これに対し,各
交通事業者の基本的な
考え方としてお示しいただいているのは,
一つは,
現行制度では
利用実績と
事業費に大きな乖離があることから,実績に見合う
負担を受けられる
制度を望んでいること,
二つ目は,
交通事業者としては大変厳しい
経営環境にあるが,意義ある
敬老優待乗車証制度を存続させるため可能な限り
協力をしたい,この2点でございます。
次に,今後の
検討の
方向でありますが,
一つには,
利用上限額及び
利用者負担額などのより望ましい
制度の
内容,
二つ目には,
利用実績に応じた
事業費の
負担や適正な
利用を確保するための
システムといったことについて,これまでの
議会でご
議論いただいた
内容や
市民から寄せられたご
意見を反映した,より
市民の
理解が得られるような
制度を目指し,各
交通事業者との
協議や技術的な
検討をさらに継続してまいりたいと
考えております。
○
大嶋薫 委員長 それでは,
質疑を行います。
質疑はございませんか。
◆
勝木勇人 委員 我が
会派としましては,これまで,
平成16年度は,
予算どおり,
現行制度のまま
実施して,
敬老パスをどういう形にするべきかについてはさらに時間をかけて
議論するべきだという主張をしてきたわけですが,今の説明からいきますと,我が
会派の意向が酌み取られたのかなと。また,市長は,この10月から新しい
制度の
実施を主張していたわけですが,この
方向性はとりあえず崩れたものと
理解したいわけです。
10月の
実施はもうないということなのかどうか,その点をもう一度明確にしていただきたいと思います。
◎横山
保健福祉局理事 実施時期についての問題でございますけれ
ども,新しい
制度で
実施する場合の
準備期間など,さまざまな点を考慮いたしますと,本年10月からの
実施は困難であると
考えているところでございます。
◆
勝木勇人 委員 それでは,
見直しの
実施時期はいつなのか,また,
見直した新しい
制度を適用するまでの間,どういう形で
制度が進められていくのか,この2点をお伺いします。
◎横山
保健福祉局理事 見直しの
実施時期についてでありますけれ
ども,この間,昨年の
アンケート調査を初め,多くの
市民からいただいたご
意見等を踏まえまして,
検討を進めてまいりました。また,具体的な
検討案もお示しさせていただき,この案についても,さまざまな観点からのご
議論をいただいていると我々は認識しております。新たな
制度に向けては,
平成17年度当初からの
実施を目指し,今後さまざまな整理を行ってまいりたいと
考えているところです。
また,その場合,今年10月以降,
平成16年度内につきましては,
交通事業者との調整を図り,
協力を得ながら,
現行制度を継続したいと
考えているところでございます。
◆
勝木勇人 委員 現行制度はとりあえず年度内ということですね。
これまでの我が
会派の主張は,
敬老パスの
交付対象となる現行の70歳以上ということについて,
年齢を
引き上げるのはだめだということを主張してきておりますし,また,
所得による
対象者の
絞り込みはすべきでないと主張してきております。現在ではこの2点をどう
考えておられるのか,お伺いしたい。
また,現在は,市外からの
転入者にも直ちに
敬老パスが
交付されていますが,
一定期間,居住して,
札幌市にある程度貢献した方を
対象とするということも我が
会派は主張してきています。いわゆる
居住制限を導入する
考えはあるのか,お伺いします。
◎
中田 保健福祉部長 まず,
対象となる方の
年齢引き上げについてでございますが,3月に私
どもが提示させていただいた案では,
利用上限額や
利用者負担をお願いしたいと
考えておりますので,現在のところ,さらに
対象年齢を
引き上げることについては行わない
方向で
検討を進めております。
なお,昨年11月の
アンケート結果におきましても,
対象年齢については
現行どおりを希望される方が約6割以上いらっしゃいました。
それから,2点目の
所得によって
交付対象者を絞り込むことについてでございますが,
敬老パス制度の
趣旨などから,現時点では,いわゆる
所得制限は行わない
方向で
検討を進めております。
それから,3点目のいわゆる
居住制限についてでありますけれ
ども,昨年行いました
アンケートの結果,あるいは各区の
老人クラブなどへの
説明会では,本市で
一定期間を過ごされた方を
対象とすべきではないかという
趣旨のご
意見も多数いただいているところでございます。そのようなことを踏まえながら,さらにいろいろな角度から
居住制限導入の
可能性について
検討してまいりたいと
考えております。
◆
勝木勇人 委員 居住制限も一応は視野に入るということでした。そして,
利用者に
負担を求めることも視野に入れてという
答弁だったと思います。
敬老パスは,
生活困窮者の救済を目指したものではなく,あくまでも
敬老ということで,長年,社会に貢献されたお年寄りの労苦をねぎらい,これに敬意を払うという精神から出てきたものであります。そういう
意味合いからは,累進課税
制度的な
所得による色分けなどを導入すべきでないというのが我が
会派の主張でございまして,その点も酌み取られたものと
考えます。
我が
会派の意向を踏まえますと,今,
答弁があったように
所得による
対象者の
絞り込みをしないことはいいのですが,
利用者負担についても,
所得によって,
負担額に差をつけるべきでないと
考えるわけですが,この点について,再度,お伺いします。
◎
中田 保健福祉部長 利用者にご
負担をいただく
あり方につきましては,
委員がご指摘のような
意見を含めまして,さまざまな
議論があるところでございます。
今後,
制度全体の中で
検討してまいりたいと
考えておりますので,ご
理解をいただきたいと存じます。
◆
林家とんでん平
委員 この
敬老パスは,
市民の関心が大変高く,きょうも,
傍聴者がたくさんお越しになっていますし,マスコミの方もたくさんいらっしゃっているということで,それがおわかりかと思います。
そこで,この間,新聞あるいはテレビに,
バス会社の難色を背景にというような記事が載っていますけれ
ども,少しずつ,何か解釈の仕方が違うような気がするのです。ですから,
先ほど,なぜ10
月実施ができなかったのかということをお聞きになっていましたけれ
ども,もう少し,私たちが統一した認識を持てるような
答弁をお願いします。
◎横山
保健福祉局理事 この間,3月にお示しした
検討案につきましては,さまざまな
議論がなされたり,多くの
意見が寄せられているところでございます。そこで,これまで,
議会を初め,ご
議論をいただいた
内容や
市民の
皆様から寄せられたご
意見を踏まえまして,より望ましい
制度とするためには,
利用上限あるいは
利用者負担という
制度の
内容について,もう少し深めた具体的な
検討が必要であろうと判断をしているところです。さらに,
利用実績に応じまして,
事業費を
負担していくことが可能となるような
システム,あるいは
カードそのものの性格,位置づけ,それから,適正な
利用を確保するための技術的な
検討等につきましても,さらに具体的なものを深めていくことが必要だろうと
考えております。また,各
交通事業者との
協議をさらに進めていくことなどを
考え合わせまして,10
月実施は非常に困難だという判断をしたところでございます。
◆
林家とんでん平
