札幌市議会 2004-06-02
平成16年第 2回定例会−06月02日-03号
議案第12号 札幌市
道路占用料条例及び札幌市
法定外道路条例の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第14号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第15号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市
火災予防条例の一部を改正する条例案
議案第20号 財産の取得の件(学校用地)
議案第21号 財産の処分の件(札幌市
医師会館建物)
議案第22号 町の区域を新たに画し,変更し,及び廃止する件
議案第23号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第24号 市道の認定及び変更の件
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〇
出席議員(68人)
議 長 武 市 憲 一
副 議 長 西 村 茂 樹
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 小須田 悟 士
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 藤 川 雅 司
議 員 林 家 とんでん平
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 芦 原 進
議 員 阿知良 寛 美
議 員 小 形 香 織
議 員 伊 藤 理智子
議 員 佐 藤 典 子
議 員 坂 ひろみ
議 員 長 内 直 也
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 三 宅 由 美
議 員 村 上 勝 志
議 員 藤 原 廣 昭
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 熊 谷 憲 一
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 小 林 郁 子
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 横 山 光 之
議 員 馬 場 泰 年
議 員 宮 村 素 子
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
議 員 涌 井 国 夫
議 員 本 郷 俊 史
議 員 高 橋 功
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 堀 川 素 人
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 三 上 洋 右
議 員 上瀬戸 正 則
議 員 宮 本 吉 人
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 大 西 利 夫
議 員 柿 崎 勲
議 員 義 卜 雄 一
議 員 小 川 勝 美
議 員 飯 坂 宗 子
議 員 原 口 伸 一
議 員 田 中 昭 男
議 員 福 士 勝
議 員 松 浦 忠
議 員 大 越 誠 幸
議 員 高 橋 忠 明
議 員 小 谷 俵 藏
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 敏 雄
議 員 湊 谷 隆
議 員 小 田 信 孝
議 員 柴 田 薫 心
議 員 佐 藤 美智夫
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
助 役 田 中 賢 龍
助 役 福 迫 尚一郎
助 役 小 澤 正 明
収 入 役 牧 野 勝 幸
交通事業管理者
交 通 局 長 黒 田 隆 樹
水道事業管理者
水 道 局 長 小 川 敏 雄
総務局長 濱 田 雅 英
企画調整局長 下平尾 文 子
財政局長 米 田 順 彦
市民局長 佐々木 修 一
保健福祉局長 宮 田 睦 彦
子ども未来局長 平 井 章 彦
環境局長 高 橋 徹 男
経済局長 池 田 捨 成
観光文化局長 北 野 靖 尋
建設局長 田 中 透
都市局長 千 葉 守
下水道局長 波 田 正 明
市立札幌病院長 富 樫 武 弘
消防局長 藤 林 義 廣
教育委員会委員 矢 野 義 和
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 越 智 健 一
選挙管理委員会委員 常 本 省 三
人事委員会委員 品 川 吉 正
人事委員会事務局長 深 谷 仁
監査委員 川 越 公 夫
監査事務局長 佐 藤 勉
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〇
事務局出席職員
事務局長 大久保 裕
事務局次長 山 内 馨
調査担当課長 山 本 祥 一
議事課長 大 島 和 幸
資料係長 山 越 英 明
調査係長 武 田 章 憲
議事係長 出 井 浩 義
常任委員会担当係長 酒 井 欣 洋
特別委員会担当係長 尾 形 英 樹
記録係長 金 田 博 恵
書 記 樅 山 睦 子
書 記 堀 川 秀 樹
書 記 酒 井 智 美
書 記 中 島 禎 司
書 記 本 島 光 二
書 記 松 崎 朗 子
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〔午後1時開議〕
○議長(
武市憲一) ただいまから,本日の会議を開きます。
出席議員数は,67人であります。
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○議長(
武市憲一) 本日の
会議録署名議員として大嶋 薫議員,
柴田薫心議員を指名します。
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○議長(
武市憲一) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(大久保裕) 報告いたします。
本日の
議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付をいたしております。
以上でございます。
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○議長(
武市憲一) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第2号,第7号から第16号まで,第20号から第24号までの16件を一括議題とします。
ただいまから,
代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
細川正人議員。
(
細川正人議員登壇・拍手)
◆
細川正人議員 私は,ただいまから,
自由民主党議員会を代表いたしまして,札幌市が抱える諸課題,諸問題につきまして,順次質問をさせていただきます。
最初に,市長の政治姿勢について,6点お伺いをいたします。
今話題になっている
国民年金未納問題についてでありますが,
少子化傾向が深刻化する中,今の若い世代は年金について大きな懸念や不安を持っております。幾ら一生懸命支払っても
自分たちの受け取る時期が来たときには,ほとんどもらえないのではないのか,
制度そのものが崩壊してしまうのでないかといった懸念や不安であります。
市政に携わる者としては,景気対策の面におきましても,
少子化対策の面においても,何とかこの若い世代の懸念を払拭して,老後に対する不安を軽減していかなくてはならないわけでありますが,その市政における
リーダー役の市長が,29年間にもわたって
年金制度に未加入であったという事実が発表をされ,まじめにその義務を果たしてきた多くの市民からは憤りの声が上がっております。
4月30日の記者会見における市長の発言の中には,督促がなかったという意味の発言や,
年金制度への加入を失念していたとの発言があったとも聞いております。また,5月12日の
市長記者会見では,記者の質問に,前にも市民の皆さん方に,この制度の趣旨を十分理解しないまま今日まで加入しないでいたということをおわび申し上げたつもりでありますとも発言をしております。
市長も既にご承知であるかと存じますが,市長の年金問題は未納ではなく未加入ということになるのだと存じます。
国民年金法第12条第1項に,被保険者は,
厚生労働省令の定めるところにより,その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を
市長村長に届け出なければならないとされており,これを怠った場合,
国民年金法第113条に,第12条第1項の規定に違反して届出をしなかつた被保険者は,10万円以下の罰金に処するとされております。つまり,資格を取得したが届け出をしないという未加入に対する罰則規定を設けている
国民年金法の趣旨,法の意図するところを市長はどのようにお考えか,まずお伺いをいたします。
また,聞くところによりますと,
日本弁護士国民年金基金という団体が弁護士のための
年金制度を運営しており,当団体は,その
年金制度への加入を要請する文書を全国の弁護士に,毎年,数回,配布しているようであります。そして,この弁護士のための
年金制度に加入するためには,
国民年金に加入しなければならず,弁護士としてお仕事をされていた
上田市長が加入するのを忘れていたという発言は,にわかに信じがたいところであります。実態としては,
日本弁護士国民年金基金からの要請で加入の義務があることは知っていたにもかかわらず,その要請を無視し続けたということではないでしょうか。
そこで,2点目の質問ですが,市長は本当に年金への加入を失念しておられたのか,この点についての疑念に対する明快な答弁を求めます。
3点目の質問としては,29年間にもわたって,どうして
国民年金への加入を拒み続けてこられたのか,その理由をお伺いいたします。
この制度の趣旨は,基本的に,
稼働年齢層が高齢者の生活を支えるというものでありますが,
稼働年齢層に属し,それなりの収入も得ていながら制度への参加を拒むということは,
国民年金制度は,
日本国憲法第25条第2項に規定する理念に基き,老齢,障害又は死亡によ
つて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し,もつて健全な
国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とするという
制度そのものを否定するということになるのではないでしょうか。日ごろから人権派の弁護士として弱者救済を標榜してこられた
上田市長としては,その姿勢に矛盾があるように見受けられますが,この点についても明快なご答弁をいただきたく存じます。
4点目の質問としては,今回のこの問題に関して,市長はどのような形で責任をとろうとお思いになられているのか,その具体的なところをお聞かせいただきたく存じます。
次に,
イラク復興支援部隊の
留守家族への対応についてお伺いをいたします。
札幌市民の一人である今井紀明さんがイラクの武装勢力の一派に拉致監禁され,我が国の
復興支援部隊の撤退が取引条件として要求されたことは,いまだに記憶に新しいところであります。この件に関して,
上田市長は,事件発生後直ちにアルジャジーラにファクスでメッセージを送付し,東京にまで赴かれました。市長は実に精力的に取り組まれ,被害者の方々に対し,まことに親身な姿勢を取り続けられました。
一方,イラクに派遣された
復興支援部隊の留守を預かる在札の家族の方々への支援についての対応は,余り積極的な姿勢が見受けられません。
上田市長は,
復興支援部隊の派遣自体に賛成できないということではありますが,派遣された部隊の隊員一人一人は公務で出動したわけであり,また,その家族に至っては,ただひたすら隊員の無事帰国を願うばかりであります。彼らもまた,同じ
札幌市民なのであります。行政としては,それらの
留守家族の不安に対して,できるだけの手当てをすべきではないでしょうか。現に,旭川においては,行政手続だけではなく精神的なケアも含めた支援体制を整えております。
市長は,
イラク人質事件の被害者に対してのみならず,
復興支援部隊の
留守家族に対しても温かい手を差し伸べるべきであると考えるものであります。
この件に関しては,我が会派から市長部局に対して強い要請を行ったところでありますが,結論としては,従来どおり,各区の
地域振興課が対応するのみとなっており,札幌市
自衛隊協力会事務局窓口という表示を行うだけのようであります。
旭川市では,
留守家庭支援チームという看板を本庁舎に掲げ,
一般市民に対して支援のアピールを行っておりますが,本市としても,このような積極的な対応が求められるのではないでしょうか。
5点目の質問として,この件についての市長のご所見をお伺いいたします。
次に,6点目として,
株式会社札幌ドームについてお伺いをいたします。
このたび,桂前市長が
株式会社札幌ドームの社長を辞任することになったという報道がありました。巷間,聞くところによりますと,
上田市長は桂社長に退任を求めたとのことであります。私としては,
上田市長のこの行動について,少なからず疑問を持っているものであります。
札幌ドームは,桂前市長の英断によりまして建設が決定され,開設がされたものであります。以来,桂市長みずからが社長に就任をされ,その運営の基礎を築いたのであります。その成果は,ドームの経営が今日まで極めて順調に推移してきたことでも実証をされているものであります。
その桂前市長が市長を退任しても
株式会社札幌ドームの社長を続けたのは,
上田市長の要請を受けたからであります。その要請を受けた桂前市長は,
市長退任後も社長職に専念をし,今年,日本ハムを迎え,いよいよこれからその手腕を発揮されようとしていたやさきに,続投を要請した
上田市長本人が,まだ任期が残っているにもかかわらず,今度は退任を求めた,これでは桂前市長に対して余りにも礼を失したものではないでしょうか。
上田市長は一体何を考えてこのような行動をとられたのか,(発言する者あり)この件に関する市長の真意をお聞かせください。
ちなみに,
札幌市長という職は1万5,000人もの職員を統括する管理職でもあります。この大所帯の組織を運営管理していくためには,それなりの
人心掌握術が必要不可欠であります。人の気持ちというものを深く理解しなくては,札幌のような大都市の市長は務まりません。
桂前市長は3期12年にわたる市長として,市職員としての期間も合わせますと50年間にわたり,まさに
札幌市民のためにご尽力をされてこられた方であります。その功績ははかり知れないものであります。その功績をないがしろにするような行動をとられたとするならば,これはまことに残念至極,無念と申し添えておきます。
次に,新
まちづくり計画についてお伺いをいたします。
札幌市では,第4次
長期総合計画を平成12年1月に策定し,この
計画目標を実現するための実施計画として,また,本市の
行財政運営の指針として,平成12年度から平成16年度までの第1次5年計画を策定しておりました。
しかしながら,
バブル崩壊後の長引く景気低迷を背景とした財政状況の悪化や行政課題の多様化に加え,地方の自己決定,自己実現を基調とした本格的な地方分権の到来など,本市の
都市経営環境の目まぐるしい変化という状況のもとで,都市の個性を発揮しながら,魅力と活力ある
街づくりをするためには,市民と市が同じ将来ビジョンを描きながら,中期的な政策目標を明確にして施策を重点化するような,新しい時代に対応した計画を策定する必要があるとのことから,札幌新
まちづくり計画の策定に取り組まれたものと認識をしております。
昨年11月6日,札幌新
まちづくり計画市民会議が立ち上がり,5カ月間の
市民論議を経て,本年4月,
ビジョン編策定に向けての提言がありました。提言の内容を拝見させていただきましたが,少々気になる点がございました。
それは,
市民会議に対しては,冒頭,
ビジョン編に向けての市の素案が示されておりました。この会議の中では,素案にとらわれることなく幅広く議論を行っていこうとの発言がありましたが,結局は,
素案どおりの五つの基本目標及び17の
重点戦略課題しか取り上げられておりませんでした。このため,実は多くの課題が積み残されてしまったのではないかという懸念が出てきております。
これまでの5年計画では,当然,市民意見を取り入れながら,重点課題を設けつつ,全庁挙げての
積み上げ方式で,それぞれの事業について各段階での査定を受け,そして計画がされてきました。つまり,5年計画は,まさに札幌市の行動計画であったわけでありますが,今回の計画は性格を異にしております。
原局の中には,この新
