しました。
それから,
施設長の資格は,比較的幅広く規定されていますが,福祉的な業務に従事した経験,あるいは,学校などで一定科目を履修するという条件があり,それらの資格が必要となっています。
現在の
施設長は,
施設長の講習会があり,それに出席していることを確認して,それが該当をするという判断で認めたものです。
◎板橋
監査指導室長 私から,法人の理事構成等について回答します。
現在の理事の半数は内部の関係者になっていて,このような状況になりますと内部チェック機能が十分働かなくなるおそれがあると考えており,私どもとしては好ましくない状況であると認識しています。したがって,そのあたりも今後指導しなければならないと思っています。
それから,今までの監査の結果はどんな状況だったかですが,平成15年度は,
指導項目として8項目あり,
法人関係1項目,施設関係7項目でした。今回については,
保健師の同行もあって,大体十五,六項目の
指導内容になるのではないかと考えています。
◆西村茂樹 委員 どうも歯切れの悪い答弁ですが,1点だけ,もう一度伺います。
施設長の問題ですが,講習会に出たので適格性を持っていると判断したというのですが,これは,今までは何も福祉関係に従事していなくて,ただ,
施設長になるために講習会を受けたように聞いたのですが,そこだけ,確認しておきます。
◎中田
保健福祉部長 ご指摘のとおりです。
◆西村茂樹 委員 職員の皆さん方あるいは14名の家族の方からそれぞれ聞き取り調査をされ,虐待よって生じる
可能性のある結果が認められたという表現をしていましたが,実は,私のところにはそれ以外にもさまざまな形で情報が寄せられていました。
そこに勤務をした元職員は,派遣職員でそこに勤めた人ですが,言ったらきりがないぐらいいろいろな事例をかなりきめ細かに出しています。勤務は1カ月足らずだったが,虐待されていない
利用者はいなかったのではないか,施設のひどさに驚いてすぐやめたと言っていました。それから,元副主任という指導的な役割の方から話を聞くと,こういうことがあった,ああいうことで問題があったと話しながら,最後に,私は介護現場での経験が長かったので,入社の際,職員の教育をするように言われた,ただし,組合に加入しないことが採用の条件だと。また,実際に働いてみると,職員の質はとても低く,注意しても聞かない,
施設長に言ってもきちんと聞いてくれなかった,入社4日目で,そのほかの介護職員からトイレに閉じ込められるなどの嫌がらせを受けた,市の監査の前にはあざがあったとの記述を消すなど
介護記録改ざんの手伝いもやらされた,あの施設はどうかしている,もう耐えられないとこの方もやめています。ですから,札幌市の調査の結果からも,私はそうした事例があったのだろうと思うのです。
ただ,先ほどの
調査報告書の中で大変重要な話がされているなと思うのは,仮に一定の行為があったとして,介護として逸脱した不適切な行為とは言えても,これを虐待と評価するには疑問があるということで,これは,完全に
施設側あるいは理事会の判断です。札幌市とは真っ向から見解が違います。札幌市は,虐待によって生じる
可能性のある結果が認められたと。しかし,逸脱した不適切な行為があったとしても,それは虐待ではないのだと,これでは行為があったことを暗に認めているではないですか。そういった理事会がこれからも施設を運営していくとすれば,こうしたことがあっても虐待ではないからこれからもやっていくということにつながっていくのではないでしょうか。
ですから,今回の
改善命令が果たして本当に理事会に受け入れられるのですか。ましてや,1人しかいない
理事長は病院を経営しています。この病院は精神科の病院なのです。つまり,この表現を見る限り,患者さんを診る病院と老人福祉をしている施設が何かダブっているのではないかという認識は私だけではないのではないでしょうか。それを,理事会の中で,公和会という立場で,あるいは施設の見解として出されるならば,私は,現在の6人の理事構成による理事会で本当に十分な判断ができるのだろうかと心配せざるを得ません。
その辺について,先ほど板橋室長が問題はあるから何とか指導すると話していますが,こうした基本的な考え方がある以上,なかなか難しいのではないかと思うのです。私は,今回の事件の奥底ではこういった問題があるような気がするのですが,市の考え方をお聞かせ願います。
◎板橋
監査指導室長 当該法人の理事会は,内部の関係者が多数を占め,幅広い意見を反映させる場として機能しにくい状況にあるのではないかと考えています。したがって,今後,当理事会をさまざまな意見交換ができる場とするために,例えば福祉関係者をもっとふやすとか,地域に根差した法人あるいは施設とするために地域の方々をもっと入れるとか,そのように当法人を指導していきたいと考えています。
◆西村茂樹 委員 そういう指導をしているのであれば,もう既に配置されていなければなりません。なぜかといえば,
厚生委員会あるいは決算特別委員会の中でもこの問題について同じように指摘しているのです。その指摘が今なお改善されていない。なおかつ,
改善命令を出す以前に,マスコミの話も出ましたが,施設の側にこういう命令を出さざるを得ないという話をしているのでしょう。そうであれば,それを受けとめてきちんと改善されるという見通しを持っているのですか。その見通しがないのなら,私は,本当に認可の
取り消しも辞さないぐらいの気持ちを持ってやっていかなければいけない課題だと思っています。そのぐらいの決意を持ってやっているのかどうか,もう一度お伺いします。
次に,職員の問題であります。
私は,前から職員の定着性を指摘しています。49名のうち,職員は24名で,あとはパートと派遣の人だけでやっています。ですから,研修が問題は大事です。
しかし,ここでは今までどの程度の研修がやられてきたのですか。開園して4年間たっていますが,定着性がない。先ほど私が言ったように,経験を持った人が指導してもらいたいということで副主任で入って指導しようと思っても,なかなか聞かない。加えて,そのことを
施設長に言ったら
施設長にも無視される。本当にこの施設の中で職員の研修が具体的にきちんとされていたのでしょうか。そのことも含めて,職員の研修のあり方と定着性の問題をどのように考えているのか,改めてお伺いします。
◎中田
保健福祉部長 1点目は,理事会を初めとした
施設側の認識,あるいは,
改善命令の今後の担保といいますか,確実にできるのかという決意の部分です。
私どもは,ご指摘の9月17日に提出された
施設側の
報告書の内容を含めて,
施設側の虐待に対する認識は極めて甘いと考えています。したがって,今回も直ちに
改善命令という形で処分を行いましたが,これは確実に実現させるという強い決意で行ったものです。今後,執行,実現の状況についてもしっかり見きわめていきたいと思っています。