委員 コールセンターに寄せられた
意見などを見ますと,
利用者負担は
一定の
理解が得られていると思うのですが,
利用上限額の設定については,一部の
市民の間に,いまだに
反対という声や,これをもっと
引き上げてほしいという
意見があります。その中で,
利用上限額を
市民に提示した意義について伺いたいと思います。
◎
中田 保健福祉部長 利用上限額を設けたことにつきましては,
現行制度の中で
事業費と
利用実績との乖離が指摘されております中で,今後も
利用制限のない
フリーパスを将来に向かって存続していく場合に,
利用実績に見合う
負担をしていくことを
考えますと,財政的にも困難な
状況にあると
考えております。このような意義ある
制度を将来的にも存続をさせていくためには,
利用上限額を設けることもやむを得ないものと
考えたものでございます。
◆
林家とんでん平
委員 しかし,
市民の声として,現在の
利用回数について
制限されるのではないかという心配があると思うのです。
そこで,現在の
検討案であります2万3,000円の
利用上限額を設定した場合,
利用回数の多い
高齢者,少ない
高齢者で
負担はどのようになるのか,確認させていただきたいと思います。
◎
中田 保健福祉部長 利用上限額を設ける場合の
利用回数の多い方,少ない方の
負担の形について,少し例を含めてご説明させていただきたいと思います。
私
どもが3月にお示しした
検討案は,
利用上限額2万3,000円,1人平均の
負担が3,000円ということで
カードでお渡しするということでした。
昨年10月に行いました
アンケートによる
実態調査におきましては,
敬老優待乗車証をお持ちの方の約
半数は,お示しした
利用上限額の
年間2万3,000円の範囲内におおむね入ると見られることから,これらの
方々のご
負担は
交付時にお支払いいただく3,000円となります。
一方,2万3,000円を超えてお使いになる方につきましては,当初ご
負担いただく3,000円と
利用上限額である2万3,000円を超える部分を
乗車料金としてお支払いいただくことになりますので,その部分がご
負担していただく
内容となります。例えば,
年間5万円をお使いになる方では,2万3,000円を超える部分は,残り2万7,000円となります。これは,一般の1,000円のウィズユー
カードであれば1,100円使えて,
プレミア率は9.1%ですから,この2万7,000円につきましては,それを使いますと実質2万4,500円程度になります。つまり,それと
交付時にお支払いいただく3,000円を合わせて2万7,500円程度ということで,
年間を通しますと約半分のご
負担で
交通機関をご
利用いただける,このように試算できると
考えております。
なお,
利用上限額,
利用負担額につきましても,今後の
制度の
検討の中で,引き続き,さらにしっかり
検討してまいりたいと
考えておりますので,ご
理解いただきたいと思います。
◆
林家とんでん平
委員 私
たち民主党・
市民の会は,
高齢化社会の進展による市の厳しい
財政状況には
理解を示していますけれ
ども,今の
利用上限額では不足だと
考えています。
コールセンターに寄せられている
意見の中でも,
検討案の
利用上限額では不足だとしている
市民が多いのではないかと思うのです。
そこで,せっかくもう少し時間をいただくわけですから,いま一度,
利用者の立場に立って,
利用上限額を上げることができるように
最大限の努力をすべきであると思うのですが,その点はどうでしょうか。
◎
中田 保健福祉部長 去る3月の
予算特別委員会でもご
議論いただきましたが,
市民から寄せられた
意見などにも
利用上限額の
引き上げを望む声が多いと認識しております。
今後,そのようなご
意見を十分踏まえまして,各
交通事業者にも
敬老パス制度の
趣旨をさらにご
理解いただけるように努めながら,
割引率等の面で引き続き
協議を進める中で,私
どもとして
最大限の努力をしてまいりたいと
考えております。
◆
林家とんでん平
委員 昨年11月に行った
アンケート調査によると,
利用頻度に大きな
ばらつきがあります。これは皆さんもご存じかと思いますけれ
ども,一律の
利用上限額を設定しても,不足する方もいれば,中には多過ぎるという方もいる,そういう
ばらつきがありますね。
生活環境がそれぞれ違いますから,それは
当たり前のことです。例えば,名古屋市や川崎市,横浜市でも,今,
敬老パスの
見直しが進んでおりますが,いろいろな方法があると思うのです。
そこで,
利用上限額に幾つかの段階をつけて,例えば
上限額を1万円にするとか,3万円にするとか,5万円にするとか,また
上限なしにするとか,いろいろな方法があると思うのです。
市民が選択する方法も取り入れることができないかどうか,その辺をお聞きしたいと思います。
◎
中田 保健福祉部長 敬老優待乗車証をお持ちの方の
利用頻度に大きな
ばらつきがあることは,私
どもも認識しております。このような
利用実態に対応するための
一つの方策としまして,
利用上限を複数設けることは有効なものと
考えられますので,ご
負担いただく
金額とのバランスも考慮しながら,ご提案を前向きに
検討してまいりたいと存じます。
◆
高橋功 委員 先ほど勝木委員の
質疑の中で,
所得制限は行わない
考えですというような
答弁があったと思います。私
どもは,さきの
予算特別委員会でも,70歳以上といってもいろいろな
方々,さまざまなお立場の方がおいでになるわけだから,仮に
利用者への
負担を求めるとしても,
所得の低い
皆様に対しての配慮ということを主張してきたところです。
そういう
意味では,今現在,仮定の話になるかもしれないけれ
ども,仮に
負担をお願いする場合でも,
所得の低い
方々に対する具体的な
軽減策を
考えているものが何かあるのかどうか,これが1点目です。
それから,2点目は,今,
林家委員から,
利用上限を設けるとして,2万3,000円だけではなくて,いろいろ
選択肢があってもいいのではないかという提案がありました。それも有効だというご
答弁のようだけれ
ども,その
選択肢を仮に設けた場合に,
利用者の
負担は今提案されている3,000円で済むのかということを伺います。
◎
中田 保健福祉部長 1点目の
負担の
軽減策についてであります。
これは,提示させていただいております
検討案では,
利用上限を設けるという関係から,ご
負担をいただく
金額は可能な限り低く定めて,今後の
検討においては,
所得の比較的低い
方々にもさらに十分配慮したものにしてまいりたいと
考えております。
2点目の
利用上限の
引き上げなどに伴う
利用者負担の
引き上げという点でございますが,仮に
利用上限の
引き上げを
検討する場合にありましても,
先ほど申し上げましたようなことから,
利用者にご
負担いただく額は可能な限り低く設定するように配慮していきたいと
考えております。
◆
高橋功 委員 昨年の6月以降,
敬老パスについての
議論が具体的になって,私も地元の70歳以上の方,またそうではない若い
方々も含めて,いろいろな話をお伺いするし,私は意識的に
議論をさせていただいています。
敬老パスは,今まで無料でもらえたし,なおかつ,
フリーで使っていただけた。これは,別にご褒美で差し上げているわけではないでしょう。
趣旨としては,70歳になったからおめでとうございますではないのです。やはり,
