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平成16年(常任)経済公営企業委員会−07月20日-記録
平成16年(常任)総務委員会−07月20日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-07-20
    平成16年(常任)経済公営企業委員会−07月20日-記録


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    平成16年(常任)経済公営企業委員会−07月20日-記録平成16年(常任)経済公営企業委員会  札幌市議会経済公営企業委員会記録            平成16年7月20日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○三浦英三 委員長  ただいまから,経済公営企業委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,本郷委員からは,欠席する旨,連絡がありました。  なお,本日,審査を行います陳情第92号の提出者から資料が提出されましたので,お手元に配付しております。また,7月9日付で121人の署名が提出されておりますので,ご報告します。  それでは,議事に入ります。  陳情第92号 地下鉄料金の見直しを求める陳情を議題とします。  提出者から趣旨説明を受けるために,委員会を休憩します。     ──────────────       休 憩 午後1時1分       再 開 午後2時3分     ────────────── ○三浦英三 委員長  委員会を再開します。  質疑に先立ち,今回の陳情に関して,理事者から説明を受けます。 ◎下村 事業管理部長  お手元に配付しております1枚物の資料の各都市の地下鉄運賃制度につきまして,交通局の運賃に対する考え方をご説明します。  資料の説明に入る前に,今,各委員から段々のご質問等がありましたので,重複しないようにちょっとはしょらせていただきます。  公共交通機関の運賃の設定につきましては,それぞれ異なる交通機関事業ごとに要する原価という考え方でかかっている経費を計算します。それを利用者が負担する料金,事業法では運賃と呼んでいますけれども,この収入で賄うことが基本となっております。運行する路線全体の規模とか輸送手段の形態,利用状況,さらには運行速度とか運行する便数などにより基本的なサービスが決まりまして,それに伴って事業運営に要する投資,かかる経費,総称して原価という形でそれが算出されまして,それぞれの事業者に見合った運賃体系が認可されている状況です。こういったことから考えますと,全く運行形態運営方法が異なる交通機関がたまたまある一定区間で並行するという状況にあることに着目して相互の料金水準の適否を判断するのは難しいと認識しております。
     このことは,他都市も同様の考えのもと,公共交通機関事業運営が維持されており,各都市の地下鉄料金は,今,お手元に資料としてお配りしておりますとおり,対キロ区間運賃を基本に,それぞれの都市の利用人員の動向とか路線延長,その他の運営経費などを勘案して認可されている状況です。具体的には,各都市とも主に三,四キロ制をとられていて,一部,仙台市等の路線延長の短いところは,最近,認可されたものとしては短くなっております。  これを逐一申し上げると時間がかかりますので省略させていただきますが,参考に掲げました,最近,民営化された東京メトロなどにつきましては,我々の都市と比較すると著しく料金が低くなっております。これは,札幌市のキロ当たり1日平均乗車人員は約1万2,000人弱ですが,東京メトロでは1日平均キロ当たり乗車人員が3万人ぐらい乗っているということで,料金収入を払う方の密度が濃いことが料金の差にもあらわれてきていると言えるかと思います。  また,JR北海道につきましては,基本的に事業形態地下鉄と異なりますが,近距離はJRが安くて,私どもの6区の区間内に入ります15キロを超える長距離になりますと,逆に地下鉄の方が安くなっております。  また,先ほどの陳情者の資料中,図2の繰入金の区分の欄のうち,国庫の欄についてですが,国から直接繰り入れられている国庫補助金と,国の財政支援制度に基づき,繰り出し基準に従って一般会計から企業会計へ繰り出しているものの合計額という形で記載されているものと判断しております。繰り出し規準に従って本市の一般会計交通局に繰り出した金額の一部は,国から地方公共団体への交付税で措置されたものもあります。  ちなみに,金額を申し上げますと,平成15年度の欄には73億4,400万円と記載されておりますが,これは国庫補助金の3億2,400万円と,一般会計規準内繰入金の70億2,000万円となります。また,合計で申し上げますと,同様に,国庫補助金が146億1,100万円,市の一般会計規準内繰入金が785億5,100万円で,合計で931億円強となっております。 ○三浦英三 委員長  それでは,質疑を行います。  質疑はありませんか。 ◆近藤和雄 委員  2点ほど伺います。  今の陳情された方の話に関し理事者に質問したいのは,今まで,料金の引き下げによって乗車増につながり,収支が好転するという試算を交通局でされたことがあるのかどうか。  それから,今の各都市の地下鉄運賃制度の問題です。  各都市の地下鉄運賃制度を拝見しますと,理事者からお話しのとおり,対キロ数を含めて運賃制度を設定していますが,札幌市の地下鉄の場合,対キロ数を少し見直すような考え方があるのかどうか。  この2点について,回答していただきたい。  私も思うのですけれども,先ほど伊与部委員よりお話しのとおり,総合交通対策にも絡むのですが,札幌市の中心部に車を乗り入れている限りは,いつも公共交通機関を利用しなさいと口を酸っぱく言われても,その辺はなかなか改善しないと思います。中心部への車の乗り入れを反対しますと,経済界からの猛反対にも遭います。それから,いつも感じているのは,なぜ中心部地下駐車場をいっぱいつくるのかなと,私はいつも強く感じます。駐車場をつくっている限り,地下鉄を利用することにつながってこないと確信しておりまして,そのことを申し上げたい。 ◎下村 事業管理部長  過去において引き下げ試算をしたことがあるかどうかについてですが, 相当以前になりますが,正確な年数では平成9年から平成11年ぐらいにかけて,交通局総合交通計画部で共同して,ある意味で利用者が利用しやすい料金をということから,均一料金の検討の中で,一律の料金として,なおかつ遠距離の方にとっては割安感が出るような料金の検討ができないかと,かなり相当期間,検討した経過があります。ただ,そのときは長期間にわたっていろいろな方面から検討したようですけれども,収支がとれる料金ということで考えていきますと,200円から300円の間ぐらいで推移するのではないかということで,それをもって乗車人員の増加を図ることは難しいのではないかという調査結果にとどまっております。  それから,2番目の対キロのあり方を今後改善していくような検討をする考えはないかということについてですが,現在の交通局地下鉄の対キロ運賃区間制が絶対のもので不変だというわけではありません。今後,地下鉄利用者,それからバス利用者も含めて,そういった利用者生活様式と申しますか,行動様式などもいろいろ変わってくることもあると思いますので,これについては,引き続きどういう形がいいのか,今後の料金サービスの一環として考えていきたいと思っております。 ◆小形香織 委員  端的に伺います。  まず,この陳情者の趣旨である他の交通機関並み,つまり,地下鉄の料金が高いというのが市民の声だ,みんながそう言っていると先ほどの趣旨説明の中でおっしゃっていました。  そこで,地下鉄交通料金について,高いというのがかなりな市民の声であるという認識をお持ちかどうか,伺います。  それから,都心に車を乗り入れないということでパークアンドライドなども進めていると聞いていますが,この利用者がふえているのか,減っているのか。また,ふえているとしたらどんな推移になっているのか,伺います。 ◎下村 事業管理部長  札幌市の地下鉄料金に対して市民の方が割高感を持っていることに対してどういう認識を持っているかということについてですが,かなりの割合の方がもっと地下鉄を安く利用したいという気持ちをお持ちであろうということは,我々も常々考えております。ただ,先ほどからの議論の中にもありましたように,単純に基本運賃を安くしていくということではなくて,交通局としては,現在の利用者,将来的な利用者にとって利便性の高い交通料金企画割り引き,1DAYカードだとか,10月から発売しますドニチカキップなど,需要に応じて効果的な割引サービスを展開していきたいと考えております。  パークアンドライドについては,市としては総合交通計画部の方で所管しております。私どもは,交通局の余剰地の中でも,一部,パークアンドライドという形で利用していただいている状況は若干ありますが,利用傾向としては横ばい傾向です。 ◆小形香織 委員  段々の論議がありまして,地下鉄の料金が高いという声はかなりの割合であるということは認識しているとおっしゃられていました。やはり,根本的なところで言うと,札幌市の地下鉄の建設のときに使った建設資金に対する借金の返済に非常に大きな比重が占められている,料金収入との関係では赤字にはなっていないのだということであります。ですから,陳情者もおっしゃっていましたが,国に対して,市債の借りかえをできるようにするとか,地下鉄の経営を国費で補助するとか,市としてもきちんと要望していく必要があるだろうと思っています。 ◆松浦忠 議員  一つは,交通規制をどういうふうにするかという古くて新しい問題なのです。本当に,少し実験的にでもやってみるようなことをしないと,にっちもさっちもいかないのではないかなと思います。  そこで,先ほどの質疑の中で,地下鉄をつくるときには反対をする者などだれもいなかったみたいな質疑もありましたが,私は,宮の沢の延長については明確に反対しました。なぜ反対したかというと,当時,運輸省は,他の並走する軌道との間に直線で800メートル以上離れていなければ建設を許可しないということだったのです。