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平成16年(常任)建設委員会−05月27日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-05-27
    平成16年(常任)建設委員会−05月27日-記録


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    平成16年(常任)建設委員会−05月27日-記録平成16年(常任)建設委員会  札幌市議会建設委員会記録            平成16年5月27日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時59分 ○村松正海 委員長  ただいまから,建設委員会を開会いたします。  報告事項は,ありません。  それでは,東雁来第2土地区画整理事業事業計画変更についてを議題として,資料に基づいて理事者から説明を受けます。 ◎後藤 開発事業部長  東雁来第2地区事業計画変更に先立ち,まず,本市における土地区画整理事業の実績,現在の施行状況について,説明いたします。  ご承知のとおり,土地区画整理事業は,道路,公園,河川等公共施設整備,改善ということでして,あわせて,土地の区画の整備,そして宅地の利用増進を図る事業です。本市においては,総合的かつ計画的な街づくりを進めることが可能だということで,生活環境の改善や防災面の向上のために積極的に事業活動を進めております。  区画整理事業は,昭和23年,北海道施行東札幌地区を初め,市施行では昭和29年の伏見地区,そして,組合施行では昭和39年の北都地区が最初でして,現在まで施行した地区は,札幌市内すべてで118地区6,384ヘクタール余り,市街化区域の約4分の1以上を占めております。  その中で,現在施行中の事業は,札幌市施行が4地区組合施行が3地区公社施行が1地区,計8地区約591ヘクタールです。このうち,本市施行は,今回説明します東雁来第2地区と,平成20年完了を予定しています3地区,西宮の沢地区富丘西地区,そして新琴似地区というところであります。  区画整理事業を取り巻く環境は,全国的にも非常に経済状況の影響を受け,決して楽観視できるものではありません。しかし,事業完了に向け,私どもは邁進させていただいているところです。  引き続き,本件の資料に基づき,特に項目の1及び2,目的,変更の理由,経過などを総括的に説明いたします。  当地区は,札幌市全体の市街地整備が着々と進められている中で,都心から約7キロという至近距離に位置していますけれども,治水上の問題などから市街化が抑制されてきた地域です。そのため,ご承知のとおり,上下水道を初めとする生活環境面周辺地区との格差は著しく,当地区計画的な開発は地元住民の長年の悲願でした。その後,昭和62年の市街化区域への編入陳情,そして,昭和63年の工業団地開発要望がありまして,市内部でもこの地区の開発についていろいろ検討し,一方,議会においても市街化区域への編入陳情が採択され,平成8年にようやく事業着手となったわけです。  引き続き,平成13年には,資金計画変更とあわせて,施行期間を8年間延長し,平成29年までとする第1回目の事業計画変更を行いました。  しかしながら,その後の地価の下落や長引く不動産事業の低迷などによりまして,保留地処分が極めて厳しく,事業収入を安定的に確保することが困難となってきました。そのため,事業を進めていく上で大きな課題を抱えることになったわけです。  こうしたことから,保留地処分の幅を広げるために,画地のスーパーブロック化を図り,民間や公共的な利用など多方面から事業に対応する,そして,地域の魅力を高めるための土地利用の一部変更を見直すということで,昨年12月には市長・助役会議土地利用計画並びに公共施設配置計画について方針決定を受けました。  このことを受け,土地利用見直しに対する地元への説明としては,これまで,全地権者に,適宜,事業計画を説明した「ふれあい情報東雁来」というものをお配りし,周知を図ってきたところです。また,本年1月には,地元の連合町内会及び地権者の方々で構成する開発期成会に対して説明を行いました。また一方,議員への説明については,平成14年8月以降,建設委員の方々,東区選出議員の方々に,適宜,土地利用計画見直し基本方針の方向について説明したところです。昨年12月には,市長・助役会議方針決定を受け,今回の土地利用計画案について個別に説明したところでもあります。  以来,事業遂行上の必須期限の平成16年度末の事業計画変更を踏まえつつ,私どもは,基軸となる資金計画を含めた事業計画変更案の作成に向けて取り組んでおります。
     では,続きまして,志賀区画整理担当部長から,資料に沿って事業計画変更内容の説明をいたします。 ◎志賀 区画整理担当部長  事業進捗状況については,事業費ベースで,現計画の全体事業費562億8,300万円に対して,平成15年度末までに137億4,400万円執行されております。執行率にすると,24.4%となっております。  仮換地指定ですけれども,平成15年度末までに第17次の指定を終えておりますが,この面積は113.9ヘクタール,指定率は59.9%です。保留地処分率については,全保留地面積37.1ヘクタール,これは造成工事の関係から本格的な発売については平成14年度からですので,3.3ヘクタールを販売しまして,処分率は9%です。  次に,3番の変更の概要のうち,1点目の土地利用計画変更です。  資料には後ろの方に土地利用計画図を添付しておりますので,それを見ながら聞いていただきたいと思います。  右下,赤の破線で囲っている部分,今回,土地利用変更するところです。この部分を重点整備地区と位置づけております。この重点整備地区では,21世紀に取り組むべき課題である少子高齢化,ライフスタイルの多様化,地球環境問題などに対応するために,スポーツ,防災,福祉,水と緑という四つをテーマとしまして,さまざまな施設や機能の誘導,集積を進めたいと考えております。  次に,資料に戻りまして,土地利用の基本的な考え方です。  一つは,サッカー文化の交流ということで,発信拠点となるスポーツ関連施設の集積を目指すスポーツ交流地区,次に,高齢者や障がいのある方の自立した生活を支援するために福祉関連施設の集積を目指す福祉交流地区,そして,地域の魅力と活力をつくり出す多様な機能の複合,集積を目指します多機能複合型交流地区というものを考えております。