敬老の
意味,そして
外出支援であったり
介護予防であったり,そういう観点があるわけだから,できるだけその
方々が使えるだけ使っていただこうという
趣旨からすると,一番,
抵抗感があるのは
利用上限だと私は実感しているのです。
もう
一つ,いろいろな声として聞くのは,
利用上限は設定されるは,
利用者の
負担は今のところは3,000円ということで,二重
負担ではありませんかというご
意見をかなり多く聞いています。そういう
意味では,
先ほどから
利用上限を上げろという
意見があるけれ
ども,その前に,
利用上限そのものについて設けないでほしいという声を聞きます。これは,やはり率直なご
意見として真摯に受けとめるべきだと私は思っているのです。
そういう
意味では,
先ほど私が言った二重
負担ではないかということから言っても,3,000円の
負担,あるいは
利用上限のどちらかを撤回するという
考えはないですか。
◎
中田 保健福祉部長 利用上限,
利用負担ということで二重の
負担になるのではないかというご指摘でございます。
利用制限のない
現行制度における
利用実績などから,
先ほども申し上げましたが,財政的な面からも,将来に向けて存続していくためには
利用上限を設けることもやむを得ないと
考えてきたものであります。
しかし,
制度の
見直しの基本的な
考え方として,私
どもは,
敬老の
趣旨とともに,
外出支援とか
介護予防といった
福祉サービス的な視点からも存続していくことが必要であるという
考え方から,
上限はできる限り高く設定したいという
考えで当初の2万3,000円というものを提示させていただきました。
この点につきましては,参考までに申し上げたいと思いますが,
利用上限額を設定している他の
政令指定都市は4市ございますけれ
ども,福岡市の場合は,
介護保険料段階に応じて8,000円または1万2,000円という
負担でありまして,この1万2,000円が
上限額となっております。そのほかの市も8,000円とか6,000円といったレベルでありまして,隣の石狩市におきましては,昨年まで5,000円を,今年度は3,000円に下げているといった
状況からも,
皆様にその点でご
理解をいただけるのではないかと思っております。
また一方で,
利用者負担につきまして,このような
福祉サービスの
利用という
意味合いから,それを
利用していただく,
受益者として一部ご
負担をいただくという
趣旨からこういうご提案をさせていただいておりますけれ
ども,可能な限り低い
負担にとどめたいと
考えたものでございまして,そのようなことから,このような
上限を設定し,かつ,ご
負担をいただくという
趣旨をご
理解いただきたいと存じます。
なお,ご
負担いただく
金額につきましては,昨年行った
アンケート調査では,
フリーパスを想定して回答された方もいらっしゃると思いますけれ
ども,月額500円,または1,000円ということで回答をされた方が合わせますと
半数近くに上っております。また,その後,私
どもは
老人クラブなどからもご
意見を伺いましたけれ
ども,5,000円,3,000円ぐらいならば
負担してもいいというようなご
意見もある中で,当初,まず3,000円というご提案させていただいたということでございます。
◆
高橋功 委員 今,私は,
利用上限そのものについて撤回したらどうかということでお伺いをしたのだけれ
ども,
部長から,他都市はもっと低いのですという
答弁でした。
例えば,細かい話になるけれ
ども,私は地元が南区です。そうすると,定山渓から
都心部に出てくるのに片道どのくらいかかるか。これはおわかりだと思うが,700円くらいかかる。まさか,片道だけ行って,帰ってこないわけにはいかないですから,往復で千五,六百円ですよ。2万3,000円ということは,単純にいけば,12で割ったら月2,000円弱でしょう。私は地元だから言っているのではなくて,こういう例が現にあるのです。厚別や新
札幌の向こうとか手稲の曙とか,遠いところはたくさんあります。そういうことから言うと,今,市が提案している
金額では,月1回,1往復です。それを超えた分は,あとは自分の
負担だ,こういうことですね。
私は,何も
地域エゴの話をしているのではないと思っているのだけれ
ども,例えば,
札幌市の今の
交通料金体系が
均一料金ならまだわかる。地下鉄だって,1駅でも200円,どれだけ乗っても200円ということにしているのならまだわかる。でも,現状は,遠くなればなるほど
負担は高くなっているわけです。そういうことからいうと,やはり
市民の率直な
意見として不公平でないのかという
意見もないわけでない。これを不公平と言うのが適切かどうかはわからないけれ
ども,そういう声を現にいただいているわけです。
私は,
利用上限額の
設定そのものにも
反対をするし,それから,仮にしたとしても,2万3,000円では話にならないということを言いたいのです。2万3,000円と言われて月1回程度しか
都市部に行けず,不公平という声に対して,どう答えるか,ぜひ伺いたい。
◎
中田 保健福祉部長 札幌の広い市域の中で,お
住まいの地域によって
交通機関を
利用できる条件,環境が大きく異なってくることはございますし,ご指摘のように,
都心から離れたところに住んでいる方が
都心に出る場合は,1回
当たりの
利用料金が高くなるということも私
どもは認識しております。
そのようなことからも,確かに,
制限を設けないことが理想であることは私
どもも十分
理解できるところでございます。しかし,
先ほど来申し上げておりますように,この
制度を財政的な面からも将来的に存続していくことができる
制度としていくためには,やはり,
利用上限を設けることもやむを得ないと
考えたところをまずご
理解いただきたいと存じます。
なお,一方で,
都心にお
住まいの方が,その事情によって,例えば遠いところの病院やご親戚のところに出かけられるといった場合も同様なことが言えるかと思いますので,そのようなことを含めまして,一律に定めることについてご
理解をいただきたいと存じます。
◆
高橋功 委員 今の
部長のご
答弁はわかり切った話なのです。もちろん,定山渓の方が
都心に出ると往復千五,六百円かかるのと,同じことで,中央区に住んでいる方が定山渓に行かないとは限らない。ただ,それは,ある
意味の詭弁で,住んでいるところから
都心部に出かけることが一般的です。中央区の方が篠路に行ったり,手稲曙に行くことはあります。そういう例もあるでしょう。でも,そういう話でご
理解くださいというのはなかなか難しいと私は思う。
いずれにしても,どんな
制度であれ,
当たり前のことだけれ
ども,
市民の
方々の
理解がなくて突っ走ると,ろくなことは絶対ないわけです。そういう
意味では,
先ほど来,10月1日にはどうも無理ですと判断されたことについては,私
どもも是とするところです。どこかで決めなければならないのは
理解していますけれ
ども,本当にしっかりと時間をかけて,より
理解されるものにしていかなければならないと最後に申し上げて,終わりたいと思います。
◆小川勝美
委員 私たちは,上田市長が去年7月の初
議会で
敬老パスの
見直し問題を取り上げたときから,一貫して
現行制度で
敬老パスをしっかり守るべきだ,こういうことを主張してまいりました。そして,
議会にも,
現行制度をしっかり守ってほしいという思いを込めた150件を超える請願・陳情が出されています。そして,私たちの質問に答える形で,上田市長は,
