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平成16年税財政制度調査特別委員会−08月06日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-08-06
    平成16年税財政制度調査特別委員会−08月06日-記録


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    平成16年税財政制度調査特別委員会−08月06日-記録平成16年税財政制度調査特別委員会  札幌市議会税財政制度調査特別委員会記録            平成16年8月6日(金曜日)       ────────────────────────       開会 午後1時 ○小野正美 委員長  ただいまから,税財政制度調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  それでは,議事に入ります。  最初に,大都市財政実態に即応する財源拡充についての要望を議題といたします。  ここで,理事者から説明を受けます。 ◎米田 財政局長  本日は,「大都市財政実態に即応する財源拡充についての要望」,いわゆる青本要望の原案をご審議いただきたいと存じます。  お手元にお配りした要望文案は,さきに行われた指定都市税務主管者会議及び財政担当課長会議において協議し,作成したものです。  今後の日程は,8月9日に開催する財政担当局長会議最終案を決定した後,8月27日に予定されている本委員会でご報告いたします。  また,具体的な要望行動は,まだ確定していませんが,例年は,当番市の市長,議長が総務省財務省等関係機関に対して要望を行うほか,各指定都市税財政関係特別委員会委員による党派別要望を行っています。  それでは,要望文案具体的内容担当の部長から説明いたします。 ◎生島 財政部長  まず最初に,配付資料を確認します。  資料1は,「大都市財政実態に即応する財源拡充についての要望(案)」,厚いもので青本本体です。資料2は,その重点要望で,2種類です。  資料1の平成17年度の要望です。  表紙から2枚目に,まず,見開きがございます。それと,1枚めくった3枚が前文です。目次で全体構成を見ますと,四つの大きな項目から成って,私からは,IとIIIとIVを説明し,大項目IIの「税制の改正」及び資料2は,後ほど税政部長から説明します。  改めて,資料1から説明します。
     前文では,左のページで,住民福祉充実生活環境整備などの財政需要が増加する一方で,それに見合う都市税源が乏しいこと,また,多額の借入金残高を抱えていることなどにより,大都市財政運営が厳しい状況にあること,このため,地方税など自主財源拡充,強化が急務であることを述べております。  それに引き続き,右のページでは,地方分権の観点から地方税中心歳入構造を確立するため,国から地方への税源移譲を早急に行う必要があること,このため,税制改正に当たっては大都市実態に即応した税財政制度を確立することが重要であると述べております。また,国庫補助負担金廃止縮減に当たっては,地方負担を転嫁することなく,所要額地方自主財源として税源移譲するべきことを述べております。  さらに,次のページにかけ,地方交付税改革に当たっては,単に総額抑制を行うのではなく,その安定的な供給のため,財源保障機能税源偏在調整機能の双方を重視する必要があることを述べております。  以上が前文です。  本文の1ページは,大項目I大都市財政実態」です。  ここで,資料のつくり方について説明いたします。  1ページがことしの要望文で,2ページ目に線で囲っているのは,昨年の要望文を参考に記載しています。これ以降,全体がこのようにことしのものと昨年のものを比較できるようにつくっております。  まず,1ページの中項目1の「大都市実態」です。  ここでは,大都市が我が国で担っている重要な役割や大都市が抱えている諸問題によって財政需要が増加の一途をたどっていると述べております。そして,その下には,要望文案に関連して,大都市に人口が集中している状況経済活動集積度財政需要が多いことを示すグラフを掲げていますが,一部,調査中の計数もあります。  3ページは,中項目2の「大都市財政実態」です。  