このうち,とりわけスポーツ交流地区については,既にコンサドーレ札幌ユースチーム練習場整備されております。このほか,ワールドカップサッカー大会余剰金を活用したサッカー場整備を行う予定になっております。  次に,公共・公益的施設計画変更です。  先ほど申し上げた土地利用計画変更に伴う大画地化により,道路と街区公園の一部を廃止します。また,新たな街づくりを進める上で必要となる公共施設計画するものです。  廃止する公共・公益的施設については記載のとおりですので,説明は割愛いたします。  それから,その下の新たな公共施設であります。  一つは,地区公園の拡大です。この地区公園は,重点整備地区の中心に位置することから,周辺施設と連携しながら,それぞれの機能を総合的に補完して高めていく必要があるものと考えております。そこで,公園予定地内の既存樹林を保全しながら,緑豊かな環境づくりを進めたいと考えております。さらに,先ほどの説明で申し上げたとおり,スポーツ交流地区との連携を視野に,地区公園においては一般市民を対象としたサッカー場整備し,地区の特色を生かしながら,だれもがスポーツを楽しめるような環境づくりを進めたい,さらには,防災機能の充実を図るためにも地区公園を拡大するというものです。  二つ目は,河川防災施設です。この施設については,洪水時に緊急復旧的作業を行う拠点として,平常時には地区コミュニティ活動を利用する施設となるものです。これを国と本市が連携をしながら整備を進めるためにこの用地を区画整理事業で確保するというものです。  次のページは,資金計画変更についてです。  資金計画支出欄のうち,1番目の工事費は,大画地化による道路の廃止,工事単価の下落,さらには軟弱地盤改良工法見直しなどにより,現計画から53億2,900万円を減額し,258億9,300万円となっております。  補償費については,これまで約23%程度執行していますが,おおむね現計画と変わらないような形になっていますので,この時点では変更をしないと考えております。  借入金の利子ですが,借入金については5億円を減額したこととあわせて,これまで借り入れている金利分の精算,今後の金利の見直しで6億400万円の減額をしまして,6億9,800万円となっております。  事務費については,工事費の減額に伴い,人件費相当2億5,000万円を圧縮して75億900万円となっております。  この結果,事業費の合計については,現計画562億8,300万円ですが,61億8,300万円の減により,501億円となります。これに現計画から5億円圧縮される借入金返済を含めると,支出合計は546億円となります。  次に,資金計画収入欄事業費のうち,国庫補助金です。減額要因として,地価下落に伴う用地費の減,工事単価の減,大画地化による対象路線の減がありますけれども,一方で,増額要因として都市再生にかかわる新たな補助制度の導入というものがありまして,これらの増減を合わせると,2億5,000万円の減の72億7,630万円となります。  次に,保留地処分金です。これは,土地の実勢価格の値下がりを反映させるとともに,今後とも一定程度地価の下落が続くと見込み,処分単価見直して72億8,100万円の減の152億4,900万円となっております。  公共施設管理者負担金については,河川防災施設及び地区公園の面積が増となることから,3億9,100万円の増の47億7,800万円となっております。  市費については,事業費の合計が減額となりますが,保留地処分金の減額が大変大きく,その影響から9億5,700万円増の227億9,670万となっております。  事業費の合計については借入金を含めた収入合計につきましては,先ほどの支出と同じ形になっております。  最後になりますが,今後とも,地価の動向などを見きわめながら経済的な事業執行に努めたいと考えていますので,どうぞよろしくお願いいたします。 ○村松正海 委員長  それでは,質疑を行います。  質疑はございますか。 ◆横山光之 委員  ただいま説明のありました東雁来第2土地区画整理事業事業計画変更について何点かお伺いいたします。  初めに説明がありましたとおり,本市の土地区画整理事業は,市街地の4分の1を占めておりますから,札幌の街づくりにとってはこの手法が大きな役割を果たしてきたことは明白だろうと思います。当局のその間の努力に対して,高く評価をいたします。  しかし一方では,人口の伸びが完全にとまっているといいますか,恐らく,あと30年以内に本市の人口が200万人に行くかどうかというところかと思います。人口予測もそのようになっているし,あるいは,1990年代から続いている長期にわたる景気低迷ということで,宅地需要が落ち込んでおります。また,地価も一向に回復の兆しが見えないといいますか,なかなか下げどまらないということで,保留地処分を含めて,区画整理事業に対して大きな影響を与えているのではないかという心配をしているところです。その証拠に,長期にわたる計画ではありますけれども,2回に及ぶ大規模な計画見直しが行われました。  しかし,時代の流れに即して臨機応変に計画を変えることは,極めて重要であると思うわけです。第1回目の見直しにおいては,50億円の借り入れを起こすというような大胆な資金計画変更がありましたし,今回,かなり多くの住宅用地が公的な施設等に大胆に変えられるというようなことであります。したがって,地権者皆さんもかなり心配をして見守っているところもあるのではないかという意味を含めて,私ども市議会としても,この事業はうまくいくのだろうかと,市民の皆さんは不安を持っているのではないかと思っているところであります。何とかこの事業が当初の目的を立派に果たすように皆さんのご努力を期待するものです。  そこで,今,東雁来第2土地区画整理事業について状況を伺いましたけれども,まず1点目として,今回,事業見直しが必要になった理由,あるいは,見直しに当たっての考え方について,先ほど私は推測を申し上げましたが,いま少し具体的に説明をしていただきたい。 ◎志賀 区画整理担当部長  今回の事業見直しの理由と考え方についてご質問がありました。  本事業については,先ほども説明したとおり,平成8年に着手し,その後,平成13年に第1回目の計画変更を行っております。しかしながら,引き続く地価の下落並びに不動産需要の長期の低迷が,この事業に対して大きく影響を与えているところです。このような中で,特に一般宅地保留地計画期間内に完売するのは非常に難しい状況になってきていると考えております。そこで,今回,保留地処分の幅を広げるとともに,地域の魅力を高めるということで,土地利用見直しを初めとする事業見直しを行いたいというのが今回の事業見直しの理由であります。  