それから,2点目の職員に対する研修の関係ですが,これまで,自主的に施設内で企画し,あるいは,外部に派遣させるといった形の研修は,ほとんどやっていなかったと私どもは認識しています。
なお,職員が外部の研修を希望した場合に派遣した事例は何件かあったやに思いますが,そのこと自体も不足していますし,虐待に対する認識を初めとした職員の意識,資質の向上を図るという面では極めて不足していたと認識しています。
◆西村茂樹 委員 内容的に大変ずさんとしか言いようがありません。虐待をした職員の責任もありますが,やはり,
施設長としての責任なり,公和会という社会
福祉法人としての責任の方がもっと大きいと思います。そういった意味では,私は,本来ならば,この法人に対する厳しい処分があってしかるべきだと思います。
もう一つは,このことを契機にして改善するというならば,本当に反省をしているのかどうかを聞きたいのです。本当に反省しているのですか。反省するのであれば,今の話だけでも
施設長の責任が問われてくると思います。法人として
施設長に対する処分が考えられてしかりだと思います。職員の研修をせず,虐待に近いような形を見逃し,そして,指導者として雇用された副主任の訴えに対してもまるっきり無視してきた。このことについて,当然,それをうのみにした理事会にも責任はありますが,問題は,それを無視してきた
施設長の責任に対して理事会として処分しなければいけないはずです。しかし,一向にそのことがなされていませんが,その辺について,理事会に対してそういった話をしたことがあるかどうか。
◎中田
保健福祉部長 理事会の中でそういう形の話し合いがされたことはないと聞いています。
◆西村茂樹 委員 こんな状況だったら,
改善命令を出してもし30日以内にやらなかった場合には,本当に新たな決意で措置しなければいけないと思います。特にこの法人は,49名いる職員のうち,パートと派遣職員が多くて,研修もしないということです。
この法人の経営状況を見たらどうなっていますか。介護報酬でやっていながら,3億5,700万円余を蓄えています。そして,人件費を削減し,研修費も下げて,さっき聞いたら一部のトイレも使えないような状況です。本来なら,介護報酬というのは施設の環境とか
介護サービスをするヘルパーや介護職員の人件費でしょう。それを抑えて,わずか4年間で3億5,700万円も蓄えていること自体,問題にせざるを得ないと思っています。
ですから,
改善命令ということではなくて,やはり法人に対する処分の方法はないのですか。あれば,私はそうした処分も考えていく時期ではないかと思うのですが,いかがですか。
もう一つは,私は,
改善命令が出ても,この法人が反省しているとは思えないのです。なぜならば,
報告書では,今回の虐待疑惑は内部告発という形で発生したものであり,当施設としてはこの事実を深く受けとめるべきで,以下の改善策により信頼回復に努めたいと言って,みずから人材育成と職場管理の徹底,自己評価と
第三者評価の実施をうたっています。しかし,そう受けとめていながら,内部告発者に対し,けしからん,名誉毀損だと言って告訴しているのではないですか。そして,マスコミも訴えられているではないですか。報道されたために,名誉毀損だ,うちの施設は大変な損害を受けたと。私は,全然反省していないと思います。今言ったことを何もしないで,みずからの責任を問うどころか,そう言った方に対して裁判ざたにしています。私は,これは全くこれはけしからんと思います。この施設が本当に反省をして
改善命令を受けるとすれば,私は,これらの告訴も取り下げるぐらいの判断をしなかったらうまくないと思うのです。
そういったことも含めて,本市としては,相手の方に,
改善命令とともに,告訴取り下げの話もしていかなければいけないのではないかと思います。そうしなければ,
入所者,家族の皆さん方も安心できないし,信頼もできません。片方ではこれから頑張ります,改善しますと言いながらも,もう一方では裁判で訴えているのです。こんなばかなことはないでしょう。そんなふうだったら,
入所者にしても家族にしても,いつまでたってもこの施設に対する安心,信頼はなかなか得られていかないと思いますが,いかがですか。
◎中田
保健福祉部長 1点目の今回の
改善命令以外の措置ということです。
当然,命令ですので,これが実現しない場合には,例えば業務停止とか施設の認可の廃止といった手続がとられる
可能性があります。これは強制的な命令ですので,確実に実現されるものと考えています。
それから,2点目の施設自体がみずからの職員を訴えているという部分ですが,訴訟そのものの是非を申し上げることはできませんが,施設に入所している方,またそのご家族の信頼や安心を得られる施設となるためには,職員が一丸となって真剣に取り組むことが重要であります。
情報提供者の保護といった観点からも,その辺については
施設側と協議していきたいと考えています。
◆西村茂樹 委員 これ以上やりとりしても,相手は施設者ですから,ぜひ厳しく指導や指摘をしてもらいたいと思います。特に,私は,この施設が
改善命令を受けて本当の意味で立ち直るとすれば,内部
情報提供者の裁判ざたというのは直ちに取り下げて,速やかに改善に向けた
取り組みをすべきだと思うのです。その辺は,
改善命令とあわせて,そのぐらい強い拘束力を持った形でぜひ指導していただきたい。幾ら書面で
改善命令を受けたといっても,このことがなかったらそのあかしにならない,私はそう思っていますので,ぜひ同じ思いでやっていただきたいと思います。
◆高橋功 委員 段々の質疑の中では,虐待があったのかなかったのかという点に関してどう思うのかという質問が続きました。ただ,市の職員の方が行かれたときに,目の前でそういう行為が実際に行われ,皆さん方がそれを直接目撃したとか,ビデオカメラに映像が残っていたのであれば話は別かもしれません。また,
施設側はそんなことはありませんと否定までしているわけですから,そういう中で認定することの難しさはあったと思います。しかし,私は,段々の質疑の中でも,また,先ほどの部長からの報告にもありましたが,状況証拠や証言をきちんと積み上げて,事実上,市が黒と認定したのだと言っていいのかなと思っています。
さらに,まさにとんでもないと思いますが,今,訴訟されて裁判になっています。そういうことからすると,今言った理由からも,市がこの場で判断するのはなかなか難しいと思います。また,当然,市の判断がこの訴訟に少なからず影響を与えると思いますし,それはここで判断することではないのかもしれません。ですから,これ以上,あったのかないのかと同じことを聞いても先ほどの答弁以上には出ないと思うので,それはそれとしておきます。
ただ,ここで整理すると,今回,内部告発があって,そこから端を発し,約4カ月ぐらいたって,本日,
改善命令ということで処分しましたが,この