ところが,あそこは700メートルなのです。それで,ずっと許可になりませんでした。ところが,その後,自社さ政権の誕生のときに,当時,新聞にも出て明らかになりましたが,当別町の複線化との関係でJRと札幌市との間の話し合いが成立したということで,運輸省は700メートルであっても許可いたしました。  そんな経緯があったにしても,一つは,運輸行政が自由化されてきたわけですから,その自由化された中で,よりたくさんの客を,単なる競争ではなくて,公的な名分のもとに実施していくかということです。これは,先ほど陳情者も言われているように,環境対策を含めて,まず,レールという皆さんの認識は一致しているところなのです。そういうことからすれば,やはり並走区間については,JRと同じ料金でやってみることが私は必要ではないかと思うのです。これが,まず一つであります。  何事も試して合点ですから,ある区間を試験的にやってみるということが必要ではないかと私は思うのです。例えば,宮の沢JR札幌駅との間,大通との区間についてやってみる。私はなぜこの区間を言うかといえば,先ほど話したように,700メートルで並走しているわけです。かつての運輸省がだめだといったところをやったわけです。だから,ここでやってみる価値があるのではないかと思うのです。一定期間を決めてやってみるべきではないかと思うけれども,これについて検討された経緯があるかどうか。  二つ目は,市債の借りかえについて,確かに議会ではいろいろと議論があります。しかし,この議論は,札幌市議会という札幌市の中の議論です。そして,国に対しては,国と地方公共団体という縦の関係で,いわゆる陳情というお願いにすぎない。私は,この問題を解決するには,国に対する全市民的な意思表示をするような取り組みを,市長を先頭にして,我々議員も含めて,きょうの陳情者も含めて,皆さんと意思表示の方法を考え,そして,ほかの政策と比べてなぜなのかということで国に対して迫っていく。こういうことがあって,初めてこういう問題が国の政策のところに話題として上がっていくのではないか。  今のところ,残念ながら,大都市でみんなこういう問題を抱えているけれども,このことが国政選挙の具体的な争点になったということは,私の記憶では一度もありません。やはり,争点にしていくくらいの取り組みを,札幌市が中心になって,特に今の市長は国に対して物を言うと言っておりますから,市民の利益になることについては積極的に物を言ってくれることになっています。したがって,私は,これはやるべきだと思います。  そういう中で借りかえの問題などの解決を図っていかなければ,この場で何時間もお互いにやりとりしても,国の方では,ああそうか,何かやっているなぐらいの話なのです。そういう点で,これは,政党,会派の問題ではなくて,札幌市民の公正な利益を追求するという問題でありますから,市長も議会も,186万人の意思をどう結集して国に物を言っていくかという非常にわかりやすい問題だと思います。  したがって,それらについて,管理者の方では,上田市長が誕生してから協議をされたことがあるかないか。  以上,2点であります。 ◎下村 事業管理部長  私の方から,1点目の宮の沢―大通間のJRと東西線の並走区間について,実験として運賃負担を同一にすることを検討した経過があるかどうかお答えします。  私どもの料金に対する考え方は,先ほど配付した資料の冒頭でご説明したとおり,それぞれ各事業所ごとの原価と乗車人員をもとに算定して,乗車料収入でできるだけ賄っていく考え方を持っております。また,多くの方に乗っていただくことについては,いろいろな企画,検討で工夫をしてまいりたいという考えできましたので,そういった具体的な検討というのはいたしておりません。 ◎黒田 交通事業管理者  2点目の借りかえの問題でありますけれども,伊与部委員からもお話がありましたように,資本費の問題をどういう形でどう対応していくかというのは,借りかえも含めて大きな問題です。それも,札幌だけではなく,地下鉄を所有している各都市共通の悩みであります。  ただ,企業会計という視点でいきますと,起債の借りかえの問題は,交通だけではなくて,一つには水道,下水道,病院,中央市場という横とのバランスもある中で,交通局としてはより切実な問題であります。そこで,昨年,市長ともいろいろな意見交換をする中で,札幌市と国との関係ではありますけれども,市長みずからが政令指定都市市長会議の中でそれを話題にしながら,もう少し独自の要望をしていこうではないかといったくだりもありました。  それから,今年度は,今まで政令市がまとまって地下鉄の借りかえに着目をしての国への要望は抜けておりました。昨年度までは,例えば交通事業管理者会議の名前で借りかえの問題を強く要望するとか,地下鉄協会公営事業協会といった立場の中で地下鉄に着目をした借りかえの問題について国に相当強い要望を重ねてきたところであります。ことしは,もう一歩ということで,管理者会議の中で,私も,市長レベルでも,重複してもいいからそこに着目をしてきちんと入れるべきだといった意見を強く述べ,地下鉄の借りかえの問題は,政令指定都市レベルの借りかえ要望という形で要望の強化をしているところでございます。  松浦議員からは,186万人の意見を結集して,市民レベルで札幌から発信して国に述べるべきでないかといったご提案ですので,市長にはまだ特に話をしておりませんが,なかなか難しい問題のある中で,私としては市長にお伝えをしておきたい,このように思っております。 ◆松浦忠 議員  一つは,宮の沢と大通,JR札幌駅間の運賃を同じにしてどういう乗車人員の変化が起こるか。軌道と軌道の離れが700メートルという区間で極めて近いですから,どういう変化が起きるのか,これは実験に値すると私は思うのです。そういう実験をすることが,今度,総体的な交通政策の第一歩にもなっていくことだと私は認識しております。したがって,これはぜひ実験をやっていただきたいと思うわけですけれども,この点は次回の議会までに十分検討して,管理者からお答えをいただきたいと思います。  2点目は,借りかえの問題についてですが,それぞれいろいろな事業で金を借りてやっていることはわかります。ただ,交通事業というのは,産業政策上,人の輸送という問題で大きな役割を担います。それなのに,大都市だけがどうしてその負担を負わなければならないのか。私は,どうしても理解できない部分があります。  したがって,これはぜひ国に対して言わなければならない。しかし,各政令市の市長が集まって市長会として申し入れたとしても,国にしてみれば,今まで管理者レベルで言ってきたのが今度は市長レベルに上がったかという程度だと思うのです。私がなぜ186万市民の総意を結集する形でと言うかというのは,この問題は,国政レベルの一大政策問題として提起していくような形にしなければ解決していかないと思います。  そういうことからすれば,皆さんは行政の立場の方ですから,これ以上の答えは求められませんけれども,市長は選挙で選ばれた方です。市長は,そういう横並びではなく,それぞれの都市の市長がそれぞれの選挙で選ばれているわけです。必ずしも,札幌市長の公約にほかの市長が同調することにもいかない面もあるでしょう。  したがって,ぜひ市長に伝えていただきたいのは,重ねて言いますけれども,市長は,市民の利益になることならば,国に対立しても大いに要求していくと選挙の公約で述べておりますので,それを形にしてくださいと。市長がそれをどういう形であらわすかは,市長の判断の問題であります。このことを私は市長に強く求めますので,管理者からは,こういう意見があったので,ひとつ検討いただきたいということをぜひ市長に強く申し上げていただきたいと思います。これも,次の機会に市長から答弁をいただこうと思っておりますので,きょうはこのことを申し上げて,終わります。 ○三浦英三 委員長  そのほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○三浦英三 委員長  なければ,これで質疑を終了いたします。  それでは,ただいまの陳情の取り扱いについてお諮りします。  取り扱いは,いかがいたしたらよろしいでしょうか。  (「継続審査」と呼ぶ者あり) ○三浦英三 委員長  継続審査とすることに,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○三浦英三 委員長  ご異議なしと認め,陳情第92号は継続審査と決定されました。  ここで,理事者から,過日の地下鉄東豊線豊平公園駅における収納金盗難事件について報告をしたいとの申し出がありますので,これを認め,報告を受けます。 ◎黒田 交通事業管理者  委員長からお許しをいただきましたので,去る6月22日に,札幌市交通事業振興公社への委託駅であります地下鉄東豊線豊平公園駅におきます収納金盗難事件につきましてご報告申し上げます。  事件の経過につきましては後ほど下村事業管理部長から報告させますが,まずもって,こうした事件が発生したことに対しまして,委員の皆様, 市民の皆様に,深くおわびを申し上げる次第でございます。まことに申しわけございませんでした。  今後におきましては,再びこのようなことが起きないよう,より一層の適正化を図るよう指導をしていくとともに,当局と財団がともに一体となり,信頼の回復に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところです。 ◎下村 事業管理部長  財団法人札幌交通事業振興公社における収納金盗難事件に関する概要と経過並びに関係職員の処分,そして,今後の財団における改善策についてご報告いたします。  事件の概要でございますが,本年6月24日,当局の収納金精算業務の委託先である金融機関から,豊平公園駅で6月22日分の収納金が21万円不足しているとの報告があり,直ちに駅管理業務の委託先である財団法人札幌交通事業振興公社にその旨を連絡し,調査するよう指示をいたしました。  同財団では,金庫など当該駅務室内の確認及び当日の収納業務担当職員に対する事情聴取を行いましたが,不足金の発見に至らなかったことから,翌25日17時ごろ,豊平警察署に対して盗難届を提出いたしました。豊平警察署での捜査が進む中,7月2日,パート職員が犯行を認め,窃盗容疑で逮捕されたところです。  