それから,事業見直し考え方ですが,見直しに当たっては,地域住民皆さんの強い要望である計画期間内での終了を前提としています。具体的には,点在する保留地を,事業区域内の北東部重点整備地区に集約し,大画地化を図ることにより,民間や公共的な利用などの多方面からの需要に対応するとともに,スポーツ,防災,福祉,そして水と緑という四つのテーマに沿って土地の利用促進を図りながら地域の魅力を高めようというものであります。  また,このような土地利用見直しにあわせて,地価の動向を踏まえながら全体事業費の圧縮を図り,資金計画見直しを行うという変更をしております。 ◆横山光之 委員  土地利用見直しについて,基本的な考え方をお伺いしました。  基本的には,住宅用地に予定されている保留地の処分が計画どおりとなる状況ではないというのが主な理由と思うわけであります。そのために,魅力のある街づくりということで新たに展開されて,四つのテーマスポーツと防災と福祉と水と緑ということではそれぞれに理由を持って行われているのだろうと。ワールドカップ余剰金を利用したサッカー場整備等もあるようです。  いずれにしましても,景気の先行きが見えない中で,こうした大規模な土地区画整理事業を行うに当たっては,非常に不確定な要素が大きいために,いわゆるディベロッパーではない,行政が行う事業ですので,大きな困難がつきまとうのではないかと思うわけです。  今回の計画変更に盛られた四つのテーマに基づく見直し,魅力のある街づくりというところですけれども,これも,売れないので,何となく後でとってつけた口実みたいにならないように,できてみたら,住宅地になるはずだったところがいろいろな施設になって,それが東雁来の地域にとってすばらしいものだと言われるように,理事者皆さんがいつか振り返ったときに,あれはおれがやったのだ,すばらしい事業だったと後世に思われるように,ひとつ,その辺をよく注意されながら事業を進めていただきたいと思うわけです。  そこで,今回の資金計画ですけれども,住宅部分がなくなって道路が減ったり,いろいろ工事費下落等もあり,全体の事業費は減額していますが市費分については9億5,000万円の増額となっております。本市の厳しい財政状況の中で9億5,000万円の増額というのは,だれが見ても大きな負担です。にもかかわらず,やっぱりやらねばならないということですので,札幌市として,あるいは,当局としての認識といいますか,考えを聞かせていただきたい。  それから,3点目は,本計画を見た人ならだれでも感ずると思うのですが,住宅に予定されていた部分の一部が,多機能複合型交流地区というものになっております。これがまた,実に,一般の市民といいますか,私ども議会にとっても,理解するのに非常に首をひねるところです。私は,市としてよく考えられた上で,最も適切な利用方法として考えられたのだと確信をしています。非常に有能な当局ですから,よほど頭をひねって考えた方法であると思いますが,やはり,市民の皆さんは多機能複合型交流施設という難しい言葉だけではなかなか納得いたしません。これについて,一体どのように利用していくつもりなのか。それは保留地の集約についての説明でもありますので,保留地処分見通しは大変難しいわけですけれども,それも含めて,多機能複合型交流地区についてお伺いします。 ◎志賀 区画整理担当部長  市費の増額の理由についてお答えいたします。  先ほど,資金計画変更について収入,支出の項目ごとに説明いたしました。収入では,引き続き地価の下落がありまして,保留地処分金が大きく72億円減るということであります。この大きな減額の収入に対して,今回,土地利用見直しによる事業量の減,単価の下落,それから,全体事業費の圧縮,ほかに,新たに都市再生にかかわる補助制度の採択を国に働きかけて財源の確保を図ったところです。市費の増額については,可能な限り抑制したつもりです。それでも,なおかつ,不足分が約9億円出てきたということで,増額をしたいということであります。  しかしながら,この変更案保留地処分単価ですけれども,これについては,これまでの手法とちょっと違いまして,処分計画年次まで下落が続くという想定をした上で単価を算出し,事業費の支出に反映しております。したがって,例えばの話ですけれども,経済情勢が好転すれば市費の持ち出しが少なくなることも考えられます。あわせて,現在,本市は厳しい財政状況ですので,増額分について,国庫補助事業にかかわる市の負担について市債が認められるようなメニューにより,これを平準化するような形の補助制度に一部を切りかえるなどの工夫はしました。  繰り返しますけれども,本市の財政状況が非常に厳しいのは我々も十分に認識しております。当然のことですが,今後の事業費についても一層の縮減を図りながらこの事業を進めていきたいと思いますので,ご理解をいただきたいと考えております。 ◎野原 調整担当部長  多機能複合型交流地区土地利用の関係とその見通しについてお答えいたします。  多機能複合型交流地区については,都市の新しい魅力と活力をつくり出す多様な機能の複合,集積を目指していきたいということで,多様化する市民ニーズ社会ニーズに柔軟に対応していくという考え方をとっております。  現段階では,ご指摘のように,この地区の具体的な土地利用は決まっていないところです。今後,この地区具体化に向けては,この地区を含めて,重点整備地区の四つの街づくりテーマである,スポーツ,防災,福祉,水と緑といったこととの整合性を考慮しながら,都市の新しい魅力と活力をつくり出すようなさまざまな開発事例の調査や,民間事業者へのヒアリングなどを今年度から行い,市民ニーズ民間事業者ニーズを把握しながら,具体的な土地利用方向性を見定めていきたいと考えております。  また,この地区は,おおむね平成22年度以降から,造成の関係で,順次,土地利用が可能になることから,この時期での具体化を目指しまして,民間事業者開発意欲を醸成しながら,この地区に集約する保留地の処分につなげていきたいと考えているところです。 ◆横山光之 委員  市費の増額ですが,これについて説明があって,72億円の部分の土地の下落等を初めとする収入減を補うために大変な努力をしているということですので,その努力は多とするものです。  見通しについても,地価は上がらないということで想定していて,決してこれまでのような甘い見通しではないのだ,厳しい見通しのもとに事業を進めていきたいということですので,この市費の部分がこれ以上に膨らむことはないだろうと期待をしているところです。