敬老パス制度を守るために見直すのだ,こういうことを一貫して主張していました。
しかし,3月18日に
予算特別委員会で示された市の案というのは,
敬老パス制度をやめて,1万円のウィズユー
カード2枚を平均3,000円で販売するというものですから,多くの
市民の皆さんは
敬老パス制度というふうには受け取っていない。ウィズユー
カードを格安で販売する
制度だということで,非常に批判の声が多い。それが,
コールセンターへの
意見の中でも,
利用上限は
反対だというのが70歳以上の方の50.7%に上っている例にもあらわれているのではないかと思うわけであります。そういう
市民の強い
反対の声とか,あるいは,予算
議会で示された
交通事業者との
協議の中で,今回は半
年間先送りという形で,差し
当たり現行制度で存続するという点については私は評価をするのであります。
しかし,それでは,あと半年後にまた似たような改悪案が出されて,それが
実施に移されて,
市民に押しつけられるのかなと危惧をするものですから,そのことについて何点かお尋ねをしたいと思います。
今回示されたウィズユー
カードのようなやり方,しかも,予算
議会で示されたときのウィズユー
カードは絵柄だけを変えるという中身ですから,ウィズユー
カード2枚を3,000円で買った
高齢者が,場合によっては,高校生の孫に1枚取られたら,
高校生がその1枚を使って乗れるということであったわけです。こんなやり方は絶対に正しくないと思うのであります。
そういう面では,市長が
議会で何度も
答弁したように,
敬老パスというものにきちっとすべきだと思うのですが。この点についてもう一度お尋ねします。
特に,今回,
コールセンターに寄せられた
市民の
意見でも,
利用上限には強い
反対が出ています。これは,やはり,29
年間,
フリーで,無料で使えていた
敬老パスの本質を大きく変質させることになって,将来的には廃止につながることになると思うのですけれ
ども,この点はどうお
考えなのか。上田市長の言われた
敬老パス制度を守るための
見直しだということと大きく違うと思うのです。しかも,
利用上限額と一部
負担とダブルでやってくるなど,横浜市だってやっていないようなことを
札幌市がやろうというわけですから,その点についてのお
考えをお尋ねします。
それからもう
一つ,
敬老パスのスタート以来の大きな点は,
札幌市が
敬老パスを発行するけれ
ども,
交通事業者の皆さんも,
敬老の精神で
利用者に
敬老パスで乗っていただくということを行ってきました。特に,
高齢者の皆さんは,朝ラッシュとか夕ラッシュに乗るのはごくまれで,一般的には,日中,バスや地下鉄のすいている時間に乗っている方が多いわけです。
そのときに,
中田部長や以前の
理事者がどのように
議会に説明していたかというと,日中,空気を運んでいるときに
高齢者に乗っていただければ,幾ばくかのお金を支払うわけですから,空気を運ぶよりも
高齢者に乗っていただくことによって
交通事業者の収入にもなるのです,こういう説明であったわけです。そして,それに基づいて今まで事業者に支払われてきたと思うのです。それは,
利用実態を計算しながら,その半額を支払うというような計算方法がありますね。その計算方法をぜひお示しいただきたい。
それが,なぜ今回から
利用実績に見合う
負担にするというのか。ここは,いろいろな中身の中でも大幅な変更なのです。今までは,
交通事業者にも
一定のご
協力をいただいていく,しかも,空気を運ぶよりも,70歳以上の
高齢者に乗っていただければ,そのことによって
交通事業者も収入になるのだ,こういうふうなことをやりながら,そして,
高齢者が外出の機会をふやす,社会参加の機会をふやすことによって,健康を増進したり,
介護予防に役立つという大きな役割を果たしてきているのに,今度は
利用上限も設けてしまう。その大きな要因になっているのは,
利用実績に見合う
負担と,ここで方針の大転換をしていることが今回のような大改悪案が出てくる要因ではないかと思うのですけれ
ども,この点について,まず最初にお尋ねをしておきたいと思います。
◎
中田 保健福祉部長 まず,基本的に,この
制度の
趣旨というのは,私
どもも,社会に貢献していただいた方に対して
敬老の精神をあらわすことと,社会参加をしていただこうという
趣旨で
理解をしております。また,
敬老の精神をあらわす方法としては,必ずしも
フリーパスで無料でということでのみあらわせるものではなくて,その事業を行うための
事業費を支えていただく側,税を
負担する側の力量といいますか,そういうものとのバランスで
最大限の努力をする方法で十分に
制度の
趣旨を実現していけるものであると
考えております。
したがいまして,私
どもは,ウィズユー
カードというご提案をさせていただきましたけれ
ども,
カード方式にすることによって,その
趣旨が変質したり,あるいは廃止に結びつくという
理解をしておりません。
それから,1点目のご質問ですが,
カード機能の面で,必ずしも適正な
利用がされないのではないかということであります。この点につきましても,当初そういう形でご提案をさせていただきましたけれ
ども,さらにもう少し時間をかける中で,
機能面においてもよりよい形になるような,ご指摘の点をできる限り解決できるような
方向で
検討してまいりたいと思っております。
また,日中のすいている時間帯に乗る方が多いという点につきましても,
敬老パス制度の創設した時期から既に30年近く経過する中で,社会経済の
状況,また
交通事業者を取り巻く環境な
ども変わってきており,また,
利用の
状況も変わってきているという中で,私
どもは,改めてその検証,
あり方を
検討させていただきたいということでございます。
そこでまず,今の
フリーパスの場合の計算方法はどのように割り出しているかということでございますが,前年の各
交通事業者の乗車実績に基づいて,
市民1人
当たりの
年間乗車する回数を推計し,さらに70歳以上の方の乗車回数を推計する,それに基準単価を掛けて
交付枚数の16万枚,
平成16年度見込みでは17万枚といったような数字を掛けた,推計した数字で
交通事業者に協定に基づいて
負担しているという
状況にございます。これを
カード方式にすることによって,推計で行われた部分がより実態に近い形の
負担になると
考えております。
◆小川勝美
委員 それでは,基準単価というのはどのようになっているのですか。基準単価というのは,実際の
金額の半額を掛けているのではないですか。今度はそれを
利用実績というと,全額を払うことを
意味しているのでしょう。私の
先ほどの質問は,今まで29
年間続けてきた
敬老パスですが,基準単価が大きく変わることが
利用上限額の設定と
利用者一部
負担を求める要因になっているのではないですかと私はお尋ねしたのです。その点についてお答えてください。
◎
中田 保健福祉部長 先ほど申し上げました協定額の算定の根拠となる中に平均乗車単価というのがございます。これにつきましては,各事業者ごとに,各路線の
状況に応じて
利用の頻度などを考慮した中で定めておりまして,各
交通事業者を平均しますと大体210円ぐらいになります。これは,
高齢者の方が1回に乗車する回数が1区間か2区間といったような調査もかつて行われたことから,これは,私
どももある程度お認めいただけるものかと
