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平成16年(常任)厚生委員会−09月13日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-09-13
    平成16年(常任)厚生委員会−09月13日-記録


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    平成16年(常任)厚生委員会−09月13日-記録平成16年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成16年9月13日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時 ○大嶋薫 委員長  ただいまから,厚生委員会を開会いたします。  それでは,議事に入ります。  札幌市敬老優待乗車証制度についてを議題とし,資料に基づき,理事者から説明を受けます。 ◎中田 保健福祉部長  私から,昨年来,さまざまな角度からご議論をいただき,広くご意見をいただく中で検討を進めてきた敬老優待乗車証制度について,来年4月からの実施に向けた最終的な案をまとめたので,ご説明いたします。  お手元の資料の1枚目です。  1番目は,基本的な考え方です。  一つは,敬老精神をあらわす現制度の趣旨を堅持するとともに,外出支援介護予防といった視点からもこの制度を存続すること。二つ目は,市民議論をしながら検討し,行政サービス市民負担バランスのとれた制度とすること。三つ目は,高齢化の進展など社会経済状況の変化に対応した財政的にも存続可能な制度とすること。四つ目は,制度を利用する市民や制度を支える側の市民,交通事業者にも理解と協力が得られる制度とすること。このような視点から検討を進めてまいりました。  2番目に,見直し基本的事項を5項目挙げておりますが,これは,具体的な制度案のご説明の中であわせて申し上げます。  資料の2枚目の新しい制度案をごらんください。  まず,1の交付対象者は,現行どおり札幌市内にお住まいの70歳以上の方とし,所得による制限や年齢の引き上げは行いません。  次に,2番目の利用可能金額は,交付対象となる方が利用可能額1万円,2万円,3万円の中からいずれか一つを選択していただく制度としました。これは,将来に向けて存続していくことのできる制度として,利用可能額をできる限り高く設定し,かつ,交付を受ける方の利用状況に応じて選択することができるようにするものです。  次に,3番目の利用される方に負担していただく金額は,右側の表のとおり,1万円を選択した方は10%の1,000円,2万円は15%の3,000円,3万円は20%の6,000円を,選択に応じてそれぞれご負担いただきます。  次に,4番目の交通事業者の協力は,各交通事業者から利用額の20%程度を負担していただくことで基本的な了解をいただいております。  次に,5番目の乗車証有効期間は,利用可能額を設定することや利用者のご負担をいただくことから,制度の適正な運用を図るため,これまでの2年間から1年間とさせていただきました。  次は,6番目の交付方法は,毎年3月下旬に一斉交付を行い,9月下旬に新たな交付対象となられた方に対し追加交付を行う年2回交付とします。
     また,交付場所は,これまで地区会館など108カ所で民生委員の協力をいただいて行っていましたが,新制度の実施に伴い,市内230カ所の郵便局の窓口でお渡しするようにしたいと考えております。  また,交付する乗車証は,利用実績が把握できる新たな敬老用の乗車専用カードとし,制度の適正な運用を図ることといたします。  なお,このような新たなカードの導入とその運用システムを構築するため,約4億円程度の経費が必要となりますので,平成16年度補正予算を計上させていただきたいと考えております。  以上,この制度案について委員の皆様のご理解をいただきたいと存じます。 ○大嶋薫 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆勝木勇人 委員  今回提示された案で,事業総額がどのくらいになると見積もっておられるのか,まず1点,聞きたい。  また,市民,札幌市,交通事業者の三者はどのような負担額になると想定してこういう案になったのか,それもお知らせください。  それから,3月に示された3,000円の自己負担利用上限額2万3,000円の案と,今回出された案では,数字がどのように変わるのか,事業総額,さらに,札幌市民,札幌市,交通事業者のそれぞれの負担はどう変わるのか。  それから,今回の見直しの基本的な考え方として,3月に示された2万3,000円の案がどういう経過で今回の案に変化してきたか,検討の視点に変化があるのか,案が変更になった経緯をお知らせいただきたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  まず,事業費の関係ですが,今回の案では,利用可能総額をおおむね48億円と見積もりました。内訳としては,市民の方にご負担いただく金額は約9億円,札幌市の負担は約29億円,事業者負担は約10億円と見込んでおります。  なお,ことし3月に提示させていただいた案は,本年10月実施を目指したものであり,計算の時点がちょっと異なりますが,当時の利用可能金額は39億円,市民の方にご負担いただく金額は5億円,札幌市は29億円,事業者の方には5億円の負担をいただく内容でした。これを単純に比較すると,今回の案では,利用可能額が9億円増加し,市民の方のご負担も4億円ふえております。札幌市の負担は変わらず,事業者にご負担いただく額は5億円程度増加します。  これまでの検討経過あるいは見直しの視点です。  3月の検討案では,1万円のプリペイドカードは1枚につき1,500円のプレミアがつきますが,これを2枚交付し,お1人当たり3,000円をご負担いただくという案でした。  これについては,当時,議会でご議論いただき,市民の方からも今日まで多くのご意見をいただきましたが,一つは,利用可能額引き上げを望む声が非常に多かったと私どもは認識しています。二つ目は,利用可能額を複数設けて選択制にしてはどうかというご提案やご意見,三つ目は,各交通事業者の協力をもっと求めるべきであるという要請,ご意見をいただきました。もう一つは,現在の制度の利用の実績を必ずしも明確に把握できなくて,推計に基づいて交通事業者が負担している状況ですので,それを明確にすべきだというご指摘をいただいております。  これらのことを踏まえ,今日まで,各交通事業者との協議も行い,ご協力を求めていく中で新しい制度案に至ったという経過です。 ◆勝木勇人 委員  我々の意見も加味しながら検討していただいたと思います。  前回は,3,000円の負担で2万3,000円のパスがもらえる案でした。今回は,選択制ですが,3,000円を負担した場合は2万円しかもらえません。3,000円負担の場合は利用額が3,000円安くなっていますが,この理由をお知らせいただきたい。  それから,一斉交付で,例えば1万円のパスをもらい,それを夏くらいまでに使い切ったとします。そのとき,利用額いっぱいまでとすれば,最初に1万円もらっていますから,秋口くらいに,追加でもう2万円分交付してほしいとの希望があったとしたら,それにこたえられる案かどうか,お聞かせいただきたいと思います。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目は,今回の案と3月の案を比較すると,3,000円のご負担をいただく方は,3月案では2万3,000円なのに今回は2万円だということです。今回,最大利用可能額を2万3,000円から3万円まで引き上げ,多段階の利用可能額を設ける形とし,新たな制度の組み立てを利用可能額と市民にご負担いただく額とのバランスをとってまとめたので,結果として2万円の部分はそういう形になりました。  なお,3月に提案させていただいた時点では1人当たり3,000円ということですが,ご承知のように,これは,一律なのか,所得などを考慮して格差をつけるのかという議論があり,当時,その辺はご議論をいただきたいということで提案した経過があります。  それから,年度の途中でもう一度交付できるかどうかです。これは,当初利用される方がみずからの利用に応じてその可能額を選択していただき, そのお約束に基づいて選択したカードを交付する形になります。したがって,その後のさまざまな事情によって追加して,随時,交付することは,この制度の適正な運用の面からできないと考えております。 ◆勝木勇人 委員  うちの会派はこれに対する意見をまだまとめていませんが,あと2点だけ伺います。  提示案では,一斉交付のほか,追加交付を年1回に限定していますが,その理由をお知らせいただきたい。  それから,これまでの制度では,70歳以上の転入者とか新たに70歳になられた方には,随時,交付してこられたと聞いています。新しい案では,その辺の交付の仕方は同じか,それとも,そのときしか交付しないのか,説明をお願いします。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の年2回交付とした理由です。今回の新しい制度の案では,利用可能額を選択していただいた上で,交付を希望される方に,交付日交付場所,負担していただく金額を改めてお知らせする手続があります。そうしたことから,交付事務を円滑に行い,また,その効率化を図る観点から年2回の交付といたしました。  それから,年度の途中において,札幌市内にずっとお住まいの方が新たに70歳に到達される場合,また,市外から転入される70歳以上の方についてです。これまでは,随時,交付しておりましたが,年2回の交付にすることにより,転入された方については,ご本人がどれを選択されるかという意思を確認させていただく手続もありますので,3カ月程度は必要であると考えております。例えば,1月から6月までに転入された方は,9月末の交付日まで待っていただく,7月から12月までに転入した方は翌年3月の一斉交付という形になります。また,新たに70歳に到達された方は,年2回交付によって現行制度よりも不利にならないよう,誕生日前の交付日予定者として前倒して交付します。例えば,4月から9月までに到達する方は3月末までに交付し,10月から来年3月までに到達する見込みの方は9月に交付する形をとります。 ◆林家とんでん平 委員  私からも,何点か伺います。  3月に提示された検討案に比べ,利用可能額が少し引き上げられており,また,複数の利用可能額を設定して利用者の選択が可能な制度になっています。私は,先般の厚生委員会で,市民が選択できるものがいいと言っていましたが,それを酌んでいただいたかなと思い,一定の評価をしております。  そこで,1万円,2万円,3万円の3段階のうち,利用可能額が3万円の案は何%の人がその範囲に入るのか,まずお聞かせ願いたい。  また,これを超えて利用する人はどのような負担になるのか。  まず,この2点についてお伺いします。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の今回の利用可能額の3万円の範囲にどの程度の人が含まれるかですが,私どもは,昨年末にアンケート調査を行い,70歳以上の方の利用実態を詳細に調査させていただきました。それに基づき,53%程度の方が3万円以内の利用と推計しております。  それから,二つ目は,これを超える方はどのような形になるかです。これを超えた部分は通常の料金を払ってご利用いただくことになりますけれども,例えば,3万円の利用可能額を1万円超えて年間4万円使う場合は,一般の割り引きが適用されて8,700円くらいの負担になると思いますので,交付時の6,000円と合わせると1万4,700円になります。結局,年間を通じ,6割以上の割引率公共交通機関をご利用いただけることになります。 ◆林家とんでん平 委員  次に,交通機関ごと支払い額についてお伺いします。  平成15年度の決算,16年度予算の金額をぜひお示し願いたい。さらに,平成17年度の金額はどのように見込んでいるのか,あわせてお願いします。  また,市営交通民間バス構成比はそれぞれどのようになっているか,お聞かせ願います。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の平成15年度,16年度,また,平成17年度は今回の案により各交通事業に負担をする額の内訳です。  平成15年度の決算ベースでは約35億超になりますが,このうち,地下鉄へ21億5,000万円ほど,市電では6,000万円ほど,それから,当時はまだ市バスがありましたので,これが1億1,000万円,民間バスは約12億円です。平成16年度は,算定の根拠は基本的に同じ形で各交通事業者と協定しておりますが,地下鉄が約23億円,市電は6,000万円程度と変わらず,市バスがすべて民間事業の方に移管されたので,民間バスが13億6,000万円程度と見込んでおります。  なお,平成17年度は,私どもは新制度に基づいて内訳を推計しておりますが,これによると,地下鉄で16億円程度,市電で1億円程度,民間バスが21億3,000万円程度,トータルで38億円くらいが交通事業者に負担する額と見込んでおります。  それから,2点目の市営交通民間バス構成比ですが,平成15年度は,市営交通66%に対して民間バスは34%,16年度は,市バスの移管があったので,市営交通63%に対して民間バスが37%程度と見込んでおります。  なお,平成17年度について新制度により推計しますと,市営交通は45%,民間バスは55%になります。 ◆林家とんでん平 委員  今お聞きしていますと,なぜ構成比が変わるのか,これが疑問です。  現行制度における平成15年度,16年度の構成と,平成17年度の新制度案による構成比が大きく違うのはなぜでしょうか。 ◎中田 保健福祉部長  平成15年度と16年度は,市民全体の乗車実績から,各事業者ごとに70歳以上の方の乗車実績を推計したものに基づいて協定をしていました。今回,こういう形の制度をまとめましたが,新しい制度では,実際の利用実績を把握し,それに基づいて事業者に対して負担する仕組みになりますので,私どもが昨年行ったアンケートによる利用実態調査に基づき,高齢者利用実態のシェアによって構成比を割り出しました。 ◆林家とんでん平 委員  次に,事業費の将来的な見通しについてお伺いします。  事業費市民負担,札幌市の負担額は,将来的に,どのように推移すると見ているのか,はっきりお答え願います。 ◎中田 保健福祉部長  今回の制度による将来の事業費の見通しです。  私どもが3月に案を提示したときは,4年ないし5年後に現在の財政的負担レベルに到達すると考えて提示させていただいたと申し上げました。今回,私どもは,平成20年にどのくらいになるか見込んでおりますが,この間,高齢者の方は大体4万3,000人くらい増加すると見込み,これに基づいて推計すると,平成20年度では,利用可能総額が約57億円程度,内訳としては,市民にご負担いただく額は11億円弱,札幌市の負担は35億円程度,各交通事業者にご負担いただく額は11億円強となります。 ◆林家とんでん平 委員  今示されたのは,4年後はもちろん,来年度の金額も予測,推計の域であり,実際に実施してみなければ全くわからないのではないかと思います。  そこで,新しい制度を実施した場合,利用の実績や制度の運用上の問題等を検証することが必要であると考えますが,市としてはどう考えていますか。  もう一つ,市民ニーズにこたえる制度として,検討の必要性や検討の形について考えがあれば,あわせてお伺いします。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の将来の制度の検証についてです。  確かに,新しい制度における利用実績やそれに伴う負担額等は見きわめ切れない面があります。したがって,私どもは,制度が開始されて2年程度はその実績を把握する期間として必要であり,また,それに基づき,3年目をめどに検証し,4年目以降の制度について検討を行うことを一つの方向性として考えております。  それから,2点目ですが,この場合の検証の視点としては,一つは,利用者利用実績を含めた実態であり,もう一つは,制度に対する市民の評価や意識の変化です。さらに,札幌市の財政状況,また交通事業を取り巻く環境,全体的な社会経済状況の変化という視点も含め,制度の趣旨,目的を踏まえて検討していきたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  最後に,2点伺って終わりにします。  新制度を実施するために,システム改修費等で4億円程度必要であると聞いております。この4億円の中に不正防止対策が含まれているのかどうか。それから,平成16年度予算の補正を予定しているとの説明ですが,いつ提案することになるのか。この2点をお聞きします。 ◎中田 保健福祉部長  私から,1点目の不正防止の関係についてお答えします。  3月に提案させていただいた案との比較で申しますと,3月の案は,基本的な機能としては一般のウィズユーカードと同じです。したがって,それを使ったときに,例えば地下鉄では特定カードであることを示すランプがつきません。しかし,今回は特定したカードであり,これが特定カードであるというランプが点灯しますので,不適正な使用を防止することができると思います。また,民間バスでは,これまで,提示して運転手さんがそれを見てということでした。今度も,確かに運転手さんはおりますが,カードリーダーを通す形になり,改めて特定カードであることを運転手さんの前のディスプレーに明示する形にできますので,そういう面でも適正使用については前進したと考えております。 ◎横山 保健福祉局理事  補正予算の提出時期の関係です。  補正予算については,システム改修等々の準備期間等も考慮しますと,21日に招集される第3回定例市議会にご提案させていただき,ご審議をいただきたいと考えております。 ◆高橋功 委員  私からも,数点お伺いをします。  我が党は,3月に出された検討案の時点でも,その後の厚生委員会等でも,今まで負担がゼロで,しかも,幾ら使ってもいいという現行制度から,利用者負担が導入される,そして利用上限を設定するという提案でしたから,二重負担になるのではないか等々で懸念を表明してきました。そして,きょう,改めて3月時点とは違う案が正式に提案されましたので,中身について若干お伺いします。  今,お2人の委員の質問に対する答えの中で,利用可能額の合計が48億円で,そのうち,交通事業者が10億円を負担,市民負担が9億円,そして,市の負担が29億円だというお話しでした。ただ,この金額をお答えになるということは,当然,70歳以上の該当する高齢者の方々が今提案されている1万円,2万円,3万円のどれを選択するか,その想定がなかったら出てきません。ですから,あくまで見込みかもしれませんけれども,その比率をどう見ているのかお答えをいただきたい。  同時に,その根拠は何か。お答えいただきたい。  もう一点は,交付率です。つまり,どれくらいの人が手を挙げるかです。今,札幌市には70歳以上の対象者が22万5,500人います。昔は全員に上げていましたが,今は手を挙げていただきますから,現行はどのくらいの人が手を挙げていたか。そして,今回お示しになっている案ではどのくらいの人が手を挙げると見ているのか,お伺いします。 ◎中田 保健福祉部長  利用可能額選択構成比交付率の関係ですが,私どもは,今回の案について,17年度の交付対象者見込み数は22万5,500人,そのうち85%の交付率で,19万1,700人ほどの方がいずれかを選択する形で交付することになると推定しています。また,利用可能額の選択に当たっては,1万円はそのうち2割,2万円は1割,3万円を選択する方は7割として先ほどの事業費を推計しました。  なお,この構成比のもとになっているのは,昨年行ったアンケートによる利用者実態調査の中で回数を伺っております。そこから利用される金額を推計して,おおむね5,000円未満の方は1万円を選択され,5,000円から1万円くらい利用されている方は2万円を選択し,1万円以上利用されている方は3万円を選択するだろうと見込んでおります。これは,今回のような制度になると,実際に利用している額より多目に確保しようとお考えになる方が多くなるのではないかと考え,このような見方をしました。  また,現行の交付率は80%です。 ◆高橋功 委員  ただでもらえるのに交付率は80%です。今回の提案では,もしこのままだと利用者に負担がかかることになりますが。それで80%よりも高い85%を見込むのは私は理解できません。それはなかなか難しいのではないでしょうか。  85%と見込むということは,結果,市民の負担が高くなり,市の負担が少なくなります。ですから,何%で見るかは大変大きな話だと私は思います。交付率は下がると見るのが普通ではないかと私は思いますが,あえて80%から85%に上げた理由をお伺いしたい。  それから,実際に利用している額よりも多目に確保しようという心理が働くのではないかと言われました。その説明の中で,5,000円未満,5,000円から1万円,1万円以上ということですが,さっきの林家委員の質問に3万円までの人は53%と答えられました。ということは,逆に言うと,47%は3万円以上利用しているのではないですか。3万円以上利用している人は,自分が実際に利用しているより多く確保しようとしても,3万円で打ちどめだったらできないでしょう。1万円以上の人は3万円を選べると言うと,よく聞こえるけれども,3万円を超えている人たちは3万円しか選べません。この点はどうか,ぜひお伺いしたい。 ◎中田 保健福祉部長  1点目の交付率の件ですが,確かに,普通に考えますと,利用者に負担がかかると交付率は下がる要因になると思います。  ただ,現在交付を受けていない2割の方のおおむね半数は,マイカーやタクシーを利用することを交付を受けない理由としており,事実上,公共交通機関を利用することができる方です。そういう中で,昨年来,いろいろご議論をいただき,この制度に対する市民の関心が非常に高まっていることや,経済の厳しさなどから,交付を受ける人がふえるのではないかと見込みました。また,利用可能額を選択できる制度になるため,まず交付を受けておこうと考える市民の方がふえるということもあります。それから,平成10年から申告方式になっておりますが,過去3回は,わずかではありますけれども,一,二ポイントずつ交付率が上がってきており,交付率が上がる傾向にあります。さらに,現実的な問題として,今回の事業費見積もりは将来の予算額に反映してきますので,ある程度,確実に見込んでおく必要があったことから,現行の80%より高い85%と見込みました。  それから,2点目の3万円を超える方は,確かに3万円が上限で,そこまでしか選択できません。それを超える方は,超える部分は一般料金をお支払いいただくことでご理解をいただきたいと思います。 ◆高橋功 委員  私はなかなか理解できません。  そもそも利用額の上限を設けることについては,確かに青天井ではこれからの制度としてなかなか難しいとか,いろいろ議論があります。ただ,仮に上限を設けるにしても,私は,3万円で切るのは不十分ではないかと思います。単に,3万を超える方は自分で負担してください,少しは割り引きになりますという答弁では,皆さんのご理解はなかなかいただけないのではないかと思います。四十数%というのはかなりの数です。全部をカバーするのはなかなか難しいかもしれませんが,3万円の上限はもう少し拡充を検討すべきでないかと思うが,この点はどうでしょうか。  先ほど来の答弁だと,市の負担は30億円以下ということが先にあって,そこから逆算して3万円の上限や市民の負担率云々が出てきたような気がしてしようがありませんが,それはまた後でお伺いします。  まず,3万円の上限でいいかどうか,その拡充について,ぜひご答弁いただきたいと思います。 ◎横山 保健福祉局理事  ただいまご指摘いただいたとおり,従前の制度と比較して,3万円以上ご利用の方,あるいは,もう少し下のところからご負担をいただいたり,上限を設定することについては,それをご利用される方にご負担をかけたり,制限をお願いしなければならないのは事実です。  今回お示ししている案は,提案のときにもご説明しておりますけれども,やはり,ここ数年,また将来を考えたときに,対象の方が年間1万人強ふえていく状況もあるので,この制度を残してある程度の幅の中で何とかうまく運用していくためにはぎりぎりのところだろうと判断しております。  アンケート調査等々においても,ご負担をしてもよろしかろうという市民の方はかなりの数に上っておりました。ただし,どこまでもご負担いただけるというわけではありません。やはり,その額はある程度の幅で考えなければいけないと思います。  それから,上限については非常に抵抗感があったのは事実です。しかし,ご負担のところと,上限をできるだけ引き上げることでご理解いただき,財政負担についても長期的に何とか負担していける範囲内の制度にしたいということで,今回お示ししたのがぎりぎりのところと判断しております。 ◆高橋功 委員  それでは,市民の負担額についてですが,提案いただいた中では,1万円の券を選ぶと1,000円,2万円だと3,000円,3万円だと6,000円です。この負担は,3段階の利用可能額に応じて,一律ではなく10%,15%,20%と上がっていきます。選択する額が上がると負担率が上がるのはなぜか。市民の皆さんに負担していただくのはやぶさかではないとしても,定率という考え方がないわけではないのに,定率にしないで,10%,15%,20%にした理由を伺いたい。  同時に,この方式で私が懸念するのは,所得の少ない方々が1万円のカードを選ぶとは限らない。本当は3万円を選びたいのに,6,000円も負担するのはなかなか厳しいということにならないのですか。要するに,収入の少ない方は1万円しか使えないのかということを私は懸念します。市民負担を導入するときに,単純に,あなたはたくさん使える額を選んだから負担が高くなるのは当たり前ということになるのか。これでは,負担できない人は使える額も少ないのだといわんばかりのような気がするけれども,この点はいかがか,お伺いしたい。 ◎中田 保健福祉部長  1点目の累進制の形でご負担いただくという件です。  三つの利用上限額を設けたのは,受けられるサービス水準,負担していただく金額のバランスからこうさせていただきました。今,一律というお話もありましたが,仮に一律10%として,1万円を選んだ方は,事業者負担が20%あって,10%は市民負担,7割を市が負担するという考え方でいきますと,1万円について7,000円の公費が投じられることになりますが,最上限の3万円を選んだ方は公費負担が2万1,000円ですから格差が1万4,000円となります。それに対し,率を上げることにより,公費負担は1万円の方は7,000円,3万円を選択した方は1万8,000円となりますから,ある程度の格差の緩和も要素に入れました。  それから,所得の低い方への配慮という質問です。  私どもも,これまで,いろいろな形で市民の方のご意見をいただいてまいりました。特に,3月に具体的な案を提示した後は,主にこの制度を利用している方々から多くご意見をいただきましたが,見直しはやむを得ないという方の中で,この程度なら負担していただけるという金額が3,000円から5,000円と答える方がかなり多くおりました。また,8,000円や1万円でもいいと言う方もいらっしゃいました。ただ,そのレベルだと,フリーパスを想定して考えている方もいらっしゃるのかなと思います。  私どもはその辺を総合的に勘案して,上限の6,000円というのは,交通事業者の負担部分,あるいは札幌市負担との関係から見ますと,ある程度所得が低い方でもご負担いただけるレベルかなと考えましたので,ご理解をいただきたいと思います。 ◆高橋功 委員  これは,確かに議論があると思っています。今ご提案している案は市として最良の案ということでお出しになっていますが,我が党としては,きょうのきょうですから,この時点でこれ以上は申し上げないけれども,これに対して本当に市民が理解できるかどうか,また,持続可能な制度としていけるかどうか,いろいろな観点でしっかり検討させてもらうことになると思います。  いずれにしても,市民の負担を今想定している9億円から下げていくと,当然,市の負担が上がることになります。そこら辺の判断も含めて検討しなければいけない。これだけ申し上げて,きょうは終わります。 ◆小川勝美 委員  私からも,何点かお尋ねしたいと思います。  今回示された案は,中田部長の先ほどの説明では最終的な案と言われましたけれども,これで市民の理解を得ていこうというような案ではない,そんな思いを強くしております。