地下鉄駅での収納業務につきましては,券売機の売り上げデータと現金を担当者2名で照合し,金融機関において書類に記載された紙幣の内訳と実際の金額を照合いたしますので,万が一,金額に不一致が発生した場合は速やかに発見される仕組みとなっております。  今回の事件では,当該職員がともに収納業務を行っていたもう一方の財団の職員の一瞬のすきをついて,紙幣を集計していた際に抜き取ったものです。  この事件を起こしました当該職員については,財団法人札幌交通事業振興公社内規により,財団において懲戒免職処分を行うことを決定しております。現在,労働基準法の定めによりまして,労働基準監督署に対して解雇に関する認定手続を行っており,手続が終了次第,速やかに処分を行う予定です。  また,財団における役職者についてですけれども,これは交通局からの派遣職員となりますので,交通局で処分を行ったところであり,既に公表しております。処分の内容につきましては,事務局長厳重注意駅事業部長を訓告,管理課長戒告処分,駅務一課長を厳重注意とし,7月16日に発令しております。  なお,盗難金額21万円につきましては,7月6日,当該職員の保証人である母親より財団に対し全額返済されております。  次に,今後の改善策でございますが,事件発生後,交通局が財団への特別監査を実施し,収納業務で改善すべき点を指摘しております。今回の事件の要因は,第一義的には当該職員の悪質な行為にありますが,結果として,当該職員に対する管理監督が不十分であったと言わざるを得ず,また,収納業務を行う上でのチェック体制などになれや甘さがあったことが考えられるため,今後におきまして,業務執行上の問題点を洗い出して改善をするとともに,体制の強化を図るよう,財団に指示しました。  財団がとった今回の事件に関する改善点として具体的な内容を申し上げますと,まず,第1点目として,パート職員公金取り扱いの見直しとして,委託駅の一部において正職員とパート職員の2名で収納業務を行わせておりましたが,パート職員収納業務から外し,より責任能力のある正職員2名による収納体制に変更しました。2点目は,収納時の相互確認の徹底です。より確実な作業を行うため,収納マニュアルを再整備して全体に周知すること,収納作業研修用ビデオを作成するとともに,公社の課長,主任が駅巡回の中で手順のチェックを行っていくことにしました。また,現場の主任職である助役を通したOJTの職場での研修の推進を図っていきたいと考えております。次に,3点目は,収納業務の中の防犯の徹底についてです。収納時における防犯を強化し,外部侵入者の防止を図ることにしました。  交通局としても,当局と一体となって交通事業を進めている財団において,二度とこのような不祥事が起きないよう適切な指導をしていきたいと考えております。 ○三浦英三 委員長  ただいまの報告について,質問はありませんか。 ◆伊与部敏雄 委員  今,下村部長から話がありましたけれども,これは警察にお願いして犯人を捕らえてもらうまでいかないうちに,2人しかいないのだから,どちらかが盗んだのか,内部調査内部検査ですぐわかるはずなのではないですか。外部から入る要素は全くない。これは,2人の自己責任ですよ。だから,そこに行き着くまで,ふだんから,マニュアルをつくって,現金を取り扱っていることで何か不測の事態が起きたらおまえたち2人の責任だぞと。民間企業ではみんなそうでしょう。自己責任で支払いをするのは当たり前のことです。当たり前のことを何で交通局でできないのか。警察に頼んで犯人をつかまえてください,我々はつかまえられないと。そういう言葉で言っていないかもしれないけれども,そういうことを言っているのと同じです。  今,部長は,正職員がどうとか,アルバイトがどうとか,パートがどうとかと言っていたけれども,そんな問題ではないでしょう。もっと基本的な日常からの指導,現金の取り扱いについての結果責任,そういうものをしっかりつくって,採用時点で保証人も含めてそれをきちんと確認させる体制をつくらなかったらだめではないかと思うのだけれども,いかがですか。 ◎黒田 交通事業管理者  私は財団の理事長も務めている責任がありますから,私の方からお答えします。  今回の事故は,券売機から,全部,金額が明らかになって,その金額に合わせる収納業務で,それを銀行に持っていって,それが違えばすぐ誤りが発見されるといったシステムになっているわけです。そして,そこに携わった者は2人しかいない。一応,そのほかに紛失した経過がないか調べてみました。外部の問題というのはあり得ない話でありまして,2人しかいない。その2人しかいない中で,99.99%特定化される状況にありました。そういった形で,いい意味で内部的な調査をきちんと進めました。最終的に,今回の事故を起こした職員が自分ではないと開き直った経過も実はありました。  そういうことになりますと,確固たる証拠的な要素によってその場でということがなかなか難しい状況があったものですから,そこまで行くのであれば,それから,自己責任という問題も含めて,本人が非を認めてきちんと対応すればということもいろいろ考えましたけれども,そこまで来た経緯もあったものですから,事故者を特定しなければならない問題ということで,やむを得ず警察署の方に被害届を出してゆだねることにせざるを得なかった状況だということです。  言い逃れをするつもりはありませんけれども,非常に特異な,通常では考えられない事故ではなかろうかというように一応は判断をしております。 ◆松浦忠 議員  チェック,いわゆる点検表をつくっているのですか。例えば,2人体制でやっていますね。そうすると,機械からお金を出して,例えば1万5,000円あったら1万5,000円あったと,機械から取り出したところで金額は間違いないという点検はそこでするのですか,しないのですか。これが,1点です。  2点目は,金銭事故を防ぐには,複数で行っているのですから,機械から取り出した段階できちんと金銭の確認をする。機械にも売上高が出ていますね。そうしたら,機械から取り出した段階でその売上金があるかどうか確認して,確認表に判こを押すなら押す,そして,収納袋に入れて封印するならするという手順がなされているのかどうか,この2点についてお尋ねします。 ◎千葉 高速電車部長  まず,第1点の点検表についてですが,基本的に,収納に行ったときには,機械に金種とか金額が入っておりますので,それを全部移してきます。そして,機械ごとに点検し,それから,お金も機械ごとに袋に入れて集計するところに持ってくるという形で,全部,機械別に集計して,金額も合わせています。それから,その機械ごとにお金が合っていると確認しましたら,金種別に全部集計し,おのおの数えたものを確認し合いまして,そして,それに帯封をします。そして,各駅名,日付,割り印には両者の印鑑を押し,それを袋に入れます。これは,特殊な袋でして,紙の裏と表に集めた担当者の判を押して,それを入れてかぎをかけます。かぎをあける場合には,必ずその紙を破らなければかぎが差さらない形の錠前になっておりまして,そういう形でその人たち以外のよその人があけるというのは絶対あり得ないシステムになっております。  今回の場合につきましても,金額を全部合わせまして,1万円札が何枚あるということまで全部確認を終わりまして,そして,本来そこのところで一緒に帯封をしなければならないところを,1人が書類をつくって,もう1人が帯封をしたと。そのときに目が離れて1人しか見ていなかった,そのすきに行ったということで,本来,マニュアルでは両方で帯封をしなければならないところが完全に守られていなかった,これが原因であるということです。 ◆松浦忠 議員  かつて,私がいた国鉄駅の乗車券売り場で手動で券を売っていたときは,一昼夜勤務で,毎朝,交代のときに金額を合わせて引き継ぐのですが,そのときに不足分は本人の負担になるのです。ところが,コンピュータ化されてみどりの窓口ができました。そして,だいぶ先の予約も入れるということで,かなりの人数でやるようになりました。そこで,今度は,締めを毎日やらないで,10日単位,1カ月単位と延ばしていったのです。そうしたら,金銭紛失事故がうんとふえました。問題になったのは何かというと,延ばしていったら,どこの時点で,だれの責任において事故が発生したか,例えば,毎日締めていたものが1週間単位や10日単位になったらどこで起きたかわからないということになったのです。そんなことがあって,関係職員のいろいろな話し合いの中で自己負担をなくしてしまいました。そうしたら,さらにそれがふえる傾向になりました。  したがって,私は,今聞いていて,この問題を防止するために管理者がつくっている作業の手順書に落ち度はないと思います。しかし,今回の問題は,その落ち度のない過程で発生しました。  そこで,1人が記入しているときに1人で帯封をしたというのは,交通局で2人の担当者事情聴取をした段階でそういう事実がわかったのか,警察で事情聴取をしてわかったのか,その点を明らかにしていただきたい。 ◎千葉 高速電車部長  これにつきましては,事情聴取をしたときにわかっております。 ◆松浦忠 議員  私は,こういう場合に大事なのは,先ほど伊与部委員が警察に行く前と言っていましたけれども,金融機関で袋をあけたときに1人であけたのか,2人であけたのか,そこはどうなっているのですか。 ◎黒田 交通事業管理者  当然のことながら,金融機関も調査は全部しました。金融機関も,ちゃんと2人で全部確認をして,金融機関ではそういうことはあり得ないと,ある意味では外堀の問題も全部調査しました。  今回は,本当に紙幣の枚数51枚も全部確認して,5,000円札は何枚,1,000札は何枚,硬貨は何枚という調書を片方が書くそのすきにです。そういった意味で,あり得ない中で出た今回の事故で,それはもうその2人しかあり得ない。あり得ない中でも,そのうちの今回の事故者しかあり得ない。99.99%,そういう形で状況をつかんでいる中で,先ほど申しました状況もあったものですから,やむを得ず被害届を出さざるを得なかったという背景であります。 ◆松浦忠 議員  今の話を聞いていると,金融機関も複数であけたから,そこはまず間違いない。だとすると,私は,金融機関で確認するまでの間に発生したものについては,交通局側の責任を明確にして,特別なことがわかれば別ですけれども,そうでない限りは担当した職員の自己賠償責任を明確にする必要があるのではないかと思います。