札幌市議会 > 2004-10-19 >
平成16年第二部決算特別委員会−10月19日-07号
平成16年第一部決算特別委員会−10月19日-07号

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  1. 札幌市議会 2004-10-19
    平成16年第二部決算特別委員会−10月19日-07号


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    平成16年第二部決算特別委員会−10月19日-07号平成16年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)                 平成16年10月19日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  大 嶋   薫       副委員長   近 藤 和 雄     委   員  大 越 誠 幸       委   員  宮 本 吉 人     委   員  笹 出 昭 夫       委   員  宮 村 素 子     委   員  横 山 光 之       委   員  勝 木 勇 人     委   員  村 松 正 海       委   員  細 川 正 人     委   員  伊与部 敏 雄       委   員  川口谷   正     委   員  西 村 茂 樹       委   員  大 西 利 夫     委   員  村 上 勝 志       委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌       委   員  義 卜 雄 一     委   員  柿 崎   勲       委   員  本 郷 俊 史     委   員  高 橋   功       委   員  三 浦 英 三     委   員  谷 沢 俊 一       委   員  小 川 勝 美     委   員  坂 本 恭 子       委   員  伊 藤 理智子     委   員  小 形 香 織       委   員  柴 田 薫 心
        委   員  高 橋 克 朋       委   員  田 中 昭 男     委   員  佐 藤 典 子       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  堀 川 素 人       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○大嶋薫 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、川口谷委員からは遅参する旨、また、小田委員からは義卜委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  議案第4号 平成15年度札幌市交通事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成15年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について一括して質疑を行います。 ◆佐藤典子 委員  私は、昨年の3定でもバリアフリー街づくりの観点から、地下鉄における視覚障がい者への対応を中心に質問させていただきました。今回も引き続き地下鉄駅施設のバリアフリー化の推進について、簡潔に伺います。  札幌新まちづくり計画基本目標の2に、健やかに暮らせる共生の街さっぽろが掲げられております。その重点戦略課題、地域での高齢者・障がい者の自立支援の促進の施策として、まちのバリアフリー化など安心・安全のための公共施設の整備があり、地下鉄駅施設のバリアフリー化の推進が重点事業として計画されております。  この事業は、2000年11月に施行された、いわゆる交通バリアフリー法に定める移動円滑化基準に基づく地下鉄施設バリアフリー化を実現するため、2006年度までに20駅を対象として8億4,600万円の事業費をもって、視覚障がい者誘導用ブロックオストメイト対応トイレを初めとした駅施設の整備を行うこととしています。  他方、交通バリアフリー法に基づき策定された札幌市交通バリアフリー基本構想において、重点整備地区に指定されている都心、麻生、副都心については、2010年までにバリアフリー化が義務づけられており、その他の駅につきましても、努力義務ではありますが、バリアフリー化が求められております。  そこで、まず1点目の質問ですが、交通バリアフリー法に定める移動円滑化基準への適合については、1日の利用人員が5,000人以上の旅客施設が対象とされており、札幌市の地下鉄においてはすべての駅が該当すると聞いております。  新まちづくり計画重点事項として、まず、2004年度から3年間でどの駅を対象とし、具体的にどのような内容のバリアフリー化を行っていこうとしておられるのか。また、残る駅についても、障がいのある方や高齢者が移動しやすい、安全で快適な街づくりを進めるためにも、できるだけ早くバリアフリー化を実現するべきと考えますが、交通局としてはどのように対処していこうとされていらっしゃるのか、伺います。  2点目の質問ですが、市役所改革市民会議からの提言を受けて、本年4月より市役所全体で取り組んでいるサービスアップ行動計画に対する交通局取り組みについて伺います。  市民に愛される地下鉄になるためには、笑顔でのあいさつや素早い対応など欠かすことはできません。交通局では、既に、これまでも十分取り組んでこられたとは思いますが、市民にわかる形の改革として、サービスアップ取り組みについて職員の意識改革も含めて、どんなことをどのように工夫にして進めてこられたのか。特に、障がい者への配慮などについてお聞かせください。  まず、この2点質問させていただきます。 ◎千葉 高速電車部長  まず、バリアフリー化の具体的な取り組み内容についてお答えいたします。  整備の対象駅についてでございますが、平成16年度には、すすきの駅、南北線の大通、東西線の大通、東豊線の大通、それから西11丁目、琴似、二十四軒の7駅を予定しております。17年度以降につきましても、6駅から7駅程度を計画的に整備してまいりたいというふうに考えてございます。  具体的には、札幌市交通バリアフリー基本構想において、平成22年度までの整備が義務づけられております都心、麻生、副都心の重点整備地区、これについてはもちろんでございますけれども、交通バリアフリー法上では努力義務となっている他の駅につきましても、同じく平成22年度の整備を目標に進めてまいりたいと考えております。  次に、整備の内容でございますが、次の6項目を考えてございます。  まず、一つ目でございますが、車いす対応身障者トイレオストメイト対応をする。二つ目として、視覚障がい者誘導用ブロックの敷設、三つ目、エレベーター音声案内、四つ目として、駅構内及びトイレの触知図、それから五つ目として、出入り口・改札口・トイレ音響案内設備、六つ目として、点字料金表の整備について、計画的に整備を進めていく予定でございます。  なお、エレベーター本体の設置につきましては、保健福祉局の事業の中で整備が進められていくものとなってございます。 ◎下村 事業管理部長  2点目のサービスアップ行動計画取り組みについてお答えいたします。  交通局では、昨年度、まことに遺憾ながら相次ぐ不祥事の発生により、市営交通とその職員に対する市民の信頼が大きく損なわれたところでございます。  そこで、お客様信頼回復をするために、安心・安全・確実な市民の足という観点から、さまざまな再発防止策とともに、交通事業の原点である利用者サービスの視点に立ち返るためにも、職員の意識改革、これを粘り強く押し進めていくことが必要であると考えたところでございます。  そうしたことから、職場でのグループ討議やアンケートの実施など、全職員参加型により利用者に対しまして何を約束できるのか、その約束を公表し、そしてお客様からのご指摘、あるいはご批判などをいただきながら意識改革を進めていく必要があるとの考えから、「安全で安心な運行をお約束します。」「便利で快適な時間をお約束します。」また、「親切で思いやりあふれるサービスをお約束します。」という三つの柱のもとに10項目から成るお客様への約束を、札幌市交通局行動宣言として取りまとめ、本年4月に公表したところでございます。  この行動宣言の公表に当たっては、職員に自覚を持たせるとともに、より多くのお客様の声をいただき業務に反映させるため、地下鉄車内、駅構内、定期券発売所など、お客様の目に見える場所に広く掲出したところでございます。  具体的な対応といたしましては、いずれもサービス業としての基本的な事柄の見直しや対応の徹底を図るものでございますけれども、安全で安心な運行面では、地下鉄の運転席に指導員が添乗して運転技術の向上を図ることや、小さな異常を見逃さず、その原因究明点検整備の実施を行う。  また、便利で快適な実感という面では、職員みずから駅や車内を清潔に保つため、当然のことではございますけれども、ごみを見つけたときには拾うと。それから正確で聞き取りやすい車内アナウンスに向けての取り組みを行う。  次に、サービス面では、改札口での朝のあいさつの励行、スピーディーな案内、職員の名札を大型化し職名を表示するなど、お客様へのサービス向上に取り組んでまいりました。  また、特に障がい者への配慮ということでございますが、体の不自由なお客様への対応といたしましては、乗降駅間で連携を図りながら介助を行っておりますとともに、エレベーター未設置駅では、職員が地上の出入り口から介助を行うなど、スムーズな乗降の確保に努めているところでございます。さらに、今後の取り組みについてでございますが、お客様からは行動宣言取り組みがまだまだ不十分であると、こういったご指摘もいただいております。さらなる徹底を図るとともに、職員が一丸となってサービスの向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  2010年までに全駅の整備を行うということを今伺いました。そして、今年度は7駅の整備を行うということを今伺いましたが、その中に西18丁目の駅は含まれておりませんでした。この西18丁目は2005年5月に、大通西19丁目の旧札幌市の女性センター跡仮称札幌視聴覚障害者情報文化センターオープンするということになっております。  ここは、点字図書、また録音図書をそろえた点字図書館、そして点字出版物字幕入りのビデオカセットの作成、貸し出しなどの情報提供を行う、そういう施設として整備が進められています。オープン後には、ここの障害者施設にたくさんの方が見えるというふうに考えられます。また、この施設の近くには夜間救急センターもあるなどということから、最寄りの駅の地下鉄西18丁目駅、この駅のバリアフリー化が急務と考えますが、この駅の整備についてはどのように進められるのか、再質問の一つ目として伺います。  再質問の二つ目ですが、視覚障がい者の点字ブロック統一性についてです。  私も、障がいを持っておられる方とともに疑似体験をしながら歩いたということがあります。そうして歩いてまいりましたが、点字ブロック統一性がないなというのは、もう皆さんも十分お気づきだと思いますが、なかなか安心して歩けるものにはなっていないという状況です。人がさまざまな情報を得るとき、視覚、聴覚、触覚、そして味覚とか嗅覚など、情報源にこの五感を駆使しながら日常生活を送っているわけですが、その情報源の約80%がこの視覚によっていると言われています。そうしたときに、視覚障がいの方々の情報が極端に減る中で、安全に移動するということを考えたとき、点字ブロックは視覚障がい者の道であるというふうに言われておりますが、命綱とも言えるこの点字ブロック整備拡充は急務であると考えております。  今、丸い点字ブロックだけで整備されている駅があったり、それから点字ブロック線状ブロックになっている、そういう誘導ブロックで整備されている駅があったり、また、ブロックの大きさも駅によってまちまちである。