まちづくり計画から取り残されて,
自分たちには関係ない計画となってしまったとの声が漏れ始めております。全庁一丸となって取り組む姿勢が早くも崩れ,一部の担当部局のみの奮闘に期待するといった冷ややかな雰囲気が広がりつつあります。これは,今回の新
まちづくり計画における大きな落とし穴ではないでしょうか。
そこで,1点目の質問でありますが,まず,この点についての市長のお考えをお伺いいたします。
2点目の質問としては,計画の実行に当たっての不安材料についてお伺いをいたします。
重点事業編の策定に当たっては,大まかな
予算規模は示されると聞いておりますが,その範囲が特化されており,
政策的経費全体の
予算規模や他の事業とのバランスが不明瞭で,重点化された課題のみが見え,全体像が見えてこないのではないでしょうか。従来の5年計画のように,政策的な予算全体を示した中での重点施策の明示という形がないわけであります。市政の
リーダー役としては,札幌の
街づくりの全体像を市民に対して明確に説明をしていかなければならないと私は思います。
今回の計画では,市長は,その責任を果たすことができないのではないかと思われますがいかがか,お伺いをいたします。
次に,
人事評価制度についてお伺いをいたします。
この件は,平成15年第2回定例会の
代表質問を初め,我が党として何度か取り上げてきたところでありますが,改めて質問させていただきます。
本市の
人事評価制度は,職員の勤務実績を業績,能力,意欲の三つの項目に分け,それぞれに複数の
評価要素を設け,具体的な
評価基準を設定するなど,客観性や公正性を高める工夫がなされており,また,課長職においては,その評価結果に基づいて
勤勉手当の支給額に差をつけるなど,評価を給与に反映するための仕組みも導入されております。
地方公共団体の中では先進的な制度であると伺っております。
しかしながら,人が人を評価するということは非常に難しい問題であり,本市の
評価制度につきましても改善に向け検討すべき課題があるものと考えます。
その一つは,職員が担当するそれぞれの業務の成果に対する評価が具体的でないという問題であります。職員の
業務内容は各職員ごとにさまざまであることから,現在の
人事評価制度におきましては,
具体的業務内容に着目した
業績評価の基準が設定されておらず,職員のどの業績に着目し,どのような基準でその達成度を判断するのかということは,それぞれの評価者の判断に任されております。
業績評価の具体性や客観性の向上を図るためにも,この点について何らかの改善が必要であると考えます。最近の民間企業においては,年2回,上半期と下半期の初めに,それぞれの部署において,部下と上司との間で具体的な業務上の目標を設定し,その目標の達成率などをも評価の対象にする動きが出てきております。
本市としても,職員の
業績評価にこのような
目標管理による
評価手法を導入し,個々の
業務内容に関する具体的な目標を設定することにより,
業績評価の具体性や客観性の向上を図り,先ほど申し上げましたが,課長職の評価結果に基づいて
勤勉手当の支給額に差をつけるといった,評価を給与に反映する仕組みをすべての職員に取り入れていく,そのことによって職員の意識改革や組織の活性化ということが大きく図られていくのではないでしょうか。
近年では,
市民ニーズの多様化などを背景に,行政に期待される役割や機能は年々複雑化してきております。従前にも増して,全庁挙げての取り組みや組織横断的な取り組みが求められる機会が多くなってきているところでもあります。現行の
評価制度では,職員の
具体的業務目標が設定されていないため,このような自分の部局に関する業務でない他部局との連携した業績に対する評価がなかなか難しい面もあったかと思いますが,このような業務についても職員の目標をきちっと位置づけ,それを評価することにより,組織横断的な取り組みを積極的に行う動機づけにもなると思います。
そこで,質問でありますが,このような
目標管理による
評価手法を
人事評価の中に取り入れるお考えがあるのかどうか,その考えをお尋ねさせていただきたいと存じます。
次に,
住民基本台帳ネットワークシステムについてお伺いをいたします。
市長は,本年1月,
住基ネット対策会議の中間報告を発表いたしました。すなわち,現時点では
システム停止の緊急措置を行う状況ではない。しかし,総務省の行った実験と長野県の実験との間に一部見解の異なる点があることから,総務省と長野県の
合同実験を行うよう要請すること,また,札幌市独自の侵入実験も視野に入れて検討するというものでありました。以来,4カ月が過ぎ,先日,総務省からは,長野県から最終報告も受けていないし,長野県との
合同実験を行う考えはないとの回答を得たと聞いております。
また,市長は,
住基ネットの導入に際し,
市民論議が不足しているとの認識から,本年3月の広報さっぽろで,見開き2ページを割き,
住基ネットの特集を組まれております。その内容は,個人情報の保護やシステムの安全性など,課題ばかりを取り上げ,メリットについてはほとんど扱っていない,市民の不安をあおる偏ったものと我が党は問題視をしているところであります。
それでは,この特集記事に対し市民からの問い合わせはあったのか,また,その内容はどのようなものなのか,お伺いをいたします。
ちなみに,この特集記事の中でも,総務省と長野県の
合同実験が実現しない場合は,札幌市が国などに協力を求めて独自で検証を行うことも検討すると市民に説明をしております。
それでは,市長は,今後どのような内容やスケジュールで実験を実施されようとするのか,そのお考えをお伺いいたします。
さて,市長もその動向を注視されていました長野県のその後の動向でありますが,これまで,
住基ネットを使って本人確認をする公的個人認証制度の導入については,
住基ネットに問題ありとして実施を見合わせておりましたが,本年4月15日,知事の会見が行われ,6月の定例議会で関係条例の改正案を提出し,サービスを開始したいと発表しております。
この制度は,電子署名に係る
地方公共団体の認証事務に関する法律に基づいて,個人認証を行うときに,
住民基本台帳ネットワークシステムが保有している個人情報,すなわち,氏名,住所,性別,生年月日を利用して行う制度であります。つまり,この制度は
住民基本台帳ネットワークシステムという基盤の上に成り立つものでありますことから,長野県が公的個人認証サービスをスタートさせるということは,
住民基本台帳ネットワークシステムは外部から侵入できる可能性があり,安全性に問題があるとしていた長野県みずからが,安全性に問題なしとしたのではないかと思いますが,市長はいかがお考えか,お伺いをいたします。
また,最近,国では,
住基ネットを活用して厚生年金等の現況届の廃止や年金の受給金額などの問い合わせに応じるなど,市民サービスの拡大に向けた動きがあります。
住基ネットは,国,地方を通ずるIT化の共通基盤として整備をし,行政の効率化と,より質の高い市民サービスの拡大を図ろうとするものであります。選択制というお考えは,もうここでおやめになってはいかがか,改めてお伺いをいたします。
次に,敬老優待乗車証についてお伺いをいたします。
昨年,市長みずからの施政方針であります,さっぽろ元気ビジョンにおいて敬老優待乗車証に対する問題提起がなされてから,この1年間,さまざまな議論が行われ,市は,この10月の一斉交付時期に新制度を導入する予定で検討を進めてきたところであります。しかしながら,先日の厚生委員会において,我が会派の委員の質問に対し,本年10月実施を目指してきた新しい制度の導入を見送ると答弁し,その後,定例
市長記者会見で,来年4月に実施すると公表しておりました。よりよい制度にするためには,時間をかけて検討することが必要であります。
ここで,この見直しに対して,我が会派が一貫して主張してきた項目につきまして,この場において改めて,市長に明快なお答えをいただきたいと存じます。
質問の1点目は,制度を見直す場合の交付者の対象範囲であります。
我が会派は,現行の70歳以上という年齢の引き上げや所得による対象の絞り込み,この2点を行うべきでないと主張してまいりましたが,現時点で市長はどのようにお考えか,お答えを願います。
また,現在,市外からの転入者にも直ちに交付をしておりますが,札幌に一定期間居住した高齢者だけを対象とする,いわゆる居住制限を導入する考えはないか,あわせてお伺いをいたします。
2点目は,所得階層区分による利用者負担についてであります。
仮に利用者に負担を求める場合であっても,敬老の精神から負担額は一律とし,差をつけるべきではないと考えますがいかがか,お答えを願います。
次に,障がい者に係る諸問題について質問をさせていただきます。
まず,障がい者スポーツについてであります。
障がい者のスポーツは,長い間,医学的なリハビリテーションの手段として位置づけられてきましたが,近年では,パラリンピックに代表されるように,競技スポーツとしても認知されるようになり,スポーツ本来の目的である生活を豊かにするものとして普及発展してまいりました。スポーツを通じて体力づくりや仲間づくりをし,社会参加を促進することにより,健康で生きがいのある生活が営めるようにするとともに,障がい者のスポーツ普及振興を図り,健全な社会の発展こそが今まさに求められているのではないでしょうか。障がい者スポーツという特殊なスポーツ分野があるのではなく,障がいのある人もない人も,若者も高齢者も,すべての人が参加できるスポーツ環境づくりもまた求められていると思います。
こうした状況の中にあって,障がい者スポーツの競技種目数もふえ,現在,13競技になっていると聞いております。こうした競技種目の中には,特殊な用具を使用するものがあり,区体育館や学校体育館では練習ができないという状況にあります。また,身体障がい者福祉センターの体育室も,利用者増に伴い,飽和状態になっているとも伺っております。ノーマライゼーションの理想からいえば,すべての施設において障がいのある方もない方もひとしく施設を利用できる環境をつくることが求められるのではないでしょうか。
そこで,1点目の質問として,障がい者スポーツの普及振興に関する基本的な考え方について,まずお伺いをいたします。
次に,こうした環境づくりを,それでは一気にできるかというと,現状ではなかなか難しいかと存じます。
そこで,2点目の質問ですが,例えば,統廃合した小学校の体育館をバリアフリー改修を行い,用具も備えるなどして,障がい者スポーツに開放するといった既存の施設の有効利用を図ってはいかがかと思うわけであります。この件に関する市長のご見解をお伺いいたします。
次に,障がい者の方々の採用についてお伺いをいたします。
本市における身体に障がいのある方を対象とした職員の採用でありますが,今回の採用試験においては,1次選考,2次選考,面接試験等が実施され,最終合格者は7人で,男性5人,女性2人ということになったと伺いました。合格者の中には,障がいの程度が非常に重い,身体障害者手帳1級,2級の交付を受けている方々もいると聞いておりますが,こうした方々への門戸が開かれたことについては高く評価をするものであります。
昨今の経済情勢を見ますと,まさに,雇用確保の問題は障がいを持った方々だけの問題ではないことも十分認識をしておりますが,一方,市内の一般企業には,障がい者雇用促進法による法定雇用率を達成できないケースが見られることから,この現状を見ても,やはり障がい者ということがネックになり,自立への道がなかなか開けていないわけであります。本市としては,この点に関してさらなる努力が求められるのではないかと感じているところであります。
そこで,今回の採用試験でありますが,これは,本市の一般の採用試験と同様に,採用条件の一つとして年齢制限がありました。
しかし,障がい者団体の方々のお話を聞きますと,30代でも40代でも50代でも,働く場があれば働きたい,少しでも自立できる道を探りたいとの声を耳にいたします。
本市職員としての正規採用の道は難しいのかもしれません。しかし,採用の方法にはいろいろあると存じます。職を求める障がい者の数も確実にふえており,少しでも自立に向けて努力をしなければという障がい者の気持ちを考えたときに,今後さらに採用に向けた取り組みを強めるべきと考えますが,基本的な考え方をお伺いいたします。
次に,2007年に開催されますノルディックスキー世界選手権札幌大会についてお伺いをいたします。
この件は,さきの第1回定例会の
代表質問で,我が会派の村松議員が冬季スポーツ振興について質問した際に取り上げたテーマの一つでありますが,ウインタースポーツに親しみを覚えている私としても,この札幌大会の開催意義とその重要性にかんがみ,必ず成功させたいという願いから,再度,要望を交えて質問をさせていただきます。
まず最初に,この札幌大会を成功させるためには,高いハードルが幾重にも存在するという認識がなければならないと思うのであります。本市においては,スキー人口の減少に象徴されるようにウインタースポーツ離れが加速しており,その中で,ノルディックスキーという市民にはなじみの薄い大会を開かなければならないという,北欧などとは違うハンディを背負わされている,そんな現実があるからであります。
ノルディックにはジャンプと距離競技があって,ジャンプ競技こそ市民には知られておりますが,距離競技につきましては,歩くスキー,走るスキーというイメージしかなく,ほとんどの市民には,とりわけ子供たちには疎遠なスポーツとなっております。本市におけるスポーツ少年団にも,残念ながらクロスカントリースキーの加入はありませんし,本市中体連でも,毎年5校から6校,20人から30人程度の参加にとどまっているのが実態であります。
そこで,私は,観客の動員しやすい大会会場の設定と,市民に興味を持ってもらうための事前の施策がなければ,大会は成功しないのではないかと考えております。幸いにして,距離競技会場として
札幌ドームの名前が浮上してきております。国際スキー連盟のサラ・ルイス事務総長が,ことし4月下旬に市内の競技施設を視察した折,
札幌ドームを距離競技,スプリントの会場として使えるならノルディック競技の歴史的な出来事と発言をし,注目を浴びております。これが実現できるならば,観客動員の受け皿が整うことになり,大会成功に大きく近づくことになると思います。
そこで,1点目の質問ですが,本市としては,
札幌ドームの利用についてどのようにお考えになっているのか,また,距離競技会場,ジャンプ競技会場に観客を多数動員するため,どのような具体策をお考えになっているのか,お伺いをいたします。
2点目の質問としては,この件に関する市民意識の醸成についてお伺いをいたします。
私としては,ノルディックスキーそのものを事前にもっと市民に知ってもらうことが有効だと考えております。
距離競技では,現在,スケーティング走法によるフリースタイル競技が採用されており,これは,子供たちに興味を抱かせるに十分な競技であると考えます。一流選手の場合,平たんコースであれば時速35キロ前後のスピードを出すことができ,また,札幌国際スキー場のメルヘンコースのような斜面でも,楽々と登っていく技量を持っているそうであります。私は,最近,大雪山の旭岳をロープウエーを使わずにスケーティングで登る子供の姿を目にして大変驚いたという話を聞きました。大会を成功させるためには,こうした驚きを広く市民と共有できるような取り組みを着実に進めていく必要があると思います。
具体的な例を挙げさせてもらえば,クロスカントリースキーに親しむ北欧の子供たちの姿や競技大会,日本の選手の走りなどを収録したビデオの作成と普及,また,学校におけるクロスカントリーデモンストレーションの開催,ジャンプ,クロスカントリー体験イベントの事前開催などが考えられます。
つまり,ノルディックスキーとはどのようなものなのかということを広く知ってもらう努力が必要ではないかと考えるのでありますが,この点に関しての市長のお考えをお伺いいたします。
次に,
札幌市民の冬季スポーツの振興についてお伺いをいたします。
夏のスポーツに取り組んでいる児童生徒の中には,冬場のトレーニングとしてクロスカントリーに挑戦したいという希望を持っていながら,白旗山競技場に赴く足がなく,断念をしているケースも多いと聞いております。歩くスキーを含め,身近にフリースタイルの滑りができる環境が整えばもっと普及するのではないでしょうか。私は,この札幌大会が転機となり,子供たちが冬季スポーツに関心を持つきっかけになるような取り組みがなされなければ,大会開催の意味がないというふうに考えております。
本市が策定中の青少年育成計画では,北の風土に根差し,心豊かでたくましい青少年の育成を掲げ,その柱の一つに体験を広げるというテーマがありますが,雪と遊ぶ体験も忘れてはなりません。子供たちに雪と親しめる環境を整えてやるべきであります。その意味では,中学校におけるスキー学習の実施校が,ここ数年のうちに半減してしまったことは大変残念に思っておりますし,カリキュラムの調整,学校現場での指導者の育成など,再検討されるべき時期が来ているのではないかと考えております。