そうしない限り,そういう問題というのは,2人で共謀もできるし,あるいはまた,今のように一人で一瞬のすきもということも数の中では発生するわけです。したがって,金融機関に渡るまで,券売機で確認し,確実に2人で袋に入れるということがきちんと行われれば,そういうことはまずあり得ないわけですから,その途中で今回みたいなことが起きるとすれば,それは当事者2人の自己弁済責任ということを明確にすべきではないかと私は思うのですけれども,そういうことについて検討されたことはありますか。今までいろいろな形で金銭事故がありましたね。いかがですか。 ◎黒田 交通事業管理者  先ほど伊与部委員のお話もありましたけれども,自己責任というか,責任の問題について今でも弁済ということはありますので,その問題は,もう一度,より徹底して明確にしておきたい,このように思っています。今までそれが追及できずに不明に終わったのは,結果として,どの段階で,だれがかかわり,それが発見されるまでの間,期間もあってどうこうということで,非常にわかりにくくなったシステムそのものの問題が今までの事件として幾つかございました。しかし,今回はシステムという問題ではないので,自己責任,弁済の問題をもう一度謙虚に見直してより強化をする必要がある,このように考えていますので,それをやっていきたいと思っています。 ◆松浦忠 議員  これで最後にしますけれども,本当に一生懸命にまじめにやっている人が99.99%だと思うのです。しかし,人間ですから,魔が差すという言葉がありますけれども,そうこともありますので,そういうことが起きないように,弁済責任をきちんと明示していくことがより抑制していくことになると思います。  それから,定期的に,月に1回ぐらいは,こういう金銭問題とか安全運転問題などの大事なことについては,点呼の中でぜひきちんと徹底していただきたいということを求めまして,終わります。 ○三浦英三 委員長  そのほかに質問はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○三浦英三 委員長  質問がなければ,以上で終了をいたします。  次に,路面電車の現状と課題についてを議題とし,理事者側から説明を受けます。 ◎下村 事業管理部長  お手元にお配りしております資料1に基づき,私の方からご説明します。  路面電車の資料の説明に入る前に,これまでの経過について簡単にご説明します。  路面電車につきましては,平成13年12月に策定しました交通事業改革プランの中で平成15年度末までに存廃を含めて事業の方向性を結論づけるとして,平成14年度,15年度と市民アンケートの実施とか,福迫副市長を議長とする交通事業経営改革会議でさまざまな角度から検討を重ねてきました。しかしながら,経営形態の見直しによる効率化の検討や車両更新等の設備投資の詳細な検討など,まだまだ整理しなければならない数多くの課題があることから,引き続き,平成16年度においても路面電車を存続させるための課題を整理して,市民のご意見をいただき,その上で具体的な方向性を結論づけたいと考えております。  これまでの検討状況について,資料1の平成15年度における路面電車に関する検討のまとめというA4横でつづっている資料でご説明します。  なお,この資料は,平成15年度における交通事業経営改革会議の結論として平成16年3月にまとめたもので,既にいろいろな場面で私どもからご説明しております。その結果,今後の検討の方向性を3ページの5にまとめておりますので,それに沿って説明します。  存続させるためにはどのような課題整理が必要かということで,資料に記載してありますとおり,5項目を主要な課題と考えております。  一つ目として,経営形態の見直しによる効率化,交通局の経営からより一層の効率化を図るため,経営形態の見直し案として財団法人交通事業振興公社への運行管理の一部委託化により,10年間で31億円の経費節減を図ることを検討しています。さらに,民間活力の導入の可能性についても引き続き検討を行う必要があります。それから,運行管理の一部委託については,許認可条件等について関係機関との調整を進める必要があります。
     続いて,2点目の課題として,老朽化した車両と施設の更新が必要ということで,この時点では,昭和30年代に製造された車両の更新,これは,23両,1台当たり大体2億円前後ということで46億円,そして,施設更新44億円を合わせて約90億円が必要となるという大ざっぱな計算がされており,そういったことからこれらの財源の確保が必要である,また,内容の精査と投資額の縮減に向けた検討を行う必要があるということにしております。さらに,更新の際には,バリアフリーに対応した低床車両,施設の対策が求められています。しかし,低床車両については積雪寒冷地での導入実績がなく,事前に試作車によるに試験運行を行うことが必要です。  また,料金の改定につきましても,今後,経営の安定化を図るとともに,バスや地下鉄の初乗り料金とのバランスも考慮しながら,現行料金の見直しについて検討する必要があります。また,料金値上げは利用者に負担を求めることとなりますので,議会や市民との論議が必要であります。敬老パスの動向も収入に大きな影響を与えるので,十分視野に入れて考えていきたい。  それから,財政支援の可能性です。存続するためには,一般会計からの財政支援の規模の見通しが必要です。これはこの当時ですが,ことしの1月,2月に発表された札幌市の中期財政見通しに示されているように,今後,さらに厳しい財政環境になることを前提にどう支援ができるかという検討が必要になるだろうと。  それから,需要の確保策が必要ということで,当然,存続していくためには利用されなければいけない。それで何とか収支を保っていかなければならないので,地元住民に対する意識啓発とか,その他,乗車人員が増加するように,市電を取り囲むさまざまな方々が一体となった需要の確保策とか料金面での工夫をやっていかなければならない。  こういった五つの課題に沿って,路面電車を存続させるために経営の効率化や車両更新等の設備更新の内容,料金改定などの課題整理のために,引き続き,幅広い議論を行っていこうということです。 ○三浦英三 委員長  今回の路面電車の現状と課題については,企画調整局にかかわる部分もあり,本日は高宮総合交通計画部長も出席しておりますので,追加して説明を受けます。 ◎高宮 総合交通計画部長  私の方から,今後の路面電車の検討スケジュールについてご説明します。  お手元にお配りしておりますスケジュール表についてご説明します。  大きな丸で見出しをつけている五つの項目,今,下村部長からも説明がありましたが,これは平成15年度末にまとめた存続するために整理すべき五つの検討項目でして,現在,これらの項目について検討を進めているところです。  まず,一つ目の経営形態の見直しですが,これについては,例えば車両や軌道を市が保有したまま電車事業の運営を民間に任せる方式や,複数の企業が運営に参画する方式など,検討されるさまざまな民間活用方策の可能性について民営事業者へのヒアリングを開始したところです。このヒアリングでは,路面電車事業に対する参画意欲と可能性,事業を行う場合に望ましいと考えられる参画スキーム,また,希望する条件などについて事業者の考えを聞き取りたいと考えております。  なお,先般の新聞報道などでは,路面電車事業の民間委託を打診などとの表現がなされておりますが,現時点においては,ただいまご説明したとおり,経営形態の見直しの手法を検討するために民営事業者考え方についての聞き取りを行っている状況です。今後,このヒアリング結果なども踏まえ,他の検討項目とあわせ,総合的な判断を行います。  二つ目ですが,車両と施設の更新内容の精査については,交通局において,老朽化車両や施設など,その更新のあり方について精査を行い,投資額の縮減の具体的な対応手法をさらに詰めているところです。  三つ目の財政支援の可能性については,経営形態の見直しや料金改定のあり方の検討経過なども踏まえ,財政支出の可能性やその手法について検討していきます。  四つ目の料金改定の必要性についても,老朽化対応の新たな投資が今後予想されますことから,受益者負担のあり方についても,市民議論を踏まえ検討していく必要があると考えております。  なお,この市民議論の進め方についてですが,既に広報誌7月号において,存続するための課題について情報を提示し,市民のご意見を求めたところです。今後,引き続き,広報誌において,検討経過や寄せられた市民意見などの情報提供を行っていくとともに,議論の場として,出前講座を活用したり,数回のフォーラムを開催し,広く市民議論に努めていきたいと考えております。  五つ目の需要の確保策については,事業主体である交通局において,沿線住民や商店街などとも需要確保対策の協議を進めていくとともに,広告料収入などの附帯収入の増収対策や公共交通利用促進キャンペーンと合わせた新たな割引制度の試験導入など,増収対策に努めていきます。  こうした検討課題について鋭意取り組み,経営改革会議の中で総合的に整理し,その結果を議会にもご報告しながら,存続の可能性を見きわめるとともに,存続に向けたスキームの整理を行うなどし,年度内には一定の方向性を見出したいと考えているところです。また,平成17年度以降のスケジュールについては,方向性の整理を行う中で詰めていきたいと考えております。 ○三浦英三 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆小形香織 委員  細かいことも含めて,幾つか質問します。  事前説明で金曜日に資料をいただいたものですから,細かい説明を受けておりませんので,ちょっと細部に立ち入ったことから聞きます。  まず,今の検討のまとめという3枚物のA4判横の資料の中で,2ページ目に収支シミュレーションという3番目の項目がありまして,5に「一般会計からの補助は3種類を想定」と書いてあるのですが,この三つの種類は具体的にどういうものか,一つずつお示しをいただきたい。  それから,今,高宮部長からスケジュールについて説明がありましたけれども,経済公営企業委員会では,今後,どの段階で市民議論や行政内部での検討の進捗状況について報告を受けることになるのか,伺いたい。  