考えております。ただし,この協定額そのものが推計で行われているという部分ではそのとおりかと思っております。
先ほど申し上げましたように,
フリーパスから
利用上限を設ける形になるということで,
敬老パスの
趣旨,あるいは本質を変えるということでございますけれ
ども,その
制度を維持していくために,将来に向かってその
負担ができるのかどうかという点からも
検討する中で,できる限り
負担のできる範囲で
制度を定めていくという
趣旨からは,それを変質させることにはならないと私
どもは
考えております。
◆小川勝美
委員 今まで
高齢者が
敬老パスで自由に
交通機関に乗って外出できるということで,そのことにより,家族も一緒に,孫も一緒に乗るということで
交通事業者の収入にもなっていたわけです。今度は,
利用上限が決められると。
先ほどありましたように,厚別などはバスと地下鉄を乗り継いで出てくると本当に高い交通料金がかかります。山鼻の専門病院に通っている人たちは片道630円ですからね。今度は
フリーでなくなるということになると,もらった
高齢者の方はみずから
利用制限をしていくわけです。そうなると,バスなどの公共
交通機関への乗車習慣が奪われて,将来的にはバス事業者などの
利用客の減少にもつながるだろうと思います。以前,ある政令市では,
敬老パスの改悪が打ち出されたとき,
交通事業者も一緒になって
反対運動をやったというところがありますから,そういう特徴もあるわけです。
今回,
交通事業者に対して,市が
協力要請をしていくということです。
先ほど,
割引率等について引き続き
協議していくということでありましたけれ
ども,各
交通事業者は市の要請に対して誠意を持って対応されているのかどうか。また,予算
議会の中では,市長なり助役が
交通事業者に要請に行くべきだ,こういう声も出されましたけれ
ども,それらはどのような対応をされてきているのか。
それから,民間バス事業者は何社もあるわけですけれ
ども,温度差があるのではないかという気もするのです。それらの
協議の中身について,明らかにしていただきたい。
◎
中田 保健福祉部長 各
交通事業者との
協議,交渉に関連してのご質問でございますが,各
交通事業者に対しましては,昨年3月18日に具体的な案を提示し,ご
議論いただいた後,直ちに,副市長が各社の社長にお会いするといったようなことから,その後も実務的な
協議を精力的に進めてまいったところです。
その中で,各
交通事業者から示されている基本的な意向としては,これまでの
制度では
利用実績と
事業費に非常に大きな乖離があるので,それを埋める
方向で新しい
制度の
検討をしてほしいということと,交通事業を取り巻く環境が大変厳しい中であるけれ
ども,意義ある
敬老パス制度については存続させる
方向で,事業者として可能な限り
協力していきたいということでした。私
どもとしては,
交通事業者の事情に応じて,誠心誠意,
協議をさせていただいていると
考えております。
なお,現時点では,
一定の合意に至っておりませんし,各
交通事業者の温度差というご指摘でありますけれ
ども,それぞれの事情も異なっておりますので,もう少し時間をかけていかなければならないと思っております。交渉の途中にございますので,さらなる
内容については,この場面では申し上げられないことをご
理解いただきたいと思います。
◆小川勝美
委員 そうすると,この3月に示された市の案では,2万3,000円のプリペイド
カードで乗ってもらう,そして,
先ほど言われたように,
利用実績に見合う
負担というやり方はなくなって,基準単価の改善,こういうふうな
方向で
検討されているということですか。その辺のことをお尋ねしたい。
先ほど言ったように,
利用実績に見合う
負担ということで,70歳以上の
市民の
利用回数に基準単価を掛けて
負担をしている今までのやり方を大きく変えるようなことは,すべきではないと思います。基準単価を
一定程度
引き上げるということは,経済
状況などを
考えてわからないわけではないですけれ
ども,
利用実績に見合う
負担ということで全額を支払っていくやり方ではなく,現行の
制度を守っていくのにふさわしいような形での
交通事業者への
協力ということについて,これからも働きかけていくのですか。
◎
中田 保健福祉部長 まず,現在の
負担の額というものは,
先ほど申し上げましたように,いわゆる推計に基づいて各事業者と
協議をさせていただいております。しかし,長年の経過の中で,私
どもも
利用の実績との乖離が相当あることは認識してございます。したがいまして,実際に,
先ほど申し上げたような算出方法に基づいての協定額と
利用実績というものには乖離があって,また大変厳しい
状況の中で,
交通事業者の方では,実績に見合った
負担をという要請がございます。
そこで,今回,新しい
制度を
検討する上では,
一定の
利用上限額を設けること,かつ,できることならばそれを実績に応じた形で精算をしていく方式に近づけることによって,これまでの推計によるものから,ある程度,実際に使ったものを確認した中で支払いをしていく方法に切りかえていける,よりよい
方向に向けていけると
考えております。
なお,今
フリーパスの段階で実績と乖離があるという部分について,満度にすべて
負担しなければならないという要請をいただいているわけでもありませんので,
先ほどご指摘の
割引率という点で,
一定額について,実績を前提にそのうちどのぐらいの割り引きをしていただけるか,また,どの程度の
負担で済むかといった
内容で今
協議させていただいております。私
どもは,それに向けて,
最大限,さらに
協議を進め,努力していきたいと
考えております。
◆小川勝美
委員 そうすると,市が3月18日に示した自己
負担1人
当たり平均3,000円,それから
利用上限額2万3,000円というのは,これは一たん白紙になって,再度,
検討していく,こういうことですか。
◎
中田 保健福祉部長 白紙に戻すという
理解はしておりません。あくまで,これまでの
市民議論の経過,あるいは,
議会でご
議論をいただいた経過の中で,
検討していただく
一つの案として提示したものでありますので,それに基づいて,さらに,よりご
理解いただける
制度に向けて
検討していくという
趣旨でございますので,ご
理解いただきたいと思います。
◆小川勝美
委員 現行制度で29
年間続いてきたものを,市営バスがこの4月から全路線を民間
バス会社に移譲したことにより,民間
バス会社の力が強くなったことを背景にして,
敬老パスを使い,市からさらに幾らかお金を引き出そうという揺さぶりが,今までよりも,ずっと強まってきているのではないか,そんな気もいたします。ですから,
交通事業者にも誠意を持って対応してもらうよう
協議を進めながら,特に,今言われた
利用実績に見合う
負担ということによって
利用上限額を設けていくということになりますと,上田市長自身がずっと述べていた
敬老パス制度を存続させるための
見直しということを大きく変質させることになります。そういうことは絶対行うべきではないと思うのです。上田市長が言っていた
敬老パス制度を存続させるということについて多くの
市民が
理解しているのは,
利用上限額などはないし,
アンケートにも
上限額を導入していいかなんていう項目はないのです。
今回の
アンケートでも50%を超える人たちが
利用上限額の設定に強く
反対しています。いくら