また,一方,市長は,公約に来訪者2,000万人誘致を掲げられております。たまたま,昨年,北京に札幌事務所を開設されましたが,その中国で今スキー人口が200万人に達すると聞いております。本年2月,夕張市にインストラクター養成のための訪問団がありました。北京のスキー場は人工雪で,北海道の新雪を求めるスキー観光客が,いずれどっと押し寄せて来ることが期待できるのではないでしょうか。
さっぽろ雪まつりが静の観光,見る観光なら,動の冬季体験型観光にももっと比重が置かれてしかるべきであります。それが高い経済効果をもたらすためには,
札幌市民が冬季スポーツ振興に目覚めなければならないと思うのであります。ノルディックスキー世界選手権札幌大会は,こうした意味も含めて,札幌の冬を見直す好機であり,ぜひとも成功させていただきたいと思うのであります。
現在,札幌市の中学校の先生をされており,距離競技において日本を代表する選手だった方が,自分でスキーを買って子供たちに貸し与え,毎週,黙々と指導に当たっている姿を見れば,こうした芽を大切にし,その育ちを期待しないわけにはいきません。
そこで,3点目の質問でありますが,
札幌市民の冬季スポーツの振興について,市長のご所見をお伺いいたします。
次に,次世代育成支援対策について,4点お伺いをいたします。
昨年7月に次世代育成支援対策推進法が制定され,本市においては,全国の市町村に先駆けてこの法律に基づく行動計画の素案づくりに着手をし,現在,取りまとめた素案を市民に公表して意見を募集している段階であります。
私どもも,昨年来,
少子化対策青少年育成調査特別委員会において,保育園や幼稚園の関係者や少年育成指導員を初め,厚生労働省や大学の関係者の方々から貴重なご意見等をいただき,さまざまな視点での審議を重ねてきたところであります。そして,この2月に仮称札幌市次世代育成支援対策推進行動計画の素案策定に向けての提言として,一たんの取りまとめを行
い,市長に提出をしたところであります。
この提言において第一義的に位置づけた課題として,次代の親になるため,子育ての楽しさや,男女が協力して家庭を築き,子供を産み育てることの意義についての教育・啓発を掲げたところであります。言いかえますと父性,母性の育成ということであります。この提言を受けてつくられたはずの計画素案においては,この部分に関する取り組みが実はほとんど載っておりません。配布をされた素案には,保健センターの専門職が学校に出向いて教育活動を行うといった程度のことが記載されているにすぎませんでした。
確かに,
少子化対策としての教育・啓発という課題には,人権に関する微妙な障壁も存在するなど,かなり難しい問題を含んでおり,結婚や出産については,当然ながら,個々人の自由な意思に基づくものであり,当事者の人生観や生活上の選択権を脅かしたり,制約することはできないものであります。
しかしながら,現在策定中の次世代育成支援対策推進行動計画は,今まさに急速に進行している
少子化傾向に,いかに歯どめをかけるかというところに最大の焦点があると考えるものであります。そのためには,もっと子供を産み育てやすい環境づくりを進めようというねらいはわかりますが,子供は欲しくない,結婚もしたくないという人がふえていくことだけは避けなければならないのではないでしょうか。そのための有効な手段として,今の若い世代の人たちに対して,それぞれの人生観や生活上の選択権を初め,内心の自由を最優先に考慮しながらも,家庭を持つことの意義や父性,母性をはぐくむための意識啓発などをしていくことは,必要なことではないかと考えるものであります。
そこで,1点目の質問として,今後,次代を担う若い人たちに対して,結婚や子供を持つことの意義やすばらしさなどを伝える,いわゆる父性,母性の育成を行いながら,少しでも本市の
少子化傾向に歯どめをかけていくということに関して,現在の市長の率直なご見解をお伺いいたします。
次に,2点目の質問として,今後の本市の子育て支援体制についてお伺いをいたします。
この行動計画の素案を見ますと,昨年,児童福祉法の一部改正が行われ,今後,市町村では,すべての子育て家庭を対象とした,子育て支援事業の実施に努めることになったことなどを踏まえて,今後,本市では,地域,区,全市の3層構造による子育て支援を展開していくこととしております。その中で,この春にオープンした札幌市子育て支援総合センターは,本市における子育て支援の中核施設として位置づけがなされております。
そこで,今後,区レベルで整備をしようとしている区子育て・子育ち支援センターという施設についてでありますが,どのようなスケジュールで設置を進めていくのか,また,どうやって新たな施設の建設を行っていくのかについてお伺いをいたします。
3点目の質問としては,その施設の具体的な機能についてお伺いをいたします。
専業主婦家庭の多くが,育児の自信がなくなることがあると感じているという調査結果もあります。本市においては,未就学児童の半数以上が在家庭という状況であることを考慮しますと,子育てに関しての不安を抱える専業主婦層が身近に,また気軽に子育て支援に関して相談ができる場所が必要と考えるところであります。
区子育て・子育ち支援センターには,そのような相談機能があるのか,また,他にはどのような機能を有しているのか,そして,札幌市子育て支援総合センターや地域における子育てサロンとの役割分担や連携についてどのようにお考えか,あわせてお伺いをいたします。
4点目の質問といたしまして,性教育についてお伺いをいたします。
札幌市においては,平成7年ころから10代の女子が人工妊娠中絶を受けるケースが急増しており,このことについては,平成13年の3定で我が会派の宮村議員が指摘したところであります。
ここで数字を挙げておきますと,札幌市衛生年報によりますと,平成13年現在における本市の10代の人工妊娠中絶数が1,344件で,人口1,000人当たりの比率では全国の約2倍もあります。他の都市と比べ,突出した状況にあります。あわせて,性感染症が10代の青少年の間で急速に増加をしており,この比率に至っては,全国の約3倍という極めて憂慮すべき状況になっており,抜本的な改善を早急に進めなければならないものと考えるところであります。
こうした中,次世代育成支援対策推進行動計画の素案において,平成24年までに10代の人工妊娠中絶をなくする,16歳から19歳の青少年が正しい性感染症の知識を100%持てるようにするといった高い数値目標が掲げられたのは,こうした状況に対する危機感のあらわれとは思いますが,この行動計画にうたわれている保健センターの専門職を学校に派遣するなどの具体策だけでは,これまでの経緯から判断しても目標の達成は困難ではないでしょうか。
本市では,これまでも性教育について,その重要性を十分認識し,保健福祉や教育などの各部局が連携を図って取り組まれてきたことと思いますが,性に対するモラルが極端に低下をしている今,すべての学校において,早い時期から主体的に計画的に性教育を進める中で,人工妊娠中絶や性感染症について学ぶことが,何よりも効果的であると考えるものであります。
そこで,教育長に質問でありますが,性教育について,学校教育が果たすべき役割をどのように考えておられるのか,また,今後,学校教育における性教育の充実をどのように図ろうとしておられるのか,あわせてお伺いをいたします。
次に,下水道事業財政についてお伺いをいたします。
まず,札幌市の下水道事業の歴史を振り返ってみますと,大正15年から整備に着手をし,戦後の急激な人口増加に伴い,環境衛生が悪化したことや豊平川を初めとする河川の水質汚濁が進行したことから,昭和32年に汚水処理を含めた下水道の整備拡張計画が策定され,本格的な整備が進められてきたところであります。その後,昭和47年の冬季オリンピック開催を契機として,短期間に集中して下水道整備を進め,一時は魚もすめない川となっていた豊平川にも昭和54年に25年ぶりにサケが戻るなど,河川の水質改善の効果の一つとなってあらわれてきております。このように計画的に整備が進められた結果,昭和45年には,わずか20%足らずだった処理人口普及率も99.4%に達するなど,重要な都市基盤施設として市民生活にしっかりと根づいたものとなっております。
しかし,一方で下水道事業は多くの課題も抱えております。下水道施設は一たん整備をするとそれで終わりではなく,いずれかの時点で老朽化に対応するための改築が必要となります。
本市の場合にも,初期に整備をされた施設については既に老朽化が始まっており,先ほど申し上げましたように,短期間に集中して整備を進めてきたという経緯から,今後,改築時期も集中することになります。したがって,この改築のピークを少しでも抑えるためには,施設の延命化が一段と重要になってくるものと思われます。また,エネルギー消費量や温室効果ガス排出量を削減するといった環境負荷低減に関することや,内分泌攪乱物質,いわゆる環境ホルモンに代表される有害化学物質対策,あるいは,雨天時に合流式下水道から処理仕切れない水が放流されるといった問題,そして,本市の雪対策に対して下水道事業としてどのような貢献ができるのかといったさまざまな問題であります。このように,役割が多様化し,多くの課題を抱えている下水道事業につきましては,健全な事業運営を続けていくことが今後さらに一層求められていくわけであります。
そこで,事業運営の中心となります下水道財政に目を転じてみますと,まず,収入の根幹をなす下水道使用料については,市民の節水意識の高まりや景気の低迷,ライフスタイルの変化もあって十分な収入を見込めず,また,一般会計の財政状況が逼迫する中で,下水道事業会計に対する繰り入れが縮減されてきております。他方で,施設の老朽化などの維持管理経費や企業債元利償還金などの義務的経費が増加していることから,平成19年度ごろには資金不足に陥る可能性もあるなど,収支のバランスが悪化している状況にあると認識をしております。
現行の下水道使用料は,平成9年度に定められて,それ以降据え置かれたままでありまして,他の大都市との比較でも3番目に安い料金となっており,全国的な景気回復基調にこの北海道はいまだ追いついていないという現状にあっては,安定した使用料収入を確保していくことは,今後とも困難な状況が続くものと考えられます。また,一般会計からの繰り入れの縮減傾向が続くなど,総じて収入の確保は非常に厳しい見通しであるとともに,今後は環境保全などにかかわる経費の増大も見込まれております。
そこで,質問でありますが,まず,この現在の厳しい下水道の財政状況に関してどのように対処していこうとされているのか,とりわけ,経営効率化に向けてどのような方策をお考えなのか,お伺いをいたします。
次に,観光行政について,3点お伺いいたします。
この4月,本市は観光文化局を立ち上げ,観光行政について,いよいよ本腰を入れる体制を固め,市長の来客2,000万人という公約の実現に向けスタートしたわけであります。しかし,現況の1,300万人をどうやって2,000万人にふやすのかということを考えますとき,これは非常に厳しい目標ではないかと思われるのであります。
ちなみに,月別の観光客の入り込み状況を見ますと,7月から8月にかけての入り込み状況はまずまずであります。特に8月は,平成14年度実績で160万7,000人となっており,観光客が一番入ってきている状況にありますが,2,000万人を目指すならば,1年間を通して毎月166万人以上の入り込みが必要であり,この数に達するのは8月のみという状況ですし,11月から4月までの6カ月間は毎月100万人を割っている状況であります。
この点を踏まえまして,本市の主な観光行事の実施状況を振り返ってみますと,5月のライラックまつり,6月の北海道神宮祭とYOSAKOIソーラン祭り,7月から8月にかけての夏まつり,11月には菊まつり,そして11月末から1月の初めにかけましてはホワイトイルミネーション,そして2月には雪まつりなどが思い起こされますが,2月の雪まつりをもってしても来札観光客は100万人に実は届いていないのであります。そして3月,4月,9月,10月には主要なイベントの記載が見えておりません。
また,通年8月並みの来札観光客を確保するには,観光行事の面にも穴のあいた月があってはならないものと思われるわけであります。先ほど申し上げましたが,札幌には冬期間における体験型の観光という切り口もあります。また,Kitaraや芸術の森におけるPMFなどの演奏会や,
札幌ドームでの日本ハムやコンサドーレなどの試合といった,スポーツ・文化という切り口など,さまざまなキーワードを使った観光行事,コンベンションなどが考えられるのではないかと思うわけであります。
そこで,1点目の質問ですが,観光客誘致に向け,新たなキーワードを使った観光資源の開発についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。
次に,観光行政の手法についてでありますが,これまで,札幌の魅力ある商品や観光資源を生かし切れてきたかという点であります。
市長は,今回,観光文化局を新設されましたが,部を局に昇格はさせたものの,肝心の部の体制には,実は大きな改編はなかったように思われます。観光都市さっぽろとして本当に力を入れていかなければならないというのは,私どもも認識をしております。ですが,これでは課題の解決にはなかなか結びつかないのではないかと思われるのであります。
そこで,一つの提案でありますが,札幌のさまざまな魅力を上手にコーディネートして商品化し,観光客誘致に結びつける方策として,思い切った民間の知恵と工夫を求めるべきではないかということです。つまり,札幌市全体を一つの商品として国の内外にどのように売り込むかといったことを,民間の知恵に頼るということも考えられるのではないかと思うのでありますが,この点に関する市長のご所見をお伺いいたします。
3点目の質問ですが,具体的な取り組みの一例として,リンケージ・アップ フェスティバルとフードランド北海道の連携についてお伺いをいたします。
先ほど行事のない月の一つとして9月と申し上げましたが,実は,この9月には,札幌市と札幌広域圏組合との共催という形で,平成6年からリンケージ・アップ フェスティバルを開催しております。これは,札幌市と近隣市町村や道内市町村とが連携を強め,交流と協調により北海道全体の活性化を図るとともに,さらには,参加した各市町村の
街づくりや地域のイメージアップにも寄与するということを目的として,出展ブースを設け,それぞれの市町村の特産品等を販売するというものでありまして,昨年は27万人の来客があり,イベントとして成長してきたものと聞いております。
また,平成15年からは,リンケージ・アップフェスティバル開催の翌週からおよそ1カ月間にわたりまして,札幌市,札幌商工会議所などが主催のフードランド北海道というイベントが開催をされております。この事業は,地産地消というキーワードのもと,より高品質の北海道産食材の生産と流通,飲食観光などの関連産業との協力により,北海道産食材への理解と消費拡大を促進し,食の魅力を通じた,実りの秋にふさわしい北海道を代表するイベントとして観光振興を図ろうとするものであります。
両イベントの開催趣旨は,北海道の食あるいは観光という点ではまさに共通するものではないでしょうか。これまでの本市の観光PRにあっては,北海道ならではの,札幌ならではの味覚を味わってくださいといった,どこででも食べることができますよといったイメージ戦略ではなかったかと存じます。両イベントは,北海道内の食材,特産品をまさに一堂に集めて,食そのもののイベントとなっているわけでありまして,北海道のよさ,すばらしさを売り込む意味でも絶好のイベントではないかと思うのであります。
そして,この両イベントにかかわっているのは札幌市でありますから,札幌市が両者の橋渡し役として連携強化に努めるなどして,多くの観光客にとって,より魅力のあるイベントとして成長するよう,積極的な支援を展開すべきと考えておるところでありますがいかがか,お伺いいたします。
また,道外の方々に対しても観光客誘致に向けての積極的なPRを図るべきと考えますがいかがか,あわせてお伺いをいたします。
次に,生活保護行政について,2点お伺いいたします。
生活保護扶助費は,平成8年度の決算総額が約542億円で,平成9年度以降,毎年50億円から70億円も増加し,平成15年度は約850億円となっております。受給者の世帯数は,平成8年度が1万9,441世帯で,平成15年度には3万317世帯となり,約1.6倍にふえております。
世帯類型別に伸び率を見ますと,高齢者世帯1.7倍,母子世帯1.5倍,傷病・障がい者世帯が1.3倍,その他の世帯が2.3倍となっており,その他の世帯が最も大きな伸び率を示しております。15年度のその他の世帯の数は4,025世帯となっております。このその他の世帯の中には,稼働阻害要因のない18歳から59歳の方が実は多く属しております。雇用情勢の悪化により再就職が困難になっていることもあるでしょうが,働けるのに働く意欲を失った人もいるとするならば,これはやはり問題ではないでしょうか。