それから,このスケジュールの中で,5月に,市民議論の中の一つとして市電の会というのが既に行われたと書かれていると思うのですが,これはどのような内容のものであったのか,どのような構成メンバーだったのかも含めて,教えていただきたい。  同じく,この中で,これから3回に分けて電車フォーラムというものを開くということですけれども,どのような形態を予定しているのか,メンバーの構成とか,そのメンバーの募集の仕方などについてどのようにお考えか,伺いたい。  それから,細かいところから少し離れて,検討のまとめの方に戻ります。  この中で,乗車人員が毎年減少傾向にあり,厳しい経営状態のために,運賃も初乗り料金とのバランスを考慮して見直したいとあるわけです。私はこれを読んで料金を上げるのだなと受けとめましたけれども,料金を上げると,先ほどの論議ではありませんが,利用者はますます減少するだろうと考えますので,私は安易な料金値上げはすべきではないと考えております。  料金を地下鉄並みに上げた場合に,乗車人員や収支の増減がどのように変化すると想定しているのか,その想定があればお考えを明らかにしていただきたい。  それから,最後ですけれども,最初に,この路面電車の検討は存続のための課題の整理とご説明がありました。しかし,広報さっぽろの7月号を見ますと,3ページにわたって,「みんなで考えよう 路面電車の これから」となっていまして,広報さっぽろの8ページの一番上に,「存続か廃止か―方向性の決定が必要です」と書かれております。  このことに関して質問しますが,1点目は,なぜ廃止という言葉も含めた表現で広報に載せているのか。市民からは,結論として廃止という考えはもうなくなったと思っていたのに,なぜまた廃止という言葉が広報に載っているのかという問い合わせが私のところにも来ております。市電の存廃に対しては,札幌市は,廃止も含むという考えに後退したのか,それとも,市電は存続させるべきものだという方向なのか,今,説明がありましたけれども,改めてこの点を確認したいと思うので,明らかにしていただきたい。 ◎二木 交通企画課長  最初の質問は,シミュレーションを行った場合の一般会計からの補助について,3種類を想定しているとあるが,この3種類は何かという質問でした。  まず,現在,平成14年度の決算を見ても,通常の一般会計からの繰り出しと言われている補助金があります。いわゆる積雪寒冷に伴う財政支援ということで入れている補助金で,今まで通常的に財政支援を行っていた補助金を見込む方法が一つあります。そのほかに,新たな投資として,今後予想される車両更新に伴う補助スキーム,これは国の方で言っております協調補助として,増高する車両経費の2分の1ずつを国と市で持ち合うもので,そういう補助を見込んだ場合です。それから,その後の新たな投資の部分で,車両に限らず,もう少し広く施設更新にかかわる補助金もある程度見込んだ場合というように,段階的に3種類を予想してシミュレーションをしたところです。  結果としては,入れる度合いが階層的にふえていけば,当然,収支的には何とかなっていく方向に向かうのですが,90億円の投資を丸抱えで財政支援するとなると,何とか成り立っていくのは当然ですが,なかなか通常の補助ベースでは収支の採算は難しいという結果が出ております。 ◆田中昭男 委員  2番目の問題ですが,今,小形委員からは廃止もあるのかという視点からの質問でしたけれども,私の認識では,当初のスタートは存廃だったのです。きょうの資料を含めて,それがいつの間にか存続になっています。私は全く逆のことを思っているから,そのこともあわせて,一連の経過を改めて整理してもらいたい。 ◎黒田 交通事業管理者  質問の中で,5月に市電の会という記述があります。  市電の会というのは,中央区,特に路面電車の沿線の町内会なり市民なり商店街なり,それから,中央区役所も路面電車を街づくり根本に掲げておりますことから,会員総数が何人かちょっと私もわかりませんけれども,中央区役所も含めて,市電を存続し,例えば秋口には路面電車を中心としたいろいろなフェスティバルなりの行事をやったり,私ども交通局の電車事業所も一緒になって,存続ということで少しでも力をつけたいということでいろいろな行事をやっている会です。  私も,去年から交通に来て,路面電車が大好きなものですから,市電の会に一度出たいということでお話をして,ことし初めて,交通局として市電の会の会合に私が出席しました。そして,札幌市トータルの取り組み状況なり,交通局の思いなりをその中で申し上げ,ぜひお力をかしていただきたいという話もしてきた経緯があります。 ◎高宮 総合交通計画部長  私の方から,この表にあります市電フォーラムについてお答えします。  これは,年度内に3回予定しております。この意味合いは,直接,市民の方々と議論をして路面電車を考えたいというのが趣旨です。これらの経過と内容については,逐次,何らかの形でご報告する予定です。8月末に予定しておりますフォーラムというのは,市電の現状と路面電車再生の取り組みについてということで,専門家もしくは路面電車の経営者といった方々とフォーラムをする予定です。そういった形で,できるだけ市民との対話,議論をしていきたいと考えております。  次に,料金改定について,それは料金を値上げを前提としているのかというようなご質問かと思います。  ご指摘のとおり,先ほども説明がありましたが,この路面電車を存続するとすれば約90億円なりの投資が必要となります。そうすると,今の財政の厳しい中では存続という問題をクリアできるのかどうかということです。そのためには,やはり受益者負担の思想もあってもいいのではないかという意味で,市民とも議論をし,どうあるべきかということを,フォーラム,もしくは広報誌を使って意見を募集しているところです。  次に,昨年度末には存廃ではなくて存続する方向ではなかったかというご指摘についてですが, 私どもとしては,代表質問におきましても,市長が,路面電車を存続させるためには経営の形態の見直しによる効率化,車両や施設などの更新,それに伴う財源の確保など,さらなる課題の整理を引き続き行うと回答しておりまして,現時点におきましても,その基本的なスタンスは変わっておりません。現在までに,市民に対して路面電車の存廃問題について十分な情報提供を行っておりませんでしたことから,今般,改めて,路面電車の抱える厳しい現状や存廃に向けた課題についてご紹介し,将来を見据えて路面電車をどうすればよいのか,市民と幅広い議論を行うため,今さまざまな広報活動を行っているところです。 ◎黒田 交通事業管理者  田中委員のご質問で,過去との経緯についてです。  企業調査審議会の中の交通部会で,札幌市の交通3事業の改革プランをまとめるに当たってのいろいろなご提言を審議いただき,議論した経緯があります。  そういった中で,企業調査審議会の交通部会としては,札幌市がこのまま継続して行う公益交通事業として継続することについては,非常に困難である,難しいというような方向性が報告書段階の中身になっております。その理由としましては,いかんせん,周辺から例えば教育大がなくなるとか,いろいろな背景の中で利用者の減に歯どめをかけることはなかなか難しい。そういう状況の中で若干の見直しをしても限度があるだろうということで,平成16年度には不良債務が発生をするというような背景もありました。それから,後ほど議論になりますが,一部の車両がもうもたないという問題もいろいろありまして,今のまま運営するには困難性が伴うだろうし,存続するためには新しく設備投資が要るだろうというような背景も含めて,そういった報告が出ました。そして,そういった報告に基づき,平成14年度から始まりました交通事業改革プランでは,先ほどの田中委員のご指摘のとおり,存廃の廃という字が出ていたのも事実であります。  そうしたことから,公益交通事業としての軌道会計,路面電車の事業の運営には限界があるということを念頭に置きながら,交通局としては,しかしながら,市民のアンケート結果とか,札幌市トータルとして路面電車の存と廃をどう考えるのかという議論をすべきだという状況の中で,交通事業経営改革会議の一つの議題として正式に位置づけし,これを検討しながら最終的な方向性を出していくといった経緯がありました。  そういった中で,交通局としても,単純に,経営が成り立たないから存廃の廃という考えではなく,改革会議としてどういう結論を出していくことになるのか,当然,責任の回避という意味ではなく,きちんと議論をしながら札幌市トータルの位置づけをする中で意思形成をしていく必要があるという形で今日に至っている状況です。 ○三浦英三 委員長  2点目の質問の中で,スケジュールの中で,当委員会への報告はいつごろになるのかという質問があったと思います。 ◎高宮 総合交通計画部長  総務委員会も関連いたしますので,経済公営企業委員会も含めまして,その機会を見て報告させていただきたい。 ◆小形香織 委員  逐次,報告いただくということでよろしいでしょうか。 ◎高宮 総合交通計画部長  フォーラムの機会というのが,今,正式に決まっているのが8月,予定が11月ということで,11月はまだ確定しておりませんが,そういうことがはっきりすれば機会を見ながら報告させていただきたい。 ◆小形香織 委員  フォーラムそのものは,どういう形でメンバーを構成し,募集をしていくのかということも伺ったのですが,それについてお答えをお願いします。  それから,存廃の話ですけれども,最初の説明のとおり,存続のための課題整理についての今回の議論だという受けとめでよろしいのですね。 ◎高宮 総合交通計画部長  8月末のフォーラムの公募につきましては,できるだけ皆様方に広く行き渡りますように,何らかの媒体を使って皆様方にお知らせしたいと思っております。  それから,2点目の存廃の存続だけで進めるのかと聞こえたのですが,よろしいでしょうか。 ◆小形香織 委員  最初に下村部長は存続のための課題整理だと説明されましたが,その言葉どおり受け取って,廃止という言葉がなくなっていると理解してよろしいのでしょうか。 ◎高宮 総合交通計画部長  平成15年度末に行いました経営改革会議では,存続させるために残された課題を整理するとしてございます。 ◆小形香織 委員  今,そこがすごくはっきりしたと思います。  広報さっぽろの書き方は,非常に廃止をにおわせる書き方で,市民から,廃止することになっているのかと不安の声が出ています。今,広く議論するためにこういう言葉を入れたという説明はありましたけれども,ここを読むと,存続するのか廃止するかの方向性については平成16年度中に決定する必要かあると,いかにも,廃止も含めてどちらかに決定していくのだという表現になっていて,これは非常に問題があると私は思います。  市長の公約は市電を生かした街づくりですし,今後とも,存続させるのだということにしっかり軸足を置いて,市民とも議会とも議論を進めていただきたいということを強く求めておきます。 ◆田中昭男 委員  今は小形委員の意見としての話だろうし,それはそれでいいのです。  ただ,これは,おととしまでは間違いなく存廃だったのです。難しいな,本当にどう判断するかということで,存廃を前提にした議論だったのです。  ところが,上田市長になってから,先ほど高宮部長が言ったように,存続のための議論に切りかわった。そこははっきり姿勢が変わったのです。そういう整理でいいはずですね。 ◎黒田 交通事業管理者  私自身,改革プランを見て,平成15年度末には存廃の方向性をきちんと決めていくのだということで,その中に廃とあったのは確かに事実であります。  ただ,当時,今の上田市長の体制の前にもう交通改革会議の議題に取り入れておりまして,単純に本当に廃止することになるのだろうかと。交通としても,事業者として,何らかの合理化とか,投資金額の圧縮とか,そういうことも含めて存続をする芽がないだろうかと,上田市長がいらっしゃる前の段階からそういった議論をしておりました。ですから,交通経営改革会議としては,そういった視点での一貫性のもとに,その可能性を探ってきて,より課題を浮き彫りにして市民議論をしていこうではないかということになってきました。  また,交通部会との関連もありますけれども,そういった状況の中で,平成16年度には不良債務が発生する予定が,内部の効率化で平成18年度ぐらいまで不良債務の発生を防ぐことができるのではなかろうかという経営見通しが立ったことも含めて,いずれにしても,もう少しきちんとした議論をした上でなければ困るだろうと。そのためには,交通局として,やはり,今の路線だけで行くのか,それから,都心部のあり方の中で路面電車の存続に当たっての位置づけという問題は避けて通れない大きな命題ではなかろうかというようなことも改革会議で主張しながら議論を進めている,こういう流れです。 ◆田中昭男 委員  市長の立場をおもんぱかってというような発言だと聞くけれども,それは確かにそうです。存廃のときに廃止を前提にしたという方向性にはなっていなかった。だから存廃だったのです。残すとしたらどういう残し方があるだろうかということも少しは頭の中に入れながら検討すると。それは,管理者の言うようにそうであったことは間違いないと私も思う。  けれども,きょう出てきた資料には,私は,今の小形委員とは別な意味でびっくりしたのは,存続に向けたスキームの策定で,これは存続ありなのです。いつそう変わったのかと思ったら,高宮部長が,さきの市長答弁でそういう言葉も使いましたというから,市長がかわったから存続ありきの論議になってきているのだなと,とにかくそういうふうに理解すればいいのだなと。  最終的にどうなるかはわかりません。今の五つの項目も難しい項目ばかりです。これらも,こうやれば存続できますという整理になるとは私も思わないけれども,ただ,上田市長になってから,存続に向けたスキームに変わったことだけは間違いない。  そうなると,何を論議するのか。五つの項目の一つ一つをいいとか悪いということですか。  さらに言うと,1ページの議会の動向で,議会からは存続の声が強いと勝手に書いてくれているけれども,最後の段階で議会のそれぞれの会派が賛否を明らかにすることはあると思う。ただし,今この段階で,議会からだって存続の声が多い,だから存続の方向に向けてだと,こういうふうに使われるのだったら,私はおかしいと思うから,委員長委員会としてこの表現は問題にしてほしい。  最終的には我々も判断するけれども,さっきの地下鉄の話ではないけれども,市電を残すことについて,市民の皆さんだって,議会の皆さんだって,だれ一人反対ではなかったのではないかと言わせるためにこの表現を使っているとしたら,これはちょっとおかしいです。いろいろな賛成や反対をしても,もろもろの条件をつけながらの判断は最終の段階でしますから,このことを今の前提にしないでほしい。 ◆柴田薫心 委員  田中委員がおっしゃるとおりです。  これは,日経の7月15日の記事に民間委託と出たわけです。そして,次の日には,ほかの新聞社みんなそれに右へ倣えです。これは,きょう初めて見たのです。これを見たら,企画調整局かどこか知らないけれども,存続に向けたスキームの策定と決定されているのです。ところが,7月に出たこの資料は,電車の絵まで出ていて,電車が真っすぐ来て,近いのは廃止です。それから離れたところに存続とかいてある。  僕は,存廃を含めて議論をするのがこの委員会である,そう思って出席をして,いっぱい資料も持ってきています。ところが,時間が長くかかってしまったからここでまた議論をしろとは言わないけれども,今の田中委員のことに賛成しますので,これは,暫時休憩でもして委員会で検討してください。 ◆峯廻紀昌 委員  委員会でも話がありましたけれども,新聞報道も含めて,あるいは,広報で意見を求める部分も含めて,要は,ある日,方向が変わって,存続に向けては民への移譲しかないような雰囲気になっていると。当然,各社によって表現は違います,委託だとかとの表現で出ています。ただし,当然,残すためには,経営形態が一番論じられなければいけなくて,現状の行政における責任の中でどうやっていくのだというようなことは全然出ておりません。それが全く出ていない中で,残すためには民間委託とか,民の活力を生かしたとか,そっちありきで何かすべて持っていっているふうに私は受け取れるのです。市民論議の中でそういう方向性が導き出されるかもしれませんが,今のこの時点では,それを論じる前に,当然,そこに勤める職員だっているわけですから,そういう身分保障の問題だとか,それ以上に大きい課題がないがしろにされて,今見る限りでは存続ありきの方向性になっています。  今,国の部分でも結構言われていますね。結果ありきで,中は後だと。そういった部分がこの部分にも感じられる新聞報道だし,あるいは,広報でのアンケートのとり方です。そういう部分が見えてならないのですけれども,その辺はどうでしょうか。 ○三浦英三 委員長  今,各委員から種々ご意見がありましたが,そのご意見に対して理事者側からの見解等がありましたら,先にお話しください。 ◎黒田 交通事業管理者  もう少し補足をします。  たしか去年の1月か2月に,今は資料を持っていませんが,市電のあり方についての市民のアンケートでしたでしょうか,広報課を通して幅広く意見を聴取しました。その結果,反対論もありましたけれども,存続を望む声が非常に幅広く大きな数字で出てきたことも踏まえて,昨年4月の段階では,存廃の廃ということありきではなくて,逆に,何か方法があるのであれば存続の可能性も検討すべきではないかという形で交通事業経営改革会議で議論をされてきたというのが事実です。  それから,いきなり民間委託と言われましても,私ども交通事業に直接携わっている立場からいきますと,若干,承服しかねる問題もあります。きっとそこに書いてあるのは,私も交通改革会議に出ていますからわかりますけれども,少なくとも今の経営形態そのままで,極端な話,人件費の見直し等々も何もせずに今のままで行くのは,当然のことながら,これから新しい建設経費がかかるわけですから,それには限界があるだろうということは,私ども交通局としても,そこに働いている人たちも意見は一致しています。とすれば,経営形態をどうするかという問題は避けて通れない話の中で,やはり幅広い意味での新たな経営形態のあり方という問題は,交通局としても謙虚に受けとめて内部議論を進めなければならないだろうと思います。そういった幅広い新たな経営形態の中の一要素として,民間委託も一つの要因としてあるというように私どもはとらえております。  なおかつ,民間に委託といいましても,バスと違いまして,受け皿は本当にあるのか。バスの場合は,直接,民でやっている事業形態もあり,スケールメリットで何をどうできるかという問題もありますけれども,残念ながら札幌には軌道の受け皿はありません。軌道に直接携わるにしても,職員の育成も含め,そんなに簡単にいく話ではない。それから,民でやっても,どれだけ乗員が伸びるのかという問題,また,これから新しく資金投下をしなければならない問題等々もあります。ですから,簡単な問題ではない。難しい問題で時間がかかるような気もします。  しかしながら,そこはやはりいろいろな可能性を検討しなければならないだろうというような位置づけで交通改革会議で今議論されている,このようにご理解いただければありがたいと思っています。 ◆柴田薫心 委員  今の管理者のお話はもっともなのです。  ところが,こういうふうに我々が知らない世界でありきとなっていますが,僕は存廃を含めての議論だと思っています。廃止をしろという意味ではないです。存続も含めてです。それを,ありきで企画調整局かどこかでつくってしまって,我々に今出されたばかりでしょう。見たのはきょうが初めてです。それなのに,こっちの方には,さっきいったように存続か廃止か,平成16年度末までに決定する必要があるとしているわけです。では,我々はどうやってとればいいのか。いろいろな広い視野の中で,今,管理者が言ったようなことで進めるべきだと僕は思っています。 ◆田中昭男 委員  最後に,一つだけ聞いておきます。  きょうは経済公営企業委員会だから管理者が中心になって,そして今,企画調整局から高宮部長に来てもらってこの問題をやっています。  私はあえて存廃と言いますが,最終的には存廃は市長が決めると思いますけれども,交通局はどこまで判断をできるのですか。  だから,市長に,交通局としてはこういう意見ですと,いずれ,よかれあしかれ,そう言わざるを得ないですよね。これは企画調整局でもそうかもしれない。