また、ホームで待つときの点字ブロックの位置もさまざまであるということを実感もしましたし、目で見てきまして非常にわかりづらい。そして、なかなか命綱とは言えないなというのが実感です。  そこで質問ですが、多くの駅に設置されているこの点字ブロックについて、なぜこれほどさまざまなブロックの敷設になってしまっているのか、現状についてお聞かせください。そして、今後、これをどのようにして統一性を図っていくおつもりか、また、今後、どの駅のどのパターンが標準の施設になるのか。現在の地下鉄駅で、もし、そういうものがあればお示しください。 ◎千葉 高速電車部長  まず、西18丁目駅のバリアフリー化についてでございますが、新たに開設する視聴覚障がい者のための情報文化センターの最寄り駅となる西18丁目のバリアフリー化につきましては、委員ご指摘のとおり必要性について十分認識しております。現在、情報文化センターオープンに間に合うよう準備を進めているところでございます。  次に、視覚障がい者誘導用ブロックについてでございますけれども、経緯をお話しいたしますと、昭和51年に東西線琴似−白石間が開業したときに障がい者団体からの強い要望がありまして、点状タイルにて敷設を行い、昭和53年には既設駅も含め全駅に敷設を行いました。その後、昭和63年の東豊線、栄町−豊水すすきのの開業時には、公共交通ターミナルにおける障がい者用施設整備ガイドラインがありましたので、これを踏まえまして敷設方法の見直しを行い、点状ブロック線状ブロックでの整備を行った経緯がございます。  現在、全駅に視覚障がい者用誘導ブロックが敷設されておりますが、そういう経緯から、この敷設方法については統一されていない状況になってございます。その後、平成12年5月に、通称、交通バリアフリー法が制定され、同年の11月に同法に基づく、移動円滑化のための必要な旅客施設及び車両等の構造及び設備に関する基準、通称、円滑化基準と言われておりますが、これが示され、翌平成13年には視覚障がい者用誘導ブロック、このJIS規格が制定されました。  今後、誘導ブロックの整備については、JIS規格点状ブロック線状ブロックにより、移動円滑化基準に基づき整備することとしておりまして、具体的な内容といたしましては、国土交通省が監修した移動円滑化整備ガイドラインを目安として整備をしてまいりますので、全駅統一できるものと、こういうふうに考えてございます。  これは、いつまでかというのは、先ほどのご質問にありましたように、平成22年を一つのめどとして考えてございます。 ◆佐藤典子 委員  最後の、今パターン化される、標準化されるようなものはないということでよろしいのですね。 ◎千葉 高速電車部長  タイルが新たに規格化されたりとか、張り方が新たに全部変わりましたので、今これからガイドラインに沿って全部張りかえますので、そういう意味で、全部ガイドラインに沿ったものになり、統一されるというふうに考えてございます。 ◆佐藤典子 委員  わかりました。  西18丁目の駅については、オープンに間に合うように整備を進めていただけるということでしたので、ここは障がい者の社会福祉総合センターもありますので、本当に早急に整備をしていただきたいと思います。  また、そういう方々がたくさん見えますので、サービスアップというか、もうこれは当たり前のことですけれども、丁寧な対応を重ねてお願いしたいと思います。  最後の質問をさせていただきます。  今回、私も視覚障がいの方と疑似体験をしながら歩きましたということを申し上げたのですけれども、いろいろ見て、本当に自分で体験するのと当事者の方と一緒に歩くのではこんなに見るところが違うのかと思いました。  そこで、何点か事例を紹介させていただきます。  私は、北区ですので、麻生の地上の銀行のところからおりていきます。乗り場へおりていくときに、途中の踊り場のところに来るとちょっと平たい、階段よりも広い場所があります。本来であれば、ここから階段があるというところの30センチ手前には点字ブロックが張られている。警告ブロックが張られているということだそうですが、それがないために足を踏み外しそうになったり、転倒するということがあるというふうに聞きました。  これは麻生だけではではなくて、地下鉄の階段をおりるときほとんど張られていないという状況でした。階段をおりて、またぐるっと回って、一折れするというか、そういうときもないということで、ブロックがあるだけで、非常にけがは少ないということを伺いました。でも、その後の方では、ガイドラインにはそれは張らなくてもいいようになっているのですよということも伺いましたので、当事者が感じる整備の仕方と、ガイドラインの決まりというのが、なかなか一致しないものだなというのを感じました。  それから、エレベーターができて多くの方が利用されるようになっています。オストメイト対応トイレも整備されています。先ほどバリアフリー化の中で、こういう整備もしますと言われた触知図もつけてあるのですが、その障がい者用トイレのボタンを押すところに、開く、閉じると大きく緑と赤で書かれているのですが、そこには点字が張られていないというような、本当に細かいことではありますが、もう少し当事者の視点に立って整備を進めていただきたいと思っています。  それから、大通に行きまして、地下鉄をおりて東西線に乗りかえようとしたときに、そこから点字ブロックがありません。東西線のホームのぎりぎりのところから点字ブロックがありますけれども、そこに行くまでのがなく、東西線から南北線に乗るときもそれがないので、1本あれば全然違うなというふうに感じまして、これもやはり当事者の方の視点というのは欠かすことができないというふうに強く思いました。  挙げたら切りがないのですが、今後の整備についてお尋ねします。  当事者の方の声というのは、今申し上げましたように欠かすことはできないと思います。そして、例えば、整備とか設計をされる担当の方が特になのですけれども、当事者の方と疑似体験をしていただきまして、それで点検とか整備を進めていただきたいと思いますが可能でしょうか、教えていただきたいと思います。  また、視覚障がいの方への地下鉄駅施設の工事に関する情報なのですけれども、これから工事をするという情報、どのように視覚障がいの方々に届けられているのでしょうか。そして、その工夫はどういうふうにされているのか。また、障がい者用トイレができた等をお知らせするのに、どのように周知されているのか、この点についてお聞きします。 ◎千葉 高速電車部長  地下鉄駅施設のバリアフリー化につきましては、先ほどお話しいたしましたが、移動円滑化整備ガイドライン、これを目安に整備を進めていくということでございます。ただ、視覚障がい者誘導用ブロックの具体的な敷設、それから音声案内設置方法など、まだございますけれども、こういうものにつきましては、今後、保健福祉局の協力を得ながら視覚障がい者団体とか、北海道高等盲学校の先生、眼科の専門医の方々と検討する場を設けまして、その中で十分協議して、よりよい整備を進めてまいりたいと、このように考えてございます。  それから、職員の疑似体験でございますけれども、これも、こういう検討の場とあわせまして、実際に実施してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。  それから、2点目の障がい者への工事の周知方法でございますが、これは工事期間中の出入り口の閉鎖など、お客様にご不便をおかけするような場合につきましては、案内板による周知のほかに、視覚障がい者団体へ事前のお知らせをしているところでございます。また、工事の内容によっては、危険防止のためガードマンを配置するなど、安全対策に努めてございます。  それから、障がい者用トイレができた場合の周知方法でございますが、交通局のホームページでも、バリアフリー対応状況としてここに掲載をし、ご案内させていただいているところでありまして、障がい者団体へも個別にご案内させていただいております。今後も、可能な限り情報の提供に努めてまいりたいと、このように考えてございます。 ◆佐藤典子 委員  当事者の声は、保健福祉局や担当される部署の皆さん、そして障がい当事者の団体の皆さんやいろいろな声を聞きながら進めていただけるということで、ぜひそうしてください。  そして、どうして疑似体験をしたらいいかというと、これから8億4,600万円という本当に多額の税金を投入してつくっていくわけです。1回つくってまたつくればいいというのもそれも一つの考えですし、使い勝手が悪くてどんどん直していくということもあるかと思いますが、もう何年もブロックを敷き詰めてきたわけですから、いろいろな声を聞いて、やはり安全・安心で、だれもが納得できるような整備を進めていただきたいなと思いますので、それを強く要望させていただきます。  それから、先ほどのサービスアップのことなのですけれども、やはり何はともあれ、サービスということからいくと、笑顔のあいさつから始まって、本当に素早い対応とか、それから正確な情報を伝えるということだと思います。  障がいを持った方が、例えば、パスの磁気が壊れて通らなくなったとしたとき、これをどうしたらいいですかと言われたときに、そのパスが福祉パスであれば、その日の定期券売り場に行って交換ができる、それから土曜日は第1と第3は交換することができる、そういう基本的なところを1回の相談で答えていただけるような、そういう質の問題もあるかと思いますが、あわせて質の向上もこのサービスアップという中に入れていただきまして、ぜひ愛される地下鉄、だれもが大好きな地下鉄というような、安心・安全の地下鉄をつくっていただきたいと思います。 ◆横山光之 委員  私からは、地下鉄事業における平成15年度決算の状況と、今後の収支改善に向けた財政的な取り組みについて伺いたいと思います。  現在、交通局では、経営健全化実行計画として、10カ年経営計画成案化に向けて具体的な効率化策、あるいは積極的な増収対策を計画に盛り込むべく取り組んでおられるというふうに聞いているところであります。平成15年度の決算は、この10カ年計画の基礎的な年次ということでありまして、重要な意味を持っているというふうに考えるものであります。  私は、ことし3月23日の予算特別委員会において、平成16年をスタートとし、平成25年までの10年間を計画期間といたします札幌市地下鉄事業経営健全化計画について質問したところであります。きょうは、引き続き地下鉄財政状況について、その後の事情を交えて伺いたいと、こう思うわけであります。  そこで、質問でありますが、15年度決算における収支の状況はどういう状況であったのか。とりわけ、14年度決算から黒字に転じた営業収支でありますけれども、昨年度に引き続いて黒字の決算であったと承知をしておりますが、その結果について伺いたいと思います。  次に、公営地下鉄事業と申しましても、あくまで企業経営を行っているわけでありますから、営業勘定における収支の改善とあわせて、最終的には累積欠損金の解消という目標があるわけであります。言うまでもなく、累積欠損金営業勘定での収支のほかに、補助金の収入やあるいは利息の支払いといったものなども含めて経常損益の積み重ねであります。したがって、経常収支がどのように推移する見通しであるかということが、単なる営業勘定だけでなく、極めて将来にわたって重要な視点になるものだというふうに思うわけであります。  そこで、2点目の質問でありますが、15年度決算の分析に基づいて、経常収支の今後の見通しについて、10カ年計画の中でどのように推移をしていくと見込んでいるかについても、確認の意味を含めて質問をいたしたいと思います。 ◎下村 事業管理部長  ご質問のありました平成15年度決算における収支状況でございますけれども、まず、企業経営の根幹であります営業収支につきましては、14年度決算から黒字に転じておりまして、15年度決算におきましても、減価償却費153億円を含みながらも約26億円の黒字額を計上しております。この営業収支の黒字転換につきましては、平成10年度を最後に新線の建設を行っていないため、減価償却費が減少傾向にあることに加えまして、これまで取り組んでおりました効率化による人件費及び経費の縮減など、継続した経営の効率化、これが成果としてあらわれてきたものと認識してございます。  