見直しをするといっても,
市民の
理解や
協力がなかったらできないのです。29
年間続けてきたものを,木に竹を接ぐようなことなんかできるわけがありません。
その点について,横山理事はどうお
考えなのかお尋ねをして,質問を終わります。
◎横山
保健福祉局理事 段々のご質問の中で,
敬老優待乗車証の非常に大きい変質,あるいは,将来に向かっての廃止というご指摘がございます。
部長からも
答弁させていただきましたが,この精神,目的,
趣旨というものは十分尊重した上で,将来に向けて存続させたいというのが私
どもの基本的な
考え方でございます。
ただ,その方法につきましては,社会
状況,今後予測されるいろいろな
状況,それらを踏まえた上で,もちろん
利用される
方々のご
意見も踏まえまして,基本的に廃止などを
考えているわけでは全くなくて,よりよい
制度にしていきたいということを
考えておりますので,ご
理解をいただきたいと思います。
◆佐藤典子
委員 コールセンターに寄せられた1,032件の
意見は,市の方から,
利用上限2万3,000円,そして平均3,000円の
負担という提示がされた後の
意見です。
先ほどありましたように,約6割の方が
利用者負担を容認しているというような分析になっています。そのほかに,15.7%は
反対の声がある,また,約24%の方は
引き上げを含んで
利用上限は容認している,そして,44%の方が
利用上限には
反対しているという数字が出ています。かなりの方が
利用上限には
反対していることは明らかだと思います。そして,その他の
意見としては,
子供料金にするのはどうかと。
子供料金と言うと語弊がありますが,半額で
利用できるようなやり方はどうかというさまざまな声が寄せられています。
皆さんがおっしゃられているとおりで,
市民の
理解を得てこの
制度を進めなければ何も
意味がないと私
どもも思っております。そして,市長も,
市民議論を十分踏まえて
敬老パス制度を
見直し,
決めていきたいということでありましたので,これまで,
コールセンター以外にタウントーク,
老人クラブなどで
意見が寄せられましたし,その中の声も聞いておりますが,それを踏まえて,
議論は十分に深まったという認識に立っておられるのかどうか,そして,それらの
意見を傾向的な分析もあわせて,総体的にどのように認識されておられるのか,まず伺います。
◎
中田 保健福祉部長 敬老パス制度に関して,
市民の方から寄せられたご
意見などについての私
どもの認識でございます。
昨年,
問題提起されて以来,ご指摘のようないろいろな形で
市民の方にご
議論いただき,またご
意見をいただいてまいりました。
まず,その経過の中で,私
どもとしては,
市民の方にそのような
制度の
内容や実情をご
理解いただき,また,
制度をどうしようかということについても
一定の
理解を得られてきていると認識しております。それは,これまでの経過の中で,
一つには,この
制度を維持していくためには何らかの
見直しが必要という声が相当数ありました。さらに,何らかの形での自己
負担もやむを得ないといったご
意見が多数に上ってきたと私
どもは認識をしております。特に,具体案を提示させていただき,また
コールセンターで
意見を募集させていただいた後の
状況でございますが,
コールセンターには1,032件の
意見が寄せられました。そのほか,私
どもの部署にも150件程度,また,その間,今日まで3回の出前講座を行いまして,そこにおきましてもさまざまなご
意見をいただいておりますけれ
ども,おおむね
コールセンターにいただいたご
意見の傾向とほぼ一致しているという認識でございます。
◆佐藤典子
委員 一定の
理解は得られているという認識に立っておられるということと,出前講座もされてこられたということで,努力はされているのだなということは感じさせていただいておりますが,ここに寄せられた
意見の中で,やはり,
利用上限額については,44%を超す方が異議ありとおっしゃられていることを踏まえまして,この
利用上限額2万3,000円は最低という
考え方に立って,この上,どのぐらいの
上限にできるのか,今の段階でどういう認識をお持ちか,まずお聞きします。
◎
中田 保健福祉部長 私
どもも,
市民の
皆様からのご
意見の中には
利用上限を
引き上げるといったような声が相当数あることは十分認識してございますが,
先ほど来,
答弁させていただいておりますように,各
交通事業者に対しまして
割引率等での
協力も要請する中で,私
どもとしては,その部分で
最大限利用する範囲を広げるという
方向での努力を今後も引き続きしてまいりたいと思っておりますので,ご
理解をいただきたいと思います。
◆佐藤典子
委員 市民ネットワーク北海道の方でも独自の
アンケートをしまして,70歳を超えておられる方の85%が
敬老パスを持っておられる,持っていない方も12%くらいの方がいらっしゃるのですが,
所得に応じての自己
負担とか,今の
札幌のさまざまな
状況を勘案した場合,自己
負担というのはやむを得ないのではないかというような声も受けとめています。
しかし,
反対に,一律の自己
負担はいかがなものかということがあります。というのは,
先ほどから出ておりますが,低い
所得の方もたくさんいらっしゃいますし,また,
市民税非課税の方もたくさんおられるという認識に立ちまして,きめ細やかに対応するために,例えば,
先ほど来出ておりました段階別の
利用上限額を設定するという方法があります。そして,2万3,000円の算出の方法が,市の方で
実施した
アンケートの結果で,
利用回数の平均中央値が116回で,それに210円を掛けたものが約2万3,000円なのでという根拠も以前に聞きました。
しかし,一般的な平均値でいきますと214回ということで,実際の平均値としては2倍の
利用をされているということになり,そうなりますと交通費として1人4万5,000円も使われているということでは,本当に2万3,000円は低過ぎるというのは明らかだと思います。
利用上限額の設定についてはこれから
検討されるということですので,例えば
上限額を2万円,5万円,そして3万円とした場合,
負担額については,その1割を
負担するというような,段階別の
上限額を設定し,
利用負担も
考えていくというようなことについて,どのようにお
考えか,お聞かせください。
◎
中田 保健福祉部長 まず,
利用上限額の設定に関してでございますけれ
ども,
委員がご質問の
内容につきましては,
先ほど林家委員にもお答えさせていただきましたが,
利用実態に
ばらつきがあるという私
どもの認識から,そのような幾つかの段階,パターンを設けることにつきましては,その
ばらつきをなるべくなくしてそれぞれに応じて円滑に使っていただくという面での方策としては有効であると
考えております。具体的な部分につきましては,さらに
利用上限額と
利用者負担との関係を十分考慮しながら
検討してまいりたいと思います。
それから,非課税世帯に対する配慮を含めた
負担の軽減という部分でありますけれ
ども,これにつきましても,今後,具体的な
検討を進めていく中で,できる限り低いところに
負担額を設定できるような形で
検討してまいりたいと思っております。それは,非課税世帯といいますか,
所得の比較的低い方への配慮につながるものであると
考えてございます。
◆佐藤典子
委員 これまで,
敬老の精神と社会参加ということで無料で