改善命令はどの程度重いのでしょうか。重いか軽いかは,だれがどう判断するということもあるかもしれませんが,これはどういう段階なのか,お尋ねします。
◎中田
保健福祉部長 施設におきまして,
設置者が
老人福祉法に違反した場合,または
当該施設が基準に該当しなくなった場合について処分ができることとなっており,大きく四つあります。一つは,文書または口頭による改善の指導,もう一つは,施設の設備,運営に関して改善を命じること,
三つ目は,その事業の停止を命じること,
四つ目は,施設の設置許可を取り消すというもので,2番,3番,4番は
老人福祉法に規定する行政処分です。したがって,今回の
改善命令については,基準等に違反または適合しない場合の行政側の対応としては相当に厳しいものと言えると思います。
◆高橋功 委員 そういう意味では,新聞の論調も,
改善命令と大見出しです。本来であれば,
改善命令に至るまでに,文書による指導とか特別監査をした上で
改善命令となるのが通常の形なのかもしれません。今,議論になっている北朝鮮の制裁云々にしても,いきなりレベル5だと言う人もいれば,徐々に下から行くべきだとか,いろいろあるが,そういう意味ではこの
改善命令は決して軽くないという認識だというご答弁でした。
そこで,本来であれば特別監査や指導をやった上で
改善命令となるのが普通だと思いますが,今回,そういうことをせずに,いきなり
改善命令を出したことについてどうとらえていらっしゃるのでしょうか。
もう一点は,これも新聞にも出ていましたが,あえて確認します。
札幌市では,今まで
改善命令という行政処分をやったことがあるのか,受けた施設があるかどうか,あわせてお聞きします。
◎中田
保健福祉部長 まず,1点目の行政処分に至る流れに関してですが,今回は,ご指摘のように,文書による指導や特別監査を実施した上で行ったものではありません。通常は,まず指導により改善を促し,それによっても改善が見られない場合に,特別監査を経て行政処分に至る流れになります。しかし,今回の問題は,虐待という極めて重大な問題が提起されたことによるものであり,調査によって虐待によって生じる
可能性のある結果が認められたことから,直ちに行政処分としての
改善命令を行ったものです。
なお,ご報告した今回の私どもの
立入調査は,いわゆる特別監査に匹敵する内容であり,事実上の特別監査であると認識しています。
それから,このような行政処分の例ですが,
老人福祉法に基づく行政処分は,札幌市が政令都市となって以降では行った例がないと認識しています。
◆高橋功 委員 札幌市でも初めてで,多分,全国的にも余り例はないようです。
何といっても,社会
福祉法人を認可したのは札幌市です。その認可した札幌市が行政処分するというのは,やはり大変重いです。ただ,表現は適切ではないですが,行政の施設に対する処分は,
施設側にするとある意味で
不利益処分ということです。ですから,それに対しては言いわけがあるはずで,行政手続法からいっても聴聞をできることになっていますが,聴聞などの手続をきちんと経ているのかどうか,お伺いします。
◎中田
保健福祉部長 ご指摘のように,行政処分を行う場合は,行政手続法を初めとする一連の法令にその手続に関して規定されています。
不利益処分を行う場合には,聴聞または弁明の機会の付与により,処分の相手方に意見陳述の機会を与えなければならないとされています。
今回の処分に当たって,去る13日に,法人に対して行政処分を予告し,弁明の機会を付与する旨の通知を出しました。
◆高橋功 委員 そうすると,本日午前にそういう処分を下す前に,あなたは弁明ができるという通知は出して,弁明はあったのですか。
また,先ほど西村委員もいろいろ言われて,私も全く同感です。普通はこれだけ問題になったら謝りますが,そういう姿勢すら見えない。
そこで,市が正式な処分をするぞとにおわせて,もし言いたいことがあるなら言いなさいと言われて,果たしてこの期に及んで何と言っているのか,ぜひこの場で明らかにしてほしいと思います。
◎中田
保健福祉部長 法人側からの弁明書については,17日に提出がありました。
内容は,一つは,虐待の事実については,そういう事実があるという結論には至らなかったこと。2点目は,虐待疑惑は存在自体に異議があるが,事実に反するものであるにもかかわらず,内部告発という形で発生したことは,施設の体制に脆弱な面があることは否定できない。今後,人材育成と職場管理の徹底,自己評価と
第三者評価を実施しながら,良質な
サービスを提供し,信頼回復に努める。3点目は,
不利益処分の内容については,虐待の事実が認められないのに,これに対して
改善命令が出されることについては著しく不均衡なものであるという趣旨です。4点目は,結論的な意味合いですが,当該
不利益処分を行うのは相当ではないという内容の弁明書となっています。
私どもとしては,行政処分の前提となる根拠を覆すものには至っていないと判断をし,本日,行政処分をしました。
◆高橋功 委員 他の委員や傍聴の方からも,本当にあきれたというため息が聞こえる気がします。
内部告発という形で発生したのは施設の体制に脆弱な面があったと。要するに,そんな内部告発者を出してしまうような施設であったことを反省しているのでしょう。とんでもない。虐待があったかどうかということ,また,市から,虐待だと断定しないまでも,
可能性が高いと相当厳しく言われ,それで何か言いたいことがあればと言われたら,内部告発者を出してしまってということでは全く話にならないと私は思います。
これ以上言っても,先ほどの西村委員の域を出ないからなかなか難しいし,もちろん
入所者の皆さんのこともいろいろ配慮しなければならず,たくさん難しいことがあることは承知の上です,ぜひレベル3,4ということを本当に視野に入れないと,こういう施設を札幌市が認可をし,このまま放っておくと大変なことになるということだけ最後に申し上げて,終わります。
◆小川勝美 委員 今も質疑がありましたが,市の
改善命令に対する事前の弁明機会を与えても,真摯に受けとめて反省するような態度を示さない法人に対して,きょう午前中,
改善命令,そして
行政指導をされましたが,札幌市のだれが法人側のだれとだれに
改善命令と
行政指導を行ったのか,そして,そのとき,
ルミエールの側はどんな対応,態度をとったのか,まず,その点についてお尋ねします。
◎中田
保健福祉部長 きょうの処分については,本日,9時30分に本庁舎内で行い,札幌市は宮田保健福祉局長から,法人側は
施設長と副
施設長が来て,
施設長に対してその旨を説明して申し渡しました。
施設側はわかりましたということで帰ったという状況です。
◆小川勝美 委員 9月13日の理事会並びに評議員会において内部告発者を名誉毀損で告訴すると決め,その第1回公判がきょうの午前中にありましたが,それらの対応について市の方は承知しているのか。また,この
改善命令書,