生活保護の制度は,社会的弱者の健康で文化的な最低限度の生活を保障するものでありますが,働けるのに働く意欲を失ってしまう人がふえるということは,地域経済の活性化の面でも大きなマイナス効果となってあらわれると思います。こうした点で,自立に向けたケースワーカーの指導が大変重要なものになってくると思われるところであります。
この件に関しては,平成13年度の決算特別委員会でも触れたところでありますが,このときの答弁では,新たな方策として,公共職業安定所のOBを採用し,専門的見地からの助言や多くの就労先情報の提供を得ることを検討するということでした。そして,このとき採用した職安OBの方はすばらしい活躍で,多くの生活保護受給者を自立に導き,大きな効果を上げたとお聞きしております。現在,本市の就労支援相談員として,職安OBなど4名が採用されているようであります。
そこで,1点目の質問ですが,本市としては,この就労支援相談員採用の方向をさらに拡大していくおつもりがあるのかどうか,お伺いをいたします。
2点目の質問としては,受給者の自立助長に向けた取り組みの強化についてであります。
先ほども申し述べましたとおり,本市の生活保護扶助費は急速に膨脹しております。状況の背景には景気の問題や雇用の問題がありますが,一方では,不正受給といった問題もあります。
これまで,本市では,稼働阻害要因のない
稼働年齢層の受給者について,その数を正確に把握をしていなかったようでありますが,まずは,その数を統計表にあらわすことなども必要ではないでしょうか。その上で具体的な方策に関する基本的な計画などを策定し,自立助長に向けた取り組みの強化を図るべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。
最後に,教育行政について,3点お伺いをいたします。
近年,グローバル化,情報化,都市化,少子化など,社会構造の急速かつ大きな変化や,国民の意識や価値観の多様化等に伴い,学校教育に対する要請がこれまでになく多様で高度なものになってきていると思われます。例えば,グローバル化や情報化などの社会変化に的確に対応する,国際競争力のある教育の実現や個性や能力の伸長をより一層重視した教育の実現,あるいは,家庭や地域の教育力の低下を反映して,豊かな情操や社会規範意識をはぐくむ教育の充実が求められているものと存じますし,さらには,不登校状態にある児童生徒や学習障がい,注意欠陥多動性障がいなど,特別な配慮を必要とする児童生徒に対するきめ細やかな指導の充実も求められるようになっているものと思われます。
こうした学校教育に対する児童生徒や保護者の期待の高まりに対し,現在の学校教育,とりわけ公立学校における教育は,十分にこたえていないのではないかとの批判がさまざまな方面から出てくるようになっております。これらの批判の具体的な内容や立場はそれぞれ異なるものの,全体を通じて我が国の公立学校教育は硬直的で画一的であり,変化に対応する柔軟性や多様性に乏しいこと,みずから改革に取り組む動機づけが働きにくく効率性が十分に意識されていないこと,閉鎖性が強く,地域の一員としての意識や地域社会との連携を欠きがちであることなどが指摘されているところであります。
本市においても,こうした実情を踏まえ,札幌市教育推進計画の策定に向け,平成15年3月,札幌市教育改革推進会議に対して,札幌市の子供たちが置かれている現状や課題,教育の現状や課題などの分析及び改革の方向性について諮問をされ,本年3月に1年間の審議を経て答申がなされております。
この答申の中で,求められる施策として,教職員の資質の向上ということが挙げられております。すなわち,教員の教育活動に対する客観的な評価システムを構築し,すぐれた教育活動を実践している教職員を適正に評価するとともに,適正を欠いた管理職及び指導力不足の教員に対する人事管理システムの適切な運用が求められているとしている点であります。
昨年の第3回定例会で,我が党の五十嵐議員からも,
人事評価にかかわるシステムの確立について,提言を踏まえて質問をいたしました。勤務成績の評定については,北海道の計画のもと行うものとされており,北海道が実施するという判断がなければ難しいことは十分理解をいたしますが,しかし,教育改革を進めていくに当たって,やはり,子供たちに直接かかわる教師が変わらなければ保護者の目に見える改革とはならない,そう思うわけであります。そうした意味では,すぐれた教育活動をされている教師の評価を適切に行うことが,資質向上へつながる大きなかぎになると考えるものであります。
そこで,1点目の質問でありますが,本答申を受けて,教育委員会としてこれをどう受けとめられておられるのか,まずお伺いをいたします。
また,北海道への働きかけについてはどのように行っていこうとしているのか,さらには,本市独自の取り組みとして表彰制度の充実など積極的に進めるべきではないかと考えますがいかがか,この点についてもあわせてお伺いをいたします。
次に,答申の中にあります,開かれた学校の推進についてお伺いをいたします。
本市では,平成15年度から学校評議員制度を導入しております。これは,校長の求めに応じて保護者や地域住民が意見を述べ,校長は学校運営に関し,こうした保護者や地域住民等の意向を把握し,そして反映しながら,その協力を得るとともに,学校としての説明責任を果たし,地域に開かれた学校づくりを推進することを目的に設置をされたものであります。平成16年6月1日現在,小・中・高などを合わせまして175校で設置をされ,およそ5割になったと伺いました。
学校評議員制度については,始まって間もないものでありますが,評議員の意見を踏まえて教育内容の改善を行うなど,大きな成果を上げている学校があるものの,一部においては,運用上の課題を抱え,必ずしも所期の成果を上げ得ない学校もあるという声も聞かれます。また,学校評議員制度の校長の求めに応じて意見を述べるという役割を超えて,より積極的に学校運営にかかわることができるような,新たな仕組みを検討すべきではないかとの声も耳にいたします。
そこで,2点目の質問として,今後の学校評議員制度のあり方についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。
次に,学校と家庭,地域の連携強化についてお伺いをいたします。
この問題については,その必要性を皆が認めながら,なかなか効果を図ることができないものとなっているのではないでしょうか。
学校運営にかかわる問題は多岐にわたるものと思われますが,特定の課題,例えば,こういう事例があったわけでありますが,ある小学校の校区内で不審者が出没し,児童に危害を加えるなどの事件が続発し,学校も保護者も大変苦慮をしていた中で,地域の町内会や育成委員などが立ち上がり,あくまでも学校,保護者が中心となり,地域が協力するという形で,子供たちをみんなで守ろうという会が立ち上がりました。このように課題が特定をしていると,連携に向けての取り組みもスムーズに行くように思われます。
また,このケースの場合,学校や保護者と地域の間を取り持つコーディネート役を果たしたのが,実は連絡所でありました。
私も短い期間ではありましたが連絡所長を経験させていただきました。私が勤めました連絡所では,歴史的な経緯があるものと存じますが,地元の小学校とつながりが大変密接でありました。一方,他の連絡所ではどうかというと,月に1度の学校の便りを持ってくる程度といったところもあり,それぞれ地域によってつながりは濃淡があるのだということを感じたものであります。
そこで,学校と家庭,地域の連携の強化に向けた一つの大きなかぎとして,連絡所の活用を積極的に進めてはどうかということであります。連絡所には,町内会を中心とした各種団体の情報が蓄積されておりますし,学校の抱える課題に対して,地域の協力を得るにはどういう方法が考えられるのかといったノウハウもあるはずであります。
3点目の質問としては,学校サイドから連絡所へのアプローチについて,教育委員会としてはどのようにお考えか,お伺いをいたします。
4点目の質問としては,学校と地域のコーディネート役としての連絡所の機能を一層強めることが重要ではないかと考えますが,市長のご所見をお伺いいたします。
以上で,私のすべての質問を終了いたします。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(
武市憲一) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 私からは,12項目のご質問がございましたので,1,2,4,8,10,そして,12の中の最後のまちづくりセンターとの連携ということについてのご答弁をさせていただきまして,その余は,担当副市長及び教育長からご答弁をさせていただきたいと思います。
まず,第1点目でございますけれども,私の政治姿勢に関するご質問のうち,
国民年金問題につきまして一括してお答えを申し上げたいと思います。
長年にわたります未加入の理由についてでございますけれども,昭和53年の弁護士登録の際に加入手続をとるべきところを失念し,加入することなく市長就任に至ったということでございまして,その不明を恥じ入るとともに,改めておわびを申し上げたい,このように思います。
私は,市長就任に当たって,ご指摘がありました
国民年金法第1条に所定であります国民の共同連帯によるという法の趣旨をしっかりと認識し,その義務を果たすために速やかに
国民年金加入手続を行い,遡及して納入が認められております2年分の保険料をお支払いしたことはもとより,その後も地方公務員共済を経由しまして年金の掛金を支払い続けているところでございます。
今回の
国民年金の問題は,私が私人として生活をしていたときのことではありますけれども,現在,札幌市政を預かる市長という立場にあることから,
年金制度に対する信頼を損なう結果になったということにつきまして,深く反省するとともに,その事実について公表をさせていただいたところでございます。
公表後は,多くの市民の皆様からご批判やおしかりをいただいておりますけれども,今後は,これらのご批判を真摯に受けとめ,信頼回復に向けて,これまでにも増して市民感覚を大切にして,市政の運営に努めていくということが私の責任のとり方である,このように考えているところであります。
次に,
イラク復興支援部隊の
留守家族への対応についてでございます。
イラク派遣自衛隊員の
留守家族支援につきましては,札幌市といたしましても,市民であります
留守家族の皆様方の困り事などに対し,行政としてできる限りの支援をしていくことは当然だと,このように考えております。
そこで,札幌市における支援体制を明確にするために,
留守家族支援に関する総括的な窓口を市民局の振興課及び各区の
地域振興課というふうに定め,過日,その旨を自衛隊にも文書で通知をいたしまして,
留守家族の皆様への周知を依頼したところであります。
なお,今後,
留守家族の皆様方から具体的な要請があった場合や,あるいは,状況の変化により必要性が生じた場合には,札幌市といたしましても十分な対応をとってまいりたいと,このように考えております。
3点目の
株式会社札幌ドームの社長問題についてでございます。
桂社長には,これまで
株式会社札幌ドームの経営を安定化させ,優秀な人材を育成されるなど,
札幌市民の大切な財産であります
札幌ドームを,次の世代へ引き継いでいくためのさまざまなご尽力をいただき,改めて敬意を表し,感謝申し上げるものであります。しかし,これまで私が桂社長と何度かお会いをし,いろいろなお話をさせていただいた中で,お互いの気持ちが伝わり,桂社長から,
札幌ドームの今後の運営に対して一定の方向性をつけることができたことから退任したいとのお話がございました。熟慮を重ねられたことを推察し,ご意思は大変かたいものと受けとめたところでございます。
新
まちづくり計画について二つのご質問でありましたけれども,関連いたしますので,一括してお答えをいたします。
新
まちづくり計画の策定に当たりましては,近年の厳しさを増す財政環境,それから,社会経済情勢の見通しが非常につきにくいと,こういう状況を踏まえて,政策目標を明らかにしながら,札幌市の今後の進むべき方向性や政策の力点,これを明確にすることが大切であると考えております。
こうしたことから,3年間で重点的に取り組むべき課題についての施策や事業,これを計画化するということといたしておりまして,先般,
ビジョン編を公表し,現在は
重点事業編の策定作業を進めているところであります。
この
ビジョン編の策定過程におきましては,
市民会議の議論のみならず,庁内でも幅広い部局が参加をいたしまして,政策の課題別のプロジェクトを立ち上げて,さまざまな議論を行った上で素案を作成するなど,横断的な職員参加にも力を入れてまいりました。
今後は,新
まちづくり計画でお示ししている都市の将来像について,広報さっぽろ,そしてホームページなど,いろいろな方法で市民に十分説明し,計画を推進してまいりたいと考えております。
住民基本台帳ネットワークシステムについてお答えいたします。
1点目の広報誌での特集記事についてであります。
制度やセキュリティー,住基カードの取得方法などについて市民から問い合わせがあり,私といたしましては,この特集記事で
住基ネットを市民にわかりやすくお伝えすることができたというふうに思いますし,
住基ネットについて考えるきっかけができたのではないか,このように考えております。
2点目の今後の対応についてでありますけれども,国においても,長野県を初めとする各自治体からの意見を踏まえて,セキュリティー対策の向上や制度の改正など,さまざまな対策を講じているところでありますので,それらを見きわめながら,どのようなことができるのか対策会議で検討を進めていきたいと考えているところであります。
3点目の長野県の対応についてでありますけれども,公的個人認証制度のサービスを開始するということは,マスコミの報道により私も伺っているところであります。
しかしながら,どのような経過でそうなったのかについては,私は承知をしていないところであります。
4点目の選択制の議論については,2月の総務委員会において,現行法制の中では極めて困難であるとの私の考え方を申し上げたとおりでありまして,今後は,国に対して法制度改正の要望等を行っていきたいというふうに考えているところであります。
次に,次世代育成支援対策についてお答えいたします。
1点目の家庭を持つこと等の意識啓発についてであります。
近年の若年層を中心といたしました結婚観や家族観の変化によりまして,晩婚化だとか,さらには結婚そのものを選択しない,そういう人たちの割合がふえてきているということは十分に認識をしているところであります。
私自身といたしましては,家庭を築き,子供を産み育てるということは,相応の労苦といいますか,苦労を負担するというふうに思いますけれども,生活をより豊かなものにする大変に意義深いものであるというふうに考えております。
したがいまして,子育ての楽しさや,男女が協力して家庭を築き,子供を産み育てることの意義やすばらしさといったものを伝えていくために,子育てをするという生き方を無理なく選択できるようにする条件整備をしていくことが,非常に大切な施策であると考えているところであります。
ただし,子供を持つといったことは,市民の自由な選択にゆだねられるべき事柄であるということから,札幌市の次世代育成支援対策を進めていく際にも,市民の多様な生き方についての選択を妨げることがないように十分な配慮が必要であると考えております。
2点目の今後の札幌市の子育て支援体制についてでありますが,いわゆる区子育て・子育ち支援センターの設置につきましては,平成18年
4月に豊平区・西区・手稲区の3区に開設をいたします。平成21年度までには合計5カ所の開設を目指しているところであります。また,施設の整備につきましては,主に公立保育園など,公共施設の有効活用を図りながら進めてまいりたいと考えているところであります。
その中で,豊平区につきましては,老朽化いたしました月寒保育園,月寒乳児保育園を改築いたしまして,新たに豊平区子育て・子育ち支援センターとして整備を行ってまいりたいと考えているところであります。
次に,3点目の区子育て・子育ち支援センターの具体的な機能についてでありますけれども,同センターの主な機能といたしましては,すべての子育て家庭を対象とした,常設の子育てサロンの中でさまざまな相談に応じるなどの子育て支援機能,保育に欠ける児童を受け入れる保育機能,そして乳幼児施設や専門機関とのコーディネート機能,この3点を考えております。