これは,最終的には,市長のところにはどういう形で意見を持っていくのですか。特に,交通局と企画調整局はそれぞればらばらに持っていくものなのか,どこかでまとめてお互いに打ち合わせをして持っていくのか。  言えば,副市長を除いて,交通事業管理者と企画調整局長のこの問題に対する責任の重さはどういうふうになるのかということです。 ◎黒田 交通事業管理者  いろいろな経緯がございましたけれども,一つには,資料の1にありますように,交通事業経営改革会議の重要課題として昨年の4月から検討してきた経緯がございます。そして,段々の検討の中で,平成15年度末,ことしの3月に,その結論を出すことは難しい,いろいろな議論があって,たとえ存続と踏み切るにしても軽々しく判断は難しいだろうと。特に五つの課題のどれ一つとっても大変な問題です。したがって,軌道事業の収支の不良債務の発生も2年くらい延びることも含めて,五つの課題についてもう少し突っ込んだ内部議論を進め,市民にも,議会にもそうしたお話をしながら,どうするかについてきちんと議論を踏まえながら進めていく必要があるだろうと。  ただ,ことしの2月から3月にかけての経営改革会議で,一たん,平成15年度末としては,最後に結論の方向性が載っておりますけれども,路面電車を存続させるために,五つの課題を引き続き検討しながら議会や市民との幅広い議論などを行うという形になっております。  そういった意味では,交通局として単なる公益交通事業という狭い視点だけではなく,別の角度からの路面電車の位置づけ問題も含めて,幅広いトータル的な路面電車の位置づけの中で五つの課題がどう整理できるのかという方向性が見えてくれば,当然のことながら,交通局としても,直接,事業を預かっている立場として,なかなか難しい問題はありますけれども,一定の協力をしていくということに今の位置づけではなっています。  大きな縛りとしては,総合交通体系とのかかわりが結構大きな問題ですから,改革会議の事務局は交通局で持っておりますが,路面電車の経営形態のこれからの持っていき方,いろいろな課題の整理の中心は,今は交通局から企画調整局の方に軸足が移っているのも事実であります。そういった意味で,きょうは,私ども交通局だけでなくて企画調整局からも参加を願いました。かといって,交通局が逃げるという意味では全くございません,一員となって頑張っていきたいと思っています。 ◆田中昭男 委員  今の管理者の説明では,私はちょっとわかりません。  経営改革会議は交通局として設けていることで,そして,その事務局は交通局がやっているけれども,総合交通との関係があるので企画調整局も今入ってもらっていると。  悪いけれども,交通局で市電の存廃の問題を本当に責任を持って引き受けられるのかなと私は思うのです。そこのところが心配です。押しつけられたら仕方がないということは言えるかもしれないけれども,私は,恐らく,責任を持って引き受けますという答えになるとはちょっと思えません。もしその辺を言うとしたら企画調整局でないかと私は思うから,そういう意味で,交通局と企画調整局はどういうふうにして最終的に市長のところへ判断を上げに行くのか,そして,どっちがどういう責任を持つのか。  先ほど,高宮部長の答弁だったら,需要増強対策は交通局でやってもらいますと言いますけれども,実は,それだって言えばいろいろあるのです。地下鉄の需要拡大だって,いつも企画調整局はそういうことを言いますが,私は,地下鉄の需要,お客さんの数がふえないのはトータルな街づくりと関係があるとずっと言い続けています。今度は市電でまた同じことをやろうとしているから,それではお客さんをふやすことは先行きが物すごく心配だなと思って余計にそう言っているのです。  引き続き,市電の存廃の問題で市長のところにまとめた意見を持っていって最後の判断を仰ぐときの交通局と企画調整局の責任の問題は,今の論議では私はまだすとんと落ちていませんから,場合によってはまた聞かせてください。 ◆伊与部敏雄 委員  まず,この資料はいつつくったのですか。 ◎高宮 総合交通計画部長  今後の路面電車の検討スケジュールについては,経営改革会議が昨年度末に終わってますので,その段階から幾つかの案をつくっておりまして,最終的に,この案は先般の交通事業経営改革会議に出して承認を得たものです。
    ◆伊与部敏雄 委員  まず,高宮部長,経営改革会議とさっきから言うけれども,福迫副市長を議長とした関係者,つまり総務局と企画調整局と財政局と交通局の4局で経営改革会議をつくっているわけです。この話はずっと前からやってきたというわけですね。これは,いつから,今まで何回やってきたのですか,それが一つ。  それから,札幌市営企業調査審議会があります。この審議会はことしの5月18日に開かれています。その審議会にこの資料は出ていません。審議会では何をしたのですか。  だから,審議会があり,改革会議があり,議会があり,それから,さっき言っていたフォーラムがあり,だれだれがやっているのですか。今,話があったように,それをどこできちんとまとめるのか。あなたたちは,来年の1定に結論を出すと言っているのですよ。存続の方向性決定,公表と。その中身は,今のまま市営でやるか,民間でやるかは載っていない。しかし,新聞記事では民間委託しますと,はっきりと,それこそ朝日や日経,道新まで全部の新聞に出ている。今,この委員会で簡単に打ち消しているような感じだけれども,市民はそんなふうに受けとめられないでしょう。存続ありき,しかし存続の中身は民間委託だと,きょうの時点ではそう受けとめている人が圧倒的に多いのではないですか。  したがって,冒頭に言ったように,審議会があり,審議会の中に交通部会があるわけでしょう。そして,改革会議,議会,それから市電フォーラムと。こっちに行けばあっちに逃げる。電車は1本しかないのだから,三越から薄野までの8.5キロしかないのです。こんな調子だと,全然先が見えない,説得力がないと思うけれども,私が言った審議会や改革会議,フォーラムや議会だとか,管理者はこれをどう思うのか。 ◎黒田 交通事業管理者  先ほど言いましたように,バス,電車,地下鉄について,審議会の交通部会で方向性の議論をされ,その方向が出て,それに伴って交通改革プランができて,平成14年度から5年間,平成18年度までの中で,バスは廃止をする,路面電車は平成15年度末までに存廃を決めていく,地下鉄は経営の効率化という問題が幾つか出ています。そういった状況の中で,去年の1月から2月にかけて市民のアンケートがあり,そして,交通改革プランそのものも,交通事業経営改革会議にかけながら,改革プランがいわゆるオーソライズされたといいますか,認定されてきました。そういった意味合いで,交通事業の将来の方向そのものは,経営改革会議の中で議論をしながら決めてきたというのが事実であります。  そういった中で改革プランも決め,バスの問題も決め,一方では,並行して路面電車の存廃の問題をどうするかといったときに,市民のアンケート調査の結果もあることから,存続の可能性という問題に関して経営改革会議の中でもう少しきちんと分析すべきではないかという形で議論をしてきました。一方では,審議会の交通部会そのものは私ども交通局だけの問題でありますから,交通局として,交通部会に対して,路面電車のその後の札幌市の取り組み状況を交通改革プランの進捗状況という形の中で逐一ご報告を申し上げています。この間の5月の交通部会の中では,平成16年度の予算の問題と10カ年の経営計画,地下鉄,それと路面電車の現状の今の検討状況,その中では,ことしの2月の経営改革会議の議論をご説明し,交通部会では一たん存廃の問題も出たけれどもと,そういう流れです。 ◆伊与部敏雄 委員  5月18日に審議会をやっている。そのときにはこれは出ていませんね。審議会でこれは審議していないのですよ。そして,改革会議をいつやったかといったら,7月14日でしょう。きょうは20日だから1週間もたっていません。そのときにこれを出した,そして了承を得た。だから,5月18日から7月14日までにつくったものなのですかと私は聞いているわけです。いつつくったのですか。  7月20日のこの委員会に間に合わせるようにつくったのか。審議会は無視したり,改革会議なんていうものは4局長だから,仲間同士でしょう,総務局長,企画調整局長,財政局長,そして交通局長の4人で集まって了承して,来年の1月に結論を出すと。改革会議は7月14日でしょう。その次の日に,各社全部,民間委託と出ているのです。報道機関の窓口になったのはだれですか。7月14日に改革会議をやって,そして15日に新聞に民間委託と出ている。こんな流れを一つ一つチェックしたら,とてもではないけれども,あなたたちがやっていることは信用できない。議会も無視,審議会も無視。  これについて答弁してください。できますか。 ◎高宮 総合交通計画部長  最初の表でございますけれども,これは,私どもが交通経営改革会議までに整えた資料でございます。委員がご指摘のように,審議会の段階においては示しておりません。  もう一点目の報道に関する窓口でございますけれども,経営改革会議が終わりまして,そのときに企画調整局の私が窓口ということになりました。  あの報道につきましては,ある社に対して,私どもが今進めておりますのはあくまでも聞き取りであって,民間委託の打診ではないと。また,後発の新聞社につきましても,そういうものではないということを否定いたしましたけれども,報道側が,話をしたということは打診したのだろうと,夜遅くまでそうしたやりとりを随分しましたが,ご理解いただけず,ああいう報道になりました。  私どもとしては,議会を軽視するとか無視するような気持ちはありません。 ◆伊与部敏雄 委員  あなたがそう思うのは,あなたの自主的な判断ですよ。客観的には,7月14日に改革会議をやって,15日にこれだけ新聞に出たら,市民は議会は何をやっているのだと,もう議会の審議なんて要らないということになりますよ。そういう雰囲気です。経済公営企業委員会,何を寝ぼけているのだ,もう方向性が決まっているではないか,議会の声なんてどこに通用しているのだと,今時点でそういう雰囲気になっています。私は,そういうことを強く訴えておきたい。  具体的に聞きたいけれども,改革会議で,財政局長からそうそうたるメンバーが集まって,平成14年度の決算で1億1,000万円の赤字だと言っている。