大都市財政は,管理運営費公債費などの義務的経費が増加している反面,市税収入が極めて厳しい状況にあり,今後も引き続きこのような傾向が続くことなどから,大都市財政運営がますます厳しくなっていく実態を述べております。  なお,要望文案の下に,大都市における義務的な経費市税の伸びの比較を示すグラフ,人口1人当たりの地方債残高の推移を示すグラフを掲げております。昭和45年を基準年としておりましたが,それを平成元年度に変更し,グラフ数値については現在集計中なので,次回の委員会で報告いたします。  次の5ページから21ページまでは,後ほど,税政部長から説明します。  22ページは,大項目III国庫補助負担金及び地方交付税改革等」です。  大項目は,白本と重複している部分があって,白本の表現をもとに変更している部分があります。  まず,22ページの中項目の1「国庫補助負担金廃止縮減」です。  この中項目は,三つの小項目に分かれ,(1)の「国庫補助負担金廃止縮減」ですが,この項目では,地方が示す具体案に基づき,必ず税源移譲につなげること,国の関与を速やかに廃止縮減することを求めています。特に,義務的事業に係る経費については,その全額を移譲すること,また,公共事業関係国庫補助負担金についても税源移譲の対象とすることを求めています。逆に,同じ廃止縮減でも,生活保護費負担金負担率引き下げのような単なる地方への負担転嫁にすぎないものは絶対に行わないよう求めています。  次に,23ページの小項目(2)「大都市特例事務に係る国庫補助負担金見直し」です。  大都市においては,国・道府県道管理を行うなど,道府県にかわって行っている事務がありますが,このような事務に係る国庫補助負担金について一般財源化等見直しが行われる場合は,指定都市に対しても税源移譲による財源措置等を行うように求めています。  次に,小項目(3)「義務教育費国庫負担金見直し」です。  所要額全額について税源移譲による財源措置等を講ずること,また,給与費負担道府県から指定都市への移管に当たっても,包括的な権限移譲を前提に税源移譲による財源措置等を行うよう求めています。  次に,24ページの中項目2「地方交付税改革」です。  ここでは,地方交付税改革について,昨年末に行われたような単に総額を抑制することではなく,地方からの意見を踏まえ,地方のあるべき行政サービスの水準について十分な議論を行った上,これを安定的に提供できるよう財源保障機能税源偏在調整機能の双方を重視するよう求めております。  次に,中項目3「国直轄事業負担金見直し」です。  これは,平成17年度要望における新規の中項目で,国直轄事業負担金は,直轄事業全国的視野のもとに国家施策として実施されながら,地方公共団体に対し,個別に財政負担を課すものであることから,廃止することを求めています。  次に,25ページの中項目4「国庫補助負担金基準等適正化と運用・関与改善」です。  国庫補助負担金見直しを行った上で,なお存続する国庫補助負担金は,地方の実情に合った弾力的運用を図れるようにすること,国庫補助負担金に係る超過負担を完全解消すること,交付申請手続簡素化補助条件等の緩和を図ること,補助対象資産の転用について地方自主性を尊重することを要望しています。  なお,超過負担具体例数値は,現在集計中なので,次回の委員会で報告いたします。  次に,27ページに移り,大項目IV地方債発行条件改善等」です。  まず,中項目1の「地方債発行条件改善」では,公債費負担の増大が財政圧迫要因となっていることから,政府資金等に係る地方債発行条件改善既発債の借りかえなどについて配慮を求めています。  また,グラフ数値は,次回の委員会で報告いたします。  最後に,29ページは,中項目2「特殊法人等整理合理化の推進にあたっての配慮」です。  ここでは,特殊法人改革の推進に当たって,安易に地方負担を転嫁しないよう配慮を求めています。 ◎米田 税政部長  私から,資料1の5ページから21ページまで,大項目のII「税制の改正」と資料2の重点要望(案)の内容をご説明いたします。  まず,資料1の5ページをお開き願います。  初めに,中項目の1「真の地方分権の実現のための国・地方間の税源配分の是正」です。  