本州では景気は少し持ち直しつつあるということですから,この金額はさらに圧縮をされるような,あるいは,地価の多少の値上がりというような追い風があればさらなる圧縮もあるのかなと思って期待をしたいと思います。今後とも,市費の分の圧縮についてご努力いただきたいということを要請をしておきます。  問題の多機能複合型交流施設ですが,お話を伺っても,やはり具体的なイメージがわいてこなくて,お答えになっている方も,実は苦慮しながら答弁されているのではないかなとお顔を拝見しながら思っております。この具体化については,よほどご努力をいただかなければうまくいかなくて,3回目の計画見直しが行われるようなことになるのではないかと心配をしているところです。これは,早く具体的な姿が見えてくるように,ひとつ,スピードアップして絵を見せてもらわないと,議会としては,今後とも,あれは一体どうなったのだ,早く具体かしてくれということを再三申し上げることになるかと思いますので,その点はご留意をいただきたいところです。  最後に,市施行土地区画整理事業についてお伺いします。  私は,北区選出ですけれども,グリンピアしのろの造成も余りうまくいきませんでした。それから,新川の工業団地も余り褒められた状況ではありません。これまでは,人口もふえるし,街も膨脹していくわけですから,その中で計画的な住宅地を供給するという意味では,ディベロッパーがわけのわからない街づくりを勝手に進めるのとは違って,本市の立派な街づくりをするために大きな役割を果たしてきたと思うわけです。しかし,今は,人口増は鈍化していますし,景気も悪い。街づくりそのものも,コンパクト・シティという考え方といいますか,効率的に,ただ,横に伸びていって,下水道や水道などのいろいろな公共施設もたくさんつくらなければならない街づくりではもう困るという状況です。  そういう中で,土地区画整理事業の果たしてきた役割も,時代の変化に伴って変わっていくのではないか,前と同じような考え方ではいけないのではないかと思うところです。そこで,これから先,この事業についてどんな役割を担わせていこうと思っているのか,最後にお伺いをします。 ◆宮本吉人 委員  (関連)私は,かねてから,市街化区域の拡大に反対する立場でやってきました。それは,たまたま私が中央区選出ということではありません。今の立場から言うと,市街地が拡大すると同時に,中心市街地やその縁辺部が空洞化して,私は都市型過疎地と言ったのですが,過去にそういった現象が起きてきて,そういう状況の中では,既存市街地の再開発整備をすべきだということをずっと言い続けてきたのです。ただ,経済情勢の変化,時代の流れでこうなったということについては,ある程度理解もしながら,やむを得ないという認識は持っています。  そこで,今後についてですが,今,横山委員から話がありましたけれども,道はもう完全に撤退し,そういうものを整理したという方向に行っています。私は,札幌市もこれらの事業に対してはもう手を染めるべきではないと思うのです。そんな立場から,札幌市が関与する形の中で,今二つか三つ挙げられましたけれども,どこにどういうものが幾つあるのか,お伺いします。  それから,今,手がけているものについては,無責任に放棄してやめろということになると,地権者や,その地域を含めて,いろいろな問題が起こるでしょうから,それらについてはやむを得ない立場で理解していこうと思います。しかし,今,申し上げたように,今後については,もうやめるべきだと私は思っているのです。  そういう観点から,市街地整備考え方について,確認のためお伺いします。 ◎千葉 都市局長  現在,市施行で実施している地区につきましては,予定どおり目標年次までには完了させたいということでおります。  それ以降の市施行区画整理ということですけれども,既成市街地の中でもいわゆる狭小道路であるとか,狭小密集という問題を抱える地区もあります。それらについて,今後,どういう手法で安全,安心の街づくりを進めていくかという手法の問題ですけれども,その一つとして,まだ区画整理事業があると考えています。ただ,今までのような新市街地型,いわゆる純粋宅地供給型の区画整理というのは,もう限界に来ていると考えています。 ○村松正海 委員長  主たる質問者の横山委員に対する質問の答弁を先にお願いします。 ◎後藤 開発事業部長  今後の本市施行区画整理事業方向性についてのお尋ねだと思います。  私どもは,基本として,ことし3月に策定した札幌市都市計画マスタープランの中で,コンパクトな市街地の形成を目指して都市を再構築していくとしておりますので,まずはそういう方向になるだろうと思っています。  そこで,区画整理事業としてはどうするのかということになりますけれども,既成市街地の再構築といいますか,再編成,例えば再開発と合築をしたようなものとか,そんなようなものにシフトしてくるのだろうと思いますので,区画整理事業のすぐれた制度,内容については有効に活用しなければならないと思っております。場所的には,今後は都心部ですとか,JR,地下鉄周辺の整備の問題,地域中心核とか,そんな方向にシフトしていく必要があると認識しています。  さらに,土地区画整理事業の担うべき役割としては,本市だけに限らず,民間活用等も含めたいろいろな手法との連携が必要で,そして,新しい都市づくりに対応していく必要があると考えております。 ◆宮本吉人 委員  関連の部分で,局長のお話である程度は理解します。  受けとめ方として,要するに,今までのような住宅型の大規模な形にはならない方向でいきたい,さらにあるのは,狭小道路という表現をされましたけれども,道路改良,拡幅に絡むような事業は今後も続けなければならないという認識でよろしいのでしょうか。要するに,マンション開発,あるいは,宅地造成的な形で絡むことはしないという受けとめ方でいいのでしょうか。  同時に,バブルの崩壊とともに,地価の下落がずっと進みました。それとともに,中央区においては,特に本州大企業の社宅や寮などが随分放出されたことも原因ですが,マンションの再開発がどんどん進んでいるということで,今,回帰現象が起きています。中央区は五,六千人伸びているのです。これは何かというと,かねてから私も主張しておりましたけれども,こういった部分を見直して再開発して,そして,良好なる居住空間を適正な価格で求められるような方向にしていけば,必ず都心に戻りたいという人はたくさんいるということのあかしなのです。だから,私はこの団地なども,聞くところによると過去はいろいろな土地利用がされていて,そういうことを知ったら,正直に言って僕だってこんな土地は買いません。 