次に、支払い利息などを含みます経常収支の状況といたしましては、乗車料収入が減少傾向にある中で経費の削減などに努めてきたこともございまして、14年度に約155億円の赤字額を計上しておりましたが、15年度決算におきましては、予算額から約30億円好転した約98億円の赤字額と、ここまで圧縮しております。経常収支の赤字がようやく100億円を下回る結果となってございます。  なお、現金を伴わない減価償却費を除いた償却前の経常収支を見てみますと、14年度に約4億円の赤字額を計上しておりましたが、15年度決算におきましては約55億円の黒字額が計上することができました。また一つ収支改善の効果があらわれてきたのだろうと認識してございます。  次に、15年度決算を踏まえた経常収支の今後の見通しでございますが、総務省に提出している経営健全化計画におきまして、経常収支を23年度に黒字に転換する計画としておりますが、15年度の決算状況は健全化計画策定時点での見込みに近い形で推移しているものと、こういったこともございまして、現段階におきましては健全化計画の見通しに沿った収支の改善を図っていけるものと考えてございます。 ◆横山光之 委員  平成15年度決算についてご説明をいただきました。昨年度に引き続いて営業収支で黒字を計上できたと。さらには利息の支払い等を含めた経常収支の赤字額がようやく100億円を下回ったということであります。1定の予算委員会でも伺ったわけでありますが、将来に対して、これまでの交通事業の会計に比べれば少し光明が見えてきたのかなと、このように思うわけであります。  しかしながら、申すまでもなく、地下鉄事業の財政構造を考えますと、まず最初に巨額の初期投資が行われていて、穴を掘って地下鉄をつくるための経費というのが膨大なわけでありまして、これを回収するまでには相当な期間を要すると、これは地下鉄の制度的、構造的な問題であるというふうに認識をしております。  減価償却費や支払い利息といった、いわゆる資本費の負担が非常に大きくて、これが経営を大きく圧迫しているというのが現状だろうと思うのであります。  当初から、地下鉄の建設に当たっては、膨大な建設費に見合った、財源の一部に充てるために国や地方自治体から建設費の補助金といった負担制度があるということであります。この制度内容についても逐次改善をされて、内容は地下鉄にとって有利になってきているという経過があると思いますけれども、どの地下鉄事業者にあっても、この資本費の負担が収支状況を著しく悪化させているということであります。そこで、国としては特例債制度、あるいは緩和債の発行など、さまざまな資金的な支援策を講じてきたということであろうと、こう思うわけでありますが、いまだに抜本的な収支の改善ということにはなかなか至っていないというのが現状ではなかろうかと、こう私なりに理解をしているところであります。結局、それが全国で地下鉄事業の財政がいずれも逼迫をしている理由であろうと、こう思うわけであります。  本市の地下鉄においても、南北線、東西線、東豊線といった3路線、48キロを建設するために7,000億円を超える設備投資を行ったと。この財源としては約8割は企業債、すなわち借金で賄っている現状にあるということであります。しかるに、モータリゼーション、その他の事情によって輸送人員が低迷をしていて、乗車料収入が思うようには伸びていないということに加えて、この企業債の元利償還金が非常に重くて、毎年多額の資金不足を生じさせる原因となっているところであるというふうに現状を認識するところであります。  そこで、質問をいたしますけれども、平成15年度末の企業債の残高が幾らになっているのか。そこから発生する利息については幾らあるのかということであります。また、さきのバブル崩壊後は景気の低迷、あるいは国の低金利政策の影響もあって、借り入れ利率も相当低く推移をしているわけでありますけれども、過去に借り入れた企業債の中には、相当高い金利を払い続けているというものがあるということであります。これは以前から非常に大きな課題となっているところであります。  そこで、過去に借り入れた高金利の企業債、例えば、5%以上の企業債の残高はどのくらいになっているのか。この5%以上の企業債から発生する利息については、利息全体の中でどのくらいのウエートを占めているのかということをお聞きいたしたいと思います。 ◎下村 事業管理部長  まず、1点目、15年度末の企業債残高は幾らかということで、そこから発生する利息はどうかということでございますが、企業債残高につきましては委員ご指摘のとおり7,000億円を超える地下鉄建設費の約8割を企業債によって手当てをしてきた経緯もございまして、15年度末におけます企業債残高は約4,783億円となってございます。また、この企業債から生じます支払い利息でございますが、この支払い利息は企業債の償還に伴いまして年々減少傾向にありますが、15年度実績の支払い利息は192億円と、いまだ大きな負担となっており、地下鉄事業収支改善が早期に進まない大きな要因ともなってございます。  次に、高金利の企業債の状況でございますけれども、利率5%以上の企業債残高につきましては、平成4年度以前に借り入れを行っている企業債が対象となりますが、平成15年度末の実績で申しますと、約1,346億円となっておりまして、これは企業債残高全体の約28%を占めております。また、この利率5%以上の高金利企業債から生じます支払い利息につきましては、15年度実績で約93億円となっておりまして、これは支払い利息全体の約48%を占めておりまして、高金利企業債の負担がいかに大きいかということを示していると考えてございます。 ◆横山光之 委員  ただいまのご説明で、いまだに金利の高い企業債が1,346億円、28%残っているということでありまして、大変な額が非常に高金利のままで、地下鉄事業にとっての負担になっているという事実が明白となるわけであります。また、金利の高い企業債の残高の割合が全体の3割弱、今の28%であるのに対して、利率5%以上の高金利企業債から発生する支払い利息が48%、全体の半分を占めているというご説明であります。  この負担が地下鉄収支改善のスピードに大きく障害になってブレーキをかけているということではなかろうかと思うわけであります。  そこで、1定でも伺いましたけれども、さきに総務省に提出をいたしております10カ年健全化計画の中でも、不良債務を解消するための制度としての出資金のほかに、資本費負担の軽減を図るための一般会計からの財政措置として、10年間の計画期間中に646億円の繰入金が見込まれているということでありますけれども、一方で、一般会計としても非常に厳しい財政状況の中での646億円という繰入金でありますが、各企業会計への繰出金の増加によって、今、多額の財源不足が見込まれるということでありまして、先般も財政構造改革のプランが発表されたところであります。  そこで伺いますけれども、公営企業金融公庫から借り入れている高金利の企業債について、借りかえの制度が認められていると。これが一定の財政的な効果をおさめているというふうに以前に承っておりますけれども、今までに幾ら借りかえを行ったのか。まだ借りかえが済んでいない企業債は幾ら残っているのか。また、この借りかえによってどのくらいの利息の軽減といいますか、財政的な効果があったのかについてお伺いをしたいと思います。  また、地下鉄の経営基盤を安定させるために、毎年関係省庁などに対して、財政支援に関しての要望活動を行っていると思うのでありますが、高金利企業債の借りかえ措置に関して、国に対して制度拡充の要望、これは切実な要望なわけでありますけれども、これをどのように行っていて、その成果は上がっているのかという点であります。  さらに、この要望活動によって何らかの成果や具体的な動きがあったのであれば、今後、どのような措置が講じられる見込みであるのかについて、お伺いをしたいと思います。 ◎下村 事業管理部長  今までに幾ら借りかえを行って、また、その借りかえが済んでいない企業債は幾らかということでございますが、地下鉄事業におけます公営企業金融公庫の借りかえ制度につきましては、公営企業金融公庫からの借り入れのうち、借り入れ利率が7%以上の建設債が対象となっておりまして、平成7年度の公庫債の借りかえ制度創設以来16年度までに約235億円の借りかえを行っており、この借りかえに伴います利息の減少効果といたしましては、最終償還までを見通しますと総額で約47億円になるものと見込んでございまして、厳しい事業経営の中にあって資本費負担の軽減、そして収支改善に大きな効果を上げていると認識してございます。  また、借りかえが済んでいないものでございますが、利率7%以上の公庫債で借りかえが済んでいないものは、今年度末で約1億円となる見込みでございます。  次に、国への制度拡充の要望でございますが、借りかえ制度の拡充に向けて国への要望状況と具体的な国の動きでございますが、高金利企業債の借りかえにつきましては、地下鉄を運営する各都市共通の要望でありますことから、大都市交通局の管理者で設置しております10都市交通事業管理者会議を初め、関連団体である公営交通事業協会、地下鉄協会とも連携を図り、制度拡充を求める要望活動を積極的に展開しております。  特に、今年度におきましては、指定都市が取りまとめている国家予算に関する要望、白本要望と申しますが、この中に高金利企業債の借りかえ措置の拡充を求める内容を追加したほか、本市市議会の税財政制度調査特別委員会におかれましても、札幌市重点要望の中で高金利企業債の借りかえ措置の拡充を求める内容を盛り込んでいただくなど、あらゆる機会を通じ取り組みが進められた次第でございます。  こういった中で、先般、8月27日でございますが、総務省から17年度地方債計画の案が発表されましたが、この中で、公営企業金融公庫の借換債の全国枠が、今年度の16年度には1,100億円で、これは実質的に去年、この要望活動が行われた借換債における結果でございますけれども、17年度、来年に向けての概算要求計画案では3,000億円と約3倍に近いものになってございます。  また、概算要求の段階ですので、あくまでも未定でございますけれども、現行制度で借りかえとなるものの利率が7%以上であるものを、今後は5%程度まで緩和する動きがあるやに聞いておりますので、国も地方自治体の要望を踏まえ、制度拡充に向けた動きを行っているものと考えております。  仮に、この場合、利率5%以上の公庫債が借りかえの対象になるとしますと、本市地下鉄事業の場合、新たに310億円程度が借りかえの対象になり、そのすべての借りかえが仮に実現いたしますと、最終償還までの総額で30億円程度の効果が見込まれるところでございます。 ◆横山光之 委員  ご答弁では、大体7%以上のものについては整理がついて、あと1億円ぐらいしか残っていないということでありますので、借りかえが順調に進んだということだろうと思います。