ここでは,地方分権を実現するためには,地方公共団体事務事業を自主的かつ自立的に行うことが必要であり,そのためには,基幹税からの税源移譲を柱とする三位一体改革を進め,国と地方役割分担に応じた地方税源充実を確保することを求めています。このため,国・地方間の租税配分是正目標を当面1対1と置くこと,まずは,平成18年度までに所得税から個人住民税への3兆円規模の税源移譲を実施すること,さらに,平成19年度以降も基幹税からの税源移譲を行い,この改革を続けることを要望しています。  次に,6ページの中項目の2「大都市特有財政需要に対応した都市税源拡充強化」です。  ここでは,ますます増大する大都市財政需要に対応するため,都市税源とされている法人所得課税や消費・流通課税について,その配分割合拡充するよう要望します。  次の7ページに掲げてある図表等は,ただいまご説明した中項目1及び2の実態を明らかにするためです。  次に,9ページの中項目3「事務配分特例に対応した大都市特例税制創設」です。  指定都市は,他の市町村とは異なり,国・道府県道管理など,大都市事務配分特例に伴う特別な財政需要があるにもかかわらず,それに見合う税制上の措置が不足しています。このため,現状におきましては,その財源の多くは一般財源からの持ち出しにより対応していることから,こうした財政需要に見合う税制上の特例措置を設けるよう要望します。  なお,9ページ下段には,大都市事務配分特例に伴う税制上の措置不足額を示す表を掲げていますが,その数値は現在集計中でございます。  次に,11ページの中項目4「具体的要望項目」で,11ページ以降に6項目具体的要望項目を挙げています。  まず,小項目(1)「所得課税充実」です。  個人住民税は,市町村税基幹税目として一層の充実要望し,そのため,まずは三位一体改革の一環として,平成18年度までに所得税からの3兆円規模の税源移譲を確実に行うよう要望しています。また,利子所得に係る課税は,税負担の公平と地方税収入の確保の観点から,適切な見直しを進めるよう要望しています。また,都市的税目である法人住民税につきましては,配分割合が極めて低いことから,その拡充を図るよう要望しています。  次に,13ページの小項目(2)「消費・流通課税充実」です。  こちらも,市町村への消費・流通課税配分割合が4%と極めて低い現状のため,都市的税目であることを考慮し,その配分割合拡充を求めています。  次に,15ページの小項目(3)「定額課税見直し」です。  ここでは,相当期間にわたって据え置かれている定額課税について,適切な見直しを行うよう要望します。  次に,16ページの小項目(4)「租税特別措置等整理合理化」です。  ここでは,税負担を軽減する租税特別措置非課税措置等のうち,主として国の施策により地方税に影響を及ぼすものや,課税の均衡上,適当でないものなどは,一層の整理,合理化を進めるよう要望します。  次に,18ページの小項目(5)「市町村道路特定財源拡充」です。  道路整備事業費に占める道路特定財源の比率は,国に比べて地方の場合は極めて低くなっており,特に市町村道整備が著しくおくれていますことから,市町村道路特定財源配分割合を大幅に引き上げるよう要望します。  次に,20ページの小項目(6)「日本銀行国庫納付金にかかる適切な措置」です。  現在,日本銀行納付金は,所得計算上,損金に算入されているため,法人市民税課税対象となってはおりません。こうした点などの改善を求めます。  青本要望書説明は以上ですが,引き続き,お手元にお配りしている資料2の重点要望平成17年度案をごらんいただきます。  重点要望案は,ただいまご説明しました青本要望書項目のうち,特に重要と考えられる項目について,記書きのとおり4項目を抜粋したもので,要望の際に,青本要望書とあわせて重点要望書として使用いたします。 ○小野正美 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆桑原透 委員  私の方から,数点お尋ねいたします。  ただいま説明をいただいた国庫補助負担金廃止縮減について伺います。  現在,進められている三位一体改革は,ことし6月に閣議決定された経済財政運営構造改革に関する基本方針2004の中で,2005年,2006年度に行う3兆円程度の国庫補助負担金改革のために,地方公共団体改革具体案取りまとめ政府はこれを踏まえて検討する方針が示されております。