それだったら,都心部のマンションの方がよっぽどいい。  そんなことで,小さい子供たちを育てる段階では郊外にどんどん家を建てて住みましたけれども,子供たちが成長していなくなったら,年寄りが家を建て直してまたそこに住むかといったら住まないです。その家を売るか,売れなかったら,そのままにしておいて都心部にマンションなどを求めて帰ってくるというのが今の現象です。ですから,今,郊外に住宅型の大規模な事業をやったって,いずれ20年,30年後には同じような結果を招きます。  厚別の何とか団地は年寄りばかりですね。一時,私が当選したころは,過大校で小学校,中学校をつくれ,つくれと大騒ぎしました。ところが,今はどうですか。学校も……。 ○村松正海 委員長  宮本委員,質問をお願いします。 ◆宮本吉人 委員  そういう現象を招きかねないので,だから思い切ってこういったものはやめますと言ってほしいということを要望して,終わります。 ◆村上勝志 委員  事業計画の決定が1996年で,22カ年のうち,やや10年が経過し,大きく変更されようとしている東雁来第2地区土地区画整理事業事業計画変更について,お伺いします。  地価の下落や宅地需要の落ち込みといったことが区画整理事業に対し非常に大きな影響を与えているということで,事業に携わっている方々にとっては大変なご苦労があると思うわけですけれども,今回の変更によって,将来的にある程度安心できるものなのかどうか,注意深く見ていかなくてはならないと思っております。  そこでまず,資金計画について,中でも保留地処分についてです。これは,事業収入の約3割を占めており,しっかりとした見込みを持って計画に盛り込むことが大切だと思います。  そこで,質問の1点目ですけれども,処分単価については,当然のことながら,近年の地価下落状況を踏まえているものとは思いますが,どのような考え方で設定しているのか,また,今後,地価の下落が続いた場合,この事業はどうなっていくのか,お聞かせ願いたい。  さらに,地価の動向については今後十分に注意を払っていただきたいと思いますが,2点目として,土地の利用計画についてお伺いします。  今回の変更によって,スポーツ交流地区が新たに位置づけられたわけです。ご承知のとおり,この地区は,ワールドカップサッカーの余剰金を活用したサッカー場整備計画しているということで,次の世代にこうした施設を引き継ぐためにも大変すばらしいことと思っています。たしか,今年度の予定だったと思ったのですが,少し延びたということも聞いております。  そこで,スポーツ交流地区具体化について,とりわけサッカー文化の交流,発信拠点という形からどのように取り組んでいくお考えなのか,また,ワールドカップの剰余金を活用したサッカー場整備について,今年度の助成対象から外されたと伺っていますが,この見通しについてはどうなのか,お聞かせ願いたい。 ◎志賀 区画整理担当部長  地価の関係で,この事業計画の中で処分単価をどのような形で設定しているのか,あわせて,地価の下落が続いたらこの事業に対してどういう影響があるのかという二つのご質問にお答えいたします。  保留地処分金の単価については,資金計画上,保留地の平均単価については周辺の地価の公示価格を参考とします。あわせて,不動産鑑定士の意見を参酌しながら設定しています。  平成13年の資金計画においては,平均単価は平米当たり6万800円と定めましたけれども,近年の下落状況で,今回,平均単価については平米当たり4万1,100円に見直しています。保留地処分金につきましては,現計画225億3,000万円でしたけれども,72億8,100万円減の152億4,900万 円という形になっております。  この平均単価の設定については,平成16年の近傍の公示価格が平成13年に比べまして約20%程度落ちております。また,将来の地価動向など経済動向に大きく左右されるものですので,将来的な予測は非常に困難ではあります。地価の下落傾向は今後とも一定程度続くのではないかと想定しておりますが,できる限り安全性を確保して処分単価を設定したものであります。  もっと具体的に説明しますと,平成15年の平米当たり単価4万5,800円をもとに,当面4%近くは落ちるのではないかと下落を見込み,保留地を処分する平成29年度までは一定程度の落ち方をすると予想して,年度ごとの保留地処分量から加重平均した結果,先ほどの平米当たり4万1,100円と設定しております。  次に,この下落が続いたときに事業に対してどのような影響があるのかというご質問にお答えします。  今回の事業計画変更は,当面は地価の下落が続くと想定しており,保留地処分金の収入の目減りを見込んでおります。また一方では,総事業費の圧縮や,新たな補助金の導入を行い,先ほどの説明した資金計画になっております。地価の下落を見込んでおりますので,今後ある程度下落が進んでも,事業執行に対して大きな影響はないよう,という形で事業計画変更しただいたところです。 ◎野原 調整担当部長  土地利用の関係でスポーツ交流地区具体化ワールドカップ助成事業見通しに関するご質問にお答えします。  まず,スポーツ交流地区具体化についてですが,スポーツ交流地区においては,既にコンサドーレ札幌ユースチーム練習場が1面あります。これに加えて,新たに2面のサッカー場整備するなどして,サッカーを中心とするスポーツ文化の交流発信拠点となる関連施設の集積を進めるという考え方でいるわけです。新たな2面のサッカー場については,ワールドカップサッカーの余剰金を活用して,北海道サッカー協会を中心として設立するNPO法人がこの施設整備を行う計画になっています。また,このための用地については,今年度と来年度の2カ年で札幌市が取得して,これをNPO法人に貸し付ける計画となっております。  なお,このほか,スポーツ交流地区に隣接いたします地区公園内においても,市民のだれもがスポーツを楽しむ環境づくりということで,そのための施設として,主に一般市民を対象としたサッカー場整備することが計画されているところです。これらも含め,サッカー文化の拠点として関連する施設整備されるものと考えております。  次に,ワールドカップ助成事業見通しについてです。  これについては,事業の窓口になっている市民局から聞いている話ですと,この事業は平成16,17,18年度の3年間にわたって行われるものであり,札幌は,平成16年度分の事業枠には入らなかったが,17年度分の事業として採択されるよう北海道サッカー協会を中心に準備を進めているとのことであります。