7月14日に平成14年度の決算の数字をもとにして改革会議をやるなんて,素人の集まりですか。どうして平成15年度の決算見込みを出して議論をしないのですか。おかしいではないですか。財政局長も総務局長も入っているのですよ。4局長が入っているのですよ。平成14年度決算では1億1,000万円の赤字だとここに書いてあるでしょう。改革会議は何で平成15年度の決算見込みで議論をしないのか。そんな程度の改革会議ですか。そして,来年の1定には結論を出すと。そんなばかな話はないでしょう。これが一つです。  もう一つは,高宮部長が盛んに90億円の話をします。10年間で車両の更新と。これは23両を更新するという方針でしょう。低床ですから,1両2億です。経済公営企業委員会では長崎に,単独では高岡まで低床電車を見に行きました。23両を10年間でそれにかえるわけです。みんなで長崎まで見に行って乗ってきましたし,車両の基地まで行って全部調べました。長崎では,民間がどこまで乗っても100円という均一料金でやっています。そして,耐用年数を聞いたら,彼らは耐用年数なんてありませんと答えました。国土交通省の安全性をクリアしたら100年でも使えるのですと。要するに,整備をきちんとしたら使えるのです。  札幌市の市電をいろいろ調べてみたら,昭和33年当時から使っているものもあって,これはかえなければだめだ,こんなものを使って事故でも起きたら大変なことになるというのは認める。けれども,屋根から窓まで全部取りかえる必要はない。取りかえるのなら台車だけでいい。台車だけとりかえたら,46億円が半分になります。  もう一つ,あとの44億円はどこに使うのか。電車の線路に埋まっているたるきをかえなければならないとか,電気の装置をかえなければならないとか,車両基地を整備しなければならないという。車両は46億円です,設備を直すのは44億円です,合計90億円の設備投資をしなければ存続できないとただ口で言うだけです。具体的に,90億円をどこにどういうふうに使うかについて,我々議会の方に一言でも説明がありましたか。ただ,23両を1台2億円でかえますから46億円,施設の整備で44億円,合計90億円でこれが10年間かかりますというだけです。  三つ目は,増収のことを考えたことがあるか。今,30両ある路面電車のわずか10両だけに広告を出している。屋外広告のことを調べてみました。屋外広告物審議会委員がいまして,これをクリアしなかったら広告は出せないと。ずっと調べてみたら,ことしは日石が1台に広告を出すということで,今は11両に広告を出してある。だから,あと19台は残っている。これなど,条例の第25条に,市長が屋外広告物を営む者に対して云々と書いていて,審議会に持ち込んで改正してもらうとなっています。こんなことは,やろうと思ったらすぐにできる。ずっと調べてみたら,1カ月1両18万9,000円です。そうしたら,1両が1年間で約250万円ですから,それだけで10両なら2,500万円,20両ふやした5,000万円も入るではないですか。1億1,000万円の赤字が,それだけでも半分入るではないですか。そういう増収対策を真剣に議論したことがあるかというのです。我々は素人ですが,ちょっと勉強したらこのぐらいの議論はできるのです。これはどうですか。 ◎黒田 交通事業管理者  伊与部委員のおっしゃることは,私も十二分に理解をできます。  企画調整局が中心になって,15年での収支のシミュレーションをやりました。その中で,路面電車は,実は18両が一番古いのですが,それプラス5両の23両が古くなるだろうから,15年というスパンの中ではそれらの車両更新の問題が出てくるだろうと。それは,今,交通バリアフリー法という法律の網がかかった段階で,新しくする場合には低床車両が避け切れないだろうということも含めて,15年間の上限の数字でいろいろシミュレーションをやって相当突っ込んだ議論もしてきた経緯があります。  しかしながら,将来の方向性がなかなか見えない中で,もう一度,将来の方向性と並行して,路面電車の更新の問題を,今の伊与部委員のお話も含めて,これは構築の問題でありますが,もっと現実的な問題として何をどうするのか真剣に議論する必要があるだろうと考えました。そして,そのときに,上の車体と下の台車を考えますと,下の台車が安全運行の死命を制するわけであります。そういう中で,昭和30年代に地元の鉄鋼協同組合に18両つくらせました。また,同じ時期に本州の専門メーカーにもつくらせました。その同じ30年代につくったもので,専門メーカーがつくったものはまだまだ使えますが,地場産業育成という形で地元の鉄鋼組合につくらせた18両については早急な対応をしなければならない。  ただ,そのときに,23両のうち老朽化が差し迫っている18両を機械的に低床車にすることがいいのかどうか。といいますのは,将来の方向性がなかなか決まらない状況の中で,何かもう一つ工夫の必要があるのではなかろうかという問題があります。それから,低床車両を入れるに当たって,積雪寒冷地のブレーキの問題などいろいろな問題がありますから,ある程度の試験的な要素は必要とするにしても,機械的に18両を低床型の路面電車にすることはやはり避けるべきではなかろうかという真剣な議論も行いました。  そういったことも含めて,交通局としては機械的な23両掛ける2億円ではなく,台車を中心として何をどう安全運行に配慮した上で,どれだけの事業費で賄うことができるかどうかということも含めて,今,もう既に並行して交通局内部として議論を進めております。そういった意味で,車両の更新のあり方についても,一つでも二つでも交通局が中心となって知恵を出し,存続のために何をどうできるのか,内部で議論をしている状況であります。  それから,増収の問題も,確かに,基本的に思い切った増収対策をする必要があります。ただ,機械的に料金収入乗車人員が伸びると考えるのは非常に危険であって,やはり妥当な線での利用客の伸びを判断しなければなりません。また,料金収入だけではないわけですから,並行して,今言った広告の問題も含めて思い切ったことをしなければならないときに,車体広告については今の札幌市の内部で規制の問題が厳然としてあります。そこで,それらが少しでも緩和ができて増収できるようなこともする必要があるということで,私どもとしては接触してまいりたいと思っております。  それから,簡単に料金を上げることはなかなか難しい話でありますから,それとは別な問題として,やはり,乗りやすい,特に地元の方々,そして観光客も利用しやすいように,例えば,お年寄りの方が電車で二つ先まで気軽に買い物へ行ったり,街まで行ってこられるような路面電車専用の1日券の発行なども考えられます。観光客も,周辺の観光名所には非常に乏しいですが,いろいろな建築物もありますから,そういったこともPRしながらやっていこうと。それから,今,ウォークラリー的なことを親子でできるように,地下鉄だけではなく,路面電車についても魅力ある利用をできるような料金の打ち出し方を並行して検討しております。このように,決して増収そのものをおろそかにしているわけではありませんので, それは重要な要素として交通局が主体となってこれからも取り組んでまいります。  それから,先ほど田中委員からもお話があった路面電車を中心とする街づくりという大きな問題もあります。そういった意味では,札幌市全体の中で,観光文化局,企画調整局ともいろいろ連携をとりながら,増収対策をやる必要があるという議論も踏まえております。 ◎下村 事業管理部長  私の方から,ご質問のありました軌道の改良,施設更新等で44億円かかっているものの具体的な内訳についてお答えいたします。 ◆伊与部敏雄 委員  その前に,平成15年度の赤字はどのぐらいあるのですか。 ◎黒田 交通事業管理者  平成15年度の決算見込みは既に出ておりまして,経常経費で1億4,300万円の赤字になります。 ◎下村 事業管理部長  それでは,私の方から施設更新費用44億円についてご説明します。  先ほど,管理者からも説明がありましたけれども,15年間のスパンの中の44億円としましては,まず,平成17年度から26年度という割と至近距離の期間の中で何をやっていくかということです。車両の改修等も一部で若干入ってきますが,主に線路の改良工事で10億5,000万円,それから,工場,車庫の改修工事で,これについては屋根の補修がメーンになってきます。それから,変電所も老朽化している部分について補修をしていかなければいけません。それから,停留所,運行情報といったバリアフリー対応の整備。そして,街路拡幅による改修等も若干入ってくるだろうということで14億2,400万円ぐらいを計上しております。  一方,もう少し先の平成27年度から32年度までの5年間ぐらいでは,さらにもう一度,軌道の改良工事,変電所設備の更新,それから,工場,車庫の改築等も必要になってくるのではないかと考えております。このあたりは,まだ精密な積み上げというわけにはいきませんけれども,約十五,六億円の見積りをして,合わせて40億円の費用を見ているわけです。  それから,今現在,一番新しい8,500系の車両ですが,改修という形で補修をしなければいけないものが6両あります。これは,今までの定期的な車両改修では6,000万円ぐらいかけてきましたので,6,000万円の6両で3億6,000万円,合わせて44億円という内訳になっております。 ○三浦英三 委員長  各委員にお諮りします。  存続に向けてのスキームになっていること自体もご了解できない委員もおりますし,いろいろなご意見もありましたので,一度,委員長預かりにしたいと思います。総務委員会との絡みもありますから,きょうは終了させていただいて,しっかり精査をして早い時期に次回の委員会を開きたい,このように提案したいのですが,いかがでしょうか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○三浦英三 委員長  それでは,交通局,企画調整局の皆さん,いろいろなご意見もありましたから,それぞれの局できちんと精査をしていただき,また次回にきちんとした形で委員会を開きたいと考えますので,よろしくお願いします。  以上をもちまして,本委員会を終了します。     ──────────────       閉 会 午後4時13分...