地方取りまとめ具体案は,地方団体が8月20日までに政府へ提出するよう要請されており,地方自治体にとっては,まさに今が正念場の時期と考えます。  改革具体案の検討については,地方自治体においてもさまざまな意見が出されており,本市を含む指定都市としても,先日,これに関する意見をまとめましたが,そうしたものを含め,取りまとめ進展状況はどうなっているのか,お伺いいたします。 ◎生島 財政部長  国庫補助負担金廃止縮減地方でのまとめは,今,どんなふうになっているかというお尋ねです。  8月20日までに地方団体でまとめよという政府からの要請です。この具体案は,全国知事会全国市長会が中心になって具体的な検討を進め,6団体の間で,随時,協議を行いながら進めております。  そこで,全国知事会ですが,今,三位一体改革研究会というプロジェクトをつくって原案を検討しており,8月18日,19日に新潟県で開催される全国知事会で合意を図るという進め方でやっております。もう一つの全国市長会は,こちらもプロジェクトチームをつくって今検討しておりまして,8月中旬に行われる全国市長会財政委員会都市税制調査委員会合同会議でまとめる予定と伺っています。  札幌市は全国市長会メンバーですからそれに参加しますが,指定都市指定都市立場で議論をして意見をまとめた方がいいだろうということで,去る7月28日に開かれた指定都市市長会議において提言を取りまとめ骨太方針2004を踏まえた三位一体改革の推進に関する指定都市の基本的な考え方についてということで公表しました。  今後は,この提言をもとに,全国市長会はもとより,全国知事会等々と意見調整を行っていく予定です。 ◆桑原透 委員  これから取りまとめが行われるということで,個別の国庫補助負担金は,これから具体的な存廃の判断をしていくことになります。本来的には,地方財政の自立へつながる改革となるよう努力していただきたいのが1点です。  そうした意味では,要望内容にもあるように,生活保護費負担金負担率引き下げのような改革は,全く地方の自立につながらないものと考えます。  そこで,質問ですが,これについて現時点でも見直しが検討されているようですが,その状況はどうなっているか,また,本市としても強く反対すべきと考えていますが,どうお考えになっているか,伺います。 ◎生島 財政部長  生活保護費負担金関係は非常に重要な問題と我々もとらえています。  過去からの経過をお話しすると,生活保護費負担金見直しは,昨年12月に政府与党協議会の合意があり,そこからスタートしております。それを受け,生活保護費負担金見直し等に関する関係者会議が発足し,昨日,第1回の会合が開催されました。そのメンバーは,厚生労働省総務省財務省官房審議官,局長,次長,また,全国知事会からは浅野宮城県知事全国市長会からは堀江伊勢原市長が参加し,年末までに結論を出すことになっています。  我々も,負担率引き下げは,地方自由度の拡大につながらず,単なる地方への負担転嫁にすぎないということで,白本,青本にも盛り込んでおります。7月28日に指定都市市長会議を行ったという話をしましたが,そこでも,この問題だけは特出しして意見を言わなければならないだろうとなり,生活保護費負担金負担率引き下げに断固反対する意見書を決議し,会長市である名古屋市長などによって厚生労働省要望活動を行っております。この中では,こういう見直しをやるのであれば,その事務をお返しすることまで辞さないと申し上げていますし,実は昨日の全国知事会市長会も同様のことを会長談話で発表しています。そういった意味では,地方としては,団結して,断固としてこういう引き下げを許さない立場で活動したいと思っております。 ◆桑原透 委員  生活保護費負担金については,いろいろなところから意見が出ていて,市長会においても意見書が出されると聞いています。やはり,生活保護負担金については,関係者が強く声を上げていくべきだと考えております。  最後に,私の意見ですが,今後の国庫補助負担金改革地方負担を強いるものとならないように,議会を含め,地方が一体となって強い意見で臨んでいきたいということをもって,質問を終わらせていただきます。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からも,3点,簡潔に質問します。  