行政指導書を渡すときに,きょうの公判について法人側から何らかの対応がありましたか。
また,今,お話を聞いたら
施設長と副
施設長であって,なぜ
理事長は出てこなかったのか。このことについて問題なしという対応でいいのか。札幌市の法人に対する指導姿勢として,
理事長の奥さんである
施設長が理事も兼任しているからそれで十分だという判断なのでしょうか。
今まで,特養ホームのお金を不正使用したとか,贈収賄事件に絡んだというようなことでは
改善命令が出されていますが,入所しているお年寄りに対する処遇にかかわって行政処分の一つである
改善命令が出されるのは,札幌市では初めてのことであり,全国でも初めての例ではないかと思います。そういうときに,なぜこの法人の
責任者である
理事長が来ないで済まそうとしているのか。その
理事長の姿勢について,市はどうお考えになっているのか,この点をお尋ねします。
もう一つ,今回,札幌市の特別監査とも言うべき調査をやり,それに基づいて弁明の機会を与え,その弁明を聞いた上で,なおかつ
老人福祉法に基づく
改善命令を出すに当たって,なお真摯な態度で受けようとしません。こんなことであっては,仮に30日の猶予期間を置いて紙切れだけは立派な
改善計画書が出ても,お年寄りの処遇にかかわる具体的な改善内容が本当に実現していかないのではないかと思います。
今後,
改善計画書に基づき,具体的にどんな形で改善が図られたか,札幌市はきちんと追跡していくと思いますが,虐待と思われるようなこと,あるいは,暴言なども一切ないことをどんな形で確認できれば,業務停止とか
認可取り消しなどという処分をしないで済むことになるのか,この点もお尋ねします。
◎中田
保健福祉部長 まず,1点目は,本日の行政処分に当たり,法人側の
理事長が出席していなかったということですが,私どもは,
施設運営に関するいわゆる行政処分という考え方で,市長名で
設置者である法人
理事長あての文書とし,この文書そのものは法人に対する強制力を持ったものと考えています。また,私どもとしては
理事長に手渡す予定でおり,事前の予告の段階でもそう伺っていましたが,本日は都合により来られないということでした。理由は伺っておりませんが,そういうことで
施設長,副
施設長が来られました。
それから,
改善命令を確実に実行するという点です。
今回,指摘した3点の内容に関して具体的にどうするのかという中身ですが,客観的にそれであれば安心できる,あるいは信頼を置ける施設としての運営ができる内容のものであるかどうかについて,私どもは30日以内に検証することを考えています。その内容を着実に実施し,当分はその効果を継続的に確認していくことが必要と考えています。
◆小川勝美 委員 今までまともな
高齢者の処遇をしていない,ましてや,虐待が疑われるような施設が,仮に具体的な
実施計画を30日以内に策定しても,これを実施していくのは容易なことではありません。
きょう,
施設長に渡された
改善命令書の1番目には,
入所者の
処遇計画,
ケアプランについて,
入所者本人及び家族の
希望等を把握するとともに,
関係職種による
検討会議を行うと書いてあります。これは,看護師や介護士も含めて
入所者全員の
検討会議をきちんと個別にやって,そして定期的な
見直しを行うということです。この施設は,派遣職員や勤務してまだ1カ月という職員が多く,一番長い方で4カ月ですから,そんなことでこれが本当にできると思って
改善命令を出されたのか,ちょっと疑問に思うところがあります。
それから,
入所者の身体状況について,通常生じ得ないような
痕跡等があった場合は,その原因を究明し,その結果を本人及び家族に伝え,適切に対処すると。再発防止ですから,これは本当に当たり前のことなのです。それが今までやられていないから,七十何件ものあざなどが出てきているのです。
そういう意味では,職員自体を育てていかなければなりません。介護に当たるときに,間違った介護をしているとあざはできます。80歳,90歳のお年寄りの手をぐっと握って引っ張ったら,うっ血してあざになってしまいます。点滴をしているところから漏れても,すぐあざになります。70,80,90歳の
高齢者はみんなそうですから,それと虐待をきちんと見分けていくことが必要です。そういうふうに
介護記録,看護記録,あるいはカンファレンスをきちんとやらなかったら,また,職員をきちんと教育して訓練しなかったら,再発防止といっても,虐待によって出てくるあざとの見分けがつかないと思います。
3番目に,介護職員の資質の向上のために具体的かつ体系的な
職員研修計画を策定し,実施し,あわせて,経験豊富な
指導的職員を配置するとあります。経験豊富な
指導的職員で遊んでいる人などいないのですよ。どこかの施設からそれなりの報酬を出して引き抜いてくるようなことをしなかったら,経験豊富な
指導的職員など配置できません。今まででさえ,やりたいと思っても,できなくて逃げてしまっているのですから,これは大変なことです。
仮に計画自体は30日以内に立てたとしても,これを実行していくということは非常に難しい。そうすると,できない
改善命令には従えないといって,計画も出さずに投げ出す
可能性もなきにしもあらずかなと思います。この
改善命令に対して,30日以内にきちんと報告させて具体的に実施させていくためには,実際には施設を新しくつくりかえるようなことをやらなければならないということなのです。そういう決意が市にあった上で
改善命令あるいは
行政指導を行ったのかどうか,この点をお尋ねします。
◎横山
保健福祉局理事 小川委員から,実態を踏まえていろいろなお話がありましたが,これは,先ほどの宮村委員,西村委員,高橋委員と同じことを言われていると思って我々は伺いました。
改善命令を出すことは非常に重いものです。言葉は悪いかもしれませんが,施設にとっては,社会的な影響などを含めて,非常に大きいダメージを伴ってこの命令を受けとめていただかなければならないものと考えています。また,私どもが
改善命令を出すということは,認可,設置を含めて,設立以降に札幌市が行ってきた指導自体も問われることだと考えています。したがって,今後,出された後の具体的な担保についても確実なものにし,かつ,それが確実かどうかの判断を行う札幌市の責任は非常に大きい,そういう覚悟で今回こういう処分に踏み切りました。
今,段々のご心配やご指摘は,我々はしっかり受けとめなければいけないと思っています。かつ,それが現実になされるかどうかは,具体的な事実を積み上げ,淡々としてきちんとした判断をし,できていなければできていないという処分をまた考えなければならないだろうと,基本的な考え方,それから覚悟として私どもはそのように思っています。
◆小川勝美 委員 私は,横山理事が並々ならぬ決意を持って
改善命令を出したと受けとめますが,今の横山理事の発言をこの法人の
理事長や