     そこで、もし、5%にまで緩和されて3,000億円というような大きな枠の中で、これは地下鉄だけでない、下水道等も入るようでありますけれども、これが実現をすれば、今のご説明ではさらに大きな効果があるということでありますので、この5%まで借りかえの対象を広げるというこの運動は非常に大切なものではないかと、こう思うところであります。ぜひともその運動を一生懸命やっていただきたいなと思うところであります。  企業債は、公庫債ばかりではなくて財務省、あるいは郵政公社等からも多額の借り入れがあるわけであります。借りかえが公庫債だけというのが非常に苦しいところかなと、こう思うところでありますが、それでもやっぱり資本費の軽減にはつながっていると、歓迎をするところであります。  交通局では、今本気になって地下鉄事業収支改善に向けて取り組んでいるわけでありますから、増収対策、効果策等いろいろ伺っております。こういったことに取り組むのはもちろんのこと、収支を著しく悪化させている、本日話題にしております資本構造の状況について、しっかりと分析をしていただきたいと。その上で、これは一交通局のみだけではちょっと大き過ぎる課題ではありますけれども、やはり負担軽減のためにどのような制度的、あるいは財政的な取り組みを行えば、一般会計からの毎年の財政支援額を圧縮できるのかということも真剣に考えていただきたいなと、このように要望をするところであります。  最後に、2点ほど伺いたいと思いますけれども、現在、敬老パスの利用上限額について、理事者の方からは3万円を上限とするという提案がなされております。これに対して、上限なしのこれまでのものの方がいいのではないかとか、あるいは上限を設けても3万円というのはちょっとと。5万円あるいは6万円がいいとか、いろいろな議論が行われているわけであります。  地下鉄交通事業の直接の当事者でありますけれども、上限なしとか、あるいは5万円とか3万円ということでありますが、この上限が変わることによって、特に財政的な意味ですが、地下鉄にどのような影響があるのか。  さきに総務省に提出している健全化計画との関係において、どのような影響があるのかについて交通局の言い分、敬老パスは保健福祉局の担当でありますけれども、乗せて走る方の交通局の言い分も聞いておきたいなと、こう思うわけであります。  つまり、10カ年計画に盛られた予定額の繰り入れが一般会計からあれば、交通局としては現行制度のままでもやれますというような議論も耳に入っておりまして、そういった意味も含めて、どのように考えておられるのか、この際聞いておきたいなと思うわけであります。  いま1点は、今秋、市営バスが民間に路線が移譲されたと。また、チンチン電車の方、市電についても経営形態、つまり民間に経営を委託するといったことも含めて、経営形態の議論が行われているわけであります。  地下鉄についても、いずれ経営形態を含めて、今後、いろいろな議論が行われることがあるかなとも思うわけでありますけれども、地下鉄の経営形態について、交通局としてのお考えがあれば伺っておきたいと思うわけであります。 ◎下村 事業管理部長  まず、1点目の敬老パスの利用上限の変更が地下鉄の収支にどのような影響を及ぼすかと。特に、健全化計画の中での影響に関するご質問でございますけれども、敬老パスの利用上限額は幾らに設定されるのかは別といたしまして、現在、1人当たり1万円から2万円、3万円の選択制で交付率が85%という保健福祉局の前提条件をもとに交通局で算定いたしますと、現在の地下鉄での推計値と実際の乖離が1.4倍ほどございますところから、現行の繰入額に比較して一定の収入増が見込まれるものと推定しております。しかしながら、実際の交付率がどうなるかなど、まだまだ未確定な要素が多々ありますことから、お客様の利用実績を待たなければならないというふうに考えております。  仮に、上限額が引き上げられた場合についてでありますが、例えば、その引き上げられた利用上限額をさらに超えて使われるお客様がどのように利用されるか、こういった面はまだまだ現段階では不透明なところでございますので、今の時点で推計することは非常に困難だというふうに認識しております。  また、健全化計画で見込んでいる敬老パスの負担金につきましては、従来の制度による推計値により計上しておりますので、今回の敬老パスの一部有料化が地下鉄事業にとりまして、少しでも増収となるよう期待しているところでございます。  また、地下鉄事業の経営形態が、昨今の路面電車の経営形態の議論とあわせて、どのように認識しているかということでございますけれども、私どもといたしましても、これまで地下鉄事業につきましては、10年以上にわたる効率化を鋭意進めてきております。それに当たりましては、当然のことながら民間の事業者の経営手法などを参考にしながら効率化に取り組んできているわけでございます。  そういった意味で、今後とも、地下鉄の経営のより効率的で、かつ新しい時代のサービスに的確に対応していける、そういう体質づくりも含めて、一生懸命研究してまいりたいというふうに考えております。 ◆横山光之 委員  要望であります。  敬老パスに関しましては、財政当局よりは、何か交通局の方が増収とか少し強気といいますか、頼りになるような感じを受けているわけでありますが、今後、パスの上限等をめぐってまだこれから議論が行われると思うのでありますけれども、事業者負担というのはやっぱり交通局が担わなければならないわけでありますので、非常に大きな役割を負っているところであり、よろしくお願いをしたいと思います。  いつも申し上げることでありますけれども、全国の中でも例を見ない積雪寒冷の大都市であります札幌のような街では、地下鉄の役割を強調し過ぎるということはないのではないかと思うのであります。  昨今、札幌市民の都心の回帰、だんだん郊外から都心に人が戻ってきていると言われるわけでありますが、これも地下鉄駅周辺のマンション販売に人気があるということでありまして、これは地下鉄の魅力が大きいのではないかなと、このように思っているわけであります。  しかしながら、地下鉄の膨大な建設費というものは、どう考えても料金収入だけで賄えるような、そういうものではなかなかないのではなかろうかと。交通局としては、そういう意味で悪戦苦闘を強いられているのではないかということで、ご同情を申し上げるところであります。しかしながら、地下鉄というのは札幌市民にとって非常に大切な財産であります。後世のこの地下鉄を利用する札幌市民のためにも、ここは頑張りどころではなかろうかと思うわけであります。  さきの春の予算委員会でも、平成23年には経常収支を黒字に転換させたいと。これを目指して希望を持って努力をするということで、管理者からも明るい見通しを伺ったところでありますけれども、ぜひとも、この目的を達成するために総力を挙げてひとつ健全化計画の実現に邁進してほしいということを要望して、終わります。 ◆峯廻紀昌 委員  私の方からは、大きく分けて2点、自動車会計の関係と増収対策について質問をさせていただきます。  まず、自動車会計の関係ですが、自動車事業の廃止に伴いまして、自動車事業会計をどのように閉鎖をし、また、これにより引き継がれた軌道事業会計にどのような影響を与えることになるのかについてであります。  札幌市では、平成13年に策定をした交通事業改革プランに基づいて、市営バス路線を民営バス事業者に段階的に移行させることとして、平成15年度に琴似、藻岩両営業所の民間移行に続き、残る新川、東の2営業所についても、本年の3月31日の運行終了をもって事業廃止をし、翌4月1日に民営事業者に運行を移行させ、74年間という長い歴史に幕を閉じたところでございます。  長い歴史を持った事業を終了させるわけでございますから、この事業廃止に伴って債務の整理や保有していた資産の処分など、いろいろな手続が必要であったことでしょうが、これらの経理上の処理をきちんと行って、ようやく一つの事業会計を閉鎖したということになるのだろうと思うわけであります。  特に、自動車事業会計は、近年、収支状況の悪化が著しく、多額の累積欠損金と資金不足を抱えていた事業であり、これらの処理に当たっては、平成15年度決算における会計処理と平成16年度中の資産の売却等によって、全額整理する計画であったと思います。  そこで、質問いたしますが、自動車事業を廃止するに当たり、平成15年度末現在で累積欠損金及び不良債務は幾らあり、これらをどのように処理しようと考えておられるのか。また、国や北海道からの補助金や企業債の残債については、返還や繰り上げ償還などの処理を行ったのか、2点について、まずお伺いをいたします。 ◎下村 事業管理部長  累積欠損金と不良債務額並びにこれらの処理方法についてのご質問でございます。  まず、累積欠損金経常損益と特別損益から成る収益的収支の赤字額を過去から積み重ねた営業成績でございまして、実際にお金を支払う必要があるという性質のものではございませんが、15年度末現在で65億8,200万円となっておりました。  この処理方法でございますが、まず、自動車事業会計分の自己資本金27億8,900万円を充てることにより、15年度決算で37億9,300万円に圧縮いたしました。残る37億9,300万円につきましては、今回の決算認定議案とともに提出させていただいております平成15年度札幌市交通事業欠損金処理計算書にありますように、過去から資本的収入として繰り入れてきました補助金などを積み立ててきた自動車事業会計分の資本剰余金39億2,400万円の中から37億9,300万円を取り崩すことにより、全額解消したいと考えております。  次に不良債務、いわゆる資金不足でございますが、15年度末で17億1,900万円でございます。この処理につきましては、自動車事業整理分として軌道事業が引き継いだ資産の売却により、全額を解消する計画であります。  次に、国や北海道からの補助金や企業債の残債については、返還や繰り上げ償還など、その処理方法はどうしたのかということでございます。  一般的に補助金を充当して取得した資産というのは、それぞれの資産の耐用年数がすべて経過する前に補助の目的とした資産の用途を廃止すると、こういう場合などには残存価格に相当する割合の補助金を返還するというルールになってございます。今回処分したノンステップバスや天然ガスを燃料とする低公害バス、CNGバスといいますけれども、これらの購入に当たり受けた補助金及びバス待合所、それから電照式停留所標識、こういった乗客サービス施設の設置に当たって交付を受けた道からの交付金がこれに該当いたします。  しかし、これらの補助金の多くが、もともと民間事業者の方も補助対象としていたということもございましたため、その車両などを民間事業者が同じ目的で継続して使用する分については、当初の補助目的には反しないとの国の判断から、大半の補助金については返還の必要がなかったということでございます。  そして、最終的には、地方自治体そのものが使用することを要件としてきた補助金などにつきましては、民間に移ることで要件が外れますので、国に137万円、また道へは260万円を返還したものでございます。これら補助金に係る事務処理は15年度中にすべて終了しております。 ◆峯廻紀昌 委員  累積欠損金につきましては、本議会の議決により全額整理がつくこと、また補助金や企業債についても、既に関係機関との整理がついて清算されるとのことが今の答弁でわかりました。残る不良債務については、今年度中に軌道事業に引き継いだ資産の売却により全額処理する予定とのことですが、そこで再質問をさせていただきます。  平成15年度に自動車事業とこれに関連する事業で保有していた資産はどのくらいあり、自動車事業を閉鎖するに当たり、これらの資産処分や引き継ぎはどのようになされたのか。また、資産売却の進捗状況とその見通し、さらには軌道事業会計に影響を与えない整理が可能なのかどうか、お伺いをいたします。 ◎下村 事業管理部長  大変失礼しました。先ほどの質問のうち、企業債の繰り上げ償還の状況について答弁が漏れていましたので、お答えします。  16年度以降の償還予定額6,620万円が繰り上げ償還対象額となりました。この繰り上げ償還の実施については、借入先の指示に従いまして、路線移行に伴う資産の処分状況に応じて15年度及び16年度当初の2カ年に分けて、既に返済済みとなってございます。  ただいまの、平成15年度に自動車事業及び関連する事業で保有していた資産額、またこれらの資産の処分、引き継ぎ方法についてであります。15年度当初に自動車事業とこれに関連する事業で保有していた資産は、4営業所に係る土地、建物、車両、工器備など、資産を合わせまして全体で約52億円でございました。これらの処分につきましては、まず民営事業者への路線移行に伴い、営業所用地、バス回転用地、営業所建物、バス車両などをそれぞれ民営事業者に売却いたしました。  次に、行政上の使用目的のために供せられるものとして、公共交通ネットワーク維持の観点から、新川、東の両営業所の土地、建物については企画調整局へ、また旧厚別営業所の一部は事業用地として下水道局へそれぞれ有償で所属がえいたしました。  次に、地下鉄事業施設に隣接し、地下鉄事業の用にも供している行政財産で、ほかへの売却処分になじまないという資産、これにつきましては高速電車事業会計に所属がえいたしました。残りの資産につきましては、自動車運送事業の不良債務を解消するための財源として、旧厚別営業所用地、西野ターミナル跡地及び旧職員会館跡地などを軌道事業に引き継いでおります。なお、古い工具や機械設備など、いずれの事業の用にも供しない資産については、15年度末を持って除却処分といたしました。  それから、資産売却の進捗状況、見通し、軌道事業会計に影響を与えない整理が可能なのかということでございますけれども、先ほども触れましたとおり、15年度末のバス事業に係る不良債務は17億1,900万円でございます。