まず,1点目は,事務配分特例に対応した大都市特例税制創設についてです。  国や道府県にかわって管理事務を行っていることに十分なお金が伴わない,そういう中で一般財源からの持ち出しが多くなっているという説明だったと思います。昨年までは特例措置を設けることとなっているのが,今度は,言葉も強く,税制創設となっています。この要望新規項目に入れた理由について,もう一度ご説明願います。  2点目は,義務教育費国庫負担金についてです。  三位一体改革での地方に対する3兆円の税源移譲の前提として,地方自治体国庫補助負担金削減リストを提出することになっていて,今,義務教育費国庫負担金の2兆5,000億円が大きな焦点になっています。新聞報道を見ても,具体案を議論した7月15日の全国知事会でも,存続,廃止をめぐって賛否が分かれ,8県は廃止・縮小は反対の声を上げていると聞いています。  このような中で,知事会に先んじて,7月28日の市長会では,義務教育費国庫負担金廃止を盛り込んでおりますが,この真意について伺います。  また,義務教育費国庫負担金廃止して全額移譲した場合,47都道府県のうち40都府県では国庫負担金より減ると言われています。札幌市はこの影響について現時点でどのように考えているのか,伺っておきたいと思います。  もう一点は,国直轄事業負担金見直しですが,これも新規項目に入っています。24ページに書かれているとおりの説明でしたが,地方分権も絡んで,地方ですることは地方の意向に沿って,それから国のすることについては国の責任でという流れの中で見直すべきだという中身かと思いますが,新規項目に入れた理由について改めてお聞きします。 ◎米田 税政部長  4点のご質問でしたが,1点目は税制関係なので,私からお答えいたします。  この要望では,大都市においては,国・道府県道管理その他の事務配分特例が設けられておりまして,道府県にかわってこれらの事務を行っていることなどを考慮し,大都市特例税制創設することを求めています。  これは,地方自治法第252条の19などにより,大都市事務配分特例に基づく財政需要額のうち,それに要する一般財源平成15年度予算で見ると3,832億円に達しております。しかしながら,これに対する税制上の措置は,道路特定財源ということで,その一部について講じられているにすぎず,2,491億円も税制上の措置不足額を生じていることによるものです。こうした税制上の措置不足額に対しては,従前から,青本要望により,都道府県からの税源移譲を念頭に置いて税制面での対応を要望してきましたが,長年の間,実現されていないこと,それから,今般,義務教育教職員給与費負担道府県から政令市への移管が国で具体的に検討されている状況を考慮しまして,新たな財政需要に備えることもあり,従前の大都市事務配分特例に伴う措置から,表現を改め,事務配分特例に対応した大都市特例税制創設に変更して一層強く要望することといたしました。 ◎生島 財政部長  まず,義務教育費国庫負担金の関連ですが,1点目は,指定都市が先んじて提言を出した真意です。  まず,義務教育費国庫負担金指定都市関係です。現時点では,給与費は,指定都市には権限がなく,皆,都道府県にあります。ただし,昨年の基本方針2003において,給与負担道府県から指定都市に移管することが述べられています。これは,今,指定都市は,人事権のようなものは既にありますが,給与費負担に伴う学級編制権がないというちょっとアンバランスな状態になっています。そういった意味では,給与費負担とともに道府県からさまざまな権限移譲が行われれば,指定都市は自主的,主体的な教育行政を展開できる立場にあります。したがって,我々も将来的には道府県と同じ立場に立てます。  そこで,そもそも全国知事会のお話ですが,全国知事会では,昨年の秋に義務教育費国庫負担金を含めた8.9兆円の国庫補助負担金廃止を既に提言していますので,将来的に,国の関与を縮小し,地方自由度を増すという観点から一般財源化を進めるべきという方向性は,指定都市道府県考え方に違いはないと認識しています。  それから,義務教育費関係の2点目は,一般財源化されたときの影響,いわゆる財源が確保されないのではないかというご心配です。  しかし,これは義務的なものでして,昨年,基本方針2003の中では,さまざまな国庫補助負担金廃止された場合,義務的経費全額を移譲すると。