施設長が本当に真摯に受けとめてくれるかどうか,午前中の対応などを見ても非常に心配です。これがきちんと受けとめられなければ,どこにしわ寄せが行くかというと,入居している
高齢者の処遇のところに行くし,そこで働いている職員にしわ寄せが行きます。そういう意味で,私はきちんとした
老人福祉法に基づいた特養ホームとして,
高齢者の人権や尊厳をしっかり守って介護に当たっていくためには,理事を全員入れかえて,
施設長もかえ,本当に社会福祉に経験豊かな理事をもって理事会の構成をし,施設を運営していかなければだめだと思います。
それから,特養ホームの介護専門に当たっている職員は,10月1日現在53人います。そのうち,正職員はたった12人です。看護職員が7人いますが,全員がパートの時間給職員です。正規の看護師だったら,こんなに7人も置かなくてもいいです。パートの小刻みの看護師をただつないでいるからこんな状態になります。さらに,どんなあざができても,1日で何人も看護師がかわるものですから,介護職員の暴行によるあざかどうかを判断して,看護職員がきちんと問題視してそういうことを起こさせないようにする体制になっていないのです。介護の職員が何かの失敗をしてあざをつくった場合でも,どういう経過であざができたか,看護にかかわる職員がチェックして,その場で点検し,みんなのものにして,こういうあざができないような処遇の
改善計画を立てて再発防止に向けた対処をするのが普通の特養の運営です。ここでは,そんな体制がとれるような仕組みになっていない。しかも,70代の看護師1人,60代の看護師3人,一番若くて50代の看護師3人という体制ですから,これだけの看護師ではきちんとした勤務体制をとれません。
また,介護に当たる職員を見たらひどいです。日給の臨時職員が15人,派遣職員が17人です。そして,派遣職員の比率を見ると,10月1日現在,1カ月の職員が1人,2カ月働いている職員の比率が一番多くて4人,3カ月1人,4カ月2人,5カ月2人,7カ月2人,8カ月1人,10カ月3人,一番長くて12カ月という人が2人,こういう実態です。この労働条件の改善をやらなかったら絶対にいい介護などできません。特養ホームというのは,人が人を介護します。しかし,ここでは人材が育っていないので,育つような仕掛けになっていなくて,安ければいいというだけで,いかにして人件費を抑えていくか,そして,どう利益を上げてため込むかという仕組みになっている。どうしてこんなことになるのか,私はよくわかりません。
そこで,板橋室長にお聞きしたいのですが,私が10月1日に今と同じような質問をした後,札幌市内の40の特養ホームの正職員,臨時職員,パート職員,派遣職員の調査をやられたと思います。この
ルミエールは,そういう面ではほかの特養ホームよりも派遣職員などの異動が非常に多い,経験の少ない人が多いと私は見ていますが,私は40施設の調査をしていませんので,先日行われた経過,実施調査の中で,板橋室長は
ルミエールに対して異常だなとお考えになっているかどうか,お尋ねします。
もう一つ,同じように安上がりな人件費で介護をしようとすると,介護職員がばらばらにされ,お年寄りの介護に対する誇りなどもほとんど持てず,将来の明るい展望が見えない状況に置かれる中で,お年寄りの介護に当たっているのではないかと思います。その背景には,ほかの40の施設と比較して,介護に当たる職員の人件費比率が非常に低い方だと私は思うのですが,今までの市の指導・監査でどういうふうに把握されていますか。
今回の
行政指導の中に,採用,退職の管理を含む
職員処遇全般について
見直しを行い,職員の定着性の改善を図り,より適切な
職員体制とすることということがあります。これは,私が今問題にしたようなことの改善を図り,お年寄りによい介護をしてほしいというねらいを込めて文書による
行政指導をしたのだと思うのですが,その点も含めてお尋ねします。
◎板橋
監査指導室長 ルミエールの職員処遇等に関することで,まず,派遣職員の数が多いことについてお答えします。
ルミエールの直接
処遇職員は現在49名おり,そのうち17名,全体の35%が派遣職員であると把握しています。派遣職員は,どうしても短い期間で交代することがありまして,
利用者に対して必ずしも十分な処遇をできないのではないかと私どもは危惧しています。また,
サービスを受ける
利用者にしても,職員がどんどん変わると非常に不安が募ってくるだろうと思います。したがって,私どもは,今後,正規の職員をもうちょっとふやすように指導していきたいと考えています。
それから,給与水準の関係は,他の同規模施設と比較してやはり低い方です。例えば,初任給を見ますと,
ルミエールの場合は大体11万円程度ですが,多く出しているところは15万円前後です。このようなことから,人件費の割合は当然低く,
ルミエールの場合は大体37%ぐらいですが,多いところでは67%ぐらいの割合になります。私どもとしては,給与水準もできるだけ標準に引き上げていくように指導していきたいと考えています。
◎中田
保健福祉部長 職員処遇全般についてですが,基本的に,
特別養護老人ホームにおける
入所者の処遇,質の問題というのは,介護する職員の資質とかその技量が直接の重要な要素となります。したがって,意識の向上を図るといった面も含めた研修がしっかり効果的に実施されることが必要ですし,まさに,定着した
職員体制が必要です。また,そのためには,労働環境の改善ということも必要ですので,それらが確実に実施されるように
指導内容を実現させるべく強く指導していきたいと思います。
◆小川勝美 委員 ぜひそういうふうにしていただかないと,一番問題なのは,措置から契約となり,十分な介護をやってくれるものと,契約に基づいて
ルミエールに入所しているお年寄りは,十分な介護を受けないどころか,虐待と疑われるようなことをされ,これで介護度によっては三十何万円という介護報酬を払われるのです。
しかも,先ほどのご報告だと,個別のきちんとした
ケアプランも立てていないというのでしょう。個別の
ケアプランをきちんと立て,十分な介護を受ける中で,介護度5の人だったら35万円とか,介護度4だったら三十何万円と介護報酬が決まっているのです。やるべきことをやらないで,介護報酬だけちゃんともらい,払うべき人件費は安く抑えてといるのなら,これは介護報酬の不正請求に近いような話です。出すべき金も出さず低賃金で使いながら,さらに
サービス残業もさせて,その上最賃制まで守られないのだとしたら,本当にひどい話です。パートの看護師も,本当にきちんと勤務しているのか,名義借りということがないのか,これも本当に調べなかったらだめです。僕らはこうしたことまでわかりませんが,全体を見るとそういう
可能性だってあるのではないかなと思いますので,その辺のこともきちんとチェックしてほしいと思います。
同時に,こういう経営は,