9月に行った公募入札の結果、旧西野ターミナル、旧職員会館、旧厚別支所、宮の森3の1の旧職員駐車場、この入札結果、15億9,400万円と順調に売却処分ができたことに伴いまして、16年度に発生する自動車事業の残務整理に係る費用を含めても、現時点までの資産処分を踏まえた収支予測では、不良債務額は約3億円程度にまで圧縮されてきております。  今後、さらに残り資産の処分を行いまして、バス事業の不良債務は16年度末までに全額解消できるのではというふうに考えております。  また、この自動車事業から引き継いだ資産処分の結果、収支上若干の資金残が生じる可能性もございまして、これが出た場合については、こういったことになれば軌道事業に悪い影響を残すことはないというふうに考えております。 ◆峯廻紀昌 委員  ただいまの答弁を聞く限りは、多額の不良債務につきましても、今年度中にきれいに清算をされるという見通しでございますので、ひとまず安心をしたところでございます。  続きまして、増収対策について質問させていただきます。この増収対策については利用促進、広告、資産の有効活用の三つの観点から質問させていただきますので、少々長くなりますがまとめて質問させていただきます。  まず、利用促進について2点質問いたします。  交通局では、現在策定を進めている地下鉄事業10カ年経営計画の中で、収益の確保に関して、事業の根幹である料金収入の確保に向けた取り組みを進めるとしております。その中で、具体的な収入の確保策として、ドニチカキップの通年商品化による利用促進を掲げており、今月1日から発売を開始し、具体化したところであります。  このドニチカキップにつきましては、利用者の少ない休日の利用促進を目的として、昨年と一昨年の秋に展開された公共交通利用促進キャンぺーンにあわせて実験を行い、利用者の増加と増収の効果が見込まれるとして通年販売に至ったところであり、私も利用促進に有効な商品ではないかと期待をしているところであります。  そこで、1点目の質問でございますけれども、今月1日の販売からまだ日にちがたっていなく間もないところでもありますが、これまでの販売実績と、もし、その効果の検証がなされているのであればどうであったか、お伺いをいたします。  また、ドニチカキップは、休日の利用促進を目的にしていると考えますと、家族そろって都心部にショッピングや食事に出かける、あるいは札幌ドームや動物園に出かけるなど、街全体の活性化につながる活用策が必要ではないかと考えます。しかし、札幌市の地下鉄の場合、すべて改札機の対応で有人改札がないことを考えますと、このファミリー割引的な展開は非常に難しいものと思いますが、何らかの形でドニチカキップの付加価値を高めて、より一層の利用促進を図ることも必要ではないかと考えるところであります。  そこで、2点目の質問ですが、このドニチカキップを活用したさらなる利用促進策について、今現在、何か検討しているものがあればお聞かせいただきたいと思います。  次に、附帯収入である広告について2点質問いたします。  地下鉄の15年度の広告収入料を見ますと、約22億円と非常に大きな収入を上げておりますが、やはり景気の低迷を反映してか、ここ数年減少傾向にあると聞いております。このことは皆様も感じていると思いますが、地下鉄を利用したときに、最近、特に駅施設の広告枠を初め、車内のポスター広告についても空き枠が非常に目立つ状況にあるわけであります。  そこで、1点目の質問ですが、駅施設の広告枠と車内ポスター広告のここ数年間の掲出状況についてお伺いをいたします。  また、現状の空き枠をそのまま放置しておくより、交通局みずから乗車券等のPRに活用するとか、あるいは一般会計に空き枠を提供するとか、直接収入には結びつながらなくても、積極的にこの空き枠を埋めることが広告枠全体の価値を高めることにより、増収にもつながっていくのではないかというふうに思うところであります。  そこで、2点目の質問でございますが、この広告の空き枠対策について、現在、どのような取り組みがなされているのか、お伺いをいたします。  次に、駅構内の有効活用について1点質問いたします。  地下鉄駅構内の有効活用につきましては、2年前のこの特別委員会でも、我が会派の方から都営地下鉄での取り組みなど、他都市の事例を交えながら質問したところ、活用策の展開に当たっては、地下鉄施設が道路下に位置することから、道路管理者による2次占用の許可など、さまざまな制約があるとの説明を受けるとともに、今後も活用策を検討し、関係機関に対して許可要件の緩和を積極的に要請をしていきたいとの回答をいただいたところであります。  地下鉄事業10カ年経営計画では、主な増収対策として、先ほど質問をしたドニチカキップとともに、17年度をめどにコンビニエンスストアの誘致を掲げておりますが、当然のことながらコンビニ以外の施設等についても検討を進めていると思います。  ふだん地下鉄を利用していてよく思うのですが、大通駅一つとっても、すぐに活用が可能なスペースがあるようにも見受けられるわけでございます。いずれにいたしましても、その実施に当たっては道路管理者を初めとして、関係機関との調整が必要になると思います。  そこで、質問ですが、駅構内の活用に関する関係機関との調整状況と活用の可能性について、お伺いをいたします。 ◎下村 事業管理部長  増収対策について、一つ目として、利用促進の観点からドニチカキップについて、二つ目として、広告の空き枠対策について、三つ目として、資産の有効活用の観点からと、今、三つご質問がございましたけれども、順にお答えしたいと思います。  初めに、利用促進としてのドニチカキップの発売実績とその効果についてでございますが、今月1日の発売開始から一昨日の日曜日、17日までの発売実績は約4万6,000枚となっております。利用日別の利用枚数では第1週目の土・日は、1日平均で約6,000枚、第2週目の土・日・祝日の3日間では、1日平均で約6,300枚、第3週目の土・日は、1日平均で約7,500枚の利用があったと見ております。昨年10月の実験発売での結果と同様に、週を重ねるごとに徐々にドニチカキップの利用者が増加する傾向となっております。  その効果につきましては、仮に乗車人員を発売直前の9月末の土・日と比較いたしますと、第1週目は、1日平均で約3,700人の増加、第2週目は、1日平均で1万3,400人の増加、第3週目は、1人平均で1万8,000人の増加と、単純に計算するとこうなるわけでございますけれども、この結果のみをもって直ちにドニチカキップ発売による需要増と判断するにはまだちょっと分析を要するということでございます。今後、時間をかけて効果の検証を行っていく必要があると考えております。  なお、ドニチカキップのPRにつきましては、本格発売に向けまして、これまでさまざまな媒体を活用して実施してまいりましたが、より多くのお客様にご利用いただけるよう、さらに工夫をしながらPRを図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、ドニチカキップを活用したさらなる利用促進策についてでありますが、一層の利用促進を図るためには、委員からもご指摘ありましたとおり、ドニチカキップの付加価値を高めるための仕掛けづくりが重要であると認識しております。現在、公共交通利用促進キャンペーンの中で、路面電車では一日乗車券の実験発売にあわせて、電車沿線の飲食店や商店などとタイアップをしたスタンプテーリングを実施しているところでありますが、ドニチカキップにつきましても、地下鉄沿線の集客施設や商店街と連携した事業展開を検討するとともに、沿線マップの作成ですとか、各種イベントの情報の提供なども行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、広告についてでございますが、広告の掲出状況につきましては、平成13年度からの推移で申し上げますと、駅施設広告枠につきましては、平成13年度が60.2%、14年度が58.5%、15年度が56.4%、16年度は9月末までで56.1%となっており、委員のお話にもありましたように、掲出率はやや下降傾向をたどっております。  また、地下鉄車内ポスター広告の掲出率につきましても、平成13年度が84.8%、14年度が78.4%、15年度が76.6%と、駅施設広告枠と同様に下降傾向にあります。  16年度は、9月末現在で76.4%でありますが、15年度同時期と比較いたしますと2.3%の増となっており、若干ですが持ち直してきている状況にあります。  次に、広告の空き枠対策についてでございますが、これまでの取り組みとして大通駅からバスセンターの駅間のコンコースに、海外の著名な画家の絵画をコピーしたものを掲出した、いわゆるシティーギャラリーの設置や小学生を対象とした夏休み絵画コンクールにおける優秀な作品の掲出、さらには、札幌市全体の広報を目的とした各部局に対する空き枠の貸し出しなどを行ってまいりました。  最近では、ごらんになったこともあるかと思いますが、おっと言わせるような広告を募集するという意味合いで、白地に大きく「おっ」という文字を配置した広告を地下鉄車内や大通駅の広告枠に掲出する新たな取り組みも行っているところであります。  今後の取り組みといたしましては、例えば、円山公園駅に、動物園とのタイアップにより動物園入園者だけでなく、地下鉄利用者増にもつながるような戦略的な広告の掲出方法を検討するなど、市の施設とのタイアップ強化を図るとともに、交通局においては、乗車マナー啓発、乗客誘致等をPRしていくことにより、空き枠を効率的に活用してまいりたいと考えております。  また、一方で、例えば、幾つかの空き枠をまとめて利用される広告主に対して、割安となるような広告枠のセット販売など、広告収入につながるような取り組みについても工夫してまいりたいと考えております。  最後になりますけれども、駅構内の活用に関する関係機関との調整状況ということでございますが、地下鉄は鉄道施設でありますことから、国土交通省との協議が必要であり、テナント等店舗の誘致に当たっては、消防法や建築基準法との関係で、道路下にかかる場合は、道路管理者など各種関係機関との協議が必要となります。関係機関とのこれまでの協議におきましては、利用者の利便に供する施設であることを前提として、歩行動線を阻害しないことや法令に定める必要な設備を施すことで、国道及び市道を所管する道路管理者を初め、関係機関から店舗等の設置について理解をいただける状況となっております。  また、地下鉄駅施設内に店舗等を設置する場合の取り扱いとして、本市の関係局、都市局、消防局、交通局と店舗等の構造や防災設備等に関する基準づくりの協議を現在進めているところでございます。 ◆峯廻紀昌 委員  地下鉄の広告の空き枠対策につきましては理解をいたしました。クライアントのニーズや市民の価値観が非常に変化をしている状況を考えますと、既存の広告枠で増収を図るということはなかなか難しいのではないかというふうにも思うわけでございます。  そこで、3点についてお伺いいたします。  再質問の1点目は、広告料収入を今後ふやしていくためには新たな取り組みが必要であると考えますが、今後、どのような対応を考えておられるのか、お伺いをいたします。  また、地下鉄ばかりではなく、今、存続させるためにさまざまな検討を進めている路面電車につきましても、附帯収入として広告料収入の確保は重要な課題であると思います。路面電車における広告料収入は平成15年度決算で3,871万円であり、そのうち約2,300万円がペイント電車によるものでありますが、ペイント電車の車両数は全30両のうち10両であるわけでございます。  お話を聞きますと、このペイント電車は非常に人気が高く、空き待ちのクライアントが多数いるとのことですから、ぜひ積極的に増車を図る努力が必要ではないかと思います。ペイント電車の増車については、これまでにも経済公営企業委員会を通じて、我が会派から増車に向けた取り組みを意見したところであります。  そこで、再質問の2点目ですが、ペイント電車の増車に向けて具体的にどのような取り組みがなされているのか、お伺いをいたします。  