また,札幌市子育て支援総合センター,地域における子育てサロンとの役割分担と連携についてでありますけれども,小学校区単位に開設を進める地域子育てサロンと区レベルの拠点施設としての設置を予定しております区子育て・子育ち支援センター,全市レベルの中核施設であります札幌市子育て支援総合センター,この3層構造による有機的な連携を図ることにより,すべての家庭を対象とした子育て支援を展開してまいりたいと,このように考えているところであります。
次に,観光行政についてお答えをいたします。
1点目の新たなキーワードを使った観光資源の開発についてであります。
観光資源の開発に当たりましては,まずは,市民が観光客をお迎えするおもてなしの気持ちを札幌の観光資源の重要な基盤であるというふうにとらえまして,それを市民の意識に強く働きかけるとともに,観光関連企業で働く皆さんへの研修などを通しまして,街全体のホスピタリティー,すなわち親切なおもてなしの心といったものの向上に取り組んでいくところでございます。
全国の観光客の動向を見ますと,団体旅行から個人旅行へ,見る,食べるに体験というものが加わるなど観光の形態にも大きな変化が見られるわけでありますが,そうした対象やニーズに応じた多様な観光資源の提供が求められております。
そこで,既存の観光資源につきましては,その活用のあり方を見直し,ソフト事業との組み合わせなど付加価値を高めることによりまして,新たな魅力づくりに取り組む一方で,これまでにないキーワードを切り口にした観光資源の開発も重要な課題として認識しておりまして,さまざまな視点から,その実現に取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の観光行政の手法についてでありますが,より多くの観光客に訪れていただくために何が必要であるかについて,民間企業など,実際に観光に携わる方々から意見をいただくことは大変重要であると認識をいたしております。
昨年度から,観光関連企業の方々と実施しております集客交流戦略懇談会においても,貴重なアイデアや建設的な意見をいただいているところであります。また,こうしたアイデアを実施に移していく場合においても,行政だけが行うのではなく,市民・企業・行政がそれぞれの役割を担っていくことで,事業の効果を最大限に発揮できるものであると考えております。
今後も,さまざまな分野の方々の発想や経験を活用して,集客交流都市の実現に努めてまいりたい,このように考えております。
3点目のリンケージ・アップ フェスティバルとフードランド北海道の連携についてであります。
リンケージ・アップ フェスティバルは,北海道内の市町村の地域振興や広域的連携を図る目的で開催されておりますが,開始から10年を経て,札幌の秋の訪れを告げるイベントとして定着をしてきたものであります。
一方,昨年初めて開催されましたフードランド北海道は,北海道産の食材への理解と消費拡大や観光振興を図るということを目的としておりまして,今後,北海道内のみならず,道外での認知,情報発信が期待されているところであります。
食は観光にとって非常に重要な要素でありますので,こうしたイベントが札幌を訪れる観光客にとってより魅力的で楽しめるものになるように,両事業の連携の強化について関連機関などと協議を進めるとともに,PRの手法についても検討してまいりたいと考えております。
議員の示唆に富むご提言について感謝を申し上げたいと思います。
次に,教育行政の中の最後のご質問項目でございます,まちづくりセンターとの連携強化ということについて,私から答弁をさせていただきます。
学校と地域のコーディネート役としてのまちづくりセンターの機能強化についてであります。
学校と地域との連携の強化という点につきましては,今後とも積極的に取り組んでいかなければならない大変重要な課題であるというふうに認識をしているところであります。
まちづくりセンターは機能強化の一環として,学校も含めた地域のネットワーク化を積極的に支援していくことといたしておりますので,この中で,当然,学校と地域を結ぶコーディネーターとしての役割を果たしていくべきものと考えているところであります。
私からは,以上でございます。
○議長(
武市憲一) 田中副市長。
◎副市長(田中賢龍) 私からは,3点目の
人事評価制度と7点目のノルディックスキー世界選手権札幌大会についてお答えをいたします。
まず最初に,
人事評価制度についてであります。
組織を活性化し,その力を高めていくためには,職員が持っております仕事に対する情熱や意欲をより引き出していくことが重要でありまして,そのような人づくりを進めていく上で
人事評価が果たす役割は非常に大きなものであると考えております。
お話にございました
目標管理的
評価手法につきましては,職員の業績を評価する上で有効な手法として民間企業では定着してきているものでありまして,
人事評価の具体性,客観性が向上し,その結果,成果志向で仕事に取り組む職員の育成や事務事業の効率的なマネジメントにも寄与することが期待されるところでございます。
これを自治体職員に取り入れるに当たっては,業務の多様性などから,目標の設定や評価について検討すべき課題もありますけれども,まずは仕事の成果が比較的とらえやすい管理職への段階的な導入に向けて,現在,具体的な検討を行っているところでございます。
次に,ノルディックスキー世界選手権札幌大会についてお答えをいたします。
1点目の
札幌ドームの利用と観客動員の具体策についてでございますが,まず,
札幌ドームの距離競技会場としての利用につきましては,ドームの新たな活用方法につながるものと考えられますが,何よりも国際スキー連盟がドームの形状に合わせたコース設定を認めるかどうか,さらには大会の円滑な運営,収支のバランスなど,幾つかの問題点もございますので,今後の国際スキー連盟の動向を踏まえ,判断してまいりたいと考えております。
次に,観客動員のための具体策につきましては,大会広報の充実,各競技会場への交通アクセスの整備などはもとより,特に距離競技について見やすい周回コースをつくるなど,競技の魅力を観客にアピールする方策を立ててまいりたいと考えております。
2点目のノルディックスキーに対する市民意識の醸成についてでありますが,議員のご指摘にもございましたように,子供から大人まで幅広い年代の人たちにノルディックスキーの魅力を知ってもらうことが大会を成功に導く重要な要素であると認識をしております。
したがいまして,札幌国際スキーマラソンなどのイベントや歩くスキー教室などを活用しまして,ノルディックスキーの体験ができるような事業の充実を図るとともに,大倉山のウィンタースポーツミュージアムでの情報発信や,ホームページなどの広報媒体を通じましてPRに努めるほか,関係団体とも連携を図りながら,大会の成功に向けて機運を盛り上げてまいりたいと考えております。
3点目の冬季スポーツの振興についてでございますが,ウインタースポーツは冬の市民生活を豊かにするものでございまして,四季を通じて札幌らしいライフスタイルを確立するためには欠かせないものであると認識しております。したがいまして,現在策定中の新
まちづくり計画において,自然と親しむスポーツ活動を推進する中で,ウインタースポーツの振興を重点施策として位置づけ,その活性化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
武市憲一) 福迫副市長。
◎副市長(福迫尚一郎) 9番目にご質問のありました下水道事業の財政状況について,私からお答えさせていただきます。
札幌市の下水道事業は,都市の成長に合わせまして短期間で集中的に整備を進めましたことから,ほぼ100%の普及率を達成いたしましたが,企業債の元利償還金が平成21年度のピークに向けて大幅に増加するなど,大変厳しい財政状況が予測されます。そのため,全体経費の節減はもとより,環境保全への貢献を果たしながら,さらなる建設事業の厳選やコスト縮減及び総合的な収入確保のあり方などにつきまして,さまざまな観点から検討してまいります。さらに,維持管理の集約化や事業実施体制の見直しといった効率的な組織の再構築を図るなど,経営効率化に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
武市憲一) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から,3点についてお答えいたします。
まず,敬老優待乗車証についてであります。
本年3月に検討案をお示しして以来,幅広い議論,ご意見をいただいているところでありますが,将来にわたってこの制度を継続させていくためには,やはり上限額の設定や費用の一部の負担について,ご理解をいただく必要があると判断しているところであります。
そこで,1点目の制度を見直す場合の交付者の対象範囲についてでありますが,年齢の引き上げや所得による絞り込みにつきましては,現時点において導入することは考えておりません。また,居住期間による交付対象者の制限についてでありますが,これまでのアンケートの調査結果や老人クラブなどでは,さまざまなご意見がありましたので,今後,さらにいろいろな角度から検討してまいりたいと考えているところでございます。
2点目の所得階層区分による利用者負担についてでありますが,ご指摘いただいた点も参考にしながら,制度全体の中でさらに検討してまいりたいと考えております。
次に,障がい者に係る諸問題についてお答えいたします。
1点目の障がい者スポーツについてであります。
まず,障がい者スポーツの振興・普及に関する基本的な考え方でありますが,障がいのある方がスポーツを通じて広く社会参加することは,市民のだれもがともにスポーツを楽しむという,まさにノーマライゼーション理念を具現化するものでございます。このことから,これまでも区体育館やプールなどの体育施設のバリアフリー化を図るとともに,各種スポーツ大会等への参加支援などに努めてきたところであり,今後におきましても,障がいのある方々が積極的にスポーツに親しめるよう必要な環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に,既存施設の有効利用につきましては,障がい者スポーツを普及する上で重要なことと認識しておりますことから,その有効な方策の一つである学校開放事業などにおいて,その利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。
2点目の障がいのある方の採用についてでございます。
社会全体の雇用が落ち込んでいる中にあっ
て,障がいのある方が置かれている状況は,特に厳しいものがあるというふうに認識をしております。
議員ご指摘の30代,40代といった幅広い年齢層からの採用につきましては,臨時職員や非常勤職員という方法がございますが,これらは,雇用期間が短いことや職種によっては専門的な能力が求められることなどから,現時点においては課題も多いところでございます。一方,正規職員として採用する場合の年齢要件の緩和につきましては,他都市や本市の他の採用試験における上限年齢を考慮していく必要があると考えております。
いずれにいたしましても,身体に障がいのある方の採用につきましては,今年度初めて行ったものでありますことから,採用試験のあり方も含めまして課題の検証を行いながら,来年度も引き続き障がいのある方を採用してまいりたいと考えているところでございます。
次に,生活保護行政についてでございます。
1点目の就労支援相談員についてですが,失業により保護を受けざるを得ない方がふえてきている実情からも,就労支援の重要性につきましては十分に認識をしているところでございまして,平成14年度に初めて相談員を配置し,現在,4区で各1名の体制で就労相談に当たっているところでございます。その結果,15年度におきましては,相談を受けました約200名の方々のうち,おおむねその3分の2の方の就労が実現し,大きな成果を上げているところでございます。
相談員の増員につきましては,配置がなされていない区における,就労可能な方々の状況や,それらに対応する効果的な相談体制の検討を行った上で判断をしてまいりたいと考えております。
次に,2点目の受給者の自立助長に向けた取り組みの強化についてでございます。
まず,取り組みの前提となる稼働が可能な方々の把握についてでありますが,これまで世帯単位の把握が中心であったことから,人員単位では十分に把握していない状況にありました。今後につきましては,就労支援の重要性からも,毎年一定の時期に人員単位での把握ができるよう工夫してまいりたいと考えております。
次に,取り組みの強化についてでございますが,より実効性のある指導を行うために,ケースワーカーが就労支援に関する知識や技術を広く身につけることが重要であると考えております。このため,今年度から就労支援に関する手引書を全ケースワーカーに配布し,集中的な指導・援助を行うこととしており,今後,さらに効果的な就労につながるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
武市憲一) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,次世代育成支援対策についてのご質問のうち性教育についてと,教育行政についてのご質問のうち関係分につきましてお答えを申し上げます。
まず,性教育についてであります。
性教育における学校教育が果たすべき役割についてでありますが,性に関する問題が深刻化している中,児童生徒一人一人が性に関して正しい知識を持ち,適切に行動できる能力を身につけていくために,人間尊重の理念に基づき,発達段階に応じて適切な性教育を進めていくことは,学校教育が果たすべき重要な役割であると認識いたしております。
また,学校教育における性教育の充実についてでありますが,教育委員会といたしましては,性教育のより一層の充実を図るため,教職員が性に関する問題の現状を十分把握し,その意義や必要性を今まで以上に認識できるよう,関係機関との連携を通して情報の提供や研修の機会の充実などを図ってまいりたいと考えております。
あわせて,すべての学校が,発達段階に応じた全体計画を作成し,より一層積極的に性教育を推進していくよう指導してまいりたいと考えております。
次に,教育行政についてお答えいたします。
1点目の教員の評価についてであります。
教員の
評価制度につきましては,教育改革推進会議の答申にございますとおり,教育委員会といたしましても,その必要性について十分に認識しているところであり,北海道教育委員会に対しましては,地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいた計画の策定につきまして,さまざまな機会をとらえて働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
また,表彰制度につきましては,従前,年功序列的要素の強かった制度を平成14年度に見直し,学校現場においてすぐれた教育活動を実践している教職員を表彰する制度としたところでございます。今後におきましては,現行制度がより意義深いものとなるよう周知方法や運用方法を工夫していくとともに,すぐれた教育活動を実践している学校を表彰するため,団体表彰制度の創設について検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目の学校評議員制度についてであります。
学校評議員制度は,保護者や地域住民等の意向を把握,反映し,その協力を得るとともに,学校運営の状況等を提供するなど,より一層地域に開かれた学校づくりを推進していくことを目的として設置しているものでございまして,着実に増加している状況にございます。
また,現在,学校運営の改善を目指して,学校評議員等,外部からの評価を含めました,計画,実践,評価,改善という学校評価システムの導入に努めているところでございます。
今後,教育委員会といたしましては,この学校評議員制度と学校評価システムとの関連を深めることを通して,保護者や地域住民等の意向を今まで以上に把握,反映できますよう各学校を指導してまいりたいと考えております。
続きまして,学校と家庭,地域の連携の強化についてお答えいたします。
学校からまちづくりセンターへのアプローチについてでございます。
各学校におきましては,家庭や地域の人々とともに児童生徒を育てていくという視点に立ち,開かれた学校づくりを進め,地域との連携を図っていくことが重要でございます。現在,多くの学校におきましては,総合的な学習の時間等の取り組みを通した地域との連携が進められているところであり,中には,ご指摘があったとおり,まちづくりセンターのコーディネートにより,地域ぐるみで子供の安全を守るといった実効性ある連携の事例もございます。
教育委員会といたしましては,各学校がこのように地域と有機的な連携を進め,創意ある教育活動を展開していくためには,まちづくりセンターを初めとするさまざまな機関と積極的にかかわりを深めていくことが大切であると考え,そうした取り組みが今後一層広まるよう啓発に努めるとともに,各学校の実践に対しまして支援を行っていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(