介護保険制度になってから非常にふえてきたのが特徴です。なぜか。以前は入所しているお年寄り何人に対し職員何人と決めていましたが,
介護保険になったら正職員を置かなくても常勤換算でいいことになりました。つまり,看護師1人を8時間置かなければならないのは,4時間パートを2人置けば常勤換算1人という計算でやっています。派遣であろうと,臨時であろうと,パートであろうと,常勤換算にできる仕組みがこういう経営を生み出す温床になっています。ここを直さければだめです。
そういう面では,これは札幌市だけで変えられることではありません。道や厚生労働省も含めて,今,
介護保険制度の
見直しをやっていますから,ここを改善させることもあわせてきちんとやってほしいと思います。そうしなければ,介護に当たる職員の労働条件,待遇を低下させる
ルミエールみたいなやり方をどんどんつくっていくことになります。ぜひ,第一線で介護に当たる職員がきちんとした待遇,労働条件のもとで働けるような改善を国に申し入れるべきだと思いますが,この点についてお答えをいただきます。
もう一点,
介護保険制度が始まる以前は,社会
福祉法人の役員である理事は無報酬が原則でした。
介護保険制度になってから,社会
福祉法人の理事には,非常勤理事であっても一定の役員報酬を支払ってもいいことになりました。
ルミエールの場合,病院の院長をやりながら
理事長をやっている方とか,80歳を超えている非常勤の理事とか,こうした人たちにはどの程度の理事報酬が払われているのか,また,払われていないのか,その点についてお聞きします。
また,先ほど,職員の人件費は非常に低いと板橋室長からご答弁がありました。それでは,ここの
理事長の奥さんである
施設長は,ほかの法人の
施設長の給与と比較してどの程度の給与をもらっているのか,指導・監査のときに皆さんは必ず見ておられると思いますが,これも市内40の特養ホームの中で最低の水準かどうなのか,この点についてもお尋ねします。
◎板橋
監査指導室長 ルミエールの理事への報酬は支給されていないと聞いています。
それから,
施設長への給与は,他の施設と比較してそれほど高くないと聞いています。
◆小川勝美 委員 他の施設と比較して高くないということですから,世間並みに出しているのであれば,先ほど人件費比率37%というのは職員分の給与がさらに低く抑えられていることになります。
施設長の給与も入れて37%になるわけですから,ほかの職員の給与がより低くなければ,
施設長が世間並みの給与をもらえません。この辺が一番問題であると指摘し,市の出された
改善命令,
行政指導が確実に実行されることを求めて,きょうのところは質問を終わります。
◆佐藤典子 委員 今回いただいた
報告書の最後に聞き取りの内容が書かれていて,夜中に変な男の人が入ってきて殴られたと何度も言っておびえた様子だったとか,つねられたと言ったりしているといった本人の発言もここに載っています。そういうことからすると,先ほど,虐待と断定はできないが,虐待によって生じる
可能性のある結果が認められたとしていますが,本当に虐待であると言ってもおかしくない状況であったことがうかがえると思います。
私が気になっているのは,痛かったとか,こういうふうにされたと言える方はいいのですが,言えない方がたくさんいらっしゃったのではないかと想像します。そこで,被害者として名前が挙がっている方の痴呆の度合いがどの程度であったのか,非常に重要なことだと思いますので,もし把握しておられたらお聞かせください。
◎中田
保健福祉部長 入所者の痴呆の度合いに関してですが,今回の調査による職員の証言などにおいて,被害行為を受けたと名前の挙がった
入所者の約9割は痴呆が中程度以上の
入所者でした。
痴呆の程度というのは,1,2A,2BからMまで7ランクに分かれていて,Mが一番重いとされています。
入所者全体82名で,今年12月現在の状況ですが,一番重いMの方が4名,2番目に重い4の方が45名,中程度の方が26名です。
それから,聞き取り調査において被害を受けたとして名前の挙がった
入所者は8名いらっしゃいますが,一番多いMの方は2名で,次のレベルの重さの方が4名,中程度の方が1名です。もう1名の方は退所しておりまして,確認はできておりません。また,
入所者家族からの聞き取り調査による14名については,一番重いMが2名,次に重い方が9名,中程度の方が3名といった状況です。
◆佐藤典子 委員 調査した中では9割の方が中程度以上ということで,
高齢者の虐待といっても対象はそのような方に偏っていて,これは,本当にあってはならない,人権に対する暴力の最たるものと私はとらえています。
この間,10月1日の
厚生委員会において,施設の正常化に向けて,さまざまな聞き取りと指導を行うという報告がありました。そのときに,虐待防止策や指導体制に関する指導ということも出ておりましたが,10月1日から2カ月以上ありましたので,聞き取りや調査だけではなくて,具体的にどのような指導をされてこられたのでしょうか。
それから,今,訴訟になっていますが,内部告発をされた方の人権が守られるようにしっかり保護してほしいということも申し上げましたが,そのことについてはどのように対応されてこられたのか,まず,そこをお聞かせください。
◎中田
保健福祉部長 前回ご報告した後の
施設側の対応などについてです。
私どもは,それ以後,聞き取り調査などを進めていましたが,その間,あわせて,
施設側に対して,一つは,
情報提供者に対する差別的な取り扱い,圧力的な取り扱いについて最大限の注意を払うようにということ,もう一つは,虐待の重大性を改めて認識して,その疑いを持たれない具体的な対応,その防止に向けた具体的な対応について,市と協議し,調整し,進めていってほしいと申し入れています。
これを受けた
施設側の対応ですが,その後も
情報提供者に対して圧力的な取り扱いがなされているなどの情報が私どもに寄せられ,重ねて指導した経過があります。それから,虐待の重大性の認識についても不十分であり,その防止に向けた
取り組みも,具体的に,あるいは明確に実施されるまでには至っていないと聞いています。
◆佐藤典子 委員 今,
情報提供者に対する圧力が引き続きあって,重ねて指導しておられるということですが,その方は今もきちんと仕事をできている状況だと判断してよろしいのですか。
◎中田
保健福祉部長 現在も勤務なさっているということであります。
なお,配属などについて圧力的な内容だという指摘もありましたが,私どもは,その部分については実際に行われていないと確認しています。
◆佐藤典子 委員 引き続き,その方への圧力がさらに強くならないような指導を重ねてお願いします。
続いて,今回の
行政指導の最後に,苦情処理の体制をとっていくとありました。苦情処理の体制が十分機能していれば,こんなにひどくならなかったのではないかという思いがあります。