特に,上限額の設定と利用者負担の導入は二重の改悪です。一挙に二重の改悪をやるというのは,基本的に3月案と同じです。3月案は,結局,市民の理解が得られないということで,5月の議会で撤回されました。その結果,9月21日と22日に現行制度で半年間の敬老パスを発行することになり,今,各高齢者のところに通知が行っております。  今回の案は,市民の理解が得られないからということで撤回した3月案と基本的に変わりがないと思うのです。3月案は,高齢者負担は平均3,000円,そして2万3,000円が利用可能でした。今回の案は,3,000円の負担なら2万円で,3月の案より3,000円も利用可能額が削られています。そして,3万円なら負担は6,000円ですから2倍です。しかも,3月の案は,介護保険料の第1段階や第2段階の人は1,000円ということで示されました。 したがって,今回は,3万円のカードを選択すると,低所得者は,1,000円の負担から一挙に6倍の6,000円の負担になります。そして,平均でも,3月の案は5億円の利用者負担でしたが,今回は9億円です。これで本当に市民の理解が得られるのかと思います。仮に上限額がなかったらこれで了解してくれるお年寄りもいますが,片方で上限額も設定されるのでしょう。  本当に高齢者の皆さんに理解していただこうと思って検討されたのか。私は,3月案より,市民の理解を得る上ではかけ離れた案になったと思っておりますが,もう一度,その点の認識をお尋ねします。  もう一つは,3月案では,議会に提示するとともに,コールセンターなどで市民の意見を求めました。このとき,ダブルの改悪,上限額の設定に市民の皆さんは強い反対をしました。こういう経過の中で,市は5月に3月案を撤回しました。今回,示した案について,どのようにして市民の意見を聞き,何よりも当事者である高齢者とどうやって合意形成を図っていこうとされるのか,具体的にお示しいただきたいと思います。  またコールセンターで意見を聞くとか,あるいは,もう一度,高齢者利用者アンケートをするとか,市民の意見を聞くことや高齢者の合意形成にどんな努力をされようとするのか,お尋ねします。  しかも,昨年実施した市のアンケートがありますが。この中では,現行どおりと言う人ともっと拡大してほしいと言う人を合わせると五十何%になります。同時に,何よりも,利用上限額の設定の問題については,70歳以上のお年寄りは,現行のままでよいというのが41.2%で,年間3万6,000円以上とか4万円,5万円と使えるようにしてほしいという人を合わせると53.1%です。70歳未満の人も,月額3,000円以上と現行のままでいいと言う人を合わせると58.9%です。高齢者でない70歳未満の人でも,6割の人が市が示された案より高い上限額を望み,あるいは,上限額は設定すべきでないとに答えています。そういう中で,利用者負担が9億円,さらに上限額を設定して,大多数の市民の意見とは違う案を議会に提示しています。これでどうやって合意形成を図っていこうとされているのか,この点についてもお尋ねをします。
     当事者そっちのけ,高齢者そっちのけでこういう案を進めていくのは,私は上田市長の選挙公約を見ましたが,上田市長の政治姿勢とは違うのではないかと思います。市長の選挙公約をご存じの上でこんな案が出てきたのですか。その点も含めてお示し願います。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の3月提示案と今回の案についての私どもの認識です。  確かに,利用される方から見ますと,負担はなるべく少ない方がいいですし,なければないにこしたことはありませんし,利用の制限もない方がいいです。これについては,利用者の切実な声として私どもも十分承りましたし,重く受けとめております。  しかし,この制度を存続していくためには,利用者の方はもちろん,この制度を支えていく側の市民のお考え,あるいは,交通事業者の協力も得なければなりませんので,そうした方々のお考え,そして,財政的にも将来にわたり負担が可能なものという中で,どの辺が調整できる範囲なのかと。確かに,利用者の方から見ますと,一つの制限が加わるというご意見は数多くいただいておりますが,そのような中でぎりぎりのところでまとめた案であることをご理解いただきたいと思います。  それから,2点目のコールセンターなどでの意見募集,あるいは市民の合意形成についてです。  昨年,問題提起をさせていただいて以来,私どもは,さまざまなところで市民の方のご意見を伺ってまいりました。まずは,この制度の実情をお示しし,それに基づいたご意見をいただき,また,アンケート調査もさせていただきました。これは,180万市民のうち,有権者は150万人いらっしゃいますが,すべての意見を捕捉することはできないので,その傾向をいかに公平に,できるだけ正確にとるかということで行ったのが私どものアンケートです。あのような形で,まず基本的な市民のお考えを聞き,そして,ことしに入ってからは,まさに利用者である高齢者の集まりや老人クラブなどへ出向き,10区を回って直接ご意見を伺ってまいりました。そういうことに基づいて,利用上限額を設けることもやむを得ない状況,また,制度を利用する方,されない方との関係から,利用される方にある程度の負担をいただきたいと具体的な数字を示して提案させていただきました。  その後,今日まで,さまざまな形で議論をいただきました。まさに,市民の方のご意見もいただきましたし,私どもも出前講座という形で出向いて直接お聞きしました。そういう中で,利用者の立場から,制限がない方がいいというご意見も多くいただきました。しかし,反面,この制度を存続するために,存続可能な形での制度にするためには負担もやむを得ないと考える方々も大多数に上っている,理解が深まっていると私どもは認識しております。  もちろん,今後においても,この制度についてのご意見は,コールセンターなり,私ども原局でも結構ですし,市民の声を聞く課でもご意見をいただきます。ただ,来年4月の実施に向けて,予算という問題もありますし,まずは議会の各会派の皆さんのご意見をいただきたいと現在考えております。  それから,昨年,市長の施政方針の中で,敬老パスのあり方の検討ということが問題提起されました。敬老パス制度は,これまでもさまざまな形で私どもにご意見が寄せられておりますし,平成9年から10年にかけては,学識経験者による懇話会を設置してこの制度のあり方を検討しました。この時点では,結果として全員配付から必要な方に取りに来ていただく方式に変わりましたが,既にその報告書の中でも,全員意見ではありませんけれども,この制度を財政的にも存続可能なものとするために,年齢引き上げ利用者の負担,利用制限を設けることが明確に提起されております。  私どもは,社会や経済状況の変化の中で,一つの制度がどうあるべきかについて問題提起することが,今,所管している者の責務だと思います。そのことが市長の施政方針の中で具体的に取り上げられたということで,公約等の関係のお話もありますけれども,一つの制度を常に見直し,検証していくという考え方に沿ったあるべき形であると私どもは理解をしております。 ◆小川勝美 委員  市民の認識が深まっているという今のご答弁ですが,私は,きのうもおとといも地域の敬老会に参加してきましたが,参加しているお年寄りたちは,今回の案を見てみんなびっくりしています。何とかこんなふうにしないでほしいというのが切実な声として上がっています。部長の認識は違うのではないかと思います。  当事者である70歳以上の高齢者とどうやって合意形成を図っていくのですかと私は聞いたのです。市民の理解が深まっているからいいのだという認識は,私は違うと思います。市長の選挙公約からいったら,当事者である70歳以上の高齢者の合意形成をどうやって図っていくのか,今後,高齢者の理解を得るために具体的にどんな努力をされるのか。議会に提案するのはそれからです。合意形成がないまま出てくるのは理解できません。  まして,これは,市が昨年に実施したアンケートです。70歳以上の人でも,上限額の設定はしないでほしい,3万6,000円以上乗れるようにとアンケートに答えている人は53.1%です。70歳未満でも58.9%です。6割の人が上限額を設定しないでほしいと言っているのに,どこで合意形成されたのか。今,認識が深まったと答弁されたけれども,私はその根拠がわかりません。出前講座に行って,一方的にしゃべっているときはみんな頭を下げて聞いています。しかし,本当に意見を聞いたら,こんな案は支持されないと思います。今後,70歳以上の高齢者の合意形成を図っていく具体的な努力をどうされるのか,もう一度,お尋ねしたい。 ◎中田 保健福祉部長  70歳以上の方々の合意形成ですが,私どもは,具体案を提示してから,主に利用されている高齢者を中心にご意見を伺いに上がり,出前講座を七,八回やる中で540名ほどの方と直接お話をしました。そこでは数名の方にしかご発言いただけないので,アンケートという形で紙に自由に記載していただく形をとり,すべての統計をとっておりますが,その中でも,現状維持という方は31%から32%くらいで,見直しに賛成してくれる方は56%から57%いらっしゃいました。受益者の方にしてみれば負担がないことにこしたことはありませんが,私どもが出向いて,上限額を設けなければならない事情,その中でも最大限に引き上げたこと,ご負担いただく額を必要最小限度に抑えたという説明をした中でこういう回答をいただいています。  また,昨年のアンケートでは,現在,上限額を設けていないが,仮に設けるとしたらどの程度の上限額を設けるのが適当かという質問をさせていただきました。その中では,確かに,70歳以上の方では現行のままとおっしゃる方は41.2%ですけれども,私どもの問いに,月額1,000円だ,1,500円だ,2,000円だと答えてくれた方は43.5%で,70歳を超える方にして上回っております。そういうことで,私どもは,高齢者の意向を酌んだ中で,この実施に向けて最終的な理解を求めている段階であります。 ◆小川勝美 委員  私が聞いたのは,アンケートは年間3万6,000円以上ですから,4万円とか5万円ということも想定して11.9%が答えているのです。さらに,現行のままで上限額がなくていいと言う方は41.2%,合わせて53.1%です。部長のご答弁では,年間3万6,000円を超えて4万円,5万円,6万円と考えている人も含めて,アンケートに答えた人は上限額を設定してよいとする認識は違うのではないかと思うので,もう一度,ご答弁をいただきたい。  それから,私たちも8月25日の夕方にこの案を示されました。その後,何回の出前講座でどんなふうに説明してきたのか,具体的に,何日にどこで何人とご説明いただきたい。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目のアンケート調査ですが,確かに,本日お示しした案の上限額は3万円で,この問いからいけばそれを超えた部分もあるので,ご指摘のとおりだと思います。  ただ,何を申し上げたかったかといいますと,上限を設定せざるを得ないことに対する理解という点です。この制度をどういう制度にするかという場合,利用者のご要望を100%参酌できればいいですけれども,やはり,存続のためには,市の財政状況もありますし,事業者の協力もある中で,ある意味ではその要望を下回る条件になるかもしれませんが,こういう案を提示させていただいたところです。  それから,8月25日に具体的な案を提示してからは,出前講座の予定は4カ所ありますが,現在のところはまだ行っておりません。  なお,先日,老人クラブ連合会の役員会がありまして,私どもは,今後,この案についてご理解をいただくために出向くというお話をしました。そこでの役員のお話ですが,これまでの経過の中で,やはり老人クラブの中にもいろいろな意見の方がいらっしゃるということで,負担や上限について理解が深まっているというご意見をいただいたつもりなので,そういう認識でいることをご理解いただきたいと思います。 ◆小川勝美 委員  部長は都合のいい解釈をしてご答弁されているのが今わかりました。8月25日に案が示されてから,出前講座は一度もない。ところが,私たちは,毎日,高齢者の人たちと会っています。敬老パス問題でも,いろいろな活動をやっている人は,敬老パスを今のまま守ってほしいと。あるおばあちゃんは,去年,おじいちゃんが2カ月入院したが,敬老パスがあったおかげで,毎日,おじいちゃんのところに顔を出すことができた,敬老パスは本当にありがたい,なくさないでくださいと。これは本当に切実です。それから,きのう,おとといにあった敬老会などでも,敬老パスの問題は一番の関心事です。上田市長になったら,敬老パスはなくなるのですかと心配しているのです。  昨年のアンケート調査,あるいは,議会での上田市長の答弁も,敬老パス制度を守るための見直しだと言っていました。しかし,3月に示された案,今回示された案は,いずれも敬老パス制度は廃止して,3月案は共通ウィズユーカードであり,今度は新しい敬老用専用乗車カードであって,敬老パスとは言えないものです。  そこで,新カードの性格についてお尋ねをします。  1万円なら10%の1,000円,2万円なら15%の3,000円,3万円なら20%の6,000円と,累進的に負担が上がっていくのです。これは,どういう物の考えから出てきたのか,もう一度,お尋ねをします。  それから,今度のカードは,3月に示された共通ウィズユーカードと違って,記名されて本人しか乗れないものなのか。また,6,000円払ってもらった方が急に病気になってほとんど使わなかったら,6,000円は返してくれるのか。あるいは,6,000円払って3万円分乗る権利を買ったわけだから,おじいちゃんは体が悪くなって乗れなくなった,おばあちゃんはお金がなくて1万円分のカードしか買わなかったけれども,元気だからおじいちゃんからおばあちゃんに渡してカードの残り分をおばあちゃんが使ったらどういう対応になるか,お聞きします。 ◎中田 保健福祉部長  1点目の累進制の関係は,上限額を多段階にし,かつ,2万円3,000円から3万円に引き上げたという組み立ての中で,バランス上の理由から,高い金額の方には高い率でやむを得ないと考えました。  2点目は,今回のカードシステムに関連してですが,この制度の名称を変えるのではなく,敬老優待乗車証というのは全く変わりません。敬老パスは愛称であります。