当たり前のことですが,そのように言われていて,義務教育はまさしくその典型例だろうと思っております。したがって,当然に所要額全額が移譲されるべきと思います。  そこで,それでは,都道府県ごと税配分が異なるのではないかということですが,それはそのとおりで,税源移譲だけで全部ぴったりというのはあり得ないと思っています。そこで,税源移譲が行われるときには,地方交付税財源調整機能財源保障機能の二つの機能が合わされたきちんとした財源保障が必ずできることが必要です。当然,それは我々も強く求めていって,義務教育という国民の最も大切な権利が守られるようにやっていかなければならないと思っております。  それから,3点目ですが,国直轄事業負担金見直し新規項目に挙がった意図について少し詳しく説明いたします。  まず,国直轄事業負担金は,例えば国道や国立公園整備など,国が直轄事業として実施する際に,法令の定めにより,その経費の一部を地元の地方公共団体負担するとされているものです。札幌市の平成16年度予算では,総額で35億8,300万円が計上されていて,主に国道の改築や維持修繕事業のほか,丘珠空港滝野すずらん丘陵公園などに関する事業負担金となっております。国の直轄事業は,国が全国的視野のもとにその必要を判断し,みずから行うべきものとして計画,実施しておりますので,地方自治体事業計画事業の決定に直接的に関与できない現状です。地方として主体的な関与ができないのであれば,国直轄事業は国の責任と財源で行われていくべきと考えています。  三位一体改革でも,基本方針2003では,自助と自立にふさわしい国と地方役割分担に応じた事務事業及び国庫補助負担金のあり方の抜本的な見直しを行うとされています。地方地方でみずからの権限,責任,財源事務をやる,それが本来の地方分権ですし,そのために国庫補助負担金廃止縮減されるのですから,逆に,国が行う事業負担見直しが行われてしかるべきと考え,こういう要望をしております。 ◆井上ひさ子 委員  事務配分特例に対応した大都市特例税制創設は,今,中身を聞いて,税制上の措置はとられているが,一般財源から2,491億円も持ち出すほど不足している中で,本当に長年要望してきているのに改善されないのでは,措置から制度創設にということは理解できました。  また,国直轄事業負担金の見直しも,今,詳しく説明がありました。総額で35億8,300万円という直轄事業札幌市も一部を負担しているのに,計画決定に関与できない状況の中で,国が財政的にきちんと負担してやるべきだというのは,私どももそう思いますので,強く要望していきたいと考えます。  それから,義務教育国庫負担金についても詳しく説明されました。全国知事会に先駆けてマスコミ等で報道され,知事会と政令都市の市長会ではどういう方向に行くのかという思いも持ったので,そのことをお聞きしました。  やはり,義務教育国庫負担金は,憲法や教育基本法に定められた国民の教育権を保障する大事な制度だと思います。その一般財源化は,先ほど交付税措置がとられるという話もされましたが,地方交付税の総額全体が抑制されていく中では,本当に予算が確保されるのか,また,政令市だけでなく,全国どこでもすべての子供たちが一定水準の教育を受けることができるのか,そういう教育内容が本当に保たれるか,私は大変心配しています。多くの関係者も,今,そこに疑念を抱いているのではないかと思うのです。
     これについてどのような考え方を持っているのか,もう一度,伺います。 ◎生島 財政部長  義務教育を受ける権利は,本当に大切であると思っていますし,委員からご指摘のあった心配も当然であろうと思います。  ただ,何回も申し上げているように,当然,今,国において行われている負担金の全額が移譲されるべきだということと,その調整は地方交付税において果たされるべきだということが,まさしく国の責務だと私は思います。そういう意味では, そうした仕組みを通じて教育費の財源が確保され,一定の教育レベルが保たれることになるだろうと我々は思います。 ◆井上ひさ子 委員  やはり,前提として,全額税源移譲が盛り込まれる方向にあるべきだと思います。ただ,今のように,義務教育費財源を制度的にきちんと保障するものではないです。