細川正人議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
武市憲一) 細川議員。
◆
細川正人議員 多数にわたりまして質問をしたものですから,答弁を今聞いたところなものですから,的確な再質問ができるかどうかちょっとわからないのですが,1点ほどちょっと再質問をさせていただきたいと思います。
それは何かといいますと,ノルディックスキー世界選手権札幌大会であります。
この成功の大きなかぎは,やはり,私は
札幌ドームを使えるか使えないか,競技会場に使えるか使えないかということであります。
今のお答えの中では,国際スキー連盟の動向を見てということであります。
仮に,
札幌ドームで,この距離競技のスプリントを開催して4万人の観客が入りました。そして,その放映が北欧,ヨーロッパに放送されました。アジアの,日本の,札幌というところで,ノルディックスキーがこんなに盛んなのだということをヨーロッパの方々に知っていただける,こういうPRができるわけであります。まさに,向こうの方を観光に呼ぶこともできるのじゃないでしょうか。
そういう面から,今のスキー連盟の動向を見
て,また,収支の問題もあるというのでは腰が引けているのじゃないでしょうか。もっと積極的に,札幌市からドームを使っていただきたい,使ってもらいましょうよ,そういう働きかけこそ,私は必要なのではないかなという気がいたしております。
そこで,その点について積極的にかかわっていく考えがあるのかどうか。
そして,この調整役,積極的にかかわっていくときに必要なのは,実は人材であります。多くの人脈を持った方が,こういったことの調整役を果たすことが実は必要なのではないでしょうか。
そのときに,前段お伺いをいたしましたが,桂前市長,先ほどの答弁では,(発言する者あり)退任したいという意向があって,それを市長はお受けをしたということでありますが,慰留こそすべきであって,桂前市長の人脈,そして,これまでの功績を,こうした大会に向けてのですね,力として活用することこそ必要なことではないでしょうか。私はそう思うのでありますが,市長のお考えをお伺いいたします。
そして,これは指摘だけさせていただきますが,年金の問題については,これはストレートにお答えをいただいていないということだけ指摘をさせていただきます。
以上であります。
○議長(
武市憲一)
上田市長。
◎市長(上田文雄) ノルディックスキー世界選手権札幌大会の成功は,札幌市にとっても大変重要なことでございます。
全世界にノルディックの大会が盛んに行われたということが伝わるということですし,シティPRの上でも極めて重要な大会であるというふうに考えておりますので,私も,このノルディックスキー選手権の開催地の市長であることはもとより,組織委員会の会長という役割も担っておりますので,各界の方々のアドバイスを十分に受けて,成功に向けての最大限の努力をしてまいりたいと,このように考えます。
FIS,国際スキー連盟の要件に合うかどうかというところが一番大きな問題でございまして,場所の設定の仕方について,どうやら坂が必要だとか,真っ平らのところではちょっとだめなんだ,負荷がかからなければだめなのだとか,いろいろな要件があるようでございます。私どもは,ここでやりたいという気持ちはもちろんあるにしても,その客観的な条件が整うかどうかというところで,クリアしなければならないたくさんのいろいろな問題があろうというふうに思います。
そういうようなことも含めて,私どもは,決して後ろ向きであるわけではなくて,できることならということで,この取り組みをさせていただきたいというふうに考えております。
桂社長におかれましては,先ほど申し上げましたように,多くの人脈をもってここまでドームを盛んにしていただいたということには敬意を表し,その桂社長の培ってこられた人脈も十分にアドバイスの中で生かさせていただいて,最大限,この大会成功に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えます。
その余のご指摘については,謙虚にお受けとめさせていただきます。
ありがとうございました。
○議長(
武市憲一) ここで,およそ30分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時39分
再 開 午後3時10分
――
――――――――――――――――
○副議長(西村茂樹) これより,会議を再開します。
代表質問を続行します。
林家とんでん平議員。
(林家とんでん平議員登壇・拍手)
◆林家とんでん平議員 私は,民主党・市民の会を代表して,今定例会に上程されました諸議案並びに当面する市政の諸課題について質問をいたします。
その前に,今回,開けた議場を目指すために,手話を使いながら質問をさせていただきます。また,市長等の答弁も,手話通訳の方がおりますので,というのも,手話がわからなく
て,こればかりの答えでは困るのでございます。ぜひ,自由なお答えをお願いいたします。
初めに,上田文雄
札幌市長就任1年目における評価についてです。
上田市長が,昨年2度の市長選挙を経て,6月11日に市長に就任してから間もなく1年が経過しようとしています。市長は,就任後1カ月の時点で発表しました元気ビジョンの中で,市民自治の推進,
街づくり,市役所改革の三つの大きな柱に沿って市政運営の方針を目標として示しました。これを実行に移すために,市民自治推進,
街づくり,市役所改革から成るさっぽろ元気プランを策定していくことを宣言しました。また,この間,多くの市民と対話を重ねながら,さまざまな市政の課題に真正面から取り組んでこられた市長の姿勢に敬意を表するものです。
市長は,選挙戦のときから,対話と参加による市民自治が息づく
街づくりの実現と,そのための市役所改革を中心に訴えてきました。これらは非常に困難で時間のかかる課題で,市長は着実に取り組んでこられました。文字どおり,この1年間,市民が
自分たちの力で
街づくり,地域づくりを進めるための市民自治の土台がつくられた年であったと言えますし,これからの時代に向けた市役所改革が確実に進んでいることを評価するものです。
市民も,市長のこうした取り組みに注目をしており,市長が掲げた目標である,市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街を実現していくために,さらに自信を持ち,引き続き市民の先頭に立ち,これまでの取り組みを推進してほしいと大きな期待を寄せています。多くの市民を初め,民主党・市民の会も,市長就任2年目,さらに札幌が元気になることを期待するとともに,そうなることを確信しております。
そこで,質問ですが,市長は,この1年間の取り組みをどのように自己評価しているか,重大施策と重点公約の進捗状況とあわせて伺います。
次に,財政問題について伺います。
ご承知のとおり,選挙の年は骨格予算を組み,選挙が終了した時点で肉づけ予算を組むという仕組みになっています。したがって,2003年度一般会計予算は,肉づけ予算約620億円を計上し,骨格予算と合わせて約8,098億円の一般会計総予算を組んだのであります。
質問の1点目でありますが,財政調整基金について伺います。
2002年度末財政調整基金は,余剰金積み立てを含めて112億円の残高がありました。そのうち,2003年度肉づけ予算で約44億円の財政調整基金を取り崩して,肉づけ予算の歳入に計上したのであります。したがって,差し引き残高は68億円となったのでありますが,1964年に設立した基本基金は,近年,運営利率の低下などにより,基金本来の目的を果たすことができない状態でありました。
我が会派は,この基本基金を有効に活用し,資金の還流を図るべきと主張しましたが,ようやく2004年3月31日付でこれを廃止し,残高約33億4,000万円が財政調整基金に積み立てられたのであります。したがって,約68億円の残高であった財政調整基金の残高は約101億円になったのであります。
そこで,2003年度肉づけ予算で歳入予算計上した財政調整基金44億円の取り崩しはどうなっているのか,財政の出納整理期間が終了し,その見通しが明らかになったのではないかと思われますが,財政調整基金全体の動向を含めて明らかにしていただきたいのであります。
2点目は,繰越金についてであります。
2002年度決算では,実質収支が24億6,800万円が黒字になっており,そのうち,法的に決まっている分は12億5,000万円を余剰金積み立てにし,残り約12億1,800万円については翌年度繰越金として使用したのであります。
また,今議会には,2003年度分逓次繰越約17億4,400万円並びに繰越明許費約94億2,800万円が報告されていますが,今日段階で,2003年度実質収支はどのぐらいになるのか,そして,余剰金積み立てがどのぐらいになるのか,その見通しをお伺いします。
3点目は,税収入の見通しであります。
2003年度一般会計歳入予算の中で,自主財源の主なる収入は市税であります。自主財源52.2%,依存財源47.8%の中で,自主財源52.2%のうち31.9%が市税であります。金額で言うと,自主財源約4,227億円のうちの市税2,580億円が予算計上されています。この金額は,過去10年間の単年度予算金額で見ると,最低であります。
同時に,この市税の収入2,580億円の中には,滞納繰越分の約37億円が入っているのであります。また,直近の収入見込みでは,市税滞納分の調定額合計約134億円であり,そのうちの収入見込みは約34億円ですから,残り100億円の滞納分があるのであります。この滞納分に,どのような対策をとろうとしているのか,市税の収入見通しと滞納対策についてお伺いをいたします。
次に,入札契約制度についてであります。
最初に,基本的課題について質問します。
本市は,工事等にかかわる入札契約制度について,2001年から実施した公募型指名競争入札範囲の拡大や指名停止措置の強化を初め,2003年の予定価格の事前公表の完全実施まで,さまざまな改善策を打ち出してきました。
これは,発注者の責任として,より適正に契約事務を推進しようとするものでした。公共事業の減少は,公共事業の発注競争の一層の激化を招いており,加えて,最近,地方自治体の財源難という状況の中で,これまで以上に財源の効果的な活用を図っていく必要があります。そのためには,不正の防止や競争性,透明性の確保,同時に,不良,不適格な業者を排除し,工事の質を確保することや市内の企業の活性化を図ることを基本に据えながら,地域事情に合わせ,多様な入札方式があってよいと考えます。
例えば,本市が福祉施設を建設する場合,障がい者雇用の対象企業にあって,それを指名条件にし,一方,推進している政策課題との連携を図り,全市的な政策課題の効果を図る手法です。情報公開の時代,仮に受託した企業が,障がい者雇用に理解のない企業の場合,市の発注姿勢が問われます。それを未然に防止することは,重要な視点となります。
ちなみに,障がい者雇用率1.8%が適用されている企業は,56人以上の規模の企業で,札幌圏では1,165社あります。そこで雇用されている身体障がい者及び知的障がい者の数は3,919人で,2003年度の実雇用率は1.56%と,前年比より0.04%上昇しました。また,法定雇用率の未達成の企業は,1,165社のうち665社が未達成で,その割合は57.1%と,前年比で0.7ポイント低下しました。景気が悪くなると,障がい者の雇用環境が悪化しやすく,その中で障がい者雇用の確保を頑張っている企業の社会貢献度は高く,このことにこたえた評価をしていくことが肝要だと考えます。
また,横浜市の入札制度では,予測ができない台風や降雪時の緊急災害対策への協力,貢献をしている災害協力事業者を優遇させることは,合理性があるという施策判断をしています。この点,札幌市は,ほかの都市と比べものにならない年間平均降雪量5メートルの除雪対策と局地的な豪雨災害などに相当な努力を払わなければならず,
街づくりへの協力,貢献度は横浜市以上に重視しなければならない点だと考えます。
そこで,質問の第1点目ですが,自治体の入札制度には一層の公正性,透明性が求められますので,発注者である札幌市の制度の運用に当たって,より重視することはもちろんのこと,一方で,単に価格だけではなく,札幌市の地域特性や施策目的に合致した社会的価値をも入札の基準にした政策入札制度の導入を検討することが市民の要望にこたえる道だと考えますが,市の見解を伺います。
2点目は,当面する課題として,多発するくじ引き入札の対応についてであります。
札幌市が発注する公共工事の入札で,最低制限価格で入札し,くじ引きで落札業者を決める事例が増加している問題を受け,去る5月21日,市は,最低制限価格を推測しにくくする試行を6月から試みることを決めました。試行では,使用する数値を小数点以下2けたまで使用することにより1円単位の実数となるため,予
測が困難となるとしています。さらに,市の責任者の裁量で数値の調整をすることを可能にし,当面,くじ引きが多い建築工種で試行をするとしています。
そこで,質問ですが,さまざまな工種がある中で,試行対象に建築工種を選んだ理由は何か,また,試行結果を踏まえて,今後の対策をどのようにしていくお考えか,お伺いします。
次は,札幌新
まちづくり計画についてです。
先般,札幌新
まちづくり計画の
ビジョン編ができ上がりました。この計画は,従来の5年計画にかわるもので,今後の
街づくりの考え方や重点的に進めるべき施策と事業などを定める中期実施計画であります。計画の構成は,
街づくりの理念や指針を示す
ビジョン編と,3年間で重点的に進める事業を盛り込む
重点事業編の2編構成になっています。
計画期間は,2004年度から2006年度までの3カ年計画であります。特に
ビジョン編については,
街づくりの実行計画として,初めて
市民会議を設け,設置し,市の素案をもとに幅広い市民議論を経て,本年4月に提言書という形でまとめられました。
したがって,この段階で市議会の総務委員会にも報告され,我が会派の所属議員から,主に成果指標の進行管理や重点事業の策定に当たっての考え方について,やりとりをした経緯がありますので,今回はその後の課題について議論をしていきたいと考えます。
最初に,
ビジョン編に関してであります。
第1点目は,今回,
市民会議からの提言を受けて,新
まちづくり計画ビジョン編を策定したところでありますが,この
ビジョン編の特徴や策定に当たって特に力を入れてきた点は何か,伺います。
2点目は,新しい市民参加の取り組みについて,
街づくりの実施計画として,初めて公募委員や有識者から成る
市民会議を設置し,これまで全体会議,各分科会を合わせて22回の会議を開催し,提言書を提出しました。
提言書の中には,共生の視点をよりきめ細やかに取り入れることや計画全体に通じる望ましい
街づくり,街の姿がイメージできるようなストーリー性を充実すべきだとの提言が盛り込まれていますが,そうした提言をどのように反映しているのか,お伺いします。
次は,
重点事業編に関してであります。
今後のスケジュールとして,
重点事業編の素案公表は7月の下旬に行い,9月の下旬には
重点事業編の公表をする計画になっています。そして,望ましい街の姿を実現するために必要な施策として,五つの基本目標ごとに,重点戦略の課題ごとの主な施策が掲げられているところですが,この重点事業の選定の基本的な考え方について伺います。
2点目としては,1点目の質問にかかわりますが,
ビジョン編の施策に盛り込まれていない事業の取り扱いはどのようになるのか,お伺いします。
3点目として,計画期間が通常より短い中で,明年度以降はどのような課題に取り組まれていくのか,関心のあるところです。
我が会派は,具体的に五つの目標の中に盛り込まれている重点事業の中で,今年度,予算化ないし取り組みを始めているものは,引き続き事業を推進し,もしくは拡充を図るとともに,未着手事業は早期にめどをつけることが望ましいと考えます。
そこで,次の課題のみを,この機会ですので,お伺いをいたします。
一つは,女性や中高年の再就職の支援の拡充についてです。二つは,保育所の待機児童の解消の強化についてです。三つは,美しい風格ある都市景観の
街づくりについてです。四つには,体験型,滞在型観光の振興について,今後どのように力を入れていく考えか,お伺いします。
4点目は,札幌新
まちづくり計画における重点事業の推進に伴う総事業費を明らかにしていただきたいと思います。
次に,福祉についてです。
初めに,仮称札幌市視聴覚障害者情報文化センターについて伺います。
国内における聴覚及び視覚障がい者の全国組織の前身は,1915年に発足した日本ろうあ協会,1948年に発足した日本盲人会連合で,札幌では,聴覚が1947年に札幌ろうあ協会が,視覚は1948年にヘレン・ケラーが来札したときを機に札幌盲人福祉協会が発足しました。