私どもは,今度は新しい機能を持つので表現として敬老用専用カードと言いますが,敬老優待乗車証の趣旨や内容は全く変わっていないと考えております。  また,このルールとして,みずから選択したものはその方のみ使っていただく,そのほかの方は使わないようにしていただきたいと考えております。  ただ,これまではお名前が入っていましたが,今度は,3段階の選択ということで,事前にお聞きして印面に名前を直接印字することができません。本来,名前が入ることが望ましいと思いますが,市民の皆さんには,こうした制度が全くない周辺市町村や他の指定都市があることやで,この制度の趣旨を考慮していただいて,利用される方を信頼して運用していきたいと考えております。 ◆小川勝美 委員  もう一つ,新カードについてお尋ねしたいと思います。  今回の新カードでは,実際に利用した額の2割カットして交通事業者に払います。さっき言ったような例で,おじいちゃんが病気になって乗れずに,おばあちゃんがおじいちゃんの分を乗った場合,交通事業者は,敬老手帳とカードをチェックして,あなたは不正使用だからだめだとチェックすることはできません。また,おじいちゃんのカードでおばあちゃんが乗っても,交通事業者には8割ずつ乗車料収入が入ります。それでは,だれがこの不正使用をチェックするのですか。交通事業者は,市からお金が入るので,それでもいいから乗ってくださいと促進するのではないですか。 ◎中田 保健福祉部長  不正使用を取り締まることに重点を置いた制度ではないということは,先ほど申し上げたとおりです。  今のような事例では,確かに,それをバスの乗務員がチェックするのは,事実上,困難だと思います。この制度は,長年,苦労された方に敬老の精神で差し上げているものであり,だからこそ,それを受け取った方の善意を信頼したいと私どもは考えております。 ◆小川勝美 委員  今までのような敬老パスであれば不正利用は誘発しないのです。所得が低い人や,おじいちゃんとおばあちゃんの2人が生活保護を受けているような世帯でも,交付時期には一挙に1万2,000円かかるのです。  横山理事に伺いますが,生活保護の世帯には,この1万2,000円に対して特別な給付金が出ることになりますか。 ◎横山 保健福祉局理事  敬老パスに一部負担が導入されるから,その負担に対して,特段,何らかの手だてをすることにはなりません。  それから,不正使用については,負担によってそういうことを誘発する側面もありますが,やはり,一部負担がある場合もない場合も,根本的には利用される方の意識の問題だと私は考えています。 ◆小川勝美 委員  私が言いたいのは,一部負担を導入して,おじいちゃんは3万円のカードを買った,おばあちゃんはそんなに自己負担できないから1万円のカードを買った,おじいちゃんの分ということで買ったけれども,おじいちゃんのぐあいが悪くなって乗れなくなったら,私の方は1枚しかないし,記名されていないから,おばあちゃんが乗りたい,これが不正使用になるのでしょうか。そのときには7,000円しかお金がないから,仕方がなく,おじいちゃん名義で3万円,おばあちゃん名義で1万円のカードを買っただけなのに,それが不正使用になるのですか。お金がある人はもらえるのですよ。 ◎横山 保健福祉局理事  我々が考える制度は,ご夫婦であっても,個人で選択したものはその後も個人名義で運用しますので,今の事例のおばあちゃんは使用できません。 ◆小川勝美 委員  交付時期に7,000円しか払えない夫婦では,こういうことも起こるのです。そういう面では,低所得者に対して新しい矛盾をつくり出すことを指摘し,次の問題に移ります。  次に,交通事業者の問題について質問します。  先ほど,昨年度の決算で言うと,市電が6,000万円,地下鉄は21億5,000万円,バスは13億円,合計約35億円というご説明がありました。そして,今回,カードで乗れる分が48億円で,利用者が9億円を負担するということです。そして,53%の人は3万円の中でおさまるけれども,47%の人は,それを超えた金額は自分で支払うことになります。ウィズユーカードを買ったり,現金で払ったりすることになります。来年度,これがこのまま実施された場合,今までの敬老パスと同じように,高齢者が病院に通院する,買い物にも行く,ボランティア活動にも参加するとなると,47%の人はどうしても超える額を払わなければなりませんが,今までどおり乗ったら,48億円の利用総額を超える部分は幾ら払うことになりますか。 ◎中田 保健福祉部長  もちろん推計でありますけれども,これまでの制度では,いろいろな角度から利用実態を調査した範囲ではトータルで倍くらいなので,例えば,昨年の35億円という事業費からすると70億円を超える実績になります。新しい制度においては,その実績をどこまで推計するか,私どもは最高利用可能総額48億円の中でいろいろ推計していますが,制度の根本が変わってきますので,それを超える部分の数字的な積算は困難であると思っております。 ◆小川勝美 委員  中田部長,そんなおかしな答弁がどこから出てくるのですか。敬老パスがどんな利用状況になっているか,アンケートをやっているのでわかっているでしょう。今回,3万円,2万円,1万円でやるとして,高齢者が今までの敬老パスと同じように通院や買い物,ボランティア活動に参加するとした場合は,それを超えて乗らなければならない金額は推計できるでしょう。どうしてできないのですか。 ◎中田 保健福祉部長  私どもは,今の制度の中で利用実態を推計して,事業費と乖離があると申し上げてきましたが,例えば,15年度ベースでは35億円の事業費で,実際には七十二,三億円であると。これを仮に17年度ベースに変えますと,単純に考えると80億円くらいの数字になりますので,そこから48億円を引くと32億円くらいがそれを超える数字となります。 ◆小川勝美 委員  そうすると,70歳以上の高齢者の皆さんは,今までの敬老パスと同じように外出すると,先ほどの9億円の利用者負担と,超えた分の32億円は現金で払います。合わせたら,70歳以上の高齢者が今までどおりバスや地下鉄を利用すると,年間41億円を新たに負担することになります。そして,そのお金がなければ利用できないから,今度は利用抑制が始まります。今までどおり利用するとしたら,70歳以上の高齢者は年間41億円を負担しなければならない制度だということは間違いありませんか。 ◎横山 保健福祉局理事  今の数字につきましては,我々も推計に推計を重ねなければなかなかできません。かつ,割り引きを超えた分の利用はどうされるかという問題もあります。ですから,今の数字は,まだ幅があるというか,考え方がありますので,我々もかなり慎重に見ていく必要があると思っておりまして,そのことを申し添えます。  負担がふえることについては,そのとおりです。 ◆小川勝美 委員  中田部長の答弁は,アンケート結果からすると,今までどおり利用すれば,試算上は9億円の自己負担と超過する分の32億円で合計41億円になるということでした。  しかし,横山理事のご答弁は,新たな9億円の自己負担とともに,さらに限度額を超える部分の32億円を負担するようになったら大変だから,利用が落ち込み,いつも参加しているボランティア活動にも参加できなくなるなど,利用抑制が働くということを言ったのですか。 ◎横山 保健福祉局理事  抑制は,事実としてあると思います。今までの外出の形態というか,どういう目的で出ていたか,その目的によって選択が起き得るし,そういう意味で抑制が生ずると思います。 ◆小川勝美 委員  次に,交通事業者のかかわりでお尋ねします。  敬老パスというのは,最初は地下鉄などの市営交通だけで進んでまいりました。当時は,月寒方面の人は,敬老パスをもらっても,地下鉄も走っていなかったし,中央バスでは使えなかった。逆に,36号線から少し離れた美園線は市営バスが走っていたので,遠くまで歩いて市営バスを使おうと中央バスからお客さんがどんどん市営バスに移行していった。こんなこともあって,中央バス側から,ぜひ我々にも敬老パス事業をやらせてほしいという申し入れがありました。それから,手稲方面では,当時は国鉄バスですから,我々は国鉄北海道支社に行きましたが,一札幌の敬老パスを実施するわけにはいかないということで,国会議員と一緒に東京の国鉄本社まで行って,手稲方面の国鉄バスも敬老パスの対象にしてほしいと要請して,やっと民間バスと国鉄バスにも拡大されるようになりました。こういう経過の中で,今のように地下鉄,市営バス,そして民間バスにも拡大されてきました。  つまり,中央バスでは,住民の要望と同時に,バス事業者の要望もあって敬老パスを拡大しました。それは,朝や夕方のラッシュ以外はバスはがらがらであいている,そのときに70歳以上の高齢者が乗ってくれたら,ただ空気を運ぶより,割安でも市からお金が入るからということで拡大されました。以来,交通事業者と市が協力して,昼間,バスががらがらにあいているとき,70歳以上の高齢者に優待で乗っていただくことにより,バス事業者もそれなりの収入になる,こういう物の考え方でやってきたと私は認識しております。  ところが,上田市政になったら,札幌市と交通事業者が協力してやっていた敬老パス制度は廃止して,3月にはプリペイドカードの案か出てきました,あれは,何も敬老ということではなくても,一般の我々でも1万円のカードを買えば1万1,500円分乗れるのですよ。それを2枚交付するという案でしょう。これはプレミアがついているのです。今回は精算払いだからということですが,80%払うのでしょう。どうして今までとそんなに大きく変えることになったのか。これは木に竹を接ぐようなやり方だと思うのです。  具体的にお尋ねしますが,昨年度の決算で,敬老パス事業で中央バスには4億9,000万円が払われていて,市営バスには1億1,000万円です。この4月から市営バス路線が中央バスに移譲されたから,合計すると6億円になります。敬老パス制度をやめて来年度は新カードになると,中央バスには今の48億円にかかわってどれくらい支払われることになりますか。  それから,地下鉄に払われる金額はなぜこんなに下がるのですか。地下鉄については,来年度に新しいカードにすると市の負担は昨年度の決算より下がって,中央バスに対しては,なぜ大幅にふえるようになるのですか。 ◎中田 保健福祉部長  来年の実績を推計するのは非常に難しい部分があります。ただ,48億円という推計の中で,私どもの今までの高齢者利用実態調査からいきますと,これはあくまでも推計ですが,中央バスに関しては約16億円程度と考えています。  それから,地下鉄の関係は,地下鉄利用実績についてもデータがあったわけですけれども,今後の推計においては,利用者の実態からいきますと,事実上,この制度の中で私どもが負担する部分というのは,先ほど申し上げたような金額になるだろうと想定しております。 ◆小川勝美 委員  中央バスの場合は,48億円に対して16億円くらいの利用可能額となりますので,その8割が支払われます。そして,超える分は,今までの話からすると,中央バスには10億円をお年寄りが現金で払います。去年の決算は4億9,000万円であったものが,16億円の8割と,お年寄りが支払う分の10億が入っていくことになります。もちろん,先ほど横山理事が言われたように,現金で払うなら今までのようにボランティア活動に参加できないということで利用抑制もありますけれども,民間バスは膨大な収入増になるのではないかと思います。  ですから,なぜ乗った数の8掛けという金額になったのか。少なくとも,札幌市の70歳以上の高齢者19万人が乗るのですよ。つまり,これは19万人分の団体割引です。それが,ウィズユーカードと大して変わらないような割引率で何で乗せるのか,どうして急に今までとは違う計算方法に変わって,民間バス会社はがっぽり収入増になって,お年寄りは9億円の利用者負担と超える額の32億円を合わせて41億円も支払うことになるのか。これが本当に交通事業者と真剣に協議した結果ですか。  5月に撤回した案の延長線上で,わずか3カ月で,こんな重大なことをこんなに簡単に決められては困るのです。19万人の団体割引です。航空券だって団体だったら物すごく安くやっていますよ。ましてや,毎日走っている路線バスで,なぜ今までと違うような形で大幅に支払うことになるのか。19万人の高齢者の団体割引という立場に立った折衝をすべきだと思うのですが,この点をお尋ねしたいと思います。  もう一つ,この問題にかかわってお尋ねします。  敬老パスというのは,19万人が使うカードですから,都市政策,交通政策にかかわる重大な問題だと思うのです。敬老パスが改悪されて新しいカードになり,それを使い切って今度は料金を払うということになったら,今,お年寄りだってみんなマイカーを持っていますから,マイカーを使うようになります。今は,敬老パスがあるから,都心に買い物に行くときは公共交通機関を使おうとして来るのです。しかし,このカードを使い切ってしまったら,今度は,都心のデパートなどで何千円かの買い物をしたら2時間無料になるからということで,高齢者が保有しているマイカーを都心に集中させることにつながると思います。こういうことは全然考慮していないのかどうか,この点についてお尋ねしたい。  それから,こういう形で地下鉄やバスの乗車習慣を失ってマイカーに依存するようになってしまうと,バスや地下鉄の乗客がさらに減少していきます。乗車習慣が失われたら,さらに公共交通機関を利用しなくなるのです。こういうことについてどんな検討がされたのか,お尋ねをしたい。  もう一つは,この3月31日に,市営バスの新川営業所と苗穂営業所にかかわる市営バス路線を廃止して中央バスに路線移譲しました。そのときに,昨年まで,桂市長は,あるいは市の理事者は,中央バスであろうと,じょうてつバスであろうと,ジェイ・アールバスであろうと,路線移譲をしても1円も払いませんと明確に述べていました。  上田市長は,ことしになってから,新川営業所と苗穂営業所について2年間の無償貸与をしながら,現行の市民サービスを維持するためだと言って,4億8,000万円を今年度と来年度に払うことになりました。来年度となりますと,敬老パスがなくなって新しいカードになります。その現行のサービスを維持するということを前提にして4億8,000万円払うことになっていましたが,この積算も大きく変わってきます。  今言った乗車習慣を失っていく問題とあわせて,これは,保健福祉局だけの問題ということではなく,全庁的な都市政策,交通政策として,やはり時間をかけて検討し,交通事業者と真剣な協議を進めるべきだと思います。