平成17年度分の内定については,遅くとも来年2月までにされる予定ということで,市民局としては,この補助が採択されるかどうかを見きわめた上で,予定した用地取得の予算執行を行うことになると聞いております。 ◆村上勝志 委員  平成17年度分の内定が決まらないと,どうなるかまだわからないということとは思うのですが,これは市民局の方なのでこれ以上突っ込んで話しませんけれども,そこは努力してほしいと思っています。  最後に,地権者地域住民へのこれまでの説明状況についてお伺いします。  この事業は,2025年までの非常に長い事業でして,地域に住む方々にとってもこの事業進捗状況はそれぞれの生活に大きな影響を与えますし,将来の生活に不安を抱かれている方もいるのではないかと思います。地権者もこの事業に対してそれ相応の負担をしていくので,事業計画見直し内容についても大変興味深く見ているのではないかと思います。  そこで,質問ですが,今回の見直しについて,これまで地域の方々にどのように説明をしてきたのか,また,そのときの反応はどうであったか,この点についてお聞かせいただきたい。
    ◎志賀 区画整理担当部長  今回の土地利用見直しに対して,説明状況はどうなっているかというご質問です。  この土地利用見直しに関しては,地域の方々に対しては,本年1月16日に地元の連合町内会,また,地権者の方々で構成されます開発期成会に対して説明しているところであります。そして,2月中旬には,約1,300名いる全地権者の方々に,「ふれあい情報東雁来」という,土地利用計画案に関する資料を送付し,周知を図っております。これらによって,土地利用計画案についてはおおむね理解を得ているのではないかと認識しているところですけれども,資金計画を含めた事業計画変更案については,事前に地元の連合町内会長,開発期成会の役員に説明を行い,これもおおむね了解を得ています。  なお,6月上旬には,改めて全地権者への説明を予定しております。 ◆村上勝志 委員  この重点整備地区では,地区公園を4ヘクタールから倍の7.6ヘクタールに拡大をしたり,大変大きな変更があります。この部分は,地球環境の問題やライフスタイルの多様化少子高齢化ということで,時代の要請でもあるのかと思います。先ほど言ったサッカー場整備を初め,地域の魅力を高めるよう,引き続き努力をしていただきたいということを申し上げて,質問を終わります。 ◆小田信孝 委員  私からも二,三点,質問しますので,よろしくお願いします。  まず,1点目は,平成13年10月の第1回事業計画変更から3年しか経過していないのですけれども,今回,さらに事業計画変更することになっております。率直に言って,私は東雁来とは反対方向に住んでいて土地勘がないものですから単純な疑問になりますけれども,一つは,3年前の計画変更のときに,今回,変更しなければならないようなことをあらかじめ推測できなかったのかということなのです。経済というのは動いていますし,土地の価格も動いています。今,経済状況が悪いですから,土地はどんどん下がっています。ですから,いろいろな面で計画変更しなければならないというのは私もわかりますけれども,3年前だってそんなことはわかっていたのです。それを,今回,このような形で,資金計画から土地利用計画まで変更しなければならなくなったと,余りにも短い時間で変更を余儀なくされたということになっているわけですけれども,今,改めてこの点についてお伺いします。  2点目は,一般住宅の保留地の一部を重点整備地区に集約して,大画地化して保留地処分の幅を広げて土地利用見直しをするということですけれども,大画地化,一区画を大きくするやり方,これも3年前に考えられなかったのかと思うのですが,どういうお考えなのかお伺いします。  市の方は,常に人事異動があります。詳しく前からのずっと経緯を知っている方と,今回の人事異動で新たに就任された方と,それぞれの皆さんが苦労されて今回こういう提案をされていると思いますが,私はどうも腑に落ちないというか,ぴんとこないというか,すとんとこないものですから,お伺いしたい。  それから,3点目は土地利用見直しに関連して,福祉交流地区という位置づけですが,これは今日的なニーズに対応しようということで考えていると思うのです。この地区具体化に向けてどのようなことを考えているのか,具体的なものがあったらお示しいただきたい。  今までの質疑を聞いていまして,前の計画では一般住宅用の黄色い部分が,今回の重点整備地区では右半分がごっそり多機能複合型交流地区変更されました。私の前に質問した方もここのところに触れていましたけれども,答弁に具体的なものがない。議会に対しての説明は,具体的なものがないではなくて,例えばでも結構ですから,もうちょっとこういうことを考えているのですとか―これだけ広い地域を変えたのです,これは大きな変更です。それにしては,今の説明では,多機能複合型交流地区としてどういうことを今検討しているのかとか,ある程度内容の詰めを言ってもらわないと,ちょっと納得がいかないのです。その辺の説明をお願いしたい。  それから,以前は学校用地が用意されていましたが,これがなくなってしまった。ここに人口が張りついたときのことも考えていろいろ計画されているはずですから,学校用地としてあったものがなくなったということになると,今後どのようになるのか。この辺についても,今,教育委員会とこんな詰めをやっているとか,こういう話をしているとか,お聞かせいただきたい。 ◎野原 調整担当部長  まず,1点目として,前回の変更から3年で変更する理由は何かということです。これまでの段々の説明と重複する部分もありますが,改めて説明します。  平成13年の第1回の計画変更については,不動産需要の低迷や地区の特性である軟弱地盤に起因する保留地の造成期間の長期化などがありまして,保留地の処分を当初計画どおりの期間や予定価格で行うことが困難になってきたということが理由の一つです。さらには,既存家屋の新たな移転増があったことなどによって,施行期間の延長と資金計画に関する変更を主眼として計画変更を実施しました。  しかしながら,今回,不動産需要に回復の兆しが見られず,これまでのように大量の保留地一般宅地としてのみ販売していく方法では施行期間内の終了は難しいと考えられることから,第1回事業計画変更から3年という時期ではありますが,今回さらに保留地処分の幅を広げ地域の魅力を高めるために土地の利用の一部の見直しをいたしまして,資金計画も含め,事業計画変更を行うこととしたものです。  それから,2点目の3年前に今回のような土地利用見直しができなかったのかということです。  