次に、地下鉄駅構内の活用に関してでありますが、今いただいた答弁からすると、十分に有効活用が可能であるというふうに受けとめるわけでございますが、東京都では、今年度から平成18年度までの間に、経営計画であるチャレンジ2004において、3年間で駅構内にテナントを30店舗増設するとしております。また、資産の有効活用を図るために、専門のセクションも設けたと聞いております。  本市におきましても、こうした他都市の事例を参考にしながら、商業テナント等の誘致を検討するものと思いますけれども、以前、私の前職である郵便局の関係で、ぜひ連携をとってやったらどうだということの意見を述べさせていただきましたが、今、皆さんもご存じのとおり、郵政公社の民営化に向けた議論がされております。その中で、民間との競争を意識してか宅配サービスの事業拡大など、さまざまな事業展開を考えていると思うわけでありますが、利用者サービスの観点から考えますと、郵便局の誘致というのも非常に効果的と考えるところであります。  そこで、再質問の3点目でございますが、駅構内の活用策として、今、どのような検討をなされているのか、お伺いをいたします。 ◎下村 事業管理部長  広告料収入をふやしていくための新たな取り組みについてでありますが、広告主、いわゆるクライアントと申しますけれども、最近のニーズといたしましては、短期間でインパクトのある広告を求めている傾向にございます。平成14年度から南北線大通駅で実施している柱巻き広告、通称アドピラーと言っておりますが、今申し上げましたニーズにも合致することから、非常に人気の高い媒体となっており、ことし3月からは道路管理者の了解を得て、東西線大通駅への拡大も実現したところです。  このアドピラーにつきましては、今後、南北線さっぽろ駅においても実施していきたいと考えております。また、南北線車内で実施している音声放送広告の東西線への拡大、さっぽろ駅に設置している大型ボードの大通駅等への増設などを検討するとともに、地下鉄全駅に設置している駅周辺案内図を広告代理店とのタイアップにより、案内地図及び文字ポイントの拡大を図るなどのリニューアルを実施し、利用者サービスの向上にも努めていく予定であります。  今後とも、クライアントのニーズをとらえた新たな広告媒体の開発に知恵を絞り、広告料収入の安定的な確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目のペイント電車の増車についてであります。  ペイント電車については、路面電車需要にとりましても非常に重要な収入確保策であると認識しております。ペイント電車の台数につきましては、札幌市屋外広告物条例及び同施行規則に基づく取り扱い基準により上限が定められております。委員のお話にもありましたように現在は10両でございます。この基準の変更に当たりましては、同条例に基づき設置されている札幌市屋外広告物審議会の意見を聞くものとされております。このため、現在、所管の建設局と、都市景観を損なわずにペイント電車をふやすためにはどのような対応が必要となるかなどについて協議を進めさせていただいているところでございます。  今後も、ペイント電車に限らず、広告の掲出について、関係機関に対し規制緩和の働きかけを行ってまいりたいと考えております。  最後に、3点目の駅構内の活用策の検討状況でございます。  現在、策定を進めている地下鉄事業10カ年経営計画においても、利用人員が低迷を続ける厳しい状況の中で、資産の有効活用による増収対策は非常に重要な取り組み事項であると考えております。  一方で、この10カ年経営計画に関連して、本年3月の第1回定例市議会で、増収対策としての資産活用について述べたところ、現在までに複数の事業者から問い合わせやいろいろなアイデアの提供をいただいております。  このような状況を踏まえ、既に予定しております南北線大通コンコースを初めとして、二、三の箇所について広く一般公募を初めとして、さまざまな手法により民間事業者の企画力、技術力、さらには資金力を生かした活用ができないか、現在検討を進めている次第でございます。  また、駅構内に限らず、地上の既存施設への未利用施設の活用やさらなる高度利用も検討してまいりたいと考えております。そのためにも、来年度は資産活用を組織的に展開する体制を整え、利用者サービスの向上と駅のイメージアップにつながる増収対策を強力に推進してまいりたいと考えております。  なお、委員からご提案のありました郵便局につきましても、利用者の利便性やサービスの向上に資する施設の一つとして十分考えられますので、今後の活用策の中で検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆峯廻紀昌 委員  それでは最後に、現在策定を進めている地下鉄事業10カ年経営計画について意見を述べておきたいと思います。  この計画では駅業務の委託化やホームさくの設置にあわせてワンマン運転の導入など、さまざまな効率化策が示されておりますが、安全運行を担保するという中では、効率化にも一定の限界があると考えられます。本日、多くの質問をさせていただきましたが、収入確保に向けた積極的な事業展開が地下鉄の安定した経営につながる大きな要素であると思うわけであります。また、この計画については、市営企業調査審議会の交通部会でも議論されているとのことですが、増収への取り組みに対する意見が非常に多かったようですし、現在、交通局のホームページでも市民から意見や提案を募っております。  今般の公共交通の取り巻く環境は非常に厳しいという部分を勘案しますと、利用促進及び増収対策は難しい課題ではありますが、計画の策定さらには推進に当たっては、増収に対するさまざまな意見、提案を受け入れる中で、大胆に実行に移していただきたいと思うとともに、一定の目標を掲げて組織一丸となって取り組んでいただきたいというふうに思います。
     また、ペイント電車の増車につきましては、路面電車事業の収支に大きな影響を与えると同時に、今、盛んに議論されている路面電車の存廃にもかかわる重要な事柄でありますことから、関係機関との協力のもと、全庁挙げて取り組むよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆谷沢俊一 委員  私からは、ユニバーサルデザインによる街づくり、とりわけ本市の基幹交通でございます地下鉄駅の整備についてお伺いをいたしたいと思います。  先ほども佐藤委員の方からバリアフリー法に基づく質問がございましたので、重複を避けながら質問をさせていただきたいと思います。  本市の地下鉄は、平成15年度決算において、1日平均約55万7,000人、年間では2億人強の輸送を担う北国札幌にとって必要不可欠な都市基盤施設となってございます。しかしながら、ご承知のとおり輸送人員は平成7年度の1日平均約62万6,000人をピークに年々減少してございます。  その原因としては、一般乗用車の増加、あるいは料金の問題、さらには少子高齢化、あるいは週休2日制の進捗など、さまざまな交通環境の変化というものがあると思いますが、乗りおりの際の利便性も大きな要素の一つであろうと私は考えております。  例えば、バスから地下鉄へ乗り継ぐ際の連続性や地下鉄同士の乗りかえ時の労力といったもの、これらをいかにスムーズに、そしていかに軽減できるかが利用者にとって、特に、お年寄りや体の不自由な方にとって交通機関を選択する大きな要因になっていると考えられるわけであります。そのため、本市では、地下鉄全駅のエレベーター車いす対応身障者トイレの設置を目標として掲げ、誘導ブロックなども含めた地下鉄駅の全面バリアフリー化を計画して、これらの実現により、交通弱者も含めたすべての人にとって、利便性の高いユニバーサルな駅施設にしようと取り組んでいると伺っております。  また、札幌新まちづくり計画重点事業編には、そうした駅施設のバリアフリー化の推進とともに、今回は車いす対応券売機、あるいは精算機、改札機の導入を掲げてございます。  そこで、まず最初の質問ですが、現状認識として、それらの券売機等の機能、それから台数、あるいは経過年数が現状どうなっているのか、お伺いをしたいと思います。 ◎千葉 高速電車部長  現在の券売機等の機能保有台数、経過年数でございます。  まず、券売機でございますけれども、全駅で305台ございます。そのうち、設置後16年から17年を経過しておりまして、硬貨のみ、または硬貨と千円札にしか対応できないものが125台、41%ございます。そのほかの180台につきましてはウィズユーカード、また高額紙幣にも対応しているものでございます。  次に、改札機でございますが、全駅で438台ございます。このうち設置後16年から19年を経過しておりまして、定期券や単券のみが利用でき、ウィズユーカードの直接投入できないタイプのものが162台、37%ございます。そのほかの276台はウィズユーカードの直接投入が可能になっておりまして、このうち3台だけが車いすの方でも使用可能な幅広タイプのものとなってございます。  また、実験的な取り組みとして、札幌市総合情報センターのICカードであるS.M.A.P.カードの利用も併用できるよう改札機を改修したものが一部ございます。  次に、精算機の状況でございますが、全部で165台ございます。このうち、設置後16年から18年を経過しておりまして、ウィズユーカードや高額紙幣での精算はできないものが44台、27%ございます。その他の121台はウィズユーカードや高額紙幣も使用可能になってございます。 ◆谷沢俊一 委員  ただいまの答弁によりますと、券売機について申し上げますと、硬貨しか対応できない、また硬貨と千円札しか使えないと、こういったものも相当数ある。そして、最新のものはウィズユーカードや高額紙幣も使えると、券売機に限って言っても3種類あると。あるいは改札機についても、一つはウィズユーカードや一日乗車券などが使えるタイプやそれらのカードが全く使えない古いタイプのものもあると。そして、ICカードにも対応できる種類のものが最近整備されてきていると。大変混在をしているというふうに思うわけであります。  精算機についても、カードが使えない古いタイプのものもまだ残っているということで、利用者にとっては大変ばらばらという状況があって、ある意味では利便性に欠ける、そういう状態になっていると言えるわけであります。  そこで、質問ですけれども、この券売機等の今後の更新計画では、そうした古い機器、16年から19年という古い機器が相当数ございますが、例えば、ウィズユーカード利用者の増加を考慮した場合に、少なくとも券売機というのは従来よりも必要台数を減らすことができるものと思いますが、どのように考えているのか、お伺いをいたします。  また、地下鉄事業10カ年経営計画では、平成20年度をめどにICカード化の計画が掲げられております。私も昨今の急速な技術革新の流れを見ますと、やはりIC化への新たな対応といった問題も非常に重要であると考えております。  そうしたことから、もしも仮に、来年、再来年のうちにICカードというものが実用化してくる、あるいは本格化することになった場合、現在更新している機器が、ICカード対応型になるのかどうか、このことについてあわせてお伺いをしたいと思います。 ◎千葉 高速電車部長  まず、今後の更新計画でございますが、委員ご指摘のとおり、ウィズユーカードの普及によりまして、券売機等の台数につきましては見直しをかける必要があると考えてございます。券売機は先ほどお答えしましたとおり、古いタイプのものが125台ございますが、見直しによりこのうち43台を減らしまして、残る82台について16、17年度の2年間で、車いすの方も利用が可能となる低い傾斜型のものへの更新を計画してございます。  また、改札機につきましても、古い162台から60台を減らしまして、残る102台について16年から18年の3年間で最新のものに入れかえ、そのうち58台につきましては、その幅が90センチの車いす対応のワイド型のものを導入しようということを予定してございます。  そういうことで、エレベーターの設置についても、最低1台はワイド型のものを入れていきたいと考えてございます。  次に、精算機でございますけれども、古いものは44台ございますけれども、このうちから12台減らしまして、残る32台について、16、17年度の2年間で背の低い新型に更新する予定であります。  