もう一度,検討し直すべきだと思いますが,この点について,横山理事,どう考えているか,お尋ねします。 ◎中田 保健福祉部長  1点目,2点目,3点目まで私から答えさせていただきます。  今回は,約20%程度の事業者割り引きということでございます。確かに,団体割引というご指摘ですが,団体割引というのは,特定の日に特定の路線をある一定数の方が確実に利用することに限定して割り引きを行っているものでして,年齢的に該当する方がどういう利用をするか想定されない中で,そのまま団体割引率を適用するのは困難であると私どもも考えております。  ただ,3月に提示させていただいた案では,事実上,13%の割引率でありましたが,今の交通事業者を取り巻く状況は,この制度ができた当時と比較してかなり大きく変わっております。かつては,料金設定により,社会的な部分の要素を吸収し,健全に経営していくことができたという見方もできますが,各社とも,6年前の平成10年を最後に料金改定をできない状況にあります。また,規制緩和という動きの中で,市営交通を含め,各公共交通機関の経営環境も大きく変わって非常に厳しくなっております。  しかし,市民の足を支える公共交通機関は健全に運営していかなければならないと考えておりますので,そういう観点で総合的に考えると,2割の割り引きは,ぎりぎりというか,努力をしていただいた結果だと私どもは受け取っております。  それから,2番目と3番目については,マイカーやタクシーの利用者がふえるとか,公共交通の乗車習慣を失うというお話です。この辺は,まさにいろいろな見方があろうかと思います。私どもは,この制度の中身,あるいは,外出支援なり,結局は介護予防にもつながるというこの制度の趣旨について,高齢者の方もかなり理解していただいていると考えており,ある程度の負担の中でも,どんどん活用していただけると思います。そうであればこそ,他の都市に例を見ないほど,3万円という高いレベルに上限額を設定しました。やむを得ない設定ではありましたが,最大に引き上げたと考えておりますので,その点はご理解をいただきたいと思います。 ◎横山 保健福祉局理事  さまざまな観点から実施について延期すべきだと言われましたが,以前からさまざまな検討がされてきており,いろいろなご意見を伺った上で3月に素案を出させていただきました。そこが第1段階で,それについてさまざまなご意見があった中で,今回,上限の問題とか,負担の問題とか,選択の問題とか,システムの問題とか,我々としてできる部分について精いっぱい検討したと考えております。都市政策上というお話でしたが,この問題についてはこれまでの期間でいろいろなご意見を伺ったと判断しております。こういう問題ですから皆様のご意見がすべて満たされませんが,大勢としていろいろなご意見を取り入れた中で,将来的な継続も含め,これを最終案として実施させていただきたいと考えております。 ◆小川勝美 委員  昨年,敬老パスの見直しが出されたころは,当時の理事者の方から,ジェイ・アールバスとじょうてつバスは敬老パス制度を存続することで了解をいただいているけれども,中央バスだけが敬老パス制度を廃止しろと頑張っているのだと聞きましたが,中田部長は当時も課長だったからその辺をご存じだと思います。  そして,そのころ,市営バス路線の移譲に向けて市からいかに金を引き出すかということにきゅうきゅうとしていた中央バスは,この3月案が撤回されて,交通事業者と十分協議すべきだとなったら,当時,敬老パス制度をそのまま存続していいと言っていたジェイ・アールバスやじょうてつバスまで抱き込んで市を揺さぶりました。そして,さっき言った9億円の負担増と,さらに市民に32億円の料金支払いを求めて,41億円を負担させるようなことをやってきたのではないかという気がするのです。  その辺について,中田部長は当時も課長でおられましたが,それはどういうことだったのですか。わずか3カ月という短期間で,こういう案になったというのは私は理解できないのです。この点について,もう一度,ご答弁いただきたい。 ◎中田 保健福祉部長  特定の会社についてのご質問でありますが,制度を廃止しろという指摘は一度もありません。ただ,ここ一,二年,市がこういう制度を存続するには事業者負担部分の乖離が非常に大きく,もう既に限界に来ているので,今の形の協定額では参画できない,協定できない場合があるという指摘をいただいており,そういう面からも存続可能な制度として検討していくということで協議に加わっていただきました。  なお,ほかのバス会社も,もちろん,それまでにも制度存続に向けた協力ということでいろいろ協議させていただきましたが,具体的な案を提示し,さらに具体的な協力の額の問題になってきたので,北海道バス協会の中の札幌地区バス協会を窓口として,具体的に割り引きなり,経営状況の問題なり,新しい制度のあり方について全社とも共通の考え方の中で協議させていただき,今回のような形にまとめることができたと考えております。 ◆小川勝美 委員  市民に41億円も負担させながら,交通事業者は今までの何倍もの収入を上げるものを,わずか3カ月です。具体的に協議が始まったのは5月に撤回した後でしょう。それまではウィズユーカードだったのです。横山理事,もう一度,真剣になって交通事業者と協議すべきだと思いますが,再度,お尋ねしたいと思います。  最後に,市長の選挙公約のことで何点かお尋ねします。  市長は,選挙公約の6番目で,地域で暮らし,地域で支える福祉をはぐくみます,高齢者,障がいのある人の地域生活を支える仕組みをつくります,こういうふうに述べています。今,敬老パスを使っている高齢者は,みんな地域で生活している人です。この敬老パス制度を廃止して,新カードで9億円の負担と,それを超える分の32億円と,一挙に41億円の負担増となると,市長が言われる,地域で暮らし,地域で支える福祉をはぐくみますという公約と逆行するように私は理解するのですが,横山理事はこれをどう考えておられるか,お尋ねします。  それから,1番目の対話と参加というところでは,市民主権,市民参加システムを明確化する自治基本条例を制定しますということで,市民主権,市民参加と言っております。市民主権や市民参加システムを明確に掲げているけれども,今回の案には,当事者である高齢者の市民主権や参加はどこにあるのか。  もう一つ聞きたいのは,障がい福祉の施策で,障がい者福祉施策の立案過程に障がい者が参加できないと問題提起をして,学ばないことこそ恥だ,当事者の意見に耳を傾け,当事者から問題点を学び,当事者の視点に立った施策を進めます,そのために,当事者が政策立案に参加できる仕組みを重視させます,こう選挙公約にのっているのです。この敬老パスについて,70歳以上の当事者がその政策立案過程に参加できる仕組みはどんな形になっていましたか。これと比較すると,高齢者は当事者としてどうもないがしろにされており,市長の選挙公約とも違うと思いますが,この辺について横山理事にお尋ねします。 ◎横山 保健福祉局理事  今,市長の公約絡みで何点かありました。  一つは,地域で暮らす高齢者の福祉の推進について,公約上も重くなっていると。これはそのとおりで,今後とも,所管している部局として我々も十分にやってまいりたいと思います。  ただ,今後の将来展望とか,財源状況も非常に厳しくなる中で,ある一定の水準のサービスを保ちながらさまざまな福祉施策を広げていくためにも,今回の敬老パスの問題はそれらのバランスの中で検討すべき課題の一つであったと考えております。したがって,その公約と矛盾はしていないと私は理解しています。  それから,2点目の市民参加についてです。  今回の案について,市民参加がなされていないではないかというご指摘ですが,何度も繰り返しになりますけれども,この間のいろいろな議論,地域に出かけていろいろ伺ったこと,あるいは,アンケート調査,電話での意見の集約など,私どもとしてはこういうものを相当数受けてきていると判断しております。その中で,市民参加については,十分にやらせていただいた中で総合的に考えたときに,4月から実施をさせていただきたいというこの案には反映させていると判断しています。  それから,3点目の障がい者福祉施策に関連させて,このパスの立案過程への参加はどうかということですが,老人クラブなどに出向いてご意見を伺ったこと,あるいは,アンケート調査でも,70歳以上の方とそれ以下の方のご意見の違いなども伺っております。当事者の参画の仕方については,施策によって形態はいろいろあろうかと思いますが,今回,そういうところに配慮しながらやってきたとご理解いただきたいと思います。 ◆小川勝美 委員  これを最後にしますが,上限額の設定と一部負担で一挙に41億円もの負担を高齢者に求めるのは,29年間やってきた敬老パス制度として,まさに木に竹を接ぐようなものだと思います。そういう面では,そう簡単に高齢者の理解や納得を得られないと思いますので,このような案は撤回し,再検討を求めて,きょうは終わります。 ◆佐藤典子 委員  私からも,何点か質問させていただきます。  今,3万円の利用上限が出ていることについて,私たちも,これをどう考えたらいいか,非常に苦しんでおります。というのは,3月の利用上限額2万3,000円という案から,今回は3パターンから選択できるということで,市民の皆さんや私たちの意見が取り入れられた方向性になっています。  しかし,実は,この敬老パスの位置づけとしては,敬老の精神をあらわすもの,そして社会参加を促すもの,そして,今は高齢者の皆さんの外出支援介護予防にも大きく役に立っているものになっています。それを,今度は,どういう利用範囲を保障して敬老パスとするのかと考えたときに,私は,アンケートの中で利用頻度などを見させていただきました。そして,そこの中央値が116回と出ていることと,それから,使われている方と使われていない方は0から800までですから,ほとんど毎日出られている方と使っていない方の平均値から見てみました。それで,中央値が116ですから,単純に1カ月に何回使っているのかということでこれを12で割ると,ざっと10回はパスをくぐらせていることがわかります。利用目的で一番多いのは通院や買い物,それから,家族や趣味にパスを使っているということがアンケートに出ています。そこで,月に10回ですから5往復ということになりますから,月に1回は中心部まで出る,あと4回は近くの区民センターに行くとか趣味に使うというふうに5回の設定で考えてみたらどうだろうかと思って計算してみました。それで,麻生や福住から地下鉄で大通まで来る,バスはそこから1区間200円で乗れる人は1カ月どのくらいかというと,2,320円くらいでした。それを計算すると,1年に2万7,840円ですから,3万円以内で,麻生や福住の方,240円区間で大通に行ける方と,バスを1区間乗れた方が使えるということがわかったのです。また,栄町とか宮の沢とか,地下鉄が3区間280円の方とバス1区間という方も2万8,800円くらいで行けると計算したらなったのです。  だんだん計算してみましたら,アンケートに戻りますが,平均利用回数の区別というところを見たのです。そうしたら,中央区の方が一番多くて,1年に292.5回,敬老パスを使われています。そして,その次に多かったのが南区なのです。250回くらい使われています。その次が清田です。あとは,ほとんど200回くらいで同じだったのです。  それで,厚生委員会では前々から出ていましたが,南区の方が敬老パスを使われて,真駒内に出て地下鉄で大通まで来ると考えたときに,藤野のあたりがぎりぎり3万円くらいで,そこから先の方は3万円では来られません。ざっと1カ月の計算をしてみたら,東簾舞の方で4万5,360円くらい,定山渓の方は5万幾らかかることになります。  私たちは,住みたくてそこの場所を選んで住んでいることもありますが,住居の場所によって,公平になるのは非常に難しいなということが計算してみてもわかると思うのです。そう考えたときに,この上限額3万円が果たして妥当かどうかという問題はやはり出てくると思います。  それから,前にいただいた検討資料にも,事業者の割り出した年間使用額は4万4,000円であると出ています。いろいろなことを考えると,3万円はいかがかなという思いが出てきます。  そういうことを踏まえて,3万円に工夫の余地はないのかどうか,もう一度お聞かせください。