平成13年の第1回変更時の考え方については,施行期間の延長と保留地処分価格の見直し等によって資金計画変更をすることを主眼として実施したものです。そのため,当時の考え方の中には,今回のような土地利用見直しまでは含まれておりません。  今回の見直しについては,平成14年4月から,私ども土地利用見直しなどを担当する部門が配置されるとともに,庁内関係部局による土地利用見直しのプロジェクトを設置するなどしました。また,地元地権者への説明も含めて検討を進めた結果,今回,成案を得て事業計画変更に至ったものですので,この点をご理解いただきたい。  それから,3点目の福祉交流地区についての具体化に向けて,どのように考えているのかということです。  福祉交流地区とは,高齢者や障がいのある方の自立した生活を支援する福祉関連施設の集積を目指しているものです。これまでのところ,最初の施設として,自閉症者の専門施設の建設が決定していまして,現在,建築工事着工に向けて準備を進めているところです。これ以降の施設については,現段階では決まっておりませんけれども,いずれにしましても,この地区は隣に地区公園がありますので,緑豊かで安らぎのある地区になると考えています。今後とも,社会福祉施設を初めとして,福祉という視点から民間も含めたさまざまな施設が集積されるよう取り組んでいきたいと考えております。  それから,4点目の多機能の部分をもう少し具体的に言えないのかということです。  大変申しわけないですけれども,現段階では具体的なものがあるということはちょっと申し上げられない状況です。具体化しておくべきではないかという考えもあろうかと思いますが,もう一つの考え方としまして,近い将来の社会ニーズに向けた可能性のある土地という考えもあると思いますので,そういうことでご理解をいただきたいと思っています。  それから,5点目の学校用地についてです。  この事業の当初計画では,本市の住区整備基本計画に基づき,小学校と中学校の各用地を配置する計画でしたが,今回の変更に合わせて廃止することとしております。このことについて,小・中学校の配置計画を所管する教育委員会からは,当事業区域内の通学校となっている小・中学校の今後の児童生徒数は,少子化などの影響によって横ばいまたは微減傾向であり,既存の学校で対応が可能なので,当該事業区域内に新たな学校用地の配置は必要ないと判断したと聞いております。  なお,この件について,地元に対して,学校用地の廃止を含めた土地利用計画の説明を行っていますので,理解を得ていると承知しております。 ◆小田信孝 委員  大きく計画変更したのは多機能複合型交流地区というところで,ここは,一目瞭然,大変に面積が広いわけです。このように変更するということは,もし利用計画がなかったら札幌市がずっと持っていなければならないことになる。今この場にいらっしゃる最高責任者は局長ですが,まだ詰まっていないところについて,考えはいろいろあると思いますが,議会に報告する以上は―住宅用地として考えていたところをごっそり変更するわけです。要は,売れなかったら市でずっと持たなくてはならない。私の考えでは,そういうふうになるのかなと。  考えとしては大変難しいのでしょうけれども,一面,もし私が関係の地主の一人としてここに住んでいるのであれば,この計画は一日も早く完成してぜひすばらしい地区になってほしいと思います。その反面,今回の大規模な変更については,今,これ以上聞いても答えられないのでしょうけれども,余りにも区域が広いです。ということは,大規模な変更について市である程度意思決定をするときに,皆さんの意見を聞いて,そして相談すべき方と相談してこのように決断を下したわけですから,議会に対しては,このように考えていますよということがはっきりしなかったら,私はちょっとおかしいなと思うものですから,再質問いたします。  それから,部長から,福祉交流地区考え方について,自閉症者の専門施設を初めいろいろ具体的な答弁をいただきましたので,一つ提案をさせていただきたい。  ここでは集合住宅と説明されておりますが,この中にもし市営住宅を建設する場合には,福祉との連携を考えて福祉交流地区に近接した場所に建設していただくと。例えば山口団地でやっていますけれども,福祉施設ができたことによって,団地に住んでいる独居老人とホットラインをつないでいろいろなサービスができるようになりました。私はそういうことを頭に描きながら,今後,福祉連携型の市営住宅についてをどのように計画しているかについてお伺いします。  それから,上と下の地図を見ますと,複合住宅地で考えていたところがスポーツ交流地区変更にされてしまいました。今,いろいろと住宅政策も変わってきまして,直接,市が市営住宅を建設するよりも,民間にお願いしてPFI方式でやっていただく,あるいは,高齢者向け優良賃貸住宅の住宅政策も進んでおります。ここをスポーツ交流地区にしたことは,理由があってこのようにしたのだと思いますが,上の地図と下の地図,変更前と変更後では集合住宅地区の面積が減らされております。この辺については,例えば高層化するとかいろいろなことを考えているのでしょうが,どういうお考えなのか。  これは都市局のテーマですから,区画整理の関連質問になって申しわけないですけれども,今説明できるところがあれば,ご説明いただきたい。 ◎千葉 都市局長  多機能複合交流地区の部分ですけれども,部長が答弁したとおりです。2年にわたり,部長,局長レベルのプロジェクトチームをつくって,どういう機能が必要か,具体的にどんなものがあるかについてをいろいろ検討しましたが,アイデアレベルのものはありましたけれども,結論は得られませんでした。多機能の部分については,土地が利用できる状況になるのは平成22年を予定していますので,まだ若干時間がございます。ただし,当然,それまでには方向性を決めていかなければならず,これからこれをやらないと区画整理事業そのものが進まない,パンクしてしまうわけです。今は,土地利用方向性は何年までときちんと言えませんが,ことしからヒアリング等の各種調査を実施していくことになっていますので,ご理解いただきたいと思います。 ◎野原 調整担当部長  提案のありました福祉交流地区に近接した場所での市営住宅の建設ですが,福祉交流地区は,高齢者や障がいのある人の自立した生活を支援する福祉関連施設の集積を目指すところです。そういう中で,市営住宅と他の福祉施設の機能が連携することによって,より効率的,効果的な施策の展開が出てくる可能性も十分にあると考えています。したがいまして,ただいまのご提案や,先例も踏まえながら,私どもといたしましても,今後,関連部局に働きかけてまいりたい。  