次に、ICカード化になった場合の対応でございますが、ICカードは磁気券と違いまして、改札機に投入する必要がないという非接触型になりますので、パスケースだとかお財布の中から一々取り出す必要がないという形で、お年寄りや障がいをお持ちの方々にも、非常にバリアフリーの観点からメリットがあると、こういうふうに思ってございます。  今の更新計画では、ICカードが利用できる機器とはなっておりませんけれども、ICカードの実用が本格化した場合には、改札機の機器本体にIC機能を追加することができるような仕様となっておりまして、すぐにそういう対応ができるものと考えてございます。 ◆谷沢俊一 委員  ただいまの答弁では、改札機について3年間で古いタイプの162台をウィズユーカード対応の102台に更新するというご答弁がございました。そして、そのうち58台については、ワイド改札機と呼ばれる車いすのまま通過できるタイプを導入するという計画でございました。さらに、改札機のIC化にも対応できる仕様になるということがわかりました。また、券売機、精算機も背の低い車いす対応型の傾斜型を導入していくということで、車いすの方やあるいは小さな子供など、多くの人に利用されやすいものになっていくだろうと期待をするものでございます。  車いす利用者地下鉄利用回数につきましては、交通局からいただきました資料によりますと、平成15年度一月当たり1,800回ということでございましたが、平成16年度の4カ月間は、一月で2,400回から2,500回、一月当たり600回から700回ふえてきていると、こういう資料がございます。そして、その大部分が大通駅を経由するというものでございます。  今後、車いす対応の券売機、改札機等の導入が進めば、より一層の利便性の向上につながって、これまで利用できなかった層への新たな輸送需要の増に結びつくと、こういうふうに考えております。  それから次に、障がい者に配慮した駅施設の整備ということで、車いす対応身障者トイレ内の設備と、さきの委員会で我が会派の高橋(功)委員からも質問いたしましたが、色の判別が困難な方に対する配慮についてお伺いしたいと思います。  現在、福祉の街づくり事業で整備されているエレベーター設置事業などでは、あわせて車いすの方や、いわゆるオストメイトの方々が利用できるトイレが整備されてきていると。しかしながら、そうした車いす対応身障者トイレが整備されだしたのは平成13年度からであり、それ以前の障がい者用トイレにはそうした設備が設置されていないわけでございます。  そこで、質問ですが、現時点でオストメイト対応トイレが整備されている駅というのはどの程度あるのか。また、未整備の駅について、今後、どのような整備計画をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。  また、いろいろな障がいを持つ方がおられる中で、余り表面に出てきておりませんが色の判別が困難な方、いわゆる色弱といわれる方は、男性が20人に1人いて、女性はどういうわけか500人に1人です。特に男性が多いわけでありますが、こういった方に対する特別の配慮というものがあるのかどうか。あるいは今後そういう配慮をした施策を行う考えがあればお示しをいただきたいと思います。 ◎千葉 高速電車部長  障がい者に配慮した地下鉄駅施設の整備についてでございますが、1点目のオストメイトに対応した車いす対応身障者トイレを整備している駅はどこであるかということでございます。多機能トイレにつきましては、車いすの方を初めとしてオストメイト、高齢者の方々の使用を考慮したトイレで、平成13年度から現在まで、大通駅やさっぽろ駅など7駅で整備をしてございます。  それ以前の、過去に設置された車いす対応の身障者用トイレにつきましては、オストメイト対応の整備はされておりませんが、バリアフリー法で整備が望まれている平成22年度までに完了することを目標に順次整備をしていこうと考えてございます。  それから、この多機能トイレにつきましては、エレベーターとあわせて整備しているものですから、エレベーターの設置していない駅につきましては、基本的にまだないということでございまして、これもエレベーター設置にあわせて整備していくという予定で考えてございます。  それから、2点目の色の判別が困難な方への対応についてでございますが、予算の範囲内で階段の両端部に黄色の色別のテープを敷設して対応しておりますけれども、障がいの内容によりましては黄色ではなく他の色がいいというご意見もございます。今後、段差を容易に判別できるように障がいをお持ちの方々の意見などを参考にしながら、敷設方法それから色について工夫して設置してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆谷沢俊一 委員  次に、地下鉄車両の専用席についてお伺いをしたいと思います。  本市の地下鉄専用席は、昭和49年4月に優先席の試行実施からスタートしておりまして、翌50年4月には、市議会等の提案を受けまして優先席から専用席に表示を変更しております。私の支持者の方も、この専用席を大変ありがたいとして利用されているわけでありますけれども、実は、先日、ある視覚障がい者の方から、こういうお話を伺いました。それは、各車両の専用席の位置についてでございます。  私も、指摘されるまではちょっと気がつきませんでしたが、地下鉄の各車両の端には専用席が設けられている。これはだれでも知っているわけでありますが、その位置が南北線と東西線については連結部を挟んで対角線上に配置されているということでございます。しかし、東豊線が連結部を挟んで並列に配置されていると。対角線でなくて横に並んでいるわけですね。これが視覚障がい者の方にとっては、南北線、東西線に乗る場合は、連結部近くから入ると常に左に専用席があると。こういうことなのですね。ところが、東豊線に乗った場合は、必ずしも左に専用席があるわけではなくて、乗った車両によってばらばらということになって、目の見えない方にとっては非常にわかりづらいと、こういうことでございました。  そこで、やはり常に目の不自由な方にとって、乗ったら一定の場所に専用席があると、こういうふうにすることが非常にいいわけでありまして、それで、位置について東豊線を他の線と同じようにできないかと、こういう要望をいただいたわけであります。こうした意見がほかにもあるかどうかわかりませんが、視覚障がい者の方にとっては大変切実な問題であると、私は感じたものでございます。  そこで、質問ですが、そうした声は交通局にも恐らく寄せられているのではないかと、こう思うわけでありますが、交通局として対応すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。 ◎千葉 高速電車部長  東豊線の専用席の設置位置の変更についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり東豊線の専用席は、南北線、東西線と異なりまして並列といいますか、対角線上にはないという状況になってございます。この点につきましては、視覚障がい者団体からも東豊線車両だけが他線と大きく配置が異なっているので改善してほしいという要望がございました。交通局といたしまして、視力に障がいのある方の利便性を考慮いたしまして、今年度内に専用席の位置を統一するように変更してまいりたいと、こういうふうに考えてございます。 ◆谷沢俊一 委員  そのところはよろしくお願いをしたいと思います。  最後に、要望でございますが、先ほどの色彩判別が困難な方に対する配慮について、これはさまざま予算面などの制約もあるということは重々承知しておりますが、階段の段差等々についてできるだけ整備をしていきたいということでございました。また、案内標識なんかも、ある色によっては視覚の判別が困難な方にとっては非常にわかりづらい、同じ色に見えるということもあるわけであります。したがって、先ほども疑似体験的にと言いましたが、そういう当事者の方にもこういった標識なんかも見ていただきながら、実証しながら整備を進めていただきたいと思います。  また、専用席のあり方でございますが、横浜市のように全席優先席にしたということもございますが、札幌市においては、専用席が既に市民にも定着しているというふうに思ってございます。ただ、ますます高齢社会がふえていく中で、今後、さらに専用席の拡大ということを検討する時期に来ているのではないかと、このようにも考えております。交通局においても、今後ホームさくの設置、あるいはワンマンカー、そして、現在大きな節目を迎えておりますので、こうした機会をとらえながら、専用席の拡充も含めて検討していただきたい、こういったことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。 ◆小形香織 委員  私は、市電についてと地下鉄点字ブロックについての大きく2点を質問する予定でしたけれども、点字ブロックの整備については前段のやりとりがありましたので、指摘だけにさせていただき、質問は市電についての1点というふうにしたいと思います。  まず、点字ブロックの整備の指摘の方なのですが、地下鉄の大通からこの本庁舎に来るまでの間だけでも、点字ブロックが不必要な迂回を誘導するように曲がっていたり、それから点字ブロックで交差した先が切れていたり、それからホームの手前で警告の点字ブロックがあったきりホームに誘導されていない。それからトイレへの誘導ブロックが整備されていないなど、視覚障がい者の方々と一緒に歩いてみて、地下鉄点字ブロックの未整備箇所がたくさんありました。  昨年11月の北海道新聞では、「札幌・地下鉄遅れてる」「点字ブロック“達成”2駅のみ」という見出しで、点字ブロックについて全国平均で72.6%が達成していたが、札幌市営地下鉄はわずか2駅で4.3%にとどまったと報道されており、その後も改善は進んでいないと聞いています。ぜひ、先ほど答弁された点字ブロックの整備の計画を早急に進めることを求めておきます。とりわけ大通駅、さっぽろ駅などの中心部は急がれていると考えております。同時に、障がいを持つ人たちと一緒に実際に歩きながら、どういう誘導がわかりやすいのか、当事者などの声を聞きながら点字ブロックを整備されるように求めておきたいと思います。  さて、それでは市電についての質問に移らせていただきます。  地球環境汚染が世界的な問題となる中で、モータリゼーションの見直しが進み、フランスのストラスブールや札幌市と姉妹都市を結んでいるアメリカのポートランドなど、世界の各都市では一たん廃止した市電を見直し、街づくりの中心的な公共交通機関として再配置をされています。そして、車の進入をストップさせて、商店街は人と市電が優先のトランジットモールやパークアンドライド、街の中はややゆっくり走り、郊外に出ると速度を上げる超低床式のLRTなどが積極的に導入され、古い歴史的な建物と、そして公共交通機関が調和する街並みがつくられています。  上田市長は、路面電車を活用し、歩行者を街に呼び戻します。トランジットモールやLRTの実現の可能性について積極的に検討していきますと、2度にわたる市長選挙で公約しておりますし、私も、市電の存続とループ化、再配置を公約して議会に送っていただいておりますので、ぜひこれを実現させたいという立場から、幾つか質問させていただきます。  先日の代表質問では、市電の存続のために、存続の方向を見きわめながら路面電車のありようについての全体的な構想を検討してまいりたいなどの答弁がありました。この検討とはどのような検討でしょうか。今、されている検討の具体的な内容についてお示しください。  また、これについては、今後、2回のフォーラムを経て結論を出していくとのことですが、このフォーラムを通した後、結論づけるまで、どこでどのような形で市民の意見が反映され、討議されるのでしょうか。また、議会に対しては、いつ、どのような形で経過報告や提案がなされるのか、具体的にお示しを願います。 ◎下村 事業管理部長  路面電車存続についての検討状況でございますけれども、現在、路面電車を存続させるための課題として、経営形態の見直しによる効率化の検討、車両更新等の設備投資の詳細検討、料金改定、財政支援の可能性、需要確保策という五つの課題について、交通局を初め企画調整局など、それぞれの所管において検討を進めている状況にあり、今後、交通事業経営改革会議にその検討状況を持ち寄って議論を深める予定であります。  