利用されてこられた皆さんにとって,
利用者負担があるということは,本当に大きな
負担になると思っています。そこのところをさらに配慮していただきまして,さまざまな観点から,どのようなやり方が望ましいのか,慎重に
検討していただきたいと思っております。
それから,
先ほどから,
交通事業者との交渉の中でさまざまな課題があるというお話が出ておりましたので,細かいことはもうお聞きしませんが,今後のスケジュールを教えていただきたいと思います。来年度の4月から新
制度でスタートしたいということを
先ほど述べられておりますが,このような
議論を深めていく場がどのような時点で持たれるのか,また,どのように最終的に決めていかれるのか,タイムスケジュールを教えていただきたいと思います。
◎
中田 保健福祉部長 今後の
検討を進めていくタイムスケジュールということでございますが,理事から
答弁がありましたけれ
ども,新年度当初を目指すということでございます。現在のところ,これからさらに,事業者を初め,
市民の
皆様のご
意見も伺いながら,
制度の形を具体的に
検討していきたいと思っておりますので,その
内容によりまして,
準備期間な
ども含めたところも見きわめていかなければならないと思っております。そのため,具体的にいつ,どのような形でということは現段階では明確には申し上げられませんけれ
ども,そのような形でさらに具体的な詰めをなるべく早く行っていきたいと
考えております。
◆佐藤典子
委員 ということは,
交通事業者との交渉の進めぐあいによって最終的な段階に入っていくということでありますので,さらに,本日の
議論や
市民の皆さんの声を十分に踏まえていただいて,より皆さんが納得できる,
市民のための持続可能な
制度を望みたいと思っております。
市民ネットワークでは,従来から申し上げておりますが,
敬老パスを
利用されている方は85%おられます。そして,私たちの
アンケートによりますと,持っていらっしゃらない残りの12%の中で,半分の方は体が不自由で
利用できないという実態が上がっております。今後,後期
高齢者の方もどんどんふえていかれますし,全体的に
高齢者の移動支援というものを
考えた場合,今回の
敬老パスも移動の手段の
一つということも
考えられます。さらに,そうした
方々が安心して老後を暮らすことができるという
制度全体の仕組みへと
考えていっていただけるように,
検討を進めていっていただきたいと思います。
◆堀川素人
委員 一番先にお聞きしたいのは,
敬老パス事業の
見直しについては,前にも桂市長のときに出てきまして,その中で見直されたのは,実際に中身がわかってみれば何の改正にもなっていない,初めの方程式の中に織り込まれたことが形となってあらわれて,いかにもそれが変わったようにして,つじつまを合わせたみたいで,何にも変わっていないということが支払い側と受け取る側の中での状態なのです。
今回の改正は,それで一回落ちついたものが,上田市政になってから,再浮上した。何を目的にこの問題が再浮上されたのか,再浮上させたのはどこなのか。
◎横山
保健福祉局理事 これまでも,
敬老パスについての
検討は市役所の中でやられてきておりましたし,それから,時期,時期によりましてはご提示をし,一部,変更して継続してきている実情にございます。30年来継続している事業でございますが,この間,社会経済
状況というものも非常に変わってございまして,
高齢者の
方々に対するいろいろな施策も相当に変質を遂げてきておりました。
したがって,当初の本質のところは変わってございませんけれ
ども,長年,社会貢献をいただいた
方々に対してどのような手だてをしていくかというその方策の部分におきまして,最近の
状況の中で,継続的にやっていくためには,全体の
財政状況でありますとか,あるいは,今後ご
利用になられる
方々の増加の
状況だとか,それから,支える側の問題だとか,
交通事業者の
状況だとか,こういうものを総合的に見た中で,今回,ご提案し,ご
議論させていただいているところでございます。
◆堀川素人
委員 わかりやすく言えば,
札幌市の財政が非常に厳しくなったという現実があって,財政再建という中でこの問題にも手をつけざるを得ない,こういうことがあって手をつけたのではないか,こう思うのです。
私は,それをきちんと言わなければだめなのではないかと思います。今,段々の
議論を聞いていると,この問題だけ取り上げて,
札幌市全体の財政の問題,今の
札幌市を取り巻く経済的環境の問題,こういう問題が全然出てこない。
敬老パスで約35億円の歳出がある。これから
高齢者がどんどんふえていけば,極めて
負担が大きくなる。現在でも,
利用状況からいって70億円の
負担をしてくれというのが民間会社の
考え方です。そして,
高齢者がふえて
利用がふえていけば,幾ら何でも民間事業者にこれでやってくれとはなかなか言えない。こういう中で,財政的にかなり厳しいものがあるから,
一定のところでこのサービスを切り下げていかなければ
札幌市がやっていけいなのだということだと私は思うのです。
今,
札幌市は2兆円以上の借金を抱えております。市役所の人によく聞きます。この借金は返せるのですかと。返せる人がいて,返す方法も明らかにできるならば私はぜひ聞きたいので,説明する人がいるならば出してくれ,こう言う。だれもそのことに答えられないで,この借金を未来にどんどん送っているのですよ。このことを我々は真剣に
考えなければならない。
確かに,もらっている人にとっては大変うれしいことですよ。でも,それが我々の孫やその先の世代のツケに残されていくとするならば,我々のやることは限界があるということなのですよ。未来の人は我々と今話ができない。その話ができない人と,我々は話をしながら時代を次に送っていかなければならないのです。
そう
考えたときに,何をすべきか。今も話があったように,
札幌市のむだもある。今回の件で,今の原案のままやったならば,4億円を削減できる。でも,本当は4億円だけであってはならないと私は思うのですよ。ただ金を持ってきて4億円の埋め合わせをするならば,
札幌市職員の3.5ポ
イント高い給与を,そのうちの端っこの0.5を削ったとしても,この4億円というのは十分に埋められて余りが来る。こういう
状況で,だから,むだをするなということがよく言われる。
敬老パスのサービスを低下することについて,むだな部分を削らず,一番先に我々のところに犠牲を強いるのはけしからぬと言うのはこういうことなのです。
でも,
負担はしなければならぬということは,
コールセンターに寄せられた
意見の中で,70歳以上の69%の人が認めているではないですか。そこの部分について,ただサービスがなくなる,なくならないなどという問題ではなくて,これから
札幌市をどうつくっていかなければならぬのか,こういう
議論をきちんとしたならば,
高齢者の
方々も
理解をしてくれると思う。
そこで,具体的な話になりますけれ
ども,私が今まで調査した中では,民間事業者が主張している
利用実績と
事業費に極めて大きな乖離があります。地下鉄は1.4倍と言う。それから,ジェイ・アールバスは2倍と言う。中央バスは3.何倍,じょうてつバスも3.何倍と言っている。こんな違いがあって,調査も
一定しないものをやって,それだけでもってこの大事な問題を決めようとする。払う方の責任として市みずからが調査をしなければだめだと私は思うのですけれ