ルミエールでは,これまでどのような苦情処理の体制をとってこられたか,また,その活動はどのように行われてきたか,具体的に把握していることを教えてください。
◎中田
保健福祉部長 一般的に,
特別養護老人ホームおける苦情処理に関しましては,厚生労働省による基準において,一つは,苦情受付窓口を設置するなどの必要な措置を講ずること,また,苦情の内容を記録することが明確に定められています。
ルミエールでは,この点について,苦情を受け付けるための投書箱が用意されており,苦情処理担当の職員3名も決められています。さらに,第三者委員として学識者など3名の委員がついていますし,苦情処理のための
検討会議も
施設長を含めて開催することが定まっていて,
当該施設の
苦情処理体制としては整備をされていると考えています。
ただ,苦情に関する記録を確認した限りでは,苦情は一切受け付けられていない状況であります。一方で,日誌などに若干の苦情の記載が確認できますので,実態としてはせっかくの体制が機能しているとは言えないと認識しています。
◆佐藤典子 委員 私も老いた母をグループホームでお世話してもらっている側ですが,苦情というのはなかなか言いづらい現実があります。せっかく入れていただいたのに,こんなことを言っていいのだろうかとか,ここがだめだったら次はどこへ行ったらいいのだろうと,お願いしている家族も,非常に不安なのに,どこに何を言ったらいいかわからないのです。今回の行政処分の中にはそのことが書かれてありますので,ぜひ,そういう不安な思いをいつでも伝えることができる仕組みづくりを重ねて強くお願いします。
最後に,先ほど,
職員体制や役員体制に問題があるのではないかと言われていましたが,私もそう思います。
行政指導,
改善命令を出すような非常に重い出来事であると思いますし,私たち市民も,これは大問題だと思っています。ところが,
施設側はそう思わないのは,役員体制や指導体制のあり方に大きな問題があるのだと思います。これから,ここをどのように指導していくか,全国で見ているのではないかと思います。
そこで,監査について,
保健師を同行するように改善されたと言われていましたが,10月1日に質問したときに,横山理事から時間をいただいて検討していくという答弁をいただいておりましたので,どのような検討が行われ,
保健師を同行する以外にどういう監査体制で行っていくのか。これは,今,札幌には特養が40あって,その全部にかかわる非常に重要なことだと思っていますので,お聞かせください。
また,そのとき,
第三者評価を実施させるべきだと提案させていただきました。各委員も言われ,今回の
行政指導の中にも入っています。
しかし,具体的にどのように進めていかれるのか。1カ月は札幌市が丁寧に指導するとしても,その後のことが大変心配ですし,懸念されます。その仕組みをどのようにつくっていくのか,お聞きします。
◎板橋
監査指導室長 まず,
ルミエールの役員体制の
見直しに関する指導ですが,今回,このような問題が起こったことの背景の一つとして,理事会の機能が十分に発揮されていなかったことがあると考えており,今後,役員体制についても指導していかなければならないと考えています。
また,それは,役員個々人の問題としてではなく,法人の
意思決定機関としての理事会の機能をどのようにしたらうまく発揮させることができるかについて検討しており,そのためには,例えば役員に福祉関係者を加えるとか,あるいは役員定数をふやすことなどを現在検討しています。
次に,監査体制についてです。
今回の事件を契機として,監査の中身と仕方について再検討しました。これまでは,どうしても経理等の書類監査が中心となっていましたが,今後は,これに加えて,
利用者の処遇にも重点を置いて監査を行っていくこととしました。今年度から新たに取り入れたものとして,まず,特養については全施設に
保健師を同行することとしました。各区の
保健師に依頼して,毎回一,二名を同行し,
利用者の処遇について詳細に調査を行っています。次に,
保健師の同行にも関連しますが,聞き取り調査の範囲の拡大です。従前は,
施設長あるいは介護部長等の幹部職員が聞き取り対象でしたが,今後は,より現場に近い介護主任,看護主任,相談員などからも積極的に聞き取りを行っていきます。
以上が今年度からの大きな変更点ですが,これ以外にも,各種処遇記録の確認や
苦情処理体制の確認,あるいは,
第三者評価制度の積極的な導入についても指導を行っています。
◎中田
保健福祉部長 苦情処理体制を含めて,
第三者評価の受け入れの部分についても,今回の
指導項目に含まれているので,強く指導していきたいと考えています。
◆佐藤典子 委員
第三者評価の進め方に関して,具体的なものは今はないのでしょうか。
◎中田
保健福祉部長 現状では
第三者評価機関は未成熟な部分がありますが,全国組織の機関もあるので,それらの活用なども含めて指導していきたいと思います。
◆佐藤典子 委員 本当に,あってはならないことが起きたと思います。また,先ほどから処分が甘いという声が出ていましたが,本当にそうだと思います。
しかし,入居されている方が82人おりますので,まず,その方々が安心してそこで暮らすことができるような改善を一刻も早く全力で行うようにお願いして,質問を終わります。
◆伊与部敏雄 議員 委員外なので,簡単に質問しますが,一つは,先ほど西村委員からご指摘があった
ルミエールの資金残です。
去年1年間で3,547万4,000円,平成14年度は5,820万4,000円,結果的に平成15年度の決算で3億5,786万4,000円残っています。同時に,これは資金ベースで残っているのですが,施設会計から法人会計へ繰り入れ支出しています。これは,本来あるべき姿でない。そして,これが裏金でもって
ルミエールに出されています。
ちなみに,今,お話しした3億5,786万4,000円の資金残は,40施設のうちで上から数えて3番目です。1番は有名な大友恵愛園で,ここは15億円残しています。
本来あるべき姿でない施設会計から法人会計への繰り入れ支出を,
ルミエールは,去年1年間で2,850万6,000円やっています。施設会計で余した金を法人にやる。本来なら,功績なり名を遂げた人が,困った人や弱い人のために法人から施設会計へという形です。この前は9億7,000万円も寄附した人がいましたが,ああいう人が法人の
理事長になるべきなので,福祉を食い物にしているような連中がやっているからこういうことになるのです。
そこで,
社会福祉法人公和会の資産はどのぐらいあるか,一つ伺います。
二つ目は,この関係者は福祉
サービスの基本理念を知らないのではないかと思います。社会
福祉法人法の第3条は,個人の尊厳の補助を旨として,福祉
サービスの
利用者が心身ともに健やかに育成され,そして,良質かつ適切なものでなければならないと書いてあります。第5条には,