それだけに,交付税が全体的に縮小されていく中で,義務教育費だけが確保される保障はないと私は思うのです。ですから,市長会知事会と議論が進んでいき,20日までにこれをまとめられますが,この問題については,本当に教育の水準が引き下げられない立場で本市として強く求めていただきたいと思います。 ◆小林郁子 委員  私からは,24ページ地方交付税改革についてお伺いします。  地方交付税改革のところは,昨年と比べると,全面的に書きかえられています。昨年は,「地方交付税について」という書き出しで始まったものが,「地方交付税改革について」と変わっています。また,中身も,昨年は原則的な書き方ですが,ことしは,今の動向を受けてというような書き方です。  その中で,地方のあるべき行政サービスの水準について十分な論議を行った上でということを求めています。これは,具体的には,例えば今言われている地方団体と国との協議というようなことなのか,指定都市の間では具体的にどういうことを話し合ってこのようにまとめられているのか,お聞かせいただきたいと思います。  2点目は,下の2行は追加として入っています。これも,地方公共団体の行財政改革の努力を反映するような地方交付税算定の見直しですが,これを読んだ限りでは,例えば行財政改革の努力をすると義務的経費が減っていく,そうなると地方交付税が減らされるということにならないよう,地方交付税の算定の仕方を見直してくださいということなのか,そのあたりをご説明いただきたいと思います。 ◎生島 財政部長  まず,1点目は,地方交付税改革のところで,地方のあるべき行政サービスの水準について十分な議論を行った上でという意図,趣旨についてです。  委員からお話があった今やっている国庫補助負担金廃止縮減のこととは,直接的には関係がございません。  地方交付税を算定する場合は,それぞれの地方が標準的に行うべき事務があり,その事務にかかる経費がこれだけだという算出をしますが,そのときの事務の見方です。例えば,ことしの交付税が大きく削減された一つの要因としては,地方の投資的経費をかなり削減すると見て交付税を削減している仕組みになっています。そこで,その実態をもっとよく見ていただき,行政サービスの水準をよく議論して,地方は今こういうことをやっていて,こういうことが必要なのだ,だから,それについて交付税措置が必要だと,そういう議論を十分にしましょうというのがこの趣旨です。  それから,2点目は,新しく2行が追加されていますが,これは,政令指定都市の課長会議の中でも若干の議論がありました。さらに,来週行われる局長会議でも,これをどうするかという議論はあるだろうと思っていますが,趣旨としては,インセンティブを与える意味で,事務の効率化や経費削減の努力を行った地方公共団体には地方交付税の算定において有利に取り扱われるような奨励的な制度をつくってほしいというのが要望の趣旨です。 ◆小林郁子 委員  先日,今年度分の普通地方交付税について,札幌市は臨時財政対策債を合わせても10.9%の減になると発表されましたが,指定都市全体では何%になっているのでしょうか。  それから,札幌市は,昨年度はその前年度対比でプラス7.0%でしたから,10.9%減は相当な減になります。今後,地方交付税についてはどの程度確保されるのか,その見通しについてもお伺いをしたいと思います。 ◎生島 財政部長  1点目は,普通交付税の指定都市全体の減ですが,指定都市で集計をしますと,札幌市は10.9%の減ですが,全体では16.9%の減になります。  また,来年度の交付税の見通しはどうかということです。これについては,まさしく我々にとって最も関心が強く重大なことととらえております。今,こうなるという予測を申し上げるわけにはいきませんが,我々が希望することとして,先日出ました基本方針2004の中で一般財源は確保していくという大きな流れについて言及されておりますので,少なくともこれ以上削られることのないようにさまざまな努力を払っていきたいと思っております。 ○小野正美 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小野正美 委員長  なければ,以上で質疑を終了いたします。  以上で,本日の委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後1時50分...