ども,私が今言ったような事実はありますか。
◎
中田 保健福祉部長 現在の
敬老パスの
利用実態,
利用実績ということに関連してのご質問でございますが,乖離があるということを申し上げているその前提となっている
利用実績について,これが協定額より大幅に上回っているということで,その上回っている部分を私
どもはどのように把握したかということです。
まず,基本的に,
敬老パスは,
フリーパスですので,現段階で完全に実態を把握することは事実上困難であると
考えております。
一つには,具体的にご指摘がございましたけれ
ども,各
交通事業者がそれぞれの調査あるいは通常の乗降の中で把握した数字を私
どもの方でそれぞれからいただいておりまして,市営交通の地下鉄などにつきましては,自動改札を通しますのでほぼ正確な数字を把握しております。確かに,ご指摘のように1.4倍ということは私
どももそのように承知しております。また,市電につきましても,バスと同様に,
一定期間,カウントした数字で
年間を推計するわけですけれ
ども,これにつきましても3倍を超えていると私
どもは承知しております。また,民間バスにつきましても,会社によって違いますが,ある会社は,
年間を通じて
敬老パス利用の方をカウントしておりますので,乗降の数としてはほぼ正確に把握していると思いますが,その数は私
どももいただいております。また別の会社については,
一定期間,時期を変えて,市内を走っているバス全部に調査員を乗せて調査をするという方法でデータをとり,1
年間に推計した中で,2倍,多いところで3.9倍ということがありました。私
どもは,それらの数字を総合的に分析して,
先ほど申し上げましたような協定の基準単価を単純に掛けていきますと,ほぼ2倍程度の実績はあるととらえておりました。ただ,あくまで推計にとどまるわけです。
そこで,これについて,必ずしも正確ではないのではないかというご指摘もありましたが,
一つの方法としまして,私
どもは,昨年行った
アンケート調査の中で,70歳以上の
高齢者2,500名の方のうち80%からご回答をいただきましたけれ
ども,その
方々にはできる限り詳細な
利用の実態についてご回答いただきました中で,それらの乗降回数を分析しますと,おおむね私
どもが協定している回数の倍ぐらいあるということになりました。
この面からも,これまで各
交通事業者の方から言われていた乖離あるいは実績という部分がほぼ裏づけられたような形になっていると
考えておりますので,そのことを踏まえて,今後の
制度の
検討に結びつけていきたいと
考えております。
◆堀川素人
委員 今までは
敬老パスをもらっていたけれ
ども,ふだんは余り
利用しないので,今度は3,000円も取られるとすれば,
敬老パスの申請をせず,そういう中で受けられるべきサービスが受けられない人も出てくる。
それから,さっき言った2万3,000円の
上限で3,000円
負担ですから,およそ2万円を本市で持ちますという話です。
先ほども高橋(功)議員の方から出てきましたけれ
ども,定山渓から
都心部に出てくると月に1回しか
利用できない。このように,この
制度を改めることによって新たな不平等をつくる。街の人に,どうぞ,出ていってバスに乗ってくださいと言うならば,定山渓の人にだってそれを言わなければならない。定山渓の人は動かなくてもいいということか。こういう不平等をつくり出すわけです。
平均よりもたくさん乗る人については,
一定のお金を払ってください,それから,使わないで
敬老パスを返上するような人については,乗るときに,例えばワンコインで100円くらい払って乗ってくださいと。こうやってワンコインの
制度について,あなた方が勉強して,
理解をしてもらうようにしたならば,
札幌市の財政も極めて大きな改善が見られます。そういう気持ちでやるならば,ワンコインというものについては余り
負担感がなくできる。そうすれば,難しいことは要らない。経済的に大変困窮している人については福祉の観点から別なものとして
考えてあげる,こういうことも研究をしなければいけないと私は思います。
今示されている3,000円の
負担は,月に直しますと250円ですよ。やるならばきちんとやってあげた方がいい。この問題については,極めて理念がしっかりしていなければだめな問題です。しかも,この借金は,今の70歳以上の
方々が払うわけがないのだから,間違いなくそこから下の人たちの
負担になるのです。これだけ借金がありますと,間違いなく何世代にもわたってこれから返し続けなければなりません。私は,やっぱりそこに影響を与えるような
制度であってはならぬと思う。
このことについて,今,
敬老パスをもらっている人たちにもよく説明をして,新
制度の
実施を延期するならば,みんなでもってそういうことをきちんと説明しに歩く,そして,今後長く続く
制度にしていただきたい。私はこう思うのだけれ
ども,また,そうやっていかなければならないと思うが,その決意のほど,
考え方をきちんと示してください。
◎横山
保健福祉局理事 この問題は,ここ数年来,非常に大きな論議を呼んだ上で今いろいろお示しさせていただき,今の段階でもまださまざまなご
意見があります。非常に大きい問題だと私は
考えてございまして,その点につきましては
委員の言われるとおりでございます。
したがいまして,実情だとか,あるいは,新たな
制度に向けてやっていく場合の我々の努力につきましては,
皆様に本当に十分な説明を差し上げた上で,いろいろなご
意見もお伺いしながらやっていく決意でございます。
ただ,3,000円を
負担するのであれば
敬老パスを受け取らなくなる人も出てくるだろう,そういうところの手当てはどうするのか,また,たくさん乗る人について,
一定の
負担の中でもやっていくような方法もあるのではないか,さらにワンコインというお話もございました。これらにつきましては,今までお答えしたとおり,どの道をとってやっていけるかというのは,いま少し時間をおかしいただきたいと
考えております。
◆堀川素人
委員 最後に,ここにいらっしゃる
理事者の方に聞いても仕方がないのですけれ
ども,今まで,ここにはせっかくたくさんの
傍聴者がいますから,あえてお話し……。
○
大嶋薫 委員長 仕方がないという発言は取り消してください。それから聞いてください。
◆堀川素人
委員 答えることじゃない。答えられないからです。
何を言おうとするかといえば,今,大事な
敬老パスが,間もなく収束になってくるかなと思う。
10月と言っていましたからね。そのときに,理事も
部長もかわるということ,これが
札幌市の人事だとするならば,極めて無責任ではないかと思うのです。
今までかかわっていた人が最後までやるのが一般的であると思うのです。今回異動してきた
方々は,大変優秀な
方々ですよ。でも,それは別として,きちんとやり続けた方がよい。この件でどちらかの方がやめたのだという話も聞いております。お二人が大変苦労されているのはよくわかりますよ。私も何回も話を聞いています。でも,それほど難しい問題であるならば,
札幌市長として,今回の人事は大変まずい。私はこのことをきちっと言って,終わります。
○
大嶋薫 委員長 ほかにございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
大嶋薫 委員長 なければ,
質疑を終了いたします。
以上で,
委員会を閉会いたします。
──────────────
開 会 午前11時35分...