それから,集合住宅部分が約半分ほどに減った分はどうするのだというお尋ねです。基本的には,住宅需要の減少ということを踏まえ,土地利用考え方も,人口的にも減るだろうというふうに見ております。ただ,残った集合住宅用地を例えば民間事業者の方が使われるときに,需要をそこまで抑えないで高層化するということもあってよいのではないかなと思っています。 ◆小田信孝 委員  長期的な計画ですから,当然,きちんと詰められるところと詰められないところがあると思います。その辺については,私も理解いたします。ただ,これだけ大きな変更になると,やはり,我々議員にももうちょっと中身がわかるようでなければ,何か別な考えが頭をもたげてくるものですから,もうちょっとイメージがわくような説明がほしかったなと。  いい方向に考えていることは間違いないでしょうから,その辺については,私は信頼しています。ただ,今,野原部長からもお話がありましたように,別の部局の話で申しわけないですが,今,市営住宅の申し込みが殺到しています。当たる確率は大変悪い。市営住宅に対する市民のニーズは高まっています。住宅政策というのは大事なことですので,局長,これは要望ですけれども,考えが変わって,もし用途変更で多機能複合型交流地区に集合住宅の建設も考えられるのであれば,ぜひご検討をいただきたいと思います。 ◆伊藤理智子 委員  この事業については,我が党としても財政面でいろいろと議論をしてきたところで,昨年の決算特別委員会でも,事業計画変更が行われる場合はさらなる本市の負担増とならないことを求めてきました。  しかし,経費の削減などでやりくりしても,9億5,700万円の市の負担が増額になるということなので,この点について,財政状況が厳しい本市の現状を考えるならば,さらに経費を圧縮させていく必要があるのではないかと思います。また,市民の皆さんとしても,9億円以上も市の負担になるのであれば,財政が厳しいという中でなかなか理解を得られることにはならないのではないかと思いますので,この点に対するお考えをお伺いします。 ◎志賀 区画整理担当部長  市費負担を9億円に増額することについては,我々もいろいろ見直しをしたつもりです。いずれにしても,保留地処分金が地価の下落によって72億円という大きな減収になってしまい,これに対して,一方では事業の圧縮,新たな補助事業という形の中で可能な限り市費の圧縮を図っているつもりです。今後とも我々は事業の進行管理をしながら圧縮に努めてまいりたいと思いますが,この時点では9億円という形の増額ということをご理解いただきたい。 ◆伊藤理智子 委員  2000年度に8年間の事業延長をしたことも含め,この事業が長い時間かかっているということもあって,地域に住んでいる方たち,地権者や狭小宅地を持っている方たちは,市の事業が長引くということや市費がかかるということにいろいろな不安を持ち,どうなっていくのだろうかという思いもたくさんあると思います。こういう方たちにも負担がかからないように,そして,この計画がきちんと計画年度内で終わるようにしていく上でも,いろいろなやりくりは本当にわかりますが,負担を抑えるようにさらに検討してほしいということを強く求めて,質問を終わります。 ◆大西利夫 委員  先ほどの皆さんの意見の中から,あるいは,後藤部長からの冒頭の説明の中で,本市の区画整理事業について全般的な説明がありました。今の経済の低迷の中で,地価の下落ということが今回の変更の大きな中心になっているわけです。そういう意味では,他の3事業についても同じような心配があるのではないか,私はこう思っております。しかし,先ほど局長からございましたように,3事業については予定どおり平成20年度の計画年次までに完遂したいという答弁がありましたので,そのことに期待をしたいと思います。  一つは,この3団地も,恐らく保留地を持っていて,その保留地処分について苦慮しているのではないかと考えますが,保留地の処分状況についてどんな状況になっているのか,団地ごとにわかればお尋ねをしたい。  もう一つは,各団地の進捗状況についてです。  これについても,今いろいろご質問がございましたが,平成20年度までに事業を全部完遂するということですから,計画とそんなに乖離がなく進んでいるのかと思っています。もし,その内容がわかれば,進捗状況についてもお尋ねをしておきたい。  最後に,小田委員からもありましたように,計画の綿密性という意味では,特に大規模の変更ですから,もう少し綿密性があってもいいのかと私も思います。もちろん,計画段階で議会に提案する際にも,綿密に計画されて提案しているわけでして,そういう意味では理解をして今日まで来ているわけです。それが大きく変更されることになりますと,どこがどうなるのかについて,議会としてもきちんと納得しなければいけないと思います。計画変更の際の綿密性という意味では,私は大変大事なことだと思いますので,今後のこの種の提案については,ぜひひとつ,綿密性の問題について遺漏のないような取り扱いをしていただければと要望を申し上げておきます。  とりあえず,質問について,今わかるのであればお答えいただきたい。 ◎後藤 開発事業部長  まことに済みませんが,現在,細かい数字は持ち合わせいませんで,後ほど提供いたします。  基本的には,富丘西,宮の沢,新琴似の3事業は,平成20年に終了させるということで動いております。平成20年まではそんなにありませんので,それまでの短期的なスパン割りを綿密に行い,財政上の問題も若干ありますが,工事の問題,地権者の補償の問題もあわせて終わるという確信のもとに,今,進んでおります。  事業的に言いますと,今現在,70%から,場所によっては80%くらいの進捗率を持っています。仮換地指定率で言いますと,これもいろいろありますが,90%近く,本当にあと何件というところもあります。  資金面につきましては,前回の建設委員会の中でも報告しましたが,資金計画変更が生じたときには,国の方の手続もあることから,逐次,認可を得なければならず,その段階で,前もって常任委員会に事業計画変更について報告しております。資金計画は現状に合ったものに逐次変えている状況ですので,3事業については,今回のような大胆な変更はありません。  詳細については,またご用意いたします。 ○村松正海 委員長  ほかに質疑はございますか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○村松正海 委員長  なければ,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午前11時28分...