この中で、特に重要な課題である車両更新等の設備投資の詳細検討につきましては、交通局が主体となり検討を行っているところであります。従来の設備投資に対する基本的な考え方は、古くなった車両の更新に当たっては、バリアフリー法との関係から低床車両の導入を前提としておりましたが、路面電車の役割や具体的な活用策が整理されていない現段階では、新造車両を導入するなど政策的な設備投資を行うことにはならないとの判断から、それまでの間は安全対策を優先するとの考えから、老朽化が進んでいる車両は台車部分の改修にとどめるほか、新規投資的要素を極力抑えることによって、設備投資に要する費用を大幅に圧縮する方向で検討を進めております。  路面電車の大きな方向性につきましては、交通事業経営改革会議において課題の整理を行っておりますが、路面電車のありようについての全体的な構想につきましては、企画調整局が中心となって検討を進めているところでございます。存廃に関する最終的な方向性やありようについての全体的な構想につきましては、今後予定している市電フォーラムや広報さっぽろなどで検討状況を公表し、意見募集を行い、市民の方々の意見をできる限り集約するとともに、今年度中にその方向性の結論を出すことになっておりますことから、その内容について議会にも十分ご説明をし、議論を深めてまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  いつ、どのような形で報告されるのかというふうに私は質問いたしました。市民の意見がフォーラムや広報さっぽろなどでお知らせはしますということは聞いたのですが、それらから出された市民の意見が、交通経営改革会議の中で議論されるというふうに理解してよろしいのでしょうか。  それから、議会に対する報告はどのような形で、いつごろされるのかということについても、先ほど質問したのですけれども、もう少し具体的にお答えをお願いします。 ◎下村 事業管理部長  市民の意見をどのようにまとめてというご質問でございますけれども、今後、2回ほど予定している市民フォーラムや広報さっぽろなどで、市民の意見をご紹介して、さらなる市民の意見募集を行い、それらをまとめていきます。そういった内容のまとめにつきましては、現在、企画調整局が中心となって作業を行っておりますので、企画調整局の判断も待ちながら、今後の各方面への説明に臨みたいというふうに考えております。 ○大嶋薫 委員長  市民意見の内容、あるいは改革会議での検討の内容について議会に報告する時期については、企画調整局の所管で決めていくということでよろしいのですか。 ◎黒田 交通事業管理者  先ほど、下村部長が答弁しましたように、今後の将来的なあり方論の問題も含めて、総合交通体系の問題につきましては企画調整局の方で所管をして、どうしていくのかということなります。(「来年、再来年ということではないでしょう、それなら」と呼ぶ者あり)それで、先ほど、下村部長は、今年度中には方向性を出していくと、こう答えているわけです。  一方では、その市民意見の取りまとめを含めた調査をまとめて、その状況を見ながらしかるべき時期に、なるべく早い段階で適宜議会に報告するということになろうと思っています。 ◆小形香織 委員  しつこくて済みません。  しかるべき時期というのが、どのぐらいの時期かということを伺っているのです。つまり、ある程度形ができてしまって、こうだよとぽんと示されるのでは困るのです。やはり、そこに市民の意見や議会の意見を反映していただきたいということがあるものですから、もうこれからは動かせないという状態で示されるのでは遅いと考えているものですから、しかるべきという時期がいつごろなのかというふうに伺っているので、ぜひお願いいたします。 ◎黒田 交通事業管理者  すべてをまとめてコンクリートにして、議会の方にお諮りするなんていうことは、それは一切考えてございません。  一つの時期の目安としましては、この間1回目のフォーラムがあった、今のところ、2回目を11月末か12月の初めぐらいに、もう企画の方では、ほとんどその日程が決まりつつあります。そして、そこでの議論の方向性も決まりつつあります。その結果を踏まえて、なるべく早い段階で一たんは議会に報告されることになろうかと、このように思っています。このぐらいでご理解をいただければと思っています。 ◆小形香織 委員  12月初めとさっきおっしゃいましたか。そのフォーラムを経てなるべく早い時期にというふうにご答弁いただいたかと思います。  それで、具体的なところを伺いたいのですが、現在、市電の沿線に住んでいる住民はふえているというふうに理解しておりますけれども、しかし、実際には利用人員は減っていると。この乗車の実態についてまずお示し願いたいのと、それから減っている原因は何なのか。どのように分析されているのかをお示し願いたいと思います。  それから、先ほど出されました課題整理をしていますという項目の中に、料金改定というのがありました。料金についてどのような検討をされているのでしょうか。いただいた平成15年度における路面電車に関する検討のまとめの中では、バスや地下鉄の初乗り料金とのバランスも考慮し、現行料金の見直しについて検討するというような表現になっておりますけれども、私は、料金を値上げすれば単純に増収になるかといえばそうではなくて、この不況の時期に料金を値上げすれば、ますます市電の利用は減ると考えます。こうした点についても考慮した上で、一定のシミュレーションが出されて料金改定を検討されているのかどうか、これを伺いたいと思います。 ◎下村 事業管理部長  路面電車の乗車人員の推移についてでございますけれども、10年前の平成5年度は、1日平均で2万5,471人でありました。15年度決算ではこれが2万331人となっております。この10年間で5,140人の減、率にして約2割減少していることとなります。ここ数年の推移につきましても、平成14年度は13年度に対して6.8%と大幅な減少となっており、15年度につきましても、14年度との比較で4.9%減少するなど、近年は大幅な減少傾向を示す、こういった乗車人員の推移状況となってございます。  次に、これらの乗車人員の減少の要因でございますが、依然として自家用自動車が増加していること、さらには、最近では自転車利用の増加なども大きな要因となっていると考えております。  特に、路面電車の路線を取り巻く環境といたしましては、平成7年度ごろを境として、沿線人口は増加に転じておりますものの、沿線の事業所数や従業者数の減少傾向が続いているところでございます。  具体的な数値で申し上げますと、平成13年度の統計、札幌市の事業所によりますと、沿線事業所数は10年前の平成3年度から24.4%の減少、5年前の平成8年度との比較では14%の減少、従業者数では10年前と比較して17.0%の減少、5年前との比較では12%の減少となっております。  また、少子化による生徒数の減少に加え、平成9年度の沿線にございました経済高校の移転、平成14年度からの学校の完全週休2日制、さらに最近では、昨年5月の教育委員会の移転なども乗車人員の減少に影響があったものと考えております。  最後の料金改定に関しての交通局の考え方でございますが、委員もおっしゃいましたように、長引く景気の低迷や毎年利用人員の減少が続いている状況では、収支改善を図るとの理由だけで料金改定を行う環境にないであろうと考えており、仮に料金改定を行った場合、今以上に利用者の減少を招くことにもなりかねないと考えております。しかしながら、今後の路面電車のありようについての全体的な検討の中で、市全体での負担や適正な利用者負担、さらには利用者サービスの向上といったさまざまな観点から、市民議論を行う必要があるというふうに考えてございます。 ◆小形香織 委員  市電の料金についてですけれども、やはりこのままループ化もしない、車両の更新もしない、何もしないで、ただ赤字だから料金値上げというのは、当然、市民の理解が得られないだろうというふうに私も思います。  今のご答弁で示されたように、具体的にはまだ料金を改定してどうするというところまでには至らないのは当然のことだろうというふうに考えています。  市電の利用客の減少傾向も続いているというのも、これも今事業所が減っているといったような理由を述べられておりましたけれども、こうした不況などの影響はもちろんあります。ですが、つまりのところ、市民にとって市電に乗るメリットというのがやはりないからではないかというふうに考えます。1日乗車券やスタンプテーリングなどの努力はありますけれども、この市電をいかに便利な乗り物にしていくかと、その根本が問われているのではないかと思います。  マンション建設などで、沿線の住民はふえているのですから、優先信号を本格的に導入する、あるいはループ化してJRの札幌駅までつなげていくなど、市電に乗った方が早くて安く便利だと実感してもらえるということが、やっぱり利用客増加への道ではないでしょうか。  そういった意味では、先ほど答弁されました検討の中身は、やはり存続ということが大前提での検討でしょうし、市長の選挙公約からいっても、廃止はあり得ないだろうというふうに思っておりますけれども、そういう認識でよろしいのかどうか、ぜひ、黒田管理事業者にお聞きしたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  私に、電車の廃止はないのだなという確認の質問でありますけれども、私自身は、今回の議会の代表質問で、市長みずから市電の札幌市における将来的な構想、そういったものが必要だという認識、全体の位置づけの問題も含めてですね。そういったことの答弁がございました。  それから、存続するために幾つかの課題はあるけれども、その課題を市民へ情報提供しながらいろいろなご意見をちょうだいし、そこを見きわめながら、やはり延伸なりループ化なり、そういったものも検討していく必要があるのではなかろうかと、こういった答弁もございました。その答弁そのものは、私には、以前よりは札幌市トータルでは前向きな姿勢の答弁だと、このように考えております。  バスは廃止されても民間の受け皿がございますけれども、路面電車が廃止された場合、もしも市がやめると言った場合に、地元には受け皿がないわけでありまして、市長の答弁に沿った形で、積極的に存続に向けて交通局としては取り組んでまいりたいと、このように考えています。 ◆小形香織 委員  8月31日に開かれた市電フォーラムの中では、広島電鉄の方が、公営交通は施設改善や電停の整備などをスムーズに市と相談できると。そして、道路管理も理解が得やすい、公営交通にはメリットがあると、こういうふうにおっしゃっておりますし、公営交通のある熊本市の工夫も紹介し、方法論はいっぱいあるとおっしゃっていました。フォーラムの最後には、今のままでは利用客増は望めない。JRと住宅地を結ぶなど、まだまだやるべき課題はありますよとエールを送っておられました。広報さっぽろ7月号の市電の特集に対して、存続を求める声が114件で68.7%という結果が、広報さっぽろ9月号にも出ています。  私は、いつまでも存廃の議論を続けるのではなくて、市電を残すという明快な方向性をまず市が示すことが大事だろうと思います。あのフォーラムで共通した認識になったのは、グランドデザインを示すことがまず必要だということでした。そのためには、まず存続させるということを明確にしなければ知恵も力もわいてきません。市電存続を明確にし、ループ化や延伸など、市電を街づくりに生かしていくように強く求めまして、質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、交通事業会計及び高速電車事業会計の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は明後日21日午後1時から、水道局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  それでは、散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時7分...