利用者の意向を十分に尊重し,有機的な連携による保健医療
サービスを創意工夫を凝らしながら総合的に提供するべきなのだと書いてあります。さらに,6条には,地方公共団体の責務として,福祉
サービスを提供する体制の確保に関する施策,福祉
サービスの適切な利用の推進に関する施策,その他の必要な措置を講じなければならない,このように社会
福祉法人法に明確にのっています。この関係者はこれを全然知らないのではないか。読んでいないのか。知っていてやっていたのであれば,これは犯罪です。
そこで,私は宮田局長に聞きたいのですが,札幌市の
ルミエール以外の
福祉法人でも,例えば恵友会は,福寿園,たんぽぽの丘,新川エバーライフという三つの
特別養護老人ホームを札幌市内に持っています。ここは,前の
理事長が逮捕され,今,問題になっています。それから,新琴似の清香園も,前の
理事長が訴えて裁判闘争をやっています。今度は
ルミエールでしょう。札幌の福祉関係の中には,前の
理事長が逮捕されたり,訴えたり,裁判問題になっているところがたくさんあるのです。これは,
ルミエールだけではありません。福祉の根幹の問題です。
特別養護老人ホームを管理運営する札幌市全体の資質の問題が問われています。部長の段階ではなく,札幌市全体の問題として,
特別養護老人ホームの管理運営をしっかり指導できずになめられてしまったら,とてもではないが,
ルミエールのような福祉を食い物にするような施設がはびこって大変なことになります。
基本的に,札幌市は,こういう種類のものに対してこれからどういう方針で指導するのか,それを強烈に明らかにしてください。
◎宮田 保健福祉局長 伊与部議員は,20年近く大友恵愛園等々のこの種の問題を同じ視点と切り口でずっと見てこられ,そのご発言は傾聴に値するものとして,私たちは,敬意を表しながらそれを行政に取り入れるべくやってまいりました。
今,恵友会,
ルミエールを含め,老人福祉施設において裁判ざたになる事例が余りにも多いのではないかというご指摘ですが,私としては非常に情けない思いでいっぱいです。本来,この種の法律に基づくものは,民間で勝手にやるものとは違い,今,伊与部議員に社会
福祉法人法の幾つかの条文を読んでいただきましたが,その趣旨にのっとり,すべて善意から発した精神,理念でやっていただくことを前提としています。
しかしながら,今ある事例は,その中の網目をくぐって私利私欲を肥やし。市民が不信を抱かざるを得ないような行為です。あるいは,今回のように,ふくそうしていますが,根本は人間の尊厳にかかわる虐待であり,市民あるいは国民の非常な不安を醸し出しています。こうしたことは,いずれ自分自身,あるいは家族の方がこの種の施設にお世話にならなければならず,我々の年代になりますと非常に気になる問題であり,これを健全に機能させることが地方公共団体のやらなければならないこととして,我々としても精いっぱいやっていきたいと思います。
その中で,大切なのは,行政は行政の中での連携であり,例えば,札幌市の場合は北海道庁あるいは
石狩支庁と連携していくことです。悪意でやる人の行為について,我々が目を光らせてもなかなかわかりません。そういうことで,
第三者評価委員会の力もかりながら,また,今回の
ルミエールの件では内部の人たちからの告発,
情報提供がありましたが,悪いことをする人に対して私たちは無防備であり非常に弱い面があります。そういう意味で,札幌市としても,今の時代の流れをうまく利用させていただきながら,我々に足りない市民からのいろいろな情報を真摯に受けとめ,絶対的な力として今より少しでも改善していきたいという気持ちでおります。
また,これは日本全体の問題ですが,こういう日本人がいるというのは,私は,高齢社会を迎えるに当たって個人的に非常に危惧しています。そこで,同時に,札幌市でこういうことを行っては大変なのだぞ,周りの厳しい目があるぞという札幌市民の民意を高めていくことも必要でしょうし,お年寄りや障がいを持った友達をいたわり大切にしていく教育を深める中で総合的に進めていくことも必要だと感じています。
いずれにしても,我々原局としては,よく連携し,調査等々についての精度も上げながら,
第三者評価委員会,内部告発等々の情報を的確に判断し,早い行動ができるように努めて,
高齢者福祉を含めた福祉に対する市民の信頼をさらに高めていきたいと考えています。
◎板橋
監査指導室長 資産総額については,現在,手元に資料がないので,わからない状況です。
◆伊与部敏雄 議員 わからないという話だが,これが一番肝心なことで,こうしたことは本来あるべき姿ではないです。給料が低かったり,トイレなども,金がたくさんあるのだから,改善しようと思ったらすぐできます。それなのに,していないのでしょう。そういうことをしないで福祉
サービスを抑えておきながら,剰余金を残して法人にやっている。ここをきちんと押さえておかないと,何のための監査指導室かわからなくなってしまいます。
最近,屯田に清明庵というのができて40になりましたが,私の調査では,39施設のときに28施設が法人に金をやっていました。法人にやっていないのは11施設です。11施設はそれなりの福祉
サービスを提供して,今,局長が答弁したような気持ちで対応している施設ではないのかなと,百歩譲って,私は判断基準をそこに置いています。
板橋室長も,39施設のうち28施設で剰余金を残して法人会計にやっていることをしっかり受けとめなければいけない。これは表面だけです。彼らは,福祉を食い物にして,札幌市から行った介護資金を余している。さらに,裏金にしているものがたくさんあります。何かといったら,さまざまな出入り業者です。寝具,ベッド,食べ物から,冬になったら灯油までいろいろなものがあるでしょう。そういうところから寄附をさせても,それはみんな表面に出てこない金です。福祉を食い物にして金もうけをしています。
そういうことも含めて,今の局長の答弁はきのうのNHKの海老沢会長みたいな精神訓話のようなことを言っていましたが,もっと物理的にしっかり指導していただくことを要望して,終わります。
○
大嶋薫 委員長 大変異例でありますが,私の方からお願いをさせていただきます。
2回にわたって委員会の審査を行ってまいりました。それぞれの委員から,法人に対するかなり厳しい指摘があったと思います。このことについては,ぜひ法人の側に伝えていただきたい。とりわけ,法人に対する大きな不信感がそれぞれの委員から示されました。また,厳しい反省も求めなければならないと思います。
今後の
改善命令の実施については,特別監査を継続する,あるいは,
立入調査,聞き取り調査を再度行う等の具体的な手段によってきちんと担保することを私の方からもお願い申し上げ,質疑を終わります。
以上で,委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時18分...