国は,こうした当事者団体の活動と世論が高まる中で,1949年に,身体障害者自立と社会経済活動の参加を促進するために身体障害者福祉法を,1951年には,社会福祉事業が適正に行われることを目的とした社会福祉事業法を,1970年には,国や
地方公共団体等の責務と施策の基本的理念を定めた心身障害者対策基本法を制定しました。1981年の国際障害者年に先立ち,視聴覚障害者情報提供施設を求める運動が全国的に高まったことを受けて,その結果,国は,1990年,同施設の整備に関する規定を盛り込んだ身体障害者福祉法及び社会福祉事業法を改正し,視聴覚障害者情報提供施設の設置を制度化しました。その結果,聴覚障害者情報提供施設は,ことし4月1日現在,全国では28施設,そのうち政令指定都市では5施設が開設されています。札幌市議会においても,1978年に同施設の整備に関する陳情が採択された経緯があります。
2001年,厚生労働省が実施した身体障害児・者実態調査では,全国で聴覚及び言語障がい児・者は36万1,200人,視覚障がい児・者は30万5,800人と推計されています。一方,本市では,今年3月末現在,身体障害者手帳交付数では,聴覚障がい者は5,342人,視覚障がい者は4,470人となっています。当事者の方々にお聞きしますと,単に目,耳,話すことが不自由であるという苦痛ではなく,そのことによって情報やコミュニケーションがとりにくい社会環境に置かれていることと,差別や偏見が依然あることが最も苦痛で悲しいと心境を語ってくれました。
本市では,1996年から5年計画の中で,札幌市教育研究所跡地に同施設の整備を目指しましたが,立地条件等の関係で計画が見送られ,今回,旧女性センター跡の施設の利用が2000年からの5年計画の中で位置づけされました。
本市は,これを具体化するために,2001年12月から2002年9月まで4回,仮称札幌市視聴覚障害者情報文化センター整備計画検討委員会を開催し,関係団体の代表などと協議を重ねてきました。市長は,こうした経緯を踏まえ,今年度予算に同センターの整備事業費として5億2,800万円を計上し,近々,改修工事が始まろうとしています。
そこで,同センターの役割や機能,事業等について,4点伺います。
1点目は,同センター及びその周辺におけるバリアフリーと災害時等の安全対策についてです。
同センター内を初め,地下鉄西18丁目駅から周辺のバリアフリー対策及び災害時における警報や,避難する際,安全対策をどのように計画しているのか,お伺いします。
2点目は,同センターのスペースについてです。
今回整備する旧女性センター関連施設は,総面積で約3,231平米ですが,聴覚,視覚及び共有施設の各面積は最終的にどのようになるか,お伺いします。
3点目は,同センターの役割,事業についてです。
現在活動をしている札幌市視覚障害者福祉協会や札幌市視力障害者福祉センター及び札幌聴力障害者協会との役割,そして既存の事業の分担をどのように考えているのか,また,当事者団体からも強い要望を出されておりますCS障がい者放送設備の導入,人材の確保を初め,視覚,聴覚の新規事業はどのような事業を具体化する考えなのか,お伺いします。
質問の4点目は,同センターの開設時期についてです。
視聴覚障がい者を初め,家族,そして当事者を支えるボランティアの方など多くの人が求めていた同センターの開設はいつごろを予定しているのか,お伺いします。
次は,医療費助成制度についてです。
医療費助成制度は,1973年,疾病にかかりやすい,受診する機会が多い乳児及び社会的に弱い立場にある重度心身障がい者,母子家庭を対象に,北海道と各市町村との共同事業として始まりました。現在,道と市が2分の1ずつ費用を負担しております。
しかし,さきの道議会で,高橋北海道知事は道の財政難を理由に,乳児及び重度心身障がい者と母子家庭等の医療給付3事業に対する道の負担額軽減を基本とする北海道医療給付事業の見直し案が3月24日成立,ことしの10月から実施となります。
仮に,道の見直しどおり,本市が住民税課税世帯を対象に1割負担を実施すれば,現行医科580円,歯科510円の初診時の負担金のみで済んでいた自己負担が,通院及び入院で1カ月当たりの平均負担額は,乳児医療費助成では通院で1,851円,入院で1万6,119円,重度心身障害者医療助成制度においては通院で5,583円,入院で2万9,226円,母子家庭助成では通院は1,725円,入院で2万992円となります。本市は,ことし3月末現在,受給者数は,乳幼児で7万9,730人,重度心身障がい者は3万6,336人,母子家庭等では4万1,715人となっています。
民主党・市民の会は,さきの第1回定例市議会の
代表質問や特別委員会の中で,道の医療給付3事業の見直しによる対象者への影響をただすとともに,本市の財政が極めて厳しいが,対象者の著しい負担増を避けるために,可能な限り精いっぱいの助成を行うよう強く主張してきました。
本市は,道の改正を踏まえ,本議会で医療費助成制度の条例改正案及び減額補正案を提出しました。
そこで,質問ですが,本市の同制度改正案は,北海道の改正と比較し,乳幼児及び重度心身障がい者,母子家庭等の通院・入院費の負担軽減や乳幼児等の対象年齢の取り扱いについてどのように配慮をされているのか,具体的な内容をお伺いします。
次に,子供の権利条例についてです。
上田市長は,未来を担う子供一人一人の権利を守りはぐくむため,広く
市民論議を高めながら,子供の権利条例の制定に取り組むとしています。
1989年,国連総会において全会一致で採択された子どもの権利条約は,日本においては1994年4月に批准され,同年5月に発効しました。2004年4月現在,条約の締結国は192に上っていますが,世界では,いまだ多くの子供たちが生きる権利や育つ権利を奪われ,さまざまな困難な状況に置かれている現状です。
日本においても,児童虐待,いじめ,体罰を初め,子供が被害者になる事件が増加,子供が加害者となる凶悪犯罪,覚せい剤などの薬物汚染,買売春や性的暴力の増加など,子供たちを取り巻く状況は深刻なものになっています。
日本政府は,条約を批准しているにもかかわらず,子どもの権利条約に照らした国内法や制度の総合的な改正,整備を進めていないとともに,条約の締結国に課せられている条約の内容を広報する義務を十分に果たしていないのが現状です。
その状況の中,子どもの権利条約の理念に基づいた子供の権利条例の制定に取り組んでいる市や町が目立ってきました。2001年,川崎市子どもの権利に関する条例など,都市部における積極的な取り組みの成果と言えます。また,北海道において,2002年,奈井江町子どもの権利に関する条例が制定されました。
私たち民主党・市民の会も,かねてから同条例の制定を提案してきたところですが,市長が条例制定に積極的な姿勢を示していることに大きな期待を寄せています。
そこで,質問の1点目ですが,2003年度の札幌市市政世論調査の結果では,子どもの権利条約を知らない,または,聞いたことはあるが,内容がよくわからないと答えた人が80%に上っています。
市民の生活に密接にかかわるこの条例こそ,市民参加の中でつくられるべきですが,そのために,子どもの権利条約の一層の周知を図る必要があると考えますが,どのようにPRしようとしているのか,伺います。また,条例制定過程の市民参加についてどのようにお考えか,伺います。
2点目は,条例の重点についてです。
子どもの権利条約は,子供を保護の客体から権利行使の主体へと子供観を転換させたことが最も特徴とされていますが,子供の人権問題に取り組んでこられた市長が,条例制定に向けて最も重点に置きたい条約,条項は何か,お伺いします。また,条例を宣言的なものだけでとまらせずに,実効を持たせるためにどのような仕組みが必要と考えるか,あわせてお伺いをします。
次に,生ごみの資源化についてです。
日本では,2002年に,一定規模の事業所から出る生ごみの肥料化,飼料化など,有効利用を義務づける,食品循環資源の再利用等の促進に関する法律が公布されました。家庭生ごみは,全国的にも,一部の例外を除いてほとんど手つかずの状態であります。札幌市では,2003年度時点で,家庭系ごみは全体の約49万トンで,生ごみはこのうちの30%強の17万トンになっています。
市長は,世界に誇れる環境の街さっぽろの実現を公約にしています。そのためにも,生ごみを燃やさないで資源化していく資源循環型社会を早急に具体化していく必要があるのではないでしょうか。
岡山県船穂町では,自然界に生息,分布している微生物の中から,汚染された自然界を浄化する物質で悪臭対策にも効果がある有用微生物のEM菌を活用しています。同町は,2,300世帯のうち,現在,700世帯の協力を得て,300トンの生ごみを,このEM菌を活用し,肥料,飼料などへのリサイクルをしています。
この300トンの生ごみを焼却すると約1,000万円の経費がかかります。このEM菌を活用し,コンポスト化により,600万円の経費削減につながっています。ここでの成功の秘訣は,町長のリーダーシップのもと,行政,市民,農家が連携し,種々,意欲的な研究実践行動と言われております。
今,家庭ごみの循環社会システムを構築しているのは,全国的にも中小の都市だけで,札幌のような大都市では,いろいろな課題が指摘されながら,この家庭生ごみのコンポスト化は進んでいない状況が続いてきました。この札幌市が,ほかの都市に先駆けて,家庭生ごみの循環システムの事業化に先鞭をつけることは,環境都市さっぽろを標榜する本市にとって非常に意義深いことと考えます。また,今後,環境政策を展開する上で,この事業の困難は伴うものの,市民の皆さんの目に見える効果が期待でき,具体的な市民の市政参加の見地から重要と考えます。
現在,札幌市でも,家庭生ごみの循環型社会をつくろうと,市民,NPO,農家の連携した動きが見られます。市民が,従来にない有用微生物の効果など,いろいろな勉強や学習を重ねながら,循環型社会の重要性と展望を話し合っています。また,去る5月25日には,有機コンポストの受け入れ農家を確保,家庭生ごみの分別協力市民の研修会も始まっています。しかし,こうした市民サイドの動きだけでは,事業化は困難であります。
そこで,1点目の質問ですが,家庭生ごみのコンポストの有効性について,本市はどのように評価をしているのか,お伺いします。
2点目は,家庭から出る生ごみ対策を軌道に乗せるには,広範囲な市民やNPOなどの参加,協力が重要だと考えます。これら諸団体に対し積極的に支援をしていくべきと考えますが,見解をお示しください。
次は,事業系の生ごみについてです。
事業系生ごみのコンポストは,札幌グランドホテルや札幌駅のJRタワーで既に行われています。グランドホテルでは,年間排出される約300トンの生ごみを,このEM菌を活用したコンポスト化によって,土地が疲弊化していた近郊の30軒の農家に良好な有機肥料を提供しています。その土地ででき上がった有機野菜や米を同ホテルは購入し,ホテル利用者が食べることで循環システムを構築しています。
3点目は,このコンポスト化には,従来使用されていない有用微生物群がありますが,そのほかの手法も含めて検討を行い,公共施設において事業系生ごみの有効活用を進めていくべきと考えますがいかがか,お伺いをします。
次に,生涯学習のあり方について,2点伺います。
現代社会の変化や課題に的確に対応していくためには,学校で学んだだけではなく,絶えず新たな多様な知識,教養,技術などを体得し,主体的に学び続けたいという
市民ニーズが高まっています。本市は,この主体的に学ぶ市民を,どう支援し,ふやしていくのか,今後の生涯学習をどう推進していくかが問われていると言えます。
ことし4月,文部科学省は,中央教育審議会に,今後の生涯学習のあり方について諮問し,今年度中に具体的にまとめる考えを示しました。これは,中央教育審議会が昨年答申した,新しい時代にふさわしい教育基本法と教育基本計画のあり方についての中で,生涯学習の理念を明確にすべきとの提言を受けたものです。特に,その中で,社会教育施設の質の向上,社会人の受け入れ拡大など,大学の地域への貢献の見直しを大きな論点として審議することになっています。このことが,本市において,まさに今後の生涯学習の推進のポイントとなると考えられます。
そこで,質問の1点目ですが,本市は,1995年に策定した生涯学習推進構想に基づき,「ちえりあ」のオープン,市民カレッジの開設などの策定を進めてきたわけですが,今後の生涯学習を推進していくための新たな計画について,教育委員会としてどのように考えているか,お伺いをします。また,社会教育施設について,今後,
市民ニーズに即した質の向上をどのように図っていくのか,お考えをお伺いします。
次に,市立大学における生涯学習への取り組みについてお伺いします。
ことし初めに実施されました市民への生涯学習に関するアンケート結果を見ますと,健康・スポーツに関すること,芸術・工芸・芸能・音楽に関すること,職業上必要な知識・技能や資格取得など,易しいものから専門的で高度なレベルのものまでさまざまな分野で生涯学習に市民が取り組んでおります。
本市では,2006年の春に市立大学を開学することとしています。現在準備が進められているところですが,この大学の役割について考えてみますと,何といっても,市民に開かれた大学という理念のもと,こうした学習ニーズに対して,大学の特に高度な専門的教育研究機能を積極的に提供していただきたいと考えるところであります。
しかしながら,社会人が大学で学ぶ上では幾つものハードルが待ち構えております。仕事を持ちながら,あるいは,地域活動,家庭生活と両立させながら,社会人が大学まで通って学ぶということは,考えてみますとなかなか難しいものがあると言えます。
そこで,市立大学における生涯学習の取り組みとして,通いやすい場所や時間帯の設定,短期間・集中的な講座の開設など,ぜひとも社会人がより学びやすい仕組みや工夫をしていただきたいと考えるところであります。例えば,4年間という在学期間を超えて長期間在籍しながら学生として学べるような制度や,必要な科目だけを自由に選択し受講できるような制度,大学施設の市民利用やIT技術を活用した学習機会の提供など,柔軟で多様な対応をしていただきたいと考えております。
そこで,2点目は,市立大学において,こうした生涯学習の推進に向けてどのような取り組みを考えているのか,お伺いをします。
以上,私の
代表質問はすべて終わりました。きょうは,手話通訳の方をお願いしておりまして,本当にありがとうございました。これで,私の質問を終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(西村茂樹) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 答弁に先立ちまして,ただいま,1時間余りにわたりまして,手話を交えてといいますか,
代表質問の全編を同時に手話でやられるという大変感動的な場面に接することができたということを大変ありがたく思ったところでございます。全国的にも珍しいといいますか,こんなことはなかったのではないか
と,そういう意味で歴史的な
代表質問であったというふうに思います。日ごろからの聴覚障がい者に対する思い,そして,聴覚障がいばかりでなく,障がいを持った方々に対する熱い思いがこの
代表質問に込められたのではないかというふうに察し,深く敬意を表するものでございます。
それでは,ご質問に対するご答弁をさせていただきたいと思います。
ただいま9点ほどのご質問がございましたので,その中で,私は,1,2,4,6,7についてお答えをさせていただき,その余は担当の副市長並びに教育長がお話を申し上げたいと思います。
まず初めに,私の市長就任1年目における評価に関してでありますが,昨年6月に民間出身の市長として就任以来,さまざまな課題に夢中で取り組んできた1年であったという感想を持っているところであります。
このような中で,まず,私が公約に掲げました10大政策,再選挙の際の重点公約の進捗状況に関しましては,例えば,連絡所をまちづくりセンターに転換したり,札幌元気基金の創設をしたり,さらには,中小企業アドバイザー制度や障がい者による政策提言サポーター制度などを発足させるなど,既に実現したものも含めまして,おおよそ半分ほどは達成できる見通しがついたというふうに自己評価をしております。ほかにつきましても,現在,それぞれの担当部局が精力的に検討しておりまして,全く着手をしていないというものはないというふうに考えておるところであります。
また,さっぽろ元気ビジョンを実現するために,市民自治推進,新まちづくり,市役所改革,この三つのプランについても,それぞれの
市民会議から,市民みずからがつくり上げた手づくり感のある提言書が既に提出されるなど,従来とは少し違った姿が見えつつあり,その目指している方向というものは,大方のご支持を得られるのではないかと考えておるところであります。