    ◎中田 保健福祉部長  今,いろいろ具体的な例で年間の利用額などをおっしゃっていただきました。これまでの私どものいろいろな調査の中で,確かに,勤務をしている方や社会的活動をしている方でたくさん使われている方がいらっしゃいますが,平均的に言いますと,半数くらいの方は年間116回の範囲に入ると認識しております。  その場合,佐藤委員がおっしゃられたように,週1回くらいは生活圏の中で利用され,月に1回くらいは少し遠いところへ出かけるという計算はある程度実態に合っているのかなと思います。そのとき,確かに,距離の関係から,中心部から離れたところにお住まいの方は,このレベルでも今の3万円をさらに超えるような金額になるというのは,私どももそのとおりであると思います。  ただ,利用される方にとっては,負担が少なく,利用も制限がない方がいい,もし制限を設けるとしてもできるだけ高い方がということは理解できるところですが,長い間の社会状況の変化の中で,財政的にも存続していくことが可能な制度としては,金額的な見込みは,当初は2万3,000円でしたが,交通事業者割引率を13%から20%に上げるとか,利用頻度の少ない方,多い方が利用実態に合わせて選択できる形をとったことによってこの3万円が実現できました。これは,私どもとして,今後,中期的に見て存続可能なぎりぎりの線であり,3万円という上限額もぎりぎりであると認識しておりますので,ご理解をいただきたいと思います。 ◆佐藤典子 委員  私たちも,なかなか苦しい思いで敬老パスの金額設定に関する審議に加わっていますが,こうした中で,収入の少ない方々への配慮について,先ほどもできるだけのことをしていると答えられています。しかし,大勢の方に利用していただく,そして,敬老の精神を忘れないということと,介護予防などにも使うという観点から,もう一度,再考していただけないかという願いは強く持っております。  また,来年度から新しい制度が実施されたときには,数年間かけて制度を検証されるという答弁がありましたが,これは,どこまでの範囲をどのように検証されるのか,具体的にお聞かせください。  もう一つは,市民ネットがずっと言ってきましたが,敬老パスを使えない方が15%くらいおられます。そうした高齢者外出支援を支えるという観点で,まず札幌市ではこのことを基本的にどのように考えておられるのか。  そして,これから利用限度額が設定された場合,使わないとか使えない方も出てくると思います。そうしたときに,高齢者の移動支援をどう保障していくかがもう一つの大きな課題であると思います。その基本的な考え方と,困難な方々への外出支援策をどのように考えていらっしゃるのか,お聞かせください。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目の一定程度の利用実態を見て検証し,それを見直していくことの範囲などについてです。  私どもは,そのときの札幌市の社会経済状況の変化,あるいは,札幌市の財政状況,そして,その制度に対する市民の意識などを利用実績とあわせて検証する中で,存続可能な制度として,基本的な上限額,あるいは利用者負担について総合的に見ていく必要があると考えております。  それから,外出支援の関係でございます。  基本的に,事実上,公共交通機関をご利用できない方もいらっしゃいますし,そういう方々に対する支援はいろいろな形で充実されていくことが望ましいと考えております。現在も,社会福祉協議会なりボランティア団体などの協力によって,既に外出を支援する形がいろいろできておりますが,そういう仕組みがより充実されていくこと,また,デイサービスなどの福祉サービスでもそういうことが取り込まれて充実していくことが望ましいと考えております。  また,敬老パス制度を利用されない方に対する今後の支援です。  私どもは,敬老優待乗車証制度というのは,生きがい対策と言っているように,基本的に,お元気で自立して行動できる方が,健康を維持し,増進していただく視点で位置づけられる事業だと認識しております。  しかし,今後,高齢化がどんどん進んでいく中では,やはり,介護予防という視点から,虚弱な高齢者で介護状態に陥りがちな方たちに対する予防支援策も充実していかなければならないと思いますし,介護状態になられた方に対する支援も必要だと考えており,今後の市の政策としてはそういう観点から事業内容のバランスを考えていくべきであると認識しております。 ◆佐藤典子 委員  最後に,要望させていただきます。  これまで,敬老パスにより,お孫さんに会って楽しんだとか,自分の病気で病院に通ったとか,本当にこれを有効に使われていたという声は何回も伺っております。そのような声を最後までしっかり受けとめていただき,再度,議論を深めて決めていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いたします。 ◆堀川素人 委員  私の方から,この件について何点か質問させていただきます。  まず,3月に出て,そして,今回,最終案が出ました。先ほど,小川委員が言っておりましたが,極めて短い間にやり方が変わった。前の3月の検討は何だったのか。  しかも,今,この案を出すときに,札幌市として確たる調査もしていないでこういう変更をする。普通,こんなことはあり得ない。これだけの金額を払うのかどうするかと言っているときに,自分たちの調査がなくて何の話し合いができるのですか。  しかも,構図として,バス事業者はお金をもらう方です。払う方は,札幌市と,老人が負担をすることになれば老人の方々です。利害が相対立する構造の中で,相手が言うことを主にとらえ,それに乗っていくとは何事か。まず,そのことについてどう思うか。  次に,お金の支払い方ですが,事業者が負担する2割分差し引いた8割分を先に事業者に支払ってしまうのか。それとも,札幌市の負担分,それからお年寄りの方々に買ってもらったお金,それからサービスしますという2割の分,まずこれをプールしておいて,それで,利用実態に合わせて払うということなのか。これについて聞きたい。  次に,この問題についてここで考えなければならないのは,福祉政策としてやろうとするのに,住む場所によって受ける利益が異なるというのは,福祉政策の中では基本的にあり得ない。どこにいても同じ利益を得られるようにする。この基本がなっていないと思うのですが,そのことについて考え方を明らかにしていただきたい。  それから,私は,敬老パスで老人が一定の負担をすることは当たり前だと思っているのです。ですから,この問題が出たとき,当然のことだなと思い,基本的には今でもそう考えています。  では,なぜこの問題が起こってきたのか,まず,このことを考えなければならない。結局,一番先に何があったかといえば,このままずっと無料にしていったならば,今の敬老パスに対する予算がどんどんふえて負担に耐えられない。だから,一定のところで歯どめをかけなければならない。つまり,どうやって抑制するかということで始まったわけです。  そうであれば,今,札幌市がこの制度をやるために耐えられる負担はどれだけなのか。これをきちんと明らかにして,つまり,どれだけ抑制しなければならないかということをきちんと話さなければだめなのではないか。それをいいとするか悪いとするかは,市民の議論,また,関係者の議論の中でなされていく。そして,一定の負担は仕方がないとなったならば,次に,どういう方法で,どの程度の負担なのか,こういうふうにやらなければならないのに,今,これがごっちゃになって話し合われている。  その抑制を働かさなければ負担に耐え切れない。今,私が説明したことについて,そのとおり正しいのか。始まりがどうであって,その抑制について市民の理解が得られたのか。そして,その次の段階であるそれではどうするかというところまで本当は行ってよかったのかどうか。中田部長が先ほどから説明していたが,了解を得られたなんていうことはあり得ない。了解なんか得られていないですよ。3月の提案から見たら,明らかにこれはなっていない。一顧だにする必要がないぐらいの提案だと思っている。  なぜならば,南区定山渓に住んでいる人は,極端に言えば月に1回半しか都心部に出てこられない。こんな新たな差別をつける。しかも,不正使用に関して,名前も書いていないのに,家族同士で使ったらそれは不正ですと言う。そうしたら,不正はたくさん出ますよ。それをそのままにしておいてやる制度が正しい制度だと言えますか。それはだめだというなら,それをきちんと防ぎながらやらなければだめです。制度というのはそういうものです。そういうこともしないで,今,この提案をするのは大変まずいことだと思います。ある意味では犯罪者をたくさんつくるようなことになる。  不正ということは,ある意味では不法です。不正がしょっちゅう行われる可能性があったら,そこで不正というものが不法になるわけです。ですから,犯罪者が出やすい状況を防ぎ,そういうことがなされないような状況で施策を進められなければならないと私は言っているのです。中途半端でやるのはだめです。それについてどう思うか。  次に,事業者との交渉ですが,3月に提案がなされ,これは市民の理解が得られないと言って,今回新たな提案がなされました。4月に実施するには期間がない,だから,この時点で補正を上げて,これが最終案ですと言っている。実際にはこんなどたばたをやっているのです。  しかし,さっき言ったように,調査も満足にしないでやったら絶対にだめです。同じ負担をしてもらうにしても,お互いに納得のいくように,調査がきちんとできるまで事業者と話し合って基本的にこれは延期すべきです。事業者もそうでしょう,札幌市,それから高齢者と言われる対象者もそうでしょう。対象者は10%,札幌市は70%,業者は20%の負担だと言っている。それでは,札幌市の中身を考えてみてほしいのです。この70%を負担するのは,札幌市民ですが,声を出さない市民,出せない市民,20歳以前の人もたくさんいます。また,これから生まれてくる人たちもいる。この人たちに,今,2兆2,000億円の借金があって,どう返したらいいかわからないような状態の中で,未来にこのツケを渡していくのか。このこともきちんと考えて,その部分の理解を得るために,まずはあなた方が自分自身で調査をきちんとすること,これが基本であるということを言っておきまので,それに対する考え方について答えてください。  また,事業者との交渉については,もう一度,その経過をきちん説明してほしい。 ◎中田 保健福祉部長  まず最初に,市が独自に実績を調査しない中で,いわば事業者の言いなりになった中での今回の制度提案である,また,3月に提案してから8月まで期間的に短いといったお話であります。  私どもでは,乖離については,各事業者から指摘された内容であると申し上げてきましたが,それをすべてうのみにしているわけではありません。一つのデータとしていただきましたが,私どもも,高齢者利用実態の調査等もあわせた中で,相当の乖離があると認識しておりまして,数字的な部分でいろいろな相違はあるだろうと考えております。  それから,3月提案に至るまで,もちろん市民の皆さんからご意見をいただきましたが,事業者からは2年ないし3年前から乖離の部分を指摘され,毎年々の協定の中でどうするか協議されてきたことは事実であり,その延長上で今回の最終的な詰めの協議が行われておりますので,そのようにご理解をいただきたいと思います。  2点目は,支払い方法についてであります。  3月の提案の場合は,最初にまず交通事業者の方にそのお金を支払い,実績に応じて精算される形でした。  しかし,今回の案は,特定のカードでデータを正確に把握できますので,利用した市民のデータをもって各事業者が市に請求する,基本的に乗ったものに見合って20%の割り引きであります。端的に言いますと,例えば10万円であれば,私どもは8万円を払うという仕組みになります。  3点目は,福祉政策であるのに,住むところによって不平等が生じるということです。  私どもも,札幌市の広い市域の中で,お住まいになる場所によって交通機関を利用する条件が変わることは承知しておりますし,フリーパスであることによって自由に使っていただけることが望ましいことも認識をしております。  しかし,将来的にこの制度を存続していくために,そういう形の制度を財政的に負担し得るのか,あるいは,市の財政負担をふやさずに存続できる程度の負担で事業者がのみ込んでいけるのか,そういう協議の中で今回の案を出させていただきましたので,そういう視点からのご理解をいただきたいと思います。  4点目は,高齢者が負担することにより,抑制する方に働くのではないか,意義あるこの制度を活用できなくなるのではないか,さらに,そういう部分がごっちゃになって検討されているということです。  私どもは,制度を維持し,できるだけ利用していただきたいという部分と,存続可能な財政負担なり市民負担なり,あるいは事業者の協力など,いろいろな角度から検討して調整した内容とご理解いただきたいと思っております。  それから,不正使用の関係です。  交通ルールなど世の中のいろいろなルールもそうですが,やはり,100%捕捉して確実に取り締まるのは非常に難しいという実態があります。今回の制度も,私どもは名前を印字することが望ましいと考えましたが,直接,印字することが事実上難しい中で,利用される高齢者の方にこの制度の趣旨をご理解いただきたいと思っております。違法だとかということではなく,こういう趣旨であなたに差し上げたものですからお使いください,その方もそれだけの負担でこれを使いますということで選択されたものですから,適正に利用していただきたいと,高齢者の方の善意を信頼してこの制度を運用していきたいと考えております。  しかし,そうは言っても,チェックできるように,ルール違反がないような形ということで,特に3月案との比較では,今回の制度はできる限り進めてきたと思っておりますので,その点もご理解いただきたいと思います。  それから,事業者との交渉であります。時間がないという指摘は,この制度が検討の俎上に上がった昨年の春以前からも事業者からあったところです。私どもは,交渉の過程では,極力,議会でご指摘いただいたこと,市民の皆さんからいただいたご意見などを事業者の方にぶつけ,事業者の経営状況や利用実態の認識についてもお伺いする中で,基本的には,この制度を守っていく,続けていくためにどこまで協力できるか,これまで事業者とぎりぎりの交渉を進めてきました。それによって,この最終案にたどり着いたものでして,そうご理解をいただきたいと思います。 ◆堀川素人 委員  まず,業者との交渉のことから言いますと,業者の交渉は今どういう形になっているのか。向こうはもらう方,こちらは払う方とすれば,時間がなくなることは交渉の中で相手を有利にさせます。それでもなお4月からやりますと言っていて,3月のものが8月に変わる。調査の問題は後で触れますが,調査をきちんとやらないで,それで8月にまた案を提示した,交渉時間はなくなる,これでは白旗を上げて交渉しているようなものです。相手の言うとおりにならざるを得ません。これは交渉ではないのです。時間があれば,相手も譲歩せざるを得ない部分を引き出しながらできます。ところが,時間がない状態でやっていると,白旗を上げて交渉しているのと同じですから,対等な立場になれるためにも,時間を延ばして,再度,交渉すべきです。  それから,自分たちも調査をしたと言っているのはアンケート調査のことだと思います。あれは,調査の一つであることは間違いない。でも,十分な調査だと言うには極めてほど遠いものです。これで調査をしたなどと言ってはだめです。この間,ずっと見ていると,一生懸命に頑張っているのはよくわかりますが,自分たちにしっかりとした根拠がなくてやっているから,あなたたちの悩みはより一層深まっている。だからこそ,延ばしてでも自分たちの調査をしっかり行うべきだし,業者との交渉でも最後の結末をこんな形で急いだら交渉にならないことを指摘しておきます。  もう一つは,桂前市長のときに,札幌市内の一律料金ということを考えたことがあります。およそ5年ぐらい前でしょうか。そのときの基本は,市民の足として単純な形で乗れて,皆に共通の利益があるようにと考えました。私は,それには大変共鳴して,何とかそうしていきたいものだと思いました。  その考えからするならば,今の敬老パスは,桂市政で言うならば,一つは,距離による制限も撤廃して,それから,目的の部分も全部認める形の中で,あれは無料という共通料金だったのです。その共通料金があったならば,今回みたいに,1,000円の負担で1万円だ,2,000円だったら幾らだ,10%,15%,20%という差をつけて,しかも,最後には利用制限までつける,こんなことは生まれてこないです。それを,あなた方は,今,本当にどたばたやっていると思う。理論を失って政策遂行をしたらだめです。このことをきちんとしなさいと言っているのです。  それからもう一つ,不正についてです。  自分たちの気持ちは,善意でもってこれを出したから,それを守ってくださいということで,法を大事にしたいという気持ちはわかります。でも,夫婦でどちらかが使えなくなったからこれを使うというのは,私は,こういうものは認めるべきだとだと思っています。それを認めないで,これは不正です,やめてくださいと言う方が,我々が生活をしている今のルールの中で言うのは極めて不自然です。なおかつ,それを指摘され,こういう方法があり得るとわかっていて,取り締まったり防ぐ手当てをしないで制度を進めてしまったならば,違法ということでつかまる人が100%いないという保証はないです。だから,やはり手を打てるものはきちんと打つことが大事だと言いたいけれども,その点について,もう一回,お聞きします。  要するに,民主主義の制度というのはそういうものなのです。その部分を無視してやったらだめだということについてどう考えるのか。 ◎横山 保健福祉局理事  理念を失っているのではないかという点と,交渉の再検討についてどうかということについて,私からお答えをさせていただきます。  理念についてどうかという点は,いろいろな評価がありますが,基本的には,最初から申し上げているとおり,30年間,続いてきた制度であります。当初,70歳以上は3%ぐらいの方で3万数千人から始まりましたが,現在20万人にならんとし,かつ,今後は毎年1万1,100人からの増加です。その中で,敬老の精神と介護等々の福祉的な部分の両方の制度としてやってきておりますが,税を納められる方も含め,これを負担する方,事業者,利用される方の中で,何とかうまく,どこかで折り合いをつけていかなければならないと思います。私は,この間の議論も考えた上で,やはり新たな制度にしていかなければ継続していけない,市にとっても利用される方にとってもそれが望ましいことだと思っておりますので,一方ではそういうことを考えながらやっているところですので,ご理解をいただきたいと思います。  それから,交渉については,3月からの短期間ではないかという問題もありますが,相当ぎりぎりの折衝をしたと私自身は思っております。交通事業者側も,この六,七年,料金改定がなかなか難しい中で推移してきています。利用実態を見ましても,バス,地下鉄の乗客数は減少傾向になってきております。その中において,十数万の方々の無料の部分は,やはり経営的に非常に大きい意味を持っております。  また,的確な数字が足りな過ぎるという指摘ですが,細かく申し上げませんけれども,かなり報告をもらっております。それを100%信じるかどうかはいろいろな見方がありますが,大勢において大きな隔たりはないと私どもは判断をいたしました。  また,2割では団体割引として安過ぎるというご指摘もありますが,今,1万円のウィズユーカードで15%,5,000円以下で10%という比較の中では,事業者側において相当な努力をいただいたと私は考えております。  さらに,今後は,相当正確な実績をとれる仕組みにさせていただきたいと思っておりますので,そういう中で,将来に向けてこれがずっと変わらないということではなく,実績を見ながら,いろいろな工夫,あるいは利用のしやすさも一方では考えていかなくてはならないという課題を背負いながら,今回,お願いしていると思っております。 ◎中田 保健福祉部長  ご質問の2点目のアンケート調査が不十分であるということ,また,3点目に関連して,均一料金も検討された経過がある中で,今回の検討は非常に拙速であるという趣旨のご質問かと思います。  アンケート調査は,確かに,私どもも100%完璧だとは言えないと思います。また,均一料金制を検討された経過があることも私も聞き及んでおりますが,結果的には,札幌市の市域の広さとかいろいろな状況があって,それは実現しておりません。そんな中で,私どもは,社会構造,人口構造を初めとするこの制度を取り巻く状況の変化を踏まえて,ある程度のところで見直すとなりますと,検討する時間についても限界があると考えます。  なお,3月に提案した案を撤回,白紙ということで指摘がありましたが,私どもは,昨年来の検討経過から,具体的に検討していただくための案として3月に出させていただき,さらに,それをよりよいものとするため,基本的な考え方のもとで具体的にどうしていくかと検討をした経過があります。ですから,3月からここまでの短い時間ではなく,それまでの長い検討の経過の中で今回の最終的な案を提示させていただいたとご理解いただきたいと思います。  それから,不正使用の部分ですが,事実上,名前を印字できない形になりますが,やはり,制度の趣旨を理解していただきたいと思います。まさにご指摘のように,例えばご夫婦が70歳以上で両方お受け取りになっている場合も,それぞれのご夫妻が,この制度の趣旨を踏まえて,お考えになって実際にお使いになることだと思いますので,その部分に立ち入って取り締まろうとは考えておりません。ただ,ルール上,その方に特定して差し上げたものだという趣旨はご理解いただきたいと思います。 ◆堀川素人 委員  この問題は,ことしに入ってからではなく,その前からずっとあって,それに接する中で,あなた方担当者の慌てようというのは,本当に大変だったと思います。前任者も,本当に大変な苦労をされて,最終的にははっきりできずに退任していかざるを得ない。そしてまた,今回,その延長上に来たあなた方は,1回,提案をするわけですけれども,これが変えられていく。変えてどういう結果かといえば,以前よりもずっと悪い。これは,はっきりと指摘をしておきたいと思います。  私は,前に,ワンコインはいかがと言いました。それは,利用者の判断の中で適当な負担がなされ,その余の部分は札幌市が負担をする。そうするならば,機械をいじる必要もなくて,地下鉄のところをどう通るかという部分だけ解決すれば,バスは提示するだけですから余分なお金がかからない。極めて自己判断,自己選択も問われ,そういう中で適当な負担がなされる。しかも,それは,行きに50円,帰りに50円,あるいは,行きに100円,帰りに100円,一日どうぞ自由に使ってくださいというのが100円で行われたり200円で行われたりする中で,自分がどう外出をするのかと。これはお金を負担するわけですから,さっきも話が出たけれども,これがふえるなんていうことはあり得ないです,抑制される形になるのです。それで1万円のカードを買うか,2万円のカードを買うか,3万円のカードを買うか,これを買った人間とすれば極めて抑制が働く制度なのです。抑制が強く働きますよ,この制度は。そのことをあなた方はちゃんと理解をしなければだめです。  私は,今言うワンコインの制度を何回か言っています。これについて,あなた方自体がやはりきちんと判断をしてください。今の提案とワンコインはどう違って,どういう利点があって,一方にはどういう欠点があるのだと,こういう中で検討しなければだめではないですか。内部的には検討をされていると言うけれども,これを受け入れるかどうかというのはあなた方の問題ではないです。市民が受け入れるかどうかということなのだから,こういうこともきちんとしてください。  それから,アンケート調査です。やったと何回も言いますが,調査をやったことには間違いないけれども,あれではだれが聞いても十分な調査だとは言えない。これをもとにして検討したというのは,すべてが虚構の中に家が建つということです。そういうことをきちんとしなければいけない。 基本をきちんとやって積み重ねて検討していく。そのためには時間が必要だ,時間を延ばすべきだ,今のことについては私はそう思います。  なお,言っておきますけれども,私は,無料パスだといって,ただでいつでも乗れるように考えることは間違いだと思っております。そのこともあえてつけ加えて,なお,再検討するための時間を得るために,今回のものについては延ばすべきであると申し上げ,終わりたいと思います。 ◆柿崎勲 委員  今,各党・各会派からのご意見を聞いていて,新制度なるものは,多分,大賛成というところはなかったように私は思います。この新制度そのものは,皆さんの持っている規則を変更して自由にすることが可能なものである,何ら議会にかけて賛否を問うものではないという基本があります。ですから,各会派のご意見を聞いてとか,合意を得てというような事柄にはなっていません。そこで,この後,どうされようとするのか,伺っておきたいと思います。  それから,16年度予算の補正をしたいというご提案ですが,制度の新たなシステム構築,プログラム変更を言うのであれば,金額について4億何がしであるということをここにきちんと書くべきです。あしたの議運にその金額が出てくるのでしょう。不親切きまわりない。新制度とこのシステムはリンクするものですから,このぐらいかかりますと,しかと金額を提示すべきです。その点を聞いておきたい。 ◎横山 保健福祉局理事  この後の問題ですが,今,補正の話もありましたけれども,補正案についてご審議いただき,ご承認いただきたいと思っております。  その後については,11月,12月,1月まで,いろいろなシステムの変更,カードの作成,あるいは交付に係る事務手続の整理があります。これらは規則で規定されておりますので,規則改正により制度の中身を明確にし,市民の皆さんにお知らせして進めていきます。  それから,補正について,もう少しきちんと書くべきである,不親切であるということで,大変申しわけなく思います。  額については,ある程度の精査ができており,4億円を下回り,3億6,000万円前後という状況で今精査を進めております。 ◆柿崎勲 委員  システム変更に要する経費について,これまでは,4億円とか5億円という話がされておりました。今までは数字が確定していないからいいですが,きょう,制度を提案して,あしたの議運にその数字が出てくるわけだから,それはきちんとすべきです。  また,平成16年度予算の3億6,000万円補正と新制度はリンクするけれども,別々のものであっても走り出せるという事柄にもなるのですね。今聞いてわかるように,各会派それぞれが意見を持っていて,まだ提示してないところもあるわけですから,皆さんの方で,最終ぎりぎり,これが持続可能な制度なのだということで繰り返しお話しされているのは当然のことかもしれませんけれども,各会派が意見を言える場面がまだあるということでなければ,補正の賛否を問われたときにどうなるのかということが出てくるわけです。さっき言ったように規則変更ですから,ここでしか各会派の意思表示ができないので,最終ぎりぎり決着案であるとはいえ,まだ余地があるというか,意見を聞くということを確認しておきたい。 ◎横山 保健福祉局理事  第3回定例市議会が予定されていますが,きょういろいろご意見もいただきましたし,また,時間的にも,きょうお示ししたばかりですので,いろいろなご検討,ご指摘があろうかと思います。3定の中でも,代表質問等々もございますし,それに市長が答える場も議会の中では今後もまだあろうかと思います。  ただ,私どものところでは,きょう,これを最終案として何とかお認めをいただきたい,こういうことでございます。 ◆田中昭男 議員  私のところは厚生委員を出していないので,質疑はいたしませんが,私ども新政クラブ会派として,まとめて意見だけ申し上げておきます。  あした,議運が開催されて,3億円,4億円程度の補正予算が出されるかどうかということが,当面,一番大きな課題になろうかと思います。うちとしては,このような事態はいろいろな問題を含んでいるので,この際,出直した方がいいと,それに近い感じを持っております。  なぜかというと,大きく分けて三つの点を指摘させていただきます。  一つは,3月案も今回の案も,市の持ち出し総額について,現在37億5,000万円を29億円に落とそうというのは同じということです。約20%ぐらいカットしたいというのが基本的な考えになります。私どもは,従来,大幅な見直しはだめだと言ってきましたが,この20%はどうかというと,やはり大幅な見直しと判断せざるを得ないと思っております。  大体,37億5,000万円は大変だと言うけれども,私は前からずっと言っていますが,ほかの政令市との比較において札幌市の37億5,000万円が特徴的にずば抜けて高いわけではありません。大変は大変かもしれないけれども,大きな問題としてとらえるにはちょっと無理があると思います。しかも,それを20%も削減したいというのは,大幅な見直しと判断せざるを得ないので,この部分はどうかなというのが1点目です。  2点目は,先ほど交通事業者という中で,皆さんの立場から民間の交通事業者の話がるる出されましたが,私のところはちょっと違った立場で,交通事業者というのは交通局も民間バス事業者も今一緒くたに論議しています。  しかし,前回の見直しの時点と今回と一番変わっているのは,交通事業者といっても,前回までは交通局,札幌市がほとんどでしたが,今回は地下鉄,市電が交通局,バスは民間とはっきり分かれました。ここについて,これまで整理して見直しをやっているけれども,きちんとそこら辺をどうするかと。交通局と民間バス事業者を一緒くたに論議しても無意味です。  結果的にどういうことになるかというと,民間交通事業者に過重な負担をかけることになります。私どもはこれをずっと前から言ってきています。統計のとり方の問題が先ほどから出ていますが,民間の交通事業者に過重な負担をかけると制度が続かないということは,毎回言っていることですけれども,今回もまたそれをやろうとしている。当初案は3,000円だったものが,今回の案ではおおむねの推計で幾らになりますかと聞いたことがありまして,5,000円から6,000円という数字を言われましたから,民間の交通事業者も交通局も同じですが,かける負担がほぼ倍になったというのが今回の案なのです。  ですから,市の持ち出しはふえないけれども,個人と交通事業者に負担をかけるのが今回の案です。個人の負担の問題ももちろんありますが,これは民間の交通事業者に対して過重な負担を強いていると判断せざるを得ません。これが第2点目の問題です。  さらに,3点目は,私どもが地域でお年寄りの皆さんから聞いているのは,3,000円ぐらいの個人負担はやむを得ないけれども,上限設定だけは何とか勘弁してもらえないかというのが圧倒的な声なのです。その声にどこまでこたえるべく検討したかと振り返って考えてみると,まるで検討していない。初めに上限設定あり,この路線で今日までずっと来ています。利用者の3,000円という個人負担はしょうがないけれども,何とか上限設定をしない方法はないか,やめてほしいと,この方法に対する検討の経過がない。全くできないということがもう既に前提条件として入ってしまっているような感じがしますが,私は上限設定を設けない案も考えられると思っております。  申し上げた三つの点を網羅する案は,私は,考えればあると思っております。交通事業者についても,交通局と民間バス事業者を一緒くたに論じることについては,現実問題としてもう既に無意味になってきている。交通局と民間バス事業者は分離して考えなければだめです。そうやっていろいろ検討していただければ,場合によったら上限設定をしなくてもいい案をつくり得るかもしれない。私はあり得ると思います。そういう意味でもう一回出直して,ゼロから検討し直してほしいということを会派の意見として申し上げて,終わります。 ○大嶋薫 委員長  松浦 忠議員。  (「委員長,議事運営に関して動議」と呼ぶ者あり) ○大嶋薫 委員長  高橋 功委員。 ◆高橋功 委員  今,各党からるる質問があったわけでしょう。そして,各党の中で,厚生委員会に所属していない新政クラブと自民党第二はわかります。各党これだけ議論をあって,それでまだ委員外でやるというなら,委員長も一考をいただくべきだと思います。  要するに,認めるべきでないと。各会派が何のために代表を出しているんですか。(委員外を今まで認めてきているのだ)と呼ぶ者あり)  それでは,諮ってください。 ○大嶋薫 委員長  ただいま,高橋(功)委員から質疑終結の動議が出されております。  本動議を議題として採決をしたいと思いますが,よろしいですか。  (「全く新しい,今まで本当にない話であるのか,意見を開陳するような話であるのか」と呼ぶ者あり)(「同じことの繰り返しならだめだ」と呼ぶ者あり) ○大嶋薫 委員長  このようなご意見も出されております。