このように,任期中の公約実現に向けた道筋というものは整えたものというふうに考えております。これらの取り組みを推進していくことで,私が掲げました,市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街の実現に向けて,2年目は,さらに市民の皆さんの目に見える成果をお示しできるものと確信をしているところでございます。(発言する者あり)ありがとうございます。
次に,財政問題についてお答えいたします。
1点目の財政調整基金と2点目の繰越金につきましては,関連いたしますので,一括してお答えをさせていただきます。
私が市長就任直後に編成いたしました平成15年度の肉づけ補正予算では,公約に盛り込んだ重点事業などにつきまして,できる限り早い段階で着手をしたいというふうに心がけをしたところでありまして,積極的な予算編成を行ったところであります。
このため,地方交付税などの留保財源に加えまして,財政調整基金からの繰入金を44億円予算計上したところでありますけれども,この執行に当たりましては,市税を初めとする歳入の確保はもちろんのこと,歳出におきましても,徹底した事業の効率化と経費の節減に努めてきたところであります。また,地方交付税では,当初見積もりを上回る額が確保できましたことなどから,現時点での決算見通しでは,財政調整基金を取り崩すことなく,前年度並みの20億円程度の剰余金を確保できるものと考えております。
この結果,平成15年度末の財政調整基金は,ただいま申し上げました剰余金の2分の1を下らない額を法令に従い,積み立てることによりまして,約155億円程度の残高が見込まれるものと考えております。
3点目の税収入の見通しについてであります。
市税全体では,平成15年度の予算額2,580億円を確保できる見通しであるというふうに言うことができます。しかしながら,景気の低迷によりまして,企業倒産や失業率が高水準で推移をするなど,市税環境は依然として厳しい状況になっております。特に,ご指摘の滞納繰越分の整理につきましては,時間を要しているというのが現状であります。
今後の滞納対策でありますけれども,10月に滞納整理を促進・支援するシステムというものを導入いたしました。これまで以上に滞納事案に対してきめ細かな納税折衝や的確な財産の差し押さえなどを行いまして,収入未済額の圧縮に努めるとともに,税収の確保に全力を挙げてまいりたいと,このように考えております。
次に,札幌新
まちづくり計画についてご質問ですので,お答えいたします。
まず,
ビジョン編についてでありますけれども,1点目の
ビジョン編の特徴や策定に当たっての力点としてはどうなのかということでありますが,一つ目に,行政のみならず,市民や企業など,これからのまちづくりを担う各主体というものが,共有すべき理念だとか指針を明らかにしたということが挙げられます。二つ目といたしまして,
街づくりの目標と成果をわかりやすく示すために成果指標を試行的に導入したこと。また,三つ目といたしましては,市民の視点を重視いたしまして,まちづくりトークでの意見交換やアンケートなどで寄せられた数多くの市民意見を参考とするとともに,
市民会議を設置して幅広い議論をしてきたことが挙げられる。そのような意味において,この
ビジョン編というものは,市民との協働により生まれた計画だと評価することができると思います。
次に,2点目の
市民会議からの提言の反映についてであります。
提言にありました共生の視点をよりきめ細やかに取り入れるということにつきましては,計画全体を貫く大切な視点として位置づけているところであります。また,望ましい街の姿というものがイメージできるような表現方法については,身近な将来像であります市民生活の姿を具体的に描いて,よりわかりやすくするような工夫をしたところであります。その他の提言につきましても,できる限り,計画への反映に努めてまいりたいと考えているところであります。
次に,
重点事業編についてであります。
まず,1点目の重点事業選定の基本的な考え方といたしましては,
ビジョン編の
重点戦略課題ごとに定める施策の基本方針などに沿った事業について計画化してまいりますが,今後の財政見通しなども踏まえまして,政策目標の実現に資する優先順位の高い事業を選定していきたいというふうに考えているところであります。
次に,2点目の
ビジョン編の施策に盛り込まれていない事業の取り扱いについてはどうかということでありますが,各局・区の実施プランにおける位置づけや毎年度の財政状況なども勘案いたしまして,各局・区の裁量を生かしながら実施してまいりたいと,このように考えております。
3点目の諸課題についてでありますが,一つ目の女性や中高年の再就職支援につきましては,今年度開設する就業サポートセンターを活用しながら,その充実に努めてまいります。
二つ目の保育所の待機児童対策についてでございますが,その解消に向けて,定員の拡充を図っていきたいというふうに考えているところであります。
三つ目の美しく風格ある都市景観の
街づくりについてでありますが,必要な規制やルールづくりなど,市民や企業との協働によってそのことを推進してまいります。
四つ目の体験型・滞在型観光についてでありますが,芸術・文化,自然など,札幌独自の魅力を発掘,創造,そして発信していく,その振興を図ってまいりたいと,このように考えているところであります。
4点目の重点事業の推進に伴う総事業費についてでありますが,現在,
重点事業編の策定作業を行っているさなかでありますことから,今後,取りまとめた段階でお示ししたいというふうに考えているところであります。
次に,医療費助成制度についてお答えをいたします。
まず,北海道との比較における自己負担の軽減についてでありますが,基本的には,北海道と同じく,住民税課税世帯にあっては1割負担といたしまして,1カ月当たりの負担限度額というものは入院で4万200円,通院で1万2,000円といたします。
しかしながら,札幌市といたしましては,通院については,区役所での還付手続を必要としない現在の現物給付方式,札幌方式とも言われておりますが,これを原則的に維持し,あわせて,負担の軽減を図る観点から,1医療機関当たり月額3,000円の上限を設けることといたしました。このことにより,北海道の基準どおりに実施した場合に比べて,1人当たり平均の自己負担というものは,乳幼児が3.9%,母子家庭は7.1%,重度心身障がい者は27.2%の軽減が図られるものと考えております。
さらに,
少子化対策の一環といたしまして,子育て家庭の経済的な支援の充実といったものを図るために,これら3事業とともに,3歳児の入院と通院及び4歳から就学前までの入院につきましては,すべての世帯において,現行と同じ初診時一部負担金のみに据え置くということといたしました。
また,対象者の範囲につきましては,現行4歳未満までの通院及び6歳未満までの入院を,それぞれ小学校就学前まで拡大するとともに,母子家庭等医療助成に新たに父子家庭も加えることといたしました,
以上のとおり,厳しい財政事情,状況の中ではありますけれども,利用者の負担増の抑制に努めたところでございます。
次に,子供の権利条例についてお答えいたします。
1点目の条約の市民PRについてでありますが,議員ご指摘のとおり,条例の制定に先立って,子供の権利の存在と意義というものについて,まず市民によく知ってもらい,理解していただくことが必要であります。
そのために,今年度は普及啓発強化の年というふうに位置づけをいたしまして,全区での市民参加によるフォーラム,そして,青少年育成委員など,日ごろから子供に接する機会の多い各種団体における研修会等を実施してまいりたいと,このように考えております。あわせて,広報さっぽろやマスメディアを通じてのPRも実施していきたい考えているところであります。
さらに,子供たちに対しては,単なる知識の普及,そして,権利を学ぶだけではなくて,例えば,生徒会,児童会あるいは子ども会や子ども議会などの場で,子供たち自身が自分の意見をはっきりと言い,伸び伸びと自分の意見を表現できるという実践的な活動を体験する機会をふやしていきたい,このように考えているところであります。そして,こういった実践的な活動に参加していただいた子供たちを含めた多くの市民の力で,市民手づくりの条例づくりを進めていきたいと考えているところであります。
2点目の最も重点を置いた条約の条項は何かとのお尋ねでございますが,子供たちの現在置かれている家庭や学校,地域での状況をしっかり把握した上で,市民自治の担い手になるべく成長,発達をしていただきたいと。そのためには,条約の第12条の意見表明権という条文は極めて意義深いものであるというふうに私は考えております。
条例の制定過程でも,このことを念頭に置きまして,子供の参加を得ながら,また,制定後も,すべての施策にしっかり反映されるような具体的な取り組み,仕組みといったものをつくっていく必要があるというふうに考えるところでございます。
私からは,以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 福迫副市長。
◎副市長(福迫尚一郎) 8番目にご質問がありました生ごみの資源化,また,9番目の生涯学習の市立大学の部分につきましては,私からお答えさせていただきます。
生ごみの資源化について,まず,1点目と2点目を一括してお答えいたします。
家庭生ごみのコンポスト化につきましては,ごみの減量化,資源化に大きく寄与するものと認識しており,各家庭において生ごみの堆肥化に取り組む市民がふえ,そうした活動が,地域,さらには全市へと広がっていくことが大切と考えております。
このため,札幌市におきましては,これまでコンポスター購入助成,段ボール箱生ごみ堆肥化方法の普及など,市民の取り組みに対する支援を実施してきたところであります。今後につきましても,多くの市民,団体などに対して,生ごみの資源化に関する情報提供や交流の場の提供などの支援を行い,生ごみのコンポスト化が着実に市民に普及するよう努めてまいりたいと考えております。
3点目の公共施設における生ごみの有効利用についてでありますが,現在,本庁舎,区役所,小・中学校,市立病院などから発生する生ごみにつきましては,民間の生ごみ資源化施設において,家畜の飼料への資源化に取り組んでいるところであります。また,本年度には,資源化施設の能力を約2割増加する計画があり,公共施設における生ごみの飼料化がさらに推進されるものと考えております。
また,有用微生物群による生ごみのコンポスト化につきましては,今後とも情報収集を含めて検討してまいりたいと考えております。
市立大学は,市民に開かれた大学として,市民の学ぶ意欲にこたえることを重要な使命としておりますことから,大学の持つ教育機能や研究の成果等を積極的に市民に提供してまいりたいと考えております。
そのためには,いわゆる社会人学生を柔軟に受け入れる仕組みとして,大学の授業科目を選択して受講できる科目等履修制度を実施するとともに,4年間の年限を超えて在籍できる長期履修学生制度の導入について検討を進めてまいります。また,学びやすい学習環境を提供するために,都心部にサテライト施設を設け,市民向けの公開講座や専門的な技術,技能の習得を目的とする特別プログラム等を夜間の時間帯に実施したいと考えております。あわせて,大学図書館の市民利用やインターネット等を活用した遠隔授業,いわゆるeラーニングの導入についても検討するなど,多様な生涯学習ニーズにこたえてまいりたいと考えております。
私からは,以上です。
○副議長(西村茂樹) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から,入札契約制度についてと仮称札幌市視聴覚障害者情報文化センターについてお答えいたします。
まず,入札契約制度についてであります。
1点目の政策入札制度の導入についてでありますが,企業の社会的価値の増加に寄与する活動は高く評価すべきものと考えております。したがいまして,こうした企業活動を促進するためには,ご質問のような入札制度の導入も効果があると考えておりますが,公平性,競争性の確保も十分に踏まえ,対象とする活動や導入の手法などについて,今後検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目のくじ引き入札の対応についてでありますが,対応策を建築工種から試行することにいたしましたのは,平成15年度の入札におきまして,同額による抽せんの割合が建築で最も高く,試行の効果が大きくあらわれるものと考えたことによるものでございます。
今後,この試行結果を検証の上,改善点や対象工種の拡大などにつきまして検討してまいりたいと考えております。
次に,仮称札幌市視聴覚障害者情報文化センターについてお答えいたします。
1点目のセンター及び周辺のバリアフリーについては,地下鉄駅出口からセンターまでの歩道の改修やロードヒーティング化,さらには,センター内外の点字ブロックの敷設等,障がいのある方に配慮した整備を進めてまいりたいと考えております。また,災害時の安全対策といたしましては,火災報知と連動して光や音,文字で非常事態を知らせる警報避難装置の設置等を予定しております。
2点目のセンターのスペースについてでありますが,このうち主なものを挙げますと,視覚障がいの方につきましては,点字図書館,それから実習のための盲人ホーム,録音スタジオなどで約1,260平方メートル,聴覚障がいの方については,字幕や手話入りビデオカセット制作のスタジオなどで約490平方メートル,このほかに,共用の会議室が約180平方メートルとなっております。
3点目のセンターの役割と事業についてでありますが,IT機器の導入等による情報関連機能を集積した中核施設としての役割を担うと同時に,活動スペースの大幅な拡大によりまして一層充実した事業展開が図られるものと考えております。
また,新規事業といたしましては,視覚障がいの方へのIT機器利用開放を初め,聴覚障がいの方を対象といたしました字幕や手話入りビデオカセットの自主制作及び情報機器の貸し出しを予定しているほか,字幕や手話などの情報を衛星放送を活用し伝達することができる,いわゆるCS障害者放送への対応も行うこととしているところでございます。
4点目のセンターの開設時期につきましては,本年度中に改修工事を終え,現視力障害者福祉センターや関係団体の移転を経まして,平成17年の5月ごろを予定しております。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,生涯学習のあり方についてのご質問のうち,今後の生涯学習の推進についてお答えを申し上げます。
まず,生涯学習を推進するための新たな計画についてでありますが,先日公表いたしました新
まちづくり計画ビジョン編におきましては,市民が学習に取り組み,その成果を地域の活動などに発揮できる環境づくりを進めるという考え方を示しているところでございます。
今後,これらの考え方に基づきまして,生涯学習を取り巻く環境や
市民ニーズの変化を見きわめ,生涯学習施策の推進を図っていくための新たな計画の策定を進めてまいりたいと考えております。
次に,社会教育施設における質の向上についてでありますが,今年度,青少年科学館におきましては,宇宙天文分野のさらなる充実を図るため,プラネタリウムを更新するとともに,生涯学習センターにおきましては,学習ニーズに対応した新規講座を開設するなど,市民カレッジの充実を図ってまいります。
また,図書館におきましても,利用者への均質なサービス提供を図るため,地区センター図書室を含む36施設のオンラインネットワークシステムを完成させるなど質の向上に取り組んでおりまして,今後とも,利用者の声を的確に把握しながら,社会教育施設における事業内容の充実,利用方法など利便性の向上などに努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○副議長(西村茂樹) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し,あす6月3日午後1時に再開したいと思いますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(西村茂樹) 異議なしと認めます。したがって,そのように決定いたしました。
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○副議長(西村茂樹) 本日は,これで散会します。
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散 会 午後4時31分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 武 市 憲 一
副議長 西 村 茂 樹
署名議員 大 嶋 薫
署名議員 柴 田 薫 心...