     松浦議員,これまでの質疑とダブらない範囲で,そして簡潔にお願いいたします。 ◆松浦忠 議員  まず一つは,今までの議論の中で触れられていないことが二つあります。  一つは,定期券の割引率です。通勤でも通学でもいいのですが,現在の定期券の割引率は,最大長く購入できて,その割引率地下鉄,市電,中央バス,ジェイ・アールバス,じょうてつバス,夕鉄バス,それぞれ何%になっているか,これはまだ触れられておりませんので,明らかにしていただきたい。  なぜ私がこのことを求めるとかというと,民間業者の20%の割引率との対比を考慮する上で一つの素材としないといけないことだからです。  二つ目は,それぞれの事業者は回数券を発行しております。回数券の場合に,それぞれの事業者は何%の割引率にしているか,これも明らかにしていただきたい。  まず,割引率の関係が1点目であります。  続いて,2点目は,先ほどの質疑の中で,平成15年度の決算でそれぞれ事業者に幾ら払われたかという質問に対して,民間バスだけはひっくるめて総額で答えておられます。改めて,事業者に幾ら払われたか,地下鉄,市電,中央バス,ジェイ・アールバス,じょうてつバス,夕鉄バス別に改めて示していただきたい。  それから,平成16年度は市バスを民間に移譲しました。したがって,移譲を受けた民間バス会社は,平成16年度の決算についてそれぞれどのような予測をされるか,これも会社別に示していただきたい。これが,2点目であります。  3点目は,今年度の補正について,皆さんはこれを実施したいということできょう説明をされておりますが,平成17年4月から実施するためには,16年にどういうことが生じてくるか。例えば,カードを印刷しなければならないとか,いろいろなことがあるでしょう。今,3億6,000万円くらいという話が出ましたが,どういう事柄が今年度内に生じてきて,それぞれの事柄にどのぐらいのお金がかかっておよそ3億6,000万円前後の補正になるか,その内容を示していただきたい,この3点であります。 ◎中田 保健福祉部長  まず,1点目は,民間バス会社を含めた今の割り引きの状況です。通勤定期は,最大で3カ月33.5%という割り引きがあります。通学では,地下鉄で3カ月62%,それから,市電,民間バスは,43%というものもありますが,高い方では52.5%です。それから,回数券などの関係は,各社でいろいろな形の割り引きをしております。中央バスでは,よろこび回数券というのがありまして,40枚分で46枚使えるものなので割引率にして13%です。それから,午前10時から午後4時までの利用に限った買い物回数券で20%です。それから,ジェイ・アールバスでは,ほぼ同じ状況でございます。全日使えるものでは13%程度の割り引き,日中においてはとくとくバスカードという名称で最大で23%です。じょうてつバスにつきましても,ほぼ同様でございます。夕鉄バスについても,日中の回数券では9%程度ですが,昼間割り引きに限ったものは20%,市営交通についても,回数券の部分では市電が20%割り引き,それから,日中の地下鉄20%割り引きがあります。  割り引きの状況は以上でございます。  それから,各交通事業者ごとの数字です。まず,平成15年度ベースでは35億円余りの金額ですが,そのうち,地下鉄には21億5,000万円,市電には6,000万円,市営バスで1億1,000万円程度,中央バスで4億9,000万円,ジェイ・アールバスで4億9,000万円,じょうてつバスで2億1,000万円程度,夕鉄バスで200万円程度です。これは,推計をした数字ですが,平成17年度について,市民の方の利用実態から割り振ると,地下鉄で19億8,000万円程度,市電で1億6,000万円程度,中央バスで約16億円,ジェイ・アールバスで6億5,000万円程度,じょうてつバスで4億3,000万円程度,夕鉄バスでは100万円程度と推計できると思っております。  それから,補正のシステムの内容ですが,大きくは,新カードを導入するシステムに伴う全体のシステム改修の部分です。最終的な細かい数字の精査は,申しわけありませんが,まだちょっとできておりません。 ○大嶋薫 委員長  あらあらで結構です。その件については,提案された時点で改めて委員会で審査します。 ◎中田 保健福祉部長  システム改修の初期投資の部分では2億7,000万円から8,000万円の範囲,交付事務としては,3月にもう一度交付する関係で8,000万円程度と見込んでおります。  当初のシステム改修としては,改札機や精算機,それから,チェッカーというトラブルがあった場合にデータを確認するもの,交通局のトータルな輸送管理システムの変更,民間バスあるいは市電のリーダーの改修です。それから,交付事務に係るものでは,どの上限額を選択するかという意思を確認させていただく郵送料関係,さらに,交付事務にかかわる手数料などです。 ◆松浦忠 議員  私が1点目に割引率を聞いたのは,事業者負担の20%が妥当な数字かどうかを検証する意味で聞きました。この数字からいったら,私は,通学定期の62%は別にしても,例えば買い物で20%あるいは23%という昼間時間帯の割り引きがあります。私は,平成9年の時もそうですが,この問題について終始一貫してずっと言ってきたのは,昼日中に空気を運んでいても,バスであれば運転手さんは働くし,ガソリンもたく,少し重くなれば多少はガソリンを余計にたくくらいかなと,こういうことなのだから,割引率については相当にされてもいいのではいなか。  今まで,白石区で,市長も出て,高齢者の皆さんが集まって敬老パス問題で意見を聞く会のときに,一人の老人クラブの代表の人からこういう意見が出たのです。 ○大嶋薫 委員長  松浦議員,割引率については既に市の考え方が示されております。 ◆松浦忠 議員  いやいや,私が今言っているのは,市の考え方ではなくて,示した根拠が明らかになっていないから,私が根拠を聞いてわかったから,今これを言っているのです。今まで,どの委員も……。 ○大嶋薫 委員長  次の質問に移ってください。 ◆松浦忠 議員  委員長,おかしいのではないか。どこに,あなた,さっき私に許可をしたときにこう言ったではないか。今までの委員にない質問だったら,してくださいと言ったではないですか。今までの委員は,私は最初から聞いているけれども,私が今質問したことはだれも質問していないです。何を言っているのですか,あなた。 ○大嶋薫 委員長  簡潔に質問に移ってください。 ◆松浦忠 議員  私が今あなた方に問うのは,最初に白石区で説明会が行われたときに,敬老パスによる乗車で,乗り切れない人がいてバスを増車したことが1台でもありましたか,明らかにしてください,地下鉄の増便がありましたか,明らかにしてくださいと言ったら,市長も出ていて答えなかった。その後,皆さんは,その質問をした方に答えていない。私が,皆さんにおいでいただいて,そういうことが事実としてあったかと聞いたら,ありませんと答えているのです。  私は何を言うかといったら,先ほどの委員の質問に対して,横山理事はぎりぎりの交渉をやったと言っている。しかし,20%の事業者割引率の問題について言えば,買い物だとか昼間時間帯で,黙っていても20%や23%は引いているのです。これが,何で,少なくとも札幌市から払う金が,利用者も含めて払う金が,30数億円になるような,これだけの団体契約ですよ,団体契約。団体契約の定義というのは何も……。 ○大嶋薫 委員長  簡潔に質問に移ってください。 ◆松浦忠 議員  団体契約というものは,路線を特定するのも団体契約だし,いろいろな方法があるわけです。だから,市長が委員会に出席したときに私は市長に言っていますから,あなたは,具体的に,30数億円の1年間の団体契約をやるに当たってどう割り引きさせるか,その割り引きのために,例えば早朝の通勤時間帯の乗車を規制する,帰宅の時間帯も規制する,日中だけの乗車にした場合どうなのかとか,そういう交渉も含めてやるべきだと。そして,市長みずから例えば社長と話をする,こういうことをやるべきだと言ったら,市長はやりますと答えているのです。私の今の質問は……。 ○大嶋薫 委員長  松浦議員,まとめてください。 ◆松浦忠 議員  こういう内容について,具体的にどのように交渉されたのか,改めてもう一回聞きたい。これは前に市長に質問しているのです。  それから,市長は,いつ,だれと,どういうふうに話し合い,交渉したのですか。これが最終案だと言うなら,少なくとも市長が出ていって交渉したのか。市長は議会でやると答えているのですから,私の質問に対して。いつ,市長が出ていって,何月何日,どこの会社へ行って,だれと会って市長が交渉したのか,それを明らかにしてください。  なぜかといったら,これは議会に対する市長の虚偽答弁になりますからね。 ○大嶋薫 委員長  以上ですか,質問は。 ◆松浦忠 議員  これが,まず割引率についての問題であります。 ○大嶋薫 委員長  交渉経過についてしか質問は伺っていません。 ◆松浦忠 議員  私は,これは市長の虚偽答弁になるから問いただしているのです。 ○大嶋薫 委員長  次に移ってください。 ◆松浦忠 議員  いいですか。だから,これについては市長が答弁したからきちっと答えてください。割引率の内容についても,  もう一つは,あす,補正予算を出すということで,今,皆さんは請求されてようやく答えたけれども,中田部長に控室においでいただいて聞いた時には,15年度決算でジェイ・アールバスや中央バスなどに個別に幾ら払ったかについては,バス会社との約束があるから答えられない,こういうばかみたいなことを言っていました。何でそんなことをするのか。当然,市民の税金が15年度に使われて,決算も明らかになったものを秘密にするのか。先ほど民主党の林家議員の質問に対してどう答えるかと思って私は注目していたら,民バスを全部まとめて答えている。それぞれのバス会社ごとにきちっと答えるべきです。そういうあなた方の対処の仕方から見たら,到底,市長が私が出ていってやりますと言った前回の3月議会のときの姿は見えてこないのだけれども,これをどういうふうにしたか,答えていただきたい。 ○大嶋薫 委員長  質問は,交渉経過について簡潔にお答えいただくだけで結構です。 ◎横山 保健福祉局理事  交渉経過について答えさせていただきたいと思います。  非常に細部にわたる部分については,交渉の内容でございますので,お互いにまだつまびらかにできないいろいろなやりとりがあって,その上での今の結果だということをまずご理解いただきたいと思います。  それから,市長は,この間,直接,社長なりとは,今の段階ではまだやっておりません。  ただし,市の仕事のやり方は,この間,私はいろいろな指示を受けて,責任を持って交渉に臨んできております。また,その間に,副市長も各会社の幹部と基本的なお話をさせていただいて,そういう中で今まで進めてきております。それが今の最終的な案として私がご説明している内容ですので,ご了解をいただきたいと思います。 ◆松浦忠 議員  これは重大なことで,市長の議会での答弁にうそがある。議会で,私の質問に対し,市長は交渉しますときちっと約束したのです。議事録を調べてください。  きょう,この委員会で,市長のいないところであなた方に言ったってしょうがないことです。したがって,市長も出て交渉すると約束したものを,市長が出る交渉もしないで,市長の一補佐役である事務方が出て交渉して,30数億円,20万人に及ぶ市民の利便をどうするか,政策をどうするか,お金の使い方をどうするかという問題を任されてやっておりましたなんていうことであったとすれば,これは,もう次の決算議会が始まりますから,あす,私は今から議運に市長の出席を求めます。  そして,これはきちんとする。私は,これは許せない。うそだもの,あなた,やっていることが。そんなでたらめな,議会で約束したことを市長がやらないでおいて,そして,事務方の,それもまたナンバー2が出てくるならまだしも,ナンバー3か,4か,5かわからぬけれども,コンマ以下が出てきて,そして説明して理解を求めるなんてとんでもない話だ,あなた。コンマ以下だ。市長を1としたらコンマ以下だ。 ○大嶋薫 委員長  以上で,質疑を終了いたします。  以上で,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後1時11分...